(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-17
(54)【発明の名称】皮膚移植片の治癒を増強するための標的としてのフィジェチン様2
(51)【国際特許分類】
A61K 45/00 20060101AFI20230410BHJP
A61P 17/02 20060101ALI20230410BHJP
A61K 31/713 20060101ALI20230410BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20230410BHJP
A61K 35/36 20150101ALI20230410BHJP
C12N 15/113 20100101ALN20230410BHJP
【FI】
A61K45/00
A61P17/02
A61K31/713
A61K48/00
A61K35/36
C12N15/113 Z ZNA
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022551731
(86)(22)【出願日】2021-02-26
(85)【翻訳文提出日】2022-10-06
(86)【国際出願番号】 US2021020108
(87)【国際公開番号】W WO2021174134
(87)【国際公開日】2021-09-02
(32)【優先日】2020-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520141449
【氏名又は名称】マイクロキュアーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャープ、デーヴィッド・ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】オルーク、ブライアン
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
4C087
【Fターム(参考)】
4C084AA13
4C084AA17
4C084MA63
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA891
4C084ZA892
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA16
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA63
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA89
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB48
4C087MA63
4C087NA05
4C087ZA89
(57)【要約】
対象における皮膚移植片又は皮膚移植部位の治癒を促進又は改善する方法であって、当該対象に、ある量のフィジェチン様2の阻害剤を投与することを含む、方法が提供される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象における皮膚移植片又は皮膚移植部位の治癒を促進又は改善する方法であって、前記対象に、前記皮膚移植片又は皮膚移植部位の治癒を促進するのに有効な量のフィジェチン様2の阻害剤を投与することを含む、方法。
【請求項2】
前記皮膚移植片のリモデリングが改善される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記皮膚移植片の美容的外観が改善される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記皮膚移植片又は皮膚移植部位が、低減した瘢痕形成を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記皮膚移植片が、熱傷を治療するために提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記熱傷が、部分層熱傷である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記熱傷が、全層熱傷である、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
熱傷を覆う前記皮膚移植片が、より大きな全体面積熱傷を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記皮膚移植片が、損傷を治療するために提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記損傷が、大きな開放創である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記損傷が、潰瘍である、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記潰瘍が、褥瘡である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記損傷が、皮膚感染症である、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記損傷が、皮膚がん手術の結果である、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記皮膚移植片が、ドナー皮膚から入手可能であるよりも大きな表面積を覆うように提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記皮膚移植片が、大きなメッシュ比を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記メッシュ比が、1.5:1を超える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記メッシュ比が、3:1である、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記メッシュ比が、9:1である、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記皮膚移植片が、分層皮膚移植片である、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記皮膚移植片が、全層皮膚移植片である、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記フィジェチン様2の阻害剤が、フィジェチン様2を対象とするsiRNA又はshRNAである、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記siRNAが投与される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記shRNAが投与される、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
ヒトフィジェチン様2をコードするDNA又はRNAを対象とする前記siRNAが、少なくとも1つの2'糖修飾を有する、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
ヒトフィジェチン様2をコードするDNA又はRNAを対象とする前記shRNAが、少なくとも1つの2'糖修飾を有する、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
siRNA又はshRNAが、ヒトフィジェチン様2をコードするmRNAを対象とする、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記siRNAが、配列番号1~18又は34~72に示される配列を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記siRNAが、配列番号1及び配列番号2、配列番号3及び配列番号4、配列番号5及び配列番号6、配列番号7及び配列番号8、配列番号9及び配列番号10、配列番号11及び配列番号12、配列番号13及び配列番号14、配列番号15及び配列番号16、配列番号17及び配列番号18、配列番号17及び配列番号18、配列番号34及び配列番号35、配列番号34及び配列番号36、配列番号34及び配列番号37、配列番号34及び配列番号38、配列番号34及び配列番号39、配列番号17及び配列番号40、配列番号34及び配列番号41、配列番号42及び配列番号43、配列番号44及び配列番号43、配列番号45及び配列番号43、配列番号46及び配列番号47、配列番号46及び配列番号48、配列番号46及び配列番号49、配列番号50及び配列番号51、配列番号46及び配列番号53、配列番号54及び配列番号55、配列番号56及び配列番号57、配列番号34及び配列番号58、配列番号34及び配列番号59、配列番号34及び配列番号60、配列番号17及び配列番号61、配列番号34及び配列番号62、配列番号42及び配列番号63、配列番号44及び配列番号63、配列番号45及び配列番号63、配列番号46及び配列番号64、配列番号46及び配列番号65、配列番号46及び配列番号66、配列番号50及び配列番号67、配列番号46及び配列番号69、配列番号54及び配列番号70、配列番号17及び配列番号72、又は配列番号56及び配列番号71の中から選択される二本鎖核酸からなる、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記siRNAが、配列番号1及び配列番号2、配列番号3及び配列番号4、配列番号5及び配列番号6、配列番号7及び配列番号8、配列番号9及び配列番号10、配列番号11及び配列番号12、配列番号13及び配列番号14、配列番号15及び配列番号16、配列番号17及び配列番号18、配列番号17及び配列番号18、配列番号34及び配列番号35、配列番号34及び配列番号36、配列番号34及び配列番号37、配列番号34及び配列番号38、配列番号34及び配列番号39、配列番号17及び配列番号40、配列番号34及び配列番号41、配列番号42及び配列番号43、配列番号44及び配列番号43、配列番号45及び配列番号43、配列番号46及び配列番号47、配列番号46及び配列番号48、配列番号46及び配列番号49、配列番号50及び配列番号51、配列番号46及び配列番号53、配列番号54及び配列番号55、配列番号56及び配列番号57、配列番号34及び配列番号58、配列番号34及び配列番号59、配列番号34及び配列番号60、配列番号17及び配列番号61、配列番号34及び配列番号62、配列番号42及び配列番号63、配列番号44及び配列番号63、配列番号45及び配列番号63、配列番号46及び配列番号64、配列番号46及び配列番号65、配列番号46及び配列番号66、配列番号50及び配列番号67、配列番号46及び配列番号69、配列番号54及び配列番号70、配列番号17及び配列番号72、又は配列番号56及び配列番号71の中から選択される二本鎖核酸を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記阻害剤が、前記皮膚移植部位に局所的に適用される、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
対象における皮膚移植片又は皮膚移植部位の治癒を促進又は改善する方法であって、前記皮膚移植片又は皮膚移植部位に、瘢痕化を阻害するのに有効な量の、配列番号20に示されるアミノ酸を含むヒトフィジェチン様2をコードするDNA又はRNAを対象とするsiRNA又はshRNAを直接投与することを含む、方法。
【請求項33】
前記shRNAが、配列番号23からなる、請求項24に記載の方法。
【請求項34】
前記shRNAが、配列番号23を含む、請求項24に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年2月27日に出願された米国仮特許出願第62/982,484号の優先権を主張するものであり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
米軍兵役従事者が被った熱傷は、典型的に、最近の紛争における戦闘犠牲者の5~20%を占めている。イラク及びアフガニスタンでの作戦は、損傷の重症度スコアの増加を伴う熱傷創を生じ、即席爆発装置(IED)の普及により、より一般的な損傷となっている。実際、IEDは、2003年4月から2005年5月にかけて報告された熱傷損傷の69.6%を引き起こした。敵が成功裏にIEDを使用することで、これらの武器が将来の紛争で米軍に対して用いられる可能性が高くなる。加えて、民間患者と比較して、熱傷を有する戦闘犠牲者は、より高い全層熱傷の割合及びより大きな全体表面積(TBSA)を特徴とする。結果として生じる損傷により、熱傷治療は今後、前進する軍の医療専門家にとって大きな課題となる。熱傷創管理の新規のアプローチは、回復をスピードアップし、患者の不快感を軽減し、原隊復帰率を高め、医療費を削減し、戦力を維持するであろう。瘢痕形成の可能性を低減することは、これらの患者の機能的転帰(可動範囲)及び心理的健康(美容術)に大きな影響を及ぼすであろう。
【0003】
アメリカ熱傷協会(American Burn Association)は、民間人の中で、年間50万人近くが熱傷損傷の医学的治療を受けており、そのうち4万人が入院を必要とすると推定している。急性熱傷治療及び入院のための関連費用は、年間100億ドルであると推定される。瘢痕化の長期治療は、年間およそ120億ドルを占める。同国には200弱の熱傷センターがあり、患者及び医療提供者の両方への負担を軽減し、患者の転帰を改善し、医療費を削減するための治療レジメンを改善することに対する極めて大きな必要性がある。
【0004】
深部熱傷に加えて、皮膚移植片は、大きな開放創、皮膚感染症、褥瘡などの皮膚潰瘍、又は皮膚がん手術から必要に応じて皮膚を置き換えるために使用される。
【0005】
皮膚移植片、特により大きな全体表面積の熱傷に必要なものは、急速に治癒しない場合があり、したがって、瘢痕形成をもたらす。ドナー皮膚の量に制限があるが、大きな体表面積については、大きなメッシュ比が用いられる。皮膚移植片、特に大きなメッシュ比を有するものの機能的及び美容的転帰を改善する方法が、熱傷及び他の理由のために必要である。
【0006】
本出願において参照される全ての刊行物、特許、特許出願刊行物、及び書籍の開示は、ここで参照によりそれら全体が本出願に組み込まれ、本開示が関連する技術をより完全に説明する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
対象における皮膚移植片又は皮膚移植部位の治癒を促進又は改善する方法であって、当該対象に、皮膚移植片又は皮膚移植部位の治癒を促進するのに有効な量のフィジェチン様2の阻害剤を投与することを含む、方法が提供される。一実施形態では、皮膚移植片のリモデリングが改善される。一実施形態では、皮膚移植片の美容的外観が改善される。一実施形態では、皮膚移植片又は皮膚移植部位は、低減した瘢痕形成を示す。
【0008】
一実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、フィジェチン様2を対象とするsiRNA又はshRNAである。一実施形態では、阻害剤は、皮膚移植部位に局所的に適用される。
【0009】
一実施形態では、皮膚移植は、熱傷を治療するために提供される。一実施形態では、熱傷は、部分層熱傷である。一実施形態では、熱傷は、全層熱傷である。一実施形態では、皮膚移植は、例えば大きな開放創からの損傷を治療するために提供される。一実施形態では、皮膚移植は、限定されないが、褥瘡などの潰瘍を治療するために提供される。一実施形態では、皮膚移植は、皮膚感染症を治療するために提供される。一実施形態では、皮膚移植は、皮膚がん手術部位を治療するために提供される。一実施形態では、皮膚移植は、ドナー皮膚の供給から入手可能であるよりも大きな表面積を覆うように提供される。
【0010】
一実施形態では、皮膚移植片は、より大きな全体面積熱傷を含む。一実施形態では、皮膚移植片は、大きなメッシュ比を有する。一実施形態では、メッシュ比は、1.5:1を超える。一実施形態では、メッシュ比は、3:1である。一実施形態では、メッシュ比は、9:1である。一実施形態では、皮膚移植片は、分層皮膚移植片である。一実施形態では、皮膚移植片は、全層皮膚移植片である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】異なる量のFL2標的siRNAの適用後の皮膚移植片の治癒の画像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の一部を形成する以下の詳細な説明を参照することにより、本発明の主題をより容易に理解することができる。本開示は、本明細書で説明及び/又は示される特定の製品、方法、条件、又はパラメータに限定されず、本明細書で使用される専門用語は、単なる例として特定の実施形態を説明することを目的とし、本開示を限定することを意図するものではないことを理解されたい。
【0013】
本明細書で別途定義されない限り、本出願に関連して使用される科学用語及び技術用語は、当業者によって一般的に理解される意味を有するものとする。更に、文脈によって別段の必要がない限り、単数形の用語は複数形を含み、複数形の用語は単数形を含むものとする。
【0014】
上記及び本開示全体を通して用いられる場合、以下の用語及び略語は、別段の指示がない限り、以下の意味を有するものと理解されなければならない。
【0015】
本開示では、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、複数の指示対象を含み、特定の数値への言及は、文脈上明確に別段の指示がない限り、少なくともその特定の値を含む。したがって、例えば、「化合物」への言及は、そのような化合物及び当業者に既知のそれらの等価物等のうちの1つ以上への言及である。
【0016】
同様に、値が近似値として表される場合、前置詞「約」を使用することによって、特定の値が別の実施形態を形成することを理解されたい。全ての範囲が包括的であり、組み合わせることができる。本開示の文脈において、「約」ある特定の量とは、その量が記載された量の±20%以内、又は好ましくは記載された量の±10%以内、又はより好ましくは記載された量の±5%以内であることを意味する。
【0017】
本明細書で使用される場合、「治療する」、「治療」、又は「治療法」という用語(並びにそれらの異なる形態)は、予防的(prophylactic)又は予防的(preventative)措置を含む治療的処置を指し、目的は、疾患又は状態に関連する望ましくない生理学的変化を予防又は減速(軽減)することである。有益又は所望の臨床結果としては、症状の緩和、疾患又は状態の程度の減少、疾患又は状態の安定化(すなわち、疾患又は状態が悪化しない場合)、疾患又は状態の進行の遅延又は減速、疾患又は状態の寛解又は緩和、及び検出可能であるか検出不可能であるかにかかわらず、疾患又は状態の寛解(部分的又は全体的)が挙げられるが、これらに限定されない。治療を必要としている者には、既に疾患若しくは状態を患っている者、及び疾患若しくは状態を患い易い者、又は疾患若しくは状態が予防されるべき者が含まれる。
【0018】
「対象」、「個体」、及び「患者」という用語は、本明細書において互換的に使用され、本開示による組成物又は製剤による治療が提供される動物、例えばヒトを指す。本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、ヒト及び非ヒト動物を指す。ヒトは、任意の年齢の任意のヒトであり得る。ある実施形態では、ヒトは、成人である。別の実施形態では、ヒトは、子供である。ヒトは、男性、女性、妊娠中、中年、青年期、又は高齢者であり得る。
【0019】
対象における皮膚移植片又は皮膚移植部位の治癒を促進又は改善する方法であって、対象に、皮膚移植片又は皮膚移植部位の治癒を促進するのに有効な量のフィジェチン様2の阻害剤を投与することを含む、方法が提供される。
【0020】
皮膚移植部位としては、非限定的な例として、大きな開放創、皮膚感染症、熱傷、褥瘡などの潰瘍から、又は皮膚がん手術から必要に応じて回復を助けるものが挙げられる。皮膚移植片は、分層皮膚移植片又は全層皮膚移植片であってよい。
【0021】
ある特定の例では、皮膚移植は、大きな熱傷からの回復を助けるために使用される。熱傷損傷の重症度は、熱傷の全体表面積(TBSA)及び熱傷の深度の両方に依存する。熱傷の位置、深度、及び一般外観は、治癒転帰を改善するための最適な治療を決定するために使用される。熱傷の深度は、典型的には、浅達性、部分層、又は全層として分類され、罹患率及び死亡率の予測因子として機能することができる。浅達性熱傷は、表皮層のダメージを伴い、速やかに再生し、水疱をもたらさない。部分層熱傷は、表皮層及び皮膚層の両方に対するダメージからなる。ダメージの深度(乳頭状又は網状真皮)に応じて、部分層熱傷は治癒する可能性があるが、これには長期間を要する場合があり、瘢痕化及び拘縮につながる可能性がある。深部中間層及び全層熱傷は、深部皮膚及び皮下へのダメージを特徴とする。未治療のまま放置すると、全層熱傷は治癒しないか、又は治癒する場合、治癒に数ヶ月を要し、広範囲にわたる瘢痕化及び機能を制限する拘縮の形成を伴う可能性がある。
【0022】
深部部分層及び全層熱傷に対する標準的なケアは、エスカー(eschar)を外科的に切除し、続いて自家皮膚移植片で早期に覆うことである。皮膚移植片をメッシュ状にして、血腫又は血清腫の形成を低減し、創傷の滲出液を通過させ、自家移植片によって覆われた表面積を増加させる。臨床ゴールドスタンダードは、再構築の必要性によって決定される厚さを有する1.5:1の分層皮膚移植片(STSG)のメッシュ比であるが、STSGは、付属構造を含まない。使用される比(最大9:1)は、メッシュ状STSG(mSTSG)で処理される必要があるTBSAに依存する。TBSAが増加すると、ドナー部位の可用性が低下し、単段階自家移植を実施することができなくなる。被覆面積を拡大するために、外科医は、より大きなメッシュ比(3:1以上)又は同種移植片及び皮膚代替物などの代替治療を使用するように適応している。残念ながら、これらの選択肢はどちらも最適ではない。第一に、メッシュ比を増加させると、再上皮化が遅延し、メッシュパターン化された瘢痕形成が生じる。大きな熱傷TBSAを有する患者では、大きなメッシュ比の機能的及び美容的転帰を改善することで、2段階治療の必要性を低減する。第二に、皮膚代替物への血行再建及び細胞増殖の速度が低いため、単段階治療としての臨床的実現可能性は限定的である。
【0023】
本開示の方法及び組成物は、皮膚移植片を受ける患者(若しくは哺乳動物対象)を治療、修復、増強するか、又は患者に利益を与えるための皮膚移植の任意の他の使用のうち、本明細書に記載される目的のうちのいずれかのための皮膚移植片の治癒を改善する。皮膚移植片は、同じ患者(自家)に由来する場合もあれば、別のドナーに由来する場合もある。
【0024】
一実施形態では、皮膚移植片のリモデリングが改善される。一実施形態では、皮膚移植片の美容的外観が改善される。一実施形態では、皮膚移植片又は皮膚移植部位は、低減した瘢痕形成を示す。
【0025】
一実施形態では、皮膚移植片は、より大きな全体面積熱傷を含む。一実施形態では、皮膚移植片は、大きなメッシュ比を有する。一実施形態では、メッシュ比は、1.5:1を超える。一実施形態では、メッシュ比は、3:1である。一実施形態では、メッシュ比は、9:1である。一実施形態では、皮膚移植片は、分層皮膚移植片である。一実施形態では、皮膚移植片は、全層皮膚移植片である。
【0026】
一実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、フィジェチン様2を対象とするsiRNA又はshRNAである。一実施形態では、阻害剤は、皮膚移植部位に局所的に適用される。
【0027】
対象における皮膚移植片又は皮膚移植部位を治療する方法であって、皮膚移植片又は皮膚移植部位を治療するのに有効な量のフィジェチン様2の阻害剤を対象に投与することを含む、方法が提供される。
【0028】
ある実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、皮膚移植片又は皮膚移植部位に局所的に投与される。ある実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、静脈又は動脈を介して投与される。ある実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、注射、カテーテル挿入、又はカニューレ挿入によって投与される。ある実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、阻害剤を溶出するインプラント、例えば、溶出ステント又は溶出皮膚パッチから投与される。
【0029】
ある実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、核酸である。ある実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、siRNA又はshRNAである。ある実施形態では、核酸は、フィジェチン様2をコードするDNA、又はフィジェチン様2をコードするmRNAを対象とする。
【0030】
方法のある実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、ナノ粒子に封入される。ある実施形態では、ナノ粒子は、リポソームナノ粒子である。
【0031】
ある実施形態では、フィジェチン様2は、ヒトフィジェチン様2である。
【0032】
ある実施形態では、フィジェチン様2は、配列番号20に示される配列を有する連続アミノ酸残基を含む。
【0033】
ある量のフィジェチン様2の阻害剤を含む、皮膚移植片又は皮膚移植部位を治療するための薬学的組成物が提供される。ある実施形態では、薬学的組成物は、ヒト対象における皮膚移植片又は皮膚移植部位を治療するのに有効な量のフィジェチン様2の阻害剤を含む。
【0034】
ある実施形態では、薬学的組成物は、薬学的に許容される担体を含む。
【0035】
薬学的組成物のある実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、核酸である。
【0036】
薬学的組成物のある実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、siRNA又はshRNAである。
【0037】
薬学的組成物のある実施形態では、核酸は、フィジェチン様2をコードするDNA、又はフィジェチン様2をコードするmRNAを対象とする。
【0038】
薬学的組成物のある実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、ナノ粒子に封入される。ある実施形態では、ナノ粒子は、リポソームナノ粒子である。
【0039】
薬学的組成物のある実施形態では、フィジェチン様2は、ヒトフィジェチン様2である。
【0040】
薬学的組成物のある実施形態では、フィジェチン様2は、配列番号1~18、23、若しくは34~72のうちのいずれか1つ、又はそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、配列番号1~18及び34~72の中の2つの配列を含む、二本鎖核酸が提供される。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、複数の一本鎖又は二本鎖核酸を含む。
【0041】
治療において投与される阻害剤の投薬量は、特定の阻害剤の薬力学的特徴、並びにそのモード及び投与経路;レシピエントの年齢、性別、代謝速度、吸収効率、健康、及び体重;症状の性質及び程度;投与される同時治療の種類;阻害剤による治療の頻度及び所望の治療効果などの因子に応じて変化するであろう。
【0042】
阻害剤の投薬単位は、単一の化合物、又は1つ以上の抗感染化合物若しくは創傷治癒促進化合物との化合物の混合物を含み得る。
【0043】
ある実施形態では、本明細書に記載される方法又は組成物で使用されるsiRNA(低分子干渉RNA)は、フィジェチン様2タンパク質をコードするmRNA配列に相補的である部分を含む。ある実施形態では、フィジェチン様2タンパク質は、ヒトフィジェチン様2タンパク質である。ある実施形態では、mRNAは、DNA配列NCBI参照配列:NM_001013690.4(配列番号19)によってコードされ、siRNAは、フィジェチン様2タンパク質の発現を阻害するのに有効である。ある実施形態では、フィジェチン様2タンパク質は、配列番号20に示される配列を有する連続アミノ酸残基を含む。
【0044】
ある実施形態では、siRNAは、二本鎖部分(二重鎖)を含む。ある実施形態では、siRNAは、20~25ヌクレオチド長である。ある実施形態では、siRNAは、独立して、一方又は両方の鎖のいずれかに、1つ又は2つのヌクレオチド3'突出を有する19~21コアRNA二重鎖を含む。siRNAは、5'リン酸化されてもされなくてもよく、有効性及び/又はヌクレアーゼ分解に対する耐性を向上させるために、当該技術分野における既知の修飾のうちのいずれかで修飾され得る。ある実施形態では、siRNAは、1つ以上の細胞にトランスフェクトされるように投与することができる。ある実施形態では、siRNAは、5'リン酸化される。
【0045】
ある実施形態では、siRNAの鎖の5'末端残基は、リン酸化される。ある実施形態では、siRNAのアンチセンス鎖の5'末端残基は、リン酸化される。一実施形態では、本開示のsiRNAは、二本鎖RNAを含み、二本鎖RNAの1つの鎖は、フィジェチン様2タンパク質をコードする遺伝子のRNA転写産物の一部に対して80、85、90、95、又は100%相補的である。ある実施形態では、フィジェチン様2タンパク質をコードする遺伝子のRNA転写産物は、mRNAである。ある実施形態では、フィジェチン様2タンパク質は、ヒトフィジェチン様2タンパク質である。ある実施形態では、本開示のsiRNAは、二本鎖RNAを含み、RNAの1つの鎖は、フィジェチン様2タンパク質をコードする遺伝子のRNA転写物の18~25連続ヌクレオチドの一部と同一の配列を有する部分を含む。ある実施形態では、フィジェチン様2タンパク質は、ヒトフィジェチン様2タンパク質である。更に別の実施形態では、本開示のsiRNAは、RNAの両方の鎖が非ヌクレオチドリンカーによって接続されている、二本鎖RNAを含む。あるいは、本開示のsiRNAは、RNAの両方の鎖が、ループ又はステムループ構造などのヌクレオチドリンカーによって接続されている、二本鎖RNAを含む。
【0046】
一実施形態では、本開示のsiRNAの一本鎖成分は、14~50ヌクレオチド長である。別の実施形態では、本開示のsiRNAの一本鎖成分は、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、又は28ヌクレオチド長である。更に別の実施形態では、本開示のsiRNAの一本鎖成分は、21ヌクレオチド長である。更に別の実施形態では、本開示のsiRNAの一本鎖成分は、22ヌクレオチド長である。更に別の実施形態では、本開示のsiRNAの一本鎖成分は、23ヌクレオチド長である。一実施形態では、本開示のsiRNAは、28~56ヌクレオチド長である。別の実施形態では、本開示のsiRNAは、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、又は52ヌクレオチド長である。
【0047】
別の実施形態では、本開示のsiRNAは、少なくとも1つの2'糖修飾を含む。別の実施形態では、本開示のsiRNAは、少なくとも1つの核酸塩基修飾を含む。別の実施形態では、本開示のsiRNAは、少なくとも1つのリン酸塩骨格修飾を含む。本明細書で使用される場合、「少なくとも1つ」は、1つ以上を意味する。
【0048】
一実施形態では、フィジェチン様2タンパク質のRNAi阻害は、短いヘアピンRNA(「shRNA」)によって行われる。shRNAは、ベクターによる形質導入によって適切な細胞に導入される。ある実施形態では、ベクターは、レンチウイルスベクターである。ある実施形態では、ベクターは、プロモーターを含む。ある実施形態では、プロモーターは、U6又はHlプロモーターである。ある実施形態では、ベクターによってコードされるshRNAは、標的遺伝子/mRNAに相補的な19~29ヌクレオチドの範囲の第1のヌクレオチド配列であり、この場合、mRNAは、フィジェチン様2タンパク質をコードする。ある実施形態では、フィジェチン様2タンパク質は、ヒトフィジェチン様2タンパク質である。ある実施形態では、ベクターによってコードされるshRNAは、4~15ヌクレオチドの短いスペーサー(ハイブリダイズしないループ)、及び第1のヌクレオチド配列の逆補体である19~29ヌクレオチド配列も含む。ある実施形態では、shRNAの細胞内プロセシングから生じるsiRNAは、1又は2ヌクレオチドの突出を有する。ある実施形態では、shRNA突出の細胞内プロセシングから生じるsiRNAは、2つの3'突出を有する。ある実施形態では、突出は、UUである。
【0049】
一実施形態では、本明細書に開示される目的に有用なFL2に対するshRNAは、配列CACCGCTGGAGCCCTTTGACAAGTTCTCGAGAACTTGTCAAAGGGCTCCAGCTTTT(配列番号23)を含む。一実施形態では、FL2に対するshRNAは、配列CACCGCTGGAGCCCTTTGACAAGTTCTCGAGAACTTGTCAAAGGGCTCCAGCTTTT(配列番号23)からなる。
【0050】
NCBI参照配列:NM001013690.4(配列番号19)(ヒトフィジェチン様2をコードする核酸)は、
1 agtgagctat ggggacacta ctgcactgta gcctgggcaa cagagcaaga ccttgtctca
61 aaaatgtata tatattttgg gctttttttc ctaaaacggg aactacaaca gcatatttgc
121 gagctgatga gagtgaccca gcagagaggg aaatggatca gctctgttga agatgcactg
181 gacaccagaa cacgcccagc ccctcaacca gtggccagag cagcacctgg acgtctcctc
241 caccaccccg tcgccggccc acaagttgga gttgccccct gggggtcgcc aacgctgcca
301 ctacgcttgg gcacacgacg acatctcagc cctcactgcc tccaacctcc taaagcgcta
361 tgcagagaag tactctgggg tcttggattc tccctacgag cgtccggccc tgggcgggta
421 cagcgacgcc tccttcctca acggcgccaa aggggatccc gagccctggc cagggccgga
481 gccaccctac cccttggcct cactccacga aggcctccca ggaaccaaat cgggcggtgg
541 cggcggttcc ggggccctgg ggggctcccc agttttagcc gggaacctcc ctgaacccct
601 ctacgccggc aatgcgtgcg ggggcccatc ggcggcgccc gagtacgcgg ccggctacgg
661 cggggggtac ctggcgccgg gttactgcgc gcagacgggc gccgcgctgc ccccgccgcc
721 cccggccgcg ctcctgcagc ccccaccgcc tccggggtac gggccctcag cgccgctgta
781 caactatccc gcagggggct acgcagcgca gcccggctat ggcgcgctcc cgccgccccc
841 aggcccaccc ccggccccct acctgacccc gggcctgccc gcgcccacgc ccctgcccgc
901 gccggcaccg cccaccgcct atggcttccc cacggccgcg ccgggtgccg aatccgggct
961 gtcgctgaag cgcaaggccg ccgacgaggg gcccgagggc cgctaccgca agtacgcgta
1021 cgagcccgcc aaggcccccg tggctgacgg agcctcctac cccgccgcgg acaacggcga
1081 atgtcggggc aacgggttcc gggccaagcc gccaggagcc gcggaggagg cgtcgggcaa
1141 gtacggtggc ggcgtccccc tcaaggtcct gggctccccc gtctacggcc cgcaactgga
1201 gccctttgaa aagttcccgg agcgggcccc ggctcctcgt ggggggttcg ccgtgccgtc
1261 gggggagact cccaaaggcg tggaccctgg ggccctggag ctggtgacga gcaagatggt
1321 ggactgcggg cccccggtgc agtgggcgga tgtggcgggc cagggcgcgc tcaaggcggc
1381 gctggaggag gagctggtgt ggcccctgct caggccgccc gcctacccgg gcagcctgcg
1441 cccgccgcgg accgtcctgc tctttgggcc gcggggcgcg ggcaaagcgc tgctgggccg
1501 ctgcctcgcc acgcagctgg gcgccacgct gttgcgcctg cgcggcgcga ccctggctgc
1561 gcccggcgcc gccgagggcg cgcgcctcct ccaggccgcc ttcgcggccg cgcgctgccg
1621 cccaccctcc gtactcctca tcagcgagct agaggcgctg ctccccgccc gggacgacgg
1681 cgcggcggca gggggcgcgc tgcaggtgcc gctcctggcc tgcctggacg ggggctgcgg
1741 cgcgggggct gacggcgtgc tggttgtggg caccacctcg cggcccgcgg ctctggacga
1801 ggcgacccgc cggcgcttct ctctccgctt ctacgtggcg ctgcccgaca gcccggcccg
1861 cgggcagatc ctgcagcggg cgctggccca gcagggctgc gcgctcagtg agcgggaact
1921 ggcggcgctg gtgcagggca cgcagggctt ctctgggggc gagctggggc agctgtgcca
1981 gcaggcggcg gccggggcgg gcctcccggg gctgcagcgc cccctctcct acaaggacct
2041 ggaggcggcg ctggccaagg tgggccctag ggcctctgcc aaggaactgg actcgttcgt
2101 ggagtgggac aaaatgtacg gctccggaca ctgacggcgc gcgggggagg ccgcgggagc
2161 cgcagtccct ccgtccccgc cgcctccgcg tgggagggat gtcactgact aaacccggct
2221 ggcaggggct ggagtggtga atgtgggatc ggggacagga ggggtctgcc ggtggatatt
2281 ttttttttcg tgggaaggaa aatgcttctg ccaggcagat gccatatgcg ccgtgtactc
2341 aggtttttcc tatttattgt ggactggaag ctcgccatct ccgcccggca gaccgggcag
2401 atccggcatg ggctggcacc cggggcctta agaactcctg ctctcttgcc acaacgcttt
2461 tgtctcctcg ctatctgaat ggcaccctcc ttctccctca ctctctccat cccattctct
2521 gcattctctt ggttttctct cccttttgct ttgtcgctga cacccctgcc caccccatgc
2581 tggccctgtt tctctcctgc ccctccctcc ccagctctcc atccctcacc ctctgtgctt
2641 ctgtctccat ccctggctct ccagcgtccc tggccttttg gtccctgagc tttaatgcct
2701 ttccctgcct tctgttctta tttggactgc agtggccctt tgcaggagct ctggaggccc
2761 aggggctgag gaggagggtt acccctctac ccatctgaaa cctagggtct agggggatca
2821 aggaaaaaaa gtccccaaag aaggggaatt ttttgtttgt ttttgagggg agatcccaga
2881 aatgtagctt gtttcatatt ttagtcttct tatttttgta aaatgtgtag aatttgctgt
2941 ttttcttttt cttttgacaa ctcaggaaga aactgacctc agaaagaatg ttagactttg
3001 gctgctctcc tgtgtgcccc tcacacctgc cccctccccc ccactccatc caggggacca
3061 aattctccca gacactcaaa aaatgagact tacggggaag gggagaggaa gacccagagg
3121 cctcagtgaa accccagcta ttcctggtca gaagcagaat gtattcctaa gggcttcctc
3181 cccagggccg aggcctaggc atgaatgtgg ggagtgggct gtggggtttg agagaaggga
3241 ggccttattc ctctcctgct gctccccacc ccctgcccca cccaacccct ccgctgagtg
3301 ttttctgtga agggctatcc agagttagga tgcccttgcc caattccttc ctgagaccca
3361 gaaggtaggg tgggagggcc caaatgggaa ggtgacctaa gcagaaagtc tccagaaagg
3421 tcatgtcccc tggccctgcc ttggcagagg tccccagtga cttatgctag gaggattcca
3481 tctgggtaga cagtctggcc acaaaatcag ctactggacc tcagccatct ctgctggagg
3541 ctctgaggag gagtgagcat ccctcacttg tgggggctct gtgaggaaat gtgccttccc
3601 cattcccccg gagtcctagg tctggagctc cagggctggg agagggtgag ggagatgggc
3661 aggggtgttt tctctgacct tgggggctta gtctcagtcc tgcctgaact ttccactagg
3721 cttggaaccc ttccaagaac catatttctc tccttcccac caattttccc ttgatgaggc
3781 tttagcagtt tgctcccacc acccccagcc catttcacaa ctctgatctt agtccaaagc
3841 aggggacacg cccccccacc accacttttt ctctctccca tctcagcctc ctgtgcagtt
3901 ccttgcctgc ccgtgcattt cctagagtct actgcctccc ccctggctgg gagggtgtct
3961 gggggggatc tttcaggggc cctggcaccc agggcctgtg ctggcctagg agtgctgacc
4021 agaaggctgc tctgttcccc cccacccccg ttgctttctg gccccctctt tggagccagc
4081 cacccacagg gctttggtgc ctcagaagca gtgggctgcc gggtcacagc cgcaggctgc
4141 aaaagaccct cggagggagc atggagtgag gggttctctc tcaggtgtgt atgtattggg
4201 gggtgggggt gggtggaggg tgtcagggaa gttggggtgg gatcccagcc ttcccttcaa
4261 gaggcaggga gctctgggag gtggagtccc caccgctttc tctactaggc tcctcctgtt
4321 ccccaggctt ggggagcttt gcacaaggag actgccccca gcctagtggc acctacctca
4381 tgggctctgg ggcaggtagg ggaagggcca gtccagctct ggtaatgctg gggggaggca
4441 taccaaagaa tccaggggca gggagtgggg agggtgactt ccgagctggc ctctcccctt
4501 cctctaccca gactggggct gggatcctct cctcccgctg taaccatttc tacctcattt
4561 tgctgcgtgt tgtacatgga cgtatttatc tcctgtctga cgatgctctg cagttgtggt
4621 ctgtctacct cagaagagac tgtattttaa aagaaagtat tacacagtat taaagcgatg
4681 acatgtggtt tgcaaaaaaa aaaaaaaaaa a
であり、
MHWTPEH AQPLN QWPEQHLD V S S TTPS P AHKLELPPGGRQRCH Y AW AHDDIS ALT AS NLLKRYAEKYSGVLDSPYERPALGGYSDASFLNGAKGDPEPWPGPEPPYPLASLHEGL PGTKS GGGGGS G ALGGS P VL AGNLPEPLY AGN AC GGPS A APE Y A AG Y GGG YL APG Y C AQTG A ALPPPPP A ALLQPPPPPG Y GPS APL YN YP AGG Y A AQPG Y G ALPPPPGPPP AP YL TPGLP APTPLP AP APPT AY GFPT A APG AES GLS LKRKA ADEGPEGR YRKY A YEP AKAP VADGAS YPAADNGECRGNGFRAKPPGAAEEASGKY GGGVPLKVLGSPVY GPQLEPFE KFPERAP APRGGFA VPS GETPKG VDPG ALELVT S KM VDC GPP V QW AD V AGQGALKA ALEEELVWPLLRPPAYPGSLRPPRTVLLFGPRGAGKALLGRCLATQLGATLLRLRGAT LAAPGAAEGARLLQAAFAAARCRPPSVLLISELEALLPARDDGAAAGGALQVPLLACL DGGCGAGADGVLVVGTTSRPAALDEATRRRFSLRFYVALPDSPARGQILQRALAQQG CALSERELAALVQGTQGFSGGELGQLCQQAAAGAGLPGLQRPLSYKDLEAALAKVGP RASAKELDSFVEWDKMYGSGH(配列番号20)(ヒトフィジェチン様2)をコードする。
【0051】
本明細書の様々な実施形態では、本明細書に開示される目的に有用なsiRNAは、以下に記載される。実施形態では、本明細書に開示される目的に有用なsiRNAは、以下のセンス/アンチセンス配列の対のうちの1つを含む。
センス:5'UUACACAGUAUUAAAGCGAUU(配列番号1)及び
アンチセンス:5'UCGCUUUAAUACUGUGUAAUU(配列番号2)、
センス:5'CAUCUGAAACCUAGGGUCUUU(配列番号3)及び
アンチセンス:5'AGACCCUAGGUUUCAGAUGUU(配列番号4)、
センス:5'GUGACUUAUGCUAGGAGGAUU(配列番号5)及び
アンチセンス:5'UCCUCCUAGCAUAAGUCACUU(配列番号6)、
センス:5'GGUCAGAAGCAGAAUGUAUUU(配列番号7)及び
アンチセンス:5'AUACAUUCUGCUUCUGACCUU(配列番号8)、又は
センス:5'CGCCGGCCCACAAGUUGGAdTdT(配列番号9)及び
アンチセンス:5'UCCAACUUGUGGGCCGGCGdTdT(配列番号10)、
センス:5'CAGCUCGAGCCCUUUGACAdTdT(配列番号11)及び
アンチセンス:5'UGUCAAAGGGCUCGAGCUGdTdT(配列番号12)、
センス:5'CCUCCAACCUCCUCAAGAGdTdT(配列番号13)及び
アンチセンス:5'CUCUUGAGGAGGUUGGAGGdTdT(配列番号14)、又は
センス:5'CGUUGCUGCUCAUCAGCGAdTdT(配列番号15)及び
アンチセンス:5'UCGCUGAUGAGCAGCAACGdTdT(配列番号16)。
【0052】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される使用のための薬学的組成物は、前述の一本鎖siRNA配列のうちの任意の1つ以上を含んでもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される使用のための薬学的組成物は、本明細書に開示される配列のうちのいずれかから選択されるか、又は任意の他の配列から選択される、別の一本鎖配列との二重鎖に前述の一本鎖siRNA配列のうちのいずれか1つ以上を含んでもよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される目的に有用なsiRNAは、以下の配列、
センス鎖 5'-fUfUmAfCmAfCAGUAUUAAAGCGATT(配列番号17)、
アンチセンス鎖:(Phos)5'-U CGC UUU AAU ACU G UG UAA TT(配列番号18)、
センス鎖:5'-UUACACAGUAUUAAAGCGATT-3'(配列番号34)、
アンチセンス鎖:(Phos)5'-mUmCGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号35)、
アンチセンス鎖:(Phos)5'-mU(s)mC(s)GCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号36)、
アンチセンス鎖:(Phos)5'-fUfCGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号37)、
アンチセンス鎖:(Phos)5'-fU(s)fC(s)GCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号38)、
アンチセンス鎖:(Phos)5'-mU(s)mC(s)GCUUUAAUAmCfUmGfUmGfUmAmATT-3'(配列番号39)、
アンチセンス鎖:(Phos)5'-U(s)CGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号40)、
アンチセンス鎖:(Phos)5'-mUfCmGfCmUfUmUAAfUmAfCmUGmUmGfUmAmATT-3'(配列番号41)、
センス鎖:5'-mUmUmAmCmAmCmAmGmUmAmUmUmAmAmAmGmCmGmAmUmU-3'(配列番号42)、
アンチセンス鎖:(Phos)5'-mUmCmGmCmUmUmUmAmAmUmAmCmUmGmUmGmUmAmAmUmU-3'(配列番号43)、
センス鎖:5'-mUmUmAmCmAmCmAmGmUmAmUmUmAmAmAmGdCdGdATT-3'(配列番号44)、
センス鎖:5'-mUmUmAmCmAmCmAmGmUmAmUmUmAmAmAmGdCmGmATT-3'(配列番号45)、
センス鎖:5'-UUACACAGUAUUAAAGCGA-3'(配列番号46)、
アンチセンス鎖:(Phos)5'-U(s)CGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号47)、
アンチセンス鎖:(Phos)5'-UCGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号48)、
アンチセンス鎖:(Phos)5'-U(s)C(s)GCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号49)、
センス鎖:5'-mUmUACACAGUAUUAAAGCGA-3'(配列番号50)、
アンチセンス鎖:(Phos)5'-U(s)CGCUUUAAUACUGUGUmAmATT-3'(配列番号51)、
アンチセンス鎖:(Phos)5'-UCGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号52)、
アンチセンス鎖:(Phos)5'-U(s)C(s)GCUUUAAUACUGUGUAA T(s)T-3'(配列番号53)、
センス鎖:5'-lUlUlAlClACAGUAUUAAAGCGATT-3'(配列番号54)、
アンチセンス鎖:(Phos)5'-UCGCUUUAAUACUGlUlGlUlAlA TT-3'(配列番号55)、
センス鎖:5'-fUfUlAfClACAGUAUUAAAGCGA-3'(配列番号56)、
アンチセンス鎖:(Phos)5'-mU(s)mCmGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号57)、
アンチセンス鎖:5'-fUfCGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号58)、
アンチセンス鎖:5'-fU(s)fC(s)GCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号59)、
アンチセンス鎖:5'-mU(s)mC(s)GCUUUAAUAmCfUmGfUmGfUmAmATT-3'(配列番号60)、
アンチセンス鎖:5'-U(s)CGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号61)、
アンチセンス鎖:5'-mUfCmGfCmUfUmUAAfUmAfCmUGmUmGfUmAmATT(配列番号62)、
アンチセンス鎖:5'-mUmCmGmCmUmUmUmAmAmUmAmCmUmGmUmGmUmAmAmUmU-3'(配列番号63)、
アンチセンス鎖:5'-U(s)CGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号64)、
アンチセンス鎖:5'-UCGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号65)、
アンチセンス鎖:5'-U(s)C(s)GCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号66)、
アンチセンス鎖:5'-U(s)CGCUUUAAUACUGUGUmAmATT-3'(配列番号67)、
アンチセンス鎖:5'-UCGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号68)、
アンチセンス鎖:5'-U(s)C(s)GCUUUAAUACUGUGUAA T(s)T-3'(配列番号69)、
アンチセンス鎖:5'-UCGCUUUAAUACUGlUlGlUlAlA TT -3'(配列番号70)、
アンチセンス鎖:5'-mU(s)mCmGCUUUAAUACUGUGUAATT-3'(配列番号71)、又は
アンチセンス鎖:5'-U CGC UUU AAU ACU G UG UAA TT(配列番号72)、
のうちの1つ及び補体からなり、
d(ヌクレオチド)=デオキシ-(ヌクレオチド)、m(ヌクレオチド)=2'-O-メチルヌクレオチド、T=チミジン、f(ヌクレオチド)=2'-フルオロデオキシヌクレオチド、(Phos)=ホスホジエステルキャップ;大文字ヌクレオチド=RNAヌクレオチド、l(ヌクレオチド)=ロックされたヌクレオチド、及び(s)=ホスホロチオエートである。したがって、例えば、dTは、デオキシチミジンを表し、dCは、デオキシシチジンを表し、fCは、2'-フルオロデオキシシチジンリボ核酸を表し、fUは、2'-フルオロデオキシウラシルリボ核酸を表し、mAは、2'-O-メチルアデノシンリボ核酸を表し、mUは、2'-O-メチルウラシルリボ核酸を表し、mCは、2'-O-メチルシトシンリボ核酸を表し、mGは、2'-O-メチルグアノシンリボ核酸を表す。
【0054】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される目的に有用なsiRNAは、配列番号1~18及び34~72の中の任意の配列を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される目的に有用なsiRNAは、配列番号1~18及び34~72の中の任意の配列、並びに配列番号1~18及び34~72の中の任意の配列からなる相補配列を含む、二本鎖siRNAを含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、siRNAは、前述の配列において「(Phos)」と略記されるように、5'-ホスホジエステルキャップを有してもよい。いくつかの実施形態では、siRNAは、5'-ホスホジエステルキャップを有しない。5'-ホスホジエステルキャップを有しないsiRNA配列は、本明細書に完全に包含される。
【0056】
ヌクレオチド間のホスホロチオエート結合は、配列中で「(s)」によって表される。
【0057】
一実施形態におけるロックされたヌクレオチドは、2'-O,4'-Cメチレン架橋、例えば、2'-O,4'-Cメチレンアデノシン(lA)、2'-O,4'-Cメチレングアノシン(lG)、2'-O,4'-Cメチレンシチジン(lC)、2'-O,4'-Cメチレンウリジン(lU)、及び2'-O,4'-Cメチレンチミン(lT)リボヌクレオシドを有するリボースを含む。他の実施形態では、ロックされた核酸は、メチレン基に結合されたメチル基を含む。他のタイプのロックされた核酸は、本明細書に包含される。
【0058】
一実施形態では、本明細書に開示される目的に有用なFL2 siRNAは、二本鎖であり、前述の配列番号1~18及び34~72の任意の相補的センス配列及びアンチセンス配列を含む。ある実施形態では、siRNAは、二本鎖であり、配列番号1及び配列番号2、配列番号3及び配列番号4、配列番号5及び配列番号6、又は配列番号7及び配列番号8を含む。
【0059】
ある実施形態では、siRNAの鎖の5'末端残基は、リン酸化される。ある実施形態では、siRNAのアンチセンス鎖の5'末端残基は、リン酸化される。
【0060】
本明細書で使用される場合、「アプタマー」は、フィジェチン様2タンパク質などの特定の標的分子、又はフィジェチン様2タンパク質をコードする核酸に結合し、必要に応じてその機能又は発現を阻害する一本鎖オリゴヌクレオチド又はオリゴヌクレオチド類似体である。あるいは、アプタマーは、フィジェチン様2タンパク質相互作用を干渉するタンパク質足場の両端に結合した可変ペプチドループからなる、タンパク質アプタマーであってもよい。
【0061】
一実施形態では、補体は、二本鎖核酸を含む相補的核酸鎖を指す。一実施形態では、センス鎖が選択される場合、その補体は、アンチセンス鎖である。一実施形態では、アンチセンス鎖が選択される場合、その補体は、センス鎖である。
【0062】
一実施形態では、補体は、配列番号1~18及び34~72のうちのいずれかから選択され得る。一実施形態では、siRNA分子が配列番号1~18及び34~72の中のセンス鎖である場合、補体は、配列番号1~18及び34~72の中の任意のアンチセンス鎖から選択され得る。一実施形態では、siRNA分子が配列番号1~18及び34~72の中のアンチセンス鎖である場合、補体は、配列番号1~18及び34~72の中の任意のセンス鎖から選択され得る。
【0063】
一実施形態では、補体は、配列番号1~16から選択され得る。一実施形態では、siRNA分子が配列番号1~18及び34~72の中のセンス鎖である場合、補体は、配列番号1~16の中のアンチセンス鎖から選択され得る。一実施形態では、siRNA分子が配列番号1~18及び34~72の中のアンチセンス鎖である場合、補体は、配列番号1~16の中のセンス鎖から選択され得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される核酸配列のうちのいずれかは、本明細書に記載されるような1つ以上のヌクレオチド修飾で修飾され得るか、又は更に修飾され得る。一実施形態では、本明細書に記載される配列における任意の非修飾ヌクレオチドは、限定されないが、本明細書に記載されるものなどの修飾ヌクレオチドのうちの1つに修飾され得る。一実施形態では、本明細書に記載される配列における修飾ヌクレオチドは、限定されないが、本明細書に記載される修飾ヌクレオチドのうちの1つなどの異なる修飾ヌクレオチドに変更され得る。修飾ヌクレオチド又は修飾核酸は、本明細書に記載されるように、修飾ヌクレオチド、ヌクレオチド若しくはヌクレオチドの任意の成分間の結合、及び1つ以上の修飾若しくは非修飾ヌクレオチドの、配列の一方若しくは両方の末端への付加、又はキャップの付加を包含する。
【0065】
一実施形態では、配列番号1~18及び34~72の中から選択される2つの核酸分子からなる、二本鎖核酸が提供される。
【0066】
そのような二本鎖配列の非限定例は、配列番号1及び配列番号2、配列番号3及び配列番号4、配列番号5及び配列番号6、配列番号7及び配列番号8、配列番号9及び配列番号10、配列番号11及び配列番号12、配列番号13及び配列番号14、配列番号15及び配列番号16、並びに配列番号17及び配列番号を含む。いくつかの実施形態では、siRNAは、上記の配列番号1~18の中から選択される、一本鎖である。
【0067】
一実施形態では、配列番号34~57の中から、又は配列番号1~18若しくは34~57の中から選択される相補的核酸分子からなる、二本鎖核酸が提供される。一実施形態では、二本鎖核酸は、センス鎖及びアンチセンス鎖を含む。一実施形態では、二本鎖核酸は、センス鎖及びアンチセンス鎖からなる。
【0068】
一実施形態では、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、又は17から選択されるセンス鎖、並びに配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、又は18から選択されるアンチセンス鎖からなる、二本鎖核酸が提供される。
【0069】
一実施形態では、配列番号1、17、34、42、44、45、46、50、及び54から選択されるセンス鎖、並びに配列番号2、18、35、36、37、38、39、40、41、43、47、48、49、51、52、53、55、及び57から選択されるアンチセンス鎖からなる、二本鎖核酸が提供される。
【0070】
一実施形態では、配列番号1、17、34、42、44、45、46、50、54、及び56から選択されるセンス鎖、並びに配列番号2、4、6、及び8から選択されるアンチセンス鎖からなる、二本鎖核酸が提供される。
【0071】
一実施形態では、配列番号1、3、5、及び7から選択されるセンス鎖、並びに配列番号18、35、36、37、38、39、40、41、43、47、48、49、51、52、53、55、及び57から選択されるアンチセンス鎖からなる、二本鎖核酸が提供される。
【0072】
一実施形態では、二本鎖核酸は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、34、42、44、45、46、50、及び54から選択されるセンス鎖、並びに配列番号2、4、6、8、10、1、2、14、16、18、35、36、37、38、39、40、41、43、47、48、49、51、52、53、55、及び57から選択されるアンチセンス鎖からなる、二本鎖核酸が提供される。
【0073】
一実施形態では、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、34、42、44、45、46、50、及び54から選択されるセンス鎖、並びに配列番号2、4、6、8、10、1、2、14、16、18、35、36、37、38、39、40、41、43、47、48、49、51、52、53、55、及び57から選択されるアンチセンス鎖を含む、二本鎖核酸が提供される。
【0074】
一実施形態では、配列番号17及び配列番号18、配列番号34及び配列番号35、配列番号34及び配列番号36、配列番号34及び配列番号37、配列番号34及び配列番号38、配列番号34及び配列番号39、配列番号17及び配列番号40、配列番号34及び配列番号41、配列番号42及び配列番号43、配列番号44及び配列番号43、配列番号45及び配列番号43、配列番号46及び配列番号47、配列番号46及び配列番号48、配列番号46及び配列番号49、配列番号50及び配列番号51、配列番号46及び配列番号53、配列番号54及び配列番号55、又は配列番号56及び配列番号57からなる、二本鎖核酸が提供される。
【0075】
一実施形態では、配列番号1~18又は34~57の中から選択される少なくとも1つの核酸分子を含む、二本鎖核酸が提供される。
【0076】
一実施形態では、配列番号1~18又は34~57の中から選択される2つの核酸分子を含む、二本鎖核酸が提供される。一実施形態では、二本鎖核酸は、センス鎖及びアンチセンス鎖を含む。
【0077】
一実施形態では、二本鎖核酸の各鎖は、52個以下のヌクレオチドを有する。
【0078】
一実施形態では、配列番号1、17、34、42、44、45、46、50、54、及び56から選択される核酸分子を含むセンス鎖、並びに配列番号2、18、35、36、37、38、39、40、41、43、47、48、49、51、52、53、55、及び57から選択される核酸分子を含むアンチセンス鎖を含む、二本鎖核酸が提供される。
【0079】
一実施形態では、配列番号1、17、34、42、44、45、46、50、54、及び56から選択される核酸分子を含むセンス鎖、並びに配列番号4、6、8、及び10から選択される核酸分子を含むアンチセンス鎖を含む、二本鎖核酸が提供される。
【0080】
一実施形態では、配列番号1、3、5、7、及び9から選択される核酸分子を含むセンス鎖、並びに配列番号18、35、36、37、38、39、40、41、43、47、48、49、51、52、53、55、及び57から選択される核酸分子を含むアンチセンス鎖を含む、二本鎖核酸が提供される。
【0081】
一実施形態では、二本鎖核酸は、配列番号17及び配列番号18、配列番号34及び配列番号35、配列番号34及び配列番号36、配列番号34及び配列番号37、配列番号34及び配列番号38、配列番号34及び配列番号39、配列番号17及び配列番号40、配列番号34及び配列番号41、配列番号42及び配列番号43、配列番号44及び配列番号43、配列番号45及び配列番号43、配列番号46及び配列番号47、配列番号46及び配列番号48、配列番号46及び配列番号49、配列番号50及び配列番号51、配列番号46及び配列番号53、配列番号54及び配列番号55、又は配列番号56及び配列番号57を含む、核酸分子を含む。
【0082】
一実施形態では、配列番号1、17、34、42、44、45、46、50、及び54から選択されるセンス鎖、並びに配列番号58~72のうちのいずれか1つから選択されるアンチセンス鎖からなる、二本鎖核酸が提供される。
【0083】
一実施形態では、配列番号1、3、5、及び7から選択されるセンス鎖、並びに配列番号58~72のうちのいずれか1つから選択されるアンチセンス鎖からなる、二本鎖核酸が提供される。
【0084】
一実施形態では、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、34、42、44、45、46、50、及び54から選択されるセンス鎖、並びに配列番号58~72のうちのいずれか1つから選択されるアンチセンス鎖からなる、二本鎖核酸が提供される。
【0085】
一実施形態では、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、34、42、44、45、46、50、及び54から選択されるセンス鎖、並びに配列番号58~72のうちのいずれか1つから選択されるアンチセンス鎖を含む、二本鎖核酸が提供される。
【0086】
一実施形態では、配列番号34及び配列番号58、配列番号34及び配列番号59、配列番号34及び配列番号60、配列番号17及び配列番号61、配列番号34及び配列番号62、配列番号42及び配列番号63、配列番号44及び配列番号63、配列番号45及び配列番号63、配列番号46及び配列番号64、配列番号46及び配列番号65、配列番号46及び配列番号66、配列番号50及び配列番号67、配列番号46及び配列番号69、配列番号54及び配列番号70、配列番号17及び配列番号72、又は配列番号56及び配列番号71からなる、二本鎖核酸が提供される。
【0087】
一実施形態では、配列番号58~72の中から選択される少なくとも1つの核酸分子を含む、二本鎖核酸が提供される。
【0088】
一実施形態では、配列番号1~18又は34~72の中から選択される2つの核酸分子を含む、二本鎖核酸が提供される。一実施形態では、二本鎖核酸は、センス鎖及びアンチセンス鎖を含む。
【0089】
一実施形態では、二本鎖核酸の各鎖は、52個以下のヌクレオチドを有する。
【0090】
一実施形態では、配列番号1、17、34、42、44、45、46、50、54、及び56から選択される核酸分子を含むセンス鎖、並びに配列番号58~72のうちのいずれか1つから選択される核酸分子を含むアンチセンス鎖を含む、二本鎖核酸が提供される。
【0091】
一実施形態では、配列番号1、3、5、7、及び9から選択される核酸分子を含むセンス鎖、並びに配列番号58~72のうちのいずれか1つから選択される核酸分子を含むアンチセンス鎖を含む、二本鎖核酸が提供される。
【0092】
一実施形態では、二本鎖核酸は、配列番号34及び配列番号58、配列番号34及び配列番号59、配列番号34及び配列番号60、配列番号17及び配列番号61、配列番号34及び配列番号62、配列番号42及び配列番号63、配列番号44及び配列番号63、配列番号45及び配列番号63、配列番号46及び配列番号64、配列番号46及び配列番号65、配列番号46及び配列番号66、配列番号50及び配列番号67、配列番号46及び配列番号69、配列番号54及び配列番号70、配列番号17及び配列番号72、又は配列番号56及び配列番号71を含む、核酸分子を含む。
【0093】
本明細書の他の箇所に記載されるようなFL2を対象とするsiRNAの組成物及び使用のうちのいずれかは、前述の一本鎖核酸配列(配列番号58~72)のうちのいずれか、又は配列番号58~72のうちのいずれかを含むか、若しくはそれらからなる二本鎖核酸を利用してもよい。
【0094】
本明細書に記載される核酸配列のうちのいずれかは、当該技術分野で既知の任意の方法によって調製され得、本明細書に記載されるインビトロ、エクスビボ、又はインビボ目的での使用に好適な阻害剤を提供するために、HPLC又は任意の他の方法によって精製され得る。いくつかの実施形態では、阻害剤の純度は、85%以上である。いくつかの実施形態では、純度は、90%以上である。いくつかの実施形態では、純度は、95%以上である。いくつかの実施形態では、純度は、98%以上である。いくつかの実施形態では、純度は、99%以上である。阻害剤が二重鎖であるか、又は二重鎖を含むいくつかの実施形態では、二重鎖の純度は、85%以上である。阻害剤が二重鎖であるか、又は二重鎖を含むいくつかの実施形態では、二重鎖の純度は、90%以上である。阻害剤が二重鎖であるか、又は二重鎖を含むいくつかの実施形態では、二重鎖の純度は、95%以上である。阻害剤が二重鎖であるか、又は二重鎖を含むいくつかの実施形態では、二重鎖の純度は、98%以上である。阻害剤が二重鎖であるか、又は二重鎖を含むいくつかの実施形態では、二重鎖の純度は、99%以上である。いくつかの実施形態では、阻害剤は、現在の適正製造基準下で調製される。いくつかの実施形態では、阻害剤は、ヒト使用のために調製される。いくつかの実施形態では、阻害剤は、ヒトへのその後の投与のためのインビトロ又はエクスビボ使用のために調製される。いくつかの実施形態では、阻害剤は、ヒト投与のために調製される。
【0095】
一態様では、前述の核酸分子又は二本鎖核酸、並びに薬学的に許容される担体、ビヒクル、賦形剤、又は希釈剤のうちのいずれかを含む、組成物が提供される。
【0096】
一実施形態では、二本鎖核酸の各鎖は、52個以下のヌクレオチドを有する。
【0097】
一実施形態では、前述の核酸のうちのいずれか1つは、修飾されるか、又は更に修飾される少なくとも1つのヌクレオチドを有する。一実施形態では、修飾ヌクレオチドは、2'-O-メチル-アデノシン、2'-O-メチル-ウリジン、2'-O-メチル-シトシン、2'-O-メチル-グアノシン、2'-O-メチル-チミジン、2'-フルオロ-アデノシン、2'-フルオロ-シチジン、2'-フルオロ-グアノシン、2'-フルオロ-ウラシル、2'-フルオロ-チミジン、デオキシシトシン、デオキシグアノシン、デオキシアデノシン、デオキシチミジン、デオキシウリジン、ロックされたアデノシン、ロックされたウリジン、ロックされたグアノシン、ロックされたシチジン、ホスホロチオエート、及びホスホジエステルキャップから選択される。一実施形態では、少なくとも1つの追加のヌクレオチド又は修飾ヌクレオチドが、核酸の末端に付加される。
【0098】
上述のように、一実施形態におけるロックされたヌクレオチドは、2'-O,4'-Cメチレン架橋、例えば、2'-O,4'-Cメチレンアデノシン(lA)、2'-O,4'-Cメチレングアノシン(lG)、2'-O,4'-Cメチレンシチジン(lC)、2'-O,4'-Cメチレンウリジン(lU)、及び2'-O,4'-Cメチレンチミン(lT)リボヌクレオシドを有するリボースを含む。他の実施形態では、ロックされた核酸は、メチレン基に結合されたメチル基を含む。他のタイプのロックされた核酸は、本明細書に包含される。
【0099】
別の実施形態では、本開示のsiRNAは、少なくとも1つの2'糖修飾を含む。別の実施形態では、本開示のsiRNAは、少なくとも1つの核酸塩基修飾を含む。別の実施形態では、本開示のsiRNAは、少なくとも1つのリン酸塩骨格修飾を含む。本明細書で使用される場合、「少なくとも1つ」は、1つ以上を意味する。
【0100】
そのようなキットで提供される組成物は、使用前の再構成に好適な形態(例えば、凍結乾燥された注射可能な組成物)、又はローション若しくは軟膏などの移植片縁部を含む皮膚移植片若しくは皮膚移植部位に即時適用するのに好適な形態で提供されてもよい。
【0101】
本開示のある実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、皮膚移植片の治癒を促進するために、皮膚移植部位への阻害剤の拍動性送達のための皮下インプラント又はデポー医薬品系によって提供される。
【0102】
本開示のこの態様による医薬品は、任意の適切な担体として製剤化され得る。好適な担体は、薬学的に許容される担体であり、好ましくは、局所投与又は注射による投与と一致する担体である。
【0103】
非限定的な実施形態では、フィジェチン様2の阻害剤は、ポリ乳酸及びグリコール酸(PLGA)コポリマーベースの微小球又はフィジェチン様2の阻害剤を含有するマイクロカプセル系などのバルク浸食系中に提供される。ある実施形態では、PLGA:エチルセルロース系のブレンドは、適切な担体として使用され得る。本開示のこの態様による更なる医薬品は、表面浸食系中に製剤化され得、フィジェチン様2の阻害剤は、ポリ(オルト)エステル及びポリ無水物マトリックスなどの浸食可能なマトリックス(ポリマーの加水分解が速い)に埋め込まれる。本開示のこの態様による医薬品はまた、上記のような拍動性送達系と、上記の凍結乾燥された注射可能な組成物などの即時放出系とを組み合わせることによって製剤化されてもよい。
【0104】
阻害剤は、添加剤を含む組成物中で使用されてもよい。好適な添加剤の例は、好適な塩基を調製するためのゼラチン化剤としてのアルギン酸ナトリウム、又はグアーガム若しくはキサンタンガムなどのセルロース誘導体、水酸化アルミニウム若しくはベントナイトなどの無機ゼラチン化剤(チキソトロピーゲル形成剤と称される)、Carbopol(登録商標)などのポリアクリル酸誘導体、ポリビニルピロリドン、微結晶セルロース、及びカルボキシメチルセルロースである。両親媒性低分子量及びより高い分子量化合物、並びにリン脂質もまた好適である。ゲルは、例えば、低分子量及び高分子量パラフィン炭化水素及びワセリンの混合物に基づいて、水性ヒドロゲル又は疎水性オルガノゲルのいずれかとして存在することができる。親水性オルガノゲルは、例えば、高分子量ポリエチレングリコールに基づいて調製することができる。これらのゼラチン状形態は、洗浄可能である。疎水性オルガノゲルもまた、好適である。石油ゼリー、ワックス、オレイルアルコール、モノステアリン酸プロピレングリコール、及び/又はモノパルミトステアリン酸プロピレングリコール、特にミリスチン酸イソプロピルなどの疎水性添加剤を含むことができる。ある実施形態では、阻害剤は、色に関してマッチングする目的で、1つ以上の染料、例えば、黄色及び/又は赤色の酸化鉄及び/又は二酸化チタンを含む組成物中にある。組成物は、ゲル、ローション、バーム、ペースト、スプレー、粉末、包帯、創傷ドレッシング、エマルション、クリーム、及び混合相若しくは両親媒性エマルション系(油/水/油混合相)の軟膏、リポソーム及びトランスフェソーム、又はプラスター/バンドエイド型カバーを含む、任意の好適な形態であり得る。フィジェチン様2の阻害剤を含む組成物に用いることができる乳化剤としては、アニオン性、カチオン性、又は中性の界面活性剤、例えば、アルカリ金属石鹸、金属石鹸、アミン石鹸、硫黄化及びスルホン化化合物、逆性石鹸、高級脂肪アルコール、ソルビタン及びポリオキシエチレンソルビタンの部分脂肪酸エステル、例えば、ラネットタイプ、ウールワックス、ラノリン、又は油/水及び/若しくは水/油エマルションを調製するための他の合成製品が挙げられる。
【0105】
フィジェチン様2の阻害剤を含む組成物はまた、例えば、モノグリセリド、ジグリセリド若しくはトリグリセリド、パラフィン油若しくは植物油、水素化ヒマシ油若しくはココナッツ油、ブタ脂、合成脂肪(例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、又はステアリン酸、例えば、Softisan(登録商標))などのワセリン、天然若しくは合成ワックス、脂肪酸、脂肪アルコール、脂肪酸エステルを含む可能性があるか、又はMiglyol(登録商標)などのトリグリセリド混合物を脂質として、本明細書に記載される方法で使用されるフィジェチン様2の阻害剤を含む組成物の軟膏、クリーム、若しくはエマルションを調製するための脂肪及び/若しくは油性及び/若しくはワックス成分の形態で使用することができる。
【0106】
浸透圧活性酸及びアルカリ溶液、例えば、塩酸、クエン酸、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液、炭酸水素ナトリウムもまた、組成物の成分、加えて、pHを調整するためのクエン酸塩、リン酸塩、トリス緩衝液、又はトリエタノールアミンなどの緩衝液系であり得る。安定性を増加させるために、安息香酸メチル又は安息香酸プロピル(パラベン)又はソルビン酸などの保存剤を同様に添加することも可能である。
【0107】
ペースト、粉末、及び溶液は、局所的に適用され得るフィジェチン様2の阻害剤を含む組成物の追加の形態である。一貫性を付与する塩基として、ペーストは、しばしば疎水性及び親水性補助物質を含有するが、好ましくは、非常に高い割合の固体を含有する疎水性補助物質を含有する。分散性、並びに流動性及び滑り性を増加させるために、また凝集体を防止するために、粉末又は局所的に適用可能な粉末は、例えば、希釈剤としても機能する小麦若しくは米デンプン、火炎分散二酸化ケイ素、又はケイ質土などのデンプン種を含有することができる。
【0108】
ある実施形態では、組成物は、皮膚移植片を保護するか、又は皮膚移植片の治癒を助けるのに好適な更なる有効成分、例えば、1つ以上の抗生物質、消毒剤、ビタミン、麻酔剤、抗ヒスタミン剤、抗炎症剤、保湿剤、浸透促進剤、及び/又は抗刺激剤を含む。
【0109】
本明細書に記載される方法及び組成物のある実施形態では、対象は、哺乳動物である。ある実施形態では、対象は、ヒトである。
【0110】
好ましくは、阻害剤は、生体膜透過性であるか、又は阻害剤を生体膜透過性にする部分にコンジュゲートされているか、若しくは他の方法で結合されている。
【0111】
本明細書に記載される様々な要素の全ての組み合わせは、本明細書に別段の指示がない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、本開示の範囲内である。
【0112】
本明細書におけるsiRNA配列(配列番号11及び配列番号12)は、FL2のネズミ(マウス)オーソログを対象とする。siRNA配列(配列番号13及び配列番号14)は、FL2のラットオーソログを対象とする。siRNA配列(配列番号15及び配列番号16)は、FL2のブタ(porcine)(ブタ(pig))オーソログを対象とする。本明細書の実施例に記載される研究などの非ヒトモデルにおける研究は、典型的には、種特異的FL2核酸を対象とし、阻害するsiRNAを用いて行われ、siRNAは、薬理学的に活性である。他の種のFL2オーソログに対するそのようなsiRNAを使用して、そのような他の種(例えば、非ヒト霊長類、非ヒト哺乳動物)における皮膚移植片治癒を治療することができる。いくつかの実施形態では、1つの種のFL2を対象とするsiRNAは、本明細書に開示される使用のために、別の種で使用することができ、例えば、別の種と交差反応性である。
【0113】
本明細書に開示される目的に有用な以下のsiRNA分子を調製した。
【表1-1】
【表1-2】
【0114】
本明細書に開示される目的に有用な以下のsiRNA分子を調製することができる。
【表2】
【0115】
本明細書の目的に有用な以下のshRNA分子を調製することができる。CACCGCTGGAGCCCTTTGACAAGTTCTCGAGAACTTGTCAAAGGGCTCCAGCTTTT(配列番号23)。
【0116】
以下の付番された実施形態は、非限定的であるが、本開示のある特定の態様の例である。
1.対象における皮膚移植片又は皮膚移植部位の治癒を促進又は改善する方法であって、対象に、皮膚移植片又は皮膚移植部位の治癒を促進するのに有効な量のフィジェチン様2の阻害剤を投与することを含む、方法。
2.皮膚移植片のリモデリングが改善される、実施形態1に記載の方法。
3.皮膚移植片の美容的外観が改善される、実施形態1に記載の方法。
4.皮膚移植片又は皮膚移植部位が、低減した瘢痕形成を示す、実施形態1に記載の方法。
5.皮膚移植が、熱傷を治療するために提供される、実施形態1に記載の方法。
6.熱傷が、部分層熱傷である、実施形態5に記載の方法。
7.熱傷が、全層熱傷である、実施形態5に記載の方法。
8.熱傷を覆う皮膚移植片が、より大きな全体面積熱傷を含む、実施形態5に記載の方法。
9.皮膚移植が、損傷を治療するために提供される、実施形態1に記載の方法。
10.損傷が、大きな開放創である、実施形態9に記載の方法。
11.損傷が、潰瘍である、実施形態9に記載の方法。
12.潰瘍が、褥瘡である、実施形態11に記載の方法。
13.損傷が、皮膚感染症である、実施形態9に記載の方法。
14.損傷が、皮膚がん手術の結果である、実施形態9に記載の方法。
15.皮膚移植が、ドナー皮膚から入手可能であるよりも大きな表面積を覆うように提供される、実施形態1に記載の方法。
16.皮膚移植片が、大きなメッシュ比を有する、実施形態1に記載の方法。
17.メッシュ比が、1.5:1を超える、実施形態16に記載の方法。
18.メッシュ比が、3:1である、実施形態16に記載の方法。
19.メッシュ比が、9:1である、実施形態5に記載の方法。
20.皮膚移植片が、分層皮膚移植片である、実施形態1に記載の方法。
21.皮膚移植片が、全層皮膚移植片である、実施形態1に記載の方法。
22.フィジェチン様2の阻害剤が、フィジェチン様2を対象とするsiRNA又はshRNAである、実施形態1に記載の方法。
23.siRNAが投与される、実施形態22に記載の方法。
24.shRNAが投与される、実施形態22に記載の方法。
25.ヒトフィジェチン様2をコードするDNA又はRNAを対象とするsiRNAが、少なくとも1つの2'糖修飾を有する、実施形態23に記載の方法。
26.ヒトフィジェチン様2をコードするDNA又はRNAを対象とするshRNAが、少なくとも1つの2'糖修飾を有する、実施形態24に記載の方法。
27.siRNA又はshRNAが、ヒトフィジェチン様2をコードするmRNAを対象とする、実施形態1に記載の方法。
28.siRNAが、配列番号1~18又は34~72に示される配列を含む、実施形態27に記載の方法。
29.siRNAが、配列番号1及び配列番号2、配列番号3及び配列番号4、配列番号5及び配列番号6、配列番号7及び配列番号8、配列番号9及び配列番号10、配列番号11及び配列番号12、配列番号13及び配列番号14、配列番号15及び配列番号16、配列番号17及び配列番号18、配列番号34及び配列番号35、配列番号34及び配列番号36、配列番号34及び配列番号37、配列番号34及び配列番号38、配列番号34及び配列番号39、配列番号17及び配列番号40、配列番号34及び配列番号41、配列番号42及び配列番号43、配列番号44及び配列番号43、配列番号45及び配列番号43、配列番号46及び配列番号47、配列番号46及び配列番号48、配列番号46及び配列番号49、配列番号50及び配列番号51、配列番号46及び配列番号53、配列番号54及び配列番号55、配列番号56及び配列番号57、配列番号34及び配列番号58、配列番号34及び配列番号59、配列番号34及び配列番号60、配列番号17及び配列番号61、配列番号34及び配列番号62、配列番号42及び配列番号63、配列番号44及び配列番号63、配列番号45及び配列番号63、配列番号46及び配列番号64、配列番号46及び配列番号65、配列番号46及び配列番号66、配列番号50及び配列番号67、配列番号46及び配列番号69、配列番号54及び配列番号70、配列番号17及び配列番号72、又は配列番号56及び配列番号71の中から選択される二本鎖核酸からなる、実施形態28に記載の方法。
30.siRNAが、配列番号1及び配列番号2、配列番号3及び配列番号4、配列番号5及び配列番号6、配列番号7及び配列番号8、配列番号9及び配列番号10、配列番号11及び配列番号12、配列番号13及び配列番号14、配列番号15及び配列番号16、配列番号17及び配列番号18、配列番号17及び配列番号18、配列番号34及び配列番号35、配列番号34及び配列番号36、配列番号34及び配列番号37、配列番号34及び配列番号38、配列番号34及び配列番号39、配列番号17及び配列番号40、配列番号34及び配列番号41、配列番号42及び配列番号43、配列番号44及び配列番号43、配列番号45及び配列番号43、配列番号46及び配列番号47、配列番号46及び配列番号48、配列番号46及び配列番号49、配列番号50及び配列番号51、配列番号46及び配列番号53、配列番号54及び配列番号55、配列番号56及び配列番号57、配列番号34及び配列番号58、配列番号34及び配列番号59、配列番号34及び配列番号60、配列番号17及び配列番号61、配列番号34及び配列番号62、配列番号42及び配列番号63、配列番号44及び配列番号63、配列番号45及び配列番号63、配列番号46及び配列番号64、配列番号46及び配列番号65、配列番号46及び配列番号66、配列番号50及び配列番号67、配列番号46及び配列番号69、配列番号54及び配列番号70、配列番号17及び配列番号72、又は配列番号56及び配列番号71の中から選択される二本鎖核酸を含む、実施形態28に記載の方法。
31.阻害剤が、皮膚移植部位に局所的に適用される、実施形態1に記載の方法。
32.対象における皮膚移植片又は皮膚移植部位の治癒を促進又は改善する方法であって、皮膚移植片又は皮膚移植部位に、瘢痕化を阻害するのに有効な量の、配列番号20に示されるアミノ酸を含むヒトフィジェチン様2をコードするDNA又はRNAを対象とするsiRNA又はshRNAを直接投与することを含む、方法。
33.shRNAが、配列番号23からなる、実施形態24に記載の方法。
34.shRNAが、配列番号23を含む、実施形態24に記載の方法。
【0117】
本開示は、以下の実験の詳細からよりよく理解されるであろう。しかしながら、当業者は、その後の特許請求の範囲でより完全に説明されるように、議論される特定の方法及び結果が本開示の単なる例示であることを容易に理解するであろう。
【0118】
実験の詳細
【0119】
ブタ熱傷モデルを使用して、皮膚移植片の治癒を研究した。麻酔したヨークシャーブタの背側に10個の5×5cmの熱傷を作製した。
図1の概略図は、研究を通じて利用されたタイムライン及び方法を示す。デジタル、シルエット、及びレーザースペックルイメージングを含む、非侵襲的測定。
【0120】
メッシュ状分層皮膚移植片(mSTSG)を使用した。
【0121】
ナノ粒子siRNA(NPsi)は、油中水118エマルションを使用して製造され、それにより、FL2標的化又はスクランブル(対照)siRNA水溶液は、Zonyl(登録商標)FSO 119及びポリエチレンオキシド-ポリプロピレンオキシドポリマーによって封入される。試験したsiRNAは、配列センス鎖:CGUUGCUGCUCAUCAGCGA[dT][dT](配列番号15)及びアンチセンス鎖:UCGCUGAUGAGCAGCAACG[dT][dT](配列番号16)を有していた。スクランブルsiRNA配列は、対照として機能した。試験した用量:5、10、20μMのFL2 NPsi又は20μMのスクランブルNPsi(n=2)。
【0122】
図2は、治癒部位のデジタル画像を示す。本研究は、NP FL2 siRNAの局所適用が、大きな比のmSTSG皮膚移植片の治癒速度を増加させることを示した。
【配列表】
【国際調査報告】