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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-17
(54)【発明の名称】自動車
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/50 20060101AFI20230410BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20230410BHJP
   F21S 43/15 20180101ALI20230410BHJP
   F21S 43/19 20180101ALI20230410BHJP
   F21S 43/27 20180101ALI20230410BHJP
   F21S 43/237 20180101ALI20230410BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20230410BHJP
   F21W 103/00 20180101ALN20230410BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230410BHJP
【FI】
B60Q1/50 Z
F21S43/14
F21S43/15
F21S43/19
F21S43/27
F21S43/237
F21V19/00 150
F21V19/00 170
F21V19/00 450
F21W103:00
F21Y115:10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022550821
(86)(22)【出願日】2021-02-10
(85)【翻訳文提出日】2022-08-23
(86)【国際出願番号】 EP2021053175
(87)【国際公開番号】W WO2021180408
(87)【国際公開日】2021-09-16
(31)【優先権主張番号】20162618.1
(32)【優先日】2020-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593045569
【氏名又は名称】ツェットカーヴェー グループ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】ヴァーグナー、フローリアン
(72)【発明者】
【氏名】ミッターレーナー、シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ブルナー、ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ザルツァー、ミヒャエル
【テーマコード(参考)】
3K013
3K339
【Fターム(参考)】
3K013AA01
3K013BA01
3K013CA05
3K013EA09
3K339AA31
3K339BA02
3K339BA03
3K339BA22
3K339CA21
3K339DA01
3K339EA05
3K339EA06
3K339EA09
3K339FA04
3K339FA05
3K339GA01
3K339GB08
3K339GB16
3K339GC01
3K339GC02
3K339GC04
3K339HA02
3K339HA04
3K339JA26
3K339KA09
3K339KA11
3K339MA01
3K339MA03
3K339MA04
3K339MC03
3K339MC36
3K339MC77
(57)【要約】
【課題】自動運転状態で稼働可能である自動車について、改善された自動車を提供する。
【解決手段】自動運転状態で稼働可能である自動車(10)であって、該自動車は、個々の交通参加者に対する光信号メッセージを生成するための照射システム(50)を含み、照射システム(50)は、点灯装置(100)と制御装置を含み、点灯装置(100)は、少なくとも1つの光源(110)を含み、散乱光学系(120)の拡散点灯印象を可能にするために光源(110)により放射可能な光を屈折により散乱させるように構成された散乱光学系(120)を含み、光源(110)が配設されている支持要素(130)を含み、但し支持要素(130)は、電気配線を案内するためのケーブルダクト(140)と、該自動車に支持要素(130)を固定するための第1固定手段(150)とを含み、更に点灯装置(100)は、支持要素(130)に第2固定手段(170)を用いて固定可能であるカバー(160)を含み、但しカバー(160)は、支持要素(130)と組み合わせて、散乱光学系(120)を保持するように構成されており、そして点灯装置(100)は、点灯装置(1000)がスイッチオンされた場合に散乱光学系(120)が光学的に連続して点灯する点灯リングとして知覚可能であるように、該自動車の周りを取り囲んで配設されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転状態で稼働可能である自動車であって、
前記自動車(10)は、個々の交通参加者に対する適応型の光信号メッセージを生成するための適応型の照射システム(50)を含み、前記照射システム(50)は、少なくとも1つの点灯装置(100)と、少なくとも1つの前記点灯装置(100)を制御するための制御装置とを含む構成であり、
少なくとも1つの前記点灯装置(100)は、
- 少なくとも1つの光源(110)を含み、
- 前記光源(110)に割り当てられた少なくとも1つの散乱光学系(120)を含み、前記散乱光学系(120)は、前記散乱光学系(120)の拡散点灯印象を可能にするために、少なくとも1つの前記光源(110)により放射可能な光を屈折により散乱させるように構成されており、
- 少なくとも1つの前記光源(110)が配設されている支持要素(130)を含み、但し前記支持要素(130)は、少なくとも1つの前記光源(110)を前記制御装置と接続させる少なくとも1つの電気配線を案内するためのケーブルダクト(140)と、前記自動車に前記支持要素(130)ないし前記点灯装置(100)を固定するための第1固定手段(150)とを含み、
- 前記支持要素(130)に第2固定手段(170)を用いて固定可能であるカバー(160)を含み、但し前記カバー(160)は、前記支持要素(130)と組み合わせて、前記支持要素(130)に固定された状態で、前記散乱光学系(120)を保持するように構成されており、
少なくとも1つの前記点灯装置(100)は、少なくとも1つの前記点灯装置(100)がスイッチオンされた場合に前記散乱光学系(120)が光学的に連続して点灯する点灯リングとして知覚可能であるように、前記自動車の周りを取り囲んで配設されていること、
を特徴とする自動車。
【請求項2】
前記照射システム(50)は、少なくとも2つ以上の点灯装置(100)を含み、少なくとも2つ以上の前記点灯装置(100)は、各前記点灯装置(100)が同時にスイッチオンされた場合にそれらの点灯装置(100)の前記散乱光学系(120)が光学的に連続して点灯する点灯リングとして知覚可能であるように、前記自動車の周りを取り囲んで配設されていること、
を特徴とする、請求項1に記載の自動車。
【請求項3】
少なくとも1つの前記光源(110)は、LEDとして構成されていること、
を特徴とする、請求項1又は2に記載の自動車。
【請求項4】
少なくとも1つの前記LEDは、プリント回路板上に配設されており、前記プリント回路板は、前記支持要素(130)に配設されていること、
を特徴とする、請求項3に記載の自動車。
【請求項5】
少なくとも1つの前記光源(110)は、LEDを備えたライトガイドとして構成されており、前記ライトガイド内に前記LEDの光が供給可能であること、
を特徴とする、請求項1又は2に記載の自動車。
【請求項6】
前記第1固定手段(150)は、ねじと、対応の穴開口部(151)とを含み、これらの穴開口部(151)は、前記支持要素(130)に配設されており、これらの穴開口部(151)を介し、前記支持要素(130)が、ねじを用いて前記自動車に固定可能であること、
を特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の自動車。
【請求項7】
前記第2固定手段(170)は、ねじと、対応の穴開口部(171)とを含み、これらの穴開口部(171)は、前記支持要素(130)に配設されており、これらの穴開口部(171)を介し、前記カバー(160)が、ねじを用いて前記支持要素(130)に固定可能であること、
を特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の自動車。
【請求項8】
前記自動車が自動運転状態にあるときには、少なくとも1つの前記点灯装置(100)の少なくとも1つの前記光源(110)が、前記制御装置により制御されて活性化されていること、
を特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の自動車。
【請求項9】
少なくとも2つ以上の前記点灯装置(100)は、互いに依存しないで前記制御装置により制御可能であること、
を特徴とする、請求項2~8のいずれか一項に記載の自動車。
【請求項10】
前記自動車は、少なくとも1つのセンサ装置を含み、前記センサ装置は、前記自動車の周囲にいる交通参加者をその都度個々に検知し且つ前記自動車とそれらの個々の交通参加者との間の相対位置の変化を考慮するように構成されていること、
を特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の自動車。
【請求項11】
少なくとも1つの前記センサ装置は、イメージセンサに基づくカメラ、近接場赤外線センサ、又は超音波センサであること、
を特徴とする、請求項10に記載の自動車。
【請求項12】
前記センサ装置は、少なくとも1つの交通参加者が検知された場合に所定の信号を前記制御装置に伝送し、それにより前記制御装置は、検知された少なくとも1つの前記交通参加者に対して最も近くにある前記点灯装置(100)を制御すること、
を特徴とする、請求項10又は11に記載の自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動運転状態で稼働可能である自動車に関し、この際、該自動車は、個々の交通参加者に対する適応型の光信号メッセージを生成するための適応型の照射システムを含み、該照射システムは、少なくとも1つの点灯装置と、少なくとも1つの点灯装置を制御するための制御装置とを含んでいる。
【背景技術】
【0002】
他の交通参加者と、人間により操縦される車両との間の情報伝達(コミュニケーション)は、基本的に、アイコンタクト、ジェスチャ、又は、パッシングライトやクラクションのような視覚的/聴覚的な(警告)信号を介して行われる。
【0003】
車両がもはや人間により操縦されるのではなく、例えば運転者の負担を軽減する自律的な自動運転モードを介し、完全に自律的に又は部分的に自律的に走行するのであれば、車両の照射機能は、安全上重要な措置として、また他の交通参加者との情報伝達のための情報伝達手段として、ますます重要性を増すことになる。その際、照射機能は、もはや人間の交通参加者の知覚のもとに決定されるのではなく、自動運転車両の技術的な装置(センサ、カメラシステムなど)に対する要求のもとに決定されることになる。これらの技術的な装置は、望ましくは、現存の周囲状況を確実に認識し且つ評価することができ、それにより検知された状況に基づき、特に危険な状況に基づき、歩行者、自転車走行者、非自律的な車両のような他の交通参加者に対して対応の情報伝達信号が伝えられる。この際、例えば歩行者や子供など、積極的には交通に集中していない又は交通状況を誤って判断している交通参加者も、自律的な車両の使用に関する特別な挑戦課題であると言える。これらの交通参加者は、車両やそれらの照射機能を容易に見過ごしてしまうことがある。
【0004】
「自動運転車両」(本明細書では「自律車両」とも称される)との概念は、運転者の介入を伴うことなく、典型的にはコンピュータ制御式で動かすことのできるように構成されている車両、特に自動車(KFZ)に関する。自動運転車両は、例えば、完全に自律的であるか、又は、運転者により操縦されるアクティブ運転モードから運転者の負担を軽減するために自律的な自動運転モードに切替可能である車両であってもよい。自動運転車両は、1本の走跡を残すものでも2本の走跡を残すものでもよいが、好ましくは2本の走跡を残すものである。例えば、乗用車(PKW)、トラック(LKW)、又はトラクタなどの農業用の車両とすることができる。特に自動運転車両は、乗用車又はトラックに関するものである。
【0005】
「交通参加者(Verkehrsteilnehmer)」との概念は、典型的には、他の車両、並びに歩行者や自転車走行者などの人間の交通参加者のような、道路交通内にある全ての対象に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、改善された自動車を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題は、以下の構成により解決され、即ち、
少なくとも1つの点灯装置が、
- 少なくとも1つの光源を含み、
- 光源に割り当てられた少なくとも1つの散乱光学系を含み、該散乱光学系は、該散乱光学系の拡散点灯印象を可能にするために、少なくとも1つの光源により放射可能な光を屈折により散乱させるように構成されており、
- 少なくとも1つの光源が配設されている支持要素を含み、但し該支持要素は、少なくとも1つの光源を制御装置と接続させる少なくとも1つの電気配線を案内するためのケーブルダクトと、自動車に該支持要素ないし該点灯装置を固定するための第1固定手段とを含み、
- 支持要素に第2固定手段を用いて固定可能であるカバーを含み、但し該カバーは、支持要素と組み合わせて、支持要素に固定された状態で、散乱光学系を保持するように構成されており、
そしてこの際、少なくとも1つの点灯装置は、少なくとも1つの点灯装置がスイッチオンされた場合に散乱光学系が光学的に連続して点灯する点灯リングとして知覚可能であるように、自動車の周りを取り囲んで配設されていること、
により解決される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明を実施するための形態について説明する。
【0010】
点灯装置は、水平に自動車の周りを取り囲んで配設されていることができる。
【0011】
「水平に取り囲んで」との概念は、少なくとも1つの点灯装置が、例えばルーフレールに沿って、自動車の両方の長手側にも両方の幅側にも延在することとして理解される。この際、少なくとも1つの点灯装置は、自動車が(稼働中に)位置するその都度の車道に対して正確に水平(ないし平行)に配向されている必要はなく、段部(Abstufungen)を有することもでき、またそれらの接続のためには、少なくとも1つの点灯装置の一部分が、車道に対して所定の角度をもって、ないしもはや水平(ないし平行)ではない状態で延在することになる。
【0012】
「水平に取り囲んで」とは、少なくとも1つの点灯装置が自動車の底部プレートとルーフの双方を介するように延在することとしては理解されず、このことは、垂直に取り囲んだ配設構成に対応するであろう。
【0013】
少なくとも1つの点灯装置は、例えば自動車のボディ(車体)の一部分とすることができ、例えば、通常は自動車のドアにおいて窓の下にあるモールディングの代わりとして、又は自動車のルーフレールの代わりとしても用いられる。
【0014】
少なくとも1つの点灯装置と、制御装置とは、既存の自動車搭載ネットワークを介して稼働されることが可能である。
【0015】
支持要素は、長手方向延在部を有することができ、この際、ケーブルダクトは、支持要素の長手方向延在部に沿って延在する。
【0016】
照射システムは、少なくとも2つ以上の点灯装置を含むことができ、この際、少なくとも2つ以上の点灯装置は、各点灯装置が同時にスイッチオンされた場合にそれらの点灯装置の散乱光学系が光学的に連続して点灯する点灯リングとして知覚可能であるように、自動車の周りを取り囲んで配設されている。
【0017】
2つ以上の点灯装置が設けられている場合には、各光源がスイッチオンされたときに、例えば各発光ダイオード(LED)がスイッチオンされたときに、これらの点灯装置が光学的に連続して点灯する点灯リングを構成する限りにおいて、これらの点灯装置は、互いに物理的な間隔を有することができる。
【0018】
この関連において「連続して」とは、閉じた点灯リングが構成されることとして理解され、つまり光源がスイッチオンされた状態において、点灯リングが自動車の周りを取り囲んで光学的に連続してないし閉じているように見えるないし知覚可能であることとして理解される。この際、上述したように、複数の点灯装置は、物理的に間隔を有することもできる。しかしまた複数の点灯装置は、連続したないし閉じた点灯リングを物理的に構成することもできる。
【0019】
2つ以上の点灯装置の場合には、これらの点灯装置は、1つの点灯装置のケーブルダクトが、直接的に隣接する点灯装置のケーブルダクトに接続するように、互いに向き合ってないし互いに接し合って配設されていることが可能である。
【0020】
少なくとも1つの光源は、LEDとして構成されていることができる。
【0021】
少なくとも1つのLEDは、プリント回路板上に配設されていることができ、該プリント回路板は、支持要素に配設されている。
【0022】
少なくとも1つの光源は、LEDを備えたライトガイド(光導体)として構成されていることができ、該ライトガイド内にLEDの光が供給可能である。
【0023】
第1固定手段は、ねじと、対応の穴開口部とを含むことができ、この際、これらの穴開口部は、支持要素に配設されており、これらの穴開口部を介し、支持要素が、ねじを用いて自動車に固定可能である。
【0024】
第2固定手段は、ねじと、対応の穴開口部とを含むことができ、この際、これらの穴開口部は、支持要素に配設されており、これらの穴開口部を介し、カバーが、ねじを用いて支持要素に固定可能である。
【0025】
自動車が自動運転状態にあるときには、少なくとも1つの点灯装置の少なくとも1つの光源が、制御装置により制御されて活性化(点灯)されていることができる。
【0026】
少なくとも2つ以上の点灯装置は、互いに依存しないで制御装置により制御可能であることができる。
【0027】
自動車は、少なくとも1つのセンサ装置を含むことができ、該センサ装置は、自動車の周囲にいる交通参加者をその都度個々に検知し且つ自動車とそれらの個々の交通参加者との間の相対位置の変化を考慮するように構成されている。
【0028】
少なくとも1つのセンサ装置は、イメージセンサに基づくカメラ、近接場赤外線センサ、又は超音波センサとすることができる。
【0029】
車両周囲にいる他の交通参加者を個々に検知するための少なくとも1つのセンサ装置は、例えば、イメージセンサに基づくカメラ、赤外線センサ、及び/又はレーダスキャナとして実現されていることが可能である。それに加え、LiDARや超音波システムも使用することができる。この種の装置は、従来技術から知られており、また様々な利点を利用するために、互いに組み合わせて使用することもできる。イメージセンサに基づくカメラは、通常のカメラの機能、ナイトビジョンカメラの機能、及び/又はフォグビジョンカメラの機能を含むことができ、それにより全ての光状況と天候において、車両周囲と、関与する交通参加者とに対する、信頼性があり且つ質的に十分な検知が可能である。またカメラは、人物や動物をかれらの体温に基づいて更に良好に検知することを可能とするために、追加的な赤外線カメラ機能を有することができる。
【0030】
センサ装置は、少なくとも1つの交通参加者が検知された場合に所定の信号を制御装置に伝送することができ、それにより制御装置は、検知された少なくとも1つの交通参加者に対して最も近くにある点灯装置を制御することができる。
【0031】
制御された光源は、有色光を放射し、例えば緑色光及び/又は赤色光を放射することができる。
【0032】
更に、光源により発生されてその都度検知された交通参加者に伝えられる光分布(配光)の光色は、交通参加者に対し、どのように交通状況が自動運転車両により評価されているかについて情報提供することができる。好ましくは、ここでは、道路交通で特定の状況に対して一般的に認識されている信号として定着している色を使用することができる。例えば「緑」色は、交通参加者に対し、交通参加者が自動運転車両により認識され、該当の状況は「緑の領域」内にあり、交通参加者はアクションを起こす必要がないことを信号として伝えることができるであろう。また「黄」色又は「オレンジ」色は、交通参加者に対し、交通状況がまだ危険を含んでいないが、交通参加者のアクション(例えば停止、制動など)が期待されることを信号として伝えることができるであろう。更に「赤」色は、潜在的に危険な交通状況又は事故を防止するために、交通参加者の側にも自動運転車両の側にもアクションが要求されるという危険状況を信号として伝えることができるであろう。
【0033】
この際、その都度検知された交通参加者には、生成された信号光分布の強度変調を用い、自動走行車両への注意が喚起されることができる。この際、強度変調は、明滅、点滅、点滅が重ねられた一定の明るさ、又はそれらの組み合わせを含むことができる。生成された信号光分布の強度変調は、具体的で且つ直接的な危険を回避可能とするために、効果的な措置である。
【0034】
また点灯リングは、走行方向を示すために利用されることも可能である。例えば点灯リングの点灯装置を用い、車両の意図する前進運動ないし後退運動におけるワイパ効果を生成することができる。
【0035】
以下、例示の図面に基づき、本発明を詳細に説明する
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】一照射システムを備えた例示の自動車の一部分を示す図であり、該照射システムは、自動車の周りを水平に取り囲んで配設された複数の点灯装置を含んでいる。
図2】例示の一点灯装置を斜視図として示す図である。
図3図2の例示の点灯装置を下からの斜視図として示す図である。
図4A】自動車における例示の一点灯装置の模式的な横断面を示す図である。
図4B】自動車における他の例示の一点灯装置の模式的な横断面を示す図である。
図4C】自動車における他の例示の一点灯装置の模式的な横断面を示す図である。
図4D】自動車における他の例示の一点灯装置の模式的な横断面を示す図である。
図4E】自動車における他の例示の一点灯装置の模式的な横断面を示す図である。
【実施例
【0037】
図1は、自動運転状態で稼働可能である例示の自動車10の一部分を示しており、この際、自動車10は、個々の交通参加者に対する適応型の光信号メッセージを生成するための適応型の照射システム50を含み、該照射システム50は、複数の点灯装置100と、これらの点灯装置100を制御するための制御装置とを含んでいる。この際、点灯装置100は、各点灯装置100が同時にスイッチオンされた場合に点灯装置100の散乱光学系(Streuoptik)120が光学的に連続して点灯する点灯リングとして知覚可能であるように、自動車10の周りを水平に取り囲んで配設されている。
【0038】
例示の自動車10の照射システム50は、自動車10が自動運転状態にあるときに、点灯装置100の光源110が制御装置により制御されて活性化(点灯)されているように構成されている。更に点灯装置100は、互いに依存しないで制御装置により制御可能である。
【0039】
更に自動車10は、少なくとも1つのセンサ装置を含むことができ、該センサ装置は、自動車10の周囲にいる交通参加者をその都度個々に検知し且つ自動車10とそれらの個々の交通参加者との間の相対位置の変化を考慮するように構成されている。この際、センサ装置は、イメージセンサに基づくカメラ、近接場赤外線センサ、又は超音波センサとすることができる。またセンサ装置は、少なくとも1つの交通参加者が検知された場合に所定の信号を制御装置に伝送することができ、それにより制御装置は、検知された少なくとも1つの交通参加者に対して最も近くにある1つの点灯装置100ないし複数の点灯装置100を制御する。
【0040】
例示の一点灯装置100の詳細図が図2に示されており、ここで点灯装置100は、光源110を含み、該光源110は、LEDとして、又はプリント回路板上の複数のLEDとして、又はライトガイド(光導体)を備えたLEDとして構成されていることが可能である。
【0041】
更に点灯装置100は、光源110に割り当てられた散乱光学系120を含み、散乱光学系120は、散乱光学系120の拡散点灯印象を可能にするために、少なくとも1つの光源110により放射可能な光を屈折により散乱するように構成されている。
【0042】
それに加え、点灯装置100は、光源110が配設されている支持要素130を含み、この際、支持要素130は、光源110を制御装置と接続させる少なくとも1つの電気配線を案内するためのケーブルダクト140と、自動車に支持要素130ないし点灯装置100を固定するための第1固定手段150とを有する。図示の例において、第1固定手段150は、ねじと、対応の穴開口部151とを含み、この際、これらの穴開口部151は、支持要素130に配設されており、これらの穴開口部151を介し、支持要素130が、ねじを用いて自動車に固定可能である。第1固定手段150ないし穴開口部151は、図3で見ることができる。
【0043】
更に点灯装置100は、支持要素130に第2固定手段170を用いて固定可能であるカバー160を含み、この際、カバー160は、支持要素130と組み合わせて、支持要素130に固定された状態で、散乱光学系120を保持するように構成されている。
【0044】
この際、第2固定手段170は、ねじと、対応の穴開口部171とを含み、この際、これらの穴開口部171は、支持要素130に配設されており、これらの穴開口部171を介し、カバー160が、ねじを用いて支持要素130に固定可能である。第2固定手段170ないし穴開口部171は、図3で見ることができる。
【0045】
図4A図4B図4C図4D図4Eは、点灯装置100の更に他の実施例を模式的な横断面図として示している。図4A図4B図4Eにおいて、光源110は、プリント回路板上のLEDとして構成されており、この際、図4Eにおいて、散乱光学系120は、光源により放射可能な光のための入射光学系を追加的に有し、該入射光学系は、例えばコリメータとして構成されており、この際、コリメータ内に入射された光は、散乱光学系120の偏向領域を介して散乱光学系120から出射される。この際、LED、ないしLEDを備えたプリント回路板は、放射可能な光の主放射方向が、カバー160の方向に指向されているように、或いは自動車に点灯装置が規定どおりに固定された状態で上方に指向されているように配設されている。
【0046】
「主放射方向」とは、1つの発光ダイオードないし複数の発光ダイオードが、それらの指向性により最も強い光ないし大部分の光を放射する方向であると理解することができる。
【0047】
図4C図4Dは、光源110が、少なくとも1つのLEDを備えたライトガイド(光導体)として構成されており、該ライトガイド内に少なくとも1つのLEDの光が供給可能であるという点灯装置の実施例を示している。
【符号の説明】
【0048】
10 自動車
50 照射システム
100 点灯装置
110 光源
120 散乱光学系
130 支持要素
140 ケーブルダクト
150 第1固定手段
151 穴開口部
160 カバー
170 第2固定手段
171 穴開口部
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
【手続補正書】
【提出日】2022-08-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2018/304801号
【特許文献2】米国特許出願公開第2016/258591号
【特許文献3】独国実用新案第202016007703号
【特許文献4】独国実用新案第202015004772号
【特許文献5】国際公開第2017/079349号
【特許文献6】国際公開第2019/035433号
【特許文献7】欧州特許出願公開第3357754号
【特許文献8】米国特許第10112528号
【特許文献9】独国実用新案第202017105259号
【特許文献10】独国特許出願公開第102004015544号
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
前記課題は、以下の構成により解決され、即ち、
少なくとも1つの点灯装置が、
- 少なくとも1つの光源を含み、
- 光源に割り当てられた少なくとも1つの散乱光学系を含み、該散乱光学系は、該散乱光学系の拡散点灯印象を可能にするために、少なくとも1つの光源により放射可能な光を屈折により散乱させるように構成されており、
- 少なくとも1つの光源が配設されている支持要素を含み、但し該支持要素は、少なくとも1つの光源を制御装置と接続させる少なくとも1つの電気配線を案内するためのケーブルダクトと、自動車に該支持要素ないし該点灯装置を固定するための第1固定手段とを含み、
- 支持要素に第2固定手段を用いて固定可能であるカバーを含み、但し該カバーは、支持要素と組み合わせて、支持要素に固定された状態で、散乱光学系を保持するように構成されており、
そしてこの際、少なくとも1つの点灯装置は、少なくとも1つの点灯装置がスイッチオンされた場合に散乱光学系が光学的に連続して点灯する点灯リングとして知覚可能であるように、自動車の周りを取り囲んで配設されていること、
により解決される。
即ち本発明の一視点により、
自動運転状態で稼働可能である自動車であって、
前記自動車は、個々の交通参加者に対する適応型の光信号メッセージを生成するための適応型の照射システムを含み、前記照射システムは、少なくとも1つの点灯装置と、少なくとも1つの前記点灯装置を制御するための制御装置とを含む構成であり、
少なくとも1つの前記点灯装置は、
- 少なくとも1つの光源を含み、
- 前記光源に割り当てられた少なくとも1つの散乱光学系を含み、前記散乱光学系は、前記散乱光学系の拡散点灯印象を可能にするために、少なくとも1つの前記光源により放射可能な光を屈折により散乱させるように構成されており、
- 少なくとも1つの前記光源が配設されている支持要素を含み、但し前記支持要素は、少なくとも1つの前記光源を前記制御装置と接続させる少なくとも1つの電気配線を案内するためのケーブルダクトと、前記自動車に前記支持要素ないし前記点灯装置を固定するための第1固定手段とを含み、
- 前記支持要素に第2固定手段を用いて固定可能であるカバーを含み、但し前記カバーは、前記支持要素と組み合わせて、前記支持要素に固定された状態で、前記散乱光学系を保持するように構成されており、
少なくとも1つの前記点灯装置は、少なくとも1つの前記点灯装置がスイッチオンされた場合に前記散乱光学系が光学的に連続して点灯する点灯リングとして知覚可能であるように、前記自動車の周りを取り囲んで配設されていること、
を特徴とする自動車が提供される。
尚、本願の特許請求の範囲に付記された図面参照符号は、専ら本発明の理解の容易化のためのものであり、図示の形態への限定を意図するものではないことを付言する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明において、以下の形態が可能である。
(形態1)
自動運転状態で稼働可能である自動車であって、
前記自動車は、個々の交通参加者に対する適応型の光信号メッセージを生成するための適応型の照射システムを含み、前記照射システムは、少なくとも1つの点灯装置と、少なくとも1つの前記点灯装置を制御するための制御装置とを含む構成であり、
少なくとも1つの前記点灯装置は、
- 少なくとも1つの光源を含み、
- 前記光源に割り当てられた少なくとも1つの散乱光学系を含み、前記散乱光学系は、前記散乱光学系の拡散点灯印象を可能にするために、少なくとも1つの前記光源により放射可能な光を屈折により散乱させるように構成されており、
- 少なくとも1つの前記光源が配設されている支持要素を含み、但し前記支持要素は、少なくとも1つの前記光源を前記制御装置と接続させる少なくとも1つの電気配線を案内するためのケーブルダクトと、前記自動車に前記支持要素ないし前記点灯装置を固定するための第1固定手段とを含み、
- 前記支持要素に第2固定手段を用いて固定可能であるカバーを含み、但し前記カバーは、前記支持要素と組み合わせて、前記支持要素に固定された状態で、前記散乱光学系を保持するように構成されており、
少なくとも1つの前記点灯装置は、少なくとも1つの前記点灯装置がスイッチオンされた場合に前記散乱光学系が光学的に連続して点灯する点灯リングとして知覚可能であるように、前記自動車の周りを取り囲んで配設されていること。
(形態2)
前記照射システムは、少なくとも2つ以上の点灯装置を含み、少なくとも2つ以上の前記点灯装置は、各前記点灯装置が同時にスイッチオンされた場合にそれらの点灯装置の前記散乱光学系が光学的に連続して点灯する点灯リングとして知覚可能であるように、前記自動車の周りを取り囲んで配設されていること、が好ましい。
(形態3)
少なくとも1つの前記光源は、LEDとして構成されていること、が好ましい。
(形態4)
少なくとも1つの前記LEDは、プリント回路板上に配設されており、前記プリント回路板は、前記支持要素に配設されていること、が好ましい。
(形態5)
少なくとも1つの前記光源は、LEDを備えたライトガイドとして構成されており、前記ライトガイド内に前記LEDの光が供給可能であること、が好ましい。
(形態6)
前記第1固定手段は、ねじと、対応の穴開口部とを含み、これらの穴開口部は、前記支持要素に配設されており、これらの穴開口部を介し、前記支持要素が、ねじを用いて前記自動車に固定可能であること、が好ましい。
(形態7)
前記第2固定手段は、ねじと、対応の穴開口部とを含み、これらの穴開口部は、前記支持要素に配設されており、これらの穴開口部を介し、前記カバーが、ねじを用いて前記支持要素に固定可能であること、が好ましい。
(形態8)
前記自動車が自動運転状態にあるときには、少なくとも1つの前記点灯装置の少なくとも1つの前記光源が、前記制御装置により制御されて活性化されていること、が好ましい。
(形態9)
少なくとも2つ以上の前記点灯装置は、互いに依存しないで前記制御装置により制御可能であること、が好ましい。
(形態10)
前記自動車は、少なくとも1つのセンサ装置を含み、前記センサ装置は、前記自動車の周囲にいる交通参加者をその都度個々に検知し且つ前記自動車とそれらの個々の交通参加者との間の相対位置の変化を考慮するように構成されていること、が好ましい。
(形態11)
少なくとも1つの前記センサ装置は、イメージセンサに基づくカメラ、近接場赤外線センサ、又は超音波センサであること、が好ましい。
(形態12)
前記センサ装置は、少なくとも1つの交通参加者が検知された場合に所定の信号を前記制御装置に伝送し、それにより前記制御装置は、検知された少なくとも1つの前記交通参加者に対して最も近くにある前記点灯装置を制御すること、が好ましい。

【国際調査報告】