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特表2023-516486電力供給網のためのトポロジー及び相検出
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-19
(54)【発明の名称】電力供給網のためのトポロジー及び相検出
(51)【国際特許分類】
   H02J 13/00 20060101AFI20230412BHJP
【FI】
H02J13/00 301B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022554484
(86)(22)【出願日】2021-02-26
(85)【翻訳文提出日】2022-11-04
(86)【国際出願番号】 US2021019993
(87)【国際公開番号】W WO2021183305
(87)【国際公開日】2021-09-16
(31)【優先権主張番号】16/815,707
(32)【優先日】2020-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513113895
【氏名又は名称】ランディス・ギア イノベーションズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LANDIS+GYR INNOVATIONS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(72)【発明者】
【氏名】カルドソ,ルーベン イー サラサール
(72)【発明者】
【氏名】デッカー,デイビッド
【テーマコード(参考)】
5G064
【Fターム(参考)】
5G064AA01
5G064AC09
5G064CA03
5G064CB08
5G064DA03
(57)【要約】
配電システムのトポロジー及び相情報を検出するためのシステムが提供される。例えば、本システムは、配電システムに接続されたメーターのグループを含み、メッシュネットワークのようなローカルネットワーク接続を介して互いに通信可能である。メーターの各々は、電圧データを生成してメーターのグループの相関器に送信するように構成される。相関器は、受信された電圧データに基づいて、グループにおける各メーターペアの間の相関を計算し、さらに、計算された相関を、メッシュネットワークを介してマッパーに送信する。マッパーは、受信された相関に基づいて、少なくともメーターのグループの間のトポロジー又は相の関係を決定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配電システムにおける複数のメーターの間の関係を発見するシステムであって、上記システムは、
上記配電システムに接続され、異なる地理的な位置に配置された複数のメーターであって、通信ネットワークを介して互いに通信可能に接続され、上記メーターにおいて取得されたデータサンプルを生成及び送信するようにそれぞれ構成された複数のメーターと、
上記通信ネットワークを介して上記複数のメーターに通信可能に接続された相関器と、
上記通信ネットワークを介して上記複数のメーターに通信可能に接続されたマッパーとを備え、
上記相関器は、
上記複数のメーターから上記データサンプルを受信し、
上記複数のメーターから受信されたデータサンプルに基づいて、上記複数のメーターの間の相関を計算し、
上記計算された相関を、上記通信ネットワークを介して送信するように構成され、
上記マッパーは、
上記相関器から上記通信ネットワークを介して上記計算された相関を受信し、
上記計算された相関に基づいて、少なくとも上記複数のメーターの間の関係を決定するように構成される、
システム。
【請求項2】
上記相関器は、
上記複数のメーターからデータサンプルを収集するための条件が発生したと決定し、
上記条件が満たされたと決定したことに応答して、上記複数のメーターにデータサンプルの要求を送信するようにさらに構成され、
上記複数のメーターのうちの各メーターは、
上記データサンプルの要求を受信し、
上記メーターによって検出された未処理のセンサ値を処理して上記メーターのデータサンプルを生成し、
上記通信ネットワークを介して上記データサンプルを送信するようにさらに構成される、
請求項1記載のシステム。
【請求項3】
上記未処理のセンサ値を処理して上記メーターのデータサンプルを生成することは、各予め決められた時間区間内において上記メーターによって検出された未処理のセンサ値を平均することを含み、
上記データサンプルは、予め決められた個数の平均されたセンサ値を含む、
請求項2記載のシステム。
【請求項4】
上記複数のメーターから上記データサンプルを収集するための条件は、予め決められた時点に達したことを含む、
請求項2記載のシステム。
【請求項5】
上記複数のメーターから上記データサンプルを収集するための条件は、上記相関器によって取得された第1のデータサンプルと、上記相関器によって以前に取得された第2のデータサンプルとの間の差が、サンプル変化のしきい値を越えることを含む、
請求項2記載のシステム。
【請求項6】
上記相関器はメーターを備え、
上記相関器は、上記相関器及び上記複数のメーターの間の相関を計算するようにさらに構成される、
請求項1記載のシステム。
【請求項7】
上記マッパーは、メーター、ルーター、又はコレクタのうちの少なくとも1つを備える、
請求項1記載のシステム。
【請求項8】
上記マッパーは、
上記複数のメーターのデータサンプルと、第2の複数メーターのデータサンプルとを受信し、
上記複数のメーターのデータサンプル及び上記第2の複数メーターのデータサンプルに基づいて、上記複数のメーター及び上記第2の複数のメーターの間の相関を計算し、
上記計算された相関に基づいて、上記複数のメーター及び上記第2の複数のメーターにおける複数のメーターの間の関係を決定するようにさらに構成される、
請求項1記載のシステム。
【請求項9】
2つのメーターの間の上記関係は、上記2つのメーターの変圧器への接続を示す、上記2つのメーターの間の電気的接続関係と、上記配電システムの相への上記2つのメーターの接続を示す、上記2つのメーターの間の相の関係との1つ又は複数を含む、
請求項1記載のシステム。
【請求項10】
上記相関器は、上記通信ネットワークを介して、上記相関器を相関器として識別するメッセージを送信するようにさらに構成され、
上記マッパーは、上記通信ネットワークを介して、上記マッパーをマッパーとして識別するメッセージを送信するようにさらに構成される、
請求項1記載のシステム。
【請求項11】
上記データサンプルは電圧データサンプルを含む、
請求項1記載のシステム。
【請求項12】
メーターを含む配電システムの複数のメーターの間の関係を発見するための上記メーターによって実行される方法であって、上記方法は、
上記複数のメーターを通信可能に接続するローカル無線ネットワークを介して、上記メーターを相関器として識別するメッセージを送信することと、
データサンプルを生成及び送信するための条件が満たされたと決定することと、
上記ローカル無線ネットワークを介して、上記複数のメーターのうちの他のメーターにデータサンプルの要求を送信することと、
上記ローカル無線ネットワークを介して、上記複数のメーターのうちの上記他のメーターから上記データサンプルを受信することと、
上記複数のメーターから受信されたデータサンプルに基づいて、上記複数のメーターの間の各メーターペアに関するサンプル相関を計算することと、
上記計算されたサンプル相関を、上記ローカル無線ネットワークを介してマッパーに送信することで、上記複数のメーターの間の関係を決定することとを含む、
方法。
【請求項13】
上記条件が満たされたと決定したことに応答して、上記メーターによって検出された未処理のセンサデータを処理して上記メーターのデータサンプルを生成すること
をさらに含む、
請求項12記載の方法。
【請求項14】
上記データサンプルは、個々の時間区間内における上記未処理のセンサデータを平均して、平均されたサンプルを生成することで生成され、
上記データサンプルは、予め決められた個数の平均されたセンサ値を含む、
請求項13記載の方法。
【請求項15】
上記データサンプルは電圧データサンプルを含む、
請求項12記載の方法。
【請求項16】
上記複数のメーターの間の関係は、上記複数のメーターの間の電気的接続関係と、上記複数のメーターの間の相の関係との1つ又は複数を含む、
請求項12記載の方法。
【請求項17】
配電網に接続された複数のメーターの間の関係を発見するためのマッパーノードによって実行される方法であって、上記方法は、
上記複数のメーター及び上記マッパーノードを通信可能に接続する通信ネットワークを介して、上記複数のメーターからデータサンプルを受信することと、
上記通信ネットワークを介して、上記複数のメーターのうちの第1のメーターのグループの間の第1の相関の集合と、第2のメーターのグループの間の第2の相関の集合とを受信することとを含み、
上記第1の相関の集合及び上記第2の相関の集合は、上記複数のメーターによって生成されたデータサンプルに基づいて計算され、
上記方法は、
上記複数のメーターのデータサンプルに基づいて、上記複数のメーターのうちの上記第1のメーターのグループと、上記複数のメーターのうちの上記第2のメーターのグループとの間の第3の相関の集合を計算すること、
上記第1の相関の集合、上記第2の相関の集合、及び上記第3の相関の集合に基づいて、上記複数のメーターの間の関係を決定することとを含む、
方法。
【請求項18】
上記マッパーノードは、メーター、ルーター、又はコレクタのうちの少なくとも1つを備える、
請求項17記載の方法。
【請求項19】
上記マッパーノードを上記複数のメーターに宣伝するメッセージを、上記通信ネットワークを介して送信すること
をさらに含む、
請求項17記載の方法。
【請求項20】
上記複数のメーターの間の関係は、上記複数のメーターの間の電気的接続関係と、上記複数のメーターの間の相の関係との1つ又は複数を含む、
請求項17記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、電力供給網に関し、より詳しくは、電力供給網のトポロジー及び相情報の発見及び保守に関する。
【背景技術】
【0002】
公益事業会社は、典型的には、現場に設置された電力メーターの位置と、配電用変圧器への電力メーターの接続性とを手動で追跡する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
大きな公益事業会社にとって、電力メーターの個数は数百万を超え、配電用変圧器の個数は100万に近くなり、これにより、この手動処理は、時間がかかり、エラーの影響を受けやすくなる。また、技術的複雑性、労力、時間制約、コスト、機器利用可能性などに起因して、相情報はめったに記録されない。さらに、電力メーター及び関連付けられた上流アセットの実際の相指定は、進行中の住宅及び商用建設、取り壊し又は修繕、ユーティリティ機器アップグレード、修理、又は保守、災害応答、倒木、嵐などに起因して、時々に変化する可能性がある。同様の問題は、三相配電用変圧器及びそれらに接続された複数の電力メーターにも存在する可能性がある。個々の電力メーターの相は、典型的には記録されないが、電力グリッドにおける相負荷分散の目的で決定される必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
配電システムのトポロジー及び相情報を検出するための装置及び処理のための態様及び実施例が開示される。一実施例では、配電システムにおける複数のメーターの間の関係を発見するシステムは、配電システムに接続され、異なる地理的な位置に配置された複数のメーターと、通信ネットワークを介して複数のメーターに通信可能に接続された相関器と、通信ネットワークを介して複数のメーターに通信可能に接続されたマッパーとを含む。複数のメーターは、通信ネットワークを介して通信可能に接続される。複数のメーターのうちの各メーターは、メーターにおいて取得されたデータサンプルを生成及び送信するように構成される。相関器は、複数のメーターからデータサンプルを受信し、複数のメーターから受信されたデータサンプルに基づいて、複数のメーターの間の相関を計算し、計算された相関を、通信ネットワークを介して送信するように構成される。マッパーは、相関器から通信ネットワークを介して計算された相関を受信し、計算された相関に基づいて、少なくとも複数のメーターの間の関係を決定するように構成される。
【0005】
もう1つの実施例では、メーターを含む配電システムの複数のメーターの間の関係を発見するためのメーターによって実行される方法が提供される。本方法は、複数のメーターを通信可能に接続するローカル無線ネットワークを介して、メーターを相関器として識別するメッセージを送信することと、データサンプルを生成及び送信するための条件が満たされたと決定することと、ローカル無線ネットワークを介して、複数のメーターのうちの他のメーターにデータサンプルの要求を送信することとを含む。本方法は、ローカル無線ネットワークを介して、複数のメーターのうちの他のメーターからデータサンプルを受信することと、複数のメーターから受信されたデータサンプルに基づいて、複数のメーターの間の各メーターペアに関するサンプル相関を計算することと、計算されたサンプル相関を、ローカル無線ネットワークを介してマッパーに送信することで、複数のメーターの間の関係を決定することとを含む。
【0006】
さらにもう1つの実施例では、配電網に接続された複数のメーターの間の関係を発見するためのマッパーノードによって実行される方法が提供される。本方法は、複数のメーター及びマッパーノードを通信可能に接続する通信ネットワークを介して、複数のメーターからデータサンプルを受信することと、通信ネットワークを介して、複数のメーターのうちの第1のメーターのグループの間の第1の相関の集合と、第2のメーターのグループの間の第2の相関の集合とを受信することとを含む。第1の相関の集合及び第2の相関の集合は、複数のメーターによって生成されたデータサンプルに基づいて計算される。本方法は、複数のメーターのデータサンプルに基づいて、複数のメーターのうちの第1のメーターのグループと、複数のメーターのうちの第2のメーターのグループとの間の第3の相関の集合を計算すること、第1の相関の集合、第2の相関の集合、及び第3の相関の集合に基づいて、複数のメーターの間の関係を決定することとをさらに含む。
【0007】
これらの例示的な態様及び特徴は、ここで説明する主題を限定又は定義するためではなく、本願において説明する概念についての理解を支援する実施例を提供するために言及される。ここに説明する主題の他の態様、利点、及び特徴は、本願全体に目を通すことにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の所定の態様に係る配電システムを示すブロック図である。
図2】本開示の所定の態様に係る、配電システムにおけるトポロジー及び相情報を発見するための例示的な動作環境を示すブロック図である。
図3】本開示の所定の態様に係る、同じ変電所に電気的に接続されて互いに通信可能にローカルに接続されている一組のメーターと、メーターによって検出される電圧信号と、一組のメーター間の相関との例を示す。
図4】本開示の所定の態様に係る、メーターの2つのグループ(図3に示すメーターのグループを含む)と、メーターの各グループにおけるメーター間の相関との例を示す。
図5A】本開示の所定の態様によれば、図4に示されるメーターのグループのメッシュネットワーク階層を示す。
図5B】本開示の所定の態様に係る、多層相関器を用いるメッシュネットワーク階層の例を示す。
図6】本開示の所定の態様に係る、配電システムのトポロジー又は相を識別する処理の例を示す。
図7】本願で提示される技術の態様を実装するのに適したメーターの例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の詳細な説明が添付の図面を参照して読まれるとき、さらに理解される。
【0010】
配電システムにおけるアセットのトポロジー及び相情報を検出するためのシステム及び方法が提供される。アセットのトポロジー及び相情報又は関係は、変圧器のような配電構成要素へのメーターの接続を示す電気的接続関係を含んでもよい。アセットのトポロジー及び相情報又は関係は、配電システムの三相へのメーターの接続を示す相の関係をさらに含んでもよい。例えば、センサを備えた配電システムにおけるアセット(例えばメーター)は、配電網の特性パラメータ(例えば、電圧、電流、負荷インピーダンス)を測定するように構成されてもよい。同じ配電構成要素に接続されたアセット(例えば変圧器)は、検出されたデータにおいて同じ変動を観察することができるが、それに対して、異なる構成要素に接続されたアセットは、概して、同じ変動を観察しない。同様に、同じ相に接続されたアセットは、検出されたデータにおいて同じ変動を観察することができるが、それに対して、異なる相に接続されたアセットは、±120度のオフセット又は180度のオフセットのような別個の位相オフセットを有して、検出されたデータの変動を観察するであろう。
【0011】
このように、アセットは、検出されたデータのサンプルを生成し、アセットを接続する無線メッシュネットワークのようなローカルネットワーク接続を介して、データサンプルを分析のために近傍のアセットと共用するように構成されてもよい。近傍のアセットの1つ、典型的には、より大きなメモリ又は処理能力のような、より大きな計算リソースを備えたアセットは、近傍のアセットによって生成されたデータサンプルを収集し、共用されるデータサンプルに対して、統計的相関のような、より高レベルの計算及び分析を実行する相関器として動作してもよい。分析に基づいて、同じ配電構成要素又は同じ相にどのアセットが接続されているかを決定してもよい。配電システムにおける他のアセットに対する近傍のアセットの関係を決定するために、追加の計算パワーを有するもう1つのアセットは、複数の相関器からの複数の相関を組み合わせ、同じ配電構成要素又は同じ相に接続されたアセットを決定するマッパーとして動作してもよい。
【0012】
本開示で説明する技術は、配電システムにおけるアセットのためのトポロジー及び相検出と、アセット及びヘッドエンドシステムの間の通信との効率及び精度を向上させる。データサンプルをヘッドエンドシステムに送信する代わりに、データサンプルを生成してローカルネットワーク接続を介して近傍のアセットと共用するようにアセットを構成することによって、ネットワークにおける通信帯域幅使用は、ローカルトランザクションによって最適化され、ヘッドエンドシステムに対する通信帯域幅要件は大幅に低減される。さらに、計算をアセット間で分散させることにより、余分な計算容量を有するか、さもなければ大部分の時間にアイドルであるアセットを利用することが可能になる。この方法で、処理は、大規模処理動作のためにすべてのデータを(ヘッドエンドシステムのような)単一の場所に送信することなく、非集中型にされてもよく、これにより、データを移動する必要がある距離を短縮する。
【0013】
さらに、データサンプルの分析を、システムにおける様々な相関器及びマッパーに分散させることによって、個々のアセットの計算要件を低減することができる。従来のトポロジー及び相識別アプローチと比較して、本願で提案する識別処理は、人間の介入なしで、自動的かつ周期的に行なうことができる。従って、配電システムのトポロジー及び相情報のより正確かつ最新の検出を達成することができる。
【0014】
下記の説明において、簡単化のために、メーターはアセットの一例として使用され、変圧器は配電構成要素の一例として使用される。電圧データは、アセットによる検出されるデータの一例として使用される。しかしながら、本願において提示した技術がこれらの実施例に限定されず、他のタイプのアセット、配電構成要素、及び検出されたデータにも適用可能であることが理解されるべきである。
【0015】
例示的な動作環境
図1は、本開示のさまざまな態様に係る配電システム100を示すブロック図である。図1において、発電設備110は電力を発生してもよい。発生された電力は、例えば、三相交流(AC)電力であってもよい。三相電源システムにおいて、3つの導体はそれぞれ、共通基準に対して同じ周波数及び電圧振幅の、ただし各々の間に1サイクルの1/3の位相差を有する交流を伝送する。電力は、伝送線路115を介して変電所120に高電圧(例えば、約140~750kV)で伝送されてもよい。
【0016】
変電所120において、ステップダウン変圧器130は、高圧電力を、配電(distribution)又は「中圧(medium voltage)」と呼ばれる、顧客使用により適した電圧レベル、典型的には約13kVまでステップダウンしてもよい。ステップダウンした三相電力は、給電線140a、140b、及び140cを介して配電用変圧器150に伝送されてもよく、配電用変圧器150はさらに電圧をステップダウンしてもよい(例えば、住宅の顧客の場合には120~240V)。各配電用変圧器150および155は、単相及び/又は三相電力を住宅及び/又は商用顧客に伝送してもよい。配電用変圧器150,155から、電力は、電力メーター160を介して顧客に伝送される。電力メーター160は、電力会社によって供給されてもよく、負荷(すなわち顧客構内)及び配電用変圧器150,155の間に接続されてもよい。三相変圧器155は、例えば、通りの正面における3つのラインに電力を供給することで、三相電力を顧客構内に伝送してもよい。いくつかの領域では、単相電力を得るために、顧客構内は、これらのラインのうちの1つにランダムに接続される。このランダム接続又はタップ接続の結果、公益事業者は、どの構内がどの相にあるかを追跡できなくなる。三相電力に加えて、単相電力は、公益事業会社によって発生された三相電力の異なる相から、配電用変圧器150から様々な顧客に伝送されてもよく、その結果、複数の相における不均一な負荷をもたらす。
【0017】
センサ180は、ネットワークの全体にわたって、様々なアセットにおいて分散されてもよい。アセットは、例えば、フィーダ回路、配電用変圧器などを含むが。これらに限定されない。センサ180は、配電システム100の動作をモニタリングするために、様々な回路パラメータ、例えば、周波数、電圧、電流の大きさ、位相角を検出してもよい。図1に示すセンサの位置は単なる例示であり、センサが他の位置に配置されてもよく、追加のセンサ又はより少数のセンサが使用されてもよいことが認識されるべきである。
【0018】
図1から見えることができるように、アセットはそれぞれ、配電システム100の1つ又は複数の相及び1つ又は複数のセグメントに接続されている。本願において提示する開示は、配電システム100におけるアセットのセグメント及び相を自動的に識別することができ、配電システム100の電気的接続(すなわち、どのように、複数の構成要素がともに電気的に有線接続されているか)及び相が経時的に変化したとき、そのような情報を更新することができる。下記の説明は、アセットの一例としてメーターを利用する。説明した技術は、変圧器、発電機、コンタクタ、リクローザ(re-closer)、ヒューズ、スイッチ、道路照明、リプルレシーバ、リプル生成器、キャパシタバンク、バッテリ、同期コンデンサなどのような、センサを備えて構成された他のタイプのアセットにも適用されることが理解されるべきである。
【0019】
図2は、図1に示す配電システム100のような配電システムにおけるトポロジー及び相情報の発見のための例示的な動作環境200を示す。環境200は、配電システムにおけるメーターによって取得された測定データを伝送するために、配電システムに関連付けられたメッシュネットワーク140を含む。メッシュネットワーク140は、配電システム100を介して顧客構内の様々な地理的な位置に配置された複数の電力メーター160又はメーター160を含む。メーター160は、リソース消費量の特性、又は、システムにおける電力使用量に関連する他の特性のような、配電システム100の様々な動作特性を測定するように実装されてもよい。例示的な特性は、平均又は合計の電力消費量、電気信号のピーク電圧、電力サージ、及び負荷変動を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施例では、メーター160は、商用及び産業用(commercial & industrial:C&I)のメーター、住宅のメーター、などを含む。
【0020】
メーター160は、メーター測定データ122として収集又は発生されたデータを、メッシュネットワーク140を介してルートノード114に送信してもよい。メッシュネットワーク140のルートノード114は、メーター160と通信して所定の動作、例えば、メーター112を管理すること、メーター112から測定データ122を収集すること、また、ヘッドエンドシステム104にデータを転送することを行うように構成されてもよい。ルートノード114もまた、それ自体でデータを測定及び処理するノードとして機能するように構成されてもよい。ルートノード114は、ヘッドエンドシステム104と通信することができるパーソナルエリアネットワーク(personal area network:PAN)コーディネータ、ゲートウェイ、又は他の任意の装置であってもよい。
【0021】
ルートノード114は、生成及び収集されたメーター測定データ122を、インターネット、イントラネット、又は他の任意のデータ通信ネットワークのような他のネットワーク170を介して、最終的にヘッドエンドシステム104に送信する。ヘッドエンドシステム104は、ルートノード114からデータストリーム又はメッセージを受信する中央処理システムとして機能してもよい。ヘッドエンドシステム104、又は、公益事業会社に関連付けられた他のシステムは、請求書発行、性能分析、又はトラブルシューティングのような様々な目的で、収集されたデータを処理又は分析してもよい。
【0022】
図2は特定のネットワークトポロジー(例えばDODAGツリー)を示すが、他のネットワークトポロジーもまた可能である(例えば、リングトポロジー、メッシュトポロジー、スタートポロジーなど)ことが理解されるべきである。さらに、下記の説明はメーター112のグループの態様に焦点を合わせているが、本願において説明する技術は、メーター160及びルートノード114を含む、メッシュネットワークにおける任意のメーターによって適用されてもよい。
【0023】
複数のメーター160を通信可能に接続するメッシュネットワーク140は、配電システム100において電力を分配するためのネットワークとは別個であり、後者のネットワークに重なってもよいことが理解されるべきである。このように、メッシュネットワーク140において互いに近傍にある2つのメーター160は、配電ネットワークでは互いに近傍にはない可能性があり、またその逆も成り立つ。したがって、同じ変圧器に接続された2つのメーター160が異なるPANに属すことがある可能性があり、また、同じPANに属するメーター160が異なる変圧器に接続されることがある。
【0024】
図3は、ヘッドエンドシステムを関与させることなく、配電システムのトポロジー情報又は相情報を検出する例を示す図である。この実施例では、あるグループのメーター160(A、B、C、及びD)は、同じ変電所120に電気的に接続され、ローカルネットワーク接続を介して、互いに通信可能に接続されている。ローカルネットワークは、メッシュネットワーク140であるか、メッシュネットワーク140の一部であるか、又は、ヘッドエンドシステム104と通信するためのネットワークを関与させることなくメーター間の通信を可能にする任意のネットワークであってもよい。これらのメーターの各々は、三相のうちの1相において、配電用変圧器150A又は150Bに接続されている。上で議論したように、いくつかの領域において、顧客構内は、単相電力を得るために、三相電力の3つの電力線のうちの1つにランダムに接続されてもよい。この結果、公益事業会社は、構内においてメーターの相情報を追跡できなくなる。同様に、顧客構内の近くに複数の変圧器が存在する可能性があり、また、その顧客構内のためのメーターは、これらの変圧器のうちの1つにランダムに接続されている可能性があり、その結果、公益事業会社は、どの構内がどの変圧器に接続されているかを追跡できなくなる。本願において開示した技術を利用することによって、メーターA、B、C、及びDの間の電気的接続関係(変圧器へのメーターの接続を示す)は、データをヘッドエンドシステムに送信することなく、これらのメーター間のローカルネットワーク接続を用いて決定することができる。同様に、これらのメーターの間の相の関係(配電システムの三相へのメーターの接続を示す)もまた、ローカルネットワーク通信を介して識別することができる。
【0025】
メーター160の各々のトポロジー情報及び/又は相情報を取得するために、電圧、電流、負荷インピーダンス、又はその他のような、個々のメーター160において収集されるデータを利用することができる。図3は、メーター160によって収集された電圧データを利用して、これらのメーター160のためのトポロジー情報を決定することの例を示す。相情報も同様の方法で検出可能である。4つのメーターの各々について、図3は、異なる時点において測定された電圧値を示す。これらの電圧値は、メーターA、B、C、及びDに関する曲線302A、302B、302C、及び302Dをそれぞれ用いて図示されている。
【0026】
図3に示す曲線302A~302Dからわかるように、例えば、電力線のうちの1つ又は複数における大きな負荷がオン又はオフされることに起因して、電圧値の変動(例えばピーク又は低下)が生じる可能性がある。特定のメーターにおいて変動が検出される場合、この特定のメーターと同じ変圧器に接続された近傍のメーターもまた、ほぼ同じ時間において変動を検出することができる。この特定のメーターをその近傍のメーターに接続するラインの抵抗に起因して、変動は、近傍のメーターによって検出されたとき、減衰されている可能性があることに注意する。一方、特定のメーターとは異なる変圧器に接続されたメーターについては、検出される変動は、特定のメーターのそれとは異なる可能性がある。配電システムのこれらの特性に基づいて、複数のメーターが同じ変圧器に接続されているか否かを決定するために統計的分析を実行してもよい。いくつかの実施例では、ほぼ同じ時間において異なるメーターによって検出された電圧値の間の類似度を測定するために相関が使用され、それによって、それらが同じ変圧器に接続されているか否かを決定する。
【0027】
例えば、異なるメーターにおける検出された電圧値は、グループにおけるメーターのうちの1つに送信されてもよく、このメーターは、本願では、相関器メーターBのような相関器と呼ばれる。相関器は自己指定によって選択されてもよく、この場合、相関を実行する能力を有するメーターは、それが相関器であることを示す通信を、ローカルネットワーク接続を介して他のメーターに送信することができる。位置ネットワーク接続を介して相関器と通信することができるメーターは、メーター306のグループを形成し、これらのメーター306に対して相関器が相関を実行することで、メーターのグループがどのように関連するかを決定することができる。グループにおけるメーターは、メーター測定データ122を送信するために使用したものと同じプロトコルを用いて、又は、異なるタイプのプロトコルを用いて、互いに通信してもよい。
【0028】
いくつかの実施例では、電圧値をサンプリングすることで、相関器に送信するための電圧データを生成してもよい。サンプリングは、例えば、各時間区間ΔT内における電圧値を平均することで実行されてもよい。時間区間は、電力消費量データを収集及び生成するために用いた時間区間と同じになるように、又は、15分間、1分間、又は30秒間のような他の時間区間になるように構成されてもよい。トポロジー又は相識別のために本願で提示した技術のいくつかのアプリケーション又は実施例は、サブサイクルレベルのサンプルを必要としてもよいことに注意する。図3では十字形のマーカー「x」を用いて示す、平均された電圧値又は電圧データサンプルは、電圧データとして相関器に送信されてもよい。いくつかの実施例では、電圧データは、N個の平均された電圧値のシーケンスを含んでもよい。ここで、Nは、50、100、又は200のような整数値である。
【0029】
電圧データを相関器に送信することは、予め決められたスケジュールに基づいてもよく、又は、イベントによってトリガされてもよい。例えば、相関器は、毎日午前12時に電圧データを送信するように、グループにおけるメーターからの電圧データを要求するように構成されてもよい。もう1つの実施例では、相関器は、トリガとなるイベントを検出するように構成されてもよく、トリガとなるイベントを検出したとき、グループにおけるメーターからの電圧データを要求するように構成されてもよい。トリガとなるイベントは、例えば、2つの連続する電圧データサンプル間の差が電圧変化のしきい値より高いというイベントを含むことができる。図3において、そのようなトリガとなるイベントを検出する例を示す。この実施例では、相関器メーターBは、2つの連続する電圧データサンプル間の電圧変化ΔVがしきい値より高いことを検出する。そのようなイベントを検出したとき、相関器メーターBは、イベントが発生した時間Tの近くにおいて収集された電圧データの要求を、メーターA、C、及びDに送信する。相関器は、相関器に送信される電圧データにおいて、イベント時間Tの後、前、又は近くで各メーターによって収集されたN個の電圧データサンプルのシーケンスを含むことをメーターに要求してもよい。もう1つの実施例では、メーターA、C、及びDの各々は、トリガとなるイベントを検出するように構成される。イベントを検出した後に、各メーターは、所与の継続時間にわたって(又は、所与のサンプル数にわたって)、指定された継続時間において(トリガとなるイベントの前、後、又は近くで)、電圧データのサンプルを収集することを開始する。収集が完了した後、メーターは、収集されたサンプルを相関器Bに自動的に送る。
【0030】
電圧データを受信した後に、相関器は、電圧データに対して相互相関を実行して、メーターのグループにおける各メーターペア間の相関を生成してもよく、本願では、これを相関データと呼ぶ。図3に示す実施例では、相関データは相関行列312において示される。相関行列のエントリ(i,j)は、メーターi及びメーターjの間の相関を表す。メーターi及びメーターjの間の相関は、メーターj及びメーターiの間の相関と同じであるので、エントリ(i,j)はエントリ(j,i)と同じである。このように、相関行列は対称行列であり、図3は、行列の下半分のみを示す。さらに、メーターがそれ自体と完全相関しているので、相関行列の対角要素は常に、すべて1である。従って、相関行列の半分のみ(対角要素を除く)が有用な情報を含み、相関データに含まれる。
【0031】
いくつかの実施例では、1組のメーターペア間の相関は、メーターペアからの電圧データサンプルの2つのシーケンスの間の相関係数を用いて表すことができる。相関係数の範囲は、-1及び1の間にある。ここで、1は、電圧データサンプルの2つのシーケンスの間の最も強い正相関を示し、0は、電圧データサンプルの2つのシーケンスが互いに独立であることを示し、-1は、電圧データサンプルの2つのシーケンスの間の最も強い逆相関を示す。本願では、メーターの電圧データの間の類似度を測定するために、様々な他のタイプの統計的相関を利用できることが理解されるべきである。
【0032】
図3に示す相関行列312は、メーターA及びBと、メーターA及びDと、メーターB及びDとの電圧データの間に強い相関があることを示す。メーターC及び他のメーターの電圧データの間の相関は小さい。これは、メーターA、B、及びDが同じ変圧器150Aに接続されている可能性があり、一方、メーターCが異なる変圧器150Bに接続されていることを意味する。このように、配電ネットワークにおけるメーター306のグループの間のトポロジー関係を決定することができる。
【0033】
他のグループにおけるメーターに関する相関も同様に生成することができる。図4は、図3に示すメーター306のグループを含む、メーターの2つのグループの例を示す。図4は、本開示の所定の態様に係る、メーターの各グループにおけるメーター間の相関を示す。この実施例では、メーターE、F、G、H、及びIを含むメーター406の第2のグループは、グループ306と同じ変電所120に、(ただし、変圧器150A及び150Bとは異なる変圧器を介して接続されている。メーター406のこのグループにおいて、メーターGは相関器であり、ローカルネットワーク接続を介してグループにおける他のメーターと通信することができる。いくつかの実施例では、グループ306におけるメーターは、ローカルネットワーク接続を介してグループ406におけるメーターに通信可能に接続されていなくてもよい。例えば、グループ306におけるメーター及びグループ406におけるメーターは、互いに直接に通信するには離れすぎている可能性がある。
【0034】
相関器メーターGは、相関器メーターBによって実行されるものと類似した方法でグループ406におけるメーターに関する相関を実行し、相関データ404を生成することができる。相関データ404に示すように、メーターE及びFが同じ変圧器150Cに接続されているので、メーターE及びFの電圧データの間の相関は0.9ほどの高さになる。同様に、メーターG及びHが同じ変圧器150Dに接続されているので、また、メーターG及びHの電圧データの間の相関もまた高い(0.92)。一方、メーターIは、グループにおける他のメーターの変圧器とは異なる変圧器105Eに接続されていないので、グループ406における他のメーターに対して高い相関を有していない。
【0035】
相関器B及び相関器Gは、相関階層におけるより高いレベルに存在するノードであって、相関器B及び相関器Gに通信可能に接続されるノードに、各相関データ312及び404を送信してもよい。このノードは、本願では「マッパー」と呼ばれる。マッパーは、受信された相関データを処理して、両方のグループにおけるメーターに関する相関データを生成してもよい。図4は、2つのグループ306及び406に関する集約された相関データ402も示す。図4において、サブ行列312は、相関器Bによって生成され、相関器Bから送信され、サブ行列404は、相関器Gによって生成され、相関器Gから送信される。
【0036】
2つのグループにわたる相関(すなわち,メーターA,B,C,D及びメーターE,F,G,H,Iの間の相関)を決定するために、マッパーは、これらの2つメーターから受信された電圧データに基づいて、グループ306におけるメーターと、グループ406におけるメーターとの間の相関を実行してもよい。このように、マッパーは、グループ306及び406におけるすべてのメーターに関する集約された相関データ402をそろえてもよい。完成した相関データ402に基づいて、マッパーは、対応する変圧器へのメーターのマッピングを実行してもよい。例えば、マッパーは、これらの2つのメーターの間の相関が、0.85のような相関のしきい値より高い場合、2つのメーターが同じ変圧器に接続されていると決定してもよい。図4に示す実施例では、マッパーは、メーターA、B、及びDが1つの変圧器に接続され、メーターE及びFがもう1つの変圧器に接続され、メーターG及びHが第3の変圧器に接続され、メーターC及びIがさらに2つの別個の変圧器に接続されていると決定してもよい。
【0037】
図5Aは、本開示の所定の態様に係る、図4に示すメーターのグループの例示的な相関階層を示す。いくつかの実施例では、(相関器B又は相関器Gのような)相関器510は、メッシュネットワーク140を介してマッパー504と通信してもよく、そのグループにおけるメーターよりもヘッドエンドシステムに近接するメッシュネットワークの層にある。相関器510は、そのグループにおけるメーターから電圧データ512を受信し、図3及び4に関して説明したように、相関データ(例えば、相関データ312又は相関データ404)を生成する。相関器510はさらに、相関データをマッパー504に送信することで、メーターの2つのグループに関する集約された相関データを決定し、これらのメーターのトポロジー情報を決定する。メーターA、C、B、及びDのような、1つのグループにおけるメーターが、互いに異なる複数のPANに属してもよいことが理解されるべきである。マッパー、相関器、及びメーター160は、メッシュネットワーク140の同じ層にあってもよく、又は、異なる層にあってもよい。
【0038】
上述の実施例は、相関器がメーターであることを示しているが、一方、ルーター、コレクタのような他のタイプのネットワーク装置もまた相関器として機能してもよいことはさらに理解されるべきである。同様に、マッパー504は、メーター、ルーター、コレクタ、又は他のタイプのネットワーク装置であってもよい。前述したように、マッパーは、相関器より1つ又は複数の層にわたって上位に位置しているがルートノード114よりも高くはない、メッシュネットワークのノードであってもよい。上述の説明は、相関器が各グループにおける他のメーターと直通に通信しているメーターグループに焦点を合わせているが、1組のメーターグループが相関器と直通に通信していないメーターを含んでもよいことはさらに理解されるべきである。例えば、(グループ306のような)グループは、(図5AのメーターAのような)他のメーターを介して相関器と通信できる(図5AのメーターXのような)メーターをさらに含んでもよい。
【0039】
図5Aは、メーターの2つのグループのみのトポロジー情報を決定するためにマッパー504が使用されることを示すが、マッパーは、相関階層におけるマッパーより下方の様々な層に位置した多数のメーターグループをカバーしてもよい。これらのメーターは、マッパーに関連付けられたメーターの集合としてまとめて呼ばれてもよい。メーターの集合における個々のグループの相関器は、これらのメーターに関するトポロジー情報を決定するために、それらの各グループの相関データをマッパーに提供してもよい。代替又は追加の実施例において、マッパーに相関データを直接的に送信する相関器の代わりに、マッパーに相関データを送信する前に相関の一部を実行する上位相関器を利用してもよい。
【0040】
図5Bは、本開示の所定の態様に係る、多層相関器構成の例を示す。図5Bにおいて、マッパー504に関連付けられたメーターの集合においてメーターの6つのグループが存在し、各相関器510は、メーターのその対応するグループを表す。この実施例では、相関器510は、それらの各相関データに502を、対応する上位相関器514に送信してもよい。上位相関器514は、受信された相関データ502を集約し、異なるグループからのメーターの間の相関値を計算して、図4に示す集約された相関データ402と同様の集約された相関データ522を生成する。次いで、上位相関器514は、残りの相関を完了してメーターのトポロジー情報を決定するために、集約された相関データに522をマッパー504に送信してもよい。相関計算の一部が上位相関器514へ移されるので、マッパー504の作業負荷を軽減することができ、したがって、マッパー504の計算パワー要件を低減することができる。相関器510と同様に、上位相関器514は、メーター、ルーター、コレクタ、又は相関データ502を集約することができる他のタイプのネットワーク装置であってもよい。上位相関器514は、マッパー504又は対応する相関器の上位又は下位にあるメッシュネットワークの層にトポロジー的に位置してもよい。マッパー504の作業負荷をさらに軽減するために、上位相関器の追加の層を追加してもよい。
【0041】
図3図5Bに関する上述の説明は、配電ネットワークにおけるメーターに関連付けられたトポロジー情報を検出する方法について記述している。同様のメカニズムは、メーターの相情報を検出するために利用されてもよい。異なる相における電圧が、例えば120度オフセットしているので、2つのメーターの電圧値の相関は、2つのメーターが同じ相にあるか否かを決定するために使用されてもよい。トポロジー検出とは異なり、相情報検出は、電力線における電圧の高い周波数を理由として、電圧データをより小さな粒度で生成することを必要とする。例えば、メーターは、より高い周波数を有する電圧データ、例えば、Nが50、100などのような整数値である場合、サイクル毎にN個の電圧データサンプルを生成するように構成されてもよい。上に説明したトポロジー検出と同様に、生成された電圧データは、メーターからそれらの各相関器に送信され、各相関器は、受信された電圧データに基づいて相関を実行して相関データを生成する。相関データはさらに、上位相関器に、又は、直接的にマッパーに送信されてもよく、マッパーは、相関データを集約し、マッパーに関連付けられたメーターの集合の間の完全な相関を生成する。マッパーは、完全な相関データに基づいて、同じ相に接続されたメーターを決定してもよい。マッパーはさらに、例えば変電所から、基準相情報を取得することで、個々のメーターの正確な相を決定してもよい。
【0042】
いくつかの実施例では、マッパー504は、変電所120に対応するレベルにあるネットワーク装置であってもよい。言いかえると、変電所120に接続されたメーターは、マッパー504に関連付けられたメーターの集合に含まれてもよい。このように、マッパー504は、変電所120に接続されたメーターのトポロジー及び相情報を識別することができる。典型的には、変電所レベルより上位のトポロジー及び相情報が公益事業会社には知られているので、各変電所より下位のメーターに関するトポロジー及び相情報を決定することによって、公益事業会社は、配電システムのトポロジー及び相についての完全な情報を得ることができる。
【0043】
ここで図6を参照すると、図6は、本開示の所定の態様に係る、配電システムのトポロジー又は相を識別するためのいくつかの処理600A、600B、及び600Cを示すいくつかのフロー図を含む。特に、処理600Aは非相関器のメーター160の態様を示し、処理600Bは相関器510の態様を示し、処理600Cはマッパー504の態様を示す。メーター160、相関器510、及びマッパー504は、適切なプログラムコードを実行することで、処理600A、600B、及び600Cの動作をそれぞれ実施してもよい。処理600A、600B、及び600Cをまとめて下記に説明する。例示の目的で、処理600A、600B、及び600Cについて、図面に示す所定の実施例を参照して説明する。しかしながら、他の実施例も可能である。
【0044】
ブロック612において、処理600Bは、相関器510が、それ自体を、そのグループにおけるメーター160に宣伝することを含む。上で説明したように、ローカルネットワーク接続を介して相関器510と直接的に通信できるメーター160は、相関器510に関連付けられたメーターのグループを形成する。相関器510は、それ自体を相関器として宣伝するメッセージを、ローカルネットワークを介して送信してもよい。
【0045】
ブロック602において、処理600Aは、相関器510に関連付けられたグループにおけるメーター160が、相関器510がこのグループのための相関器であることを示すメッセージを受信することを含む。メーター160は、メーター160によって生成された電圧データを正しい相関器に送信できるように、アドレスのような、相関器510に関連付けられた情報をさらに格納してもよい。いくつかのシナリオでは、メーター160が複数の相関器と直通に通信する場合、電圧データは、これらの複数の相関器の各々によって受信されてもよい。
【0046】
ブロック612と同様に、ブロック632において、処理600Cは、マッパー504が、それ自体を、マッパーの下位にあるメッシュネットワーク140の層に位置したメーター160のためのマッパーとして宣伝するメッセージを送信することを含む。ブロック614において、処理600Bは、相関器510が、マッパー504のアドレスなどのようなマッパー情報を受信及び格納することを含む。上述の動作は、トポロジー又は相検出のためにメーター160、相関器510、及びマッパー504を準備する初期化動作として見なすことができる。
【0047】
ブロック616において、処理600Bは、相関器510(それはメーターでもある)が、相関器510において検出された未処理の電圧値に基づいて電圧データサンプルを取得することを含む。例えば、相関器510は、個々の時間区間内に検出された未処理の電圧値を平均することで、電圧データサンプルを生成してもよい。検出される情報に依存して、時間区間は異なる値に設定されてもよい。例えば、トポロジー情報を検出すべき場合、時間区間は、15分間、1分間、又は1秒間に設定されてもよい。相情報検出の場合、時間区間は、サブサイクル又はサブミリ秒のような、トポロジー情報検出のための値よりも小さな値に設定されてもよい。
【0048】
ブロック618において、処理600Bは、トポロジー又は相検出のために相関を行うべきか否かを決定し、従って、相関を実行できるように、グループにおけるメーター160から電圧データを収集すべきか否かを決定することを含む。相関器510は、トリガとなるイベントが生じたか否かを検出することで、そのような決定を行ってもよい。いくつかの実施例では、トリガとなるイベントは、相関器510において検出された電圧データサンプルが、以前の電圧データサンプルからしきい値量を越えて変化するイベントを含む。トポロジー及び相検出のためのトリガとなるイベントとして、他のイベントが利用されてもよい。相関器510は、一日の特定の時刻(例えば、毎日午前12時)に相関を実行するような、予め決められたスケジュールに基づいて相関が実行されるべきであると決定することができる。相関を実行すべきでないと相関器510が決定する場合、処理600Bは、ブロック616において、相関器510において電圧データサンプルを取得し続けることを含む。相関を実行すべきであると相関器510が決定する場合、処理600Bは、ブロック620において、ローカルネットワークを介して電圧データ要求を送信することで、グループにおけるメーター160から電圧データを要求することを含む。
【0049】
処理600Aは、ブロック604において、メーター160が、未処理の電圧値を取得し、未処理の電圧値に基づいて電圧データサンプルを発生生成することを含む。上述した相関器510と同様に、メーター160は、個々の時間区間内にメーター160において取得された未処理の電圧値を平均することで、電圧データサンプルを生成してもよい。メーター160によって使用される時間区間は、グループにおける他のメーターによって、また、配電システムの他の部分における他のメーターによって使用される時間区間と同じである。ブロック606において、処理600Aは、相関器510から電圧データ要求を受信することを含む。ブロック608において、処理600Aは、電圧データ512を、相関器510と、電圧データを受信できる他のノードとに送信することを含む。いくつかの実施例では、電圧データ512は、N個の電圧データサンプルのシーケンスを含む。ここで、Nは、100などの正整数である。
【0050】
ブロック622において、処理600Bは、相関器510が、そのグループにおけるメーター160及び他のメーターから電圧データ512を受信することを含む。ブロック624において、処理600Bは、相関データ502を生成することを含む。相関データ502は、相関器510に関連付けられたグループにおけるメーター160間のペア毎の相関を含む。相関は、相関器510及びマッパー504によって理解可能である任意の形式で相関データ502に含まれてもよい。例えば、相関は、図3に示すような相関行列、一次元ベクトル、又は他の任意のタイプのデータ構造に組織化されてもよい。相関器510はさらに、生成した相関データ502をマッパー504に送信する。
【0051】
処理600Cは、ブロック634において、マッパー504に関連付けられたメーターの集合におけるメーター160及び他のメーターから電圧データを受信することを含む。マッパー504は、これらのメーターからこれらの電圧データを受信し、これにより、集約された相関データ402の部分408における相関のような、互いに異なる複数のグループからのメーターの間の相関を計算することができる。ブロック636において、処理600Cは、相関器510と、マッパー504に関連付けられた他の相関器とから、相関データ502を受信することを含む。相関器510によって生成された相関データ502のみが、グループ内のメーター間の相関を含むので、ブロック638において、処理600Cは、異なるグループからのメーターペアに関する相関を生成することを含む。すなわち、マッパー504は、メーターが異なるグループからである場合、各メーターペアに関する相関を生成してもよい。これらの発生された相関に、相関器510によって送信された相関データ502を組み合わせることで、マッパー504は、マッパー504に関連付けられたメーターの集合に関する完全な相関情報を取得してもよい。ブロック640において、処理600Cは、マッパー504に関連付けられたメーターの集合の関係を決定することを含む。関係は、トポロジー情報(例えば、変圧器へのメーターの接続を示すメーターの電気的接続関係)、相情報(例えば、配電システムの相へのメーターの接続を示す相関係)、又は両方を含んでもよい。ブロック642において、マッパー504は、決定した関係を、例えばヘッドエンドシステム104に出力する。
【0052】
図6は相関器510及びマッパー504のみを示すが、マッパー504から相関計算の一部を移すために、図5Bに関して上に説明したように上位相関器514が使用されてもよい。さらに、図6は、メーター160及び他のメーターが、相関器510からの要求に応答して相関器510に電圧データに512を送信することを示すが、他の実施例も利用可能である。例えば、相関を実行するか否かを決定することが、予め決められたスケジュールに基づく場合、メーター160は、相関のための時間がスケジュールに従って満了する場合に、電圧データ512を自動的に送信するように構成されてもよい。
【0053】
いくつかの実施例では、メーター160、相関器510、上位相関器514、及びマッパー504の間でデータを送受信することは、申し込み・発行メカニズムを介して実現される。このメカニズムにおいて、第2のノードから特定のトピックについてのデータを受信したい第1のノードは、第2のノードに対して、そのトピックを申し込んでもよい。第2のノードは、次いで、特定のトピックについてのデータを発行する。第1のノードと、そのトピックを申し込んだ他のノードとは、データを受信する。本願で提示するトポロジー及び相検出システムでは、相関器510は、そのグループにおけるメーターの各々に対して、電圧データを申し込んでもよい。電圧データ512の準備ができている場合、メーター160は、それらの電圧データ512を、いったんローカルネットワークを介して発行してもよく、相関器510及び他の加入者は、発行されたデータを受信することができる。同様に、マッパー504は、相関データ502を受信するために、マッパー504に関連付けられた相関器510の各々に対して、相関データ502を申し込んでもよい。マッパー504は、それに関連付けられたメーターの各々に対して電圧データ512を申し込み、それにより、それは、電圧データを受信して、異なるグループからのメーターに関する相関を計算してもよい。
【0054】
トポロジー情報又は相情報が時間的に変化しうることに注意すべきである。例えば、新たな家が建てられて電力線に接続されてもよく、取り壊された建物が電力線から切断されてもよい。作業員は、配電システムに関連付けられた問題を解決しながら、変圧器への構内の接続を変更してもよい。トポロジー又は相情報を最新にしておくために、上述の処理は、週に1回など、周期的に繰り返されてもよく、必要とされる場合にはいつでも実行されてもよい。
【0055】
識別されたトポロジー情報又は相情報は、複数のアプリケーションにおいて利用されてもよい。例えば、トポロジー情報は、法人負荷管理において、変圧器レベルで利用されてもよい。法人負荷管理において、同じ変圧器に接続された複数の構内は、構内において電力喪失を回避するために、変圧器レベルの合計電力消費量を所与のしきい値未満に維持するためにそれらの電力消費量をオフセットするように、互いに協調動作してもよい。もう1つの実施例では、相情報は、異なる相における負荷の平衡を保つために、また、例えば、三相のどれが新たな変圧器の設置を必要とするのかを決定するために、公益事業会社によって利用されてもよい。
【0056】
例示的なメーター
図7は、本願において説明したトポロジー及び相検出を実装するために使用可能である、メーター160、相関器510、又はマッパー504のような例示的なメーター700を示す。メーター700は、シリアル接続730を介して接続された通信モジュール716及び計測モジュール718を含む。これらの2つのモジュールは、別個の基板における同じ装置に収容されてもよく、従って、ローカル接続730は、オンボードソケットであってもよい。代替として、モジュールは別々に収容されてもよく、したがって、ローカル接続730は、USBケーブルのような通信ケーブル、又は他の導体であってもよい。
【0057】
通信モジュール716の機能は、メッシュネットワーク140における他のノードに、電圧データ512(メーター160及びメーター相関器510のため)、相関データ502(相関器510のため)、及び他のデータを送信することと、メッシュネットワーク140における他のメーター又はノードからデータを受信することとを含む。計測モジュール718の機能は、リソースを管理するために必要な機能、特に、リソースへのアクセスを可能にして使用リソースを測定する機能を含む。通信モジュール716は、アンテナ及び無線装置のような通信装置712を含んでもよい。代替として、通信装置712は、無線又は有線通信を可能にする任意の装置であってもよい。通信モジュール716はまた、プロセッサ713及びメモリ714を含んでもよい。プロセッサ713は、通信モジュール716によって実行される機能を制御する。メモリ714は、プロセッサ713によってその機能を実行するために使用されるデータを格納するために利用されてもよい。メモリ714はまた、電圧データ512及び/又は相関データ502のような、メーター700のための他のデータを格納してもよい。
【0058】
計測モジュール718は、プロセッサ721、メモリ722、及び測定回路723を含んでもよい。計測モジュール718におけるプロセッサ721は、計測モジュール718によって実行される機能を制御する。メモリ722は、電圧データ512のような、その機能を実行するためにプロセッサ721によって必要とされるデータと、生成された他のデータとを格納する。通信モジュール716及び計測モジュール718は、他のモジュールによって必要とされるデータを提供するために、ローカル接続730を通じて互いに通信する。測定回路723は、リソースの測定を取り扱い、センサデータを収集するためのセンサとして使用されてもよい。通信モジュール716及び計測モジュール718の両方は、メモリ又はもう1つのタイプのコンピュータ可読媒体に格納されたコンピュータ実行可能な命令を含んでもよく、また、モジュール内の1つ又は複数のプロセッサは、本願において説明した機能を提供する命令を実行してもよい。
【0059】
上で説明したように、相関器又はマッパーは、ルーター、コレクタ、又は他のタイプのネットワーク装置のような、非メーター装置であってもよい。それらのシナリオにおいて、非メーター装置は、電圧データ間の相関を計算することを含む、各装置の機能を実行するためのプロセッサを少なくとも含んでもよい。非メーター装置は、その機能を実行するためにプロセッサによって必要とされるデータと、相関データ、決定されたトポロジー及び相情報などのような、プロセッサによって生成される他のデータとを格納するための非一時的なコンピュータ可読記憶媒体をさらに含んでもよい。非メーター装置は、少なくとも相関データ、決定したトポロジー及び相情報、及び他のデータの無線又は有線通信を可能にする通信装置をさらに含んでもよい。
【0060】
全体考察
特許請求の範囲に記載された主題についての詳細な理解を提供するために、本明細書において多数の特定の詳細事項を述べている。しかしながら、当業者は、特許請求の範囲に記載された主題がこれらの特定の詳細事項なしで実施されてもよいことを理解するであろう。他の例では、特許請求の範囲に記載された主題を不明瞭にしないように、通常の技術を有する者によって知られるであろう方法、装置、又はシステムについては詳述していない。
【0061】
本願において説明した特徴は、任意の特定のハードウェアアーキテクチャ又は構成に限定されない。計算装置は、1つ又は複数の入力を条件とした結果を提供する構成要素からなる任意の適切な装置を含んでもよい。適切な計算装置は、格納されたソフトウェア(すなわち、コンピュータシステムのメモリ上に格納されたコンピュータ可読命令)にアクセスする多目的のマイクロプロセッサに基づくコンピュータシステムを含み、このソフトウェアは、汎用の計算装置から本願の主題の1つ又は複数の態様を実装する特別な計算装置になるように計算システムをプログラミング又は構成する。計算装置のプログラミング又は構成に使用されるソフトウェアにおいて、本願に含まれる開示内容を実装するために、任意の適切なプログラミング、スクリプティング、他のタイプの言語、又は言語の組み合わせが使用されてもよい。
【0062】
本願において開示した方法の態様は、そのような計算装置の動作において実行されてもよい。上述の実施例において提示したブロックの順序は変更されてもよく、例えば、ブロックが並べかえられてもよく、組み合わされてもよく、及び/又はサブブロックに分割されてもよい。所定の複数のブロック又は複数の処理を並列に実行してもよい。
【0063】
本願における「~ように適応化される」又は「~ように構成される」の使用は、追加のタスク又はステップを実行するように適応化又は構成された装置を除外しない、オープンかつ包括的な用語を意図している。さらに、「~に基づく」の使用は、記載された1つ又は複数の条件又は値「に基づく」処理、ステップ、計算、又は他の動作が、実際に、記載したものを越える追加の条件又は値に基づいてもよいという点で、オープンかつ包括的であることを意図している。本願に含まれた見出し、リスト、及び番号は、説明の簡単化のみを目的とし、限定を意図していない。
【0064】
本願の主題をその特定の態様に関して詳述したが、当業者は、上述したことを理解することにより、そのような態様の変更、変形、及び等価物を容易に作成しうることが認識されるであろう。従って、本開示が限定ではなく例示の目的で提示され、当業者に容易に明らかになるように、本願の主題に係るそのような変更、変形、及び/又は追加を含むことを除外しないことは理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
【国際調査報告】