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特表2023-515727超音波スキャナの設定を制御する方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-13
(54)【発明の名称】超音波スキャナの設定を制御する方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/14 20060101AFI20230406BHJP
【FI】
A61B8/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567809
(86)(22)【出願日】2021-05-07
(85)【翻訳文提出日】2023-01-05
(86)【国際出願番号】 CA2021050643
(87)【国際公開番号】W WO2021226706
(87)【国際公開日】2021-11-18
(31)【優先権主張番号】16/870,936
(32)【優先日】2020-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517338962
【氏名又は名称】クラリアス・モバイル・ヘルス・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】CLARIUS MOBILE HEALTH CORP.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(72)【発明者】
【氏名】ディッキー,クリス
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601DD08
4C601DD09
4C601DD10
4C601DD11
4C601DD13
4C601DD15
4C601EE11
4C601EE22
4C601GB18
4C601GD04
(57)【要約】
超音波画像フィードの取得の間に、超音波データフレームの間に散在し得る超音波制御データフレームが取得される。制御データフレームは、スキャナの設定に関係なく、一貫した基準スキャンパラメータを使用することができ、画像フレームに変換する必要がないことがある。制御データフレームは、人工知能モデルに渡すことができ、該人工知能モデルは、走査される生体構造をスキャンするのに適した設定を予測する。人工知能モデルは、異なる設定に対する超音波制御データフレームの異なるクラスを含むデータセットで訓練することができ、データセット内の全ての超音波制御データフレームは、基準スキャンパラメータを使用して、一貫して取得される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波スキャナの設定を制御する方法であって、
表示可能な画像フレームに変換された超音波データフレームを順次取得することによって超音波画像フィードを取得するステップと、
前記超音波画像フィードの取得の間にて、
基準スキャンパラメータを使用して、前記超音波データフレームの間に散在する超音波制御データフレームを取得するステップであって、前記基準スキャンパラメータは、前記超音波画像フィードの取得に使用されるスキャンパラメータに関係なく、散在する超音波制御データフレームに一貫して使用される、超音波制御データフレームを取得するステップと、及び、
前記超音波制御データフレームを使用して前記超音波スキャナの設定を制御するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記超音波制御データフレームは、表示可能な画像フレームに変換されない、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記散在する超音波制御データフレームに一貫して使用される前記基準スキャンパラメータが、固定深度、固定撮影ライン数、固定焦点ゾーン、又は固定サンプリングレートのうちの一つを有する、
請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記超音波画像フィードの取得は、第1のプリセットに従って実行され、
前記超音波スキャナの前記設定の前記制御は、前記第1のプリセットを前記第1のプリセットと異なる第2のプリセットに変更することを含む、
請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記超音波スキャナは、前記第1のプリセットに従って動作するときに第1の超音波エネルギを出力し、
前記超音波スキャナは、前記第2のプリセットに従って動作するときに第2の超音波エネルギを出力し、
前記第2の超音波エネルギは、前記第1の超音波エネルギより低いパワーレベルを有する、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のプリセットを前記第2のプリセットに変更する前に、前記超音波制御データフレームの少なくとも最新のものを人工知能モデルに対して処理して、前記超音波画像フィードに適したプリセットを予測し、予測された、適したプリセットが、前記超音波スキャナが変更する前記第2のプリセットとして使用される、
請求項4又は請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記人工知能モデルは、異なるプリセットに対する超音波制御データフレームの異なるクラスを含む1つ以上のデータセットで訓練され、前記1つ以上のデータセット内の全ての前記超音波制御データフレームは、前記基準スキャンパラメータを使用して一貫して取得される、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記異なるプリセットは、腹部、心臓、膀胱、肺、産科/婦人科、経頭蓋、表在、甲状腺、血管、筋骨格、乳房、眼球、前立腺、不妊、又は神経の、少なくとも2つに対するプリセットを含む、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
超音波制御データフレームの前記異なるクラスは、異なる身体部位の取得された超音波データを含み、
前記異なる身体部位は、肺、心臓、肝臓、腎臓、膀胱、眼球、子宮、甲状腺、乳房、脳、動脈、静脈、筋肉、胚、腱、骨、胎児、前立腺、子宮、卵巣、精巣、膵臓、又は胆嚢のうちの、少なくとも2つを含む、
請求項7又は請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のプリセットから前記第2のプリセットに変更した後、
前記方法は、更に、
前記第2のプリセットに従って追加の超音波データフレームを取得するステップであって、前記追加の超音波データフレームは最適化された表示可能な画像フレームに変換される、取得するステップと、
前記最適化された表示可能な画像フレーム内の解剖学的特徴を特定する追加の人工知能モデルに対して前記最適化された表示可能な画像フレームを処理するステップと、
前記追加の人工知能モデルが特定する、前記解剖学的特徴と共に前記最適化された表示可能な画像フレームを表示するステップと
を含む、請求項6~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
更に、
後に取得された超音波制御データフレームを監視して、後に取得された超音波制御データフレームが前記第2のプリセットに対応し続けるかどうかを判定するステップと、
一定期間後に、前記後に取得された超音波制御データフレームが人工知能モデルの訓練又は強化に使用できるように、前記後に取得された超音波制御データフレームを、前記第2のプリセットに対応する超音波制御データフレームとしてラベル付けするステップと
を含む、請求項4~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
人工知能モデルへの入力のために超音波画像をラベル付けする方法であって、
ユーザが選択したプリセットに従って超音波スキャナを動作させるステップと、
ユーザが選択した前記プリセットに基づいて超音波データフレームを取得することにより、超音波画像フィードを取得するステップと、
前記超音波画像フィードを取得する間に、基準スキャンパラメータを使用して、前記超音波データフレームの間に散在する超音波制御データフレームを取得するステップであって、前記基準スキャンパラメータは、ユーザが選択した前記プリセットに対して定義されるスキャンパラメータにかかわらず、前記散在する超音波制御データフレームに対して一貫して使用される、超音波制御データフレームを取得するステップと、
前記超音波制御データフレームをユーザが選択した前記プリセットに対応するものとしてラベル付けするステップと、
ラベル付けされた前記超音波制御データフレームを、データセットに追加するためにサーバに送信するステップであって、前記データセットは、ユーザが選択した前記プリセットが、後に取得される超音波制御データフレームに適しているかどうかを予測するための前記人工知能モデルを訓練するために使用することができる、送信するステップと
を含む、方法。
【請求項13】
プロセッサと、コンピュータ可読命令を記憶するコンピュータ可読メモリとを備える、 設定を制御する超音波スキャナであって、
前記コンピュータ可読命令が前記プロセッサにより実行されると、前記コンピュータ可読命令は前記超音波スキャナに、
表示可能な画像フレームに変換された超音波データフレームを順次取得することによって超音波画像フィードを取得するステップと、
前記超音波画像フィードの取得の間にて、
基準スキャンパラメータを使用して、前記超音波データフレームの間に散在する超音波制御データフレームを取得するステップであって、前記基準スキャンパラメータは、前記超音波画像フィードの取得に使用されるスキャンパラメータに関係なく、散在する超音波制御データフレームに一貫して使用される、超音波制御データフレームを取得するステップと、及び、
前記超音波制御データフレームを使用して前記超音波スキャナの設定を制御するステップと
を行わせる、
超音波スキャナ。
【請求項14】
前記散在する超音波制御データフレームに一貫して使用される前記基準スキャンパラメータは、固定深度、固定取得ライン数、固定焦点ゾーン、又は固定サンプリングレートのうちの一つ以上を有する、請求項13に記載の超音波スキャナ。
【請求項15】
超音波画像フィードが取得されることが従うものである第1のプリセットと、
第1のプリセットとは異なる第2のプリセットと
を備え、
前記超音波スキャナの前記設定の制御は、前記第1のプリセットを前記第2のプリセットに変更することを含む、
請求項13又は14に記載の超音波スキャナ。
【請求項16】
更に、人工知能モデルを含み、
前記超音波スキャナは、
前記第1のプリセットを前記第2のプリセットに変更する前に、前記超音波制御データフレームの少なくとも最新のものを前記人工知能モデルに対して処理して、前記超音波画像フィードに適したプリセットを予測し、予測された、適したプリセットを、前記超音波スキャナが変更される前記第2のプリセットとして使用する
ように構成される、請求項15に記載の超音波スキャナ。
【請求項17】
前記人工知能モデルは、異なるプリセットに対する超音波制御データフレームの異なるクラスを含む1つ以上のデータセットで訓練され、前記1つ以上のデータセット内の全ての前記超音波制御データフレームは、前記基準スキャンパラメータを使用して一貫して取得される、
請求項16に記載の超音波スキャナ。
【請求項18】
前記異なるプリセットは、腹部、心臓、膀胱、肺、産科/婦人科、経頭蓋、表在、甲状腺、血管、筋骨格、乳房、眼球、前立腺、不妊、又は神経の、少なくとも2つに対するプリセットを含む、請求項17に記載の超音波スキャナ。
【請求項19】
超音波制御データフレームの前記異なるクラスは、異なる身体部位の取得された超音波データを含み、
前記異なる身体部位は、肺、心臓、肝臓、腎臓、膀胱、眼球、子宮、甲状腺、乳房、脳、動脈、静脈、筋肉、胚、腱、骨、胎児、前立腺、子宮、卵巣、精巣、膵臓、又は胆嚢のうちの、少なくとも2つを含む、
請求項17又は請求項18に記載の超音波スキャナ。
【請求項20】
更に、
後に取得された超音波制御データフレームを監視して、後に取得された超音波制御データフレームが前記第2のプリセットに対応し続けるかどうかを判定するステップと、
一定期間後に、前記後に取得された超音波制御データフレームが人工知能モデルの訓練又は強化に使用できるように、前記後に取得された超音波制御データフレームを、前記第2のプリセットに対応する超音波制御データフレームとしてラベル付けするステップと
を行わせる、
請求項15~19のいずれか一項に記載の超音波スキャナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、2020年5月9日に出願された米国特許出願第16/870,936号からの優先権を主張するものである。米国の目的のために、本出願は、2020年5月9日に出願され、「超音波スキャナの設定を制御する方法及びシステム」と題する米国特許出願第16/870,936号の35合衆国法典第119条に基づく利益を主張し、この特許は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
技術分野
本開示は、超音波画像の閲覧に関する。特に、超音波スキャナの設定を制御するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
超音波は、組織内の内部構造のリアルタイム画像を作成することができる有用な非侵襲的イメージング技術である。超音波撮像は、電離放射線を伴わないという点で、X線撮像よりも有利である。アプリベースの超音波スキャナを含むいくつかのモバイル超音波スキャナは、ディスプレイと制御装置の両方の役割を果たすことができるアドオンデバイスを必要とする。これらのアドオンデバイスの例は、携帯電話、タブレット、ラップトップ又はデスクトップコンピュータである。
【0004】
モバイルであろうとなかろうと、いくつかの超音波スキャナを使用するとき、ユーザは従来、走査される生体構造の部位に応じたプリセットを選択することが期待される。プリセットは、超音波データをどのように取得し処理するかを超音波スキャナに指示するパラメータのセットと関連付けられている。各プリセットのパラメータセットは、通常、プリセットが関連する特定の身体部位に最適化されている。超音波スキャナによっては、各プリセットに対して(例えば、周波数、焦点ゾーン、ライン密度、高調波イメージングがオンであるかどうか、などを含む)100以上の異なるパラメータが存在する場合がある。
【0005】
場合によっては、例えば救急室、野戦病院、又はユーザが特定の超音波スキャナに不慣れである場合、プリセットが誤って選択されることがある。これは、様々な理由で起こり得る。例えば、オペレータが意図せずに行った場合、あるいは、以前の設定のまま放置された場合、あるいは、設定されずにスキャナがデフォルト・モードのまま放置された場合などである。さらに、または代替的に、身体の異なる領域を1回のセッションでスキャンする必要がある場合、ユーザは、異なる身体領域に移動するときにプリセットを切り替えるのを忘れる可能性がある。その結果、例えば、生成される超音波画像が最適でなく、及び/又は超音波スキャナが必要以上の電力を使用することになる場合がある。
【0006】
したがって、超音波スキャナのプリセットが、走査される生体構造の部位に対して正しく選択されることを保証する必要性がある。
【0007】
上記の背景情報は、本発明と関連する可能性があると本出願人が信じる情報を明らかにするために提供されるものである。先行情報のいずれかが本発明に対する先行技術を構成することを必ずしも認めるものではなく、また解釈されるべきでもない。本明細書で論じられる実施形態は、上記で特定された前述の欠点の1つ以上に対処及び/又は改善することができる。前述の関連技術の例及びそれに関連する制限は、例示であり、排他的ではないことを意図している。関連技術の他の制限は、本明細書を読み、本明細書の図面を研究することにより、当業者には明らかになるであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の方法は、超音波スキャナの設定を制御する方法である。該方法は、表示可能な画像フレームに変換された超音波データフレームを順次取得することによって超音波画像フィードを取得するステップと、超音波画像フィードの取得の間にて、基準スキャンパラメータを使用して、超音波データフレームの間に散在する超音波制御データフレームを取得するステップであって、基準スキャンパラメータは、超音波画像フィードの取得に使用されるスキャンパラメータに関係なく、散在する超音波制御データフレームに一貫して使用される、超音波制御データフレームを取得するステップと、及び、超音波制御データフレームを使用して超音波スキャナの設定を制御するステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
以下の図面は、本発明の実施形態を示すものであり、いかなる形でも本発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。
図1図1は、本発明の一実施形態に係るシステムの概略図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る、一連の制御フレームおよび画像フレームとその解析を示す概略図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係る超音波スキャナを制御するためのフローチャートである。
図4図4は、本発明の実施形態に係る、AIモデルを学習させるためのフローチャートである。
図5図5は、本発明の実施形態に係る、AIモデルを強化するためのフローチャートである。
図6図6は、本発明の実施形態に係る、超音波画像内の特徴を識別するためのフローチャートである。
図7図7は、本発明の実施形態に係る、さらなるシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
詳細な説明
A.用語の説明
「AIモデル」という用語は、機械学習のような人工知能技術によって生成され得る数学的又は統計的モデルを意味する。例えば、機械学習は、そうするように明示的にプログラムされることなく、新しいデータについて予測又は決定を行うことができるモデルを生成するように、ラベル付け又は分類されたデータを訓練のためにニューラルネットワークアルゴリズムに入力することを含んでもよい。機械学習処理を実行するために、異なるソフトウェアツール(例えば、TensorFlow(登録商標)、PyTorch(登録商標)、Keras(登録商標))が使用される場合がある。
【0011】
超音波画像に関連するときの「深度」という用語は、所定の超音波画像が走査されている構造(例えば、組織又はファントム)のどの程度まで示しているかの尺度を指す。
【0012】
用語「モジュール」は、本発明における任意の構成要素、及び本発明の特徴のいずれか又はすべてを制限なく指すことができる。モジュールは、ソフトウェア、ファームウェア又はハードウェアモジュールであってよく、例えば、超音波スキャナ、ディスプレイデバイス又はサーバに配置されてもよい。
【0013】
「ネットワーク」という用語は、その用語の意味を限定することなく、モバイルネットワークとデータネットワークの両方を含むことができ、無線(例えば、2G、3G、4G、5G、WiFi(登録商標)、WiMAX(登録商標)、ワイヤレスUSB(Universal Serial Bus)、Zigbee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)および衛星)、および/またはローカル、インターネット、ADSL(非対称デジタル加入者線)、DSL(デジタル加入者線)、ケーブルモデム、T1、T3、光ファイバ、ダイアルアップモデム、テレビケーブルなどのハードワイヤ接続の使用を含み、必要に応じてフラッシュメモリのデータカードおよび/またはUSBメモリに対する接続も含む場合がある。ネットワークは、チップ内通信のためのバスなど、コンピューティングデバイスと電子部品との間の専用接続を意味することもできる。
【0014】
「オペレータ」(又は「ユーザ」)という用語は、超音波スキャナを操作している人(例えば、臨床医、医療関係者、超音波検査士、超音波学生、超音波検査士及び/又は超音波検査技師)を意味し得る。
【0015】
「プロセッサ」という用語は、計算を実行する任意の電子回路又は回路群を指すことができ、例えば、シングル又はマルチコアプロセッサ、複数のプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、及び、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの再構成可能デバイス上に実装される専用の回路を含むことができる。プロセッサは、フローチャートやシーケンス図におけるステップを、プロセッサによって実行されるものとして明示的に記述されているか、あるいは、システム、デバイス、コード、モジュールによって実行されるものとして記述されているために、それによる実行が暗黙的であるかを問わず、実行することが可能である。プロセッサは、複数のプロセッサで構成されている場合、一緒に配置されていてもよいし、地理的に離れていてもよい。この用語は、クラウドコンピューティングまたはローカル仮想化におけるような仮想プロセッサおよびマシンインスタンスを含み、これらは最終的に物理プロセッサに接地する。
【0016】
用語「スキャンコンバート」、「スキャンコンバージョン」、またはその文法的形態のいずれかは、超音波信号のエコーを表す超音波スキャンデータのラインから、静止画像または動画などの超音波媒体を構築することを指す。スキャン変換は、極座標(R-θ)である音響スキャンデータのビーム及び/又はベクトルをデカルト(X-Y)座標に変換することを含んでもよい。
【0017】
本明細書で使用される場合、他に限定されない用語「システム」は、画像データフレーム間に取得される制御データフレームで得られるデータを使用して超音波スキャナの設定を制御するためのシステムを指し、このシステムは本発明の対象である。このシステムは、スキャナとディスプレイデバイス、または、スキャナとディスプレイデバイスとサーバを含むことができる。
【0018】
用語「超音波制御データフレーム」(または簡潔にするために「制御データフレーム」)は、超音波スキャナによって捕捉される超音波データのフレームを意味する。超音波制御データフレームは、それぞれが超音波のエコーを表す複数行のデータの形態を有する。超音波制御データフレームは、超音波スキャナの設定に応じて異なるパラメータで取得される可能性がある超音波データフレームとは異なり、すべて一貫した基準スキャンパラメータで取得される可能性がある。超音波制御データフレームは、通常、表示可能な画像フレームに変換されない。
【0019】
「超音波データフレーム」(又は「画像データフレーム」)という用語は、超音波スキャナによって取り込まれる超音波データのフレームを意味する。超音波データフレームは、典型的には、各々が超音波のエコーを表すデータの複数のラインの形態を有する。超音波データフレームは、通常、スキャンパラメータの異なるセットで取得され、各セットは、超音波スキャナのどのプリセットが選択されるかに依存する。超音波データフレームは、通常、超音波スキャナのオペレータが見るために、表示可能な画像フレームに変換される。
【0020】
「超音波画像フレーム」(又は「画像フレーム」)という用語は、スクリーン又は他のディスプレイデバイス上に超音波画像をレンダリングするのに適したスキャンコンバージョン後のデータのフレームを指す。
【0021】
B.例示的な実施形態
図1を参照すると、散在する制御データフレームに依存して超音波スキャナ12(以下、簡潔に「スキャナ」)の設定を制御するための例示的なシステム10が示されている。システム10は、プロセッサ14を有する超音波スキャナ12を含み、このプロセッサ14は、コンピュータ可読命令18を記憶する非一時的コンピュータ可読メモリ16に接続されており、このコンピュータ可読命令18は、プロセッサ14によって実行されると、スキャナ12にシステム10の機能のうちの一つ以上を提供させることができる。そのような機能は、例えば、超音波データの取得、超音波データの処理、超音波データの変換、ディスプレイデバイス30への超音波データ又は画像の送信、スキャナ12へのオペレータ入力の検出、及び/又はスキャナ12の設定の切り替えであってもよい。
【0022】
また、コンピュータ可読メモリ16に格納されているのは、コンピュータ可読データ20であってもよく、これは、システム10の機能を提供するためにコンピュータ可読命令18と組み合わせてプロセッサ14によって使用されてもよい。コンピュータ可読データ20は、例えば、所与の身体部位について超音波データを収集し処理する方法をプロセッサ14に指示するプリセットなど、スキャナ12の構成設定を含んでもよい。このようなプリセットは、例えば、コンピュータ可読データ20に格納されるAIモデルに対する制御データフレームの処理に応じて選択されてもよい。プリセットは、スキャナ12に対する多数の異なるパラメータを含んでもよい。
【0023】
スキャナ12は、プロセッサ14に接続された通信モジュール22を含む。図示の例では、通信モジュール22は、無線通信リンク24に沿ってディスプレイデバイス30に信号を無線で送信し、ディスプレイデバイス30から信号を受信する。スキャナ12とディスプレイデバイス30との間の通信に使用されるプロトコルは、例えば、WiFi(登録商標)又はBluetooth(登録商標)、又は他の任意の適切な双方向無線通信プロトコルであってもよい。スキャナ12は、例えば、WiFi(登録商標)ホットスポットとして動作してもよい。通信リンク24は、任意の適切な無線ネットワーク接続を使用してもよい。いくつかの実施形態では、スキャナ12とディスプレイデバイス30との間の通信リンクは、有線であってもよい。例えば、スキャナ12は、ディスプレイデバイス30の物理ポートに差し込むことができるコードに取り付けられてもよい。
【0024】
ディスプレイデバイス30は、例えば、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ、スマートフォン、スマートウォッチ、ディスプレイ内蔵のメガネ、テレビ、オーダーメイドディスプレイ、又はスキャナ12に通信可能に接続可能な他の任意のディスプレイデバイスであってよい。ディスプレイデバイス30は、スクリーン32をホストしてもよく、プロセッサ34を含んでもよく、このプロセッサ34は、コンピュータ可読命令38を記憶する非一時的コンピュータ可読メモリ36に接続されており、このコンピュータ可読命令38は、プロセッサ34によって実行されると、ディスプレイデバイス30にシステム10の機能のうちの一つ以上を提供させるものである。そのような機能は、例えば、前処理されていてもいなくてもよい超音波データの受信、受信した超音波データの超音波画像へのスキャンコンバージョン、制御データフレーム及び/又は画像データフレームにおける超音波データの処理、スクリーン32上の超音波画像の表示、ユーザインタフェースの表示、スキャナ12の制御、及び/又はAIモデルの記憶、適用、強化及び/又は学習であってもよい。
【0025】
また、コンピュータ可読メモリ36に格納されるのは、コンピュータ可読データ40であってもよく、これは、システム10の機能を提供するためにコンピュータ可読命令38と組み合わせてプロセッサ34によって使用され得る。コンピュータ可読データ40は、例えば、制御データフレームの分析に応じて超音波データを取得するためのプリセットなどのスキャナ12の設定、スクリーン32に表示されるユーザインタフェースの設定、及び/又は1つ以上のAIモデルを含んでもよい。設定はまた、スキャナ12が動作する方法又はディスプレイデバイス30が動作する方法に固有の他の任意のデータを含むことができる。
【0026】
従って、システム10を制御するために使用されるコンピュータ可読命令及びデータは、スキャナ12のコンピュータ可読メモリ16、ディスプレイデバイス30のコンピュータ可読メモリ36、及び/又はコンピュータ可読メモリ16、36の両方のいずれかに位置してもよいことが理解されよう。
【0027】
ディスプレイデバイス30は、スキャナ12との通信を容易にするために、プロセッサ34に接続された通信モジュール42を含むこともできる。図示された例では、通信モジュール42は、無線通信リンク24上でスキャナ12に信号を無線で送信し、スキャナ12から信号を受信する。しかしながら、注記したように、いくつかの実施形態では、スキャナ12とディスプレイデバイス30との間の接続は有線であってもよい。
【0028】
図2を参照すると、そこに示されているのは、概して、本発明の実施形態による、一連の制御及び画像フレームとその分析を示す概略図である。実施形態において、超音波画像フィードは、表示可能な画像フレームに変換される超音波データフレームを取得することによって取得される。超音波画像フィードの取得中に、超音波データフレームの間に散在する追加の超音波制御データフレームが取得されてもよい。超音波制御データフレームは、超音波スキャナがどのようなプリセット又は設定に設定されているかに関係なく、一貫している基準スキャンパラメータを使用することができる。超音波制御データフレームは、表示用の画像フレームに変換されないことがあり、その代わりに、超音波スキャナの設定を制御するために使用される。これは、図2に示されている。
【0029】
さらに、超音波制御データフレームの取得は、表示された超音波画像フィードの通常のリフレッシュレートを必ずしも中断し得ない。
【0030】
いくつかの場合において、取得される超音波データフレームは、最適化された表示可能な画像フレームに変換され、これは、最適化された表示可能な画像フレームにおいて解剖学的特徴を識別する追加のAIモデルに対して処理される。これらの特徴は、次に、表示された最適化された画像フレーム上で強調表示される。
【0031】
図2において、連続した画像データフレーム50、51、52が示され、その後に制御データフレーム53が続き、さらにその後に2つの画像データフレーム54、55が続く。画像データフレーム50~55は、スキャナ12によって取得され得る画像データを表す一連の垂直走査線として図示されている。実施例では、画像データフレーム50~55は、例えば、超音波スキャナ12のトランスデューサアレイの曲率を反映するようにまだ変換されていないスキャンコンバート前スキャンラインとしても示されている。画像データフレーム50は、例えばプリセットPIによって設定されるパラメータなどの第1のセットを用いて取得される。画像データフレーム50は、次に、表示のために超音波画像フレーム60にスキャンコンバートされてもよい。同様に、画像データフレーム51は、プリセットPIのパラメータを使用して取得されてもよく、また、閲覧のために超音波画像フレーム61にスキャンコンバートされてもよい。画像データフレーム52もまた、プリセットPI用のパラメータを使用して取得され、表示のために超音波画像フレーム62に変換される。プリセットPIは、この例では、超音波画像フレーム60、61、62に表示される身体部位66の超音波データの取得に最適ではない。
【0032】
多数の画像データフレーム50、51、52の取得後、制御データフレーム53が取得されてもよい。制御データフレーム53は、制御データフレーム53の超音波データを取得するための基準パラメータRPを用いてもよい。一般に、基準パラメータRPは、超音波スキャナがどのようなプリセット又は設定であっても、一貫性があるように構成されてもよい。これは、基準パラメータが、プリセットPI及びスキャナ12が使用することができる他のプリセットのパラメータと異なることを意味する場合がある。例えば、図示されているように、制御データフレーム53を取得するために使用される基準パラメータは、画像データフレーム50、51、52で使用されるプリセットPIのパラメータよりも浅い走査深度を有している。また、制御データフレーム53には、画像データフレーム50、51、52で使用されるプリセットPI用のパラメータよりも少ないデータ線(例えば、疎な垂直走査線を介して示されるような、より少ない線密度)が存在する。
【0033】
制御データフレーム53は、画像フレームに変換されなくてもよいが、その代わりに、処理のためにAIモデル70に入力される。AIモデル70は、スキャナ12、ディスプレイデバイス30、及び/又は、スキャナ12又はディスプレイデバイス30のいずれかにアクセス可能なサーバに備えられてもよい。AIモデル70に対する処理の結果は、スキャンされている身体部位66に最も適したプリセットを予測することである。図2の例では、制御データフレーム53をAIモデルで処理した結果、制御データフレーム53が心臓のスキャンに対応することが予測される。この予測の結果として、AIモデル70は、心臓66をスキャンするために最適化されたプリセットP2(例えば、心臓プリセット)を設定するようにスキャナ12に命令を出力してもよい。P2のためのパラメータ(例えば図示されているように、垂直走査線の深さ及び密度)は、プリセットPIのためのパラメータと異なることが分かる。図示されているように、それらは、制御データフレーム53のための基準パラメータRPとも異なる。
【0034】
図示されていないが、異なるプリセットで異なる可能性のある他の例示的なパラメータは、スキャナ12の超音波エネルギ及び/又は平均電力使用量である。例えば、AIモデル70が、制御データフレーム53に適したプリセットを産科/婦人科プリセット又は眼科プリセットと予測することは、制御データフレーム53が胎児組織又は眼組織を走査する可能性があることを意味する場合がある。これらのプリセットは、一般に、より敏感な組織タイプに対する安全性を高めるために走査中に使用される超音波エネルギの出力を制限することとも関連しているので、AIモデル70によるプリセットへの変更は、取得のために使用される超音波エネルギを低くすることも伴う可能性がある。このように、本明細書に記載された実施形態は、プリセットを選択する手動ステップを低減するオペレータのワークフローへの強化に加えて、強化された安全対策を提供し得る。
【0035】
AIモデル70によって予測されたプリセットP2を使用するようにスキャナ12を切り替えた後、スキャナ12は、プリセットP2に対するパラメータを用いて画像データフレーム54、55を連続して取得し続けることができる。これらの画像データフレーム54、55は、その後、レビューのために超音波画像フレーム64、65にそれぞれスキャンコンバートされてもよい。図示されるように、プリセットP2を用いて取得された画像フレーム64、65は、プリセットPIを用いて取得された画像フレーム60、61、62と比較して、画像化された生体構造の表示のためにより良く最適化されてもよい(例えば、心臓プリセットを用いて画像を取得する場合、心臓はより明確な線で表示されてより完全に示される)。
【0036】
新しい制御データフレーム53に適するであろう設定を予測するために、AIモデル70は、従前に機械学習方法を使用して生成されてもよい。例えば、これは、(様々なラベルアイコンで図2に示される)様々なプリセットP1、P2、P3、P4と関連付けられるようにラベル付けされた制御データフレームの異なるクラスを含む1つ以上のデータセットでAIモデルを訓練することを含むことができる。これらの様々なプリセットは、一般に、解剖学的特徴74、78、82、86の異なるタイプに対応してもよい。例えば、プリセットPIは一般に肺74を走査するためのものであってもよく、プリセットP2は一般に心臓特徴78を走査するためのものであってもよく、プリセットP3は一般に膀胱82を走査するためのものであってもよく、プリセットP4は一般に腎臓86又は肝臓88などの腹部特徴を走査するためのものであってもよい。図2において、様々なプリセットP1~P4がそれぞれ関連付けられる解剖学的特徴74、78、82、86、88は、解剖学的特徴の絵的表現を提供するために例示目的で点線輪郭で示されているが、そのような絵的表現は閲覧可能な超音波画像フレームではない。
【0037】
本明細書における実施形態は、一般に、超音波データフレーム又は超音波画像フレームが取得された手動で選択されたプリセットを使用して、新しい超音波データフレーム又は超音波画像フレームに適しているであろうプリセットを予測するためにAIモデルを訓練することを含み得る。AIモデルを訓練するためにそのようなデータを使用することは実行可能かもしれないが、(最適なプリセットの下で取得されるように既に手動で選択された)訓練データと、AIモデルが予測を提供することになる(異なる未知のパラメータのセットの下で取得され得る)新しいデータとの間にミスマッチが存在し得ることが認識されている。この不一致は、AIモデルによって行われる予測の信頼性を低下させる可能性がある。
【0038】
AIモデルの信頼性を向上させるために、いくつかの実施形態では、ラベル付けされAIモデルに入力される訓練データ、ならびにAIモデルがプリセットを予測することになる新しいデータを取得するために、一貫した基準パラメータRPが使用され得る。例えば、これは、1つ以上のデータセットにおける制御データフレーム72、76、80、84の様々なクラスが、一貫した基準パラメータRP(これは、AIモデル70がプリセットを予測することになる新しい制御データフレーム53を取得するために使用される基準パラメータRPと概して類似する)を使用して取得され得る図2において示されている。
【0039】
注目すべきは、(異なる解剖学的特徴74、78、82、86、88に関連するように)異なるプリセットP1~P4が典型的にはそれらに関連する異なる最適パラメータを有するにもかかわらず、一貫した基準パラメータRPが使用されることである。訓練の制御データフレーム72、76、80、84と、一貫した基準パラメータRPを使用して取得される新しい制御データフレーム53の両方を構成することによって、訓練データの取得パラメータと、AIモデルが予測を提供すべきデータの間にミスマッチが生じないようにすることができる。これは、AIモデル70が、与えられた新しい制御データフレームに適したプリセットに関するより信頼性の高い予測を生成できるように、機械学習アルゴリズムの動作を強化し得る。これはまた、(例えば、スキャン深度、解像度、コントラスト、明るさ、画像強化、ノイズ低減などに対する)訓練データを正規化する特定のステップを最小化することを可能にし得る。様々な実施形態において、一貫した基準パラメータRPは、固定深度、固定取得ライン数、固定焦点ゾーン、固定サンプリングレート、固定利得、固定ビームフォーマパラメータ、又はフィルタの固定適用、のうちの一つ以上を有していてもよい。
【0040】
図2に示すように、訓練は、(表示可能な超音波画像フレームとは対照的に)制御データフレーム53が予測のためにAIモデル70に供給される方法と同様に制御データフレーム72、76、80、84上で実行される。スキャンコンバート前のデータフレーム72、76、80、84、53に対して機械学習を実行することによって、制御データフレームを表示可能な超音波画像フレームにスキャンコンバートするアクトを回避することができる。これにより、スキャンコンバートを行うために必要な計算量を削減することで、計算効率を高めることができる。また、スキャンコンバート前の制御データフレームは、一般に、スキャンコンバート後の超音波画像フレームよりも小さなメモリフットプリントを有するので、これにより、様々な機械学習処理のスループットを向上させることができる可能性がある。
【0041】
それにもかかわらず、本明細書で説明する機械学習技法は、スキャンコンバート前のデータに対して実行される必要はない。いくつかの実施形態では、本明細書で説明する方法は、スキャンコンバート後の画像(例えば、制御データフレーム53、72、76、80、84がスキャン変換された後の画像データ)に対して実行されてもよい。様々な実施形態において、AIモデル70のための訓練データとして使用される(制御データフレーム72、76、80、84またはスキャンコンバートされた画像データフレームのいずれであっても)データフレームは、グレースケールデータを含んでもよい。様々な実施形態において、訓練に使用されるこれらのデータフレームはまた、ドップラーデータを含んでもよい。
【0042】
様々な実施形態において、訓練の制御データフレーム72、76、80、84は、AIモデル70が配備される超音波スキャナ12と同じモデルを使用して取得されてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、訓練の制御データフレーム72、76、80、84を取得するために使用される超音波スキャナのモデルは、AIモデル70が配備される超音波スキャナ12のモデルと異なってもよい(例えば、異なる製造者又は設計)。これは、訓練の制御データフレーム72、76、80、84及び新しい制御データフレーム53の両方に対して一貫した基準パラメータRPが使用されるため、可能であり得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、超音波スキャナ12の異なるモデルは、異なるトランスデューサアレイフットプリント(例えば、線形、曲線、またはマイクロコンベックス、またはフェーズドアレイ)および/または異なる周波数範囲を有することさえあり得る。これは、すべてのトランスデューサアレイフットプリントタイプに共通するトランスデューサアレイの中央部分からデータラインのみを取得する基準パラメータRPを使用するように制御データフレーム53を構成し、異なるスキャナタイプ間で共通するか又は重複するイメージング周波数及び深さを選択することによって達成され得る。機械学習は、トランスデューサアレイフットプリントのいかなる曲率も反映しないように、スキャンコンバート前の制御データフレームに対して実行され得るので、一貫した基準パラメータRPを用いることにより、様々なスキャナタイプによって取得された制御データフレーム53は、それらの種々の分類を他のスキャナモデルに対して適用できるように、十分に共通の特性を共有し得る。
【0044】
このようにパラメータを制御することによって、生成されたAIモデル70は、訓練の制御データフレーム72、76、80、84を取得するために使用されるものとは異なるスキャナモデル12から取得される新しい制御データフレーム53に対するプリセットを予測するように、十分にロバストとなり得る。
【0045】
図2に示されるように、AIモデル70は、単一のタイプの生体構造(例えば、肺74、心臓78、又は膀胱82)、又は複数のタイプの生体構造(例えば、腎臓86及び肝臓88の走査に適し得る腹部プリセット)を走査するためのプリセットP1~P4に対応する制御データフレーム72、76、80、84のクラスで訓練されることがある。
【0046】
様々な実施形態において、AIモデルに使用される超音波制御データフレームの異なるクラスは、一般に、1つ以上の解剖学的特徴について取得された超音波データを含んでもよい。そのような解剖学的特徴は、肺、心臓、肝臓、腎臓、膀胱、眼球、子宮、甲状腺、乳房、脳、動脈、静脈、筋肉、胚、腱、骨、胎児、前立腺、子宮、卵巣、精巣、膵臓、又は胆のうを含む。
【0047】
様々な実施形態において、ラベル付けされた訓練制御データフレームが存在し得る異なるプリセットは、一般に、腹部、心臓、膀胱、肺、産科/婦人科、経頭蓋、表在、甲状腺、血管、筋骨格、胸、眼球、前立腺、不妊、又は神経の少なくとも二つに対するプリセットが含まれてもよい。
【0048】
さらに図2を参照すると、収集される制御データフレーム53は、画像データフレーム50、51、52、54、55の間に散在しており、超音波スキャンが進むにつれて、散在する形で取得し続けることができる。例えば、3つの画像データフレーム50、51、52ごとに1つの制御データフレーム53が取得されることがある。他の散在レートも可能であり、散在レートはスキャナ12の使用中に変化してもよい(例えば、いくつかの実施形態では、制御データフレーム53は画像データフレーム50、51、52、54、54とインターリーブされてもよい)。
【0049】
制御データフレーム53の取得は、画像フレーム60、61、62、64、65のリフレッシュレートへの影響を最小限にするように構成されてもよい。これは、一部には、AIモデル70による制御データフレーム53の処理が、スキャンコンバートされて画像バッファに入れられる前の、スキャンコンバート前の画像データに対して実行されるためである。その結果、画像バッファには、表示しようとする画像フレーム60、61、62、64、65が一定の間隔で(必ずしも同時にでは無く)配置されるに過ぎないことがあり、制御データフレーム53の取得および処理によって大きな休止または中断が生じることなく、画像リフレッシュレートが均一で、画像送りが滑らかに見えるようにすることができる。しかしながら、画像データフレームの平均取得レートは、画像リフレッシュレートが中断されないような十分なデータが常に画像バッファに存在するように、表示される画像のリフレッシュレートにほぼ等しいことが望ましい。
【0050】
様々な実施形態において、一貫した基準パラメータRPは、超音波画像フレーム60、61、62、64、65の画像品質に対する制御データフレーム53の影響を低減しつつ、本明細書に記載した機械学習処理を十分に可能にするように最適化されてもよい。例えば、基準パラメータRPの様々なパラメータは、それらの取得時間、及びフレームレートに対するそれらの潜在的な負の影響を低減するように、より少ないリソース(例えば、より少ない線、焦点ゾーン、又は同様のもの)を消費するように構成されてもよい。
【0051】
さらに又は代替的に、いくつかの実施形態では、基準パラメータRPは、制御データフレーム53の取得時間を最小化するように(例えば、画像データフレーム50、51、52、54、55の取得ラインの数に対して制御データフレーム53の取得ラインの数を減らすことによって)構成され得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、スキャナ12の動作中に、ユーザは、プリセットのセット及び自動プリセットオプションを提示されることがある。各プリセットは生体構造の特定の部位に適しているが、自動プリセットオプションは、選択された場合、本明細書に記載されるようにAIモデル70を使用して最適なプリセットを自動的に予測し選択することになる。
【0053】
いくつかの実施形態では、制御データフレーム53の捕捉及び分析は、直後の画像データフレーム54の捕捉に間に合うようにスキャナ12の設定を変更するのに十分速く発生することがある。
【0054】
いくつかの場合において、スキャナ12のプリセットは、単一の制御データフレーム53に対する予測されたプリセットに基づいて変更されてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、スキャナ12上のプリセットは、複数の制御データフレーム53が同じ予測されたプリセットをもたらす後にのみ、変更されてもよい。この後者のシナリオでは、異なる構成が可能である。例えば、スキャナ12がそのプリセットを変更する前に、ある連続した数の制御データフレーム53が同じプリセットを予測することが要求される場合がある。別の実施形態では、スキャナ12は、制御データフレーム53の過去の数のある割合(例えば、60~99%)が、AIモデル70を形成する同じ予測されたプリセットを提供した後に、そのプリセットを変更することができる。
【0055】
図3を参照すると、フローチャートは、(図1に示すように)システム10によって行われる例示的なプロセスを示し、その中で、スキャナ設定は、制御データフレーム53の解析の結果として更新される。図3について説明する際に、図2に示される様々なフレームのシーケンスについても一般的に参照されるであろう。ステップ100では、画像データフレームカウンタがゼロに設定される(i=0)。ステップ102において、スキャナ12の現在の設定が何であれ、それを用いて画像データフレーム50が取得される。例えば、設定は、デフォルト設定、特定のプリセット、または手動で行われた設定であってよい。ステップ104において、画像データフレーム50内のデータは、表示に適した形態にスキャンコンバートされてもよく、その後に、ステップ106において画像フレーム60が表示されてもよい。画像フレーム60の表示後、ステップ108で画像データフレームカウンタがインクリメントされてもよい。ステップ110において、データフレームカウンタの現在値iは、限界値nと比較されてもよい。データフレームカウンタの値がまだ限界値nに等しくない場合、プロセスはステップ102に戻り、別の画像データフレーム51が取得される。ステップ102~110は、ステップ110で画像データフレームカウンタが限界値(i=n)に等しくなるまで、後続の画像データフレームが取得され、スキャンコンバートされ、表示され、繰り返され得る。
【0056】
一連のn個の画像データフレームが取得されたとき(i=ri)、プロセスはステップ112に移行し、このステップでは制御データフレーム53が取得される。制御データフレーム53は、基準スキャンパラメータ、すなわち基準設定を用いて取得されてもよく、これは、典型的には、現在の設定がステップ102について何であったかと同じではない。ステップ114において、制御データフレーム53に存在する制御データは、例えば、AIモデル70に対して処理することによって、分析されてもよい。この処理の結果として、AIモデル70は、ステップ116において、現在スキャンされている特定の身体部位に対するスキャナ12の最適な設定を予測してもよい。ステップ118において、スキャナ12の設定は更新されてもよい。スキャナ12の設定の更新は、あるプリセットから別のプリセットへの変更(例えば、ある値または値のセットから別の値または値のセットへの設定の変更)を伴ってもよい。他の場合、スキャナ12の設定の更新は、スキャナ12の既存の設定をプリセットの設定に変更することを伴うことがある。さらに他の場合には、スキャナ設定の更新は、現在の設定が既に最適であり、まだ変更する必要がないことを確認することであってもよい。
【0057】
スキャナ設定がステップ118で更新された後、これは設定の実際の変更を伴っても伴わなくてもよく、プロセスはステップ100から繰り返されてもよい。
【0058】
図4を参照すると、AIモデル70を訓練するためのフローチャートが示されている。以下で図4について説明するとき、図1および図2の特定の要素も参照されることになる。ステップ130において、スキャナ12のプリセットが、走査されるべき身体部位のタイプに従って手動で選択される。ステップ132において、スキャナ12は、画像データフレーム(例えば54、55)及び画像データフレームの間に散在し得る制御データフレーム53を取得する。次に、制御データフレーム53は、ステップ134において、手動で選択されたプリセットに関連しているものとしてラベル付けされる。ラベル付けされた制御データフレームは、次に、ステップ136において、サーバに送られ、そこで、訓練の制御データフレーム(例えば、図2に示すように、制御データフレーム72、76、80、84)として保存されることができる。これらの訓練制御データフレームは、さらなる訓練および/または再強化のためにAIモデル70にアクセス可能にされる。ステップ138において、AIモデル70は、サーバに格納されているラベル付けされた制御データフレームを使用して訓練されてもよい。
【0059】
機械学習活動における共通の課題は、AIモデル70を訓練するために使用することができるラベル付けされたデータを得ることである。例えば、教師あり学習技法を使用する場合、従来は、AIモデルを訓練するために使用することができる適切なデータセットを生成するために、どの制御データフレームがどのプリセットと関連付けられるべきかをラベル付けするために、人間の関与が必要とされ得る。このような手動レビュー及びラベル付けは手間がかかり、大規模かつロバストなデータセットを作成することが困難となる。しかしながら、図4の方法を適用し、スキャナ12を使用する際にオペレータが行う通常のスキャン活動に制御データフレーム53を挿入することにより、オペレータによるプリセットの手動選択を人間のデータラベル付けアクティビティとして使用することができる。例えば、図4の方法は、オペレータによって選択されたプリセットに基づいて訓練データを収集するように、AIモデル70が有効化されていないスキャナ12に展開されてもよい。次に、十分な訓練データが得られ、AIモデル70が訓練されると、AIモデル70は、本明細書に記載されるAIモデル有効化プリセット予測方法を可能にするために展開されてもよい。
【0060】
図5を参照すると、AIモデル70を使用し強化するためのフローチャートが示されている。図5を論じる際に、再び、図2の要素も参照される。いくつかの実施形態では、プリセットP2が制御データフレーム53に基づいてAIモデル70によって予測された後の超音波スキャナ12の継続的な使用の間、その後取得された超音波制御データフレームがAIモデル70の更なる訓練又は強化のために使用されてもよい。
【0061】
図5のステップ150において、制御データフレーム53内の制御データは、AIモデル70に対して処理されてもよい。ステップ152において、AIモデル70は最適プリセットを予測し、ステップ154において、スキャナ12のプリセットが変更されてもよい。継続に基づき、後続の散在する制御データフレームにおいて取得される制御データは、AIモデル70に対して処理することによって、ステップ156にて監視され得る。例えば、図2の例では、アクト150~154は、AIモデル70に対する制御データフレーム53に対して実行されてもよい。図5に戻ると、ステップ158において、一定期間の後、後続の制御データフレームが依然として変更されたプリセットに対応する場合、ステップ160において、後に取得された制御データフレームを、ステップ154で変更されたプリセットに対応するものとしてラベル付けすることができる。ステップ162において、ラベル付けされた制御データフレームは、その後、さらなる訓練または強化のために、AIモデル70によってアクセス可能な場所への格納のために送信され得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、自動プリセットモードにおいて、ディスプレイデバイス30上のユーザインタフェースは、プリセットが変更されるたびに新しいプリセットを表示し、変更後に数秒間、ユーザが変更をキャンセルするためのオプションを表示するように構成されてもよい。使用する場合は、キャンセルをAIモデル70の学習データとみなしてもよい。キャンセルの場合、キャンセル後に収集した制御データフレームを、AIモデル70が予測したプリセットに対応しないものとしてラベル付けし、サーバに送信してもよい。ある期間内に、キャンセル後にユーザが手動で別のプリセットを選択し、制御データフレーム53がキャンセル前に取得されていたものと類似し続ける場合、ユーザが選択したプリセットもAIモデル70の学習データとして機能することができる。
【0063】
例えば、AIモデル70を訓練するために使用される元のデータセットにおける心臓プリセット関連データのクラスが4室心臓ビューを欠いており、そのような画像に対する制御データフレームが走査中に初めて取得される場合、AIモデル70が心臓プリセットの使用を正確に予測することに失敗するような場合である可能性がある。そのような画像に対する制御データフレームが取得されている間に(例えば、AIモデル70によって予測されたプリセットの選択をキャンセルした後に)ユーザが心臓プリセットを手動で選択する場合、4室心臓ビューに対する制御データフレームは、AIモデル70がそのような制御データフレームが心臓プリセットに関連付けられることを学習し得るように学習データとして追加され得る。
【0064】
図6を参照すると、超音波画像64、65において特定の特徴を識別するためのフローチャートが示されている。図6を論じる際に、図1及び図2の要素も参照されるであろう。AIモデル70がスキャナ12の最適プリセットを予測し、スキャナ12が予測されたプリセットに設定されると、次に、スキャナ12のオペレータが見るために使用する画像フレーム64、65を分析することが可能であり得る。このさらなる分析は、マイクロ-AIモデルと呼ばれることがある追加の別のAIモデルを使用し得、一方でAIモデル70はマクロ-AIモデルと呼ばれる。したがって、システム10は、2つの異なるAIモデルを同時に使用してもよく、各々が超音波画像取得プロセスの異なるレベルに適用され、第1のAIモデルを使用して設定が最適化された後、第1のAIモデルは制御データフレーム53に適用され、第2のAIモデルは画像フレーム64、65に適用される。
【0065】
(例えば、ステップ118又は100を循環した後の図2の方法におけるステップ102の複数のインスタンスに相当し得る)ステップ180において、システム10は、スキャナ12のプリセットが更新された後、画像データフレーム54、55の取得を継続してもよい。各画像データフレームが取得されると、スキャナ12は、ステップ182において、画像データフレームを閲覧可能な画像フレーム64、65にスキャンコンバートしてもよい。次いで、閲覧可能な画像フレーム64、65は、画像フレーム64、65内の解剖学的特徴を特定する(例えば、セグメント化する)ように訓練された第2のAIモデルに対して処理されてもよい(ステップ184)。ステップ186において、第2のAIモデルは、画像フレーム64、65における1つ又は複数の解剖学的特徴を特定してもよい。次いで、画像フレーム64、65は、ステップ190において、識別された解剖学的特徴が画像内のどこにあるのかを示すために、追加のハイライトで表示されてもよい。任意選択で、ハイライトされた領域は、識別された解剖学的特徴の名称又は特徴で注釈されてもよい。
【0066】
図7を参照すると、それらの対応するディスプレイデバイス30、206、208に接続され、インターネットなどのネットワーク210に直接、又はディスプレイ装置を介して間接的に接続された複数の類似又は異なるスキャナ12、202、204が存在するシステム200が示されている。スキャナ12、202、204は、ネットワーク210を介してサーバ220に順次接続されてもよい。
【0067】
サーバ220は、プロセッサ222を含んでもよく、このプロセッサ222は、コンピュータ可読命令226を格納する非一時的コンピュータ可読メモリ224に接続されてもよく、このコンピュータ可読命令226は、プロセッサ222によって実行されると、サーバ220にシステム200の機能のうちの一つ又は複数を提供させる。そのような機能は、例えば、前処理されていてもいなくてもよい超音波データの受信、受信された超音波データの超音波画像へのスキャンコンバージョン、制御データフレーム又は画像データフレームにおける超音波データの処理、スキャナ12、202、204の制御、及び/又は1以上のAIモデルに関連する機械学習活動であってもよい。そのような機械学習活動は、1つまたは複数のAIモデルの訓練および/または強化を含んでもよい。
【0068】
また、コンピュータ可読メモリ224に格納されるのは、コンピュータ可読データ228であってもよく、これは、システム200の機能を提供するためにコンピュータ可読命令226と組み合わせてプロセッサ222によって使用されてもよい。コンピュータ可読データ228は、例えば、制御データフレームの解析に応じて超音波データを取得するためのプリセットパラメータなどのスキャナ12、202、204の設定、ディスプレイデバイス30、206、208に表示されるユーザインタフェースの設定、及び1つ以上のAIモデルなどを含んでもよい。例えば、1つのAIモデルは、制御データフレーム53を分析するために使用されるAIモデル70であってもよく、別のAIモデルは、画像フレーム64、65内の解剖学的特徴を特定するために画像フレーム64、65を分析するために使用されてもよい。設定はまた、スキャナ12、202、204が動作する方法、またはディスプレイデバイス30、206、208が動作する方法に特有の他の任意のデータを含んでもよい。
【0069】
したがって、システム200を制御するために使用されるコンピュータ可読命令およびデータは、スキャナ12、202、204のコンピュータ可読メモリ、ディスプレイデバイス30、206、208のコンピュータ可読メモリ、サーバ220のコンピュータ可読メモリ224、または前述の場所の任意の組み合わせのいずれかに位置してもよいと理解することができる。
【0070】
上述したように、スキャナ12、202、204が異なっていても、それらによって取り込まれる制御データフレームはすべて一貫した基準パラメータRPで取り込まれるので、取得した各制御データフレームは、取り込まれたデータの特別な前処理なしに、AIモデル70によって訓練のために使用され得る。同様に、個々のスキャナ12、202、204によって取得された制御データフレームはすべて、最適プリセットの予測のために、および/またはAIモデル70の強化のために、AIモデル70に対して直接処理されてもよい。
【0071】
いくつかの実施形態において、スキャナ12に存在するAIモデル70は、サーバ220に存在するAIモデルから随時更新されてもよい。
【0072】
いくつかの実施形態において、制御データフレームの分析は、AIモデルではなく、ルールベースのエンジンを使用して実行されてもよい。
【0073】
本発明の実施形態は、具体的に設計されたハードウェア、構成可能なハードウェア、データ処理装置上で実行可能なソフトウェア(任意に「ファームウェア」を含んでもよい)の提供によって構成されたプログラマブルデータ処理装置、本明細書で詳細に説明する方法における1つまたは複数のステップを実行するように具体的にプログラム、構成または構築されている特殊目的のコンピュータまたはデータ処理装置、および/またはこれらのうちの2以上の組み合わせを用いて実施され得る。具体的に設計されたハードウェアの例は、論理回路、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、大規模集積回路(「LSI」)、超大規模集積回路(「VLSI」)等である。設定可能なハードウェアの例としては、プログラマブルアレイロジック(「PAL」)、プログラマブルロジックアレイ(「PLA」)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)等の1つ以上のプログラマブルロジックデバイスが挙げられる。プログラム可能なデータプロセッサの例としては、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(「DSP」)、組み込みプロセッサ、グラフィックプロセッサ、数学コプロセッサ、汎用コンピュータ、サーバコンピュータ、クラウドコンピュータ、メインコンピュータ、コンピュータワークステーションなどがある。例えば、デバイスの制御回路内の1つ以上のデータプロセッサは、プロセッサにアクセス可能なプログラムメモリ内のソフトウェア命令を実行することによって、本明細書に記載の方法を実施することができる。
【0074】
プロセスまたはブロックが所定の順序で提示されているが、代替例は、ステップを有するルーチンを実行し、またはブロックを有するシステムを異なる順序で採用してもよく、いくつかのプロセスまたはブロックは、代替またはサブコンビネーションを提供するために削除、移動、追加、細分化、結合、および/または修正されてもよい。これらのプロセスまたはブロックの各々は、様々な異なる方法で実施されてもよい。また、工程またはブロックは、直列に実行されるように示されている時があるが、これらの工程またはブロックは、代わりに並列に実行されてもよく、または異なる時間に実行されてもよい。
【0075】
実施形態はまた、プログラム製品の形態で提供されてもよい。プログラム製品は、データ処理装置によって実行されると、データ処理装置に本発明の方法を実行させるコンピュータ可読命令のセットを担持する任意の非一時的媒体を含んでもよい。本発明によるプログラム製品は、多種多様な形態のいずれであってもよい。プログラム製品は、例えば、フロッピーディスクを含む磁気データ記憶媒体、ハードディスクドライブ、CD ROM、DVDを含む光学データ記憶媒体、ROMを含む電子データ記憶媒体、フラッシュRAM、EPROM、ハードワイヤードまたはプリプログラムチップ(例えば、EEPROM半導体チップ)、ナノテクノロジーメモリなどの非一時的媒体を含んでいてもよい。プログラム製品上のコンピュータ読み取り可能な信号は、任意に圧縮または暗号化されてもよい。
【0076】
構成要素(例えば、ソフトウェア、プロセッサ、サポートアセンブリ、バルブデバイス、回路など)が上記で言及される場合、特に示されない限り、その構成要素への言及(「手段」への言及を含む)は、本発明の例示的な実施形態においてその機能を実行する開示済みの構造と構造的に同等ではない構成要素を含む、記載する構成要素の機能を実行する任意の構成要素を、その構成要素の同等物として含むもの(すなわち、機能的に同等である)と解釈されるべきである。
【0077】
システム、方法、及び装置の特定の例は、説明の目的で本明細書に記載されている。これらは例示に過ぎない。本明細書で提供される技術は、上述した例示的なシステム以外のシステムにも適用することができる。多くの変更、修正、追加、省略、および並べ替えが、この発明の実施内で可能である。本発明は、当業者には明らかであろう、記載した実施形態の変形を含み、以下のことによって得られる変形を含む。特徴、要素及び/又はアクトを同等の特徴、要素及び/又はアクトで置き換えること、異なる実施形態からの特徴、要素及び/又はアクトを混合して合わせること、本明細書に記載した実施形態からの特徴、要素及び/又はアクトと他の技術の特徴、要素及び/又はアクトとを組み合わせること、並びに、記載した実施形態から特徴、要素及び/又はアクトの組み合わせを省略すること。いくつかの実施形態では、システム及び装置の構成要素は、統合されても分離されてもよい。さらに、本明細書に開示されるシステム及び装置の動作は、より多くの、より少ない、又は他の構成要素によって実行されてもよく、記載される方法は、より多くの、より少ない、又は他のステップを含んでもよい。他の例では、周知の要素は詳細に示されず、説明されず、ステップおよび特徴の繰り返しは、本発明を不必要に不明瞭にすることを回避するために省略した。スクリーンショットは、本明細書に記載された例よりも多くまたは少なく示している場合がある。従って、本明細書は、制限的な意味ではなく、例示的な意味で考慮されるべきものである。
【0078】
したがって、添付の請求項および今後導入される請求項は、合理的に推測されるすべての変更、順列、追加、省略および下位の組み合わせを含むと解釈されることが意図される。特許請求の範囲は、実施例に示された実施形態によって限定されるべきではなく、全体として説明と一致する最も広い解釈を与えられるべきである。
【0079】
C.用語の解釈
文脈が明確に他に要求しない限り、本明細書及び特許請求の範囲全体を通じて、以下が適用される。
【0080】
一般に、他に示されない限り、単数形の要素は、一般性を損なわずに複数形であってもよく、その逆であってもよい。男性型の使用は、男性型、女性型又はその両方を指すことができる。
【0081】
用語「含む(comprise)」、「含むこと(comprising)」等は、排他的又は網羅的な意味とは対照的に、包括的な意味で、すなわち、「含むが、これに限定されない」という意味で解釈されるものである。
【0082】
用語「接続された」、「結合された」、またはその変形は、2つ以上の要素間の直接的または間接的な任意の接続または結合を意味し、要素間の結合または接続は、物理的、論理的、またはその組み合わせであり得る。
【0083】
「本明細書の」、「上での」、「下での」及び類似の重要性を持つ言葉は、本願で使用される場合、全体としての本願を指し、本願のいかなる特定の部分を指すものでもない。
【0084】
2つ以上の項目のリストに言及する言葉「又は」は、その言葉の次の解釈のすべてをカバーする:リスト中の項目のいずれか、リスト中の項目のすべて、及びリスト中の項目の任意の組み合わせ。
【0085】
(存在する場合)本明細書及び任意の添付の請求項において使用される、「垂直の」、「水平の」、「上方の」、「下方の」、「前方の」、「後方の」、「内の」、「外の」、「縦の」、「横の」、「左」、「右」、「前」、「後」、「頂部」、「底部」、「上の」、「下の」などの方向を示す言葉は、説明及び例示される装置の特定の向きに依存する。本明細書に記載される主題は、様々な代替的な方向性を想定することができる。従って、これらの方向性の用語は厳密に定義されず、狭く解釈されるべきではない。
【0086】
特許庁および本出願に基づいて発行された特許の読者が添付の請求項を解釈するのを助けるために、出願人は、特定の請求項に「のための手段」または「のためのステップ」という言葉が明示的に使用されていない限り、添付の請求項または請求項要素のいずれもが米国特許法第112条(f)を引き出すことを意図していないことに留意されたい。
【0087】
D.クレームサポート
本明細書で開示されるのは、超音波スキャナの設定を制御する方法であって、この方法は、表示可能な画像フレームに変換される超音波データフレームを順次取得することによって超音波画像フィードを取得するステップと、超音波画像フィードの取得の間にて、基準スキャンパラメータを使用して、超音波データフレームの間に散在する超音波制御データフレームを取得するステップであって、基準スキャンパラメータは、超音波画像フィードの取得に使用されるスキャンパラメータに関係なく、散在する超音波制御データフレームに対して一貫して使用される、超音波制御データフレームを取得するステップと、及び超音波制御データフレームを使用して超音波スキャナの設定を制御するステップと、を含む。
【0088】
いくつかの実施形態では、超音波制御データフレームは、表示可能な画像フレームに変換されない。
【0089】
いくつかの実施形態では、散在する超音波制御データフレームに一貫して使用される基準スキャンパラメータが、固定深度、固定取得ライン数、固定焦点ゾーン、又は固定サンプリングレートのうちの一つを有する。
【0090】
いくつかの実施形態では、超音波画像フィードの取得は、第1のプリセットに従って実行され、超音波スキャナの設定の制御は、第1のプリセットを、第1のプリセットとは異なる第2のプリセットに変更することを含む。
【0091】
いくつかの実施形態では、超音波スキャナは、第1のプリセットに従って動作するときに第1の超音波エネルギを出力し、超音波スキャナは、第2のプリセットに従って動作するときに第2の超音波エネルギを出力し、第2の超音波エネルギは、第1の超音波エネルギよりも低いパワーレベルを有する。
【0092】
いくつかの実施形態では、第1のプリセットを第2のプリセットに変更する前に、超音波制御データフレームの少なくとも最新のものが人工知能モデルに対して処理されて、超音波画像フィードに適したプリセットを予測し、予測された、適したプリセットが、超音波スキャナが変更される第2のプリセットとして使用される。
【0093】
いくつかの実施形態では、人工知能モデルは、異なるプリセットに対する超音波制御データフレームの異なるクラスを含む1つ又は複数のデータセットで訓練され、1つ又は複数のデータセット内の実質的に全ての超音波制御データフレームは、基準スキャンパラメータを使用して一貫して取得される。
【0094】
いくつかの実施形態では、異なるプリセットは、腹部、心臓、膀胱、肺、産科/婦人科、経頭蓋、表在、甲状腺、血管、筋骨格、乳房、眼球、前立腺、不妊、又は神経の、少なくとも2つに対するプリセットからなる。
【0095】
いくつかの実施形態では、超音波制御データフレームの異なるクラスは、異なる身体部位の取得された超音波データを含み、異なる身体部位は、肺、心臓、肝臓、腎臓、膀胱、眼球、子宮、甲状腺、乳房、脳、動脈、静脈、筋肉、胚、腱、骨、胎児、前立腺、子宮、卵巣、精巣、膵臓又は胆嚢のうちの、少なくとも2つを含む。
【0096】
いくつかの実施形態では、第1のプリセットから第2のプリセットに変更した後、方法は、更に、第2のプリセットに従って追加の超音波データフレームを取得ステップであって、追加の超音波データフレームは最適化された表示可能な画像フレームに変換される、取得するステップと、最適化された表示可能な画像フレーム内の解剖学的特徴を特定する追加の人工知能モデルに対して最適化された表示可能な画像フレームを処理するステップと、追加の人工知能モデルが特定する、解剖学的特徴と共に最適化された表示可能な画像フレームを表示するステップと、を含む。
【0097】
いくつかの実施形態において、方法は、更に、後に取得された超音波制御データフレームを監視して、後に取得された超音波制御データフレームが第2のプリセットに対応し続けるかどうかを判定するステップと、一定期間後に、後に取得された超音波制御データフレームが人工知能モデルの訓練又は強化に使用できるように、後に取得された超音波制御データフレームを、第2のプリセットに対応する超音波制御データフレームとしてラベル付けするステップと、を含む。
【0098】
また、本明細書に開示されるのは、人工知能モデルへの入力のために超音波画像をラベル付けする方法であって、ユーザが選択したプリセットに従って超音波スキャナを動作させるステップと、ユーザが選択したプリセットに基づいて超音波データフレームを取得することにより、超音波画像フィードを取得するステップと、超音波画像フィードを取得する間に、基準スキャンパラメータを使用して、超音波データフレームの間に散在する超音波制御データフレームを取得するステップであって、基準スキャンパラメータは、ユーザが選択したプリセットに対して定義されるスキャンパラメータにかかわらず、散在する超音波制御データフレームに対して一貫して使用される、超音波制御データフレームを取得するステップと、超音波制御データフレームをユーザが選択したプリセットに対応するものとしてラベル付けするステップと、ラベル付けされた超音波制御データフレームを、データセットに追加するためにサーバに送信するステップであって、データセットは、ユーザが選択したプリセットが、後に取得される超音波制御データフレームに適しているかどうかを予測するための人工知能モデルを訓練するために使用することができる、送信するステップと、を含む。
【0099】
また、本明細書では、その設定を制御する超音波スキャナが開示され、超音波スキャナは、プロセッサと、コンピュータ可読命令を記憶するコンピュータ可読メモリとを備え、このコンピュータ可読命令がプロセッサによって実行されると、コンピュータ可読命令は超音波スキャナに、表示可能な画像フレームに変換された超音波データフレームを順次取得することによって超音波画像フィードを取得するステップと、超音波画像フィードの取得の間にて、基準スキャンパラメータを使用して、超音波データフレームの間に散在する超音波制御データフレームを取得するステップであって、基準スキャンパラメータは、超音波画像フィードの取得に使用されるスキャンパラメータに関係なく、散在する超音波制御データフレームに一貫して使用される、超音波制御データフレームを取得するステップと、及び、超音波制御データフレームを使用して超音波スキャナの設定を制御するステップと、を行わせる。
【0100】
超音波スキャナのいくつかの実施形態では、超音波制御データフレームは、表示可能な画像フレームに変換されない。
【0101】
超音波スキャナのいくつかの実施形態では、散在する超音波制御データフレームに一貫して使用される基準スキャンパラメータは、固定深度、固定取得ライン数、固定焦点ゾーン、又は固定サンプリングレートのうちの1つを有する。
【0102】
いくつかの実施形態では、超音波スキャナは、超音波画像フィードが取得されることが従うものである第1のプリセットと、第1のプリセットとは異なる第2のプリセットとを備え、超音波スキャナの設定の制御は、第1のプリセットを第2のプリセットに変更することを含む。
【0103】
超音波スキャナのいくつかの実施形態では、超音波スキャナは、第1のプリセットに従って動作するときに第1の超音波エネルギを出力し、超音波スキャナは、第2のプリセットに従って動作するときに第2の超音波エネルギを出力し、第2の超音波エネルギは、第1の超音波エネルギよりも低いパワーレベルを有する。
【0104】
いくつかの実施形態では、超音波スキャナは、人工知能モデルを含み、超音波スキャナは、第1のプリセットを第2のプリセットに変更する前に、超音波制御データフレームの少なくとも最新のものを人工知能モデルに対して処理して、超音波画像フィードの適したプリセットを予測し、予測された、適したプリセットを、超音波スキャナが変更される第2のプリセットとして使用する、ように構成される。
【0105】
超音波スキャナのいくつかの実施形態では、人工知能モデルは、異なるプリセットに対する超音波制御データフレームの異なるクラスを含む1つ以上のデータセットで訓練され、1つ以上のデータセット内の全ての超音波制御データフレームは、基準スキャンパラメータを使用して一貫して取得される。
【0106】
超音波スキャナのいくつかの実施形態では、異なるプリセットは、腹部、心臓、膀胱、肺、産科/婦人科、経頭蓋、表在、甲状腺、血管、筋肉、乳房、眼球、前立腺、不妊、又は神経の、少なくとも2つに対するプリセットから構成されている。
【0107】
超音波スキャナのいくつかの実施形態では、超音波制御データフレームの異なるクラスは、異なる身体部位の取得された超音波データを含み、異なる身体部位は、肺、心臓、肝臓、腎臓、膀胱、眼球、子宮、甲状腺、乳房、脳、動脈、静脈、筋肉、胚、腱、骨、胎児、前立腺、子宮、卵巣、精巣、膵臓、又は胆嚢のうちの、少なくとも2つを含む。
【0108】
いくつかの実施形態では、超音波スキャナは、更に、第1のプリセットから第2のプリセットに変更した後に、第2のプリセットに従って追加の超音波データフレームを取得し、追加の超音波データフレームは最適化された表示可能な画像フレームに変換され、最適化された表示可能な画像フレーム内の解剖学的特徴を特定する追加の人工知能モデルに対して最適化された表示可能な画像フレームを処理し、追加の人工知能モデルが特定する解剖学的特徴を強調表示させて、最適化された表示可能な画像フレームを表示させる、ように構成されている。
【0109】
いくつかの実施形態において、超音波スキャナは、更に、後に取得された超音波制御データフレームを監視して、後に取得された超音波制御データフレームが第2のプリセットに対応し続けるかどうかを判定し、一定期間後に、後に取得された超音波制御データフレームが人工知能モデルの訓練又は強化に使用できるように、第2のプリセットに対応する超音波制御データフレームとしてラベル付けする、ように構成されている。
【0110】
また、本明細書では、人工知能モデルへの入力のために超音波画像をラベル付けするための超音波スキャナが開示される。超音波スキャナは、プロセッサと、コンピュータ可読命令を記憶するコンピュータ可読メモリとを備える。そのコンピュータ可読命令がプロセッサによって実行されると、ユーザが選択したプリセットに従って動作するステップと、ユーザが選択したプリセットに基づいて超音波データフレームを取得することによって超音波画像フィードを取得するステップと、超音波画像フィードの取得の間にて、基準スキャンパラメータを用いて、超音波データフレームの間に散在する超音波制御データフレームを取得するステップであって、基準スキャンパラメータは、ユーザが選択したプリセットに対して定義されるスキャンパラメータにかかわらず、散在する超音波制御データフレームに対して一貫して使用される、超音波制御データフレームを取得するステップと、超音波制御データフレームをユーザが選択したプリセットに対応するものとしてラベル付けするステップと、ラベル付けされた超音波制御データフレームをデータセットに追加するためにサーバに送信するステップと、を超音波スキャナに行わせる。ユーザが選択したプリセットが後に取得した超音波制御データフレームに適しているかどうかを予測するための人工知能モデルを訓練するために、ユーザが選択したプリセットは使用され得る。
【0111】
また、超音波スキャナの設定を制御するためのシステムが開示される。このシステムは、人工知能モデルを含むサーバと、サーバに動作可能に接続された超音波スキャナとを含み、超音波スキャナは、プロセッサと、コンピュータ可読命令を記憶するコンピュータ可読メモリとを備え、このコンピュータ可読命令はこのプロセッサによって実行されると、超音波スキャナに、表示可能な画像フレームに変換される超音波データフレームを順次取得することによって超音波画像フィードを取得するステップと、超音波画像フィードの取得の間に、基準スキャンパラメータを使用して、超音波データフレーム間に散在する超音波制御データフレームを取得するステップであって、基準スキャンパラメータは、超音波画像フィードを取得するために使用されるスキャンパラメータに関係なく、散在する超音波制御データフレームに対して一貫して使用される、超音波制御データフレームを取得するステップと、超音波制御データフレームの少なくとも最新のものを人工知能モデルに対して処理し、超音波画像フィードに適したプリセットを予測するステップと、予測された、適したプリセットを使用して、超音波スキャナを第1のプリセットから第2のプリセットに変更することにより超音波スキャナの設定を制御するステップと、を行わせる。
【0112】
システムのいくつかの実施形態では、人工知能モデルは、異なるプリセットのための超音波制御データフレームの異なるクラスを含む1つ以上のデータセットで訓練され、1つ以上のデータセット内の全ての超音波制御データフレームは、基準スキャンパラメータを使用して一貫して取得される。
【0113】
システムのいくつかの実施形態では、異なるプリセットは、腹部、心臓、膀胱、肺、産科/婦人科、経頭蓋、表在、甲状腺、血管、筋肉、乳房、眼、前立腺、不妊、又は神経の、少なくとも2つに対するプリセットを含む。
【0114】
システムのいくつかの実施形態では、超音波制御データフレームの異なるクラスは、異なる身体部位の取得された超音波データを含み、異なる身体部位は、肺、心臓、肝臓、腎臓、膀胱、眼球、子宮、甲状腺、乳房、脳、動脈、静脈、筋肉、胚、腱、骨、胎児、前立腺、子宮、卵巣、精巣、膵臓、又は胆嚢のうちの、少なくとも2つを含む。
【0115】
いくつかの実施形態では、システムは、超音波スキャナに動作可能に接続されたディスプレイデバイスを備え、超音波スキャナは、更に、第1のプリセットから第2のプリセットに変更した後、第2のプリセットに従って追加の超音波データフレームを取得するステップであって、追加の超音波データフレームは最適化された表示可能な画像フレームに変換される、取得するステップを、行うように構成され、サーバは、最適化された表示可能な画像フレーム内の解剖学的特徴を特定する追加の人工知能モデルに対して最適化された表示可能な画像フレームを処理するように構成され、ディスプレイデバイスは、追加の人工知能モデルによって特定される解剖学的特徴が強調された、最適化された表示可能な画像フレームを表示する。
【0116】
いくつかの実施形態では、システムは、更に、後に取得された超音波制御データフレームを監視して、後に取得された超音波制御データフレームが第2のプリセットに対応し続けるかどうかを判定するステップと、一定期間後に、後に取得された超音波制御データフレームが人工知能モデルの訓練又は強化に使用できるように、第2のプリセットに対応する超音波制御データフレームとしてラベル付けするステップと、を行うように構成されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-01-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波スキャナの設定を制御する方法であって、
表示可能な画像フレームに変換された超音波データフレームを順次取得することによって超音波画像フィードを取得するステップと、
前記超音波画像フィードの取得の間にて、
基準スキャンパラメータを使用して、前記超音波データフレームの間に散在する超音波制御データフレームを取得するステップであって、前記基準スキャンパラメータは、前記超音波画像フィードの取得に使用されるスキャンパラメータに関係なく、散在する超音波制御データフレームに一貫して使用され、前記超音波制御データフレームは表示可能な画像フレームに変換されない、超音波制御データフレームを取得するステップと、及び、
前記超音波制御データフレームを使用して前記超音波スキャナの設定を制御するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記散在する超音波制御データフレームに一貫して使用される前記基準スキャンパラメータが、固定深度、固定撮影ライン数、固定焦点ゾーン、又は固定サンプリングレートのうちの一つを有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記超音波画像フィードの取得は、第1のプリセットに従って実行され、
前記超音波スキャナの前記設定の前記制御は、前記第1のプリセットを前記第1のプリセットと異なる第2のプリセットに変更することを含む、
請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記超音波スキャナは、前記第1のプリセットに従って動作するときに第1の超音波エネルギを出力し、
前記超音波スキャナは、前記第2のプリセットに従って動作するときに第2の超音波エネルギを出力し、
前記第2の超音波エネルギは、前記第1の超音波エネルギより低いパワーレベルを有する、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のプリセットを前記第2のプリセットに変更する前に、前記超音波制御データフレームの少なくとも最新のものを人工知能モデルに対して処理して、前記超音波画像フィードに適したプリセットを予測し、予測された、適したプリセットが、前記超音波スキャナが変更する前記第2のプリセットとして使用される、
請求項3又は請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記人工知能モデルは、異なるプリセットに対する超音波制御データフレームの異なるクラスを含む1つ以上のデータセットで訓練され、前記1つ以上のデータセット内の全ての前記超音波制御データフレームは、前記基準スキャンパラメータを使用して一貫して取得される、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記異なるプリセットは、腹部、心臓、膀胱、肺、産科/婦人科、経頭蓋、表在、甲状腺、血管、筋骨格、乳房、眼球、前立腺、不妊、又は神経の、少なくとも2つに対するプリセットを含む、
請求項5又は請求項6に記載の方法。
【請求項8】
超音波制御データフレームの前記異なるクラスは、異なる身体部位の取得された超音波データを含み、
前記異なる身体部位は、肺、心臓、肝臓、腎臓、膀胱、眼球、子宮、甲状腺、乳房、脳、動脈、静脈、筋肉、胚、腱、骨、胎児、前立腺、子宮、卵巣、精巣、膵臓、又は胆嚢のうちの、少なくとも2つを含む、
請求項5~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のプリセットから前記第2のプリセットに変更した後、
前記方法は、更に、
前記第2のプリセットに従って追加の超音波データフレームを取得するステップであって、前記追加の超音波データフレームは最適化された表示可能な画像フレームに変換される、取得するステップと、
適したプリセットを予測する前記人工知能モデルと異なる、前記最適化された表示可能な画像フレーム内の解剖学的特徴を特定する追加の人工知能モデルに対して前記最適化された表示可能な画像フレームを処理するステップと、
前記追加の人工知能モデルが特定する、前記解剖学的特徴と共に前記最適化された表示可能な画像フレームを表示するステップと
を含む、請求項5~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
更に、
後に取得された超音波制御データフレームを監視して、後に取得された超音波制御データフレームが前記第2のプリセットに対応し続けるかどうかを判定するステップと、
一定期間後に、前記後に取得された超音波制御データフレームが人工知能モデルの訓練又は強化に使用できるように、前記後に取得された超音波制御データフレームを、前記第2のプリセットに対応する超音波制御データフレームとしてラベル付けするステップと
を含む、請求項3~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
人工知能モデルへの入力のために超音波画像をラベル付けする方法であって、
ユーザが選択したプリセットに従って超音波スキャナを動作させるステップと、
ユーザが選択した前記プリセットに基づいて超音波データフレームを取得することにより、超音波画像フィードを取得するステップと、
前記超音波画像フィードを取得する間に、基準スキャンパラメータを使用して、前記超音波データフレームの間に散在する超音波制御データフレームを取得するステップであって、前記基準スキャンパラメータは、ユーザが選択した前記プリセットに対して定義されるスキャンパラメータにかかわらず、前記散在する超音波制御データフレームに対して一貫して使用され、前記超音波制御データフレームは表示可能な画像フレームに変換されない、超音波制御データフレームを取得するステップと、
前記超音波制御データフレームをユーザが選択した前記プリセットに対応するものとしてラベル付けするステップと、
ラベル付けされた前記超音波制御データフレームを、データセットに追加するためにサーバに送信するステップであって、前記データセットは、ユーザが選択した前記プリセットが、後に取得される超音波制御データフレームに適しているかどうかを予測するための前記人工知能モデルを訓練するために使用することができる、送信するステップと
を含む、方法。
【請求項12】
プロセッサと、コンピュータ可読命令を記憶するコンピュータ可読メモリとを備える、 設定を制御する超音波スキャナであって、
前記コンピュータ可読命令が前記プロセッサにより実行されると、前記コンピュータ可読命令は前記超音波スキャナに、
表示可能な画像フレームに変換された超音波データフレームを順次取得することによって超音波画像フィードを取得するステップと、
前記超音波画像フィードの取得の間にて、
基準スキャンパラメータを使用して、前記超音波データフレームの間に散在する超音波制御データフレームを取得するステップであって、前記基準スキャンパラメータは、前記超音波画像フィードの取得に使用されるスキャンパラメータに関係なく、散在する超音波制御データフレームに一貫して使用され、前記超音波制御データフレームは表示可能な画像フレームに変換されない、超音波制御データフレームを取得するステップと、及び、
前記超音波制御データフレームを使用して前記超音波スキャナの設定を制御するステップと
を行わせる、
超音波スキャナ。
【請求項13】
前記散在する超音波制御データフレームに一貫して使用される前記基準スキャンパラメータは、固定深度、固定取得ライン数、固定焦点ゾーン、又は固定サンプリングレートのうちの一つ以上を有する、請求項12に記載の超音波スキャナ。
【請求項14】
超音波画像フィードが取得されることが従うものである第1のプリセットと、
第1のプリセットとは異なる第2のプリセットと
を備え、
前記超音波スキャナの前記設定の制御は、前記第1のプリセットを前記第2のプリセットに変更することを含む、
請求項12又は13に記載の超音波スキャナ。
【請求項15】
更に、人工知能モデルを含み、
前記超音波スキャナは、
前記第1のプリセットを前記第2のプリセットに変更する前に、前記超音波制御データフレームの少なくとも最新のものを前記人工知能モデルに対して処理して、前記超音波画像フィードに適したプリセットを予測し、予測された、適したプリセットを、前記超音波スキャナが変更される前記第2のプリセットとして使用する
ように構成される、請求項12~14のいずれか一項に記載の超音波スキャナ。
【請求項16】
前記人工知能モデルは、異なるプリセットに対する超音波制御データフレームの異なるクラスを含む1つ以上のデータセットで訓練され、前記1つ以上のデータセット内の全ての前記超音波制御データフレームは、前記基準スキャンパラメータを使用して一貫して取得される、
請求項15に記載の超音波スキャナ。
【請求項17】
前記異なるプリセットは、腹部、心臓、膀胱、肺、産科/婦人科、経頭蓋、表在、甲状腺、血管、筋骨格、乳房、眼球、前立腺、不妊、又は神経の、少なくとも2つに対するプリセットを含む、請求項15又は16に記載の超音波スキャナ。
【請求項18】
超音波制御データフレームの前記異なるクラスは、異なる身体部位の取得された超音波データを含み、
前記異なる身体部位は、肺、心臓、肝臓、腎臓、膀胱、眼球、子宮、甲状腺、乳房、脳、動脈、静脈、筋肉、胚、腱、骨、胎児、前立腺、子宮、卵巣、精巣、膵臓、又は胆嚢のうちの、少なくとも2つを含む、
請求項15~17のいずれか一項に記載の超音波スキャナ。
【請求項19】
更に、
後に取得された超音波制御データフレームを監視して、後に取得された超音波制御データフレームが前記第2のプリセットに対応し続けるかどうかを判定するステップと、
一定期間後に、前記後に取得された超音波制御データフレームが人工知能モデルの訓練又は強化に使用できるように、前記後に取得された超音波制御データフレームを、前記第2のプリセットに対応する超音波制御データフレームとしてラベル付けするステップと
を行わせる、
請求項14~18のいずれか一項に記載の超音波スキャナ。
【国際調査報告】