(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-20
(54)【発明の名称】液体サンプルの干渉成分を化学試薬検査スライドへの適用前に除去するための方法
(51)【国際特許分類】
G01N 33/50 20060101AFI20230413BHJP
G01N 33/48 20060101ALI20230413BHJP
G01N 33/553 20060101ALI20230413BHJP
G01N 33/552 20060101ALI20230413BHJP
【FI】
G01N33/50 S
G01N33/48 B
G01N33/553
G01N33/552
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022554625
(86)(22)【出願日】2021-03-08
(85)【翻訳文提出日】2022-10-12
(86)【国際出願番号】 US2021021331
(87)【国際公開番号】W WO2021183423
(87)【国際公開日】2021-09-16
(32)【優先日】2020-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】300004500
【氏名又は名称】アイデックス ラボラトリーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】IDEXX Laboratories, Inc.
【住所又は居所原語表記】One IDEXX Drive, Westbrook, Maine 04092, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キャキャバス パメラ アン
(72)【発明者】
【氏名】フォックス ルシアス エス.
(72)【発明者】
【氏名】ラシャペル ロバート ダブル.
(72)【発明者】
【氏名】レペイジ ウェンディ オマリー
(72)【発明者】
【氏名】ペック エヴァン エム.
(72)【発明者】
【氏名】ペレティア ドミニック
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴァ エリック アレン
(72)【発明者】
【氏名】イェラミリ マーシー ブイ.エス.エヌ.
【テーマコード(参考)】
2G045
【Fターム(参考)】
2G045AA25
2G045BA01
2G045BB08
2G045CA25
2G045DA07
(57)【要約】
【要約】
検査アッセイについて行われる検査に干渉しかねない液体サンプルの成分を除去するために化学分析装置を使用する方法が、液体サンプルをサンプルカップに加えるステップと、或る量の液体サンプルを多孔質ビーズを含むIMAC(固定化金属アフィニティークロマトグラフィー)樹脂を含んでいる混合カップに移して、混合カップ内にサンプル/樹脂溶液を形成するステップと、化学分析装置のピペットを使用し、ピペットの使い捨てのピペット先端部へのサンプル/樹脂溶液の吸引およびピペット先端部から混合カップへのサンプル/樹脂溶液の吐出を繰り返して、混合カップ内の混合済みサンプル/樹脂溶液を達成するステップと、液体サンプルの干渉成分が多孔質ビーズに付着し、ビーズが混合カップの底部に沈降して、干渉成分を含まない混合カップの上部を占める精製済み液体サンプルが、後の検査アッセイへの適用のためにもたらされるように、混合カップ内の混合済みサンプル/樹脂溶液を静置するステップとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学分析装置において液体サンプルを混合するために使用される混合カップであって、
内部空間を有しており、
ビーズを含有し、前記化学分析装置によって検査アッセイについて実行される検査に干渉しかねない前記液体サンプルの成分を除去するために前記化学分析装置によって使用される樹脂
を含んでおり、
前記樹脂は前記内部空間内に位置している、混合カップ。
【請求項2】
前記樹脂は、IMAC(固定化金属アフィニティークロマトグラフィー)樹脂である、請求項1に記載の混合カップ。
【請求項3】
前記混合カップは、内部側壁および底壁を含み、
前記樹脂は、凍結乾燥させられ、
前記凍結乾燥させられた樹脂は、前記混合カップの前記内部側壁の少なくとも一部分および前記混合カップの前記底壁の少なくとも一部分のうちの少なくとも一方を覆う、請求項1に記載の混合カップ。
【請求項4】
底部と、前記底部の上方に位置する上部と
をさらに備え、
前記凍結乾燥させられた樹脂は、前記液体サンプルが前記混合カップに加えられたときに液体の形態に再懸濁して、前記混合カップ内にサンプル/樹脂溶液を形成し、前記混合カップ内の前記サンプル/樹脂溶液が混合されるとき、混合済みサンプル/樹脂溶液が達成され、前記混合カップ内の前記混合済みサンプル/樹脂溶液が所定の時間にわたって静置されるとき、前記液体サンプルの前記干渉成分の少なくとも一部が前記樹脂の前記ビーズに付着し、前記干渉成分が付着した前記ビーズまたは前記干渉成分が付着していない前記ビーズの少なくとも一部が前記混合カップにおいて沈降し、前記混合カップの前記底部を占め、前記干渉成分が付着した前記ビーズの前記沈降の結果として、前記干渉成分を含まず、あるいは前記液体サンプルよりも低い濃度でしか有していない前記混合カップの上部を占める精製済み液体サンプルが形成され、前記混合カップの前記上部を占める前記精製済み液体サンプルは、前記干渉成分を含まず、あるいは前記低い濃度でしか有していない前記精製済み液体サンプルのうちの選択された量を後に前記検査アッセイへと適用するために提供される、請求項3に記載の混合カップ。
【請求項5】
前記混合カップ内の前記混合済みサンプル/樹脂溶液を静置する前記所定の時間は、約1分~約15分である、請求項4に記載の混合カップ。
【請求項6】
前記樹脂は、アガロース系ビーズおよびシリカ系ビーズの少なくとも一方を含む、請求項4に記載の混合カップ。
【請求項7】
前記検査アッセイは、胆汁酸アッセイであり、
前記液体サンプルの前記干渉成分は、ヘモグロビンである、請求項4に記載の混合カップ。
【請求項8】
前記樹脂は、約2パーセント(2%)~約10パーセント(10%)のデキストランおよび約2パーセント(2%)~約10パーセント(10%)のスクロースの溶液中で凍結乾燥させられる、請求項3に記載の混合カップ。
【請求項9】
前記樹脂は、約2パーセント(2%)~約14パーセント(14%)のデキストラン/スクロースの溶液中で凍結乾燥させられる、請求項3に記載の混合カップ。
【請求項10】
前記樹脂は、凍結乾燥させられて、物理的に安定したケーキを形成し、前記樹脂ケーキは、前記混合カップの前記内部空間内に位置する、請求項1に記載の混合カップ。
【請求項11】
底部と、前記底部の上方に位置する上部と
をさらに備え、
前記樹脂ケーキは、前記液体サンプルが前記混合カップに加えられたときに液体の形態に再懸濁して、前記混合カップ内にサンプル/樹脂溶液を形成し、前記混合カップ内の前記サンプル/樹脂溶液が混合されるとき、混合済みサンプル/樹脂溶液が達成され、前記混合カップ内の前記混合済みサンプル/樹脂溶液が所定の時間にわたって静置されるとき、前記液体サンプルの前記干渉成分の少なくとも一部が前記樹脂の前記ビーズに付着し、前記干渉成分が付着した前記ビーズまたは前記干渉成分が付着していない前記ビーズの少なくとも一部が前記混合カップにおいて沈降し、前記混合カップの前記底部を占め、前記干渉成分が付着した前記ビーズの前記沈降の結果として、前記干渉成分を含まず、あるいは前記液体サンプルよりも低い濃度でしか有していない前記混合カップの上部を占める精製済み液体サンプルが形成され、前記混合カップの前記上部を占める前記精製済み液体サンプルは、前記干渉成分を含まず、あるいは前記低い濃度でしか有していない前記精製済み液体サンプルのうちの選択された量を後に前記検査アッセイへと適用するために提供される、請求項10に記載の混合カップ。
【請求項12】
前記樹脂は、約2パーセント(2%)~約10パーセント(10%)のデキストランおよび約2パーセント(2%)~約10パーセント(10%)のスクロースの溶液中で凍結乾燥させられる、請求項11に記載の混合カップ。
【請求項13】
前記樹脂は、約2パーセント(2%)~約14パーセント(14%)のデキストラン/スクロースの溶液中で凍結乾燥させられる、請求項11に記載の混合カップ。
【請求項14】
前記混合カップ内の前記混合済みサンプル/樹脂溶液を静置する前記所定の時間は、約1分~約15分である、請求項11に記載の混合カップ。
【請求項15】
前記樹脂は、アガロース系ビーズおよびシリカ系ビーズの少なくとも一方を含む、請求項11に記載の混合カップ。
【請求項16】
前記検査アッセイは、胆汁酸アッセイであり、
前記液体サンプルの前記干渉成分は、ヘモグロビンである、請求項11に記載の混合カップ。
【請求項17】
底部と、前記底部の上方に位置する上部と
をさらに備え、
前記樹脂は、約2パーセント(2%)~約10パーセント(10%)のデキストランおよび約2パーセント(2%)~約10パーセント(10%)のスクロース、あるいは約2パーセント(2%)~約14パーセント(14%)のデキストラン/スクロースの溶液中で凍結乾燥させられて、物理的に安定したケーキを形成し、前記樹脂ケーキは、前記混合カップの前記底部に位置し、前記樹脂ケーキは、前記液体サンプルが前記混合カップに加えられたときに液体の形態に再懸濁して、前記混合カップ内にサンプル/樹脂溶液を形成し、前記混合カップ内の前記サンプル/樹脂溶液が混合されるとき、混合済みサンプル/樹脂溶液が達成され、前記混合カップ内の前記混合済みサンプル/樹脂溶液が所定の時間にわたって静置されるとき、前記液体サンプルの前記干渉成分の少なくとも一部が前記樹脂の前記ビーズに付着し、前記干渉成分が付着した前記ビーズまたは前記干渉成分が付着していない前記ビーズの少なくとも一部が前記混合カップにおいて沈降し、前記混合カップの前記底部を占め、前記干渉成分が付着した前記ビーズの前記沈降の結果として、前記干渉成分を含まず、あるいは前記液体サンプルよりも低い濃度でしか有していない前記混合カップの上部を占める精製済み液体サンプルが形成され、前記混合カップの前記上部を占める前記精製済み液体サンプルは、前記干渉成分を含まず、あるいは前記低い濃度でしか有していない前記精製済み液体サンプルのうちの選択された量を後に前記検査アッセイへと適用するために提供される、請求項1に記載の混合カップ。
【請求項18】
サンプルカップと、混合カップと、使い捨てのピペット先端部が取り付けられ、前記ピペット先端部への液体サンプルの吸引および前記ピペット先端部からの液体サンプルの吐出が可能であり、検査アッセイへの液体サンプルの適用が可能であるピペットとを有している化学分析装置を使用して、前記検査アッセイについて実行される検査に干渉しかねない液体サンプルの成分を除去するための方法であって、
前記干渉成分を含む前記液体サンプルを前記サンプルカップに加えるステップと、
前記干渉成分を含む前記液体サンプルを、前記サンプルカップから、ビーズを含む樹脂を含んでいる前記混合カップに移し、前記液体サンプルおよび樹脂で前記混合カップ内にサンプル/樹脂溶液を形成するステップと、
前記混合カップ内の前記サンプル/樹脂溶液を完全に混合し、混合済みサンプル/樹脂溶液を達成するために、前記ピペット先端部への前記サンプル/樹脂溶液の吸引およびその後の前記ピペット先端部から前記混合カップへの前記サンプル/樹脂溶液の吐出を必要に応じて繰り返すことにより、前記混合カップ内の前記サンプル/樹脂溶液を前記化学分析装置の前記ピペットを使用して混合し、前記混合済みサンプル/樹脂溶液を達成するステップと、
前記混合カップ内の前記混合済みサンプル/樹脂溶液を、前記液体サンプルの前記干渉成分の少なくとも一部が前記樹脂の前記ビーズに付着でき、前記干渉成分が付着した前記ビーズまたは前記干渉成分が付着していない前記ビーズの少なくとも一部が前記混合カップ内で沈降して、前記混合カップの底部を占めることができ、前記干渉成分が付着した前記ビーズの前記沈降の結果として、前記干渉成分を含まず、あるいは前記液体サンプルよりも低い濃度でしか有していない前記混合カップの上部を占める精製済み液体サンプルが形成されるように選択される所定の時間にわたって、静置するステップと、
前記干渉成分を含まず、あるいは前記低い濃度でしか有していない前記精製済み液体サンプルのうちの選択された量を後に前記検査アッセイへと適用するために、前記混合カップの前記上部を占める前記精製済み液体サンプルのうちの所定の量を、前記混合カップから前記ピペット先端部へと吸引するステップと
を含む、液体サンプルの干渉成分を除去するための方法。
【請求項19】
前記所定の時間は、約1分~約15分である、請求項18に記載の液体サンプルの干渉成分を除去するための方法。
【請求項20】
前記樹脂は、アガロース系ビーズおよびシリカ系ビーズの少なくとも一方を含む、請求項18に記載の液体サンプルの干渉成分を除去するための方法。
【請求項21】
前記樹脂は、約2パーセント(2%)~約14パーセント(14%)のデキストラン/スクロースの溶液中で凍結乾燥させられる、請求項18に記載の液体サンプルの干渉成分を除去するための方法。
【請求項22】
前記樹脂は、約2パーセント(2%)~約10パーセント(10%)のデキストランおよび約2パーセント(2%)~約10パーセント(10%)のスクロースの溶液中で凍結乾燥させられる、請求項18に記載の液体サンプルの干渉成分を除去するための方法。
【請求項23】
前記樹脂は、物理的に安定したケーキとして形成され、前記混合カップの前記底部に位置する、請求項18に記載の液体サンプルの干渉成分を除去するための方法。
【請求項24】
前記樹脂は、IMAC(固定化金属アフィニティークロマトグラフィー)樹脂である、請求項18に記載の液体サンプルの干渉成分を除去するための方法。
【請求項25】
前記検査アッセイは、胆汁酸アッセイであり、
前記液体サンプルの前記干渉成分は、ヘモグロビンである、請求項18に記載の液体サンプルの干渉成分を除去するための方法。
【請求項26】
前記液体サンプルの前記干渉成分は、タンパク質である、請求項18に記載の液体サンプルの干渉成分を除去するための方法。
【請求項27】
サンプルカップと、混合カップと、吐出端を有する使い捨てのピペット先端部が取り付けられ、前記ピペット先端部への液体サンプルの吸引および前記ピペット先端部からの液体サンプルの吐出が可能であり、検査アッセイへの液体サンプルの適用が可能であるピペットとを有している化学分析装置を使用して、前記検査アッセイについて実行される検査に干渉しかねない液体サンプルの成分を除去するための方法であって、
前記干渉成分を含む前記液体サンプルを前記サンプルカップに加えるステップと、
前記干渉成分を含む前記液体サンプルを、前記サンプルカップから、ビーズを含む樹脂を含んでいる前記混合カップに移し、前記液体サンプルおよび樹脂で前記混合カップ内にサンプル/樹脂溶液を形成するステップと、
前記混合カップ内の前記サンプル/樹脂溶液を完全に混合し、混合済みサンプル/樹脂溶液を達成するために、前記ピペット先端部への前記サンプル/樹脂溶液の吸引およびその後の前記ピペット先端部から前記混合カップへの前記サンプル/樹脂溶液の吐出を必要に応じて繰り返すことにより、前記混合カップ内の前記サンプル/樹脂溶液を前記化学分析装置の前記ピペットを使用して混合し、前記混合済みサンプル/樹脂溶液を達成するステップと、
前記混合カップ内の前記混合済みサンプル/樹脂溶液を、前記液体サンプルの前記干渉成分の少なくとも一部が前記樹脂の前記ビーズに付着でき、前記干渉成分が付着した前記ビーズまたは前記干渉成分が付着していない前記ビーズの少なくとも一部が前記混合カップ内で沈降して、前記混合カップの底部を占めることができ、前記干渉成分が付着した前記ビーズの前記沈降の結果として、前記干渉成分を含まず、あるいは前記液体サンプルよりも低い第1の濃度でしか有していない前記混合カップの上部を占める第1段階の精製済み液体サンプルが形成されるように選択される第1の所定の時間にわたって、静置するステップと、
前記混合カップの前記上部を占める前記第1段階の精製済み液体サンプルのうちの所定の量を、前記混合カップから前記ピペット先端部へと吸引するステップと、
前記ピペット先端部へと吸引された前記第1段階の精製済み液体サンプルを、前記ピペット先端部の前記第1段階の精製済み液体サンプルにおける前記液体サンプルの残存する干渉成分が前記ピペット先端部の前記第1段階の精製済み液体サンプルに残存する前記樹脂のビーズに付着でき、前記干渉成分が付着した前記残存ビーズまたは前記干渉成分が付着していない前記残存ビーズの少なくとも一部が前記ピペット先端部内で沈降して、前記ピペット先端部の前記吐出端の付近の前記ピペット先端部の底部を占める沈降溶液を形成することができ、前記干渉成分が付着した前記ビーズおよび未付着のビーズの前記沈降の結果として、前記沈降溶液と、前記干渉成分を含まず、あるいは前記第1段階の精製済み液体サンプルよりも低い第2の濃度でしか有していない前記ピペット先端部の上部を占める第2段階のさらに精製済みの液体サンプルとが形成されるように選択される第2の所定の時間にわたって、静置するステップと、
前記干渉成分を含まず、あるいは前記第2の低い濃度でしか有していない前記第2段階のさらに精製済みの液体サンプルのうちの選択された量を後に前記検査アッセイへと適用するために、前記第2段階のさらに精製済みの液体サンプルを前記ピペット先端部に残しつつ、前記ピペット先端部の前記底部を占める前記沈降溶液を前記ピペット先端部から前記混合カップへと吐出するステップと
を含む、液体サンプルの干渉成分を除去するための方法。
【請求項28】
前記第1の所定の時間は、約1分~約15分である、請求項27に記載の液体サンプルの干渉成分を除去するための方法。
【請求項29】
前記第2の所定の時間は、約1分~約15分である、請求項27に記載の液体サンプルの干渉成分を除去するための方法。
【請求項30】
前記樹脂は、アガロース系ビーズおよびシリカ系ビーズの少なくとも一方を含む、請求項27に記載の液体サンプルの干渉成分を除去するための方法。
【請求項31】
前記樹脂は、約2パーセント(2%)~約14パーセント(14%)のデキストラン/スクロースの溶液中で凍結乾燥させられる、請求項27に記載の液体サンプルの干渉成分を除去するための方法。
【請求項32】
前記樹脂は、約2パーセント(2%)~約10パーセント(10%)のデキストランおよび約2パーセント(2%)~約10パーセント(10%)のスクロースの溶液中で凍結乾燥させられる、請求項27に記載の液体サンプルの干渉成分を除去するための方法。
【請求項33】
前記樹脂は、物理的に安定したケーキとして形成され、前記混合カップの前記底部に位置する、請求項27に記載の液体サンプルの干渉成分を除去するための方法。
【請求項34】
前記樹脂は、IMAC(固定化金属アフィニティークロマトグラフィー)樹脂である、請求項27に記載の液体サンプルの干渉成分を除去するための方法。
【請求項35】
前記検査アッセイは、胆汁酸アッセイであり、
前記液体サンプルの前記干渉成分は、ヘモグロビンである、請求項27に記載の液体サンプルの干渉成分を除去するための方法。
【請求項36】
前記液体サンプルの前記干渉成分は、タンパク質である、請求項27に記載の液体サンプルの干渉成分を除去するための方法。
【請求項37】
血液分離器および遠心分離カップと、混合カップと、使い捨てのピペット先端部が取り付けられ、前記ピペット先端部への液体の吸引および前記ピペット先端部からの液体の吐出が可能であり、検査アッセイへの液体の適用が可能であるピペットとを有している化学分析装置を使用して、前記検査アッセイについて実行される検査に干渉しかねない血液サンプルの成分を除去するための方法であって、
前記干渉成分を含む前記血液サンプルを前記遠心分離カップに加えるステップと、
前記化学分析装置の前記血液分離器を使用して前記遠心分離カップ内の前記血液サンプルを遠心分離し、前記遠心分離カップ内に前記干渉成分を含む分離後血液成分をもたらすステップと、
前記干渉成分を含む前記分離後血液成分を、前記遠心分離カップから、ビーズを含む樹脂を含んでいる前記混合カップに移し、前記分離後血液成分と樹脂とで前記混合カップ内に血液成分/樹脂溶液を形成するステップと、
前記混合カップ内の前記血液成分/樹脂溶液を完全に混合し、混合済み血液成分/樹脂溶液を達成するために、前記ピペット先端部への前記血液成分/樹脂溶液の吸引およびその後の前記ピペット先端部から前記混合カップへの前記血液成分/樹脂溶液の吐出を必要に応じて繰り返すことにより、前記混合カップ内の前記血液成分/樹脂溶液を前記化学分析装置の前記ピペットを使用して混合し、前記混合済み血液成分/樹脂溶液を達成するステップと、
前記混合カップ内の前記混合済み血液成分/樹脂溶液を、前記血液成分の前記干渉成分の少なくとも一部が前記樹脂の前記ビーズに付着でき、前記干渉成分が付着した前記ビーズまたは前記干渉成分が付着していない前記ビーズの少なくとも一部が前記混合カップ内で沈降して、前記混合カップの底部を占めることができ、前記干渉成分が付着した前記ビーズの前記沈降の結果として、前記干渉成分を含まず、あるいは前記血液成分よりも低い濃度でしか有していない前記混合カップの上部を占める精製済み血液成分が形成されるように選択される所定の時間にわたって、静置するステップと、
前記干渉成分を含まず、あるいは前記低い濃度でしか有していない前記精製済み血液成分のうちの選択された量を後に前記検査アッセイへと適用するために、前記混合カップの前記上部を占めている前記精製済み血液成分のうちの所定の量を前記混合カップから前記ピペット先端部へと吸引するステップと、
を含む、血液サンプルの成分を除去するための方法。
【請求項38】
前記所定の時間は、約1分~約15分である、請求項37に記載の血液サンプルの干渉成分を除去するための方法。
【請求項39】
前記樹脂は、アガロース系ビーズおよびシリカ系ビーズの少なくとも一方を含む、請求項37に記載の血液サンプルの干渉成分を除去するための方法。
【請求項40】
前記樹脂は、約2パーセント(2%)~約14パーセント(14%)のデキストラン/スクロースの溶液中で凍結乾燥させられる、請求項37に記載の血液サンプルの干渉成分を除去するための方法。
【請求項41】
前記樹脂は、約2パーセント(2%)~約10パーセント(10%)のデキストランおよび約2パーセント(2%)~約10パーセント(10%)のスクロースの溶液中で凍結乾燥させられる、請求項37に記載の血液サンプルの干渉成分を除去するための方法。
【請求項42】
前記樹脂は、物理的に安定したケーキとして形成され、前記混合カップの前記底部に位置する、請求項37に記載の血液サンプルの干渉成分を除去するための方法。
【請求項43】
前記樹脂は、IMAC(固定化金属アフィニティークロマトグラフィー)樹脂である、請求項37に記載の血液サンプルの干渉成分を除去するための方法。
【請求項44】
前記検査アッセイは、胆汁酸アッセイであり、
前記血液サンプルの前記干渉成分は、ヘモグロビンである、請求項37に記載の血液サンプルの干渉成分を除去するための方法。
【請求項45】
前記血液サンプルの前記干渉成分は、タンパク質である、請求項37に記載の血液サンプルの干渉成分を除去するための方法。
【請求項46】
血液分離器および遠心分離カップと、混合カップと、吐出端を有する使い捨てのピペット先端部が取り付けられ、前記ピペット先端部への液体の吸引および前記ピペット先端部からの液体の吐出が可能であり、検査アッセイへの液体の適用が可能であるピペットとを有している化学分析装置を使用して、前記検査アッセイについて実行される検査に干渉しかねない血液サンプルの成分を除去するための方法であって、
前記干渉成分を含む前記血液サンプルを前記遠心分離カップに加えるステップと、
前記化学分析装置の前記血液分離器を使用して前記遠心分離カップ内の前記血液サンプルを遠心分離し、前記遠心分離カップ内に前記干渉成分を含む分離後血液成分をもたらすステップと、
前記干渉成分を含む前記分離後血液成分を、前記遠心分離カップから、ビーズを含む樹脂を含んでいる前記混合カップに移し、前記分離後血液成分と樹脂とで前記混合カップ内に血液成分/樹脂溶液を形成するステップと、
前記混合カップ内の前記血液成分/樹脂溶液を完全に混合し、混合済み血液成分/樹脂溶液を達成するために、前記ピペット先端部への前記血液成分/樹脂溶液の吸引およびその後の前記ピペット先端部から前記混合カップへの前記血液成分/樹脂溶液の吐出を必要に応じて繰り返すことにより、前記混合カップ内の前記血液成分/樹脂溶液を前記化学分析装置の前記ピペットを使用して混合し、前記混合済み血液成分/樹脂溶液を達成するステップと、
前記混合カップ内の前記混合済み血液成分/樹脂溶液を、前記血液成分の前記干渉成分の少なくとも一部が前記樹脂の前記ビーズに付着でき、前記干渉成分が付着した前記ビーズまたは前記干渉成分が付着していない前記ビーズの少なくとも一部が前記混合カップ内で沈降して、前記混合カップの底部を占めることができ、前記干渉成分が付着した前記ビーズの前記沈降の結果として、前記干渉成分を含まず、あるいは前記血液成分よりも低い第1の濃度でしか有していない前記混合カップの上部を占める第1段階の精製済み血液成分が形成されるように選択される第1の所定の時間にわたって、静置するステップと、
前記混合カップの前記上部を占める前記第1段階の精製済み血液成分のうちの所定の量を前記混合カップから前記ピペット先端部へと吸引するステップと、
前記ピペット先端部へと吸引された前記第1段階の精製済み血液成分を、前記ピペット先端部の前記第1段階の精製済み血液成分における前記血液成分の残存する干渉成分が前記ピペット先端部の前記第1段階の精製済み血液成分に残存する前記樹脂のビーズに付着でき、前記干渉成分が付着した前記残存ビーズまたは前記干渉成分が付着していない前記残存ビーズの少なくとも一部が前記ピペット先端部内で沈降して、前記ピペット先端部の前記吐出端の付近の前記ピペット先端部の底部を占める沈降溶液を形成することができ、前記干渉成分が付着した前記ビーズおよび未付着のビーズの前記沈降の結果として、前記沈降溶液と、前記干渉成分を含まず、あるいは前記第1段階の精製済み血液成分よりも低い第2の濃度でしか有していない前記ピペット先端部の上部を占める第2段階のさらに精製済みの血液成分とが形成されるように選択される第2の所定の時間にわたって、静置するステップと、
前記干渉成分を含まず、あるいは前記第2の低い濃度でしか有していない前記第2段階のさらに精製済みの血液成分のうちの選択された量を後に前記検査アッセイへと適用するために、前記第2段階のさらに精製済みの血液成分を前記ピペット先端部に残しつつ、前記ピペット先端部の前記底部を占める前記沈降溶液を前記ピペット先端部から前記混合カップへと吐出するステップと
を含む、血液サンプルの成分を除去するための方法。
【請求項47】
前記第1の所定の時間は、約1分~約15分である、請求項46に記載の血液サンプルの干渉成分を除去するための方法。
【請求項48】
前記第2の所定の時間は、約1分~約15分である、請求項46に記載の血液サンプルの干渉成分を除去するための方法。
【請求項49】
前記樹脂は、アガロース系ビーズおよびシリカ系ビーズの少なくとも一方を含む、請求項46に記載の血液サンプルの干渉成分を除去するための方法。
【請求項50】
前記樹脂は、約2パーセント(2%)~約14パーセント(14%)のデキストラン/スクロースの溶液中で凍結乾燥させられる、請求項46に記載の血液サンプルの干渉成分を除去するための方法。
【請求項51】
前記樹脂は、約2パーセント(2%)~約10パーセント(10%)のデキストランおよび約2パーセント(2%)~約10パーセント(10%)のスクロースの溶液中で凍結乾燥させられる、請求項46に記載の血液サンプルの干渉成分を除去するための方法。
【請求項52】
前記樹脂は、物理的に安定したケーキとして形成され、前記混合カップの前記底部に位置する、請求項46に記載の血液サンプルの干渉成分を除去するための方法。
【請求項53】
前記樹脂は、IMAC(固定化金属アフィニティークロマトグラフィー)樹脂である、請求項46に記載の血液サンプルの干渉成分を除去するための方法。
【請求項54】
前記検査アッセイは、胆汁酸アッセイであり、
前記血液サンプルの前記干渉成分は、ヘモグロビンである、請求項46に記載の血液サンプルの干渉成分を除去するための方法。
【請求項55】
前記血液サンプルの前記干渉成分は、タンパク質である、請求項46に記載の血液サンプルの干渉成分を除去するための方法。
【請求項56】
ビーズを含んでおり、化学分析装置によって検査アッセイについて実行される検査に干渉しかねない液体サンプルの成分を除去するために前記化学分析装置によって使用される樹脂であって、
約2パーセント(2%)~約10パーセント(10%)のデキストランおよび約2パーセント(2%)~約10パーセント(10%)のスクロース、あるいは約2パーセント(2%)~約14パーセント(14%)のデキストラン/スクロースの溶液中で凍結乾燥させられ、物理的に安定したケーキを形成する、樹脂。
【請求項57】
IMAC(固定化金属アフィニティークロマトグラフィー)樹脂である、請求項56に記載の樹脂。
【請求項58】
内部空間を有しており、化学分析装置において液体サンプルを混合するために使用される混合カップであって、
ビーズを含んでおり、前記化学分析装置によって検査アッセイについて実行される検査に干渉しかねない前記液体サンプルの成分を除去するために前記化学分析装置によって使用される樹脂
を含んでおり、
前記樹脂は、前記混合カップの前記内部空間内に位置している、混合カップ。
【請求項59】
前記樹脂は、IMAC(固定化金属アフィニティークロマトグラフィー)樹脂である、請求項58に記載の混合カップ。
【請求項60】
化学分析装置において液体サンプルを混合するために使用される混合カップであって、
底部、および前記底部の上方に位置する上部と、
ビーズを含んでおり、前記化学分析装置によって検査アッセイについて実行される検査に干渉しかねない液体サンプルの成分を除去するために前記化学分析装置によって使用される樹脂と
を備えており、
前記樹脂は、約2パーセント(2%)~約10パーセント(10%)のデキストランおよび約2パーセント(2%)~約10パーセント(10%)のスクロース、あるいは約2パーセント(2%)~約14パーセント(14%)のデキストラン/スクロースの溶液中で凍結乾燥させられ、物理的に安定したケーキを形成し、前記樹脂ケーキは、前記混合カップの前記底部に位置し、前記樹脂ケーキは、前記液体サンプルが前記混合カップに加えられたときに液体の形態に再懸濁して、前記混合カップ内にサンプル/樹脂溶液を形成し、前記混合カップ内の前記サンプル/樹脂溶液が混合されるとき、混合済みサンプル/樹脂溶液が達成され、前記混合カップ内の前記混合済みサンプル/樹脂溶液が所定の時間にわたって静置されるとき、前記液体サンプルの前記干渉成分の少なくとも一部が前記樹脂の前記ビーズに付着し、前記干渉成分が付着した前記ビーズまたは前記干渉成分が付着していない前記ビーズの少なくとも一部が前記混合カップにおいて沈降し、前記混合カップの前記底部を占め、前記干渉成分が付着した前記ビーズの前記沈降の結果として、前記干渉成分を含まず、あるいは前記液体サンプルよりも低い濃度でしか有していない前記混合カップの上部を占める精製済み液体サンプルが形成され、前記混合カップの前記上部を占める前記精製済み液体サンプルは、前記干渉成分を含まず、あるいは前記低い濃度でしか有していない前記精製済み液体サンプルのうちの選択された量を後に前記検査アッセイへと適用するために提供される、混合カップ。
【請求項61】
前記樹脂は、IMAC(固定化金属アフィニティークロマトグラフィー)樹脂である、請求項60に記載の混合カップ。
【請求項62】
化学分析装置の一部を形成する血液分離器の遠心分離カップであって、
前記遠心分離カップに収容された血液サンプルを遠心分離して、前記遠心分離カップ内に分離後血液成分をもたらすために使用され、
内部空間を有しており、
ビーズを含んでおり、前記化学分析装置によって検査アッセイについて実行される検査に干渉しかねない前記血液サンプルの成分を除去するために前記化学分析装置によって使用され、前記遠心分離カップの前記内部空間内に位置している樹脂
を含んでいる、遠心分離カップ。
【請求項63】
前記樹脂は、IMAC(固定化金属アフィニティークロマトグラフィー)樹脂である、請求項62に記載の遠心分離カップ。
【請求項64】
化学分析装置の一部を形成する血液分離器の遠心分離カップであって、
前記遠心分離カップに収容された血液サンプルを遠心分離して、前記遠心分離カップ内に分離後血液成分をもたらすために使用され、
内部空間を有しており、
ビーズを含んでおり、前記化学分析装置によって検査アッセイについて実行される検査に干渉しかねない前記分離後血液成分の成分を除去するために前記化学分析装置によって使用される樹脂
を含んでおり、
前記樹脂は、約2パーセント(2%)~約10パーセント(10%)のデキストランおよび約2パーセント(2%)~約10パーセント(10%)のスクロース、あるいは約2パーセント(2%)~約14パーセント(14%)のデキストラン/スクロースの溶液中で凍結乾燥させられ、物理的に安定したケーキを形成し、前記樹脂ケーキは、前記遠心分離カップの前記内部空間に位置し、前記樹脂ケーキは、前記分離後血液成分が前記遠心分離カップ内に存在するときに液体の形態に再懸濁して、前記遠心分離カップ内に血液成分/樹脂溶液を形成し、前記遠心分離カップ内の前記血液成分/樹脂溶液が混合されるとき、混合済み血液成分/樹脂溶液が達成され、前記遠心分離カップ内の前記混合済み血液成分/樹脂溶液が所定の時間にわたって静置されるとき、前記血液成分の前記干渉成分の少なくとも一部が前記樹脂の前記ビーズに付着し、前記干渉成分が付着した前記ビーズまたは前記干渉成分が付着していない前記ビーズの少なくとも一部が前記遠心分離カップにおいて沈降し、前記遠心分離カップの底部を占め、前記干渉成分が付着した前記ビーズの前記沈降の結果として、前記干渉成分を含まず、あるいは前記血液サンプルよりも低い濃度でしか有していない前記遠心分離カップの上部を占める精製済み血液成分が形成され、前記遠心分離カップの前記上部を占める前記精製済み血液成分は、前記干渉成分を含まず、あるいは前記低い濃度でしか有していない前記精製済み血液成分のうちの選択された量を後に前記検査アッセイへと適用するために提供される、遠心分離カップ。
【請求項65】
前記樹脂は、IMAC(固定化金属アフィニティークロマトグラフィー)樹脂である、請求項64に記載の遠心分離カップ。
【請求項66】
化学分析装置において液体サンプルの混合に使用される混合カップであって、
下部、および前記底部の上方に位置する上部と、
前記混合カップの前記底部に近接して位置する磁石と、
前記カップ内に位置する官能化粒子と
を備えており、
前記官能化粒子は、前記液体サンプルが前記カップに加えられたときに前記サンプルの成分が前記官能化粒子に付着するような特性を有し、前記官能化粒子は、前記液体サンプルの前記成分が付着した前記粒子が、磁気的な引き付けによって前記磁石に引き寄せられて前記混合カップの前記下部を占めることで、前記成分を含まず、あるいは低い濃度でしか有さない前記液体サンプルが前記混合カップの前記上部を占めるように、前記粒子を前記磁石に磁気的に引き付け可能にする特性をさらに有する、混合カップ。
【請求項67】
前記磁石は、前記カップ内で、前記カップの前記下部に配置される、請求項66に記載の混合カップ。
【請求項68】
前記磁石は、前記カップの外部に、前記カップの前記下部に近接して配置され、
前記磁石は、永久磁石および電磁石の一方である、請求項66に記載の混合カップ。
【請求項69】
液体サンプルの成分を除去するための方法であって、
下部と、前記下部の上方に位置する上部とを有しており、内部に配置された磁石を前記下部に含んでおり、官能化粒子をさらに含んでいて、前記官能化粒子は、前記液体サンプルの前記成分が前記官能化粒子に付着するような特性を有し、前記官能化粒子は、前記粒子を前記磁石に磁気的に引き付けることができるようにする特性をさらに有している混合カップに、前記液体サンプルを加えるステップと、
前記液体サンプルのうちの或る量を前記混合カップから取り出す前に、前記液体サンプル内の前記成分が前記官能化粒子に付着することを許すステップと、
前記成分が付着した前記官能化粒子と前記磁石との間の磁気的な引き付けにより、前記成分が付着した前記官能化粒子が、前記混合カップ内の前記液体サンプルを通って移動して前記混合カップの前記下部を占めることで、前記成分を含まず、あるいは低い濃度でしか有さない前記液体サンプルの或る量が、前記液体サンプルの前記量の少なくとも一部を後に前記混合カップから取り出すために、前記混合カップの前記上部を占めることを可能にするステップと
を含む方法。
【請求項70】
液体サンプルの成分を除去するための方法であって、
下部と、前記下部の上方に位置する上部とを有しており、官能化粒子を含んでいて、前記官能化粒子は、前記液体サンプルの前記成分が前記官能化粒子に付着するような特性を有し、前記官能化粒子は、前記粒子を磁石に磁気的に引き付けることができるようにする特性をさらに有している混合カップに、前記液体サンプルを加えるステップと、
前記混合カップを磁石に近接させて、前記混合カップの前記下部が前記磁石の近くに位置するように配置するステップと、
前記液体サンプルのうちの或る量を前記混合カップから取り出す前に、前記液体サンプル内の前記成分が前記官能化粒子に付着することを許すステップと、
前記成分が付着した前記官能化粒子と前記磁石との間の磁気的な引き付けにより、前記成分が付着した前記官能化粒子が、前記混合カップ内の前記液体サンプルを通って移動して前記混合カップの前記下部を占めることで、前記成分を含まず、あるいは低い濃度でしか有さない前記液体サンプルの或る量が、前記液体サンプルの前記量の少なくとも一部を後に前記混合カップから取り出すために、前記混合カップの前記上部を占めることを可能にするステップと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年3月9日に出願された「Method For Removing Interfering Components Of A Liquid Sample Prior To Dispensing Same On A Chemical Reagent Test Slide」という名称の米国特許仮出願第62/986,988号に関連し、この米国特許仮出願の開示は、ここに参照によって援用され、この米国特許仮出願に基づく優先権が、ここに主張される。
【0002】
さらに、本出願は、IDEXX Laboratories,Inc.を出願人とする2020年3月9日に出願された「Matrix And Associated Sample Or Mixing Cup Used For Removing Components Of A Liquid Sample」という名称の米国特許仮出願第62/987,077号に関連し、この米国特許仮出願の開示は、参照によって本明細書に援用される。
【0003】
(技術分野)
本発明は、広くには、ドライケミストリー検査スライド上に液体サンプルを適用するための技術に関し、より詳細には、液体サンプルから不純物を除去するための方法に関する。さらにより具体的には、本発明は、液体サンプルを精製して、液体サンプルについて自動化学分析装置によって行われる蛍光または吸光度/反射率の測定の精度に影響を及ぼし得る成分を除去する方法に関する。
【背景技術】
【0004】
ドライケミストリーおよびウェットケミストリー分析技術において使用される特定のアッセイは、液体サンプルについて蛍光または吸光度/反射率の検査が行われる場合に、液体サンプルの干渉成分の影響を受けやすいかもしれない。一例として、胆汁酸ドライケミストリー検査スライドは、主にスライド上のテトラゾリウム染料とヘモグロビンとが相互作用するがゆえに、ヘモグロビン干渉にきわめて影響されやすい。これに関して、ヘモグロビンの濃度(Hgb)(単位は、ミリグラム(mg)/デシリットル(dL))が異なる5つの非希釈血液サンプルについての胆汁酸アッセイの時間(横軸)(単位は、秒)に対する実際の反射密度(縦軸)のグラフである図面の
図1を参照すべきである。
図1のグラフは、次第に高くなるヘモグロビン濃度を含むサンプルからの計器プログレス曲線への影響、およびそのようなヘモグロビン濃度が胆汁酸反射密度の測定にどのように干渉するのかを示している。このような干渉は、血液サンプルの溶血によって引き起こされる。サンプルは、
図1の時間=0において検査スライド上に配置される。曲線は、
図1の時間<0において重なっており、サンプルが適用される前の未使用のスライドの一連の読み取り値を表す約0.075の反射密度のベースライン測定値を示している。
図1のグラフにおいてNと標記された曲線は、血液サンプルの溶血によって引き起こされる干渉が生じていない場合(すなわち、Hgb=0mg/dL)の仮説上の胆汁酸反射密度測定を表している。ほとんどではないかもしれないが、多くの市販の胆汁酸アッセイは、ヘモグロビンの干渉の影響を受けやすい。
【0005】
この問題を克服するために想定される1つのやり方は、ドライケミストリーまたはウェットケミストリーのどちらを使用するかにかかわらず、液体サンプル中のヘモグロビンの存在によって影響されず、あるいは影響が最小限である胆汁酸アッセイ組成物を考案することである。本発明の発明者がここに知る限りでは、そのようなアッセイは現時点において利用可能ではなく、開発するために多大な時間および費用を必要とすると考えられる。本発明の発明者によって採用され、本明細書において説明される手段である胆汁酸測定における溶血干渉の問題を解決するための別のやり方は、検査の実施に先立ってサンプル中のヘモグロビンレベルを下げ、既存の現時点において利用可能な胆汁酸アッセイを使用することである。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、液体サンプルの干渉成分を、サンプルをドライケミストリー試薬検査スライド上に適用する前に除去するための方法を提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、液体サンプルについて行われる診断測定に干渉する可能性がある液体サンプルの成分を除去するための方法を提供することである。
【0008】
本発明のさらに別の目的は、液体サンプルから不純物を、サンプルの検査に先立って官能化粒子を使用して除去する方法を提供することである。
【0009】
本発明のさらなる目的は、液体サンプルについて行われる検査の精度に影響を及ぼす可能性がある液体サンプルのヘモグロビンまたは他の構成物質を除去するための方法を提供することである。
【0010】
本発明のまたさらなる目的は、液体サンプルについて行われる検査、およびそこから導き出される測定値に干渉する可能性があるサンプルの成分を除去する液体サンプル混合/適用技術を提供することである。
【0011】
本発明のさらに別の目的は、胆汁酸ドライケミストリー試薬検査スライドへの適用に先立ってヘモグロビンの濃度が最小化され、あるいは無視できる濃度とされた前処理済みの液体サンプルを提供することである。
【0012】
本発明のまたさらなる目的は、試薬検査スライドを分析するための現時点において入手可能な自動化学分析装置を使用して、液体サンプルを、液体サンプルについて行われる検査から導出される蛍光または吸光度/反射率の測定の精度に影響を及ぼしかねない干渉成分の濃度を下げるべく調整することである。
【0013】
本発明の別の目的は、従来からの化学分析装置を使用して液体サンプルの干渉成分を除去し、液体サンプルを従来からの不変のドライケミストリー試薬検査スライドへと適用するための方法を提供することである。
【0014】
本発明のさらに別の目的は、液体サンプルを、従来からの試薬検査スライドへの適用に先立って干渉成分の存在を除去または最小化することによって事前に調整する方法であって、干渉成分の影響を受けにくい検査スライドアッセイを開発する時間および費用を好都合に回避する方法を提供することである。
【0015】
本発明の一形態によれば、液体サンプルが、サンプルについて行われる検査に干渉しかねない成分を除去することによって、検査に向けて調製される。そのような干渉成分は、ピペット機能を有する従来からの現時点において入手可能な自動化学分析装置を好都合に使用することによって除去される。さらに、好都合なことに、干渉成分が除去された事前調整済みの液体サンプルを、今やドライケミストリー試薬検査スライドなどの既製の検査アッセイを使用して検査することができる。液体サンプルについて測定を行うために使用されるこの検査スライドは、依然として液体サンプルの干渉成分の影響を受けやすいかもしれないが、そのような成分がサンプルから実質的に除去されているため、スライドアッセイを成分の影響を受けにくくなるように修正する必要はない。
【0016】
本発明の好ましい形態において、サンプルを検査のためにアッセイへと適用する前に、官能化粒子を混合カップにおいて液体サンプルと混合することにより、干渉成分が液体サンプルから除去され、あるいは少なくとも液体サンプルにおける干渉成分の濃度が最小化される。そのような官能化粒子は、一例として、液体サンプル中の干渉成分が付着し、重力の作用によって粒子が沈降するときに溶液から除去されるアガロース系の多孔質ビーズの形態であってよい(ただし、粒子の沈降を促進するための軽い遠心分離の使用も想定される)。官能化粒子と液体サンプルとの混合を、従来からの化学分析装置の送出/吸引ピペットを使用して行うことができる。
【0017】
官能化粒子と液体サンプルとが混合カップ内で完全に混合されると、混合物は、例えば、液体サンプルの干渉成分が付着した粒子が重力によって混合カップの下部に沈降することを可能にするために、第1の所定の期間にわたって静置される。次いで、化学分析装置のピペットが、混合カップの上部から所定量の液体サンプルをピペット先端部へと吸引する。混合カップの上部の液体サンプルは、干渉成分を含まず、あるいは低い濃度でしか有していないはずである。
【0018】
予防の意味で、本方法の随意によるステップとして、ピペット先端部へと吸引された液体サンプルを、ピペット先端部へと吸引された残存の官能化粒子(干渉成分が付着しており、あるいは干渉成分が付着していない)が重力によってピペット先端部の底部に沈降するように、第2の所定の時間にわたってさらに静置することができる。この所定の第2の期間が経過した後に、ピペット先端部の底部を占める沈降した粒子および/または干渉サンプル成分を含む液体が、ピペット先端部から混合カップへと追い出され、あるいは「吐出」される。液体サンプルの干渉成分を実質的に含まず、あるいは低い濃度でしか有していないはずであるピペット先端部に残る液体サンプルまたはその一部を、今や化学分析装置のピペットによって化学試薬検査スライド上に適用することができる。
【0019】
本発明のこれらの目的、特徴、および利点、ならびに他の目的、特徴、および利点は、添付の図面に関連して検討されるべき本発明の例示的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】5つの異なるヘモグロビン濃度(Hgb)(単位は、ミリグラム(mg)/デシリットル(dL))を有する非希釈血漿サンプルの時間(横軸)(単位は、秒)に対する実際の反射密度(縦軸)の測定値のグラフである。
【
図2】イヌ血漿サンプル中の500mg/dFのヘモグロビン(Hgb)について、未処理と本発明の方法によるNi IMAC(固定化金属アフィニティークロマトグラフィー)樹脂(33%の樹脂、66%のサンプル)による処理とを比較した波長(横軸)(単位は、ナノメートル)に対する吸収(縦軸)のグラフであり、サンプルからヘモグロビンを除去するために本発明のIMAC樹脂処理を使用してヘモグロビンがどのように約500mg/dFから約100mg/dFに減少したかを示している。
【
図3】検査アッセイへの適用前に液体サンプルから干渉成分を除去するために本発明の方法の一形態に従って行われる一連の工程の図解である。
【
図4A】本発明の方法において使用される混合カップの断面図であり、100マイクロリットル(ul)の液体サンプルと、カップ内で乾燥させられ、サンプルによって再水和した33マイクロリットル(ul)の多孔質ビーズとの混合物を含んでいる。
【
図4B】本発明の方法において使用される混合カップの断面図であり、100マイクロリットル(ul)の液体サンプルと、カップ内で乾燥させられ、サンプルによって再水和した25マイクロリットル(ul)の多孔質ビーズとの混合物を含んでいる。
【
図5】サンプル計量ピペットの先端部に存在する液体サンプルの残存の干渉成分を、先端部において沈降させ、先端部から追い出して、サンプルまたは混合カップへと「吐出」することができる検査アッセイへの適用前に液体サンプルから干渉成分を除去するために本発明の方法の別の形態に従って行われる一連の工程の図解である。
【
図6】本発明に従って形成され、内部に配置された物理的に安定したケーキの形態のIMAC樹脂を有している混合カップの一形態の断面図であるが、IMAC樹脂が混合カップ内に液体の形態で存在すること、あるいは混合カップの1つ以上の壁を覆い、もしくは本明細書に示される物理的に安定したケーキとして、乾燥した形態で存在することも、本発明の範囲内である。
【
図7】本発明に従って形成され、内部に配置された物理的に安定したケーキの形態のIMAC樹脂を有している遠心分離カップの一形態の断面図であるが、IMAC樹脂が遠心分離カップ内に液体の形態で存在すること、あるいは遠心分離カップの1つ以上の壁を覆い、もしくは遠心分離において全血サンプルの成分を分離するために使用されるゲルの構成部分として、もしくは本明細書に示される物理的に安定したケーキとして、乾燥した形態で存在することも、本発明の範囲内である。
【
図8A】本発明に従って形成された混合カップの別の形態の断面図であり、官能化磁性粒子または鉄系粒子と、カップの内部に位置する磁石とを有しており、混合カップ内の液体サンプルの成分、例えば血液サンプル中のヘモグロビンが、どのようにして官能化磁性粒子または鉄系粒子に付着し、粒子と一緒に磁気的な引き付けによって磁石に引き寄せられるのかを示している。
【
図8B】本発明に従って形成された混合カップの別の形態の断面図であり、官能化磁性粒子または鉄系粒子と、カップの外部に位置する磁石とを有しており、混合カップ内の液体サンプルの成分、例えば血液サンプル中のヘモグロビンが、どのようにして官能化磁性粒子または鉄系粒子に付着し、粒子と一緒に磁気的な引き付けによって磁石に引き寄せられるのかを示している。
【発明の詳細な説明】
【0021】
ここで、図面の
図2、
図3、
図4A、
図4B、および
図5~
図7を参照すべきである。前述のように、特定のアッセイは、液体サンプルについて行われる検査と干渉し、取得される測定値の精度に影響を及ぼしかねない液体サンプルの成分に影響されやすい可能性がある。例えば、ヒトまたは動物である被験体について、肝臓機能不全が疑われる場合に、胆汁酸検査が行われる。動物の場合、食前の血液サンプルが採取され、動物が食事を終えてから所定の時間が経過した後に、食後の血液サンプルが採取される。両方のサンプルが実験室へともたらされ、ウェットケミストリーアッセイまたはドライケミストリー試薬検査スライドを使用して、胆汁酸のレベルが検査される。
【0022】
このような胆汁酸アッセイにおける問題は、
図1に示したグラフに例示し、すでに説明したように、患者の血液サンプルについて行われる胆汁酸検査と干渉し、得られる測定値を不正確にしてしまいかねないヘモグロビン(Hgb)に影響されやすいことである。したがって、この問題の解決における選択肢は、高価かつ時間のかかる道のりとなり得るが、血液サンプル中のヘモグロビンに反応しない胆汁酸アッセイを開発すること、あるいは血液サンプル中の干渉成分、この場合にはヘモグロビンを、サンプルを検査のためにアッセイへと適用する前に実質的に除去し、もしくは少なくともその濃度を最小化するための方法を提供すること、のいずれかである。この後者のアプローチが、本発明の発明者によって採用され、本明細書においてさらに充分に説明される。当然ながら、本明細書で説明される本発明の方法が、検査アッセイに容易に影響を及ぼし得る液体サンプルの干渉成分の濃度を下げるために使用可能であり、検査アッセイへの適用に先立って血液サンプルからヘモグロビンを除去するための方法に限られると解釈されるべきではないことを、理解すべきである。実際、本発明の方法を使用して、タンパク質などの液体サンプルの他の成分を除去し、あるいはその濃度を下げることができる。
【0023】
あくまでも一例として、血液サンプル中のヘモグロビンに影響されやすい胆汁酸検査スライドが、使い捨ての先端部が取り付けられたピペットを使用するサンプル吸引/送出機能を有する自動化学分析装置において使用および検査される本発明の一形態によれば、官能化粒子が、血液サンプル(本明細書において使用される「血液サンプル」は、全血、希釈血液、血漿、血清、などを広く指す)を保持する混合カップにおいて事前に混合される。これらの官能化粒子は、血液サンプルの干渉成分、この例ではヘモグロビンを粒子に付着させ、粒子と粒子に付着したヘモグロビンとが一緒に、重力によって混合カップの下部に沈殿する。
【0024】
好ましくは、血液サンプルからヘモグロビンを除去するために使用されることが想定される官能化粒子は、アガロースベースの多孔質ビーズである。そのような粒子は、後に金属イオンに配位されるリガンドを付着させることによって官能化された固定化金属アフィニティークロマトグラフィー(IMAC)用途に使用される。胆汁酸検査のために血液サンプルからヘモグロビンを除去するために、好ましい粒子は、ニトリロ三酢酸(NTA)、あるいはイミノ二酢酸(IDA)と、ニッケルイオン(Ni2+)、あるいはコバルト(Co2+)または亜鉛(Zn2+)イオンとに基づくキレート配位子を有する。樹脂の形態の多孔質ビーズは、好ましくは、品番40651 001(Ni-2によるNTAの場合)としてスウェーデンのUppsalaにあるBio-Works Technologies ABから購入され、そのような多孔質ビーズおよび樹脂に関するさらなる情報については、Bio-Works Data Sheet DS 40650010を参照すべきであり、その開示は、参照によって本明細書に援用される。
【0025】
より具体的には、本発明の方法における使用に適したBio-Works Technologies ABによって製造された樹脂の種類は、4つの金属イオン(ニッケル、コバルト、亜鉛、および場合によっては銅(Cu))のうちの1つを取り入れた前述のとおりの2つのキレート基NTAまたはIDAのいずれかを含む架橋アガロース樹脂である。好ましくは、樹脂は、保存料と共に使用まで水中にパッケージされ、あるいは樹脂は、エタノール中にパッケージされてもよい。Bio-Works Technologies AB製の以下の品番の樹脂、すなわち40 651 001(Ni-NTA)、40651 003(Ni-NTA)、40651 010(Ni-NTA)、40651 401(Co-NTA)、40651 403(Co-NTA)、40 651 410(Co-NTA)、40 651 301(Cu-NTA)、40651 303(Cu-NTA)、40651 310(Cu-NTA)、40 651 501(Zn-NTA)、40651 503(Zn-NTA)、40651 510(Zn-NTA)、40650001(Ni-IDA)、40650 003(Ni-IDA)、40 650010(Ni-IDA)、40650401(Co-IDA)、40 650403(Co-IDA)、40650410(Co-IDA)、40650301(Cu-IDA)、40 650 303(Cu-IDA)、40 650 310(Cu-IDA)、40650 501(Zn-IDA)、40 650 503(Zn-IDA)、および40650 510(Zn-IDA)が、好適に使用可能である。また、液体サンプルに添加される緩衝溶液または希釈剤の成分を形成するビーズ樹脂を使用することも、本発明の範囲内であると想定される。
【0026】
さらに、多孔質ビーズまたは非多孔質ビーズを含む樹脂を本発明の方法に従って使用してもよい。例えば、非多孔質シリカビーズを含むゲルを使用することができる。適切なシリカベースのゲルとして、これらに限られるわけではないが、カナダのケベック州ケベックシティのSiliCycle Inc.によって製造され、Imidazole-silica、AMPA silica、DOTA silica、DMT silica、およびTAAcOH silicaとさらに呼ばれる「スカベンジャー樹脂」として一般に知られているゲル、ならびに独国ダルムシュタットのMerck KGaAが所有するSigma-Aldrich,Inc.(現在は、MilliporeSigma)によって製造されたメソポーラスチオールシリカが挙げられる。血液サンプルの干渉成分、とりわけヘモグロビンの除去に好適に使用することができる他の材料として、NTA-Ni(および、Zn、Al、Mn、Co、などの他の金属)樹脂、カリフォルニア州マウンテンビューのTakara Bio USA,Inc.が製造する樹脂などのTALON(商標)樹脂(EDTA)、およびIminodiacetate-Ni樹脂を含む前述のIMAC樹脂、ならびに独国ダルムシュタットのMerck KGaAが製造するFractogel(登録商標)-Ni活性化生成物、および各々がマサチューセッツ州WalthamのThermo Fisher Scientific Inc.によって製造されるTCEP固定化樹脂生成物、ConA樹脂生成物、およびタンパク質枯渇樹脂などの他の材料が挙げられる。
【0027】
固定化金属アフィニティークロマトグラフィー(略して、IMAC)は、ヒスチジンまたはポリヒスチジンでタグ付けされた組み換えタンパク質の精製に使用される一般的な技術である。アガロースベースの多孔質ビーズを含むIMAC樹脂が、サンプル中のヘモグロビンがIMAC樹脂中の固定化金属イオンに結合するがゆえに、胆汁酸アッセイにおける溶血干渉に関するサンプル処理軽減として、すなわちサンプルを胆汁酸検査スライド上に計り取る前に血液サンプル中のヘモグロビンを除去し、あるいは量を減少させるやり方として、消耗品の(廃棄できる)混合カップに添加される。
【0028】
図2が、以下でさらに詳しく説明される本発明の方法の有効性を示している。
図2に示したグラフに見られるように、IMAC処理を行わないイヌ血漿サンプルのヘモグロビン含有量の吸収スペクトルが、本発明の方法に従ってIMAC処理を施した同じサンプルの吸収スペクトルに重ねられている。この処理プロトコルを使用してサンプル中のヘモグロビン含有量が5分の1に減少し、すなわちヘモグロビン(Hgb)が、この例示的なサンプルにおいて、血液サンプルに本発明の方法によるIMAC処理を施した後に約500mg/dLから約100mg/dLに減少したことが、グラフから明らかである。
【0029】
好ましくは使い捨ての先端部6が装着された吸引/送出ピペット4を有する自動化学分析装置2によって実行され、液体サンプル8を処理して、液体サンプル8の干渉成分を除去し、あるいは少なくとも含有量を減少させる本発明による好ましい一連のステップが、図面の
図3に示される。さらに、本発明の方法のステップを実行することができる化学分析装置を開示している2015年8月25日にRichらに発行された「Chemical Analyzer」という名称の米国特許第9,116,129号、2017年10月24日にConnollyらに発行された「Chemical Analyzer」という名称の第9,797,916号、および2017年11月21日にGarrepyらに発行された「Chemical Analyzer」と言う名称の第9,823,109号も参照すべきである。前述の各特許の開示は、参照により本明細書に援用される。前述の各特許は、メーン州ウェストブルックのIDEXX Laboratories,Inc.への譲渡が記録されている。現時点において入手可能であり、本発明の方法を実施することができる化学分析装置は、IDEXX Laboratories,Inc.によって販売されており、それらの名称、Catalyst One(商標)およびCatalyst Dx(商標)によって業界で知られている。
【0030】
本発明のサンプル処理および干渉成分除去方法によれば、例えば全血または希釈血液、血清、あるいは血漿などの液体サンプル8を含んでいるサンプルカップ10が、化学分析装置2に装てんされる。あるいは、全血サンプルを化学分析装置2の全血分離器14の遠心分離カップ12に装てんすることができ、遠心分離後に、血漿または他の分離された成分を、化学分析装置2に関連する消耗品の混合カップ16に移すことができる(血液分離器14、遠心分離カップ12、および混合カップ16の説明に関して、前述の米国特許第9,116,129号、第9,797,916号、および第9,823,109号を参照されたい)。この例においては胆汁酸検査スライドである1つ以上の試薬検査スライド18も、化学分析装置2に装てんされる。多孔質ビーズを含むIMAC樹脂は、前述の混合カップ16として使用さすることができる消耗品の試薬カップに入れられる。
【0031】
より具体的には、好ましい形態において、IMAC樹脂は、約7パーセント(7%)のデキストラン/スクロース、より具体的には約3.5パーセント(3.5%)のデキストランおよび約3.5パーセント(3.5%)のスクロースの溶液中で凍結乾燥させられ、物理的に安定なケーキ20を形成する。デキストラン/スクロース溶液は、凍結乾燥樹脂ケーキ20を混合カップ16の底部に保つ。
【0032】
次いで、例えば血液、血清、または血漿などの液体サンプル8は、或る量の液体サンプル8をサンプルカップ10からピペット先端部6へと吸引し、その量またはその一部をピペット先端部6から乾燥樹脂ケーキ20を含む混合カップ16へと吐出することによって、化学分析装置2のピペット4によって混合カップ16に移される。希釈された血液サンプルを使用することが望まれる場合、サンプル8は、好ましくは、樹脂に作用して、樹脂を干渉成分(例えば、胆汁酸アッセイの場合にはヘモグロビン)との結合にとって最適な状態にする希釈剤と混合され、希釈ステップは、IMAC樹脂を含む混合カップ16に血液サンプル8が加えられる前、または加えられたときに生じる。例えば、ピペット先端部6は、最初に第1の所定の量の希釈剤緩衝液を吸引し、次いで第2の所定の量の血液サンプル8をサンプルカップ10から吸引し、サンプル/緩衝液の混合物を樹脂ケーキ20が位置する混合カップ16内に配置する。あるいは、ピペット先端部6の希釈剤緩衝液がサンプルカップ10内の液体サンプル8に触れることがないように、最初に或る量の液体サンプル8を吸引して、混合カップ16内に配置し、次いで希釈剤緩衝液を吸引して、混合カップ16内に配置することができる。
【0033】
混合カップ16内に存在する樹脂ケーキ20に加えられた液体サンプル8は、混合カップ16内の多孔質ビーズを含むIMAC樹脂の再懸濁液へとケーキ20を溶解させる。
【0034】
次いで、化学分析装置2のピペット4を使用して、組み合わせられたサンプル/樹脂溶液をピペット先端部6へと吸引し、溶液をピペット先端部6から再び混合カップ16へと吐き出すことによって、液体サンプル8とIMAC樹脂ビーズとが混合され、吸引ステップおよびその後の吐出ステップは、再懸濁した樹脂およびサンプル8の完全な混合を保証するために、何回か繰り返される。
【0035】
ここで、混合カップ16内のサンプル/樹脂溶液を、例えば約5分以下~約10分以上など、所定の時間にわたって静置する(すなわち、インキュベートする)ことができる。この時間は、主に、ピペット4による清浄または実質的に清浄な後の吸引のために、粒子が液体部分から沈降するために必要な時間によって決定される。より高密度の粒子は、より低密度の粒子よりも早く沈降するため、粒子が混合カップ16内で沈降するための所定の時間は、約1分から約15分までさまざまであり得る。粒子とヘモグロビンとの間の相互作用は比較的迅速に生じるように見受けられ、したがって約2分以下~約3分までのインキュベーション(沈降)時間で充分かもしれない。このインキュベーション時間の間に、液体サンプル中のヘモグロビンまたは他の目的の干渉成分は、IMAC樹脂の多孔質ビーズに付着し、ヘモグロビンが付着したビーズおよび付着していないビーズは、図面の
図4Aおよび
図4Bに示されるように混合カップ16の下方の底部22に沈降し、ヘモグロビンを含まず、あるいは最小限の含有量でしか含まない液体サンプルが混合カップ16の上部24を占める。
【0036】
自動分析装置および計器2において使用されるいくつかの混合カップ16は、別個の幾何学的形状を有し、そのような幾何学的形状は、干渉成分を含まず、混合カップ16の上部24を占めている液体サンプル8が、検査アッセイ18上にサンプル8を適用するためにピペット4によって先端部6へと吸引されるときに考慮されるべきである。例えば、図面の
図4Aおよび
図4Bは、前述のCatalyst One(商標)およびCatalyst Dx(商標)というIDEXX Laboratoriesの計器と共に使用される混合カップ16の特定の好ましい円錐台形状を断面図にて示している。
【0037】
図4Aにおいて、混合カップ16は、100マイクロリットル(ul)のサンプルと、乾燥させられ、サンプルによって再び水和した33マイクロリットル(ul)の樹脂とを含むものとして示されており、
図4Bにおいて、同じ混合カップ16が、
図4Aによる例示とサンプルの量は同じであるが、樹脂の量は少なく、すなわち100マイクロリットル(ul)のサンプルと、乾燥させられ、サンプルによって再び水和した25マイクロリットル(ul)の樹脂とを含むものとして示されている。
図4Aおよび
図4Bに示される混合カップ16の各々の例において、サンプル/ビーズ混合物の総体積がいずれの例においても約100マイクロリットル(ul)に等しくなるように、100マイクロリットル(ul)のサンプルを加える前に粒子を凍結乾燥させた。換言すると、ひとたび液体サンプル8が混合カップ16に加えられると、樹脂は、サンプル8から再び水和し、ほぼ元の水和状態の体積となる。したがって、
図4Aおよび
図4Bに示されるように混合カップ16の下部22へのビーズおよびヘモグロビンまたは他の干渉成分の沈降を可能にするための所定のインキュベーション時間が経過した後に、分析装置2のコントローラは、混合カップ16の下部22に位置する沈降したビーズ/ヘモグロビン混合物26をピペット先端部6へと引き込むことがないように、ピペット先端部6を、
図4Aおよび
図4Bにおいて「上部空間」として識別される混合カップ16の上部24を占める液体サンプル8だけを吸引するために必要な深さ(すなわち、カップの内部の底部の上方の垂直高さ)まで混合カップ16内に下降させるようにプログラムされるべきである。
【0038】
例えば、IDEXX LaboratoriesのCatalyst One(商標)およびCatalyst Dx(商標)という計器において使用される
図4Aおよび
図4Bに示される混合カップ16の特定の幾何学的形状において、サンプルと33pLの再水和したビーズとの100マイクロリットル(ul)の混合物に関して、インキュベーション時間の経過後に、自動計器2は、3.40ミリメートル(mm)Bの沈降したビーズおよびヘモグロビンの溶液26の上方に位置する2.50ミリメートル(mm)の垂直「上部空間」A(
図4Aを参照)を占めるサンプル8の一部またはすべてをピペット4で吸引するようにプログラムされるべきである一方で、サンプルと25pLの再水和したビーズとの100マイクロリットル(ul)の混合物に関して、インキュベーション時間の経過後に、自動計器2は、2.70ミリメートル(mm)Dの沈降したビーズおよびヘモグロビンの溶液26の上方に位置する3.20ミリメートル(mm)の垂直「上部空間」C(
図4Bを参照)を占めるサンプル8の一部またはすべてをピペット4で吸引するようにプログラムされるべきである。換言すると、
図4Aに示される混合カップ16は、約100マイクロリットル(ul)の総体積に関して、約67マイクロリットル(ul)の(検査に)利用可能な液体と、約33マイクロリットル(ul)の再水和した樹脂粒子とを含み、
図4Bに示される混合カップ16は、約100マイクロリットル(ul)の総体積に関して、約75マイクロリットル(ul)の(検査に)利用可能な液体と、約25マイクロリットル(ul)の再水和した樹脂粒子とを含む。
【0039】
ヘモグロビンまたは他の目的の干渉成分および残存する未付着のビーズを除去するために混合カップ16における溶液の沈降を可能にした後に、分析装置2のピペット4は、好ましくは、ピペットに装着された新たな(清浄な)先端部6へと、いずれも検査アッセイ18において取得される測定値に干渉しかねない沈降したビーズおよびヘモグロビンの吸引を回避または最小化するように、混合カップ16の上部24(すなわち、「上部空間」)からのみ所望の量の液体サンプル8を吸引する。
【0040】
予防の意味で、本発明の方法の随意によるステップとして、ピペット先端部6へと吸引された液体サンプル溶液8を、第2の所定のインキュベーション時間、すなわち約1分~約15分、または約5分以下~約10分以上、あるいは約2分以下~約3分にわたって静置する(とりわけ、ヘモグロビンが付着した粒子を沈降させるために)ことで、吸引したサンプル溶液8中にビーズ(ピペット先端部へと吸引された液体サンプル8の残留の干渉成分が付着していても、付着していなくても)が存在する場合に、それらをピペット先端部6の吐出端へと沈降させることができる。ピペット先端部6におけるビーズの沈降を可能にする時間が経過した後に、分析装置2のコントローラは、最終的に胆汁酸検査スライド18へと適用されるピペット先端部6に残る溶液からほぼすべてのビーズおよび/または残存するヘモグロビンが除去されることを保証するために、例えば約10マイクロリットル(ul)~約50マイクロリットル(ul)など、ビーズまたはヘモグロビンが付着したビーズを比較的高濃度で含有する可能性がある沈降した成分を含むピペット先端部6の少量の溶液を、ピペット先端部6から追い出し、混合カップ16へと「吐き戻す」。そのような一連のステップが、図面の
図5に示されている。サンプル溶液が計量されて配置される胆汁酸検査アッセイ18は、依然としてヘモグロビンの影響を受けやすいが、最終的に検査アッセイ18へと適用される溶液には、化学分析装置2によって実行される胆汁酸検査および取得される測定値と干渉するヘモグロビンがほとんど残っておらず、あるいはまったく残っていない。
【0041】
ビーズ/樹脂ケーキ20が事前に装てんされた消耗品の混合カップ16が、液体サンプル8から干渉成分を除去するための本発明の方法の実行において好ましく使用されることが、本明細書において説明され、図面に示されているが、化学分析装置の血液分離器の遠心分離カップ12に乾燥または液体のいずれかの形態の樹脂を事前に装てんし、あるいは遠心分離が行われた後に遠心分離カップ12に樹脂を加えることで、ヘモグロビンを液体サンプル8から遠心分離カップ12の底部28に向かって沈降させ、遠心分離カップ12の上部30を占める或る量のサンプルを検査アッセイ18への適用のためにピペット4によってピペット先端部6へと吸引することも、本発明の範囲に包含されると考えられることに注意すべきである。前述のように、ピペット4によって吸引されたサンプルを、
図5に示されるように、サンプルを検査アッセイ18上に計り取る前に、存在し得る残留のビーズをピペット先端部6から追い出すことができるように、ピペット先端部6において沈降させることができる。さらに、ビーズを含む樹脂が、物理的に安定したケーキ20として混合カップ16内に存在すると本明細書において説明したが、樹脂が、シールされた混合カップ16内に存在する液体の形態であって、このシールが、ピペット先端部6の下方移動によって破られることや、樹脂が、別のシールされたカップ内に存在し、ピペット4によって混合カップ16に移されることも想定される。
【0042】
ここで、血液サンプル(例えば、希釈、非希釈、全血、血清、血漿、など)などの液体サンプル8の干渉成分を除去する方法を、さらに説明する。
【0043】
より具体的には、本発明の一形態によれば、検査アッセイ18において行われる検査に干渉しかねない液体サンプル8の成分を除去するために化学分析装置2を使用する方法が、本明細書に開示される。化学分析装置2には、サンプルカップ10と、混合カップ16と、使い捨てのピペット先端部6が取り付けられ、ピペット先端部6への液体サンプル8の吸引およびピペット先端部6からの液体サンプル8の吐出が可能であり、検査アッセイ18への液体サンプル8の適用が可能である垂直方向に移動可能なピペット4とが関連付けられている。この方法は、干渉成分を含む液体サンプル8をサンプルカップ10に加えるステップと、干渉成分を含む液体サンプル8を、サンプルカップ10から、多孔質ビーズを含むIMAC(固定化金属アフィニティークロマトグラフィー)樹脂を含んでいる混合カップ16に移し、液体サンプル8とIMAC樹脂とで混合カップ16内にサンプル/樹脂溶液を形成するステップと、混合カップ16内のサンプル/樹脂溶液を完全に混合し、混合済みサンプル/樹脂溶液を達成するために、ピペット先端部6へのサンプル/樹脂溶液の吸引およびその後のピペット先端部6から混合カップ16へのサンプル/樹脂溶液の吐出を必要に応じて繰り返すことにより、混合カップ16内のサンプル/樹脂溶液を化学分析装置2のピペット4を使用して混合し、混合済みサンプル/樹脂溶液を達成するステップと、混合カップ16内の混合済みサンプル/樹脂溶液を、液体サンプル8の干渉成分の少なくとも一部がIMAC樹脂の多孔質ビーズに付着でき、干渉成分が付着した多孔質ビーズまたは干渉成分が付着していない多孔質ビーズの少なくとも一部が混合カップ内で沈降して、混合カップの底部22を占めることができ、干渉成分が付着した多孔質ビーズの沈降の結果として、干渉成分を含まず、あるいは液体サンプルよりも低い濃度でしか有していない混合カップ16の上部24を占める精製済み液体サンプルが形成されるように選択される所定の時間にわたって、静置するステップと、干渉成分を含まず、あるいは低い濃度でしか有していない精製済み液体サンプルのうちの選択された量を後に検査アッセイ18へと適用するために、混合カップ16の上部24を占めている精製済み液体サンプルのうちの所定の量を混合カップ16からピペット先端部6へと吸引するステップと、を含む。
【0044】
上述の所定の時間は、好ましくは約5分~約10分である。さらに、IMAC樹脂は、好ましくはアガロース系の多孔質ビーズを含む。
【0045】
さらにより好ましくは、IMAC樹脂は、約2パーセント(2%)~約14パーセント(14%)のデキストラン/スクロース、あるいはより好ましくは約7パーセント(7%)のデキストラン/スクロースの溶液中で凍結乾燥させられる。より具体的には、IMAC樹脂は、約2パーセント(2%)~約10パーセント(10%)のデキストランおよび約2パーセント(2%)~約10パーセント(10%)のスクロース、あるいはより好ましくは、約3.5パーセント(3.5%)のデキストランおよび約3.5パーセント(3.5%)のスクロースの溶液中で凍結乾燥させられる。
【0046】
一形態において、IMAC樹脂は、物理的に安定したケーキ20として形成され、混合カップ16の底部22に位置する。
【0047】
本発明の方法は、分析されるべき多数の異なる種類の液体サンプル8から干渉成分を除去するために使用することができるが、1つの特定の用途において、胆汁酸アッセイが化学分析装置2によって検査されるとき、液体サンプル8から除去される干渉成分はヘモグロビンである。
【0048】
本発明のさらに別の形態において、検査アッセイ18について行われる検査に干渉しかねない液体サンプル8の成分を除去するために化学分析装置2を使用する方法が、本明細書に開示され、化学分析装置2には、サンプルカップ10と、混合カップ16と、吐出端を有する使い捨てのピペット先端部6が取り付けられ、ピペット先端部6への液体サンプル8の吸引およびピペット先端部6からの液体サンプル8の吐出が可能であり、検査アッセイ18への液体サンプル8の適用が可能である垂直方向に移動可能なピペット4とが関連付けられている。この方法は、干渉成分を含む液体サンプル8をサンプルカップ10に加えるステップと、干渉成分を含む液体サンプル8を、サンプルカップ10から、多孔質ビーズを含むIMAC(固定化金属アフィニティークロマトグラフィー)樹脂を含んでいる混合カップ16に移し、液体サンプル8とIMAC樹脂とで混合カップ16内にサンプル/樹脂溶液を形成するステップと、混合カップ16内のサンプル/樹脂溶液を完全に混合し、混合済みサンプル/樹脂溶液を達成するために、ピペット先端部6へのサンプル/樹脂溶液の吸引およびその後のピペット先端部6から混合カップ16へのサンプル/樹脂溶液の吐出を必要に応じて繰り返すことにより、混合カップ16内のサンプル/樹脂溶液を化学分析装置2のピペット4を使用して混合し、混合済みサンプル/樹脂溶液を達成するステップと、混合カップ16内の混合済みサンプル/樹脂溶液を、液体サンプル8の干渉成分の少なくとも一部がIMAC樹脂の多孔質ビーズに付着でき、干渉成分が付着した多孔質ビーズまたは干渉成分が付着していない多孔質ビーズの少なくとも一部が混合カップ16内で沈降して、混合カップの底部22を占めることができ、干渉成分が付着した多孔質ビーズの沈降の結果として、干渉成分を含まず、あるいは液体サンプル8よりも低い第1の濃度でしか有していない混合カップ16の上部24を占める第1段階の精製済み液体サンプルが形成されるように選択される第1の所定の時間にわたって、静置するステップと、を含む。
【0049】
この方法は、混合カップ16の上部24を占めている第1段階の精製済み液体サンプルのうちの所定の量を混合カップ16からピペット先端部6へと吸引するステップと、ピペット先端部6へと吸引された第1段階の精製済み液体サンプルを、ピペット先端部6の第1段階の精製済み液体サンプルにおける液体サンプルの残存する干渉成分がピペット先端部6の第1段階の精製済み液体サンプルに残存するIMAC樹脂の多孔質ビーズに付着でき、干渉成分が付着した残存多孔質ビーズまたは干渉成分が付着していない残存多孔質ビーズの少なくとも一部がピペット先端部6内で沈降して、ピペット先端部6の吐出端の付近のピペット先端部6の底部34を占める沈降溶液32を形成することができ、干渉成分が付着した多孔質ビーズおよび未付着の多孔質ビーズの沈降の結果として、沈降溶液32と、干渉成分を含まず、あるいは第1段階の精製済み液体サンプルよりも低い第2の濃度でしか有していないピペット先端部6の上部36を占める第2段階のさらに精製済みの液体サンプルとが形成されるように選択される第2の所定の時間にわたって、静置するステップと、干渉成分を含まず、あるいは第2の低い濃度でしか有していない第2段階のさらに精製済みの液体サンプルのうちの選択された量を後に検査アッセイ18へと適用するために、第2段階のさらに精製済みの液体サンプルをピペット先端部6に残しつつ、ピペット先端部6の底部34を占める沈降溶液32をピペット先端部6から混合カップ16へと吐出するステップと、をさらに含む。
【0050】
上述の方法において、第1の所定の時間は、好ましくは約5分~約10分であり、第2の所定の時間は、好ましくは約5分~約10分であり、IMAC樹脂は、アガロース系の多孔質ビーズを含むことができ、IMAC樹脂は、好ましくは約7パーセント(7%)のデキストラン/スクロースの溶液中で凍結乾燥させられ、さらにより好ましくは、IMAC樹脂は、約3.5パーセント(3.5%)のデキストランおよび約3.5パーセント(3.5%)のスクロースの溶液中で凍結乾燥させられ、IMAC樹脂は、物理的に安定したケーキ20として形成され、混合カップ16の底部22に位置し、この方法は、胆汁酸検査アッセイ18において実行される検査に影響を及ぼしかねない干渉成分としてのヘモグロビンを除去するために使用される。
【0051】
検査アッセイ18において行われる検査に干渉しかねない液体サンプル8の成分を除去するための本発明の方法のさらに別の形態によれば、やはり化学分析装置2が使用される。化学分析装置2は、血液分離器14および遠心分離カップ12と、混合カップ16と、使い捨てのピペット先端部6が取り付けられ、ピペット先端部6への液体の吸引およびピペット先端部6からの液体の吐出が可能であり、検査アッセイ18への液体の適用が可能である垂直方向に移動可能なピペット4とを有する。この方法は、干渉成分を含む血液サンプル8を遠心分離カップ12に加えるステップと、化学分析装置2の血液分離器14を使用して遠心分離カップ12内の血液サンプルを遠心分離し、遠心分離カップ12内に干渉成分を含む分離後血液成分をもたらすステップと、干渉成分を含む分離後血液成分を、遠心分離カップ12から、多孔質ビーズを含むIMAC(固定化金属アフィニティークロマトグラフィー)樹脂を含んでいる混合カップ16に移し、分離後血液成分とIMAC樹脂とで混合カップ16内に血液成分/樹脂溶液を形成するステップと、混合カップ16内の血液成分/樹脂溶液を完全に混合し、混合済み血液成分/樹脂溶液を達成するために、ピペット先端部6への血液成分/樹脂溶液の吸引およびその後のピペット先端部6から混合カップ16への血液成分/樹脂溶液の吐出を必要に応じて繰り返すことにより、混合カップ16内の血液成分/樹脂溶液を化学分析装置2のピペット4を使用して混合し、混合済み血液成分/樹脂溶液を達成するステップと、混合カップ16内の混合済み血液成分/樹脂溶液を、血液成分の干渉成分の少なくとも一部がIMAC樹脂の多孔質ビーズに付着でき、干渉成分が付着した多孔質ビーズまたは干渉成分が付着していない多孔質ビーズの少なくとも一部が混合カップ16内で沈降して、混合カップの底部22を占めることができ、干渉成分が付着した多孔質ビーズの沈降の結果として、干渉成分を含まず、あるいは血液成分よりも低い濃度でしか有していない混合カップ16の上部24を占める精製済み血液成分が形成されるように選択される所定の時間にわたって、静置するステップと、干渉成分を含まず、あるいは低い濃度でしか有していない精製済み血液成分のうちの選択された量を後に検査アッセイ18へと適用するために、混合カップ16の上部を占めている精製済み血液成分のうちの所定の量を混合カップ16からピペット先端部6へと吸引するステップと、を含む。
【0052】
上述の方法によれば、所定の時間は、好ましくは約5分~約10分であり、IMAC樹脂は、アガロース系の多孔質ビーズを含むことができ、IMAC樹脂は、好ましくは約7パーセント(7%)のデキストラン/スクロースの溶液中で凍結乾燥させられ、さらにより好ましくは、IMAC樹脂は、約3.5パーセント(3.5%)のデキストランおよび約3.5パーセント(3.5%)のスクロースの溶液中で凍結乾燥させられ、IMAC樹脂は、物理的に安定したケーキ20として形成され、混合カップ16の底部22に位置し、この方法は、胆汁酸検査アッセイ18において実行される検査に影響を及ぼしかねない干渉成分としてのヘモグロビンを除去するために使用される。
【0053】
検査アッセイ18について行われる検査に干渉しかねない血液サンプル8の成分を除去するための本発明の方法のさらに別の形態によれば、血液分離器14および遠心分離カップ12と、混合カップ16と、吐出端を有する使い捨てのピペット先端部6が取り付けられ、ピペット先端部6への液体の吸引およびピペット先端部6からの液体の吐出が可能であり、検査アッセイ18への液体の適用が可能である垂直方向に移動可能なピペット4とを有する化学分析装置2が使用される。この方法は、干渉成分を含む血液サンプル8を遠心分離カップ12に加えるステップと、化学分析装置2の血液分離器14を使用して遠心分離カップ12内の血液サンプル8を遠心分離し、遠心分離カップ12内に干渉成分を含む分離後血液成分をもたらすステップと、干渉成分を含む分離後血液成分を、遠心分離カップ12から、多孔質ビーズを含むIMAC(固定化金属アフィニティークロマトグラフィー)樹脂を含んでいる混合カップ16に移し、分離後血液成分とIMAC樹脂とで混合カップ16内に血液成分/樹脂溶液を形成するステップと、混合カップ16内の血液成分/樹脂溶液を完全に混合し、混合済み血液成分/樹脂溶液を達成するために、ピペット先端部6への血液成分/樹脂溶液の吸引およびその後のピペット先端部6から混合カップ16への血液成分/樹脂溶液の吐出を必要に応じて繰り返すことにより、混合カップ16内の血液成分/樹脂溶液を化学分析装置2のピペット4を使用して混合し、混合済み血液成分/樹脂溶液を達成するステップと、混合カップ16内の混合済み血液成分/樹脂溶液を、血液成分の干渉成分の少なくとも一部がIMAC樹脂の多孔質ビーズに付着でき、干渉成分が付着した多孔質ビーズまたは干渉成分が付着していない多孔質ビーズの少なくとも一部が混合カップ16内で沈降して、混合カップの底部22を占めることができ、干渉成分が付着した多孔質ビーズの沈降の結果として、干渉成分を含まず、あるいは血液成分よりも低い第1の濃度でしか有していない混合カップ16の上部24を占める第1段階の精製済み血液成分が形成されるように選択される第1の所定の時間にわたって、静置するステップと、を含む。
【0054】
この方法は、混合カップ16の上部24を占めている第1段階の精製済み血液成分のうちの所定の量を混合カップ16からピペット先端部6へと吸引するステップと、ピペット先端部6へと吸引された第1段階の精製済み血液成分を、ピペット先端部6の第1段階の精製済み血液成分における血液成分の残存する干渉成分がピペット先端部6の第1段階の精製済み血液成分に残存するIMAC樹脂の多孔質ビーズに付着でき、干渉成分が付着した残存多孔質ビーズまたは干渉成分が付着していない残存多孔質ビーズの少なくとも一部がピペット先端部6内で沈降して、ピペット先端部6の吐出端の付近のピペット先端部6の底部34を占める沈降溶液32を形成することができ、干渉成分が付着した多孔質ビーズおよび未付着の多孔質ビーズの沈降の結果として、沈降溶液32と、干渉成分を含まず、あるいは第1段階の精製済み血液成分よりも低い第2の濃度でしか有していないピペット先端部6の上部36を占める第2段階のさらに精製済みの血液成分とが形成されるように選択される第2の所定の時間にわたって、静置するステップと、干渉成分を含まず、あるいは第2の低い濃度でしか有していない第2段階のさらに精製済みの血液成分のうちの選択された量を後に検査アッセイ18へと適用するために、第2段階のさらに精製済みの血液成分をピペット先端部6に残しつつ、ピペット先端部6の底部34を占める沈降溶液32をピペット先端部6から混合カップ16へと吐出するステップと、をさらに含む。
【0055】
上述の方法によれば、第1の所定の時間は、好ましくは約5分~約10分であり、第2の所定の時間は、好ましくは約5分~約10分であり、IMAC樹脂は、アガロース系の多孔質ビーズを含むことができ、IMAC樹脂は、好ましくは約7パーセント(7%)のデキストラン/スクロースの溶液中で凍結乾燥させられ、さらにより好ましくは、IMAC樹脂は、約3.5パーセント(3.5%)のデキストランおよび約3.5パーセント(3.5%)のスクロースの溶液中で凍結乾燥させられ、IMAC樹脂は、物理的に安定したケーキ20として形成され、混合カップ16の底部22に位置し、この方法は、胆汁酸検査アッセイ18において実行される検査に影響を及ぼしかねない干渉成分としてのヘモグロビンを除去するために使用される。
【0056】
さらに、本発明は、多孔質ビーズを含有しており、化学分析装置2によって検査アッセイ18について行われる検査に干渉しかねない液体サンプル8の成分を除去するために化学分析装置2において使用されるIMAC(固定化金属アフィニティークロマトグラフィー)樹脂に関する。IMAC樹脂は、約3.5パーセント(3.5%)のデキストランおよび約3.5パーセント(3.5%)のスクロースの溶液中で凍結乾燥させられ、物理的に安定したケーキ20を形成する。
【0057】
さらに、本発明は、内部空間38を有しており、化学分析装置2において液体サンプル8を混合するために使用される
図6に示される混合カップ16などの混合カップ16に関する。混合カップ16は、多孔質ビーズを含有しており、化学分析装置2によって検査アッセイ18について行われる検査に干渉しかねない液体サンプル8の成分を除去するために化学分析装置2によって使用されるIMAC(固定化金属アフィニティークロマトグラフィー)樹脂を含み、このIMAC樹脂は、混合カップ16の内部空間38内に位置する。
【0058】
さらにより好ましくは、化学分析装置2において液体サンプル8を混合するために使用される混合カップ16は、底部22と、底部22の上方に位置する上部24と、多孔質ビーズを含有し、化学分析装置2によって検査アッセイ18について行われる検査に干渉しかねない液体サンプル8の成分を除去するために化学分析装置2によって使用されるIMAC(固定化金属アフィニティークロマトグラフィー)樹脂とを含む。IMAC樹脂は、約3.5パーセント(3.5%)のデキストランおよび約3.5パーセント(3.5%)のスクロースの溶液中で凍結乾燥させられ、物理的に安定したケーキ20を形成し、この樹脂ケーキ20は、混合カップ16の底部22に位置する。樹脂ケーキ20は、液体サンプル8が混合カップ16に加えられたときに液体の形態に再懸濁して、混合カップ内にサンプル/樹脂溶液を形成し、混合カップ16内のサンプル/樹脂溶液が混合されるとき、混合済みサンプル/樹脂溶液が達成され、混合カップ16内の混合済みサンプル/樹脂溶液が所定の時間にわたって静置されるとき、液体サンプル8の干渉成分の少なくとも一部がIMAC樹脂の多孔質ビーズに付着し、干渉成分が付着した多孔質ビーズまたは干渉成分が付着していない多孔質ビーズの少なくとも一部が混合カップ16において沈降し、混合カップ16の底部22を占める。干渉成分が付着した多孔質ビーズの沈降の結果として、干渉成分を含まず、あるいは液体サンプル8よりも低い濃度でしか有していない混合カップ16の上部24を占める精製済み液体サンプルが形成される。混合カップ16の上部24を占める精製済み液体サンプルは、干渉成分を含まず、あるいは低い濃度でしか有していない精製済み液体サンプルのうちの選択された量を後に検査アッセイ18へと適用するために提供される。
【0059】
さらにより具体的には、化学分析装置2において液体サンプル8を混合するために使用される混合カップ16が、内部空間38を含み、ビーズを含有しており、化学分析装置2によって検査アッセイ18について行われる検査に干渉しかねない液体サンプル8の成分を除去するために化学分析装置2によって使用される樹脂をさらに含む。樹脂は、混合カップ16の内部空間38内に位置する。好ましくは、樹脂は、IMAC(固定化金属アフィニティークロマトグラフィー)樹脂である。
【0060】
一形態において、混合カップ16は、内部側壁21および底壁23を含み、樹脂は、凍結乾燥させられる。凍結乾燥させられた樹脂は、混合カップ16の内部側壁21の少なくとも一部分および混合カップ16の底壁23の少なくとも一部分のうちの少なくとも一方を覆う。
【0061】
さらに別の形態において、混合カップ16は、底部22と、底部22の上方に位置する上部24とをさらに含む。凍結乾燥させられた樹脂は、液体サンプル8が混合カップ16に加えられたときに液体の形態に再懸濁して、混合カップ16内にサンプル/樹脂溶液を形成し、混合カップ16内のサンプル/樹脂溶液が混合されるとき、混合済みサンプル/樹脂溶液が達成され、混合カップ16内の混合済みサンプル/樹脂溶液が所定の時間にわたって静置されるとき、液体サンプル8の干渉成分の少なくとも一部が樹脂のビーズに付着し、干渉成分が付着したビーズまたは干渉成分が付着していないビーズの少なくとも一部が混合カップ16において沈降し、混合カップ16の底部22を占め、干渉成分が付着したビーズの沈降の結果として、干渉成分を含まず、あるいは液体サンプル8よりも低い濃度でしか有していない混合カップ16の上部24を占める精製済み液体サンプルが形成され、混合カップ16の上部24を占める精製済み液体サンプルは、干渉成分を含まず、あるいは低い濃度でしか有していない精製済み液体サンプルのうちの選択された量を後に検査アッセイ18へと適用するために提供される。
【0062】
好ましくは、混合カップ16内の混合済みサンプル/樹脂溶液を静置する所定の時間は、約1分から約15分の間である。さらに、樹脂は、好ましくは、アガロース系ビーズおよびシリカ系ビーズの少なくとも一方を含む。また、好ましくは、検査アッセイ18は胆汁酸アッセイであり、液体サンプルの干渉成分はヘモグロビンである。
【0063】
さらに、樹脂は、約2パーセント(2%)~約10パーセント(10%)のデキストランおよび約2パーセント(2%)~約10パーセント(10%)のスクロースの溶液中で凍結乾燥させられ、あるいは樹脂は、約2パーセント(2%)~約14パーセント(14%)のデキストラン/スクロースの溶液中で凍結乾燥させられる。
【0064】
本発明のさらに別の形態において、混合カップ16内の樹脂は、凍結乾燥させられ、物理的に安定なケーキ20を形成し、樹脂ケーキ20は、混合カップ16の内部空間38内に位置する。さらに、混合カップ16は、底部22と、底部22の上方に位置する上部24とをさらに含む。樹脂ケーキ20は、液体サンプル8が混合カップ16に加えられたときに液体の形態に再懸濁して、混合カップ16内にサンプル/樹脂溶液を形成し、混合カップ16内のサンプル/樹脂溶液が混合されるとき、混合済みサンプル/樹脂溶液が達成され、混合カップ16内の混合済みサンプル/樹脂溶液が所定の時間にわたって静置されるとき、液体サンプル8の干渉成分の少なくとも一部が樹脂のビーズに付着し、干渉成分が付着したビーズまたは干渉成分が付着していないビーズの少なくとも一部が混合カップ16において沈降し、混合カップ16の底部22を占め、干渉成分が付着したビーズの沈降の結果として、干渉成分を含まず、あるいは液体サンプル8よりも低い濃度でしか有していない混合カップ16の上部24を占める精製済み液体サンプルが形成され、混合カップ16の上部24を占める精製済み液体サンプルは、干渉成分を含まず、あるいは低い濃度でしか有していない精製済み液体サンプルのうちの選択された量を後に検査アッセイ18へと適用するために提供される。
【0065】
好ましくは、樹脂は、約2パーセント(2%)~約10パーセント(10%)のデキストランおよび約2パーセント(2%)~約10パーセント(10%)のスクロースの溶液中で凍結乾燥させられ、あるいは樹脂は、約2パーセント(2%)~約14パーセント(14%)のデキストラン/スクロースの溶液中で凍結乾燥させられる。
【0066】
さらに、混合カップ16内の混合済みサンプル/樹脂溶液を静置する所定の時間は、約1分から約15分の間であり、樹脂は、アガロース系のビーズおよびシリカ系のビーズの少なくとも一方を含む。
【0067】
また、検査アッセイ18は、胆汁酸アッセイであってよく、液体サンプル8の干渉成分は、ヘモグロビンであってよい。
【0068】
本発明のさらに別の形態において、化学分析装置2において液体サンプル8を混合するために使用される混合カップ16は、内部空間38と、底部22と、底部22の上方に位置する上部24と、ビーズを含有し、化学分析装置2によって検査アッセイ18について行われる検査に干渉しかねない液体サンプル8の成分を除去するために化学分析装置2によって使用される樹脂とを含む。樹脂は、混合カップ16の内部空間38内に位置する。好ましくは、樹脂は、IMAC(固定化金属アフィニティークロマトグラフィー)樹脂である。
【0069】
好ましくは、樹脂は、約2パーセント(2%)~約10パーセント(10%)のデキストランおよび約2パーセント(2%)~約10パーセント(10%)のスクロース、あるいは約2パーセント(2%)~約14パーセント(14%)のデキストラン/スクロースの溶液中で凍結乾燥させられて、物理的に安定なケーキ20を形成し、樹脂ケーキ20は、混合カップ16の底部22に位置し、樹脂ケーキ20は、液体サンプル8が混合カップ16に加えられたときに液体の形態に再懸濁して、混合カップ16内にサンプル/樹脂溶液を形成し、混合カップ16内のサンプル/樹脂溶液が混合されるとき、混合済みサンプル/樹脂溶液が達成され、混合カップ16内の混合済みサンプル/樹脂溶液が所定の時間にわたって静置されるとき、液体サンプル8の干渉成分の少なくとも一部が樹脂のビーズに付着し、干渉成分が付着したビーズまたは干渉成分が付着していないビーズの少なくとも一部が混合カップ16において沈降し、混合カップ16の底部22を占め、干渉成分が付着したビーズの沈降の結果として、干渉成分を含まず、あるいは液体サンプル8よりも低い濃度でしか有していない混合カップ16の上部24を占める精製済み液体サンプルが形成され、混合カップ16の上部24を占める精製済み液体サンプルは、干渉成分を含まず、あるいは低い濃度でしか有していない精製済み液体サンプルのうちの選択された量を後に検査アッセイ18へと適用するために提供される。
【0070】
さらに、本発明は、化学分析装置2の一部を形成する血液分離器14の遠心分離カップ12であって、内部に収容した血液サンプル8を遠心分離して、遠心分離カップ12内に分離後血液成分をもたらすために使用され、内部空間40を有している遠心分離カップ12に関する。好ましくは、遠心分離カップ12は、多孔質ビーズを含有しており、化学分析装置2によって検査アッセイ18について行われる検査に干渉しかねない血液サンプル8の成分を除去するために化学分析装置2によって使用されるIMAC(固定化金属アフィニティークロマトグラフィー)樹脂を含み、このIMAC樹脂は、遠心分離カップ12の内部空間40内に位置する。IMAC樹脂は、後述されるように、液体の形態、遠心分離カップ12の壁に付着する乾燥した形態、または物理的に安定したケーキ20として、遠心分離カップ12の内部空間40に存在することができる。
【0071】
より具体的には、血液分離器14の遠心分離カップ12は、多孔質ビーズを含有し、化学分析装置2によって検査アッセイ18について行われる検査に干渉しかねない分離後血液成分の成分を除去するために化学分析装置2によって使用されるIMAC(固定化金属アフィニティークロマトグラフィー)樹脂を含み、IMAC樹脂は、約3.5パーセント(3.5%)のデキストランおよび約3.5パーセント(3.5%)のスクロースの溶液中で凍結乾燥させられて、物理的に安定なケーキ20を形成し、この樹脂ケーキ20は、遠心分離カップ12の内部空間40に位置する。樹脂ケーキ20は、分離後血液成分が遠心分離カップ12内に存在するときに液体の形態に再懸濁して、遠心分離カップ内に血液成分/樹脂溶液を形成し、遠心分離カップ12内の血液成分/樹脂溶液が混合されるとき、混合済み血液成分/樹脂溶液が達成され、遠心分離カップ12内の混合済み血液成分/樹脂溶液が所定の時間にわたって静置されるとき、血液成分の干渉成分の少なくとも一部がIMAC樹脂の多孔質ビーズに付着し、干渉成分が付着した多孔質ビーズまたは干渉成分が付着していない多孔質ビーズの少なくとも一部が遠心分離カップ12において沈降し、遠心分離カップ12の内部空間40の底部28を占める。干渉成分が付着した多孔質ビーズの沈降の結果として、干渉成分を含まず、あるいは血液サンプル8よりも低い濃度でしか有していない遠心分離カップ12の上部30を占める精製済み血液成分が形成される。遠心分離カップ12の上部30を占める精製済み血液成分は、干渉成分を含まず、あるいは低い濃度でしか有していない精製済み血液成分のうちの選択された量を後に検査アッセイ18へと適用するために提供される。
【0072】
図8Aおよび
図8Bが、本発明による液体サンプルの干渉成分を除去する別の方法を示している。官能化ビーズまたは粒子41を、磁性または鉄成分を有するように形成することができ、あるいはより一般的には、
図8Aに示されるように混合カップ16の下部22内に位置する永久磁石42、または
図8Bに示されるようにカップ16の外側、好ましくは底部の下方に配置される永久磁石または電磁石44に、磁気的に引き付けられるように形成することができる。非磁性の好ましくは熱可塑性材料で形成されたカップ16は、官能化磁性粒子またはビーズ41と、カップ16の内側に位置し、あるいはカップ16の外側にカップ16に近接して位置する磁石または電磁石42、44との間の磁気的な引き付けを妨げることがない。
【0073】
官能化粒子41は、乾燥した形態であって、混合カップ16の壁にコーティングされてよく、あるいは本明細書においてすでに説明され、図面の
図6に示されているように、物理的に安定した形態20であって、カップ16内に存在してもよい。
【0074】
混合カップ16に液体サンプル8が加えられると、官能化磁性体粒子41は再水和し、液体サンプル8と溶液中で混合する。そこから除去されるべき液体サンプル8の干渉成分は、官能化磁性体粒子41に付着し、官能化磁性体粒子41は、カップ16の下部22内に位置し、あるいはカップ16の下方にカップ16の底部に近接して位置する磁石42、44に磁気的に引き寄せられる。このようにして、干渉成分が付着した粒子またはビーズ41、あるいはサンプル成分が付着していない粒子またはビーズ41が、磁石42、44に引き付けられることによってカップ16の下部22を占め、干渉成分を含まず、あるいは低い濃度でしか有していない液体サンプル8が残されて、混合カップ16の上部24を占め、後に化学試薬検査スライド18へと適用するためにピペット先端部6へと容易に吸引することが可能である。
【0075】
そのような磁性を有する適切な官能化粒子は、マサチューセッツ州ウォルサムのThermo Fisher Scientific Inc.が流通させている品番88831のビーズである。
【0076】
本明細書において、官能化粒子を含有するゲルが自動化学分析装置2によって使用される混合カップ16に配置されると主に説明したが、ゲルをサンプルカップ、試薬カップ、遠心分離カップ、あるいは液体サンプル8の干渉成分の除去または液体サンプル8における干渉成分の濃度の低減に使用することができる任意の他の種類のカップまたは液体保持容器に配置することも考えられ、本明細書および特許請求の範囲において使用される用語「混合カップ」が、上述のあらゆるカップおよび容器を含むように解釈されるべきであることを、理解すべきである。
【0077】
本発明の例示的な実施形態を、添付の図面を参照して本明細書において説明したが、本発明はそれらの正確な実施形態に限定されず、本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく、当業者であれば種々の他の変更および修正を行うことができることを、理解すべきである。
【国際調査報告】