(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-18
(54)【発明の名称】食感が改善されたマメタンパク質を含む組成物、その調製方法およびその使用
(51)【国際特許分類】
A23J 3/14 20060101AFI20230411BHJP
A23J 3/00 20060101ALI20230411BHJP
A23L 13/00 20160101ALI20230411BHJP
A23L 11/00 20210101ALI20230411BHJP
A61K 8/64 20060101ALI20230411BHJP
A61K 38/00 20060101ALI20230411BHJP
【FI】
A23J3/14
A23J3/00 502
A23L13/00 Z
A23L13/00 A
A23L11/00 F
A61K8/64
A61K38/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022551541
(86)(22)【出願日】2021-02-26
(85)【翻訳文提出日】2022-08-26
(86)【国際出願番号】 FR2021050339
(87)【国際公開番号】W WO2021170965
(87)【国際公開日】2021-09-02
(32)【優先日】2020-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(32)【優先日】2020-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591169401
【氏名又は名称】ロケット フレール
【氏名又は名称原語表記】ROQUETTE FRERES
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】ドルバック、シャルロッテ
(72)【発明者】
【氏名】ブッシュ、トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ドルーレス、シリル
(72)【発明者】
【氏名】ザラツィン、フロリアン
【テーマコード(参考)】
4B020
4B042
4C083
4C084
【Fターム(参考)】
4B020LB24
4B020LC04
4B020LG09
4B020LP16
4B042AC05
4B042AD03
4B042AD20
4B042AD36
4B042AH11
4B042AK06
4B042AK09
4B042AK10
4B042AK11
4B042AK13
4B042AK17
4B042AP02
4B042AP06
4C083AD411
4C083CC01
4C084AA02
4C084BA03
4C084CA15
4C084NA20
(57)【要約】
【解決手段】 本発明は、乾式プロセスで食感が改善されたマメタンパク質を含む組成物、それを製造する方法、およびその使用に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子の形態の乾式プロセスで食感が改善されたマメタンパク質を含む組成物であって、試験Aによって測定される乾燥タンパク質1g当たり3.5g超の水、好ましくは乾燥タンパク質1g当たり3.5~4.5gの範囲の水、さらにより好ましくは乾燥タンパク質1g当たり3.5~4gの範囲の水の保水容量、試験Bによって測定される190~230g/Lの範囲の密度を有し、また前記食感が改善されたマメタンパク質の粒子の少なくとも85%の大きさが2mm~5mmである、組成物。
【請求項2】
前記マメタンパク質がソラマメタンパク質およびエンドウマメタンパク質からなるリストから選択されることを特徴とする、請求項1に記載の乾式プロセスで食感が改善されたマメタンパク質の組成物。
【請求項3】
前記組成物のタンパク質含有量が乾燥重量で60重量%~80重量%、好ましくは70重量%~80重量%の範囲であることを特徴とする、請求項1および2に記載の乾式プロセスで食感が改善されたマメタンパク質の組成物。
【請求項4】
それが80重量%超、好ましくは90重量%超の乾燥物含有量を有することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の乾式プロセスで食感が改善されたマメタンパク質の組成物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載のマメタンパク質を含む組成物の製造方法であって、前記方法が以下の工程、すなわち、
1)マメタンパク質のマメ繊維に対する乾燥重量比が70/30~90/10の範囲、好ましくは75/25~85/15の範囲のマメタンパク質とマメ繊維とを含む粉末を提供する工程;
2)調理前の水対粉末の質量比が20質量%~40質量%、好ましくは25質量%~35質量%の範囲、さらにより好ましくは30質量%で、前記粉末を水と共に押出調理する工程;
3)1.5mmの直径の穴を有する出口ダイで構成され、回転速度が1,200~1,800回転/分、または2,000~2,400回転/分の範囲、好ましくは約1,500回転/分であるナイフを備えた押出し出口で、前記押出された組成物を切断する工程;
4)前記このようにして得られた組成物を乾燥させる工程を含むことを特徴とする、製造方法。
【請求項6】
前記マメタンパク質がエンドウマメタンパク質であることを特徴とする、請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
前記エンドウマメタンパク質が、有益には総乾燥物の60重量%~90重量%、好ましくは70重量%~85重量%、さらにより好ましくは75重量%~85重量%の範囲のタンパク質含有量を有することを特徴とする、請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
前記エンドウマメタンパク質が、150マイクロメートル~400マイクロメートル、好ましくは150マイクロメートル~200マイクロメートル、または350マイクロメートル~450マイクロメートルの範囲のDmodeで特徴づけられる粒子径を特徴とする、請求項6または7に記載の製造方法。
【請求項9】
前記マメ繊維が40%~60%、好ましくは45%~55%の、セルロース、ヘミセルロースおよびペクチンで構成されるポリマー、ならびに25%~45%、好ましくは30%~40%のエンドウマメデンプンを含有することを特徴とする、請求項5~8のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項10】
工程2が、35~45の範囲、好ましくは40の長さ対直径比を特徴とし、一連の85~95%の供給エレメント、2.5~10%の混練エレメント、および2.5~10%の逆回転エレメントを備えた二軸スクリュー押出機での押出調理によって実施されることを特徴とする、請求項5~9のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項11】
前記供給エレメントがスクリューの最初に配置されて20℃~70℃の温度に設定され、次いで、前記混練エレメントが90℃~150℃の範囲の温度に設定され、最後に前記逆回転エレメントが100℃~120℃の範囲の温度に設定されることを特徴とする、請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
前記スクリューが900~1,200回転/分、好ましくは1,000~1,100回転/分で回転することを特徴とする、請求項10または11に記載の製造方法。
【請求項13】
10~25バール、好ましくは12~16バールの範囲の範囲に出口における圧力を調節することによって、10~25kWh/kgの範囲の比出力を前記粉末混合物に加えることを特徴とする、請求項5~12のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項14】
請求項1~4のいずれか一項に記載の乾式プロセスで食感が改善された、または請求項5~13のいずれか一項に記載の方法により製造されたマメタンパク質の組成物の、人間および動物の食品産業、産業用医薬品または化粧品から選択される産業用途における使用。
【請求項15】
前記マメタンパク質がエンドウマメタンパク質であることを特徴とする、請求項14に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食感が改善されたエンドウマメタンパク質を含む特定の組成物、ならびにその製造方法およびその使用に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
肉および魚の代替肉の製造を意図した繊維構造を有する製品を調製する目的で、特に押出調理によってタンパク質の食感を改善するための技術が多くの植物由来物に使用されている。
【0003】
タンパク質の押出調理プロセスは、プロセスで使用される水の量によって2つの大きなファミリーに分類することができる。この量が30重量%を超える場合、これは「湿式」押出調理と呼ばれ、得られた製品は、動物の肉、例えばビーフステーキまたはチキンナゲットを模したすぐに摂取するための完成した製品の製造をより意図している。例えば、国際出願第2014/081285号が知られ、それには、湿式押出に典型的な冷却ダイを使用してタンパク質と繊維との混合物を押出する方法が開示されている。本発明は乾式押出の分野に属する。
【0004】
この水の量が30重量%未満である場合、これは「乾式」押出調理と呼ばれ、得られた製品が食品加工製造業者によって使用され、それらを他の成分と混合して肉の代替物に配合することをより意図している。本発明の分野は、「乾式」押出調理の分野である。
【0005】
歴史的に、代替肉として使用された最初のタンパク質は大豆と小麦から抽出された。その後、ダイズは急速にこの用途の分野における主要な供給源になった。
【0006】
例えば、国際出願第2009/018548号が知られ、それには、タンパク質を含有する様々な混合物を押出して、肉の繊維の模倣を企図することができる整列した繊維を有する押出タンパク質を生成することが教示されている。しかしながら、粒子の大きさ、密度、または保持容量の用途、性能、能力における影響、またはそれらの製造に使用される方法に与える影響に関する情報は提供されていない。米国特許出願公開第2007/269567号では、得られる粒子径が特定されている(実施例3の表IVによると平均で11mmおよび16.3mm)。
【0007】
その後の研究のほとんどは明らかにダイズタンパク質に関連するものであったが、動物および植物の両方の他の供給源のタンパク質、ピーナッツ、ゴマ、綿実、ヒマワリ、トウモロコシ、小麦タンパク質、微生物由来タンパク質、食肉処理場または水産業の副産物の食感が改善されてきた。
【0008】
エンドウマメおよびソラマメに由来するものなどのマメタンパク質もまた、その単離およびその「乾式」押出調理の観点から研究の対象となってきた。
【0009】
エンドウマメタンパク質については、その特定の機能的および栄養的な特性だけでなく、また遺伝子組み換えされていない性質のために、多くの研究が行われてきた。
【0010】
近年の多大な研究の努力および成果の向上にもかかわらず、食品市場における食感が改善されたタンパク質をベースとしたこれらの製品の浸透は、依然として最適なものにはなっていない。
【0011】
特に、それらを配合する前に食感が改善されたエンドウマメタンパク質を再水和するために必要なプロセスが理由の1つである。
【0012】
実際、当該タンパク質は乾燥しているため、満足できる最終製品を得るためには、それらを成形することができ、それらを配合物の他の構成成分と密に混合することができるように再水和する必要がある。
【0013】
この目的のために、乾式プロセスで食感が改善されたエンドウマメタンパク質を水溶液と接触させる。残念ながら、再水和の目的で吸収される水は十分に効果的な量ではなく、さらに人間が介入しなければ、その後の配合工程に必要な量の約50%にすぎない。
【0014】
したがって、「細断」または「切断」工程と呼ばれる追加の工程が通常は行なわれ、それは再水和した食感が改善された繊維を細切りすることを伴う。このようにして得られた繊維を再び水溶液と接触させて、細切りすることにより、欠落した水を必要な量まで再吸収させることができる。
【0015】
十分に管理されていない細切りは食感が改善されたエンドウマメタンパク質を損傷する可能性があるため、この工程は煩雑である。さらに、それは追加の調製工程であり、その実施をより複雑にする。
【0016】
1つの解決策は、生産段階から食感が改善されたタンパク質の粒子の大きさを小さくことを伴う。この大きさの縮小は、タンパク質/水の交換表面の増加によって食感が改善されたタンパク質の水の取り込みを最適化する。食感が改善されたタンパク質が生成されるとすぐに粒子の大きさが小さくされるため、再水和後の細断工程は不要になる。
【0017】
残念なことに、食感が改善されたタンパク質の粒子径の縮小は、当該食感が改善された植物性タンパク質で作られた最終的な肉または魚の代替肉の官能刺激特性に影響を及ぼす。”Effect of soy particle size and color on the sensory properties of ground beef patties”(Cardelloら,Journal of Food Quality,1983)という表題の論文には、
図3に官能刺激の結果が示されている。この研究は、牛肉中での様々な大きさの食感が改善されたダイズタンパク質の官能刺激への影響の研究を目的としていた。牛肉の結果には及ばないが、9.52mmを超える粒子径を有する食感が改善されたダイズタンパク質が全粒子の73%超を占める場合に最良の結果が得られることが分かる。この粒子径分布のいかなる縮小も、得られる代替肉の官能刺激の品質の再現性低下を伴う。
【0018】
官能刺激の結果のこの低下は、肉の繊維を模倣するために必要な物質の量と完全性が失われることによって説明することができる。粒子がより小さくなるため、肉または魚の代替肉中に得られる繊維は十分に効果的な繊維の大きさを有していない。
【0019】
この問題を克服するために有望な解決策は、それらを濃縮して食感が改善された植物タンパク質の密度を増加させてタンパク質繊維の大きさが小さいことを克服することを伴う。したがって、短いがより高密度のタンパク質繊維はよりしっかりした構造を有し、得られる官能刺激の結果をより良く模倣することができる。
【0020】
残念ながら、この戦略は食感が改善された植物性タンパク質の保水容量に大きく影響する。”EXTRUSION OF TEXTURIZED PROTEIN”という表題の論文(Kearnsら,American Soybean Association)には、密度と保水容量(WHC)との間に確立された直接的な関係が示されている。密度の増大につれて、保水容量が低下することが明らかに分かる。したがって、216g/Lの密度を有する食感が改善されたダイズタンパク質の保水容量は、タンパク質1グラム当たり3gあまりの水にすぎず、常に3.5未満である。密度のいかなる増大もこの保水容量を低下させ、時には2未満になる。
【0021】
密度と保水容量との間のこの負の相関はまた、”Effect of Value-Enhanced Texturized Soy Protein on the Sensory and Cooking Properties of Beef Patties”(A.A.Heywoodら,JAOCS,Vol.79,No.7,2002)という表題の論文の表1に明確に示されている。したがって、これらのデータから、高密度は低い保水容量を意味し、逆もまた同様であることが確認される。したがって、高い密度と高い保水の両方を有する食感が改善されたタンパク質を得ることは不可能と思われる。しかしながら、そのような製品は業界の対象である。
【0022】
上記の問題を解決し、タンパク質の食感の改善を保持しながら、その粒子の大きさを小さくし、密度を高くして、また保水容量を向上させて、肉および魚の代替肉の用途で優れた結果を与える乾式プロセスの押出調理によって得られる食感が改善されたマメタンパク質を含む新しい特定の組成物を開発したことは、出願人の功績である。
【0023】
本発明は、その全般的な説明を開示することを目的とした以下のセクションでよりよく理解される。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明は、粒子の形態の乾式プロセスで食感が改善されたマメタンパク質を含む組成物に関し、組成物は、試験Aによって測定される乾燥タンパク質1g当たり3.5g超の水、好ましくは乾燥タンパク質1g当たり3.5~4.5gの範囲の水、さらにより好ましくは乾燥タンパク質1g当たり3.5~4gの範囲の水の保水容量、試験Bによって測定される190~230g/Lの範囲の密度を有し、また少なくとも85%の食感が改善されたマメタンパク質の粒子の大きさが2mm~5mmである。
【0025】
好ましくは、マメタンパク質はソラマメおよびエンドウマメで構成されるリストから選択される。エンドウマメが特に好ましい。
【0026】
組成物中のタンパク質含有量は、組成物の乾燥物の総重量に対して60重量%~80重量%、好ましくは70重量%~80重量%の範囲である。
【0027】
最終的に、本発明による乾式プロセスで食感が改善されたマメタンパク質の乾燥物は、80重量%超、好ましくは90重量%超である。
【0028】
本発明はまた、上記のようなマメタンパク質の組成物の製造方法に関し、方法は以下の工程を含むことを特徴とする。
1)マメタンパク質のマメ繊維に対する乾燥重量比が70/30~90/10の範囲、好ましくは75/25~85/15の範囲のマメタンパク質とマメ繊維とを含む粉末を提供する工程;
2)調理前の水対粉末の質量比が20質量%~40質量%、好ましくは25質量%~35質量%、さらにより好ましくは30質量%の範囲で、粉末を水と共に押出調理する工程;
3)1.5mmの直径の穴を有する出口ダイで構成され、回転速度が1,200~1,800回転/分、または2,000~2,400回転/分の範囲、好ましくは約1,500回転/分であるナイフを備えた押出し出口で、押出された組成物を切断する工程;
4)このようにして得られた組成物を乾燥させる工程。
【0029】
好ましくは、本発明による方法において使用するマメタンパク質は、ソラマメおよびエンドウマメを含むリストから選択され、好ましくはエンドウマメタンパク質である。
【0030】
工程1で使用するマメタンパク質とマメ繊維とを含む粉末は、当該タンパク質と繊維とを混合することによって調製することができる。粉末は本質的にマメタンパク質とマメ繊維とからなる。「本質的になる」という用語は、粉末がタンパク質および繊維の製造方法に関連する不純物、例えば、痕跡量のデンプンを含み得ることを意味する。好ましくは、マメタンパク質と繊維とは、ソラマメおよびエンドウマメで構成されるリストから選択される。エンドウマメが特に好ましい。
【0031】
好ましくは、工程2は、長さ対直径比が20~45、好ましくは35~45の範囲、好ましくは40であることを特徴とし、85~95%の供給エレメント、2.5~10%の混練エレメント、および2.5~10%の逆回転エレメントを備えた二軸スクリュー押出機での押出調理によって実行される。
【0032】
さらにより好ましくは、10~25バール、好ましくは12~16バール、または17~23バールの範囲に出口における圧力を調節することによって、10~25kWh/kgの範囲の比出力を粉末混合物に加える。
【0033】
さらにより好ましくは、二軸スクリュー押出機の出力は、1.5mmの直径の穴を有する出力ダイで構成され、回転速度が1,200~1,800回転/分、または2,000~2,400回転/分の範囲、好ましくは1,500回転/分であるナイフを備える。
【0034】
最後に、本発明は、例えば、ヒトおよび動物の食品産業、産業用医薬品または化粧品などの産業用途における、上記のような乾式プロセスで食感が改善されたマメタンパク質の組成物の使用に関する。
【0035】
好ましくは、これらの用途で使用されるマメタンパク質はエンドウマメタンパク質である。
【0036】
本発明は、以下の詳細な説明を読むとよりよく理解される。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明は、粒子の形態の乾式プロセスで食感が改善されたマメタンパク質を含む組成物に関し、組成物は、試験Aによって測定される乾燥タンパク質1g当たり3.5g超の水、好ましくは乾燥タンパク質1g当たり3.5~4.5gの範囲の水、さらにより好ましくは乾燥タンパク質1g当たり3.5~4gの範囲の水の保水容量、試験Bによって測定される190~230g/Lの範囲の密度を有し、また少なくとも85%の食感が改善されたマメタンパク質の粒子の大きさが2mm~5mmである。
【0038】
好ましくは、マメタンパク質はソラマメタンパク質およびエンドウマメタンパク質で構成されるリストから選択される。エンドウタンパク質が特に好ましい。
【0039】
用語「マメ」は、本明細書において、マメ目の双子葉植物の科と考える。マメ科は、種の数がラン科及びキク科に次いで3番目に多い顕花植物科である。マメ科には約765属、19,500種超が含まれる。いくつかのマメ科植物は重要な作物植物であり、ダイズ、インゲンマメ、エンドウマメ、ソラマメ、ヒヨコマメ、ピーナッツ、レンズマメ、アルファルファ、種々のクローバー、ブロードビーン、イナゴマメ及び甘草が含まれる。
【0040】
用語「エンドウマメ」は、本明細書において、その最も広く認められた用法で考え、特に、その品種の通常の使用目的(ヒトの食品、動物用飼料および/または他の用途)に関わらず、「丸」エンドウマメおよび「シワ」エンドウマメの全ての品種、並びに「丸」エンドウマメおよび「シワ」エンドウマメの全ての変異品種を含む。
【0041】
本出願において、用語「エンドウマメ」は、エンドウ属、より具体的には、サティバムおよびエスティバム種に属するエンドウマメ品種を含む。当該変異品種は具体的には、Proceedings of the Symposium of the Industrial Biochemistry and Biotechnology Group of the Biochemical Society,1996,77~87ページのC-L HEYDLEYらの”Developing novel pea starches”という表題の論文に記載された”mutants r”、”mutants rb”、”mutants rug3”、”mutants rug4”、”mutants rug5”および”mutants lam」と呼ばれるものである。
【0042】
特にソラマメおよびエンドウマメに由来するマメタンパク質が特に本発明の設計に適する場合、それにもかかわらず、エンバク、緑豆、ジャガイモ、トウモロコシ、またはさらにはヒヨコマメタンパク質などの他の植物性タンパク質源で後者を実現することができる。当業者には任意の必要な調整を行う方法が知られている。
【0043】
本出願における「食感が改善された」または「食感を改善する」とは、タンパク質を含む組成物を改変してそれに特定の規則的な構造を与えることを目的とする任意の物理的および/または化学的プロセスを意味すると理解される。本発明の範囲において、タンパク質の食感の改善とは、動物の肉に存在するものなどの繊維の外観を与えることを目的としている。この説明の残りの部分を通して説明されるように、タンパク質の食感を改善する特に好ましい方法は、特に二軸スクリュー押出機を使用した押出調理である。
【0044】
試験Aを用いて保水容量を測定し、そのプロトコルを下に記載する。
a.ビーカー中に分析する20gの試料を秤量する;
b.試料が完全に水中に沈むまで室温(10℃~20℃、好ましくは20℃±1℃の温度)で飲用水を添加する;c.30分間置いて静的に接触させる;
d.水を切る;
e.ふるいを用いて残留水と試料を分離する;
f.再水和した試料の最終重量Pを秤量する。
【0045】
分析したタンパク質1グラム当たりの水のグラム数として表される保水容量の計算は以下の通りである。
保水容量=(P-20)/20。
【0046】
「飲用水」とは、健康上のリスクをもたらすことなく飲むことができるか、または家庭および産業目的に使用することができる水を意味すると理解される。好ましくは、その導電率は、400~1,100、好ましくは400~600μS/cmの間で選択される。より好ましくは、本発明において、この飲用水が、250mg/L未満のサルフェート含有量、200mg/L未満のクロライド含有量、12mg/L未満のカリウム含有量、6.5~9の範囲のpH、および15フランス硬度を超える総硬度(TH、すなわち水中のカルシウムとマグネシウムイオンの含有量の測定値に対応する水の硬度)を有することが理解される。言い換えれば、飲用水は、60mg/L以上のカルシウム、または36mg/L以上のマグネシウムを有している必要がある。
【0047】
試験Bを用いて密度を測定し、そのプロトコルを下に記載する。
a.2リットルの目盛りのついた試験チューブの風袋秤量を行なう;
b.2リットルの目盛りに達するまで、分析する生成物を試験チューブに詰める;
c.生成物を秤量する(重量P、グラム単位)。
【0048】
g/Lで表される密度の計算は以下の通りである。
密度=(P(g)/2)。
【0049】
試験Cによって測定されるパーセンテージとして表される構成粒子の大きさを決定するためのプロトコルは以下の通りである。
ふるいを撹拌してメッシュを通して粒子を循環させることができる機械上に積層されたふるいのシステムを使用する。特に適した市販の参照物は、FRITSCHから市販されている実験室用電磁式ふるい機のAnalyette3モデルである。
【0050】
使用する様々なふるいは、1mm、2mm、5mm、10mmである。
100gの製品を頂部に入れて、装置を3分間の振動モードに設定する。粒子径の分離が完了する限り、この時間は変更することができる。
停止した後、各ふるい上に貯まった各画分の重量を秤量し、これをふるいによる「選択」と呼ぶ。実際、それらが大きすぎる場合、粒子はメッシュを通過できない。
計算は以下の通りである。
10mmより大きい=(選択重量10mm/重量X)*100;
5~10mm=(選択重量5mm/重量X)*100;
2~5mm=(選択重量2mm/重量X)*100;
1~2mm=(選択重量1mm/重量X)*100;
1mmより小さい=(最終的な選択重量/重量X)*100。
【0051】
上記のように、先行技術の食感が改善されたエンドウマメタンパク質組成物は既に公知であり、食品産業、特に代替肉で使用されている。それらをレシピで使用するためには、必要な含水量がタンパク質1g当たり少なくとも3gであり、4gが好ましいことが知られている。この再水和により、肉の繊維の機能的特性を最良に模倣することによって配合物に含まれる繊維を調製することができ、最終的な摂取中にサクサク感であっても硬いという感覚を引き起こす再水和が不十分な部分の過剰な存在を回避することができる。また、この再水和は単一の工程では実施できないことも知られている。
【0052】
食感が改善されたタンパク質の水の取り込みの問題を認識している当業者は、最初に、食感が改善されたエンドウマメタンパク質を水性溶媒と共に置くことによって、タンパク質1g当たり約2gの水に達する1回目の再水和工程を行なう。次いで、再水和したタンパク質繊維を細断する。特定の理論に拘束されることを望むものではないが、この「細断」によって繊維の構造を破壊し、したがって内部の部分を露出させて、その水和を可能にする。水性溶媒との接触において、再水和され構造を破壊されたタンパク質繊維を単に置き換えるだけでよく、保水容量はタンパク質1g当たり3.5gを超える。
【0053】
例えば、本出願人によって製造および販売されているNUTRALYS(登録商標)T70Sの技術文書(以下のリンク:https://www.roquette.com/-/media/contecus-gbu/food/plant-protein-concept/roquette-food-breakfast-sausage-us-2020-04-1511-(1).pdfで引用された”Recipe preparation includes a shredding step of NUTRALYS(登録商標)T70Sの抜粋を参照)において、この細断工程の要件の表示を見ることができる。
【0054】
タンパク質の細断は公知の解決策であるが、それは工程を付け加え、最終の配合プロセスをより複雑にして、コストを増大させる。さらに、この細断が十分に管理されない場合、それにより繊維の構造が過剰に破壊されて、所望の機能的効果が失われる。植物性繊維が短くなっているため、それらは肉の繊維も模倣しない。
【0055】
最終的に、本発明による乾式プロセスで食感が改善されたマメタンパク質の乾燥物は、80重量%超、好ましくは90重量%超である。
【0056】
乾燥物は当業者に公知の任意の方法を用いて測定される。好ましくは、「脱水」方法が使用される。それは既知の質量の試料の既知の量を加熱することによって蒸発した水の量を測定することを伴う。水が完全に蒸発したことを示す質量が安定するまで加熱を継続する。好ましくは、使用する温度は105℃である。
【0057】
本発明による組成物のタンパク質含有量は、総乾燥物に対し有益には60重量%~80重量%の範囲、好ましくは70重量%~80重量%の範囲である。当業者に公知の任意の方法を使用して、このタンパク質含有量を分析することができる。好ましくは、総窒素量を分析し、この含有量に係数6.25を乗算する。この方法は特に知られており、植物性タンパク質に使用されている。
【0058】
本発明はまた、上記のようなマメタンパク質の組成物の製造方法に関し、方法は以下の工程を含むことを特徴とする。
1)マメタンパク質のマメ繊維に対する乾燥重量比が70/30~90/10の範囲、好ましくは75/25~85/15の範囲のマメタンパク質とマメ繊維とを含む粉末を提供する工程;
2)調理前の水対粉末の質量比が20質量%~40質量%、好ましくは25質量%~35質量%の範囲、さらにより好ましくは30質量%で、粉末を水と共に押出調理する工程;
3)このようにして得られた組成物を乾燥させる工程。
【0059】
好ましくは、工程1のマメタンパク質とマメ繊維とは、ソラマメタンパク質およびエンドウマメタンパク質で構成されるリストから選択される。エンドウタンパク質が特に好ましい。
【0060】
工程1で使用するマメタンパク質とマメ繊維とを含む粉末は、当該タンパク質と繊維とを混合することによって調製することができる。粉末は本質的にマメタンパク質とマメ繊維とからなる。「本質的になる」という用語は、粉末が、タンパク質および繊維の製造方法に関連する不純物、例えば、痕跡量のデンプンを含み得ることを意味する。混合は、工程2の際に植物性繊維を合成するために必要な様々な構成成分の乾燥混合物を得ることを伴う。
【0061】
好ましくは、マメタンパク質は、総乾燥物に対して有益には60重量%~90重量%の範囲、好ましくは70重量%~85重量%、さらにより好ましくは75重量%~85重量%の範囲のタンパク質含有量を特徴とする。当業者に公知の任意の方法を使用して、このタンパク質含有量を分析することができる。好ましくは、総窒素量を分析し、この含有量に係数6.25を乗算する。この方法は特に知られており、植物性タンパク質に使用されている。好ましくは、マメタンパク質の乾燥物は80重量%超、好ましくは90重量%超である。
【0062】
さらにより好ましくは、マメタンパク質は、pH3での30%を超える溶解度を特徴とする。溶解度は、以下のプロトコルを使用して測定される:2.5w/w%の粉末の懸濁液を一定量Q1の蒸留水で作製し、pHを所望の値に調整し、マグネティックバーを使用して1,100rpmで30分間撹拌し、3,000gで15分間遠心分離を行ない、次いで、その重量と乾燥物を使用して上澄み中の物質Q2の量を分析する(例えば、「脱水」として知られている方法を使用して得る。それは既知の質量の試料の既知の量を加熱することによって蒸発した水の量を測定することを伴う。水の蒸発が完了することを示す質量が安定するまで
加熱を継続する。好ましくは、使用される温度は105℃である)。溶解度は以下の式によって得られる。(Q2/Q1)*100d。
【0063】
さらにより好ましくは、タンパク質は、150マイクロメートル~400マイクロメートル、好ましくは150マイクロメートル~200マイクロメートル、または350マイクロメートル~450マイクロメートルの範囲のDmodeを特徴とする粒子径で特徴づけられる。この粒子径の測定は、乾燥相で(粉末モジュールを備えた)MALVERN3000レーザ回析式粒子径測定装置を使用して行なわれる。粉末を1~4mmの範囲の開口を有し、50%または75%の振動周波数のモジュール用のフィーダに置く。装置は様々な大きさを自動的に記録して、粒子径分布(またはPSD)ならびにDmode、D10、D50、およびD90を調整する。Dmodeは当業者に公知であり、粒子の最大集団の大きさからなる。
【0064】
粉末の粒子径は方法の安定性および生産性に有利である。過度に微細な粒子径は、押出法の際の管理が時に困難であるという問題を必ず伴う。
【0065】
「マメ繊維」とは、マメ科植物から抽出されたヒト消化器系によって比較的消化されにくいか、または消化されにくい多糖類を含む任意の組成物を意味すると理解される。そのような繊維は当業者に公知の任意の方法を使用して抽出される。
【0066】
好ましくは、マメ繊維は湿式抽出法を使用し、エンドウマメに由来する。さやを剥いたエンドウマメを細かくして粉にして、次いで水に懸濁する。このようにして得られた懸濁液をハイドロサイクロンに送ってデンプンを抽出する。上澄みを水平流式沈降槽に送ってマメ繊維画分を得る。そのような方法は欧州特許第2950662号に記載されている。このようにして調製されたマメ繊維は、40%~60%、好ましくは45%~55%の、セルロース、ヘミセルロースおよびペクチンで構成されるポリマー、ならびに25%~45%、好ましくは30%~40%のエンドウマメデンプンを含有する。そのような繊維の市販例は、例えば、RoquetteのPea Fiber I50繊維である。
【0067】
混合は、乾式ミキサーを使用して工程2の上流で、またはさらには供給物として直接行なってもよい。この混合の際に、香味料またはさらには色素などの当業者に公知の添加剤を添加してもよい。
【0068】
代替の実施形態では、繊維/タンパク質の混合物は、マメ粉のターボセパレーション分離によって自然に得られる。マメ科植物の種子を洗浄し、それらの外側繊維を除去し、それらを粉砕して粉にする。次いで、空気の上昇流を適用することからなり、それらの密度に基づいて異なる粒子を分離することができるターボセパレータで、粉を分離する。このように、これにより粉の中のタンパク質の含有量を約20%から60%超に濃縮することができる。そのような粉は「濃縮物」と呼ばれる。これらの濃縮物はまた、10%~20%のマメ繊維を含有する。
【0069】
タンパク質と繊維との乾燥重量比は、有益には70/30~90/10であり、好ましくは75/25~85/15である。
【0070】
次いで工程2の際にこの粉末の混合物の食感を改善し、それは、タンパク質と繊維との構造を熱的に破壊し再構築して、直線的に平行な線で連続的に延びる繊維を形成させ、肉の中に存在する繊維を模倣するということと同じである。当業者に公知の任意の方法、特に押出しが適する。
【0071】
押出しは、1本または2本のアルキメデススクリューの回転を用いて高圧および剪断力の作用下で、製品を小さな穴、ダイを通って流れるようにすることからなる。生じる熱によって製品は調理および/または変性され、したがって用語「押出調理」が時には使用され、次いでダイ出口における水の蒸発によって膨張する。この技術によって、それらの組成、それらの構造(製品の膨張および気泡の形態)、およびそれらの機能的および栄養的特性(例えば、抗栄養性または毒性因子の変性、食品の滅菌)が幅広く変化した製品を開発することができる。タンパク質の加工は多くの場合、繊維状の外観を有する製品を得ることによって反映される構造的な改変をもたらし、動物の肉の繊維を模倣する。工程2は、調理前の水対粉末の質量比が20質量%~40質量%、好ましくは25質量%~35質量%の範囲、さらにより好ましくは30質量%で実施する必要がある。この比は、水の量を粉末の量で除算して100を掛けることによって得られる。好ましくは、水を供給ゾーンの終わり、かつ混練ゾーンの直前に注入する。
【0072】
いかなる理論にも束縛されるものではないが、押出調理における当業者には、必要な密度を得ることができる比がこの比であることがよく知られている。したがって、この比の値は20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40%であり得る。
【0073】
この目的には任意の飲用水が適する。「飲用水」とは、健康上のリスクをもたらすことなく飲むことができるか、または家庭および産業目的に使用することができる水を意味すると理解される。好ましくは、その導電率は、400~1,100、好ましくは400~600μS/cmの間で選択される。より好ましくは、本発明において、この飲用水が、250mg/L未満のサルフェート含有量、200mg/L未満のクロライド含有量、12mg/L未満のカリウム含有量、6.5~9の範囲のpH、および15フランス硬度を超える総硬度(TH、すなわち水中のカルシウムとマグネシウムイオンの含有量の測定値に対応する水の硬度)を有することが理解される。言い換えれば、飲用水は、60mg/L以上のカルシウム、または36mg/L以上のマグネシウムを有している必要がある。この定義には、飲用水道からの水、脱炭酸水、脱塩水が含まれる。
【0074】
好ましくは、工程2は、長さ対直径比が20~45、好ましくは35~45の範囲、好ましくは40であることを特徴とし、一連の85~95%の供給エレメント、2.5~10%の混練エレメント、および2.5~10%の逆回転エレメントを備えた二軸スクリュー押出機での押出調理によって実施される。
【0075】
長さ対直径比は、押出調理における従来のパラメータである。したがって、この比は、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44または45であり得る。
【0076】
様々なエレメントは、製品を改変することなく製品をダイに供給することを意図した供給エレメント、製品を混合することを意図した混練エレメント、および製品に力を加えて反対方向に前進させ、このようにして混合および剪断することを意図した逆回転エレメントである。
【0077】
好ましくは、供給エレメントがスクリューの最初に配置されて20℃~70℃の温度に設定され、次いで、混練エレメントが90℃~150℃の範囲の温度に設定され、最後に逆回転エレメントが100℃~120℃の範囲の温度に設定される。
【0078】
好ましくは、このスクリューは900~1,200回転/分、好ましくは1,000~1,100回転/分で回転する。
【0079】
さらにより好ましくは、10~25バール、好ましくは12~16バール、または17~23バールの範囲に出口における圧力を調節することによって、10~25kWh/kgの範囲の比出力を粉末混合物に加える。
【0080】
次いで、工程3は、1.5mmの直径の穴を有する出口ダイで構成され、回転速度が1,200~1,800回転/分、または2,000~2,400回転/分の範囲、好ましくは約1,500回転/分であるナイフを備えた押出し出口で押出された組成物を切断することを伴う。
【0081】
ナイフは押出機の出口にぴったりと重なって置かれ、好ましくは0~5mmの範囲の距離である。「ぴったり重なる」とは、押出機の出口に位置するダイに極めて近い距離でのダイに触れない接触限界であると理解される。通常、当業者はナイフとダイを互いに接触させ、次いで後者を非常にわずかにずらすことによってこの距離を調整する。
【0082】
最後の工程4は、このようにして得られた組成物を乾燥させることを伴う。
【0083】
当業者は、本発明による組成物を乾燥させるためのそれらに現在利用可能な広い選択肢から適切な技術を使用する方法を知っている。限定するものではなく、一例としてであるが、空気流乾燥機、マイクロ波乾燥機、流動床乾燥機、または真空乾燥機を挙げることができる。当業者は、主に時間および温度の正しいパラメータを選択して、所望の最終乾燥物を得る。
【0084】
最後に、本発明は、例えば、ヒトおよび動物の食品産業、産業用医薬品、または化粧品などの産業用途における、上記の乾式プロセスで食感が改善されたマメタンパク質の組成物の使用に関する。
【0085】
人間および動物の食品産業とは、工場生産菓子(例えば、チョコレート、キャラメル、ゼリー菓子)、ベーカリー製品(例えば、パン、ブリオッシュ、マフィン)、肉および魚産業(例えば、ソーセージ、ハンバーガー、フィッシュナゲット、チキンナゲット)、ソース(例えば、ボロネーゼ、マヨネーズ)、牛乳由来製品(例えば、チーズ、植物性ミルク)、飲料(例えば、高タンパク質飲料、再構成される粉末飲料)を意味すると理解される。
【0086】
より好ましくは、本発明は、ベーキングの分野における、上記のように乾式プロセスで食感が改善されたマメタンパク質の組成物の使用に関する。
【0087】
本発明は、マフィン、クッキー、ケーキ、ベーグル、ピザ生地、パン、および朝食用シリアルなどのベーカリー製品の中に包含されるものの製造に特に対象になる。
【0088】
「包含されるもの」という用語は、それが調理される前に生地と混合された粒子(この場合、乾式プロセスで食感が改善されたマメタンパク質の組成物)を意味すると理解される。この工程の後、乾式プロセスで食感が改善されたマメタンパク質の組成物は、最終製品の中に閉じ込められて(したがって「包含」という用語)、摂取されるときにそのタンパク質含有量とサクサク感の両方を提供する。
【0089】
本発明は、ファットフィリング、チョコレートなどの菓子製品の中に包含されるものの製造、またタンパク質の保持ならびにサクサク感の提供に特に対象になる。
【0090】
本発明は、チーズ、ヨーグルト、アイスクリーム、および飲料などの乳製品の代替製品の中に包含されるものの製造に特に対象になる。
【0091】
本発明は、肉、魚、ソース、スープの代替肉の分野において特に対象になる。
【0092】
特定の用途は、代替肉、特に挽き肉の製造のための、本発明による組成物の使用に関する。さらにはまた、ボロネーゼソース、ハンバーガー用ステーキ、タコスおよびピッタ用の肉、および「チリビーンズ」である。
【0093】
ピザにおいて、本発明による食感が改善されたマメタンパク質を含む組成物は、当該ピザの上に振りかけること(「トッピング」)について特に対象である。
【0094】
脱水されたすぐに食べられる食事(例えば、ヨーロッパのBolinoまたはインドのGood Dot)では、本発明による食感が改善された組成物は、繊維とタンパク質を提供する成分として使用される。このように、噛むことを楽しみながら、急速にその芯まで水和される製品を得ることができる。
【0095】
本発明は、以下の非限定的な実施例を読むとよりよく理解される。
【実施例】
【0096】
実施例1:本発明による乾式プロセスで食感が改善されたマメタンパク質の組成物の製造
【0097】
ROQUETTEのNUTRALYS(登録商標)F85Mエンドウマメタンパク質(87.2%のタンパク質を含む)87%とI50Mエンドウマメ繊維12.5%とからなる粉末混合物を調製する。したがって、混合物100g中のタンパク質含有量は、87*0.872=75.9gである。
【0098】
この混合物をCOPERIONのCOPERION ZSK 54MV押出機に重力によって導入する。
【0099】
混合物を300kg/hの流量に調節して導入する。78kg/hの量の水もまた導入する。したがって、水対粉末の質量比は(78/300)*100=26%である。
【0100】
85%の供給エレメント、5%の混練エレメント、および10%の逆回転エレメントで構成される押出スクリューを1,000rpmの速度で回転させて、混合物をダイに送る。説明に示したように、供給エレメントがスクリューの最初に配置されて20℃~70℃の温度に設定され、次いで、混練エレメントが90℃~150℃の範囲の温度に設定され、最後に逆回転エレメントが100℃~120℃の範囲の温度に設定された。
【0101】
この特定の手順によって、20バールの出口圧力で41%の機械トルクが生成される。システムの比出力は約17KWh/kgである。
【0102】
生成物を44×1.5mmの円筒形の穴で構成されたダイの出口に送り、そこから食感が改善されたタンパク質を吐出し、それを押出ダイの出口とぴったり重なるように置かれた1,500回転/分で回転するナイフを使用して切断する。
【0103】
このようにして製造した食感が改善されたタンパク質を、88℃の温度のGeelen Counterflowの14×14KM*1VD乾燥機中、2,400kg/hの熱風流中で乾燥させる。
【0104】
試験Aによる保水容量の測定から3.8g/gの水の値が示される。
【0105】
試験Bを用いた押出タンパク質の密度測定から210g/Lの値が示される。
【0106】
実施例2:本発明の範囲外の乾式プロセスで食感が改善されたマメタンパク質の組成物の製造(水対MS比が過度に低い)
【0107】
ROQUETTEのNUTRALYS(登録商標)F85Mエンドウマメタンパク質(87.2%のタンパク質を含む)87%とI50Mエンドウマメ繊維12.5%とからなる粉末混合物を調製する。
【0108】
この混合物をCOPERIONのCOPERION ZSK 54MV押出機に重力によって導入する。
【0109】
混合物を300kg/hの流量に調節して導入する。55kg/hの量の水もまた導入する。したがって、水対粉末の質量比は(55/300)*100=18.3%である。
【0110】
85%の供給エレメント、5%の混練エレメント、および10%の逆回転エレメントで構成される押出スクリューを575rpm以内の速度で回転させて、混合物をダイに送る。説明に示したように、供給エレメントがスクリューの最初に配置されて20℃~70℃の温度に設定され、次いで、混練エレメントが90℃~150℃の範囲の温度に設定され、最後に逆回転エレメントが100℃~120℃の範囲の温度に設定された。
【0111】
この特定の手順によって、25バールの出口圧力で65%の機械トルクが生成される。システムの比出力は約14KWh/kgである。
【0112】
生成物を44×1.5mmの円筒形の穴で構成されたダイに向かう出口に送り、そこから食感が改善されたタンパク質を吐出し、次いで、それを2,100回転/分で回転するナイフを使用して切断する。
【0113】
このようにして製造した食感が改善されたタンパク質を、86℃の温度の14×14KM*1VD乾燥機中、2,000kg/hの熱風流中で乾燥させる。
【0114】
試験Aによる保水容量の測定から3.4g/gの水の値が示される。
【0115】
試験Bを用いた押出タンパク質の密度測定から115g/Lの値が示される。
【0116】
同じパラメータを用い、ただしスクリュー速度を1,075回転/分に増加させてさらなる試験を行ったところ、密度は103g/Lでさらに低かった。
【0117】
実施例2a:本発明の範囲外の乾式プロセスで食感が改善されたマメタンパク質の組成物の製造(水対MS比が過度に高い)
【0118】
ROQUETTEのNUTRALYS(登録商標)F85Mエンドウマメタンパク質(87.2%のタンパク質を含む)87%とI50Mエンドウマメ繊維12.5%とからなる粉末混合物を調製する。
【0119】
この混合物をCOPERIONのCOPERION ZSK 54MV押出機に重力によって導入する。
【0120】
混合物を300kg/hの流量に調節して導入する。130kg/hの量の水もまた導入する。したがって、水対粉末の質量比は(55/300)*100=43.3%である。
【0121】
85%の供給エレメント、5%の混練エレメント、および10%の逆回転エレメントで構成される押出スクリューを575rpm以内の速度で回転させて、混合物をダイに送る。説明に示したように、供給エレメントがスクリューの最初に配置されて20℃~70℃の温度に設定され、次いで、混練エレメントが90℃~150℃の範囲の温度に設定され、最後に逆回転エレメントが100℃~120℃の範囲の温度に設定された。
【0122】
この特定の手順によって、15バールの出口圧力で35%の機械トルクが生成される。
【0123】
生成物を44×1.5mmの円筒形の穴で構成されたダイに向かう出口に送り、そこから食感が改善されたタンパク質を吐出し、次いで、それを2,100回転/分で回転するナイフを使用して切断する。
【0124】
このようにして製造した食感が改善されたタンパク質を、86℃の温度の14×14KM*1VD乾燥機中、2,000kg/hの熱風流中で乾燥させる。
【0125】
試験Aによる保水容量の測定から1.5g/gの水の値が示される。
【0126】
試験Bを用いた押出タンパク質の密度測定から301g/Lの値が示される。
【0127】
実施例3:本発明の範囲外の乾式プロセスで食感が改善されたマメタンパク質の組成物の製造(繊維対タンパク質比が過度に低い)
【0128】
ROQUETTEのNUTRALYS(登録商標)F85Mエンドウマメタンパク質(87.5%のタンパク質を含む)99%とI50Mエンドウマメ繊維1%とからなる粉末混合物を調製する。したがって、混合物100g中のタンパク質含有量は、99*0.80=79.2gである。
【0129】
この混合物をCOPERIONのCOPERION ZSK 54MV押出機に重力によって導入する。
【0130】
混合物を300kg/hの流量に調節して導入する。78kg/hの量の水もまた導入する。したがって、水対粉末の質量比は(78/300)*100=26%である。
【0131】
85%の供給エレメント、5%の混練エレメント、および10%の逆回転エレメントで構成された押出スクリューを、1,000rpm以内の速度で回転させて、混合物をダイに送る。説明に示したように、供給エレメントがスクリューの最初に配置されて20℃~70℃の温度に設定され、次いで、混練エレメントが90℃~150℃の範囲の温度に設定され、最後に逆回転エレメントが100℃~120℃の範囲の温度に設定された。
【0132】
この特定の手順によって、19バールの出口圧力で40%の機械トルクが生成される。
【0133】
生成物を44×1.5mmの円筒形の穴で構成されたダイの出口に送り、そこから食感が改善されたタンパク質を吐出し、それを押出ダイの出口とぴったり重なるように置かれた1,500回転/分で回転するナイフを使用して切断する。
【0134】
このようにして製造した食感が改善されたタンパク質を、88℃の温度のGeelen Counterflowの14×14KM*1VD乾燥機中、2,400kg/hの熱風流中で乾燥させる。
【0135】
試験Aによる保水容量の測定から3.4g/gの水の値が示される。
【0136】
試験Bを用いた押出タンパク質の密度測定から105g/Lの値が示される。
【0137】
実施例4:乾式プロセスで食感が改善されたマメタンパク質の組成物の製造(より低い切断速度の例)
【0138】
ROQUETTEのNUTRALYS(登録商標)F85Mエンドウマメタンパク質(80%のタンパク質を含む)87.5%とI50Mエンドウマメ繊維12.5%とからなる粉末混合物を調製する。したがって、混合物100g中のタンパク質含有量は、87.5*0.80=70gである。
【0139】
この混合物をCOPERIONのCOPERION ZSK 54MV押出機に重力によって導入する。
【0140】
混合物を300kg/hの流量に調節して導入する。78kg/hの量の水もまた導入する。したがって、水対粉末の質量比は(78/300)*100=26%である。
【0141】
85%の供給エレメント、5%の混練エレメント、および10%の逆回転エレメントで構成された押出スクリューを、1,000rpm以内の速度で回転させて、混合物をダイに送る。説明に示したように、供給エレメントがスクリューの最初に配置されて20℃~70℃の温度に設定され、次いで、混練エレメントが90℃~150℃の範囲の温度に設定され、最後に逆回転エレメントが100℃~120℃の範囲の温度に設定された。
【0142】
この特定の手順によって、23バールの出口圧力で60%の機械トルクが生成される。
【0143】
生成物を44×1.5mmの円筒形の穴で構成されたダイに向かう出口に送り、そこから食感が改善されたタンパク質を吐出し、それを押出ダイの出口とぴったり重なるように置かれた500回転/分で回転するナイフを使用して切断する。
【0144】
このようにして製造した食感が改善されたタンパク質を、88℃の温度のGeelen Counterflowの14×14KM*1VD乾燥機中、2,400kg/hの熱風流中で乾燥させる。
【0145】
試験Aによる保水容量の測定から3.8g/gの水の値が示される。
【0146】
試験Bを用いた押出タンパク質の密度測定から209g/Lの値が示される。
【0147】
実施例5:上の実施例で得られた乾式プロセスで食感が改善されたマメタンパク質の組成物と先行技術に由来する組成物の比較
【0148】
本明細書で上述したプロトコルを使用して、試験Bに従った密度、試験Aに従った保水容量、また試験Cに従って測定される構成粒子の大きさを測定する。
【0149】
実施例1~4で得られた試料を、そのままの市販の食感が改善されたタンパク質の選択物と比較する。
【0150】
【0151】
したがって、実施例1による製品のみが、乾燥タンパク質1グラム当たり3.5gの水を超える試験Aに従った水保持容量を有する組成物を得ることができることが分かる。実施例1の組成物は、高い保水容量を有し、200g/Lよりも高い密度を有することから、特有である。さらに、粒子の少なくとも85%が2~5mmの大きさであるという点で、粒子径分布は十分である。
【0152】
実施例6:代替肉における、本発明による乾式プロセスで食感が改善されたマメタンパク質の組成物の使用
【0153】
実施例に示した組成物を使用して、ハンバーガーまたはバーガーのパテを製造する。
【0154】
使用する成分は以下のとおりである(下の表に示した量は、完成したバーガー100g当たりのグラムである)。
【0155】
【0156】
製造プロトコルは以下のとおりである。
1.食感が改善されたタンパク質を飲用水中で30分間水和させる。
2.NUTRALYS T70S(本発明の範囲外、表1の列3)のバーガーのみ、KENWOOD FDM302SS自動ミキサー(速度1)を使用して食感が改善されたタンパク質/水の混合物を45秒間粉砕し、次いで、さらに30分間水と接触させる。
3.メチルセルロースと砕いた氷とを容器内で混合し、次いで冷蔵庫に5分間入れる。
4.他のすべての成分を別の容器内で混合する。
5.工程1(または2)、3、および4で得られた混合物を同じ容器内に合わせ、均質な組成物が得られるように混合する。
6.約150gの量の最終混合物を手でバーガーのパテに成形する。
【0157】
10人のパネルによる食感試験の結果、本発明による食感が改善されたタンパク質で作られたバーガーが、NUTRALYS(登録商標)T70Sで作られたバーガーよりも動物の肉から作られたバーガーにより近いことが認められ、食感試験の際に繊維質の感覚がより多く存在し、ゴムのような感じがより少ない。
【0158】
従来の知識(”Effect of soy particle size and color on the sensory properties of ground beef patties”という表題の論文に言及する段落18を参照)からは、食感が改善されたエンドウマメタンパク質NUTRALYS(登録商標)T70Sよりも小さい粒子径を有する本発明による食感が改善されたタンパク質でより良好な官能刺激の結果が得られたことは非常に驚くべきことである。保水容量と密度の特徴の正確かつ特定の選択によって、この小さな粒子径により細断工程なしでこの優れた結果を得ることができる。
【0159】
パネルによって、実施例3による食感が改善されたタンパク質で得られたバーガーはより柔らかく、よりゴムのような成績を与え、したがって、本発明によるタンパク質ほど動物の肉に近くはないと大部分判断される。
【0160】
またパネルによって、実施例4による食感が改善されたタンパク質で得られたバーガーは、より大きな粒子が見られることにより、標準レシピとはかなり異なる外観を与えると大部分判断される。
【0161】
実施例7:ボロネーゼソースにおける、本発明による乾式プロセスで食感が改善されたマメタンパク質の組成物の使用
【0162】
実施例に示した組成物を使用して、ボロネーゼソースを製造する。
【0163】
使用する成分は以下のとおりである(下の表3に示した量は、完成したソース100g当たりのグラムである)。
【0164】
【0165】
製造プロトコルは以下のとおりである。
1.全ての成分をHotmixPro Creativeミキサー中で混合する。
2.90℃で10分間、速度2で加熱する。
3.得られたソースを瓶詰め用のジャーに詰める。
4.Steriflow(登録商標)滅菌装置を使用して120℃で1時間滅菌する。
【0166】
比較例を実施した。この比較例によると、上のボロネーゼソースのレシピ中の本発明による食感が改善されたタンパク質を、NUTRALYS T70Sに置き換える。
【0167】
10人のパネルによる食感試験の結果、本発明による食感が改善されたタンパク質で作られたボロネーゼソースが、NUTRALYS T70Sで作られたボロネーゼソースよりも動物の肉から作られたボロネーゼソースにより近いことが認められ、食感試験時、大きな粒子の存在はほとんど感じられない。
【0168】
パネルによって、実施例4による食感が改善されたタンパク質で得られたボロネーゼソースが、大きな粒子の感触がより大きいため、本発明による食感が改善されたタンパク質ほど近くはないという結果を与えると大部分判断される。
【0169】
実施例8:植物ベースのソーセージの製造のための、本発明による乾式プロセスで食感が改善されたマメタンパク質の組成物の使用
【0170】
実施例に示した組成物を使用して、植物ベースのソーセージを製造する。
【0171】
使用する成分は以下のとおりである(下の表4に示した量は、完成したソーセージ100g当たりのグラムである)。
【0172】
【0173】
製造プロトコルは以下のとおりである。
1.一方で、本発明による食感が改善されたタンパク質の組成物を水中で30分間水和させる。
2.他方で、すべての粉末を一緒に混合する。
3.上の2つの混合物を、さらにヒマワリ油、ペッパーおよびタマネギとともにKenwoodのボウルに加える。
5.速度1で3分間混合する。
6.混合物を人工ケーシングに入れる。
7.新鮮な水(10℃)で冷却した後、人工ケーシングを剥がす。
【0174】
比較例を実施した。この比較例によると、上のソーセージのレシピ中の本発明による食感が改善されたタンパク質を、NUTRALYS T70Sに置き換える。
【0175】
10人のパネルによる食感試験の結果、本発明による食感が改善されたタンパク質で作られたソーセージは、NUTRALYS T70Sで作られたソーセージよりも動物の肉から作られたソーセージにより近いことが認められ、食感試験では内部の組成がはるかに均質である。
【0176】
前の例と同様に、従来の知識(”Effect of soy particle size and color on the sensory properties of ground beef patties”という表題の論文に言及する段落18を参照)からは、食感が改善されたエンドウマメタンパク質NUTRALYS(登録商標)T70Sよりも小さい粒子径を有する本発明による食感が改善されたタンパク質でより良好な官能刺激の結果が得られたことは非常に驚くべきことである。保水容量と密度の特徴の正確かつ特定の選択によって、この小さな粒子径により細断工程なしでこの優れた結果を得ることができる。
【0177】
実施例9:クリスピーミューズリー(または「クランチクラスター」)の製造における、本発明による乾式プロセスで食感が改善されたマメタンパク質の組成物の使用
【0178】
実施例に示した組成物を使用して、クリスピーミューズリーを製造する。
【0179】
使用する成分は以下のとおりである(下の表5に示した量は、完成したソーセージ100g当たりのグラムである)。
【0180】
【0181】
製造プロトコルは以下のとおりである。
1.スクロース、水、グルコースシロップおよび油を混合し、Hotmixミキサーを用いて85℃、速度2で加熱および撹拌することによって(あらゆる水の蒸発を回避/補正するために重量を確認することができる)、シロップを調製する。
2.他の成分を添加し、Kitchen Aid Artisan 5KSM175PSを使用して速度1で混合する。
3.ベーキングトレイ上に広げて、140℃で25分間ベークする。
【0182】
10人のパネルによる食感試験の結果、本発明による食感が改善されたタンパク質で作られたクリスピーミューズリーは、NUTRALYS(登録商標)T70Sで作られたクリスピーミューズリーよりも標準レシピのクリスピーミューズリーにより近いことが認められる。実際、クラスタの様々な成分は、NUTRALYS(登録商標)T70Sとより緩く結合していると考えられる。
【0183】
パネルによって、実施例4による食感が改善されたタンパク質を用いて得られたクリスピーミューズリーもまたより緩い結合と考えられると大部分判断される。
【国際調査報告】