IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ テクサロバ・テクノロジー・インコーポレイテッドの特許一覧

特表2023-516307芝生プロファイルデータの情報管理システム
<>
  • 特表-芝生プロファイルデータの情報管理システム 図1
  • 特表-芝生プロファイルデータの情報管理システム 図2
  • 特表-芝生プロファイルデータの情報管理システム 図3
  • 特表-芝生プロファイルデータの情報管理システム 図4
  • 特表-芝生プロファイルデータの情報管理システム 図5
  • 特表-芝生プロファイルデータの情報管理システム 図6
  • 特表-芝生プロファイルデータの情報管理システム 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-19
(54)【発明の名称】芝生プロファイルデータの情報管理システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20230412BHJP
   G08G 1/13 20060101ALI20230412BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G08G1/13
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022551735
(86)(22)【出願日】2021-02-25
(85)【翻訳文提出日】2022-10-17
(86)【国際出願番号】 US2021019741
(87)【国際公開番号】W WO2021173881
(87)【国際公開日】2021-09-02
(31)【優先権主張番号】62/981,577
(32)【優先日】2020-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/US2021/016951
(32)【優先日】2021-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/981,585
(32)【優先日】2020-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/991,106
(32)【優先日】2020-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522314474
【氏名又は名称】テクサロバ・テクノロジー・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【弁理士】
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ジア
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA20
5H181BB04
5H181BB05
5H181CC04
5H181FF14
5H181MC02
5H181MC15
5H181MC27
(57)【要約】
本発明は、芝生プロファイルデータの情報管理システムに関する。本システムは、刈り取り作業が必要な任意の芝生の区画の情報を収集するための芝生プロファイル情報収集ツールと、ここにおいて、芝生プロファイル情報収集ツールは、そのような情報を芝生プロファイルデータに変換するためのデータ変換器、並びに芝生プロファイルデータをアップロードのために好適なフォーマット及びカテゴリにローカルで処理するためのデータプロセッサを含み、処理された芝生プロファイルデータを受信するために芝生プロファイル情報収集ツールと通信する使用者のモバイルデバイスと、芝生プロファイルデータをアップロードするためのモバイルデバイスからの要求を受信及び処理するためにモバイルデバイス及び芝生プロファイル情報収集ツールと通信するリモート情報処理センタと、を備え、リモート情報処理センタは、刈り取り作業を行うための指定された芝刈り機による芝生プロファイルデータの使用のため、すなわち、要求に応じて特定の芝生の区画に関連付けられた記憶された芝生プロファイルデータを使用するために、芝生プロファイルデータを記憶するためのデータ記憶ユニットを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
芝生プロファイルデータの情報管理システムであって、
複数の芝生の区画から収集された芝生プロファイル情報を反映した処理された芝生プロファイルデータを受信することが可能な使用者の少なくとも1つのモバイルデバイスと、
前記モバイルデバイスからの前記芝生プロファイルデータのアップロードを求める前記モバイルデバイスからの要求を受信及び処理するために前記モバイルデバイスと通信するリモート情報処理センタと、
を備え、前記リモート情報処理センタは、使用又は適用のために前記アップロードされた芝生プロファイルデータを記憶するためのデータ記憶ユニットを含む、システム。
【請求項2】
前記複数の芝生の区画の情報及び知識を収集するための少なくとも1つの芝生プロファイル情報収集ツールを更に備え、前記芝生プロファイル情報収集ツールは、前記芝生の前記収集された情報及び知識を芝生プロファイルデータに変換するためのデータ変換器を含み、前記芝生プロファイルデータを好適なフォーマット及びカテゴリにローカルで処理するためのデータプロセッサを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
要求された場合に、前記複数の芝生の区画のうちの特定の1つに関連付けられた前記記憶された芝生プロファイルデータを使用して、前記特定の芝生の区画に対して承認された刈り取り作業を行うための指定されたロボット芝刈り機を更に備える、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記芝生プロファイル情報収集ツールは、前記モバイルデバイスと通信し、前記処理された芝生プロファイルデータを前記モバイルデバイスに送信し、それによって、前記芝生プロファイルデータを前記リモート情報処理センタにアップロードする、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記リモート情報処理センタは、前記特定の芝生の区画に対して前記承認された刈り取り作業を行うために前記指定されたロボット芝刈り機を使用するための前記使用者の前記モバイルデバイスからの要求を受信することと、前記承認された刈り取り作業を行うために前記指定されたロボット芝刈り機を使用することを求める前記要求を検証することと、前記指定されたロボット芝刈り機にダウンロードするために、前記関連付けられた芝生プロファイルデータを前記データ記憶ユニットから取り出すこととが可能である、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記芝生プロファイルデータは、芝生の区画のアイデンティティ、前記芝生のゾーン、各ゾーンのセグメント、前記ゾーン内の障害物、及び各障害物のセグメントを含む、前記複数の芝生の区画の様々な特性を記述するXMLベースの言語で表わされる、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記芝生プロファイルデータは、芝生のデータ、ゾーンのデータ、障害物のデータ、及びセグメントのデータを含み、芝生の区画は、複数のゾーン、存在する場合は1つ又は複数の障害物、及び前記ゾーンの複数のセグメント、並びに存在する場合は障害物の複数のセグメントに分割される、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記芝生のデータ、前記ゾーンのデータ、前記障害物のデータ、及び前記セグメントのデータは、芝生、ゾーン及びそのセグメント、並びに障害物及びそのセグメントの階層にある、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記指定されたロボット芝刈り機は、刈り取り中の前記特定の芝生の区画の任意の変化を感知及び検出し、そのような変化を更新された芝生プロファイルデータに変換及び処理することが可能であり、前記更新された芝生プロファイルデータをアップロードのために前記モバイルデバイスに送信する、請求項3~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
芝生プロファイルデータの情報管理システムであって、
複数の芝生の区画の情報及び知識を収集するための少なくとも1つの芝生プロファイル情報収集ツールと、ここにおいて、前記芝生プロファイル情報収集ツールは、前記芝生の前記収集された情報及び知識を芝生プロファイルデータに変換するためのデータ変換器、並びに前記芝生プロファイルデータを好適なフォーマット及びカテゴリにローカルで処理するためのデータプロセッサを含み、
前記処理された芝生プロファイルデータを受信することが可能な使用者の少なくとも1つのモバイルデバイスと、
前記モバイルデバイスからの前記芝生プロファイルデータのアップロードを求める前記モバイルデバイスからの要求を受信及び処理するために前記モバイルデバイスと通信するリモート情報処理センタと、
を備え、前記リモート情報処理センタは、使用又は適用のために前記アップロードされた芝生プロファイルデータを記憶するためのデータ記憶ユニットを含む、システム。
【請求項11】
要求された場合に、前記複数の芝生の区画のうちの特定の1つに関連付けられた前記記憶された芝生プロファイルデータを使用して、前記特定の芝生の区画に対して承認された刈り取り作業を行うための指定されたロボット芝刈り機を更に備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記指定されたロボット芝刈り機は、刈り取り中の前記特定の芝生の区画の任意の変化を感知及び検出し、そのような変化を更新された芝生プロファイルデータに変換及び処理することが可能であり、前記更新された芝生プロファイルデータをアップロードのために前記モバイルデバイスに送信する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの芝生プロファイル情報収集ツールは、前記複数の芝生の区画のうちのいずれか1つの芝生の区画の任意の変化の情報を測定及び収集するために使用され、アップロードのために前記モバイルデバイスに送信するために、前記変化の情報を更新された芝生プロファイルデータに変換及び処理する、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記芝生プロファイルデータは、芝生のデータ、ゾーンのデータ、障害物のデータ、及びセグメントのデータを含み、芝生の区画は、複数のゾーン、存在する場合は1つ又は複数の障害物、及び前記ゾーンの複数のセグメント、並びに存在する場合は障害物の複数のセグメントに分割される、請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
前記芝生プロファイルデータは、芝生の区画のアイデンティティ、前記芝生のゾーン、各ゾーンのセグメント、前記ゾーン内の障害物、及び各障害物のセグメントを含む、前記複数の芝生の区画の様々な特性を記述するXMLベースの言語で表わされる、請求項10に記載のシステム。
【請求項16】
前記指定されたロボット芝刈り機は、刈り取り中の前記特定の芝生の区画の任意の変化を感知及び検出し、そのような変化を更新された芝生プロファイルデータに変換及び処理することが可能であり、前記更新された芝生プロファイルデータをアップロードのために前記モバイルデバイスに送信する、請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
芝生プロファイルデータを作成及び処理する方法であって、
(1)将来の刈り取り作業のために必要に応じて、任意の芝生の区画の特性を反映する前記芝生の区画の情報及び知識を収集することと、
(2)前記芝生の前記収集された情報及び知識を芝生プロファイルデータに変換することと、
(3)前記芝生プロファイルデータを好適なフォーマット及びカテゴリに処理することと、
(4)前記フォーマット化及びカテゴリ化された芝生プロファイルデータを、将来の使用のために、記憶ユニットを含むリモート情報処理センタにアップロードすることと、
を行うステップを備える、方法。
【請求項18】
複数の前記芝生の区画のうちのいずれかの任意の更新に応じて、前記リモート記憶装置に記憶された前記芝生プロファイルデータを随時更新することと、刈り取り作業のためにロボット芝刈り機についての前記芝生プロファイルデータを使用するための使用者からの要求に応答し、前記要求を検証することと、前記刈り取り作業を行うために必要なデータを前記ロボット芝刈り機にダウンロードすることとを行うステップを更に備える、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記芝生プロファイルデータは、芝生のデータ、ゾーンのデータ、障害物のデータ、及びセグメントのデータを含み、任意の芝生の区画は、複数のゾーン、存在する場合は1つ又は複数の障害物、及び前記ゾーンの複数のセグメント、並びに障害物の複数のセグメントに分割される、請求項17又は18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001] 本出願は、2020年2月26日出願の米国仮特許出願第62/981,577号、2020年2月26日出願の米国仮特許出願第62/981,585号、及び2020年3月18日出願の米国仮特許出願第62/991,106号に対する優先権を主張するものであり、該出願の開示は、その全体が参照により本出願の一部として本明細書に組み込まれる。本出願はまた、2020年2月7日出願の米国仮特許出願第62/971,805号の優先権を主張する、2021年2月5日出願のPCT/US21/016951に関連し、その優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
[0002] 本発明は、芝生プロファイルデータの情報管理システム、すなわち、世界中の任意の芝生の区画に向けられた芝生プロファイルのデータの収集、記憶、配布、及び使用に関し、具体的には、そのようなデータは、クラウドに記憶され、任意の利用可能なワイヤレスネットワーク及び/又はインターネットを介してアクセス可能であり得る。更に、そのようなデータは、指定された使用者のデバイス、より正確にいえばモバイルデバイスからのアップロードにより更新され得る。
【背景技術】
【0003】
[0003] 芝生の区画を刈り取るために、ロボット芝刈り機は、予め又は事前に、すなわち刈り取り作業を開始する前に、その特定の芝生の区画についての特定の情報又は知識を有していたほうがよい、又は学習したほうがよい。現在、市場に出ているほとんどのロボット芝刈り機は、予め設置された境界線ワイヤ又は周囲ワイヤを使用する。予め設置された境界線ワイヤは、刈る又は刈り取る芝生の輪郭又は境界を決定又は画定する。ロボット芝刈り機は、境界又は刈り取り境界線を越えない。これは、ロボット芝刈り機に対して予め設定された唯一の情報又は知識である。芝刈り機は、境界線ワイヤによって画定された境界内で芝生の方々を回り、芝刈り機が芝生の上を進んだところはどこでも草を刈るランダム経路方法を採用し得る。芝刈り機がその移動経路にある物体又は任意の障害物を検出又はそれに衝突すると、芝刈り機は停止し、異なる方向に向きを変えるが、芝刈り機が物体又は障害物にどのように衝突したかに依存して、新しい方向は依然としてランダムである。したがって、このタイプのロボット芝刈り機は、物体若しくは障害物又は境界線ワイヤに衝突したときに芝刈り機がどこに進み得るかについて常に不確かであり、刈り取りに比較的長い時間を予め設定する必要があるので、芝生全体を効率的に刈り取ることを保証できない。よって、多くの重複作業又は刈り残した領域なく芝生の区画全体をカバーするために芝刈り機がどこに進むか、又は芝刈り機がどのように進み得るかについての確実性がないことに起因して、一般に時間のかかるプロセスである。
【0004】
[0004] 別のタイプのロボット芝刈り機が2019年に提案されており、境界線ビーコン技術と呼ばれることもある。これは、旧式の周囲ワイヤ又は境界線ワイヤ技術を放棄し、ワイヤレスビーコン技術を使用して、芝生の区画の境界を決定し、その位置を特定し、芝生に対してナビゲートする。これは、境界線ワイヤを使用する芝刈り機よりも優れたタイプのロボット芝刈り機であるはずであり、境界線ワイヤ技術よりも効率的に草を刈り、より優れた刈り取り作業を行うことができる。しかしながら、庭又は芝生の周りにビーコンを立てることにより設置プロセスが複雑になる。ジョイスティックが使用され、それを用いて人がロボットを周辺部に沿って動かすとともに、庭の内側の任意の領域、すなわち、花壇又は養魚池などの避けるべき領域もよけて動かす必要がある。この方法は、ビーコンが最初に適切かつ正確に設置される個人又は個々の芝生でうまく機能するはずである。しかしながら、個人又は個々の芝生のいずれの情報又は知識も他の芝刈り機と共有することができない。それは、作業を行うように最初に設定された1つの芝刈り機と個々に又は個人的に保持される。芝生に対して刈り取り作業を行うために新しい芝刈り機が必要な場合、他の芝刈り機の各々が独立して再設定され得る。
【0005】
[0005] 今日の世界では、広く使用されているGPS及びGoogleマップ等に加えて、多くのものを強化及び/又は支援し、多くの新しいものを開発するために、AI技術及びビッグデータが使用されている。更に、いずれの個々の芝生又はいずれの区画の土地もあまり頻繁には変化せず、周辺の建物又は他の設備が経時的に変化しない限りそのままである傾向にあり得ることは一般的に事実であり、他方、芝刈り機については、あまり長時間は使用しない場合もあるし、随時新しいものに交換する必要がある。したがって、境界線ワイヤ又はビーコンを予め設置又は据え付ける手間をあまりかけずに、任意の他の芝刈り機又は新しい芝刈り機が、任意の芝生の区画の情報及び/又は知識を受信することができるように個々の芝生の情報及び/又は知識を共有できることが望ましい。芝生の他の状態、例えば、草の湿り具合、芝生の傾斜、又は芝生のそれらの状態の任意の瞬間的な変化などもまた、刈り取り作業に影響を及ぼす場合がある。換言すれば、ロボット芝刈り機は、芝生についての必要な情報及び/又は知識を取得した後、訓練なしに刈り取り作業を行うことができるはずであり、複数のロボット又はロボット芝刈り機であっても、比較的大きい又は更には広大な芝生の区画に対して大規模な刈り取り作業を協力して行うことが可能である。現在市場に出ているロボット芝刈り機又はロボット技術のいずれも、このような問題に対処していないと考えられる。
【発明の概要】
【0006】
[0006] したがって、本発明の目的は、基本的及び/又は本質的な芝生情報及び/又は知識を識別して、任意のタイプのロボット芝刈り機又は芝生ロボットについての刈り取り作業を効率的に行うために必要なことをすべて反映した芝生プロファイルデータを作成することである。
【0007】
[0007] 本発明の別の目的は、定量化可能に芝生プロファイルデータを収集、記憶、転送、配布、及び/又は使用することができる芝生プロファイルデータ情報管理システムをもたらすことであり、そのような芝生プロファイルデータは、随時アップロード、ダウンロード、更新することが可能であってよく、1つのロボットから別のロボットに転送可能であってよいし、又はロボット間で、すなわち、ロボット芝刈り機間で共有されてよい。
【0008】
[0008] 本発明によれば、芝生プロファイルデータは、任意の芝生の状態を反映する、例えば、サイズ、形状、及び傾斜等の芝生プロファイルの情報及び/又は知識を記述するためにXMLベースの言語を使用し得る。本発明によれば、芝生プロファイルデータは、以下の芝生プロファイルデータ構造、構文、及びデータ階層にしたがって詳細に記述される。
【0009】
[0009] 本発明によれば、芝生プロファイルデータ情報管理システムは、概して、芝生に対して刈り取り作業を行うのに必要となる任意の芝生の区画の情報及び/又は知識を収集するための少なくとも1つの芝生プロファイル情報収集ツールと、ここにおいて、芝生プロファイル情報収集ツールは、芝生の収集された情報及び/又は知識を芝生プロファイルデータに変換するためのデータ変換器を含み、芝生プロファイルデータを好適なフォーマット及びカテゴリにローカルで処理するためのデータプロセッサを含み、処理された芝生プロファイルデータを受信するために芝生プロファイル情報収集ツールと通信する使用者又は操作者の少なくとも1つのモバイルデバイスと、モバイルデバイスからの任意の要求を受信及び処理するためにモバイルデバイス及び芝生プロファイル情報収集ツールと通信するリモート情報処理センタと、を備え、リモート情報処理センタは、特定の芝生の区画に対して刈り取り作業を行うための指定された芝刈り機による使用及び/又は適用のため、すなわち、そのように要求された場合に特定の芝生の区画に関連付けられた記憶された芝生プロファイルデータを使用するために、芝生プロファイルデータを記憶するためのデータ記憶ユニットを含む。代替的に、データ記憶ユニットは、リモート情報処理センタの一部ではなく、それと共に動作する。モバイルデバイスは、リモート情報処理センタと通信し、任意の更新の必要に応じて随時芝生プロファイルデータを更新することを求める要求をリモート情報処理センタに送信するか、又は特定の芝生の区画に対して刈り取り作業を行うために芝生プロファイルデータを使用することを求める要求を送信する。リモート情報処理センタは、芝生プロファイル収集ツール又はロボット芝刈り機若しくは芝生ロボットの予想される使用者又は操作者によって使用されるモバイルデバイスからのそのような要求に対して、該要求を検証し、任意の更新された芝生プロファイルデータのアップロードを許可し、及び/又は予想される使用者の芝刈り機若しくはロボットに必要な芝生プロファイルデータをダウンロードして、応答する。必要な芝生プロファイルデータが芝刈り機若しくは芝生ロボットの予想される使用者にダウンロードされると、芝刈り機は次いで、指定された芝生の区画に対して刈り取り作業を行い得る。
【0010】
[0010] 本発明によれば、芝生の情報及び/又は知識を収集するための収集ツール、そのような芝生の情報及び/又は知識を芝生プロファイルデータに変換するためのデータ変換器、並びに芝生プロファイルデータを好適なフォーマット及びカテゴリにローカルで処理するためのデータプロセッサは、一般に、芝生プロファイル情報コレクタなどのローカル装置に統合され得、それらはまた、ロボット芝刈り機又は芝生ロボットの一部として提供され得る。リモート情報処理センタ及びデータ記憶ユニットは、クラウドベースのサービスプロバイダ又は共に動作可能なプロバイダであり得る。モバイルデバイスは、情報処理センタ、及び芝生プロファイル情報コレクタ、並びにロボット芝刈り機若しくは芝生ロボットとワイヤレスで通信することができるアプリを装備したスマートフォンなど、任意の使用者のハンドヘルドデバイスであり得る。
【0011】
[0011] 本発明によれば、芝刈り機は、芝生の草の任意の実際の状態又は芝生自体の状態を検出する感知及び検出システムを装備し得、そのような検出された状態は、装備されたデータ変換器及びデータプロセッサを介してローカルで処理される。これらの処理された芝生プロファイルデータは、ダウンロードされた芝生プロファイルデータを更新するために使用され得、次いで、特に、そのような状態が偶発的又は瞬間的ではなく永続的なものであるときに、リモート情報処理センタ内の芝生プロファイルデータを更新するために、承認された可動デバイスを介してリモート情報処理センタに送信され得る。
【0012】
[0012] ロボット芝刈り機の一部ではない別個の芝生プロファイル情報コレクタが発明され、芝生の情報及び/又は知識を芝生プロファイル生データ又は初期データとして自動的に収集するために使用され得、上記の相互参照セクションで示した関連特許出願の1つで詳細に対応されている。芝生の区画を刈り取る前に、特定の芝生の区画のそのような初期データ又は生データが収集され、処理され、検証及び承認された使用者又は操作者のモバイルデバイスを介してリモート情報処理センタに通信され、将来の使用のためにそこの記憶ユニットに保持される。
【0013】
[0013] 本発明によれば、リモート情報処理センタ、より正確にいえばクラウドストレージに保持される芝生プロファイルデータは、安全なデータ送信のために暗号化フォーマットであり得る。通常、承認のために情報処理センタによって検証されるロボット芝刈り機の使用者のモバイルデバイスからの要求を受信すると、必要な芝生プロファイルデータが暗号化フォーマットで送信され、指定されたロボット芝刈り機又は共に動作するためにそのようなデータが必要である任意の複数の芝生ロボットにダウンロードされ、すなわち、適切な検証の後、芝生プロファイルデータ情報管理システムは、それが芝刈り機又はロボットの承認された使用者によって行われる正当な作業であることを確認する。
【0014】
[0014] 本発明の芝生プロファイルデータ情報管理システムは、添付の図面に関連した以下の詳細な説明においてより理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】[0015] 本発明の概略の芝生プロファイルデータ情報管理システムを例示する。
図2】[0016] 芝生プロファイル情報及び/又は知識についての全体的なデータ構造を示す。
図3】[0017] 4つのタイプの芝生プロファイルデータの階層を例示する。
図4】[0018] 初期芝生プロファイルデータの収集及びアップロードのフローチャートを示す。
図5】[0019] 刈り取り作業が要求されたときの芝生プロファイルデータの流れを例示する。
図6】[0020] 住宅の芝生の区画に関連する芝生プロファイルデータについての芝生の情報及び/又は知識の例を示す。
図7】住宅の芝生の区画に関連する芝生プロファイルデータについての芝生の情報及び/又は知識の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[0021] 芝生プロファイルデータ情報管理システム100が図1に概して例示されており、本システムは、刈り取り作業を行うのに必要な任意の芝生の区画の情報及び/又は知識を収集するための芝生プロファイル情報収集ツール101と、ここにおいて、芝生プロファイル情報収集ツール101は、そのような芝生の情報及び/又は知識を芝生プロファイルデータに変換するためのデータ変換器、並びに芝生プロファイルデータをアップロードのために好適なフォーマット及びカテゴリにローカルで処理するためのデータプロセッサを含み、処理された芝生プロファイルデータを受信するために芝生プロファイル情報収集ツール101と通信する使用者又は操作者の少なくとも1つのモバイルデバイス102と、芝生プロファイルデータをアップロードするためのモバイルデバイス102からの任意の要求を受信及び処理するためにモバイルデバイス102及び芝生プロファイル情報収集ツール101と通信するリモート情報処理センタ103と、を備えるものであり、リモート情報処理センタ103は、特定の芝生の区画に対して刈り取り作業を行うための任意の指定された芝刈り機105による使用又は適用のため、すなわち、そのように要求された場合に特定の芝生の区画に関連付けられた記憶された芝生プロファイルデータを使用するために、芝生プロファイルデータを記憶するためのデータ記憶ユニット104を含む。代替的に、データ記憶ユニット104は、リモート情報処理センタ103の一部ではなく、情報処理センタ103と共に動作する。モバイルデバイス102は、リモート情報処理センタ103と通信し、任意の更新の必要に応じて随時任意の更新された芝生プロファイルデータを更新することを求める要求をリモート情報処理センタ103に送信するか、又は特定の芝生の区画に対して刈り取り作業を行うために芝生プロファイルデータを使用することを求める要求を送信する。リモート情報処理センタ103は、芝生プロファイル収集ツール101又はロボット芝刈り機若しくは芝生ロボット105のどちらかの予想される使用者又は操作者によって使用され得るモバイルデバイス102からの任意のそのような要求に対して、該要求を検証し、更新された芝生プロファイルデータのアップロードを許可し、又は芝刈り機若しくは芝生ロボットの予想される使用者の芝刈り機若しくはロボット105に必要な芝生プロファイルデータをダウンロードして、応答する。必要な芝生プロファイルデータが芝刈り機若しくは芝生ロボットの使用者にダウンロードされると、芝刈り機は次いで、指定された芝生の区画に対して刈り取り作業を行い得る。
【0017】
[0022] 図1に見られるように、芝生の情報又は知識を収集するための芝生プロファイル収集ツール101、そのような芝生の情報及び/又は知識を芝生プロファイルデータに変換するためのデータ変換器、並びに芝生プロファイルデータを好適なフォーマット及びカテゴリにローカルで処理するためのデータプロセッサは、任意の初期芝生プロファイルデータ又は更新された芝生プロファイルデータを収集及び作成する別個の芝生プロファイル情報コレクタ101として形成及び統合され得、それらは、通常更新された芝生プロファイルデータを収集及び作成するロボット芝刈り機又は芝生ロボット105の一部として提供され得る。代替的に、芝生プロファイルデータ処理装置(図1には例示せず)は、そのような芝生プロファイルデータを処理する能力を有していない任意の他の種類の芝生ロボット若しくはロボット芝刈り機に取り付けられてもよいし、及び/又はそれと共に動作してもよい。このような独立したデータ処理装置は、芝生ロボットが独立した芝生プロファイルデータ処理装置を装備している場合、芝生に対して刈り取り作業を行うために、ダウンロードされた芝生プロファイルデータを受信するために使用されてもよいし、任意の芝生プロファイルデータの前述のアップロードのために使用されてもよい。リモート情報処理センタ103及びデータ記憶ユニット104は、1つの中央処理サーバ又は共に連携して動作する複数のデータ処理サーバのどちらかとして統合又は分離され得る。それらはクラウドサービスに基づくことができる。モバイルデバイスは、リモート情報処理センタ、及び芝生プロファイル情報収集ツール101、並びにロボット芝刈り機又は芝生ロボット105とワイヤレスで通信することができるものであれば、スマートフォン又はパッドなどの使用者のハンドヘルドデバイスであってよい。
【0018】
[0023] 芝生プロファイルデータの使用又は適用のために、特定の芝生の区画に対して刈り取り作業を行うための所望の芝生プロファイルデータは、芝刈り機105を起動又は操作する使用者又は操作者のモバイルデバイス102から作業要求が送信されたら、データのチェック及び検証並びに確認後に、指定されたロボット芝刈り機又は芝生ロボット105にダウンロードされる。また、芝生プロファイルデータは、独立したデータ処理装置にダウンロードされてもよく、すなわち、独立したデータ処理装置は、本発明に係る芝生プロファイルデータの情報管理システムにおいて使用される芝生プロファイルデータを使用及び処理する能力を有さない通常の芝生ロボット又はロボット芝刈り機の一部として統合されておらず、それに取り付け可能である。いずれにしても、作業要求は、通常、使用者若しくは操作者のモバイルデバイス102又は使用者のハンドヘルドデバイスから送信される。芝刈り機105は、そのような動作作業要求に応じた必要な芝生プロファイルデータのダウンロードによって起動される。更に、芝生プロファイルデータの更新があれば、それはモバイルデバイス102に送信され、又はモバイルデバイス102によって受信され、次いで、特に、芝生の偶発的又は瞬間的な変化ではなくむしろ永続的な変化を反映するものとして決定された更新は、モバイルデバイス102を介してリモート情報処理センタ103にアップロードされ得る。通常、芝生プロファイル情報のそのような変化は、刈り取り作業中に芝刈り機又は芝生ロボット105によって感知及び検出され得る。
【0019】
[0024] 基本的に、芝生の区画についての情報又は知識は、例えば、その住所、GPSシステムで使用されるようなGNSS座標等の芝生の区画のロケーションアイデンティティと、住宅、公園、沿道、又はゴルフ場などの芝生のタイプ若しくは種類又は芝生のカテゴリと、芝生を分割しているものとしてのゾーン情報としての芝生の領域などを含み得る。これらの情報は、芝生プロファイル情報又は知識として定義される。それに応じて、芝生プロファイルの情報又は知識は、内部芝生モデルに変換され得、これは、将来の刈り取り作業又は手入れ作業のために芝生の区画を反映するのに好適である。芝生プロファイルデータ情報管理システム100は次いで、芝生プロファイル情報を芝生プロファイルデータに変換し、そのような芝生プロファイルデータを将来の使用のために保持又は記憶するように構成される。
【0020】
[0025] 本発明の芝生プロファイルデータの情報管理システムでは、図2に示すように、概して4つのタイプの芝生プロファイルデータ、すなわち、芝生、ゾーン、障害物、及びセグメントがあり得る。芝生のデータは、1つ又は複数のゾーンを含む、最上位のデータである。また芝生データは、芝生のアイデンティティ、芝生の難易度、及び芝生の刈り取り作業又は手入れ作業が完了するまでの時間を含むべきである。
【0021】
[0026] ゾーンは、芝生のサブ領域であり、通常、他のサブ領域から分離されている。各ゾーンには、障害物として知られる複数の刈ることができない領域と、セグメントとして知られる複数の境界とがあり得る。各障害物も、その境界を画定するセグメントを有する。ゾーンデータもまた、アイデンティティ、領域、座標、開始点、ありうる障害物、及びセグメントを含むべきである。ゾーンデータは更に、ゾーンの刈り取り作業又は手入れ作業を完了させる難易度及び完了までの時間を含む。更に、各ゾーンのセグメントデータは、そのアイデンティティ、長さ、座標、特性、及び傾斜を含み得る。
【0022】
[0027] 障害物データは、アイデンティティ、領域、特性、及びセグメントの数を含み得る。障害物のセグメントデータは、そのアイデンティティ、長さ、座標、特性、及び傾斜を含み得、ゾーンのセグメントデータに類似している。
【0023】
言語及びデータ構造:
[0028] 一実施形態として、芝生プロファイルデータは、上述の芝生特性、すなわち、芝生、芝生のゾーン、各ゾーンのセグメント、ゾーン内の任意の障害物、及び障害物のセグメントを記述するXMLベースの言語で表わされる。芝生プロファイルの一般的なフォーマットは以下の通りであり得る。
【表1】
【0024】
[0029] 芝生データ、ゾーンデータ、障害物データ、並びにゾーン及び障害物のセグメントデータは、概して、図3に示すように階層的に配置された4つのタイプのデータである。芝生の情報又は知識すなわち芝生プロファイルが測定及び収集されると、そのような芝生の情報又は知識は、前述の芝生プロファイルデータに変換される。
【0025】
初期データ収集及び形成:
[0030] 図4は、芝生の情報又は知識を収集し、それを前述のデータに変換するフローチャート又はプロシージャを示す。単数又は複数の測定ツールが別の関連特許出願においてより詳細に開示されているが、本発明の芝生プロファイルデータベースシステムは世界中どこでも使用されることを意図しており、異なる場所では異なる単位系が使用され得るので、芝生の区画の測定は、一般に、特定の芝生の区画にメートル単位系を使用するべきかヤードポンド単位系を使用するべきかの決定を開始する。したがって、特定の芝生の区画にどの単位系を使用するべきかを決定することが必要である。次いで、そのような芝生情報又は知識が芝生プロファイルデータに変換される。
【0026】
[0031] 芝生の区画は、複数のゾーンに分割され得る。障害物と呼ばれる特定の刈ることができない領域、例えば、スイミングプール、池、木、ガスメータなどが存在し得る。これらの領域には、芝生ロボット又はロボット芝刈り機が作業中にそれらを避けるようにマークされる必要がある。領域は、刈ることができる全領域の合計である。難易度は、刈り取り作業を完了させるのがどの程度容易であるかを最も容易なものから最も困難なものまで1~100の尺度で定義する。評価アルゴリズムが芝生プロファイルのあらゆる側面を評価して、特定の芝生の区画についての特定のスコアを見つけ出す。完了までの時間は、刈り取り作業又は手入れ作業が完了するのにかかる時間を分単位で推定したものである。これらの難易度及び完了までの時間の2つの値は、芝生ロボット又はロボット芝刈り機が特定の芝生の区画を刈り取るたびに更新されることになり、これにより、芝生プロファイルデータはますます正確になっていく。
【0027】
[0032] 各ゾーンは、そのID又はアイデンティティと、SEGMENTSと呼ばれる複数の区別可能な辺とを有し、各セグメントは、開始点(座標A)及び終了点(座標Z)として記述され得る。
【0028】
[0033] 障害物は、例えば、スイミングプール又は池、木、ガスメータ、及び他のものなど、ゾーンの内側の刈ることができない領域である。芝生ロボット又は芝刈り機が行かないように、障害物の情報を収集し、データモデルにマークする必要がある。特性は、例えば、花壇及び庭等、障害物の性質を記述する。
【0029】
[0034] セグメントは、長さ、座標A、座標Z、特性、及び傾斜の5つの側面を有する。長さは、測定タグにある単位で測定されるセグメントの全長である。座標A及び座標Zは、セグメントの両端のGPS又はGNSS座標である。特性は、芝生の反対側の、セグメントの隣にある物体を記述したものである。傾斜は、度を単位としたセグメントの高低差である。
【0030】
[0035] 図4のフローチャートに示すように、すべての初期データが収集及び形成される。データのほとんどが、芝生の測定から直接収集され得る。収集されたデータから、他のもの、すなわち、領域、傾斜、ゾーンの数、障害物の数、セグメントの数、難易度、及び完了までの時間が計算される。難易度は、芝生を刈り取るのがどの程度困難であるかを1から100まで(すなわち、最も容易なものから最も困難なものまで)示す、芝生の各々に割り当てられるスコアである。完了までの時間は、特定の芝生の区画又は芝生のゾーンの刈り取りが終了するのにかかり得る時間を推定したものである。
【0031】
[0036] 図4に見られるように、芝生のすべての必要な情報又は知識の収集が完了するまで、芝生の区画のすべてのゾーンが測定及び収集され、次いで、所望の場合、データパック全体が暗号化される前に、何らかの調整又は検証が行われ得る。その後、暗号化された芝生プロファイルデータは、適当なクラウドストレージであり得るリモート記憶ユニットにアップロードされ、そのような芝生プロファイルデータは、ここではもうロボット芝刈り機又は芝生ロボットの承認された使用者によって使用される準備ができている。前述の機能のすべては、図1に例示する芝生プロファイルデータ情報管理システムによって行われる。
【0032】
データの使用又は適用:
[0037] アップロード及び記憶された芝生プロファイルデータは、ロボット芝刈り機又は芝生ロボット105の使用者からの該使用者のモバイルデバイス102を介した要求に応じて使用され得、そのような要求及び刈り取り作業の実行のプロセスが図5に例示されている。刈り取り作業の要求は、モバイルデバイス102、より正確にいえばスマートフォン又はパッドなどのハンドヘルドデバイスを介して使用者から送信され得る。要求はリモート情報処理センタ103に送信され、リモート情報処理センタ103は、芝生ロボット又はロボット芝刈り機105に関連付けられたモバイルデバイス102を介して使用される芝生ロボット又はロボット芝刈り機105及び使用者の認証又は承認をチェック及び検証する。正しい作業要求として検証された後、刈り取る特定の芝生の区画の芝生プロファイルデータが、例えば、芝生ロボット又はロボット芝刈り機内に装備又は据え付けられた芝生データ処理装置を介して、クラウドストレージ104から芝生ロボット又はロボット芝刈り機105にダウンロードされる。次いで、芝生ロボットは、芝生プロファイルデータを使用して、特定の芝生の区画の各ゾーンに対する割り当てられた刈り取り計画にしたがって刈り取り作業を行う。
【0033】
[0038] ロボット芝刈り機105は、刈り取り中に特定の芝生の区画の実際の状態を検出及び収集する感知及び検出システムを装備していてよく、芝生の実際の状態は、新たなデータに変換されて、割り当てられた刈り取り計画としてロボット芝刈り機にダウンロードされた芝生プロファイルデータを更新し、それにより、刈り取り作業をより良好に終了するために元の刈り取り計画に必要な調整を加えて刈り取り作業を行うことができるようになる。ロボット芝刈り機105が刈り取りを終了すると、更新された芝生プロファイルデータは、特に、そのような更新された芝生プロファイルデータが刈り取り中の芝生の任意の永続的な変化を反映するものであるとき、将来の使用のためにクラウドストレージ104にアップロードされる。
【0034】
[0039] 芝生ロボットが芝生プロファイルデータをダウンロードすることができるようになる前に、刈り取る芝生の区画及びロボット芝刈り機105の使用者のロケーションなどの、特定の検証が最初に行われる必要がある。これにより、特定の芝生の区画についてのクラウドストレージに予め記憶されている正しい芝生プロファイルデータをダウンロードすることが保証される。ロボット芝刈り機又は芝生ロボット105が正しい芝生プロファイルデータをダウンロードすることができるようになると、芝生ロボット又は芝刈り機105は、ダウンロードされた芝生プロファイルデータを使用して、特定の芝生の区画についての刈り取り計画を構築する。刈り取り計画にしたがって、芝生ロボット105は、特定の芝生の任意のゾーン内の障害物を避けながら又はそこに入らないようにしながら、その芝生の境界内の各ゾーンを刈り取る。
【0035】
[0040] 刈り取り中、芝生ロボット又はロボット芝刈り機105は、芝生プロファイルデータの更新として、芝生の実際の状態を検出及び収集する。ここでもまた、芝生プロファイルデータの更新は、刈り取り作業を調整するように刈り取り計画を調整するために使用され得る。刈り取りが終了した後、芝生プロファイルデータの収集された更新は、更新された芝生プロファイルデータパックをクラウドストレージ又はリモート情報処理センタの記憶ユニットにアップロードする前に、使用者が更新された芝生プロファイルデータを視認又は見るとともに、使用者が芝生プロファイルデータについての任意のコメント又は更なる入力若しくは観察を調整として行うために、モバイルデバイス102又はハンドヘルドデバイス上に、例えばアプリ内に示される。
【0036】
特定の芝生プロファイルデータの例:
[0041] 図6は、特定の芝生の区画が芝生プロファイルデータにおいてどのように表わされ得るか、すなわち、芝生プロファイルデータで表わされるべき芝生の区画の情報又は知識の必要なあらゆる側面を示す。ここでの例は、居住地の芝生である。しかしながら、他のすべての芝生についても、この例と同様に表すことができ、すなわち、芝生の区画が、上述のように芝生プロファイルデータがカテゴリ化されたように、芝生全体、芝生又は草のゾーン、車道、道、舗装、木、又はフェンスの任意の障害物、並びにゾーン及び/又は障害物のセグメントの情報又は知識に分割及び分類される。
【0037】
[0042] 例えば、図7に示すゾーン1は、4つのセグメントを有する。開始点は、ゾーン1のNORTHEASTのコーナーにある。開始点から、セグメント1は、長さが200フィートあり、北から南に延びる。セグメント1の隣にある物体は道のセメント舗装である。セグメント2は、長さが150フィートあり、東から西に延びる。セグメント2の隣にある物体は縁石である。セグメント3は、長さが200フィートあり、南から北に延びる。セグメント3の隣にある物体は草である。セグメント4は、長さが150フィートあり、西から東に延びる。セグメント4の隣にある物体はフェンスである。
【0038】
[0043] 別の例では、図7に示すゾーン2は、10個のセグメントと1つの障害物とを有する。開始点は、ゾーン2のSOUTHEASTのコーナーにある。開始点から、セグメント1は長さが550フィートあり、南から北に延びる。セグメント1の隣にある物体はフェンスである。セグメント2は、長さが1100フィートあり、西から東に延びる。セグメント2の隣にある物体はフェンスである。セグメント3は、長さが550フィートあり、北から南に延びる。セグメント3の隣にある物体はフェンスである。セグメント4は、長さが200フィートあり、東から西に延びる。セグメント4の隣にある物体はフェンスである。セグメント5は、長さが200フィートあり、南から北に延びる。セグメント5の隣にある物体は壁である。セグメント6は、長さが50フィートあり、南から北に延びる。セグメント6の隣にある物体はパティオのセメント舗装である。セグメント7は、長さが550フィートあり、東から西に延びる。セグメント7の隣にある物体はパティオのセメント舗装である。セグメント8は、長さが200フィートあり、東から西に延びる。セグメント8の隣にある物体は道のセメント舗装である。セグメント9は、長さが250フィートあり、北から南に延びる。セグメント9の隣にある物体は道のセメント舗装である。セグメント10は、長さが150フィートあり、東から西に延びる。セグメント10の隣にある物体はフェンスである。
【0039】
[0044] ゾーン2の内側に障害物がある。障害物は4つのセグメントを有する。セグメント1は、長さが100フィートあり、西から東に延びる。セグメント1の隣にある物体は木である。セグメント2は、長さが100フィートあり、北から南に延びる。セグメント2の隣にある物体は木である。セグメント3は、長さが100フィートあり、東から西に延びる。セグメント3の隣にある物体は木である。セグメント4は、長さが100フィートあり、南から北に延びる。セグメント4の隣にある物体は木である。
【0040】
[0045] いずれにしても、データフォーマットで表すと、図6及び図7に示す特定の芝生の区画の完全な芝生プロファイルは以下の通りである。
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【0041】
[0046] 本発明によれば、芝生プロファイルデータを作成及び処理する方法であって、
(1)刈り取り作業又は手入れ作業を行うのに必要である任意の芝生の区画の情報又は知識を収集することと、(2)芝生の収集された情報及び知識を芝生プロファイルデータに変換することと、(3)芝生プロファイルデータを好適なフォーマット及びカテゴリに処理することと、(4)フォーマット化及びカテゴリ化された芝生プロファイルデータをリモート記憶ユニット及びリモート情報処理センタにアップロードすることと、(5)芝生の任意の更新に応じて、リモート記憶ユニットに記憶された芝生プロファイルデータを随時更新することと、(6)芝生プロファイルデータを求めるロボット芝刈り機又は芝生ロボットの使用者からの要求に応答し、該要求を検証することと、(7)必要なデータを芝刈り機又は芝生ロボットの使用者にダウンロードすることとを行うステップを備えるものであり、それにより、芝刈り機又は芝生ロボットは、刈り取る特定の芝生の区画に指定されたダウンロードされた芝生プロファイルデータに基づいて作成された刈り取り又は手入れ作業計画にしたがって、所望の刈り取り作業又は手入れ作業を行う。
【0042】
[0047] 本発明は上で説明され、添付の特許請求の範囲において定義される。しかしながら、いくつかの可能な代替形態が、本発明の開示を踏まえて依然として利用可能であってよく、本発明の要旨又は範囲内であるとみなされるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】