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特表2023-515967有線電気通信ネットワーク上におけるデータとあわせた電力の双方向伝送
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-17
(54)【発明の名称】有線電気通信ネットワーク上におけるデータとあわせた電力の双方向伝送
(51)【国際特許分類】
   H02J 13/00 20060101AFI20230410BHJP
【FI】
H02J13/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022551398
(86)(22)【出願日】2021-01-11
(85)【翻訳文提出日】2022-10-21
(86)【国際出願番号】 EP2021050339
(87)【国際公開番号】W WO2021170300
(87)【国際公開日】2021-09-02
(31)【優先権主張番号】20305184.2
(32)【優先日】2020-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】594083128
【氏名又は名称】シュネーデル、エレクトリック、インダストリーズ、エスアーエス
【氏名又は名称原語表記】SCHNEIDER ELECTRIC INDUSTRIES SAS
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100124372
【弁理士】
【氏名又は名称】山ノ井 傑
(74)【代理人】
【識別番号】100096921
【弁理士】
【氏名又は名称】吉元 弘
(72)【発明者】
【氏名】ジェローム、ジャン、セバスチャン、ブルナギエール
【テーマコード(参考)】
5G064
【Fターム(参考)】
5G064AA04
5G064AA08
5G064AC09
5G064CB08
(57)【要約】
ネットワーク・インターフェース装置は、インターフェース装置を有線電気通信ネットワークに接続するように適合された連通部(4、6)と、連通部に接続されている整流器(8)と、整流器に接続されている配電母線(14)と、第1の電力制御装置(10)と、第2の電力制御装置(12)と、第1の電力制御装置(10)に結合されており、接続部と配電母線との間に電流が流れることを選択的に防ぐように構成された、第1のスイッチ(SW1)と、第2の電力制御装置(12)にそれぞれ結合されており、配電母線から接続部へ電流が流れることを選択的に防ぐように構成された、第2のスイッチ(SW2)および第3のスイッチ(SW3)とを備え、第2のスイッチ(SW2)が、整流器(8)の整流器素子(D3)に並列に接続されており、第3のスイッチ(SW3)が、整流器(8)の第2の整流器素子(D1)に並列に接続されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有線電気通信ネットワーク上でデータとともに電力を双方向に伝送することを可能にするネットワーク・インターフェース装置(2、20、30、40)であって、
前記インターフェース装置を有線電気通信ネットワークに接続するように適合された、連通部(4、6)と、
前記連通部に接続されており、ダイオード(D1、D2、D3、D4)などの複数の整流器素子を備える、整流器(8)と、
前記整流器に接続されている、配電母線(14)と、
前記ネットワーク・インターフェース装置が前記ネットワークによって給電されるとき、前記配電母線(14)への電力の供給を制御するように構成された、第1の電力制御装置(10)と、
前記ネットワーク・インターフェース装置が自己給電され前記ネットワークを介して遠隔デバイスに給電することを目指すとき、前記配電母線(14)からの電力の供給を制御するように構成された、第2の電力制御装置(12)と
を備え、
前記装置は、
前記第1の電力制御装置(10)に結合されており、接続部と前記配電母線との間に電流が流れることを選択的に防ぐように構成された、第1のスイッチ(SW1)と、
前記第2の電力制御装置(12)にそれぞれ結合されており、前記配電母線から前記接続部へ電流が流れることを選択的に防ぐように構成された、第2のスイッチ(SW2)および第3のスイッチ(SW3)と
をさらに備え、
前記第2のスイッチ(SW2)が、前記整流器(8)の整流器素子(D3)に並列に接続されており、
前記第3のスイッチ(SW3)が、前記整流器(8)の第2の整流器素子(D1)に並列に接続されている、
ネットワーク・インターフェース装置(2、20、30、40)。
【請求項2】
前記整流器(8)が、ダイオード・ブリッジ整流器(8)であり、前記整流器素子が、ダイオードであり、第1のダイオード(D1)のカソードが、前記整流器(8)の第1の出力端子(16)に接続されており、前記第1のダイオード(D1)のアノードが、前記整流器(8)の第1の入力端子に接続されている、請求項1に記載のネットワーク・インターフェース装置。
【請求項3】
前記第1のスイッチ(SW2)が、前記接続部(4、6)と前記配電母線(14)との間に接続されている、請求項1または2に記載のネットワーク・インターフェース装置。
【請求項4】
前記第1の電力制御装置(10)が、前記接続部で受けた入力電圧が所定閾値を超えたときだけ前記第1のスイッチ(SW1)を閉じるように構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載のネットワーク・インターフェース装置。
【請求項5】
前記第2の電力制御装置(12)は、前記配電母線(14)が前記ネットワークを介して遠隔デバイスに送達され得る余剰電力を有するとき、前記第2のスイッチ(SW2、SW3)および前記第3のスイッチ(SW3、SW2)を閉じるように構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載のネットワーク・インターフェース装置。
【請求項6】
前記ネットワーク・インターフェース装置(20)が、前記整流器(8)に対して前記第1の電力制御装置(10)を選択的に接続または切断するように構成された追加のスイッチ(22)をさらに備え、前記第2の電力制御装置(12)が前記ネットワークに接続されている遠隔負荷の電気的特性の決定を試みているとき、前記追加のスイッチ(22)を開けるように構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載のネットワーク・インターフェース装置。
【請求項7】
前記第1、第2および第3のスイッチ(SW1、SW2、SW3)が、電気スイッチ、または、Mosfetもしくは絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタもしくはバイポーラ・トランジスタなどのトランジスタに基づくスイッチである、請求項1から6のいずれか一項に記載のネットワーク・インターフェース装置。
【請求項8】
前記第1の電力制御装置(10)は、前記第2の電力制御装置(12)が遠隔負荷の電気的特性の決定を試みているとき、低消費電力モードに自動的に切り替えられるように構成される、請求項1から7のいずれか一項に記載のネットワーク・インターフェース装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の複数のネットワーク・インターフェース(2、20、30、40)装置を備え、必要な場合はいつでも前記ネットワーク・インターフェース間での電力の移送を可能にするように構成される、ネットワーキング・デバイス(52、54)。
【請求項10】
前記ネットワーキング・デバイス(54)が、電力の移送に適した追加のインターフェース(91)をさらに備え、さらに、前記ネットワーク・インターフェース(2、20、30、40)間か、又は前記追加のインターフェース(91)と前記ネットワーク・インターフェース(2、20、30、40)のうちの1つとの間のどちらかにおける電力の移送を可能にするように構成される、請求項9に記載のネットワーキング・デバイス。
【請求項11】
前記ネットワーキング・デバイス(52)が、3つのネットワーク・インターフェースを備える、請求項9に記載のネットワーキング・デバイス。
【請求項12】
複数のネットワーキング・デバイス(52、54、66)を備える、イーサネット・ネットワークなどの有線電気通信ネットワーク(50)であって、少なくとも1つのネットワーキング・デバイスが、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のネットワーク・インターフェース装置(2、20、30、40)を備える、有線電気通信ネットワーク(50)。
【請求項13】
ネットワークが、閉じたデイジー・チェーン・トポロジなどの閉リング・トポロジを有する、請求項12に記載の有線電気通信ネットワーク(50)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有線データ電気通信ネットワーク上において電力を供給するデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
イーサネットに基づくネットワークなど、多くの有線電気通信ネットワークは、ネットワーキング・デバイスに遠隔で給電するために、ネットワークに接続されているネットワーキング・デバイス間、例えば給電機器(PSE)と受電デバイス(PD)との間における電力の伝送を可能にするように構成され得る。
【0003】
電力は、ネットワーキング・デバイスが接続されている(例えば、イーサネット・ケーブルである)データを搬送する物理層を通じてネットワークにわたって移送され得る。
【0004】
一例は、電気電子学会(IEEE)の規格IEEE802.3af、IEEE802.3atまたはIEEE802.3btによって定められる「パワー・オーバー・イーサネット(PoE)」技術である。
【0005】
この技術の欠点は、既存のPoE対応ネットワーク・インターフェースが、逆にされることができない単一方向のみの電力の流れに対応するように構築されていることである。
【0006】
換言すると、このネットワーク・インターフェースは、電気負荷か電気供給源のどちらかとしてしか機能できず、動作中にこれらの役割を切り替えることはできない。
【0007】
これらの制限により、既存のPoE対応ネットワーク・インターフェースは、ネットワークにおいて(例えば、電池などのエネルギー蓄積デバイスである)電気供給源および電気負荷として択一的に使用され得るネットワーキング・デバイスでの使用には適していない。
【0008】
最善として、一方が電力の出力用であり他方が電力の受電用である2つのPoE対応ネットワーク・インターフェースがデバイスごとに設けられてもよいが、この解決策は、実施にコストがかかり、またネットワークに2つのインターフェースを不適当に接続するリスクがあり得るので、安全上の問題を生じさせるおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、有線データ電気通信ネットワーク上において可逆的な電力の流れを提供することができる改善されたネットワーク・インターフェース、デバイスおよび方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このため、本発明の一態様は、有線電気通信ネットワーク上でデータとともに電力を双方向に伝送することを可能にするネットワーク・インターフェース装置であって、
インターフェース装置を有線電気通信ネットワークに接続するように適合された、連通部と、
連通部に接続されており、ダイオードなどの複数の整流器素子を備える、整流器と、
整流器に接続されている、配電母線と
を備えるネットワーク・インターフェース装置に関する。
【0011】
ネットワーク・インターフェース装置は、ネットワーク・インターフェース装置がネットワークによって給電されるとき、配電母線への電力の供給を制御するように構成された、第1の電力制御装置と、
ネットワーク・インターフェース装置が自己給電されネットワークを介して遠隔デバイスに給電することを目指すとき、配電母線からの電力の供給を制御するように構成された、第2の電力制御装置とをさらに備える。
【0012】
装置は、
第1の電力制御装置に結合されており、接続部と配電母線との間に電流が流れることを選択的に防ぐように構成された、第1のスイッチと、
第2の電力制御装置にそれぞれ結合されており、配電母線から接続部へ電流が流れることを選択的に防ぐように構成された、第2のスイッチおよび第3のスイッチと
をさらに備える。
【0013】
第2のスイッチは、整流器の整流器素子に並列に接続されており、第3のスイッチは、整流器の第2の整流器素子に並列に接続されている。
【0014】
有利な態様によれば、本発明は、単独でまたはすべての可能な技術的組合せに従って、以下にある特徴のうちの1つまたは複数を備える。
【0015】
- 整流器は、ダイオード・ブリッジ整流器であり、整流器素子は、ダイオードであり、第1のダイオードのカソードは、整流器の第1の出力端子に接続されており、第1のダイオードのアノードは、整流器の第1の入力端子に接続されている。
- 第1のスイッチは、接続部と配電母線との間に接続されている。
- 第1の電力制御装置は、接続部で受けた入力電圧が所定閾値を超えたときだけ第1のスイッチを閉じるように構成される。
- 第2の電力制御装置は、配電母線がネットワークを介して遠隔デバイスに送達されることができる余剰電力を有するとき、第2のスイッチおよび第3のスイッチを閉じるように構成される。
- ネットワーク・インターフェース装置は、整流器に対して第1の電力制御装置を選択的に接続または切断するように構成された追加のスイッチをさらに備え、第2の電力制御装置がネットワークに接続されている遠隔負荷の電気的特性の決定を試みているとき、追加のスイッチを開けるように構成される。
- 第1、第2および第3のスイッチは、電気スイッチ、または、Mosfetもしくは絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタもしくはバイポーラ・トランジスタなどのトランジスタに基づくスイッチである。
- 第1の電力制御装置は、第2の電力制御装置が遠隔負荷の電気的特性の決定を試みているとき、低消費電力モードに自動的に切り替えられるように構成される。
【0016】
他の態様によれば、ネットワーキング・デバイスは、上記で定められたような複数のネットワーク・インターフェース装置を備え、前記ネットワーキング・デバイスは、必要な場合はいつでも前記ネットワーク・インターフェース間での電力の移送を可能にするように構成される。
【0017】
1つまたは複数の実施形態によれば、ネットワーキング・デバイスは、電力の移送に適した追加のインターフェースをさらに備え、さらに、ネットワーク・インターフェース間か、追加のインターフェースと前記ネットワーク・インターフェースのうちの1つとの間のどちらかにおける電力の移送を可能にするように構成される。
【0018】
1つまたは複数の実施形態によれば、ネットワーキング・デバイスは、3つのネットワーク・インターフェースを備える。
【0019】
他の態様によれば、イーサネット・ネットワークなどの有線電気通信ネットワークは、複数のネットワーキング・デバイスを備え、少なくとも1つのネットワーキング・デバイスは、上記で定められたようなネットワーク・インターフェース装置を備える。
【0020】
1つまたは複数の実施形態によれば、有線電気通信ネットワークは、閉じたデイジー・チェーン・トポロジなどの閉リング・トポロジを有する。
【0021】
本発明は、単なる非限定的な例として提供され添付の図面が参照される以下の説明を読めば、さらに理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態によるネットワーク・インターフェース装置の電気接続図である。
図2図4の流れ図とともに、図1のネットワーク・インターフェース装置の第1の動作モードを示す電気接続図である。
図3図4の流れ図とともに、図1のネットワーク・インターフェース装置の第1の動作モードを示す電気接続図である。
図4図1のネットワーク・インターフェース装置の第1の動作モードを示す流れ図である。
図5図1のネットワーク・インターフェース装置の第2の動作モードを示す流れ図である。
図6図5の流れ図とともに、図1のネットワーク・インターフェース装置の第2の動作モードを示す電気接続図である。
図7図5の流れ図とともに、図1のネットワーク・インターフェース装置の第2の動作モードを示す電気接続図である。
図8】他の実施形態によるネットワーク・インターフェース装置の電気接続図である。
図9】他の実施形態によるネットワーク・インターフェース装置の電気接続図である。
図10】さらに他の実施形態によるネットワーク・インターフェース装置の電気接続図である。
図11】実施形態による1つまたは複数のネットワーク・インターフェースを備える複数のネットワーク・デバイスを備える例示的な有線電気通信ネットワークのブロック図である。
図12】実施形態による1つまたは複数のネットワーク・インターフェースをそれぞれ備えるいくつかのネットワーキング・デバイスの簡素化された図である。
図13】実施形態による複数のネットワーク・インターフェースを備えるネットワーキング・デバイスの他の実施形態のブロック図である。
図14】実施形態による複数のネットワーク・インターフェースを備えるネットワーキング・デバイスの他の実施形態のブロック図である。
図15】他の実施形態によるネットワーク・インターフェース装置の電気接続図である。
図16】他の実施形態によるネットワーク・インターフェース装置の電気接続図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本発明の実施形態によるネットワーク・インターフェース装置2の電気接続図である。
【0024】
インターフェース2は、イーサネットに基づくネットワークなどの有線データ電気通信ネットワークに接続されることができる。
【0025】
例えば、インターフェース2は、専用のコネクタを介して、前記ネットワークのデータを搬送する物理層(例えば、ツイスト・ペア・イーサネット・ケーブルなどの1本または複数のケーブル)に接続され得る。
【0026】
多くの実施形態では、インターフェース2は、コンピュータ、移動通信装置、無線アクセス・ポイント、センサ、カメラ、マルチメディア・デバイス、産業用制御デバイス、ネットワーク・インターフェース・デバイスなどのデータ・ルーティングおよび/またはスイッチング機器などのネットワーキング・デバイスに関連付けられる(例えば、取り付けられる、または含まれる)ことが意図されている。
【0027】
これらの例は、限定的ではなく、インターフェース2は、幅広いネットワーキング・デバイスで使用され得る。
【0028】
インターフェース2は、ネットワークのデータの物理層を通じて電力の伝送を可能にするように構成される。例えば、インターフェース2は、例えばIEEE規格802.3af、IEEE802.3atまたはIEEE802.3btによって定められるような「パワー・オーバー・イーサネット」(PoE)技術に対応している。
【0029】
好ましくは、インターフェース2は、ネットワークへおよびネットワークからの電力の双方向の伝送を可能にする。例えば、インターフェース2は、電力をネットワークに供給する供給モードと、インターフェース2がネットワークからの電力を受ける受電モードとの間で切り替えられ得る。
【0030】
例えば、供給モードでは、(例えば、遠隔ネットワーキング・デバイスに給電するように)インターフェース2によってネットワークに移送される電力は、インターフェース2がその一部であるネットワーク・デバイスに由来する。ネットワーク・デバイスは、この場合、給電機器(PSE)として機能する。
【0031】
同様に、受電モードでは、インターフェース2によってネットワークから受ける電力は、インターフェース2がその一部であるネットワーク・デバイスに給電することに使用され得る。ネットワーク・デバイスは、この場合、受電デバイス(PD)として機能する。
【0032】
以下、インターフェース2は、「双方向」PoEネットワーク・インターフェースと称される。
【0033】
図1の例では、インターフェース2は、ネットワーキング・デバイスの一部、またはネットワーク・インターフェース・デバイスの一部であり得るが、そのようなデバイスの詳細は図面および説明から省略され得ることを理解されたい。このデバイスは、以下、「ローカル・デバイス」と称されることもある。
【0034】
図1に示されるように、インターフェース装置は、接続部と電気回路とを備える。
【0035】
接続部は、インターフェース2を有線電気通信ネットワークに接続することができる。
【0036】
多くの実施形態では、接続部は、有線電気通信ネットワークに接続されることに適した電気コネクタを備える。例えば、前記ネットワークは、例えばCAT5eまたはCAT6eのイーサネット・ケーブルであるツイスト・ペア・イーサネット・ケーブルなど、複数のケーブルおよびワイヤを含む物理層を備えることができる。
【0037】
図示の実施形態では、コネクタは、第1のピン対4と第2のピン対6とを備える。接続部は、図1に示されない他のピンを含んでもよい。各ピン対は、一対のツイスト・ケーブルに結合されるように適合される。
【0038】
図1の例で見られるように、ピンは、ANSI/TIA-568規格に記載されるピン番号付け方式に従うことができる。第1のピン対4のピンは、ピン「1」および「2」に対応し、第2のピン対6のピンは、ピン「3」および「6」に対応してもよい。一代替実施形態では、第1のピン対は、ピン「4」および「5」に対応し、第2のピン対6のピンは、ピン「7」および「8」に対応してもよい。
【0039】
インターフェース装置は、接続部を、インターフェース2の電気回路と、インターフェース2が属するデバイスのデータ処理部に接続する結合素子7をさらに備える。
【0040】
結合素子7は、基本信号(base signal)を電気回路に転送しつつ、データ信号を抽出しそれらをデバイスのデータ処理部に転送するために、ネットワークから受信する上り電気信号を復調するように構成される。同様に、結合素子7は、下り信号を変調しそれらを接続部に向けて転送するように構成される。
【0041】
例えば、結合素子7は、電圧変成器を備える磁気結合素子である。例示の実施形態では、インターフェース装置は、少なくとも2つのそのような結合素子7を備える。第1のコイルは、ピン対4、ピン対6のピンおよび電気回路の入力端子に接続されている。第1のコイルに磁気的に結合された第2のコイルは、データ処理部(図示せず)に接続されている。他の実施形態では、結合素子はキャパシタを含む場合がある。
【0042】
以下、電気インターフェース回路は、簡潔かつ単純にするために、単に「インターフェース2」と称される。
【0043】
インターフェース2は、従来のやり方で配置された半導体ダイオードなどの複数のダイオードD1、D2、D3およびD4を備えるダイオード整流器ブリッジ8などの整流器8をさらに備える。
【0044】
単純にするため、記載される例はダイオードを示すが、ダイオードは、Mosfetなどのスイッチに、これがダイオード整流器8における損失の低減を可能にするので、取って代わられてもよい。その場合、スイッチは、ブリッジ配置で接続されてもよい。
【0045】
ダイオードに基づく整流器8が参照される以下になされる説明は、ダイオードD1、D2、D3およびD4が、スイッチ、特にMosfetなどの半導体に基づくスイッチなどの整流器素子によって取って代わられる別の実施形態にも転移され得る。
【0046】
整流器8は、第1の入力端子17および第2の入力端子19を介して接続部に接続されている。例えば、第1の入力端子17は、第1のピン対4に接続され、第2の入力端子19は、第2のピン対6に接続されている。
【0047】
整流器8は、第1の出力端子16と第2の出力端子18とを備える。
【0048】
例えば、整流器8は、第1のダイオードD1と、第2のダイオードD2と、第3のダイオードD3と、第4のダイオードD4とを備える。
【0049】
第1のダイオードD1のカソードは、第1の出力端子16に接続され、第1のダイオードD1のアノードは、第1の入力端子17に接続されている。同様に、第2のダイオードD2は、第1の出力端子16と第2の入力端子19との間に接続され、そのカソードは第1の出力端子16に接続されている。第3のダイオードD3は、第2の出力端子18と第2の入力端子19との間に接続され、そのカソードは第2の入力端子19に接続されている。第4のダイオードD4は、第2の出力端子18と第1の入力端子17との間に接続され、そのカソードは第1の入力端子17に接続されている。
【0050】
この構成は、ダイオードがMosfetなどのスイッチによって取って代わられる実施形態において使用されてもよい。
【0051】
インターフェース2は、整流器8とDC(直流)配電母線14などの配電母線14のような内部配電装置14との間に接続された第1の電力制御装置10と第2の電力制御装置12とをさらに備える。
【0052】
例えば、第1の出力端子16は、配電母線14の第1の点に接続され、第2の出力端子18は、配電母線14の第2の点に接続されている。前記第2の点は、電気的な接地点に接続され得る。
【0053】
電気回路は、接続部を電源ユニット、または内部配電母線、または電力を内部配電母線14に接続されたデバイスの内部要素に送達するように構成された任意のデバイスに選択的に接続するように構成される。
【0054】
第1の電力制御装置10および第2の電力制御装置12は、以下、「PD制御装置10」および「PSE制御装置12」と称される。
【0055】
多くの実施形態では、PD制御装置10およびPSE制御装置12は、電子回路部品および/またはプロセッサに基づく制御デバイスによって実施される電子制御装置である。
【0056】
PD制御装置10およびPSE制御装置12は、必ずしも別々のデバイスとは限らず、場合により、同じ電子回路によって実施されることもある。
【0057】
PD制御装置10は、デバイスがネットワークによって給電されるとき、ネットワークから配電母線14への電力の供給を制御するように構成される。
【0058】
PSE制御装置12は、デバイスが自己給電されネットワークを介して遠隔デバイスに給電することを目指すとき、配電母線14からネットワークへの電力の供給を制御するように構成される。
【0059】
PD制御装置10およびPSE制御装置12は、当業界でよく知られており、それらの仕様は上述のIEEE規格に記載されており、この理由から、それらは本明細書ではさらに詳細には述べられない。
【0060】
図示の例では、PD制御装置10およびPSE制御装置12は、整流器8の第1の出力端子16と第2の出力端子18との間に接続されている。
【0061】
加えて、インターフェース2は、デバイスが給電されないとき、接続部の電圧を検出することができる入力電圧検出装置を備える。これは、ネットワークにおけるPSEの存在の検出を可能にする。
【0062】
この例では、入力電圧検出装置は、整流器8に並列に例えば点16とPD制御装置との間に接続された第1の抵抗器R1を備える。PD制御装置10の対応する入力端子は、第1の抵抗器R1に並列に例えば端子16と端子18との間に接続されている。
【0063】
いくつかの実施形態では、第1の抵抗器R1は、IEEE規格に従って、PD制御装置10の一部であるかそれに統合されてもよい。
【0064】
図示の例では、PD制御装置10は、整流器ブリッジ8の出力に接続され、PSE制御装置12は、配電母線14に接続されている。
【0065】
インターフェース2は、PD制御装置10に結合された、制御スイッチとも称される第1のスイッチSW1をさらに備える。
【0066】
スイッチSW1は、PD制御装置10によって開状態と閉状態との間で切り替えられることができる。開状態では、スイッチSW1は、接続部と配電母線14との間に電流が流れることを防ぐ。
【0067】
図示の例では、第1のスイッチSW1は、母線14と整流器8との間の点18に接続されている。
【0068】
いくつかの実施形態によれば、スイッチSW1は、電気機械スイッチ、またはリレー、または電気スイッチ、またはMosfetもしくは絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタなどのトランジスタに基づくスイッチ、またはバイポーラ・トランジスタ、任意の半導体に基づくスイッチとすることができる。
【0069】
インターフェース2は、PSE制御装置12に結合された、電流感知抵抗器とも称される第2の抵抗器R2をさらに備える。例えば、第2の抵抗器R2は、端子18と配電母線14との間に直列に接続され、PSE制御装置12の入力ピンに接続されている。
【0070】
インターフェース2は、PSE制御装置12に結合され整流器8のダイオードに並列に接続された第2のスイッチSW2をさらに備える。
【0071】
一般に、第2のスイッチSW2は、整流器素子8(本例ではダイオードなど)に並列に、(図示の例におけるように)第2の出力端子18と、第1の入力端子17か第2の入力端子19のどちらかとの間に接続されている。
【0072】
例えば、第2のスイッチSW2は、整流器ブリッジ8の第3のダイオードD3に並列に接続されている。第3のダイオードD3は、整流器の第2の入力端子(第2のピン対6に接続された入力)と第2の出力端子18との間に接続され、そのカソードは前記第2の入力端子に接続されている。
【0073】
スイッチSW2は、PSE制御装置12によって、開状態と閉状態との間で切り替えられることができる。
【0074】
開状態では、配電母線14は、ネットワークへ電力を供給しないようにされるが、電力は、逆方向、すなわちネットワークから配電母線14へと流れることができる。
【0075】
スイッチSW2は、電気スイッチ、またはMosfetもしくは絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタなどのトランジスタに基づくスイッチ、またはバイポーラ・トランジスタ、または任意の半導体に基づくスイッチとすることができる。Mosfetまたは他の半導体技術は、IEEE規格に従って、短絡の場合にスイッチが線形モードで動作し出力を制限できるようにするので、好まれる。好ましくは、スイッチSW2は、プロテクション・スイッチである。
【0076】
インターフェース2は、PSE制御装置12に結合され整流器8のダイオードに並列に接続された第3のスイッチSW3をさらに備える。
【0077】
一般に、第3のスイッチSW3は、整流器素子8(本例ではダイオードなど)に並列に、第1の出力端子16と、(第2のスイッチSW2が接続されている場所に応じて)第1の入力端子17または第2の入力端子19との間に接続されている(すなわち、第3のスイッチSW3は、第2のスイッチSW2と同じ入力端子には接続されていない)。
【0078】
例えば、第3のスイッチSW3は、整流器ブリッジ8の第1のダイオードD1に並列に接続されている。第1のダイオードD1は、整流器8の第1の入力端子(第1のピン対4に接続された入力)と第1の出力端子16との間に接続され、そのカソードは前記第1の出力端子に接続されている。
【0079】
換言すると、第1のダイオードD1のカソードは、整流器8の第1の出力端子16に接続され、第1のダイオードD1のアノードは、整流器8の第1の入力端子に接続されている。
【0080】
スイッチSW3は、PSE制御装置12によって、開状態と閉状態との間で切り替えられ得る。開状態では、配電母線14は、ネットワークへ電力を供給しないようにされるが、電力は、逆方向、すなわちネットワークから配電母線14へと流れることができる。
【0081】
スイッチSW3は、電気機械スイッチ、またはリレー、または電気スイッチ、またはMosfetもしくは絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタもしくは均等の技術などのトランジスタに基づくスイッチ、またはバイポーラ・トランジスタ、または任意の半導体に基づくスイッチとすることができる。
【0082】
PSE制御装置12は、配電母線14が、遠隔デバイスにネットワークを介して送達され得る余剰電力を有するとき、スイッチSW3および/またはスイッチSW2を閉じるように構成されてもよい。
【0083】
図1の配置の一代替実施形態として、スイッチSW3が第2のダイオードD2に並列に接続され、スイッチSW2が第4のダイオードD4に並列に接続されてもよい。以下に説明されるような双方向インターフェースの動作は、同じままである。
【0084】
図2図3および図4は、双方向インターフェース2の第1の動作モードの一例を示す。
【0085】
例えば、この第1の動作モードでは、インターフェース2に関連するデバイスは、それ自体による電力供給が行われず、インターフェース2を介してネットワークによって給電されなければならない。
【0086】
最初、配電母線14には電圧がない。
【0087】
ステップS100で、電圧がインターフェース2、例えばコネクタ4とコネクタ6との間に印加される。
【0088】
例えば、PoE対応ネットワークを介してインターフェース2に接続されている遠隔ネットワーキング・デバイス(例えば、給電機器)が電力をインターフェース2に供給する。
【0089】
図2において矢印で示されるように、電流は、入力電圧検出装置を通って(すなわち、第1の抵抗器R1を通り、PD制御装置10の感知入力導線を通って)流れる。
【0090】
PD制御装置10は、入力電圧を測定し、それを所定閾値と比較する。しかしこの段階では、スイッチSW1は開状態にあり、配電母線14へ電流が流れないようする。
【0091】
ステップS102で、入力電圧が所定閾値を超えると、PD制御装置10がスイッチSW1を閉じる。
【0092】
換言すると、PD制御装置10は、接続部で受ける入力電圧が所定閾値を超えたときだけ、第1のスイッチSW1を閉じるように構成される。
【0093】
ステップS104で、図3において矢印で示されるように、こうして電流がインターフェースの回路を流れることができ、配電母線14に達することができる。次いで、配電母線14が通電される。こうして、インターフェース2に関連するローカル・デバイスは、遠隔PSEによってネットワークを介して電力供給され、受電デバイス(PD)として動作する。
【0094】
図5図6および図7は、双方向インターフェース2の第2の動作モードの一例を示す。
【0095】
例えば、この第2の動作モードでは、インターフェース2に関連するローカル・デバイスは、電力供給され、ローカル電源を含むか、またはローカル電源に接続されてもよい。
【0096】
ローカル・デバイスは、インターフェース2を介してネットワークに接続されている遠隔負荷への電力の供給を試みることができる。
【0097】
最初、図6に示されるように、配電母線14は、ローカル電源によって給電される。PSE制御装置12も、ローカル電源によって給電される。
【0098】
しかし、この段階では、スイッチSW2およびSW3は開いている。電流は、配電母線14からコネクタ4、6へ流れないようにされる。
【0099】
ステップS110で、PSE制御装置12は、スイッチSW2およびSW3を閉じる。
【0100】
こうして、電流は、図7において矢印で示されるように配電母線14からコネクタ4、6へ流れることができる。
【0101】
ステップS112で、PSE制御装置12は、電力をネットワークに供給する方法を開始する。
【0102】
例えば、この方法は、遠隔デバイスが電力を受けることができることを確実にし、電力がどれだけネットワークに送達されるべきかを評価するために、給電されるべき1つまたは複数の遠隔デバイスの電気的特性を決定するステップを含むことができる。
【0103】
この方法は、PoEシグネチャ検出プロセスおよびIEEE規格802.3af、802.3atまたは802.3btに記載される供給プロセスに従って実施されてもよい。
【0104】
デフォルトでは、双方向インターフェースは、第1のPD制御装置10がオン、第2のPSE制御装置12がオフということになる、負荷モードにある。インターフェース装置が電源として動作できることが決定されると、第1の制御装置10がオフ、または少なくとも低消費電力/電力消費なしモードに切り替えられ、第3のスイッチSW3が閉に切り替えられる。次いで、第2の制御装置12がオンに切り替えられ、IEEE規格に記載されるように、第2のスイッチSW2を制御し出力電圧および電流を監視することによって、電力がネットワーク・インターフェース装置を介して供給される。
【0105】
負荷モードに戻すためには、第2の制御装置12をオフに切り替え、第3のスイッチSW3を開に切り替え、第1の制御装置をオンに切り替えるという、反対の手順が実施される。
【0106】
具体的に図4および図5を参照して上述された方法ステップは、PDおよびPSE制御装置10、12によって、および/またはインターフェース装置2の制御デバイスによって実施されてもよい。
【0107】
制御デバイスは、プロセッサ(例えば、マイクロコントローラ)、およびコンピュータ・メモリのようなコンピュータ可読記憶媒体(例えば、読み出し専用メモリ、電気的に消去可能かつプログラム可能な読み出し専用メモリ、フラッシュ・メモリ、または電子的な命令の記憶に適した任意の他のタイプの媒体)などの、電子回路部品を備えることができる。
【0108】
コンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサによって実行されると上記の方法ステップのうちの1つもしくは複数をプロセッサに実施させる実行可能なマシン・コードおよび/またはソフトウェア・コードを記憶することができる。
【0109】
他の実施形態では、制御デバイスは、異なるように実施されることができ、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などのプログラマブル回路、またはその均等物、およびより一般的に、本明細書に記載の機能を実行することができる任意の回路またはプロセッサを含むことができる。
【0110】
いくつかの任意選択の実施形態では、PD制御装置10は、PSE制御装置12が遠隔負荷の電気的特性の決定を試みているとき(例えば、図5を参照して述べられる検出および分類ステップの間)、低消費電力モードに自動的に切り替えられ得る。そうすることによって、PD制御装置10の電流消費が一時的に低減され、検出および分類プロセスはより正確な結果をもたらす。
【0111】
次に、双方向インターフェース2の他の実施形態が、上述されたインターフェース2と類似し、同様の機能を実施するように構成された双方向PoEインターフェース20を示す図8を参照して述べられる。
【0112】
インターフェース20は、追加の切断スイッチ22が、点14と入力電圧検出装置との間に直列に接続されているという点がインターフェース2とは異なる。
【0113】
例えば、スイッチ22の第1の電極は、高位点(high point)14に接続され、スイッチ22の反対の電極は、第1の抵抗器R1およびPD制御装置10の感知入力に接続されている。
【0114】
ここでも、第1の抵抗器R1は、IEEE規格に従って、PD制御装置10の一部であるかそれに統合されてもよい。同様に、スイッチ22は、PD制御装置10の一部、例えばPD制御装置にあるリセット・ピンの形態であってもよい。
【0115】
インターフェース20の他の要素は、インターフェース2の実施形態と同じである。これらの要素は、それらについての先の記載がこの実施形態に転移され得ることから、同じ参照符号を持ち、詳細には述べられない。
【0116】
インターフェース20は、インターフェース20が供給モードにあるとき、より具体的にはPSE制御装置12が遠隔負荷の電気的特性の決定を試みているとき(例えば、図5を参照して述べられる検出および分類ステップの間)に、スイッチ22を開ける(したがってPD制御装置および抵抗器R1を整流器ブリッジ8から切断する)ように構成される。
【0117】
そうすることで、PD制御装置10の電流消費は、一時的になくされることができる。したがって、検出および分類プロセスは、より正確な結果をもたらす。
【0118】
いくつかの実施形態によれば、スイッチ22は、電気機械スイッチ、またはリレー、または電気スイッチ、またはJFETもしくは絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタのMosfetなどのトランジスタに基づくスイッチ、またはバイポーラ・トランジスタ、または任意の半導体に基づくスイッチとすることができる。
【0119】
好ましくは、スイッチ22は、デフォルトでは閉状態であり、供給モードでのみ、好ましくは検出および分類プロセスの間のみ開けられる。
【0120】
例えば、スイッチ22は、プロセッサまたはマイクロコントローラなどの、インターフェース20の制御デバイスによって駆動されてもよい。
【0121】
次に、双方向インターフェース2の他の実施形態が、上述されたインターフェース2と類似し、同様の機能を実施するように構成された双方向PoEインターフェース30を示す図9を参照して述べられる。
【0122】
インターフェース30は、PD制御装置10およびPSE制御装置12の位置が入れ替えられているという点がインターフェース2とは異なる。
【0123】
例えば、PSE制御装置12は、整流器ブリッジ8の出力に接続され、PD制御装置10は、配電母線14に接続されている。第1の抵抗器R1は、PD制御装置10の測定入力に接続されたままであるが、整流器ブリッジ8にはもはや直接的に接続されていない。ここでも、第1の抵抗器R1は、IEEE規格に従って、PD制御装置10の一部であるかそれに統合されてもよい。
【0124】
インターフェース30の他の要素は、インターフェース2の実施形態と同じである。これらの要素は、それらについての先の記載がこの実施形態に転移されることができることから、同じ参照符号を持ち、詳細には述べられない。
【0125】
この構成は、インターフェース30が供給モードにあるとき、より具体的には、PSE制御装置12が遠隔負荷の電気的特性の決定を試みているとき(例えば、図5を参照して述べられる検出および分類ステップの間)に有利である。
【0126】
この構成の場合、PD制御装置10の供給電流は、PSE制御装置12に関連付けられたシャント抵抗器R2を通って流れない。
【0127】
図9において電流の流れを示す矢印32によって示されるように、(ネットワークから)コネクタ4、6から来る電流だけがPSE制御装置12によって測定される。その結果、検出および分類プロセスはより高精度で正確になり得る。
【0128】
次に、他の実施形態が、双方向PoEインターフェース装置40を示す図10を参照して述べられる。
【0129】
インターフェース装置40は、第1のインターフェース42と第2のインターフェース44とを備える。
【0130】
第1および第2のインターフェース42および44のそれぞれは、インターフェース装置2と類似または同一であり、同様の機能を実施するように構成される。
【0131】
第1および第2のインターフェース42および44の要素は、インターフェース2の実施形態と同じである。これらの要素は、それらの先の記載がこの実施形態に転移され得ることから、詳細には述べられない。
【0132】
第1のインターフェース42の要素は、インターフェース2と同じ参照符号を持つ。しかし、第2のインターフェース44の要素は、プライム「’」記号が付けられた同じ参照符号を持つ(例えば、第2のインターフェース44のPD制御装置は、PD制御装置10と類似し、参照符号10’によって識別される)。
【0133】
この実施形態では、第1および第2のインターフェース42および44は、一緒に接続され同じ配電母線14を共用し、さらに、同じ電気的接地を共用する。
【0134】
多くの実施形態では、第1および第2のインターフェース42および44は、互いに独立して動作することができる(例えば、2つのインターフェースのうちの一方が供給モードにあり、その間他方のインターフェースが受電モードにあってもよく、または両方が同じモードにあってもよい)。
【0135】
同様の方式で、ネットワーク・インターフェース装置は、それらのそれぞれの第1および第2の出力端子がそれぞれ接続されている、3つまたは4つ以上など多数のインターフェースを備えることができる。
【0136】
次に図11に移ると、図面には、複数のネットワーキング・デバイスを備える例示的な有線電気通信ネットワーク50が示されている。
【0137】
例えば、ネットワーク50は、イーサネット・ネットワーク、好ましくはPoE対応イーサネット・ネットワークである。
【0138】
ネットワーク50は、ケーブルなどの有線リンクによって互いに接続された複数のネットワーク・インターフェース・デバイス52および54を備える。
【0139】
各ネットワーク・インターフェース・デバイス52および54は、上述の実施形態による少なくとも1つのPoE対応双方向ネットワーク・インターフェース2、20、30または40を備え、好ましくは、そのような双方向ネットワーク・インターフェース2のうちの2つ以上を備える。
【0140】
図示される例では、ネットワーク50は、以下の、
- PoE対応双方向ネットワーク・インターフェース2を備えるPoE対応ネットワーキング・デバイス(参照符号56)、
- 非PoEであるがネットワーク50上で電力供給され得る非PoEネットワーキング・デバイス(参照符号58)、
- イーサネットのみのネットワーキング・デバイス60、
- 外部電源64によって給電される給電機器62、および、
- 1つまたは複数の電池など、PoE対応の可逆給電機器66
のうちの1つまたは複数など、いくつかの異なるタイプのネットワーキング・デバイスを備えることができる。
【0141】
例えば、ネットワーキング・デバイス60は、ルーティング機器とすることができ、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)またはワールド・ワイド・ウェブなどの他の電気通信ネットワークにネットワーク50を接続することができる。例えば、前記ネットワーキング・デバイス60は、データを移送することのみに適し、遠隔ネットワーキング・デバイスに給電するために電力を移送することには適さない、古典的なイーサネット・インターフェースを備えることができる。
【0142】
給電機器62は、外部電源64から来る電力をネットワーク50の方に単に供給する、すなわちネットワーク50の方に向けられた電力の流れだけを可能にするように構成されてもよい。
【0143】
外部電源64は、電力系統または発電機などのAC(交流)電源64とすることができる。
【0144】
可逆給電機器66は、ネットワーク50の動作中、電気負荷か充電装置(electrical charge)のどちらかとして機能することができる。
【0145】
例えば、給電機器66は、蓄電池と、双方向PoEインターフェース2、20、30とを備え、それにより電池とネットワーク50との間の可逆的な電力の流れを可能にすることができる。
【0146】
前記ネットワーキング・デバイスのそれぞれは、ネットワーク・インターフェース・デバイス52または54に接続されてもよい。
【0147】
多くの実施形態では、ネットワーク・インターフェース・デバイス52および54は、リング・トポロジまたは閉ループ・トポロジ、好ましくは閉じたデイジー・チェーン・ループなどの特定のトポロジによりネットワーク50を構築する構築ブロックとして使用され得る。
【0148】
例えば、ネットワーク・インターフェース・デバイス52および54は、電力と一緒にデータを移送することに適した有線リンク68によって互いに接続される。
【0149】
場合により、デバイス58、60および62などのいくつかのネットワーキング・デバイスは、電力だけの接続リンク70(すなわち、データではなく電力を移送するのに適した有線接続)および/またはデータだけの接続リンク72(すなわち、電力ではなくデータを移送するのに適した有線接続)を介してネットワーク・インターフェース・デバイス52または54に接続されてもよい。
【0150】
好ましい実施形態では、図12の挿入図(c)に示されるように、第1のタイプのネットワーク・インターフェース・デバイス52は、3つの双方向ネットワーク・インターフェース2を備える。
【0151】
各ネットワーク・インターフェース・デバイス52は、前記ネットワーク・インターフェース間でデータ・メッセージをルーティングまたは中継するためのネットワーク・スイッチとして機能するように構成される。各ネットワーク・インターフェース・デバイス52はさらに、必要な場合はいつでも前記ネットワーク・インターフェース間での電力の移送を可能にするように構成される。
【0152】
図14は、例示的なネットワーク・インターフェース・デバイス52のブロック図である。
【0153】
多くの実施形態によれば、第1のタイプのネットワーク・インターフェース・デバイス52は、例えば図1を参照して上述したような実施形態による3つの双方向PoEインターフェースを備える。
【0154】
例えば、デバイス52は、イーサネット・ケーブルなどの有線データ・リンクに接続されることに適した3つの電気コネクタ80を備える。
【0155】
例えば、コネクタ80は、8P8CコネクタまたはRJ-45コネクタなどのモジュラ・コネクタである。
【0156】
各コネクタ80は、受信した電気信号からデータ信号を分離するように前述したような結合デバイス7に関連付けられている。
【0157】
デバイス52は、内部データ・リンクまたは母線84を介して結合デバイス7のデータ処理部に接続されたイーサネット・スイッチ制御装置82を備える。イーサネット制御装置82は、コネクタ80間でデータ・メッセージをルーティングまたは中継するように構成される。
【0158】
各コネクタ80はさらに、電力を内部電力母線90に移送するように双方向PoEネットワーク・インターフェース回路2に関連付けられている。
【0159】
図示の例では、各インターフェース2回路は、電力を一時的に蓄え、動作中に電力がインターフェース回路2間で移送されるときに、バッファとして機能するように適合された内部エネルギー蓄積デバイス86に接続されている。
【0160】
蓄積デバイス86は、1つまたは複数のキャパシタ、またはスーパー・キャパシタ、または電気化学電池を含むことができる。
【0161】
デバイス52は、エネルギー蓄積デバイス86によって給電されイーサネット・スイッチ制御装置82に電力を供給するように構成された絶縁電源装置88をさらに含むことができる。
【0162】
例えば、絶縁電源装置88は、安定化された3.3VのDC電圧を送達してイーサネット・スイッチ制御装置82に給電するように構成される。
【0163】
非限定的な例によれば、絶縁電源装置88は、最大2.5kVまでの電圧に対して絶縁され得る。
【0164】
多くの実施形態では、デバイス52は、金属ケースまたは成形されたプラスチックのケースなど、デバイス52の様々な構成要素を囲むケースを含むことができる。このケースは、ラック、例えば電気パネル内またはサーバ・キャビネット内部に取り付けられ得る。
【0165】
他の実施形態では、コネクタ80および双方向インターフェースの数は、本例とは異なり、例えば2に等しいか3よりも多いことがあり得る。この場合、デバイス52は、結果として上述した原理に従って変更される。
【0166】
図12に戻って参照すると、挿入図(a)および(b)に示されるように、第2のタイプのネットワーク・インターフェース・デバイス54は、2つの双方向ネットワーク・インターフェース2と、追加のインターフェース91、または電力の移送に適した電力インターフェースとを備える。
【0167】
各ネットワーク・インターフェース・デバイス54は、前記インターフェース間でデータ・メッセージをルーティングまたは中継することに適したネットワーク・スイッチとして機能するように構成される。
【0168】
各ネットワーク・インターフェース・デバイス54はさらに、双方向ネットワーク・インターフェース間か、追加のインターフェースと双方向インターフェースのうちの1つとの間のどちらかにおける電力の移送を可能にするように構成される。
【0169】
例えば、追加のインターフェースは、24ボルトDC電力のようなDC電力を搬送するように適合され得る。
【0170】
追加のインターフェースは、適当な電力コネクタ(2ピン・コネクタなど)と、例えば短絡および過負荷電流からデバイス54を保護するような適切な電気的保護装置とを備えることができる。
【0171】
しかし実際には、追加のインターフェースは、データの搬送には適さず、ネットワーク50またはネットワーキング・デバイスのイーサネット・ポートに直接的に接続されることができない。
【0172】
いくつかの実施形態では、図12の挿入図(a)に示されるように、追加のインターフェース91は、電源デバイス62または66から電力を受けることに使用されてもよい。次いで、受け取った電力は、例えばネットワーク50に接続されている遠隔ネットワーキング・デバイスに給電するように、ネットワーク・インターフェース・デバイス54によって、双方向インターフェースのうちの1つを介してネットワーク50に向けて転送され得る。
【0173】
いくつかの他の実施形態では、図12の挿入図(b)に示されるように、追加のインターフェース91は、非PoEデバイス58に給電することに使用されてもよい。例えば、前記非PoEデバイス58は、非PoEデバイス58とのデータ接続の確立およびネットワーク50への前記非PoEデバイス58の接続のために、デバイス54の双方向インターフェースのうちの1つに接続されてもよい。
【0174】
換言すると、2つの別個(一方がデータ用、他方が電力用)の有線接続が、非PoEデバイス58をデバイス54に接続するために必要とされる。
【0175】
図13は、例示的なネットワーク・インターフェース・デバイス54のブロック図である。
【0176】
多くの実施形態によれば、第2のタイプのネットワーク・インターフェース・デバイス54の構成は、第1のタイプのネットワーク・インターフェース・デバイス52と類似しており、双方向インターフェースのうちの1つが電力の交換だけに適した異なるインターフェースによって取って代わられるという点が、第1のタイプのネットワーク・インターフェース・デバイス52とは異なっている。
【0177】
例えば、第1のタイプのネットワーク・インターフェース・デバイス52のように、第2のタイプのネットワーク・インターフェース・デバイス54は、イーサネット・ケーブルのような有線データ・リンクに接続されることに適したコネクタ80を備える。図示の例では、ネットワーク・インターフェース・デバイス54は、2つのコネクタ80を備える。
【0178】
イーサネット・スイッチ制御装置82は、内部データ母線84を介して結合デバイス7に接続されており、コネクタ80間でデータ・メッセージをルーティングまたは中継するように構成される。各コネクタ80はさらに、電力を内部電力母線90に移送するように双方向PoEネットワーク・インターフェース2回路に関連付けられている。
【0179】
図示の例では、各インターフェース2回路は、電力を一時的に蓄え、動作中に電力がインターフェース回路2間で移送されるときに、バッファとして機能するように適合された内部エネルギー蓄積デバイス86に接続されている。
【0180】
デバイス54は、エネルギー蓄積デバイス86によって給電されイーサネット・スイッチ制御装置82に電力を供給するように構成された絶縁電源装置88をさらに含むことができる。例えば、絶縁電源装置88は、安定化された3.3VのDC電圧を送達して、イーサネット・スイッチ制御装置82に給電するように構成される。
【0181】
さらに、デバイス54は、電力を移送するための上述した追加のインターフェースを備える。
【0182】
追加のインターフェース91は、電力変換装置92と、電力コネクタ94とを備える。
【0183】
例えば、電力変換装置92は、ブースト-バック・コンバータなどの双方向DC/DCコンバータとすることができる。
【0184】
電力変換装置92は、コネクタ94に接続され、内部電力母線90およびエネルギー蓄積デバイス86に接続されてもよい。
【0185】
デバイス54は、双方向インターフェースと電力インターフェースとの間の電力の流れを自動的に管理するように構成されたマイクロコントローラなどの制御デバイスを備えることができる。
【0186】
例えば、制御デバイスは、電力が双方向PoEインターフェース・ポートのそれぞれにおいて利用できるかどうかを決定し、各ポートが入力モードにあるべきか出力モードにあるべきかを判定するように構成されてもよい。
【0187】
同様に、制御デバイスは、電力が電力インターフェースにおいて利用できるかどうかを決定し、電力変換装置92が入力モードとして設定される(およびブースト・コンバータとして動作する)べきか出力モードに設定される(およびバック・コンバータとして動作する)べきかを判定するように構成されてもよい。
【0188】
デバイス54は、こうして、双方向ネットワーク・インターフェース間、または追加のインターフェースと双方向インターフェースとの間で電力を移送することができる。
【0189】
レガシ・デバイスのような非PoEネットワーキング・デバイスは、この場合、他のPoE対応ネットワーキング・デバイスに沿ってネットワーク50に安全に接続されることができる。
【0190】
多くの実施形態では、デバイス54は、金属ケースまたは成形されたプラスチックのケースなど、デバイス54の様々な構成要素を囲むケースを含むことができる。このケースは、ラック、例えば電気パネル内またはサーバ・キャビネット内部に取り付けられてもよい。
【0191】
代替の実施形態では、コネクタ80および/または電力コネクタ94の数は、本例とは異なり、例えば2よりも多いまたは高いことがあり得る。この場合、デバイス54は、結果として変更される。
【0192】
上述の実施形態の多くの利点の中でも、双方向PoEインターフェース2、20、30、40およびインターフェース・デバイス52、54は、電力が両方向に移送されることができるPoEネットワークの作成を可能にする。
【0193】
そのようなネットワークに接続されているデバイスは、受電デバイスまたは給電機器として機能することができ(すなわち、それらはネットワーク50によって給電されるか、ネットワークの1つまたはそれ以上のデバイスに給電することができ)、また動作の間、ネットワーク50の電力要求に応じてこれらの2つの役割を切り替えることができる。
【0194】
加えて、デバイス52および54のような、2つ以上の双方向インターフェース2、20、30、40を含むネットワーキング・デバイスは、多数の電源を備えリングまたは閉ループ・トポロジ(例えば、閉じたデイジー・チェーン・トポロジ)などの高度なネットワーク・トポロジを有する有線ネットワークを作成することに使用されてもよい。
【0195】
これは、1つの電源だけがネットワーク内の各負荷に割り当てられることができる多くの一方向PoEデバイスおよびネットワークの欠点を克服する。同じネットワーク内で多数の電源を使用することは、動作中に電源のうちの1つが機能しなくなったときなど、故障の場合のより良好な冗長性を与えるので、有益となり得る。
【0196】
双方向PoEインターフェースを使用する他の利点は、動作中に電源および電力負荷として択一的に機能することができる電池などの再充電可能な電源がネットワークに接続され得ることである。
【0197】
次に、双方向インターフェース2の他の実施形態が、ダイオードに基づく整流器8が能動整流器102に取って代わられることを除き、上述のインターフェース2と類似し、同様の機能を実施するように構成された双方向PoEインターフェース100を示す図16を参照して述べられる。
【0198】
上記で説明されるように、本発明の実施形態は、ダイオードに基づく整流器ブリッジに限定されない。例えば、ダイオードは、Mosfetなどのスイッチによって、これがダイオード整流器8での電力損失を減少させることができるので、取って代わられてもよい。
【0199】
整流器102は、好ましくはブリッジ配置に接続された、スイッチなどのいくつかの整流器素子を備える。
【0200】
例えば、整流器102は、上述のダイオード・ブリッジ8の入力および出力端子と類似する入力端子17、19と出力端子16、18とを備える。
【0201】
好ましくは、スイッチは、Mosfetなどの半導体スイッチである。
【0202】
多くの実施形態では、スイッチは、先述の第2のスイッチSW2および第3のスイッチSW3を備え、第4のスイッチSW4および第5のスイッチSW5をさらに備える。第4のスイッチSW4は、第2のダイオードD2に並列(またはその代わり)に接続され、第5のスイッチSW5は、第4のダイオードD4に並列(またはその代わり)に接続されている。
【0203】
当然のことながら、まず第2および第3のスイッチSW2およびSW3が第2および第4のダイオードD2、D4に関連付けられる実施形態では、代わりに、第4および第5のスイッチSW4、SW5が第1および第3のダイオードD1、D3に接続(またはその代わりに)される。
【0204】
図示の例では、各スイッチSW2、SW3、SW4およびSW5は、上述のダイオード整流器8のダイオードD1、D2、D3およびD4と類似または同一であり得るダイオードD1、D2、D3およびD4に関連付けられている。
【0205】
整流器がトランジスタなどの半導体スイッチに基づくいくつかの実施形態では、整流器は必ずしもスタンドアロンの整流器ダイオードを含まなくてもよい。実際には、半導体スイッチは一般的に、寄生ダイオードのような、スイッチに並列に接続された内部ダイオードを含む。これらの内部ダイオードは、有利には、ダイオードD1、D2、D3およびD4と同じ機能を実施することができ、また有利には、専用の整流器ダイオードに取って代わることができる。
【0206】
整流器102のスイッチSW2、SW3、SW4およびSW5は、電子回路部品によっておよび/またはプロセッサに基づく制御デバイスによって実施され得る、ロスレス・ブリッジ制御装置などのブリッジ制御装置104によって制御される。
【0207】
しかし、上述のような第2および第3のスイッチSW2、SW3を動作させることを可能にするために、整流器102は、ブリッジ制御装置104および第2および第3のスイッチSW2、SW3に結合された追加の制御回路部品を備える。追加の制御回路部品は、第2および第3のスイッチSW2およびSW3のそれぞれがブリッジ制御装置104又はPSE制御装置12のどちらかによって起動されることを可能にするように構成される。
【0208】
例えば、第1の論理ORゲート回路106は、第2のスイッチSW2の制御電極に接続されている。
【0209】
ゲート回路106の第1の入力ピンは、ブリッジ制御装置104の制御出力ピンに接続され、ゲート回路106の第2の入力ピンは、PSE制御装置12の制御出力ピンに接続されている。
【0210】
同様に、第2の論理ORゲート回路108は、第3のスイッチSW3の制御電極に接続されている。
【0211】
ゲート回路108の第1の入力ピンは、ブリッジ制御装置104の他の制御出力ピンに接続され、ゲート回路108の第2の入力ピンは、PSE制御装置12の他の制御出力ピン110に接続されている。他の実施形態では、この制御出力ピンは、プロセッサまたはマイクロコントローラなどのインターフェースの制御デバイスの一部とすることができる。
【0212】
動作中、整流器102は、インターフェース100が負荷として機能するときだけ、すなわちPD制御装置10が起動されるときだけ起動する。電源としてインターフェース100を動作させるために、整流器102は、PD制御装置10がオフに切り替えられるとすぐにオフに切り替えられる。
【0213】
整流器102および同様の実施形態は、インターフェース2の先述の実施形態のそれぞれについてダイオードに基づく整流器8の代わりに使用され得る。この違いを除いては、双方向インターフェースの動作は同じままである。
【0214】
インターフェース100の他の要素は、インターフェース2の実施形態と同じである。これらの要素は、それらについての先の記載がこの実施形態に転移されることができることから、同じ参照符号を持ち、詳細には述べられない。
【0215】
次に、双方向インターフェース2の他の実施形態が、上述のインターフェース2と類似し、同様の機能を実施するように構成された双方向PoEインターフェース120を示す図15を参照して述べられる。上記で説明されるように、本発明の実施形態は、2つのピン対を備える接続部に限定されない。例えば、いくつかの実施形態では、接続部は、4つのピン対を備え、したがって2つの追加のピン対5およびピン対9を備える。
【0216】
ピンは、ANSI/TIA-568規格に記載されるピン番号付け方式に従うことができる。先述のように、第1のピン対4のピンは、ピン「1」および「2」に対応し、第2のピン対6のピンは、ピン「3」および「6」に対応し得る。第3のピン対5のピンは、ピン「4」および「5」に対応し、第4のピン対9のピンは、ピン「7」および「8」に対応し得る。
【0217】
インターフェース120は、2つの追加のピン対5およびピン対9に関連付けられた追加の整流器8’を備える。前記追加の整流器8’は、好ましくは、第1ピン対4および第2のピン対6に関連付けられた整流器8と類似している。
【0218】
追加の整流器8’は、追加のピン対5およびピン対9に接続された入力端子17’および19’を備える。追加の整流器8’の第1および第2の出力端子は、端子16および18にそれぞれ接続されている。
【0219】
図示の例では、追加のピン対に関連付けられたインターフェース120の要素は、ピン対4およびピン対6に関連付けられた要素と類似しており、プライム「’」記号付きの同じ参照符号を持つ。
【0220】
インターフェース120の他の要素は、インターフェース2の実施形態と同じである。これらの要素は、それらについての先の記載がこの実施形態に転移されることができることから、同じ参照符号を持ち、詳細には述べられない。
【0221】
この特定の例では、第1の抵抗器R1は、先に説明されるように、ここでの場合のように、前記抵抗器R1がIEEE規格に従ってPD制御装置10の一部であるか又はそれに統合されてもよいので、図16では見ることができない。
【0222】
追加の実施形態では、接続部は、異なる数のピンを備えることができる、または異なる構造を有することができる(例えば、異なるタイプのコネクタが使用されてもよい)。
【0223】
さらなる実施形態では、整流器8および8’は、図15の整流器102のようなスイッチに基づく整流器によって取って代わられ得る。
【0224】
上述の実施形態および代替実施形態は、新しい実施形態を作り出すために互いに組み合わされてもよい。
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【国際調査報告】