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特表2023-516324HSIクラッシャ室への点検修理用アクセスの規制
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-19
(54)【発明の名称】HSIクラッシャ室への点検修理用アクセスの規制
(51)【国際特許分類】
   B02C 13/02 20060101AFI20230412BHJP
   B02C 23/04 20060101ALI20230412BHJP
【FI】
B02C13/02 Z
B02C23/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022552507
(86)(22)【出願日】2021-02-25
(85)【翻訳文提出日】2022-09-28
(86)【国際出願番号】 FI2021050137
(87)【国際公開番号】W WO2021176136
(87)【国際公開日】2021-09-10
(31)【優先権主張番号】20205243
(32)【優先日】2020-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510331445
【氏名又は名称】メッツォ オートテック フィンランド オーユー
(74)【代理人】
【識別番号】100127188
【弁理士】
【氏名又は名称】川守田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】ヘイッキラ ユハマッティ
(72)【発明者】
【氏名】ラミンマキ マルコ
【テーマコード(参考)】
4D065
4D067
【Fターム(参考)】
4D065AA01
4D065BB20
4D065ED43
4D067EE37
(57)【要約】
水平軸型クラッシャ(110)の破砕室(130)へのアクセスを制御する規制装置(160)、規制装置(160)を備える水平軸型クラッシャ(110)、及び方法(600)において、第1の規制部(210)は、破砕室(130)にアクセスするための点検修理用ハッチ(150)を閉鎖するための動作モード及び開放を可能にするための点検修理モードを有し、第2の規制部(220)は、水平軸(140)を制御しない動作モード及び水平軸(140)を制御するための点検修理モードを有し、第1及び第2の規制部(210、220)は、第2の規制部(220)が水平軸(140)を制御しない限り、点検修理用ハッチ(150)を通って破砕室(130)にアクセスできないように動作モードにおいて相互に排他的に使用可能である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
破砕室と、前記破砕室への点検修理用入口を開閉するための点検修理用ハッチと、を備える水平軸型クラッシャのための規制装置であって、前記規制装置は、
前記点検修理用ハッチの開放を規制する閉鎖状態と前記点検修理用ハッチの開放を許容するアクセス状態との間で移動可能な第1の規制部と、
稼働状態と制御状態との間で移動可能であって、係合部材を有する第2の規制部と、
を備え、
前記第2の規制部が前記制御状態にあるとき、前記係合部材は水平軸の回転を規制するための使用位置にあり、
前記第2の規制部が前記稼働状態にあるとき、前記係合部材は前記水平軸の回転を規制しないアイドル位置にあり、
前記第1の規制部及び前記第2の規制部は、協働して、
前記第2の規制部が前記稼働状態にある場合に前記第1の規制部が前記閉鎖状態から前記アクセス状態に移動することを防止し、
前記第1の規制部が前記アクセス状態にある場合に前記第2の規制部が前記制御状態から前記稼働状態に移動することを防止し、
前記第1の規制部の前記アクセス状態から前記閉鎖状態への移動を可能にし、
前記第2の規制部の前記稼働状態から前記制御状態への移動を可能にする、
ように構成される、
規制装置。
【請求項2】
前記第1の規制部は、第1の自由軌道に沿って移動可能である、請求項1に記載の規制装置。
【請求項3】
前記第2の規制部は、第2の自由軌道に沿って移動可能である、請求項1又は2に記載の規制装置。
【請求項4】
前記第1の規制部は、前記閉鎖状態にない限り、前記第2の自由軌道を閉鎖するように構成される、請求項1から3のいずれか1項に記載の規制装置。
【請求項5】
前記第2の規制部は、前記制御状態にない限り、前記第1の自由軌道を閉鎖するように構成される、請求項1から4のいずれか1項に記載の規制装置。
【請求項6】
前記第1の規制部が前記アクセス状態にあるとき、前記第1の規制部は、作業者のための踏み台面を形成するように構成される、請求項1から5のいずれか1項に記載の規制装置。
【請求項7】
前記第1の規制部は、前記第1の自由軌道に沿って移動するようにヒンジで連結されている、請求項1から6のいずれか1項に記載の規制装置。
【請求項8】
前記第2の規制部は、前記第2の自由軌道に沿って移動するようにヒンジで連結されている、請求項1から7のいずれか1項に記載の規制装置。
【請求項9】
前記第2の規制部は、前記第2の自由軌道に沿って移動するようにヒンジで連結されており、
前記第2の規制部は、前記第1の規制部のヒンジ軸に対して垂直なヒンジ軸を有する、請求項7に記載の規制装置。
【請求項10】
前記第1の規制部及び前記第2の規制部の少なくとも一方は、スライド式の取付部を有する、請求項1から9のいずれか1項に記載の規制装置。
【請求項11】
前記第1の規制部は、前記点検修理用ハッチに一体化されている、請求項1から10のいずれか1項に記載の規制装置。
【請求項12】
前記係合部材は、不均衡な荷重によって前記水平軸が回転し始めることを抑制するように構成されるブレーキを備える、請求項1から11のいずれか1項に記載の規制装置。
【請求項13】
前記係合部材は、点検修理用速度での前記水平軸の制御された点検修理用回転を可能にするように構成される点検修理用駆動連結部を備える、請求項1から12のいずれか1項に記載の規制装置。
【請求項14】
水平軸型クラッシャと、
請求項1から13のいずれか1項に記載の規制装置と、
を備える、鉱物材料破砕装置。
【請求項15】
破砕室と、前記破砕室への点検修理用入口を開閉するための点検修理用ハッチと、を備える水平軸型クラッシャのための点検修理用アクセス規制方法であって、前記方法は、
前記点検修理用ハッチの開放を規制する閉鎖状態と前記点検修理用ハッチの開放を許容するアクセス状態との間で移動可能に第1の規制部を支持することと、
稼働状態と制御状態との間で移動可能に第2の規制部を支持することと、
前記第2の規制部が前記制御状態にあるときに係合部材は水平軸の回転を規制するための使用位置にあり、前記第2の規制部が前記稼働状態にあるときに前記係合部材は前記水平軸の回転を規制しないアイドル位置にあるように、前記第2の規制部によって前記係合部材を移動可能に支持することと、
を含み、
前記第1の規制部及び前記第2の規制部は、協働して、
前記第2の規制部が前記稼働状態にある場合に前記第1の規制部が前記閉鎖状態から前記アクセス状態に移動することを防止し、
前記第1の規制部が前記アクセス状態にある場合に前記第2の規制部が前記制御状態から前記稼働状態に移動することを防止し、
前記第1の規制部の前記アクセス状態から前記閉鎖状態への移動を可能にし、
前記第2の規制部の前記稼働状態から前記制御状態への移動を可能にする、
点検修理用アクセス規制方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、水平軸型インパクタ(Horizontal Shaft Impactor:HSI)クラッシャ室への点検修理用アクセスの規制に関する。本発明は、特に、アクセス用開口部とHSI回転子の少なくとも一方の安全面での規制に関するが、これに限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
本項では、有用な背景情報を説明するが、本明細書に記載されたいかなる技術も従来技術を代表するものとして認めるものではない。
【0003】
HSIクラッシャは、径方向に延びる複数の打砕要素が設けられた水平軸で動作する。打砕要素は、大きく曲がらない部材を石にぶつけ、頑丈な対向面に石を投げつけることで石を砕く。HSIクラッシャは、内部で粉砕を行うハウジングを有する。
【0004】
点検修理用アクセスのために、ドア、蓋、ハッチ(本明細書では共にハッチと呼ぶ)で閉じられた点検修理用開口部を有するHSIクラッシャもある。ハッチは、ハウジングにヒンジで連結されている。ハッチにより、クラッシャ停止時の打砕要素の状態を確認することができる。また、ハウジングの上部を持ち上げて垂直方向に開くように構成されているHSIの打砕要素もある。上部全体を開くと、打砕要素や対向面を提供する摩耗部品と共に水平軸全体を交換することができる。
【0005】
安全対策として、点検修理時に軸が回転するのを防止するために、水平軸を4つの異なる位置の内の1つにピンでロックする。例えば、打砕要素の一部を取り外す際に、又は水平軸の片側に乗っていた残留鉱物材料を除去する際に、水平軸が突然回転し始めることがある。水平軸のこのような急激な回転は、危険な場合がある。HSIクラッシャのメンテナンスの安全性を更に向上させ、更に/あるいはHSIクラッシャへの点検修理用アクセスを容易にし、特にメンテナンス作業のためのスペースが制限されている移動式粉砕プラント用にコンパクトな配置を提供することが望まれている。
【摘要】
【0006】
添付の特許請求の範囲によって保護範囲が規定される。特許請求の範囲に含まれない説明及び/又は図面における装置、製品、及び/又は方法の例及び技術的説明は、本発明の実施形態としてではなく、本発明の理解に有用な背景技術又は例として提示されるものである。
【0007】
本発明の第1例示的態様によれば、破砕室と、前記破砕室への点検修理用入口を開閉するための点検修理用ハッチと、を備える水平軸型クラッシャのための規制装置が提供される。前記規制装置は、
点検修理用アクセスのための前記点検修理用ハッチの開放を規制する閉鎖状態と前記点検修理用ハッチの開放を許容するアクセス状態との間で移動可能な第1の規制部と、
稼働状態と制御状態との間で移動可能であって、係合部材を有する第2の規制部と、を備える。
前記第2の規制部が前記制御状態にあるとき、前記係合部材は水平軸の回転を規制するための使用位置にあり、
前記第2の規制部が前記稼働状態にあるとき、前記係合部材は前記水平軸の回転を規制しないアイドル位置にある。
前記第1の規制部及び前記第2の規制部は、協働して、
前記第2の規制部が前記稼働状態にある場合に前記第1の規制部が前記閉鎖状態から前記アクセス状態に移動することを防止し、
前記第1の規制部が前記アクセス状態にある場合に前記第2の規制部が前記制御状態から前記稼働状態に移動することを防止し、
前記第1の規制部の前記アクセス状態から前記閉鎖状態への移動を可能にし、
前記第2の規制部の前記稼働状態から前記制御状態への移動を可能にする、
ように構成される。
【0008】
閉鎖状態において、第1の規制部は、点検修理用ハッチによって覆われたハッチ開口部を介して破砕室へのアクセスを閉鎖するように、ハッチを閉じた状態に維持してもよい。アクセス状態において、第1の規制部は、ハッチ開口部を介して粉砕室へのアクセスを可能にするように、ハッチの開放を可能にしてもよい。
【0009】
第2の規制部が稼働状態にあるときに水平軸を常に稼働させる必要はないものの、稼働状態において、第2の規制部は、水平軸を稼働させることを可能にしてもよい。制御状態において、第2の規制部は、水平軸を制動することやそれが可能な状態にあること、又は水平軸に接続された点検修理用駆動部を有することによって、この水平軸の動きを制御してもよい。この点検修理用駆動部は、水平軸を稼働させるための駆動モーターを使用し、点検修理用動力供給によって動力が供給されてもよい。この点検修理用動力供給には、鉱物材料を破砕する動作において水平軸を稼働させるために使用されるポンプとは別の油圧ポンプ又は同じ油圧ポンプを使用してもよいが、電池式モーターなどの低出力駆動を使用してもよい。
【0010】
前記第1の規制部は、第1の自由軌道に沿って移動可能であってもよい。第1の自由軌道とは、アクセス状態と閉鎖状態との間で切り替わる際に第1の規制部が移動する経路を指してもよい。
【0011】
前記第2の規制部は、第2の自由軌道に沿って移動可能であってもよい。第2の自由軌道とは、制御状態と稼働状態との間で切り替わる際に第2の規制部が移動する経路を指してもよい。
【0012】
前記第1の規制部は、前記閉鎖状態にない限り、前記第2の自由軌道を閉鎖するように構成されてもよい。前記第1の規制部は、前記閉鎖状態にない限り、前記第2の自由軌道を閉鎖するように構成される第1の閉鎖部材を備えてもよい。前記第1の閉鎖部材は、第1の本体を備えてもよい。前記第1の本体は、前記第2の規制部の第2の本体と当接するように構成される当接縁を備えるように形成されてもよい。前記第1の本体は、板材、任意で鋼板で形成されてもよい。前記鋼板は、16mm±10mmの厚さを有してもよい。
【0013】
前記第2の規制部は、前記制御状態にない限り、前記第1の自由軌道を閉鎖するように構成されてもよい。前記第2の規制部は、前記制御状態にない限り、前記第1の自由軌道を閉鎖するように構成される第2の閉鎖部材を備えてもよい。前記第2の閉鎖部材は、前記第2の本体を備えてもよい。前記第2の本体は、前記第1の規制部の前記第1の本体と当接するように構成される当接縁を備えるように形成されてもよい。前記第2の本体は、板材、任意で鋼板で形成されてもよい。前記第2の本体は、一側面であってもよい。前記鋼板は、16mm±10mmの厚さを有してもよい。
【0014】
前記第1の規制部が前記アクセス状態にあるとき、前記第1の規制部は、前記点検修理用ハッチを使用するために作業者がその上に乗ることができる踏み台面を形成するように構成されてもよい。
【0015】
前記第1の規制部は、前記第1の自由軌道に沿って移動するようにヒンジで連結されてもよい。前記第1の規制部は、前記第1の規制部を前記第1の自由軌道に沿ってスライド可能なスライド式の取付部を有してもよい。
【0016】
前記第2の規制部は、前記第2の自由軌道に沿って移動するようにヒンジで連結されてもよい。前記第2の規制部は、前記第2の規制部を前記第2の自由軌道に沿ってスライド可能なスライド式の取付部を有してもよい。
【0017】
前記第1の規制部は、前記点検修理用ハッチに一体化されてもよい。前記点検修理用ハッチは、水平方向にヒンジで連結されてもよい。前記点検修理用ハッチは、開いたときに、前記点検修理用ハッチの端部によって、前記第2の規制部が前記稼働状態に移動することを防止するようにヒンジで連結されてもよい。前記第2の規制部は、前記第1の規制部のヒンジ軸に対して垂直にヒンジで連結されてもよい。「垂直」とは、80度から100度の間の角度を指してもよい。第2の規制部のヒンジ軸は点検修理用ハッチに近い位置に配されてもよく、それによって第2の規制部は、制御状態にない限り、開いた状態に向かって1mm、5mm、1cm、2cm、又は5cmよりも大きく回動することができないようにされてもよい。
【0018】
前記係合部材は、不均衡な荷重によって前記水平軸が回転し始めることを抑制するように構成されるブレーキを備えてもよい。前記ブレーキは、ディスクブレーキであってもよい。前記ブレーキは、前記第2の規制部が前記制御状態にある間、前記水平軸を制動するか、制動しないかのいずれかに構成されてもよい。
【0019】
前記破砕室は、破砕されている鉱物材料対象物に対する破砕力を生じさせるように構成される複数の破砕要素を備えてもよい。破砕要素は、水平軸によって支えられてもよい。
【0020】
前記係合部材は、点検修理用速度での前記水平軸の制御された点検修理用回転を可能にするように構成される点検修理用駆動連結部を備えてもよい。前記点検修理用駆動連結部は、ギアを備えてもよい。前記点検修理用駆動連結部は、ベルトを備えてもよい。前記点検修理用駆動連結部は、クラッチ部を備えてもよい。前記点検修理用速度は、前記水平軸によって支えられる複数の破砕要素が最大1cm/秒、2cm/秒、5cm/秒、又は10cm/秒で移動するような速度であってもよい。
【0021】
前記点検修理用駆動部は、モーターを備えてもよい。前記モーターは、油圧モーターであってもよい。前記モーターは、電気モーターであってもよい。前記点検修理用駆動部は、前記水平軸と係合するように構成されるギアアセンブリを備えてもよい。
【0022】
前記水平軸は、径方向の一方側が、反対側よりも少なくとも1000Nm、1500Nm、3000Nm、5000Nm、又は10000Nm大きな、不均衡な負荷運動量に耐えるように構成されてもよい。
【0023】
この規制装置は、水平軸駆動で鉱物材料を破砕し、水平軸の点検修理用アクセスを備えた囲い保護部を有するクラッシャに特に有用であると考えられる。
【0024】
本発明の第2例示的態様によれば、破砕室と、前記破砕室への点検修理用入口を開閉するための点検修理用ハッチと、を備える水平軸型クラッシャのための点検修理用アクセス規制方法が提供される。前記方法は、
点検修理用アクセスのための前記点検修理用ハッチの開放を規制する閉鎖状態と前記点検修理用ハッチの開放を許容するアクセス状態との間で移動可能に第1の規制部を支持することと、
制御状態と稼働状態との間で移動可能に第2の規制部を支持することと、
前記第2の規制部が前記制御状態にあるときに係合部材は水平軸の回転を規制するための使用位置にあり、前記第2の規制部が前記稼働状態にあるときに前記係合部材は前記水平軸の回転を規制しないアイドル位置にあるように、前記第2の規制部によって前記係合部材を移動可能に支持すること、
を含む。
前記方法は更に、前記第1の規制部及び前記第2の規制部を共に使用して、
前記第2の規制部が前記稼働状態にある場合に前記第1の規制部が前記閉鎖状態から前記アクセス状態に移動することを防止し、
前記第1の規制部が前記アクセス状態にある場合に前記第2の規制部が前記制御状態から前記稼働状態に移動することを防止し、
前記第1の規制部の前記アクセス状態から前記閉鎖状態への移動を可能にし、
前記第2の規制部の前記稼働状態から前記制御状態への移動を可能にすることを含む。
【0025】
本発明の第3例示的態様によれば、第1例示的態様の規制装置を備える水平軸型クラッシャが提供される。
【0026】
前記水平軸型クラッシャは、水平軸型インパクタであってもよい。
【0027】
本発明の第4例示的態様によれば、第3例示的態様の水平軸型クラッシャを備える鉱物材料破砕装置が提供される。
【0028】
本発明の第5例示的態様によれば、前記鉱物材料破砕装置を備える鉱物材料破砕プラントが提供される。前記鉱物材料粉砕プラントは、筐体を備えてもよい。前記筐体は、複数の履帯を備えてもよい。前記筐体は、複数の車輪を備えてもよい。
【0029】
本発明の第6例示的態様によれば、水平軸型クラッシャの破砕室へのアクセスを制御する規制装置が提供される。前記規制装置は、
前記破砕室にアクセスするための点検修理用ハッチを閉鎖するための動作モード及び開放を可能にするための点検修理モードを有する第1の規制部と、
水平軸を制御しない動作モード及び前記水平軸を制御するための点検修理モードを有する第2の規制部と、を備える。
前記第1の規制部及び前記第2の規制部は、前記第2の規制部が前記水平軸を制御しない限り、前記点検修理用ハッチを通って前記破砕室にアクセスできないように前記動作モードにおいて相互に排他的に使用可能となるように構成される。
【0030】
前記鉱物材料粉砕プラントは、移動式の鉱物材料粉砕プラントであってもよい。
【0031】
本発明の異なる非規制的な例示的態様及び実施形態を前述で説明した。前述の実施形態は、単に本発明の実装に利用され得る選択された態様又はステップを説明するために使用されるものである。一部の実施形態は、本発明の特定の例示的な態様を参照してのみ提示され得る。対応する実施形態が、他の例示的な態様にも適用され得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本発明のいくつかの例示的な実施形態を、添付の図面を参照して説明する。
図1】一実施形態の破砕プラントの模式図である。
図2】一実施形態の規制装置の模式図である。
図3】第1の規制部が閉鎖状態、第2の規制部が稼働状態にある、一実施形態の規制装置の立体図である。
図4】第2の規制部が制御状態にある、図3の規制装置の立体図である。
図5】別の規制装置の正面図である。
図6】一実施形態の方法のフローチャートである。
【詳細説明】
【0033】
以下の説明において、同様の参照符号は、同様の要素又はステップを示す。
【0034】
図1は、一実施形態の破砕プラント100を示す模式図である。破砕プラントは、破砕室130を囲むハウジング120と、水平軸140と、水平軸140によって支えられる複数の打砕要素142とを有する水平軸型クラッシャ110を備える。水平軸型クラッシャ110は、破砕室130への点検修理用入口を開閉するための点検修理用ハッチ150を更に備える。水平軸型クラッシャ110は、規制装置160を更に備える。規制装置160は、水平軸140が破砕のために動作され得る間、又はバランスが崩れたときにそれ自体が回転する間、点検修理用ハッチ150が開かれないように制御するように構成される。破砕プラントは、採石場、現場、又は道路上での操縦性を提供するために、履帯170又は車輪を更に備える。
【0035】
一実施形態では、規制装置160は、破砕プラントの本体を介して破砕プラントに取り付けられる。規制装置の1つ以上の部品がハウジング120に取り付けられてもよい。
【0036】
図2は、一実施形態の規制装置の概略図であり、水平軸140及び点検修理用ハッチ150を示す。規制装置160は、点検修理用ハッチ150の開放を規制する閉鎖状態及び許容する閉鎖状態と許容するアクセス状態との間で移動可能な(例えば、第1ヒンジ212を用いた)第1の規制部210と、稼働状態と制御状態との間で移動可能な(例えば、第2ヒンジ222を用いた)第2の規制部220と、を備える。第2の規制部は、係合部材224、530を備える。
【0037】
制御状態において、係合部材224、530は、水平軸140の回転を規制するための使用位置にある。稼働状態において、係合部材224、530は、水平軸140の回転を規制しないアイドル位置にある。
【0038】
第1及び第2の規制部210、220は共に、
第2の規制部220が稼働状態にある場合に第1の規制部210が閉鎖状態からアクセス状態に移動することを防止し、
第1の規制部210がアクセス状態にある場合に第2の規制部220が制御状態から稼働状態に移動することを防止し、
第1の規制部210のアクセス状態から閉鎖状態への移動を可能にし、
第2の規制部220の稼働状態から制御状態への移動を可能にするように構成される。
【0039】
図2において、係合部材224は、不均衡な荷重によって水平軸140が回転し始めることを抑制するように構成されるブレーキ224を備える。ブレーキ224は、例えば、ディスクブレーキである。
【0040】
図1には、破砕されている鉱物材料対象物に破砕力を与えるための、破砕室内の打砕要素等の複数の破砕要素142が示されている。破砕要素142は、水平軸140によって支えられている。
【0041】
第1の規制部210は、第1の自由軌道230に沿って移動可能である。第1の自由軌道230は、アクセス状態と閉鎖状態との間で切り替わる際に第1の規制部210が移動する経路を指す。
【0042】
第2の規制部220は、第2の自由軌道240に沿って移動可能である。第2の自由軌道240は、稼働状態と制御状態との間で切り替わる際に第2の規制部220が移動する経路を指す。
【0043】
図2の第1の規制部210は、第1の自由軌道230に沿って移動するようにヒンジで連結されている。別の実施形態では、第1の規制部210は、第1の規制部210を第1の自由軌道に沿ってスライド可能なスライド式取付部を有する。
【0044】
図2の第2の規制部220は、第2の自由軌道240に沿って移動するようにヒンジで連結されている。別の実施形態では、第2の規制部220は、第2の規制部220を第2の自由軌道に沿ってスライド可能なスライド式取付部を有する。
【0045】
一実施形態では、第1の規制部210は、点検修理用ハッチ150に一体化されている。点検修理用ハッチ150は、水平方向にヒンジで連結されてもよい。例えば、点検修理用ハッチ150は、開いたときに、点検修理用ハッチ150の端部によって、第2の規制部220が稼働状態に移動することを防止するようにヒンジで連結することができる。第2の規制部220は、第1の規制部210のヒンジ軸に対して垂直にヒンジで連結されてもよい。
第2の規制部220のヒンジ軸は点検修理用ハッチ150に近い位置に配されてもよく、それによって第2の規制部220は、制御状態にない限り、開いた状態に向かって1mm、5mm、1cm、2cm、又は5cmよりも大きく回動することができないようにされてもよい。
【0046】
一実施形態において、第1の規制部210は、1つ以上の更なる部品を備える。一実施形態において、第1の規制部210は、油圧回路又は電気回路を備える。この回路は、ハッチラッチ152を操作するためのハッチラッチアクチュエータ154を備えてもよい。
【0047】
一実施形態において、第2の規制部220は、1つ以上の更なる部品を備える。一実施形態において、第2の規制部220は、油圧回路又は電気回路を備える。この回路は、ブレーキアクチュエータを備えてもよい。
【0048】
一実施形態において、第2の規制部は、ブレーキ224が軸140を規制したときにのみ、ハッチラッチ152を解放するように構成される。ハッチラッチ152は、ハッチ150が開かれる前に軸140を強制的に安定させるように構成されてもよい。ブレーキ224は、軸140を規制するために再び使用されるための準備状態となるように、ハッチが開いている間、制御可能に緩和又は無効化されてもよい。
【0049】
図3は、第1の規制部210が閉鎖状態、第2の規制部220が稼働状態にあるときの一実施形態の規制装置の立体図である。図4は、第2の規制部220が制御状態にあるときの図3の規制装置の立体図である。
【0050】
図3において、第1の規制部210は、閉鎖状態にない限り、第2の自由軌道を閉鎖するように構成される第1の閉鎖部材を備える。ここで、第1阻止部材は、第2の規制部220の第2本体と当接するように構成される当接縁を備えるように形成された第1の本体を有する。第1の本体は、板材、任意で鋼板で形成される。鋼板は、例えば、少なくとも16mm±10mmの厚さを有する。
【0051】
図3の第2の規制部220は、制御状態にない限り、第1の自由軌道を閉鎖するように構成される第2閉鎖部材を備える。第2の閉鎖部材は、第2の本体を備えてもよい。第2本体は、第1の規制部210の第1の本体と当接するように構成される当接縁を備えるように形成されてもよい。第2の本体は、板材、任意で鋼板で形成されてもよい。第2の本体は、一側面であってもよい。鋼板は、少なくとも16mm±10mmの厚さを有してもよい。
【0052】
図3の第1の規制部210は、第1の規制部210が点検修理用ハッチ150の邪魔にならないアクセス状態(図4に示す第1の規制部210が回転して下がった状態)にあるとき、点検修理用ハッチ150を使用するために作業者がその上に乗ることができる踏み台面を形成するように構成される。
【0053】
図5は、第2の規制部220が、点検修理用速度での水平軸140の制御された点検修理用回転を可能にするために、ブレーキの代わりに、又はブレーキに加えて点検修理用駆動部を備える別の規制装置500の正面図である。点検修理用速度は、水平軸によって支えられる複数の破砕要素が最大1cm/秒、2cm/秒、5cm/秒、又は10cm/秒で移動するような速度であってもよい。
【0054】
図5に示すように、第2の規制部を動かするためのアクチュエータ510を設けてもよい。図5のアクチュエータは、油圧シリンダである。他の実施形態では、アクチュエータは、ソレノイド、リニアモーター、空気圧シリンダ、又は回転アクチュエータであるか、又はそれらを備える。一実施形態では、第1の規制部210も、又は第1の規制部210のみが、第2アクチュエータ(図示せず)によって動かされる。第2のアクチュエータは、第2の規制部220のアクチュエータと同様のものであってもよいし、異なるものであってもよい。
【0055】
図5において、点検修理用駆動部は、油圧モーターや電気モーターなどのモーター520を備える。図5では、点検修理用駆動部は、水平軸と係合するように構成されるギアアセンブリを備える。図5は、モーター520によって(例えば、ギア装置を介して)駆動される第1のコグホイール530と、水平軸140に取り付けられた第2のコグホイール540とが示されている。
【0056】
点検修理用駆動部は、ブレーキ機構を備えてもよい。このブレーキ機構は、モーター520が油圧モーターである場合、1つ以上の逆止弁を備えてもよい。ブレーキ機構は、連結部材として動作又は駆動するように構成される連結要素の丸みに対して、モーターのロータの丸みが7:1、10:0、又は50:1より大きい変速比を有するギア装置を備えてもよい。
【0057】
図6は、破砕室130と、破砕室130への点検修理用入口150を開閉するための点検修理用ハッチ150と、を備える水平軸型クラッシャ110のための点検修理用アクセス規制方法600のフローチャートである。この方法は、以下を含む。
610:点検修理用アクセスのための点検修理用ハッチ150の開放を規制する閉鎖状態と許容するアクセス状態との間で移動可能に第1の規制部210を支持すること。
620:制御状態と稼働状態との間で移動可能に第2の規制部220を支持すること。
630:第2の規制部220によって、係合部材224、530を移動可能に支持すること。これによって、第2の規制部220が制御状態にあるとき、係合部材224、530は水平軸140の回転を規制するための使用位置にあり、第2の規制部220が稼働状態にあるとき、係合部材224、530は水平軸140の回転を規制しないアイドル位置にある。
640:第2の規制部220が稼働状態にある場合に第1の規制部210が閉鎖状態からアクセス状態に移動することを防止するべく、第1及び第2の規制部210、220を共に使用すること。
650:第1の規制部210がアクセス状態にある場合に第2の規制部220が制御状態から稼働状態に移動することを防止するべく、第1及び第2の規制部210、220を共に使用すること。
660:第1の規制部210のアクセス状態から閉鎖状態への移動を可能にするべく、第1及び第2の規制部210、220を共に使用すること。
670:第2の規制部220の稼働状態から制御状態への移動を可能にするべく、第1及び第2の規制部210、220を共に使用すること。
【0058】
様々な実施形態を提示してきた。本明細書では、「備える」、「含む」、「包含する」という語は、排他性を意図しないオープンエンドの表現として使用されていることを理解されたい。
【0059】
以上の説明により、本発明の特定の実装及び実施形態の非限定的な例によって、本発明を実施するために本発明者らが現在考えている最良の形態の完全かつ詳細な説明が提供された。しかしながら、本発明は、前述した実施形態の詳細に限定されるものではなく、本発明の特徴から逸脱することなく、同等の手段を用いた他の実施形態や、複数の実施形態の異なる組合せにより実施できることは、当業者にとって自明であろう。
【0060】
更に、本発明の前述の開示された実施形態の特徴の一部は、他の特徴を対応して使用することなく、有利に使用し得る。このように、前述の説明は、単に本発明の原理を説明するためのものであり、それを限定するものではないと考えるべきである。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ制限される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】