(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-17
(54)【発明の名称】核酸をアセンブルするための方法
(51)【国際特許分類】
C12N 15/10 20060101AFI20230410BHJP
C12N 15/09 20060101ALI20230410BHJP
C12N 15/11 20060101ALI20230410BHJP
C12N 15/52 20060101ALI20230410BHJP
C12N 15/54 20060101ALI20230410BHJP
【FI】
C12N15/10 Z
C12N15/09 Z
C12N15/11 Z
C12N15/52 Z
C12N15/54
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022553045
(86)(22)【出願日】2021-02-25
(85)【翻訳文提出日】2022-10-21
(86)【国際出願番号】 US2021019656
(87)【国際公開番号】W WO2021178210
(87)【国際公開日】2021-09-10
(32)【優先日】2020-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522349856
【氏名又は名称】コーデックス ディーエヌエー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100188433
【氏名又は名称】梅村 幸輔
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100214396
【氏名又は名称】塩田 真紀
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】ギル ジョン イー.
(72)【発明者】
【氏名】フー リクシア
(72)【発明者】
【氏名】ギブソン ダニエル ジー.
(57)【要約】
本発明は、所望の配列を有するDNA分子をアセンブルする方法を提供する。方法は、DNAリガーゼを、アセンブルされる複数の短いオリゴヌクレオチドと接触させることと、リガーゼ連鎖反応を実施して、それによってポリヌクレオチドのセットを生成することとを含む。複数の中のオリゴヌクレオチドは、複数の中の少なくとも1つの他のオリゴヌクレオチドの配列と重複し、かつそれに相補的であり、複数の中のオリゴヌクレオチドの少なくとも50%は、6~30ヌクレオチド長である。ポリヌクレオチドのセットを結合するために、産生されたポリヌクレオチドのセットを混合物中のDNAポリメラーゼおよびdNTPと接触させ、それによって、ポリメラーゼ連鎖アセンブリによって所望の配列を有するDNA分子を作る。方法は、所望の配列に対して非常に高い配列忠実度を有する任意の長さのオリゴヌクレオチドの産生を可能にする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所望の配列を有するDNA分子をアセンブルする方法であって、以下を含む、前記方法:
a)混合物を作るために、DNAリガーゼを、アセンブルされる前記DNA分子の前記所望の配列の少なくとも一部分を構成する複数の短いオリゴヌクレオチドと接触させることであって、
前記複数の中の短いオリゴヌクレオチドの少なくとも一部分が、前記複数の中の少なくとも1つの他の短いオリゴヌクレオチドの配列の一部分と重複し、かつそれに相補的であり、前記短いオリゴのうちの少なくとも2つが、それらの相補配列に結合したときに互いに隣接し、前記複数の中の短いオリゴヌクレオチドの少なくとも50%が、6~30ヌクレオチド長である、前記接触させることと、
b)前記混合物にリガーゼ連鎖反応を実施して、それによってポリヌクレオチドのセットを生成することと、
c)前記ポリヌクレオチドのセットを結合するために、前記ポリヌクレオチドのセットをDNAポリメラーゼおよびdNTPと接触させ、それによって、前記所望の配列を有する前記DNA分子をアセンブルすること。
【請求項2】
前記ポリヌクレオチドのセットが、DNAアセンブリ反応によって結合される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ポリヌクレオチドのセットが、ポリメラーゼサイクリングアセンブリによって結合される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記短いオリゴヌクレオチドと前記DNAリガーゼの前記接触前に、またはそれと同時に、前記複数の短いオリゴヌクレオチドをキナーゼと接触させることをさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記DNAリガーゼが、熱安定性DNAリガーゼである、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記DNAリガーゼが、T4 DNAリガーゼまたはTaqリガーゼである、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
隣接している前記短いオリゴが、第1の短いオリゴのリン酸化5’末端ヌクレオチド、および第2の短いオリゴの3’末端ヌクレオチド上の3’ヒドロキシルを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
ポリメラーゼ連鎖反応を使用して、前記所望の配列を有する前記DNA分子を増幅させることをさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
溶液中で実施される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記所望の配列を有する前記DNA分子が、100 10,000塩基対長である、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記所望の配列を有する前記DNA分子が、100~5,000塩基対長である、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記所望の配列が、ユニバーサル5’フランキング配列およびユニバーサル3’フランキング配列をさらに含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
ポリメラーゼサイクリングアセンブリを介してポリヌクレオチドを結合するために、ポリヌクレオチドの複数のプールを組み合わせることをさらに含む、請求項2~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記所望の配列を有する前記DNA分子を増幅させるために、ポリメラーゼ連鎖反応の少なくとも10回のサイクルをさらに含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の短いオリゴヌクレオチドが、少なくとも10個の短いオリゴヌクレオチドを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の短いオリゴヌクレオチドが、少なくとも20個の短いオリゴヌクレオチドを含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の短いオリゴヌクレオチドが、2~250個の短いオリゴヌクレオチドを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記複数の短いオリゴヌクレオチドが、6~18ヌクレオチド長である、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記複数の中の短いオリゴヌクレオチドの少なくとも50%が、6~18ヌクレオチド長である、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記複数の中の前記オリゴヌクレオチドの少なくとも75%が、前記方法の開始時に6~18ヌクレオチド長である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記複数の中の前記オリゴヌクレオチドの少なくとも75%が、前記方法の開始時に6~18ヌクレオチド長である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
制限酵素を使用することなく実施される、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
所望の配列のアセンブルされたDNA分子が、2,000塩基対当たり1エラー未満のエラー率を有する、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
所望の配列のアセンブルされたDNA分子が、14,000塩基対当たり1エラー未満のエラー率を有する、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記エラー率が、エラー訂正酵素を使用することなく前記方法で得られる、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記複数の短いオリゴヌクレオチドが、オリゴヌクレオチドの少なくとも15個のプールを構成する、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記アセンブリが、完全にインビトロで行われる、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記オリゴヌクレオチドが、8merまたは16merである、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記DNA分子が、スカーレスアセンブリでアセンブルされる、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記複数の短いオリゴヌクレオチドが、64個を超える短いオリゴヌクレオチドを含む、請求項1~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
リンカー、アダプター、またはスペーサーDNA分子を使用することなく行われる、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記リガーゼ連鎖反応が、変性、アニーリング、およびライゲーションの少なくとも5回のサイクルを含む、請求項1~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記複数の短いオリゴヌクレオチドが、64個を超える短いオリゴヌクレオチドを含む、請求項1~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記混合物中の前記オリゴヌクレオチドの10%未満が、20ヌクレオチド長よりも長い、請求項1~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記混合物中の前記オリゴヌクレオチドの1%未満が、20ヌクレオチド長よりも長い、請求項1~34のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、2020年3月3日に出願された米国特許出願第62/984,670号(その全内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に対する利益を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は、低いエラー率を有する核酸を合成および構築する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
DNAのアセンブリは、合成生物学および遺伝子工学にとって重要な技術であり、DNAアセンブリ方法の効率性、忠実度、および単純性の改善に向けた膨大な努力を引き付けてきた。様々なDNAアセンブリ方法が既知であり、特定の利点を有する。ギブソンアセンブリ方法が、DNA配列の相補性を利用する一方で(Gibson et al.,2009)、ゴールデンゲートアセンブリは、制限消化およびライゲーション方法に基づいている。DNA合成の1つの重要な側面は、DNA配列における配列忠実度の達成および維持、すなわち、非常に低いエラー率を有するDNA分子の産生の重要性である。出発オリゴヌクレオチドの化学合成は、合成された配列にエラーを入れ、これは次いで、所望のDNA分子がアセンブリングおよび増幅するにつれて増殖する。
【0004】
DNA合成およびアセンブリの忠実度を高めるという目的は、合成オリゴヌクレオチドから構築される合成DNA中のエラーを低減するためのエラー訂正酵素の使用によって取り組まれてきた。エラー訂正酵素の使用は、重要な発展であったが、その使用には不利益もある。さらに、現在の方法は、しばしば、DNAチップまたは他の固相デバイス上で所望のDNA分子を合成することに依存し、その方法を、自動合成に実質的にあまり好適ではないものにする。これらの方法はまた、時間がかかり、DNA合成においてあまり効率的ではない。合成オリゴヌクレオチドから産生され、非常に高い配列忠実度を有し、エラー訂正酵素の使用を必要としないDNA分子をアセンブルする新たな方法が、依然として必要である。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、所望の配列を有するDNA分子をアセンブルする方法を提供する。本方法は、DNAリガーゼを、アセンブルされる複数の短いオリゴヌクレオチドと接触させることと、リガーゼ連鎖反応を行って、それによってポリヌクレオチドのセットを生成することとを含む。前記複数の中のオリゴヌクレオチドは、前記複数の中の少なくとも1つの他のオリゴヌクレオチドの配列と重複し、かつそれに相補的であり、前記複数の中のオリゴヌクレオチドの少なくとも50%は、8~22ヌクレオチド長である。ポリヌクレオチドのセットを結合するために、産生されたポリヌクレオチドのセットを、任意選択的に、混合物中のDNAポリメラーゼおよびdNTPと接触させ、それによって、ポリメラーゼ連鎖アセンブリによって所望の配列を有するDNA分子を作る。DNA断片を、任意選択的に、ポリメラーゼ連鎖アセンブリ反応、または別のオリゴヌクレオチドアセンブリ反応(例えば、OSOS)を使用してアセンブルし、任意選択的に、PCRを通して増幅し得る。
【0006】
第1の態様では、本発明は、所望の配列を有するDNA分子をアセンブルする方法を提供する。本方法は、混合物を作るために、DNAリガーゼを、アセンブルされるDNA分子の所望の配列の少なくとも一部分を有する複数の短いオリゴヌクレオチドと接触させることを含む。前記複数の中の短いオリゴヌクレオチドの少なくとも一部分は、前記複数の中の少なくとも1つの他の短いオリゴヌクレオチドの配列の一部分と重複し、かつそれに相補的であり、短いオリゴのうちの少なくとも2つは、それらの相補配列に結合したときに互いに隣接する。前記複数の中の短いオリゴヌクレオチドの少なくとも50%は、8~30ヌクレオチド長であり得る。本方法はまた、混合物にリガーゼ連鎖反応を実施して、それによって、ポリヌクレオチドのセットを生成することと、ポリヌクレオチドのセットを結合するために、ポリヌクレオチドのセットをDNAポリメラーゼおよびdNTPと接触させ、それによって所望の配列を有するDNA分子をアセンブルすることも含む。
【0007】
一実施形態では、ポリヌクレオチドのセットは、ポリメラーゼサイクリングアセンブリによって、および/またはDNAアセンブリ反応(例えば、OSOS反応)によって結合される。一実施形態では、本方法は、短いオリゴヌクレオチドとDNAリガーゼの接触前に、またはそれと同時に、複数の短いオリゴヌクレオチドをキナーゼと接触させることを含む。一実施形態では、DNAリガーゼは、熱安定性DNAリガーゼ、例えば、T4 DNAリガーゼまたはTaqリガーゼである。隣接している短いオリゴは、第1の短いオリゴのリン酸化5’末端ヌクレオチド、および第2の短いオリゴの3’末端ヌクレオチド上の3’ヒドロキシルを有することができる。本方法は、ポリメラーゼ連鎖反応を使用して、所望の配列を有するDNA分子を増幅させることを含むことができる。一実施形態では、本方法は、溶液中で実施される。様々な実施形態では、所望の配列を有するDNA分子は、100~10,000塩基対長または100~5,000塩基対長であり得る。一実施形態では、所望の配列は、ユニバーサル5’フランキング配列およびユニバーサル3’フランキング配列をさらに含む。本方法はまた、PCA(ポリメラーゼサイクリングアセンブリ)を介してポリヌクレオチドを結合するためにポリヌクレオチドのセットの複数のプールを組み合わせることも含むことができる。
【0008】
一実施形態では、所望の配列を有するDNA分子を増幅させるために、ポリメラーゼ連鎖反応の少なくとも10回のサイクルが行われ得る。様々な実施形態では、複数の短いオリゴヌクレオチドは、少なくとも10個の短いオリゴヌクレオチド、または少なくとも20個の短いオリゴヌクレオチド、または2~250個の短いオリゴヌクレオチドを含有することができる。一実施形態では、複数の短いオリゴヌクレオチドは、10~18ヌクレオチド長である。前記複数の中の短いオリゴヌクレオチドの少なくとも50%は、10~18ヌクレオチド長であり得る。別の実施形態では、前記複数の中のオリゴヌクレオチドの少なくとも75%は、本方法の開始時に6~18、または10~18、または16~18ヌクレオチド長である。本方法は、制限酵素を使用することなく実施され得る。本方法によって産生される所望の配列のアセンブルされたDNA分子は、2000塩基対当たり1エラー未満、または14000塩基対当たり1エラー未満のエラー率を有することができる。エラー率は、エラー訂正酵素を使用することなく本方法で得られ得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、複数の短いオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの少なくとも15個のプールに含まれる。本方法は、完全にインビトロで行われ得る。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、8merまたは16merであり得る。DNA分子は、本方法でアセンブルすることができ、スカーレスであり得、すなわち、スカーレスアセンブリでアセンブルすることができる。一実施形態では、複数の短いオリゴヌクレオチドは、64個を超える短いオリゴヌクレオチドを含む。本方法は、リンカー、アダプター、またはスペーサーDNA分子を使用することなく実施され得る。本方法では、リガーゼ連鎖反応は、変性、アニーリング、およびライゲーションの少なくとも5回のサイクルを有することができる。任意の実施形態では、複数の短いオリゴヌクレオチドは、64個を超える短いオリゴヌクレオチドを有することができる。様々な実施形態では、混合物中のオリゴヌクレオチドの10%未満または1%未満は、20ヌクレオチド長よりも長いか、または30ヌクレオチド長よりも長い。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態の概略図である。一本鎖オリゴヌクレオチド、アニーリング、ライゲーション、および本方法でリガーゼによって結合された隣接オリゴを含む、本方法の態様が示される。任意選択的なさらなるアセンブリおよび/または増幅も示される。
【
図2】240bpの産物の形成を示すアガロースゲルの図である。14×8merの7つの重複するセットから240bpの産物をアセンブルした結果が示される。
【
図3】16merプールからのGFPを901bpのGFP配列にアセンブルした結果を示すアガロースゲルの図である。レーン1は、32×16merの6つのプールからの合成を示し、次いで、PCAおよびPCRのためにすべてが1つのプールに入れられる。レーン2は、64×16merの2つのサブプールからの合成を示し、次いで、LCRのために1つのプールに入れる。LCRに続いて、PCAおよびPCRを行った(LCR->PCA->PCR)。
【
図4A】
図4Aは、1927bpおよび1609bpをアセンブルした結果を示すアガロースゲルの図である。30merおよび40merプールからのHAおよびNA(それぞれ)。レーン1:16merのサブプールを用いたLCRによるアセンブリであり、各サブプールは、隣りのサブプールと重複する(128bp)64個の16merオリゴを含有する。レーン2は、すべての16merを用いたLCRを示す。レーン3:すべての30merを用いたLCR。レーン4:すべての40merを用いたLCR。プロトコルは、実施例1に示されるとおりであった。
【
図4B】
図4Bは、LCR、続いてPCAおよびPCRを使用した、8つの16merおよび4つの16merのプールからのHAおよびNAのアセンブリの希釈を示すアガロースゲルの図である。LCRの希釈1~4は、2.5倍、5倍、10倍、および20倍である。
【
図5】LCR、続いてPCAおよびPCR増幅による、16merの26個の重複するプールからアセンブルした10kbのDNA産物のアセンブリを示すゲルを示す。
【
図6】各々が1つのプールにアセンブルした16mer、18mer、または22merからの可変GC含有率の32個の構築物をアセンブルした結果を示す、アガロースゲルの図である。各ゲルの列1~8は、各ゲル上の列1~8に従ってアセンブルした構築物のサイズを示す:1.200bp、2.400bp、3.600bp、4.800bp、5.1000bp、6.1200bp、7.1500bp、8.1800bp。実施例1のプロトコルに従って、オリゴをLCR-PCA-PCRに供した。
【
図7】16mer、18mer、および22merについての、エラー率およびエラーのないアセンブルした構築物のパーセントを示す表および2つの棒グラフである表およびグラフ図である。ERは、エラー率を示し、%EFCは、得られたエラーのない構築物のパーセントを示す。11,000塩基対において1の全エラー率が、16merで達成され、エラーのない構築物のパーセントは、88~97%で変動した。
【発明を実施するための形態】
【0011】
発明の詳細な説明
本発明は、所望の配列を有するDNA分子をアセンブルする方法を提供する。本方法は、DNAリガーゼを、アセンブルされるDNA分子の少なくとも一部分を構成する複数の短いオリゴヌクレオチドと接触させて、それによって、混合物中にポリヌクレオチドまたはDNA断片のセットを生成することを含む。前記複数の中のオリゴヌクレオチドの少なくとも一部分は、前記複数の中の少なくとも1つの他のオリゴヌクレオチドの配列と重複し、かつそれに相補的であり、前記複数の中のオリゴヌクレオチドの少なくとも50%は、8~22ヌクレオチド長であり得る。形成された混合物は、DNAポリメラーゼおよびdNTPと接触し、任意選択的に、DNA断片のセットを結合するためにDNAアセンブリ反応(例えば、OSOSまたはPCA)に供され、それによって、ポリメラーゼ連鎖アセンブリによって所望の配列を有するDNA分子を作ることができる。したがって、本方法は、階層的DNAアセンブリ方法に適用され得る。複数のオリゴヌクレオチドは、リガーゼ連鎖反応を使用して結合され得、DNA断片は、ポリメラーゼサイクリングアセンブリ(PCA)および/またはOSOSアセンブリを使用してアセンブルされ、任意選択的に、PCRまたは別のDNA増幅手順を使用して増幅されることができる。
【0012】
より大きいDNA片を形成し、それによって合成を最適化する能力を最大化するために、ポリヌクレオチドおよびDNA断片の合成は、合成においてより長いオリゴヌクレオチドを使用することに焦点を当ててきた。より長いオリゴヌクレオチドは、反復領域にわたり、かつPCRおよび他のDNAアセンブリまたは増幅反応におけるより高い融解温度(Tm)に起因してアセンブリ反応においてより高い特異性をもたらす能力がより高いため、有益であると考えられてきた。次いで、これらのプロセスによって産生されたオリゴヌクレオチドまたはDNA断片は、エラー訂正酵素(例えば、ミスマッチエンドヌクレアーゼ)を使用したエラー訂正に供され、エラーを除去し、所望のDNA配列の精度を高める。エラー訂正後、DNA断片は、次いで、DNA増幅手順を使用して、アセンブリングおよび/または増幅することができる。
【0013】
リガーゼ連鎖反応(LCR)は、溶液中のオリゴヌクレオチドをアニールするための十分な機会を提供するために、より長いオリゴヌクレオチドを必要とすると考えられてきたが、本発明者らは、リガーゼ連鎖反応が本明細書に開示されるような短いオリゴヌクレオチド上で実施された場合、産物DNA配列においてより大きい配列忠実度が得られることを予想外に発見した。配列忠実度の上昇は、驚くべきことに、エラー訂正工程、例えば、エラー訂正酵素を使用して、ミスマッチヌクレオチド対を訂正し、より高い配列忠実度を達成する工程を実施する必要性を排除するほどに十分である。本発明者らはまた、リガーゼ連鎖反応が溶液中の短いオリゴヌクレオチド上で実施された場合、記載された利点が得られ得ることを発見した。任意の実施形態では、本方法は、任意の種類の制限酵素(例えば、制限エンドヌクレアーゼ)を使用することなく実施され得る。任意の実施形態では、本方法は、完全にインビトロで、すなわち、クローニングを使用することなく、または生きている生物内の核酸をクローニングする必要なく行われ得る。任意の実施形態では、本方法は、溶液中で、すなわち、本方法(またはその任意の工程)におけるオリゴヌクレオチド(もしくは形成ポリヌクレオチドの任意の部分)または反応成分のいずれも、DNAチップ、ビーズ、表面、または他の固相に結合することもそれらの上に固定化されることもなく、行われ得る。したがって、いくつかの実施形態では、形成されたオリゴヌクレオチドまたはDNA断片全体が溶液中にあり、すなわち、出発オリゴヌクレオチドまたはシードオリゴヌクレオチド(例えば、ポリヌクレオチド鎖の末端を表す)でさえ、本方法の任意の時点で固体支持体に結合していない。したがって、本方法は、自動合成に非常に好適であり、高い忠実度の産物DNAの高い収率をもたらす。実施形態のいずれも、反応成分が固相上に固定化されないように行われ得る。
【0014】
ライゲーションは、共有結合においてポリヌクレオチド配列同士を共有結合的に結びつけて単一の配列を形成することを指す。リガーゼは、第1のオリゴの5’-P末端と第2のオリゴの3’-OH末端との間の共有ホスホジエステル結合の形成を触媒することができる。第1および第2のオリゴのいずれかまたは両方は、相補鎖にアニールされ得、5’-Pおよび3’-OHを有するヌクレオチドは、リガーゼによって作用した場合、互いに隣りに位置することができる。他の実施形態では、ライゲーションは、例えば、化学的手段を使用して、オリゴ同士を共有結合的に結びつける他の手段も包含することができる。オリゴという用語は、本明細書において、オリゴヌクレオチドを示すために使用される。
【0015】
方法
本方法は概して、本明細書に記載される任意の長さの複数の短いオリゴヌクレオチドを含有する1つ以上のプールを提供することを含む。いくつかの実施形態では、短いオリゴヌクレオチドをキナーゼで処理して、5’リン酸基を付加することができるが、5’リン酸基はまた、化学的なオリゴ合成中に、または合成反応(例えば、LCR)と同時に付加することもできる。したがって、短いオリゴヌクレオチドは、短いオリゴヌクレオチドとDNAリガーゼの接触の前もしくはそれと同時に、またはLCRの前もしくは後に、キナーゼと接触することができる。いくつかの実施形態では、反応は、任意選択的に、初期オリゴまたは短いオリゴを一緒にライゲーションし、したがって、より大きいオリゴまたはDNA断片を形成するために、サーマルサイクラー上で行われ得る。一実施形態では、これは、複数の短いオリゴヌクレオチドをリガーゼサイクリング反応(LCR)に供することによって行われ得る。次いで、得られたDNA断片(またはより大きいオリゴ)は、さらなるアセンブリおよび/または増幅反応に供されて、より大きいDNA分子を構築するか、またはそれらの量を増幅させることができる。ポリヌクレオチドという用語は、ヌクレオチド単位から構成されたポリマーを指す。オリゴヌクレオチドという用語は、最大30個のヌクレオチドを有するポリヌクレオチドを指す。DNA断片は、30個を超えるヌクレオチドを有するポリヌクレオチドを指す。
【0016】
短いオリゴは、DNA断片またはより長いオリゴヌクレオチドへの合成のために、プールまたはセットで提供され得る。任意の実施形態では、短いオリゴは、化学合成方法を使用して合成され得る。セットは、結合されてより長いオリゴヌクレオチド分子になるオリゴのすべてを含み、より長いオリゴヌクレオチド分子は、次いで、より大きいDNA断片またはオリゴヌクレオチドを作製するためにさらに組み合わされてもよい。セットは、重複オリゴを有する単一のプールに含まれ得るか、またはより長いオリゴヌクレオチドを形成するための方法において組み合わされる2つ以上のプールに含まれ得る。1つ以上のプール中の短いオリゴは、セットを構成することができ、セット中のオリゴは、セット中の少なくとも1つの他のオリゴの少なくとも一部分、またはプールもしくはセット中の2つのオリゴ、またはプールもしくはセット中の2つを超えるオリゴと重複し、かつそれらに相補的であり得る(ワトソン-クリック塩基対形成の観点から)。一実施形態では、オリゴは、複数のセットで提供され得、各セットは、2つのプールに含まれる。異なる実施形態では、オリゴは、単一のプールに、または2つのプールを組み合わせることによってアセンブルすることができる。2つのプールは、組み合わされ、LCR、ならびに任意選択的にPCAおよび/またはOSOSおよび/またはPCRに供され得、それによって、より長いオリゴヌクレオチドまたはDNA断片が産生され得る。次いで、オリゴまたはDNA断片の1つ以上のプールもまた、LCR、ならびに任意選択的にOSOSおよび/またはPCAおよび/またはPCRに供され得る。したがって、階層的アセンブリを実施して、定義され、かつ所望の配列を有する産物DNA分子に達することができる。定義されかつ所望の配列は、本方法を開始する前に決定された特定のかつ予め定義された配列であり得、短いオリゴヌクレオチドは、本方法において特定の定義されかつ所望の配列を産生するように設計され得る。
【0017】
短いオリゴは一緒に、アセンブルされかつ所望の配列を有するDNA分子の配列の少なくとも一部分を構成することができる。本方法は、所望の数のプールを使用して実施され得る。様々な実施形態では、本明細書に記載されるサイズの短いオリゴの1つのプール、または2つのプール、または2つを超えるプール、または4つを超えるプール、または8つを超えるプール、または20個を超えるプール、または25個を超えるプールが利用され得る。様々な実施形態では、プールは、少なくとも8つの短いオリゴ、または少なくとも16個の短いオリゴ、または少なくとも32個の短いオリゴ、または少なくとも64個の短いオリゴ、または8~32個の短いオリゴ、または8~64個の短いオリゴを含有することができる。様々な実施形態では、ポリエチレングリコール、もしくはグリセロール、もしくはベタイン、もしくはソルビトール、またはそれらのいずれかの組み合わせが、LCRに供される混合物、またはPCAおよび/もしくはOSOSおよび/もしくはPCRに供される混合物に添加されて、所望の配列のDNA分子をアセンブルすることができる。
【0018】
本発明の方法は、所望の配列を有するDNA分子をスカーレスDNA分子としてアセンブルすることができる。スカーレスDNAとは、DNA合成プロセスによってもしくはそれから導入されたいかなるヌクレオチド(例えば、リンカー分子からの残留ヌクレオチド)も有しないDNAを意味するか、または産物DNAが、元の短いオリゴヌクレオチドのうちの1つに存在しなかったいかなる存在するヌクレオチドも有しないこと、例えば、産物DNAが、2つのオリゴヌクレオチドが結合された結合部に存在するいかなるそのようなヌクレオチドも有しないことを意味する。所望の配列のスカーレスDNA分子は、天然配列、合成配列に対応し得るか、または操作された配列であり得る。本方法はまた、短いオリゴヌクレオチドのすべてが溶液中に存在する反応、すなわち、いくつかの実施形態では、組み合わされるオリゴヌクレオチドのいずれも、固相(例えば、DNAチップ、ビーズ、またはマイクロアレイ)上に存在しないか、またはそれに付着していない反応において、短いオリゴヌクレオチドを結合することができる。いくつかの実施形態では、リガーゼ連鎖反応は、反応におけるすべてのオリゴヌクレオチドが溶液中に存在するオリゴヌクレオチド、またはアニールする任意の2つのオリゴのいずれも固相もしくは固体支持体上に存在しないか、もしくはそれらに付着していないオリゴヌクレオチドに対して実施される。本方法はまた、所望の配列のオリゴまたはDNA断片および/またはDNA分子を同時にアセンブルすることができ、すなわち、単一の反応が、オリゴヌクレオチドをより長いオリゴまたはDNA断片にアセンブルする。したがって、同時のアセンブリは、オリゴヌクレオチドが順次にアセンブルされる方法、すなわち、オリゴが順次に成長二本鎖または成長鎖の末端に付加されるように、第2のオリゴが第1のオリゴにアニールされ、次いで、第3のオリゴが第2のオリゴにアニールされるなどの方法とは区別される。同時の反応において、より長いオリゴもしくはDNA断片、または産物DNA分子を形成するオリゴのすべてが、同時に溶液中に存在する。また、溶液中に同時に存在する複数のオリゴ(またはすべてのオリゴ)は、反応に関与し、アニールし、リガーゼによって結合される。同時の反応はまた、一段階反応であり得る。任意の実施形態では、本方法は、制限酵素または制限エンドヌクレアーゼを使用することなく実施され得、DNA分子が合成され得る。任意の実施形態では、所望の配列のDNA分子は、環状DNAではない。任意の実施形態では、所望の配列のDNA分子は、任意選択的に、ベクターDNAではない。
【0019】
任意の実施形態では、本方法は、リンカーまたはスペーサー配列またはオリゴを使用しない。リンカーまたはアダプターDNAまたは配列は、他のDNAまたはオリゴヌクレオチド分子の末端にライゲーションされ得る短いオリゴヌクレオチドであり得る。リンカー、アダプター、またはスペーサー分子または配列を使用して、固体支持体からのポリヌクレオチドの放出をもたらすか、またはポリヌクレオチドを固体支持体に連結もしくは係留することもできる。これらの分子または配列は、ライゲーションを可能にする粘着末端および/またはオーバーハングを提供することができる。リンカー、アダプター、またはスペーサーDNA配列はまた、例えば、制限部位、認識部位(例えば、ニッキングエンドヌクレアーゼの場合)、ポリU配列を含むことができるか、または1つ以上のウラシル残基を有する配列であり得る。リンカー、アダプター、またはスペーサーDNAまたは配列は、本方法でアセンブルした所望の配列のDNA分子に見られない任意のヌクレオチドまたはヌクレオチド配列である。本方法の任意の実施形態では、本方法で使用されるオリゴヌクレオチドのいずれも、リンカー、アダプター、またはスペーサー配列を含まない。任意の実施形態では、本方法は、リンカー、アダプター、またはスペーサーDNAまたは配列の使用を伴わない。これは、本方法のさらなる利点であり、本方法を自動化により好適なものにする。
【0020】
本方法によってアセンブルされ、かつ所望の配列を有するDNA分子は、任意のDNA分子であり得る。様々な実施形態では、所望の配列を有するDNA分子は、長さが100~5,000bp、または長さが100~10,000bp、または長さが5,000~10,000bp、または長さが5,000~15,000bp、または長さが10,000~15,000bp、または長さが10,000~20,000bp、または長さが10,000~25,000bp、または長さが1kb超、もしくは2kb超、もしくは3kb超、もしくは5kb超、または長さが10kb超、または長さが15kb超、または長さが20kb超である。
【0021】
エラー率
本発明の方法は、2,000塩基対当たり1エラー未満、または5,000塩基対当たり1エラー未満、または7,500bp当たり1エラー未満、または10,000bp当たり1エラー未満、または11,000bp当たり1エラー未満、または12,000bp当たり1エラー未満、または13,000bp当たり1エラー未満、または14,000bp当たり1エラー未満、または15,000bp当たり1エラー未満、または16,000bp当たり1エラー未満、または17,000bp当たり1エラー未満、または20,000bp当たり1エラー未満、または25,000bp当たり1エラー未満のエラー率を有する、所望の配列のDNA分子を産生することができる。任意の実施形態では、本方法は、エラー訂正酵素を使用することなく、本明細書に記載される非常に低いエラー率を有するDNA分子の産生を可能にする。エラー訂正酵素は、DNA合成におけるエラーを訂正するために利用される酵素である。一実施形態では、エラー訂正酵素は、二本鎖DNA分子中のミスマッチを特定することができ、ミスマッチの結果として二本鎖切断を開始することができる。二本鎖切断は、ミスマッチの部位またはその付近であり得る。ミスマッチは、同じまたは他の酵素(例えば、エキソヌクレアーゼ)によって切り取られ得、DNAは、配列エラーなしに、かつ正しい配列で再アセンブルされる。エラー訂正酵素の一例は、当業者に既知のミスマッチエンドヌクレアーゼ(例えば、CEL Iおよび/またはCEL II)である。エラー訂正酵素の他の(非限定的な)例としては、マングビーンエンドヌクレアーゼ、T7エンドヌクレアーゼI、およびエンドヌクレアーゼVのいずれか1つ以上が挙げられる。
【0022】
オリゴ
本方法の様々な実施形態では、DNAリガーゼは、DNA分子の所望の配列の少なくとも一部分を有する複数の短いオリゴヌクレオチドと接触して、混合物を形成する。本方法で使用される複数の初期オリゴまたは短いオリゴは、2~250、または2~100、または6~30ヌクレオチド(nt)長であり得るが、長さが6~10nt、または6~12nt、または6~13nt、または6~14nt、または6~15nt、または6~17nt、または6~18nt、または6~19nt、または6~20nt、または6~22nt、または6~25nt、または6~30nt、または6~35nt、または5~16nt、または5~17nt、または5~18nt、または5~19nt、または7~10nt、または7~12nt、または7~15nt、または7~17nt、または7~18nt、または7~19nt、または7~20nt、または7~25nt、または7~30nt、または7~35nt、または8~12nt、または8~15nt、または8~17nt、または8~18nt、または8~19nt、または8~20nt、または8~21nt、または8~22nt、または8~25nt、または8~30nt、または8~35nt、または10~22nt、または16~18nt、または15~19nt、または14~20nt、または18nt未満、または17nt未満、または16nt未満、または15nt未満、または12nt未満でもあり得る。初期オリゴまたは短いオリゴは、1つ以上のオリゴプールに含まれ得る。様々な実施形態では、各オリゴプールもしくはセット中(またはDNAリガーゼと接触している混合物中)の初期オリゴまたは短いオリゴの少なくとも25%、または少なくとも30%、または少なくとも40%、または少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも97%は、本明細書に記載されるいずれかのサイズ範囲内であり得る。任意の実施形態では、プール中のまたはDNAリガーゼと接触しているオリゴは、例えば、3nt、または4nt、または5nt、または6nt、または7nt、または8nt、または9nt、または10nt、または10nt超、またはオリゴの長さの約2分の1(これは、端数を切り上げもしくは切り捨てられ得るか、または任意選択的に、2分の1の長さの1nt、2nt、もしくは3nt以内であり得る)、重複することができる。したがって、いくつかの実施形態では、オリゴは、8merであり、少なくとも部分的に相補的な8merおよび4ntの重複を有するか、またはオリゴは、16merであり、少なくとも部分的に相補的なオリゴヌクレオチドと8ntの重複を有する。他の実施形態では、複数の短いオリゴヌクレオチド中の短いオリゴは、少なくとも3nt、または少なくとも4nt、または少なくとも5nt、または少なくとも6nt、または少なくとも7nt、または少なくとも8nt、または少なくとも9nt重複する。別の実施形態では、複数の中の短いオリゴは、重複オリゴのうちのより短い方の長さの約2分の1重複することができ、例えば、16merは、8nt重複することができる。異なる長さの短いオリゴが使用される場合、それらは、重複オリゴのうちのより短い方の長さの2分の1重複することができる。任意の実施形態では、DNAリガーゼおよび初期オリゴもしくは短いオリゴの混合物中(またはリガーゼ連鎖反応を実施するためのプール中)の短いオリゴの10%未満、または、5%未満、または3%未満、または1%未満は、30nt、または29nt、または25nt、または22nt、または20nt、または18nt、または17nt、または16ntよりも長い。
【0023】
いくつかの実施形態では、サイズの混合が使用され得る。様々な実施形態では、各プール中のオリゴは、記載されるパーセンテージ量のいずれかで存在する、記載される長さ範囲のいずれかのものであり得る。任意の実施形態では、短いまたは長いオリゴは、5’リン酸化され得る。5’リン酸化はまた、リガーゼ連鎖反応工程の前に行われ得るオリゴと好適なキナーゼとの接触によって達成され得る。オリゴはまた、5’-Pで予め合成され得る。しかし、5’リン酸化オリゴヌクレオチドを提供する任意の方法が使用され得る。一実施形態では、キナーゼは、T4ポリヌクレオチドキナーゼ(T4PNK)であり得るが、任意の適切なキナーゼが使用され得る。
【0024】
本方法またはDNAアセンブリ反応の任意の実施形態では、DNAリガーゼおよび複数の短いオリゴヌクレオチドの混合物中に、16ntよりも長い、もしくは22ntよりも長い、もしくは25ntよりも長い、もしくは30ntよりも長い長さを有する核酸が存在することができないか、または混合物中のオリゴヌクレオチドの10%未満、もしくは5%未満、もしくは3%未満、もしくは1%未満(モル量またはオリゴ数で)が、22ntもしくは25ntもしくは30ntよりも長い長さを有する。
【0025】
様々な実施形態では、本方法は、1つ以上のプール中のオリゴを利用することができる。様々な実施形態では、プールまたはセットは、2~250個、または2~150個、または2~125個の短いオリゴを含有することができ、これらは、オリゴプールにおいて、またはプールの対において組み合わされ得る。他の実施形態では、8~250個、または8~150個、または8~125個の短いオリゴは、プールまたはセットに含まれ、本方法を開始するために使用され得る。より多くの実施形態では、複数の短いオリゴは、少なくとも15個のオリゴ、または少なくとも20個のオリゴ、または少なくとも50個のオリゴ、または64個超のオリゴ、または65個超のオリゴ、または少なくとも75個のオリゴ、または少なくとも100個のオリゴ、または15~250個のオリゴ、または20~250個のオリゴ、または30~250個のオリゴ、または40~250個のオリゴ、または50~250個のオリゴ、または20~200個のオリゴ、または30~200個のオリゴ、または40~200個のオリゴ、または50~200個のオリゴ、または15~150個のオリゴ、または20~150個のオリゴ、または30~150個のオリゴ、または40~150個のオリゴ、または50~150個のオリゴである1つ以上のプールサイズまたはセットサイズを構成することができる。
【0026】
本方法において、オリゴヌクレオチドは、一緒に存在して混合物を形成することができる。混合物は、好適な緩衝液中にオリゴを含有することができ、オリゴは、混合物中の相補的オリゴにアニールすることができる。いくつかの実施形態では、重複は、オリゴの長さの約2分の1である。したがって、16ntのオリゴは、混合物中の別のオリゴと8nt重複することができる。他の実施形態では、重複は、オリゴの長さの2分の1よりも大きくてもまたは小さくてもよく、例えば、重複は、オリゴの長さの2分の1プラスまたはマイナス1、または2、または3、または4、または5ntであり得る。
【0027】
複数の短いオリゴ(またはDNA断片のセット)は、マッピングされ、互いのすぐそば配置された場合、アセンブルされかつ所望の配列を有する産物DNA分子の配列の少なくとも一部分(または配列全体)を構成することができる。いくつかの実施形態では、短いオリゴヌクレオチドの少なくとも一部分は、前記複数の中の少なくとも1つの他の短いオリゴヌクレオチドの配列の一部分と重複し、かつそれに相補的である。複数のオリゴは、1つ以上のプールに分割されて、オリゴセットを構成することができる。いくつかの実施形態では、前記複数の中の短いオリゴヌクレオチドは、1つの他の短いオリゴヌクレオチドのみと重複することができる末端(短い)オリゴヌクレオチドを除いて、前記複数の中の2つの他の短いオリゴヌクレオチドと重複する。末端の短いオリゴヌクレオチドは、アセンブルされる産物核酸分子の5’および3’末端を含む(または存在する場合、フランキング配列の5’および3’末端を含む)ものである。任意選択的に、末端の短いオリゴは、任意のフランキング配列の一部ではない。
【0028】
短いオリゴは、本明細書に列挙される任意の長さを有することができるが、様々な実施形態では、短いオリゴヌクレオチドの少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%が、2つの他の短いオリゴヌクレオチドと重複する。
図1に示されるように、短いオリゴヌクレオチドのうちの少なくとも2つは、それらの相補配列に結合したときに互いに隣接し、隣接しているオリゴは、相補配列に結合しており、第1のオリゴの5’ヌクレオチドは、第2のオリゴの3’ヌクレオチドに結合しているヌクレオチドの隣りの相補配列上のヌクレオチドに結合しているか、またはその逆であり、すなわち、第1および第2のオリゴは、互いに隣接または隣り合っている。任意の実施形態では、結合は、ワトソン-クリック塩基対形成、または塩基対間の水素結合によるものを指すことができる。短いオリゴヌクレオチドが相補配列にアニールされ、互いに隣接する場合、それらは、DNAリガーゼによって共有結合的にライゲーションされ得る。第1のオリゴの5’-Pは、リガーゼによって第2のオリゴの3’-OHにライゲーションされ得る。いくつかの実施形態では、重複は、隣りのオリゴに結合されているオリゴの長さの約半分を構成する(例えば、16merは、1つまたは2つの隣りのオリゴと8bpの重複を有することができる)。いくつかの実施形態では、短いオリゴヌクレオチドの少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも90%は、混合物中の相補オリゴ配列に結合することができ、3つのオリゴヌクレオチドのうちの2つは、そのように結合したときに互いに隣接する。
【0029】
いくつかの実施形態では、DNAリガーゼは、複数の初期オリゴもしくは短いオリゴ(またはDNA断片のセット)と接触して、混合物を作ることができる。使用され得るDNAリガーゼの例としては、T4 DNAリガーゼ(バクテリオファージT4由来)が挙げられるが、1つのアニールされたオリゴヌクレオチドの3’ヒドロキシル末端および直接的に隣り合うアニールされたオリゴの5’リン酸末端の間の共有ホスホジエステル結合の形成を触媒し、それによって、オリゴヌクレオチドを結合して、共有結合およびより長いオリゴヌクレオチドまたは二本鎖DNA断片をもたらす、任意の好適なDNAリガーゼが使用され得る。DNAリガーゼのさらなる例としては、T3 DNAリガーゼ、T7 DNAリガーゼ、Taq DNAリガーゼ、および9°N(商標)DNAリガーゼが挙げられる(しかし、これらに限定されない)。いくつかの実施形態では、DNAリガーゼは、熱安定性DNAリガーゼであり得、すなわち、70℃を超える温度で安定し得るが、他の実施形態では、熱安定性リガーゼは、90℃を超える、または93℃を超える、または94℃を超える、または90~100℃の温度で、かつ少なくとも30秒、または少なくとも60秒、または30~60秒から少なくとも30分~少なくとも60分から選択される任意の期間、安定し得る。熱安定性DNAリガーゼはまた、少なくとも70℃、または85℃の温度に、20分、30分、または1時間曝露した後に活性のままであり得る。様々な実施形態では、接触は、ATPおよび/もしくはNADを含むことができるか、または特定のリガーゼについての他の補因子もしくは要件が使用され得る。
【0030】
所望の配列のDNA分子は、任意の配列を有することができる。任意の実施形態では、本方法は、配列非依存性であり得、これは、本方法が機能し、所望の配列のDNA分子を産生するために存在しなければならない特定の必要な配列がないことを意味する。様々な実施形態では、本方法で合成される所望の配列のDNA分子は、少なくとも20bp、または少なくとも30bp、または少なくとも40bp、または少なくとも60bp、または40~60bp、または20~100bpであり得る。本方法は、階層的アセンブリを適用することができるため、任意のサイズ、例えば、1kbよりも大きい、または1~3kb、または10kbよりも大きい、または1~10kb、または1~12kbのうちの1つの所望の配列のDNA分子が、本方法でアセンブルすることができる。所望の配列のDNA分子はまた、フランキング配列、例えば、UTR、プロモーター、イントロン、またはフランキング相同配列を含むことができる。様々な実施形態では、所望の配列のDNA分子は、少なくとも30%、または少なくとも40%、または少なくとも50%、または少なくとも60%、または30~60%のGC含有率を有することができる。
【0031】
リガーゼ連鎖反応
リガーゼ連鎖反応(LCR)(リガーゼサイクリング反応とも呼ばれる)は、DNAアセンブリの方法であり、任意選択的に、後続のポリヌクレオチドアセンブリ反応(例えば、PCA、OSOS、または重複伸長PCR(OE-PCR))およびDNA産物の増幅(例えば、PCRによる)と組み合わされ得る。LCRは、変性、アニーリング、および反応工程における隣接しているオリゴヌクレオチドのリガーゼによるライゲーションの工程を含み、これらは、循環し、したがって繰り返され得る。LCRにおいて、DNAリガーゼは、第1および第2の隣接オリゴと接触し、第1および第2の隣接オリゴは、第1および第2のオリゴヌクレオチドのうちの少なくとも一方(または両方)の一部分に相補的でありかつそれに重複する配列を有する第3のオリゴにアニールされる(
図1)。第1のオリゴの5’末端のヌクレオチドは、DNAリガーゼによって、第2のオリゴの3’末端のヌクレオチドにライゲーションされ得る。第1のオリゴの5’末端のヌクレオチドはリン酸化され、第2のオリゴの3’末端のヌクレオチドは3’-OHを有し、それによって、隣接している第1および第2のオリゴ上のリガーゼに5’-Pおよび3’-OH基質を提供することができる。ライゲーションされたオリゴ(ここで、より長いオリゴヌクレオチド)および(相補的な)第3のオリゴは、ここで変性することができ、サイクルは、繰り返され得る。様々な実施形態では、変性、アニーリング、およびライゲーションの少なくとも2回、または少なくとも5回、または少なくとも10回、または少なくとも15回のサイクル、または少なくとも20回のサイクル、または少なくとも25回のサイクルが、LCRプロトコルで行われ得る。したがって、LCRは、DNAリガーゼを3つ以上のポリヌクレオチドと接触させて混合物を形成することと、第1および第2のポリヌクレオチドが、第1および第2のポリヌクレオチドのうちの一方または両方に相補的な配列を有する第3の(相補的な)ポリヌクレオチドにアニールされながら、互いに隣接するように、ポリヌクレオチドをアニールすることと、第1のポリヌクレオチドと第2のポリヌクレオチドとの間でライゲーションを実施して、核酸産物をもたらすことと、を含むことができる。次いで、ポリヌクレオチドは、任意選択的に、変性およびアニーリングに供され、プロセスは、任意選択的に繰り返され得る。
【0032】
LCRに続いて、熱安定性DNAポリメラーゼ(例えば、Taqポリメラーゼ)を利用して、成功したライゲーション、例えば、PCA、OSOS、OE-PCR、もしくはPCRプロトコル(またはそれらのいずれかの組み合わせおよび変形)から生じるオリゴをアセンブルまたは増幅させる、DNAアセンブリおよび/または増幅手順が行われ得る。異なる実施形態では、LCRは、プライマーの有無にかかわらず実施され得る。本発明において、LCR、PCA、OSOS、またはOE-PCRは、本明細書に記載される任意のサイズの短いオリゴ、例えば(これらに限定されないが)、長さが30ヌクレオチド未満、もしくは22ヌクレオチド未満、もしくは20ヌクレオチド未満、もしくは15ヌクレオチド未満、もしくは12ヌクレオチド未満のオリゴ、または6ヌクレオチドよりも大きい、もしくは12ヌクレオチドよりも大きい、もしくは13ヌクレオチドよりも大きい短いオリゴ、または19ヌクレオチド、もしくは18ヌクレオチド、もしくは16ヌクレオチド、もしくは16ヌクレオチド未満、もしくは8~18ヌクレオチド、もしくは8~17ヌクレオチド、もしくは8~16ヌクレオチド、もしくは8~15ヌクレオチドのオリゴに対して実施され得る。いくつかの実施形態では、これらの反応のいずれかはまた、より長い相補配列を含むことができ、これは、いくつかの実施形態では、混合物中の短いオリゴの2~4倍の長さであり得る。しかし、本明細書に記載されるオリゴの長さのいずれも、LCRまたは他のDNAアセンブリおよび/もしくは増幅反応において利用され得る。いくつかの実施形態では、アニーリングおよび/またはライゲーションは、ライゲーション反応に関与するオリゴのうちの一方または両方の融解温度またはその付近で、例えば、1℃、または2℃、または3℃、または5℃以内で実施され得る。様々な実施形態では、LCRは、少なくとも2つ、もしくは少なくとも3つ、もしくは少なくとも8つのオリゴ、または少なくとも16個のオリゴ、または少なくとも32個のオリゴ、または少なくとも64個のオリゴ、または8~32個のオリゴ、または8~64個のオリゴで行われ得、オリゴは、本明細書に記載される任意の長さを有することができる。LCRは、リガーゼがドナーの5’-Pをアクセプターオリゴの3’-OHと結合することができるように、ドナーオリゴヌクレオチドの5’-Pのリン酸化を含む(またはそれに先行する)ことができる。一実施形態では、リン酸化は、オリゴをキナーゼ、例えば、本明細書に記載される任意のキナーゼと接触させることによって実施される。いくつかの実施形態では、本方法は、等温で行われ、すなわち、温度は、オリゴヌクレオチドのアセンブリ順序を決定する勾配で変動しない。いくつかの実施形態では、LCRは、等温で行われ得る。様々な実施形態では、LCR、PCA、OSOS、およびPCRのいずれも、エキソヌクレアーゼを使用することなく行われ得る。
【0033】
LCR反応を簡単に説明すると、セット中のオリゴの熱分離または変性が生じる。次いで、温度が低下し、オリゴは、オリゴセット中のそれらの相補鎖にアニールする。オリゴは、結合される2つのオリゴが、各オリゴに対する相補配列を有する同じ相補鎖上で、互いに直接隣り合ってアニールし、互いに隣接するように設計される。第1のオリゴは、その5’末端ヌクレオチド上にリン酸基を有し、第2のオリゴは、その3’末端ヌクレオチド上に3’ヒドロキシルを有し、したがって、リガーゼに5’-Pおよび3’-OH基質を提供する。次いで、リガーゼは、隣接しているオリゴ同士を、相補鎖に結合した1つの(ここで、より大きい)ポリヌクレオチドに共有結合する。後続のサイクルにおいて、結合されたポリヌクレオチドは、次いで、熱分離され、再度、直接隣り合うオリゴのそばおよびそれに隣接して再度相補鎖に再アニールされ、リガーゼによって再び結合される。次いで、変性、アニーリング、およびライゲーションの1つ以上のさらなるサイクルが実施され得る。5’ヌクレオチドのリン酸化の工程が、任意選択的に含まれ得る。様々な実施形態では、少なくとも10回、または少なくとも15回、または少なくとも19回、または少なくとも20回のサイクル、または少なくとも25回のサイクルが、LCRプロトコルに含まれ得る。LCRは通常、二本鎖DNAを産生する。LCRプロトコルの一例が、実施例1に提供される。
【0034】
OSOS「ワンステップ-ワンショット」は、DNAポリメラーゼ、dNTP、および(任意選択的に)クラウディング剤を使用してDNAをアセンブルするためのPCRタイプの反応であり、(任意選択的に)重複オリゴヌクレオチドを増幅させて、核酸産物を形成することを含むことができる。これらの反応に関する詳細は、例えば、2014年10月16日に公開されたUS2014/0308710に見られ得、これは、参照により、すべての表、図、および特許請求の範囲を含むその全体が本明細書に組み込まれる。一例では、OSOSプロトコルは、実施例1に示される。しかしながら、本開示を用いる当業者は、プロトコルが、アセンブルされる特定の核酸に応じて変動および適合することができることを認識するであろう。このプロトコルにおいて、反応は、9回循環するが、他の実施形態では、少なくとも5回、または少なくとも10回、または少なくとも12回、または少なくとも15回、または少なくとも19回、または少なくとも20回、または少なくとも25回循環し得る。OSOSは、アニーリング段階、伸長段階、および変性段階の循環を伴う。OSOSにおいて、段階の任意の1つ以上は、時間変動段階であり得る。時間変動段階は、サイクル間で変動または変化する期間にわたって行われる段階である。サイクルの時間変動段階(例えば、プロトコルの工程5に示されるような時間変動伸長)は、前のサイクルの同じ段階と比較して、またはサイクルの第1のそのような段階と比較して、または本方法の第1のサイクルの段階と比較して、時間が増加または減少することができる。例えば、一実施形態では、各サイクルの伸長段階は、時間変動段階である。時間の変化は、約10秒/サイクル、または約12秒/サイクル、または約14秒/サイクル、または約15秒/サイクル、または約17秒/サイクル、または約20秒/サイクルの増加であり得る。いくつかの実施形態では、OSOSは、反応においてプライマーを用いて実施され、他の実施形態では、OSOSは、プライマーなしで実施され、プライマーは、任意選択的に、末端プライマーであり得る。プライマーまたは末端プライマーは、例えば、増幅も望ましい場合、使用され得る。様々な実施形態では、プライマーは、少なくとも3、または少なくとも4、または少なくとも5、または少なくとも6、または4~6、または4~8、または6~15ヌクレオチド長であり得る。任意の実施形態では、クラウディング剤は、ポリエチレングリコール(例えば、PEG 8000)であり得、これは、反応緩衝液中で0.0188%よりも大きい、または0.025%よりも大きい、または0.375%よりも大きい濃度で提供され得る。
【0035】
したがって、一実施形態では、OSOS反応は、重複オリゴヌクレオチドのセットから単一工程で核酸分子をアセンブルすることを含むことができる。反応は、アセンブリ混合物を形成するために、反応槽内で少なくとも5つの重複オリゴヌクレオチドのセットを、DNAポリメラーゼ、dNTPの混合物、および(任意選択的にクラウディング剤)と組み合わせる工程、アセンブリ混合物を少なくとも25回のサイクルに供する工程(各サイクルは、50℃~77℃で実施されるアニーリング段階、50℃~77℃で実施される伸長段階、および90℃を超で実施される変性段階を含む)、ならびにそれによって、単一工程で重複オリゴヌクレオチドのセットから核酸分子をアセンブルする工程、のうちの1つ以上の工程を含むことができる。
【0036】
ポリメラーゼサイクリングアセンブリ(PCA)は、当業者に既知であり、より短い断片からより大きい核酸分子をアセンブルするための方法である。PCAは、LCR反応の産物で実施され得る。DNAポリメラーゼが鋳型配列全体を埋めることを可能にすることができる順方向プライマーおよび逆方向プライマーがどのように存在するかと同様に、PCAは、同様の技術を使用するが、複数のオリゴヌクレオチドを用いる。PCAは、DNAハイブリダイゼーションおよびアニーリングを利用し、DNAポリメラーゼを使用して、相補配列を有する一本鎖オリゴ(またはオーバーハング)に基づいて、DNAの配列を正確な順序でアセンブルする。PCAは、オリゴヌクレオチドまたはDNA断片(任意選択的に、少なくとも30ヌクレオチドまたは少なくとも60ヌクレオチドのもの)を、より大きいDNA分子にアセンブルすることができる。アニーリング、伸長、および変性の段階を含むサイクリング反応を使用して、より大きいDNA分子がアセンブルされることができる。任意の実施形態では、PCA反応は、プライマー(例えば、末端プライマー)なしで行われ得る。しかし、いくつかの実施形態では、そのようなプライマーは、例えば、増幅が望ましい場合、PCAプロトコルで使用され得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、LCRで使用されるDNAリガーゼは、熱安定性リガーゼである。例えば、熱安定性DNAリガーゼが使用される場合、それは、T4 DNAリガーゼまたはTaqリガーゼであり得る。しかし、他のリガーゼ、例えば、Pfu DNAリガーゼ、またはその他も使用され得る。一実施形態では、熱安定性リガーゼは、少なくとも1時間、45℃を超える温度でその活性を維持することができる。いくつかの実施形態では、本方法で使用される熱安定性リガーゼは、任意選択的に少なくとも1時間、約45~65℃または45~80℃で活性である。いくつかの実施形態では、リガーゼは、65℃で少なくとも48時間の半減期、および/または95℃で1時間を超える半減期を有する。いくつかの実施形態では、リガーゼの活性は、NAD依存性であり、そのような場合、NADは、反応混合物中に存在する。「活性」とは、酵素を評価するために標準的な反応条件下で行われる反応の活性の少なくとも50%を意味する。
【0038】
いくつかの実施形態では、本方法で(または本方法で使用され得るLCR、PCA、OSOS、OE-PCR反応で)結合される複数またはセットのオリゴは、溶液中に存在し、すなわち、いくつかの実施形態では、複数またはセット中のオリゴのいずれも、オリゴのうちの1つ以上に結合するマイクロアレイ、DNAチップ、ビーズ、もしくは他の固体支持体上に固定化されていないか、もしくはそれらに結合しておらず、いかなる反応成分もまた、固定化されていないか、もしくはそれらに結合していない。一実施形態では、所望の配列のより長いオリゴまたはDNA断片またはDNA分子にアセンブルされる短いオリゴのすべてが、溶液中に存在する。本方法は、溶液中のオリゴヌクレオチドを使用して適用され得るため、それらは結果として、自動化に適している。
【0039】
リガーゼ連鎖反応によって産生されるより長いオリゴまたはDNA断片は、任意のDNAアセンブリ技術、例えば、OSOSおよび/またはポリメラーゼサイクリングアセンブリ(PCA)によってさらにアセンブルすることができる。様々な実施形態では、本明細書に開示されるLCR反応または本方法は、単一工程または一段階反応として行われ得、これは、反応成分が反応槽内に配置されると、反応が行われ、所望の配列のDNA分子が、槽を再び開ける必要なくアセンブルされ、任意選択的に、槽は、後続のDNAアセンブリ反応(例えば、PCAおよび/またはPCR反応)(使用された場合)の最中に開けられる必要がないことを意味する。任意の実施形態では、LCRに続いて、DNAアセンブリ反応(例えば、OSOS)が行われ得る。LCRに続いて、PCA反応も行われ得る。LCRに続いて、PCA反応、および任意選択的にDNAアセンブリ反応も行われ得る。実施形態のいずれにおいても、一連の反応に続いて、増幅のためのPCRが行われ得る。PCAおよび/またはPCRが使用される場合、短いオリゴヌクレオチドおよびDNAリガーゼは、混合物を形成することができ、LCRを実施した後、得られたより長いオリゴまたはDNA断片は、DNAポリメラーゼおよびdNTP、ならびに任意の他の必要な成分と接触して、より長いオリゴまたはDNA断片のセットを結合し、それによって所望の配列を有するDNA分子をアセンブルすることができる。
【0040】
例示的な実施形態
一実施形態では、所望の配列のDNA分子は、DNAリガーゼおよび短いオリゴヌクレオチドの混合物が、8~30または8~22ヌクレオチド長の2~250個の短いオリゴを含有する方法でアセンブルされる。一実施形態では、LCRに続いて、PCAおよびPCRが行われる。他の実施形態では、所望の配列のDNA分子は、8~30または8~22ヌクレオチド長の8~150個の短いオリゴからアセンブルされる。短いオリゴは、任意選択的に、混合物中に存在するポリヌクレオチドの少なくとも50%、または少なくとも75%、または少なくとも90%(モル比またはw/wで)を構成することができる。この実施形態では、本方法は、完全に溶液中で実施され得る。任意選択的に、混合物中に、30ヌクレオチド長よりも長いオリゴヌクレオチドは存在することができないが、任意選択的に、より長いオリゴヌクレオチドが存在することもでき、ここで、混合物中のオリゴヌクレオチドの10%未満、または5%未満、または3%未満、または1%未満(モル比で)が、30ntよりも長い長さを有する。特定の実施形態では、短いオリゴヌクレオチドは、8merもしくは16merであるか、または8~16ヌクレオチドの長さを有する。本明細書の任意の実施形態では、アセンブルされたDNA分子は、10,000ヌクレオチド当たり1エラー未満のエラー率を有することができる。実施形態のいずれにおいても、所望の配列のDNA分子は、少なくとも30%または30~60%のGC含有率を有することができる。
【0041】
一実施形態では、本方法は、混合物を形成するために、DNAリガーゼを8~22ヌクレオチド長の複数の短いオリゴと接触させることを含む。短いオリゴの少なくとも50%が、8~22ヌクレオチド長もしくは10~22ヌクレオチド長であり得るか、または任意選択的に、DNAリガーゼ混合物中の短いオリゴの少なくとも70%または少なくとも90%もしくは100%が、8~22もしくは10~22ヌクレオチド長であり得る。特定の実施形態では、短いオリゴは、8merもしくは16mer、または8~16ヌクレオチド長である。この実施形態では、本方法は、完全に溶液中で実施され得る。任意選択的に、22ヌクレオチド長よりも長いオリゴヌクレオチドは、混合物中に存在しないが、任意選択的に、少量のより長いポリヌクレオチド中に、より長いオリゴヌクレオチドが存在することもでき、例えば、混合物中のオリゴヌクレオチドの10%未満、または5%未満、または3%未満、または1%未満(オリゴ数で)が、20ntまたは22ntよりも長い長さを有する。特定の実施形態では、短いオリゴヌクレオチドは、8merもしくは16merであるか、または8~16ヌクレオチドの長さを有する。本明細書の任意の実施形態では、アセンブルされたDNA分子は、8,000または10,000ヌクレオチド当たり1エラー未満のエラー率を有することができる。
【0042】
別の実施形態では、本方法は、混合物または16~18ヌクレオチド長を形成するために、DNAリガーゼを14~20ヌクレオチド長の複数の短いオリゴと接触させることを含む。短いオリゴの少なくとも50%、または少なくとも75%、または少なくとも90%は、16~18ヌクレオチド長、または15~19ヌクレオチド長、または14~20ヌクレオチド長であり得る。特定の実施形態では、短いオリゴは、16mer、または17mer、または18merである。この実施形態では、本方法は、完全に溶液中で実施され得る。任意選択的に、20ヌクレオチド長よりも長いオリゴヌクレオチドは、混合物中に存在しないが、任意選択的に、少量のより長いポリヌクレオチド中に、より長いオリゴヌクレオチドが存在することもでき、例えば、混合物中のオリゴヌクレオチドの10%未満、または5%未満、または3%未満、または1%未満(オリゴ数で)が、20ntよりも長い長さを有する。本明細書の任意の実施形態では、アセンブルされたDNA分子は、8,000、または9,000、または10,000ヌクレオチド当たり1エラー未満のエラー率を有することができる。
【0043】
任意の実施形態では、所望の配列のDNA分子は、14×8merの重複セットから本方法でアセンブルされることができる。様々な数のセット、例えば、5つ、または7つ、または9つが使用され得る。
【0044】
一実施形態では、所望の配列のDNA分子は、32個のオリゴの6つのプール、または64個のオリゴの2つのプール、または111個のオリゴの1つのプールを含有する混合物から、本方法でアセンブルされる。LCRに続いて、任意選択的に、OSOSおよび/またはPCAおよび/またはPCRが行われる。
【0045】
一実施形態では、所望の配列のDNA分子は、65個超の短いオリゴヌクレオチドを含有する混合物から、本方法でアセンブルされる。
【0046】
本方法の任意の実施形態では、混合物は、短いオリゴの長さの約2分の1、例えば、長さの1~2ヌクレオチド以内、重複する短いオリゴヌクレオチドを含有することができる。例えば、本方法のいずれかの実施形態では、混合物は、8merであり4nt重複する、または16merであり8nt重複する、または3~5nt重複する8mer、または7~9nt重複する16merである、短いオリゴヌクレオチドを含有することができる。
【0047】
本方法のいずれかの実施形態では、LCRは、64個のオリゴ、または65個超のオリゴ、または65個超のオリゴで行われる。
【0048】
任意の実施形態では、LCRに続いて、時間変動段階を有するDNAアセンブリ反応(例えば、OSOS)が行われ得、時間変動段階は、伸長段階であり、伸長段階は、15秒/サイクル増加する。
【実施例】
【0049】
実施例1
本実施例は、約50%のGC含有率を有する無作為に生成された合成配列の240bpのDNA断片の合成を示す。4bpの重複を有するオリゴを含有する14個の8mer(14×8mer)の7つの重複プールを、T4 DNAリガーゼを使用してライゲーションして、60merの7つのプールを形成し、プールは、隣りのプール中のオリゴと重複する。LCR後、これらの60merの7つのプールを1つのプールに入れ、最終の240bpの産物をポリメラーゼ連鎖アセンブリ反応によってアセンブルした。240bpの産物は、
図2に示される。最終の240bpの産物についての96個のクローンのクローニングおよびサンガー配列決定を、平滑末端PCR産物のクローニングのためのZero Blunt(登録商標)PCR Cloning Kit(ThermoFisher、Waltham,MA)を使用した検証のために実施した(表1)。
【0050】
2つのプールを、流体を分配するための音響液体処理システムを使用して、25nlの体積で形成し、約30nM/オリゴの濃度にするために16μlに水を添加した。各16μlのプールに、1:1の比率のT4PNK混合物およびLCR混合物を含有する10μlのマスターミックスを添加し、十分に混合し、リン酸化、変性およびアニーリング、ならびにLCRのために、以下のプロトコルに従ってサーマルサイクラーにおいて約5時間インキュベートした。T4PNK混合物は、2μlの水、2μlの10×T4 DNAリガーゼ緩衝液、および1μlのT4PNKを含有した。LCR混合物は、1.5μlの水、2.5μlの10×Taqリガーゼ緩衝液、および1μlのTaqリガーゼを有した。T4PNK-LCRプロトコルは、以下のとおりであった。
1. 37℃ 30分
2. 98℃ 2分
3. 85℃ 2分、ランプ1℃/秒
4. 50℃ 5分、ランプ0.1℃/秒
5. 37℃ 5分
6. 95℃ 10秒
7. 85℃ 1分、ランプ1℃/秒
8. 55℃ 1分、ランプ1℃/秒
9. 50℃ 2分
10. 45℃ 5分
11. 6に移動、9回
12. 95℃ 10秒
13. 65℃ 5分
14. 55℃ 10分
15. 50℃ 5分
16. 45℃ 5分
17. 12に移動、19回
18. 50℃ 30分
19. 10℃ 0(永久)
【0051】
PNK-LCRプロトコル後、20μlのPCAミックス(プライマーなしのPhusion(登録商標)DNAポリメラーゼ(Finnzymes Oy、Vantaa,Finland)と50mMのTMAC(塩化テトラメチルアンモニウム)とのPCRミックス)を、上記のように、6μlのマスターミックスとともに各ウェルに添加した。以下のプロトコルを使用して、OSOS「ワンステップワンショット」(PCRタイプのプロトコル)の10回のサイクルを実施した。
1. 98℃ 1分
2. 98℃ 30秒
3. 68℃ 1分
4. 60℃ 1分
5. 55℃ 1分、15秒/サイクルを追加
6. 50℃ 1分
7. 2に移動、9回
8. 72℃ 5分
9. 10℃ 0(永久)
【0052】
20μlのPCRミックス(プライマーを含む)を、PCA反応を伴ってウェルの各々に添加した。PCRを以下のプロトコルを使用して実施した。
1. 98℃ 1分
2. 98℃ 30秒
3. 72℃ 45秒、15秒/サイクルを追加
4. 55℃ 1分、15秒/サイクルを追加
5. 2に移動、9回
6. 98℃ 30秒
7. 72℃ 4分
8. 65℃ 6分
9. 6に移動、19回
10. 72℃ 5分
11. 10℃ 0(永久)
【0053】
次いで、
図2に示される所望のDNA分子の形成の確認のために、産物をゲル上に充填した。
【0054】
【0055】
表1に示されるように、最終アセンブリのクローニングおよび配列決定確認は、14,400bpにおいて1の全エラー率を明らかにした。これは、(エラー訂正の酵素工程に曝露することなく)標準的な40merを使用して、合成DNA構築物中で得られるものよりも約14倍高い配列忠実度である。これにより、約95%のエラーのない分子のパーセント(%EFM)率がもたらされ、%EFMは、全体で配列決定された場合にエラーがないと予想される、1クローン当たりのコロニーのパーセントを説明する。
【0056】
実施例2
この実施例は、16mer、30mer、および40merからのGFP断片の合成を示す。使用されるプロトコルは、実施例1に提供されるものと同じである。最初に、短いオリゴヌクレオチド(16mer)のプールを使用して、GFPの901bpの配列を構築した。様々な数の16merを、Taqリガーゼを用いた様々な希釈で使用した。プールサイズは、32×16merの6つのプール、64×16merの2つのプール、および111×16merの1つのプールであった。T4ポリヌクレオチドキナーゼを使用してオリゴを5’リン酸化し、リガーゼ連鎖反応を使用してアセンブルし、続いてPCAおよびPCRを行って、DNA産物をアセンブルおよび増幅させた。
図3aに示されるように、すべてのプールサイズについてアセンブリが成功した。ゲル化を行い、アセンブリの確認が
図3aに提供される。
【0057】
得られたDNA分子の配列の確認のために、配列決定を実施した。アセンブルしたDNA分子のサブセットについて、8500bp当たり1エラーのエラー率が観察された。したがって、短いオリゴの非常に複雑な混合物が、LCRおよびPCA/PCRを含む方法を使用してアセンブルされることができることが実証された。比較のために、30merおよび40merを本方法で合成および使用して、LCRのために、30merおよび40merの単一プールからアセンブルしたGFPをアセンブルおよび増幅させた。LCRに続いて、OSOSおよびPCRを行った。本方法はまた、すべてのプールサイズをうまくアセンブルし、本方法の堅牢性を実証した。[得られたゲルは、
図3bに示される。]
【0058】
実施例3
本方法がより大きいDNA分子をアセンブルすることができることを実証するために、ベクター末端を有するインフルエンザHA(1927bp)およびNA(1609bp)核酸を、本方法を使用してアセンブルした。様々なプールシナリオを実施し、5つのサブプールに分割された16mer(各サブプールは、隣りのサブプールと重複する(128bp)64個のオリゴを含有する)、単一プールとしての16mer、単一プールとしての30mer、および単一プールとしての40merを含むDNA分子のアセンブルに成功した。アセンブルした核酸分子の配列決定確認は、HAおよびNAの92%および89%がエラーのない分子としてアセンブルされたことを示した。これは、HAおよびNA分子の37%および29%がエラーのない分子としてアセンブルされた、60merからの分子のアセンブリと比較された。得られたゲルは、
図4aに示される。
【0059】
実施例4
この実施例は、8×16merオリゴおよび4×16merを含む様々なプールシナリオの下で、16merを使用した3100bpのHAおよび2800bpのNA核酸構築物のアセンブリを示し、これらは、LCR、および続くポリメラーゼサイクリングアセンブリ(PCA)の工程、続くPCRの別の工程(すべて、実施例1のプロトコルに従って実施)を含む、開示された方法を使用して、特異的配列の所望のDNA分子のアセンブルに成功したことがわかった。結果は、
図4bに示される。
【0060】
実施例5
この実施例は、実施例1に示されるプロトコルを使用した最終アセンブリについて、LCR、続くPCAおよびPCRを使用した16merの26個の重複プールを使用した、バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)ゲノム配列の10kb部分のアセンブリを示す。
図5は、10kbの産物の形成を実証する。
【0061】
実施例6
この実施例は、本方法が他の方法よりも著しく高い配列忠実度を達成することを実証する。200bp~1800bpのサイズの範囲であり、様々な程度のGC含有率を有する32個のDNA構築物を、16mer、18mer、および22merからアセンブルした。GCパーセンテージは、30%、40%、50%、または60%であった(GC4パネル)。ゲルは、
図6に示される。
図6に示されるように、アセンブリは、堅牢であり、すべての小さいオリゴサイズおよびすべてのレベルのGC含有率でうまく実施された。
図7は、最高の配列忠実度が16merおよび18merから始まって得られたことを示す。
【国際調査報告】