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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-20
(54)【発明の名称】オンデマンド式飲料炭酸化装置
(51)【国際特許分類】
   B01F 23/2361 20220101AFI20230413BHJP
   B01F 21/00 20220101ALI20230413BHJP
   B01F 35/42 20220101ALI20230413BHJP
   B01F 35/60 20220101ALI20230413BHJP
   B01F 35/71 20220101ALI20230413BHJP
   A23L 2/00 20060101ALI20230413BHJP
   B01F 101/14 20220101ALN20230413BHJP
【FI】
B01F23/2361
B01F21/00
B01F35/42
B01F35/60
B01F35/71
A23L2/00 X
A23L2/00 T
B01F101:14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022553663
(86)(22)【出願日】2021-03-05
(85)【翻訳文提出日】2022-11-02
(86)【国際出願番号】 AU2021050188
(87)【国際公開番号】W WO2021174306
(87)【国際公開日】2021-09-10
(31)【優先権主張番号】2020900666
(32)【優先日】2020-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(31)【優先権主張番号】2020904270
(32)【優先日】2020-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522352764
【氏名又は名称】ソーダキング アイピーブイ ピーティーワイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドナゲイ、アンドリュー
【テーマコード(参考)】
4B117
4G035
4G037
【Fターム(参考)】
4B117LC14
4B117LP11
4B117LT01
4B117LT02
4G035AA06
4G035AA11
4G035AA12
4G035AB05
4G035AE09
4G035AE13
4G037AA01
4G037DA25
4G037EA01
(57)【要約】
直立したボトルの挿入時にボトルを捕捉して保持し、炭酸化のための作動シールを形成するばね式ボトル取付機構を有する飲料炭酸化装置である。ボトル取付機構は、ボトルをリリースして付勢ばねをリセットするための、ユーザによる作動が可能なリリースハンドルアセンブリを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直立したボトルの挿入時に前記ボトルを捕捉して保持し、炭酸化のための作動シールを形成するばね式のボトル取付機構を有する飲料炭酸化装置であって、前記ボトル取付機構は、前記ボトルをリリースして付勢ばねをリセットするための、ユーザによる作動が可能なリリースハンドルアセンブリを含む、飲料炭酸化装置。
【請求項2】
前記取付機構は、ボトル口部のシールの周りに配置された捕捉デバイスを含み、前記捕捉デバイスは、前記直立したボトルのフランジの下で捕捉するように構成された捕捉脚部を有する、請求項1に記載の飲料炭酸化装置。
【請求項3】
前記取付機構は、前記捕捉デバイスの周りに配置され、前記捕捉デバイスに対して摺動可能に移動するように取り付けられたカラーを含む、請求項2に記載の飲料炭酸化装置。
【請求項4】
前記カラーは前記捕捉デバイスに作用し、前記捕捉デバイスの前記捕捉脚部が前記ボトルを受けるために開いている第1の位置と、使用時に前記捕捉脚部が前記ボトルの前記フランジの下に固定される第2の位置との間を移動可能である、請求項3に記載の飲料炭酸化装置。
【請求項5】
付勢ばねは、前記カラーを前記第1の位置に向かって付勢するように前記カラーに作用する少なくとも1つのカラーばねを含む、請求項4に記載の飲料炭酸化装置。
【請求項6】
前記カラーと係合可能な少なくとも1つのラッチピンを含み、前記直立ボトルの口部を前記シールに向けて挿入することにより、前記ラッチピンは前記カラーをリリースし、前記カラーは前記少なくとも1つのカラーばねの作用によって前記第2の位置へ移動される、請求項5に記載の飲料炭酸化装置。
【請求項7】
前記捕捉デバイスは、使用時に前記ボトルの前記フランジの周りに配置される、複数の下方に延びる捕捉脚部を含む、請求項2~請求項6のいずれか一項に記載の飲料炭酸化装置。
【請求項8】
前記捕捉脚部の各々は、前記ボトルの前記フランジの下に延びるように構成された内方突起を有し、前記捕捉脚部の突起は前記ボトルの前記フランジの下に保持されて前記作動シールが保たれ、前記カラーが第2の位置にある間の前記ボトルの取り外しが阻止される、請求項7に記載の飲料炭酸化装置。
【請求項9】
前記捕捉脚部は複数の引張捕捉部及び複数の保持捕捉部を含むことができ、前記引張捕捉部及び前記保持捕捉部は異なる形状の突起を有し、前記引張捕捉部は、前記カラーが第1の位置から第2の位置へ移動する際に前記ボトルの前記フランジと係合し、前記ボトルを前記シールに向かって引っ張るように構成されている、請求項8に記載の飲料炭酸化装置。
【請求項10】
前記捕捉脚部の各々は、外方に弾性的に付勢された可撓性の脚部によって前記捕捉デバイスに接続されている、請求項7~請求項9のいずれか一項に記載の飲料炭酸化装置。
【請求項11】
前記取付機構は前記ボトル口部のシール、前記捕捉デバイス及び前記カラーを支持する接続ハウジングを含み、前記リリースハンドルは前記装置のシャーシに枢動可能に取り付けられている、請求項5又は請求項6に記載の飲料炭酸化装置。
【請求項12】
前記カラーはばね式のリセット突起を有しており、前記突起は、前記ハンドルが前記シャーシに対して第1の方向に動かされた際に前記カラーを前記第2の位置から前記第1の位置に向けて駆動するために、前記シャーシに対して固定された表面と係合している、請求項11に記載の飲料炭酸化装置。
【請求項13】
加圧ガス逃がし弁を備えたバルブアセンブリをさらに含む、前出の請求項に記載の飲料炭酸化装置。
【請求項14】
前記バルブアセンブリは、前記弁が開いているときに延出するプランジャを有する圧力逃がし弁を含み、前記ボトル取付機構は、前記ハンドルが操作されて前記ボトルがリリースされる際に前記逃がし弁が閉じるのを防ぐように前記逃がし弁の前記プランジャと関連して配置されている、請求項13に記載の飲料炭酸化装置。
【請求項15】
前記バルブアセンブリは、使用時に加圧ガスを前記ボトル内にリリースするための、ユーザによる操作が可能なガスリリース機構を含み、前記ガスリリース機構は常開型の口栓弁に結合されており、前記ガスリリース機構が前記ユーザによって操作される場合にのみ前記口栓弁が強制的に閉じられるようになっている、請求項13又は請求項14に記載の飲料炭酸化装置。
【請求項16】
前記リリースハンドルアセンブリは、前記ハンドルが前記第2の方向に移動された際に前記ガスリリース機構が作動するように配置されている、請求項15に記載の飲料炭酸化装置。
【請求項17】
加圧ガス炭酸化システムにボトルを取り付けるための機構であって、
(a)ボトルの口部のシールの周りに配置された捕捉デバイスと、
(b)前記捕捉デバイスの周りに配置され、前記捕捉デバイスに対して摺動可能に移動可能な固定カラーと、
(c)前記カラーと係合可能なラッチピンと、
を含み、
直立ボトルの口部を前記シールに向けて挿入することにより前記ラッチピンが前記固定カラーをリリースし、前記固定カラーを前記捕捉デバイスに対して移動させる、
ボトル取付機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はオンデマンド式飲料炭酸化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、液体に加圧ガスを装填することによって飲料を炭酸化するための装置に関する。このような炭酸化装置は、家庭などで水道水やいわゆるスティルウォーター(炭酸を含まない水)を二酸化炭素(及び必要に応じて香料添加物)と混ぜて、オンデマンドで炭酸飲料を作るために使用されることが多くなっている。
【0003】
炭酸水(香味料などを含む)の製造は、通常、ボトルなどの容器に入れた水にある量の二酸化炭素ガスを高圧で導入することを含む。二酸化炭素の水への溶解度は比較的高く、室温で約10バールまでの低圧では、圧力の上昇に伴って直線的に増加する。したがって、室温及び約4バールの圧力では、およそ4標準リットルのCOガスが1リットルの水に溶解することができる(標準リットルは、標準の温度及び圧力の条件下で1000cmのガス量を表す)。
【0004】
二酸化炭素ガスの水への溶解を促すために、加圧ガスは一般に、容器が別の方法でシール(密閉)されている間に水中に注入される。このことを実現するためには、信頼性の高いシールを形成する態様で容器の開口を炭酸化装置に接続すること、加圧されたガスを容器内の水に導入すること、そして容器を装置から取り外すことができるようにシール接続を解除することが必要である。家庭用炭酸化装置の場合、ユーザが必要な操作を行うのに便利であり、また安全かつ効果的な操作のために必要な物理的配置を実現する態様で、容器を機械に結合したり機械から結合を解除することができる機構の提供に課題がある。ガス圧がかかるため、未熟練者と思われる装置のユーザの安全と安心が特に懸念されている。
【0005】
現在、多数の炭酸化装置が市販されている。このような炭酸化装置には多くの明白な利点があるにもかかわらず、従来の炭酸化装置には様々な欠点がある。操作が簡単であることと構造が簡素であることは、相反する問題であるように思われる。
【0006】
したがって、家庭用飲料炭酸化装置は、熟練していないユーザによる操作が簡単かつ安全であることが望ましい。さらに、装置自体は、製造し易く低コストになるように可動部品が比較的少なく、単純かつ堅牢であることが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記を踏まえ、本発明の実施形態は、比較的単純で堅牢な機構を用いる一方で操作が簡便で安全な、家庭での使用に適した飲料炭酸化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に従って、直立したボトルの挿入時にボトルを捕捉し、炭酸化のための作動シールを形成するばね式ボトル取付機構を有する飲料炭酸化装置が提供される。ボトル取付機構は、ボトルをリリースして付勢ばねをリセットするための、ユーザによる作動が可能なリリースハンドルアセンブリを含む。
【0009】
取付機構は、ボトル口部のシールの周りに配置された捕捉デバイスを含み、捕捉デバイスは、直立ボトルのフランジの下で捕捉するように構成された捕捉脚部を有することが好ましい。また、取付機構は、捕捉デバイスの周りに配置され、捕捉デバイスに対して摺動可能に移動するように取り付けられたカラーを含むこともできる。実施形態において、カラーは捕捉デバイスに作用し、捕捉デバイスの捕捉脚部がボトルを受けるために開いている第1の位置と、使用時に捕捉脚部がボトルのフランジの下に固定される第2の位置との間を移動可能である。
【0010】
実施形態において、付勢ばねは、カラーを第1の位置に向かって付勢するようにカラーに作用する少なくとも1つのカラーばねを含む。ボトル取付機構は、カラーと係合可能な少なくとも1つのラッチピンを含むことができ、直立ボトルの口部をシールに向けて挿入することにより、ラッチピンはカラーをリリースし、カラーは少なくとも1つのカラーばねの作用によって第2の位置へ移動される。
【0011】
好ましい形態において、捕捉デバイスは、使用時にボトルのフランジの周りに配置される、複数の下方に延びる捕捉脚部を含む。捕捉脚部の各々は、ボトルのフランジの下に延びるように構成された内方突起を有することができ、捕捉脚部の突起はボトルのフランジの下に保持されて作動シールが保たれ、カラーが第2の位置にある間のボトルの取り外しが阻止される。
【0012】
捕捉脚部は複数の引張捕捉部及び複数の保持捕捉部を含むことができ、引張捕捉部及び保持捕捉部は異なる形状の突起を有する。引張捕捉部は、カラーが第1の位置から第2の位置へ移動する際にボトルのフランジと係合し、ボトルをシールに向かって引っ張るように構成されている。1つの特定の形態において、捕捉脚部の各々は、外方に弾性的に付勢された可撓性の脚部によって捕捉デバイスに接続されている。
【0013】
飲料炭酸化装置の一実施形態において、取付機構はボトルの口部のシール、捕捉デバイス及びカラーを支持する接続ハウジングを含み、リリースハンドルは装置のシャーシに枢動可能に取り付けられている。カラーはばね式のリセット突起を有しており、この突起は、ハンドルがシャーシに対して第1の方向に動かされた際にカラーを第2の位置から第1の位置に向けて駆動するために、リリースハンドルアセンブリに結合されている。
【0014】
実施形態において、飲料炭酸化装置は、加圧ガス逃がし弁を備えたバルブアセンブリも含んでいる。バルブアセンブリは、使用時に加圧ガスをボトル内にリリースするための、ユーザによる操作が可能なガスリリース機構を含むことができる。ガスリリース機構は常開型の口栓弁(bung valve)に結合されており、ガスリリース機構がユーザによって操作される場合にのみ口栓弁が強制的に閉じられるようになっている。実施形態において、リリースハンドルアセンブリは、ハンドルが第2の方向に移動された際にガスリリース機構が作動するように配置されている。
【0015】
本発明に従って、加圧ガス炭酸化システムにボトルを取り付けるための機構も提供される。この機構は、ボトルの口部のシールの周りに配置された捕捉デバイスと、捕捉デバイスの周りに配置され、捕捉デバイスに対して摺動可能に移動可能な固定カラーと、カラーと係合可能なラッチピンとを含み、直立ボトルの口部をシールに向けて挿入することによりラッチピンが固定カラーをリリースし、固定カラーを捕捉デバイスに対して移動させる。
【0016】
オンデマンド式の飲料炭酸化システムにおいて、本発明は、シール構成に関連して飲料容器を取り付け、取り外すための装置を提供する。この装置は、容器が直立状態で挿入された際に容器のフランジを捕捉し、炭酸化のための作動シールを形成するばね式飲料容器取付機構を有し、取付機構は、ボトルをリリースして付勢ばねをリセットするための、ユーザによる作動が可能なリリースハンドルアセンブリを含む。
【0017】
本発明のさらなる開示内容、目的、利点及び態様は、好ましい実施形態に関する以下の説明を添付の図面と共に参照することにより、当業者によってよりよく理解されうるが、これらは例としてのみ与えられており、よって本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態による炭酸化装置の正面斜視図である。
図2A図1の炭酸化装置の使用を段階的に示している。
図2B図1の炭酸化装置の使用を段階的に示している。
図2C図1の炭酸化装置の使用を段階的に示している。
図2D図1の炭酸化装置の使用を段階的に示している。
図2E図1の炭酸化装置の使用を段階的に示している。
図2F図1の炭酸化装置の使用を段階的に示している。
図2G図1の炭酸化装置の使用を段階的に示している。
図3】装置の炭酸化システムの構成要素を示す正面斜視図である。
図4】斜視図で見たボトルインターフェースアセンブリの捕捉リング構成要素を示している。
図5】ボトル保持機構の第1の態様を示す炭酸化システムの正面断面図である。
図6図5からのばね式プランジャ構成要素の、ある角度から見た拡大正面断面図である。
図7A図5と同様の正面断面図であり、ボトルネックの挿入を段階的に示している。
図7B図5と同様の正面断面図であり、ボトルネックの挿入を段階的に示している。
図7C図5と同様の正面断面図であり、ボトルネックの挿入を段階的に示している。
図7D図5と同様の正面断面図であり、ボトルネックの挿入を段階的に示している。
図8A】ボトルとの係合が解除された捕捉リング構成要素を示している。
図8B】ボトルと係合された捕捉リング構成要素を示している。
図9】第1の構成における炭酸化システムの、リリース機構を除いたボトルインターフェースアセンブリ構成要素及びバルブアセンブリ構成要素を示している。
図10】捕捉リング構成要素の特徴を示している。
図11】捕捉リング構成要素の特徴を示している。
図12】捕捉リング構成要素の特徴を示している。
図13】捕捉リング構成要素の特徴を示している。
図14A】ボトルネックを引っ張って係合位置に入れる動作を示す正面断面図である。
図14B】ボトルネックを引っ張って係合位置に入れる動作を示す正面断面図である。
図15A】ボトルネックを係合位置に保持する動作を示す正面断面図である。
図15B】ボトルネックを係合位置に保持する動作を示す正面断面図である。
図16】第1の構成における炭酸化システムのボトルインターフェースアセンブリ構成要素及びバルブアセンブリ構成要素を示している。
図17】第2の構成における炭酸化システムのボトルインターフェースアセンブリ構成要素及びバルブアセンブリ構成要素を示している。
図18】本発明の第2の実施形態による炭酸化システムの正面上方斜視図である。
図19】第2の実施形態による炭酸化システムの正面上方斜視図であり、シャーシ板が透明に示されている。
図20A】炭酸化システムの構成要素を斜視図で示しており、ボトル圧力制御弁の動作を示している。
図20B】炭酸化システムの構成要素を斜視図で示しており、ボトル圧力制御弁の動作を示している。
図21A】ボトル圧力制御弁の動作の側面図の詳細を示している。
図21B】ボトル圧力制御弁の動作の側面図の詳細を示している。
図22】第2の実施形態による炭酸化システムの側面図であり、ガスボタン連動機能の動作を示している。
図23】第2の実施形態による炭酸化システムの側面図であり、ガスボタン連動機能の動作を示している。
図24】第2の実施形態による炭酸化システムの側面図であり、圧力逃がし連動機能の動作を示している。
図25】第2の実施形態による炭酸化システムの側面図であり、圧力逃がし連動機能の動作を示している。
図26A】バルブ圧力ロック機構の詳細を段階的な動作で示す側面図である。
図26B】バルブ圧力ロック機構の詳細を段階的な動作で示す側面図である。
図26C】バルブ圧力ロック機構の詳細を段階的な動作で示す側面図である。
図27】本発明の第3の実施形態による炭酸化システムの側面図である。
図28図27の炭酸化システムの上部正面斜視図である。
図29】第3の実施形態によるボトルインターフェースアセンブリに対するバルブアセンブリの配置を示す上部正面斜視図である。
図30】係合構成におけるリリースハンドルアセンブリを示す、第3の実施形態の構成要素の上部正面斜視図である。
図31】係合解除構成におけるリリースハンドルアセンブリを示す、第3の実施形態の構成要素の上部正面斜視図である。
図32A】第3の実施形態における、ガスボタンを操作するためのリリースハンドルの使用を示す側断面図である。
図32B】第3の実施形態における、ガスボタンを操作するためのリリースハンドルの使用を示す側断面図である。
図33A】本発明の実施形態による口栓弁と、その動作を示す関連構成要素の拡大断面図である。
図33B】本発明の実施形態による口栓弁と、その動作を示す関連構成要素の拡大断面図である。
図33C】本発明の実施形態による口栓弁と、その動作を示す関連構成要素の拡大断面図である。
図34A】装置からボトルの係合を解除するためのリリースハンドルの使用を示す、第3の実施形態による炭酸化システムの側面図である。
図34B】装置からボトルの係合を解除するためのリリースハンドルの使用を示す、第3の実施形態による炭酸化システムの側面図である。
図35A】第3実施形態による圧力逃がし弁の動作を示す側断面図である。
図35B】第3実施形態による圧力逃がし弁の動作を示す側断面図である。
図35C】第3実施形態による圧力逃がし弁の動作を示す側断面図である。
図35D】第3実施形態による圧力逃がし弁の動作を示す側断面図である。
図36】第3実施形態によるバルブアセンブリの詳細を示す上部後方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一実施形態による炭酸化装置10が図1の正面斜視図に示されている。炭酸化装置10は、基部14上に支持された直立型のシャーシ(筐体)12を有し、例えば家庭の台所の卓上に立てるのに適している。シャーシの後部は、加圧された二酸化炭素ガスを含有する加圧ガスボンベ16を収容するように構成されている。ガスボンベ16は、装置に取り付けられると、シャーシによって装置の上部に支持された炭酸化システム20に加圧された二酸化炭素ガスを供給する。図示されていないが、商業的には、炭酸化装置は、安全性及び外観を向上させるために、その上部及び後部(例えば、ガスボンベ及び炭酸化システムの機能)を覆うカバーを有することができる。
【0020】
炭酸化装置10の目的は、例えば家庭環境において、ユーザがボトル30のような容器内に炭酸水(又は水ベースの飲料)を作ることができるようにすることである。ボトル30は、ガス注入の圧力に耐えることができるプラスチック又は他の適切な材料から作製することができる。ボトル30は、その上部に、ボトルの口部の開口32を画定するリム31を有する。ボトルのリムの下のネック(首部)には、キャップ(図示せず)を固定して口部をシールできるように設けられたねじ山形成部がある。ねじ山の下には、ネックの周りに延び、ボトルを支持するために使用することのできるリング状のフランジ34がある。
【0021】
炭酸化システム20は、炭酸化装置のシャーシの上部に固定して取り付けられ、基部14の上に張り出した左右のシャーシ側板18A、18Bを有する。炭酸化システム20と基部14との間の垂直方向の間隔は、例えば図2Aに見られるように、ボトル30を挿入することができるように十分なものである。シャーシ板18間に支持された炭酸化システムは、2つの主要アセンブリ、すなわちボトルインターフェースアセンブリ100及びバルブアセンブリ200(図1では見えない)を有する。ボトルインターフェースアセンブリ100の目的は、ボトル口部と係合して加圧ガスボンベからボトル内にガスを供給し、操作の完了時にボトルを装置から選択的にリリースできるようにすることである。バルブアセンブリ200の主な目的は、装置の安全な操作を確実にするために加圧ガスを適宜逃がすことである。導管(図示せず)は、加圧ガスボンベ16の出口からボトルインターフェースアセンブリ100及びバルブアセンブリ200までガスを運ぶ。
【0022】
ボトルインターフェースアセンブリ100及びバルブアセンブリ200の部品は図3に別個に示されており、ボトルインターフェースアセンブリの構成要素は第1の休止構成で示されている。接続ハウジング110は、下方に延びるノズル102の周りに対称的に配置された4つの下方に延びるカラースライドポスト112を有する。装置の使用時に、加圧ガスはノズル102を通ってボトル内に供給される。スライドカラー120がそれぞれの開口部を介してスライドポスト112に取り付けられており、接続ハウジング110の表面とスライドカラー120との間にはカラーばね113(概略的に示される)が配置されている。スライドカラー120は底部が開いた中空の中央部を有し、ノズルが前部中央に突出している。スライドカラー内には、接続ハウジング110に固定された捕捉リング130が配置されている。この第1の構成において、カラー120は接続ハウジングに向かう上方位置にあり、カラーばね113は圧縮されている。
【0023】
前述の捕捉リング構成要素130が図4に別個に示されている。捕捉リング130の主な機能は、装置の操作時にボトル30を把持し、これを保持することである。捕捉リング130はほぼ円筒状の本体部分131を有しており、捕捉リングを接続ハウジング110に固定するために使用される外方に延びるフランジ132を上部に備えている。本体部分131の両側にはばね式プランジャ用開口部133が配置されており、その目的はさらに後述される。複数の捕捉脚部134が周囲に配置され、本体部分131から下方に突出している。捕捉脚部134は径方向の可撓性を有し、その下端が本体部分131の直径の外側にあるように、その休止構成において外側に広がっている。
【0024】
ユーザによる炭酸化装置10の一般的な操作方法を、手順を段階的に示す図2A図2Gを参照しながら以下に説明する。まずユーザは、図2Aの矢印1で示すように、ノズル102をボトル口部の開口32のほぼ中央に位置合わせした状態で、ボトル30(炭酸化が望まれる水又は他の液体を含む)をボトルインターフェースアセンブリ100の下に配置する。ユーザは、ボトル30を装置の基部14上に一時的に置くことができるが(図2A)これは必須ではない。次に、ユーザは、図2Bの矢印2で示すように、ボトル30を垂直に上方へ持ち上げる。こうすることによってノズル102はボトル口部に入り、ボトルネックは、捕捉脚部134(この図では見られない)によって囲まれた捕捉リング130の中央開口部内に収容される。これによってボトルは、後述する態様で、ボトルインターフェースアセンブリ100によって係合される位置に配置される。
【0025】
図5は、ボトル保持機構の第1の態様を示す炭酸化システムの正面断面図である。前述のように、スライドカラー120は、接続ハウジング110及び捕捉リング130に対してスライドポスト112上で摺動するように取り付けられている。スライドカラーの動きは、スライドカラー内に取り付けられ、装置の両側に配置され、捕捉リング130のばね式プランジャ用開口部133と相互作用する、径方向に配された2つのばね式プランジャ140によって支配されている。プランジャ140は、プランジャとスライドカラーとの間で作用するそれぞれのプランジャばね141によって内方に付勢されており、これにより、休止状態のプランジャ140は、それぞれのプランジャ開口部133内に突出する内端部142を有する。この状態では、図5に見られるように、捕捉リング130とスライドカラーとの間の相対移動が阻止されている。図6は、図5のプランジャ構成要素140の1つの、ある角度から見た拡大断面図である(それぞれのばねは示されていない)。ここで見られるように、プランジャの内端部142は捕捉リングの壁131内に突出しており、プランジャ140の外端部143はスライドカラーの表面から外方に突出している。この状態では、スライドカラー120はその摺動範囲の最上部に向かっており、ばね113(図5には示されていない)の付勢による下方への摺動が、プランジャ140と捕捉リング130との係合によって阻止されている。
【0026】
図7A図7Dはボトルインターフェースアセンブリの正面断面図であり、ボトルネックの挿入によってスライドカラー120のロックが解除される態様を段階的に示している。前述のように、装置の使用時、ユーザはボトルネックを持ち上げて捕捉リング130の中心に入れる(図2B)。図7Aはボトルが挿入される前のインターフェースアセンブリ100を示しており、図5に見られるのと同様の図を表しているが、この場合では、接続ハウジング110とスライドカラー120との間で作用するカラーばね113が示されている。カラーばね113によって加えられる力にもかかわらず、スライドカラーはプランジャ140によってこの上方位置に保持されている。ユーザがボトルを上方に持ち上げると、ボトルネックは、捕捉脚部間に位置するスライドカラー120上の径方向に配されたリブ121により、捕捉リングに対して中心に向かってガイドされる。接続ハウジング110は、ユーザがボトルを持ち上げて適切な位置に入れるとボトル30の口部32に入る口筒部114を有する(ノズル102は口筒部114の前部を通って下方に突出しているため、これらの図には示されていない)。図7Bを参照すると、ボトル30が上方に持ち上げられるにつれてボトルのリム31がプランジャ140の内端部142に係合し、プランジャ140をばね141の付勢に抗するように外方に押圧する。プランジャの内端部142は、ボトルのリム31と係合するための傾斜面をもたらす円錐台形状を有する。ボトルのリムが捕捉リングの側部の開口部133からプランジャを押し出すと、これらの開口部の縁部はプランジャの内端部の円錐台形の傾斜面に当接することができ、これにより、カラーばね113によって加えられる力がスライドカラー120を下方に押し、プランジャ140をさらに押し出すように作用する(図7C)。プランジャ140が捕捉リング130から係合を解除されると、スライドカラー120は、図7Dに見られるその相対摺動の最下方までばね113によって押される。
【0027】
図8A及び図8Bは、使用時に、スライドカラー120の作用によって捕捉リングの脚部134がボトルネックのフランジ34を把持する態様を例示するために、捕捉リング130をボトルネックに関連して別個に示している。図8Aは、カラー120がプランジャ140によってその上方位置に保持されている間の捕捉リング130の構成を示している。捕捉脚部134は、脚部134の端部とネックのフランジ34との間に小さな間隙があいた状態でボトルネックの周りに配置される。カラー120が下方に摺動することが可能になると、脚部134の内端部上のレッジ(突起)は、より詳細に後述する方法でフランジ34の下でロックする。これにより、ボトルのリムがガスケット129(これらの図には示さず)に対してシールされた状態でボトルが所定の位置に保持される。
【0028】
図9は、ボトル30と係合した際のボトルインターフェースアセンブリ100を示している。プランジャ140は捕捉リング130の側部の開口部133から離れており、これにより、カラー120はばね113の作用によってその下方位置まで下降することができる。この図面では見えないが、カラー120の内側表面は捕捉脚部134の端部の外側表面に当接しており、図8Bに見られるように捕捉脚部をボトルネックフランジ34の下に係合させている。
【0029】
捕捉リング130の特徴が図10図13により詳細に示されている。図10は捕捉リング130を上部斜視図で示しており、図11は捕捉脚部134のみを示した切欠図であり、図12は捕捉リングの下面図であり、図13はボトルネックのフランジ34と係合する捕捉脚部の2つの断面図を含む。ここで注目すべきは、捕捉リング脚部134が2つの異なるタイプの可撓性捕捉部(キャッチ)を含むことである。6つの捕捉リング脚部134のうちの2つは引張捕捉部135であり、他の4つは保持捕捉部136である。引張捕捉部135を有する脚部は、装置において見られるように捕捉リング130の前部及び後部に配置されており、保持捕捉部を有する脚部は引張捕捉脚部の各側に対になって配置されている。
【0030】
図13に示す断面図から分かるように、引張捕捉脚部135及び保持捕捉脚部136は異なる端部断面を有する。図13の左側は、下向きの内側表面137を有する引張捕捉部135を示している。使用時に、スライドカラーが下降して捕捉脚部を内側に押しやると、この傾斜面はボトルネックのフランジ34の下縁部に当接し、ボトルを上方に引っ張るのを促す。ボトルが引き上げられてリム31がシール用フランジ129(図13では見えず)に押しつけられると、図13の右側に示すように、保持捕捉脚部はレッジ形成部138によってフランジ34の下で係合する。
【0031】
図14A及び図14Bは、引張捕捉部135によってボトルネックを引っ張って係合位置に入れる動作を示す、インターフェースアセンブリ100の正面断面図である。図14Aは、ユーザがボトルを装置に挿入する場合など、下方に移動するスライドカラー120を示している。可撓性の引張捕捉脚部135は、ボトルネックを挿入できるように外側に広がっており、表面137は内側に面する顕著な下向きの傾斜を有する。引張捕捉脚部135の外側への広がりは、傾斜面125によって画定されるスライドカラーの下部の凹部によって収容される(図14A)。カラー120が下降するにつれて、捕捉脚部135は傾斜面125の上方の内面124によって内側に押される(図14B)。これにより、引張捕捉部の端部の傾斜面137が内側に押しつけられ、フランジ34の外縁部に当接する傾斜面がボトルを引き上げる。
【0032】
図15A及び図15Bは、保持捕捉部136によってボトルネックを係合位置に保持する動作を示す、インターフェースアセンブリ100の断面図である。全体的な動作は引張捕捉部に関して前述した動作と同様であるが、カラー120が下降するにつれて保持捕捉部136が引張捕捉部よりも後で内側に押されるように、対応する傾斜面126はより浅い角度を有する。よって、カラーが下降する動作の間、引張捕捉部135が最初にフランジ34と係合し、ボトルを所定の位置に引き上げてから、保持捕捉部136が係合してボトルをシール位置に固定する。スライドカラー120は、その下方位置に達するとばね113の力によってその位置に保持され、これにより、捕捉リング脚部はボトルネックのフランジと係合状態に保持される。スライドカラー120は、後述する態様で、ユーザによる選択された動作によってのみ上昇させることが可能である。
【0033】
図2Cは、前述のようにボトル30がインターフェースアセンブリ100と係合した状態の炭酸化装置10を示している。この図に示す矢印3は、ボトルネックを捕捉リング内に固定するスライドカラーの前述した下方移動を表している。このことは、矢印4によって示されるようなリリースハンドル151の下方移動を伴う。装置及びボトルがこのように構成される場合、ユーザはガスボタン310を作動させ、ノズル102を通して加圧ガスをボトル内に放出することができる。この動作は図2Dの矢印5によって示される。ユーザがガス供給ボタンを離すとバルブが開き、ガス供給事象間にボトルを減圧することができる。ガスリリース機構及び関連するバルブアセンブリの主な詳細をさらに後述する。
【0034】
炭酸化手順の後、ユーザにより、リリースハンドル151を用いてボトルを装置から取り外す動作が必要となる。ユーザは片方の手でボトルを持ち、図2Eの矢印6によって共通に示されるように、もう片方の手でリリースハンドル151を角度のついた位置まで持ち上げる。リリースハンドルは、矢印7によって示されるようにカラー120を上方に引き上げるように結合されたリリースハンドルアセンブリ150の一部であり、可撓性保持捕捉部はボトルをリリースする。リリースハンドルアセンブリ150のさらなる詳細については、図16及び図17を参照して以下に説明される。ボトル30が装置10から係合を解除されると、(図2Fの矢印8によって示されるように)ボトルをインターフェースアセンブリから離れるように下げて取り外すことができる(図2G)。
【0035】
図16及び図17は、(覆い隠された構成要素を見るためにシャーシ側板が透明に示された)ボトルインターフェースアセンブリ100及びリリースハンドルアセンブリ150を示している。リリースハンドル151は装置の前部にあり、シャーシの各側に1つずつある外側レバーアーム152によって支持されている。外側レバーアーム152は、それぞれのシャーシ側板を貫通してそれぞれの内側レバーアーム154まで延びるピボットマウント153によって支持されている。内側レバーアーム154は、シャーシ板の内側に配置されている。これらは外側レバーアーム152と平行に延びてこれらと共に動き、シャーシマウント153を中心に枢動する。スライドカラー120の各側は外方に突出したラッチピン122を有し、各内側レバーアーム154は対応するラッチピン122に結合されている。
【0036】
装置が未使用の(例えば、ボトルが係合されていない)間、カラー120はばね式プランジャ140によって支持されており、レバーアーム152、154は、ハンドル151が上方位置にあるように上方に傾けられている(図16)。前述のように、ユーザがボトルを挿入すると、プランジャ140は外方に押され、これによってカラー120は下方にはね返ることができる。カラーのラッチピン122は(スロットを介して)内側レバーアームに結合されているため、レバーアームは、カラーが下方にはね返る際に水平位置まで引き下げられる。この構成は、ハンドル151が下方位置にある図17に示されている。
【0037】
図17は、ボトルネックが係合してカラー120がその下方位置にあるインターフェースアセンブリ100を示している。ボトルを装置からリリースするには、スライドカラー120をばね113の付勢に抗して上方に移動させ、捕捉リング130がその開いた構成に戻ることができるようにする必要がある。このことは、ユーザがハンドル151をその下方位置からその上方位置へ持ち上げる際に行われる。ハンドル151が持ち上げられると、レバーアーム152、154は水平位置から上方に角度のついた位置に枢動される。カラーのラッチピン122は内側レバーアーム154上のスロット機構と係合されているため、ハンドル151が持ち上げられるとカラー120はその上方位置まで上げられ、捕捉リングは、ボトルを装置から取り外すためにボトルネックをリリースすることができる。
【0038】
図18及び図19は本発明の実施形態による炭酸化システムを示しており、ここでリリースハンドルアセンブリ150は、バルブアセンブリ200との相互作用を可能にする追加の特徴をいくつか含んでいる。図17に示す実施形態では、例えば、ピボットマウント153はカラーピン122とほぼ同じ高さでシャーシ板上に位置するのに対し、図18の実施形態では、ピボットマウント153は接続ハウジング110の上方でシャーシ板上に位置している。この構成により、ピボットマウント153間に取り付けられ、レバーアームとのピボット運動のために結合された圧力ロックバルブアクチュエータ160を含むことができる。この場合、レバーアームは、垂直に延びる接続部材161によってカラーピンに結合されている。
【0039】
以下、図20図26を参照して、バルブアセンブリの特徴及び圧力ロックバルブアクチュエータの動作について説明する。
【0040】
図に示すような炭酸化システム20では、ガスボンベ16の上方にガスリリース機構300の構成要素を見ることができる。これらはガスボタン310を含み、ガスボタン310は、使用時に、ボンベからガスを放出してボトル30内の液体を炭酸化するためにユーザによって押下される。ガスボタン310は、本明細書に後述する態様でバルブアセンブリ200と相互作用するプッシュロッド320にも結合されている。
【0041】
バルブアセンブリ200はボトル圧力制御弁(「口栓」弁)220を含み、その動作が図20及び図21を参照して説明される。特に、図20A及び図20Bは口栓弁の動作を示す炭酸化システムの構成要素を斜視図で示しており、図21A及び図21Bは口栓弁の動作の対応する側面図の詳細を示している。
【0042】
図20A及び図20Aは休止構成にある装置を示している。ガスボタン310は上方に付勢されており、ユーザによって押下される準備ができている。ガスリリースボタン310は、下方に延び、口栓弁プランジャ221と係合しているプッシュロッド320に結合されている。この構成において、口栓弁220は開いており、矢印225によって示されるように圧力を逃がすためのガス通路を可能にしている。ユーザがガスボタン310を押すとプッシュロッドも下方に押され、プッシュロッドの下部にある形成物(formations)322及び323が口栓弁プランジャ221を押下するように作用し、弁頭223を着座させることによって弁が閉じられてガス放出路が封鎖される。この構成は図20B及び図21Bに示される。そして、ユーザがガスボタン310を離すとプッシュロッド320が上昇し、口栓弁プランジャは表面321に従って再び延出することができる。よって、ガスボタンがユーザによって押されている間のみ、ボトル内の圧力を保つことができる。これにより、ユーザがボトルを取り外したいときにボトルが加圧されるのを防ぐことができる。ガスボタンが押下(ガス供給)されている間、過剰な圧力がある場合に空気を送って弁を開く(blow open)ために、2つのさらなる圧力逃がし弁(7PSI及び11PSI)(230ともう一つは図示せず)がさらに設けられている。
【0043】
本発明の実施形態による炭酸化システムはガスボタンのインターロック機能も含んでおり、その動作が図22及び図23に示されている。ユーザによる操作が可能なガスボタン310は装置内で前方に延びる細長い形状を有し、その前方端にピン特徴部311を有する。図22はボトルがインターフェースアセンブリと係合する前の装置を示しており、リリースハンドルはその上方位置にあり、ガスボタンは非作動状態にある。ボトルが取り付けられると、図23に見られるようにリリースハンドルは下方位置にあり、取り付けられた圧力ロックバルブアクチュエータ160を上昇させる。次いで、ユーザがガスボタン310を作動させると、端部にあるピン特徴部311はバルブアクチュエータ160の対応するスロットなどと係合する。ピン特徴部311が圧力ロックバルブアクチュエータ160とこのように係合すると、バルブアクチュエータがその休止位置に戻ることが阻止され、これによりユーザがハンドルを持ち上げてボトルをリリースすることが阻止される。換言すると、ガスボタンが作動している間、ボトルのリリースがロックされてユーザがボトルを装置から取り外すことが阻止される。
【0044】
図24及び図25は、バルブアセンブリ200の構成要素を備える1つ以上の圧力逃がし弁230を含む別のインターロック機能の動作を示している。より詳細には、バルブアセンブリは2つの圧力逃がし弁230を含む(図では1つのみ示される)。各圧力逃がし弁230はバルブハウジング210によって支持されており、枢動可能な圧力ロックバルブアクチュエータ160に向かって上方に突出するプランジャ231と共に配置されている。圧力逃がし弁230及び接続ハウジング110の配置により、図26A図26Cを参照して説明するバルブ圧力ロック機構がもたらされる。
【0045】
図26A図26Cは、バルブ圧力ロック機構の詳細を段階的な動作で示す側面図である。ボトルが加圧される場合、圧力逃がし弁230のプランジャ231が突出し、バルブアクチュエータ160上の保持レッジ240を越えることができない(図26A)。この状態では、バルブアクチュエータ160、よってリリースハンドルアセンブリ150全体の枢動が妨げられる、つまり、ユーザは、ボトルが加圧されている間はボトルを装置からリリースすることができない。ボトルが減圧すると、圧力逃がし弁プランジャ231はばねクリップ235(図26B)によって押し込まれることが可能になり、そしてバルブアクチュエータ上の保持レッジ240を越えることができる。次に、ユーザはリリース機構を枢動させて(図26C)インターフェースアセンブリからボトルをリリースすることができる。
【0046】
図27図35は、新しくかつ代替的な態様に焦点を当てて以下に説明するように、いくつかの変形形態及び/又は追加の特徴を有する本発明の別の実施形態の構成要素を様々な図で示している。
【0047】
前述の装置と比較して、この実施形態は、さらなる機能性を許容するリリースハンドルアセンブリ150’及びバルブアセンブリ200’の異なる配置を有する。特に、この実施形態において、ハンドル151’のユーザ操作は、インターフェースアセンブリ100’からボトルをリリースするために用いられるばかりでなく、ガスボタン310’を操作するように作用する。
【0048】
図27図31は、第3の実施形態による炭酸化システム20’の一般的な構造を示している。構造の違いにもかかわらず、第3の実施形態の機能及び動作の多くは第2の実施形態のものと類似しているが、後述するような例外がいくつかある。実際、ボトルインターフェースアセンブリ100’は、バルブアセンブリ200’との関連性を除いて殆ど変わっていない。
【0049】
図から分かるように、第2の実施形態と比較して、バルブアセンブリ200’はさらに前方に配置され、接続ハウジング110’の後部の上に取り付けられている。逆に、リリースハンドルのピボットマウント153’は装置のさらに後部に配置されている。その結果、バルブアクチュエータ構成要素160’はハンドルピボットマウントの前方に突出している。この場合、接続リンク機構161’は、バルブアクチュエータ160’の側部のリンク機構マウント162’と、スライドカラーの側部のラッチピン122’との間に延びている。
【0050】
図32Aは、ボトルがボトルインターフェースアセンブリと係合した状態の炭酸化システム20’を側断面図で示している。この構成では、ハンドルアームはほぼ水平である。バルブアクチュエータ構成要素160’は、この場合、ガス供給ボタン310’の上に配置されたブリッジ部163’を含む。結果として、ハンドル151’(図32B)を押下することにより、ユーザはガス供給ボタン310’を作動させ、よってボトルに加圧ガスを装填することができる。バルブハウジングは、ガス供給ボタンの前部312’と口栓弁220’のプランジャ221’との間に配置されたローブ(突出部)を有するピボットプッシュ構成要素250’を支持する。したがって、ハンドルがユーザによって押下され、よってガス供給ボタンが押下されると、ガス供給ボタンはピボットローブ250’に当接し、口栓弁を閉じる。口栓弁は、ガス供給ボタンを直接押下することによっても同様に閉じられる。ユーザがハンドル又はガス供給ボタンを離すと、ハンドル又はガス供給ボタンは水平位置に戻り、口栓弁は再び開くことができるようになる。口栓弁が開くと、バルブハウジング210’内のチャンバ211’内に空気が入り、ボタンが離されるたびにガスシステムが減圧される。
【0051】
図33A図33Cは、本発明の一実施形態による口栓弁220’とその動作を示す関連構成要素の拡大断面図である。図示の実施形態において、口栓弁のプランジャ221’はプランジャシャフト222’及び口栓223’を含み、その間に圧縮ばね224’が設けられている。図33Aに見られる休止構成では、口栓223’はばね224’によって弁220’のシートに軽く押しつけられている。ガス供給の際(図33B)、ガスボタン310’が押下され、その前部312’がピボットプッシュ構成要素250’に当接し、ピボットプッシュ構成要素250’はプランジャシャフト222’の端部に当接する。その結果、圧縮ばね224’は口栓223’をバルブシートに押しつけ、口栓弁220’が閉じられる。ばね224’を含むことにより、ガスレバーが押下されると、単に移動の終わりだけでなく、口栓のバルブシートに対する力強い圧縮が可能になる。ガスレバーが離されると(図33C)、加圧システムはばね224’の力に打ち勝って口栓223’をバルブシートから押し離すことができ、小さな穴を通してガスをバルブチャンバ内にリリースすることができる。
【0052】
インターフェースアセンブリからボトルをリリースする動作が図34A及び図34Bに示されている。この動作は、前述の実施形態に関連して説明したのと本質的に同じ態様で行われる。この場合、リンク機構161’は、ラッチピン122’と、ハンドルと共に移動するバルブアクチュエータの側部に位置するマウント162’との間に結合されている。リンク機構161’は角度をつけて配されているが、スライドカラー120’は、カラーのスライドポスト112’に取り付けられていることにより直線運動に制限されている。よって、ユーザがハンドルを持ち上げると(図34A)、カラー121’はスプリング113’の力に抗してその頂部位置に達するまで引き上げられ、ばね式プランジャによって所定の位置に保持される(図34B)。
【0053】
ユーザがリリースハンドルを持ち上げる動作によって圧力逃がし弁230’も開かれ、これは図35A図35Dに進行して示されている。各圧力逃がし弁230’(この実施形態では2つある)はプランジャ231’を有し、このプランジャ231’は装置の後部まで延びており、トグル232’(図36に最もよく見られる)を有するステムで終端している。ハンドルがユーザによって持ち上げられると、ステムはバルブアクチュエータ160’の前方壁166’のスロット165’(図31)を通って延びている。壁166’は、トグル232’が当接するカム面として動作するように輪郭形成されている。ハンドルが持ち上げられると、カムの動作によって弁のプランジャ231’が引っ張られ、弁230’が開く。弁230’が開いている際、バルブハウジング内のチャンバ211’はボトル内の空間と流体連通している。吐出された液体をチャンバ内に集め、排液チューブ260’を通って装置の基部に排出することができる。
【0054】
本発明の実施形態の構造及び実施は非限定的な例としてのみ説明されており、説明した本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、多くの追加の変更形態及び変形形態が当業者には明らかであろう。
【0055】
本明細書における文書、装置、行為又は知識に関するいかなる考察も、本発明の文脈を説明するために含まれるものである。いずれの材料も、本明細書の開示内容及び特許請求の範囲の優先日又は優先日以前に、オーストラリア又は他国の関連技術における先行技術の基礎知識又は技術常識の一部を形成していることを認めるものと解釈されるべきではない。
【0056】
本明細書及び以下の特許請求の範囲を通して、文脈によって別途必要としない限り、「含む(comprise)」という単語、ならびに「含む(comprises)」及び「含む(comprising)」などの変形は記載された整数あるいはステップ、又は一群の整数あるいはステップを含むが、他の整数あるいはステップ、又は一群の整数あるいはステップを除外しないことを意味するものと理解されるであろう。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15A
図15B
図16
図17
図18
図19
図20A
図20B
図21A
図21B
図22
図23
図24
図25
図26A
図26B
図26C
図27
図28
図29
図30
図31
図32A
図32B
図33A
図33B
図33C
図34A
図34B
図35A
図35B
図35C
図35D
図36
【国際調査報告】