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特表2023-517135可撓性光電デバイスモジュール及びその作製方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-21
(54)【発明の名称】可撓性光電デバイスモジュール及びその作製方法
(51)【国際特許分類】
   H10K 39/18 20230101AFI20230414BHJP
【FI】
H10K39/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022555694
(86)(22)【出願日】2021-12-27
(85)【翻訳文提出日】2022-09-14
(86)【国際出願番号】 CN2021141442
(87)【国際公開番号】W WO2022143480
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】202011584469.6
(32)【優先日】2020-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111576832.4
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516082763
【氏名又は名称】中国科学院蘇州納米技術与納米▲ファン▼生研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】▲イェン▼ ▲リン▼鵬
(72)【発明者】
【氏名】韓 云飛
(72)【発明者】
【氏名】張 浩
(72)【発明者】
【氏名】▲ゴン▼ 超
(72)【発明者】
【氏名】林 剣
(72)【発明者】
【氏名】駱 群
(72)【発明者】
【氏名】馬 昌期
【テーマコード(参考)】
5F151
【Fターム(参考)】
5F151BA15
5F151EA05
5F151EA19
5F151FA04
(57)【要約】
本願は可撓性光電デバイスモジュール及びその製造方法を開示する。前記モジュールは、複数の光電デバイスユニットを含み、各光電デバイスユニットは下部電極、機能層及び上部電極を含み、該下部電極は光透過性絶縁基板と、該基板の両側面に設けられた第1電極、第2電極、第3電極とを含み、該第1電極は透明電極であり、該第2電極と第1電極は電気的に接触し、該第2電極と第3電極は導電性チャンネルを介して電気的に接続され、該導電性チャンネルは該基板を厚さ方向に貫通しており、一方の光電デバイスユニットの第3電極は他方の光電デバイスユニットの上部電極又は第1電極に電気的に接続され、これによって、この2つの光電デバイスユニットは直列又は並列される。本願は、大面積可撓性光電デバイスモジュールの製造プロセスを大幅に簡素化させ、コストを削減させ、有効面積の利用率を高めつつ、その光電変換効率を確保し、例えば高効率大面積モジュールである太陽電池を製造することを図ることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの光電デバイスユニットを含み、各光電デバイスユニットは、所定方向に順次設けられた下部電極(100)、機能層(300)、及び上部電極(500)を含み、前記下部電極(100)は光透過性絶縁基板(11)と、光透過性絶縁基板の第1面(111)に設けられた第1電極(12)及び第2電極(13)と、光透過性絶縁基板の第2面(112)に設けられた第3電極(14)とを含み、前記第1面(111)と第2面(112)は互いに反対側に設けられ、前記第1電極(12)は透明電極であり、前記第2電極(13)と第1電極(12)は電気的に接触し、前記第2電極(13)と第3電極(14)は導電性チャンネル(15)を介して電気的に接続され、前記導電性チャンネルは光透過性絶縁基板を厚さ方向に貫通している貫通孔(113)と、前記貫通孔内に設けられた導電体とを含み、かつ、一方の光電デバイスユニットの第3電極(14)は他方の光電デバイスユニットの上部電極(500)又は第1電極(12)に電気的に接続されることで、この2つの光電デバイスユニットは直列又は並列される、ことを特徴とする可撓性光電デバイスモジュール。
【請求項2】
前記第2電極(13)は1つ又は複数であり、1つ又は複数の第2電極(13)の少なくとも一部の領域は第1電極(12)で覆われ、及び/又は、1つ又は複数の第2電極(13)の少なくとも一部の領域は第1電極(12)に覆われ、及び/又は、1つ又は複数の第2電極(13)は第1電極(12)の周囲に分布し、及び/又は、1つ又は複数の第2電極(13)の少なくとも一部の領域は第1電極(12)で囲まれている、ことを特徴とする請求項1に記載の可撓性光電デバイスモジュール。
【請求項3】
前記第2電極(13)は導電性ワイヤーであり、及び/又は、前記第2電極(13)は第1電極(12)の全体又は半分を取り囲んで設けられる、ことを特徴とする請求項2に記載の可撓性光電デバイスモジュール。
【請求項4】
前記導電性ワイヤーの幅は5mm以下、好ましくは1mm以下であり、及び/又は、前記第2電極(13)の最高点の前記第1電極(12)からの突起高さが5μm未満、好ましくは1μm未満であり、及び/又は、前記導電性ワイヤーの等効シート抵抗が、5Ω/sq以下、好ましくは1Ω/sq以下である、ことを特徴とする請求項3に記載の可撓性光電デバイスモジュール
【請求項5】
前記貫通孔は前記光透過性絶縁基板及び第2電極(13)及び/又は第3電極(14)を所定方向に連続して貫通しており、及び/又は、前記導電体は前記貫通孔に充填された導電性ペースト又は前記貫通孔に堆積された金属で形成され、前記導電性ペーストは銀ペースト又は導電性接着剤を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の可撓性光電デバイスモジュール。
【請求項6】
前記第2電極(13)及び/又は第3電極(14)には、前記貫通孔(113)に適合するウインドウズがさらに開けられ、前記導電体を形成する導電性ペースト又は金属は前記ウインドウズを介して前記貫通孔(113)に充填され、好ましくは、前記第2電極(13)及び第3電極(14)の両方に前記ウインドウズが開けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の可撓性光電デバイスモジュール。
【請求項7】
可撓性薄膜発光ダイオード、可撓性薄膜太陽電池又は可撓性薄膜光電検出器を含み、及び/又は、一方の光電デバイスユニットの光透過性絶縁基板の第2面はまた、導電性接着剤層を介して他方の光電デバイスユニットの上部電極又は下部電極に接続される、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の可撓性光電デバイスモジュール。
【請求項8】
少なくとも2つの光電デバイスユニットをそれぞれ作製するステップと、
前記少なくとも2つの光電デバイスユニットを直列及び/又は並列するステップとを含み、
前記光電デバイスユニットを作製する方法は、
光透過性絶縁基板の第1面に下部電極、機能層、上部電極をこの順に作製するステップを含む、
請求項1~7のいずれか1項に記載の可撓性光電デバイスモジュールの作製方法であって、
下部電極を作製する前記ステップは、具体的には、
光透過性絶縁基板の第1面(111)に第1電極(12)、第2電極(13)を設け、前記第2電極(13)と第1電極(12)とを電気的に接触させるステップと、
光透過性絶縁基板の第1面と反対側の第2面(112)に第3電極(14)を設けるステップと、
光透過性絶縁基板(11)のうち第2電極(13)及び第3電極(14)に対応する領域内に、光透過性絶縁基板(11)を厚さ方向に貫通している少なくとも1つの貫通孔(113)を加工するステップと、
前記光透過性絶縁基板の第1面(111)又は第2面(112)に導電性ペーストを施すか又は金属を堆積し、かつ少なくとも一部の導電性ペースト又は金属を前記貫通孔に充填して導電体を形成することで、光透過性絶縁基板を貫通している導電性チャンネル(15)を形成し、前記第2電極(13)と第3電極(14)を電気的に接続するステップとを含む、ことを特徴とする作製方法。
【請求項9】
下部電極を作製する前記ステップは、具体的には、
光透過性絶縁基板の第1面(111)に第2電極(13)を設ける、及び/又は光透過性絶縁基板の第2面(112)に第3電極(14)を設け、前記第2電極(13)及び/又は第3電極(14)及び光透過性絶縁基板(11)について加工を行って、第2電極(13)及び/又は第3電極(14)及び光透過性絶縁基板(11)を連続して貫通している前記貫通孔(113)を形成するステップを含む、ことを特徴とする請求項8に記載の作製方法。
【請求項10】
下部電極を作製する前記ステップは、具体的には、
光透過性絶縁基板(11)のうち第2電極(13)及び第3電極(14)に対応する領域内に、前記貫通孔(113)を加工するステップと、
光透過性絶縁基板の第1面(111)、第2面(112)のそれぞれに第2電極(13)、第3電極(14)を設け、第2電極(13)及び第3電極(14)のいずれか一方に前記貫通孔(113)に適合するウインドウズを形成するステップと、
前記第2電極(13)及び/又は第3電極(14)のウインドウズに導電性ペーストを施すか、又は金属を堆積し、かつ少なくとも一部の導電性ペースト又は金属を前記貫通孔に充填して導電体を形成することで、前記導電性チャンネル(15)を形成するステップとを含む、ことを特徴とする請求項8に記載の作製方法。
【請求項11】
下部電極を作製する前記ステップは、具体的には、
前記第2電極(13)及び第3電極(14)の両方に前記貫通孔(113)に適合するウインドウズを形成するステップを含む、ことを特徴とする請求項10に記載の作製方法。
【請求項12】
具体的には、
作製した光電デバイスユニットを位置決め型板に入れるステップと、
前記光電デバイスユニットの第2電極(13)及び/又は第3電極(14)のウインドウズに導電性ペーストを施すか又は金属を堆積し、一部の導電性ペースト又は金属を対応する貫通孔(113)に充填して前記導電性チャンネルを形成するステップと、
第2電極(13)及び/又は第3電極(14)に残された導電性ペーストを利用して前記光電デバイスユニットを他方の光電デバイスユニットに貼り合わせ、導電性ペーストで前記光電デバイスユニットの第3電極(14)を他方の光電デバイスユニットの上部電極(500)又は第1電極(12)に電気的に接続するステップとを含む、ことを特徴とする請求項10に記載の作製方法。
【請求項13】
導電性接着剤層を介して一方の光電デバイスユニットの光透過性絶縁基板(11)の第2面(112)を他方の光電デバイスユニットの上部電極又は下部電極に接続するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項8~12のいずれか1項に記載の作製方法。
【請求項14】
2つの光電デバイスユニットを含み、各光電デバイスユニットは、所定方向に順次設けられた下部電極(100)、機能層(300)、及び上部電極(500)を含み、前記下部電極(100)は光透過性絶縁基板(11)の第1面(111)に設けられた第1電極(12’)を含み、前記光透過性絶縁基板(11)内に導電性チャンネル(15)が形成されており、前記導電性チャンネルは、光透過性絶縁基板を厚さ方向に貫通している貫通孔(113)と、前記貫通孔内に設けられた導電体とを含み、前記第1電極(12’)は導電性チャンネル(15)を介して前記光透過性絶縁基板(11)の第2面(112)に結合された他方の光電デバイスユニットの上部電極又は下部電極に電気的に接続されることで、この2つの光電デバイスユニットは直列又は並列され、前記第1面(111)と第2面(112)は互いに反対側に設けられる、ことを特徴とする可撓性光電デバイスモジュール。
【請求項15】
前記光透過性絶縁基板(11)の第1面(111)には第4電極(18)がさらに設けられ、前記第4電極(18)は第1電極(12’)に電気的に接触する、ことを特徴とする請求項14に記載の可撓性光電デバイスモジュール。
【請求項16】
前記第4電極(18)の少なくとも一部の領域は第1電極(12’)に覆われ、又は、前記第1電極(12’)の少なくとも一部の領域は第4電極(18)に覆われ、及び/又は、前記第4電極(18)は導電性ワイヤーであり、好ましくは、前記導電性ワイヤーの幅は5mm以下、より好ましくは1mm以下であり、前記導電性ワイヤーの等効シート抵抗は好ましくは、5Ω/sq以下、より好ましくは1Ω/sq以下である、ことを特徴とする請求項15に記載の可撓性光電デバイスモジュール。
【請求項17】
前記光透過性絶縁基板(11)の第2面(112)には第5電極(19)がさらに設けられ、前記第5電極(19)は導電性チャンネル(15)を介して第1電極(12’)に電気的に接続される、ことを特徴とする請求項14~16のいずれか1項に記載の可撓性光電デバイスモジュール。
【請求項18】
前記導電体は前記貫通孔に充填された導電性ペースト又は前記貫通孔に堆積された金属で形成され、前記導電性ペーストは銀ペースト又は導電性接着剤を含む、ことを特徴とする請求項14~16のいずれか1項に記載の可撓性光電デバイスモジュール。
【請求項19】
前記第1電極(12’)には前記導電性ペースト又は堆積された金属で形成される第6電極(17)がさらに設けられ、前記第6電極(17)は前記導電体と一体成形される、ことを特徴とする請求項18に記載の可撓性光電デバイスモジュール。
【請求項20】
一方の光電デバイスユニットの光透過性絶縁基板(11)の第2面(112)は導電性接着剤層(16)を介して他方の光電デバイスユニットの上部電極又は下部電極に接続される、ことを特徴とする請求項14~16、19のいずれか1項に記載の可撓性光電デバイスモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年12月28日に提出された、出願番号が202011584469.6、発明の名称が「可撓性光電デバイスモジュール及びその作製方法」である中国特許出願、及び2021年12月21日に提出された、出願番号が202111576832.4、発明の名称が「可撓性光電デバイスモジュール及びその作製方法」である中国特許出願に基づく優先権を主張している。
【0002】
(技術分野)
本願は光電デバイスに関し、具体的には、可撓性光電デバイスモジュール及びその作製方法に関する。
【背景技術】
【0003】
可撓性光電デバイス、例えば有機太陽電池は、軽量で柔らかく、半透明で、安価で大面積印刷により作製できるなどの利点があるため、注目を集めている。近年、科学者のたゆまぬ努力に伴い、剛性有機太陽電池、可撓性有機太陽電池の光電変換効率はそれぞれ18%、14%に達し、商業化の要求をほぼ満たしている。しかし、有機太陽電池の商業化応用を本格的に実現するには、その光電変換効率を犠牲にすることを減少させながら、その大面積モジュールを製造する必要がある。
【0004】
可撓性有機太陽電池を例にとると、透明基板電極(例えばITO、銀ナノワイヤーなど)の導電性が悪いため、可撓性有機太陽電池の面積が増えると、必ず電池のシート抵抗が増え、各種の直並列構造の設計はデバイスの直列抵抗を増加するだけでなく、また電池モジュールの有効面積を減少させ、その結果、大型モジュールである有機太陽電池の性能を大幅に低減させることになる。現在報告されている剛性有機太陽エネルギーモジュール(200cm)の効率は最高11.7%であり、一方、可撓性大面積モジュールの電池効率はより低い。
【0005】
一方、現在、可撓性光電デバイスの大面積モジュールは、主に、ロール対ロールで印刷された大面積電池と基板電極回路とを組み合わせて直並列構造を設計することによって実現され、その欠点は次のとおりである。一、基板上の各種の複雑な回路の設計は製造の難易度を向上させ、コストを増加させる。二、基板の長い回路は直列抵抗を増やして、電池の光電変換効率を下げる。三、各種の複雑な配線接続の直並列構造設計はデバイスの有効面積を大きく犠牲にし、浪費をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願の主な目的は、従来技術の欠点を解消するために、可撓性光電デバイスモジュール及びその作製方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の発明目的を達成させるために、本願に採用される技術的解決手段は以下のとおりである。
【0008】
本願の実施例は、
少なくとも2つの光電デバイスユニットを含み、各光電デバイスユニットは、所定方向に順次設けられた下部電極、機能層、及び上部電極を含み、前記下部電極は光透過性絶縁基材と、光透過性絶縁基材の第1面に設けられた第1電極及び第2電極と、光透過性絶縁基材の第2面に設けられた第3電極とを含み、前記第1面と第2面は互いに反対側に設けられ、前記第1電極は透明電極であり、前記第2電極と第1電極は電気的に接触し、前記第2電極と第3電極は導電性チャンネルを介して電気的に接続され、前記導電性チャンネルは光透過性絶縁基材を厚さ方向に貫通している貫通孔と、前記貫通孔内に設けられた導電体とを含み、かつ、一方の光電デバイスユニットの第3電極は他方の光電デバイスユニットの上部電極又は第1電極に電気的に接続されることで、この2つの光電デバイスユニットは直列又は並列される、可撓性光電デバイスモジュールを提供する。
【0009】
いくつかの実施形態では、前記第2電極及び/又は第3電極には、前記貫通孔に適合するウインドウズがさらに開けられ、前記導電体を形成する導電性ペースト又は金属は前記ウインドウズを介して前記貫通孔に充填される。
【0010】
本願の実施例はまた、2つの光電デバイスユニットを含み、各光電デバイスユニットは、所定方向に順次設けられた下部電極、機能層、及び上部電極を含み、前記下部電極は、光透過性絶縁基板の第1面に設けられた第1電極を含み、前記光透過性絶縁基板内に導電性チャンネルが形成されており、前記導電性チャンネルは、光透過性絶縁基板を厚さ方向に貫通している貫通孔と、前記貫通孔内に設けられた導電体とを含み、前記第1電極は導電性チャンネルを介して前記光透過性絶縁基板の第2面に結合される他方の光電デバイスユニットの上部電極又は下部電極に電気的に接続されることで、この2つの光電デバイスユニットは直列又は並列され、前記第1面と第2面は互いに反対側に設けられる、可撓性光電デバイスモジュールを提供する。
【0011】
本願の実施例は、
少なくとも2つの光電デバイスユニットをそれぞれ作製するステップと、
前記少なくとも2つの光電デバイスユニットを直列及び/又は並列するステップとを含み、
前記光電デバイスユニットを作製する方法は、
光透過性絶縁基板の第1面に下部電極、機能層、上部電極をこの順に作製するステップを含み、
さらに、下部電極を作製する前記ステップは、具体的には、
光透過性絶縁基板の第1面に第1電極、第2電極を設け、前記第2電極と第1電極とを電気的に接触させるステップと、
光透過性絶縁基板の第1面と反対側の第2面に第3電極を設けるステップと、
光透過性絶縁基板のうち第2電極及び第3電極に対応する領域内に、光透過性絶縁基板を厚さ方向に貫通している少なくとも1つの貫通孔を加工するステップと、
前記光透過性絶縁基板の第1面又は第2面に導電性ペーストを施すか又は金属を堆積し、かつ少なくとも一部の導電性ペースト又は金属を前記貫通孔に充填して導電体を形成することで、光透過性絶縁基板を貫通している導電性チャンネルを形成し、前記第2電極と第3電極とを電気的に接続するステップとを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、前記作製方法は、
光電デバイスユニットの光透過性絶縁基板のうち第2電極及び第3電極に対応する領域内に前記貫通孔を加工するステップと、
光透過性絶縁基板の第1面、第2面のそれぞれに第2電極、第3電極を設け、第2電極及び第3電極のいずれか一方に前記貫通孔に適合するウインドウズを形成するステップと、
作製した前記光電デバイスユニットを位置決め型板に入れるステップと、
前記光電デバイスユニットの第2電極及び/又は第3電極のウインドウズに導電性ペーストを施すか又は金属を堆積し、一部の導電性ペースト又は金属を対応する貫通孔に充填して前記導電性チャンネルを形成するステップと、
第2電極及び/又は第3電極に残された導電性ペーストを利用して前記光電デバイスユニットを他方の光電デバイスユニットに貼り合わせ、導電性ペーストで前記光電デバイスユニットの第3電極を他方の光電デバイスユニットの上部電極又は第1電極に電気的に接続するステップとを含む、前記可撓性光電デバイスモジュールの作製方法を提供する。
【0013】
本願の実施例は、
少なくとも2つの光電デバイスユニットをそれぞれ作製するステップと、
前記少なくとも2つの光電デバイスユニットを直列及び/又は並列するステップとを含み、
前記光電デバイスユニットを作製する方法は、
光透過性絶縁基板の第1面に下部電極、機能層、上部電極をこの順に作製するステップを含み、
さらに、下部電極を作製する前記ステップは、具体的には、
光透過性絶縁基板の第1面に第1電極を設けるステップと、
光透過性絶縁基板のうち第1電極に対応する領域内に、光透過性絶縁基板を厚さ方向に貫通している少なくとも1つの貫通孔を加工するステップと、
前記光透過性絶縁基板の第1面又は第2面に導電性ペーストを施すか又は金属を堆積し、かつ少なくとも一部の導電性ペースト又は金属を前記貫通孔に充填して導電体を形成することで、光透過性絶縁基板を貫通している、第1電極に電気的に接続される導電性チャンネルを形成するステップとを含む、前記可撓性光電デバイスモジュールの作製方法を提供する。
【0014】
いくつかの実施形態では、前記導電性ペーストは、銀ペースト又は導電性接着剤を含み、好ましくは導電性接着剤である。
【0015】
いくつかの実施形態では、金属はマグネトロンスパッタリング、蒸着などによって前記貫通孔に堆積されて導電体を形成する。
【発明の効果】
【0016】
従来技術に比べて、本願の実施例の技術的解決手段によれば、大面積可撓性有機太陽電池モジュールの製造プロセスを大幅に簡素化させ、コストを削減させながら、可撓性有機太陽電池モジュールの有効面積の利用率を大幅に向上させ、その光電変換効率の損失を減少させる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本願の実施形態の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施形態に使用される図面を簡単に説明するが、なお、以下の図面は本願のいくつかの実施例だけを示すので、範囲を限定するものとして理解すべきではなく、当業者であれば、創造的な努力を必要とせずに、これらの図面に基づいて他の図面を取得することもできる。
【0018】
図1】本願の代表的な一実施例における可撓性有機太陽電池モジュールの第1作製プロセスの原理図である。
図2】本願の代表的な一実施例における可撓性有機太陽電池モジュールの第2作製プロセスの原理図である。
図3a図3aは本願の代表的な一実施例における電池ユニットUの下部電極100の上面図である。
図3b図3bは本願の代表的な一実施例における電池ユニットUの下部電極100の下面図である。
図4a図4aは本願の代表的な一実施例における電池ユニットUの上面図である。
図4b図4bは本願の代表的な一実施例における電池ユニットUの下面図である。
図5a図5aは本願の代表的な一実施例における複数の電池ユニットを直列してなるデバイス構造の上面図である。
図5b図5bは本願の代表的な一実施例における複数の電池ユニットを直列してなるデバイス構造の下面図である。
図6a図6aは本願の代表的な一実施例における複数の電池ユニットを並列してなるデバイス構造の上面図である。
図6b図6bは本願の代表的な一実施例における複数の電池ユニットを並列してなるデバイス構造の下面図である。
図7】本願の実施例6で作製された可撓性有機太陽電池モジュールの構造概略図である。
図8】本願の実施例7で作製された可撓性有機太陽電池モジュールの構造概略図である。
図9】本願の代表的な一実施例における可撓性有機太陽電池モジュールの第3作製プロセスの原理図である。
図10】本願の代表的な一実施例における可撓性有機太陽電池モジュールの第4作製プロセスの原理図である。
図11】本願の代表的な一実施例における可撓性有機太陽電池モジュールの第5作製プロセスの原理図である。
図12】本願の代表的な一実施例における可撓性有機太陽電池モジュールの第6作製プロセスの原理図である。
図13】本願の代表的な一実施例における可撓性有機太陽電池モジュールの第7作製プロセスの原理図である。
図14】本願の実施例13で作製された可撓性有機太陽電池モジュールの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
なお、以下の詳細な説明は例示的なものであり、本願をさらに説明することを目的とする。特に断らない限り、本明細書で使用される全ての技術的用語及び科学的用語は当業者が通常理解するものと同義である。
【0020】
なお、ここで使用される用語は具体的な実施形態を説明するために過ぎず、本願に係る例示的な実施形態を制限することを意図していない。ここで使用されるように、文脈において明確に記載していない限り、単数形は複数形も含むことを意図しており、また、本明細書において用語「包含」及び/又は「含む」が使用される場合、特徴、ステップ、操作、デバイス、モジュール及び/又はこれらの組み合わせが存在することが示される。
【0021】
本願の実施例の一態様は、
少なくとも2つの光電デバイスユニットを含み、前記光電デバイスユニットは、所定方向に順次設けられた下部電極、機能層、及び上部電極を含み、前記下部電極は光透過性絶縁基板と、光透過性絶縁基板の第1面に設けられた第1電極及び第2電極と、光透過性絶縁基板の第2面に設けられた第3電極とを含み、前記第1面と第2面は互いに反対側に設けられ、前記第1電極は透明電極であり、前記第2電極と第1電極は電気的に接触し、前記第2電極と第3電極は導電性チャンネルを介して電気的に接続され、前記導電性チャンネルは、光透過性絶縁基板を厚さ方向に貫通している貫通孔と、前記貫通孔内に設けられた導電体とを含み、かつ、一方の光電デバイスユニットの第3電極は他方の光電デバイスユニットの上部電極又は第1電極に電気的に接続されることで、この2つの光電デバイスユニットは直列又は並列される、可撓性有機太陽電池モジュールを提供する。
【0022】
いくつかの実施形態では、前記第2電極は1つ又は複数であり、1つ又は複数の第2電極の少なくとも一部の領域は第1電極で覆われ、及び/又は、1つ又は複数の第2電極の少なくとも一部の領域は第1電極に覆われ、及び/又は、1つ又は複数の第2電極は第1電極の周囲に分布し、及び/又は、1つ又は複数の第2電極の少なくとも一部の領域は第1電極で囲まれている。
【0023】
いくつかの実施形態では、前記第2電極は第1電極の全体又は半分を取り囲んで設けられる。
【0024】
いくつかの実施形態では、前記第2電極は全体として枠形状(前記枠形状は円形、方形などの規則的な形状又は他の非規則的な形状を含むが、これらに限定されない)であり、少なくとも前記枠形状の内側縁部は第1電極に連続して電気的に接触する。このようにして、第1電極(透明電極)の周辺に電気抵抗の低い第2電極が導電チャネルとして設けられることによって、回路自体に固有の「短絡効果」を利用して、透明電極自体の導電性を変えることなく、大面積透明電極において低コスト・高性能の「ベルトウェイ」を形成し、製品全体の性能(電荷収集効率などを含むが、これに限定されない)を向上させる。
【0025】
さらに、前記機能層は第1電極上に形成される。
【0026】
いくつかの実施形態では、前記第2電極は導電性ワイヤーである。
【0027】
さらに、前記導電性ワイヤーの幅は5mm以下、好ましくは1mm以下である。
【0028】
さらに、前記第2電極の最高点の前記第1電極からの突起高さは5μm未満、好ましくは1μm未満である。
【0029】
さらに、前記導電性ワイヤーの等効シート抵抗は5Ω/sq以下、好ましくは1Ω/sq以下である。
【0030】
いくつかの実施形態では、1つ又は複数の第2電極の一部の領域は第1電極上に積層配置される。
【0031】
いくつかの実施形態では、前記貫通孔は前記光透過性絶縁基板及び第2電極及び/又は第3電極を所定方向に連続して貫通している。
【0032】
いくつかの実施形態では、前記導電体は前記貫通孔に充填された導電性ペーストで形成される。
【0033】
いくつかの実施形態では、前記導電性ペーストは銀ペースト又は導電性接着剤を含むか、又は当該分野で公知の適切な導電性インクや導電性物質を含む他の流体などであってもよく、好ましくは導電性接着剤である。
【0034】
いくつかの実施形態では、前記第2電極及び/又は第3電極には、前記貫通孔に適合するウインドウズがさらに開けられ、前記導電体を形成するための導電性ペースト又は堆積された金属は前記ウインドウズを介して前記貫通孔に充填されてもよい。
【0035】
さらに、前記ウインドウズの面積は、前記貫通孔の前記第1面又は第2面での開口の面積よりも大きい。
【0036】
いくつかの実施形態では、前記第2電極及び第3電極の両方に前記ウインドウズが開けられる。
【0037】
いくつかの実施形態では、前記透明電極は、銀ナノワイヤー電極、ITO、AZO、カーボンナノチューブフィルム、グラフェンフィルム、PEDOT:PSSフィルムなどを含むが、これらに限定されない。
【0038】
いくつかの実施形態では、前記光透過性絶縁基板は、有機材質、無機材質又は有機/無機複合材質であってもよく、例えば、ポリエステル(PET)、ポリウレタン(PU)、ポリイミド(PI)などの材質の可撓性透明フィルムであってもよいし、ガラスなどの材質のものであってもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、前記第2電極、第3電極は、金属電極、導電重合体電極、金属酸化物電極のうちのいずれか1種又は複数種の組み合わせを含むが、これらに限定されるものではなく、例えば、Au、Ag、Cuなどの良好な導電性を有する金属で形成されてもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、一方の光電デバイスユニットの光透過性絶縁基板の第2面はまた、導電性接着剤層を介して他方の光電デバイスユニットの上部電極又は下部電極に接続される。
【0041】
いくつかの実施形態では、前記可撓性光電デバイスモジュールは、可撓性薄膜発光ダイオード、可撓性薄膜太陽電池又は可撓性薄膜光電検出器を含むが、これらに限定されるものではない。
【0042】
可撓性薄膜太陽電池では、その機能層は活性層であってもよいし、電子輸送層、正孔輸送層、及び界面修飾層なども含まれる。これらの構造層の材質は当該分野で公知のものとしてもよい。
【0043】
可撓性薄膜発光ダイオードでは、その機能層は発光層であってもよい。
【0044】
本願の実施例の別の態様は、
少なくとも2つの光電デバイスユニットをそれぞれ作製するステップと、
前記少なくとも2つの光電デバイスユニットを直列及び/又は並列するステップとを含み、
前記光電デバイスユニットを作製する方法は、
光透過性絶縁基板の第1面に下部電極、機能層、上部電極をこの順に作製するステップを含み、
さらに、下部電極を作製する前記ステップは、具体的には、
光透過性絶縁基板の第1面に第1電極、第2電極を設け、前記第2電極と第1電極とを電気的に接触させるステップと、
光透過性絶縁基板の第1面と反対側の第2面に第3電極を設けるステップと、
光透過性絶縁基板のうち第2電極及び第3電極に対応する領域内に、光透過性絶縁基板を厚さ方向に貫通している少なくとも1つの貫通孔を加工するステップと、
前記光透過性絶縁基板の第1面又は第2面に導電性ペーストを施すか又は金属を堆積し、かつ少なくとも一部の導電性ペースト又は金属を前記貫通孔に充填して導電体を形成することで、光透過性絶縁基板を貫通している導電性チャンネルを形成し、前記第2電極と第3電極とを電気的に接続するステップとを含む、前記可撓性光電デバイスモジュールの作製方法を提供する。
【0045】
いくつかの実施形態では、下部電極を作製する前記ステップは、具体的には、
光透過性絶縁基板の第1面に第2電極を設ける、及び/又は光透過性絶縁基板の第2面に第3電極を設け、前記第2電極及び/又は第3電極及び光透過性絶縁基板について加工を行って、第2電極及び/又は第3電極及び光透過性絶縁基板を連続して貫通している前記貫通孔を形成するステップを含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、下部電極を作製する前記ステップは、具体的には、
光透過性絶縁基板のうち第2電極及び第3電極に対応する領域内に、前記貫通孔を加工するステップと、
光透過性絶縁基板の第1面、第2面のそれぞれに第2電極、第3電極を設け、第2電極及び第3電極のいずれか一方に前記貫通孔に適合するウインドウズを形成するステップと、
前記第2電極及び/又は第3電極のウインドウズに導電性ペーストを施すか、又は金属を堆積し、かつ少なくとも一部の導電性ペースト又は金属を前記貫通孔に充填して導電体を形成することで、前記導電性チャンネルを形成するステップとを含む。
【0047】
ここで、光透過性絶縁基板に前記貫通孔を加工する操作は、光透過性絶縁基板に第2電極、第3電極を設ける操作の前又は後に行われてもよい。
【0048】
例えば、まず、光透過性絶縁基板に前記貫通孔を加工し、次に、光透過性絶縁基板にウインドウズを有する第2電極、第3電極を設けるようにしてもよい。
【0049】
また、まず、光透過性絶縁基板にウインドウズを有する第2電極、第3電極を設け、次に、前記ウインドウズで光透過性絶縁基板に前記貫通孔を加工する操作を行うようにしてもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、下部電極を作製する前記ステップは、具体的には、
前記第2電極及び第3電極の両方に前記貫通孔に適合するウインドウズを形成するステップを含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、前記作製方法は、具体的には、
作製した光電デバイスユニットを位置決め型板に入れるステップと、
前記光電デバイスユニットの第2電極及び/又は第3電極のウインドウズに導電性ペーストを施すか又は金属を堆積し、一部の導電性ペースト又は金属を対応する貫通孔に充填して前記導電性チャンネルを形成するステップと、
第2電極及び/又は第3電極に残された導電性ペーストを利用して前記光電デバイスユニットを他方の光電デバイスユニットに貼り合わせ、導電性ペーストで前記光電デバイスユニットの第3電極を他方の光電デバイスユニットの上部電極又は第1電極に電気的に接続するステップとを含む。
【0052】
上記した実施形態では、導電性ペーストは重力の作用の下で前記貫通孔に自発的に充填されてもよいし、導電性ペースト又は堆積された金属は他の外力の作用を利用して前記貫通孔に充填されてもよい。
【0053】
上記した実施形態では、前記光透過性絶縁基板又は光透過性絶縁基板及び第2電極及び/又は第3電極に貫通孔を加工する方法は公知のものであり、例えば、機械加工方法、レーザーエッチング方法又は他の物理的方法、化学的方法であってもよい。機械加工又はレーザーエッチングの方法が使用される場合、加工された貫通孔の外縁部が環状突起となる場合が多い。
【0054】
さらに、前記貫通孔の形状、寸法は実際のニーズに応じて決定されてもよく、例えば円形、多角形又は他の非規則的な形状としてもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、前記貫通孔は、光透過性絶縁基板の第1面又は第2面での開口の面積が0.13mm以下、好ましくは0.03mm以下である。
【0056】
いくつかの実施形態では、前記貫通孔は、光透過性絶縁基板の第1面又は第2面での開口の周長が10~800μm、好ましくは60~400μmである。
【0057】
いくつかの実施形態では、前記貫通孔は、光透過性絶縁基板の第1面又は第2面での開口の外縁部の前記第1面又は第2面に対する突起高さが5μm未満、好ましくは1μm未満である。
【0058】
いくつかの実施形態では、前記導電性ペーストは銀ペースト、導電性接着剤、当該分野で公知の適切な導電性インク又は導電性物質を含む他の流体を含む。これらの導電性ペーストでは、所定の場合(例えば加熱、自然乾燥又は光照射)、この揮発性成分(溶媒、希釈剤など)の一部が揮発されたり、光照射により架橋反応を素早く起こしたりし、これにより、導電性ペーストは導電性固体(即ち、前述導電体)になる。或いは、これらの導電性ペーストでは、一部の成分が環境中の物質や導電性ペースト中の他の成分と反応し、これにより、導電性ペーストは前述導電体になる。
【0059】
いくつかの実施形態では、前記導電性ペーストの粘度は20~100000cP、好ましくは100~10000cPである。
【0060】
いくつかの実施形態では、光透過性絶縁基板又は光透過性絶縁基板及び第2電極及び/又は第3電極に前記導電性ペーストを施す方法は、印刷、塗布及びディスペンシングのうちのいずれか1種又は複数種の組み合わせを含むが、これらに限定されるものではない。
【0061】
いくつかの実施形態では、物理及び/又は化学堆積方法は光透過性絶縁基板に第2電極、第3電極を形成することに用いられてもよく、例えば、印刷、塗布、ディスペンシング、真空蒸着、及びマグネトロンスパッタリング方法のうちのいずれか1種又は複数種の組み合わせであってもよいが、これらに限定されるものではない。より具体的には、前記第2電極、第3電極は、例えば、インクジェット印刷、エアジェット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、マスクスプレーのうちのいずれか1種によって作製されてもよい。
【0062】
他のいくつかの実施形態では、第2電極、第3電極を予め作製してから、光透過性絶縁基板に固定してもよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、前記第2電極、第3電極の厚さはそれぞれ、前記貫通孔の光透過性絶縁基板の第1面、第2面での開口の外縁部の、第1面、第2面に対する突起高さよりも大きい。
【0064】
いくつかの実施形態では、前記第2電極、第3電極はそれぞれ、前記貫通孔の光透過性絶縁基板の第1面、第2面での開口に覆われ、前記開口の外縁部から、20μm以上、好ましくは50μm以上だけ、径方向に外向きに延伸している。
【0065】
いくつかの実施形態では、前記第2電極、第3電極の材質は、Au、Ag、Cuなど、良好な導電性を有する各種の金属又は非金属材料を含む。
【0066】
いくつかの実施形態では、前記方法はまた、導電性接着剤層を介して、一方の光電デバイスユニットの光透過性絶縁基板の第2面を他方の光電デバイスユニットの上部電極又は下部電極に接続するステップをさらに含む。
【0067】
本願の以上の実施形態では、光透過性絶縁基板内に導電性チャンネルが形成され、第2電極、第3電極などが設けられることによって、導電性接着剤などだけで複数の光電デバイスユニットを簡単かつ効率的に直列又は並列することができ、これによって、このような可撓性光電デバイスモジュール(特に大面積モジュール)の製造プロセスを効果的に簡素化させ、その作製コストを削減させ、かつデバイスの有効面積を犠牲にせずにモジュールの面積を増大することができ、また、その光電変換効率を保持、さらに向上させることもできる。
【0068】
本願の実施例のさらなる態様で提供される可撓性光電デバイスモジュールは、2つの光電デバイスユニットを含み、各光電デバイスユニットは、所定方向に順次設けられた下部電極、機能層、及び上部電極を含み、前記下部電極は光透過性絶縁基板の第1面に設けられた第1電極を含み、前記光透過性絶縁基板内に導電性チャンネルが形成されており、前記導電性チャンネルは、光透過性絶縁基板を厚さ方向に貫通している貫通孔と、前記貫通孔内に設けられた導電体とを含み、前記第1電極は導電性チャンネルを介して前記光透過性絶縁基板の第2面に結合された他方の光電デバイスユニットの上部電極又は下部電極に電気的に接続されることで、この2つの光電デバイスユニットは直列又は並列され、前記第1面与第2面は互いに反対側に設けられる。
【0069】
いくつかの実施形態では、前記光透過性絶縁基板の第1面には第4電極がさらに設けられ、前記第4電極は第1電極に電気的に接触する。
【0070】
いくつかの実施形態では、前記第1電極は前記光透過性絶縁基板の第1面全体を覆う。前記第1電極の材質などは前記のとおりであり、ここではこれ以上の説明はしない。
【0071】
ここで、前記第4電極の少なくとも一部の領域は第1電極に覆われ、又は、前記第1電極の少なくとも一部の領域は第4電極に覆われる。即ち、前記第1電極と第4電極は互いに積層されたり、前記第1電極は第4電極に覆われたり、前記第4電極は第1電極上に設けらたりしてもよい。前記第4電極は前述の導電性ワイヤーを採用してもよい。さらに、前記第4電極は前述第2電極と類似の機能を有してもよい。
【0072】
いくつかの実施形態では、前記光透過性絶縁基板の第2面には第5電極がさらに設けられ、前記第5電極は導電性チャンネルを介して第1電極に電気的に接続される。前記第5電極の材質などは前述第3電極と同様なものとしてもよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、前記導電体は前記貫通孔に充填された導電性ペーストで形成され、前記導電性ペーストの材質は前記した通りである。
【0074】
いくつかの実施形態では、前記第1電極には、前記導電性ペースト又は堆積された金属で形成される第6電極がさらに設けられ、前記第6電極は前記導電体と一体成形される。前記第6電極は前述導電性ワイヤーの形態としてもよい。さらに、前記第6電極も前述第2電極、第4電極と類似の機能を有してもよい。
【0075】
いくつかの実施形態では、一方の光電デバイスユニットの光透過性絶縁基板の第2面は導電性接着剤層を介して他方の光電デバイスユニットの上部電極又は下部電極に接続される。
【0076】
前述実施形態では、前記光電デバイスユニットはさまざまな太陽電池デバイスであってもよく、その機能層は、正立構造、倒立構造、多界面で修飾された有機薄膜太陽光発電デバイス、積層量子ドットデバイス、ペロブスカイト太陽光発電デバイスや他のタイプの積層型電池などであってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0077】
本願の実施例のさらなる態様で提供される前記可撓性光電デバイスモジュールの作製方法は、
少なくとも2つの光電デバイスユニットをそれぞれ作製するステップと、
前記少なくとも2つの光電デバイスユニットを直列及び/又は並列するステップと、を含み、
前記光電デバイスユニットを作製する方法は、
光透過性絶縁基板の第1面に下部電極、機能層、上部電極をこの順に作製するステップを含み、
さらに、下部電極を作製する前記ステップは、具体的には、
光透過性絶縁基板の第1面に第1電極を設けるステップと、
光透過性絶縁基板のうち第1電極に対応する領域内に、光透過性絶縁基板を厚さ方向に貫通している少なくとも1つの貫通孔を加工するステップと、
前記光透過性絶縁基板の第1面又は第2面のそれぞれに導電性ペーストを施すか又は金属を堆積し、かつ少なくとも一部の導電性ペースト又は金属を前記貫通孔に充填して導電体を形成することで、光透過性絶縁基板を貫通している、第1電極に電気的に接続される導電性チャンネルを形成するステップとを含む。
【0078】
さらに、前記方法は、前記光透過性絶縁基板の第1面に第4電極又は第6電極を作製するステップ、及び/又は、前記光透過性絶縁基板の第2面に第5電極を作製するステップをさらに含んでもよい。対応する操作は前記した第2電極、第3電極の作製方法を参照すればよく、ここではこれ以上の説明はしない。
【0079】
図1に示すように、本願の代表的な一実施例では、可撓性有機太陽電池モジュールの第1作製方法は、ステップS1~S7を含む。
【0080】
S1:可撓性光透過性絶縁基板11の第1面111に、連続している透明電極12(第1電極として定義される)を作製する。
【0081】
S2:可撓性光透過性絶縁基板11の選択領域に、1つ以上の貫通孔113を加工し、前記貫通孔113は可撓性光透過性絶縁基板11を厚さ方向に貫通しており、該選択領域は可撓性光透過性絶縁基板11の縁部領域又は他の適切な領域であってもよく、この領域においては透明電極12は分布しても分布しなくてもよい。
【0082】
S3:印刷、塗布、ディスペンシング、真空蒸着又はマグネトロンスパッタリングなどによって可撓性光透過性絶縁基板11の第1面111、第2面112のそれぞれに第2電極13、第3電極14を作製し、該第2電極13、第3電極14の両方に前記貫通孔113に対応するウインドウズ131、141を開け、これによって、電池ユニットの下部電極100を作製する。
【0083】
S4:当該分野で公知の方法によって、該下部電極100の透明電極12に、電子輸送層200、活性層300、正孔輸送層400、上部電極500等をこの順に作製し、完成品の電池ユニットUを形成する。
【0084】
S5:電池ユニットの第2電極13、第3電極14(特にウインドウズ131、141)に適量の導電性ペースト等を施し、導電性ペーストの一部を前記貫通孔113に充填し、第2電極13と第3電極14との間で導電性チャンネル15を形成する。
【0085】
S6:該電池ユニットを他方の電池ユニットに貼り合わせ、前述第3電極14に残された導電性ペーストを利用して該電池ユニットの第3電極14を他方の電池ユニットの上部電極500に粘着し、この2つの電池ユニットを直列して配置する。
【0086】
S7:複数の電池ユニットが貼り合わせられて所望の可撓性有機太陽電池モジュールとなるまで、前述ステップS6の操作を切り返す。
【0087】
さらに、前述ステップS1~ステップS7の操作は、グローブボックス又は水や酸素のないクリーン環境において行われてもよい。
【0088】
さらに、前述ステップS6の操作は位置決め型板などの補助器具を利用して行われてもよい。
【0089】
さらに、前述ステップS6では、導電性接着剤層を介して他方の電池ユニットの第3電極14を他方の電池ユニットの上部電極500に粘着し、電気的に接続してもよい。
【0090】
さらに、図2に示すように、本願の代表的な一実施例では、可撓性有機太陽電池モジュールの第2作製方法は図1と類似しているが、ステップS6では、前述第3電極14に残された導電性ペーストを利用して該電池ユニットの第3電極14を他方の電池ユニットの第1電極12に粘着し、この2つの電池ユニットを並列して配置してもよい。
【0091】
さらに、前記作製方法は、製造された可撓性有機太陽電池モジュールについてパッケージなどの操作をさらに行うステップをさらに含んでもよく、これらの操作は全て当該分野で公知の方法によって実施されてもよい。
【0092】
さらに、この代表的な実施例では、電池ユニットUの下部電極100の上面図、下面図はそれぞれ図3a~図3bに示される。
【0093】
さらに、この代表的な実施例では、電池ユニットUの上面図、下面図はそれぞれ図4a~図4bに示される(ここで、600は電池の有効面積を示す)。
【0094】
さらに、この代表的な実施例では、複数の電池ユニットを直列してなるモジュール構造の上面図、下面図はそれぞれ図5a~図5bに示される。
【0095】
さらに、この代表的な実施例では、複数の電池ユニットを並列してなるモジュール構造の上面図、下面図はそれぞれ図6a~図6bに示される。
【0096】
図9に示すように、本願の代表的な一実施例では、可撓性有機太陽電池モジュールの第3作製方法は、ステップS1~S4を含む。
【0097】
S1:可撓性光透過性絶縁基板11の第1面111に、連続している透明電極12’(第1電極として定義されてもよい)を作製する。
【0098】
S2:可撓性光透過性絶縁基板11の選択領域に、1つ以上の貫通孔113を加工し、前記貫通孔113は可撓性光透過性絶縁基板11を厚さ方向に貫通しており、該選択領域は可撓性光透過性絶縁基板11の縁部領域又は他の適切な領域であってもよく、この領域においては透明電極12’は分布しており、これによって、電池ユニットの下部電極100aが作製される。
【0099】
S3:当該分野で公知の方法によって、該下部電極100aの透明電極12’に、機能層300’、上部電極500などをこの順に作製し、完成品の電池ユニットUを形成し、ここで、機能層300’は電子輸送層、正孔輸送層、及び活性層又は積層型電池などを含んでもよい。
【0100】
S4:電池ユニットの可撓性光透過性絶縁基板11の第1面又は第2面に適量の導電性ペーストなどを施し、導電性ペーストを前記貫通孔113に充填して導電性チャンネル15を形成する。
【0101】
S5:該電池ユニットを他方の電池ユニットに貼り合わせ、導電性接着剤層16を利用して該電池ユニットの可撓性光透過性絶縁基板11の第2面112を他方の電池ユニットの上部電極500に粘着し、導電性チャンネル及び導電性接着剤層16を介して、該電池ユニットの透明電極12’を他方の電池ユニットの上部電極に電気的に接続し、この2つの電池ユニットを直列して配置し、所望の可撓性有機太陽電池モジュールを製造する。
【0102】
さらに、前述ステップS1~ステップS5の操作は、グローブボックス又は水や酸素のないクリーン環境において行われてもよい。また、前述ステップS5の操作は位置決め型板などの補助器具を利用して行われてもよい。
【0103】
図10に示すように、本願の代表的な一実施例では、可撓性有機太陽電池モジュールの第4作製方法は、可撓性有機太陽電池モジュールの第3作製方法と類似しているが、相違点は、主に以下のとおりである。
【0104】
S4:電池ユニットの可撓性光透過性絶縁基板11の第1面に適量の導電性ペーストなどを施し、導電性ペーストの一部を前記貫通孔113に充填して導電性チャンネル15を形成し、残りの導電性ペーストで透明電極12’に第6電極17を形成し、該第6電極17は導電性ワイヤーである。
【0105】
図11に示すように、本願の代表的な一実施例では、可撓性有機太陽電池モジュールの第5作製方法は、ステップS1~S6を含む。
【0106】
S1:可撓性光透過性絶縁基板11の第1面111に、連続している透明電極12’(第1電極として定義される)を作製する。
【0107】
S2:可撓性光透過性絶縁基板11の選択領域に、1つ以上の貫通孔113を加工し、前記貫通孔113は可撓性光透過性絶縁基板11を厚さ方向に貫通しており、該選択領域は可撓性光透過性絶縁基板11の縁部領域又は他の適切な領域であってもよく、この領域においては透明電極12’は分布している。
【0108】
S3:印刷、塗布、ディスペンシング、真空蒸着又はマグネトロンスパッタリングなどによって透明電極12’に第4電極18を作製し、該第4電極18に前記貫通孔113に対応するウインドウズ181を開け、これによって、電池ユニットの下部電極100bを作製する。
【0109】
S4:当該分野で公知の方法によって、該下部電極100bの透明電極12’に、機能層300’、上部電極500などをこの順に作製し、完成品の電池ユニットUを形成し、ここで、機能層300’は電子輸送層、正孔輸送層及び活性層又は積層型電池などを含んでもよい。
【0110】
S5:電池ユニットの第4電極18(特にウインドウズ181)に適量の導電性ペーストなどを施し、導電性ペーストを前記貫通孔113に充填して導電性チャンネル15を形成する。
【0111】
S6:該電池ユニットを他方の電池ユニットに貼り合わせ、導電性接着剤層16を利用して該電池ユニットの可撓性光透過性絶縁基板11の第2面112を他方の電池ユニットの上部電極500に粘着し、導電性チャンネル15及び導電性接着剤層16を介して、該電池ユニットの透明電極12’及び第4電極18を他方の電池ユニットの上部電極に電気的に接続し、この2つの電池ユニットを直列して配置し、所望の可撓性有機太陽電池モジュールを製造する。
【0112】
図12に示すように、本願の代表的な一実施例では、可撓性有機太陽電池モジュールの第6作製方法は、ステップS1~S6を含む。
【0113】
S1:可撓性光透過性絶縁基板11の第1面111に、連続している透明電極12’を作製する。
【0114】
S2:可撓性光透過性絶縁基板11の選択領域に、1つ以上の貫通孔113を加工し、前記貫通孔113は可撓性光透過性絶縁基板11を厚さ方向に貫通しており、該選択領域は可撓性光透過性絶縁基板11の縁部領域又は他の適切な領域であってもよく、この領域においては透明電極12’は分布している。
【0115】
S3:印刷、塗布、ディスペンシング、真空蒸着又はマグネトロンスパッタリングなどによって透明電極12’に第4電極18を作製するとともに、可撓性光透過性絶縁基板11の第2面112に第5電極19を作製し、該第4電極18、第5電極19の両方に前記貫通孔113に対応するウインドウズ181、191を開け、これによって、電池ユニットの下部電極100cを作製する。
【0116】
S4:当該分野で公知の方法によって、該下部電極100cの透明電極12’に、機能層300’、上部電極500などをこの順に作製し、完成品の電池ユニットUを形成し、ここで、機能層300’は電子輸送層、正孔輸送層、及び活性層又は積層型電池などを含んでもよい。
【0117】
S5:電池ユニットの第4電極18又は第5電極19(特にウインドウズ181、191)に適量の導電性ペーストなどを施し、導電性ペーストを前記貫通孔113に充填し、第4電極18と第5電極19との間で導電性チャンネル15を形成する。
【0118】
S6:該電池ユニットを他方の電池ユニットに貼り合わせ、導電性接着剤層16を利用して該電池ユニットの第5電極19を他方の電池ユニットの上部電極500に粘着し、導電性チャンネル15及び導電性接着剤層16を介して、該電池ユニットの透明電極12’及び第4電極18を他方の電池ユニットの上部電極に電気的に接続し、この2つの電池ユニットを直列して配置し、所望の可撓性有機太陽電池モジュールを製造する。
【0119】
図13に示すように、本願の代表的な一実施例では、可撓性有機太陽電池モジュールの第7作製方法は、前述可撓性有機太陽電池モジュールの第5作製方法と類似しているが、相違点は以下のとおりである。
【0120】
S1:可撓性光透過性絶縁基板11の第1面111に、連続している透明電極12を作製する。
【0121】
S2:可撓性光透過性絶縁基板11の選択領域に、1つ以上の貫通孔113を加工し、前記貫通孔113は可撓性光透過性絶縁基板11を厚さ方向に貫通しており、該選択領域は、可撓性光透過性絶縁基板11の縁部領域又は他の適切な領域であってもよく、この領域においては透明電極12は分布していない。
【0122】
S3:印刷、塗布、ディスペンシング、真空蒸着又はマグネトロンスパッタリングなどによって可撓性光透過性絶縁基板11の第1面111に電極18’(第4電極として定義されてもよい)を作製し、該電極18’に前記貫通孔113に対応するウインドウズ181’を開け、これによって、電池ユニットの下部電極100dを作製する。
【0123】
S4:当該分野で公知の方法によって、該下部電極100dの透明電極12に、機能層300’、上部電極500などをこの順に作製し、完成品の電池ユニットUを形成し、ここで、機能層300’は、電子輸送層、正孔輸送層及び活性層又は積層型電池などを含んでもよい。
【0124】
S5:電池ユニットの電極18’(特にウインドウズ181’)に適量の導電性ペーストなどを施し、導電性ペーストを前記貫通孔113に充填して導電性チャンネル15を形成する。
【0125】
S6:該電池ユニットを他方の電池ユニットに貼り合わせ、導電性接着剤層16を利用して該電池ユニットの可撓性光透過性絶縁基板11の第2面112を他方の電池ユニットの上部電極500に粘着し、導電性チャンネル15及び導電性接着剤層16を介して、該電池ユニットの透明電極12及び電極18’を他方の電池ユニットの上部電極に電気的に接続し、この2つの電池ユニットを直列して配置し、所望の可撓性有機太陽電池モジュールを製造する。
【0126】
本実施例では、機能層300’は電極18’及び透明電極12を完全に覆ってもよい。
【0127】
以下、いくつかの実施例及び図面を参照して本願の技術的解決手段についてさらに詳しく説明する。なお、特に断らない限り、下記の実施例に使用される各種の原料、化学試薬及び設備などは、全て市販品として入手可能であり、また、印刷、スプレーコート、スピンコート、マグネトロンスパッタリングなどの操作は、全て当該分野で公知の方式によって実施されてもよい。
【0128】
実施例1 可撓性薄膜太陽電池モジュールの作製方法は、図1に示すように、ステップS1~S7を含む。
【0129】
S1、厚さ300μm程度のポリイミド(PI)フィルムの正面(第1面)に、光透過性の銀ナノワイヤー電極(即ち前述第1電極)を作製する。
【0130】
S2、機械加工又はレーザーエッチングなどによってPIフィルムの縁部領域に1つ又は複数の貫通孔を加工し、各貫通孔はPIフィルムを厚さ方向に連続して貫通している。各貫通孔は円形、多角形又は他の非規則的な形状としてもよい。ここでは、1つの貫通孔の周長の範囲は10~50μm程度であってもよく、1つの貫通孔のPIフィルムの正面での開口の面積又は背面(第2面)での開口の面積は0.03mm以下である。さらに、各貫通孔のPIフィルムの正面、背面での開口の縁部の突起高さを全て1μm未満にしてもよい。
【0131】
S3、スクリーン印刷などによってPIフィルムの正面、背面のそれぞれに、2つの銀ワイヤー電極(即ち第2電極、第3電極)を作製し、第2電極は、第1電極を取り囲んで設けられ、かつ第1電極の外縁部と接触又は重なってもよい。これらの銀ワイヤー電極は導電性ワイヤーの形態としてもよく、その幅は5mm以下、好ましくは1mm以下としてもよく、等効シート抵抗は5Ω/sq以下、好ましくは1Ω/sq以下である。また、第2電極、第3電極の最高点の第1電極からの突起高さは5μm未満、好ましくは1μm未満である。さらに、これらの銀ワイヤー電極において連続しているウインドウズ又は分散しているウインドウズが各貫通孔に対応して開けられ、これらのウインドウズの面積は、貫通孔のPIフィルムの表面での開口の面積よりも大きい。
【0132】
S4、当該分野で公知の方法によって、第1電極に電子輸送層(例えば酸化亜鉛フィルム層、厚さ約50nm)、活性層(例えばPM:Y活性層、厚さ約100nm)、正孔輸送層(例えばMoOフィルム、厚さ約10nm)、金属上部電極(例えば金属Al、厚さ約100nm)をこの順に作製し、薄膜太陽電池ユニットを製造する。
【0133】
S5、電池ユニットの第2電極、第3電極に適量の導電性銀ペーストなどを施し、第2電極、第3電極に開けられたウインドウズを介して導電性銀ペーストの一部を前記貫通孔に充填し、第2電極と第3電極との間で導電性チャンネルを形成する。
【0134】
S6:該電池ユニットを他方の電池ユニットに貼り合わせ、前述第2電極、第3電極に残された導電性銀ペーストを利用して、該電池ユニットの第3電極を他方の電池ユニットの上部電極に粘着し、この2つの電池ユニットを直列して配置する。
【0135】
S7:複数の電池ユニットが貼り合わせられて所望の可撓性有機太陽電池モジュールとなるまで前述ステップS6の操作を繰り返し、次に、パッケージなどの操作を行う。
【0136】
前述ステップS5では、マグネトロンスパッタリング、金属蒸着などの方式によって金属を、第2電極、第3電極に開けられたウインドウズ及び前記貫通孔に堆積し、導電性チャンネルを形成してもよい。
【0137】
前述ステップS6では、導電性接着剤層を介して、一方の電池ユニットの第3電極14を他方の電池ユニットの上部電極500に粘着し、電気的に接続してもよい。
【0138】
実施例2 可撓性薄膜太陽電池モジュールの作製方法は、ステップS1~S7を含む。
【0139】
S1、厚さ150μm程度のポリエステル(PET)フィルムの正面(第1面)に、ITO透明導電層(第1電極)を形成する。
【0140】
S2、PETフィルムに複数の貫通孔を加工し、各貫通孔は該PETフィルムを垂直方向に貫通しており、各貫通孔は円形、多角形又は他の非規則的な形状としてもよい。ここでは、1つの貫通孔の周長の範囲は500~800μm程度であってもよく、PETフィルムの正面での開口の面積又は背面での開口の面積は0.13mm以下であり、さらに、各貫通孔のPETフィルムの正面、背面(第2面)での開口の縁部の突起高さを全て5μm未満にしてもよい。
【0141】
S3、PETフィルムの正面、背面のうち前述貫通孔が分布している領域のそれぞれに、Agをマグネトロンスパッタリングして2つのAg電極(第2電極、第3電極)を形成し、各Ag電極の厚さは各貫通孔のPETフィルムの正面、背面での開口縁部の突起高さよりも大きく、Ag電極堆積領域は、各貫通孔のPETフィルム表面での開口縁部を50μm以上覆っている。第2電極はITO透明導電層を取り囲んで設けられ、かつITO透明導電層の外縁部と接触又は重なっている。各Ag電極は導電性ワイヤーの形態としてもよく、その幅は5mm以下、好ましくは1mm以下としてもよく、等効シート抵抗は5Ω/sq以下、好ましくは1Ω/sq以下である。また、第2電極の最高点のITO透明導電層からの突起高さは5μm未満、好ましくは1μm未満である。
【0142】
S4~S5、実施例1と同様に操作する。
【0143】
S6:該電池ユニットを他方の電池ユニットに貼り合わせ、前述第2電極、第3電極に残された導電性銀ペースト又は別の塗布導電性接着剤層を利用して、該電池ユニットの第3電極を他方の電池ユニットの上部電極に粘着し、この2つの電池ユニットを直列して配置する。
【0144】
S7、実施例1と同様に操作する。
【0145】
実施例3 可撓性薄膜太陽電池モジュールの作製方法は、実施例1とほぼ同様であるが、相違点は以下のとおりである。まず、ステップS3の操作を行い、次に、ステップS2の操作を行い、第2電極、第3電極に開けられたウインドウズでPIフィルムを加工し、前記貫通孔を形成する。本実施例の形態は、操作し難さが実施例1よりも向上する。
【0146】
実施例4 可撓性薄膜太陽電池モジュールの作製方法は、実施例1とほぼ同様であるが、相違点は以下のとおりである。
【0147】
ステップS3では、作製した第2電極ではなく第3電極にウインドウズを開ける。
【0148】
ステップS5では、電池ユニットを逆様にして、第3電極に導電性銀ペーストを施し、第3電極のウインドウズを介して導電性銀ペーストの一部を前記貫通孔に充填し、第2電極と第3電極との間で導電性チャンネルを形成する。
【0149】
本実施例では、導電性銀ペーストが透明電極に流れて透明電極の局所の短絡等の問題を引き起こすことを回避する。
【0150】
実施例5 可撓性薄膜太陽電池モジュールの作製方法は、実施例1とほぼ同様であるが、相違点は以下のとおりである。まず、ステップS3の操作を行い、ただし、形成された第2電極、第3電極のいずれにもウインドウズが開けられておらず、次に、ステップS2の操作を行い、第2電極、PIフィルム、第3電極を連続して貫通している貫通孔を加工する。本実施例の態様は、操作し難さが実施例1よりも向上する。
【0151】
本願の以上の実施例1~5で提供される技術的解決手段の利点には以下のことが含まれる。
【0152】
第一に、大面積可撓性有機太陽電池モジュールの製造プロセスを大幅に簡素化させ、コストを削減させる。
【0153】
第二に、有機太陽電池の有効面積が100%利用される。
【0154】
第三に、単一電池モジュールに比べて、製造された太陽電池モジュールでは、デバイスの光電変換効率がほぼ低下しておらず、このため、高効率大面積モジュール太陽電池の製造が図られる。
【0155】
実施例6 可撓性薄膜太陽電池モジュールの作製方法は、実施例1とほぼ同様であるが、相違点は以下のとおりである。図7に示すように、第2電極13は、少なくとも部分的に第1電極12上に積層配置され、かつ導電性チャンネル15’を介して第3電極14に電気的に接続される。
【0156】
実施例7 可撓性薄膜太陽電池モジュールの作製方法は、実施例1とほぼ同様であるが、相違点は以下のとおりである。図8に示すように、第2電極13の一部は電極12’’(第1電極として定義されてもよい)で覆われ、かつ導電性チャンネル15を介して第3電極14に電気的に接続される。
【0157】
実施例8 可撓性薄膜太陽電池モジュールの作製方法は、図9に示すように、ステップS1~S5を含んでもよい。
【0158】
S1、厚さ300μm程度のポリイミド(PI)フィルムの正面(第1面)に、光透過性の銀ナノワイヤー電極を作製し、該銀ナノワイヤー電極はPIフィルムの正面全体を覆う。
【0159】
S2、機械加工又はレーザーエッチングなどによってPIフィルムの縁部領域に1つ又は複数の貫通孔を加工し、各貫通孔は銀ナノワイヤー電極及びPIフィルムを厚さ方向に連続して貫通している。各貫通孔は、円形、多角形又は他の非規則的な形状としてもよい。
【0160】
S3、該分野で公知の方法によって、銀ナノワイヤー電極に、電子輸送層(例えば酸化亜鉛フィルム層、厚さ約50nm)、活性層(例えばPM:Y活性層、厚さ約100nm)、正孔輸送層(例えばMoOフィルム、厚さ約10nm)、金属上部電極(例えば金属Al、厚さ約100nm)などをこの順に作製し、薄膜太陽電池ユニットを製造する。
【0161】
S4、PIフィルムの正面のうち前述貫通孔が分布している領域に適量の導電性銀ペーストを施し、導電性銀ペーストを前記貫通孔に充填し、PIフィルムの正面と背面との間で導電性チャンネルを形成する。
【0162】
S5:導電性接着剤層を利用して一方の電池ユニットの背面を他方の電池ユニットの金属上部電極に粘着し、導電性チャンネル及び導電性接着剤層を介して該電池ユニットの銀ナノワイヤー電極を他方の電池ユニットの上部電極に粘着し、この2つの電池ユニットを直列して配置し、所望の可撓性有機太陽電池モジュールを製造し、次に、パッケージなどの操作を行う。
【0163】
本実施例では、可撓性薄膜太陽電池モジュールの作製プロセスは簡単であり、操作されやすく、コストが低い。
【0164】
前述ステップS4では、マグネトロンスパッタリング、金属蒸着などによって金属を前記貫通孔に堆積し、導電性チャンネルを形成する。
【0165】
実施例9 図10に示すように、本実施例で提供される可撓性薄膜太陽電池モジュールの作製方法は実施例8と類似しているが、相違点は以下のとおりである。
【0166】
ステップS4では、スクリーン印刷、凹版印刷などによって、PIフィルムの正面のうち貫通孔が分布している領域に導電銀ペーストを塗布し、導電銀ペーストの一部を前記貫通孔に充填し、PIフィルムの正面と背面との間で導電性チャンネルを形成し、残りの導電銀ペーストはPIフィルムの正面に残されて銀ワイヤー電極(前述第6電極)となり、該銀ワイヤー電極は、好ましくは、実施例1の第2電極と類似している構成である。該銀ワイヤー電極によれば、光透過性銀ナノワイヤー電極自体の導電性を変えることなく、大面積透明電極において低コスト・高性能の「ベルトウェイ」を形成し、製品全体の性能を効果的に向上させる。
【0167】
実施例10 図11に示すように、本実施例で提供される可撓性薄膜太陽電池モジュールの作製方法は、実施例1と類似しているが、相違点は以下のとおりである。
【0168】
ステップS1では、形成された銀ナノワイヤー電極はPIフィルムの正面全体を覆う。
【0169】
ステップS3では、スクリーン印刷などによって銀ナノワイヤー電極の表面に銀ワイヤー電極(即ち第4電極)を作製し、該第4電極は前述第2電極と同一又は類似の構造を有してもよい。
【0170】
本実施例では、ステップS3とステップS2の順番は交換してもよく、即ち、まず、第4電極を作製し、次に、第4電極及びPIフィルムを連続して貫通している貫通孔を形成し、その後、ステップS4~S6の操作を行う。
【0171】
実施例11 図12に示すように、本実施例で提供される可撓性薄膜太陽電池モジュールの作製方法は、実施例1と類似しているが、相違点は以下のとおりである。
【0172】
ステップS1では、形成された銀ナノワイヤー電極はPIフィルムの正面全体を覆う。
【0173】
ステップS3では、スクリーン印刷などによって銀ナノワイヤー電極の表面、PIフィルムの背面のそれぞれに2つの銀ワイヤー電極18、19(即ち第4電極、第5電極)を作製し、該第4電極、第5電極は、前述第2電極、第3電極と同一又は類似の構造を有する。
【0174】
本実施例では、ステップS3とステップS2の順番も交換してもよく、即ち、まず、第4電極、第5電極を作製し、次に、第4電極、PIフィルム、第5電極を連続して貫通している貫通孔を作製し、その後、ステップS4~S6の操作を行う。
【0175】
実施例12 図13に示すように、本実施例で提供される可撓性薄膜太陽電池モジュールの作製方法は、実施例7と類似しているが、相違点は以下のとおりである。
【0176】
ステップS3では、スクリーン印刷などによって、銀ナノワイヤー電極の表面に銀ワイヤー電極(第4電極と定義されてもよい)を作製し、該銀ワイヤー電極は、実施例1における第2電極と類似している構造を有してもいが、該銀ワイヤー電極の内縁部は銀ナノワイヤー電極上に積層配置される。
【0177】
本実施例では、ステップS3とステップS2の順番は交換してもよく、即ち、まず、第4電極を作製し、次に、第4電極及びPIフィルムを連続して貫通している貫通孔を作製し、その後、ステップS4~S6の操作を行う。
【0178】
実施例13 本実施例で提供される可撓性薄膜太陽電池モジュールの作製方法は、実施例11と類似しているが、相違点は以下のとおりである。
【0179】
ステップS3では、まず、銀ナノワイヤー電極12’の表面、PIフィルムの背面のそれぞれに第4電極18、第5電極19を作製し、次に、第4電極、PIフィルム、第5電極を連続して貫通している貫通孔を作製し、その後、銀ナノワイヤー電極の表面に、第4電極18及び銀ナノワイヤー電極12’を完全に覆っている機能層300’を作製し、その後、ステップS4~S6の操作を行う。本実施例で作製された可撓性薄膜太陽電池モジュールの構造は図14に示される。
【0180】
さらに、当業者であれば、実施例1~13を参照して、本分野の他の通常の操作と組み合わせて、可撓性薄膜発光ダイオードモジュール、可撓性薄膜光電検出器モジュールを作製することができる。
【0181】
なお、上記した実施例は本願の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。本願の実施例に対する詳細な説明は、本願の特許範囲を限定するものではなく、本願の特定の実施例を示すものに過ぎない。当業者が本願の実施例に基づいて創造的な努力を必要とせずに得る全ての他の実施例は本願の特許範囲に属する。
【0182】
(付記)
(付記1)
少なくとも2つの光電デバイスユニットを含み、各光電デバイスユニットは、所定方向に順次設けられた下部電極(100)、機能層(300)、及び上部電極(500)を含み、前記下部電極(100)は光透過性絶縁基板(11)と、光透過性絶縁基板の第1面(111)に設けられた第1電極(12)及び第2電極(13)と、光透過性絶縁基板の第2面(112)に設けられた第3電極(14)とを含み、前記第1面(111)と第2面(112)は互いに反対側に設けられ、前記第1電極(12)は透明電極であり、前記第2電極(13)と第1電極(12)は電気的に接触し、前記第2電極(13)と第3電極(14)は導電性チャンネル(15)を介して電気的に接続され、前記導電性チャンネルは光透過性絶縁基板を厚さ方向に貫通している貫通孔(113)と、前記貫通孔内に設けられた導電体とを含み、かつ、一方の光電デバイスユニットの第3電極(14)は他方の光電デバイスユニットの上部電極(500)又は第1電極(12)に電気的に接続されることで、この2つの光電デバイスユニットは直列又は並列される、ことを特徴とする可撓性光電デバイスモジュール。
【0183】
(付記2)
前記第2電極(13)は1つ又は複数であり、1つ又は複数の第2電極(13)の少なくとも一部の領域は第1電極(12)で覆われ、及び/又は、1つ又は複数の第2電極(13)の少なくとも一部の領域は第1電極(12)に覆われ、及び/又は、1つ又は複数の第2電極(13)は第1電極(12)の周囲に分布し、及び/又は、1つ又は複数の第2電極(13)の少なくとも一部の領域は第1電極(12)で囲まれている、ことを特徴とする付記1に記載の可撓性光電デバイスモジュール。
【0184】
(付記3)
前記第2電極(13)は導電性ワイヤーであり、及び/又は、前記第2電極(13)は第1電極(12)の全体又は半分を取り囲んで設けられる、ことを特徴とする付記2に記載の可撓性光電デバイスモジュール。
【0185】
(付記4)
前記導電性ワイヤーの幅は5mm以下、好ましくは1mm以下であり、及び/又は、前記第2電極(13)の最高点の前記第1電極(12)からの突起高さが5μm未満、好ましくは1μm未満であり、及び/又は、前記導電性ワイヤーの等効シート抵抗が、5Ω/sq以下、好ましくは1Ω/sq以下である、ことを特徴とする付記3に記載の可撓性光電デバイスモジュール
【0186】
(付記5)
前記貫通孔は前記光透過性絶縁基板及び第2電極(13)及び/又は第3電極(14)を所定方向に連続して貫通しており、及び/又は、前記導電体は前記貫通孔に充填された導電性ペースト又は前記貫通孔に堆積された金属で形成され、前記導電性ペーストは銀ペースト又は導電性接着剤を含む、ことを特徴とする付記1に記載の可撓性光電デバイスモジュール。
【0187】
(付記6)
前記第2電極(13)及び/又は第3電極(14)には、前記貫通孔(113)に適合するウインドウズがさらに開けられ、前記導電体を形成する導電性ペースト又は金属は前記ウインドウズを介して前記貫通孔(113)に充填され、好ましくは、前記第2電極(13)及び第3電極(14)の両方に前記ウインドウズが開けられる、ことを特徴とする付記1に記載の可撓性光電デバイスモジュール。
【0188】
(付記7)
可撓性薄膜発光ダイオード、可撓性薄膜太陽電池又は可撓性薄膜光電検出器を含み、及び/又は、一方の光電デバイスユニットの光透過性絶縁基板の第2面はまた、導電性接着剤層を介して他方の光電デバイスユニットの上部電極又は下部電極に接続される、ことを特徴とする付記1~6のいずれか1つに記載の可撓性光電デバイスモジュール。
【0189】
(付記8)
少なくとも2つの光電デバイスユニットをそれぞれ作製するステップと、
前記少なくとも2つの光電デバイスユニットを直列及び/又は並列するステップとを含み、
前記光電デバイスユニットを作製する方法は、
光透過性絶縁基板の第1面に下部電極、機能層、上部電極をこの順に作製するステップを含む、
付記1~7のいずれか1つに記載の可撓性光電デバイスモジュールの作製方法であって、
下部電極を作製する前記ステップは、具体的には、
光透過性絶縁基板の第1面(111)に第1電極(12)、第2電極(13)を設け、前記第2電極(13)と第1電極(12)とを電気的に接触させるステップと、
光透過性絶縁基板の第1面と反対側の第2面(112)に第3電極(14)を設けるステップと、
光透過性絶縁基板(11)のうち第2電極(13)及び第3電極(14)に対応する領域内に、光透過性絶縁基板(11)を厚さ方向に貫通している少なくとも1つの貫通孔(113)を加工するステップと、
前記光透過性絶縁基板の第1面(111)又は第2面(112)に導電性ペーストを施すか又は金属を堆積し、かつ少なくとも一部の導電性ペースト又は金属を前記貫通孔に充填して導電体を形成することで、光透過性絶縁基板を貫通している導電性チャンネル(15)を形成し、前記第2電極(13)と第3電極(14)を電気的に接続するステップとを含む、ことを特徴とする作製方法。
【0190】
(付記9)
下部電極を作製する前記ステップは、具体的には、
光透過性絶縁基板の第1面(111)に第2電極(13)を設ける、及び/又は光透過性絶縁基板の第2面(112)に第3電極(14)を設け、前記第2電極(13)及び/又は第3電極(14)及び光透過性絶縁基板(11)について加工を行って、第2電極(13)及び/又は第3電極(14)及び光透過性絶縁基板(11)を連続して貫通している前記貫通孔(113)を形成するステップを含む、ことを特徴とする付記8に記載の作製方法。
【0191】
(付記10)
下部電極を作製する前記ステップは、具体的には、
光透過性絶縁基板(11)のうち第2電極(13)及び第3電極(14)に対応する領域内に、前記貫通孔(113)を加工するステップと、
光透過性絶縁基板の第1面(111)、第2面(112)のそれぞれに第2電極(13)、第3電極(14)を設け、第2電極(13)及び第3電極(14)のいずれか一方に前記貫通孔(113)に適合するウインドウズを形成するステップと、
前記第2電極(13)及び/又は第3電極(14)のウインドウズに導電性ペーストを施すか、又は金属を堆積し、かつ少なくとも一部の導電性ペースト又は金属を前記貫通孔に充填して導電体を形成することで、前記導電性チャンネル(15)を形成するステップとを含む、ことを特徴とする付記8に記載の作製方法。
【0192】
(付記11)
下部電極を作製する前記ステップは、具体的には、
前記第2電極(13)及び第3電極(14)の両方に前記貫通孔(113)に適合するウインドウズを形成するステップを含む、ことを特徴とする付記10に記載の作製方法。
【0193】
(付記12)
具体的には、
作製した光電デバイスユニットを位置決め型板に入れるステップと、
前記光電デバイスユニットの第2電極(13)及び/又は第3電極(14)のウインドウズに導電性ペーストを施すか又は金属を堆積し、一部の導電性ペースト又は金属を対応する貫通孔(113)に充填して前記導電性チャンネルを形成するステップと、
第2電極(13)及び/又は第3電極(14)に残された導電性ペーストを利用して前記光電デバイスユニットを他方の光電デバイスユニットに貼り合わせ、導電性ペーストで前記光電デバイスユニットの第3電極(14)を他方の光電デバイスユニットの上部電極(500)又は第1電極(12)に電気的に接続するステップとを含む、ことを特徴とする付記10に記載の作製方法。
【0194】
(付記13)
導電性接着剤層を介して一方の光電デバイスユニットの光透過性絶縁基板(11)の第2面(112)を他方の光電デバイスユニットの上部電極又は下部電極に接続するステップをさらに含む、ことを特徴とする付記8~12のいずれか1つに記載の作製方法。
【0195】
(付記14)
2つの光電デバイスユニットを含み、各光電デバイスユニットは、所定方向に順次設けられた下部電極(100)、機能層(300)、及び上部電極(500)を含み、前記下部電極(100)は光透過性絶縁基板(11)の第1面(111)に設けられた第1電極(12’)を含み、前記光透過性絶縁基板(11)内に導電性チャンネル(15)が形成されており、前記導電性チャンネルは、光透過性絶縁基板を厚さ方向に貫通している貫通孔(113)と、前記貫通孔内に設けられた導電体とを含み、前記第1電極(12’)は導電性チャンネル(15)を介して前記光透過性絶縁基板(11)の第2面(112)に結合された他方の光電デバイスユニットの上部電極又は下部電極に電気的に接続されることで、この2つの光電デバイスユニットは直列又は並列され、前記第1面(111)と第2面(112)は互いに反対側に設けられる、ことを特徴とする可撓性光電デバイスモジュール。
【0196】
(付記15)
前記光透過性絶縁基板(11)の第1面(111)には第4電極(18)がさらに設けられ、前記第4電極(18)は第1電極(12’)に電気的に接触する、ことを特徴とする付記14に記載の可撓性光電デバイスモジュール。
【0197】
(付記16)
前記第4電極(18)の少なくとも一部の領域は第1電極(12’)に覆われ、又は、前記第1電極(12’)の少なくとも一部の領域は第4電極(18)に覆われ、及び/又は、前記第4電極(18)は導電性ワイヤーであり、好ましくは、前記導電性ワイヤーの幅は5mm以下、より好ましくは1mm以下であり、前記導電性ワイヤーの等効シート抵抗は好ましくは、5Ω/sq以下、より好ましくは1Ω/sq以下である、ことを特徴とする付記15に記載の可撓性光電デバイスモジュール。
【0198】
(付記17)
前記光透過性絶縁基板(11)の第2面(112)には第5電極(19)がさらに設けられ、前記第5電極(19)は導電性チャンネル(15)を介して第1電極(12’)に電気的に接続される、ことを特徴とする付記14~16のいずれか1つに記載の可撓性光電デバイスモジュール。
【0199】
(付記18)
前記導電体は前記貫通孔に充填された導電性ペースト又は前記貫通孔に堆積された金属で形成され、前記導電性ペーストは銀ペースト又は導電性接着剤を含む、ことを特徴とする付記14~16のいずれか1つに記載の可撓性光電デバイスモジュール。
【0200】
(付記19)
前記第1電極(12’)には前記導電性ペースト又は堆積された金属で形成される第6電極(17)がさらに設けられ、前記第6電極(17)は前記導電体と一体成形される、ことを特徴とする付記18に記載の可撓性光電デバイスモジュール。
【0201】
(付記20)
一方の光電デバイスユニットの光透過性絶縁基板(11)の第2面(112)は導電性接着剤層(16)を介して他方の光電デバイスユニットの上部電極又は下部電極に接続される、ことを特徴とする付記14~16、19のいずれか1つに記載の可撓性光電デバイスモジュール。
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図5a
図5b
図6a
図6b
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】