(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-20
(54)【発明の名称】圧密化コーヒータブレット、前記タブレットを含むシステム及びその製造プロセス
(51)【国際特許分類】
A23F 5/12 20060101AFI20230413BHJP
A47J 31/08 20060101ALI20230413BHJP
【FI】
A23F5/12
A47J31/08 105
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022530978
(86)(22)【出願日】2020-11-20
(85)【翻訳文提出日】2022-07-14
(86)【国際出願番号】 PT2020050045
(87)【国際公開番号】W WO2021118376
(87)【国際公開日】2021-06-17
(32)【優先日】2019-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】PT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521042301
【氏名又は名称】ノヴァデルタ - コメルシオ エ インダストリア デ カフェス,エルディーエー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ナベイロ,ルイ ミゲル
(72)【発明者】
【氏名】ロドリゲス,カーラ
【テーマコード(参考)】
4B027
4B104
【Fターム(参考)】
4B027FB21
4B027FC10
4B027FE01
4B027FQ03
4B027FQ20
4B104AA16
4B104BA02
4B104EA30
(57)【要約】
本発明は、圧密化プロセス、形状の維持及び特にエスプレッソタイプのコーヒーのコーヒー抽出の効率に関して有利な構成を呈する、圧密化コーヒータブレット(1)、特に圧密化された焙煎及び粉末化されたコーヒー豆のタブレットを開示する。本発明は、前記圧密化コーヒータブレット(1)を含む飲料調製システム及びその製造プロセスをさらに開示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可食製品、特に香りの良い飲料、例えばエスプレッソタイプのコーヒーなどを調製するためのタブレットであって、
圧密化粉末コーヒーの体積及び量を呈し、
合計幅(D
T)と、中心長手方向軸(XX)に関して概ね対称の形状とを呈する側断面を呈し、
支配的な流れ方向に対して上流を向く部分(11)及び下流を向く部分(12)を呈し、前記支配的な流れ方向に沿ったその延在部分の少なくとも大部分において、前記上流を向く部分(11)と前記下流を向く部分(12)との間で前記合計幅(D
T)に沿って延在する介在部分(13)をさらに呈する、タブレット(1)において、
- 前記圧密化コーヒー体積の大部分、優先的には少なくとも60%、特に優先的には少なくとも70%が、前記介在部分(13)上を含めて、前記合計幅(D
T)まで横方向に延在する領域内にあること、
- 前記圧密化コーヒー体積の優先的には最大で30%、特に優先的には最大で20%の第2のより小さい部分が、前記上流を向く部分(11)上を含めて、前記合計幅(D
T)よりも小さい寸法まで横方向に延在する領域内にあること、
- 最大で5:1、優先的には最大で4:1の、合計幅(D
T)と合計高さ(H)との間の関係性
の少なくとも1つ、優先的には少なくとも2つを呈するように構成されることを特徴とするタブレット。
【請求項2】
前記介在部分(13)は、タブレット(1)の前記合計高さ(H
T)の少なくとも大部分に沿って延在すること、及び
前記介在部分(13)は、前記上流部分(11)及び下流部分(12)に向かって、優先的には少なくともほぼ90°の角度を含む角度において、周囲移行部、特に幅の減少部を構成すること
を特徴とする、請求項1に記載のタブレット。
【請求項3】
以下の形状関係性:
- 前記介在部分(13)が中心横断面(YY)に対して不均一に延在するようなものを含む、前記中心横断面(YY)に対する幾何学的形状に関する非対称な構成、
- その上流の前記介在部分(13)の質量の割合が、その下流の前記介在部分(13)の質量の割合と異なる、優先的にはそれよりも大きいような、中心横断面(YY)に対する合計質量に関する非対称な構成
の少なくとも一方、優先的には両方を呈することを特徴とする、請求項1又は2に記載のタブレット。
【請求項4】
以下の構成:
- 前記上流を向く部分(11)の外側側縁部が、前記合計幅(D
T)よりも小さい横方向寸法を画定し、それにより、前記介在部分(13)への前記上流を向く部分(11)の前記移行部が、上流を向く周囲表面を含むこと、及び
- 前記上流を向く部分(11)が、前記上流を向く部分(11)の延在の少なくとも大部分、優先的には少なくとも90%に沿って、前記支配的な流れ方向に対して少なくともほぼ横方向に延在する表面を呈すること、及び
- 前記上流を向く部分(11)の前記外側側縁部が、前記支配的な流れ方向に対して少なくとも65°及び最大で85°の角度(アルファ)で傾けられた平坦な表面内にあること
の少なくとも1つを呈することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のタブレット。
【請求項5】
以下の寸法関係性:
- 5~10mm、優先的には7~9mmに含まれる合計高さ(H
T)、
- 最大で2mm、優先的には最大で1mmの、前記上流を向く部分(11)の高さ(H
11)、
- 少なくとも2mm及び最大で4mm、優先的には少なくとも2.5mm及び最大で3.5mmの、前記下流に向けられた部分(12)の高さ(H
12)、
- 最大で7mm、優先的には最大で5mmの、前記介在部分(13)の高さ(H
13)
の少なくとも1つ、優先的には少なくとも2つを呈すること、及び
粒子の少なくとも90%が、少なくとも100μm~最大で3000μmに含まれる平均寸法を有する、優先的には、粒子の少なくとも85%が少なくとも250μm及び最大で2000μmの平均寸法を有する粒度分布を呈すること
を特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のタブレット。
【請求項6】
以下の寸法関係性:
- 30~44mm、優先的には32~40mmに含まれる合計幅(D
T)、
- 5~40mm、優先的には10~35mmに含まれる、上流キャビティ(A)の最大横方向延在、例えば最大直径、
- 20~30mm、優先的には23~27mmに含まれる、下流キャビティ(B)の最大横方向延在、例えば最大直径
の少なくとも1つ、優先的には少なくとも2つを呈することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のタブレット。
【請求項7】
前記下流を向く部分(12)は、前記下流を向く部分(12)の横方向の広がりの一部に沿って、側断面で見られた場合に中央に位置して曲面状に延在する下流キャビティ(B)を呈し、それにより、前記下流キャビティ(B)の周囲領域は、前記下流を向く部分(12)の外側周囲領域まで少なくともほぼ横方向平面に沿って延在する部分を呈することを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のタブレット。
【請求項8】
前記下流を向く部分(12)は、
- 前記下流を向く部分(12)の前記外側周囲領域が、横方向側断面で見られた場合に湾曲状であり、優先的には前記下流キャビティ(B)の前記周囲領域の近傍から前記介在部分(13)まで延在する表面を含むこと、
- 前記下流キャビティ(B)の前記周囲領域が、前記下流キャビティ(B)の前記湾曲表面と、前記下流を向く部分(12)の前記外側周囲領域の前記湾曲表面との間に延在すること、及び
- 前記下流を向く部分(12)が、前記外側周囲領域の延在と少なくともほぼ同様の、優先的にはそれよりも小さい延在において、前記下流キャビティ(B)と、前記下流を向く部分(12)の前記外側周囲領域との間に延在する、前記下流キャビティ(B)の周囲領域を呈すること
の少なくとも1つを呈するように構成されることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のタブレット。
【請求項9】
前記下流を向く部分(12)は、
- 前記下流を向く部分(12)の前記外側周囲領域が、前記合計幅(D
T)よりも小さい横方向寸法を呈し、それにより、前記介在部分(13)への前記下流を向く部分(12)の前記移行部が、優先的には、少なくともほぼ横方向に沿って延在する表面を含むこと、
- 前記下流を向く部分(12)の前記外側周囲領域が、横方向側断面で見られた場合、優先的には少なくともほぼ円形の湾曲において、1~6mm、優先的には2~5mmに含まれる曲率半径で丸みを付けられること
の少なくとも1つを呈するように構成されることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載のタブレット。
【請求項10】
前記下流キャビティ(B)は、
- 前記外側寸法(D
T)の少なくとも50%~最大で75%に延在する半球形状、
- 前記下流を向く部分(12)の下流を向く表面で測定された前記下流キャビティ(B)の特徴的な寸法、例えば直径が、前記介在部分(13)の隣の前記下流を向く部分(12)の前記下流を向く表面の周縁部の同じ平面で測定された対応する特徴的な寸法、例えば直径の95%を超えない、優先的には90%を超えないこと
の少なくとも1つを呈するように構成されることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のタブレット。
【請求項11】
前記上流を向く部分(11)は、中央に位置して配置され、少なくとも前記介在部分(13)まで延在し得る少なくとも1つの上流キャビティ(A)を呈すること、及び
前記少なくとも1つの上流キャビティ(A)は、ある領域を限定する直線タイプの形状及び領域タイプの形状の少なくとも一方を占めること
を特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のタブレット。
【請求項12】
前記上流及び下流を向く部分(11、12)の少なくとも一方は、それぞれ下流及び上流方向に延在する少なくとも1つのそれぞれのキャビティ(A、B)を呈し、それにより、前記キャビティ(A、B)は、以下の寸法関係性:
- 前記キャビティ(A、B)が、異なるキャビティ体積を呈し、それにより、前記下流キャビティ(B)が、前記上流キャビティ(A)の体積よりも大きい体積を呈する場合に好ましいこと、
- 前記キャビティ(A、B)が、異なる横方向延在を呈し、それにより、前記下流キャビティ(B)が、前記上流キャビティ(A)の横方向延在よりも大きい横方向延在を呈する場合に好ましいこと、
- 前記キャビティ(A、B)が、異なる構成を呈し、それにより、少なくとも前記上流キャビティ(A)が前記中心長手方向軸(XX)に関して回転対称構成を呈さない場合に好ましいこと、
- 前記キャビティ(A、B)の少なくとも一方が、少なくとも前記介在部分(13)の近傍まで、優先的には前記介在部分(13)を越えずに延在すること
の少なくとも1つ、優先的には少なくとも2つを呈することを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載のタブレット。
【請求項13】
前記上流及び下流を向く部分(11、12)から前記介在部分(13)への移行の領域は、それぞれの場合において、横方向に沿って延在し、前記介在部分(13)の外壁と少なくともほぼ直角を形成する表面を含むことを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載のタブレット。
【請求項14】
コーヒー粉末の量は、4~8グラム、優先的には5~7グラム、特に優先的には5.3~6.7グラムに含まれること、及び
コーヒー粉末の前記量は、質量において1~5%、優先的には質量において2~4%に含まれる湿分含有量を呈すること
を特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載のタブレット。
【請求項15】
コーヒー粉末の前記量は、粒子の少なくとも90%が、100μm~3000μmに含まれる平均寸法を有する、優先的には、粒子の少なくとも85%が、250μm~2000μmに含まれる平均寸法を有する粒度分布を呈する粒状コーヒーに対応することを特徴とする、請求項1~14のいずれか一項に記載のタブレット。
【請求項16】
可食製品を調製するための、特に飲料を調製するためのシステムであって、
- 請求項1~15のいずれか一項に記載のタブレット(1)を含む個別ポーション(10)、
- 抽出装置の内側で前記個別ポーション(10)の上流を向く部分(11)に衝突することができるように、加圧された流れの注入手段を含み、それにより、飲料は、前記下流を向く部分(12)の下流で集められ得る、装置、特に飲料調製装置
を含むシステムにおいて、
少なくとも1種類のタブレット(1、1’)と、前記タブレット(1、1’)を含む少なくとも1種類の個別ポーション(10、10’)とを含み、
それにより、前記種類のタブレット(1、1’)は、圧密化コーヒー粉末の質量、圧密化タブレットの体積並びに前記上流及び下流を向く部分(11、12)の少なくとも一方の構成の少なくとも1つにおいて異なり得、及び
それにより、前記種類の個別ポーション(10、10’)は、タブレット封入体(2、2’)の包含又は非包含、タブレット封入体(2、2’)の材料、種類、形状及び寸法の少なくとも1つにおいて異なり得ることを特徴とするシステム。
【請求項17】
前記個別ポーション(10)は、
- 優先的には前記テーブル(1)のコーティングとして提供され、それにより、前記キャビティ(A、B)の少なくとも一方の形状の輪郭に従うことができる可食材料の封入体(2)、
- 前記キャビティ(A、B)の形状の輪郭に従わない隣接する空間を限定することができるように提供される、非可食材料、特に合成材料の封入体(2)
の少なくとも一方を含む、ガスバリア特性を有する封入体(2)の内側に提供され得るタブレット(1)を含み、及び
それにより、前記封入体(2)は、少なくとも1つの封入体支持体、例えばフォリオ状の支持体を含むことができ、それにより、前記封入体支持体は、
- 単一の個別ポーション(10)、
- 前記封入体支持体の延在に沿って連続的に配置された複数の個別ポーション(10)
の少なくとも一方を含むことを特徴とする、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記個別ポーション(10、10’)は、ユーザ、前記抽出装置(21)への前記個別ポーション(10、10’)の機械的供給手段及び自動認識手段の少なくとも1つによることを含めて、前記上流及び下流を向く部分(11、12)に関連する少なくとも1つの特徴の認識を提供するように適合されることを特徴とする、請求項16又は17に記載のシステム。
【請求項19】
少なくとも2種類のタブレット(1、1’)であって、
- 前記タブレット(1、1’)の外側体積、
- 前記タブレット(1、1’)の圧密化粉末コーヒーの質量、
- 前記支配的な流れ方向に沿った前記介在部分(13)の延在(H
13)、
- 優先的には前記支配的な流れ方向に沿ったその延在を含む、前記下流キャビティ(B)の寸法
の少なくとも1つにおいて異なる少なくとも2種類のタブレット(1、1’)を含むことを特徴とする、請求項16~18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
コーヒータブレット(1)、特に請求項1~15のいずれか一項に記載のタブレット(1)を含む個別ポーション(10)の製造のプロセスにおいて、
- 焙煎及び粉末化されたコーヒー豆の予め決定された同様の量を、圧密化装置内に配置された複数の圧密化モールドに供給するステップであって、
それにより、粉末コーヒーの前記量は、4~8グラム、優先的には5~7グラム、特に優先的には5.3~6.7グラムに含まれ、
それにより、粉末コーヒーの前記量は、質量において1~5%、優先的には質量において2~4%に含まれる湿分含有量を呈する、ステップ、
- 優先的には、4~6kN、特に優先的には4.5~5.5kNに含まれる圧密化力で前記モールドに複数の連続圧密化サイクルを適用するステップであって、
それにより、前記圧密化力は、優先的には、2つの強打工具によって2つの異なる方向において適用され、
それにより、前記圧密化モールド及び強打工具は、異なる体積及び異なるキャビティ(A、B)の少なくとも一方を呈する、上流を向く部分(11)及び下流を向く部分(12)をタブレット(1)に提供するように構成される、ステップ、
- 10~20N、優先的には13~17Nに含まれる硬度に対応する破砕性を有するタブレット(1)を得るステップ
を含むことを特徴とするプロセス。
【請求項21】
粉末コーヒーの前記量は、粒子の少なくとも90%が、100μm~3000μmに含まれる平均寸法を有する、優先的には、粒子の少なくとも85%が、250μm~2000μmに含まれる寸法を有する粒度分布を呈する粉末コーヒーに対応することを特徴とする、請求項20に記載のプロセス。
【請求項22】
10~20Nに含まれる硬度を有する前記タブレット(1)を得た後、
- 特に第1の封入体部分の延在に沿ってそれぞれの予め形成されたキャビティ内に連続的に部分的に集められるように、少なくとも1つ、優先的には複数の前記タブレット(1)を、下流を向く部分(12)の側に配置されるように適合された前記第1の封入体部分に提供するステップ、
- 上流を向く部分(11)の側に配置されるように適合された第2の封入体部分を提供するステップ、
- 封入体(2)の前記第1及び第2の封入体部分間にシールを提供するステップ
をさらに含むことを特徴とする、請求項20又は21に記載のプロセス。
【請求項23】
10~20Nに含まれる硬度を有する前記タブレット(1)を得た後、
- 前記タブレット(1)の封入体(2)として可食コーティングを提供し、それにより個別ポーション(10)を得るステップ、
- 複数の個別ポーション(10)を、ガスバリアを有する材料を欠く包装に提供するステップ
をさらに含むことを特徴とする、請求項20又は21に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、飲料を調製するためのタブレットであって、粒状可食物質、特に焙煎及び粉末化されたコーヒーの圧密化によって製造されるタブレットの分野並びに前記圧密化タブレットを有する個別ポーションを含む飲料調製システム及びその製造プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
従来技術は、圧密化粉末コーヒーのタブレットに関するいくつかの文献を含む。前記圧密化コーヒー粉末のタブレットは、その工業的生産において、特に得られる形状に関していくつかの制約を呈する。
【0003】
前記圧密化タブレットの形態は、飲料の調製において、特にエスプレッソタイプのコーヒー又は同様のものの場合に重要な役割を果たすことができる。実際、例えば2シートフィルム状の封入体の形態における、前記タブレットに関連する包装内に飲料を一時的に蓄積することができるように、上流を向く側にキャビティを設けることが重要であり得る。
【0004】
文献欧州特許第0229920B1号は、質量において少なくとも3%、特に3%~6%と、0.4mm~2.0mm、特に0.6mm~1.2mmの平均粒子寸法とを有する焙煎された粉末コーヒーの粒子の質量に20.7~48.3MPaの圧力を加えることを含む、コーヒータブレットを製造するためのプロセスを開示している。このプロセスは、圧密化テーブルの外側を、水に分散可能な可食材料でコーティングすることをさらに含み、それにより、前記コーティングは、水性液体による加湿及び乾燥固体の適用を含む。
【0005】
文献米国特許第6,068871号は、円板の全体的な形状を有するタブレット圧密化物質からの飲料調製物を開示している。前記タブレットは、上流を向く部分、下流を向く部分及び介在部分を呈し得、それにより、前記各部分は、支配的な流れ方向に沿って同様の延在に沿って延在する。さらに、前記タブレットは、上流を向く面及び下流を向く面の少なくとも一方において中心に位置して配置されたキャビティを呈し得る。特に、タブレットは、球形状であり、及び前記上流を向く部分の上流を向く面全体に沿って延在するキャビティのみを呈し得る。
【0006】
文献国際公開第2008/123775 A1号は、コーヒータブレットを製造するための方法及び前記方法によって得られるコーヒータブレットを開示している。前記コーヒータブレットは、全体的に不規則な形状を呈し得る。
【0007】
従来技術のいずれの文献も、構造的抵抗性の最適化、したがって使用される材料の量の最適化を提供する構造的構成を呈する圧密化コーヒータブレットを開示していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
発明の概要
本発明の目的は、より優れた寸法的及び機能的特徴を提示する圧密化コーヒータブレットを提供することである。
【0009】
特に、前記圧密化コーヒータブレットは、より優れた全体的な構成を呈し、それにより上流の流れに対するコーヒー体積のより優れた構造抵抗性及びより優れた露出並びに上流を向く部分のより優れた構成を呈し、それによりコーヒーを主成分とする飲料、例えばエスプレッソコーヒータイプの調製において、コーヒー、特に焙煎及び粉末化されたコーヒー豆の抽出に寄与する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、請求項1に記載の圧密化コーヒータブレットにより、本発明に従って達成され、好ましい実施形態は、従属請求項に開示される。
【0011】
特に、本発明による圧密化コーヒータブレットは、圧密化コーヒー体積の少なくとも大部分、優先的には少なくとも60%、特に優先的には少なくとも70%を、前記介在部分内を含めて、合計高さまで横方向に延在する領域内に呈し、及び/又は圧密化コーヒー体積の優先的には最大で30%、特に優先的には最大で20%の第2のより小さい部分は、前記上流を向く部分上を含めて、合計幅よりも小さい寸法まで横方向に延在する領域内にある。
【0012】
本発明による圧密化コーヒータブレットは、最大で5:1、優先的には最大で4:1の、合計幅と合計高さとの間の関係性を呈し得る。
【0013】
さらに、本発明による圧密化コーヒータブレットは、支配的な流れ方向に沿って異なる延在を有することを含めて、下流キャビティと異なる上流キャビティを呈する。
【0014】
前記上流キャビティは、上流を向く部分に含まれ得、及び前記下流キャビティは、下流を向く部分に含まれ得、それにより、圧密化コーヒータブレットの前記上流及び下流を向く部分は、介在部分によって分離される。
【0015】
前記下流を向く部分は、中心に位置して配置され、及び前記下流を向く部分の横方向寸法の一部のみに沿って延在する下流キャビティを呈し得、それにより、前記下流キャビティの周囲領域は、前記下流を向く部分の外側周囲領域まで横方向に延在する部分を呈する。
【0016】
関連する目的は、圧密化タブレットの抽出効率及び物理的安定性の点でより優れた物理的特性を呈する粉末コーヒーの所与の量を呈する圧密化コーヒータブレットを提供することである。
【0017】
特に、粉末コーヒーの量が4~8グラム、優先的には5~7グラム、特に優先的には5.3~6.7グラムに含まれ、及び粉末コーヒーの前記量が、質量において1~5%、優先的には質量において2~4%に含まれる湿分含有量を呈する場合に有利である。
【0018】
さらに、コーヒーの前記量が、粒子の少なくとも90%が、100μm~3000μmに含まれる平均寸法を有する、優先的には、粒子の少なくとも85%が、250μm~2000μmに含まれる平均寸法を有する粒度分布を呈する粉末コーヒーに対応する場合に有利である。
【0019】
関連する目的は、支配的な流れ方向に対するコーヒーの質量の少なくとも大部分のより優れた分布、したがってコーヒーの前記質量のより優れた抽出効率を呈する圧密化コーヒータブレットを提供することである。
【0020】
この目的は、支配的な流れ方向を横切る方向に沿って合計外側寸法まで延在する介在部分内にコーヒーの質量の大部分を呈する圧密化コーヒータブレットにより、本発明に従って解決される。
【0021】
関連する目的は、例えば、エスプレッソタイプのコーヒーのものなど、飲料調製システムの一部として使用する際にさらなる利点を提供する圧密化コーヒータブレットを呈する飲料調製システムを提供することである。
【0022】
この目的は、請求項16に記載のシステムにより、本発明に従って解決される。
【0023】
このシステムは、少なくとも1種類のタブレットと、前記タブレットを含む少なくとも1種類の個別ポーションとを含み得、それにより、前記種類のタブレットは、圧密化コーヒー粉末の質量、タブレット体積並びに上流及び下流を向く部分の少なくとも一方の構成の少なくとも1つにおいて異なり得、及びそれにより、前記種類の個別ポーションは、タブレットの封入体の包含又は非包含、タブレットの封入体の材料、種類、形状及び寸法の少なくとも1つにおいて異なり得る。
【0024】
本発明の別の目的は、飲料、例えばエスプレッソタイプのコーヒーなどの調製において使用される個別ポーションに対応する圧密化コーヒータブレットの製造のプロセスを提供することであり、この製造プロセスは、より優れた圧密化特徴をタブレットに提供する。
【0025】
この目的は、請求項20に記載のプロセスにより、本発明に従って解決される。
【0026】
特に、本発明によるプロセスは、異なる体積寸法及び異なるキャビティの少なくとも一方を呈する、上流を向く部分及び下流を向く部分をタブレットに提供するように構成された圧密化モールド及び強打工具の使用を含む。
【0027】
図面の簡単な説明
以下では、好ましい実施形態及び添付の図に基づいて本発明をより詳細に説明する。
【0028】
図は、単純化された概略的な表現で示されている。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明によるタブレット(1)の第1の実施形態の上面図である。
【
図2】本発明によるタブレット(1)の第1の実施形態の底面図である。
【
図3】本発明によるタブレット(1)の第1の実施形態の側面図である。
【
図4】
図3によるタブレット(1)の実施形態の側面断面図である。
【
図5】本発明によるタブレット(1)の第2の実施形態の側面図である。
【
図6】
図5によるタブレット(1)の実施形態の側面断面図である。
【
図7】本発明によるタブレット(1)の上流キャビティ(A)の第1の実施形態の上面図である。
【
図8】本発明によるタブレット(1)の上流キャビティ(A)の第2の実施形態の上面図である。
【
図9】本発明によるタブレット(1)の第1のタイプを含む個別ポーション(10)の第1の実施形態の側面図である。
【
図10】本発明によるタブレット(1’)の第2のタイプを含む個別ポーション(10’)の第2のタイプの実施形態の側面図である。
【
図11】本発明によるタブレット(1)の製造プロセスの流れ図である。
【
図12】本発明によるタブレット(1)を含む個別ポーション(10)の製造プロセスの流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
発明の好ましい実施形態の詳細な説明
図1~4は、本発明によるタブレット(1)の第1の実施形態の代表的な図を再現している。
【0031】
前記タブレット(1)は、対応する3次元形状を維持するように圧密化されたある体積のコーヒー粉末に対応する。前記体積は、中心長手方向軸(XX)に関して回転対称である幾何学的形状を含む規則的な幾何学的形状に対応する。
【0032】
特に、タブレット(1)は、予め焙煎及び圧密化されたある量又は質量のコーヒー粉末を呈し得、前記タブレット(1)を、香りの良い飲料の調製において個別ポーション(10)として使用することができるように適合された全体的な形状及び寸法を呈する。特に、前記個別ポーション(10)は、抽出装置に供給し、そこで、例えばエスプレッソタイプのコーヒーなど、コーヒーを主成分とする飲料の調製において機能させることができるように適合されている。
【0033】
前記タブレット(1)は、合計幅(DT)を有し、及び中心長手方向軸(XX)に関して概ね対称の横方向セクションを呈し、また支配的な流れ方向に対して上流を向く部分(11)及び下流を向く部分(12)を呈するように構成され、及び前記上流を向く部分(11)と前記下流を向く部分(12)との間で、少なくともその延在の大部分において、支配的な流れ方向に及び前記合計幅(DT)に沿って延在する介在部分(13)をさらに呈する。
【0034】
示されるように、前記個別ポーション(1)は、概ね円形の横方向セクションを呈し得、それにより、個別ポーション(1)は、概ね円板状の形状又はそれに類する形状を呈する。
【0035】
本発明の一態様によれば、及び特に
図2及び4で見ることができるように、前記上流を向く部分(12)は、上流を向く部分(12)の上流を向く表面から中心に位置して延在する上流キャビティ(B)を呈する。
【0036】
特に、
図4の画に示されるように、下流キャビティ(B)は、前記下流を向く部分(12)の横方向寸法の一部のみに沿って延在し、それにより、前記下流キャビティ(B)の周囲領域は、前記下流を向く部分(12)の外側周囲領域まで少なくともほぼ横方向に沿って延在する部分を呈する。
【0037】
タブレットの構造抵抗性に関して、下流を向く表面の下流キャビティ(B)の特徴的な寸法、例えば直径が、前記下流を向く部分(12)の前記下流を向く表面の周縁の同じ平面で測定された対応する特徴的な寸法、例えば直径の95%を超えない、優先的には90%を超えない場合に有利であると判定されている。
【0038】
他方では、飲料の抽出に関して、下流キャビティ(B)の特徴的な寸法が、前記下流を向く部分(12)の下流を向く表面の特徴的な寸法の少なくとも40%、優先的には少なくとも40%である場合に有利であると実証されている。
【0039】
キャビティ及び閉鎖チャンバは、前記タブレット(1)の包装壁及び抽出装置の壁の少なくとも一方と一緒にこれにより有利に提供され、それにより、下流に生じる飲料は、一時的に蓄積することができる。さらに、前記下流キャビティ(B)は、前記タブレット(1)の下流を向く表面の横方向延在の全体を占有することなく、その一部のみに沿って延在するように構成される。
【0040】
特に、前記下流を向く部分(12)は、下流キャビティ(B)と、下流を向く部分(12)の外側周囲領域との間において、外側周囲領域の延在と少なくともほぼ同様の延在、優先的にはそれよりも大きい延在に沿って延在する下流キャビティ(B)の周囲領域を呈し得る。
【0041】
前記下流を向く部分(12)の外側周囲領域が、前記合計幅(DT)よりも小さい横方向寸法を呈し得、それにより、下流を向く部分(12)から前記介在部分(13)までの移行部が、優先的には、少なくともほぼ横方向に沿って延在する表面を含む場合に好ましい。
【0042】
さらに、前記下流を向く部分(12)の外縁が、1~6mm、優先的には2~5mmに含まれる曲率半径で丸みを付けられる場合に好ましい。
【0043】
これにより、タブレット(1)の体積の最大の延在に対して、すなわち合計幅(DT)に対して少なくともほぼ直交する支配的な流れ方向に沿って、前記加圧された抽出流の液圧の力に曝されたとき、タブレット(1)の構造抵抗性の補強が有利に提供される。
【0044】
好ましい実施形態(図示せず)の場合、前記下流を向く部分(12)は、平面のない専ら丸みを帯びた形状の下流キャビティ(B)の周囲領域を呈し得、前記下流の周囲領域は、優先的には、前記下流キャビティ(B)と少なくともほぼ連続的な湾曲接続において、丸みを帯びた形状で構成される。
【0045】
図4に示されるように、前記上流を向く部分(11)は、中心に位置して延在し得る少なくとも1つの上流キャビティ(A)を呈し得る。前記上流キャビティ(A)は、前記介在部分(13)、さらに前記介在部分(13)の内部まで延在し得、それにより圧密化コーヒーの体積内に加圧流体の初期浸入を促す。
【0046】
本発明の別の態様によれば、及び
図3で観察することができるように、タブレット(1)は、圧密化コーヒーの体積の大部分が、前記介在部分(13)内を含めて、合計幅(D
T)まで横方向に延在する領域にあり、及び圧密化コーヒーの体積の第2のより小さい部分が、前記上流を向く部分(11)内を含めて、合計幅(D
T)よりも小さい寸法まで横方向に延在する領域にあるように構成される。
【0047】
さらに、タブレット(1)が、最大で5、優先的には最大で4の、合計幅(DT)と合計高さ(H)との間の関係性を呈する場合に非常に有利である。
【0048】
さらに、前記介在部分(13)が、タブレット(1)の合計高さ(HT)の少なくとも大部分に沿って延在し、前記介在部分(13)が、前記上流部分(11)及び下流部分(12)に向かって、優先的には少なくともほぼ90°の角度などの角度において、角度の付いた周囲移行部、特に幅の減少部を構成する場合に有利である。
【0049】
これにより、圧密化コーヒータブレットのより優れた構造抵抗性が提供される。さらに、これにより、支配的な注入流れ方向に対する最大横方向寸法(DT)に沿った露出を有する合計コーヒー質量のより優れた相対的な割合が提供され、これは、コーヒー飲料のより優れた抽出効果に寄与する。
【0050】
図3及び4は、本発明によるタブレット(1)の第1の実施形態を示し、上流を向く部分(11)は、専ら前記上流を向く部分(11)に延在し、介在部分(13)の領域まで下流方向に延在しない上流キャビティ(A)を呈するが、
図5及び6は、本発明によるタブレット(1’)の第2の実施形態を示し、上流キャビティ(A)は、介在部分(13)の領域まで下流方向に延在する。第1の事例において、上流キャビティ(A)は、円筒形状を呈し得るが、第2の事例において、円錐形状を呈し得る。
【0051】
下流キャビティ(B)が半球形、球形カップ又は卵状の形状を呈する場合に有利であると実証されている。
【0052】
さらに、第2の実施形態は、前記第1の実施形態のタブレット(1)に関連付けられた合計高さ(H)よりも大きい合計高さ(H’)を有するタブレット(1’)を呈する。
【0053】
特に、本発明による飲料調製システムは、異なる高さ(H)と、上流及び下流部分の同様の高さ(H11、H12)とを呈し、それにより、それぞれの介在部分の高さ(H13)のみを変える少なくとも2種類のタブレット(1、1’)を含むことができる。前記種類のタブレット(1、1’)が同様の合計直径(DT)を呈する場合にさらに好ましい。
【0054】
本発明によるタブレット(1)は、圧密化プロセスにおいて圧密化された焙煎及び粉末化されたコーヒー豆のある量を呈し、圧密化プロセスは、予め焙煎及び粉末化されたコーヒー豆の前記量を、本発明によるタブレット(1)に対応する内部形状及び寸法を呈する圧密化モールドに提供することを含む。
【0055】
コーヒー粉末の前記量は、4~8グラム、優先的には5~7グラム、特に優先的には5.3~6.7グラムに有利に含まれるが、コーヒー粉末の前記量は、質量において1~5%、優先的には質量において2~4%に含まれる湿分量を呈する。
【0056】
さらに、コーヒーの前記量が、粒子の少なくとも90%が、100μm~3000μmに含まれる平均寸法を有する、優先的には、粒子の少なくとも85%が250μm~2000μmの平均寸法を有する粒度分布を呈する粒状コーヒーに対応する場合、実行された試験において特に有利であると実証されている。
【0057】
図7及び8は、上流を向く部分(11)の上流を向く表面に提供された上流キャビティ(A)の2つの好ましい実施形態を示す。
【0058】
前記少なくとも1つの上流キャビティ(A)は、上面図で見られた場合、円形と異なる幾何学的形状に対応する外側周囲を有利に呈し得る。特に、前記形状は、多角形及び未閉鎖線(図示せず)の少なくとも一方に対応し得る。
【0059】
両方とも前記上流を向く部分(11)の上流表面の面において延在する、外側周囲及び内側周囲によって限定された少なくとも1つの閉鎖されたアライメントに沿って延在する上流キャビティ(A)の場合に有利であると実証されている。これにより、上流キャビティ(A)は、圧密化コーヒータブレット(1)の交差の向きに有利に作用する、上流方向の加圧流れの好ましい進入領域を提供し得る。
【0060】
示される実施形態の場合、前記上流キャビティ(A)は、外側周囲と内側周囲との間にキャビティを限定することができ、それにより、前記外側及び内側周囲は、上面図で見られた場合、少なくともほぼ同様の幾何学的形状を有利に呈することができる。
【0061】
従来技術で知られる飲料調製システムにおいて、例えば焙煎及び粉末化されたコーヒーの個別ポーションを収集し、それにより例えばエスプレッソタイプのコーヒーの飲料を調製することができるように適合された飲料調製装置の使用が知られている。
【0062】
図9及び10は、圧密化コーヒータブレット(1、1’)を含む2つのタイプの個別ポーション(10、10’)を示す。
【0063】
図9に示される第1のタイプの場合、個別ポーション(10)は、圧密化コーヒータブレット(1)、特に本発明による全体的な構成を呈するタブレット(1)と、ガスバリアを提供し、少なくとも50℃、優先的には少なくとも60℃の温度に曝されると溶解し得る可食コーティングの形態の封入体(2)とを呈する。前記可食コーティングは、タブレット(1)の外側表面全体の周りの少なくともほぼ均一な構成の層で有利に提供され、優先的には、それにより、可食コーティング層は、それぞれの上流キャビティ(A)及び下流キャビティ(B)の少なくとも一方の起伏表面に少なくともほぼ従い、その起伏表面は、同様に前記可食コーティングによってコーティングされる。
【0064】
図10に示される第2のタイプの場合、前記個別ポーション(10’)は、タブレット(1)と、前記キャビティ(A、B)を限定するように提供されるが、その形状の起伏に従わない、非可食材料、特に合成材料の封入体とを呈する。
【0065】
この場合の下流キャビティ(B)は、抽出チャンバを有利に提供し、封入体(2)は、優先的には、少なくとも上流を向く側において、予め決められた圧力値に達するまで、前記封入体(2)の保持に対抗して前記下流キャビティ(B)に蓄積した飲料の流れを一時的に保持するように構成される。従来技術においてこのタイプの封入体のいくつかの実施形態が知られているため、この状況においてそれをより詳細に記載することはしない。
【0066】
本発明による圧密化コーヒータブレット(1)の製造プロセスの場合(
図11を参照されたい)、予め焙煎及び粉末化されたコーヒー豆の予め決定された量は、圧密化機械の複数のモールドに等しく分割されて供給される。
【0067】
焙煎及び粉末化されたコーヒー豆の前記量は、4~8グラム、優先的には5~7グラム、特に優先的には5.3~6.7グラムに含まれる。
【0068】
実行された試験において、コーヒー粉末の前記量が、質量において1~5%、優先的には質量において2~4%に含まれる湿分含有量を呈する場合に特に有利であることが示されている。
【0069】
焙煎及び粉末化されたコーヒー豆の前記量を供給した後、4~6kN、優先的には4.5~5.5kNに含まれる圧密化力で複数の連続圧密化サイクルが適用される。
【0070】
前記圧密化力は、2つの強打工具によって2つの異なる方向で適用することができる。
【0071】
前記圧密化モールド及び強打工具は、異なる体積寸法及び異なるそれぞれのキャビティ(A、B)の少なくとも1つを呈する、上流を向く部分(11)及び下流を向く部分(12)をタブレット(1)に提供するように構成することができる。
【0072】
本発明によるプロセスは、10~20N、優先的には13~17Nに含まれる硬度に対応する破砕性を有するタブレット(1)を得ることを可能にする。
【0073】
図12は、本発明によるタブレット(1)を含む個別ポーション(10)の相補的な製造プロセスのステップを示す。
【0074】
特に、本プロセスは、本発明による少なくとも1つ、優先的には複数のタブレット(1)を、タブレット(1)の下流を向く部分(12)と相互作用するように適合された第1の封入体部分(2)に供給することを含む。
【国際調査報告】