(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-20
(54)【発明の名称】絶縁された切り替え増幅器システム
(51)【国際特許分類】
H02J 50/20 20160101AFI20230413BHJP
【FI】
H02J50/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022552809
(86)(22)【出願日】2021-03-05
(85)【翻訳文提出日】2022-10-27
(86)【国際出願番号】 US2021021070
(87)【国際公開番号】W WO2021178790
(87)【国際公開日】2021-09-10
(32)【優先日】2020-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518085357
【氏名又は名称】ヤンク テクノロジーズ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ヤンコウィッツ, ジョシュア アーロン
(72)【発明者】
【氏名】チャウダリー, モニカ
(57)【要約】
切り替え増幅器システムが、増幅器印刷回路基板(PCB)と、増幅器PCBに結合され、増幅器PCBから増幅された信号を受信するように構成されたフィルタPCBと、フィルタPCBおよび1つ以上のアンテナに結合された共振コンデンサPCBとを含む。共振コンデンサPCBは、少なくとも10mmの距離、増幅器PCBおよびフィルタPCBから物理的に分離されている。フィルタPCBは、少なくとも10mmの距離、増幅器PCBから物理的に分離されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切り替え増幅器システムであって、前記切り替え増幅器システムは、
増幅器印刷回路基板(PCB)と、
前記増幅器PCBに結合され、前記増幅器PCBから増幅された信号を受信するように構成されたフィルタPCBであって、前記フィルタPCBは、少なくとも10mmの距離、前記増幅器PCBから物理的に分離されている、フィルタPCBと、
前記フィルタPCBおよび1つ以上のアンテナに結合された共振コンデンサPCBと
を備え、
前記共振コンデンサPCBは、少なくとも10mmの距離、前記増幅器PCBおよび前記フィルタPCBから物理的に分離され、
前記共振コンデンサPCBは、前記フィルタPCBからフィルタリングされた信号を受信し、前記1つ以上のアンテナ上に前記フィルタリングされた信号を駆動するように構成され、
前記フィルタリングされた信号は、前記フィルタPCBにおける無線周波数(RF)フィルタを通して前記増幅された信号をフィルタリングすることによって発生させられ、
前記フィルタPCB、前記増幅器PCB、前記共振コンデンサPCB、および前記1つ以上のアンテナ間の前記物理的分離距離は、前記切り替え増幅器システムのヒステリシス損失、切り替え損失、または熱損失のうちの少なくとも1つを低減させるために選択されている、切り替え増幅器システム。
【請求項2】
前記増幅器PCBは、信号発生回路によって発生させられる周期的信号を増幅するように構成された並列調整クラスE増幅器を備えている、請求項1に記載の切り替え増幅器システム。
【請求項3】
前記増幅器PCBは、信号発生回路によって発生させられる周期的信号を増幅するように構成されたクラスDまたはクラスE増幅器を備えている、請求項1に記載の切り替え増幅器システム。
【請求項4】
前記増幅器PCBは、別個の電力PCBに電気的に結合され、前記別個の電力PCBは、直流(DC)供給源または交流/直流(AC/DC)充電器出力に結合され、前記別個の電力PCBは、論理および電力回路に電力を提供するように構成されている、請求項1に記載の切り替え増幅器システム。
【請求項5】
前記1つ以上のアンテナは、表面螺旋コイルとして構造化された少なくとも1つのコイルを備え、前記表面螺旋コイルは、中断または無線周波数断続性を伴わない連続した導体を備え、前記連続した導体は、ある角度で誘電材料の周囲に巻きつけられ、前記切り替え増幅器システムの動作周波数における近接効果を減少させ、かつ前記動作周波数における表面螺旋コイルの高固有品質係数(Q)を維持する、請求項1に記載の切り替え増幅器システム。
【請求項6】
前記少なくとも2つのコイルは、第1の平面上に配置された第1の表面螺旋コイルと、前記第1の平面と垂直な第2の平面上に配置された第2の表面螺旋コイルとを備えている、請求項5に記載の切り替え増幅器システム。
【請求項7】
前記第1の平面と前記第2の平面とは、4つの象限を画定するために交差し、前記増幅器PCBは、前記4つの象限のうちの第1の象限内に配置され、前記フィルタPCBは、前記4つの象限のうちの第2の象限内に配置され、前記共振コンデンサPCBは、前記4つの象限のうちの第3の象限内に配置されている、請求項6に記載の切り替え増幅器システム。
【請求項8】
前記4つの象限のうちの第4の象限内に配置された第2のフィルタPCBをさらに備え、前記第2のフィルタPCBは、前記共振コンデンサPCBおよび前記増幅器PCBに結合され、前記第2のフィルタPCBは、前記増幅器PCB、前記フィルタPCB、前記共振コンデンサPCB、および前記少なくとも2つのコイルから物理的に絶縁されている、請求項7に記載の切り替え増幅器システム。
【請求項9】
前記増幅器PCB内に含まれる差動増幅器と、前記増幅器PCBに結合された追加のフィルタPCBとをさらに備え、前記追加のフィルタPCBは、前記増幅器PCBから増幅された信号を受信するように構成されている、請求項1に記載の切り替え増幅器システム。
【請求項10】
無線充電システムを製作する方法であって、前記方法は、
電気的に非伝導性の支持構造の第1のエリアに増幅器印刷回路基板(PCB)を取り付けることと、
前記支持構造の第2のエリアにフィルタPCBを取り付けることであって、前記フィルタPCBは、前記増幅器PCBに電気的に結合され、前記増幅器PCBから増幅された信号を受信するように構成されている、ことと、
前記支持構造の第3のエリアに共振コンデンサPCBを取り付けることと
を含み、
前記共振コンデンサPCBは、前記フィルタPCBおよび1つ以上のアンテナコイルに電気的に結合され、前記フィルタPCBからフィルタリングされた信号を受信し、前記1つ以上のアンテナ上に前記フィルタリングされた信号を駆動するように構成され、
前記支持構造の前記第1のエリア、前記第2のエリア、および前記第3のエリアは、前記増幅器PCB、前記共振コンデンサPCB、前記フィルタPCB、および前記1つ以上のアンテナコイル間の物理的分離を維持するために選択され、
前記フィルタPCBと前記増幅器PCBとの間の前記物理的分離の距離、および前記フィルタPCBと前記共振コンデンサPCBとの間の前記物理的分離の距離は、少なくとも10mmである、方法。
【請求項11】
前記無線充電システムは、信号発生回路によって発生させられる周期的信号を増幅するように構成されたクラスDまたはクラスE増幅器を備えている、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記無線充電システムは、電子デバイスに無線電力を提供するように構成されている、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
無線充電システムを製作する方法であって、前記方法は、
第1の支持構造の第1のエリアに増幅器印刷回路基板(PCB)を取り付けることであって、前記第1の支持構造は、電気的に非伝導性である、ことと、
前記第1の支持構造の第2のエリアに第1のフィルタPCBを取り付けることであって、前記第1のフィルタPCBは、前記増幅器PCBに電気的に結合され、前記増幅器PCBから増幅された信号を受信するように構成され、前記第1の支持構造の前記第1のエリアおよび前記第2のエリアは、前記増幅器PCBと前記第1のフィルタPCBとの間の少なくとも10mmの物理的分離距離を維持するために選択される、ことと、
第2の支持構造に共振コンデンサPCBを取り付けることと
を含み、
前記第2の支持構造は、前記第1の支持構造とは別であり、
前記共振コンデンサPCBは、前記第1のフィルタPCBおよび1つ以上のアンテナコイルに電気的に結合され、
前記共振コンデンサPCBと前記第1のフィルタPCBとの間の物理的分離の距離は、少なくとも10mmである、方法。
【請求項14】
前記第1の支持構造の第3のエリアに第2のフィルタPCBを取り付けることをさらに含み、前記第1の支持構造の前記第1のエリア、前記第2のエリア、および前記第3のエリアは、前記増幅器PCB、前記第1のフィルタPCB、および前記第2のフィルタPCB間の少なくとも10mmの物理的分離距離を維持するために選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の支持構造の第4のエリアに電力PCBを取り付けることをさらに含み、前記増幅器PCBは、前記電力PCBに電気的に結合され、前記電力PCBは、直流(DC)供給源または交流/直流(AC/DC)充電器出力に結合されている、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記無線充電システムは、信号発生回路によって発生させられる周期的信号を増幅するように構成されたクラスDまたはクラスE増幅器を備えている、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記無線充電システムは、電子デバイスに無線電力を提供するように構成されている、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本特許文書は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる2020年3月5日に出願され、「ISOLATED SWITCHING AMPLIFIER SYSTEM」と題された米国仮特許出願第62/985,692号の優先権および利益を主張する。
(技術分野)
【0002】
本書は、電気回路、特に、電力増幅器に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、電子機器の無線充電を可能にする製品が、人気を得ている。バッテリ電力を使用して動作する実践上の任意の機器が、無線で充電され得ることが、将来的動向である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
絶縁された切り替え増幅器システムの種々の設計が、説明される。設計は、無線電力充電デバイスの中に組み込まれ得る。
【0005】
一例示的側面では、開示される技術は、ヒステリシス損失、切り替え損失、および/または熱損失を低減させるために、1つ以上のフィルタPCB、共振コンデンサPCB、およびアンテナから増幅器印刷回路基板(PCB)を絶縁するための技法を含む動作および熱安定性のための無線周波数(RF)増幅器システム(例えば、切り替えクラスDおよびクラスE増幅器ベースのシステム)の構成要素を絶縁するためのシステムおよび方法を提供する。
【0006】
一例示的側面では、切り替え増幅器システムが、説明される。システムは、増幅器印刷回路基板(PCB)と、増幅器PCBに結合され、増幅器PCBから増幅された信号を受信するように構成されたフィルタPCBであって、フィルタPCBは、少なくとも10mmの距離、増幅器PCBから物理的に分離されている、フィルタPCBと、フィルタPCBおよび1つ以上のアンテナに結合された共振コンデンサPCBとを含み、共振コンデンサPCBは、少なくとも10mmの距離、増幅器PCBおよびフィルタPCBから物理的に分離され、共振コンデンサPCBは、フィルタPCBからフィルタリングされた信号を受信し、1つ以上のアンテナ上にフィルタリングされた信号を駆動するように構成され、フィルタリングされた信号は、フィルタPCBにおける無線周波数(RF)フィルタを通して増幅された信号をフィルタリングすることによって発生させられ、フィルタPCB、増幅器PCB、共振コンデンサPCB、および1つ以上のアンテナ間の物理的分離距離は、切り替え増幅器システムのヒステリシス損失、切り替え損失、または熱損失のうちの少なくとも1つを低減させるために選択される。
【0007】
別の例示的側面では、無線充電システムを製作する方法が、開示される。方法は、電気的に非伝導性の支持構造の第1のエリアに増幅器印刷回路基板(PCB)を取り付けることと、支持構造の第2のエリアにフィルタPCBを取り付けることであって、フィルタPCBは、増幅器PCBに電気的に結合され、増幅器PCBから増幅された信号を受信するように構成されている、ことと、支持構造の第3のエリアに共振コンデンサPCBを取り付けることとを含み、共振コンデンサPCBは、フィルタPCBおよび1つ以上のアンテナコイルに電気的に結合され、フィルタPCBからフィルタリングされた信号を受信し、1つ以上のアンテナ上にフィルタリングされた信号を駆動するように構成され、支持構造の第1のエリア、第2のエリア、および第3のエリアは、増幅器PCB、共振コンデンサPCB、フィルタPCB、および1つ以上のアンテナコイル間の物理的分離を維持するために選択され、フィルタPCBと増幅器PCBとの間の物理的分離の距離、およびフィルタPCBと共振コンデンサPCBとの間の物理的分離の距離は、少なくとも10mmである。
【0008】
さらに別の側面では、無線充電システムを製作するための別の方法が、開示される。方法は、第1の支持構造の第1のエリアに増幅器印刷回路基板(PCB)を取り付けることであって、第1の支持構造は、電気的に非伝導性である、ことと、第1の支持構造の第2のエリアに第1のフィルタPCBを取り付けることであって、第1のフィルタPCBは、増幅器PCBに電気的に結合され、増幅器PCBから増幅された信号を受信するように構成され、第1の支持構造の第1のエリアおよび第2のエリアは、増幅器PCBと第1のフィルタPCBとの間の少なくとも10mmの物理的分離距離を維持するために選択される、ことと、第2の支持構造に共振コンデンサPCBを取り付けることとを含み、第2の支持構造は、第1の支持構造とは別であり、共振コンデンサPCBは、第1のフィルタPCBおよび1つ以上のアンテナコイルに電気的に結合され、共振コンデンサPCBと第1のフィルタPCBとの間の物理的分離の距離は、少なくとも10mmである。
【0009】
これらおよび他の側面は、本書全体を通して開示される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、絶縁された切り替え増幅器システムの代表的ブロック図である。
【0011】
【
図2】
図2は、並列調整クラスE増幅器の代表的概略である。
【0012】
【
図3】
図3は、包装の制約を伴う絶縁された切り替え増幅器システムの代表的レイアウトである。
【0013】
【0014】
【
図5】
図5は、絶縁された切り替え増幅器システムのためのフィルタ、増幅器、およびDCジャックPCBの代表的レイアウトである。
【0015】
【
図6】
図6は、無線充電システムを製作する方法に関するフローチャートを描写する。
【0016】
【
図7】
図7は、無線充電システムを製作する方法に関するフローチャートを描写する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
電力増幅器設計では、個々の構成要素およびボードレイアウトの熱分析が、システム安定性のために重要である。これは、特に、少なくとも2つの理由から、クラスDおよびクラスE増幅器を含む、切り替え電力増幅器の設計に当てはまる。第1に、入力信号の増幅は、切り替え構成要素へのかなりの熱応力を作成し得る回線周波数ではなく、無線周波数においてである。第2に、任意のインピーダンス不一致または意図されたものでない周波数シフトは、かなりのシステム損失につながり得る。したがって、無線周波数(RF)増幅器が設計および敷設される方法は、特に、クラスDおよびクラスE増幅器等の切り替え増幅器に関する熱および動作安定性を決定する。
【0018】
本書は、熱および動作安定性のための無線周波数(RF)増幅器を設計するためのシステムおよび方法を説明する。開示される技術は、特に、クラスDおよびクラスE増幅器を含む切り替え増幅器に適用可能である。
【0019】
種々の実施形態が、ここで説明されるであろう。以下の記述は、これらの実施形態の完全な理解および有効な記述の具体的詳細を提供する。しかしながら、当業者は、開示される技法が、これらの詳細の多くを伴わずに実践され得ることを理解するであろう。加えて、いくつかの周知の構造または機能は、不必要に種々の実施形態の関連記述を不明瞭にすることを回避するために、詳細に示されるまたは説明されないこともある。下記で提示される記述において使用される専門用語は、本発明のある具体的実施形態の詳細な説明と併せて使用されている場合でも、その広義の合理的な様式において解釈されることが意図される。
【0020】
図1は、絶縁された切り替え増幅器システムの代表的システム100である。システム100は、開示される技術の一実施形態による増幅器構成要素の絶縁を描写する。例えば、システム100は、直流(DC)供給源110、増幅器PCB120、フィルタPCB130、共振コンデンサPCB140、および1つ以上の伝送機コイル150の物理的分離を描写する。いくつかの実施形態では、論理回路、切り替え回路、および能動冷却のためのファン等のシステムを適切に駆動するように、種々の異なる電圧を提供するために、DC供給源、AC/DC充電器、または再充電可能バッテリと増幅器PCBとの間にPCBがあり得る。すなわち、AC/DC充電器のためのDCジャックを有し得る増幅器のために必要とされる異なる電圧を印加する電力PCBが、使用されることができる。差動トポロジを使用するいくつかの実施形態では、2つの別個のフィルタPCB130は、差動線毎に1つ使用されることができる。この物理的分離は、システム100内の受動構成要素を横断する高電圧スパイクのより低い結合により、システム100構成要素内(例えば、増幅器PCB120内)の熱応力を低減させる。物理的分離からもたらされる絶縁は、RF信号のための誘導構成要素におけるヒステリシス損失も低減させる。これは、特に、伝送機アンテナからの磁場が、これらの誘導構成要素のためのヒステリシス損失を誘発し得るため、これらの増幅器トポロジを採用する無線充電システムのために重要である。いくつかの実施形態では、フィルタPCB130と増幅器PCB120との間の物理的分離距離は、少なくとも10mmであり、フィルタPCB130と共振コンデンサPCB140またはアンテナ(伝送機コイル)150との間の距離は、少なくとも10mmである。分離距離は、絶縁された切り替え増幅器システム100のヒステリシス損失、切り替え損失、および/または熱損失を低減させるために選択される。システム100は、携帯電話またはタブレット等の電子デバイスに無線電力を提供するように構成された疎結合された無線充電システムにおいて使用されることができる。いくつかの実施形態では、分離距離は、名目上、約10mmであるが、約5mmより近くない。
【0021】
いくつかの実施形態では、絶縁された切り替え増幅器システム100の加工の間、絶縁の程度が、切り替え増幅器システムの構成要素を横断して温度を監視することによって、決定されることができる。上で説明される損失は、構成要素を横断して、DC供給源110から引き出される追加の電流から、熱的に視覚化されることができる。構成要素間の物理的絶縁または間隔は、次いで、包装内で利用可能な隙間、および最低限の可能な熱特性を維持する(例えば、標的温度が、満たされるまで、または包装の制約によって制約されるまで、温度を低下させるために絶縁を増加させる)ために要求される最小間隔に基づいて、決定されることができる。例えば、フィルタが、アンテナの1インチより近くにある場合、並列インダクタは、約20ワット出力に関して約230°Fにある。分離距離が、1インチより多く増加させられた場合、損失は、(例えば、構成要素を物理的に絶縁するためのより多くの余地があり得る車両用途に関して、
図5において描写されるようなシステムにおいて)かなり低減させられることができる。そのようなシステムでは、温度は、同じ20W出力に対して約100°Fと同じくらい低くあり得るか、または、室温と同じくらいにさえあり得る。低温度勾配のために要求される絶縁距離は、とりわけ、出力電力および(磁場強度を決定する)アンテナ構造に依存する。20Wから25Wに出力を増加させることは、温度勾配を維持するために絶縁間隔における増加を要求し得る。アンテナの設置も、(例えば、クロスカップリングのため)温度勾配に影響を及ぼす。損失は、ボードを物理的に分離することによって作成された絶縁によっても、かなり低減させられる。増幅器のためのトランジスタ等の切り替え回路も、フィルタからの物理的分離によって、その動作温度を150°Fまたはより高い温度から周囲温度まで低減させることができる。
【0022】
図2は、並列調整される共振ネットワークを伴うシングルエンドクラスE増幅器200の代表的概略である。
図2では、発振器およびゲートドライバ集積回路(Vosc2)202が、所望の共振周波数において信号(例えば、正方形波)を発生させることができる。信号は、トランジスタ210のゲートに印加される。いくつかの実施形態では、信号は、ゲートドライバおよび発振器集積回路によって発生させられ、ダイオードおよび抵抗器等の不感時間回路(
図2に示されない)を用いて調節され、ゼロ電圧切り替え(ZVS)のための増幅器200の電流および電圧波形をより良好に調整および調節することができる。増幅器200は、DC供給源204、分路コンデンサ(Csh2)220、および余剰直列インダクタ(Le2)230を保護するためのチョークインダクタ(Lchoke2)208も含むことができる。
【0023】
Vosc202信号発生回路は、クラスE増幅器200がブーストまたは増幅する周期的信号を発生させる。増幅器200は、Vosc2 202によって発生させられる信号の所望の共振周波数において、余剰インダクタ(Le2)230の誘導性リアクタンスを無視するための直列コンデンサ(CS2)222を有する。Le2 230と一緒の直列コンデンサ(CS2)222は、直列共振フィルタとしての機能を果たし、高調波を低減させることによって、設計をよりロバストにする。増幅器200は、インダクタンスLtxcoil224と寄生抵抗Rtxparasitic225とによって表される伝送機アンテナ(例えば、伝送機コイル)と並列に設置された並列コンデンサ(Cparallel)226も含む。並列コンデンサ(C並列)226が伝送機アンテナを励起するので、増幅器200を含む伝送機デバイスは、動作のために受信機デバイスの反射実インピーダンスに依存しない。
【0024】
分路コンデンサ(Csh2)220、RFチョーク(Lchoke2)208、および余剰インダクタ(Le2)230から構成された増幅器200のための負荷ネットワークが、電流波形と電圧波形とが互いに位相がずれるように、調整され、トランジスタ210のゼロ電圧切り替え(ZVS)をもたらし、それは、トランジスタ210を横断して消散させられる電力を大幅に低減させる。負荷ネットワークが、適切に調整されると、トランジスタ210を横断する電圧は、スイッチが「閉鎖される」と、最小化され、トランジスタ210を横断する電流は、スイッチが「開放される」と、最小化される。これは、90%を上回る効率まで、増幅器200の電力効率を改良することができ、システム効率が重要な設計基準である無線電力転送および他の用途に関して、そのようなクラスE増幅器トポロジを好適にする。しかしながら、実践では、そのような効率を達成することは、受動構成要素における切り替え損失、ヒステリシス損失、およびシステム内の他の熱損失により、困難であり得る。これは、
図2に示されるシングルエンド並列調整共振クラスEシステム、およびトランジスタが、メイン切り替え構成要素としての機能を果たす任意の他の高効率切り替えトポロジの両方に当てはまり、差動並列調整システム、シングルエンドおよび差動クラスE直列共振およびオフ共振システム、およびクラスDオフ共振および共振システムを含む。すなわち、本明細書に説明される並列調整されるシングルエンド増幅器は、単に代表的実施形態であり、開示される技術における同じ絶縁技法は、他のクラスDまたはクラスEトポロジおよび直列調整される増幅器トポロジを含む他の増幅器トポロジに関して使用され得ることを理解されたい。
【0025】
図3は、包装の制約を伴う絶縁された切り替え増幅器システムの代表的システムレイアウト300である。メインPCB(増幅器PCB)330は、共振コンデンサPCB310に結合されたフィルタPCB(例えば、フィルタPCB320および340)に信号を駆動する。フィルタPCB320および340は、増幅器PCB330から増幅された信号を受信し、共振コンデンサPCB310は、フィルタPCBからフィルタリングされた信号を受信する。共振コンデンサPCB310は、複数のアンテナ、例えば、伝送アンテナコイル352および354に結合されている(2つのアンテナのみが、便宜上、
図3に描写される)。各サブシステムの物理的絶縁(例えば、システムレイアウト300における各PCB)は、増幅器システムが熱に起因する損失を殆ど伴わずに、より効率的であることを可能にする。これは、フィルタPCBにおけるインダクタまたは受動構成要素と無線充電用途のために使用されるアンテナとの間の潜在的クロスカップリングに起因して、特に重要である。各サブシステムを物理的に絶縁することは、メイン/増幅器PCB330からの差動出力により、2つのフィルタPCBがある場合(
図3に図示されるように)、特に有益である。
【0026】
一実施形態では、フィルタPCB320および340における各無線周波数(RF)フィルタは、
図4において、フィルタ400のトポロジを有し、これは、帯域通過フィルタを形成するために、直列LCネットワーク440に結合された並列LCネットワーク430に結合された直列インダクタコンデンサネットワーク(LC)420を含む。フィルタ400の入力、すなわち、入力ノード410は、メインPCB330(
図3において)に接続され得、フィルタ400の出力、すなわち、出力ノード450は、共振コンデンサPCB310に接続され得る(
図3において)。
図4に示されるフィルタ構成は、単に、代表的であり、他のフィルタトポロジも、フィルタPCB320および340において使用され得ることを理解されたい。すなわち、いくつかの実施形態では、フィルタ400は、システムの高調波に関して所望の減衰に応じて、異なって構成されることができる。例えば、帯域通過フィルタ構成ではなく、フィルタ400は、
図2における回路略図において図示されるもののように、直列共振フィルタとして構成されることができる。一実施形態では、フィルタPCB320におけるフィルタと、フィルタPCB340におけるフィルタとは、差動的に接続されることができる。
【0027】
図3に戻ると、開示される技術の一実施形態では、例えば、フィルタPCB320および340におけるRFフィルタは、(例えば、メインPCB330における)増幅器PCB上の切り替え構成要素から、物理的に分離される。増幅器PCB上の切り替え構成要素からRFフィルタを物理的に絶縁することは、切り替え構成要素への熱応力を低下させる。これは、包装の制約に起因して、フィルタPCBと伝送機アンテナとの間に多くの物理的隙間がない、
図3の例では、特に重要である。この近い距離は、より高いヒステリシス損失、次に、フィルタPCBにおいて熱損失を生じさせるであろう。これらのフィルタPCBを、次いで、増幅器PCBから物理的に絶縁させることによって、フィルタPCB構成要素における温度の増加からの最小熱影響の下で増幅器PCBが動作することを可能にする。この例示的実施形態では、フィルタPCBは、230度と同じくらい高くあり得る一方、切り替え構成要素は、ほぼ周囲温度と同じくらい低くあり得る。
【0028】
増幅器の切り替え構成要素は、例えば、増幅器の切り替えトランジスタ(例えば、
図2におけるトランジスタ210)と、切り替えトランジスタの分路コンデンサ(例えば、
図2におけるコンデンサCsh2 220)と、RFチョーク(例えば、チョークインダクタLchoke2 208)と、切り替えトランジスタを駆動するデジタル回路(例えば、
図2においてVosc2 202として描写される、発振器およびゲート駆動集積回路(IC))とを含む。そのような切り替え構成要素は、受動構成要素、例えば、種々の出力フィルタおよび共振コンデンサのために使用される高電圧コンデンサおよび高電力定格のインダクタよりも熱により敏感である傾向がある。この敏感さは、増幅器PCBとフィルタPCBとの間の物理的絶縁の重要性をさらに強調する。加えて、そのような切り替え構成要素は、意図されたものではないインピーダンスおよび共振周波数シフトにより敏感である傾向がある。
【0029】
切り替え構成要素からRFフィルタを絶縁することに加え、代表的レイアウト300は、(例えば、メインPCB330における)切り替え構成要素から、および(フィルタPCB320および340における)RFフィルタ構成要素から、アンテナ共振コンデンサ(例えば、共振コンデンサPCB310)を絶縁することも描写する。そうすることによって、アンテナのための共振コンデンサを横断する高電圧スパイクが、より良好に絶縁される。
【0030】
増幅器構成要素のために単一PCBを使用する従来的アプローチではなく、複数の絶縁されたサブシステムへの増幅器の構成は、より良好な動作安定性および改良された性能をもたらす。開示される技術は、特に、ゼロ電圧切り替え波形(例えば、
図2におけるLe2 230)を確立するために使用される余剰直列インダクタが第1および第2次高調波を低減させるためのフィルタとしても使用される並列調整共振増幅器(例えば、
図2の増幅器200)のために、有益である。これらのインダクタは、大ヒステリシス損失を体験し、動作温度(例えば、摂氏60度を上回る)を大幅に増加させ得る。これらのヒステリシス損失は、増幅器からの信号が、1つ以上のアンテナを駆動するので、無線充電デバイスの構造によって悪化され得、アンテナから放射された信号は、増幅器PCB(例えば、メインPCB330)およびフィルタPCB320および340上のインダクタと結合(例えば、インダクタ320、324、340、および344に結合)し得る。
【0031】
開示される技術の絶縁されたサブシステムは、フィルタから物理的にさらに遠い増幅器PCBと、無線充電システムにおける増幅器によって駆動されるアンテナとを移動させることによって、より大きな設計柔軟性および改良された性能を可能にする。例えば、システムレイアウト300では、メインPCB330における増幅器PCBが、アンテナコイル352および354から物理的に分離される。
【0032】
一実施形態では、アンテナコイル(例えば、コイル352および354)は、中断または無線周波数不連続性を伴わない連続した導体から成る表面螺旋コイルである。導体は、ある角度で誘電材料の周囲に巻きつけられ、無線充電伝送機デバイスの動作周波数において近接効果を減少させること、および動作周波数において表面螺旋コイルの高固有品質係数(「Q」)を維持することができる。連続した導体は、約40μm(マイクロメートル)の厚さを有することができる。
【0033】
一実施形態では、コイル352は、第1の平面(例えば、y軸平面)上に配置され得、コイル354は、第2の垂直平面(例えば、x軸平面)上に配置され得、それによって、
コイル352とコイル354とは、互いに垂直である(第3のコイル(
図3に示されない)は、第1および第2の平面と垂直なz軸平面にあり得る)。第1の平面と第2の平面とは、4つの象限を画定することができる。異なるPCBが取り付けられる電気的に非伝導性の支持構造上の空間を最大利用するために、増幅器PCB330は、4つの象限のうちの第1の象限において支持構造に取り付けられ得、第1のフィルタPCB320は、4つの象限のうちの第2の象限において支持構造に取り付けられ得、共振コンデンサPCB310は、第3の象限において取り付けられ得、第2のフィルタPCB340は、第4の象限において取り付けられ得る。これらのPCBは、互いから間隔を置かれ、システム性能を改良するために、アンテナコイルからも間隔を置かれている。
【0034】
いくつかの実施形態では、絶縁された無線充電システムを製作するために、メインまたは増幅器PCB330は、電気的に非伝導性の支持構造の第1のエリア(例えば、その中にアンテナコイルが配置された交差平面によって画定される第1の象限)に取り付けられ、第1のフィルタPCB320は、支持構造の第2のエリア(例えば、第2の象限)に取り付けられ、共振コンデンサPCB310は、第3のエリア(例えば、第3の象限)に取り付けられ、第2のフィルタPCB340は、支持構造の第4のエリア(例えば、第4の象限)に取り付けられる。支持構造の第1、第2、第3、および第4のエリアは、増幅器PCB330、共振コンデンサPCB310、フィルタPCB320および340と、コイル352および354との間の物理的分離を維持するために選択される。上記の記述は、単に代表的例であり、他の技法も、(例えば、無線充電システムが、小型形状因子デバイス内に統合されると)物理的に制約されるエリア内に種々のPCBの設置を最適化するため利用され得ることを理解されたい。例えば、ほぼ円形のデバイスの円周の周囲の3つのPCBの設置のために、最適間隔は、異なる構成要素設置を用いて達成され得る(最適設置は、構成要素間の集合放射および伝導性クロスカップリングが最低である設置である)。例えば、120度間隔を置いて構成要素を設置することは、最適なオプションでないこともあり、調節が構成要素を最適に設置するために必要とされ得るという結果になり得る。例えば、第1および第2のPCBは、時計回りの方向に90度間隔を置いて設置され得、第3のPCBは、時計回りの方向に第2のPCBからさらに150度(または135または180度)間隔を置いて設置され得る。
【0035】
並列調整増幅器設計(例えば、
図2の増幅器200)では、多くの場合、高固有品質「Q」アンテナを使用し、無線電力伝送のためにこれらの高「Q」アンテナに高振動電圧を印加することが有利である。例えば、高電圧は、数百ボルトであり得、1,000ボルトさえも超え得る。共振コンデンサがフィルタ構成要素または切り替え構成要素と同じのPCB上に設置された従来のシステムでは、電圧が切り替え構成要素またはフィルタ構成要素への追加の応力を引き起こすことを防止するために、高振動電圧を絶縁することは困難であり得る。さらに、インダクタおよびフィルタコンデンサ等の受動構成要素からの余熱は、切り替え構成要素の切り替え損失を増加させ得る。これは、特に、増幅器が無線充電システムの複数のアンテナを駆動するシステムにおいて、困難であり得る。開示される技術の絶縁されたサブシステムの設計柔軟性は、高振動電圧を絶縁することを容易にし、それによって、電圧が他の構成要素と結合することを防止し、それらの構成要素の熱応力を増加させる。これは、システム性能の改良をもたらす。しかしながら、共振コンデンサはまた、特定の用途のためのコンデンサを横断する高電圧スパイクがかなりの設計課題を引き起こさないであろう場合、フィルタと同じのPCB上に設置されることができる。
【0036】
システムレイアウト300は、単に、代表的であることを理解されたい。すなわち、(フィルタPCB320および340、メインPCB330、共振PCB310、およびコイル352および354の描写された物理的設置を含む)構成要素レイアウトは、単に、代表的であり、他の実施形態は、異なる分離距離を有することができる。構成要素間、例えば、アンテナコイルとフィルタPCBとの間の最大物理的分離は、システムの形状因子制約、例えば、1インチまたはより大きな分離を前提として、好ましい。加えて、システムレイアウト300が、例示的差動システムを描写するが、開示される技術に関するシステムおよび方法は、シングルエンド増幅器実施形態にも等しく適用される。さらに、クロスカップリングおよびヒステリシス損失をさらに最小にするために、遮蔽材料が、各サブシステムを横断して挿入されることができる。これは、これらの構成要素が本明細書に説明される絶縁方策の代わりに単一PCB上に設置された場合、フィルタの受動構成要素を同時に遮蔽し、(例えば、増幅器の切り替え構成要素のためのファンを有することによって)それらを能動的に冷却することが困難であろうから、
図3に図示されるような物理的に制約されるシステムのために、特に重要である。
図3は、絶縁が伝送機アンテナに対するフィルタPCBの物理的近接度により困難であるシステムの熱応答および動作をかなり改良する例示的実施形態を図示する(伝送機アンテナに対するフィルタPCBの物理的近接度は、エンクロージャの外側と対比したエンクロージャ内の周囲温度をフィルタ温度が上回ることを引き起こす)。
【0037】
図5は、絶縁された切り替え増幅器システムのためのフィルタ、増幅器、およびDCジャックPCBの代表的システムレイアウト500である。例えば、
図5のシステムは、
図3の実施形態と比較して、厳密な包装を要求しない(例えば、レイアウト構成要素のより多い物理的余地)絶縁切り替え増幅器トポロジの用途を表すことができる。レイアウト500は、フィルタPCB502および504と、増幅器PCB510と、別個の電力PCBまたはDCジャックPCB520とを含む。DCジャックPCB520は、DC供給源の入力(例えば、交流/直流(AC/DC)充電器の出力)を取り込む別個のPCBであり、増幅器PCB510のために必要な全ての電圧レベル、例えば、論理または電力(例えば、増幅器)回路のための全ての論理および電力電圧を提供する。
図5の代表的の実施形態は、
図3の実施形態と比較して、フィルタ、増幅器、およびDCジャックPCB間の間隔のより大きな程度を含むことができる。本実施形態では、PCB間でより多くの分離を作成するように、製品内で利用可能なより大きな物理的空間がある。余剰分離距離は、全体的システム性能をさらに改良する。加えて、
図3におけるように伝送機アンテナに向かってフィルタPCBを位置付けないことによって、これは、クロスカップリングおよびヒステリシス損失を低減させることによって、性能をさらに改良する。
【0038】
レイアウト500内の矢印503および505は、フィルタPCB502および504内のフィルタが、別個の共振コンデンサPCBおよびアンテナ(
図5に示されない)に電気的に接続されることを示す。すなわち、この代表的実施形態では、電子構成要素のための電気的に非伝導性の筐体は、アンテナおよび共振コンデンサPCBを含まない。これは、
図5に示されるような製品内で利用可能なより大きな物理的空間がある場合、メインPCB(例えば、増幅器PCB510)、フィルタPCB(例えば、フィルタPCB502および504)、および電力PCB(例えば、DCジャックPCB520)がアンテナおよびその共振コンデンサから物理的に絶縁されることが有益であるからである。共振コンデンサPCBも、高固有「Q」アンテナ用途のために、アンテナの共振コンデンサをアンテナに物理的に近づけることが有益であるので、メイン、フィルタ、および電力PCBと物理的に別個である。共振コンデンサをアンテナに近づけることは、より短いワイヤが伸びることをもたらし、したがって、アンテナとその対応する共振コンデンサとの間の抵抗はより少ない。
【0039】
参照することによって本明細書の全体に組み込まれる米国特許出願第15/759,473号(公開第US2018/0262050号)は、本明細書に説明される絶縁技術および製作方法を使用し得るいくつかの例示的コイル構成を説明する。
【0040】
いくつかの実施形態によって好ましくは実装される解決策の一覧が、以下の付記を使用して説明され得る。
【0041】
付記1.切り替え増幅器システムであって、切り替え増幅器システムは、増幅器印刷回路基板(PCB)と、増幅器PCBに結合され、増幅器PCBから増幅された信号を受信するように構成されたフィルタPCBであって、フィルタPCBは、少なくとも10mmの距離、増幅器PCBから物理的に分離されている、フィルタPCBと、フィルタPCBおよび1つ以上のアンテナに結合された共振コンデンサPCBとを備え、共振コンデンサPCBは、少なくとも10mmの距離、増幅器PCBおよびフィルタPCBから物理的に分離され、共振コンデンサPCBは、フィルタPCBからフィルタリングされた信号を受信し、1つ以上のアンテナ上にフィルタリングされた信号を駆動するように構成され、フィルタリングされた信号は、フィルタPCBにおける無線周波数(RF)フィルタを通して増幅された信号をフィルタリングすることによって発生させられ、フィルタPCB、増幅器PCB、共振コンデンサPCB、および1つ以上のアンテナ間の物理的分離距離は、切り替え増幅器システムのヒステリシス損失、切り替え損失、または熱損失のうちの少なくとも1つを低減させるために選択されている、切り替え増幅器システム。システムのいくつかの例示的の実装は、
図1-5を参照して説明される。
【0042】
付記2.増幅器PCBは、信号発生回路によって発生させられる周期的信号を増幅するように構成された並列調整クラスE増幅器を備えている、付記1に記載の切り替え増幅器システム。
【0043】
付記3.増幅器PCBは、信号発生回路によって発生させられる周期的信号を増幅するように構成されたクラスDまたはクラスE増幅器を備えている、付記1に記載の切り替え増幅器システム。
【0044】
付記4.増幅器PCBは、別個の電力PCBに電気的に結合され、別個の電力PCBは、直流(DC)供給源または交流/直流(AC/DC)充電器出力に結合され、別個の電力PCBは、論理および電力回路に電力を提供するように構成されている、付記1に記載の切り替え増幅器システム。
【0045】
付記5.1つ以上のアンテナは、切り替え増幅器システムの動作周波数における近接効果を減少させるために、かつ動作周波数における表面螺旋コイルの高固有品質係数(Q)を維持するために、ある角度で誘電材料の周囲に巻きつけられた中断または無線周波数不連続性を伴わない連続した導体を備えている表面螺旋コイルとして構造化された少なくとも1つのコイルを備えている、付記1に記載の切り替え増幅器システム。
【0046】
付記6.少なくとも2つのコイルは、第1の平面上に配置された第1の表面螺旋コイルと、第1の平面と垂直な第2の平面上に配置された第2の表面螺旋コイルとを備えている、付記5に記載の切り替え増幅器システム。
【0047】
付記7.第1の平面と第2の平面とは、4つの象限を画定するために交差し、増幅器PCBは、4つの象限のうちの第1の象限内に配置され、フィルタPCBは、4つの象限のうちの第2の象限内に配置され、共振コンデンサPCBは、4つの象限のうちの第3の象限内に配置されている、付記6に記載の切り替え増幅器システム。
【0048】
付記8.4つの象限のうちの第4の象限内に配置された第2のフィルタPCBをさらに備え、第2のフィルタPCBは、共振コンデンサPCBおよび増幅器PCBに結合され、第2のフィルタPCBは、増幅器PCB、フィルタPCB、共振コンデンサPCB、および少なくとも2つのコイルから物理的に絶縁されている、付記7に記載の切り替え増幅器システム。
【0049】
付記9.増幅器PCB内に含まれる差動増幅器と、増幅器PCBに結合され、増幅器PCBから増幅された信号を受信するように構成されている追加のフィルタPCBとをさらに備えている、付記1に記載の切り替え増幅器システム。
【0050】
付記10.無線充電システムを製作する方法(例えば、
図6に描写される方法)であって、電気的に非伝導性の支持構造の第1のエリアに増幅器印刷回路基板(PCB)を取り付ける(610)ことと、支持構造の第2のエリアにフィルタPCBを取り付ける(620)ことであって、フィルタPCBは、増幅器PCBに電気的に結合され、増幅器PCBから増幅された信号を受信するように構成されている、ことと、支持構造の第3のエリアに共振コンデンサPCBを取り付ける(630)こととを含み、共振コンデンサPCBは、フィルタPCBおよび1つ以上のアンテナコイルに電気的に結合され、フィルタPCBからフィルタリングされた信号を受信し、1つ以上のアンテナ上にフィルタリングされた信号を駆動するように構成され、支持構造の第1のエリア、第2のエリア、および第3のエリアは、増幅器PCB、共振コンデンサPCB、フィルタPCB、および1つ以上のアンテナコイル間の物理的分離を維持するために選択され、フィルタPCBと増幅器PCBとの間の物理的分離の距離、およびフィルタPCBと共振コンデンサPCBとの間の物理的分離の距離は、少なくとも10mmである、方法。
【0051】
付記11.無線充電システムは、信号発生回路によって発生させられる周期的信号を増幅するように構成されたクラスDまたはクラスE増幅器を備えている、付記10に記載の方法。
【0052】
付記12.無線充電システムは、電子デバイスに無線電力を提供するように構成されている、付記10に記載の方法。
【0053】
付記13.無線充電システムを製作する方法(例えば、
図7に描写される方法)であって、第1の支持構造の第1のエリアに増幅器印刷回路基板(PCB)を取り付ける(710)ことであって、第1の支持構造は、電気的に非伝導性である、ことと、第1の支持構造の第2のエリアに第1のフィルタPCBを取り付ける(720)ことであって、第1のフィルタPCBは、増幅器PCBに電気的に結合され、増幅器PCBから増幅された信号を受信するように構成され、第1の支持構造の第1のエリアおよび第2のエリアは、増幅器PCBと第1のフィルタPCBとの間の少なくとも10mmの物理的分離距離を維持するために選択される、ことと、第2の支持構造に共振コンデンサPCBを取り付ける(730)こととを含み、第2の支持構造は、第1の支持構造とは別であり、共振コンデンサPCBは、第1のフィルタPCBおよび1つ以上のアンテナコイルに電気的に結合され、共振コンデンサPCBと第1のフィルタPCBとの間の物理的分離の距離は、少なくとも10mmである、方法。
【0054】
付記14.第1の支持構造の第3のエリアに第2のフィルタPCBを取り付けることをさらに含み、第1の支持構造の第1のエリア、第2のエリア、および第3のエリアは、増幅器PCB、第1のフィルタPCB、および第2のフィルタPCB間の少なくとも10mmの物理的分離距離を維持するために選択される、付記13に記載の方法。
【0055】
付記15.第1の支持構造の第4のエリアに電力PCBを取り付けることをさらに含み、増幅器PCBは、電力PCBに電気的に結合され、電力PCBは、直流(DC)供給源または交流/直流(AC/DC)充電器出力に結合されている、付記13に記載の方法。
【0056】
付記16.無線充電システムは、信号発生回路によって発生させられる周期的信号を増幅するように構成されたクラスDまたはクラスE増幅器を備えている、付記13に記載の方法。
【0057】
付記17.無線充電システムは、電子デバイスに無線電力を提供するように構成されている、付記13に記載の方法。
(備考)
【0058】
図および上記の記述は、本発明が実装され得る好適な環境の簡単な一般的記述を提供する。本発明の実施例の上記の詳細な記述は、包括的であるようにも、本発明を上記に開示される精密な形態に限定するようにも意図されない。本発明に関する具体的実施例が、例証目的のために上で説明されるが、種々の均等修正が、関連技術における当業者が認識するであろうように、本発明の範囲内で可能である。例えば、プロセスまたはブロックが、所与の順序において表されるが、代替実装が、ステップ/ブロックを有するルーチンを実施する、または異なる順序において、ブロックを有するシステムを採用することができ、いくつかのプロセスまたはブロックは、代替または副次的組み合わせを提供するように、削除されること、移動されること、追加されること、さらに分割されること、組み合わせられること、または修正されることができる。これらのプロセスまたはブロックの各々は、種々の異なる方法において実装されることができる。プロセスまたはブロックが、随時、連続して実施されるものとして示されるが、これらのプロセスまたはブロックは、代わりに、並行して実施または実装されることも、異なる時間に実施されることもできる。さらに、本明細書に言及される任意の具体的数は、単に例である。代替実装は、異なる値または範囲を採用することができる。例えば、実践では、最大±10パーセントの動作許容度が、開示される実施形態を実装するために使用され得る。
【0059】
これらおよび他の変更が、上記の詳細な記述を考慮する請求される発明に成され得る。上記の記述は、請求される発明のある実施例を説明し、熟慮される最良態様を説明するが、どんなに詳細に上記がテキスト内に現れようとも、本発明は、多くの方法で実践されることができる。システムの詳細が、その具体的実装で著しく変動し得る一方、依然として、本明細書に開示される実施形態によって包含されている。上記に述べられたように、本発明のある特徴または側面を説明するときに使用される専門用語は、専門用語が、それと専門用語が関連付けられる本発明の任意の具体的特性、特徴、または側面に制限されるように、本明細書に再定義されることを含意するように捉えられるべきではない。一般に、以下の請求項で使用される用語は、上記の詳細な説明の節がそのような用語を明示的に定義しない限り、本発明を本明細書において開示される具体的実施例に限定するものと解釈されるべきではない。故に、本発明の実際の範囲は、開示される実施例のみだけでなく、請求項下で本発明を実践または実装する全ての均等方法も包含する。
【国際調査報告】