IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ マイクロキュアーズ, インコーポレイテッドの特許一覧

特表2023-515998創傷治癒を増強するための標的としてのフィジェチン様2
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-17
(54)【発明の名称】創傷治癒を増強するための標的としてのフィジェチン様2
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/11 20060101AFI20230410BHJP
   A61K 31/713 20060101ALI20230410BHJP
   A61K 31/7125 20060101ALI20230410BHJP
   A61K 31/712 20060101ALI20230410BHJP
   A61K 31/7115 20060101ALI20230410BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20230410BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20230410BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20230410BHJP
   A61K 47/42 20170101ALI20230410BHJP
   A61K 47/44 20170101ALI20230410BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20230410BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20230410BHJP
   A61K 9/107 20060101ALI20230410BHJP
   A61K 9/10 20060101ALI20230410BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20230410BHJP
   A61K 9/51 20060101ALI20230410BHJP
   A61K 47/56 20170101ALI20230410BHJP
   A61K 9/127 20060101ALI20230410BHJP
【FI】
C12N15/11 Z ZNA
A61K31/713
A61K31/7125
A61K31/712
A61K31/7115
A61P17/02
A61K47/02
A61K47/36
A61K47/42
A61K47/44
A61K47/32
A61K47/34
A61K9/107
A61K9/10
A61K9/06
A61K9/51
A61K47/56
A61K9/127
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022551729
(86)(22)【出願日】2021-02-27
(85)【翻訳文提出日】2022-10-05
(86)【国際出願番号】 US2021020130
(87)【国際公開番号】W WO2021174149
(87)【国際公開日】2021-09-02
(31)【優先権主張番号】62/983,193
(32)【優先日】2020-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520141449
【氏名又は名称】マイクロキュアーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブルックス、ダグラス・ジー
(72)【発明者】
【氏名】オルーク、ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】クレイマー、アダム
(72)【発明者】
【氏名】シャープ、デーヴィッド・ジェームズ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA06
4C076AA09
4C076AA17
4C076AA19
4C076AA65
4C076BB31
4C076CC19
4C076EE01
4C076EE23
4C076EE30
4C076EE41
4C076EE59
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086EA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA89
(57)【要約】
フィジェチン(fidgetin)様2を標的とする核酸分子及びそれらの組成物、並びにヒト対象における創傷又は瘢痕の治療におけるそれらの使用方法が記載されている。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
核酸分子であって、
5'-fUfUmA fCmAfC AGU AUU AAA GCG ATT(配列番号17)、
(Phos)5'-U CGC UUU AAU ACU G UG UAA TT(配列番号18)、
5'-UUACACAGUAUUAAAGCGATT-3'(配列番号34)、
(Phos)5'-mUmCGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号35)、
(Phos)5'-mU(s)mC(s)GCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号36)、
(Phos)5'-fUfCGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号37)、
(Phos)5'-fU(s)fC(s)GCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号38)、
(Phos)5'-mU(s)mC(s)GCUUUAAUAmCfUmGfUmGfUmAmATT-3'(配列番号39)、
(Phos)5'-U(s)CGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号40)、
(Phos)5'-mUfCmGfCmUfUmUAAfUmAfCmUGmUmGfUmAmATT(配列番号41)、
5'-mUmUmAmCmAmCmAmGmUmAmUmUmAmAmAmGmCmGmAmUmU-3'(配列番号42)、
(Phos)5'-mUmCmGmCmUmUmUmAmAmUmAmCmUmGmUmGmUmAmAmUmU-3'(配列番号43)、
5'mUmUmAmCmAmCmAmGmUmAmUmUmAmAmAmGdCdGdATT-3'(配列番号44)、
5'mUmUmAmCmAmCmAmGmUmAmUmUmAmAmAmGdCmGmATT-3'(配列番号45)、
5'UUACACAGUAUUAAAGCGA-3'(配列番号46)、
(Phos)5'-U(s)CGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号47)、
(Phos)5'-UCGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号48)、
(Phos)5'-U(s)C(s)GCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号49)、
5'-mUmUACACAGUAUUAAAGCGA-3'(配列番号50)、
(Phos)5'-U(s)CGCUUUAAUACUGUGUmAmATT-3'(配列番号51)、
(Phos)5'-UCGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号52)、
(Phos)5'-U(s)C(s)GCUUUAAUACUGUGUAA T(s)T-3'(配列番号53)、
5'lUlUlAlClACAGUAUUAAAGCGATT-3'(配列番号54)、
(Phos)5'-UCGCUUUAAUACUGlUlGlUlAlA TT-3'(配列番号55)、
5'fUfUlAfClACAGUAUUAAAGCGA-3'(配列番号56)、又は
(Phos)5'-mU(s)mCmGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号57)からなる群から選択される配列からなり、
d(ヌクレオチド)=デオキシ-(ヌクレオチド)、m(ヌクレオチド)=2'-O-メチルヌクレオチド、T=チミジン、f(ヌクレオチド)=2'-フルオロデオキシヌクレオチド、(Phos)=ホスホジエステルキャップ;大文字ヌクレオチド=RNAヌクレオチド、l(ヌクレオチド)=ロックされたヌクレオチド、及び(s)=ホスホロチオエートである、核酸分子。
【請求項2】
請求項1に記載の2つの核酸分子からなる、二本鎖核酸。
【請求項3】
配列番号17、34、42、44、45、46、50、及び54から選択されるセンス鎖、並びに配列番号2、18、35、36、37、38、39、40、41、43、47、48、49、51、52、53、55、及び57から選択されるアンチセンス鎖からなる、請求項2に記載の二本鎖核酸。
【請求項4】
配列番号17及び配列番号18、配列番号34及び配列番号35、配列番号34及び配列番号36、配列番号34及び配列番号37、配列番号34及び配列番号38、配列番号34及び配列番号39、配列番号17及び配列番号40、配列番号34及び配列番号41、配列番号42及び配列番号43、配列番号44及び配列番号43、配列番号45及び配列番号43、配列番号46及び配列番号47、配列番号46及び配列番号48、配列番号46及び配列番号49、配列番号50及び配列番号51、配列番号46及び配列番号52、配列番号46及び配列番号53、配列番号54及び配列番号55、又は配列番号56及び配列番号57からなる、請求項2に記載の二本鎖核酸。
【請求項5】
請求項1に記載の核酸分子を含む、二本鎖核酸。
【請求項6】
各鎖が、52個以下のヌクレオチドを有する、請求項5に記載の二本鎖核酸。
【請求項7】
配列番号17、34、42、44、45、46、50、及び54の中から選択される核酸分子を含むセンス鎖、並びに配列番号2、18、35、36、37、38、39、40、41、43、47、48、49、51、52、53、55、及び57の中から選択される核酸分子を含むアンチセンス鎖からなる、請求項5に記載の二本鎖核酸。
【請求項8】
配列番号17及び配列番号18、配列番号34及び配列番号35、配列番号34及び配列番号36、配列番号34及び配列番号37、配列番号34及び配列番号38、配列番号34及び配列番号39、配列番号17及び配列番号40、配列番号34及び配列番号41、配列番号42及び配列番号43、配列番号44及び配列番号43、配列番号45及び配列番号43、配列番号46及び配列番号47、配列番号46及び配列番号48、配列番号46及び配列番号49、配列番号50及び配列番号51、配列番号46及び配列番号52、配列番号46及び配列番号53、配列番号54及び配列番号55、又は配列番号56及び配列番号57を含む、請求項5に記載の二本鎖核酸。
【請求項9】
各鎖が、52個以下のヌクレオチドを有する、請求項5に記載の二本鎖核酸。
【請求項10】
少なくとも1つのヌクレオチドが、修飾されるか、又は更に修飾される、請求項1~9のいずれか一項に記載の核酸分子。
【請求項11】
前記修飾された又は更に修飾されたヌクレオチドが、2'-O-メチル-アデノシン、2'-O-メチル-ウリジン、2'-O-メチル-シトシン、2'-O-メチル-グアノシン、2'-O-メチル-チミジン、2'-フルオロ-アデノシン、2'-フルオロ-シチジン、2'-フルオロ-グアノシン、2'-フルオロ-ウラシル、2'-フルオロ-チミジン、デオキシシトシン、デオキシグアノシン、デオキシアデノシン、デオキシチミジン、デオキシウリジン、ロックされたアデノシン、ロックされたウリジン、ロックされたグアノシン、ロックされたシチジン、ホスホロチオエート、及びホスホジエステルキャップから選択される、請求項10に記載の核酸。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の核酸分子、及び薬学的に許容される担体、ビヒクル、賦形剤、又は希釈剤を含む、組成物。
【請求項13】
前記担体が、以下、生理食塩水、糖、ポリペプチド、ポリマー、脂質、クリーム、ゲル、ミセル材料、ウエハ、及びナノ粒子のうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記担体が、以下、グルコース溶液、ポリカチオン性結合剤、カチオン性脂質、カチオン性ミセル、カチオン性ポリペプチド、親水性ポリマーグラフトポリマー、非天然カチオン性ポリマー、カチオン性ポリアセタール、親水性ポリマーグラフトポリアセタール、リガンド官能化カチオン性ポリマー、核酸送達ビヒクル、リガンド官能化-親水性ポリマーグラフトポリマー、及びリガンド官能化リポソームのうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
前記担体が、カチオン性ポリマー-核酸複合体を含む、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記親水性ポリマーが、ポリエチレングリコール(PEG)である、請求項14に記載の組成物。
【請求項17】
前記ナノ粒子が、リポソームナノ粒子である、請求項13に記載の組成物。
【請求項18】
前記リポソームが、少なくとも1つの2'糖修飾で更に官能化される、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
対象における創傷を治療するか、又は瘢痕を阻害、低減、若しくは予防する方法であって、前記対象に、治療有効量の請求項12に記載の組成物を投与することを含む、方法。
【請求項20】
前記創傷又は瘢痕が、皮膚、眼、中枢神経系、末梢神経系、心臓組織、血管、腱、靭帯、筋肉、口腔、口唇、口蓋、内臓、外科的創傷、腹腔、骨盤腔、又は胸腔のものである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記眼の前記創傷又は瘢痕が、角膜又は水晶体嚢のものである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記創傷又は瘢痕が、眼の手術、LASIK手術、LASEK手術、PRK手術、緑内障濾過手術、白内障手術、及び角膜瘢痕形成から生じる、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
瘢痕化の阻害が、癒着形成の発生数及び/又は形成された癒着のサイズを低減する、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
瘢痕化の前記予防、低減、又は阻害が、ニューロン再結合及び/又はニューロン機能を増強する、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記心臓組織の前記創傷が、心筋梗塞に由来する、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記創傷が、ニューロンの創傷である、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
前記創傷が、被膜拘縮をもたらす、請求項20に記載の方法。
【請求項28】
前記創傷が、外科的創傷である、請求項20に記載の方法。
【請求項29】
前記創傷が、美容的処置又は瘢痕の修正に由来する、請求項20に記載の方法。
【請求項30】
対象における皮膚移植片又は皮膚移植部位の治癒を促進又は改善する方法であって、前記対象に、前記皮膚移植片又は前記皮膚移植部位の治癒を促進するのに有効な量の請求項12に記載の組成物を投与することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年2月28日に出願された米国仮特許出願第62/983,193号の優先権を主張するものであり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
急性及び慢性創傷を治療するための安全かつ効果的な治療法の開発は、現在、臨床科学者及び業界にとって等しく非常に興味深い問題である。創傷治癒は、創傷ゾーンへの新しい細胞の送達に大きく依存する複雑な多段階プロセスである。創傷治癒応答の2つの重要な要素は、それぞれ、線維芽細胞及び上皮細胞が創傷に入り、外部環境からの保護バリアを形成するときの線維増殖及び上皮形成である。これは、細胞増殖及び創縁からの移行によって刺激される。細胞が侵入し、創傷を閉じる速度を増加させる薬剤の同定は、創傷治癒療法における大きな進歩を表すであろう。理想的には、これは、線維芽細胞及び創縁上皮細胞の増殖及び移行を刺激する、局所的(topically)又は局所的(locally)に適用される薬剤である。
【0003】
本出願において参照される全ての刊行物、特許、特許出願刊行物、及び書籍の開示は、ここで参照によりそれら全体が本出願に組み込まれ、本開示が関連する技術をより完全に説明する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様では、
5'-fUfUmA fCmAfC AGU AUU AAA GCG ATT(配列番号17)、
(Phos)5'-U CGC UUU AAU ACU G UG UAA TT(配列番号18)、
5'-UUACACAGUAUUAAAGCGATT-3'(配列番号34)、
(Phos)5'-mUmCGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号35)、
(Phos)5'-mU(s)mC(s)GCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号36)、
(Phos)5'-fUfCGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号37)、
(Phos)5'-fU(s)fC(s)GCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号38)、
(Phos)5'-mU(s)mC(s)GCUUUAAUAmCfUmGfUmGfUmAmATT-3'(配列番号39)、
(Phos)5'-U(s)CGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号40)、
(Phos)5'-mUfCmGfCmUfUmUAAfUmAfCmUGmUmGfUmAmATT(配列番号41)、
5'-mUmUmAmCmAmCmAmGmUmAmUmUmAmAmAmGmCmGmAmUmU-3'(配列番号42)、
(Phos)5'-mUmCmGmCmUmUmUmAmAmUmAmCmUmGmUmGmUmAmAmUmU-3'(配列番号43)、
5'mUmUmAmCmAmCmAmGmUmAmUmUmAmAmAmGdCdGdATT-3'(配列番号44)、
5'mUmUmAmCmAmCmAmGmUmAmUmUmAmAmAmGdCmGmATT-3'(配列番号45)、
5'UUACACAGUAUUAAAGCGA-3'(配列番号46)、
(Phos)5'-U(s)CGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号47)、
(Phos)5'-UCGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号48)、
(Phos)5'-U(s)C(s)GCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号49)、
5'-mUmUACACAGUAUUAAAGCGA-3'(配列番号50)、
(Phos)5'-U(s)CGCUUUAAUACUGUGUmAmATT-3'(配列番号51)、
(Phos)5'-UCGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号52)、
(Phos)5'-U(s)C(s)GCUUUAAUACUGUGUAA T(s)T-3'(配列番号53)、
5'lUlUlAlClACAGUAUUAAAGCGATT-3'(配列番号54)、
(Phos)5'-UCGCUUUAAUACUGlUlGlUlAlA TT-3'(配列番号55)、
5'fUfUlAfClACAGUAUUAAAGCGA-3'(配列番号56)、又は
(Phos)5'-mU(s)mCmGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号57)からなる群から選択される配列からなる核酸分子が提供され、
d(ヌクレオチド)=デオキシ-(ヌクレオチド)、m(ヌクレオチド)=2'-O-メチルヌクレオチド、T=チミジン、f(ヌクレオチド)=2'-フルオロデオキシヌクレオチド、(Phos)=ホスホジエステルキャップ;大文字ヌクレオチド=RNAヌクレオチド、l(ヌクレオチド)=ロックされたヌクレオチド、及び(s)=ホスホロチオエートである。例えば、配列番号17では、fCは、2'-フルオロデオキシシチジンリボ核酸を表し、fUは、2'-フルオロデオキシウラシルリボ核酸を表し、mAは、2'-O-メチルアデノシンリボ核酸を表す。
【0005】
いくつかの実施形態では、ホスホジエステルキャップを用いて示される前述の配列のうちのいずれかは、本明細書に記載される配列番号58~72などのホスホジエステルキャップを用いずに提供されてもよい。
【0006】
いくつかの実施形態では、siRNAは、前述の配列のうちのいずれかからなる。いくつかの実施形態では、siRNAは、前述の配列のうちのいずれかを含む。いくつかの実施形態では、配列番号17~18及び34~72の中から選択される2つの核酸分子からなる、二本鎖核酸が提供される。いくつかの実施形態では、配列番号17~18及び34~72の中から選択される少なくとも1つの核酸分子を含む、二本鎖核酸が提供される。
【0007】
いくつかの実施形態では、siRNAは、3'突出、5'突出、5'リン酸化、2'糖修飾、核酸塩基修飾、リン酸骨格修飾、及び前述のうちのいずれかの任意の組み合わせから選択される少なくとも1つの修飾を有する。siRNA配列のうちのいずれも、ホスホジエステルキャップを有し得る。いくつかの実施形態では、ホスホジエステルキャップを用いて示される前述の配列のうちのいずれかは、本明細書に記載される配列番号58~72などのホスホジエステルキャップを用いずに提供されてもよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、各々が配列番号17~18及び34~72の中から選択されるアンチセンス核酸分子及びセンス核酸分子からなる、二本鎖核酸が提供される。
【0009】
いくつかの実施形態では、配列番号17~18及び34~72の中から選択されるアンチセンス核酸分子、並びに配列番号17~18及び34~72の中から選択されるセンス核酸分子を含む、二本鎖核酸が提供される。
【0010】
いくつかの実施形態では、配列番号17~18及び34~72の中から選択される2つの核酸分子を含む、二本鎖核酸が提供される。いくつかの実施形態では、二本鎖核酸は、センス鎖及びアンチセンス鎖を含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、二本鎖核酸の各鎖は、52個以下のヌクレオチドを有する。
【0012】
いくつかの実施形態では、配列番号17及び配列番号18、配列番号34及び配列番号35、配列番号34及び配列番号36、配列番号34及び配列番号37、配列番号34及び配列番号38、配列番号34及び配列番号39、配列番号17及び配列番号40、配列番号34及び配列番号41、配列番号42及び配列番号43、配列番号44及び配列番号43、配列番号45及び配列番号43、配列番号46及び配列番号47、配列番号46及び配列番号48、配列番号46及び配列番号49、配列番号50及び配列番号51、配列番号46及び配列番号52、配列番号46及び配列番号53、配列番号54及び配列番号55、又は配列番号56及び配列番号57からなる、二本鎖核酸が提供される。
【0013】
いくつかの実施形態では、前述の核酸のうちのいずれか1つは、修飾されるか、又は更に修飾される少なくとも1つのヌクレオチドを有する。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオチドは、2'-O-メチル-アデノシン、2'-O-メチル-ウリジン、2'-O-メチル-シトシン、2'-O-メチル-グアノシン、2'-O-メチル-チミジン、2'-フルオロ-アデノシン、2'-フルオロ-シチジン、2'-フルオロ-グアノシン、2'-フルオロ-ウラシル、2'-フルオロ-チミジン、デオキシシトシン、デオキシグアノシン、デオキシアデノシン、デオキシチミジン、デオキシウリジン、ロックされたアデノシン、ロックされたウリジン、ロックされたグアノシン、ロックされたシチジン、ホスホロチオエート、及びホスホジエステルキャップから選択される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの追加のヌクレオチド又は修飾ヌクレオチドが、核酸の末端に付加される。
【0014】
一態様では、前述の核酸分子又は二本鎖核酸、並びに薬学的に許容される担体、ビヒクル、賦形剤、又は希釈剤のうちのいずれかを含む、組成物が提供される。
【0015】
いくつかの実施形態では、担体は、以下、生理食塩水、糖、ポリペプチド、ポリマー、脂質、クリーム、ゲル、ミセル材料、ウエハ、及びナノ粒子のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、担体は、以下、グルコース溶液、ポリカチオン性結合剤、カチオン性脂質、カチオン性ミセル、カチオン性ポリペプチド、親水性ポリマーグラフトポリマー、非天然カチオン性ポリマー、カチオン性ポリアセタール、親水性ポリマーグラフトポリアセタール、リガンド官能化カチオン性ポリマー、核酸送達ビヒクル、リガンド官能化-親水性ポリマーグラフトポリマー、及びリガンド官能化リポソームのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、担体は、カチオン性ポリマー-核酸複合体を含む。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)である。
【0016】
いくつかの実施形態では、担体は、コラーゲンを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、コラーゲン微粒子である。いくつかの実施形態では、核酸分子は、コラーゲンに吸着される。
【0017】
いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、リポソームナノ粒子である。いくつかの実施形態では、リポソームは、少なくとも1つの2'糖修飾で更に官能化される。
【0018】
一態様では、対象における創傷を治療するか、又は瘢痕を阻害、低減、若しくは予防する方法であって、対象に、治療有効量の前述の組成物のうちのいずれかを投与することを含む、方法が提供される。いくつかの実施形態では、創傷又は瘢痕は、皮膚、眼、中枢神経系、末梢神経系、心臓組織、血管、腱、靭帯、筋肉、口腔、口唇、口蓋、内臓、外科的創傷、腹腔、骨盤腔、又は胸腔のものである。いくつかの実施形態では、眼の創傷又は瘢痕は、角膜又は水晶体嚢のものである。いくつかの実施形態では、創傷又は瘢痕は、眼の手術、LASIK手術、LASEK手術、PRK手術、緑内障濾過手術、白内障手術、及び角膜瘢痕形成(corneal cicatrisation)から生じる。
【0019】
いくつかの実施形態では、瘢痕化の阻害は、癒着形成の発生数及び/又は形成された接着のサイズを低減する。いくつかの実施形態では、瘢痕化の予防、低減、又は阻害は、ニューロン再結合及び/又はニューロン機能を増強する。いくつかの実施形態では、心臓組織の創傷は、心筋梗塞に由来する。いくつかの実施形態では、創傷は、ニューロンの創傷である。いくつかの実施形態では、創傷は、被膜拘縮(capsular contraction)をもたらす。いくつかの実施形態では、創傷は、外科的創傷である。いくつかの実施形態では、創傷は、美容的処置又は瘢痕の修正に由来する。いくつかの実施形態では、皮膚移植片の治癒は、本開示の組成物を使用して増強される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】配列番号17/18 APIのセンス鎖及びアンチセンス鎖の固相合成に関与する工程のサイクルを示す。
図2】配列番号17/18 API製造スキームを示す。
図3A-1】センス鎖配列番号17の構造を示す。
図3A-2】センス鎖配列番号17の構造を示す。
図3B-1】アンチセンス鎖配列番号18の構造を示す。
図3B-2】アンチセンス鎖配列番号18の構造を示す。
図4A】FL2のsiRNA媒介枯渇が、細胞移行を増強することを示す。
図4B】FL2のsiRNA媒介枯渇が、細胞移行を増強することを示す。
図4C】FL2のsiRNA媒介枯渇が、細胞移行を増強することを示す。
図5】U2OS細胞を使用した移行のためのsiRNAの初期スクラッチテストスクリーンの結果を示す。
図6】U2OS細胞を使用した移行のためのsiRNAの第2のスクラッチテストスクリーンを示す。
図7図6の研究からの細胞を使用したFL2のウエスタンブロットを示す。
図8】配列番号17/18を使用したタイムラプススクラッチテストの結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示の一部を形成する以下の詳細な説明を参照することにより、本発明の主題をより容易に理解することができる。本開示は、本明細書で説明及び/又は示される特定の製品、方法、条件、又はパラメータに限定されず、本明細書で使用される専門用語は、単なる例として特定の実施形態を説明することを目的とし、特許請求の範囲に記載される本開示を限定することを意図するものではないことを理解されたい。
【0022】
本明細書で別途定義されない限り、本出願に関連して使用される科学用語及び技術用語は、当業者によって一般的に理解される意味を有するものとする。更に、文脈によって別段の必要がない限り、単数形の用語は複数形を含み、複数形の用語は単数形を含むものとする。
【0023】
上記及び本開示全体を通して用いられる場合、以下の用語及び略語は、別段の指示がない限り、以下の意味を有するものと理解されなければならない。
【0024】
本開示では、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、複数の指示対象を含み、特定の数値への言及は、文脈上明確に別段の指示がない限り、少なくともその特定の値を含む。したがって、例えば、「化合物」への言及は、そのような化合物及び当業者に既知のそれらの等価物等のうちの1つ以上への言及である。本明細書で使用される場合、「複数」という用語は、2つ以上を意味する。値の範囲が表現される場合、別の実施形態は、1つの特定の値から及び/又は他の特定の値までを含む。
【0025】
同様に、値が近似値として表される場合、前置詞「約」を使用することによって、特定の値が別の実施形態を形成することを理解されたい。全ての範囲が包括的であり、組み合わせることができる。本開示の文脈において、「約」ある特定の量とは、その量が記載された量の±20%以内、又は好ましくは記載された量の±10%以内、又はより好ましくは記載された量の±5%以内であることを意味する。
【0026】
本明細書で使用される場合、「治療する」、「治療」、又は「治療法」という用語(並びにそれらの異なる形態)は、予防的(prophylactic)又は予防的(preventative)措置を含む治療的処置を指し、目的は、疾患又は状態に関連する望ましくない生理学的変化を予防又は減速(軽減)することである。有益又は所望の臨床結果としては、症状の緩和、疾患又は状態の程度の減少、疾患又は状態の安定化(すなわち、疾患又は状態が悪化しない場合)、疾患又は状態の進行の遅延又は減速、疾患又は状態の寛解又は緩和、及び検出可能であるか検出不可能であるかにかかわらず、疾患又は状態の寛解(部分的又は全体的)が挙げられるが、これらに限定されない。治療を必要としている者には、既に疾患若しくは状態を患っている者、及び疾患若しくは状態を患い易い者、又は疾患若しくは状態が予防されるべき者が含まれる。
【0027】
本明細書で使用される場合、「成分」、「組成物」、「製剤」、「化合物の組成物」、「化合物」、「薬物」、「薬理活性剤」、「活性剤」、「治療薬」、「治療法」、「治療」、又は「医薬品」という用語は、本明細書において互換的に使用され、文脈の指示に従って、対象(ヒト又は動物)に投与されるときに、局所及び/又は全身作用によって所望の薬理学的及び/又は生理学的効果を誘導する1つ若しくは複数の化合物又は物質の組成物を指す。個別化された組成物又は方法は、対象において識別又は企図される特定のニーズを満たすために調整又は個別化されたレジメンにおける製品又は製品の使用を指す。
【0028】
「対象」、「個体」、及び「患者」という用語は、本明細書において互換的に使用され、本開示による組成物又は製剤による治療が提供される動物、例えばヒトを指す。本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、ヒト及び非ヒト動物を指す。「非ヒト動物」及び「非ヒト哺乳動物」という用語は、本明細書において互換的に使用され、全ての脊椎動物、例えば、非ヒト霊長類などの哺乳動物(特に高等霊長類)、ヒツジ、イヌ、げっ歯類(例えば、マウス又はラット)、モルモット、ヤギ、ブタ、ネコ、ウサギ、ウシ、ウマ、並びに爬虫類、両生類、ニワトリ、及び七面鳥などの非哺乳動物を含む。本明細書に記載される組成物は、サル及びヒトなどの霊長類、ウマ、ウシ、ネコ、イヌ、ウサギ、並びにラット及びマウスなどのげっ歯類を含む、任意の好適な哺乳動物を治療するために使用することができる。いくつかの実施形態では、治療される哺乳動物は、ヒトである。ヒトは、任意の年齢の任意のヒトであり得る。ある実施形態では、ヒトは、成人である。別の実施形態では、ヒトは、子供である。ヒトは、男性、女性、妊娠中、中年、青年期、又は高齢者であり得る。本開示の方法のうちのいずれかに従い、いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。別の実施形態では、対象は、非ヒト霊長類である。別の実施形態では、対象は、ネズミであり、いくつかの実施形態ではマウスであり、別の実施形態ではラットである。別の実施形態では、対象は、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ラプリン、又はブタである。別の実施形態では、対象は、哺乳動物である。本明細書に記載されるように、本開示の教示を使用した非ヒト動物(例えば、非ヒト霊長類、非ヒト哺乳動物)の治療は、特定の種におけるフィジェチン様2のオーソログを対象とするsiRNAの使用を必要とし得る。
【0029】
特定の薬物、化合物、組成物、製剤(又はそれらの組み合わせ)が本明細書において「示される」と言われる対象における状態及び障害は、その薬物又は化合物又は組成物又は製剤が、規制当局によって明示的に承認されている状態及び障害に限定されず、また、その薬物若しくは化合物若しくは組成物若しくは製剤、又はそれらの組み合わせでの治療に適していると医師又は他の保健士若しくは栄養士によって知られているか、又は合理的に考えられる他の状態及び障害も含む。
【0030】
本開示は、ヒトフィジェチン様2活性を阻害する核酸配列、その薬学的組成物、及び様々な損傷、創傷、及び疾患を予防又は治療するためのそれらの使用方法を対象とする。
【0031】
核酸配列
【0032】
いくつかの実施形態では、本開示は、以下の配列、
センス鎖 5'-fUfUmAfCmAfCAGUAUUAAAGCGATT(配列番号17)、
アンチセンス鎖:(Phos)5'-U CGC UUU AAU ACU G UG UAA TT(配列番号18)、
センス鎖:5'-UUACACAGUAUUAAAGCGATT-3'(配列番号34)、
アンチセンス鎖:(Phos)5'-mUmCGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号35)、
アンチセンス鎖:(Phos)5'-mU(s)mC(s)GCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号36)、
アンチセンス鎖:(Phos)5'-fUfCGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号37)、
アンチセンス鎖:(Phos)5'-fU(s)fC(s)GCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号38)、
アンチセンス鎖:(Phos)5'-mU(s)mC(s)GCUUUAAUAmCfUmGfUmGfUmAmATT-3'(配列番号39)、
アンチセンス鎖:(Phos)5'-U(s)CGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号40)、
アンチセンス鎖:(Phos)5'-mUfCmGfCmUfUmUAAfUmAfCmUGmUmGfUmAmATT-3'(配列番号41)、
センス鎖:5'-mUmUmAmCmAmCmAmGmUmAmUmUmAmAmAmGmCmGmAmUmU-3'(配列番号42)、
アンチセンス鎖:(Phos)5'-mUmCmGmCmUmUmUmAmAmUmAmCmUmGmUmGmUmAmAmUmU-3'(配列番号43)、
センス鎖:5'-mUmUmAmCmAmCmAmGmUmAmUmUmAmAmAmGdCdGdATT-3'(配列番号44)、
センス鎖:5'-mUmUmAmCmAmCmAmGmUmAmUmUmAmAmAmGdCmGmATT-3'(配列番号45)、
センス鎖:5'-UUACACAGUAUUAAAGCGA-3'(配列番号46)、
アンチセンス鎖:(Phos)5'-U(s)CGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号47)、
アンチセンス鎖:(Phos)5'-UCGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号48)、
アンチセンス鎖:(Phos)5'-U(s)C(s)GCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号49)、
センス鎖:5'-mUmUACACAGUAUUAAAGCGA-3'(配列番号50)、
アンチセンス鎖:(Phos)5'-U(s)CGCUUUAAUACUGUGUmAmATT-3'(配列番号51)、
アンチセンス鎖:(Phos)5'-UCGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号52)、
アンチセンス鎖:(Phos)5'-U(s)C(s)GCUUUAAUACUGUGUAA T(s)T-3'(配列番号53)、
センス鎖:5'-lUlUlAlClACAGUAUUAAAGCGATT-3'(配列番号54)、
アンチセンス鎖:(Phos)5'-UCGCUUUAAUACUGlUlGlUlAlA TT-3'(配列番号55)、
センス鎖:5'-fUfUlAfClACAGUAUUAAAGCGA-3'(配列番号56)、
アンチセンス鎖:(Phos)5'-mU(s)mCmGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号57)、
アンチセンス鎖:5'-fUfCGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号58)、
アンチセンス鎖:5'-fU(s)fC(s)GCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号59)、
アンチセンス鎖:5'-mU(s)mC(s)GCUUUAAUAmCfUmGfUmGfUmAmATT-3'(配列番号60)、
アンチセンス鎖:5'-U(s)CGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号61)、
アンチセンス鎖:5'-mUfCmGfCmUfUmUAAfUmAfCmUGmUmGfUmAmATT(配列番号62)、
アンチセンス鎖:5'-mUmCmGmCmUmUmUmAmAmUmAmCmUmGmUmGmUmAmAmUmU-3'(配列番号63)、
アンチセンス鎖:5'-U(s)CGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号64)、
アンチセンス鎖:5'-UCGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号65)、
アンチセンス鎖:5'-U(s)C(s)GCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号66)、
アンチセンス鎖:5'-U(s)CGCUUUAAUACUGUGUmAmATT-3'(配列番号67)、
アンチセンス鎖:5'-UCGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号68)、
アンチセンス鎖:5'-U(s)C(s)GCUUUAAUACUGUGUAA T(s)T-3'(配列番号69)、
アンチセンス鎖:5'-UCGCUUUAAUACUGlUlGlUlAlA TT -3'(配列番号70)、
アンチセンス鎖:5'-mU(s)mCmGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号71)、又は
アンチセンス鎖:5'-U CGC UUU AAU ACU G UG UAA TT(配列番号72)、
のうちの1つ及び補体からなる核酸分子を対象とし、
d(ヌクレオチド)=デオキシ-(ヌクレオチド)、m(ヌクレオチド)=2'-O-メチルヌクレオチド、T=チミジン、f(ヌクレオチド)=2'-フルオロデオキシヌクレオチド、(Phos)=ホスホジエステルキャップ;大文字ヌクレオチド=RNAヌクレオチド、l(ヌクレオチド)=ロックされたヌクレオチド、及び(s)=ホスホロチオエートである。したがって、例えば、dTは、デオキシチミジンを表し、dCは、デオキシシチジンを表し、fCは、2'-フルオロデオキシシチジンリボ核酸を表し、fUは、2'-フルオロデオキシウラシルリボ核酸を表し、mAは、2'-O-メチルアデノシンリボ核酸を表し、mUは、2'-O-メチルウラシルリボ核酸を表し、mCは、2'-O-メチルシトシンリボ核酸を表し、mGは、2'-O-メチルグアノシンリボ核酸を表す。
【0033】
いくつかの実施形態では、補体は、二本鎖核酸を含む相補的核酸鎖を指す。いくつかの実施形態では、センス鎖が選択される場合、その補体は、アンチセンス鎖である。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖が選択される場合、その補体は、センス鎖である。
【0034】
いくつかの実施形態では、補体は、配列番号17~18及び34~72のうちのいずれかから選択され得る。いくつかの実施形態では、siRNA分子が配列番号17~18及び34~72の中のセンス鎖である場合、補体は、配列番号17~18及び34~72の中のアンチセンス鎖から選択され得る。いくつかの実施形態では、siRNA分子が配列番号17~18及び34~72の中のアンチセンス鎖である場合、補体は、配列番号17~18及び34~72の中のセンス鎖から選択され得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、補体は、配列番号1~10から選択され得る。いくつかの実施形態では、siRNA分子が配列番号17~18及び34~72の中のセンス鎖である場合、補体は、配列番号1~10の中のアンチセンス鎖から選択され得る。いくつかの実施形態では、siRNA分子が配列番号17~18及び34~72の中のアンチセンス鎖である場合、補体は、配列番号1~10の中のセンス鎖から選択され得る。配列番号1~10は、センス鎖:UUACACAGUAUUAAAGCGAUU(配列番号1)、アンチセンス鎖:5'UCGCUUUAAUACUGUGUAAUU(配列番号2)、センス鎖:CAUCUGAAACCUAGGGUCUUU(配列番号3)、アンチセンス鎖:5'AGACCCUAGGUUUCAGAUGUU(配列番号4)、センス鎖:GUGACUUAUGCUAGGAGGAUU(配列番号5)、アンチセンス鎖:5'UCCUCCUAGCAUAAGUCACUU(配列番号6)、センス鎖:GGUCAGAAGCAGAAUGUAUUU(配列番号7)、アンチセンス鎖:5'AUACAUUCUGCUUCUGACCUU(配列番号8)、センス:5'CGCCGGCCCACAAGUUGGAdTdT(配列番号9)、及びアンチセンス:5'UCCAACUUGUGGGCCGGCGdTdT(配列番号10)である。
【0036】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される核酸配列のうちのいずれかは、本明細書に記載されるような1つ以上のヌクレオチド修飾で修飾され得るか、又は更に修飾され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される配列における任意の非修飾ヌクレオチドは、限定されないが、本明細書に記載されるものなどの修飾ヌクレオチドのうちの1つに修飾され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される配列における修飾ヌクレオチドは、限定されないが、本明細書に記載される修飾ヌクレオチドのうちの1つなどの異なる修飾ヌクレオチドに変更され得る。修飾ヌクレオチド又は修飾核酸は、本明細書に記載されるように、修飾ヌクレオチド、ヌクレオチド若しくはヌクレオチドの任意の成分間の結合、及び1つ以上の修飾若しくは非修飾ヌクレオチドの、配列の一方若しくは両方の末端への付加、又はキャップの付加を包含する。
【0037】
いくつかの実施形態では、配列番号17~18及び34~72の中から選択される2つの核酸分子からなる、二本鎖核酸が提供される。
【0038】
いくつかの実施形態では、配列番号17~18及び34~72の中から選択される相補的核酸分子からなる、二本鎖核酸が提供される。
【0039】
いくつかの実施形態では、配列番号17、34、42、44、45、46、50、及び54から選択されるセンス鎖、並びに配列番号2、18、35、36、37、38、39、40、41、43、47、48、49、51、52、53、55、及び57から選択されるアンチセンス鎖からなる、二本鎖核酸が提供される。
【0040】
いくつかの実施形態では、配列番号17、34、42、44、45、46、50、54、及び56から選択されるセンス鎖、並びに配列番号2、4、6、8、及び10から選択されるアンチセンス鎖からなる、二本鎖核酸が提供される。
【0041】
いくつかの実施形態では、配列番号1、3、5、7、及び9から選択されるセンス鎖、並びに配列番号18、35、36、37、38、39、40、41、43、47、48、49、51、52、53、55、及び57から選択されるアンチセンス鎖からなる、二本鎖核酸が提供される。
【0042】
いくつかの実施形態では、二本鎖核酸は、配列番号17、34、42、44、45、46、50、及び54から選択されるセンス鎖、並びに配列番号2、4、6、8、10、18、35、36、37、38、39、40、41、43、47、48、49、51、52、53、55、及び57から選択されるアンチセンス鎖からなる、二本鎖核酸が提供される。
【0043】
いくつかの実施形態では、配列番号1、3、5、7、9、17、34、42、44、45、46、50、及び54から選択されるセンス鎖、並びに配列番号18、35、36、37、38、39、40、41、43、47、48、49、51、52、53、55、及び57から選択されるアンチセンス鎖を含む、二本鎖核酸が提供される。
【0044】
いくつかの実施形態では、配列番号17及び配列番号18、配列番号34及び配列番号35、配列番号34及び配列番号36、配列番号34及び配列番号37、配列番号34及び配列番号38、配列番号34及び配列番号39、配列番号17及び配列番号40、配列番号34及び配列番号41、配列番号42及び配列番号43、配列番号44及び配列番号43、配列番号45及び配列番号43、配列番号46及び配列番号47、配列番号46及び配列番号48、配列番号46及び配列番号49、配列番号50及び配列番号51、配列番号46及び配列番号52、配列番号46及び配列番号53、配列番号54及び配列番号55、又は配列番号56及び配列番号57からなる、二本鎖核酸が提供される。
【0045】
いくつかの実施形態では、配列番号17~18及び34~57の中から選択される少なくとも1つの核酸分子を含む、二本鎖核酸が提供される。
【0046】
いくつかの実施形態では、配列番号17~18又は34~57の中から選択される2つの核酸分子を含む、二本鎖核酸が提供される。いくつかの実施形態では、二本鎖核酸は、センス鎖及びアンチセンス鎖を含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、二本鎖核酸の各鎖は、52個以下のヌクレオチドを有する。
【0048】
いくつかの実施形態では、配列番号1、17、34、42、44、45、46、50、54、及び56から選択される核酸分子を含むセンス鎖、並びに配列番号18、35、36、37、38、39、40、41、43、47、48、49、51、52、53、55、及び57から選択される核酸分子を含むアンチセンス鎖を含む、二本鎖核酸が提供される。
【0049】
いくつかの実施形態では、配列番号17、34、42、44、45、46、50、54、及び56から選択される核酸分子を含むセンス鎖、並びに配列番号4、6、8、及び10から選択される核酸分子を含むアンチセンス鎖を含む、二本鎖核酸が提供される。
【0050】
いくつかの実施形態では、配列番号1、3、5、7、及び9から選択される核酸分子を含むセンス鎖、並びに配列番号18、35、36、37、38、39、40、41、43、47、48、49、51、52、53、55、及び57から選択される核酸分子を含むアンチセンス鎖を含む、二本鎖核酸が提供される。
【0051】
いくつかの実施形態では、二本鎖核酸は、配列番号17及び配列番号18、配列番号34及び配列番号35、配列番号34及び配列番号36、配列番号34及び配列番号37、配列番号34及び配列番号38、配列番号34及び配列番号39、配列番号17及び配列番号40、配列番号34及び配列番号41、配列番号42及び配列番号43、配列番号44及び配列番号43、配列番号45及び配列番号43、配列番号46及び配列番号47、配列番号46及び配列番号48、配列番号46及び配列番号49、配列番号50及び配列番号51、配列番号46及び配列番号52、配列番号46及び配列番号53、配列番号54及び配列番号55、又は配列番号56及び配列番号57を含む、核酸分子を含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、配列番号1、17、34、42、44、45、46、50、及び54から選択されるセンス鎖、並びに配列番号58~72のうちのいずれか1つから選択されるアンチセンス鎖からなる、二本鎖核酸が提供される。
【0053】
いくつかの実施形態では、配列番号1、3、5、及び7から選択されるセンス鎖、並びに配列番号58~72のうちのいずれか1つから選択されるアンチセンス鎖からなる、二本鎖核酸が提供される。
【0054】
いくつかの実施形態では、配列番号1、3、5、7、9、17、34、42、44、45、46、50、及び54から選択されるセンス鎖、並びに配列番号58~72のいずれか1つから選択されるアンチセンス鎖からなる、二本鎖核酸が提供される。
【0055】
いくつかの実施形態では、配列番号1、3、5、7、9、17、34、42、44、45、46、50、及び54から選択されるセンス鎖、並びに配列番号58~72のいずれか1つから選択されるアンチセンス鎖を含む、二本鎖核酸が提供される。
【0056】
いくつかの実施形態では、配列番号34及び配列番号58、配列番号34及び配列番号59、配列番号34及び配列番号60、配列番号17及び配列番号61、配列番号34及び配列番号62、配列番号42及び配列番号63、配列番号44及び配列番号63、配列番号45及び配列番号63、配列番号46及び配列番号64、配列番号46及び配列番号65、配列番号46及び配列番号66、配列番号50及び配列番号67、配列番号46及び配列番号69、配列番号54及び配列番号70、配列番号17及び配列番号72、又は配列番号56及び配列番号71からなる、二本鎖核酸が提供される。
【0057】
いくつかの実施形態では、配列番号17、及び以下、配列番号2、配列番号18、配列番号35、配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号47、配列番号48、配列番号49、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号58、配列番号59、配列番号60、配列番号61、配列番号62、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、又は配列番号72のうちのいずれか1つからなる、二本鎖核酸が提供される。
【0058】
いくつかの実施形態では、配列番号17及び配列番号2、配列番号17及び配列番号18、配列番号17及び配列番号35、配列番号17及び配列番号36、配列番号17及び配列番号37、配列番号17及び配列番号38、配列番号17及び配列番号39、配列番号17及び配列番号40、配列番号17及び配列番号41、配列番号17及び配列番号42、配列番号17及び配列番号43、配列番号17及び配列番号44、配列番号17及び配列番号47、配列番号17及び配列番号48、配列番号17及び配列番号49、配列番号17及び配列番号51、配列番号17及び配列番号52、配列番号17及び配列番号53、配列番号17及び配列番号55、配列番号17及び配列番号57、配列番号17及び配列番号58、配列番号17及び配列番号59、配列番号17及び配列番号60、配列番号17及び配列番号61、配列番号17及び配列番号62、配列番号17及び配列番号63、配列番号17及び配列番号64、配列番号17及び配列番号65、配列番号17及び配列番号66、配列番号17及び配列番号67、配列番号17及び配列番号68、配列番号17及び配列番号69、配列番号17及び配列番号70、配列番号17及び配列番号71、又は配列番号17及び配列番号72からなる、二本鎖核酸が提供される。
【0059】
いくつかの実施形態では、配列番号18、及び配列番号1、配列番号17、配列番号34、配列番号44、配列番号45、配列番号46、配列番号50、配列番号54、又は配列番号56のうちのいずれか1つからなる、二本鎖核酸が提供される。
【0060】
いくつかの実施形態では、配列番号18及び配列番号1、配列番号18及び配列番号17、配列番号18及び配列番号34、配列番号18及び配列番号44、配列番号18及び配列番号45、配列番号18及び配列番号46、配列番号18及び配列番号50、配列番号18及び配列番号54、又は配列番号18及び配列番号56からなる、二本鎖核酸が提供される。
【0061】
いくつかの実施形態では、配列番号58~72の中から選択される少なくとも1つの核酸分子を含む、二本鎖核酸が提供される。
【0062】
いくつかの実施形態では、配列番号17~18又は34~72の中から選択される2つの核酸分子を含む、二本鎖核酸が提供される。いくつかの実施形態では、二本鎖核酸は、センス鎖及びアンチセンス鎖を含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、二本鎖核酸の各鎖は、52個以下のヌクレオチドを有する。
【0064】
いくつかの実施形態では、配列番号1、17、34、42、44、45、46、50、54、及び56から選択される核酸分子を含むセンス鎖、並びに配列番号58~72のうちのいずれか1つから選択される核酸分子を含むアンチセンス鎖を含む、二本鎖核酸が提供される。
【0065】
いくつかの実施形態では、配列番号1、3、5、7、及び9から選択される核酸分子を含むセンス鎖、並びに配列番号58~72のうちのいずれか1つから選択される核酸分子を含むアンチセンス鎖を含む、二本鎖核酸が提供される。
【0066】
いくつかの実施形態では、二本鎖核酸は、配列番号34及び配列番号58、配列番号34及び配列番号59、配列番号34及び配列番号60、配列番号17及び配列番号61、配列番号34及び配列番号62、配列番号42及び配列番号63、配列番号44及び配列番号63、配列番号45及び配列番号63、配列番号46及び配列番号64、配列番号46及び配列番号65、配列番号46及び配列番号66、配列番号50及び配列番号67、配列番号46及び配列番号69、配列番号54及び配列番号70、配列番号17及び配列番号72、又は配列番号56及び配列番号71を含む、核酸分子を含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、配列番号17を含み、以下、配列番号2、配列番号18、配列番号35、配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号47、配列番号48、配列番号49、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号58、配列番号59、配列番号60、配列番号61、配列番号62、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、又は配列番号72のうちのいずれか1つを含む、二本鎖核酸が提供される。
【0068】
いくつかの実施形態では、配列番号17及び配列番号2、配列番号17及び配列番号18、配列番号17及び配列番号35、配列番号17及び配列番号36、配列番号17及び配列番号37、配列番号17及び配列番号38、配列番号17及び配列番号39、配列番号17及び配列番号40、配列番号17及び配列番号41、配列番号17及び配列番号42、配列番号17及び配列番号43、配列番号17及び配列番号44、配列番号17及び配列番号47、配列番号17及び配列番号48、配列番号17及び配列番号49、配列番号17及び配列番号51、配列番号17及び配列番号52、配列番号17及び配列番号53、配列番号17及び配列番号55、配列番号17及び配列番号57、配列番号17及び配列番号58、配列番号17及び配列番号59、配列番号17及び配列番号60、配列番号17及び配列番号61、配列番号17及び配列番号62、配列番号17及び配列番号63、配列番号17及び配列番号64、配列番号17及び配列番号65、配列番号17及び配列番号66、配列番号17及び配列番号67、配列番号17及び配列番号68、配列番号17及び配列番号69、配列番号17及び配列番号70、配列番号17及び配列番号71、又は配列番号17及び配列番号72を含む、二本鎖核酸が提供される。
【0069】
いくつかの実施形態では、配列番号18、及び配列番号1、配列番号17、配列番号34、配列番号44、配列番号45、配列番号46、配列番号50、配列番号54、又は配列番号56のうちのいずれか1つを含む、二本鎖核酸が提供される。
【0070】
いくつかの実施形態では、配列番号18及び配列番号1、配列番号18及び配列番号17、配列番号18及び配列番号34、配列番号18及び配列番号44、配列番号18及び配列番号45、配列番号18及び配列番号46、配列番号18及び配列番号50、配列番号18及び配列番号54、又は配列番号18及び配列番号56を含む、二本鎖核酸が提供される。
【0071】
本明細書の他の箇所に記載されるようなFL2を対象とするsiRNAの組成物及び使用のうちのいずれかは、前述の一本鎖核酸配列(配列番号58~72)のうちのいずれか、又は配列番号58~72のうちのいずれかを含むか、若しくはそれらからなる二本鎖核酸を利用してもよい。
【0072】
ある実施形態では、siRNAの鎖の5'末端残基は、リン酸化される。一実施形態では、siRNAのアンチセンス鎖の5'末端残基は、リン酸化される。ある実施形態では、siRNAの鎖の5'末端残基は、リン酸化されない。一実施形態では、siRNAのアンチセンス鎖の5'末端残基は、リン酸化されない。
【0073】
ある実施形態では、siRNAは、二本鎖部分(二重鎖)を含む。ある実施形態では、siRNAは、20~25ヌクレオチド長である。一実施形態では、siRNAは、独立して、一方又は両方の鎖のいずれかに、1つ又は2つのヌクレオチド3'突出を有する19~21コアRNA二重鎖を含む。siRNAは、5'リン酸化されてもされなくてもよく、有効性及び/又はヌクレアーゼ分解に対する耐性を向上させるために、当該技術分野における既知の修飾のうちのいずれかで修飾され得るか、又は更に修飾され得る。一実施形態では、siRNAは、1つ以上の細胞にトランスフェクトされるように投与することができる。ある実施形態では、siRNAは、5'リン酸化される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される核酸配列のうちのいずれかは、本明細書に記載されるような1つ以上のヌクレオチド修飾で修飾され得るか、又は更に修飾され得る。
【0074】
本明細書で定義される場合、「d(ヌクレオチド)」という略語は、デオキシヌクレオチドを指す。「m(ヌクレオチド)」という略語は、2'-O-メチルヌクレオチドを指す。「T」という略語は、チミジンを指す。f(ヌクレオチド)という略語は、2'-フルオロデオキシヌクレオチドを指す。「(Phos)」という略語は、ホスホジエステルキャップを指す。大文字の残基は、RNA残基を指す。「l(ヌクレオチド)」という略語は、ロックされたヌクレオチドを指す。ロックされたヌクレオチドは、2'酸素と4'炭素とを接続する余分な架橋を有する。「(s)」という略語は、ホスホロチオエート、すなわち、隣接したヌクレオチド又は修飾ヌクレオチド間のホスホロチオエート結合を指す。それ以外の場合、ヌクレオチド及びリボヌクレオチドの略語は、当該技術分野で既知の意味を有する。
【0075】
本明細書に記載されるヌクレオチドの修飾の略語は、以下の通りである。mUは、2'-O-メチル-ウリジンを指す。mAは、2'-O-メチル-アデノシンを指す。mCは、2'-O-メチル-シチジンを指す。mGは、2'-O-メチル-グアノシンを指す。fAは、2'-フルオロ-アデノシンを指す。fCは、2'-フルオロ-シチジンを指す。fGは、2'-フルオロ-グアノシンを指す。fUは、2'-フルオロ-ウリジンを指す。dCは、デオキシシチジンを指す。dGは、デオキシグアノシンを指す。dAは、デオキシアデノシンを指す。Aは、アデニンを指す。非修飾ヌクレオチドの塩基の略語としては、Aは、アデニンを指し、Uは、ウラシルを指し、Gは、グアニンを指し、Cは、シトシンを指し、Tは、チミンを指す。lA(小文字のLA)は、ロックされたアデノシンを指す。lUは、ロックされたウリジンを指す。lGは、ロックされたグアノシンを指す。lCは、ロックされたシチジンを指す。
【0076】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される核酸配列のうちのいずれかは、本明細書に記載されるような1つ以上の修飾又は追加の修飾で修飾され得るか、又は更に修飾され得る。本明細書に列挙される配列に存在し、修飾されていない他の位置の核酸のうちのいずれか、又は既に修飾されているものの置換に更に含まれ得る上述の修飾に加えて、他の核酸修飾が、本明細書に完全に包含される。そのような他の修飾としては、2'-O-メチル-チミジン、2'-フルオロ-チミジン、及びデオキシウリジンが挙げられる。
【0077】
非修飾及び修飾核酸の本明細書における略語は、核酸塩基、ヌクレオシド(すなわち、塩基及び糖)、又はヌクレオチド(ヌクレオシド及びリン酸基)を指し得ることに留意すべきである。当業者であれば、そこから非修飾又は修飾核酸の成分を認識するであろう。
【0078】
しばしばアクセス不可能なRNAと称されるロックされた核酸(LNA)は、リボース部分が2'酸素と4'炭素とを接続する余分な架橋で修飾される、修飾RNAヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、核酸は、ロックされたアデノシンを含む。いくつかの実施形態では、核酸は、ロックされたシトシンを含む。いくつかの実施形態では、核酸は、ロックされたグアノシンを含む。いくつかの実施形態では、核酸は、ロックされたウリジンを含む。いくつかの実施形態では、核酸は、ロックされたチミジンを含む。
【0079】
ある実施形態では、siRNAの鎖の5'末端残基は、リン酸化される。一実施形態では、siRNAのアンチセンス鎖の5'末端残基は、リン酸化される。
【0080】
いくつかの実施形態では、本開示のsiRNAの一本鎖成分は、14~50ヌクレオチド長である。別の実施形態では、本開示のsiRNAの一本鎖成分は、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、又は28ヌクレオチド長である。更に別の実施形態では、本開示のsiRNAの一本鎖成分は、21ヌクレオチド長である。更に別の実施形態では、本開示のsiRNAの一本鎖成分は、22ヌクレオチド長である。更に別の実施形態では、本開示のsiRNAの一本鎖成分は、23ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、本開示のsiRNAは、28~56ヌクレオチド長である。別の実施形態では、本開示のsiRNAは、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、又は52ヌクレオチド長である。
【0081】
別の実施形態では、本開示のsiRNAは、少なくとも1つの2'糖修飾を含む。別の実施形態では、本開示のsiRNAは、少なくとも1つの核酸塩基修飾を含む。別の実施形態では、本開示のsiRNAは、少なくとも1つのリン酸塩骨格修飾を含む。本明細書で使用される場合、「少なくとも1つ」は、1つ以上を意味する。
【0082】
NCBI参照配列:NM001013690.4(配列番号19)は、ヒトフィジェチン様2をコードする核酸に対して、
1 agtgagctat ggggacacta ctgcactgta gcctgggcaa cagagcaaga ccttgtctca
61 aaaatgtata tatattttgg gctttttttc ctaaaacggg aactacaaca gcatatttgc
121 gagctgatga gagtgaccca gcagagaggg aaatggatca gctctgttga agatgcactg
181 gacaccagaa cacgcccagc ccctcaacca gtggccagag cagcacctgg acgtctcctc
241 caccaccccg tcgccggccc acaagttgga gttgccccct gggggtcgcc aacgctgcca
301 ctacgcttgg gcacacgacg acatctcagc cctcactgcc tccaacctcc taaagcgcta
361 tgcagagaag tactctgggg tcttggattc tccctacgag cgtccggccc tgggcgggta
421 cagcgacgcc tccttcctca acggcgccaa aggggatccc gagccctggc cagggccgga
481 gccaccctac cccttggcct cactccacga aggcctccca ggaaccaaat cgggcggtgg
541 cggcggttcc ggggccctgg ggggctcccc agttttagcc gggaacctcc ctgaacccct
601 ctacgccggc aatgcgtgcg ggggcccatc ggcggcgccc gagtacgcgg ccggctacgg
661 cggggggtac ctggcgccgg gttactgcgc gcagacgggc gccgcgctgc ccccgccgcc
721 cccggccgcg ctcctgcagc ccccaccgcc tccggggtac gggccctcag cgccgctgta
781 caactatccc gcagggggct acgcagcgca gcccggctat ggcgcgctcc cgccgccccc
841 aggcccaccc ccggccccct acctgacccc gggcctgccc gcgcccacgc ccctgcccgc
901 gccggcaccg cccaccgcct atggcttccc cacggccgcg ccgggtgccg aatccgggct
961 gtcgctgaag cgcaaggccg ccgacgaggg gcccgagggc cgctaccgca agtacgcgta
1021 cgagcccgcc aaggcccccg tggctgacgg agcctcctac cccgccgcgg acaacggcga
1081 atgtcggggc aacgggttcc gggccaagcc gccaggagcc gcggaggagg cgtcgggcaa
1141 gtacggtggc ggcgtccccc tcaaggtcct gggctccccc gtctacggcc cgcaactgga
1201 gccctttgaa aagttcccgg agcgggcccc ggctcctcgt ggggggttcg ccgtgccgtc
1261 gggggagact cccaaaggcg tggaccctgg ggccctggag ctggtgacga gcaagatggt
1321 ggactgcggg cccccggtgc agtgggcgga tgtggcgggc cagggcgcgc tcaaggcggc
1381 gctggaggag gagctggtgt ggcccctgct caggccgccc gcctacccgg gcagcctgcg
1441 cccgccgcgg accgtcctgc tctttgggcc gcggggcgcg ggcaaagcgc tgctgggccg
1501 ctgcctcgcc acgcagctgg gcgccacgct gttgcgcctg cgcggcgcga ccctggctgc
1561 gcccggcgcc gccgagggcg cgcgcctcct ccaggccgcc ttcgcggccg cgcgctgccg
1621 cccaccctcc gtactcctca tcagcgagct agaggcgctg ctccccgccc gggacgacgg
1681 cgcggcggca gggggcgcgc tgcaggtgcc gctcctggcc tgcctggacg ggggctgcgg
1741 cgcgggggct gacggcgtgc tggttgtggg caccacctcg cggcccgcgg ctctggacga
1801 ggcgacccgc cggcgcttct ctctccgctt ctacgtggcg ctgcccgaca gcccggcccg
1861 cgggcagatc ctgcagcggg cgctggccca gcagggctgc gcgctcagtg agcgggaact
1921 ggcggcgctg gtgcagggca cgcagggctt ctctgggggc gagctggggc agctgtgcca
1981 gcaggcggcg gccggggcgg gcctcccggg gctgcagcgc cccctctcct acaaggacct
2041 ggaggcggcg ctggccaagg tgggccctag ggcctctgcc aaggaactgg actcgttcgt
2101 ggagtgggac aaaatgtacg gctccggaca ctgacggcgc gcgggggagg ccgcgggagc
2161 cgcagtccct ccgtccccgc cgcctccgcg tgggagggat gtcactgact aaacccggct
2221 ggcaggggct ggagtggtga atgtgggatc ggggacagga ggggtctgcc ggtggatatt
2281 ttttttttcg tgggaaggaa aatgcttctg ccaggcagat gccatatgcg ccgtgtactc
2341 aggtttttcc tatttattgt ggactggaag ctcgccatct ccgcccggca gaccgggcag
2401 atccggcatg ggctggcacc cggggcctta agaactcctg ctctcttgcc acaacgcttt
2461 tgtctcctcg ctatctgaat ggcaccctcc ttctccctca ctctctccat cccattctct
2521 gcattctctt ggttttctct cccttttgct ttgtcgctga cacccctgcc caccccatgc
2581 tggccctgtt tctctcctgc ccctccctcc ccagctctcc atccctcacc ctctgtgctt
2641 ctgtctccat ccctggctct ccagcgtccc tggccttttg gtccctgagc tttaatgcct
2701 ttccctgcct tctgttctta tttggactgc agtggccctt tgcaggagct ctggaggccc
2761 aggggctgag gaggagggtt acccctctac ccatctgaaa cctagggtct agggggatca
2821 aggaaaaaaa gtccccaaag aaggggaatt ttttgtttgt ttttgagggg agatcccaga
2881 aatgtagctt gtttcatatt ttagtcttct tatttttgta aaatgtgtag aatttgctgt
2941 ttttcttttt cttttgacaa ctcaggaaga aactgacctc agaaagaatg ttagactttg
3001 gctgctctcc tgtgtgcccc tcacacctgc cccctccccc ccactccatc caggggacca
3061 aattctccca gacactcaaa aaatgagact tacggggaag gggagaggaa gacccagagg
3121 cctcagtgaa accccagcta ttcctggtca gaagcagaat gtattcctaa gggcttcctc
3181 cccagggccg aggcctaggc atgaatgtgg ggagtgggct gtggggtttg agagaaggga
3241 ggccttattc ctctcctgct gctccccacc ccctgcccca cccaacccct ccgctgagtg
3301 ttttctgtga agggctatcc agagttagga tgcccttgcc caattccttc ctgagaccca
3361 gaaggtaggg tgggagggcc caaatgggaa ggtgacctaa gcagaaagtc tccagaaagg
3421 tcatgtcccc tggccctgcc ttggcagagg tccccagtga cttatgctag gaggattcca
3481 tctgggtaga cagtctggcc acaaaatcag ctactggacc tcagccatct ctgctggagg
3541 ctctgaggag gagtgagcat ccctcacttg tgggggctct gtgaggaaat gtgccttccc
3601 cattcccccg gagtcctagg tctggagctc cagggctggg agagggtgag ggagatgggc
3661 aggggtgttt tctctgacct tgggggctta gtctcagtcc tgcctgaact ttccactagg
3721 cttggaaccc ttccaagaac catatttctc tccttcccac caattttccc ttgatgaggc
3781 tttagcagtt tgctcccacc acccccagcc catttcacaa ctctgatctt agtccaaagc
3841 aggggacacg cccccccacc accacttttt ctctctccca tctcagcctc ctgtgcagtt
3901 ccttgcctgc ccgtgcattt cctagagtct actgcctccc ccctggctgg gagggtgtct
3961 gggggggatc tttcaggggc cctggcaccc agggcctgtg ctggcctagg agtgctgacc
4021 agaaggctgc tctgttcccc cccacccccg ttgctttctg gccccctctt tggagccagc
4081 cacccacagg gctttggtgc ctcagaagca gtgggctgcc gggtcacagc cgcaggctgc
4141 aaaagaccct cggagggagc atggagtgag gggttctctc tcaggtgtgt atgtattggg
4201 gggtgggggt gggtggaggg tgtcagggaa gttggggtgg gatcccagcc ttcccttcaa
4261 gaggcaggga gctctgggag gtggagtccc caccgctttc tctactaggc tcctcctgtt
4321 ccccaggctt ggggagcttt gcacaaggag actgccccca gcctagtggc acctacctca
4381 tgggctctgg ggcaggtagg ggaagggcca gtccagctct ggtaatgctg gggggaggca
4441 taccaaagaa tccaggggca gggagtgggg agggtgactt ccgagctggc ctctcccctt
4501 cctctaccca gactggggct gggatcctct cctcccgctg taaccatttc tacctcattt
4561 tgctgcgtgt tgtacatgga cgtatttatc tcctgtctga cgatgctctg cagttgtggt
4621 ctgtctacct cagaagagac tgtattttaa aagaaagtat tacacagtat taaagcgatg
4681 acatgtggtt tgcaaaaaaa aaaaaaaaaa a (配列番号19)であり、
MHWTPEHAQPLNQWPEQHLDVSSTTPSPAHKLELPPGGRQRCHYAWAHDDISALTASNLLKRYAEKYSGVLDSPYERPALGGYSDASFLNGAKGDPEPWPGPEPPYPLASLHEGLPGTKSGGGGGSGALGGSPVLAGNLPEPLYAGNACGGPSAAPEYAAGYGGGYLAPGYCAQTGAALPPPPPAALLQPPPPPGYGPSAPLYNYPAGGYAAQPGYGALPPPPGPPPAPYLTPGLPAPTPLPAPAPPTAYGFPTAAPGAESGLSLKRKAADEGPEGRYRKYAYEPAKAPVADGASYPAADNGECRGNGFRAKPPGAAEEASGKYGGGVPLKVLGSPVYGPQLEPFEKFPERAPAPRGGFAVPSGETPKGVDPGALELVTSKMVDCGPPVQWADVAGQGALKAALEEELVWPLLRPPAYPGSLRPPRTVLLFGPRGAGKALLGRCLATQLGATLLRLRGATLAAPGAAEGARLLQAAFAAARCRPPSVLLISELEALLPARDDGAAAGGALQVPLLACLDGGCGAGADGVLVVGTTSRPAALDEATRRRFSLRFYVALPDSPARGQILQRALAQQGCALSERELAALVQGTQGFSGGELGQLCQQAAAGAGLPGLQRPLSYKDLEAALAKVGPRASAKELDSFVEWDKMYGSGH(配列番号2)(ヒトフィジェチン様20)をコードする。
【0083】
核酸配列を、本明細書に開示する。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【0084】
本開示は、非ヒト動物(例えば、非ヒト霊長類、非ヒト哺乳動物)の治療に有用である、本明細書に開示される核酸配列の修飾を包含する。本明細書に開示される核酸のそのような修飾は、特定の種におけるフィジェチン様2のオーソログを対象とするsiRNAを含む。
【0085】
薬学的組成物
【0086】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される核酸のうちのいずれかの製剤、薬学的組成物、又は送達系が提供される。いくつかの実施形態では、製剤、薬学的組成物、又は送達系は、一本鎖及び二本鎖又は二重鎖などの、本明細書に記載されるこれらの核酸のうちのいずれかからなるか、又はそれらを含む核酸を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、配列番号17~18及び34~72の中から選択される1つ以上の核酸、又は配列番号17~18及び34~72の中から選択される2つの核酸分子からなる核酸を含む二重鎖若しくは二本鎖核酸を含む。いくつかの実施形態では、製剤、薬学的組成物、又は送達系は、配列番号17~18若しくは34~72から選択される配列を含む核酸、又は配列番号17~18若しくは34~72を含む二重鎖若しくは二本鎖核酸を含む。製剤、薬学的組成物、又は送達系の以下の説明のいずれかにおいて、前述の核酸又は本明細書の他の箇所に記載される核酸のうちのいずれかが具現化され、フィジェチン様2の阻害剤と称され得る。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、フィジェチン様2(核酸配列(配列番号1)、タンパク質配列(配列番号20))の活性を阻害する。
【0087】
本開示の一実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、例えば、手術後に創傷治癒を促進するために、創傷又は創傷が形成されると予想される部位への阻害剤の拍動性送達のための皮下インプラント又はデポー医薬品系によって提供される。阻害剤は、例えば、治療有効量で、創縁の各センチメートル又は創傷が形成されると予想される部位の各センチメートルに提供され得る。
【0088】
本開示のこの態様による医薬品は、任意の適切な担体、ビヒクル、希釈剤、賦形剤、又は他の送達系において製剤化され得る。好適な担体は、薬学的に許容される担体であり、好ましくは、局所投与又は注射による投与と一致する担体である。
【0089】
フィジェチン様2の阻害剤は、治療の各発生において同じ経路及び同じ形態で投与され得るが、治療の異なる発生は、異なる医薬品及び/又は異なる投与経路によってフィジェチン様2の阻害剤を提供し得ることが理解されるであろう。本開示の実施形態では、治療の初期発生は、皮内注射などの注射によってフィジェチン様2の阻害剤を提供し得、一方、治療の第2の(及び任意の後続の)発生は、局所製剤などの代替的経路によってフィジェチン様2の阻害剤を提供することを含み得、逆もまた同様である。ある実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤の複数回投与は、同じ手段又は経路によって影響され得る。
【0090】
いくつかの実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、生理食塩水を含む薬学的組成物中に提供される。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、正常生理食塩水又はリン酸塩緩衝生理食塩水である。
【0091】
いくつかの実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、糖を含む薬学的組成物中に提供される。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、グルコース溶液である。
【0092】
いくつかの実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、ポリペプチドを含む薬学的組成物中に提供される。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、カチオン性ポリペプチドである。いくつかの実施形態では、カチオン性ポリペプチドは、ヒスチジン-リジンコポリペプチドである。
【0093】
いくつかの実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、ポリマーを含む薬学的組成物中に提供される。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)である。いくつかの実施形態では、ポリマーは、親水性ポリマーグラフトポリマー、非天然カチオン性ポリマー、カチオン性ポリアセタール、親水性ポリマーグラフトポリアセタール、リガンド官能化カチオン性ポリマー、又はリガンド官能化親水性ポリマーグラフトポリマーである。いくつかの実施形態では、親水性ポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)である。
【0094】
いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、ポリカチオン性結合剤を含む。
【0095】
いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、核酸送達ビヒクルを含む。
【0096】
いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、カチオン性ポリマー-核酸複合体を含む。
【0097】
いくつかの実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、脂質を含む薬学的組成物中に提供される。いくつかの実施形態では、脂質は、カチオン性脂質である。
【0098】
いくつかの実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、クリームを含む薬学的組成物中に提供される。
【0099】
いくつかの実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、点眼薬を含む薬学的組成物中に提供される。
【0100】
いくつかの実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、ゲルを含む薬学的組成物中に提供される。
【0101】
いくつかの実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、ミセル材料を含む薬学的組成物中に提供される。
【0102】
いくつかの実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、ウエハを含む薬学的組成物中に提供される。いくつかの実施形態では、ウエハは、コラーゲン、硫酸コンドロイチン、ポリビニルピロリドン、及びポリエチレングリコール400を含む。ウエハの非限定的な一実施例は、本明細書の実施例に記載される。
【0103】
いくつかの実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、コラーゲン粒子中に提供されるか、又はコラーゲン粒子と会合する。いくつかの実施形態では、コラーゲン粒子は、微粒子である。いくつかの実施形態では、コラーゲン粒子は、限定されないが、PluroGel(登録商標)などの界面活性剤ポリマードレッシング中にある。
【0104】
いくつかの実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、ナノ粒子のマイクロエマルションを含む薬学的組成物中に提供される。マイクロエマルションの非限定的な一実施例は、本明細書の実施例に記載される。
【0105】
いくつかの実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、リポソームを含む薬学的組成物中に提供される。いくつかの実施形態では、リポソームは、リガンド官能化リポソームである。いくつかの実施形態では、リポソームは、少なくとも1つの2'糖修飾で更に官能化される。
【0106】
いくつかの実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、ナノ粒子を含む薬学的組成物中に提供される。ある実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、ナノ粒子に封入される。一実施形態では、ナノ粒子は、リポソームナノ粒子である。
【0107】
非限定的な一実施例では、ナノ粒子は以下のように調製される。500μlのオルトケイ酸テトラメチル(TMOS)を、100μlの1mM HClの存在下、氷上で約15分間の超音波処理によって、単相が形成されるまで加水分解した。加水分解したTMOS(100μl)を、pH7.4の10mMリン酸塩を含有する900μlの20μM siRNA溶液に添加した。ゲルが10分以内に形成された。ゲルを-80℃で15分間凍結させ、凍結乾燥させた。
【0108】
いくつかの例示的であるが非限定的な実施形態では、ナノ粒子は、当該技術分野で既知の方法を使用して生成されるコポリマーである、ポリ(乳酸-グリコール酸コポリマー)(PLGA、PLG)を含む。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、1~100nmのサイズである。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、生体適合性及び/又は生分解性である。この添加は、ある特定の実施形態では、当該技術分野で周知の方法を使用して、微粒子又はナノ粒子の精製を増強し得る。
【0109】
非限定的な実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、ポリ乳酸及びグリコール酸(PLGA)コポリマーベースの微小球又はフィジェチン様2の阻害剤を含有するマイクロカプセル系などのバルク浸食系中に提供される。ある実施形態では、PLGA:エチルセルロース系のブレンドは、適切な担体として使用され得る。本開示のこの態様による更なる医薬品は、表面浸食系中に製剤化され得、フィジェチン様2の阻害剤は、ポリ(オルト)エステル及びポリ無水物マトリックスなどの浸食可能なマトリックス(ポリマーの加水分解が速い)に埋め込まれる。
【0110】
いくつかの実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤はまた、上記のような拍動性送達系と、上記の凍結乾燥された注射可能な組成物などの即時放出系とを組み合わせることによって製剤化されてもよい。
【0111】
フィジェチン様2の阻害剤は、添加剤を含む組成物中で使用されてもよい。好適な添加剤の例は、好適な塩基を調製するためのゼラチン化剤としてのアルギン酸ナトリウム、又はグアーガム若しくはキサンタンガムなどのセルロース誘導体、水酸化アルミニウム若しくはベントナイトなどの無機ゼラチン化剤(チキソトロピーゲル形成剤と称される)、Carbopol(登録商標)などのポリアクリル酸誘導体、ポリビニルピロリドン、微結晶セルロース、及びカルボキシメチルセルロースである。両親媒性低分子量及びより高い分子量化合物、並びにリン脂質もまた好適である。ゲルは、例えば、低分子量及び高分子量パラフィン炭化水素及びワセリンの混合物に基づいて、水性ヒドロゲル又は疎水性オルガノゲルのいずれかとして存在することができる。親水性オルガノゲルは、例えば、高分子量ポリエチレングリコールに基づいて調製することができる。これらのゼラチン状形態は、洗浄可能である。疎水性オルガノゲルもまた、好適である。石油ゼリー、ワックス、オレイルアルコール、モノステアリン酸プロピレングリコール、及び/又はモノパルミトステアリン酸プロピレングリコール、特にミリスチン酸イソプロピルなどの疎水性添加剤を含むことができる。一実施形態では、阻害剤は、色に関してマッチングする目的で、1つ以上の染料、例えば、黄色及び/又は赤色の酸化鉄及び/又は二酸化チタンを含む組成物中にある。
【0112】
組成物は、ゲル、ローション、バーム、ペースト、スプレー、粉末、包帯、創傷ドレッシング、エマルション、クリーム、及び混合相若しくは両親媒性エマルション系(油/水/油混合相)の軟膏、リポソーム及びトランスフェソーム、又はプラスター/バンドエイド型カバーを含む、任意の好適な形態であり得る。フィジェチン様2の阻害剤を含む組成物に用いることができる乳化剤としては、アニオン性、カチオン性、又は中性の界面活性剤、例えば、アルカリ金属石鹸、金属石鹸、アミン石鹸、硫黄化及びスルホン化化合物、逆性石鹸、高級脂肪アルコール、ソルビタン及びポリオキシエチレンソルビタンの部分脂肪酸エステル、例えば、ラネットタイプ、ウールワックス、ラノリン、又は油/水及び/若しくは水/油エマルションを調製するための他の合成製品が挙げられる。
【0113】
フィジェチン様2の阻害剤を含む組成物はまた、例えば、モノグリセリド、ジグリセリド若しくはトリグリセリド、パラフィン油若しくは植物油、水素化ヒマシ油若しくはココナッツ油、ブタ脂、合成脂肪(例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、又はステアリン酸、例えば、Softisan(登録商標))などのワセリン、天然若しくは合成ワックス、脂肪酸、脂肪アルコール、脂肪酸エステルを含む可能性があるか、又はMiglyol(登録商標)などのトリグリセリド混合物を脂質として、本明細書に記載される方法で使用されるフィジェチン様2の阻害剤を含む組成物の軟膏、クリーム、若しくはエマルションを調製するための脂肪及び/若しくは油性及び/若しくはワックス成分の形態で使用することができる。
【0114】
いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、浸透圧活性酸又はアルカリ溶液、例えば、塩酸、クエン酸、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液、炭酸水素ナトリウムもまた、組成物の成分、加えて、pHを調整するためのクエン酸塩、リン酸塩、トリス緩衝液、又はトリエタノールアミンなどの緩衝液系であり得る。安定性を増加させるために、安息香酸メチル又は安息香酸プロピル(パラベン)又はソルビン酸などの保存剤を同様に添加することも可能である。
【0115】
ペースト、粉末、及び溶液は、局所的に適用され得るフィジェチン様2の阻害剤を含む組成物の追加の形態である。一貫性を付与する塩基として、ペーストは、しばしば疎水性及び親水性補助物質を含有するが、好ましくは、非常に高い割合の固体を含有する疎水性補助物質を含有する。分散性、並びに流動性及び滑り性を増加させるために、また凝集体を防止するために、粉末又は局所的に適用可能な粉末は、例えば、希釈剤としても機能する小麦若しくは米デンプン、火炎分散二酸化ケイ素、又はケイ質土などのデンプン種を含有することができる。
【0116】
ある実施形態では、組成物は、創傷を保護するか、又は創傷の治癒を助けるのに好適な更なる活性成分、例えば、1つ以上の抗生物質、消毒剤、ビタミン、麻酔剤、抗ヒスタミン剤、抗炎症剤、保湿剤、浸透促進剤、及び/又は抗刺激剤を含む。
【0117】
好ましくは、フィジェチン様2の阻害剤は、生体膜透過性であるか、又はコンジュゲートされているか、又はそれ以外の場合、阻害剤を生体膜透過性にする部分に結合されている。
【0118】
いくつかの実施形態では、担体は、標的化リガンドを更に含む。いくつかの実施形態では、標的化リガンドは、タンパク質である。いくつかの実施形態では、標的化リガンドは、創傷治癒時に皮膚組織に常駐する上皮細胞、血管内皮細胞、血管平滑筋細胞、心筋(心臓)細胞、又はパッセンジャー白血球細胞に結合する。
【0119】
いくつかの実施形態では、担体は、(a)ヒスチジン-リジンコポリマー、(b)PEGを含む親水性ポリマー、及び任意選択で、(c)標的化リガンドを含む。
【0120】
ある実施形態では、組成物は、RNA干渉を誘導し、目的の遺伝子の発現を減少させる1つ以上の追加の核酸分子を更に含み得る。ある実施形態では、1つ以上の追加の核酸分子は、フィジェチン及びフィジェチン様2からなる群から選択される遺伝子の発現を減少させる。
【0121】
使用方法
【0122】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される核酸及びそれらの薬学的組成物のうちのいずれかの使用方法が提供される。いくつかの実施形態では、使用方法は、配列番号17~18若しくは34~72からなる核酸、又は配列番号17~18若しくは34~72からなる核酸を含む二重鎖若しくは二本鎖核酸を使用して提供される。いくつかの実施形態では、使用方法は、配列番号17~18若しくは34~72から選択される配列を含む核酸、又は配列番号17~18若しくは34~72のうちの2つの配列を含む二重鎖若しくは二本鎖核酸を使用して提供される。いくつかの実施形態では、使用方法は、配列番号17~18又は34~72のうちのいずれか1つからなる核酸、及び本明細書に開示される任意の相補的核酸を使用して提供される。いくつかの実施形態では、配列番号17~18又は34~72のうちのいずれかを含む核酸、及び本明細書に開示される任意の相補的核酸を含む二重鎖又は二本鎖核酸を使用する、使用方法が提供される。いくつかの実施形態では、限定されないが、本明細書に記載されるものなどの核酸に対する修飾又は追加の修飾が、本明細書に包含される。使用方法の以下の説明のうちのいずれかでは、前述の核酸又は本明細書の他の箇所に記載されるもののうちのいずれかが具現化される。「フィジェチン様2の阻害剤」という用語は、本明細書に記載される核酸配列及びその修飾のうちのいずれかを包含することを意味する。いくつかの実施形態では、二本鎖核酸内の各個々の鎖は、52ヌクレオチド以下である。本開示は、本明細書に開示される核酸配列の修飾を含む、非ヒト動物(例えば、非ヒト霊長類、非ヒト哺乳動物)の治療のための使用方法を包含する。本明細書に開示される核酸のそのような修飾は、特定の種におけるフィジェチン様2のオーソログを対象とするsiRNAを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される核酸及びsiRNAは、交差反応性であり、したがって、少なくとも1つの他の種で有用である。
【0123】
以下の説明は、本開示の化合物及び組成物が利益を得ることができる様々な創傷、損傷、及び疾患、とりわけ状態に関する非限定的な指針を提供する。以下の説明は、身体システム又は部位によって分類され、そのような分類は、便宜上のみであり、ある特定の態様がカテゴリー間で共有され、そのような分類は、任意の特定の身体システム又は部位の特定の状態、疾患、創傷、又は損傷に限定することを意図するものではないことを認識する。
【0124】
皮膚の治療
【0125】
対象における創傷を治療する方法であって、創傷を治療するのに有効な量のフィジェチン様2の阻害剤を対象に投与することを含む、方法が提供される。
【0126】
ある実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤の量は、創傷治癒を加速するのに有効である。
【0127】
ある実施形態では、創傷は、表皮創傷である。ある実施形態では、創傷は、皮膚創傷である。本開示の医薬品及び方法を使用して治癒が促進され得る特定の創傷の非限定的な例としては、しわなどの日焼けによるダメージの結果、フェイスリフト後の非応答性皮膚、ラサブレーション(lasabrasion)、老化若しくは日焼けによるダメージを受けた皮膚、皮膚肝斑、母斑、疣、油腺肥大、ポートワイン母斑、血管腫、毛細血管拡張症、又は皮膚の色の外観を変化させることが挙げられるが、これらに限定されない。本方法の実施形態では、母斑は、線状上皮母斑である。いくつかの実施形態では、方法は、皮膚へのレーザー適用を含む皮膚処置からの皮膚の健康回復を増強することを対象とする。いくつかの実施形態では、方法は、皮膚へのレーザー適用を含む皮膚処置から皮膚を若返らせることを対象とする。
【0128】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、熱傷、瘢痕の修正、形成外科手術、又は皮膚移植片の配置を伴う他の手順などの、皮膚移植部位の治癒を改善又は加速するのに有用である。他の箇所に記載されるように、移植片が採取される皮膚部位の治癒もまた、本明細書に記載される化合物の利点である。
【0129】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、皮膚移植片又は皮膚移植部位の治癒を増強するのに有用である。いくつかの実施形態では、皮膚移植は、熱傷を治療するために提供される。いくつかの実施形態では、熱傷は、中間層熱傷である。いくつかの実施形態では、熱傷は、全層熱傷である。いくつかの実施形態では、皮膚移植は、例えば大きな開放創からの損傷を治療するために提供される。いくつかの実施形態では、皮膚移植は、限定されないが、褥瘡などの潰瘍を治療するために提供される。いくつかの実施形態では、皮膚移植は、皮膚感染症を治療するために提供される。いくつかの実施形態では、皮膚移植は、皮膚がん手術部位を治療するために提供される。いくつかの実施形態では、皮膚移植は、ドナー皮膚の供給から入手可能であるよりも大きな表面積を覆うように提供される。
【0130】
いくつかの実施形態では、皮膚における毛包成長を増強する方法は、皮膚における毛包成長を増強するのに有効な量のフィジェチン様2の阻害剤を皮膚に直接投与することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、皮膚における毛髪成長を増加させる。
【0131】
心臓の治療
【0132】
ある実施形態では、創傷は、心臓組織創傷である。ある実施形態では、創傷は、例えば、心筋梗塞に起因する心血管創傷である。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、心臓の血管新生を促進する。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、心筋梗塞後の心機能を改善する。
【0133】
神経系の治療
【0134】
ある実施形態では、創傷は、ニューロンの創傷である。
【0135】
ある実施形態では、創傷は、中枢神経系の創傷である。いくつかの実施形態では、創傷は、脊髄損傷において生じる。いくつかの実施形態では、瘢痕化の予防、低減、又は阻害は、ニューロン再結合及び/又はニューロン機能を増強し得る。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、神経成長を促進する。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、ニューロンの炎症を低減する。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、神経切断からの回復を促進する。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、損傷後の神経再生を促進する。いくつかの実施形態では、創傷は、末梢神経系の創傷である。いくつかの実施形態では、創傷は、海綿体神経損傷である。いくつかの実施形態では、瘢痕化の予防、低減、又は阻害は、ニューロン再結合及び/又はニューロン機能を増強し得る。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、末梢神経成長を促進する。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、ニューロンの炎症を低減する。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、神経切断からの回復を促進する。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、損傷後の神経再生を促進する。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、神経組織及び他の組織において抗炎症活性を有する。
【0136】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、神経失行症を治療又は予防する。
【0137】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、神経温存手術の有害な後遺症を治療又は予防する。
【0138】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、片側又は両側の海綿体神経切断後の勃起反応の回復を促進する。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、海綿体神経損傷の2週間以内の勃起反応の回復を促進する。いくつかの実施形態では、海綿体神経損傷は、前立腺切除などの外科的処置の結果である。いくつかの実施形態では、前立腺切除術は、根治的前立腺切除術である。いくつかの実施形態では、本開示のsiRNAを含むウエハは、手術の部位に移植される。いくつかの実施形態では、100mgのウエハ当たり約6.6、約13.3、又は約26.6マイクログラムのsiRNA濃度が移植される。いくつかの実施形態では、ウエハは、約2.5%のコラーゲン、約7.5%の硫酸コンドロイチン、約82.5%のポリビニルピロリドン、及び約7.5%のポリエチレングリコール400を含む。
【0139】
眼の治療
【0140】
ある実施形態では、創傷は、眼の創傷(LASIK手術、LASEK手術、PRK手術、緑内障濾過手術、白内障手術、又は水晶体嚢が瘢痕化され得る手術などの眼手術から生じる瘢痕化の阻害を含む)、例えば、角膜瘢痕形成を引き起こす創傷、被膜拘縮を受ける創傷である(これは、乳房インプラントの周囲で一般的である)。
【0141】
脈管系の治療
【0142】
ある実施形態では、創傷は、例えば限定されないが、血管、静脈弁若しくは動脈弁、心臓弁、又は非限定的な例として、置換心臓弁、バイパス移植片、移植された臓器の血管系の統合を増強する循環系の創傷である。
【0143】
筋骨格系の治療
【0144】
ある実施形態では、創傷は、腱、靭帯、又は筋肉の創傷である。
【0145】
口腔の治療
【0146】
ある実施形態では、創傷は、口唇及び口蓋を含む口腔の創傷である。いくつかの実施形態では、本方法は、口唇口蓋裂の治療から生じる瘢痕化を阻害する。
【0147】
臓器及び体腔の治療
【0148】
ある実施形態では、創傷は、限定されないが、肝臓、心臓、脳、消化組織、及び生殖組織などの内臓の創傷である。
【0149】
ある実施形態では、創傷は、限定されないが、腹腔、骨盤腔、及び胸腔などの体腔の創傷である。いくつかの実施形態では、瘢痕化の阻害は、癒着形成の発生数及び/又は形成された癒着のサイズを低減し得る。
【0150】
外科的創傷の治療
【0151】
ある実施形態では、創傷は、限定されないが、瘢痕の修正などの美容的処置に関連する特定の創傷などの外科的創傷である。特に、本開示の医薬品及び方法を使用して、皮膚の創傷の治癒を促進することが好ましい。他の非限定的な例としては、眼及び身体の他の部分に対する外科的処置が挙げられる。本明細書に記載されるように、本開示の化合物又は組成物は、外科的切開などの、損傷又は創傷が発生する前の部位に適用され得る。
【0152】
本開示の他の態様
【0153】
本明細書に記載される方法及び組成物の一実施形態では、対象は、哺乳動物である。一実施形態では、対象は、ヒトである。
【0154】
本明細書で使用される場合、創傷治癒の「促進」、又は文法的に等価なものは、未治療の創傷における対応するパラメータと比較して、創傷回復、創傷サイズの低減、創縁間の距離の低減、かさぶた形成、線維形成、及び再上皮化のいずれか1つ以上の視覚的外観における加速を意味する。
【0155】
本明細書で使用される場合、「創傷」は、外部作用物質によって引き起こされる、上皮、結合組織、及び筋肉組織を含む、臓器又は組織(皮膚を含む)の構造における切断又は不連続である。創傷の例としては、皮膚創傷、潰瘍、褥瘡、かすり傷、裂傷、切り傷、穿刺、鼓膜穿孔、熱傷、及び形成外科処置の結果である創傷が挙げられるが、これらに限定されない。
【0156】
投与の方法
【0157】
本開示から誘導することができる利益は、全身の任意の部位の創傷に適用可能であり得る。いくつかの実施形態では、治癒が促進される創傷は、皮膚創傷である。例示の目的のために、本開示の実施形態は、他の組織及び臓器に適用可能なままであるが、皮膚創傷を参照して概して説明される。単なる例として、別の好ましい実施形態では、創傷は、循環系の創傷、特に血管の創傷であり得る。本開示に従って創傷治癒が促進され得る他の創傷としては、手術の結果又は熱傷の結果が挙げられる。本開示に従って創傷治癒が促進され得る他の創傷としては、圧力、静脈うっ血、又は糖尿病によって引き起こされる皮膚潰瘍が挙げられる。いくつかの実施形態では、創傷の結果は、体内又は体上の任意の部位における創傷の瘢痕化を防止又は低減するために、本明細書に記載されるように治療され得る瘢痕である。
【0158】
ある実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、創傷に局所的に投与される。ある実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、静脈又は動脈を介して投与される。ある実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、注射、カテーテル挿入、又はカニューレ挿入によって投与される。ある実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、阻害剤を溶出するインプラント、例えば、溶出ステント又は溶出皮膚パッチから投与される。
【0159】
治療において投与される阻害剤の投薬量は、特定の阻害剤の薬力学的特徴、並びにそのモード及び投与経路;レシピエントの年齢、性別、代謝速度、吸収効率、健康、及び体重;症状の性質及び程度;投与される同時治療の種類;阻害剤による治療の頻度及び所望の治療効果などの因子に応じて変化するであろう。
【0160】
阻害剤の投薬単位は、単一の化合物、又は1つ以上の抗感染化合物若しくは創傷治癒促進化合物との化合物の混合物を含み得る。
【0161】
いくつかの実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、創傷に1回適用される。いくつかの実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、創傷に複数回適用される。いくつかの実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、限定されないが、ステント、ウエハ、インプラント、包帯、又は任意の他の徐放デバイスなどの制御された送達デバイスの形態で創傷に適用される。いくつかの実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、ドレッシングが交換されるたびに創傷に適用される。
【0162】
いくつかの実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、治癒が生じるまで創傷に適用される。いくつかの実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、又は14日間にわたって部位に適用されるか、又は部位で維持される。いくつかの実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、手術時に手術部位に移植又は配置される。いくつかの実施形態では、そのような配置は、フィジェチン様2の阻害剤が一定の期間にわたって部位で作用することができるように、制御放出組成物の形態である。
【0163】
本明細書に記載される様々な要素の全ての組み合わせは、本明細書に別段の指示がない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、本開示の範囲内である。
【0164】
以下の付番された実施形態は、非限定的であるが、本開示のある特定の態様の例である。
1.核酸分子であって、
5'-fUfUmA fCmAfC AGU AUU AAA GCG ATT(配列番号17)、
(Phos)5'-U CGC UUU AAU ACU G UG UAA TT(配列番号18)、
5'-UUACACAGUAUUAAAGCGATT-3'(配列番号34)、
(Phos)5'-mUmCGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号35)、
(Phos)5'-mU(s)mC(s)GCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号36)、
(Phos)5'-fUfCGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号37)、
(Phos)5'-fU(s)fC(s)GCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号38)、
(Phos)5'-mU(s)mC(s)GCUUUAAUAmCfUmGfUmGfUmAmATT-3'(配列番号39)、
(Phos)5'-U(s)CGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号40)、
(Phos)5'-mUfCmGfCmUfUmUAAfUmAfCmUGmUmGfUmAmATT(配列番号41)、
5'-mUmUmAmCmAmCmAmGmUmAmUmUmAmAmAmGmCmGmAmUmU-3'(配列番号42)、
(Phos)5'-mUmCmGmCmUmUmUmAmAmUmAmCmUmGmUmGmUmAmAmUmU-3'(配列番号43)、
5'mUmUmAmCmAmCmAmGmUmAmUmUmAmAmAmGdCdGdATT-3'(配列番号44)、
5'mUmUmAmCmAmCmAmGmUmAmUmUmAmAmAmGdCmGmATT-3'(配列番号45)、
5'UUACACAGUAUUAAAGCGA-3'(配列番号46)、
(Phos)5'-U(s)CGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号47)、
(Phos)5'-UCGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号48)、
(Phos)5'-U(s)C(s)GCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号49)、
5'-mUmUACACAGUAUUAAAGCGA-3'(配列番号50)、
(Phos)5'-U(s)CGCUUUAAUACUGUGUmAmATT-3'(配列番号51)、
(Phos)5'-UCGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号52)、
(Phos)5'-U(s)C(s)GCUUUAAUACUGUGUAA T(s)T-3'(配列番号53)、
5'lUlUlAlClACAGUAUUAAAGCGATT-3'(配列番号54)、
(Phos)5'-UCGCUUUAAUACUGlUlGlUlAlA TT-3'(配列番号55)、
5'fUfUlAfClACAGUAUUAAAGCGA-3'(配列番号56)、又は
(Phos)5'-mU(s)mCmGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号57)からなる群から選択される配列からなり、
d(ヌクレオチド)=デオキシ-(ヌクレオチド)、m(ヌクレオチド)=2'-O-メチルヌクレオチド、T=チミジン、f(ヌクレオチド)=2'-フルオロデオキシヌクレオチド、(Phos)=ホスホジエステルキャップ;大文字ヌクレオチド=RNAヌクレオチド、l(ヌクレオチド)=ロックされたヌクレオチド、及び(s)=ホスホロチオエートである、核酸分子。
2.実施形態1に記載の2つの核酸分子からなる、二本鎖核酸。
3.配列番号17、34、42、44、45、46、50、及び54から選択されるセンス鎖、並びに配列番号2、18、35、36、37、38、39、40、41、43、47、48、49、51、52、53、55、及び57から選択されるアンチセンス鎖からなる、実施形態2に記載の二本鎖核酸。
4.配列番号17及び配列番号18、配列番号34及び配列番号35、配列番号34及び配列番号36、配列番号34及び配列番号37、配列番号34及び配列番号38、配列番号34及び配列番号39、配列番号17及び配列番号40、配列番号34及び配列番号41、配列番号42及び配列番号43、配列番号44及び配列番号43、配列番号45及び配列番号43、配列番号46及び配列番号47、配列番号46及び配列番号48、配列番号46及び配列番号49、配列番号50及び配列番号51、配列番号46及び配列番号52、配列番号46及び配列番号53、配列番号54及び配列番号55、又は配列番号56及び配列番号57からなる、実施形態2に記載の二本鎖核酸。
5.実施形態1に記載の核酸分子を含む、二本鎖核酸。
6.各鎖が、52個以下のヌクレオチドを有する、実施形態5に記載の二本鎖核酸。
7.配列番号17、34、42、44、45、46、50、及び54の中から選択される核酸分子を含むセンス鎖、並びに配列番号2、18、35、36、37、38、39、40、41、43、47、48、49、51、52、53、55、及び57の中から選択される核酸分子を含むアンチセンス鎖からなる、実施形態5に記載の二本鎖核酸。
8.配列番号17及び配列番号18、配列番号34及び配列番号35、配列番号34及び配列番号36、配列番号34及び配列番号37、配列番号34及び配列番号38、配列番号34及び配列番号39、配列番号17及び配列番号40、配列番号34及び配列番号41、配列番号42及び配列番号43、配列番号44及び配列番号43、配列番号45及び配列番号43、配列番号46及び配列番号47、配列番号46及び配列番号48、配列番号46及び配列番号49、配列番号50及び配列番号51、配列番号46及び配列番号52、配列番号46及び配列番号53、配列番号54及び配列番号55、又は配列番号56及び配列番号57を含む、実施形態5に記載の二本鎖核酸。
9.各鎖が、52個以下のヌクレオチドを有する、実施形態5に記載の二本鎖核酸。
10.少なくとも1つのヌクレオチドが、修飾されるか、又は更に修飾される、実施形態1~9のいずれか一項に記載の核酸分子。
11.修飾された又は更に修飾されたヌクレオチドが、2'-O-メチル-アデノシン、2'-O-メチル-ウリジン、2'-O-メチル-シトシン、2'-O-メチル-グアノシン、2'-O-メチル-チミジン、2'-フルオロ-アデノシン、2'-フルオロ-シチジン、2'-フルオロ-グアノシン、2'-フルオロ-ウラシル、2'-フルオロ-チミジン、デオキシシトシン、デオキシグアノシン、デオキシアデノシン、デオキシチミジン、デオキシウリジン、ロックされたアデノシン、ロックされたウリジン、ロックされたグアノシン、ロックされたシチジン、ホスホロチオエート、及びホスホジエステルキャップから選択される、実施形態10に記載の核酸。
12.実施形態1~11のいずれか一項に記載の核酸分子、及び薬学的に許容される担体、ビヒクル、賦形剤、又は希釈剤を含む、組成物。
13.該担体が、以下、生理食塩水、糖、ポリペプチド、ポリマー、脂質、クリーム、ゲル、ミセル材料、ウエハ、及びナノ粒子のうちの少なくとも1つを含む、実施形態12に記載の組成物。
14.該担体が、以下、グルコース溶液、ポリカチオン性結合剤、カチオン性脂質、カチオン性ミセル、カチオン性ポリペプチド、親水性ポリマーグラフトポリマー、非天然カチオン性ポリマー、カチオン性ポリアセタール、親水性ポリマーグラフトポリアセタール、リガンド官能化カチオン性ポリマー、核酸送達ビヒクル、リガンド官能化-親水性ポリマーグラフトポリマー、及びリガンド官能化リポソームのうちの少なくとも1つを含む、実施形態12に記載の組成物。
15.担体が、カチオン性ポリマー-核酸複合体を含む、実施形態14に記載の組成物。
16.親水性ポリマーが、ポリエチレングリコール(PEG)である、実施形態14に記載の組成物。
17.ナノ粒子が、リポソームナノ粒子である、実施形態13に記載の組成物。
18.リポソームが、少なくとも1つの2'糖修飾で更に官能化される、実施形態17に記載の組成物。
19.対象における創傷を治療するか、又は瘢痕を阻害、低減、若しくは予防する方法であって、対象に、治療有効量の実施形態12に記載の組成物を投与することを含む、方法。
20.創傷又は瘢痕が、皮膚、眼、中枢神経系、末梢神経系、心臓組織、血管、腱、靭帯、筋肉、口腔、口唇、口蓋、内臓、外科的創傷、腹腔、骨盤腔、又は胸腔のものである、実施形態19に記載の方法。
21.眼の創傷又は瘢痕が、角膜又は水晶体嚢のものである、実施形態20に記載の方法。
22.創傷又は瘢痕が、眼の手術、LASIK手術、LASEK手術、PRK手術、緑内障濾過手術、白内障手術、及び角膜瘢痕形成から生じる、実施形態20に記載の方法。
23.瘢痕化の阻害が、癒着形成の発生数及び/又は形成された癒着のサイズを低減する、実施形態19に記載の方法。
24.瘢痕化の予防、低減、又は阻害が、ニューロン再結合及び/又はニューロン機能を増強する、実施形態19に記載の方法。
25.心臓組織の創傷が、心筋梗塞に由来する、実施形態20に記載の方法。
26.創傷が、ニューロンの創傷である、実施形態20に記載の方法。
27.創傷が、被膜拘縮をもたらす、実施形態20に記載の方法。
28.創傷が、外科的創傷である、実施形態20に記載の方法。
29.創傷が、美容的処置又は瘢痕の修正に由来する、実施形態20に記載の方法。
30.対象における皮膚移植片又は皮膚移植部位の治癒を促進又は改善する方法であって、対象に、皮膚移植片又は皮膚移植部位の治癒を促進するのに有効な量の実施形態12に記載の組成物を投与することを含む、方法。
【0165】
本開示は、以下の実験の詳細からよりよく理解されるであろう。しかしながら、当業者は、その後の特許請求の範囲でより完全に説明されるように、議論される特定の方法及び結果が本開示の単なる例示であることを容易に理解するであろう。
【実施例
【0166】
実施例1.siRNA合成
【0167】
配列番号17~18及び34~57のオリゴヌクレオチド配列は、ホスホロアミダイト化学を使用した従来の固相オリゴヌクレオチド合成により、オリゴヌクレオチドの2つの一本鎖(センス及びアンチセンス)を合成することによって調製した。制御多孔性ガラス(CPG)又はポリスチレンなどの固体支持体上のホスホロアミダイト法によるオリゴヌクレオチド鎖の組み立てを図1に示す。
【0168】
各サイクルは、5'脱保護、カップリング、酸化、及びキャッピングからなる。各カップリング工程は、適切な活性化アミダイトと、支持体固定保護ヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドの遊離5'ヒドロキシル基との反応によって実行される。次いで、オリゴヌクレオチドを脱保護し、支持体から切断する。次いで、2'TBDMS保護基を切断して、粗製センス又はアンチセンス鎖を得る。次いで、センス鎖及びアンチセンス鎖を個々に精製する。精製した一本鎖を分析して、siRNA二重鎖(図2においてSiFi2と称される)にアニーリングする前に、正しい分子量及び不純物プロファイルを確認する。アニーリングされた二重鎖を凍結乾燥させて、活性医薬成分(API)を得る。APIは、-20℃で保管される。
【0169】
図3は、一対のオリゴヌクレオチド、センス核酸分子配列番号17(図3A)、及びアンチセンス核酸分子配列番号18(図3B)の化学構造を示す。配列番号17/18の算出質量、(質量分析を介した)実測質量、及び化学式は、下記の表1に見出される。指定17/18は、配列番号17及び配列番号18の二重鎖を指す。
【表2】
【0170】
本明細書に記載される他の核酸分子を、同じ方法で調製した。
【0171】
実施例2.U2OS細胞のsiRNAトランスフェクション
【0172】
本明細書に記載される核酸及びsiRNAの有効性を試験するための調製において、U2OS細胞をトランスフェクトするために以下の方法を使用する。
【0173】
siRNAトランスフェクションプロトコル(6ウェルプレート)。ウェル(6ウェルディッシュ)当たり100,000個のU2OS細胞を播種し、2日間培養する(約80%のコンフルエンシー)。トランスフェクションの12時間前に、細胞は無血清培地でなければならない。Lipofectamine RNAiMAX:3.5μLのsiRNA(20μMストック)/トランスフェクション(70pmol)を250μLのOptiMEM中に希釈する。次いで、3.5μLのLipofectamine 3000を250μLのOptimMEM中に希釈する。siRNA/OptiMEMをLipofectamine/OptiMEM溶液に混合する。室温で5分間インキュベートする。混合物をウェルに滴下添加する。500μLの無血清培地を添加する。
【0174】
siRNAトランスフェクションプロトコル(24ウェルプレート)。ウェル(6ウェルディッシュ)当たり20,000個のU2OS細胞を播種し、2日間培養する(約80%のコンフルエンシー)。Lipofectamine 3000プロトコルに従う。0.7μLのsiRNA(20μMストック)/トランスフェクション(70pmol)を125μLのOptiMEM中に希釈する。0.7μLのLipofectamine 3000を125μLのOptimMEM中に希釈する。siRNA/OptiMEMをLipofectamine/OptiMEM溶液に混合する。室温で15分間インキュベートする。混合物をウェルに滴下添加する。250μLの無血清培地を添加する。
【0175】
実施例3.HUVECのsiRNAヌクレオフェクション
【0176】
HUVECについて、以下のヌクレオフェクションプロトコルに従った。
【0177】
溶液1:125mMのNaHPO(100mlのHO中1.4998g)、12.5mMのKCl(100mLのHO中0.09318g)。溶液2:55mMのMgCl(100mLのHO中0.9524g)。希釈標準溶液:80%溶液1、20%溶液2。ヌクレオフェクション当たり100μLを使用する。
【0178】
プロトコル。インキュベーター内のプレートに温かいM200培地を準備する。開始する前に、Nucleofector上のHUVEC Nucleofectionプロトコル(U2OSの場合はCM-104)を選択する。ヌクレオフェクションの48時間前に細胞が分裂している場合に最適である。できる限り速やかに作業し、細胞がヌクレオフェクション溶液中で費やす時間を最小限に抑える。
【0179】
手順:1T75のHUVECをトリプシン化し、カウントする。通常、約130万個の細胞/フラスコ。細胞を1200rpmで5分間ペレット化する。ペレットをヌクレオフェクション溶液に再懸濁し、Nucleofectionキュベットの数で均等に分割する。100μL/ヌクレオフェクション。キュベット当たり1×10~1×10細胞の間のヌクレオフェクト。核酸を添加して直接キュベットにヌクレオフェクトする(30pmolのsiRNA=1.5μLの20μMストックsiRNA/1~2μgプラスミドDNA)。側面をフリックして、気泡を取り除く。キュベットをNuclefectorに入れて実行する。500μLの温かい培地をキュベットに直接添加する。細胞を温かい培地で満たされたウェルプレートにプレーティングする。プレートを回転させて、細胞を均等に分布させる。24~48時間後にノックダウン/遺伝子発現を分析する。
【0180】
実施例4.有効性試験-移行アッセイ
【0181】
U2OS細胞を6ウェルディッシュのウェル(ウェル当たり100,000個の細胞)中に播種し、約80%のコンフルエンシーに達するまで2日間培養した。上述のように、3.75μLのLipofectamine 3000を使用し、製造業者のプロトコルに従って、細胞を3.5μLの20μM siRNA(70pmol)でトランスフェクトした。24時間後、細胞を洗浄し、24時間、48時間、又は72時間のいずれかで収穫するまで増殖させた。
【0182】
上記のようなU2OS細胞及びsiRNAを含むHUVECの移行を、対照非標的化siRNA(siN)又はFL2 siRNAで処理した後にU2OS細胞で実施したスクラッチアッセイからの代表的な結果を示すタイムラプス位相コントラスト画像を使用してモニタリングした。図4Aは、アッセイ中に撮影された画像の例を示し、スケールバーは100μmである。(4B)対照細胞及びFL2枯渇細胞の平均移行速度を比較したグラフ。3つの独立したスクラッチアッセイ実験からデータを蓄積した。(4C)移行する対照細胞及びFL2枯渇細胞の方向的持続性を比較したグラフ。方向性は、開始点と終点との間の距離(D)を各軌道の総経路長(L)で割ったものとして決定した。エラーバーは、平均値の標準誤差(SEM)を示す。***P<0.05。
【0183】
同じアッセイを使用して、配列番号17~57の中から以下の二本鎖siRNAを試験し、これらのsiRNAが細胞表現型に影響を及ぼしたことを実証した。試験したsiRNAは、配列番号17及び配列番号18、配列番号34及び配列番号35、配列番号34及び配列番号36、配列番号34及び配列番号37、配列番号34及び配列番号38、配列番号34及び配列番号39、配列番号17及び配列番号40、配列番号34及び配列番号41、配列番号42及び配列番号43、配列番号44及び配列番号43、配列番号45及び配列番号43、配列番号46及び配列番号47、配列番号46及び配列番号48、配列番号46及び配列番号49、配列番号50及び配列番号51、配列番号46及び配列番号52、配列番号46及び配列番号53、配列番号54及び配列番号55、配列番号56及び配列番号57であり、U2OSを上記のように各siRNAでトランスフェクトし、コンフルエンシーまで成長させた。次いで、ウェルを引っ掻き、治癒の過程にわたって画像化した。データは、U2OS細胞の初期スクリーンの図5に示されている。
【0184】
図6に示されるように、初期スクリーンで識別されたある特定の候補を、より大きな試料サイズn=4で試験した。
【0185】
HUVEC細胞を、対照siRNA、又はsiRNAを標的とするFL2のいずれかで上記のようにヌクレオフェクトし、プレーティングし、コンフルエンスに到達させた後、タイムラプススクラッチアッセイを実施した。個々の細胞をFIJIを使用して追跡し、細胞移行速度をDiper Excelマクロを使用して分析した。有意差を判定するために、スチューデントt検定を実施した。n≧49細胞。細胞をウエスタンブロットのために採取し、プローブして、siRNA媒介性FL2ノックダウンを確認した。ローディングコントロールとしてGAPDHを使用した。
【0186】
細胞追跡は、これらの修飾が、効果的にノックダウンを生成しながら細胞移行速度を向上させたことを示した。配列番号17/18を含むsiRNAのノックダウン結果を図7に示し、移行データを図8に示す。
【0187】
インビトロでは、配列番号17/18 siRNAによるFL2のヒト組織培養細胞からの枯渇により、部分的には方向運動性の増加に起因して細胞移動速度の増加が生じる。配列番号17~57のうちの核酸分子を含む他のsiRNA配列もまた、移行速度の増加を示す。
【0188】
実施例5.siRNA組成物
【0189】
本開示のsiRNAを含むナノ粒子(np)を、500μlのテトラメチルオルトケイ酸塩(TMOS)を使用して、100μlの1mM HClの存在下、氷上で約15分間の超音波処理によって、単相が形成されるまで加水分解した。加水分解したTMOS(100μl)を、10mMのリン酸塩(pH7.4)を含有する900μlの20μM siRNA(マウスFL2(Sigma-Aldrich、SASI_Mm02_00354635)又は負の対照)溶液に添加した。ゲルが10分以内に形成された。ゲルを-80℃で15分間凍結させ、凍結乾燥させた。
【0190】
本開示のsiRNAを含むウエハは、2.5%のコラーゲン、7.5%の硫酸コンドロイチン、82.5%のポリビニルピロリドン、及び7.5%のポリエチレングリコール400から作製される。そのようなウエハは、100mgのウエハ当たり6.6、13.3、又は26.6マイクログラムのsiRNAを含有するように作製される。ウエハは、例えば、神経温存手術中、又は根治的前立腺切除術などのニューロン機能障害のリスクが高い処置中に手術部位に移植される。
【0191】
実施例6.ナノ粒子マイクロエマルション製剤化
【0192】
方法論に必要な成分:Zonyl FSO-100(FSO)、Poloxamer 188、ペルフルオロデカリン(PFD)、DNAse/RNAseフリー水、本明細書に記載されるsiRNA、又は対照。
【0193】
製剤化を開始する前の処置前の注意事項。プロトコルは、DNAse/RNAseフリー水を使用して、室温の滅菌環境で実施される。製剤を処理するために必要な容器は、RNAse zapで事前に洗浄し、オートクレーブし、滅菌層流フード内のDNAse/RNAseフリー水ですすぐ。
【0194】
有機相の調製。20%のPFD溶液を、組織培養層流フード内のFSO中で作製する。100mLのバッチ製剤については、20グラムのFSOを量り、PFDを添加して体積を80mLにする。混合物をボルテックスし、代わりに超音波水バッチ中で10分ごとに1時間超音波処理し、続いて4時間撹拌した。FSOはPFDにほとんど溶けないため、混合物の一貫性を定期的に確認する必要がある。FSOの大きな塊と空気の閉じ込めを避けるために、混合物を水分又は水にさらさないように超音波水バッチで超音波処理する必要がある。溶解度は、室温で一晩撹拌してから24時間の期間におけるどこかで取ることができる。未溶解のFSOの大きな塊が存在する場合は、室温で5分間、300gでゆっくりと遠心分離することによって混合物から分離する必要がある。溶解した相は、滅菌ファルコンチューブに慎重にデカントする必要がある。上清を別に取っておき、10mLのPFDをFSOの大きな塊に添加し、キャップをしっかり閉じた状態で混合物をボルテックスし、続いて超音波水浴中で超音波処理を行う。PFDの大きな塊がPFDに完全に溶解するまで、この手順を繰り返す必要がある。両方のPFD混合物をプールして、90mLにする。これにより均質な懸濁液が得られるはずである。
【0195】
代替のスケールアッププロセスは、有機相を少量で調製することによって行い、次いで、全ての画分を最終的にプールして均質な懸濁液を得ることができる。
【0196】
有機相における粒径の特性評価。PFDの混合物は、好ましくは5μm未満の特定の粒径でなければならない。FSOをPFD中で一晩撹拌した後、混合物のアリコート(10μL)を希釈し、動的光散乱(DLS)に供して、最大の安定性を有するように最適化された粒径をモニタリングした。より高い粒径では、製剤の安定性は実現可能性が低く、最大効率を有するために、粒径は5マイクロメートル前後又はそれ未満である方がよい。DLS測定によって粒径が5μmより大きい場合、プローブを使用した追加の超音波処理工程は、20秒間隔の遅いパルスで実施される。超音波照射手順は、10分を超えないように注意する必要がある。DLS測定により5μmを超えるより大きな粒子が依然として存在する場合は、混合物を滅菌条件下で一晩撹拌して、均一な粒径の混合物を有するようにしなければならない。
【0197】
DLS結果:3.433±0.215μm。機器:Brookhaven Instruments Corporation、粒径分析装置
【0198】
水相の調製。別の50mLのファルコンチューブで、DNAse/RNAseフリー水中4%のポロキサマー溶液を調製する。9mLのDNAse/RNAseフリー水中400mgのポロキサマーを量り、30分ごとに一貫性を確認しながら、ニューテーターで2時間混合する。ポロキサマーは、DNAse/RNAseフリー水に完全に溶解しなければならない。ポロキサマー溶液は、使用するまで氷水浴で冷やすか、又は冷蔵する必要がある。ポロキサマー溶液は、きれいな層流フードで作製する必要があり、フードの外側にしっかりとキャップをした後、ニューテーターを使用して混合することができる(注記:ポロキサマー溶液を9mLの水中で作製し、後にDNAse/RNAseフリー水中に混合した1mLのsiRNAを添加して、ポロキサマーの水相を作製する)。
【0199】
水相中のsiRNA/対照の添加。siRNA粉末又は液体を、予め冷却したDNAse/RNAseフリー水中で混合し、最大1mLを作製する。siRNAを速やかに解凍し、製剤を作製する直前に氷バケツ中DNAse/RNAseフリー水で希釈する。製剤の準備が整うまで、siRNAを解凍してはならない。1mLのsiRNA溶液を、層流フード内で9mLの予め冷却したポロキサマー溶液に穏やかに添加し、十分に混合して均一な溶液を得る。この手順は、認定されたバイオセーフティフードで実施する必要がある。
【0200】
エマルション製剤の調製。氷浴上の層流フード内で磁気撹拌バーを使用して、PFD混合物を1200rpmの一定速度で撹拌する。マイクロエマルション形成の一貫性及び安定性は、光学顕微鏡によって定期的に確認される。マイクロピペットを使用して、ポロキサマー及びsiRNA混合物の水相を穏やかに添加する。水相のゆっくりとした添加は重要であり、より速い添加は、有機相及び水相の分離をもたらし得る。合計10mLの水相を0.5mL/分以下の速度で20分間以上かけて添加し、安定なエマルションを得る。エマルションの安定性は、溶液が4℃で1時間維持されている間に相分離をモニタリングすることによって試験されるべきである。
【0201】
エマルション製剤の特性評価 顕微鏡画像。DLS結果:4.358±0.657μm。機器:Brookhaven Instruments Corporation、粒径分析装置
【0202】
ゼータ電位結果:-16.97±2.09mV。機器:Brookhaven Instruments Corporation、PALSゼータ電位分析装置
【0203】
エマルション安定性(1時間)=100%、
(Vb-Va)/Vb×100%を使用し、式中、Vbは、乳化前の水相の体積であり、Vaは、乳化後の水相の体積である
【0204】
pH:6.0
【0205】
電荷:中性
【0206】
保管及び使用。エマルション又はスプレー製剤は、使用するまで4℃で保管する(凍結しない)。エマルションは、使用前によく振とうする必要がある。
【0207】
実施例7.siRNAコラーゲン-界面活性剤ポリマードレッシング
【0208】
コラーゲン微粒子及び表面ポリマードレッシング(SPD)を使用して創傷、熱傷、及び他の損傷を治療するためのドレッシングを以下のように作製する。10gのビス(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム(AOT)(Sigma-Aldrich)を、34mlのn-ヘキサンに溶解し、酢酸に溶解した2mlの5%コラーゲン-Iを添加する。得られたマイクロエマルションを、透明になるまで45分間撹拌する。次いで、この溶液を蒸発させてヘキサンを除去する。残渣を洗浄し、次いでヌクレアーゼフリー水に懸濁し、凍結乾燥させる。次いで、100mgの凍結乾燥粉末を1000μlの25μM siRNA溶液で処理し、再び凍結乾燥させる。次いで、この材料を4度で2時間、1.25mLのSPD中に懸濁し、次いで、凍結乾燥させる。次いで、凍結乾燥した粉末を、1.25mLのヌクレアーゼフリー水及び1.25mLのSPDとともに添加する。
【0209】
実施例8.siRNAは根治的前立腺切除の転帰を改善する
【0210】
根治的前立腺切除術は、前立腺がん患者に対して実施される。そのような手術は、最大50%の勃起不全のリスクを有し得る。術後の勃起機能及び他の神経学的合併症の可能性を低減するために、10マイクログラムの配列番号17/18のsiRNAを含む、本明細書に記載されるように調製された100mgのウエハを、海綿体神経の近位の手術部位に移植する。患者は、手術後に勃起機能を回復する。
【0211】
実施例9.siRNAは切除創傷の治癒を改善する
【0212】
正常な健康なボランティアにおける二重盲検、プラセボ対照、ランダム化切除創傷臨床試験を行って、分層皮膚移植片(STSG)ドナー部位における創傷治癒の速度を評価する。正常なボランティアにおいて、各臀部の上部外側面から較正マイクロデルマトームを使用して、1インチ×1インチ寸法の厚さ0.08インチのSTSGを採取する。対象は、標準的な技法(圧力、トロンビン噴霧、エピネフリン)を使用して初期止血管理を受ける。創傷写真は、カメラフレームの80%を写真のフィールド内の較正ルーラーで埋めるように撮影する。固定用量の配列番号17/18で飽和されたTelfa(登録商標)パッドは、並列無作為化指定を使用して、片側STSGドナー部位に適用される。更に、ビヒクルで飽和されたTelfa(登録商標)パッドを反対側に投与する。滅菌した非粘着性フィルムをTegaderm(商標)の上に配置し、続いてガーゼボルスターを所定の位置にテーピングする。繰り返し投与中、ドレッシングは、Telfaパッドではなくフィルムを含むように下げる。繰り返し投与は、最初の投与と同様に、Telfaパッドを飽和させるために使用される。次いで、上記のようにドレッシングを元に戻す。最終用量が投与された1日後、ボルスターを取り外し、生理食塩水灌注を使用して両方のTelfa(登録商標)パッドをドナー部位からゆっくりと取り除く。2枚目の同様の写真を撮影する。次いで、創傷を乾燥させ、透明で通気性のあるフィルムドレッシングで覆い、その後の創傷治癒の視覚化を可能にする。写真を、2週間、又は完全な上皮化が生じるまで毎日撮影する。フィルムドレッシングは、臨床医が100%の創傷上皮化が発生したと判断した場合、又は他の方法で臨床的に示された場合に除去する。盲検観察者によって平面図化を実施し、上皮化を完了するまでの全ての時点及び時間における創傷治癒の速度を測定し、報告する。
【0213】
対象は、ハミルトン瘢痕評価尺度のカテゴリー1を使用して、治癒の耐久性及び瘢痕の質を確認するために、少なくとも1、3、及び6ヶ月間、写真撮影のために戻る。
【0214】
投薬頻度(1日1回、1日2回、及び1日3回)を、3つのコホート間で調査する。
【0215】
主要目的:SiFi2によるSTSGドナー部位の治療が、ビヒクル単独で治療したSTSGドナー部位よりも迅速な創傷治癒をサポートすることを実証する。
【0216】
副次的目的:SiFi2によるSTSGドナー部位の治療後の創傷治癒が持続し、ビヒクルで治療したSTSGドナー部位領域と比較して、ハミルトン瘢痕評価尺度によって決定される肥厚性瘢痕化と関連していないことを実証する。
【0217】
主要エンドポイント:5~19日目の標準化された写真撮影の解釈によって決定される、STSGドナー部位の創傷治癒の速度及び完了。
【0218】
副次的エンドポイント:(1)1、3、及び6ヶ月での治癒した創傷の維持;(2)3人の独立した専門家である創傷ケア外科医のレビュー担当者によって解釈される、1、3、及び6ヶ月でのSTSGドナー部位の写真におけるハミルトン瘢痕評価尺度6スコアのカテゴリー1によって評価される各治療群における肥厚性瘢痕化の程度;(3)治療側及び未治療側の疼痛及び掻痒の程度。
【0219】
包含基準:(1)あらゆる人種の男女の健康な対象;(2)年齢範囲:21~65歳;(3)18~30の基礎代謝指数;(4)インフォームドコンセントを提供し、術後の瘢痕評価に参加する意思及び能力;(5)フォローアップ評価スケジュールを遵守する意思。除外基準:(1)インフォームドコンセントを提供することができない;(2)術後の瘢痕評価に参加する意思がない;(3)皮膚疾患(強皮症又は他のコラーゲン血管疾患、以前のケロイド、以前の皮膚裂傷を伴う重度の皮膚薄化);(4)過去6ヶ月間の全身ステロイド又は皮膚ステロイドの使用;(5)妊娠又は妊娠しようとしている;(6)抗凝固薬を服用中である;(7)免疫不全状態;(8)糖尿病;(9)栄養失調;(10)過去2週間の血小板又はNSAIDの使用;(11)縫合又は包帯材料に対する既知の過敏性;(12)エピネフリン又はトロンビンに対する既知の過敏性;(13)過去2週間以内の感染症;(14)治験医師の意見において対象が臨床試験を成功裏に完了することができない任意の状態。
【0220】
安全性:全ての有害事象、ベースラインからの臨床的に顕著な臨床検査異常、異常出血、感染症、及び肥厚性瘢痕形成をモニタリングする。
【0221】
対象の数:3つのコホート(1コホート当たり5人の対象)にわたっておよそ15人の完了した対象。1つのコホートは1日1回(qd)、第2のコホートは1日2回(bid)、第3のコホートは1日3回(tid)治療を受ける。
【0222】
研究参加:6ヶ月
【0223】
各対象は、1日目、2日目、3日目、及び4日目に、qd(コホート1)、bid(コホート2)、又はtid(コホート3)のいずれかで、STSGドナー部位においてボルスター上の結び目の下のTelfa(登録商標)吸収パッド上で適用された4日間の薬物を受ける。いかなる場合でも、手術時間の合計は2時間未満であると推定される。
【0224】
登録完了までの推定時間:3ヶ月。
【0225】
結果は、配列番号17/18を有するSTSGドナー部位の治療が、ビヒクル単独で治療されたSTSGドナー部位領域よりも迅速な創傷治癒をサポートし、SiFi2を用いたSTSGドナー部位の治療後の創傷治癒が、ビヒクルで治療されたSTSGドナー部位領域と比較して、ハミルトン瘢痕評価尺度によって決定される肥厚性瘢痕化とは関連しないことを示す。
【0226】
本開示のある特定の特徴は、本明細書で例示及び説明されているが、多くの修正、置換、変更、及び等価物が、ここで当業者に想到されるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の趣旨に該当する全てのそのような修正及び変更を網羅することが意図されることが理解されるべきである。
図1
図2
図3A-1】
図3A-2】
図3B-1】
図3B-2】
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
【配列表】
2023515998000001.app