(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-19
(54)【発明の名称】改善された溶解度を有する、4-ヒドロキシフェノンを含むアベナンスラミド組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/19 20060101AFI20230412BHJP
A61K 8/42 20060101ALI20230412BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20230412BHJP
A61K 8/35 20060101ALI20230412BHJP
A61K 8/9794 20170101ALI20230412BHJP
A61K 36/899 20060101ALI20230412BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20230412BHJP
A61Q 19/08 20060101ALI20230412BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20230412BHJP
A61P 17/16 20060101ALI20230412BHJP
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A61K 9/08 20060101ALI20230412BHJP
A61K 9/10 20060101ALI20230412BHJP
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A61K 9/12 20060101ALI20230412BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20230412BHJP
A23L 33/10 20160101ALI20230412BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20230412BHJP
【FI】
A61K31/19
A61K8/42
A61K47/10
A61K8/35
A61K8/9794
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A61Q19/08
A61P17/00
A61P17/16
A61P17/04
A61K9/08
A61K9/10
A61K9/06
A61K9/12
A61Q5/02
A23L33/10
A23L33/105
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022553579
(86)(22)【出願日】2020-03-06
(85)【翻訳文提出日】2022-11-04
(86)【国際出願番号】 EP2020056123
(87)【国際公開番号】W WO2021175454
(87)【国際公開日】2021-09-10
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511008850
【氏名又は名称】シムライズ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100114904
【氏名又は名称】小磯 貴子
(74)【代理人】
【識別番号】100134636
【氏名又は名称】金高 寿裕
(72)【発明者】
【氏名】ランゲ,ザビーネ
(72)【発明者】
【氏名】ヘルマン,マルティナ
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー,イムケ
(72)【発明者】
【氏名】ブルンケ,ゼバスティアン
【テーマコード(参考)】
4B018
4C076
4C083
4C088
4C206
【Fターム(参考)】
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4C206MA83
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(57)【要約】
本発明は一般的に、少なくとも1種のアベナンスラミドもしくはその類似体および4-ヒドロキシアセトフェノンを含むまたはこれらからなる、改善された溶解度を有する組成物;その化粧品としてのまたは医学的使用;食品、栄養補助食品、化粧品、医薬または獣医用調製物を調製するためのこのような組成物の使用;ならびにこのような組成物を含む食品、栄養補助食品、化粧品、医薬または獣医用調製物に関する。最後に、本発明は、アベナンスラミド(avenantramide)またはその類似体の溶解度を改善するための、4-ヒドロキシアセトフェノンに関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
- 少なくとも1種のアベナンスラミドもしくはその類似体;および
- 4-ヒドロキシアセトフェノン
を含むまたはこれらからなる組成物。
【請求項2】
少なくとも1種のアベナンスラミドが、アベナンスラミドA、B、C、G、H、K、LおよびRまたはこれらのアベナンスラミドの混合物からなる群から選択され、特に少なくとも1種のアベナンスラミドが、アベナンスラミドAおよびアベナンスラミドLからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
少なくとも1種のアベナンスラミド類似体がジヒドロアベナンスラミドDである、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
少なくとも1種のアベナンスラミドが、Avena sativa種またはAvena nuda種、特に粉砕されたまたは粉砕されていない穀粒またはエンバクわらのエンバク供給源から得られる、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項5】
組成物の総重量に基づき、
- 0.0001~5.0重量%、特に0.001~1.0重量%の少なくとも1種のアベナンスラミドもしくはその類似体;および
- 0.005~2.0重量%、特に0.1~1.0重量%の4-ヒドロキシアセトフェノン
を含み、ならびに/または
少なくとも1種のアベナンスラミド、特にアベナンスラミドAまたはアベナンスラミドLの、4-ヒドロキシアセトフェノンに対する比が、1:1~1:50、特に1:1.5~1:40であるか、少なくとも1種のアベナンスラミド類似体、特にジヒドロアベナンスラミドDの比が、1:0.2~1:30、特に1:0.5~1:20である、
請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
スキンケア、頭皮ケア、ヘアケア、ネイルケアのための、または皮膚状態、我慢できないおよび敏感肌、皮膚刺激、皮膚発赤、膨疹、掻痒症(痒み)、皮膚の老化、しわの形成、皮膚体積の減少、肌の弾力の喪失、色素斑、色素異常、または乾燥肌、すなわち皮膚の保湿を必要とする乾燥肌の予防および/または処置における、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物の非治療用または化粧品としての使用。
【請求項7】
医薬としての使用のための、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
皮膚疾患もしくは角質疾患、特にバリアに関連した炎症性、免疫アレルギー性、アテローム生成性、乾燥性もしくは過剰増殖性の構成成分を有する皮膚疾患もしくは角質疾患の予防および/もしくは処置における、またはROS生成の増加に伴う皮膚疾患の予防および/もしくは処置における、または心血管疾患、アレルギー反応、冠動脈心疾患の予防および/もしくは処置における、血清中のLDLコレステロールおよび脂質のレベルを低減させるための、血圧を減少させるための、インスリン感受性を改善するための、および血糖値の制御を可能にするための使用のための、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
皮膚疾患または角質疾患が、湿疹、乾癬、脂漏症、皮膚炎、紅斑、掻痒症(痒み)、耳炎、炎症、刺激、線維症、扁平苔癬、ばら色粃糠疹、癜風、自己免疫性の水疱性疾患、じんま疹様、アンジオダーマルおよびアレルギー性皮膚反応、ならびに創傷治癒からなる群から選択され、ならびに/またはROS生成の増加に伴う皮膚疾患が、アトピー性皮膚炎、神経皮膚炎、乾癬、酒さ、ざ瘡様発疹、皮脂欠乏症および乾燥症からなる群から選択される、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
食品、栄養補助食品、化粧品、医薬または獣医用調製物、特に皮膚科用または角質用調製物を調製するための、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項11】
食品、栄養補助食品、化粧品、医薬または獣医用調製物であって、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物を、特に組成物の0.0001~5.0重量%、より好ましくは0.0005~2.0重量%、最も好ましくは0.001~1.0重量%の量で含む、食品、栄養補助食品、化粧品、医薬または獣医用調製物。
【請求項12】
皮膚保湿および/または水分保持物質、清涼化剤、オスモライト、角質物質、栄養物質、抗炎症性、抗細菌性もしくは抗真菌性物質、発赤緩和作用もしくは痒み緩和作用を有する物質、鎮痛物質、およびこれらの任意の混合物からなる群から選択される1種もしくは複数の活性物質;ならびに/または抗酸化剤、保存剤、(金属)キレート剤、浸透促進剤、界面活性物質、乳化剤、香油、消泡剤、着色剤、着色作用を有する顔料、増粘剤、可塑剤、脂肪、油、ワックスもしくは化粧品組成物の他の従来の構成成分、例えば、アルコール、ポリオール、ポリマー、泡安定剤、電解質、有機溶媒もしくはシリコーン誘導体、およびこれらの任意の混合物からなる群から選択される化粧品としてまたは薬学的に許容される賦形剤をさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物、または請求項11に記載の食品、栄養補助食品、化粧品、医薬または獣医用調製物。
【請求項13】
液剤、チンキ剤、ローション剤、乳剤、ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤、スプレー剤またはシャンプー剤として提供される、請求項11または12に記載の化粧品または薬学的調製物。
【請求項14】
アベナンスラミド、特にアベナンスラミドAもしくはアベナンスラミド(avenanthramdie)L、またはその類似体、特にジヒドロアベナンスラミドDの溶解度を改善するための、4-ヒドロキシアセトフェノンの使用。
【請求項15】
組成物中の少なくとも1種のアベナンスラミド、特にアベナンスラミドAもしくはアベナンスラミドL、または少なくとも1種のアベナンスラミド類似体、特にジヒドロアベナンスラミドDの溶解度を改善させる方法であって、4-ヒドロキシアセトフェノンを組成物または調製物に加える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的に、少なくとも1種のアベナンスラミドもしくはその類似体および4-ヒドロキシアセトフェノンを含むまたはこれらからなる、改善された溶解度を有する組成物;その化粧品としてのまたは医学的使用;食品、栄養補助食品、化粧品、医薬または獣医用調製物を調製するためのこのような組成物の使用;ならびにこのような組成物を含む食品、栄養補助食品、化粧品、医薬または獣医用調製物に関する。最後に、本発明は、アベナンスラミドまたはその類似体の溶解度を改善するための4-ヒドロキシアセトフェノンに関する。
【背景技術】
【0002】
アベナンスラミド(これより以下、Avnsまたは単一のアベナンスラミド化合物に対してAvnと略記する)は、アミド結合を有するアントラニル酸およびヒドロキシケイ皮酸部分を含有する低分子量のフェノール系アミドであり、A.sativaもA.nudaもエンバクにおける自然発生のフェノール系アミドの群である。これらは、真菌などの病原菌への曝露に応答して植物により生成されるフィトアレキシンと、最初に同定された。エンバクはおよそ40の異なる種類のAvnsの独特な群を含有し、これらはエンバク穀粒(grain)と葉の両方に存在する。最も豊富なのは、Avn A(N-(4’-ヒドロキシシンナモイル)-5-ヒドロキシアントラニル酸)、Avn B(N-(4’-ヒドロキシ-3’-メトキシシンナモイル)-5-ヒドロキシアントラニル酸)およびAvn C(N-(3’-4’-ジヒドロキシシンナモイル)-5-ヒドロキシアントラニル酸)であり、これらは5-ヒドロキシアントラニル酸のアミドであり、p-クマリン、フェルラおよびカフェインヒドロキシケイ皮酸をそれぞれ有する。これらAvnsは構成的に種実に発現し、ほとんどすべての粉砕画分に出現するが、これらの最も高い濃度はふすまおよび種実の外層において生じる[Boz H、Czech Journal of Food Sciences、2015、33巻(5号):399~404ページ]。エンバク穀粒中のアベナンスラミド(Avns)の全含有量は、品種および農学的処置に応じて約2~700mg/kg(0.0002~0.07%)であることが判明した[Maliarova Mら、Journal of the Brazilian Chemical Society、2015、26巻(11号)、2369~2378ページ]。
【0003】
エンバクからのAvnsの抽出は、様々な溶媒組成物、例えば、純粋または希釈されたエタノールおよびメタノールを使用して行った。異なる時間にわたり室温でまたは制御された加熱下で、例えば、ハダカエンバク、50%水性エタノールなどを用いて抽出手順が達成された[Tong Lら、Journal of Integrative Agriculture、2014、13巻、1809ページ]。
【0004】
Maliarova、M.ら、Journal of the Brazilian Chemical Society、2015、26巻(11号)、2369~2378ページは、ハダカエンバクふすまからのAvnsの抽出についてメタノール、エタノールおよびイソプロパノールの効率を比較した。Avnsの最も高い収率に対する最適条件は、メタノール濃度70%、抽出温度55℃および抽出時間165分間であった。
【0005】
アベナンスラミドがin vitroとin vivoの両方で優れた抗酸化活性、ならびに細胞の酸化的機能障害および酸化ストレス関連疾患、例えば、神経変性および心血管疾患の発生を阻止または制限し得る抗炎症性、抗刺激性、抗アテローム生成および抗増殖性活性を有し、皮膚刺激、老化、CHDおよびがんに対する追加の保護を提供することをいくつかの研究が実証したことにより、治療剤におけるアベナンスラミドの応用の分野は増大している[Perrelli Aら、Oxidative Medicine and Cellular Longevity、2018、DOI:10.1155/2018/6015351]。
【0006】
Avnsの抗酸化活性は、典型的な穀物構成成分フェルラ酸、ゲンチシン酸、p-ヒドロキシ安息香酸、プロトカテク酸(protocagtechuic acid)、シリング酸、バリニン酸およびバニリンの抗酸化活性より10~30倍高いことが判明した。Avnsは抗酸化活性が異なり、Avn Cが最も高い活性を有し、Avn BおよびAvn Aがこれに続く。Avnsを豊富に含むエンバク抽出物はin vitroでLDL酸化を阻害する。エンバク抗酸化性が、血清コレステロールを低下させ、LDLコレステロール酸化および過酸化を阻害し、により心血管の危険性を減少させる潜在能力を有することが動物の研究でもヒト臨床試験でも確認された。エンバクおよびエンバクふすまの消費は、これらの高い繊維含有量ばかりでなく、Avnsによってもまた結腸がんの危険性を減少させ得ることを別の研究は示した。さらに、Avnsを豊富に含むエンバク抽出物は、アテローム動脈硬化症およびNF-kB転写因子の活性化を阻害することが示されており、NF-kB転写因子は感染症および炎症の調整剤である[Hueseyin Boz、Phenolic Amides(Avenanthramides)in Oats-A Review、Czech J.Food Sci.、33巻、2015(5号)、399~404ページ]。
【0007】
WO2004/047833A1は、肥満細胞からのヒスタミンの物質P誘発性遊離の阻害ならびにアベナンスラミドおよびアベナンスラミド類似体物質による痒みの処置および予防について記載している。
【0008】
WO2017/159964A1は、聴覚損失を予防するまたは処置するために、活性成分としてアベナンスラミドまたはその誘導体を含む組成物について記載している。
【0009】
EP0157420A2は、5-リポキシゲナーゼ阻害剤として、アベナンスラミドLと構造的に関係している化合物を含むアベナンスラミドについて記載している。
【0010】
Lotts Tら、Experimental Dermatology、2017、26巻(8号):739~742ページは、ジヒドロアベナンスラミドD(CAS697235-49-7、INCI名:ヒドロキシフェニルプロパミド安息香酸;Symriseにより提供されるSymCalmin(登録商標)中の活性成分)がどのように肥満細胞脱顆粒を阻害し、ニューロキニン-1受容体との相互作用を介して抗炎症性作用を示すのかについて記載している。
【0011】
アベナンスラミドは、強力な有益な生物学的活性を有し、これによって、アベナンスラミドは、ヒトおよび動物に対する経口的適用および/または局所的適用のための、栄養、化粧品および健康的使用に対して価値のあるおよび極めて興味深い天然の活性成分となっている。
【0012】
したがって、加工ステップ、貯蔵または輸送中安定しており、分解せず、ならびに光およびUV照射、金属カチオン、空気またはある特定の酵素の影響によってもそれぞれ安定しており、分解しない、自然発生の、十分に許容される、生分解性物質に基づく、特に皮膚保護、ならびに皮膚病を予防および/または処置するのに使用するための、新規調製物または慣習的な製剤の開発に対して、食品、化粧品、医薬品および獣医学の業界において継続的な必要性および消費者需要が存在する。
【0013】
酸化分解プロセスおよび自動酸化プロセスは調製物の安定性に対して重大な役割を果たす。なぜなら、これらは所望の成分を破壊することができ、よって、これら所望の成分が存在しないと、不快なまたは所望しない分解生成物を生成し、または色などの生成物の物理的性能特徴に不利に影響を与える可能性があり、したがって、多くの場合生成物の価値を低減させるからである。
【0014】
アベナンスラミドは、栄養、化粧品、医薬品または獣医学の業界において用途が見出されたが、しかし、有機、水性有機または水性溶媒中の溶解度が低い。この低い溶解度は、透明な外観を有する溶液中でのこれらの濃度を限定するか、または貯蔵中これらを凝集もしくは沈殿させ、これは、組成物それ自体に対してもしくはこれらが組み込まれる最終生成物に対して不利である。溶媒は一般的に液体であり、純粋な物質または2種以上の溶媒物質の混合物である可能性がある。アベナンスラミドが、凝集または沈殿により、溶解された形態中に活性物質としてもはや存在しない、またはより低い濃度でのみ存在するとなると、これらのバイオアベイラビリティーは低下する。アベナンスラミド化合物の中でも、特にアベナンスラミドAおよびLは低い溶解度を有する。
【0015】
溶解度は、必要とされる生物学的または薬理学的応答を達成するべく、それぞれの組織または全身循環における活性物質または薬物の所望の濃度を達成するための重要なパラメーターの1つである。難溶解性物質が、投与後に生物学的に関連性のあるまたは治療用濃度に到達するためには、多くの場合高用量を必要とする。低い溶解度、最も重要なことには低い水溶性は、新規化学物質の製剤開発ならびにジェネリック開発において遭遇する主要な問題である。吸収されるべき任意の活性物質または薬物は、吸収部位において溶解された形態で存在しなければならない。難溶解性物質は不十分なおよび可変のバイオアベイラビリティーをもたらす。局所投与および経口投与される薬物または活性物質に関して、溶解度は生物学的または薬理学的応答に対して、これらの所望の濃度またはバイオアベイラビリティーを達成するための最も重要なパラメーターである。吸収されるべき任意の薬物または活性物質は、吸収部位において溶液の形態で存在しなければならない。溶解度の問題は製剤の専門家にとって大きな挑戦である。
【0016】
したがって、アベナンスラミドの良好な溶解度を維持するため、よって、組成物中のアベナンスラミドの生物学的に関連性のあるまたは治療用濃度またはバイオアベイラビリティーを達成するためには、アベナンスラミド化合物の溶解度を改善しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって、本発明の目的は、アベナンスラミド、特にアベナンスラミドAまたはアベナンスラミドLまたはジヒドロアベナンスラミドDの改善された溶解度を示すアベナンスラミドまたはその類似体を含む組成物を提供することである。
【0018】
特に、本発明の目標は、組成物中のアベナンスラミドの溶解度を改善することができ、よってアベナンスラミドもしくは調製物の有益な生物学的活性または慣習的な製剤特性自体を妨げない自然な、生分解性の、化粧品としてまたは薬学的に十分に許容される、安全な、簡単に使用できるおよび安定した物質を提案することである。特に、本発明の目標は、組成物または慣習的な製剤中のアベナンスラミドAまたはアベナンスラミドLまたはジヒドロアベナンスラミドDの溶解度を改善することができる、自然な、生分解性の、化粧品としてまたは薬学的に十分に許容される、安全な、簡単に使用できる、および安定した物質を提案することである。
【0019】
驚くことに、アベナンスラミドまたはこれらの類似体の溶解度、特に、アベナンスラミドの中でも最も溶解度の低いアベナンスラミドであるアベナンスラミドAまたはアベナンスラミドLまたはジヒドロアベナンスラミドDの溶解度は、4-ヒドロキシアセトフェノンを用いて、特に低濃度において有意に増加させることができることが結果的に判明したのである。これは特に少なくとも1種のアベナンスラミド類似体がジヒドロアベナンスラミドDである場合に当てはまる。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上述の目的は、本発明の第1の態様に従い、
少なくとも1種のアベナンスラミドまたはその類似体、および
4-ヒドロキシアセトフェノン
を含むまたはこれらからなる組成物を提供することにより達成される。
第2の態様では、本発明は、化粧品としての前記組成物の使用、特にスキンケア、頭皮ケア、ヘアケア、ネイルケアにおける、または皮膚状態、我慢できないおよび敏感肌、皮膚刺激、皮膚発赤、膨疹、掻痒症(痒み)、皮膚の老化、しわの形成、皮膚体積の減少、肌の弾力の喪失、色素斑、色素異常、または乾燥肌、すなわち皮膚の保湿を必要とする乾燥肌の予防および/または処置における皮膚科用化粧品としての使用に関する。
【0021】
第3の態様では、本発明は、特に皮膚疾患または角質疾患、特に、バリアに関連した炎症性、免疫アレルギー性、アテローム生成性、乾燥性もしくは過剰増殖性の構成成分を有する皮膚疾患もしくは角質疾患の予防および/もしくは処置における、またはROS生成の増加に関連する皮膚疾患の予防および/もしくは処置における、または心血管疾患、アレルギー反応、冠動脈心疾患の予防および/もしくは処置における、血清中のLDLコレステロールおよび脂質のレベルを低減させるための、血圧を減少させるための、インスリン感受性を改善するためのおよび血糖値の制御を可能にするための、使用のための、医薬としての前記組成物の使用に関する。
【0022】
第4の態様では、本発明は、食品、栄養補助食品、化粧品、医薬または獣医用調製物を調製するための前記組成物の使用に関する。
【0023】
第5の態様では、本発明は、本発明による組成物を含む、食品、栄養補助食品、化粧品、医薬または獣医用調製物に関する。
【0024】
最後に、本発明は、アベナンスラミドまたはアベナンスラミド(aventhramide)類似体化合物、特にアベナンスラミドAまたはアベナンスラミドLまたはジヒドロアベナンスラミドD(2-[(3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパノイル]アミド)安息香酸;INCI名:ヒドロキシフェニルプロパミド安息香酸;CAS697235-49-7)の溶解度を改善するための、4-ヒドロキシアセトフェノンの使用に関する。
【0025】
本発明は添付の特許請求の範囲において特定されている。しかし本発明それ自体、およびその好ましい変化形、他の目的および利点はまた、添付の実施例および図と併せて以下の詳細な説明からも明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】アベナンスラミドAを含む溶液の画像である。
【0027】
【
図2a】アベナンスラミドLを含む溶液の画像である。
【
図2b】アベナンスラミドLを含む溶液の画像である。
【0028】
【
図3】アベナンスラミドAとBのブレンドを含む溶液の画像である。
【0029】
【
図4】アベナンスラミドB、CおよびDのブレンドを含む溶液の画像である。
【0030】
【
図5a】ジヒドロアベナンスラミドDを含む溶液の画像である。
【
図5b】ジヒドロアベナンスラミドDを含む溶液の画像である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
第1の態様では、本発明は、
- 少なくとも1種のアベナンスラミドまたはその類似体;および
- 4-ヒドロキシアセトフェノン
を含むまたはこれらからなる組成物に関する。
【0032】
本発明の第1の態様による組成物の第1の主要成分は、少なくとも1種のアベナンスラミドもしくはその類似体である。
【0033】
「少なくとも1つ」という句は、本記録に使用されている場合、例えば、アベナンスラミドのうちのいずれかの1つまたは1つより多くのアベナンスラミドを含むことができる組成物を意味する。さらに、「少なくとも1つの」という句は、リストに適用された場合、リストの中で特定された項目のいずれか1つの組合せを意味する。
【0034】
本発明の第1の態様による組成物は、以下にさらに詳細に記載されている特定された成分を組み合わせることにより調製される。
【0035】
本発明の文脈の中で、「アベナンスラミド」(アントラニル酸アミド)という用語は、中でもフェノール系アルカロイドの群のメンバー、すなわち主にエンバク(Avena sativa)に見出されるが、本明細書でこれより以下に詳細に記載されているようなモンシロチョウの卵(Pieris brassicaeおよびP.rapae)および菌類に感染したカーネーション(Dianthus caryophyllus)にも存在する、自然発生のアベナンスラミド(aventhramide)、または本明細書でこれより以下に詳細に記載されているような非自然発生の人工的に生成されたアベナンスラミド類似体を意味すると考えられている。
【0036】
本発明の組成物のアベナンスラミドは、自然に見出され、エンバクから富化、単離、および精製することができる。エンバクの2つの主要な種はAvena sativa L.およびAvena nuda L.であり(同義語としてGilletおよびMagneによるAvena sativa subsp.nuda(L.)、およびKoernによるAvena sativa var.nuda(L.)が挙げられる)、これらは末梢領域、殻、トリコームまたはわらにおいて最も高濃度であるように見える。50種より多くの明確に異なるアベナンスラミドがエンバク穀粒から単離されている[Collins、Journal of Agricultural and Food Chemistry、37巻(1989)、60~66ページ]。
【0037】
Avnsは以下の一般式1で表すことができる:
【化1】
【0038】
以下の表1は、一般式1に基づく自然発生のAvnsの例を示す。
【0039】
【0040】
いくつかの研究は、前記アベナンスラミドが抗炎症性、抗酸化性、抗痒み、抗刺激性および抗アテローム生成の活性を有することを実証している。
【0041】
自然発生のアベナンスラミドまたは上に記載されているようなアベナンスラミドの混合物は、Avena属の植物からの抽出により、特に任意のエンバク種、新鮮なまたは乾燥した、またはその部分、例えば、Avena sativaエンバク種またはAvena nudaエンバク種の粉砕した穀粒、粉砕されていない穀粒、殻、トリコームまたはエンバクわらから得る、富化させる、および単離することができる。
【0042】
アベナンスラミドLを有利に抽出するための抽出溶媒(抽出剤)は、水と有機溶媒の混合物からなる群から選択され、有機溶媒は好ましくは食料品または化粧品または薬学的調製物に適した溶媒である。言うまでもなくこのような溶媒は、食品、化粧品または薬学的調製物の調製に対して適切であり、相容性がなくてはならない。
【0043】
より好ましい変化形では、抽出溶媒は水とアルコールまたはアセトンの混合物を含む。アルコールは好ましくはメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、t-ブタノールおよび混合物、すなわちこれらの組合せからなる群から選択される。本発明の抽出ステップに対して最も好ましい抽出溶媒(抽出剤)はメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノールもしくはアセトン、または前記溶媒の任意の混合物のそれぞれの組合せであり、それぞれは水との混合物である。純粋な有機溶媒の使用はトリグリセリドの同時抽出により有利ではない。
【0044】
抽出溶媒中の、水の、有機溶媒に対する混合比、好ましくは水のアルコールに対する混合比または水のアセトンに対する混合比は、いずれの場合も、生成した抽出溶媒に対して、10:90~90:10(v/v)の範囲であり、好ましくは20:80~80:20(v/v)の範囲であり、最も好ましくは30:70~70:30(v/v)の範囲である。
【0045】
特に好ましい抽出溶媒(抽出剤)は、メタノール/水(3:7)、メタノール/水(1:1)、メタノール/水(7:3)、エタノール/水(3:7)、エタノール/水(1:1)、エタノール/水(1:4)、エタノール/水(7:3)、イソプロパノール/水(3:7)、イソプロパノール/水(1:1)、イソプロパノール/水(7:3)、アセトン/水(3:7)、アセトン/水(1:1)、アセトン/水(7:3)である。
【0046】
抽出収率を改善するために、エンバク供給源は、30~80℃、好ましくは40~70℃、より好ましくは50~60℃の範囲の温度で抽出される。粉砕されたエンバク穀粒に対する抽出収率は、40~70℃の間で温度が増加すると共に増加する。
【0047】
天然の供給源から富化、単離、および精製されたアベナンスラミド化合物とは別に、自然発生のアベナンスラミドは、有機合成により生成することができる。当技術分野で公知の合成の方法は、例えば、米国特許第6,096,770号および米国特許第6,127,392号、日本特許第J60019754A号およびハンガリー特許第HU200996B号に例示されている。
【0048】
前記調製した合成アベナンスラミド物質は、エンバクから単離または抽出した対応する自然発生のアベナンスラミド化合物と同一である。
【0049】
以下の式2:
【化2】
(式中、m=0、1、2または3であり、p=0、1または2であり、n=0、1または2であり、
ただし、n=1または2である場合、p+m>0であり、
n=1または2である場合、R
1およびR
2は、それぞれの対において、それぞれHを表すか、または別の化学結合を一緒に表し(例えば、ケイ皮酸誘導体などとして)、
m=1、2または3である場合、各Xは、独立して、OH、OアルキルまたはOアシルを表し、
p=1または2である場合、各Yは、独立して、OH、OアルキルまたはOアシルを表し、
p+m>0である場合、XおよびYのうちの少なくとも1つはOHおよびOアシルからなる群から選択されることを条件とし、
R
3は、-Hまたはアルキル(特に-CH
3、または2~30個のC原子を有する他の直鎖もしくは分枝のアルキル鎖であり、この文脈において、R
3はまた対応する薬学的に許容される塩に対して-Hでもある)
による化合物であり、重要な生物学的特性を持っている、本明細書でこれより以下「類似体」または「類似体アベナンスラミド化合物」とも呼ばれる、本発明による組成物における非自然発生のアベナンスラミド類似体は、例えば、WO2004/047833A1またはWO2007/062957A1に付与された有機合成方法で人為的に生成される。
【0050】
本発明による式2の特に好ましい化合物は、
n=1または2であり、p+m>0であり、および/または
p+m>0であり、XまたはYまたはXおよびYのうちの少なくとも1つはOHおよびOアルキルからなる群から選択される化合物である。
【0051】
特に好ましくは、n=1でありp+m>2であり、ただし、XおよびYのうちの少なくとも2つはOHおよびOアルキルを含む群から一緒に選択されることを条件とする式2の化合物が使用される。
【0052】
n=1であり、m=1、2または3であり、ただし、少なくとも1つのXがOHおよびOアルキルを含む群から選択され、ならびに/またはP=1または2であることを条件とし、少なくとも1つのYがOHおよびOアルキルを含む群から選択されることを条件とする式2の化合物を使用することもまた好ましい。
【0053】
nが値1を有する場合、R1およびR2はそれぞれ好ましくはHであり、ただし、R1およびR2が一緒になって別の化学結合となることもまた可能である。
【0054】
式2およびWO2004/047833A1またはWO2007/062957A1に開示された特定のアベナンスラミド化合物の定義に関して、前記文献における対応する開示は参照により本明細書に組み込まれている。
【0055】
式2のアベナンスラミド類似体化合物は好ましくは、
【化3-1】
【化3-2】
【化3-3】
【化3-4】
からなる群から選択される。
【0056】
上記例示は、n=1である式2の化合物に本質的に関する。
【0057】
しかし、n=0である式2の化合物の使用もまた多くの場合好ましく、この場合、m+p=0であるか、またはm+p>1もしくは2であり、ただし、置換基XおよびYのうちの少なくとも2つはOHおよびOアルキルを含む群から選択されることを条件とすることが好ましい。
【0058】
【化4-1】
【化4-2】
【化4-3】
を含む群から選択される式2(n=0)の化合物を使用することが特に好ましい。
【0059】
特に好ましいと記載され、これらの構造式で示された化合物において、R3は常にHである。
【0060】
これらの好ましい化合物の代わりに、各事例において、R3がCH3であるか、または2~30個のC原子を有する直鎖もしくは分枝のアルキルである対応する化合物を使用することもまた好ましい。
【0061】
上記アベナンスラミド類似体から、化合物番号8(ジヒドロアベナンスラミドD(2-[(3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパノイル]アミド)安息香酸;INCI名:ヒドロキシフェニルプロパミド安息香酸;CAS697235-49-7))および番号27が特に好ましい。
【0062】
上記自然発生のアベナンスラミドおよび非自然発生のアベナンスラミド類似体に加えて、N-(4’-ヒドロキシシンナモイル)-3-ヒドロキシアントラニル酸(YAvn I)およびN-(3’-4’-ジヒドロキシシンナモイル)-3-ヒドロキシアントラニル酸(YAvn II)を含めて、組換え酵母中に新規のアベナンスラミド類似体が生成され、これらは、フェノール系エステルの生合成に関与している主要タンパク質をコードしている2種の植物遺伝子(タバコ由来の4cl-2およびアーティチョーク由来のhct)を用いてSaccharomyces cerevisiae株をエンジニアリングすることにより生成された。注目すべきことに、YAvn IおよびYAvn IIはAvn AおよびAvn Cと構造的類似点をそれぞれ共有する。
【0063】
本発明の文脈で、自然供給源から得た自然発生のアベナンスラミドまたは合成的に生成された自然発生のアベナンスラミドが好ましく、同様に使用される。
【0064】
「アベナンスラミドまたはその類似体」という用語は、存在するこれらの様々な異性体、とりわけ(自然発生の)trans-異性体ならびにcis-異性体、例えば、光曝露による光異性化で誘発された、cis-異性化二重結合(n=1を有する式1または2)または1、もしくは2つのcis-異性化二重結合(n=2を有する式1または2)を有するアベナンスラミドなども含むことを意図する。
【0065】
特に、本発明の文脈の中で、アベナンスラミドは、一般式1で表され、表1で定義されたアベナンスラミド化合物のうちのいずれか1つであり、またはその任意の異性体もしくはアベナンスラミド類似体は、一般式2およびその定義で表されるアベナンスラミド類似体化合物もしくは上に記載されているようなその任意の異性体のうちのいずれか1つである。
【0066】
第1の態様による本発明の好ましい変化形では、組成物は、アベナンスラミドA、B、C、G、H、K、LおよびRからなる群から選択される少なくとも1種のアベナンスラミド、さらにより好ましくはアベナンスラミドAまたはアベナンスラミドLを含む。
【0067】
第1の態様による本発明の好ましい変化形では、組成物は少なくともアベナンスラミド類似体化合物ジヒドロアベナンスラミドDを含む。
【0068】
別の変化形では、本発明の組成物は、アベナンスラミドA、B、C、G、H、K、L(非コリンズ略語;CAS番号172549-38-1)(Oまたは2pdとも呼ばれる)およびRからなる群から選択される2種、3種、4種またはさらにこれよりも多くの異なるアベナンスラミドの混合物を含む。よって、アベナンスラミドの組合せ/混合物は、アベナンスラミドの以下の組合せのいずれかを含むことができる:A/B;A/C;A/G;A/H;A/K;A/L;A/R;B/C;B/G;B/H;B/K;B/L;B/R;C/G;C/H;C/K;C/L;C/R;G/H;G/K;G/L;G/R;H/K;H/L;H/R;K/L;K/R;L/R;A/B/C;A/B/G;A/B/H;A/B/K;A/B/L;A/B/R;A/C/G;A/C/H;A/C/K;A/C/L;A/C/R;A/G/H;A/G/K;A/G/L;A/G/R;A/H/K;A/H/L;A/H/R;A/K/L;A/K/R;A/L/R;B/C/G;B/C/H;B/C/K、B/C/L;B/C/R;C/G/H;C/G/K、C/G/L;C/G/R、G/H/K;G/H/L;G/H/R;H/K/L、H/K/R;K/L/R;A/B/C/G;A/B/C/H;A/B/C/K;A/B/C/L;A/B/C/R;A/C/G/H;A/C/G/K;A/C/G/L;A/C/G/R;A/G/H/K;A/G/H/L;A/G/H/R;A/H/K/L;A/H/K/R;A/K/L/R;B/C/G/H;B/C/G/K;B/C/G/L;B/C/G/R;C/G/H/K;C/G/H/L;C/G/H/R;G/H/K/L;G/H/K/RおよびH/K/L/R。
【0069】
しかし本発明によるアベナンスラミドの最も好ましい混合物はA/B、A/C、A/L、B/CおよびA/B/Cである。
【0070】
上記アベナンスラミド化合物またはアベナンスラミド組合せに加えて、組成物はアベナンスラミドA、B、C、G、H、K、L(非コリンズ略語;CAS番号172549-38-1)(Oまたは2pdとも呼ばれる)およびR以外の1種または複数のアベナンスラミド、例えば、アベナンスラミドD、E、FU、X、Y(2とも呼ばれる)、AA、CCまたはOOまたは表1に特定された残りのアベナンスラミド化合物のうちのいずれかをさらに含むことができる。
【0071】
別の変化形では、本発明の組成物は、アベナンスラミドA、B、C、G、H、K、L(非コリンズ略語;CAS番号172549-38-1)(Oまたは2pdとも呼ばれる)およびRからなる群から選択される少なくとも1つの、すなわち1つ、2つまたはさらにそれよりも多くのアベナンスラミドを、アベナンスラミド類似体化合物ジヒドロアベナンスラミドDと組み合わせて含む。よって、アベナンスラミドの混合物は、以下のうちのいずれか1つを含むことができる:A/ジヒドロアベナンスラミドD;B/ジヒドロアベナンスラミドD;C/ジヒドロアベナンスラミドD;G/ジヒドロアベナンスラミドD;H/ジヒドロアベナンスラミドD;K/ジヒドロアベナンスラミドD;L/ジヒドロアベナンスラミドD;またはR/ジヒドロアベナンスラミドD;A/B/ジヒドロアベナンスラミドD;A/C/ジヒドロアベナンスラミドD;A/D/ジヒドロアベナンスラミドD;A/G/ジヒドロアベナンスラミドD;A/H/ジヒドロアベナンスラミドD;A/K/ジヒドロアベナンスラミドD;A/L/ジヒドロアベナンスラミドD;A/R/ジヒドロアベナンスラミドD;B/C/ジヒドロアベナンスラミドD;B/D/ジヒドロアベナンスラミドD;B/G/ジヒドロアベナンスラミドD;B/H/ジヒドロアベナンスラミドD;B/K/ジヒドロアベナンスラミドD;B/L/ジヒドロアベナンスラミドD;B/R/ジヒドロアベナンスラミドD;C/D/ジヒドロアベナンスラミドD;C/G/ジヒドロアベナンスラミドD;C/H/ジヒドロアベナンスラミドD;C/K/ジヒドロアベナンスラミドD;C/L/ジヒドロアベナンスラミドD;C/R/ジヒドロアベナンスラミドD;G/H/ジヒドロアベナンスラミドD;G/K/ジヒドロアベナンスラミドD;G/L/ジヒドロアベナンスラミドD;G/R/ジヒドロアベナンスラミドD;H/K/ジヒドロアベナンスラミドD;H/L/ジヒドロアベナンスラミドD;H/R/ジヒドロアベナンスラミドD;K/L/ジヒドロアベナンスラミドD;K/R/ジヒドロアベナンスラミドD;またはL/R/ジヒドロアベナンスラミドDの組合せ。さらにより好ましくは、A/ジヒドロアベナンスラミドDまたはアベナンスラミドL/ジヒドロアベナンスラミドDを含むことができる。
【0072】
上記アベナンスラミド組合せに加えて、組成物は、アベナンスラミドA、B、C、G、H、K、L(非コリンズ略語;CAS番号172549-38-1)(Oまたは2pdとも呼ばれる)およびR以外の1種または複数のアベナンスラミド、例えば、アベナンスラミドD、E、FU、X、Y(2とも呼ばれる)、AA、CCまたはOOまたは表1に特定された残りのアベナンスラミド化合物のうちのいずれかと、ジヒドロアベナンスラミドDとの組合せをさらに含むことができる。
【0073】
別の変化形では、本発明の組成物は、1種のアベナンスラミド類似体化合物、好ましくはジヒドロアベナンスラミドD(Dihydroavenenthramide D)、またはアベナンスラミド類似体化合物、好ましくはジヒドロアベナンスラミドDと、一般式2で表されるおよび上記に特定されたいずれか1種または複数の異なるアベナンスラミド類似体化合物との組合せを含む。
【0074】
上に記載されているような少なくとも1種のアベナンスラミドもしくはアベナンスラミド類似体化合物、またはアベナンスラミドもしくはアベナンスラミド類似体化合物の混合物は、組成物中に、組成物の総重量に基づき、0.0001~5.0重量%の濃度または総量で存在し得る。好ましい変化形では、組成物は、少なくとも1種のアベナンスラミドもしくはアベナンスラミド類似体化合物またはアベナンスラミドもしくはアベナンスラミド類似体化合物の混合物を、組成物の総重量に基づき、0.0005~2.0重量%の濃度または総量で、さらにより好ましくは、0.001~1.0重量%の濃度または総量で含む。
【0075】
本発明の第1の態様による組成物の第2の主要成分は以下の式3で表される4-ヒドロキシアセトフェノン(INCI名:ヒドロキシアセトフェノン;CAS99-93-4)またはp-ヒドロキシアセトフェノンである。
【化5】
【0076】
4-ヒドロキシアセトフェノンはネイチャーアイデンティカル成分である。合成的に製造されるが、また自然界においてNorwegan spruceの木にも見出される。
【0077】
化粧品または薬学的調製物では、4-ヒドロキシアセトフェノンは合成抗酸化剤および皮膚コンディショニング成分である。特定の抗酸化剤化合物は実際にp-ヒドロキシアセトフェノンとして公知であり、これはいくつかの異なる種類のフリーラジカルを中和することが可能なフェノール系抗酸化剤である。その二次的利益は化粧品中の保存系を強化することである。これによって化粧品化学者は、有効性を損失することなく、アレルギー反応の危険性を減少させるという利益を得ながら、より低量の保存剤を使用することが可能となるので有利である。4-ヒドロキシアセトフェノンはまた刺激の徴候をもたらし得る皮膚の表面の酵素(COX-2として公知)を阻害することができるので、鎮静能力も有する。加えて、製品はFEMA/GRASに列挙されたネイチャーアイデンティカル成分である。高いおよび低いpHレベルおよび温度において優れた安定性を示す。さらに、ヒドロキシアセトフェノンは製剤化が容易であり、これは低温プロセス製剤、例えば、シャンプー、ウェットワイプおよびローション剤に対して良好であり、臭気が低く無色であり、エタノールおよびグリコールに溶解し、食品等級を有することから、化合物はオーラルケアに適切である。さらに、4-ヒドロキシアセトフェノンは、溶解度を改善するための化合物として、例えば、香味料および香料の溶解度を改善するための化合物として、特にEP2962678A1に記載されているような親油性化合物を溶解するための化合物として公知であり、使用されている。しかし、物質はこれらの化学的特性が異なるため、他の物質と組み合わせた1種の化合物の作用を単に一般化し、他の化合物に適用することはできない。
【0078】
驚くことに、4-ヒドロキシアセトフェノンを組み合わせることは、1種のアベナンスラミド(avenantrahmide)もしくはより多くのアベナンスラミドまたはアベナンスラミド類似体を含む溶媒または組成物中のアベナンスラミドもしくはアベナンスラミド類似体の溶解度を改善するのに有益であることが結果的に判明したのである。その濃度に応じて、4-ヒドロキシアセトフェノンは、1種のアベナンスラミドもしくはより多くのアベナンスラミドまたは1種のアベナンスラミド類似体化合物もしくはより多くのアベナンスラミド類似体化合物を完全にまでも溶解することができる。
【0079】
より驚くことに、4-ヒドロキシアセトフェノン(hydroxyacetophone)の添加は、アベナンスラミドまたはアベナンスラミド類似体の中でそれぞれ最も低い溶解度を有するアベナンスラミドAまたはアベナンスラミドLまたはジヒドロアベナンスラミドDの溶解度を増加させるのに特に有効であることが結果的に判明したのである。
【0080】
溶解度を改善するための化合物とは、溶媒または組成物中の別の難溶解性構成成分または物質の溶解度を改善するため、および前記構成成分または物質の凝集または沈殿を阻止するために使用される化合物を意味する。難溶解性構成成分または物質の溶解度を増加させることによって、構成成分が組み込まれた溶媒もしくは組成物中のその所望の濃度、または生物学的もしくは薬理学的応答に対するそのバイオアベイラビリティーが増加する。さらに、溶解性の低い構成成分または物質の溶解度を増加させることによって、前記溶解性の低い構成成分または物質を含む液体組成物または溶液を貯蔵中に安定化させることができる。
【0081】
よって、本発明の文脈の中で4-ヒドロキシアセトフェノンは、溶媒または組成物中の、活性成分、すなわち1種または複数のアベナンスラミドの溶解度を改善するため、よってこれらが組み込まれた組成物または最終生成物中の活性物質のバイオアベイラビリティーを増加させるために使用される物質である。
【0082】
4-ヒドロキシアセトフェノン(hydroxyaceophenone)を添加することにより、アベナンスラミドの溶解度を有意に増加させることができ、すなわちアベナンスラミドは凝集または沈殿しない。よって、特に1種または複数のアベナンスラミドを含む液体組成物溶液は、貯蔵中安定化させることができる。この作用は以下の実施例により実証される:4-ヒドロキシアセトフェノンの添加は沈殿の少ないより透明な溶液をもたらす。
【0083】
本発明による組成物中に存在する4-ヒドロキシアセトフェノンの総量は、組成物の総重量に基づき0.005~2.0重量%の間であることができる。好ましい変化形では、組成物中の全安定剤の濃度は、組成物の総重量に基づき、0.01~1.5重量%であり、さらにこれよりも好ましくは、組成物の総重量に基づき、0.1~1.0重量%の間であることができる。
【0084】
本発明による組成物中に存在する4-ヒドロキシアセトフェノンの濃度は最大でも0.1~1.0重量%の間が好ましい:組成物は透明であり、濁っていない。これはアベナンスラミドが組成物中に完全に溶解されていることを意味する。
【0085】
以下の実施例から明らかなように、4-ヒドロキシアセトフェノンは、1種または複数のアベナンスラミド(anventhramide)の溶解度を有効に改善することができる:0.01重量%の濃度において、4-ヒドロキシアセトフェノンは1種または複数のアベナンスラミド(avenanthrahmide)、特にアベナンスラミドAの溶解度をすでに改善し、0.50重量%の濃度において、4-ヒドロキシアセトフェノンは1種または複数のアベナンスラミドを低濃度でも完全に溶解する。上記濃度はこのような濃度に対応し、ヒドロキシアセトフェノンは普通化粧品または薬学的調製物において抗酸化剤または抗菌剤として使用される。
【0086】
本発明による特に好ましい混合物は、組成物が、組成物の総重量に基づき
- 0.0001~5.0重量%、特に0.0005~2.0重量%、さらにより好ましくは0.001~1.0重量%の少なくとも1種のアベナンスラミドもしくはその類似体;および
- 0.005~2.0重量%、特に0.01~1.5重量%、さらにより好ましくは0.1~1.0重量%の4-ヒドロキシアセトフェノン、
を含むまたはこれらからなる混合物である。
【0087】
良好な溶解度は、本発明による組成物中に、少なくとも1種のアベナンスラミドが4-ヒドロキシアセトフェノンに対して、1:1~1:50の比;より好ましくは、1:1.5~1:40の比で存在する場合、または少なくとも1種のアベナンスラミド類似体、特にジヒドロアベナンスラミドDが1:0.2~1:30、特に1:0.5~1:20の比で存在する場合、表8により実証される通り、特に達成される。組成物の外観は良好であり、アベナンスラミドまたはアベナンスラミド類似体化合物は凝集または沈殿しない。
【0088】
本発明による組成物、特に好ましい組成物として特徴付けられるものは、アベナンスラミドまたはアベナンスラミド類似体化合物、特にアベナンスラミドA、アベナンスラミドLまたはジヒドロアベナンスラミドDの良好な溶解度を保有する。本発明による組成物の溶解度は驚くことに、4-ヒドロキシアセトフェノンのみが欠けるだけの、1種または複数のアベナンスラミドまたはアベナンスラミド類似体化合物を含む組成物よりも優れている。化粧品としてまたは医薬として活性な物質、すなわち、大変興味深い生物学的メリット、例えば、抗炎症性、抗酸化性、抗痒み、抗刺激性および抗アテローム生成活性を示すアベナンスラミドまたはアベナンスラミド類似体、特にジヒドロアベナンスラミドDは、凝集または沈殿せず、よって治療有効量でより長く利用可能であり、よってこれらの意図した標的によりうまく到達する。
【0089】
本発明による組成物はまた特に有効であり、任意の毒物学的または皮膚科学的に重大な二次的構成成分を含まない。したがって、この組成物は化粧品または薬学的調製物においてさらなる懸念なしに使用することができる。
【0090】
本発明による組成物は、それを最終製剤または個々の組成物構成物質に添加する前に、改善された溶解度を有する液体組成物の形態で調製することができ、または個々の組成物構成物質を最終製剤に別々に加えて、その中の少なくとも1種のアベナンスラミドもしくはアベナンスラミド類似体化合物の溶解度を改善することができる。
【0091】
組成物および最終調製物中に活性および投与に関連する濃度範囲で使用される4-ヒドロキシアセトフェノンは、活性および投与に関連する濃度範囲において、
- 毒物学的に許容される、
- 皮膚に十分に許容される、
- 安定している(特に慣習的な製剤において)、
- 好ましくは匂いがない、および
- 安く生産することができる(すなわち、標準的プロセスを使用し、および/または標準的な前駆体から出発して)
ことを覚えておいていただきたい。
【0092】
4-ヒドロキシアセトフェノンの上記記載されている特性と組み合わせた、アベナンスラミドまたはアベナンスラミド類似体化合物の抗炎症性、抗酸化性、抗痒み、抗刺激性および抗アテローム生成活性により、生物学的または薬理学的応答に対して、アベナンスラミドまたはアベナンスラミド類似体の所望の濃度またはバイオアベイラビリティーをもたらし、よって、本発明による組成物は、皮膚保護ならびに皮膚病の予防および/または処置に対して有益である。
【0093】
したがって、本発明の別の態様は、本発明の第1の態様による組成物の化粧品としての使用、特にスキンケア、頭皮ケア、ヘアケア、ネイルケアにおける、または皮膚状態、我慢できないおよび敏感肌、皮膚刺激、皮膚発赤、膨疹、掻痒症(痒み)、皮膚の老化、しわの形成、皮膚体積の減少、肌の弾力の喪失、色素斑、色素異常、または乾燥肌、すなわち皮膚の保湿を必要とする乾燥肌の予防および/または処置における化粧品としての使用に関する。
【0094】
本発明の別の態様は、医薬として使用するための本発明の第1の態様による組成物に関する。
【0095】
上述の優れたその特性により、本発明の第1の態様による組成物は、皮膚疾患または角質疾患、特に、バリアに関連した、炎症性、免疫アレルギー性、アテローム生成性、乾燥性もしくは過剰増殖性の構成成分を有する皮膚疾患もしくは角質疾患の予防および/もしくは処置において、または心血管疾患、アレルギー反応、冠動脈心疾患の予防および/もしくは処置において、血清中のLDLコレステロールおよび脂質のレベルを低減させるために、血圧を減少させるために、インスリン感受性を改善するために、および血糖値の制御を可能にするために、特に有用である。
【0096】
アベナンスラミドの特定の抗酸化作用により、本発明はまた、ROS生成の増加に伴う皮膚疾患の予防および/または処置に使用するための本発明の第1の態様による組成物にも関する。
【0097】
このような皮膚または角質の障害の例として、湿疹、乾癬、脂漏症、皮膚炎、紅斑、掻痒症(痒み)、耳炎、炎症、刺激、線維症、扁平苔癬、ばら色粃糠疹、癜風、自己免疫性の水疱性疾患、じんま疹様、アンジオダーマル(angiodermal)およびアレルギー性皮膚反応、ならびに創傷治癒が挙げられ、ならびにROS生成の増加に伴う皮膚疾患の例は、アトピー性皮膚炎、神経皮膚炎、乾癬、酒さ、ざ瘡様発疹、皮脂欠乏症および乾燥症からなる群から選択される。
【0098】
本発明の特に好ましい変化形では、本発明による少なくとも1種のアベナンスラミドもしくはその類似体を含むまたはこれらからなる組成物は、掻痒症(痒み)の予防および/または処置に有益となるように有用である。
【0099】
慢性掻痒症は、様々な皮膚病状態および全身性疾患に伴う一般的な症状であり、場合によっては公知の状態が根底にない。慢性掻痒症は、臨床的症状(例えば、罹患した/炎症性の、または正常な/非炎症性の皮膚および/または二次的ひっかき病変の存在と合わせて)および根底にある原因(例えば、皮膚病、全身性、神経系、心身性、混合したまたは不確定の起源)により分類される。
【0100】
これらのそれぞれの目的に対するアベナンスラミドもしくはその類似体の使用は、治療有効量の活性物質または組成物を添加することにより活性物質のそれぞれの治療的活性を付与するための方法に対応する。
【0101】
本発明の文脈の中で、組成物の有効量とは、それぞれの活性成分、すなわちアベナンスラミドの量であり、利益、例えば、障害、疾患または処置される状態に伴う症状の減少を示すのに十分な量である。本発明の場合のように、組合せまたは組成物に適用された場合、この用語は、利益をもたらす組み合わせた活性成分の量を指す。
【0102】
したがって、本発明は、それを必要とする対象において、皮膚疾患または角質疾患、特にバリアに関連した、炎症性、免疫アレルギー性、アテローム生成性、乾燥性もしくは過剰増殖性の構成成分を有する、皮膚疾患または角質疾患を予防および/もしくは処置するための、または心血管疾患、アレルギー反応、冠動脈心疾患の予防および/もしくは処置における、血清中のLDLコレステロールおよび脂質のレベルを低減させるための、血圧を減少させるための、インスリン感受性を改善するための、および血糖値の制御を可能にするための方法であって、対象に、皮膚疾患または角質疾患、特にバリアに関連した、炎症性、免疫アレルギー性、アテローム生成性、乾燥性もしくは過剰増殖性の構成成分を有する、皮膚疾患もしくは角質疾患の予防および/もしくは処置、または心血管疾患、アレルギー反応、冠動脈心疾患の予防および/もしくは処置において、血清中のLDLコレステロールおよび脂質のレベルを低減させるための、血圧を減少させるための、インスリン感受性を改善するための、および血糖値の制御を可能にするための十分な量の少なくとも1種のアベナンスラミドもしくはその類似体および4-ヒドロキシアセトフェノンを含むまたはこれらからなる治療有効量の組成物を投与することを含む方法に関する。
【0103】
上に記載されているようなその著しい作用により、本発明の第1の態様による組成物は、食品、栄養補助食品、化粧品、医薬または獣医用調製物の調製に有益に適切である。
【0104】
本発明による組成物は、従来の食品、栄養補助食品、化粧品、医薬または獣医用調製物に簡単に組み込むことができる。
【0105】
したがって、本発明のさらなる態様は、本発明による組成物を含む食品、栄養補助食品、化粧品、医薬または獣医用調製物に関する。本発明の好ましい変化形では、組成物を含む機能性食品が、スキンケア用、および/または上記皮膚障害もしくは角質障害を予防もしくは回復させるための有効成分として提供される。
【0106】
好ましい変化形では、食品、栄養補助食品、化粧品、医薬または獣医用調製物は、調製物の、0.0001~5.0重量%、より多く好ましい0.0005~2.0重量%、最も好ましい0.001~1.0重量%の量で本発明による組成物を含む。
【0107】
本文脈内で、本発明による組成物を他の活性化合物、例えば他の相乗的に強化する物質、例えば、抗炎症性、抗細菌性もしくは抗真菌性物質、発赤緩和作用もしくは痒み緩和作用を有する物質、鎮痛物質、保湿剤および/もしくは清涼化剤および/もしくは抗酸化剤、保存剤、(金属)キレート剤、浸透促進剤、ならびに/または以下に詳細に記載および例示されているような化粧品として、もしくは薬学的に許容される賦形剤と組み合わせることもまた可能であり、場合によっては有利である。
【0108】
活性物質は、主要な有用性を組成物または調製物/慣習的な製剤に付与する物質または化合物を意味する。このような活性物質の例として、抗酸化剤、保存剤、(金属)キレート剤、浸透促進剤などが挙げられる。賦形剤とは、加工または製造の結果として、化粧品または医薬品を製剤化するために使用される不活性物質を指す。
【0109】
皮膚病状態または皮膚疾患は、多くの場合、乾燥肌、ひっかいた皮膚、皮膚病変またはさらには炎症をも伴い、本発明による組成物もしくは化粧品および/または薬学的調製物は特に有利には、皮膚保湿および/または水分保持物質、清涼化剤、オスモライト、角質溶解物質、栄養物質、抗炎症性、抗細菌性もしくは抗真菌性物質および/または発赤緩和作用もしくは痒み緩和作用を有する物質および/または鎮痛物質を含有する。
【0110】
痒みは、皮膚が乾燥した場合、特定の強度と共に生じる。皮膚保湿および/または水分保持物質または調整剤の化粧品および薬学的調製物における使用は痒みを有意に緩和することができる。したがって、本発明による化粧品または薬学的調製物はまた、1種または複数の皮膚保湿および/もしくは水分保持物質または調整剤と特に有利に組み合わせることができる。したがって、本発明による化粧品または薬学的調製物はまた有利には、以下の保湿および/または水分保持物質または調整剤を含有することができる:乳酸ナトリウム、ウレア、ウレア誘導体、アルコール、グリセロール、ジオール例えば、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-ヘプタンジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-ノナンジオール、1,2-デカンジオールまたは前記ジオールの混合物、特に1,2-ヘキサンジオールおよび1,2-オクタンジオールの混合物、コラーゲン、エラスチンまたはヒアルロン酸、ジアシルアジピン酸塩、ワセリン、ウロカニン酸、レシチン、パンテノール、フィタントリオール、リコピン、(擬似)セラミド、グリコスフィンゴリピド、コレステロール、フィトステロール、キトサン、コンドロイチン硫酸、ラノリン、ラノリンエステル、アミノ酸、アルファヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸)およびこれらの誘導体、単糖、二糖およびオリゴ糖、例えば、グルコース、ガラクトース、フルクトース、マンノース、フルクトースおよびラクトース、ポリシュガー、例えば、R-グルカン、特にエンバク由来の1,3-1,4-β-グルカン、アルファ-ヒドロキシ脂肪酸、トリテルペン酸、例えば、ベツリン酸またはウルソル酸、および藻抽出物。
【0111】
物質に応じて、使用される水分保持調整剤の濃度はすぐに使える化粧品または医薬品最終生成物の総重量に対して、0.1~10%(m/m)の間であり、好ましくは0.5~5%(m/m)の間である。これらのデータは、特に、有利に使用されるようなジオール、例えば、ヘキシレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオールおよび1,2-デカンジオール、ならびに1,2-ヘキサンジオールと1,2-オクタンジオールの混合物に適用される。
【0112】
本発明による組成物を含有する組成物または化粧品および薬学的調製物における清涼化剤の使用は痒みを緩和することができる。本発明による調製物は、したがって、特に有利には、1種または複数の清涼化剤と組み合わせることができる。本発明の枠組み内での使用に対して好ましい個々の清涼化剤が以下に列挙されている。当業者であれば、多くの他の清涼化剤をこのリストに加えることができる;列挙された清涼化剤は互いに組み合わせて使用することもできる:l-メントール、d-メントール、ラセミメントール、メントングリセロールアセタール(商標名:Frescolat(登録商標)MGA)、乳酸メンチル(商標名:Frescolat(登録商標)ML;乳酸メンチルは好ましくはl-乳酸メンチル、特にl-メンチルl-ラクテートである)、置換メンチル-3-カルボキサミド(例えば、メンチル-3-カルボン酸N-エチルアミド)、2-イソプロピル-N-2,3-トリメチルブタンアミド、置換シクロヘキサンカルボキサミド、3-メントキシプロパン(menthoxypropane)-1,2-ジオール、2-ヒドロキシエチルメンチルカーボネート、2-ヒドロキシプロピルメンチルカーボネート、N-アセチルグリシンメンチルエステル、イソプレゴール、シュウ酸メンチルエチルアミド(商標名:Frescolat(登録商標)X-cool)、ヒドロキシカルボン酸メンチルエステル(例えば、メンチル3-ヒドロキシブチレート)、コハク酸モノメンチル、2-メルカプトシクロデカノン、メンチル2-ピロリジン-5-オンカルボキシレート、2,3-ジヒドロキシ-p-メンタン、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノングリセロールケタール、3-メンチル-3,6-ジ-およびトリオキサアルカノエート、3-メンチルメトキシアセテートおよびイシリン。
【0113】
これらの特定の相乗効果により好ましい清涼化剤は、l-メントール、d-メントール、ラセミメントール、メントングリセロールアセタール(商標名:Frescolat(登録商標)MGA)、乳酸メンチル(好ましくはl-乳酸メンチル、特にl-メンチルl-ラクテート(商標名:Frescolat(登録商標)ML)、置換メンチル-3-カルボキサミド(例えば、メンチル-3-カルボン酸N-エチルアミド)、2-イソプロピル-N-2,3-トリメチルブタンアミド、置換シクロヘキサンカルボキサミド、3-メトキシプロパン-1,2-ジオール、2-ヒドロキシエチルメンチルカーボネート、2-ヒドロキシプロピルメンチルカーボネート、シュウ酸メンチルエチルアミド(商標名:Frescolat(登録商標)X-cool)、およびイソプレゴールである。
【0114】
特に好ましい清涼化剤は、l-メントール、ラセミメントール、メントングリセロールアセタール(商標名:Frescolat(登録商標)MGA)、乳酸メンチル(好ましくはl-乳酸メンチル、特にl-メンチルl-ラクテート(商標名:Frescolat(登録商標)ML)、シュウ酸メンチルエチルアミド(商標名:Frescolat(登録商標)X-cool)、3-メントキシプロパン-1,2-ジオール、2-ヒドロキシエチルメンチルカーボネートおよび2-ヒドロキシプロピルメンチルカーボネートである。
【0115】
非常に特に好ましい清涼化剤は、l-メントール、メントングリセロールアセタール(商標名:Frescolat(登録商標)MGA)および乳酸メンチル(好ましくはl-乳酸メンチル、特にl-メンチルl-ラクテート(商標名:Frescolat(登録商標)ML)である。
【0116】
物質に応じて、使用される清涼化剤の濃度は、すぐに使える化粧品または医薬品最終生成物の総重量に対して、好ましくは0.01~20重量%の間、特に好ましくは0.1~5重量%の間である。
【0117】
本発明による組成物を含有する組成物または化粧品もしくは薬学的調製物はまた、1種または複数のオスモライトとも一緒に使用することができる。ここで述べることができるオスモライトの例として、糖アルコール(ミオイノシトール、マンニトール、ソルビトール)、第4級アミン、例えば、タウリン、コリン、ベタイン、ベタイングリシン、エクトイン、ジグリセロールホスフェート、ホスホリルコリンまたはグリセロホスホリルコリン、アミノ酸、例えば、グルタミン、グリシン、アラニン、グルタメート、アスパルテートまたはプロリン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルイノシトール、無機リン酸塩、および前記化合物のポリマー、例えば、タンパク質、ペプチド、ポリアミノ酸およびポリオールを含む群由来の物質が挙げられる。すべてのオスモライトは皮膚保湿作用を同時に有する。
【0118】
好ましくは、角質溶解物質もまた本発明による組成物と組み合わせることができる。角質溶解化合物として、アルファヒドロキシ酸の大きな群が挙げられる。例えば、サリチル酸が好ましくは使用される。
【0119】
例えば、乾燥および/または痒みのある皮膚の局所的化粧品または医薬的処置のため、本発明による組成物を含有する組成物または化粧品もしくは薬学的調製物において、特に高い割合の栄養物質もまた、親油性構成成分による経表皮性水の損失を減少させるために特に有利である。好ましい一実施形態では、化粧品または薬学的調製物は、1種または複数の栄養を与える動物および/または植物脂肪、ならびに油、例えば、オリーブ油、ヒマワリ油、精製したダイズ油、パーム油、ゴマ油、ナタネ油、アーモンド油、ルリジサ油、マツヨイグサ油、ヤシ油、シアバター、ホホバ油、マッコウクジラ油、タロウ、牛脚油およびラード、ならびに任意選択で他の栄養を与える構成成分、例えば、8~30個のC原子を有する脂肪族アルコールを含有する。ここで使用される脂肪族アルコールは、飽和または不飽和のいずれかおよび直鎖もしくは分枝のいずれかであることができる。本発明による混合物と特に好ましく組み合わせることができる栄養物質はまた特にセラミドを含み、セラミドは、ここでは、角質層の水保持能力を著しく改善する、N-アシルスフィンゴシン(スフィンゴシンの脂肪酸アミド)またはこのような脂質の合成類似体(いわゆる擬似セラミド);リン脂質、例えば、ダイズレシチン、卵レシチンおよびセファリン;ならびにワセリン、パラフィン油およびシリコーン油を意味するものと理解されており、後者は、中でもジアルキル-およびアルキルアリールシロキサン、例えば、ジメチルポリシロキサンおよびメチルフェニルポリシロキサンならびにこれらのアルコキシ化および四級化誘導体を含む。
【0120】
本発明による組成物を含有する組成物または化粧品もしくは薬学的調製物はまた、他の抗炎症性の活性化合物または抗発赤および抗痒み活性を示す活性化合物を含有することができる。この文脈内で、任意の抗炎症性活性化合物ならびに発赤および痒みを緩和し、化粧品および/または皮膚病への用途に適切または慣習的である活性化合物を使用することができる。有利には、使用される抗炎症性活性化合物ならびに発赤および/または痒みを緩和する活性化合物は、コルチコステロイド種のステロイド系抗炎症性物質、例えば、ヒドロコルチゾン、デキサメタゾン、デキサメタゾンホスフェート、メチルプレドニゾロンまたはコルチゾンであり、このリストは他のステロイド系抗炎症剤を加えることにより拡張することができる。非ステロイド抗炎症剤、例えば:オキシカム、例えば、ピロキシカムまたはテノキシカム;サリチレート、例えば、アスピリン、Disalcid(登録商標)、Solprin(登録商標)またはフェンドサル;酢酸誘導体、例えば、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、インドメタシン、スリンダク、トルメチンまたはクリンダナク;フェナム酸、例えば、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸またはニフルム酸;プロピオン酸誘導体、例えば、イブプロフェン、ナプロキセン、ベノキサプロフェン;またはピラゾール、例えば、フェニルブタゾン、オキシフェニルブタゾン、フェブラゾンまたはアザプロパゾンもまた使用することができる。代わりに、天然の抗炎症性物質ならびに発赤および/または痒みを緩和する物質も使用することができる。植物抽出物、特別な高活性の植物抽出物画分、さらに植物抽出物から単離した極めて純粋な活性物質を使用することができる。カモミール、アロエベラ、Commiphora種、Rubia種、ヤナギ、ヤナギソウ、ショウガ、マリーゴールド、アルニカ、甘草種、Echinacea種、Rubus種および純粋な物質由来の抽出物、画分および活性物質、例えば、中でもビサボロール、アピゲニン、アピゲニン-7-グルコシド、ギンゲロール、例えば、[6]-ギンゲロール、パラドール、例えば、[6]-パラドール、ボスウェル酸、フィトステロール、グリチルリチン(glycyrrhizine)、グラブリジンまたはリコカルコンAが特に好ましい。ヒスタミン放出阻害剤を含有する調製物はまた、2種以上の抗炎症性活性化合物の混合物を含有することができる。
【0121】
本発明による組成物を含有する組成物または化粧品もしくは薬学的調製物はまた保存目的のための活性化合物を含有することができ、化粧品および/または皮膚病への用途に適切または慣習的であり、有利には、例えば、中でも安息香酸、そのエステルおよび塩;プロピオン酸およびその塩;サリチル酸およびその塩;2,4-ヘキサン酸(ソルビン酸)およびその塩;ホルムアルデヒドおよびパラホルムアルデヒド;2-ヒドロキシビフェニルエーテルおよびその塩;2-亜鉛スルフィドピリジンN-オキシド;無機亜硫酸塩および亜硫酸水素塩;ヨウ素酸ナトリウム;クロロブタノール;4-ヒドロキシ安息香酸およびその塩およびエステル;デヒドロ酢酸;ギ酸;1,6-ビス(4-アミジノ-2-ブロモフェノキシ)-n-ヘキサンおよびその塩;エチル水銀-(II)-チオサリチル酸のナトリウム塩;フェニル水銀およびその塩;10-ウンデシレン酸およびその塩;5-アミノ-1,3-ビス(2-エチルヘキシル)-5-メチルヘキサヒドロピリミジン;5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン;2-ブロモ-2-ニトロ-1,3-プロパンジオール;2,4-ジクロロベンジルアルコール;N-(4-クロロフェニル)-N’-(3,4-ジクロロフェニル)ウレア;4-クロロ-m-クレゾール;2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシ-ジフェニルエーテル;4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール;1,1’-メチレン-ビス(3-(1-ヒドロキシメチル-2,4-ジオキシイミダゾリジン-5-イル)ウレア);ポリ(ヘキサメチレンビグアナイド)塩酸塩;2-フェノキシエタノール;ヘキサメチレンテトラミン;1-(3-クロロアリル)-3,5,7-トリアザ-1-アゾニアアダマンタンクロリド;1-(4-クロロ-フェノキシ)-1(1H-イミダゾール-1-イル)-3,3-ジメチル-2-ブタノン;1,3-ビス(ヒドロキシメチル)-5,5-ジメチル-2,4-イミダゾリジンジオン;ベンジルアルコール;Octopirox(登録商標);1,2-ジブロモ-2,4-ジシアノブタン;2,2’-メチレン-ビス(6-ブロモ-4-クロロ-フェノール);ブロモクロロフェン;5-クロロ-2-メチル-3(2H)-イソチアゾリノンおよび2-メチル-3(2H)イソチアゾリノンと塩化マグネシウムおよび硝酸マグネシウムの混合物;2-ベンジル-4-クロロフェノール;2-クロロアセトアミド;クロルヘキシジン;酢酸クロルヘキシジン;グルコン酸クロルヘキシジン;塩酸クロルヘキシジン;1-フェノキシ-プロパン-2-オール;N-アルキル(C12~C22)トリメチルアンモニウムブロミドおよびクロリド;4,4-ジメチル-1,3-オキサゾリジン;N-ヒドロキシメチル-N-(1,3-ジ(ヒドロキシメチル)-2,5-ジオキソイミダゾリジン-4-イル)-N’-ヒドロキシメチルウレア;1,6-ビス(4-アミジノフェノキシ)-n-ヘキサンおよびその塩;グルタルアルデヒド5-エチル-1-アザ-3,7-ジオキサビシクロ(3.3.0)オクタン;3-(4-クロロフェノキシ)-1,2-プロパンジオール;ハイアミン;アルキル(C8~C18)ジメチルベンジルアンモニウムクロリド;アルキル(C8~C18)ジメチルベンジルアンモニウム臭化物;アルキル(C8~C18)ジメチルベンジルアンモニウムサッカリネート;ベンジルヘミホルマール;3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート;またはナトリウム((ヒドロキシメチル)アミノ)アセテートなどの保存剤からなる群から選択される任意の保存剤を使用することができる。
【0122】
他の抗細菌または抗真菌活性物質もまた本発明による組成物を含有する組成物または化粧品もしくは薬学的調製物において特に有利に使用することができ、化粧品および/または皮膚病への用途に適切または慣習的である任意の抗細菌または抗真菌活性物質を使用することができる。従来の抗生剤の大きな群に加えて、ここで有利な他の製品として、化粧品に関連するもの、例えば、特にトリクロサン、クリンバゾール、オクトキシグリセリン、Octopirox(登録商標)(1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)-2(1H)-ピリドン2-アミノエタノール塩)、キトサン、ファルネソール、モノラウリン酸グリセロールまたは前記物質の組合せが挙げられ、これらは中でも脇の下の匂い、足の匂いまたはフケに対して使用される。
【0123】
本発明による組成物を含有する組成物または化粧品および/もしくは薬学的調製物はまた、1種または複数の鎮痛物質を含有することができ、化粧品および/または医薬品への用途に適切または慣習的である任意の鎮痛物質、例えば、アルファ-ビサボロール、アズレン、グアイアズレン、18-β-グリチルレチン酸、アラントイン、アロエベラジュースまたはゲル、Hamamelis virginiana(マンサク)の抽出物、Echinacea種、Centella asiatica、カモミール、Arnica monatana、Glycyrrhiza種、藻、海藻およびCalendula officinalis、および植物油、例えば、スイートアーモンド油、バオバブ油、オリーブ油、パンテノール、ラウレス-9、トリデセス-9および4-t-ブチルシクロヘキサノールを使用することができる。
【0124】
加えて、本発明による組成物または化粧品もしくは薬学的調製物はまた、身体の匂いを制御するための発汗阻害活性化合物(制汗剤)と組み合わせて特に有利に使用することができる。使用される発汗阻害活性化合物として、特にアルミニウム塩、例えば、塩化アルミニウム、クロロ水和物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩などが挙げられる。しかし、亜鉛、マグネシウムまたはジルコニウム化合物の使用もまた有利となり得る。アルミニウム塩および、いくらか低い程度ではあるが、アルミニウム/ジルコニウム塩の組合せが化粧用の制汗剤および皮膚科用の制汗剤において有用と証明されている。したがって、部分的に中和されたアルミニウムヒドロキシクロリドは、皮膚に対してより許容されるが、あまり有効ではないこともまた注目すべきである。アルミニウム塩以外の物質もまた、使用することができる、例えば、(a)汗腺の表面密閉を引き起こすタンパク質沈殿物質、例えば、中でも、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、天然および合成タンニング剤およびトリクロロ酢酸;(b)局所麻酔薬、例えばリドカイン、プリロカインの希薄溶液またはこれらの混合物を含み、末梢神経経路を遮断することにより汗腺への交感神経供給のスイッチを切る;(c)X、AまたはY型のゼオライト、これらは汗分泌の減少および悪臭の吸着剤としても作用する;ならびに(d)ボツリヌス毒素(細菌Chlostridium botulinumの毒素)、多汗症(汗分泌物の病理学的増加)においても使用され、その作用は汗の分泌に関連する伝達物質アセチルコリンの放出の不可逆的遮断に基づく。
【0125】
(金属)キレート剤との組合せもまた、本発明による組成物を含有する組成物または化粧品もしくは薬学的調製物において有利となることができ、化粧品および/または皮膚病の用途に適切または慣習的である任意の金属キレート剤を使用することができる。好ましい(金属)キレート剤として、α-ヒドロキシ脂肪酸、フィチン酸、ラクトフェリン、α-ヒドロキシ酸、例えば、中でもグルコン酸、グリセリン酸、グリコール酸、イソクエン酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、酒石酸、ならびにフミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジンまたはEDTA、EGTAならびにこれらの誘導体が挙げられる。
【0126】
使用のため、本発明による組成物を含有する組成物または化粧品もしくは薬学的調製物は、化粧品および皮膚科用製品で慣習的であるような方式で、十分な量で皮膚、頭皮、毛髪および/または爪に適用される。この文脈内で、本発明による組成物を含有し、日焼け止め剤としてもさらに作用する化粧品および皮膚科用調製物は特定の利点を提供する。有利には、これら調製物は少なくとも1種のUVAフィルターおよび/または少なくとも1種のUVBフィルターおよび/または少なくとも1種の無機顔料を含有する。この文脈内で、調製物は、例えば、このタイプの調製物、例えば、溶液、油中水型(W/O)乳剤、水中油型(O/W)乳剤またはマルチプルエマルジョン、例えば、水中油中水型(W/O/W)乳剤、ゲル、ヒドロ分散剤、固体スティックまたはエアゾール剤に対して通常利用される様々な形態を取ることができる。
【0127】
本発明による組成物を含有する組成物または化粧品もしくは薬学的調製物は、UVB領域内でUV放射線を吸収する物質と有利に組み合わせて、フィルター物質の総量が、調製物の乾燥重量に対して、例えば、0.01~40%(m/m)、好ましくは0.1~10%(m/m)、特に1.0~5.0%(m/m)である、全領域の紫外線から毛髪および/または皮膚を保護する化粧品調製物を提供することができる。これらは毛髪に対する日焼け止め剤として機能することもできる。本発明による調製物がUVBフィルター物質を含有する場合、これらは油溶性であってもよいし、水溶性であってよい。有利な油溶性UVBフィルターとして以下が挙げられる:3-ベンジリデンカンファー誘導体、好ましくは3-(4-メチルベンジリデン)カンファー、3-ベンジリデンカンファー;4-アミノ安息香酸誘導体、好ましくは2-エチルヘキシル4-(ジメチルアミノ)安息香酸塩、アミル4-(ジメチルアミノ)安息香酸塩;ケイ皮酸エステル、好ましくは2-エチルヘキシル4-メトキシシンナメート、イソペンチル4-メトキシシンナメート;サリチル酸エステル、好ましくはサリチル酸2-エチルヘキシル、サリチル酸4-イソプロピルベンジル、サリチル酸ホモメンチル;ベンゾフェノンの誘導体、好ましくは2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4’-メチルベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン;ベンザルマロン酸エステル、好ましくはジ(2-エチルヘキシル)4-メトキシベンザルマロネート、2,4,6-トリアニリノ-(p-カルボ-2’-エチル-1’-ヘキシルオキシ)-1,3,5-トリアジン。有利な水溶性UVBフィルターとして、2-フェニルベンゾイミダゾール-5-スルホン酸の塩、例えば、そのナトリウム塩、カリウム塩またはトリエタノールアンモニウム塩、ならびにスルホン酸それ自体;ベンゾフェノンのスルホン酸誘導体、好ましくは2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸およびその塩;3-ベンジリデンカンファーのスルホン酸誘導体、例えば、4-(2-オキソ-3-ボルニリデンメチル)ベンゼンスルホン酸、2-メチル-5-(2-オキソ-3-ボルニリデン-メチル)スルホン酸およびこれらの塩、さらに1,4-ジ(2-オキソ-10-スルホ-3-ボルニリデンメチル)-ベンゼンおよびその塩(対応する10-スルファト化合物、例えば、対応するナトリウム、カリウムおよびトリエタノールアンモニウム塩)、およびベンゼン-1,4-ジ(2-オキソ-3-ボルニリデンメチル-10-スルホン酸が挙げられる。
【0128】
UVAフィルター、例えば、化粧品調製物に通常含有されるUVAフィルターを利用することが有利となり得る。これらの物質は好ましくはジベンゾイルメタンの誘導体、特に1-(4’-tert-ブチルフェニル)-3-(4’-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオンおよび1-フェニル-3-(4’-イソプロピルフェニル)プロパン-1,3-ジオンである。UVB組合せに対して使用する量を類似して使用することができる。
【0129】
本発明による組成物を含有する組成物または化粧品もしくは薬学的調製物はまた、有利には、例えば、通常このような調製物に使用される他の助剤または賦形剤、例えば、抗酸化剤、香油、消泡剤、着色剤、着色作用を有する顔料、増粘剤、界面活性物質、乳化剤、可塑化物質、湿潤化および/または水分保持物質、脂肪、油、ワックスまたは化粧品調製物の他の従来の構成物質、例えば、アルコール、ポリオール、ポリマー、泡安定剤、電解質、有機溶媒またはシリコーン誘導体と組み合わせることができる。化粧品および/または皮膚病の用途において適切または慣習的である、任意の想像できる抗酸化剤、香油、消泡剤、着色剤、着色作用を有する顔料、増粘剤、界面活性物質、乳化剤、可塑化物質、湿潤化および/または水分保持物質、脂肪、油、ワックス、アルコール、ポリオール、ポリマー、泡安定剤、電解質、有機溶媒またはシリコーン誘導体を本発明に従いここで使用することができる。
【0130】
高い含有量の処置物質は、皮膚の局所的、予防的または化粧品による処置のための本発明による組成物を含有する調製物において普通有利である。好ましい実施形態に従い、組成物は、1種または複数の動物および/または植物処置脂肪および油、例えば、オリーブ油、ヒマワリ油、精製されたダイズ油、パーム油、ゴマ油、ナタネ油、アーモンド油、ルリジサ油、マツヨイグサ油、ヤシ油、シアバター、ホホバ油、マッコウクジラ油、牛脂、牛脚油およびラード、および任意選択で他の処置構成物質、例えば、C8~C30脂肪族アルコールを含有する。ここで使用される脂肪族アルコールは、飽和または不飽和および直鎖または分枝の脂肪族アルコールであり、例として、デカノール、デセノール、オクタノール、オクテノール、ドデカノール、ドデセノール、オクタジエノール、デカジエノール、ドデカジエノール、オレイルアルコール、リシノレイルアルコール、エルカアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、アラキジルアルコール、カプリルアルコール、カプリックアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコールおよびベヘニルアルコール、ならびにこれらのゲルベアルコールを挙げることができる。このリストは、所望する場合、構造的、化学的に関連した他のアルコールを含むように拡張することができる。脂肪族アルコールは、好ましくは天然脂肪酸から生じ、普通脂肪酸の対応するエステルから還元により調製される。自然発生の脂肪および脂肪油から還元により形成される脂肪族アルコール画分、例えば、牛脂、ピーナッツ油、ナタネ油、綿実油、ダイズ油、ヒマワリ油、パーム核油、あまに油、トウモロコシ油、ヒマシ油、ナタネ油、ゴマ油、ココアバターおよびココア脂肪もまた使用することができる。
【0131】
本発明による組成物と好ましく組み合わせることができる処置物質として、以下もまた挙げることができる:セラミド、N-アシルスフィンゴシンと考えられているもの(スフィンゴシンの脂肪酸アミド)またはこのような脂質の合成類似体(いわゆる擬似セラミド)であり、これらは角質層の水保持能力を明確に改善する;リン脂質、例えばダイズレシチン、卵レシチンおよびセファリン;vaseline、パラフィンおよびシリコーン油、後者は中でもジアルキル-およびアルキルアリール-シロキサン、例えば、ジメチルポリシロキサンおよびメチルフェニルポリシロキサン、ならびにこれらのアルコキシ化されたおよび四級化された誘導体を含む。
【0132】
加水分解した動物および/または植物タンパク質もまた、本発明による組成物を含有する調製物に有利に加えることができる。この関連で有利な例として、特にエラスチン、コラーゲン、ケラチン、乳タンパク質、ダイズタンパク質、エンバクタンパク質、マメタンパク質、アーモンドタンパク質および小麦タンパク質画分または対応する加水分解タンパク質、ならびにこれらの脂肪酸との縮合物、さらに四級化加水分解タンパク質が挙げられ、加水分解植物タンパク質の使用が好ましい。
【0133】
本発明による組成物を含有する化粧品または皮膚病の調製物が溶液またはローション剤である場合、使用することができる溶媒として以下が挙げられる:水または水溶液;脂肪油、脂肪、ワックスおよび他の天然および合成の脂肪体、好ましくは脂肪酸と低いC数を有するアルコールとのエステル、例えば、イソプロパノール、プロピレングリコールまたはグリセロール、または脂肪族アルコールと低いC数を有するアルカン酸とのエステルまたは脂肪酸とのエステル;低いC数を有するアルコール、ジオールまたはポリオールおよびこれらのエーテル、好ましくはエタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセロール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルまたはモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル、モノエチルまたはモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルまたはモノエチルエーテルおよび類似の生成物。上記の溶媒の混合物が特に使用される。アルコール性溶媒の場合、水は追加の構成物質であることができる。
【0134】
本発明による組成物を含有する組成物または化粧品もしくは薬学的調製物はまた、抗酸化剤を含有することもでき、化粧品および/または皮膚病の用途に適切または慣習的である任意の抗酸化剤を使用することができる。有利には、抗酸化剤は、アミノ酸(例えばグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびこれらの誘導体、イミダゾール(例えばウロカニン酸)およびこれらの誘導体、ペプチド、例えば、D,L-カルノシン、D-カルノシン、L-カルノシンおよびこれらの誘導体(例えばアンセリン)、カロチノイド、カロテン(例えばα-カロテン、β-カロテン、リコピン)およびこれらの誘導体、リポ酸およびその誘導体(例えばジヒドロリポ酸)、金チオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール(例えば、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミンおよびこれらのグリコシル、N-アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチルおよびラウリル、パルミトイル、オレイル、γ-リノレイル、コレステリルおよびグリセリルエステル)およびこれらの塩、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸およびこれらの誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩)ならびにスルホキシミン化合物(例えばブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタ-チオニンスルホキシミン)(これらは非常に低い許容される用量で)、さらに(金属)キレート剤、例えばα-ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン、α-ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびこれらの誘導体、不飽和脂肪酸およびこれらの誘導体(例えばγ-リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸およびその誘導体、ユビキノンおよびユビキノールおよびこれらの誘導体、ビタミンCおよびその誘導体(例えば、パルミチン酸アスコルビル、リン酸マグネシウムアスコルビル、アスコルビルアセテート)、トコフェロールおよびこれらの誘導体(例えば、ビタミンEアセテート)、ビタミンAおよびその誘導体(例えば、ビタミンAパルミテート)、さらにベンゾイン樹脂のコニフェリル安息香酸塩、ルチン酸およびその誘導体、フェルラ酸(ferrulic acid)およびその誘導体、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアイアシン酸、ノルジヒドログアイアレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、亜鉛およびその誘導体(例えばZnO、ZnSO4)、セレンおよびその誘導体(例えば、セレンメチオニン)、スチルベンおよびこれらの誘導体(例えば、スチルベンオキシド、trans-スチルベンオキシド)、ならびに前記活性化合物の誘導体(例えば、塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび脂質)、例えば、本発明に従い適切であるものからなる群から選択される。
【0135】
本発明による組成物を含有する組成物または化粧品もしくは薬学的調製物はまたビタミンおよびビタミン前駆体を含有することもでき、化粧品および/または皮膚病の用途において適切または慣習的である任意のビタミンおよびビタミン前駆体を使用することができる。ビタミンおよびビタミン前駆体、例えば、トコフェロール、ビタミンA、ニコチン酸およびニコチンアミド、他のB-複合体ビタミン、特にビオチン、およびビタミンCをここで特に挙げることができる。使用されるのが好ましいこの群内の他の例として、パントテニールアルコールおよびその誘導体、特にそのエステルおよびエーテル、ならびにカチオン的に得たパントテニールアルコールの誘導体、例えば、パントテニールアルコールトリアセテート、パントテニールアルコールモノエチルエーテルおよびそのモノアセテートおよびまたカチオン性パントテニールアルコール誘導体が挙げられる。
【0136】
本発明による組成物を含有する組成物または化粧品もしくは薬学的調製物はまた、美白作用を有する活性化合物を含有することができ、化粧品および/または皮膚病の用途において適切または慣習的である任意の美白活性化合物を本発明に従い使用することができる。この関連で有利な美白活性化合物として、中でも美白スチルベン誘導体を含有する、コウジ酸、ヒドロキノン、アルブチン、アスコルビン酸、リン酸マグネシウムアスコルビル、レゾルシノール、カンゾウの根抽出物およびこれらの構成物質グラブリジンまたはリコカルコンA、またはRumexおよびRamulus種からの抽出物、マツ種(ピヌス)からの抽出物またはビチス種からの抽出物が挙げられる。
【0137】
本発明による組成物を含有する組成物または化粧品調製物はまた、皮膚タンニング作用を有する活性化合物を含有することができ、化粧品および/または皮膚病の用途において適切または慣習的である任意の皮膚タンニング活性化合物が使用され得る。ジヒドロキシアセトン(DHA;1,3-ジヒドロキシ-2-プロパノン)を例としてここで述べることができる。DHAはモノマーまたはダイマーのいずれかの形態で提供されてもよく、ダイマーの割合は結晶形態において主要である。
【0138】
本発明による組成物を含有する組成物または化粧品もしくは薬学的調製物はまた、単糖、二糖およびオリゴ糖類、例えば、グルコース、ガラクトース、フルクトース、マンノースおよびラクトースを含有することもできる。
【0139】
本発明による組成物を含有する組成物または化粧品もしくは薬学的調製物はまた植物抽出物を含有することもでき、これらは普通完全な植物を抽出することにより調製されるが、個々の事例は植物の花および/または葉、木材、樹皮もしくは根だけからでも調製される。本発明に従い使用することができる植物抽出物に関しては、特に、Leitfaden zur Inhaltsstoffdeklaration kosmetischer Mittel(Guide to the Declaration of Constituents of Cosmetic Agents)、Industrieverband Korperpflegemittel und Waschmittel e.V.(IKW)(Industrial Association for Toiletries and Detergents)刊、フランクフルト、第3版、44ページから始まる表に列挙された抽出物を参照されたい。特に有利な抽出物として、アロエ、Hamamelis、藻、オーク樹皮、ヤナギソウ、イラクサ、オドリコソウ、ホップ、カモミール、ノコギリソウ、アルニカ、カレンデュラ、ゴボウ根、ツクシ、サンザシ、リンデンブロッサム、キュウリ、アーモンド、松葉、セイヨウトチノキ、ビャクダン、ジュニパー、ココナッツ、マンゴ、アンズ、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ、リンゴ、緑茶、グレープフルーツ種子、小麦、エンバク、オオムギ、セージ、タイム、バジル、ローズマリー、カバノキ、ゼニアオイ、タネツケバナ、ヤナギ樹皮、ハリモクシュク、フキタンポポ、ビロードアオイ、ジンセングおよびショウガ根が挙げられる。これらのうち、特に好ましい抽出物として、アロエベラ、カモミール、藻、ローズマリー、カレンデュラ、ジンセング、キュウリ、セージ、イラクサ、リンデンブロッサム、アルニカおよびHamamelisが挙げられる。2種以上の植物抽出物の混合物もまた利用することができる。前記植物抽出物を調製するために使用することができる抽出薬剤として、水、アルコールおよびこれらの混合物が挙げられる。この文脈において好ましいアルコールは、低級アルコール、例えば、エタノールおよびイソプロパノール、しかし多価アルコール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールおよびブチレングリコールもまた好ましく、具体的には唯一の抽出剤として、および水との混合物として両方好ましい。本発明に従い、植物抽出物は、純粋な形態または希釈形態で使用することができる。
【0140】
本発明による組成物を含有する組成物または化粧品もしくは薬学的調製物はまた、特に結晶性または微結晶性固体、例えば無機マイクロ顔料が本発明による調製物に組み込まれる場合、アニオン性、カチオン性、非イオン性および/または両性の界面活性剤を含有することができる。界面活性剤は、水中に有機、非極性物質を溶解することができる両親媒性物質である。界面活性剤は分子の親水性部分の性質および電荷により一般的に分類される。4つの群がここで分化され得る:アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤および非イオン性界面活性剤。
【0141】
アニオン性界面活性剤は普通、カルボキシレート、スルフェートまたはスルホネート基を官能基として含有する。水溶液中で、これらは酸性または中性媒体中に負荷電の有機イオンを形成する。カチオン性界面活性剤は、第四級アンモニウム基の存在によりほとんど独占的に特徴付けられる。水溶液中で、これらは酸性または中性媒体中で正荷電の有機イオンを形成する。両性界面活性剤はアニオン性基とカチオン性基の両方を含有し、したがってpH値に応じて、水溶液中でアニオン性またはカチオン性の界面活性剤のように挙動する。これらは強酸性媒体中で正電荷を有し、アルカリ性媒体中で負電荷を有する。中性pH領域では、対照的に、これらは両性イオンである。ポリエーテル鎖は非イオン性界面活性剤の典型である。非イオン性界面活性剤は水性媒体中ではイオンを形成しない。
【0142】
有利に使用することができるアニオン性界面活性剤として以下が挙げられる:アシルアミノ酸(およびこれらの塩)、例えば、アシルグルタメート、例えばアシルグルタミン酸ナトリウム、ジ-TEA-パルミトイルアスパルテートおよびカプリル酸/カプリン酸グルタミン酸ナトリウム;アシルペプチド、例えばパルミトイル加水分解乳タンパク質、ココイル加水分解ダイズタンパク質ナトリウムおよびココイル加水分解コラーゲンナトリウム/カリウム;サルコシネート、例えば、ミリストイルサルコシン、ラウロイルサルコシンTEA、ラウロイルサルコシンナトリウムおよびココイルサルコシンナトリウム;タウレート、例えばタウリン酸ラウロイルナトリウムおよびタウリン酸メチルココイルナトリウム;ラクチル酸アシル、例えばラクチル酸ラウロイルおよびラクチル酸カプロイル;アラニネート;カルボン酸および誘導体、例えば、ラウリン酸、ステアリン酸アルミニウム、マグネシウムアルカノレートおよびウンデシル酸亜鉛;エステルカルボン酸、例えば、ステアロイルラクチレートカルシウム、ラウレス-6シトレートおよびPEG-4ラウラミドカルボン酸ナトリウム;エーテルカルボン酸、例えばラウレス-13カルボン酸ナトリウムおよびPEG-6コカミドカルボン酸ナトリウム;リン酸エステルおよび塩、例えば、DEA-オレス-10ホスフェートおよびジラウレス-4リン酸;スルホン酸および塩、例えば、イセチオン酸アシル、例えばココイルイセチオン酸ナトリウム/アンモニウム;アルキルアリールスルホン酸塩;スルホン酸アルキル、例えばココモノグリセリドスルホン酸ナトリウム、オレフィン(C12~14)スルホン酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウムおよびPEG-3コカミド硫酸マグネシウム;スルホスクシネート、例えば、ジオクチルソジウムスルホスクシネート、スルホコハク酸ラウレス二ナトリウム、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウムおよびスルホコハク酸ウンデシレナミドMEA-二ナトリウム;および硫酸エステル、例えば、アルキルエーテル硫酸塩、例えばラウレス硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸マグネシウム、ラウレス硫酸MIPA、ラウレス硫酸TIPA、ミレス硫酸ナトリウムおよびC12~13パレス硫酸ナトリウム、および硫酸アルキル、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウムおよびラウリル硫酸TEA。
【0143】
有利に使用することができるカチオン性界面活性剤として、アルキルアミン、アルキルイミダゾール、エトキシ化アミンおよび第四級界面活性剤が挙げられる。
【0144】
第四級界面活性剤は、4つのアルキル基またはアリール基と共有結合した少なくとも1個のN原子を含有する。これはpH値に関係なく正電荷をもたらす。アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタインおよびアルキルアミドプロピルヒドロキシスルファン(hydroxysulphaine)が有利である。使用されるカチオン性界面活性剤はまた、好ましくは第四級アンモニウム化合物の群、特に塩化ベンジルトリアルキルアンモニウムまたは臭化ベンジルトリアルキルアンモニウム、例えば、塩化ベンジルジメチルステアリルアンモニウム、ならびにアルキルトリアルキルアンモニウム塩、例えば、塩化セチルトリメチルアンモニウムまたは臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムまたは臭化アルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウムまたは臭化ジアルキルジメチルアンモニウム、アルキルアミドエチルトリメチルアンモニウムエーテルスルフェート、アルキルピリジニウム塩、例えば塩化ラウリルピリジニウムまたは塩化セチルピリジニウム、イミダゾリン誘導体およびカチオン性性質の化合物、例えば、アミンオキシド、例えば、アルキルジメチルアミンオキシドまたはアルキルアミノエチルジメチルアミンオキシドから選択することができる。セチルトリメチルアンモニウム塩は特に有利に使用することができる。
【0145】
有利に使用することができる両性界面活性剤として、アシル/ジアルキルエチレンジアミン、例えばアシルアンホ酢酸ナトリウム、アシルアンホジプロピオン酸二ナトリウム、アルキルアンホ二酢酸二ナトリウム、スルホン酸アンホヒドロキシプロピルアシルナトリウム、アシルアンホ二酢酸二ナトリウムおよびアシルアンホプロピオン酸ナトリウム;N-アルキルアミノ酸、例えばアミノプロピルアルキルグルタミド、アルキルアミノプロピオン酸、アルキルイミドジプロピオン酸ナトリウムおよびラウロアンホカルボキシグリシネートが挙げられる。
【0146】
有利に使用することができる非イオン性界面活性剤として、アルコール;アルカノールアミド、例えば、コカミドMEA/DEA/MIPA、アミンオキシド、例えば、ココアミドプロピルアミンオキシド;カルボン酸の酸化エチレン、グリセロール、ソルビタンまたは他のアルコールとのエステル化により形成されるエステル;エーテル、例えば、エトキシ化/プロポキシ化アルコール、エトキシ化/プロポキシ化エステル、エトキシ化/プロポキシ化グリセロールエステル、エトキシ化/プロポキシ化コレステロール、エトキシ化/プロポキシ化トリグリセリドエステル、エトキシ化/プロポキシ化ラノリン、エトキシ化/プロポキシ化ポリシロキサン、プロポキシ化POEエーテルおよびアルキルポリグリコシド、例えば、ラウリルグルコシド、デシルグリコシドおよびヤシグリコシド;スクロースエステルおよびエーテル;ポリグリセロールエステル、ジグリセロールエステル、モノグリセロールエステル;メチルグルコースエステル、ヒドロキシ酸のエステルが挙げられる。
【0147】
アニオン性および/または両性界面活性剤と、1種または複数の非イオン性界面活性剤との組合せの使用もまた有利である。界面活性物質は、本発明によるヒスタミン放出阻害剤を含有する調製物中に、調製物の乾燥重量に対して1~98%(m/m)の間の濃度で存在することができる。
【0148】
本発明による組成物を含有する組成物または化粧品もしくは薬学的調製物は、局所的用途に適した形態、例えば、ローション剤、水性もしくは水性-アルコール性ゲル、ベシクル分散剤、または単純もしくは複雑な乳剤として(O/W、W/O、O/W/OまたはW/O/W)、液体、半液体もしくは固体、例えば、ミルク、クリーム剤、ゲル剤、クリーム剤-ゲル剤、ペースト剤またはスティック剤へと製剤化することもでき、任意選択でエアゾール剤としてパッケージされてもよいし、ムースもしくはスプレーの形態を取ることもできる。これらの組成物は通常の方法により調製される。
【0149】
乳剤を調製するために、油相は、以下の物質の群から有利に選択することができる:鉱油、ミネラルワックス;脂肪油、脂肪、ワックスならびに他の天然および合成脂肪体、好ましくは脂肪酸と低いC数を有するアルコール、例えば、イソプロパノール、プロピレングリコールもしくはグリセロールとのエステル、または脂肪族アルコールと、低いC数を有するアルカン酸とのもしくは脂肪酸とのエステル;安息香酸アルキル;シリコーン油、例えば、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサンおよびその混合した形態。有利には、3~30個のC原子の鎖長を有する、飽和および/または不飽和、分枝および/または直鎖アルカンカルボン酸と、3~30個のC原子の鎖長を有する、飽和および/または不飽和、分枝および/または直鎖アルコールとのエステル、芳香族カルボン酸と、3~30個のC原子の鎖長を有する、飽和および/または不飽和、分枝および/または直鎖アルコールとのエステルの群からのものを使用することができる。好ましいエステル油として、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、オレイン酸イソプロピル、ステアリン酸n-ブチル、ラウリン酸n-ヘキシル、オレイン酸n-デシル、イソオクチルステアリン酸塩、ステアリン酸イソノニル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、2-エチルヘキシルラウリン酸、ステアリン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、エルカ酸オレイル、オレイン酸エルシル、エルカ酸エルシルならびにこのようなエステルの合成、半合成および天然混合物、例えばホホバ油が挙げられる。
【0150】
油相はまた、分枝および直鎖炭化水素およびワックス、シリコーン油、ジアルキルエーテルを含む群、飽和または不飽和、分枝または直鎖アルコールと、脂肪酸トリグリセリドとを含む群、具体的には8~24、特に12~18個のC原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和、分枝および/または直鎖アルカンカルボン酸のトリグリセロールエステルから有利に選択することもできる。脂肪酸トリグリセリドは、例えば、合成、半合成および天然油、例えばオリーブ油、ヒマワリ油、ダイズ油、ピーナッツ油、ナタネ油、アーモンド油、パーム油、ヤシ油、パーム核油などを含む群から有利に選択することができる。このような油およびワックス構成成分の任意の混和物もまた有利に使用することができる。場合によっては、油相の唯一の脂質成分としてワックス、例えばパルミチン酸セチルを使用することも有利であり、油相は、2-エチルヘキシルイソステアレート、オクチルドデカノール、イソトリデシルイソノナノエート、イソエイコサン、2-ヤシ油脂肪酸エチルヘキシル、C12~15安息香酸アルキル、カプリル酸-カプリン酸トリグリセリドおよびジカプリリルエーテルからなる群から有利に選択される。C12~15安息香酸アルキルと2-エチルヘキシルイソステアレートの混合物、C12~15安息香酸アルキルとイソトリデシルイソノナノエートの混合物ならびにC12~15安息香酸アルキル、2-エチルヘキシルイソステアレートおよびイソトリデシルイソノナノエートの混合物が特に有利である。炭化水素パラフィン油、スクワランおよびスクアレンもまた有利に使用することができる。油相はまた有利には、環式または直鎖シリコーン油を含有するまたはこれから完全になることもできるが、1種または複数のシリコーン油に加えて、他の油相構成成分の追加の含有量が好ましくは使用される。シクロメチコン(例えば、デカメチルシクロペンタシロキサン)をシリコーン油として有利に使用することができる。しかし、他のシリコーン油、例えば、ウンデカメチルシクロトリシロキサン、ポリジメチルシロキサンおよびポリ(メチルフェニルシロキサン)を有利に使用することもできる。シクロメチコンおよびイソトリデシルイソノナノエートと、シクロメチコンおよび2-エチルヘキシルイソステアレートの混合物もまた特に有利である。
【0151】
本発明による組成物を含有し、乳剤の形態で提供される調製物の水相として、低いC数を有するアルコール、ジオールまたはポリオール、およびこれらのエーテル、好ましくはエタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセロール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルまたはモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル、モノエチルまたはモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルまたはモノエチルエーテルおよび類似の生成物、ならびに低いC数を有するアルコール、例えば、エタノール、イソプロパノール、1,2-プロパンジオール、グリセロールおよび特に1種または複数の増粘剤を挙げることができ、増粘剤は、二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、多糖およびこれらの誘導体を含む群、例えば、ヒアルロン酸、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、特に有利には、ポリアクリレートを含む群、好ましくはいわゆるカーボポールを含む群由来のポリアクリレート、例えば、カーボポール型980、981、1382、2984、5984から、それぞれこれら自体でまたは組み合わせて、有利に選択することができる。
【0152】
本発明による組成物を含有し、乳剤の形態で提供される組成物または化粧品もしくは薬学的調製物は、化粧品または薬学的調製物を調製するために当技術分野で一般的に使用される1種または複数の乳化剤を有利に含有する。
【0153】
本発明による組成物を含有する組成物または化粧品もしくは薬学的調製物はまた、化粧品としてまたは薬学的に許容される担体、例えば、当技術分野で一般的に使用される以下のうちの1種を含むことができる(これらに限定されない):ラクトース、ブドウ糖、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ剤、メチルセルロース、メチルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、タルク、ステアリン酸マグネシウム、鉱油など。化粧品または薬学的調製物はまた、上記構成成分に加えて、滑沢剤、湿潤剤、甘味剤、香味剤、乳化剤、懸濁液、保存剤などを含むことができる。適切な薬学的に許容される担体および調製物は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(第19版、1995)に詳細に記載されている。
【0154】
薬学的調製物は、局所的に、経口的にまたは非経口的に投与されてもよい。
【0155】
本発明による薬学的調製物の適切な用量は、例えば、年齢、体重、性別または病気に起因する状態、食物、投与時間、投与経路、排出速度および患者の反応感受性などの要素に応じて様々に処方され得る。
【0156】
本発明による医薬組成物は、単位剤形で、本発明が付随する分野の平均的当業者により簡単に実行され得る方法により、薬学的に許容される担体および/または賦形剤を使用して、製剤化することにより、製造されてもよい。
【0157】
さらなる態様では、本発明は、アベナンスラミドもしくはその類似体、またはアベナンスラミドもしくはその類似体、特にアベナンスラミドAまたはアベナンスラミドLまたはジヒドロアベナンスラミドDを含む組成物の溶解度を改善するための、4-ヒドロキシアセトフェノンの使用に関する。
【0158】
最後に、本発明は、組成物中の、少なくとも1種のアベナンスラミドまたはアベナンスラミド類似体化合物、好ましくはアベナンスラミドAまたはアベナンスラミドLまたはジヒドロアベナンスラミドDの溶解度を改善するための方法であって、4-ヒドロキシアセトフェノンを組成物に加える、方法に関する。
【0159】
本発明は具体的に示され、好ましい変化形を参照して記載されているが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態および詳細における様々な変更を加えることができることを当業者であれば理解している。さらに、本発明は、すべての可能な変化形において、他に具体的に指摘されていない限り、上記に記載されている要素の任意の組合せを包含する。
【0160】
加えて、本発明の特徴または態様がマーカッシュ群の点から記載されているが、当業者であれば、本発明はまたマーカッシュ群のメンバーの任意の個々のメンバーまたは下位群という点からここに記載されていることを認識している。
【0161】
本発明は、以下の実施例を参照してここで詳細に記載されるが、これら実施例は単に本発明の例示であるので、本発明の内容は以下の実施例により、または以下の実施例に限定されるわけではない。
【実施例】
【0162】
実施例1:アベナンスラミドA、B、C、DまたはLおよびジヒドロアベナンスラミドDの溶解度に対する4-ヒドロキシアセトフェノンの影響
【0163】
4-ヒドロキシアセトフェノンと異なる濃度で組み合わせた、溶液中のアベナンスラミドA、B、C、DまたはLおよびジヒドロアベナンスラミドDの溶解度を、4-ヒドロキシアセトフェノンを含まないアベナンスラミドA、B、C、DおよびLの溶液に対して評価した。
【0164】
対応するアベナンスラミドをエタノールまたはグリコール中に予め溶解させた。溶液を撹拌し、60℃に加熱しながら、水および4-ヒドロキシアセトフェノンを加えた。以下の表1により、溶液の外観を22℃で評価した:
【0165】
【0166】
【0167】
異なる溶液の外観が
図1に示されている。
表4:アベナンスラミドLを含む溶液
【表4-a】
4-ヒドロキシアセトフェノンの濃度を増加させると、Avn Lの溶解度が改善されたことが、明確に観察することができた。表4bにあるように、濃度をさらに0.5%まで増加させることにより、透明な溶液を得た。
【表4-b】
【0168】
異なる溶液の外観が
図2aおよび2bに示されている。
【0169】
【0170】
【0171】
【0172】
【0173】
表7:ジヒドロアベナンスラミドDを含む溶液
【表7-a】
【0174】
異なる溶液の外観が
図5aに示されている。
【表7-b】
異なる溶液の外観が
図5bに示されている。
【0175】
【0176】
アベナンスラミドまたはジヒドロアベナンスラミドD溶液への4-ヒドロキシアセトフェノンの添加は、より少ない沈殿と共に、より透明な溶液をもたらすことを表3~表7の結果が明確に示している。
【0177】
特に、アベナンスラミドA(表3)およびアベナンスラミドL(表4b)溶液への、4-ヒドロキシアセトフェノンの0.1または0.5重量%の濃度での添加は、濁度または沈殿のない透明な溶液をもたらす。
【0178】
さらに、特にジヒドロアベナンスラミドD溶液への4-ヒドロキシアセトフェノンの0.5~1.0%の濃度での添加(表7aおよび7b)は、濁度または沈殿のない透明な溶液をもたらす。
【0179】
アベナンスラミドの4-ヒドロキシアセトフェノンに対する好ましい比は、1:1~1:50であり、より好ましい比は1:1.5~1:40であり、好ましいジヒドロアベナンスラミドDの4-ヒドロキシアセトフェノンに対する比は1:0.2~1:2であり、より好ましい比は1:0.5であることも表8の結果はまた示す。
【0180】
実施例2:製剤例
【0181】
【0182】
【0183】
【0184】
【0185】
【0186】
上記香油PO1、PO2、PO3、PO4、またはPO5は、各事例において別々に作業し、以下に提示された調製物/製剤を得た。
【0187】
化粧品調製物/製剤(量はすべての調製物/製剤に対しての重量%)
【0188】
【0189】
【0190】
【0191】
【0192】
【0193】
【0194】
【0195】
【0196】
【0197】
【0198】
【0199】
【0200】
【0201】
【0202】
【0203】
【0204】
【0205】
【0206】
【0207】
【0208】
【0209】
【0210】
【0211】
【0212】
【0213】
【0214】
【0215】
【0216】
【0217】
【0218】
【0219】
【0220】
【0221】
【0222】
【0223】
【0224】
【0225】
【0226】
【0227】
【0228】
【0229】
【0230】
【0231】
【0232】
【0233】
【0234】
【0235】
【0236】
【0237】
【0238】
【表65-1】
【表65-2】
【表65-3】
【表65-4】
【表65-5】
【表65-6】
【表65-7】
【表66】
【表67】
【国際調査報告】