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特表2023-516629水痘帯状疱疹ウイルス融合タンパク質およびこれを含む免疫原性組成物
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  • 特表-水痘帯状疱疹ウイルス融合タンパク質およびこれを含む免疫原性組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-20
(54)【発明の名称】水痘帯状疱疹ウイルス融合タンパク質およびこれを含む免疫原性組成物
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/62 20060101AFI20230413BHJP
   C12N 15/13 20060101ALI20230413BHJP
   C12N 15/38 20060101ALI20230413BHJP
   C12N 15/85 20060101ALI20230413BHJP
   C12P 21/02 20060101ALI20230413BHJP
   C07K 14/04 20060101ALI20230413BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20230413BHJP
   C07K 16/00 20060101ALI20230413BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20230413BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20230413BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20230413BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20230413BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20230413BHJP
   A61K 39/25 20060101ALI20230413BHJP
   A61P 31/22 20060101ALI20230413BHJP
【FI】
C12N15/62 Z
C12N15/13 ZNA
C12N15/38
C12N15/85
C12P21/02 C
C07K14/04
C12N15/63 Z
C07K16/00
C07K19/00
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
A61K39/25
A61P31/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022551821
(86)(22)【出願日】2021-03-02
(85)【翻訳文提出日】2022-08-26
(86)【国際出願番号】 KR2021002580
(87)【国際公開番号】W WO2021172971
(87)【国際公開日】2021-09-02
(31)【優先権主張番号】10-2020-0025608
(32)【優先日】2020-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】515074983
【氏名又は名称】セルトリオン, インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【弁理士】
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100151301
【弁理士】
【氏名又は名称】戸崎 富哉
(74)【代理人】
【識別番号】100152308
【弁理士】
【氏名又は名称】中 正道
(74)【代理人】
【識別番号】100201558
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 恵二郎
(72)【発明者】
【氏名】リュウ、ドン キュン
(72)【発明者】
【氏名】キム、パン キョム
(72)【発明者】
【氏名】ノ、ハン ミ
(72)【発明者】
【氏名】パク、グン ス
(72)【発明者】
【氏名】イ、ス ヤン
(72)【発明者】
【氏名】シム、ウン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミン ス
(72)【発明者】
【氏名】ラ、ワン グン
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4B064AG26
4B064AG32
4B064CA19
4B064CC24
4B064CE10
4B064DA01
4B065AA01X
4B065AA57X
4B065AA72X
4B065AA90X
4B065AA90Y
4B065AA95Y
4B065AB01
4B065BA02
4B065CA24
4B065CA45
4C085AA03
4C085AA38
4C085BA79
4C085CC08
4C085CC22
4C085DD62
4C085EE01
4C085FF02
4C085FF12
4C085GG01
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA41
4H045CA03
4H045CA40
4H045DA75
4H045DA86
4H045EA31
4H045FA72
4H045FA74
4H045GA21
(57)【要約】
本発明は、水痘帯状疱疹ウイルス融合タンパク質およびこれを含む免疫原性組成物に関し、さらに詳しくは、水痘帯状疱疹ウイルス(Varicella Zoster Virus、VZV)の糖タンパク質E(glycoprotein E、gE)および免疫グロブリン分子の不変部を含む融合タンパク質およびこれを含む免疫原性組成物に関する。本発明は、水痘帯状疱疹ウイルス-特異的細胞-媒介免疫反応を著しく増加させるだけでなく、既存のワクチンに比べて免疫反応を迅速かつ強く起こるようにし、長期間持続可能な効果を示すので、水痘帯状疱疹関連の疾患を予防するのに有用に使用できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水痘帯状疱疹ウイルス(Varicella Zoster Virus、VZV)の糖タンパク質E(glycoprotein E、gE)および免疫グロブリン分子の不変部を含む融合タンパク質。
【請求項2】
前記水痘帯状疱疹ウイルスの糖タンパク質Eは、C-末端アンカー領域が除去されるようにトランケート(truncated)されることを特徴とする請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項3】
前記水痘帯状疱疹ウイルスの糖タンパク質Eは、配列番号1の配列を有することを特徴とする請求項2に記載の融合タンパク質。
【請求項4】
前記免疫グロブリンは、IgG、IgM、IgA、IgDおよびIgAからなる群より選択されるいずれか1つであることを特徴とする請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項5】
前記免疫グロブリンは、IgGであることを特徴とする請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項6】
前記IgGは、IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4からなる群より選択されるいずれか1つであることを特徴とする請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項7】
前記免疫グロブリン分子の不変部は、IgG1重鎖の不変部であることを特徴とする請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項8】
前記免疫グロブリン分子の不変部は、IgG1のヒンジ(hinge)領域、CH2ドメインおよびCH3ドメインを含むことを特徴とする請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項9】
前記免疫グロブリン分子の不変部は、IgG1のCH1ドメインを追加的に含むことを特徴とする請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項10】
前記免疫グロブリン分子の不変部は、Fc部位を含むことを特徴とする請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項11】
前記Fc部位は、Fc受容体と結合して免疫原性を増進させることを特徴とする請求項10に記載の融合タンパク質。
【請求項12】
前記Fc部位は、Fc変異体を含むことを特徴とする請求項10に記載の融合タンパク質。
【請求項13】
前記Fc変異体は、G236A、S239D、A330L、およびI332Eから構成された群より選択された1つ以上の変異を含むことを特徴とする請求項12に記載の融合タンパク質。
【請求項14】
前記Fc変異体は、G236A/S239D/A330L/I332E変異を含むことを特徴とする請求項12に記載の融合タンパク質。
【請求項15】
前記Fc部位は、配列番号2または配列番号3の配列を含むことを特徴とする請求項10に記載の融合タンパク質。
【請求項16】
前記Fc変異体は、配列番号4または配列番号5の配列を含むことを特徴とする請求項12に記載の融合タンパク質。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか1項に記載の融合タンパク質を暗号化する核酸分子。
【請求項18】
請求項17に記載の核酸分子を含む発現ベクター。
【請求項19】
請求項18に記載の発現ベクターが形質転換された宿主細胞。
【請求項20】
i)請求項18に記載の発現ベクターを動物細胞発現システムに導入するステップ;および
ii)融合タンパク質の発現を行うステップ
を含む、融合タンパク質を製造する方法。
【請求項21】
請求項1~16のいずれか1項に記載の融合タンパク質を含む免疫原性組成物。
【請求項22】
前記融合タンパク質は、モノマー(monomer)であることを特徴とする請求項21に記載の免疫原性組成物。
【請求項23】
前記融合タンパク質は、ダイマー(dimer)であることを特徴とする請求項21に記載の免疫原性組成物。
【請求項24】
前記ダイマーは、2つの融合タンパク質のヒンジ(hinge)領域で二硫化結合(disulfide bond)によって成されることを特徴とする請求項23に記載の免疫原性組成物。
【請求項25】
アジュバントを追加的に含むことを特徴とする請求項21に記載の免疫原性組成物。
【請求項26】
前記アジュバントは、TLR4(Toll-like receptor 4)作用剤、アルミニウム塩、サポニン(saponin)およびリポソームから構成された群より選択されるいずれか1つ以上であることを特徴とする請求項25に記載の免疫原性組成物。
【請求項27】
前記TLR4(Toll-like receptor 4)作用剤は、MPL(Monophosphoryl Lipid A)および3D-MPLから構成された群より選択されるいずれか1つ以上であることを特徴とする請求項26に記載の免疫原性組成物。
【請求項28】
前記アルミニウム塩は、アルミニウムヒドロキシド(Aluminium hydroxide)、アルミニウムホスフェート(phosphate)およびアルミニウムスルフェート(sulphate)から構成された群より選択されるいずれか1つ以上であることを特徴とする請求項26に記載の免疫原性組成物。
【請求項29】
前記サポニン(saponin)は、QS21、QS17およびQuilAから構成された群より選択されるいずれか1つ以上であることを特徴とする請求項26に記載の免疫原性組成物。
【請求項30】
請求項21~29のいずれか1項に記載の免疫原性組成物を含むキット。
【請求項31】
請求項21~29のいずれか1項に記載の免疫原性組成物を投与して免疫反応を誘導する方法。
【請求項32】
請求項21~29のいずれか1項に記載の免疫原性組成物を投与して水痘帯状疱疹または帯状疱疹後神経痛を予防する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水痘帯状疱疹ウイルス融合タンパク質およびこれを含む免疫原性組成物に関し、さらに詳しくは、水痘帯状疱疹ウイルス(Varicella Zoster Virus、VZV)の糖タンパク質E(glycoprotein E、gE)および免疫グロブリン分子の不変部を含む融合タンパク質およびこれを含む免疫原性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
水痘帯状疱疹ウイルス(Varicella Zoster Virus、VZV)は、バリセロウイルス(varicellovirus)属(genus)のヒトアルファヘルペスウイルス(human alphaherpesvirus)の一つであり、水痘(varicella、chickenpox)と帯状疱疹(zoster、shingles)の原因になる。水痘帯状疱疹ウイルスの一次感染は上気道粘膜(upper respiratory mucosa)の上皮細胞(epithelial cell)で起こり、10~21日の潜伏期を経て全身皮膚に水疱性発疹(vesicular rash)を特徴とする水痘(chickenpox)を起こす。初期感染(primary infection)中、水痘帯状疱疹ウイルスは、感染した皮膚または血液から軸索輸送(axonal transport)によって宿主の神経節(ganglia)の感覚神経細胞(sensory nerve cell)に進入して数年間潜伏感染(latent infection)を起こすことがある。神経節に潜伏した水痘帯状疱疹ウイルスは、宿主の免疫力が低下すると再活性化(reactivation)されて帯状疱疹疾患を発生させることがある。帯状疱疹は、神経節が分布した皮膚分節(dermatome)に激しい痛みと水疱型皮膚発疹を伴い、適切な治療ができない場合、帯状疱疹後神経痛(post-herpetic neuralgia、PHN)など深刻な後遺症を誘発することが知られている。
【0003】
水痘帯状疱疹ウイルス遺伝体(genome)は、線状の二重螺旋のDNA構造で約125,000bpの長さであり、最低71個のオープンリーディングフレーム(ORF、open reading frame)とプロモーター(promoter)をエンコードする。そのうち、9個はウイルス外被の表面糖タンパク質(gB、gC、gE、gH、gI、gK、gL、gNおよびgM)を構成し、ウイルスの複製および進入に関与することが知られている。
【0004】
現在、帯状疱疹の予防に使用されているワクチンは、大きく、弱毒化生ワクチン(live attenuated vaccine)または免疫増強剤が含まれた組換えタンパク質ワクチンがある。弱毒化生ワクチンは、弱毒化された生きているウイルスを用いる初期の方式であり、免疫増強剤が含まれた組換えタンパク質ワクチンはタンパク質抗原に免疫増強剤を含ませた方式である。
【0005】
免疫増強剤を含む組換えタンパク質ワクチン方式は、既存の弱毒化生ワクチン方式のデメリットを下記のように補うためのものであって、弱毒化生ワクチンの場合、帯状疱疹と帯状疱疹後神経痛の予防に対する効力が比較的低く、年齢の増加とともにその効力が大きく減少するというデメリットがあるが、免疫増強剤が含まれた組換えタンパク質ワクチンは、臨床試験により年齢に関係なく高い効力および防御力を示すことが確認された。また、弱毒化生ワクチンは、ウイルスの病原性を除去したとしても、依然として生きているウイルスを用いて製造するため、免疫力低下者には使用できないというデメリットがあるが、免疫増強剤が含まれた組換えタンパク質ワクチンは免疫力低下者にも使用可能というメリットを有している。
【0006】
このような免疫増強剤が含まれた組換えタンパク質ワクチンは、弱毒化生ワクチンの効力および安全性の面で改善されたワクチンである。しかし、このワクチンの帯状疱疹予防率は約90%水準であり、サポニン系の免疫増強剤を使用するため、局所的な痛みを誘発する場合がある。これとともに、帯状疱疹および帯状疱疹後神経痛の予防のためには、水痘帯状疱疹ウイルス抗原に対する体液性免疫反応(humoral immune response)の誘導だけではなく、細胞媒介免疫原性(cell-mediated immunity、CMI)の活性化が予防に直接的な役割を果たすことが知られている。
【0007】
したがって、弱毒化生ワクチンとサポニン系の免疫増強剤が含まれた組換えタンパク質ワクチンのデメリットを有さず、より安全かつ細胞媒介免疫原性を選択的に増加させることができる新たな帯状疱疹ワクチン組成物の開発が必要なのが現状である。
【0008】
例えば、現在、全世界で広く接種されている帯状疱疹ワクチンであるゾスタバックス(Zostavax)は代表的な弱毒化生ワクチンで、OKAというワクチンウイルス株を用いて動物細胞の培養および精製工程を経て製造される。このような形態のワクチンは効力が低く、特に、年齢とともに効力が急激に低下し、免疫低下者に使用できないというデメリットがある。また、広く使用されている帯状疱疹ワクチンであるシングリックス(Shingrix)は免疫増強剤が含まれた代表的な組換えタンパク質ワクチンで、gE糖タンパク質は動物細胞の培養および精製工程で製造され、これにAS01免疫増強剤(リポソーム、MPLおよびQS21を含む)が含まれる。効力は約90%であり、免疫増強剤による局所的な痛みの副作用などが報告される。
【0009】
上記のような従来のワクチンは効力および安全性の問題があり、予防の効果がやや制限的であり、局所的な痛みを誘発するなどの問題点が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明者らは、ワクチン投与による副作用を低減しながらも効力を大きく改善した新たなワクチン組成物の効能を確認して、本発明を完成するに至った。
【0011】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、水痘帯状疱疹ウイルス(Varicella Zoster Virus、VZV)の糖タンパク質E(glycoprotein E、gE)および免疫グロブリン分子の不変部を含む融合タンパク質を提供することである。
【0012】
また、本発明が解決しようとする他の課題は、前記融合タンパク質を暗号化する核酸分子を提供することである。
【0013】
また、本発明が解決しようとする他の課題は、前記核酸分子を含む発現ベクターを提供することである。
【0014】
また、本発明が解決しようとする他の課題は、前記発現ベクターが形質転換された宿主細胞を提供することである。
【0015】
また、本発明が解決しようとする他の課題は、前記融合タンパク質を製造する方法を提供することである。
【0016】
また、本発明が解決しようとする他の課題は、前記融合タンパク質を含む免疫原性組成物を提供することである。
【0017】
また、本発明が解決しようとする他の課題は、前記免疫原性組成物を含むキットを提供することである。
【0018】
また、本発明が解決しようとする他の課題は、前記免疫原性組成物を投与して免疫反応を誘導する方法を提供することである。
【0019】
これとともに、本発明が解決しようとするさらに他の課題は、前記免疫原性組成物を投与して水痘帯状疱疹または帯状疱疹後神経痛を予防する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記の課題を解決すべく、本発明は、水痘帯状疱疹ウイルスの糖タンパク質E(gE)および免疫グロブリン分子の不変部を含む融合タンパク質を提供する。
【0021】
本発明による融合タンパク質において、前記水痘帯状疱疹ウイルスの糖タンパク質Eは、C-末端アンカー領域が除去されるようにトランケート(truncated)されたものであってもよい。本発明による融合タンパク質の糖タンパク質Eは、配列番号1で記載されるものであってもよい。
【0022】
本発明による融合タンパク質において、前記免疫グロブリン分子の不変部(例、Fc部位)は、Fc受容体と結合して免疫原性を増進させるものであってもよい。本発明による融合タンパク質の前記免疫グロブリン分子の不変部は、免疫グロブリン重鎖の不変部位であってもよいが、これに限定されるものではない。前記免疫グロブリンは、IgG、IgM、IgA、IgDおよびIgAからなる群より選択されるいずれか1つであってもよいが、これに限定されるものではない。一具体例において、前記免疫グロブリンは、IgGであってもよいが、これに限定されるものではない。一具体例において、前記IgGは、IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4からなる群より選択されるいずれか1つであってもよいが、これに限定されるものではない。一具体例において、前記免疫グロブリン分子の不変部は、IgG1重鎖の不変部であってもよいが、これに限定されるものではない。一具体例において、前記免疫グロブリン分子の不変部は、IgG1のヒンジ(hinge)領域、CH2ドメインおよびCH3ドメインを含むことができ、他の具体例において、前記免疫グロブリン分子の不変部は、IgG1のCH1ドメインを追加的に含むことができるが、これに限定されるものではない。一具体例において、前記免疫グロブリン分子の不変部は、Fc部位を含むことができる。一具体例において、前記Fc部位は、Fc受容体と結合して免疫原性を増進させることができる。
【0023】
一具体例において、前記Fc部位は、Fc変異体を含むことができる。一具体例において、前記Fc変異体は、Fc受容体との結合力を増進させることができる、1つ以上のFc変異を含むことができる。一具体例において、前記Fc変異体は、Fc受容体との結合力を増進させて免疫原性を増進させることができる、1つ以上のFc変異を含むことができる。一具体例において、前記Fc変異体は、G236A、S239D、A330L、およびI332Eから構成された群より選択された1つ以上の変異を含むことができる。一具体例において、前記Fc変異体は、G236A/S239D/A330L/I332E変異をすべて含むことができるが、これに限定されるものではない。一具体例において、前記Fc部位は、配列番号2または配列番号3の配列を含むことができるが、この配列に限定されるものではない。一具体例において、前記Fc変異体は、配列番号4または配列番号5の配列を含むことができるが、この配列に限定されるものではない。本発明の一実施例において、動物実験のためにマウスのFcまたはマウスのFc変異体を使用したが、当業者は目的に応じてヒトFcまたはヒトFc変異体に置換して使用することができる。
【0024】
また、本発明は、前記融合タンパク質を暗号化する核酸分子を提供する。
【0025】
また、本発明は、前記核酸分子を含む発現ベクターを提供する。
【0026】
また、本発明は、前記発現ベクターが形質転換された宿主細胞を提供する。
【0027】
また、本発明は、
i)前記発現ベクターを動物細胞発現システムに導入するステップ;および
ii)融合タンパク質の発現を行うステップ
を含む、融合タンパク質を製造する方法を提供する。
【0028】
本発明の他の課題を解決すべく、本発明は、前記融合タンパク質を含む免疫原性組成物を提供する。
【0029】
一具体例において、前記融合タンパク質は、モノマー(monomer)であってもよいが、これに限定されるものではない。他の具体例において、前記融合タンパク質は、ダイマー(dimer)であってもよいが、これに限定されるものではない。ここで、前記ダイマーは、2つの融合タンパク質のヒンジ(hinge)領域で二硫化結合(disulfide bond)によって成されてもよいが、これに限定されるものではない。
【0030】
本発明による免疫原性組成物は、アジュバントを追加的に含むことができ、前記アジュバントは、TLR4(Toll-like receptor 4)作用剤、アルミニウム塩、サポニン(saponin)およびリポソーム(liposome)から構成された群より選択される1つ以上であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0031】
前記TLR4(Toll-like receptor 4)作用剤は、MPL(Monophosphoryl Lipid A)および3D-MPLから構成された群より選択されるいずれか1つ以上であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0032】
前記アルミニウム塩は、アルミニウムヒドロキシド(Aluminium hydroxide)、アルミニウムホスフェート(phosphate)およびアルミニウムスルフェート(sulphate)から構成された群より選択されるいずれか1つ以上であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0033】
前記サポニン(saponin)は、QS21、QS17およびQuilAから構成された群より選択されるいずれか1つ以上であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0034】
また、本発明のさらに他の課題を解決すべく、本発明は、前記免疫原性組成物を含むキットを提供する。
【0035】
また、本発明のさらに他の課題を解決すべく、本発明は、前記免疫原性組成物を投与して免疫反応を誘導する方法を提供する。
【0036】
これとともに、本発明のさらに他の課題を解決すべく、本発明は、前記免疫原性組成物を投与して水痘帯状疱疹または帯状疱疹後神経痛を予防する方法を提供する。
【発明の効果】
【0037】
本発明による水痘帯状疱疹ウイルスの糖タンパク質E(gE)および免疫グロブリン分子の不変部を含む融合タンパク質およびこれを含む免疫原性組成物は、水痘帯状疱疹ウイルス-特異的細胞-媒介免疫反応を著しく増加させることができる。これにより、本発明による融合タンパク質は、既存のワクチンに比べて免疫反応が迅速かつ強く起こるだけでなく、長期間持続可能な効果を示すので、水痘帯状疱疹関連の疾患を予防するのに有用に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】gE-Fc+MPL+alumの組み合わせの水痘帯状疱疹ウイルス抗原に特異的にインターフェロンガンマを分泌する免疫細胞の数を示す。
図2】gE-Fc+MPL+alumの組み合わせの水痘帯状疱疹ウイルスの表面糖タンパク質Eに特異的なIgG1およびIgG2a抗体の生成量を示す。
図3】gE-Fc’+MPL+alumの組み合わせの水痘帯状疱疹ウイルス抗原に特異的にインターフェロンガンマを分泌する免疫細胞の数を示す。
図4】gE-Fc’+MPL+alumの組み合わせの水痘帯状疱疹ウイルスの表面糖タンパク質Eに特異的なIgG1およびIgG2a抗体の生成量を示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明をより具体的に説明する。しかし、本記載は本発明の理解のためのものに過ぎず、ある意味でも本発明の範囲が詳細な説明に記載された事項によって限定されるものではない。
【0040】
本発明の範囲は、以下説明される内容によって制限されず、特に、以下の実施例などに記載された実験条件などによって可変できる一切のものを含むことができる。本発明の範囲は添付した請求項によって制限されるので、単にさらなる理解のために本明細書で使われた用語は、本発明の詳細な実施例を説明する目的のためのものに過ぎず、本発明の範囲がこれに制限されてはならない。
【0041】
本明細書において他に定義されない限り、本明細書で使われたすべての技術的、そして科学用語は当業界における通常の知識を有する者に一般的に理解される用語と同一の意味で解釈される。本明細書に言及されたすべての参照文献は、これらの公開された全体の内容が本明細書の発明を説明するための参照された内容で、本発明の明細書の内容として統合される。
【0042】
本発明は、水痘帯状疱疹ウイルス(Varicella Zoster Virus、VZV)の糖タンパク質E(glycoprotein E、gE)および免疫グロブリン分子の不変部を含む融合タンパク質に関し、より具体的な例として、水痘帯状疱疹ウイルスの表面糖タンパク質Eのカルボキシ末端(Carboxyl terminus)に、免疫グロブリン重鎖の不変部部分(fragment crystalizable、Fc)のアミノ末端(Amino terminus)がペプチド結合により連結されたFc-融合タンパク質を提供する。
【0043】
前記水痘帯状疱疹ウイルスの糖タンパク質Eは、C-末端アンカー領域が除去されるようにトランケート(truncated)されたものであってもよい。この時、前記糖タンパク質Eは、配列番号1の配列で記載されるものであってもよい。
【0044】
前記免疫グロブリンは、IgG、IgM、IgA、IgDおよびIgAからなる群より選択されるいずれか1つであってもよいが、これに限定されるものではない。一具体例において、前記免疫グロブリンは、IgGであってもよいが、これに限定されるものではない。一具体例において、前記IgGは、IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4からなる群より選択されるいずれか1つであってもよいが、これに限定されるものではない。一具体例において、前記免疫グロブリン分子の不変部は、IgG1重鎖の不変部であってもよいが、これに限定されるものではない。一具体例において、前記免疫グロブリン分子の不変部は、IgG1のヒンジ(hinge)領域、CH2ドメインおよびCH3ドメインを含むことができれば、前記免疫グロブリン分子の不変部は、IgG1のCH1ドメインを追加的に含むことができるが、これに限定されるものではない。一具体例において、前記免疫グロブリン分子の不変部は、Fc部位を含むことができるが、これに限定されるものではない。一具体例において、前記Fc部位は、Fc受容体と結合して免疫原性を増進させることができるが、これに限定されるものではない。一具体例において、前記Fc部位は、配列番号2または配列番号3の配列を含むことができるが、この配列に限定されるものではない。
【0045】
また、前記Fc部位は、Fc変異体を含むことができるが、これに限定されるものではない。前記Fc変異体は、G236A、S239D、A330L、およびI332Eから構成された群より選択された1つ以上の変異を含むことができる。前記Fc変異体は、G236A/S239D/A330L/I332E変異をすべて含むことができるが、これに限定されるものではない。前記Fc変異位置のナンバリング方式は、EU方式によるが、これに限定されるものではない。一具体例において、前記Fc変異体は、配列番号4または配列番号5の配列を含むことができるが、この配列に限定されるものではない。
【0046】
また、本発明は、前記融合タンパク質を暗号化する核酸分子を提供する。
【0047】
また、本発明は、前記核酸分子を含む発現ベクターを提供する。
【0048】
また、本発明は、前記発現ベクターが形質転換された宿主細胞を提供する。
【0049】
また、本発明は、
i)前記発現ベクターを動物細胞発現システムに導入するステップ;および
ii)融合タンパク質の発現を行うステップ
を含む、融合タンパク質を製造する方法を提供する。
【0050】
また、本発明は、前記融合タンパク質を含む免疫原性組成物を提供する。
【0051】
一具体例において、前記融合タンパク質は、モノマー(monomer)であってもよいが、これに限定されるものではない。他の具体例において、前記融合タンパク質は、ダイマー(dimer)であってもよいが、これに限定されるものではない。ここで、前記ダイマーは、2つの融合タンパク質のヒンジ(hinge)領域で二硫化結合(disulfide bond)によって成されてもよいが、これに限定されるものではない。
【0052】
本発明による免疫原性組成物は、アジュバントを追加的に含むことができ、前記アジュバントは、TLR4(Toll-like receptor 4)作用剤、アルミニウム塩、サポニン(saponin)およびリポソーム(liposome)から構成された群より選択される1つ以上であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0053】
前記TLR4(Toll-like receptor 4)作用剤は、MPL(Monophosphoryl Lipid A)および3D-MPLから構成された群より選択されるいずれか1つ以上であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0054】
前記アルミニウム塩は、アルミニウムヒドロキシド(Aluminium hydroxide)、アルミニウムホスフェート(phosphate)およびアルミニウムスルフェート(sulphate)から構成された群より選択されるいずれか1つ以上であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0055】
前記サポニン(saponin)は、植物および海洋動物界に広く分布したトリペルテングリコシド物質であって、当業界にて主に容認されるアジュバントである。本発明の一実施形態によれば、前記サポニンは、QS21、QS17およびQuilAからなる群より選択されたいずれか1つ以上であってもよいが、これに限定されるものではない。本発明の他の実施形態によれば、好ましくは、QS21であってもよいが、これに限定されるものではない。QS21は、キラヤサポナリア(Quillaja saponaria)の皮に由来する抽出物をHPLC精製して使用し、アシル化された3,28-bisdesmodic triterpene glycosides(1,3)とも表記される。
【0056】
前記リポソーム(Liposome)は、リン脂質二重層で形成された脂質ベースの楕円形構造体であって、通常、ワクチン組成物または薬学的組成物などに含まれて薬物伝達運搬体としての役割を果たす。本発明の一実施形態によれば、前記リポソームは、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド(DDA)、1,2-ジオレオイル-3-トリメチルアンモニウムプロパン(DOTAP)、3β-[N-(N’,N’-ジメチルアミノエタンカルバモイルコレステロール(3β-[N-(N,N-dimethylaminoethane)carbamoyl cholesterol、DC-Chol)、1,2-ジオレオイルオキシ-3-ジメチルアンモニウムプロパン(DODAP)、1,2-ジ-O-オクタデセニル-3-トリエチルアンモニウムプロパン(1,2-di-O-octadecenyl-3-trimethylammonium propane、DOTMA)、1,2-ジミリストレオイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(1,2-dimyristoleoyl-sn-glycero-3-ethyl phosphocholine、14:1 Etyle PC)、1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(1-palmitoyl-2-oleoyl-sn-glycero-3-ethylphosphocholine、16:0-18:1 Ethyl PC)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(1,2-dioleoyl-snglycero-3-ethylphosphocholine、18:1 Ethyl PC)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(1,2-distearoyl-sn-glycero-3-ethylphosphocholin、18:0 Ethyl PC)、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(1,2-dipalmitoyl-sn-glycero-3-ethylphosphocholine、16:0 Ethyl PC)、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(1,2-dimyristoyl-sn-glycero-3-ethylphosphocholine、14:0 Ethyl PC)、1,2-ジラウロイル-sn-グリセロ-3-エチルホスホコリン(1,2-dilauroyl-sn-glycero-3-ethylphosphocholin、12:0 Ethyl PC)、N1-[2-((1S)-1-[(3-アミノプロピル)アミノ]-4-[ジ(3-アミノ-プロピル)アミノ]ブチルカルボキサミド)エチル]-3,4-ジ[オレイルオキシ]-ベンザミド(N1-[2-((1S)-1-[(3-aminopropyl)amino]-4-[di(3-amino-propyl)amino]butylcarboxamido)ethyl]-3,4-di[oleyloxy]-benzamide、MVL5)、1,2-ジミリストイル-3-ジメチルアンモニウム-プロパン(1,2-dimyristoyl-3-dimethylammonium-propane、14:0 DAP)、1,2-ジパルミトイル-3-ジメチルアンモニウム-プロパン(1,2-dipalmitoyl-3-dimethyl ammonium-propane、16:0 DAP)、1,2-ジステアロイル-3-ジメチルアンモニウム-プロパン(1,2-distearoyl-3-dimethylammonium-propane、18:0 DAP)、N-(4-カルボキシベンジル)-N,N-ジメチル-2,3-ビス(オレオイルオキシ)プロパン-1-アミニウム(N-(4-carboxybenzyl)-N,N-dimethyl-2,3-bis(oleoyloxy)propan-1-aminium、DOBAQ)、1,2-ステアロイル-3-トリメチルアンモニウム-プロパン(1,2-stearoyl-3-trimethylammonium-propane、18:0 TAP)、1,2-ジパルミトイル-3-トリメチルアンモニウム-プロパン(1,2-dipalmitoyl-3-trimethylammonium-propane、16:0 TA)、1,2-ジミリストイル-3-トリメチルアンモニウム-プロパン(1,2-dimyristoyl-3-trimethyl ammonium-propane、14:0 TAP)およびN4-コレステリル-スペルミン(N4-Cholesteryl-Spermine、GL67)からなる群より選択されたいずれか1つ以上であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0057】
また、前記リポソームは、追加的に、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスファチジルコリン([0020]1,2-Dimyristoyl-snglycero-3-phosphorylcholine、DMPC)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(1,2-dioleoyl-sn-glycero-3-phosphocholine、DOPC)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(1,2-dioleoyl-sn-glycero-3-phosphoethanolamine、DOPE)、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(1,2-dipalmitoyl-sn-glycero-3-phosphocholine、DPPC)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(1,2-distearoyl-sn-glycero-3-phosphocholine、DSPC)、1,2-ジリノレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(1,2-dilinoleoyl-sn-glycero-3-phosphocholine、DLPC)、ホスファチジルセリン(PS)、ホスホエタノールアミン(PE)、ホスファチジルグリセロール(PG)、ホスホリックアシッド(PA)およびホスファチジルコリン(PC)からなる群より選択されるいずれか1つの中性脂質を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0058】
また、本発明は、前記免疫原性組成物を含むキットを提供する。
【0059】
また、本発明のさらに他の課題を解決すべく、本発明は、前記免疫原性組成物を投与して免疫反応を誘導する方法を提供する。
【0060】
これとともに、本発明のさらに他の課題を解決すべく、本発明は、前記免疫原性組成物を投与して水痘帯状疱疹または帯状疱疹後神経痛を予防する方法を提供する。
【0061】
本願に記載された前記各特徴は組み合わされて使用可能であり、前記各特徴が特許請求の範囲の互いに異なる従属項に記載されるという事実は、これらが組み合わされて使用できないことを示すわけではない。
【0062】
実施例1.ウイルス抗原およびFc部位融合タンパク質の製造方法
まず、下記の方法でgE-Fc融合タンパク質を製造した。
【0063】
水痘帯状疱疹ウイルスの表面糖タンパク質E(gE、抗原)のDNAを合成して、動物細胞発現ベクター(expression vector)であるpCT146ベクターにクローニングした。合成したgE DNAを2種の制限酵素(restriction enzyme)、すなわちNheIとPmeIで切断し、pCT146ベクターも同一の制限酵素で切断した。切断されたgE DNAとベクターDNAとをT4連結酵素(ligase)を用いて連結した。クローニングされたpCT146 DNAを大膓菌(E.coli)に形質転換(transformation)し、コロニー(colony)を分析してpCT146ベクターにgE遺伝子が挿入されたバクテリアクローン(bacteria clone)を選別した。このベクターをpCT430と名付けた。
【0064】
gE-Fc融合タンパク質を製造するために、pCT430のgE遺伝子の終止コドン(stop codon)を除去するクローニングを先に進行させた。pCT430 vectorのgE遺伝子を、NheI認識配列(recognition sequence)を含むフォワード(forward)プライマー(primer)と、PmeI認識配列を含みつつ終止コドンが除外されたリバース(reverse)プライマーとを用いて、重合酵素連鎖反応(polymerase chain reaction、PCR)技術で増幅した。NheIとPmeI制限酵素を用いて、終止コドンが除去されたgE DNAがクローニングされたpCT430ベクターを製造した。
【0065】
ヒトIgG1のFc遺伝子配列とマウス(鼠)IgG2aのFc遺伝子配列を、それぞれ制限酵素PmeIの認識配列を含むフォワード、リバースプライマーを用いて、重合酵素連鎖反応技術でそれぞれ増幅し、制限酵素PmeIで切断した。マウス(鼠)IgG2aのFcはヒトIgG1のFcと機能的に対応することが、当業界にてよく知られている(Falk Nimmerjahn et al.Nat Rev Immunol.2008Jan;8(1):34-47)。本出願明細書内において、ヒトIgG1のFcアミノ酸配列およびマウスIgG2aのFcアミノ酸配列をそれぞれ配列番号2および3で特定した。
【0066】
前記gE遺伝子の終止コドンが除去されたpCT430ベクターを同一の制限酵素で切断した後、前記のような方法でDNA連結反応を行って、抗体のFc遺伝子がgE遺伝子のカルボキシル基末端(carboxyl terminal)に挿入されたベクターを確保し、それぞれのベクターをpCT486およびpCT487と名付けた。
【0067】
次に、選別されたコロニーを培養してDNAを精製した。チャイニーズハムスター卵巣細胞株(Chinese hamster ovary cell line、CHO)の一つであるCHO-K1動物細胞に精製された高純度のDNAを用いて形質転換した。このCHO-K1細胞に、選別マーカー(selection marker)であるジヒドロ葉酸還元酵素(dihydrofolate reductase、DHFR)の阻害剤であるMTX(methotrexate)を添加し、継代培養により形質転換された細胞株を選別した。細胞外に排出されるgE-Fcタンパク質をタンパク質A親和性クロマトグラフィーおよびタンパク質の大きさの差を利用したクロマトグラフィー(size exclusion chromatography)を用いた精製した。
【0068】
実施例2.MPLおよびアルミニウムヒドロキシドの用意
次に、本発明の免疫原性組成物実験のために、アジュバント(免疫増強剤)としてMPLおよびアルミニウムヒドロキシドを下記の方法で用意した。
【0069】
MPLまたはMPLAとしても知られているモノホスホリル脂質A(Monophosphoryl Lipid A)は、インビボジェン(InvivoGen)社のMPLA-SM VacciGradeTM(Catalog code:vac-mpla)製品を、製造会社の方法に従ってジメチルスルホキシド(dimethyl sulfoxide、DMSO)で分注した後、零下20℃で冷凍保管して使用した。
【0070】
MPLはサルモネラミネソタ(Salmonella Minnesota)R595菌株のRe突然変異(Re mutant)から生産された脂質多糖類(lipopolysaccharide、LPS)から抽出されるが、脂質A(lipid A)はLPSの内毒素活性(endotoxic activity)に主に関与し、脂質Aから1つのphosphate groupが除去されたものがMPLであって、毒性は減少し、免疫増強効果はそのまま維持された物質を指す(Infect Immun.71(5):2498-507、Int Immunol.14(11):1325-32,J.Biol.Chem.257(19):11808-15、Infect Immun.79(9):3576-3587)。LPSと同じく、MPLはトール様受容体4の作用剤(Toll-like receptor 4、TLR4 agonist)として機能して、Th1免疫反応を強く誘導するとも知られている(Science 316(5831):1628-32,Infect Immun.75(12):5939-46)。
【0071】
次に、アルミニウムヒドロキシドとしてインビボジェン(InvivoGen)社のアルハイドロゲルアジュバント2%(AlhydrogelR adjuvant 2%、catlog# vac-alu-250)製品を分注して使用した。
【0072】
アルミニウム系のアジュバントは、抗原提示細胞(antigen presenting cells、APCs)の抗原吸収を増加させ、Th2免疫反応を誘導し、Th1免疫反応は誘導しないことが知られている(Immunity33(4):492-503)。
【0073】
前記実施例1で用意したgE-Fc融合タンパク質に、MPLおよびアルミニウムヒドロキシドをPBS溶液(phosphate-buffered saline)を用いて特定の濃度で混合して、本発明の組成物を製造した。
【0074】
実験例1.ELISPOT実験
前記実施例2で製造された組成物の効能を評価するために、下記の方法で実験を進行させた。
【0075】
帯状疱疹は、水痘感染により神経節に潜伏していた水痘帯状疱疹ウイルスが主に免疫力の低下した人で再活性化されて発病する病理学的特徴があるので、まず、水痘感染を動物で模倣すべく、生ワクチン(live attenuated vaccine)を熱不活性化(heat inactivation)した後、BALb/cマウス(鼠)雌に1回皮下注射して感作免疫接種(priming immunization)を行った。
【0076】
感作免疫接種から約5週(36日)後、水痘帯状疱疹ウイルスの表面糖タンパク質E(gE)とマウス(鼠)IgG2a抗体のFc部位とが結合した融合タンパク質抗原とアジュバントが含まれた多様な条件の組成物を2回4週間隔で筋肉注射(intramuscular injection)して免疫接種した。ワクチン組成物による水痘帯状疱疹ウイルス特異的体液性および細胞性免疫原性(humoral and cellular immunity)を測定するために、2次免疫接種から約4週(28日)後にマウスの後大静脈から全血(whole blood)を採取し、抹消血液単核細胞(peripheral blood mononuclear cell、PBMC)を分離した。
【0077】
組成物の細胞媒介免疫反応(cell-mediated immune response)を評価するための実験デザインを下記表1に示した。表1の「gE-Fc」は水痘帯状疱疹ウイルスの糖タンパク質E(gE)とマウスIgG2a抗体のFcとが融合した抗原、「MPL」はアジュバント(免疫増強剤)としてのモノホスホリル脂質A、「alum」はアルミニウムヒドロキシドを意味する(実施例1および2参照)。また、「Shingrix(シングリックス)」は組換えられた水痘帯状疱疹用ワクチン(GSK社)であって、リポソームベースの水痘帯状疱疹ウイルスの表面糖タンパク質Eに、MPLおよびQS21が含まれた商業化されたワクチン(liposome-based gE+MPL+QS21の組み合わせ)を意味する。また、グループ1~4内の各組成物の最終ボリュームは100μlずつ合わせて投与した。
【0078】
【表1】
【0079】
本組成物の細胞性免疫反応を評価するために、2次免疫接種から4週後、分離した抹消血液単核細胞を用いてインターフェロンガンマ(Interferon gamma、IFNγ)ELISPOT(Enzyme-linked ImmunoSpot)分析を行った。このために、マウスのPBMCサンプルをRBC除去溶液(red blood cell lysis buffer)を用いて残存RBCを除去し、Mouse IFN-γELISPOT plus(MABTECH、Catalog number 3321-4AST)を用いて、用意したリンパ球に、水痘帯状疱疹抗原(Varicella Zoster antigen、microbix Biosystems Inc、Catalog number EL-03-02)またはコンカナバリンA(Concanavalin A、Sigma、Catalog number C5275)を処理して反応させ、リンパ球から分泌したインターフェロンガンマタンパク質を検出して、spot forming cells(SFC)を計数(count)して評価した。
【0080】
各グループのリンパ球の活性を、陽性対照群(positive control、PC)であるコンカナバリンA(concanavalin A)による細胞-媒介免疫反応(cell-mediated immune response)の活性で標準化して、帯状疱疹抗原-特異的(VZV-specific)リンパ球の細胞媒介免疫反応(cell-mediated immune response)を図1に示した。図1のVZVは、水痘帯状疱疹抗原-特異的細胞-媒介免疫反応を意味し、*または**は、グループ1に対するp valueが<0.05であり、統計的に有意な差を示す。
【0081】
その結果、gE-Fc融合タンパク質とMPL/alumアジュバントが含まれた組成物が、PBS(陰性対照群)に比べて、水痘帯状疱疹抗原-特異的細胞-媒介免疫反応を統計的に有意かつ著しい免疫反応を誘導し、シングリックスワクチンと比較した時、最低同等以上の細胞性免疫反応を誘導することを確認した(図1)。
【0082】
図1から確認したように、gE-Fc+MPL+alumの組み合わせは、低濃度(30μg)に比べて、高濃度(90μg)でより高い細胞性免疫反応を示した。
【0083】
実験例2.ELISA実験
前記実験例1の組み合わせ(グループ1~4)の組成物の効能を評価するために、下記の方法で追加実験を進行させた。
【0084】
2次免疫接種から約4週後、マウスの血液から分離した血清を用いて、ワクチン組成物によって誘導されたIgG1抗体とIgG2a抗体の生成量をELISA分析法で測定した。
【0085】
VZV gE抗原(2μg/ml)をコーティング溶液(coating buffer、carbonate/bicarbonate buffer、Sigma、catalog number C3041-100CAP)を用いて、96ウェルプレート(96-well plate)に4℃の条件で16~18時間コーティング(coating)した。希釈液(Diluent、Teknova、catalog# 2D5120-1L;1%BSA、0.05%Tween-20、1X PBSから構成される)を用いて3回洗浄し、希釈液を用いてプレートを1時間常温でブロッキング(blocking)した。3回洗浄後、用意した血清サンプルをプレートに入れて、1時間30分から2時間常温で反応させた。3回洗浄後、検出抗体:i)horseradish peroxidase-conjugated goat anti-mouse IgG1(BioRad、Catalog# STAR132P)、またはii)horseradish peroxidase-conjugated goat anti-mouse IgG2a(BioRad、Catalog# STAR133P)を入れて、常温で1時間反応させた。6回洗浄した後、TMB(3,3’,5,5’-tetramethylbenzidine、Sigma、Catalog# T0440)をプレートに入れて5分間反応し、硫酸溶液(HSO、Merck、Catalog# 109072)を入れて反応を中止した。プレートリーダー(plate reader)を用いて各サンプルの吸光度(optical density)を測定した。そして、当該試験の結果である水痘帯状疱疹ウイルスの表面糖タンパク質E(gE)すなわち、水痘帯状疱疹ウイルス特異的なIgG1とIgG2a抗体の生成量を測定して、下記表2、表3および図2に示した。IgG1の生成量は、体液性免疫反応の産物を意味し、これに対し、IgG2aの生成量は、細胞性免疫反応の産物を意味する。
【0086】
その結果、表2に示したように、gE-Fc+MPL+alumの組み合わせが、PBSに比べて、gE特異的IgG2a抗体を生成させる効果に優れていることを確認し、これは細胞性免疫反応の増加を示す。また、表3に示したように、gE-Fc+MPL+alumの組み合わせが、PBSに比べて、gE特異的IgG1抗体を生成させる効果に優れていることを確認し、これは体液性免疫反応の増加を示す(図2)。
【0087】
これとともに、前記図1から確認したように、gE-Fc+MPL+alumの組み合わせは、シングリックスワクチンに比べて、類似するレベルの体液性および細胞性免疫反応の誘導能力を有することを最終的に確認した。
【0088】
これにより、本発明の組成物が、陰性対照群に比べて、IgG1およびIgG2a抗体の生成を著しく増加させることを確認し、シングリックスに比べて、類似する程度の細胞性および体液性免疫反応を誘導することを最終的に確認した(表2および表3)。
【0089】
【表2】
【0090】
【表3】
【0091】
実施例3.ウイルス抗原およびFc部位融合変異タンパク質の製造方法
まず、下記の方法でgE-Fc融合変異タンパク質(gE-Fc’)を製造した。
【0092】
水痘帯状疱疹ウイルスの表面糖タンパク質E(gE、抗原)とマウス(鼠)IgG2aのFc(G236A/S239D/A330L/I332E)変異(mutation)部位とが結合した融合タンパク質のDNAを合成して、動物発現細胞発現ベクター(expression vector)であるpCT146ベクターにクローニングした。合成したgE-Fc’ DNAを2種の制限酵素(restriction enzyme)、すなわちNheIとPmeIで切断し、pCT146ベクターも同一の制限酵素で切断した。切断されたgE-Fc’ DNAとベクターDNAとをT4連結酵素(ligase)を用いて連結した。クローニングされたpCT146 DNAを大腸菌(E.coli)に形質転換(transformation)し、コロニー(colony)を分析して、pCT146ベクターにgE-Fc’遺伝子が挿入されたバクテリアクローン(bacteria clone)を選別した。このベクターをpCT664と名付けた。本実施例で使用されたマウスIgG2aのFc(G236A/S239D/A330L/I332E)変異アミノ酸配列を配列番号5で特定した。そして、本実施例では使用されなかったが、本発明において他の具体例として使用可能なヒトIgG1のFc(G236A/S239D/A330L/I332E)変異アミノ酸配列を配列番号4で特定した。
【0093】
次に、選別されたコロニーを培養してDNAを精製した。チャイニーズハムスター卵巣細胞株(Chinese hamster ovary cell line、CHO)の一つであるExpiCHO-S動物細胞に、精製された高純度のDNAを用いて形質転換(Transient Transfection)した。このExpiCHO-S細胞を流加式培養(fed-batch culture)方法を進行させてgE-Fc’融合タンパク質を生産した。細胞外に排出されるgE-Fc’タンパク質はタンパク質A親和性クロマトグラフィー(Protein A affinity chromatography)を用いて精製した。
【0094】
実験例3.ELISPOT実験
前記実施例2および実施例3で製造された組成物の効能を評価するために、下記の方法で実験を進行させた。
【0095】
まず、水痘感染を動物で模倣すべく、生ワクチン(live attenuated vaccine)をC57BL/6マウス(鼠)雌に1回皮下注射して感作免疫接種(priming immunization)を行った。
【0096】
感作免疫接種から約5週(36日)後、水痘帯状疱疹ウイルスの表面糖タンパク質E(gE)とマウス(鼠)IgG2a抗体のFc部位とが結合した融合タンパク質抗原とアジュバントが含まれた多様な条件の組成物を2回4週間隔で筋肉注射(intramuscular injection)して免疫接種した。ワクチン組成物による水痘帯状疱疹ウイルス特異的体液性および細胞性免疫原性(humoral and cellular immunity)を測定するために、2次免疫接種から約4週(28日)後にマウスの後大静脈から全血(whole blood)を採取し、抹消血液単核細胞(peripheral blood mononuclear cell、PBMC)を分離した。
【0097】
組成物の細胞媒介免疫反応(cell-mediated immune response)を評価するための実験デザインを下記表4に示した。表4の「gE-Fc」は水痘帯状疱疹ウイルスの糖タンパク質E(gE)とマウスIgG2a抗体のFcとが融合した抗原、「MPL」はアジュバント(免疫増強剤)としてのモノホスホリル脂質A、「alum」はアルミニウムヒドロキシドを意味する(実施例1、2および3参照)。また、「Shingrix(シングリックス)」は組換えられた水痘帯状疱疹用ワクチン(GSK社)であって、リポソームベースの水痘帯状疱疹ウイルスの表面糖タンパク質Eに、MPLおよびQS21が含まれた商業化されたワクチン(liposome-based gE+MPL+QS21の組み合わせ)を意味する。また、グループ1~4内の各組成物の最終ボリュームは50μlずつ合わせて投与した。
【0098】
【表4】
【0099】
本組成物の細胞性免疫反応を評価するために、2次免疫接種から4週後、分離した抹消血液単核細胞を用いてインターフェロンガンマ(Interferon gamma、IFNγ)ELISPOT(Enzyme-linked ImmunoSpot)分析を行った。
【0100】
各グループのリンパ球の活性を、陽性対照群(positive control、PC)であるコンカナバリンA(concanavalin A)による細胞-媒介免疫反応(cell-mediated immune response)の活性で標準化して、帯状疱疹抗原-特異的(VZV-specific)リンパ球の細胞媒介免疫反応(cell-mediated immune response)を図3に示した。図3のVZVは、水痘帯状疱疹抗原-特異的細胞-媒介免疫反応を示す。
【0101】
その結果、gE-Fc融合タンパク質とMPL/alumアジュバントが含まれた組成物が、PBS(陰性対照群)に比べて、著しい水痘帯状疱疹抗原-特異的細胞-媒介免疫誘導し、シングリックスワクチンと比較した時、優れた細胞性免疫反応を誘導することを確認した(図3)。同じく、gE-Fc’融合変異タンパク質とMPL/alumアジュバントが含まれた組成物が、PBS(陰性対照群)に比べて、水痘帯状疱疹抗原-特異的細胞-媒介免疫反応で著しい免疫反応を誘導し、シングリックスワクチンと比較した時、類似同等の細胞性免疫反応を誘導することを確認した(図3)。
【0102】
実験例4.ELISA実験
前記実験例3の組み合わせ(グループ1~4)の組成物の効能を評価するために、下記の方法で追加実験を進行させた。
【0103】
2次免疫接種から約4週後、マウスの血液から分離した血清を用いてワクチン組成物によって誘導されたIgG1抗体とIgG2a抗体の生成量をELISA分析法で測定した。
【0104】
その結果、表5に示したように、gE-Fc+MPL+alumの組み合わせが、PBSに比べて、gE特異的IgG2a抗体を生成させる効果に優れていることを確認し、これは細胞性免疫反応の増加を示す。また、表6に示したように、gE-Fc+MPL+alumの組み合わせが、PBSに比べて、gE特異的IgG1抗体を生成させる効果に優れていることを確認し、これは体液性免疫反応の増加を示す。(図4
【0105】
これとともに、前記図3から確認したように、gE-Fc+MPL+alumの組み合わせは、シングリックスワクチンに比べて、優れたレベルの体液性および細胞性免疫反応の誘導能力を有することを最終的に確認した。
【0106】
また、表5に示したように、gE-Fc’+MPL+alumの組み合わせが、PBSに比べて、gE特異的IgG2a抗体を生成させる効果に優れていることを確認し、これは細胞性免疫反応の増加を示す。さらに、表6に示したように、gE-Fc’+MPL+alumの組み合わせが、PBSに比べて、gE特異的IgG1抗体を生成させる効果に優れていることを確認し、これは体液性免疫反応の増加を示す。(図4
【0107】
これとともに、前記図3から確認したように、gE-Fc’+MPL+alumの組み合わせは、シングリックスワクチンに比べて、類似するレベルの体液性および細胞性免疫反応の誘導能力を有することを最終的に確認した。
【0108】
これにより、本発明の組成物が、陰性対照群に比べて、IgG1およびIgG2a抗体の生成を著しく増加させることを確認し、シングリックスに比べて、類似する程度の細胞性および体液性免疫反応を誘導することを最終的に確認した。(表5および表6)。
【0109】
【表5】
【0110】
【表6】
図1
図2
図3
図4
【配列表】
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【国際調査報告】