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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-13
(54)【発明の名称】イルミネーションデバイス
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/04 20060101AFI20230406BHJP
   F21V 7/00 20060101ALI20230406BHJP
   F21V 7/09 20060101ALI20230406BHJP
   F21V 3/06 20180101ALI20230406BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20230406BHJP
   F21V 13/02 20060101ALN20230406BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230406BHJP
【FI】
F21S8/04 100
F21S8/04 130
F21V7/00 320
F21V7/09 500
F21V3/06 131
F21V23/00 140
F21V13/02 100
F21Y115:10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567333
(86)(22)【出願日】2021-04-30
(85)【翻訳文提出日】2022-12-28
(86)【国際出願番号】 EP2021061418
(87)【国際公開番号】W WO2021224131
(87)【国際公開日】2021-11-11
(31)【優先権主張番号】20173466.2
(32)【優先日】2020-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ボムメル ティース
(72)【発明者】
【氏名】ヒクメット リファット アタ ムスターファ
(72)【発明者】
【氏名】アンセムス ヨハンエス ペトルス マリア
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
(57)【要約】
本発明は、複数の凹状のリフレクタを備え、各リフレクタは、発光窓に向かって光を発するために光源が設けられるリフレクタキャビティを形成する、イルミネーションデバイスに関する。上記既知の種類のイルミネーションデバイスが、異なる発光分布を発することが可能であり、斯くして、屋内アプリケーションにおける実装を改善する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の凹状のリフレクタであって、各リフレクタは、ナローエンド、ワイドエンド、及び前記ナローエンドと前記ワイドエンドとを結ぶ傾斜したエッジ壁を含み、これにより、前記ワイドエンドが発光窓を構成する第1のリフレクタキャビティを形成する、複数の凹状のリフレクタと、
前記ナローエンドにおいて又は前記ナローエンドの近傍において前記第1のリフレクタキャビティ内に設けられる第1の光源と、
前記第1の光源と前記発光窓との間で前記第1のリフレクタキャビティ内に設けられる光学要素であって、前記光学要素は、前記第1のリフレクタキャビティを第1のチャンバと第2のチャンバとに仕切る、光学要素と、
前記第1のリフレクタキャビティの外側で、前記複数の凹状のリフレクタの隣り合う傾斜したエッジ壁によって形成される第2のリフレクタキャビティに設けられる少なくとも1つのさらなる光源と、
を備える、イルミネーションデバイス。
【請求項2】
前記第1のチャンバは、前記エッジ壁の第1のエッジ壁部、前記ナローエンド及び前記光学要素によって境界付けられ、前記第2のチャンバは、前記エッジ壁の第2のエッジ壁部、前記発光窓及び前記光学要素によって境界付けられ、前記第1のエッジ壁部は、90%以上の範囲内の第1の反射率及び3%以下の範囲内の第1の透過率を有し、前記第2のエッジ壁部は、25%~60%の範囲内の第2の反射率及び40%~75%の範囲内の第2の透過率を有する、請求項1に記載のイルミネーションデバイス。
【請求項3】
前記第2の反射率は、28%~50%の範囲内、よりとりわけ30%~45%の範囲内である、請求項2に記載のイルミネーションデバイス。
【請求項4】
各凹状のリフレクタは、隣り合うリフレクタと、それらのワイドエンドにおいて相互接続壁部によって接続され、前記相互接続壁部は、25%~60%の範囲内の第3の反射率及び40%~75%の範囲内の第3の透過率を有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のイルミネーションデバイス。
【請求項5】
前記第3の反射率は、28%~50%の範囲内、よりとりわけ30%~45%の範囲内である、請求項4に記載のイルミネーションデバイス。
【請求項6】
前記光学要素は、25%~70%の範囲内の第4の反射率及び30%~75%の範囲内の第4の透過率を有する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のイルミネーションデバイス。
【請求項7】
前記第2の反射率は、前記第3の反射率と等しい、又は、前記第2の反射率は、前記第3の反射率より大きい、請求項2に従属する請求項3乃至6のいずれか一項に記載のイルミネーションデバイス。
【請求項8】
少なくとも1つの凹状のリフレクタの前記第2のエッジ壁部、前記光学要素、及び前記相互接続壁部は、モノリシックコンポーネントとして形成される、請求項4に従属する請求項5乃至7のいずれか一項に記載のイルミネーションデバイス。
【請求項9】
前記モノリシックコンポーネントの前記第2のエッジ壁部、前記光学要素、及び前記相互接続壁部は、異なる厚さを有する、請求項8に記載のイルミネーションデバイス。
【請求項10】
前記モノリシックコンポーネントの前記第2のエッジ壁部、前記光学要素、及び前記相互接続壁部は、前記第2の反射率、前記第3の反射率、及び第4の反射率が互いに等しいように、同じ厚さを有する、請求項8に記載のイルミネーションデバイス。
【請求項11】
前記光学要素は、マトリクスに含有される光散乱粒子を含む、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のイルミネーションデバイス。
【請求項12】
動作中、前記第1の光源は第1のタイプの光を発し、前記さらなる光源は第2のタイプのさらなる光を発し、当該イルミネーションデバイスは、少なくとも第1の状態及び第2の状態において前記第1の光源及び前記さらなる光源を個別に制御するためのコントローラを備え、前記第1の状態において、前記第1の光源は前記第1のタイプの光を発し、前記さらなる光源は前記第2のタイプの光を発し、前記第2の状態において、前記第1の光源は前記第1のタイプの光を発し、前記さらなる光源は光を発しない、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のイルミネーションデバイス。
【請求項13】
当該イルミネーションデバイスは、前記複数のリフレクタのすべてから均質な照明を発する、請求項1乃至12のいずれか一項に記載のイルミネーションデバイス。
【請求項14】
前記第1のリフレクタキャビティの前記エッジ壁は、前記発光窓に対して角度θで配置され、θは、20°~70°の範囲内、好ましくは30°~60°の範囲内、より好ましくは40°~50°の範囲内である、請求項1乃至13のいずれか一項に記載のイルミネーションデバイス。
【請求項15】
前記第2のリフレクタキャビティは、前記発光窓に対して角度γで配置される少なくとも1つの第2のエッジ壁を含み、γは、20°~70°の範囲内、好ましくは30°~60°の範囲内、より好ましくは40°~50°の範囲内である、請求項1乃至14のいずれか一項に記載のイルミネーションデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の凹状のリフレクタを備え、各リフレクタは、発光窓に向かって光を発するために光源が設けられるリフレクタキャビティを形成する、イルミネーションデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
上記のようなイルミネーションデバイスは、例えば、国際特許出願公開WO2012/042429に開示されている。ここで述べられるイルミネーションデバイスは、異なる数、形状及びサイズ(すなわち、線形及び/又はエリア構成)の複数の凹状のリフレクタの使用を可能にする。このようなイルミネーションデバイスは、オフィス及び他の屋内アプリケーションにおいていわゆるT5蛍光灯を直接置き換えるための良質の照明ソリューションを提供する。WO2012/042429によるイルミネーションデバイスは、いくつかの凹状のリフレクタ又は反射カップからなり、各カップは、LED光源、及び、複数のリフレクタによって形成される発光窓と光源との間の光学要素としてのディフューザを収容する。リフレクタに収容される各光学要素は、光源と共に、発光窓に向かってコリメートされた発光のみを提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
異なる発光分布(light emission distribution)を発することが可能であり、斯くして、屋内アプリケーションにおける実装を改善する、上記既知の種類のイルミネーションデバイスを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
したがって、複数の凹状のリフレクタ(concave shaped reflector)であって、各リフレクタは、ナローエンド(narrow end)、ワイドエンド(wide end)、及びナローエンドとワイドエンドとを結ぶ傾斜したエッジ壁(sloped edge wall)を含み、これにより、ワイドエンドが発光窓(light emission window)を構成する第1のリフレクタキャビティを形成する、複数の凹状のリフレクタと、ナローエンドにおいて又はナローエンドの近傍において第1のリフレクタキャビティ内に設けられる第1の光源と、第1の光源と発光窓との間で第1のリフレクタキャビティ内に設けられる光学要素であって、光学要素は、第1のリフレクタキャビティを第1のチャンバと第2のチャンバとに仕切る、光学要素と、第1のリフレクタキャビティの外側で、複数の凹状のリフレクタの隣り合う傾斜したエッジ壁によって形成される第2のリフレクタキャビティに設けられる少なくとも1つのさらなる光源とを備える、イルミネーションデバイスが提案される。
【0005】
これにより、イルミネーションデバイスは、コリメートされたタスク照明(collimated task lighting)とアンビエント拡散照明(ambient diffuse lighting)との異なる照明モード間で切り替えられることができる。
【0006】
凹状のリフレクタの構成(configuration)の一例において、第1のチャンバは、エッジ壁の第1のエッジ壁部(edge wall part)、ナローエンド及び光学要素によって境界付けられ、第2のチャンバは、エッジ壁の第2のエッジ壁部、発光窓及び光学要素によって境界付けられ、第1のエッジ壁部は、90%以上の範囲内の第1の反射率R1及び3%以下の範囲内の第1の透過率T1を有し、第2のエッジ壁部は、25%~60%の範囲内の第2の反射率R2及び40%~75%の範囲内の第2の透過率T2を有する。
【0007】
明確に異なる反射率及び透過率係数を呈す複数のエッジ壁部を有するこの構成により、凹状のリフレクタは、コリメートされたタスク照明の高い発光効率を維持する一方、アンビエント拡散照明の均一な発光を得るために半反射ディフューザ(semi-reflecting diffuser)として機能する。
【0008】
イルミネーションデバイスが、コリメートされたタスク照明とアンビエント拡散照明との異なる照明モード間で切り替えられることを可能にする、機能的な実施形態において、第1の反射率R1は、91%以上、とりわけ92%以上、よりとりわけ93%以上である、及び/又は、第1の透過率T1は、2%以下、とりわけ1%以下、よりとりわけ0.5%以下である。
【0009】
追加的に、第2の反射率R2は、28%~50%の範囲内、よりとりわけ30%~45%の範囲内である。
【0010】
アンビエント拡散照明の向上した発光分布を呈すイルミネーションデバイスのさらなる例において、各凹状のリフレクタは、隣り合うリフレクタと、それらのワイドエンドにおいて相互接続壁部(interconnecting wall part)によって接続され、前記相互接続壁部は、25%~60%の範囲内の第3の反射率R3及び40%~75%の範囲内の第3の透過率T3を有する。
【0011】
とりわけ、第3の反射率R3は、28%~50%の範囲内、よりとりわけ30%~45%の範囲内である。
【0012】
追加的に、光学要素は、25%~70%の範囲内の第4の反射率R4及び30%~75%の範囲内の第4の透過率T4を有し、これにより、コリメートされたタスク照明とアンビエント拡散照明との異なる照明モードの両方における発光(light emission)を向上させる。
【0013】
好ましい実施形態において、第2の反射率R2は、第3の反射率R3と等しい、又は、第2の反射率R2は、第3の反射率R3より大きい。後者の例において、得られる効果は、発せられる光のより良好なコリメーションである。
【0014】
有利な例において、少なくとも1つの凹状のリフレクタの第2のエッジ壁部、光学要素、及び相互接続壁部は、モノリシックコンポーネント(monolithic component)として形成される。この例は、例えば、射出成形という費用対効果の高い高速製造技術により作られることができ、モノリシックコンポーネントを大量に製造することを可能にする。
【0015】
さらなる実施形態において、モノリシックコンポーネントの第2のエッジ壁部、光学要素、及び相互接続壁部は、異なる厚さを有し、斯くして、リフレクタのこれらの異なる要素部分について異なる反射及び透過率係数R2~R4/T2~T4が得られる。
【0016】
特定の例において、モノリシックコンポーネントの第2のエッジ壁部、光学要素、及び相互接続壁部は、第2の反射率R2、第3の反射率R3、及び第4の反射率R4が互いに等しいように、同じ厚さを有する。このようなコンポーネントは、例えば、押し出しディフューザプレートを用いて、熱/真空成形により作られることができる。
【0017】
イルミネーションデバイスのさらなる例において、光散乱光学要素(light-scattering optical element)は、マトリクスに含有される光散乱粒子を含み、光散乱粒子は、Al、BaSO、TiO、又はシリコン粒子であり、マトリクスは、ポリマー、例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、又はポリエチレンである。
【0018】
イルミネーションデバイスが、コリメートされたタスク照明とアンビエント拡散照明との異なる照明モード間で切り替えられることができる、さらに別の有利な例において、動作中、第1の光源は第1のタイプの光を発し、さらなる光源は第2のタイプのさらなる光を発し、イルミネーションデバイスはさらに、少なくとも第1の状態及び第2の状態において第1の光源及びさらなる光源を個別に制御するためのコントローラを備え、第1の状態において、第1の光源は第1のタイプの光を発し、さらなる光源は第2のタイプの光を発し、第2の状態において、第1の光源は第1のタイプの光を発し、さらなる光源は光を発しない。
【0019】
追加的に、イルミネーションデバイスは、前記複数のリフレクタのすべてから均質な照明(homogenous lighting)を発する。
【0020】
追加の拡散照明パターンを提供する、イルミネーションデバイスの他の構成において、第1のリフレクタキャビティのエッジ壁は、発光窓に対して角度θで配置され、θは、20°~70°の範囲内、好ましくは30°~60°の範囲内、より好ましくは40°~50°の範囲内である。とりわけ、第2のリフレクタキャビティは、発光窓に対して角度γで配置される少なくとも1つの第2のエッジ壁を含み、γは、20°~70°の範囲内、好ましくは30°~60°の範囲内、より好ましくは40°~50°の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
ここで、本発明が、以下に示される、図面を参照して述べられる。
図1図1a及び図1bは、本開示によるイルミネーションデバイスの実施形態の例を概略的に示す。
図2図2a及び図2bは、本開示によるイルミネーションデバイスのライトな実施形態の詳細を概略的に示す。
図3図3は、本開示によるイルミネーションデバイスの実施形態の他の例を概略的に示す。
図4図4は、本開示によるイルミネーションデバイスのライトな実施形態の他の詳細を概略的に示す。
図5図5は、本開示によるイルミネーションデバイスの実施形態の他の例を概略的に示す。
図6図6a及び図6bは、本開示によるイルミネーションデバイスの実施形態の他の例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の適切な理解のために、以下の詳細な説明において、本発明の対応する要素又は部分には、図面において同一の参照数字が付されている。
【0023】
図1aは、本開示によるイルミネーションデバイスの実施形態の非限定的な例を概略的に示している。参照数字10は、複数の凹状のリフレクタ20-1、20-2を含むイルミネーションデバイスを示す。図1a及び1bの例では、2つの凹状のリフレクタであるが、イルミネーションデバイス10が設置されるべき屋内環境の任意の構造的制約(constructional constraint)に依存して又はイルミネーションデバイス10が意図する照明アプリケーションのタイプに依存して、多数の凹状のリフレクタがアレイ又は線形構成で配置されることができることに留意されたい。
【0024】
複数(10、20、又はそれ以上)の凹状のリフレクタ20-1、20-2、20-nは、イルミネーションデバイス10がデッキ又は天井(図示せず)に取り付けられるフレーム又はハウジング11に取り付けられる。各リフレクタ20-1、20-2、20-nは、キャビティ25を包含する凹状のリフレクタとして形成され、ナローエンド(サイド)20-1a、ワイドエンド(サイド)20-1b、及びナローエンド20-1aとワイドエンド20-1bとを結ぶエッジ壁23-1を含む。複数(10、20、又はそれ以上)の凹状のリフレクタ20-1、20-2、20-nは、それらのワイドエンド20-1bにおいて整列し、斯くして、発光窓24を構成する(constitute)。
【0025】
さらに、複数(10、20、又はそれ以上)の凹状のリフレクタ20-1、20-2、20-nは、隣り合うリフレクタと、それらのワイドエンド20-1bにおいて相互接続壁部27によって相互接続される。これにより、イルミネーションデバイスは、アンビエント拡散照明の向上した発光分布を呈す。
【0026】
凹状のリフレクタ20-1、20-2、20-nによって形成される各リフレクタキャビティ内に、第1の光源21が、そのナローエンド20-1aにおいて又はその近傍に設けられる。第1の光源21は、光反射面を有するPCB(図示せず)に設けられる複数の白色、赤色、緑色及び青色(WRGB)発光LEDであることができる。PCBは、フレーム11に取り付けられることができる。この実施形態において、RGB LEDは、全般照明に適した色をレンダリングするのではなく、色を調整するために白色LEDに追加される。前記PCB及びLEDは一緒に、各凹状のリフレクタ20-1、20-2、20-nのリフレクタキャビティ25に設けられ、すなわち、この特定の場合、リフレクタキャビティの狭境界端(narrow boundary end)20-1aの一部を形成する。
【0027】
光学要素又はディフューザ26は、第1の光源21と発光窓24との間でリフレクタキャビティ25内に設けられ、リフレクタキャビティ25を第1のキャビティチャンバ25-1aと第2のキャビティチャンバ25-1bとに仕切る。光学要素又はディフューザ26は、光散乱要素として機能する。第1のキャビティチャンバ25-1aは、エッジ壁23-1の第1のエッジ壁部23-1a、ナローエンド20-1a(又は第1の光源21を組み込むPCB)及び光学要素/ディフューザ26によって境界付けられ又は形成され、第2のキャビティチャンバ25-1aは、エッジ壁23-1の第2のエッジ壁部23-1b、発光窓24及び光学要素によって光学要素/ディフューザ26によって境界付けられる。
【0028】
第1の光源21が励起される場合、第1のリフレクタキャビティ25によってコリメートされるコリメート光が得られる。
【0029】
また、図1aは、2つのキャビティチャンバ25-1a/25-1bによって形成される第1のリフレクタキャビティの外側で、隣り合うリフレクタ20-1、20-2、20-nによって形成される第2のリフレクタキャビティ30に設けられる、1つのさらなる光源22を示している。
【0030】
さらなる光源22が励起される場合、拡散光が得られる。
【0031】
図1aは、第2のリフレクタキャビティ30に1つのさらなる光源22を示しているが、図1bの実施形態は、第2のリフレクタキャビティ30に2つのさらなる光源22を示している。隣り合うリフレクタ20-1、20-2、20-nによって形成される第2のリフレクタキャビティ30におけるさらなる光源22の数は任意であるが、少なくとも1つ、好ましくは2つであり、3つ又は4つであることも可能である。また、第2のリフレクタキャビティ30におけるさらなる光源22は、光反射面を有するPCB(図示せず)に設けられる複数の白色、赤色、緑色及び青色(WRGB)発光LEDであることができる。第1の光源21と同様に、さらなる光源22を担持するPCBも、フレーム11に取り付けられることができる。
【0032】
好ましくは、図1bに示されるように、第2のリフレクタキャビティ30における2つのさらなる光源22は、さらなる光源がリフレクタキャビティの傾斜したエッジ壁23-1の下に配置されるようにフレーム11に取り付けられる。
【0033】
主凹状のリフレクタ(main concave-shape reflector)及び第2のキャビティ30のいずれにも光源を実装することは、イルミネーションデバイスが、コリメートされたタスク照明とアンビエント拡散照明との異なる照明モード間で切り替えられることを可能にする。
【0034】
第1のキャビティチャンバ25-1a及び第2のキャビティチャンバ25-1bの境界壁部(boundary wall part)は、いずれも異なる反射率及び透過率係数を有する材料から形成され、第1のエッジ壁部23-1aは、90%以上の範囲内の第1の反射率R1及び3%以下の範囲内の第1の透過率T1を有し、第2のエッジ壁部23-1bは、25%~60%の範囲内の第2の反射率R2及び40%~75%の範囲内の第2の透過率T2を有する。
【0035】
好ましい例では、第2の反射率R2は、28%~50%の範囲内、よりとりわけ30%~45%の範囲内である。
【0036】
好ましくは、第1の反射率R1は、91%以上、とりわけ92%以上、よりとりわけ93%以上である、及び/又は、第1の透過率T1は、2%以下、とりわけ1%以下、よりとりわけ0.5%以下である。
【0037】
これらすべての機能的な実施形態において、イルミネーションデバイス、とりわけ、第1の光源21及びさらなる光源22は、コリメートされたタスク照明とアンビエント拡散照明との異なる照明モード間で切り替えられるように効果的にすることができる。
【0038】
さらに、隣り合う凹状のリフレクタ20-1、20-2をそれらのワイドエンド20-1bにおいて相互接続する相互接続壁部27は、25%~60%の範囲内の第3の反射率R3及び40%~75%の範囲内の第3の透過率T3を有する材料から作られる。好ましくは、第3の反射率R3は、28%~50%の範囲内、よりとりわけ30%~45%の範囲内である。これはまた、コリメートされたタスク照明とアンビエント拡散照明との異なる照明モードの両方における発光を向上させる。
【0039】
光学要素又はディフューザ26は、25%~70%の範囲内の第4の反射率R4及び30%~75%の範囲内の第4の透過率T4を有する材料から作られる。
【0040】
発せられる光の向上したコリメーションをもたらす代替的な実施形態において、第2の反射率R2は、第3の反射率R3と等しい、又は、第2の反射率R2は、第3の反射率R3より大きい。
【0041】
図2a及び図2bは、本発明によるイルミネーションデバイスの例の詳細を示している。図2a及び2bの詳細は、隣り合う凹状のリフレクタ20-1、20-2、20-nの第2のエッジ壁部23-1b、光学要素又はディフューザ26及び相互接続壁部27に関し、これらの部分は、モノリシックコンポーネントとして形成されている。このようなモノリシックコンポーネントは、射出成形等、費用対効果の高い高速製造技術により作られることができ、モノリシックコンポーネントを大量に製造することを可能にする。
【0042】
図2aに示されるように、モノリシックコンポーネントの第2のエッジ壁部23-1b、光学要素(ディフューザ)26、及び相互接続壁部27は、光学要素(ディフューザ)26の厚さがd1で示され、第2のエッジ壁部23-1b及び相互接続壁部27の両方の厚さがd2で示される、異なる厚さを有する。好ましくは、d1>d2であり、例えば2で(by two (2))厚さを増やすことにより、2で(by two)反射のチャンスにつながるであろう。図2aにおいて、第2のエッジ壁部23-1b及び相互接続壁部27の両方の厚さd2は同じであるが、さらに別の例(図示せず)では、第2のエッジ壁部23-1b及び相互接続壁部27の厚さは互いに異なることができる。例えば、ある組み合わせにおいて、d2は例えば2mmであり、d1は例えば1mmであり、一方、別の組み合わせにおいて、d2は例えば3mmであり、d1は例えば2mmである。
【0043】
リフレクタ20-1(20-2、20-n)のこれらの部分に異なる厚さd1、d2を設けることにより、異なる反射率及び透過率係数R2-R3-R4/T2-T3-T4が、リフレクタのこれらの部分に割り当てられることができる。
【0044】
明確に異なる反射率及び透過率係数を呈す複数のエッジ壁部を有するこのような構成により、凹状のリフレクタは、コリメートされたタスク照明の高い発光効率を維持する一方、アンビエント拡散照明の均一な発光を得るために半反射ディフューザとして機能する。
【0045】
図2bに示されるような特定の例では、モノリシックコンポーネントの第2のエッジ壁部23-1b、光学要素(ディフューザ)26、及び相互接続壁部27は、第2の反射率R2、第3の反射率R3、及び第4の反射率R4が互いに等しいように、同じ厚さd2を有する。このようなコンポーネントは、例えば、押し出しディフューザプレートを用いて、熱/真空成形により作られることができる。
【0046】
イルミネーションデバイスの照明特性をさらに向上させるために、光学要素又はディフューザ26は光散乱粒子を含み、これらの粒子はマトリクスに含有される。粒子は、光学要素又はディフューザ26を形成するマトリクスに概ね均質に分散される。光散乱粒子は、Al、BaSO、TiO、又はシリコン粒子を含む群から選択されることができるが、これらに限定されない。さらなる例では、これらの粒子を含有するマトリクスは、ポリマー、例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、又はポリエチレンである。
【0047】
光学要素26、エッジ壁部23-1a、23-1b、及び相互接続壁部27のいずれかの層厚及び/又は反射粒子濃度を変えることにより、反射及び光透過特性が変更及び制御されることができる。
【0048】
コリメートされたタスク照明とアンビエント拡散照明との異なる照明モードの間で切り替えられることができるイルミネーションデバイスの一例において、動作中、第1の光源21は第1のタイプの光を発し、(複数の)さらなる光源22は第2のタイプのさらなる光を発する。このようなライトモード間の切り替えのために、イルミネーションデバイス10、10'、100はさらに、少なくとも第1の状態及び第2の状態において第1の光源21及びさらなる光源22を個別に制御するためのコントローラを備え、第1の状態において、第1の光源21は第1のタイプの光を発し、さらなる光源22は第2のタイプの光を発し、第2の状態において、第1の光源21は第1のタイプの光を発し、さらなる光源22はオフにされ、光を発しない。
【0049】
第1のタイプの光は、制御可能な光強度L1で第1の光源21によって発せられ、第2のタイプの光は、制御可能な光強度L2で(複数の)さらなる光源22によって発せられることに留意されたい。一例では、コントローラは、第1の状態において、L1=x(カンデラ又はcd)及びL2=y(cd)であるように第1の光源21及びさらなる光源22の両方を制御し、一方、第2の状態において、コントローラは、L1=z(cd)及びL2=0(cd)であるように第1の光源21及びさらなる光源22の両方を制御する。これらの照明状態において、光強度L1及びL2は、x<y及びz>xであるようなものである。
【0050】
さらに、イルミネーションデバイスは、前記複数のリフレクタのすべてから均質な照明を発することができる。
【0051】
イルミネーションデバイスの別の構成が図3に示され、この実施形態は、追加の拡散照明パターンを提供する。ここで、第1のリフレクタキャビティ25-1a/25-1bのエッジ壁23-1(23-1a及び23-1b)は、発光窓24に対して角度θで配置され、θは、20°~70°の範囲内、好ましくは30°~60°の範囲内、より好ましくは40°~50°の範囲内である。さらに、図3にも示される別の例では、第2のリフレクタキャビティ30は、発光窓24に対して角度γで配置される第2のエッジ壁28を備える。図3に示されるように、この第2のエッジ壁28は、一端をフレーム11に接続し、その他端をエッジ壁23-1に、とりわけ光学要素26の近傍の第1のエッジ壁部23-1aに接続する。最適な照明効果のために、角度γは、20°~70°の範囲内、好ましくは30°~60°の範囲内、より好ましくは40°~50°の範囲内である。
【0052】
各々が異なる第1及び第2の反射率R1/R2及び異なる第1及び第2の透過率T1/T2を有する材料で作られる、第1及び第2のエッジ壁部23-1a/23-1bに分けられる第1のエッジ壁23-1と同様に、第2のキャビティ30の第2のエッジ壁28も、異なる光透過率Tを有する少なくとも1つの第1の壁部及び少なくとも1つの第2の壁部を有してもよい。このような構成も追加の拡散光パターンを提供する。
【0053】
上述したように、隣り合うリフレクタ20-1、20-2、20-nによって形成される第2のリフレクタキャビティ30におけるさらなる光源22の数は任意であるが、少なくとも1つ、好ましくは2つであり、3つ又は4つであることも可能である。図4に示されるように、これらのさらなる光源22は、凹状のリフレクタ20-1、20-2、20-nの異なるチャンバにおいてクラスタ化されてもよい。図4は、拡散照明パターンを提供するクラスタ化されたさらなる光源22の構成を示している。例えば、第2のキャビティ30に収容されるさらなる光源22'は、相互接続壁部27の幅と同じ幅を有してもよい。
【0054】
第1の光源21及びさらなる光源22は、例えばLEDストリップ200等、単一のキャリア200、例えば、PCB上に適用されてもよい。単一のLEDキャリアストリップ200は、n個の凹状のリフレクタ20-1、20-2、20-nの線形アレイに使用されてもよい。複数のLEDストリップ又はキャリア200は、一例が図5に示されるように、凹状のリフレクタ20-1、20-2、20-nの2次元マトリクスに使用されてもよい。
【0055】
図5は、第1の光源21'のみを実装する4つの凹状のリフレクタ20'を囲む、第1及び第2のリフレクタキャビティ25、30に第1及びさらなる光源21、22を実装する凹状のリフレクタ20-1、20-2、20-nの2次元マトリクスで成形されるイルミネーションデバイス100を示している。完全なマトリクス100は、側壁29-1を備える。
【0056】
図6A及び図6B図6Aの側面図)は、イルミネーションデバイス1000のさらに他の例を示し、第2のリフレクタキャビティ30を囲む周方向の側壁29-1、及び、第1のリフレクタキャビティ25を形成し、円形状の器具の中央に位置付けられる1つの凹状のリフレクタ20-1を有する1つの円形状の器具からなるように概略的に示されている。第2のリフレクタキャビティ30は、任意の分布パターン、又は、例えば中央に配置された凹状のリフレクタ20-1の周りの同心円状の、規則的な分布パターンでフレーム11に設けられる複数のさらなる光源22を備える。
【0057】
第2のリフレクタキャビティ30は、35%の反射率、及び約60%の透過率を有する材料から作られる半反射ディフューザ要素260を備える。イルミネーションデバイス1000の照明特性をさらに向上させるために、ディフューザ要素260は、光散乱粒子を含んでもよい。粒子は、ディフューザ要素260内に、好ましくは、マトリクスに概ね均質に分散される。光散乱粒子は、Al、BaSO、TiO、又はシリコン粒子を含む群から選択されることができるが、これらに限定されない。さらなる例では、これらの粒子を含有するマトリクスは、ポリマー、例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、又はポリエチレンである。ディフューザ要素260における層厚及び/又は反射粒子濃度を変えることにより、反射及び光透過特性が変更及び制御されることができる。
【0058】
図1a及び図1bの実施形態と同様に、第1の光源21、及びディフューザ26が、凹状のリフレクタキャビティ25の内部に配置されている。第1の光源21が励起される場合、第1のリフレクタキャビティ25によってコリメートされるコリメート光が得られる。
【0059】
このような単一の円形形状のイルミネーションデバイス1000は、本発明の一部であるが、そのように請求されないことに留意されたい。さらに、イルミネーションデバイス1000は、図6a及び図6bに示される、複数の円形状の器具からなることができ、これらの円形状の器具は、線形アレイ又は2次元マトリクスアレイに取り付けられることができ、このようなアレイは、本発明の請求範囲内にあることに留意されたい。このような線形アレイ又は2次元マトリクスアレイに配置される場合、2つの隣り合うリフレクタ間の周方向の側壁29-1は省かれ、ゆえに、第2のリフレクタキャビティ30は、複数のリフレクタの隣り合うリフレクタの傾斜したエッジ壁によって形成される。
図1a
図1b
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
【国際調査報告】