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特表2023-515806免疫細胞においてアルギニン濃度をモジュレートするための方法および組成物
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  • 特表-免疫細胞においてアルギニン濃度をモジュレートするための方法および組成物 図1
  • 特表-免疫細胞においてアルギニン濃度をモジュレートするための方法および組成物 図2
  • 特表-免疫細胞においてアルギニン濃度をモジュレートするための方法および組成物 図3A
  • 特表-免疫細胞においてアルギニン濃度をモジュレートするための方法および組成物 図3B
  • 特表-免疫細胞においてアルギニン濃度をモジュレートするための方法および組成物 図3C
  • 特表-免疫細胞においてアルギニン濃度をモジュレートするための方法および組成物 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-14
(54)【発明の名称】免疫細胞においてアルギニン濃度をモジュレートするための方法および組成物
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/12 20060101AFI20230407BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20230407BHJP
   C12N 5/0783 20100101ALI20230407BHJP
   C12N 15/13 20060101ALI20230407BHJP
   C12N 15/62 20060101ALI20230407BHJP
   C12N 15/85 20060101ALI20230407BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20230407BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230407BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20230407BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230407BHJP
   A61K 35/17 20150101ALI20230407BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20230407BHJP
【FI】
C12N15/12
C12N5/10 ZNA
C12N5/0783
C12N15/13
C12N15/62 Z
C12N15/85 Z
C12N15/63 Z
A61P35/00
A61P35/02
A61P43/00 105
A61P43/00 121
A61K35/17
A61K45/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022550673
(86)(22)【出願日】2021-02-20
(85)【翻訳文提出日】2022-10-14
(86)【国際出願番号】 CN2021077002
(87)【国際公開番号】W WO2021164753
(87)【国際公開日】2021-08-26
(31)【優先権主張番号】62/979,805
(32)【優先日】2020-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522331002
【氏名又は名称】スカイ パーフェクト インターナショナル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】チュン, クウォク ミン
【テーマコード(参考)】
4B065
4C084
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA93Y
4B065AA94X
4B065AA94Y
4B065AB01
4B065AC12
4B065AC14
4B065AC20
4B065BA01
4B065BB08
4B065BB12
4B065CA24
4B065CA44
4C084AA19
4C084MA02
4C084MA13
4C084MA55
4C084MA56
4C084MA58
4C084MA59
4C084MA60
4C084MA63
4C084MA66
4C084NA05
4C084ZB211
4C084ZB212
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZB271
4C084ZB272
4C084ZC751
4C087AA01
4C087AA02
4C087AA03
4C087BB64
4C087BB65
4C087MA02
4C087MA13
4C087MA55
4C087MA56
4C087MA58
4C087MA59
4C087MA60
4C087MA63
4C087MA66
4C087NA05
4C087NA14
4C087ZB21
4C087ZB26
4C087ZB27
4C087ZC75
(57)【要約】
例えば、アミノ酸トランスポーター、特にアルギニントランスポーターを過剰発現することによって、必須アミノ酸アルギニンを処理する能力が増加した遺伝子改変T細胞およびCAR-T細胞が提供される。遺伝子改変T細胞およびCAR-T細胞は、アルギニンを処理する能力が増加しているため、しばしば厳しい腫瘍微小環境により良好に生存することができる。T細胞に利用可能なアルギニンの量を増大させ、したがって、腫瘍微小環境を生存することによって固形腫瘍の処置において有効であり得るCAR-T細胞を提供するために使用される方法および組成物も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遺伝子改変T細胞であって、
a)組換えアルギニントランスポーター、および
b)標的細胞集団上に存在する細胞表面抗原に特異的に結合する少なくとも1つの抗原特異的標的化領域と、膜貫通ドメインと、細胞内シグナル伝達ドメインとを有するキメラ抗原受容体、を発現するように遺伝子改変された、遺伝子改変T細胞。
【請求項2】
発現ベクターであって、a)抗原特異的標的化領域、b)膜貫通ドメイン、c)必要に応じて少なくとも1つの共刺激ドメイン、d)細胞内シグナル伝達ドメイン、およびe)アルギニントランスポーターをコードする単離された核酸を含む、発現ベクター。
【請求項3】
請求項2に記載の発現ベクターによってコードされるキメラ抗原受容体を発現するように改変された遺伝子改変T細胞。
【請求項4】
前記アルギニントランスポーターが、CAT-1、CAT-2、CAT-3、CAT-4、yLAT1および4F2hc、yLAT2および4F2hc、b0,+ATおよびrBAT、ならびにATB0,+からなる群から選択される、請求項1または3に記載の遺伝子改変T細胞。
【請求項5】
前記遺伝子改変T細胞が、配列番号180、184~188、204、205、210、214、215、220~222、227~230、234~236、242および246からなる群から選択される核酸配列、またはその断片もしくはバリアントを含む、請求項1、3または4のいずれか一項に記載の遺伝子改変T細胞。
【請求項6】
前記遺伝子改変T細胞が、配列番号180、184~188、204、205、210、214、215、220~222、227~230、234~236、242および246のうちの1つと約90%、95%または99%の同一性パーセントを有する配列を発現する核酸を含む、請求項1、3または4に記載の遺伝子改変T細胞。
【請求項7】
請求項1または3~6のいずれか一項に記載の遺伝子改変T細胞と、薬学的に許容され得る賦形剤とを含む、薬学的に許容され得る組成物。
【請求項8】
請求項1または3~6のいずれか一項に記載の遺伝子改変T細胞と、L-アルギニンとを含む、プライミング培地。
【請求項9】
組換えアルギニントランスポーターおよびキメラ抗原受容体タンパク質を発現するキメラ抗原受容体T細胞(CAR-T細胞)を含む、医薬組成物。
【請求項10】
前記アルギニントランスポーターがCAT-1である、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記アルギニントランスポーターがCAT-2である、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記アルギニントランスポーターがCAT-3である、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記アルギニントランスポーターがCAT-4である、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記アルギニントランスポーターが、yLAT1および4F2hcである、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記アルギニントランスポーターが、yLAT2および4F2hcである、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記アルギニントランスポーターが、b0,+ATおよびrBATである、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記アルギニントランスポーターがATB0,+である、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記医薬組成物がキットとして包装されている、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項19】
固形腫瘍がんの処置を必要とする患者において固形腫瘍がんを処置する方法であって、有効量の請求項7または9に記載の医薬組成物を前記患者に投与することを含む、方法。
【請求項20】
血液がんの処置を必要とする患者において血液がんを処置する方法であって、有効量の請求項7または9に記載の医薬組成物を前記患者に投与することを含む、方法。
【請求項21】
T細胞媒介性免疫応答を達成するために細胞内アルギニンレベルをモジュレートすることを必要とする患者において細胞内アルギニンレベルをモジュレートする方法であって、有効量の請求項7または9に記載の医薬組成物を前記患者に投与することを含む、方法。
【請求項22】
状態の処置を必要とするヒト患者の状態を処置するための方法であって、組換えアルギニントランスポーターおよびキメラ抗原受容体タンパク質を発現するキメラ抗原受容体T細胞(CAR-T細胞)を含む治療有効量の組成物を前記ヒト患者に投与することを含む、方法。
【請求項23】
細胞表面抗原を発現する標的細胞集団に対するT細胞媒介性免疫応答をモジュレートすることを必要とする患者において、細胞表面抗原を発現する標的細胞集団に対するT細胞媒介性免疫応答をモジュレートする方法であって、a)キメラ抗原受容体を発現するように遺伝子改変されており、前記キメラ抗原受容体が、前記標的細胞集団上に存在する前記細胞表面抗原に特異的に結合する少なくとも1つの抗原特異的標的化領域と、膜貫通ドメインと、細胞内シグナル伝達ドメインとを含み、かつb)組換えアルギニントランスポーターを発現するように遺伝子改変されている、治療有効量のT細胞を前記患者に投与することを含む、方法。
【請求項24】
前記T細胞が、投与前にアルギニンを含む培養培地中で培養される、請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
前記アルギニントランスポーターがCAT-1である、請求項22~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記アルギニントランスポーターがCAT-2である、請求項22~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記アルギニントランスポーターがCAT-3である、請求項22~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記アルギニントランスポーターがCAT-4である、請求項22~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記アルギニントランスポーターが、yLAT1および4F2hcである、請求項22~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記アルギニントランスポーターが、yLAT2および4F2hcである、請求項22~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記アルギニントランスポーターが、b0,+ATおよびrBATである、請求項22~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記アルギニントランスポーターがATB0,+である、請求項22~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
請求項1および3~6のいずれか一項に記載のT細胞を投与することを含む、請求項22~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
第2の治療薬を前記ヒト患者に投与することを更に含む、請求項22~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記第2の治療薬が、抗PD-1、抗PD-L1、または抗CTLA-4抗体である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記第2の治療薬の前記投与が、前記CAR-T細胞を含む前記組成物の前記投与前、前記投与中または前記投与後に行われる、請求項34または35に記載の方法。
【請求項37】
前記第2の治療薬の前記投与が、前記治療有効量のT細胞の前記投与前、前記投与中、または前記投与後に行われる、請求項34または35に記載の方法。
【請求項38】
前記CAR-T細胞を含む前記組成物が、1週間毎に1回、2週間毎に1回、3週間毎に1回または4週間毎に1回、前記ヒト患者に投与される、請求項22~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記患者1キログラムあたり10~1010個のCAR-T細胞を投与することを含む、請求項22~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
組換えアルギニントランスポーターを発現する遺伝子改変CAR-T細胞を作製する方法であって、
T細胞に、特異的キメラ抗原受容体に対するおよびアルギニントランスポーターに対するヌクレオチド配列を含むDNAコンストラクトをトランスフェクトし、それにより、前記キメラ抗原受容体および前記アルギニントランスポーターの両方を発現する遺伝子改変CAR-T細胞を産生すること、ならびに
前記遺伝子改変CAR-T細胞を、アルギニンを含む培養培地中で培養すること
を含む、方法。
【請求項41】
前記培養することが、前記CAR-T細胞の細胞内アルギニンレベルが一定のレベルに蓄積するまで、前記遺伝子改変CAR-T細胞を前記培養培地中で培養することを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
組換えアルギニントランスポーターを発現するように遺伝子改変された、遺伝子改変T細胞。
【請求項43】
前記アルギニントランスポーターが、CAT-1、CAT-2、CAT-3、CAT-4、yLAT1および4F2hc、yLAT2および4F2hc、b0,+ATおよびrBAT、ならびにATB0,+からなる群から選択される、請求項42に記載の遺伝子改変T細胞。
【請求項44】
前記遺伝子改変T細胞が、配列番号180、184~188、204、205、210、214、215、220~222、227~230、234~236、242および246からなる群から選択される核酸配列、またはその断片もしくはバリアントを含む、請求項42または43に記載の遺伝子改変T細胞。
【請求項45】
前記遺伝子改変T細胞が、配列番号180、184~188、204、205、210、214、215、220~222、227~230、234~236、242および246のうちの1つと約90%、95%または99%の同一性パーセントを有する配列を発現する核酸を含む、請求項42または43に記載の遺伝子改変T細胞。
【請求項46】
請求項42~45のいずれか一項に記載の遺伝子改変T細胞と、薬学的に許容され得る賦形剤とを含む、薬学的に許容され得る組成物。
【請求項47】
請求項42~45のいずれか一項に記載の遺伝子改変T細胞と、L-アルギニンとを含む、プライミング培地。
【請求項48】
組換えアルギニントランスポータータンパク質を発現するT細胞を含む医薬組成物。
【請求項49】
前記アルギニントランスポーターがCAT-1である、請求項48に記載の医薬組成物。
【請求項50】
前記アルギニントランスポーターがCAT-2である、請求項48に記載の医薬組成物。
【請求項51】
前記アルギニントランスポーターがCAT-3である、請求項48に記載の医薬組成物。
【請求項52】
前記アルギニントランスポーターがCAT-4である、請求項48に記載の医薬組成物。
【請求項53】
前記アルギニントランスポーターが、yLAT1および4F2hcである、請求項48に記載の医薬組成物。
【請求項54】
前記アルギニントランスポーターが、yLAT2および4F2hcである、請求項48に記載の医薬組成物。
【請求項55】
前記アルギニントランスポーターが、b0,+ATおよびrBATである、請求項48に記載の医薬組成物。
【請求項56】
前記アルギニントランスポーターがATB0,+である、請求項48に記載の医薬組成物。
【請求項57】
前記医薬組成物がキットとして包装されている、請求項48に記載の医薬組成物。
【請求項58】
固形腫瘍がんの処置を必要とする患者において固形腫瘍がんを処置する方法であって、有効量の請求項46または48に記載の医薬組成物を前記患者に投与することを含む、方法。
【請求項59】
血液がんの処置を必要とする患者において血液がんを処置する方法であって、有効量の請求項46または48に記載の医薬組成物を前記患者に投与することを含む、方法。
【請求項60】
T細胞媒介性免疫応答を達成するために細胞内アルギニンレベルをモジュレートすることを必要とする患者において細胞内アルギニンレベルをモジュレートする方法であって、有効量の請求項46または48に記載の医薬組成物を前記患者に投与することを含む、方法。
【請求項61】
状態の処置を必要とするヒト患者において状態を処置するための方法であって、組換えアルギニントランスポーターを発現するT細胞を含む治療有効量の組成物を前記ヒト患者に投与することを含む、方法。
【請求項62】
前記T細胞が、投与前にアルギニンを含む培養培地中で培養される、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記アルギニントランスポーターがCAT-1である、請求項61または62に記載の方法。
【請求項64】
前記アルギニントランスポーターがCAT-2である、請求項61または62に記載の方法。
【請求項65】
前記アルギニントランスポーターがCAT-3である、請求項61または62に記載の方法。
【請求項66】
前記アルギニントランスポーターがCAT-4である、請求項61または62に記載の方法。
【請求項67】
前記アルギニントランスポーターが、yLAT1および4F2hcである、請求項61または62に記載の方法。
【請求項68】
前記アルギニントランスポーターが、yLAT2および4F2hcである、請求項61または62に記載の方法。
【請求項69】
前記アルギニントランスポーターがb0,+ATおよびrBATである、請求項61または62に記載の方法。
【請求項70】
前記アルギニントランスポーターがATB0,+である、請求項61または62に記載の方法。
【請求項71】
請求項42~45のいずれか一項に記載のT細胞を投与することを含む、請求項61または62記載の方法。
【請求項72】
第2の治療薬を前記ヒト患者に投与することを更に含む、請求項58~71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
前記第2の治療薬が、抗PD-1、抗PD-L1、または抗CTLA-4抗体である、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記第2の治療薬の前記投与が、前記T細胞を含む前記組成物の前記投与前、前記投与中または前記投与後に行われる、請求項72または73に記載の方法。
【請求項75】
前記第2の治療薬の前記投与が、前記治療有効量のT細胞の前記投与前、前記投与中、または前記投与後に行われる、請求項72または73に記載の方法。
【請求項76】
組換えアルギニントランスポーターを発現する遺伝子改変T細胞を作製する方法であって、
T細胞に、アルギニントランスポーターに対するヌクレオチド配列を含むDNAコンストラクトをトランスフェクトし、それにより、前記アルギニントランスポーターを発現する遺伝子改変T細胞を産生すること、ならびに
前記遺伝子改変T細胞を、アルギニンを含む培養培地中で培養すること
を含む、方法。
【請求項77】
前記培養することが、前記T細胞の細胞内アルギニンレベルが一定のレベルに蓄積するまで、前記遺伝子改変T細胞を前記培養培地中で培養することを含む、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
低アルギニン環境においてT細胞の生存を増加させる方法であって、組換えアルギニントランスポーターを含むT細胞を低アルギニン環境に投与することを含む、方法。
【請求項79】
前記投与するステップの前に、前記組換えアルギニントランスポーターをコードするヌクレオチド配列を含むDNAコンストラクトで前記T細胞をトランスフェクトすることを含む、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記T細胞が、キメラ抗原受容体および/またはキメラ抗原受容体をコードするヌクレオチド配列を含むDNAコンストラクトを含む、請求項78または請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記投与するステップの前に、前記T細胞をアルギニンを含む培養培地中で培養することを含む、請求項78~80のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
前記培養することが、前記T細胞の細胞内アルギニンレベルが一定のレベルに蓄積するまで、前記T細胞を前記培養培地中で培養することを含む、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
前記アルギニントランスポーターが、CAT-1、CAT-2、CAT-3、CAT-4、yLAT1および4F2hc、yLAT2および4F2hc、b0,+ATおよびrBAT、ならびにATB0,+からなる群から選択される、請求項78~82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
前記組換えアルギニントランスポーターをコードするヌクレオチド配列を含む前記DNAコンストラクトが、配列番号180、184~188、204、205、210、214、215、220~222、227~230、234~236、242および246からなる群から選択される核酸配列、またはその断片もしくはバリアントを含む、請求項78~82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項85】
前記組換えアルギニントランスポーターをコードするヌクレオチド配列を含む前記DNAコンストラクトが、配列番号180、184~188、204、205、210、214、215、220~222、227~230、234~236、242および246のうちの1つと約90%、95%または99%の同一性パーセントを有する配列を発現する核酸を含む、または請求項78~82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項86】
前記低アルギニン環境が細胞培養培地である、請求項78~85のいずれか一項に記載の方法。
【請求項87】
前記低アルギニン環境が腫瘍微小環境である、請求項78~85のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年2月21日に出願された米国仮出願第62/979,805号の利益および優先権を主張し、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
配列表
(0001.1)
本出願は、ASCII形式で電子的に提出された配列表を含有し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。2021年2月18日に作成された当該ASCIIコピーの名称はSKP-001WO_SL.txtであり、サイズは312,657バイトである。
技術分野
【0002】
本発明は、免疫細胞においてアルギニンレベルをモジュレートし、例えば腫瘍微小環境における細胞生存を延長するための組成物および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法は、がん処置における大きなブレークスルーとして浮上した。CAR-T療法では、患者のT細胞を採取し、予め選択された特異的抗原、例えばがん細胞上の膜貫通受容体に結合するCARを産生するように遺伝子操作する。CAR-T細胞を患者の体内に再導入し、それらが所定の標的、例えばがん細胞を攻撃することを可能にする。CAR受容体がその標的抗原と結合すると、CAR-T細胞は活性化され、標的抗原を提示する細胞に対する免疫応答を開始する。CAR-T細胞療法は、患者応答の成功、および場合によっては、標準的な処置に以前に応答することができなかった患者における寛解を誘導した。例えば、白血病のいくつかの形態では、CAR-T療法は94%もの高い寛解率を示している。
【0004】
既存のCAR-T細胞療法は、現在、血液がんのみでの使用が承認されている。現在、市場には2つのFDA承認CAR-T細胞療法、キムリア(Kymriah)(チサゲンレクルユーセル)およびイエスカルタ(Yescarta)(アキシカブタゲンシロルユーセル)が存在し、これらはいくつかの専門研究病院で血液悪性腫瘍を処置するために使用されている。これらの処置は、以前は標準的な処置レジメンに抵抗性であったがんを有する者を含む、いくつかの対象において完全かつ長期の寛解をもたらした。
【0005】
以前のCARの開発は、細胞質シグナル伝達タンパク質を膜に動員し、B細胞受容体シグナル伝達経路の閾値を低下させる膜貫通タンパク質であるBリンパ球抗原CD19の標的化に焦点を当てていた。これらの必要な機能のために、CD19は全てのB細胞に遍在し、B細胞から生じる悪性腫瘍、特にB細胞リンパ腫、急性リンパ芽球性白血病、および慢性リンパ球性白血病のバイオマーカーとして使用される。CAR-T療法の標的とされている他のドメインは、成熟B細胞の表面に見出される糖結合膜貫通タンパク質であるCD22、急性骨髄性白血病サブタイプにわたって発現されるインターロイキン-3伝達物質であるCD123、ならびに様々な白血病、リンパ腫、および多発性骨髄腫に関連するB細胞活性化因子を認識する腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーの細胞表面受容体であるB細胞成熟抗原である。
【0006】
固形腫瘍の腫瘍微小環境(TME)は、操作されたCAR-T細胞を含む全てのエフェクターT細胞にとって厳しい。免疫抑制シグナルおよびTME内の必須栄養素の不足は、T細胞疲弊をもたらす。したがって、CAR-T細胞がTMEに侵入し、TMEにおいて機能的である能力は、限定されたままであった。
【0007】
したがって、TMEのチャレンジに耐性であり、TME内のがん細胞破壊において機能することができるCAR-T細胞およびCAR-T細胞を含む医薬組成物が必要とされている。また、CAR-T細胞でがんを効果的に処置する方法、ならびに患者の応答性および寛解を誘導するのに有効なCAR-T細胞を含む医薬組成物も必要とされており、このような患者は、他の形態のがん処置またはCAR-T細胞による他の処置方法に対して抵抗性である。さらに、疲弊を受けることなくTME内のがん細胞を破壊するのに有効な優れたCAR-T細胞を投与することによってがんを処置する方法が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、少なくとも部分的に、アミノトランスポータータンパク質、例えば、アルギニントランスポータータンパク質を発現するT細胞、および標的細胞上の細胞表面抗原に特異的に結合するCARに関する。そのようなCAR-T細胞は、がん等の悪性腫瘍の処置に有用である。本明細書に記載の遺伝子改変T細胞および発現ベクターは、例えば遺伝子改変を受けていないT細胞集団と比較して、腫瘍微小環境および資源が枯渇した、例えばアルギニンが枯渇した微小環境における増強された堅牢性および/または生存を有し得る。記載される遺伝子改変T細胞および発現ベクターは、特定の細胞集団へのT細胞の標的化を必要とするがんおよび他の疾患を処置するのに有用である。
【0009】
別の態様では、本開示は、アミノ酸トランスポーター、例えばアルギニントランスポーターを発現する遺伝子改変T細胞に関する。アミノ酸トランスポーターは、組換えアミノ酸トランスポーターヌクレオチド配列の産物であり得る。アミノ酸トランスポーターを発現または過剰発現するように遺伝子改変されている本明細書に記載のT細胞は、例えばアミノ酸トランスポーターを発現または過剰発現するように遺伝子改変されていないT細胞集団と比較して、腫瘍微小環境および資源枯渇、例えばアルギニン枯渇、微小環境における堅牢性および/または生存性が向上し得る。記載される遺伝子改変T細胞および発現ベクターは、特定の細胞集団へのT細胞の標的化を必要とする、または1またはそれを超えるアミノ酸、例えばアルギニンが枯渇した生物学的環境で生存するためにT細胞の増強された堅牢性を必要とするがんおよび他の疾患を処置するために有用である。
【0010】
一態様では、アルギニントランスポーターおよびキメラ抗原受容体(CAR)を発現するように遺伝子改変された遺伝子改変T細胞が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、CARは、標的細胞集団上に存在する細胞表面抗原に特異的に結合する少なくとも1つの抗原特異的標的化領域と、膜貫通ドメインと、細胞内シグナル伝達ドメインとを有する。いくつかの実施形態では、CARは、少なくとも、標的細胞集団上に存在する細胞表面抗原に特異的に結合する抗原特異的標的化領域と、膜貫通ドメインと、少なくとも1つの共刺激ドメインと、細胞内シグナル伝達ドメインとを有する。
【0011】
CARおよび/またはアミノ酸トランスポーター、例えばアルギニントランスポーターをコードするヌクレオチド配列を含む発現ベクターも本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の発現ベクターの転写は、リボ核酸(RNA)、例えばCARおよび/またはアミノ酸トランスポーター、例えばアルギニントランスポーターヌクレオチド配列をコードするメッセンジャーRNA(mRNA)配列の産生をもたらす。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の発現ベクターは、CARおよび/またはアミノ酸トランスポーター、例えばアルギニントランスポーターを発現することができる。いくつかの実施形態では、抗原特異的標的化領域と、膜貫通ドメインと、必要に応じて少なくとも1つの共刺激ドメインと、細胞内シグナル伝達ドメインと、アルギニントランスポーターとをコードする単離された核酸を含む発現ベクターが本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、抗原特異的標的化領域と、膜貫通ドメインと、必要に応じて少なくとも1つの共刺激ドメインと、細胞内シグナル伝達ドメインとをコードする単離された核酸を含む発現ベクターが本明細書に記載される。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、アルギニントランスポーターをコードする単離された核酸配列を含む発現ベクターである。いくつかの実施形態では、抗原特異的標的化領域と、膜貫通ドメインと、必要に応じて少なくとも1つの共刺激ドメインと、細胞内シグナル伝達ドメインと、アミノ酸トランスポーターとをコードする単離された核酸を含む発現ベクターが本明細書に記載される。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、アミノ酸トランスポーターをコードする単離された核酸配列を含む発現ベクターである。
【0012】
アミノ酸トランスポーター、例えばアルギニントランスポーターをコードするヌクレオチド配列を含む発現ベクターも本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の発現ベクターの転写は、リボ核酸(RNA)、例えばアミノ酸トランスポーター、例えばアルギニントランスポーターヌクレオチド配列をコードするメッセンジャーRNA(mRNA)配列の産生をもたらす。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の発現ベクターは、アミノ酸トランスポーター、例えばアルギニントランスポーターを発現することができる。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、アルギニントランスポーターをコードする単離された核酸配列を含む発現ベクターである。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、アルギニントランスポーターをコードする単離された核酸配列を含む発現ベクターである。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、アミノ酸トランスポーターをコードする単離された核酸配列を含む発現ベクターである。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、アミノ酸トランスポーターをコードする単離された核酸配列を含む発現ベクターである。本明細書に記載の実施形態では、核酸配列は、例えば、リボ核酸(RNA)配列、デオキシリボ核酸(DNA)配列、またはDNAとRNAの混合配列であり得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される発現ベクターは、CARおよびアミノ酸トランスポーターをコードするヌクレオチド配列を含み、CARおよびアミノ酸トランスポーターヌクレオチド配列は別々のmRNA転写産物に転写される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される発現ベクターは、CARおよびアミノ酸トランスポーターをコードするヌクレオチド配列を含み、CARおよびアミノ酸トランスポーターヌクレオチド配列は共に単一のmRNA転写産物に転写される。CARおよびアミノ酸トランスポーターヌクレオチド配列が共に単一のmRNA転写物に転写される実施形態では、CARおよびアミノ酸トランスポーターmRNA転写物をコードする発現ベクターヌクレオチド配列は、内部リボソーム進入配列(IRES)を含み得る。いくつかの実施形態では、IRESは、CARをコードするヌクレオチド配列の部分とアミノ酸トランスポーターをコードするヌクレオチド配列の部分との間に配置される。したがって、実施形態では、CARヌクレオチド配列およびアミノ酸トランスポーターヌクレオチド配列は、IRES配列によって分離される。CARおよびアミノ酸トランスポーターヌクレオチド配列が一緒に単一のmRNA転写物に転写される実施形態では、CARをコードする発現ベクターヌクレオチド配列およびアミノ酸トランスポーターmRNA転写物は、CARをコードするヌクレオチド配列の部分とアミノ酸トランスポーターをコードするヌクレオチド配列の部分との間に配置された2A自己切断配列を含み得る。したがって、いくつかの実施形態では、CARヌクレオチド配列およびアミノ酸トランスポーターヌクレオチド配列は、2A自己切断配列によって分離される。いくつかの実施形態では、CARヌクレオチド配列、2A自己切断配列、およびアミノ酸トランスポーターヌクレオチド配列を含むmRNAから翻訳されたペプチドは、翻訳後に2A自己切断部位で切断される。
【0014】
発現ベクターによってコードされるCARを発現するように改変された遺伝子改変T細胞も本明細書に記載される。発現ベクターによってコードされるCARおよびアミノ酸トランスポーター、例えばアルギニントランスポーターを発現するように改変された遺伝子改変T細胞も本明細書に記載される。発現ベクターによってコードされるアミノ酸トランスポーター、例えばアルギニントランスポーターを発現するように改変された遺伝子改変T細胞も本明細書に記載される。第1の発現ベクターによってコードされるCARおよびアミノ酸トランスポーター、例えば第2の発現ベクターによってコードされるアルギニントランスポーターを発現するように改変された遺伝子改変T細胞も本明細書に記載される。本明細書に記載される実施形態では、発現ベクターによってコードされるCARは、抗原特異的標的化領域、膜貫通ドメイン、必要に応じて少なくとも1つの共刺激ドメイン、および細胞内シグナル伝達ドメインを含み得る。発現ベクターによってコードされるアミノ酸トランスポーター、例えばアルギニントランスポーターを発現するように改変された遺伝子改変T細胞は、組換えアミノ酸トランスポーター、例えば組換えアルギニントランスポーターを発現するように改変された遺伝子改変T細胞を含み得る。
【0015】
ウイルス由来導入遺伝子によってコードされるCARを発現するように改変された遺伝子改変T細胞も本明細書に記載される。ウイルス由来導入遺伝子によってコードされるCARおよびアミノ酸トランスポーター、例えばアルギニントランスポーターを発現するように改変された遺伝子改変T細胞も本明細書に記載される。ウイルス由来導入遺伝子によってコードされるアミノ酸トランスポーター、例えばアルギニントランスポーターを発現するように改変された遺伝子改変T細胞も本明細書に記載される。第1のウイルス由来導入遺伝子によってコードされるCARおよびアミノ酸トランスポーター、例えば第2のウイルス由来導入遺伝子によってコードされるアルギニントランスポーターを発現するように改変された遺伝子改変T細胞も本明細書に記載される。本明細書に記載される実施形態では、ウイルス由来導入遺伝子によってコードされるCARは、抗原特異的標的化領域、膜貫通ドメイン、必要に応じて少なくとも1つの共刺激ドメイン、および細胞内シグナル伝達ドメインを含み得る。ウイルス由来導入遺伝子によってコードされるアミノ酸トランスポーター、例えばアルギニントランスポーターを発現するように改変された遺伝子改変T細胞は、組換えアミノ酸トランスポーター、例えば組換えアルギニントランスポーターを発現するように改変された遺伝子改変T細胞を含み得る。
【0016】
本明細書に記載の遺伝子改変T細胞は、特定のアルギニントランスポーターを発現することができる。いくつかの実施形態では、アルギニントランスポータータンパク質は、単一のアルギニントランスポータータンパク質を含む。いくつかの実施形態では、アルギニントランスポータータンパク質は、2つのアルギニントランスポータータンパク質を含む。例えば、本明細書に記載の遺伝子改変T細胞は、CAT-1、CAT-2、CAT-3、CAT-4、yLAT1、4F2hc、yLAT2、yLAT1および4F2hc、yLAT2および4F2hc、b0,+AT、rBAT、b0,+ATおよびrBAT、ならびにATB0,+、またはそれらの組み合わせからなる群から選択されるアルギニントランスポーターを発現し得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の発現ベクターは、アルギニントランスポーターをコードする単離された核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の発現ベクターは、アルギニントランスポーターを共に含むタンパク質をコードする2またはそれを超える単離された核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、アルギニントランスポーター核酸配列(複数可)は、CAT-1、CAT-2、CAT-3、CAT-4、yLAT1、4F2hc、yLAT2、yLAT1および4F2hc、yLAT2および4F2hc、b0,+AT、rBAT、b0,+ATおよびrBAT、ならびにATB0,+、またはそれらの組み合わせの核酸配列(複数可)からなる群から選択される。
【0018】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるウイルス由来導入遺伝子は、アルギニントランスポーターをコードする単離された核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のウイルス由来導入遺伝子は、アルギニントランスポーターを共に含むタンパク質をコードする2またはそれを超える単離された核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、アルギニントランスポーター核酸配列(複数可)は、CAT-1、CAT-2、CAT-3、CAT-4、yLAT1、4F2hc、yLAT2、yLAT1および4F2hc、yLAT2および4F2hc、b0,+AT、rBAT、b0,+ATおよびrBAT、ならびにATB0,+、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される核酸配列(複数可)からなる群から選択される。
【0019】
アミノ酸トランスポーター配列をコードする核酸配列を含む発現ベクター、およびアミノ酸トランスポーターをコードする組換え核酸配列を含む遺伝子改変T細胞も本明細書に記載される。例えば、配列番号180、184~188、204、205、210、214、215、220~222、227~230、234~236、242および246からなる群から選択される核酸配列、またはその断片もしくはバリアントを含む発現ベクターが本明細書に記載される。配列番号220~222のいずれか1つのヌクレオチド配列および配列番号227~230のいずれか1つのヌクレオチド配列を含む発現ベクターも本明細書に記載される。配列番号214および215のいずれか1つのヌクレオチド配列、ならびに配列番号227~230のいずれか1つのヌクレオチド配列を含む発現ベクターも本明細書に記載される。配列番号234~236のいずれか1つのヌクレオチド配列および配列番号242のヌクレオチド配列を含む発現ベクターも本明細書に記載される。
【0020】
配列番号180、184~188、204、205、210、214、215、220~222、227~230、234~236、242および246からなる群から選択される配列を含む組換え核酸配列、またはその断片もしくはバリアントを含む遺伝子改変T細胞も本明細書に記載される。配列番号220~222のいずれか1つのヌクレオチド配列および配列番号227~230のいずれか1つのヌクレオチド配列を含む組換え核酸を含む遺伝子改変T細胞も本明細書に記載される。配列番号214および215のいずれか1つのヌクレオチド配列、ならびに配列番号227~230のいずれか1つのヌクレオチド配列を含む組換え核酸を含む遺伝子改変T細胞も本明細書に記載される。配列番号234~236のいずれか1つのヌクレオチド配列および配列番号242のヌクレオチド配列を含む組換え核酸を含む遺伝子改変T細胞も本明細書に記載される。
【0021】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の遺伝子改変T細胞は、配列番号180、184~188、204、205、210、214、215、220~222、227~230、234~236、242および246からなる群から選択される配列を含む組換え核酸配列、またはその断片もしくはバリアントを含むように遺伝子改変される。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の遺伝子改変T細胞は、配列番号180、184~188、204、205、210、214、215、220~222、227~230、234~236、242および246、またはその断片もしくはバリアントからなる群から選択される核酸配列の1またはそれを超える追加のコピーを含むように改変される。配列番号180、184~188、204、205、210、214、215、220~222、227~230、234~236、242および246からなる群から選択される核酸配列を含む発現ベクター、またはその断片もしくはバリアントを含む遺伝子改変T細胞も本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の発現ベクターを含む発現ベクター、遺伝子改変T細胞、または遺伝子改変T細胞は、配列番号180、184~188、204、205、210、214、215、220~222、227~230、234~236、242、および246からなる群から選択される核酸配列の組み合わせ、またはその断片もしくはバリアントを含む。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、発現ベクター、組換え核酸配列を含む遺伝子改変T細胞、組換え核酸配列を含むように遺伝子改変された遺伝子改変T細胞、核酸配列の1もしくはそれを超える追加のコピーを含むように改変された遺伝子改変T細胞、または核酸配列を含む発現ベクターを含む遺伝子改変T細胞は、配列番号180、184~188、204、205、210、214、215、220~222、227~230、234~236、242、および246からなる群から選択される少なくとも2つの核酸配列、またはその断片もしくはバリアントを含む。例えば、本明細書に記載のいくつかの実施形態では、発現ベクター、組換え核酸配列を含む遺伝子改変T細胞、組換え核酸配列を含むように遺伝子改変された遺伝子改変T細胞、核酸配列の1もしくはそれを超える追加のコピーを含むように改変された遺伝子改変T細胞、または核酸配列を含む発現ベクターを含む遺伝子改変T細胞は、以下のヌクレオチド配列ペアのうちの1つを含む:配列番号220~222のいずれか1つのヌクレオチド配列および配列番号227~230のいずれか1つのヌクレオチド配列;配列番号214および215のいずれか1つのヌクレオチド配列、ならびに配列番号227~230のいずれか1つのヌクレオチド配列;配列番号234~236のいずれか1つのヌクレオチド配列および配列番号242のヌクレオチド配列。
【0022】
本明細書に記載の遺伝子改変T細胞は、配列番号180、184~188、204、205、210、214、215、220~222、227~230、234~236、242および246のいずれかの核酸配列と類似性を共有する組換え核酸配列を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の遺伝子改変T細胞は、配列番号180、184~188、204、205、210、214、215、220~222、227~230、234~236、242および246のうちの1つと約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、約90%~約95%、約95%~約99%、または約90%~約99%の同一性パーセントを有する核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の遺伝子改変T細胞は、配列番号180、184~188、204、205、210、214、215、220~222、227~230、234~236、242、および246のうちの1つと約90%、95%、または99%の同一性パーセントを有する核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の遺伝子改変T細胞は、配列番号180、184~188、204、205、210、214、215、220~222、227~230、234~236、242および246のうちの1つと約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、約90%~約95%、約95%~約99%、または約90%~約99%の同一性パーセントを有する核酸配列を含む発現ベクターを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の遺伝子改変T細胞は、配列番号180、184~188、204、205、210、214、215、220~222、227~230、234~236、242および246のうちの1つと約90%、95%または99%の同一性パーセントを有する核酸配列を含む発現ベクターを含む。
【0023】
別の態様では、本明細書に記載の遺伝子改変T細胞および薬学的に許容され得る賦形剤を含む薬学的に許容され得る組成物が本明細書に記載される。
【0024】
遺伝子改変T細胞、例えば本明細書に記載の遺伝子改変T細胞をプライミングするためのL-アルギニンを含むプライミング培地も本明細書に記載される。本明細書に記載のプライミング培地は、遺伝子改変T細胞、例えば、アルギニントランスポーターを発現する遺伝子改変T細胞における細胞内アルギニン濃度を増加させることができる。本明細書に記載のプライミング培地は、処置のために遺伝子改変T細胞をプライミングすることができる。例えば、本明細書に記載のプライミング培地は、遺伝子改変T細胞を、それを必要とする患者、例えばがんの処置を必要とする患者に投与する前に、遺伝子改変T細胞中の細胞内アルギニン濃度を増加させることができる。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、本明細書に記載の遺伝子改変T細胞およびL-アルギニンを含むプライミング培地である。
【0025】
CAR-T細胞を含む医薬組成物も本明細書に記載される。例えば、組換えアルギニントランスポーターおよびキメラ抗原受容体タンパク質を発現するCAR-T細胞を含む医薬組成物が本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、CAR-T細胞を含み、CAR-T細胞は、アルギニントランスポーターおよび/またはキメラ抗原受容体タンパク質をコードする核酸配列を含む1またはそれを超える発現ベクターを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、アルギニントランスポーターを発現するCAR-T細胞を含む。いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、CAR-T細胞を含み、CAR-T細胞は、アルギニントランスポーターおよび/またはキメラ抗原受容体タンパク質をコードする1またはそれを超える組換え核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、アルギニントランスポーター、例えば組換えタンパク質アルギニントランスポーターを発現するCAR-T細胞を含む。様々な実施形態では、アルギニントランスポーターは、CAT-1、CAT-2、CAT-3、CAT-4、yLAT1、4F2hc、yLAT2、yLAT1および4F2hc、yLAT2および4F2hc、b0,+AT、rBAT、b0,+ATおよびrBAT、ならびにATB0,+、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、アルギニントランスポーターをコードする1またはそれを超える核酸配列は、1またはそれを超える組換えアルギニントランスポーター核酸配列、例えば、組換えCAT-1核酸配列、組換えCAT-2核酸配列、組換えCAT-3核酸配列、組換えCAT-4核酸配列、組換えyLAT1核酸配列、組換え4F2hc核酸配列、組換えyLAT2核酸配列、組換えyLAT1核酸配列および組換え4F2hc核酸配列、組換えyLAT2核酸配列および組換え4F2hc核酸配列、組換えb0,+AT核酸配列、組換えrBAT核酸配列、組換えb0,+AT核酸配列および組換えrBAT核酸配列、または組換えATB0,+核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、アルギニントランスポータータンパク質は、組換えアルギニントランスポータータンパク質、例えば、組換えCAT-1、組換えCAT-2、組換えCAT-3、組換えCAT-4、組換えyLAT1、組換え4F2hc、組換えyLAT2、組換えyLAT1および組換え4F2hc、組換えyLAT2および組換え4F2hc、組換えb0,+AT、組換えrBAT、組換えb0,+ATおよび組換えrBAT、または組換えATB0,+である。
【0026】
別の態様では、本明細書に記載の医薬組成物はキットとして包装される。例えば、いくつかの実施形態では、アルギニントランスポーターおよびキメラ抗原受容体タンパク質を発現するCAR-T細胞(例えば、アルギニントランスポーターおよびキメラ抗原受容体タンパク質を発現する遺伝子改変CAR-T細胞)を含む医薬組成物がキットとして包装される。いくつかの実施形態では、アルギニントランスポーター(例えば、アルギニントランスポーター、例えば、組換えアルギニントランスポータータンパク質を発現する遺伝子改変されたT細胞)を発現するT細胞を含む医薬組成物は、キットとして包装される。本明細書に記載されるキットは、CAR-T細胞を、処置を必要とする患者に投与するための指示を含み得る。本明細書に記載されるキットは、処置を必要とする患者への投与のためにCAR-T細胞をプライミングするための指示を含み得る。いくつかの実施形態では、キットは、少なくとも1つの緩衝液(例えば、T細胞をプライミングするのに十分なレベルのL-アルギニンを含む緩衝液)、試薬、およびCAR-T細胞を産生するため、投与するため、および/またはプライミングするための詳細な指示を含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるキットは、発現ベクター、ウイルスコンストラクト、細胞、トランスフェクション試薬および培地、細胞選択のための作用物質(例えば、抗体)および/または成長培地を含む、CAR-T細胞を産生するための作用物質を含み得る。
【0027】
本明細書に記載の医薬組成物を使用してがんを処置する方法も本明細書に記載される。例えば、固形腫瘍がんの処置を必要とする患者において固形腫瘍がんを処置する方法であって、有効量の本明細書に記載の医薬組成物を患者に投与することを含む方法が本明細書に記載される。例えば、固形腫瘍がんの処置を必要とする患者において固形腫瘍がんを処置する方法であって、本明細書に記載の遺伝子改変T細胞(例えば、CAR-T細胞またはアミノ酸トランスポーターを発現するように遺伝子改変されたT細胞)および薬学的に許容され得る賦形剤を含む有効量の医薬組成物を患者に投与することを含む方法が本明細書に記載される。
【0028】
本明細書に記載の医薬組成物を使用して血液がんを処置する方法も本明細書に記載される。例えば、血液がんの処置を必要とする患者において血液がんを処置する方法であって、有効量の本明細書に記載の医薬組成物を患者に投与することを含む方法が本明細書に記載される。例えば、血液がんの処置を必要とする患者において血液がんを処置する方法であって、本明細書に記載の遺伝子改変T細胞(例えば、CAR-T細胞またはアミノ酸トランスポーターを発現するように遺伝子改変T細胞)および薬学的に許容され得る賦形剤を含む有効量の医薬組成物を患者に投与することを含む方法が本明細書に記載される。
【0029】
処置を必要とする患者においてT細胞媒介性免疫応答をもたらすために細胞内アルギニンレベル(例えば、細胞内T細胞アルギニンレベル)をモジュレートする方法も本明細書に記載される。例えば、細胞内アルギニンレベルをモジュレートしてT細胞媒介性免疫応答をもたらすことを必要とする患者において細胞内アルギニンレベルをモジュレートしてT細胞媒介性免疫応答をもたらす方法であって、遺伝子改変T細胞の細胞内アルギニンレベルをモジュレートすることを含む方法が本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、T細胞媒介性免疫応答を達成するために細胞内アルギニンレベルをモジュレートすることを必要とする患者において、T細胞媒介性免疫応答を達成するために細胞内アルギニンレベルをモジュレートする方法は、有効量の本明細書に記載の医薬組成物(例えば、本明細書に記載の遺伝子改変T細胞および薬学的に許容され得る賦形剤を含む医薬組成物であって、遺伝子改変T細胞が、細胞内アルギニンレベルを上昇させるのに有効な条件に供されている、医薬組成物)を患者に投与することを更に含む。いくつかの実施形態では、細胞内アルギニンレベルをモジュレートしてT細胞媒介性免疫応答をもたらすことを必要とする患者において細胞内アルギニンレベルをモジュレートしてT細胞媒介性免疫応答をもたらす方法は、遺伝子改変T細胞の細胞内アルギニンレベルをモジュレートすること、および遺伝子改変T細胞と薬学的に許容され得る賦形剤とを含む有効量の医薬組成物を患者に投与することを含む。
【0030】
更に別の態様では、状態を処置することを必要とするヒト患者において状態を処置する方法であって、治療有効量のアルギニントランスポーター(例えば、組換えアルギニントランスポーター)およびキメラ抗原受容体タンパク質を発現するCAR-T細胞(例えば、遺伝子改変CAR-T細胞)を含む組成物をヒト患者に投与することを含む方法が本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、状態の処置を必要とするヒト患者において状態を処置するための方法は、治療有効量の本明細書に記載されるCAR-T細胞、例えば本明細書に記載される遺伝子改変CAR-T細胞を含む組成物をヒト患者に投与することを含む。例えば、いくつかの実施形態では、状態の処置を必要とするヒト患者において状態を処置するための方法は、治療有効量のCAR-T細胞を含む組成物をヒト患者に投与することを含み、CAR-T細胞は、アルギニントランスポーターおよび/またはキメラ抗原受容体タンパク質をコードする1またはそれを超える組換え核酸配列を含む。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、状態の処置を必要とするヒト患者において状態を処置するための方法は、アミノ酸トランスポーター、例えばアルギニントランスポーターを発現または過剰発現するように遺伝子改変された遺伝子改変T細胞を含む治療有効量の組成物をヒト患者に投与することを含む。
【0031】
細胞表面抗原を発現する標的細胞集団に対するT細胞媒介性免疫応答をモジュレートすることを必要とする患者において、細胞表面抗原を発現する標的細胞集団に対するT細胞媒介性免疫応答をモジュレートするための方法であって、治療有効量の遺伝子改変T細胞を患者に投与することを含む方法も本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、T細胞は、a)キメラ抗原受容体を発現するように遺伝子改変されており、キメラ抗原受容体は、標的細胞集団上に存在する細胞表面抗原に特異的に結合する少なくとも1つの抗原特異的標的化領域と、膜貫通ドメインと、細胞内シグナル伝達ドメインとを含み、またb)アルギニントランスポーター(例えば、組換えアルギニントランスポーター)を発現するように遺伝子改変されている。いくつかの実施形態では、T細胞は、アルギニントランスポーター(例えば、組換えアルギニントランスポーター)を発現するように遺伝子改変されている。例えば、いくつかの実施形態では、投与のためのT細胞は、キメラ抗原受容体をコードする1またはそれを超える組換え核酸配列を含み、キメラ抗原受容体が、標的細胞集団上に存在する細胞表面抗原に特異的に結合する少なくとも1つの抗原特異的標的化領域と、膜貫通ドメインと、細胞内シグナル伝達ドメインと、アルギニントランスポーターとを含む。いくつかの実施形態では、投与のためのT細胞は組換えキメラ抗原受容体タンパク質を含み、組換えキメラ抗原受容体タンパク質は、標的細胞集団上に存在する細胞表面抗原に特異的に結合する少なくとも1つの抗原特異的標的化領域と、膜貫通ドメインと、細胞内シグナル伝達ドメインと、組換えアルギニントランスポータータンパク質とを含む。いくつかの実施形態では、投与のためのT細胞は、アルギニントランスポーターをコードする1またはそれを超える組換え核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、投与のためのT細胞は組換えアルギニントランスポータータンパク質を含む。
【0032】
別の態様では、本開示は、低アルギニン環境においてT細胞の生存を増加させる方法であって、組換えアルギニントランスポーターを含むT細胞を低アルギニン環境に投与すること、を含む、方法に関する。特定の実施形態では、投与するステップの前に、組換えアルギニントランスポーターをコードするヌクレオチド配列を含むDNAコンストラクトで前記T細胞をトランスフェクトすることを含む。特定の実施形態では、T細胞が、キメラ抗原受容体を含む、および/またはキメラ抗原受容体をコードするヌクレオチド配列を含むDNAコンストラクトを含む。特定の実施形態では、T細胞は、CAR-T細胞である。特定の実施形態では、投与するステップの前に、方法は、例えば、T細胞またはCAR-T細胞の細胞内アルギニンレベルがある特定のレベルまで蓄積するまで、T細胞またはCAR-T細胞を、アルギニンを含む培養培地において培養することを含む。特定の実施形態では、低アルギニン環境は細胞培養培地である。特定の実施形態では、低アルギニン環境は、腫瘍微小環境である。
【0033】
本明細書に記載される実施形態では、開示される方法は、投与(例えば、処置を必要とする患者に投与する)前にアルギニンを含む培養培地中でT細胞を培養するステップを含み得る。例えば、処置を必要とするヒト患者の状態を処置する方法であって、治療有効量のT細胞を含む組成物をヒト患者に投与する前に、アルギニンを含む培養培地中でT細胞を培養することを含む方法が本明細書に記載される。細胞表面抗原を発現する標的細胞集団に対するT細胞媒介性免疫応答をモジュレートすることを必要とする患者において、細胞表面抗原を発現する標的細胞集団に対するT細胞媒介性免疫応答をモジュレートするための方法であって、治療有効量のT細胞を患者に投与する前に、アルギニンを含む培養培地中で遺伝子改変T細胞を培養することを含む方法も本明細書に記載される。
【0034】
本明細書に記載の方法では、アルギニントランスポーターは、CAT-1、CAT-2、CAT-3、CAT-4、yLAT1、4F2hc、yLAT2、yLAT1および4F2hc、yLAT2および4F2hc、b0,+AT、rBAT、b0,+ATおよびrBAT、ならびにATB0,+、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される。例えば、状態を処置することを必要とするヒト患者の状態を処置する方法であって、キメラ抗原受容体タンパク質を発現するCAR-T細胞と、CAT-1、CAT-2、CAT-3、CAT-4、yLAT1、4F2hc、yLAT2、yLAT1および4F2hc、yLAT2および4F2hc、b0,+AT、rBAT、b0,+ATおよびrBAT、ならびにATB0,+、またはそれらの組み合わせからなる群から選択されるアルギニントランスポーター(例えば、組換えアルギニントランスポーター)とを含む治療有効量の組成物をヒト患者に投与することを含む方法が本明細書に記載される。細胞表面抗原を発現する標的細胞集団に対するT細胞媒介性免疫応答をモジュレートすることを必要とする患者において、細胞表面抗原を発現する標的細胞集団に対するT細胞媒介性免疫応答をモジュレートするための方法であって、キメラ抗原受容体と、CAT-1、CAT-2、CAT-3、CAT-4、yLAT1、4F2hc、yLAT2、yLAT1および4F2hc、yLAT2および4F2hc、b0,+AT、rBAT、b0,+ATおよびrBAT、ならびにATB0,+、またはそれらの組み合わせからなる群から選択されるアルギニントランスポーター(例えば、組換えアルギニントランスポーター)を発現するように遺伝子改変された治療有効量のT細胞を患者に投与することを含む方法も本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、アルギニントランスポータータンパク質は、組換えアルギニントランスポータータンパク質、例えば、組換えCAT-1、組換えCAT-2、組換えCAT-3、組換えCAT-4、組換えyLAT1、組換え4F2hc、組換えyLAT2、組換えyLAT1および組換え4F2hc、組換えyLAT2および組換え4F2hc、組換えb0,+AT、組換えrBAT、組換えb0,+ATおよび組換えrBAT、または組換えATB0,+である。特定の実施形態では、アルギニントランスポーターは、配列番号180、184~188、204、205、210、214、215、220~222、227~230、234~236、242、および246からなる群から選択される核酸配列、またはその断片もしくはバリアントを含む。特定の実施形態では、アルギニントランスポーターは、配列番号180、184~188、204、205、210、214、215、220~222、227~230、234~236、242、および246のうちの1つと約90%、95%、または99%の同一性パーセントを有する配列を発現する核酸を含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、方法は、第2の治療薬をヒト患者に投与するステップを更に含む。例えば、状態を処置することを必要とするヒト患者において状態を処置するための方法であって、治療有効量のCAR-T細胞を含む組成物を投与すること、および第2の治療薬をヒト患者に投与することを含む方法が本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、CAR-T細胞を含む組成物を投与する前、投与中または投与後に第2の治療薬を投与することを含む。細胞表面抗原を発現する標的細胞集団に対するT細胞媒介性免疫応答をモジュレートすることを必要とする患者において、細胞表面抗原を発現する標的細胞集団に対するT細胞媒介性免疫応答をモジュレートするための方法であって、治療有効量の遺伝子改変T細胞を患者に投与すること、および第2の治療薬をヒト患者に投与することを含む方法も本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、治療有効量のT細胞を含む組成物を投与する前、投与中または投与後に第2の治療薬を投与することを含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、第2の治療薬は、チェックポイントタンパク質阻害剤、例えば、チェックポイントタンパク質活性またはチェックポイントタンパク質シグナル伝達を阻害するチェックポイントタンパク質阻害剤、例えば、チェックポイントタンパク質またはチェックポイントタンパク質シグナル伝達を阻害する抗体である。例えば、いくつかの実施形態では、第2の治療薬は抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、または抗CTLA-4抗体である。いくつかの実施形態では、第2の治療薬は、DNA損傷および修復阻害剤である。例えば、いくつかの実施形態では、DNA損傷および修復阻害剤は、ATM/ATR阻害剤、PARP阻害剤、WEE1阻害剤、Chk1阻害剤、Chk2阻害剤、またはDNA依存性プロテインキナーゼ(DNA-PK)阻害剤である。
【0037】
本明細書に記載される実施形態では、CAR-T細胞を含む組成物は、1週間毎に1回、2週間毎に1回、3週間毎に1回または4週間毎に1回、ヒト患者に投与される。例えば、状態を処置することを必要とする人患者において状態を処置する方法であって、CAR-T細胞を含む治療有効量の組成物を1週間毎に1回、2週間毎に1回、3週間毎に1回または4週間毎に1回ヒト患者に投与することを含む方法が本明細書に記載される。細胞表面抗原を発現する標的細胞集団に対するT細胞媒介性免疫応答をモジュレートすることを必要とする患者において、細胞表面抗原を発現する標的細胞集団に対するT細胞媒介性免疫応答をモジュレートするための方法であって、治療有効量の遺伝子改変T細胞を1週間毎に1回、2週間毎に1回、3週間毎に1回または4週間毎に1回患者に投与することを含む方法も本明細書に記載される。
【0038】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、患者の体重に基づく指定された数のCAR-T細胞、または患者の体重に基づく指定された範囲のCAR-T細胞を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、患者1キログラムあたり約10個、約10個、約10個、約10個、約10個、約10個、約10個、約10個、約1010個、約1011個、約1012個、約1013個、約1014個、約1015個、約1016個、約1017個、約1018個、約1019個、約1020個、約1025個、約1030個、約1035個、約1040個、約1045個、または約1050個のCAR-T細胞を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、患者1キログラムあたり約10~10個、約10~1010個、約10~1010個、約10~1010個、約10~1010個、約10~1010個、約10~1010個、約10~1011個、約10~1012個、約1010~1013個、約10~1015個、約10~1015個、約1010~1020個、約1010~1025個、約1010~1030個、約10~1020個、約10~1025個、約1010~1050個、または約10~1050個のCAR-T細胞を投与することを含む。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、患者1キログラムあたり約10~1010個のCAR-T細胞を投与することを含む。
【0039】
本明細書に記載の実施形態は、アルギニントランスポーターを発現する遺伝子改変CAR-T細胞を作製する方法であって、T細胞に、特異的キメラ抗原受容体およびアルギニントランスポーターに対するヌクレオチド配列を含むDNAコンストラクトをトランスフェクトし、それにより、キメラ抗原受容体および前記アルギニントランスポーターの両方を発現する遺伝子改変CAR-T細胞を産生すること、ならびに遺伝子改変CAR-T細胞を、アルギニンを含む培養培地中で培養すること、を含む方法を含む。本明細書に記載の実施形態はまた、アルギニントランスポーターを発現する遺伝子改変CAR-T細胞を作製する方法であって、T細胞に、特異的キメラ抗原受容体およびアルギニントランスポーターに対するヌクレオチド配列を含むヌクレオチドコンストラクトを含むウイルスを形質導入し、それにより、キメラ抗原受容体および前記アルギニントランスポーターの両方を発現する遺伝子改変CAR-T細胞を産生すること、ならびに遺伝子改変CAR-T細胞を、アルギニンを含む培養培地中で培養すること、を含む方法を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子改変CAR-T細胞は組換えアルギニントランスポーターヌクレオチド配列を発現する。いくつかの実施形態では、遺伝子改変CAR-T細胞は組換えアルギニントランスポータータンパク質を発現する。幾つかの実施形態では、培養することは、CAR-T細胞の細胞内アルギニンレベルが一定のレベルに蓄積するまで、遺伝子改変CAR-T細胞を培養培地中で培養することを含む。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞の細胞内アルギニンレベルは、CAR-T細胞が腫瘍微小環境で生存することを可能にする細胞内アルギニンレベルである。例えば、いくつかの実施形態では、培養することは、CAR-T細胞の細胞内アルギニンレベルが約500μM、約600μM、約700μM、約800μM、約900μM、約1,000μM、約1,100μM、約1,200μM、約1,300μM、約1,400μM、約1,500μM、約1,600μM、約1,700μM、約1,800μM、約1,900μM、約2,000μM、約2,500μM、約3,000μM、約3,500μM、または約4,000μMになるまで、培養培地中で遺伝子改変CAR-T細胞を培養することを含む。いくつかの実施形態では、培養することは、CAR-T細胞の細胞内アルギニンレベルが約500μM~約1,000μM、約800μM~約1,200μM、約1,000μM~約1,500μM、約1,000μM~約2,000μM、約1,500μM~約2,000μM、約700μM~約900μM、約900μM~約1,100μM、約900μM~約1,200μM、または約1,300μM~約1,500μMになるまで、培養培地中で遺伝子改変CAR-T細胞を培養することを含む。
【0040】
本明細書に記載の実施形態は、アルギニントランスポーターを発現する遺伝子改変T細胞を作製する方法であって、T細胞に、アルギニントランスポーターに対するヌクレオチド配列を含むDNAコンストラクトをトランスフェクトし、それにより、アルギニントランスポーターを発現する遺伝子改変T細胞を産生すること、およびアルギニンを含む培養培地中で遺伝子改変T細胞を培養することを含む方法も含む。本明細書に記載の実施形態は、アルギニントランスポーターを発現する遺伝子改変T細胞を作製する方法であって、T細胞に、アルギニントランスポーターに対するヌクレオチド配列を含むヌクレオチドコンストラクトを含むウイルスを形質導入し、それにより、アルギニントランスポーターを発現する遺伝子改変T細胞を産生すること、およびアルギニンを含む培養培地中で遺伝子改変T細胞を培養することを含む方法も含む。幾つかの実施形態では、培養することは、T細胞の細胞内アルギニンレベルが一定のレベルに蓄積するまで、遺伝子改変T細胞を培養培地中で培養することを含む。いくつかの実施形態では、T細胞の細胞内アルギニンレベルは、T細胞が腫瘍微小環境またはアルギニン枯渇環境で生存することを可能にする細胞内アルギニンレベルである。例えば、いくつかの実施形態では、培養することは、T細胞の細胞内アルギニンレベルが約500μM、約600μM、約700μM、約800μM、約900μM、約1,000μM、約1,100μM、約1,200μM、約1,300μM、約1,400μM、約1,500μM、約1,600μM、約1,700μM、約1,800μM、約1,900μM、約2,000μM、約2,500μM、約3,000μM、約3,500μM、または約4,000μMになるまで、培養培地中で遺伝子改変T細胞を培養することを含む。いくつかの実施形態では、培養することは、T細胞の細胞内アルギニンレベルが約500μM~約1,000μM、約800μM~約1,200μM、約1,000μM~約1,500μM、約1,000μM~約2,000μM、約1,500μM~約2,000μM、約700μM~約900μM、約900μM~約1,100μM、約900μM~約1,200μM、または約1,300μM~約1,500μMになるまで、培養培地中で遺伝子改変T細胞を培養することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1図1は、pBCTex01G発現ベクターのマップである。図1には、配列番号30として「(G4S)3」が開示されている。
【0042】
図2図2は、pBCTex02mini発現ベクターのマップである。
【0043】
図3A図3Aは、実施例1に記載される実験のトランスフェクションおよびアルギニン枯渇ステップを示す概略図である。
【0044】
図3B図3Bは、実施例1に記載の実験のセルフィルタリングおよび計数ステップを示す概略図である。
【0045】
図3C図3Cは、アルギニンが豊富な環境(左)またはアルギニンが枯渇した環境(右)において72時間後に発現コンストラクト(対照、CAT、またはASS)でトランスフェクトした細胞のパーセントの推定された変化を示すグラフのセットである。各データポイントは、独立してトランスフェクトされた細胞の1つの単離されたウェルの細胞数の推定されたパーセント変化を表す。
【0046】
図4図4は、対照(上)またはアルギニン枯渇(下)培地中の対照(mNeonGreen)またはCAT(アルギニントランスポーター)mRNAでトランスフェクトした初代ヒトT細胞のパーセントの推定変化を示すグラフのセットである。アルギニンが豊富な培地中で24時間後、GFP対照(約100%)およびCAT(約200%)トランスフェクト細胞の両方で細胞のパーセンテージの増加が見られた。対照的に、アルギニン枯渇培地では、GFP対照細胞の正味の減少が見られたが、CAT mRNAをトランスフェクトした細胞では約15%の増加が見られた。
【発明を実施するための形態】
【0047】
定義
本明細書で使用される場合、「キメラ抗原受容体」(CAR)という用語は、一般に、特異的抗原、例えばがん細胞の表面に提示される抗原に結合するように設計された遺伝子操作された受容体を指す。CARを免疫細胞に導入して、免疫細胞が特異的抗原を発現するがん細胞を同定し、死滅させるのを支援することができる。
【0048】
本明細書で使用される場合、「Tリンパ球」または「T細胞」という用語は、一般に、細胞表面上のT細胞受容体の存在によって他のリンパ球と区別される免疫細胞の種類を指す。分化したT細胞は、いくつかの免疫関連機能(例えば、免疫媒介性細胞死等)を介して免疫応答を制御および形成すること、サイトカインを介して免疫応答を開始するときに細胞を動員すること、免疫系の他の部分が特定の認識された脅威に応答するかどうかおよびどのように応答するかを決定すること、制御性B細胞に影響を及ぼすこと、ならびに他の機能の中でも外来細胞をそれ自体から区別することにおいて多くの重要な役割を果たす。
【0049】
本明細書で使用される場合、「共刺激シグナル伝達領域」という用語は、共刺激分子の細胞内ドメインを含むCARの一部を指す。共刺激分子は、抗原に対するリンパ球の効率的な応答に必要な抗原受容体またはそれらのリガンド以外の細胞表面分子である。共刺激シグナル伝達分子の例としては、CD28、ICOS(CD278)、4-1BB(CD137)、OX40(CD134)、CD27、CD40、CD40L、TLR(例えば、TLR2)、DAP10、IL-2RB、IL-2RAおよびMYD88が挙げられる。
【0050】
本明細書中で使用される場合、「CAR-T細胞療法」という用語とは、一般に、受容体タンパク質が既存のリンパ球に遺伝的に組み込まれている遺伝子操作されたT細胞(CAR-T細胞)を指す。そのような受容体タンパク質は、操作されたCAR-T細胞に、特定のタンパク質を標的化する能力を与え得る。「CAR-T細胞療法」はまた、CAR-T細胞またはCAR-T細胞医薬組成物の投与を含む処置の方法を指すことができる。
【0051】
本明細書で使用される場合、「宿主細胞」という用語は、細胞による物質の産生、例えば遺伝子、DNAまたはRNA配列、タンパク質または酵素の細胞による発現のために選択、修飾、形質転換、成長、使用または扱われる生物の任意の細胞を意味する。本発明の宿主細胞には、キメラ受容体をコードするDNAまたはRNA配列を含有し、細胞表面にキメラ受容体を発現するT細胞およびNK細胞が含まれる。宿主細胞は、がんの処置においてTリンパ球活性を増強するために使用され得る。
【0052】
本明細書で使用される場合、「発現する」および「発現」という用語は、遺伝子またはDNA配列内の情報を明らかにすること、例えば、対応する遺伝子またはDNA配列の転写および翻訳に関与する細胞機能を活性化することによってCARまたはアミノ酸トランスポーター等のタンパク質を産生することを可能にするまたは引き起こすことを意味する。本明細書で使用される場合、「過剰発現」および「過剰発現する、過剰発現すること」という用語は、一般に、遺伝子の人工的な誘導または増強、およびその後の正常レベルよりも高い標的モダリティのタンパク質発現をもたらす、操作された異所性発現によるタンパク質の発現増強を指す。DNA配列は、細胞内または細胞によって発現され、タンパク質等の「発現産物」を形成する。発現産物自体、例えば得られたタンパク質は、細胞によって「発現」されるとも言われ得る。発現産物は、細胞内、細胞外または膜貫通として特徴付けることができる。「細胞内」という用語は、細胞内にあるものを意味する。「細胞外」という用語は、細胞の外側にあるものを意味する。膜貫通という用語は、細胞外の細胞外ドメイン、細胞膜に埋め込まれた部分、および細胞内の細胞内ドメインを有するものを意味する。
【0053】
本明細書で使用される場合、「発現コンストラクトをコードする」または「発現ベクター操作」という用語は、細胞における遺伝子発現のために設計されたプラスミドを指す。このベクターは、特定の遺伝子(複数可)を標的細胞に導入するために使用され、その遺伝子によってコードされるタンパク質を産生するためのタンパク質合成のための細胞の機構を操作することができる。ベクターは、典型的には、エンハンサーおよびプロモーター領域として作用し、発現ベクター上に担持された遺伝子の効率的な転写をもたらす調節配列を含有するように操作される。発現ベクターは、タンパク質(複数可)に翻訳され得るメッセンジャーRNA等のモダリティの産生によって目的のタンパク質を効率的に産生することができる。
【0054】
本明細書で使用される場合、「アミノ酸」という用語は、一般に、少なくとも1つのアミノ基、-NH(これはそのイオン化形態で存在してもよい、-NH )、および1つのカルボキシル基、-COOH(これはそのイオン化形態で存在してもよい、-COO)を含有する有機化合物を指し、カルボン酸は、中性pHで脱プロトン化され、NHCHRCOOHの基本式を有する。アミノ酸、したがってペプチドは、N(アミノ)末端残基領域およびC(カルボキシ)末端残基領域を有する。アミノ酸の種類には、哺乳動物の生体タンパク質の大部分を構成することから「天然」と見なされる少なくとも20個のアミノ酸が含まれ、リジン、システイン、チロシン、スレオニン等のアミノ酸が含まれる。アミノ酸はまた、アスパラギン酸またはアスパルテート(Asp;D)およびグルタミン酸またはグルタメート(Glu;E)を含むカルボン酸基を有するもの;ならびにリジン(Lys;L)、アルギニン(Arg;N)およびヒスチジン(His;H)を含む塩基性アミノ酸(中性pH)等、それらの側鎖に基づいてグループ化され得る。
【0055】
本明細書で使用される場合、「アミノ酸トランスポーター」(AAT)という用語は、アミノ酸、例えばアルギニンを輸送することができる膜輸送タンパク質を指す。より具体的には、これらは、細胞または細胞小器官の内外へのアミノ酸の移動を媒介する膜輸送タンパク質である。本明細書で使用される場合、「アルギニントランスポーター」という用語は、細胞膜を横切ってアルギニンを輸送することができる膜輸送タンパク質を指す。「アルギニントランスポーター」は、アルギニンに加えて他のアミノ酸を輸送し得る。アルギニントランスポーターの非限定的な例を表1に示す。それらは、とりわけ代謝リプログラミング、酸塩基バランス、ならびに同化および異化反応をモジュレートすることができる様々な生物学的系において多様な機能的役割を果たす。
【0056】
本明細書で使用される場合、「腫瘍微小環境」(TME)という用語は、一般に、血管、免疫細胞、線維芽細胞、シグナル伝達分子、および細胞外マトリックスを含む固形腫瘍内および周囲の環境を指す。腫瘍進行は、がん細胞とこの微小環境との相互作用によって大きく影響され、転移、成長および疾患進行を決定することができる。TMEは、治療因子を物理的または化学的に阻害することによって、または転移に寄与することによって、治療応答および耐性を形成することができる。
【0057】
本明細書で使用される場合、「T細胞の代謝リプログラミング」という用語は、明確な分化プロファイルの取得に関連する、活性化の間のそれらの代謝リプログラミングを指す。抗原との遭遇および活性化の間、T細胞では、それらの迅速な複製および可溶性因子の産生を支援するために、生体エネルギーおよび同化の必要性が増加している。これらのニーズを満たすために、T細胞は、解糖、グルタミノリシス、分枝鎖アミノ酸の異化、脂肪酸の取り込み、脂質合成、および脂肪酸酸化を含むがこれらに限定されない様々なプロセスを介して、利用のためのグルコースおよびアミノ酸の取り込みを増加させる。T細胞分化および機能的運命の重要な代謝調節因子としてのアミノ酸の役割は、十分に実証されている。アミノ酸は、これらの代謝要求中の燃料源ならびにタンパク質および核酸の合成のための前駆体の両方として機能することができる。
【0058】
本明細書で使用される場合、「骨髄由来サプレッサー細胞」という用語は、骨髄系統からの免疫細胞の異種群を指すために使用される。これらの細胞は、変化した造血の結果として病理学的状況において強く拡大増殖する。これらの細胞は強力な免疫抑制活性を有し、T細胞、樹状細胞、マクロファージ、およびナチュラルキラー細胞等の他の免疫細胞型と相互作用してそれらの機能を調節する。これらの細胞は、その存在および上方調節が患者の予後不良および治療抵抗性に関連するがんに特に関連する。
【0059】
本出願の明細書および特許請求の範囲で使用される場合、「投与する、投与すること」という用語は、対象個体のTリンパ球においてキメラ抗原受容体およびアルギニントランスポーター(複数可)の発現をもたらすのに有効な任意の方法を含む。したがって、キメラ抗原受容体を投与するための1つの方法は、本発明による核酸コンストラクトを用いた末梢血T細胞または造血前駆細胞(最終的には同種異系であろう)のex vivoトランスフェクションまたは形質導入、およびトランスフェクションまたは形質導入された細胞を好ましくは拡大増殖(expansion)後に対象個体へと戻すことによるものである。本明細書に記載される実施形態では、薬剤を投与すること、例えば、CAR-T細胞またはCAR発現ベクターを投与することは、細胞を含有する患者の体液を接触させることを含み得る。例えば、薬剤の投与は、がん細胞(例えば、腫瘍細胞)を含有する患者の体液を薬剤とex vivoで接触させることを含み得る。本明細書に記載される実施形態では、薬剤を「投与する、投与すること」、例えば、CAR-T細胞またはCAR発現ベクターを投与することは、がん細胞(例えば、腫瘍細胞)を含有する患者の体液を薬剤とin vivoで接触させることを含み得る。
【0060】
本明細書で使用される場合、「組み合わせて投与される」、「組み合わせ投与」または「共投与される」という用語は、2またはそれを超える薬剤が同時にまたはある間隔内で対象に投与され、両方が同じ処置レジメンの一部として投与される場合に患者に対する各薬剤の相加的または改善された治療効果があり得ることを意味する。組み合わせて投与される2またはそれを超える薬剤は、同時にまたはほぼ同時に投与することができる。組み合わせて投与される2またはそれを超える薬剤は、一緒に投与される必要はない。いくつかの実施形態では、薬剤は、互いに90日以内(例えば、80、70、60、50、40、30、20、10、5、4、3、2、または1日以内)、28日以内(例えば、14、7、6、5、4、3、2、または1日以内)、24時間以内(例えば、12、6、5、4、3、2、または1時間)または約60、30、15、10、5もしくは1分以内に投与される。いくつかの実施形態では、薬剤の投与は、組み合わせ効果が達成されるように互いに十分に接近した間隔で行われる。
【0061】
「がん」という用語は、腫瘍、新生物、癌、肉腫、白血病およびリンパ腫等の悪性新生物細胞の増殖によって引き起こされる任意の疾患を指す。「固形腫瘍がん」は、異常な組織塊、例えば肉腫、癌およびリンパ腫を含むがんである。本明細書で互換的に使用される「血液がん」または「液体がん」は、体液中に存在するがん、例えばリンパ腫および白血病である。
【0062】
「難治性がん」という用語は、現在使用されている抗がん剤または現在の抗がんレジメンによる処置に対して非応答性であるかまたは非応答性であり得るがんの形態を指す。難治性がんは、最初に抗がん剤による処置に対する応答性を示し、その後処置に対して非応答性になり得る。例えば、難治性がんには、がん細胞が処置に応答して増殖を停止できないか、または処置に応答して初期には増殖を停止するが、抗がん剤による更なる処置にもかかわらず増殖を再開するがんの形態が含まれ得る。再発の頻度が高い見かけ上の退縮も、難治性であると考えられる。難治性がんは、第一選択、第二選択、または更には第三選択の現在の処置による特定の抗がん処置に反応しないことがある。難治性がんに罹患している患者は、本明細書では「難治性がん患者」と呼ばれることがある。本明細書に記載される本発明の方法を、難治性がんを処置、予防、もしくは改善するため、または難治性がんに罹患している患者を処置するために使用することができる。
【0063】
本明細書で使用される薬剤(例えば、遺伝子改変T細胞)の「有効量」という用語は、臨床結果等の有益なまたは所望の結果をもたらすのに十分な量であり、したがって「有効量」は、それが適用される状況に依存する。
【0064】
本明細書で使用される場合、「医薬組成物」という用語は、薬学的に許容され得る賦形剤と共に製剤化された本明細書に記載の化合物を含有する組成物を表す。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、哺乳動物の疾患を処置するための処置レジメンの一部として、政府規制機関の承認を得て製造または販売される。医薬組成物は、例えば、非経口、経口、肺、気管内、鼻腔内、経皮、または十二指腸内投与で製剤化することができる。様々な実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、非経口、例えば皮下または静脈内注射を含む1つまたはいくつかの経路によって投与することができる。本明細書で使用される非経口という用語は、皮下注射、膵臓内投与、ならびに静脈内、筋肉内、腹腔内、および胸骨内の注射または注入技術を含む。本明細書に記載の実施形態では、医薬組成物を、がんの処置を必要とする患者に静脈内投与することができる。
【0065】
本明細書で使用される 「薬学的に許容され得る賦形剤」は、任意の成分(例えば、活性化合物を懸濁または溶解することができるビヒクル)を指し、患者において非毒性および非炎症性であるという特性を有する。賦形剤としては、例えば、付着防止剤、酸化防止剤、結合剤、コーティング、圧縮助剤、崩壊剤、染料(着色剤)、皮膚軟化剤、乳化剤、充填剤(希釈剤)、皮膜形成剤またはコーティング、フレーバー、香料、滑剤(流動促進剤)、滑沢剤、防腐剤、印刷インク、放射線防護剤、吸着剤、懸濁化剤または分散剤、甘味料、または水和水が挙げられ得る。例示的な賦形剤としては、限定されないが、以下が挙げられる:アスコルビン酸、ヒスチジン、リン酸緩衝液、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム(二塩基性)、ステアリン酸カルシウム、クロスカルメロース、架橋ポリビニルピロリドン、クエン酸、クロスポビドン、システイン、エチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ラクトース、ステアリン酸マグネシウム、マルチトール、マンニトール、メチオニン、メチルセルロース、メチルパラベン、微結晶セルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポビドン、アルファ化デンプン、プロピルパラベン、パルミチン酸レチニル、シェラック、二酸化ケイ素、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クエン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ソルビトール、デンプン(トウモロコシ)、ステアリン酸、ステアリン酸、スクロース、タルク、二酸化チタン、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンCおよびキシリトール。
【0066】
本明細書で使用される「ポリペプチド」という用語は、ペプチド結合によって互いに結合した少なくとも2つのアミノ酸のストリングを指す。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、少なくとも3~5個のアミノ酸を含むことができ、その各々は、少なくとも1つのペプチド結合によって他のアミノ酸に結合している。当業者は、ポリペプチドが、1またはそれを超える「非天然」アミノ酸またはそれにもかかわらずポリペプチド鎖に組み込むことができる他の実体を含み得ることを理解する。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、グリコシル化されていてもよく、例えば、ポリペプチドは、1またはそれを超える共有結合した糖部分を含有していてもよい。いくつかの実施形態では、単一の「ポリペプチド」(例えば、抗体ポリペプチド)は、2またはそれを超える個々のポリペプチド鎖を含んでもよく、いくつかの場合、例えば1またはそれを超えるジスルフィド結合または他の手段によって互いに連結されてもよい。
【0067】
「患者」または「対象」とは、ヒトまたは非ヒト動物(例えば、哺乳動物)を意味する。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、患者はがんの処置を必要としている。このような患者は、「がん患者」と呼ばれることもある。
【0068】
「実質的な同一性」または「実質的に同一」とは、参照配列としてそれぞれ同じポリペプチドまたはヌクレオチド配列を有するか、または2つの配列が最適にアラインメントされたときに参照配列内の対応する位置で同じであるアミノ酸残基またはヌクレオチドをそれぞれ特定のパーセンテージで有するポリペプチドまたはヌクレオチド配列を意味する。例えば、参照配列と「実質的に同一」であるアミノ酸配列は、参照アミノ酸配列と少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有する。ポリペプチドの場合、比較配列の長さは、一般に、少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、50、75、90、100、150、200、250、300、または350個の連続アミノ酸(例えば、全長配列)である。同様に、参照配列と「実質的に同一」であるヌクレオチド配列は、参照ヌクレオチド配列と少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を有する。ヌクレオチドの場合、比較配列の長さは、一般に、少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、50、75、90、100、150、200、250、300、350、400、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、10000、または10,000超の連続ヌクレオチド(例えば、全長配列)である。配列同一性は、デフォルト設定で配列分析ソフトウェア(例えば、53705、ウィスコンシン州マディソン、ユニバーシティアヴェニュー1710のウィスコンシン大学バイオテクノロジーセンター、遺伝子コンピューターグループの配列解析ソフトウェアパッケージ)を使用して測定され得る。そのようなソフトウェアは、様々な置換、欠失および他の改変に対して相同性の程度を割り当てることによって、類似の配列とマッチさせることができる。
【0069】
本明細書で使用され、当技術分野で十分に理解されているように、状態を「処置する」または状態の「処置」(例えば、がん等の本明細書に記載の状態)は、臨床結果等の有益なまたは所望の結果を得るためのアプローチである。有益なまたは所望の結果には、検出可能であるかどうかにかかわらず、1またはそれを超える症状または状態の緩和または回復;疾患、障害または状態の程度の減少;疾患、障害、または状態の安定化された(すなわち、悪化しない)状況;疾患、障害、または状態の蔓延を防止すること;疾患、障害、または状態の進行を遅延または遅くすること;疾患、障害または状態の改善またはそれらを和らげること;および(部分または完全に変わらわず)寛解が含まれ得るが、これらに限定されない。疾患、障害、または状態を「和らげる、和らげること」とは、処置がない場合の程度または時間経過と比較して、疾患、障害、または状態の程度および/または望ましくない臨床像(clinical manifestation)が軽減され、および/または進行の時間経過が遅くなるかもしくは長くなることを意味する。
【0070】
本明細書で使用される場合、(例えば、治療結果または効果に関して)「減少する(decrease)」、「減少した(decreased)」、「増加する(increase)」、「増加した(increased)」、または「減少(reduction)」、「減少した(reduced)」という用語は、参照レベルに対する意味を有する。いくつかの実施形態では、参照レベルは、実験動物モデルまたは臨床試験における対照との当該方法の使用によって決定されるレベルである。いくつかの実施形態では、参照レベルは、処置前または処置開始時の同じ対象におけるレベルである。いくつかの実施形態では、参照レベルは、当該処置方法によって処置されていない集団における平均レベルである。
【0071】
「DNA損傷および修復阻害剤」(DDRi)という用語は、内因性または外因性染色体傷害によって引き起こされる細胞DNA損傷の修復を防止し、通常発生するDNA修復機構および細胞生存性の維持に必要な関連プロセスの阻害を介して作用する薬剤を指す。
【0072】
「免疫チェックポイント阻害剤」または「ICI」としても知られる「チェックポイント阻害剤」という用語は、免疫チェックポイントタンパク質の作用を遮断する、例えばそのような免疫チェックポイントタンパク質がそれらのパートナータンパク質に結合するのを遮断する薬剤を指す。がん細胞は免疫チェックポイントタンパク質を発現することが知られており、その結果、T細胞はそのようながん細胞を破壊のための標的として認識することができない。一般に、チェックポイント阻害剤は、T細胞上の特異的免疫チェックポイントタンパク質と標的細胞との間の相互作用を遮断することによってT細胞によるがん細胞の破壊を促進し、そうでなければそのような相互作用は、T細胞による標的細胞破壊を阻害するシグナルとして作用する。チェックポイント阻害剤には、PD-1とPD-L1との相互作用を遮断する薬剤、またはCTLA-4とB7-1/B7-2との相互作用を遮断する薬剤が含まれる。特定のチェックポイント阻害剤の例としては、以下の抗体ベースの薬物が挙げられる:イピリムマブ、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、およびセミプリマブが挙げられる。
【0073】
本明細書で使用される場合、「腫瘍関連抗原(tumor-associated antigen)」または「腫瘍関連抗原(tumor associated antigen)」という用語は、正常細胞上よりも有意に多い量で腫瘍細胞上に存在する抗原を意味する。
【0074】
本明細書で使用される場合、「腫瘍特異的抗原(tumor-specific antigen)」または「腫瘍特異的抗原(tumor specific antigen)」という用語は、腫瘍細胞上にのみ内因的に存在する抗原を指す。
【0075】
本明細書で使用される場合、「がん細胞抗原」という用語は、がん(例えば、悪性新生物細胞、例えば、腫瘍、新生物、癌、肉腫、白血病およびリンパ腫)の一部を形成する細胞上に存在する抗原を意味する。個々のがん細胞は、1またはそれを超えるがん細胞抗原を発現することができる。標的化のための好ましいがん細胞抗原は、対象における健康な細胞に対してがん細胞上に有意に差次的な発現を有するものである。
【0076】
本明細書で使用される場合、例えば抗体、その抗原結合断片、またはCARの抗原特異的結合ドメインの「結合する」または「結合すること、結合している」という用語は、標的抗原とのまたは標的抗原に対する少なくとも一時的な相互作用または会合を意味する。例えば、「結合する」または「結合すること、結合している」は、CARの抗原結合部分が、がん細胞抗原を発現するがん細胞と一時的または持続的に接触するプロセスを指し得る。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、CARはがん細胞抗原に結合することができる。そのような実施形態では、結合は、がん細胞抗原とCARの抗原特異的結合領域との間の相互作用を介して起こる。
【0077】
本明細書で使用される場合、「原発性腫瘍」は、原発部位での元の腫瘍成長を指し、転移の産物ではない。
【0078】
本明細書で使用される場合、「続発性腫瘍」は、原発部位からしばしば転移の過程を経て二次解剖学的部位に広がった腫瘍成長を指す。
【0079】
「固形腫瘍」は、組織の異常な塊、例えば肉腫、癌およびリンパ腫である。本明細書で使用される「液体腫瘍」は、体液中に存在するがん、例えばリンパ腫および白血病である。
【0080】
本明細書で使用される「非炎症性腫瘍(cold tumor)」は、T細胞浸潤の欠如を特徴とする腫瘍を指す。非炎症性腫瘍はまた、単独療法として使用される場合、処置の有効性に関してチェックポイント阻害剤が無効であることを特徴とする。非炎症性腫瘍の例としては、限定されないが、T細胞浸潤の欠如を特徴とする、神経膠芽腫、卵巣がん、前立腺がん、膵臓がん、および乳がん腫瘍が挙げられる。
発明を実施するための形態
キメラ抗原受容体
【0081】
キメラ抗原受容体(CAR)は、特定の抗原、例えばがん細胞の表面に提示される抗原に結合するように設計された遺伝子操作された細胞表面受容体タンパク質である。CARは、T細胞を、CAR結合抗原を発現する細胞を標的化し、抗原発現細胞を破壊のために標的化するように指示するために、免疫細胞、例えばTリンパ球細胞(T細胞(T cell)またはT細胞(T-cell))において発現され得る。本明細書に記載のCARは、例えば、タンパク質、炭水化物、または糖脂質抗原に結合することができる。例えば、本明細書に記載されるCARは、以下の抗原のいずれか1つに結合し得る:α-葉酸受容体、CAIX、CD19、CD20、CD22、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44v7/8、癌胎児性抗原(CEA)、EGFRvIII、EGP-2、EGP-40、EphA2、EphA3、Erb-B2、Erb-B2、3,4、FBP、胎児アセチルコリン受容体、GD2、GD3、HER2、HMW-MAA、IL-11Rα、IL-13Rα2、KDR、κ軽鎖、Lewis Y、L1細胞接着分子、メラノーマ関連抗原(MAGE)、メソテリン、マウスCMV感染細胞、MUC1、MUC16、NKG2D、NY-ESO-1/LAGE-1、腫瘍胎児抗原、PSCA、PSMA、ROR1、mAb IgE、TAG-72、VEGF-R2、インスリン様成長因子1受容体(IGF-1R)、腫瘍内皮マーカー1(TEM-1)、アルファ-フェトプロテイン(AFP)、がん抗原125(CA125)、がん抗原15-3(CA15-3)、炭水化物抗原19-9(CA19-9)、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCGまたはβ-hCG)、前立腺特異的抗原(PSA)、上皮腫瘍抗原(ETA)、未成熟ラミニン受容体、HPV E6、HPV E7、BING-4、カルシウム活性化塩化物チャネル2、サイクリン-B1、9D7、Ep-CAM、テロメラーゼ、メソテリン、SAP-1、サバイビン、livin、BAGEファミリータンパク質、CAGEファミリータンパク質、GAGEファミリータンパク質、MAGEファミリータンパク質、SAGEファミリータンパク質、XAGEファミリータンパク質、PRAME、SSX-2、Melan-A/MART-1、MART-2、Gp100/pmel17、チロシナーゼ、TRP-1/-2、P.ポリペプチド、MC1R、β-カテニン、β-カテニン-m、β-アクチン/4/m、ミオシン/m、HSP70-2/m、GM2、sTn、グロボ-H、HLA-A2-R17OJ、BRCA1/2、CDK4、CML66、フィブロネクチン、p53、Ras、TGF-βRII、またはマンマグロビン-A。本明細書に記載のCARは、腫瘍関連抗原または腫瘍特異的抗原を含むがん細胞抗原に結合することができる。
【0082】
本明細書に記載されるCARは、少なくとも以下の成分:抗原結合断片、膜貫通ドメイン成分、および細胞質活性化ドメインを含む。CARはまた、1またはそれを超える細胞質共刺激ドメインを含み得る。例示的なCARは、例えば、Feins et al.(2018)‘‘An introduction to chimeric antigen receptor(CAR)T-cell immunotherapy for human cancer’’ Am.J.Hematol.94:S3-9;Stoiber et al.(2019)‘‘Limitations in the Design of Chimeric Antigen Receptors for Cancer Therapy’’ Cells,8(472):1-26;およびSadelain et al.(2013)‘‘The Basic Principles of Chimeric Antigen Receptor Design’’ Cancer Discovery,3(4):388-98に記載されている。
【0083】
本明細書に記載される実施形態では、CARはヒンジまたはスペーサ領域を含むことができる。CAR抗原結合断片は、一般に、ヒンジまたはスペーサー領域(space region)を介してCAR膜貫通ドメインに連結される。ヒンジ領域は、免疫グロブリンG(IgG)または、CD8αもしくはCD28細胞外ドメインのアミノ酸配列またはそれに由来するアミノ酸配列であり得る。例示的なヒンジドメインは、例えば、Stoiber et al.(2019)‘‘Limitations in the Design of Chimeric Antigen Receptors for Cancer Therapy’’ Cells,8(472):1-26に記載されている。
CAR抗原結合断片またはドメイン
【0084】
CAR抗原結合断片は、一本鎖可変断片(scFv)、抗原結合断片(Fab)、F(ab’)s断片、またはリガンド、例えば天然、人工、または操作されたリガンドであり得る。scFvは、免疫グロブリンの重鎖(V)および軽鎖(V)の可変領域で構成され、ペプチドリンカーによって共に保持された融合タンパク質である。scFvのリンカーは、例えば、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24または25残基長、例えば、10~20、15~20、15~25または10~25残基長であり得る。scFvは、哺乳動物細胞または細菌細胞において一本鎖ペプチドとして発現され得る。scFvをリンカー領域とタンデムにクローニングして、二価および三価のscFvを作製することもできる。さらに、2つまたはそれを超えるVおよびV対を発現させることができ、各VおよびV対は短いリンカーによって結合され、各Vは別の連結されたVおよびV対のVと二量体化してダイアボディ(すなわち、V/V二量体化によって形成された2つのscFv’)またはトリアボディ(すなわち、V/V二量体化によって形成された3つのscFv’)を形成する。ダイアボディおよびトリアボディは、長さが短い、例えば約5アミノ酸のリンカーを含み得る。scFvリンカーは、グリシンおよびセリンリピート、例えばペンタペプチド(GlySer)(配列番号275)、(GlySer)(配列番号276)、(GlySer)(配列番号30)または(GlySer)(配列番号277)を含み得る。scFvアミノ酸配列は、マウス抗体配列、ヒト抗体配列、またはヒト化抗体配列であり得る。いくつかの実施形態では、CARは、2つまたは3つの抗原特異的標的化領域、例えば、2つまたは3つのscFv、Fab、F(ab’)、または異なる細胞表面抗原に結合するリガンド(例えば、ムテイン)を含み得る。
【0085】
Fabは、抗体の重鎖および軽鎖のそれぞれの定常ドメインおよび可変ドメインで構成される。Fabは、パパイン、ペプシンまたはIdeS等の酵素を使用した抗体の直接切断によって調製することができる。
【0086】
CARに含まれ得る天然に存在するリガンドの例としては、限定されないが、CD8、CD4、CD25およびCD16が挙げられる。
【0087】
CARには、特定の細胞表面抗原を認識して結合する抗原結合断片または抗原結合ドメインが含まれる。例示的なCD33抗原認識ドメインヌクレオチド配列としては、以下のものが挙げられる:
GAAGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGAGCAGAAGTGAAGAAGCCCGGAAGCAGCGTGAAGGTGTCTTGCAAGGCCAGCGGCTACACCATCACCGACAGCAACATCCATTGGGTCCGGCAGGCTCCAGGACAGTCTCTGGAGTGGATCGGCTACATCTACCCCTACAACGGCGGCACCGACTACAACCAGAAGTTCAAGAACCGGGCCACCCTGACCGTGGATAACCCCACCAACACCGCCTACATGGAGCTGAGCAGCCTGAGAAGCGAGGACACCGCCTTCTACTATTGCGTGAACGGCAACCCTTGGCTGGCCTATTGGGGACAGGGAACACTGGTGACCGTGTCCTCT (配列番号1); and
GACATCCAGCTGACCCAGTCTCCTAGCACCCTGAGCGCTAGCGTGGGAGATAGAGTGACCATCACTTGCAGAGCCAGCGAGAGCCTGGACAACTACGGCATCCGGTTCCTGACTTGGTTCCAGCAGAAACCCGGCAAGGCCCCTAAACTGCTGATGTACGCCGCCTCTAACCAGGGAAGCGGAGTGCCTAGCAGATTCAGCGGCAGCGGAAGCGGAACCGAGTTCACCCTGACCATCAGCTCTCTGCAGCCAGACGACTTCGCCACCTACTACTGCCAGCAGACCAAGGAGGTGCCTTGGAGCTTCGGCCAGGGAACCAAGGTGGAAGTGAAGCGGACAGTG (配列番号2).
【0088】
例示的なCD33抗原結合断片アミノ酸配列としては、以下のものが挙げられる:
抗CD33重鎖可変ドメイン:EVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYTITDSNIHWVRQAPGQSLEWIGYIYPYNGGTDYNQKFKNRATLTVDNPTNTAYMELSSLRSEDTAFYYCVNGNPWLAYWGQGTLVTVSS (配列番号3); and
抗CD33軽鎖可変ドメイン:DIQLTQSPSTLSASVGDRVTITCRASESLDNYGIRFLTWFQQKPGKAPKLLMYAASNQGSGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPDDFATYYCQQTKEVPWSFGQGTKVEVKRTV (配列番号4).
CARヒンジまたはスペーサー領域
【0089】
例示的なCD8α由来ヒンジ領域ヌクレオチド配列は、以下のものが挙げられる:
ACCACGACGCCAGCGCCGCGACCACCAACACCGGCGCCCACCATCGCGTCGCAGCCCCTGTCCCTGCGCCCAGAGGCGTGCCGGCCAGCGGCGGGGGGCGCAGTGCACACGAGGGGGCTGGACTTCGCCTGTGAT (配列番号 5); and
GCGAAGCCCACCACGACGCCAGCGCCGCGACCACCAACACCGGCGCCCACCATCGCGTCGCAGCCCCTGTCCCTGCGCCCAGAGGCGTGCCGGCCAGCGGCGGGGGGCGCAGTGCACACGAGGGGGCTGGACTTCGCCTGTGAT (配列番号 6).
【0090】
例示的なCD8α由来ヒンジ領域アミノ酸配列としては、以下のものが挙げられる:
TTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACD (配列番号 7); and
AKPTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACD (配列番号 8).
【0091】
例示的なCD28由来ヒンジ領域ヌクレオチド配列は、配列番号9の配列である:ATTGAAGTTATGTATCCTCCTCCTTACCTAGACAATGAGAAGAGCAATGGAACCATTATCCATGTGAAAGGGAAACACCTTTGTCCAAGTCCCCTATTTCCCGGACCTTCTAAGCCC.
【0092】
例示的なCD 28由来ヒンジ領域アミノ酸配列は、配列番号10の配列である:IEVMYPPPYLDNEKSNGTIIHVKGKHLCPSPLFPGPSKP.
【0093】
例示的なIgG1由来ヒンジ領域ヌクレオチド配列は、配列番号11の配列である:GAGCCCAAGAGCTGCGACAAGACCCACACCTGCCCCCCCTGCCCC.
【0094】
例示的なIgG1由来ヒンジ領域アミノ酸配列は、配列番号12の配列である:EPKSCDKTHTCPPCP.
【0095】
例示的なIgG2由来ヒンジ領域ヌクレオチド配列は、配列番号13の配列である:ATTGAAGTTATGTATCCTCCTCCTTACCTAGACAATGAGAAGAGCAATGGAACCATTATCCATGTGAAAGGGAAACACCTTTGTCCAAGTCCCCTATTTCCCGGACCTTCTAAGCCC.
【0096】
例示的なIgG2由来ヒンジ領域アミノ酸配列は、配列番号14の配列である:ERKCCVECPPCP.
【0097】
例示的なIgG3由来ヒンジ領域ヌクレオチド配列は、配列番号15の配列である:GAGCTCAAAACCCCACTTGGTGACACAACTCACACATGCCCACGGTGCCCAGAGCCCAAATCTTGTGACACACCTCCCCCGTGCCCACGGTGCCCAGAGCCCAAATCTTGTGACACACCTCCCCCATGCCCACGGTGCCCAGAGCCCAAATCTTGTGACACACCTCCCCCGTGCCCAAGGTGCCCA.
【0098】
例示的なIgG3由来ヒンジ領域アミノ酸配列は、配列番号16の配列である:ELKTPLGDTTHTCPRCPEPKSCDTPPPCPRCPEPKSCDTPPPCPRCPEPKSCDTPPPCPRCP.
【0099】
例示的なIgG4由来ヒンジ領域ヌクレオチド配列としては、以下のものが挙げられる:
GAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCATCATGCCCA (配列番号17);
GAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCATCATGCCCAGCA (配列番号18);
GGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCTGGGTAAA (配列番号19);
GAGAGCAAGTACGGCCCCCCCTGCCCCCCCTGCCCCGGCGGCGGCAGCAGCGGCGGCGGCAGCGGCGGCCAGCCCAGAGAGCCCCAGGTGTACACCCTGCCCCCCAGCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTGAGCCTGACCTGCCTGGTGAAGGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAACGGCCAGCCCGAGAACAACTACAAGACCACCCCCCCCGTGCTGGACAGCGACGGCAGCTTCTTCCTGTACAGCAGACTGACCGTGGACAAGAGCAGATGGCAGGAGGGCAACGTGTTCAGCTGCAGCGTGATGCACGAGGCCCTGCACAACCACTACACCCAGAAGAGCCTGAGCCTGAGCCTGGGCAAG (配列番号20);
GAGAGCAAGTACGGCCCCCCCTGCCCCAGCTGCCCCGCCCCCGAGTTCGAGGGCGGCCCCAGCGTGTTCCTGTTCCCCCCCAAGCCCAAGGACACCCTGATGATCAGCAGAACCCCCGAGGTGACCTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGAGGACCCCGAGGTGCAGTTCAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCACCAGGCCAAGACCAAGCCCAGAGAGGAGCAGTTCAACAGCACCTACAGAGTGGTGAGCGTGCTGACCGTGCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTGAGCAACAAGGGCCTGCCCAGCAGCATCGAGAAGACCATCAGCAAGGCCAAGGGCCAGCCCAGAGAGCCCCAGGTGTACACCCTGCCCCCCAGCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTGAGCCTGACCTGCCTGGTGAAGGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAACGGCCAGCCCGAGAACAACTACAAGACCACCCCCCCCGTGCTGGACAGCGACGGCAGCTTCTTCCTGTACAGCAGACTGACCGTGGACAAGAGCAGATGGCAGGAGGGCAACGTGTTCAGCTGCAGCGTGATGCACGAGGCCCTGCACAACCACTACACCCAGAAGAGCCTGAGCCTGAGCCTGGGCAAG (配列番号21); and
GAGAGCAAGTACGGCCCCCCCTGCCCCCCCTGCCCCGCCCCCGAGTTCGAGGGCGGCCCCAGCGTGTTCCTGTTCCCCCCCAAGCCCAAGGACACCCTGATGATCAGCAGAACCCCCGAGGTGACCTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGAGGACCCCGAGGTGCAGTTCAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCACCAGGCCAAGACCAAGCCCAGAGAGGAGCAGTTCAACAGCACCTACAGAGTGGTGAGCGTGCTGACCGTGCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTGAGCAACAAGGGCCTGCCCAGCAGCATCGAGAAGACCATCAGCAAGGCCAAGGGCCAGCCCAGAGAGCCCCAGGTGTACACCCTGCCCCCCAGCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTGAGCCTGACCTGCCTGGTGAAGGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAACGGCCAGCCCGAGAACAACTACAAGACCACCCCCCCCGTGCTGGACAGCGACGGCAGCTTCTTCCTGTACAGCAGACTGACCGTGGACAAGAGCAGATGGCAGGAGGGCAACGTGTTCAGCTGCAGCGTGATGCACGAGGCCCTGCACAACCACTACACCCAGAAGAGCCTGAGCCTGAGCCTGGGCAAG (配列番号22).
【0100】
例示的なIgG4由来ヒンジ領域アミノ酸配列としては、以下のものが挙げられる:
ESKYGPPCPSCP (配列番号23);
ESKYGPPCPSCPA (配列番号24);
GQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK (配列番号25);
ESKYGPPCPPCPGGGSSGGGSGGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK (配列番号26);
ESKYGPPCPSCPAPEFEGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHQAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK (配列番号27); and
ESKYGPPCPPCPAPEFEGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHQAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK (配列番号28).
【0101】
本明細書に記載される実施形態では、CARはスペーサー領域を含むことができる。例示的なスペーサー領域ヌクレオチド配列は、以下の通りである:GGCGGCGGAGGATCTGGCGGAGGTGGAAGCGGAGGCGGTGGAAGC (配列番号29).
【0102】
例示的なスペーサー領域アミノ酸配列は以下の通りである:GGGGSGGGGSGGGGS(配列番号30)。
CAR膜貫通ドメイン
【0103】
本明細書に記載されるCARの膜貫通ドメインは、抗原結合ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインとを連結する。CAR膜貫通ドメインは、例えば、CD4、CD8α、CD28、CD3ζ、または誘導性T細胞共刺激因子(ICOS)に由来するアミノ酸配列であり得る。膜貫通ドメインは、T細胞受容体(TCR)複合体によるCAR二量体化ならびにCAR表面発現に寄与し得る。例示的なCAR膜貫通ドメインは、例えば、Stoiber et al.(2019)‘‘Limitations in the Design of Chimeric Antigen Receptors for Cancer Therapy’’ Cells,8(472):1-26に記載されている。
【0104】
本明細書で使用される「CD4」(T細胞表面糖タンパク質CD4およびCD4mutとしても知られる)は、Entrez遺伝子ID番号920によって特定される遺伝子、その対立遺伝子バリアント、そのオルソログ、そのタンパク質産物、ならびにNCBI参照配列:NM_000616.5、NM_001195014.3、NM_001195015.3,NM_001195016.3、及びNM_001195017.3のヌクレオチド配列を含む、遺伝子によってコードされるmRNA転写産物を指す。CD4タンパク質産物には、CD4によってコードされるタンパク質、例えば、NCBI参照配列:NP_000607.1、NP_001181943.1、NP_001181944.1、NP_001181945.1、またはNP_001181946.1のアミノ酸配列を含むタンパク質が含まれる。CD4の膜貫通領域は、例えば、以下のヌクレオチド配列によってコードされるNCBI参照配列NP_000607.1のアミノ酸配列のアミノ酸397~418を含む:
ATGGCCCTGATTGTGCTGGGGGGCGTCGCCGGCCTCCTGCTTTTCATTGGGCTAGGCATCTTCTTC (配列番号42).
【0105】
本明細書で使用される「CD8α」(CD8a分子、T細胞表面糖タンパク質CD8、p32、Leu2、およびCD8aとしても知られる)は、Entrez遺伝子番号925によって特定される遺伝子、その対立遺伝子バリアント、そのオルソログ、そのタンパク質産物、およびNCBI参照配列:NM_001145873.1、NM_001768.6、およびNM_171827.3のヌクレオチド配列を含む、遺伝子によってコードされるmRNA転写産物を指す。CD8タンパク質産物としては、CD8によってコードされるタンパク質、例えば、NCBI参照配列:NP_001139345.1、NP_001759.3またはNP_741969.1のアミノ酸配列を含むタンパク質が挙げられる。CD8αの膜貫通領域は、例えば、NCBI参照配列NP_001139345.1のアミノ酸配列のアミノ酸183~203、183~205または183~206をそれぞれ含む:
IYIWAPLAGTCGVLLLSLVIT (配列番号49);
IYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLY (配列番号50); and
IYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYC (配列番号51).
【0106】
CD8αの膜貫通領域は、以下のヌクレオチド配列によってコードされる。
ATCTACATCTGGGCGCCCTTGGCCGGGACTTGTGGGGTCCTTCTCCTGTCACTGGTTATCACC (配列番号52);
ATCTACATCTGGGCGCCCTTGGCCGGGACTTGTGGGGTCCTTCTCCTGTCACTGGTTATCACCCTTTAC (配列番号53); and
ATCTACATCTGGGCGCCCTTGGCCGGGACTTGTGGGGTCCTTCTCCTGTCACTGGTTATCACCCTTTACTGC (配列番号54).
【0107】
本明細書で使用される「CD28」(T細胞特異的表面糖タンパク質CD28、CD28分子、Tp44としても知られる)は、Entrez遺伝子番号940によって特定される遺伝子、その対立遺伝子バリアント、そのオルソログ、そのタンパク質産物、およびNCBI参照配列:NM_001243077.2、NM_001243078.1、およびNM_006139.4のヌクレオチド配列を含む、遺伝子によってコードされるmRNA転写産物を指す。CD28タンパク質産物としては、CD28によってコードされるタンパク質、例えば、NCBI参照配列:NP_001230006.1、NP_001230007.1もしくはNP_006130.1のアミノ酸配列を含むタンパク質、またはNCBI参照配列NP_006130.1のアミノ酸配列のアミノ酸19~220を含む成熟CD28タンパク質が挙げられる。CD28の膜貫通領域は、例えば、NCBI参照配列NP_006130.1のアミノ酸配列のアミノ酸153~179を含む:FWVLVVVGGVLACYSLLVTVAFIIFWV(配列番号62)。
【0108】
CD28の膜貫通領域は、以下のヌクレオチド配列によってコードされる:TTTTGGGTGCTGGTGGTGGTTGGTGGAGTCCTGGCTTGCTATAGCTTGCTAGTAACAGTGGCCTTTATTATTTTCTGGGTG (配列番号63).
【0109】
本明細書で使用される「CD3ζ」(CD247、CD247分子、T細胞表面糖タンパク質CD3ゼータ鎖、T3Z、CD3H、CD3Q、CD3Z、TCRZ、IMD25およびCD3-ZETAとしても公知)は、Entrez遺伝子番号919によって特定される遺伝子、その対立遺伝子バリアント、そのオルソログ、そのタンパク質産物、およびNCBI参照配列:NM_000734.4およびNM_198053.2のヌクレオチド配列を含む、遺伝子によってコードされるmRNA転写産物を指す。CD3ζタンパク質産物には、CD3ζによってコードされるタンパク質、例えば、NCBI参照配列:NP_000725.1またはNP_932170.1のアミノ酸配列を含むタンパク質が含まれる。CD3ζの膜貫通領域は、例えば、NCBI参照配列NP_000725.1のアミノ酸配列のアミノ酸31~51を含む:LCYLLDGILFIYGVILTALFL(配列番号68)。
【0110】
CD3ζの膜貫通領域は、以下のヌクレオチド配列によってコードされる。CTCTGCTACCTGCTGGATGGAATCCTCTTCATCTATGGTGTCATTCTCACTGCCTTGTTCCTG (配列番号69).
【0111】
本明細書で使用される「ICOS」(誘導性T細胞共刺激、誘導性T細胞共刺激前駆体としても知られている、AILIM、CD278、およびCVID1)は、Entrez遺伝子番号29851によって特定される遺伝子、その対立遺伝子バリアント、そのオルソログ、そのタンパク質産物、およびNCBI参照配列NM_012092.4のヌクレオチド配列を含む、遺伝子によってコードされるmRNA転写産物を指す。ICOSタンパク質産物としては、ICOSによってコードされるタンパク質、例えば、NCBI参照配列NP_036224.1(配列番号71)のアミノ酸配列を含むタンパク質、またはNCBI参照配列NP_036224.1(配列番号72)のアミノ酸配列のアミノ酸21~199を含む成熟ICOSタンパク質が挙げられる。ICOSの膜貫通領域は、NCBI参照配列NP_036224.1のアミノ酸配列のアミノ酸141~161を含む:
fwlpigcaafvvvcilgcili (配列番号73).
【0112】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、CARは、本明細書に記載される膜貫通ドメインの全体または一部、例えば、本明細書に記載されるCD4、CD8α、CD28、CD3ζまたはICOS膜貫通ドメインを含み得る。例えば、本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、CARは、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24もしくは約25アミノ酸、または約15~約20、約15~約25、約15~約22、約18~約20、約18~約22もしくは約18~約25アミノ酸の膜貫通ドメインを含む。例えば、本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、CARは、本明細書に記載されるCD4、CD8α、CD28、CD3ζまたはICOS膜貫通ドメインの約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24もしくは約25アミノ酸、または約15~約20、約15~約25、約15~約22、約18~約20、約18~約22もしくは約18~約25アミノ酸の膜貫通ドメインを含む。
【0113】
本明細書に記載のいくつかの実施形態では、CARは、本明細書に記載のCD4、CD8α、CD28、CD3ζ、またはICOS膜貫通ドメインと約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、約90%~約95%、約95%~約100%、または約90%~約100%同一のアミノ酸配列を有する膜貫通ドメインを含む。
CAR細胞内シグナル伝達および共刺激ドメイン
【0114】
本明細書に記載されるCARの細胞内部分は、細胞内シグナル伝達ドメイン、および必要に応じて、1またはそれを超える共刺激ドメインを含み得る。例示的な細胞内シグナル伝達ドメインには、例えば、Fc受容体γ鎖サブユニット(FcRγ)またはCD3ζシグナル伝達ドメインのアミノ酸配列が含まれる。例示的な共刺激ドメインには、例えば、4-1BB(C137;TNFRS9)、CD27、CD28、CD40、CD40L、TLR2、DAP10、OX40(CD134)、IL-2RB、IL-2RA、MYD88、またはICOS(CD278)細胞内ドメインからのまたはそれらに由来するアミノ酸配列が含まれる。例えば、本明細書に記載されるCARは、以下のシグナル伝達ドメインおよび共刺激ドメインの組み合わせを含み得るが、これらに限定されない:4-1BB/CD3ζ、CD27/CD3ζ、CD28/CD3ζ、DAP10/CD3ζ、OX40/CD3ζ、ICOS/CD3ζ、4-1BB/FcRγ、CD27/FcRγ、CD28/FcRγ、DAP10/FcRγ、OX40/FcRγ、ICOS/FcRγ、4-1BB/CD28/CD3ζ、4-1BB/CD28/FcRγ、OX40/CD28/CD3ζ、OX40/CD28/FcRγ、ICOS/4-1BB/CD3ζ、およびICOS/4-1BB/FcRγ。
【0115】
本明細書に記載されるCD3ζシグナル伝達ドメインは、例えば、NCBI参照配列NP_000725.1のアミノ酸配列のアミノ酸52~163を含むタンパク質を含み得る:
RVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR (配列番号74).
【0116】
CD3ζシグナル伝達ドメインをコードするヌクレオチド配列は、以下の通りである。
AGAGTGAAGTTCAGCAGGAGCGCAGACGCCCCCGCGTACCAGCAGGGCCAGAACCAGCTCTATAACGAGCTCAATCTAGGACGAAGAGAGGAGTACGATGTTTTGGACAAGAGACGTGGCCGGGACCCTGAGATGGGGGGAAAGCCGAGAAGGAAGAACCCTCAGGAAGGCCTGTACAATGAACTGCAGAAAGATAAGATGGCGGAGGCCTACAGTGAGATTGGGATGAAAGGCGAGCGCCGGAGGGGCAAGGGGCACGATGGCCTTTACCAGGGTCTCAGTACAGCCACCAAGGACACCTACGACGCCCTTCACATGCAGGCCCTGCCCCCTCGC (配列番号75).
【0117】
FcRγタンパク質の例は、Entrez遺伝子ID番号2207によって識別されるIgE受容体Ig(FCER1G、FCRG、および高親和性免疫グロブリンイプシロン受容体サブユニットγとしても知られている)のFc断片である。本明細書に記載されるFcRγヌクレオチド配列は、例えば、NCBI参照配列NM_004106.2のヌクレオチド配列を含む、Entrez遺伝子ID番号2207によってコードされる対立遺伝子バリアント、オルソログおよびmRNA転写物を含み得る。FcRγタンパク質産物には、NCBI参照配列NM_004106.2のヌクレオチド配列によってコードされるタンパク質、例えば、NCBI参照配列NP_004097.1のアミノ酸配列を含むタンパク質、またはNCBI参照配列NP_004097.1のアミノ酸配列のアミノ酸19~86を含む成熟FcRγタンパク質が含まれる。FcRγのシグナル伝達ドメインは、例えば、NCBI参照配列NP_001552.2のアミノ酸配列のアミノ酸45~86を含む:
cspcppnsfssaggqrtcdicrqckgvfrtrkecsstsnaec (配列番号79).
【0118】
FcRγサブユニットおよびCD3ζは、複数のYXXL免疫受容体活性化チロシンモチーフ(「ITAM」)配列を含有する。理論に拘束されるものではないが、例えばCARの抗原結合部分による細胞表面抗原結合後のITAMのチロシンリン酸化は、T細胞活性化を促進すると考えられる。ITAM配列を含むCD3ζアミノ酸配列の例は、配列番号74である。ITAM配列をコードするCD3ζヌクレオチド配列の例は、配列番号75である。
【0119】
ITAM配列を含むCD3ζアミノ酸配列の一例は以下の通りである:
RVKFSRSADAPAYKQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR (配列番号80).
【0120】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、CARは、本明細書に記載されるシグナル伝達ドメイン、例えば、本明細書に記載されるCD3ζまたはFcRγシグナル伝達ドメインの全体または一部を含み得る。例えば、本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、CARは、約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90、約100、約110、約120もしくは約130アミノ酸、または約20~約40、約30~約50、約40~約50、約40~約60、約100~約120、約110~約120もしくは約110~約130アミノ酸のシグナル伝達ドメインを含む。例えば、本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、CARは、約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90、約100、約110、約120もしくは約130個のアミノ酸、または約20~約40、約30~約50、約40~約50、約40~約60、約100~約120、約110~約120もしくは約110~約130個のアミノ酸を含み、これらのアミノ酸は、本明細書に記載されるCD3ζもしくはFcRγシグナル伝達ドメイン、またはその一部を含む。
【0121】
本明細書に記載のいくつかの実施形態では、CARは、本明細書に記載のCD3ζまたはFcRγシグナル伝達ドメインと約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、約90%~約95%、約95%~約100%、または約90%~約100%同一のアミノ酸配列を有する膜貫通ドメインを含む。
【0122】
本明細書で使用される場合、「4-1BB」(TNFRSF9、TNF受容体スーパーファミリーメンバー9、CD137、ILA、CDw137、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー9およびTNFRS9としても公知である)は、Entrez遺伝子番号3604によって特定される遺伝子、その対立遺伝子バリアント、そのオルソログ、そのタンパク質産物、およびNCBI参照配列NM_001561.6のヌクレオチド配列を含む、遺伝子によってコードされるmRNA転写産物を指す。4-1BBタンパク質産物には、4-1BBによってコードされるタンパク質、例えば、NCBI参照配列NP_001552.2のアミノ酸配列を含むタンパク質、またはNCBI参照配列NP_001552.2のアミノ酸配列のアミノ酸24~255を含む成熟4-1 BBタンパク質が含まれる。
【0123】
4-1BBの膜貫通領域は、例えば、以下のアミノ酸配列を含む:
IISFFLALTSTALLFLLFFLTLRFSVV (配列番号84).
【0124】
4-1BBの膜貫通領域は、以下のヌクレオチド配列によってコードされる:
ATCATCTCCTTCTTTCTTGCGCTGACGTCGACTGCGTTGCTCTTCCTGCTGTTCTTCCTCACGCTCCGTTTCTCTGTTGTT (配列番号85).
【0125】
4-1BBの共刺激ドメインは、例えば、NCBI参照配列NP_001552.2のアミノ酸配列のアミノ酸214~255を含む:
KRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCEL (配列番号86).
【0126】
4-1BBの共刺激ドメインは、以下のヌクレオチド配列によってコードされる。
AAACGGGGCAGAAAGAAACTCCTGTATATATTCAAACAACCATTTATGAGACCAGTACAAACTACTCAAGAGGAAGATGGCTGTAGCTGCCGATTTCCAGAAGAAGAAGAAGGAGGATGTGAACTG (配列番号87).
【0127】
本明細書で使用される場合、「CD27」(CD27分子、T14、S152、Tp55、TNFRSF7、S152、LPFS2、およびCD27抗原としても知られている)は、Entrez遺伝子番号939によって特定される遺伝子、その対立遺伝子バリアント、そのオルソログ、そのタンパク質産物、およびNCBI参照配列NM_001242.4のヌクレオチド配列を含む、遺伝子によってコードされるmRNA転写産物を指す。CD27タンパク質産物には、CD27によってコードされるタンパク質、例えば、NCBI参照配列NP_001233.1のアミノ酸配列を含むタンパク質、またはNCBI参照配列NP_001233.1のアミノ酸配列のアミノ酸21~260を含む成熟CD27タンパク質が含まれる。CD27の共刺激ドメインは、例えば、NCBI参照配列NP_001233.1のアミノ酸配列のアミノ酸213~260を含む:
qrrkyrsnkgespvepaepcryscpreeegstipiqedyrkpepacsp (配列番号91).
【0128】
CD28の共刺激ドメインは、例えば、NCBI参照配列NP_006130.1のアミノ酸配列のアミノ酸180~220を含む:
RSKRSRLLHSDYMNMTPRRPGPTRKHYQPYAPPRDFAAYRS (配列番号92).
【0129】
本明細書に記載のCD28共刺激ドメインには、以下も含む:
RSKRSRGGHSDYMNMTPRRPGPTRKHYQPYAPPRDFAAYRS (配列番号93).
【0130】
CD28共刺激ドメインをコードするヌクレオチド配列は、以下を含む:
AGGAGTAAGAGGAGCAGGCTCCTGCACAGTGACTACATGAACATGACTCCCCGCCGCCCCGGGCCCACCCGCAAGCATTACCAGCCCTATGCCCCACCACGCGACTTCGCAGCCTATCGCTCC (配列番号94); and
AGGAGTAAGAGGAGCAGGGGCGGCCACAGTGACTACATGAACATGACTCCCCGCCGCCCCGGGCCCACCCGCAAGCATTACCAGCCCTATGCCCCACCACGCGACTTCGCAGCCTATCGCTCC (配列番号95).
【0131】
本明細書で使用される場合、「CD40」(CD40分子、p50、Bp50、CDW40、TNFRSF5、および腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー5としても知られる)は、Entrez遺伝子番号958によって特定される遺伝子、その対立遺伝子バリアント、そのオルソログ、そのタンパク質産物、およびNCBI参照配列:NM_001250.6、NM_001302753.2、NM_001322421.2、NM_001322422.2、NM_001362758.2、またはNM_152854.4のヌクレオチド配列を含む、遺伝子によってコードされるmRNA転写産物を指す。CD40タンパク質産物には、CD40によってコードされるタンパク質、例えば、NCBI参照配列:NP_001241.1、NP_001289682.1、NP_001309350.1、NP_001309351.1、NP_001349687.1、NP_690593.1のアミノ酸配列を含むタンパク質、または例えば、NCBI参照配列NP_001241.1のアミノ酸配列のアミノ酸21~277を含む成熟CD40タンパク質が含まれる。CD40の共刺激ドメインは、例えば、NCBI参照配列NP_001241.1のアミノ酸配列のアミノ酸216~277を含む:
kkvakkptnkaphpkqepqeinfpddlpgsntaapvqetlhgcqpvtqedgkesrisvqerq (配列番号109).
【0132】
本明細書で使用される「CD40L」(CD40リガンド、CD40LG、IGM、IMD3、TRAP、gp39、CD154、HIGM1、T-BAM、TNFSF5およびhCD40Lとしても公知)は、Entrez遺伝子番号959によって特定される遺伝子、その対立遺伝子バリアント、そのオルソログ、そのタンパク質産物、およびNCBI参照配列NM_000074.3のヌクレオチド配列を含む、遺伝子によってコードされるmRNA転写産物を指す。CD40Lタンパク質産物には、CD40Lによってコードされるタンパク質、例えば、NCBI参照配列NP_000065.1のアミノ酸配列を含むタンパク質が含まれる。CD40Lの共刺激ドメインは、例えば、NCBI参照配列NP_000065.1のアミノ酸配列のアミノ酸1~22を含む:
mietynqtsprsaatglpismk (配列番号112).
【0133】
本明細書で使用される「TLR2」(toll様受容体2、TIL4、およびCD282としても知られている)は、Entrez遺伝子番号7097によって特定される遺伝子、その対立遺伝子バリアント、そのオルソログ、そのタンパク質産物、およびNCBI参照配列:NM_001318787.2、NM_001318789.2、NM_001318790.2、NM_001318791.2、NM_001318793.2、NM_001318795.2、NM_001318796.2、およびNM_003264.5のヌクレオチド配列を含む、遺伝子によってコードされるmRNA転写産物を指す。TLR 2タンパク質産物には、TLR2によってコードされるタンパク質、例えば、NCBI参照配列:NP_001305716.1、NP_001305718.1、NP_001305719.1、NP_001305720.1、NP_001305722.1、NP_001305724.1、NP_001305725.1、NP_003255.2のアミノ酸配列を含むタンパク質、またはNCBI参照配列NP_001305716.1のアミノ酸配列のアミノ酸21~784を含む成熟TLR2タンパク質が含まれる。TLR 2の共刺激ドメインは、例えば、NCBI参照配列NP_001305716.1のアミノ酸610~784を含む:
hrfhglwymkmmwawlqakrkprkapsrnicydafvsyserdaywvenlmvqelenfnppfklclhkrdfipgkwiidniidsiekshktvfvlsenfvkewckyeldfshfrlfdenndaailillepiekkaipqrfcklrkimntktylewpmdeaqregfwvnlraaiks (配列番号130); または
【0134】
NCBI参照配列NP_001305716.1のアミノ酸配列のアミノ酸640~784:
cydafvsyserdaywvenlmvqelenfnppfklclhkrdfipgkwiidniidsiekshktvfvlsenfvksewckyeldfshfrlfdenndaailillepiekkaipqrfcklrkimntktylewpmdeaqregfwvnlraaiks (配列番号131).
【0135】
本明細書で使用される「DAP10」(HCST、造血細胞シグナル伝達物質、KAP10、およびPIK3APとしても知られている)は、Entrez遺伝子番号10870によって特定される遺伝子、その対立遺伝子バリアント、そのオルソログ、そのタンパク質産物、およびNCBI参照配列:NM_001007469.2またはNM_014266.4のヌクレオチド配列を含む、遺伝子によってコードされるmRNA転写産物を指す。DAP10タンパク質産物には、DAP10によってコードされるタンパク質、例えば、NCBI参照配列:NP_001007470.1もしくはNP_055081.1のアミノ酸配列を含むタンパク質、またはNCBI参照配列NP_001007470.1のアミノ酸配列のアミノ酸20~92を含む成熟DAP10タンパク質が含まれる。DAP10の共刺激ドメインは、例えば、NCBI参照配列NP_001007470.1のアミノ酸配列のアミノ酸70~92を含む:carprrspaqdgkvyinmpgrg (配列番号137).
【0136】
本明細書で使用される「OX40」(TNFRSF4、TNF受容体スーパーファミリーメンバー4、CD134、ACT35、IMD16、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー4、およびTXGP1Lとしても公知)は、Entrez遺伝子番号7293によって特定される遺伝子、その対立遺伝子バリアント、そのオルソログ、そのタンパク質産物、およびNCBI参照配列NM_003327.4のヌクレオチド配列を含む、遺伝子によってコードされるmRNA転写産物を指す。OX40タンパク質産物には、OX40によってコードされるタンパク質、例えば、NCBI参照配列NP_003318.1のアミノ酸配列を含むタンパク質、またはNCBI参照配列NP_003318.1のアミノ酸配列のアミノ酸29~277を含む成熟OX40タンパク質が含まれる。OX40の共刺激ドメインは、例えば、NCBI参照配列NP_003318.1のアミノ酸配列のアミノ酸236~277を含む:ALYLLRRDQRLPPDAHKPPGGGSFRTPIQEEQADAHSTLAKI (配列番号141).
【0137】
OX40の共刺激ドメインは、以下のヌクレオチド配列によってコードされる:GCCCTGTACCTGCTCCGGAGGGACCAGAGGCTGCCCCCCGATGCCCACAAGCCCCCTGGGGGAGGCAGTTTCCGGACCCCCATCCAAGAGGAGCAGGCCGACGCCCACTCCACCCTGGCCAAGATC (配列番号142).
【0138】
ICOSの共刺激ドメインは、例えば、NCBI参照配列NP_036224.1のアミノ酸配列のアミノ酸162~199または165~199を含み、例えば、以下の通りである:TKKKYSSSYHDPNGEYMFMRAVNTAKKSRLTDVTL (配列番号143).
【0139】
ICOSの共刺激ドメインは、以下のヌクレオチド配列によってコードされる:ACAAAAAAGAAGTATTCATCCAGTGTGCACGACCCTAACGGTGAATACATGTTCATGAGAGCAGTGAACACAGCCAAAAAATCTAGACTCACAGATGTGACCCTA (配列番号144).
【0140】
本明細書で使用される「IL-2Rβ」(IL2RB、インターロイキン2受容体サブユニットβ、CD122、IMD63、IL15RB、およびP70-75としても公知である。)は、Entrez遺伝子番号3560によって特定される遺伝子、その対立遺伝子バリアント、そのオルソログ、そのタンパク質産物、およびNCBI参照配列:NM_000878.5、NM_001346222.1、またはNM_001346223.2のヌクレオチド配列を含む、遺伝子によってコードされるmRNA転写産物を指す。IL-2Rβタンパク質産物としては、IL-2Rβによってコードされるタンパク質、例えば、NCBI参照配列:NP_000869.1、NP_001333151.1もしくはNP_001333152.1のアミノ酸配列を含むタンパク質、またはNCBI参照配列NP_000869.1のアミノ酸配列のアミノ酸27~551を含む成熟IL-2Rβタンパク質が挙げられる。IL-2Rβの共刺激ドメインは、例えば、NCBI参照配列NP_000869.1のアミノ酸配列のアミノ酸266~551を含む:
ncrntgpwlkkvlkcntpdpskffsqlssehggdvqkwlsspfpsssfspgglapeisplevlerdkvtqlllqqdkvpepaslssnhsltscftnqgyfffhlpdaleieacqvyftydpyseedpdegvagaptgsspqplqplsgeddayctfpsrddlllfspsllggpsppstapggsgageermppslqervprdwdpqplgpptpgvpdlvdfqpppelvlreageevpdagpregvsfpwsrppgqgefralnarlplntdaylslqelqgqdpthlv (配列番号152).
【0141】
本明細書で使用される場合、「IL2RA」(IL2RA、インターロイキン2受容体サブユニットα、p55、CD25、IL2R、IMD41、TCGFRおよびIDDM10としても公知)は、Entrez遺伝子番号3559によって特定される遺伝子、その対立遺伝子バリアント、そのオルソログ、そのタンパク質産物、およびNCBI参照配列:NM_000417.3、NM_001308242.2、またはNM_001308243.2のヌクレオチド配列を含む、遺伝子によってコードされるmRNA転写産物を指す。IL2RAタンパク質産物としては、IL2RAによってコードされるタンパク質、例えば、NCBI参照配列:NP_000408.1、NP_001295171.1もしくはNP_001295172.1のアミノ酸配列を含むタンパク質、またはNCBI参照配列NP_000408.1のアミノ酸配列のアミノ酸22~272を含む成熟IL2RAタンパク質が挙げられる。IL2RAの共刺激ドメインは、例えば、NCBI参照配列NP_000408.1のアミノ酸配列のアミノ酸260~272を含む:
【0142】
本明細書で使用される場合、「MYD88」(MYD88自然免疫シグナル伝達アダプター、骨髄分化一次応答タンパク質MyD88およびMYD88Dとしても公知)は、Entrez遺伝子番号4615によって特定される遺伝子、その対立遺伝子バリアント、そのオルソログ、そのタンパク質産物、およびNCBI参照配列:NM_001172566.2、NM_001172567.2、NM_001172568.2、NM_001172569.3、NM_001365876.1、NM_001365877.1、NM_001374787.1、NM_001374788.1、またはNM_002468.5のヌクレオチド配列を含む、遺伝子によってコードされるmRNA転写産物を指す。MYD88タンパク質産物には、MYD88によってコードされるタンパク質、例えば、NCBI参照配列:NP_001166037.2、NP_001166038.2、NP_001166039.2、NP_001166040.2、NP_001352805.1、NP_001352806.1、NP_001361716.1、NP_001361717.1およびNP_002459.3のアミノ酸配列を含むタンパク質が含まれる。MYD 88の共刺激ドメインには、例えば、NCBI参照配列NP_001166038.2のアミノ酸配列のアミノ酸160~304が含まれる:
rfdaficycpsdiqfvqemirqleqtnyrlklcvsdrdvlpgtcvwsiaseliekrlarrprggcrrmvvvvsddylqskecdfqtkfalslspgahqkrlipikykamkkefpsilrfitvcdytnpctkswfwtrlakalslp (配列番号179).
【0143】
本明細書に記載のいくつかの実施形態では、CARは、本明細書に記載の共刺激ドメイン、例えば、本明細書に記載の4-1BB、CD27、CD28、CD40、CD40L、TLR2、DAP10、OX40、IL-2RB、IL-2RA、MYD88、またはICOS共刺激ドメインの全体または一部を含み得る。例えば、本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、CARは、長さ、約10、約12、約15、約20、約22、約25、約30、約35、約37、約40、約41、約45、約47、約50、約60、約61、約70、約80、約90、約100、約110、約120、約130、約134、約140、約144、約150、約160、約170、約174、約180、約190、約200、約225、約250、約275、約285、約290、または約300アミノ酸の共刺激ドメインを含む。例えば、本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、CARは、本明細書に記載される4-1BB、CD27、CD28、CD40、CD40L、TLR2、DAP10、OX40、IL-2RB、IL-2RA、MYD88、もしくはICOS共刺激ドメイン、またはその一部を含む長さ、約10、約12、約15、約20、約22、約25、約30、約35、約37、約40、約41、約45、約47、約50、約60、約61、約70、約80、約90、約100、約110、約120、約130、約134、約140、約144、約150、約160、約170、約174、約180、約190、約200、約225、約250、約275、約285、約290、または約300アミノ酸の共刺激ドメインを含む。
【0144】
本明細書に記載のいくつかの実施形態では、CARは、本明細書に記載の4-1BB、CD27、CD28、CD40、CD40L、TLR2、DAP10、OX40、IL-2RB、IL-2RA、MYD88、またはICOS共刺激ドメインと約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、約90%~約95%、約95%~約100%、または約90%~約100%同一のアミノ酸配列を有する共刺激ドメインを含む。
【0145】
本明細書に記載される遺伝子、ヌクレオチド配列(例えば、mRNA配列)およびタンパク質のオルソログとしては、例えば、限定されないが、マウス(すなわち、Mus musculus)オルソログを含む哺乳動物オルソログが挙げられる。
CAR-T細胞
【0146】
CAR発現T細胞(CAR-T細胞)は、単離され、1またはそれを超えるCARを発現するように遺伝子操作されたTリンパ球細胞(T細胞(T-cell)またはT細胞(T cell))である。CAR-T細胞は、1またはそれを超えるCARを発現するように遺伝子操作された、患者、例えば、がんの処置を必要とする患者から単離されたT細胞であり得る。細胞は、任意の適切な方法、例えば白血球アフェレーシスまたはアフェレーシスを使用して患者から収集することができ、その後、骨髄細胞および他の汚染細胞を除去するための溶出(elutriation)およびT細胞の富化が続く。単離されたら、T細胞は、任意の適切な手段、例えば、ウイルス形質導入(例えば、レンチウイルスまたはガンマ-レトロウイルス形質導入)、または適切な発現ベクターによるトランスフェクションもしくはエレクトロポレーションによって拡大増殖させ、遺伝子操作することができる。次いで、遺伝子改変T細胞を、患者に投与する前にex vivo で培養して拡大増殖させることができる。
【0147】
理論に拘束されるものではないが、CARの発現は、標的細胞集団、例えば、CARの抗原特異的標的化領域(例えば、scFv、Fab断片、F(ab’)断片、またはリガンド)が特異的に結合する特異的細胞表面抗原を発現するがん細胞のCAR-T細胞による標的化を可能にすると考えられる。主要組織適合遺伝子複合体分子との複合体における当該特異的細胞表面抗原へのCARによる結合は、細胞内シグナル伝達ドメイン(例えば、FcRγまたはCD3ζシグナル伝達ドメイン)、および存在する場合にはCARの1またはそれを超える共刺激ドメイン(例えば、4-1BB、CD27、CD28、CD40、CD40L、TLR2、DAP10、OX40、IL-2RB、IL-2RA、MYD88、および/またはICOS共刺激ドメイン)を介したシグナル伝達カスケードの活性化をもたらすと考えられている。したがって、T細胞へのCARの導入は、T細胞が、感染細胞または形質転換細胞を排除するために野生型T細胞によって使用されるのと同じエフェクター機能(例えば、FcRγ、CD3ζ、または共刺激タンパク質シグナル伝達)を介して、CARによって認識される細胞表面抗原を発現する標的細胞集団を標的化し、死滅させることを可能にすると考えられている。例えば、本明細書に記載されるCARのT細胞への導入は、T細胞が、FcRγ、CD3ζおよび/または共刺激タンパク質シグナル伝達を介して、CAR(例えば、がん細胞抗原、腫瘍関連抗原、または腫瘍特異的抗原)によって認識される細胞表面抗原を発現する標的がん細胞集団を標的化し、死滅させるのに有効である。
【0148】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、本発明のCAR-T細胞は、1またはそれを超えるウイルスベクターを単離されたT細胞または単離されたT細胞集団に導入することによって産生され得る。いくつかの実施形態では、ウイルスベクターはCARヌクレオチド配列をコードする導入遺伝子をT細胞に送達する。いくつかの実施形態では、CARヌクレオチド配列は、抗原特異的標的化領域、膜貫通ドメインおよび細胞内シグナル伝達ドメインをコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、CARヌクレオチド配列はまた、1またはそれを超える共刺激ドメイン、ヒンジドメイン、スペーサードメイン、および/またはアミノ酸トランスポータードメイン、例えばアルギニントランスポータードメインをコードするヌクレオチド配列を含む。
【0149】
固形腫瘍がんおよび血液がんの処置のために使用することができるアルギニントランスポーターおよびキメラ抗原受容体タンパク質(本明細書では代替的に「arg+CAR-T細胞」と呼ばれる)を発現するCAR-T細胞が本明細書で提供される。
【0150】
CARの発現に加えて、CAR-T細胞はまた、CARの機能および持続性を増強するサイトカインを含む1またはそれを超える別個の共刺激タンパク質を共発現するように遺伝子改変され得る。例えば、CAR-T細胞は、CD28、CD80、4-1BB、4-1BBL、CD86、OX40L、IL-12、IL-15、IL-18および/またはCD70タンパク質を共発現するようにプログラムされ得る。さらに、いくつかの実施形態では、CAR-T細胞は、異なる細胞表面抗原を標的とする2つまたはそれを超えるCARを発現するように遺伝子改変することができる。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞は、単一細胞表面抗原を標的とする単一CARを発現するように遺伝子改変することができる。
【0151】
本発明のCAR-T細胞は、第1、第2、第3、第4および第5世代CARを含む。CAR-T技術は、例えば、Petersen and Krenciute,(2019)‘‘Next Generation CAR T Cells for the Immunotherapy of High-Grade Glioma’’ Frontiers in Oncology,9:1-9に記載されている。
【0152】
第一世代CARには、抗原結合タンパク質ドメイン(例えば、CD8、CD4、CD25、CD16、または抗体由来scFv)、ヒンジ/スペーサードメイン、膜貫通ドメイン、およびCD3ζまたはFcRγ細胞内シグナル伝達ドメイン等のシグナル伝達ドメインの融合物が含まれる。
【0153】
第2世代CARには、抗原結合タンパク質ドメイン、ヒンジ/スペーサードメイン、膜貫通ドメインおよびCD3ζまたはFcRγシグナル伝達ドメインが含まれ、更に細胞内共刺激ドメイン(例えば、4-1BB、CD27、CD28、CD40、CD40L、TLR2、DAP10、OX40、IL-2RB、IL-2RA、MYD88、またはICOS細胞内共刺激ドメイン)が含まれる。
【0154】
第3世代CARは、第2世代CARに見られる全ての成分を含むが、複数の共刺激ドメイン(例えば、1つより多い4-1BB、CD27、CD28、CD40、CD40L、TLR2、DAP10、OX40、IL-2RB、IL-2RA、MYD88および/またはICOS細胞内共刺激ドメイン)を含む。
【0155】
第4世代および第5世代CAR(武装化(armored)CARまたはTRUCKとしても知られる)は、CARを発現し、1またはそれを超えるシグナル伝達タンパク質、例えばサイトカインまたはサイトカイン受容体タンパク質をコードする導入遺伝子を発現するように更に遺伝子操作される。例えば、いくつかの実施形態では、CAR-T細胞は、IL-12、IL-15、IL-18、IL-7R、CD28、CD80、4-1BB、4-1BBL、CD86、OX40LまたはCD70を過剰発現するように遺伝子操作される。いくつかの実施形態では、サイトカインまたはサイトカイン受容体タンパク質等のシグナル伝達タンパク質の過剰発現は、持続性、増殖、または抗腫瘍活性が増強されたCAR-Tを提供するのに有効である。
【0156】
さらに、CAR-T細胞は、細胞固有のチェックポイントを阻害する遺伝子、例えばPD-1またはCTLA4を欠失させるために、例えばCRISPR/Cas9遺伝子編集ツールを用いて遺伝子操作され得る。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるCAR-T細胞は、PD-1遺伝子発現またはCTLA4遺伝子発現を欠失させるように、または低下させるように遺伝子操作される。CAR-T細胞はまた、ジアシルグリセロールキナーゼ(DGK)を欠失させるように遺伝子操作され得る。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるCAR-T細胞は、DGK遺伝子発現、例えば、DGKαおよび/またはDGKζイソ型発現を欠失または減少させるように遺伝子操作される。
【0157】
いくつかの実施形態では、CAR-T細胞は、T細胞のゲノムへの標的CAR導入遺伝子挿入を可能にするために、例えばCRISPR/Cas9遺伝子編集ツールを使用して遺伝子操作することができる。いくつかの実施形態では、CAR導入遺伝子挿入は、CARヌクレオチド配列をコードするアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、例えばAAV6ベクターによって媒介される。例えば、いくつかの実施形態では、CAR-T細胞は、内因性TCR遺伝子配列、例えばTCRアルファ鎖遺伝子座にCAR導入遺伝子を挿入するように遺伝子操作される。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞は、例えばCRISPR/Cas9遺伝子編集ツールを使用して遺伝子操作して、天然のT細胞遺伝子配列を変異体遺伝子配列で置き換えることができる。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるCAR-T細胞は、PD-1遺伝子配列またはCXCR4遺伝子配列をそれぞれ変異体PD-1遺伝子配列またはCXCR4遺伝子配列で置き換えるように遺伝子操作される。
【0158】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるCAR-T細胞は、CARをコードするエピソームを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるCAR-T細胞は、CARをコードする組み込み導入遺伝子を含む。
【0159】
アミノ酸トランスポータータンパク質、例えば、アルギニントランスポータータンパク質を発現するように遺伝子操作されたCAR-T細胞も本明細書に記載される。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、CAR-T細胞は、CAT-1、CAT-2、CAT-3、CAT-4、yLAT1、4F2hc、yLAT2、yLAT1および4F2hc、yLAT2および4F2hc、b0,+AT、rBAT、b0,+ATおよびrBAT、ならびにATB0,+、またはそれらの組み合わせからなる群から選択されるアルギニントランスポータータンパク質を発現するように遺伝子操作される。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるCAR-T細胞は、アミノ酸トランスポーターをコードするヌクレオチド配列、例えば、アルギニントランスポーターをコードするヌクレオチド配列を含むように遺伝子操作される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるCAR-T細胞は、アミノ酸トランスポーター、例えばアルギニントランスポーターをコードするエピソームを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるCAR-T細胞は、アミノ酸トランスポーター、例えばアルギニントランスポーターをコードする導入遺伝子を含む。
【0160】
CARおよびアミノ酸トランスポータータンパク質、例えばアルギニントランスポータータンパク質を発現するように遺伝子操作されたCAR-T細胞も本明細書に記載される。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるCAR-T細胞は、CARおよびアミノ酸トランスポーターをコードするヌクレオチド配列、例えばアルギニントランスポーターをコードするヌクレオチド配列を含むように遺伝子操作される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるCAR-T細胞は、CARおよびアミノ酸トランスポーター、例えばアルギニントランスポーターをコードするエピソームを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるCAR-T細胞は、CARおよびアミノ酸トランスポーター、例えばアルギニントランスポーターをコードする導入遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるCAR-T細胞は、CARをコードするエピソームと、アミノ酸トランスポーター、例えばアルギニントランスポーターをコードするエピソームとを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるCAR-T細胞は、CARをコードする導入遺伝子と、アミノ酸トランスポーター、例えばアルギニントランスポーターをコードする導入遺伝子とを含む。
アミノ酸トランスポータータンパク質
【0161】
1またはそれを超えるアミノ酸トランスポータータンパク質(AAT)を発現するように遺伝子改変されているCAR-T細胞を本明細書に記載する。アミノ酸トランスポーターは、エネルギー代謝、タンパク質合成、遺伝子発現、レドックスバランスシグナル伝達経路、ならびにアミノ酸の輸送を介した細胞レベルおよび生物全体レベルでの成長を調節することによって重要な役割を果たす膜輸送タンパク質である。アミノ酸は脂質膜を横切って容易に拡散しないため、膜貫通トランスポータータンパク質は、細胞内外および膜結合細胞内区画間でアミノ酸を移動させるために必要である。アミノ酸輸送は、Na、H、K、および/またはClを含むイオンの移動と、ならびにアンチポートによる他のアミノ酸の移動と共役している可能性がある。AATの調節不全は、病因に寄与する細胞内アミノ酸レベルを変化させる代謝リプログラミングをもたらす。AATの調節不全は、代謝リプログラミングおよびシスチン尿症等の遺伝性ヒト代謝障害を介したオートファジーおよび腫瘍細胞増殖等の様々な病理学的状態に関与しているが、これらに限定されない。これらの代謝能力のために、AATは抗がん薬の潜在的な標的を提供し得る。
【0162】
アミノ酸トランスポータータンパク質は、溶質キャリア(SLC)タンパク質;アミノ酸-ポリアミン-有機カチオン(APC)スーパーファミリー;アミノ酸/オーキシン透過酵素(AAAP)ファミリー;ジカルボキシレート/アミノ酸:カチオン(Na+またはH+)シンポーター(DAACS)ファミリー;分岐鎖アミノ酸:カチオンシンポーター(LIVCS)ファミリー;ヒドロキシ/芳香族アミノ酸透過酵素(HAAAP)ファミリー;分岐鎖アミノ酸エクスポーター(LIV-E)ファミリー;6TMS中性アミノ酸トランスポーター(NAAT)ファミリー;塩基性アミノ酸アンチポーター(ArcD)ファミリー;および推定アミノ酸透過酵素(PAAP)ファミリーを含むいくつかのファミリーに属する遺伝子によってコードされる。SLCタンパク質は、アミノ酸トランスポータータンパク質の最も大きなグループを構成し、65ファミリーの間に分布する400を超えるタンパク質を含む。
【0163】
アミノ酸トランスポータータンパク質は、ナトリウム依存性中性アミノ酸トランスポーター、ナトリウム非依存性中性アミノ酸トランスポーター、ナトリウム依存性アニオン性アミノ酸トランスポーターシステムX AG、ナトリウム非依存性アニオン性アミノ酸トランスポーターシステムx 、ナトリウム依存性カチオン性アミノ酸トランスポーター、およびナトリウム非依存性カチオン性アミノ酸トランスポーターとして分類することができる。アミノ酸トランスポータータンパク質は、アルギニン、グルタミン、およびロイシンの輸送、ならびにγ-アミノ酪酸(GABA)等のシグナル伝達化合物を含む、細胞膜を横切るアミノ酸の輸送を制御する。アミノ酸トランスポータータンパク質の例は、例えば、Ren et al.,(2017)‘‘Amino-acid transporters in T-cell activation and differentiation,’’ Cell Death and Disease,8,e2655に記載されている。
アルギニントランスポータータンパク質
【0164】
1またはそれを超えるアルギニントランスポータータンパク質を発現するように遺伝子改変されているCAR-T細胞も本明細書に記載される。アルギニントランスポータータンパク質は、溶質キャリア遺伝子(SLC)ファミリーに属する遺伝子によってコードされる。ほとんどのSLCは、細胞膜に局在するタンパク質をコードするが、一部のメンバーはミトコンドリアまたは他の細胞内オルガネラに局在する。SLCファミリータンパク質産物は、例えば、荷電有機分子、非荷電有機分子、無機イオンおよび/またはアンモニアを細胞膜を横切って輸送することができる。細胞膜を横切ってアルギニンを輸送することができるトランスポータータンパク質を特異的にコードするSLCファミリーには、SLC3、SLC6、およびSLC7ファミリーが含まれる。
【0165】
哺乳動物では、細胞アルギニンの利用可能性はSLC7ファミリーのメンバーによって大きく調節されているが、溶質キャリア遺伝子スーパーファミリーにはAATの6つの主要ファミリーが存在する。これらのトランスポーター遺伝子のタンパク質産物は、中央細孔領域の周りに組織化された複数の膜貫通ドメインを有することを特徴とする。原形質膜におけるそれらの効率および能力は、細胞におけるアルギニンの利用可能性を大いに決定する。
【0166】
SLC7ファミリーは、2つのサブグループ、カチオン性アミノ酸トランスポーター(CAT)およびL型アミノ酸トランスポーター(LAT)に分けられる。CATは原形質膜中のモノマーとして機能するが、LATは、トランスポーターを原形質膜に輸送し、タンパク質の安定性を助ける単一膜貫通糖タンパク質(SLC 3)とジスルフィド結合二量体を形成する偏性ヘテロ二量体である。CATおよびLATファミリーは、SLC3ファミリーとの相互作用、基質特異性、および輸送機構において様々な違いを示す。CATは、アルギニンを含むカチオン性アミノ酸に特異的である。最初はシステムyと呼ばれていたCATは、Na非依存性のカチオン性アミノ酸の取り込みを高親和性で媒介する。哺乳動物では、CATは交換体または促進体として作用する。アルギニン代謝は、カチオン性アミノ酸トランスポーターのこれらのyシステムの発現によって有意に調節される。
【0167】
アルギニントランスポータータンパク質には、CAT-1、CAT-2、CAT-3、CAT-4、yLAT2、4F2hc、yLAT1、b0,+AT、rBAT、およびATB0,+が含まれる。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、アルギニントランスポーターは、単一のSLCファミリータンパク質、例えば、CAT-1、CAT-2、CAT-3、CAT-4、またはATB0,+で構成される。いくつかの実施形態では、アルギニントランスポーターは、SLCファミリータンパク質の組み合わせ、例えばyLAT2と4F2hc、yLAT1と4F2hc、またはb0,+ATとrBATで構成される。
【0168】
アルギニントランスポータータンパク質は、ナトリウムおよび塩化物依存性またはナトリウム非依存性アミノ酸トランスポータータンパク質であり得る。ナトリウム非依存性アミノ酸トランスポータータンパク質の例としては、y(例えば、CAT-1、CAT-2、CAT-3)、yL(例えば、yLAT1またはyLAT2と組み合わせた4F2hc)、およびb0,+輸送システムのメンバーが挙げられる。ナトリウム依存性アミノ酸トランスポータータンパク質の例としては、B0,+輸送システムのメンバーが挙げられる。単一のタンパク質から構成されるアルギニントランスポーターシステムには、yおよびB0,+トランスポーターシステムのメンバーが含まれる。対照的に、yLおよびb0,+アルギニントランスポーターシステムは、糖タンパク質(例えば、4F2hc)およびタンパク質で構成される。
【0169】
本明細書で使用される「SLC7A1」(溶質キャリアファミリー7メンバー1、ERR、ATRC1、CAT-1、HCAT1およびREC1Lとしても知られている。)は、Entrez遺伝子番号6541によって特定される遺伝子、その対立遺伝子バリアント、そのオルソログ、およびNCBI参照配列NM_003045.5(配列番号180)のヌクレオチド配列を含む、遺伝子によってコードされるmRNA転写物を指す。
【0170】
本明細書に記載のカチオン性アミノ酸トランスポーター1(CAT-1)タンパク質には、SLC7A1によってコードされるタンパク質配列、NCBI参照配列NP_003036.1のアミノ酸配列およびNCBIコンセンサスコーディング配列(CCDS)ID番号CCDS9333.1のアミノ酸配列が含まれる。MGCKVLLNIGQQMLRRKVVDCSREETRLSRCLNTFDLVALGVGSTLGAGVYVLAGAVARENAGPAIVISFLIAALASVLAGLCYGEFGARVPKTGSAYLYSYVTVGELWAFITGWNLILSYIIGTSSVARAWSATFDELIGRPIGEFSRTHMTLNAPGVLAENPDIFAVIIILILTGLLTLGVKESAMVNKIFTCINVLVLGFIMVSGFVKGSVKNWQLTEEDFGNTSGRLCLNNDTKEGKPGVGGFMPFGFSGVLSGAATCFYAFVGFDCIATTGEEVKNPQKAIPVGIVASLLICFIAYFGVSAALTLMMPYFCLDNNSPLPDAFKHVGWEGAKYAVAVGSLCALSASLLGSMFPMPRVIYAMAEDGLLFKFLANVNDRTKTPIIATLASGAVAAVMAFLFDLKDLVDLMSIGTLLAYSLVAACVLVLRYQPEQPNLVYQMASTSDELDPADQNELASTNDSQLGFLPEAEMFSLKTILSPKNMEPSKISGLIVNISTSLIAVLIITFCIVTVLGREALTKGALWAVFLLAGSALLCAVVTGVIWRQPESKTKLSFKVPFLPVLPILSIFVNVYLMMQLDQGTWVRFAVWMLIGFIIYFGYGLWHSEEASLDADQARTPDGNLDQCK (配列番号 182).
【0171】
例示的なCAT-1ヌクレオチド配列は、NCBI CCDS ID番号CCDS 9333.1のヌクレオチド配列である:ATGGGGTGCAAAGTCCTGCTCAACATTGGGCAGCAGATGCTGCGGCGGAAGGTGGTGGACTGTAGCCGGGAGGAGACGCGGCTGTCTCGCTGCCTGAACACTTTTGATCTGGTGGCCCTCGGGGTGGGCAGCACACTGGGTGCTGGTGTCTACGTCCTGGCTGGAGCTGTGGCCCGTGAGAATGCAGGCCCTGCCATTGTCATCTCCTTCCTGATCGCTGCGCTGGCCTCAGTGCTGGCTGGCCTGTGCTATGGCGAGTTTGGTGCTCGGGTCCCCAAGACGGGCTCAGCTTACCTCTACAGCTATGTCACCGTTGGAGAGCTCTGGGCCTTCATCACCGGCTGGAACTTAATCCTCTCCTACATCATCGGTACTTCAAGCGTAGCGAGGGCCTGGAGCGCCACCTTCGACGAGCTGATAGGCAGACCCATCGGGGAGTTCTCACGGACACACATGACTCTGAACGCCCCCGGCGTGCTGGCTGAAAACCCCGACATATTCGCAGTGATCATAATTCTCATCTTGACAGGACTTTTAACTCTTGGTGTGAAAGAGTCGGCCATGGTCAACAAAATATTCACTTGTATTAACGTCCTGGTCCTGGGCTTCATAATGGTGTCAGGATTTGTGAAAGGATCGGTTAAAAACTGGCAGCTCACGGAGGAGGATTTTGGGAACACATCAGGCCGTCTCTGTTTGAACAATGACACAAAAGAAGGGAAGCCCGGTGTTGGTGGATTCATGCCCTTCGGGTTCTCTGGTGTCCTGTCGGGGGCAGCGACTTGCTTCTATGCCTTCGTGGGCTTTGACTGCATCGCCACCACAGGTGAAGAGGTGAAGAACCCACAGAAGGCCATCCCCGTGGGGATCGTGGCGTCCCTCTTGATCTGCTTCATCGCCTACTTTGGGGTGTCGGCTGCCCTCACGCTCATGATGCCCTACTTCTGCCTGGACAATAACAGCCCCCTGCCCGACGCCTTTAAGCACGTGGGCTGGGAAGGTGCCAAGTACGCAGTGGCCGTGGGCTCCCTCTGCGCTCTTTCCGCCAGTCTTCTAGGTTCCATGTTTCCCATGCCTCGGGTTATCTATGCCATGGCTGAGGATGGACTGCTATTTAAATTCTTAGCCAACGTCAATGATAGGACCAAAACACCAATAATCGCCACATTAGCCTCGGGTGCCGTTGCTGCTGTGATGGCCTTCCTCTTTGACCTGAAGGACTTGGTGGACCTCATGTCCATTGGCACTCTCCTGGCTTACTCGTTGGTGGCTGCCTGTGTGTTGGTCTTACGGTACCAGCCAGAGCAGCCTAACCTGGTATACCAGATGGCCAGTACTTCCGACGAGTTAGATCCAGCAGACCAAAATGAATTGGCAAGCACCAATGATTCCCAGCTGGGCTTTTTACCAGAGGCAGAGATGTTCTCTTTGAAAACCATACTCTCACCCAAAAACATGGAGCCTTCCAAAATCTCTGGGCTAATTGTGAACATTTCAACCAGCCTCATAGCTGTTCTCATCATCACCTTCTGCATTGTGACCGTGCTTGGAAGGGAGGCTCTCACCAAAGGGGCGCTGTGGGCAGTCTTTCTGCTCGCAGGGTCTGCCCTCCTCTGTGCCGTGGTCACGGGCGTCATCTGGAGGCAGCCCGAGAGCAAGACCAAGCTCTCATTTAAGGTTCCCTTCCTGCCAGTGCTCCCCATCCTGAGCATCTTCGTGAACGTCTATCTCATGATGCAGCTGGACCAGGGCACCTGGGTCCGGTTTGCTGTGTGGATGCTGATAGGCTTCATCATCTACTTTGGCTATGGCCTGTGGCACAGCGAGGAGGCGTCCCTGGATGCCGACCAAGCAAGGACTCCTGACGGCAACTTGGACCAGTGCAAGTGA (配列番号 183).
【0172】
本明細書で使用される「SLC7A2」(溶質キャリアファミリー7メンバー2、CAT2、ATRC2およびHCAT2としても知られている。)は、Entrez遺伝子番号6542によって特定される遺伝子、その対立遺伝子バリアント、そのオルソログ、およびNCBI参照配列:NM_001008539.4(配列番号184)、NM_001164771.2(配列番号185)、NM_001370337.1(配列番号186)、NM_001370338.1(配列番号187)、またはNM_003046.6(配列番号188)のヌクレオチド配列を含む、遺伝子によってコードされるmRNA転写産物を指す。
【0173】
本明細書に記載のカチオン性アミノ酸トランスポーター2(CAT-2)タンパク質には、SLC7A2によってコードされるタンパク質配列およびNCBI参照配列:NP_001008539.3、NP_001158243.1、NP_001357266.1、NP_001357267.1、またはNP_003037.4のアミノ酸配列が含まれる。CAT-2はCAT-2Aを含む複数のアイソフォームとして表すことができる(NCBI CCDS ID番号CCDS6002.2のアミノ酸配列として同定される):
MKIETSGYNSDKLICRGFIGTPAPPVCDSKFLLSPSSDVRMIPCRAALTFARCLIRRKIVTLDSLEDTKLCRCLSTMDLIALGVGSTLGAGVYVLAGEVAKADSGPSIVVSFLIAALASVMAGLCYAEFGARVPKTGSAYLYTYVTVGELWAFITGWNLILSYVIGTSSVARAWSGTFDELLSKQIGQFLRTYFRMNYTGLAEYPDFFAVCLILLLAGLLSFGVKESAWVNKVFTAVNILVLLFVMVAGFVKGNVANWKISEEFLKNISASAREPPSENGTSIYGAGGFMPYGFTGTLAGAATCFYAFVGFDCIATTGEEVRNPQKAIPIGIVTSLLVCFMAYFGVSAALTLMMPYYLLDEKSPLPVAFEYVGWGPAKYVVAAGSLCALSTSLLGSMFPLPRILFAMARDGLLFRFLARVSKRQSPVAATLTAGVISALMAFLFDLKALVDMMSIGTLMAYSLVAACVLILRYQPGLSYDQPKCSPEKDGLGSSPRVTSKSESQVTMLQRQGFSMRTLFCPSLLPTQQSASLVSFLVGFLAFLVLGLSVLTTYGVHAITRLEAWSLALLALFLVLFVAIVLTIWRQPQNQQKVAFMVPFLPFLPAFSILVNIYLMVQLSADTWVRFSIWMAIGFLIYFSYGIRHSLEGHLRDENNEEDAYPDNVHAAAEEKSAIQANDHHPRNLSSPFIFHEKTSEF (配列番号194)); and
CAT-2B(NCBI CCDS ID番号CCDS34852.1のアミノ酸配列として同定される):MIPCRAALTFARCLIRRKIVTLDSLEDTKLCRCLSTMDLIALGVGSTLGAGVYVLAGEVAKADSGPSIVVSFLIAALASVMAGLCYAEFGARVPKTGSAYLYTYVTVGELWAFITGWNLILSYVIGTSSVARAWSGTFDELLSKQIGQFLRTYFRMNYTGLAEYPDFFAVCLILLLAGLLSFGVKESAWVNKVFTAVNILVLLFVMVAGFVKGNVANWKISEEFLKNISASAREPPSENGTSIYGAGGFMPYGFTGTLAGAATCFYAFVGFDCIATTGEEVRNPQKAIPIGIVTSLLVCFMAYFGVSAALTLMMPYYLLDEKSPLPVAFEYVGWGPAKYVVAAGSLCALSTSLLGSIFPMPRVIYAMAEDGLLFKCLAQINSKTKTPIIATLSSGAVAALMAFLFDLKALVDMMSIGTLMAYSLVAACVLILRYQPGLSYDQPKCSPEKDGLGSSPRVTSKSESQVTMLQRQGFSMRTLFCPSLLPTQQSASLVSFLVGFLAFLVLGLSVLTTYGVHAITRLEAWSLALLALFLVLFVAIVLTIWRQPQNQQKVAFMVPFLPFLPAFSILVNIYLMVQLSADTWVRFSIWMAIGFLIYFSYGIRHSLEGHLRDENNEEDAYPDNVHAAAEEKSAIQANDHHPRNLSSPFIFHEKTSEF (配列番号195)).
【0174】
CAT-2 Aヌクレオチド配列は、CCDS ID番号CCDS6002.2のヌクレオチド配列である。ATGAAGATAGAAACAAGTGGTTATAACTCAGACAAACTAATTTGTCGAGGGTTTATTGGAACACCTGCCCCACCGGTTTGCGACAGCAAGTTTCTCCTGTCGCCTTCGTCAGACGTCAGAATGATTCCTTGCAGAGCCGCGCTGACCTTTGCCCGATGTCTGATCCGGAGAAAAATCGTGACCCTGGACAGTCTAGAAGACACCAAATTATGCCGCTGCTTATCCACCATGGACCTCATTGCCCTGGGCGTTGGAAGCACCCTTGGGGCCGGGGTTTATGTCCTCGCTGGGGAGGTGGCCAAGGCAGACTCGGGCCCCAGCATCGTGGTGTCCTTCCTCATTGCTGCCCTGGCTTCAGTGATGGCTGGCCTCTGCTATGCCGAATTTGGGGCCCGTGTTCCCAAGACGGGGTCTGCATATTTGTACACCTACGTGACTGTCGGAGAGCTGTGGGCCTTCATCACTGGCTGGAATCTCATTTTATCGTATGTGATAGGTACATCAAGTGTTGCAAGAGCCTGGAGTGGCACCTTTGATGAACTTCTTAGCAAACAGATTGGTCAGTTTTTGAGGACATACTTCAGAATGAATTACACTGGTCTTGCAGAATATCCCGATTTTTTTGCTGTGTGCCTTATATTACTTCTAGCAGGTCTTTTGTCTTTTGGAGTAAAAGAGTCTGCTTGGGTGAATAAAGTCTTCACAGCTGTTAATATTCTCGTCCTTCTGTTTGTGATGGTTGCTGGGTTTGTGAAAGGAAATGTGGCAAACTGGAAGATTAGTGAAGAGTTTCTCAAAAATATATCAGCAAGTGCCAGAGAGCCACCTTCTGAAAACGGAACAAGTATCTATGGGGCTGGTGGCTTTATGCCTTATGGCTTTACGGGAACGTTGGCTGGTGCTGCAACTTGCTTTTATGCCTTTGTGGGATTTGACTGCATTGCAACAACTGGTGAAGAAGTTCGGAATCCCCAGAAAGCTATTCCCATTGGAATTGTGACGTCTTTGCTTGTTTGCTTTATGGCCTATTTTGGGGTCTCTGCAGCTTTAACACTTATGATGCCGTACTACCTCCTCGATGAAAAAAGCCCCCTTCCTGTAGCGTTTGAATATGTGGGATGGGGTCCTGCCAAATATGTCGTCGCAGCTGGTTCTCTCTGCGCCTTGTCAACAAGTCTTCTGGGCTCTATGTTTCCTTTACCCCGAATTCTGTTTGCCATGGCCCGGGATGGCTTACTGTTTAGATTTCTTGCCAGAGTGAGTAAGAGGCAGTCACCAGTTGCTGCCACGTTGACTGCAGGGGTCATTTCTGCTTTGATGGCCTTTCTGTTTGACCTGAAGGCGCTTGTGGACATGATGTCCATTGGCACACTCATGGCCTACTCTCTGGTGGCAGCCTGTGTTCTCATCCTCAGGTACCAGCCTGGCTTATCTTACGACCAGCCCAAATGTTCTCCTGAGAAAGATGGTCTGGGATCGTCTCCCAGGGTAACCTCGAAGAGTGAGTCCCAGGTCACCATGCTGCAGAGACAGGGCTTCAGCATGCGGACCCTCTTCTGCCCCTCCCTTCTGCCAACACAGCAGTCAGCTTCTCTCGTGAGCTTTCTGGTAGGATTCCTAGCTTTCCTCGTGTTGGGCCTGAGTGTCTTGACCACTTACGGAGTTCATGCCATCACCAGGCTGGAGGCCTGGAGCCTCGCTCTCCTCGCGCTGTTTCTTGTTCTCTTCGTTGCCATCGTTCTCACCATCTGGAGGCAGCCCCAGAATCAGCAAAAAGTAGCCTTCATGGTTCCATTCTTACCATTTTTGCCAGCGTTCAGCATCTTGGTGAACATTTACTTGATGGTCCAGTTAAGTGCAGACACTTGGGTCAGATTCAGCATTTGGATGGCAATTGGCTTCCTGATTTACTTTTCTTATGGCATTAGACACAGCCTGGAGGGTCATCTGAGAGATGAAAACAATGAAGAAGATGCTTATCCAGACAACGTTCATGCAGCAGCAGAAGAAAAATCTGCCATTCAAGCAAATGACCATCACCCAAGAAATCTCAGTTCACCTTTCATATTCCATGAAAAGACAAGTGAATTCTAA (配列番号196).
【0175】
CAT-2 Bヌクレオチド配列は、CCDS ID番号CCDS34852.1のヌクレオチド配列である:ATGATTCCTTGCAGAGCCGCGCTGACCTTTGCCCGATGTCTGATCCGGAGAAAAATCGTGACCCTGGACAGTCTAGAAGACACCAAATTATGCCGCTGCTTATCCACCATGGACCTCATTGCCCTGGGCGTTGGAAGCACCCTTGGGGCCGGGGTTTATGTCCTCGCTGGGGAGGTGGCCAAGGCAGACTCGGGCCCCAGCATCGTGGTGTCCTTCCTCATTGCTGCCCTGGCTTCAGTGATGGCTGGCCTCTGCTATGCCGAATTTGGGGCCCGTGTTCCCAAGACGGGGTCTGCATATTTGTACACCTACGTGACTGTCGGAGAGCTGTGGGCCTTCATCACTGGCTGGAATCTCATTTTATCGTATGTGATAGGTACATCAAGTGTTGCAAGAGCCTGGAGTGGCACCTTTGATGAACTTCTTAGCAAACAGATTGGTCAGTTTTTGAGGACATACTTCAGAATGAATTACACTGGTCTTGCAGAATATCCCGATTTTTTTGCTGTGTGCCTTATATTACTTCTAGCAGGTCTTTTGTCTTTTGGAGTAAAAGAGTCTGCTTGGGTGAATAAAGTCTTCACAGCTGTTAATATTCTCGTCCTTCTGTTTGTGATGGTTGCTGGGTTTGTGAAAGGAAATGTGGCAAACTGGAAGATTAGTGAAGAGTTTCTCAAAAATATATCAGCAAGTGCCAGAGAGCCACCTTCTGAAAACGGAACAAGTATCTATGGGGCTGGTGGCTTTATGCCTTATGGCTTTACGGGAACGTTGGCTGGTGCTGCAACTTGCTTTTATGCCTTTGTGGGATTTGACTGCATTGCAACAACTGGTGAAGAAGTTCGGAATCCCCAGAAAGCTATTCCCATTGGAATTGTGACGTCTTTGCTTGTTTGCTTTATGGCCTATTTTGGGGTCTCTGCAGCTTTAACACTTATGATGCCGTACTACCTCCTCGATGAAAAAAGCCCCCTTCCTGTAGCGTTTGAATATGTGGGATGGGGTCCTGCCAAATATGTCGTCGCAGCTGGTTCTCTCTGCGCCTTGTCAACAAGTCTTCTTGGATCCATTTTCCCAATGCCTCGTGTAATCTATGCTATGGCGGAGGATGGGTTGCTTTTCAAATGTCTAGCTCAAATCAATTCCAAAACGAAGACACCAATAATTGCTACTTTATCATCGGGTGCAGTGGCAGCTTTGATGGCCTTTCTGTTTGACCTGAAGGCGCTTGTGGACATGATGTCCATTGGCACACTCATGGCCTACTCTCTGGTGGCAGCCTGTGTTCTCATCCTCAGGTACCAGCCTGGCTTATCTTACGACCAGCCCAAATGTTCTCCTGAGAAAGATGGTCTGGGATCGTCTCCCAGGGTAACCTCGAAGAGTGAGTCCCAGGTCACCATGCTGCAGAGACAGGGCTTCAGCATGCGGACCCTCTTCTGCCCCTCCCTTCTGCCAACACAGCAGTCAGCTTCTCTCGTGAGCTTTCTGGTAGGATTCCTAGCTTTCCTCGTGTTGGGCCTGAGTGTCTTGACCACTTACGGAGTTCATGCCATCACCAGGCTGGAGGCCTGGAGCCTCGCTCTCCTCGCGCTGTTTCTTGTTCTCTTCGTTGCCATCGTTCTCACCATCTGGAGGCAGCCCCAGAATCAGCAAAAAGTAGCCTTCATGGTTCCATTCTTACCATTTTTGCCAGCGTTCAGCATCTTGGTGAACATTTACTTGATGGTCCAGTTAAGTGCAGACACTTGGGTCAGATTCAGCATTTGGATGGCAATTGGCTTCCTGATTTACTTTTCTTATGGCATTAGACACAGCCTGGAGGGTCATCTGAGAGATGAAAACAATGAAGAAGATGCTTATCCAGACAACGTTCATGCAGCAGCAGAAGAAAAATCTGCCATTCAAGCAAATGACCATCACCCAAGAAATCTCAGTTCACCTTTCATATTCCATGAAAAGACAAGTGAATTCTAA (配列番号197).
【0176】
1またはそれを超える天然に存在するアミノ酸変異または操作されたアミノ酸変異を含むCAT-2Aタンパク質も本明細書に記載される。例えば、置換および/または挿入変異を含むCAT-2Aタンパク質が本明細書に記載される。CAT-2Aアミノ酸配列は、例えば、アミノ酸変異R369E、N381iまたはR369EおよびN381iを含み得る。R369E、N381iおよびR369E/N381i変異を含むCAT-2Aアミノ酸配列としては、以下が挙げられる:MIPCRAALTFARCLIRRKIVTLDSLEDTKLCRCLSTMDLIALGVGSTLGAGVYVLAGEVAKADSGPSIVVSFLIAALASVMAGLCYAEFGARVPKTGSAYLYTYVTVGELWAFITGWNLILSYVIGTSSVARAWSGTFDELLSKQIGQFLRTYFRMNYTGLAEYPDFFAVCLILLLAGLLSFGVKESAWVNKVFTAVNILVLLFVMVAGFVKGNVANWKISEEFLKNISASAREPPSENGTSIYGAGGFMPYGFTGTLAGAATCFYAFVGFDCIATTGEEVRNPQKAIPIGIVTSLLVCFMAYFGVSAALTLMMPYYLLDEKSPLPVAFEYVGWGPAKYVVAAGSLCALSTSLLGSMFPLPRILFAMAEDGLLFRFLARVSKRQSPVAATLTAGVISALMAFLFDLKALVDMMSIGTLMAYSLVAACVLILRYQPGLSYDQPKCSPEKDGLGSSPRVTSKSESQVTMLQRQGFSMRTLFCPSLLPTQQSASLVSFLVGFLAFLVLGLSVLTTYGVHAITRLEAWSLALLALFLVLFVAIVLTIWRQPQNQQKVAFMVPFLPFLPAFSILVNIYLMVQLSADTWVRFSIWMAIGFLIYFSYGIRHSLEGHLRDENNEEDAYPDNVHAAAEEKSAIQANDHHPRNLSSPFIFHEKTSEF (配列番号198);
MIPCRAALTFARCLIRRKIVTLDSLEDTKLCRCLSTMDLIALGVGSTLGAGVYVLAGEVAKADSGPSIVVSFLIAALASVMAGLCYAEFGARVPKTGSAYLYTYVTVGELWAFITGWNLILSYVIGTSSVARAWSGTFDELLSKQIGQFLRTYFRMNYTGLAEYPDFFAVCLILLLAGLLSFGVKESAWVNKVFTAVNILVLLFVMVAGFVKGNVANWKISEEFLKNISASAREPPSENGTSIYGAGGFMPYGFTGTLAGAATCFYAFVGFDCIATTGEEVRNPQKAIPIGIVTSLLVCFMAYFGVSAALTLMMPYYLLDEKSPLPVAFEYVGWGPAKYVVAAGSLCALSTSLLGSMFPLPRILFAMARDGLLFRFLARVNSKRQSPVAATLTAGVISALMAFLFDLKALVDMMSIGTLMAYSLVAACVLILRYQPGLSYDQPKCSPEKDGLGSSPRVTSKSESQVTMLQRQGFSMRTLFCPSLLPTQQSASLVSFLVGFLAFLVLGLSVLTTYGVHAITRLEAWSLALLALFLVLFVAIVLTIWRQPQNQQKVAFMVPFLPFLPAFSILVNIYLMVQLSADTWVRFSIWMAIGFLIYFSYGIRHSLEGHLRDENNEEDAYPDNVHAAAEEKSAIQANDHHPRNLSSPFIFHEKTSEF (配列番号199); and
MIPCRAALTFARCLIRRKIVTLDSLEDTKLCRCLSTMDLIALGVGSTLGAGVYVLAGEVAKADSGPSIVVSFLIAALASVMAGLCYAEFGARVPKTGSAYLYTYVTVGELWAFITGWNLILSYVIGTSSVARAWSGTFDELLSKQIGQFLRTYFRMNYTGLAEYPDFFAVCLILLLAGLLSFGVKESAWVNKVFTAVNILVLLFVMVAGFVKGNVANWKISEEFLKNISASAREPPSENGTSIYGAGGFMPYGFTGTLAGAATCFYAFVGFDCIATTGEEVRNPQKAIPIGIVTSLLVCFMAYFGVSAALTLMMPYYLLDEKSPLPVAFEYVGWGPAKYVVAAGSLCALSTSLLGSMFPLPRILFAMAEDGLLFRFLARVNSKRQSPVAATLTAGVISALMAFLFDLKALVDMMSIGTLMAYSLVAACVLILRYQPGLSYDQPKCSPEKDGLGSSPRVTSKSESQVTMLQRQGFSMRTLFCPSLLPTQQSASLVSFLVGFLAFLVLGLSVLTTYGVHAITRLEAWSLALLALFLVLFVAIVLTIWRQPQNQQKVAFMVPFLPFLPAFSILVNIYLMVQLSADTWVRFSIWMAIGFLIYFSYGIRHSLEGHLRDENNEEDAYPDNVHAAAEEKSAIQANDHHPRNLSSPFIFHEKTSEF (配列番号200).
【0177】
R369E、N381iおよびR369E/N381i変異をコードする核酸配列としては、以下が挙げられる:ATGATTCCCTGCAGAGCCGCTCTGACCTTCGCCAGATGCCTGATCAGACGGAAGATCGTGACCCTGGACAGCCTGGAAGATACCAAGCTGTGCCGGTGCCTGAGCACCATGGATCTGATTGCCCTCGGCGTGGGCTCTACACTTGGAGCTGGTGTTTATGTGCTGGCTGGCGAGGTGGCCAAGGCCGATTCTGGACCTTCTATCGTGGTGTCCTTCCTGATCGCCGCTCTGGCCTCTGTTATGGCCGGACTGTGTTACGCCGAGTTCGGAGCCAGAGTGCCTAAGACAGGCAGCGCCTACCTGTACACCTACGTGACAGTGGGAGAGCTGTGGGCCTTTATCACCGGCTGGAACCTGATCCTGAGCTACGTGATCGGCACCTCCTCTGTGGCTAGAGCTTGGAGCGGCACCTTTGACGAGCTGCTGTCTAAGCAGATCGGCCAGTTCCTGCGGACCTACTTCCGGATGAATTACACCGGCCTGGCCGAGTATCCCGACTTCTTCGCCGTGTGTCTGATCCTGCTGCTTGCCGGACTGCTGAGCTTCGGCGTGAAAGAGTCTGCCTGGGTCAACAAGGTGTTCACCGCCGTGAATATCCTGGTGCTGCTGTTCGTGATGGTGGCCGGCTTCGTGAAGGGCAACGTGGCCAATTGGAAGATCAGCGAAGAGTTCCTGAAGAACATCAGCGCCAGCGCCAGAGAGCCTCCTTCTGAAAACGGCACCAGCATCTATGGCGCAGGCGGCTTTATGCCCTACGGCTTTACTGGAACACTGGCAGGCGCCGCTACCTGCTTCTATGCCTTCGTGGGCTTCGACTGTATCGCCACCACTGGGGAAGAAGTGCGGAACCCTCAGAAGGCTATCCCCATCGGCATCGTGACAAGCCTGCTCGTGTGCTTCATGGCCTACTTCGGAGTGTCCGCCGCACTGACCCTGATGATGCCTTACTACCTGCTGGACGAGAAGTCCCCTCTGCCTGTGGCCTTTGAGTATGTTGGCTGGGGCCCTGCCAAATACGTGGTGGCTGCTGGATCTCTGTGCGCCCTGTCTACATCTCTGCTGGGCAGCATGTTCCCTCTGCCAAGAATCCTGTTCGCCATGGCCGAGGATGGCCTGCTGTTCAGATTCCTGGCCAGAGTGAGCAAGCGGCAGTCTCCTGTGGCCGCTACACTTACAGCTGGCGTGATCTCTGCCCTGATGGCTTTCCTGTTCGACCTGAAGGCCCTGGTGGACATGATGAGCATCGGCACACTGATGGCCTACAGCCTGGTGGCAGCCTGCGTGCTGATTCTGAGATACCAGCCAGGCCTGTCCTACGACCAGCCTAAGTGTTCCCCTGAGAAGGACGGCCTGGGCAGCTCTCCTAGAGTGACAAGCAAGAGCGAGAGCCAAGTGACCATGCTGCAGAGACAGGGCTTCAGCATGCGGACCCTGTTCTGCCCTTCTCTGCTGCCTACACAGCAGTCTGCTAGCCTGGTGTCTTTCCTCGTGGGATTTCTGGCCTTTCTGGTGCTGGGCCTGAGCGTGCTGACAACATATGGGGTGCACGCCATCACCAGACTGGAAGCTTGGAGTCTGGCTCTGCTGGCCCTGTTCCTGGTTCTGTTTGTGGCCATCGTGCTGACCATTTGGCGGCAGCCCCAGAACCAGCAGAAAGTGGCTTTCATGGTGCCCTTTCTGCCTTTCCTGCCAGCCTTCAGCATCCTGGTCAACATCTACCTGATGGTGCAGCTGAGCGCCGACACCTGGGTCCGATTTTCCATCTGGATGGCTATCGGCTTCCTCATCTACTTCAGCTACGGCATCCGGCACTCCCTGGAAGGCCATCTGAGAGATGAGAACAACGAAGAGGACGCTTACCCCGACAACGTGCACGCCGCTGCCGAAGAGAAATCTGCCATCCAGGCCAACGACCACCATCCAAGAAACCTGAGCAGCCCCTTCATCTTCCACGAGAAAACCAGCGAGTTT (配列番号201);
ATGATTCCCTGCAGAGCCGCTCTGACCTTCGCCAGATGCCTGATCAGACGGAAGATCGTGACCCTGGACAGCCTGGAAGATACCAAGCTGTGCCGGTGCCTGAGCACCATGGATCTGATTGCCCTCGGCGTGGGCTCTACACTTGGAGCTGGTGTTTATGTGCTGGCTGGCGAGGTGGCCAAGGCCGATTCTGGACCTTCTATCGTGGTGTCCTTCCTGATCGCCGCTCTGGCCTCTGTTATGGCCGGACTGTGTTACGCCGAGTTCGGAGCCAGAGTGCCTAAGACAGGCAGCGCCTACCTGTACACCTACGTGACAGTGGGAGAGCTGTGGGCCTTTATCACCGGCTGGAACCTGATCCTGAGCTACGTGATCGGCACCTCCTCTGTGGCTAGAGCTTGGAGCGGCACCTTTGACGAGCTGCTGTCTAAGCAGATCGGCCAGTTCCTGCGGACCTACTTCCGGATGAATTACACCGGCCTGGCCGAGTATCCCGACTTCTTCGCCGTGTGTCTGATCCTGCTGCTTGCCGGACTGCTGAGCTTCGGCGTGAAAGAGTCTGCCTGGGTCAACAAGGTGTTCACCGCCGTGAATATCCTGGTGCTGCTGTTCGTGATGGTGGCCGGCTTCGTGAAGGGCAACGTGGCCAATTGGAAGATCAGCGAAGAGTTCCTGAAGAACATCAGCGCCAGCGCCAGAGAGCCTCCTTCTGAAAACGGCACCAGCATCTATGGCGCAGGCGGCTTTATGCCCTACGGCTTTACTGGAACACTGGCAGGCGCCGCTACCTGCTTCTATGCCTTCGTGGGCTTCGACTGTATCGCCACCACTGGGGAAGAAGTGCGGAACCCTCAGAAGGCTATCCCCATCGGCATCGTGACAAGCCTGCTCGTGTGCTTCATGGCCTACTTCGGAGTGTCCGCCGCACTGACCCTGATGATGCCTTACTACCTGCTGGACGAGAAGTCCCCTCTGCCTGTGGCCTTTGAGTATGTTGGCTGGGGCCCTGCCAAATACGTGGTGGCTGCTGGATCTCTGTGCGCCCTGTCTACATCTCTGCTGGGCAGCATGTTCCCTCTGCCAAGAATCCTGTTCGCCATGGCCCGGGATGGCCTGCTGTTCAGATTCCTGGCCAGAGTGAACAGCAAGCGGCAGTCTCCTGTGGCCGCTACACTTACAGCTGGCGTGATCTCTGCCCTGATGGCTTTCCTGTTCGACCTGAAGGCCCTGGTGGACATGATGAGCATCGGCACACTGATGGCCTACAGCCTGGTGGCAGCCTGCGTGCTGATTCTGAGATACCAGCCAGGCCTGTCCTACGACCAGCCTAAGTGTTCCCCTGAGAAGGACGGCCTGGGCAGCTCTCCTAGAGTGACAAGCAAGAGCGAGAGCCAAGTGACCATGCTGCAGAGACAGGGCTTCAGCATGCGGACCCTGTTCTGCCCTTCTCTGCTGCCTACACAGCAGTCTGCTAGCCTGGTGTCTTTCCTCGTGGGATTTCTGGCCTTTCTGGTGCTGGGCCTGAGCGTGCTGACAACATATGGGGTGCACGCCATCACCAGACTGGAAGCTTGGAGTCTGGCTCTGCTGGCCCTGTTCCTGGTTCTGTTTGTGGCCATCGTGCTGACCATTTGGCGGCAGCCCCAGAACCAGCAGAAAGTGGCTTTCATGGTGCCCTTTCTGCCTTTCCTGCCAGCCTTCAGCATCCTGGTCAACATCTACCTGATGGTGCAGCTGAGCGCCGACACCTGGGTCCGATTTTCCATCTGGATGGCTATCGGCTTCCTCATCTACTTCAGCTACGGCATCCGGCACTCCCTGGAAGGCCATCTGAGAGATGAGAACAACGAAGAGGACGCTTACCCCGACAACGTGCACGCCGCTGCCGAAGAGAAATCTGCCATCCAGGCCAACGACCACCATCCAAGAAACCTGAGCAGCCCCTTCATCTTCCACGAGAAAACCAGCGAGTTT (配列番号202); and
ATGATTCCCTGCAGAGCCGCTCTGACCTTCGCCAGATGCCTGATCAGACGGAAGATCGTGACCCTGGACAGCCTGGAAGATACCAAGCTGTGCCGGTGCCTGAGCACCATGGATCTGATTGCCCTCGGCGTGGGCTCTACACTTGGAGCTGGTGTTTATGTGCTGGCTGGCGAGGTGGCCAAGGCCGATTCTGGACCTTCTATCGTGGTGTCCTTCCTGATCGCCGCTCTGGCCTCTGTTATGGCCGGACTGTGTTACGCCGAGTTCGGAGCCAGAGTGCCTAAGACAGGCAGCGCCTACCTGTACACCTACGTGACAGTGGGAGAGCTGTGGGCCTTTATCACCGGCTGGAACCTGATCCTGAGCTACGTGATCGGCACCTCCTCTGTGGCTAGAGCTTGGAGCGGCACCTTTGACGAGCTGCTGTCTAAGCAGATCGGCCAGTTCCTGCGGACCTACTTCCGGATGAATTACACCGGCCTGGCCGAGTATCCCGACTTCTTCGCCGTGTGTCTGATCCTGCTGCTTGCCGGACTGCTGAGCTTCGGCGTGAAAGAGTCTGCCTGGGTCAACAAGGTGTTCACCGCCGTGAATATCCTGGTGCTGCTGTTCGTGATGGTGGCCGGCTTCGTGAAGGGCAACGTGGCCAATTGGAAGATCAGCGAAGAGTTCCTGAAGAACATCAGCGCCAGCGCCAGAGAGCCTCCTTCTGAAAACGGCACCAGCATCTATGGCGCAGGCGGCTTTATGCCCTACGGCTTTACTGGAACACTGGCAGGCGCCGCTACCTGCTTCTATGCCTTCGTGGGCTTCGACTGTATCGCCACCACTGGGGAAGAAGTGCGGAACCCTCAGAAGGCTATCCCCATCGGCATCGTGACAAGCCTGCTCGTGTGCTTCATGGCCTACTTCGGAGTGTCCGCCGCACTGACCCTGATGATGCCTTACTACCTGCTGGACGAGAAGTCCCCTCTGCCTGTGGCCTTTGAGTATGTTGGCTGGGGCCCTGCCAAATACGTGGTGGCTGCTGGATCTCTGTGCGCCCTGTCTACATCTCTGCTGGGCAGCATGTTCCCTCTGCCAAGAATCCTGTTCGCCATGGCCGAGGATGGCCTGCTGTTCAGATTCCTGGCCAGAGTGAACAGCAAGCGGCAGTCTCCTGTGGCCGCTACACTTACAGCTGGCGTGATCTCTGCCCTGATGGCTTTCCTGTTCGACCTGAAGGCCCTGGTGGACATGATGAGCATCGGCACACTGATGGCCTACAGCCTGGTGGCAGCCTGCGTGCTGATTCTGAGATACCAGCCAGGCCTGTCCTACGACCAGCCTAAGTGTTCCCCTGAGAAGGACGGCCTGGGCAGCTCTCCTAGAGTGACAAGCAAGAGCGAGAGCCAAGTGACCATGCTGCAGAGACAGGGCTTCAGCATGCGGACCCTGTTCTGCCCTTCTCTGCTGCCTACACAGCAGTCTGCTAGCCTGGTGTCTTTCCTCGTGGGATTTCTGGCCTTTCTGGTGCTGGGCCTGAGCGTGCTGACAACATATGGGGTGCACGCCATCACCAGACTGGAAGCTTGGAGTCTGGCTCTGCTGGCCCTGTTCCTGGTTCTGTTTGTGGCCATCGTGCTGACCATTTGGCGGCAGCCCCAGAACCAGCAGAAAGTGGCTTTCATGGTGCCCTTTCTGCCTTTCCTGCCAGCCTTCAGCATCCTGGTCAACATCTACCTGATGGTGCAGCTGAGCGCCGACACCTGGGTCCGATTTTCCATCTGGATGGCTATCGGCTTCCTCATCTACTTCAGCTACGGCATCCGGCACTCCCTGGAAGGCCATCTGAGAGATGAGAACAACGAAGAGGACGCTTACCCCGACAACGTGCACGCCGCTGCCGAAGAGAAATCTGCCATCCAGGCCAACGACCACCATCCAAGAAACCTGAGCAGCCCCTTCATCTTCCACGAGAAAACCAGCGAGTTT (配列番号203).
【0178】
本明細書で使用される「SLC7A3」(溶質キャリアファミリー7メンバー3、CAT3、ATRC3およびCAT-3としても知られている。)は、Entrez遺伝子番号84889によって特定される遺伝子、その対立遺伝子バリアント、そのオルソログ、およびNCBI参照配列:NM_001048164.3(配列番号204)またはNM_032803.6(配列番号205)のヌクレオチド配列を含む、遺伝子によってコードされるmRNA転写産物を指す。
【0179】
本明細書に記載のカチオン性アミノ酸トランスポーター3(CAT-3)タンパク質には、SLC7A3によってコードされるタンパク質配列、NCBI参照配列NP_001041629.1およびNP_116192.4のアミノ酸配列、ならびにNCBI CCDS ID番号CCDS14404.1のアミノ酸配列が含まれる。MPWQAFRRFGQKLVRRRTLESGMAETRLARCLSTLDLVALGVGSTLGAGVYVLAGEVAKDKAGPSIVICFLVAALSSVLAGLCYAEFGARVPRSGSAYLYSYVTVGELWAFTTGWNLILSYVIGTASVARAWSSAFDNLIGNHISKTLQGSIALHVPHVLAEYPDFFALGLVLLLTGLLALGASESALVTKVFTGVNLLVLGFVMISGFVKGDVHNWKLTEEDYELAMAELNDTYSLGPLGSGGFVPFGFEGILRGAATCFYAFVGFDCIATTGEEAQNPQRSIPMGIVISLSVCFLAYFAVSSALTLMMPYYQLQPESPLPEAFLYIGWAPARYVVAVGSLCALSTSLLGSMFPMPRVIYAMAEDGLLFRVLARIHTGTRTPIIATVVSGIIAAFMAFLFKLTDLVDLMSIGTLLAYSLVSICVLILRYQPDQETKTGEEVELQEEAITTESEKLTLWGLFFPLNSIPTPLSGQIVYVCSSLLAVLLTALCLVLAQWSVPLLSGDLLWTAVVVLLLLLIIGIIVVIWRQPQSSTPLHFKVPALPLLPLMSIFVNIYLMMQMTAGTWARFGVWMLIGFAIYFGYGIQHSLEEIKSNQPSRKSRAKTVDLDPGTLYVHSV (配列番号208).
【0180】
CAT-3ヌクレオチド配列は、NCBI CCDS ID番号CCDS14404.1のヌクレオチド配列を含む:ATGCCGTGGCAAGCATTTCGCAGATTTGGTCAAAAGCTGGTACGCAGACGTACACTGGAGTCAGGCATGGCTGAGACTCGCCTTGCCAGATGCCTAAGCACCCTGGATTTAGTGGCCCTGGGTGTGGGCAGCACATTGGGTGCAGGCGTGTATGTCCTAGCTGGCGAGGTGGCCAAAGATAAAGCAGGGCCATCCATTGTGATCTGCTTTTTGGTGGCTGCCCTGTCTTCTGTGTTGGCTGGGCTGTGCTATGCGGAGTTTGGTGCCCGGGTTCCCCGTTCTGGTTCGGCATATCTCTACAGCTATGTCACTGTGGGTGAACTCTGGGCCTTCACCACTGGCTGGAACCTCATCCTCTCCTATGTCATTGGTACAGCCAGTGTGGCCCGGGCCTGGAGCTCTGCTTTTGACAACCTGATTGGGAACCACATCTCTAAGACTCTGCAGGGGTCCATTGCACTGCACGTGCCCCATGTCCTTGCAGAATATCCAGATTTCTTTGCTTTGGGCCTCGTGTTGCTGCTCACTGGATTGTTGGCTCTCGGGGCTAGTGAGTCGGCCCTGGTTACCAAAGTGTTCACAGGCGTGAACCTTTTGGTTCTTGGGTTCGTCATGATCTCTGGCTTCGTTAAGGGGGACGTGCACAACTGGAAGCTCACAGAAGAGGACTACGAATTGGCCATGGCTGAACTCAATGACACCTATAGCTTGGGTCCTCTGGGCTCTGGAGGATTTGTGCCTTTCGGCTTCGAGGGAATTCTCCGTGGAGCAGCGACCTGTTTCTATGCATTTGTTGGTTTCGACTGTATTGCTACCACTGGAGAAGAAGCCCAGAATCCCCAGCGTTCCATCCCGATGGGCATTGTGATCTCACTGTCTGTCTGCTTTTTGGCGTATTTTGCTGTCTCTTCTGCACTCACCCTGATGATGCCTTACTACCAGCTTCAGCCTGAGAGCCCTTTGCCTGAGGCATTTCTCTACATTGGATGGGCTCCTGCCCGCTATGTTGTGGCTGTTGGCTCCCTCTGTGCTCTTTCTACCAGCCTCCTGGGCTCCATGTTCCCCATGCCTCGGGTGATCTACGCGATGGCAGAGGATGGCCTCCTGTTCCGTGTACTTGCTCGGATCCACACCGGCACACGCACCCCAATCATAGCCACCGTGGTCTCTGGCATTATTGCAGCATTCATGGCATTCCTCTTCAAACTCACTGATCTTGTGGACCTCATGTCAATTGGGACCCTGCTTGCTTACTCCCTGGTGTCGATTTGTGTTCTCATCCTCAGGTATCAACCTGATCAGGAGACAAAGACTGGGGAAGAAGTGGAGTTGCAGGAGGAGGCAATAACTACTGAATCAGAGAAGTTGACCCTATGGGGACTATTTTTCCCACTCAACTCCATCCCCACTCCACTCTCTGGCCAAATTGTCTATGTTTGTTCCTCATTGCTTGCTGTCCTGCTGACTGCTCTTTGCCTGGTGCTGGCCCAGTGGTCAGTTCCATTGCTTTCTGGAGACCTGCTGTGGACTGCAGTGGTTGTGCTGCTCCTGCTGCTCATTATTGGGATCATTGTGGTCATCTGGAGACAGCCACAGAGTTCCACTCCCCTTCACTTTAAGGTGCCTGCTTTGCCTCTCCTCCCACTAATGAGCATCTTTGTGAATATTTACCTTATGATGCAGATGACAGCTGGTACCTGGGCCCGATTTGGGGTCTGGATGCTGATTGGCTTTGCTATCTACTTCGGCTATGGGATCCAGCACAGCCTGGAAGAGATTAAGAGTAACCAACCCTCACGCAAGTCTAGAGCCAAAACTGTAGACCTTGATCCCGGCACTCTCTATGTCCACTCAGTTTGA (配列番号209).
【0181】
本明細書で使用される「SLC7A4」(溶質キャリアファミリー7メンバー4、VH、CAT4、CAT-4およびHCAT3としても知られている。)は、Entrez遺伝子番号6545によって特定される遺伝子、その対立遺伝子バリアント、そのオルソログ、およびNCBI参照配列NM_004173.3(配列番号210)のヌクレオチド配列を含む、遺伝子によってコードされるmRNA転写物を指す。
【0182】
本明細書に記載のカチオン性アミノ酸トランスポーター4(CAT-4)タンパク質には、SLC7A4によってコードされるタンパク質配列、NCBI参照配列NP_004164.2のアミノ酸配列、およびNCBI CCDS ID番号CCDS33608.1のアミノ酸配列が含まれる。MARGLPTIASLARLCQKLNRLKPLEDSTMETSLRRCLSTLDLTLLGVGGMVGSGLYVLTGAVAKEVAGPAVLLSFGVAAVASLLAALCYAEFGARVPRTGSAYLFTYVSMGELWAFLIGWNVLLEYIIGGAAVARAWSGYLDSMFSHSIRNFTETHVGSWQVPLLGHYPDFLAAGIILLASAFVSCGARVSSWLNHTFSAISLLVILFIVILGFILAQPHNWSADEGGFAPFGFSGVMAGTASCFYAFVGFDVIAASSEEAQNPRRSVPLAIAISLAIAAGAYILVSTVLTLMVPWHSLDPDSALADAFYQRGYRWAGFIVAAGSICAMNTVLLSLLFSLPRIVYAMAADGLFFQVFAHVHPRTQVPVAGTLAFGLLTAFLALLLDLESLVQFLSLGTLLAYTFVATSIIVLRFQKSSPPSSPGPASPGPLTKQQSSFSDHLQLVGTVHASVPEPGELKPALRPYLGFLDGYSPGAVVTWALGVMLASAITIGCVLVFGNSTLHLPHWGYILLLLLTSVMFLLSLLVLGAHQQQYREDLFQIPMVPLIPALSIVLNICLMLKLSYLTWVRFSIWLLMGLAVYFGYGIRHSKENQRELPGLNSTHYVVFPRGSLEETVQAMQPPSQAPAQDPGHME (配列番号212).
【0183】
CAT-4ヌクレオチド配列は、NCBI CCDS ID番号CCDS 33608.1のヌクレオチド配列を含む:ATGGCCCGGGGGCTGCCCACCATTGCTAGCCTGGCACGCTTATGCCAGAAGCTGAACCGCCTGAAGCCGCTGGAGGACTCCACCATGGAGACGTCACTGCGGCGCTGCCTGTCCACGCTGGACCTGACTCTTCTGGGCGTGGGTGGCATGGTGGGCTCGGGTCTCTACGTGCTCACAGGTGCCGTGGCCAAGGAGGTGGCTGGCCCTGCTGTGCTCTTGTCCTTCGGTGTGGCCGCTGTGGCCTCCCTGCTGGCAGCCCTATGCTATGCAGAATTTGGGGCACGTGTGCCACGCACGGGCTCTGCCTACCTGTTCACCTACGTATCCATGGGCGAGCTGTGGGCCTTCCTCATCGGCTGGAATGTTCTCCTCGAATACATCATCGGTGGCGCCGCCGTGGCCCGTGCCTGGAGTGGCTACCTGGACTCTATGTTCAGCCACAGCATCCGCAACTTCACTGAGACCCACGTGGGTTCTTGGCAGGTGCCCCTCCTGGGCCACTACCCGGACTTCCTGGCTGCTGGCATCATCCTCCTGGCCTCTGCCTTTGTCTCCTGTGGAGCCCGCGTGTCCTCCTGGCTCAATCACACCTTCTCGGCCATCAGCCTGCTTGTCATTCTCTTCATTGTCATCCTGGGCTTCATCCTGGCCCAGCCTCACAACTGGAGCGCTGACGAAGGCGGCTTTGCACCCTTCGGCTTCTCCGGCGTCATGGCCGGCACTGCCTCCTGCTTCTATGCTTTCGTGGGCTTCGACGTCATTGCCGCCTCCAGTGAGGAGGCCCAGAACCCACGGCGGTCTGTGCCTCTGGCCATCGCCATCTCGCTTGCCATTGCAGCTGGTGCCTACATCCTTGTCTCCACCGTGCTAACCCTCATGGTGCCCTGGCACAGCCTGGACCCCGACTCAGCGCTTGCAGATGCCTTCTACCAGCGGGGCTACAGGTGGGCTGGCTTCATCGTGGCAGCTGGCTCCATCTGCGCCATGAACACCGTCCTGCTCAGCCTCCTCTTCTCCCTGCCACGCATTGTCTATGCCATGGCCGCCGATGGGCTCTTCTTCCAGGTGTTTGCCCATGTGCACCCCCGGACACAGGTGCCTGTGGCGGGCACCCTGGCGTTCGGGCTCCTCACGGCCTTCCTGGCACTGCTGCTGGACCTGGAGTCGCTGGTTCAGTTCCTGTCCCTTGGCACACTCCTGGCCTACACATTCGTGGCCACCAGTATCATTGTGCTGCGCTTCCAGAAGTCTTCCCCGCCCAGCTCCCCAGGCCCAGCCAGCCCTGGCCCCCTGACCAAGCAGCAGAGCTCCTTCTCAGACCACCTACAGCTGGTGGGCACTGTACACGCCTCCGTCCCTGAGCCAGGGGAGCTGAAGCCAGCCCTGAGGCCCTACCTGGGCTTCTTGGATGGGTACAGCCCTGGAGCAGTGGTGACTTGGGCGCTTGGCGTTATGTTGGCCTCAGCCATCACCATAGGCTGCGTGCTTGTCTTTGGGAACTCGACCCTGCACCTCCCACACTGGGGTTACATCCTGCTGCTCCTGCTCACCAGTGTCATGTTTCTGCTCAGCCTCCTTGTCCTGGGGGCTCACCAGCAACAGTATCGGGAAGACTTATTTCAGATCCCCATGGTTCCCCTGATTCCAGCCCTGAGCATCGTCCTCAACATCTGCCTCATGCTGAAACTTAGCTATCTGACCTGGGTGCGCTTCTCCATCTGGCTGCTGATGGGACTTGCAGTGTATTTCGGCTATGGCATCCGGCATAGCAAGGAGAACCAGCGGGAGCTGCCAGGGCTGAACTCCACACACTACGTGGTATTCCCCAGGGGCAGCCTGGAGGAGACAGTGCAGGCTATGCAGCCCCCCAGCCAGGCACCAGCACAGGACCCTGGCCATATGGAGTAG (配列番号213).
【0184】
本明細書で使用される「SLC7A6」(溶質キャリアファミリー7メンバー6、LAT3、LAT-2およびyLAT-2としても知られている)は、Entrez遺伝子ID番号9057によって特定される遺伝子、その対立遺伝子バリアント、そのオルソログ、NCBI参照配列:NM_001076785.3(配列番号214)またはNM_003983.6(配列番号215)のヌクレオチド配列を含む、遺伝子によってコードされるmRNA転写産物を指す。
【0185】
Lアミノ酸トランスポーター2(yLAT2)タンパク質には、SLC7A6によってコードされるタンパク質配列、NCBI参照配列NP_001070253.1およびNP_003974.3のアミノ酸配列、ならびにNCBI CCDS ID番号CCDS 32470.1のアミノ酸配列が含まれる。MEAREPGRPTPTYHLVPNTSQSQVEEDVSSPPQRSSETMQLKKEISLLNGVSLVVGNMIGSGIFVSPKGVLVHTASYGMSLIVWAIGGLFSVVGALCYAELGTTITKSGASYAYILEAFGGFIAFIRLWVSLLVVEPTGQAIIAITFANYIIQPSFPSCDPPYLACRLLAAACICLLTFVNCAYVKWGTRVQDTFTYAKVVALIAIIVMGLVKLCQGHSEHFQDAFEGSSWDMGNLSLALYSALFSYSGWDTLNFVTEEIKNPERNLPLAIGISMPIVTLIYILTNVAYYTVLNISDVLSSDAVAVTFADQTFGMFSWTIPIAVALSCFGGLNASIFASSRLFFVGSREGHLPDLLSMIHIERFTPIPALLFNCTMALIYLIVEDVFQLINYFSFSYWFFVGLSVVGQLYLRWKEPKRPRPLKLSVFFPIVFCICSVFLVIVPLFTDTINSLIGIGIALSGVPFYFMGVYLPESRRPLFIRNVLAAITRGTQQLCFCVLTELDVAEEKKDERKTD (配列番号218).
【0186】
LAT2ヌクレオチド配列は、NCBI CCDS ID番号CCDS 32470.1のヌクレオチド配列を含む:ATGGAAGCCAGGGAGCCTGGGAGGCCCACACCCACCTACCATCTTGTCCCTAACACCAGCCAGTCCCAGGTGGAAGAAGATGTCAGCTCGCCACCTCAAAGGTCCTCCGAAACTATGCAGCTGAAGAAGGAGATCTCCCTGCTGAATGGGGTCAGCCTGGTGGTGGGCAACATGATCGGCTCAGGGATCTTTGTCTCACCCAAGGGTGTGCTGGTACACACTGCCTCCTATGGGATGTCACTGATTGTGTGGGCCATTGGTGGGCTCTTCTCTGTTGTGGGTGCCCTTTGTTATGCAGAGCTGGGGACCACCATCACCAAGTCGGGAGCCAGCTACGCTTATATTCTAGAGGCCTTTGGGGGCTTCATTGCCTTCATCCGCCTGTGGGTCTCACTGCTAGTTGTTGAGCCCACCGGTCAGGCCATCATCGCCATCACCTTTGCCAACTACATCATCCAGCCGTCCTTCCCCAGCTGTGATCCCCCATACCTGGCCTGCCGTCTCCTGGCTGCTGCTTGCATATGTCTGCTGACATTTGTGAACTGTGCCTATGTCAAGTGGGGCACACGTGTGCAGGACACGTTCACTTACGCCAAGGTCGTAGCGCTCATTGCCATCATTGTCATGGGCCTTGTTAAACTGTGCCAGGGACACTCTGAGCACTTTCAGGACGCCTTTGAGGGTTCCTCCTGGGACATGGGAAACCTCTCTCTTGCCCTCTACTCTGCCCTCTTCTCTTACTCAGGTTGGGACACCCTTAATTTTGTAACAGAAGAAATCAAAAACCCAGAAAGAAATTTGCCCTTGGCCATTGGGATTTCTATGCCAATTGTGACGCTCATCTACATCCTGACCAATGTGGCCTATTACACAGTGCTGAACATTTCAGATGTCCTTAGCAGTGATGCTGTGGCTGTGACATTTGCTGACCAGACGTTTGGCATGTTCAGCTGGACCATCCCCATTGCTGTTGCCCTGTCCTGCTTTGGGGGCCTCAATGCATCCATCTTTGCTTCATCAAGGTTGTTCTTCGTGGGCTCCCGGGAGGGCCACCTACCGGACCTTCTGTCCATGATCCACATTGAGCGTTTTACACCTATCCCTGCTTTACTGTTCAATTGCACCATGGCACTCATCTACCTCATCGTGGAGGATGTTTTCCAGCTTATCAACTACTTCAGCTTCAGCTACTGGTTCTTCGTGGGCCTGTCTGTTGTTGGACAGCTCTACCTCCGCTGGAAGGAGCCCAAGCGGCCCCGGCCTCTCAAGCTGAGCGTGTTTTTCCCCATCGTGTTCTGCATATGCTCCGTGTTTCTGGTGATAGTGCCCCTCTTCACTGACACCATTAATTCCCTCATTGGCATCGGGATTGCCCTTTCTGGAGTCCCTTTCTACTTCATGGGTGTTTACCTGCCAGAGTCCCGGAGGCCATTGTTTATTCGGAATGTCCTGGCTGCTATCACCAGAGGCACCCAGCAGCTTTGCTTTTGTGTCCTGACTGAGCTTGATGTAGCCGAAGAAAAAAAGGATGAGAGGAAAACTGACTAG (配列番号219).
【0187】
本明細書で使用される「SLC7A7」(溶質キャリアファミリー7メンバー7、LPI、LAT3、MOP-2、Y+LAT1およびyLAT-1としても知られている)は、Entrez遺伝子番号9056によって特定される遺伝子、その対立遺伝子バリアント、そのオルソログ、NCBI参照配列:NM_001126105.3(配列番号220)、NM_003982.4(配列番号221)、およびNM_001126106.4(配列番号222)のヌクレオチド配列を含む、遺伝子によってコードされるmRNA転写産物を指す。
【0188】
本明細書に記載されるyLアミノ酸トランスポーター1(yLAT1)タンパク質には、SLC7A7によってコードされるタンパク質、NCBI参照配列NP_001119578.1およびNP_003973.3のアミノ酸配列、ならびにNCBI CCDS ID番号CCDS9574.1のアミノ酸配列が含まれる。MVDSTEYEVASQPEVETSPLGDGASPGPEQVKLKKEISLLNGVCLIVGNMIGSGIFVSPKGVLIYSASFGLSLVIWAVGGLFSVFGALCYAELGTTIKKSGASYAYILEAFGGFLAFIRLWTSLLIIEPTSQAIIAITFANYMVQPLFPSCFAPYAASRLLAAACICLLTFINCAYVKWGTLVQDIFTYAKVLALIAVIVAGIVRLGQGASTHFENSFEGSSFAVGDIALALYSALFSYSGWDTLNYVTEEIKNPERNLPLSIGISMPIVTIIYILTNVAYYTVLDMRDILASDAVAVTFADQIFGIFNWIIPLSVALSCFGGLNASIVAASRLFFVGSREGHLPDAICMIHVERFTPVPSLLFNGIMALIYLCVEDIFQLINYYSFSYWFFVGLSIVGQLYLRWKEPDRPRPLKLSVFFPIVFCLCTIFLVAVPLYSDTINSLIGIAIALSGLPFYFLIIRVPEHKRPLYLRRIVGSATRYLQVLCMSVAAEMDLEDGGEMPKQRDPKSN (配列番号225).
【0189】
LAT1ヌクレオチド配列は、NCBI CCDS ID番号CCDS 9574.1のヌクレオチド配列を含む:ATGGTTGACAGCACTGAGTATGAAGTGGCCTCCCAGCCTGAGGTGGAAACCTCCCCTTTGGGTGATGGGGCCAGCCCAGGGCCGGAGCAGGTGAAGCTGAAGAAGGAGATCTCACTGCTTAACGGCGTGTGCCTGATTGTGGGGAACATGATCGGCTCGGGCATCTTTGTTTCCCCCAAGGGTGTGCTCATATACAGTGCCTCCTTTGGTCTCTCTCTGGTCATCTGGGCTGTCGGGGGCCTCTTCTCCGTCTTTGGGGCCCTTTGTTATGCGGAACTGGGCACCACCATTAAGAAATCTGGGGCCAGCTATGCCTATATCCTGGAGGCCTTTGGAGGATTCCTTGCTTTCATCAGACTCTGGACCTCCCTGCTCATCATTGAGCCCACCAGCCAGGCCATCATTGCCATCACCTTTGCCAACTACATGGTACAGCCTCTCTTCCCGAGCTGCTTCGCCCCTTATGCTGCCAGCCGCCTGCTGGCTGCTGCCTGCATTTGTCTCTTAACCTTCATTAACTGTGCCTATGTCAAATGGGGAACCCTGGTACAAGATATTTTCACCTATGCTAAAGTATTGGCACTGATCGCGGTCATCGTTGCAGGCATTGTTAGACTTGGCCAGGGAGCCTCTACTCATTTTGAGAATTCCTTTGAGGGTTCATCATTTGCAGTGGGTGACATTGCCCTGGCACTGTACTCAGCTCTGTTCTCCTACTCAGGCTGGGACACCCTCAACTATGTCACTGAAGAGATCAAGAATCCTGAGAGGAACCTGCCCCTCTCCATTGGCATCTCCATGCCCATTGTCACCATCATCTATATCTTGACCAATGTGGCCTATTATACTGTGCTAGACATGAGAGACATCTTGGCCAGTGATGCTGTTGCTGTGACTTTTGCAGATCAGATATTTGGAATATTTAACTGGATAATTCCACTGTCAGTTGCATTATCCTGTTTTGGTGGCCTCAATGCCTCCATTGTGGCTGCTTCTAGGCTTTTCTTTGTGGGCTCAAGAGAAGGCCATCTCCCTGATGCCATCTGCATGATCCATGTTGAGCGGTTCACACCAGTGCCTTCTCTGCTCTTCAATGGTATCATGGCATTGATCTACTTGTGCGTGGAAGACATCTTCCAGCTCATTAACTACTACAGCTTCAGCTACTGGTTCTTTGTGGGGCTTTCTATTGTGGGTCAGCTTTATCTGCGCTGGAAGGAGCCTGATCGACCTCGTCCCCTCAAGCTCAGCGTTTTCTTCCCGATTGTCTTCTGCCTCTGCACCATCTTCCTGGTGGCTGTTCCACTTTACAGTGATACTATCAACTCCCTCATCGGCATTGCCATTGCCCTCTCAGGCCTGCCCTTTTACTTCCTCATCATCAGAGTGCCAGAACATAAGCGACCGCTTTACCTCCGAAGGATCGTGGGGTCTGCCACAAGGTACCTCCAGGTCCTGTGTATGTCAGTTGCTGCAGAAATGGATTTGGAAGATGGAGGAGAGATGCCCAAGCAACGGGATCCCAAATCTAACTAA (配列番号226).
【0190】
本明細書で使用される「SLC3A2」(溶質キャリアファミリー3メンバー2、4F2、CD98、MDU1、4F2HC、4T2HC、NACAE、およびCD98HCとしても知られている)は、Entrez遺伝子番号6520によって特定される遺伝子、その対立遺伝子バリアント、そのオルソログ、NCBI参照配列:NM_001012662.3(配列番号227)、NM_001012664.3(配列番号228)、NM_001013251.3(配列番号229)、またはNM_002394.6(配列番号230)のヌクレオチド配列を含む、遺伝子によってコードされるmRNA転写産物を指す。
【0191】
本明細書に記載の4F2細胞表面抗原重鎖(4F2hc)タンパク質には、SLC3A2によってコードされるタンパク質、ならびにNCBI参照配列NP_002385.3およびNCBI CCDS ID番号CCDS8039.2のアミノ酸配列が含まれる。MELQPPEASIAVVSIPRQLPGSHSEAGVQGLSAGDDSELGSHCVAQTGLELLASGDPLPSASQNAEMIETGSDCVTQAGLQLLASSDPPALASKNAEVTGTMSQDTEVDMKEVELNELEPEKQPMNAASGAAMSLAGAEKNGLVKIKVAEDEAEAAAAAKFTGLSKEELLKVAGSPGWVRTRWALLLLFWLGWLGMLAGAVVIIVRAPRCRELPAQKWWHTGALYRIGDLQAFQGHGAGNLAGLKGRLDYLSSLKVKGLVLGPIHKNQKDDVAQTDLLQIDPNFGSKEDFDSLLQSAKKKSIRVILDLTPNYRGENSWFSTQVDTVATKVKDALEFWLQAGVDGFQVRDIENLKDASSFLAEWQNITKGFSEDRLLIAGTNSSDLQQILSLLESNKDLLLTSSYLSDSGSTGEHTKSLVTQYLNATGNRWCSWSLSQARLLTSFLPAQLLRLYQLMLFTLPGTPVFSYGDEIGLDAAALPGQPMEAPVMLWDESSFPDIPGAVSANMTVKGQSEDPGSLLSLFRRLSDQRSKERSLLHGDFHAFSAGPGLFSYIRHWDQNERFLVVLNFGDVGLSAGLQASDLPASASLPAKADLLLSTQPGREEGSPLELERLKLEPHEGLLLRFPYAA (配列番号232).
【0192】
4F2hcヌクレオチド配列は、NCBI CCDS ID 番号CCDS 8039.2のヌクレオチド配列を含む:ATGGAGCTACAGCCTCCTGAAGCCTCGATCGCCGTCGTGTCGATTCCGCGCCAGTTGCCTGGCTCACATTCGGAGGCTGGTGTCCAGGGTCTCAGCGCGGGGGACGACTCAGAGTTGGGGTCTCACTGTGTTGCCCAGACTGGTCTCGAACTCTTGGCCTCAGGTGATCCTCTTCCCTCAGCTTCCCAGAATGCCGAGATGATAGAGACGGGGTCTGACTGTGTTACCCAGGCTGGTCTTCAACTCTTGGCCTCAAGTGATCCTCCTGCCTTAGCTTCCAAGAATGCTGAGGTTACAGGCACCATGAGCCAGGACACCGAGGTGGATATGAAGGAGGTGGAGCTGAATGAGTTAGAGCCCGAGAAGCAGCCGATGAACGCGGCGTCTGGGGCGGCCATGTCCCTGGCGGGAGCCGAGAAGAATGGTCTGGTGAAGATCAAGGTGGCGGAAGACGAGGCGGAGGCGGCAGCCGCGGCTAAGTTCACGGGCCTGTCCAAGGAGGAGCTGCTGAAGGTGGCAGGCAGCCCCGGCTGGGTACGCACCCGCTGGGCACTGCTGCTGCTCTTCTGGCTCGGCTGGCTCGGCATGCTTGCTGGTGCCGTGGTCATAATCGTGCGAGCGCCGCGTTGTCGCGAGCTACCGGCGCAGAAGTGGTGGCACACGGGCGCCCTCTACCGCATCGGCGACCTTCAGGCCTTCCAGGGCCACGGCGCGGGCAACCTGGCGGGTCTGAAGGGGCGTCTCGATTACCTGAGCTCTCTGAAGGTGAAGGGCCTTGTGCTGGGTCCAATTCACAAGAACCAGAAGGATGATGTCGCTCAGACTGACTTGCTGCAGATCGACCCCAATTTTGGCTCCAAGGAAGATTTTGACAGTCTCTTGCAATCGGCTAAAAAAAAGAGCATCCGTGTCATTCTGGACCTTACTCCCAACTACCGGGGTGAGAACTCGTGGTTCTCCACTCAGGTTGACACTGTGGCCACCAAGGTGAAGGATGCTCTGGAGTTTTGGCTGCAAGCTGGCGTGGATGGGTTCCAGGTTCGGGACATAGAGAATCTGAAGGATGCATCCTCATTCTTGGCTGAGTGGCAAAATATCACCAAGGGCTTCAGTGAAGACAGGCTCTTGATTGCGGGGACTAACTCCTCCGACCTTCAGCAGATCCTGAGCCTACTCGAATCCAACAAAGACTTGCTGTTGACTAGCTCATACCTGTCTGATTCTGGTTCTACTGGGGAGCATACAAAATCCCTAGTCACACAGTATTTGAATGCCACTGGCAATCGCTGGTGCAGCTGGAGTTTGTCTCAGGCAAGGCTCCTGACTTCCTTCTTGCCGGCTCAACTTCTCCGACTCTACCAGCTGATGCTCTTCACCCTGCCAGGGACCCCTGTTTTCAGCTACGGGGATGAGATTGGCCTGGATGCAGCTGCCCTTCCTGGACAGCCTATGGAGGCTCCAGTCATGCTGTGGGATGAGTCCAGCTTCCCTGACATCCCAGGGGCTGTAAGTGCCAACATGACTGTGAAGGGCCAGAGTGAAGACCCTGGCTCCCTCCTTTCCTTGTTCCGGCGGCTGAGTGACCAGCGGAGTAAGGAGCGCTCCCTACTGCATGGGGACTTCCACGCGTTCTCCGCTGGGCCTGGACTCTTCTCCTATATCCGCCACTGGGACCAGAATGAGCGTTTTCTGGTAGTGCTTAACTTTGGGGATGTGGGCCTCTCGGCTGGACTGCAGGCCTCCGACCTGCCTGCCAGCGCCAGCCTGCCAGCCAAGGCTGACCTCCTGCTCAGCACCCAGCCAGGCCGTGAGGAGGGCTCCCCTCTTGAGCTGGAACGCCTGAAACTGGAGCCTCACGAAGGGCTGCTGCTCCGCTTCCCCTACGCGGCCTGA (配列番号233).
【0193】
本明細書で使用される「SLC7A9」(溶質キャリアファミリー7メンバー9、BAT1、およびCSNU3としても知られている)は、Entrez遺伝子ID番号11136によって特定される遺伝子、その対立遺伝子バリアント、そのオルソログ、NCBI参照配列NM_001126335.2(配列番号234)、NM_001243036.2(配列番号235)、NM_014270.5(配列番号236)のヌクレオチド配列を含む、遺伝子によってコードされるmRNA転写産物を指す。
【0194】
本明細書に記載のナトリウム依存性中性アミノ酸トランスポーターBAT1(b0,+AT)タンパク質には、SLC7A9によってコードされるタンパク質、ならびにNCBI参照配列NP_001119807.1、NP_001229965.1、NP_055085.1およびNCBI CCDS ID番号CCDS12425.1のアミノ酸配列が含まれる。MGDTGLRKRREDEKSIQSQEPKTTSLQKELGLISGISIIVGTIIGSGIFVSPKSVLSNTEAVGPCLIIWAACGVLATLGALCFAELGTMITKSGGEYPYLMEAYGPIPAYLFSWASLIVIKPTSFAIICLSFSEYVCAPFYVGCKPPQIVVKCLAAAAILFISTVNSLSVRLGSYVQNIFTAAKLVIVAIIIISGLVLLAQGNTKNFDNSFEGAQLSVGAISLAFYNGLWAYDGWNQLNYITEELRNPYRNLPLAIIIGIPLVTACYILMNVSYFTVMTATELLQSQAVAVTFGDRVLYPASWIVPLFVAFSTIGAANGTCFTAGRLIYVAGREGHMLKVLSYISVRRLTPAPAIIFYGIIATIYIIPGDINSLVNYFSFAAWLFYGLTILGLIVMRFTRKELERPIKVPVVIPVLMTLISVFLVLAPIISKPTWEYLYCVLFILSGLLFYFLFVHYKFGWAQKISKPITMHLQMLMEVVPPEEDPE (配列番号240).
【0195】
0,+ATヌクレオチド配列は、NCBI CCDS ID番号CCDS 12425.1のヌクレオチド配列を含む:ATGGGGGATACTGGCCTGAGAAAGCGGAGAGAGGATGAGAAGTCGATCCAGAGCCAAGAGCCTAAGACCACCAGTCTCCAAAAGGAGCTGGGCCTCATCAGTGGCATCTCCATCATCGTGGGCACCATCATTGGCTCTGGGATCTTCGTTTCCCCCAAGTCTGTGCTCAGCAACACGGAAGCTGTGGGGCCCTGCCTCATCATATGGGCGGCTTGCGGGGTCCTCGCGACGCTGGGTGCCCTGTGCTTTGCGGAGCTTGGCACAATGATCACCAAGTCAGGGGGAGAGTATCCCTACCTGATGGAGGCCTACGGGCCCATCCCCGCCTACCTCTTCTCCTGGGCCAGCCTGATCGTCATTAAGCCCACGTCCTTCGCCATCATCTGCCTCAGCTTCTCCGAGTATGTGTGTGCGCCCTTCTATGTGGGCTGCAAGCCTCCTCAAATCGTTGTGAAATGCCTGGCCGCCGCCGCCATCTTGTTCATCTCGACAGTGAACTCACTGAGCGTGCGGCTGGGAAGCTACGTCCAGAACATCTTCACCGCGGCCAAGCTGGTGATCGTGGCCATCATCATCATCAGCGGGCTGGTGCTCCTGGCCCAAGGAAACACAAAGAATTTTGATAATTCTTTCGAGGGCGCCCAGCTGTCTGTGGGAGCCATCAGCCTGGCGTTTTACAATGGACTCTGGGCCTATGATGGATGGAATCAACTCAATTACATCACAGAAGAACTTAGAAACCCTTACAGAAACCTGCCTTTGGCCATTATCATCGGGATCCCCCTGGTGACGGCGTGCTACATCCTCATGAACGTGTCCTACTTCACCGTGATGACTGCCACCGAACTCCTGCAGTCCCAGGCGGTGGCTGTGACATTTGGTGACCGTGTTCTCTATCCTGCTTCTTGGATCGTTCCACTTTTTGTGGCATTTTCAACCATCGGTGCTGCTAACGGGACCTGCTTCACAGCGGGCAGACTCATTTACGTGGCGGGCCGGGAGGGTCACATGCTCAAAGTGCTTTCTTACATCAGCGTCAGGCGCCTCACTCCAGCCCCCGCCATCATCTTTTATGGTATCATAGCAACGATTTATATCATCCCTGGTGACATAAACTCGTTAGTCAATTATTTCAGCTTTGCCGCATGGCTGTTTTATGGCCTGACGATTCTAGGACTCATCGTGATGAGATTTACAAGGAAAGAGCTGGAAAGGCCTATCAAGGTGCCCGTAGTCATTCCCGTCTTGATGACACTCATCTCTGTGTTTTTGGTTCTGGCTCCAATCATCAGCAAGCCCACCTGGGAGTACCTCTACTGTGTGCTGTTTATATTAAGCGGCCTTTTATTTTACTTCCTGTTTGTCCACTACAAGTTTGGATGGGCTCAGAAAATCTCAAAGCCGATTACCATGCACCTTCAGATGCTAATGGAAGTGGTCCCACCGGAGGAAGACCCTGAGTAA (配列番号241).
【0196】
本明細書で使用される場合、「SLC3A1」(溶質キャリアファミリー3メンバー1、D2H、ATR1、NBAT、RBAT、およびCSNU1としても知られている)は、Entrez遺伝子ID番号6519によって特定される遺伝子、その対立遺伝子バリアント、そのオルソログ、NCBI参照配列NM_000341.4(配列番号242)のヌクレオチド配列を含む、遺伝子によってコードされるmRNA転写物を指す。
【0197】
本明細書に記載の中性および塩基性アミノ酸輸送タンパク質rBAT(rBAT)タンパク質には、SLC3A1によってコードされるタンパク質、ならびにNCBI参照配列NP_000332.2およびNCBI CCDS ID番号CCDS1819.1のアミノ酸配列が含まれる。MAEDKSKRDSIEMSMKGCQTNNGFVHNEDILEQTPDPGSSTDNLKHSTRGILGSQEPDFKGVQPYAGMPKEVLFQFSGQARYRIPREILFWLTVASVLVLIAATIAIIALSPKCLDWWQEGPMYQIYPRSFKDSNKDGNGDLKGIQDKLDYITALNIKTVWITSFYKSSLKDFRYGVEDFREVDPIFGTMEDFENLVAAIHDKGLKLIIDFIPNHTSDKHIWFQLSRTRTGKYTDYYIWHDCTHENGKTIPPNNWLSVYGNSSWHFDEVRNQCYFHQFMKEQPDLNFRNPDVQEEIKEILRFWLTKGVDGFSLDAVKFLLEAKHLRDEIQVNKTQIPDTVTQYSELYHDFTTTQVGMHDIVRSFRQTMDQYSTEPGRYRFMGTEAYAESIDRTVMYYGLPFIQEADFPFNNYLSMLDTVSGNSVYEVITSWMENMPEGKWPNWMIGGPDSSRLTSRLGNQYVNVMNMLLFTLPGTPITYYGEEIGMGNIVAANLNESYDINTLRSKSPMQWDNSSNAGFSEASNTWLPTNSDYHTVNVDVQKTQPRSALKLYQDLSLLHANELLLNRGWFCHLRNDSHYVVYTRELDGIDRIFIVVLNFGESTLLNLHNMISGLPAKMRIRLSTNSADKGSKVDTSGIFLDKGEGLIFEHNTKNLLHRQTAFRDRCFVSNRACYSSVLNILYTSC (配列番号244).
【0198】
rBATヌクレオチド配列は、NCBI CCDS ID番号CCDS 1819.1のヌクレオチド配列を含む:ATGGCTGAAGATAAAAGCAAGAGAGACTCCATCGAGATGAGTATGAAGGGATGCCAGACAAACAACGGGTTTGTCCATAATGAAGACATTCTGGAGCAGACCCCGGATCCAGGAAGCTCAACAGACAACCTGAAGCACAGCACCAGGGGCATCCTTGGCTCCCAGGAGCCCGACTTCAAGGGCGTCCAGCCCTATGCGGGGATGCCCAAGGAGGTGCTGTTCCAGTTCTCTGGCCAGGCCCGCTACCGCATACCTCGGGAGATCCTCTTCTGGCTCACAGTGGCTTCTGTGCTGGTGCTCATCGCGGCCACCATAGCCATCATTGCCCTCTCTCCAAAGTGCCTAGACTGGTGGCAGGAGGGGCCCATGTACCAGATCTACCCAAGGTCTTTCAAGGACAGTAACAAGGATGGGAACGGAGATCTGAAAGGTATTCAAGATAAACTGGACTACATCACAGCTTTAAATATAAAAACTGTTTGGATTACTTCATTTTATAAATCGTCCCTTAAAGATTTCAGATATGGTGTTGAAGATTTCCGGGAAGTTGATCCCATTTTTGGAACGATGGAAGATTTTGAGAATCTGGTTGCAGCCATACATGATAAAGGTTTAAAATTAATCATCGATTTCATACCAAACCACACGAGTGATAAACATATTTGGTTTCAATTGAGTCGGACACGGACAGGAAAATATACTGATTATTATATCTGGCATGACTGTACCCATGAAAATGGCAAAACCATTCCACCCAACAACTGGTTAAGTGTGTATGGAAACTCCAGTTGGCACTTTGACGAAGTGCGAAACCAATGTTATTTTCATCAGTTTATGAAAGAGCAACCTGATTTAAATTTCCGCAATCCTGATGTTCAAGAAGAAATAAAAGAAATTTTACGGTTCTGGCTCACAAAGGGTGTTGATGGTTTTAGTTTGGATGCTGTTAAATTCCTCCTAGAAGCAAAGCACCTGAGAGATGAGATCCAAGTAAATAAGACCCAAATCCCGGACACGGTCACACAATACTCGGAGCTGTACCATGACTTCACCACCACGCAGGTGGGAATGCACGACATTGTCCGCAGCTTCCGGCAGACCATGGACCAATACAGCACGGAGCCCGGCAGATACAGGTTCATGGGGACTGAAGCCTATGCAGAGAGTATTGACAGGACCGTGATGTACTATGGATTGCCATTTATCCAAGAAGCTGATTTTCCCTTCAACAATTACCTCAGCATGCTAGACACTGTTTCTGGGAACAGCGTGTATGAGGTTATCACATCCTGGATGGAAAACATGCCAGAAGGAAAATGGCCTAACTGGATGATTGGTGGACCAGACAGTTCACGGCTGACTTCGCGTTTGGGGAATCAGTATGTCAACGTGATGAACATGCTTCTTTTCACACTCCCTGGAACTCCTATAACTTACTATGGAGAAGAAATTGGAATGGGAAATATTGTAGCCGCAAATCTCAATGAAAGCTATGATATTAATACCCTTCGCTCAAAGTCACCAATGCAGTGGGACAATAGTTCAAATGCTGGTTTTTCTGAAGCTAGTAACACCTGGTTACCTACCAATTCAGATTACCACACTGTGAATGTTGATGTCCAAAAGACTCAGCCCAGATCGGCTTTGAAGTTATATCAAGATTTAAGTCTACTTCATGCCAATGAGCTACTCCTCAACAGGGGCTGGTTTTGCCATTTGAGGAATGACAGCCACTATGTTGTGTACACAAGAGAGCTGGATGGCATCGACAGAATCTTTATCGTGGTTCTGAATTTTGGAGAATCAACACTGTTAAATCTACATAATATGATTTCGGGCCTTCCCGCTAAAATGAGAATAAGGTTAAGTACCAATTCTGCCGACAAAGGCAGTAAAGTTGATACAAGTGGCATTTTTCTGGACAAGGGAGAGGGACTCATCTTTGAACACAACACGAAGAATCTCCTTCATCGCCAAACAGCTTTCAGAGATAGATGCTTTGTTTCCAATCGAGCATGCTATTCCAGTGTACTGAACATACTGTATACCTCGTGTTAG (配列番号245).
【0199】
本明細書で使用される場合、「SLC6A14」(溶質キャリアファミリー6メンバー14、及びBMIQ11としても知られている)は、Entrez遺伝子ID番号11254によって特定される遺伝子、その対立遺伝子バリアント、そのオルソログ、NCBI参照配列NM_007231.5(配列番号246)のヌクレオチド配列を含む、遺伝子によってコードされるmRNA転写物を指す。
【0200】
本明細書に記載のナトリウムおよび塩化物依存性中性および塩基性アミノ酸トランスポーターB0、+(ATB0、+)タンパク質には、SLC6A14によってコードされるタンパク質、ならびにNCBI参照配列NP_009162.1およびNCBI CCDS ID番号CCDS14570.1のアミノ酸配列が含まれる。MDKLKCPSFFKCREKEKVSASSENFHVGENDENQDRGNWSKKSDYLLSMIGYAVGLGNVWRFPYLTYSNGGGAFLIPYAIMLALAGLPLFFLECSLGQFASLGPVSVWRILPLFQGVGITMVLISIFVTIYYNVIIAYSLYYMFASFQSELPWKNCSSWSDKNCSRSPIVTHCNVSTVNKGIQEIIQMNKSWVDINNFTCINGSEIYQPGQLPSEQYWNKVALQRSSGMNETGVIVWYLALCLLLAWLIVGAALFKGIKSSGKVVYFTALFPYVVLLILLVRGATLEGASKGISYYIGAQSNFTKLKEAEVWKDAATQIFYSLSVAWGGLVALSSYNKFKNNCFSDAIVVCLTNCLTSVFAGFAIFSILGHMAHISGKEVSQVVKSGFDLAFIAYPEALAQLPGGPFWSILFFFMLLTLGLDSQFASIETITTTIQDLFPKVMKKMRVPITLGCCLVLFLLGLVCVTQAGIYWVHLIDHFCAGWGILIAAILELVGIIWIYGGNRFIEDTEMMIGAKRWIFWLWWRACWFVITPILLIAIFIWSLVQFHRPNYGAIPYPDWGVALGWCMIVFCIIWIPIMAIIKIIQAKGNIFQRLISCCRPASNWGPYLEQHRGERYKDMVDPKKEADHEIPTVSGSRKPE (配列番号248).
【0201】
ATB0,+ヌクレオチド配列は、NCBI CCDS ID番号CCDS14570.1のヌクレオチド配列を含む:ATGGACAAGTTGAAATGCCCGAGTTTCTTCAAGTGCAGGGAGAAGGAGAAAGTGTCGGCTTCATCAGAGAATTTCCATGTTGGTGAAAATGATGAGAATCAGGACCGTGGTAACTGGTCCAAAAAATCGGATTATCTTCTATCTATGATTGGATACGCAGTGGGATTAGGAAATGTGTGGAGATTTCCATATCTGACCTACAGCAATGGTGGAGGCGCCTTCTTGATACCTTATGCAATTATGTTAGCATTGGCTGGTTTACCTTTGTTCTTTCTGGAGTGTTCACTGGGACAATTTGCTAGCTTAGGTCCAGTTTCAGTTTGGAGGATTCTTCCATTGTTTCAAGGTGTGGGAATTACAATGGTCCTGATCTCCATTTTTGTGACAATCTATTACAATGTCATAATTGCCTATAGTCTTTACTACATGTTTGCTTCTTTTCAAAGTGAACTACCATGGAAAAATTGTTCTTCGTGGTCAGATAAAAACTGTAGCAGATCACCAATAGTAACTCACTGTAATGTGAGTACAGTGAATAAAGGAATACAAGAGATCATCCAAATGAATAAAAGCTGGGTAGACATCAACAATTTTACCTGCATCAACGGCAGTGAAATTTATCAGCCAGGGCAGCTTCCCAGTGAACAATATTGGAATAAAGTGGCGCTCCAACGGTCAAGTGGAATGAATGAGACTGGAGTAATTGTTTGGTATTTAGCACTTTGTCTTCTTCTGGCTTGGCTCATAGTTGGAGCAGCACTATTTAAAGGAATCAAATCGTCTGGCAAGGTGGTATATTTTACAGCTCTTTTCCCCTATGTGGTCCTACTCATCCTGTTAGTACGAGGTGCAACTCTGGAGGGTGCTTCAAAAGGCATTTCATACTATATTGGAGCCCAGTCAAATTTTACAAAACTTAAGGAAGCTGAGGTATGGAAAGATGCTGCCACTCAGATATTTTACTCCCTTTCAGTGGCTTGGGGTGGCTTAGTTGCTCTATCATCTTACAATAAGTTCAAAAACAACTGCTTCTCTGATGCCATTGTGGTTTGTTTGACAAACTGTCTCACTAGCGTGTTTGCTGGATTTGCTATTTTTTCTATATTGGGACACATGGCCCATATATCTGGAAAGGAAGTTTCTCAAGTTGTAAAATCAGGTTTTGATTTGGCATTCATTGCCTATCCAGAGGCTCTAGCCCAACTCCCAGGTGGTCCATTTTGGTCCATATTATTTTTTTTCATGCTTTTAACTTTGGGTCTCGATTCTCAGTTTGCTTCGATTGAAACGATCACAACAACAATTCAAGATTTATTTCCCAAAGTGATGAAGAAAATGAGGGTTCCCATAACTTTGGGCTGCTGCTTGGTTTTGTTTCTCCTTGGTCTCGTCTGTGTGACTCAGGCTGGAATTTACTGGGTTCATCTGATTGACCACTTCTGTGCTGGATGGGGCATTTTAATTGCAGCTATACTGGAGCTAGTTGGAATCATCTGGATTTATGGAGGGAACAGATTCATTGAGGATACAGAAATGATGATTGGAGCAAAGAGGTGGATATTCTGGCTATGGTGGAGAGCTTGCTGGTTTGTAATTACGCCTATCCTTTTGATTGCAATATTTATCTGGTCATTGGTGCAATTTCATAGACCTAATTATGGCGCAATTCCATACCCTGACTGGGGAGTTGCTTTAGGCTGGTGTATGATTGTTTTCTGCATTATTTGGATTCCAATTATGGCTATCATAAAAATAATTCAGGCTAAAGGAAACATCTTTCAACGCCTTATAAGTTGCTGCAGACCAGCTTCTAACTGGGGTCCATACCTGGAACAACATCGTGGGGAAAGATATAAAGACATGGTAGATCCTAAAAAAGAGGCTGACCATGAAATACCTACTGTTAGTGGCAGCAGAAAACCGGAATGA (配列番号249).
【0202】
活性化T細胞は、カチオン性アミノ酸トランスポーターの上方調節を介してアルギニン移入を劇的に増加させる。CATの上方調節はT細胞増殖を促進する。アルギニン欠乏は、炎症およびがんに関連する免疫抑制において基本的であり、T細胞機能の深刻な障害を引き起こす。アルギニン欠乏に応答して、T細胞はオートファジーを誘導して細胞内のアルギニンへのアクセスを増加させる。この細胞防御機構はT細胞生存率を維持するが、細胞増殖を維持することはできない。
【0203】
骨髄由来サプレッサー細胞は、T細胞からアルギニン等の必須代謝産物を奪うことによって、またはT細胞の生存性、遊走もしくは活性化を妨げることによって、免疫機能障害を直接促進し得る。MDSCはまた、T制御性細胞および腫瘍関連マクロファージ等の他の免疫調節細胞を誘導し、資源に対する競合を増加させることによって、T細胞を間接的に抑制することができる。アルギニンの利用可能性は、これらの活性の多くをモジュレートする。腫瘍担持宿主におけるアルギナーゼ1の主要な供給源である多形核MDSCは、アルギナーゼ1を分泌し、カチオン性アミノ酸トランスポーターを介してアルギニン取り込みを増強することによって細胞外アルギニンを減少させる。アルギニン媒介性腫瘍免疫回避の状況における適応免疫機能の再構築は、免疫学的抗腫瘍応答をブーストするための潜在的な治療戦略である。
【0204】
骨髄細胞およびがん細胞がアルギニンについてT細胞に打ち勝つときに生じるアルギニンの利用可能性が限られている環境において(例えば、TMEにおいて)、T細胞の増殖および活性を救済する方法が本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、特定のアミノ酸トランスポーターまたはアミノ酸トランスポーターの組み合わせを過剰発現するCAR-T細胞が本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、アルギニントランスポーターを過剰発現するCAR-T細胞が本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、アルギニンを細胞外空間からCAR-T細胞の細胞質ゾルに輸送することができるアミノ酸トランスポーターを発現または過剰発現するCAR-T細胞が本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、アミノ酸トランスポーターは、免疫原性を低下させるためのヒトアミノ酸トランスポーターであるが、他の種から改変されていてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、アミノ酸トランスポーターはヒト化アミノ酸トランスポーターである。表1は、アルギニン等のカチオン性アミノ酸の双方向輸送が可能なヒトアミノ酸トランスポーターを記載する。
【表1】
【0205】
CATファミリーのメンバーは、細胞内基質による異なるトランス促進による拡散の促進によって本質的にカチオン性のアミノ酸を輸送する。いくつかの細胞では、それらは、一酸化窒素シンターゼの基質としてのL-アルギニンの取り込みを制御することによってNO合成速度を調節し得る。通常の生理学的濃度では、主にカチオン性アミノ酸トランスポーター1型(CAT-1)によって表される生化学系y担体が、原形質膜を通る主要な細胞トランスポーターシステムである。CAT-1は、SLC7A1遺伝子によってコードされ、多くの系に広く分布しており、様々な細胞機能に重要である。CAT-1はNa非依存性トランスポーターであり、アルギニンに対して最も高い親和性(最も低いK)を有し、アルギニン濃度が低い場合でも効率的な輸送を可能にする。CAT-1の強いトランス促進は、それがユニポートモードよりも交換において良好に機能することを示す。
【0206】
本開示はまた、CAT-2AR369E、CAT-2AN381iおよびCAT-2AR369E/N381i等のCAT-2Aアイソフォームの人工バリアントを企図する。カチオン性アミノ酸の見かけのK値およびCAT-1、CAT-2BおよびCAT-3のトランス促進に対する感受性はシステムyに特徴的であるが、CAT-2Aは10倍低い基質親和性を示し、膜のトランス側の基質にほとんど依存しない。このバリアントは、CAT-1の細胞内ドメインからCAT-2Aの相同ドメインに2つのアミノ酸を移植することによって人工的に作製される。具体的には、369位のArg残基はGlu残基(R369E)で置き換えられ、一方381位にAsn残基が挿入される。得られたバリアントは、トランス促進を受けないが、CAT-1に匹敵するKを有する。
【0207】
CAR-T細胞は、モノクローナル抗体に匹敵する標的特異性を示し、細胞傷害性T細胞のエフェクター機能を示し、CAR-T処置を様々な疾患にとって魅力的にする。これらの特徴は、主要組織適合遺伝子複合体とは独立した抗原認識を可能にし、抗原の保存された必須エピトープを特異的に標的化するように設計することができる。
【0208】
固形腫瘍におけるTMEは、免疫抑制シグナルの連発および必須栄養素の不足がT細胞疲弊をもたらす厳しい環境である。特に、アルギニンは、活性ながん細胞によって急速に消費され、浸潤した骨髄由来サプレッサー細胞から分泌される様々なアルギナーゼによって分解される。さらに、T細胞は、他のアミノ酸からアルギニンを再生することができず、外因性アルギニン供給に依存する。本発明者らは、CAR-T細胞をアルギニントランスポーター(複数可)により増強することにより、これらの細胞がこれらの厳しい微小環境においてアルギニンについてより良好に競合することができることを発見した。
【0209】
アルギニントランスポーターの過剰発現はまた、例えば、患者に再注入される前に、増大したCAR-T細胞をプライミングするために利用され得る。アルギニントランスポーターを発現するCAR-T細胞を、TME内で発現およびその後の抗腫瘍活性を維持するのに十分なアルギニンを獲得するまで、アルギニンが豊富な条件でex vivoで培養することができる。T細胞のin vitroプライミングを介した細胞内アルギニン富化は、CAR-T細胞の生存、寿命、活性および治療有効性を促進することができる。
【0210】
例示的なアルギニントランスポーターとしては、CAT-1、CAT-2、CAT-3、およびATB0,+が挙げられ、これらはサブユニットを全く必要としなくてもよい。アルギニントランスポーター、yLAT1+4F2hc、yLAT2+4F2hc、またはb0,+AT+rBATも企図される。例えば、CAT-1、CAT-2およびCAT-3はNaまたはClを共輸送せず、過剰発現された場合、膜電位に対する影響は最小限であり得る。CAT-1はアルギニンに対して高い親和性(すなわち、最低K)を有し、これはアルギニン濃度が低い場合でも効率的な輸送を可能にし得る。CAT-2の活性は、トランス促進によって影響されない場合がある。
【0211】
arg+CAR-T細胞は、1またはそれを超える変異を含むアルギニントランスポーターを発現し得る。アルギニントランスポーターの発現を改善するための適切なアミノ酸修飾は、保存的または非保存的変異であり得る。コードされたトランスポーターが極性、非極性、塩基性または酸性アミノ酸トランスポーターに改変されるように変異を生じさせることができる。操作されたCAR-T細胞は、T細胞が全血産物から分離され、目的の抗原を特異的に標的とするキメラ抗原受容体をその表面上に生じさせるためにベクターを介して細胞に遺伝子を挿入することによって実験室で再操作される対象の全血から生成され得る。これらの改変されたT細胞を増加させ、対象の血流に戻し、そこで増加し続ける。理論に拘束されるものではないが、CAR-T細胞は、対象に投与されると、がん細胞の表面上の標的に引きつけられると考えられる。理論に拘束されるものではないが、CAR-T細胞は、標的抗原を発現する細胞を同定し、それらを死滅させると考えられる。CAR-T細胞は、急性攻撃後に体内に留まり、標的細胞が戻るのを防ぐことができる。
CAR-T細胞の産生方法
【0212】
本明細書に記載のCAR-T細胞は、対象、例えば処置を必要とする患者から採取された免疫細胞、例えばCD4+およびCD8+T細胞から産生され得る。適切なT細胞集団は、細胞分離法、例えば向流遠心溶出と組み合わせてアフェレーシス/白血球アフェレーシスを使用して全血から採取および単離することができる。T細胞集団を単離する方法は当該分野で公知であり、適切な機器、例えばHaemonetics Cell Saver(Haemonetics、マサチューセッツ州ボストン)および/またはCliniMACS Prodigy(Miltenyi Biotec、ドイツ)を使用して実施することができる。単離されたT細胞は、例えば、フィーダー細胞および/またはバイオリアクターを用いて、例えば、抗CD3抗体、抗CD28抗体、磁気ビーズコンジュゲート抗CD3抗体、磁気ビーズコンジュゲート抗CD28抗体、成長因子(例えば、IL-2)および人工抗原提示細胞の存在下で培養することを含む当技術分野で公知の方法を使用して、拡大増殖および刺激され得る。適切なバイオリアクタシステムとしては、CliniMACS Prodigy(Miltenyi Biotec、ドイツ)、WAVE Bioreactor(GE Healthcare Life Sciences、ペンシルバニア州ピッツバーグ)、およびG-Rex(Wilson Wolf Manufacturing、ミネソタ州セントポール)が挙げられる。例えば、単離されたT細胞は、200IU/mLのIL-2およびTransActビーズ(Miltenyi Biotec、ドイツ)を補充したTexMACS培地(Miltenyi Biotec、ドイツ)中、37℃、5%COで拡大増殖させることができる。T細胞集団を単離および拡大増殖する方法は、例えば、Levine et al.,(2017)‘‘Global Manufacturing of CAR T Cell Therapy’’ Mol Ther Methods Clin Dev.4:92-101に記載されている。
【0213】
本明細書に記載のCAR-T細胞を産生する方法はまた、CAR、アミノ酸トランスポーター、またはCARおよびアミノ酸トランスポーターをコードする1またはそれを超える発現ベクターで拡大増殖T細胞集団をトランスフェクトするステップを含み得る。適切なトランスフェクション方法は当技術分野で公知であり、例えば、リン酸カルシウムトランスフェクション、リポフェクション、ポリマートランスフェクション、Fugene産物ベースのトランスフェクション(Promega Corporation、ウィスコンシン州マディソン)、および例えばCliniMACS Electroporator(Miltenyi Biotec、ドイツ)を使用するエレクトロポレーションが挙げられる。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、CAR-T細胞を産生する方法は、拡大増殖T細胞集団に、1またはそれを超えるトランスポゾン含有プラスミド、例えばSleeping BeautyトランスポゾンおよびCAR、アミノ酸トランスポーター、またはCARおよびアミノ酸トランスポーターをコードするプラスミドをトランスフェクトするステップを含み得る。
【0214】
本明細書に記載のいくつかの実施形態では、CAR-T細胞を産生する方法は、ウイルス(例えば、レンチウイルス、レトロウイルス、アデノウイルス、またはアデノ随伴ウイルス)を使用して、CAR、アミノ酸トランスポーター、またはCARおよびアミノ酸トランスポーターをコードする1またはそれを超える発現ベクターで拡大増殖T細胞集団を形質導入するステップを含み得る。
【0215】
適切なヌクレオチドコンストラクトでトランスフェクトまたは形質導入されたT細胞は、適切な培地(例えば、1mMのL-アルギニン(Sigma-Aldrich、米国)を補充したTexMACS培地(Miltenyi Biotec、ドイツ))で更に栄養を与え、生存率についてアッセイすることができる。
【0216】
T細胞純度およびヘルパーT細胞対キラーT細胞の比は、適切な抗体(例えば、抗CD19、CD14、CD45、CD3、CD4およびCD8抗体)を使用するフローサイトメトリーおよび蛍光支援細胞選別(FACS)法を使用して決定することができる。CARおよびアルギニントランスポータータンパク質の発現は、CARの抗原認識ドメインに特異的な、またはアルギニントランスポーターに特異的なカスタム抗体を使用して決定することができる。
【0217】
CAR-T細胞内アルギニン含量は、L-アルギニンELISAキット(ALPCO、米国)を使用して決定することができる。
【0218】
本明細書に記載される方法は、得られた細胞の数に基づいて下流適用のためにCAR-T細胞を採取するステップを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、採取するためのCAR-T細胞の量としては、対象の体重1kgあたり、約1×10個、約1×10個、約1×10個、約1×10個、約1×10個、約1×10個、約1×10個、約1×1010個、約2×1010個、約3×1010個、約4×1010個、約5×1010個、約6×1010個、約7×1010個、約8×1010個、約9×1010個、約1×1011個、約1×1012個、約1×1013個、約1×1014個、約1×1015個、約1×10~約3×1010個、約1×10~約3×1010個、約1×10~約1×10個、約1×10~約1×1015個、約1×10~約1×1010個、約1×10~約1×1012個、約1×10~約1×10個、約1×1010~約9×1010個、または約1×10~約1×1011個の細胞が挙げられる。いくつかの実施形態では、採取のためのCAR-T細胞の量としては、約1×10個、約1×10個、約1×10個、約1×10個、約1×10個、約1×1010個、約1×1011個、約1×1012個、約1×10~約1×1012個、約1×10~約1×1010個、約1×10~約1×10個、約1×10~約1×1010個、約1×10~約1×1012個、約1×10~約1×1010個、約1×10~約1×10個、約1×10~約1×10個、または約1×10~約1×1011個の細胞が挙げられる。
【0219】
本明細書に記載される方法は、得られた細胞のアルギニン含有量に基づいて下流適用のためにCAR-T細胞を採取するステップを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、採取のためのCAR-T細胞は、細胞あたり、約10μM、約20μM、約30μM、約40μM、約50μM、約60μM、約70μM、約80μM、約90μM、約100μM、約200μM、約300μM、約400μM、約500μM、約600μM、約700μM、約800μM、約900μM、約1000μM、約1500μM、約2000μM、約2500μM、約3000μM、約3500μM、約4000μM、約100μM~約4000μM、約100μM~約1000μM、約100μM~約2000μM、約1000μM~約2000μM、約1000μM~約3000μM、約1000μM~約4000μM、約500μM~約1000μM、約3000μM~約4000μM、約2000μM~約4000μM、または約500μM~約2000μMのアルギニンの細胞内アルギニン含有量を有する細胞を含む。
【0220】
本明細書に記載されるCAR-T細胞は、特定のCARおよび/またはアミノ酸トランスポータータンパク質、例えば、アルギニントランスポータータンパク質を発現するように遺伝子改変される。いくつかの実施形態では、アルギニントランスポーターをコードする発現カセットは、CARをコードする発現カセットの前、後、または同時にT細胞に(例えば、遺伝子操作によって)導入される。アミノ酸トランスポーターをコードするヌクレオチド配列は、同じベクター上のCARをコードするヌクレオチド配列と共に配置することができる(例えば、CARおよびトランスポーターの両方について1つのベクター)。これにより、CARとトランスポーターの両方が同じ細胞に同時に導入され、その結果、得られた全てのarg+CAR-T細胞がトランスポーターによって増強される。いくつかの実施形態では、アミノ酸トランスポーターをコードするヌクレオチドコンストラクトは、CARをコードするものとは別個のベクター(例えば、CARおよびトランスポーターの両方について個々のベクター)に配置される。
【0221】
本明細書に記載されるCAR-T細胞は、CARおよび/またはアミノ酸トランスポータータンパク質、例えば、アルギニントランスポータータンパク質に対する核酸配列をコードする1またはそれを超える特異的発現ベクターによるT細胞のトランスフェクション、エレクトロポレーションまたは形質転換によって産生され得る。本明細書に記載されるCAR-T細胞はまた、CARに対する核酸配列および/またはアミノ酸トランスポータータンパク質、例えば、アルギニントランスポータータンパク質をコードする特異的発現ベクターを有する1またはそれを超えるウイルスをT細胞に形質導入することによって産生され得る。単離されたT細胞は、1またはそれを超えるレトロウイルスベクター、例えば組み込みγ-レトロウイルスベクターまたはレンチウイルスベクターで形質導入することができる。γ-レトロウイルスベクターおよびレンチウイルスベクターは、ランダムにT細胞ゲノムに組み込まれる。単離されたT細胞はまた、1またはそれを超える組み込み人工トランスポゾンで、または非組み込みRNA分子によるトランスフェクションを介して形質転換され得る。いくつかの実施形態では、単離されたT細胞にCRISPR/Cas-9発現コンストラクトをエレクトロポレーションし、特定のCARおよび/またはアミノ酸トランスポータータンパク質、例えばアルギニントランスポータータンパク質をコードする1またはそれを超えるアデノウイルスまたはAAVベクターをトランスフェクトすることができる。
【0222】
例えば、CARをコードする核酸配列およびアミノ酸トランスポーター、例えばアルギニントランスポーターをコードする核酸配列を含む発現ベクターでT細胞をトランスフェクトすることを含む、遺伝子改変T細胞(例えば、CAR-T細胞)を産生する方法が本明細書に記載される。CARをコードする核酸配列を含む第1の発現ベクターおよびアミノ酸トランスポーター、例えばアルギニントランスポーターをコードする核酸配列を含む第2の発現ベクターでT細胞をトランスフェクトすることを含む、遺伝子改変T細胞(例えば、CAR-T細胞)を産生する方法も本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、トランスフェクションは、トランスフェクションの化学的方法(例えば、リン酸カルシウムトランスフェクション、リポフェクション、ポリマートランスフェクション(例えば、DEAE-デキストランまたはポリエチレンイミン(PEI)トランスフェクション)、またはFugeneによって開発されたトランスフェクション試薬(Promega Corporation、ウィスコンシン州マディソン;例えば、FuGENE HDまたはFuGENE 6トランスフェクション試薬))、トランスフェクションの非化学的方法(例えば、エレクトロポレーション、細胞圧搾、ソノポレーション、光トランスフェクション、プロトプラスト融合、インパルフェクション(impalefection)、または流体力学的送達)、粒子ベースのトランスフェクション(遺伝子銃トランスフェクション、磁性補助トランスフェクション)、ヌクレオフェクション、または熱ショックトランスフェクションによって行うことができる。いくつかの実施形態では、方法は、T細胞に第1の発現ベクターおよび第2の発現ベクターを同時にまたは順次にトランスフェクトすることを含む。
【0223】
CARをコードする核酸配列およびアミノ酸トランスポーター、例えばアルギニントランスポーターをコードする核酸配列を保有するウイルス(例えば、アデノウイルス、AAV、レンチウイルス、またはレトロウイルス)でT細胞を形質導入することを含む、遺伝子改変T細胞(例えば、CAR-T細胞)を産生する方法も本明細書に記載される。CARをコードする核酸配列を保有する第1のウイルス(例えば、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レンチウイルス、またはレトロウイルス)でT細胞を形質導入すること、およびアミノ酸トランスポーター、例えばアルギニントランスポーターをコードする核酸配列を保有する第2のウイルス(例えば、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レンチウイルス、またはレトロウイルス)でT細胞を形質導入することを含む、遺伝子改変T細胞(例えば、CAR-T細胞)を産生する方法も本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、方法は、T細胞に第1のウイルスおよび第2のウイルスを同時にまたは順次に形質導入することを含む。
【0224】
いくつかの実施形態では、遺伝子改変T細胞を産生する方法が、T細胞に発現ベクターをトランスフェクトすること、または細胞にウイルスを形質導入することを含む場合、この方法は、例えば抗生物質耐性によってトランスフェクタントを選択するステップも含み得る。
【0225】
いくつかの実施形態では、遺伝子改変T細胞を産生する方法が、T細胞に第1の発現ベクターおよび第2の発現ベクターを順次トランスフェクトすることを含む場合、この方法は、例えば抗生物質耐性または蛍光タンパク質等のFACSに適した選択マーカーの発現によって、トランスフェクタントを選択するステップも含み得る。例えば、そのような方法は、第1の発現ベクターのトランスフェクタントを選択するステップを含み得る。そのような方法は、第2の発現ベクターのトランスフェクタントを選択するステップを更に含み得る。そのような方法は、第1および第2の発現ベクターのトランスフェクタントを選択するステップを更に含み得る。いくつかの実施形態では、第1の発現ベクターのトランスフェクタントに対する選択は、第2の発現ベクターによる形質移入の前に行われる。
【0226】
いくつかの実施形態では、遺伝子改変T細胞を産生する方法が、T細胞に第1のウイルスおよび第2のウイルスを順次形質導入することを含む場合、この方法はまた、形質導入された細胞を、例えば抗生物質耐性またはFACSによって選択するステップを含み得る。例えば、そのような方法は、第1のウイルスで形質導入された細胞を選択するステップを含み得る。そのような方法は、第2のウイルスで形質導入された細胞を選択するステップを更に含み得る。そのような方法は、第1および第2のウイルスで形質導入された細胞を選択するステップを更に含み得る。いくつかの実施形態では、第1のウイルスで形質導入された細胞の選択は、第2のウイルスで形質導入する前に行われる。
【0227】
いくつかの実施形態では、遺伝子改変T細胞を産生する方法は、T細胞にウイルスを形質導入すること、およびT細胞に発現ベクターをトランスフェクトすることを含み、形質導入およびトランスフェクトはいずれかの順序で行うことができる(例えば、形質導入した後にトランスフェクトすること、または形質導入した後に形質導入すること)。例えば、いくつかの実施形態では、遺伝子改変T細胞を産生する方法は、CARをコードする核酸配列を有するウイルスでT細胞を形質導入すること、およびアミノ酸トランスポーター、例えばアルギニントランスポーターをコードする核酸配列を含む発現ベクターでT細胞をトランスフェクトすることを含む。いくつかの実施形態では、遺伝子改変T細胞を産生する方法は、アミノ酸トランスポーター、例えばアルギニントランスポーターをコードする核酸配列を有するウイルスでT細胞を形質導入すること、およびCARをコードする核酸配列を含む発現ベクターでT細胞をトランスフェクトすることを含む。
CARおよびアミノ酸トランスポーター発現ベクターおよび導入遺伝子
【0228】
本明細書に記載されるCAR-Tヌクレオチドコンストラクト(例えば、ヌクレオチド発現ベクターおよびウイルスヌクレオチドコンストラクト)は、標準的な成分、例えば、限定されないが、プロモーター、Kozak配列、遺伝子発現カセット、自己切断部位、選択のためのマーカー(例えば、蛍光タンパク質発現カセットまたは抗生物質耐性カセット)、逆位縦列反復配列、転写終結およびポリAシグナル配列を含み得る。
【0229】
例示的なプロモーター配列としては、以下が挙げられる:
EF1α: GGCTCCGGTGCCCGTCAGTGGGCAGAGCGCACATCGCCCACAGTCCCCGAGAAGTTGGGGGGAGGGGTCGGCAATTGAACCGGTGCCTAGAGAAGGTGGCGCGGGGTAAACTGGGAAAGTGATGTCGTGTACTGGCTCCGCCTTTTTCCCGAGGGTGGGGGAGAACCGTATATAAGTGCAGTAGTCGCCGTGAACGTTCTTTTTCGCAACGGGTTTGCCGCCAGAACACAGGTAAGTGCCGTGTGTGGTTCCCGCGGGCCTGGCCTCTTTACGGGTTATGGCCCTTGCGTGCCTTGAATTACTTCCACCTGGCTGCAGTACGTGATTCTTGATCCCGAGCTTCGGGTTGGAAGTGGGTGGGAGAGTTCGAGGCCTTGCGCTTAAGGAGCCCCTTCGCCTCGTGCTTGAGTTGAGGCCTGGCCTGGGCGCTGGGGCCGCCGCGTGCGAATCTGGTGGCACCTTCGCGCCTGTCTCGCTGCTTTCGATAAGTCTCTAGCCATTTAAAATTTTTGATGACCTGCTGCGACGCTTTTTTTCTGGCAAGATAGTCTTGTAAATGCGGGCCAAGATCTGCACACTGGTATTTCGGTTTTTGGGGCCGCGGGCGGCGACGGGGCCCGTGCGTCCCAGCGCACATGTTCGGCGAGGCGGGGCCTGCGAGCGCGGCCACCGAGAATCGGACGGGGGTAGTCTCAAGCTGGCCGGCCTGCTCTGGTGCCTGGCCTCGCGCCGCCGTGTATCGCCCCGCCCTGGGCGGCAAGGCTGGCCCGGTCGGCACCAGTTGCGTGAGCGGAAAGATGGCCGCTTCCCGGCCCTGCTGCAGGGAGCTCAAAATGGAGGACGCGGCGCTCGGGAGAGCGGGCGGGTGAGTCACCCACACAAAGGAAAAGGGCCTTTCCGTCCTCAGCCGTCGCTTCATGTGACTCCACGGAGTACCGGGCGCCGTCCAGGCACCTCGATTAGTTCTCGAGCTTTTGGAGTACGTCGTCTTTAGGTTGGGGGGAGGGGTTTTATGCGATGGAGTTTCCCCACACTGAGTGGGTGGAGACTGAAGTTAGGCCAGCTTGGCACTTGATGTAATTCTCCTTGGAATTTGCCCTTTTTGAGTTTGGATCTTGGTTCATTCTCAAGCCTCAGACAGTGGTTCAAAGTTTTTTTCTTCCATTTCAGGTGTCGTGA (配列番号250);
PGK: GGGTAGGGGAGGCGCTTTTCCCAAGGCAGTCTGGAGCATGCGCTTTAGCAGCCCCGCTGGGCACTTGGCGCTACACAAGTGGCCTCTGGCCTCGCACACATTCCACATCCACCGGTAGGCGCCAACCGGCTCCGTTCTTTGGTGGCCCCTTCGCGCCACCTTCTACTCCTCCCCTAGTCAGGAAGTTCCCCCCCGCCCCGCAGCTCGCGTCGTGCAGGACGTGACAAATGGAAGTAGCACGTCTCACTAGTCTCGTGCAGATGGACAGCACCGCTGAGCAATGGAAGCGGGTAGGCCTTTGGGGCAGCGGCCAATAGCAGCTTTGCTCCTTCGCTTTCTGGGCTCAGAGGCTGGGAAGGGGTGGGTCCGGGGGCGGGCTCAGGGGCGGGCTCAGGGGCGGGGCGGGCGCCCGAAGGTCCTCCGGAGGCCCGGCATTCTGCACGCTTCAAAAGCGCACGTCTGCCGCGCTGTTCTCCTCTTCCTCATCTCCGGGCCTTTCG (配列番号251);
CMV: CGTTACATAACTTACGGTAAATGGCCCGCCTGGCTGACCGCCCAACGACCCCCGCCCATTGACGTCAATAATGACGTATGTTCCCATAGTAACGCCAATAGGGACTTTCCATTGACGTCAATGGGTGGAGTATTTACGGTAAACTGCCCACTTGGCAGTACATCAAGTGTATCATATGCCAAGTACGCCCCCTATTGACGTCAATGACGGTAAATGGCCCGCCTGGCATTATGCCCAGTACATGACCTTATGGGACTTTCCTACTTGGCAGTACATCTACGTATTAGTCATCGCTATTACCATGGTGATGCGGTTTTGGCAGTACATCAATGGGCGTGGATAGCGGTTTGACTCACGGGGATTTCCAAGTCTCCACCCCATTGACGTCAATGGGAGTTTGTTTTGGCACCAAAATCAACGGGACTTTCCAAAATGTCGTAACAACTCCGCCCCATTGACGCAAATGGGCGGTAGGCGTGTACGGTGGGAGGTCTATATAAGCAGAGCT (配列番号252); and
CAG: GCGTTACATAACTTACGGTAAATGGCCCGCCTGGCTGACCGCCCAACGACCCCCGCCCATTGACGTCAATAATGACGTATGTTCCCATAGTAACGCCAATAGGGACTTTCCATTGACGTCAATGGGTGGAGTATTTACGGTAAACTGCCCACTTGGCAGTACATCAAGTGTATCATATGCCAAGTACGCCCCCTATTGACGTCAATGACGGTAAATGGCCCGCCTGGCATTATGCCCAGTACATGACCTTATGGGACTTTCCTACTTGGCAGTACATCTACGTATTAGTCATCGCTATTACCATGGTCGAGGTGAGCCCCACGTTCTGCTTCACTCTCCCCATCTCCCCCCCCTCCCCACCCCCAATTTTGTATTTATTTATTTTTTAATTATTTTGTGCAGCGATGGGGGCGGGGGGGGGGGGGGGGCGCGCGCCAGGCGGGGCGGGGCGGGGCGAGGGGCGGGGCGGGGCGAGGCGGAGAGGTGCGGCGGCAGCCAATCAGAGCGGCGCGCTCCGAAAGTTTCCTTTTATGGCGAGGCGGCGGCGGCGGCGGCCCTATAAAAAGCGAAGCGCGCGGCGGGCG (配列番号253).
【0230】
例示的な転写終結およびポリAシグナル配列としては、以下が挙げられる:
bGH pA:CTGTGCCTTCTAGTTGCCAGCCATCTGTTGTTTGCCCCTCCCCCGTGCCTTCCTTGACCCTGGAAGGTGCCACTCCCACTGTCCTTTCCTAATAAAATGAGGAAATTGCATCGCATTGTCTGAGTAGGTGTCATTCTATTCTGGGGGGTGGGGTGGGGCAGGACAGCAAGGGGGAGGATTGGGAAGACAATAGCAGGCATGCTGGGGATGCGGTGGGCTCTATGG (配列番号254);
rbHBB pA: AATAAAAGATCTTTATTTTCATTAGATCTGTGTGTTGGTTTTTTGTGTG (配列番号255);
SV40 pA: CTAGAGCTCGCTGATCAGCCTCGACTGTGCCTTCTAGTTGCCAGCCATCTGTTGTTTGCCCCTCCCCCGTGCCTTCCTTGACCCTGGAAGGTGCCACTCCCACTGTCCTTTCCTAATAAAATGAGGAAATTGCATCGCATTGTCTGAGTAGGTGTCATTCTATTCTGGGGGGTGGGGTGGGGCAGGACAGCAAGGGGGAGGATTGGGAAGACAATAGCAGGCATGCTGGGGATATGCA (配列番号256); and
hGH pA: GACGGGTGGCATCCCTGTGACCCCTCCCCAGTGCCTCTCCTGGCCCTGGAAGTTGCCACTCCAGTGCCCACCAGCCTTGTCCTAATAAAATTAAGTTGCATCATTTTGTCTGACTAGGTGTCCTTCTATAATATTATGGGGTGGAGGGGGGTGGTATGGAGCAAGGGGCAAGTTGGGAAGACAACCTGTAGGGCCTGCGGGGTCTATTGGGAACCAAGCTGGAGTGCAGTGGCACAATCTTGGCTCACTGCAATCTCCGCCTCCTGGGTTCAAGCGATTCTCCTGCCTCAGCCTCCCGAGTTGTTGGGATTCCAGGCATGCATGACCAGGCTCAGCTAATTTTTGTTTTTTTGGTAGAGACGGGGTTTCACCATATTGGCCAGGCTGGTCTCCAACTCCTAATCTCAGGTGATCTACCCACCTTGGCCTCCCAAATTGCTGGGATTACAGGCGTGAACCACTGCTCCCTTCCCTGTCCTTT (配列番号257).
【0231】
例示的な逆位縦列反復(TIR)配列としては、以下のpT4左逆位反復(LIR)配列および右逆位反復(RIR)配列が挙げられる:
pT4 LIR: TACAGTTGAAGTCGGAAGTTTACATACACTTAAGTTGGAGTCATTAAAACTCGTTTTTCAACTACTCCACAAATTTCTTGTTAACAAACAATAGTTTTGGCAAGTCAGTTAGGACATCTACTTTGTGCATGACACAAGTCATTTTTCCAACAATTGTTTACAGACAGATTATTTCACTTATAATTCACTGTATCACAATTCCAGTGGGTCAGAAGTGTACATACACGCGCTTGACTGTGCCTTT (配列番号258); and
pT4 RIR: TTAAACAATTTAAAGGCAATGCTACCAAATACTAAGCGCGTGTATGTACACTTCTGACCCACTGGGAATGTGATGAAAGAAATAAAAGCTGAAATGAATCATTCTCTCTACTATTATTCTGATATTTCACATTCTTAAAATAAAGTGGTGATCCTAACTGACCTTAAGACAGGGAATCTTTACTCGGATTAAATGTCAGGAATTGTGAAAAAGTGAGTTTAAATGTATTTGGCTAAGGTGTATGTAAACTTCCGACTTCAACTGTA (配列番号259).
【0232】
例示的な自己切断部位ヌクレオチド配列としては、以下が挙げられる:
P2A: GCCACCAATTTCAGCCTGCTGAAACAGGCTGGCGACGTGGAAGAGAACCCTGGACCT (配列番号260);
T2A: GGCAGCGGCGAGGGCAGAGGCAGCCTGCTGACCTGCGGCGACGTGGAGGAGAACCCCGGCCCC (配列番号261);
E2A: GGCAGCGGCCAGTGCACCAACTACGCCCTGCTGAAGCTGGCCGGCGACGTGGAGAGCAAC (配列番号262); and
F2A: GGCAGCGGCGTGAAGCAGACCCTGAACTTCGACCTGCTGAAGCTGGCCGGCGACGTGGAGAGCAACCCCGGCCCC (配列番号263).
【0233】
例示的な選択マーカーヌクレオチド配列には、以下の蛍光タンパク質および抗生物質耐性タンパク質をコードする配列挙げられる:
mEGFP(蛍光タンパク質コード配列):GTGTCCAAGGGCGAAGAACTGTTTACCGGCGTGGTGCCCATCCTGGTGGAACTGGATGGGGATGTGAACGGCCACAAGTTCAGCGTTAGCGGAGAAGGCGAAGGCGACGCCACATACGGAAAGCTGACACTGAAGTTCATCTGCACCACCGGCAAGCTGCCTGTGCCATGGCCAACACTGGTCACCACACTGACATACGGCGTGCAGTGCTTCAGCAGATACCCCGACCATATGAAGCAGCATGACTTCTTCAAGAGCGCCATGCCTGAGGGCTACGTGCAAGAGCGGACCATCTTCTTTAAGGACGACGGCAACTACAAGACCAGGGCCGAAGTGAAGTTCGAGGGCGACACCCTCGTGAACCGGATCGAGCTGAAGGGCATCGACTTCAAAGAGGACGGCAACATCCTGGGCCACAAGCTCGAGTACAACTACAACAGCCACAACGTGTACATCATGGCCGACAAGCAGAAAAACGGCATCAAAGTGAACTTCAAGATCCGGCACAACATCGAGGACGGCTCAGTGCAGCTGGCCGACCACTATCAGCAGAACACACCCATCGGAGATGGCCCCGTTCTGCTGCCCGATAACCACTACCTGAGCACACAGAGCAAGCTGAGCAAGGACCCCAACGAGAAGCGGGACCACATGGTCCTGCTGGAATTTGTGACAGCCGCCGGAATCACCCTCGGCATGGACGAGCTTTACAAA (配列番号264);
mEmerald(蛍光タンパク質コード配列):GTGAGCAAGGGCGAGGAGCTGTTCACCGGCGTGGTGCCCATCCTGGTGGAGCTGGACGGCGACGTGAACGGCCACAAGTTCAGCGTGAGCGGCGAGGGCGAGGGCGACGCCACCTACGGCAAGCTGACCCTGAAGTTCATCTGCACCACCGGCAAGCTGCCCGTGCCCTGGCCCACCCTGGTGACCACCCTGACCTACGGCGTGCAGTGCTTCGCCAGATACCCCGACCACATGAAGCAGCACGACTTCTTCAAGAGCGCCATGCCCGAGGGCTACGTGCAGGAGAGAACCATCTTCTTCAAGGACGACGGCAACTACAAGACCAGAGCCGAGGTGAAGTTCGAGGGCGACACCCTGGTGAACAGAATCGAGCTGAAGGGCATCGACTTCAAGGAGGACGGCAACATCCTGGGCCACAAGCTGGAGTACAACTACAACAGCCACAAGGTGTACATCACCGCCGACAAGCAGAAGAACGGCATCAAGGTGAACTTCAAGACCAGACACAACATCGAGGACGGCAGCGTGCAGCTGGCCGACCACTACCAGCAGAACACCCCCATCGGCGACGGCCCCGTGCTGCTGCCCGACAACCACTACCTGAGCACCCAGAGCAAGCTGAGCAAGGACCCCAACGAGAAGAGAGACCACATGGTGCTGCTGGAGTTCGTGACCGCCGCCGGCATCACCCTGGGCATGGACGAGCTGTACAAG (配列番号265);
mCherry 2(蛍光タンパク質コード配列):GTGTCTAAGGGCGAAGAGGACAACATGGCCATCATCAAAGAATTCATGCGGTTCAAGGTGCACATGGAAGGCAGCGTGAACGGCCACGAGTTCGAGATTGAAGGCGAAGGCGAGGGCAGACCTTACGAGGGAACACAGACCGCCAAGCTGAAAGTCACCAAAGGCGGCCCTCTGCCTTTTGCCTGGGACATTCTGAGCCCTCAGTTTATGTACGGCTCCAAGGCCTACGTGAAGCACCCCGCCGATATTCCCGACTATCTGAAGCTGAGCTTCCCCGAGGGCTTCAACTGGGAGCGCGTGATGAATTTCGAGGACGGCGGCGTGGTCACCGTGACTCAAGATAGCTCTCTGCAGGACGGCGAGTTCATCTACAAAGTGAAGCTGCGGGGCACAAACTTCCCCAGCGACGGACCTGTGATGCAGTGCAGAACAATGGGCTGGGAAGCCAGCACCGAGAGAATGTACCCAGAAGATGGCGCCCTGAAGGGCGAGATTAAGCAGCGGCTGAAACTCAAGGATGGCGGCCACTACGACGCCGAAGTGAAAACCACCTACAAGGCCAAGAAACCCGTGCAGCTGCCTGGCGCCTACAACGTGGACATCAAGCTGGATATCCTGAGCCACAATGAGGACTACACCATCGTCGAGCAGTACGAGAGAGCCGAGGGGAGACATTCTACCGGCGGAATGGACGAGCTGTACAAA (配列番号266);
mScarlet-i(蛍光タンパク質コード配列):GTGTCTAAGGGCGAAGCCGTGATCAAAGAATTCATGCGGTTCAAGGTGCACATGGAAGGCAGCATGAACGGCCACGAGTTCGAGATCGAAGGCGAAGGCGAGGGCAGACCTTATGAGGGAACACAGACCGCCAAGCTGAAAGTGACCAAAGGCGGCCCTCTGCCTTTCAGCTGGGACATTCTGAGCCCTCAGTTTATGTACGGCAGCCGGGCCTTCATCAAGCACCCTGCCGATATTCCCGACTACTACAAGCAGAGCTTCCCCGAGGGCTTCAAGTGGGAGAGAGTGATGAACTTCGAGGACGGCGGAGCCGTGACCGTGACACAGGATACAAGCCTGGAAGATGGCACCCTGATCTACAAAGTGAAGCTGCGGGGCACCAACTTTCCACCTGATGGCCCCGTGATGCAGAAAAAGACCATGGGCTGGGAAGCCAGCACCGAGAGACTGTATCCTGAGGATGGCGTGCTGAAGGGCGACATCAAGATGGCCCTGAGACTGAAGGATGGCGGCAGATACCTGGCCGACTTCAAGACCACCTACAAGGCCAAGAAACCCGTGCAGATGCCTGGCGCCTACAACGTGGACAGAAAGCTGGACATCACCAGCCACAACGAGGACTACACCGTGGTGGAACAGTACGAGCGGAGCGAAGGCAGACACTCTACAGGCGGAATGGACGAGCTGTACAAA (配列番号267);
ピューロマイシンN-アセチルトランスフェラーゼ(ピューロマイシン耐性コード配列):ACAGAGTACAAACCTACAGTGCGCCTGGCCACCAGGGACGATGTTCCTAGAGCCGTCAGAACTCTGGCCGCTGCCTTCGCCGATTATCCAGCCACAAGACACACCGTGGATCCCGACAGACACATCGAGAGAGTGACCGAGCTGCAAGAGCTGTTTCTGACCAGAGTCGGCCTGGACATCGGCAAAGTGTGGGTTGCAGATGATGGCGCCGCTGTGGCTGTGTGGACAACACCTGAATCTGTGGAAGCCGGCGCAGTGTTTGCCGAGATCGGACCTAGAATGGCCGAGCTGAGCGGATCTAGACTGGCTGCTCAACAGCAGATGGAAGGCCTGCTGGCTCCCCACAGACCAAAAGAGCCTGCTTGGTTTCTGGCCACCGTGGGCGTTAGCCCTGACCACCAAGGCAAAGGACTGGGATCTGCTGTGGTGCTGCCTGGCGTTGAAGCCGCTGAAAGAGCTGGCGTTCCAGCCTTCCTGGAAACAAGCGCCCCTCGGAACCTGCCTTTCTACGAGAGACTGGGCTTTACCGTGACCGCCGATGTGGAAGTGCCAGAGGGACCAAGAACCTGGTGCATGACCAGAAAGCCTGGCGCC (配列番号268);
アミノグリコシド3’-ホスホトランスフェラーゼII(G418耐性コード配列):ATTGAACAAGATGGATTGCACGCAGGTTCTCCGGCCGCTTGGGTGGAGAGGCTATTCGGCTATGACTGGGCACAACAGACAATCGGCTGCTCTGATGCCGCCGTGTTCCGGCTGTCAGCGCAGGGGCGCCCGGTTCTTTTTGTCAAGACCGACCTGTCCGGTGCCCTGAATGAACTGCAGGACGAGGCAGCGCGGCTATCGTGGCTGGCCACGACGGGCGTTCCTTGCGCAGCTGTGCTCGACGTTGTCACTGAAGCGGGAAGGGACTGGCTGCTATTGGGCGAAGTGCCGGGGCAGGATCTCCTGTCATCTCACCTTGCTCCTGCCGAGAAAGTATCCATCATGGCTGATGCAATGCGGCGGCTGCATACGCTTGATCCGGCTACCTGCCCATTCGACCACCAAGCGAAACATCGCATCGAGCGAGCACGTACTCGGATGGAAGCCGGTCTTGTCGATCAGGATGATCTGGACGAAGAGCATCAGGGGCTCGCGCCAGCCGAACTGTTCGCCAGGCTCAAGGCGCGCATGCCCGACGGCGAGGATCTCGTCGTGACCCATGGCGATGCCTGCTTGCCGAATATCATGGTGGAAAATGGCCGCTTTTCTGGATTCATCGACTGTGGCCGGCTGGGTGTGGCGGACCGCTATCAGGACATAGCGTTGGCTACCCGTGATATTGCTGAAGAGCTTGGCGGCGAATGGGCTGACCGCTTCCTCGTGCTTTACGGTATCGCCGCTCCCGATTCGCAGCGCATCGCCTTCTATCGCCTTCTTGACGAGTTCTTC (配列番号269);および
ハイグロマイシンBホスホトランスフェラーゼ(ハイグロマイシン耐性コード配列):CCTGAACTCACCGCGACGTCTGTCGAGAAGTTTCTGATCGAAAAGTTCGACAGCGTCTCCGACCTGATGCAGCTCTCGGAGGGCGAAGAATCTCGTGCTTTCAGCTTCGATGTAGGAGGGCGTGGATATGTCCTGCGGGTAAATAGCTGCGCCGATGGTTTCTACAAAGATCGTTATGTTTATCGGCACTTTGCATCGGCCGCGCTCCCGATTCCGGAAGTGCTTGACATTGGGGAATTCAGCGAGAGCCTGACCTATTGCATCTCCCGCCGTGCACAGGGTGTCACGTTGCAAGACCTGCCTGAAACCGAACTGCCCGCTGTTCTGCAGCCGGTCGCGGAGGCCATGGATGCGATCGCTGCGGCCGATCTTAGCCAGACGAGCGGGTTCGGCCCATTCGGACCGCAAGGAATCGGTCAATACACTACATGGCGTGATTTCATATGCGCGATTGCTGATCCCCATGTGTATCACTGGCAAACTGTGATGGACGACACCGTCAGTGCGTCCGTCGCGCAGGCTCTCGATGAGCTGATGCTTTGGGCCGAGGACTGCCCCGAAGTCCGGCACCTCGTGCACGCGGATTTCGGCTCCAACAATGTCCTGACGGACAATGGCCGCATAACAGCGGTCATTGACTGGAGCGAGGCGATGTTCGGGGATTCCCAATACGAGGTCGCCAACATCTTCTTCTGGAGGCCGTGGTTGGCTTGTATGGAGCAGCAGACGCGCTACTTCGAGCGGAGGCATCCGGAGCTTGCAGGATCGCCGCGGCTCCGGGCGTATATGCTCCGCATTGGTCTTGACCAACTCTATCAGAGCTTGGTTGACGGCAATTTCGATGATGCAGCTTGGGCGCAGGGTCGATGCGACGCAATCGTCCGATCCGGAGCCGGGACTGTCGGGCGTACACAAATCGCCCGCAGAAGCGCGGCCGTCTGGACCGATGGCTGTGTAGAAGTACTCGCCGATAGTGGAAACCGACGCCCCAGCACTCGTCCGAGGGCAAAGGAA (配列番号270).
【0234】
例えば、本明細書に記載されるCAR-T発現ベクターは、以下のヌクレオチド成分を含むことができる:プロモーター配列(例えば、EF1α、クメート、CAG、CMV、UbCまたはPGKプロモータ配列)、抗原特異的標的化配列、膜貫通ドメイン配列(例えば、CD4、CD8α、CD28、CD3ζまたはICOSヌクレオチド配列)、膜貫通ドメイン配列(例えば、CD4、CD8α、CD28、CD3ζまたはICOS膜貫通ドメインヌクレオチド配列)、および細胞内シグナル伝達ドメイン配列(例えば、FcRγまたはCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン配列)。本明細書に記載されるCAR-T発現ベクターは、以下の1またはそれを超える成分を更に含むことができる:1またはそれを超える共刺激ドメイン配列(例えば、4-1BB、CD27、CD28、CD40、CD40L、TLR2、DAP10、OX40、IL-2RB、IL-2RA、MYD88、またはICOS共刺激ドメイン配列)、アルギニントランスポーター配列(例えば、SLC7A1、SLC7A2、SLC7A3、SLC7A4、SLC7A6、SLC7A7、SLC3A2、SLC3A1、SLC7A9、またはSLC6A14ヌクレオチド配列)、およびヒンジまたはスペーサードメイン配列(複数可)。
【0235】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるCAR-T発現ベクターは、プロモーター配列(例えば、EF1α、cumate、CMV、CAG、UbCまたはPGKプロモータ配列)およびアルギニントランスポーター配列(例えば、SLC7A1、SLC7A2、SLC7A3、SLC7A4、SLC7A6、SLC7A7、SLC3A2、SLC3A1、SLC7A9、またはSLC6A14ヌクレオチド配列)を含む。
【0236】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるCAR-T発現ベクターはまた、以下のものの1またはそれより多くを含むことができる:抗生物質選択カセット(例えば、アンピシリン、ジェネティシン、ゼオシン、ハイグロマイシン、ブラストサイジン、ピューロマイシン、またはカナマイシン耐性カセット)、および複製起点配列(例えば、pUC、pMB1、pBR322、ColE1、R6K、p15A、pSC101、pMSCVまたはF1配列)。本明細書に記載のレンチウイルスベクターおよびγ-レトロウイルスベクターは、以下のものの1またはそれより多くを含むことができる:5’長鎖末端反復(LTR)配列(U3、R、およびU5配列のうち1またはそれより多くを含む)、3’LTR配列(U3、R、およびU5配列のうち1またはそれより多くを含む)、psi(Ψ)配列、トランス活性化応答(TAR)エレメント配列、中央ポリプリントラクト(cPPT)配列、ウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)配列、およびRev応答エレメント(RRE)配列。本明細書に記載のアデノウイルスおよびAAVベクターはまた、逆位末端反復(ITR)配列を含み得る。
【0237】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるCAR-T発現ベクターは、下記の順の成分を含み得る:プロモーター配列、Kozak配列、開始コドン、目的のタンパク質をコードする1またはそれを超えるヌクレオチド配列(例えば、CARヌクレオチド配列および/またはアミノ酸トランスポーターヌクレオチド配列、例えばアルギニントランスポーターヌクレオチド配列)、2A自己切断部位、1またはそれを超える選択マーカーヌクレオチド配列(例えば、抗生物質耐性ヌクレオチド配列および/または蛍光タンパク質ヌクレオチド配列)、終止コドン、ならびに終結およびポリAシグナルヌクレオチド配列。例示的なCAR-T発現ベクターは、図1に示されるpBCTex01G,である。pBCTex01Gのヌクレオチド配列は以下の通りである:GCCACCTGACGTCTAAGAAACCATTATTATCATGACATTAACCTATAAAAATAGGCGTATCACGAGGCCCTTTCGTTGTAAAACGACGGCCAGTCGAACCACGCAATGCGTCTCGATCCGCAGTGTCTTGCGTCTCTTACAGTTGAAGTCGGAAGTTTACATACACTTAAGTTGGAGTCATTAAAACTCGTTTTTCAACTACTCCACAAATTTCTTGTTAACAAACAATAGTTTTGGCAAGTCAGTTAGGACATCTACTTTGTGCATGACACAAGTCATTTTTCCAACAATTGTTTACAGACAGATTATTTCACTTATAATTCACTGTATCACAATTCCAGTGGGTCAGAAGTGTACATACACGCGCTTGACTGTGCCTTTGCTCTTCAATGGGAGGGCTCCGGTGCCCGTCAGTGGGCAGAGCGCACATCGCCCACAGTCCCCGAGAAGTTGGGGGGAGGGGTCGGCAATTGAACCGGTGCCTAGAGAAGGTGGCGCGGGGTAAACTGGGAAAGTGATGTCGTGTACTGGCTCCGCCTTTTTCCCGAGGGTGGGGGAGAACCGTATATAAGTGCAGTAGTCGCCGTGAACGTTCTTTTTCGCAACGGGTTTGCCGCCAGAACACAGGTAAGTGCCGTGTGTGGTTCCCGCGGGCCTGGCCTCTTTACGGGTTATGGCCCTTGCGTGCCTTGAATTACTTCCACCTGGCTGCAGTACGTGATTCTTGATCCCGAGCTTCGGGTTGGAAGTGGGTGGGAGAGTTCGAGGCCTTGCGCTTAAGGAGCCCCTTCGCCTCGTGCTTGAGTTGAGGCCTGGCCTGGGCGCTGGGGCCGCCGCGTGCGAATCTGGTGGCACCTTCGCGCCTGTCTCGCTGCTTTCGATAAGTCTCTAGCCATTTAAAATTTTTGATGACCTGCTGCGACGCTTTTTTTCTGGCAAGATAGTCTTGTAAATGCGGGCCAAGATCTGCACACTGGTATTTCGGTTTTTGGGGCCGCGGGCGGCGACGGGGCCCGTGCGTCCCAGCGCACATGTTCGGCGAGGCGGGGCCTGCGAGCGCGGCCACCGAGAATCGGACGGGGGTAGTCTCAAGCTGGCCGGCCTGCTCTGGTGCCTGGCCTCGCGCCGCCGTGTATCGCCCCGCCCTGGGCGGCAAGGCTGGCCCGGTCGGCACCAGTTGCGTGAGCGGAAAGATGGCCGCTTCCCGGCCCTGCTGCAGGGAGCTCAAAATGGAGGACGCGGCGCTCGGGAGAGCGGGCGGGTGAGTCACCCACACAAAGGAAAAGGGCCTTTCCGTCCTCAGCCGTCGCTTCATGTGACTCCACGGAGTACCGGGCGCCGTCCAGGCACCTCGATTAGTTCTCGAGCTTTTGGAGTACGTCGTCTTTAGGTTGGGGGGAGGGGTTTTATGCGATGGAGTTTCCCCACACTGAGTGGGTGGAGACTGAAGTTAGGCCAGCTTGGCACTTGATGTAATTCTCCTTGGAATTTGCCCTTTTTGAGTTTGGATCTTGGTTCATTCTCAAGCCTCAGACAGTGGTTCAAAGTTTTTTTCTTCCATTTCAGGTGTCGTGATACTGCCGCCACCATGGGCTCCGGCGCCACCAACTTTAGCCTGCTGAAACAGGCAGGCGACGTGGAAGAGAACCCTGGACCTGTGTCCAAGGGCGAAGAACTGTTTACCGGCGTGGTGCCCATCCTGGTGGAACTGGATGGGGATGTGAACGGCCACAAGTTCAGCGTTAGCGGAGAAGGCGAAGGCGACGCCACATACGGAAAGCTGACACTGAAGTTCATCTGCACCACCGGCAAGCTGCCTGTGCCATGGCCAACACTGGTCACCACACTGACATACGGCGTGCAGTGCTTCAGCAGATACCCCGACCATATGAAGCAGCATGACTTCTTCAAGAGCGCCATGCCTGAGGGCTACGTGCAAGAGCGGACCATCTTCTTTAAGGACGACGGCAACTACAAGACCAGGGCCGAAGTGAAGTTCGAGGGCGACACCCTCGTGAACCGGATCGAGCTGAAGGGCATCGACTTCAAAGAGGACGGCAACATCCTGGGCCACAAGCTCGAGTACAACTACAACAGCCACAACGTGTACATCATGGCCGACAAGCAGAAAAACGGCATCAAAGTGAACTTCAAGATCCGGCACAACATCGAGGACGGCTCAGTGCAGCTGGCCGACCACTATCAGCAGAACACACCCATCGGAGATGGCCCCGTTCTGCTGCCCGATAACCACTACCTGAGCACACAGAGCAAGCTGAGCAAGGACCCCAACGAGAAGCGGGACCACATGGTCCTGCTGGAATTTGTGACAGCCGCCGGAATCACCCTCGGCATGGACGAGCTTTACAAAGGCGGCGGAGGATCTGGCGGAGGTGGAAGCGGAGGCGGTGGAAGCACAGAGTACAAACCTACAGTGCGCCTGGCCACCAGGGACGATGTTCCTAGAGCCGTCAGAACTCTGGCCGCTGCCTTCGCCGATTATCCAGCCACAAGACACACCGTGGATCCCGACAGACACATCGAGAGAGTGACCGAGCTGCAAGAGCTGTTTCTGACCAGAGTCGGCCTGGACATCGGCAAAGTGTGGGTTGCAGATGATGGCGCCGCTGTGGCTGTGTGGACAACACCTGAATCTGTGGAAGCCGGCGCAGTGTTTGCCGAGATCGGACCTAGAATGGCCGAGCTGAGCGGATCTAGACTGGCTGCTCAACAGCAGATGGAAGGCCTGCTGGCTCCCCACAGACCAAAAGAGCCTGCTTGGTTTCTGGCCACCGTGGGCGTTAGCCCTGACCACCAAGGCAAAGGACTGGGATCTGCTGTGGTGCTGCCTGGCGTTGAAGCCGCTGAAAGAGCTGGCGTTCCAGCCTTCCTGGAAACAAGCGCCCCTCGGAACCTGCCTTTCTACGAGAGACTGGGCTTTACCGTGACCGCCGATGTGGAAGTGCCAGAGGGACCAAGAACCTGGTGCATGACCAGAAAGCCTGGCGCCTGAGCTTCTGTGCCTTCTAGTTGCCAGCCATCTGTTGTTTGCCCCTCCCCCGTGCCTTCCTTGACCCTGGAAGGTGCCACTCCCACTGTCCTTTCCTAATAAAATGAGGAAATTGCATCGCATTGTCTGAGTAGGTGTCATTCTATTCTGGGGGGTGGGGTGGGGCAGGACAGCAAGGGGGAGGATTGGGAAGACAATAGCAGGCATGCTGGGGATGCGGTGGGCTCTATGGCGCTGCATGAAGAGCTTAAACAATTTAAAGGCAATGCTACCAAATACTAAGCGCGTGTATGTACACTTCTGACCCACTGGGAATGTGATGAAAGAAATAAAAGCTGAAATGAATCATTCTCTCTACTATTATTCTGATATTTCACATTCTTAAAATAAAGTGGTGATCCTAACTGACCTTAAGACAGGGAATCTTTACTCGGATTAAATGTCAGGAATTGTGAAAAAGTGAGTTTAAATGTATTTGGCTAAGGTGTATGTAAACTTCCGACTTCAACTGTAAGAGACGGAGTCACTGCCAACCGAGACGGTCATAGCTGTTTCCTGTGTGCCGCTTCCTCGCTCACTGACTCGCTGCGCTCGGTCGTTCGGCTGCGGCGAGCGGTATCAGCTCACTCAAAGGCGGTAATACGGTTACCCACAGAATCAGGGGATAACGCAGGAAAGAACATGTGAGCAAAAGGCCAGCAAAAGGCCAGGAACCGTAAAAAGGCCGCGTTGCTGGCGTTTTTCCATAGGCTCCGCCCCCCTGACGAGCATCACAAAAATCGACGCTCAAGTCAGAGGTGGCGAAACCCGACAGGACTATAAAGATACCAGGCGTTTCCCCCTGGAAGCTCCCTCGTGCGCTCTCCTGTTCCGACCCTGCCGCTTACCGGATACCTGTCCGCCTTTCTCCCTTCGGGAAGCGTGGCGCTTTCTCATAGCTCACGCTGTAGGTATCTCAGTTCGGTGTAGGTCGTTCGCTCCAAGCTGGGCTGTGTGCACGAACCCCCCGTTCAGCCCGACCGCTGCGCCTTATCCGGTAACTATCGTCTTGAGTCCAACCCGGTAAGACACGACTTATCGCCACTGGCAGCAGCCACTGGTAACAGGATTAGCAGAGCGAGGTATGTAGGCGGTGCTACAGAGTTCTTGAAGTGGTGGCCTAACTACGGCTACACTAGAAGGACAGTATTTGGTATCTGCGCTCTGCTGAAGCCAGTTACCTTCGGAAAAAGAGTTGGTAGCTCTTGATCCGGCAAACAAACCACCGCTGGTAGCGGTGGTTTTTTTGTTTGCAAGCAGCAGATTACGCGCAGAAAAAAAGGATCTCAAGAAGATCCTTTGATCTTTTCTACGGGGTCTGACGCTCAGTGGAACGAAAACTCACGTTAAGGGATTTTGGTCATGAGATTATCAAAAAGGATCTTCACCTAGATCCTTTTAAATTAAAAATGAAGTTTTAAATCAATCTAAAGTATATATGAGTAAACTTGGTCTGACAGTTAGAAAAACTCATCGAGCATCAAATGAAACTGCAATTTATTCATATCAGGATTATCAATACCATATTTTTGAAAAAGCCGTTTCTGTAATGAAGGAGAAAACTCACCGAGGCAGTTCCATAGGATGGCAAGATCCTGGTATCGGTCTGCGATTCCGACTCGTCCAACATCAATACAACCTATTAATTTCCCCTCGTCAAAAATAAGGTTATCAAGTGAGAAATCACCATGAGTGACGACTGAATCCGGTGAGAATGGCAAAAGTTTATGCATTTCTTTCCAGACTTGTTCAACAGGCCAGCCATTACGCTCGTCATCAAAATCACTCGCATCAACCAAACCGTTATTCATTCGTGATTGCGCCTGAGCGAGTCGAAATACGCGATCGCTGTTAAAAGGACAATTACAAACAGGAATCGAATGCAACCGGCGCAGGAACACGGCCAGCGCATCAACAATATTTTCACCTGAATCAGGATATTCTTCTAATACCTGGAATGCTGTTTTCCCGGGGATCGCTGTGGTGAGTAACCATGCATCATCAGGAGTACGGATAAAATGCTTGATGGTCGGAAGAGGCATAAATTCCGTCAGCCAGTTTAGTCTGACCATCTCATCTGTAACATCATTGGCAACGCTACCTTTGCCATGTTTCAGAAACAACTCTGGCGCATCGGGCTTCCCATACAATCGATAGATTGTCGCACCTGATTGCCCGACATTATCGCGAGCCCATTTATACCCATATAAATCAGCATCCATGTTGGAATTTAATCGCGGCCTAGAGCAAGACGTTTCCCGTTGAATATGGCTCATACTCTTCCTTTTTCAATATTATTGAAGCATTTATCAGGGTTATTGTCTCATGAGCGGATACATATTTGAATGTATTTAGAAAAATAAACAAATAGGGGTTCCGCGCACATTTCCCCGAAAAGT (配列番号271).
【0238】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるCAR-T発現ベクターは、以下の順序の成分を含み得る:プロモーター配列、Kozak配列、開始コドン、目的のタンパク質をコードする1またはそれを超えるヌクレオチド配列(例えば、CARヌクレオチド配列および/またはアミノ酸トランスポーターヌクレオチド配列、例えばアルギニントランスポーターヌクレオチド配列)、終止コドン、終結およびポリAシグナルヌクレオチド配列。
【0239】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるCAR-T発現ベクターは、以下の順序の成分を含み得る:左逆位反復配列、プロモーター配列(例えば、EF-1αプロモーター配列)、Kozak配列、開始コドン、目的のタンパク質をコードする1またはそれを超えるヌクレオチド配列(例えば、CARヌクレオチド配列および/またはアミノ酸トランスポーターヌクレオチド配列、例えばアルギニントランスポーターヌクレオチド配列)、終止コドン、終結およびポリAシグナルヌクレオチド配列(例えば、bGH polyAシグナル配列)、ならびに右逆位末端反復配列。例示的なCAR-T発現ベクターは、図2に示されるpBCTex02miniである。pBCTex02miniのヌクレオチド配列は以下の通りである:CCAATGATTACAGTTGAAGTCGGAAGTTTACATACACTTAAGTTGGAGTCATTAAAACTCGTTTTTCAACTACTCCACAAATTTCTTGTTAACAAACAATAGTTTTGGCAAGTCAGTTAGGACATCTACTTTGTGCATGACACAAGTCATTTTTCCAACAATTGTTTACAGACAGATTATTTCACTTATAATTCACTGTATCACAATTCCAGTGGGTCAGAAGTGTACATACACGCGCTTGACTGTGCCTTTGCTCTTCAATGGGAGGGCTCCGGTGCCCGTCAGTGGGCAGAGCGCACATCGCCCACAGTCCCCGAGAAGTTGGGGGGAGGGGTCGGCAATTGAACCGGTGCCTAGAGAAGGTGGCGCGGGGTAAACTGGGAAAGTGATGTCGTGTACTGGCTCCGCCTTTTTCCCGAGGGTGGGGGAGAACCGTATATAAGTGCAGTAGTCGCCGTGAACGTTCTTTTTCGCAACGGGTTTGCCGCCAGAACACAGGTAAGTGCCGTGTGTGGTTCCCGCGGGCCTGGCCTCTTTACGGGTTATGGCCCTTGCGTGCCTTGAATTACTTCCACCTGGCTGCAGTACGTGATTCTTGATCCCGAGCTTCGGGTTGGAAGTGGGTGGGAGAGTTCGAGGCCTTGCGCTTAAGGAGCCCCTTCGCCTCGTGCTTGAGTTGAGGCCTGGCCTGGGCGCTGGGGCCGCCGCGTGCGAATCTGGTGGCACCTTCGCGCCTGTCTCGCTGCTTTCGATAAGTCTCTAGCCATTTAAAATTTTTGATGACCTGCTGCGACGCTTTTTTTCTGGCAAGATAGTCTTGTAAATGCGGGCCAAGATCTGCACACTGGTATTTCGGTTTTTGGGGCCGCGGGCGGCGACGGGGCCCGTGCGTCCCAGCGCACATGTTCGGCGAGGCGGGGCCTGCGAGCGCGGCCACCGAGAATCGGACGGGGGTAGTCTCAAGCTGGCCGGCCTGCTCTGGTGCCTGGCCTCGCGCCGCCGTGTATCGCCCCGCCCTGGGCGGCAAGGCTGGCCCGGTCGGCACCAGTTGCGTGAGCGGAAAGATGGCCGCTTCCCGGCCCTGCTGCAGGGAGCTCAAAATGGAGGACGCGGCGCTCGGGAGAGCGGGCGGGTGAGTCACCCACACAAAGGAAAAGGGCCTTTCCGTCCTCAGCCGTCGCTTCATGTGACTCCACGGAGTACCGGGCGCCGTCCAGGCACCTCGATTAGTTCTCGAGCTTTTGGAGTACGTCGTCTTTAGGTTGGGGGGAGGGGTTTTATGCGATGGAGTTTCCCCACACTGAGTGGGTGGAGACTGAAGTTAGGCCAGCTTGGCACTTGATGTAATTCTCCTTGGAATTTGCCCTTTTTGAGTTTGGATCTTGGTTCATTCTCAAGCCTCAGACAGTGGTTCAAAGTTTTTTTCTTCCATTTCAGGTGTCGTGATACTGCCGCCACCATGTAAGCTTCTGTGCCTTCTAGTTGCCAGCCATCTGTTGTTTGCCCCTCCCCCGTGCCTTCCTTGACCCTGGAAGGTGCCACTCCCACTGTCCTTTCCTAATAAAATGAGGAAATTGCATCGCATTGTCTGAGTAGGTGTCATTCTATTCTGGGGGGTGGGGTGGGGCAGGACAGCAAGGGGGAGGATTGGGAAGACAATAGCAGGCATGCTGGGGATGCGGTGGGCTCTATGGCGCTGCATGAAGAGCTTAAACAATTTAAAGGCAATGCTACCAAATACTAAGCGCGTGTATGTACACTTCTGACCCACTGGGAATGTGATGAAAGAAATAAAAGCTGAAATGAATCATTCTCTCTACTATTATTCTGATATTTCACATTCTTAAAATAAAGTGGTGATCCTAACTGACCTTAAGACAGGGAATCTTTACTCGGATTAAATGTCAGGAATTGTGAAAAAGTGAGTTTAAATGTATTTGGCTAAGGTGTATGTAAACTTCCGACTTCAACTGTAATCGGAAAGAACATGTGAGCAAAAGGCCAGCAAAAGGCCAGGAACCGTAAAAAGGCCGCGTTGCTGGCGTTTTTCCATAGGCTCCGCCCCCCTGACGAGCATCACAAAAATCGACGCTCAAGTCAGAGGTGGCGAAACCCGACAGGACTATAAAGATACCAGGCGTTTCCCCCTGGAAGCTCCCTCGTGCGCTCTCCTGTTCCGACCCTGCCGCTTACCGGATACCTGTCCGCCTTTCTCCCTTCGGGAAGCGTGGCGCTTTCTCATAGCTCACGCTGTAGGTATCTCAGTTCGGTGTAGGTCGTTCGCTCCAAGCTGGGCTGTGTGCACGAACCCCCCGTTCAGCCCGACCGCTGCGCCTTATCCGGTAACTATCGTCTTGAGTCCAACCCGGTAAGACACGACTTATCGCCACTGGCAGCAGCCACTGGTAACAGGATTAGCAGAGCGAGGTATGTAGGCGGTGCTACAGAGTTCTTGAAGTGGTGGCCTAACTACGGCTACACTAGAAGAACAGTATTTGGTATCTGCGCTCTGCTGAAGCCAGTTACCTTCGGAAAAAGAGTTGGTAGCTCTTGATCCGGCAAACAAACCACCGCTGGTAGCGGTGGTTTTTTTGTTTGCAAGCAGCAGATTACGCGCAGAAAAAAAGGATCTCAAGAAGATCCTTTGATCTTTTCTACGGGGTCTGACGCTCAGTGGAACGAAAACTCACGTTAAGGGATTTTGGTCATGAGATTATCAAAAAGGATCTTCACCTAGATCCTTTTAAATTAAAAATGAAGTTTTAAATCAATCTAAAGTATATATGAGTAAACTTGGTCTGACAGTTACCAATGCTTAATCAGTGAGGCACCTATCTCAGCGATCTGTCTATTTCGTTCATCCATAGTTGCCTGACTCCCCGTCGTGTAGATAACTACGATACGGGAGGGCTTACCATCTGGCCCCAGTGCTGCAATGATACCGCGAGACCCACGCTCACCGGCTCCAGATTTATCAGCAATAAACCAGCCAGCCGGAAGGGCCGAGCGCAGAAGTGGTCCTGCAACTTTATCCGCCTCCATCCAGTCTATTAATTGTTGCCGGGAAGCTAGAGTAAGTAGTTCGCCAGTTAATAGTTTGCGCAACGTTGTTGCCATTGCTACAGGCATCGTGGTGTCACGCTCGTCGTTTGGTATGGCTTCATTCAGCTCCGGTTCCCAACGATCAAGGCGAGTTACATGATCCCCCATGTTGTGCAAAAAAGCGGTTAGCTCCTTCGGTCCTCCGATCGTTGTCAGAAGTAAGTTGGCCGCAGTGTTATCACTCATGGTTATGGCAGCACTGCATAATTCTCTTACTGTCATGCCATCCGTAAGATGCTTTTCTGTGACTGGTGAGTACTCAACCAAGTCATTCTGAGAATAGTGTATGCGGCGACCGAGTTGCTCTTGCCCGGCGTCAATACGGGATAATACCGCGCCACATAGCAGAACTTTAAAAGTGCTCATCATTGGAAAACGTTCTTCGGGGCGAAAACTCTCAAGGATCTTACCGCTGTTGAGATCCAGTTCGATGTAACCCACTCGTGCACCCAACTGATCTTCAGCATCTTTTACTTTCACCAGCGTTTCTGGGTGAGCAAAAACAGGAAGGCAAAATGCCGCAAAAAAGGGAATAAGGGCGACACGGAAATGTTGAATACTCATACTCTTCCTTTTTCAATATTATTGAAGCATTTATCAGGGTTATTGTCTCATGAGCGGATACATATTTGAATGTATTTAGAAAAATAAACAAATAGGGGTTCCGCGCACATTTCCCCGAAAAGTGCCACCTGACGTC (配列番号272).
【0240】
本明細書に記載されるCAR-T組み込みレンチウイルス由来導入遺伝子は、以下のヌクレオチド成分を含むことができる:5’長鎖末端反復(LTR)配列(U3、R、およびU5配列のうち1またはそれより多くを含む)、プロモーター配列(例えば、EF1α、cumate、CAG、CMV、UbCまたはPGKプロモータ配列)、抗原特異的標的化配列、膜貫通ドメイン配列(例えば、CD4、CD8α、CD28、CD3ζまたはICOS膜貫通ドメインヌクレオチド配列)、細胞内シグナル伝達ドメイン配列(例えば、FcRγまたはCD3ζ細胞内シグナル伝達ドメイン配列)、および3’LTR配列(U3、R、およびU5配列のうち1またはそれより多くを含む)。本明細書に記載されるCAR-T組み込み導入遺伝子は、以下の1またはそれを超える成分を更に含むことができる:psi(Ψ)配列、RRE配列、1またはそれを超える共刺激ドメイン配列(例えば、4-1BB、CD27、CD28、CD40、CD40L、TLR2、DAP10、OX40、IL-2RB、IL-2RA、MYD88、またはICOS共刺激ドメイン配列)、アルギニントランスポーター配列(例えば、SLC7A1、SLC7A2、SLC7A3、SLC7A4、SLC7A6、SLC7A7、SLC3A2、SLC3A1、SLC7A9、またはSLC6A14ヌクレオチド配列)、またはヒンジもしくはスペーサードメイン配列。
【0241】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるCAR-T組み込み導入遺伝子は、以下のヌクレオチド成分を含む:5’長鎖末端反復(LTR)配列(U3、R、およびU5配列のうち1またはそれより多くを含む)、プロモーター配列(例えば、EF1α、cumate、CMV、CAG、UbCまたはPGKプロモータ配列)、アルギニントランスポーター配列(例えば、SLC7A1、SLC7A2、SLC7A3、SLC7A4、SLC7A6、SLC7A7、SLC3A2、SLC3A1、SLC7A9、またはSLC6A14ヌクレオチド配列)および3’LTR配列(U3、R、およびU5配列のうち1またはそれより多くを含む)。本明細書に記載されるCAR-T組み込み導入遺伝子は、1またはそれを超えるpsi(Ψ)配列およびRRE配列を更に含み得る。
【0242】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の発現カセットは、T細胞で機能する真核生物プロモーター(例えば、EF-1α、PGK、CAGまたはCMVプロモーター)、先行するコザック配列を含むまたは含まないアミノ酸トランスポーターのコード配列、ならびに真核生物転写ターミネーターおよびポリAシグナル(例えば、SV40、hGH、bGH、rbHBBおよびrbGlob)を含み得る。発現カセットは、レンチウイルスまたはレトロウイルスを使用せずにゲノム組み込みを可能にするために、トランスポゾン(例えば、Sleeping Beauty、piggyBac、Tol2)に埋め込むことができる。
【0243】
抗生物質耐性遺伝子(例えば、ピューロマイシンN-アセチルトランスフェラーゼ)、タンパク質タグ(例えば、6×His(配列番号278)、FLAG)、および/またはレポーター、例えば限定されないが、蛍光タンパク質もまた、下流選択を容易にするために、アミノ酸トランスポーター(例えば、融合タンパク質の形態で)とタンデムに、または別個の実体(例えば、アミノ酸トランスポーターコード配列からIRESまたは2A切断配列によって分離される)として本明細書に記載の発現ベクターに含めることができる。
【0244】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のアミノ酸トランスポーター発現ベクターは、以下の順序で成分を有することができるIR/DR(SB)-PEF1α::Kozak-transporter-P2A-PAC-(GS)-mEGFP-BGHpolyA-DR/IR(SB)(配列番号30として開示される「(GS)」)。
腫瘍微小環境
【0245】
がん細胞は、その周囲から必須栄養素を枯渇させることによって、部分的に腫瘍の成長および増殖を許容する腫瘍微小環境(TME)を作り出す。TMEの代謝状況は、グルコース、脂質およびアミノ酸等の微小環境における栄養素の利用可能性を変化させるがん細胞の代謝活性によって調節される。例えば、TMEは、低レベルのアミノ酸アルギニンを特徴とする。アルギニン枯渇は、部分的には、腫瘍細胞によるTMEからのアルギニンの取り込みによって引き起こされる。アルギニン枯渇はまた、腫瘍細胞、局所マクロファージ、顆粒球および骨髄由来サプレッサー細胞におけるアルギナーゼおよび誘導性一酸化窒素シンターゼ(iNOS)の活性化によって媒介される。
【0246】
特に、天然に存在するT細胞はアルギニンを合成することができない。したがって、T細胞は、外因性アルギニンの持続的供給に依存する。しかしながら、T細胞の活性化、生存、および持続性は、TME中の比較的低レベルのアルギニンによって損なわれる。特に、低いアルギニンレベルを含むTMEの状態は、T細胞受容体シグナル伝達、解糖代謝、アミノ酸取り込み、および代謝を損ない、腫瘍特異的Tエフェクター細胞の抗腫瘍エフェクター機能を損なう。さらに、アミノ酸取り込みとは対照的に主に脂肪酸酸化に依存するTreg細胞は、TME条件下で生存し、腫瘍特異的Tエフェクター細胞に対して免疫抑制効果を発揮することができる。したがって、TMEの状態は、Tエフェクター細胞の分化を抑制し、免疫抑制を促進する。現在入手可能なCAR-T細胞は、それらの天然のT細胞対応物と同じTMEにおける逆境に影響を受け易く、その結果、固形腫瘍におけるCAR-T処置の有効性が低下している。本発明は、アルギニンについてがん細胞およびMDSCと競合することができ、当該分野で公知のCAR-T細胞と比較して、固形腫瘍におけるそれらの生存、持続性および抗腫瘍活性を増加させるCAR-T細胞を提供する。
【0247】
特に、本発明は、アミノ酸、特にアルギニンを細胞外空間から細胞質ゾルに輸送する能力が増強されたCAR-T細胞を提供する。例えば、本明細書に記載されるCAR-T細胞は、アミノ酸(例えば、アルギニン)をCAR-T細胞に輸送することができるアミノ酸トランスポーターを発現するように遺伝子操作される。アミノ酸トランスポーターを発現するように遺伝子操作された本明細書に記載のCAR-T細胞は、アミノ酸トランスポーターを発現するように遺伝子操作されていないT細胞およびCAR-T細胞と比較して、より高いT細胞活性化、持続性、増殖および/または抗腫瘍活性を特徴とする。さらに、アミノ酸トランスポーターを発現するように遺伝子操作された本明細書に記載のCAR-T細胞は、アミノ酸トランスポーターを発現するように遺伝子操作されていないT細胞およびCAR-T細胞と比較して、TMEにおけるより高い生存率および持続性を特徴とする。
CAR-T細胞プライミング
【0248】
一態様では、本発明は、CAR-T細胞(例えば、本明細書に記載されるCAR-T細胞)における細胞内アルギニンレベルをモジュレートして、T細胞媒介性の免疫応答を、それを必要とする患者においてもたらす方法を含む。例えば、いくつかの実施形態では、本発明は、アルギニントランスポーターおよびCARを発現するCAR-T細胞を、アルギニンを含む培地に曝露することを含み、CAR-T細胞を培地に曝露することは、CAR-T細胞の細胞内アルギニン濃度を増加させるために効果的である。アルギニントランスポーターおよびCARを発現するCAR-T細胞をアルギニンを含む培地に曝露すること、例えば、そのようなCAR-T細胞をアルギニンが豊富な培地中でin vitro培養することにより、培地に曝露されていないCAR-T細胞に対して、CAR-T細胞内アルギニン濃度を増加させることができる。そのような細胞内アルギニン富化CAR-T細胞は、例えば、TMEの細胞外空間において、細胞外アルギニンについてがん細胞およびMDSCと競合することができる。したがって、いくつかの実施形態では、本発明は、アルギニントランスポーターおよびCARを発現するCAR-T細胞を、アルギニンを含む培地に曝露することを含み、CAR-T細胞を培地に曝露することは、CAR-Tの生存、寿命および機能的活性を増加させるために有効である。例えば、いくつかの実施形態では、CAR-T細胞を培地に曝露することは、CAR-T抗腫瘍活性(例えば、CAR-T細胞を培地に曝露することは、固形腫瘍のTMEにおけるCAR-T抗腫瘍活性を増加させるのに有効である)を増加させるために有効である。したがって、細胞内アルギニンが富化されたCAR-T細胞を投与する方法であって、血液悪性腫瘍ならびに固形腫瘍を処置するのに有効な方法も本明細書に記載される。
【0249】
いくつかの実施形態では、CAR-T細胞の細胞内アルギニン濃度を増加させるために効果的である培地は、生理学的レベルのL-アルギニン(0.2g/Lまたは100μmol/Lが含まれるが、これらに限定されない)、または限定されないが、100μmol/L、200μmol/L、300μmol/L、400μmol/L、500μmol/L、600μmol/L、700μmol/L、800μmol/L、900μmol/L、1000μmol/Lもしくは1000μmol/L超等の超生理学的レベルのL-アルギニンを含有する。培地は、補充の有無にかかわらずRPMI-1640であり得る。培地には、限定されないが、ウシ胎児血清、ヒトAB血清、またはヒト血小板溶解物等の血清および/または栄養素を補充することができる。操作されたT細胞を培養し、細胞内アルギニンが、限定されないが、20μmol、30μmol、40μmol、50μmol、60μmol、70μmol、80μmol、90μmol、100μmol、200μmol、2000μmolもしくは2000μmolより多くなどの十分なレベルに蓄積するまで、L-アルギニンに富む培地においてプライミングすることができる。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞を、細胞内アルギニンが、細胞あたり、約10μM、約20μM、約30μM、約40μM、約50μM、約60μM、約70μM、約80μM、約90μM、約100μM、約200μM、約300μM、約400μM、約500μM、約600μM、約700μM、約800μM、約900μM、約1000μM、約1500μM、約2000μM、約2500μM、約3000μM、約3500μM、約4000μM、約100μM~約4000μM、約100μM~約1000μM、約100μM~約2000μM、約1000μM~約2000μM、約1000μM~約3000μM、約1000μM~約4000μM、約500μM~約1000μM、約3000μM~約4000μM、約2000μM~約4000μM、または約500μM~約2000μMのアルギニンに蓄積するまで、L-アルギニンが豊富な培地において培養し、プライミングすることができる。
キット
【0250】
本明細書に記載の医薬組成物を含むキットも本明細書に記載される。例えば、いくつかの実施形態では、アルギニントランスポーターを発現するCAR-T細胞およびCARを含む医薬組成物がキットとして包装される。本明細書に記載されるキットは、CAR-T細胞を、処置を必要とする患者に投与するための指示を含み得る。本明細書に記載されるキットは、処置を必要とする患者への投与のためにCAR-T細胞をプライミングするための指示を含み得る。本明細書に記載されるキットは、アルギニントランスポーターおよびCARを発現するCAR-T細胞を産生するための指示を含み得る。いくつかの実施形態では、キットは、少なくとも1つのバッファー(例えば、T細胞をプライミングするのに十分なレベルのL-アルギニンを含むバッファー)、試薬、およびCAR-T細胞を産生するため、拡大するため、投与するため、および/またはプライミングするための詳細な指示を含み得る。
【0251】
CAR-T細胞を産生するための本明細書に記載のキットは、CARをコードする発現ベクター、アルギニントランスポーターをコードする発現ベクター、CARおよびアルギニントランスポーターをコードする発現ベクター、および/またはCARおよび/またはアルギニントランスポーターの安定な組み込みのためのトランスポザーゼをコードする発現ベクターを含み得る。キットは、CARおよびアルギニントランスポーターを発現することができるポリシストロニック発現ベクターを含み得る。
【0252】
CAR-T細胞を作製するための本明細書に記載されるキットは、培養培地、細胞、トランスフェクション試薬、バッファー、ならびにCAR、アルギニントランスポーター、またはCARおよびアルギニントランスポーターをコードするヌクレオチドコンストラクトを含むウイルスを産生するためのヌクレオチドコンストラクトを含み得る。キットは、CARおよびアルギニントランスポーターを発現することができるポリシストロニック発現ベクターを含み得る。
【0253】
本明細書に記載されるキットは、CAR-T細胞におけるCARおよび/またはアルギニントランスポータータンパク質発現をアッセイするための試薬を含み得る。例えば、本明細書に記載のキットは、アルギニントランスポーターに特異的な抗体(例えば、ポリクローナル抗体)を含み得る。本明細書に記載されるキットは、CAR抗原認識ドメインに特異的な抗体(例えば、ポリクローナル抗体)を含み得る。
がんを処置する方法
【0254】
この開示の方法は、疾患を処置、予防、停止、逆転または回復させる方法を含む。本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態では、疾患はがんである。いくつかの実施形態では、処置、予防、停止、逆転または回復の方法は、治療有効用量の本明細書に記載のCAR-T細胞、例えば本明細書に記載のarg+CAR-T細胞を投与することによって達成される。例えば、固形腫瘍がんの処置を必要とする患者において固形腫瘍がんを処置する方法であって、有効量の本明細書に記載のCAR-T細胞または本明細書に記載のCAR-T細胞を含む医薬組成物を患者に投与することを含む方法が本明細書に記載される。また、血液がんの処置を必要とする患者において血液がんを処置する方法であって、有効量の本明細書に記載のCAR-T細胞または本明細書に記載のCAR-T細胞を含む医薬組成物を患者に投与することを含む方法が本明細書に記載される。また、状態の処置を必要とするヒト患者において状態を処置する方法であって、治療有効量のアルギニントランスポーターおよびキメラ抗原受容体タンパク質を発現するCAR-T細胞を含む組成物、またはアルギニントランスポーターおよびキメラ抗原受容体タンパク質を発現するCAR-T細胞を含む医薬組成物をヒト患者に投与することを含む方法も本明細書に記載される。
【0255】
免疫系における複数の細胞の活性は、アルギニン、例えば、マクロファージ、B細胞、T細胞、ナチュラルキラー細胞、好中球および樹状細胞によってモジュレートされ得る。細胞内アルギニンのモジュレートは、T細胞媒介性免疫応答性をもたらし得る。したがって、細胞内アルギニンレベルをモジュレートしてT細胞媒介性免疫応答をもたらすことを必要とする患者において、細胞内アルギニンレベルをモジュレートしてT細胞媒介性免疫応答をもたらす方法であって、有効量の本明細書に記載のCAR-T細胞または本明細書に記載のCAR-T細胞を含む医薬組成物を患者に投与することを含む方法が本明細書に記載される。
【0256】
疾患の処置、予防、停止、逆転または緩和を必要とする対象または患者における疾患の処置、予防、停止、逆転または回復方法が本明細書に記載される。本明細書に記載の実施形態では、患者および対象は、ヒト、非ヒト霊長類、例えばチンパンジー、ならびに他の類人猿およびサル種;ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタ等の家畜;ウサギ、イヌ、ネコ等の飼育動物;ラット、マウスおよびモルモット等のげっ歯類を包含する実験動物であり得る。対象または患者は、任意の年齢であり得る。対象および患者は、例えば、高齢成人、成人、青年、青年期前の子供(pre-adolescent)、小児、幼児、または乳児であり得る。
【0257】
表1のアルギニントランスポーターを過剰発現する操作されたCAR-T細胞を含む、アルギニントランスポーターを過剰発現する操作されたCAR-T細胞で処置することができる疾患または状態の例としては、血液悪性腫瘍、固形腫瘍悪性腫瘍、転移性がん、良性腫瘍、非炎症性腫瘍、原発性腫瘍、および続発性腫瘍が挙げられる。
【0258】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の操作されたCAR-T細胞、例えば、表1のアルギニントランスポーターを過剰発現する操作されたCAR-T細胞を含む、アルギニントランスポーターを過剰発現するCAR-T細胞でがんを処置する方法が本明細書に開示される。本明細書に記載のがんを処置する方法は、例えば、以下のいずれかを処置する方法を含む:急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、副腎皮質癌、AIDS関連がん、AIDS関連リンパ腫、肛門がん、虫垂がん、星細胞腫、神経芽細胞腫、基底細胞癌、胆管がん、膀胱がん、骨がん、脳腫瘍、例えば小脳星細胞腫、大脳星細胞腫/悪性神経膠腫、上衣腫、髄芽腫、テント上原始神経外胚葉腫瘍、視経路および視床下部神経膠腫、乳がん、気管支腺腫、バーキットリンパ腫、原発不明の癌、中枢神経系リンパ腫、小脳星細胞腫、子宮頸がん、小児がん、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄増殖性障害、結腸がん、皮膚T細胞リンパ腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、子宮内膜がん、上衣腫、食道がん、ユーイング肉腫、胚細胞性腫瘍、胆嚢がん、胃がん、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍、神経膠腫、有毛細胞白血病、頭頸部がん、心臓がん、肝細胞(肝臓)がん、ホジキンリンパ腫、下咽頭がん、眼球内黒色腫、膵島細胞癌、カポジ肉腫、腎臓がん、喉頭がん、口唇および口腔がん(oral cavity cancer)、脂肪肉腫、肝臓がん、肺がん、例えば非小細胞および小細胞肺がん、リンパ腫、白血病、マクログロブリン血症、骨の悪性線維性組織球腫/骨肉腫、髄芽腫、黒色腫、中皮腫、原発不明転移性扁平上皮性頸部がん、口腔がん(mouth cancer)、多発性内分泌新生物症候群、骨髄異形成症候群、骨髄性白血病、鼻腔および副鼻腔がん、鼻咽頭癌、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺がん、口腔がん、中咽頭がん、骨肉腫/骨の悪性線維性組織球腫、卵巣がん、卵巣上皮がん、卵巣胚細胞腫瘍、膵臓がん、膵島細胞がん(pancreatic cancer islet cell)、副鼻腔がんおよび鼻腔がん、副甲状腺がん、陰茎がん、咽頭がん、褐色細胞腫、松果体星細胞腫、松果体胚腫、下垂体腺腫、胸膜肺芽腫、形質細胞新生物、原発性中枢神経系リンパ腫、前立腺がん、直腸がん、腎細胞癌、腎盂および尿管移行細胞がん、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺がん、肉腫、皮膚がん、メルケル細胞皮膚癌、小腸がん、軟部組織肉腫、扁平上皮癌、胃がん、T細胞リンパ腫、咽喉がん、胸腺腫、胸腺癌、甲状腺がん、栄養膜腫瘍(妊娠性)、原発部位が不明のがん、尿道がん、子宮肉腫、膣がん、外陰がん、ワルデンストロームマクログロブリン血症、ならびにウィルムス腫瘍。
【0259】
いくつかの実施形態では、CAR-T細胞を投与するステップを含むがんを処置する方法において、CARの抗原特異的標的領域は細胞表面抗原を認識して結合することができる。いくつかの実施形態では、CARを、特異的モノクローナル抗体が存在するかまたはそれを生成することができるがんを処置する方法で使用することができる。特に、神経芽細胞腫、小細胞肺がん、黒色腫、卵巣がん、腎細胞癌、結腸がん、ホジキンリンパ腫、および小児急性リンパ芽球性白血病等のがんは、本明細書に記載のCARによって認識される抗原を有する。
【0260】
本明細書に記載される処置方法は、アルギニントランスポーターを過剰発現する操作されたCAR-T細胞を含めて、アミノ酸トランスポーターを過剰発現する遺伝子操作されたCAR-T細胞で対象(例えば、疾患を有する患者および/または状態を有する実験動物)を処置することを含み得る。疾患は、血液悪性腫瘍であり得る。疾患は、固形腫瘍悪性腫瘍であり得る。対象はヒトであり得る。処置は、疾患の臨床的発症前に対象に提供され得る。処置は、疾患の臨床的発症後に対象に提供され得る。
【0261】
処置は、疾患の臨床的発症の約1日後、1週間後、2週間後、3週間後、4週間後、5週間後、6週間後、7週間後、8週間後、1ヶ月後、2ヶ月後、3ヶ月後、4ヶ月後、5ヶ月後、6ヶ月後、7ヶ月後、8ヶ月後、9ヶ月後、10ヶ月後、11ヶ月後、12ヶ月後、1年後、2年後、3年後、4年後、5年後、またはそれを超える期間後に対象に提供され得る。処置は、疾患の臨床的発症後約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、12時間、15時間、18時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、1年、2年、3年、4年、5年またはそれを超える期間、対象に提供され得る。処置は、疾患の臨床的発症後1時間より長く、2時間より長く、3時間より長く、4時間より長く、5時間より長く、6時間より長く、12時間より長く、15時間より長く、18時間より長く、1日より長く、2日より長く、3日より長く、4日より長く、5日より長く、6日より長く、1週間より長く、2週間より長く、3週間より長く、4週間より長く、5週間より長く、6週間より長く、7週間より長く、8週間より長く、1ヶ月より長く、2ヶ月より長く、3ヶ月より長く、4ヶ月より長く、5ヶ月より長く、6ヶ月より長く、7ヶ月より長く、8ヶ月より長く、9ヶ月より長く、10ヶ月より長く、11ヶ月より長く、12ヶ月より長く、1年より長く、2年より長く、3年より長く、4年より長く、5年より長くまたはそれを超える期間より長く、対象に提供され得る。処置は、疾患の臨床的発症後1時間未満、2時間未満、3時間未満、4時間未満、5時間未満、6時間未満、12時間未満、15時間未満、18時間未満、1日未満、2日未満、3日未満、4日未満、5日未満、6日未満、1週間未満、2週間未満、3週間未満、4週間未満、5週間未満、6週間未満、7週間未満、8週間未満、1ヶ月未満、2ヶ月未満、3ヶ月未満、4ヶ月未満、5ヶ月未満、6ヶ月未満、7ヶ月未満、8ヶ月未満、9ヶ月未満、10ヶ月未満、11ヶ月未満、12ヶ月未満、1年未満、2年未満、3年未満、4年未満、5年未満、またはそれを超える期間未満、対象に提供され得る。処置はまた、臨床試験においてヒトを処置することを含み得る。処置は、医薬組成物、例えば本開示を通して記載される1またはそれを超える医薬組成物を対象に投与することを含み得る。処置は、内因性アルギニンのレベルをin vivoでモジュレートすることを含み得る。
【0262】
細胞成分を再導入する方法は当技術分野で公知であり、米国特許第4,844,893号および同第4,690,915号に例示されるような手順を含む。使用される活性化T細胞の量は、in vitro使用とin vivo使用との間、ならびに標的細胞の量およびタイプによって異なり得る。投与される量はまた、患者の状態に応じて変化し、従事者によって全ての適切な要因を考慮することによって決定されるべきである。
操作されたCAR-T細胞との免疫チェックポイント治療の組み合わせ
【0263】
操作されたCAR-T細胞(またはその医薬組成物)、例えば、アミノ酸トランスポーターを過剰発現するCAR-T細胞、例えば、本明細書に開示されるアルギニントランスポーターを第2の治療薬と組み合わせて投与することを含む、併用療法およびその使用方法も本明細書に開示される。例えば、CARおよびアミノ酸トランスポーター、例えばアルギニントランスポーターを発現するように改変された遺伝子改変T細胞を投与することを含む、がんを処置する方法、および免疫チェックポイントを標的とする免疫療法(例えば、免疫チェックポイント阻害剤)が本明細書に記載される。例えば、CARおよびアミノ酸トランスポーター、例えばアルギニントランスポーターを発現するように改変された遺伝子改変T細胞と、PD-1とPD-L1との相互作用を遮断する、またはCTLA-4とB7-1/B7-2との相互作用を遮断する薬剤とを投与することを含む、がんを処置する方法が本明細書に記載される。例えば、CARおよびアミノ酸トランスポーター、例えばアルギニントランスポーターを発現するように改変された遺伝子改変T細胞と、抗PD-1、抗PD-L1または抗CTLA-4抗体とを投与することを含む、がんを処置する方法が本明細書に記載される。CARおよびアミノ酸トランスポーター、例えばアルギニントランスポーターを発現するように改変された遺伝子改変T細胞と、イピリムマブ、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブおよびセミプリマブからなる群から選択される化合物とを投与することを含む、がんを処置する方法も本明細書に記載される。本開示の併用療法は、がん処置の転帰を改善するために対象に共投与され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のCAR-T細胞および免疫チェックポイント阻害剤は、処置を必要とする患者に同時にまたは順次投与される。
【0264】
ほとんどの免疫学的チェックポイント分子は免疫グロブリンスーパーファミリーのメンバーであり、制御されない免疫反応を防ぐ阻害性受容体であることが多い。適応免疫応答は、自己寛容を維持し、免疫応答中に起こり得る二次的組織損傷を最小限に抑えるために重要なそのようなチェックポイント分子によって制御される。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイントを標的とし、CAR-T細胞によるアミノ酸取り込み、特にアルギニン取り込みを促進する併用療法は、固形悪性腫瘍および血液悪性腫瘍に罹患した対象に対してより良好な転帰をもたらし得る。
【0265】
免疫チェックポイントは、免疫系に固有の共刺激要素および阻害要素である。免疫チェックポイントは、自己寛容を維持し、生理学的免疫応答の持続時間および振幅をモジュレートして、免疫系が病原性感染に応答するときの組織への傷害を防ぐのに役立つ。免疫応答はまた、T細胞が腫瘍細胞に特徴的な抗原を認識すると開始され得る。T細胞からの免疫応答を制御するために使用される共刺激シグナルと阻害シグナルとの間の平衡は、免疫チェックポイントタンパク質によってモジュレートされ得る。T細胞が成熟して胸腺で活性化した後、T細胞は炎症および損傷の部位に移動して修復機能を果たすことができる。T細胞機能は、直接的な作用を介して、または免疫系に関与するサイトカインおよび膜リガンドの動員を介して起こり得る。T細胞の成熟、活性化、増殖、および機能に関与するステップは、共刺激シグナルおよび阻害シグナル、すなわち免疫チェックポイントタンパク質を介して調節することができる。腫瘍は、免疫耐性機構としてチェックポイントタンパク質の機能を調節不全にする可能性がある。したがって、チェックポイントタンパク質のモジュレーターの開発は治療的価値を有し得る。免疫チェックポイント分子の非限定的な例としては、CTLA4およびPD-1が挙げられる。これらのチェックポイント分子を、経路中のIL-2の上流で作用することができる。チェックポイント阻害剤には、PD-1とPD-L1との相互作用を遮断する薬剤、またはCTLA-4とB7-1/B7-2との相互作用を遮断する薬剤が含まれる。特定のチェックポイント阻害剤の例としては、以下の抗体ベースの薬物が挙げられる:イピリムマブ、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、およびセミプリマブが挙げられる。
【0266】
いくつかの場合において、本開示は、ヒト対象において状態を処置するための方法であって、(a)アルギニントランスポーター(複数可)およびキメラ抗原受容体タンパク質を異所的に発現するCAR-T細胞を含む治療有効量の組成物をヒト対象に投与すること、ならびに(b)第2の治療薬をヒト対象に投与することを含み、第2の治療薬が、抗PD-1、抗PD-L 1、または抗CTLA-4抗体である、方法を提供する。第2の治療薬の投与は、CAR-T細胞組成物を含む組成物の投与前、投与中または投与後に行うことができる。
【0267】
PD1は、CD28/CTLA-4ファミリーに属する阻害性受容体であり、活性化T細胞、B細胞、単球、DCおよびナチュラルキラー(NK)細胞の表面に発現される。CTLA-4とは対照的に、PD-1の主な役割は、感染に対する炎症応答のときの末梢組織におけるT細胞の活性の制限および自己免疫の制限である。慢性的な抗原曝露は、持続的に高レベルのPD-1発現をもたらす可能性があり、これは、抗原特異的T細胞の疲弊またはアネルギーの状況を誘導し得、PD-1遮断によって少なくとも部分的に逆転され得る。いくつかの実施形態では、本開示の操作されたCAR-T細胞と、抗PD-1抗体または抗PD-L1抗体とが、状態に苦しんでいる対象に共投与される。
【0268】
CTLA-4(細胞傷害性Tリンパ球抗原4)は、CD152(分化抗原群152)としても知られている。CTLA-4は、共刺激分子CD28と配列相同性およびリガンド(CD80/B7-1およびCD86/B7-2)を共有するが、受容体としてCTLA-4を発現するT細胞に阻害シグナルを送達することによって異なる。CTLA-4は、両方のリガンドに対してはるかに高い全体的親和性を有し、リガンド密度が制限的である場合、結合についてCD28と競合することができる。CTLA-4は、CD8+エフェクターT細胞の表面に発現され、ナイーブT細胞およびメモリーT細胞の両方の初期活性化段階において機能的役割を果たす。CTLA-4は、T細胞活性化の初期段階中にCD80およびCD86に対する親和性の増加を介してCD28の活性を打ち消す。CTLA-4の主な機能には、ヘルパーT細胞のダウンモジュレーションおよび調節性T細胞免疫抑制活性の増強が含まれる。
【0269】
CTLA-4はまた、IL-2産生およびIL-2受容体発現の阻害を介して免疫系機能を下方調節することができる。CTLA-4は、IL-2のCD28依存性上方調節を阻害することができ、IL-2産生の阻害は、細胞周期停止をもたらし得る。IL-2の減少およびその後の細胞周期停止は、CTLA-4の存在下で観察されるT細胞増殖の減少の原因となり得る。
他の併用療法
【0270】
上記のように、操作されたCAR-T細胞、例えばアミノ酸トランスポーターを過剰発現するCAR-T細胞、例えば本明細書に開示されるアルギニントランスポーターまたはその医薬組成物を第2の治療薬と組み合わせて投与することを含む、併用療法およびそれを使用する方法も本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のCAR-T細胞、またはその医薬組成物、および第2の治療薬は、処置を必要とする患者に同時にまたは順次投与される。いくつかの実施形態では、方法は、治療有効量のT細胞または治療有効量のCAR-T細胞を含む組成物の投与前、投与中または投与後に第2の治療薬を投与することを含む。
【0271】
例えば、CARおよびアミノ酸トランスポーター、例えばアルギニントランスポーターを発現するように改変された遺伝子改変T細胞、またはその医薬組成物、およびDNA損傷応答阻害剤(DDRi)を投与することを含む、がんを処置する方法が本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、DDRiは、ATM阻害剤、PARP阻害剤、ATR阻害剤、WEE1阻害剤、Chk1阻害剤、Chk2阻害剤、およびDNA-プロテインキナーゼ阻害剤からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、DDRiは、ニラパリブ、オラパリブ、パミパリブ、ルカパリブ(カンシラート)、タラゾパリブ、ベリパリブおよびその類縁体からなる群から選択されるPARP阻害剤(PARPi)である。いくつかの実施形態では、DDRiは、ATM/ATR阻害剤である。いくつかの実施形態では、ATM/ATR阻害剤は、AZ20、AZD0156、AZD1390、AZD6738、BAY-1895344、EPT-46464、M3541、M4344、M6620(以前はVE-922またはVX-970として知られていた)、NU6027、VE-821およびそれらの類縁体からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、PARPiは、アダボセルチブ、AZD2811、またはそれらの類縁体である。いくつかの実施形態では、DDRiは、WEE1阻害剤、Chk1阻害剤、またはChk2阻害剤である。いくつかの実施形態では、DDRiは、AZD7648、KU-0060648、NU7026、NU7441(KU-57788)、PI-103、PIK-75 HCI、PP121、SF2523およびそれらの類縁体からなる群より選択されるDNA依存性プロテインキナーゼ(DNA-PK)阻害剤である。
【0272】
いくつかの実施形態では、方法は、CARおよびアミノ酸トランスポーター、例えばアルギニントランスポーターを発現するように改変された遺伝子改変T細胞、またはその医薬組成物、ならびに放射線療法、化学療法、免疫療法、ホルモン療法、血管新生阻害剤、幹細胞移植療法、骨髄移植療法、または標的療法を投与すること含む。
【0273】
放射線療法の例としては、体外照射療法、体内照射療法、小線源療法および全身照射療法が挙げられる。
【0274】
化学療法剤の例としては、アルキル化剤(例えば、アルトレタミン、ベンダムスチン、ブスルファン、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、イホスファミド、ロムスチン、メクロレタミン、メルファラン、オキサリプラチン、テモゾロミド、チオテパ、およびトラベクテジン)、ニトロソウレア(例えば、カルムスチン、ロムスチンおよびストレプトゾシン)、代謝拮抗薬(例えば、アザシチジン、5-フルオロウラシル(5-fu)、6-メルカプトプリン(6-mp)、カペシタビン(ゼローダ)、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン(ara-c)、デシタビン、フロクスウリジン、フルダラビン、ゲムシタビン(ジェムザール)、ヒドロキシ尿素、メトトレキサート、ネララビン、ペメトレキセド(アリムタ)、ペントスタチン、プララトレキセート、チオグアニンおよびトリフルリジン(trifluridien)/チピラシル)、アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、ドキソルビシンリポソーム、エピルビシン、イダルビシンおよびバルルビシン)、非アントラサイクリン系抗腫瘍抗生物質(例えば、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、マイトマイシン-cおよびミトキサントロン)、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、イリノテカン、イリノテカンリポソーム、トポテカンエトポシド(vp-16)、ミトキサントロン、テニポシド)、タキサンおよびビンカアルカロイド等の有糸分裂阻害剤(例えば、カパジタキセル、ドセタキセル、nab-パクリタキセル、パクリタキセル、ビンカアルカロイドには、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンクリスチンリポソーム、ビノレルビンが含まれる)コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン、メチルプレドニゾロンおよびデキサメタゾン)、全トランス型レチノイン酸、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、エリブリン、ヒドロキシ尿素、イクサベピロン、ミトタン、オマセタキシン、ペグアスパラギナーゼ、プロカルバジン、ロミデプシンおよびボリノスタットが挙げられる。
【0275】
免疫療法剤の例としては、免疫チェックポイント阻害剤、がん処置ワクチン(例えば、ヒトパピローマウイルスワクチン、B型肝炎ワクチン、Sipuleucel-T(Provenge)およびTalimogene laherparepvec(T-VEC))、モノクローナル抗体(例えば、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、イピリムマブ、オファツムマブ、パニツムマブ、ペンブロリズマブ、ラニビズマブ、リツキシマブおよびトラスツズマブ)、および免疫系モジュレーター(例えば、インターロイキン(例えば、IL-2、IL-7、IL-21およびIL-12)、サイトカイン(例えば、インターフェロン(IFN-α、IFN-βおよびIFN-γ)およびG-CSF)、ケモカイン(例えば、CCL3、CCL26、およびCXCL7)、免疫調節性イミド薬物(例えば、サリドマイドおよびその類縁体(レナリドミド、ポマリドミド、およびアプレミラスト))、イミキモド、バチルス・カルメット・ゲリン(BCG)、シトシンリン酸グアノシン、オリゴデオキシヌクレオチドおよびグルカン)が挙げられる。
【0276】
ホルモン療法の例としては、アビラテロン(Zytiga(登録商標))、アナストロゾール(Arimidex(登録商標))、エキセメスタン(Aromasin(登録商標))、フルベストラント(Faslodex(登録商標))、レトロゾール(Femara(登録商標))、ロイプロリド(Eligard(登録商標)、Lupron Depot(登録商標))、トレミフェン(Fareston(登録商標))、フルオキシメステロン(Halotestin(登録商標))、酢酸メゲストロール(Megace(登録商標))、ビカルタミド(Cased(登録商標))、ニルタミド(Nilandron(登録商標))、フルタミド(Eulexin(登録商標))、ゴセレリン(Zoladex(登録商標))、デガレリクス(Firmagon(登録商標))およびタモキシフェン(Nolvadex(登録商標))が挙げられる。
【0277】
血管新生阻害剤の例としては、アキシチニブ(Inlyta(登録商標))、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))、カボザンチニブ(Cometriq(登録商標))、エベロリムス(Afinitor(登録商標))、レナリドミド(Revlimid(登録商標))、レンバチニブメシラート(Lenvima(登録商標))、パゾパニブ(Votrient(登録商標))、ラムシルマブ(Cyramza(登録商標))、レゴラフェニブ(Stivarga(登録商標))、ソラフェニブ(Nexavar(登録商標))、スニチニブ(Sutent(登録商標))、サリドマイド(Synovir、Thalomid(登録商標))、バンデタニブ(Caprelsa(登録商標))、およびジブ-アフリベルセプト(Zaltrap(登録商標))が挙げられる。
【0278】
標的療法の例としては以下が挙げられる:EGFR阻害剤(例えば、セツキシマブ(Erbitux(登録商標))およびパニツムマブ(Vectibix(登録商標)))、HER2阻害薬(例えば、トラスツズマブ(Herceptin(登録商標))、ペルツズマブ(Perjeta(登録商標))、およびAdo-トラスツズマブエムタンシン(Kadcyla(登録商標)))、キナーゼ阻害薬(例えば、アキシチニブ(Inlyta(登録商標))、ボスチニブ(Bosulif(登録商標))、カボザンチニブ(Cometriq(登録商標))、クリゾチニブ(Xalkori(登録商標))、ダブラフェニブ(Tafinlara)、ダサチニブ(Sprycel(登録商標))、エルロチニブ(Tarceva(登録商標))、イブルチニブ(Imbruvica(登録商標))、イマチニブ(Gleevec(登録商標))、ラパチニブ(Tykerb(登録商標))、ニロチニブ(Tasigna(登録商標))、パゾパニブ(Votrient(登録商標))、ポナチニブ(Iclusig(登録商標))、レゴラフェニブ(Stivarga(登録商標))、ソラフェニブ(Nexavar(登録商標))、スニチニブ(Sutent(登録商標))、トラメチニブ(Mekinist(登録商標))、バンデタニブ(Caprelsa(登録商標))およびベムラフェニブ(Zelboraf(登録商標))、mTOR阻害剤(例えば、シロリムス(Rapamune(登録商標))、エベロリムス(Afinitor(登録商標))、およびテムシロリムス(Toricel(登録商標)))、ヘッジホッグ(hedgehod)経路阻害剤(例えば、ビスモデギブ(Erivedge(登録商標)))、免疫系標的阻害剤(例えば、アレムツズマブ(Campath(登録商標))、ブレンツキシマブベドチン(Adcetris(登録商標))、イピリムマブ(Yervoy(登録商標))、イブリツモマブチウキセタン(Zevalin(登録商標))、オビヌツズマブ(Gazyva(商標))、オファツムマブ(Azerra(登録商標))およびリツキシマブ(Rituxan(登録商標)))、VEGF受容体阻害剤(例えば、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))およびziv-アフリベルセプト(Zaltrap(登録商標)))、エストロゲン標的阻害剤(例えば、アナストロゾール(Arimidex(登録商標))、エキセメスタン(Aromasin)、フルベストラント(Faslodex(登録商標))、レトロゾール(Femara(登録商標))、ラロキシフェン(Evista(登録商標))、クエン酸タモキシフェンおよびクエン酸トレミフェン(Fareston(登録商標)))、アンドロゲン標的阻害剤(例えば、アビラテロン酢酸塩(Zytiga(登録商標))、ビカルタミド(Casodex(登録商標))、エンザルタミド(Xtandi(登録商標))、フルタミドおよびニルタミド(Nilandron(登録商標))、プロテアソーム標的阻害剤(例えば、ボルテゾミブ(Velcade(登録商標))およびカルフィルゾミブ(Kyprolis(商標)))、ヒストンデアセチラーゼ標的阻害剤(例えば、ロミデプシン(Istodax(登録商標))およびボリノスタット(Zolinza(登録商標)))、葉酸標的阻害剤(例えば、プララトレキセート(Folotyn(登録商標)))およびレチノイン酸受容体標的阻害剤(例えば、イソトレチノイン、トレチノイン、アシトレチン(Soriatane(登録商標))、およびベキサロテン(Targretin(登録商標)))。
【0279】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、CARおよびアミノ酸トランスポーター、例えばアルギニントランスポーターを発現するように改変された遺伝子改変T細胞、またはその医薬組成物を投与すること、ならびに患者に手術を行うことを含む。いくつかの実施形態では、方法は、CARおよびアミノ酸トランスポーター、例えばアルギニントランスポーターを発現するように改変された遺伝子改変T細胞、またはその医薬組成物を投与することを含み、投与は、抗がん手術を受けたことがある患者、抗がん手術を受ける患者、または抗がん手術の候補である患者に対するものである。抗がん手術には、例えば、凍結手術、レーザー手術、温熱療法、光線力学的療法、開放手術、低侵襲手術が含まれる。
医薬組成物
【0280】
本発明の医薬組成物は、本明細書に記載のCAR-T細胞を過剰発現する任意のアルギニントランスポーターと、他の化学成分、例えば担体、安定剤、希釈剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤および/または賦形剤との組み合わせであり得る。医薬組成物は、本明細書に記載される操作されたCAR-T細胞の生物への投与を容易にする。医薬組成物は、例えば、静脈内、皮下、筋肉内、直腸、エアロゾル、非経口、眼(ophthalmic)、肺、経皮、膣、眼(optic)、鼻および局所投与を含む様々な形態および経路によって医薬組成物として治療有効量で投与することができる。医薬組成物は、例えば、臓器へのCAR-T細胞の直接注入を介して、局所的または全身的に投与することができる。
【0281】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるCAR-T医薬組成物は、静脈内に、例えば、静脈内点滴によって投与される。いくつかの実施形態では、CAR-T医薬組成物の用量は、約20~約30分間の間に投与される。いくつかの実施形態では、CAR-T医薬組成物の用量は、約5分、約10分、約15分、約20分、約25分、約30分、約35分、約40分、約45分、約50分、約55分、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約10~約20分、約10~約30分、約10~約60分、約30~約60分、約40~約60分、約20~約30分、約20~約40分、約1時間~約2時間、約1時間~約3時間、約1時間~約4時間、約1時間~約5時間、約1時間~約6時間、約2時間~約3時間、約2時間~約4時間、または約3時間~約6時間の間に投与される。
【0282】
いくつかの実施形態では、CAR-T医薬組成物の用量が、1、2、3、4、5、6または7日間にわたって毎日、対象に投与される。いくつかの実施形態では、CAR-T医薬組成物の用量は、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約1~約2週間、約1~約3週間、約2~約3週間、約1~約4週間、約2~約4週間、約3~約4週間、約1~約12週間、約4~約12週間、約6~約12週間、約8~約12週間、約10~約12週間、約6~約24週間、約8~約24週間、約10~約24週間、約12~約24週間、約6~約18週間、約8~約18週間、約10~約18週間、約12~約18週間、約14~約18週間、または約16~約18週間にわたり毎週対象に投与される。いくつかの実施形態では、CAR-T医薬組成物の用量は、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約1~約2週間、約4~約12週間、約6~約12週間、約8~約12週間、約10~約12週間、約6~約24週間、約8~約24週間、約10~約24週間、約12~約24週間、約6~約18週間、約8~約18週間、約10~約18週間、約12~約18週間、約14~約18週間、または約16~約18週間にわたり2週ごとに対象に投与される。
【0283】
本明細書に提供される処置方法または使用方法を実施する際に、本明細書に記載されるCAR-T細胞を過剰発現する治療有効量のアルギニントランスポーターは、免疫系に影響を及ぼす状態に罹患している対象に対し、医薬組成物で投与される。いくつかの実施形態では、対象は、ヒト等の哺乳動物である。治療有効量は、疾患の重症度、対象の年齢および相対的な健康状態、使用される化合物の効力、および他の要因に応じて大きく変化し得る。
【0284】
本明細書に記載の医薬組成物は、遺伝子操作された生細胞、例えば、アルギニントランスポーターを過剰発現するCAR-T細胞を含み得る。本明細書に記載されるCAR-T医薬組成物は、対象に個別の用量で投与され得る。例えば、本明細書に記載されるCAR-T細胞医薬組成物は、10~1011細胞/kg対象の体重、10~1011細胞/kg対象の体重、10~1011細胞/kg対象の体重、10~1011細胞/kg対象の体重、10~1011細胞/kg対象の体重、10~1011細胞/kg対象の体重、1010~1011細胞/kg対象の体重、10~1010細胞/kg対象の体重、10~1010細胞/kg対象の体重、10~1010細胞/kg対象の体重、10~1010細胞/kg対象の体重、10~1010細胞/kg対象の体重、10~1010細胞/kg対象の体重、10~10細胞/kg対象の体重、10~10細胞/kg対象の体重、10~10細胞/kg対象の体重、10~10細胞/kg対象の体重、10~10細胞/kg対象の体重、10~10細胞/kg対象の体重、10~10細胞/kg対象の体重、10~10細胞/kg対象の体重、10~10細胞/kg対象の体重、10~10細胞/kg対象の体重、10~10細胞/kg対象の体重、10~10細胞/kg対象の体重、10~10細胞/kg対象の体重、10~10細胞/kg対象の体重、または10~10細胞/kg対象の体重の投与量で投与され得る。
【0285】
いくつかの実施形態では、CAR-T細胞医薬組成物の用量は、対象の体重1kgあたり、約1×10個、約1×10個、約1×10個、約1×10個、約1×10個、約1×10個、約1×10個、約1×1010個、約2×1010個、約3×1010個、約4×1010個、約5×1010個、約6×1010個、約7×1010個、約8×1010個、約9×1010個、約1×1011個、約1×1012個、約1×1013個、約1×1014個、約1×1015個、約1×10~約3×1010個、約1×10~約3×1010個、約1×10~約1×10個、約1×10~約1×1015個、約1×10~約1×1010個、約1×10~約1×1012個、約1×10~約1×10個、約1×1010~約9×1010個、または約1×10~約1×1011個の細胞を含む。
【0286】
いくつかの実施形態では、CAR-T細胞医薬組成物の用量は、約1×10個、約1×10個、約1×10個、約1×10個、約1×10個、約1×1010個、約1×1011個、約1×1012個、約1×1013個、約1×1014個、約1×1015個、約1×10~約1×1012個、約1×10~約1×1010個、約1×10~約1×10個、約1×10~約1×1010個、約1×10~約1×1012個、約1×10~約1×1010個、約1×10~約1×10個、約1×10~約1×10個、約1×10~約1×1014個、約1×1010~約1×1015個、または約1×10~約1×1011個の細胞を含む。
【0287】
いくつかの実施形態では、患者には、漸増用量のCAR-T細胞医薬組成物が投与される。例えば、いくつかの実施形態では、処置する方法は、対象の体重1kgあたり指定された数の細胞を含むCAR-T医薬組成物の初回用量を投与すること、および初回用量と比較して、対象の体重1kgあたりより多くのCAR-T細胞を含むCAR-T医薬組成物の後続用量を投与することを含む。例えば、いくつかの実施形態では、処置する方法は、対象の体重1kgあたり約1×10個の細胞を含むCAR-T医薬組成物の初回用量を投与すること、および対象の体重1kgあたり約1×10個、約1×10個、約1×10個、約1×10個、約1×1010個、約2x1010個、約3x1010個、約4x1010個、約5x1010個、約6x1010個、約7x1010個、約8x1010個、約9x1010個、約1×1011個、約1×1012個、約1×1013個、約1×1014個、約1×1015個、約1×10~約3x1010個、約1×10~約3x1010個、約1×10~約1×10個、約1×10~約1×1015個、約1×10~約1×1010個、約1×10~約1×1012個、約1×10~約1×10個、約1×1010~約9x1010個、または約1×10~約1×1011個の細胞を含むCAR-T医薬組成物の1またはそれを超える後続用量を投与することを含む。
【0288】
いくつかの実施形態では、CAR-T細胞医薬組成物の初回用量は、対象の体重1kgあたり、約1×10個、約1×10個、約1×10個、約1×10個、約1×10個、約1×10個、約1×10個、約1×1010個、約2×1010個、約3×1010個、約4×1010個、約5×1010個、約6×1010個、約7×1010個、約8×1010個、約9×1010個、約1×1011個、約1×1012個、約1×1013個、約1×1014個、約1×1015個、約1×10~約3×1010個、約1×10~約3×1010個、約1×10~約1×10個、約1×10~約1×1015個、約1×10~約1×1010個、約1×10~約1×1012個、約1×10~約1×10個、約1×1010~約9×1010個、または約1×10~約1×1011個の細胞を含む。
【0289】
いくつかの実施形態では、CAR-T細胞医薬組成物の後続用量は、対象の体重1kgあたり、約1×10個、約1×10個、約1×10個、約1×10個、約1×10個、約1×10個、約1×10個、約1×1010個、約2×1010個、約3×1010個、約4×1010個、約5×1010個、約6×1010個、約7×1010個、約8×1010個、約9×1010個、約1×1011個、約1×1012個、約1×1013個、約1×1014個、約1×1015個、約1×10~約3×1010個、約1×10~約3×1010個、約1×10~約1×10個、約1×10~約1×1015個、約1×10~約1×1010個、約1×10~約1×1012個、約1×10~約1×10個、約1×1010~約9×1010個、または約1×10~約1×1011個の細胞を含む。
【0290】
本明細書に記載されるCAR-T細胞を含む医薬組成物はまた、これらの投与量で複数回投与してよい。細胞は、免疫療法において一般に知られている注入技術(例えば、Rosenberg et al,New Eng.J.of Med.319:1676,1988を参照)を使用することによって投与することができる。薬学的に許容され得る賦形剤の非限定的な例は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Nineteenth Ed(Easton,Pa.:Mack Publishing Company,1995);Hoover,John E.,Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylvania 1975;Liberman,H.A.and Lachman,L.,Eds.,Pharmaceutical Dosage Forms,Marcel Decker,New York,N.Y.,1980;およびPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Seventh Ed.(Lippincott Williams&Wilkins1999)に記載されており、その各々は参照によりその全体が組み込まれる。
投与方法
【0291】
本明細書に記載される、アルギニントランスポーターを過剰発現するCAR-T細胞またはアルギニントランスポーターを過剰発現するCAR-T細胞の機能的断片を含有する医薬組成物は、予防的処置および/または治療的処置のために投与され得る。治療用途では、組成物は、疾患または状態に既に罹患している対象に、疾患または状態の症状を治癒または少なくとも部分的に停止するのに十分な量で、または状態を治癒(cure)、治癒(heal)、改善、または回復するのに十分な量で投与することができる。アルギニントランスポーター過剰発現CAR-T細胞はまた、状態を発症する、罹患する、または悪化させる尤度を低下させるために投与され得る。この使用に有効な量は、疾患または状態の重症度および経過、以前の治療、対象の健康状態、体重、および薬物に対する応答、ならびに処置する医師の判断に基づいて変更し得る。
【0292】
本明細書に記載されるアルギニントランスポーター過剰発現CAR-T細胞は、疾患または状態の発生前、発生中または発生後に投与することができ、アルギニントランスポーター過剰発現CAR-T細胞を含有する組成物を投与するタイミングは変更し得る。例えば、アルギニントランスポーターを過剰発現するCAR-T細胞は、予防薬として使用することができ、疾患または状態の発生の尤度を低下させるために、状態または疾患の傾向を有する対象に連続して投与することができる。アルギニントランスポーターを過剰発現するCAR-T細胞は、症状の発症中、または発症後はできるだけ早く対象に投与することができる。アルギニントランスポーターを過剰発現するCAR-T細胞の投与は、症状の発症の直後に、症状の発症の最初の3時間以内に、症状の発症の最初の6時間以内に、症状の発症の最初の24時間以内に、症状の発症の48時間以内に、または症状の発症から任意の期間内に開始することができる。初期投与は、本明細書に記載の任意の製剤を使用して、本明細書に記載の任意の経路等、実用的な任意の経路を介して行うことができる。アルギニントランスポーター過剰発現CAR-T細胞は、免疫疾患または状態の発症が検出または疑われた後、実施可能な限り速やかに、免疫疾患の処置のために必要な期間、例えば、例えば、約24時間~約48時間、約48時間~約1週間、約1週間~約2週間、約2週間~約1ヶ月間、約1ヶ月~約3ヶ月間投与することができる。いくつかの実施形態では、アルギニントランスポーターを過剰発現するCAR-T細胞は、少なくとも24時間、少なくとも48時間、少なくとも72時間、少なくとも96時間、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも10ヶ月、少なくとも11ヶ月、少なくとも12ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、または少なくとも5年にわたって投与することができる。処置の長さは、対象ごとに異なり得る。
【0293】
本明細書に記載されるCAR-T細胞の組換えヌクレオチド配列に対する参照ヌクレオチド配列の相同性は、配列相同性のパーセントとして表され得る。いくつかの実施形態では、参照配列の相同性は、組換え配列の約60%の塩基~約100%の塩基である。いくつかの実施形態では、参照配列の相同性は、組換え配列の約60%の塩基~約70%の塩基、約60%の塩基~約80%の塩基、約60%の塩基~約90%の塩基、約60%の塩基~約100%の塩基、約70%の塩基~約80%の塩基、約70%の塩基~約90%の塩基、約70%の塩基~約100%の塩基、約80%の塩基~約90%の塩基、約80%の塩基~約100%の塩基、または約90%の塩基~約100%の塩基である。いくつかの実施形態では、参照配列の相同性は、組換え配列の約60%の塩基、約70%の塩基、約80%の塩基、約90%の塩基、または約100%の塩基である。いくつかの実施形態では、配列の相同性は、組換え配列の少なくとも約60%の塩基、約70%の塩基、約80%の塩基、または約90%の塩基である。いくつかの実施形態では、参照配列の相同性は、組換え配列の約70%以下の塩基、約80%の塩基、約90%の塩基、または約100%の塩基である。
【実施例
【0294】
本開示は、以下の実施例によって更に説明される。実施例は、例示のみを目的として提供されており、決して本開示の範囲または内容を限定するものと解釈されるべきではない。
実施例1.T細胞生存に対するアルギニントランスポーターおよびアルギニン合成タンパク質発現の効果。
【0295】
外因性アルギニントランスポータータンパク質およびアルギニン合成タンパク質の効果を評価するために、低環境アルギニン条件下でT細胞生存を分析した。リポフェクタミンLTX(ThermoFisher Scientific、マサチューセッツ州ウォルサム)を用いて、急性T細胞白血病患者の末梢血から単離したヒトTリンパ球細胞株であるJurkat E 6-1細胞をトランスフェクトした。発現コンストラクトを、カチオン性アミノ酸トランスポーター-2(CAT-2、「CAT」と略記)およびアルギノサクシネート合成酵素-1(ASS-1、「ASS」と略記)のコード配列を、P2A自己切断配列および蛍光タンパク質の直前およびそれらとインフレームで、pBCTex01G蛍光発現ベクターにクローニングすることによって作製した。細胞を、非修飾pBCTex01G(「対照」)、またはCATもしくはASSをコードする発現コンストラクトでトランスフェクトした。使用されるCAT-2ヌクレオチド配列は、R369E置換変異およびN381i挿入変異をコードする変異を含み、配列番号203に対応する。使用されるASS-1ヌクレオチド配列は以下の通りである:ATGAGCAGCAAGGGATCTGTGGTGCTGGCCTACTCTGGCGGCCTGGATACCTCTTGTATCCTCGTGTGGCTGAAAGAACAGGGCTACGACGTGATCGCCTACCTGGCCAACATCGGCCAGAAAGAGGACTTCGAGGAAGCCCGGAAGAAGGCCCTGAAGCTGGGAGCCAAGAAGGTGTTCATCGAGGACGTGTCCCGCGAGTTCGTGGAAGAGTTTATCTGGCCCGCCATCCAGTCTAGCGCCCTGTACGAGGATAGATACCTGCTGGGCACCAGCCTGGCCAGACCTTGTATCGCCAGAAAGCAGGTCGAGATCGCCCAGAGAGAAGGCGCCAAATACGTGTCCCATGGCGCCACAGGCAAGGGCAACGATCAAGTTCGCTTCGAGCTGAGCTGCTACTCTCTGGCCCCTCAGATCAAAGTGATCGCCCCTTGGAGAATGCCCGAGTTCTACAACAGATTCAAGGGCCGCAACGACCTGATGGAATACGCCAAGCAGCACGGCATCCCCATTCCAGTGACACCCAAGAATCCTTGGAGCATGGACGAGAACCTGATGCACATCAGCTACGAGGCCGGCATCCTGGAAAACCCTAAGAATCAGGCCCCTCCTGGCCTGTACACCAAGACACAGGATCCAGCCAAGGCTCCCAACACACCCGACATTCTGGAAATCGAGTTCAAGAAAGGCGTGCCCGTGAAAGTGACCAACGTGAAGGATGGCACCACACACCAGACAAGCCTGGAACTGTTCATGTACCTGAACGAGGTGGCCGGCAAGCACGGCGTGGGAAGAATCGACATCGTGGAAAATCGGTTCATCGGCATGAAGTCCCGGGGCATCTATGAGACACCAGCCGGCACCATTCTGTATCACGCCCACCTGGACATTGAGGCCTTCACCATGGACCGGGAAGTGCGGAAGATCAAGCAAGGCCTGGGCCTGAAGTTTGCCGAACTGGTGTATACCGGCTTCTGGCACTCTCCTGAGTGCGAGTTTGTGCGGCACTGCATTGCCAAGAGCCAAGAGCGCGTGGAAGGCAAGGTGCAGGTTTCCGTGCTGAAAGGCCAGGTGTACATTCTGGGCAGAGAGAGCCCTCTGAGCCTGTATAACGAGGAACTCGTGTCCATGAACGTGCAGGGCGATTACGAGCCTACCGATGCCACCGGCTTCATCAACATCAACAGCCTGAGACTGAAAGAGTACCACCGCCTGCAGTCCAAAGTGACCGCCAAA (配列番号273).
【0296】
JurkatクローンE 6-1細胞(ATCC、米国)を、2mM L-アラニル-L-グルタミン(Transgen Biotech、中国)、10%の濾過した非熱不活化ウシ胎児血清(TransSerum EQウシ胎児血清;Transgen Biotech、中国)、100U/mLペニシリンおよび100μg/mLストレプトマイシン(Thermo Fisher Scientific、米国)を含有するRPMI-1640培地中、37℃、5%COで培養した。約80%のコンフルエンスに達した後、細胞を2×10細胞/mLの密度で新鮮な完全培地に再懸濁した。細胞を24ウェル培養プレート(500μL/ウェル、1×10細胞/ウェル)に播種した。
【0297】
4ウェルの細胞に各コンストラクト(対照、CAT、またはASS)をトランスフェクトした。5μgの各精製プラスミドを、1μLのPLUS試薬を含む1mLのOptiMEM還元血清培地(Thermo Fisher Scientific、マサチューセッツ州ウォルサム)に希釈した。混合物を室温で15分間インキュベートし、その後、2.75μLのLTX試薬を添加して複合体形成を開始した。複合体を室温で25分間形成させた。ベクターリポソーム複合体100μLを各ウェルに添加した。トランスフェクション複合体を添加した後、プレートを2分間揺動させた。次いで、細胞を37℃、5%COで24時間インキュベートした。トリパンブルー染色(Thermo Fisher Scientific、マサチューセッツ州ウォルサム)を使用して細胞の生存率(>90%)を測定し、顕微鏡(Zeiss Axio Observer、ドイツ)下で蛍光タンパク質発現を分析することによってトランスフェクション効率を測定した。
【0298】
Jurkat E 6-1細胞のトランスフェクション効率は7%~14%であった(平均トランスフェクション効率10%)。トランスフェクション後、細胞を、400ng/mLのBCT-100を補充または補充していない同じ培地中、37℃、5COで72時間培養して、培地中のアルギニン枯渇を達成した(図3A)。生存トランスフェクト細胞の総数を各試料で計数した。蛍光を示す細胞のみを計数するため、デフォルトのゲーティングパラメーターを用いてCountess II FL(Thermo Fisher Scientific、マサチューセッツ州ウォルサム)を使用して各ウェルについて細胞計数を行った(図3B)。
【0299】
対照コンストラクト、CATコンストラクトまたはASSコンストラクトでトランスフェクトした細胞について、アルギニンが豊富な培地およびアルギニンが枯渇した培地での72時間の培養後の細胞数のパーセント変化を計算した(図3C)。細胞数のパーセント変化を、培養72時間後のトランスフェクト細胞の数からトランスフェクト細胞の初期数を引いた数をトランスフェクトされた細胞の初期数で除し、全て100を乗じて計算した(100×((72時間後のトランスフェクト細胞数-トランスフェクト細胞数)/(トランスフェクト細胞数)))。トランスフェクト細胞の初期数を、生細胞の初期数に推定トランスフェクション効率を乗じて推定した(初期生細胞数×トランスフェクション効率)。図3Cにプロットされた各データポイントは、独立してトランスフェクトされた細胞の1つの単離されたウェルの細胞数の推定されたパーセント変化を示す。対照コンストラクト、CATコンストラクトまたはASSコンストラクトによる細胞のトランスフェクションは全て、アルギニンが豊富な培地において72時間後に細胞数の増加をもたらした(図3C、左)。対照的に、対照コンストラクトによる細胞のトランスフェクションは、アルギニン枯渇培地において72時間後に細胞数の全体的な減少をもたらしたが、CATまたはASS発現コンストラクトによる細胞のトランスフェクションは両方とも、アルギニン枯渇培地において72時間後に細胞数の全体的な増加をもたらした(図3C、右)。
【0300】
これらの結果は、細胞内アルギニン取り込みまたは細胞内アルギニン合成を促進するタンパク質の発現が、低い細胞外アルギニン濃度の条件下でT細胞の生存および増殖を増加させることを実証している。
実施例2.初代ヒトT細胞生存に対するアルギニントランスポーターの効果。
【0301】
外因性アルギニントランスポータータンパク質の効果を評価するために、低環境アルギニン条件下でヒト初代T細胞生存を分析した。凍結初代ヒトCD4+T細胞をStem Express(米国カリフォルニア州)から入手し、解凍し、GlutaMAXおよびHEPESを補充したRPMI-1640(Thermo Fisher Scientific)中に1×10細胞/mLで再懸濁した。細胞を25μL/mLのImmunoCult Human CD3/CD28 T Cell Activator(STEMCELL Technologies、カナダ)および10ng/mLのrIL-2(Solarbio、中国)で37℃、5%COで3日間刺激した。活性化T細胞を採取し、1×10細胞/mLの密度でOpti-MEM I還元血清培地(Thermo Fisher Scientific)に再懸濁した。100マイクロリットルの細胞懸濁液をFisherbrand Electroporation Cuvettes Plus(Fisher Scientific米国ペンシルバニア州)に移し、対照としてのmNeonGreen(配列番号274)またはCAT(配列番号203)をコードするin vitro転写mRNAをECM 830方形波電気穿孔システム(米国BTX)において電気穿孔した。使用されるmNeonGreenヌクレオチド配列は以下の通りである:
[0298] ATGGTGTCCAAGGGTGAAGAGGACAACATGGCTTCCTTGCCTGCCACCCATGAACTCCATATCTTCGGGTCTATTAACGGAGTCGACTTTGATATGGTGGGGCAGGGTACGGGCAACCCTAACGACGGCTACGAAGAGCTGAACCTGAAGTCCACTAAGGGCGACCTCCAGTTTTCTCCTTGGATTCTGGTGCCACACATCGGTTATGGTTTTCATCAGTACCTTCCATACCCGGACGGCATGTCCCCGTTCCAGGCGGCTATGGTCGACGGATCTGGCTACCAGGTGCACCGCACTATGCAGTTTGAAGACGGCGCATCTCTGACCGTGAACTACCGTTACACTTATGAGGGCTCCCATATCAAGGGTGAGGCGCAAGTCAAGGGCACCGGTTTCCCGGCGGATGGACCAGTGATGACCAACAGTCTTACCGCAGCCGACTGGTGTCGCAGCAAAAAGACATATCCCAACGACAAGACCATTATCAGCACCTTTAAATGGTCTTACACGACCGGGAACGGTAAACGCTATAGGAGCACAGCCCGCACTACCTATACCTTTGCAAAACCTATGGCCGCGAACTATCTGAAAAACCAGCCGATGTACGTCTTCCGGAAGACCGAGCTGAAGCACAGTAAGACAGAGCTGAACTTCAAAGAGTGGCAAAAAGCTTTTACGGACGTGATGGGCATGGATGAATTGTACAAG (配列番号274)
【0302】
電気穿孔した細胞を、GlutaMAX、HEPESおよびrIL-2を補充した900μLのRPMI-1640を含有する6ウェルプレート中の1つのウェルに移し、一晩培養した。トリパンブルー染色(Thermo Fisher Scientific)を使用して細胞の生存率(50~60%)を測定し、顕微鏡(Zeiss Axio Observer)下で蛍光タンパク質発現を分析することによってトランスフェクション効率を測定した。トランスフェクション効率は80%を超えた。500マイクロリットルの培養物を隣接する空のウェルに分注し、400ng/mlのBCT-100を補充し、アルギニン枯渇を達成した。プレートを37℃、5%COで一晩培養した。細胞生存率を上記のように再度決定した。
【0303】
対照またはCAT mRNAでトランスフェクトした細胞について、アルギニンが豊富な培地およびアルギニンが枯渇した培地での24時間の培養後の細胞数のパーセント変化を計算した(図4)。細胞数のパーセント変化は、培養24時間後の細胞数から初期細胞数を差し引いたものを初期細胞数で除し、全て100を乗じて計算した。
【0304】
初代ヒトT細胞の対照またはCAT mRNAによるトランスフェクションは全て、アルギニンが豊富な培地において24時間後に細胞数の増加をもたらした(図4、上部)。対照的に、GFP対照mRNAによる細胞のトランスフェクションは、アルギニン枯渇培地では24時間後に細胞数の正味の減少をもたらしたが、CAT mRNAによる細胞のトランスフェクションは、アルギニン枯渇培地では24時間後に細胞数の全体的な増加をもたらした(図4、下部)。
【0305】
これらの結果は、細胞内アルギニン取り込みを促進するアルギニントランスポータータンパク質の発現が、低い細胞外アルギニン濃度の条件下で初代ヒトT細胞の生存および増殖を増加させることを実証する。
実施例3.CAR-T細胞の産生
【0306】
この実施例は、本明細書に記載されるCAR-T細胞を産生するための方法を企図する。
【0307】
チューブセットTS520およびCD4/CD8マイクロビーズを含むCliniMACS Prodigy(Miltenyi Biotec、ドイツ)を使用して、全血からCD4+およびCD8+T細胞を単離する。約1×10個の単離細胞を、200IU/mLのIL-2およびTransActビーズ(Miltenyi Biotec、ドイツ)を補充した70mLのTexMACS培地中で、37℃、5%COで3日間培養して拡大増殖させる。
【0308】
拡大増殖した細胞を、CliniMACS Electroporator(Miltenyi Biotec、ドイツ)を用いて、CAR、アルギニントランスポーター、またはCARおよびアルギニントランスポーターをコードする発現ベクターでトランスフェクトする。拡大増殖した細胞を、CARをコードする第1の発現ベクターおよびアルギニントランスポーターをコードする第2の発現ベクターで共トランスフェクトすることもできる。トランスフェクトされると、細胞を、1mMのL-アルギニン(Sigma-Aldrich、米国)を補充したTexMACS培地(Miltenyi Biotec、ドイツ)中で培養する。Live/Dead Cell Double Staining Kit(Sigma-Aldrich、米国)を使用して細胞数および生存率を測定するために、細胞を毎日サンプリングする。新鮮な培地を毎日添加して、1mLあたり2×10~1×10細胞の細胞密度を維持する。培地の半分は、1日おきに交換される。
【0309】
T細胞純度およびヘルパーT細胞対キラーT細胞の比を、BD FACSAria IIIフローサイトメーターおよび標識抗CD19、CD14、CD45、CD3、CD4およびCD8抗体(BD Biosciences、米国)を使用して決定する。CARおよびアルギニントランスポータータンパク質発現は、それぞれCARおよびアルギニントランスポーターの抗原認識ドメインに特異的なカスタム抗体を使用して決定される(GenScript、米国)。
【0310】
細胞内アルギニン含量を、約1×10個のCAR-T細胞のアリコートを収集することによって決定する。細胞をペレット化し、10mLのPBS中で2回洗浄し、次いで、100μLのRIPA緩衝液中で溶解する。細胞溶解物のアルギニンレベルを、L-アルギニンELISAキット(ALPCO、米国)を使用して決定する。総アルギニンレベルを、溶解した細胞の数に対して正規化する。
【0311】
対象の体重1kgあたり約1×10~約3×1010個の細胞が得られると、細胞を下流の適用のために回収し、このとき細胞は細胞あたり約100μM~約4000μMの細胞内アルギニン含有量を有する。
実施例4.アルギニントランスポーターを過剰発現するCAR-T細胞のex vivo栄養およびプライミング
【0312】
この実施例では、アルギニントランスポータータンパク質を発現する遺伝子改変CAR-T細胞での処置のためのプライミング方法が企図される。
【0313】
アルギニントランスポーターを発現するように遺伝子改変されたCAR-T細胞およびCARを、L-アルギニンを含有するか、またはそれを補充した培養培地で培養する。この培地は、0.2g/L~1000μmol/LのL-アルギニンを含有する。操作されたT細胞は、細胞内アルギニンレベルが100μmol~4000μmolになるまでL-アルギニン培地中で培養される。
【0314】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
【0315】
本明細書を通して、組成物およびキットが特定の成分を有する、包含する、または含むものとして記載される場合、またはプロセスおよび方法が特定のステップを有する、包含する、または含むものとして記載される場合、さらに、列挙された成分から本質的になる、またはそれからなる本発明の組成物およびキットがあり、列挙された処理ステップから本質的になる、またはそれからなる本発明によるプロセスおよび方法があることが企図される。
【0316】
本出願において、要素もしくは構成要素が列挙された要素もしくは構成要素のリストに含まれるおよび/または列挙された要素もしくは構成要素のリストから選択されると言われる場合、要素もしくは構成要素は列挙された要素もしくは構成要素のいずれか1つであり得るか、または要素もしくは構成要素は列挙された2もしくはそれを超える要素もしくは構成要素からなる群から選択され得ることを理解されたい。
【0317】
さらに、本明細書に記載の組成物または方法の要素および/または特徴は、本明細書において明示的であろうと暗黙的であろうと、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく様々な方法で組み合わせることができることを理解されたい。例えば、特定の化合物に言及する場合、その化合物は、文脈から別段の理解がない限り、本発明の組成物の様々な実施形態および/または本発明の方法において使用することができる。言い換えれば、本出願内では、明確かつ簡潔な出願の記述および描画を可能にする方法で実施形態を説明および図示してきたが、本教示および本発明(複数可)から逸脱することなく、実施形態を様々に組み合わせたり分離したりすることができることが意図され、理解される。例えば、本明細書に記載および図示された全ての特徴は、本明細書に記載および図示された本発明(複数可)の全ての態様に適用可能であり得ることが理解されよう。
【0318】
冠詞「1つの(a)」および「1つの(an)」は、文脈が不適切でない限り、冠詞の文法的対象の1またはそれを超える(すなわち、少なくとも1まで)を指すために本開示で使用される。例として、「要素」は、1つの要素またはそれを超える要素を意味する。
【0319】
「および/または」という用語は、本開示では、特に指示しない限り、「および」または「または」のいずれかを意味するために使用される。
【0320】
「~の少なくとも1つの」という表現は、文脈および使用から別段の理解がない限り、表現後の列挙された対象のそれぞれ、および列挙された対象の2つまたはそれを超える様々な組み合わせを個別に含むことを理解されたい。3またはそれを超える列挙された対象に関連する「および/または」という表現は、文脈から別段の理解がない限り、同じ意味を有すると理解されるべきである。
【0321】
「含む(include)」、「含む(includes)」、「含む、含むこと(including)」、「有する(have)」、「有する(has)」、「有する、有すること(having)」、「含有する(contain)」、「含有する(contains)」、または「含有する、含有すること(containing)」という用語の使用は、その文法上の等価物を含めて、一般に、制限のない非限定的なものとして理解されるべきであり、例えば、別段明記しない限り、または文脈から別段の理解がない限り、列挙されていない更なる要素またはステップを除外しない。
【0322】
「約」という用語の使用が定量的値の前である場合、本開示は、別段明記しない限り、特定の定量的値自体も含む。
【0323】
例えばポリマーの絶対値ではなく分子量が提供される場合、その分子量は、別段明記されない限り、または文脈から別段の理解がない限り、平均分子量であると理解されるべきである。
【0324】
本発明が操作可能なままである限り、ステップの順序または特定のアクションを実行するための順序は重要ではないことを理解されたい。さらに、2またはそれを超えるステップまたはアクションが同時に行われてもよい。
【0325】
本明細書の様々な箇所で、置換基はグループまたは範囲で開示されている。本明細書は、このようなグループおよび範囲のメンバーのありとあらゆる個々の部分的組み合わせを含むことを具体的に意図する。例えば、0~40の範囲の整数は、具体的には、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、および40を個別に開示することを意図しており、1~20の範囲の整数は、具体的には、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、および20を個別に開示することを意図している。
【0326】
本明細書におけるありとあらゆる例、または例示的な言語、例えば「等(such as)」または「包含する(including)」の使用は、単に本発明をよりよく説明することを意図しており、特許請求されない限り、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書中のいかなる言語も、本発明の実施に必須の特許請求されていない要素を示すと解釈されるべきではない。
【0327】
一般的な事項として、パーセンテージを特定する組成物は、特に明記しない限り重量基準である。さらに、変数が定義を伴わない場合、変数の以前の定義が優先する。
参照による組み込み
【0328】
本明細書で言及される全ての科学論文、刊行物、および特許文献は、あたかも各個々の刊行物または特許が具体的かつ個別に参照により組み込まれているかのように、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。矛盾する場合、本明細書における任意の定義を含む本出願が優先する。
等価物
【0329】
本発明の特定の実施形態を考察してきたが、上記の明細書は例示的なものであり、限定的なものではない。本明細書を検討することにより、本発明の多くの変形が当業者に明らかになる。本発明の全範囲は、特許請求の範囲、その均等物の全範囲、および明細書、ならびにそのような変形を参照することによって決定されるべきである。
【0330】
別段の指示がない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用される成分の量、反応条件等を表す全ての数字は、全ての場合において「約」という用語によって修飾されていると理解されるべきである。したがって、反対のことが示されない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲に記載の数値パラメーターは、本発明によって得ようとする所望の特性に応じて変化し得る近似値である。
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【表2-5】
【表2-6】
【表2-7】
【表2-8】
【表2-9】
【表2-10】
【表2-11】
【表2-12】
【表2-13】
【表2-14】
【表2-15】
【表2-16】
【表2-17】
【表2-18】
【表2-19】
【表2-20】
【表2-21】
【表2-22】
【表2-23】
【表2-24】
【表2-25】
【表2-26】
【表2-27】
【表2-28】
【表2-29】
【表2-30】
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
【配列表】
2023515806000001.app
【国際調査報告】