(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-17
(54)【発明の名称】包装用RFIDセキュリティラベル
(51)【国際特許分類】
G09F 3/03 20060101AFI20230410BHJP
G06K 19/077 20060101ALI20230410BHJP
G09F 3/10 20060101ALI20230410BHJP
G09F 3/00 20060101ALI20230410BHJP
B65D 77/10 20060101ALI20230410BHJP
【FI】
G09F3/03 F
G06K19/077 220
G09F3/03 Z
G09F3/10 B
G09F3/00 M
B65D77/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022552178
(86)(22)【出願日】2021-02-26
(85)【翻訳文提出日】2022-10-24
(86)【国際出願番号】 US2021019956
(87)【国際公開番号】W WO2021174033
(87)【国際公開日】2021-09-02
(32)【優先日】2020-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518000176
【氏名又は名称】エイヴェリー デニソン リテール インフォメーション サービシズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】AVERY DENNISON RETAIL INFORMATION SERVICES LLC
【住所又は居所原語表記】8080 Norton Parkway, Mentor, Ohio 44060 Uni-ted States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100155000
【氏名又は名称】喜多 修市
(74)【代理人】
【識別番号】100139930
【氏名又は名称】山下 亮司
(74)【代理人】
【識別番号】100188813
【氏名又は名称】川喜田 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100202142
【氏名又は名称】北 倫子
(72)【発明者】
【氏名】ガーザ,ペドロ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァーガス,ジュリー
(72)【発明者】
【氏名】ブレア,ジェイン
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067BA06
3E067BA12
3E067BB01
3E067BB02C
3E067BB14
3E067BB25
3E067BC06
3E067CA24
3E067EA04
3E067EB03
3E067EB19
3E067EB22
3E067EE04
3E067FC01
3E067GD05
3E067GD07
(57)【要約】
本発明は、多様なパッケージのためのラベル構成などのクロージャ機構に関する。クロージャ機構は、セキュリティ手段を無線周波数識別(RFID)と共に提供することができる。クロージャ機構は、ラベルの第1の面又は第2の面のいずれかに少なくとも1つのRFID装置を有する少なくとも1つのラベルを含み、前記ラベルはパッケージに適用され、前記パッケージは、少なくとも1つのラベルの配置を条件として第1の状態及び第2の状態にさらされる。本発明はまた、少なくとも1つの包装上にラベルを作製して使用する方法をさらに提供する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
領域と、少なくとも第1の部分及び第2の部分とを有するパッケージと、
開口部を有する第1の部分又は第2の部分の少なくとも1つと、
パッケージと関連した少なくとも1つの無線自動識別(RFID) 装置を有する少なくとも1つのラベルと、を含むパッケージ用クロージャシステムであって、
前記パッケージは、少なくとも1つのラベルの配置を条件として第1の状態及び第2の状態にさらされる、パッケージ用クロージャシステム。
【請求項2】
前記第1の状態は、開いた状態である、請求項1に記載のクロージャシステム。
【請求項3】
前記第2の状態は、閉じた状態である、請求項2に記載のクロージャシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのラベルが、前記少なくとも1つの開口部の上で前記パッケージに適用されたとき、前記パッケージは閉じた状態にある、請求項1~3のいずれか一項に記載のクロージャシステム。
【請求項5】
前記第1の部分は、前記パッケージの上端部である、請求項1~4のいずれか一項に記載のクロージャシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの開口部は、前記パッケージの上端部にある、請求項5に記載のクロージャシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つのラベルは、複数の小さなアパーチャをさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のクロージャシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つのラベルは、上面と底面とを有し、前記上面は表示を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のクロージャシステム。
【請求項9】
前記パッケージがバッグである、請求項1~8のいずれか一項に記載のクロージャシステム。
【請求項10】
少なくとも上面と底面とを有する基材と、
前記基材の底面に貼り付けられた接着剤層と、
前記基材の上面に複数のスリットを有するセキュリティラベルと、を含む、包装用ラベル
【請求項11】
前記セキュリティラベルは、少なくとも1つのRFID装置をさらに含む、請求項10に記載のラベル。
【請求項12】
前記接着剤は、ゴム系接着剤である、請求項10又は11に記載のラベル。
【請求項13】
前記接着剤層は、パターン塗工されている、請求項10~12のいずれか一項に記載のラベル。
【請求項14】
前記セキュリティラベルは、接着剤層に貼り付けられた剥離ライナーをさらに含む、請求項10~13のいずれか一項に記載のラベル。
【請求項15】
前記剥離ライナーは、漂白されたクラフトストック(Kraft stock)である、請求項14に記載のラベル。
【請求項16】
前記ラベルは、パッケージの開口部に貼り付けられ、クロージャとセキュリティ手段との両方を提供する、請求項10~15のいずれか一項に記載のラベル。
【請求項17】
パッケージ用RFIDラベルを作製して使用する方法であって、
少なくとも1つの開口部を有する上端部と下端部、及び前部と後部を有するパッケージを提供するステップと、
複数のスリットを有するラベルを提供するステップであって、それぞれのスリットには引き裂き力が加えられて改ざんを示し、前記ラベルは、第1の面と第2の面とを有する基材を含み、前記ラベルは、さらに複数の環境で利用可能なステップと、
前記ラベルの第1の面及び第2の面のいずれかに接着剤層を塗工するステップと、
前記接着剤層に剥離ライナーを貼り付けるステップと、
前記接着剤層から剥離ライナーを剥がすステップと、
パッケージの前部及び後部の第1の領域を折り畳み、第1の折り畳み部分を生成するステップと、
前記ラベルを前記第1の折り畳み部分と前記パッケージの上端部における前部の第2の領域とに貼り付けるステップと、を含む、パッケージ用RFIDラベルの作製及び使用方法。
【請求項18】
前記ラベルは、RFID装置をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
複数のスリットは、少なくとも2列のスリットを含み、チャネルが前記2列のスリットを分離する、請求項17又は18に記載の方法。
【請求項20】
前記チャネルには任意のスリットがない、請求項17~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
改ざんを示すためのラベルであって、
上面と底面とを有する基材と、
チップと接続アンテナとを含む少なくとも1つのRFID装置であって、前記装置は、前記基材の上表面又は底表面のいずれかに貼り付けられる装置と、
基材の底表面の下にある接着剤層と、前記接着剤層の下にある剥離ライナーと、を含み、
前記基材は、1つ以上のアパーチャを有し、
前記アパーチャは、応力緩和切断部であって角度をなし、
前記ラベルは、パッケージの開口部に沿ってパッケージを密封する、ラベル。
【請求項22】
前記アパーチャは、RFID装置の貼り付け位置から離れて配置される、請求項21に記載のラベル。
【請求項23】
前記RFID装置は、アパーチャに沿って基材に貼り付けられる、請求項21又は22に記載のラベル。
【請求項24】
前記開口部に沿ってシーリングを取り除くと、前記応力緩和切断部が破損して改ざんを示す、請求項21~23のいずれか一項に記載のラベル。
【請求項25】
前記開口部に沿ってシーリングを取り除くと、前記RFID装置が破損して改ざんを示す、請求項21~24のいずれか一項に記載のラベル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年2月26日付で出願された米国仮特許出願番号62/982,022の利益を主張し、その全体が参考として本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、密封性の確保及び密閉目的などの様々な目的のために、包装、容器、バッグ、封筒などに使用することができるセキュリティクロージャラベルに関する。
【背景技術】
【0003】
市場では、包装用のクロージャ及びセキュリティラベルの必要性が存在する。バッグ、封筒、プラスチックトート又はペーパートートなどの様々な種類の包装は、製品及びアイテムを運搬、運送及び保管し、ある場所から別の場所に移動させるために、サプライチェーン、パーソナライズスペース及び小売環境で使用される。容器は、消費者がショッピングする際に活動し易くするのに役立つ。市場が、消費者の利便性を優先する環境に向かう中で、最近は、消費者が小売アイテム又は消費者アイテムをウェブポータル若しくはセルラー装置のアプリケーションを介してオンラインで注文することのできる小売方法が利用されている。消費者には、小売店に移動して特定のアイテムの店舗の制限領域内で購入したり、アイテムを購入するために並んで待たなくてもよい機会が提供される。むしろ、消費者はアイテムをリモートで購入することができ、小売環境内にある場合とない場合がある決められたステーションに移動してアイテムを迅速に受け取ることができるので、消費者の時間が節約され、ショッピングをより簡単に行うことができる。あるいは、包装されたアイテムは、消費者の家又はオフィスの場所に直接配達し得る。
【0004】
このようなタイプのリモート購入プロセスを使用する際、消費者が購入する商品又はアイテムは、消費者が商品を受け取るために商品が保管区域に配置されている間、又はパッケージが宅配サービスを通じて回収されるまで待つ間、所定の種類の包装に入れられ得る。商品が包装されている間、特に商品が食料品のように腐敗しやすい場合、包装が周囲の温度又は室温の条件にさらされずに密封されていることが望ましい場合がよくある。さらに、密封したパッケージに商品を入れて置くことで、商品が手を加えられる可能性を防止する。パッケージを密閉状態又は密封状態に保つことによって、腐敗しやすいアイテムを外部の温度変化及び他の条件にさらされにくい環境で保管することができる。
【0005】
したがって、例えば、温度及び湿度を含む多様な条件でパッケージを密閉した状態に保つタイプの密閉システムが必要とされる。例えば、消費者がリモートで購入した商品が腐敗しやすい食料品である場合、損傷を防ぐために、消費者が商品を受け取りに来るまで、又は宅配サービスによってパッケージが受け取られるまで商品を冷蔵又は冷凍環境に置く必要がある。したがって、パッケージのクロージャは、パッケージを製造環境から冷蔵環境に移動する時の温度変化に耐え得る必要がある。
【0006】
消費者がリモートで購入した商品がパッケージ内に置かれた後、手が加えられている、又は手が加えられていないことを確信できるように、クロージャシステムがセキュリティ手段を備えることもまた望ましい。また、製造業者、小売業者又は流通業者が在庫を取り、パッケージ内にどんな商品が置かれたかを追跡して腐敗しやすい商品に関する在庫管理及び鮮度の追跡を行うことが望ましい場合もある。
【発明の概要】
【0007】
以下に記載する本発明の実施形態は、以下の詳細な説明に開示する正確な形態で本発明を包括又は限定することを意図するものではない。むしろ、本実施形態は、当業者が本発明の原理及び実施を認識し理解できるように選択され記載されている。
【0008】
本明細書には、様々な異なる環境で安全に密閉された状態に保ち得る少なくとも1つのパッケージのクロージャ機構が記載されている。クロージャラベルは、商品を密閉した状態に保つことができるようにし、パッケージに入れた後に改ざんの証拠を提供するセキュリティ構成要素をさらに備え得る。
【0009】
様々なパッケージ又は容器でセキュリティ及び/又は密閉の目的で使用し得るラベルが明示されている。一実施形態におけるラベルは、接着剤層及び剥離ライナーを備えた基材を有する。ラベルには、ラベルと統合された無線周波数識別(RFID:radio frequency Identification)装置をさらに含み得る。
【0010】
セキュリティ及び/又は密閉の目的でラベルを作製し、様々な包装にラベルを使用する方法が提供される。パッケージの上端部などの開口部を介して、商品又は消費者アイテムをパッケージ内に挿入することができ、パッケージの下端部又は領域内に商品を入れることができるように、上端部と下端部、及び前部と後部とを有するパッケージが提供される。ラベル上に接着剤層が設けられ、接着剤層の上部に剥離ライナーを貼り付けることができる。パッケージ上にラベルを配置するために、剥離ライナーを用いる場合は、剥離ライナーをラベル構成から剥がす。パッケージの前部及び後部の第1の領域が折り畳まれ、第1の折り畳み部分が生成される。次いで、ラベルは、第1の折り畳み部分とパッケージの上端部の前部の第2の領域とに貼り付けられる。さらに、前部及び後部は、複数回折り畳まれて第1の折り畳み部分よりも多く生成され得ると考えられる。
【0011】
本開示の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。しかし、多様な実施形態及び特定の実施例に対する詳細な説明は、本開示の好ましい実施形態及び他の実施形態を示す一方、限定ではなく例示として提供されるものと理解すべきである。本発明の範囲内でその趣旨から逸脱することなく多くの変更及び修正をなし得るが、本発明はこのようなすべての修正を含む。
【0012】
これら、並びに本発明の他の目的及び利点は、添付の図面と共に本発明の現在の好ましい例示的な実施形態における以下のより詳細な説明を参照することによって、より完全に理解され認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図3】本発明のラベルのテストデータのチャートを示す。
【
図4】包装に貼り付けられた本発明のラベルを示す。
【
図4A】パッケージの表面から剥がれている従来技術のラベルを示す。
【
図5】パッケージに貼り付けられたラベルの正面図を示す。
【
図6】本発明の少なくとも1つのパッケージにクロージャ機構又はラベルを作製して適用するブロック方法を示す。
【
図8】少なくとも1つのRFID装置を有する本発明のラベル構成を示す。
【
図8A】少なくとも1つのRFID装置を有する本発明のラベル構成の一実施形態を示す。
【
図9】少なくとも1つのRFID装置を有する本発明のラベル構成の他の実施形態を示す。
【
図9A】少なくとも1つのRFID装置を有する本発明のラベル構成のさらなる実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書に開示し記載しているクロージャ機構及び方法は、例示により、及び図面を参照して詳細に説明される。他に明示しない限り、図面における類似する符号は、図面全体にわたって同一、類似又は対応する要素に関する参照を示す。開示及び記載されている実施例、配列、構成、構成要素、要素、装置、方法、材料などに対する修正がなされてもよく、特定の用途のために好ましいことが理解されるであろう。本開示において、特定の形状、材料、技術、配列などの任意の識別は、提示された特定の実施例と関連しているか、又はそのような形状、材料、技術、配列などの一般的な説明に過ぎない。特定の詳細又は実施例の識別は、特に明示しない限り、強制的に又は限定して解釈されることを意図するものではなく、そのように解釈してはならない。以下、装置及び方法の選択された実施例を開示し、図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
本開示の実施形態は、パッケージ及び/又はパッケージに対する他の多様なセキュリティ手段を密閉又は密封するなどの様々な目的のために使用できるラベル又はクロージャ機構を提供する。例えば、本開示のクロージャ機構は、改ざん防止機能を有する接着ラベルであり得、特定のパッケージが第三者によって開封又は変更されたかどうかについて判断するために使用し得る。例えば、図面に明示されたラベル設計の全体の構造が、何らかの形で破れたり変更されたと示されている場合、エンドユーザーに、包装の中身が変更されたり、希望するエンドユーザー以外の者が中身を見たことを表示できる。本明細書に記載のラベルの2つの異なる観点を示す本発明の
図1及び2に注目されたい。
図1に示すように、現在明示されているラベルは、複数のアパーチャ又は開口部200を含む。これらのアパーチャは、微細な開口部、スリット、切り込み又はミシン目であり得る。これらのアパーチャが破れると、ラベルの剥がれ/切れ/引裂を招いて、ラベルが引っ張られたり、改ざんされたことを示す。一実施形態において、現在考慮されるこれらのアパーチャ200は応力緩和切断部であり、これは一実施形態において、ラベルを包装に貼り付ける際にパッケージの中身に近づくためにパッケージからラベルを剥がすことが望ましい時間枠より前にパッケージの表面から「剥がれること」を防ぐために、角度をつけ得る。
図4は、パッケージに貼り付けた複数のアパーチャ、ミシン目、切断部又はスリットを有する本開示のラベルを示す。
図4Aは、パッケージの表面から剥がれている本開示のラベルを示し、対象のエンドユーザーがパッケージに近づく前に剥がれている場合には、望ましくない。ラベルがパッケージの表面から剥がれている場合、意図したものより先に中身に改ざん又は介入があったことを示すため、パッケージの中身を完全に維持することは不可能である。
【0016】
本開示の一実施形態において、ラベル100は、長さ及び幅を含む周囲を有する。ラベルの幅と長さは、互いに同等又は
図1に示すとおりであり、長さは、ラベル全体の幅より若干長くなり得る。例えば、ラベルの長さ及び幅が任意の特定の測定値に限定されないことは認めるに値するが、一実施形態において、長さは4インチであり、幅は3インチであり得る。さらに、ラベルは、一般に長方形又は正方形の構成で示されているが、ラベルは、幾何学的形状を取り得る、又は、アルファベット若しくは数字の構成で提供されたり、ブランディング若しくはトレードドレスのデザインの一部として提供され得ることを理解すべきである。
【0017】
図1に示すように、複数のアパーチャ200は、複数のスリット又はミシン目であり得る。図示の目的で、複数のスリット200は一連の水平な行に配列し得る。しかし、スリット200はまた、例えば、複数の列、行、対角線又は無作為に配置されるが、さらに、これに限定されない、多様な構成で配列し得ると考えられる。
図1において、スリット200は、角度をなす水平な行で配列され、行と列との間にチャネル201が生成されることが示されている。チャネル201は、任意の種類の開口部、スリット又はミシン目を含まない
図1の複数のアパーチャ又はスリット200間のラベル領域であり得る。
【0018】
図1のラベル100が貼り付けられた包装は、当技術分野で公知の任意の種類の包装であり得る。一実施形態において、包装は、紙袋、板紙容器、カートンなどのセルロース材料であり得る。また、包装は、消費後の廃棄物ベースの材料、リサイクル材料、又は持続可能若しくは再生可能な資源から派生した材料を含む任意の種類のプラスチック包装、容器又は混合材料タイプの包装であり得ることも考えられる。
【0019】
図2は、現在明示しているラベルの断面図を示す。基材200は、上面212と底面211とを有する。基材200は、底面211に貼り付けられた接着剤層を有する。接着剤層は、パターン又はカーテン塗工された接着剤であってもよく、又は基材200の周囲に塗布されてもよい。一実施形態において、接着剤層は、様々な異なる基材、特に段ボールの材料及びリサイクル成分の含有量の多い材料に対する高い初期粘着性及び最大の結合強度を有するゴム系接着剤であり得る。接着剤層は、低温、冷蔵/冷凍の温度範囲、極度の高温範囲、湿度などの様々な環境で良好に作用するように設計されており、常温保存可能なアイテムなどの温度制御されていない環境で役立つ。一実施形態において、ホットメルトゴム接着剤が用いられ、ラベルは+10°F(-12℃)の最低適用温度及び-65°Fから+160°F(18℃~71℃)の使用温度の範囲でパッケージに使用される。本開示は、本発明のラベル構成が食料品用パッケージに使用され、間接的に食料品と接触する場合には、使用される接着剤がGRAS(Generally Recognized as Safe;一般に安全と認められる)認証の接着剤製剤であることが好ましいことを認識している。
【0020】
本開示のラベルは、パッケージに適用され得るが、複数のアパーチャを有する現在明示されているラベルは、機械的機構、例えば、ファスナー、ステープル、連携構造などによって包装に取り付けられ、接着剤を使用しないことも考えられる。ラベルをパッケージに取り付けるために接着剤層と連携する機械的機構を使用し得ることも考えられる。一実施形態において、機械的機構は、フック及びループタイプの機構であり得る。
【0021】
本開示により、ラベルの上面212は、会社のマーケティング資料、ロゴ、商標などの表示を含み得ることが考えられる。表示は、インクジェットプリンター又は当業界で公知の他のプリンターを介して印刷される固定データ又は可変データであり得る。また、上面212は、ラベルの上面212又は底面211に貼り付けられた無線周波数識別(RFID)装置を含み得ることが考えられる。さらに、RFID装置は、ラベルに直接隣接して適用され、例えば、 ミシン目又は開封帯のラインによって分離可能である。ラベルが不透明な白色のように示されているが、ラベルの色は当業界で考えられる任意の色であり得る。
【0022】
図5は、パッケージに貼り付けられた本開示のラベルを示す。図から分かるように、包装500は、前部540及び後部530を有する。包装は、上端部550及び下端部560をさらに有し、下端部は、一般に、包装の内部に入れられた時に商品が置かれる部分である。包装500は、商品をパッケージに配置できる開いた状態などの第1の状態、及び
図5に示すように、パッケージを閉じた状態にできる第2の状態を取ることができる。あるいは、包装は、包装又はプロセスラインの一部として製品の周りに形成することができる。開いた状態では、包装は商品を中に入れることができる開口部を有する。第2の状態又は閉じた状態では、包装500は、パッケージの前部540と後部530とを合わせ、包装500の前部540と後部530の両方の領域を折り畳むことによって生成される包装500の折り畳み領域520に貼り付けられ得る。包装500の第1の状態は開いた状態であり、第2の状態は包装500が閉じた状態であり得ると述べているが、その逆もまた同様であり、第2の状態は包装が開いた状態であり、第1の状態は包装が閉じた状態であり得ることは注目に値する。
【0023】
現在明示されているラベルの構成は、当業界で公知の任意のタイプのパッケージを、冷凍又は冷蔵の温度範囲を含む多様な環境条件で少なくとも24時間密閉させた状態を保つ能力を理想的に有している。現在明示されているラベルの寿命を判断するために、異なる包装及び10種類の異なる包装のタイプについてテストした。テストの結果を
図3に示す。
【0024】
本開示は、現在明示されているラベルをパッケージに塗布する方法をさらに提供する。
図6は、現在明示されているラベルの塗布及び使用方法を示す。まず、ステップ610において、上端部と下端部、及び前部と後部を有する少なくとも1つのパッケージが提供される。上端部711は、
図7に最もよく示されているように、少なくとも1つの開口部を有することができ、商品が入れられることの多い少なくとも1つの開口部710を有するパッケージ700の全体構造を示す。また、
図7は、一般に商品が置かれるパッケージの下端部712をさらに示す。ステップ620において、第1の面と第2の面とを備えた基材を有する複数のスリットを有するラベルなどのクロージャ機構がさらに提供される。提供されるスリット又はアパーチャは、回転式ダイカッター、機械式カッター、レーザー又はナイフなどの当技術分野で公知の任意の手段によって製造され得ることは注目に値する。次いで、基材630の面上の接着剤層に塗工が行なわれる。ステップ640において、剥離ライナーをクロージャ構造の接着剤層に貼り付けられ得る。少なくとも1つのパッケージにクロージャ機構を塗布するために、剥離ライナーが提供される場合、剥離ライナーをステップ650で剥がさなければならない。本開示の剥離ライナーは、紙又はプラスチック系フィルムシートなど当業界で公知の任意の材料から製造され得るが、これらに限定されない。例えば、本開示の一実施形態において、剥離ライナーはポリエステル系材料であり得る。本開示は、クロージャ機構がパッケージの面に容易に適用されることを考慮するが、包装の前部及び後部の第1の領域が第1の折り畳み部分660によって折り畳まれることも考慮されることは注目に値する。パッケージは、一度折り畳むことに限定されず、クロージャ機構を少なくとも1つの包装に取り付ける前に、複数回折り畳んで複数の折り畳み部分を生成し得る。最後に、クロージャ機構は、パッケージの第1の折り畳み部分670と第2の領域とに貼り付けられ得る。
【0025】
本開示は、ラベル内に少なくとも1つのRFID装置を含むことを考慮する。前述のように、少なくとも1つのRFID装置は、
図9及び
図9Aに示すように基材の上面に貼り付けてもよく、基材に含んでもよい。
図9は、当業界で公知の手段によって本明細書に含まれる少なくとも1つのRFID装置902を有する基材900を示す。先に示したような接着剤層903が剥離ライナー904に貼り付けられて、完成したラベル構成910が得られる。
図9Aは、少なくとも1つのRFID装置950が、基材920の第2の面又は底面940ではなく、上面930又は第1の面に貼り付けられ得ることを示している。
図8に示すように、少なくとも1つのRFID装置830は、上層800又は基材の第2の面820に取り付けられ得る。
図8の接着剤層840は、RFID装置830を囲み、剥離ライナー850に取り付けられ得る。本発明の一実施形態において、基材の第1の面810がコーティング層(図示せず)に取り付けられ得る。さらに、
図8Aにおいて、RFID装置880は、ラベル機構全体の上層870の第2の表面872に取り付けられることが考えられる。あるいは、RFID装置は、片側又は上縁又は下縁に沿ってラベルに取り付けることができ、潜在的にラベルから分離可能である。RFID装置は、パッケージに貼り付けてもよいか、又はパッケージに取り外し可能に貼り付けても貼り付けなくてもよい。RFID装置880は、上層870の周囲に塗布できるか、又は上層870の全領域に広がったピーナッツバターのように塗布できる薄い接着剤層などの当業界で公知の手段によって、参照番号871で示す上面をさらに有する上層870に取り付けられ得る。また、接着剤層は、カーテン又はパターン塗工され得る。RFID装置880は、ラベルの複数のアパーチャから分離されたラベル領域にあるように、ラベルに適用されることが考えられる。クロージャ機構の構成内にRFID装置880を設けることによって、例えば、RFID装置がリーダを通過すると、店舗などのセキュリティ空間からパッケージを出すべきか否かを判断できるセキュリティレベルが提供される。RFID装置はまた、在庫追跡の目的で使用してもよく、パッケージの内容を判断するために使用できる。また、RFID装置は、パッケージ上のラベルやクロージャ機構の内部又は上に位置するので、パッケージが開封されたときにRFID装置のアンテナが「破損」又は変更(アンテナを介して電流遮断)されることによりパッケージが以前開封されたことを示し、エンドユーザーが最終的に使用するためにパッケージを受け取る前にパッケージが変更されているか否かを確認する手段となり得ることが考えられる。さらに、RFID装置は、製品のリコール及びその他消費者の警告にも役立てることができる。
【0026】
別の実施形態において、改ざんを示すためのラベルが提供される。ラベル構成は、
図1及び
図2に含まれる前述のものと同様であり、上面と底面とを有する基材を含む。少なくとも1つのRFID装置は、チップと接続アンテナとを含み、前記装置は、基材の上表面又は底表面のいずれかに貼り付けられる。接着剤層は、基材の底の表面の下にあり、剥離ライナーは、前記接着剤層の下にある。基材は、1つ以上のアパーチャを有し、前記アパーチャは、応力緩和切断部であって、角度をなしている。ラベルは、パッケージの開口部に沿ってパッケージを密封する。アパーチャは、RFID装置の貼り付け箇所から離れて配置される。RFID装置は、アパーチャに沿って基材に貼り付けられる。開口部に沿ってシーリングを取り除くと、応力緩和切断部が破損して改ざんされたことを示す。あるいは、開口部に沿ってシーリングを取り除くと、RFID装置が破損して改ざんされたことを示す。
【0027】
本開示のRFID装置のアンテナは、アンテナ構成を含み得、ダイポール、モノポール、又はスループなどの当業界で公知の任意の構成からなり得るが、これに限定されない。また、使用する装置は、デュアルRFID/電子式物品監視装置であり得ることが考慮される。RFID装置は、チップを基材/アンテナに直接適用することによって、又はストラップによって形成し得る。さらに、チップ又は集積回路は、回路をパッケージに直接印刷することによって形成し得る。
【0028】
本開示の別の実施形態において、本発明のラベル構造内に含まれるRFID装置は、マイクロ波専用インレイを含み得る。これにより、包装を放射線と電波のいずれをも含むマイクロ波の条件にさらすことができる。一実施形態において、マイクロ波に耐えることができるRFID装置の構造は、米国公開特許2018‐0189623として、本明細書に組み込まれる構造を有する。
【0029】
図面は、ラベルなどの単一のクロージャ機構が少なくとも1つのパッケージ上で使用されることを示しているが、本発明の包装はまた、複数のラベルを含み得るが、その全てがRFID装置を含み得るか、又はクロージャ機構のわずか又は1つだけがRFID装置を含み得ると考えられる。
【0030】
したがって、本開示によれば、非常に有益であることが分かるであろう。包装用のセキュリティ及びクロージャラベルが提供されている。機構及び方法が、現在最も実用的で好ましい実施形態と見なされるものに関して説明されているが、本開示は、開示された実施形態に限定されず、本発明の範囲内で多くの修正及び同等の配列をなし得、かかる範囲は、すべての同価の構造及び製品を含むように、添付の特許請求の範囲の最も広い解釈と符号する範囲であることが当業者には明らかであろう。
【0031】
本発明者らは、以下の特許請求の範囲に明記されているように、本発明の文字通りの範囲から実質的に逸脱しないが、文字通りの範囲外の任意の装置、システム、方法、又は物品に関する発明の合理的で妥当な範囲を決定及び評価するために、均等論に依拠する意図をここに述べる。
【国際調査報告】