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特表2023-516972二輪車ステアリング予警報システム、方法、装置及び該当する二輪車
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-21
(54)【発明の名称】二輪車ステアリング予警報システム、方法、装置及び該当する二輪車
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20230414BHJP
   A42B 3/30 20060101ALI20230414BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20230414BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20230414BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20230414BHJP
【FI】
G08G1/16 A
A42B3/30
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022552229
(86)(22)【出願日】2021-01-10
(85)【翻訳文提出日】2022-08-29
(86)【国際出願番号】 CN2021071002
(87)【国際公開番号】W WO2021169629
(87)【国際公開日】2021-09-02
(31)【優先権主張番号】202010127193.2
(32)【優先日】2020-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】522288164
【氏名又は名称】鯊湾科技(青島)有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHARKGULF TECHNOLOGY (QINGDAO) CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 8206-1-4 (A), 2F, Qiantongyuan Office Building, No. 44 Moscow Road, Qianwan Bonded Port Area, Qingdao Area, China (Shandong) Pilot Free Trade Zone Qingdao, Shandong 266000, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】柳 科
(72)【発明者】
【氏名】胡 輝
(72)【発明者】
【氏名】柳 詩堯
(72)【発明者】
【氏名】李 鵬
【テーマコード(参考)】
3B107
5H181
【Fターム(参考)】
3B107EA07
5H181AA05
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB13
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF13
5H181FF27
5H181FF33
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL07
5H181LL08
(57)【要約】
本発明は、二輪車ステアリング予警報システム、方法、装置及び該当する二輪車を開示し、二輪車は、表示装置を含み、システムは、両者がそれぞれ独立して運行が可能かつリアルタイムでデータのやり取りが可能な第一の制御系及び第二の制御系を含み、第一の制御系は、二輪車のステアリング状態をリアルタイムで監視し、ステアリング状態データを生成し、ステアリング状態データに基づいて予警報状態データを生成し、少なくとも一部のステアリング状態データと予警報状態データを第二の制御系にリアルタイムで伝送し、受信した命令に基づいて二輪車の運行を制御するためにも用いられ、第二の制御系は、第一の制御系により伝送されるステアリング状態データと、予警報状態データとを受信し、この予警報状態データに基づいて予警報情報を生成し、このステアリング状態データ及び/又は予警報情報に基づいて表示装置の表示を制御する。本発明は、二輪車ステアリング時に予警報を行うことにより、運転手に安全操作提示を正確に提供し、ユーザの走行安全を向上させ、ユーザ体験を向上させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置を含む二輪車に用いられる二輪車ステアリング予警報システムであって、両者がそれぞれ独立して運行が可能かつリアルタイムでデータのやり取りが可能な第一の制御系及び第二の制御系を含み、そのうち、
前記第一の制御系は、前記二輪車のステアリング状態をリアルタイムで監視し、ステアリング状態データを生成し、ステアリング状態データに基づいて予警報状態データを生成し、少なくとも一部のステアリング状態データと予警報状態データを前記第二の制御系にリアルタイムで伝送するために用いられ、この第一の制御系は、内部の予め設定される命令及び前記第二の制御系から受信した制御命令に基づいて二輪車関連部品の運行を制御するためにも用いられ、
前記第二の制御系は、前記第一の制御系により伝送されるステアリング状態データと、予警報状態データとを受信し、この予警報状態データに基づいて予警報情報を生成し、このステアリング状態データ及び/又は予警報情報に基づいて前記表示装置の表示を制御するために用いられる、ことを特徴とする二輪車ステアリング予警報システム。
【請求項2】
前記第二の制御系はさらに、前記ステアリング状態データ、予警報状態データ、予警報情報のうちの少なくとも一つをこの第二の制御系に接続されるモバイル端末及び/又はクラウドサービス側に送信する、ことを特徴とする請求項1に記載の二輪車ステアリング予警報システム。
【請求項3】
前記第一の制御系は、ターンシグナルスイッチに接続されており、前記第一の制御系は、前記二輪車に設けられたターンシグナルランプに接続されており、ユーザが前記ターンシグナルスイッチをオンにすると、前記第一の制御系は、前記ターンシグナルランプの点灯を制御する、ことを特徴とする請求項1に記載の二輪車ステアリング予警報システム。
【請求項4】
前記第二の制御系は、前記二輪車後方の画像情報を収集するための撮像装置を含み、前記第二の制御系は、前記画像情報を前記表示装置に送信する、ことを特徴とする請求項1に記載の二輪車ステアリング予警報システム。
【請求項5】
前記第一の制御系は、前記二輪車後方のレーダー波信号を収集するためのレーダーを含み、前記第一の制御系は、前記レーダー波信号に基づいて前記予警報情報を生成する、ことを特徴とする請求項1に記載の二輪車ステアリング予警報システム。
【請求項6】
前記予警報情報は、予警報レベルを含み、前記第二の制御系は、前記予警報レベルに基づいて前記表示装置の表示を制御する、ことを特徴とする請求項5に記載の二輪車ステアリング予警報システム。
【請求項7】
前記二輪車は、オーディオ再生装置をさらに含み、
前記第二の制御系は、さらに前記予警報レベルに基づいて異なる予警報オーディオを生成し、この予警報オーディオを前記オーディオ再生装置に送信する、ことを特徴とする請求項6に記載の二輪車ステアリング予警報システム。
【請求項8】
ヘルメットをさらに含み、前記第二の制御系は、前記予警報情報を、前記二輪車との接続を確立したヘルメットに送信するためにも用いられる、ことを特徴とする請求項7に記載の二輪車ステアリング予警報システム。
【請求項9】
前記ヘルメットは、表示ユニット、オーディオ再生ユニット及びランプ光ユニットのうちの少なくとも一つを含み、前記ヘルメットは、前記予警報情報に基づいて表示ユニット、オーディオ再生ユニット又はランプ光ユニットの作動を制御する、ことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記ランプ光ユニットは、複数のランプを含み、前記ランプは、少なくとも二種類の色を呈し、各色は、一つの予警報レベルに対応し、前記ヘルメットは、前記予警報レベルに基づいて前記ランプの作動を制御する、ことを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
二輪車に用いられる二輪車ステアリング予警報方法であって、
前記二輪車のステアリング状態をリアルタイムで監視し、ステアリング状態データを生成することと、
前記ステアリング状態データに基づいて予警報状態データを生成することと、
前記予警報状態データに基づいて予警報情報を生成し、前記ステアリング状態データ及び/又は予警報情報をユーザに展示することとを含む、ことを特徴とする二輪車ステアリング予警報方法。
【請求項12】
二輪車のステアリング状態をリアルタイムで監視し、ステアリング状態データを生成するためのステアリング状態監視モジュールと、
前記ステアリング状態データに基づいて予警報状態データを生成するための予警報状態決定モジュールと、
前記予警報状態データに基づいて予警報情報を生成するための予警報情報生成モジュールと、
前記ステアリング状態データ及び/又は予警報情報をユーザに展示するための展示モジュールとを含む、ことを特徴とする二輪車ステアリング予警報装置。
【請求項13】
車体と、ステアリング予警報システムとを含む二輪車であって、前記車体は、表示装置を含み、前記ステアリング予警報システムは、両者がそれぞれ独立して運行が可能かつリアルタイムでデータのやり取りが可能な第一の制御系及び第二の制御系を含み、そのうち、
前記第一の制御系は、前記二輪車のステアリング状態をリアルタイムで監視し、ステアリング状態データを生成し、ステアリング状態データに基づいて予警報状態データを生成し、少なくとも一部のステアリング状態データと予警報状態データを前記第二の制御系にリアルタイムで伝送するために用いられ、この第一の制御系は、内部の予め設定される命令及び前記第二の制御系から受信した制御命令に基づいて二輪車関連部品の運行を制御するためにも用いられ、
前記第二の制御系は、前記第一の制御系により伝送されるステアリング状態データと、予警報状態データとを受信し、この予警報状態データに基づいて予警報情報を生成し、このステアリング状態データ及び/又は予警報情報に基づいて前記表示装置の表示を制御するために用いられる、ことを特徴とする二輪車。
【請求項14】
ハウジングと、ハウジング内に設けられた通信装置とを含むヘルメットであって、
前記通信装置は、二輪車に接続され、二輪車により送信される予警報情報を受信し、前記予警報情報をユーザに展示するために用いられる、ことを特徴とするヘルメット。
【請求項15】
プロセッサと、コンピュータ実行可能なプログラムを記憶するためのメモリとを含む電子機器であって、
前記コンピュータ実行可能なプログラムが前記プロセッサによって実行される時、前記プロセッサは、請求項11に記載の方法を実行する、ことを特徴とする電子機器。
【請求項16】
一つ又は複数のプログラムを記憶するコンピュータ可読記憶媒体であって、前記一つ又は複数のプログラムがプロセッサによって実行される時、請求項11に記載の方法を実現する、ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転支援技術分野に関し、具体的には、二輪車ステアリング予警報システム、方法、装置及び該当する二輪車に関する。
【背景技術】
【0002】
技術の発展に伴い、人々の電動二輪車の使用は、ますます一般的になっており、電動二輪車は、徐々に比較的良い乗り物になってきているが、速度が比較的に速い乗り物として、安全は重要な課題となっており、したがって、人々は、ヘルメットを利用してサイクリストの安全を保護することを想到した。
【0003】
ユーザがヘルメットを装着すると、視野が狭くなり、ステアリング時に周囲の道路状況を短時間ではっきり見ることが困難であり、交通事故を起こしやすいため、この時、電動二輪車は、ユーザの安全なステアリングを確保するために、周囲道路状況に基づいて予警報情報をユーザにタイムリーに送信する必要がある。
【発明の概要】
【0004】
本出願は、ユーザがヘルメットを装着して二輪車を運転してステアリングを行う際に視野が狭くなる場合には、安全なステアリングを確保できない、という技術課題を解決するための二輪車ステアリング予警報システム、方法、装置及び該当する二輪車を提供する。
【0005】
本発明の第一の方面は、表示装置を含む二輪車に用いられる二輪車ステアリング予警報システムを提供し、このシステムは、両者がそれぞれ独立して運行が可能かつリアルタイムでデータのやり取りが可能な第一の制御系及び第二の制御系を含み、そのうち、
前記第一の制御系は、前記二輪車のステアリング状態をリアルタイムで監視し、ステアリング状態データを生成し、ステアリング状態データに基づいて予警報状態データを生成し、少なくとも一部のステアリング状態データと予警報状態データを前記第二の制御系にリアルタイムで伝送するために用いられ、この第一の制御系は、内部の予め設定される命令及び前記第二の制御系から受信した制御命令に基づいて二輪車関連部品の運行を制御するためにも用いられ、
前記第二の制御系は、前記第一の制御系により伝送されるステアリング状態データと、予警報状態データとを受信し、この予警報状態データに基づいて予警報情報を生成し、このステアリング状態データ及び/又は予警報情報に基づいて前記表示装置の表示を制御するために用いられる。
【0006】
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記第二の制御系はさらに、前記ステアリング状態データ、予警報状態データ、予警報情報のうちの少なくとも一つをこの第二の制御系に接続されるモバイル端末及び/又はクラウドサービス側に送信する。
【0007】
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記第一の制御系は、ターンシグナルスイッチに接続されており、前記第一の制御系は、前記二輪車に設けられたターンシグナルランプに接続されており、ユーザが前記ターンシグナルスイッチをオンにすると、前記第一の制御系は、前記ターンシグナルランプの点灯を制御する。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記第二の制御系は、前記二輪車後方の画像情報を収集するための撮像装置をさらに含み、
前記第二の制御系は、前記画像情報を前記表示装置に送信する。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記第一の制御系は、前記二輪車後方のレーダー波信号を収集するためのレーダーを含み、前記第一の制御系は、前記レーダー波信号に基づいて前記予警報情報を生成する。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記予警報情報は、予警報レベルを含み、前記第二の制御系は、前記予警報レベルに基づいて前記表示装置の表示を制御する。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記二輪車は、オーディオ再生装置をさらに含み、
前記第二の制御系は、さらに前記予警報レベルに基づいて異なる予警報オーディオを生成し、この予警報オーディオを前記オーディオ再生装置に送信する。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記予警報システムは、ヘルメットをさらに含み、前記第二の制御系は、前記予警報情報を、前記二輪車との接続を確立したヘルメットに送信するためにも用いられる。
【0013】
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記ヘルメットは、表示ユニット、オーディオ再生ユニット及びランプ光ユニットのうちの少なくとも一つを含み、前記ヘルメットは、前記予警報情報に基づいて表示ユニット、オーディオ再生ユニット又はランプ光ユニットの作動を制御する。
【0014】
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記ランプ光ユニットは、複数のランプを含み、前記ランプは、少なくとも二種類の色を呈し、各色は、一つの予警報レベルに対応し、前記ヘルメットは、前記予警報レベルに基づいて前記ランプの作動を制御する。
【0015】
本発明の第二の方面は、二輪車ステアリング予警報方法を提供し、この方法は、
前記二輪車のステアリング状態をリアルタイムで監視し、ステアリング状態データを生成することと、
前記ステアリング状態データに基づいて予警報状態データを生成することと、
前記予警報状態データに基づいて予警報情報を生成し、前記ステアリング状態データ及び/又は予警報情報をユーザに展示することとを含む。
【0016】
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記方法は、前記ステアリング状態データ、予警報状態データ、予警報情報のうちの少なくとも一つをモバイル端末及び/又はクラウドサービス側に送信することをさらに含む。
【0017】
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記二輪車のステアリング状態をリアルタイムで監視し、ステアリング状態データを生成した後、前記方法は、
ユーザが前記二輪車に設けられたターンシグナルスイッチをオンにすると、前記二輪車のステアリング状態をリアルタイムで監視し、ステアリング命令を生成することと、
前記ステアリング命令に基づいて前記二輪車に設けられたターンシグナルランプをオンにすることとをさらに含む。
【0018】
本発明の好ましい実施の形態によれば、上述した、前記ステアリング状態データに基づいて予警報状態データを生成することは、
前記二輪車後方設定範囲内の画像情報を収集することと、
前記二輪車後方のレーダー波信号を収集することとをさらに含む。
【0019】
本発明の好ましい実施の形態によれば、上述した、前記予警報状態データに基づいて予警報情報を生成し、前記ステアリング状態データ及び/又は予警報情報をユーザに展示することは、
前記画像情報とレーダー波信号に基づいて前記予警報情報を生成することであって、前記予警報情報は、予警報レベルを含むことと、
前記予警報情報及び予警報レベルをユーザに展示することとをさらに含む。
【0020】
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記方法は、前記予警報レベルに基づいて異なる予警報オーディオを生成することをさらに含む。
【0021】
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記方法は、前記予警報情報を、前記二輪車との接続を確立したヘルメットに送信することをさらに含む。
【0022】
本発明の好ましい実施の形態によれば、上述した、前記予警報情報及び予警報レベルをユーザに展示することは、
二輪車に設けられたディスプレイに文字予警報情報を表示することと、
ヘルメットエッジに設けられたランプの点滅を制御することと、
音声予警報情報を再生するように前記ヘルメットを制御することとをさらに含む。
【0023】
本発明の好ましい実施の形態によれば、上述した、前記ヘルメットエッジに設けられたランプの点滅を制御することは、
前記ランプを少なくとも二種類の色に設定し、各色は、一つの予警報レベルに対応し、前記予警報レベルに基づいて前記ランプの作動を制御することをさらに含む。
【0024】
本発明の好ましい実施の形態によれば、上述した、音声予警報情報を再生するように前記ヘルメットを制御することは、
現在の予警報レベルを決定した場合には、前記現在の予警報レベルに対応する音声予警報情報を再生するように前記ヘルメットを制御することをさらに含む。
【0025】
本発明の第三の方面は、二輪車ステアリング予警報装置を提供し、この装置は、
前記二輪車のステアリング状態をリアルタイムで監視し、ステアリング状態データを生成するためのステアリング状態監視モジュールと、
前記ステアリング状態データに基づいて予警報状態データを生成するための予警報状態決定モジュールと、
前記予警報状態データに基づいて予警報情報を生成するための予警報情報生成モジュールと、
前記ステアリング状態データ及び/又は予警報情報をユーザに展示するための展示モジュールとを含む。
【0026】
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記装置は、
前記ステアリング状態データ、予警報状態データ、予警報情報のうちの少なくとも一つをモバイル端末及び/又はクラウドサービス側に送信する情報送信モジュールをさらに含む。
【0027】
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記ステアリング状態監視モジュールは、
ユーザが前記二輪車に設けられたターンシグナルスイッチをオンにすると、前記二輪車のステアリング状態をリアルタイムで監視し、ステアリング命令を生成するとともに、前記ステアリング命令に基づいて前記二輪車に設けられたターンシグナルランプをオンにするための制御ユニットを含む。
【0028】
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記予警報状態決定モジュールは、
前記二輪車後方のレーダー波信号を収集するためのレーダーユニットと、
前記二輪車後方設定範囲内の画像情報を収集するための画像収集ユニットとをさらに含む。
【0029】
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記予警報情報生成モジュールは、前記画像情報とレーダー波信号に基づいて、予警報レベルを含む前記予警報情報を生成するためにも用いられる。
【0030】
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記予警報情報生成モジュールは、前記予警報レベルに基づいて異なる予警報オーディオを生成するためにも用いられる。
【0031】
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記情報送信モジュールは、前記予警報情報を、前記二輪車との接続を確立したヘルメットに送信するためにも用いられる。
【0032】
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記展示モジュールは、
二輪車に設けられたディスプレイに文字予警報情報を表示するための文字展示ユニットと、
ヘルメットエッジに設けられたランプの点滅を制御するためのランプ光展示ユニットと、
音声予警報情報を再生するように前記ヘルメットを制御するための音声再生ユニットとをさらに含む。
【0033】
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記ランプ光展示ユニットは、前記ランプを少なくとも二種類の色に設定し、各色は、一つの予警報レベルに対応し、前記予警報レベルに基づいて前記ランプの作動を制御するためにも用いられる。
【0034】
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記音声再生ユニットは、現在の予警報レベルを決定した場合には、前記現在の予警報レベルに対応する音声予警報情報を再生するように前記ヘルメットを制御するためにも用いられる。
【0035】
本発明の第四の方面は、車体と、ステアリング予警報システムとを含む二輪車を提供し、前記車体は、表示装置を含み、前記ステアリング予警報システムは、両者がそれぞれ独立して運行が可能かつリアルタイムでデータのやり取りが可能な第一の制御系及び第二の制御系を含み、そのうち、
前記第一の制御系は、前記二輪車のステアリング状態をリアルタイムで監視し、ステアリング状態データを生成し、ステアリング状態データに基づいて予警報状態データを生成し、少なくとも一部のステアリング状態データと予警報状態データを前記第二の制御系にリアルタイムで伝送するために用いられ、この第一の制御系は、内部の予め設定される命令及び前記第二の制御系から受信した制御命令に基づいて二輪車関連部品の運行を制御するためにも用いられ、
前記第二の制御系は、前記第一の制御系により伝送されるステアリング状態データと、予警報状態データとを受信し、この予警報状態データに基づいて予警報情報を生成し、このステアリング状態データ及び/又は予警報情報に基づいて前記表示装置の表示を制御するために用いられる。
【0036】
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記第二の制御系はさらに、前記ステアリング状態データ、予警報状態データ、予警報情報のうちの少なくとも一つをこの第二の制御系に接続されるモバイル端末及び/又はクラウドサービス側に送信する。
【0037】
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記第一の制御系は、ターンシグナルスイッチに接続されており、前記第一の制御系は、前記二輪車に設けられたターンシグナルランプに接続されており、ユーザが前記ターンシグナルスイッチをオンにすると、前記第一の制御系は、前記ターンシグナルランプの点灯を制御する。
【0038】
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記第二の制御系は、前記二輪車後方の画像情報を収集するための撮像装置をさらに含み、
前記第二の制御系は、前記画像情報を前記表示装置に送信する。
【0039】
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記第一の制御系は、前記二輪車後方のレーダー波信号を収集するためのレーダーを含み、前記第一の制御系は、前記レーダー波信号に基づいて前記予警報情報を生成する。
【0040】
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記予警報情報は、予警報レベルを含み、前記第二の制御系は、前記予警報レベルに基づいて前記表示装置の表示を制御する。
【0041】
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記二輪車は、オーディオ再生装置をさらに含み、
前記第二の制御系は、さらに前記予警報レベルに基づいて異なる予警報オーディオを生成し、この予警報オーディオを前記オーディオ再生装置に送信する。
【0042】
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記予警報システムは、ヘルメットをさらに含み、前記第二の制御系は、前記予警報情報を、前記二輪車との接続を確立したヘルメットに送信するためにも用いられる。
【0043】
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記ヘルメットは、表示ユニット、オーディオ再生ユニット及びランプ光ユニットのうちの少なくとも一つを含み、前記ヘルメットは、前記予警報情報に基づいて表示ユニット、オーディオ再生ユニット又はランプ光ユニットの作動を制御する。
【0044】
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記ランプ光ユニットは、複数のランプを含み、前記ランプは、少なくとも二種類の色を呈し、各色は、一つの予警報レベルに対応し、前記ヘルメットは、前記予警報レベルに基づいて前記ランプの作動を制御する。
【0045】
本発明の第五の方面は、ハウジングと、ハウジング内に設けられた通信装置とを含むヘルメットを提供し、前記通信装置は、二輪車に接続され、二輪車により送信される予警報情報を受信し、前記予警報情報をユーザに展示するために用いられる。
【0046】
本発明の第六の方面は、プロセッサと、メモリとを含む電子機器を提供し、前記メモリは、コンピュータ実行可能なプログラムを記憶するために用いられ、前記コンピュータ実行可能なプログラムが前記プロセッサによって実行される時、前記プロセッサは、上記の方法を実行する。
【0047】
本発明の第七の方面は、一つ又は複数のプログラムを記憶するコンピュータ可読記憶媒体を提供し、前記一つ又は複数のプログラムがプロセッサによって実行される時、上記の方法を実現する。
【0048】
本発明の技術案は、次の有益な効果を有する。
【0049】
本発明に記載の二輪車ステアリング予警報システムは、二輪車ステアリング時にステアリング検出を開始させ、ステアリング時の周囲の画像とレーダー信号を中央制御ディスプレイに伝送し、取得した画像とレーダー信号に基づいて対応する予警報情報を生成し、それによって運転手に安全操作を正確に提示することができ、運転手がステアリング時に付近に二輪車又は歩行者がいるか否かを明晰に認識させ、セキュリティリスクを解消し、交通事故の発生を防止することができる。ユーザの走行安全を向上させ、ユーザ体験を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
本発明が解決しようとする技術課題、採用技術手段及び取得した技術効果をより明確にするために、以下は、添付図面を結び付けながら、本発明の具体的な実施例を詳細に記述する。説明すべきこととして、以下に説明される図面は、本発明の例示的な実施例の図面にすぎず、当業者であれば、創造的な労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の実施例の図面を得ることができる。
図1】本発明の一実施例による二輪車ステアリング予警報システムアプリケーションシナリオの概略図である。
図2】本発明の一実施例による二輪車ステアリング予警報システムの全体アーキテクチャ図である。
図3】本発明の一実施例による二輪車ステアリング予警報システム構造のブロック図である。
図4】本発明の一実施例によるヘルメットモジュール構造のブロック図である。
図5】本発明の一実施例による二輪車ステアリング予警報方法のフローチャートである。
図6】本発明の一実施例による二輪車ステアリング予警報装置の概略図である。
図7】本発明の一実施例による電子機器の構造概略図である。
図8】本発明の一実施例によるコンピュータ可読記憶媒体の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
具体的な実施例についての紹介プロセスにおいて、構造、性能、効果又は他の特徴についての詳細記述は、当業者の実施例に対する理解を十分にするためである。しかし、当業者が特定の場合に、上記の構造、性能、効果又は他の特徴を含まない技術案で本発明を実施することができることは排除されない。
【0052】
添付図面におけるフローチャートは、例示的なフロー提示にすぎず、本発明の態様にはフローチャートにおけるすべての内容、操作とステップを含まなければならないことを表すものではなく、図に示された順序で実行されなければならないことを表すものでもない。例えば、フローチャートでは、分解可能である操作/ステップもあるし、統合又は部分統合可能である操作/ステップもある。本発明の趣旨から逸脱することなく、フローチャートに示される実行順序を実際の状況に応じて変更することができる。
【0053】
添付図面におけるブロック図は、一般的には、機能エンティティを表し、物理的に独立したエンティティに必ずしも対応しなければならない。即ち、これらの機能エンティティは、ソフトウェア形態により実現されてもよいし、又は一つ又は複数のハードウェアモジュール又は集積回路により実現されてもよいし、又は異なるネットワーク及び/又は処理ユニット装置及び/又はマイクロコントローラ装置により実現されてもよい。
【0054】
各添付図面に示される同一又は類似する素子、コンポーネント又は部分には同一の符号を付し、したがって、以下では、同一又は類似する素子、コンポーネント又は部分の重複した説明が省略されている場合がある。理解すべきこととして、本明細書では、様々なデバイス、素子、コンポーネント又は部分を第一、第二、第三などの番号を表す限定語で記述するが、これらのデバイス、素子、コンポーネント又は部分は、これらの限定語によって制限されるべきではない。つまり、これらの限定語は、一方と他方とを区別するためにのみ用いられる。例えば、第一のデバイスは、第二のデバイスとも呼ばれるが、本発明の実質的な技術案から逸脱することはない。なお、用語「及び/又は」、「および/または」は、列挙された項目のいずれか一つ又は複数の全ての組み合わせを指す。
【0055】
本発明は、二輪車ステアリング予警報システム、方法、装置及び該当する二輪車とヘルメットを提案し、全体としては、このシステムは、二輪車と、ユーザの頭部装着のヘルメットとの間で情報インタラクションを行うモバイル端末とを含み、二輪車は、任意の二輪車であってもよく、自転車、電動自転車、バイク、電動バイク、電動キックスケーターなどを含み、モバイル端末は、携帯電話、pad、スマートウォッチなどであってもよい。
【0056】
従来技術においてユーザがヘルメットを装着して二輪車を運転してステアリングを行う際に視野が狭くなる場合には、安全なステアリングを確保できない技術課題を解決するために、本発明の二輪車は、ステアリング予警報システムを採用し、前記二輪車のステアリング状態をリアルタイムで監視し、二輪車周囲の環境情報を収集し、ステアリングが安全か否かを確認し、該当する予警報情報をユーザに提供し、ユーザの走行安全を向上させ、ユーザ体験を向上させる。
【0057】
本発明の目的、技術案と利点をより明確にするために、以下は、具体的な実施例に関連して、添付図面を結び付けながら、本発明をさらに詳細に説明する。
【0058】
図1は、本発明の一実施例によるステアリング予警報システムアプリケーションシナリオの概略図である。
【0059】
図1に示すように、この例示的なアプリケーションシナリオでは、このステアリング予警報システムは、二輪車10の制御系内に設けられており、モバイル端末20と有線又は無線ネットワークを介してデータのやり取りを行うことができ、無線ネットワークは、ブルートゥース(登録商標)、移動ホットスポットなどであってもよい。また、二輪車10は、ステアリング予警報システムを介してスマートヘルメット30と通信接続を行う。なお、二輪車10とモバイル端末20は、いずれも移動通信ネットワークを介してクラウドサービス側80とデータのやり取りを行うことができる。ユーザは、二輪車10を直接操作することができるだけでなく、モバイル端末20を介して二輪車10に対して遠隔監視と制御を行い、様々なスマートアプリケーション機能を実現することもでき、なお、二輪車10には、タッチスクリーン(図1に図示せず)がさらに設けられており、ユーザは、ディスプレイ上で操作することで二輪車10を制御して該当する動作を実行する。
【0060】
図2は、本発明の一実施例による二輪車インテリジェント制御システムの全体アーキテクチャ図であり、図2に示すように、モバイル端末20は、前記クラウドサービス側80と情報インタラクションを行うこともでき、クラウドサービス側80は、モバイル端末20からの制御命令を前記第二の制御系11に送信することもできる。第二の制御系11は、モバイル端末20からの制御命令を受信し、遠隔制御方面のアプリケーション、例えば盗難防止のための遠隔ロックなどを実現するために、第一の制御系12で処理することを必要とする制御命令を第一の制御系12に転送することができる。
【0061】
また、第二の制御系11は、第一の制御系12からの、二輪車の様々な運行状態データを含む二輪車運行状態データをクラウドサービス側80に送信することもできる。説明すべきこととして、ここで言う運行状態は、二輪車の環境状態、全車状態及び各部品の状態を含み、そして、二輪車の走行時の状態を含むだけではなく、二輪車が、停止未起動、起動未走行などの様々なモードでの状態も含む。クラウドサービス側80は、前記状態データを定期的に検出し、この二輪車の運行状態が正常か否かを判断し、ユーザがサイクリング過程に危険が発生することを防止し、二輪車10が充電時に回路に問題が生じれば、火災が起こり易くなり、クラウドサービス側80が充電異常を監視すると、メッセージをモバイル端末20にタイムリーに送信することができ、ユーザが二輪車10のそばにいなくても、この状況を把握し、直ちに処理を行うことができる。
【0062】
ユーザが二輪車10を運転するには、ステアリングをしたい時に、映像システムをオンにし、周囲の走行環境を収集し、安全にステアリングできる距離範囲内にて他の二輪車又は歩行者が存在するか否かを判断し、セキュリティリスクがあれば、二輪車の特定予警報システムは、ユーザに予警報を発し、ステアリングタイミングを待つなどの操作をユーザに注意喚起し、ユーザが二輪車を安全に運転することを確保することができる。
【0063】
図2に示すように、二輪車端は、第一の制御系12と、第二の制御系11とを含み、二つの制御系は、デュアル独立制御系のアーキテクチャを構成する。制御系は、ECU(Electronic Control Unit)により実現されてもよく、ECUは、「走行用コンピュータ」とも呼ばれ、マイクロプロセッサ(CPU)、メモリ(ROM、RAM)、入力/出力インターフェース(I/O)、アナログデジタル変換器(A/D)及び整形、駆動などを含む大規模集積回路から構成されている。しかし、本発明は、他の形態の電子制御ユニットを排除するものではなく、一定のデータ記憶及び処理能力を備えていればよい。
【0064】
デュアル独立制御系アーキテクチャは、第一の制御系12と第二の制御系11がそれぞれ独立して運行することができることを指す。本発明で言う独立運行は、二者のそれぞれの基本作動モードの正常運行が他方の正常運行に依存しないことを指す。具体的には、一方では、第一の制御系12は、第二の制御系11が正常に作動しない場合、その基本的な車載機器制御も影響を受けず、ただし、第二の制御系11が正常に作動しない場合、第一の制御系12は、第二の制御系11から制御命令を取得できない可能性があり、二輪車運行状態データをリアルタイムで第二の制御系11に送信することもできなくなる。しかし、上記の取得できない制御命令や送信できない状態データは、第一の制御系12の二輪車に対する基本走行制御に影響を与えない。他方では、第二の制御系11が正常に作動しない場合、その基本的なネットワーク相互接続も影響を受けず、第二の制御系11は、第一の制御系12からリアルタイムの二輪車運行状態を取得できない可能性があり、外部の追加制御命令を第一の制御系12に送信することもできなくなる。
【0065】
二つの制御系がいずれも正常に作動する場合、両者は、リアルタイムのデータのやり取りを行うことができる。遠隔制御に基づくスマートアプリケーション方面の機能を実現するために、第一の制御系12と第二の制御系11は、データのやり取りを行う必要がある。第一の制御系12は、下位層制御系と呼ばれてもよく、その基本機能は、従来の二輪車制御機能を参照し、前記二輪車の運行状態をリアルタイムで監視し、二輪車の運行を制御するとともに、第二の制御系11の制御命令を受信してスマートアプリケーション方面の機能を実現することができる機能を含む。第二の制御系11は、最上層制御系と呼ばれてもよく、主にカーテレマティクスにアクセスしてデータのやり取りを行うために用いられるとともに、モータービークル端末とユーザとの間の直接情報インタラクション(表示機器を制御して二輪車の運行状態を表示すること、スマートヘルメットとの情報インタラクションを行うことなどを含む)を実現するために用いられる。
【0066】
具体的には、一方では、第一の制御系12は、前記二輪車のステアリング状態をリアルタイムで監視し、ここでのステアリング状態は、左折、右折、後退又は向き変えなどの操作を含み、ステアリング状態データに基づいて予警報状態データを生成し、少なくとも一部の二輪車のステアリング状態データと予警報状態データを第二の制御系11にリアルタイムで伝送する必要がある。同時に、この第一の制御系12は、内部所定命令及び前記第二の制御系11から受信した制御命令に基づいて二輪車関連部品の運行を制御することもできる。ここでの関連部品は、二輪車走行に関連するハードウェアデバイス、例えば電池システム、センサシステム、ランプ光システム及び電動機などであってもよい。他方では、第二の制御系11は、前記第一の制御系12により伝送されるステアリング状態データと、予警報状態データとを受信し、この予警報状態データに基づいて予警報情報を生成し、このステアリング状態データ及び/又は予警報情報に基づいて前記表示装置の表示を制御し、同時に、この第二の制御系11は、少なくとも一部のデータをクラウドサービス側又はヘルメット30に送信することができ、前記クラウドサービス側80からの制御命令を受信し、そのうちの二輪車運行を制御するための制御命令を前記第一の制御系12に転送することもできる。ヘルメット30は、受信したステアリング状態データ及び/又は予警報情報を音声及び/又は画像の形式でユーザに展示し、警報をユーザに出力する。
【0067】
ここでの予警報状態データは、二輪車のステアリング状態に基づいて決定されたものであり、例えば二輪車が交差点で左折する必要がある場合、ユーザがヘルメットを装着して視野が非常に狭いため、ステアリング時に右後方の走行環境を見ることができなくなる。この場合、予警報状態データは、二輪車右後方の対向車両の有無、対向車両の車速と距離値、衝突が発生するか否かなどのデータである。二輪車が右折すると、予警報状態データは、二輪車左後方の対向車両の有無、対向車両の車速と距離値、衝突が発生するか否かなどのデータである。二輪車が後退すると、予警報状態データは、二輪車後方の対向車両の有無、対向車両の車速と距離値、後退限界距離などのデータである。予警報情報は、後方の対向車両への注意、危険の有無などの情報をユーザに提示するために用いられ、ユーザに対して参考アドバイスを提供する。
【0068】
本発明の第一の制御系12と第二の制御系11との間、及び第二の制御系11とクラウドサービス側との間でやり取りが必要な具体的なデータ又は制御命令は、具体的な二輪車タイプ、アプリケーション機能、アプリケーション環境などに応じて異なる設計を行うことができるが、本発明を限定するものではない。
【0069】
図3は、本発明の一実施例による二輪車ステアリング予警報システム構造のブロック図である。
【0070】
具体的には、図3に示すように、二輪車10の第一の制御系12は、ターンシグナルスイッチ50に接続されており、ユーザが二輪車を運転してステアリングする直前に、一般的には、ターンシグナルランプ60を早期にオンにし、この過程では、ユーザは、ターンシグナルスイッチ50を実際にオンにし、ターンシグナルスイッチ50がオンにされると、第一の制御系12は、制御ターンシグナルランプ60の点灯を制御して後方の対向車両を注意喚起する。
【0071】
二輪車10の第二の制御系11は、撮像装置111を含み、撮像装置111は、主に前記二輪車後方の画像情報を収集するために用いられ、具体的には、撮像装置111は、ビデオカメラ又は定期的に撮影するカメラであってもよく、二輪車の外側で画像と動画をキャプチャする様々なカメラモジュールとして使用されている。例えば、撮像装置111は、二輪車後方に向けて設けられ、二輪車後方の所定距離内の画像と動画をキャプチャする。様々な実施の形態においては、撮像装置111の存在のため、バックミラーを省略してもよい。なお、好ましい実施例では、ユーザがヘルメットを装着することにより視野が比較的狭いため、二輪車の両側に撮像装置111、即ち左側ビデオカメラと右側ビデオカメラを設けてもよく、左側ビデオカメラは、両輪側の左側の所定距離内の画像と動画をキャプチャすることができ、そして、例えば左側バックミラーの下方に位置してもよい。様々な実施の形態においては、左側バックミラーを省略してもよく、そして左側ビデオカメラは、左側バックミラーが一般的に位置決めされた位置近傍に位置してもよい。右側ビデオカメラは、両輪側の右側の所定距離内の画像と動画をキャプチャすることができ、そして、例えば右側バックミラーの下方に位置してもよい。様々な実施の形態においては、右側バックミラーを省略してもよく、そして右側ビデオカメラは、右側バックミラーが一般的に位置決めされた位置近傍に位置してもよい。第二の制御系11は、撮像装置111が収集した画像と動画情報を表示装置40に送信して表示させ、表示装置40は、様々な実施の形態におけるタッチスクリーンディスプレイであってもよく、二輪車に設けられ、ユーザは、表示装置40を介して、撮像装置111が収集した二輪車後方の画像と動画情報を見て、収集した画像と動画情報に基づいて適切なステアリングタイミングを判断し、走行安全を向上させることができる。
【0072】
二輪車10の第一の制御系12は、レーダー121を含み、レーダー121は、ミリ波レーダー、超音波レーダーなどのうちの一つ又は複数であってもよく、前記二輪車後方のレーダー波信号を収集するために用いられ、二輪車は、一つ又は複数のレーダー121を含んでもよく、レーダー121は、所定画角内でレーダー信号を伝送するとともに、右所定画角内の物体で反射された信号に基づいて所定画角内の物体を識別する。例えば、ユーザは、サイクリング中は後側が一般的に死角領域であり、レーダー121は、レーダー信号を後側に伝送し、所定後側死角領域画角内の物体で反射された信号に基づいて所定後側死角領域画角内の物体(例えばサイクリスト、二輪車、歩行者など)を識別する。
【0073】
第一の制御系12のレーダー121がレーダー波信号を収集した後、レーダー121によって収集されたレーダー波信号に基づいて予警報状態データを生成し、例えば後方の静止物体からフィードバックされたレーダー波信号に基づいて自車の運行状態(直進、ステアリング、自車の車速又は停止)、後方に対向車両があるか否かを算出し、対向車両の設定時間内の移動変化に基づいて対向車両の車速、自車との距離、距離変化率などのデータを算出し、これらの予警報状態データを第二の制御系11に送信し、第二の制御系11は、受信した予警報状態データに基づいて予警報情報及び予警報情報の内容を生成するか否かを判断する。
【0074】
この時、複数の場合があり、例えば、レーダーが後方所定画角内に歩行者及び車両が存在しないことを検出した場合、即ち、危険が検出されず、又は危険が発生しない場合、第一の制御系12は、対応する予警報状態データを第二の制御系11に送信し、この時第二の制御系11は、予警報情報を生成することなく、第一の制御系12により送信される予警報状態データを可視化情報に変換して表示装置40に送信して表示させるだけであり、ユーザは、表示装置40に表示される画像と動画及び可視化予警報状態データを見て、後ろの対向車両の状況を把握すればよく、初級の判断をする。レーダーが危険を検出した場合、例えば歩行者又は車両が後方から接近し、後方車両の車速が60km/hであるのに対して、自車がステアリングエリアに到達する直前に速度が20km/hのみであり、このような状態のまま、数秒走行し続けると、車両距離が0となり、衝突を起こすおそれがあり、第一の制御系12は、レーダー121からフィードバックされたレーダー波信号に基づいて対応する予警報状態データを生成し、第二の制御系11に送信することができ、第二の制御系11は、受信した予警報状態データから危険を識別し、該当する予警報情報を生成し、オーディオ予警報、文字予警報、画像予警報などの方式によりユーザに通知することができる。
【0075】
好ましい実施の形態として、ユーザは、予警報レベルを予め設定してもよく、例えば現在の状況に応じて後方物体が何秒内に自車と衝突し、時間に基づいて異なる予警報レベルを設定してもよく、時間が短いほど、予警報レベルは高くなり、高中低の三種類に分けられ、第二の制御系11にスマート設定させてもよく、第二の制御系11は、クラウドサービス側80を介して履歴ユーザの最も推奨される設定をダウンロードして使用することができ、他のパラメータを介して予警報レベルを設定してもよく、ここでは限定されない。第二の制御系11は、予警報レベルを設定した後、第一の制御系12により送信される予警報状態情報を受信すると、予警報状態情報におけるパラメータと各予警報レベルに対応するパラメータとの比較を行い、そしてこの予警報状態情報がどの予警報レベル範囲内であるかを決定し、この予警報レベルに対応する予警報情報を異なる方法でユーザに通知する。
【0076】
例えば、予警報レベルが低であると決定された場合、第二の制御系11によって生成される予警報情報は、オーディオ再生装置70により「後方の対向車両/歩行者注意、***秒後に衝突発生」を音声再生し、表示装置40により音声再生の内容を表示し、ユーザがヘルメットを装着し、第二の制御系11が生成した予警報情報をヘルメットに送信すると、オーディオ再生装置70により再生される音声予警報情報は、ヘルメットにより再生されるとともに、ヘルメット内にてヘルメットのHUDにより危険信号を投射する方式で警報を行い、前方視線に影響を与えることなく、ヘルメットエッジに設けられたランプの点滅によって、後方に危険が存在することをユーザに注意喚起することもできるとともに、ランプ光点滅も後方車両に注意喚起することができる。
【0077】
予警報システムは、音声予警報情報、文字予警報情報、画像予警報情報などを含む各予警報レベルに対応する予警報情報を記憶する記憶装置をさらに含み、第二の制御系11が現在の予警報レベルを決定した場合には、対応する予警報情報を前記記憶装置から呼び出し、ヘルメットに展示又は送信する。
【0078】
図4は、本発明の一実施例によるヘルメットモジュール構造のブロック図である。
【0079】
本実施例におけるヘルメット30は、スマートヘルメットであってもよく、全体構造は、図1のスマートヘルメット30に示すように、ハウジングと、ハウジング内に設けられた予警報装置とを含む。図4に示すように、予警報装置は、主制御ユニット403、通信ユニット401、オーディオ再生ユニット402、表示ユニット404及びランプ光ユニット405を含み、そのうち、通信ユニット401は、二輪車10と通信接続を確立するために用いられ、クラウドサービス側80と通信接続を確立し、二輪車10により送信される予警報情報を受信して主制御ユニット403に伝送することもでき、主制御ユニット403は、予警報情報を受信した後、表示ユニット404を制御して予警報情報を表示させ、表示ユニット404は、HUDデバイスであってもよく、ヘルメット内のユーザ視線範囲内に画像又は動画予警報情報を投射することができ、主制御ユニット403は、オーディオ再生ユニット402を制御して音声予警報情報を再生させるとともに、ヘルメットエッジに設けられたランプ光ユニット405の作動を制御し、ランプ光ユニット405を点滅させ、予警報信号を発する。
【0080】
好ましい実施例では、ランプ光ユニット405は、複数のランプを含み、かつ、全てのランプは、少なくとも二種類の色に分けられ、各色は、一つの予警報レベルに対応し、ヘルメット30が二輪車10の第二の制御系11により送信される予警報情報を受信すると、主制御ユニット403は、送信された予警報情報レベルに基づいてランプ光ユニット405に対応する色のランプの点滅を制御し、例えば、予警報レベルが低である場合、緑色のランプの点滅を制御し、予警報レベルが中である場合、青色のランプの点滅を制御し、予警報レベルが高である場合、赤色のランプの点滅を制御する。なお、ランプ光の点滅頻度を設定してもよく、例えば、予警報レベルが低である場合、ランプ光点滅頻度が比較的低く、予警報レベルが中である場合、ランプ光点滅頻度が正常であり、予警報レベルが高である場合、ランプ光点滅頻度が高い。ユーザは、合理的な対応を行い、危険を迅速に効果的に解消し、走行安全を確保するように点滅の色又は点滅頻度に基づいて予警報レベルを迅速に判断し、危険程度を決定することができる。
【0081】
説明すべきこととして、この実施例に記述されたスマートヘルメットは、本発明の一例示的な実施の形態であり、二輪車と通信接続を確立し、情報の展示又は再生を有するヘルメットであれば、いずれも本発明に適用可能である。つまり、上記スマートヘルメットの各機能モジュールは、異なる目的に応じて増加又は削除されてもよい。
【0082】
二輪車とスマートヘルメットとのインタラクションにより、本発明のステアリング予警報システムの機能をより多様化及び利便化にし、ユーザのスマート、遠隔制御に対する感覚をさらに改善させ、ユーザ体験を向上させ、人々の生活品質を向上させる。
【0083】
図5は、本発明の一実施例による二輪車ステアリング予警報方法のフローチャートである。図5に示すように、前記方法は、S51~S53を含む。
【0084】
S51、前記二輪車のステアリング状態をリアルタイムで監視し、ステアリング状態データを生成する。
【0085】
具体的には、一方では、第一の制御系12は、前記二輪車のステアリング状態をリアルタイムで監視し、ここでのステアリング状態は、左折、右折、後退又は向き変えなどの操作を含み、少なくとも一部の二輪車のステアリング状態データを第二の制御系11にリアルタイムで伝送し、同時に、この第一の制御系12は、内部所定命令及び前記第二の制御系11から受信した制御命令に基づいて、二輪車関連部品の運行を制御することもできる。ここでの関連部品は、二輪車走行に関連するハードウェアデバイス、例えば電池システム、センサシステム、ランプ光システム及び電動機などであってもよい。他方では、第二の制御系11は、前記第一の制御系12により伝送されるステアリング状態データと、予警報状態データとを受信し、この予警報状態データに基づいて予警報情報を生成し、このステアリング状態データ及び/又は予警報情報に基づいて前記表示装置の表示を制御し、同時に、この第二の制御系11は、少なくとも一部のデータをクラウドサービス側又はヘルメット30に送信することができ、前記クラウドサービス側80からの制御命令を受信し、そのうちの二輪車運行を制御するための制御命令を前記第一の制御系12に転送することもできる。ヘルメット30は、受信したステアリング状態データ及び/又は予警報情報を音声及び/又は画像の形式でユーザに展示し、警報をユーザに出力することができる。
【0086】
S52、前記ステアリング状態データに基づいて予警報状態データを生成する。
【0087】
具体的には、二輪車10の第二の制御系11は、撮像装置111を含み、撮像装置111は、主に前記二輪車後方の画像情報を収集するために用いられ、具体的には、撮像装置111は、ビデオカメラ又は定期的に撮影するカメラであってもよく、二輪車の外側で画像と動画をキャプチャする様々なカメラモジュールとして使用されている。例えば、撮像装置111は、二輪車後方に向けて設けられ、二輪車後方の所定距離内の画像と動画をキャプチャする。様々な実施の形態においては、撮像装置111の存在のため、バックミラーを省略してもよい。なお、好ましい実施例では、ユーザがヘルメットを装着することにより視野が比較的狭いため、二輪車の両側に撮像装置111、即ち左側ビデオカメラと右側ビデオカメラを設けてもよく、左側ビデオカメラは、両輪側の左側の所定距離内の画像と動画をキャプチャすることができ、そして、例えば左側バックミラーの下方に位置してもよい。様々な実施の形態においては、左側バックミラーを省略してもよく、そして左側ビデオカメラは、左側バックミラーが一般的に位置決めされた位置近傍に位置してもよい。右側ビデオカメラは、両輪側の右側の所定距離内の画像と動画をキャプチャすることができ、そして、例えば右側バックミラーの下方に位置してもよい。様々な実施の形態においては、右側バックミラーを省略してもよく、そして右側ビデオカメラは、右側バックミラーが一般的に位置決めされた位置近傍に位置してもよい。第二の制御系11は、撮像装置111が収集した画像と動画情報を表示装置40に送信して表示させ、表示装置40は、二輪車に設けられた様々な実施の形態におけるタッチスクリーンディスプレイであってもよく、ユーザは、表示装置40を介して、撮像装置111が収集した二輪車後方の画像と動画情報を見て、収集した画像と動画情報に基づいて適切なステアリングタイミングを判断し、走行安全を向上させることができる。
【0088】
二輪車10の第一の制御系12は、レーダー121を含み、レーダー121は、ミリ波レーダー、超音波レーダーなどのうちの一つ又は複数であってもよく、前記二輪車後方のレーダー波信号を収集するために用いられ、二輪車は、一つ又は複数のレーダー121を含んでもよく、レーダー121は、所定画角内でレーダー信号を伝送するとともに、右所定画角内の物体で反射された信号に基づいて所定画角内の物体を識別する。例えば、ユーザは、サイクリング中は後側が一般的に死角領域であり、レーダー121は、レーダー信号を後側に伝送し、所定後側死角領域画角内の物体で反射された信号に基づいて所定後側死角領域画角内の物体(例えばサイクリスト、二輪車、歩行者など)を識別する。
【0089】
S53、前記予警報状態データに基づいて予警報情報を生成し、前記ステアリング状態データ及び/又は予警報情報をユーザに展示する。
【0090】
具体的には、第一の制御系12のレーダー121がレーダー波信号を収集した後、レーダー121によって収集されたレーダー波信号に基づいて予警報状態データを生成し、例えば後方の静止物体からフィードバックされたレーダー波信号に基づいて自車の運行状態(直進、ステアリング、自車の車速又は停止)、後方に対向車両があるか否かを算出し、対向車両の設定時間内の移動変化に基づいて対向車両の車速、自車との距離、距離変化率などのデータを算出し、これらの予警報状態データを第二の制御系11に送信し、第二の制御系11は、受信した予警報状態データに基づいて予警報情報及び予警報情報の内容を生成するか否かを判断する。
【0091】
この時、複数の場合があり、例えば、レーダーが後方所定画角内に歩行者及び車両が存在しないことを検出した場合、即ち、危険が検出されず、又は危険が発生しない場合、第一の制御系12は、対応する予警報状態データを第二の制御系11に送信し、この時第二の制御系11は、予警報情報を生成することなく、第一の制御系12により送信される予警報状態データを可視化情報に変換して表示装置40に送信して表示させるだけであり、ユーザは、表示装置40に表示される画像と動画及び可視化予警報状態データを見て、後ろの対向車両の状況を把握すればよく、初級の判断をする。レーダーが危険を検出した場合、例えば歩行者又は車両が後方から接近し、後方車両の車速が60km/hであるのに対して、自車がステアリングエリアに到達する直前に速度が20km/hのみであり、このような状態で数秒走行し続けると、車両距離が0となり、衝突を起こすおそれがあり、第一の制御系12は、レーダー121からフィードバックされたレーダー波信号に基づいて対応する予警報状態データを生成し、第二の制御系11に送信することができ、第二の制御系11は、受信した予警報状態データから危険を識別し、該当する予警報情報を生成し、オーディオ予警報、文字予警報、画像予警報などの方式によりユーザに通知することができる。
【0092】
好ましい実施の形態として、ユーザは、予警報レベルを予め設定してもよく、例えば現在の状況に応じて後方物体が何秒内に自車と衝突し、時間に基づいて異なる予警報レベルを設定してもよく、時間が短いほど、予警報レベルは高くなり、高中低の三種類に分けられ、第二の制御系11にスマート設定させてもよく、第二の制御系11は、クラウドサービス側80を介して履歴ユーザの最も推奨される設定をダウンロードして使用することができ、他のパラメータを介して予警報レベルを設定してもよく、ここでは限定されない。第二の制御系11は、予警報レベルを設定した後、第一の制御系12により送信される予警報状態情報が受信されると、予警報状態情報におけるパラメータと各予警報レベルに対応するパラメータとの比較を行い、そしてこの予警報状態情報がどの予警報レベル範囲内であるかを決定し、この予警報レベルに対応する予警報情報を異なる方法でユーザに通知する。
【0093】
例えば、予警報レベルが低であると決定された場合、第二の制御系11によって生成される予警報情報は、オーディオ再生装置70により「後方の対向車両/歩行者注意、***秒後に衝突発生」を音声再生し、表示装置40により音声再生の内容を表示し、予警報レベルが高であると決定された場合、第二の制御系11によって生成される予警報情報は、オーディオ再生装置70により「後方の対向車両/歩行者注意、もうすぐ衝突が発生しますので、緊急退避してください」を音声再生し、ユーザがヘルメットを装着し、第二の制御系11が生成した予警報情報をヘルメットに送信すると、オーディオ再生装置70により再生される音声予警報情報は、ヘルメットにより再生されるとともに、ヘルメット内にてヘルメットのHUDにより危険信号を投射する方式で警報を行い、前方視線に影響を与えることなく、ヘルメットエッジに設けられたランプの点滅によって、後方に危険が存在することをユーザに注意喚起することもできるとともに、ランプ光点滅も後方車両に注意喚起することができる。
【0094】
図6は、本発明の一実施例による二輪車ステアリング予警報装置の概略図である。
【0095】
図6に示すように、この装置600は、ステアリング状態監視モジュール601と、予警報状態決定モジュール602と、予警報情報生成モジュール603と、展示モジュール604とを含む。
【0096】
ステアリング状態監視モジュール601は、前記二輪車のステアリング状態をリアルタイムで監視し、ステアリング状態データを生成するために用いられる。具体的には、ステアリング状態監視モジュール601は、前記二輪車のステアリング状態をリアルタイムで監視し、ここでのステアリング状態は、左折、右折、後退又は向き変えなどの操作を含み、少なくとも一部の二輪車のステアリング状態データを予警報状態決定モジュール602にリアルタイムで伝送する。ステアリング状態監視モジュール601は、ユーザが前記二輪車に設けられたターンシグナルスイッチをオンにすると、前記二輪車のステアリング状態をリアルタイムで監視し、ステアリング命令を生成するとともに、前記ステアリング命令に基づいて前記二輪車に設けられたターンシグナルランプをオンにするための制御ユニットを含む。
【0097】
予警報状態決定モジュール602は、前記ステアリング状態データに基づいて予警報状態データを生成するために用いられる。
【0098】
具体的には、予警報状態決定モジュール602は、画像収集ユニットと、レーダーユニットとを含み、
画像収集ユニットは、前記二輪車後方設定範囲内の画像情報を収集するために用いられ、画像収集ユニットは、二輪車に設けられた撮像装置を制御して二輪車周囲の画像情報を収集させることができ、撮像装置は、ビデオカメラ又は定期的に撮影するカメラであってもよく、二輪車の外側で画像と動画をキャプチャする様々なカメラモジュールとして使用されている。例えば、撮像装置は、二輪車後方に向けて設けられ、二輪車後方の所定距離内の画像と動画をキャプチャする。様々な実施の形態においては、撮像装置の存在のため、バックミラーを省略してもよい。なお、好ましい実施例では、ユーザがヘルメットを装着することにより視野が比較的狭いため、二輪車の両側に撮像装置、即ち左側ビデオカメラと右側ビデオカメラを設けてもよく、左側ビデオカメラは、両輪側の左側の所定距離内の画像と動画をキャプチャすることができ、そして、例えば左側バックミラーの下方に位置してもよい。様々な実施の形態においては、左側バックミラーを省略してもよく、そして左側ビデオカメラは、左側バックミラーが一般的に位置決めされた位置近傍に位置してもよい。右側ビデオカメラは、両輪側の右側の所定距離内の画像と動画をキャプチャすることができ、そして、例えば右側バックミラーの下方に位置してもよい。様々な実施の形態においては、右側バックミラーを省略してもよく、そして右側ビデオカメラは、右側バックミラーが一般的に位置決めされた位置近傍に位置してもよい。ユーザは、撮像装置が収集した二輪車後方の画像と動画情報を見て、収集した画像と動画情報に基づいて適切なステアリングタイミングを判断し、走行安全を向上させる。
【0099】
レーダーユニットは、前記二輪車後方のレーダー波信号を収集するために用いられ、レーダーユニットは、二輪車に設けられた超音波レーダー又はミリ波レーダーを制御して二輪車後方のレーダー波信号を収集させることができ、二輪車は、一つ又は複数のレーダーを含んでもよく、レーダーは、所定画角内でレーダー信号を伝送するとともに、右所定画角内の物体で反射された信号に基づいて所定画角内の物体を識別する。例えば、ユーザは、サイクリング中は後側が一般的に死角領域であり、レーダーは、レーダー信号を後側に伝送し、所定後側死角領域画角内の物体で反射された信号に基づいて所定後側死角領域画角内の物体(例えばサイクリスト、二輪車、歩行者など)を識別する。
【0100】
レーダー波信号を収集した後、レーダーによって収集されたレーダー波信号に基づいて予警報状態データを生成し、例えば後方の静止物体からフィードバックされたレーダー波信号に基づいて自車の運行状態(直進、ステアリング、自車の車速又は停止)、後方に対向車両があるか否かを算出し、対向車両の設定時間内の移動変化に基づいて対向車両の車速、自車との距離、距離変化率などのデータを算出する。
【0101】
予警報情報生成モジュール603は、前記予警報状態データに基づいて予警報情報を生成するために用いられる。
【0102】
具体的には、予警報情報生成モジュール603は、予警報状態データに基づいて予警報情報及び予警報情報の内容を生成するか否かを判断する。この時、複数の場合があり、例えば、レーダーユニットが後方所定画角内に歩行者及び車両が存在しないことを検出した場合、即ち、危険が検出されず、又は危険が発生しない場合、予警報状態決定モジュール602は、対応する予警報状態データを予警報情報生成モジュール603に送信し、この時予警報情報生成モジュール603は、予警報情報を生成することなく、予警報状態決定モジュール602により送信される予警報状態データを可視化情報に変換して表示させるだけであり、ユーザは、表示される画像と動画及び可視化予警報状態データを見て、後ろの対向車両の状況を把握すればよく、初級の判断をする。レーダーユニットが危険を検出した場合、例えば歩行者又は車両が後方から接近し、後方車両の車速が60km/hであるのに対して、自車がステアリングエリアに到達する直前に速度が20km/hのみであり、このような状態で数秒走行し続けると、車両距離が0となり、衝突を起こすおそれがあり、予警報状態決定モジュール602は、レーダーユニットからフィードバックされたレーダー波信号に基づいて対応する予警報状態データを生成し、予警報情報生成モジュール603に送信することができ、予警報情報生成モジュール603は、受信した予警報状態データから危険を識別し、該当する予警報情報を生成し、オーディオ予警報、文字予警報、画像予警報などの方式によりユーザに通知することができる。
【0103】
好ましい実施の形態として、ユーザは、予警報レベルを予め設定してもよく、例えば現在の状況に応じて後方物体が何秒内に自車と衝突し、時間に基づいて異なる予警報レベルを設定してもよく、時間が短いほど、予警報レベルは高くなり、高中低の三種類に分けられ、予警報情報生成モジュール603にスマート設定させてもよく、予警報情報生成モジュール603は、クラウドサービス側を介して履歴ユーザの最も推奨される設定をダウンロードして使用することができ、他のパラメータを介して予警報レベルを設定してもよく、ここでは限定されない。予警報情報生成モジュール603は、予警報レベルを設定した後、予警報状態決定モジュール602により送信される予警報状態情報が受信されると、予警報状態情報におけるパラメータと各予警報レベルに対応するパラメータとの比較を行い、そしてこの予警報状態情報がどの予警報レベル範囲内であるかを決定し、この予警報レベルに対応する予警報情報を異なる方法でユーザに通知する。
【0104】
展示モジュール604は、前記ステアリング状態データ及び/又は予警報情報をユーザに展示するために用いられる。
【0105】
具体的には、例えば、予警報レベルが低であると決定された場合、予警報情報生成モジュール603によって生成される予警報情報は、音声再生ユニットにより「後方の対向車両/歩行者注意、***秒後に衝突発生」を音声再生し、予警報レベルが高であると決定された場合、予警報情報生成モジュール603によって生成される予警報情報は、音声再生ユニットにより「後方の対向車両/歩行者注意、もうすぐ衝突が発生しますので、緊急退避してください」を音声再生し、文字展示ユニットにより音声再生の内容を表示し、ユーザがヘルメットを装着し、予警報情報生成モジュール603が生成した予警報情報をヘルメットに送信すると、音声再生ユニットにより再生される音声予警報情報は、ヘルメットにより再生されるとともに、ヘルメット内にてヘルメットのHUDにより危険信号を投射する方式で警報を行い、前方視線に影響を与えることなく、ヘルメットエッジに設けられたランプ光展示ユニットの点滅によって、後方に危険が存在することをユーザに注意喚起することもできるとともに、ランプ光点滅も後方車両に注意喚起することができる。
【0106】
なお、本発明の一実施例は、車体と、上記実施例におけるステアリング予警報システムとを含む図1に示すような二輪車10をさらに開示し、前記車体は、表示装置、車輪、ハンドルなどを含み、前記ステアリング予警報システムは、両者がそれぞれ独立して運行が可能かつリアルタイムでデータのやり取りが可能な第一の制御系及び第二の制御系を含み、そのうち、
前記第一の制御系は、前記二輪車のステアリング状態をリアルタイムで監視し、ステアリング状態データを生成し、ステアリング状態データに基づいて予警報状態データを生成し、少なくとも一部のステアリング状態データと予警報状態データを前記第二の制御系にリアルタイムで伝送するために用いられ、この第一の制御系は、内部の予め設定される命令及び前記第二の制御系から受信した制御命令に基づいて二輪車関連部品の運行を制御するためにも用いられ、
前記第二の制御系は、前記第一の制御系により伝送されるステアリング状態データと、予警報状態データとを受信し、この予警報状態データに基づいて予警報情報を生成し、このステアリング状態データ及び/又は予警報情報に基づいて前記表示装置の表示を制御するために用いられる。
【0107】
図7は、本発明の一実施例による電子機器の構造概略図であり、この電子機器は、プロセッサと、メモリとを含み、前記メモリは、コンピュータ実行可能なプログラムを記憶するために用いられ、前記コンピュータ実行可能なプログラムが前記プロセッサによって実行される時、前記プロセッサは、ステアリング予警報方法を実行する。
【0108】
図7に示すように、電子機器は、汎用コンピュータデバイスの形式で具現化されている。そのうちのプロセッサは、一つであってもよく、複数でありかつ協動してもよい。本発明は、分散処理を行うことを排除するものではなく、即ち、プロセッサは、異なるエンティティデバイスに分散されてもよい。本発明の電子機器は、単一エンティティに限定されるものではなく、複数のエンティティデバイスの合計であってもよい。
【0109】
前記メモリには、コンピュータ実行可能なプログラムが記憶されており、一般的に機械が読み取り可能なコードである。前記コンピュータが読み取り可能なプログラムは、電子機器が本発明の方法、又は方法における少なくとも一部のステップを実行できるように前記プロセッサにより実行させることができる。
【0110】
前記メモリは、揮発性メモリ、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)及び/又はキャッシュメモリを含み、不揮発性メモリ、例えば読み取り専用メモリ(ROM)であってもよい。
【0111】
選択的に、この実施例では、電子機器は、電子機器と外部の機器とのデータのやり取りを行うためのI/Oインターフェースをさらに含む。I/Oインターフェースは、複数種類のバスを表す構造のうちの一つ又は複数であってもよく、メモリバス又はメモリコントローラ、周辺バス、アクセラレーテッドグラフィックスポート、処理ユニット又は複数のバス構造における任意のバス構造を使用するローカルバスを含む。
【0112】
なお、図7に示す電子機器は、本発明の一例にすぎず、本発明の電子機器には、上記例に図示しない素子又はコンポーネントをさらに含んでもよい。例えば、一部の電子機器には、ディスプレイなどの表示ユニットをさらに含み、一部の電子機器には、ヒューマンコンピュータインタラクション素子、例えばボタン、キーボードなどをさらに含む。この電子機器が本発明方法又は方法の少なくとも一部のステップを実現するためにメモリにおけるコンピュータが読み取り可能なプログラムを実行することができる限り、いずれも本発明がカバーする電子機器であると考えられることができる。
【0113】
上記の実施の形態についての記述によって、当業者は、本発明が特定のコンピュータプログラムを実行可能なハードウェア、例えば、本発明のシステム、及びシステムに含まれる電子処理ユニット、サーバ、クライアント、携帯電話、制御ユニット、プロセッサなどによって実現されてもよく、本発明も上記システム又は部品の少なくとも一部を含む二輪車によって実現されてもよいことを容易に理解できる。本発明は、本発明の方法を実行するコンピュータソフトウェア、例えばモータービークル端末のマイクロプロセッサ、電子制御ユニット、クライアント、サーバ側などによって実行される制御ソフトウェアなどによって実現されてもよいが、説明すべきこととして、本発明の方法を実行するコンピュータソフトウェアは、1つ又は特定のハードウェアエンティティによって実行されることに限定されるものではなく、不特定の具体的なハードウェアによって、分散型の方式で実現されてもよく、例えば、コンピュータプログラムによって実行されるなんらかの方法ステップは、モータービークル端末にて実行されてもよく、別の部分は、モバイル端末又はスマートヘルメットなどにて実行されてもよい。コンピュータソフトウェアに対して、ソフトウェア製品は、電子機器に本発明による方法を実行させることができる限り、一つのコンピュータ可読記憶媒体(CD-ROM、Uディスク、リムーバブルハードディスクなどであってもよい)に記憶されてもよく、ネットワーク上に分散記憶されてもよい。
【0114】
図8は、本発明の一実施例によるコンピュータ可読記憶媒体の概略図である。図8に示すように、コンピュータ可読記憶媒体には、コンピュータ実行可能なプログラムが記憶されており、前記コンピュータ実行可能なプログラムが実行される時、本発明の上記のステアリング予警報方法を実現する。前記コンピュータ可読記憶媒体は、ベースバンドで伝播されるか、又はキャリアの一部として伝播されるデータ信号を含んでもよく、その中には、可読プログラムコードが載せられている。このような伝播されるデータ信号は、複数の形式を採用してもよく、電磁信号、光信号、又は上記の任意の適切な組み合わせを含むが、それらに限らない。可読記憶媒体は、可読記憶媒体以外の任意の可読媒体であってもよく、この可読媒体は、命令実行システム、装置又はデバイスによって使用されるか、又はそれと組み合わせて使用されるためのプログラムを送信、伝播、又は伝送することができる。可読記憶媒体に含まれるプログラムコードは、任意の適切な媒体で伝送されてもよく、無線、有線、光ケーブル、RFなど、又は上記の任意の適切な組み合わせを含むが、それらに限らない。
【0115】
本発明の操作を実行するためのプログラムコードは、一つ又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで編集してもよく、前記プログラミング言語は、オブジェクト指向プログラミング言語、例えば、Java、C++などを含み、従来のプログラムプログラミング言語、例えば「C」言語又は類似するプログラミング言語をさらに含む。プログラムコードは、ユーザコンピューティングデバイス上で完全に実行されるか、ユーザ機器上で部分的に実行されるか、一つの独立したソフトウェアパッケージとして実行されるか、一部がユーザコンピューティングデバイス上で、一部が遠隔コンピューティングデバイス上で実行されるか、又は遠隔コンピューティングデバイス又はサーバ上で完全に実行されてもよい。遠隔コンピューティングデバイスに関する場合、遠隔コンピューティングデバイスは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又は広域ネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを介して、ユーザコンピューティングデバイスに接続されるか、又は外部コンピューティングデバイスに接続されてもよい(例えば、インターネットサービスプロバイダを利用してインターネットを介して接続する)。
【0116】
上述した具体的な実施例は、本発明の目的、技術案と有益な効果をさらに詳細に説明したが、理解すべきこととして、以上の実施例は、本発明の具体的な実施例にすぎず、本発明はこれに限定するものではなく、本発明の精神及び原則の範囲内で行われたいかなる修正、均等物、改良などは、いずれも本発明の保護範囲に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】