(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-21
(54)【発明の名称】ダプトマイシン製剤
(51)【国際特許分類】
A61K 38/12 20060101AFI20230414BHJP
A61K 38/08 20190101ALI20230414BHJP
A61K 47/18 20170101ALI20230414BHJP
A61K 9/19 20060101ALI20230414BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20230414BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20230414BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20230414BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20230414BHJP
【FI】
A61K38/12
A61K38/08
A61K47/18
A61K9/19
A61K9/14
A61P31/04
A61K9/08
A61K47/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022551653
(86)(22)【出願日】2021-02-26
(85)【翻訳文提出日】2022-08-26
(86)【国際出願番号】 EP2021054841
(87)【国際公開番号】W WO2021170807
(87)【国際公開日】2021-09-02
(32)【優先日】2020-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505371232
【氏名又は名称】クセリア ファーマシューティカルズ エーピーエス
【氏名又は名称原語表記】Xellia Pharmaceuticals ApS
【住所又は居所原語表記】11 Dalslandsgade,DK-2300 Copenhagen S,DENMARK
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100152489
【氏名又は名称】中村 美樹
(72)【発明者】
【氏名】フミッチ、バルバラ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
【Fターム(参考)】
4C076AA11
4C076AA29
4C076BB11
4C076CC32
4C076DD23
4C076DD51
4C076FF36
4C084BA01
4C084BA17
4C084BA27
4C084MA17
4C084MA34
4C084MA66
4C084NA03
4C084ZB351
4C084ZB352
(57)【要約】
本開示は少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含むダプトマイシンの固形製剤に関する。本開示の固形ダプトマイシン製剤は改善された再構成時間を示す。本開示はさらに本開示による固形ダプトマイシン製剤の調製法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸もしくはそれらの薬学的に許容される塩もしくはそれらの誘導体を含む、ダプトマイシンの固形の薬学的に許容される製剤。
【請求項2】
前記少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸は、ロイシン、イソロイシおよびバリンを含む、請求項1に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【請求項3】
前記少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸は、L-ロイシン、L-イソロイシン、およびL-バリンから選択される、請求項2に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【請求項4】
前記少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸はL-イソロイシンである、請求項3に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【請求項5】
前記少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸はL-バリンである、請求項3に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【請求項6】
前記分岐脂肪族アミノ酸は2.5%w/V以下の量で乾燥前製剤中に含まれる、請求項1~5のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【請求項7】
前記分岐脂肪族アミノは1%w/V以下の量で乾燥前製剤中に含まれる、請求項1~5のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【請求項8】
乾燥前の前記製剤は、10%w/Vのダプトマイシンおよび0.8%w/VのL-イソロイシンを含む、請求項4に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【請求項9】
乾燥前の前記製剤のpHは4.5から9までである、請求項1~8のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【請求項10】
乾燥前の前記製剤のpHは6から6.5までである、請求項1~8のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【請求項11】
少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸は、ダプトマイシンに対するモル比が0.5:1から5:1まででダプトマイシンの固形製剤に含まれる、請求項1~5のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【請求項12】
少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸は、ダプトマイシンに対するモル比が1:1から3:1まででダプトマイシンの固形製剤に含まれる、請求項1~5のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【請求項13】
前記製剤の再構成時間は120秒以下である、請求項1~12のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【請求項14】
制御された室温で10mLの0.9%塩化ナトリウム中での500mgの前記固形医薬ダプトマイシン製剤の再構成時間は120秒以下である、請求項4、7または8に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【請求項15】
改善された再構成時間は、再構成時間のための賦形剤を含まない固形ダプトマイシン製剤の再構成時間と比較して60%から96%まで短縮された再構成時間として示される、請求項4または14に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【請求項16】
改善された再構成時間は、冷蔵状態で保存され不活性成分としてpH調整のための水酸化ナトリウムのみを有する固形ダプトマイシン製剤の再構成時間と比較して、80%から96%まで短縮された再構成時間として示される、請求項4または14に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【請求項17】
少なくとも一つの安定化のための賦形剤を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【請求項18】
少なくとも一つの安定化のための賦形剤は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、ヒスチジン、グリシン、リジン、オルニチン、フェニルアラニン、プロリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンもしくはその薬学的に許容される塩もしくはその誘導体を含む、請求項17に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【請求項19】
少なくとも一つの安定化のための賦形剤は、アルギニンおよびヒスチジン、その薬学的に許容される塩もしくはその誘導体から選択される、請求項18に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【請求項20】
製剤は二つの安定化のための賦形剤を含み、第一の安定化のための賦形剤はアルギニンであり、第二の安定化のための賦形剤はヒスチジンもしくはその薬学的に許容される塩もしくはその誘導体である、請求項18または19に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【請求項21】
安定化のための賦形剤は、ダプトマイシンに対するモル比が3:1から5:1までで含まれる、請求項18または20に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【請求項22】
ダプトマイシンの固形製剤は、イソロイシンから選択される再構成時間の改善のための賦形剤としての分岐脂肪族アミノ酸と、アルギニンおよびヒスチジン、それらの薬学的に許容される塩もしくはそれらの誘導体から選択される少なくとも一つの安定化のための賦形剤とを含む、請求項18または21に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【請求項23】
ダプトマイシンの固形製剤は、イソロイシンから選択される再構成時間の改善のための賦形剤と、アルギニンおよびヒスチジンから選択される二つの安定化のための賦形剤とを含み、賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Ile:Arg:Hisは1:0.5:1:1から1:3:5:5までである、請求項21または22に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【請求項24】
ダプトマイシンの固形製剤は、イソロイシンから選択される再構成時間の改善のための賦形剤と、アルギニンおよびヒスチジンから選択される二つの安定化のための賦形剤とを含み、賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Ile:Arg:Hisは1:1:5:3である、請求項21または22に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【請求項25】
ダプトマイシンの固形製剤は、L-イソロイシンから選択される再構成時間の改善のための賦形剤と、アルギニンおよびヒスチジンから選択される安定化のための賦形剤とを含み、前記賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Ile:Arg:Hisは1:1:5:3であり、制御された室温で10mLの注射用液中での500mgのダプトマイシンの固形製剤の再構成時間は50秒以下である、請求項18~23のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【請求項26】
ダプトマイシンの固形製剤は、L-イソロイシンから選択される再構成時間の改善のための賦形剤と、アルギニンおよびヒスチジンから選択される安定化のための賦形剤とを含み、前記賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Ile:Arg:Hisは1:1:5:3であり、改善された再構成時間を有し、改善された再構成時間は、アルギニンおよびヒスチジンから選択される安定化のための賦形剤を含む固形ダプトマイシン製剤の再構成時間と比較して75%以上の再構成時間の短縮として示され、前記賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Arg:Hisは1:5:3である、請求項18~23のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【請求項27】
請求項1~26のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤の製造方法であって、前記方法は、ダプトマイシンおよび少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸の溶液を提供すること、そのような溶液のpHを適切なpH調整剤で4から9までのpHに調整すること、およびそのような組成物を凍結乾燥もしくは噴霧乾燥もしくは流動床乾燥することを含む、方法。
【請求項28】
ダプトマイシンの固形製剤を調製する際に少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を使用することにより、ダプトマイシンの固形製剤の再構成時間を改善する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含むダプトマイシンの固形製剤に関する。本開示の固形ダプトマイシン製剤は再構成時間の改善を示す。本開示はさらに、本開示による固形ダプトマイシン製剤の調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ダプトマイシンは、メチシリン耐性株およびバンコマイシン耐性株などのグラム陽性病原体によって引き起こされる感染症の治療薬として2003年に米国食品医薬品局(FDA)によって承認された最初の環状リポペプチド抗生物質である。市場で入手可能な他のすべての抗菌剤とは異なる、その独自の作用メカニズムのために、ダプトマイシンは多くの耐性株が獲得した耐性メカニズムを克服できる。ダプトマイシンに対する臨床耐性の発生がほとんど報告されていないことを考慮すると、この薬剤は現在の臨床診療にとって非常に重要になっている。
【0003】
【0004】
ダプトマイシンは、患者への投与前に再構成とそれに続く希釈を要する、静脈内注入用の凍結乾燥粉末の形態でのみ、現在市販されている(キュビシン(登録商標)及びキュビシンRF(登録商標))。患者への投与前に再構成と希釈のステップでしばしば多くの時間が費やされることを考慮すると、どちらのステップも可能な限り素早く円滑におこなわれることが重要である。
【0005】
市販されている現在の凍結乾燥されたダプトマイシン製品の利用可能な情報によると、再構成ステップはキュビシン(登録商標)で約30分以上、キュビシンRF(登録商標)で数分かかることが多い(非特許文献1)。
【0006】
再構成時間は注射可能な粉末に重要な役割を果たす。通常、再構成時間は活性化合物量の増加に伴い増加する。そのため、大量の凍結乾燥された活性化合物製剤の開発には、短い再構成時間は重要な目標である。短い再構成時間は医療機関の職員と患者のどちらにとっても好ましいことである。仮に再構成時間が長すぎると、調製と患者への薬剤投与に必要な時間が増えることになる。
【0007】
再構成のための薬学的に許容される溶液での迅速な再構成時間など、改善された再構成の特性を示す凍結乾燥されたダプトマイシン組成物への需要は依然として存在する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Frankenfeld et al.,Drug Des Devel Ther,vol.12,2018,p1953-1958
【発明の概要】
【0009】
本開示は、少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸またはその薬学的に許容される塩またはそれらの誘導体を含む、改善された再構成時間を有するダプトマイシンの固形の薬学的に許容される製剤に関する。
【0010】
本開示によれば、分岐脂肪族アミノ酸またはその薬学的に許容される塩またはそれらの誘導体から選択される少なくとも一つの賦形剤を含むダプトマイシンの固形製剤が、改善された再構成特性を有することが見いだされた。特に、本開示によるダプトマイシンの固形の薬学的に許容される製剤は改善された再構成時間を有する。さらに、一つの態様では、ダプトマイシンの固形の薬学的に許容される製剤は、発泡の減少や例えば再構成時間のpH依存性の低下など、改善されたほかの特性もさらに有し得る。さらに、一つの態様では、本開示によるダプトマイシンの固形製剤の改善された再構成時間は、保存中に有意に変化しない。
【0011】
本開示によれば、分岐脂肪族アミノ酸はロイシン、イソロイシン、およびバリンを含み得る。
本開示の一つの態様では、再構成時間を短縮させるための賦形剤としての分岐脂肪族アミノ酸を含む固形ダプトマイシン製剤の安定性は、再構成時間を短縮させるためのどのような賦形剤も含まない同一の固形ダプトマイシン製剤に匹敵する安定性を有し得る。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の詳細な説明
本開示は、改善された再構成時間を有するダプトマイシンの固形の薬学的に許容される製剤に関する。本開示のダプトマイシンの固形の薬学的に許容される製剤は、分岐脂肪族アミノ酸またはそれらの薬学的に許容される塩または誘導体から選択される、再構成時間を短縮させるための少なくとも一つの賦形剤を含む。
【0013】
本明細書で使用される用語「再構成用賦形剤」は、乾燥した製剤の再構成に必要な時間を短縮する賦形剤を意味すると理解される。本開示によると、再構成用賦形剤は150秒かそれ以下まで再構成の時間を短縮させ得る。本開示によると、再構成時間の短縮は、再構成用賦形剤が2.5%w/Vかそれ以下の濃度で乾燥前の製剤に含まれる場合にも、達成される。本開示によると、用語「再構成用賦形剤」および「再構成時間短縮用賦形剤」は交換可能に使用される。本開示によると、再構成用賦形剤は分岐鎖アミノ酸を含む。
【0014】
本明細書で使用される「分岐鎖アミノ酸」は、分枝を有する、すなわち中央の炭素原子が3つ以上の炭素原子に結合している脂肪族側鎖を有するアミノ酸を意味すると理解される。特に、分岐鎖アミノ酸は、本開示の一つの態様によると、バリン、ロイシンおよびイソロイシンからなる群から選択される。
【0015】
本明細書で使用される用語「医薬製剤」又は「薬学的に許容される製剤」とは、ヒトの医薬的使用と同様に獣医学的使用に適している組成物を意味し、このような組成物は一般に安全で、比較的無毒で、許容できない副作用を引き起こさず、例として、溶媒、担体、酸化防止剤、界面活性剤、脂質、糖、アミノ糖、有機酸、錯化剤、保存剤、安定剤、増量剤、緩衝剤、希釈剤、ビヒクル、可溶化剤および結合剤などであるがこれらに限定されない薬学的に許容される賦形剤を含む。
【0016】
本明細書では、用語「医薬組成物」、「医薬製剤」、「組成物」および「製剤」は交換可能に使用される。
一つの態様において、分岐脂肪族アミノ酸はバリン、イソロイシンおよびロイシン、それらの薬学的に許容される塩、もしくはそれらの誘導体を含む。
【0017】
一つの態様において、分岐脂肪族アミノ酸の薬学的に許容される塩は、それらの塩酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩および硫酸塩を含み得る。
一つの態様において、少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸は、L-バリン、L-ロイシンおよびL-イソロイシン、それらの薬学的に許容される塩またはそれらの誘導体から選択される。一つの態様では、少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸は、L-イソロイシン、その薬学的に許容される塩またはそれらの誘導体である。さらに別の態様では、少なくとも一つの賦形剤は、L-バリン、その薬学的に許容される塩またはそれらの誘導体である。一つの態様では、少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸は、L-ロイシン、その薬学的に許容される塩またはそれらの誘導体である。
【0018】
本明細書で使用される「再構成時間」は、再構成溶液を添加した時点から、固形ダプトマイシン製剤の固形物全体が融解するまでに測定される時間である。
特に明記しない限り、用語「再構成溶液の添加」は再構成溶液の全規定量の添加を意味する。
【0019】
再構成時間は、ダプトマイシン医薬製剤を含む単位容量バイアルへ、例えば10mLの注射用滅菌水、0.9%の塩化ナトリウムもしくは注射用静菌水を加えることにより、決定され得る。適切な再構成溶液(例えば、水、生理食塩水など)を添加直後にタイマーを始動させる。バイアルは完全に再構成された溶液を得るために、必要に応じて一定時間、回転または旋回される。その時点でタイマーを停止し、再構成時間を確認する。
【0020】
本開示のダプトマイシンの固形医薬製剤の改善された再構成時間は、他の固形ダプトマイシン製剤の再構成時間と比較した、本開示による少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含むダプトマイシンの固形製剤の再構成時間の短縮率として示され得る。
【0021】
本明細書で使用される用語「改善された再構成時間」および「短縮された再構成時間」は交換可能に使用される。
他の固形ダプトマイシン製剤は市販の参照されたダプトマイシン製品もしくは市販の他の後発ダプトマイシン製品であり得る。さらに、再構成時間比較の目的で使用され得る他の固形ダプトマイシン製剤は同じダプトマイシン製剤であり得るが、分岐脂肪族アミノ酸もしくはそれらの薬学的に許容される塩もしくはそれらの誘導体から選択される再構成時間の短縮のための賦形剤は含み得ない。
【0022】
改善された再構成時間は、再構成に必要な時間としても解釈され得る。
短縮された再構成時間は、300秒を超えない、または240秒を超えない、または180秒を超えない、または150秒を超えない、または120秒を超えない、または90秒を超えない、または80秒を超えない、または60秒を超えない、または50秒を超えない再構成時間によって特徴づけられ得る。
【0023】
一つの態様において、固形ダプトマイシン製剤の改善された再構成時間は、150秒を超えない。
一つの態様において、固形ダプトマイシン製剤の改善された再構成時間は、120秒を超えない。
【0024】
一つの態様において、固形ダプトマイシン製剤の改善された再構成時間は、90秒以下である。
一つの態様において、固形ダプトマイシン製剤の改善された再構成時間は、1分を超えない。
【0025】
一つの態様において、制御された室温での10mLの再構成溶液中での本開示の固形医薬ダプトマイシン製剤500mgの改善された再構成時間は、120秒未満である。
一つの態様において、制御された室温での10mLの0.9%塩化ナトリウム中での本開示の固形医薬ダプトマイシン製剤500mgの改善された再構成時間は120秒未満である。
【0026】
本明細書で使用される用語「制御された室温」は、USP<659>で設定される制御された室温、すなわち20~25℃である。
一つの態様において、制御された室温での10mLの0.9%塩化ナトリウム中での本開示の固形の薬学的に許容されるダプトマイシン製剤500mgの改善された再構成時間は、1分以下である。
【0027】
さらに別の態様において、制御された室温での10mLの0.9%塩化ナトリウム中での本開示の固形の薬学的に許容されるダプトマイシン製剤500mgの再構成時間は、55秒、50秒、45秒、40秒、35秒、または30秒であり得る。
【0028】
一つの態様において、制御された室温での10mLの注射用水中の本開示の固形の薬学的に許容されるダプトマイシン製剤500mgの改善された再構成時間は、120秒以下である。
【0029】
一つの態様において、制御された室温での10mLの注射用水中の本開示の固形の薬学的に許容されるダプトマイシン製剤500mgの改善された再構成時間は、1分以下である。
【0030】
さらに別の態様において、制御された室温での10mLの注射用水中の本開示の固形の薬学的に許容されるダプトマイシン製剤500mgの再構成時間は、55秒、50秒、45秒、40秒、35秒、または30秒であり得る。
【0031】
別の態様において、制御された室温での7mLの0.9%塩化ナトリウム中の固形の薬学的に許容されるダプトマイシン製剤350mgの再構成時間は、50秒未満である。本開示のさらに別の態様において、制御された室温での7mLの0.9%塩化ナトリウム中での固形の薬学的に許容されるダプトマイシン製剤350mgの再構成時間は、55秒、50秒、45秒、40秒、35秒、または30秒であり得る。
【0032】
さらに別の態様において、制御された室温での7mLの注射用水中の固形の薬学的に許容されるダプトマイシン組成物350mgの再構成時間は、55秒、50秒、45秒、40秒、35秒、または30秒であり得る。
【0033】
別の態様において、制御された室温での70mLの注射用水中の固形の薬学的に許容されるダプトマイシン製剤3500mgの再構成時間は、120秒以下である。さらに別の態様において、制御された室温での70mLの注射用水中の固形の薬学的に許容されるダプトマイシン組成物3500mgの再構成時間は、90秒以下であり得る。
【0034】
さまざまな実施形態において、本開示の固形の薬学的に許容される製剤は、50秒を超えない再構成時間によって特徴づけられる。いくつかの実施形態において、本開示のダプトマイシンの固形の薬学的に許容される製剤の最大再構成時間は、45秒を超えない。
【0035】
いくつかの実施形態において、本開示のダプトマイシンの固形の薬学的に許容される製剤の最大再構成時間は、40秒を超えない。さらなる実施形態において、本開示のダプトマイシンの固形の薬学的に許容される製剤の最大再構成時間は、35秒を超えない。
【0036】
一つの態様において、制御された室温での10mLの注射用水中のL-バリンもしくはL-イソロイシンを含む本開示による固形医薬製剤中ダプトマイシン500mgの再構成時間は、120秒以下である。
【0037】
一つの態様において、制御された室温での10mLの0.9%塩化ナトリウム中でのL-バリンもしくはL-イソロイシンを含む本開示による固形医薬製剤中ダプトマイシン500mgの再構成時間は、120秒以下である。
【0038】
一つの態様において、分岐脂肪族アミノ酸を含むダプトマイシンの固形製剤はキュビシン(登録商標)RLDの再構成時間と比較して96%から60%短縮された再構成時間を有し得る。
【0039】
本開示によれば、用語「キュビシン(登録商標)RLD」は、冷蔵状態で保存され、pH調整のための水酸化ナトリウムのみを不活性成分として有する、市販の固形のダプトマイシン製剤を意味する。
【0040】
一つの態様において、分岐脂肪族アミノ酸を含むダプトマイシンの固形製剤は、冷蔵状態で保存され、かつpH調整のための水酸化ナトリウムのみを不活性成分として有する固形のダプトマイシン製剤の再構成時間と比較して96%から60%短縮された再構成時間を有し得る。
【0041】
一つの態様において、分岐脂肪族アミノ酸を含むダプトマイシンの固形製剤は、冷蔵状態で保存され、かつpH調整のための水酸化ナトリウムのみを不活性成分として有する固形のダプトマイシン製剤の再構成時間と比較して96%から80%短縮された再構成時間を有し得る。
【0042】
一つの態様において、分岐脂肪族アミノ酸を含むダプトマイシンの固形製剤は、再構成時間のための賦形剤を含まない固形のダプトマイシン製剤の再構成時間と比較して96%から60%短縮された再構成時間を有し得る。
【0043】
一つの態様において、分岐脂肪族アミノ酸を含むダプトマイシンの固形製剤は、分岐脂肪族アミノ酸を含まない固形のダプトマイシン製剤の再構成時間と比較して96%から60%短縮された再構成時間を有し得る。
【0044】
一つの態様において、分岐脂肪族アミノ酸を含むダプトマイシンの固形製剤は、キュビシン(登録商標)RLDの再構成時間と比較して、96%から80%短縮された再構成時間を有し得る。
【0045】
一つの態様において、分岐脂肪族アミノ酸を含むダプトマイシンの固形製剤は、キュビシン(登録商標)RLDの再構成時間と比較して、96%から82%短縮された再構成時間を有し得る。
【0046】
一つの態様において、分岐脂肪族アミノ酸を含むダプトマイシンの固形製剤は、分岐脂肪族アミノ酸を含まないダプトマイシンの同じ固形製剤の再構成時間と比較して、10%以上短縮された再構成時間を有し得る。
【0047】
一つの態様において、分岐脂肪族アミノ酸を含むダプトマイシンの固形製剤は、分岐脂肪族アミノ酸を含まないダプトマイシンの同じ固形製剤の再構成時間と比較して、25%以上短縮された再構成時間を有し得る。
【0048】
一つの態様において、分岐脂肪族アミノ酸を含むダプトマイシンの固形製剤は、分岐脂肪族アミノ酸を含まないダプトマイシンの同じ固形製剤の再構成時間と比較して、50%以上短縮された再構成時間を有する。
【0049】
一つの態様において、分岐脂肪族アミノ酸を含むダプトマイシンの固形製剤は、分岐脂肪族アミノ酸を含まないダプトマイシンの同じ固形製剤の再構成時間と比較して、70%以上短縮された再構成時間を有する。
【0050】
一つの態様において、L-イソロイシンを含むダプトマイシンの固形製剤は、L-イソロイシンを含まないダプトマイシン製剤の同じ固形製剤の再構成時間と比較して、25%以上短縮された再構成時間を有し得る。
【0051】
一つの態様において、L-イソロイシンを含むダプトマイシンの固形製剤は、L-イソロイシンを含まないダプトマイシン製剤の同じ固形製剤の再構成時間と比較して、35%以上短縮された再構成時間を有し得る。
【0052】
一つの態様において、L-イソロイシンを含むダプトマイシンの固形製剤は、L-イソロイシンを含まないダプトマイシン製剤の同じ固形製剤の再構成時間と比較して、50%以上短縮された再構成時間を有し得る。
【0053】
一つの態様において、L-イソロイシンを含むダプトマイシンの固形製剤は、L-イソロイシンを含まないダプトマイシン製剤の同じ固形製剤の再構成時間と比較して、70%以上短縮された再構成時間を有し得る。
【0054】
一つの態様において、L-バリンを含むダプトマイシンの固形製剤は、L-バリンを含まないダプトマイシン製剤の同じ固形製剤の再構成時間と比較して、25%以上短縮された再構成時間を有し得る。
【0055】
一つの態様において、L-バリンを含むダプトマイシンの固形製剤は、L-バリンを含まないダプトマイシン製剤の同じ固形製剤の再構成時間と比較して、50%以上短縮された再構成時間を有し得る。
【0056】
一つの態様において、L-バリンを含むダプトマイシンの固形製剤は、L-バリンを含まないダプトマイシン製剤の同じ固形製剤の再構成時間と比較して、70%以上短縮された再構成時間を有し得る。
【0057】
一つの態様において、L-ロイシンを含むダプトマイシンの固形製剤は、L-ロイシンを含まないダプトマイシン製剤の同じ固形製剤の再構成時間と比較して、25%以上短縮された再構成時間を有し得る。
【0058】
一つの態様において、L-ロイシンを含むダプトマイシンの固形製剤は、L-ロイシンを含まないダプトマイシン製剤の同じ固形製剤の再構成時間と比較して、35%以上短縮された再構成時間を有し得る。
【0059】
一つの態様において、L-ロイシンを含むダプトマイシンの固形製剤は、L-ロイシンを含まないダプトマイシン製剤の同じ固形製剤の再構成時間と比較して、50%以上短縮された再構成時間を有し得る。
【0060】
一つの態様において、L-ロイシンを含むダプトマイシンの固形製剤は、L-ロイシンを含まないダプトマイシン製剤の同じ固形製剤の再構成時間と比較して、70%以上短縮された再構成時間を有し得る。
【0061】
本開示によれば、乾燥前の固形ダプトマイシン製剤は再構成時間を短縮させるための低量の賦形剤を含む。本開示による再構成時間の短縮のための賦形剤の「低量」という用語は、2.5%w/V以下の乾燥前のダプトマイシン製剤に含まれる再構成時間のための賦形剤の濃度を意味する。低濃度の再構成賦形剤は、浸透圧への影響に関してさまざまな理由で有用あり、全体としてより低い賦形剤濃度の最終製品を提供する。後者は、ダプトマイシンを投与する必要のある患者にとって、患者の安全性に関連する可能性がある。さらに、本開示による再構成時間の短縮に有用な賦形剤の低濃度は、再構成溶液を選択する際に、例えば、任意のタイプの再構成溶液の種類の増加および/または必要とされる再構成溶液の量に関して、有用となり得る。
【0062】
さらに、再構成時間の短縮のための賦形剤として本開示で使用される分岐脂肪族アミノ酸は、市販の他のダプトマイシン製剤において使用される再構成時間の短縮のための賦形剤よりも、より広い患者の集団においてより安全に使用できる可能性がある。
【0063】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、再構成時間の短縮のための2.5%w/V以下の賦形剤を含む。一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、再構成時間を改善するための2.4%w/V以下の賦形剤を含む。一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、再構成時間を短縮させるための、2.4%w/V、2.3%w/V、2%w/V、1.8%w/V、1.6%w/V、1.5%w/V、1.3%w/V、1.2%w/V、1.1%w/V、1%w/V、0.9%w/V、0.8%w/V、0.7%w/V、0.6%w/V、0.5%w/V、0.4%w/V、0.3%w/V、0.2%w/Vまたは0.1%w/V以下の賦形剤を含む。
【0064】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、再構成時間の短縮のための1.5%w/V以下の賦形剤を含み得る。一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、再構成時間の短縮のための1%w/V以下の賦形剤を含む。一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、再構成時間の短縮のための0.9%w/V、0.8%w/V、0.7%w/V、0.6%w/V、0.5%w/V、0.4%w/V、0.3%w/V、0.2%w/Vまたは0.1%w/V以下の賦形剤を含み得る。
【0065】
一つの態様において、ダプトマイシン製剤は、乾燥前に1%w/V以下のL-イソロイシンを含む。一つの態様において、ダプトマイシン製剤は、乾燥前に0.8%w/V以下のL-イソロイシンを含む。一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、10%w/Vのダプトマイシンと0.8%w/VのL-イソロイシンを含む。
【0066】
一つの態様において、ダプトマイシン製剤は、乾燥前に2.2%w/V以下のL-バリンを含む。一つの態様において、ダプトマイシン製剤は、乾燥前に0.7%w/V以下のL-バリンを含む。一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、10%w/Vのダプトマイシンと2.2%w/VのL-バリンを含む。
【0067】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、10%w/Vのダプトマイシンと0.8%w/VのL-イソロイシンを含み、120秒以下の乾燥後再構成時間を有する。
【0068】
一つの態様において、ダプトマイシン製剤は、乾燥前に100mg/mLから400mg/mLのダプトマイシンを含む。
本明細書で使用される用語「%w/V」は溶液の体積あたりの重量のパーセント濃度として、すなわち溶液100mLあたりの溶質グラム数(g/100mL)として定義される。
【0069】
一つの態様において、少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸は、ダプトマイシンの固形製剤中に、ダプトマイシンに対するモル比が0.5:1から5:1で含まれる。
一つの態様において、少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸は、ダプトマイシンの固形製剤中に、ダプトマイシンに対するモル比が0.5:1、1:1、1.5:1、2:1、2.5:1、3:1、3.5:1、4:1、4.5:1、5:1で含まれる。
【0070】
一つの態様において、再構成のための少なくとも一つの賦形剤は、ダプトマイシンの固形製剤中に、ダプトマイシンに対するモル比が1:1から3:1で含まれる。
一つの態様において、L-イソロイシンは、ダプトマイシンの固形製剤中に、ダプトマイシンに対するモル比が1:1から3:1で含まれる。
【0071】
一つの態様において、L-イソロイシンは、ダプトマイシンの固形製剤中に、ダプトマイシンに対するモル比が1:1、1:2もしくは3:1で含まれる。
一つの態様において、L-イソロイシンは、ダプトマイシンの固形製剤中に、ダプトマイシンに対するモル比が1:1で含まれる。
【0072】
一つの態様において、L-バリンは、ダプトマイシンの固形製剤中に、ダプトマイシンに対するモル比が1:1から3:1で含まれる。
一つの態様において、L-バリンは、ダプトマイシンの固形製剤中に、ダプトマイシンに対するモル比が1:1、1:2もしくは3:1で含まれる。
【0073】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、1%w/V以下のL-イソロイシンを含み、L-イソロイシンとダプトマイシンのモル比は1:1である。
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、1%w/V以下のL-バリンを含み、L-バリンとダプトマイシンのモル比は1:1である。
【0074】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、1%w/V以下のL-バリンを含み、L-ロイシンとダプトマイシンのモル比は1:1である。
一つの態様において、ダプトマイシンの固形製剤はL-イソロイシンを含み、ダプトマイシンと前記賦形剤とのモル比、すなわちDapt:Ileは1:0.5であり、制御された室温(すなわち20~25セルシウス度)での10mLの0.9%塩化ナトリウム注射液中での固形ダプトマイシン製剤500mgの再構成時間は90秒以下である。
【0075】
一つの態様において、ダプトマイシンの固形製剤はL-イソロイシンを含み、ダプトマイシンと前記賦形剤とのモル比、すなわちDapt:Ileは1:1であり、制御された室温(すなわち20~25セルシウス度)での10mLの0.9%塩化ナトリウム注射液中での固形ダプトマイシン製剤500mgの再構成時間は120秒以下である。
【0076】
一つの態様において、ダプトマイシンの固形製剤はイソロイシンを含み、ダプトマイシンと前記賦形剤とのモル比、すなわちDapt:Ileは1:3であり、制御された室温(すなわち20~25セルシウス度)での10mLの0.9%塩化ナトリウム中での固形ダプトマイシン製剤500mgの再構成時間は150秒以下である。
【0077】
本開示の固形組成物は本開示に従ったダプトマイシンの液体製剤の凍結乾燥、噴霧乾燥、もしくは床乾燥のような当該分野における既知の乾燥製造過程によって得られる。
一つの態様において、本開示の固形製剤は凍結乾燥によって得られる。
【0078】
用語「凍結乾燥(lyophilization)」、「凍結乾燥された(lyophilized)」、「フリーズドライの(freeze-dried)」は、乾燥させる材料を最初に凍結させ、次に、真空環境において昇華によって氷もしくは凍結溶媒を除去する過程を指す。再構成時間の改善のための賦形剤や製剤の安定化のための賦形剤を含む種々の賦形剤は、予め凍結乾燥された製剤に含まれ得る。
【0079】
一つの態様において、分岐脂肪族アミノ酸を含むダプトマイシンの固形製剤の再構成時間は、所定のpH比でのpHの変化により実質的に影響されない。本開示によれば、用語「所定のpH比」は乾燥前のダプトマイシン製剤のpH比を意味する。一つの態様において、所定のpH比は、4.5から9までであってもよい。さらに別の態様において、所定のpH比は、4.5から7までであってもよい。さらに、他の態様において、所定のpH比は、5.0から6.5までであってもよい。
【0080】
一つの態様において、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは、4.5から9までである。
一つの態様において、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは、4.5から7.0までである。
【0081】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下の少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは4.5から7.0までである。
【0082】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下の少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは4.5から7.0までであり、ダプトマイシンの固形製剤はキュビシン(登録商標)RLDの再構成時間と比較して60%から96%短縮された再構成時間として示される改善した再構成時間を有する。
【0083】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下の少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは4.5から7.0までであり、ダプトマイシンの固形製剤はキュビシン(登録商標)RLDの再構成時間と比較して80%から96%短縮された再構成時間として示される改善した再構成時間を有する。
【0084】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、1%w/V以下の少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは4.5から7.0までである。
【0085】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下のL-イソロイシンを含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは4.5から7.0までである。
【0086】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下のL-イソロイシンを含み、ダプトマイシンに対するL-イソロイシンのモル比は1:1であり、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは4.5から7.0までである。
【0087】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、1%w/V以下のL-イソロイシンを含み、ダプトマイシンに対するL-イソロイシンのモル比は1:1であり、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは4.5から7.0までである。
【0088】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下のL-バリンを含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは4.5から7.0までである。
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下のL-バリンを含み、ダプトマイシンに対するL-バリンのモル比は1:3であり、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは4.5から7.0までである。
【0089】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下のL-バリンを含み、ダプトマイシンに対するL-バリンのモル比は1:1であり、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは4.5から7.0までである。
【0090】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、1%w/V以下のL-バリンを含み、ダプトマイシンに対するL-バリンのモル比は1:1であり、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは4.5から7.0までである。
【0091】
一つの態様において、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは、5.0から6.5までである。
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下の少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から6.5までである。
【0092】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下の少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から6.5までであり、ダプトマイシンの固形製剤はキュビシン(登録商標)RLDの再構成時間と比較して60%から96%短縮された再構成時間として示される改善した再構成時間を有する。
【0093】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下の少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から6.5までであり、ダプトマイシンの固形製剤はキュビシン(登録商標)RLDの再構成時間と比較して80%から96%短縮された再構成時間に関して示される改善した再構成時間を有する。
【0094】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、1%w/V以下の少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から6.5までである。
【0095】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下のL-イソロイシンを含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から6.5までである。
【0096】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下のL-イソロイシンを含み、ダプトマイシンに対するL-イソロイシンのモル比は1:1であり、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から6.5までである。
【0097】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、1%w/V以下のL-イソロイシンを含み、ダプトマイシンに対するL-イソロイシンのモル比は1:1であり、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から6.5までである。
【0098】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下のL-バリンを含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から6.5までである。
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下のL-バリンを含み、ダプトマイシンに対するL-バリンのモル比は1:1であり、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から6.5までである。
【0099】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、1%w/V以下のL-バリンを含み、ダプトマイシンに対するL-バリンのモル比は1:1であり、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から6.5までである。
【0100】
一つの態様において、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から6.5までであり、固形ダプトマイシン製剤の改善された再構成時間は150秒以下である。
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.5%w/V以下の再構成時間の短縮のための賦形剤を含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から6.5までであり、固形ダプトマイシン製剤の改善された再構成時間は150秒以下である。
【0101】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、1%w/V以下の再構成時間の短縮のための賦形剤を含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から6.5までであり、固形ダプトマイシン製剤の改善された再構成時間は150秒以下である。
【0102】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、1%w/V以下の再構成時間の短縮のための賦形剤を含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から6.5までであり、固形ダプトマイシン製剤の改善された再構成時間は120秒以下である。
【0103】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、1%w/V以下のL-Ileを含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から6.5までであり、固形ダプトマイシン製剤の改善された再構成時間は90秒以下である。
【0104】
一つの態様において、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは、5.0から6.4までである。
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下の少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から6.4までである。
【0105】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下の少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から6.4までであり、ダプトマイシンの固形製剤はキュビシン(登録商標)RLDの再構成時間と比較して60%から96%短縮された再構成時間に関して示される改善した再構成時間を有する。
【0106】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下の少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から6.4までであり、ダプトマイシンの固形製剤はキュビシン(登録商標)RLDの再構成時間と比較して80%から96%短縮された再構成時間に関して示される改善した再構成時間を有する。
【0107】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、1%w/V以下の少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から6.4までである。
【0108】
一つの態様において、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは、5.0から6.2までである。
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下の少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から6.2までである。
【0109】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下の少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から6.2までであり、ダプトマイシンの固形製剤はキュビシン(登録商標)RLDの再構成時間と比較して80%から96%短縮された再構成時間に関して示される改善した再構成時間を有する。
【0110】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下のL-イソロイシンを含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から6.2までである。
【0111】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下のL-イソロイシンを含み、ダプトマイシンに対するL-イソロイシンのモル比は1:1であり、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から6.2までである。
【0112】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、1%w/V以下のL-イソロイシンを含み、ダプトマイシンに対するL-イソロイシンのモル比は1:1であり、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から6.2までである。
【0113】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、1%w/V以下のL-バリンを含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から6.2までである。
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、1%w/V以下のL-バリンを含み、ダプトマイシンに対するL-バリンのモル比は1:1であり、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から6.2までである。
【0114】
一つの態様において、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から6.2までであり、固形ダプトマイシン製剤の改善された再構成時間は150秒以下である。
一つの態様において、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.4から6.2までであり、固形ダプトマイシン製剤の改善された再構成時間は120秒以下である。
【0115】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下の少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から6.2までであり、固形ダプトマイシン製剤の改善された再構成時間は150秒以下である。
【0116】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下の少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.4から6.2までであり、固形ダプトマイシン製剤の改善された再構成時間は120秒以下である。
【0117】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、1%w/V以下の少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から6.2までであり、固形ダプトマイシン製剤の改善された再構成時間は150秒以下である。
【0118】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、1%w/V以下の少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.4から6.2までであり、固形ダプトマイシン製剤の改善された再構成時間は120秒以下である。
【0119】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、1%w/V以下の少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から6.2までであり、固形ダプトマイシン製剤の改善された再構成時間は90秒以下である。
【0120】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、1%w/V以下のL-イソロイシンを含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から6.2までであり、固形ダプトマイシン製剤の改善された再構成時間は120秒以下である。
【0121】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、1%w/V以下のL-イソロイシンを含み、ダプトマイシンに対するL-イソロイシンのモル比は1:1であり、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から6.2までであり、固形ダプトマイシン製剤の改善された再構成時間は120秒以下である。
【0122】
本開示の一つの態様において、乾燥前の本開示による製剤の標的pHは、5.0から7.0までである。
本開示の一つの態様において、乾燥前の本開示による製剤の標的pHは、5.0から6.7までである。
【0123】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下の少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から7.0までである。
【0124】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下の少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から7.0までであり、ダプトマイシンの固形製剤はキュビシン(登録商標)RLDの再構成時間と比較して60%から96%短縮された再構成時間に関して示される改善した再構成時間を有する。
【0125】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下の少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から7.0までであり、ダプトマイシンの固形製剤はキュビシン(登録商標)RLDの再構成時間と比較して80%から96%短縮された再構成時間に関して示される改善した再構成時間を有する。
【0126】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、1%w/V以下の少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から7.0までである。
【0127】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下のL-イソロイシンを含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から7.0までである。
【0128】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下のL-イソロイシンを含み、ダプトマイシンに対するL-イソロイシンのモル比は1:1であり、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から7.0までである。
【0129】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、1%w/V以下のL-イソロイシンを含み、ダプトマイシンに対するL-イソロイシンのモル比は1:1であり、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から7までである。
【0130】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下のL-バリンを含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から7.0までである。
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下のL-バリンを含み、ダプトマイシンに対するL-バリンのモル比は1:1であり、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から7.0までである。
【0131】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、1%w/V以下のL-バリンを含み、ダプトマイシンに対するL-バリンのモル比は1:1であり、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から7.0までである。
【0132】
一つの態様において、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から7.0までであり、固形ダプトマイシン製剤の改善された再構成時間は150秒以下である。
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.5%w/V以下の再構成時間の短縮のための賦形剤を含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から7.0までであり、固形ダプトマイシン製剤の改善された再構成時間は150秒以下である。
【0133】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、1%w/V以下の再構成時間の短縮のための賦形剤を含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から7.0までであり、固形ダプトマイシン製剤の改善された再構成時間は150秒以下である。
【0134】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、1%w/V以下の再構成時間の短縮のための賦形剤を含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.0から7.0までであり、固形ダプトマイシン製剤の改善された再構成時間は120秒以下である。
【0135】
本開示の一つの態様において、乾燥前の本開示による製剤の標的pHは、6から7までである。
本開示の一つの態様において、乾燥前の本開示による製剤の標的pHは、5.8から6.5までである。
【0136】
本開示の一つの態様において、乾燥前の本開示による製剤の標的pHは、5.8から6.4までである。
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下の少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.8から6.5までである。
【0137】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下の少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.8から6.5までであり、ダプトマイシンの固形製剤はキュビシン(登録商標)RLDの再構成時間と比較して60%から96%短縮された再構成時間に関して示される改善した再構成時間を有する。
【0138】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下の少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.8から6.5までであり、ダプトマイシンの固形製剤はキュビシン(登録商標)RLDの再構成時間と比較して80%から96%短縮された再構成時間に関して示される改善した再構成時間を有する。
【0139】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、1%w/V以下の少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.8から6.5までである。
【0140】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下のL-イソロイシンを含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.8から6.5までである。
【0141】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下のL-イソロイシンを含み、ダプトマイシンに対するL-イソロイシンのモル比は1:1であり、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.8から6.5までである。
【0142】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、1%w/V以下のL-イソロイシンを含み、ダプトマイシンに対するL-イソロイシンのモル比は1:1であり、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.8から6.5までである。
【0143】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下のL-バリンを含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.8から6.5までである。
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下のL-バリンを含み、ダプトマイシンに対するL-バリンのモル比は1:1であり、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.8から6.5までである。
【0144】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、1%w/V以下のL-バリンを含み、ダプトマイシンに対するL-バリンのモル比は1:1であり、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.8から6.5までである。
【0145】
一つの態様において、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.8から6.5までであり、固形ダプトマイシン製剤の改善された再構成時間は150秒以下である。
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.5%w/V以下の再構成時間の短縮のための賦形剤を含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.8から6.5までであり、固形ダプトマイシン製剤の改善された再構成時間は150秒以下である。
【0146】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、1%w/V以下の再構成時間の短縮のための賦形剤を含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.8から6.5までであり、固形ダプトマイシン製剤の改善された再構成時間は150秒以下である。
【0147】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、1%w/V以下の再構成時間の短縮のための賦形剤を含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.8から6.5までであり、固形ダプトマイシン製剤の改善された再構成時間は120秒以下である。
【0148】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、1%w/V以下のL-Ileを含み、乾燥前の本開示による水性製剤の標的pHは5.8から6.5までであり、固形ダプトマイシン製剤の改善された再構成時間は90秒以下である。
【0149】
本明細書で使用されるすべての数字は用語「約」によって修飾される。これは、各数値が、その数値の10%として定義される微小な変動を含むことを意味する。
本明細書で使用される用語「標的pH」は、対象の数値または範囲の±0.1として定義される。
【0150】
「pH」は別の温度が指定されていない限り、室温での溶液中での水素イオン活性の従来の測定単位である。
一つの態様において、乾燥前の本開示による製剤の標的pHは、6.0から6.5までである。
【0151】
一つの態様において、乾燥前の本開示による製剤の標的pHは、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0である。一つの態様において、乾燥前の本開示による製剤の標的pHは、6.2である。
【0152】
本明細書で使用される「水性組成物」もしくは「水性溶液」は、水が主溶媒(50%V/V以上)である任意の溶液を意味する。水性溶液には、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、98%もしくは99%V/Vの水を含む溶液が含まれるが、これらに限らない。水性溶液はエタノール、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(PEG200、PEG300、PEG400、20 PEG600、PEG4000など)のような薬学的に許容される有機溶媒を含むことができる。水性溶液は、50%V/V以下の薬学的に許容される有機溶媒を含むことができる。
【0153】
市販のダプトマイシン製品(すなわちCubist(登録商標)RLD)は2~8セルシウス度の冷蔵条件で安定することが知られている。本開示の一つの態様として、再構成時間の短縮のための賦形剤としての分岐脂肪族アミノ酸を含む固形ダプトマイシン製剤は、市販の乾燥ダプトマイシン製品(すなわちCubist(登録商標)RLD)と冷蔵条件で同等の安定性を有し得る。一つの態様において、再構成時間の短縮のための賦形剤としての分岐脂肪族アミノ酸を含む固形ダプトマイシン製剤は、同じダプトマイシン製剤であるが再構成時間の短縮のための賦形剤を有しないものと冷蔵条件で同等の安定性を有し得る。
【0154】
2~8セルシウス度より高い温度で本開示のダプトマイシン製剤を保存する場合、「安定化のための賦形剤」の添加の必要性があり得る。本明細書で使用される表現「安定化のための賦形剤」は、冷蔵温度条件より高い温度条件で安定したダプトマイシン製剤を提供し得る賦形剤を意味すると理解されるものとする。
【0155】
一つの態様において、製剤は、安定化のための少なくとも一つの賦形剤をさらに含んでもよい。
一つの態様において、製剤は、室温条件での固形製剤の安定化のための少なくとも一つの賦形剤をさらに含んでもよい。
【0156】
一つの態様において、安定化のための賦形剤は、糖、糖アルコール、アミノ糖、有機溶媒、二価カチオンもしくはシクロデキストリン、またはそれらの薬学的に許容される塩もしくはそれらの誘導体から選択することができる。
【0157】
一つの態様において、本開示の製剤は、スクロース、トレハロース、マルトースなどの非還元糖から選択される安定化のための賦形剤を含む。
一つの態様において、本開示の製剤は、ナトリウム、カルシウム、マグネシウムもしくはカリウムなどの二価の陽イオンを含んでもよい。本開示の一つの態様において、本開示の製剤は、塩化カルシウム(CaCl2)、塩化カルシウム二水和物、塩化カルシウム六水和物、クエン酸カルシウム、Ca-α-D-ヘプタグルコナートもしくは酢酸カルシウムから選択され得るカルシウムを含んでもよい。
【0158】
本開示の一つの態様において、カルシウム源は、0.5:1、1:1、2:1または3:1などの、0.5:1から3:1までのダプトマイシンに対するモル比で含まれる。
一つの態様において、本開示の固形ダプトマイシン製剤は、分岐脂肪族アミノ酸を除くアミノ酸から選択される少なくとも一つの安定化のための賦形剤を含んでもよい。一つの態様において、本開示の固形ダプトマイシン製剤少なくとも一つの安定化のための賦形剤は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、ヒスチジン、グリシン、リジン、オルニチン、フェニルアラニン、プロリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンまたはその薬学的に許容される塩もしくはそれらの誘導体を含むことができる。
【0159】
一つの態様において、本開示の固形ダプトマイシン製剤はアルギニンもしくはヒスチジンから選択される少なくとも一つの安定化のための賦形剤を含むことができる。
一つの態様において、製剤は、少なくともアルギニン、その薬学的に許容される塩もしくはその誘導体を含む。一つの態様において、製剤は、ヒスチジン、その薬学的に許容される塩もしくはその誘導体をさらに含む。一つの態様において、製剤は、塩酸ヒスチジンをさらに含む。
【0160】
一つの態様において、ダプトマイシン製剤は、アルギニンおよびヒスチジン、それらの薬学的に許容される塩もしくはそれらの誘導体をさらに含む。
一つの態様において、少なくとも一つの安定化のための賦形剤はダプトマイシンに対するモル比が1:1から5:1までで含まれる。一つの態様において、少なくとも一つの安定化のための賦形剤は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1のダプトマイシンに対するモル比で含まれる。
【0161】
一つの態様において、少なくとも一つの安定化のための賦形剤はダプトマイシンに対するモル比が3:1から5:1までで含まれる。
一つの態様において、ダプトマイシン製剤は、アルギニンおよびヒスチジン、それらの薬学的に許容される塩もしくはそれらの誘導体をさらに含み、賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Arg:Hisは1:1:1から1:5:5となる。
【0162】
一つの態様において、ダプトマイシンの固形製剤は、L-イソロイシン、L-バリン、もしくはL-ロイシンから選択される再構成時間の改善のための賦形剤と、アルギニンおよびヒスチジン、それらの薬学的に許容される塩もしくはそれらの誘導体から選択される少なくとも一つの安定化のための賦形剤とを含む。
【0163】
一つの態様において、ダプトマイシンの固形製剤は、イソロイシンから選択される再構成時間の改善のための賦形剤と、アルギニンおよびヒスチジン、それらの薬学的に許容される塩もしくはそれらの誘導体から選択される少なくとも一つの安定化のための賦形剤とを含む。
【0164】
一つの態様において、ダプトマイシンの固形製剤は、ロイシンから選択される再構成時間の改善のための賦形剤と、アルギニンおよびヒスチジン、それらの薬学的に許容される塩もしくはそれらの誘導体から選択される少なくとも一つの安定化のための賦形剤とを含む。
【0165】
一つの態様において、ダプトマイシンの固形製剤は、イソロイシンから選択される再構成時間の改善のための賦形剤と、二つの安定化のための賦形剤とを含む。ここでの安定化のための第一の賦形剤はアルギニンであり、安定化のための第二の賦形剤はヒスチジンもしくはその薬学的に許容される塩もしくはその誘導体である。
【0166】
一つの態様において、ダプトマイシンの固形製剤は、イソロイシンから選択される再構成時間の改善のための賦形剤と、アルギニンおよびヒスチジンから選択される安定化のための賦形剤とを含み、賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Ile:Arg:Hisは1:0.5:1:1から1:3:5:5までである。
【0167】
一つの態様において、ダプトマイシンの固形製剤は、イソロイシンから選択される再構成時間の改善のための賦形剤と、アルギニンおよびヒスチジンから選択される安定化のための賦形剤とを含み、賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Ile:Arg:Hisは1:1:5:3である。
【0168】
一つの態様において、ダプトマイシンの固形製剤は、バリンから選択される再構成時間の改善のための賦形剤と、アルギニンおよびヒスチジンから選択される安定化のための賦形剤とを含み、賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Val:Arg:Hisは1:1:1:1から1:3:5:5までである。
【0169】
一つの態様において、ダプトマイシンの固形製剤は、バリンから選択される再構成時間の改善のための賦形剤と、アルギニンおよびヒスチジンから選択される安定化のための賦形剤とを含み、賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Val:Arg:Hisは1:1:5:3である。
【0170】
一つの態様において、ダプトマイシンの固形製剤は、バリンから選択される再構成時間の改善のための賦形剤と、アルギニンおよびヒスチジンから選択される安定化のための賦形剤とを含み、賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Val:Arg:Hisは1:3:5:3である。
【0171】
一つの態様において、ダプトマイシンの固形製剤は、イソロイシンから選択される再構成時間の改善のための賦形剤と、アルギニンおよびヒスチジンから選択される安定化のための賦形剤とを含み、賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Ile:Arg:Hisは1:1:4:3である。
【0172】
一つの態様において、ダプトマイシンの固形製剤は、イソロイシンから選択される再構成時間の改善のための賦形剤と、アルギニンおよびヒスチジンから選択される安定化のための賦形剤とを含み、前記賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Ile:Arg:Hisは1:3:4:3である。
【0173】
一つの態様において、改善された再構成時間を有するダプトマイシンの固形製剤は、L-イソロイシン、L-バリン、もしくはL-ロイシンから選択される短縮再構成時間のための賦形剤と、安定化のための賦形剤とを含む。ここで、改善された再構成時間は、本明細書に開示する安定化のための賦形剤を含むがL-イソロイシン、L-バリン、もしくはL-ロイシンから選択される改善された再構成時間のための賦形剤を含まない同一の固形ダプトマイシン製剤の再構成時間と比較して、25%以上の再構成時間の短縮として示される。
【0174】
一つの態様において、改善された再構成時間を有するダプトマイシンの固形製剤は、L-イソロイシンから選択される再構成時間の改善のための賦形剤と、アルギニンおよびヒスチジンから選択される安定化のための賦形剤とを含む。ここで、改善された再構成時間は、アルギニンおよびヒスチジンから選択される安定化のための賦形剤を含むがL-イソロイシン、L-バリン、もしくはL-ロイシンから選択される改善された再構成時間のための賦形剤を含まない同一の固形ダプトマイシン製剤の再構成時間と比較して、50%以上の再構成時間の短縮として示される。
【0175】
一つの態様において、改善された再構成時間を有するダプトマイシンの固形製剤は、L-イソロイシンから選択される再構成時間の改善のための賦形剤と、アルギニンおよびヒスチジンから選択される安定化のための賦形剤とを含み、ここで前記賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Ile:Arg:Hisは1:0.5:1:1から1:3:5:5までであり、ここで、改善された再構成時間は、L-イソロイシンを含まない同一の固形ダプトマイシン製剤の再構成時間と比較して75%以上の再構成時間の短縮として示される。
【0176】
一つの態様において、改善された再構成時間を有するダプトマイシンの固形製剤は、L-イソロイシンから選択される再構成時間の改善のための賦形剤と、アルギニンおよびヒスチジンから選択される安定化のための賦形剤とを含み、ここで前記賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Ile:Arg:Hisは1:1:5:3である。ここで、改善された再構成時間は、L-イソロイシンを含まないがアルギニンおよびヒスチジンから選択される安定化のための賦形剤を前記賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Arg:Hisが1:5:3で含む、同一の固形ダプトマイシン製剤の再構成時間と比較して75%以上の再構成時間の短縮として示される。
【0177】
一つの態様において、改善された再構成時間を有するダプトマイシンの固形製剤は、L-イソロイシンから選択される再構成時間の改善のための賦形剤と、アルギニンおよびヒスチジンから選択される安定化のための賦形剤とを含み、ここで前記賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Ile:Arg:Hisは1:1:5:3である。ここで、改善された再構成時間は、アルギニンおよびヒスチジンから選択される安定化のための賦形剤であって、前記賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Arg:Hisが1:5:3の安定化のための賦形剤から成る、固形ダプトマイシン製剤の再構成時間と比較して70%以上の再構成時間の短縮として示される。
【0178】
一つの態様において、改善された再構成時間を有する500mgのダプトマイシンの固形製剤は、L-イソロイシンから選択される再構成時間の改善のための賦形剤と、アルギニンおよびヒスチジンから選択される安定化のための賦形剤とを含み、ここで前記賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Ile:Arg:Hisは1:1:5:3である。ここで、改善された再構成時間は、アルギニンおよびヒスチジンから選択される安定化のための賦形剤であって、前記賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Arg:Hisが1:5:3の安定化のための賦形剤から成る、固形ダプトマイシン製剤の再構成時間と比較して70%以上の再構成時間の短縮として示され、両製剤の再構成は制御された室温(すなわち20~25セルシウス度)で10mLの注射用水で実施された。
【0179】
一つの態様において、改善された再構成時間を有するダプトマイシンの固形製剤は、L-イソロイシンから選択される再構成時間の改善のための賦形剤と、アルギニンおよびヒスチジンから選択される安定化のための賦形剤とを含み、ここで前記賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Ile:Arg:Hisは1:3:5:3である。ここで、改善された再構成時間は、L-イソロイシンを含まないがアルギニンおよびヒスチジンから選択される安定化のための賦形剤を前記賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Arg:Hisが1:5:3で含む、同一の固形ダプトマイシン製剤の再構成時間と比較して75%以上の再構成時間の短縮として示される。
【0180】
一つの態様において、改善された再構成時間を有するダプトマイシンの固形製剤は、L-イソロイシンから選択される再構成時間の改善のための賦形剤と、アルギニンおよびヒスチジンから選択される安定化のための賦形剤とを含み、ここで前記賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Ile:Arg:Hisは1:3:5:3である。ここで、改善された再構成時間は、アルギニンおよびヒスチジンから選択される安定化のための賦形剤から、前記賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Arg:Hisが1:5:3で、成る、同一の固形ダプトマイシン製剤の再構成時間と比較して70%以上の再構成時間の短縮として示される。
【0181】
一つの態様において、改善された再構成時間を有するダプトマイシンの固形製剤は、L-イソロイシンから選択される再構成時間の改善のための賦形剤と、アルギニンおよびヒスチジンから選択される安定化のための賦形剤とを含み、ここで前記賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Ile:Arg:Hisは1:1:4:3である。ここで、改善された再構成時間は、L-イソロイシンを含まないがアルギニンおよびヒスチジンから選択される安定化のための賦形剤を前記賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Arg:Hisが1:4:3でで含む、同一の固形ダプトマイシン製剤の再構成時間と比較して80%以上の再構成時間の短縮として示される。
【0182】
特に明記しない限り、本明細書で言及する再構成時間の比較のすべての結果は、温度条件、再構成剤および再構成剤の量など、同一条件を用いて得られることに留意されたい。
一つの態様において、ダプトマイシンの固形製剤は、イソロイシン、アルギニンおよびヒスチジンを含み、前記賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Ile:Arg:Hisは1:1:5:3であり、制御された室温(すなわち20~25セルシウス度)で10mLの注射用水中での500mgの固形ダプトマイシン製剤の再構成時間は50秒以下である。
【0183】
一つの態様において、ダプトマイシンの固形製剤は、イソロイシン、アルギニンおよびヒスチジンを含み、前記賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Ile:Arg:Hisは1:1:5:3であり、制御された室温(すなわち20~25セルシウス度)で10mLの注射用水中での500mgの固形ダプトマイシン製剤の再構成時間は50秒以下である。
【0184】
一つの態様において、ダプトマイシンの固形製剤は、イソロイシン、アルギニンおよびヒスチジンを含み、前記賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Ile:Arg:Hisは1:1:5:3であり、制御された室温(すなわち20~25セルシウス度)で10mLの注射用水中での500mgの固形ダプトマイシン製剤の再構成時間は45秒以下である。
【0185】
一つの態様において、ダプトマイシンの固形製剤は、イソロイシン、アルギニンおよびヒスチジンを含み、前記賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Ile:Arg:Hisは1:1:5:3であり、制御された室温(すなわち20~25セルシウス度)で10mLの0.9%塩化ナトリウム中での500mgの固形ダプトマイシン製剤の再構成時間は45秒以下である。
【0186】
一つの態様において、ダプトマイシンの固形製剤は、イソロイシン、アルギニンおよびヒスチジンを含み、前記賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Ile:Arg:Hisは1:1:5:3であり、制御された室温(すなわち20~25セルシウス度)で7mLの注射用水中での350mgの固形ダプトマイシン製剤の再構成時間は60秒以下である。
【0187】
一つの態様において、ダプトマイシンの固形製剤は、イソロイシン、アルギニンおよびヒスチジンを含み、前記賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Ile:Arg:Hisは1:1:5:3であり、制御された室温(すなわち20~25セルシウス度)で70mLの注射用水中での3.5gの固形ダプトマイシン製剤の再構成時間は90秒以下である。
【0188】
一つの態様において、ダプトマイシンの固形製剤は、イソロイシン、アルギニンおよびヒスチジンを含み、前記賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Ile:Arg:Hisは1:1:4:3であり、制御された室温(すなわち20~25セルシウス度)で10mLの注射用水中での500mgの固形ダプトマイシン製剤の再構成時間は40秒以下である。
【0189】
一つの態様において、乾燥前のダプトマイシン製剤は、10%w/Vのダプトマイシン、0.8%w/VのL-イソロイシン、2.9%ヒスチジン、および5.4%アルギニンを含み、45秒以下の乾燥後の再構成時間を有する。
【0190】
一つの態様において、ダプトマイシンの固形製剤は、2~8℃などの冷蔵条件で保存され得る。
一つの態様において、安定化のための賦形剤を含むダプトマイシンの固形製剤は、温度や湿度の影響を受けない優れた安定性を達成することができ、そのためそれは長期間保存することができ、注射用製剤を容易に調整でき、それは製造工程中の温度や湿度の影響によって分解されない。
【0191】
一つの態様において、本明細書で提供される製剤は、室温(25℃)、室温以下、例えば20℃、15℃、10℃などの温度、および例えば2~8℃などの冷蔵状態で保存することができる。
【0192】
本明細書で使用される「安定」は、所定の期間の後の典型的な保存条件下において、HPLC分析によって決定される全不純物形成の増加が10%以下であるか、またはHPLC分析によって決定される個々の不純物形成の増加が5%以下であることのいずれかとして定義される。
【0193】
例えば、安定な、または安定化された製剤は所定の時間後に全不純物形成の増加が、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%を超えないものであってもよい。
【0194】
本開示の一つの態様において、ダプトマイシンの再構成製剤は、少なくとも4日間セ氏2~8度で安定であり得る。本開示の一つの態様において、ダプトマイシンの再構成製剤は室温条件下では少なくとも48時間安定であり得る。
【0195】
本開示によれば、開示されたダプトマイシンの固形製剤は、例えば、2~8℃の冷蔵条件で、7日間(1週間)、14日間(2週間)、30日間(1カ月)、60日間(2カ月)、150日間(5カ月)、180日間(6カ月)、12カ月(1年)、およびそれ以上の期間を含む、典型的な保存条件の経過にわたって安定である。
【0196】
本開示によれば、安定化のための賦形剤を含む開示されたダプトマイシンの固形製剤は、25℃の温度(室温)、室温以下の温度で、7日間(1週間)、14日間(2週間)、30日間(1カ月)、60日間(2カ月)、150日間(5カ月)、180日間(6カ月)、12カ月(1年)、およびそれ以上の期間を含む、典型的な保存条件の経過にわたって安定である。
【0197】
一つの態様において、本開示の固形製剤は、室温、例えば25℃で所定期間保存することができる。
一つの態様において、乾燥前もしくは再構成中に使用される適切なpH調整剤は、塩酸または水酸化ナトリウムである。
【0198】
上記記載によって拘束されることなく、本開示が属する分野の当業者にとって既知であり一般的に使用される他のpH調整剤も本明細書に含まれる。
一つの態様において、ダプトマイシンの固形製剤は、抗酸化剤、界面活性剤、脂質、錯化剤、保存剤、増量剤、緩衝剤、希釈剤、ビヒクル、可溶化剤および結合剤などから選択される他の賦形剤をさらに含むことができる。賦形剤の観点から、本明細書で使用される「薬学的に許容される」とは、一般的に非毒性であり、かつ生物学的にも他の点でも望ましくないわけではない医薬組成物の調製にそれらが有用であり、さらに当該薬物の薬理活性の許容できない損失を生じさせず、ヒトおよび/または動物の治療における使用が許容されるということを意味する。
【0199】
本開示の固形製剤は、既知の再構成用溶液によって再構成することができる。
本明細書で対象とされる「再構成用溶液」とは、薬学的に許容されるものである。つまり、ヒトへの投与に安全かつ非毒性であり、希釈製剤の調製に適合性がある。
【0200】
本明細で記載された製剤は、より低い治療的有効濃度を達成するために、本開示に従ってさらに希釈されてもよい。
再構成および希釈の両方に適用可能な例示的な溶液は、注射用滅菌水、滅菌生理食塩水およびラクトリンゲル注射用液を含む。
【0201】
例えば、希釈製剤の典型的な調製において、要求される治療有効量に必要な再構成製剤の適切な量は、無菌で採取され、0.225%、0.45%もしくは0.9%塩化ナトリウム、もしくは滅菌注射用水もしくはラクトリンゲル注射液などの適切な溶液の輸液バッグに移され、投与の適切な経路を介して患者に投与され得る。
【0202】
固形ダプトマイシンの再構成製剤は、ダプトマイシンの治療有効量を含む。ここで治療有効量は、0.5mg/mL~500mg/mL、20mg/mL~400mg/mL、50mg/mL~300mg/mLの範囲の濃度、例えば、0.5mg/mL、1mg/mL、3mg/mL、5mg/mL、8mg/mL、10mg/mL、15mg/mL、20mg/mL、23mg/mL、25mg/mL、30mg/mL、33mg/mL、35mg/mL、40mg/mL、50mg/mL、60mg/mL、70mg/mL、80mg/mL、90mg/mL、100mg/mL、110mg/mL、120mg/mL、130mg/mL、140mg/mL、150mg/mL、160mg/mL、170mg/mL、180mg/mL、190mg/mL、200mg/mL、220mg/mL、240mg/mL、260mg/mL、280mg/mL、300mg/mL、350mg/mL、400mg/mL、450mg/mLおよび500mg/mLの濃度を含む。
【0203】
本明細書で使用される用語、ダプトマイシン化合物の「治療有効量」もしくは「治療有効濃度」とは、治療される疾患の一つまたはそれ以上の症状に対する治療反応を引き起こすのに十分な患者へ投与される再構成ダプトマイシンの量をいう。
【0204】
本開示の再構成溶液は5.5および7の間で変動し得るpHを有する。
本明細書に記載されるダプトマイシンの固形製剤は、例えば、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、滑膜内、胸骨内、髄腔内、病巣内、頭蓋内への注射、または静脈内注入によって投与され得る。
【0205】
一つの態様において、組成物は、ダプトマイシン溶液および少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を混合し、そのような溶液のpHを適切なpH調整剤で4から9までのpHに調整し、そのような組成物を凍結乾燥もしくは噴霧乾燥もしくは流動床乾燥する工程によって調製される。
【0206】
一つの態様において、組成物は、ダプトマイシン溶液および少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を混合し、そのような溶液のpHを調整する工程によって調製される。一つの態様において、pHは適切なpH調整剤で5から6.5までに調整され、そしてそのような組成物を凍結乾燥もしくは噴霧乾燥もしくは流動床乾燥する。
【0207】
一つの態様において、組成物は、ダプトマイシン溶液および少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を混合し、そのような溶液のpHを適切なpH調整剤で4.5から7までのpHに調整し、そのような組成物を凍結乾燥もしくは噴霧乾燥もしくは流動床乾燥する工程によって調製される。
【0208】
一つの態様において、ダプトマイシンの固形製剤は、分岐脂肪族アミノ酸から選択される少なくとも一つの賦形剤を含む水性ダプトマイシン溶液を凍結乾燥することによって調製され、ここで液体ダプトマイシン溶液は5.8から6.5の標的pHを有する。
【0209】
一つの態様において、ダプトマイシンの固形製剤は、分岐脂肪族アミノ酸から選択される少なくとも一つの賦形剤を含む水性液体ダプトマイシン溶液を凍結乾燥することによって調製され、ここで液体ダプトマイシン溶液は6.2のpHを有する。
【0210】
本開示はさらにダプトマイシンの固形製剤の再構成時間を改善する方法を提供する。ここで方法は、ダプトマイシン溶液および少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸の混合、およびそのような組成物の乾燥のステップを含む。
【0211】
本開示はさらにダプトマイシンの固形製剤の再構成時間を改善する方法を提供する。ここで方法は、ダプトマイシン溶液およびL-イソロイシンの混合、およびそのような組成物の乾燥のステップを含む。
【0212】
一つの態様において、ダプトマイシンの固形製剤の再構成時間を短縮させるための方法、ここで方法はダプトマイシン溶液およびL-イソロイシンの濃度が1%w/V以下のL-イソロイシンの混合、およびそのような組成物の乾燥のステップを含む。
【0213】
一つの態様において、ダプトマイシンの固形製剤の再構成時間を短縮させるための方法、ここで方法はダプトマイシン溶液およびL-イソロイシンの濃度が0.8%w/VのL-イソロイシンの混合、およびそのような組成物の乾燥のステップを含む。
【0214】
また、本明細書に開示のように、複雑性皮膚および軟部組織感染症(cSSTI)、右側感染性心内膜炎(RIE)を伴うものを含む黄色ブドウ球菌による血流感染症(菌血症)などの、グラム陽性菌によって引き起こされる疾患を治療するためのダプトマイシンの医薬製剤の使用も、本開示の範囲内である。
【0215】
これらの使用は、本開示による製剤の治療有効量を患者へ投与すること、もしくは本開示の医薬製剤から調製された調製物の治療有効量を患者へ投与することを含む。例えば、本開示は、本開示による再構成溶液および固形の薬学的に許容される製剤の任意にさらに希釈した溶液の治療有効量を投与することを含む。
【0216】
特に定義されない限り、本明細で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
以下の実施例は、例示のみを目的として提供され、本開示の範囲を制限するために解釈されるべきではない。
【0217】
方法
本開示による組成物は、ダプトマイシンの液体溶液および再構成時間の短縮のための少なくとも一つの賦形剤を提供し、適切なpH調整剤でそのような溶液のpHを求められるpHへ調整し、バイアルごとのダプトマイシンの求められる量を達成するためにそのような溶液をバイアルに移し、凍結乾燥をすることによって調製された。
【0218】
凍結乾燥後、HPLCによって不純物の初期時点レベルを測定し、その後バイアルを60℃、25℃/60%RHおよび40℃/75%RHなどの異なる保存条件で安定性チャンバーに装入した。
【0219】
再構成時間は、凍結乾燥後(初期)に測定され、ここでバイアルは10.0mLのWFIで再構成された。
本開示による製剤中のダプトマイシンの不純物形成レベルおよび安定性を決定するために、バイアルを45時間、1カ月、2カ月などの様々な時点で安定性チャンバーから取り出し、HPLCによって分析した。
【0220】
本開示の製剤の分析は、国際公開第2011/063419号に開示されるようなHPLCを含む、HPLC技術などの当該分野で既知の技術を使用して実施され得る。
【0221】
【0222】
実施例1
ダプトマイシン(10.423g、無水ベースの評価の場合、97.7%のダプトマイシンおよび1.8%の水分)は、再構成用賦形剤を含むWFI溶液に添加された。モル比は、ダプトマイシン:再構成用賦形剤のモル比が1:0.5、1:1および1:3などの1:0.5から1:3まで変動させた。いくつかの製剤では、安定化のための賦形剤も添加された。
【0223】
内容物は、次いでマグネチックスターラーを使って攪拌された。pHは、6M HClおよび/または1M NaOH溶液を使って6.2に調整された。溶液は、その後メスフラスコに移され、WFIは100mLの体積となるように添加された。
【0224】
溶液は均一性を確保するために混合され、0.2μmフィルターを通して濾過され、バイアルへ移され、凍結乾燥された。
表1aに示された再構成時間は、制御された室温(20~25度℃)において10mLの0.9%塩化ナトリウム中で500mgの凍結乾燥されたダプトマイシンが融解するのに必要な時間を指す。RLD(キュビシン(登録商標))対クセリア自社開発ダプトマイシンジェネリック製品対本開示の各種製剤の比較再構成時間が示される。クセリア自社開発ダプトマイシンジェネリック製品は、本開示による再構成の短縮のための賦形剤を含まず、それは冷蔵状態で保存される。表1aに示された再構成時間は、同一条件下でそれぞれの製剤の複数のサンプルで測定された最大の再構成時間である。
【0225】
【0226】
表1aから、分岐脂肪族アミノ酸を含む固形製剤は、市販のダプトマイシン製剤の比較された再構成時間に対して短縮された再構成時間を有することが明らかである。表1aによると、表に示されたダプトマイシン製剤の再構成時間は82%から96%まで短縮される。
【0227】
表1bに示された再構成時間は、制御された室温(20~25度℃)において10mLの注射用液中で500mgの凍結乾燥されたダプトマイシンが融解するのに必要な時間を指す。安定性のための賦形剤を有し、再構成時間を短縮させるための賦形剤を伴うもしくは伴わないダプトマイシン製剤の比較再構成時間が示される。表1aに示された再構成時間は、同一条件下でそれぞれの製剤の複数のサンプルで測定された最大の再構成である。
【0228】
【0229】
表1bから、Ileを含む固形製剤は、Ileを有しない同一製剤に対して、76%あるいは82%も短縮された再構成時間を有することが明らかである。
実施例2
ダプトマイシン(10.423g、無水ベースの評価の場合、97.7%のダプトマイシンおよび1.8%の水分)は、再構成用賦形剤を含むWFI溶液に添加された。モル比は、ダプトマイシン:再構成用賦形剤のモル比が1:0.5、1:1および1:1.5などの1:0.5から1:1.5まで変動させた。
【0230】
内容物は、次いでマグネチックスターラーを使用して攪拌された。表に示されるpHは、6M HCl溶液を使って調整された。溶液は、その後メスフラスコに移され、WFIは100mLの体積となるように添加された。
【0231】
溶液は均一性を確保するために混合され、0.2μmフィルターを通して濾過され、バイアルへ移され、凍結乾燥された。
表2aと表2bに示された再構成時間は、制御された室温(20~25度℃)において10mLの注射用液(表2a)と0.9%NaCl(表2b)の中で500mgの凍結乾燥されたダプトマイシンが融解するのに必要な時間を指す。本開示の各種製剤についての5.0から5.8までのpH範囲の比較再構成時間が示される。表2aと表2bで示された再構成時間は、同一条件下でそれぞれの製剤の複数のサンプルで測定された最大の再構成時間である。
【0232】
【0233】
【0234】
実施例3
ダプトマイシン(10.423g、無水ベースの評価の場合、97.7%のダプトマイシンおよび1.8%の水分)は、再構成用賦形剤を含むWFI溶液に添加された。アルギニンおよびヒスチジンは、室温条件での製剤の安定化のための賦形剤として添加される。
【0235】
内容物は、次いでマグネチックスターラーを使って攪拌された。pHは、6M HClおよび/または1M NaOH溶液を使って調整された。溶液は、その後メスフラスコに移され、WFIは100mLの体積となるように添加された。
【0236】
溶液は均一性を確保するために混合され、0.2μmフィルターを通して濾過され、バイアルへ移され、凍結乾燥された。
表3aに示された再構成時間は、制御された室温(20~25度℃)において表3aで規定された重量の凍結乾燥されたダプトマイシンが融解するのに必要な時間を指す。表3aに示された再構成時間は、同一条件下でそれぞれの製剤の複数のサンプルで測定された最大の再構成時間である。
【0237】
【0238】
【0239】
表3bに示された再構成時間は、開始時に制御された室温であり同一温度条件で一定期間の保存の後、7mLの注射用液中での350mgの凍結乾燥されたダプトマイシン溶液が融解するのに必要な時間を指す。表3bに示された再構成時間は、同一条件下でそれぞれの製剤の複数のサンプルで測定された最大の再構成時間である。
【0240】
実施例4-冷蔵条件におけるダプトマイシンの固形製剤の安定性
ダプトマイシンの固形製剤は、再構成用賦形剤を含むWFI溶液へのダプトマイシンの添加によって調製される。モル比は、ダプトマイシン:再構成用賦形剤のモル比が1:0.5、1:1および1:3などの1:0.5から1:3まで変動させた。
【0241】
内容物は、マグネチックスターラーを使って攪拌される。pHは、6M HClおよび/または1M NaOH溶液を使って5.0から6.5までの様々なpH値に調整される。溶液は、メスフラスコに移され、WFIは100mLの体積となるように添加される。
【0242】
溶液は均一性を確保するために混合され、0.2μmフィルターを通して濾過され、バイアルへ移され、凍結乾燥される。
凍結乾燥された製剤は、次に2~8℃で保存され、安定性は1カ月、2カ月、3カ月、6カ月、12カ月およびさらに先などの時点で決定される。
【0243】
製剤は2~8℃で3カ月および6カ月の間安定であること、およびこれは製剤が約24カ月まで安定もしくは安定化されることを示すように外挿され得ることが予測される。
実施例5
以下の番号の項目は、活性成分を含む液体医薬製剤の実施形態を表す。
【0244】
項目1 少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸もしくはそれらの薬学的に許容される塩もしくはそれらの誘導体を含む、ダプトマイシンの固形医薬製剤。
項目2 少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸は再構成時間の改善のための賦形剤であり、前記分岐脂肪族アミノ酸はロイシン、イソロイシンおよびバリンを含む、項目1に記載のダプトマイシンの固形医薬製剤。
【0245】
項目3 前記製剤は改善した再構成時間を有する、項目1および2に記載のダプトマイシンの固形医薬製剤。
項目4 少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸はL-ロイシン、L-イソロイシンおよびL-バリンから選択される、項目2に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0246】
項目5 少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸はL-イソロイシンである、項目4に記載のダプトマイシンの固形製剤。
項目6 少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸はL-バリンである、項目4に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0247】
項目7 少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸はL-ロイシンである、項目4に記載のダプトマイシンの固形製剤。
項目8 前記分岐脂肪族アミノ酸は2.5%w/V以下の量で乾燥前の製剤に含まれる、項目1~7のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0248】
項目9 分岐脂肪族アミノ酸は1%w/V以下の量で乾燥前の製剤に含まれる、項目1~7のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
項目10 乾燥前の製剤は10%w/Vのダプトマイシンおよび0.8%w/VのL-イソロイシンを含む、項目5に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0249】
項目11 乾燥前の製剤のpHは4.5から9までである、項目1~10のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
項目12 乾燥前の製剤のpHは4.5から7.0までである、項目1~10のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0250】
項目13 乾燥前の製剤のpHは5.0から6.2までである、項目1~10のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
項目14 乾燥前の製剤のpHは6.2である、項目1~10のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0251】
項目14 乾燥前の製剤のpHは5.8から6.5までである、項目1~10のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
項目16 乾燥前の製剤のpHは5.0から6.5までである、項目1~10のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0252】
項目17 少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸は、ダプトマイシンに対するモル比が0.5:1から5:1まででダプトマイシンの固形製剤に含まれる、項目1~16のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0253】
項目18 少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸は、ダプトマイシンに対するモル比が1:1から3:1まででダプトマイシンの固形製剤に含まれる、項目1~16のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0254】
項目19 少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸は、ダプトマイシンに対するモル比が1:1でダプトマイシンの固形製剤に含まれる、項目1~16のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0255】
項目20 製剤の再構成時間は120秒以下である、項目1~19のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
項目21 乾燥前の製剤のpHは5.0から6.2までであり、製剤の再構成時間は120秒以下である、項目1~19のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0256】
項目22 制御された室温で10mLの0.9%塩化ナトリウム中での500mgの固形医薬ダプトマイシン製剤の再構成時間は120秒以下である、項目1~19のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0257】
項目23 乾燥前の製剤のpHは4.5から7.0までであり、制御された室温で10mLの注射用液中での500mgの固形医薬ダプトマイシン製剤の再構成時間は120秒以下である、項目1~19のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0258】
項目24 乾燥前の製剤のpHは5.0から6.2までであり、制御された室温で10mLの注射用液中での500mgの固形医薬ダプトマイシン製剤の再構成時間は120秒以下である、項目1~19のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0259】
項目25 改善された再構成時間は、キュビシン(商標登録)RLDの再構成時間と比較して60%から96%まで短縮された再構成時間として示される、項目1~19のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0260】
項目26 改善された再構成時間は、キュビシン(商標登録)RLDの再構成時間と比較して80%から96%まで短縮された再構成時間として示される、項目1~19のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0261】
項目27 製剤は2~8℃で所定の期間安定である、項目1~26のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
項目28 少なくとも一つの安定化のための賦形剤を含む、項目1~19のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0262】
項目29 製剤は少なくとも一つの安定化のための賦形剤を含む室温条件で所定の期間安定である、項目28に記載のダプトマイシンの固形製剤。
項目30 所定の期間は、7日(1週間)、14日(2週間)、30日(1カ月)、60日(2カ月)、150日(5カ月)、180日(6カ月)、12カ月(1年)およびそれ以上を含む、項目27または29に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0263】
項目31 所定の期間は、6カ月である、項目30に記載のダプトマイシンの固形製剤。
項目32 少なくとも一つの安定化のための賦形剤は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、ヒスチジン、グリシン、リジン、オルニチン、フェニルアラニン、プロリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンもしくはその薬学的に許容される塩もしくはその誘導体を含む、項目29に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0264】
項目33 少なくとも一つのアミノ酸は、アルギニンおよびヒスチジン、その薬学的に許容される塩もしくはその誘導体から選択される、項目32に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0265】
項目34 製剤は、二つの安定化のための賦形剤を含み、第一の安定化のための賦形剤はアルギニンであり、第二の安定化のための賦形剤はヒスチジンもしくはその薬学的に許容される塩もしくはその誘導体である、項目32および32に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0266】
項目35 安定化のための賦形剤は、ダプトマイシンに対するモル比が3:1から5:1までで含まれる、項目28~34のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
項目36 ダプトマイシンの固形製剤は、イソロイシンから選択される再構成時間の改善のための賦形剤としての分岐脂肪族アミノ酸と、アルギニンおよびヒスチジン、それらの薬学的に許容される塩もしくはそれらの誘導体から選択される少なくとも一つの安定化のための賦形剤とを含む、項目32~34のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0267】
項目37 ダプトマイシンの固形製剤は、ロイシンから選択される再構成時間の改善のための賦形剤と、二つの安定化のための賦形剤とを含み、第一の安定化のための賦形剤はアルギニンであり、第二の安定化のための賦形剤はヒスチジンもしくはその薬学的に許容される塩もしくはその誘導体である、項目32~34のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0268】
項目38 ダプトマイシンの固形製剤は、バリンから選択される再構成時間の改善のための賦形剤と、二つの安定化のための賦形剤とを含み、第一の安定化のための賦形剤はアルギニンであり、第二の安定化のための賦形剤はヒスチジンもしくはその薬学的に許容される塩もしくはその誘導体である、項目32~34のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0269】
項目39 ダプトマイシンの固形製剤は、イソロイシンから選択される再構成時間の改善のための賦形剤と、アルギニンおよびヒスチジンから選択される二つの安定化のための賦形剤とを含み、賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Ile:Arg:Hisは1:0.5:1:1から1:3:5:5までである、項目32または36に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0270】
項目40 ダプトマイシンの固形製剤は、イソロイシンから選択される再構成時間の改善のための賦形剤と、アルギニンおよびヒスチジンから選択される二つの安定化のための賦形剤とを含み、賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Ile:Arg:Hisは1:1:5:3である、項目32または36に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0271】
項目41 ダプトマイシンの固形製剤は、イソロイシンから選択される再構成時間の改善のための賦形剤と、アルギニンおよびヒスチジンから選択される二つの安定化のための賦形剤とを含み、賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Ile:Arg:Hisは1:1:4:3である、項目32または36に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0272】
項目42 ダプトマイシンの固形製剤は、L-イソロイシンから選択される再構成時間の改善のための賦形剤と、アルギニンおよびヒスチジンから選択される安定化のための賦形剤とを含み、前記賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Ile:Arg:Hisは1:1:5:3であり、制御された室温で10mLの注射用液中での500mgのダプトマイシンの固形製剤の再構成時間は50秒以下である、項目32~36のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0273】
項目43 ダプトマイシンの固形製剤は、L-イソロイシンから選択される再構成時間の改善のための賦形剤と、アルギニンおよびヒスチジンから選択される安定化のための賦形剤とを含み、前記賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Ile:Arg:Hisは1:1:5:3であり、制御された室温で7mLの注射用液中での350mgのダプトマイシンの固形製剤の再構成時間は60秒以下である、項目32~36のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0274】
項目44 ダプトマイシンの固形製剤は、L-イソロイシンから選択される再構成時間の改善のための賦形剤と、アルギニンおよびヒスチジンから選択される安定化のための賦形剤とを含み、前記賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Ile:Arg:Hisは1:1:5:3であり、制御された室温で70mLの注射用液中での3500mgのダプトマイシンの固形製剤の再構成時間は90秒以下である、項目32~36のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0275】
項目45 ダプトマイシンの固形製剤は、L-イソロイシンから選択される再構成時間の改善のための賦形剤と、アルギニンおよびヒスチジンから選択される安定化のための賦形剤とを含み、前記賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Ile:Arg:Hisは1:1:4:3であり、制御された室温で10mLの注射用液中での500mgのダプトマイシンの固形製剤の再構成時間は50秒以下である、項目32~36のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0276】
項目46 ダプトマイシンの固形製剤は、L-イソロイシンから選択される再構成時間の改善のための賦形剤と、アルギニンおよびヒスチジンから選択される安定化のための賦形剤とを含み、前記賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Ile:Arg:Hisは1:1:5:3であり、改善された再構成時間を有し、改善された再構成時間は、前記賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Arg:Hisが1:5:3であるがL-イソロイシン抜きである、アルギニンおよびヒスチジンから選択される安定化のための賦形剤を含む同一の固形ダプトマイシン製剤の再構成時間と比較して75%以上の短縮された再構成時間として示される、項目18~23のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0277】
項目47 ダプトマイシンの固形製剤は、L-イソロイシンから選択される再構成時間の改善のための賦形剤と、アルギニンおよびヒスチジンから選択される安定化のための賦形剤とを含み、前記賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Ile:Arg:Hisは1:1:5:3であり、改善された再構成時間を有し、改善された再構成時間は、前記賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Ile:Arg:Hisが1:5:3である、アルギニンおよびヒスチジンから選択される安定化のための賦形剤から成る固形ダプトマイシン製剤の再構成時間と比較して70%以上の短縮された再構成時間として示される、項目32~36のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0278】
項目48 改善された再構成時間を有するダプトマイシンの固形製剤は、L-イソロイシン、L-バリンもしくはL-ロイシンから選択される短縮再構成時間のための賦形剤と、安定化のための賦形剤とを含み、改善された再構成時間は、本明細書で開示される安定化のための賦形剤を含むがL-イソロイシン、L-バリンもしくはL-ロイシンから選択される改善された再構成時間のための賦形剤は含まない、同一の固形ダプトマイシン製剤の再構成時間と比較して25%以上の再構成時間の短縮として示される、項目1~4のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0279】
項目49 ダプトマイシンの固形製剤は、L-イソロイシン、L-バリンもしくはL-ロイシンから選択される少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.5%w/V以下の分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前の製剤のpHは4.5から7.0までである、項目1~4のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0280】
項目50 ダプトマイシンの固形製剤は、L-イソロイシン、L-バリンもしくはL-ロイシンから選択される少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下の分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前の製剤のpHは5.0から6.2までである、項目1~4のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0281】
項目51 ダプトマイシンの固形製剤は、L-イソロイシン、L-バリンもしくはL-ロイシンから選択される少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下の分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前の製剤のpHは4.5から7.0までであり、ダプトマイシンの固形製剤は180秒以下の再構成時間を有する、項目1~4のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0282】
項目52 ダプトマイシンの固形製剤は、L-イソロイシン、L-バリンもしくはL-ロイシンから選択される少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下の分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前の製剤のpHは5.0から6.2までであり、ダプトマイシンの固形製剤は150秒以下の再構成時間を有する、項目1~4のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0283】
項目53 ダプトマイシンの固形製剤は、L-イソロイシン、L-バリンもしくはL-ロイシンから選択される少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前のダプトマイシン製剤は、2.4%w/V以下の分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前の製剤のpHは5.4から6.2までであり、ダプトマイシンの固形製剤は120秒以下の再構成時間を有する、項目1~4のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0284】
項目54 ダプトマイシンの固形製剤はL-イソロイシンを含み、L-イソロイシンは乾燥前に2.4%w/V以下の量で含まれ、乾燥前製剤のpHは5.4から6.2までであり、ダプトマイシンの固形製剤は120秒以下の再構成時間を有する、項目1~4のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0285】
項目55 ダプトマイシンの固形製剤はL-バリンを含み、L-バリンは乾燥前に2.4%w/V以下の量で含まれ、乾燥前製剤のpHは5.4から6.2までであり、ダプトマイシンの固形製剤は120秒以下の再構成時間を有する、項目1~4のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0286】
項目56 ダプトマイシンの固形製剤は、L-イソロイシン、L-バリンもしくはL-ロイシンから選択される少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前のダプトマイシン製剤は1%w/V以下の分岐脂肪族アミノを含む、項目1~4のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0287】
項目57 ダプトマイシンの固形製剤は、L-イソロイシン、L-バリンもしくはL-ロイシンから選択される少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前のダプトマイシン製剤は2.4%w/V以下の分岐脂肪族アミノを含む、項目1~4のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0288】
項目58 ダプトマイシンの固形製剤は、L-イソロイシン、L-バリンもしくはL-ロイシンから選択される少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前のダプトマイシン製剤は1%w/V以下の分岐脂肪族アミノを含み、乾燥前製剤のpHは4.5から7.0までである、項目1~4のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0289】
項目59 ダプトマイシンの固形製剤であって、L-イソロイシン、L-バリンもしくはL-ロイシンから選択される少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前のダプトマイシン製剤は1%w/V以下の分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前製剤のpHは4.5から7.0までであり、ダプトマイシンの固形製剤は180秒以下の再構成時間を有する、ダプトマイシンの固形製剤。
【0290】
項目60 ダプトマイシンの固形製剤であって、L-イソロイシン、L-バリンもしくはL-ロイシンから選択される少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前のダプトマイシン製剤は1%w/V以下の分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前製剤のpHは5.0から6.2までである、ダプトマイシンの固形製剤。
【0291】
項目61 ダプトマイシンの固形製剤であって、L-イソロイシン、L-バリンもしくはL-ロイシンから選択される少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前のダプトマイシン製剤は1%w/V以下の分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前製剤のpHは5.0から6.2までであり、ダプトマイシンの固形製剤は150秒以下の再構成時間を有する、ダプトマイシンの固形製剤。
【0292】
項目62 ダプトマイシンの固形製剤であって、L-イソロイシン、L-バリンもしくはL-ロイシンから選択される少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前のダプトマイシン製剤は1%w/V以下の分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前製剤のpHは5.4から6.2までであり、ダプトマイシンの固形製剤は120秒以下の再構成時間を有する、ダプトマイシンの固形製剤。
【0293】
項目63 ダプトマイシンの固形製剤であって、L-イソロイシンを含み、乾燥前のダプトマイシン製剤は1%w/V以下のL-イソロイシンを含み、乾燥前製剤のpHは5.4から6.2までであり、ダプトマイシンの固形製剤は120秒以下の再構成時間を有する、ダプトマイシンの固形製剤。
【0294】
項目64 ダプトマイシンの固形製剤であって、L-バリンを含み、乾燥前のダプトマイシン製剤は1%w/V以下のL-バリンを含み、乾燥前製剤のpHは5.4から6.2までであり、ここでダプトマイシンの固形製剤は120秒以下の再構成時間を有する、ダプトマイシンの固形製剤。
【0295】
項目65 ダプトマイシンの固形製剤であって、製剤は、乾燥前に2.4%w/V以下のL-バリンを含み、ダプトマイシンの固形製剤はキュビシン(登録商標)RLDの再構成時間と比較して60%から96%短縮された再構成時間として示される改善された再構成時間を有する、ダプトマイシンの固形製剤。
【0296】
項目66 ダプトマイシンの固形製剤であって、製剤は、乾燥前に2.4%w/V以下のL-バリンを含み、乾燥前製剤のpHは4.5から7.0までであり、ダプトマイシンの固形製剤はキュビシン(登録商標)RLDの再構成時間と比較して60%から96%短縮された再構成時間として示される改善された再構成時間を有する、ダプトマイシンの固形製剤。
【0297】
項目67 ダプトマイシンの固形製剤であって、製剤は、乾燥前に2.4%w/V以下のL-バリンを含み、乾燥前製剤のpHは5.0から6.2までであり、ダプトマイシンの固形製剤はキュビシン(登録商標)RLDの再構成時間と比較して82%から96%短縮された再構成時間として示される改善された再構成時間を有する、ダプトマイシンの固形製剤。
【0298】
項目68 ダプトマイシンの固形製剤であって、製剤は、乾燥前に2.4%w/V以下のL-イソロイシンを含み、ダプトマイシンの固形製剤はキュビシン(登録商標)RLDの再構成時間と比較して60%から96%短縮された再構成時間として示される改善された再構成時間を有する、ダプトマイシンの固形製剤。
【0299】
項目69 ダプトマイシンの固形製剤であって、製剤は、乾燥前に2.4%w/V以下のL-イソロイシンを含み、乾燥前製剤のpHは5.0から7.0までであり、ダプトマイシンの固形製剤はキュビシン(登録商標)RLDの再構成時間と比較して60%から96%短縮された再構成時間として示される改善された再構成時間を有する、ダプトマイシンの固形製剤。
【0300】
項目70 ダプトマイシンの固形製剤であって、製剤は、乾燥前に2.4%w/V以下のL-イソロイシンを含み、乾燥前製剤のpHは5.0から6.2までであり、ダプトマイシンの固形製剤はキュビシン(登録商標)RLDの再構成時間と比較して82%以上短縮された再構成時間として示される改善された再構成時間を有する、ダプトマイシンの固形製剤。
【0301】
項目71 ダプトマイシンの固形製剤であって、イソロイシン、アルギニン、ヒスチジンを含み、製剤は乾燥前に2.4%w/V以下のイソロイシンを含み、賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Ile:Arg:Hisは1:0.5:1:1から1:3:5:5までである、ダプトマイシンの固形製剤。
【0302】
項目71 ダプトマイシンの固形製剤であって、イソロイシン、アルギニン、ヒスチジンを含み、製剤は乾燥前に2.4%w/V以下のイソロイシンを含み、乾燥前製剤のpHは4.5から7.0までであり、賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Ile:Arg:Hisは1:0.5:1:1から1:3:5:5までである、ダプトマイシンの固形製剤。
【0303】
項目72 乾燥前製剤のpHは5.0から6.5までであり、製剤の再構成時間は120秒以下である、項目1~19のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
項目73 ダプトマイシンの固形製剤は、L-イソロイシン、L-バリンもしくはL-ロイシンから選択される少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前のダプトマイシン製剤は2.4%w/V以下の分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前製剤のpHは5.0から6.5までである、項目1~4のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0304】
項目74 ダプトマイシンの固形製剤は、L-イソロイシン、L-バリンもしくはL-ロイシンから選択される少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前のダプトマイシン製剤は2.4%w/V以下の分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前製剤のpHは5.0から6.5までであり、ダプトマイシンの固形製剤は150秒以下の再構成時間を有する、項目1~4のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0305】
項目75 ダプトマイシンの固形製剤であって、L-イソロイシン、L-バリンもしくはL-ロイシンから選択される少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前のダプトマイシン製剤は1%w/V以下の分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前製剤のpHは5.0から6.5までである、ダプトマイシンの固形製剤。
【0306】
項目76 ダプトマイシンの固形製剤であって、L-イソロイシン、L-バリンもしくはL-ロイシンから選択される少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前のダプトマイシン製剤は1%w/V以下の分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前製剤のpHは5.0から6.5までであり、ダプトマイシンの固形製剤は150秒以下の再構成時間を有する、ダプトマイシンの固形製剤。
【0307】
項目77 ダプトマイシンの固形製剤であって、製剤は、乾燥前に2.4%w/V以下のL-バリンを含み、乾燥前製剤のpHは5.0から6.5までであり、ダプトマイシンの固形製剤はキュビシン(登録商標)RLDの再構成時間と比較して82%から96%短縮された再構成時間として示される改善された再構成時間を有する、ダプトマイシンの固形製剤。
【0308】
項目78 ダプトマイシンの固形製剤であって、製剤は、乾燥前に2.4%w/V以下のL-イソロイシンを含み、乾燥前製剤のpHは5.0から6.5までであり、ダプトマイシンの固形製剤はキュビシン(登録商標)RLDの再構成時間と比較して82%以上短縮された再構成時間として示される改善された再構成時間を有する、ダプトマイシンの固形製剤。
【0309】
項目79 ダプトマイシンの固形製剤であって、イソロイシン、アルギニン、ヒスチジンを含み、製剤は乾燥前に2.4%w/V以下のイソロイシンを含み、乾燥前製剤のpHは5.0から6.5までであり、賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Ile:Arg:Hisは1:0.5:1:1から1:3:5:5までである、ダプトマイシンの固形製剤。
【0310】
項目80 乾燥前製剤のpHは5.8から6.5までであり、製剤の再構成時間は120秒以下である、項目1~19のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
項目81 ダプトマイシンの固形製剤は、L-イソロイシン、L-バリンもしくはL-ロイシンから選択される少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前のダプトマイシン製剤は2.4%w/V以下の分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前製剤のpHは5.8から6.5までである、項目1~4のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0311】
項目82 ダプトマイシンの固形製剤は、L-イソロイシン、L-バリンもしくはL-ロイシンから選択される少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前のダプトマイシン製剤は2.4%w/V以下の分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前製剤のpHは5.8から6.5までであり、ダプトマイシンの固形製剤は150秒以下の再構成時間を有する、項目1~4のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤。
【0312】
項目83 ダプトマイシンの固形製剤であって、L-イソロイシン、L-バリンもしくはL-ロイシンから選択される少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前のダプトマイシン製剤は1%w/V以下の分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前製剤のpHは5.8から6.5までである、ダプトマイシンの固形製剤。
【0313】
項目84 ダプトマイシンの固形製剤であって、L-イソロイシン、L-バリンもしくはL-ロイシンから選択される少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前のダプトマイシン製剤は1%w/V以下の分岐脂肪族アミノ酸を含み、乾燥前製剤のpHは5.8から6.5までであり、ダプトマイシンの固形製剤は150秒以下の再構成時間を有する、ダプトマイシンの固形製剤。
【0314】
項目85 ダプトマイシンの固形製剤であって、製剤は、乾燥前に2.4%w/V以下のL-バリンを含み、乾燥前製剤のpHは5.8から6.5までであり、ダプトマイシンの固形製剤はキュビシン(登録商標)RLDの再構成時間と比較して82%から96%短縮された再構成時間として示される改善された再構成時間を有する、ダプトマイシンの固形製剤。
【0315】
項目86 ダプトマイシンの固形製剤であって、製剤は、乾燥前に2.4%w/V以下のL-イソロイシンを含み、乾燥前製剤のpHは5.8から6.5までであり、ダプトマイシンの固形製剤はキュビシン(登録商標)RLDの再構成時間と比較して82%以上短縮された再構成時間として示される改善された再構成時間を有する、ダプトマイシンの固形製剤。
【0316】
項目87 ダプトマイシンの固形製剤であって、イソロイシン、アルギニン、ヒスチジンを含み、製剤は乾燥前に2.4%w/V以下のイソロイシンを含み、乾燥前製剤のpHは5.8から6.5までであり、ここで賦形剤に対するダプトマイシンのモル比Dapt:Ile:Arg:Hisは1:0.5:1:1から1:3:5:5までである、ダプトマイシンの固形製剤。
【0317】
項目89 上記項目のいずれか一項に記載のダプトマイシンの固形製剤の製造方法であって、前記方法は、ダプトマイシンおよび少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸の溶液を提供すること、そのような溶液のpHを適切なpH調整剤で4から9までのpHに調整すること、およびそのような組成物を凍結乾燥もしくは噴霧乾燥もしくは流動床乾燥することを含む、方法。
【0318】
項目90 ダプトマイシンの固形製剤を調製する際に少なくとも一つの分岐脂肪族アミノ酸を使用することにより、ダプトマイシンの固形製剤の再構成時間を改善する方法。
【国際調査報告】