(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-17
(54)【発明の名称】超音波撮像システムを使用する流体流れの検出
(51)【国際特許分類】
A61B 8/06 20060101AFI20230410BHJP
【FI】
A61B8/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022551685
(86)(22)【出願日】2021-02-16
(85)【翻訳文提出日】2022-10-21
(86)【国際出願番号】 US2021018257
(87)【国際公開番号】W WO2021173386
(87)【国際公開日】2021-09-02
(32)【優先日】2020-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519019791
【氏名又は名称】フジフイルム ソノサイト インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ダフ トーマス エム
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601DD03
4C601DE03
4C601GB03
4C601HH13
4C601HH21
4C601HH25
4C601JB02
4C601LL25
4C601LL26
(57)【要約】
一実施形態では、方法を提供する。本方法は、ターゲット区域に流体流れがあるか否かを決定するために第1の組の超音波を送信する段階を含む。第1の組の超音波は、第1のパルス繰り返し周波数で送信される。本方法はまた、第2の区域に流体流れがあるか否かを第1の組の超音波に基づいて決定する段階を含む。第2の区域は、ターゲット区域と超音波プローブの間である。本方法は、ターゲット区域と超音波プローブの間の第2の区域に流体流れがあると決定することに応答してターゲット区域での流体流れを検出するために第2の組の超音波を送信する段階を更に含む。第2の組の超音波は、ターゲット区域に向けられる。第2の組の超音波は、第2のパルス繰り返し周波数で送信される。
【選択図】
図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲット区域に流体流れがあるか否かを決定するために第1の組の超音波を送信する段階であって、
前記第1の組の超音波が、前記ターゲット区域に向けられ、かつ
前記第1の組の超音波が、第1のパルス繰り返し周波数で送信される、
前記送信する段階と、
前記第1の組の超音波に基づいて、前記ターゲット区域と超音波プローブの間である第2の区域に流体流れがあるか否かを決定する段階と、
前記ターゲット区域と前記超音波プローブの間の前記第2の区域に流体流れがあると決定することに応答して、該ターゲット区域での流体流れを検出するために第2の組の超音波を送信する段階であって、
前記第2の組の超音波が、前記ターゲット区域に向けられ、
前記第2の組の超音波が、第2のパルス繰り返し周波数で送信され、かつ
前記第1のパルス繰り返し周波数が、前記第2のパルス繰り返し周波数とは異なる、
前記送信する段階と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第2の区域に流体流れがあるか否かを決定する段階が、更に、1回目の前記第1の組の超音波の第1の組の反射に基づいており、
前記ターゲット区域に流体流れがあるか否かを決定する段階が、前記1回目の前記第1の組の超音波の第2の組の反射に基づいている、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ターゲット区域と前記超音波プローブの間の前記第2の区域に流体流れがないと決定することに応答して、前記第1の組の超音波に基づいて該ターゲット区域に流体流れがあるか否かを決定する段階と、
前記ターゲット区域に流体流れがあると決定することに応答して、該ターゲット区域内の該流体流れを示す該ターゲット区域の1又は2以上の画像を発生させる段階と、
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の組の超音波に基づいて、前記ターゲット区域と前記超音波プローブの間である第3の区域に流体流れがあるか否かを決定する段階と、
前記ターゲット区域と前記超音波プローブの間の前記第3の区域に流体流れがあると決定することに応答して、超音波を送信する段階を継続するか否かを決定する段階と、
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
超音波を送信する段階を継続しないと決定することに応答して、前記超音波プローブと前記ターゲット区域の間に追加の流体流れがあるという表示を提供する段階、
を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
超音波を送信する段階を継続すると決定することに応答して、該ターゲット区域での流体流れを検出するために前記ターゲット区域に向けられて第3のパルス繰り返し周波数で送信される第3の組の超音波を送信する段階と、
前記ターゲット区域と前記超音波プローブの間である第4の区域に流体流れがあるか否かを前記第3の組の超音波に基づいて決定する段階と、
を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記第4の区域は、前記第2の区域及び前記第3の区域とは異なることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記超音波プローブは、複数のビーム形成構成要素を備え、
前記複数のビーム形成構成要素のうちの第1のビーム形成構成要素が、前記ターゲット区域に流体移動があるか否かを決定するのに使用され、
前記複数のビーム形成構成要素のうちの第2のビーム形成構成要素が、前記第2の区域に流体移動があるか否かを決定するのに使用される、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記超音波プローブは、パルス波ドップラー超音波プローブを備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
超音波プローブであって、
超音波を送信するように構成されたプローブアレイアセンブリと、
前記プローブアレイアセンブリに結合された処理デバイスであって、
ターゲット区域に流体流れがあるか否かを決定するために、該ターゲット区域に向けられて第1のパルス繰り返し周波数で送信される第1の組の超音波を送信し、
前記ターゲット区域と超音波プローブの間である第2の区域に流体流れがあるか否かを前記第1の組の超音波に基づいて決定し、かつ
前記ターゲット区域と超音波プローブの間の前記第2の区域に流体流れがあると決定することに応答して、該ターゲット区域での流体流れを検出するために該ターゲット区域に向けられて第2のパルス繰り返し周波数で送信される第2の組の超音波であって、前記第1のパルス繰り返し周波数が該第2のパルス繰り返し周波数とは異なる前記第2の組の超音波を送信する、
ように構成される前記処理デバイスと、
を備えることを特徴とする超音波プローブ。
【請求項11】
前記第2の区域に流体流れがあるか否かを決定する段階が、更に、1回目の前記第1の組の超音波の第1の組の反射に基づいており、
前記ターゲット区域に流体流れがあるか否かを決定する段階が、前記1回目の前記第1の組の超音波の第2の組の反射に基づいている、
ことを特徴とする請求項10に記載の超音波プローブ。
【請求項12】
前記処理デバイスは、
前記ターゲット区域と超音波プローブの間の前記第2の区域に流体流れがないと決定することに応答して、該ターゲット区域に流体流れがあるか否かを前記第1の組の超音波に基づいて決定し、かつ
前記ターゲット区域に流体流れがあると決定することに応答して、該ターゲット区域内の該流体流れを示す該ターゲット区域の1又は2以上の画像を発生させる、
ように更に構成される、
ことを特徴とする請求項10に記載の超音波プローブ。
【請求項13】
前記処理デバイスは、
前記ターゲット区域と超音波プローブの間である第3の区域に流体流れがあるか否かを前記第2の組の超音波に基づいて決定し、かつ
前記ターゲット区域と超音波プローブの間の前記第3の区域に流体流れがあると決定することに応答して、超音波を送信する段階を継続するか否かを決定する、
ように更に構成される、
ことを特徴とする請求項10に記載の超音波プローブ。
【請求項14】
前記処理デバイスは、
超音波を送信する段階を継続しないと決定することに応答して、超音波プローブと前記ターゲット区域の間に追加の流体流れがあるという表示を提供する、
ように更に構成される、
ことを特徴とする請求項13に記載の超音波プローブ。
【請求項15】
前記処理デバイスは、
超音波を送信する段階を継続すると決定することに応答して、該ターゲット区域での流体流れを検出するために前記ターゲット区域に向けられて第3のパルス繰り返し周波数で送信される第3の組の超音波を送信し、かつ
前記ターゲット区域と超音波プローブの間である第4の区域に流体流れがあるか否かを前記第3の組の超音波に基づいて決定する、
ように更に構成される、
ことを特徴とする請求項13に記載の超音波プローブ。
【請求項16】
前記第4の区域は、前記第2の区域及び前記第3の区域とは異なることを特徴とする請求項15に記載の超音波プローブ。
【請求項17】
前記超音波プローブは、複数のビーム形成構成要素を更に備え、
前記複数のビーム形成構成要素のうちの第1のビーム形成構成要素が、前記ターゲット区域に流体移動があるか否かを決定するのに使用され、
前記複数のビーム形成構成要素のうちの第2のビーム形成構成要素が、前記第2の区域に流体移動があるか否かを決定するのに使用される、
ことを特徴とする請求項10に記載の超音波プローブ。
【請求項18】
前記超音波プローブは、パルス波ドップラー超音波プローブを備えることを特徴とする請求項10に記載の超音波プローブ。
【請求項19】
ターゲット区域に流体流れがあるか否かを決定するために第1の組の超音波を送信する段階であって、
前記第1の組の超音波が、前記ターゲット区域に向けられ、かつ
前記第1の組の超音波が、第1のパルス繰り返し周波数で送信される、
前記送信する段階と、
前記ターゲット区域と超音波プローブの間である第2の区域に流体流れがあるか否かを前記第1の組の超音波に基づいて決定する段階と、
前記ターゲット区域と前記超音波プローブの間の前記第2の区域に流体流れがあると決定することに応答して、該超音波プローブと該ターゲット区域の間に追加の流体流れがあるという表示を提供する段階と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項20】
前記第2の区域に流体流れがあるか否かを決定する段階が、更に、1回目の前記第1の組の超音波の第1の組の反射に基づいており、
前記ターゲット区域に流体流れがあるか否かを決定する段階が、前記1回目の前記第1の組の超音波の第2の組の反射に基づいている、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
この出願は、引用によって本明細書にその全体が組み込まれている2020年2月28日出願の米国非仮特許出願第16/805、442号の優先権の利益を主張するものである。
【0002】
本発明の開示の態様は、超音波撮像システムに関連し、より具体的には、超音波撮像システムを使用する流体流れの検出に関する。
【背景技術】
【0003】
音響又は超音波変換器のような変換器は、音響又は超音波プローブが超音波を送信及び受信して患者の内部組織の画像を発生させる医用撮像に使用される。超音波プローブは、ユーザ(例えば、医師、臨床医、技術者など)が患者の身体内のターゲット区域の画像を見ることを可能にすることができる。超音波プローブはまた、ユーザが患者の身体内の流体の移動を検出することを可能にすることができる。例えば、超音波プローブは、ユーザが患者の静脈、動脈、毛細血管などでの流体の移動を検出することを可能にすることができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態では、方法を提供する。本方法は、ターゲット区域に流体流れがあるか否かを決定するために第1の組の超音波を送信する段階を含む。第1の組の超音波は、ターゲット区域に向けられる。第1の組の超音波は、第1のパルス繰り返し周波数で送信される。本方法はまた、第2の区域に流体流れがあるか否かを第1の組の超音波に基づいて決定する段階を含む。第2の区域は、ターゲット区域と超音波プローブの間である。本方法は、ターゲット区域と超音波プローブの間の第2の区域に流体流れがあると決定することに応答してターゲット区域での流体流れを検出するために第2の組の超音波を送信する段階を更に含む。第2の組の超音波は、ターゲット区域に向けられる。第2の組の超音波は、第2のパルス繰り返し周波数で送信される。
【0005】
一実施形態では、超音波プローブを提供する。超音波プローブは、超音波を送信するように構成されたプローブアレイアセンブリを含む。超音波プローブはまた、プローブアレイアセンブリに結合された処理デバイスを含む。処理デバイスは、ターゲット区域に流体流れがあるか否かを決定するために第1の組の超音波を送信するように構成される。第1の組の超音波は、ターゲット区域に向けられる。第1の組の超音波は、第1のパルス繰り返し周波数で送信される。処理デバイスは、第2の区域に流体流れがあるか否かを第1の組の超音波に基づいて決定するように更に構成される。第2の区域は、ターゲット区域と超音波プローブの間である。ターゲット区域と超音波プローブの間の第2の区域に流体流れがあると決定することに応答して、処理デバイスは、ターゲット区域での流体流れを検出するために第2の組の超音波を送信するように更に構成される。第2の組の超音波は、ターゲット区域に向けられる。第2の組の超音波は、第2のパルス繰り返し周波数で送信される。
【0006】
一実施形態では、方法を提供する。本方法は、ターゲット区域に流体流れがあるか否かを決定するために第1の組の超音波を送信する段階を含む。第1の組の超音波は、ターゲット区域に向けられる。第1の組の超音波は、第1のパルス繰り返し周波数で送信される。本方法はまた、第2の区域に流体流れがあるか否かを第1の組の超音波に基づいて決定する段階を含む。第2の区域は、ターゲット区域と超音波プローブの間である。本方法は、ターゲット区域と超音波プローブの間の第2の区域に流体流れがあると決定することに応答して、超音波プローブとターゲット区域の間に追加の流体流れがあるという表示を提供する段階を更に含む。
【0007】
説明する実施形態及びその利点は、添付図面と併せて行う以下の説明を参照することによって最も良く理解することができる。これらの図面は、説明する実施形態の精神及び範囲から逸脱することなく当業者によって説明する実施形態に行うことができる形態及び詳細のいずれの変更も決して制限しない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】本発明の開示の一実施形態による例示的超音波撮像システムの等角投影図である。
【
図1B】本発明の開示の一実施形態による例示的超音波撮像システムの等角投影図である。
【
図2】本発明の開示の一実施形態による例示的超音波撮像システムの線図である。
【
図3】本発明の開示の一実施形態による超音波プローブによって送信された例示的超音波を示す線図である。
【
図4A】本発明の開示の一実施形態による超音波プローブによって送信された例示的超音波を示す線図である。
【
図4B】本発明の開示の一実施形態による超音波プローブによって送信された例示的超音波を示す線図である。
【
図5】本発明の開示の一実施形態による例示的超音波プローブを示す線図である。
【
図6】本発明の開示の一実施形態による流体流れを検出する方法の流れ図である。
【
図7】本発明の開示の一実施形態による流体流れを検出する方法の流れ図である。
【
図8】本発明の開示の一実施形態による本明細書に説明する作動のうちの1又は2以上を実行することができる例示的コンピューティングデバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明では、本発明のより完全な説明を提供するために多くの詳細を列挙する。しかし、これらの特定の詳細なしで本発明を実施することができることは、当業者には明らかであろう。別の事例では、本発明を不明瞭にしないために、公知の構造及びデバイスは、詳細ではなくブロック図形式に示している。
【0010】
上記で議論したように、超音波プローブにより、ユーザ(例えば、医師、臨床医、技術者など)は、患者の身体内のターゲット区域の画像を見ることができる。同じく、超音波プローブにより、ユーザは患者の身体内の流体の移動を検出することができる。例えば、超音波プローブにより、ユーザは患者のターゲット区域(例えば、静脈、動脈、毛細血管など)での流体の移動を検出することができる。しかし、流体の移動がある1又は2以上の他の区域(例えば、超音波プローブとターゲット区域の間の区域)が存在する場合に、超音波プローブは、ターゲット区域での流体の移動を正確に検出又は決定することができない可能性がある。
【0011】
本明細書で説明する実施、実施例、及び/又は実施形態により、超音波プローブ及び/又は超音波撮像システムは、他の区域で流体の移動があったとしても、ターゲット区域での流体の移動を正確に検出又は決定することができる。超音波プローブは、超音波のパルス繰り返し周波数を変更してターゲット区域での流体の移動を正確に検出又は決定することができる。同じく、超音波プローブは、超音波プローブがターゲット区域での流体の移動を正確に検出又は決定することができない場合に、表示(例えば、エラーメッセージ)を提供することができる。
【0012】
図1A及び1Bは、ターゲット区域での流体移動(例えば、流体及び/又は流体内粒子の移動)を検出するために本発明の技術を実施する代表的な超音波撮像システム100を示している。一実施形態では、超音波撮像システム100は、調節可能スタンドに取り外し可能に接続された撮像ユニットを含むカートベースのシステムである。撮像ユニットは、ターゲット(例えば、患者の身体)に超音波信号又はパルスを送信し、反射したエコー信号/パルスを受信し、受信した反射を処理することにより、ヒト又は動物の被検体を撮像するように構成される。
【0013】
一部の実施形態では、撮像ユニットは、第2のインタフェースに回転可能に接続された第1のインタフェースを含むので、2つのインタフェース間の相対的な角度又は向きを変えることができる。例えば、一部の実施形態では、第1及び第2のインタフェースは、ピン又はヒンジ継ぎ手を通して接続されるので、第1のインタフェースと第2のインタフェースは、継ぎ手に対応する軸線の周りに回転する。一部の実施形態では、超音波撮像システム100は、サポートされるモード間で2つのインタフェースの相対的な位置、角度、又は向きに応じて切り換わる。代替実施形態では、超音波撮像システム100は、サポートされるモード間で超音波撮像システム100の別の部品、又は超音波撮像システム100に関して定められた平面、又はその一部に対する一方のインタフェースの相対的な位置、角度、又は向きに応じて切り換わる。
【0014】
一部の実施形態では、超音波撮像システム100は、診断撮像モードと、医療従事者によって行われる1又は2以上の処置モードとをサポートする。診断検査中に、医療従事者及び/又はオペレータは、超音波撮像システム100を使用して患者の生理学的領域を受動的に観察することができる。例えば、超音波検査は、心臓撮像、腹部撮像、骨盤撮像、産科撮像、外傷に対する迅速簡易超音波検査法(FAST)検査などのうちの1又は2以上を含むことができる。
【0015】
それと比較して、処置中に、医療従事者及び/又はオペレータは、特定のタスク(例えば、神経ブロック)を達成するために患者の生理学的領域に対して医療処置を能動的に行いながら、超音波撮像システム100を使用して経過を撮像/追跡する。一般的に、処置は、患者の皮膚を穿刺する段階又は他に患者の身体の中にデバイスを挿入する段階を必要とする可能性がある。一部の例示的検査及び/又は処置は、麻酔学、血管学、心臓学、救急医学、様々な手術、婦人科/産科、耳鼻科、新生児科、眼科、呼吸器科、泌尿器科などでの適用を含むことができる。例えば、超音波に基づく処置は、外傷又は緊急処置(例えば、弾丸除去又は縫合)、麻酔処置(例えば、神経ブロックを行う)、PICCライン処置などを含むことができる。
【0016】
超音波撮像システム100は、様々な目的/シナリオに対応する異なるモードで作動するように構成される。一部の実施形態では、超音波撮像システム100は、それぞれ1又は2以上の診断検査及び1又は2以上の処置をサポートする診断モード及び処置モードで作動する。
【0017】
診断検査をサポートする時に、超音波撮像システム100は、患者の身体/組織のターゲットモニタにより、診断モードで作動する。例えば、撮像システムは、患者の身体の検査した部分に関する視覚的描写を提示するために、受信した反射を処理する。受信した反射を処理する時に、超音波撮像システム100は、受信したエコー信号の特性(例えば、それらの振幅、位相、電力、周波数シフトなど)を定量化し、検査領域での患者の身体の組織、骨、血液などを表す画像としてユーザに対して表示されるデータに変換する。
【0018】
処置をサポートする時に、超音波撮像システム100は、患者の身体/組織に対する医療デバイス/器具の場所をモニタすることにより、処置モードで作動する。例えば、一実施形態では、処置モードにおいて、超音波撮像システム100は、患者の身体の撮像区域に対する処置機器(例えば、針、ステント、カテーテル/チューブ、ロボットデバイスなど)及び/又は注入物質(例えば、造影剤、麻酔剤、内服薬など)の表現を表示する。同じく、一実施形態では、処置モードでは、超音波撮像システム100は、医療処置中に患者の身体内の医療器具の姿勢、場所、向きなどを追跡する。
【0019】
一部の実施形態では、超音波撮像システム100のスタンドは、複数の向き/姿勢、従って、異なる作動モード(例えば、診断撮像モード及び1又は2以上の処置モード)を容易にするように構成された調節可能ヒンジを含む。少なくとも1つの実施形態では、調節可能ヒンジは、撮像ユニット及び/又はドッキングトレイを支持する支柱の前に位置付けられる。一実施形態では、調節可能ヒンジは、更に、オペレータが加える力の方向、オペレータからの制御入力のような様々な因子に基づいて移動に対して異なるレベルの抵抗を提供するように構成される。一実施形態では、調節可能ヒンジは、ユーザ作動式レバー/ボタン、力又は移動の方向、又はその組合せのうちの1又は2以上に応じて異なるレベルの抵抗を提供するように構成されたクラッチ機構を含む。
【0020】
図1Aは、本発明の技術の実施形態によるストレージ構成にある代表的な超音波撮像システム100の等角投影図である。一部の実施形態では、超音波撮像システム100は、表示画面(閉じた状態に示す)を含む蓋112と、処理電子機器、電源、ファンなど(図示せず)を含む台座部分114とを有する従来のクラムシェル設計である。超音波撮像システム100は、以下で説明するように、傾き調節を有するスタンド150に取り付けられる。ストレージ構成の場合に、蓋112は、ヒンジ軸線の周りに回転させ、台座部分114に対して平行にかつその上に位置決めすることができる。2つの部分間の得られる角度は、実質的に0°とすることができる。ストレージ構成において、一実施形態では、超音波撮像システム100は、撮像システムの姿勢及び向きに基づいてその1又は2以上の部分又は機能又はその組合せをオフにする、起動解除する、修正するなどを行う。例えば、超音波撮像システム100は、1又は2以上のディスプレイ、信号発生器、入力キー/コントローラ、ソフトウエア処理などをオフにするか又は起動解除する。
【0021】
図1Bは、本発明の技術の実施形態による第1の作動構成にある超音波撮像システム100の等角投影図である。一部の実施形態では、撮像ユニットは、作動構成では、
図1Aの台座部分114に対して開かれた
図1Aの蓋112(例えば、表示画面、タッチスクリーンなどを含む)を含む。超音波撮像システム100は、オペレータが超音波信号又はパルスを患者の身体の中に向ける及び反射されたエコー信号/パルスを受信することができる
図1Aの1又は2以上のプローブ128に接続されている。例えば、診断検査中などに、受信した反射は、処理されて患者の身体及び/又は医療器具の検査した部分の視覚的描写を提示する。
【0022】
一部の実施形態では、撮像ユニット(例えば、蓋112、台座部分114など)は、
図1Aのスタンド150に取り付けられる。スタンド150は、台座162(例えば、車輪付き台座)からの上向きに延びる支柱164を含む。スタンド150は、支柱164の上部に接続されたドッキングトレイ168を更に含む。ドッキングトレイ168は、台座部分114に接続してそれを受け入れることなどにより、取り外し可能に撮像ユニットに接続する/それを受け入れる。一部の実施形態では、ドッキングトレイ168は、オペレータが超音波撮像システム100を移動する/置換するために及び/又はドッキングトレイ168及び/又は台座部分114を向ける/位置決めするために把持することができるハンドル170を含む。
【0023】
一部の実施形態では、調節可能ヒンジは、ドッキングトレイ168を支柱164に接続し、ドッキングトレイ168及び撮像ユニットの底部/ドッキング部分(例えば、台座部分114及び/又はその上のインタフェース)が水平面に対して回転することを可能にする。一実施形態では、調節可能ヒンジは、水平面に対して複数の角度でドッキングトレイ168を固定又は保持する。例えば、一実施形態では、調節可能ヒンジは、ドッキングトレイ168に対する運動/角度の範囲(例えば、水平面下方に0~90°)を制限する位置ストップを含むバレルタイプヒンジである。他の範囲も、ユーザ/設計仕様に基づいて選択することができる。例えば、一実施形態では、調節可能ヒンジは、ユーザが再位置決めすることができる1又は2以上の調節可能運動ストップを含む。同じく、一実施形態では、調節可能ヒンジは、指定/設計された可動範囲に対応する1又は2以上の運動ストップを含む。一実施形態では、ヒンジは、それを移動するのに必要な力を増大させるロッキングモードを有するので(例えば、クラッチが係合された時)、撮像システムは、重力によって向きを変えることはないが、望ましい場合に新しい向きに容易に移動することができる。一実施形態では、ヒンジは、ドッキングトレイ168の重量によって起動されるボタン又はレバーを含み、それによってロッキングモードを起動する。ボタン又はレバーは、ユーザがハンドル170を把持するか又は持ち上げた場合に又はクラッチ機構のユーザの操作に基づいて係合解除することができる。
【0024】
撮像システムの作動モードを変更するために、一実施形態では、2つのインタフェースを位置決めして2又は3以上の角度範囲の角度を生成する。例えば、一実施形態では、医療従事者は、水平面の周りに底部インタフェースを回転させて診断モードと処置モードの間で作動モードを変更する。使用中にシステムを安定に保つために、支柱は、撮像ユニット及び/又はドッキングトレイ168の重心の背後に(すなわち、撮像ユニットを操作する/それに面するユーザから離れて)位置付けられ、一方で調節可能ヒンジは、重心の下方かつ支柱164の前に位置付けられる。調節可能ヒンジを支柱164と同一直線上にかつそのすぐ上に有する場合と比べて、調節可能ヒンジの上述の場所は、移動中及び向き変更中の安定性を増大させる。
【0025】
一部の実施形態では、調節可能ヒンジは、ドッキングトレイ168及び撮像ユニットを移動するのに必要な抵抗/摩擦レベルを制御するように構成されたクラッチ機構を含む。例えば、クラッチ機構は、異なる移動方向(例えば、ドッキングトレイ168の向き変更)に対して複数の抵抗/摩擦レベルを提供するように構成することができる。クラッチ機構は、ユーザがドッキングトレイ168を上向きに傾ける(例えば、調節可能ヒンジの回転軸の周りに回転させる)時に第1の抵抗レベルを与え、ユーザがドッキングトレイ168を下向きに傾ける時に第2の抵抗レベルを提供する。同じく、例えば、一実施形態では、クラッチ機構は、ユーザ操作に従ってクラッチ機構を係合及び係合解除するように構成された制御機構(例えば、ハンドル、レバー、フットペダル、ボタンなど)に取り付けられる。一実施形態では、クラッチ機構は、そこに加わる力又はその位置のような制御機構に従って様々な量の抵抗/摩擦レベルを提供するように構成される。一部の実施形態の場合に、クラッチ機構は、制御機構の位置に基づいて巻きバネの締付けを軽減することができるラップバネクラッチを含む。更に、巻付け方向は、向き変更の異なる方向(例えば、ハンドル170での上方又は下方移動)又は対応する力の方向に応じて異なるレベルの抵抗を提供する。一部の実施形態の場合に、クラッチ機構は、制御機構に従って異なるレベルの力で互いに圧縮される1組のプレートを含む。
【0026】
図2は、開示する技術の実施形態に従って構成された超音波変換器アセンブリを有する超音波変換器プローブの一実施形態を示している。
図2を参照すると、超音波変換器プローブ128は、遠位端部分と近位端部分214の間を延びるエンクロージャ210を含む。一実施形態では、超音波変換器プローブ128のエンクロージャ210は、内側シェルを取り囲む透明カバーを有する。一実施形態では、内側シェルは、金属材料(例えば、ダイカストアルミニウムなど)から構成される。一実施形態では、透明カバーは、ダイカスト金属内側シェル上にオーバーモールドされた透明プラスチック(例えば、ポリスルホン)を含む。一実施形態では、外側カバーと内側シェルは、エンクロージャ210を形成し、かつプローブから熱を伝達するために協働する。
【0027】
エンクロージャ210は、エンクロージャ210の内部又はキャビティに配置されたシステム電子機器(例えば、1又は2以上のプロセッサ、集積回路、ASIC、FPGA、ビーム形成器、電池及び/又は他の電源)を担持する又は収容するように構成される。システム電子機器(図示せず)は、歪み軽減要素219によってプローブの近位端に取り付けられたケーブル218を通じて超音波撮像システム280に電気的に結合される。
【0028】
プローブ先端では、1又は2以上の変換器要素を有する変換器アセンブリ220が、システム電子機器に電気的に結合される。作動中に、変換器アセンブリ220は、1又は2以上の変換器要素から被検体に向けて超音波エネルギを送信し、被検体から超音波エコーを受信する。超音波エコーは、送受信回路によって電気信号に変換され、システム電子機器と、電気信号を処理して1又は2以上の超音波画像を形成するように構成された超音波撮像システム280内の電子機器(例えば、1又は2以上のプロセッサ、メモリモジュール、ビーム形成器、FPGAなど)とに電気的に送信される。
【0029】
例示的変換器アセンブリ(例えば、変換器アセンブリ220)を使用して被検体から超音波データを取り込む段階は、一般的に、超音波を生成する段階と、被検体に超音波を送信する段階と、被検体によって反射された超音波を受信する段階とを含む。広範囲の周波数の超音波を使用して超音波データを取り込むことができ、例えば、低周波数超音波(例えば、15MHz未満)及び/又は高周波数超音波(例えば、15MHzよりも高いか又はそれに等しい)などを使用することができる。当業者は、例えば、以下に限定するものではないが、撮像深度及び/又は望ましい分解能のような因子に基づいてどの周波数範囲を使用すべきかを容易に決定することができる。
【0030】
一実施形態では、超音波撮像システム280は、1又は2以上のプロセッサを有する超音波制御サブシステム281を含む。少なくとも1つのプロセッサは、プローブ128の変換器に電流を送って音波を放出させ、同じく、戻ってくるエコーから生成されたものであるプローブからの電気パルスを受信する。プロセッサは、受信した電気パルスに関連付けられた生データを処理して超音波撮像サブシステム282に送る画像を形成し、この画像をサブシステム281が表示画面283上に表示する。すなわち、表示画面283は、超音波制御サブシステム281のプロセッサによって処理された超音波データからの超音波画像を表示する。
【0031】
一実施形態では、超音波システムはまた、データを入力して超音波表示サブシステムのディスプレイから測定値を取ることを可能にする1又は2以上のユーザ入力デバイス(例えば、キーボード、カーソル制御デバイスなど)と、取得した画像を保存するためのディスクストレージデバイス(例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD))と、表示データから画像を印刷するプリンタとを有する(
図1A及び1Bに示すように)。これらも、本明細書に開示する技術を不明瞭にしないために
図2には示していない。
【0032】
一実施形態では、超音波プローブ128は、パルス波ドップラー超音波プローブとすることができる。パルス波ドップラー超音波プローブは、ターゲット区域325内の(例えば、ゲート、サンプル容積、サンプル区域などでの)流体移動を検出することができる超音波プローブとすることができる。例えば、パルス波ドップラー超音波プローブは、患者の皮下(例えば、身体組織のすぐ下又は身体組織内)のターゲット区域での血液のような流体及び/又は流体内の物質の移動を検出することができる場合がある。パルス波ドップラー超音波プローブは、ドップラー効果を使用してターゲット区域での流体の移動を検出することができる。例えば、パルス波ドップラー超音波プローブは、超音波の周波数の変化又は変動を検出することができる。超音波の周波数の変化及び/又は変動を使用してターゲット区域325に流体移動があるか否か(例えば、流体が動いているか否か)を決定することができる。パルス波ドップラー超音波プローブは、流体の移動方向、ターゲット区域内を移動する流体の量、及び/又は流体の移動方向/角度を検出することができる場合がある。
【0033】
図3は、本発明の開示の一実施形態による超音波プローブ128によって送信された例示的超音波315を示す線図である。一実施形態では、超音波プローブ128は、患者の皮膚305のすぐ下(例えば、身体組織のすぐ下又は身体組織内)のターゲット区域での血液のような流体及び/又は流体内の物質の移動を検出することができる場合がある。超音波プローブ128は、超音波の周波数の変化又は変動を検出することができる。超音波の周波数の変化及び/又は変動を使用してターゲット区域325に流体移動があるか否か(例えば、流体が動いているか否か)を決定することができる。超音波プローブ128は、流体の移動方向、ターゲット区域内を移動する流体の量、及び/又は流体の移動方向/角度を検出することができる場合がある。
【0034】
一実施形態では、超音波プローブ128は、超音波のパルスを使用してターゲット区域325に流体移動があるか否かを決定することができる。例えば、
図3に示すように、流体は、患者の皮膚305のすぐ下にあるチューブ335を通って移動している場合がある。このチューブは、血管、毛細血管、又は1つの区域から別の区域に流体が流れることを可能にする患者の身体内の何らかの他のタイプの構造とすることができる。超音波プローブ128は、患者の皮膚305の下に超音波315(例えば、超音波のパルス)を下向きに送信することができる。超音波315は、超音波のバースト、パルスなどと呼ばれる場合もある。超音波プローブ128はまた、超音波315の反射を受信することができる。撮像システム(上記で議論したように超音波プローブ128に結合することができる)は、受信した反射を処理してターゲット区域325の視覚的描写を発生させる、提供する、提示する、表示するなどを行うことができる。
【0035】
図4Aは、本発明の開示の一実施形態による超音波プローブ128によって送信された例示的超音波415を示す線図である。一実施形態では、超音波プローブ128は、パルス波ドップラー超音波プローブとすることができる。パルス波ドップラー超音波プローブは、ターゲット区域425内の(例えば、ゲート、サンプル容積、サンプル区域などでの)流体移動を検出することができる超音波プローブとすることができる。例えば、パルス波ドップラー超音波プローブ128は、ドップラー効果を使用してターゲット区域での流体の移動を検出することができる。超音波プローブ128は、流体の移動方向、ターゲット区域425を通って移動する流体の量、及び/又は流体の移動角度を検出することができる場合がある。一実施形態では、超音波プローブ128は、超音波のパルスを使用してターゲット区域425に流体移動があるか否かを決定することができる。例えば、
図4に示すように、流体は、患者の皮膚405の下にあるチューブ435(例えば、血管、毛細血管、動脈など)を通って移動している場合がある。超音波プローブ128は、患者の皮膚405の下に超音波415(例えば、超音波のパルス)を下向きに送信することができる。超音波プローブ128はまた、超音波415の反射を受信することができる。撮像システム(上記で議論したように超音波プローブ128に結合することができる)は、受信した反射を処理してターゲット区域425の視覚的描写(例えば、1又は2以上の画像、ビデオなど)を発生させる、提供する、提示する、表示するなどを行うことができる。
【0036】
図4Aに示すように、流体はまた、超音波プローブ128とチューブ435の間に位置付けられたチューブ455内を移動している場合がある。超音波プローブ128は、流体がターゲット区域425内で移動しているか否かを決定することができる場合はあるが、ターゲット区域425の上方の別の区域445内を流体が移動しているためにターゲット区域425内で流体が動いていると正確に決定することができない場合がある。例えば、区域445内での流体移動に起因してエラー及び/又はエイリアシングが発生する可能性がある。
【0037】
超音波プローブ128は、パルス繰り返し周波数(PRF)で超音波415を送信することができる。パルス繰り返し周波数は、超音波プローブ128がターゲット区域に向けて超音波を送信する周波数又は周期とすることができる。例えば、パルス繰り返し周波数は、50ヘルツ(例えば、1秒間に50回)、1キロヘルツ(例えば、1秒間に1000回)、又は何らかの他の適切な値とすることができる。同じく、パルス繰り返し周波数は、時間の観点で表す又は表現することができる。例えば、パルス繰り返し周波数は、10ミリ秒毎、200ミリ秒毎、又は他の何らかの適切な時間とすることができる。
【0038】
上記で議論したように、超音波プローブ128は、超音波415をターゲット区域425に向けて送信し、超音波415の反射を検出してターゲット区域425に移動があるか否かを決定することができる。ターゲット区域425の外側の区域(例えば、区域445)に流体移動がある場合に、これは、ターゲット区域425に流体移動があるか否かを超音波プローブが正確に決定することができないようにする可能性がある(例えば、エラー又はエイリアシングを引き起こす可能性がある)。
図4Aに示すように、ターゲット区域425は、皮膚405の下方の第1の距離にある。第1の距離をD1と呼ぶことができる。超音波が距離D1に到達するのに時間量T1を要する場合があり、超音波の反射が反射して超音波プローブ128に戻ってくるのに等しい時間量T1を要する可能性がある。
図4Aは、時刻T1での超音波の場所を示しているとすることができる。超音波が送信され、反射されて超音波プローブ128に戻るまでの総時間量は、2
*T1とすることができる。
図4Aに示すように、時刻T1では、ターゲット区域425及び区域445に超音波が存在する。超音波プローブ128が2
*T1でターゲット区域425からの超音波の反射を受信する時に、超音波プローブは、区域445からの超音波の反射も受信する可能性がある。区域445での流体移動は、区域445から反射される超音波の周波数の変化/変動を引き起こす可能性がある。区域445での流体移動も、ターゲット区域425から反射される超音波の周波数の変化/変動も引き起こす可能性がある。超音波の周波数に対して2組の変動/変化が存在するために、超音波プローブは、反射された超音波の周波数の変動/変化を使用してターゲット区域425での流体移動を正確に検出することができない可能性がある。例えば、超音波プローブ128がターゲット区域425での流体移動を検出しようとする時に、エラー及び/又はエイリアシングが発生する場合がある。
【0039】
図4Bは、本発明の開示の一実施形態による超音波プローブ128によって送信された例示的超音波416を示す線図である。一実施形態では、超音波プローブ128は、パルス波ドップラー超音波プローブとすることができる。超音波プローブ128は、流体の移動方向、ターゲット区域425を通って移動する流体の量、及び/又は流体の移動方向/角度を検出することができる場合がある。一実施形態では、超音波プローブ128は、超音波のパルスを使用してターゲット区域425に流体移動があるか否かを決定することができる。例えば、
図4に示すように、流体は、患者の皮膚405の下にあるチューブ435(例えば、血管、毛細血管、動脈など)を通って移動している場合がある。超音波プローブ128は、患者の皮膚405の下に超音波416(例えば、超音波のパルス)を下向きに送信することができる。超音波プローブ128はまた、超音波416の反射を受信することができる。撮像システム(上記で議論したように超音波プローブ128に結合することができる)は、受信した反射を処理してターゲット区域425の視覚的描写を発生させる、提供する、提示する、表示するなどを行うことができる。
【0040】
上記で議論したように、流体はまた、超音波プローブ128とチューブ435の間に位置付けられたチューブ455内を移動している場合がある。超音波プローブ128は、流体がターゲット区域425内で移動しているか否かを決定することができる可能性はあるが、ターゲット区域425の上方の別の区域445内を流体が移動しているために、ターゲット区域425内で流体が動いていると正確に決定することができない場合がある。
図4Aでは、超音波プローブ128は、第1のパルス繰り返し周波数で超音波415を送信していた。
図4Bに示すように、超音波プローブ128は、パルス繰り返し周波数を既に変更しており、第2のパルス繰り返し周波数で超音波416を送信している。例えば、超音波プローブ128は、パルス繰り返し周波数を既に増加させている。
【0041】
図4Bに示すように、ターゲット区域425は、皮膚405の下方の第1の距離D1にある。超音波が距離D1に到達するのに時間量T1を要する場合があり、超音波の反射が反射して超音波プローブ128に戻ってくるのに等しい時間量T1を要する場合がある。
図4Bは、時刻T1での超音波の場所を示しているとすることができる。超音波が送信され、反射されて超音波プローブ128に戻るまでの総時間量は、2
*T1とすることができる。
図4Bに示すように、時刻T1では、ターゲット区域425及び区域445に超音波が存在する。超音波プローブ128が2
*T1でターゲット区域425から超音波の反射を受信した時に、他の超音波は、流体移動のない場所/区域に位置付けられる。従って、他の超音波(例えば、時刻T1で対象区域425に位置付けられない超音波)の反射は、その周波数を変化又は変動させない場合がある。それにより、超音波プローブ128は、反射してターゲット区域425から戻ってくる超音波の周波数の変動/変化に基づいてターゲット区域425内の流体移動を正確に検出することができると考えられる。
【0042】
図5は、本発明の開示の一実施形態による超音波プローブ128を示す線図である。超音波プローブ128は、変換器アセンブリ220と、検出構成要素505と、ビーム形成構成要素506とを含む。検出構成要素505及びビーム形成構成要素506の各々は、ハードウエア(例えば、回路、処理デバイス、プロセッサ、処理コア、FPGA、ASICなど)、ソフトウエア(例えば、アプリケーション、サービスなど)、ファームウエア、又はその組合せとすることができる。
【0043】
一実施形態では、検出構成要素505は、ターゲット区域に向けて第1の組の超音波を送信し、ターゲット区域に流体流れがあるか否か(例えば、流体が動いているか又は流れているか否か)を決定することができる。第1の組の超音波は、第1のパルス繰り返し周波数で送信することができる。例えば、上記で議論したように、超音波のパルス、バーストなどは、固定の周期的時間間隔(例えば、ミリ秒毎、20ミリ秒毎、100ミリ秒毎、又は何らかの他の適切な周期)で送信することができる。一実施形態では、検出構成要素505は、第1の組の超音波に基づいて(例えば、第1の組の超音波のバースト/パルスに基づいて)第2の区域に流体流れがあるか否かを決定することができる。
【0044】
一実施形態では、検出構成要素505は、第1の組の超音波に基づいて第2の区域に流体流れがあるか否かを決定することができる。上記で議論したように、超音波の反射は、超音波変換器128で検出することができる(例えば、変換器アセンブリを使用して検出する)。検出構成要素505は、超音波の反射を使用してターゲット区域に流体流れがあるか否かを検出及び/又は決定することができる。第2の区域は、ターゲット区域と超音波プローブの間であるとすることができる。上記で議論したように、ターゲット区域以外の区域に流体移動がある場合に、検出構成要素505は、ターゲット区域での流体移動を正確に決定することができない可能性がある(例えば、エラー又はエイリアシングに起因して)。
【0045】
一実施形態では、検出構成要素505は、第2の区域に流体流れがないと決定した場合にターゲット区域に流体流れがあるか否かを決定することができる。例えば、検出構成要素505は、超音波の反射を解析してターゲット区域で流体がチューブ(例えば、動脈、静脈、毛細血管など)を流れているか否かを決定することができる。
【0046】
一実施形態では、検出構成要素505は、ターゲット区域に流体流れがあると決定した場合にターゲットの1又は2以上の画像(又はビデオ)を発生させることができる。例えば、検出構成要素505は、超音波データ(例えば、センサデータ、検出された物体及び/又は流体を表すデータ)をターゲット区域の1又は2以上の画像を発生させることができる撮像システムに送信することができる。別の例では、検出構成要素505は、1又は2以上の画像を発生させることができる(例えば、超音波データを別のシステム/構成要素に送信するのではなく、1又は2以上の画像を直接発生させる)。1又は2以上の画像は、ターゲット区域での流体の移動を示すことができる。例えば、1又は2以上の画像は、ターゲット区域内を流れる流体の方向を含むことができる。別の例では、1又は2以上の画像は、ターゲット区域内を流れる流体の量を示すことができる。更に別の例では、1又は2以上の画像は、ターゲット区域内を流れる流体の角度を示すことができる。
【0047】
一実施形態では、検出構成要素505は、第2の区域に流体流れがあると決定した場合に、第2の組の超音波(例えば、第2の組の超音波のバースト/パルス)をターゲット区域に向けて送信してターゲット区域内の流体流れを検出することができる。第2の組の超音波は、第2のパルス繰り返し周波数で送信することができる。第2のパルス繰り返し周波数は、第1のパルス繰り返し周波数とは異なる場合がある。例えば、第2のパルス繰り返し周波数は、第1のパルス繰り返し周波数よりも高いとすることができる。別の例では、第2のパルス繰り返し周波数は、第1のパルス繰り返し周波数よりも低いとすることができる。
【0048】
一実施形態では、検出構成要素505は、第2の組の超音波に基づいて第3の区域に流体流れがあるか否かを決定することができる。第3の区域は、ターゲット区域と超音波プローブの間であるとすることができる。同じく、第3の区域は、第2の区域とは異なる場合がある。例えば、第3の区域は、第2の区域とは異なる場所に位置付けられる場合がある。別の例では、第2の区域と第3の区域は重複しないとすることができる。
【0049】
一実施形態では、検出構成要素505が1組の超音波を送信し(特定のパルス繰り返し周波数で)、かつ検出構成要素505がターゲット区域の外側の区域に流体移動があると決定する度に、検出構成要素505は、超音波の送信を継続するか否かを決定することができる。例えば、流体移動が第2の区域又は第3の区域、すなわち、ターゲット区域以外の区域で検出された場合に、検出構成要素505は、超音波の組、超音波のバースト/パルスなどの送信を継続するか否かを決定することができる。
【0050】
一実施形態では、超音波撮像システム、超音波プローブ、検出構成要素505などは、異なるパルス繰り返し周波数で超音波をある一定の回数だけ再送信するように構成することができる。例えば、超音波撮像システム、超音波プローブ、検出構成要素505などは、ユーザ(例えば、臨床医、医師、技術者等)が指定した異なるパルス繰り返し周波数で超音波の送信を再試行するように構成することができる。超音波撮像システム、超音波プローブ、検出構成要素505などは、再試行の閾値数に達するまで異なるパルス繰り返し周波数で超音波(例えば、超音波の組、パルス、バーストなど)を再送信することができる。別の例では、超音波撮像システム、超音波プローブ、検出構成要素505などは、1組のパルス繰り返し周波数を有して構成することができる、超音波撮像システム、超音波プローブ、検出構成要素505などは、停止前にパルス繰り返し周波数の組の各パルス繰り返し周波数で超音波を再送信することができる。別の実施形態では、超音波撮像システム、超音波プローブ、検出構成要素505などは、それらが異なるパルス繰り返し周波数で超音波の再送信を継続すべきか否かを示すユーザからの入力(例えば、医師、臨床医、技術者などからのユーザ入力)を要求することができる。例えば、超音波撮像システム、超音波プローブ、検出構成要素505にユーザインタフェースを設けて、検出構成要素505が異なるパルス繰り返し周波数で超音波の送信を継続すべきか否かをユーザが示すことができるようにすることができる。
【0051】
一実施形態では、検出構成要素505が超音波の組(例えば、パルス、バーストなど)の送信を継続すべきではないと決定した場合に、検出構成要素505は、流体移動がターゲット区域以外の区域で検出されたという表示を提供することができる。例えば、検出構成要素505は、メッセージ(例えば、エラーメッセージ)をユーザインタフェース上に表示させることができる。メッセージは、超音波プローブ128とターゲット区域の間の別の区域に流体移動があるためにターゲット区域での流体移動が正確に検出されない可能性があることを示すことができる。
【0052】
一実施形態では、検出構成要素505は、超音波プローブ128とターゲット区域の間の別の区域に流体移動があると決定した場合に、超音波を再送信しないとすることができる。例えば、検出構成要素505は、メッセージ(例えば、エラーメッセージ)をユーザインタフェース上に表示させることができる。メッセージは、超音波プローブ128とターゲット区域の間の別の区域に流体移動があるためにターゲット区域での流体移動が正確に検出されない可能性があることを示すことができる。
【0053】
図5に示すように、超音波プローブ128はまた、複数のビーム形成構成要素506を含む。ビーム形成構成要素506は、変換器アセンブリ220が検出した超音波信号の反射を表すデータに対して重み付け及び総和を実行することができる。ビーム形成構成要素は、アレイ内の変換器要素の場所に起因する遅延の補正を可能にすることができる。一実施形態では、超音波プローブ128は複数のビーム形成構成要素506を含み、超音波プローブ128が複数の変換器要素で超音波又は超音波の反射を同時に受信して処理することを可能にする。例えば、第1のビーム形成構成要素506は、変換器アセンブリ220の右側/左側の変換器要素で超音波を受信する時の異なる遅延を補正するために総和及び重み付けを実行することができ、第2のビーム形成構成要素506は、変換器アセンブリ220の中心の変換器要素で超音波を受信する時の異なる遅延を補正するために総和及び重み付けを実行することができる。ビーム形成構成要素506は、検出構成要素505(例えば、超音波プローブ128)内に既に存在しているとすることができるので、検出構成要素505は、超音波プローブ128がビーム形成を実行していない時にビーム形成構成要素506を使用することができる。例えば、検出構成要素505は、ターゲット区域での流体移動を検出している時に、ビーム形成構成要素506の第1の組(1又は2以上のビーム形成構成要素506)を使用してターゲット区域に流体移動があるか否かを決定することができ、同時に、ビーム形成構成要素の他の組を使用して他の区域に流体移動があるか否かを決定することができる。
【0054】
図6は、本発明の開示の一実施形態によるターゲット区域での流体移動を検出する処理600の流れ図である。処理600は、ハードウエア(例えば、回路、専用論理部、プログラマブル論理部、プロセッサ、処理デバイス、中央演算処理装置(CPU)、システムオンチップ(SoC)など)、ソフトウエア(例えば、処理デバイス上で稼働/実行される命令)、ファームウエア(例えば、マイクロコード)、又はその組合せを含むことができる処理論理部によって実行することができる。一部の実施形態では、処理600は、検出構成要素、超音波プローブ、超音波撮像システム、及び/又はコンピューティングデバイスのうちの1又は2以上によって実行することができる。
【0055】
処理600は、ブロック605で始まり、ターゲット区域での流体移動を検出するためにターゲット区域に1組の超音波を送信する。超音波は、第1のパルス繰り返し周波数で送信することができる。ブロック610では、処理600は、ターゲット区域とは異なる別の区域に流体移動があるか否かを決定することができる。他の区域に流体移動がない場合に、処理600は、ブロック630で、流体移動がターゲット区域に検出されたか否かを決定することができる。流体移動がターゲット区域に検出された場合に、処理600は、ブロック635で、1組の画像を発生するか又は1組の画像を発生させることができる。上記で議論したように、画像の組は、ターゲット区域での流体移動を示すことができる。
【0056】
ターゲット区域とは異なる又はそれ以外の区域に流体移動がある場合に、処理600は、ブロック615で、超音波の送信を継続するか否かを決定することができる。例えば、処理600は、再送信の閾値数に達したか否かを決定することができる。別の例では、処理600は、1組の異なるパルス繰り返し周波数が試行されたか否かを決定することができる。処理600が超音波の送信を継続すべきである場合に、処理は、ブロック620で、異なるパルス繰り返し周波数で超音波の別の組を送信することができる。処理600が超音波の送信を継続すべきでない場合に、処理600は、ブロック625で、他の区域に流体移動がある及び/又は処理600がターゲット区域での流体移動を正確に検出することができないという表示を提供することができる。
【0057】
図7は、本発明の開示の一実施形態によるターゲット区域での流体移動を検出する処理700の流れ図である。処理700は、ハードウエア(例えば、回路、専用論理部、プログラマブル論理部、プロセッサ、処理デバイス、中央演算処理装置(CPU)、システムオンチップ(SoC)など)、ソフトウエア(例えば、処理デバイス上で稼働/実行される命令)、ファームウエア(例えば、マイクロコード)、又はその組合せを含むことができる処理論理部によって実行することができる。一部の実施形態では、処理700は、検出構成要素、超音波プローブ、超音波撮像システム、及び/又はコンピューティングデバイスのうちの1又は2以上によって実行することができる。
【0058】
処理700は、ブロック705で始まり、ターゲット区域での流体移動を検出するためにターゲット区域に1組の超音波を送信する。超音波は、第1のパルス繰り返し周波数で送信することができる。ブロック710では、処理700は、ターゲット区域とは異なる別の区域に流体移動があるか否かを決定することができる。ターゲット区域とは異なる区域に流体移動がある場合に、処理700は、ブロック725で、他の区域に流体移動がある及び/又は処理700がターゲット区域での流体移動を正確に検出することができないという表示を提供することができる。
【0059】
他の区域に流体移動がない場合に、処理700は、ブロック730で、流体移動がターゲット区域に検出されたか否かを決定することができる。流体移動がターゲット区域に検出された場合に、処理700は、ブロック735で、1組の画像を発生するか又は1組の画像を発生させることができる。上記で議論したように、画像の組は、ターゲット区域での流体移動を示すことができる。
【0060】
図8は、一部の実施形態により本明細書に説明する作動のうちの1又は2以上を実行することができる例示的コンピューティングデバイス800のブロック図である。コンピューティングデバイス800は、LAN、イントラネット、エクストラネット、及び/又はインターネット内で他のコンピューティングデバイスに接続することができる。このコンピューティングデバイスは、クライアント-サーバネットワーク環境でのサーバ機械の立場で又はピアツーピアネットワーク環境でのクライアントの立場で作動させることができる。コンピューティングデバイスは、パーソナルコンピュータ(PC)、サーバコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、又はその機械によって行われるアクションを指定する1組の命令(順次的又はその他)を実行することができるあらゆる機械によって提供することができる。更に、単一コンピューティングデバイスだけを示すが、用語「コンピューティングデバイス」は、本明細書に説明する方法を実行するために1組(又は複数の組)の命令を個別に又は共同で実行するコンピューティングデバイスのあらゆる集合も含むと見なすものとする。一部の実施形態では、コンピューティングデバイス800は、アクセスポイント及びパケット転送構成要素のうちの1又は2以上とすることができる。
【0061】
例示的コンピューティングデバイス800は、処理デバイス(例えば、汎用プロセッサ、PLDなど)802、主メモリ804(例えば、同期式動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)、読取専用メモリ(ROM))、静的メモリ806(例えば、フラッシュメモリ及びデータストレージデバイス818)を含むことができ、これらは、バス830を通して互いに通信することができる。
【0062】
処理デバイス802は、例えば、マイクロプロセッサ、中央演算処理装置のような1又は2以上の汎用処理デバイスによって提供することができる。例示的な実施例では、処理デバイス802は、複合命令セットコンピュータ(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピュータ(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、又は他の命令セットを実施するプロセッサ、又は命令セットの組合せを実施するプロセッサを含むことができる。処理デバイス802はまた、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサのような1又は2以上の専用処理デバイスを含むことができる。処理デバイス802は、本明細書に説明した作動及び段階を実行するために本発明の開示の1又は2以上の態様に従って本明細書に説明する作動を実行するように構成することができる。
【0063】
コンピューティングデバイス800は、ネットワーク820と通信可能なネットワークインタフェースデバイス808を更に含むことができる。コンピューティングデバイス800はまた、ビデオ表示ユニット810(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)又はブラウン管(CRT))、英数字入力デバイス812(例えば、キーボード)、カーソル制御デバイス814(例えば、マウス)、及び音響信号発生デバイス816(例えば、スピーカ)を含むことができる。一実施形態では、ビデオ表示ユニット810、英数字入力デバイス812、及びカーソル制御デバイス814を組み合わせて単一構成要素又はデバイス(例えば、LCDタッチスクリーン)にすることができる。
【0064】
データストレージデバイス818は、本発明の開示の1又は2以上の態様に従って1又は2以上の命令セット、例えば、本明細書に説明した作動を実行するための命令を格納することができるコンピュータ可読ストレージ媒体828を含むことができる。同じく、検出構成要素の1又は2以上を実施する命令826は、コンピューティングデバイス800によるその実行中に完全に又は少なくとも部分的に主メモリ804内及び/又は処理デバイス802内に常駐することができ、主メモリ804及び処理デバイス802も、コンピュータ可読媒体を含む。命令は、更に、ネットワークインタフェースデバイス808を通じてネットワーク820によって送信又は受信されるとすることができる。
【0065】
例示的な実施例では、コンピュータ可読ストレージ媒体828を単一媒体であるように示すが、用語「コンピュータ可読ストレージ媒体」は、1又は2以上の命令セットを格納する単一媒体又は複数の媒体(例えば、集中型又は分散型のデータベース及び/又は関連のキャッシュ及びサーバ)を含むと理解しなければならない。同じく、用語「コンピュータ可読ストレージ媒体」は、機械による実行のための命令セットを格納し、符号化し、又は担持することができ、本明細書に説明する方法を機械に実行させるあらゆる媒体を含むと見なすものとする。従って、用語「コンピュータ可読ストレージ媒体」は、半導体メモリ、光学媒体、及び磁気媒体を含むがこれらに限定されないと見なすものとする。
【0066】
特に明記しない限り、「送信する」、「決定する」、「受信する」、又は「発生させる」などのような用語は、コンピューティングデバイスのレジスタ及びメモリ内の物理(電子的)量として表されるデータを操作し、コンピューティングデバイスのメモリ又はレジスタ又は他のそのような情報格納、送信、又は表示デバイス内の物理量として同様に表される別のデータに変換するコンピューティングデバイスによって実行又は実施されるアクション及び処理を指す。同じく、本明細書に使用する「第1」、「第2」、「第3」、「第4」などのような用語は、異なる要素を区別するためのラベルの意味であり、必ずしもその数値指定に従って序列的意味を有するとは限らない。
【0067】
本明細書に説明する例は、本明細書に説明する作動を実行するための装置にも関連する。この装置は、必要な目的に対して特別に構成することができ、コンピュータに格納されたコンピュータプログラムによって選択的にプログラムされる汎用コンピューティングデバイスを含む場合がある。そのようなコンピュータプログラムは、コンピュータ可読非一時的ストレージ媒体に格納することができる。
【0068】
本明細書に説明する方法及び例示的な実施例は、いずれの特定のコンピュータ又は他の装置と本質的に関連付けられたものではない。本明細書に説明する教示に従って様々な汎用システムを使用することができ、又は必要である方法段階を実行するためにより特殊な装置を含むことが有利であると判明する場合もある。様々なこれらのシステムに必要な構造は、以上の説明で明らかにしたように出現することになる。
【0069】
以上の説明は、例示であって限定を意図していない。特定の例示的な実施例を参照して本発明の開示を説明したが、本発明の開示は、説明した例に限定されないことは認識されるであろう。本発明の開示の範囲は、特許請求の範囲を参照して特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲と共に決定されなければならない。
【0070】
本明細書に使用する場合に、単数形「a」、「an」、及び「the」は、関連上明らかに他を意味しない限り、複数形も含むものとする。本明細書に使用する場合に、用語「備える」、「備えている」、「含む」、及び/又は「含んでいる」は、陳述した特徴、整数、段階、作動、要素、及び/又は構成要素の存在を明示するが、1又は2以上の他の特徴、整数、段階、作動、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在又は追加を排除しないということは更に理解されるであろう。従って、本明細書に使用する用語法は、特定の実施形態を説明することだけを目的とし、限定を意図していない。
【0071】
一部の代替実施では、言及した機能/行為は、図で言及した順序とは異なって行われる可能性があることにも注意しなければならない。例えば、連続的に示す2つの図は、実際は実質的に同時に実行することができ、又は関連する機能/行為に応じて時には逆の順序で実行することができる。
【0072】
本方法作動は、特定の順序で説明したが、説明した作動間に他の作動を実行することができ、説明した作動を調節し、それらが僅かに異なる時間に行われるようにすることができ、又は処理に関連付けられた様々な間隔で処理作動の発生を可能にするシステム内に説明した作動を分散させることができることを理解しなければならない。
【0073】
様々なユニット、回路、又は他の構成要素は、1又は複数のタスクを実行する「ように構成される」又は「ように構成可能である」ものとして記載又は主張することができる。そのような関連では、「ように構成される」又は「ように構成可能である」という語句を使用して、ユニット/回路/構成要素が作動中にタスクを実行する構造(例えば、回路)を含むことを示すことにより構造が示唆される。従って、ユニット/回路/構成要素は、指定されたユニット/回路/構成要素が現在作動していない(例えば、オンになっていない)場合でも、タスクを実行するように構成されるか又はタスクを実行するように構成可能であるということができる。「ように構成される」又は「ように構成可能である」という語句と共に使用されるユニット/回路/構成要素は、ハードウエア、例えば、回路、作動を実施するために実行可能なプログラム命令を格納するメモリなどを含む。1つユニット/回路/構成要素が1又は2以上のタスクを実行するように「構成される」又は1又は2以上のタスクを実行するように「構成可能である」と説明することにより、そのユニット/回路/構成要素について「35 U.S.C.§112」第6段落を援用しないように明示的に意図するものである。更に、「ように構成される」又は「ように構成可能である」ものは、問題になるタスクを実行することができるように作動するソフトウエア及び/又はファームウエア(例えば、ソフトウエアを実行するFPGA又は汎用プロセッサ)によって操作される汎用構造(例えば、汎用回路)を含むことができる。同じく「ように構成される」ものは、1又は2以上のタスクを実施又は実行するように適合されたデバイス(例えば、集積回路)を製造するために製造工程(半導体製造機器など)を適合させることも含めることができる。「ように構成される」は、開示する機能を実行するように構成されたプログラムされていないデバイスにその機能を付与するプログラムされた媒体を伴わない限り、ブランク媒体、プログラムされていないプロセッサ又はプログラムされていない汎用コンピュータ、又はプログラムされていないプログラマブル論理デバイス、プログラマブルゲートアレイ、又は他のプログラムされていないデバイスに適用されないことが明示的に意図されている。
【0074】
以上の説明は、説明目的に対して、特定の実施形態に関連して説明したものである。しかし、以上の例示的な議論は、包括的であること又は開示する正にその形態に本発明を限定することを意図していない。多くの修正形態及び変形は、上述の教示の観点から可能である。これらの実施形態は、実施形態の原理及びその実用的な応用を最も良く説明し、それによって当業者が企図する特定の用途に適する可能な実施形態及び様々な修正形態を最も良く利用することができるように選択かつ説明したものである。従って、この実施形態は、例示であって限定ではないと見なさなければならず、本発明は、本明細書に与える詳細に限定すべきではなく、特許請求の範囲及び均等物の範囲内で修正することができる。
【符号の説明】
【0075】
100 超音波撮像システム
122 蓋
124 台座部分
126 撮像ユニット
【国際調査報告】