IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特表-電流レギュレータシステム 図1
  • 特表-電流レギュレータシステム 図2
  • 特表-電流レギュレータシステム 図3
  • 特表-電流レギュレータシステム 図4
  • 特表-電流レギュレータシステム 図5
  • 特表-電流レギュレータシステム 図6
  • 特表-電流レギュレータシステム 図7
  • 特表-電流レギュレータシステム 図8
  • 特表-電流レギュレータシステム 図9
  • 特表-電流レギュレータシステム 図10
  • 特表-電流レギュレータシステム 図11
  • 特表-電流レギュレータシステム 図12
  • 特表-電流レギュレータシステム 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-19
(54)【発明の名称】電流レギュレータシステム
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/155 20060101AFI20230412BHJP
【FI】
H02M3/155 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022552713
(86)(22)【出願日】2021-03-01
(85)【翻訳文提出日】2022-11-02
(86)【国際出願番号】 US2021020243
(87)【国際公開番号】W WO2021178290
(87)【国際公開日】2021-09-10
(31)【優先権主張番号】17/136,442
(32)【優先日】2020-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/984,049
(32)【優先日】2020-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【弁護士】
【氏名又は名称】佐藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】イヴァン シュムコフ
(72)【発明者】
【氏名】エーリヒ‐ヨハン バイエル
(72)【発明者】
【氏名】ルーディガー ガンツ
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AA00
5H730AS01
5H730BB13
5H730BB14
5H730BB57
5H730DD04
5H730DD16
5H730EE59
5H730FD01
5H730FD41
5H730FG00
(57)【要約】
電源システム(100)の一例が、スイッチング電圧レギュレータ(102)を含み、スイッチング電圧レギュレータ(102)は、スイッチング信号に応答し入力電圧に基づいて出力電圧を生成するために入力電流を導通させるように構成された少なくとも一つのスイッチ(104)を含む。システム(100)はまた、少なくとも一つのスイッチ(104)のスイッチング期間を定義するスイッチング時間を設定するために、入力電流の最大平均振幅設定点を定義する基準電流に対する入力電流の振幅に基づいて電流サンプル電圧を生成するように構成された電流レギュレータ(106)を含む。システム(100)はまた、基準電圧に対する出力電圧の振幅に基づき、また、スイッチング時間に基づいて、少なくとも一つのスイッチ(104)を制御するためのスイッチング信号を提供するように構成されたスイッチコントローラ(110)を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路であって、
スイッチング電圧レギュレータと、
電流レギュレータと、
スイッチコントローラと、
を含み、
前記スイッチング電圧レギュレータが、第1の入力、第2の入力、及び出力を有し、前記第1の入力が入力電流の源に結合され、
前記電流レギュレータが、入力、第1の出力、及び第2の出力を有し、前記入力が前記入力電流の前記源に結合され、前記電流レギュレータが、電流サンプリング電圧に応答する論理状態を有する比較信号を前記第1の出力において提供するように構成され、前記電流レギュレータが、前記スイッチング電圧レギュレータのスイッチング期間にわたる前記入力電流の最大平均振幅設定点に比例する基準電流を前記第2の出力において提供するように構成され、
前記スイッチコントローラが、第1の入力、第2の入力、第3の入力、及び出力を有し、前記第1の入力が、前記電流レギュレータ回路の前記第1の出力に結合され、前記第2の入力が前記スイッチング電圧レギュレータの前記出力に結合され、前記第3の入力が、基準電圧源に結合されるように適合され、前記出力が前記スイッチング電圧レギュレータの前記第2の入力に結合される、
回路。
【請求項2】
請求項1に記載の回路であって、前記電流レギュレータが、前記スイッチコントローラの前記出力から提供されるスイッチング信号に応答する前記スイッチング電圧レギュレータの第1のスイッチングフェーズにおいて、サンプリング電流を受け取るための入力を有するサンプリングキャパシタを含み、前記サンプリング電流が、前記サンプリングキャパシタに流れる充電電流から前記サンプリングキャパシタから流れる前記基準電流を差し引いたものに等しい振幅を有し、前記充電電流が前記入力電流に応答する振幅を有し、前記サンプリングキャパシタが、前記電流サンプリング電圧を生成するように前記サンプリング電流に応答して充電する、回路。
【請求項3】
請求項2に記載の回路であって、前記基準電流が前記サンプリングキャパシタから流れることに応答して、前記サンプリングキャパシタが、前記スイッチング電圧レギュレータの第2のスイッチングフェーズの間、放電して、前記電流サンプリング電圧を低下させ、前記スイッチコントローラが、前記電流サンプリング電圧を監視し、前記電流サンプリング電圧がほぼゼロの振幅を有することに応答して、前記第2のスイッチングフェーズから前記第1のスイッチングフェーズに切り替える、回路。
【請求項4】
請求項2に記載の回路であって、前記電流レギュレータがトランスコンダクタンス増幅器を含み、前記トランスコンダクタンス増幅器が、前記入力電流を監視して、前記入力電流に応答する前記充電電流を生成するように構成され、前記充電電流が前記入力電流に比例してスケーリングされた振幅を有する、回路。
【請求項5】
請求項4に記載の回路であって、前記トランスコンダクタンス増幅器が第1のトランスコンダクタンス増幅器であり、
前記電流レギュレータが更に、
前記基準電流を生成するように構成される第2のトランスコンダクタンス増幅器と、
前記サンプリングキャパシタに結合されたトランジスタを介して前記基準電流をミラーリングするように構成される電流ミラーと、
を含む、
回路。
【請求項6】
請求項2に記載の回路であって、前記電流レギュレータが、前記スイッチング電圧レギュレータの降圧及び昇圧動作の少なくとも一つに応答して前記充電電流を生成するために、それぞれの複数の電流を提供するように構成された複数の電流源の間で切り替わるように構成される、回路。
【請求項7】
請求項1に記載の回路であって、前記スイッチコントローラが、
前記電流サンプリング電圧を受け取る入力及び第1の比較信号を提供する出力を有するサンプリング比較器と、
出力電圧を受け取るための第1の入力及び基準電圧を受け取るための第2の入力を有する基準比較器であって、第2の比較信号を提供する出力を有する前記基準比較器と、
前記第1の比較信号を受信するための第1の入力及び前記第2の比較信号を受信するための第2の入力を有する状態機械と、
を含み、
前記状態機械が、前記スイッチコントローラの前記出力から提供されたスイッチング信号を提供する第1の出力と、スイッチ制御信号を提供する第2の出力も有する、
回路。
【請求項8】
請求項7に記載の回路であって、前記電流レギュレータが、前記スイッチ制御信号を受信する第2の入力を有し、前記スイッチ制御信号が、前記入力電流及び前記基準電流の各々の電流経路を提供するようにスイッチを制御して、前記状態機械によって定義されたスイッチングフェーズに応答して前記電流サンプリング電圧を生成する、回路。
【請求項9】
電源システムであって、
スイッチング電圧レギュレータと、
電流レギュレータと、
スイッチコントローラと、
を含み、
前記スイッチング電圧レギュレータが、入力電流を導通させて、スイッチング信号及び入力電圧に応答する出力電圧を生成させるように構成された少なくとも一つのスイッチを含み、
前記電流レギュレータが、前記少なくとも一つのスイッチのスイッチング期間を定義するスイッチング時間を設定するために、前記入力電流の最大平均振幅設定点を定義する基準電流に対する前記入力電流の振幅に応答して電流サンプル電圧を生成するように構成され、
前記スイッチコントローラが、基準電圧に対する前記出力電圧の振幅に応答し、また、前記スイッチング時間に応答して、前記少なくとも一つのスイッチを制御するために前記スイッチング信号を提供するように構成される、
システム。
【請求項10】
請求項9に記載のシステムであって、前記電流レギュレータが、前記電流サンプリング電圧を生成するために、前記スイッチング信号に応答して前記スイッチング電圧レギュレータの第1のスイッチングフェーズにおいて、サンプリング電流をサンプリングするサンプリングキャパシタを含み、前記サンプリング電流が、前記サンプリングキャパシタに流れる充電電流から前記サンプリングキャパシタから流れる前記基準電流を差し引いたものに等しい振幅を有し、前記充電電流が前記入力電流に応答する振幅を有する、システム。
【請求項11】
請求項10に記載のシステムであって、前記サンプリングキャパシタが、前記サンプリングキャパシタから流れる前記基準電流に応答する前記スイッチング電圧レギュレータの第2のスイッチングフェーズの間、放電して、前記電流サンプリング電圧を低下させ、前記スイッチコントローラが、前記電流サンプリング電圧を監視し、前記電流サンプリング電圧がほぼゼロの振幅を有することに応答して、前記第2のスイッチングフェーズから前記第1のスイッチングフェーズに切り替え、前記スイッチング時間が、前記第1及び第2のスイッチングフェーズに等しい持続時間を有する、システム。
【請求項12】
請求項10に記載のシステムであって、前記電流レギュレータがトランスコンダクタンス増幅器を含み、前記トランスコンダクタンス増幅器が、前記入力電流を監視して、前記入力電流に応答する前記充電電流を生成するように構成され、前記充電電流が、前記入力電流に比例してスケーリングされる振幅を有する、システム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムであって、前記トランスコンダクタンス増幅器が第1のトランスコンダクタンス増幅器であり、
前記電流レギュレータが、
前記基準電流を生成するように構成された第2のトランスコンダクタンス増幅器と、
前記サンプリングキャパシタに結合されたトランジスタを介して前記基準電流をミラーリングするように構成された電流ミラーと、
を更に含む、
システム。
【請求項14】
請求項10に記載のシステムであって、前記電流レギュレータが、前記スイッチング電圧レギュレータの降圧及び昇圧動作の少なくとも一つに応答する前記充電電流を生成するために、それぞれの複数の電流を提供するように構成された複数の電流源の間で切り替わるように構成される、システム。
【請求項15】
集積回路(IC)であって、
スイッチング電圧レギュレータと、
電流レギュレータと、
入力ピンと、
スイッチコントローラと、
を含み、
前記スイッチング電圧レギュレータが、スイッチング信号及び入力電圧に応答する出力電圧を生成するために、入力電流を導通させるように構成された少なくとも一つのスイッチを含み、
前記電流レギュレータが、サンプリングキャパシタの両端で電流サンプル電圧を生成するように構成され、前記電流サンプル電圧が、前記少なくとも一つのスイッチのスイッチング期間を定義するスイッチング時間を設定するために前記入力電流の最大平均振幅設定点に比例する基準電流に対する前記入力電流の振幅に応答しており、
前記入力ピンが、前記基準電流の源に結合されるように適合され、
前記スイッチコントローラが、前記スイッチング時間に応答し、また、基準電圧に対する前記出力電圧の振幅に応答して、前記少なくとも一つのスイッチを制御するために前記スイッチング信号を提供するように構成される、
IC。
【請求項16】
請求項15に記載のICであって、
前記サンプリングキャパシタが、前記電流サンプリング電圧を生成するために、前記スイッチング信号に応答して前記スイッチング電圧レギュレータの第1のスイッチングフェーズにおけるサンプリング電流を統合し、前記サンプリング電流が、前記サンプリングキャパシタに流れる充電電流から前記サンプリングキャパシタから流れる前記基準電流を差し引いたものに等しい振幅を有しており、
前記充電電流が、前記入力電流に応答する振幅を有する、
IC。
【請求項17】
請求項16に記載のICであって、
前記サンプリングキャパシタが、前記サンプリングキャパシタから流れる前記基準電流に応答して前記スイッチング電圧レギュレータの第2のスイッチングフェーズの間、放電して、前記電流サンプリング電圧を低下させ、
前記スイッチコントローラが、前記電流サンプリング電圧を監視し、前記電流サンプリング電圧がほぼゼロの振幅を有することに応答して、前記第2のスイッチングフェーズから前記第1のスイッチングフェーズに切り替え、
前記スイッチング時間が、前記第1及び第2のスイッチングフェーズに等しい持続時間を有する、
IC。
【請求項18】
請求項16に記載のICであって、前記電流レギュレータがトランスコンダクタンス増幅器を含み、前記トランスコンダクタンス増幅器が、前記入力電流を監視して、前記入力電流に応答して前記充電電流を生成するように構成され、前記充電電流が、前記入力電流に比例してスケーリングされた振幅を有する、IC。
【請求項19】
請求項18に記載のICであって、前記トランスコンダクタンス増幅器が第1のトランスコンダクタンス増幅器であり、
前記電流レギュレータが、
前記基準電流を生成するように構成される第2のトランスコンダクタンス増幅器と、
前記サンプリングキャパシタに結合されたトランジスタを介して前記基準電流をミラーリングするように構成される電流ミラーと、
を更に含む、
IC。
【請求項20】
請求項16に記載のICであって、前記電流レギュレータが、前記スイッチング電圧レギュレータの降圧及び昇圧動作の少なく一つに応答して前記充電電流を生成するために、それぞれの複数の電流を提供するように構成された複数の電流源の間で切り替わるように構成される、IC。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本記載は、全般的に電子回路に関し、特に、電流レギュレータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
電源回路は種々の異なる方式で実装され得る。電源回路の例には、同期整流器電力コンバータ、非同期整流器電力コンバータ、共振電力コンバータ、及びその他の種々のタイプのスイッチング電力コンバータの任意のものが含まれる。従って、典型的な電源回路が、一つ又は複数のスイッチを活性化して、入力電圧を出力電圧に変換し得る。電源回路は典型的にワイヤレス電子デバイスに実装される。その結果、入力電圧は典型的にバッテリによって提供される。従って、バッテリの動作寿命は、典型的に、電源回路において出力電圧を生成するために入力電圧から提供される入力電流の振幅によって制限される。例えば、インダクタを介して電力を提供するスイッチング電源回路では、バッテリの動作寿命はスイッチング電源回路の動作サイクルを介する入力電流の平均振幅に基づき得る。
【発明の概要】
【0003】
例示の回路が、第1の入力、第2の入力、及び出力を有するスイッチング電圧レギュレータを含む。第1の入力は入力電流の源に結合される。電流レギュレータが、入力、第1の出力、及び第2の出力を有する。入力は入力電流の源に結合される。電流レギュレータは、第1の出力において、電流サンプリング電圧に応答する論理状態を有する比較信号を提供する。電流レギュレータは、スイッチング電圧レギュレータのスイッチング期間にわたる入力電流の最大平均振幅設定点に比例する基準電流を第2の出力において提供する。スイッチコントローラが、第1の入力、第2の入力、第3の入力、及び出力を有し、第1の入力は、電流レギュレータ回路の第1の出力に結合される。第2の入力は、スイッチング電圧レギュレータの出力に結合され、第3の入力は、基準電圧源に結合されるように適合される。出力はスイッチング電圧レギュレータの第2の入力に結合される。
【0004】
電源システムの一例が、スイッチング電圧レギュレータを含み、スイッチング電圧レギュレータは、スイッチング信号に応答し入力電圧に基づいて出力電圧を生成するために入力電流を導通させるように構成された少なくとも一つのスイッチを含む。このシステムはまた、少なくとも一つのスイッチのスイッチング期間を定義するスイッチング時間を設定するために、入力電流の最大平均振幅設定点を定義する基準電流に対する入力電流の振幅に基づいて電流サンプル電圧を生成するように構成された電流レギュレータを含む。このシステムはまた、基準電圧に対する出力電圧の振幅に基づき、スイッチング時間に基づいて、少なくとも一つのスイッチを制御するためのスイッチング信号を提供するように構成された、スイッチコントローラを含む。
【0005】
集積回路(IC)の一例が、スイッチング電圧レギュレータを含み、スイッチング電圧レギュレータは、スイッチング信号に応答し入力電圧に基づいて出力電圧を生成するために入力電流を導通させるように構成された少なくとも一つのスイッチを含む。このICはまた、サンプリングキャパシタの両端に電流サンプル電圧を生成するように構成された電流レギュレータを含む。電流サンプル電圧は、少なくとも一つのスイッチのスイッチング期間を定義するスイッチング時間を設定するために、第1の外部ピンに設定され、入力電流の最大平均振幅設定点に比例する基準電流に対する入力電流の振幅に基づき得る。このICは、基準電流の源に結合するように適合された入力ピンを含む。このICは、スイッチング時間に基づき、第2の外部ピンにおいて設定される基準電圧に対する出力電圧の振幅に基づいて、少なくとも一つのスイッチを制御するためのスイッチング信号を提供するように構成されたスイッチコントローラを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】電源システムのブロック図の一例である。
【0007】
図2】電源回路の概略電気回路図の一例である。
【0008】
図3】タイミング図の一例である。
【0009】
図4】タイミング図の別の例である。
【0010】
図5】電源回路における電流フローの概略電気回路図の一例である。
【0011】
図6】電源回路における電流フローの概略電気回路図の別の例である。
【0012】
図7】電源回路の概略電気回路図の別の例である。
【0013】
図8】電源回路における電流フローの概略電気回路図の別の例である。
【0014】
図9】電源回路における電流フローの概略電気回路図の別の例である。
【0015】
図10】電源回路における電流フローの概略電気回路図の別の例である。
【0016】
図11】電源回路における電流フローの概略電気回路図の別の例である。
【0017】
図12】電源回路における電流フローの概略電気回路図の別の例である。
【0018】
図13】電源回路における電流フローの概略電気回路図の別の例である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本記載は、全般的に、電子回路に関し、特に、電流レギュレータシステムに関する。電流レギュレータシステムは、スイッチング電源システム等の電源システムに含まれ得る。電源システムはまた、スイッチ信号によって制御されて入力電圧からインダクタを介して入力電流を提供し、出力電圧を生成する、少なくとも一つのスイッチを含むスイッチング電圧レギュレータを含み得る。電源システムは、入力電流の振幅を調整するために、基準電圧に対する、及び、スイッチング電圧レギュレータのスイッチング時間に関連する振幅を有する電流サンプリング電圧に対する出力電圧等に基づいて、スイッチ信号を生成するように構成されたスイッチコントローラを更に含む。
【0020】
一例として、入力電圧はバッテリから提供される。そのため、電流レギュレータシステムは、入力電流の振幅を調整してバッテリからの電流引き出しを軽減し、従って、バッテリの動作寿命を延ばすように構成され得る。電流レギュレータシステムは、サンプリング電流に基づく電流サンプリング電圧を生成するように構成されたサンプリングキャパシタを含み得る。サンプリング電流は、入力電流及び基準電流に関連する充電電流に基づき得る。一例として、充電電流は、入力電流に基づいて生成され、入力電流に比例する。別の例として、充電電流は、入力電流に比例すると推定される固定振幅を有する電流である。基準電流は、スイッチング期間にわたる入力電流の最大平均振幅設定点に比例する振幅を有し得る。
【0021】
電流サンプリング電圧は、スイッチング電圧レギュレータの第1のスイッチングフェーズの間、充電電流の振幅から基準電流を差し引いたものに基づく振幅を有し得る。例えば、基準電流はサンプリングキャパシタから流れるように配される。従って、スイッチング電圧レギュレータの第1のスイッチングフェーズの間、電流サンプリング電圧の振幅は増加し得る。スイッチング電圧レギュレータの第2のスイッチングフェーズの間、電流サンプリング電圧の振幅は、基準電流のみに基づき得、その結果、スイッチング電圧レギュレータの第2のスイッチングフェーズの間、電流サンプリング電圧の振幅は減少し得る。第1のサンプリングフェーズにおけるサンプリングキャパシタの充電開始から第2のサンプリングフェーズにおけるサンプリングキャパシタの放電終了までの時間(例えば、ほぼゼロの等しい電荷の間)の持続時間は、スイッチング電圧レギュレータのスイッチング時間を定義し得る。従って、スイッチコントローラは、電流サンプリング電圧の振幅を監視して、スイッチング電圧レギュレータのスイッチングフェーズ間を切り替え、従って、出力電圧及び入力電流の振幅を調整し得る。
【0022】
図1は、電源システム100のブロック図の一例である。電源システム100は、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、又はその他の種々の電子デバイスの任意のもの等、種々のワイヤレス電子デバイスの任意のものに実装され得る。電源システム100は、入力電圧VINから出力電圧VOUTを生成するように構成される。一例として、入力電圧VINはバッテリから提供される。本明細書で説明されるように、電源システム100は、バッテリから引き出される入力電流IINの調整を提供して、入力電流IINの平均振幅を軽減し、従って、バッテリの動作寿命を延長し得る。一例として、電源システム100は集積回路(IC)上に又はその一部として作製される。
【0023】
電源システム100は、図1の例に信号SSとして示されるそれぞれの少なくとも一つのスイッチング信号によって制御される少なくとも一つのスイッチ104を含み、入力電圧VINに基づいて出力電圧VOUTを生成するスイッチング電圧レギュレータ102を含む。一例として、スイッチング電圧レギュレータ102は、降圧レギュレータ又は昇圧レギュレータとして動作し、及び/又は降圧及び昇圧モードで動作して、出力電圧VOUTを生成する。例えば、スイッチ104は、高側スイッチ(例えば、pチャネル電界効果トランジスタ(PFET))及び低側トランジスタ(例えば、nチャネル電界効果トランジスタ(NFET))を含み、これらが交互に活性化され、インダクタを介して電流を提供して、スイッチング電圧レギュレータ102の出力において、出力電圧VOUTを生成する。本明細書で説明されるように、スイッチ104の活性化は、第1のスイッチングフェーズ及び第2のスイッチングフェーズ等の、インダクタを介する電流における変化を定義し、スイッチング電圧レギュレータ102のスイッチング期間を集合的に定義する、スイッチングフェーズによって定義され得る。
【0024】
電源システム100はまた、入力電流IINの振幅を調整するように構成された電流レギュレータシステム106を含む。上述のように、入力電流IINは、入力電流IINの振幅の監視及び調整によってバッテリの動作寿命を延ばすように、バッテリから引き出され得る。図1の例において、電流レギュレータシステム106は、スイッチング期間にわたる入力電流IINの最大平均振幅設定点に比例する振幅を有する基準電流を生成するように構成された基準電流生成器108を含む。一例として、基準電流生成器108は、電源システム100が作製される関連ICの外部ピンに(例えば、接地された抵抗器として)設定される。
【0025】
電流レギュレータシステム106は、入力電流IINに関連する充電電流に基づき、また、基準電流に基づいて、電流サンプリング電圧VSMPLを生成するように構成されたサンプリングキャパシタを含み得る。一例として、充電電流は、入力電流IINに基づいて生成され、入力電流IINに比例する電流である。別の例として、充電電流は、入力電流に比例すると推定される固定振幅を有する電流である。例えば、充電電流及び基準電流は、各々、入力電流IINに関して振幅において比例し、その結果、基準電流はスイッチング期間にわたる入力電流IINの最大平均振幅設定点に比例する。
【0026】
一例として、電流サンプリング電圧VSMPLは、スイッチング信号SSによって定義されるような、スイッチング電圧レギュレータ102の第1のスイッチングフェーズの間、充電電流から基準電流を差し引いた振幅に基づく振幅を有する。例えば、基準電流は、サンプリングキャパシタに提供される充電電流から電流を引き離すように、サンプリングキャパシタから流れる。従って、スイッチング電圧レギュレータ102の第1のスイッチングフェーズの間、電流サンプリング電圧VSMPLの振幅は増加し得、入力電流IINの検知された振幅に比例し得る。スイッチング電圧レギュレータ102の第2のスイッチングフェーズの間、電流サンプリング電圧VSMPLの振幅は、基準電流に基づき得るが、充電電流には基づかない。例えば、スイッチング信号SSは、スイッチを動作させてサンプリングキャパシタに提供されている充電電流を制御する信号を含み得る。従って、スイッチング電圧レギュレータ102の第2のスイッチングフェーズの間、電流サンプリング電圧VSMPLの振幅は減少し得、従って、入力電流IINの目標調整振幅に比例し得る。
【0027】
例えば、電流レギュレータシステム106は、サンプリングキャパシタの両端のほぼゼロボルト、従って電流サンプリング電圧VSMPLのほぼゼロボルト振幅を識別するように構成されたサンプリング比較器を含む。本明細書で説明されるように、用語「ほぼ」は、正確な値からの或る程度の偏差(例えば、+/-5%)を含み得る。従って、サンプリング比較器は、スイッチング電圧レギュレータ102の所与のスイッチング期間の開始及び終了において、サンプリングキャパシタの両端の電流サンプリング電圧VSMPLにほぼ等しい振幅を識別し得る。図1の例において、サンプリング比較器の出力は比較信号CMPとして示される。
【0028】
電源システム100はスイッチコントローラ110を更に含む。スイッチコントローラ110は、比較信号CMPに応答してスイッチング信号SSを提供するように構成される。例えば、サンプリング比較器は、電流サンプリング電圧VSMPLの振幅を監視して、スイッチング電圧レギュレータ102の第2のスイッチングフェーズからスイッチング電圧レギュレータ102の第1のスイッチングフェーズに、従ってスイッチング電圧レギュレータ102の次のスイッチング期間に切り替える。次のスイッチング期間はまた、基準電圧VREFに対する出力電圧VOUTの振幅に基づいて開始され得る。一例として、基準電圧VREFは、電源システム100が作製される関連ICの外部ピンにおいて(例えば、固定電圧源として)設定され得る。従って、スイッチコントローラ110は、電流サンプリング電圧VSMPLの振幅に基づいてスイッチング電圧レギュレータ102のスイッチング時間を制御し得る。例えば、スイッチコントローラ110はまた、電流サンプリング電圧VSMPLの振幅、及び基準電圧VREFに対する出力電圧VOUTの振幅等に基づいて、スイッチング信号SSを生成するように構成された状態機械を含む。
【0029】
スイッチコントローラ110が電流サンプリング電圧VSMPLに基づいてスイッチング電圧レギュレータ102のスイッチング期間を制御した結果として、電源システム100は、入力電流IINの振幅を調整して、関連するバッテリからの電力消費を低減し、それにより、バッテリの動作寿命を延長し得る。例えば、サンプリングキャパシタから基準電流を引き出すように基準電流生成器108を実装すること、及び第1のスイッチングフェーズにおける電流サンプリング電圧VSMPLの開始振幅が第2のスイッチングフェーズにおける電流サンプリング電圧VSMPLの最終振幅にほぼ等しい間の時間上にスイッチング期間遷移を設けることによって、電源システム100は、スイッチング電圧レギュレータ102のスイッチング期間を通じて、入力電流IINの平均振幅を低減し得る。従って、電源システム100は、入力電圧VINを提供するバッテリの動作寿命を延長し得る。また、本明細書で更に詳細に説明されるように、電源システム100は、スイッチング電圧レギュレータ102のインダクタを介する電流の種々の波形のいずれにおいても動作し得る。
【0030】
図2は、電源回路200の概略電気回路図の例である。電源回路200は、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、又はその他の種々の電子デバイスの任意のもの等、種々のワイヤレス電子デバイスの任意のものに実装され得る。電源回路200は、入力電圧VINから出力電圧VOUTを生成するように構成される。電源回路200は、図1の例における電源システム100であり得る。従って、図2の例の以下の説明において、図1の例を参照する。
【0031】
電源回路200は、スイッチング電圧レギュレータ202を含む。スイッチング電圧レギュレータ202は、PFET Pとして示される高側スイッチと、NFET Nとして示される低側スイッチと、NFET Nとして示される第1の出力スイッチと、NFET Nとして示される第2の出力スイッチとを含む。PFET Pは、入力電圧VINをソースにおいて、及びスイッチングノード204をドレインにおいて相互接続し、NFET Nは、スイッチングノード204をドレインにおいて、及び低電圧レールを図2の例において接地として示されるソースにおいて相互接続する。NFET Nは、出力電圧VOUTをドレインにおいて、及びスイッチングノード206をソースにおいて相互接続し、NFET Nは、スイッチングノード206をドレインにおいて、及び低電圧レールをソースにおいて相互接続する。インダクタLは、スイッチングノード204及び206を相互接続し、電流Iを導通させるように構成される。
【0032】
PFET Pはスイッチング信号INによって制御され、NFET Nはスイッチング信号INによって制御され、NFET Nはスイッチング信号OUTによって制御され、NFET Nはスイッチング信号OUTによって制御される。FET P、N、N、及びNの一連の活性化は、それぞれ、スイッチング信号IN、IN、OUT、及びOUTによって定義されるスイッチングフェーズにおいて、インダクタLを介して電流Iを提供する。例えば、PFET P及びNFET Nの活性化は、スイッチング信号IN及びOUTに基づいて、第1のスイッチングフェーズの間、入力電圧VINからスイッチングノード204に流れる入力電流IINを提供し、その結果、スイッチング電圧レギュレータ202の第1のスイッチングフェーズの間、電流Iは入力電流IINにほぼ等しい。スイッチング電圧レギュレータ202の第2のスイッチングフェーズの間、スイッチング信号IN及びOUTによって、PFET P及びNFET Nは非活性化され、NFET N及びNFET Nは活性化されて、電流Iを低電圧レールからインダクタLを介して導通させる。
【0033】
図3はタイミング図の一例である。タイミング図には、降圧モードで動作するコンバータに対する時間の関数としてプロットされたインダクタ電流Iを示す第1のタイミング図302と、昇圧モードで動作するコンバータの時間の関数としてプロットされたインダクタ電流Iを示す第2のタイミング図304とが含まれる。インダクタ電流Iは、図2の例におけるスイッチング電圧レギュレータ202のインダクタLを介する電流であり得る。従って、図3の例の以下の説明において、図2の例が参照される。シンプルにするために、タイミング図302及び304の遷移時間は整合されている。しかしながら、遷移時間は、降圧モードと昇圧モードとの間で異なり得る。
【0034】
第1のタイミング図302において、スイッチング電圧レギュレータ202は、時間Tにおいて、第1のスイッチングフェーズを開始する。時間Tにおいて、PFET P及びNFET Nは、それぞれ、スイッチング信号IN及びOUTによって活性化される。従って、入力電流IINは、入力電圧VINから、PFET Pを介し、電流IとしてインダクタLを介し、NFET Nを介して流れる。従って、図3の例において、電流Iは、ゼロ以上の振幅であるIL0の振幅から時間Tにおける振幅IL1への増加として示される。時間Tにおいて、NFET Nはスイッチング信号OUTによって非活性化され、NFET Nはスイッチング信号OUTによって活性化される。従って、入力電流IINは、出力キャパシタ(図2の例には示されていない)を充電するため等に、入力電圧VINから、PFET Pを介し、電流ILとしてインダクタLを介し、NFET Nを介して流れる。従って、図3の例では、電流Iは、時間Tにおいて、振幅IL1から振幅IL2への増加として示され、従って、時間TからTの間よりも緩やかな勾配の増加として示される。
【0035】
スイッチング電圧レギュレータ202は、時間Tにおいて、第1のスイッチングフェーズから第2のスイッチングフェーズに切り替わる。時間Tにおいて、それぞれスイッチング信号IN及びINによって、PFET Pは非活性化され、NFET Nは活性化され、NFET Nは活性化されたままである。従って、入力電流IINは停止し、電流Iは、低電圧レールから、NFET Nを介し、インダクタLを介し、NFET Nを介して流れる。従って、図3の例において、電流Iは、時間Tにおいて、振幅IL2から振幅IL3への減少として示され、振幅IL3は振幅IL1より小さい。時間Tにおいて、NFET Nはスイッチング信号OUTによって非活性化され、NFET Nはスイッチング信号OUTによって活性化される。従って、電流Iは、低電圧レールから、NFET Nを介し、インダクタLを介し、NFET Nを介して流れる。従って、図3の例において、電流Iは、時間Tにおいて、振幅IL3から初期振幅IL0への減少として示される。第2のスイッチングフェーズは時間Tで終了する。第1及び第2のスイッチングフェーズはスイッチング期間を定義し得、その結果、図3の例において、次のスイッチング期間が時間Tに始まるとして示される。例えば、電流Iがゼロのままであるアイドル時間が、電源回路200の非活性化の間又は電源回路200の動作の不連続モードの間等、スイッチング期間の間に発生し得る。
【0036】
第2のタイミング図304は、第1のタイミング図302と同様に配され、電源回路200の昇圧動作モードを定義し得る。一例として、昇圧動作モードは、電源回路200のトポロジーにおける変化に基づいて電流Iの振幅を変化させる。従って、第2のタイミング図304は、本明細書で説明されるように、電源回路200の動作原理が種々のインダクタ電流波形の任意のものに適用可能であることを示すために図示されている。
【0037】
図2の例に戻って参照すると、電源回路200は、入力電流IINの振幅を調整するように構成された電流レギュレータシステム208を含む。上述のように、入力電流IINは、バッテリから引き出され得、そのため、入力電流IINの振幅の監視及び調整の結果、バッテリの動作寿命の延長が可能となり得る。図2の例において、電流レギュレータシステム208は、スイッチング信号Sによって制御される第1のスイッチSWを介してスイッチングノード204に結合され、スイッチング信号Sによって制御される第2のスイッチSWを介して入力電圧VINに結合される第1の入力を有するトランスコンダクタンス増幅器210を含む。トランスコンダクタンス増幅器210はまた、スイッチング信号Sによって制御される第3のスイッチSWを介して入力電圧VINに結合され、第3のスイッチングノード212に結合される第2の入力を有する。第3のスイッチングノード212は、PFET Pを介して入力電圧VINに結合される。一例として、PFET Pは、PFET Pに関するレプリカスイッチであり、その結果、PFET Pは、PFET Pに対してKの係数で縮小されたチャネル幅を有する。図2の例において、PFET Pはスイッチング信号INによって活性化され、その結果、PFET PはPFET Pと同時に活性化されて、入力電流IINの振幅をKで割った値にほぼ等しい振幅を持つ充電電流ICHを生成する(例えば、ICH=IIN/K)。
【0038】
トランスコンダクタンス増幅器210は、スイッチング信号Sによって制御されるスイッチSWを介してサンプリングノード214に充電電流ICHを提供するために、PFET Pに提供される信号CTを生成するように構成される。サンプリングキャパシタCが、サンプリングノード214及びノード220を相互接続する。サンプリングノード214及びノード220はまた、スイッチング信号Sによって制御されるスイッチSWによって結合される。電圧源218が、オフセット電圧VOFFをノード220に提供する。また、スイッチング信号Sによって制御されるスイッチSWが、サンプリングノード214及びノード216を相互接続し、スイッチング信号Sによって制御されるスイッチSWが、ノード216及び220を相互接続する。
【0039】
電流レギュレータシステム208はまた、スイッチング信号Sによって制御されるスイッチSWを介してサンプリングノード214に結合される電流源222を含む。電流源222は、図1の例における基準電流生成器108であり得る。例えば、電流源222は、電源回路200が作製される関連ICの外部ピンにおいて(例えば、接地された抵抗器として)提供される。従って、スイッチSWが閉にされると、電流源222は、サンプリングノード214から、従ってサンプリングキャパシタCから、基準電流IREFを導通させるように構成される。例えば、オフセット電圧VOFF(例えば、約350mV)は、基準電流IREFに対する充分なヘッドルームを提供する。上述のように、基準電流IREFは、スイッチング電圧レギュレータ202のスイッチング期間にわたる入力電流IINの最大平均振幅設定点に比例する振幅を有し得る。例えば、入力電流IINの最大平均振幅設定点に対する基準電流IREFの比例度は、Kの係数で、従って充電電流ICHとしての比例定数で同様にスケーリングされる。一例として、基準電流IREFは、以下のように表される振幅を有する。
REF=ITAR/K 式1
ここで、ITARは、スイッチング電圧レギュレータ202のスイッチング期間にわたる入力電流IINの最大平均振幅設定点である。
【0040】
電流レギュレータシステム208はまた、ノード216及び220において入力を有するサンプリング比較器224を含む。従って、サンプリング比較器224は、スイッチSWが閉にされると(例えば、オフセット電圧VOFFによって定義されるコモンモード動作に基づいて)、サンプリングキャパシタCs上のサンプリング電圧VSMPLを監視するように構成される。サンプリング比較器224は、サンプリング電圧VSMPLがほぼゼロの振幅を有することの判定に応答する第1の比較信号CMPを生成し得る。
【0041】
電源回路200は、スイッチコントローラ226を更に含む。スイッチコントローラ226は状態機械228を含む。第1の比較信号CMPは、基準比較器230から第2の比較信号CMPも受信する状態機械228に提供される。図2の例において、基準比較器230は、出力電圧VOUTを固定基準電圧VREFと比較するように構成される。比較信号CMP及びCMPに基づいて、状態機械228は、それぞれのPFET P~P、NFET N~N、及びスイッチSW~SWに提供されるスイッチング信号IN、OUT、及びSを生成し得る。従って、状態機械228は、スイッチング電圧レギュレータ202の第1及び第2のスイッチングフェーズ、従ってスイッチング電圧レギュレータ202のスイッチング期間を定義し得る。状態機械228はまた、スイッチSW~SWを動作させるための制御を提供して、入力電流IINの振幅を調整するために、第1及び第2のスイッチングフェーズの各々において、電流レギュレータシステム208の動作を提供し得る。
【0042】
例示の電源回路200は、図2の例に示されるものとは異なって構成され得る。例えば、スイッチング電圧レギュレータ202は、高側及び低側スイッチP、N、N、及びNの配置に限定されない。一例として、PFET P、及びその延長で、レプリカPFET Pが、代わりにnチャネルトランジスタとして配置される。
【0043】
電源回路200の動作は、図4図6に更に詳細に示される。図4はタイミング図の別の例である。タイミング図は、降圧モードで動作するコンバータに対する時間の関数としてプロットされたインダクタ電流Iを示す第1のタイミング図402を含む。第1のタイミング図402は、従って、図3の例における第1のタイミング図302と同じである。第2のタイミング図404が、時間の関数としてプロットされたサンプリング電圧VSMPLである。図5は、スイッチング電圧レギュレータ202の第1のスイッチングフェーズにおける電源回路200内の電流フローの概略電気回路図500の例であり、図6は、スイッチング電圧レギュレータ202の第2のスイッチングフェーズにおける電源回路200内の電流フローの概略電気回路図600の例である。従って、以下の説明において、図4図6の例を参照する。
【0044】
第1のタイミング図402において、スイッチング電圧レギュレータ202は、時間Tにおいて第1のスイッチングフェーズを開始する。時間Tにおいて、PFET P及びNFET Nは、それぞれ、スイッチング信号IN及びOUTによって活性化される。また、図5の例を参照すると、スイッチSW、SW、SW、及びSWは、それぞれ、スイッチング信号S、S、S、及びSによって閉にされる。従って、入力電流IINは、入力電圧VINから、PFET Pを介し、電流ILとしてインダクタLを介し、NFET Nを介して流れる。従って、図4の例において、電流Iは、IL0の振幅から振幅IL1への増加として示される。
【0045】
時間Tにおいて、NFET Nはスイッチング信号OUTによって非活性化され、NFET Nはスイッチング信号OUTによって活性化される。従って、入力電流IINは、入力電圧VINから、PFET Pを介し、電流IとしてインダクタLを介し、NFET Nを介して流れる。従って、電流Iは、スイッチング電圧レギュレータ202の第1のスイッチングフェーズの間、時間Tから時間Tまで振幅の増加を継続する。また、図5の例を更に参照すると、時間Tから時間Tの間で定義される第1のスイッチングフェーズの間、入力電流IINは、スイッチング信号INによって同時に活性化される整合されたPFET P及びPに基づいて、充電電流ICHによってレプリカPFET Pを介してエミュレートされ、その際、充電電流ICHは、入力電流IINの振幅をチャネル幅スケール係数Kで割ったものにほぼ等しいスケーリングされた振幅を有する(例えば、ICH=IIN/K)。
【0046】
スイッチSWの閉鎖のため、トランスコンダクタンス増幅器210は、トランスコンダクタンス増幅器210の高い利得に起因して、スイッチングノード204及びノード212における入力の各々においてほぼ等しい電圧を受け取る。トランスコンダクタンス増幅器210は、電流I(例えば、スイッチング電圧レギュレータ202の第1のスイッチングフェーズの間の入力電流IIN)の勾配を追跡するために高帯域幅トランスコンダクタンス増幅器210として構成され得、また、相対的な値ではなく絶対値として、電流Iを測定するように低オフセットを用いて構成され得る。低オフセットは、例えば、トランスコンダクタンス増幅器210のトリミング、較正、又はチョッピングを提供することによって、又は本明細書に詳細に説明されているように、スイッチSW及びSWを用いて、オートゼロ技術を提供することによって実装され得る。
【0047】
トランスコンダクタンス増幅器210は、制御信号CTをPFET Pに提供し、充電電流ICHを、PFET Pを介し、スイッチSWを介して、サンプリングノード214に導通させる。スイッチSWの閉鎖に基づいて、充電電流ICHがサンプリングノード214に提供される間、基準電流IREFがサンプリングノード214から流れる。その結果、サンプリングキャパシタCを介してサンプリング電流ISMPLが提供される。従って、電流ISMPLは、充電電流ICHから基準電流IREFを差し引いたものに等しい振幅を有する。従って、サンプリング電流ISMPLは、サンプリングキャパシタCの充電を開始し、サンプリング電圧VSMPLの振幅を増加させる。スイッチング電圧レギュレータ202の第1のスイッチングフェーズの間、スイッチSWが開でスイッチSWが閉であるため、サンプリング比較器224はサンプリング電圧VSMPLの監視をしていない。従って、第1の比較信号CMPは論理高状態でアサートされる。
【0048】
図4に戻って参照すると、スイッチング電圧レギュレータ202は、時間Tにおいて、第1のスイッチングフェーズから第2のスイッチングフェーズに切り替わる。時間Tにおいて、それぞれスイッチング信号IN及びINによって、PFET Pは非活性化され、NFET Nは活性化され、NFET Nは、活性化されたままである。また、図6の例を参照すると、スイッチSW、SW、及びSWは、それぞれ、スイッチング信号S、S、及びSによって開にされ、スイッチSW、SW、及びSWは、それぞれ、スイッチング信号S、S、及びSによって閉にされる。スイッチSWは、スイッチング電圧レギュレータ202の第2のスイッチングフェーズの間、閉のままである。従って、入力電流IINは停止し、電流Iは、低電圧レールから、NFET Nを介し、インダクタLを介し、NFET Nを介して流れる。従って、図4の例において、電流Iは、時間Tにおいて、振幅IL2から振幅IL3への減少として示される。時間Tにおいて、NFET Nはスイッチング信号OUTによって非活性化され、NFET Nはスイッチング信号OUTによって活性化される。従って、電流Iは、低電圧レールから、NFET Nを介し、インダクタLを介し、NFET Nを介して流れる。従って、図4の例において、電流Iは、時間Tにおける振幅IL3から初期振幅IL0への減少として示される。
【0049】
図6の例を参照すると、スイッチング電圧レギュレータ202の第2のスイッチングフェーズにおいて、PFET P及びPは両方とも非活性化され、それによって、入力電流IINの流れが停止し、その延長で充電電流ICHが停止する。スイッチSW及びSWは、トランスコンダクタンス増幅器210のゼロ化を提供するために、閉にされる。充電電流ICHが流れを停止するため、充電電流ICHは、もはやサンプリングノード214に提供されない。しかしながら、スイッチSWは、スイッチング電圧レギュレータ202の第2のスイッチングフェーズにおいて、まだ閉であり、その結果、基準電流IREFは継続して、サンプリングキャパシタCから電荷を引き出す。その結果、サンプリング電圧VSMPLは、時間Tを始めとして、スイッチング電圧レギュレータ202の第2のスイッチングフェーズの間、減少する。
【0050】
スイッチSWが閉にされることに起因し、サンプリング比較器224は、サンプリングノード214におけるサンプリング電圧VSMPLをノード220における電圧と比較し、従ってサンプリングキャパシタCsの両端の電圧を監視する。サンプリング電圧VSMPLがほぼゼロの振幅を有すること、従ってサンプリングキャパシタCがほぼゼロの電荷を有することに応答して、サンプリング比較器224は、第1の比較信号CMPをデアサートし得る。本明細書で説明されるように、サンプリング電圧VSMPLのゼロ振幅は、ノード220におけるオフセット電圧VOFFに参照されるサンプリング電圧VSMPLに基づいて、サンプリングキャパシタCの両端のほぼゼロ振幅を指す。サンプリング電圧VSMPLのゼロ振幅はまた、サンプリングキャパシタCsに基づいて、サンプリング電圧VSMPLのほぼ負の振幅を指し得、その結果、サンプリング比較器224の反転入力はサンプリング比較器224の非反転入力におけるサンプリング電圧VSMPLよりも大きい電圧振幅を有する。
【0051】
第1の比較信号CMPのデアサートに応答し、基準比較器230によって提供されるような第2の比較信号CMPの論理低振幅に応答して(例えば、基準電圧VREFが出力電圧VOUTよりも大きいことに応答して)、状態機械228は、スイッチング信号IN、OUT、及びSの状態を変更し得る。従って、状態機械228は、スイッチング電圧レギュレータ202を第2のスイッチングフェーズから第1のスイッチングフェーズに、従って次のスイッチング期間の開始に切り替えることができる。従って、状態機械228は、入力電流IINの振幅を調整するために、基準電流IREFに対する入力電流IINの振幅に基づいて(例えば、サンプリング電圧VSMPLに基づいて)、スイッチング電圧レギュレータ202のスイッチング期間の持続時間を指示し得る。
【0052】
一例として、スイッチング期間の完了時に、状態機械228は、電源回路200に対する非活性化モード、又はスイッチング電圧レギュレータ202に対する不連続動作モードに基づく等、電源回路200に対してアイドル(例えば、スリープ)モードを実装する。例えば、アイドルモードの間、スイッチSWは、サンプリングキャパシタCから基準電圧IREFを切り離すようにスイッチング信号Sによって開にされ得る。また、スイッチSW及びSWは、トランスコンダクタンス増幅器210のゼロ化を提供するように閉のままであり得、スイッチSWはサンプリングキャパシタCのゼロ化を提供するように、スイッチング信号Sによって閉にされ得、スイッチSWはサンプリング比較器224によって提供された第1の比較信号CMPをラッチするように閉のままであり得る。状態機械228は、従って、次のスイッチング期間を開始するために、第2の比較信号CMPの状態の変化を待機し得る。
【0053】
電源回路200は、基準電流IREFに対する入力電流IINの振幅に基づいて(例えば、サンプリング電圧VSMPLに基づいて)スイッチング時間を提供するので、電源回路200は、典型的な電源回路における入力電流調整よりも効果的な方式で、入力電流IINの振幅を調整し得る。例えば、上述のように、電源回路200の電流調整は、典型的な電源回路に対する場合のように初期ゼロ振幅を備える三角形インダクタ電流波形に限定されるのとは対照的に、インダクタ電流Iの一層複雑な波形やインダクタ電流Iの非ゼロの初期振幅に対して実装される。また、電源回路200は、スイッチング電圧レギュレータ202の各サイクルの間、入力電流IINのリアルタイム測定を提供し、従ってインダクタ電流Iの実際のピーク振幅を提供する。これは、典型的な電源回路において提供される固定ピーク電流振幅推定に基づいて入力電流を調整することとは対照的である。更に、典型的な電源回路は、複数の電荷(例えば、入力から送信された電荷及び所望の平均入力電流の電荷)を比較して入力電流調整を実施するために、複数のキャパシタを必要とする。電源回路200は、電流制御のために単一のキャパシタ(例えば、サンプリングキャパシタC)のみを含み、そのため、よりコンパクトな回路を提供し得、2つ以上のキャパシタ間の整合のための要件をなくし得る。従って、電源回路200によって提供される入力電流調整は、典型的な電源回路の入力電流調整よりも、実質的に一層効率的であり得る。
【0054】
図7は、電源回路700の概略電気回路図の別の例である。電源回路700は、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、又はその他の種々の電子デバイスの任意のもの等の種々のワイヤレス電子デバイスの任意のものに実装され得る。電源回路700は、入力電圧VINから出力電圧VOUTを生成するように構成される。電源回路700は、図1の例における電源システム100であり得る。従って、図7の例の説明も図1を参照する。図7の例における電源回路700は、図2の例におけるトランスコンダクタンス増幅器210に対する閉ループトポロジとは対照的に、トランスコンダクタンス増幅器に対して開ループトポロジ(本明細書に更に詳しく説明される)を実装する電流制御技法の別の例として提供される。従って、電源回路700は、安定性補償を必ずしも必要とせず、その結果、インダクタLのより小さいインダクタンスに基づいて、インダクタ電流Iの高い勾配を支持する。
【0055】
電源回路700は、スイッチング電圧レギュレータ702を含む。スイッチング電圧レギュレータ702は、PFET Pとして示される高側スイッチ、NFET Nとして示される低側スイッチ、NFET Nとして示される第1の出力スイッチ、及びNFET Nとして示される第2の出力スイッチを含む。PFET Pは、入力電圧VINをソースにおいて、及びスイッチングノード704をドレインにおいて相互接続し、NFET Nは、スイッチングノード704をドレインにおいて、及び低電圧レールを接地として図7の例に示されるソースにおいて相互接続する。NFET Nは、出力電圧VOUTをドレインにおいて、及びスイッチングノード706をソースにおいて相互接続し、NFET Nは、スイッチングノード706をドレインにおいて、及び低電圧レールをソースにおいて相互接続する。インダクタLが、スイッチングノード704及び706を相互接続し、電流Iを導通させるように構成される。
【0056】
PFET Pはスイッチング信号INによって制御され、NFET Nはスイッチング信号INによって制御され、NFET Nはスイッチング信号OUTによって制御され、NFET Nはスイッチング信号OUTによって制御される。FET P、N、N、及びNの一連の活性化は、それぞれ、スイッチング信号IN、IN、OUT、及びOUTによって定義されるスイッチングフェーズにおいて、インダクタLを介して、電流Iを提供する。例えば、PFET Pの活性化は、スイッチング信号INに基づいて、第1のスイッチングフェーズの間、入力電圧VINからスイッチングノード704に流れるように入力電流IINを提供し、その結果、電流Iは、スイッチング電圧レギュレータ702の第1のスイッチングフェーズの間、入力電流IINにほぼ等しい。スイッチング電圧レギュレータ702の第2のスイッチングフェーズの間、PFET Pはスイッチング信号INによって非活性化され、NFET Nは活性化されて、電流Iを低電圧レールからインダクタLを介して導通させる。従って、スイッチング電圧レギュレータ702は、図2の例におけるスイッチング電圧レギュレータ202と実質的に同様に動作する。
【0057】
電源回路700はまた、入力電流IINの振幅を調整するように構成された電流レギュレータシステム708を含む。図7の例において、電流レギュレータシステム708は、スイッチング信号Sによって制御される第1のスイッチSWを介してスイッチングノード704に結合され、スイッチング信号Sによって制御される第2のスイッチSWを介して入力電圧VINに結合される第1の入力を有する第1のトランスコンダクタンス増幅器710を含む。第1のトランスコンダクタンス増幅器710はまた、入力電圧VINに結合された第2の入力を有する。電流レギュレータシステム708はまた、ノード714に結合され、スイッチング信号Sによって制御されるスイッチSWを介して入力電圧VINに結合される第1の入力を有する第2のトランスコンダクタンス増幅器712を含む。第1及び第2のトランスコンダクタンス増幅器710及び712は、ほぼ同様に製造され得、従って、ほぼ等しいトランスコンダクタンス(GM)係数を有し得る。第2のトランスコンダクタンス増幅器712はまた、入力電圧VINに結合される第2の入力を有する。ノード714は、PFET Pを介して、入力電圧VINに結合される。一例として、PFET Pは、PFET Pに関するレプリカスイッチであり、その結果、PFET Pは、PFET Pに対してKの係数で縮小されたチャネル幅を有する。
【0058】
図7の例において、PFET Pはスイッチング信号INによって活性化され、その結果、PFET PがPFET Pと同時に活性化され、電流源716から生成される基準電流IREFを、スイッチング信号S4によって制御されるスイッチSWを介して導通させる。電流源716は、図1の例における基準電流生成器108であり得る。例えば、電流源716は、電源回路700が作製される関連ICの外部ピンにおいて(例えば、接地された抵抗器として)提供される。従って、スイッチSWが閉にされると、電流源716は、基準電流IREFを入力電圧VINからPFET Pを介して導通させるように構成される。上述のように、基準電流IREFは、スイッチング電圧レギュレータ702の入力電流IINの最大平均振幅設定点に比例する振幅を有する。例えば、入力電流IINの最大平均振幅設定点(ITARとして表される)に対する基準電流IREFの比例度は、上記の式1で提供されるように、同様にKの係数にスケーリングされる。
【0059】
第1のトランスコンダクタンス増幅器710は、スイッチング信号Sによって制御されるスイッチSWを介して、サンプリングノード718に提供される充電電流ICHを生成するように構成される。例えば、充電電流ICHの振幅は、以下のように表される。
CH=GM×IIN×RDSON 式2
ここで、GMは、第1のトランスコンダクタンス増幅器710のトランスコンダクタンスであり、RDSONは、PFET Pの活性化抵抗である。
また、第2のトランスコンダクタンス増幅器712は、スイッチング信号Sによって制御されるスイッチSWを介し、ダイオード接続されたNFET Nを介して提供される電流Iを生成するように構成される。一例として、図7の例において、電流IRの振幅は、下記のように表される。
=GM×ITAR×K×RDSON 式3
ここで、GMは、第2のトランスコンダクタンス増幅器712のトランスコンダクタンスであり、それは、第1のトランスコンダクタンス増幅器710のトランスコンダクタンスにほぼ等しい。
K×RDSONは、PFET Pの活性化抵抗であり、PFET Pの活性化抵抗のK倍にほぼ等しい。
【0060】
ダイオード接続されたNFET N4は、スイッチング信号Sによって制御されるスイッチSWを介して、サンプルアンドホールドキャパシタC及びNFET Nのゲートに結合されたゲート及びドレインを有する。従って、NFET N及びNは電流ミラーとして配置され、その際、キャパシタCを充電するためにスイッチSWが閉にされると、電流IはキャパシタCに提供される。キャパシタC上の電圧Vは、従って、NFET Nに対する活性化電圧を提供し、NFET Nを介して電流Iをミラーリングする。従って、NFET Nは、同様に電流Iを導通させる。
【0061】
電源回路200と同様に、サンプリングノード718は、サンプリングキャパシタCsに結合され、サンプリング電圧VSMPLを有する。サンプリングキャパシタCはサンプリングノード718及びノード720を相互接続する。サンプリングノード718及びノード720はまた、スイッチング信号Sによって制御されるスイッチSWによって結合される。電圧源722が、オフセット電圧VOFFをノード720に提供する。また、スイッチング信号Sによって制御されるスイッチSWがサンプリングノード718及びノード724を相互接続し、スイッチング信号S10によって制御されるスイッチSW10がノード720及び724を相互接続する。図7の例において、NFET Nは、ドレインにおいてサンプリングノード718に結合される。従って、NFET Nは、サンプリングノード718から、従って、サンプリングキャパシタCから、電流Iを導通させるように構成される。例えば、オフセット電圧VOFF(例えば、約350mV)は、電流Iに対する充分なヘッドルームを提供する。
【0062】
電流レギュレータシステム708は、ノード724及び720において入力を有するサンプリング比較器726を含む。従って、サンプリング比較器726は、スイッチSWが閉にされると(例えば、オフセット電圧VOFFによって定義されるコモンモード動作に基づいて)、サンプリングキャパシタC上のサンプリング電圧VSMPLを監視するように構成される。サンプリング比較器726は、サンプリング電圧VSMPLがほぼゼロの振幅を有すると判定することに応答して第1の比較信号CMPを生成し得る。
【0063】
電源回路700は、状態機械730を含むスイッチコントローラ728を更に含む。第1の比較信号CMPは、基準比較器732から第2の比較信号CMPも受信する状態機械730に提供される。図7の例において、基準比較器732は、出力電圧VOUTを固定基準電圧VREFと比較するように構成される。比較信号CMP及びCMPに基づいて、状態機械730は、それぞれ、それぞれのPFET P~P、NFET N~N、及びスイッチSW~SW10に提供されるスイッチング信号IN、OUT、及びSを生成し得る。従って、状態機械730は、スイッチング電圧レギュレータ702の第1及び第2のスイッチングフェーズ、従ってスイッチング電圧レギュレータ702のスイッチング期間を定義し得る。状態機械730はまた、スイッチSW~SW10を動作させるための制御を提供して、入力電流IINの振幅を調整するために、第1及び第2のスイッチングフェーズの各々において、電流レギュレータシステム708の動作を提供し得る。
【0064】
電源回路700は、図7に示される例に限定されない。例えば、スイッチング電圧レギュレータ702は、高側及び低側スイッチP、N、N、及びNの配置に限定されない。一例として、PFET P、及びその延長でレプリカPFET Pが、代わりにnチャネルトランジスタとして配置される。
【0065】
電源回路700の動作は、図4図8、及び図9に更に詳細に示される。図8は、スイッチング電圧レギュレータ702の第1のスイッチングフェーズにおける電源回路700内の電流フローの概略電気回路図800の別の例であり、図9は、スイッチング電圧レギュレータ702の第2のスイッチングフェーズにおける電源回路700内の電流フローの概略電気回路図900の別の例である。従って、以下の説明はまた、図4図8、及び図9の例を参照する。
【0066】
第1のタイミング図402において、スイッチング電圧レギュレータ702は、時間Tにおいて第1のスイッチングフェーズを開始する。時間Tにおいて、PFET P及びNFET Nは、それぞれ、スイッチング信号IN及びOUTによって活性化される。また、図8の例を参照すると、スイッチSW、SW、SW、SW、SW、及びSW10は、それぞれ、スイッチング信号S、S、S、S、S、及びS10によって閉にされる。従って、入力電流IINは、入力電圧VINから、PFET Pを介し、電流IとしてインダクタLを介し、NFET Nを介して流れる。従って、図4の例において、電流Iは振幅IL0から振幅IL1への増加として示される。
【0067】
時間Tにおいて、NFET Nはスイッチング信号OUTによって非活性化され、NFET Nはスイッチング信号OUTによって活性化される。従って、入力電流IINは、入力電圧VINから、PFET Pを介し、電流IとしてインダクタLを介し、NFET Nを介して流れる。従って、電流Iは、スイッチング電圧レギュレータ702の第1のスイッチングフェーズの間、時間Tから時間Tまで振幅の増加を継続する。また、図8の例を更に参照すると、時間Tと時間Tとの間で定義される第1のスイッチングフェーズの間、入力電流IINは、PFET Pを介して流れ、基準電流は、スイッチング信号INによって同時に活性化され整合されたPFET P及びP2に基づいて、PFET Pを介して流れる。第1のトランスコンダクタンス増幅器710は、入力電流IINに基づき、スイッチSWの閉鎖に基づいて上記の式2によって定義される振幅を有する充電電流ICHを生成する。同様に、第2のトランスコンダクタンス増幅器712は、基準電流に基づき、スイッチSWの閉鎖に基づいて上記の式3によって定義される振幅を有する電流Iを生成する。
【0068】
スイッチSWの閉鎖に基づいて、充電電流ICHは、第1のトランスコンダクタンス増幅器710からサンプリングノード718に提供される。スイッチSW6の閉鎖に基づいて、電流Iは、第2のトランスコンダクタンス増幅器712からNFET Nを介して提供される。電流Iは、キャパシタCを充電し、NFET Nのゲートにおいて電圧V1を提供し、電流Iは、NFET NからNFET Nにミラーリングされる。その結果、サンプリングキャパシタCを介してサンプリング電流ISMPLが提供される。電流ISMPLは、従って、充電電流ICHから電流Iを差し引いたものに等しい振幅を有する。そのため、サンプリング電流ISMPLは、サンプリングキャパシタCの充電を開始し、サンプリング電圧VSMPLの振幅を増加させる。スイッチング電圧レギュレータ702の第1のスイッチングフェーズの間、スイッチSWは開であり、スイッチSW10は閉であるため、サンプリング比較器726は、サンプリング電圧VSMPLを監視していない。従って、第1の比較信号CMPが論理高状態においてアサートされる。
【0069】
図4に戻って参照すると、スイッチング電圧レギュレータ702は、時間Tにおいて、第1のスイッチングフェーズから第2のスイッチングフェーズに切り替わる。時間Tにおいて、それぞれスイッチング信号IN及びINによって、PFET Pは非活性化され、NFET Nは活性化され、NFET Nは活性化されたままである。また、図9の例を参照すると、スイッチSW、SW、SW、SW、SW、及びSW10は、それぞれ、スイッチング信号S、S、S、S、S、及びS10によって開にされ、スイッチSW、SW、及びSWは、それぞれ、スイッチング信号S、S、及びSによって閉にされる。従って、入力電流IINは停止し、電流Iは、低電圧レールから、NFET Nを介し、インダクタLを介し、NFET Nを介して流れる。そのため、図4の例において、電流Iは、時間Tにおいて、振幅IL2から振幅IL3への減少として示される。時間Tにおいて、NFET Nはスイッチング信号OUTによって非活性化され、NFET Nはスイッチング信号OUTによって活性化される。従って、電流Iは、低電圧レールから、NFET Nを介し、インダクタLを介し、NFET Nを介して流れる。そのため、図4の例において、電流Iは、時間Tにおいて、振幅IL3から初期のIL0への減少として示される。
【0070】
図9の例を参照すると、スイッチング電圧レギュレータ702の第2のスイッチングフェーズにおいて、PFET P及びPは、両方とも非活性化され、それによって、入力電流IIN、及びその延長で基準電流IREFの流れが停止する。スイッチSW及びSWは閉にされて、第1及び第2のトランスコンダクタンス増幅器710及び712のゼロ化を提供する。充電電流ICHは、第1のトランスコンダクタンス増幅器710から流れるのを停止するため、充電電流ICHはサンプリングノード718に提供されない。同様に、電流Iは、第2のトランスコンダクタンス増幅器712から流れるのを停止する。しかしながら、キャパシタCの両端のサンプリングされた電圧Vは、スイッチング電圧レギュレータ702の第2のスイッチングフェーズにおいて、NFET Nの活性化を提供し続け、その結果、電流IはサンプリングキャパシタCから電荷を引き出し続ける。その結果、サンプリング電圧VSMPLは、時間Tを始めとして、スイッチング電圧レギュレータ702の第2のスイッチングフェーズの間、減少する。
【0071】
スイッチSWの閉鎖に起因して、サンプリング比較器726は、サンプリングノード718におけるサンプリング電圧VSMPLをノード720における電圧と比較し、従ってサンプリングキャパシタCの両端の電圧を監視する。サンプリング電圧VSMPLがほぼゼロの振幅を有すること、及び従ってサンプリングキャパシタCがほぼゼロの電荷を有することに応答して、サンプリング比較器726は、第1の比較信号CMPをデアサートし得る。第1の比較信号CMPのデアサートに応答し、基準比較器732によって提供されるような第2の比較信号CMPの論理低振幅に応答して(例えば、基準電圧VREFが出力電圧VOUTよりも大きいことに応答して)、状態機械730は、スイッチング信号IN、OUT、及びSの状態を変化させ得る。従って、状態機械730は、スイッチング電圧レギュレータ702を第2のスイッチングフェーズから第1のスイッチングフェーズに、従って次のスイッチング期間の開始に切り替え得る。従って、状態機械730は、基準電流IREFに対する入力電流IINの振幅に基づいて(例えば、サンプリング電圧VSMPLに基づいて)、スイッチング電圧レギュレータ702のスイッチング期間の持続時間を指示し得、入力電流IINの振幅を調整し得る。
【0072】
上記と同様に、スイッチング期間の完了時に、状態機械730は、電源回路700に対する非活性化モード又はスイッチング電圧レギュレータ702に対する不連続動作モード等に基づいて、電源回路700に対して、アイドル(例えば、スリープ)モードを実装し得る。例えば、アイドルモードの間、スイッチSW及びSWは、閉のままであり、トランスコンダクタンス増幅器710及び712のゼロ化を提供し、スイッチSWは、スイッチング信号Sによって閉にされてサンプリングキャパシタCのゼロ化を提供し、スイッチSWは、閉のままであり、サンプリング比較器726のゼロ化を提供する。状態機械730は、従って、次のスイッチング期間を開始するために、第2の比較信号CMPの状態の変化を待機し得る。
【0073】
図10は、電源回路1000における電流フローを示す概略電気回路図の別の例である。電源回路1000は、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、又はその他の種々の電子デバイスの任意のもの等の、種々のワイヤレス電子デバイスの任意のものに実装され得る。電源回路1000は、入力電圧VINから出力電圧VOUTを生成するように構成される。電源回路1000は、図1の例における電源システム100であり得る。従って、図10の説明は、図1も参照する。図10の例における電源回路1000は、インダクタ電流Iのピーク及び谷振幅についての推定値を実装する電流調整技法の別の例を提供する。例えば、インダクタ電流Iのピーク及び谷振幅についての推定値は、電源回路1000の動作モード、入力電圧VIN及び出力電圧VOUTの相対振幅、デューティサイクル、工場試験/較正、又は種々の方法の任意のもの等の、種々の方式の任意のもので計算される。
【0074】
電源回路1000は、スイッチング電圧レギュレータ1002を含む。スイッチング電圧レギュレータ1002は、PFET Pとして示される高側スイッチ、NFET Nとして示される低側スイッチ、NFET Nとして示される第1の出力スイッチ、及びNFET Nとして示される第2の出力スイッチを含む。PFET Pは、入力電圧VINをソースにおいて、及びスイッチングノード1004をドレインにおいて相互接続し、NFET Nは、スイッチングノード1004をドレインにおいて、及び低電圧レールを図10の例において接地として示されるソースにおいて相互接続する。NFET Nは、出力電圧VOUTをドレインにおいて、及びスイッチングノード1006をソースにおいて相互接続し、NFET Nは、スイッチングノード1006をドレインにおいて、及び低電圧レールをソースにおいて相互接続する。インダクタLは、スイッチングノード1004及び1006を相互接続し、電流Iを導通させるように構成される。
【0075】
PFET Pは、スイッチング信号INによって制御され、NFET Nはスイッチング信号INによって制御され、NFET Nはスイッチング信号OUTによって制御され、NFET Nはスイッチング信号OUTによって制御される。FET P、N、N、及びNの一連の活性化は、それぞれ、スイッチング信号IN、IN、OUT、及びOUTによって定義されるスイッチングフェーズにおいて、インダクタLを介して、電流Iを提供する。例えば、PFET Pの活性化は、入力電流IINを、スイッチング信号INに基づいて、第1のスイッチングフェーズの間、入力電圧VINからスイッチングノード1004に流し、その結果、電流Iが、スイッチング電圧レギュレータ1002の第1のスイッチングフェーズの間、入力電流IINにほぼ等しくなるようにする。スイッチング電圧レギュレータ1002の第2のスイッチングフェーズの間、スイッチング信号INによって、PFET Pは非活性化され、NFET Nは活性化されて、電流Iを低電圧レールからインダクタLを介して導通させる。従って、スイッチング電圧レギュレータ1002は、図2の例におけるスイッチング電圧レギュレータ202と実質的に同様に動作する。
【0076】
電源回路1000はまた、入力電流IINの振幅を調整するように構成された電流レギュレータシステム1008を含む。図10の例において、電流レギュレータシステム1008は、第1の電流Iを生成する第1の電流源1010、第2の電流Iを生成する第2の電流源1012、及び第3の電流Iを生成する第3の電流源1014を含む。一例として、本明細書に更に詳しく説明されるように、電流I、I、及びIの組み合わせは、第1のスイッチングフェーズの間の充電電流ICHである。第1の電流源1010は、入力電圧VIN、及びびスイッチング信号Sによって制御されるスイッチSWを相互接続し、第2の電流源1012は、入力電圧VIN、及びスイッチング信号Sによって制御されるスイッチSWを相互接続し、第3の電流源1014は、入力電圧VIN、及び第1のスイッチング信号Sによって制御されるスイッチSWを相互接続する。電流源1010及びスイッチSW、電流源1012及びスイッチSW、電流源1014及びスイッチSWの並列配置は、スイッチング信号Sによって制御されるスイッチSWと直列に配置される。
【0077】
スイッチSWは、サンプリングノード1016に結合される。サンプリングキャパシタCsが、サンプリングノード1016及びノード1018を相互接続する。サンプリングノード1016及びノード1018はまた、スイッチング信号Sによって制御されるスイッチSWに結合される。電圧源1020が、オフセット電圧VOFFをノード1018に提供する。また、スイッチング信号Sによって制御されるスイッチSWが、サンプリングノード1016及びノード1022を相互接続し、スイッチング信号Sによって制御されるスイッチSWが、ノード1018及び1022を相互接続する。
【0078】
電流レギュレータシステム1008はまた、スイッチング信号Sによって制御されるスイッチSWを介してサンプリングノード1016に結合される電流源1024を含む。電流源1024は、図1の例における基準電流生成器108であり得る。例えば、電流源1024は、電源回路1000が作製される関連ICの外部ピンにおいて(例えば、接地された抵抗器として)提供される。従って、スイッチSWが閉にされると、電流源1024は、サンプリングノード1016から、従ってサンプリングキャパシタCから、基準電流IREFを導通させるように構成される。例えば、オフセット電圧VOFF(例えば、約350mV)は、基準電流IREFに対する充分なヘッドルームを提供する。上述のように、基準電流IREFは、スイッチング電圧レギュレータ1002の入力電流IINの最大平均振幅設定点に比例する振幅を有し得る。例えば、入力電流IINの最大平均振幅設定点(ITARとして表される)に対する基準電流IREFの比例度は、上記の式1に提供されるように、係数Kで同様にスケーリングされる。また、電流レギュレータシステム1008は、スイッチング信号Sによって制御されるスイッチSWを介してサンプリングノード1016に結合される電流源1026を含む。電流源1026は、上述の電流源1014によって生成される電流Iにほぼ等しい電流Iを生成する。
【0079】
スイッチング電圧レギュレータ1008は、ノード1018及び1022において入力を有するサンプリング比較器1028を含む。従って、サンプリング比較器1028は、(例えば、オフセット電圧VOFFによって定義されるコモンモード動作に基づいて)スイッチSWが閉にされると、サンプリングキャパシタC上のサンプリング電圧VSMPLを監視するように構成される。サンプリング比較器1028は、サンプリング電圧VSMPLがほぼゼロの振幅を有すると判定することに応答して、第1の比較信号CMPを生成し得る。
【0080】
電源回路1000は、状態機械1032を含むスイッチコントローラ1030を更に含む。第1の比較信号CMPは、基準比較器1034から第2の比較信号CMPをも受信する状態機械1032に提供される。図10の例において、基準比較器1034は、出力電圧VOUTを基準電圧VREFと比較するように構成される。比較信号CMP及びCMPに基づいて、状態機械1032は、それぞれ、各々のPFET P、NFET N~N、及びスイッチSW~SWに提供されるスイッチング信号IN、OUT、及びSを生成し得る。従って、状態機械1032は、スイッチング電圧レギュレータ1002の第1及び第2のスイッチングフェーズ、従ってスイッチング電圧レギュレータ1002のスイッチング期間を定義し得る。状態機械1032はまた、スイッチSW~SWを動作させるための制御を提供して、入力電流IINの振幅を調整するために、第1及び第2のスイッチングフェーズの各々において電流レギュレータシステム1008の動作を提供し得る。
【0081】
電源回路1000は、図10に示される回路に限定されない。例えば、スイッチング電圧レギュレータ1002は、高側及び低側スイッチP、N、N、及びNの配置に限定されない。一例として、PFET Pは、代わりにnチャネルトランジスタとして配置される。
【0082】
電源回路1000の動作は、図4及び図11図13に更に詳細に示される。図11は、スイッチング電圧レギュレータ1002の第1のスイッチングフェーズにおける電源回路1000内の電流フローの概略電気回路図1100の別の例であり、図12は、スイッチング電圧レギュレータ1002の第1のスイッチングフェーズにおける電源回路1000内の電流フローの概略電気回路図1200の別の例であり、図13は、スイッチング電圧レギュレータ1002の第2のスイッチングフェーズにおける電源回路1000内の電流フローの概略電気回路図1300の別の例である。従って、図11の説明も図4及び図11図13を参照する。
【0083】
第1のタイミング図402において、スイッチング電圧レギュレータ1002は、時間Tにおいて第1のスイッチングフェーズを開始する。時間Tにおいて、PFET P及びNFET Nは、それぞれ、スイッチング信号IN及びOUTによって活性化される。従って、入力電流IINは、入力電圧VINから、PFET Pを介し、電流IとしてインダクタLを介し、NFET Nを介して流れる。従って、図4の例において、電流Iは、IL0の振幅から振幅IL1への増加として示される。
【0084】
また、図11を参照すると、スイッチSW、SW、SW、及びSWは、時間Tから時間Tの間、それぞれ、スイッチング信号S、S、S、及びSによって、閉にされる。従って、時間TからTの間、電流Iは、電流源1010から、閉のスイッチSW及びSWを介して、サンプリングノード1016に流れる。電流Iがサンプリングノード1016に提供されている間、スイッチSWの閉鎖に基づいて、基準電流IREFはサンプリングノード1016から流れる。その結果、サンプリングキャパシタCを介してサンプリング電流ISMPLが提供される。電流ISMPLは、従って、電流Iから基準電流IREFを差し引いたものに等しい振幅を有する。そのため、サンプリング電流ISMPLは、サンプリングキャパシタCの充電を開始して、時間Tから時間Tまで、サンプリング電圧VSMPLの振幅を増加する。スイッチング電圧レギュレータ1002の第1のスイッチングフェーズの間、スイッチSWは開であり、スイッチSWは閉であるので、サンプリング比較器1028は、サンプリング電圧VSMPLを監視していない。従って、第1の比較信号CMPは、論理高状態においてアサートされる。
【0085】
図4の例を参照すると、時間Tにおいて、NFET Nはスイッチング信号OUTによって非活性化され、NFET Nはスイッチング信号OUTによって活性化される。従って、入力電流IINは、入力電圧VINから、PFET Pを介し、電流IとしてインダクタLを介し、NFET Nを介して流れる。従って、電流Iは、スイッチング電圧レギュレータ1002の第1のスイッチングフェーズの間、時間Tから時間Tまで振幅を増加し続ける。また、図12の例を参照すると、スイッチSWは、スイッチング信号Sによって開にされ、スイッチSW、SW、及びSWは閉のままであり、スイッチSWは、スイッチング信号Sによって閉にされ、スイッチSW及びSWの内の一つは、スイッチング電圧レギュレータ1002の動作モードに応じて、スイッチング信号S及びSの内のそれぞれ一つによって閉にされる。
【0086】
例えば、タイミング図402(及び図3の例におけるタイミング図302)の降圧モード動作の場合、スイッチSWが閉にされる。しかしながら、図3の例におけるタイミング図304に示される昇圧モード動作の場合、スイッチSWが、代わりに閉にされる。従って、降圧動作モードの場合、サンプリングノード1016において、電流Iの振幅が電流Iの振幅に加算され、又は昇圧動作モードでは、電流Iの振幅が電流Iの振幅から差し引かれる。図12の例は、スイッチSW及びSWの両方が同時に閉にされる例を示しているが、所与の時間において、スイッチング電圧レギュレータ1002の動作モードに応じてスイッチSW及びSWの一方のみが閉にされる。従って、電流Iは、時間Tから時間Tまで、サンプリングノード1016に提供される充電電流ICHであり得、電流I及びIの組み合わせ(加算又は減算)は、時間Tから時間Tまで、サンプリングノード1016に提供される充電電流ICHであり得る。
【0087】
スイッチSWの閉鎖に基づいて、充電電流ICHは、スイッチング電圧レギュレータ1002の第1のスイッチングフェーズの間、サンプリングノード1016に提供される。充電電流ICHが、スイッチSWの閉鎖に基づいて、サンプリングノード1016に提供される間、基準電流IREFは、サンプリングノード1016から流れる。その結果、サンプリングキャパシタCを介して、サンプリング電流ISMPLが提供される。電流ISMPLは、従って、充電電流ICHから基準電流IREFを差し引いたものに等しい振幅を有する。そのため、サンプリング電流ISMPLは、サンプリングキャパシタCの充電を開始して、サンプリング電圧VSMPLの振幅を増加させる。スイッチング電圧レギュレータ1002の第1のスイッチングフェーズの間、スイッチSWが開であり、スイッチSWが閉であるので、サンプリング比較器1028は、サンプリング電圧VSMPLを監視していない。従って、第1の比較信号CMPは、論理高状態においてアサートされる。
【0088】
図4に戻って参照すると、スイッチング電圧レギュレータ1002は、時間Tにおいて、第1のスイッチングフェーズから第2のスイッチングフェーズに切り替わる。時間Tにおいて、それぞれ、スイッチング信号IN及びINによって、PFET Pが非活性化され、NFET Nが活性化され、NFET Nは活性化されたままである。また、図13の例を参照すると、スイッチSW、SW、SW、SW、及びSWは、それぞれ、スイッチング信号S、S、S、S、及びSによって開にされ、スイッチSWは、スイッチング信号Sによって閉にされる。スイッチSWは、スイッチング電圧レギュレータ1002の第2のスイッチングフェーズの間、閉のままである。従って、電流IINは停止し、電流Iは、低電圧レールから、NFET Nを介し、インダクタLを介し、NFET Nを介して流れる。従って、図4の例において、電流Iは、時間Tにおいて、振幅IL2から振幅IL3への減少として示される。時間Tにおいて、NFET Nは、スイッチング信号OUTによって非活性化され、NFET Nはスイッチング信号OUTによって活性化される。従って、電流Iは、低電圧レールから、NFET Nを介し、インダクタLを介し、NFET Nを介して流れる。従って、図4の例において、電流Iは、時間Tにおける振幅IL3から初期振幅IL0への減少として示される。
【0089】
図13の例を参照すると、スイッチング電圧レギュレータ1002の第2のスイッチングフェーズにおいて、電流I、I、及びIが停止する。従って、充電電流ICHはサンプリングノード1016に流れるのを停止する。しかしながら、基準電流IREFは、サンプリングノード1016から流れ続けて、サンプリングキャパシタCから電荷を引き出し続ける。その結果、サンプリング電圧VSMPLは、時間Tを始めとして、スイッチング電圧レギュレータ1002の第2のスイッチングフェーズの間、減少する。
【0090】
スイッチSWの閉鎖に起因し、サンプリング比較器1028は、サンプリングノード1016におけるサンプリング電圧VSMPLを、ノード1018における電圧と比較し、従って、サンプリングキャパシタCの両端の電圧を監視する。サンプリング電圧VSMPLがほぼゼロの振幅を有すること、従って、サンプリングキャパシタCsがほぼゼロの電荷を有することに応答して、サンプリング比較器1028は第1の比較信号CMPをデアサートし得る。第1の比較信号CMPのデアサートに応答し、また、基準比較器1034によって提供されるような、第2の比較信号CMPの論理低振幅に応答して(例えば、基準電圧VREFが出力電圧VOUTよりも大きいことに応答して)、状態機械1032は、スイッチング信号IN、OUT、及びSの状態を変更し得る。従って、状態機械1032は、スイッチング電圧レギュレータ1002を、第2のスイッチングフェーズから第1のスイッチングフェーズに、従って次のスイッチング期間の開始に切り替え得る。従って、状態機械1032は、基準電流IREFに対する入力電流IINの振幅に基づいて(例えば、サンプリング電圧VSMPLに基づいて)スイッチング電圧レギュレータ1002のスイッチング期間の持続時間を指示し得、入力電流IINの振幅を調整する。
【0091】
上述と同様に、スイッチング期間の完了時に、状態機械1032は、電源回路1000に対する非活性化モード、又はスイッチング電圧レギュレータ1002に対する非連続動作モード等に基づいて、電源回路1000に対してアイドル(例えば、スリープ)モードを実装し得る。例えば、アイドルモードの間、スイッチSWは、スイッチング信号Sによって開にされて基準電流IREFの流れを停止し、スイッチSWはスイッチング信号Sによって閉にされてサンプリングキャパシタCsのゼロ化を提供する。スイッチSWは、閉のままであり得、サンプリング比較器1028によって提供された第1の比較信号CMPをラッチする。状態機械1032は、従って、次のスイッチング期間を開始するために、第2の比較信号CMPの状態の変化を待機し得る。
【0092】
従って、図7図13の例は、基準電流IREFに対する入力電流IINの振幅に基づいて(例えば、サンプリング電圧VSMPLに基づいて)、入力電流IINを調整し得る電源回路の別の例を説明する。従って、電源回路200と同様に、電源回路700及び1000は、典型的な電源回路における入力電流調整よりも効率的な方式で、入力電流IINの振幅を調整し得る。例えば、上述のように、電源回路700及び1000の電流調整は、インダクタ電流ILの一層複雑な波形に対して、並びに、インダクタ電流ILの非ゼロの初期振幅に対して実装される。また、電源回路700は、帯域幅を限定する安定性補償の必要性を不要にするオープンループ方式で、スイッチング電圧レギュレータ702の各サイクルの間、入力電流IINの、従って、インダクタ電流Iの振幅のリアルタイム測定を提供する。或いは、電源回路1000は、スイッチング電圧レギュレータ1002の各サイクルにおいて、入力電流IINの推定振幅の測定を提供し、典型的な電源回路と比べて、入力電流IINの優れた調整を達成し得る一層シンプルな回路を提供する。従って、電源回路700及び1000によって提供される入力電流調整は、典型的な電源回路の入力電流調整より実質的に一層効果的であり得る。
【0093】
本明細書において、用語「結合する」は、本明細書の説明と一貫する機能的関係を可能にする接続、通信、又は信号経路を網羅し得る。例えば、デバイスAが、或るアクションを実施するよう制御デバイスBを制御するための信号を生成する場合、(a)第1の例では、デバイスAがデバイスBに直接結合され、(b)第2の例では、デバイスAが中間の構成要素Cを介してデバイスBに間接的に結合され、ただし、その際、介在構成要素CはデバイスAとデバイスBとの間の機能的関係を実質的に変更せず、そのため、デバイスAによって生成された制御信号を介してデバイスBがデバイスAによって制御される。
【0094】
また、本説明において、或るタスク又は機能を実施するように「構成された」デバイスは、製造時に製造者によって、それらの機能を実施するように構成され(例えば、プログラム及び/又はハードワイヤードされ)得、及び/或いは、それらは、それらの機能及び/又は他の付加的な又は代替的な機能を実施するように、製造後にユーザにより構成可能(又は再構成可能)であり得る。こういった構成は、デバイスのファームウェア及び/又はソフトウェアプログラミングを介してもよく、又はハードウェア構成要素、及びデバイスの相互接続の構成及び/又はレイアウトを介してもよく、又はそれらの組み合わせを介してもよい。また、或る構成要素を含むと説明される回路又はデバイスが、代わりに、それらの構成要素に結合するように構成されて、説明された回路要素又はデバイスを形成してもよい。例えば、一つ又は複数の半導体要素(トランジスタ等)、一つ又は複数の受動要素(抵抗器、キャパシタ、及び/又はインダクタ等)、及び/又は、一つ又は複数の源(電圧及び/又は電流電源等)を含むとして説明される構造が、代わりに、単一の物理デバイス(例えば、半導体ダイ及び/又は集積回路(IC)パッケージ)内に半導体要素のみを含んでもよく、受動要素及び/又は源の少なくとも幾つかに結合するように構成されてもよく、それによって、製造時又は製造時以降の時点のいずれかで、例えば、エンドユーザ及び/又は第三者によって、説明された構造を形成する。
【0095】
特許請求の範囲内で、説明した実施例における変更が可能であり、他の実施例が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】