(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-21
(54)【発明の名称】発光ダイオードの制御点灯のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
H05B 45/30 20200101AFI20230414BHJP
H05B 47/19 20200101ALI20230414BHJP
A61F 9/007 20060101ALI20230414BHJP
A61B 90/90 20160101ALI20230414BHJP
【FI】
H05B45/30
H05B47/19
A61F9/007 200Z
A61B90/90
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022554222
(86)(22)【出願日】2021-03-05
(85)【翻訳文提出日】2022-10-07
(86)【国際出願番号】 IB2021051850
(87)【国際公開番号】W WO2021181229
(87)【国際公開日】2021-09-16
(32)【優先日】2020-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100227835
【氏名又は名称】小川 剛孝
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ジャング
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン エル.リー
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273AA08
3K273BA20
3K273BA25
3K273BA35
3K273CA02
3K273CA13
3K273FA07
3K273FA14
3K273FA41
3K273GA17
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3K273GA28
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3K273QA17
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3K273QA36
3K273TA08
3K273TA15
3K273TA28
3K273TA52
3K273TA54
3K273UA06
3K273UA22
(57)【要約】
LEDの制御点灯のためのシステム及び方法が開示される。例示的なシステムが、複数のLEDと、LEDコントローラと、LEDコントローラからの入力バイアスレベル信号を受信するように適合された電流バッファであって、一緒に制御されるLEDのセットが、電流バッファを備えた回路に互いに並列に接続される、電流バッファと、複数のLEDと電流バッファとを備えた回路に接続された少なくとも1つの電流制限抵抗とを備える。本システム及び方法は、パルス幅変調を使用せずに発光ダイオードの点灯を制御するために、入力バイアスレベル信号に基づいて回路に一定電圧を印加することによってLEDの点灯を制御するように適合される。これにより、パルス幅変調に起因するRFIDコンポーネントによるクロストーク干渉が回避される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼科手術システムのための機器識別システムであって、前記機器識別システムが、
無線自動識別アンテナと、
複数の発光ダイオードと、
発光ダイオードコントローラと、
前記発光ダイオードコントローラに接続され、前記発光ダイオードコントローラからの入力バイアスレベル信号を受信するように適合された電流バッファであって、前記複数の発光ダイオードが、前記電流バッファを備えた回路に互いに並列に接続される、電流バッファと、
前記複数の発光ダイオードと前記電流バッファとを備えた前記回路に接続された少なくとも1つの電流制限抵抗と
を備え、
前記システムが、パルス幅変調を使用せずに前記発光ダイオードの点灯を制御するために、前記入力バイアスレベル信号に基づいて前記回路に一定電圧を印加することによって前記発光ダイオードの前記点灯を制御するように適合される、
機器識別システム。
【請求項2】
前記複数の発光ダイオードにおける前記発光ダイオードが環状に配置される、請求項1に記載の眼科手術システムのための機器識別システム。
【請求項3】
前記無線自動識別アンテナが円形である、請求項1に記載の眼科手術システムのための機器識別システム。
【請求項4】
前記複数の発光ダイオードにおける前記発光ダイオードが、前記無線自動識別アンテナの周囲に環状に配置される、請求項1に記載の眼科手術システムのための機器識別システム。
【請求項5】
前記発光ダイオードコントローラがデジタル-アナログ変換器を備える、請求項1に記載の眼科手術システムのための機器識別システム。
【請求項6】
回路に互いに並列に接続された前記複数の発光ダイオードが、第1の回路に接続された第1の複数の発光ダイオードであり、
前記システムが、第2の回路に互いに並列に接続された第2の複数の発光ダイオードを更に備える、
請求項1に記載の眼科手術システムのための機器識別システム。
【請求項7】
第3の回路に互いに並列に接続された第3の複数の発光ダイオードを更に備える、請求項6に記載の眼科手術システムのための機器識別システム。
【請求項8】
前記第1の複数の発光ダイオードが第1の色を発光し、前記第2の複数の発光ダイオードが第2の色を発光し、前記第3の複数の発光ダイオードが第3の色を発光する、請求項7に記載の眼科手術システムのための機器識別システム。
【請求項9】
前記第1の色が赤色であり、前記第2の色が緑色であり、前記第3の色が青色である、請求項8に記載の眼科手術システムのための機器識別システム。
【請求項10】
前記少なくとも1つの電流制限抵抗が複数の電流制限抵抗を含み、各発光ダイオードが、その発光ダイオードと直列に接続され、且つ同じ回路における残りの発光ダイオードと並列に接続された少なくとも1つの専用電流制限抵抗を有する、請求項1に記載の眼科手術システムのための機器識別システム。
【請求項11】
前記少なくとも1つの電流制限抵抗が、前記複数の発光ダイオードにおけるすべての前記発光ダイオードと直列に接続された少なくとも1つの電流制限抵抗を含む、請求項1に記載の眼科手術システムのための機器識別システム。
【請求項12】
発光ダイオードの制御点灯のためのシステムであって、前記システムが、
複数の発光ダイオードと、
発光ダイオードコントローラと、
前記発光ダイオードコントローラに接続され、前記発光ダイオードコントローラからの入力バイアスレベル信号を受信するように適合された電流バッファであって、前記複数の発光ダイオードにおける前記発光ダイオードが、前記電流バッファを備えた回路に互いに並列に接続される、電流バッファと、
前記複数の発光ダイオードと前記電流バッファとを備えた前記回路に接続された少なくとも1つの電流制限抵抗と
を備え、
前記システムが、パルス幅変調を使用せずに前記発光ダイオードの点灯を制御するために、前記入力バイアスレベル信号に基づいて前記回路に一定電圧を印加することによって前記発光ダイオードの前記点灯を制御するように適合される、
システム。
【請求項13】
前記複数の発光ダイオードにおける前記発光ダイオードが環状に配置される、請求項12に記載の発光ダイオードの制御点灯のためのシステム。
【請求項14】
前記発光ダイオードコントローラがデジタル-アナログ変換器を備える、請求項12に記載の発光ダイオードの制御点灯のためのシステム。
【請求項15】
回路に互いに並列に接続された前記複数の発光ダイオードが、第1の回路に接続された第1の複数の発光ダイオードであり、
前記システムが、第2の回路に互いに並列に接続された第2の複数の発光ダイオードを更に備える、
請求項12に記載の発光ダイオードの制御点灯のためのシステム。
【請求項16】
第3の回路に互いに並列に接続された第3の複数の発光ダイオードを更に備える、請求項15に記載の発光ダイオードの制御点灯のためのシステム。
【請求項17】
前記第1の複数の発光ダイオードが第1の色を発光し、前記第2の複数の発光ダイオードが第2の色を発光し、前記第3の複数の発光ダイオードが第3の色を発光する、請求項16に記載の発光ダイオードの制御点灯のためのシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの電流制限抵抗が複数の電流制限抵抗を含み、各発光ダイオードが、その発光ダイオードと直列に接続され、且つ同じ回路における残りの発光ダイオードと並列に接続された少なくとも1つの専用電流制限抵抗を有する、請求項1に記載の発光ダイオードの制御点灯のためのシステム。
【請求項19】
前記少なくとも1つの電流制限抵抗が、前記複数の発光ダイオードにおけるすべての前記発光ダイオードと直列に接続された少なくとも1つの電流制限抵抗を含む、請求項1に記載の発光ダイオードの制御点灯のためのシステム。
【請求項20】
発光ダイオードの制御点灯のための方法であって、前記方法が、
発光ダイオードコントローラから電流バッファに入力バイアスレベル信号を送信することと、
前記入力バイアスレベル信号に基づいて、複数の発光ダイオードを備える回路に一定電圧を印加することであって、前記回路における前記発光ダイオードが互いに並列に接続される、ことと
を含む、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光ダイオード(light-emitting diode、LED)の制御点灯のためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な用途のためにLEDの点灯を制御する様々な仕方が実施されている。例えば、直列制御では、いくつかのLEDが直列に接続され、単一のLEDドライバによって駆動される。セットアップは簡単であるが、高電圧が必要な場合があり、アレイ中のLEDが1つ故障するとセット全体が故障する。
【0003】
別の例では、個々のチャネルがマルチチャネルLEDドライバを使用することにより、個々のLEDが別々に制御される。この構成により個別制御が可能となるが、別々のチャネルへの制御信号は時間遅延を有する場合があり、このことは、同時に点灯させることを意図した異なるLEDの点灯に時間遅延をもたらし得る。
【0004】
LEDの点灯は、例えば眼科手術システムにおいて使用されている。機器ポートのステータスを示すためにLEDの点灯が使用されて、例えば、接続される機器が機器ポートを利用可能か否か、機器が機器ポートに適切に接続されているか否か、適切に接続された機器が使用のために利用可能か否かなどを示してきた。機器識別及び関連する点灯のための例示的なシステムが、米国特許第7,443,296号明細書及び米国特許第7,551,077号明細書に説明及び図示されており、同米国特許明細書の開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。このようなシステムは、機器においてRFIDタグを使用し、機器ポートにおいて無線自動識別(radio frequency identification、RFID)アンテナを使用することがある。接続ステータスは、RFIDタグから判定されて、LEDで指示され得る。
【0005】
いくつかの従来のシステムでは、LEDは、パルス幅変調を使用して制御される。しかしながら、パルス幅変調は、LED駆動回路と、LED駆動回路に近接したRFIDアンテナとの間でクロストーク干渉を引き起こし得る。RFIDコンポーネントがLED回路の近くに配置されるため、パルス幅変調信号の高次高調波がRFID信号に影響を与え得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、改善されたLEDの制御点灯のためのシステム及び方法が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、改善されたLEDの制御点灯のためのシステム及び方法に関する。
【0008】
いくつかの例示的な実施形態では、眼科手術システムのための機器識別システムが、RFIDアンテナと、複数のLEDと、発光ダイオードコントローラと、発光ダイオードコントローラに接続され、発光ダイオードコントローラからの入力バイアスレベル信号を受信するように適合された電流バッファであって、複数のLEDにおけるLEDが、電流バッファを備えた回路に互いに並列に接続される、電流バッファと、複数のLEDと電流バッファとを備えた回路に接続された少なくとも1つの電流制限抵抗とを備え、本システムが、パルス幅変調を使用せずに発光ダイオードの点灯を制御するために、入力バイアスレベル信号に基づいて回路に一定電圧を印加することによってLEDの点灯を制御するように適合される。
【0009】
いくつかの例示的な実施形態では、複数のLEDにおけるLEDが環状に配置されてもよい。RFIDアンテナは円形であってもよい。複数のLEDにおけるLEDは、RFIDアンテナの周囲に環状に配置されてもよい。発光ダイオードコントローラは、デジタル-アナログ変換器を備えてもよい。
【0010】
いくつかの例示的な実施形態では、本システムは、LEDの複数の回路を備え、回路にLEDが互いに並列に接続される。システムが、LEDの1つ、2つ、3つ、又はそれ以上のこのような回路を備えてもよい。一例では、第1の回路における第1の複数のLEDが第1の色を発光してもよく、第2の回路における第2の複数のLEDが第2の色を発光してもよく、第3の回路における第3の複数のLEDが第3の色を発光してもよい。例えば、第1の色、第2の色、及び第3の色は、それぞれ、赤色、緑色、及び青色であってもよい。
【0011】
いくつかの例示的な実施形態では、各発光ダイオードが、その発光ダイオードと直列に接続され、且つ同じ回路における残りのLEDと並列に接続された少なくとも1つの専用電流制限抵抗を有する。いくつかの例示的な実施形態では、少なくとも1つの電流制限抵抗が、同じ回路におけるすべてのLEDと直列に接続される。
【0012】
いくつかの例示的な実施形態では、LEDの制御点灯のためのシステムが、複数のLEDと、発光ダイオードコントローラと、発光ダイオードコントローラに接続され、発光ダイオードコントローラからの入力バイアスレベル信号を受信するように適合された電流バッファであって、複数のLEDにおけるLEDが、電流バッファを備えた回路に互いに並列に接続される、電流バッファと、複数のLEDと電流バッファとを備えた回路に接続された少なくとも1つの電流制限抵抗とを備え、本システムが、パルス幅変調を使用せずにLEDの点灯を制御するように適合される。
【0013】
いくつかの例示的な実施形態では、LEDの制御点灯のための方法が、発光ダイオードコントローラから電流バッファに入力バイアスレベル信号を送信することと、入力バイアスレベル信号に基づいて、複数のLEDを備える回路に一定のバイアス電圧レベルを供給することであって、回路におけるLEDが互いに並列に接続される、こととを含む。
【0014】
上記の例及び他の例は、本開示を読めば、当業者には理解されるはずである。
【0015】
添付の図面は、本明細書に開示されるシステム及び方法の複数の例を示し、以下の詳細な説明と併せて、本開示の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本開示による例示的なシステムのコンポーネントを示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本開示による例示的なシステムのコンポーネントを示す概略図である。
【
図3】
図3は、本開示による別の例示的なシステムのコンポーネントを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の詳細な説明を参照することにより、添付の図面がよりよく理解され得る。
【0018】
本開示の原理を説明することを目的として、図面を参照し、特定の文言を用いて、それらを説明する。それにもかかわらず、ある特定の実施例を参照することにより、本開示の適用範囲の限定を意図するものではないことを理解されたい。説明する例示的なシステム、装置、機器、及び方法に対する任意の代替例及び更なる修正例並びに本開示の原理の任意の更なる応用は、本開示に関連する当業者であれば通常想起されるものと十分に考えられる。特に、本開示の一実施例に関して説明する特徴、コンポーネント、及び/又はステップは、本開示の他の実施例に関して説明する特徴、コンポーネント、及び/又はステップと組み合わされてもよく、当業者にとって通常想起されるものとして修正及び/又は置き換えられてもよい。簡略化するために、場合によっては、同じ又は同様の部品を参照するために、同じ参照番号が図面全体を通じて使用されることがある。
【0019】
図1は、本開示による例示的なシステムのコンポーネントを示すブロック図である。システムは、例えば、白内障手術及び/又は網膜手術などの眼科手術に使用され得る眼科手術システムのための機器識別システムとして実装されてもよい。本明細書中に説明する差異を除いて、眼科手術システムは、米国特許第9,931,447号明細書(同米国特許明細書の開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる)に示され説明される眼科手術システムに類似していてもよく、及び/又はAlcon Laboratories,Inc.(Fort Worth,Texas)から入手可能なCENTURION(登録商標)Vision System若しくはAlcon Laboratories,Inc.(Fort Worth,Texas)から入手可能なCONSTELLATION(登録商標)Vision System、又は本明細書中に説明する原理と共に用いるのに適当な任意の他の眼科手術システムなどの公知であり、用いられている眼科手術システムに類似していてもよい。
【0020】
眼科手術システムは、コンピュータシステム及び1つ又は複数の眼科手術機能のためのコンポーネントを収容する眼科手術コンソールと、表示画面と、フットスイッチなどの1つ又は複数の外部制御装置と、眼科手術コンソールに接続され得る複数の機器とを備えてもよい。眼科手術コンソールは、フルイディクスカセットが設置され得るフルイディクスカセットドックを有してもよい。
【0021】
眼科手術コンソールに接続され得る機器は、眼科手術に役立つ様々な機能のいずれかのためのものであってもよい。例えば、そのような機器は、1つ又は複数の超音波水晶体乳化機器(例えば、白内障水晶体を除去するための機器)、ジアテルミ機器、硝子体茎切除機器、レーザ治療機器、照明機器、カッタ、鉗子、ハサミ、又は眼科手術における使用に適した任意の他のタイプの機器を含んでもよい。
【0022】
眼科手術コンソールは、機器が接続され得る1つ又は複数の機器ポートを有してもよい。各機器ポートは、特定のタイプの機器のために構成されてもよい。
【0023】
眼科手術コンソールに接続される機器は、適切な機器ポートと接続するためのコネクタを有してもよい。機器コネクタは、機器が機器ポートに接続されたときに眼科手術コンソールのリーダによって読み取られ得る機械可読情報を有してもよい。例えば、各機器が無線自動識別(RFID)タグを有してもよく、眼科手術コンソールの各機器ポートが、接続された機器のRFIDタグを読み取るための関連するRFIDアンテナを有してもよい。また、眼科手術コンソールの各機器ポートが、特定のポート及び/又は機器のステータスを示すために、発光ダイオード(LED)のリングなどのインジケータを有してもよい。例えば、接続される機器が機器ポートを利用可能か否か、機器が機器ポートに適切に接続されているか否か、適切に接続された機器が使用のために利用可能か否かなどを示すためにLEDにおいて異なる色又はモード(例えば、常時点灯又は点滅)が使用され得る。機器識別及び関連する点灯のための例示的なシステムが、米国特許第7,443,296号明細書及び米国特許第7,551,077号明細書に説明及び図示されており、同米国特許明細書の開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0024】
図1では、眼科手術コンソールに接続される機器のRFIDタグが、外部RFIDタグ32として表現されている。
図1の残りの要素は、眼科手術コンソール自体の内部に実装され得る。
【0025】
マイクロコントローラ10が、RFIDタグの読み取りの動作と、LEDの点灯の動作とを制御するために使用されてもよい。眼科手術コンソールの機器ポートに接続された機器のRFIDタグ32を読み取るために、マイクロコントローラ10は、I2Cバス12を介してRFIDリーダ22と通信してもよい。マイクロコントローラ10によって命令されると、RFIDリーダ22は、接続された外部RFIDタグ32を読み取るために、RF回路24及びRFIDアンテナ30を介してRFID発見信号を送信する。RFIDアンテナ30は、機器が機器ポートに接続されたときに機器の外部RFIDタグ32が配置される場所に隣接する機器ポートに配置される。機器の外部RFIDタグ32は、機器が機器ポートに接続されるとRFIDアンテナの検知距離内に入る。検知距離は、例えば、約10mm~約50mmであってよく、RFIDリーダ22のRFパワー及び/又はRFIDアンテナ30若しくはRFIDタグ32の設計によって変わり得る。
【0026】
RFIDリーダ22が外部RFIDタグを検出すると、RFIDタグからの情報がRFIDリーダ22によって読み取られる。情報は、マイクロコントローラ10に伝達される。
【0027】
マイクロコントローラ10は、外部RFIDタグ情報を受信して確認し、次いで、情報に基づいて、機器ポート及び/又は機器のステータスを示すLEDを適切に点灯させるための1つ又は複数の制御コマンドを関連するLEDコントローラ42に送信する。マイクロコントローラ10は、I2Cバス12を介してLEDコントローラ42と通信してもよい。LEDコントローラ42は、デジタル-アナログ変換器(digital to analog converter、DAC)を備えてもよい。
【0028】
所望のLEDを点灯させるために、LEDコントローラ42は、制御電圧を入力バイアスレベル信号として電流バッファ44に送信する。電流バッファ44は、高電流オペアンプを備えてもよい。電流バッファ44は、LEDコントローラ42からの入力バイアスレベル信号を受信し、以下でより詳細に説明し、
図2及び
図3に関連して説明するように、並列LEDからの電流をシンクするバッファとしての役割を果たす。
【0029】
複数のLED60が、電流バッファ44を備えた回路に接続される。少なくとも1つの電流制限抵抗46が、複数のLED60と電流バッファ44とを備えた回路に接続される。図示の例では、赤色-緑色-青色(red-green-blue、RGB)LED60が使用される。実際には、単一のRGB LED60が、赤色LED、緑色LED、及び青色LEDの3つのLEDを備えてもよい。図示の例では、複数の赤色LEDが、電流バッファ44を備えた第1の回路に一緒に接続され、複数の緑色LEDが、電流バッファ44を備えた第2の回路に一緒に接続され、複数の青色LEDが、電流バッファ44を備えた第3の回路に一緒に接続される。LEDの他の色及びセットも可能である。
【0030】
図示の例では、RGB LED60は環状に配置される。RFIDアンテナ30は円形であってもよく、RGB LED60は、RFIDアンテナ30の周囲に環状に配置されてもよい。
【0031】
LEDの各回路では、回路におけるLEDは互いに並列に接続される。
図2及び
図3に示すように、LEDは、電流制限抵抗と複数の仕方で接続され得る。
図1では、2つの仕方が一緒に示されているが、使用する必要があるのは2つの仕方のうちの一方だけであることが当業者には理解されよう。
【0032】
図1において並列抵抗モード52として示された第1の例では、各LEDが、そのLEDと直列に接続され、且つ同じ回路における残りのLEDと並列に接続された少なくとも1つの専用電流制限抵抗54を有する。このことを
図2に概略的に示す。
【0033】
図2は、本開示による例示的なシステムのコンポーネントを示す概略図である。複数のRGB LED60が、任意の適切な数で一緒に使用される。図面における-1~-nの表記は、アイテムのセットのうちの第1のアイテムから第nのアイテムを示すために使用されている。
図2に示す例では、複数の赤色LED60R-1~60R-nが、電流バッファ44を備えた第1の回路に一緒に接続され、複数の緑色LED60G-1~60G-nが、電流バッファ44を備えた第2の回路に一緒に接続され、複数の青色LED60B-1~60B-nが、電流バッファ44を備えた第3の回路に一緒に接続される。
【0034】
図2の例では、各LEDが、そのLEDと直列に接続され、且つ同じ回路における残りのLEDと並列に接続された少なくとも1つの専用電流制限抵抗を有する。各赤色LED60Rが、その赤色LED60Rと直列に接続され、且つ同じ回路における残りの赤色LEDと並列に接続された少なくとも1つの専用電流制限抵抗54Rを有する。例えば、赤色LED60R-1は、その赤色LED60R-1と直列に接続され、且つ同じ回路における残りの赤色LEDと並列に接続された専用電流制限抵抗54R-1を有し、赤色LED60R-nは、その赤色LED60R-nと直列に接続され、且つ同じ回路における残りの赤色LEDと並列に接続された専用電流制限抵抗54R-nを有する。各緑色LED60Gが、その緑色LED60Gと直列に接続され、且つ同じ回路における残りの緑色LEDと並列に接続された少なくとも1つの専用電流制限抵抗54Gを有する。例えば、緑色LED60G-1は、その緑色LED60G-1と直列に接続され、且つ同じ回路における残りの緑色LEDと並列に接続された専用電流制限抵抗54G-1を有し、緑色LED60G-nは、その緑色LED60G-nと直列に接続され、且つ同じ回路における残りの緑色LEDと並列に接続された専用電流制限抵抗54G-nを有する。各青色LED60Bが、その青色LED60Bと直列に接続され、且つ同じ回路における残りの青色LEDと並列に接続された少なくとも1つの専用電流制限抵抗54Bを有する。例えば、青色LED60B-1は、その青色LED60B-1と直列に接続され、且つ同じ回路における残りの青色LEDと並列に接続された専用電流制限抵抗54B-1を有し、青色LED60B-nは、その青色LED60B-nと直列に接続され、且つ同じ回路における残りの青色LEDと並列に接続された専用電流制限抵抗54B-nを有する。
【0035】
図1において直列抵抗モード56として示された第2の例では、少なくとも1つの電流制限抵抗58が、回路におけるすべてのLEDと直列に接続される。このことを
図3に概略的に示す。
【0036】
図3は、本開示による別の例示的なシステムのコンポーネントを示す概略図である。
図2に示すように、複数のRGB LED60が、任意の適切な数で一緒に使用され、-1~-nの表記は、アイテムのセットのうちの第1のアイテムから第nのアイテムを示すために使用されている。
図2の例と同様に、
図3に示す例では、複数の赤色LED60R-1~60R-nが、電流バッファ44を備えた第1の回路に一緒に接続され、複数の緑色LED60G-1~60G-nが、電流バッファ44を備えた第2の回路に一緒に接続され、複数の青色LED60B-1~60B-nが、電流バッファ44を備えた第3の回路に一緒に接続される。
【0037】
図3の例では、少なくとも1つの電流制限抵抗が、回路におけるすべてのLEDと直列に接続される。赤色LED60R-1~60R-nの各回路は、その回路におけるすべてのLEDと直列に接続された少なくとも1つの電流制限抵抗58Rを有する。緑色LED60G-1~60G-nの各回路は、その回路におけるすべてのLEDと直列に接続された少なくとも1つの電流制限抵抗58Gを有する。青色LED60B-1~60B-nの各回路は、その回路におけるすべてのLEDと直列に接続された少なくとも1つの電流制限抵抗58Bを有する。
【0038】
電流制限抵抗は、LEDの順方向電圧に応じて選択されてもよい。一例では、赤色LEDの順方向電圧は2.0Vであり、緑色LED又は青色LEDの順方向電圧は3.1Vである。制限抵抗は、次式により、LEDの順方向電圧に関連する。
R(制限抵抗)=(VS(供給電圧)-Vf(LEDの順方向電圧))/電流
【0039】
使用時には、LEDコントローラ42は、入力バイアスレベル信号を電流バッファ44に送信する。電流バッファ44は、LEDコントローラ42からの入力バイアスレベル信号を受信する。入力バイアスレベル信号に基づいて、複数のLEDを備える回路、例えば単色の複数のLEDを備える回路に一定電圧が印加される。電流バッファ44は、回路における並列LEDからの電流をシンクするバッファとしての役割を果たす。
【0040】
当業者には、本明細書中に開示するようなシステム及び方法が従来の手法に勝る1つ又は複数の利点を有することが認識されよう。例えば、従来の手法と比較して、本明細書に開示されるシステム及び方法は、パルス幅変調を使用せずにLEDの点灯を制御するように適合される。LED駆動方法及び調光方法の中でも、パルス幅変調などのような方法は、LED駆動回路と、LED駆動回路と近接したRFIDアンテナとの間でクロストークを引き起こし得る。RFIDコンポーネントがLED回路の近くに配置されるため、パルス幅変調信号の高次高調波がRFID信号に影響を与え得る。本明細書に開示されるシステム及び方法は、パルス幅変調を使用せずに、また結果としてパルス幅変調に関連し得るクロストーク及び干渉なしに、LEDの点灯を制御するように適合されることが当業者には認識されよう。
【0041】
加えて、本明細書に開示されるシステム及び方法は、線形制御によるLEDの輝度の簡素且つ効率的な制御方式を提供することが当業者には認識されよう。従来のDACは、1ポートあたり約10mA~20mAの電流制限を有し得る。これは、並列に配置された複数のLEDに必要な大電流シンクを得るには不十分である。典型的なインジケータLEDの順方向電流はそれぞれ20mA~25mAである。複数のLEDを並列に配置した場合、必要な電流シンクは約100mA~200mAであり得る。本明細書に開示されるように、電流バッファは、大電流シンクを提供してパルス幅変調なしで複数のLEDの点灯を容易にする。単一の回路におけるLEDを同時且つ効率的に点灯させることができる。
【0042】
当業者には、本開示が包含する実施態様が、上述の特定の例示的実施態様に限定されないことが認識されよう。この点に関して、例示的な実装形態を図示及び説明してきたが、前述した本開示に対する広範囲の修正形態、変更形態及び置換形態が考えられる。このような変形が、本開示の範囲から逸脱することなく、前述したものに対して行われ得ると理解されたい。したがって、添付の特許請求の範囲は、広く且つ本開示と整合するように解釈されることが適切である。
【国際調査報告】