(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-14
(54)【発明の名称】タワーアレイ
(51)【国際特許分類】
F03D 13/25 20160101AFI20230407BHJP
B63B 35/44 20060101ALI20230407BHJP
B63B 35/00 20200101ALI20230407BHJP
E04H 12/00 20060101ALI20230407BHJP
【FI】
F03D13/25
B63B35/44 Z
B63B35/00 T
E04H12/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022552723
(86)(22)【出願日】2021-03-05
(85)【翻訳文提出日】2022-10-11
(86)【国際出願番号】 US2021021242
(87)【国際公開番号】W WO2021178922
(87)【国際公開日】2021-09-10
(32)【優先日】2020-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516229014
【氏名又は名称】エアルーム エナジー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100188433
【氏名又は名称】梅村 幸輔
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100214396
【氏名又は名称】塩田 真紀
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】ラムレイ ロバート
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA18
3H178AA26
3H178AA43
3H178BB77
3H178CC23
3H178DD12Z
3H178DD67X
(57)【要約】
幾つかの態様において、装置は、第1方向および第2方向の各々に配設された少なくとも2本のタワーを含み、各タワーは、第3方向で第2端部の上方に第1端部を有する。幾つかの態様において、装置は、タワーの各々を他のタワーに接続するブライドルシステムを含み、ブライドルシステムは、各タワーに、それぞれのタワーの第2端部の上方で接続されて、第1および第2方向での各タワーへの力を均衡化する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向および第2方向の各々に配設された少なくとも2本のタワーを含み、各々が、第3方向で第2端部の上方に第1端部を有する、複数のタワーと、
前記複数のタワーの各々を前記複数のタワーのうちの他のタワーに接続するブライドルシステムであって、各タワーにそれぞれのタワーの前記第2端部の上方で接続されて、前記第1および第2方向での各タワーへの力を均衡化する、ブライドルシステムと
を含む、装置。
【請求項2】
前記複数のタワーのうちのタワーに結合された第1および第2区分を有するトラックと、
前記第1および第2区分を接続する末端部と、
前記第1区分および第2区分に互い違いに結合された時に反対方向に可動であるエアフォイルと、
前記エアフォイルの動きを通して流体から動力を回収する動力発生器と
を更に含む、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記複数のタワーのうちのそれぞれのタワーの前記第2端部に各々が接続されている、複数の浮力器具
を更に含む、請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記ブライドルシステムが前記タワーへの力を均衡化する時に、前記浮力器具が水-空気界面の下方に配置されるように構成されている、請求項3記載の装置。
【請求項5】
前記ブライドルシステムが、各タワーに、それぞれのタワーの前記第2端部の上方の二つのポイントで接続されている、請求項3記載の装置。
【請求項6】
装置への力が均衡化される時に、前記ブライドルシステムの第1部分が前記水-空気界面の上方に配置され、かつ前記ブライドルシステムの第2部分が前記水-空気界面の下方に配置されるように構成されている、請求項5記載の装置。
【請求項7】
水-空気界面の下方に配置されたアンカーを更に含み、前記複数のタワーのうちの各外側タワーが、前記水-空気界面の上方で前記アンカーに結合されている、請求項1記載の装置。
【請求項8】
アンカーを更に含み、前記複数のタワーのうちの各外側タワーが、前記アンカーに結合されている、請求項1記載の装置。
【請求項9】
前記アンカーが、アンカーブライドルにより他の二つのアンカーポイントに各々接続された複数のアンカーポイントを含み、
前記複数のタワーのうちの各外側タワーが、前記アンカーブライドルに接続されている、
請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記ブライドルシステムが、各タワーに、それぞれのタワーの二つのポイントで接続されている、請求項1記載の装置。
【請求項11】
複数のタワーを用意する段階と、
第1方向および第2方向の各々に少なくとも2本のタワーを配設する段階であって、各タワーが、第3方向で第2端部の上方に第1端部を有する、段階と、
前記複数のタワーの各々から前記複数のタワーのうちの他のタワーにブライドルシステムを接続する段階であって、前記ブライドルシステムが、各タワーに、それぞれのタワーの前記第2端部の上方で接続されて、前記第1および第2方向での各タワーへの力を均衡化する、段階と
を含む、方法。
【請求項12】
前記複数のタワーのうちのタワーに結合されている第1および第2区分を有するトラックを用意する段階と、
前記第1および第2区分に末端部を接続する段階と、
前記トラックにエアフォイルを結合する段階であって、前記第1区分および第2区分に互い違いに結合された時に前記エアフォイルが反対方向に可動である、段階と、
前記エアフォイルの動きを通して流体から動力を回収する段階と
を更に含む、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記複数のタワーのうちのそれぞれのタワーの各々の前記第2端部に、複数の浮力器具を接続する段階
を更に含む、請求項11記載の方法。
【請求項14】
前記浮力器具を水-空気界面の下方に配置する段階
を更に含む、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記ブライドルシステムを、各タワーに、それぞれのタワーの前記第2端部の上方の二つのポイントで接続する段階
を更に含む、請求項13記載の方法。
【請求項16】
前記ブライドルシステムの第1部分を前記水-空気界面の上方に、および前記ブライドルシステムの第2部分を前記水-空気界面の下方に、配置する段階
を更に含む、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記水-空気界面の下方にアンカーを配置する段階と、
前記複数のタワーのうちの外側タワーを前記水-空気界面の上方で前記アンカーに結合する段階と
を更に含む、請求項11記載の方法。
【請求項18】
アンカーを配置する段階と、
前記複数のタワーのうちの外側タワーを前記アンカーに結合する段階と
を更に含む、請求項11記載の方法。
【請求項19】
アンカーブライドルにより複数のアンカーポイントを他の二つのアンカーポイントに接続する段階と、
前記複数のタワーのうちの各外側タワーを前記アンカーブライドルに接続する段階と
を更に含む、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記ブライドルシステムを、各タワーに、それぞれのタワーの二つのポイントで接続する段階
を更に含む、請求項11記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年3月5日に出願された米国仮特許出願第62/985,748号の恩典を主張するものであり、同出願の開示全体はあらゆる目的で参照により本明細書に援用される。
【0002】
発明の分野
本開示は概して、動力回収システムに関する。より詳細には、本開示は、流体運動から動力を回収するように構成される方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
流体運動により発生された機械エネルギー(例えば風)を貯蔵エネルギー(例えば電気)に変換することによるエネルギーの回収には、多くの利点がある。風は再生可能資源であり、太陽エネルギーと異なり世界中のどこであっても一年中いつでも利用可能である。幾つかのエネルギー装置は、例えば水上で浮動するように構成される。しかしながら、公知のシステムは、様々な環境条件において機械的に安定しておらず(例えば、本装置は暴風雨条件でエネルギーを回収するのに充分なほど機械的に安定している)、エネルギー回収の機会が減少する。
【発明の概要】
【0004】
幾つかの態様において、装置は、第1方向および第2方向の各々に配設された少なくとも2本のタワーを含み、各タワーは、第3方向で第2端部の上方に第1端部を有する。幾つかの態様において、装置は、タワーの各々を他のタワーに接続するブライドルシステムを含み、ブライドルシステムは、各タワーに、それぞれのタワーの第2端部の上方で接続されて、第1および第2方向での各タワーへの力を均衡化する。開示の構造により、費用効果が高く機械的に安定したやり方で、異なるサイズおよび異なるエネルギー回収要件に合わせて、装置の規模が有利に調整され得る。
【0005】
幾つかの態様において、装置は、第1方向および第2方向の各々に配設された少なくとも2本のタワーを含む複数のタワーであって、第3方向で第2端部の上方に第1端部を各々が有する、タワーと;複数のタワーの各々を、複数のタワーのうちの他のタワーに接続するブライドルシステムであって、各タワーに、それぞれのタワーの第2端部の上方で接続されて、第1および第2方向での各タワーへの力を均衡化する、ブライドルシステムとを含む。
【0006】
幾つかの態様において、装置は、複数のタワーのうちのタワーに結合された第1および第2区分を有するトラックと;第1および第2区分を接続する末端部と;第1区分および第2区分に互い違いに結合された時に反対方向に可動であるエアフォイルと;エアフォイルの動きを通して流体から動力を回収する動力発生器とを更に含む。
【0007】
幾つかの態様において、装置は、複数のタワーのうちのそれぞれのタワーの第2端部に各々が接続されている複数の浮力器具を更に含む。
【0008】
幾つかの態様では、ブライドルシステムがタワーへの力を均衡化する時に、浮力器具が水-空気界面の下方に配置されるように、装置が構成される。
【0009】
幾つかの態様において、ブライドルシステムは、各タワーに、それぞれのタワーの第2端部の上方の二つのポイントで接続される。
【0010】
幾つかの態様では、装置への力が均衡化される時に、ブライドルシステムの第1部分が水-空気界面の上方に配置され、かつブライドルシステムの第2部分が水-空気界面の下方に配置されるように、装置が構成される。
【0011】
幾つかの態様において、装置は、水-空気界面の下方に配置されるアンカーを更に含み、複数のタワーのうちの各外側タワーは、水-空気界面の上方でアンカーに結合される。
【0012】
幾つかの態様において、装置はアンカーを更に含み、複数のタワーのうちの各外側タワーがアンカーに結合される。
【0013】
幾つかの態様において、アンカーは、アンカーブライドルにより他の二つのアンカーポイントに各々接続された複数のアンカーポイントを含み、複数のタワーのうちの各外側タワーが、アンカーブライドルに接続される。
【0014】
幾つかの態様において、ブライドルシステムは、各タワーに、それぞれのタワーの二つのポイントで接続される。
【0015】
幾つかの態様において、方法は、複数のタワーを用意する段階と;第1方向および第2方向の各々に少なくとも2本のタワーを配設する段階であって、各タワーが第3方向で第2端部の上方に第1端部を有する、段階と;複数のタワーの各々から複数のタワーの他のタワーへブライドルシステムを接続する段階であって、ブライドルシステムが、各タワーに、それぞれのタワーの第2端部の上方で接続されて、第1および第2方向での各タワーへの力を均衡化する、段階とを含む。
【0016】
幾つかの態様において、方法は、複数のタワーのうちのタワーに結合された第1および第2区分を有するトラックを用意する段階と;第1および第2区分に末端部を接続する段階と;トラックにエアフォイルを結合する段階であって、第1区分および第2区分に互い違いに結合された時にエアフォイルが反対方向に可動である、段階と;エアフォイルの動きを通して流体から動力を回収する段階とを更に含む。
【0017】
幾つかの態様において、方法は、複数のタワーのうちのそれぞれのタワーの各々の第2端部に複数の浮力器具を接続する段階を更に含む。
【0018】
幾つかの態様において、方法は、浮力器具を水-空気界面の下方に配置する段階を更に含む。
【0019】
幾つかの態様において、方法は、ブライドルシステムを、各タワーに、それぞれのタワーの第2端部の上方の二つのポイントで接続する段階を更に含む。
【0020】
幾つかの態様において、方法は、ブライドルシステムの第1部分を水-空気界面の上方に、およびブライドルシステムの第2部分を水-空気界面の下方に、配置する段階を更に含む。
【0021】
幾つかの態様において、方法は、水-空気界面の下方にアンカーを配置する段階と;複数のタワーのうちの外側タワーを水-空気界面の上方でアンカーに結合する段階とを更に含む。
【0022】
幾つかの態様において、方法は、アンカーを配置する段階と;複数のタワーのうちの外側タワーをアンカーに結合する段階とを更に含む。
【0023】
幾つかの態様において、方法は、アンカーブライドルにより複数のアンカーポイントを他の二つのアンカーポイントに接続する段階と;複数のタワーのうちの各外側タワーをアンカーブライドルに接続する段階とを更に含む。
【0024】
幾つかの態様において、方法は、ブライドルシステムを、各タワーに、それぞれのタワーの二つのポイントで接続する段階を更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図2】本開示の態様による例示的装置の例示的方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
発明の詳細な説明
幾つかの態様において、装置は、第1方向および第2方向の各々に配設された少なくとも2本のタワーを含み、各タワーは、第3方向で第2端部の上方に第1端部を有する。幾つかの態様において、装置は、タワーの各々を他のタワーに接続するブライドルシステムを含み、ブライドルシステムは、各タワーに、それぞれのタワーの第2端部の上方で接続されて、第1および第2方向での各タワーへの力を均衡化する。開示される構造により、費用効果が高く機械的に安定したやり方で、異なるサイズおよび異なるエネルギー回収要件に合わせて、装置の規模が有利に調整され得る。
【0027】
図1は、タワー(例えばタワー102~118)を含む装置100を示す。幾つかの態様において、例えば、タワー108, 110, 112はX軸と平行な方向に配設され、タワー104, 110, 116はY軸と平行な方向に配設される。各タワーは、Z軸と平行な方向で第2端部の上方に第1端部を有する。例えば、タワー110は第1端部110aと第2端部110bとを有する。座標系X-Y-Zは例示の為のみに示され、限定的ではないことが当業者には認識されるだろう。
【0028】
幾つかの態様において、装置100は、タワーを相互接続してタワーへのX-Y方向の力を均衡化するように構成されたブライドルシステム150を含む。ブライドルシステム150のタワー110への接続を例として使用すると、図のように、ブライドルシステムは、タワー110を、(ブライドルシステム150のブライドル150aを通して)タワー104に、(ブライドルシステム150のブライドル150bを通して)タワー108に、(ブライドルシステム150のブライドル150cを通して)タワー112に、(ブライドルシステム150のブライドル150dを通して)タワー116に接続する。幾つかの態様では、(例えば、装置100全体にわたり示されている90度ではなく、異なる角度(例えば120度)をブライドルの間に設けるように)異なる数のタワーが接続されてもよい。幾つかの態様では、各タワーは、(Z方向におけるそれぞれの第2端部の上方の)それぞれの第1端部で、ブライドルシステム150に接続される。例えば、ブライドルシステム150は、タワー110を、第1端部110aでタワー104, 108, 112, 116に接続する。幾つかの態様において、隣接タワーの間の分離距離はタワー高さの2.5から3倍である。幾つかの態様では、第1端部以外の位置(例えば、第2端部、タワーに沿った複数の位置)にブライドルシステム150が接続される。幾つかの態様において、ブライドルシステム150は、各タワーに、それぞれのタワーの第2端部の上方で接続されて、第1および第2方向での各タワーへの力を均衡化する。例えば、タワーは少なくとも二つのブライドルポイントを有する。一つのブライドルポイントは、タワーの底部付近、第2端部の上方、(例えば
図1Bに示されているように)水中、そして浮動バージの下((例えば明瞭性の為に)不図示)である。別のブライドルポイントはタワーの頂部付近である。幾つかの態様において、
図1Bに示されている装置は、(例えば
図1Aに関して記載されるように)海底アンカーポイントに係止される。
【0029】
幾つかの態様において、ブライドルは垂下し、垂下はタワー間隔の5%~10%である。幾つかの態様において、垂下はタワー間隔の5%~25%である。幾つかの態様では、紐自体の浮力により下方紐では垂下が減少するので、下方ブライドルよりも上方ブライドルで垂下が明白である。ブライドル150bを例として使用すると、幾つかの態様において、装置100は以下のパラメータを有する:ブライドルの間のタワー高さは50メートルである;タワーの間の分離距離はタワー高さの1.5から5倍である;垂下は10%である;(
図1Bに関して記載される)エアフォイルの翼幅は6メートルである;(
図1Bに関して記載される)2つのトラック(翼4つ分の高さ);10倍の横列間分離距離;横列内の2本のタワーの間の垂下は15メートルである;垂下の最下部は喫水線の上方35メートルである。異なる横列での2本のタワーについては、横列分離距離は、10倍×4つの翼×6メートル=240メートルであり、垂下は24メートルであり、垂下の最下部は喫水線の上方26メートルである。幾つかの態様において、装置100は、(例えば、剛性要件を考慮しても横列間の垂下が大き過ぎる時には)タワーの各横列の間に補助的なタイダウンロープを含む。
【0030】
幾つかの態様では、
図1Bにより詳細に示されているように、装置100は、第2区分160bの上方に、末端部160cにより接続された第1区分160aを有する、トラックを含む。装置100の幾つかの要素は明瞭性の為に
図1Bには示されていないことが理解される。幾つかの態様において、
図1Aに示されている装置100は少なくとも1つのトラックを含むが、明瞭性の為に
図1Aには示されていないことも理解される。幾つかの態様では、トラックは、装置のそれぞれのタワーにより支持される(例えば、トラックはそれぞれのタワーに結合される)。幾つかの態様において、末端部160cは最も近いタワーから5メートルである(例えば、末端部160cはタワー106から5メートルである)。幾つかの態様において、装置100は、屈曲の可能性からトラックを有利に守る為に、懸架ロープを含む。幾つかの態様において、トラックは略楕円形状構造を含み、略楕円形状構造は2本のレール(例えば、第1区分160aおよび第2区分160b)を含む。
【0031】
例えば、図示されているように、2つのトラックはタワー106, 112, 118により支持されている。
図1Bでのトラックの図示と
図1Aでのトラックへの言及は例示的であること、および、装置の異なる箇所で装置の異なるタワーにより支持される、異なる数または配設状態のトラックを、装置100が含み得ることが理解される。幾つかの態様において、エアフォイル160dは、第1区分および第2区分に互い違いに結合された時に反対方向に動く。幾つかの態様において、エアフォイル160dの翼幅は3メートルから20メートルである。幾つかの態様で、トラックは水から動力を獲得するように構成され、エアフォイル160dは代わりとしてハイドロフォイルである。幾つかの態様で、装置100は、エアフォイルの動きを通して流体(例えば風、水)から動力を回収する動力発生器(不図示)を含む。例示的な動力発生システムおよび方法は、あらゆる目的で参照により全体が本明細書に援用される米国特許第9,651,027号および国際公開第2017/165442号に開示されている。本明細書の態様は、トラック上で動くエアフォイルに関して主に記載されているが、例えば水平軸風力タービンなど他の動力発生機構も使用され得る。更に、非動力発生システムも本明細書に記載のタワーおよびブライドルシステムを利用できる。幾つかの態様では、図示されているように、複数のエアフォイルがトラックに結合される。
【0032】
幾つかの態様において、装置100はアンカー170を含む。幾つかの態様では、ブライドルシステム150がアンカー170を含む。幾つかの態様で、複数のタワーのうちの外側タワー(例えば装置100の縁部に最も近いタワー)がアンカー170に結合される。例えば、装置100では、タワー108および114がアンカー170に結合される。装置の他の外側タワーが他のアンカー(不図示)に結合されてもよい。
【0033】
図1に示されているように、幾つかの態様において、アンカー170は、地面や海底のような外部表面に結合される固定連結部172を含む。固定連結部172はタワーの第2端部の下方に配置されているものとして図示されているが、例えばタワーの第2端部と同じ高さなど、異なる高さに固定連結部172が取り付けられ得ることを当業者は認識するだろう。
【0034】
幾つかの態様において、各外側タワーは固定連結ポイントで直接係止される(例えばブライドルが第1端部と地面/海底とに接続される)。
図1に示されているように、幾つかの態様において、アンカー170は、固定連結部172と別の固定連結ポイント(不図示)との間に接続されるアンカーブライドル174を含む。幾つかの態様で、固定連結部172は別のアンカーブライドル(不図示)により別の固定連結ポイント(不図示)にも接続される。幾つかの態様で、外側タワー108, 114は、それぞれ176aおよび178aを介してアンカーブライドル174に接続される。
【0035】
幾つかの態様では、4個の固定連結部が4本のアンカーブライドルにより相互接続される。幾つかの態様では、6個の固定連結部が6本のアンカーブライドルにより相互接続される。幾つかの態様では、アンカーブライドルは放物線の弧を形成する。当業者が理解するように、放物線は焦点と頂点との間に異なる距離を有し得る。予測される大気条件に応じて下向き風力が様々に分散されるように距離が選択され得る。幾つかの態様において、アンカーブライドルは他の円錐曲線の形状を取る。幾つかの態様において、アンカーブライドルは懸垂線形状を形成する。幾つかの態様において、アンカーブライドルは第3アンカーポイントに接続されて下向き風力を相殺する。幾つかの態様において、アンカーは(例えば上に記載された放物線形状のような)つり橋形状である。幾つかの態様において、アンカーは(例えば、アンカー連結ポイントへの略扇状連結部を形成する)斜張橋形状である。幾つかの態様は、つり橋および斜張橋形状の組み合わせを含む。
【0036】
幾つかの態様では、浮力器具(例えば浮動バージ)が複数のタワーのうちの幾つかまたは全ての第2端部に接続される。浮力器具により、装置100は水上などで浮動できる。幾つかの態様で、装置100は水中で浮動し、(例えばハイドロフォイルを使用して)水から、および/または、異なる流体から、動力を獲得する(例えば水中で浮動し、エアフォイルを使用して空気から動力を獲得する)。幾つかの態様では、装置100は、水中で浮動して水から動力を獲得する。例えば、タワーは水中へ下向きに延在し、動力回収器具が水中を進む。幾つかの態様において、浮力器具は2~3の浮力係数を有する。
【0037】
幾つかの態様において、装置100は流体中で浮動し、ブライドルシステム150は、第1および第2方向に加えて第3方向の力を均衡化する。例えば、装置100が浮力器具を装備する場合には、タワーは第3方向に位置を変えて、ブライドルシステム150は更に第3方向の力を均衡化するように機能し得る。幾つかの態様において、構造は、最小位置エネルギーのポイントに達する―ブライドルがピンと張るまで、浮力器具が流体(例えば水)中で浮上する。例えば、ブライドルにより生じる力に応じてタワーが上下に動き得る。幾つかの事例において、弱風ではタワーへの下向き風力が小さくなり、強風では下向き風力が大きくなる。タワーは、力を均衡化させる為に、有利に水中での高さを変え得る。
【0038】
浮力器具は、ブライドル長さに応じて最も高い浮動ポイントに達し得る。全体構造は、各浮力器具による支持質量を考慮して、最高浮動ポイントに従って調節を行い得る。幾つかの態様において、ブライドルシステム150は、上に記載された第1接続部と作用して力を分散する、タワーへの第2接続部(例えばブライドル152)を含む。幾つかの態様では、装置への力が均衡化される時に、ブライドルシステム150の上方接続部が水-空気界面(または二つの異なる流体の間の別の界面)の上方に配置され、かつブライドルシステム150の第2接続部が水-空気界面(または二つの異なる流体の間の別の界面)の下方に配置されるように、装置100が構成される。幾つかの事例で、(例えば、外因性の下向き力の増大ゆえに)1本のタワーが沈降し始めることがあり、これを受けて、ブライドルシステム150が隣接のタワーに有利に荷重を分散させる。したがって、浮動システムとブライドルシステム150とは、タワーを所定箇所に保持するように作動し得る。使用時に、タワーの第1端部へのブライドルシステム150は、タワーを整列状態に保持し、こうして装置の沈降および/または振動を抑制し得る。
【0039】
幾つかの態様において、装置100は流体上で浮動し、外側タワーは第2ポイントでアンカーブライドル174に接続される。例えば、外側タワー108, 114は、それぞれ176b, 178bを介してアンカーブライドル174に接続される。
【0040】
幾つかの態様において、タワーの間の相互接続はロープにより形成される。幾つかの態様では、X方向に11本、Y方向に11本のロープが設けられる(121個の交点)。本明細書で考察されるように、そして当業者には明白になるように、X方向、Y方向、および/またはX方向とY方向の組み合わせにおいて、他の数のロープが使用されてもよい。
【0041】
幾つかの態様において、ブライドルシステム150は懸垂線形状を有する。幾つかの態様において、浮力器具の浮力が変化すると懸垂線形状に影響を与える。例えば、外周(例えば外側タワー)での浮力器具の浮力が高いと、ブライドルシステム150をより平坦な形状にするのに役立つ。こうして同じ長さのタワーは、(例えば、水または別の流体中で装置100が浮動する時に)水-空気界面(または二つの異なる流体の間の別の界面)の上方の同じ高さで安定する。
【0042】
幾つかの態様では、アンカーへの接続部により横風の力が抑えられる。幾つかの事例で、この力はタワーを引き倒し得る。有利なことに、外側タワーのみを接続することにより、これらのタワーのみが「傾斜した」ブライドルを有する(例えば、非外側タワーは地面/海底と平行に相互接続されるので、下向き力が加えられない)。幾つかの態様で、外側タワーに接続された浮力器具は、非外側タワーの浮力器具よりも浮力が高い。有利なことに、こうして装置100がX-Y平面で規模調整されるので、タワー当たりの費用が削減される。
【0043】
幾つかの態様において、装置100は制御部(不図示)を含み、制御部は、トラックに取り付けられたエアフォイルの空気力学プロファイル(連結角度およびレール速度)を変更して下向き風力を瞬時に変化させること;エアフォイルを「まとめて」力を集中させること;(例えば空気圧またはビルジポンプで)浮力を動的に変化させること;ブライドルシステム150のコンポーネント(例えば、各接続ポイントでの内蔵電動ウィンチまたは内蔵電動ターンバックル)の長さ/張力を変更すること;あるいはアンカーブライドルの長さ/張力を変更することを含む。幾つかの態様で、エアフォイルの迎え角の変化は推力を生み、水(または別の流体)の表面で装置100を操作するか装置100の振動を制御するのに使用され得る上向き風力を発生させる。幾つかの態様で、エアフォイルの横揺れ角を変化させると装置100へのZ方向の力を制御し、これが浮力器具により発生される力と組み合わされて装置100のタワーの垂直位置を制御する。幾つかの態様において、エアフォイルの横揺れ角の変化は空中装置100を有利に促進する。
【0044】
幾つかの態様において、装置100は浮動するように構成され、各浮力器具について水面下の目標深度があらかじめ設定され得る。幾つかの実施例で、水面下深度は低潮線の下方にあり、波作用により生じる乱流の下方にある。例えば、浮力器具は海面下20フィートであり、動力回収器具(例えばトラック)は海面上50フィートから始まって上向きに延在する。幾つかの態様で、装置100が浮動する海深は200フィートまたはそれ以上である。
【0045】
幾つかの態様において、装置は、ハリケーンなど悪天候の作用を軽減する制御部を含む。例を挙げると、このような制御部は、構造の一部分または全体を沈降させること(例えば、浮力を低下させ、ブライドルシステムを引き寄せ、嵐が過ぎるのを待つ)を含む。
【0046】
図2は、本開示の態様による例示的装置の例示的方法200を示している。幾つかの態様で、方法200は装置100に関して実施される。方法200は記載の段階を含むものとして示されているが、開示の範囲を逸脱することなく、異なる段階順序、追加段階(例えば本明細書に開示される他の方法との組み合わせ)、あるいはより少ない段階が含まれ得ることが理解される。簡潔性の為に、装置100と関連する幾つかの要素および利点はここでは繰り返されない。
【0047】
幾つかの態様において、方法200は、複数のタワーを用意する段階(段階202)を含む。例えば、方法200は、
図1Aおよび1Bに関して記載された2本またはそれ以上のタワーを用意し得る。
【0048】
幾つかの態様において、方法200は、第1方向および第2方向の各々に少なくとも2本のタワーを配設する段階を含み、各タワーは、第3方向で第2端部の上方に第1端部を有する(段階204)。例えば、
図1Aおよび1Bに関して記載されるように、開示のタワーはXおよびY方向に配設され、タワーはZ方向で第2端部の上方に第1端部を有する。
【0049】
幾つかの態様において、方法200は、複数のタワーの各々から複数のタワーのうちの他のタワーへブライドルシステムを接続する段階を含み、ブライドルシステムは、各タワーに、それぞれのタワーの第2端部の上方で接続されて、第1および第2方向での各タワーへの力を均衡化する(段階206)。例えば、
図1Aおよび1Bに関して記載されるように、ブライドルシステム150は、開示のタワーを、それぞれのタワーの第2端部の上方で接続する。ブライドルシステム150は、XおよびY方向での各タワーへの力を均衡化する。
【0050】
幾つかの態様において、方法200は、ブライドルシステムを、各タワーに、それぞれのタワーの第2端部の上方の二つのポイントで接続する段階を含む。例えば、
図1Aおよび1Bに関して記載されるように、ブライドルシステム150は、開示された各タワーに、それぞれのタワーの第2端部の上方の二つのポイントで接続される。
【0051】
幾つかの態様において、方法200は、ブライドルシステムを、各タワーに、それぞれのタワーの二つのポイントで接続する段階を含む。例えば、
図1Aおよび1Bに関して記載されるように、ブライドルシステム150は、開示されたそれぞれのタワーに、二つのポイントで接続される。
【0052】
幾つかの態様において、方法200は、複数のタワーのうちのタワーに結合される第1および第2区分を有するトラックを用意する段階と;第1および第2区分に末端部を接続する段階と;トラックにエアフォイルを結合する段階であって、第1区分および第2区分に互い違いに結合された時にエアフォイルが反対方向に可動である、段階と;エアフォイルの動きを通して流体から動力を回収する段階とを含む。
【0053】
例えば、
図1Aおよび1Bに関して記載されるように、区分160aおよび160bを有するトラックが用意され、トラックがタワーに結合される。これらの区分は末端部160cに接続され、エアフォイル160dはトラックに結合される。第1区分160aおよび第2区分160bに互い違いに結合された時に、エアフォイル160dは反対方向に可動である。エアフォイル160dの動きを通して流体(例えば風)から動力が回収され得る。
【0054】
幾つかの態様において、方法200は、複数のタワーのうちのそれぞれのタワーの各々の第2端部に複数の浮力器具を接続する段階を含む。例えば、
図1Aおよび1Bに関して記載されるように、開示された複数のタワーの各々の第2端部に、複数の浮力器具が接続される。幾つかの態様において、方法200は、水-空気界面の下方に浮力器具を配置する段階を含む。例えば、
図1Aおよび1Bに関して記載されるように、装置100の浮力器具は水-空気界面の下方に配置される。
【0055】
幾つかの態様において、方法200は、ブライドルシステムの第1部分を水-空気界面の上方に、およびブライドルシステムの第2部分を水-空気界面の下方に、配置する段階を含む。例えば、
図1Aおよび1Bに関して記載されるように、ブライドルシステム150の第1部分は水-空気界面の上方に配置され、ブライドルシステム150の第2部分は水-空気界面の下方に配置される。
【0056】
幾つかの態様において、方法200は、水-空気界面の下方にアンカーを配置する段階と;水-空気界面の上方の複数のタワーのうちの外側タワーをアンカーに結合する段階とを含む。例えば、
図1Aおよび1Bに関して記載されるように、アンカー170は水-空気界面の下方に配置され、外側タワーは水-空気界面の上方でアンカー170に結合される。
【0057】
幾つかの態様において、方法200は、アンカーを配置する段階と;複数のタワーのうちの外側タワーをアンカーに結合する段階とを含む。例えば、
図1Aおよび1Bに関して記載されるように、アンカー170が配置され、外側タワーがアンカー170に結合される。
【0058】
幾つかの態様において、方法200は、複数のアンカーポイントをアンカーブライドルにより他の二つのアンカーポイントに接続する段階と;複数のタワーのうちの各外側タワーをアンカーブライドルに接続する段階とを含む。例えば、
図1Aおよび1Bに関して記載されるように、装置100について、複数のアンカーポイントがアンカーブライドル174により他の二つのアンカーポイントに接続される。
【0059】
幾つかの態様において、例示的な設置方法は、タワーの底部に浮力器具(例えばドーナッツ形状の浮力器具)を、およびタワーの頂部に別の浮力器具を、設ける段階を含む。幾つかの態様では、両方の浮力器具がしぼませられている。
【0060】
幾つかの態様において、方法は、浮動バージ(例えば300フィート長さの浮動バージ)にタワーを平らに寝かせる段階を含む。幾つかの態様において、方法は、設置現場までバージを運ぶ段階を含む。幾つかの態様において、方法は、浮力器具を膨らませる段階を含む。幾つかの態様において、方法は、タワーを海に向かって転がし入れる段階を含む。幾つかの態様において、方法は、ブライドルシステムをタワーの二つのポイントに取り付ける段階を含む。幾つかの態様において、これらの段階の幾つかまたは全てが、装置の残りのタワーの幾つかまたは全てについて繰り返される。
【0061】
幾つかの態様では、装置の操作が調整される。幾つかの態様において、装置の操作を調整する方法は、底部浮力器具をしぼませる段階と;ブライドルシステムのロープ長さを調節する段階とを含む。幾つかの事例で、各タワーの台部は沈降し得る。頂部浮力器具の浮力は装置の頂部を浮動状態に保ち、各タワーは「直立」して水面下にある。幾つかの態様において、方法は、ブライドルシステムの上方部(例えばブライドルシステム150の上方部)をピンと張る段階を含む。この段階により、有利なことに、構造がX-Y平面において均衡化された力を有する。幾つかの態様において、方法は、底部浮力器具を膨らませる段階を含む。幾つかの事例では、これに対応して、構造が水(または異なる流体)から直立位置で立ち上がる。幾つかの態様では、頂部浮力器具もしぼませられている。
【0062】
幾つかの態様において、トラックは水面で組み立てられてウィンチで巻き上げられる。幾つかの態様において、エアフォイルは、側線および「転轍器」を介してトラックに上る。
【0063】
幾つかの態様において、各タワーは長さ300フィート(およそ92メートル)で直径16~24インチの円管である。幾つかの態様において、各翼は15メートルの翼幅と1.875メートルの翼弦とを有する。幾つかの態様において、各タワーは、互いに上に積み重ねられた3つのトラックに結合される。幾つかの態様において、各タワーは喫水線より下方に7メートル、上方に85メートル延在する。例えば、10メートルまでの波で作動するように装置が設計される場合に、下部レールの底部は17.5メートルにあり、上部レールの頂部は71.5メートルにある。幾つかの態様において、各タワーは180メートル離間しており、懸架ロープ(例えばブライドルシステム150のブライドル)が隣接タワー間において(例えば懸垂線形状、放物線形状では7.5%つまり13.5メートル)垂下する。幾つかの態様において、各タワーは、16,200平方メートルの有効受風面積(例えば15メートルの翼幅×180メートルのタワー分離距離×トラック当たり2本のレール×3つのトラック)をカバーする。例えば、1平方メートル当たり325ワットの動力密度では、1本のタワー当たり5.26MWが実現され得る。幾つかの態様において、各エアフォイルは300kWの公称容量を有し、各翼の間には50メートルの分離距離が設けられる。
【0064】
幾つかの態様において、アレイの各横列はトラックの6から10倍(例えばトラックの区分の間の間隔)だけ分離されている。幾つかの態様において、アレイの各横列はトラックの6倍だけ分離されている。倍数が翼幅×2×トラックの数である場合には、横列の間の間隔は540メートルである。当業者には直ぐに理解されるだろうが、タワーの横列間の間隔は特定の設計要件に合うように変化し得る。タワーの横列内の間隔が短いと、必要な場合に懸架ロープの「垂下」を管理するのに役立ち得る。幾つかの態様では、内側タワーとブライドル構造とが係止される。幾つかの態様において、係止された内側タワーおよび/またはブライドル構造が、外側タワーの係止の代わりに、またはそれに加えて、使用され得る。これは、垂下が過度になり得る大きな横列間間隔において特に有利である。幾つかの事例で、垂下はタワー高さを超え得る。
【0065】
幾つかの態様において、連結ポイント172は固定されていなくてもよい。幾つかの態様では、3個以上の固定アンカーポイントが、装置100(不図示)からより離れた距離に形成される。幾つかの態様では、各連結ポイント172から離れたアンカーポイントまで2個又はそれ以上の接続部が設けられる。故に、幾つかの態様では、器具の浮力と接続部の可変長さゆえに、連結ポイント172が異なる位置に置かれる。例えば、所与の浮力および連結ポイント間の接続部の長さにおいて、装置100は第1位置にある。連結ポイントと離れたアンカーとの間の接続部の長さを変化させると、特定のXYZ座標に対する各連結ポイントの箇所が変化し得る。これらの接続長さを適宜、座標において変化させると、装置100の構造全体がZ軸を中心に回転して第2の箇所へ移動する。こうして、有利なことに、入ってくる流体の流動方向と構造とが一致する。
【0066】
一局面において、装置は、第1方向および第2方向の各々に配設された少なくとも2本のタワーを含む複数のタワーであって、各々が第3方向で第2端部の上方に第1端部を有する、タワーと;複数のタワーの各々を複数のタワーのうちの他のタワーに接続するブライドルシステムであって、各タワーに、それぞれのタワーの第2端部の上方で接続されて、第1および第2方向での各タワーへの力を均衡化する、ブライドルシステムとを含む。
【0067】
上記の装置の幾つかの局面において、装置は、複数のタワーのうちのタワーに結合される第1および第2区分を有するトラックと;第1および第2区分を接続する末端部と;第1区分と第2区分に互い違いに結合された時に反対方向に可動であるエアフォイルと;エアフォイルの動きを通して流体から動力を回収する動力発生器とを更に含む。
【0068】
上記の装置の幾つかの局面において、装置は、複数のタワーのうちのそれぞれのタワーの第2端部に各々が接続される複数の浮力器具を更に含む。
【0069】
上記の装置の幾つかの局面では、ブライドルシステムがタワーへの力を均衡化する時に浮力器具が水-空気界面の下方に配置されるように、装置が構成される。
【0070】
上記の装置の幾つかの局面では、ブライドルシステムが、各タワーに、それぞれのタワーの第2端部の上方の二つのポイントで接続される。
【0071】
上記の装置の幾つかの局面では、装置への力が均衡化される時に、ブライドルシステムの第1部分が水-空気界面の上方に配置され、ブライドルシステムの第2部分が水-空気界面の下方に配置されるように、装置が構成される。
【0072】
上記の装置の幾つかの局面では、装置が、水-空気界面の下方に配置されるアンカーを更に含み、複数のタワーのうちの各外側タワーが、水-空気界面の上方でアンカーに結合される。
【0073】
上記の装置の幾つかの局面において、装置はアンカーを更に含み、複数のタワーのうちの各外側タワーがアンカーに結合される。
【0074】
上記の装置の幾つかの局面において、アンカーブライドルにより他の二つのアンカーポイントに各々接続されている複数のアンカーポイントを、アンカーが含み、複数のタワーのうちの各外側タワーがアンカーブライドルに接続される。
【0075】
上記の装置の幾つかの局面において、ブライドルシステムが、各タワーに、それぞれのタワーの二つのポイントで接続される。
【0076】
一局面において、方法は、複数のタワーを用意する段階と;第1方向および第2方向の各々に少なくとも2本のタワーを配設する段階であって、各タワーが、第3方向で第2端部の上方に第1端部を有する、段階と;複数のタワーの各々から複数のタワーの他のタワーへブライドルシステムを接続する段階であって、ブライドルシステムが、各タワーに、それぞれのタワーの第2端部の上方で接続されて、第1および第2方向での各タワーへの力を均衡化する、段階とを含む。
【0077】
上記の方法の幾つかの局面において、方法は、複数のタワーのうちのタワーに結合される第1および第2区分を有するトラックを用意する段階と;第1および第2区分に末端部を接続する段階と;トラックにエアフォイルを結合する段階であって、第1区分および第2区分に互い違いに結合された時にエアフォイルが反対方向に可動である、段階と;エアフォイルの動きを通して流体から動力を回収する段階とを更に含む。
【0078】
上記の方法の幾つかの局面において、方法は、複数のタワーのうちのそれぞれのタワーの各々の第2端部に複数の浮力器具を接続する段階を更に含む。
【0079】
上記の方法の幾つかの局面において、方法は、浮力器具を水-空気界面の下方に配置する段階を更に含む。
【0080】
上記の方法の幾つかの局面において、方法は、ブライドルシステムを、各タワーに、それぞれのタワーの第2端部の上方の二つのポイントで接続する段階を更に含む。
【0081】
上記の方法の幾つかの局面において、方法は、ブライドルシステムの第1部分を水-空気界面の上方に、およびブライドルシステムの第2部分を水-空気界面の下方に、配置する段階を更に含む。
【0082】
上記の方法の幾つかの局面において、方法は、水-空気界面の下方にアンカーを配置する段階と;複数のタワーのうちの外側タワーを水-空気界面の上方でアンカーに結合する段階とを更に含む。
【0083】
上記の方法の幾つかの局面において、方法は、アンカーを配置する段階と;複数のタワーのうちの外側タワーをアンカーに結合する段階とを更に含む。
【0084】
上記の方法の幾つかの局面において、方法は、アンカーブライドルにより複数のアンカーポイントを他の二つのアンカーポイントに接続する段階と;複数のタワーのうちの各外側タワーをアンカーブライドルに接続する段階とを更に含む。
【0085】
上記の方法の幾つかの局面において、方法は、ブライドルシステムを、各タワーに、それぞれのタワーの二つのポイントで接続する段階を更に含む。
【0086】
本明細書では様々な例示的態様が記載される。これらの例への言及は非限定的な意味で行われている。例示的態様は、開示される技術により広く適用可能な局面を例示する為に提供されるものである。様々な態様の真の趣旨および範囲を逸脱することなく、様々な変更が行われ、均等物が代用され得る。加えて、様々な態様の特定の状況、材料、組成物、プロセス、プロセス動作、あるいは段階を、様々な態様の目的、趣旨、または範囲に適応させる為に、多くの修正が行われ得る。更に、当業者に認識されるように、本明細書に記載および図示される個々の変形の各々は、様々な態様の範囲または趣旨を逸脱することなく他の幾つかの態様のいずれかの特徴と容易に分離されるか組み合わされ得る個別の構成要素および特徴を有する。また、第1、第2、第3等といった語の使用は、必ずしも順序または重要性を表すものではなく、むしろ一つの要素を別の要素と区別するのに使用される。
【0087】
また、フローチャート、フロー図、データフロー図、構造図、またはブロック図として描かれるプロセスとして態様が記載されていることに留意されたい。フローチャートには連続プロセスとして操作が記載されているが、操作の多くは並行して、または同時に実施され得る。加えて、操作の順序は並べ替えられ得る。プロセスは、その操作が完了した時に終了するが、図に含まれていない追加段階を有してもよい。プロセスは、方法、機能、手順、サブルーチン、サブプログラム等に対応し得る。プロセスが機能に対応する時、その終了は、呼び出し機能または主要機能への機能の復帰に対応する。
【0088】
「含む(including)」、「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含有する(containing)」、「伴う(involving)」およびこれらの変形の本明細書での使用は、そこに挙げられている項目およびその均等物とともに追加の項目を包含することを意味し、一つ以上の他の特徴、整数、プロセス、操作、要素、構成要素、および/またはそれらの群の存在または追加を除外しない。本明細書で使用される際に、単数形の「一つの(a)」、「一つの(an)」、「その(the)」は、そうではないことが文脈に明記されていない限り複数形も含むことが意図されている。
【国際調査報告】