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特表2023-515969所定の挿入方向を有するエアロゾル発生物品
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  • 特表-所定の挿入方向を有するエアロゾル発生物品 図1
  • 特表-所定の挿入方向を有するエアロゾル発生物品 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-17
(54)【発明の名称】所定の挿入方向を有するエアロゾル発生物品
(51)【国際特許分類】
   A24D 3/17 20200101AFI20230410BHJP
   A24D 1/20 20200101ALI20230410BHJP
   A24F 40/465 20200101ALI20230410BHJP
【FI】
A24D3/17
A24D1/20
A24F40/465
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022551403
(86)(22)【出願日】2021-02-24
(85)【翻訳文提出日】2022-08-25
(86)【国際出願番号】 EP2021054590
(87)【国際公開番号】W WO2021170671
(87)【国際公開日】2021-09-02
(31)【優先権主張番号】20160247.1
(32)【優先日】2020-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ネーショヴィッチ ミリツァ
【テーマコード(参考)】
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B045AA21
4B045AB11
4B045AB16
4B045BA07
4B045BB07
4B045BC15
4B045BC24
4B045BC36
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB22
4B162AC06
4B162AC14
4B162AC22
4B162AC41
(57)【要約】
口側端部から口側端部の上流の遠位端部まで延在するエアロゾル発生物品(10)が提供され、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッド(12)と、エアロゾル発生基体のロッドの下流の位置にある下流セクション(14)と、エアロゾル発生基体のロッドの上流の位置にある上流セクション(16)と、を含む。下流セクションは、ロッドの下流に位置付けられ、ロッドと長手方向に整列するマウスピース要素(42)を含み、マウスピース要素は、エアロゾル発生物品の口側端部までずっと延在する。上流セクションは、物品の遠位端部までずっと延在する上流要素を含む。口側端部でのエアロゾル発生物品の直径(DME)は、遠位端部でのエアロゾル発生物品の直径(DDE)よりも大きく、口側端部でのエアロゾル発生物品の直径と、遠位端部でのエアロゾル発生物品の直径との間の比(DME/DDE)は、少なくとも約1.005である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱時に吸入可能なエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品であって、口側端部から前記口側端部から上流の遠位端部に延在し、
エアロゾル発生基体のロッドと、
前記エアロゾル発生基体のロッドの下流の位置にある下流セクションであって、前記ロッドの下流に位置付けられ、前記ロッドと長手方向に整列するマウスピース要素を含み、前記マウスピース要素が、前記エアロゾル発生物品の前記口側端部までずっと延在する、下流セクションと、
前記エアロゾル発生基体のロッドの上流に位置する上流セクションであって、前記物品の遠位端部までずっと延在する上流要素を含む、上流セクションと、を含み、
前記口側端部での前記エアロゾル発生物品の直径(DME)が、前記遠位端部での前記エアロゾル発生物品の直径(DDE)よりも大きく、前記口側端部での前記エアロゾル発生物品の前記直径と、前記遠位端部での前記エアロゾル発生物品の前記直径との間の比(DME/DDE)が、少なくとも約1.005である、エアロゾル発生物品。
【請求項2】
前記口側端部での前記エアロゾル発生物品の前記直径と前記遠位端部での前記エアロゾル発生物品の前記直径との間の前記比(DME/DDE)が、少なくとも約1.05である、請求項1に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項3】
前記口側端部での前記エアロゾル発生物品の前記直径(DME)と前記遠位端部での前記エアロゾル発生物品の前記直径(DDE)との差異が、少なくとも約100マイクロメートルである、請求項1または2に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項4】
前記物品が、前記エアロゾル発生基体のロッド内に長手方向に配置される細長いサセプタをさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項5】
前記上流セクションの直径が、前記エアロゾル発生基体のロッドの直径よりも大きい、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項6】
前記下流セクションが、前記エアロゾル発生基体のロッドのすぐ下流に位置付けられ、かつ前記エアロゾル発生基体のロッドと長手方向に整列する支持要素をさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項7】
前記下流セクションが、前記支持要素のすぐ下流に位置付けられたエアロゾル冷却要素をさらに含み、前記エアロゾル冷却要素が、中空管状セグメントの上流端部から前記中空管状セグメントの下流端部までずっと延在する空洞を画定する、前記中空管状セグメントを含む、請求項6に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項8】
前記中空管状セグメントに沿った場所に通気ゾーンをさらに備える、請求項7に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項9】
前記物品が、少なくとも約10パーセントの通気レベルを有する、請求項8に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項10】
前記物品の前記直径が、前記遠位端部から少なくとも約5ミリメートル延在している前記物品の遠位部分にわたって実質的に一定である、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項11】
前記物品の前記直径が、前記遠位端部から少なくとも約5ミリメートル延在している前記物品の遠位部分にわたって次第に細くなる、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項12】
前記エアロゾル発生基体が、乾燥重量基準において少なくとも約10重量パーセントのエアロゾル形成体を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項13】
前記エアロゾル発生物品が、前記マウスピース要素を少なくとも部分的に囲み、前記マウスピースをすぐ隣に付着するチッピングペーパーの第一のバンドと、前記エアロゾル発生物品の上流構成要素と、前記チッピングペーパーの第一のバンドを囲むチッピングペーパーの第二のバンドと、を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生基体を含み、かつ加熱時に吸入可能なエアロゾルを生成するように適合された、エアロゾル発生物品に関する。
【背景技術】
【0002】
タバコ含有基体などのエアロゾル発生基体が燃焼されるのではなく加熱されるエアロゾル発生物品は、当技術分野で公知である。典型的に、こうした加熱式喫煙物品においてエアロゾルは、熱源からの熱を、物理的に分離されたエアロゾル発生基体または材料に伝達することによって発生され、このエアロゾル発生基体または材料は熱源に接触して、または熱源内に、または熱源の周囲に、または熱源の下流に位置してもよい。エアロゾル発生物品の使用中、揮発性化合物は、熱源からの熱伝達によってエアロゾル発生基体から放出され、エアロゾル発生物品を通して引き出された空気中に同伴される。放出された化合物は冷めるにつれて凝縮してエアロゾルを形成する。
【0003】
数多くの先行技術文書は、エアロゾル発生物品を消費するためのエアロゾル発生装置を開示している。こうした装置としては、例えばエアロゾル発生装置の一つ以上の電気ヒーター要素から加熱式エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体への熱伝達によってエアロゾルが発生される、電気加熱式のエアロゾル発生装置が挙げられる。例えば、エアロゾル発生基体に挿入されるように適合された内部ヒーターブレードを含む、電気加熱式のエアロゾル発生装置が提案されている。代替として、エアロゾル発生基体と、エアロゾル発生基体内に配置されたサセプタと、を含む、誘導性発熱性エアロゾル発生物品が、WO2015/176898によって提案されている。
【0004】
タバコ含有基体が燃焼されるのではなく加熱されるエアロゾル発生物品は、従来の喫煙物品とは遭遇しなかったいくつかの課題を呈する。第一に、タバコ含有基体は、典型的には、従来のタバコの燃焼前部が到達する温度と比較して、著しく低い温度まで加熱される。これは、タバコ含有基体からのニコチン放出および消費者へのニコチン送達に影響を及ぼす可能性がある。同時に、ニコチン送達を促進する試みで加熱温度が上昇する場合、生成されるエアロゾルは、典型的には、消費者に到達する前に、より広範囲かつより迅速に冷却される必要がある。しかしながら、タバコの口側端部に高濾過効率セグメントを提供するなど、従来の喫煙物品において主流煙を冷却するために一般的に使用された技術的解決策は、タバコ含有基体がニコチン送達を減少させ得るため、燃焼されるよりもむしろ加熱されるエアロゾル発生物品において望ましくない効果を有し得る。第二に、概して、使いやすく、かつ実用性が改善されたエアロゾル発生物品が一般的に必要とされている。
【0005】
さらに、効率的かつ高速で製造されることができ、好ましくは物品間の満足のいくRTDを有し、かつRTD変動が小さい、こうしたエアロゾル発生物品の一つを提供することも同様に望ましいことになる。
【0006】
したがって、上述の望ましい結果のうちの少なくとも一つを達成するように適合された、新しく改善されたエアロゾル発生物品を提供することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、エアロゾル発生基体のロッドを含むエアロゾル発生物品に関し、エアロゾル発生物品は、口側端部から口側端部の上流の遠位端部まで延在する。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドの下流の位置に下流セクションを備え得る。下流セクションは、ロッドの下流に位置付けられ、ロッドと長手方向に整列するマウスピースセグメントを備えてもよい。マウスピースセグメントは、エアロゾル発生物品の口側端部までずっと延在してもよい。口側端部でのエアロゾル発生物品の直径(DME)は、遠位端部でのエアロゾル発生物品の直径(DDE)よりも大きくてもよい。遠位端部でのエアロゾル発生物品の直径と口側端部でのエアロゾル発生物品の直径との間の比(DME/DDE)は、少なくとも約1.005であってよい。
【0008】
本発明によれば、口側端部から口側端部の上流の遠位端部まで延在するエアロゾル発生物品が提供され、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドと、エアロゾル発生基体のロッドの下流に位置する下流セクションと、を含む。下流セクションは、ロッドの下流に位置付けられ、ロッドと長手方向に整列するマウスピースセグメントを含み、マウスピースセグメントは、エアロゾル発生物品の口側端部までずっと延在する。口側端部でのエアロゾル発生物品の直径(DME)は、遠位端部でのエアロゾル発生物品の直径(DDE)よりも大きく、口側端部でのエアロゾル発生物品の直径と、遠位端部でのエアロゾル発生物品の直径との間の比(DME/DDE)は、少なくとも約1.005である。
【0009】
物品の外径が一方の端で他方の端よりも大きい一つのこのようなエアロゾル発生物品を提供することは、消費者がエアロゾル発生基体に熱を供給するためにエアロゾル発生装置に挿入される端部を識別することがより容易になるという利点を有する。例えば、エアロゾル発生物品の口側端部と遠位端部は視覚的にほぼ同じであったり、両方が類似の要素を含んだりするため、消費者がそれらを区別することが、さもなければ困難であるような実施形態において、これは特に有利である。一例として、本発明は、エアロゾル発生基体のロッドの上流に位置する上流セクションを含むこれらの実施形態において特に有利であり、上流セクションは、濾過材料のセグメントを含む上流要素、およびエアロゾル発生基体の下流に位置する下流セクションを含み、下流セクションは、物品の口側端部までずっと延在するマウスピースセグメントを含む。一つのこのような物品設計では、消費者が口側端部―ここで、マウスピースセグメントが提供される―を遠位端部―ここで、上流要素が提供される―と識別するのは、さもなければ困難であり得る。本発明は、消費者が、装置の空洞に挿入される遠位端部に向かって進む直径の減少を容易に検出することを可能にする。
【0010】
本発明によると、加熱時に吸入可能なエアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生物品が提供される。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドを備える。
【0011】
「エアロゾル発生物品」という用語は本明細書において、エアロゾル発生基体が加熱されて吸入可能なエアロゾルを生成して消費者に送達する物品を意味するために使用される。本明細書で使用される「エアロゾル発生基体」という用語は、加熱に伴い揮発性化合物を放出してエアロゾルを発生する能力を有する基体を意味する。
【0012】
従来の紙巻タバコは、ユーザが炎を紙巻タバコの一方の端に付け、もう一方の端を通して空気を吸う時に点火される。炎と、紙巻タバコを通して引き出された空気中の酸素とによってもたらされた局在化した熱は、紙巻タバコの端を点火させ、その結果生じる燃焼は吸入可能な煙を発生する。これに反して、加熱式エアロゾル発生物品において、エアロゾルは風味発生基体(タバコなど)を加熱することによって発生される。公知の加熱式エアロゾル発生物品としては、例えば電気加熱式エアロゾル発生物品と、可燃性燃料要素または熱源から、物理的に分離されたエアロゾル形成材料への熱の伝達によってエアロゾルが発生されるエアロゾル発生物品とが挙げられる。例えば、本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドの中に挿入されるように適合されている内部ヒーターブレードを有する電気加熱式のエアロゾル発生装置を備えるエアロゾル発生システムにおいて特定の用途がある。このタイプのエアロゾル発生物品は、先行技術、例えばEP0822670に記載されている。
【0013】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体と相互作用してエアロゾルを発生するヒーター要素を備える装置を指す。
【0014】
本発明に関連して本明細書で使用される「ロッド」という用語は、実質的に円形、長円形または楕円形の断面の一般的に円柱状の要素を示すために使用される。
【0015】
本明細書で使用される「長手方向」という用語は、エアロゾル発生物品の上流端部と下流端部の間に延びる、エアロゾル発生物品の長手方向主軸に対応する方向を指す。本明細書で使用される「上流」および「下流」という用語は、使用中にエアロゾル発生物品を通してエアロゾルが搬送される方向に関してエアロゾル発生物品の要素(または要素の部分)の相対的な位置を説明する。
【0016】
使用中、空気はエアロゾル発生物品を通して長手方向に引き出される。「横断方向」という用語は、長手方向軸に対して直角をなす方向を指す。エアロゾル発生物品またはエアロゾル発生物品の構成要素の「断面」への任意の言及は、別途記載のない限り、横断断面を指す。
【0017】
「長さ」という用語は、長手方向におけるエアロゾル発生物品の構成要素の寸法を意味する。例えば、長手方向におけるロッドまたは細長い管状要素の寸法を意味するために使用されてもよい。
【0018】
エアロゾル発生基体は固体エアロゾル発生基体であり得る。
【0019】
ある特定の好ましい実施形態では、エアロゾル発生基体は、均質化した植物材料、好ましくは、均質化したタバコ材料を含む。
【0020】
本明細書で使用される「均質化した植物材料」という用語は、植物の粒子の凝集によって形成された任意の植物材料を包含する。例えば、本発明のエアロゾル発生基体のための均質化したタバコ材料のシートまたはウェブは、植物材料および任意選択的に、タバコ葉身およびタバコ葉茎のうちの一つ以上をすり潰す、粉砕する、または細分することによって取得されたタバコ材料の粒子を凝集することによって形成され得る。均質化した植物材料は、キャスティング、押出成形、製紙プロセス、または当技術分野で公知の他の任意の好適なプロセスによって生成されてもよい。
【0021】
均質化した植物材料は、任意の好適な形態で提供され得る。例えば、均質化した植物材料は、一つ以上のシートの形態であり得る。本発明に関して本明細書で使用される「シート」という用語は、その厚さよりもかなり大きい幅および長さを有する薄層状の要素を説明する。
【0022】
別の方法として、または追加的に、均質化した植物材料は、複数のペレットまたは顆粒の形態であり得る。
【0023】
別の方法として、または追加的に、均質化した植物材料は、複数のストランド、細片、または断片の形態であり得る。本明細書で使用される「ストランド」という用語は、その幅および厚さより実質的に大きい長さを有する材料の細長い要素を説明する。「ストランド」という用語は、細片、断片、および類似の形態を有する任意のその他の均質化した植物材料を包含するものと見なされる。均質化した植物材料のストランドは、例えば、切断もしくは細断によって、または他の方法、例えば、押出成形方法によって、均質化した植物材料のシートから形成されてもよい。
【0024】
一部の実施形態では、ストランドは、エアロゾル発生基体の形成中の均質化した植物材料のシートの分割またはひびの結果として、例えば、捲縮の結果として、エアロゾル発生基体内でin situで形成され得る。エアロゾル発生基体内の均質化した植物材料のストランドは、相互から分離されてもよい。別の方法として、エアロゾル発生基体内の均質化した植物材料のストランドそれぞれは、ストランドの長さに沿った隣接したストランド(複数可)に少なくとも部分的に接続されてもよい。例えば、隣接したストランドは、一つ以上の繊維によって接続されてもよい。これは、例えば、上述したエアロゾル発生基体の製造中の均質化した植物材料のシートの分割に起因してストランドが形成される場合に生じ得る。
【0025】
エアロゾル発生基体は、均質化した植物材料の一つ以上のシートの形態であることが好ましい。本発明の様々な実施形態では、均質化した植物材料の一つ以上のシートは、キャスティングプロセスによって生成されてもよい。本発明の様々な実施形態では、均質化した植物材料の一つ以上のシートは、製紙プロセスによって生成されてもよい。本明細書に記載の一つ以上のシートは、各々個別に、100マイクロメートル~600マイクロメートル、好ましくは150マイクロメートル~300マイクロメートル、最も好ましくは200マイクロメートル~250マイクロメートルの厚さを有し得る。個々の厚さは個々のシートの厚さを指し、組み合わされた厚さはエアロゾル発生基体を構成するすべてのシートの合計厚さを指す。例えば、エアロゾル発生基体が二つの個々のシートから形成される場合、組み合わされた厚さは、二つの個々のシートの厚さ、または二つのシートの測定された厚さの合計であり、二つのシートはエアロゾル発生基体内に積み重ねられる。
【0026】
本明細書に記載の一つ以上のシートは、各々個別に、平方メートルあたり約100グラム~平方メートルあたり約300グラムの坪量を有し得る。
【0027】
本明細書に記載されるような一つ以上のシートは各々個別に、約0.3グラム/立方センチメートル~約1.3グラム/立方センチメートル、好ましくは約0.7グラム/立方センチメートル~約1.0グラム/立方センチメートルの密度を有し得る。
【0028】
エアロゾル発生基体が均質化した植物材料の一つ以上のシートを含む本発明の実施形態では、シートは、一つ以上のシートの集合体の形態であることが好ましい。本明細書で使用される「集合」という用語は、均質化した植物材料のシートが、プラグまたはロッドの円筒軸に対して実質的に横断方向に渦巻き状にされる、折り畳まれる、または別の方法で圧縮または収縮されていることを意味する。
【0029】
均質化した植物材料の一つ以上のシートは、その長手方向軸に対して横断方向に集合され、ラッパーで取り囲まれて連続的なロッドまたはプラグを形成し得る。
【0030】
均質化した植物材料の一つ以上のシートは、有利なことに捲縮され得る、または同様に処理され得る。本明細書で使用される「捲縮」という用語は、複数の実質的に平行な隆起または波形を有するシートを意味する。捲縮されることとは別の方法として、または追加的に、均質化した植物材料の一つ以上のシートは、エンボス加工、デボス加工、穿孔、または別の方法で変形されて、シートの一方または両側にテクスチャを提供し得る。
【0031】
均質化した植物材料の各シートは、実質的にプラグの円筒軸に平行な複数の隆起または波形を有するように捲縮され得ることが好ましい。この処理は、有利なことに、均質化した植物材料の捲縮したシートを集合してプラグを形成することを容易にする。均質化した植物材料の一つ以上のシートが集合され得ることが好ましい。当然のことながら、均質化した植物材料の捲縮したシートは、別の方法としてまたは追加的に、プラグの円筒軸に対して鋭角または鈍角をなす複数の実質的に平行な隆起または波形を有し得る。シートは、シートの完全性が複数の平行な隆起部または波形において中断され、材料の分離を引き起こし、均質化した植物材料の断片、ストランドまたは細片の形成をもたらす程度に捲縮され得る。
【0032】
別の方法として、均質化した植物材料の一つ以上のシートは、上記で言及されるように、ストランドに切断されてもよい。こうした実施形態では、エアロゾル発生基体は、均質化した植物材料の複数のストランドを含む。ストランドは、プラグを形成するために使用され得る。典型的には、こうしたストランドの幅は、約5ミリメートル、または約4ミリメートル、または約3ミリメートル、または約2ミリメートル以下である。ストランドの長さは、約5ミリメートルより長くてもよく、約5ミリメートル~約15ミリメートルであってもよく、約8ミリメートル~約12ミリメートルであってもよく、または約12ミリメートルであってもよい。ストランドは、実質的に相互に同じ長さを有することが好ましい。ストランドの長さは、それによってロッドがより短いプラグに切断される製造プロセスによって決定されてもよく、ストランドの長さはプラグの長さに対応する。ストランドは壊れやすく、特に移送中に破損する可能性がある。こうした場合、ストランドの一部の長さは、プラグの長さよりも短くなり得る。
【0033】
複数のストランドは、長手方向軸と整列して、実質的にエアロゾル発生基体の長さに沿って延在することが好ましい。したがって、複数のストランドは、相互に実質的に平行に整列していることが好ましい。
【0034】
均質化した植物材料は、乾燥重量基準で、最大で約95重量パーセントの植物粒子を含んでもよい。均質化した植物材料は、乾燥重量基準で、最大で約90重量パーセントの植物粒子を含むことが好ましく、最大で約80重量パーセントの植物粒子を含むことがより好ましく、最大で約70重量パーセントの植物粒子を含むことがより好ましく、最大で約60重量パーセントの植物粒子を含むことがより好ましく、最大で約50重量パーセントの植物粒子を含むことがより好ましい。
【0035】
例えば、均質化した植物材料は、乾燥重量基準で、約2.5重量パーセント~約95重量パーセントとの植物粒子、または約5重量パーセント~約90重量パーセントの植物粒子、または約10重量パーセント~約80重量パーセントの植物粒子、または約15重量パーセント~約70重量パーセントの植物粒子、または約20重量パーセント~約60重量パーセントの植物粒子、または約30重量パーセント~約50重量パーセントの植物粒子を含み得る。
【0036】
本発明の特定の実施形態では、均質化した植物材料は、タバコ粒子を含む均質化したタバコ材料である。本発明のそのような実施形態で使用する均質化したタバコ材料のシートは、乾燥重量基準で少なくとも約40重量パーセントのタバコ含有量を有してもよく、乾燥重量基準で少なくとも約50重量パーセントのタバコ含有量を有することがより好ましく、乾燥重量基準で少なくとも約70重量パーセントのタバコ含有量を有することがより好ましく、乾燥重量基準で少なくとも約90重量パーセントのタバコ含有量を有することが最も好ましい。
【0037】
本発明に関して「タバコ粒子」という用語は、Nicotiana種の任意の植物部材の粒子を説明する。「タバコ粒子」という用語は、タバコの処理、取り扱い、および発送中に形成された粉砕または粉末タバコ葉ラミナ、粉砕または粉末タバコ葉茎、タバコダスト、タバコの微粉、およびその他の粒子状タバコ副産物を包含する。好ましい実施形態では、タバコ粒子は実質的にすべてがタバコ葉ラミナに由来する。対照的に、分離されたニコチンおよびニコチン塩は、タバコに由来する化合物であるが、本発明の目的上、タバコ粒子とは見なされず、粒子状植物材料の割合には含まれない。
【0038】
タバコ粒子は、一つ以上のタバコ植物の品種から調製され得る。任意のタイプのタバコが、ブレンドに使用され得る。使用され得るタイプのタバコ材料の例には、日光乾燥タバコ、火力乾燥タバコ、バーレー種タバコ、メリーランド種タバコ、オリエント種タバコ、バージニア種タバコ、およびその他の特殊タバコが含まれるが、これに限定されない。
【0039】
火力乾燥は、バージニア種タバコで特に使用されるタバコの乾燥方法である。火力乾燥プロセス中、加熱された空気が密集したタバコを通して循環する。第一の段階中に、タバコ葉が黄色くなって枯れる。第二の段階中に、葉のラミナが完全に乾燥する。第三の段階中に、葉の茎が完全に乾燥する。
【0040】
バーレー種タバコは、多くのタバコブレンドにおいて重要な役割を果たしている。バーレー種タバコは独特の風味と芳香を有し、大量のケーシングを吸収する能力を有する。
【0041】
オリエント種は、小さな葉を有し、高い芳香品質を有するタバコの一種である。ただし、オリエント種タバコは、例えばバーレー種よりもマイルドな風味を有する。したがって、概して、オリエント種タバコは、タバコブレンドにおいて比較的少ない割合で使用される。
【0042】
カストリ(Kasturi)、マドゥラ(Madura)、ジャティム(Jatim)は、使用可能な日光乾燥タバコのサブタイプである。カストリタバコおよび火力乾燥タバコがブレンドに使用されてタバコ粒子を生成することが好ましい。したがって、粒子状植物材料中のタバコ粒子は、カストリタバコと火力乾燥タバコのブレンドを含み得る。
【0043】
タバコ粒子は、乾燥重量に基づいて少なくとも約2.5重量パーセントのニコチン含有量を有し得る。タバコ粒子は、乾燥重量に基づいて、少なくとも約3重量パーセントのニコチン含有量を有し得ることがより好ましく、少なくとも約3.2重量パーセントのニコチン含有量を有することがさらにより好ましく、少なくとも約3.5重量パーセントのニコチン含有量を有することがさらにより好ましく、少なくとも約4重量パーセントのニコチン含有量を有し得ることが最も好ましい。
【0044】
本発明の特定の他の実施形態では、均質化した植物材料は、非タバコ植物風味粒子と組み合わせたタバコ粒子を含む。好ましくは、非タバコ植物風味粒子は、ショウガ粒子、ユーカリ粒子、クローブ粒子、およびスターアニス粒子のうちの一つ以上から選択される。好ましくは、こうした実施形態では、均質化した植物材料は、乾燥重量基準で、少なくとも約2.5重量パーセントの非タバコ植物風味粒子を含み、残りの植物粒子はタバコ粒子である。好ましくは、均質化した植物材料は、乾燥重量基準で、少なくとも約4重量パーセントの非タバコ植物風味粒子、より好ましくは、少なくとも約6重量パーセントの非タバコ植物風味粒子、より好ましくは、少なくとも約8重量パーセントの非タバコ植物風味粒子、より好ましくは、少なくとも約10重量パーセントの非タバコ植物風味粒子を含む。好ましくは、均質化した植物材料は、最大約20重量パーセントの非タバコ植物風味粒子、より好ましくは、最大約18重量パーセントの非タバコ植物風味粒子、より好ましくは、最大約16重量パーセントの非タバコ植物風味粒子を含む。
【0045】
均質化した植物材料を形成する粒子状植物材料中の非タバコ植物風味粒子およびタバコ粒子の重量比は、使用中にエアロゾル発生基体から生成されるエアロゾルの望ましい風味特性および組成に応じて変化し得る。好ましくは、均質化した植物材料は、乾燥重量基準で、タバコ粒子に対する非タバコ植物風味粒子の少なくとも1:30重量比、より好ましくは、タバコ粒子に対する非タバコ植物風味粒子の少なくとも1:20重量比、より好ましくは、タバコ粒子に対する非タバコ植物風味粒子の少なくとも1:10重量比、および最も好ましくは、タバコ粒子に対する非タバコ植物風味粒子の少なくとも1:5重量比を含む。
【0046】
または本発明によるエアロゾル発生基体の均質化した植物材料のタバコ粒子を含めることの別の方法として、またはこれに追加的に、均質化した植物材料は、カンナビス粒子を含んでもよい。「カンナビス粒子」という用語は、カンナビス・サティバ(Cannabis sativa)、カンナビス・インディカ(Cannabis indica)、およびカンナビス・ルデラリス(Cannabis ruderalis)などのカンナビス植物の粒子を指す。
【0047】
均質化した植物材料は、好ましくは、乾燥重量基準で95重量パーセント以下の粒子状植物材料を含む。したがって、粒子状植物材料は、典型的には、一つ以上の他の成分と組み合わされて、均質化した植物材料を形成する。
【0048】
均質化した植物材料は、粒子状植物材料の機械的特性を変化させるための結合剤をさらに含んでもよく、ここで、結合剤は、本明細書に記載のように、製造中に均質化した植物材料に含まれる。当業者に公知である好適な外来性結合剤は、当技術分野で公知であり、例えばグアーガム、キサンタンガム、アラビアガムおよびローカストビーンガムなどのガム、例えばヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースおよびエチルセルロースなどのセルロース結合剤、例えばデンプン、アルギン酸などの有機酸、アルギン酸ナトリウム、寒天およびペクチンなどの有機酸の共役塩基塩などの多糖類、およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。結合剤はグアーガムを含むことが好ましい。
【0049】
結合剤は、均質化した植物材料の乾燥重量に基づいて、約1重量パーセント~約10重量パーセントの量、好ましくは、均質化した植物材料の乾燥重量に基づいて、約2重量パーセント~約5重量パーセントの量で存在してもよい。
【0050】
別の方法として、または追加的に、均質化した植物材料は、揮発性構成要素(例えば、エアロゾル形成体、ジンゲロール、およびニコチン)の拡散率を促進するための一つ以上の脂質をさらに含んでもよく、ここで、脂質は、本明細書に記載する製造中に均質化した植物材料に含まれる。均質化した植物材料に含めるための好適な脂質には、以下に限定されないが、中鎖トリグリセリド、ココアバター、パーム油、核油、マンゴー油、シアバター、大豆油、綿実油、ココナッツ油、水素化されたココナッツ油、カンデリラワックス、カルナウバワックス、シェラック、ヒマワリワックス、ヒマワリ油、ライスブラン、およびRevelA、ならびにそれらの組み合わせが含まれる。
【0051】
別の方法として、または追加的に、均質化した植物材料は、pH調製剤をさらに含んでもよい。
【0052】
別の方法として、または追加的に、均質化した植物材料は、均質化した植物材料の機械的特性を変化させるために繊維をさらに含んでもよく、ここで、繊維は、本明細書に記載する製造中に均質化した植物材料に含まれる。均質化した植物材料に含めるための好適な外来性繊維は当技術分野で公知であり、セルロース繊維、柔らかい木材繊維、堅い木材繊維、ジュート繊維およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、非タバコ材料および非ショウガ材料から形成された繊維を含む。また、タバコおよび/またはショウガ由来の外来性繊維を添加してもよい。均質化した植物材料に添加される任意の繊維は、上記に定義された「粒子状植物材料」の一部を形成するとは見なされない。均質化した植物材料に含める前に、繊維は当技術分野で公知の好適なプロセスによって処理されてもよく、これには機械式パルプ化、精製、化学的パルプ化、漂白化、硫酸塩パルプ化、およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。典型的には、繊維は、その幅よりも大きな長さを有する。
【0053】
好適な繊維は、典型的には、400マイクロメートルよりも大きく、4ミリメートル以下の長さを有し、0.7ミリメートル~4ミリメートルの範囲内の長さを有することが好ましい。繊維は、基体の乾燥重量に基づいて、約2重量パーセント~約15重量パーセントの量、最も好ましくは約4重量パーセントの量で存在することが好ましい。
【0054】
別の方法として、または追加的に、均質化した植物材料は、一つ以上のエアロゾル形成体をさらに含んでもよい。揮発に伴い、エアロゾル形成体は、エアロゾル中のニコチンおよび風味剤などの、加熱に伴いエアロゾル発生基体から放出される他の気化した化合物を搬送することができる。均質化した植物材料に含めるのに好適なエアロゾル形成体は当技術分野で公知であり、多価アルコール(トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオールおよびグリセロールなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノ-、ジ-またはトリアセテート)、およびモノ-、ジ-またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸およびテトラデカン二酸ジメチルなど)を含むが、これらに限定されない。
【0055】
均質化した植物材料は、乾燥重量基準で、約10重量パーセント~約25重量パーセント、または乾燥重量基準で、約15重量パーセント~約20重量パーセントなど、乾燥重量基準で、約5重量パーセント~約30重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有し得る。
【0056】
例えば、基体が発熱体を有する電気的に作動するエアロゾル発生システムのためのエアロゾル発生物品での使用が意図されている場合、乾燥重量基準で約5重量パーセント~約30重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を含み得ることが好ましい。基体が発熱体を有する電気的に作動するエアロゾル発生システムのためのエアロゾル発生物品での使用が意図されている場合、エアロゾル形成体はグリセロールであることが好ましい。
【0057】
別の実施形態では、均質化した植物材料は、乾燥重量基準で約1重量パーセント~約5重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有し得る。例えば、基体が、エアロゾル形成体が基体から分離された貯蔵部内に保持されるエアロゾル発生物品での使用を意図される場合、基体は、1パーセントよりも大きく、約5パーセントよりも小さいエアロゾル形成体含有量を有してもよい。こうした実施形態では、エアロゾル形成体は加熱に伴い揮発し、エアロゾル形成体の流れは、エアロゾル中のエアロゾル発生基体からの風味を混入するようにエアロゾル発生基体と接触する。
【0058】
別の実施形態では、均質化した植物材料は、約30重量パーセント~約45重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有し得る。この比較的高レベルのエアロゾル形成体は、摂氏275度未満の温度で加熱されることを意図したエアロゾル発生基体に特に好適である。こうした実施形態では、均質化した植物材料は、好ましくは、乾燥重量基準で、約2重量パーセント~約10重量パーセントのセルロースエーテルと、乾燥重量基準で約5重量パーセント~約50重量パーセントの追加のセルロースと、をさらに含む。セルロースエーテルおよび追加のセルロースの組み合わせの使用は、30重量パーセント~45重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有するエアロゾル発生基体において使用される場合、特に効果的なエアロゾルの送達をもたらすことが見出された。
【0059】
好適なセルロースエーテルには、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロース、ヒドロキシルプロピルセルロース、エチルヒドロキシルエチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース(CMC)が含まれるが、これらに限定されない。特に好ましい実施形態では、セルロースエーテルは、カルボキシメチルセルロースである。
【0060】
本明細書で使用される場合、「追加のセルロース」という用語は、均質化した植物材料に組み込まれた任意のセルロース材料を包含し、これは、均質化した植物材料に提供された非タバコ植物粒子またはタバコ粒子から由来されない。したがって、追加のセルロースは、非タバコ植物材料またはタバコ材料に加えて、非タバコ植物粒子またはタバコ粒子内に本質的に提供される任意のセルロースに対する個々の、かつ別個のセルロース源として、均質化した植物材料に組み込まれる。追加のセルロースは、典型的には、非タバコ植物粒子またはタバコ粒子とは異なる植物に由来する。好ましくは、追加のセルロースは、不活性なセルロース材料の形態であり、これは、感覚的に不活性であり、したがって、エアロゾル発生基体から発生したエアロゾルの官能特性に実質的に影響を与えない。例えば、追加のセルロースは、好ましくは、無味かつ無臭の材料である。
【0061】
追加のセルロースは、セルロース粉末、セルロース繊維、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0062】
エアロゾル形成体は、エアロゾル発生基体において湿潤剤として作用し得る。
【0063】
均質化した植物材料のロッドを囲むラッパーは、紙ラッパーまたは非紙ラッパーであり得る。本発明の特定の実施形態で使用するための適切な紙ラッパーは当技術分野で公知であり、紙巻たばこペーパーおよびフィルタプラグラップを含むが、これに限定されない。本発明の特定の実施形態で使用するための好適な紙以外のラッパーは当技術分野で公知であり、均質化したタバコ材料のシートを含むがこれに限定されない。特定の好ましい実施形態では、ラッパーは、複数の層を含む積層材料から形成されてもよい。ラッパーは、アルミニウム共積層シートから形成されることが好ましい。アルミニウムを含む共積層シートの使用は、エアロゾル発生基体が意図される方法で加熱されるのではなく、点火されるべき場合に、エアロゾル発生基体の燃焼を有利に防止する。
【0064】
本発明の特定の好ましい実施形態では、エアロゾル発生基体は、アルカロイド化合物、またはカンナビノイド化合物、またはアルカロイド化合物およびカンナビノイド化合物の両方を含む、ゲル組成物を含む。特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生基体は、ニコチンを含むゲル組成物を含む。
【0065】
好ましくは、ゲル組成物は、アルカロイド化合物、またはカンナビノイド化合物、またはアルカロイド化合物およびカンナビノイド化合物の両方、エアロゾル形成体、ならびに少なくとも一つのゲル化剤を含む。好ましくは、少なくとも一つのゲル化剤は、固体媒体を形成し、グリセロールは、固体媒体中に分散し、アルカロイドまたはカンナビノイドはグリセロール中に分散する。ゲル組成物は、安定ゲル相であることが好ましい。
【0066】
有利なことに、ニコチンを含む安定なゲル組成物は、保管の際に、または製造から消費者への移行の際に、予測可能な組成物形態を提供する。ニコチンを含む安定なゲル組成物は、その形状を実質的に維持する。ニコチンを含む安定なゲル組成物は、保管の際に、または製造から消費者への移行の際に、液相を実質的に放出しない。ニコチンを含む安定なゲル組成物は、単純な消耗品設計を提供する場合がある。この消耗品は、液体を収容するように設計される必要がない場合があり、それ故に、より広い範囲の材料および容器構造が企図されてもよい。
【0067】
本明細書に記載のゲル組成物は、ニコチンエアロゾルを、従来の喫煙方法の吸入速度または気流速度内の吸入速度または気流速度にて肺に提供するために、エアロゾル発生装置と組み合わせられてもよい。エアロゾル発生装置は、ゲル組成物を連続的に加熱し得る。消費者は、各々の「吸煙」がニコチンエアロゾルの量を送達する複数の吸入または「吸煙」を摂ることができる。ゲル組成物は、加熱時、好ましくは連続的な方法で、高ニコチン/粒子状物質総量(TPM)エアロゾルを消費者に送達することができる。
【0068】
「安定ゲル相」または「安定ゲル」という語句は、様々な環境条件に曝露された時にその形状および質量を実質的に維持するゲルを指す。安定ゲルは、相対湿度を約10パーセント~約60パーセントに変化させながら、標準的な温度および圧力に晒された場合、実質的に水(汗)を放出または吸収し得ない。例えば、安定ゲルは、相対湿度を約10パーセント~約60パーセントに変化させながら、標準的な温度および圧力に晒された場合、その形状および質量を実質的に維持し得る。
【0069】
ゲル組成物は、アルカロイド化合物、またはカンナビノイド化合物、またはアルカロイド化合物およびカンナビノイド化合物の両方を含む。ゲル組成物は、一つ以上のアルカロイドを含み得る。ゲル組成物は、一つ以上のカンナビノイドを含み得る。ゲル組成物は、一つ以上のアルカロイドと一つ以上のカンナビノイドの組み合わせを含み得る。
【0070】
「アルカロイド化合物」という用語は、一つ以上の塩基性窒素原子を含む自然発生的有機化合物の任意の一つのクラスを意味する。一般的に、アルカロイドは、アミンタイプ構造にある少なくとも一つの窒素原子を含有する。アルカロイド化合物の分子内のこの窒素原子または別の窒素原子は、酸塩基反応における塩基として活性であることができる。大半のアルカロイド化合物は、例えば複素環などの環状系の一部として、その窒素原子のうちの一つ以上を有する。自然界において、アルカロイド化合物は主に植物に見られ、ある特定の科の顕花植物において特に一般的である。しかしながら、一部のアルカロイド化合物は動物種および真菌に見られる。本開示において、「アルカロイド化合物」という用語は、天然由来のアルカロイド化合物と、合成的に製造されたアルカロイド化合物との両方を指す。
【0071】
ゲル組成物は、好ましくは、ニコチン、アナタビン、およびその組み合わせからなる群から選択されるアルカロイド化合物を含む。
【0072】
好ましくは、ゲル組成物はニコチンを含む。
【0073】
「ニコチン」という用語は、ニコチンおよびニコチン誘導体(例えば、遊離塩基ニコチン、ニコチン塩、ならびにこれに類するものなど)を指す。
【0074】
「カンナビノイド化合物」という用語は、カンナビス・サティバ(Cannabis sativa)、カンナビス・インディカ(Cannabis indica)、およびカンナビス・ルデラリス(Cannabis ruderalis)の大麻植物の一部に見られる天然の化合物の任意の一つの種類を意味する。カンナビノイド化合物は雌の頭状花で特に濃縮される。大麻植物において自然発生するカンナビノイド化合物は、カンナビジオール(CBD)およびテトラヒドロカンナビノール(THC)を含む。本開示では、「カンナビノイド化合物」という用語は、天然由来のカンナビノイド化合物および合成的に製造されたカンナビノイド化合物の両方を記載するために使用される。
【0075】
ゲルは、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビノール(CBN)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビシクロル(CBL)、カンナビバリン(CBV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロムバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビエルソイン(CBE)、カンナビシトラン(CBT)、およびその組み合わせからなる群から選択されるカンナビノイド化合物を含み得る。
【0076】
ゲル組成物は、好ましくは、カンナビジオール(CBD)、THC(テトラヒドロカンナビノール)およびその組み合わせからなる群から選択されるカンナビノイド化合物を含み得る。
【0077】
ゲルは好ましくはカンナビジオール(CBD)を含む。
【0078】
ゲル組成物は、ニコチンおよびカンナビジオール(CBD)を含み得る。
【0079】
ゲル組成物はニコチン、カンナビジオール(CBD)、およびTHC(テトラヒドロカンナビノール)を含み得る。
【0080】
ゲル組成物は、約0.5重量パーセント~約10重量パーセントのアルカロイド化合物、または約0.5重量パーセント~約10重量パーセントのカンナビノイド化合物、または合計量が約0.5重量パーセント~約10重量パーセントのアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方を含むことが好ましい。ゲル組成物は、約0.5重量パーセント~約5重量パーセントのアルカロイド化合物、または約0.5重量パーセント~約5重量パーセントのカンナビノイド化合物、または合計量が約0.5重量パーセント~約5重量パーセントのアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方を含み得る。ゲル組成物は、約1重量パーセント~約3重量パーセントのアルカロイド化合物、または約1重量パーセント~約3重量パーセントのカンナビノイド化合物、または合計量が約1重量パーセント~約3重量パーセントのアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方を含むことが好ましい。ゲル組成物は、約1.5重量パーセント~約2.5重量パーセントのアルカロイド化合物、または約1.5重量パーセント~約2.5重量パーセントのカンナビノイド化合物、または合計量が約1.5重量パーセント~約2.5重量パーセントのアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方を含み得ることが好ましい。ゲル組成物は、好ましくは、約2重量パーセントのアルカロイド化合物、または約2重量パーセントのカンナビノイド化合物、または合計量が約2重量パーセントのアルカロイド化合物とカンナビノイド化合物の両方を含み得る。ゲル製剤のアルカロイド化合物成分は、ゲル製剤の最も揮発性の高い構成要素であり得る。一部の態様において、水はゲル製剤の最も揮発性の高い構成要素であり得、ゲル製剤のアルカロイド化合物成分はゲル製剤の二番目に揮発性の高い構成要素であり得る。ゲル製剤のカンナビノイド化合物成分は、ゲル製剤の最も揮発性の高い構成要素であり得る。一部の態様において、水はゲル製剤の最も揮発性の高い構成要素であり得、ゲル製剤のアルカロイド化合物成分はゲル製剤の二番目に揮発性の高い構成要素であり得る。
【0081】
好ましくは、ニコチンはゲル組成物中に含まれる。ニコチンは、遊離塩基形態または塩形態で組成物に加えられ得る。ゲル組成物は、約0.5重量パーセント~約10重量パーセントのニコチン、または約0.5重量パーセント~約5重量パーセントのニコチンを含む。好ましくは、ゲル組成物は、約1重量パーセント~約3重量パーセントのニコチン、または約1.5重量パーセント~約2.5重量パーセントのニコチン、または約2重量パーセントのニコチンを含む。ゲル製剤のニコチン構成要素は、ゲル製剤の最も揮発性が高い構成要素であり得る。一部の態様において、水はゲル製剤の最も揮発性が高い構成要素であってもよく、ゲル製剤のニコチン構成要素はゲル製剤の二番目に揮発性が高い構成要素であり得る。
【0082】
ゲル組成物は、エアロゾル形成体を含む。理想的には、エアロゾル形成体は、関連付けられたエアロゾル発生装置の作動温度で熱劣化に対して実質的に耐性がある。好適なエアロゾル形成体としては、多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。多価アルコールまたはその混合物は、トリエチレングリコール、1、3-ブタンジオールおよび、グリセリン(グリセロールもしくはプロパン-1,2,3-トリオール)またはポリエチレングリコールのうちの一つ以上であり得る。エアロゾル形成体は、好ましくはグリセロールである。
【0083】
ゲル組成物はエアロゾル形成体の大部分を含む。ゲル組成物は、水とエアロゾル形成体の混合物を含み得、エアロゾル形成体はゲル組成物の大部分(重量で)を形成する。エアロゾル形成体は、少なくとも約50重量パーセントのゲル組成物を形成し得る。エアロゾル形成体は、ゲル組成物の少なくとも約60重量パーセント、または少なくとも約65重量パーセント、または少なくとも約70重量パーセントを形成し得る。エアロゾル形成体は、ゲル組成物の約70重量パーセント~約80重量パーセントを形成し得る。エアロゾル形成体は、ゲル組成物の約70重量パーセント~約75重量パーセントを形成し得る。
【0084】
ゲル組成物は、グリセロールの大部分を含み得る。ゲル組成物は、水とグリセロールの混合物を含み得、グリセロールはゲル組成物の大部分(重量で)を形成し得る。グリセロールは、少なくとも約50重量パーセントのゲル組成物を形成し得る。グリセロールは、ゲル組成物の少なくとも約60重量パーセント、または少なくとも約65重量パーセント、または少なくとも約70重量パーセントを形成し得る。グリセロールは、ゲル組成物の約70重量パーセント~約80重量パーセントを形成し得る。グリセロールは、ゲル組成物の約70重量パーセント~約75重量パーセントを形成し得る。
【0085】
ゲル組成物は、少なくとも一つのゲル化剤を含むことが好ましい。ゲル組成物は、合計量が約0.4重量パーセント~約10重量パーセントの範囲のゲル化剤を含むことが好ましい。より好ましくは、組成物は、約0.5重量パーセント~約8重量パーセントの範囲のゲル化剤を含む。より好ましくは、組成物は、約1重量パーセント~約6重量パーセントの範囲のゲル化剤を含む。より好ましくは、組成物は、約2重量パーセント~約4重量パーセントの範囲のゲル化剤を含む。より好ましくは、組成物は、約2重量パーセント~約3重量パーセントの範囲のゲル化剤を含む。
【0086】
「ゲル化剤」という用語は、均質的に、50重量パーセントの水/50重量パーセントのグリセロールの混合物に約0.3重量パーセントの量で加えられた時、固体培地または支持マトリクスを形成させてゲルへと導く化合物を指す。ゲル化剤としては、限定するものではないが、水素結合架橋ゲル化剤、およびイオン架橋ゲル化剤が挙げられる。
【0087】
ゲル化剤は、一つ以上のバイオポリマーを含んでもよい。バイオポリマーは多糖類で形成されてもよい。
【0088】
バイオポリマーとしては、例えばジェランガム(天然ジェランガム、低アシルジェランガム、高アシルジェランガム、低アシルジェランガムが好ましい)、キサンタンガム、アルギネート(アルギン酸)、寒天、グアーガムなどが挙げられる。組成物はキサンタンガムを含むことが好ましい場合がある。組成物は二つのバイオポリマーを含んでもよい。組成物は三つのバイオポリマーを含んでもよい。組成物は、二つのバイオポリマーを実質的に等しい重量で含んでもよい。組成物は、三つのバイオポリマーを実質的に等しい重量で含んでもよい。
【0089】
好ましくは、ゲル組成物は、少なくとも約0.2重量パーセントの水素結合架橋ゲル化剤を含む。代替的にまたは追加的に、ゲル組成物は、少なくとも約0.2重量パーセントのイオン架橋ゲル化剤を含むことが好ましい。最も好ましくは、ゲル組成物は、少なくとも約0.2重量パーセントの水素結合架橋ゲル化剤、および少なくとも約0.2重量パーセントのイオン架橋ゲル化剤を含む。ゲル組成物は、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの水素結合架橋ゲル化剤、および約0.5重量パーセント~約3重量パーセントのイオン架橋ゲル化剤、または約1重量パーセント~約2重量パーセントの水素結合架橋ゲル化剤、および約1重量パーセント~約2重量パーセントのイオン架橋ゲル化剤を含み得る。水素結合架橋ゲル化剤、およびイオン架橋ゲル化剤は、実質的に等量のゲル組成物中に存在し得る。
【0090】
「水素結合架橋ゲル化剤」という用語は、水素結合を介した非共有架橋結合または物理的架橋結合を形成するゲル化剤を指す。水素結合は、水素原子への共有結合ではなく、分子間の静電気的な双極子-双極子引力の一タイプである。これは、N、O、またはF原子などの極度の電気陰性原子に共有結合された水素原子と別の極度の電気陰性原子との間の引力からもたらされる。
【0091】
水素結合架橋ゲル化剤は、ガラクトマンナン、ゼラチン、アガロース、またはコンニャクガム、または寒天のうちの一つ以上を含んでもよい。水素結合架橋ゲル化剤は、寒天を含むことが好ましい場合がある。
【0092】
ゲル組成物は、約0.3重量パーセント~約5重量パーセントの範囲で水素結合架橋ゲル化剤を含むことが好ましい。好ましくは、組成物は、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲で水素結合架橋ゲル化剤を含む。好ましくは、組成物は、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲で水素結合架橋ゲル化剤を含む。
【0093】
ゲル組成物は、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でガラクトマンナンを含み得る。好ましくは、ガラクトマンナンは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、ガラクトマンナンは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、ガラクトマンナンは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0094】
ゲル組成物は、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でゼラチンを含み得る。好ましくは、ゼラチンは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、ゼラチンは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、ゼラチンは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0095】
ゲル組成物は、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でアガロースを含み得る。好ましくは、アガロースは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、アガロースは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、アガロースは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0096】
ゲル組成物は、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でコンニャクガムを含み得る。好ましくは、コンニャクガムは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、コンニャクガムは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、コンニャクガムは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0097】
ゲル組成物は、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲の寒天を含み得る。好ましくは、寒天は、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、寒天は、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、寒天は、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0098】
「イオン架橋ゲル化剤」という用語は、イオン結合を介した非共有架橋結合または物理的架橋結合を形成するゲル化剤を指す。イオン架橋は、非共有相互作用によるポリマー鎖の会合を伴う。反対の電荷を有する多価分子が静電気的に互いに引かれる時に、架橋ポリマーネットワークを生じさせると、架橋ネットワークが形成される。
【0099】
イオン架橋ゲル化剤は、低アシルジェラン、ペクチン、カッパカラギーナン、イオタカラギーナンまたはアルギネートを含んでもよい。イオン架橋ゲル化剤は、低アシルジェランを含み得ることが好ましい。
【0100】
ゲル組成物は、約0.3重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でイオン架橋ゲル化剤を含み得る。好ましくは、組成物は、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲でイオン架橋ゲル化剤を含む。好ましくは、組成物は、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲でイオン架橋ゲル化剤を含む。
【0101】
ゲル組成物は、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲で低アシルジェランを含み得る。好ましくは、低アシルジェランは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、低アシルジェランは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、低アシルジェランは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0102】
ゲル組成物は、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でペクチンを含み得る。好ましくは、ペクチンは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、ペクチンは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、ペクチンは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0103】
ゲル組成物は、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でカッパカラゲナンを含み得る。好ましくは、カッパカラゲナンは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、カッパカラゲナンは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、カッパカラゲナンは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0104】
ゲル組成物は、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でイオタカラゲナンを含み得る。好ましくは、イオタカラゲナンは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、イオタカラゲナンは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、イオタカラゲナンは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0105】
ゲル組成物は、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でアルギネートを含み得る。好ましくは、アルギネートは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、アルギネートは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、アルギネートは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0106】
ゲル組成物は、約3:1~約1:3の比率で、水素結合架橋ゲル化剤とイオン架橋ゲル化剤を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約2:1~約1:2の比率で、水素結合架橋ゲル化剤とイオン架橋ゲル化剤を含み得る。好ましくは、ゲル組成物は、約1:1の比率で、水素結合架橋ゲル化剤とイオン架橋ゲル化剤を含み得る。
【0107】
ゲル組成物は増粘剤をさらに含んでもよい。水素結合架橋ゲル化剤とイオン架橋ゲル化剤と組み合わせられた増粘剤は、驚くべきことに、固体培地を支持し、ゲル組成物が高レベルのグリセロールを含む時でさえもゲル組成物を維持するらしい。
【0108】
「増粘剤」という用語は、25℃の50重量パーセントの水/50重量パーセントのグリセリンの混合物の中に0.3重量パーセントの量で均一に添加された時に、ゲルの形成をもたらすことなく粘度を増加させ、混合物が流体の状態に留まる、または流体のままになる化合物を指す。好ましくは、増粘剤は、25℃の50重量パーセントの水/50重量パーセントのグリセリンの混合物の中に0.3重量パーセントの量で均一に添加された時に、0.1s-1のせん断速度にて、ゲルの形成をもたらすことなく、粘度を少なくとも50cPsに増加させ、好ましくは少なくとも200cPsに増加させ、好ましくは少なくとも500cPsに増加させ、好ましくは少なくとも1000cPsに増加させ、混合物が流体の状態に留まる、または流体のままになる化合物を指す。好ましくは、増粘剤は、25℃で、50重量パーセントの水/50重量パーセントのグリセロールの混合物に0.3重量パーセントの量で均質的に加えられた時に、ゲルの形成をもたらすことなく、0.1s-1のせん断レートで、添加前よりも少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または少なくとも100倍大きく粘度を増加させ、混合物が流体のまま維持または保存される化合物を指す。
【0109】
本明細書に挙げた粘度値は、ブルックフィールドRVT粘度計を使用し、ディスクタイプRV#2スピンドルを25℃で6回転/分(rpm)の速度で回転させながら測定し得る。
【0110】
ゲル組成物は、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲の増粘剤を含むことが好ましい。好ましくは、組成物は、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲の増粘剤を含む。好ましくは、組成物は、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲の増粘剤を含む。好ましくは、組成物は、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲の増粘剤を含む。
【0111】
増粘剤は、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、微結晶セルロース、メチルセルロース、アラビアガム、グアーガム、ラムダカラゲナン、またはデンプンのうちの一つ以上を含んでもよい。増粘剤はキサンタンガムを含み得ることが好ましい。
【0112】
ゲル組成物は、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でキサンタンガムを含み得る。好ましくは、キサンタンガムは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、キサンタンガムは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、キサンタンガムは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0113】
ゲル組成物は、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でカルボキシメチルセルロースを含み得る。好ましくは、カルボキシメチルセルロースは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、カルボキシメチルセルロースは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、カルボキシメチルセルロースは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0114】
ゲル組成物は、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲で微結晶セルロースを含み得る。好ましくは、微結晶セルロースは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、微結晶セルロースは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、微結晶セルロースは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0115】
ゲル組成物は、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でメチルセルロースを含み得る。好ましくは、メチルセルロースは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、メチルセルロースは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、メチルセルロースは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0116】
ゲル組成物は、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でアラビアガムを含み得る。好ましくは、アラビアガムは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、アラビアガムは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、アラビアガムは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0117】
ゲル組成物は、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でグアーガムを含み得る。好ましくは、グアーガムは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、グアーガムは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、グアーガムは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0118】
ゲル組成物は、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でラムダカラゲナンを含み得る。好ましくは、ラムダカラゲナンは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、ラムダカラゲナンは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、ラムダカラゲナンは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0119】
ゲル組成物は、約0.2重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でデンプンを含み得る。好ましくは、デンプンは、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、デンプンは、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、デンプンは、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0120】
ゲル組成物は二価カチオンをさらに含み得る。好ましくは、二価カチオンは、溶液中の乳酸カルシウムなどのカルシウムイオンを含む。二価カチオン(カルシウムイオンなど)は、例えばイオン架橋ゲル化剤などのゲル化剤を含む組成物のゲル形成を補助し得る。イオン効果はゲル形成を補助する場合がある。二価カチオンは、約0.1~約1重量パーセントの範囲、または約0.5重量パーセントでゲル組成物中に存在し得る。
【0121】
ゲル組成物は酸をさらに含んでもよい。酸はカルボン酸を含んでもよい。カルボン酸はケトン基を含み得る。好ましくは、カルボン酸は、レブリン酸または乳酸などの約10個未満の炭素原子、または約6個未満の炭素原子または約4個未満の炭酸原子を有するケトン基を含み得る。好ましくは、このカルボン酸は三つの炭素原子(乳酸など)を有する。乳酸は驚くべきことに、類似のカルボン酸をも上回るほどにゲル組成物の安定性を改善する。カルボン酸は、ゲル形成を補助し得る。カルボン酸は、貯蔵中のゲル組成物内のアルカロイド化合物濃度、またはカンナビノイド化合物濃度、またはアルカロイド化合物濃度とカンナビノイド化合物濃度の両方の変化を低減させ得る。カルボン酸は、貯蔵中のゲル組成物内のニコチン濃度の変化を低減させ得る。
【0122】
ゲル組成物は、約0.1重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でカルボン酸を含み得る。好ましくは、カルボン酸は、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、カルボン酸は、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、カルボン酸は、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0123】
ゲル組成物は、約0.1重量パーセント~約5重量パーセントの範囲で乳酸を含み得る。好ましくは、乳酸は、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、乳酸は、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、乳酸は、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0124】
ゲル組成物は、約0.1重量パーセント~約5重量パーセントの範囲でレブリン酸を含み得る。好ましくは、レブリン酸は、約0.5重量パーセント~約3重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、レブリン酸は、約0.5重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。好ましくは、レブリン酸は、約1重量パーセント~約2重量パーセントの範囲内であり得る。
【0125】
ゲル組成物は、好ましくはいくらかの水を含む。組成物がいくらかの水を含む場合、ゲル組成物はより安定である。ゲル組成物は、少なくとも約1重量パーセント、または少なくとも約2重量パーセント、または少なくとも約5重量パーセントの水を含むことが好ましい。ゲル組成物は、少なくとも約10重量パーセントまたは少なくとも約15重量パーセントの水を含むことが好ましい。
【0126】
ゲル組成物は、約8重量パーセント~約32重量パーセントの水を含むことが好ましい。ゲル組成物は、約15重量パーセント~約25重量パーセントの水を含むことが好ましい。ゲル組成物は、約18重量パーセント~約22重量パーセントの水を含むことが好ましい。ゲル組成物は、約20重量パーセントの水を含むことが好ましい。
【0127】
好ましくは、エアロゾル発生基体は、約150mg~約350mgのゲル組成物を含む。
【0128】
好ましくは、エアロゾル発生基体は、ゲル組成物が充填された多孔質媒体を含む。ゲル組成物が装填された多孔質媒体の利点は、ゲル組成物が多孔質媒体内に保持されることであり、これはゲル組成物の製造、保管、または輸送を補助し得る。これは、特に製造、輸送、または使用中に、ゲル組成物の所望の形状を維持するのに役立ち得る。
【0129】
多孔質媒体は、ゲル組成物を保持(hold)または保持(retain)することができる任意の好適な多孔性材料であり得る。理想的には、多孔質媒体は、ゲル組成物がその中で移動することを可能にすることができる。特定の実施形態では、多孔質媒体は、天然材料、合成、もしくは半合成、またはそれらの組み合わせを含む。特定の実施形態では、多孔質媒体は、シート材料、発泡体、もしくは繊維、例えば、ばらの繊維、またはそれらの組み合わせを含む。特定の実施形態では、多孔質媒体は、織布、不織布、または押出材、またはそれらの組み合わせを含む。多孔質媒体は、綿、紙、ビスコース、PLA、もしくは酢酸セルロース、またはそれらの組み合わせを含むことが好ましい。多孔質媒体は、シート材料、例えば、綿または酢酸セルロースを含むことが好ましい。特に好ましい実施形態では、多孔質媒体は、綿繊維から作製されたシートを含む。
【0130】
本発明で使用される多孔質媒体は、捲縮または細断されてもよい。好ましい実施形態では、多孔質媒体は捲縮される。代替の実施形態では、多孔質媒体は、細断した多孔質媒体を含む。捲縮または細断プロセスは、ゲル組成物を装填する前または後とすることができる。
【0131】
シート材料の捲縮は、構造を改良して構造を通り抜ける通路を可能にするという利点を有する。捲縮したシート材料を通る通路は、ゲルの装填、ゲルの保持、および流体が捲縮したシート材料を通過するのを支援する。したがって、多孔質媒体として捲縮したシート材料を使用する利点がある。
【0132】
細断は、媒体に対して高い表面積対体積比を与えるため、ゲルを容易に吸収することができる。
【0133】
特定の実施形態では、シート材料は複合材料である。シート材料は多孔性であることが好ましい。シート材料は、ゲルを含む管状要素の製造を補助し得る。シート材料は、ゲルを含む管状要素に活性剤を導入するのを補助し得る。シート材料は、ゲルを含む管状要素の構造を安定化するのに役立つ場合がある。シート材料は、ゲルの輸送または保管を補助し得る。シート材料を使用することで、例えば、シート材料の捲縮によって多孔質媒体に構造を追加することを可能にするか、または補助する。
【0134】
多孔質媒体は、スレッドであり得る。スレッドは、例えば、綿、紙またはアセテートトウを含み得る。スレッドはまた、任意の他の多孔質媒体のようにゲルを装填されてもよい。多孔質媒体としてスレッドを使用する利点は、それが製造の容易さを補助し得ることである。
【0135】
スレッドは、任意の公知の手段によってゲルを装填されてもよい。スレッドは、ゲルで単純に被覆されてもよく、またはスレッドはゲルで含浸されてもよい。製造では、スレッドにゲルを含浸させて、管状要素のアセンブリに含まれるように、すぐに使用できるように保存してもよい。
【0136】
ゲル組成物を装填された多孔質媒体は、エアロゾル発生物品の一部を形成する管状要素内に提供されることが好ましい。「管状要素」という用語は、エアロゾル発生物品での使用に好適な構成要素を記述するために使用される。理想的には、管状要素は幅よりも長手方向の長さが長いが、その幅よりもその長手方向の長さが長くなる複数構成要素アイテムの一部であり得るため、必ずしもその必要はない。典型的には、管状要素は円筒形であるが、必ずしもそうである必要はない。例えば、管状要素は、楕円形、三角形もしくは長方形のような多角形、または不規則な断面を有し得る。
【0137】
管状要素は、第一の長手方向通路を含むことが好ましい。管状要素は、第一の長手方向通路を画定するラッパーから形成されることが好ましい。ラッパーは、耐水性のラッパーであることが好ましい。ラッパーのこの耐水特性は、耐水材料を使用することによって、またはラッパーの材料を処理することによって、達成することができる。これは、ラッパーの片側または両側を処置することによって達成され得る。耐水性であることは、構造、硬度、または剛性を失わないことを支援し得る。これはまた、特に流体構造のゲルを使用した場合に、ゲルまたは液体の漏出を防止するのにも役立ち得る。
【0138】
好ましくは、上述のように、エアロゾル発生基体のロッドがゲル組成物を含む実施形態では、エアロゾル発生物品の下流セクションは、10ミリメートル未満の長さを有するエアロゾル冷却要素を備える。比較的短いエアロゾル冷却要素をゲル組成物と組み合わせて使用することで、消費者へのエアロゾルの送達を最適化することが見出された。エアロゾル冷却要素の提供についてのより詳細な内容が以下に提供される。
【0139】
エアロゾル発生基体のロッドが、上述のゲル組成物を含む本発明の実施形態は、好ましくは、エアロゾル発生基体のロッドの上流の上流要素を備える。この場合、上流要素は、ゲル組成物との物理的接触を有利に防止する。上流要素はまた、例えば、使用中にエアロゾル発生基体のロッドを加熱した時のゲル組成物の蒸発による、RTDのいかなる潜在的な減少も有利に補償することができる。そのような上流要素の一つの提供に関するさらなる詳細を、以下に説明する。
【0140】
一部の実施形態では、本発明によるエアロゾル発生物品では、サセプタは、エアロゾル発生基体のロッド内に配置され、エアロゾル発生基体と熱的に接触する。サセプタは、細長いサセプタであることが好ましい。より好ましくは、細長いサセプタは、エアロゾル発生基体のロッド内に実質的に長手方向に配置される。
【0141】
本明細書に関して本明細書で使用される場合、「サセプタ」という用語は、電磁エネルギーを熱へと変換することができる材料を指す。変動電磁場内に位置する時に、サセプタ中の誘導された渦電流はサセプタの加熱を生じさせる。細長いサセプタはエアロゾル発生基体と熱的に接触する状態で位置していて、エアロゾル発生基体は、サセプタによって加熱される。
【0142】
サセプタを説明するために使用される場合、「細長い」という用語は、サセプタが、その幅寸法またはその厚さ寸法よりも大きい、例えば、その幅寸法またはその厚さ寸法の二倍より大きい長さ寸法を有することを意味する。
【0143】
サセプタはロッド内に実質的に長手方向に配列される。これは、細長いサセプタの長さ寸法が、ロッドの長手方向とほぼ平行に、例えばロッドの長手方向に平行から±10度以内に並ぶことを意味する。望ましい実施形態では、細長いサセプタはロッド内の半径方向に中心の位置に位置付けられてもよく、ロッドの長手方向軸に沿って延びる。
【0144】
好ましくは、サセプタは、エアロゾル発生物品のロッドの下流端部まで全面的に延在している。一部の実施形態では、サセプタは、エアロゾル発生物品のロッドの上流端部まで全面的に延在してもよい。特に好ましい実施形態では、サセプタは、エアロゾル発生基体のロッドと実質的に同じ長さを有し、ロッドの上流端部からロッドの下流端部まで延在している。
【0145】
サセプタは、ピン、ロッド、細片またはブレードの形態であることが好ましい。
【0146】
サセプタは、約5ミリメートル~約15ミリメートル(例えば、約6ミリメートル~約12ミリメートル、または約8ミリメートル~約10ミリメートル)の範囲であることが好ましい。
【0147】
サセプタの長さとエアロゾル発生物品基体の全長との間の比は、約0.2~約0.35とし得る。
【0148】
好ましくは、サセプタの長さとエアロゾル発生物品基体の全長との間の比は、少なくとも約0.22であり、より好ましくは、少なくとも約0.24、さらにより好ましくは、少なくとも約0.26である。サセプタの長さとエアロゾル発生物品基体の全長との間の比は、好ましくは、約0.34未満、より好ましくは、約0.32未満、さらにより好ましくは、約0.3未満である。
【0149】
一部の実施形態では、サセプタの長さとエアロゾル発生物品基体の全長との間の比は、好ましくは、約0.22~約0.34、より好ましくは、約0.24~約0.34、さらにより好ましくは、約0.26~約0.34である。他の実施形態では、サセプタの長さとエアロゾル発生物品基体の全長との間の比は、好ましくは、約0.22~約0.32、より好ましくは、約0.24~約0.32、さらにより好ましくは、約0.26~約0.32である。さらなる実施形態では、サセプタの長さとエアロゾル発生物品基体の全長との間の比は、好ましくは、約0.22~約0.3、より好ましくは、約0.24~約0.3、さらにより好ましくは、約0.26~約0.3である。
【0150】
特に好ましい実施形態では、サセプタの長さとエアロゾル発生物品基体の全長との間の比は、約0.27である。
【0151】
サセプタは、約1ミリメートル~約5ミリメートルの幅を有することが好ましい。
【0152】
サセプタは、一般に、約0.01ミリメートル~約2ミリメートル、例えば、約0.5ミリメートル~約2ミリメートルの厚さを有し得る。一部の実施形態では、サセプタは、好ましくは、約10マイクロメートル~約500マイクロメートル、より好ましくは、約10マイクロメートル~約100マイクロメートルの厚さを有する。
【0153】
サセプタが、一定の断面、例えば円形断面を有する場合、それは約1ミリメートル~約5ミリメートルの好ましい幅または直径を有する。
【0154】
サセプタがストリップまたはブレードの形態を有する場合、ストリップまたはブレードは、好ましくは約2ミリメートル~約8ミリメートル、より好ましくは約3ミリメートル~約5ミリメートルの幅を有する、長方形形状を有する。一例として、ストリップのブレードの形態のサセプタは、約4ミリメートルの幅を有してもよい。
【0155】
サセプタがストリップまたはブレードの形態を有する場合、ストリップまたはブレードは、好ましくは約0.03ミリメートル~約0.15ミリメートル、より好ましくは約0.05ミリメートル~約0.09ミリメートルの厚さの長方形形状および厚さを有する。一例として、ストリップのブレードの形態のサセプタは、約0.07ミリメートルの厚さを有してもよい。
【0156】
好ましい実施形態では、細長いサセプタ(ストリップまたはブレードの形態であり、好ましくは長方形形状を有する)は、約55マイクロメートル~約65マイクロメートルの厚さを有する。
【0157】
より好ましくは、細長いサセプタは、約57マイクロメートル~約63マイクロメートルの厚さを有する。さらにより好ましくは、細長いサセプタは、約58マイクロメートル~約62マイクロメートルの厚さを有する。特に好ましい実施形態では、細長いサセプタは、約60マイクロメートルの厚さを有する。
【0158】
理論に束縛されることを望むものではないが、発明者らは、全体として、サセプタの所与の厚さの選択はまた、サセプタの選択された長さおよび幅によって設定された制約、ならびにエアロゾル発生基体のロッドの幾何学的形状および寸法によって設定された制約によって影響を受けると考える。一例として、サセプタの長さは、エアロゾル発生基体のロッドの長さと合致するように選択されることが好ましい。サセプタの幅は、好ましくは、基体内のサセプタの変位が防止されるように選択されるべきであり、一方で製造中の容易な挿入も可能にする。
【0159】
発明者らは、上述の範囲内の厚さを有するサセプタが、使用中に誘導的に熱を供給するために提供されるエアロゾル発生物品において、有利には、エアロゾル発生基体全体にわたって、特に効果的かつ効率的な方法で熱を発生および分配することであることを見出した。理論に拘束されることを意図するものではないが、発明者らは、一つのこのようなサセプタが、サセプタの表面積および誘導力を理由に、最適な発熱および熱伝達を提供するように適合されているからであると考えている。対照的に、より薄いサセプタは、変形が容易すぎて、エアロゾル発生物品の製造中にエアロゾル発生基体のロッド内の所望の形状および配向を維持できず、使用中に均質性が低く、かつ微細に調整された熱分布をもたらし得る。同時に、より厚いサセプタは、精密かつ一貫した長さに切断することがより困難であり得、これはまた、エアロゾル発生基体のロッド内に長手方向に整列してサセプタが正確に提供される方法にも影響を与え得、したがってロッド内の熱分布の均質性にも影響を与える可能性がある。これらの有益な効果は、特に、サセプタがエアロゾル発生物品のロッドの下流端部まで全面的に延在している時に感じられる。これは、引き出し抵抗(RTD)に寄与する可能性のあるサセプタの下流の位置にあるロッド内にエアロゾル発生基体がないため、サセプタの下流のRTDを基本的に最小限に抑えることができるためと考えられる。これは、以下により詳細に記載される、いくつかの好ましい実施形態では特に効果的に達成され、エアロゾル発生物品は、中空の中間セクションを含む下流セクションを含む。こうした中空の中間セクションの一つは、エアロゾル発生物品の全体的なRTDに実質的に寄与せず、サセプタの下流端部に直接的に接触しない。
【0160】
理論に拘束されることを意図するものではないが、発明者らは、エアロゾル発生基体のロッドの最も下流の部分が、ある程度、エアロゾル発生基体のロッドのより上流部分に対するフィルタとして作用し得ると考えている。したがって発明者らは、エアロゾル発生基体のロッドの最も下流の部分も均一に加熱することができることが望ましいと考えており、これにより、これは、揮発性エアロゾル種の放出に積極的に関与し、エアロゾルの全体的な発生および送達に寄与し、ならびに消費者へのエアロゾルの送達を妨げ得る可能性のある濾過効果は、エアロゾル発生基体全体に揮発性エアロゾル種が放出されることで積極的に打ち消される。
【0161】
細長いサセプタは、エアロゾル発生基体の長さと同じであるかまたはそれより短い長さを有することが好ましい。細長いサセプタは、エアロゾル発生基体と同じ長さを有することが好ましい。
【0162】
サセプタは、エアロゾル発生基体からエアロゾルを発生させるために十分な温度へと誘導加熱することができる任意の材料から形成されてもよい。好ましいサセプタは、金属または炭素を含む。
【0163】
好ましいサセプタは強磁性材料、例えば強磁性合金、フェライト鉄、または強磁性鋼、またはステンレス鋼を含んでよく、またはその強磁性材料からなってよい。好適なサセプタはアルミニウムであってもよく、またはアルミニウムを含んでもよい。好ましいサセプタは、400シリーズのステンレス鋼、例えばグレード410、またはグレード420、またはグレード430のステンレス鋼から形成されてもよい。異なる材料は、類似の値の周波数および磁界強度を有する電磁場内に位置付けられた時に、異なる量のエネルギーを散逸させる。
【0164】
こうして、材料のタイプ、長さ、幅、および厚さなどのサセプタのパラメータはすべて、公知の電磁場内で望ましい電力散逸を提供するように改変されてもよい。好ましいサセプタは、摂氏250度を超える温度に加熱されてもよい。
【0165】
好適なサセプタは、非金属コアの上に配置された金属層を有する非金属コア、例えばセラミックコアの表面上に形成された金属のトラック、を含んでもよい。サセプタは、サセプタを封入する保護用外部層、例えば保護用セラミック層または保護用ガラス層、を有してよい。サセプタは、サセプタ材料のコアの上に形成される、ガラス、セラミック、または不活性金属によって形成された保護被覆を含んでもよい。
【0166】
サセプタは、エアロゾル発生基体と熱的に接触して配置される。こうして、サセプタの温度が高くなると、エアロゾル発生基体は加熱され、エアロゾルが形成される。サセプタは、例えばエアロゾル発生基体内で、エアロゾル発生基体と物理的に直接的に接触して配置されることが好ましい。
【0167】
サセプタは多材料サセプタであってよく、第一のサセプタ材料と第二のサセプタ材料を含んでよい。第一のサセプタ材料は第二のサセプタ材料と物理的に密着した状態で配置される。第二のサセプタ材料は摂氏500度より低いキュリー温度を有することが好ましい。第一のサセプタ材料は、サセプタが変動する電磁場内に置かれた時に、サセプタを加熱するために主に使用されることが好ましい。任意の好適な材料が使用されてもよい。例えば、第一のサセプタ材料はアルミニウムであってもよく、またはステンレス鋼などの鉄系材料であり得る。第二のサセプタ材料は、サセプタが特定の温度(第二のサセプタ材料のキュリー温度である温度)に達した時を示すために主に使用されることが好ましい。動作中にサセプタ全体の温度を調節するために、第二のサセプタ材料のキュリー温度を使用することができる。それ故に、第二のサセプタ材料のキュリー温度はエアロゾル発生基体の発火点を下回るべきである。第二のサセプタ材料のために好適な材料は、ニッケルおよびある特定のニッケル合金を含んでもよい。
【0168】
少なくとも第一および第二のサセプタ材料を有するサセプタに、キュリー温度を有する第二のサセプタ材料とキュリー温度を有しない第一のサセプタ材料を提供するか、または互いに異なる第一のキュリー温度と第二のキュリー温度を有する第一および第二のサセプタ材料を提供することによって、エアロゾル発生基体の加熱とその加熱の温度制御が分離され得る。第一のサセプタ材料は、摂氏500度を超えるキュリー温度を有する磁性材料であることが好ましい。加熱効率の観点から、第一のサセプタ材料のキュリー温度は、サセプタが加熱されることができる任意の最大温度を超えることが望ましい。第二のキュリー温度は、好ましくは摂氏400度より低く、好ましくは摂氏380度よりも低く、または摂氏360度より低くなるように選択されてもよい。第二のサセプタ材料は所望の最大加熱温度と実質的に同じである第二のキュリー温度を有するように選択された磁性材料であることが好ましい。すなわち、第二のキュリー温度は、エアロゾル発生基体からエアロゾルを発生させるためにサセプタが加熱されるべき温度とほぼ同じであることが好ましい。第二のキュリー温度は、例えば、摂氏200度~摂氏400度の範囲内、または摂氏250度~摂氏360度の範囲内であり得る。第二のサセプタ材料の第二のキュリー温度は、例えば第二のキュリー温度と等しい温度であるサセプタによって加熱された際に、エアロゾル発生基体の全体的な平均温度が摂氏240度を超えないように選択されてもよい。
【0169】
簡単に上述した通り、本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドの下流の位置にある下流セクションをさらに備える。本発明のエアロゾル発生物品の異なる実施形態の以下の説明から明らかになるように、下流セクションは、一つ以上の下流要素を含み得る。
【0170】
本発明によると、エアロゾル発生物品の下流セクションは、特に、エアロゾル発生基体のロッドの下流に位置し、かつエアロゾル発生基体のロッドと長手方向に整列するマウスピース要素を含む。
【0171】
マウスピース要素は、好ましくは、エアロゾル発生物品の下流端部または口側端部に位置し、エアロゾル発生物品の口側端部までずっと延在する。
【0172】
好ましくは、マウスピース要素は、エアロゾル発生基体から発生されるエアロゾルをフィルタリングするための少なくとも一つの繊維質の濾過材料のマウスピースフィルタセグメントを備える。好適な繊維質の濾過材料は、当業者に公知であろう。特に好ましくは、少なくとも一つのマウスピースフィルタセグメントは、酢酸セルローストウから形成される酢酸セルロースフィルタセグメントを含む。
【0173】
特定の好ましい実施形態では、マウスピース要素は、単一のマウスピースフィルタセグメントからなる。代替的な実施形態では、マウスピース要素は、互いに端と端を接した関係で軸方向に整列された二つ以上のマウスピースフィルタセグメントを備える。
【0174】
本発明の特定の実施形態では、下流セクションは、上述のようなマウスピース要素の下流にある下流端部に口側端部空洞を備えてもよい。口側端部空洞は、マウスピースの下流端部に提供される中空管状要素によって画定され得る。別の方法として、口側端部空洞は、マウスピース要素の外側ラッパーによって画定されてもよく、ここで、外側ラッパーは、マウスピース要素から下流方向に延在している。
【0175】
マウスピース要素は、任意の好適な形態で提供され得る風味剤を任意選択的に含んでもよい。例えば、マウスピース要素は、一つ以上のカプセル、風味剤のビーズもしくは顆粒、または一つ以上の風味負荷スレッドもしくはフィラメントを含んでもよい。
【0176】
本発明によるエアロゾル発生物品では、マウスピース要素は、下流セクションの一部を形成し、したがって、エアロゾル発生基体のロッドの下流に位置する。
【0177】
特定の好ましい実施形態では、エアロゾル発生物品の下流セクションは、エアロゾル発生基体のロッドのすぐ下流に位置する支持要素をさらに備える。マウスピース要素は、支持要素の下流に位置することが好ましい。好ましくは、下流セクションは、支持要素のすぐ下流に位置するエアロゾル冷却要素をさらに備える。マウスピース要素は、好ましくは、支持要素およびエアロゾル冷却要素の両方の下流に位置される。特に好ましくは、マウスピース要素は、エアロゾル冷却要素のすぐ下流に位置される。一例として、マウスピース要素は、エアロゾル冷却要素の下流端部に当接してもよい。
【0178】
好ましくは、マウスピース要素は、低い粒子濾過効率を有する。
【0179】
好ましくは、マウスピースは、繊維質の濾過材料のセグメントから形成される。
【0180】
マウスピース要素は、プラグラップによって囲まれていることが好ましい。好ましくは、マウスピース要素は、空気がマウスピース要素に沿ってエアロゾル発生物品に入らないように通気されていない。
【0181】
マウスピース要素は、好ましくは、チッピングラッパーによって、エアロゾル発生物品の隣接する上流構成要素のうちの一つ以上に接続される。一例として、マウスピース要素は、チッピングペーパーのバンドによって、すぐ隣接するエアロゾル冷却要素に接続されてもよい。
【0182】
好ましくは、マウスピース要素は、約25ミリメートルH2O未満のRTDを有する。より好ましくは、マウスピース要素は、約20ミリメートルH2O未満のRTDを有する。さらにより好ましくは、マウスピース要素は、約15ミリメートルH2O未満のRTDを有する。
【0183】
約10ミリメートルH2O~約15ミリメートルH2OのRTDの値は、一つのこのようなRTDを有するマウスピース要素が、エアロゾル発生物品の全体的なRTDに最小限寄与することが予期されるため、消費者に送達されるエアロゾルに実質的に濾過作用を及ぼさないことが特に好ましい。
【0184】
マウスピース要素はエアロゾル発生物品の外径にほぼ等しい外径を有することが好ましい。マウスピース要素は、約5ミリメートル~約10ミリメートルの外径、または約6ミリメートル~約8ミリメートルの外径を有してもよい。好ましい実施形態では、マウスピース要素は、約7.2ミリメートルの外径を有する。
【0185】
マウスピース要素は、好ましくは少なくとも約5ミリメートル、より好ましくは少なくとも約8ミリメートル、より好ましくは少なくとも約10ミリメートルの長さを有する。別の方法として、または追加的に、マウスピース要素は、好ましくは約25ミリメートル未満、より好ましくは約20ミリメートル未満、より好ましくは約15ミリメートル未満の長さを有する。
【0186】
一部の実施形態では、マウスピース要素は、好ましくは約5ミリメートル~約25ミリメートル、より好ましくは約8ミリメートル~約25ミリメートル、さらにより好ましくは約10ミリメートル~約25ミリメートルの長さを有する。他の実施形態では、マウスピース要素は、好ましくは約5ミリメートル~約10ミリメートル、より好ましくは約8ミリメートル~約20ミリメートル、さらにより好ましくは約10ミリメートル~約20ミリメートルの長さを有する。さらなる実施形態では、マウスピース要素は、好ましくは約5ミリメートル~約15ミリメートル、より好ましくは約8ミリメートル~約15ミリメートル、さらにより好ましくは約10ミリメートル~約15ミリメートルの長さを有する。
【0187】
例えば、マウスピース要素は、約5ミリメートル~約25ミリメートル、または約8ミリメートル~約20ミリメートル、または約10ミリメートル~約15ミリメートルの長さを有してもよい。好ましい実施形態では、マウスピース要素は、およそ12ミリメートルの長さを有する。
【0188】
本発明の特定の好ましい実施形態では、マウスピース要素は、少なくとも10ミリメートルの長さを有する。こうした実施形態では、マウスピース要素は、したがって、先行技術の物品に提供されるマウスピース要素と比較して比較的長い。本発明のエアロゾル発生物品における比較的長いマウスピース要素の提供は、消費者にいくつかの利益を提供し得る。マウスピース要素は、典型的には、エアロゾル冷却要素または支持要素などのエアロゾル発生基体のロッドの下流に提供され得る他の要素よりも、変形に対してより弾性があるか、または変形後にその初期形状を回復するようにより良好に適合される。したがって、マウスピース要素の長さを増やすことは、消費者による改善されたグリップを提供し、エアロゾル発生物品の加熱装置への挿入を容易にすることが見出されている。より長いマウスピースを追加的に使用して、より高いレベルの濾過およびフェノールなどの望ましくないエアロゾル成分の除去を提供し得、それによって、より高品質なエアロゾルを送達することができる。さらに、より長いマウスピース要素の使用により、カプセル、スレッド、およびリストリクターなどのマウスピース構成要素を組み込むためのより多くのスペースがあるので、より複雑なマウスピースが提供されることが可能になる。
【0189】
本発明の特に好ましい実施形態では、少なくとも10ミリメートルの長さを有するマウスピースは、比較的短いエアロゾル冷却要素、例えば、10ミリメートル未満の長さを有するエアロゾル冷却要素と組み合わされる。この組み合わせは、使用中にエアロゾル冷却要素の変形のリスクを低減し、消費者によるより効率的な吸煙作用に寄与する、より剛直なマウスピースを提供することが見出された。
【0190】
マウスピース要素の長さとエアロゾル発生基体のロッドの長さとの間の比は、約0.5~約1.5であり得る。
【0191】
マウスピース要素の長さとエアロゾル発生基体のロッドの長さとの間の比は、好ましくは、少なくとも約0.6、より好ましくは少なくとも約0.7、さらにより好ましくは少なくとも約0.8である。好ましい実施形態では、マウスピース要素の長さとエアロゾル発生基体のロッドの長さとの間の比は、約1.4未満、より好ましくは約1.3未満、さらにより好ましくは約1.2未満である。
【0192】
一部の実施形態では、マウスピース要素の長さとエアロゾル発生基体のロッドの長さとの間の比は、約0.6~約1.4、好ましくは約0.7~約1.4、より好ましくは約0.8~約1.4である。他の実施形態では、マウスピース要素の長さとエアロゾル発生基体のロッドの長さとの間の比は、約0.6~約1.3、好ましくは約0.7~約1.3、より好ましくは約0.8~約1.3である。さらなる実施形態では、マウスピース要素の長さとエアロゾル発生基体のロッドの長さとの間の比は、約0.6~約1.2、好ましくは約0.7~約1.2、より好ましくは約0.8~約1.2である。
【0193】
特に好ましい実施形態では、マウスピース要素の長さとエアロゾル発生基体のロッドの長さとの間の比は、約1である。
【0194】
マウスピース要素の長さとエアロゾル発生物品基体の全長との間の比は、約0.2~約0.35であり得る。
【0195】
好ましくは、マウスピース要素の長さとエアロゾル発生物品基体の全長との間の比は、少なくとも約0.22であり、より好ましくは、少なくとも約0.24、さらにより好ましくは、少なくとも約0.26である。マウスピース要素の長さとエアロゾル発生物品基体の全長との間の比は、好ましくは、約0.34未満、より好ましくは、約0.32未満、さらにより好ましくは、約0.3未満である。
【0196】
一部の実施形態では、マウスピース要素の長さとエアロゾル発生物品基体の全長との間の比は、好ましくは、約0.22~約0.34、より好ましくは、約0.24~約0.34、さらにより好ましくは、約0.26~約0.34である。他の実施形態では、マウスピース要素の長さとエアロゾル発生物品基体の全長との間の比は、好ましくは、約0.22~約0.32、より好ましくは、約0.24~約0.32、さらにより好ましくは、約0.26~約0.32である。さらなる実施形態では、マウスピース要素の長さとエアロゾル発生物品基体の全長との間の比は、好ましくは、約0.22~約0.3、より好ましくは、約0.24~約0.3、さらにより好ましくは、約0.26~約0.3である。
【0197】
特に好ましい実施形態では、マウスピース要素の長さとエアロゾル発生物品基体の全長との間の比は、約0.27である。
【0198】
エアロゾル発生物品は、約35ミリメートル~約100ミリメートルの長さを有してもよい。
【0199】
本発明によるエアロゾル発生物品の全長は、少なくとも約38ミリメートルであることが好ましい。本発明によるエアロゾル発生物品の全長は、少なくとも約40ミリメートルであることがより好ましい。本発明によるエアロゾル発生物品の全長は、少なくとも約42ミリメートルであることがさらにより好ましい。
【0200】
本発明によるエアロゾル発生物品の全長は、70ミリメートル以下であることが好ましい。より好ましくは、本発明によるエアロゾル発生物品の全長は、60ミリメートル以下であることが好ましい。さらにより好ましくは、本発明によるエアロゾル発生物品の全長は、50ミリメートル以下であることが好ましい。
【0201】
一部の実施形態では、エアロゾル発生物品の全長は、約38ミリメートル~約70ミリメートルであることが好ましく、約40ミリメートル~約70ミリメートルであることがより好ましく、約42ミリメートル~約70ミリメートルであることがさらにより好ましい。他の実施形態では、エアロゾル発生物品の全長は、約38ミリメートル~約60ミリメートルであることが好ましく、約40ミリメートル~約60ミリメートルであることがより好ましく、約42ミリメートル~約60ミリメートルであることがさらにより好ましい。さらなる実施形態では、エアロゾル発生物品の全長は、約38ミリメートル~約50ミリメートルであることが好ましく、約40ミリメートル~約50ミリメートルであることがより好ましく、約42ミリメートル~約50ミリメートルであることがさらにより好ましい。例示的な実施形態では、エアロゾル発生物品の全長は、約45ミリメートルである。
【0202】
エアロゾル発生物品は、少なくとも5ミリメートルの外径を有する。エアロゾル発生物品は、少なくとも6ミリメートルの外径を有することが好ましい。エアロゾル発生物品は、少なくとも7ミリメートルの外径を有することがより好ましい。
【0203】
エアロゾル発生物品は、約12ミリメートル以下の外径を有することが好ましい。エアロゾル発生物品は、約10ミリメートル以下の外径を有することがより好ましい。エアロゾル発生物品は、約8ミリメートル以下の外径を有することがさらにより好ましい。
【0204】
一部の実施形態では、エアロゾル発生物品は、約5ミリメートル~約12ミリメートル、好ましくは約6ミリメートル~約12ミリメートル、より好ましくは約7ミリメートル~約12ミリメートルの外径を有する。他の実施形態では、エアロゾル発生物品は、約5ミリメートル~約10ミリメートル、好ましくは約6ミリメートル~約10ミリメートル、より好ましくは約7ミリメートル~約10ミリメートルの外径を有する。さらなる実施形態では、エアロゾル発生物品は、約5ミリメートル~約8ミリメートル、好ましくは約6ミリメートル~約8ミリメートル、より好ましくは約7ミリメートル~約8ミリメートルの外径を有する。
【0205】
本発明によれば、口側端部でのエアロゾル発生物品の直径(DME)は、遠位端部でのエアロゾル発生物品の直径(DDE)よりも大きく、口側端部でのエアロゾル発生物品の直径と、遠位端部でのエアロゾル発生物品の直径との間の比(DME/DDE)は、少なくとも約1.005である。
【0206】
好ましくは、口側端部でのエアロゾル発生物品の直径と遠位端部でのエアロゾル発生物品の直径との間の比(DME/DDE)は、(好ましくは)少なくとも約1.01である。より好ましくは、口側端部でのエアロゾル発生物品の直径と遠位端部でのエアロゾル発生物品の直径との間の比(DME/DDE)は、少なくとも約1.02である。さらにより好ましくは、口側端部でのエアロゾル発生物品の直径と遠位端部でのエアロゾル発生物品の直径との間の比(DME/DDE)は、少なくとも約1.05である。
【0207】
口側端部でのエアロゾル発生物品の直径と遠位端部でのエアロゾル発生物品の直径との間の比(DME/DDE)は、約1.30以下であることが好ましい。より好ましくは、口側端部でのエアロゾル発生物品の直径と遠位端部でのエアロゾル発生物品の直径との間の比(DME/DDE)は、約1.25以下である。さらにより好ましくは、口側端部でのエアロゾル発生物品の直径と遠位端部でのエアロゾル発生物品の直径との間の比(DME/DDE)は、約1.20以下である。特に好ましい実施形態では、口側端部でのエアロゾル発生物品の直径と遠位端部でのエアロゾル発生物品の直径との間の比(DME/DDE)は、1.15または1.10以下である。
【0208】
一部の好ましい実施形態では、口側端部でのエアロゾル発生物品の直径と遠位端部でのエアロゾル発生物品の直径との間の比(DME/DDE)は、約1.01~1.30、より好ましくは1.02~1.30、さらにより好ましくは1.05~1.30である。
【0209】
他の実施形態では、口側端部でのエアロゾル発生物品の直径と遠位端部でのエアロゾル発生物品の直径との間の比(DME/DDE)は、約1.01~1.25、より好ましくは1.02~1.25、さらにより好ましくは1.05~1.25である。さらなる実施形態では、口側端部でのエアロゾル発生物品の直径と遠位端部でのエアロゾル発生物品の直径との間の比(DME/DDE)は、約1.01~1.20、より好ましくは1.02~1.20、さらにより好ましくは1.05~1.20である。なおもさらなる実施形態では、口側端部でのエアロゾル発生物品の直径と遠位端部でのエアロゾル発生物品の直径との間の比(DME/DDE)は、約1.01~1.15、より好ましくは1.02~1.15、さらにより好ましくは1.05~1.15である。
【0210】
口側端部でのエアロゾル発生物品の直径(DME)と遠位端部でのエアロゾル発生物品の直径(DDE)との間の差異は、少なくとも約25マイクロミリメートルであってもよい。好ましくは、口側端部でのエアロゾル発生物品の直径(DME)と遠位端部でのエアロゾル発生物品の直径(DDE)との間の差異は、少なくとも約50マイクロミリメートルである。より好ましくは、口側端部でのエアロゾル発生物品の直径(DME)と遠位端部でのエアロゾル発生物品の直径(DDE)との間の差異は、少なくとも約100マイクロミリメートルである。さらにより好ましくは、口側端部でのエアロゾル発生物品の直径(DME)と遠位端部でのエアロゾル発生物品の直径(DDE)との間の差異は、少なくとも約150マイクロミリメートルである。特に好ましい実施形態では、口側端部でのエアロゾル発生物品の直径(DME)と遠位端部でのエアロゾル発生物品の直径(DDE)との間の差異は、少なくとも約200マイクロメートル、より好ましくは少なくとも約300マイクロメートル、さらにより好ましくは少なくとも約500マイクロメートルである。
【0211】
理論に拘束されることを意図するものではないが、口側端部におけるエアロゾル発生物品の直径(DME)と遠位端部におけるエアロゾル発生物品の直径(DDE)との間のそのような差異の一つは、エアロゾル発生物品の口側端部と、使用中にエアロゾル発生物品を受けるように適合された加熱装置の空洞のアクセス開口部との間の干渉を確立するのに十分であると期待され、一方で同時に、エアロゾル発生物品の遠位端部が、空洞内に容易かつ迅速に受けられることを保証する。
【0212】
一例として、物品の外径は、エアロゾル発生物品の遠位端部から少なくとも約5ミリメートルまたは少なくとも約10ミリメートル延在している物品の遠位部分にわたって実質的に一定であり得る。代替として、物品の外径は、遠位端部から少なくとも約5ミリメートルまたは少なくとも約10ミリメートル延在している物品の遠位部分にわたって次第に細くなってもよい。
【0213】
先に簡単に述べた通り、一部の好ましい実施形態では、マウスピース要素は、チッピングラッパーによって、エアロゾル発生物品の隣接する上流構成要素のうちの一つ以上に付着される。一例として、マウスピース要素は、チッピングペーパーのバンドによって、すぐ隣接するエアロゾル冷却要素に接続されてもよい。
【0214】
特定の実施形態において、エアロゾル発生物品は、マウスピース要素を少なくとも部分的に囲み、かつマウスピースをすぐ隣に付着するチッピングペーパーの第一のバンドと、エアロゾル発生物品の上流構成要素、チッピングペーパーの第一のバンドを囲むチッピングペーパーの第二のバンドと、を含む。これは、二つ以上のチッピングペーパーのバンドの結合した厚さが口側端部でのエアロゾル発生物品の直径(DME)に効果的に寄与するため、エアロゾル発生物品の口側端部および遠位端部が本発明に従って異なる直径を有することを保証する、効果的かつ比較的便利な方法を提供し得る。
【0215】
これらの実施形態の一部では、マウスピース要素は、二つ以上のバンドのチッピングペーパーによって少なくとも部分的に囲まれているが、エアロゾル発生物品の遠位端部での上流要素は、チッピングペーパーによって囲まれていない。これは、有利に、口側端部でのエアロゾル発生物品の直径(DME)と遠位端部でのエアロゾル発生物品の直径(DDE)との間の差異の最大化に役立ち得る。
【0216】
これらの実施形態のうちの他のものでは、マウスピース要素は、二つ以上のチッピングペーパーのバンドによって少なくとも部分的に囲まれ、一方、エアロゾル発生物品の遠位端部の上流要素は、単一のチッピングペーパーのバンドによって囲まれている。これは、エアロゾル発生物品の長さに沿って重量がどのように分布するかを制御するのに役立ち得る。
【0217】
一部の実施形態では、下流セクションは、マウスピース要素とエアロゾル発生基体のロッドとの間に中間中空セクションを含み得る。中間中空セクションは、支持要素およびエアロゾル冷却要素のうちの一つ以上を含んでもよい。支持要素およびエアロゾル冷却要素のうちの一つ以上は、中空管状セグメントを含み得る。こうした実施形態では、一つ以上の中空管状セグメントを含む支持要素およびエアロゾル冷却要素のうちの一つ以上は、したがって、エアロゾル発生物品の中間中空セクションを形成し得る。
【0218】
本明細書で使用される場合、「中空管状セグメント」という用語は、その長手方向軸に沿った内腔または気流通路を画定する一般的に細長い要素を意味するために使用される。特に、「管状」という用語は以下において、実質的に円筒状の断面を有する、かつ管状要素の上流端部と管状要素の下流端部との間の途切れることのない流体連通を確立する少なくとも一つの気流導管を画定する、管状要素に関して使用される。しかし、当然のことながら、管状要素の代替の形状(例えば、代替の断面形状)が可能である場合がある。
【0219】
本発明の文脈では、中空管状セグメントは、制限のない流れチャネルを提供する。これは、中空管状セグメントが、無視できるレベルの引き出し抵抗(RTD)を提供することを意味する。したがって、流れチャネルは、長手方向の空気の流れを妨害することになるいかなる構成要素も含むべきではない。好ましくは、流れチャネルは、実質的に空である。
【0220】
エアロゾル冷却要素または支持要素または下流セクションの他の構成要素を記述するために使用される場合、「細長い」という用語は、エアロゾル冷却要素または支持要素または下流セクションの他の構成要素が、例えば、その幅寸法もしくはその直径寸法の二倍以上の、その幅寸法またはその直径寸法よりも大きい長さ寸法を有することを意味する。
【0221】
支持要素は、任意の好適な材料または材料の組み合わせから形成されてもよい。例えば、支持要素は、酢酸セルロース、ボール紙、捲縮した紙(捲縮した耐熱紙または捲縮した硫酸紙など)、および高分子材料(低密度ポリエチレン(LDPE)など)からなる群から選択される一つ以上の材料から形成されてもよい。好ましい実施形態では、支持要素は、酢酸セルロースから形成されている。他の好適な材料には、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)繊維が含まれる。
【0222】
支持要素は、第一の中空管状セグメントを備え得る。好ましい実施形態において、支持要素は、中空の酢酸セルロース管を含む。
【0223】
支持要素は、ロッドと実質的に整列して配置される。これは、支持要素の長さ寸法が、ロッドおよび物品の長手方向とほぼ平行に、例えばロッドの長手方向に平行から±10度以内に配置されることを意味する。好ましい実施形態では、支持要素は、ロッドの長手方向軸に沿って延在している。
【0224】
支持要素は、好ましくは、エアロゾル発生基体のロッドの外径およびエアロゾル発生物品の外径にほぼ等しい外径を有する。
【0225】
支持要素は、5ミリメートル~12ミリメートルの外径、例えば5ミリメートル~10ミリメートルの外径、または6ミリメートル~8ミリメートルの外径を有してもよい。好ましい実施形態では、支持要素は7.2ミリメートル±10パーセントの外径を有する。
【0226】
支持要素の周辺壁は、少なくとも1ミリメートルの厚さを有してもよく、少なくとも約1.5ミリメートルの厚さを有することが好ましく、少なくとも約2ミリメートルの厚さを有することがより好ましい。
【0227】
支持要素は、約5ミリメートル~約15ミリメートルの長さを有してもよい。
【0228】
支持要素は、少なくとも約6ミリメートルの長さを有することが好ましく、少なくとも約7ミリメートルの長さを有することがより好ましい。
【0229】
好ましい実施形態では、支持要素は、約12ミリメートル未満、より好ましくは約10ミリメートル未満の長さを有する。
【0230】
一部の実施形態では、支持要素は、約5ミリメートル~約15ミリメートル、好ましくは約6ミリメートル~約15ミリメートル、より好ましくは約7ミリメートル~約15ミリメートルの長さを有する。他の実施形態では、支持要素は、約5ミリメートル~約12ミリメートル、好ましくは約6ミリメートル~約12ミリメートル、より好ましくは約7ミリメートル~約12ミリメートルの長さを有する。さらなる実施形態では、支持要素は、約5ミリメートル~約10ミリメートル、好ましくは約6ミリメートル~約10ミリメートル、より好ましくは約7ミリメートル~約10ミリメートルの長さを有する。
【0231】
好ましい実施形態では、支持要素は、約8ミリメートルの長さを有する。
【0232】
好ましくは、中間中空セクションの全長は、約18ミリメートル以下であり、より好ましくは約17ミリメートル以下、より好ましくは16ミリメートル以下である。
【0233】
支持要素の長さとエアロゾル発生基体のロッドの長さとの間の比は、約0.25~約1であり得る。
【0234】
好ましくは、支持要素の長さとエアロゾル発生基体のロッドの長さとの間の比は、少なくとも約0.3、より好ましくは少なくとも約0.4、さらにより好ましくは少なくとも約0.5である。好ましい実施形態では、支持要素の長さとエアロゾル発生基体のロッドの長さとの間の比は、約0.9未満、より好ましくは約0.8未満、さらにより好ましくは約0.7未満である。
【0235】
一部の実施形態では、支持要素の長さとエアロゾル発生基体のロッドの長さとの間の比は、約0.3~約0.9、好ましくは約0.4~約0.9、より好ましくは約0.5~約0.9である。他の実施形態では、支持要素の長さとエアロゾル発生基体のロッドの長さとの間の比は、約0.3~約0.8、好ましくは約0.4~約0.8、より好ましくは約0.5~約0.8である。さらなる実施形態では、支持要素の長さとエアロゾル発生基体のロッドの長さとの間の比は、約0.3~約0.7、好ましくは約0.4~約0.7、より好ましくは約0.5~約0.7である。
【0236】
特に好ましい実施形態では、支持要素の長さとエアロゾル発生基体のロッドの長さとの間の比は、約0.66である。
【0237】
支持要素の長さとエアロゾル発生物品基体の全長との間の比は、約0.125~約0.375とし得る。
【0238】
好ましくは、支持要素の長さとエアロゾル発生物品基体の全長との間の比は、少なくとも約0.13、より好ましくは少なくとも約0.14、さらにより好ましくは少なくとも約0.15である。支持要素の長さとエアロゾル発生物品基体の全長との間の比は、好ましくは約0.3未満、より好ましくは約0.25未満、さらにより好ましくは約0.20未満である。
【0239】
一部の実施形態では、支持要素の長さとエアロゾル発生物品基体の全長との間の比は、好ましくは約0.13~約0.3、より好ましくは約0.14~約0.3、さらにより好ましくは約0.15~約0.3である。他の実施形態では、支持要素の長さとエアロゾル発生物品基体の全長との間の比は、好ましくは約0.13~約0.25、より好ましくは約0.14~約0.25、さらにより好ましくは約0.15~約0.25である。さらなる実施形態では、支持要素の長さとエアロゾル発生物品基体の全長との間の比は、好ましくは約0.13~約0.2、より好ましくは約0.14~約0.2、さらにより好ましくは約0.15~約0.2である。
【0240】
特に好ましい実施形態では、支持要素の長さとエアロゾル発生物品基体の全長との間の比は、約0.18である。
【0241】
本発明によるエアロゾル発生物品では、支持要素は、少なくとも約80パーセント、より好ましくは少なくとも約85パーセント、なおより好ましくは少なくとも約90パーセントの平均半径方向硬度を有することが好ましい。したがって、支持要素は、エアロゾル発生物品に所望の硬度レベルを提供することができる。
【0242】
望ましい場合、例えば少なくとも約80グラム/平方メートル(gsm)、または少なくとも約100gsm、または少なくとも約110gsmの坪量を有するプラグラップなどの堅いプラグラップでエアロゾル冷却要素を囲むことによって、本発明によるエアロゾル発生物品の下流セクションの構成要素、例えば支持要素、の半径方向硬度をさらに増加させてもよい。
【0243】
本明細書で使用される「半径方向硬度」という用語は、支持要素の長手方向軸を横断する方向での圧縮に対する抵抗を指す。支持要素の周りのエアロゾル発生物品の半径方向硬度は、物品の長手方向軸に対して横断方向に、支持要素の位置にて物品を横切って負荷をかけることによって、および物品の押し下げられた直径の平均(平均値)を測定することによって決定され得る。半径方向硬度は以下によって与えられる。
【数1】
式中DSは元の(押し下げられていない)直径であり、Ddは設定継続時間にわたり、設定された負荷をかけた後の押し下げられた直径である。材料が硬いほど硬度は100パーセントに近づく。
【0244】
エアロゾル物品の一部分(中空管セグメントの形で提供される支持要素など)の硬度を決定するには、エアロゾル発生物品を平面内で平行に整列させるべきであり、試験される各エアロゾル発生物品の同一の部分は、設定継続時間の間、設定された負荷を受けるべきである。この試験は、公知のDD60A Densimeter装置(Heinr Borgwaldt GmbH(ドイツ)によって製造・市販)を使用して実施され、これには紙巻タバコなどのエアロゾル発生物品用の測定ヘッドが装着され、またエアロゾル発生物品容器付きである。
【0245】
一度にすべてのエアロゾル発生物品の直径を横切って延在している、二つの負荷印加円筒状ロッドを使用して負荷が加えられる。この機器のための標準的な試験方法によって、エアロゾル発生物品と負荷印加円筒状ロッドとの間に二十か所の接触点が生じるように試験が実施されるべきである。一部の場合において、試験される中空管セグメントは、各々の喫煙物品が両方の負荷印加ロッドに接触する二十か所の接触点を形成するためにエアロゾル発生物品十本のみが必要となるように、十分に長くてもよい(これらが両方のロッド間に延びるだけ十分長いため)。その他の場合において、これを達成するには支持要素が過度に短い場合、以下にさらに考察する通り、二十か所の接触点を形成するためにエアロゾル発生物品二十本を使用するべきであり、各々のエアロゾル発生物品は負荷印加ロッドのうちの一つのみに接触する。
【0246】
エアロゾル発生物品を支持し、かつ負荷印加円筒状ロッドの各々によってかけられる負荷に対抗するために、二本のさらなる固定された円筒状ロッドがエアロゾル発生物品の下に位置する。
【0247】
このような装置のための標準作業手順については、2kgの全体的な負荷が20秒間かけられる。20秒が経過した後(かつまだ負荷が喫煙物品にかけられている状態)、負荷印加円筒状ロッドにおける押し下げが判定され、次いで上記の方程式から硬度を算出するために使用される。温度は摂氏22度±2度の領域内に保たれる。上述の試験は、DD60A試験と呼ばれる。フィルタ硬度を測定する標準的な方法は、エアロゾル発生物品がまだ消費されていない時である。平均半径方向硬度の測定に関する追加情報は、例えば米国公開特許出願公報第2016/0128378号に見出すことができる。
【0248】
エアロゾル発生基体の加熱のための本発明によるエアロゾル発生物品のエアロゾル発生装置への挿入の際に、ユーザは、エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体の挿入に対する抵抗を克服するために、いくらかの力を加える必要がある場合がある。これは、エアロゾル発生物品とエアロゾル発生装置とのうちの一方または両方に損傷を与える場合がある。加えて、エアロゾル発生物品のエアロゾル発生装置の中への挿入中の力の印加は、エアロゾル発生物品内のエアロゾル発生基体をずらす場合がある。これは結果として、エアロゾル発生装置の加熱要素がエアロゾル発生基体内に提供されるサセプタと適切に位置合わせされない結果となる可能性があり、エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体の不均一で非効率的な加熱につながる可能性がある。支持要素は有利なことに、物品のエアロゾル発生装置の中への挿入中の、エアロゾル発生基体の下流への移動に抵抗するように構成されている。
【0249】
好ましくは、支持要素の中空管状セグメントは、およそ0ミリメートルH2O(約0Pa)~およそ20ミリメートルH2O(約100Pa)の、より好ましくはおよそ0ミリメートルH2O(約0Pa)~およそ10ミリメートルH2O(約100Pa)のRTDを発生させるように適合される。したがって、支持要素は、好ましくは、エアロゾル発生物品の全体的なRTDに寄与しない。
【0250】
本発明によるエアロゾル発生物品の下流セクションのエアロゾル冷却要素は、好ましくは、エアロゾル冷却要素の上流端部からエアロゾル冷却要素の下流端部までずっと延在する空洞を画定する第二の中空管状セグメントの形態で存在し、通気ゾーンは中空管状セグメントに沿った場所に提供される。
【0251】
発明者らは、エアロゾル発生基体の加熱に伴い発生された、かつそのようなエアロゾル冷却要素の一つを介して引き出されたエアロゾルの流れの満足のいく冷却は、中空管状セグメントに沿った場所に通気ゾーンを提供することによって達成されることを見出した。さらに、発明者らは、以下により詳細に記載されるように、エアロゾル冷却要素の長さに沿って正確に画定された場所に通気ゾーンを配置することによって、また好ましくは、所定の周辺壁厚または内部体積を有する中空管状セグメントを利用することによって、通気空気の物品への流入によって引き起こされる増加したエアロゾル希釈の影響に対抗することが可能であり得ることを発見した。
【0252】
理論に拘束されることを意図するものではないが、エアロゾルがマウスピースセグメントに向かって移動するにつれて、通気空気の導入によってエアロゾル流の温度が急速に低減されるため、通気空気がエアロゾル冷却要素の上流端部に比較的近い位置(つまり、使用中の熱源であるエアロゾル発生基体のロッド内に延在しているサセプタに十分に近い)でエアロゾル流に入り、エアロゾル流の劇的な冷却が達成され、これがエアロゾル粒子の凝縮および核生成に有利な影響を有すると考えられている。その結果、エアロゾル粒子相とエアロゾル気相との全体的な比率は、既存の無通気のエアロゾル発生物品と比較して高められる場合がある。
【0253】
同時に、中空管状要素の周辺壁の厚さを比較的低く維持することにより、―これは、エアロゾル構成要素がエアロゾル発生基体のロッドを離れるとすぐにエアロゾルが核生成プロセスを開始することにより可能となる―中空管状要素の全体的な内部容積、および中空管状セグメントの断面積が効果的に最大化されることが確実となる一方、同時に、中空管状セグメントが、エアロゾル発生物品の崩壊を防止するととともにエアロゾル発生基体のロッドに対してある程度の支持を提供するのに必要な構造的強度を有すること、および中空管状セグメントのRTDが最小化されることが確実になる。中空管状セグメントの空洞の断面積の大きな値は、エアロゾル発生物品に沿って移動するエアロゾル流の低減された速度に関連付けられるものと理解され、さらに、核生成に有利に働くものと期待される。さらに、比較的低い厚さを有する中空管状セグメントを利用することによって、通気空気が、エアロゾル流と接触して混合される前の通気空気の拡散を実質的に防止することが可能であり、さらに、核生成現象に有利に働くものと理解される。実際には、揮発した種の流れのより制御可能に局所化された冷却を提供することによって、新しいエアロゾル粒子の形成に対する冷却効果を向上させることが可能である。
【0254】
エアロゾル冷却要素は、好ましくは、エアロゾル発生基体のロッドの外径およびエアロゾル発生物品の外径にほぼ等しい外径を有する。
【0255】
エアロゾル冷却要素は、5ミリメートル~12ミリメートルの外径、例えば5ミリメートル~10ミリメートルの外径、または6ミリメートル~8ミリメートルの外径を有してもよい。好ましい実施形態では、エアロゾル冷却要素は、7.2ミリメートル±10パーセントの外径を有する。
【0256】
好ましくは、エアロゾル冷却要素の第二の中空管状セグメントは、少なくとも約1.5ミリメートルの内径を有する。より好ましくは、エアロゾル冷却要素の第二の中空管状セグメントは、少なくとも約2ミリメートルの内径を有する。さらにより好ましくは、エアロゾル冷却要素の第二の中空管状セグメントは、少なくとも約2.5ミリメートルの内径を有する。特に好ましい実施形態では、エアロゾル冷却要素の第二の中空管状セグメントは、少なくとも約3ミリメートルの内径を有する。
【0257】
エアロゾル冷却要素の第二の中空管状セグメントの周辺壁は、約2.5ミリメートル未満、好ましくは1.5ミリメートル未満、より好ましくは約1250マイクロメートル未満、さらにより好ましくは約1000マイクロメートル未満の厚さを有してもよい。特に好ましい実施形態では、エアロゾル冷却要素の第二の中空管状セグメントの周辺壁は、約900マイクロメートル未満、好ましくは約800マイクロメートル未満の厚さを有する。
【0258】
一実施形態では、エアロゾル冷却要素の第二の中空管状セグメントの周辺壁は、約2ミリメートルの厚さを有する。
【0259】
エアロゾル冷却要素は、5ミリメートル~15ミリメートルの長さを有してもよい。
【0260】
好ましくは、エアロゾル冷却要素は、少なくとも約6ミリメートルの長さを有し、より好ましくは少なくとも約7ミリメートルの長さを有する。
【0261】
好ましい実施形態では、エアロゾル冷却要素は、約12ミリメートル未満、より好ましくは約10ミリメートル未満の長さを有する。
【0262】
一部の実施形態では、エアロゾル冷却要素は、約5ミリメートル~約15ミリメートル、好ましくは約6ミリメートル~約15ミリメートル、より好ましくは約7ミリメートル~約15ミリメートルの長さを有する。他の実施形態では、エアロゾル冷却要素は、約5ミリメートル~約12ミリメートル、好ましくは約6ミリメートル~約12ミリメートル、より好ましくは約7ミリメートル~約12ミリメートルの長さを有する。さらなる実施形態では、エアロゾル冷却要素は、約5ミリメートル~約10ミリメートル、好ましくは約6ミリメートル~約10ミリメートル、より好ましくは約7ミリメートル~約10ミリメートルの長さを有する。
【0263】
本発明の特に好ましい実施形態では、エアロゾル冷却要素は、10ミリメートル未満の長さを有する。例えば、一つの特に好ましい実施形態では、エアロゾル冷却要素は、8ミリメートルの長さを有する。こうした実施形態において、エアロゾル冷却要素は、したがって、先行技術のエアロゾル発生物品のエアロゾル冷却要素と比較して、比較的短い長さを有する。エアロゾル冷却要素の長さの減少は、エアロゾルの冷却および核形成におけるエアロゾル冷却要素を形成する中空管状セグメントの効果の最適化に起因して可能である。エアロゾル冷却要素の長さの減少は、エアロゾル冷却要素が通常マウスピースよりも変形に対する抵抗が低いため、使用中に圧縮されることによるエアロゾル発生物品の変形のリスクを有利に減少させる。さらに、エアロゾル冷却要素の長さの減少は、中空管状セグメントのコストが、マウスピース要素などの他の要素のコストよりも典型的には単位長さ当たり高いため、製造業者にコストメリットを提供し得る。
【0264】
エアロゾル冷却要素の長さとエアロゾル発生基体のロッドの長さとの間の比は、約0.25~約1であり得る。
【0265】
好ましくは、エアロゾル冷却要素の長さとエアロゾル発生基体のロッドの長さとの間の比は、少なくとも約0.3、より好ましくは少なくとも約0.4、さらにより好ましくは少なくとも約0.5である。好ましい実施形態では、エアロゾル冷却要素の長さとエアロゾル発生基体のロッドの長さとの間の比は、約0.9未満、より好ましくは約0.8未満、さらにより好ましくは約0.7未満である。
【0266】
一部の実施形態では、エアロゾル冷却要素の長さとエアロゾル発生基体のロッドの長さとの間の比は、約0.3~約0.9、好ましくは約0.4~約0.9、より好ましくは約0.5~約0.9である。他の実施形態では、エアロゾル冷却要素の長さとエアロゾル発生基体のロッドの長さとの間の比は、約0.3~約0.8、好ましくは約0.4~約0.8、より好ましくは約0.5~約0.8である。さらなる実施形態では、エアロゾル冷却要素の長さとエアロゾル発生基体のロッドの長さとの間の比は、約0.3~約0.7、好ましくは約0.4~約0.7、より好ましくは約0.5~約0.7である。
【0267】
特に好ましい実施形態では、エアロゾル冷却要素の長さとエアロゾル発生基体のロッドの長さとの間の比は、約0.66である。
【0268】
エアロゾル冷却要素の長さとエアロゾル発生物品基体の全長との間の比は、約0.125~約0.375とし得る。
【0269】
好ましくは、エアロゾル冷却要素の長さとエアロゾル発生物品基体の全長との間の比は、少なくとも約0.13、より好ましくは少なくとも約0.14、さらにより好ましくは少なくとも約0.15である。エアロゾル冷却要素の長さとエアロゾル発生物品基体の全長との間の比は、好ましくは約0.3未満、より好ましくは約0.25未満、さらにより好ましくは約0.20未満である。
【0270】
一部の実施形態では、エアロゾル冷却要素の長さとエアロゾル発生物品基体の全長との間の比は、好ましくは約0.13~約0.3、より好ましくは約0.14~約0.3、さらにより好ましくは約0.15~約0.3である。他の実施形態では、エアロゾル冷却要素の長さとエアロゾル発生物品基体の全長との間の比は、好ましくは約0.13~約0.25、より好ましくは約0.14~約0.25、さらにより好ましくは約0.15~約0.25である。さらなる実施形態では、エアロゾル冷却要素の長さとエアロゾル発生物品基体の全長との間の比は、好ましくは約0.13~約0.2、より好ましくは約0.14~約0.2、さらにより好ましくは約0.15~約0.2である。
【0271】
特に好ましい実施形態では、エアロゾル冷却要素の長さとエアロゾル発生物品基体の全長との間の比は、約0.18である。
【0272】
マウスピース要素の長さは、好ましくは、エアロゾル冷却要素の長さよりも少なくとも1ミリメートル大きく、より好ましくは、エアロゾル冷却要素の長さよりも少なくとも2ミリメートル大きく、より好ましくは、エアロゾル冷却要素の長さよりも少なくとも3ミリメートル大きい。上記で説明されたようなエアロゾル冷却要素の長さの減少は、有利には、マウスピース要素などのエアロゾル発生物品の他の要素の長さの増加を可能にすることができる。比較的長いマウスピース要素を提供することの潜在的な技術的利益は、上述されている。
【0273】
本発明によるエアロゾル発生物品では、エアロゾル冷却要素は、少なくとも約80パーセント、より好ましくは少なくとも約85パーセント、なおより好ましくは少なくとも約90パーセントの平均半径方向硬度を有することが好ましい。したがって、エアロゾル冷却要素は、エアロゾル発生物品に所望の硬度レベルを提供することができる。
【0274】
望ましい場合、例えば少なくとも約80グラム/平方メートル(gsm)、または少なくとも約100gsm、または少なくとも約110gsmの坪量を有するプラグラップなどの堅いプラグラップでエアロゾル冷却要素を囲むことによって、本発明によるエアロゾル発生物品のエアロゾル冷却要素の半径方向硬度をさらに増加させてもよい。
【0275】
エアロゾル冷却要素は、任意の好適な材料または材料の組み合わせから形成されてもよい。例えば、エアロゾル冷却要素は、酢酸セルロース、ボール紙、捲縮した紙(捲縮した耐熱紙または捲縮した硫酸紙など)、および高分子材料(低密度ポリエチレン(LDPE)など)からなる群から選択される一つ以上の材料から形成されてもよい。他の好適な材料には、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)繊維が含まれる。
【0276】
好ましい実施形態では、エアロゾル冷却要素は、酢酸セルロースから形成されている。
【0277】
通気ゾーンは、エアロゾル冷却要素の周辺壁を通る複数の穿孔を備える。通気ゾーンは、周辺の少なくとも一列の穿孔を含むことが好ましい。一部の実施形態では、通気ゾーンは、周辺の二列の穿孔を含み得る。例えば、穿孔は、エアロゾル発生物品の製造中にオンラインで形成され得る。穿孔の周辺の列のそれぞれは、8~30個の穿孔を含むことが好ましい。
【0278】
エアロゾル発生物品が、エアロゾル冷却要素を、エアロゾル発生物品の他の構成要素のうちの一つ以上に付着するための結合プラグを備える場合、通気ゾーンは、好ましくは、結合プラグラップの一部分を通して提供される、少なくとも一つの対応する周辺の列の穿孔を含む。これらは、喫煙物品の製造中にオンラインで形成され得る。結合プラグラップの一部分を貫いて提供された周辺の列または複数の列の穿孔は、エアロゾル冷却要素の周辺壁を貫く穿孔の列(単一または複数)と実質的に整列された状態にあることが好ましい。
【0279】
エアロゾル発生物品が、エアロゾル発生物品のマウスピース要素にエアロゾル冷却要素を付着するためのチッピングペーパーのバンドを含み、チッピングペーパーのバンドが、エアロゾル冷却要素の周辺壁の周辺の列または複数の列の穿孔の上に延在している場合、通気ゾーンは、好ましくは、チッピングペーパーのバンドを通して提供される少なくとも一つの対応する周辺の列の穿孔を備える。これらは、喫煙物品の製造中にオンラインで形成され得る。チッピングペーパーのバンドを貫いて提供された周辺の列または複数の列の穿孔は、エアロゾル冷却要素の周辺壁を貫く穿孔の列(単一または複数)と実質的に整列された状態にあることが好ましい。
【0280】
一部の実施形態では、通気ゾーンとエアロゾル冷却要素の中空管状セグメントの上流端部との間の距離は、少なくとも約1ミリメートルである。通気ゾーンとエアロゾル冷却要素の中空管状セグメントの上流端部との間の距離は、少なくとも約2ミリメートルであることが好ましい。通気ゾーンとエアロゾル冷却要素の中空管状セグメントの上流端部との間の距離は、少なくとも約3ミリメートルであることがより好ましい。
【0281】
一部の実施形態では、通気ゾーンとエアロゾル冷却要素の中空管状セグメントの上流端部との間の距離は、約6ミリメートル以下である。通気ゾーンとエアロゾル冷却要素の中空管状セグメントの上流端部との間の距離は、約5ミリメートル以下であることが好ましい。通気ゾーンとエアロゾル冷却要素の中空管状セグメントの上流端部との間の距離は、約4ミリメートル以下であることがより好ましい。
【0282】
一部の実施形態では、通気ゾーンとエアロゾル冷却要素の中空管状セグメントの上流端部との間の距離は、約1ミリメートル~約6ミリメートル、好ましくは約1ミリメートル~約5ミリメートル、より好ましくは約1ミリメートル~約4ミリメートルである。他の実施形態では、通気ゾーンとエアロゾル冷却要素の中空管状セグメントの上流端部との間の距離は、約2ミリメートル~約6ミリメートル、好ましくは約2ミリメートル~約5ミリメートル、より好ましくは約2ミリメートル~約4ミリメートルである。さらなる実施形態では、通気ゾーンとエアロゾル冷却要素の中空管状セグメントの上流端部との間の距離は、約3ミリメートル~約6ミリメートル、好ましくは約3ミリメートル~約5ミリメートル、より好ましくは約3ミリメートル~約4ミリメートルである。
【0283】
通気ゾーンとエアロゾル発生物品の口側端部との間の距離は、好ましくは少なくとも約10ミリメートルであることがより好ましい。通気ゾーンとエアロゾル発生物品の口側端部との間の距離は、少なくとも約12ミリメートルであることがより好ましい。通気ゾーンとエアロゾル発生物品の口側端部との間の距離は、少なくとも約16ミリメートルであることがさらにより好ましい。
【0284】
通気ゾーンとエアロゾル発生物品の口側端部との間の距離は、約26ミリメートル以下であることが好ましい。通気ゾーンとエアロゾル発生物品の口側端部との間の距離は、約24ミリメートル以下であることがより好ましい。通気ゾーンとエアロゾル発生物品の口側端部との間の距離は、約22ミリメートル以下であることがさらにより好ましい。特に好ましい実施形態では、通気ゾーンとエアロゾル発生物品の口側端部との間の距離は、約20ミリメートル以下である。
【0285】
一部の実施形態では、通気ゾーンとエアロゾル発生物品の口側端部との間の距離は、約10ミリメートル~約26ミリメートル、好ましくは約10ミリメートル~約24ミリメートル、より好ましくは約10ミリメートル~約22ミリメートル、さらにより好ましくは、約10ミリメートル~約20ミリメートルである。他の実施形態では、通気ゾーンとエアロゾル発生物品の口側端部との間の距離は、約12ミリメートル~約26ミリメートル、好ましくは約12ミリメートル~約24ミリメートル、より好ましくは約12ミリメートル~約22ミリメートル、さらにより好ましくは、約12ミリメートル~約20ミリメートルである。さらなる実施形態では、通気ゾーンとエアロゾル発生物品の口側端部との間の距離は、約14ミリメートル~約26ミリメートル、好ましくは約14ミリメートル~約24ミリメートル、より好ましくは約14ミリメートル~約22ミリメートル、さらにより好ましくは、約14ミリメートル~約20ミリメートルである。なおもさらなる実施形態では、通気ゾーンとエアロゾル発生物品の口側端部との間の距離は、約16ミリメートル~約26ミリメートル、好ましくは約16ミリメートル~約24ミリメートル、より好ましくは約16ミリメートル~約22ミリメートル、さらにより好ましくは、約16ミリメートル~約20ミリメートルである。
【0286】
通気ゾーンと下流セクションの上流端部との間の距離は、少なくとも約6ミリメートルであることが好ましい。通気ゾーンと下流セクションの上流端部との間の距離は、少なくとも約8ミリメートルであることがより好ましい。通気ゾーンと下流セクションの上流端部との間の距離は、少なくとも約10ミリメートルであることがさらにより好ましい。
【0287】
通気ゾーンと下流セクションの上流端部との間の距離は、約20ミリメートル以下であることが好ましい。通気ゾーンと下流セクションの上流端部との間の距離は、約18ミリメートル以下であることがより好ましい。通気ゾーンと下流セクションの上流端部との間の距離は、約16ミリメートル以下であることがさらにより好ましい。
【0288】
一部の実施形態では、通気ゾーンと下流セクションの上流端部との間の距離は、好ましくは約6ミリメートル~約20ミリメートル、より好ましくは約8ミリメートル~約20ミリメートル、さらにより好ましくは、約10ミリメートル~約20ミリメートルである。他の実施形態では、通気ゾーンと下流セクションの上流端部との間の距離は、好ましくは約6ミリメートル~約18ミリメートル、より好ましくは約8ミリメートル~約18ミリメートル、さらにより好ましくは、約10ミリメートル~約18ミリメートルである。さらなる実施形態では、通気ゾーンと下流セクションの上流端部との間の距離は、好ましくは約6ミリメートル~約16ミリメートル、より好ましくは約8ミリメートル~約16ミリメートル、さらにより好ましくは、約10ミリメートル~約16ミリメートルである。
【0289】
通気ゾーンとサセプタの下流端部との間の距離は、少なくとも約6ミリメートルであることが好ましい。通気ゾーンとサセプタの下流端部との間の距離は、少なくとも約8ミリメートルであることがより好ましい。通気ゾーンとサセプタの下流端部との間の距離は、少なくとも約10ミリメートルであることがさらにより好ましい。
【0290】
通気ゾーンとサセプタの下流端部との間の距離は、約20ミリメートル以下であることが好ましい。通気ゾーンとサセプタの下流端部との間の距離は、約18ミリメートル以下であることがより好ましい。通気ゾーンとサセプタの下流端部との間の距離は、約16ミリメートル以下であることがさらにより好ましい。
【0291】
一部の実施形態では、通気ゾーンとサセプタの下流端部との間の距離は、好ましくは約6ミリメートル~約20ミリメートル、より好ましくは約8ミリメートル~約20ミリメートル、さらにより好ましくは、約10ミリメートル~約20ミリメートルである。他の実施形態では、通気ゾーンとサセプタの下流端部との間の距離は、好ましくは約6ミリメートル~約18ミリメートル、より好ましくは約8ミリメートル~約18ミリメートル、さらにより好ましくは、約10ミリメートル~約18ミリメートルである。さらなる実施形態では、通気ゾーンとサセプタの下流端部との間の距離は、好ましくは約6ミリメートル~約16ミリメートル、より好ましくは約8ミリメートル~約16ミリメートル、さらにより好ましくは、約10ミリメートル~約16ミリメートルである。
【0292】
本発明によるエアロゾル発生物品は、少なくとも約5パーセントの通気レベルを有し得る。
【0293】
「通気レベル」という用語は本明細書全体を通して、通気ゾーン(通気気流)を介してエアロゾル発生物品の中に入る気流と、エアロゾル気流および通気気流の合計との容積比を意味するために使用される。通気レベルが大きいほど、消費者に送達されるエアロゾル流の希釈が高くなる。
【0294】
エアロゾル発生物品は典型的に、少なくとも約10パーセント、好ましくは少なくとも約15パーセント、より好ましくは少なくとも約20パーセントの通気レベルを有してもよい。
【0295】
好ましい実施形態において、エアロゾル発生物品は、少なくとも約25パーセントの通気レベルを有する。
【0296】
エアロゾル発生物品は、約60パーセント未満の通気レベルを有することが好ましい。
【0297】
本発明によるエアロゾル発生物品は、約45パーセント以下の通気レベルを有することが好ましい。より好ましくは、本発明によるエアロゾル発生物品は、より好ましくは約40パーセント以下、さらにより好ましくは約35パーセント以下の通気レベルを有する。
【0298】
特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生物品は、約30パーセントの通気レベルを有する。
【0299】
一部の実施形態では、エアロゾル発生物品は、約20パーセント~約60パーセント、好ましくは約20パーセント~約45パーセント、より好ましくは約20パーセント~約40パーセントの通気レベルを有する。他の実施形態では、エアロゾル発生物品は、約25パーセント~約60パーセント、好ましくは約25パーセント~約45パーセント、より好ましくは約25パーセント~約40パーセントの通気レベルを有する。さらなる実施形態では、エアロゾル発生物品は、約30パーセント~約60パーセント、好ましくは約30パーセント~約45パーセント、より好ましくは約30パーセント~約40パーセントの通気レベルを有する。
【0300】
特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生物品は、約28パーセント~約42パーセントの通気レベルを有する。一部の特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生物品は、約30パーセントの通気レベルを有する。
【0301】
理論に束縛されることを望むものではないが、発明者らは、より冷たい外気を、通気ゾーンを介して中空管状セグメントの中に入れることによって生じる温度低下が、エアロゾル粒子の核形成および成長に有利な効果を及ぼす場合があることを見出した。
【0302】
様々な化学種を含有する気体状混合物からのエアロゾルの形成は、蒸気濃度、温度および速度場の変化を説明する、核形成と、蒸発と、凝縮と、さらには融合との間の繊細な相互作用に依存する。いわゆる古典的な核形成理論は、気相中の分子の一部が、十分な確率で(例えば、二分の一の確率など)長時間にわたりコヒーレントなままであるように十分に大きいという想定に基づいている。これらの分子は、一時的な分子凝集体の中のある種類の臨界の、閾値分子クラスターを表し、これは、より小さい分子クラスターが概して、やや迅速にガス相へと分解しやすく、一方でより大きいクラスターが概して、成長しやすいことを意味している。こうした臨界クラスターは、蒸気からの分子の凝縮に起因して液滴が成長することが期待される、主要な核形成コアとして特定される。核形成されたばかりの未処理の液滴は、ある特定の本来の直径を有して出現し、その後、数桁で成長する場合があると想定される。これは、凝縮を誘起する、周囲の蒸気の急速な冷却によって促進され、かつ強化される場合がある。この点について、蒸発および凝縮は、一つの同一のメカニズム、すなわち気液の物質移動の二つの側面であることを念頭に置くことが役立つ。蒸発は液滴から気相への正味の物質移動に関連し、凝縮は気相から液滴相への正味物質移動である。蒸発(または凝縮)によって、液滴が縮小(または成長)するが、液滴の数は変化しない。
【0303】
このシナリオにおいて(シナリオは融合現象によってさらに複雑である場合)、冷却の温度および速度は、システムがどのように応答するかを決定する上で重要な役割を果たす場合がある。一般に、核形成プロセスが典型的に非線形であるため、異なる冷却速度は、液相(液滴)の形成に関して、著しく異なる温度挙動につながる場合がある。理論に束縛されることを望むものではないが、冷却は液滴の凝縮数の急速な増加を生じさせることができ、その後、この成長の短期間の強力な増加が続く(核形成バースト)と仮定される。この核形成バーストは、より低い温度にて、より著しいと思われる。さらに、より速い冷却速度は、早期の核形成の開始に有利に働く場合があると思われる。対照的に、冷却速度の減少は、エアロゾル液滴が最終的に到達する最終的なサイズに有利な効果を及ぼすと思われる。
【0304】
したがって、通気ゾーンを介して中空管状セグメントの中に外気を入れることによって誘起された急速な冷却は、エアロゾル液滴の有利な核形成および成長に有利なように使用することができる。しかしながら、同時に、中空管状セグメントの中に外気を入れることは、消費者に送達されるエアロゾル流の希釈という直接の欠点を有する。
【0305】
発明者らは驚くべきことに、物品への通気空気の導入によって誘発される急速冷却によって促進された強化された核形成の好ましい効果が、希釈化の望ましくない効果に著しく対抗することができることを見出した。したがって、エアロゾル送達の満足できる値は、本発明にしたがって、エアロゾル発生物品によって一貫して達成される。
【0306】
発明者らは驚くべきことに、また、エアロゾルに対する希釈効果―特にエアロゾル発生基体に含まれるエアロゾル形成体(グリセロールなど)の送達に対する効果を測定することによって評価され得る)が、通気レベルが上述の範囲内にある時に有利に最小化されることを見出した。特に、25パーセント~50パーセント、さらにより好ましくは28~42パーセントの通気レベルが、特に満足のいくグリセリン送達の値につながることが見出された。同時に、核生成の程度、および結果として、ニコチンおよびエアロゾル形成体(例えば、グリセロール)の送達が強化される。
【0307】
これは、エアロゾル発生基体のロッドの長さが約40ミリメートル未満、好ましくは25ミリメートル未満、なおより好ましくは20ミリメートル未満である、またはエアロゾル発生物品の全長が約70ミリメートル未満、好ましくは約60ミリメートル未満、なおより好ましくは50ミリメートル未満であるなどの、「短い」エアロゾル発生物品に特に有利である。理解される通り、こうしたエアロゾル発生物品において、エアロゾル形成のための時間および空間、およびエアロゾルの粒子相が消費者への送達のために利用可能となるための時間および空間がほとんどない。
【0308】
さらに、通気された中空管状セグメントは実質的にエアロゾル発生物品の全体的なRTDに寄与しないため、本発明によるエアロゾル発生物品において、エアロゾル発生基体のロッドの長さおよび密度、または任意選択でマウスピースの一部を形成する濾過材料のセグメントの長さおよび密度、またはエアロゾル発生基体およびサセプタの上流に提供される濾過材料のセグメントの長さおよび密度を調整することによって、物品の全体的なRTDは有利なことに微調整され得る。したがって、通気の存在下でさえも、満足のいくレベルのRTDを消費者に提供することができるように、所定のRTDを有するエアロゾル発生物品を一貫してかつ非常に正確に製造することを可能にする。
【0309】
中間中空セクションが、第一の中空管セグメントを含む支持要素と、第二の中空管状セグメントを含むエアロゾル冷却要素の両方を含む一部の実施形態では、第二の中空管状セグメントの内径(DSTS)は、第一の中空管状セグメントの内径(DFTS)よりも大きいことが好ましい。
【0310】
より詳細には、第二の中空管状セグメントの内径(DSTS)と第一の中空管状セグメントの内径(DFTS)との間の比は、好ましくは少なくとも約1.25である。より好ましくは、第二の中空管状セグメントの内径(DSTS)と第一の中空管状セグメントの内径(DFTS)との間の比は、好ましくは少なくとも約1.3である。さらにより好ましくは、第二の中空管状セグメントの内径(DSTS)と第一の中空管状セグメントの内径(DFTS)との間の比は、好ましくは少なくとも約1.4である。特に好ましい実施形態では、第二の中空管状セグメントの内径(DSTS)と第一の中空管状セグメントの内径(DFTS)との間の比は、少なくとも約1.5、より好ましくは少なくとも約1.6である。
【0311】
第二の中空管状セグメントの内径(DSTS)と第一の中空管状セグメントの内径(DFTS)との間の比は、約2.5以下であることが好ましい。より好ましくは、第二の中空管状セグメントの内径(DSTS)と第一の中空管状セグメントの内径(DFTS)との間の比は、約2.25以下であることが好ましい。さらにより好ましくは、第二の中空管状セグメントの内径(DSTS)と第一の中空管状セグメントの内径(DFTS)との間の比は、約2以下であることが好ましい。
【0312】
一部の実施形態では、第二の中空管状セグメントの内径(DSTS)と第一の中空管状セグメントの内径(DFTS)との間の比は、約1.25~約2.5である。好ましくは、第二の中空管状セグメントの内径(DSTS)と第一の中空管状セグメントの内径(DFTS)との間の比は、約1.3~約2.5である。より好ましくは、第二の中空管状セグメントの内径(DSTS)と第一の中空管状セグメントの内径(DFTS)との間の比は、約1.4~約2.5である。特に好ましい実施形態では、第二の中空管状セグメントの内径(DSTS)と第一の中空管状セグメントの内径(DFTS)との間の比は、約1.5~約2.5である。
【0313】
他の実施形態では、第二の中空管状セグメントの内径(DSTS)と第一の中空管状セグメントの内径(DFTS)との間の比は、約1.25~約2.25である。好ましくは、第二の中空管状セグメントの内径(DSTS)と第一の中空管状セグメントの内径(DFTS)との間の比は、約1.3~約2.25である。より好ましくは、第二の中空管状セグメントの内径(DSTS)と第一の中空管状セグメントの内径(DFTS)との間の比は、約1.4~約2.25である。特に好ましい実施形態では、第二の中空管状セグメントの内径(DSTS)と第一の中空管状セグメントの内径(DFTS)との間の比は、約1.5~約2.25である。
【0314】
さらなる実施形態では、第二の中空管状セグメントの内径(DSTS)と第一の中空管状セグメントの内径(DFTS)との間の比は、約1.25~約2である。好ましくは、第二の中空管状セグメントの内径(DSTS)と第一の中空管状セグメントの内径(DFTS)との間の比は、約1.3~約2である。より好ましくは、第二の中空管状セグメントの内径(DSTS)と第一の中空管状セグメントの内径(DFTS)との間の比は、約1.4~約2である。特に好ましい実施形態では、第二の中空管状セグメントの内径(DSTS)と第一の中空管状セグメントの内径(DFTS)との間の比は、約1.5~約2である。
【0315】
物品がエアロゾル発生基体内に長手方向に配置された細長いサセプタをさらに備えるこれらの実施形態では、第一の中空管状セグメントの内径(DFTS)とサセプタの幅との間の比は、好ましくは少なくとも約0.2である。より好ましくは、第一の中空管状セグメントの内径(DFTS)とサセプタの幅との間の比は、少なくとも約0.3である。さらにより好ましくは、第一の中空管状セグメントの内径(DFTS)とサセプタの幅との間の比は、少なくとも約0.4である。
【0316】
加えて、または代替として、第二の中空管状セグメントの内径(DSTS)とサセプタの幅との間の比は、好ましくは少なくとも約0.2である。より好ましくは、第二の中空管状セグメントの内径(DSTS)とサセプタの幅との間の比は、少なくとも約0.5である。さらにより好ましくは、第二の中空管状セグメントの内径(DSTS)とサセプタの幅との間の比は、少なくとも約0.8である。
【0317】
好ましくは、第一の中空管状セグメントの空洞の体積と第二の中空管状セグメントの空洞の体積との間の比は、少なくとも約0.1である。より好ましくは、第一の中空管状セグメントの空洞の体積と第二の中空管状セグメントの空洞の体積との間の比は、少なくとも約0.2である。さらにより好ましくは、第一の中空管状セグメントの空洞の体積と第二の中空管状セグメントの空洞の体積との間の比は、少なくとも約0.3である。
【0318】
好ましくは、第一の中空管状セグメントの空洞の体積と第二の中空管状セグメントの空洞の体積との間の比は、約0.9以下である。より好ましくは、第一の中空管状セグメントの空洞の体積と第二の中空管状セグメントの空洞の体積との間の比は、約0.7以下であることが好ましい。さらにより好ましくは、第一の中空管状セグメントの空洞の体積と第二の中空管状セグメントの空洞の体積との間の比は、約0.5以下であることが好ましい。
【0319】
一部の実施形態では、エアロゾル発生物品は、上述のように、中空管状セグメントを含むエアロゾル冷却要素の下流の位置などに追加の冷却要素をさらに備えてもよく、追加のエアロゾル冷却要素は、熱交換のために高い表面積を利用可能にするなど、複数の長手方向に延在するチャネルを画定する。言い換えれば、一つのこうした追加の冷却要素は、実質的に熱交換器として機能するように適合される。複数の長手方向に延びるチャネルは、チャネルを形成するためにひだ付け、集合、または折り畳みの加工がなされているシート材料によって画定され得る。複数の長手方向に延びるチャネルは、複数のチャネルを形成するために、ひだ付け、集合、または折り畳みの加工がなされている単一のシートによって画定され得る。シートはまた、ひだ付け、集合、または折り畳みされる前に捲縮されてもよい。別の方法として、複数の長手方向に延びるチャネルは、複数のチャネルを形成するために捲縮、ひだ付け、集合、または折り畳みの加工がなされている複数のシートによって画定され得る。一部の実施形態では、複数の長手方向に延在するチャネルは、捲縮、ひだ付け、集合、または折り畳みされた複数のシートによって画定されてもよく、すなわち、オーバーレイ配置にもたらされ、その後、一つのものとして捲縮、ひだ付け、集合、または折り畳みされた二つ以上のシートによって画定されてもよい。本明細書で使用される「シート」という用語は、その厚さよりも実質的に大きい幅および長さを有する薄層状の要素を意味する。
【0320】
本明細書で使用される「長手方向」という用語は、ロッドの円柱軸に沿って、またはそれと平行に延びる方向を指す。本明細書で使用される「捲縮」という用語は、複数の実質的に平行な隆起または波型を有するシートを意味する。エアロゾル発生物品が組み立てられた時、実質的に平行な隆起または波型は、ロッドに対して長手方向に延びることが好ましい。本明細書で使用される「集合」、「ひだ付け」、または「折り畳み」という用語は、材料のシートがロッドの円柱軸に対して実質的に横断方向に渦巻き状にされるか、折り畳まれるか、または別の方法で圧縮もしくは収縮されていることを意味する。シートは集合、ひだ付け、または折り畳みされる前に捲縮されてもよい。シートは事前の捲縮なしに、集合され、ひだ付けされ、または折り畳まれてもよい。
【0321】
一つのこうした追加の冷却要素は、長さ1ミリメートル当たり約300平方ミリメートル~長さ1ミリメートル当たり約1000平方ミリメートルの総表面積を有し得る。
【0322】
追加の冷却要素は、追加の冷却要素を通した空気の通過に対して低引き出し抵抗を提供することが好ましい。追加の冷却要素はエアロゾル発生物品の引き出し抵抗に実質的に影響を及ぼさないことが好ましい。これを達成するには、長手方向の空隙率は50パーセントを超えること、および追加の冷却要素を貫く気流経路は比較的制約されていないことが好ましい。追加の冷却要素の長手方向の空隙率は、追加の冷却要素を含む部分の位置での、追加の冷却要素を形成する材料の断面積とエアロゾル発生物品の内部断面積の比によって定義され得る。
【0323】
追加の冷却要素は、好ましくは、金属箔、高分子シート、および実質的に無孔の紙または厚紙を含む群から選択されるシート材料を含む。一部の実施形態では、エアロゾル冷却要素は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリ乳酸(PLA)、酢酸セルロース(CA)およびアルミ箔からなる群から選択されるシート材料を含んでもよい。特に好ましい実施形態では、追加の冷却要素は、PLAのシートを含む。
【0324】
他の実施形態では、エアロゾル冷却要素は、代替的に、複数の長手方向に延在するチャネルを含む、こうした冷却要素の一つの形態で提供されてもよい。
【0325】
好ましい実施形態では、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドの上流の位置に上流セクションをさらに備える。上流セクションは、一つ以上の上流要素を備え得る。特に、上流セクションは、エアロゾル発生基体のロッドのすぐ上流に配置された上流要素を備え得る。
【0326】
上流要素は、有利には、エアロゾル発生基体の上流端部との直接的な物理的接触を防止する。特に、エアロゾル発生基体がサセプタ要素を備える場合、上流要素は、サセプタ要素の上流端部との直接的な物理的接触を防止し得る。これは、エアロゾル発生物品の取り扱いまたは輸送中のサセプタ要素の変位または変形を防止するのに役立つ。これは、次に、サセプタ要素の形態および位置を固定するのに役立つ。さらに、上流要素の存在は、例えば、基体が粒子状植物材料を含有する場合に有利であり得る、基体のいかなる損失をも防止するのに役立つ。
【0327】
上流要素はまた、エアロゾル発生物品の上流端部に改善された外観を提供し得る。さらに、所望される場合、上流要素は、エアロゾル発生物品に関する情報、例えば、その物品が使用されることが意図されるエアロゾル発生装置のブランド、風味、含量、または詳細に関する情報を提供するために使用され得る。
【0328】
上流要素は、多孔性のプラグ要素であり得る。多孔性のプラグ要素は、エアロゾル発生物品の引き出し抵抗を変化させないことが好ましい。上流要素は、エアロゾル発生物品の長手方向に少なくとも約50パーセントの空隙率を有することが好ましい。より好ましくは、上流要素は、長手方向に約50パーセント~約90パーセントの空隙率を有する。上流要素の長手方向の空隙率は、上流要素の位置での、上流要素を形成する材料の断面積と、エアロゾル発生物品の内部断面積との比によって定義される。
【0329】
上流要素は、多孔性材料で作製されてもよく、または複数の開口部を備え得る。これは、例えばレーザー穿孔により達成され得る。複数の開口部は、上流要素の断面全体にわたり均質に分布することが好ましい。
【0330】
上流要素の空隙率または浸透性は、エアロゾル発生物品の望ましい全体的な引き出し抵抗を提供するために、有利に変化し得る。
【0331】
上流要素のRTDは、少なくとも約5ミリメートルH2Oであることが好ましい。より好ましくは、上流要素のRTDは、少なくとも約10ミリメートルH2Oである。さらにより好ましくは、上流要素のRTDは、少なくとも約15ミリメートルH2Oである。特に好ましい実施形態では、上流要素のRTDは、少なくとも約20ミリメートルH2Oである。
【0332】
上流要素のRTDは、約80ミリメートルH2O以下である。より好ましくは、上流要素のRTDは、約60ミリメートルH2O以下である。さらにより好ましくは、上流要素のRTDは、約40ミリメートルH2O以下である。
【0333】
一部の実施形態では、上流要素のRTDは、約5ミリメートルH2O~約80ミリメートルH2O、好ましくは約10ミリメートルH2O~約80ミリメートルH2O、より好ましくは約15ミリメートルH2O~約80ミリメートルH2O、さらにより好ましくは約20ミリメートルH2O~約80ミリメートルH2Oである。他の実施形態では、上流要素のRTDは、約5ミリメートルH2O~約60ミリメートルH2O、好ましくは約10ミリメートルH2O~約60ミリメートルH2O、より好ましくは約15ミリメートルH2O~約60ミリメートルH2O、さらにより好ましくは約20ミリメートルH2O~約60ミリメートルH2Oである。さらなる実施形態では、上流要素のRTDは、約5ミリメートルH2O~約40ミリメートルH2O、好ましくは約10ミリメートルH2O~約40ミリメートルH2O、より好ましくは約15ミリメートルH2O~約40ミリメートルH2O、さらにより好ましくは約20ミリメートルH2O~約40ミリメートルH2Oである。
【0334】
代替的な実施形態では、上流要素は、空気に対して不透過性である材料から形成されてもよい。こうした実施形態では、エアロゾル発生物品は、ラッパー内に提供される好適な通気手段を介して、空気がエアロゾル発生基体のロッド内に流れるように構成され得る。
【0335】
上流要素は、エアロゾル発生物品での使用に好適な任意の材料で作製されてもよい。上流要素は、例えば、マウスピース、冷却要素、または支持要素などのエアロゾル発生物品のその他の構成要素のうちの一つに使用されるものと同じ材料で作製されてもよい。上流要素の好適な材料には、フィルタ材料、セラミック、高分子材料、酢酸セルロース、厚紙、ゼオライト、またはエアロゾル発生基体が含まれる。上流要素は、酢酸セルロースのプラグから形成されることが好ましい。
【0336】
上流要素は、耐熱性材料で形成されることが好ましい。例えば、上流要素は、最大摂氏350度の温度に耐える材料から形成されることが好ましい。これにより、上流要素が、エアロゾル発生基体を加熱するための加熱手段によって悪影響を受けないことを確実にする。
【0337】
上流要素は、エアロゾル発生物品の直径とほぼ等しい直径を有することが好ましい。
【0338】
上流要素は、約1ミリメートル~約10ミリメートルの長さを有することが好ましく、約3ミリメートル~約8ミリメートルであることがより好ましく、約4ミリメートル~約6ミリメートルであることがより好ましい。特に好ましい実施形態では、上流要素は、約5ミリメートルの長さを有する。上流要素の長さは、エアロゾル発生物品の所望の全長を提供するために有利に変化し得る。例えば、エアロゾル発生物品の他の構成要素のうちの一つの長さを減少させることが望ましい場合、上流要素の長さは、物品の同じ全長を維持するために増加され得る。
【0339】
上流要素は、実質的に均質な構造を有することが好ましい。例えば、上流要素は、質感および外観が実質的に均質であり得る。上流要素は、例えば、その断面全体の上に連続的な規則的な表面を有してもよい。上流要素は、例えば、認識可能な対称性を有しない場合がある。
【0340】
上流要素は、ラッパーによって囲まれていることが好ましい。上流要素を囲むラッパーは、硬いプラグラップ、例えば、少なくとも約80グラム/平方メートル(gsm)、または少なくとも約100gsm、または少なくとも約110gsmの坪量を有するプラグラップ)であることが好ましい。これにより、上流要素に構造的剛性が提供される。
【0341】
本発明の特定の好ましい実施形態では、上述のように、エアロゾル発生物品の要素は、エアロゾル発生物品の質量中心が、下流端部からエアロゾル発生物品の長さに沿って少なくとも約60パーセントに位置するように配置される。より好ましくは、エアロゾル発生物品の要素は、エアロゾル発生物品の質量の中心が、下流端部からエアロゾル発生物品の長さに沿って少なくとも約62パーセント、より好ましくは、下流端部からエアロゾル発生物品の長さに沿って少なくとも約65パーセントになるように配置される。
【0342】
質量の中心は、好ましくは、下流端部からのエアロゾル発生物品の長さに沿って約70パーセント以下になる。
【0343】
下流端部よりも上流端部に近い質量の中心を与える要素の配置を提供することにより、重い上流端部を有する重量不均衡を有するエアロゾル発生物品が生じる。この重量不均衡は、消費者に触覚フィードバックを有利に提供して、消費者が上流端部と下流端部を区別できるようにし、正しい端部をエアロゾル発生装置に挿入することができるようにし得る。これは、エアロゾル発生物品の上流端部および下流端部が視覚的に互いに類似しているように上流要素が提供される場合に特に有益であり得る。
【0344】
本発明によるエアロゾル発生物品の実施形態では、エアロゾル冷却要素および支持要素の両方が存在し、これらは、好ましくは、組み合わせられたラッパーで一緒に包まれる。組み合わせられたラッパーは、エアロゾル冷却要素および支持要素を囲むが、マウスピース要素などのさらなる下流を囲まない。
【0345】
これらの実施形態では、エアロゾル冷却要素および支持要素は、組み合わされたラッパーによって囲まれる前に組み合わされ、その後、マウスピースセグメントとさらに組み合わされる。
【0346】
製造の観点からは、これは、より短いエアロゾル発生物品を組み立てることを可能にするという点で有利である。
【0347】
一般的に、直径よりも長さが小さい個々の要素を扱うことは難しい場合がある。例えば、直径7ミリメートルの要素については、約7ミリメートルの長さは、変わらないことが望ましい閾値を表す。しかしながら、10ミリメートルのエアロゾル冷却要素を、各側面上の7ミリメートルの支持要素の対(および潜在的には、エアロゾル発生基体のロッドなどのような他の要素と)と組み合わせて、24ミリメートルの中空セグメントを提供し、その後、12ミリメートルの二つの中間中空セクションへと切断することができる。
【0348】
特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生物品のその他の構成要素は、それら自身のラッパーによって個別に囲まれている。言い換えれば、上流要素、エアロゾル発生基体のロッド、支持要素、およびエアロゾル冷却要素は、すべて個別に包まれる。支持要素およびエアロゾル冷却要素が組み合わされて、中間中空セクションが形成される。これは、支持要素およびエアロゾル冷却要素を、組み合わせたラッパーで包むことによって達成される。上流要素、エアロゾル発生基体のロッド、および中間中空セクションは、次いで外側ラッパーと一緒に組み合わされる。その後、それらは、チッピングペーパーを使用して、独自のラッパーを備えたマウスピース要素と組み合わされる。
【0349】
好ましくは、エアロゾル発生物品の構成要素のうちの少なくとも一つは、疎水性ラッパーで包まれる。
【0350】
「疎水性」という用語は撥水特性を呈する表面を指す。これを決定するための一つの有用なやり方は、水接触角を測定することである。「水接触角」は、従来的に液体を通して測定された角度であり、液体/蒸気界面が固体表面と交わる所である。これは液体による固体表面の湿潤性を、ヤングの式を介して定量化する。疎水性または水接触角は、TAPPI T558試験方法を利用することによって決定されてもよく、また結果は界面接触角として表されて「度」で報告され、ほぼゼロからほぼ180度の範囲にわたることができる。
【0351】
好ましい実施形態では、疎水性ラッパーは、約30度以上、好ましくは約35度以上、または約40度以上、または約45度以上の水接触角を有する紙層を含む。
【0352】
例として、紙層は、PVOH(ポリビニルアルコール)またはシリコンを含んでもよい。PVOHは、表面コーティングとして紙層に施されてもよく、または紙層は、PVOHまたはシリコンを含む表面処理を含み得る。
【0353】
特に好ましい実施形態では、本発明によるエアロゾル発生物品は、線形の連続配置で、上流要素と、上流要素のすぐ下流に位置するエアロゾル発生基体のロッドと、エアロゾル発生基体のロッドのすぐ下流に位置する支持要素と、支持要素のすぐ下流に位置するエアロゾル冷却要素と、エアロゾル冷却要素のすぐ下流に位置するマウスピース要素と、上流要素、支持要素、エアロゾル冷却要素、およびマウスピース要素を囲む、外側ラッパーと、を備える。
【0354】
より詳細には、エアロゾル発生基体のロッドは、上流要素に当接してもよい。支持要素は、エアロゾル発生基体のロッドに当接してもよい。エアロゾル冷却要素は、支持要素に当接してもよい。マウスピース要素は、エアロゾル冷却要素に当接してもよい。
【0355】
エアロゾル発生物品は、実質的に円筒形の形状、および約7.25ミリメートルの外径を有する。
【0356】
上流要素は、約5ミリメートルの長さを有し、エアロゾル発生物品のロッドは、約12ミリメートルの長さを有し、支持要素は、約8ミリメートルの長さを有し、マウスピース要素は、約12ミリメートルの長さを有する。したがって、エアロゾル発生物品の全長は、約45ミリメートルである。
【0357】
上流要素は、硬いプラグラップで包まれた酢酸セルロースのプラグの形態である。
【0358】
エアロゾル発生物品は、実質的にエアロゾル発生基体のロッド内に長手方向に配置され、かつエアロゾル発生基体と熱的に接触する、細長いサセプタを備える。サセプタは、ストリップまたはブレードの形態であり、エアロゾル発生基体のロッドの長さと実質的に等しい長さ、および約60マイクロメートルの厚さを有する。
【0359】
支持要素は、中空の酢酸セルロース管の形態であり、約1.9ミリメートルの内径を有する。したがって、支持要素の周辺壁の厚さは、約2.675ミリメートルである。
【0360】
エアロゾル冷却要素は、より微細な中空の酢酸セルロース管の形態であり、約3.25ミリメートルの内径を有する。したがって、エアロゾル冷却要素の周辺壁の厚さは、約2ミリメートルである。
【0361】
マウスピースは、低密度の酢酸セルロースフィルタセグメントの形態である。
【0362】
エアロゾル発生基体のロッドは、均質化タバコ、ゲル製剤、またはタバコ以外の植物の粒子を含む均質化した植物材料などの、上述のエアロゾル発生基体のタイプのうちの少なくとも一つを含む。
以下において、添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0363】
図1図1は、本発明によるエアロゾル発生物品の概略側面断面図を示す。
図2図2は、本発明によるエアロゾル発生物品の概略側面断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0364】
以下において、本発明は、本発明によるエアロゾル発生物品の概略側面断面図を示す、添付の図1の図面を参照してさらに説明される。
【0365】
図1に示すエアロゾル発生物品10は、エアロゾル発生基体12のロッド12と、エアロゾル発生基体のロッド12の下流の位置にある下流セクション14と、を備える。さらに、エアロゾル発生物品10は、エアロゾル発生基体のロッド12の上流の位置に上流セクション16を備える。したがって、エアロゾル発生物品10は、上流または遠位端部18から下流または口側端部20まで延在し得る。
【0366】
エアロゾル発生物品は、45ミリメートルの全長を有する。
【0367】
下流セクション14は、エアロゾル発生基体のロッド12のすぐ下流に位置する支持要素22を備え、支持要素22は、ロッド12と長手方向に整列している。図1の実施形態では、支持要素18の上流端部は、エアロゾル発生基体のロッド12の下流端部に当接している。さらに、下流セクション14は、支持要素22のすぐ下流に位置するエアロゾル冷却要素24を備え、エアロゾル冷却要素24は、ロッド12および支持要素22と長手方向に整列している。図1の実施形態では、エアロゾル冷却要素24の上流端部は、支持要素22の下流端部に当接する。
【0368】
以下の説明から明らかになるように、支持要素22およびエアロゾル冷却要素24は、エアロゾル発生物品10の中間中空セクション50を一緒に画定する。全体として、中間中空セクション50は、エアロゾル発生物品の全体的なRTDに実質的に寄与しない。全体としての中間中空セクション26のRTDは、実質的に0ミリメートルH2Oである。
【0369】
支持要素22は、第一の中空管状セグメント26を含んでもよい。第一の中空管状セグメント26は、酢酸セルロースから作製された中空円筒管の形態で提供される。第一の中空管状セグメント26は、第一の中空管状セグメントの上流端部30から第一の中空管状セグメント20の下流端部32まで全面的に延在している、内部空洞28を画定する。内部空洞28は、実質的に空であり、したがって、実質的に制限のない気流が内部空洞28に沿って可能になる。第一の中空管状セグメント26、および結果として、支持要素22は、エアロゾル発生物品10の全体的なRTDに実質的に寄与しない。より詳細には、第一の中空管状セグメント26のRTD(実質的に支持要素22のRTDである)は、実質的に0ミリメートルH2Oである。
【0370】
第一の中空管状セグメント26は、約8ミリメートルの長さ、約7.25ミリメートルの外径、および約1.9ミリメートルの内径(DFTS)を有する。したがって、第一の中空管状セグメント26の周辺壁の厚さは、約2.67ミリメートルである。
【0371】
エアロゾル冷却要素24は、第二の中空管状セグメント34を備える。第二の中空管状セグメント34は、酢酸セルロースから作製された中空円筒管の形態で提供される。第二の中空管状セグメント34は、第二の中空管状セグメント34の上流端部38から第二の中空管状セグメント34の下流端部40まで全面的に延在している、内部空洞36を画定する。内部空洞36は、実質的に空であり、したがって、実質的に制限のない気流が内部空洞36に沿って可能になる。第二の中空管状セグメント28、および結果として、エアロゾル冷却要素24は、エアロゾル発生物品10の全体的なRTDに実質的に寄与しない。より詳細には、第二の中空管状セグメント34のRTD(本質的にエアロゾル冷却要素24のRTDである)は、実質的に0ミリメートルH2Oである。
【0372】
第二の中空管状セグメント34は、約8ミリメートルの長さ、約7.25ミリメートルの外径、および約3.25ミリメートルの内径(DSTS)を有する。したがって、第二の中空管状セグメント34の周辺壁の厚さは、約2ミリメートルである。したがって、第一の中空管状セグメント26の内径(DFTS)と第二の中空管状セグメント34の内径(DSTS)との間の比は、約0.75である。
【0373】
エアロゾル発生物品10は、第二の中空管状セグメント34に沿った場所に提供された通気ゾーン60を備える。より詳細には、通気ゾーンは、第二の中空管状セグメント34の上流端部から約2ミリメートルで提供される。エアロゾル発生物品10の通気レベルは、約25パーセントである。
【0374】
図1の実施形態では、下流セクション14は、中間中空セクション50の下流の位置にマウスピース要素42をさらに備える。より詳細には、マウスピース要素42は、エアロゾル冷却要素24のすぐ下流に位置付けられる。図1の図面に示されるように、マウスピース要素42の上流端部は、エアロゾル冷却要素18の下流端部40に当接する。
【0375】
マウスピース要素42は、低密度酢酸セルロースの円筒形プラグの形態で提供されている。
【0376】
マウスピース要素42は、約12ミリメートルの長さ、および約7.25ミリメートルの外径を有する。マウスピース要素42のRTDは、約12ミリメートルH2Oである。
【0377】
ロッド12は、上述のタイプのうちの一つのエアロゾル発生基体を含む。
【0378】
エアロゾル発生基体のロッド12は、約7.25ミリメートルの外径、および約12ミリメートルの長さを有する。
【0379】
エアロゾル発生物品10は、エアロゾル発生基体のロッド12内に細長いサセプタ44をさらに備える。より詳細には、サセプタ44は、ロッド12の長手方向に対してほぼ平行になるように、エアロゾル発生基体内に実質的に長手方向に配置される。図1の図面に示されるように、サセプタ44は、ロッド内の半径方向で中央の位置に位置付けられており、ロッド12の長手方向軸に沿って効果的に延在している。
【0380】
サセプタ44は、ロッド12の上流端部から下流端部まで全面的に延在している。実質的に、サセプタ44は、エアロゾル発生基体のロッド12と実質的に同じ長さを有する。
【0381】
図1の実施形態では、サセプタ44は、ストリップの形態で提供されており、約12ミリメートルの長さ、約60マイクロメートルの厚さ、および約4ミリメートルの幅を有する。上流セクション16は、エアロゾル発生基体のロッド12のすぐ上流に位置する上流要素46を備え、上流要素46は、ロッド12と長手方向に整列している。図1の実施形態では、上流要素46の下流端部は、エアロゾル発生基体のロッド12の上流端部に当接する。これにより、有利なことに、サセプタ44が外れることを防止する。さらに、これにより、消費者が使用後に加熱サセプタ44に偶発的に接触し得ないようにすることができる。
【0382】
上流要素46は、硬質ラッパーによって囲まれた酢酸セルロースの円筒形プラグの形態で提供される。上流要素46は、約5ミリメートルの長さを有する。上流要素46のRTDは、約30ミリメートルH2Oである。
【0383】
図2のエアロゾル発生物品110は、図1のエアロゾル発生物品10と実質的に同一の構造を有し、エアロゾル発生物品10とそれが異なる限りにおいて以下で説明する。
【0384】
図2に示される通り、エアロゾル発生物品110は、エアロゾル発生基体12のロッド12と、エアロゾル発生基体のロッド12の下流の位置にある修正下流セクション114と、を備える。さらに、エアロゾル発生物品10は、エアロゾル発生基体のロッド12の上流の位置に上流セクション16を備える。
【0385】
エアロゾル発生物品10の下流セクション14と同様に、エアロゾル発生物品110の修正下流セクション114は、エアロゾル発生基体のロッド12のすぐ下流に位置する支持要素22を備え、支持要素22はロッド12と長手方向に整列し、支持要素22の上流端部は、エアロゾル発生基体のロッド12の下流端部に当接する。
【0386】
さらに、下流セクション114は、支持要素22のすぐ下流に位置するエアロゾル冷却要素124を備え、エアロゾル冷却要素124は、ロッド12および支持要素22と長手方向に整列している。より詳細には、エアロゾル冷却要素124の上流端部は、支持要素22の下流端部に当接する。
【0387】
エアロゾル発生物品10の下流セクション14とは対照的に、修正下流セクション114のエアロゾル冷却要素124は、ロッドを通る空気の通過に対して低いまたは実質的にヌルの抵抗を提供する複数の長手方向に延在するチャネルを備える。より詳細には、エアロゾル冷却要素124は、好ましくは、金属箔、高分子シート、および実質的に無孔の紙または厚紙を含む群から選択される無孔のシート材料から形成される。特に、図2に図示した実施形態では、エアロゾル冷却要素124は、ポリ乳酸(PLA)の捲縮したシートおよびシートの集合体の形態で提供される。エアロゾル冷却要素124は、約8ミリメートルの長さ、および約7.25ミリメートルの外径を有する。
図1
図2
【国際調査報告】