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特表2023-5171772次元平面における外部磁場角度を測定する磁気センサ及び前記磁気センサを用いた前記角度の測定方法
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  • 特表-2次元平面における外部磁場角度を測定する磁気センサ及び前記磁気センサを用いた前記角度の測定方法 図1
  • 特表-2次元平面における外部磁場角度を測定する磁気センサ及び前記磁気センサを用いた前記角度の測定方法 図2
  • 特表-2次元平面における外部磁場角度を測定する磁気センサ及び前記磁気センサを用いた前記角度の測定方法 図3
  • 特表-2次元平面における外部磁場角度を測定する磁気センサ及び前記磁気センサを用いた前記角度の測定方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-24
(54)【発明の名称】2次元平面における外部磁場角度を測定する磁気センサ及び前記磁気センサを用いた前記角度の測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 33/09 20060101AFI20230417BHJP
   G01R 33/02 20060101ALI20230417BHJP
【FI】
G01R33/09
G01R33/02 L
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022548869
(86)(22)【出願日】2021-02-22
(85)【翻訳文提出日】2022-08-12
(86)【国際出願番号】 IB2021051477
(87)【国際公開番号】W WO2021176297
(87)【国際公開日】2021-09-10
(31)【優先権主張番号】62/983,812
(32)【優先日】2020-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509096201
【氏名又は名称】クロッカス・テクノロジー・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100208258
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 友子
(72)【発明者】
【氏名】ズッカー・ロバート
(72)【発明者】
【氏名】フリッツ・スコット
【テーマコード(参考)】
2G017
【Fターム(参考)】
2G017AA03
2G017AB09
2G017AD55
2G017BA05
2G017BA09
2G017BA15
(57)【要約】
【課題】従来の磁気センサと外部磁場角度の測定方法を電力、費用、時間の点で改良する。
【解決手段】本発明は、2次元平面における外部磁界角度を測定する磁気センサに関し、第1信号sin(θ)及び第2信号cos(θ)をそれぞれ出力する第1及び第2感知ユニットと、第1信号と第1デジタル入力sin(f*t)を受信し、第1変調出力信号を出力する第1乗算DACと、前記第2信号と第2デジタル入力cos(f*t)を受信し、第2変調出力信号を出力する第2乗算DACと、第1変調出力信号を受信し、第1フィルタ処理された信号sin(θ)*sin(f*t+RCd)を出力する第1RCフィルタと、第2変調出力信号を受信し、第2フィルタ処理された信号sin(θ)*sin(f*t+RCd)を出力する第2RCフィルタと、第1及び第2フィルタ信号を加算し、合計信号cos(f*t+RCd+θ)を出力する加算器と、加算された信号と同期信号との間の位相シフトを測定し、位相シフトから角度を求める角度抽出部とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2次元平面における外部磁場(60)の角度(θ)を測定する磁気センサ(10)であって、
第1信号sin(θ)(301)を出力する第1感知ユニット(300)と、第2信号cos(θ)(401)を出力する第2磁場感知ユニット(400)と、
第1信号sin(θ)(301)及び第1デジタル入力sin(f*t)(303)を受信し、第1変調出力信号sin(θ)*sin(f*t)(305)を出力する第1乗算DAC(304)と、
第2信号cos(θ)(401)及び第2デジタル入力cos(f*t)(403)を受信し、第2変調出力信号cos(θ)*cos(f*t)(405)を出力する第2乗算DAC(404)と、
第1変調出力信号(305)を受信し、第1フィルタ信号sin(θ)*sin(f*t+RCd)を出力する第1RCフィルタ(306)と、
前第1変調出力信号(305)を受信し、第1フィルタ信号sin(θ)*sin(f*t+RCd)(307)を出力する第1RCフィルタ(306)と、
第2RCフィルタ(406)は、第2変調出力信号(405)を受信し、第2フィルタ信号sin(θ)*sin(f*t+RCd)(407)を出力する第2RCフィルタ(406)であって、RCdは、第1RCフィルタ(306)及び第2RCフィルタ(406)によって生じる位相遅延である、第2RCフィルタ(406)と、
第1フィルタ信号(307)を第2フィルタ信号(407)に加算し、合計信号cos(f*t+RCd+θ)(501)を出力するように構成された加算器(500)と、
合計信号(501)と同期信号(101)との間の位相シフト(RCd)を測定し、位相シフト(RCd)から角度(0)を決定するために構成された角度抽出部(700)と
を備える、2次元平面における外部磁場(60)の角度(θ)を測定する磁気センサ(10)。
【請求項2】
合計信号(501)を受信するコンパレータ(601)をさらに備え、合計信号(501)の立ち上がりゼロクロスの発見用に構成されている、請求項1に記載の磁気センサ。
【請求項3】
角度抽出部(700)は、参照出力信号cos(f*t+RCd)(507)のゼロクロスのときにカウントを開始するように構成されたカウンタであって、
合計信号cos(f*t+RCd+θ)(501)がゼロを横切ったときにカウントを停止し、角度θはカウントに比例する、請求項2に記載の磁気センサ。
【請求項4】
アナログ参照信号(502)及び正規化された参照デジタル入力cos(f*t)(503)を受信し、参照変調出力信号cos(f*t)(505)を出力する参照乗算DAC(504)と、
入力された参照変調出力信号(505)から参照出力信号cos(f*t+RCd)(507)の生成用に構成された参照RCフィルタ(506)とをさらに備える、請求項3に記載の磁気センサ。
【請求項5】
参照出力信号(507)は、参照出力信号(507)の立ち上がりゼロクロスの発見用に構成された参照コンパレータ(602)に入力される、請求項4に記載の磁気センサ。
【請求項6】
カウンタ(700)はfより大きいクロック周波数で実行される、請求項3から5のいずれか一項に記載の磁気センサ。
【請求項7】
f*tがθより大きい、請求項6に記載の磁気センサ。
【請求項8】
第1乗算DAC(304)と第2乗算DAC(404)は、4象限の乗算DACである、請求項1から7のいずれか一項に記載の磁気センサ。
【請求項9】
第1感知ユニット(300)及び第2感知ユニット(400)は、フルブリッジ回路に配置された複数のTMR感知素子を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の磁気センサ。
【請求項10】
外部磁場の2次元空間における回転角度θを求める方法(60)であって、請求項1から9のいずれか一項に記載の磁気センサ(10)を用い、
第1感知ユニット(300)の第1信号(301)及び前記第1デジタル入力sin(f*t)(303)を第1乗算DAC(304)に入力して、第1変調出力信号sin(θ)*sin(f*t)(305)を出力するステップと、
第2感知ユニット(400)の第2信号(401)及び前記第2デジタル入力cos(f*t)(403)を前記第2乗算DAC(404)に入力して、前記第2変調出力信号cos(θ)*cos(f*t)(405)を出力するステップと、
第1変調出力信号(305)を第1RCフィルタ(306)に入力し、前記第2変調出力信号(405)を第2RCフィルタ(406)に入力して、それぞれ、第1フィルタ信号sin(θ)*sin(f*t+RCd)(307)及び第2フィルタ信号sin(θ)*sin(f*t+RCd)(407)を出力するステップと、
加算回路(500)に第1フィルタ信号(307)及び第2フィルタ信号(407)を加算して、合計信号cos(f*t+RCd+θ)を出力する(501)ステップと、
角度抽出部(700)において、合計信号(501)と同期信号(101)との間の位相シフト(RCd)を測定し、測定された位相シフト(RCd)から角度(θ)を求めるステップと
を備える、外部磁場の2次元空間における回転角度θを求める方法(60)。
【請求項11】
第1信号sin(θ)(301)を出力するべく第1感知ユニット(300)に第1電圧波形(201)を与え、第2感知ユニット(400)に第2電圧波形(202)を設けて第2信号cos(θ)(401)を出力するステップをさらに備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記磁気センサは、コンパレータ(601)をさらに備え、前記方法は、前記合計信号(501)を前記コンパレータ(601)に入力し、前記合計信号(501)の上昇ゼロクロスを求めるステップをさらに備える、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記磁気センサは、参照乗算DAC(504)及び参照RCフィルタ(506)をさらに備え、
前記方法が、アナログ参照信号(502)と正規化された参照デジタル入力cos(f*t)(503)を参照乗算DAC(504)に入力して、参照変調出力信号cos(f*t)(505)を出力するステップと、
参照変調出力信号(505)を参照RCフィルタ(506)に入力して、参照出力信号cos(f*t+RCd)を生成する(507)ステップとをさらに備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記磁気センサは、参照コンパレータ(602)をさらに備え、
前記方法がさらに、参照出力信号(507)を参照コンパレータ(602)に入力するステップと、参照出力信号(507)の立ち上がりゼロクロスを見つけるステップをさらに備える、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2次元平面における外部磁場角度を測定する磁気センサに関する。本開示はさらに、磁気センサを用いて前述の角度を決定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2次元平面における外部磁場の向きの測定は、磁気センサを用いて実施可能である。このような磁気センサは、1次元磁気センサを組み合わせて形成可能であって、ここで、各1次元磁気センサは、フル(ホイートストン)ブリッジ回路構成に配置された4つの磁気センサ素子から形成される。1次元磁気センサの一方は、他方の1次元磁気センサの検知軸と直交する感知軸を持つ。2つの1次元磁気センサに一定の直流電圧を供給可能であり、その結果、各1次元磁気センサは、2つのデジタル化信号を得るために、それぞれの差動増幅器の入力端子に供給される出力を生成する。2つのデジタル化信号は、ソフトウェアのルーチンが2つのデジタル化信号の比のアークタンジェントを解いて外部磁場角度を抽出する処理ユニットに入力される。
【0003】
従来の2次元磁気センサの不利点は、強力な処理装置を必要とする煩雑で長い数学演算を行わなければならないことである。したがって、この取り組み方(アプローチ)は電力、時間、費用を集中的に消費する。
【0004】
90°の角度差で磁気的に分極された2つのトンネル磁気抵抗(TMR)ブリッジを持つ角度2-dセンサの場合、正弦波及び余弦波形信号を生成できる。しかし、このようなセンサは不完全であり、2つのブリッジが正確に90°離れていることはない。これはしばしば「直交性」の問題に言及される。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、2次元平面における外部磁場角度を測定する磁気センサに関するもので、それぞれ、第1信号sin(θ)及び第2信号cos(θ)を出力する第1及び第2感知ユニットと、第1信号と第1デジタル入力sin(f*t)を受信し、第1変調出力信号を出力する第1乗算DACと、前記第2信号と第2デジタル入力cos(f*t)を受信し、第2変調出力信号を出力する第2乗算DACと、第1RCフィルタは、第1変調出力信号を受信し、第1フィルタ信号sin(θ)*sin(f*t+RCd)を出力する第1RCフィルタと、第2変調出力信号を受信し、第2フィルタ信号sin(θ)*sin(f*t+RCd)を出力する第2RCフィルタとを備える。第1と第2フィルタ信号を追加し、合計信号cos(f*t+RCd+θ)を出力する加算器と、合計信号と同期信号との間の位相シフトを測定し、位相シフトから角度を求める角度抽出部とを備える。
【0006】
一実施形態では、第1及び第2感知ユニットは、フルブリッジ回路に配置された複数のTMR感知素子を備える。
【0007】
本開示はさらに、前述の磁気センサを用いて、外部磁場の2次元空間における回転角度を決定する方法に関する。
【0008】
本明細書に開示される磁気センサ及び方法は、消費電力の低減を伴うリアルタイムの更新速度と、コンパクトな集積回路(IC)を使う費用対効果を可能にする。磁気センサ及び方法は、直交性の問題を解決する。
【0009】
本発明は、例として与えられ、図によって例示される実施形態の説明の助けを借りてよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、2次元空間における回転角度と外部磁場の強度を測定する2つの感知ユニットを備えるTMRベースのセンサを示す。
図2図2は、感知ユニットの可能な構成を示す。
図3図3は、自己参照磁気トンネル接合を備える感知素子を表す。
図4図4は、一実施形態に係る磁気センサ10の一部を表す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
外部磁場60の2次元平面における回転角度θを測定するトンネル磁気抵抗(TMR)ベースの磁気センサ10を図1に示す。磁気センサ10は、第1信号301を出力する第1感知ユニット300と、第2信号401を出力する第2電界感知ユニット400とを備える。
【0012】
第1感知ユニット300及び第2磁場感知ユニット400の各々は、図2に例示されるように、完全に配置された複数のトンネル磁気抵抗(TMR)感知素子(ホイートストン)-ブリッジ回路を備えてよい。図2の配置において、フルブリッジ回路は、2つの直列接続されたTMR感知素子21、22、22、2つの他の直列接続された磁場感知素子23、24に並列に備える。ここで、第1感知ユニット300及び第2感知ユニット400は分圧器として機能し、ここで分圧器比は、2次元空間における外部磁場60の角度θの関数である。TMR感知素子の他の配置、例えばハーフブリッジなどが可能である。
【0013】
感知素子21から24は、自己参照磁気トンネル接合2(図3参照)を備えてよい。自己参照磁気トンネル接合2は、外部磁場60の方向に応じて、固定されている参照磁化231を持つ参照層230と、参照磁化231に対して配向可能なセンス磁化211を持つセンス層210とを備える。第1感知ユニット300及び第2感知ユニット400の感知軸は、参照磁化231の固定姿勢と一致する。特に、第1感知ユニット300の第1感知軸330は、例えば参照磁化231の方向をプログラミングすることによって、第2感知ユニット400の感知軸430と略直交するように設定される。
【0014】
感知素子21から24は、自己参照磁気トンネル接合に限定されず、磁場を感知できる様々な素子を備えてよい。例えば、感知素子は、ホール効果素子、磁気抵抗素子又は磁気トランジスタを備えてよい。知られているように、磁気抵抗素子には異なる種類があり、例えば、アンチモン化インジウム(InSb)などの半導体磁気抵抗素子、巨大磁気抵抗(GMR)素子、異方性磁気抵抗素子(AMR)、トンネル磁気抵抗(TMR)素子、磁気トンネル接合(MTJ)、スピンバルブ、その他がある。
【0015】
磁気センサ10は、第1磁場感知ユニット300の入力に第1電圧波形201を供給するように構成された電圧発生器200と、第2磁場感知ユニット400の入力に第2電圧波形202とをさらに備えてよい。第1電圧波形201及び第2電圧波形202は、直交信号を備えてよい。例えば、第1電圧波形201は、正弦波形を備えてもよく、第2電圧波形202は、余弦波形を備えてよい。第1電圧波形201及び第2電圧波形202は、固定された発電機周波数f及び振幅の周期的な電圧波形を持つ。第1電圧波形201及び第2電圧波形202は、実質的に90°位相ずらされている。
【0016】
電子回路10は、クロック同期信号101を生成するクロック発生器100をさらに備えてよい。同期信号101は、電圧発生器200の動作を同期させる。
【0017】
第1感知ユニット300は第1信号301を出力し、第2感知ユニット400は第2信号401を出力する。第1信号301及び第2信号401の振幅は、第1電圧波形201及び第2電圧波形202の振幅に対して、外部磁場60の向きに応じて、すなわち、外部磁場60の角度θに対して、感知素子21から24が線形範囲で動作している場合に変化する。
【0018】
磁気センサ10は、第1信号301及び第2信号401が入力される加算回路500をさらに備える。加算回路500は、第1信号301を第2信号401に加算(又は合計)し、合計信号501を出力するように構成されている。
【0019】
磁気センサ10は、角度抽出部700をさらに備える。合計信号501及びクロック同期信号101は、角度抽出部700の入力に供給される。このように同期信号101は、角度抽出部700の動作をさらに同期させる。角度抽出部700は、合計信号501と同期信号101との間の位相シフトを測定し、測定された位相シフトから外部磁場60の角度θを求めるように構成されている。角度抽出部700は、決定された角度θに関する情報を含むデジタル角度出力701を出力する。
【0020】
図4は、一実施形態に係る磁気センサ10を表している。図4では、電圧発生器200及びクロック発生器100は見えない。第1電圧波形201はフルブリッジ第1感知ユニット300の入力に入力され、第2電圧波形202はフルブリッジ第2感知ユニット400の入力に入力される。第1及び第2感知ユニット300、400の2つの分岐のそれぞれから出力される電圧-Vout、Voutは、電圧出力-Vout、Voutのオフセット及び感度変動を調整する第1及び第2調整可能なゲイン増幅器302、402に入力され、それぞれ正規化された第1信号sin(θ)301及び正規化された第2信号cos(θ)401を出力する。
【0021】
第1信号sin(θ)301及び第1デジタル入力sin(f*t)303は、第1乗算DAC304に入力される。第2信号cos(θ)401及び第2デジタル入力cos(f*t)403は、第2乗算DAC404に入力される。ここで、fは周波数、tは時間であり、積f*tは角度θ(f*t>>θ)より大きい。第1乗算DAC304は、第1変調出力信号sin(θ)*sin(f*t)305を出力し、第2乗算DAC404は、第2変調出力信号cos(θ)*cos(f*t)405を出力する。好ましくは、第1乗算DAC304及び第2乗算DAC404は、4象限の乗算デジタルアナログ回路(DAC)である。
【0022】
磁気センサ10は、第1変調出力信号305を受信し、第1フィルタ信号sin(θ)*sin(f*t+RCd)307を出力する第1抵抗コンデンサ(RC)フィルタ306をさらに備える(ここで、RCdは、第1RCフィルタ306によって引き起こされる位相遅延である)。第2RCフィルタ406は、第2変調出力信号405を受信し、第2フィルタ信号sin(θ)*sin(f*t+RCd)407を出力する(ここで、RCdは、第2RCフィルタ406によって引き起こされる位相遅延である)。第1フィルタ信号307は、加算回路500において第2フィルタ信号407に加算される。合計信号(sin(θ)*sin(f*t+RCd)とcos(θ)*cos(f*t+RCd))501は、cos(θ)*cos(f*t+RCd)-sin(θ)*sin(f*t+RCd)をcos(f*t+RCd+0)に対応する。合計信号cos(f*t+RCd+θ)501は、コンパレータ601に入力される。好ましくは、第1及び第2RCフィルタ306、406は、1/2*π*RC≒f(fに近似)となるように構成される。
【0023】
磁気センサ10は、アナログ参照信号「1」502によって入力される参照乗算デジタルアナログ変換回路(DAC)504と、参照変調出力信号cos(f*t)505(f>>θ)を与えるような正規化された参照デジタル入力cos(f*t)503とをさらに備える。参照変調出力信号cos(f*t)505は、参照出力信号cos(f*t+RCd)507を生成するような参照RCフィルタ506に入力され、ここでRCdは参照RCフィルタ506によって生じる位相遅延である。参照出力信号cos(f*t+RCd)507は、参照コンパレータ602に入力される。
【0024】
外部磁場角度θは位相遅延RCdから求められる。
【0025】
好ましくは、第1RCフィルタ306、第2RCフィルタ406、参照RCフィルタ506は、同じロールオフ周波数を持つ。
【0026】
コンパレータ601及び参照コンパレータ602は、それぞれ、合計信号501及び参照出力信号507の立ち上がりゼロクロスを求めるように構成されている。角度抽出部700には、コンパレータ601のコンパレータ信号出力603と、参照コンパレータ602の参照コンパレータ信号出力604とが入力される。ここで、角度抽出部700はカウンタである。カウンタ700は、角度θを決定するようなfより大きいクロック周波数で動作する。
【0027】
カウンタ700は、参照出力信号cos(f*t+RCd)507がゼロを横切ったときにカウントを開始し、合計信号cos(f*t+RCd+θ)501がゼロを横切ったときにカウントを停止するように構成してよい。角度θはカウントに比例する。
【0028】
一実施形態では、クロック同期信号101の開始パルス及び停止パルスの相補的なエッジが使用される。これにより、角度抽出部700の更新速度を2倍にできる。
【0029】
一実施形態では、外部磁場60の2次元空間における回転角度θを決定する方法は、トンネル磁気抵抗(TMR)ベースの磁気センサ10を用いて、次のステップを備える。 第1感知ユニット300の第1信号301及び第1デジタル入力sin(f*t)303を第1乗算DAC304に入力して、第1変調出力信号sin(θ)*sin(f*t)305を出力するステップと、
第2感知ユニット400の第2信号401及び第2デジタル入力cos(f*t)403を第2乗算DAC404に入力して、第2変調出力信号cos(θ)*cos(f*t)405を出力するステップと、
第1変調出力信号305を第1RCフィルタ306に入力し、第2変調出力信号405を第2RCフィルタ406に入力して、それぞれ、第1フィルタ信号sin(θ)*sin(f*t+RCd)307及び第2フィルタ信号sin(θ)*sin(f*t+RCd)407を出力するステップと、
加算回路500に第1フィルタ信号(307)及び第2フィルタ信号407を加算して合計信号cos(f*t+RCd+θ)501を出力するステップと、
角度抽出部700において合計信号501と同期信号101との間の位相シフトRCdを測定し、測定された位相シフトRCdから角度0を求めるステップ
である。
【0030】
一実施形態では、この方法は、合計信号501をコンパレータ601に入力すること、及び合計信号501の立ち上がりゼロクロスを見つけるステップをさらに備える。
【0031】
別の実施形態では、この方法は、第1信号sin(θ)301を出力するために第1感知ユニット300に第1電圧波形201を提供し、第2信号cos(θ)401を出力するべく第2電圧波形202を第2感知ユニット400に提供するステップをさらに備える。
【0032】
さらに別の実施形態では、この方法は、参照変調出力信号cos(f*t)505を出力すべくアナログ参照信号502及び正規化された参照デジタル入力cos(f*t)503を参照乗算DAC504に入力するステップと、参照出力信号cos(f*t+RCd)507を生成すべく参照変調出力信号505を参照RCフィルタ506に入力するステップをさらに備える。
【0033】
さらに別の実施形態では、この方法は、参照出力信号507を参照コンパレータ602に入力し、参照出力信号507の立ち上がりゼロクロスを見つけるステップをさらに備える。
【0034】
考えられる方法の1つは、デジタル正弦波及び余弦変調関数を生成するクロックをスキューする(偏差、歪みを付ける)ことである。特に、不完全に「直交する」第1信号301及び第2信号401をサンプリングして保持可能であり、数クロックサイクルのプログラム可能な遅延を追加してよい。これにより、直交性をシステムの角度分解能のレベルに補正可能である。
【符号の説明】
【0035】
10 磁気センサ
100 クロック生成器
101 クロック同期信号
21から24 TMR感知素子
210 センス層
211 センス磁化
230 参照層
231 参照磁化
200 周期電圧発生器
201 第1電圧波形
202 第2電圧波形
300 第1感知ユニット
301 第1信号
302 調整可能なゲイン増幅器
303 第1デジタル入力
304 第1乗算 DAC
305 第1変調出力信号
306 第1RCフィルタ
307 第1フィルタ信号
330 第1感知軸
350 コンデンサ
400 第2感知ユニット
401 第2信号
402 調整可能なゲイン増幅器
403 第2デジタル入力
404 秒の乗算 DAC
405 第2変調出力信号
406 第2RCフィルタ
407 第2フィルタ信号
430 第2感知軸
500 加算回路
501 合計シグナル
502 アナログ参照信号
503 参照デジタル入力
504 参照乗算DAC
505 参照変調出力信号
506 参照RCフィルタ
507 参照出力信号
60 外部磁場
601 コンパレータ
602 参照コンパレータ
603 コンパレータ信号出力
604 参照コンパレータ信号出力
700 角度抽出ユニット、カウンタ
701 デジタル角度出力
q 磁場角度
f 周波数
固定周波数、発電機周波数
RCd 位相遅延
t 時間
V 電圧
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2022-09-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2次元平面における外部磁場角度を測定する磁気センサに関する。本開示はさらに、磁気センサを用いて前述の角度を決定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2次元平面における外部磁場の向きの測定は、磁気センサを用いて実施可能である。このような磁気センサは、1次元磁気センサを組み合わせて形成可能であって、ここで、各1次元磁気センサは、フル(ホイートストン)ブリッジ回路構成に配置された4つの磁気センサ素子から形成される。1次元磁気センサの一方は、他方の1次元磁気センサの検知軸と直交する感知軸を持つ。2つの1次元磁気センサに一定の直流電圧を供給可能であり、その結果、各1次元磁気センサは、2つのデジタル化信号を得るために、それぞれの差動増幅器の入力端子に供給される出力を生成する。2つのデジタル化信号は、ソフトウェアのルーチンが2つのデジタル化信号の比のアークタンジェントを解いて外部磁場角度を抽出する処理ユニットに入力される。
【0003】
従来の2次元磁気センサの不利点は、強力な処理装置を必要とする煩雑で長い数学演算を行わなければならないことである。したがって、この取り組み方(アプローチ)は電力、時間、費用を集中的に消費する。
【0004】
90°の角度差で磁気的に分極された2つのトンネル磁気抵抗(TMR)ブリッジを持つ角度2-dセンサの場合、正弦波及び余弦波形信号を生成できる。しかし、このようなセンサは不完全であり、2つのブリッジが正確に90°離れていることはない。これはしばしば「直交性」の問題に言及される。
【0005】
特許文献1(EP1918678)は、出力電圧の波形歪みが低減された角度などの物理量の変位を検出するGMR素子を用いた高精度変位センサの提供を開示している。所定の角度オフセットを有するホイートストンブリッジ回路が少なくとも2つ設置されていて、それぞれ複数のGMR素子を備え、各GMR素子が所定の磁化方向に設定された固定磁性層を持っている。ホイートストンブリッジ回路の電源として交流電源を使用し、ホイートストンブリッジ回路からの交流変調出力に基づいて回転角などの物理量の変位を検出する。
【0006】
特許文献2(EP3144639)は、放射状に磁化された磁石と、磁石の角度位置を感知する磁気角度センサとを有する磁気角度検出システムを開示している。磁気角度センサは磁石の軸に平行に取り付けられ、磁石と非同一平面である。磁気角センサは、センサが取り付けられた磁場ベクトルの検出された軸方向磁場成分と接線方向磁場成分とに基づいて磁石の角度位置を検出する。この発明は、柔軟な検知システムを提供している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1918678号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第3144639号明細書
【発明の概要】
【0008】
本開示は、2次元平面における外部磁場角度を測定する磁気センサに関するもので、それぞれ、第1信号sin(θ)及び第2信号cos(θ)を出力する第1及び第2感知ユニットと、第1信号と第1デジタル入力sin(f*t)を受信し、第1変調出力信号を出力する第1乗算DACと、前記第2信号と第2デジタル入力cos(f*t)を受信し、第2変調出力信号を出力する第2乗算DACと、第1RCフィルタは、第1変調出力信号を受信し、第1フィルタ信号sin(θ)*sin(f*t+RCd)を出力する第1RCフィルタと、第2変調出力信号を受信し、第2フィルタ信号sin(θ)*sin(f*t+RCd)を出力する第2RCフィルタとを備える。第1と第2フィルタ信号を追加し、合計信号cos(f*t+RCd+θ)を出力する加算器と、合計信号と同期信号との間の位相遅延を測定し、位相遅延から角度を求める角度抽出部とを備える。
【0009】
一実施形態では、第1及び第2感知ユニットは、フルブリッジ回路に配置された複数のTMR感知素子を備える。
【0010】
本開示はさらに、前述の磁気センサを用いて、外部磁場の2次元空間における回転角度を決定する方法に関する。
【0011】
本明細書に開示される磁気センサ及び方法は、消費電力の低減を伴うリアルタイムの更新速度と、コンパクトな集積回路(IC)を使う費用対効果を可能にする。磁気センサ及び方法は、直交性の問題を解決する。
【0012】
本発明は、例として与えられ、図によって例示される実施形態の説明の助けを借りてよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、2次元空間における回転角度と外部磁場の強度を測定する2つの感知ユニットを備えるTMRベースのセンサを示す。
図2図2は、感知ユニットの可能な構成を示す。
図3図3は、自己参照磁気トンネル接合を備える感知素子を表す。
図4図4は、一実施形態に係る磁気センサ10の一部を表す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
外部磁場60の2次元平面における回転角度θを測定するトンネル磁気抵抗(TMR)ベースの磁気センサ10を図1に示す。磁気センサ10は、第1信号301を出力する第1感知ユニット300と、第2信号401を出力する第2電界感知ユニット400とを備える。
【0015】
第1感知ユニット300及び第2磁場感知ユニット400の各々は、図2に例示されるように、完全に配置された複数のトンネル磁気抵抗(TMR)感知素子(ホイートストン)-ブリッジ回路を備えてよい。図2の配置において、フルブリッジ回路は、2つの直列接続されたTMR感知素子21、22、22、2つの他の直列接続された磁場感知素子23、24に並列に備える。ここで、第1感知ユニット300及び第2感知ユニット400は分圧器として機能し、ここで分圧器比は、2次元空間における外部磁場60の角度θの関数である。TMR感知素子の他の配置、例えばハーフブリッジなどが可能である。
【0016】
感知素子21から24は、自己参照磁気トンネル接合2(図3参照)を備えてよい。自己参照磁気トンネル接合2は、外部磁場60の方向に応じて、固定されている参照磁化231を持つ参照層230と、参照磁化231に対して配向可能なセンス磁化211を持つセンス層210とを備える。第1感知ユニット300及び第2感知ユニット400の感知軸は、参照磁化231の固定姿勢と一致する。特に、第1感知ユニット300の第1感知軸330は、例えば参照磁化231の方向をプログラミングすることによって、第2感知ユニット400の感知軸430と略直交するように設定される。
【0017】
感知素子21から24は、自己参照磁気トンネル接合に限定されず、磁場を感知できる様々な素子を備えてよい。例えば、感知素子は、ホール効果素子、磁気抵抗素子又は磁気トランジスタを備えてよい。知られているように、磁気抵抗素子には異なる種類があり、例えば、アンチモン化インジウム(InSb)などの半導体磁気抵抗素子、巨大磁気抵抗(GMR)素子、異方性磁気抵抗素子(AMR)、トンネル磁気抵抗(TMR)素子、磁気トンネル接合(MTJ)、スピンバルブ、その他がある。
【0018】
磁気センサ10は、第1磁場感知ユニット300の入力に第1電圧波形201を供給するように構成された電圧発生器200と、第2磁場感知ユニット400の入力に第2電圧波形202とをさらに備えてよい。第1電圧波形201及び第2電圧波形202は、直交信号を備えてよい。例えば、第1電圧波形201は、正弦波形を備えてもよく、第2電圧波形202は、余弦波形を備えてよい。第1電圧波形201及び第2電圧波形202は、固定された発電機周波数f及び振幅の周期的な電圧波形を持つ。第1電圧波形201及び第2電圧波形202は、実質的に90°位相ずらされている。
【0019】
電子回路10は、クロック同期信号101を生成するクロック発生器100をさらに備えてよい。同期信号101は、電圧発生器200の動作を同期させる。
【0020】
第1感知ユニット300は第1信号301を出力し、第2感知ユニット400は第2信号401を出力する。第1信号301及び第2信号401の振幅は、第1電圧波形201及び第2電圧波形202の振幅に対して、外部磁場60の向きに応じて、すなわち、外部磁場60の角度θに対して、感知素子21から24が線形範囲で動作している場合に変化する。
【0021】
磁気センサ10は、第1信号301及び第2信号401が入力される加算回路500をさらに備える。加算回路500は、第1信号301を第2信号401に加算(又は合計)し、合計信号501を出力するように構成されている。
【0022】
磁気センサ10は、角度抽出部700をさらに備える。合計信号501及びクロック同期信号101は、角度抽出部700の入力に供給される。このように同期信号101は、角度抽出部700の動作をさらに同期させる。角度抽出部700は、合計信号501と同期信号101との間の位相遅延を測定し、測定された位相遅延から外部磁場60の角度θを求めるように構成されている。角度抽出部700は、決定された角度θに関する情報を含むデジタル角度出力701を出力する。
【0023】
図4は、一実施形態に係る磁気センサ10を表している。図4では、電圧発生器200及びクロック発生器100は見えない。第1電圧波形201はフルブリッジ第1感知ユニット300の入力に入力され、第2電圧波形202はフルブリッジ第2感知ユニット400の入力に入力される。第1及び第2感知ユニット300、400の2つの分岐のそれぞれから出力される電圧-Vout、Voutは、電圧出力-Vout、Voutのオフセット及び感度変動を調整する第1及び第2調整可能なゲイン増幅器302、402に入力され、それぞれ正規化された第1信号sin(θ)301及び正規化された第2信号cos(θ)401を出力する。
【0024】
第1信号sin(θ)301及び第1デジタル入力sin(f*t)303は、第1乗算DAC304に入力される。第2信号cos(θ)401及び第2デジタル入力cos(f*t)403は、第2乗算DAC404に入力される。ここで、fは周波数、tは時間であり、積f*tは角度θ(f*t>>θ)より大きい。第1乗算DAC304は、第1変調出力信号sin(θ)*sin(f*t)305を出力し、第2乗算DAC404は、第2変調出力信号cos(θ)*cos(f*t)405を出力する。好ましくは、第1乗算DAC304及び第2乗算DAC404は、4象限の乗算デジタルアナログ回路(DAC)である。
【0025】
磁気センサ10は、第1変調出力信号305を受信し、第1フィルタ信号sin(θ)*sin(f*t+RCd)307を出力する第1抵抗コンデンサ(RC)フィルタ306をさらに備える(ここで、RCdは、第1RCフィルタ306によって引き起こされる位相遅延である)。第2RCフィルタ406は、第2変調出力信号405を受信し、第2フィルタ信号sin(θ)*sin(f*t+RCd)407を出力する(ここで、RCdは、第2RCフィルタ406によって引き起こされる位相遅延である)。第1フィルタ信号307は、加算回路500において第2フィルタ信号407に加算される。合計信号(sin(θ)*sin(f*t+RCd)とcos(θ)*cos(f*t+RCd))501は、cos(θ)*cos(f*t+RCd)-sin(θ)*sin(f*t+RCd)をcos(f*t+RCd+0)に対応する。合計信号cos(f*t+RCd+θ)501は、コンパレータ601に入力される。好ましくは、第1及び第2RCフィルタ306、406は、1/2*π*RC≒f(fに近似)となるように構成される。
【0026】
磁気センサ10は、アナログ参照信号「1」502によって入力される参照乗算デジタルアナログ変換回路(DAC)504と、参照変調出力信号cos(f*t)505(f>>θ)を与えるような正規化された参照デジタル入力cos(f*t)503とをさらに備える。参照変調出力信号cos(f*t)505は、参照出力信号cos(f*t+RCd)507を生成するような参照RCフィルタ506に入力され、ここでRCdは参照RCフィルタ506によって生じる位相遅延である。参照出力信号cos(f*t+RCd)507は、参照コンパレータ602に入力される。
【0027】
外部磁場角度θは位相遅延RCdから求められる。
【0028】
好ましくは、第1RCフィルタ306、第2RCフィルタ406、参照RCフィルタ506は、同じロールオフ周波数を持つ。
【0029】
コンパレータ601及び参照コンパレータ602は、それぞれ、合計信号501及び参照出力信号507の立ち上がりゼロクロスを求めるように構成されている。角度抽出部700には、コンパレータ601のコンパレータ信号出力603と、参照コンパレータ602の参照コンパレータ信号出力604とが入力される。ここで、角度抽出部700はカウンタである。カウンタ700は、角度θを決定するようなfより大きいクロック周波数で動作する。
【0030】
カウンタ700は、参照出力信号cos(f*t+RCd)507がゼロを横切ったときにカウントを開始し、合計信号cos(f*t+RCd+θ)501がゼロを横切ったときにカウントを停止するように構成してよい。角度θはカウントに比例する。
【0031】
一実施形態では、クロック同期信号101の開始パルス及び停止パルスの相補的なエッジが使用される。これにより、角度抽出部700の更新速度を2倍にできる。
【0032】
一実施形態では、外部磁場60の2次元空間における回転角度θを決定する方法は、トンネル磁気抵抗(TMR)ベースの磁気センサ10を用いて、次のステップを備える。 第1感知ユニット300の第1信号301及び第1デジタル入力sin(f*t)303を第1乗算DAC304に入力して、第1変調出力信号sin(θ)*sin(f*t)305を出力するステップと、
第2感知ユニット400の第2信号401及び第2デジタル入力cos(f*t)403を第2乗算DAC404に入力して、第2変調出力信号cos(θ)*cos(f*t)405を出力するステップと、
第1変調出力信号305を第1RCフィルタ306に入力し、第2変調出力信号405を第2RCフィルタ406に入力して、それぞれ、第1フィルタ信号sin(θ)*sin(f*t+RCd)307及び第2フィルタ信号sin(θ)*sin(f*t+RCd)407を出力するステップと、
加算回路500に第1フィルタ信号(307)及び第2フィルタ信号407を加算して合計信号cos(f*t+RCd+θ)501を出力するステップと、
角度抽出部700において合計信号501と同期信号101との間の位相遅延RCdを測定し、測定された位相遅延RCdから角度0を求めるステップ
である。
【0033】
一実施形態では、この方法は、合計信号501をコンパレータ601に入力すること、及び合計信号501の立ち上がりゼロクロスを見つけるステップをさらに備える。
【0034】
別の実施形態では、この方法は、第1信号sin(θ)301を出力するために第1感知ユニット300に第1電圧波形201を提供し、第2信号cos(θ)401を出力するべく第2電圧波形202を第2感知ユニット400に提供するステップをさらに備える。
【0035】
さらに別の実施形態では、この方法は、参照変調出力信号cos(f*t)505を出力すべくアナログ参照信号502及び正規化された参照デジタル入力cos(f*t)503を参照乗算DAC504に入力するステップと、参照出力信号cos(f*t+RCd)507を生成すべく参照変調出力信号505を参照RCフィルタ506に入力するステップをさらに備える。
【0036】
さらに別の実施形態では、この方法は、参照出力信号507を参照コンパレータ602に入力し、参照出力信号507の立ち上がりゼロクロスを見つけるステップをさらに備える。
【0037】
考えられる方法の1つは、デジタル正弦波及び余弦変調関数を生成するクロックをスキューする(偏差、歪みを付ける)ことである。特に、不完全に「直交する」第1信号301及び第2信号401をサンプリングして保持可能であり、数クロックサイクルのプログラム可能な遅延を追加してよい。これにより、直交性をシステムの角度分解能のレベルに補正可能である。
【符号の説明】
【0038】
10 磁気センサ
100 クロック生成器
101 クロック同期信号
21から24 TMR感知素子
210 センス層
211 センス磁化
230 参照層
231 参照磁化
200 周期電圧発生器
201 第1電圧波形
202 第2電圧波形
300 第1感知ユニット
301 第1信号
302 調整可能なゲイン増幅器
303 第1デジタル入力
304 第1乗算 DAC
305 第1変調出力信号
306 第1RCフィルタ
307 第1フィルタ信号
330 第1感知軸
350 コンデンサ
400 第2感知ユニット
401 第2信号
402 調整可能なゲイン増幅器
403 第2デジタル入力
404 秒の乗算 DAC
405 第2変調出力信号
406 第2RCフィルタ
407 第2フィルタ信号
430 第2感知軸
500 加算回路
501 合計シグナル
502 アナログ参照信号
503 参照デジタル入力
504 参照乗算DAC
505 参照変調出力信号
506 参照RCフィルタ
507 参照出力信号
60 外部磁場
601 コンパレータ
602 参照コンパレータ
603 コンパレータ信号出力
604 参照コンパレータ信号出力
700 角度抽出ユニット、カウンタ
701 デジタル角度出力
q 磁場角度
f 周波数
固定周波数、発電機周波数
RCd 位相遅延
t 時間
V 電圧
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2次元平面における外部磁場の度を測定する磁気センサであって、
第1信号sin(θ)を出力する第1感知ユニットと、第2信号cos(θ)を出力する第2磁場感知ユニットと
第1信号sin(θ)及び第1デジタル入力sin(f*t)を受信し、第1変調出力信号sin(θ)*sin(f*t)を出力する第1乗算DACであって、fが周波数でありtが時間である、第1乗算DACと
クロック同期信号を生成するクロック生成器と、
第2信号cos(θ)及び第2デジタル入力cos(f*t)を受信し、第2変調出力信号cos(θ)*cos(f*t)を出力する第2乗算DACと
第1変調出力信号を受信し、第1フィルタ信号sin(θ)*sin(f*t+RCd)を出力する第1RCフィルタと
前第1変調出力信号を受信し、第1フィルタ信号sin(θ)*sin(f*t+RCd)を出力する第1RCフィルタと
第2RCフィルタは、第2変調出力信号を受信し、第2フィルタ信号sin(θ)*sin(f*t+RCd)を出力する第2RCフィルタであって、RCdは、第1RCフィルタ及び第2RCフィルタによって生じる位相遅延である、第2RCフィルタと
第1フィルタ信号を第2フィルタ信号に加算し、合計信号cos(f*t+RCd+θ)を出力するように構成された加算器と
前記合計信号と前記クロック同期信号(101)との間の位相遅延(RCd)を測定し、位相遅延(RCd)から角度を決定するために構成された角度抽出部と
を備える、2次元平面における外部磁場の度を測定する磁気センサ。
【請求項2】
前記合計信号を受信するコンパレータをさらに備え、合計信号の立ち上がりゼロクロスの発見用に構成されている、請求項1に記載の磁気センサ。
【請求項3】
前記角度抽出部は、参照出力信号cos(f*t+RCd)のゼロクロスのときにカウントを開始するように構成されたカウンタであって、
前記合計信号cos(f*t+RCd+θ)がゼロを横切ったときにカウントを停止し、前記度はカウントに比例する、請求項2に記載の磁気センサ。
【請求項4】
アナログ参照信号及び正規化された参照デジタル入力cos(f*t)を受信し、参照変調出力信号cos(f*t)を出力する参照乗算DACと
入力された参照変調出力信号から参照出力信号cos(f*t+RCd)の生成用に構成された参照RCフィルタとをさらに備える、請求項3に記載の磁気センサ。
【請求項5】
前記参照出力信号は、参照出力信号の立ち上がりゼロクロスの発見用に構成された参照コンパレータに入力される、請求項4に記載の磁気センサ。
【請求項6】
前記カウンタはfより大きいクロック周波数で実行される、請求項に記載の磁気センサ。
【請求項7】
f*tが前記角度より大きい、請求項6に記載の磁気センサ。
【請求項8】
第1乗算DACと第2乗算DACは、4象限の乗算DACである、請求項に記載の磁気センサ。
【請求項9】
第1感知ユニット及び第2感知ユニットは、フルブリッジ回路に配置された複数のTMR感知素子を備える、請求項に記載の磁気センサ。
【請求項10】
外部磁場の2次元空間における回転角度を求める方法であって、
第1信号sin(θ)を出力する第1感知ユニットと、第2信号cos(θ)を出力する第2磁場感知ユニットと、
第1信号sin(θ)及び第1デジタル入力sin(f*t)を受信し、第1変調出力信号sin(θ)*sin(f*t)を出力する第1乗算DACであって、fが周波数でありtが時間である、第1乗算DACと、
クロック同期信号を生成するクロック生成器と、
第2信号cos(θ)及び第2デジタル入力cos(f*t)を受信し、第2変調出力信号cos(θ)*cos(f*t)を出力する第2乗算DACと、
第1変調出力信号を受信し、第1フィルタ信号sin(θ)*sin(f*t+RCd)を出力する第1RCフィルタと、
前第1変調出力信号を受信し、第1フィルタ信号sin(θ)*sin(f*t+RCd)を出力する第1RCフィルタと、
第2RCフィルタは、第2変調出力信号を受信し、第2フィルタ信号sin(θ)*sin(f*t+RCd)を出力する第2RCフィルタであって、RCdは、第1RCフィルタ及び第2RCフィルタによって生じる位相遅延である、第2RCフィルタと、
第1フィルタ信号を第2フィルタ信号に加算し、合計信号cos(f*t+RCd+θ)を出力するように構成された加算器と、
前記合計信号と前記クロック同期信号との間の位相遅延(RCd)を測定し、位相遅延(RCd)から角度を決定するために構成された角度抽出部と
を備える磁気センサを用い、
前記方法が、
第1感知ユニットの第1信号及び前記第1デジタル入力sin(f*t)を第1乗算DACに入力して、第1変調出力信号sin(θ)*sin(f*t)を出力するステップと、
第2感知ユニットの第2信号及び前記第2デジタル入力cos(f*t)を前記第2乗算DACに入力して、前記第2変調出力信号cos(θ)*cos(f*t)を出力するステップと、
第1変調出力信号を第1RCフィルタに入力し、前記第2変調出力信号を第2RCフィルタに入力して、それぞれ、第1フィルタ信号sin(θ)*sin(f*t+RCd)及び第2フィルタ信号sin(θ)*sin(f*t+RCd)を出力するステップと、
加算回路に第1フィルタ信号及び第2フィルタ信号を加算して、合計信号cos(f*t+RCd+θ)を出力するステップと、
角度抽出部において、参照出力信号cos(f*t+RCd)を使って、合計信号とクロック同期信号との間の位相遅延(RCd)を測定し、測定された位相遅延(RCd)から角度(θ)を求めるステップと
を備える、外部磁場の2次元空間における回転角度を求める方法。
【請求項11】
第1信号sin(θ)を出力するべく第1感知ユニットに第1電圧波形を与え、第2感知ユニットに第2電圧波形を設けて第2信号cos(θ)を出力するステップをさらに備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記磁気センサは、コンパレータをさらに備え、前記方法は、前記合計信号を前記コンパレータに入力し、前記合計信号の上昇ゼロクロスを求めるステップをさらに備える、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記磁気センサは、参照乗算DAC及び参照RCフィルタをさらに備え、
前記方法が、アナログ参照信号と正規化された参照デジタル入力cos(f*t)を参照乗算DACに入力して、参照変調出力信号cos(f*t)を出力するステップと、
参照変調出力信号を参照RCフィルタに入力して、参照出力信号cos(f*t+RCd)を生成するステップとをさらに備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記磁気センサは、参照コンパレータをさらに備え、
前記方法がさらに、参照出力信号を参照コンパレータに入力するステップと、参照出力信号の立ち上がりゼロクロスを見つけるステップをさらに備える、請求項13に記載の方法。
【国際調査報告】