(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-19
(54)【発明の名称】片面式磁気共鳴画像法のためのパルスシーケンスおよび周波数掃引パルス
(51)【国際特許分類】
A61B 5/055 20060101AFI20230412BHJP
G01N 24/08 20060101ALI20230412BHJP
G01N 24/00 20060101ALI20230412BHJP
G01R 33/54 20060101ALI20230412BHJP
【FI】
A61B5/055 370
A61B5/055 331
G01N24/08 510Y
G01N24/00 510Y
G01R33/54
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022554409
(86)(22)【出願日】2021-03-09
(85)【翻訳文提出日】2022-10-28
(86)【国際出願番号】 US2021021461
(87)【国際公開番号】W WO2021183482
(87)【国際公開日】2021-09-16
(32)【優先日】2020-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521355832
【氏名又は名称】プロマクソ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー フランシス デ マトス ゴメス
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ナセブ
【テーマコード(参考)】
4C096
【Fターム(参考)】
4C096AB04
4C096AB07
4C096AC07
4C096AD06
4C096AD07
4C096AD08
4C096AD24
4C096BA24
4C096BB03
4C096CA58
4C096CC26
(57)【要約】
片面式MRIスキャナー、システム、および方法が開示されている。方法は、X軸を画定する第一の掃引周波数パルスを印加することと、Y軸を画定する第二の掃引周波数パルスを印加することと、前記Y軸を画定する第三の掃引周波数パルスを印加することと、-X軸を画定する第四の掃引周波数パルスを印加することと、を含むことができる。第四の掃引周波数パルスの掃引速度は、第三および/または第二の掃引周波数パルスの掃引速度よりも小さい可能性がある。掃引周波数パルスは、チャープパルスとすることができる。周波数掃引DEFTパルスシーケンスは、片面式MRIスキャナーの不均一性に対するより広い帯域幅およびより低い感度の利点を提供することができる。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
片面式磁気撮像装置用の無線周波数パルスを送出するための方法であって、固有の勾配磁場が、第一の軸に対して前記磁気撮像装置から視野内に延在し、前記方法は、
第一の持続時間および第一の掃引速度を有する第一の掃引周波数パルスであって、X軸を画定する前記第一の掃引周波数パルスは、印加することと、
第二の持続時間および第二の掃引速度を有する第二の掃引周波数パルスを印加することであって、前記第二の掃引周波数パルスが第一のY軸を画定する、印加することと、
第三の持続時間および第三の掃引速度を有する第三の掃引周波数パルスを印加することであって、前記第三の掃引周波数パルスが第二のY軸を画定する、印加することと、
第四の持続時間および第四の掃引速度を有する第四の掃引周波数パルスを印加することであって、前記第四の掃引周波数パルスが-X軸を画定し、第四の掃引速度が第三の掃引速度よりも遅い、印加することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記第一の掃引周波数パルスが、第一の持続時間の間、磁化を横断面に回転させるように構成される第一の90度パルスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第二の掃引周波数パルスが、磁化を反転させて、横断面で費やす時間の間に蓄積された任意の位相を巻き戻すように構成される第一の180度パルスを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第三の掃引周波数パルスが、磁化を反転させて、横断面で費やす時間の間に蓄積された任意の位相を巻き戻すように構成される第二の180度パルスを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第四の掃引周波数パルスが、前期磁化を回転させて前記第一の軸に戻すように構成される第二の90度パルスを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記掃引速度が線形速度を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第四の掃引速度は、前記第三の掃引速度の半分である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
各パルスの前記掃引速度が一定である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第一の掃引速度が固定され、前記無線周波数パルスの前記周波数を負から正に増加させる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第一の持続時間、前記第二の持続時間、前記第三の持続時間、および前記第四の持続時間のうちの少なくとも二つは同一である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第一の掃引速度、前記第二の掃引速度、第三の掃引速度、および前記第四の掃引速度のうちの少なくとも二つが同一である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第一の掃引周波数パルスが、第一の励起パルスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第二の掃引周波数パルスが、第一のリフォーカスパルスを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第三の掃引周波数パルスは、第二のリフォーカシングパルスを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第四の掃引周波数パルスが第二の励起パルスを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第一の周波数掃引パルス、前記第二の周波数掃引パルス、前記第三の周波数掃引パルス、および前記第四の周波数掃引パルスが、1メガヘルツ~21メガヘルツの周波数を画定する、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記視野における前記磁場強度が、1テスラ未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記磁場の不均一性が200ppm~200,000ppmである、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
磁気撮像装置であって、
面を備える永久磁石と、
勾配コイルセットと、
電磁石と、
無線周波数コイルであって、固有の勾配磁場が、第一の軸に対して前記磁気撮像装置から視野内に延在し、第一の軸が前記永久磁石の面に垂直である、無線周波数コイルと、
前記無線周波数コイルを制御するように構成される制御回路であって、
第一の持続時間および第一の掃引速度を有する第一の掃引周波数パルスを印加し、前記第一の掃引周波数パルスが前記第一の軸に直交する第二の軸を画定し、
第二の持続時間および第二の掃引速度を有する第二の掃引周波数パルスを印加し、前期第二の掃引周波数パルスが前記第一の軸および前記第二の軸に直交する第三の軸を画定し、
第三の持続時間および第三の掃引速度を有する第三の掃引周波数パルスを印加し、前期第三の掃引周波数パルスが第三の軸を画定し、
ならびに、第四の持続時間および第四の掃引速度を有する第四の掃引周波数パルスを印加し、前期第四の掃引周波数パルスが負の第二の軸を画定し、前期第四の掃引速度が前記第三の掃引速度よりも遅い、制御回路と、を備える、磁気撮像装置。
【請求項20】
前記第一の掃引周波数パルスが、前記第一の持続時間の間、前記磁化を横断面に回転させるように構成される90度パルスを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第二の掃引周波数パルスが、前記磁化を反転させて任意の蓄積された位相を巻き戻すように構成される第一の180度パルスを含む、請求項20に記載の磁気撮像装置。
【請求項22】
前記第三の掃引周波数パルスが、前記磁化を反転させて、任意の蓄積された位相を巻き戻すように構成される第二の180度パルスを含む、請求項21に記載の磁気撮像装置。
【請求項23】
前記第四の掃引周波数パルスが、前期磁化を回転させて前記第一の軸に戻すように構成される第二の90度パルスを含む、請求項22に記載の磁気撮像装置。
【請求項24】
前記第一の掃引周波数パルスはX軸を画定し、前期第二の掃引周波数パルスおよび前記第三の掃引周波数パルスはY軸を画定し、前期第四の掃引周波数パルスは-X軸を画定する、請求項19に記載の磁気撮像装置。
【請求項25】
前記第四の掃引速度が、前記第三の掃引速度の半分である、請求項19に記載の磁気撮像装置。
【請求項26】
前記掃引速度が、各パルス全体にわたって一定である、請求項19に記載の磁気撮像装置。
【請求項27】
前記第一の周波数掃引速度が、前記周波数を高から低に増加させる、請求項26に記載の磁気撮像装置。
【請求項28】
前記第一の持続時間、前記第二の持続時間、前記第三の持続時間、および前記第四の持続時間のうちの少なくとも二つは同一である、請求項19に記載の磁気撮像装置。
【請求項29】
前記第一の掃引速度、前記第二の掃引速度、第三の掃引速度、および前記第四の掃引速度のうちの少なくとも二つは同一である、請求項19に記載の磁気撮像装置。
【請求項30】
前記第一の掃引周波数パルスが、第一の励起パルスを含む、請求項19に記載の磁気撮像装置。
【請求項31】
前記第二の掃引周波数パルスが、第一のリフォーカスパルスを含む、請求項19に記載の磁気撮像装置。
【請求項32】
前記第三の掃引周波数パルスが、第二のリフォーカシングパルスを含む、請求項19に記載の磁気撮像装置。
【請求項33】
前記第四の掃引周波数パルスが、第二の励起パルスを含む、請求項19に記載の磁気撮像装置。
【請求項34】
前記無線周波数コイルが、1メガヘルツ~21メガヘルツの周波数を有するパルスを送出するように構成される、請求項19に記載の磁気撮像装置。
【請求項35】
前記視野における前記磁場強度が、1テスラ未満である、請求項19に記載の磁気撮像装置。
【請求項36】
前記磁場の不均一性が、200ppm~200,000ppmである、請求項19に記載の磁気撮像装置。
【請求項37】
前記無線周波数コイルが、無線周波数送信コイルおよび無線周波数受信コイルを備える、請求項19に記載の磁気撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)に基づき、「SYSTEMS AND METHODS FOR ADAPTING DRIVEN EQUILIBRIUM FOURIER TRANSFORM FOR SINGLE-SIDED MRI」と題する、2020年3月9日に出願された米国仮特許出願第62/987,286号の優先権を主張し、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
片面式磁気共鳴画像法(MRI)スキャンでは、磁石によって生成される磁場は視野内において不均一である。これらの条件下で、MRIシステムによって生成される画像は、不十分なコントラストまたは信号対雑音比(SNR)を示す可能性がある。
【0003】
強制平衡フーリエ変換(DEFT)は、無線周波数(RF)パルスシーケンスであり、長いT1を有する核の平衡磁化は、横方向磁化をリサイクルすることによって急速に復元される。平衡を駆動することによって、SNRを犠牲にすることなく、迅速に撮像することが可能となる。
【発明の概要】
【0004】
本開示の一態様では、片面式磁気撮像装置の無線周波数パルスを送出する方法は、第一の持続時間および第一の掃引速度を有する第一の掃引周波数パルスを印加することであって、第一の掃引周波数パルスがX軸を画定する、印加することと、第二の持続時間および第二の掃引速度を有する第二の掃引周波数パルスを印加することであって、第二の掃引周波数パルスが第一のY軸を画定する、印加することと、第三の持続時間および第三の掃引速度を有する第三の掃引周波数パルスを印加することであって、第三の掃引周波数パルスが第二のY軸を画定する、印加することと、第四の持続時間および第四の掃引速度を有する第四の掃引周波数パルスを印加することであって、第四の掃引周波数パルスが-X軸を画定し、第四の掃引速度が第三の掃引速度よりも遅い、印加することと、を含む。
【0005】
本開示の別の態様では、磁気撮像装置は、面を備える永久磁石と、勾配コイルセットと、電磁石と、無線周波数コイルであって、固有の勾配磁場が、第一の軸に対して磁気撮像装置から視野内に延在し、第一の軸が永久磁石の面に垂直である、無線周波数コイルと、を備える。磁気撮像装置はさらに、無線周波数コイルを制御するように構成される制御回路であって、第一の持続時間および第一の掃引速度を有する第一の掃引周波数パルスを印加し、第一の掃引周波数パルスが第一の軸に直交する第二の軸を画定し、第二の持続時間および第二の掃引速度を有する第二の掃引周波数パルスを印加し、第二の掃引周波数パルスが第一の軸および第二の軸に直交する第三の軸を画定し、第三の持続時間および第三の掃引速度を有する第三の掃引周波数パルスを印加し、第三の掃引周波数パルスが第三のY軸を画定し、第四の持続時間および第四の掃引速度を有する第四の掃引周波数パルスを印加し、第四の掃引周波数パルスが負の第二軸を画定し、第四の掃引速度が第三の掃引速度よりも遅い、制御回路、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
様々な態様の新規の特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載されている。しかし、構成および操作方法の両方に関して説明される態様は、添付の図面と併せて以下の説明を参照することによって最もよく理解されることができる。
【0007】
【
図1】
図1は、本開示の様々な態様による、MRIスキャナーの斜視図である。
【0008】
【
図2】
図2は、
図1のMRIスキャナーの分解斜視図であり、本開示の様々な態様による、ハウジング内の永久磁石アセンブリおよび勾配コイルセットが露出している。
【0009】
【
図3】
図3は、本開示の様々な態様による、
図1のMRIスキャナーの立面図である。
【0010】
【
図4】
図4は、本開示の様々な態様による、
図1のMRIスキャナーの立面図である。
【0011】
【
図5】
図5は、本開示の様々な態様による、
図1のMRIスキャナーの永久磁石アセンブリの斜視図である。
【0012】
【
図6】
図6は、本開示の様々な態様による、
図1に示すMRIシステムの勾配コイルセットおよび永久磁石アセンブリの立面図である。
【0013】
【
図7】
図7は、本開示の様々な態様による、特定の外科手術および外科的処置のための片面式MRIスキャナーによる撮像のための患者の例示的体位である。
【0014】
【
図8】
図8は、本開示の様々な態様による、片面式MRIシステムの制御概略図である。
【0015】
【
図9】
図9は、本開示の様々な態様による、DEFTの掃引周波数パルスシーケンスの図である。
【0016】
【
図10】
図10は、本開示の様々な態様による、掃引周波数パルスの代表的なグラフである。
【0017】
【
図11】
図11は、本開示の様々な態様による、DEFTの掃引周波数パルスシーケンスの流れ図である。
【0018】
添付の図面は、縮尺通りに描かれることを意図していない。対応する参照文字は、いくつかの図の全体を通して対応する部分を示す。明確にするために、全ての構成要素が全ての図面に表示されているわけではない。本明細書に記載の例示は、本発明のいくつかの実施形態を一形態で例示し、このような例示は、いかなる方法でも本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0019】
出願人はまた、「PHASE ENCODING WITH FREQUENCY SWEEP PULSES FOR MAGNETIC RESONANCE IMAGING IN INHOMOGENEOUS MAGNETIC FIELDS」と題する2021年3月9日に出願の国際特許出願を所有しており、これは、「SYSTEMS AND METHODS FOR LIMITING k-SPACE TRUNCATION IN A SINGLE-SIDED MRI SCANNER」と題する2020年3月9日に出願の米国仮特許出願第62/987,292号の優先権を主張し、これらは両方とも参照によりそれぞれの全体が本明細書に組み込まれる。
【0020】
以下の国際特許出願は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
・ 「SYSTEMS AND METHODS FOR ULTRALOW FIELD RELAXATION DISPERSION」と題する2020年2月14日に出願の国際出願PCT/US2020/018352、現国際公開WO2020/168233、
・ 「SYSTEMS AND METHODS FOR PERFORMING MAGNETIC RESONANCE IMAGING」と題する2020年2月24日に出願の国際出願PCT/US2020/019530、現国際公開WO2020/172673、
・ 「PSEUDO-BIRDCAGE COIL WITH VARIABLE TUNING AND APPLICATIONS THEREOF」と題する2020年2月24日に出願の国際出願PCT/US2020/019524、現国際公開WO2020/172672、
・ 「SINGLE-SIDED FAST MRI GRADIENT FIELD COILS AND APPLICATIONS THEREOF」と題する2020年3月25日に出願の国際出願PCT/US2020/024776、現国際公開WO2020/198395、
・ 「SYSTEMS AND METHODS FOR VOLUMETRIC ACQUISITION IN A SINGLE-SIDED MRI SYSTEM」と題する2020年3月25日に出願の国際出願PCT/US2020/024778、現国際公開WO2020/198396、
・ 「SYSTEMS AND METHODS FOR IMAGE RECONSTRUCTIONS IN MAGNETIC RESONANCE IMAGING」と題する2020年6月25日に出願の国際出願PCT/US2020/039667、現国際公開WO2020/264194、
・ 「MRI-GUIDED ROBOTIC SYSTEMS AND METHODS FOR BIOPSY」と題する2021年1月22日に出願の国際出願PCT/US2021/014628、および
・ 「RADIO FREQUENCY RECEPTION COIL NETWORKS FOR SINGLE-SIDED MAGNETIC RESONANCE IMAGING」と題する2021年2月19日に出願の国際出願PCT/US2021/018834。
【0021】
「PUNILATERAL MAGNETIC RESONANCE IMAGING SYSTEM WITH APERTURE FOR INTERVENTIONS AND METHODOLOGIES FOR OPERATING SAME」と題する2018年12月13日に公開の米国特許出願公開第2018/0356480号は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0022】
MRIシステムおよび方法の様々な態様を詳細に説明する前に、例示的な実施例は、添付の図面および説明に例示される部品の構成および配置の詳細への適用または使用に限定されないことに留意されたい。例示的な実施例は、他の態様、変形、および修正で実施または組み込まれてもよく、様々な方法で実施または実行されてもよい。さらに、特に明記しない限り、本明細書で使用される用語および表現は、読者の便宜のために例示的な実施例を説明する目的で選択されており、その限定を目的とするものではない。また、以下に記載の態様、態様の表現、および/または実施例のうちの一つまたは複数は、他の以下に記載の態様、態様の表現、および/または実施例のうちのいずれかの一つまたは複数と組み合わせることができることが理解されよう。
【0023】
様々な態様によれば、磁石の面からオフセットされることができる固有の撮像領域を含むことができるMRIシステムが提供される。このようなオフセットおよび片面式のMRIシステムは、従来のMRIスキャナーと比較して制限が少ない。さらに、この形状因子は、対象領域全体に広範囲の磁場の値を作リ出す、組み込まれたまたは固有の磁場勾配を有することができる。換言すると、固有の磁場は不均一であってもよい。片面式MRIシステムの対象領域における磁場強度の不均一性は、百万分率で200(ppm)を超える可能性がある。例えば、片面式MRIシステムの対象領域における磁場強度の不均一性は、200ppm~200,000ppmとすることができる。本開示の様々な態様では、対象領域における不均一性は、1,000ppmを超える場合があり、10,000ppmを超える場合がある。一例では、対象領域における不均一性は、81,000ppmであってもよい。
【0024】
固有の磁場勾配は、MRIスキャナー内の永久磁石によって生成されることができる。片面式MRIシステムの対象領域における磁場強度は、例えば1テスラ(T)未満とすることができる。例えば、片面式MRIシステムの対象領域における磁場強度は、0.5T未満であることができる。他の例では、磁場強度は、1Tを超える可能性があり、例えば1.5Tである場合がある。このシステムは、一般的なMRIシステムと比較して低い磁場強度で動作できるため、RXコイルの設計上の制約が緩和され、および/または、例えばロボット工学などの追加の機構がMRIスキャナーで使用されることができる。例示的なMRI誘導ロボットシステムはさらに、例えば、「MRI-GUIDED ROBOTIC SYSTEMS AND METHODS FOR BIOPSY」と題する2021年1月22日に出願の国際出願PCT/US2021/014628に記載されている。
【0025】
前述のように、DEFTは、横方向磁化を再利用することにより、長いT1を有する核の平衡磁化が急速に回復するRFパルスシーケンスである。平衡を駆動することによって、SNRを犠牲にすることなく、迅速に撮像することが可能となる。均質な磁場では、DEFTパルスシーケンスは、主磁石アセンブリ(例えば、永久磁石)から横断面内に延在する長手方向軸から磁場を回転させるように構成される励起RFパルスと、その後、横断面から長手方向軸に戻るように磁場を再位相するように構成されるリフォーカスRFパルスと、を備える。DEFTは、例えば、平衡状態の定常自由歳差運動シークエンスと同様に機能する。
【0026】
片面式MRIシステムでは、磁石によって生成される磁場は非常に不均一である可能性がある(例えば、約81,000ppm)。これらの条件下で、MRIシステムによって生成される画像は、不十分なコントラストまたはSNRを示す可能性がある。
【0027】
不均一な磁場における核磁気共鳴スペクトルおよび磁気共鳴画像を効果的に収集するためのシステムおよび方法が本明細書に記載されている。不均一な磁場、例えば片面式MRIスキャナーから生じる磁場は、磁場を、片面式MRIスキャナーおよびその永久磁石から対象の領域内に延在する長手方向軸に対して横断面内に回転させると、位相分散の増加を引き起こす可能性がある。位相分散は最小限にすべきである。例えば、片面式MRIおよび他の不均一な磁場に対する改良されたDEFTパルスシーケンスは、位相分散を調整し、コントラストまたはSNRを改善することができる。様々な例では、より高品質な画像は、より短い時間で収集されることができる。
【0028】
最初に、熱平衡での磁化(M)は、片面式MRIスキャナーから対象領域内に延在する長手方向軸、またはZ軸に沿って存在する。Y軸に沿った第一のRF励起パルス(例えば、第一の90度パルス)の印加は、MをX-Y平面内へと傾ける。片面式MRIスキャナーおよびその他の不均一な磁場では、不均一性はその後、磁化を位相緩和させる。この位相緩和は、第一のリフォーカスRFパルス(例えば、第一の180度パルス)でリフォーカスされてエコーを形成することができる。第一のリフォーカスRFパルスの後、第二のRFリフォーカスパルス(例えば、第二の180度パルス)で、そして、残留磁化をZ軸に戻す第二の励起RFパルス(例えば、第二の90度駆動平衡パルス)で、再び磁化をリフォーカスすることができる。第二の90度パルスがない場合、磁化は、スピン-スピン緩和T2および不均一なブロードニングT2*の結果として減衰するであろう。第二の90度励起RFパルスでは、残留横方向磁化がZ軸に保持され、信号回復をスピードアップする。
【0029】
DEFTは、均一な磁場を有するシステム、および従来的または単一周波数のRFパルスで一般的に使用される。単一周波数RFパルスは、また、「ハード」パルスと呼ばれる場合がある。DEFTを片面式MRIシステムおよび不均一な磁場に適合させることは、DEFTシークエンスで使用されるRFパルスの帯域幅を拡大することを必要とする場合がある。様々な態様によれば、周波数掃引RFパルス、またはチャープパルスを、単一周波数RFパルスの代わりに使用することができる。周波数掃引DEFTシーケンスでデータを収集することによって、単一のエコーのチャープシーケンスと比較して、より高品質な画像をより少ない時間で収集することができる。
【0030】
図1~6は、MRIスキャナー100およびその構成要素を示す。
図1および2に示すように、MRIスキャナー100は、凹状で埋め込まれた、面または前面125を有するハウジング120を備える。他の態様では、ハウジング120の面は平坦で平面状であってもよい。前面125は、MRIスキャナーによって撮像される対象物に面することができる。
図1および2に示すように、ハウジング120は、永久磁石アセンブリ130、RF送信コイル(TX)140、勾配コイルセット150、電磁石160、およびRF受信コイル(RX)170を備える。他の例では、ハウジング120は、電磁石160を備えない場合がある。さらに、特定の例では、RF受信コイル170およびRF送信コイル140は、組み合わされたTx/Rxコイルアレイに組み込まれてもよい。
【0031】
主に
図3~5を参照すると、永久磁石アセンブリ130は、磁石のアレイを備える。永久磁石アセンブリ130を形成する磁石のアレイは、MRIスキャナー100の前面125、または患者に面する表面を覆うように構成され(
図3を参照)、
図4では水平バーで示される。永久磁石アセンブリ130は、並列構成で複数の円筒形永久磁石を備える。主に
図5を参照すると、永久磁石アセンブリ130は、ブラケット134によって保持される平行板132を備える。システムは、ブラケット136でMRIスキャナー100のハウジング120に取り付けられることができる。平行板132には複数の穴138が存在することができる。例えば、永久磁石アセンブリ130は、希土類ベースの磁性材料、例えばネオジム系磁性材料、を含むがこれらに限定されない、任意の好適な磁性材料を含むことができる。
【0032】
永久磁石アセンブリ130は、アクセス開口部またはボア135を画定し、これによりハウジング120の反対側からハウジング120を通って患者にアクセスすることができる。本開示の他の態様では、ハウジング120内に永久磁石アセンブリを形成する永久磁石のアレイは、ボアがなくても、およびそれを通して画定されるボアがない永久磁石の途切れないまたは連続する配置を画定してもよい。さらに他の例では、ハウジング120内の永久磁石のアレイは、それを通して一つまたは複数のボア/アクセス開口部を形成することができる。
【0033】
本開示の様々な態様によれば、永久磁石アセンブリ130は、
図1に示される、Z軸に沿う対象領域190に磁場B0を提供する。Z軸は、永久磁石アセンブリ130に対して垂直である。別の言い方をすれば、Z軸は、永久磁石アセンブリ130の中心から延在し、磁場B0の方向を永久磁石アセンブリ130の面から離れる方向に画定する。Z軸は主磁場B0方向を画定できる。主磁場B0は、Z軸に沿って、すなわち、永久磁石アセンブリ130の面からさらに遠く、
図1の矢印で示される方向に、固有の勾配で減少することができる。
【0034】
一つの態様では、永久磁石アセンブリ130の対象領域190における磁場の不均一性は、約81,000ppmであることができる。別の態様では、永久磁石アセンブリ130の対象領域190における磁場強度の不均一性は、200ppm~200,000ppmであることができ、場合によっては1,000ppmを超え、多くの場合には10,000ppmを超える場合がある。
【0035】
一つの態様では、永久磁石アセンブリ130の磁場強度は、1T未満であることができる。別の態様では、永久磁石アセンブリ130の磁場強度は、0.5T未満であることができる。他の例では、永久磁石アセンブリ130の磁場強度は、1Tを超える場合があり、例えば、1.5Tであってもよい。主に
図1を参照すと、Y軸はZ軸から上下に伸び、X軸はZ軸から左右に伸びる。X軸、Y軸、およびZ軸は全て互いに直交しており、各軸の正の方向は、
図1の対応する矢印によって示されている。
【0036】
RF送信コイル140は、RF波形および関連する電磁場を送出するように構成される。RF送信コイル140からのRFパルスは、永久磁石130によって生成される磁化を、永久磁場(例えば、直交面)の方向に対して直交する、B1と呼ばれる実効磁場を生成することによって、回転させるように構成される。
【0037】
主に
図3を参照すると、勾配コイルセット150は、二つの勾配コイルセット152、154を備える。勾配コイルセット152、154は、永久磁石アセンブリ130の面または前面125に、永久磁石アセンブリ130と対象領域190との中間に配置される。各勾配コイルセット152、154は、ボア135の両側にコイル部分を備える。
図1の軸を参照すると、勾配コイルセット154は、例えば、X軸に対応する勾配コイルセットであることができ、勾配コイルセット152は、例えば、Y軸に対応する勾配コイルセットであることができる。2021年3月9日出願の「PHASE ENCODING WITH FREQUENCY SWEEP PULSES FOR MAGNETIC RESONANCE IMAGING IN INHOMOGENEOUS MAGNETIC FIELDS」、および「SYSTEMS AND METHODS FOR LIMITING K-SPACE TRUNCATION IN A SINGLE-SIDED MRI SCANNER」と題する2020年3月9日の出願の米国仮特許出願第62/987,292号にさらに記載されているとおり、勾配コイル152、154は、X軸およびY軸に沿って符号化を可能にすることができ、どちらも参照により本明細書にそれぞれの全体が組み込まれる。
【0038】
図1~6に例示のMRIスキャナー100を使用する様々な態様によれば、患者を、解剖学的スキャンのタイプに応じて、あらゆる異なる位置に配置することができる。
図7は、MRIスキャナー100で骨盤をスキャンする例を示す。スキャンを実施するために、患者210は、切石位で表面上に横たえられる。
図7に例示するように、骨盤スキャンの場合、患者210は、背中をテーブル上に置き、脚を持ち上げてスキャナー100の上部に置くように配置されることができる。骨盤領域は、永久磁石アセンブリ130およびボア135の真正面に配置されることができ、対象領域190は、患者210の骨盤領域内にある。
【0039】
ここで
図8を参照すると、片面式MRIシステム300の制御概略図が示されている。片面式MRIスキャナー100および/またはその構成要素(
図1~6)は、本開示の様々な態様において、MRIシステム300に組み込まれることができる。例えば、撮像システム300は永久磁石アセンブリ308を備え、これは、様々な場合において永久磁石アセンブリ130(
図2~5を参照)と同様であることができる。例えば、撮像システム300はまたRF送信コイル310を備え、これは、RF送信コイル140(
図3を参照)と同様であることができる。さらに、例えば、撮像システム300はRF受信コイル314を備え、これは、RF受信コイル170(
図3を参照)と同様であることができる。様々な態様では、RF送信コイル310および/またはRF受信コイルは、MRIスキャナーのハウジング内に配置されてもよく、場合によっては、RF送信コイル310とRF受信コイル314は組み合わされて統合Tx/Rxコイルになってもよい。
【0040】
片面式MRIシステム300はまた、分光計304と信号通信するコンピューター302を備え、およびコンピューター302と分光計304との間で信号を送受信するように構成される。
【0041】
永久磁石308によって生成される主磁場B0は、永久磁石308から離れる方向に、RF送信コイル310から離れる方向に視野312内に延在する。視野312は、MRIシステム300によって撮像される対象物を収容する。
【0042】
撮像プロセスの間、主磁場B0は視野312内に延在する。実効磁場(B1)の方向は、RFパルスおよびRF送信コイル310からの関連する電磁場に応答して変化する。例えば、RF送信コイル310は、RF信号またはパルスを、視野内の対象物、例えば組織に選択的に送出するように構成される。これらのRFパルスは、試料(例えば、患者の組織)中のスピンが受ける実効磁場を変える。RFパルスがオンの場合、共鳴するスピンが受ける実効磁場は、RFパルスのみであり、静的B0磁場を効果的に打ち消す。RFパルスは、例えば、本明細書にさらに記載されるように、チャープパルスまたは周波数掃引パルスであってもよい。
【0043】
さらに、視野312内の対象物が、RF送信コイル310からのRFパルスで励起される場合、対象物の歳差運動は、誘導電流、またはMR電流を生じさせ、これはRF受信コイル314によって検出される。RF受信コイル314は、励起データをRFプリアンプ316に送出することができる。RFプリアンプ316は、励起データ信号をブーストまたは増幅し、それらを分光計304に送出することができる。分光計304は、記憶、分析、および画像構成のために、励起データをコンピューター302に送信できる。コンピューター302は、例えば、複数の格納された励起データ信号を組み合わせて、画像を生成することができる。
【0044】
分光計304から、RFパワーアンプ306を介してRF送信コイル310に信号を送ることもできる。
【0045】
図9は、時間の経過に伴うDEFTの例示的な掃引周波数パルスシーケンス414の
図400を示す。RFと表示される線に沿ったパルスは、RFパルスの持続時間の間、変化する周波数を有する周波数掃引RFパルスである。G位相と表示される線に沿った位相符号化勾配は、位相符号化を表す。Gスライスと表示される線に沿ったスライス選択勾配は、磁場における永久的な固有勾配を表す。
【0046】
掃引周波数DEFTパルスシーケンス414における第一のRFパルス402は、励起パルスである。第一のRFパルス402は、掃引速度およびパルス持続時間で、Y軸(
図1)に沿った90度掃引周波数パルスとすることができる。掃引周波数DEFTパルスシーケンス414中の第一のRFパルス402は、第一のRFパルス402の開始時に、スライス選択勾配を一定値に増加させることができ、スライス選択勾配は、掃引周波数パルスシーケンス414全体にわたってその一定値を維持することができる。したがって、このスライス選択勾配は、一時的に適用される電磁勾配または永続的な常時オン勾配であることができる。第一のRFパルス402は、電磁場を生成するように構成され、電磁場は、MRIスキャナーの永久磁石アセンブリ308からの磁化(すなわち、固有の勾配磁場B0からの磁化)を90度を回転させ、第一のRFパルス402の持続時間の間、横断面におよび第一の方向に延在することができる。第一のRFパルス402の後に、第一の位相符号化勾配またはパルス410が発生する。
【0047】
掃引周波数DEFTパルスシーケンス414における第二のRFパルス404は、リフォーカスパルスである。第二のRFパルス404は、掃引速度およびパルス持続時間で、X軸(
図1)に沿った180度掃引周波数パルスとすることができる。第二のRFパルス404の掃引速度は、第一のRFパルス402と同じであってもよい。別の態様では、第二のRFパルス404の掃引速度は、第一のRFパルス402とは異なることができる。第二のRFパルス404は、電磁場を生成するように構成され、電磁場は、磁化を180度反転させて、第二のRFパルス404の持続時間の間、第一のRFパルス402の間の方向とは反対の方向に延在することができる。第二のRFパルス404を用いて、その平面においてその時間の間に蓄積される位相分散をリフォーカスさせることができる。
【0048】
掃引周波数DEFTパルスシーケンス414における第三のRFパルス406は、第二のリフォーカスパルスである。第三のRFパルス406は、掃引速度およびパルス持続時間で、X軸(
図1)に沿った別の180度掃引周波数パルスとすることができる。第三のRFパルス404の掃引速度は、第一のRFパルス402および/または第二のRFパルス404と同じであることができる。第三のRFパルス406は、電磁場を生成するように構成され、電磁場は、磁化を180度反転させて、第三のRFパルス406の持続時間の間、第二のRFパルス404の間の方向とは反対の方向に延在することができる。第三のRFパルス406を用いて、その平面においてその時間の間に蓄積される位相分散をリフォーカスさせることができる。第三のRFパルス406の後に、第二の位相符号化勾配またはパルス412が発生する。
【0049】
掃引周波数DEFTパルスシーケンス414における第四のRFパルス408は、第二の励起パルスである。第四のRFパルス408は、掃引速度およびパルス持続時間で、-Y軸(
図1)に沿った90度掃引周波数パルスとすることができる。第四のRFパルス408の掃引速度は、第三のRFパルス406および/または第二のRFパルス404の掃引速度よりも小さい。様々な態様では、第四のRFパルス408の掃引速度は、第三のRFパルス406の掃引速度の半分、および第二のRFパルス406の掃引速度の半分とすることができる。例えば、第二のRFパルス404および第三のRFパルス406の掃引速度は同じとすることができる。第四のRFパルス408は、電磁場を生成するように構成され、電磁場は、磁化を90度回転させて、磁化を、永久磁石アセンブリ308から視野312内に延在する主磁場軸B0との整列に戻す。
【0050】
本明細書に記載のように、掃引周波数DEFTパルスシーケンス414は、本明細書に記載される四つのRFパルス402、404、406、および408からなることができる。別の態様では、掃引周波数パルスシーケンスは、五つ以上のRFパルスを有することができる。例えば、六つのパルスを有する掃引周波数DEFTパルスシーケンスも考えられる。
【0051】
第一のRFパルス402、第二のRFパルス404、および第三のRFパルス406の掃引速度は同じである。他の例では、第一のRFパルス402、第二のRFパルス404、および第三のRFパルス406の掃引速度のうちの少なくとも一つは、他と異なることができる。典型的な掃引速度としては、例えば、200KHz/ms、100KHz/ms、80KHz/ms、40KHz/ms、20KHz/ms、13KHz/ms、10KHz/ms、5KHz/msが挙げられる。
【0052】
さらに、第一のRFパルス402および第四のRFパルス408のパルス持続時間は同じであり、第二のRFパルス404および第三のRFパルス406のパルス持続時間は同じである。第二のRFパルス404および第三のRFパルス406のパルス持続時間は、第一のRFパルス402および第四のRFパルス408のパルス持続時間よりも大きい。他の例では、第一のRFパルス402、第二のRFパルス404、第三のRFパルス406、および第四のRFパルス408のうちの少なくとも一つのパルス持続時間は、他と異なることができる。さらに別の例では、掃引周波数DEFTパルスシーケンス内の全てのパルス持続時間は、同じであってもよい。
【0053】
図9に関して、DEFTパルスシーケンス414は、以下の軸、すなわち第一のパルス402についてはY軸、第二のパルス404についてはX軸、第三のパルス406については再びX軸、および第四のパルス408については-Y軸、に沿って向けられた四つの連続パルスを含む。別の例では、DEFTパルスシーケンス414は、以下の軸、すなわち第一のパルス402についてはX軸、第二のパルス404についてはY軸、第三のパルス406については再びY軸、および第四のパルス408については-X軸、に沿って向けられた四つの連続パルスを含むことができる。同様に、磁化は、第四のパルス408で横断面からZ軸に戻る。あるいは、エコートレイン実験では、X軸パルスの間に三つ以上のY軸パルスがあることになる。
【0054】
ここで
図10を参照すると、掃引周波数パルスまたはチャープパルスの代表的なグラフ500が示されている。グラフ500のパルス周波数は、負から正への周波数増加とすることができる。チャープパルスの周波数は、最小(最低)の所望の周波数から最大(最高)の所望の周波数まで変化することができる。別の例では、掃引周波数パルスは、高から低に掃引することができる。場合によっては、周波数掃引は線形掃引とすることができ、掃引速度は一定とすることができる。別の例では、速度は、例えば、双曲線割線掃引とすることができる。
【0055】
パルスの掃引速度は、パルス内の最高周波数と最低周波数の差を、最高周波数と最低周波数の間で移動するために必要な時間で割ったものである。一態様では、掃引周波数パルスシーケンス414で使用される掃引周波数パルスによってカバーされる周波数範囲は、-20KHz~20KHz、すなわち40KHzの範囲であってもよく、中心周波数はスラブ間で変化する。例えば、スラブは、2.62MHz、2.75MHz、2.65MHz、2.72MHz、2.79MHz、2.69MHzなどを中心とすることができる。2.62MHzを中心とするスラブについては、チャープパルスは2.60MHzから2.64MHz、すなわち40KHzの範囲を掃引することになる。本開示の別の態様では、10KHzの低帯域~200KHz高帯域が、周波数掃引パルスに使用される場合がある。さらに、掃引範囲は、様々な例において40KHz未満とすることができる。スラブはまた、異なる周波数を中心とすることができ、例えば、指定された範囲内の任意の周波数とすることができる。
【0056】
ここで
図11を参照すると、掃引周波数DEFTパルスシーケンス600の流れ図が示されている。プロセスは、602で始まり、Z軸に対して磁気撮像装置の一方の側面から延在する固有の勾配磁場が生成される(
図1)。磁気撮像装置の永久磁石は、例えば、Z軸に沿って磁気撮像装置から離れて垂直に延在する固有の勾配磁場を生成する。604で、90度掃引周波数励起パルスが印加され、これにより、第一の持続時間および掃引速度の間、X軸に沿って延在する電磁場を生成するように構成される。電磁場は、固有の勾配磁場から生じる磁化を変化させ、磁化を横断面内に回転させるように構成される。
【0057】
そして、606では、180度掃引周波数リフォーカスパルスが印加され、これにより、Y軸に沿って電磁場を生成して、横断面における固有の勾配磁場の磁化を反転させるように構成される。606における180度掃引周波数リフォーカスパルスは、第二の持続時間および同じ掃引速度を画定する。そして、608で、第二の180度掃引周波数リフォーカスパルスが印加され、これにより、606でのパルスとは反対の方向にY軸に沿って電磁場を生成して、横断面における固有の勾配磁場の磁化を反転させるように構成される。608における180度掃引周波数リフォーカスパルスは、第三の持続時間および同じ掃引速度を画定する。610では、第二の90度掃引周波数励起パルスが印加され、これにより、604、606、および608における他のパルスの半分の掃引速度で、第四の持続時間、-X軸に沿って延在する電磁場を生成するように構成される。610におけるこのパルスは、固有の勾配磁場からの磁化を横断面からZ軸に戻すように構成される。
【0058】
DEFTパルスシーケンスが従来の単一周波数または「ハード」パルスを使用する場合、Z軸上に磁化を戻すことは比較的単純である。スピン集団は、シーケンス全体に対して良好に画定されたネット位相を有することができる。スピン集団がRFパルスの間に任意の位相を蓄積する場合、典型的には、空間依存性であり、したがって、スピンエコーまたはリフォーカス勾配パルスのいずれかでリフォーカスすることができる。一方で、周波数掃引パルスによって影響されるスピン集団については、周波数掃引パルスの間、スピン集団は、周波数依存性の二次位相を取得する。このような周波数依存性の二次位相は、通常、第一の周波数掃引パルスの二倍の掃引速度を有する別の周波数掃引パルスを除いて巻き戻されることができない。これにより、駆動平衡パルスとして周波数掃引パルスを使用することを困難にすることができる。
【0059】
チャープエコートレイン実験は、交互位相特性を有するエコーを有することで知られている。チャープエコートレイン内のリフォーカスパルスが、トレインの初めに励起パルスの掃引速度の半分を有する場合、それが生成するエコーは、スピンエコーまたはスペクトルエコーのいずれかであることができる。例えば、生成されるいくつかのエコーはスピンエコーであることができ、一方、生成される他のエコーはスペクトルエコーであることができる。したがって、二つの周波数掃引リフォーカスパルスを有する周波数掃引DEFTシーケンスでは、生成される第二のエコーはスペクトルエコーとなる。スペクトルエコーはスピンエコーとは異なり、Z軸上に戻すのが難しいため、これは問題になる可能性がある。スピンエコーとは異なり、スペクトルエコーは、スピン集団の全ての異なる周波数が異なる時間にリフォーカスするエコーの集合である。このスペクトルエコー中の磁化はまた、二次位相を含むことができる。これは、スピン集団が、様々な時間の間にリフォーカスすることができ、またX-Y平面に沿って異なる方向を向くことができることを意味する。したがって、スペクトルエコーのスピンをZ軸上に戻すために、駆動平衡パルスは、リフォーカスする場合、エコーに直交することも、-Zの代わりに+Zに沿って配置するための好適な方位/方向の両方にあることもできる。
【0060】
周波数掃引DEFTパルスシーケンスは、片面式MRIスキャナーの不均一性に対するより広い帯域幅およびより低い感度の利点を提供することができる。第一の励起パルスの後、スピンは、周波数に依存する時間順序で励起される。つまり、一部のスピンは、すでに励起され、ディフェーシングを開始し、他のスピンは後で励起されることができる。第一の励起パルス、例えば、90度周波数掃引パルスの後、スピンは、例えば、周波数および局所的な不均一性に依存する位相を有する。次に、第一のリフォーカスパルス、例えば、180度周波数掃引パルスを使用して、第一の励起パルスの位相をリフォーカスすることができる。これは、第一の励起パルスの周波数に依存する時間順序に従うように設計されることができる。したがって、全てのスピンは、第一のリフォーカスパルス後のある時点で、同時に再び同位相である可能性がある。その後、スピンは再び位相分散を開始することができるが、第二のリフォーカスパルス、例えば、別の180度周波数掃引パルスを用いてリフォーカスすることができ、その結果、全体に二次位相を有するスピン集団が生成する。この二次位相は、第二の励起パルス、例えば、第一および第二のリフォーカスパルスの掃引速度よりも遅い掃引速度を有する90度周波数掃引パルスと一致することができる。少なくとも一つの例では、第二の励起パルスの掃引速度は、第一および第二のリフォーカスパルスの掃引速度の半分とすることができる。このように掃引速度を設定することにより、信号の二次位相が補正され、スピン集団全体がZ軸に戻ることができる。
【実施例】
【0061】
本明細書に記載の主題の様々な態様が、以下の番号の付いた実施例に記載される。
【0062】
実施例1
片面式磁気撮像装置用の無線周波数パルスを送出するための方法であって、固有の勾配磁場が、第一の軸に対して磁気撮像装置から視野内に延在し、方法は、第一の持続時間および第一の掃引速度を有する第一の掃引周波数パルスを印加することであって、第一の掃引周波数パルスはX軸を画定する、印加することと、第二の持続時間および第二の掃引速度を有する第二の掃引周波数パルスを印加することであって、第二の掃引周波数パルスが第一のY軸を画定する、印加することと、第三の持続時間および第三の掃引速度を有する第三の掃引周波数パルスを印加することであって、第三の掃引周波数パルスが第二のY軸を画定する、印加することと、第四の持続時間および第四の掃引速度を有する第四の掃引周波数パルスを印加することであって、第四の掃引周波数パルスが-X軸を画定し、第四の掃引速度が第三の掃引速度よりも遅い、印加することと、を含む、方法。
【0063】
実施例2
第一の掃引周波数パルスは、第一の持続時間の間、磁化を横断面に回転させるように構成される第一の90度パルスを含む、実施例1に記載の方法。
【0064】
実施例3
第二の掃引周波数パルスが、磁化を反転させて、横断面で費やす時間の間に蓄積された任意の位相を巻き戻すように構成される第一の180度パルスを含む、実施例1および2のいずれかに記載の方法。
【0065】
実施例4
第三の掃引周波数パルスが、磁化を反転させて、横断面で費やす時間の間に蓄積される任意の位相を巻き戻すように構成される第二の180度パルスを含む、実施例1、2、および3のいずれか一項に記載の方法。
【0066】
実施例5
第四の掃引周波数パルスが、磁化を回転させて第一の軸に戻すように構成される第二の90度パルスを含む、実施例1、2、3、および4のいずれか一項に記載の方法。
【0067】
実施例6
掃引速度が線形速度を含む、実施例1、2、3、4、および5のいずれか一項に記載の方法。
【0068】
実施例7
第四の掃引速度は、第三の掃引速度の半分である、実施例1、2、3、4、5、および6のいずれか一項に記載の方法。
【0069】
実施例8
各パルスの掃引速度が一定である、実施例1、2、3、4、5、6、および7のいずれか一項に記載の方法。
【0070】
実施例9
第一の掃引速度が固定され、無線周波数パルスの周波数を負から正に増加させる、実施例1、2、3、4、5、6、7、および8のいずれか一項に記載の方法。
【0071】
実施例10
第一の持続時間、第二の持続時間、第三の持続時間、および第四の持続時間のうちの少なくとも二つは同一である、実施例1、2、3、4、5、6、7、8、および9のいずれか一項に記載の方法。
【0072】
実施例11
第一の掃引速度、第二の掃引速度、第三の掃引速度、および第四の掃引速度のうちの少なくとも二つは同一である、実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10のうちのいずれか一項に記載の方法。
【0073】
実施例12
第一の掃引周波数パルスが第一の励起パルスを含む、実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、および11のいずれか一項に記載の方法。
【0074】
実施例13
第二の掃引周波数パルスが第一のリフォーカスパルスを含む、実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、および12のいずれか一項に記載の方法。
【0075】
実施例14
第三の掃引周波数パルスが第二のリフォーカスパルスを含む、実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、および13のいずれか一項に記載の方法であって、
【0076】
実施例15
第四の掃引周波数パルスが第二の励起パルスを含む、実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、および14のいずれか一項に記載の方法。
【0077】
実施例16
第一の周波数掃引パルス、第二の周波数掃引パルス、第三の周波数掃引パルス、および第四の周波数掃引パルスが、1メガヘルツ~21メガヘルツの間の周波数を画定する、実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、および15のいずれか一項に記載の方法。
【0078】
実施例17
視野内の磁場強度が1テスラ未満である、実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、および16のいずれか一項に記載の方法。
【0079】
実施例18
磁場の不均一性が200ppm~200,000ppmの間である、実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、および17のいずれか一項に記載の方法。
【0080】
実施例19
磁気撮像装置であって、磁気撮像装置は、面を備える永久磁石と、勾配コイルセットと、電磁石と、無線周波数コイルであって、固有の勾配磁場が、第一の軸に対して磁気撮像装置から視野内に延在し、第一の軸が永久磁石の面に垂直である、無線周波数コイルと、無線周波数コイルを制御するように構成される制御回路であって、第一の持続時間および第一の掃引速度を有する第一の掃引周波数パルスを印加し、第一の掃引周波数パルスが第一の軸に直交する第二の軸を画定し、第二の持続時間および第二の掃引速度を有する第二の掃引周波数パルスを印加し、第二の掃引周波数パルスが第一の軸および第二の軸に直交する第三の軸を画定し、第三の持続時間および第三の掃引速度を有する第三の掃引周波数パルスを印加し、第三の掃引周波数パルスが第三のY軸を画定し、ならびに、第四の持続時間および第四の掃引速度を有する第四の掃引周波数パルスを印加し、第四の掃引周波数パルスが負の第二軸を画定し、第四の掃引速度が第三の掃引速度よりも遅い、制御回路と、を備える、磁気撮像装置。
【0081】
実施例20
第一の掃引周波数パルスが、第一の持続時間の間、磁化を横断面に回転させるように構成される90度パルスを含む、実施例19に記載の磁気撮像装置。
【0082】
実施例21
第二の掃引周波数パルスは、磁気化を反転させて任意の蓄積された位相を巻き戻すように構成される第一の180度パルスを含む、実施例19および20のいずれか一項に記載の磁気撮像装置。
【0083】
実施例22
第三の掃引周波数パルスは、磁化を反転させて任意の蓄積された位相を巻き戻すように構成される第二の180度パルスを含む、実施例19、20、および21のいずれか一項に記載の磁気撮像装置。
【0084】
実施例23
第四の掃引周波数パルスが、磁化を回転させて第一の軸に戻すように構成される第二の90度パルスを含む、実施例19、20、21、および22のいずれか一項に記載の磁気撮像装置。
【0085】
実施例24
第一の掃引周波数パルスはX軸を画定し、第二の掃引周波数パルスおよび第三の掃引周波数パルスはY軸を画定し、第四の掃引周波数パルスは-X軸を画定する、実施例19、20、21、22、および23のいずれか一項に記載の磁気撮像装置。
【0086】
実施例25
第四の掃引速度は、第三の掃引速度の半分である、実施例19、20、21、22、23および24のいずれか一項に記載の磁気撮像装置。
【0087】
実施例26
掃引速度は、各パルス全体にわたって一定である、実施例19、20、21、22、23、24、および25のいずれか一項に記載の磁気撮像装置。
【0088】
実施例27
第一の周波数掃引速度は、周波数を高から低に増加させる、実施例19、20、21、22、23、24、25、および26のいずれか一項に記載の磁気撮像装置。
【0089】
実施例28
第一の持続時間、第二の持続時間、第三の持続時間、および第四の持続時間のうちの少なくとも二つは同一である、実施例19、20、21、22、23、24、25、26、および27のいずれか一項に記載の磁気撮像装置。
【0090】
実施例29
第一の掃引速度、第二の掃引速度、第三の掃引速度、および第四の掃引速度のうちの少なくとも二つは同一である、実施例19、20、21、22、23、24、25、26、27、および28のいずれか一項に記載の磁気撮像装置。
【0091】
実施例30
第一の掃引周波数パルスが第一の励起パルスを含む、実施例19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、および29のいずれか一項に記載の磁気撮像装置。
【0092】
実施例31
第二の掃引周波数パルスが第一のリフォーカスパルスを含む、実施例19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30のいずれか一項に記載の磁気撮像装置。
【0093】
実施例32
第三の掃引周波数パルスは第二のリフォーカスパルスを含む、実施例19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、および31のいずれか一項に記載の磁気撮像装置。
【0094】
実施例33
第四の掃引周波数パルスは第二の励起パルスを含む、実施例19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、および32のいずれか一項に記載の磁気撮像装置。
【0095】
実施例34
無線周波数コイルが、1メガヘルツ~21メガヘルツの間の周波数を有するパルスを送出するように構成される、実施例19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、および33のいずれか一項に記載の磁気撮像装置。
【0096】
実施例35
視野内の磁場強度が1テスラ未満である、実施例19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、および34のいずれか一項に記載の磁気撮像装置。
【0097】
実施例36
磁場の不均一性が、200ppm~200,000ppmの間である、実施例19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、および35のいずれか一項に記載の磁気撮像装置。
【0098】
実施例37
無線周波数コイルが無線周波数送信コイルおよび無線周波数受信コイルを含む、実施例19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、45、および36のいずれか一項に記載の磁気撮像装置。
【0099】
いくつかの形態が例示および説明されているが、添付の特許請求の範囲をそのような詳細に制限または限定することは出願人の意図ではない。それらの形態に対する多数の修正、変形、変更、置換、組み合わせ、およびそれらの形態の等価物が実施されてもよく、本開示の範囲から逸脱することなく、当業者によって想到されるであろう。さらに、記載された形態に関連する各要素の構造は、代替的に、要素によって実行される機能を提供するための手段として説明されることができる。また、特定の構成要素について材料が開示されている場合、他の材料を使用することができる。したがって、前述の説明および添付の特許請求の範囲は、すべてのこのような修正、組み合わせ、および変形を、開示される形態の範囲内に含まれるものとして網羅することを意図するものであることを理解するべきである。添付の特許請求の範囲は、すべてのこのような修正、変形、変更、置換、修正、および等価物を網羅することを意図している。
【0100】
前述の詳細な説明は、ブロック図、フローチャート、および/または実施例を使用することにより、デバイスおよび/またはプロセスの様々な形態を記載してきた。このようなブロック図、フローチャート、および/または実施例が一つまたは複数の機能および/または動作を含む場合、このようなブロック図、フローチャート、および/または実施例の各機能および/または動作は、個々のおよび/または集合的に、多様なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、または実質的に任意のそれらの組み合わせによって実行されることができることを、当業者によって理解されるであろう。当業者は、本明細書に開示される形態のいくつかの態様は、全体的または部分的に、一つまたは複数のコンピューター上で稼働する一つまたは複数のコンピュータプログラムとして(例えば、一つまたは複数のコンピュータシステム上で稼働する一つまたは複数のプログラムとして)、一つまたは複数のプロセッサーで稼働する一つまたは複数のプログラムとして(例えば、一つまたは複数のマイクロプロセッサで稼働する一つまたは複数のプログラムとして)、ファームウェアとして、または実質的にそれらの任意の組み合わせとして、集積回路に同等に実装されることができることと、回路を設計すること、および/またはソフトウェアおよび/またはファームウェアのためのコードを書くこととは、本開示に照らして当業者の技能の範囲内で十分であろうことを認識するであろう。さらに、当業者は、本明細書に記載の主題の機構が、様々な形態で一つまたは複数のプログラム製品として分配されることができ、本明細書に記載の主題の例示的な形態が、実際に分配を実行するために使用される特定のタイプの信号担持媒体にかかわらず適用されることを理解するであろう。
【0101】
ロジックをプログラムして様々な開示された態様を実行するために使用される命令は、システム内のメモリ、例えばダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、キャッシュ、フラッシュメモリ、または他のストレージ内に格納されることができる。さらに、命令は、ネットワークを介して、または他のコンピューター可読媒体を介して分配することができる。したがって、機械可読媒体は、機械(例えば、コンピューター)によって可読可能な形式で情報を格納または伝達するための任意の機構、例えばフロッピーディスク、光ディスク、コンパクトディスク、読み取り専用メモリ(CD-ROM)、および磁気光ディスク、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EEPROM)、磁気もしくは光学カード、フラッシュメモリ、または、電気的、光学的、音響的、または他の形式の伝搬信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号等)を介してインターネットを介した情報の伝達に使用される有形の機械可読ストレージ、を含むことができるが、これらに限定されない。したがって、非一時的なコンピューター可読媒体は、機械(例えば、コンピューター)によって読み出し可能な形式で電子命令または情報を格納または伝達するのに好適な任意のタイプの有形の機械可読媒体を含む。
【0102】
本明細書の任意の態様で使用される場合、用語「制御回路」は、例えば配線された回路、プログラム可能な回路(例えば、一つまたは複数の個々の命令処理コアを含むコンピュータープロセッサーと、処理ユニット、プロセッサー、マイクロコントローラー、マイクロコントローラーユニット、コントローラー、デジタル信号プロセッサー(DSP)、プログラム可能論理装置(PLD)、プログラム可能論理アレイ(PLA)、またはフィールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGA)、ステートマシン回路、プログラム可能回路によって実行される命令を格納するファームウェア、およびそれらの任意の組み合わせを指すことができる。制御回路は、集合的にまたは個別に、より大きなシステム、例えば、集積回路(IC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、システムオンチップ(SoC)、デスクトップコンピューター、ラップトップコンピューター、タブレットコンピューター、サーバー、スマートフォン等の一部を形成する回路として具現化されることができる。したがって、本明細書で使用する場合、「制御回路」は、少なくとも一つのディスクリート電気回路を有する電気回路と、少なくとも一つの集積回路を有する電気回路と、少なくとも一つの特定用途向け集積回路を有する電気回路と、コンピュータプログラムによって構成される汎用コンピューティングデバイス(例えば、本明細書に記載のプロセスおよび/もしくはデバイスを少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成される汎用コンピューター、または本明細書に記載のプロセスおよび/もしくはデバイスを少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成されるマイクロプロセッサ)を形成する電気回路と、メモリデバイスを形成する電気回路(例えば、ランダムアクセスメモリの形式)と、およびに/または通信デバイスを形成する電気回路(例えば、モデム、通信スイッチ、または光電気機器)と、を含むが、これらに限定されない。当業者は、本明細書に記載の主題が、アナログもしくはデジタル方式またはそれらのいくつかの組み合わせで実行されることができることを認識するであろう。
【0103】
本明細書の任意の態様で使用する場合、用語「ロジック」は、前述の動作のいずれかを実行するように構成されるアプリ、ソフトウェア、ファームウェア、および/または回路を指す場合がある。ソフトウェアは、ソフトウェアパッケージ、コード、命令、命令セット、および/または非一時的コンピューター可読記憶媒体に記録されたデータとして具現化されることができる。ファームウェアは、メモリデバイス内でハードコードされた(例えば、不揮発性の)コード、命令もしくは命令セット、および/またはデータとして具現化されることができる。
【0104】
本明細書の任意の態様で使用する場合、用語「構成要素」、「システム」、「モジュール」等は、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせ、ソフトウェア、または実行中のソフトウェアのいずれかである、コンピューター関連の実体を指すことができる。
【0105】
本明細書の任意の態様で使用する場合、「アルゴリズム」とは、所望の結果につながる工程の自己無撞着シーケンスを指し、「工程」とは、必ずしも必要ではないが、格納、伝達、結合、比較、およびその他の方法で操作できる電気または磁気信号の形態をとることができる物理量および/または論理状態の操作を指す。これらの信号をビット、値、要素、記号、文字、用語、数字等と呼ぶのが一般的な使用法である。これらの用語および類似の用語は、好適な物理量と関連付けられてもよく、これらの量および/または状態に適用される単に便利な表示である。
【0106】
ネットワークは、パケット交換ネットワークを含む場合がある。通信デバイスは、選択されたパケット交換ネットワーク通信プロトコルを使用して互いに通信することができる可能性がある。一例の通信プロトコルは、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)を使用して通信を可能にすることができるイーサネット通信プロトコルを含むことができる。イーサネットプロトコルは、2008年12月に発行された「IEEE 802.3 Standard」と題する米国電気電子学会(IEEE)によって公開されたイーサネット規格、および/またはこの規格のそれ以降のバージョンに準拠しても、または互換性があってもよい。代替的にまたは追加的に、通信デバイスは、X.25通信プロトコルを使用して相互に通信することができる。X.25通信プロトコルは、国際電気通信連合電気通信標準化部門(ITU-T)によって公表された規格に準拠しても、または互換性があってもよい。代替的にまたは追加的に、通信デバイスは、フレームリレー通信プロトコルを使用して互いに通信することができる。フレームリレー通信プロトコルは、国際電信電話諮問委員会(CCITT)および/または米国規格協会(ANSI)によって公表された規格に準拠しても、または互換性があってもよい。代替的にまたは追加的に、トランシーバは、非同期転送モード(ATM)通信プロトコルを使用して互いに通信することができる。ATM通信プロトコルは、「ATM-MPRS Network Interworking 2.0」と題する2001年8月にATMフォーラムによって公開されたATM規格、および/または本規格のそれ以降のバージョンに準拠しても、または互換性があってもよい。もちろん、異なる、および/または後に開発されたコネクション型ネットワーク通信プロトコル、本明細書で同様に考えられる。
【0107】
特に記載のない限り、前述の開示から明らかなように、前述の開示全体を通じて、「処理する」、「計算する」、「算出する」、「決定する」、「表示する」などの用語を使用する考察は、コンピュータシステムのレジスタおよびメモリ内で物理(電子的)量として表現されるデータを、コンピュータシステムのメモリもしくはレジスタまたは他のこのような情報ストレージ、伝達もしくは表示装置内で物理量として同様に表現される他のデータへと操作し変換する、コンピュータシステムまたは類似の電子計算装置の動作および処理を指していることが理解される。
【0108】
本明細書では、一つまたは複数の構成要素は、「構成される」、「構成可能な」、「動作可能/動作可能な」、「適応/適応可能な」、「可能」、「適合/適合する」等と言及される場合がある。当業者は、文脈上別段の必要がない限り、「構成される」は、通常、アクティブ状態の構成要素および/または非アクティブ状態の構成要素および/またはスタンバイ状態の構成要素を包含することができることを認識するであろう。
【0109】
用語「近位」および「遠位」は、本明細書では、外科用器具のハンドル部分またはハウジングを操作する臨床医を基準にして使用される。用語「近位」は、臨床医におよび/またはロボットアームに最も近い部分を指し、用語「遠位」は、臨床医および/またはロボットアームから離れた所に位置する部分を指す。さらに、便宜上および明確にするために、空間用語、例えば、「垂直」、「水平」、「上」、および「下」が、図面に関して本明細書で使用されることができることが理解されよう。ただし、ロボット手術器具は多くの向きと位置で使用されており、これらの用語は限定的および/または絶対的なものであることを意図するものではない。
【0110】
当業者は、一般的に、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、通常「オープンな」用語として意図されていること(例えば、用語「含む」は、「含むがこれに限定されない」と解釈されるべきであり、用語「有する」は、「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、用語「備える」は「備えるがこれに限定されない」と解釈されるべきである、等)を認識するであろう。導入された請求項に記載の特定の数が意図されている場合、このような意図は請求項に明示的に記載され、このような記載がない場合、このような意図は存在しないことが当技術分野の人々によってさらに理解されるであろう。例えば、理解の助けとして、以下の添付の特許請求の範囲は、請求項の記載を導入するための導入句「少なくとも一つ」および「一つまたは複数」の使用を含む場合がある。しかし、このような語句の使用は、同じ請求項が導入句「一つまたは複数」または「少なくとも一つ」および不定冠詞、例えば「a」または「an」(例えば、「a」および/または「an」は一般的に、「少なくとも一つ」または「一つまたは複数」を意味すると解釈されるべきである)を含む場合でも、不定冠詞「a」または「an」による請求項の記載の導入は、このように導入された請求項の記載を含む任意の特定の請求項を、このような記載を一つだけ含む請求項に制限する、ことを意味するものと解釈されるべきではない。同じことが、請求項の記載を導入するために使用される定冠詞の使用にも当てはまる。
【0111】
さらに、導入された請求項に記載の特定の数が明示的に記載されている場合でも、当業者は、このような記載は通常、少なくとも記載された数を意味すると解釈するべきである(例えば、他の修飾語のない、「二つの記載」だけの記載は、通常、少なくとも二つの記載、または二つ以上の記載を意味する)ことを認識するであろう。さらに、「A、B、およびC等のうちの少なくとも一つ」に類似する慣例が使用されるそれら例では、一般的に、そのような構成は、当業者が慣例(例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも一つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの併用、AとCの併用、BとCの併用、および/またはA、B、およびCの併用等、を有するシステムを備えるが、これらに限定されないであろう)を理解するであろうという意味で意図されている。「A、B、およびC等のうちの少なくとも一つ」に類似する慣例が使用されるそれらの例では、一般的に、そのような構成は、当業者が慣例(例えば、「A、B、またはCのうちの少なくとも一つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの併用、AとCの併用、BとCの併用、および/またはA、B、およびCの併用等、を有するシステム」を備えるが、これらに限定されないであろう)を理解するであろうという意味で意図されている。説明、特許請求の範囲、または図面のいずれにおいて、通常、二つ以上の代替的な用語を提示する離接的な単語および/または語句は、文脈上別段の指示がない限り、用語のうちの一つ、用語のうちのいずれか、または両方の用語を含む可能性を考慮すると理解されるべきことは、当業者にさらに理解されるであろう。例えば、語句「AまたはB」は、通常は、「A」または「B」または「AおよびB」の可能性を含むと理解されるであろう。
【0112】
添付の特許請求の範囲に関して、当業者は、その中に記載される工程が一般的に概ね任意の順序で実行されてもよいことを理解するであろう。また、様々な工程フロー図が順番に示されているが、様々な工程は、例示されたもの以外の順序で実行されてもよく、または同時に実行されてもよいことは言うまでもない。このような代替的順序の例としては、文脈上別段の指示がない限り、重複、断続、中断、再順序付け、増加、予備、補足、同時、逆、またはその他の変形の順序付けが挙げられる。さらに、文脈上別段の指示がない限り、「応答する」、「関連する」、または他の過去形の形容詞等のような用語は、通常、このような変形を除外することを意図していない。
【0113】
「一態様」、「態様」、「例」、「一例」等への言及は、その態様に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が少なくとも一つの態様に含まれることを意味することに留意されたい。したがって、本明細書全体の処々で見られる句「一態様では」、「態様では」、「例では」、および「一例示では」は、必ずしも全てが同じ態様を指すとは限らない。さらに、特定の特徴、構造または特性を、一つまたは複数の態様では任意の好適な方法で組み合わせてもよい。
【0114】
本明細書で言及されている、および/または出願データシートに記載されている特許出願、特許、非特許公開、または他の開示資料は、組み込まれた資料が本明細書と矛盾しない範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。そのため、および必要な範囲で、本明細書に明示的に記載の本開示は、参照により本明細書に組み込まれるいかなる矛盾する資料に優先する。あらゆる資料またはその一部は、参照により本明細書に組み込まれると言われているが、本明細書に記載されている既存の定義、論述、または他の開示資料と矛盾するあらゆる資料またはその一部は、その組み込まれた資料と既存の開示資料との間にいかなる矛盾も生じない範囲でのみ、組み込まれることになる。
【0115】
要約すると、本明細書に記載の概念を採用することから生じる多くの利点が説明されている。一つまたは複数の形態の前述の説明は、例示および説明の目的で提示されている。これは開示されている正確な形式を網羅または限定することを意図したものではない。上記の教示の観点から、修正または変形が可能である。一つまたは複数の形態は、原理および実際の適用を説明するために選択および説明され、それにより当業者が、様々な修正を加えた様々な形態を、企図される特定の用途に好適なものとして利用することができる。本明細書と共に提出される特許請求の範囲は、全体的な範囲を定義することを意図している。
【手続補正書】
【提出日】2022-11-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
片面式磁気撮像装置用の無線周波数パルスを送出するための方法であって、固有の勾配磁場が、第一の軸に対して前記磁気撮像装置から視野内に延在し、前記方法は、
第一の持続時間および第一の掃引速度を有する第一の掃引周波数パルスであって、X軸を画定する前記第一の掃引周波数パルスは、印加することと、
第二の持続時間および第二の掃引速度を有する第二の掃引周波数パルスを印加することであって、前記第二の掃引周波数パルスが第一のY軸を画定する、印加することと、
第三の持続時間および第三の掃引速度を有する第三の掃引周波数パルスを印加することであって、前記第三の掃引周波数パルスが第二のY軸を画定する、印加することと、
第四の持続時間および第四の掃引速度を有する第四の掃引周波数パルスを印加することであって、前記第四の掃引周波数パルスが-X軸を画定し、第四の掃引速度が第三の掃引速度よりも遅い、印加することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記第一の掃引周波数パルスが、第一の持続時間の間、磁化を横断面に回転させるように構成される第一の90度パルスを含
み、
前記第二の掃引周波数パルスが、磁化を反転させて、横断面で費やす時間の間に蓄積された任意の位相を巻き戻すように構成される第一の180度パルスを含み、
前記第三の掃引周波数パルスが、磁化を反転させて、横断面で費やす時間の間に蓄積された任意の位相を巻き戻すように構成される第二の180度パルスを含み、
前記第四の掃引周波数パルスが、前期磁化を回転させて前記第一の軸に戻すように構成される第二の90度パルスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記掃引速度が線形速度を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第四の掃引速度は、前記第三の掃引速度の半分である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
各パルスの前記掃引速度が一定である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第一の掃引速度が固定され、前記無線周波数パルスの前記周波数を負から正に増加させる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第一の持続時間、前記第二の持続時間、前記第三の持続時間、および前記第四の持続時間のうちの少なくとも二つは同一である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第一の掃引速度、前記第二の掃引速度、第三の掃引速度、および前記第四の掃引速度のうちの少なくとも二つが同一である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第一の掃引周波数パルスが、第一の励起パルスを含
み、
前記第二の掃引周波数パルスが、第一のリフォーカスパルスを含み、
前記第三の掃引周波数パルスは、第二のリフォーカシングパルスを含み、
前記第四の掃引周波数パルスが第二の励起パルスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第一の周波数掃引パルス、前記第二の周波数掃引パルス、前記第三の周波数掃引パルス、および前記第四の周波数掃引パルスが、1メガヘルツ~21メガヘルツの周波数を画定する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記視野における前記磁場強度が、1テスラ未満であり、
前記磁場の不均一性が200ppm~200,000ppmである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
磁気撮像装置であって、
面を備える永久磁石と、
勾配コイルセットと、
電磁石と、
無線周波数コイルであって、固有の勾配磁場が、第一の軸に対して前記磁気撮像装置から視野内に延在し、第一の軸が前記永久磁石の面に垂直である、無線周波数コイルと、
前記無線周波数コイルを制御するように構成される制御回路であって、
第一の持続時間および第一の掃引速度を有する第一の掃引周波数パルスを印加し、前記第一の掃引周波数パルスが前記第一の軸に直交する第二の軸を画定し、
第二の持続時間および第二の掃引速度を有する第二の掃引周波数パルスを印加し、前期第二の掃引周波数パルスが前記第一の軸および前記第二の軸に直交する第三の軸を画定し、
第三の持続時間および第三の掃引速度を有する第三の掃引周波数パルスを印加し、前期第三の掃引周波数パルスが第三の軸を画定し、
ならびに、第四の持続時間および第四の掃引速度を有する第四の掃引周波数パルスを印加し、前期第四の掃引周波数パルスが負の第二の軸を画定し、前期第四の掃引速度が前記第三の掃引速度よりも遅い、制御回路と、を備える、磁気撮像装置。
【請求項13】
前記第一の掃引周波数パルスが、前記第一の持続時間の間、前記磁化を横断面に回転させるように構成される90度パルスを含
み、
前記第二の掃引周波数パルスが、前記磁化を反転させて任意の蓄積された位相を巻き戻すように構成される第一の180度パルスを含み、
前記第三の掃引周波数パルスが、前記磁化を反転させて、任意の蓄積された位相を巻き戻すように構成される第二の180度パルスを含み、
前記第四の掃引周波数パルスが、前期磁化を回転させて前記第一の軸に戻すように構成される第二の90度パルスを含む、請求項
12に記載の磁気撮像装置。
【請求項14】
前記第一の掃引周波数パルスはX軸を画定し、前期第二の掃引周波数パルスおよび前記第三の掃引周波数パルスはY軸を画定し、前期第四の掃引周波数パルスは-X軸を画定する、請求項
12に記載の磁気撮像装置。
【請求項15】
前記第四の掃引速度が、前記第三の掃引速度の半分である、請求項
12に記載の磁気撮像装置。
【請求項16】
前記掃引速度が、各パルス全体にわたって一定である、請求項1
2に記載の磁気撮像装置。
【請求項17】
前記第一の周波数掃引速度が、前記周波数を高から低に増加させる、請求項1
6に記載の磁気撮像装置。
【請求項18】
前記第一の持続時間、前記第二の持続時間、前記第三の持続時間、および前記第四の持続時間のうちの少なくとも二つは同一である、請求項
12に記載の磁気撮像装置。
【請求項19】
前記第一の掃引速度、前記第二の掃引速度、第三の掃引速度、および前記第四の掃引速度のうちの少なくとも二つは同一である、請求項
12に記載の磁気撮像装置。
【請求項20】
前記第一の掃引周波数パルスが、第一の励起パルスを含
み、
前記第二の掃引周波数パルスが、第一のリフォーカスパルスを含み、
前記第三の掃引周波数パルスが、第二のリフォーカシングパルスを含み、
前記第四の掃引周波数パルスが、第二の励起パルスを含む、請求項
12に記載の磁気撮像装置。
【請求項21】
前記無線周波数コイルが、1メガヘルツ~21メガヘルツの周波数を有するパルスを送出するように構成される、請求項
12に記載の磁気撮像装置。
【請求項22】
前記視野における前記磁場強度が、1テスラ未満であ
り、
前記磁場の不均一性が、200ppm~200,000ppmである、請求項
12に記載の磁気撮像装置。
【請求項23】
前記無線周波数コイルが、無線周波数送信コイルおよび無線周波数受信コイルを備える、請求項
12に記載の磁気撮像装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0115
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0115】
要約すると、本明細書に記載の概念を採用することから生じる多くの利点が説明されている。一つまたは複数の形態の前述の説明は、例示および説明の目的で提示されている。これは開示されている正確な形式を網羅または限定することを意図したものではない。上記の教示の観点から、修正または変形が可能である。一つまたは複数の形態は、原理および実際の適用を説明するために選択および説明され、それにより当業者が、様々な修正を加えた様々な形態を、企図される特定の用途に好適なものとして利用することができる。本明細書と共に提出される特許請求の範囲は、全体的な範囲を定義することを意図している。
なお、国際出願時の明細書は、以下の項目を包含している。
[1]片面式磁気撮像装置用の無線周波数パルスを送出するための方法であって、固有の勾配磁場が、第一の軸に対して前記磁気撮像装置から視野内に延在し、前記方法は、
第一の持続時間および第一の掃引速度を有する第一の掃引周波数パルスであって、X軸を画定する前記第一の掃引周波数パルスは、印加することと、
第二の持続時間および第二の掃引速度を有する第二の掃引周波数パルスを印加することであって、前記第二の掃引周波数パルスが第一のY軸を画定する、印加することと、
第三の持続時間および第三の掃引速度を有する第三の掃引周波数パルスを印加することであって、前記第三の掃引周波数パルスが第二のY軸を画定する、印加することと、
第四の持続時間および第四の掃引速度を有する第四の掃引周波数パルスを印加することであって、前記第四の掃引周波数パルスが-X軸を画定し、第四の掃引速度が第三の掃引速度よりも遅い、印加することと、を含む、方法。
[2]前記第一の掃引周波数パルスが、第一の持続時間の間、磁化を横断面に回転させるように構成される第一の90度パルスを含む、[1]に記載の方法。
[3]前記第二の掃引周波数パルスが、磁化を反転させて、横断面で費やす時間の間に蓄積された任意の位相を巻き戻すように構成される第一の180度パルスを含む、請求項2に記載の方法。
[4]前記第三の掃引周波数パルスが、磁化を反転させて、横断面で費やす時間の間に蓄積された任意の位相を巻き戻すように構成される第二の180度パルスを含む、請求項3に記載の方法。
[5]前記第四の掃引周波数パルスが、前期磁化を回転させて前記第一の軸に戻すように構成される第二の90度パルスを含む、[4]に記載の方法。
[6]前記掃引速度が線形速度を含む、[1]に記載の方法。
[7]前記第四の掃引速度は、前記第三の掃引速度の半分である、[1]に記載の方法。
[8]各パルスの前記掃引速度が一定である、[1]に記載の方法。
[9]前記第一の掃引速度が固定され、前記無線周波数パルスの前記周波数を負から正に増加させる、[1]に記載の方法。
[10]
前記第一の持続時間、前記第二の持続時間、前記第三の持続時間、および前記第四の持続時間のうちの少なくとも二つは同一である、[1]に記載の方法。
[11]前記第一の掃引速度、前記第二の掃引速度、第三の掃引速度、および前記第四の掃引速度のうちの少なくとも二つが同一である、[1]に記載の方法。
[12]前記第一の掃引周波数パルスが、第一の励起パルスを含む、[1]に記載の方法。
[13]前記第二の掃引周波数パルスが、第一のリフォーカスパルスを含む、[12]に記載の方法。
[14]前記第三の掃引周波数パルスは、第二のリフォーカシングパルスを含む、[13]に記載の方法。
[15]前記第四の掃引周波数パルスが第二の励起パルスを含む、[14]に記載の方法。
[16]前記第一の周波数掃引パルス、前記第二の周波数掃引パルス、前記第三の周波数掃引パルス、および前記第四の周波数掃引パルスが、1メガヘルツ~21メガヘルツの周波数を画定する、[1]に記載の方法。
[17]前記視野における前記磁場強度が、1テスラ未満である、[1]に記載の方法。
[18]前記磁場の不均一性が200ppm~200,000ppmである、[1]に記載の方法。
[19]磁気撮像装置であって、
面を備える永久磁石と、
勾配コイルセットと、
電磁石と、
無線周波数コイルであって、固有の勾配磁場が、第一の軸に対して前記磁気撮像装置から視野内に延在し、第一の軸が前記永久磁石の面に垂直である、無線周波数コイルと、
前記無線周波数コイルを制御するように構成される制御回路であって、
第一の持続時間および第一の掃引速度を有する第一の掃引周波数パルスを印加し、前記第一の掃引周波数パルスが前記第一の軸に直交する第二の軸を画定し、
第二の持続時間および第二の掃引速度を有する第二の掃引周波数パルスを印加し、前期第二の掃引周波数パルスが前記第一の軸および前記第二の軸に直交する第三の軸を画定し、
第三の持続時間および第三の掃引速度を有する第三の掃引周波数パルスを印加し、前期第三の掃引周波数パルスが第三の軸を画定し、
ならびに、第四の持続時間および第四の掃引速度を有する第四の掃引周波数パルスを印加し、前期第四の掃引周波数パルスが負の第二の軸を画定し、前期第四の掃引速度が前記第三の掃引速度よりも遅い、制御回路と、を備える、磁気撮像装置。
[20]前記第一の掃引周波数パルスが、前記第一の持続時間の間、前記磁化を横断面に回転させるように構成される90度パルスを含む、[19]に記載の方法。
[21]前記第二の掃引周波数パルスが、前記磁化を反転させて任意の蓄積された位相を巻き戻すように構成される第一の180度パルスを含む、[20]に記載の磁気撮像装置。
[22]前記第三の掃引周波数パルスが、前記磁化を反転させて、任意の蓄積された位相を巻き戻すように構成される第二の180度パルスを含む、[21]に記載の磁気撮像装置。
[23]前記第四の掃引周波数パルスが、前期磁化を回転させて前記第一の軸に戻すように構成される第二の90度パルスを含む、[22]に記載の磁気撮像装置。
[24]前記第一の掃引周波数パルスはX軸を画定し、前期第二の掃引周波数パルスおよび前記第三の掃引周波数パルスはY軸を画定し、前期第四の掃引周波数パルスは-X軸を画定する、[19]に記載の磁気撮像装置。
[25]前記第四の掃引速度が、前記第三の掃引速度の半分である、[19]に記載の磁気撮像装置。
[26]前記掃引速度が、各パルス全体にわたって一定である、[19]に記載の磁気撮像装置。
[27]前記第一の周波数掃引速度が、前記周波数を高から低に増加させる、[26]に記載の磁気撮像装置。
[28]前記第一の持続時間、前記第二の持続時間、前記第三の持続時間、および前記第四の持続時間のうちの少なくとも二つは同一である、[19]に記載の磁気撮像装置。
[29]前記第一の掃引速度、前記第二の掃引速度、第三の掃引速度、および前記第四の掃引速度のうちの少なくとも二つは同一である、[19]に記載の磁気撮像装置。
[30]前記第一の掃引周波数パルスが、第一の励起パルスを含む、[19]に記載の磁気撮像装置。
[31]前記第二の掃引周波数パルスが、第一のリフォーカスパルスを含む、[19]に記載の磁気撮像装置。
[32]前記第三の掃引周波数パルスが、第二のリフォーカシングパルスを含む、[19]に記載の磁気撮像装置。
[33]前記第四の掃引周波数パルスが、第二の励起パルスを含む、[19]に記載の磁気撮像装置。
[34]前記無線周波数コイルが、1メガヘルツ~21メガヘルツの周波数を有するパルスを送出するように構成される、[19]に記載の磁気撮像装置。
[35]前記視野における前記磁場強度が、1テスラ未満である、[19]に記載の磁気撮像装置。
[36]
前記磁場の不均一性が、200ppm~200,000ppmである、[19]に記載の磁気撮像装置。
[37]前記無線周波数コイルが、無線周波数送信コイルおよび無線周波数受信コイルを備える、[19]記載の磁気撮像装置。
【国際調査報告】