(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-14
(54)【発明の名称】切断事象モデリング及び管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20230407BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022552315
(86)(22)【出願日】2021-02-25
(85)【翻訳文提出日】2022-10-28
(86)【国際出願番号】 US2021019576
(87)【国際公開番号】W WO2021173780
(87)【国際公開日】2021-09-02
(32)【優先日】2020-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522343119
【氏名又は名称】マクソン コンピューター ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100176418
【氏名又は名称】工藤 嘉晃
(72)【発明者】
【氏名】マール ビョルン ディルク
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA07
(57)【要約】
ワークフローを維持するための複数のノードを備える作業空間を自動的に調節するためのシステム及び方法を開示する。1つの方法は、作業空間に新しいノードを受け入れる段階と、新しいノードが1又は2以上のノードと重複すると決定する段階とを備える。この決定に基づいて、重複部分の予め決められた距離内の新しいノード及びこの1又は2以上のノードを備えるノードのセットは、再位置決めすることができる。新しいノードがこの1又は2以上のノードと依然として重複すると決定する時に、ノードのセットは、重複がなくなるまでスケールダウンすることができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークフローを維持するための複数のノードを備える作業空間を自動的に調節するコンピュータ実装方法であって、
前記作業空間に新しいノードを受け入れる段階と、
前記新しいノードが1又は2以上のノードと重複すると決定する段階と、
前記新しいノードと前記1又は2以上のノードとを備えるノードのセットを前記重複部の予め決められた距離内に再位置決めする段階と、
前記新しいノードが前記1又は2以上のノードと依然として重複すると決定する段階と、
重複がなくなるまで前記ノードのセットをスケールダウンする段階と、
を備えることを特徴とするコンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記ノードのセットは、1又は2以上の他のノードを更に備えることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
前記作業空間は、オブジェクトモデリングアプリケーションのノードエディタの作業空間を備えることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記複数のノードの各々が、オブジェクトの1又は2以上の特質に関連付けられることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
前記再位置決めする段階は、少なくとも部分的に前記ノードのセット間の距離に基づいていることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
前記再位置決めする段階は、前記新しいノードと前記1又は2以上のノードの各々との間の接続ホップの数に少なくとも部分的に基づいていることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
前記スケーリングする段階は、
前記重複部の第2の予め決められた距離内の各ノードのサイズを決定する段階と、
前記重複部の前記第2の予め決められた距離内の各ノードの前記サイズに基づいてスケーリングする段階と、
を更に備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
前記重複部の前記予め決められた距離は、該重複部の中心点から延びる円形区域を備え、該円形区域の半径が、前記新しいノード及び前記1又は2以上のノードのうちの少なくとも一方の寸法の少なくとも2倍であることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項9】
前記作業空間がスクロールされていると決定する段階と、
前記作業空間がスクロールされていると決定する段階に応答して、前記ノードのセットのスケーリング前サイズを視覚的に維持するために該作業空間の視野を調節する段階であって、該スケーリング前サイズが、スケールダウンされる前の該ノードのセットのサイズである前記調節する段階と、
更に備えることを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
前記調節する段階は、
関心区域上にズームインする段階と、
前記ノードのセットを前記スケーリング前サイズで表示する段階と、
を備える、
ことを特徴とする請求項9に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項11】
システムであって、
1又は2以上のプロセッサと、
前記1又は2以上のプロセッサによって実行された時にワークフローを維持するための複数のノードを備える作業空間を自動的に調節するためのオペレーションを該1又は2以上のプロセッサに実行させる命令を備える1又は2以上のコンピュータ可読媒体と、
を備え、
前記オペレーションは、
前記作業空間に新しいノードを受け入れる段階と、
前記新しいノードが1又は2以上のノードと重複すると決定する段階と、
前記新しいノードと前記1又は2以上のノードとを備えるノードのセットを前記重複部の予め決められた距離内に再位置決めする段階と、
前記新しいノードが前記1又は2以上のノードと依然として重複すると決定する段階と、
重複がなくなるまで前記ノードのセットをスケールダウンする段階と、
を備える、
ことを特徴とするシステム。
【請求項12】
前記ノードのセットは、1又は2以上の他のノードを更に備えることを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記作業空間は、オブジェクトモデリングアプリケーションのノードエディタの作業空間を備えることを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記再位置決めする段階は、少なくとも部分的に前記ノ―ドのセット間の距離に基づいていることを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記再位置決めする段階は、前記新しいノードと前記1又は2以上のノードの各々との間の接続ホップの数に少なくとも部分的に基づいていることを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記スケーリングする段階は、
前記重複部の第2の予め決められた距離内の各ノードのサイズを決定する段階と、
前記重複部の前記第2の予め決められた距離内の各ノードの前記サイズに基づいてスケーリングする段階と、
を更に備える、
ことを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記重複部の前記予め決められた距離は、該重複部の中心点から延びる円形区域を備え、該円形区域の半径が、前記新しいノード及び前記1又は2以上のノードのうちの少なくとも一方の寸法の少なくとも2倍であることを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
前記オペレーションは、
前記ノードのセットのスケーリング前サイズを視覚的に維持するために前記作業空間の視野を調節する段階であって、該スケーリング前サイズが、スケールダウンされる前の該ノードのセットのサイズである前記調節する段階、
を更に備える、
ことを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項19】
前記調節する段階は、
関心区域上にズームインする段階と、
前記ノードのセットを前記スケーリング前サイズで表示する段階と、
を備える、
ことを特徴とする請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
1又は2以上の非一時的コンピュータ可読媒体であって、
1又は2以上のプロセッサによって実行された時にワークフローを維持するための複数のノードを備える作業空間を自動的に調節するためのオペレーションを該1又は2以上のプロセッサに実行させる命令、
を備え、
前記オペレーションは、
前記作業空間に新しいノードを受け入れる段階と、
前記新しいノードが1又は2以上のノードと重複すると決定する段階と、
前記新しいノードと前記1又は2以上のノードとを備えるノードのセットを前記重複部の予め決められた距離内に再位置決めする段階と、
前記新しいノードが前記1又は2以上のノードと依然として重複すると決定する段階と、
重複がなくなるまで前記ノードのセットをスケールダウンする段階と、
を備える、
ことを特徴とする非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
この出願は、これにより引用によってその内容全体が組み込まれる2020年2月27日出願の米国特許出願第16/802、734号の利益を主張するものである。
【0002】
本発明の開示は、3次元モデリング処理強化のめのシステム及び方法に関する。より具体的には、本発明の開示は、ノードエディタの作業空間内でノードの配置及びスケーリングを調節するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
3次元(3D)モデリングでは、ノードエディタは、ユーザが、ノードのセットを通して基本特性を経路指定することによってオブジェクトを生成することを可能にする。各ノードは、特性に対してオペレーションを実行し、オブジェクトが3D空間内でどのように視覚的に現れることになるかを変更し、かつ修正された特性を次のノードに渡すことができる。様々なノードを利用してそれらの間の適切に接続を作ることにより、望ましいオブジェクト外観を達成することができる。
【0004】
本明細書に与える背景説明は、本発明の開示の背景を一般的に提示する目的のためである。本明細書で他を示さない限り、この節に説明する内容は、従来技術ではなく、かつこの節に含めることによって従来技術であるように又は従来技術の示唆であるように認めるものではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態は、ワークフローを維持するための複数のノードを備える作業空間を自動的に調節するコンピュータ実装方法を提供し、本方法は、作業空間に新しいノードを受け入れる段階と、新しいノードが1又は2以上のノードと重複すると決定する段階と、新しいノードとその1又は2以上のノードとを備えるノードのセットを重複部の予め決められた距離内に再位置決めする段階と、新しいノードがその1又は2以上のノードと依然として重複すると決定する段階と、重複がなくなるまでノードのセットをスケールダウンする段階とを備える。
【0006】
一実施形態は、1又は2以上のプロセッサと、1又は2以上のプロセッサによって実行された時にワークフローを維持するための複数のノードを備える作業空間を自動的に調節するためのオペレーションを1又は2以上のプロセッサに実行させる命令を備える1又は2以上のコンピュータ可読媒体とを備えるシステムを提供する。オペレーションは、作業空間に新しいノードを受け入れる段階と、新しいノードが1又は2以上のノードと重複すると決定する段階と、新しいノードとその1又は2以上のノードとを備えるノードのセットを重複部の予め決められた距離内に再位置決めする段階と、新しいノードがその1又は2以上のノードと依然として重複すると決定する段階と、重複がなくなるまでノードのセットをスケールダウンする段階とを備えることができる。
【0007】
一実施形態は、1又は2以上のプロセッサによって実行された時にワークフローを維持するための複数のノードを備える作業空間を自動的に調節するためのオペレーションを1又は2以上のプロセッサに実行させる命令を備える1又は2以上の非一時的コンピュータ可読媒体を提供する。オペレーションは、作業空間に新しいノードを受け入れる段階と、新しいノードが1又は2以上のノードと重複すると決定する段階と、新しいノードとその1又は2以上のノードとを備えるノードのセットを重複部の予め決められた距離内に再位置決めする段階と、新しいノードがその1又は2以上のノードと依然として重複すると決定する段階と、重複がなくなるまでノードのセットをスケールダウンする段階とを備えることができる。
【0008】
開示する実施形態の追加の目的又は利点は、一部を以下の説明に列挙し、一部は説明から以下で明らかになり、又は開示する実施形態の実施によって習得することができる。開示する実施形態の目的及び利点は、添付の特許請求の範囲に特に指摘する要素及び組合せによって実現かつ達成されることになる。
【0009】
以上の一般説明及び以下の詳細説明の両方は単に例示かつ説明であり、主張するような開示する実施形態の制限ではないことは理解されるものとする。
【0010】
本明細書に組み込まれてその一部を構成する添付図面は、様々な例示的実施形態を例示し、本明細書と共に開示する実施形態の原理を解説することに寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】モデリングアプリケーションのノードエディタの例示的作業空間を示す図である。
【
図2A】本発明の開示の一態様による例示的自己調節式作業空間の連続視野を示す図である。
【
図2B】本発明の開示の一態様による例示的自己調節式作業空間の連続視野を示す図である。
【
図2C】本発明の開示の一態様による例示的自己調節式作業空間の連続視野を示す図である。
【
図2D】本発明の開示の一態様による例示的自己調節式作業空間の連続視野を示す図である。
【
図2E】本発明の開示の一態様による例示的自己調節式作業空間の連続視野を示す図である。
【
図3】本発明の開示の一態様によるノードエディタの作業空間を調節する例示的方法を示す流れ図である。
【
図4A】本発明の開示の一態様によるノードの再位置決め中の例示的自己調節式作業空間の連続視野を示す図である。
【
図4B】本発明の開示の一態様によるノードの再位置決め中の例示的自己調節式作業空間の連続視野を示す図である。
【
図4C】本発明の開示の一態様によるノードの再位置決め中の例示的自己調節式作業空間の連続視野を示す図である。
【
図5A】再位置決め後にノード間の重複が残る例示的自己調節式作業空間の連続視野を示す図である。
【
図5B】再位置決め後にノード間の重複が残る例示的自己調節式作業空間の連続視野を示す図である。
【
図5C】再位置決め後にノード間の重複が残る例示的自己調節式作業空間の連続視野を示す図である。
【
図6A】本発明の開示の一態様により全てのノードを示すために作業空間の視野がパンされる時の例示的自己調節式作業空間を示す図である。
【
図6B】本発明の開示の一態様による
図6Aの例示的自己調節式作業空間の調節された視野を示す図である。
【
図7A】本発明の開示の一態様により複数のノードを含む例示的自己調節式作業空間を示す図である。
【
図7B】
図7Aの自己調節式作業空間に対応するノード密度マップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の実施形態は、3Dモデリング処理強化のためのシステム及び方法、より具体的には、ノードエディタの作業空間内でノードの配置及びスケーリングを調節するためのシステム及び方法を説明する。
【0013】
3Dモデリングソフトウエアにより、ユーザは、仮想3D空間内に生成されたオブジェクトをナビゲートして検査し、コンテクストを失うことなく小さな詳細、並びに大きいシーン要素に対して作業することができる。そのような3Dモデリングソフトウエアのノードエディタにより、ノード及びノード接続を使用してオブジェクト外観のカスタム化が可能になり、ユーザは、オブジェクトの特質を望ましい仕様に対して操作することができる。一般的に、ノードエディタの作業空間は、ノードを通してデータが流れる方法を制御するためにi)演算を表すノード、及びii)ノード間の接続から構成することができる。複雑なオブジェクト又はシーンを生成する時に、ノードエディタの作業空間に直ちにノードが密集し、ノードの可視化及び/又は追加をより困難かつ面倒にする場合がある。例えば、ユーザは、作業空間内で追加ノードに場所を空けるために既存のノードを手動で移動する、グループ分けする、及び/又は再スケーリングしなければならないと考えられる。
【0014】
この問題に対する1つのソリューションは、既存のノードをノード群に配置するか又はノードを折り畳むかのいずれかである。これらのオプションの両方は、ノードに再びアクセスするためにユーザからの追加アクションを必要とするという欠点を伴う。更に、ノード群又は折り畳まれた区域は、必ずしも論理的及び/又は機能的方式で生成されない場合があり、得られるレイアウトを解釈しにくくする。別のソリューションは、自動レイアウトである。この方法論も、ユーザによって展開された元の設定又はレイアウトを壊すという欠点を伴い、それは、ワークフローの大きい中断又は混乱に至る場合がある。
【0015】
本発明の開示で考えている技術は、上述の問題を軽減する又は最小にすることができる。一般的に、本発明の開示で議論する技術は、作業空間内の各ノードの現在のスケール及び/又はサイズ、及び/又は互いからの距離に基づいてノードを再位置決めする及び/又は再スケーリングすることにより、ユーザの元のノードレイアウトを壊さない自動化ソリューションを提供する。一実施形態では、作業空間に新しいノードを受け入れることに応答して、既存のノードとのいずれの重複も検出することができる。重複がある場合に、重複部の近傍内のノードのセットは、新しいノードの周りのノード分布を均一にするために再位置決めすることができる。再位置決め後も依然として重複がある場合に、ノードのセットは、重複がなくなるまでスケールダウンすることができる。これに代えて、ノードのセットは、初期の再位置決めなしでスケーリングすることができ、又はスケーリングは、あらゆる再位置決めの前に行うことができる。これに加えて、作業空間の視野は、ノードのサイズをそれらがスケールダウンされる前のサイズに視覚的に維持するために調節することができる(すなわち、ノードサイズの事前スケーリング)。ノードの再位置決め及び/又は再スケーリングにより、作業空間は、ユーザが快適に感じるほどに小さい区域に多くのノードを保持することができる場合がある。ユーザは、ノードレイアウトをより良く見る及び/又は理解するために、作業空間内の関心区域をズームイン及びズームアウトすることを可能にされる場合がある。
【0016】
本発明の開示の主題をその一部を形成して例示的に特定の例示的実施形態を示す添付図面を参照してここで以下により完全に説明する。本明細書で「例示的」として説明する実施形態又は実施は、例えば他の実施形態又は実施よりも好ましい又は有利であると解釈されないものとし、むしろ、実施形態が例示的な実施形態であることを反映する又は示すように意図している。主題は、様々な異なる形態に具現化される場合があり、従って、網羅された又は主張する主題は、本明細書に列挙するいずれの例示的実施形態に限定されるようにも解釈されないように意図しており、例示的実施形態は、単に例示的であるように与えられる。同様に、主張する又は網羅される主題に対して合理的に広い範囲を意図している。取りわけ、例えば、主題は、方法、デバイス、構成要素、又はシステムとして具現化することができる。従って、実施形態は、例えば、ハードウエア、ソフトウエア、ファームウエア、又はそのあらゆる組合せの形態を取ることができる。従って、以下の詳細説明は、限定的な意味に取られるように意図していない。
【0017】
本明細書に開示する全ての数値は、開示する数値から±10%の変動(異なる変動が指定されない限り)を有する場合があることも注意しなければならない。更に、「約」、「実質的に」、「近似的に」などのような全ての相対用語は、±10%の可能な変動を示すのに使用される(特に示されないか又は別の変動が指定されない限り)。
【0018】
本明細書及び特許請求の範囲全体を通して、用語は、明示的に陳述される意味を超えて文脈で示唆又は含意される微妙な意味を有する場合がある。同様に、本明細書に使用する語句「一実施形態では」又は「一部の実施形態では」は、必ずしも同じ実施形態を指すものではなく、本明細書に使用する語句「別の実施形態では」は、必ずしも異なる実施形態を指すものでもない。例えば、主張する主題は、全体的又は部分的に例示的実施形態の組合せを含むことが意図されている。
【0019】
以下に使用する用語法は、それが本発明の開示のある一定の特定の例の詳細説明と併せて使用される場合であっても、その最も幅広い合理的方式で解釈することができる。実際に、ある一定の用語は、以下で強調される場合さえもあるが、あらゆる限定的な方式で解釈されるように意図するいずれの用語法も、この「発明を実施するための形態」節でそれ自体が明白にかつ具体的に定められることになる。
【0020】
ここで添付図面を参照すると、
図1は、モデリングアプリケーション(例えば、3Dモデリングアプリケーション)のノードエディタの例示的作業空間100を示している。ノードエディタを使用して、ユーザは、適切なノード(例えば、ノード110)と、それらのノードの入力と出力間の接続(例えば、接続115)とを生成することによってオブジェクトの様々な視覚的特性を構成することができる。より多くの視覚的特性が構成されて追加されると、作業空間100はノード及び接続で乱雑になり、ユーザがレイアウトを解釈すること及び/又は作業空間100の制限された空間に追加ノードを配置することを困難にする可能性がある。更に、ユーザは、追加されるノードのサイズだけでなく、将来のノードに対しても場所を空けるために、既存のノードのサイズを調節しなければならない可能性がある。ユーザはまた、制限された空間に全ての必要なノードを収めるためだけに望ましくない場所にノードを配置しなければならず、追加ノードの解釈及び配置が更に面倒になる場合がある。
【0021】
図2A~2Eは、本発明の開示の一態様による例示的自己調節式作業空間200の連続視野を示している。自己調節式作業空間200は、上述の問題を軽減するように構成することができる。簡単のために及び理解しやすくするために、
図2A~2Eに描いているノードは、単に様々なサイズの矩形として示しており、ノード間の接続は示されていない。しかし、当業者は、ノードは、対応するオペレーションに関連付けられた様々なタイプのものとすることができ、作業空間200内にある他のノードとの接続を可能にする入力及び/又は出力をそれぞれ含むことができることを認識するであろう。
【0022】
図2Aは、ノード20,21,22,23,24,25,及び26を含む作業空間200に存在する複数のノードを示している。ノードのサイズは、異なる又は同じとすることができる。
図2Aのノードは、ユーザ構成レイアウトから変更されていないレイアウトを表することができ、又は本発明の開示の技術を使用して自動的に変更されたレイアウトを表することができる。
図2Aの作業空間200は、乱雑のように見え、ユーザが望ましい位置に追加ノードを配置することを困難で面倒なものにする。
【0023】
図2B~2Dは、自己調節式作業空間200のオペレーションをより明瞭に説明するために自己調節式作業空間200の部分視野を描写している。
図2Bは、作業空間200内に新しいノードが追加される前の
図2Aの自己調節式作業空間200の部分視野を示している。ノード20,21,22,23,24,25,及び26の間の空間は制限されるように見え、新しいノードがこれらの既存ノードのいずれかの近くに追加される場合に重複が生じる可能性がある。
図2Cから2Dは、作業空間200内にそのような新しいノードが追加された場合の自己調節式作業空間200のオペレーションを示している。
図2C~2Dでは、ユーザが作業空間200の乱雑な区域に新しいノード27を配置することに応答して、ある一定の既存ノードをそれらの以前の場所から移動し、新しいノード27に場所を空けることができる。例えば、ノード20,21,22,23,24,25,及び26は、
図2Bから
図2C及び
図2Cから
図2Dへのノード位置の変化に示すように再位置決めすることができる。より具体的には、ノード20,21,22,23,24,25,及び/又は26は、新しいノード27に場所を空けて新しいノード27及び既存ノードが互いに重複することを防ぐように、新しいノード27から離れるように移動される又は押しのけられる場合がある。一部の実施形態では、接近して群がるノードが、互いの間の距離を維持し、より遠くにあるノードが、接近して群がるノードを再配置する空間を提供すために更に遠くに移動されるようにノードの移動を重み付けすることができる。存在するノード接続(例えば、新しいノードと既存ノードの接続数)も、ノードの移動の程度を重み付けする時に考慮することができる。ユーザの観点からは、ノードが互いからかつ重複が生じる可能な場所から押しのけられるように見える可能性があり、重複の近くにノードが密集している場合(すなわち、ノード密度が大きい場合)には直さらそうである。ノードの再位置決めに加えて又はその代わりに、ノードの再位置決め後も依然として重複が存在する時に、新しいノード27と既存ノード20,21,22,23,24,25,及び26との全て又はサブセットは、再スケーリング(例えば、スケールダウン)することができる。一実施形態では、再スケーリングは、重複部から予め決められた距離内の各ノードに関する現在のスケール及び/又はサイズに基づいて行うことができる。一部の実施形態では、再スケーリングは、新しいノード27及び既存ノードを取り囲む区域(例えば、重複部から予め決められた距離内の区域)に関連付けられたノード密度(すなわち、ノードの重み)情報を使用して実行することができる。
【0024】
図2Eは、ノードが再スケーリングされた後の自己調節式作業空間200を描いている。ノード20,21,22,23,24,25,26,及び27は、
図2B~2Dを参照して上述したように再位置決めされることに加えて、ノードを再スケーリングして(例えば、スケールダウンして)ノード間の重複を更に取り除くことができる。ノードの再位置決め後も依然として重複が存在する時に、新しいノード27と既存ノード20,21,22,23,24,25,及び26との全て又はサブセットは、再スケーリング(例えば、スケールダウン)することができる。一実施形態では、再スケーリングは、重複部から予め決められた距離内の各ノードに関する現在のスケール及び/又はサイズに基づいて行うことができる。代替の又は追加の実施形態では、再スケーリングは、新しいノード27及び既存ノードを取り囲む区域(例えば、重複部から予め決められた距離内の区域)に関連付けられたノード密度(すなわち、ノードの重み)情報を使用して実行することができる。例えば、新しいノード27又は重複部の近く(すなわち、予め決められた距離内にある局所区域)に関連付けられたノード密度を評価することにより、ノードを再スケーリングすることができる。一実施形態では、ノードの再位置決め及び/又は再スケーリングは、ノード間の距離が均一性を保つように実行することができる。別の実施形態では、再位置決め及び/又は再スケーリング後のノード間距離は、再位置決め及び/又は再スケーリング前のノード間距離と実質的に比例することができる。ノードの再位置決め及び再スケーリングは、以下でより詳細に説明する。
【0025】
図3は、本発明の開示の一態様によるノードエディタの作業空間を調節する例示的方法を示す流れ図である。特に、方法300は、ノードエディタを備えるモデリングアプリケーションによって実行されて作業空間内でコヒーレントで解釈可能なノードレイアウトを維持することができる。段階310で、モデリングアプリケーションは、1又は2以上のノード(すなわち、1又は2以上の既存ノード)を備える作業空間に新しいノードを受け入れることができる。例えば、ユーザが新しいノードを作業空間の上に生成する、ドラッグする、及びドロップする時、又はユーザが新しいノードの生成に至る機能をトリガする時に、新しいノードは、作業空間に追加することができる。段階320で、モデリングアプリケーションは、新しいノードが作業空間内で1又は2以上のノードと重複するか否かを決定することができる。新しいノードが作業空間内でどのノードとも重複しないと決定された場合に、方法300は、段階370に進むことができ、そこで作業空間調節処理が終了する。その一方、新しいノードが作業空間内で1又は2以上のノードと重複すると決定された場合に、方法300は、段階330に進むことができる。
【0026】
段階330で、モデリングアプリケーションは、重複部を取り除くために重複部の近傍内でノードのセットを再位置決めすることができる。ノードのセットは、新しいノードと、新しいノードと重複する1又は2以上のノードとを備えることができる。ノードのセットは、新しいノードと重複しないノードを含む作業空間内の1又は2以上の他のノードを更に備えることができる。一般的に、重複部の近傍は、例えば、検出された重複部から予め決められた距離内の区域のような検出された重複部から近くの区域を網羅することができる。一実施形態では、重複部の近傍は、重複部の中心点から延びる円形区域を備えることができる。円形区域の半径は、新しいノードの寸法の約2倍、又は新しいノードと重複するノードの寸法の約2倍とすることができる。新しいノード又は既存ノードの寸法は、典型的に矩形形状であるノードの一辺の長さとすることができる。しかし、円形区域の半径は、モデリングアプリケーションの開発者又は管理者により、作業空間内のノード及び/又はいずれかの重複部の寸法を使用してあらゆる仕様に設定することができる。例えば、円形区域の半径は、新しいノードの寸法の約3倍、又は新しいノードと重複するノードの寸法の約3倍とすることができる。重複部の近傍内のノードのセットは、重複部の近傍に関連付けられたノード分布が均一になるように再位置決めすることができる(すなわち、局所緩和技術)。言い換えれば、ノードのセットを重複部の場所から遠ざける(すなわち、「緩和する」)ことができる。一部の実施形態では、重複部の近くにあるノードのセットが重複部から押しのけられる場合に、重複部の近くの外側のある一定のノードも押しのけられてノードのセットを再位置決めするための追加の空間を提供することができる。そのような場合に、接近して群がるノードのクラスター間の空間が広がる可能性がある。
【0027】
代替の又は追加の実施形態では、再位置決めは、新しいノードと、新しいノードと重複する1又は2以上のノードの各々との間の接続ホップの数に基づく場合がある。2つのノード間の接続ホップの数は、2つのノード間の関係の強さ又は2つのノード間の近さを表すことができる。例えば、2つのノード間に介在するノードの数が多いほど2つのノード間の関係は弱くなる。関係が弱い場合に、新しいノードからのノードの「緩和」(すなわち、新しいノードから遠ざかる程度)は、より柔軟性があり、つまり、ノードを以前の位置からより遠くへ押しのけることができる。より強い関係の場合に、新しいノードからのノードの「緩和」は柔軟性が小さく、ノードを移動することはできるが、前の位置に比較的近いままである可能性があることを意味する。ノード間の接続ホップの数に基づく緩和技術は、互いに近い密接に関連付けられたノードを保存する時に有利である可能性があり、ユーザは、ノード間の距離及び/又は新しいノードから遠ざける移動の程度に基づいてノード間の関係の強さを見分けることができる。
【0028】
図4A~4Cは、本発明の開示の一態様によるノードの再位置決め中の例示的自己調節式作業空間400の連続視野を示している。特に、
図4A~4Cに示すオペレーションは、ノードエディタを備えるモデリングアプリケーションによって実行され、新しいノードが追加される時に作業空間400内で重複するノードを識別することに応答してノードを再位置決めすることができる。
図4Aの例では、作業空間400は、初期にノード40,41,42,43,及び44を含有することができる。
図4Bでは、新しいノード45を作業空間400に追加することができる。ユーザは、新しいノード45のための十分な空間のない場所に新しいノード45を追加して既存のノード40,41,42,43,及び44のうちの1又は2以上との重複を生じさせる場合がある。
図4Bの例では、新しいノード45が周囲ノード41,42,43,及び44のほぼ中心点に挿入され、ノード43及び44は新しいノード45と重複する。モデリングアプリケーションは、そのような重複を検出し、重複部の場所に基づいて重複部の近傍400を決定することができる。上述のように、重複部の近傍(例えば、重複部の近傍400)は、重複部の中心点から延びる円形区域を備えることができ、その円形区域の半径は、例えば、新しいノード(例えば、ノード45)又は重複ノード(例えば、ノード43,44,又は45)の寸法(例えば、横辺、縦辺、右上の角から左下の角に延びる対角線など)の約2倍である。しかし、重複部の近傍は、あらゆる適切な仕様に設定することができる。
図4Bでは、重複部の近傍400は、新しいノード45と既存ノード43及び44とを完全に取り囲み、つまり、新しいノード45と既存ノード43及び44との全体が重複部の近傍400内に含まれる。重複部400の近くに完全に囲まれるノードは、本発明の開示を通して言及される「ノードのセット」の一部とすることができる。
図4Bに描いているノードのセット(例えば、ノード43,44,及び45)は、重複するノードだけを備えるが、ノードのセットは、重複部の近傍500を定めるパラメータがモデリングアプリケーションの開発者又は管理者によってどのように構成されたかに応じて新しいノード45と重複しない1又は2以上の他のノードを含むことができる。
【0029】
引き続き
図4Bを参照すると、方法300の段階330に関連して上述したように、新しいノード45と既存ノード43及び44とを備えるノードのセットは、再位置決めすることができる。再位置決めされたノードのセットを
図4Cに描いている。
【0030】
代替の又は追加の実施形態では、再位置決めにおいて、新しいノード45と、新しいノード45と重複するノード43及び45の各々との間の接続ホップの数を考慮することができる。
図4Bでは、新しいノード45とノード43の間の接続ホップの数は4であり、介在ノード40,41,42を通して新しいノード45をノード43に接続する。新しいノード45とノード44の間の接続ホップの数は2であり、介在ノード42を通して新しいノード45をノード44に接続する。接続ホップの数に基づいて、モデリングアプリケーションは、新しいノード45とノード44の間の接続又は関係が新しいノード45とノード43の間の接続又は関係よりも強いと決定することができる。
【0031】
上述のように、新しいノードとの接続が相対的に弱いノードは、新しいノードとの接続が相対的に強いノードの再位置決めと比較して前の位置からより遠くへ遠ざけられる場合がある。例えば、
図4Cでは、新しいノード45との接続が相対的に弱いノード43は、
図4A~4Bに示す以前の位置からより遠くへ遠ざけられ、接続が相対的に強いノード44は、
図4A~4Bに示す以前の位置から僅かに移動されている。新しいノードも、その初期位置(例えば、ユーザが新しいノードを作業空間の上にドラッグ&ドロップした位置、ユーザがノードエディタ内の機能を起動することに応答して新しいノードが生成された位置など)から再位置決めされる場合があることに注意しなければならない。例えば、
図4B~4Cでは、新しいノード45は、
図4Bに示すその初期位置から
図4Cに示す位置まで移動されている。
【0032】
図3を再び参照すると、段階340で、モデリングアプリケーションは、段階330でノードのセットを再位置決めした後でも新しいノードが作業空間内で1又は2以上のノードと依然として重複するか否かを決定することができる。新しいノードが1又は2以上のノードともはや重複しないと決定された場合に、方法300は、段階370に進むことができ、そこで作業空間調節処理が終了する。一方、新しいノードが1又は2以上のノードと依然として重複すると決定された場合に、方法300は、段階350に進むことができる。一例として
図5A~5Cは、再位置決め後に複数ノード間の重複が依然として存在する例示的自己調節式作業空間500の連続視野を示している。
図5Aの例では、作業空間500は、初期にノード40,41,42,43,及び44を含有することができる。続いて、
図5Bに示すように、新しいノード54を作業空間500に追加することができる。ユーザは、新しいノード54のための十分な空間のない場所に新しいノード54を追加して既存のノード50,51,52,及び53のうちの1又は2以上との重複を生じさせる場合がある。モデリングアプリケーションは、重複を検出することができ、ノード分布及び/又は新しいノード54と重複する既存ノード50,51,52,及び53の各々との間の接続ホップの数に基づいてノードを再位置決めすることができる。再位置決めされたノード50,51,52,及び53を
図5Cに描いている。
図5Cに示すように、ノードの再位置決めは、作業空間500内の重複を完全には取り除かない場合がある。そのような場合に、モデリングアプリケーションは、作業空間500内のある一定のノードを再スケーリング又はスケールダウンすることなどにより、重複を取り除くための追加のオペレーションを実行することができる。再スケーリングオペレーションについては、以下でより詳細に説明する。
【0033】
図3に戻って参照すると、段階350で、モデリングアプリケーションは、重複がなくなるまでノードのセットをスケールダウン(すなわち、再スケーリング)することができる。上述のように、ノードのセットは、作業空間に追加される新しいノードだけでなく、新しいノードと重複する1又は2以上のノードも備える場合がある。ノードのセットは、新しいノードと重複しない1又は2以上の他のノードとを更に備える場合がある。一般的に、ノード間に重複が生じない場所までノードのセットをスケールダウンすることができ、そのような再スケーリングは、重複部の予め決められた距離内にある各ノードの現在のスケール及び/又はサイズに基づいて実行することができる。再スケーリングされることになるノードが位置決めされる局所区域を定めるパラメータは、モデリングアプリケーションの開発者又は管理者によって構成することができる。一部の実施形態では、ノードの矩形窓が単に互いに「接触する」だけ、すなわち、ノードが厳密に互いに隣接して配置され、一方のノードが他方のノードの一部を必ずしも覆い隠さない場合でも、ノードの対は重複していると見なすことができる。そのような場合に、ノード間にある一定の距離又は間隙が達成される場所までノードのセットをスケールダウンして各ノードの周囲のすぐ外側にある区域を空けることにより、ノード間の接続は、容易に認識可能とすることができる。非重複と見なされるために2つのノード間に必要な正確な距離又は間隙の量/サイズは、ノードエディタに使用される様々なグラフィカルユーザインタフェース(GUI)要素の寸法に依存する場合がある。
【0034】
代替の又は追加の実施形態では、ノードのセットは、作業空間のノード密度マップに基づいて再スケーリングすることができる。ノード密度マップは、作業空間に含まれる各ノードの位置及び密度/重みに基づいて生成することができる。ノードの有効な密度又は重みは、そのサイズと現在のスケールとに基づいて計算することができる。従って、各ノードは、作業空間に関連付けられた全体的な密度/重みに対する分率、つまり、作業空間の一部を追加することができる。
図7Aは、複数のノードを備える例示的自己調節式作業空間700を示し、
図7Bは、
図7Aに示す作業空間700に対応するノード密度マップを示している。ノード密度マップから識別することができるノードが密集している区域では、ノードがよりまばらである又は散在している区域と比べてノードを比較的小さいサイズにスケールダウンすることができる。一般的に、ノードのスケール又はサイズは、ノード密度に又はノードを取り囲む局所区域(例えば、重複部の近傍、ノード/重複部から予め決められた距離内の区域)に関連付けられた重みに反比例する可能性がある。ノードの局所区域を定めるパラメータは、モデリングアプリケーションの開発者又は管理者によって構成することができる。
【0035】
再位置決めされることになるノードを取り囲む区域は、段階320で検出された重複点から第1の予め決められた距離内にあるものとすることができ、再スケーリングされることになるノードを取り囲む区域は、段階340で検出された重複点から第2の予め決められた距離内にあるとすることができることに注意しなければならない。一実施形態では、第1の予め決められた距離と第2の予め決められた距離は同じとすることができる。別の実施形態では、第1の予め決められた距離と第2の予め決められた距離は異なることができる。上述のように、開発者又は管理者は、再位置決め又は再スケーリングされることになるノードが存在する区域を定めるパラメータを構成することができる。
【0036】
エンドユーザを苛立たせる場合があるノードエディタの使用する間のノードスケールの相違を防ぐために、モデリングアプリケーションは、ユーザがパンする時にスケーリングを調節してユーザの視野内のノードを同じスケールにするようにすることができる。一実施形態では、ノードを同じスケールにスケーリングするアクションは、ユーザが作業空間をスクロールしていると決定することに応答して(すなわち、ユーザが作業空間の特定区域上にズームインすることに応答して)モデリングアプリケーションを実行することができる。一部の実施形態では、パンする(例えば、ズームイン)及びノードを同じスケールにスケーリングするアクションは、モデリングアプリケーションによって自動的に実行することができる。一例として、
図6Aは、作業空間の視野をパンして全てのノードを表示した時の例示的自己調節式作業空間600を示している。特に、視野を完全にパンする時に、ノードは、その真のスケールで示すことができ、その全て又は一部は、新しいノードを作業空間に追加する時に行われたあらゆる調節を表すことができる。しかし、ユーザは特定の時点でノードのサブセットにのみ関心があるかもしれず、ノードのそのサブセットは、新しいノードに又はユーザが関心を有する可能なあらゆるノードの近くにある。例えば、ユーザは、ノード64を追加する時に、それらのノードの1又は2以上を新しいノード64に接続する見込みがあるので、周囲のノード60,61,62,63,及び65に関心を有する場合がある。従って、モデリングアプリケーションは、新しいノード64が作業空間に追加され、新しいノード64に近接するノードが再スケーリングされた状態で、視野を調節してノード60,61,62,63,64,65にズームインするように構成することができる。視野を調節することができるノード60,61,62,63,64,及び65を含有する区域は、
図6Aで関心区域650として示している。
図6Bは、例えば、新しいノードが追加された時の例示的自己調節式作業空間600の調節された視野を示している。上述のように、モデリングアプリケーションは、視野を調節してノード60,61,62,63,64,及び65を含有する関心区域650にズームインすることができる。ズームインに加えて、モデリングアプリケーションはまた、ノード60,61,62,63,64,及び65のサイズをそれらのスケーリング前サイズに調節してユーザの利点及びワークフローの改善ために同じスケールでノードを維持することができる。従って、ノード60,61,62,63,64,及び65は、
図6Bに示す調節された視野では同じスケールで示される。関心区域650の外側に位置決めされたノードを見る又はそれに対して作業することをユーザが望む場合に、ユーザは、作業空間600全体、又は関心区域650よりも大きい作業空間600の一部を見るためにパンすることができ、そのいずれもが、予め定められた仕様に応じてノードをそれらの真のスケールで示すことができる。
【0037】
図3を改めて参照すると、
図6A~6Bに関連して上述したように、ユーザが関心を有する可能なノードを同じスケールに維持するために、段階350でノードのセットがスケールダウンされた状態で、モデリングアプリケーションは、段階360で作業空間の視野を調節してノードのセットのスケーリング前サイズを視覚的に維持することができる。新しいノードに近接するノードにズームインすることによって視野を調節することができ、それは、ユーザの関心区域である可能性がある。視野をズームインする程度又は視野を調節する関心区域を定めるパラメータは、モデリングアプリケーションの開発者又は管理者によって構成することができる。視野を調節する時に、調節された視野内に見えるノードも、そのスケーリング前のノードサイズに調節することができる。一実施形態では、調節された視野は、段階330で決定された重複部の近傍を網羅することができる。別の実施形態では、調節された視野は、重複部の近傍よりも大きい区域又は重複部の近傍よりも小さい区域を網羅することができる。従って、調節された視野は、重複部の近くの外側にあるノードを含むことができ、重複部の近くの外側にあるノードも、スケーリングされてそのスケーリング前のノードサイズに戻すことができる。ノードのスケーリング前のノードサイズは、段階350でのスケール変更の逆数に基づいて決定することができる。調節された視野で表される関心区域の外側に位置決めされたノードを見る又はそれに対して作業することをユーザが望む場合に、ユーザは、作業空間全体又は関心区域よりも大きい作業空間の一部を見るためにパンすることができ、そのいずれもが、ノードをその真のスケールで示すことができる。
【0038】
本発明の開示の実施形態及び本明細書に説明する機能オペレーションの全ては、デジタル電子回路又は本明細書に開示する構造及びそれらの構造的均等物を備えるコンピュータソフトウエア、ファームウエア、又はハードウエア、又はそれらの1又は2以上の組合せに実施することができる。本発明の開示の実施形態は、1又は2以上のコンピュータプログラム製品として例えばデータ処理装置による実行のために又はデータ処理装置の作動を制御するためにコンピュータ可読媒体上に符号化されたコンピュータプログラム命令の1又は2以上のモジュールとして実施することができる。コンピュータ可読媒体は、機械可読ストレージデバイス、機械可読ストレージ基板、メモリデバイス、機械可読伝播信号を達成する物質の組成物、又はそれらの1又は2以上の組合せとすることができる。用語「データ処理装置」は、データを処理するための全ての装置、デバイス、及び機械を網羅し、例としてプログラマブルプロセッサ、コンピュータ、又は複数のプロセッサ又はコンピュータを含む。装置は、ハードウエアに加えて、そのコンピュータプログラムの実行環境を生成するコード、例えば、プロセッサファームウエア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、又はそれらの1又は2以上の組合せを構成するコードを含むことができる。伝播信号は、人工的に生成された信号であり、例えば、情報を符号化して適切な受信装置に送信するために発生さる機械発生式電気信号、光信号、又は電磁信号である。
【0039】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウエア、ソフトウエアアプリケーション、スクリプト、又はコードとしても公知である)は、コンパイル型言語又は解釈プログラム型言語を含むあらゆる形式のプログラミング言語で記述することができ、独立型プログラムとして又はモジュール、コンポーネント、サブルーチン、又はコンピュータ環境での使用に適する他のユニットとしてのようなあらゆる形式で配備することができる。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルシステム内のファイルに対応するものではない。プログラムは、他のプログラム又はデータを保持するファイルの一部(例えば、マークアップ言語文書に格納された1又は2以上のスクリプト)に、そのプログラム専用単一ファイルに、又は複数の連携ファイル(例えば、1又は2以上のモジュール、サブプログラム、又はコードの一部を格納するファイル)に格納することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で実行されるように、又は1つのサイトに位置付けられて又は複数のサイトにわたって分散されて通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように配備することができる。
【0040】
本明細書に説明する処理及び論理フローは、1又は2以上のコンピュータプログラムを実行する1又は2以上のプログラマブルプロセッサによって実行され、入力データに対して演算して出力を生成することによって機能を実行することができる。同じく、処理及び論理フローは、専用論理回路、例えば、FPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路)によって実行することができ、装置も、そのように実施することができる。
【0041】
コンピュータプログラムの実行に適するプロセッサは、一例として汎用及び専用マイクロプロセッサの両方及びあらゆるタイプのデジタルコンピュータのいずれか1又は2以上のプロセッサを含む。一般的に、プロセッサは、読取専用メモリ又はランダムアクセスメモリ又はその両方から命令及びデータを受信することになる。コンピュータの不可欠な要素は、命令を実行するためのプロセッサと、命令及びデータを格納するための1又は2以上のメモリデバイスとである。一般的に、コンピュータはまた、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、又は光ディスクのようなデータを格納するための1又は2以上の大容量ストレージデバイスを含むか、又はそれらからデータを受信するか又はそれらにデータを転送する又はその両方を行うためにそれらに作動的に結合されることになる。しかし、コンピュータは、そのようなデバイスを有する必要はない。更に、コンピュータは、別のデバイスに、例えば、いくつかを挙げると、タブレットコンピュータ、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、携帯オーディオプレーヤ、全地球測位システム(GPS)受信機に埋め込むことができる。コンピュータプログラム命令及びデータを格納するのに適するコンピュータ可読媒体は、例として、半導体メモリデバイス、例えば、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイス;磁気ディスク、例えば、内蔵ハードディスク又はリムーバブルディスク;光磁気ディスク;及びCD-ROM及びDVD-ROMディスクを含む全ての形態の不揮発メモリ、媒体、及びメモリデバイスを含む。プロセッサ及びメモリは、専用論理回路で補完される又はそれに組み込むことができる。
【0042】
ユーザとの対話を達成するために、本発明の開示の実施形態は、ユーザに情報を示すための表示デバイス、例えば、CRT(ブラウン管)又はLCD(液晶ディスプレイ)モニタ、及びユーザがコンピュータに入力を与えることができるキーボード及びポインティングデバイス、例えば、マウス又はトラックボールを有するコンピュータに実施することができる。他のタイプのデバイスも、ユーザとの対話を達成するのに使用することができ、例えば、ユーザに与えられるフィードバックは、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバックのようなあらゆる形態の感覚フィードバックとすることができ、ユーザからの入力は、音響、音声、又は触覚入力を含むあらゆる形態で受信することができる。
【0043】
本発明の開示の実施形態は、例えば、データサーバとしてバックエンド構成要素を含む、又は例えばアプリケーションサーバのようなミドルウェア構成要素を含む、又は例えばユーザが本発明の開示の実施と対話することができるグラフィカルユーザインタフェース又はウェブブラウザを有するクライアントコンピュータのようなフロントエンド構成要素を含む、又は1又は2以上のそのようなバックエンド、ミドルウェア、又はフロントエンドの構成要素のあらゆる組合せを含むコンピュータシステムに実施することができる。システムの構成要素は、デジタルデータ通信のあらゆる形態又は媒体、例えば、通信ネットワークで相互接続することができる。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)及びワイドエリアネットワーク(「WAN」)、例えば、インターネットを含む。
【0044】
コンピュータシステムは、クライアント及びサーバを含むことができる。クライアントとサーバは、一般的に互いから遠隔であり、典型的に通信ネットワークを通して対話する。クライアントとサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行されて互いにクライアント-サーバ関係を有するコンピュータプログラムによって生じる。
【0045】
本明細書は多くの具体的内容を含有するが、これらは、本発明の開示の範囲又は主張することができるものに関する限定として解釈すべきではなく、むしろ本発明の開示の特定の実施形態に独特な特徴の記述として解釈しなければならない。別々の実施形態に関連して本明細書に説明するある一定の特徴は、単一実施形態に組み合わせて実施することができる。逆に、単一実施形態に関連して説明する様々な特徴は、複数の実施形態に別々に又はあらゆる適切な部分組合せに実施することができる。更に、特徴は、ある一定の組合せで作用するものとして上述して最初に主張さえもするが、主張する組合せからの1又は2以上の特徴は、一部の事例では組合せから削除することができ、主張する組合せは、部分的組合せ又は部分的組合せの変形に向けることができる。
【0046】
同様に、オペレーションを特定の順序で図面に描いているが、これは、望ましい結果を達成するためにそのようなオペレーションが示された特定の順序で又は連続した順序で実行されること又は示す全てのオペレーションが実行されることを必要とすると理解すべきではない。特定の状況では、マルチタスク方式及び並列処理が有利である場合がある。更に、上述の実施形態での様々なシステム構成要素の分離は、全ての実施形態でそのような分離を必要とすると理解すべきではなく、一般的に、説明したプログラムコンポーネント及びシステムは、単一ソフトウエア製品に統合する又は複数のソフトウエア製品にパッケージ化することができることを理解しなければならない。
【符号の説明】
【0047】
300 ノードエディタの作業空間を調節する方法
310 新しいノードを受け入れる段階
330 重複部の近傍内でノードのセットを再位置決めする段階
350 重複がなくなるまでノードのセットをスケールダウンする段階
360 視野を調節してノードのセットのスケーリング前のノードサイズを視覚的に維持する段階
【国際調査報告】