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特表2023-515815発光パネルにおける使用のための発光デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-14
(54)【発明の名称】発光パネルにおける使用のための発光デバイス
(51)【国際特許分類】
   F21V 5/04 20060101AFI20230407BHJP
   F21V 5/00 20180101ALI20230407BHJP
   F21S 8/04 20060101ALN20230407BHJP
   F21S 8/00 20060101ALN20230407BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230407BHJP
【FI】
F21V5/04
F21V5/00 510
F21V5/00 320
F21V5/00 600
F21S8/04 100
F21S8/00 100
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022551057
(86)(22)【出願日】2021-02-22
(85)【翻訳文提出日】2022-10-24
(86)【国際出願番号】 EP2021054292
(87)【国際公開番号】W WO2021170528
(87)【国際公開日】2021-09-02
(31)【優先権主張番号】20158996.7
(32)【優先日】2020-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】アンセムス ヨハンネス ペトルス マリア
(72)【発明者】
【氏名】ヴィッセンベルフ ミシェル コルネリス ヨセフス マリー
(72)【発明者】
【氏名】ブッケムス ペーター ヨハンネス マリヌス
(57)【要約】
本発明は、1つ以上のLED光源と、1つ以上の拡散透過性カバーとを有する発光デバイスに関する。前記1つ以上の拡散透過性カバーは、LED光源と拡散透過性カバーとの1つ以上の組み合わせを形成するよう、前記1つ以上のLED光源の上に延在する。LED光源と拡散透過性カバーとの各組み合わせについて、(i)前記拡散透過性カバーは、垂直断面が閉じた凸形状を有し、水平断面が多角形形状を有するドーム状であり、(ii)前記拡散透過性カバーは、前記拡散透過性カバーの底部に平行な水平面内に投影される幅(w)を有し、(iii)前記LED光源は、任意の隣接LED光源までの距離(d)を有する。前記幅(w)と前記距離(d)とが互いに垂直であり、前記幅(w)と前記距離(d)との比率は一定である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のLED光源と、1つ以上の拡散透過性カバーとを有する発光デバイスであり、前記1つ以上の拡散透過性カバーが、LED光源と拡散透過性カバーとの1つ以上の組み合わせを形成するよう、前記1つ以上のLED光源の上に延在する発光デバイスであって、
LED光源と拡散透過性カバーとの各組み合わせについて、
前記拡散透過性カバーが、垂直断面が閉じた凸形状を有し、水平断面が多角形形状を有するドーム状であり、
前記拡散透過性カバーが、前記拡散透過性カバーの底部に平行な水平面内に投影される幅を有し、
前記LED光源が、任意の隣接LED光源までの距離を有し、
前記幅と前記距離とが互いに垂直であり、前記幅と前記距離との比率が一定である発光デバイス。
【請求項2】
前記拡散透過性カバーの各々が、厚さを備える壁部を有し、前記厚さが、前記壁部の高さによって及び/又は前記壁部の周囲にわたって変化する請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項3】
前記拡散透過性カバーの各々が、頂部セクション、底部セクション及び厚さを備える壁部を有し、前記厚さが、前記底部セクションに比べて前記頂部セクションにおいてより大きい請求項1乃至2のいずれか一項に記載の発光デバイス。
【請求項4】
前記底部セクションにおける前記壁部の前記厚さが、0.4ミリメートル乃至1.2ミリメートルの範囲内であり、前記頂部セクションにおける前記壁部の前記厚さが、1.5ミリメートル乃至4ミリメートルの範囲内である請求項3に記載の発光デバイス。
【請求項5】
各拡散透過性カバーが、頂点、底部及び厚さを備える壁部を有し、前記厚さが、前記頂点において最も大きく、前記底部において最も小さい請求項1乃至4のいずれか一項に記載の発光デバイス。
【請求項6】
前記水平断面が、四角形、五角形又は六角形である請求項1乃至5のいずれか一項に記載の発光デバイス。
【請求項7】
前記垂直断面が、スプライン形状、楕円形、三角形又は半楕円である請求項1乃至6のいずれか一項に記載の発光デバイス。
【請求項8】
前記拡散透過性カバーが、錐状又は半楕円である請求項1乃至7のいずれか一項に記載の発光デバイス。
【請求項9】
LED光源と拡散透過性カバーとの各組み合わせについて、前記拡散透過性カバーの前記水平断面が、前記LED光源の基部の形状に適合する請求項1乃至8のいずれか一項に記載の発光デバイス。
【請求項10】
各拡散透過性カバーが、ガラス材料又はプラスチック材料で作成される請求項1乃至9のいずれか一項に記載の発光デバイス。
【請求項11】
前記発光デバイスが、発光壁面パネル又は発光天井パネルとして使用されるよう構成される請求項1乃至10のいずれか一項に記載の発光デバイス。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか一項に記載の発光デバイスを有する発光パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁面パネル又は天井パネルなどの発光パネルにおける使用のための発光デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
相対的に大きな発光壁面パネル又は天井パネルは、空間を照明するために使用されることができる。異なる種類の織物(fabric)又は材料を使用して、或る特定の雰囲気又は或る特定の設計特性が得られ得る。全てのこのようなアプリケーションでは、パネルの前側が一様に照明されることが重要である。
【0003】
現在、このようなパネルのほとんどは、LEDの大きな正方形アレイを使用し、前面の織物までの相対的に大きな距離を使用することによって、照明されている。LEDの正方形アレイは、所謂サイドウォール効果(side wall effect)の発生を防止するために使用される。しかしながら、市場においては、依然として一様に照明されながら、より低い建物高さを伴うパネルに対するニーズがある。
【0004】
このニーズを満たすために、LEDピッチを減少させることがあるが、これは、コスト効率が良くないという不利な点を有する。他の例においては、光の拡散のために導光板を使用することがあるが、これは、防火上の理由で許可されない場合があるという不利な点を有する。
【0005】
別の選択肢は、背面照明の分野において知られているような側面発光光学系を使用するものである。しかしながら、これは、LEDの位置に対するこのような光学系の正確な位置決めを必要とし、これは、コストがかかる。また、1つの側面発光レンズと一緒に異なる色を持つ複数のLEDを使用して着色されている又は色調整可能であるパネルは、望ましくないカラーオーバーアングル効果(color over angle effect)を与える。
【0006】
(拡散透過性のドーム、コーン、又は楕円体などの)散乱光学系の使用が、一様な照明パネルを作成するための更に別の可能性である。これは、位置決め及び公差の重要性を低下させ、より良好な色混合をもたらす。しかしながら、一様性への効果は限られることから、この選択肢は、他の上述の選択肢より劣っていると考えられる。
【0007】
CN 1848462 Aは、電子回路基板に固定され、プレハブ式の(prefabricated)シェル(shell)又はカバーボディで覆われる単一の又は幾つかのLEDチップについて記載している。シェル又はカバーボディは、電子回路基板に固定される、又は電子回路基板は、固定座(fixing seat)に固定される。電子回路基板の周縁部もシェル又はカバーボディで覆われ、故に、光源の方向、角度及び色が容易に変更及び交換されることができ、同時に、より良好な放射効果が得られる。シェル又はカバーボディは、光透過性材料で作成される。CN 1848462 Aは、シェル又はカバーボディの形状に関しては、円柱、半球、正方形、平面などの様々な形状を具備し得ることしか記載していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
コストを低く抑えるような相対的に少ないLED数で、防火上の理由のために相対的に少ないプラスチック面積で、光学的構成要素の寛大な位置決め公差で、色のアーティファクトなしでの、一様に照らされる大面積パネルの提供の要求がある。
【0009】
本発明の目的は、この要求を満たし、前述の大面積パネルを可能にする発光デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1態様によれば、前記目的は、1つ以上のLED光源と、1つ以上の拡散透過性カバーとを有する発光デバイスによって達成される。前記1つ以上の拡散透過性カバーは、LED光源と拡散透過性カバーとの1つ以上の組み合わせを形成するよう、前記1つ以上のLED光源の上に延在する。
【0011】
LED光源と拡散透過性カバーとの各組み合わせについて、(i)前記拡散透過性カバーは、垂直断面が閉じた凸形状を有し、水平断面が多角形形状を有するドーム状であり、(ii)前記拡散透過性カバーは、前記拡散透過性カバーの底部に平行な水平面内に投影される幅(w)を有し、(iii)前記LED光源は、任意の隣接LED光源までの距離(d)を有する。前記幅(w)と前記距離(d)とが互いに垂直であり、前記幅(w)と前記距離(d)との比率は一定である。
【0012】
本発明との関連においては、「LED光源」という用語は、単一のLED、又は赤色、緑色、青色及び白色(RGBW)LEDのクラスタのような2つ以上のLEDのクラスタを指すと解釈されるべきである。
【0013】
前記1つ以上のLED光源は、LED光源のアレイ状に配設されてもよく、前記1つ以上の拡散透過性カバーは、拡散透過性カバーのアレイ状に配設されてもよい。
【0014】
各拡散透過性カバーに、閉じた凸形状を有する垂直断面と、多角形水平断面とを与えることによって、前記LED光源のアレイから距離を置いて測定される前記発光デバイスの光出力の照度一様性の著しい向上が得られ得る。
【0015】
更に、前記拡散透過性カバーの底部における水平面内に投影される前記拡散透過性カバーの幅(w)と、前記LED光源のアレイにおける或るLED光源から隣接LED光源までの距離(d)とが、比率w/dが一定であるように選ばれると規定することによって、任意の所与のLED光源から、前記所与のLED光源により近い隣接LED光源への方向に比べて、より遠く離れている隣接LED光源に向かう方向により多くの光が投影されることが確実にされる。それによって、前記LED光源のアレイから距離を置いて測定される前記発光デバイスの光出力の照度一様性における更なる向上が得られ得る。
【0016】
それによって、コストを低く抑えるような相対的に少ないLED数で、防火上の理由のために相対的に少ないカバー面積で、光学的構成要素の寛大な位置決め公差で、色のアーティファクトなしでの、一様に照らされる大面積パネルの提供を可能にする発光デバイスが提供される。
【0017】
前記発光デバイスにおいては、各拡散透過性カバーは、LED光源を覆って延在する。それによって、依然として上記の利点を達成しながら、従って、照度一様性を損なうことなく、任意の必要とされるサイズまで拡大するのがとりわけ簡単である発光デバイスが提供される。
【0018】
前記拡散透過性カバーの各々は、厚さを備える壁部を有し、前記厚さは、前記壁部の高さによって及び/又は前記壁部の周囲にわたって変化し得る。それによって、発光の方向が制御されることができ、前記発光デバイスの光出力の照度一様性の更なる最適化が得られ得る。
【0019】
各拡散透過性カバーは、頂部セクション(top section)、底部セクション(bottom section)及び厚さを備える壁部を有し、前記厚さは、前記底部セクションに比べて前記頂部セクションにおいてより大きくてもよい。それによって、ドームからの光の側面放射を上面放射よりも促進しながら、前記発光デバイスの光出力の照度一様性のもっと更なる最適化が得られ得る。
【0020】
各拡散透過性カバーは、頂点、底部及び厚さを備える壁部を有してもよく、前記厚さは、前記頂点において最も大きく、前記底部において最も小さい。それによって、ドームからの光の側面放射を上面放射よりも促進するのを最適化しながら、前記発光デバイスの光出力の照度一様性のとりわけ効率的な最適化が得られ得る。
【0021】
ドーム状の前記拡散透過性カバーの前記水平断面は、四角形、五角形又は六角形であってもよい。前記水平断面のこのような形状は、前記発光デバイスの光出力のとりわけ良好な照度一様性をもたらすことが証明された。
【0022】
前記ドーム状の拡散透過性カバーの前記垂直断面は、スプライン形状(spline-shaped)、楕円、三角形又は半楕円(hemi-ellipsoid)であってもよい。このような形状の垂直断面は、前記発光デバイスの光出力のとりわけ良好な照度一様性をもたらすことが証明された。
【0023】
各拡散透過性カバーは、錐状(pyramid-shaped)又は半楕円であってもよい。カバーのアレイの個々のカバーのこのような形状は、前記発光デバイスの光出力のとりわけ良好な照度一様性をもたらすことが証明された。
【0024】
各拡散透過性カバーの底部における水平断面は、11ミリメートルのような、5ミリメートル乃至16ミリメートルの範囲内の辺長を有してもよい。これらの例示的な辺長は、各カバーが1つ又は2つのLEDを備えるLED光源を覆う実施形態に特に適している。それによって、前記発光デバイスは、前記カバーの基部のサイズと前記LED光源の基部のサイズとの間にそれぞれ関係を付与され、前記発光デバイスの光出力の照度一様性の更なる向上をもたらす。
【0025】
各拡散透過性カバーの前記壁部は、頂部セクション、底部セクション及び厚さを有する。前記底部セクションにおける前記壁部の前記厚さは、1ミリメートルのような、0.4ミリメートル乃至1.2ミリメートルの範囲内であってもよく、前記頂部セクションにおける前記壁部の前記厚さは、2.5ミリメートルのような、1.5ミリメートル乃至4ミリメートルの範囲内であってもよい。それによって、前記発光デバイスの光出力の照度一様性の最適化が得られ得る。
【0026】
前記拡散透過性カバーの前記水平断面は、前記LED光源のアレイにおける各LED光源の基部の形状に適合していてもよい。前記発光デバイスへの、それぞれ互いに適合している又は同一である前記カバーの基部の形状及び前記LED光源の基部の形状の付与は、前記発光デバイスの光出力の最適な照度一様性をもたらすことが本発明者によって証明された。
【0027】
各拡散透過性カバー及び前記拡散透過性カバーのアレイのうちいずれか1つの水平断面は、前記LED光源のアレイの形状に適合していてもよい。前記発光デバイスへの、それぞれ互いに適合している又は同一である前記カバーの基部の形状及び前記LED光源のアレイの全体形状の付与は、前記発光デバイスの光出力の最適な照度一様性をもたらすことが本発明者によって証明された。
【0028】
各拡散透過性カバーは高さを有し、前記高さは、11.2ミリメートルのような、20ミリメートル以下であってもよい。しかしながら、一般に、前記高さは、前記織物のチャンバの高さと、各カバー内に配設されるLED光源の数とに依存して選ばれる。
【0029】
各拡散透過性カバーは、ガラス材料又はプラスチック材料で作成されてもよく、いずれの場合にも、散乱材料と共に又は散乱材料なしで作成されてもよい。ガラス材料及びプラスチック材料は、十分に拡散透過性であり、且つロバストであるカバーを提供し、それによって、ロバストな発光デバイスをもたらす。ガラス材料は、耐火性のものであるという更なる利点を有する。散乱材料の添加は、位置決め及び色混合に関してロバスト性を与えるという利点を有する。
【0030】
前記発光デバイスは、発光壁面パネル又は発光天井パネルとして使用されるよう構成され得る。
【0031】
本発明は、第2態様においては、本発明の第1態様による発光デバイスを有する発光パネルに関する。
【0032】
本発明は、請求項において挙げられている特徴の全てのあり得る組み合わせに関することに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
ここで、本発明の実施形態を示す添付の図面を参照して、本発明のこの及び他の態様についてより詳細に記載する。
図1】LED光源のアレイ及び対応するカバーのアレイを有する本発明による発光デバイスの概略斜視図を示す。
図2図1による発光デバイスのカバーを備える1つのLED光源のクローズアップ斜視図を示す。
図3図1による発光デバイスのカバーの垂直断面図を示す。
図4図4は、図1による発光デバイスのカバーの垂直断面図であって、図3の垂直断面図とは異なり、図3の垂直断面図に対して45度回転されている垂直断面図を示す。
図5】本発明による発光デバイスのカバーの別の実施形態の上面図を示す。
図6】本発明による発光デバイスのカバーの別の実施形態の底面図を示す。
図7】本発明による発光デバイスのカバーの別の実施形態の垂直断面図を示す。
図8】LED光源及び関連するカバーのアレイの正方形単位セルにおいて正方形の水平断面及び三角形の垂直断面を備える本発明による発光デバイスの錐状の散乱カバーを有する本発明による発光デバイスの斜視図を示す。
図9a図8による発光デバイス、30ミリメートルの高さの、20ミリメートル×20ミリメートルのランバート散乱織物での照明の結果を図示するグラフであって、前記ランバート散乱織物の照度を図示するグラフを示す。
図9b図8による発光デバイス、30ミリメートルの高さの、20ミリメートル×20ミリメートルのランバート散乱織物での照明の結果を図示するグラフであって、図9aにおいて示されているX方向における位置の関数としてランバート散乱織物の照度のサンプルを示すグラフを示す。
図9c図8による発光デバイス、30ミリメートルの高さの、20ミリメートル×20ミリメートルのランバート散乱織物での照明の結果を図示するグラフであって、図9aにおいて示されているY方向における位置の関数としてランバート散乱織物の照度のサンプルを示すグラフを示す。
図10】本発明による発光デバイスのカバーの別の実施形態の斜視図を示す。
図11】本発明による発光デバイスのカバーの別の実施形態の上面図を示す。
図12】本発明による発光デバイスのカバーの別の実施形態の側面斜視図を示す。
図13a】本発明による発光デバイス、ランバート散乱織物での照明の結果を図示するグラフであって、前記ランバート散乱織物の照度を図示するグラフを示す。
図13b】本発明による発光デバイス、ランバート散乱織物での照明の結果を図示するグラフであって、図13aにおいて示されているX方向における位置の関数としてランバート散乱織物の照度のサンプルを示すグラフを示す。
図13c】本発明による発光デバイス、ランバート散乱織物での照明の結果を図示するグラフであって、グラフ13aにおいて示されているY方向における位置の関数としてランバート散乱織物の照度のサンプルを示すグラフを示す。 図において図示されているような層及び領域のサイズは、説明の目的のために誇張されており、従って、本発明の実施形態の大まかな構造を説明するために示されている。全体を通して、同様の参照符号は、同様の要素を指す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
ここで、本発明の現在好ましい実施形態が示されている添付図面を参照して、本発明について以下により詳細に説明する。しかしながら、本発明は、多様な形態で実施されることができ、本明細書において記載されている実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、もっと正確に言えば、これらの実施形態は、完全及び完璧を期すために示されており、本発明の範囲を当業者に十分に伝える。
【0035】
図1は、発光パネルとして使用するための、本発明による発光デバイス1の斜視図を示している。前記発光デバイスは、任意の適切なタイプのパネル、とりわけ、壁面パネル及び天井パネルのような大きな表面積を有するパネルのために使用され得る。このようなパネルは、様々な種類のディスプレイ、例えば、窓、又は空若しくは風景などの屋外環境のシミュレート用のパネルとしての役割を果たし得る。
【0036】
発光デバイス1は、LED光源2のアレイと、拡散透過性カバー3のアレイとを有する。
【0037】
LED光源2は、動作中、光を発するよう適合される。LED光源2によって発せられる光は、白色などの、同じ色のものであってもよく、又は2つ以上の異なる色のものであってもよい。
【0038】
図1において図示されている発光デバイス1においては、各LED光源2は、単一のLEDから成る。他の例においては、LED光源は、2つ以上のLEDから成ることもある。
【0039】
アレイは、任意の実現可能なサイズを有し得る。サイズは、発光デバイス1のアプリケーションに従って選ばれてもよい。アレイのサイズは、n*mのLED光源2及びカバー3をそれぞれ含むものとして表現され得る。更に、nは、mと等しくてもよく、又はnは、mより大きくてもよく、又はnは、mより小さくてもよい。示されている実施形態においては、アレイは、4×3のサイズを有する。カバー3は、適切なガラス材料又は適切なプラスチック材料のような、拡散透過性材料で作成される。カバー3の材料は、更に、散乱性であってもよく、又は散乱材料を具備してもよい。
【0040】
図1において図示されている発光デバイス1においては、カバー3は、各カバー3が、単一のLED光源2の上に、従って、単一のLEDの上に延在するように、配設される。従って、LEDの数とカバー3の数とが同じである。
【0041】
LED光源が2つ以上のLEDから成る代替構成においては、カバーの数はLEDの数より少なくてもよく、この場合には、各カバーは2つ以上のLEDを覆う。全てのLEDが単一のカバーで覆われることさえも実現可能である。
【0042】
LED光源2及び拡散透過性カバー3は、プリント回路基板のような基部又は基板4に配設されてもよい。
【0043】
ここで、図2乃至4も参照すると、各拡散透過性カバー3は、ドーム状である。各カバー3は、垂直断面6(図3及び4)と、水平断面5(図2)とを有する。一般に、垂直断面6は、楕円形、スプライン形状又は三角形であり、水平断面5は、多角形である。一般に、図1において示されているように、各カバー3は、カバーの底部35に平行な水平面内に投影される幅wを有し、LED光源2は、各LED光源2が隣接LED光源2から距離d内に配設されるように、配設される。幅w及び距離dは互いに垂直である。幅wは、ゼロとhとの間の高さであって、ゼロ及びhを含む高さに位置する、底部35に平行な任意の水平面内に投影されてもよく、図2において示されているように、ゼロという高さは、底部35における高さであり、高さhは、カバー3の頂部36における高さである。一般に、LED光源2を覆う所与のカバー3の幅wと、所与のカバー3によって覆われるLED光源2から任意の隣接LED光源までの距離dとが、比率w/dが一定であるように、選ばれ、幅wが投影される水平面が延在している特定の高さに関係なく、この関係は適用される。これは、所与のカバー3によって覆われるLED光源2からどの方向に隣接LED光源が配設されているかに関係なく適用されると理解されたい。図2乃至4において示されている実施形態においては、垂直断面6は、楕円形であり、水平断面5は、矩形である。各カバー3は、外面31、内面32、底部セクション33、頂部セクション34、底部35及び頂点36を備える壁部7を更に有する。
【0044】
各カバー3は、外面31と内面32との間の距離であって、外面31及び内面32の両方に垂直な距離として定義される厚さを更に有する。カバー3の頂部セクション34における厚さは、カバー3の底部セクション35における厚さよりも大きい。図3及び4において示されている実施形態においては、カバー3の頂点36における厚さ8が、カバー3の最も大きな厚さである一方で、カバー3の底部35における厚さ9が、カバー3の最も小さな厚さである。カバー3の厚さは、底部セクション33から頂部セクション34に向かって、又は底部35から頂点36に向かって、連続的に又は徐々に増加してもよい。
【0045】
各カバー3は、カバー3の底部35と頂点36との間の垂直距離であって、底部35に垂直な垂直距離として定義される(図2において示されているような)高さhを更に有する。高さhは、20ミリメートル以下であってもよい。例えば、高さは11.2ミリメートルであってもよい。高さは、一般に、織物のチャンバの高さと、各カバー内に配設されるLEDの数とに依存して選ばれる。
【0046】
図5乃至7は、それぞれ、本発明による発光デバイス1のカバー300の代替実施形態の上面図、底面図及び垂直断面図を示している。カバー300は、ほぼ錐形のものであるという点で、図2乃至4のカバー3と異なる。従って、カバー300は、三角形である垂直断面6(図7)と、多角形であり、より具体的には正方形である水平断面5(図6)とを有する。カバー300は、図5に示されているように、頂点36において交わる4つの同一の三角形側面311、312、313及び314から成る壁部7を更に有する。
【0047】
ここで図8に目を向けると、本発明による例示的な発光デバイス100の斜視図が示されている。発光デバイス100は、示されている実施形態においては、(図8においては見えない)LED光源2と、概して図5乃至7において示されている実施形態のものであるカバー300とを有する。発光デバイスは、42.87ミリメートルの壁部長さL、30ミリメートルの高さH及び90%の反射率を備える正方形単位セル(square unit cell)12において配設される。正方形単位セル12は、n×mのこのような単位セル12を有するLED2及び関連するカバー3のアレイの単位セルを表すよう意図されている。
【0048】
図9は、図8による発光デバイス100、30ミリメートルの高さを備える20ミリメートル×20ミリメートルのランバート散乱織物での照明の結果を図示するグラフを示している。このような単位セル12の大きなアレイ、従って、LED光源2及び関連するカバー3の大きなアレイをシミュレートするために、正方形単位セル12は、それ故、理想的なミラーを具備する。グラフa)は、ランバート散乱織物の照度を示している。グラフb)は、グラフa)において示されているX方向における位置の関数として照度を示しており、グラフc)は、グラフa)において示されているY方向における位置の関数として照度を示している。これらの測定値は、このような発光デバイス100が98%の一様性で照度を生成し、最低照度と最高照度との測定比率が0.98であることを示している。
【0049】
図13は、本発明の別の実施形態による発光デバイス、ランバート散乱織物での照明の結果を図示するグラフを示している。グラフa)は、ランバート散乱織物の照度を示している。グラフb)は、グラフa)において示されているX方向における位置の関数としてランバート散乱織物の照度のサンプル(cross section)を示している。グラフc)は、グラフa)において示されているY方向における位置の関数としてランバート散乱織物の照度のサンプルを示している。明らかなように、非常に高い一様性、とりわけ98%以上の一様性の照度が得られている。
【0050】
図10は、本発明による発光デバイス1のカバー310の別の代替実施形態の斜視図を示している。カバー310は、矩形である水平断面を有する。カバー310は、スプライン形状である垂直断面を更に有する。カバー310は、楕円形上面セクション34を更に有するという点で、図2乃至4のカバー3と異なる。
【0051】
図11及び12は、それぞれ、本発明による発光デバイス1のカバー320の更に別の代替実施形態の上面図及び斜視図を示している。カバー320は、六角形である水平断面を有するという点で、図2乃至4のカバー3と異なる。カバー320は、スプライン形状である垂直断面を更に有する。カバー320は、円形上面セクション34において交わる6つの同一の側面311、312、313、314、315及び316から成る壁部7を更に有する。
【0052】
当業者には、本発明が、決して、上記の好ましい実施例に限定されないことは分かる。逆に、添付の特許請求の範囲内で多くの修正及び変更が可能である。
【0053】
更に、当業者は、請求項記載の発明の実施において、図面、明細及び添付の請求項の研究から、開示されている実施形態に対する変形を、理解し、達成することができる。特許請求の範囲において、「有する」という単語は、他の要素又はステップを除外せず、単数形表記は、複数性を除外しない。単に、或る特定の手段が、相互に異なる従属請求項において挙げられているという事実は、これらの手段の組み合わせは有利になるようには使用されることができないことを示すものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9a
図9b
図9c
図10
図11
図12
図13a
図13b
図13c
【国際調査報告】