(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-17
(54)【発明の名称】多重波長発光素子およびそれを製造する方法
(51)【国際特許分類】
H01L 33/08 20100101AFI20230410BHJP
H01L 33/38 20100101ALI20230410BHJP
【FI】
H01L33/08
H01L33/38
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022551694
(86)(22)【出願日】2021-02-25
(85)【翻訳文提出日】2022-08-25
(86)【国際出願番号】 KR2021002405
(87)【国際公開番号】W WO2021172909
(87)【国際公開日】2021-09-02
(32)【優先日】2020-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506029004
【氏名又は名称】ソウル バイオシス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SEOUL VIOSYS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】65-16,Sandan-ro 163 Beon-gil,Danwon-gu,Ansan-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】チュン・フン・イ
(72)【発明者】
【氏名】デ・スン・チョ
(72)【発明者】
【氏名】ソ・ラ・イ
【テーマコード(参考)】
5F241
【Fターム(参考)】
5F241AA12
5F241CA05
5F241CA12
5F241CA40
5F241CA77
5F241CA88
5F241CA93
5F241CB23
5F241CB28
(57)【要約】
一実施例にかかる発光素子は、短波長発光部;長波長発光部;および前記短波長発光部と長波長発光部を結合する結合層を含み、前記短波長発光部および長波長発光部は、それぞれ第1の導電型半導体層、活性層、および第2の導電型半導体層を含み、前記長波長発光部の活性層は、前記短波長発光部の活性層よりもさらに多いインジウム(In)を含有し、前記短波長発光部は、前記長波長発光部に比べて波長がより短い光を放出する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
短波長発光部;
長波長発光部;および
前記短波長発光部と長波長発光部を結合する結合層;
を含み、
前記短波長発光部および長波長発光部は、それぞれ第1の導電型半導体層、活性層、および第2の導電型半導体層を含み、
前記長波長発光部の活性層は、前記短波長発光部の活性層よりもさらに多いインジウム(In)を含有し、
前記短波長発光部は、前記長波長発光部に比べて波長がより短い光を放出する、発光素子。
【請求項2】
前記短波長発光部または前記長波長発光部側に配置された基板をさらに含む、請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
前記短波長発光部は青色光を放出し、前記長波長発光部は黄色光を放出する、請求項1に記載の発光素子。
【請求項4】
前記長波長発光部から放出された光は、前記短波長発光部を通じて外部に放出される、請求項1に記載の発光素子。
【請求項5】
前記結合層は、絶縁層または透明電極である、請求項1に記載の発光素子。
【請求項6】
前記短波長発光部および長波長発光部に共通して電気的に接続された第1のボンディングパッド;並びに、
前記短波長発光部および長波長発光部にそれぞれ電気的に接続された第2のボンディングパッドおよび第3のボンディングパッド;
をさらに含む、請求項5に記載の発光素子。
【請求項7】
前記第1のボンディングパッドは、前記短波長発光部および長波長発光部の第1の導電型半導体層に共通して電気的に接続され、
前記第2のボンディングパッドは、前記短波長発光部の第2の導電型半導体層に電気的に接続され、
前記第3のボンディングパッドは、前記長波長発光部の第2の導電型半導体層に電気的に接続された、請求項6に記載の発光素子。
【請求項8】
前記第1~第3のボンディングパッドを、前記第1の導電型半導体層および第2の導電型半導体層に電気的に連結する穴埋めビアをさらに含む、請求項7に記載の発光素子。
【請求項9】
平坦化層をさらに含み、
前記穴埋めビアは、前記平坦化層を貫通し、
前記第1~第3のボンディングパッドは、前記平坦化層上に配置された、請求項8に記載の発光素子。
【請求項10】
前記第1のボンディングパッドは、前記短波長発光部および長波長発光部の第2の導電型半導体層に共通して電気的に接続され、
前記第2のボンディングパッドは、前記短波長発光部の第1の導電型半導体層に電気的に接続され、
前記第3のボンディングパッドは、前記長波長発光部の第1の導電型半導体層に電気的に接続された、請求項6に記載の発光素子。
【請求項11】
前記短波長発光部と長波長発光部は、一緒に駆動する、請求項1に記載の発光素子。
【請求項12】
基板;および
前記基板上に配置された複数の発光セル;
をさらに含み、
前記発光セルそれぞれが、前記短波長発光部、前記長波長発光部、および前記結合層を含む、請求項1に記載の発光素子。
【請求項13】
前記複数の発光セルを電気的に連結するコネクタをさらに含む、請求項12に記載の発光素子。
【請求項14】
前記複数の発光セルは、互いに直並列連結された、請求項13に記載の発光素子。
【請求項15】
第1の基板上に第1のLED積層を形成し、
第2の基板上に第2のLED積層を形成し、
前記第1のLED積層と前記第2のLED積層を結合層を用いて結合させ、前記第1の基板または前記第2の基板を取り除くことを含み、
前記第1および第2のLED積層は、それぞれ第1の導電型半導体層、活性層、および第2の導電型半導体層を含み、
前記第1のLED積層は、前記第2のLED積層に比べてより短い波長の光を放出するように構成された、発光素子の製造方法。
【請求項16】
前記第1のLED積層は、青色光を放出するように構成され、
前記第2のLED積層は、黄色光を放出するように構成された、請求項15に記載の発光素子の製造方法。
【請求項17】
前記第1のLED積層と第2LED積層をボンディングする前に、前記第1のLED積層および第2のLED積層上にそれぞれ第1の透明電極および第2の透明電極を形成することをさらに含む、請求項15に記載の発光素子の製造方法。
【請求項18】
前記第1の透明電極上に下部p電極パッドを形成することをさらに含む、請求項17に記載発光素子の製造方法。
【請求項19】
前記第1のLED積層と第2のLED積層をボンディングする前に、前記第1の透明電極および前記第1のLED積層をパターニングして前記第1のLED積層の第1の導電型半導体層を露出させ、
露出した前記第1の導電型半導体層上に下部n電極を形成することをさらに含む、請求項18に記載の発光素子の製造方法。
【請求項20】
前記第2の透明電極上に上部p電極パッドを形成することをさらに含む、請求項17に記載発光素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、多重波長発光素子に関するものであり、蛍光体を用いず多重波長の光を放出できる発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオードは、無機光源として、ディスプレイ装置、車両用ランプ、一般照明のような様々な分野に多様に用いられている。発光ダイオードは、寿命が長く、且つ消費電力が低く、応答速度が速いという長所があるため、既存の光源を速い速度で置き換えている。
【0003】
図1は、従来技術にかかる白色発光素子を説明するための概略的な断面図である。
【0004】
図1を参照すると、従来技術にかかる白色発光素子は、リード電極11a,11b、ハウジング13、発光ダイオードチップ15、ボンディングワイヤ17、波長変換機19を含む。
【0005】
発光ダイオードチップ15は、青色光を放出できる。例えば、発光ダイオードチップ15は、430~470nmの波長範囲の光を放出できる。
【0006】
波長変換機19は、例えば、黄色蛍光体を含む樹脂で形成することができる。黄色蛍光体としては、YAG系列(Yttrium aluminum garnet-based)又はシリケート系列の蛍光体が主に使用されている。波長変換機19は、発光ダイオードチップ15から放出された光の経路上に配置される。
【0007】
発光ダイオードチップ15は、リード電極11a,11bに電気的に連結される。例えば、ボンディングワイヤ17は、発光ダイオードチップ15の一つの電極をリード電極11bに電気的に連結でき、発光ダイオードチップ15の他の一つの電極は、リード電極11aに導電性ペースト等の導電物質を通じてボンディングされ得る。
【0008】
従来技術にかかる白色発光素子は、一般に、パッケージレベルで白色光を具現する。つまり、青色発光ダイオードチップから放出された青色光と、黄色蛍光体から放出された黄色光が混合して白色光が外部に放出され得る。
【0009】
図1に典型的な白色発光素子を例示するが、多様なパッケージを提供することができ、これらは大体蛍光体を含む。
【0010】
従来技術にかかる白色発光素子は、発光ダイオードチップに加えて蛍光体を含むため、製造工程が複雑で生産原価が高くなるという問題がある。さらに、蛍光体が分散された樹脂は、熱に脆弱で、時間が経つにつれ劣化する等の問題点を有している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本開示が解決しようとする課題は、蛍光体を使用せず、多重波長の光、例えば、白色光を具現できる発光素子を提供することである。
【0012】
本開示が解決しようとするまた別の課題は、ウエハレベル又はチップレベルで多重波長の光を具現できる発光素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本開示の一実施例にかかる発光素子は、短波長発光部;長波長発光部;および前記短波長発光部と長波長発光部を結合する結合層を含み、前記短波長発光部および長波長発光部は、それぞれ第1の導電型半導体層、活性層、および第2の導電型半導体層を含み、前記長波長発光部の活性層は、前記短波長発光部の活性層よりもさらに多いインジウム(In)を含有し、前記短波長発光部は、前記長波長発光部に比べて波長がより短い光を放出する。
【0014】
一実施例にかかる発光素子の製造方法は、第1の基板上に第1のLED積層を形成し、第2の基板上に第2のLED積層を形成し、第1のLED積層と第2のLED積層を結合層を用いて結合させ、第1の基板または第2の基板を取り除くことを含み、第1および第2のLED積層は、それぞれ第1の導電型半導体層、活性層、および第2の導電型半導体層を含み、第1のLED積層は、第2のLED積層に比べてより短い波長の光を放出するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】従来技術にかかる白色発光素子を説明するための概略的な断面図である。
【
図2】本開示の一実施例にかかる発光素子を説明するための概略的な断面図である。
【
図3】本開示の一実施例にかかる発光素子を説明するための概略的な断面図である。
【
図4】本開示の一実施例にかかる発光素子を説明するための概略的な断面図である。
【
図5】本開示の一実施例にかかる発光素子を説明するための概略的な断面図である。
【
図6】本開示の一実施例にかかる発光素子を説明するための概略的な断面図である。
【
図7】本開示の一実施例にかかる発光素子を説明するための概略的な断面図である。
【
図8】本開示の一実施例にかかる発光素子を説明するための概略的な平面図である。
【
図9A】
図8の切り取り線A-A’に沿って切り取った概略的な断面図である。
【
図9B】
図8の切り取り線B-B’に沿って切り取った概略的な断面図である。
【
図10】本開示のまた別の実施例にかかる発光素子を説明するための概略的な平面図である。
【
図11A】
図10の切り取り線C-C’に沿って切り取った概略的な断面図である。
【
図11B】
図10の切り取り線D-D’に沿って切り取った概略的な断面図である。
【
図12A】本開示のまた別の実施例にかかる発光素子を説明するための概略的な断面図である。
【
図12B】本開示のまた別の実施例にかかる発光素子を説明するための概略的な断面図である。
【
図13A】本開示のまた別の実施例にかかる発光素子を説明するための概略的な断面図である。
【
図13B】本開示のまた別の実施例にかかる発光素子を説明するための概略的な断面図である。
図14は、本開示のまた別の実施例にかかる発光素子を説明するための概略的な平面図である。
【
図15A】
図14の切り取り線E-E’に沿って切り取った概略的な断面図である。
【
図15B】
図14の切り取り線F-F’に沿って切り取った概略的な断面図である。
【
図17】本開示の幾つかの実施例にかかる発光素子を説明するための概略的な回路図である。
【
図18】本開示の幾つかの実施例にかかる発光素子を説明するための概略的な回路図である。
【
図19】本開示の幾つかの実施例にかかる発光素子を説明するための概略的な回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付の図面を参照して本開示の実施例を詳しく説明する。次に紹介する実施例は、本開示の属する技術分野の通常の技術者に本開示の思想が十分に伝わるようにするために例として提供するものである。よって、本開示は以下で説明する実施例に限定されるのではなく、他の形態で具現化することもできる。そして、図面において、構成要素の幅、長さ、厚さ等は便宜のために誇張して表現する場合もある。また、一つの構成要素が他の構成要素の「上部に」又は「上に」あると記載されている場合は、各部分が他の部分の「真上部」又は「真上に」ある場合だけでなく、各構成要素と他の構成要素間にまた別の構成要素が介在する場合も含む。明細書全体に亘って、同じ参照番号は同じ構成要素を表す。
【0017】
本開示の一実施例にかかる発光素子は、短波長発光部;長波長発光部;および前記短波長発光部と長波長発光部を結合する結合層を含み、前記短波長発光部および長波長発光部は、それぞれ第1の導電型半導体層、活性層、および第2の導電型半導体層を含み、前記長波長発光部の活性層は、前記短波長発光部の活性層よりもさらに多いインジウム(In)を含有し、前記短波長発光部は、前記長波長発光部に比べて波長がより短い光を放出する。
【0018】
短波長発光部と長波長発光部を結合することにより、蛍光体を用いず多重波長の光、例えば、白色光を放出できる発光素子を提供することができる。
【0019】
前記発光素子は、前記短波長発光部または前記長波長発光部側に配置された基板をさらに含むことができる。
【0020】
一実施例において、前記短波長発光部は青色光を放出することができ、前記長波長発光部は黄色光を放出することができる。別の実施例において、前記短波長発光部は、紫外線を放出することもできる。
【0021】
前記長波長発光部から放出された光は、前記短波長発光部を通じて外部に放出され得る。これにより、光の損失を減らすことができる。
【0022】
前記結合層は、絶縁層または透明電極でもよい。
【0023】
前記発光素子は、前記短波長発光部および長波長発光部に共通して電気的に接続された第1のボンディングパッド;および前記短波長発光部および長波長発光部にそれぞれ電気的に接続された第2のボンディングパッドおよび第3のボンディングパッドをさらに含むことができる。
【0024】
第1~第3のボンディングパッドを用いて前記発光素子をフリップボンディングすることができる。
【0025】
一実施例において、第1のボンディングパッドは、前記短波長発光部および長波長発光部の第1の導電型半導体層に共通して電気的に接続され、第2のボンディングパッドは、前記短波長発光部の第2の導電型半導体層に電気的に接続され、第3のボンディングパッドは、前記長波長発光部の第2の導電型半導体層に電気的に接続される。
【0026】
さらに、前記発光素子は、第1~第3のボンディングパッドを第1の導電型半導体層および第2の導電型半導体層に電気的に連結する穴埋めビアをさらに含むことができる。
【0027】
前記発光素子は、平坦化層をさらに含むことができ、前記穴埋めビアは、前記平坦化層を貫通し、第1~第3のボンディングパッドは、前記平坦化層上に配置され得る。
【0028】
別の実施例において、第1のボンディングパッドは、前記短波長発光部および長波長発光部の第2の導電型半導体層に共通して電気的に接続され、第2のボンディングパッドは、前記短波長発光部の第2の導電型半導体層に電気的に接続され、第3のボンディングパッドは、前記長波長発光部の第2の導電型半導体層に電気的に接続される。
【0029】
一実施例において、前記短波長発光部と長波長発光部は、独立して駆動できる。別の実施例において、前記短波長発光部と長波長発光部は一緒に駆動できる。
【0030】
前記発光素子は、基板;および前記基板上に配置された複数の発光セルをさらに含むことができ、それぞれの発光セルが前記短波長発光部、前記長波長発光部、および前記結合層を含むことができる。
【0031】
さらに、前記発光素子は、複数の発光セルを電気的に連結するコネクタをさらに含むことができる。
【0032】
一実施例において、複数の発光セルは、互いに直並列連結することができる。
【0033】
一実施例にかかる発光素子の製造方法は、第1の基板上に第1のLED積層を形成し、第2の基板上に第2のLED積層を形成し、第1のLED積層と第2のLED積層を、結合層を利用して結合させ、第1の基板または第2の基板を取り除くことを含み、第1および第2のLED積層は、それぞれ第1の導電型半導体層、活性層、および第2の導電型半導体層を含み、第1のLED積層は、第2のLED積層に比べてより短い波長の光を放出するように構成される。
【0034】
一実施例において、第1のLED積層は、青色光を放出するように構成され得、第2のLED積層は黄色光を放出するように構成できる。
【0035】
発光素子の製造方法は、第1のLED積層と第2のLED積層をボンディングする前に、第1のLED積層および第2のLED積層上にそれぞれ第1の透明電極および第2の透明電極を形成することをさらに含み得る。
【0036】
発光素子の製造方法は、第1の透明電極上に下部p電極パッドを形成することをさらに含み得る。
【0037】
また、発光素子の製造方法は、第1のLED積層と第2のLED積層をボンディングする前に、第1の透明電極および第1のLED積層をパターニングして第1のLED積層の第1の導電型半導体層を露出させ、露出された第1の導電型半導体層上に下部n電極を形成することをさらに含み得る。
【0038】
発光素子の製造方法は、第2の透明電極上に上部p電極パッドを形成することをさらに含み得る。
【0039】
以下、図面を参照して本開示の実施例について具体的に説明する。
【0040】
図2は、本開示の一実施例にかかる発光素子を説明するための概略的な断面図である。
【0041】
図2を参照すると、本実施例にかかる発光素子は、短波長発光部BL、長波長発光部YL、および絶縁層50を含む。短波長発光部BLは、第1のLED積層20を含み、第1の透明電極29をさらに含み得る。長波長発光部YLは、第2のLED積層30を含み、第2の透明電極39をさらに含み得る。
【0042】
第1のLED積層20は、第1の導電型半導体層23、活性層25、および第2の導電型半導体層27を含み得る。第1の導電型半導体層23、活性層25、および第2の導電型半導体層27は、それぞれ窒化ガリウム系列の半導体層になり得る。第1および第2の導電型半導体層23,27は、それぞれ単一層または多重層になり得る。活性層25は、多重量子井戸構造を有することができ、例えば、365nm~460nmの波長範囲の光を放出するように材料および厚さ等を選択できる。
【0043】
第2のLED積層30は、第1の導電型半導体層33、活性層35、および第2の導電型半導体層37を含み得る。第1の導電型半導体層33、活性層35、および第2の導電型半導体層37は、それぞれ窒化ガリウム系列の半導体層になり得る。第1および第2の導電型半導体層33,37は、それぞれ単一層または多重層になり得る。活性層35は、多重量子井戸構造を有することができ、例えば、500nm~600nmの波長範囲の光を放出するように材料および厚さ等を選択できる。活性層35の井戸層は、活性層25の井戸層よりもさらに多いインジウム(In)を含有し得る。各LED積層20,30の第1の導電型半導体層23,33は、それぞれn型半導体層であり、第2の導電型半導体層27,37はp型半導体層である。
【0044】
第1の透明電極29は、第1のLED積層20の第2の導電型半導体層27に接触する。第1の透明電極29は、透明導電性酸化物(Transparent conductive Oxide;TCO)や金属層を利用して形成することができる。透明導電性酸化物層の例としては、SnO2,InO2,ITO,ZnO,IZO等を挙げることができる。第1の透明電極29は、第1のLED積層20又は第2のLED積層30で生成された光を透過させる。
【0045】
第2の透明電極39は、第2のLED積層30の第2の導電型半導体層37に接触する。第2の透明電極39は、透明導電性酸化物(Transparent conductive Oxide;TCO)や金属層を利用して形成することができる。透明導電性酸化物層の例としては、SnO2,InO2,ITO,ZnO,IZO等を挙げることができる。第2の透明電極39は、第1のLED積層または第2のLED積層30で生成された光を透過させる。
【0046】
絶縁層50は、短波長発光部BLと長波長発光部YL間に配置される。絶縁層50は、短波長発光部BLと長波長発光部YLを結合させることができる。例えば、絶縁層50は、第1の透明電極29と第2の透明電極39間でこれらを結合させることができる。
【0047】
絶縁層50は、透明有機物層で形成されたり、透明無機物層で形成できる。有機物層は、SU8、ポリメチルメタアクリレート(poly(methylmethacrylate):PMMA)、ポリイミド、パリレン、ベンゾシクロブテン(Benzocyclobutene:BCB)等を例として挙げることができ、無機物層は、Al2O3、SiO2、SiNx等を例として挙げることができる。また、絶縁層(50)はスピン-オン-ガラス(SOG)で形成することもできる。
【0048】
一実施例において、
図3に示したように、発光素子は第1の基板21をさらに含むことができる。第1の基板21は、短波長発光部BL側に配置できる。第1の基板21は、第1のLED積層20を成長させるために使用できる基板、例えば、サファイア基板、SiC基板またはGaN基板になり得る。一実施例において、第1の基板21は、平らなサファイア基板になり得るが、パターニングされたサファイア基板でもよい。短波長発光部BLおよび長波長発光部YLで生成された光は、第1の基板21を通じて外部に放出することができ、よって、第1の基板21は、短波長発光部BLおよび長波長発光部YLで生成された光を透過させる透明基板になり得る。しかし、本開示がこれに限定されるのではなく、短波長発光部BLおよび長波長発光部YLで生成された光は、第1の基板21の反対側に放出することができる。この場合、第1の基板21は不透明基板でもよい。
【0049】
別の実施例において、
図4に示したように、発光素子は第2の基板31をさらに含むことができる。第2の基板31は、長波長発光部YL側に配置できる。第2の基板31は、第2のLED積層30を成長させるために使用できる基板、例えば、サファイア基板、SiC基板またはGaN基板になり得る。一実施例において、第2の基板31は平らなサファイア基板になり得るが、パターニングされたサファイア基板でもよい。短波長発光部BLおよび長波長発光部YLで生成された光は、第2の基板31を通じて外部に放出することができ、よって、第2の基板31は、短波長発光部BLおよび長波長発光部YLで生成された光を透過させる透明基板になり得る。しかし、本開示がこれに限定されるのではなく、短波長発光部BLおよび長波長発光部YLで生成された光は、第2の基板31の反対側に放出することができる。この場合、第2の基板31は不透明基板でもよい。
【0050】
発光素子は、例えば、第1の基板21および第2の基板31上にそれぞれ第1の導電型半導体層23,33、活性層25,35、および第2の導電型半導体層27,37を成長させ、第2の導電型半導体層27,37上にそれぞれ第1の透明電極29および第2の透明電極39を形成した後、第1の透明電極29と第2の透明電極39が向かい合うように絶縁層50を利用してボンディングすることにより形成できる。その後、第2の基板31が分離されることにより、
図3のような発光素子が製造されたり、第1の基板21が分離されることにより、
図4のような発光素子が製造できる。第1の基板21および第2の基板31が共に取り除かれ、別の基板が付着されてもよい。
【0051】
ボンディング前に、第1のLED積層20又は第2のLED積層30がパターニングされ得、また、追加の電極パッドが第1の透明電極29又は第2の透明電極39上に形成されてもよい。
【0052】
図5は、本開示の一実施例にかかる発光素子を説明するための概略的な断面図である。
【0053】
図5を参照すると、本実施例にかかる発光素子は、
図4の発光素子と大体類似しているが、絶縁層50が第1の透明電極29と第1の導電型半導体層33を結合することに違いがある。活性層35は、第1の導電型半導体層33上に位置し、第2の導電型半導体層37は活性層35上に位置する。第2の透明電極39は、第2の導電型半導体層37上に位置し得る。
【0054】
本実施例において、第2のLED積層30で生成された光は、第1の基板21を通じて放出でき、この場合、第2の透明電極39を通じて光が進行する必要がない。よって、第2の透明電極39の代わりに、又は第2の透明電極39に加えて第2の導電型半導体層37上に反射金属層を配置することもできる。
【0055】
本実施例にかかる発光素子は、例えば、第2の基板31上に成長した第2のLED積層30と第2の透明電極39を一時基板に転写し、第2の基板31を先に分離した後、第2のLED積層30と第1のLED積層20を結合することによって製造することができる。一時基板は、第2のLED積層30と第1のLED積層20が結合された後、分離することができ、これにより、第2の透明電極39が絶縁層50から遠く離れた発光素子が提供できる。
【0056】
本実施例においては、第1の基板21が残っており、第2の基板31が取り除かれた発光素子について説明するが、類似する工程によって、
図6に示したように、第2の基板31が残っており、第1の基板21が取り除かれてもよい。
図6の実施例において、第2の透明電極39は、第1のLED積層20又は第2のLED積層30で生成された光に透明なものである。また、
図6の実施例において、第1のLED積層20および第2のLED積層30で生成された光が第2の基板31を通じて外部に放出される場合、第1の透明電極29の代わりに、又は第1の透明電極29に加えて反射金属層が第2の導電型半導体層27上に配置されてもよい。
【0057】
図7は、本開示の一実施例にかかる発光素子を説明するための概略的な断面図である。
【0058】
図7を参照すると、本実施例にかかる発光素子は、
図2を参照して説明した発光素子と大体類似するが、絶縁層50の代わりに透明電極59によって短波長発光部BLと長波長発光部YLが結合されたことに違いがある。例えば、
図3の第1の透明電極29と第2の透明電極39を直接ボンディングすることにより、
図7の透明電極59が形成され得る。
【0059】
透明電極59は、第2の導電型半導体層27,37に共通して電気的に接続され、よって、第1のLED積層20の第2の導電型半導体層27と第2のLED積層30の第2の導電型半導体層37は、互いに電気的に接続される。
【0060】
一方、本実施例において、第1の基板21が第1の導電型半導体層23側に配置されてもよく、第2の基板31が第1の導電型半導体層33側に配置されてもよい。
【0061】
上で、短波長発光部BLと長波長発光部YLが絶縁層50又は透明電極層59によって結合された多様な発光素子の積層構造について説明した。本発明は、これら発光素子に限定されるのではなく、他の多様な発光素子もまた、可能である。一方、短波長発光部BLと長波長発光部YLに外部電源を供給するために、少なくとも二つの電極が配置され得る。以下で、三つ又は四つの電極が形成された多様な構造の発光素子について詳しく説明する。
【0062】
図8は本開示の一実施例にかかる発光素子100を説明するための概略的な平面図であり、
図9Aは
図8の切り取り線A-A’に沿って切り取った概略的な断面図であり、
図9Bは
図8の切り取り線B-B’に沿って切り取った概略的な断面図である。
【0063】
説明の便宜のために、ボンディングパッド67a,67b,67cが上側に配置されたことを図示および説明するが、発光素子は回路基板またはリードフレーム上にフリップボンディングでき、この場合、ボンディングパッド67a,67b,67cが下側に配置される。
【0064】
図8、
図9A、および
図9Bを参照すると、発光素子100は、第1のLED積層20、第2のLED積層30、第1の透明電極29、第2の透明電極39、下部p電極パッド47、上部p電極パッド57、絶縁層50、平坦化層61、側壁絶縁層63、穴埋めビア65a,65b,65c,65d、および第1~第3のボンディングパッド67a,67b,67cを含むことができる。
【0065】
さらに、発光素子100は、第2のLED積層30を貫通する貫通ホールH1,H2、第2のLED積層30を部分的に貫通する貫通ホールH3、および第2のLED積層30上に位置する貫通ホールH4を含み得る。
【0066】
発光素子100は短波長発光部BLおよび長波長発光部YLの基本的な層構造は、
図5を参照して説明したものと類似するが、第1の透明電極29および第2の透明電極39上にそれぞれ下部p電極パッド47および上部p電極パッド57が追加できる。
【0067】
図9Aおよび
図9Bに示したように、本開示の実施例は第1および第2のLED積層20,30が垂直方向に積層される。基板21上に第1のLED積層20が配置され、第1のLED積層20に第2のLED積層30が結合される。第2のLED積層30が結合される前に、第1の透明電極29上に下部p電極パッド47が形成され得る。下部p電極パッド47は、例えば、リフトオフ技術を用いて形成できる。下部p電極パッド47は、金属層に形成され得る。下部p電極パッド47は、例えば、Cr/Au/Tiに形成できるが、これに特別限定されるのではない。下部p電極パッド47は、省略されてもよい。
【0068】
一方、第2のLED積層30は、第2の基板上に成長した後、TBDB(temporary bonding debonding)技術を用いて第1のLED積層20に絶縁層50を利用してボンディングされ得る。第2の透明電極39は、ボンディング前に形成されてもよく、ボンディング後に形成されてもよい。
【0069】
上部p電極パッド57は、第2の透明電極39上に部分的に形成できる。上部p電極パッド57は、金属層で形成され得、その材料は特に限定されるのではない。上部p電極パッド57は、下部p電極パッド47と同じ材料で形成されてもよい。上部p電極パッド57は、下部p電極パッド47と重ならないように配置できる。
【0070】
平坦化層61は、第2の透明電極39および上部p電極パッド57を覆うことができる。平坦化層61は、平坦な上面を有することができる。平坦化層61は、第2の導電型半導体層37の上部領域に配置される。平坦化層61の側面は、第2の導電型半導体層37と並び得るが、これに限定されるのではなく、
図9Aおよび
図9Bに示したように、第2のLED積層30の縁から内側にリセスされ得る。また、平坦化層61の側面は、第2の透明電極39の側面と並ぶことができる。平坦化層61は、写真およびエッチング工程によってパターニングすることができ、このとき、第2の透明電極39も一緒にパターニングされ得る。これにより、平坦化層61の周囲に第2の導電型半導体層37が露出され得る。平坦化層61は、アルミニウム酸化膜、シリコン酸化膜、又はシリコン窒化膜で形成できる。
【0071】
貫通ホールH1,H2,H3,H4は、短波長発光部BLおよび長波長発光部YLに電気的通路を提供するために形成することができる。貫通ホールH1,H2,H3,H4は、互いに離隔される。貫通ホールH1,H2,H3,H4は、互いに異なる深さを有するため、互いに異なる工程を用いて形成することができる。
【0072】
貫通ホールH1は、平坦化層61、第2の透明電極39、第2のLED積層30、絶縁層50、第1の透明電極29、第2の導電型半導体層27、および活性層25を貫通することができ、第1の導電型半導体層23を露出させ得る。貫通ホールH2は、平坦化層61、第2の透明電極39、第2のLED積層30、絶縁層50を貫通して下部p電極パッド47を露出させることができる。貫通ホールH3は、平坦化層61、第2の透明電極39、第2の導電型半導体層37、および活性層35を貫通して第1の導電型半導体層33を露出させることができる。貫通ホールH4は、平坦化層61を貫通して上部p電極パッド57を露出させることができる。
【0073】
側壁絶縁層63は、貫通ホールH1,H2,H3,H4の側壁を覆い、貫通ホールの底を露出させる開口部を有する。側壁絶縁層63は、例えば、化学気相蒸着技術または原子層蒸着技術を用いて形成することができ、例えば、Al2O3,SiO2,Si3N4等で形成できる。貫通ホールH1,H2,H3,H4が形成された後、側壁絶縁層63が平坦化層61および貫通ホールH1,H2,H3,H4の内部を覆うように形成することができ、その後、ブランケットエッチングを通じて貫通ホールの底に形成された側壁絶縁層を取り除いて底面を露出させる開口部を形成することができる。
【0074】
穴埋めビア65a,65b,65c,65dは、それぞれ貫通ホールH1,H2,H3,H4を埋めることができる。穴埋めビア65a,65b,65cは、側壁絶縁層63によって貫通ホールH1,H2,H3の内壁から絶縁され、よって、電気的短絡が防止される。
【0075】
穴埋めビア65aは、第1のLED積層20の第1の導電型半導体層23に電気的に接続される。穴埋めビア65bは、下部p電極パッド47に電気的に接続され、下部p電極パッド47および第1の透明電極29を通じて第2の導電型半導体層27に電気的に接続できる。穴埋めビア65cは、第2のLED積層30の第1の導電型半導体層33に電気的に接続され、穴埋めビア65dは上部p電極パッド57に電気的に接続できる。
【0076】
穴埋めビア65a,65b,65c,65dは、化学機械研磨技術を用いて形成することができる。例えば、シード層を形成し、めっき技術を用いて貫通ホールH1,H2,H3,H4をCu等の導電材料で埋めた後、化学機械研磨技術を用いて平坦化層61上の金属層を取り除くことにより、穴埋めビア65a,65b,65c,65dが形成され得る。
図9Aおよび
図9Bに示したように、穴埋めビア65a,65b,65cは、底面よりも貫通ホールH1,H2,H3の入り口で相対的により広い幅を有し得、これにより、電気的な接続を強化することができる。一方、穴埋めビア65dは、上面と底面が大体同じ大きさを有する柱形状を有することができる。
【0077】
穴埋めビア65a,65b,65c,65dは、同一工程を通じて一緒に形成することができる。これにより、穴埋めビア65a,65b,65c,65dの上面が平坦化層61と大体並び得る。
【0078】
平坦化層61の各領域上にボンディングパッド67a,67b,67cが配置され得る。第1のボンディングパッド67aは、穴埋めビア65aに電気的に接続し、また、横方向に延びて穴埋めビア65cに電気的に接続され得る。これにより、第1のLED積層20の第1の導電型半導体層23と第2のLED積層30の第1の導電型半導体層33が電気的に共通して連結され得る。第1のボンディングパッド67aは、穴埋めビア65a,65cを覆うことができる(
図8参照)。
【0079】
第2のボンディングパッド67bは、穴埋めビア65bに電気的に接続される。第2のボンディングパッド67bは、穴埋めビア65bを覆うことができる。第3のボンディングパッド67cは、穴埋めビア65dに電気的に接続される。第3のボンディングパッド67cは、穴埋めビア65dを覆うことができる。
【0080】
本実施例において、第1~第3のボンディングパッド67a,67b,67cは、全て平坦化層61上に配置される。第1~第3のボンディングパッド67a,67b,67cは、同一工程で一緒に形成され得、よって、これらの上面の高さは互いに同じになり得る。
【0081】
本実施例において、発光素子100を回路基板等にボンディングする際、第1~第3のボンディングパッド67a,67b,67cがソルダーペースト等のボンディング材によって回路基板上のパッドにボンディングされ得る。これとは異なり、第1~第3のボンディングパッド67a,67b,67c上にバンプを追加で形成することができ、前記バンプを利用して発光素子100を回路基板上にボンディングすることもできる。
【0082】
本実施例にかかる発光素子100は、第1のLED積層20を用いて紫外線または青色光の短波長光を放出し、第2のLED積層30を利用して緑色光または黄色光の長波長の光を放出することができる。発光素子100は、長波長の光と短波長の光の組合せによって混色光を具現することができ、例えば、青色光と黄色光の組合せによって白色光を具現することもできる。
【0083】
さらに、第1のLED積層20の第1の導電型半導体層23と第2のLED積層30の第1の導電型半導体層33を共通して電気的に接続させることにより、第1のボンディングパッド67aの一つに第1の導電型半導体層23,33を電気的に連結することができる。よって、三つのボンディングパッドを利用して第1のLED積層20と第2のLED積層30を独立的に駆動することができる。さらに、第1のLED積層20の第1の導電型半導体層23と第2の導電型半導体層27に電気的に接続される穴埋めビア65a,65bは、発光素子100内で対角方向に配置される。また、第2のLED積層30の第1の導電型半導体層33と第2の導電型半導体層37に電気的に接続される穴埋めビア65c,65dは、発光素子100内で対角方向に配置される。第1のLED積層20に接続される穴埋めビア65a,65bおよび第2のLED積層30に電気的に接続される穴埋めビア65c,65dを対角方向に配置することにより、第1のLED積層20および第2のLED積層30内の電流分散を助け、これにより、発光効率を増加させることができる。
【0084】
本実施例において、第1のLED積層20の第1の導電型半導体層23と第2のLED積層30の第1の導電型半導体層33が共通して電気的に接続されるが、これに限定されるのではない。例えば、第1のLED積層20の第2の導電型半導体層27と第2のLED積層30の第2の導電型半導体層37が共通して電気的に接続され得る。例えば、第1のボンディングパッド67aが分離されて穴埋めビア65a,65c上にそれぞれ配置され、第2のボンディングパッド67bと第3のボンディングパッド67cが互いに連結されることにより、第1のLED積層20の第2の導電型半導体層27と第2のLED積層30の第2の導電型半導体層37を共通して電気的に接続することができる。
【0085】
また別の実施例において、第1のLED積層20の第2の導電型半導体層27と第2のLED積層30の第2の導電型半導体層37を一つのボンディングパッドに電気的に連結することもできる。この場合、二つのボンディングパッドを利用して第1のLED積層20と第2のLED積層30を同時に駆動できる。
【0086】
図10は本開示のまた別の実施例にかかる発光素子200を説明するための概略的な平面図であり、
図11Aは
図10の切り取り線C-C’に沿って切り取った概略的な断面図であり、
図11Bは
図10の切り取り線D-D’に沿って切り取った概略的な断面図である。
【0087】
図10、
図11A、および
図11Bを参照すると、本実施例にかかる発光素子200は、
図8、
図9A、および
図9Bを参照して説明した発光素子100と大体類似するが、第1のLED積層20がパターニングされ、下部n電極パッド47aをさらに含むことに違いがある。
【0088】
つまり、第1の透明電極29、第2の導電型半導体層27、および活性層25がパターニングされて第1の導電型半導体層23が露出する。下部n電極パッド47aは、露出した第1の導電型半導体層23上に形成できる。下部n電極パッド47aは、第1の導電型半導体層23にオーミック接触する物質層、例えば、Cr/Au/Tiに形成できる。
【0089】
一方、下部p電極パッド47bは、第1の透明電極29上に配置できる。下部p電極パッド47bの上面の高さは、下部n電極パッド47aの上面の高さと大体類似し得る。
【0090】
貫通ホールH1は、第1の導電型半導体層23を露出させる代わりに、下部n電極パッド47aを露出させることができる。下部n電極パッド47aの上面の高さが下部p電極パッド47bの上面の高さと大体類似するため、貫通ホールH1,H2は同じ工程で一緒に形成できる。
【0091】
本実施例において、第1のLED積層20をパターニングすることは、絶縁層50を用いて第1のLED積層20と第2のLED積層30を結合する前に行うことができる。よって、絶縁層50は露出した第1の導電型半導体層20を覆うことができ、第1の透明電極29の上面と一緒に、第1の透明電極29、第2の導電型半導体層27および活性層25の側面を覆うことができる。
【0092】
本実施例において、第1のLED積層20がパターニングされたことを説明するが、第2のLED積層30もパターニングされて第1の導電型半導体層33が露出し得、露出した第1の導電型半導体層33上に上部n電極パッドが形成されてもよい。また、上部p電極パッド57bは、第2の透明電極39上に配置される。上部p電極パッド57bの上面の高さと第1の導電型半導体層33上に形成された上部n電極パッドの上面の高さが大体類似するように形成することができ、よって、貫通ホールH3,H4を同じ工程で一緒に形成することもできる。
【0093】
図12Aおよび
図12Bは、本開示のまた別の実施例にかかる発光素子300を説明するための概略的な断面図である。
【0094】
図12Aおよび
図12Bを参照すると、本実施例にかかる発光素子300は、
図8、
図9A、および
図9Bを参照して説明した発光素子100と大体類似するが、第2の透明電極39が絶縁層50側に配置され、第1の導電型半導体層33が絶縁層50から遠く離れて配置されたことに違いがある。つまり、第1の基板21上に配置された第1のLED積層20、第2のLED積層30、第1の透明電極29、および第2の透明電極39の積層順序は、前述の
図3を参照して説明した発光素子と類似し、これに対する詳しい説明は省略する。
【0095】
平坦化層161は、第1の導電型半導体層33を覆う。平坦化層161はアルミニウム酸化膜、シリコン酸化膜、又はシリコン窒化膜で形成することができる。
図8、
図9A、および
図9Bを参照して説明したように、平坦化層161は第1の導電型半導体層33の縁を露出させるようにリセスすることができる。
【0096】
本実施例において、貫通ホールH1は、第1の導電型半導体層23を露出させることができる。別の実施例において、
図10を参照して説明したように、第1のLED積層20がパターニングされ、下部n電極パッドが露出した第1の導電型半導体層23上に形成することもでき、貫通ホールH1は下部n電極パッドを露出させることもできる。
【0097】
貫通ホールH2は、第1の透明電極29を露出させることができる。別の実施例において、
図8又は
図10を参照して説明したように、第1の透明電極29上に下部p電極パッドが配置され得、貫通ホールH2は下部p電極パッドを露出させることもできる。
【0098】
貫通ホールH3は、第1の導電型半導体層33を露出させることができる。第1の導電型半導体層33上に上部n電極パッドが追加され得、貫通ホールH3は上部n電極パッドを露出させることもできる。貫通ホールH4は、平坦化層161、第2のLED積層30を貫通し、第2の透明電極39を露出させることができる。
【0099】
側壁絶縁層63が貫通ホールH1,H2,H3,H4の内壁を覆うことができ、底面を露出させることができる。また、前述の説明のように、貫通ホールH1,H2,H3,H4内に穴埋めビア65a,65b,65c,65dがそれぞれ形成され、ボンディングパッド67a,67b,67cが穴埋めビア65a,65b,65c,65dを覆うように、平坦化層161上に配置され得る。
【0100】
本実施例によると、第1のボンディングパッド67aは、穴埋めビア65a,65cを電気的に連結し、よって、第1のLED積層20および第2のLED積層30の第1の導電型半導体層23,33が共通して電気的に連結される。一方、第2のボンディングパッド67bは、穴埋めビア65bおよび第1の透明電極29を通じて第2の導電型半導体層27に電気的に連結でき、第3のボンディングパッド67cは穴埋めビア65dおよび第2の透明電極39を通じて第2の導電型半導体層37に電気的に連結され得る。別の実施例において、第1のLED積層20および第2のLED積層30の第2の導電型半導体層27,37が共通して電気的に連結され、第1の導電型半導体層23,33が電気的に離隔されてもよい。また別の実施例において、第1のLED積層20および第2のLED積層30の第1の導電型半導体層23,33が共通して電気的に連結され、第2の導電型半導体層27,37もまた、共通して電気的に連結される。
【0101】
図13Aおよび
図13Bは、本開示のまた別の実施例にかかる発光素子400を説明するための概略的な断面図である。
【0102】
図13Aおよび
図13Bを参照すると、本実施例にかかる発光素子400は、第1のLED積層20と第2のLED積層30を結合する透明電極59を含む。つまり、第1のLED積層20と第2のLED積層30は、透明電極59によってボンディングされる。透明電極59は、第1のLED積層20の第1の導電型半導体層27および第2のLED積層30の第2の導電型半導体層37に共通して電気的に接続される。
【0103】
貫通ホールH1は透明電極59を露出させ、貫通ホールH2は第1の導電型半導体層23を露出させ、貫通ホールH3は第1の導電型半導体層33を露出させる。本実施例において、発光素子400は、三つの貫通ホールH1,H2,H3を有し得、第4の貫通ホールH4は省略することができる。
【0104】
前述の説明のように、側壁絶縁層63が形成され、貫通ホールH1,H2,H3内に穴埋めビア165a,165b,165cが形成され、平坦化層161上にボンディングパッド167a,167b,167cが形成できる。
【0105】
本実施例において、第1のボンディングパッド167aは、透明電極59を通じて第2の導電型半導体層27,37に共通して電気的に連結され得、第2および第3のボンディングパッド167b,167cは、それぞれ第1の導電型半導体層23および第1の導電型半導体層33に電気的に連結され得る。
【0106】
図14は本開示のまた別の実施例にかかる発光素子500を説明するための概略的な平面図であり、
図15Aは
図14の切り取り線E-E’に沿って切り取った概略的な断面図であり、
図15Bは
図14の切り取り線F-F’に沿って切り取った概略的な断面図である。一方、
図16は
図14の発光素子の概略的な回路図である。
【0107】
図14、
図15A、および
図15Bを参照すると、本実施例にかかる発光素子500は、
図8、
図9A、および
図9Bを参照して説明した発光素子100と大体類似するが、複数の発光セルC1,C2を有する点に違いがある。各発光セルC1,C2の層構造は、発光素子100と大体類似するため、これに対する詳しい説明は省略する。
【0108】
発光セルC1,C2は、基板21上に互いに離隔される。第1のLED積層20と第2のLED積層30を、絶縁層50を利用してボンディングした後、第2の透明電極39、第2のLED積層30、絶縁層50、第1の透明電極29、第1のLED積層20を順にエッチングして互いに離隔された発光セルC1,C2を形成することができる。
【0109】
平坦化層261は、発光セルC1,C2と一緒に発光セルC1,C2間の分離領域内の基板21を覆うことができる。平坦化層261の上面は平坦になり得る。
【0110】
発光セルC1,C2のそれぞれに、
図8、
図9A、および
図9Bを参照して説明したように、貫通ホールH1,H2,H3,H4および側壁絶縁層63が形成され、貫通ホールH1,H2,H3,H4内に穴埋めビア265a,265b,265c,265dが形成される。
【0111】
また、
図8、
図9A、および
図9Bを参照して説明したように、第1のLED積層20の第1の導電型半導体層23と第2の導電型半導体層27に電気的に接続される穴埋めビア265a,265bは、各発光セルC1,C2内で対角方向に配置される。また、第2のLED積層30の第1の導電型半導体層33と第2の導電型半導体層37に電気的に接続される穴埋めビア265c,265dは、各発光セルC1,C2内で対角方向に配置される。第1のLED積層20に接続される穴埋めビア265a,265bおよび第2のLED積層30に電気的に接続される穴埋めビア265c,265dを対角方向に配置することにより、第1のLED積層20および第2のLED積層30内の電流分散を助け、これにより、発光効率を増加させることができる。
【0112】
次いで、ボンディングパッド267a,267b,267cと一緒にコネクタ267e,267fが形成され得る。ボンディングパッド267aは、第2の発光セルC2上に配置され得、第2の発光セルC2内の穴埋めビア265a,265cを通じて第1の導電型半導体層23,33に電気的に接続できる。
【0113】
ボンディングパッド267bおよびボンディングパッド267cは、第1の発光セルC1上に配置され得、それぞれ穴埋めビア265b,265cに電気的に接続できる。
【0114】
一方、コネクタ267e,267fは、第1の発光セルC1と第2の発光セルC2を電気的に連結する。具体的に、コネクタ267eは、第1の発光セルC1の穴埋めビア265a,265cと第2の発光セルC2の穴埋めビア265dを互いに電気的に連結し、コネクタ267fは、穴埋めビア265a,265cと第2の発光セルC2の穴埋めビア265cを互いに電気的に連結する。
【0115】
これにより、
図16に図示したように、第1の発光セルC1の短波長発光部BL1と長波長発光部YL1、そして第2の発光セルC2の短波長発光部BL2と長波長発光部YL2が直並列に連結された発光素子500が提供される。特に、第1の発光セルC1の短波長発光部BL1と長波長発光部YL1の第1の導電型半導体層23,33が互いに電気的に連結され、さらに、第2の発光セルC2の短波長発光部BL2と長波長発光部YL2の第2の導電型半導体層27,37も電気的に連結される。
【0116】
本実施例において、貫通ホールH1,H2,H3,H4がそれぞれの発光セルC1,C2に形成されていることを図示および説明するが、本発明が必ずしもこれに限定されるのではない。貫通ホールを形成する代わりにメサエッチングのような多様な技術を用いて第1および第2の導電型半導体層23,33,27,37又は第1および第2の透明電極29,39を露出させることができ、これらに電気的接続を形成することができる。
【0117】
複数の発光セルC1,C2を連結する方法は多様になり得る。以下では、回路図を利用して発光セルC1,C2を連結した発光素子について説明する。
【0118】
図17~
図19は、本開示の幾つかの実施例にかかる発光素子600,700,800を説明するための概略的な回路図である。
【0119】
先ず、
図17を参照すると、本実施例にかかる発光素子600は、
図16を参照して説明した発光素子500と大体類似するが、第1の発光セルC1の短波長発光部BL1と長波長発光部YL1の第1の導電型半導体層23,33が互いに電気的に分離したことに違いがある。さらに、第2の発光セルC2の短波長発光部BL2と長波長発光部YL2の第2の導電型半導体層27,37も電気的に離隔される。例えば,
図14の実施例において、コネクタ267e,267fが互いに分離されることにより、
図17のような回路図の発光素子600が提供できる。
【0120】
図18を参照すると、本実施例にかかる発光素子700は
図16を参照して説明した発光素子500と大体類似するが、第1の発光セルC1の短波長発光部BL1と長波長発光部YL1の第2の導電型半導体層27,37が共通して電気的に連結され、第2の発光セルC2の短波長発光部BL2と長波長発光部YL2の第2の導電型半導体層27,37が互いに電気的に離隔されたことに違いがある。第1の発光セルC1の短波長発光部BL1と長波長発光部YL1の第1の導電型半導体層23,33は、共通して電気的に連結され、第2の発光セルC2の短波長発光部BL2と長波長発光部YL2の第1の導電型半導体層23,33が互いに電気的に連結される。
【0121】
図19を参照すると、本実施例にかかる発光素子800において、第1の発光セルC1の短波長発光部BL1の第2の発光セルC2の短波長発光部BL2と直列連結され、第1の発光セルC1の長波長発光部YL1は第2の発光セルC2の長波長発光部YL2と直列連結される。一方、短波長発光部BL1,BL2と長波長発光部YL1,YL2は、互いに電気的に離隔される。
【0122】
上で、第1の発光セルC1の短波長発光部BL1および長波長発光部YL1と、第2の発光セルC2の短波長発光部BL2および長波長発光部YL2を連結する幾つかの実施例について説明したが、本発明は上で説明した特定の実施例に限定されるのではない。
【0123】
以上で、本開示の多様な実施例について説明したが、本開示はこれら実施例に限定されるのではない。また、一つの実施例について説明した事項や構成要素は、本開示の技術的思想から外れない限り、別の実施例にも適用できる。
【符号の説明】
【0124】
11 リード電極
13 ハウジング
15 発光ダイオードチップ
17 ボンディングワイヤ
19 波長変換機
20 第1のLED積層
21 第1の基板
23 第1の導電型半導体層
25 活性層
27 第2の導電型半導体層
29 第1の透明電極
30 第2のLED積層
33 第1の導電型半導体層
35 活性層
37 第2の導電型半導体層
39 第2の透明電極
47 下部p電極パッド
50 絶縁層
57 上部p電極パッド
59 透明電極
61 平坦化層
63 側壁絶縁層
65 ビア
67 ボンディングパッド
100 発光素子
161 平坦化層
165 ビア
167 ボンディングパッド
200 発光素子
261 平坦化層
265 ビア
267 ボンディングパッド
300 発光素子
400 発光素子
500 発光素子
600 発光素子
700 発光素子
800 発光素子
【国際調査報告】