(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-19
(54)【発明の名称】改良された乗り物運用区域検知
(51)【国際特許分類】
G08G 1/09 20060101AFI20230412BHJP
【FI】
G08G1/09 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022577072
(86)(22)【出願日】2021-02-23
(85)【翻訳文提出日】2022-10-13
(86)【国際出願番号】 US2021019303
(87)【国際公開番号】W WO2021173596
(87)【国際公開日】2021-09-02
(32)【優先日】2020-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】522336306
【氏名又は名称】ニュートロン ホールディングス インコーポレイテッド ディービーエイ ライム
【氏名又は名称原語表記】NEUTRON HOLDINGS, INC. DBA LIME
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100164471
【氏名又は名称】岡野 大和
(72)【発明者】
【氏名】ハン ユイ ロウ
(72)【発明者】
【氏名】ハオ ミン
(72)【発明者】
【氏名】ズーチエ シュウ
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA05
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB13
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF25
5H181FF27
5H181FF33
5H181FF35
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL07
5H181LL08
5H181MB04
(57)【要約】
本開示は乗り物装置および関連する乗り物制御の方法に関連し、乗り物装置は一つまたは複数の運用区域を示す区域マップデータを記憶するメモリ、一つまたは複数の位置ビーコンより乗り物の位置データを取得する乗り物のセンサ、およびセンサと通信しながら乗り物の位置データを分析し、乗り物の位置データとメモリで記憶された区域マップデータとを比較するコントローラを含み、コントローラは、乗り物が一つまたは複数の運用区域の一つに進入していると判定した場合、乗り物が進入する運用区域に関連づけられた一つまたは複数の運用規則に基づいて乗り物の運用パラメータを調整する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物であって、
一つまたは複数の運用区域を表す区域マップデータを記憶するメモリと、
一つまたは複数の位置ビーコンより乗り物の位置データを取得する前記乗り物のセンサと、
前記センサと通信して前記乗り物の位置データを分析し、現在地を前記メモリ内で記憶された前記区域マップデータと比較するコントローラであって、前記乗り物が前記一つまたは複数の運用区域の一つに進入していると前記コントローラが判定した場合に、前記運用区域に関連づけられた運用規則に基づいて前記乗り物の運用パラメータを調節するコントローラと
を含む、乗り物。
【請求項2】
前記センサが所定の周期的な間隔おきに前記乗り物の位置データを取得する、請求項1に記載の乗り物。
【請求項3】
前記所定の周期的な間隔が調整可能である、請求項2に記載の乗り物。
【請求項4】
前記一つまたは複数の運用区域が記憶された前記区域マップデータ内のポリゴン座標によって定義される、請求項1に記載の乗り物。
【請求項5】
一つまたは複数の運用区域の運用規則が前記乗り物の前記メモリに保存された、請求項1に記載の乗り物。
【請求項6】
前記乗り物が前記一つまたは複数の運用区域に出入りしていると前記コントローラが判定した場合、前記コントローラがさらに、
進入する運用区域の識別情報および前記センサによって受信された現在地を含む区域イベントメッセージをサーバに送信するように構成されている、請求項5に記載の乗り物。
【請求項7】
前記乗り物が進入する運用区域に関連づけられた一つまたは複数の運用規則を前記サーバが判定する、請求項6に記載の乗り物。
【請求項8】
乗り物が進入する運用区域に関連づけられた前記一つまたは複数の運用規則の確認を前記サーバが送信し、前記確認が受信された場合、前記コントローラが前記一つまたは複数の運用規則に基づいて乗り物の運用パラメータを調整する、請求項7に記載の乗り物。
【請求項9】
進入する運用区域の前記識別情報および前記センサによって受信された現在地に基づき、前記記憶された区域マップデータ内の判定された運用区域に係るポリゴン座標と前記サーバに記憶されている判定された運用区域に係るポリゴン座標とを比較することにより、乗り物によって判定された運用区域が正確かどうかを前記サーバが判定し、正確でなかった場合、前記記憶された区域マップデータを修正するオーバライド情報を前記サーバから前記乗り物に送信する、請求項6に記載の乗り物。
【請求項10】
前記サーバが前記乗り物の前記記憶されている区域マップデータおよび運用規則を周期的に更新する、請求項6に記載の乗り物。
【請求項11】
乗り物を制御する方法であって、
一つまたは複数の位置ビーコンより前記乗り物の位置データを、乗り物上のセンサを介して取得する工程と、
前記乗り物上のメモリに記憶された区域マップデータを、乗り物上のコントローラを介して分析する工程と、
前記乗り物の位置が区域マップデータにより定義された一つまたは複数の運用区域に進入しているまたは内部にあることを、前記コントローラを介して判定する工程を含み、
前記乗り物が前記一つまたは複数の運用区域のうちの一つに進入していると前記コントローラが判定した場合、前記乗り物が進入する運用区域に関連づけられた運用規則に基づき前記コントローラが前記乗り物の運用パラメータを調整する、乗り物を制御する方法。
【請求項12】
前記センサが既定の周期的な間隔で前記乗り物の位置データを取得する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記周期的な間隔が調整可能である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記一つまたは複数の運用区域は、前記記憶された区域マップデータ内のポリゴン座標によって定義される、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
一つまたは複数の運用区域の運用規則が前記乗り物の前記メモリ内に記憶されている、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記乗り物が前記一つまたは複数の運用区域の一つに進入していると前記コントローラが判定した場合、進入する運用区域の識別情報および前記センサによって受信された現在地を含む区域イベントメッセージをサーバに送信する工程をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記乗り物が進入する運用区域に関連づけられた前記一つまたは複数の運用規則を前記サーバが判定する工程をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記乗り物が進入する運用区域の一つまたは複数の運用規則の確認を前記サーバによって送信する工程と、
前記確認が受信された場合、前記一つまたは複数の運用規則に基づき前記乗り物の運用パラメータを調整する工程と
をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
進入する前記運用区域の前記識別情報および前記センサによって受信された現在地に基づき、前記記憶された区域マップデータ内のポリゴン座標と前記サーバに記憶されている判定された運用区域に係るポリゴン座標とを比較することにより、前記乗り物によって判定された運用区域が正確かどうかを前記サーバが判定する工程と、
正確でなかった場合、前記記憶された区域マップデータを修正するオーバライド情報を前記サーバから前記乗り物に送信する工程と
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記サーバが乗り物に記憶されている前記区域マップデータおよび運用規則を周期的に更新する、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2020年2月24日に出願された米国仮出願番号61/980818の優先権および利益を主張するものであり、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれるものとする。
【背景技術】
【0002】
パーソナルモビリティビークル(PMV)は、例えば0.5から3マイルの短距離から中距離の素早い移動に特化した交通手段として分類される。PMVの多くは電動スクーター、電動スケートボード、電動自転車など、一人乗りを想定した電動の乗り物であることが多い。PMVは、交通の大型拠点と住宅、職場、娯楽地域、および商業地域との間の迅速な移動を可能とするため、都市環境において特に有用であると考えられる。
【0003】
人口密度の高い地域におけるPMVの運用は、PMVの利用者と、自動車のドライバーまたは歩行者など、その他のグループとの間に事故、怪我、および渋滞などの負の相互作用を引き起こし得る。これらの負の相互作用を避けるため、一部の地域や区域では、安全上の理由で地域の条例またはその他の対策を通してPMVの利用が禁止されていたり、速度が制限されていたり、運用が禁止されうる。地域で規定および規制された運用区域に従ってPMVを運用するには、PMVのさまざまな区域の出入りを正確かつ迅速に検知することは非常に重要である。
【0004】
したがって、運用中の運用区域検知を改善するためにPMVにシステムを組み込むことは、有効的になりうる。
【発明の概要】
【0005】
本開示では、パーソナルモビリティビークル(PMV)の運用区域への出入りの検知を改善するためのシステムおよび方法を提供する。
【0006】
本開示のシステムおよび方法は、PMVの利用率が高い地域で特に効力を発揮する可能性があり、特に地域の交通安全規則に関連したさまざまな運用区域を施行するPMVの運用会社および地域自治体の助けになる。本開示中のシステムおよび方法はPMV/乗り物、PMV/歩行者、PMV/PMV、またはPMV単独の事故の削減に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】PMVの運用区域の出入りをより高精度で検知できる例示的システムを示す。
【
図2】PMVの運用区域の出入りをより高精度で検知できるフローチャート図を示す。
【
図3】例示的な要素を詳細に説明した例示的なPMVを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示では、パーソナルモビリティビークル(PMV)の運用区域への出入りの検知を改善するためのシステムおよび方法を提供する。ある場合において、歩行者乗り物間での事故または遭遇の可能性を最低限にするために歩行者の密度/交通量の高い地域または道路状況の悪い地域の最大運用速度を制限することが有利となりうる。また他の場合において、地域の規制がPMVの運用を禁止しうる。また他の場合においては、そのような制限または禁止は一時的または計画的に課されるものでありうる。
【0009】
PMVは、短距離から中距離における特殊な移動手段として認識されてもよい。多くの場合においては、電気で稼働し、車輪のついた、移動範囲が街区数ブロックから数マイルまでの移動装置である。PMVは、利用者が携帯アプリを介してPMVの現在地を得て現在地から近くの第二の場所(または、場合によっては、連続した複数の場所)へ移動するために使用することを可能とする共有ネットワークで用意されていることが多い。PMVはその後、次の利用者が利用するまで第二の場所に放置されてもよい。PMVのネットワークは、PMVの利用によって地域の道路の混雑および大渋滞と共存できる都市圏においてますます一般化している。多くの場合、PMVの最大速度を一部地域で制限することが有効的になりうる。
【0010】
図1では、運用区域へのPMVの出入りの検知が改良された、典型的な都市圏における例示的なシステム(100)を示す。本開示のいくつかの実施形態によると、利用者は移動にPMV(110)を用いてもよく、ここでは例示的にスクーターとして描かれている。PMV(110)は例えば、X秒毎に周期的に、位置ビーコン(120)よりPMVの位置データを収集するセンサを含んでもよい。このX秒は周期的な間隔と呼ばれてもよい。このような周期的な間隔は、システムの構成によりあらかじめ設定されていてもよく、動的であってもよい。また、センサはさまざまな位置ビーコン(120)の構成および種類に応じてPMVの位置データを受動的に受信してもよい。このような受動的な受信も、例えばX秒毎に周期的に発生してもよい。X秒の間隔は制御により設定可能であってもよい。PMV(110)のコントローラは、例えばポリゴン座標のセットにより定義された区域の定義など、メモリ内で記憶された区域マップデータを位置データとともに分析し、PMV(110)が
図1に示された区域Aのような、特定の運用区域に出入りしたかを判定してもよい。いくつかの実施形態においては、この分析は記憶された位置データを現在地と比較することを含んでもよい。PMV(110)のコントローラが、PMV(110)が特定の区域に出入りしたと判定した場合、コントローラは、例えば区域Aなどの、特定の区域に関連づけられた運用規則をもとにPMVの運用パラメータを調節してもよい。区域への出入りがなかったと判定された場合、PMV(110)のセンサは位置データを引き続き取得し、コントローラは区域への出入りが発生したかどうかを引き続き判定する。
【0011】
いくつかの実施形態において、PMV(110)が特定の区域に出入りしたとPMV(110)のコントローラが判定した場合、PMV(110)の通信回路はネットワーク(130)を介して区域イベントメッセージをサーバ(140)に送信してもよく、これはPMV(110)がどの区域に出入りしたかの情報を含んでもよい。サーバ(140)は、区域イベントメッセージに基づいて、区域Aへの出入りに関連づけられた運用規則を判定してもよい。サーバ(140)はその後、区域Aへの出入りに関連づけられた運用規則を含む確認をPMV(110)に送信してもよい。その後、PMV(110)は運用規則を受信し、受信した運用規則をもとに運用パラメータを調節してもよい。PMV(110)のデータが古いこと、またはサーバ(140)が関連づけたPMV(110)内の位置データの誤りが検出されたことにより、PMV(110)からの区域Aの出入りの検出が誤りだったとサーバ(140)が判定した場合、サーバ(140)はPMV(110)のデータを必要に応じて修正できるようにPMV(110)にオーバライドメッセージを送信してもよい。ある実施形態において、サーバ(140)は、区域マップデータの中で判定された運用区域に係るポリゴン座標と、サーバにより判定された運用区域に係るポリゴン座標とを比較することにより判定してもよい。
【0012】
いくつかの実施形態において、区域マップデータおよび運用規則はPMV(110)のメモリに記憶されており、PMV(110)のコントローラはPMV(110)が区域Aを出入りしたかどうかを判定し、していた場合区域Aへの出入りイベントに関連づけられた運用規則がどれであるかを決定する。その後、コントローラは区域Aへの出入りに関連づけられた運用規則をもとに運用パラメータを調節してもよい。この場合、サーバ(140)は区域イベント検出メッセージをもとにPMV(110)が検出した出入りが有効かどうかを確認してもよい。サーバ(140)は、PMV(110)による区域の出入りの検知が、PMV(110)内の区域データが古いことまたはサーバ(140)が関連づけたPMV(110)内の位置データの誤りが検出されたことにより誤りであると判定した場合、サーバ(140)はPMV(110)のデータを必要に応じて修正できるようにPMV(110)にオーバライドメッセージを送信してもよい。
【0013】
いくつかの実施形態において、サーバ(140)は定期的に、PMV(110)のメモリに記憶するための更新された区域マップデータまたは運用規則をPMV(110)に送信してもよい。PMV(110)によって、それぞれが運用される地域のさまざまな地理的拠点位置に基づいて異なる区域マップデータおよび運用規則の組み合わせを記憶することにより、区域データまたは運用規則の記憶量が多くなりすぎることを防いでもよい。例えば、典型的なPMVは一般的に、互いに近接する限定された数の中心市街地の近辺で運用するように構成されてよく、このようにすることでPMVがこの一般的な指定エリアの外の区域データまたは運用規則を記憶する必要はない。
【0014】
いくつかの実施形態において、位置ビーコン(120)はGPS(全地球測位衛星)を放送するGPS型信号を複数含んでもよい。位置ビーコンはさらに、Wi-Fi局、電波塔、Bluetoothビーコン、RFID中継器、レーザービーコンなどの近距離位置ビーコンを含んでもよい。
【0015】
いくつかの実施形態において、区域マップデータはマップ上にポリゴンの頂点の位置座標のセットを含んでいてもよい。代替的に、運用区域は一般的に道路の特定の区間によって定義されるため、区域マップデータは道路または車線の座標を含んでもよい。
【0016】
いくつかの実施形態において、調整されるPMV(110)の運用パラメータはPMV(110)の最大速度を含んでいてもよい。PMV(110)の運用が特定の区域で禁止されている場合、電源の入った乗り物の移動を防ぐために最大速度が0に設定されていてもよい。一方で、一部の区域はPMV(110)が手動で押されることを許可していてもよい。他の区域はPMV(110)のいかなる移動も防ぐための施錠を求めてもよい。一部の区域では、区域を通過中のPMV(110)に利用者および付近の他の人に警告灯または音を一定時間発することを要求してもよい。一部の区域では利用者が区域内でPMV(110)の停車または駐車することを禁止していてもよく、PMV(110)は区域内で停車または駐車しないよう利用者に対して警告を発してもよい。
【0017】
図2では、PMVの運用区域への出入りの検出を改善する方法をフローチャート図で示す。
【0018】
ブロック(210)にて、ユーザが移動にPMVを使用していてもよい。
【0019】
ブロック(220)にて、PMV(110)はさまざまな位置ビーコン(120)から、たとえばX秒ごとに周期的にPMV(110)の位置情報を取得するセンサを含んでもよい。X秒の間隔は制御によって調節可能であってもよい。
【0020】
ブロック(230)にて、PMV(110)のコントローラは、ポリゴン座標によって定義された区域の定義など、メモリ内で記憶された区域マップデータを位置データとともに分析してもよい。
【0021】
ブロック(240)にて、コントローラはPMV(110)が区域Aなどの特定の運用区域に出入りしたかどうかを判定してもよい。
【0022】
ブロック(250)にて、PMV(110)が特定の区域に出入りしたとPMV(110)のコントローラが判定した場合、コントローラはPMV(110)の運用パラメータを、区域Aのような特定の区域への出入りに関連づけられた運用規則をもとに運用パラメータを調節してもよい。運用パラメータの実施形態は、速度の変更、ヘッドライトなどの照明の調整、ホーンなどの音声出力の調整、ユーザへの注意表示、運用区域外にあるデバイスを無効化することを含んでもよい。
【0023】
区域への出入りが検出されない場合、PMV(110)のセンサは引き続きブロック(220)で位置データを取得し、コントローラは引き続きブロック(230)で区域への出入りがあったかどうかを判定する。
【0024】
図3では、本開示で説明される例示的なPMVの実施形態(300)を示す。PMV(300)は、エネルギー容量(320)よりエネルギーを得てPMV(300)の複数のタイヤ(340)の動かすモータ(310)およびPMV(300)の方向的な制御を可能とするステアリング(350)を含んでもよい。PMV(300)はさらに、コントローラ(330)に接続されたセンサ(360)およびさまざまな区域マップデータ、区域運用規則などを記憶するメモリ(380)を含んでもよい。PMV(300)は、ネットワークおよびサーバと無線で通信するための通信回路を含んでもよい。
【0025】
一部の実施例において、PMV(300)は携帯電話またはタブレットコンピュータなどの携帯端末と連携していてもよい。携帯端末には、加速度計、ジャイロスコープ、マイク、カメラ、およびコンパスなど、データの収集を可能とする一つまたは複数のセンサが搭載されていてもよい。携帯端末による無線でのデータ伝送が可能であってもよい。
【0026】
ジャイロスコープは、PMV(300)に配置されていてもよい。これらの実施例において、センサデータにおける運動ベクトルは角速度ベクトルであってもよく、運動ベクトルの大きさは角速度ベクトルの大きさに対応してもよい。角速度ベクトルはジャイロスコープのさまざまな軸に沿って測定された複数の角速度成分から構成されてもよい。
【0027】
PMV(300)はコンパスまたは2軸または3軸の磁力計などの方向検出センサを含んでもよい。磁力計は、近傍の磁場の方向および/または強度が測定できるセンサの一種である。磁力計の例として、印加された磁場に比例した電圧を生成し、磁場の極性を感知するために使用することができる固体ホール効果センサが挙げられる。また、磁力計の別例としては、フラックスゲート磁力計が挙げられる。
【0028】
磁力計の出力、および場合によっては加速度計の出力のようなセンサデータをもとに、携帯端末プロセッサは地球の磁極への方向を表す磁気子午線に対するデバイスの向きを指す磁気方位を計算することができる。ジャイロスコープデータまたは他の角速度センサなどからの他のセンサデータも、存在する場合、コンパスの誤りのフィルタリングに使用することができる。磁気方位が決定された後、磁気方位値は磁気偏角表を用いて地理的な子午線に対する真ヘディング値に変換できる。
【0029】
携帯端末は、位置の特定またはナビゲーションアプリケーションの補助として、磁力計などの電気磁気コンパスを統合してもよい。例えば、携帯端末は「ポイントアンドクリック」アプリケーションを実装し、ユーザがデバイスを特定のオブジェクトに向け、端末ソフトウェアは決定されたまたは既知の位置、時間、方位、およびマップデータベースを用いてオブジェクトを特定してもよい。
【0030】
PMV(300)は一つまたは複数のLIDARユニットを含んでもよい。LIDARユニットは単一チャネルLIDARであってもよい。LIDARユニットは一つまたは複数の走査型LIDARであってもよい。LIDARユニットはターゲットまたは検出可能な範囲をレーザー光で照らしてもよい。LIDARユニットは後方散乱の検出ができてもよい。光は周辺環境を画像化するために紫外線、可視光、および/または近赤外線を含んでもよい。LIDARユニットはさまざまな種類の物質を検出できてもよい。例えば、金属または非金属の物体、降水、特定のエアロゾル、雲または分子を検出してもよい。いくつかの実施形態では、LIDARユニットは高解像度で動作していてもよい。レイリーLIDAR、ミーLIDAR、ラマンLIDAR、Na/Fe/K LIDARなど、任意の種類のLIDARが使用されてもよい。いくつかの実施形態において、LIDARユニットは機械的スキャン型である必要はない。例えば、LIDARユニットはマイクロチップに集積された位相アレイLIDARを含んでもよい。位相アレイLIDARは、スキャンLIDARシステムと比較して低コスト、軽量、小型、および機械的部品が少ないことなどの利点を含む。また、位相アレイLIDARは構成要素がマイクロチップに集積されており、可動部が少ないため、より堅牢である。
【0031】
PMV(300)上には一つまたは複数のカメラが実装されていてもよい。カメラは、集合的に視覚感知システムを形成してもよい。複数のカメラが提供されていてもよい。カメラには、環境感知のための画像データの収集が可能であってもよい。カメラは同じ種類のカメラであっても、異なる種類のカメラであってもよい。いくつかの実施形態において、カメラはステレオカメラを含んでもよい。任意的に、カメラは一つまたは複数の単眼カメラを含んでもよい。いくつかの実施形態において、ステレオカメラおよび単眼カメラの組み合わせが提供されてもよい。カメラは白黒カメラを含んでもよい。いくつかの実施形態において、カメラはカラーカメラを含んでもよい。本明細書中の任意の記述は任意の視覚センサに適応されてもよく、以下に例として記載される撮像装置として互換的に言及されてもよい。
【0032】
撮像装置は、物理的な撮像装置であってもよい。撮像装置は電磁放射(例えば、可視光、赤外線、および/または紫外線など)を検出し、検出された電磁放射をもとに画像データを生成することが可能となるように構成されてもよい。撮像装置は、光の波長に対応して電気信号を生成する電荷結合素子(CCD)センサまたは相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサを含んでもよい。得られた電気信号は画像データを生成するために処理されてもよい。撮像装置により生成された画像データは一つまたは複数の画像を含んでもよく、画像は静止画像(例えば、写真など)、動的画像(例えば、動画など)、またはそれらの適切な組み合わせであってもよい。画像データは多色的(例えば、RGB、CMYK、HSVなど)または単色的(例えば、グレースケール、白黒、セピアなど)のいずれであってもよい。撮像装置は画像センサに光を向けるように構成されたレンズを含んでもよい。
【0033】
撮像装置はカメラであってもよい。カメラは動的な画像データ(例えば、動画)を撮影する映像または動画カメラであってもよい。カメラは静的な画像(例えば、写真)を撮影する静止カメラであってもよい。カメラは動的画像データおよび静止画像の両方を撮影してもよい。カメラは動的画像データおよび静止画像を交互に撮影してもよい。本開示中で言及される特定の事例はカメラを想定して説明されているが本開示は任意の適切な撮像装置に適用することができ、カメラに関する本開示中の任意の説明は他の種類の撮像装置にも適応されうることを理解されたい。カメラは3Dの場面(例えば、環境、一つまたは複数のオブジェクトなど)の2Dの画像の生成に用いられてもよい。カメラにより生成された画像は、3Dの場面を2D画像平面への投影を示してもよい。したがって、2D画像の各点は場面内の3D空間座標に対応する。カメラは光学要素(例えば、レンズ、鏡、フィルタなど)を含んでもよい。カメラはカラー画像、グレースケール画像、赤外線画像などを撮影してもよい。カメラは赤外線画像を撮影するように構成された場合、赤外線撮像装置であってもよい。
【0034】
PMVには近接センサが備わっていてもよい。近接センサは、電磁波現象または超音波現象など、一つまたは複数の物理現象を用いて、オブジェクトおよびセンサ間の距離を決定してもよい。近接センサは、容量性センサ、容量性変位センサ、ドップラー効果センサ、渦電流センサ、誘導性センサ、磁気センサ、光電センサ、光電池センサ、レーザー距離計、パッシブ熱赤外線センサ、電離放射線センサ、ソナーセンサ、超音波センサ、光ファイバーセンサ、またはホール効果センサを含んでもよい。近接センサは、さまざまな距離でオブジェクトを検出する能力を有していてもよい。いくつかの例では、近接センサは、500ft、100ft、10ft、1ft、10センチメートル(cm)、または1cm以下の距離で物体を検出できてもよい。
【0035】
いくつかの実施形態において、PMVはPMVの加速および回転を検出できる一つまたは複数の慣性測定ユニット(IMU)を含んでもよい。IMUより生成された情報をもとに、コンピュータ端末はPMVがどの運用区域を移動しているかを決定してもよい。
【0036】
いくつかの実施形態において、PMVは近くにある物体を検出するための一つまたは複数のセンサを含んでもよい。例えば、PMVは建物の壁など、垂直構造物を検出する近接センサを含んでもよい。収集された近接センサデータはPMVから建物への距離を決定するために用いられてもよく、これはPMVがどの道路を移動しているかの指標になりうる。
【0037】
いくつかの実施形態において、PMVは特定の道路付近のランドマークとして建物により生成された磁場を検出できるよう構成されたセンサを含んでもよい。PMVの移動中、検出された磁場への変化はPMVがどの道路上を移動しているかどうかを示してもよい。例えば、スクーター上のセンサは磁場を操作し、固有の特徴を形成してもよい。
【0038】
PMV(300)上に搭載されうる他のセンサの例には、位置センサ(例えば、全地球測位システム(GPS)センサ、位置の三角測量を可能にするモバイルデバイス送信機など)、視覚センサ(例えば、カメラなど、可視光、赤外線、または紫外線を検出できる撮像装置など)、近接センサ(例えば、超音波センサ、ライダ、移動時間カメラなど)、慣性センサ(例えば、加速度センサ、ジャイロスコープ、慣性測定ユニット(IMU)など)、高度センサ、圧力センサ(例えば、気圧計など)、音声センサ(例えば、マイクなど)、場センサ(例えば、地磁気センサ、電磁センサ)のうち、任意のものが含まれていてもよい。
【0039】
センサには多様な検出範囲があってもよい。センサの検出可能範囲は、センサがデータを収集できるセンサに関連する領域を含んでもよい。検出可能範囲は距離範囲および/または方向を含んでもよい。例えば、検出可能範囲はセンサによって可読な最大距離および/または最小距離を含んでもよい。最小距離はゼロであってもよい。最大距離は環境条件(例えば、気温、空気中の微粒子、降水、気圧、騒音など)に影響されていてもされていなくてもよい。方向は角度範囲を含んでもよい。例えば、センサは角度範囲の視野を有していてもよい。センサによって検出可能範囲が異なっていても同一であってもよい。
【0040】
いくつかの実施形態において、PMV(300)は一つまたは複数の測位センサ(例えば、全地球測位システム(GPS)センサなど)を単独または慣性測定ユニット(IMU)との組み合わせで含んでいてもよい。測位センサおよび/またはIMUセンサに基づいて、PMVの地理的位置が決定されてもよい。PMVの地理的位置の正確性はGPS信号の質および正確性によって決定されてもよい。一部の場合において、リアルタイムキネマティック(RTK)GPSなどの高精度の即位センサがきわめて精巧な測位(例えば、センチメートルレベルの測位など)を有して使用されてもよい。
【0041】
本明細書で開示される方法は、コンピュータシステムの電子記憶に記憶された機械(例えば、コンピュータプロセッサなど)実行可能コードによって実装されてもよい。機械実行可能または機械可読コードはソフトウェアの形で提供されてもよい。使用中、コードはプロセッサによって実行されてもよい。コードは事前にコンパイルされ、コードが実行できるように適合されたプロセッサを有する機械に使用されるように構成されてもよく、または実行中にコンパイルされてもよい。コードは、コードが事前にコンパイルされるようにまたは実行中にコンパイルされるように選択されたプログラミング言語で提供されてもよい。
【0042】
本開示で提供されるシステムや方法の要素はプログラミングにより実装されうる。技術のあらゆる要素は、通常機械(またはプロセッサ)可読コードおよび/または機械可読媒体の一種によって運ばれたまたは実装された関連するデータの形で「製品」または「製造品」として考えられてもよい。機械実行可能コードはメモリ(例えば、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリなど)などの電子記憶装置またはハードディスク で記憶されていてもよい。「記憶」型媒体は、コンピュータ、プロセッサなどの有形メモリ、またはさまざまな半導体メモリ、テープドライブ、ディスクドライブなど関連するモジュールのいずれかまたはすべてを含んでもよく、これらはいつでもソフトウェアプログラミング用の非一時的な記憶容量を提供してもよい。ソフトウェアのすべてまたは一部は時にインターネットまたは他のさまざまな遠隔通信ネットワークを通した通信を行ってもよい。これらの通信は、例えば一つのコンピュータまたはプロセッサからまた別のコンピュータまたはプロセッサ、例えば管理サーバまたはホストコンピュータからアプリケーションサーバ内のコンピュータプラットフォームへのローディングを可能としてもよい。したがって、上述のソフトウェアの要素を保有しうる他の媒体は、有線および光固定回線ネットワークおよびさまざまなエアリンクを介してローカルデバイス間の物理的インターフェース上で使用される、光波、電波、および電磁波を含む。このような、有線および無線のリンク、光リンクなどの波を伝達する物理的要素も、ソフトウェアを含む媒体として考えてもよい。本開示では、一時的な、有形の「記憶」媒体に限定されていない限り、コンピュータまたは機械「可読媒体」などの用語は、実行のためにプロセッサに命令を送信することに携わる任意の媒体を指す。したがって、コンピュータ実行可能コードなどの機械可読媒体は、有形記憶媒体、搬送波媒体、または物理的な伝送媒体を含む多様な形をとってもよく、これらに限定されない。不揮発性記憶媒体には、任意のコンピュータなどの任意の記憶媒体など、図面に示されるようなデータベースを実装するために使用されうるような、例えば光学または磁気デスクが含まれる。揮発性媒体には、コンピュータプラットフォーム上の主記憶装置などの動的メモリが含まれる。有形伝送媒体には、同軸ケーブル、コンピュータシステム内でバスを構成する線を含む銅線および光ファイバが含まれる。搬送波伝送媒体は電気または電磁気信号、または無線周波(RF)および赤外線(IR)データ通信中に生成されるような音波または光波の形をとってもよい。したがって、コンピュータ可読媒体の一般的な形は、例えばフロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、他の任意の磁気媒体、CD-ROM、DVDまたはDVD-ROM、他の任意の光媒体、パンチカード紙テープ、他の任意の規則的に穴が開けられた物理記憶容量、RAM、ROM、PROM、EPROM、FLASH-EPROM、他の任意のメモリチップまたはカートリッジ、データまたは命令を伝送する搬送波、そのような搬送波を伝送するケーブルまたはリンク、またはコンピュータがプログラミングコードおよび/またはデータを読み取りうる他の任意の媒体を含む。これらの形の多くは、実行のためのプロセッサへの一つまたは複数の指示の一つまたは複数のシーケンスの搬送に携わっていてもよい。
【0043】
上に示されるように、本開示で紹介される技術は、例えばソフトウェアおよび/またはファームウェアによってプログラムされた、プログラム可能な回路(例えば、一つまたは複数のマイクロプロセッサなど)によって実装され、または、特殊用途のハードワイヤード(例えば、プログラム不可能な)回路にて完全に実装され、またはそれらの形の組み合わせで実装される。特殊用途回路は、例えば一つまたは複数の特定用途向け回路(ASIC)、プログラム可能な論理装置(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの形をとりうる。
【0044】
本明細書では特定の実施形態について説明したが、これらの特定の実施形態は例示的なものであり、制限的なものではない。実施例で示された概念は他の実施例および実装に適用されてもよい。
【0045】
本開示の理想的な実施形態は本明細書で示され説明されるが、これらの実施形態が例示的にのみ提供されていることは当業者にとって明らかである。本明細書で提供される特定の実施例によって本開示が限定されることは意図されていない。本開示は前述の明細書を参照して説明されてきたが、実施形態の説明および図面は限定的な意味で解釈されることは意図されていない。当業者は、本開示から離れることなく、多数の変形、変更、および置換をひらめくことができるであろう。さらに、本開示のすべての要素が、さまざまな条件および変数に依存する特定の描写、構成、および相対的な比率に限定されるものではないことを理解されたい。本開示を実施する際に本明細書で説明される実施形態へのさまざまな代替が用いられてもよいことを理解されたい。したがって本開示はこのような代替、変更、変形、および均等物を含むことが意図されている。以下の請求項により本開示の範囲が規定され、特許請求項の範囲およびその均等物の手段および構造が網羅されることが意図されている。
【国際調査報告】