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特表2023-516289生魚組織の保存のためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-19
(54)【発明の名称】生魚組織の保存のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A01N 1/02 20060101AFI20230412BHJP
   A01K 63/02 20060101ALI20230412BHJP
【FI】
A01N1/02
A01K63/02 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022550806
(86)(22)【出願日】2021-02-23
(85)【翻訳文提出日】2022-09-06
(86)【国際出願番号】 US2021019210
(87)【国際公開番号】W WO2021173535
(87)【国際公開日】2021-09-02
(31)【優先権主張番号】62/981,829
(32)【優先日】2020-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522333084
【氏名又は名称】フィンレス フーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ワイルワズ, ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】チェン, イ-シウン ブランドン
【テーマコード(参考)】
2B104
4H011
【Fターム(参考)】
2B104AA01
2B104CA09
4H011BB08
4H011BB18
4H011CA04
4H011CB01
4H011CC03
4H011CD13
(57)【要約】
本開示は、生きている組織の保存のためのシステム、デバイス、組成物および方法を記載する。例えば、本開示は、1または複数の魚の循環系の器官に設置されているニードルを介して生魚組織を流体と接触させることによって、生魚組織を輸送および/もしくは保存する、ならびに/または生魚組織に対する組織損傷を防止する、特定のシステム、組成物、デバイスおよび方法を提供する。一部の実施形態では、本明細書に例示されるシステム、組成物、方法および/またはデバイスに従って、生魚の細胞、組織または器官と接触する、および/またはそれを灌流する、および/またはそれを貯蔵するために好適な流体である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生魚組織を輸送および/もしくは保存する、ならびに/または生魚組織に対する組織損傷を防止する方法であって、
1または複数の魚の循環系の器官に設置されているニードルを介して生魚組織を流体と接触させること
を含む、方法。
【請求項2】
前記流体が、水、糖、pHの平衡を保つ要素、容積オスモル濃度および/または重量オスモル濃度を維持する要素、増殖因子、ガス、有機化合物、塩、増粘剤、ビタミン、イオン、ATP、補因子、緩衝液、酵素、ならびにそれらの任意の組合せからなる群から選択される少なくとも1つのメンバーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1分当たり約1nL~1分当たり約1L(例えば、1分当たり約10nL~1分当たり約500mL、例えば、1分当たり約1μL~1分当たり約250mL、例えば、1分当たり約100μL~1分当たり約10mL)の第1の流速で前記流体を流すこと
を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記流体が、第1のタンクから流れて、第2のタンクまで前記循環系を灌流する、
先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記接触させることが、前記生魚組織を含有する1つまたは複数の容器中で行われる、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記生魚組織および/または器官と前記流体との接触を少なくとも1時間保つことを含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記組織または前記器官を通して前記流体を循環させることを含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
生魚組織を保存することおよび/または生魚組織に対する組織損傷を防止することが、長期間(例えば、約5分~約1年、例えば、約30分~約9か月、例えば、約7日~約6か月、例えば、約1か月~約6か月、例えば、約2か月~約6か月、例えば、約2か月~約12か月)鮮度を保つことを含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記循環系を約-4℃~約20℃(例えば、約-4℃~約10℃、例えば、約-1℃)の温度で維持すること
をさらに含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記循環系から(例えば、生理食塩水溶液を使用して)血液を除去すること
をさらに含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記流体が、約-4℃~約20℃(例えば、約-4℃~約10℃、例えば、約-1℃)の温度を有する、
先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記器官が、心臓、肝静脈、門脈、尾静脈、尾動脈、背側大動脈、腸間膜動脈、肝動脈、遠心性鰓動脈および求心性鰓動脈からなる群から選択されるメンバーであるか、またはそのメンバーを含む、
先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記器官が、心臓であるか、または心臓を含む、
先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記器官が、心臓であり、組成物が、前記心臓の脈管構造の全体を通して循環され、好ましくは、前記組成物が、前記心臓のすべての区画を通して循環される、
先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
第1のニードルが、前記心臓の第1のチャンバーに設置される(例えば、前記第1のチャンバーが、動脈球、心室、心房および静脈洞からなる群から選択されるメンバーであるか、またはそのメンバーを含む)、請求項13または請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のニードルが、前記心臓の第1のチャンバーおよび前記心臓の第2のチャンバーの両方に同時に設置される(例えば、前記第1および前記第2のチャンバーが、動脈球、心室、心房および静脈洞からなる群から選択されるメンバーであるか、またはそのメンバーを含む)、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のニードルが、ヘッドを含み、前記ヘッドが、前記心臓の第2のチャンバーに設置される、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のニードルが、同時に、前記流体が前記器官へと流れかつそこから流れるように適合される、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記循環系の前記器官に設置されている第2のニードルを介して、第2の流速で前記循環系の前記器官から(例えば、第2のタンクに)前記流体を流すこと(例えば、前記第2の流速が、前記第1の流速に十分に類似する速度である)(例えば、前記第2の流速が、前記第1の流速未満の速度である)
を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のニードルおよび前記第2のニードルが、前記心臓の前記第1のチャンバーに設置される(例えば、前記第1のチャンバーが、動脈球、心室、心房または静脈洞からなる群から選択されるメンバーであるか、またはそのメンバーを含む)、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第1のニードルおよび前記第2のニードルが、前記心臓の、それぞれ、前記第1のチャンバーおよび前記第2のチャンバーに設置される(例えば、前記第1および第2のチャンバーが、異なるチャンバーである)、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
ポンプ(例えば蠕動ポンプ、例えばローブポンプ、例えばダイヤフラムポンプ、例えばピストンポンプ)を使用すること(例えば、前記第1の流速のオンライン制御およびリアルタイム調整のためのフィードバックループを必要に応じて有する流速センサーと組み合わせて)を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
コンピューティングデバイスのプロセッサーを介して生魚組織の保存データを回収すること、管理することおよび/または分析することをさらに含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
生魚組織を輸送および/もしくは保存する、ならびに/または生魚組織に対する組織損傷を防止するためのシステムであって、
生魚組織と接触するための流体、および
1または複数の魚の器官または組織に設置された第1のニードルを有する前記1もしくは複数の魚を受け入れるように適合された1つまたは複数の容器
を含む、システム。
【請求項25】
前記流体を貯蔵するように適合された第1のタンク、および
前記流体を受け入れるように適合された第2のタンク
を含む、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
1つまたは複数の管(例えば、前記流体を前記生魚組織にまたはそこから導入および/または除去するための)を含む、請求項24または25に記載のシステム。
【請求項27】
前記流体が、前記生魚組織を通って前記第1のタンクから前記第2のタンクに流れることによって、前記生魚組織と接触する、請求項24~26のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項28】
前記1または複数の魚の器官または組織に設置された第2のニードルを含む、請求項24~27のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項29】
前記流体が、水、糖、pHの平衡を保つ要素、容積オスモル濃度および/または重量オスモル濃度を維持する要素、増殖因子、ガス、有機化合物、塩、増粘剤、ビタミン、イオン、ATP、補因子、緩衝液、酵素、ならびにそれらの任意の組合せからなる群から選択される少なくとも1つのメンバーを含む、請求項24~28のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項30】
ポンプを含む、請求項24~29のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項31】
前記ポンプが、蠕動ポンプ、ローブポンプ、ダイヤフラムポンプ、ピストンポンプ、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択されるメンバーであるか、またはそのメンバーを含む、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
1つまたは複数の流速センサーを含む、請求項24~31のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項33】
前記システムが、無菌または十分に無菌である(例えば、前記1つまたは複数の容器が、無菌または十分に無菌である、例えば、前記第1のニードルが、無菌または十分に無菌である、例えば、前記第1のタンクおよび前記第2のタンクが、無菌または十分に無菌である、例えば、前記第2のニードルが、無菌または十分に無菌である、例えば、前記流体が、無菌または十分に無菌である)、請求項24~32のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項34】
前記1または複数の魚が、約-4℃~約20℃(例えば、約-4℃~約10℃、例えば、約-1℃)の温度を有する、請求項24~33のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項35】
コンピューティングデバイスのプロセッサーが、生魚組織の保存データを回収、管理および/または分析するように構成される、請求項24~33のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項36】
生きている魚の細胞、組織または器官と接触する、および/またはそれを灌流する、および/またはそれを保存する、および/またはそれを貯蔵するために好適な流体。
【請求項37】
水、糖、pHの平衡を保つ要素、容積オスモル濃度および/または重量オスモル濃度を維持する要素、増殖因子、ガス、有機化合物、塩、増粘剤、ビタミン、イオン、ATP、補因子、緩衝液、酵素、ならびにそれらの任意の組合せからなる群から選択される少なくとも1つの因子を含む、請求項36に記載の流体。
【請求項38】
前記少なくとも1つの因子のそれぞれの因子が、前記流体単独中で貯蔵された魚の細胞、組織または器官の維持と比較して、前記流体中で実質的に維持された場合に、前記魚の細胞、組織または器官の生存能を延長するのに有効な量で前記流体中に存在する、請求項37に記載の流体。
【請求項39】
前記流体が、水単独中で維持された前記生魚組織、細胞または器官の維持および/または貯蔵と比較して、前記生きている魚の細胞、組織および器官を、長期間(例えば、約5分~約1年、例えば、約30分~約9か月、例えば、約7日~約6か月、例えば、約1か月~約6か月、例えば、約2か月~約6か月、例えば、約2か月~約12か月)保存する、および/またはそれに対する損傷を防止する、請求項36~38のいずれか一項に記載の流体。
【請求項40】
生きている魚の細胞、組織または器官(例えば、1または複数の活動不能の魚の)と接触する、および/またはそれを灌流する、および/またはそれを貯蔵するのに適合したニードルを含むデバイス。
【請求項41】
前記ニードルが、循環系の器官の第1の場所(例えば、チャンバー)に設置される(例えば、前記第1のチャンバーが、動脈球、心室、心房および静脈洞からなる群から選択されるメンバーであるか、またはそのメンバーを含む)、請求項40に記載のデバイス。
【請求項42】
前記ニードルが、前記器官の第1の場所および前記器官の第2の場所の両方に同時に設置される、請求項40または41に記載のデバイス。
【請求項43】
第1のニードルが、ヘッドを含み、前記ヘッドが、心臓の第2のチャンバーに設置される、請求項42に記載のデバイス。
【請求項44】
前記第1のニードルが、同時に、流体が前記器官へと流れかつそこから流れるように適合される、請求項40~43のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項45】
輸送および/または保存における使用のための生きている魚の細胞、組織または器官であって、前記魚の組織が、流体中に貯蔵される、生魚の細胞、組織または器官。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2020年2月26日に出願された米国出願第62/981,829号の利益を主張し、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
背景
商業的規模で輸送の間に魚の組織を保存することは困難である。残念ながら、魚の輸送は、典型的には、魚の組織に損傷を与えるか、または死亡させ、これは、新鮮な組織の産物と比較して劣った産物をもたらす。魚は、冷凍することができ、または酸素が拡散された水で満たされたタンク中で輸送することができるが、輸送時間の間の組織の生存能は、よくても最低限度のままである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
概要
本発明は、生魚組織の保存のための改善されたシステム、組成物および方法についての必要性を認識している。数ある中でも、本開示は、輸送の間の魚の組織などの組織の保存が、組織の品質を改善することを認識している。例えば、一部の実施形態では、本開示は、輸送の間に生魚組織を灌流することが、組織を冷凍することまたは酸素が、拡散された水で満たされたタンク中で生きている魚を輸送することよりもむしろ、費用を最小化しながら、魚の組織の品質を改善することを認識している。
【0004】
数ある中でも、本開示は、商業的規模で魚の組織を冷凍することが、すべての生きている細胞を実質的に死亡させ、および/または組織に損傷を与え、これが、新鮮な組織と比較して、解凍後に劣った産物をもたらすことを認識している。別の例として、本開示は、冷凍することがなくても、生きている細胞が、輸送の間に、酸素および栄養素などの因子の欠如に起因して、加速した速度で死ぬことを認識している。例えば、一部の実施形態では、本開示は、酸素および栄養素などの因子の組織の欠乏が、組織の破壊の引き金を引き、それによって、劣った産物(例えば、食べられないまで)をもたらすことを認識している。
【0005】
数ある中でも、本開示は、酸素が拡散された水で満たされたタンク中で生きている魚を輸送することが、30分よりも長い移動期間を通して魚に物理的に損傷を与え得ることを認識している。そのような制約は、費用を増加させる重い輸送重量を必要とし、多くの場合、そのような方法で輸送され得る魚の数を限定する。
【0006】
数ある中でも、一部の実施形態では、本開示は、輸送および/または保存の間の生魚組織の保存のためのシステム、組成物、デバイスおよび方法を提供する。例えば、本開示は、1または複数の魚の循環系の器官に設置されているニードルを介して生魚組織を流体と接触させることによって、生魚組織を輸送および/もしくは保存する、ならびに/または生魚組織に対する組織損傷を防止する、特定のシステム、組成物、デバイスおよび方法を提供し、例えば、本明細書に具体的に例示されるシステム、方法およびデバイスへの参照を含む。
【0007】
一部の実施形態では、本明細書に例示されるシステム、組成物、方法および/またはデバイスに従って、生魚の細胞、組織または器官と接触する、および/またはそれを灌流する、および/またはそれを貯蔵するために好適な流体である。
【0008】
一部の実施形態では、ニードルは、循環系を灌流するための流体を受け入れるための循環系の器官に設置される。
【0009】
数ある中でも、本発明は、研究および/または商業的環境における魚についての細胞、組織および器官を保存する、システム、方法、組成物およびデバイスをさらに提供し、ここで、生存細胞、器官および他の培養技術が、基本的に、かつ適用される生物医学研究および/または診断手順および/またはin vitroでの組織の生存能を保存することを必要とする食品関連産業のために必要とされる。
【0010】
本発明の一態様(例えば、方法)と関わる実施形態の要素は、本発明の他の態様と関わる実施形態において適用することができ、逆もまた同様である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1A~1Cは、本開示の実施形態に従う、生魚組織を輸送および/または保存する、ならびに/または生魚組織に対する組織損傷を防止するためのシステムを表す。
【0012】
図2図2A~2Cは、本開示の実施形態に従う、生魚組織を輸送および/または保存する、ならびに/または生魚組織に対する組織損傷を防止するためのシステムを表す。
【0013】
図3図3は、本開示の実施形態に従う、生魚組織を輸送および/または保存する、ならびに/または生魚組織に対する組織損傷を防止するためのシステムを表す。
【0014】
図4図4は、ある特定の実施形態で使用される例示的なクラウドコンピューティング環境のブロック図である。
【0015】
図5図5は、ある特定の実施形態で使用される例示的なコンピューティングデバイスのブロック図およびモバイルコンピューティングデバイスの例である。
【0016】
図6図6は、本開示の実施形態に従う、動脈、静脈および他の器官を含む魚の体腔の概略図を表す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
定義
「約」:「約」という用語は、値に関して本明細書で使用される場合、言及される値と文脈上類似する値を指す。一般に、文脈に精通している当業者であれば、その文脈における「約」によって包含される関連のある分散の度合を理解するであろう。例えば、一部の実施形態では、「約」という用語は、言及される値の25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、またはそれよりも少ない範囲内の値の範囲を包含し得る。
【0018】
「アミノ酸」:本明細書で使用される場合、その最も広い意味で、例えば、1つまたは複数のペプチド結合の形成により、ポリペプチド鎖に組み込まれ得る任意の化合物および/または物質を指す。一部の実施形態では、アミノ酸は、一般構造HN-C(H)(R)-COOHを有する。一部の実施形態では、アミノ酸は、天然に存在するアミノ酸である。一部の実施形態では、アミノ酸は非天然アミノ酸であり、一部の実施形態では、アミノ酸はD-アミノ酸であり、一部の実施形態では、アミノ酸はL-アミノ酸である。「標準アミノ酸」は、天然に存在するペプチド中で通常見出される20の標準L-アミノ酸のいずれかを指す。「非標準アミノ酸」は、合成的に調製されるか、または天然源から得られるかにかかわらず、標準アミノ酸以外の任意のアミノ酸を指す。一部の実施形態では、アミノ酸は、ポリペプチドにおいてカルボキシおよび/またはアミノ末端のアミノ酸を含んで、上記の一般構造と比較して構造の修飾を含有し得る。例えば、一部の実施形態では、アミノ酸は、一般構造と比較して、メチル化、アミド化、アセチル化、ペグ化、グリコシル化、リン酸化、および/または置換(例えば、アミノ基、カルボン酸基、1つもしくは複数のプロトン、および/またはヒドロキシル基の)によって修飾されていてもよい。一部の実施形態では、そのような修飾により、例えば、修飾されたアミノ酸を含有するポリペプチドの循環半減期が、他は同一の未修飾のアミノ酸を含有するポリペプチドと比較して、変化してもよい。一部の実施形態では、そのような修飾により、修飾されたアミノ酸を含有するポリペプチドの関連する活性が、他は同一の未修飾のアミノ酸を含有するポリペプチドと比較して、有意には変化しない。文脈から明らかであるように、一部の実施形態では、「アミノ酸」という用語を使用して、遊離アミノ酸を指すことがあり、一部の実施形態では、これを使用して、ポリペプチドのアミノ酸残基を指すことがある。
【0019】
「緩衝液」:「緩衝液」という用語は、本明細書で使用される場合、酸または塩基が溶液に添加される場合に、pHの変化に耐える水溶液または組成物を指す。緩衝する活性を示す溶液は、多くの場合、本技術分野において「緩衝液」または「緩衝溶液」と称される。緩衝液は、典型的には、規定された範囲内で、多くの場合、例えばpH5.5~pH7.5内で、溶液のpHを維持することができる。典型的には、およそ7のpHを維持することができる緩衝溶液は、多くの場合、「生理学的緩衝液」と称される。例示的な生理学的緩衝液としては、限定されるものではないが、乳酸リンゲル液、生理的食塩水溶液、N-(2-アセトアミド)-2-アミノエタンスルホン酸(ACES);N-2-アセトアミド-2-イミノ二酢酸(ADA);N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタンスルホン酸(BES);N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン(BICINE);2-ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール(BIS-TRIS);3-(シクロヘキシルアミノ)-1-プロパンスルホン酸(CAPS);3-(シクロヘキシルアミノ)-2-ヒドロキシ-1-プロパンスルホン酸(CAPSO);2-(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸(CHES);(N,N-ビス[2-ヒドロキシエチル]アミノ)-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸(DIPSO);4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンプロパンスルホン酸(EPPS);4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-エタンスルホン酸(HEPES);4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-(2-ヒドロキシプロパンスルホン酸)(HEPPSO);2-(N-モルフィリノ)エタンスルホン酸(MES);3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS);3-モルホリノ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸(MOPSO);ピペラジン-1,4-ビス(2-エタンスルホン酸)(PIPES);ピペラジン-N,N’-ビス(2-ヒドロキシプロパンスルホン酸)(POPSO);[(2-ヒドロキシ-1,1-ビス(ヒドロキシメチル)エチル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸(TAPS);3-(N-トリス[ヒドロキシメチル]メチルアミノ)-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸(TAPSO);2-[(2-ヒドロキシ-1,1-ビス(ヒドロキシルメチル)エチル)アミノ]エタンスルホン酸(TES);N-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン(TRICINE);およびトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)(TRIS);それらの混合物または誘導体、ならびにGood et al. (1966)によって開発されたものを含む他の生理学的緩衝液が挙げられる。
【0020】
「同等の」:本明細書で使用される場合、「同等の」という用語は、互いに同一ではないことがあるが、それらの間で比較を可能にするのに十分に類似し、その結果、当業者が、観察された相違または類似性に基づいて合理的に結論付け得ると認識する、2種またはそれより多くの薬剤、実体、状況、条件のセットなどを指す。一部の実施形態では、条件、事情、個体または集団の同等のセットは、複数の実質的に同一の特性および1つまたは少数の変化した特性によって特徴付けられる。当業者であれば、文脈において、同等と見なされる2つまたはそれよりも多くの薬剤、実体、状況、条件のセットなどについて、任意の所与の事情において、どの程度の同一性が必要とされるかを理解するであろう。例えば、当業者であれば、事情、個体もしくは集団の異なるセットの下で、またはそれらを用いて得られた結果あるいは観察された現象における相違が、変化したそれら特性における変動によって引き起こされるか、またはその指標であるという合理的な結論を保証するのに十分な数および種類の実質的に同一の特性によって特徴付けられる場合に、事情、個体または集団のセットが、互いに同等であると認識するであろう。
【0021】
「含む(comprising)」:1つまたは複数の指名された要素またはステップを「含む(comprising)」と本明細書に記載される組成物または方法は、オープンエンドであり、指名された要素またはステップが必須であるが、他の要素またはステップが組成物または方法の範囲内で追加されてもよいことを意味する。冗長さを回避するために、1つまたは複数の指名された要素またはステップを「含む(comprising)」(またはそれを「含む(comprise)」)と記載される任意の組成物または方法は、同じ指名された要素またはステップ「から本質的になる(consisting essentially of)」(またはそれ「から本質的になる(consist essentially of)」)対応するより限定された組成物または方法も記載し、組成物または方法が、指名された必須の要素またはステップを含み、組成物または方法の基本的かつ新規の特徴に著しく影響を及ぼさない追加の要素またはステップも含み得ることを意味することも理解される。1つまたは複数の指名された要素またはステップを「含む(comprising)」またはそれ「から本質的になる(consisting essentially of)」と本明細書に記載される任意の組成物または方法も、任意の他の指名されていない要素またはステップを排除する、指名された要素またはステップ「からなる(consisting of)」(または、「からなる(consist of)」)対応するより限定されたクローズドエンドの組成物または方法も記載することも理解される。本明細書に開示される任意の組成物または方法では、任意の指名された必須の要素またはステップの公知のまたは開示される等価物が、その要素またはステップに対して置換されてもよい。
【0022】
「流体」:「流体」という用語は、広い意味で、本明細書で使用される場合、種々の溶液、緩衝液、製剤および/または化合物を包含することが意図され、ここで、特定の生物有機体、細胞、組織、器官、または他の種類の生体試料もしくは生体材料は、任意の期間存在し得、これは、そのような緩衝液、溶液、製剤および/または化合物内に置かれた生体材料の生存能の保存を助ける。
【0023】
「改善する」、「増加する」、「阻害する」または「低減する」:本明細書で使用される場合、「改善する」、「増加する」、「阻害する」、「低減する」という用語、またはそれらの文法的等価物は、ベースラインまたは他の参照測定値に関連する値を示す。一部の実施形態では、適切な参照測定値は、特定の薬剤もしくは処理の非存在下(例えば、その前および/または後)または適切な同等の参照薬剤の存在下で他は同等の条件下の特定の系における(例えば、単一の個体における)測定値であり得るか、あるいはそれを含み得る。一部の実施形態では、適切な参照測定値は、関連する薬剤または処理の存在下、特定の方法で応答することが公知であるかまたは予想される同等の系における測定値であり得るか、あるいはそれを含み得る。
【0024】
「灌流」および/または「灌流する」:本明細書で使用される場合、「灌流」および/または「灌流する」という用語は、器官もしくは組織において、血管または他の天然チャネルを通した、血液、代用血液または他の流体の通過(または、それが通過すること)を指す。
【0025】
「実質的に」:本明細書で使用される場合、「実質的に」という用語は、目的の特徴または性質の完全なまたはほぼ完全な程度または度合を示す質的な条件を指す。生物学分野における当業者は、生物学的および化学的現象が、完了に向かうおよび/または完了に進行する、または絶対的な結果を達成もしくは回避することは、仮にあるとしても、稀であることを理解するであろう。したがって、「実質的に」という用語は、多くの生物学的および化学的現象において固有の完全性の潜在的な欠如を捉えるために、本明細書中で使用される。
【0026】
「組織」および/または「器官」:本明細書で使用される場合、「組織」および/または「器官」という用語は、凝集形態、例えば、器官の小さな部分における生存している細胞材料、ならびに分散した細胞、例えば、筋肉、心筋、肝臓もしくは腎臓から分散、単離および/または成長した細胞を指し、他に規定のない限り、骨髄細胞および子孫細胞、血液骨幹細胞および子孫、ならびにさまざまな他の血液要素を含む。一部の実施形態では、組織および/または器官は、腎臓、心臓、肝臓、胃、脾臓、膵臓、肺、脳、眼、腸、膀胱、皮膚または真皮組織、血管、静脈、動脈、心臓弁、精液および卵母細胞を指す。本明細書で使用される場合、「器官」という用語は、固形の器官、例えば、腎臓、心臓、肝臓、肺、ならびに器官の機能的部分、例えば、皮膚の部分、動脈、静脈の切片、移植可能な肝臓の葉、腎臓、肺などの両方を包含する。
特定の実施形態の詳細な説明
【0027】
本発明は、生魚組織を輸送および/または保存する、ならびに/または生魚組織に対する組織損傷を防止するための方法、組成物、システムおよびデバイスを提供する。
【0028】
数ある中でも、一部の実施形態では、本発明は、魚の脳がもはや機能していないが生魚組織を輸送する能力を改善する。数ある中でも、一部の実施形態では、本発明の1つの利点としては、生きている魚の輸送の従来の方法と比較して、輸送される単位の重量を減少することが挙げられる。本発明の利点の別の例は、魚を増加した時間輸送することができることである。例えば、輸送は、数日から数週間もしくは数か月、またはそれよりも長く増加させることができる。数ある中でも、本発明は、輸送される単位の温度を極めて低いレベルにならないようにし、それによって冷却の費用を低減することを可能にする。数ある中でも、本発明は、壊死を介した組織破壊の低減に起因して、消費者に知覚される鮮度を増加させる。
【0029】
本発明は、本明細書に例示されるシステム、方法、デバイスおよび流体に従って使用することができる種々の魚を提供する。本明細書で例示されるように、本発明は、すべての種類の魚を輸送するシステム、組成物および方法を提供し、従来の輸送方法でのみ生き延びることができる魚の輸送に限定されない。一部の実施形態では、魚としては、硬骨類、原始的なビチャー、チョウザメ、ヘラチョウザメ、淡水ガーフィッシュまたはボウフィンが挙げられる。一部の実施形態では、魚としては、https://en.wiktionary.org/wiki/Appendix:List_of_fishによって記載される「Appendix:List of Fish」に列挙される魚が挙げられ、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
魚が経験するストレスの低減
【0030】
数ある中でも、本発明は、本明細書に例示されるシステム、方法またはデバイスのいずれかを使用して、1または複数の魚の経験するストレスを低減および/または軽減するための種々のシステム、方法およびデバイスを提供する。一部の実施形態では、魚が経験するストレスは、組織損傷および/または壊死を促進し得、これは、劣った産物の品質をもたらし得る。一部の実施形態では、魚産物の品質を改善するための方法および組成物は、米国特許第6,001,396A号によって記載されており、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、魚産物の品質を改善するための方法および組成物は、米国特許第9,468,197B2号によって記載されており、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
温度
【0031】
一部の実施形態では、魚は、0℃またはそれよりも下で凍る。一部の実施形態では、魚は、塩溶液中、-4℃またはそれよりも下で凍る。
【0032】
一部の実施形態では、1または複数の魚は、魚によって知覚されるストレスを低減および/または解消する温度に冷却され得る。一部の実施形態では、1または複数の魚は、約-4℃~約20℃の範囲内の温度を有する。一部の実施形態では、1または複数の魚は、約20℃の温度を有するように冷却される。一部の実施形態では、1または複数の魚は、約19℃の温度を有するように冷却される。一部の実施形態では、1または複数の魚は、約18℃の温度を有するように冷却される。一部の実施形態では、1または複数の魚は、約17℃の温度を有するように冷却される。一部の実施形態では、1または複数の魚は、約16℃の温度を有するように冷却される。一部の実施形態では、1または複数の魚は、約15℃の温度を有するように冷却される。一部の実施形態では、1または複数の魚は、約14℃の温度を有するように冷却される。一部の実施形態では、1または複数の魚は、約13℃の温度を有するように冷却される。一部の実施形態では、1または複数の魚は、約12℃の温度を有するように冷却される。一部の実施形態では、1または複数の魚は、約11℃の温度を有するように冷却される。一部の実施形態では、1または複数の魚は、約10℃の温度を有するように冷却される。一部の実施形態では、1または複数の魚は、約9℃の温度を有するように冷却される。一部の実施形態では、1または複数の魚は、約8℃の温度を有するように冷却される。一部の実施形態では、1または複数の魚は、約7℃の温度を有するように冷却される。一部の実施形態では、1または複数の魚は、約6℃の温度を有するように冷却される。一部の実施形態では、1または複数の魚は、約5℃の温度を有するように冷却される。一部の実施形態では、1または複数の魚は、約4℃の温度を有するように冷却される。一部の実施形態では、1または複数の魚は、約3℃の温度を有するように冷却される。一部の実施形態では、1または複数の魚は、約2℃の温度を有するように冷却される。一部の実施形態では、1または複数の魚は、約1℃の温度を有するように冷却される。一部の実施形態では、1または複数の魚は、約0℃の温度を有するように冷却される。一部の実施形態では、1または複数の魚は、約-1℃の温度を有するように冷却される。一部の実施形態では、1または複数の魚は、約-2℃の温度を有するように冷却される。一部の実施形態では、1または複数の魚は、約-3℃の温度を有するように冷却される。一部の実施形態では、1または複数の魚は、約-4℃の温度を有するように冷却される。
【0033】
数ある中でも、一部の実施形態では、本発明は、1または複数の魚のストレスを低減するためのシステム、方法、組成物およびデバイスを記載する。一部の実施形態では、1または複数の魚は、ストレスを低減するために、氷浴中に入れることができる。一部の実施形態では、1または複数の魚は、ストレスを低減するために、冷水浴中に入れることができる。一部の実施形態では、1または複数の魚は、ストレスを低減するために、冷蔵庫中に入れることができる。一部の実施形態では、1または複数の魚は、ストレスを低減するために、氷-水スラリー浴中に入れることができる。一部の実施形態では、氷-水スラリー浴は、約0.1重量%~約99重量%の氷を含む。一部の実施形態では、氷は砕かれ得る。一部の実施形態では、氷は四角くあり得る。一部の実施形態では、氷は薄く削られ得る。一部の実施形態では、氷はフレーク状の形であり得る。一部の実施形態では、氷は洋ナシ状の形であり得る。一部の実施形態では、氷は三日月状の形であり得る。一部の実施形態では、本発明の実施形態として使用される冷却プロセスは、米国特許第9,468,197B2号に記載されており、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
抗酸化剤
【0034】
数ある中でも、本開示は、魚を抗酸化剤に曝露して、魚に対するストレスを低減する、ならびに/または魚の品質を増強する、ならびに/または魚の細胞、組織および/もしくは器官を保存することを含む、方法、システム、組成物および/またはデバイスを記載する。一部の実施形態では、流体は、トコフェロールなどの抗酸化剤を含む。一部の実施形態では、流体は、エトキシキンなどの抗酸化剤を含む。一部の実施形態では、流体は、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)などの抗酸化剤を含む。一部の実施形態では、流体は、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)などの抗酸化剤を含む。一部の実施形態では、流体は、tert-ブチルハイドロキノン(TBHG)などの抗酸化剤を含む。一部の実施形態では、流体は、カロテノイドなどの抗酸化剤を含む。一部の実施形態では、流体は、レチノイドなどの抗酸化剤を含む。
【0035】
数ある中でも、一部の実施形態では、本開示は、生魚組織に対する潜在的な酸素損傷を低減するための方法、システム、組成物および/またはデバイスを記載する。方法、システム、組成物および/またはデバイスの例は、米国特許第8,268,547B2号によって記載されており、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
活動不能の魚
【0036】
一部の実施形態では、本発明は、活動不能である1または複数の魚のために必要ではない。
【0037】
数ある中でも、本発明は、本明細書に例示される1または複数の魚を活動不能にするための種々のシステム、方法およびデバイスを提供する。一部の実施形態では、1または複数の魚は、窒息を介して活動不能にされる。一部の実施形態では、1または複数の魚は、氷浴を介して活動不能にされる。一部の実施形態では、1または複数の魚は、断頭を介して活動不能にされる。例えば、一部の実施形態では、断頭は、ナイフを使用して、鋭い刃に取り付けられた液圧プレスを使用して、または鋸(例えば、丸鋸、例えば、往復鋸)を使用して行われる。一部の実施形態では、1または複数の魚は、1回または複数回の頭部への打撃を介して活動不能にされる。
【0038】
一部の実施形態では、1または複数の魚は、本明細書に記載されるように、ハンマー、斧、ナイフ、はさみまたは糸鋸を使用して活動不能にされる。一部の実施形態では、1または複数の魚は、電力、ヒトの力、蒸気動力またはガス動力を使用して活動不能にされる。
【0039】
一部の実施形態では、1または複数の魚は、ハンマーを使用する1回または複数回の頭部への打撃を介して活動不能にされる。ハンマーの種類としては、ボールピーンハンマー、クローハンマー、クラブハンマー、デッドブローハンマー、フレーミングハンマー、大型ハンマー、タックハンマー、ブリックハンマー、電気ハンマー、エンジニアリングハンマー、ロックハンマー、スコッチハンマー、シングルハンマー、スパイキモールハンマー、ソフトフェイスハンマー、工具メーカーのハンマー、溶接ハンマーまたは動力ハンマーが挙げられる。一部の実施形態では、動力ハンマーとしては、蒸気ハンマー、電力ハンマーまたは空気ハンマーが挙げられ得る。一部の実施形態では、ハンマーは、ゴム製ハンマー、金属製ハンマー、プラスチック製ハンマー、木製ハンマー、真鍮製ハンマーまたは銅製ハンマーであり得る。
【0040】
一部の実施形態では、1または複数の魚は、斧を使用する1回または複数回の頭部への打撃を介して活動不能にされる。斧の種類としては、鉞、鉈、投げ戦斧、薪割り斧、ダブルビット斧、バイキングもしくはデーン斧、戦術斧、戦闘斧、伐採斧、大工の斧、消防士の斧、クラッシュ斧または投げ斧が挙げられる。一部の実施形態では、斧は、ゴム製斧、金属製斧、プラスチック製斧、真鍮製斧または銅製斧であり得る。
【0041】
一部の実施形態では、1または複数の魚は、本明細書に例示されるピッシングを介して活動不能にされる。一部の実施形態では、1または複数の魚は、金属材料でピッシングされる。一部の実施形態では、1または複数の魚は、合金材料でピッシングされる。一部の実施形態では、1または複数の魚は、ゴム製材料でピッシングされる。一部の実施形態では、1または複数の魚は、プラスチック製材料でピッシングされる。一部の実施形態では、1または複数の魚は、木製材料でピッシングされる。一部の実施形態では、1または複数の魚は、真鍮製材料でピッシングされる。一部の実施形態では、1または複数の魚は、銅製材料でピッシングされる。一部の実施形態では、1または複数の魚は、炭素繊維材料でピッシングされる。一部の実施形態では、1または複数の魚は、約1mm~約15cmの直径を有する材料を使用してピッシングされる。
【0042】
一部の実施形態では、1または複数の魚は、脳において(例えば、嗅葉において、例えば、終脳において、例えば、視葉において、例えば、小脳において、例えば、髄脳において、例えば、脊髄において)ピッシングされる。一部の実施形態では、1または複数の魚は、脊髄においてピッシングされる(例えば、その結果、神経系が破壊される、例えば、その結果、神経が破壊される)。一部の実施形態では、1または複数の魚の尾は、脊髄へのアクセスを得るために切断される(例えば、魚の後側の任意の切断/開口部を通して)(例えば、魚の前側の任意の切断/開口部を通して)。一部の実施形態では、脊髄へのアクセスは、脳への開口部を通して得られる。一部の実施形態では、1または複数の魚は、心臓においてピッシングされる。一部の実施形態では、1または複数の魚は、鰓において(例えば、鰓の根本に、例えば、鰓の上部に、例えば、1または複数の魚の前に近い鰓の上部に、例えば、鰓の中央に)ピッシングされる。
【0043】
数ある中でも、一部の実施形態では、1または複数の魚は、本明細書に記載されるように、活け締めを使用して活動不能にされる。活け締めまたは活き締めは、その肉の品質を維持するために魚を死亡させる人道的な方法である。一部の実施形態では、活け締めは、魚の後脳または他の器官への迅速なスパイクの挿入を含む(例えば、後脳および/または他の器官は、目の少し後ろ側の上部に位置し、それによって、即時の脳死を引き起こす)。一部の実施形態では、活け締めは、魚の後脳または他の器官への直接的なスパイクの挿入を含む(例えば、後脳および/または他の器官は、目の少し後ろ側の上部に位置し、それによって、即時の脳死を引き起こす)。一部の実施形態では、正しくスパイクされると、魚のひれが広がる。一部の実施形態では、正しくスパイクされると、魚はリラックスする。一部の実施形態では、正しくスパイクされると、魚は直ぐにすべての動きを停止する。数ある中でも、一部の実施形態では、魚の脳および脊髄の破壊は、反射運動の発生を防止し得る。一部の実施形態では、そのような筋肉の動きは、そうでなければ、筋肉のアデノシン三リン酸を消費し得、これは、乳酸およびアンモニアを産生し得る(例えば、魚を酸っぱくし、水っぽくし、および/または嗜好を低下させる)。さらにまた、一部の実施形態では、本開示は、魚の肉体に含有される血液を腸腔に戻し、これが、例えば、良好な色で風味の切り身を生成し得ることを記載する。一部の実施形態では、本開示は、魚の肉体に含有される血液を腸腔に戻し、これが、例えば、保存可能期間を延長し得ることを記載する。本明細書に記載されるように、活け締めは、魚を死亡させる高速で人道的な方法と考えられ得る。例えば、活け締めで死亡した魚は、魚が熟成されるとよりうま味を生じさせるので、レストランに求められている。数ある中でも、本発明は、本明細書に例示されるように、活け締めを使用して記載される。一部の実施形態では、活け締めを使用して、神経系にピッシングする(例えば、ニューロンの発火を止めるために)。
【0044】
数ある中でも、一部の実施形態では、1または複数の魚は、中毒によって活動不能にされる。一部の実施形態では、中毒は、水を二酸化炭素で飽和することによって行われる(例えば、二酸化炭素は、5mg/Lより高い、例えば10mg/Lより高い範囲で導入される)。一部の実施形態では、中毒は、https://en.wikipedia.org/wiki/Tricaine_mesylateによって記載されるようにして、メシル酸トリカイン(MS222)を導入することによって行われ、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。1または複数の魚がヒトによって消費される実施形態ではMS222が使用されないであろうことに留意されたい。
【0045】
数ある中でも、一部の実施形態では、1または複数の魚は、電気によって活動不能にされる。
循環系へのおよび/または循環系からの流体の導入および/または除去
【0046】
本発明は、生魚組織を輸送および/または保存する、ならびに/または生魚組織に対する組織損傷を防止する、生魚のための方法、システムおよびデバイスを提供する。数ある中でも、本発明は、本明細書に例示される方法、システムおよび/またはデバイスのいずれかを使用して、1または複数の魚の循環系に流体を導入することを記載する。
ニードル
【0047】
数ある中でも、一部の実施形態では、本発明は、1つまたは複数のニードルを使用する、生魚組織を輸送および/または保存する、ならびに/または生魚組織に対する組織損傷を防止する、生魚のための方法、システムおよびデバイスを提供する。一部の実施形態では、ニードルは、2、3、3T、4(1度から90度の)、5、またはASなどのニードルポイントのスタイルを有する。一部の実施形態では、ニードルは、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、または33のニードルゲージを有する。一部の実施形態では、ニードルは、医療グレードのステンレス鋼、高度な合金、エキゾチック金属、MRI適合材料またはポリマーを含む材料を有する。
【0048】
一部の実施形態では、1つまたは複数のニードルは、本明細書に例示されるように、1または複数の魚の心臓に導入される。一部の実施形態では、ニードルヘッドは、本明細書に例示されるように、1または複数の魚の心臓に導入される。
【0049】
一部の実施形態では、1つのニードルが、本明細書に例示されるように、循環系に流体を送り込むために、循環系の器官に導入される。一部の実施形態では、1つのニードルが、本明細書に例示されるように、流体を循環系の器官に送り込むためおよびそこから送り出すために、循環系の器官に導入される。一部の実施形態では、本明細書に例示されるように、第1のニードルが、流体を循環系の器官に送り込むために、循環系の器官に導入され、第2のニードルが、流体を循環系から送り出すために、循環系に導入される。一部の実施形態では、1つのニードルが、本明細書に例示されるように、流体を同時に循環系の器官に送り込むためおよびそこから送り出すために、循環系の器官に導入される。
【0050】
一部の実施形態では、ニードルは、心臓に導入される。一部の実施形態では、ニードルは、肝静脈に導入される。一部の実施形態では、ニードルは、門脈に導入される。一部の実施形態では、ニードルは、尾静脈に導入される。一部の実施形態では、ニードルは、尾動脈に導入される。一部の実施形態では、ニードルは、背側大動脈に導入される。一部の実施形態では、ニードルは、腸間膜動脈に導入される。一部の実施形態では、ニードルは、肝動脈に導入される。一部の実施形態では、ニードルは、遠心性鰓動脈に導入される。一部の実施形態では、ニードルは、肝動脈に導入される。一部の実施形態では、ニードルは、求心性鰓動脈に導入される。
管およびポンプ
【0051】
数ある中でも、一部の実施形態では、本発明は、本明細書に例示されるように、1つまたは複数の管のシステムを使用する、生魚組織を輸送および/または保存する、ならびに/または生魚組織に対する組織損傷を防止する、生魚のための方法、システムおよびデバイスを提供する。管の種類としては、アルミニウム、銅、鋼、ステンレス鋼、ナイロン、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン、ポリウレタン、PVC、ビニール、ゴムチューブ、繊維ガラスおよび複合材料が挙げられる。一部の実施形態では、ニードルの終端は、1つの管に取り付けられ、その管は、1または複数の魚の循環系を通して(例えば、循環系を灌流するように)流体を送り込むためのポンプに接続される。ポンプの種類としては、蠕動ポンプ、ローブポンプ、ダイヤフラムポンプ、またはピストンポンプが挙げられる。
【0052】
一部の実施形態では、流体は、1または複数の魚の循環系を通して送り込まれる。例えば、一部の実施形態では、システムは、1つの魚を含む。別の例として、システムは、1または複数の魚を含む。
閉鎖システム
【0053】
数ある中でも、一部の実施形態では、流体の動きは、閉鎖システム内である(例えば、図2Aまたは図3Aを参照されたい)。一部の実施形態では、本開示は、本明細書に例示されるように、流体を貯蔵および/または移動させるための1つまたは複数のタンクを含むシステム、方法および/またはデバイスを提供する。例えば、一部の実施形態では、流体は、第1のタンクから枯渇し、1または複数の魚の循環を通して灌流され、第2のタンクに蓄積される。
【0054】
例えば、一部の実施形態では、流体は、組織の生存能を害する負の因子を最小限で含む。一部の実施形態では、流体は、組織の生存能を維持および/または促進および/または保存する正の因子を保つおよび/または補給する1または複数の正の因子を含む。負の因子の種類としては、アンモニア、酸、または毒性の細胞廃棄物が挙げられる。正の因子の種類としては、水、pHの平衡を保つ要素、容積オスモル濃度および/または重量オスモル濃度を維持する要素、増殖因子、酸素、酸素産物、有機化合物、増粘剤、ビタミン、イオン、ATP、または補因子が挙げられる。
流体
【0055】
数ある中でも、本開示は、魚の循環系を灌流するために流体中で使用され得る種々の因子を記載する。一部の実施形態では、魚の組織を維持および/または保存するための流体が、本明細書に記載される。一部の実施形態では、流体は、毒性の細胞廃棄物、酸またはアンモニアを欠く魚の廃血液を含む。一部の実施形態では、流体は、栄養素(例えば、炭素、窒素またはリン酸源)を含む、化学的に規定されたpHおよび/または重量オスモル濃度の平衡を保つ媒体を含む。一部の実施形態では、流体は、水を含む。一部の実施形態では、流体は、糖を含む。一部の実施形態では、流体は、pHの平衡を保つ要素を含む。一部の実施形態では、流体は、重量オスモル濃度の平衡を保つ要素を含む。一部の実施形態では、流体は、ガスを含む。一部の実施形態では、流体は、有機化合物を含む。一部の実施形態では、流体は、塩を含む。一部の実施形態では、流体は、増粘剤を含む。一部の実施形態では、流体は、ビタミンを含む。一部の実施形態では、流体は、増殖因子を含む。一部の実施形態では、流体は、イオンを含む。一部の実施形態では、流体は、ATPを含む。一部の実施形態では、流体は、補因子を含む。一部の実施形態では、流体は、NADH/NADPHを含む。一部の実施形態では、流体は、緩衝液を含む。一部の実施形態では、流体は、酵素を含む。一部の実施形態では、流体は、本明細書に例示される因子の組合せを含む。
【0056】
数ある中でも、一部の実施形態では、本明細書に例示されるように、流体は、等張食塩水溶液を含み、これは、さまざまな割合で、塩、糖、浸透圧性薬剤、局部麻酔薬、緩衝液、ならびに単に例としてBerdyaevら、米国特許第5,432,053号;Belzerら、および製品のViaSpan(登録商標)、米国特許第4,798,824号、同第4,879,283号および同第4,873,230号によって記載される;Taylor、米国特許第5,405,742号;Dohiら、米国特許第5,565,317号;Sternら、米国特許第5,370,989号および同第5,552,267号によって記載されるような他のそのような薬剤を含有し得、それらの開示は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。ViaSpan(登録商標)の製品データシートは、器官の低温フラッシングおよび貯蔵のための無菌の非発熱性溶液として製品を記載している。溶液は、320mOsMのおおよその計算容積オスモル濃度、29mEq/Lのナトリウム濃度、125mEq/Lのカリウム濃度、および7.4のpHを有する。
【0057】
数ある中でも、一部の実施形態では、流体は、米国特許第5,066,578号に記載されているように、ピルベートまたは細胞膜電位を支持する無機塩を含み、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。別の例として、一部の実施形態では、流体は、米国特許第6,495,532号および同第6,004,579号によって記載されているように、1または複数のホスファチジン酸または糖、およびリゾホスファチジン酸(lysophosphotidic acid)または糖を、卵白などのエンハンサーと一緒に含み、リポソーム組成物中で必要に応じて送達され、それらの開示は、その全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0058】
数ある中でも、一部の実施形態では、流体は、国際特許公開第WO1999015011A1号、米国特許第7960098B2号、国際特許公開第WO2008100636A2号、および米国特許出願公開第20050037330A1号によって記載される組成物を含み、それらの内容は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0059】
数ある中でも、一部の実施形態では、流体は、米国特許第6,001,396A号によって記載される組成物を含み、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0060】
数ある中でも、一部の実施形態では、流体は、米国特許第8,268,547B2号によって記載される組成物を含み、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0061】
数ある中でも、一部の実施形態では、流体は、米国特許第6,824,389B1号によって記載される組成物を含み、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0062】
数ある中でも、本開示は、本明細書に例示されるように、水を含む流体を含む方法、システムおよび/またはデバイスを記載する。一部の実施形態では、水は、水道水であるか、または水道水を含む。一部の実施形態では、水は、鉱水であるか、または鉱水を含む。一部の実施形態では、水は、湧水であるか、または湧水を含む。一部の実施形態では、水は、氷河水であるか、または氷河水を含む。一部の実施形態では、水は、発泡水であるか、または発泡水を含む。一部の実施形態では、水は、蒸留水であるか、または蒸留水を含む。一部の実施形態では、水は、精製水であるか、または精製水を含む。一部の実施形態では、水は、非アルカリ水であるか、または非アルカリ水を含む。一部の実施形態では、水は、井戸水であるか、または井戸水を含む。一部の実施形態では、水は、大洋水であるか、または大洋水を含む。一部の実施形態では、水は、海水であるか、または海水を含む。一部の実施形態では、水は、湖沼水であるか、または湖沼水を含む。一部の実施形態では、水は、滅菌水であるか、または滅菌水を含む。一部の実施形態では、水は、オートクレーブ、フィルター(例えば、タンジェンシャルフローフィルター、例えば、PESフィルター、例えば、PVDFフィルター、例えば、ナイロンフィルター)を使用して滅菌されている。一部の実施形態では、水は、非滅菌水であるか、または非滅菌水を含む。
【0063】
数ある中でも、本開示は、本明細書に例示されるように、糖を含む流体を含む方法、システムおよび/またはデバイスを記載する。一部の実施形態では、糖は、グルコースであるか、またはグルコースを含む。一部の実施形態では、糖は、フルクトースであるか、またはフルクトースを含む。一部の実施形態では、糖は、スクロースであるか、またはスクロースを含む。一部の実施形態では、流体は、複数の糖を含む。一部の実施形態では、流体は、約100mg/L~約2000mg/Lの範囲の糖を含む。一部の実施形態では、流体は、約500mg/L~約1500mg/Lの範囲の糖を含む。一部の実施形態では、流体は、約1000mg/L~約1300mg/Lの範囲の糖を含む。一部の実施形態では、流体は、約1250mg/Lの濃度で糖(例えば、グルコース)を含む。
pHの平衡を保つ要素
【0064】
数ある中でも、本開示は、pHの平衡を保つ要素を含む流体を含む方法、システムおよび/またはデバイスを記載する。一部の実施形態では、流体は、重炭酸ナトリウムなどの要素を含む。一部の実施形態では、流体は、(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)(HEPES)などの要素を含む。一部の実施形態では、流体は、リン酸緩衝食塩水を含む。リン酸緩衝食塩水の例は、https://en.wikipedia.org/wiki/Phosphate-buffered_salineによって記載されており、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、流体は、複数のpHの平衡を保つ要素を含む。
【0065】
一部の実施形態では、流体は、およそ約4.0のpH~約9.0のpHの範囲内でpHの平衡を保つ要素を含む。一部の実施形態では、流体は、およそ約5.0のpH~約8.0のpHの範囲内でpHの平衡を保つ要素を含む。一部の実施形態では、流体は、およそ約6.0のpH~約8.0のpHの範囲内でpHの平衡を保つ要素を含む。一部の実施形態では、流体は、およそ約7.2のpH~約7.2のpHの範囲内でpHの平衡を保つ要素を含む。一部の実施形態では、pHは、https://www.intechopen.com/books/biomedical-tissue-culture/culture-conditions-and-types-of-growth-media-for-mammalian-cellsによって記載され、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
重量オスモル濃度を維持する要素
【0066】
数ある中でも、本開示は、重量オスモル濃度(または浸透圧)を維持する要素を含む流体を含む方法、システムおよび/またはデバイスを記載する。一部の実施形態では、流体は、塩化ナトリウムなどの要素を含む。一部の実施形態では、流体は、塩化マグネシウムなどの要素を含む。一部の実施形態では、流体は、複数の重量オスモル濃度を保つ維持する要素を含む。
【0067】
一部の実施形態では、流体は、約0.1mOSM/kg~約10,000mOSM/kgの範囲の重量オスモル濃度を維持する要素を含む。一部の実施形態では、流体は、約100mOSM/kg~約5,000mOSM/kgの範囲の重量オスモル濃度を維持する要素を含む。一部の実施形態では、流体は、約500mOSM/kg~約2,000mOSM/kgの範囲の重量オスモル濃度を維持する要素を含む。一部の実施形態では、流体は、約1000mOSM/kgからの範囲の重量オスモル濃度を維持する要素を含む。一部の実施形態では、流体は、約100mOSM/kg~約500mOSM/kgの範囲の重量オスモル濃度を維持する要素を含む。一部の実施形態では、流体は、約200mOSM/kg~約400mOSM/kgの範囲の重量オスモル濃度を維持する要素を含む。一部の実施形態では、流体は、約260mOSM/kg~約320mOSM/kgの範囲の重量オスモル濃度を維持する要素を含む。一部の実施形態では、重量オスモル濃度(または浸透圧)は、https://www.intechopen.com/books/biomedical-tissue-culture/culture-conditions-and-types-of-growth-media-for-mammalian-cellsによって記載される範囲であり、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
増殖因子
【0068】
数ある中でも、本開示は、増殖因子を含む流体を含む方法、システムおよび/またはデバイスを記載する。一部の実施形態では、流体は、FGFなどの増殖因子を含む。一部の実施形態では、流体は、TGF-bなどの増殖因子を含む。一部の実施形態では、流体は、複数の増殖因子を含む。一部の実施形態では、流体は、上皮および内皮増殖因子、血管内皮増殖因子、血小板由来内皮増殖因子、上皮増殖因子、肝細胞増殖因子、およびそれらの混合物などの増殖因子を含む。
【0069】
一部の実施形態では、流体は、約1fg/mL~約10g/mLの量の増殖因子を含む。一部の実施形態では、増殖因子は、https://www.intechopen.com/books/biomedical-tissue-culture/culture-conditions-and-types-of-growth-media-for-mammalian-cellsによって記載される量であり、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
ガス
【0070】
数ある中でも、本開示は、ガスを含む流体を含む方法、システムおよび/またはデバイスを記載する。一部の実施形態では、流体は、酸素などのガスを含む。一部の実施形態では、流体は、窒素などのガスを含む。一部の実施形態では、流体は、水素などのガスを含む。一部の実施形態では、流体は、空気などのガスを含む。一部の実施形態では、流体は、複数のガスを含む。
【0071】
一部の実施形態では、流体は、約0.001mgのガス/L~約100mgのガス/Lの量のガスを含む。一部の実施形態では、流体は、約0.001mgのO2/L~約100mgのO2/Lの量の酸素を含む。
【0072】
一部の実施形態では、流体は、過剰の二酸化炭素を欠く。一部の実施形態では、流体は、過剰の二酸化炭素を除去するために脱気されている。一部の実施形態では、システムおよび方法は、激しく通気されている流体(例えば、ポンプにより)を含む。一部の実施形態では、脱気する技法は、https://www.fdacs.gov/Consumer-Resources/Recreation-and-Leisure/Aquarium-Fish/Aquarium-Water-Quality-Carbon-Dioxideによって記載され、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0073】
一部の実施形態では、ガスは、1または複数の魚の灌流の前に流体に拡散される。一部の実施形態では、ガスは、1または複数の魚の灌流の間に流体に拡散される。
有機化合物
【0074】
数ある中でも、本開示は、有機化合物を含む流体を含む方法、システムおよび/またはデバイスを記載する。一部の実施形態では、流体は、アミノ酸などの有機化合物を含む。一部の実施形態では、流体は、インスリン、L-アラニン、L-アルギニン、L-アスパラギン、L-アスパラギン酸、L-システイン、L-システイン、L-グルタミン酸、L-グルタミン、L-ヒスチジン、L-イソロイシン、L-ロイシン、L-リシン、L-メチオニン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、L-セリン、L-トレオニン、およびそれらの任意の組合せを含む。
【0075】
一部の実施形態では、流体は、脂肪酸などの有機化合物を含む。一部の実施形態では、脂肪酸としては、オレイン酸、リノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、およびそれらの組合せが挙げられる。一部の実施形態では、流体は、炭水化物などの有機化合物を含む。一部の実施形態では、流体は、細胞代謝のための炭水化物などの有機化合物を含む。一部の実施形態では、流体は、複数の有機化合物を含む。
【0076】
一部の実施形態では、流体は、約1fg/mL~約10g/mLの量の有機化合物を含む。一部の実施形態では、流体は、約1pg/mL~約10mg/mLの量の有機化合物を含む。一部の実施形態では、流体は、約1μg/mL~約1g/mLの量の有機化合物を含む。
【0077】
数ある中でも、本開示は、塩を含む流体を含む方法、システムおよび/またはデバイスを記載する。一部の実施形態では、流体は、塩化ナトリウムなどの塩を含む。一部の実施形態では、流体は、塩化カリウムなどの塩を含む。一部の実施形態では、流体は、塩化カルシウムなどの塩を含む。一部の実施形態では、流体は、硫酸カルシウムなどの塩を含む。一部の実施形態では、流体は、重炭酸ナトリウムなどの塩を含む。一部の実施形態では、流体は、複数の塩を含む。
【0078】
一部の実施形態では、流体は、約0.001g/L~約1000g/Lの量の塩を含む。一部の実施形態では、流体は、約0.01g/L~約100g/Lの量の塩を含む。一部の実施形態では、流体は、約0.1g/L~約100g/Lの量の塩を含む。一部の実施形態では、流体は、約1g/L~約100g/Lの量の塩を含む。一部の実施形態では、流体は、約1g/L~約50g/Lの量の塩を含む。一部の実施形態では、流体は、約1g/L~約25g/Lの量の塩を含む。一部の実施形態では、流体は、約5g/L~約10g/Lの量の塩を含む。一部の実施形態では、流体は、約1g/L~約9g/Lの量の塩を含む。一部の実施形態では、流体は、約1g/L~約10g/Lの量の塩を含む。一部の実施形態では、流体は、約0.1g/L~約0.5/Lの量の塩を含む。一部の実施形態では、流体は、約0.05g/L~約0.25/Lの量の塩を含む。一部の実施形態では、流体は、約0.1g/L~約0.3/Lの量の塩を含む。
【0079】
一部の実施形態では、流体は、約5g/L~約10g/Lの量の塩化ナトリウムを含む。一部の実施形態では、流体は、約8g/Lの量の塩化ナトリウムを含む。
【0080】
一部の実施形態では、流体は、約125mg/L~約250g/Lの量の硫酸カルシウムを含む。
【0081】
一部の実施形態では、流体は、約100mg/L~約200mg/Lの量の重炭酸ナトリウムを含む。
【0082】
一部の実施形態では、流体は、https://freshwater-aquaculture.extension.org/wp-content/uploads/2019/08/UsingSalt.pdfによって記載されるような塩を含み、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、流体は、https://freshwater-aquaculture.extension.org/wp-content/uploads/2019/08/UsingSalt.pdfによって記載される量の塩を含み、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
増粘剤
【0083】
数ある中でも、本開示は、増粘剤を含む流体を含む方法、システムおよび/またはデバイスを記載する。一部の実施形態では、流体は、ポリビニルアルコール(PVA)などの増粘剤を含む。一部の実施形態では、流体は、ポリビニルピロリドン(PVP)などの増粘剤を含む。一部の実施形態では、流体は、複数の増粘剤を含む。一部の実施形態では、流体は、ポリエチレングリコール(PEG)などの増粘剤を含む。一部の実施形態では、流体は、メチルセルロースなどの増粘剤を含む。
【0084】
一部の実施形態では、流体は、約0.001%~約99%の量の増粘剤を含む。一部の実施形態では、流体は、約0.001%~約50%の量の増粘剤を含む。一部の実施形態では、流体は、約0%~約20%の量の増粘剤を含む。一部の実施形態では、流体は、約0%~約10%の量の増粘剤を含む。一部の実施形態では、流体は、約0%~約5%の量の増粘剤を含む。
【0085】
一部の実施形態では、流体は、約0%~約10%の量のPVPを含む。一部の実施形態では、流体は、約0%、2%、4%、6%、8%、9%または10%の量のPVPを含む。一部の実施形態では、流体は、Steven Denniss and James Rush ”Polyvinylpyrrolidone can be Used to Cost-Effectively Increase the Viscosity of Culture Media” (FASEB Journalに2015年4月1日にオンライン公開)(https://www.fasebj.org/doi/abs/10.1096/fasebj.29.1_supplement.1029.19)によって記載される量のPVPを含み、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0086】
一部の実施形態では、流体は、約0%~約10%の量のメチルセルロースを含む。一部の実施形態では、流体は、約0%~約5%の量のメチルセルロースを含む。一部の実施形態では、流体は、約1%~約2%の量のメチルセルロースを含む。一部の実施形態では、流体は、約0%~約2%の量のメチルセルロースを含む。一部の実施形態では、流体は、約0.5%~約1%の量のメチルセルロースを含む。一部の実施形態では、流体は、https://www.sigmaaldrich.com/content/dam/sigma-aldrich/docs/Sigma/Product_Information_Sheet/2/m0512pis.pdfによって記載される量のメチルセルロースを含み、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、流体は、https://www.sigmaaldrich.com/content/dam/sigma-aldrich/docs/Sigma/Product_Information_Sheet/2/m0512pis.pdfによって記載される量のメチルセルロースを含み、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
ビタミン
【0087】
数ある中でも、本開示は、ビタミンを含む流体を含む方法、システムおよび/またはデバイスを記載する。一部の実施形態では、流体は、ビタミンAなどのビタミンを含む。一部の実施形態では、流体は、ビタミンCなどのビタミンを含む。一部の実施形態では、流体は、ビタミンB12などのビタミンを含む。一部の実施形態では、流体は、部分的ポリオキソメタレートカルシウムなどのビタミンを含む。一部の実施形態では、流体は、塩化コリンなどのビタミンを含む。一部の実施形態では、流体は、葉酸などのビタミンを含む。一部の実施形態では、流体は、イノシトールなどのビタミンを含む。一部の実施形態では、流体は、ピリドキシンなどのビタミンを含む。一部の実施形態では、流体は、リボフラビンなどのビタミンを含む。一部の実施形態では、流体は、チアミンなどのビタミンを含む。一部の実施形態では、流体は、複数のビタミンを含む。
【0088】
一部の実施形態では、流体は、約0.001mg/L~約1000mg/Lの量のビタミンを含む。一部の実施形態では、流体は、約1μg/L~約100mg/Lの量のビタミンを含む。一部の実施形態では、流体は、約10μg/L~約50mg/Lの量のビタミンを含む。一部の実施形態では、流体は、約50μg/L~約100μg/Lの量のビタミンを含む。一部の実施形態では、流体は、約50μg/L~約10mg/Lの量のビタミンを含む。一部の実施形態では、流体は、約90μg/Lの量のビタミンを含む。一部の実施形態では、流体は、約1mg/Lの量のビタミンを含む。一部の実施形態では、流体は、約1fM~約10Mの量のビタミンを含む。
【0089】
一部の実施形態では、流体は、約90μg/Lの量のビタミンAを含む。一部の実施形態では、流体は、約1mg/Lの量のビタミンEを含む。
【0090】
一部の実施形態では、流体は、https://www.intechopen.com/books/biomedical-tissue-culture/culture-conditions-and-types-of-growth-media-for-mammalian-cellsによって記載される量のビタミンを含み、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
イオン
【0091】
数ある中でも、本開示は、イオンを含む流体を含む方法、システムおよび/またはデバイスを記載する。一部の実施形態では、流体は、Na+などのイオンを含む。一部の実施形態では、流体は、Cl2-などのイオンを含む。一部の実施形態では、流体は、H+などのイオンを含む。一部の実施形態では、流体は、K+などのイオンを含む。一部の実施形態では、流体は、Mg2+などのイオンを含む。一部の実施形態では、流体は、Ca2+などのイオンを含む。一部の実施形態では、流体は、複数のイオンを含む。
【0092】
一部の実施形態では、流体は、約0.1mM~約1000mMの量のイオンを含む。一部の実施形態では、流体は、http://book.bionumbers.org/what-are-the-concentrations-of-different-ions-in-cells/によって記載される量のイオンを含み、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0093】
一部の実施形態では、流体は、約0.1mM~約500mMの量のイオンを含む。一部の実施形態では、流体は、約1mM~約500mMの量のイオンを含む。一部の実施形態では、流体は、約10mM~約300mMの量のイオンを含む。一部の実施形態では、流体は、約10mM~約100mMの量のイオンを含む。
ATP
【0094】
数ある中でも、一部の実施形態では、本発明は、温虚血時間および/または低酸素によって低減された器官中の高エネルギーヌクレオチド(例えば、アデノシン三リン酸(ATP))レベルおよび酵素レベルを回復させることによって達成され得る器官の生存能の回復を提供する。
【0095】
一部の実施形態では、ATPは、クレアチンリン酸、クレアチンエチルエステル、リンゴ酸ジクレアチン、グルコン酸クレアチン、フルクトース、スクロース、リボース、ヘキソース、ペントース、オロチン酸クレアチン、クレアチン一水和物、アデノシン、デキストロース/グルコース、ジクロロアセテート、マレート、フマレートまたはピルベートなどの基質を使用して産生される。
【0096】
数ある中でも、一部の実施形態では、流体は、細胞内ATPエネルギープールを補給するエネルギー基質を含む。例えば、本開示は、灌流および保存プロセスの間の好気的代謝;遊離酸素ラジカルに起因する再灌流傷害を軽減する抗酸化剤および/またはキサンチンオキシダーゼ阻害剤を提供する。
【0097】
一部の実施形態では、流体は、約1fM~約10Mの量のATPを含む。一部の実施形態では、流体は、約0.1mM~約100mMの量のATPを含む。一部の実施形態では、流体は、約0.1mM~約50mMの量のATPを含む。一部の実施形態では、流体は、約0.5mM~約10mMの量のATPを含む。
補因子
【0098】
数ある中でも、本開示は、補因子を含む流体を含む方法、システムおよび/またはデバイスを記載する。一部の実施形態では、流体は、NADHなどの補因子を含む。一部の実施形態では、流体は、NADPHなどの補因子を含む。一部の実施形態では、流体は、チアミンHClなどの補因子を含む。一部の実施形態では、流体は、ビオチンなどの補因子を含む。一部の実施形態では、流体は、本明細書に記載されるビタミンなどの補因子を含む。一部の実施形態では、流体は、複数の補因子を含む。
【0099】
一部の実施形態では、流体は、約0.001mg/L~約1000mg/Lの量の補因子を含む。一部の実施形態では、流体は、約1μg/L~約100mg/Lの量の補因子を含む。一部の実施形態では、流体は、約10μg/L~約50mg/Lの量の補因子を含む。一部の実施形態では、流体は、約50μg/L~約100μg/Lの量の補因子を含む。一部の実施形態では、流体は、約50μg/L~約10mg/Lの量の補因子を含む。一部の実施形態では、流体は、約90μg/Lの量の補因子を含む。一部の実施形態では、流体は、約1mg/Lの量の補因子を含む。一部の実施形態では、流体は、約1fM~約10Mの量の補因子を含む。
【0100】
一部の実施形態では、流体は、https://www.intechopen.com/books/biomedical-tissue-culture/culture-conditions-and-types-of-growth-media-for-mammalian-cellsによって記載される量の補因子を含み、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
緩衝液
【0101】
数ある中でも、本開示は、本明細書に提供される緩衝液または緩衝液の組合せを含む流体を含む方法、システムおよび/またはデバイスを記載する。一部の実施形態では、緩衝液は、リン酸緩衝食塩水(PBS)を含む。一部の実施形態では、緩衝液は、約0.1%~約99%(例えば、0.1%のHEPES[水によるv/v])で構成される。一部の実施形態では、緩衝液は、2%のHEPES、96%の重炭酸ナトリウム、および2%の水を含む。一部の実施形態では、緩衝液は、https://www.intechopen.com/books/biomedical-tissue-culture/culture-conditions-and-types-of-growth-media-for-mammalian-cellsによって記載されるような緩衝液を含み、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、緩衝液は、http://www.endmemo.com/chem/massmolarconcentration.phpによって記載されるような緩衝液を含み、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
酵素
【0102】
数ある中でも、本開示は、酵素を含む流体を含む方法、システムおよび/またはデバイスを記載する。一部の実施形態では、流体は、ホスホキナーゼなどの酵素を含む。一部の実施形態では、流体は、クレアチンリン酸などの基質を含む。一部の実施形態では、流体は、NADキナーゼなどの酵素を含む。一部の実施形態では、流体は、ポリリン酸-AMPホスホトランスフェラーゼ(PAP)などの酵素を含む。一部の実施形態では、流体は、ポリリン酸キナーゼ(PPK)などの酵素を含む。一部の実施形態では、流体は、ホスホエノールピルベート(PEP)などの酵素を含む。一部の実施形態では、流体は、ピルベートなどの基質を含む。一部の実施形態では、流体は、ピルビン酸キナーゼなどの酵素を含む。一部の実施形態では、流体は、ATP再生のための酵素を含む。一部の実施形態では、流体は、NADPH再生のための酵素を含む。一部の実施形態では、流体は、本明細書に記載される補因子の発生のための酵素を含む。一部の実施形態では、流体は、酵素の組合せを含む。一部の実施形態では、流体は、クレアチンキナーゼなどの酵素を含む。
【0103】
一部の実施形態では、流体は、約1fM~約1Mの量の酵素を含む。一部の実施形態では、流体は、the Proceedings of the National Academy of Science of the United States of Americaにおいて2015年1月20日に最初に公開された、Love et al., ”NAD kinase controls animal NADP biosynthesis and is modulated via evolutionarily divergent calmodulin-dependent mechanisms”によって記載される量の酵素を含み、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、流体は、https://en.wikipedia.org/wiki/Creatine_kinaseによって記載される量の酵素を含み、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、流体は、Kameda et al., ”A novel ATP regeneration system using polyphosphate-AMP phosphotransferase and polyphosphate kinase,” Journal of Bioscience and Bioengineering, Volume 91, Issue 6, 2001, pages 557-563によって記載される量の酵素を含み、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
使用
【0104】
一部の実施形態では、流体は、魚の組織および/または細胞が、長期間、例えば、5分、例えば、30分、例えば、1日、例えば、1週間、例えば、1か月、例えば、6か月、例えば、1年、例えば、1年よりも長く、生き続けることを可能にする。一部の実施形態では、生魚組織の延長された保存可能期間は、種々の産業および目的において使用することができる。例えば、一部の実施形態では、本開示が、魚に由来する材料の保存可能期間の増加により、サプライチェーンロジスティクスのためのより広い時間枠を可能にすることを提供する。
【0105】
数ある中でも、本開示は、細胞農業において使用することができるシステム、方法、デバイスおよび流体を提供する。例えば、一部の実施形態では、魚は、その自然の生息地から入手することができ、魚に由来する材料(例えば、魚の細胞、組織および/または器官)は、細胞農業の目的のために実験室環境で使用することができる。一部の実施形態では、例えば、魚は、その自然の生息地から入手することができ、魚に由来する材料は、流体に曝露(または流体と接触もしくは流体中に貯蔵)されて、由来する材料が長期間生き続けることを可能にし得る。一部の実施形態では、例えば、魚は、その自然の生息地から入手することができ、魚に由来する材料は、流体に曝露(または流体と接触もしくは流体中に貯蔵)されて、由来する材料が、本明細書に記載される目的のために(例えば、細胞農業の目的のために実験室環境におけるその後の使用のために)、長期間生き続けることを可能にし得る。数ある中でも、一部の実施形態では、魚に由来する材料は、輸送の間、細胞の生存能を保存するために、容器(例えば、密閉された容器)中に貯蔵される。
【0106】
数ある中でも、一部の実施形態では、魚の組織由来の生きている細胞は、魚の細胞生物学を研究している研究者によって単離され得る。
【0107】
数ある中でも、本開示は、システム、方法、デバイスおよび流体を魚を輸送する企業において使用することができることを提供する。
【0108】
数ある中でも、本開示は、システム、方法、デバイスおよび流体を食品産業において使用することができることを提供する。食品産業の例としては、ファーストフード産業、高級料理店、零細店舗、レストラン、カフェテリア、刑務所、航空産業、学校などが挙げられる。
【0109】
数ある中でも、本開示は、システム、方法、デバイスおよび流体を海産物流通産業において使用することができることを提供する。数ある中でも、本開示は、システム、方法、デバイスおよび流体を卸売販売業において使用することができることを提供する。
滅菌の種類
【0110】
一部の実施形態では、本開示は、システム、方法、デバイスおよび流体を、滅菌または実質的に滅菌することができることを提供する。滅菌技法の例としては、オートクレーブ、濾過(例えば、タンジェンシャルフロー、ポリエーテルスルホン(PES)、フッ化ポリビニリデン(PVDF)またはナイロンを使用する)、紫外光の使用、抗生物質または抗真菌薬が挙げられる。
コンピューター環境
【0111】
図4に示されるように、本明細書に記載される複数のソースから、生魚組織の保存データを回収、管理および分析するためのシステム、方法およびアーキテクチャの提供における使用のためのネットワーク環境400のインプリメンテーションを示し、記載する。概要では、ここで図4を参照して、例示的なクラウドコンピューティング環境400のブロック図を示し、記載する。クラウドコンピューティング環境400は、1つまたは複数のリソースプロバイダー402a、402b、402c(まとめて、402)を含み得る。それぞれのリソースプロバイダー402は、コンピューティングリソースを含み得る。一部のインプリメンテーションでは、コンピューティングリソースは、データを処理するために使用される任意のハードウェアおよび/またはソフトウェアを含み得る。例えば、コンピューティングリソースは、アルゴリズム、コンピュータープログラムおよび/またはコンピューターアプリケーションを実行することができるハードウェアおよび/またはソフトウェアを含み得る。一部のインプリメンテーションでは、例示的なコンピューティングリソースは、ストレージおよび検索能力を有するアプリケーションサーバーおよび/またはデータベースを含み得る。それぞれのリソースプロバイダー402は、クラウドコンピューティング環境400において、任意の他のリソースプロバイダー402に接続され得る。一部のインプリメンテーションでは、リソースプロバイダー402は、コンピューターネットワーク408上で接続され得る。それぞれのリソースプロバイダー402は、コンピューターネットワーク408上で、1つまたは複数のコンピューティングデバイス404a、404b、404c(まとめて、404)に接続され得る。
【0112】
クラウドコンピューティング環境400は、リソースマネージャー406を含み得る。リソースマネージャー406は、コンピューターネットワーク408上で、リソースプロバイダー402およびコンピューティングデバイス404に接続され得る。一部のインプリメンテーションでは、リソースマネージャー406は、1つまたは複数のリソースプロバイダー402によるコンピューティングリソースの1つまたは複数のコンピューティングデバイス404への提供を容易にし得る。リソースマネージャー406は、特定のコンピューティングデバイス404からコンピューティングリソースのための要求を受信し得る。リソースマネージャー406は、コンピューティングデバイス404によって要求されたコンピューティングリソースを提供することができる1つまたは複数のリソースプロバイダー402を特定し得る。リソースマネージャー406は、コンピューティングリソースを提供するリソースプロバイダー402を選択し得る。リソースマネージャー406は、リソースプロバイダー402および特定のコンピューティングデバイス404の間の接続を容易にし得る。一部のインプリメンテーションでは、リソースマネージャー406は、特定のリソースプロバイダー402および特定のコンピューティングデバイス404の間の接続を確立し得る。一部のインプリメンテーションでは、リソースマネージャー406は、特定のコンピューティングデバイス404を、要求されたコンピューティングリソースを有する特定のリソースプロバイダー402にリダイレクトし得る。
【0113】
図5は、本開示に記載される技法を実装するために使用することができるコンピューティングデバイス500およびモバイルコンピューティングデバイス550の例を示す。コンピューティングデバイス500は、さまざまな形態のデジタルコンピューター、例えば、ラップトップ、デスクトップ、ワークステーション、携帯情報端末、サーバー、ブレードサーバー、メインフレームおよび他の適切なコンピューターを表すことが意図される。モバイルコンピューティングデバイス550は、さまざまな形態のモバイルデバイス、例えば、携帯情報端末、携帯電話、スマートフォンおよび他の類似のコンピューティングデバイスを表すことが意図される。ここで、それらの接続および関係、ならびにそれらの機能を示す構成要素は、単なる例であることを意味し、限定することを意味するものではない。
【0114】
コンピューティングデバイス500は、プロセッサー502、メモリ504、ストレージデバイス506、メモリ504および複数の高速拡張ポート510に接続されている高速インターフェース508、ならびに低速拡張ポート514およびストレージデバイス506に接続されている低速インターフェース512を含む。プロセッサー502、メモリ504、ストレージデバイス506、高速インターフェース508、高速拡張ポート510、および低速インターフェース512のそれぞれは、さまざまなバスを使用して相互接続され、共通マザーボードにまたは必要に応じて他の様式で取り付けられ得る。プロセッサー502は、コンピューティングデバイス500内の実行のための命令を処理することができ、高速インターフェース508に連結されたディスプレイ516などの外部入力/出力デバイスにおけるGUIのためのグラフィック情報を表示するためのメモリ504またはストレージデバイス506に保存された命令を含む。他のインプリメンテーションでは、複数のプロセッサーおよび/または複数のバスを、必要に応じて、複数のメモリおよびメモリの種類と一緒に使用し得る。また、複数のコンピューティングデバイスは、必要な操作の部分を(例えば、サーバーバンク、ブレードサーバーのグループ、またはマルチプロセッサーシステムとして)提供するそれぞれのデバイスと接続され得る。したがって、この用語が本明細書で使用される場合に、複数の機能が「プロセッサー」によって行われると記載される場合、これは、複数の機能が任意の数のコンピューティングデバイス(1つまたは複数)の任意の数のプロセッサー(1つまたは複数)によって行われる実施形態を包含する。さらにまた、機能が「プロセッサー」によって行われると記載される場合、これは、機能が任意の数のコンピューティングデバイス(1つまたは複数)(例えば、分散型コンピューティングシステム)の任意の数のプロセッサー(1つまたは複数)によって行われる実施形態を包含する。
【0115】
メモリ504は、コンピューティングデバイス500内に情報を保存する。一部のインプリメンテーションでは、メモリ504は、1つまたは複数の揮発性メモリユニットである。一部のインプリメンテーションでは、メモリ504は、1つまたは複数の非揮発性メモリユニットである。メモリ504はまた、磁気ディスクまたは光ディスクなどの別の形態のコンピューター可読媒体であってもよい。
【0116】
ストレージデバイス506は、コンピューティングデバイス500のためのマスストレージを提供することができる。一部のインプリメンテーションでは、ストレージデバイス506は、フロッピー(登録商標)ディスクデバイス、ハードディスクデバイス、光ディスクデバイス、またはテープデバイス、フラッシュメモリまたは他の類似のソリッドステートメモリデバイス、またはストレージエリアネットワークもしくは他の構成のデバイスを含むデバイスの配列などのコンピューター可読媒体であり得るか、またはそれを含有し得る。命令は、情報担体に保存され得る。命令は、1つまたは複数の処理デバイス(例えば、プロセッサー502)によって実行される場合、上記に記載される方法などの1つまたは複数の方法を行う。命令はまた、コンピューター可読媒体または機械可読媒体(例えば、メモリ504、ストレージデバイス506、またはプロセッサー502上のメモリ)などの1つまたは複数のストレージデバイスによって保存され得る。
【0117】
高速インターフェース508は、コンピューティングデバイス500のための帯域消費型操作を管理するが、低速インターフェース512は、より少ない帯域消費型操作を管理する。そのような機能の配分は例に過ぎない。一部のインプリメンテーションでは、高速インターフェース508は、メモリ504、ディスプレイ516(例えば、グラフィックプロセッサーまたはアクセラレーターを通して)、およびさまざまな拡張カード(示さない)を受け入れ得る高速拡張ポート510に連結される。インプリメンテーションでは、低速インターフェース512は、ストレージデバイス506および低速拡張ポート514に連結される。さまざまな通信ポート(例えば、USB、Bluetooth(登録商標)、Ethernet(登録商標)、無線Ethernet(登録商標))を含み得る低速拡張ポート514は、キーボード、ポインティングデバイス、スキャナー、またはスイッチもしくはルーターなどのネットワークデバイスなどの1つまたは複数の入力/出力デバイスに、例えば、ネットワークアダプターを通して連結され得る。
【0118】
コンピューティングデバイス500は、図に示されるように、多くの異なる形態で実装され得る。例えば、これは、標準サーバー520として、またはそのようなサーバーのグループで複数回実装され得る。加えて、これは、ラップトップコンピューター522などのパーソナルコンピューターに実装され得る。これはまた、ラックサーバーシステム524の部分として実装され得る。あるいは、コンピューティングデバイス500からの構成要素は、モバイルコンピューティングデバイス550などのモバイルデバイスにおける他の構成要素(示さない)と組み合わされ得る。そのようなデバイスのそれぞれは、1つまたは複数のコンピューティングデバイス500およびモバイルコンピューティングデバイス550を含有していてもよく、システム全体が、互いに通信する複数のコンピューティングデバイスで作り上げられていてもよい。
【0119】
モバイルコンピューティングデバイス550は、他の構成要素の中でも、プロセッサー552、メモリ564、ディスプレイ554などの入力/出力デバイス、通信インターフェース566、および送受信機568を含む。モバイルコンピューティングデバイス550はまた、追加のストレージを提供するために、マイクロデバイスまたは他のデバイスなどのストレージデバイスを備えていてもよい。プロセッサー552、メモリ564、ディスプレイ554、通信インターフェース566、および送受信機568のそれぞれは、さまざまなバスを使用して相互接続され、いくつかの構成要素は、共通マザーボードにまたは必要に応じて他の様式で取り付けられていてもよい。
【0120】
プロセッサー552は、メモリ564に保存された命令を含むモバイルコンピューティングデバイス550内の命令を実行することができる。プロセッサー552は、別々の複数のアナログおよびデジタルプロセッサーを含むチップのチップセットとして実装され得る。プロセッサー552は、例えば、ユーザーインターフェースの制御、モバイルコンピューティングデバイス550によるアプリケーションの実行、およびモバイルコンピューティングデバイス550による無線通信などのモバイルコンピューティングデバイス550の他の構成要素の連携のために提供され得る。
【0121】
プロセッサー552は、制御インターフェース558、およびディスプレイ554に連結されたディスプレイインターフェース556を通して、ユーザーと通信し得る。ディスプレイ554は、例えば、TFT(薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ)ディスプレイまたはOLED(有機発光ダイオード)ディスプレイ、または他の適切なディスプレイ技術であり得る。ディスプレイインターフェース556は、グラフィック情報および他の情報をユーザーに提示するためにディスプレイ554を駆動するための適切な電気回路を含み得る。制御インターフェース558は、ユーザーからコマンドを受信し、プロセッサー552への提出のためにそれらを変換し得る。加えて、外部インターフェース562は、モバイルコンピューティングデバイス550の他のデバイスとの近領域通信を可能にするために、プロセッサー552との通信を提供し得る。外部インターフェース562は、例えば、一部のインプリメンテーションでは有線通信のために、または他のインプリメンテーションでは無線通信のために提供され得、複数のインターフェースも使用され得る。
【0122】
メモリ564は、モバイルコンピューティングデバイス550内に情報を保存する。メモリ564は、コンピューター可読媒体もしくはメディア、1つもしくは複数の揮発性メモリユニット、または1つもしくは複数の非揮発性メモリユニットのうちの1つまたは複数として実装され得る。拡張メモリ574も、提供され得、例えばSIMM(シングルインラインメモリモジュール)カードインターフェースを含み得る拡張インターフェース572を通してモバイルコンピューティングデバイス550に接続され得る。拡張メモリ574は、モバイルコンピューティングデバイス550のための余分なストレージ空間を提供し得るか、またはモバイルコンピューティングデバイス550のためのアプリケーションもしくは他の情報も保存し得る。具体的には、拡張メモリ574は、上記に記載される処理を行うか、またはそれを補う命令を含み得、セキュア情報も含み得る。そのため、例えば、拡張メモリ574は、モバイルコンピューティングデバイス550のためのセキュリティーモジュールとして提供され得、モバイルコンピューティングデバイス550のセキュアな使用を可能にする命令によりプログラムされ得る。加えて、セキュアなアプリケーションは、ハッキングできない様式でSIMMカード上に特定する情報を置くなど、追加情報と一緒にSIMMカードを介して提供され得る。
【0123】
メモリとしては、例えば、下記に議論されるように、フラッシュメモリおよび/またはNVRAMメモリ(非揮発性ランダムアクセスメモリ)が挙げられ得る。一部のインプリメンテーションでは、命令は、情報担体に保存され、この命令は、1つまたは複数の処理デバイス(例えば、プロセッサー552)によって実行される場合、上記に記載される方法などの1つまたは複数の方法を行う。命令はまた、1つまたは複数のコンピューター可読媒体または機械可読媒体(例えば、メモリ564、拡張メモリ574、またはプロセッサー552上のメモリ)などの1つまたは複数のストレージデバイスによって保存され得る。一部のインプリメンテーションでは、命令は、例えば、送受信機568または外部インターフェース562を超えて、伝播されたシグナルで受信され得る。
【0124】
モバイルコンピューティングデバイス550は、必要な場合にデジタルシグナル処理電気回路を含み得る通信インターフェース566を通して無線で通信し得る。通信インターフェース566は、さまざまな様式またはプロトコール下、例えば、数ある中でも、GSM(登録商標)音声電話(グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーションズ)、SMS(ショートメッセージサービス)、EMS(拡張メッセージングサービス)、またはMMSメッセージング(マルチメディアメッセージングサービス)、CDMA(符号分割多重アクセス)、TDMA(時分割多重アクセス)、PDC(パーソナルデジタルセルラー)、WCDMA(登録商標)(広帯域符号分割多元接続)、CDMA2000、またはGPRS(汎用パケット無線サービス)などの下での通信のために提供され得る。そのような通信は、例えば、無線周波を使用して送受信機568を通して起こり得る。加えて、近距離通信は、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(商標)、または他のそのような送受信機(示さない)を使用して、起こり得る。加えて、GPS(グローバルポジショニングシステム)受信機モジュール570は、モバイルコンピューティングデバイス550への追加のナビゲーションおよび位置に関する無線データを提供し得、これは、モバイルコンピューティングデバイス550におけるアプリケーションの実行によって必要に応じて使用され得る。
【0125】
モバイルコンピューティングデバイス550はまた、音声コーデック560を使用して音声で通信してもよく、これは、ユーザーから話された情報を受信し、それを利用可能なデジタル情報に変換し得る。音声コーデック560は、同様に、例えば、モバイルコンピューティングデバイス550の送受話器において、例えば、スピーカーを通して、ユーザーのために可聴音を発生させ得る。そのような音は、音声通話からの音を含み得、記録された音(例えば、音声メッセージ、音楽ファイルなど)を含み得、モバイルコンピューティングデバイス550において操作されるアプリケーションによって発生された音も含み得る。
【0126】
モバイルコンピューティングデバイス550は、図に示されるように、多くの異なる形態で実装され得る。例えば、それは、携帯電話580として実装されてもよい。それはまた、スマートフォン582、携帯情報端末、または他の類似のモバイルデバイスの部分として実装されてもよい。
【0127】
本明細書に記載されるシステムおよび技法のさまざまなインプリメンテーションは、デジタル電子回路、集積回路工学、特別に設計されたASIC(特定用途向け集積回路)、コンピューターハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはそれらの組合せにおいて実現することができる。これらのさまざまなインプリメンテーションは、少なくとも1つのプログラム可能プロセッサーを含むプログラム可能システムにおいて実行可能および/または読み取り可能な1つまたは複数のコンピュータープログラム中のインプリメンテーションを含み得、これは、特定のまたは一般的な目的であり得、ストレージシステム、少なくとも1つの入力デバイスおよび少なくとも1つの出力デバイスからデータおよび命令を受信し、そこにデータおよび命令を送信するように連結され得る。
【0128】
これらのコンピュータープログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーションまたはコードとしても公知)は、プログラム可能プロセッサーのための機械命令を含み、高レベルの手続き型プログラミング言語および/もしくはオブジェクト指向プログラミング言語において、ならびに/またはアセンブリ言語/機械語において、実装され得る。本明細書で使用される場合、機械可読媒体およびコンピューター可読媒体という用語は、プログラム可能プロセッサーに機械命令および/またはデータを提供するために使用される任意のコンピュータープログラム製品、装置および/またはデバイス(例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラム可能論理回路(PLD))を指し、機械可読シグナルとして機械命令を受信する機械可読媒体を含む。機械可読シグナルという用語は、プログラム可能プロセッサーに機械命令および/またはデータを提供するために使用される任意のシグナルを指す。
【0129】
ユーザーとの交流を提供するために、本明細書に記載されるシステムおよび技法は、ユーザーに情報を表示するためにディスプレイデバイス(例えば、CRT(ブラウン管)またはLCD(液晶ディスプレイ)モニター)、ならびにユーザーがコンピューターに入力を提供することができるキーボードおよびポインティングデバイス(例えば、マウスまたはトラックボール)を有するコンピューターに実装することができる。他の種類のデバイスを使用して、同様に、ユーザーとの交流を提供することができ、例えば、ユーザーに提供されるフィードバックは、任意の形態の感覚フィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバックまたは触覚フィードバック)であり得、ユーザーからの入力は、音響入力、音声入力または触覚入力を含む任意の形態で受信され得る。
【0130】
本明細書に記載されるシステムおよび技法は、バックエンド構成要素(例えば、データサーバーとして)を含むか、またはミドルウェア構成要素(例えば、アプリケーションサーバー)を含むか、またはフロントエンド構成要素(例えば、ユーザーが本明細書に記載されるシステムおよび技法のインプリメンテーションと交流し得るグラフィカルユーザーインターフェースまたはウェブブラウザーを有するクライアントコンピューター)、またはそのようなバックエンド、ミドルウェアもしくはフロントエンド構成要素の任意の組合せを含むコンピューティングシステムに実装され得る。システムの構成要素は、デジタルデータ通信(例えば、通信ネットワーク)の任意の形態または媒体によって相互接続され得る。通信ネットワークの例としては、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)およびインターネットが挙げられる。
【0131】
コンピューティングシステムは、クライアントおよびサーバーを含み得る。クライアントおよびサーバーは、一般に、互いから離れており、典型的には、通信ネットワークを通して交流する。クライアントおよびサーバーの関係は、それぞれのコンピューターにおいて実行され、互いとのクライアント-サーバー関係を有するコンピュータープログラムに基づいて生まれる。
【0132】
一部のインプリメンテーションでは、本明細書に記載されるモジュール(例えば、データ集約モジュール130、地図作製モジュール150、仕様モジュール170)は、別々であり得るか、組み合わされ得るか、または単一のもしくは組み合わされたモジュールに組み込まれ得る。図に表されたモジュールは、本明細書に記載されるシステムを、そこに示されるソフトウェアアーキテクチャに限定することを意図するものではない。
【0133】
本明細書に記載される異なるインプリメンテーションの要素は、上記に具体的に示されていない他のインプリメンテーションを形成するように組み合わされてもよい。要素は、それらの操作に不利な影響を及ぼすことなく、本明細書に記載されるプロセス、コンピュータープログラム、データベースなどから外されてもよい。加えて、図に表された論理フローは、所望の結果を達成するために、示される特定の順序、または順次的な順序を必要としない。さまざまな別々の要素が、本明細書に記載される機能を行うために、1つまたは複数の個々の要素に組み合わされてもよい。構造を考慮して、一部のインプリメンテーションでは、システムおよび方法の機能および装置を本明細書に記載した。
【0134】
本説明全体を通して、装置およびシステムが、具体的な構成要素を有する、含む(including)もしくは含む(comprising)と記載される場合、またはプロセスおよび方法が、具体的なステップを有する、含む(including)もしくは含む(comprising)と記載される場合、列挙された構成要素から本質的になるか、またはそれからなる本発明の装置およびシステムが存在すること、ならびに列挙された処理ステップから本質的になるか、またはそれからなる本発明によるプロセスおよび方法が存在することがさらに企図される。
【0135】
本発明が作動可能である限り、ステップの順序またはある特定の行為を行うための順序は重要でないことを理解されるべきである。また、2つまたはそれよりも多くのステップまたは行為は、同時に実施されてもよい。
【0136】
本発明を具体的な好ましい実施形態を参照して特に示し、記載したが、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、形態および詳細におけるさまざまな変化をそこで行ってもよいことが当業者に理解されるべきである。
【実施例
【0137】
例示
(実施例1)
本実施例は、生魚組織を輸送および/または保存する、ならびに/または組織損傷を防止するためのシステム、方法、組成物および/またはデバイスを実証する。
例示的なプロトコール
【0138】
本実施例は、生魚組織を輸送および/または保存する、ならびに/または組織損傷を防止するための例示的なシステム、組成物、方法および/またはデバイスを提供する。「魚」という用語が、一匹または複数の(または「たくさんの」)魚を指し得ることに留意されたい。
【0139】
例えば、魚が、その脳への損傷を介して、または本明細書に記載される他の手段によって活動不能になった後、ニードルを、魚の心臓および/または循環系に導入する。その後、流体混合物を、ポンプのシステムを使用して、魚の循環系に導入する。流体混合物は、脳がもはや機能していないが魚が生き続けるために、栄養素およびガスを魚のすべての組織に供給する。次いで、廃流体は、心房に導入され、静脈洞を通り抜ける別のニードルを介して魚の体外に取り出される。本実施例は、生魚組織を輸送および/または保存する、ならびに/または組織損傷を防止するための記載されるシステム、方法および/またはデバイスを作製および使用する例示的なプロトコールをさらに提供する。
1.1または複数の生魚を得る
【0140】
数ある中でも、本実施例は、1または複数の生魚を得ることを提供する。最初に、1または複数の生魚(図1Aを参照されたい)を得る。生魚としては、硬骨類、原始的なビチャー、チョウザメ、ヘラチョウザメ、淡水ガーフィッシュ、ボウフィン、または当技術分野において公知の他の魚が挙げられ得る。例えば、当業者は、他の種類の魚を、本明細書に記載される方法およびシステムを使用して保存することができることを理解するであろう。
2.魚を冷却してストレスを低減する
【0141】
数ある中でも、本実施例は、1または複数の魚を冷却して、生魚組織を保存することを提供する。魚を得た後、魚を冷却して、魚が経験するストレスを低減する(図1Bを参照されたい)。例えば、魚を、摂氏約-4~約20度の温度に冷却して、魚が経験するストレスを低減することができる。一部の実施形態では、魚は、氷浴(例えば、摂氏約-4~約20度の温度を有する)に魚を入れることによって冷却することができる。魚はまた、氷-水スラリー浴(例えば、摂氏約-4~約20度の温度を有する)に魚を入れることによって冷却することができる。一部の実施形態では、氷-水浴は、約0.1%~約99.9%の重量の氷のパーセンテージを有する。氷の種類としては、砕かれた氷、四角い氷、薄く削られた氷、フレーク状の氷、洋ナシ状の氷、または三日月型の氷が挙げられ得る。魚はまた、冷水浴(例えば、摂氏約-4~約20度の温度を有する)に魚を入れることによって冷却することができる。魚はまた、冷蔵庫(例えば、摂氏約-4~約20度の温度を有する)に魚を入れることによって冷却することができる。当業者は、他のシステムおよび方法を使用して、魚を摂氏約-4~約20度の温度に冷却することができることを理解するであろう。
3.魚を特定の温度に冷却する
【0142】
数ある中でも、本実施例は、1または複数の魚を特定の温度に冷却して、生魚組織を保存することを提供する。例えば、次いで、魚を、特定の温度、例えば、摂氏約-4~約20度の任意の温度、またはその間の任意の温度に冷却する(図1Cを参照されたい)。
4.必要に応じて魚を活動不能にする
【0143】
数ある中でも、本実施例は、必要に応じて1または複数の魚を活動不能にして、生魚組織を保存することを提供する。一部の実施形態では、魚を本明細書に記載される特定に温度に冷却した後、魚は、必要に応じて活動不能にされる(図1Cを参照されたい)。例示的な活動不能化の方法としては、窒息、氷浴、断頭、1回または複数回の頭部への打撃、ピッシング、活け締め、中毒、または電気が挙げられる。当業者は、他の活動不能化の方法を、本明細書に記載されるシステムおよび方法とともに使用することができることを理解するであろう。
【0144】
例示的な断頭の方法としては、ナイフを使用すること、鋭い刃に取り付けられた液圧プレス、または鋸(例えば、丸鋸または往復鋸)を使用することが挙げられる。当業者は、他の断頭の方法を、本明細書に記載されるシステムおよび方法とともに使用することができることを理解するであろう。
【0145】
頭部への打撃は、ハンマーまたは斧を使用して行うことができる。例示的なハンマーとしては、ボールピーンハンマー、クローハンマー、クラブハンマー、デッドブローハンマー、フレーミングハンマー、大型ハンマー、タックハンマー、ブリックハンマー、電気ハンマー、エンジニアリングハンマー、ロックハンマー、スコッチハンマー、シングルハンマー、スパイキモールハンマー、ソフトフェイスハンマー、工具メーカーのハンマー、溶接ハンマーまたは動力ハンマー(例えば、蒸気ハンマー、電力ハンマー、空気ハンマー)が挙げられる。例示的な斧としては、鉞、鉈、投げ戦斧、薪割り斧、ダブルビット斧、バイキング/デーン斧、戦術斧、戦闘斧、伐採斧、手斧、大工の斧、消防士の斧、クラッシュ斧または投げ斧が挙げられる。例示的なハンマーおよび/または斧は、ゴム、金属、プラスチック、木、真鍮または銅などの材料を含み得る。当業者は、他の頭部への打撃の方法を、本明細書に記載されるシステムおよび方法とともに使用することができることを理解するであろう。
【0146】
ピッシングは、動物の領域にニードルまたは棒を挿入することによって動物(魚など)を動かなくさせるまたは死亡させるために使用することができる技法である。ピッシングは、金属、ゴム、プラスチック、木、真鍮、銅または炭素繊維などの材料を使用して行うことができる。一部の実施形態では、ピッシングの材料は、直径約1mm~直径約15cmである。ピッシングされる領域としては、脳(例えば、嗅葉、終脳、視葉、小脳、髄脳)、脊髄、心臓または魚の鰓が挙げられ得る。
【0147】
活け締めは、魚を活動不能にすることができる別の方法である。最初に、魚を、上記に記載されるようにしてピッシングする。2番目に、魚の鰓を切断する。鰓は、鰓の根本、魚の前に近い鰓の上部、鰓の中央で切断することができる。鰓は、ナイフ、はさみ、斧、もしくは本明細書に記載される材料を使用する糸鋸を使用して、および/または電気、ヒトの力、蒸気動力もしくはガス動力などの動力を使用して、切断することができる。3番目に、魚の尾を切断する。尾は、尾びれの根本、尾びれから20cm、またはその間のいずれかで切断することができる。尾は、ナイフ、はさみ、斧、もしくは本明細書に記載される材料を使用する糸鋸を使用して、および/または電気、ヒトの力、蒸気動力もしくはガス動力などの動力を使用して、切断することができる。4番目に、魚の脊髄を破壊する。魚の脊髄は、侵入口(例えば、魚の後側の任意の切断/開口部、魚の後側の任意の切断/開口部、または魚の前側の任意の切断/開口部)で破壊することができる。脊髄は、本明細書に記載される材料を有する器具を使用して破壊することができる。器具は、電気、ヒトの力、蒸気動力またはガス動力を備え得る。5番目に、魚を出血させる。魚は、室温、または摂氏約-4~約20度の温度で出血させることができる。一部の実施形態では、魚を、氷浴、氷-水スラリー浴、冷水浴、冷蔵庫、またはオープンエアに入れる。一部の実施形態では、氷浴、氷-水スラリー浴、冷水浴、冷蔵庫、またはオープンエアは、摂氏約-4~約20度の温度を有する。一部の実施形態では、氷-水スラリー浴は、約0.1%~約99.9%の重量の氷のパーセンテージを有する。氷-水スラリー浴における氷の種類としては、砕かれた氷、四角い氷、薄く削られた氷、フレーク状の氷、洋ナシ状の氷、または三日月型の氷が挙げられ得る。6番目に、魚を、必要に応じて、流体が排出され得る任意の開口部で焼灼する。例えば、魚を、二酸化炭素が飽和した水(例えば、水中の二酸化炭素レベルが、https://www.fdacs.gov/Consumer-Resources/Recreation-and-Leisure/Aquarium-Fish/Aquarium-Water-Quality-Carbon-Dioxideによって記載されるように、5mg/Lより高い場合、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に浸漬することによって中毒にすることができる。別の例として、魚を、https://en.wikipedia.org/wiki/Tricaine_mesylateによって記載されるように、MS22に曝露することによって中毒にすることができ、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。魚を、電気によって焼灼することもできる。当業者は、異なる種類の焼灼技法を用い得ることを理解するであろう。
5.流体を魚の循環系に導入する
【0148】
数ある中でも、本実施例は、流体を、生魚組織を保存するための方法の1つにより魚の循環系に導入することも記載する(図2Aを参照されたい)。流体を、1分当たり約1nL~1分当たり約1Lの速度、またはその間の任意の速度で流すことができる。流体は、摂氏約-1~約20度の温度、またはその間の任意の温度であり得る。
【0149】
本実施例は、本明細書に記載される方法に従って使用することができる各種のニードルを提供する。一部の実施形態では、ニードルは、2、3、3T、4(1度から90度の)、5、ASなどのニードルポイントのスタイルを有する。一部の実施形態では、ニードルは、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、または33のニードルゲージを有する。ニードルは、医療グレードのステンレス鋼、高度な合金、エキゾチック金属、MRI適合材料またはポリマーからなり得る。当業者は、他のニードルの種類を、本明細書に記載されるシステムおよび方法に従って使用することができることを理解するであろう。
【0150】
本実施例は、1つまたは複数のニードルを魚の心臓に設置することにより、循環系に流体を導入するための方法も提供する。本実施例は、心臓への設置を記載するが、当業者は、ニードルを循環系の他の器官にも設置することができることを理解するであろう。例示的な器官としては、肝静脈、門脈、尾静脈、尾動脈、背側大動脈、腸間膜動脈、肝動脈、遠心性鰓動脈または求心性鰓動脈が挙げられる。
A.循環系に流体を送り込む心臓に導入される1つのニードル
【0151】
数ある中でも、本実施例はまた、ニードルを、心臓に導入し、循環系に流体を送り込むために使用することを記載する(例えば、図6を参照されたい)。
【0152】
ニードルは、心臓のチャンバー内の各種の位置に設置することができ、それが心臓の唯一のチャンバーにあるように位置することができる。例えば、一部の実施形態では、ニードルは、動脈球のみに導入され、循環系に流体を送り込むために使用される。一部の実施形態では、ニードルは、心室のみに導入され、循環系に流体を送り込むために使用される。一部の実施形態では、ニードルは、心房のみに導入され、循環系に流体を送り込むために使用される。一部の実施形態では、ニードルは、静脈洞のみに導入され、循環系に流体を送り込むために使用される。一部の実施形態では、ニードルは、静脈洞のみに導入され、循環系に流体を送り込むために使用される。
【0153】
別の例として、一部の実施形態では、ニードルは、心臓のチャンバー内の各種の位置に設置することができ、心臓の2つ以上のチャンバーに同時にあるように位置することができる(例えば、図6を参照されたい)。例えば、一部の実施形態では、ニードルは動脈球に導入され、ニードルのヘッドは心室に導入される。一部の実施形態では、ニードルは動脈球に導入され、ニードルのヘッドは心室に導入される。一部の実施形態では、ニードルは心室に導入され、ニードルのヘッドは動脈球に導入される。一部の実施形態では、ニードルは心室に導入され、ニードルのヘッドは心房に導入される。一部の実施形態では、ニードルは心房に導入され、ニードルのヘッドは心室に導入される。一部の実施形態では、ニードルは心房に導入され、ニードルヘッドは静脈洞に導入される。一部の実施形態では、ニードルは静脈洞に導入され、ニードルのヘッドは心房に導入される。
B.循環系に流体を送り込む心臓に導入される1つのニードル、および循環系から流体を送り出す心臓に導入される1つのニードル
【0154】
数ある中でも、本実施例はまた、第1のニードルが循環系に流体を送り込むために心臓に導入され、第2のニードルが循環系から送り出すために心臓に導入されることを記載する。ニードルは、本明細書に記載されるように、循環系への設置のための形状およびサイズであり得る。
【0155】
ニードルは、心臓のチャンバー内の各種の位置に設置することができ、両方のニードルが心臓の唯一のチャンバーにあるように位置することができる。例えば、一部の実施形態では、両方のニードルは動脈球のみに導入される。例えば、一部の実施形態では、両方のニードルは心室のみに導入される。例えば、一部の実施形態では、両方のニードルは心房のみに導入される。例えば、一部の実施形態では、両方のニードルは静脈洞のみに導入される。
【0156】
あるいは、一部の実施形態では、ニードルは、心臓のチャンバー内の種々の位置に設置され得、第1のニードルが心臓の第1のチャンバーに位置し、第2のニードルが心臓の第2のチャンバーに位置するように位置することができる。例えば、第1のニードルは動脈球に設置され、第2のニードルは心室に設置される。例えば、第1のニードルは心室に設置され、第2のニードルは動脈球に設置される。例えば、第1のニードルは心室に設置され、第2のニードルは心房に設置される。例えば、第1のニードルは心房に設置され、第2のニードルは心室に設置される。例えば、第1のニードルは心房に設置され、第2のニードルは静脈洞に設置される。例えば、第1のニードルは静脈洞に設置され、第2のニードルは心房に設置される。
C.流体が同時に心臓に送り込まれかつそこから送り出されるのを可能にする、心臓に導入される1つの特別に設計されたニードル
【0157】
数ある中でも、本実施例はまた、流体が同時に心臓に送り込まれかつそこから送り出されるのを可能にする、心臓に導入される1つの特別に設計されたニードルを記載する。
【0158】
そのような実施形態では、ニードルは、心臓のチャンバー内の各種の位置に設置することができ、それが心臓の唯一チャンバーにあるように位置することができる。例えば、一部の実施形態では、ニードルは、動脈球のみに導入され、循環系に流体を送り込むために使用される。一部の実施形態では、ニードルは、心室のみに導入され、循環系に流体を送り込むために使用される。一部の実施形態では、ニードルは、心房のみに導入され、循環系に流体を送り込むために使用される。一部の実施形態では、ニードルは、静脈洞のみに導入され、循環系に流体を送り込むために使用される。一部の実施形態では、ニードルは、静脈洞のみに導入され、循環系に流体を送り込むために使用される。
【0159】
別の例として、一部の実施形態では、ニードルは、心臓のチャンバー内の各種の位置に設置することができ、心臓の2つ以上のチャンバーに同時にあるように位置することができる。例えば、一部の実施形態では、ニードルは動脈球に導入され、ニードルのヘッドは心室に導入される。一部の実施形態では、ニードルは動脈球に導入され、ニードルのヘッドは心室に導入される。一部の実施形態では、ニードルは心室に導入され、ニードルのヘッドは動脈球に導入される。一部の実施形態では、ニードルは心室に導入され、ニードルのヘッドは心房に導入される。一部の実施形態では、ニードルは心房に導入され、ニードルのヘッドは心室に導入される。一部の実施形態では、ニードルは心房に導入され、ニードルヘッドは静脈洞に導入される。一部の実施形態では、ニードルは静脈洞に導入され、ニードルのヘッドは心房に導入される。
6.流体は、管のシステムにより循環系を通して送り込まれる
【0160】
数ある中でも、本実施例は、生魚組織を保存する目的のために、流体が、管のシステムにより魚の循環系を通して送り込まれることを記載する。一部の実施形態では、例えば、ニードルの終端は管に取り付けられ、管はポンプに接続される。例示的なポンプとしては、蠕動ポンプ、ローブポンプ、ダイヤフラムポンプ、またはピストンポンプが挙げられる。例示的な管としては、アルミニウム管、銅管、鋼管、ステンレス鋼管、ナイロン管、ポリエチレン管、ポリプロピレン管、ポリウレタン管、PVC管、ビニール管、ゴムチューブ、または繊維ガラスもしくは複合材料管が挙げられる。当業者は、他の種類のポンプおよび/または管を、本明細書に記載されるシステムおよび方法とともに使用することができることを理解するであろう。
7.流体は、1または複数の魚の循環系を通して送り込まれる
【0161】
本実施例はまた、生魚組織を保存するために、流体が、1または複数の魚の循環系を通して送り込まれることを記載する。例えば、本実施例は、最高で1匹の魚までをつなぐシステムを記載する(例えば、図2Bを参照されたい)。本実施例はまた、最高で多くの魚までをつなぐシステムを記載する(例えば、図2Cを参照されたい)。
8.流体は生魚組織を保存する多くの因子を含む
【0162】
数ある中でも、本実施例は、生魚組織を保存する種々の因子を含む流体を記載する。例えば、本明細書に記載される流体は、魚がより長い期間生き続けることを可能にする。例示的な因子としては、水、糖、pHの平衡を保つ要素、重量オスモル濃度を維持する要素、増殖因子、有機化合物、塩、増粘剤、ビタミン、イオン、ATP、補因子、緩衝液および酵素が挙げられる。そのような因子の種類の例が本明細書に提供される。当業者は、他の因子を、本明細書に記載されるシステムおよび方法に従って、生魚組織を保存するために使用することもできることを理解するであろう。
9.流体の移動は閉鎖システム内に留まる
【0163】
数ある中でも、本実施例は、流体が閉鎖システム内で移動することを記載する(図3Aを参照されたい)。例えば、一部の実施形態では、流体は、第1のタンク(タンク1)から枯渇し、魚(または複数の魚)の体を通して灌流され、次いで、第2のタンク(タンク2)に蓄積する。
10.流体は、魚の組織および/または細胞が長期間生き続けることを可能にする
【0164】
数ある中でも、本実施例はまた、流体を魚の組織および/または魚の細胞と接触させることにより、魚の組織および/または細胞が長期間生き続けることを可能にすることを記載する。例えば、一部の実施形態では、流体を魚の組織および/または魚の細胞と接触させることにより、魚の組織および/または魚の細胞の生存期間を、約5分~約1年の期間、またはその間の任意の時間、延長することができる。
11.流体は、生魚組織の保存可能期間を延長して、複数の産業に役立つ
【0165】
数ある中でも、本実施例は、生魚組織の保存可能期間を延長する流体を記載する。生きている組織の保存可能期間を延長することは、細胞農業、魚の輸送企業、および食品産業などの各種の産業にとって重要である。細胞農業産業では、例えば、魚の自然の生息地がある場所からの材料取得から企業の実験室への魚の輸送まで、魚の組織および/または細胞が新鮮なままであることが重要である。材料の保存可能期間を増加させることは、科学者が組織を処理するためのより長い時間を可能にする。加えて、魚の輸送企業または食品産業のためには、魚材料の保存可能期間を増加させることは、企業のサプライチェーン物流のためのより広い時間枠を可能にする。例示的な食品産業しては、ファーストフード産業、高級料理店、零細店舗、レストラン、カフェテリア、刑務所、航空会社、学校、食品流通業者および卸売販売業者が挙げられる。
12.記載されるシステムは、無菌であるか、または無菌に近い
【0166】
数ある中でも、本実施例はまた、生魚組織を保存する、無菌であるか、または無菌に近い閉鎖システムを提供する。滅菌の種類が本明細書に記載される。当業者は、滅菌のための他の方法を使用することができることを理解するであろう。
等価物
【0167】
当業者は、本明細書に記載される発明の具体的な実施形態に対する多くの等価物を、認識し、または単なるルーチン実験を使用して究明することが可能であろう。本発明の範囲は、上記の説明に限定されることを意図するものではなく、むしろ、以下の特許請求の範囲に示される通りである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】