(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-24
(54)【発明の名称】除草ハッカ属植物抽出組成物及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
A01N 65/22 20090101AFI20230417BHJP
A01P 13/00 20060101ALI20230417BHJP
A01N 35/06 20060101ALI20230417BHJP
A01N 31/06 20060101ALI20230417BHJP
A01N 43/16 20060101ALI20230417BHJP
A01N 27/00 20060101ALI20230417BHJP
A01N 65/10 20090101ALI20230417BHJP
A01N 65/28 20090101ALI20230417BHJP
A01N 65/12 20090101ALI20230417BHJP
【FI】
A01N65/22
A01P13/00
A01N35/06
A01N31/06
A01N43/16 C
A01N27/00
A01N65/10
A01N65/28
A01N65/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022554790
(86)(22)【出願日】2021-03-15
(85)【翻訳文提出日】2022-10-19
(86)【国際出願番号】 US2021022312
(87)【国際公開番号】W WO2021183990
(87)【国際公開日】2021-09-16
(32)【優先日】2020-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522359268
【氏名又は名称】ハルペー バイオハービサイド ソリューションズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブロマー,チャド エル.
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AB01
4H011BA06
4H011BB01
4H011BB03
4H011BB05
4H011BB08
4H011BB22
4H011DA16
4H011DF04
(57)【要約】
提供されるものは、除草用組成物に関連する組成物及び方法である。特に本発明は、単独で利用することができるか、或いは他のカルボン及び/又はメントール若しくはメントン含有植物抽出物と共に利用することができるハッカ属の種植物抽出組成物を含む、除草用組成物に関する。更に組成物は、市販の除草剤と共力的に作用する。また提供されるものは、雑草、草及び光合成生物の処理における除草用組成物の使用方法である。特に、市販の除草剤と共力的に作用する構成成分はハッカ属の種であり、イノンド、チョウジノキ、ヒメウイキョウ抽出物及びこれらの組合せを含んでもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
M.スピカタ、M.アルベンシス、M.ピペラタ、これらの雑種及び/又はこれらの組合せのハッカ属の種(Menta.sp)抽出物、並びに
界面活性剤、賦形剤、担体若しくは希釈剤又はこれらの組合せ
を含む、除草用組成物。
【請求項2】
カルボン(R,S)、他のメントール、メントン、1,8-シネオール、リモネン(R,S)含有油又はこれらの組合せを含む植物抽出物を更に含む、請求項1に記載の除草用組成物。
【請求項3】
カルムカルビ、シジギウムアロマティカム、アネツムグラベオレンス及び/又はこれらの組合せの抽出物を更に含む、請求項1に記載の除草用組成物。
【請求項4】
M.スピカタ及びM.ピペラタの抽出物を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の除草用組成物。
【請求項5】
出芽前処理の濃度が、1ヘクタール当たり約1.0キログラムの活性成分(kg ai/ha)~約45.0kg ai/haである、請求項1から4のいずれか一項に記載の除草用組成物。
【請求項6】
出芽後処理の濃度が、約1.0kg ai/ha~約40.0kg ai/haである、請求項1から4のいずれか一項に記載の除草用組成物。
【請求項7】
1種以上の非ハッカ属の種抽出物含有除草剤を更に含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の除草用組成物。
【請求項8】
抽出物が、約1.5kg ai/ha~約25.0kg ai/haで添加される、請求項7に記載の除草用組成物。
【請求項9】
非ハッカ属の種抽出物含有除草剤が、前記ハッカ属除草用組成物と組み合わせない場合に使用される前記非ハッカ属除草剤の量より、約20%~約70%少ない、約25%~約60%少ない又は約25%~約50%少ない量で含まれ得る、請求項7又は8に記載の除草用組成物。
【請求項10】
追加の機能性成分を更に含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の除草用組成物。
【請求項11】
追加の機能性成分が、有効になるのに十分な量の担体/可溶化剤、アジュバント、安定剤、乳化剤、乾燥剤、落葉剤、pH剤及び/又はこれらの組合せである、請求項10に記載の除草用組成物。
【請求項12】
追加の機能性成分が、除草用組成物の所望の使用及び機能に応じて、約0.01wt.%~約95wt.%、0.01wt.%~50wt.%、0.01wt.%~約25wt.%又は約0.01wt.%~15wt.%である、請求項11に記載の除草用組成物。
【請求項13】
水溶液、非水溶液、顆粒又は粉末で配合される、請求項1から12のいずれか一項に記載の除草用組成物。
【請求項14】
濃縮物である、請求項1から12のいずれか一項に記載の除草用組成物。
【請求項15】
雑草を防除する方法であって、
請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物を複数の植物に投与することを含み、除草効果が、前記複数の植物における前記雑草のいずれかに発生する、
方法。
【請求項16】
組成物が出芽前処理として投与される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
組成物が、約1.0kg ai/ha~約45.0kg ai/haの濃度で投与される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
組成物が出芽後処理として投与される、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
組成物が、約1.0kg ai/ha~約40.0kg ai/haの濃度で投与される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記組成物が、1種以上の非ハッカ属の種抽出物含有除草剤を更に含む、請求項15から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
雑草及び/又は植物が除草剤抵抗性である、請求項15から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
除草剤に耐性の植物に対して、非ハッカ属の種抽出物含有除草剤の除草効果を増加する方法であって、前記非ハッカ属の種抽出物含有除草剤を、請求項1から14のいずれか一項に記載のハッカ属の種組成物と組み合わせることを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2020年3月13日出願の米国仮出願第62/989,337号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、一般に除草剤の分野に関する。特に、本発明は、単独で作用する、或いは他のカルボン及び/又はメントール若しくはメントン含有植物抽出物を伴って作用する、及び/又は1種以上の他の合成若しくは有機除草剤と組み合わせて作用するハッカ属の種抽出物を含有する組成物、並びにハッカ属の種抽出物と共力的に働く除草用組成物を処理前又は後に使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
新たな除草剤の発見及び開発は、生化学的及び/又は生理学的植物部位を特定して、生理学的及び/又は酵素的機能を破壊することを伴う。植物は、もはや合成されることのない生化学的化合物の欠如によって、又は植物にとって有害な化学種、例えば、超酸化物、過酸化物及び/若しくはフリーラジカルの堆積によって枯れる。新たな作用様式の除草剤が最後に開発されたのは1980年代であった。問題を起こす雑草を防除し、費用効果が高く、既存の農作物が耐性を有し、十分な環境的及び毒物学的プロファイルを有し、トウモロコシ、ダイズ、イネ及び穀類に使用することができる、除草作用の新たな部位及び様式を発見することは、ほぼ不可能であった。
【0004】
多くの除草剤は石油源に由来し、世界中で合成され、配合及び使用のために米国に輸送される。石油源への依存を低減し、すべての産業にわたって環境的持続可能性を増加する世界的な努力がなされてきた。除草剤におけるそのような手段の1つは、石油合成又は由来除草化合物に代わって植物由来溶液を使用することであり得る。これらの潜在的な炭素及び窒素中性生産物は、農民により自家農作物に使用するために栽培されることがあり、海外へ輸送する環境的影響も低減する。
【0005】
ますます多くの雑草が、現在、多数の除草剤の作用様式及び作用部位に対して抵抗性がある。雑草が除草剤抵抗性を得ることができる方法のうちの2つは、除草剤を植物内に隔離する区画化及び除草剤の崩壊をもたらす代謝抵抗性であり、多くの部類の除草剤に対して雑草を耐性及び/又は抵抗性にすることができる。除草剤に対する代謝抵抗性は、雑草が、雑草に施用された除草剤をもはや除草的ではない化合物に分解することを可能にするので、雑草は、特定の化合物のみならず、同じ部類の除草剤に属するほぼすべての除草剤に対しても抵抗性になり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、市販することが可能であり、より環境に優しく、石油源への依存が少なくなり得る、新たな除草剤の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
出願者たちは、ハッカ属の種(Menta.sp)、例えば、M.ピペラタ(M. piperata)(ペパーミント)、M.スピカタ(M. spicata)(スペアミント)及びM.アルベンシス(M. arvensis)(コーンミント)又はこれらの組合せの抽出物から得た又は抽出物に見出された化合物を含む新規除草用組成物を特定した。これらの組成物は、実施形態において、カルボン(R,S)含有油、及び/又は他のメントール、メントン、1,8-シネオール、リモネン(R,S)含有油を含むことができ、実施形態において、カルムカルビ(Carum carvi)(ヒメウイキョウ)、シジギウムアロマティカム(Syzygium aromaticum)(チョウジノキ)、アネツムグラベオレンス(Anehum graveolens)(イノンド)又はこれらの組合せの抽出物を含んでもよい。実施形態において、組成物の施用は、植物の出芽前又は後に施用してもよい。提供される組成物を用いると、抽出物が別個に施用される場合の除草効果と比較して、植物に対する除草効果が増加する。更に、抽出物が別個に施用される場合の除草効果の時間と比較して、植物に対する除草効果までの時間が短くなる。実施形態において、植物抽出組成物を1種以上の他の合成又は有機除草剤と組み合わせることができる。共力的除草効果は、1種以上の非ハッカ属除草剤と組み合わせた場合に得ることができ、除草効果は、非ハッカ属除草剤単独の施用と比較して増加する。更なる実施形態において、除草剤に耐性又は抵抗性のある植物への除草効果は、組成物を除草剤と組み合わせた場合に増加する。そのような耐性植物が除草剤及び生体異物を解毒する能力は、カルボン(R,S)含有油、及び/又は他のメントール、メントン、1,8-シネオール、リモネン(R,S)含有油の添加を伴って又は伴わないで、抽出物を使用する場合に低減される。多量のカルボン(R,S)含有油を有する植物の例は、限定することを意図しないが、カルムカルビ(ヒメウイキョウ)、M.スピカタ(スペアミント)及びアネツムグラベオレンス(イノンド)である。実施形態は、ハッカ属除草用組成物と組み合わせた場合、低減された量の非ハッカ属除草剤で植物に対して同じ除草効果を得ることを提供する。組成物は、除草剤と組み合わせた場合、一実施形態において、それぞれの化合物の同じ量が植物に別個に施用される施用と比較して、植物に対して増加した除草効果を有する。
【0008】
ある特定の実施形態において、除草用組成物は、1ヘクタール当たり約1.0グラムの活性成分(g ai/ha)、約2.5g ai/ha、約5.0g ai/ha、約7.5g ai/ha、約10.0g ai/ha又は約12.5g ai/haから約15kg ai/ha、約20kg ai/ha、約40kg ai/ha又は約45kg ai/haまでの濃度で施用される。組成物は、担体、賦形剤又は希釈剤を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】精油のみを用いた及び合成除草剤カルフェントラゾン(Carfentrazone)(プロトポルフィリノーゲン酸化酵素(PPO)阻害剤)との独自の組合せを用いた処理によるダイズ(グリホサート(glyphosate)耐性)の乾燥、防除及び葉の壊死を示す。処理後の0~14日間。
【
図2】精油のみを用いた及び合成除草剤グルホシネートアンモニウム(Glufosinate-ammonium)(グルタミン合成酵素阻害剤)との独自の組合せを用いた処理によるダイズ(グリホサート耐性)の乾燥、防除及び葉の壊死を示す。処理後の0~14日間。
【
図3】精油のみを用いた及び合成除草剤グルホシネートアンモニウム(グルタミン合成酵素阻害剤)又は合成除草剤カルフェントラゾン(PPO阻害剤)の独自の組合せを用いた処理によるダイズ(グリホサート耐性)の乾燥、防除及び葉の壊死を示す。処理後の0~14日間。
【
図4A】精油のみを用いた及び合成除草剤グルホサート(EPSP合成酵素阻害剤)との独自の組合せを用いた処理による植物防除及び葉の壊死を示す。処理後の0~14日間。
図4Aはククミスサチブス(Cucumis sativus)防除を示す。
【
図4B】精油のみを用いた及び合成除草剤グルホサート(EPSP合成酵素阻害剤)との独自の組合せを用いた処理による植物防除及び葉の壊死を示す。処理後の0~14日間。
図4Bはサルビアファリナセア(Salvia farniacea)防除を示す。
【
図4C】精油のみを用いた及び合成除草剤グルホサート(EPSP合成酵素阻害剤)との独自の組合せを用いた処理による植物防除及び葉の壊死を示す。処理後の0~14日間。
図4Cはコウオウソウ(Tagetes patula)防除を示す。
【
図4D】精油のみを用いた及び合成除草剤グルホサート(EPSP合成酵素阻害剤)との独自の組合せを用いた処理による植物防除及び葉の壊死を示す。処理後の0~14日間。
図4Dはソラヌムリコペルシクム(Solanum lycopsersicum)防除を示す。
【
図5A】精油のみを用いた及び合成除草剤グルホシネート(グルタミンシンテターゼ阻害剤)との独自の組合せを用いた処理による植物防除及び葉の壊死を示す。処理後の0~14日間。
図5Aはククミスサチブス防除を示す。
【
図5B】精油のみを用いた及び合成除草剤グルホシネート(グルタミンシンテターゼ阻害剤)との独自の組合せを用いた処理による植物防除及び葉の壊死を示す。処理後の0~14日間。
図5Bはサルビアファリナセア防除を示す。
【
図5C】精油のみを用いた及び合成除草剤グルホシネート(グルタミンシンテターゼ阻害剤)との独自の組合せを用いた処理による植物防除及び葉の壊死を示す。処理後の0~14日間。
図5Cはコウオウソウ防除を示す。
【
図5D】精油のみを用いた及び合成除草剤グルホシネート(グルタミンシンテターゼ阻害剤)との独自の組合せを用いた処理による植物防除及び葉の壊死を示す。処理後の0~14日間。
図5Dはソラヌムリコペルシクム防除を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本組成物及び方法は、一般に、除草用組成物の分野に関する。特に、植物抽出物を含有する除草用組成物、及び別の除草剤と共力的に組み合わせた植物抽出物を有する組成物、並びに除草用組成物の使用方法。組成物及び方法は、既存の除草用組成物に対して多くの利点を有し、例えば、雑草の防除を増強し、同時に除草剤の量を低減すること、雑草の除草剤抵抗性を排除すること及び出芽前及び後の防除の両方に使用されることが挙げられる。本明細書に示されるものは、多数の生化学的及びシグナル伝達経路を破壊する新しい様式で植物抽出物を利用する方法であり、一実施形態において、他の除草剤の除草効果を増強し、除草剤抵抗性雑草又は防除の困難な雑草における効果を増強する。本明細書の組成物は、一実施形態において、解毒経路及びそのような抵抗性植物を可能にする他の経路を停止させ、共力効果を提供することができる。
【0011】
一態様は、ハッカ属植物抽出物を含有する新規除草用組成物を提供することである。組成物は、ハッカ属の種、例えば例として、M.ピペラタ(ペパーミント)、M.スピカタ(スペアミント)及びM.アルベンシス(コーンミント)又はこれらの組合せの抽出物を含む。ペパーミントは、メントール/メントン/他の有益な化学物質を有する。スペアミントは、カルボン/他の有益な化学物質を有する。本発明の別の態様は、他のカルボン、他のメントール、メントン、1,8-シネオール若しくはリモネン(R,S)含有油又はこれらの組合せを含む化合物を含有する組成物である。M.スピカタに存在することに加えて、カルボンは、他の非ハッカ属植物抽出物においても見出される。カルボンは、油状液体テルペノイドケトンC10H14Oであり、多くの植物の精油中に見出され、例えば、カルムカルビ(ヒメウイキョウ)、M.スピカタ(スペアミント)及びアネツムグラベオレンス(イノンド)が挙げられる。
【0012】
一実施形態において、除草用組成物は、ハッカ属の種、ヒメウイキョウ、チョウジノキ、イノンド及び/又はこれらの組合せの抽出物、並びに可溶化剤、例えば、これらに限定されないが界面活性剤又は塩を含んで、抽出物が水溶液として配合されることを可能にする。代替的実施形態において、組成物は、抽出物、及びアジュバント、例えば、これらに限定されないが、界面活性剤、pH緩衝剤又は農作物若しくは植物油若しくは濃縮物、並びに/或いはこれらの組合せを含む。別の実施形態において、組成物は、抽出物、可溶化剤及びアジュバントを含む。好ましい実施形態において、抽出物は、カルボン、メントール、メントン、1,8-シネオール若しくはリモネン(R,S)含有油又はこれらの組合せを含有する。
【0013】
抽出組成物は、一実施形態において、使用される方法に適切な担体、賦形剤、界面活性剤及び/又は希釈剤と組み合わされる。担体、賦形剤及び/又は希釈剤は、組成物の改善された特性、例えば、標準化、保存及び安定化を提供する又は安定性を可能にするために提供される。そのような無数の添加することができる利用可能な薬剤が存在する。限定することを意図しないが、例としては、湿潤剤及び潤滑剤、防腐剤、脂質、安定剤、可溶化剤及び乳化剤が挙げられる。
【0014】
本発明の別の態様は、ある特定の植物抽出物と別の除草剤との共力的混合物又はブレンドを含有する除草用組成物を提供することである。一部の実施形態において、除草用組成物は、抽出物及び別の非ハッカ属除草剤を含む。更なる実施態様において、抽出物と除草剤は共力的に相互作用し、それによって、抽出物及び追加の除草剤の量は、それぞれ同じ量の化合物が植物に別個に施用される施用と比較して、植物に対して増加した除草効果を有する。一部の実施形態において、施用される除草剤を低減することができ、それでもなお、下記に記載されているように、ハッカ属組成物と組み合わせた場合、低減されない場合と同じ影響を与えることができる。好ましい実施形態において、抽出物は、ハッカ属の種、ヒメウイキョウ、チョウジノキ、イノンド及び/又はこれらの組合せのブレンドである。
【0015】
他の実施形態において、本開示の組成物は、収穫前の施用のために速効性で急速な落葉剤及び/又は乾燥剤を提供するように配合される。
【0016】
本開示の一部の他の実施形態において、組成物は、ある特定の広葉、草(grass)、水生植物及び光合成生物を、所望の植物又は生物学的物質に影響を及ぼすことなく防除するために使用できる選択的除草剤である。
【0017】
一態様は、本発明の組成物を防除が望ましい所在地に施用して、広葉雑草及び草の成長を防除する方法を提供することである。組成物は、植物又は複数の植物、例えば農作物と接触する。一実施形態において、本方法は、抽出物を含む水性組成物を散布することである。一実施形態において、本方法は、抽出物を含む非水性組成物を散布することである。更なる実施形態において、水性組成物又は非水性組成物は、ハッカ属の種、ヒメウイキョウ、チョウジノキ、イノンド及び/又はこれらの組合せの抽出物、並び1種以上の他の除草剤を含み、抽出物と除草剤は共力的に働く。
【0018】
他の実施形態において、本方法は、植物、植物部分又は種子を植え付ける前にコーティングする。一部の実施形態において、組成物は、雑草及び草が出芽する前に施用される。他の実施形態において、組成物は、雑草(特定の区域に成長することが望ましくない植物)が出芽した後に施用される。
【0019】
本発明の態様は、施用システムにおいて又は混合物の有効性を増強する配合物において、抽出物、並びに界面活性剤及びアジュバントの配合物に異なる賦形剤を使用する組成物の施用によって、水生植物、光合成生物、広葉雑草及び草の成長を防除する方法を提供することである。実施形態は、任意の追加の除草剤の比率及び効果に基づいて、広葉又は水性植物又は他の光合成生物よりも草に対して除草効果を選択的に提供する。一実施形態において、本方法は、本開示の抽出物を含む水性組成物又は非水性組成物を散布することである。更なる実施形態において、組成物は、ハッカ属の種、ヒメウイキョウ、チョウジノキ、イノンド及び/又はこれらの組合せの抽出物、並びに別の除草剤であり、抽出物は除草剤の防除を増強する。他の実施形態において、本方法は、植物、植物部分又は種子を植え付ける前にコーティングする。一部の実施形態において、組成物は、雑草及び草が出芽する前に施用される。他の実施形態において、組成物は雑草が出芽した後に施用される。
【0020】
本発明の一態様は、本発明の組成物を防除が望ましい所在地に施用して、雑草の種子発芽及び、続く最初の本葉が形成されるまで成長を防除する方法を提供することである。一実施形態において、本方法は、本開示の抽出物を含む水性組成物又は非水性組成物を散布することである。更なる実施形態において、組成物は、ハッカ属の種、ヒメウイキョウ、チョウジノキ、イノンド及び/又はこれらの組合せの抽出物、並びに別の除草剤であり、抽出物は除草剤の防除を増強する。他の実施形態において、本方法は、植物、植物部分又は種子を植え付ける前にコーティングする。
【0021】
本発明の追加の態様は、環境及び人畜毒性が低く、且つ除草剤が挙げられるが、これらに限定されない従来の殺有害生物剤と一緒に使用できる新規除草剤を提供することである。一部の実施形態において、組成物は、安全で非毒性の除草用組成物である。更なる実施形態において、組成物は、食品等級材料又は生抽出材料から構成され、米国環境保護庁の規制を免除されている。
【0022】
本発明の一態様は、植物生理学/生化学を破壊して、処理された植物を枯らす又は重度の損傷及び成長休止をもたらす新たな作用部位及び/又は新たな作用様式を提供する新規除草剤を提供することである。一部の実施形態において、本開示の抽出物は、代謝経路及び解毒経路を破壊する。
【0023】
本発明の一態様は、植物中又は内の生体異物化学物質の除去に直接関連する、植物生理学/生化学の破壊を提供する新規処理である。抽出物(又は、抽出物と1種以上の合成又は有機除草剤との組合せ)の添加は、植物が除草剤又は生体異物を植物/光合成生物から除去する能力を停止又は遅延させ、このことは処理された植物を枯らす又は重度の損傷及び/又は成長休止をもたらし、これを、除草剤が挙げられるがこれらに限定されない従来の殺有害生物剤と一緒に使用することができる。
【0024】
本発明の一態様は、合成及び天然(有機)除草剤、植物成長調節剤、並びに植物生理学に影響を与える生物学ベース化合物(biological based compound)の共力剤(synergist)を提供し、それによって、低い率の従来の殺有害生物剤を使用しながら、植物質(plant matter)の増強された壊死/乾燥を、根、苗条、種子に対する全体的な作用と相まって提供することである。
【0025】
本発明の一態様は、単独で使用して又は合成、有機若しくは無機(塩)混合物と組み合わせて使用して、植物の茎に影響を及ぼすことなく葉又は緑色植物質を除去することができる非全体型又は接触型の増強除草剤である。
【0026】
本発明の一態様は、光合成生物、広葉雑草及び不要な草が前述の混合物に抵抗することを妨げる除草用組成物及び方法である。本開示の混合物は、植物又は光合成生物において公知の抵抗性を有さない。
【0027】
上記及び他の態様は、ある特定の植物抽出物を含有する除草用組成物及びある特定の植物抽出物の共力的混合物又はブレンドを含有する除草用組成物を対象とする本発明によって達成される。
【0028】
本発明は、殺有害生物有効量の上記除草用組成物を雑草の防除が望ましい所在地に施用することにより、水性植物、光合成生物、広葉雑草及び不要な草を防除する方法を対象とする。
【0029】
本発明の別の態様は、食品等級材料から構成され、米国連邦食品医薬品化粧品法の許容量を免除されている新規除草剤である。
【0030】
心地良い香気を有し、煩雑な安全対策なしに施用できる除草用組成物が提供される。上記に記載された組成物及び使用方法は、安価に製造する又は用いることができる。
【0031】
本発明の実施形態は、特定の組成物又は方法に限定されず、変わることができ、当業者に理解される。本明細書に使用されるすべての専門用語は、特定の実施形態を記載する目的のみであり、いずれかの様式又は範囲に限定することを意図しないことが更に理解されるべきである。例えば、本明細書及び添付の特許請求の範囲に使用されるとき、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」及び「別の(another)」は、特に内容から明示されない限り、複数の指示対象を含むことができる。更に、すべての単位、接頭語及び符号は、SI許容形態で示すことができる。
【0032】
明細書に列挙される数値範囲は、範囲を確定する数値を含み、確定範囲内の各整数を含む。本開示の全体にわたって、本発明の様々な態様が範囲フォーマットで提示される。範囲フォーマットの記載は単に便宜上及び簡潔さのためであり、本発明の範囲への柔軟性のない限定として解釈されるべきではないことが理解されるべきである。したがって、範囲の記載は、その範囲内のすべての可能な部分範囲、分数及び個別の数値を特定的に開示していると考慮されるべきである。例えば、範囲の記載、例えば、1~6は、部分範囲、例えば、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6等、並びにその範囲内の個別の数、例えば、1、2、3、4、5及び6、小数及び分数、例えば、1.2、3.8、1 1/2及び4 3/4を特定的に開示していると考慮されるべきである。このことは範囲の幅に関係なく当てはまる。
【0033】
定義
本発明がより容易に理解されるように、ある特定の用語を最初に定義する。特に定義されない限り、本明細書に使用されるすべての技術及び科学用語は、本発明の実施形態が関連する当業者により一般的に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書に記載されているものに類似する、改変された又は同等である多くの方法及び材料を、過度の実験を行うことなく本発明の実施形態の実践に使用することができ、好ましい材料及び方法が本明細書に記載されている。本発明の実施形態の記載及び主張において、以下の専門用語は下記に記載された定義に従って使用される。
【0034】
用語「約(about)」は、本明細書で使用される場合、例えば、モル、減、質量、重量等が挙げられるが、これらに限定されない任意の量的変数に関して、典型的な測定技術及び機器を介して発生し得る数値量における変動を指す。更に、現実社会で使用される固体及び液体の取扱手順を考慮すると、組成物の作製又は方法の実行等に使用される成分の製造会社、供給源又は純度における差によると思われる、ある特定の偶然誤差(inadvertent error)及び変動が存在する。用語「約」は、特定の初期混合物から生じる組成物の異なる平衡条件が原因で異なる量も包含する。用語「約」は、これらの変動も包含する。用語「約」により修飾されても、されなくても、特許請求の範囲は、量の等価物を含む。
【0035】
用語「有効成分(actives)」又は「有効成分パーセント」又は「有効成分重量パーセント」又は「有効成分濃度」は、本明細書において交換可能に使用され、不活性成分、例えば、水又は塩を差し引いた百分率として表した、清浄に関与したそれらの成分の濃度を指す。
【0036】
本明細書で使用される場合、用語「アルキル」又は「アルキル基」は、1個以上の炭素原子を有する飽和炭化水素を指し、直鎖アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等)、環状アルキル基(又は「シクロアルキル」、又は「脂環式」若しくは「炭素環式」基」)(例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等)、分岐鎖アルキル基(例えば、イソプロピル、tert-ブチル、sec-ブチル、イソブチル等)、及びアルキル置換アルキル基(例えば、アルキル置換シクロアルキル基及びシクロアルキル置換アルキル基)が挙げられる。
【0037】
特定されない限り、用語「アルキル」は、「非置換アルキル」及び「置換アルキル」の両方を含む。本明細書で使用される場合、用語「置換アルキル」は、炭化水素主鎖の1個以上の炭素上の1個以上の水素を交換する置換基を有するアルキル基を指す。そのような置換基としては、例えば、アルケニル、アルキニル、ハロゲノ、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル及びウレイドを含む)、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、複素環式、アルキルアリール又は芳香族(ヘテロ芳香族を含む)基を挙げることができる。
【0038】
一部の実施形態において、置換アルキルは、複素環式基を含むことができる。本明細書で使用される場合、用語「複素環式基」は、炭素環式基の閉環構造類似体を含み、ここで環の1個以上の炭素原子は、炭素以外の元素、例えば、窒素、硫黄又は酸素である。複素環式基は、飽和であっても、不飽和であってもよい。例示的な複素環式基としては、アジリジン、エチレンオキシド(エポキシド、オキシラン)、チイラン(エピスルフィド)、ジオキシラン、アゼチジン、オキセタン、チエタン、ジオキセタン、ジチエタン、ジチエト、アゾリジン、ピロリジン、ピロリン、オキソラン、ジヒドロフラン及びフランが挙げられるが、これらに限定されない。
【0039】
植物又は植物材料又は植物部分という用語は、本明細書において広範囲に使用され、任意の発育段階の任意の植物又は植物の部分を含み、挿し木(plant cutting)、植物細胞、植物細胞培養物、植物器官、植物種子及び苗木が挙げられる。植物細胞は、植物の構造的及び生理的単位であり、原形質体及び細胞壁を含む。植物細胞は、単離した単一細胞若しくは細胞の集合体、例えば脆いカルス、又は培養細胞の形態、或いはより高度に組織化された単位、例えば、植物組織、植物器官又は植物の一部であり得る。よって、植物細胞は、原形質体、配偶子産生細胞又は植物全体に再生し得る細胞若しくは細胞集団であり得る。このように、多数の植物細胞を含み、且つ植物全体に再生する能力がある種子は、本開示の目的において植物細胞と考慮される。植物組織又は植物器官は、種子、原形質体、カルス、又は構造的若しくは機能的単位に組織化される植物細胞の任意の他の群であり得る。植物の特に有用な部分としては、収穫可能な部分及び後代植物の繁殖に有用な部分が挙げられる。植物の収穫可能な部分は植物の任意の有用な部分、例えば、花、花粉、実生、塊茎、葉、茎、果実、種子、根等であり得る。植物の繁殖に有用な部分としては、種子、果実、挿し木、実生、塊茎、根株等が挙げられる。
【0040】
本明細書で使用される場合、用語「植物組織」は、根、苗条、葉、花粉、種子及び腫瘍が挙げられる植物の分化及び非分化組織、並びに培養中の細胞(例えば、単一細胞、原形質体、胚、カルス等)を含む。植物組織は、植物体(planta)、器官培養物、組織培養物又は細胞培養物中にあり得る。
【0041】
本明細書で使用される場合、「標的」は、雑草、草又は光合成生物の低減及び/又は処理によって利益を受け得る土地及び/又は水の任意の生物学的表面又は区域について広範囲に指す。
【0042】
本明細書で使用される場合、「処理する」又は「処理」は、本発明の組成物を雑草、草又は光合成生物の根絶、低減、除去に使用することを指す。
【0043】
本明細書で使用される場合、「実質的に含まない」は、構成成分を完全に欠いている組成物又は構成成分が組成物の性能に影響を及ぼさないほどの少量の構成成分を有する組成物を指す。構成成分は、不純物又は汚染物質として存在してもよく、0.5wt.%未満である。別の実施形態において、構成成分の量は0.1wt.%未満であり、なお別の実施形態において、構成成分の量は0.01wt.%未満である。
【0044】
用語「水溶性」又は「水分散性」は、本明細書で使用される場合、化合物が本発明の組成物中の水に可溶性又は分散性であることを意味する。一般にポリマーは、25℃で、水溶液及び/又は水担体の0.0001重量%、好ましくは0.001重量%、より好ましくは0.01重量%、及び最も好ましくは0.1重量%の濃度で可溶性又は分散性であるべきである。
【0045】
用語「重量パーセント(weight percent)」、「wt.%」、「重量パーセント(percent by weight)」、「重量%」及びこれらの変形は、本明細書で使用される場合、物質の重量を組成物の総量で割って100を掛けた物質の濃度を指す。本明細書で使用されるとき、「パーセント」、「%」等は、「重量パーセント」、「wt.%」等と同義語であることを意図することが理解される。
【0046】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、用語「構成される」は、特定の作業を実施する又は特定の構成に適合するために構築又は構成されているシステム、装置又は他の構造物を記載することにも留意するべきである。用語「構成される」は、他の類似の語句、例えば、配置及び構成される、構築及び配置される、適合及び構成される、適合、構築、製造及び配置される等と交換可能に使用することができる。
【0047】
本発明の組成物及び方法を、単子葉植物又は双子葉植物にかかわらず任意の植物種に使用してもよく、トウモロコシ(ズィーメイス(Zea mays))、セイヨウアブラナ(ブラッシカナプス(Brassica napus)、ブラッシカラパ亜種(Brassica rapa ssp.))、ムラサキウマゴヤシ(メディカゴサティバ(Medicago sativa))、イネ(オリザサティバ(Oryza sativa))、ライムギ(セカレセレアル(Secale cereale))、モロコシ(ソルガムビカラー(Sorghum bicolor)、ソルガムバルガレ(Sorghum vulgare))、ヒマワリ(ヘリアンタスアヌス(Helianthus annuus))、コムギ(トリティークムアエスティウム(Triticum aestivum))、ダイズ(グリシンマックス(Glycine max))、タバコ(ニコチアナタバカム(Nicotiana tabacum))、ジャガイモ(ソラナムチュベロッサム(Solanum tuberosum))、ラッカセイ(アラキスヒポガエア(Arachis hypogaea)、ワタ(ゴシピウムヒルスツム(Gossypium hirsutum))、サツマイモ(イポモエアバタタス(Ipomoea batatus))、キャッサバ(マニホットエスクレンタ(Manihot esculenta))、コーヒー(コーヒーノキ属の種(Cofea spp.))、ココナッツ(ココスヌシフェラ(Cocos nucifera))、パイナップル(アナナスコモサス(Ananas comosus))、柑橘類(ミカン属の種(Citrus spp.))、ココア(テオブロカカオ(Theobroma cacao))、チャ(カメリアシネンシス(Camellia sinensis))、バナナ(ムサ属の種(Musa spp.))、アボカド(パーシーアメリカーナ(Persea americana))、イチジク(フィクスカリカ(Ficus casica))、バンジロウ(プシディウムグアジャバ(Psidium guajava))、マンゴー(マンギフェラインディカ(Mangifera indica))、オリーブ(オレアヨーロパエア(Olea europaea))、パパイヤ(カリカパパイヤ(Carica papaya))、カシュー(アナカルディウムオクシデンタール(Anacardium occidentale))、マカダミア(クイーンズランドナッツノキ(Macadamia integrifolia))、アーモンド(ハタンキョウ(Prunus amygdalus))、テンサイ(ベータバルガリス(Beta vulgaris))、エンバク(カラスムギ属(Avena))、オオムギ(オオムギ属(Hordeum))、植物、観賞植物及び針葉樹類が挙げられるが、これらに限定されない。植物としては、トマト(リコペルシコンエスクレンタム(Lycopersicon esculentum))、レタス(例えば、ラクツカサティバ(Lactuca sativa))、インゲンマメ(ファセオルスブルガリス(Phaseolus vulgaris))、ライマメ(ファセオルスリメンシス(Phaseolus limensis))、エンドウマメ(レンリソウ属の種(Lathyrus spp.))、並びにキュウリ属のメンバー、例えば、キュウリ(ククミスサチブス(C. Sativus))、カンタループ(ククミスカンタルペンシス(C. cantalupensis))及びマスクメロン(ククミスメロ(C. melo))が挙げられる。観賞植物としては、ツツジ(ツツジ属の種(Rhododendron spp.))、アジサイ(マクロフィラ ヒドランゲア(Macrophylla hydrangea))、ハイビスカス(ヒビスクスロササネンシス(Hibiscus rosasanensis))、バラ(バラ属の種(Rosa spp.))、チューリップ(チューリップ属の種(Tulipa spp.))、ラッパズイセン(スイセン属の種(Narcissus spp.))、ペチュニア(ペチュニアヒブリダ(Petunia hybrida))、カーネーション(ディアントゥスカリュオピュッルス(Dianthus caryophyllus))、ポインセチア(ユーフォルビアプルケリマ(Euphorbia pulcherrima))及びキクが挙げられる。本発明の実践に用いることができる針葉樹としては、例えば、マツ、例えばテーダマツ(ピヌクタエダ(Pinus taeda))、スラッシュマツ(slash pine)(ピヌスエリオッティ(Pinus elliotii))、ポンデローサマツ(ピヌスポンデローサ(Pinus ponderosa))、ロッジポールマツ(ピヌスコントルタ(Pinus contotta))及びモントレーマツ(ピヌスラジアータ(Pinus radiata));アメリカトガサワラ(シュードツガメンジエシイ(Pseudotsuga menziesii));アメリカツガ(ツガカナデンシス(Tsuga canadensis)); ベイトウヒ(ピセアグラウカ(Picea glauca));セコイア(セコイアセンペルビレンス(Sequoia sempervirens));モミ(true firs)、例えばヨーロッパモミ(アビエスアマビリス(Abies amabilis))及びバルサムモミ(アビエスバルサメア(Abies balsamea));並びにヒマラヤスギ、例えばベイスギ(ツジャプリカタ(Thuja plicata))及びアラスカイエローシーダー(Alaska yellow-cedar)(カマエシパリスノートカテンシス(Chamaecyparis nootkatensis))が挙げられる。
【0048】
本明細書で使用される場合、「雑草」は、任意の望ましくない植物である。植物は、一般に農業若しくは園芸の目的にとって望ましくないと考慮され得る、又は特定の状況において望ましくないと考慮され得る(例えば、異なる種の耕地における1種の作物であり、自由植物としても公知である)。
【0049】
また本方法を侵略的水性植物種の防除に使用してもよい。有害水性植物種の例は、限定することを意図しないが、アゾラピンナタ(Azolla pinnata)、イチイズタ(Caulerpa taxifolia)(地中海株(Mediterranean strain))、エイクホルニアアズレア(Eichhornia azurea)、クロモ(Hydrilla verticillate)、ハイグロフィラポリスペルマ(Hygrophila polysperma)、ヨウサイ(Ipomoea aquatica)、ラガロシフォンマヨール(Lagarosiphon major)、キクモ(Limnophila sessiliflora)、ニアウリ(Melaleuca quinquenervia)、モノコリアハスタータ(Monochoria hastate)、コナギ(Monochoria vaginalis)、ミズオオバコ(Ottelia alismoides)、クワイ(Sagittaria sagittifolia)、サルビニアアウリクラータ(Salvinia auriculata)、サルビニアビロバ(Salvinia biloba)、サルビニアヘルゾギイ(Salvinia herzogii)、オオサンショウモ(Salvinia molesta)及びソラナムタンピセンス(Solanum tampicense)である。陸生雑草(land weeds)の例としては、限定するものではないが、アラビアゴムモドキ(Acacia nilotica)、アゲラティナアデノフォラ(Ageratina adenophora)、アゲラティナリパリア(Ageratina riparia)、ツルノゲイトウ(Alternanthera sessilis)、ヒユ属(Amaranthus genus)、ワタゲハナグルマ(Arctotheca calendula)、ハナツルボラン(Asphodelus fistulosis)、オニカラスムギ(Avena sterilis)、カルタムスオキシアカンサ(Carthamus oxyacantha)、オキナワミチシバ(Chrysopogon aciculatus)、マルバツユクサ(Commelina benghalensis)、クルピナブルガリス(Crupina vulgaris)、ディギタリアスカラルム(Digitaria scalarum)、ディギタリアベルチナ(Digitaria velutina)、ドリマリアアレナリオデス(Drymaria arenariodes)、エメックスオーストラリス(Emex australis)、エメックススピノース(Emex spinose)、ユーフォルビアテラキナ(Euphorbia terracina)、ガレガオフィシナリス(Galega officinalis)、バイカルハナウド(Heracleum mantegazzianum)、インペラタブラシリエンシス(Imperata brasiliensis)、チガヤ(Imperata cylindrica)、イヌラブリッタニカ(Inula britannica)、イスカエムムルゴスム(Ischaemum rugosum)、アゼガヤ(Leptochloa chinensis)、リシウムフェロシッシムム(Lycium ferocissimum)、リゴジウムフレクスオスム(Lygodium flexuosum)、リゴジウムミクロフィルム(Lygodium microphyllum)、メラストママラバトリクム(Melastoma malabathricum)、ミカニア コルダタ(Mikania cordata)、ツルヒヨドリ(Mikania micrantha)、ミモサインビサ(Mimosa invisa)、ミモサピグラ(Mimosa pigra)、モラエアコリナ(Moraea collina)、モラエアフラッキダ(Moraea flaccida)、モラエアミニアータ(Moraea miniate)、モラエアオクロレウカ(Moraea ochroleuca)、モラエアパリダ(Moraea pallida)、ナセラトリコトマ(Nassella trichotoma)、オノポルドゥムアカウロン(Onopordum acaulon)、オノポルドゥムイリリクム(Onopordum Illyricum)、オプンティアオーランティアカ(Opuntia aurantiaca)、オリザロンギスタミナタ(Oryza longistaminata)、オリザプンクタータ(Oryza punctate)、オリザルフィポゴン(Oryza rufipogon)、スズメノコビエ(Paspalum scrobiculatum)、ペンニセツムクランデスチヌム(Pennisetum clandestinum)、ペンニセツムマクロウルム(Pennisetum macrourum)、ペンニセツムペデイケツラツム(Pennisetum pedicellatum)、ペンニセツムポリスタチオン(Pennisetum polystachion)、プロソピス属(Prosopis genus)、ツノアイアシ(Rottboellia cochinchinensis)、セイヨウヤブイチゴ(Rubus fruticosis)、ルブスモルッカヌス(Rubus moluccanus)、野性サトウキビ(Saccharum spontaneum)、クワイ(Sagittaria sagittifolia)、サルソラヴェルミキュラータ(Salsola vermiculata)、シンコウサワギク(Senecio inaequidens)、ナルトサワギク(Senecio madagascariensis)、コツブキンエノコロ(Setaria pumila ssp. Pallidefusca)(現在:キノエノコロ(ssp. subtesselata))、スズメナスビ(Solanum torvum)、キンギンナスビモドキ(Solanum viarum)、スペルマコセアラタ(Spermacoce alata)、コトブキギク(Tridax procumbens)及びウロクロアパニコイデス(Urochloa panicoides)が挙げられる。
【0050】
組成物
除草用組成物は、R-(-)-カルボン、S-(+)-カルボン、メントール、メントン、プレゴン、(R)-(+)-リモネン、(S)-(-)-リモネン、1,8-シネオール、ミルセン及びピネンから選択される1つ以上の化合物を含む。好ましくは、化合物は、天然源、例えば植物抽出物からのものである。抽出物は、好ましくはハッカ属の種、チョウジノキ、イノンド及びヒメウイキョウ、より好ましくはハッカ属の種、最も好ましくはメンタスピカタ(スペアミント)、メンタアルベンシス(コーンミント)、メンタピペラタ(ペパーミント)、これらの雑種及び/又はこれらの組合せからのものである。一部の実施形態において、組成物は合成のものある。
【0051】
出芽前処理における抽出物の使用濃度は、約1.0g/ha、約2.5g/ha、約5.0g/ha、約7.5g/ha、約10.0g/ha又は約12.5g/haから約15kg/ha、約20kg/ha、約40kg/ha又は約45kg/haまで、更なる実施形態において、0.1kg/ha~約1.25kg/ha、約1.0kg/ha~約4.0kg/ha、約3.0kg/ha~約9.0kg/ha、約9.0kg/ha~約17.0kg/ha、約15kg/ha~約25kg/ha、約16.0kg/ha~約35kg/ha、約20kg/ha~約40kg/ha、又は約20kg/ha~約45kg/haの濃度であり得る。
【0052】
出芽後処理における抽出物の使用濃度は、約1.0g/ha、約2.5g/ha、約5.0g/ha、約7.5g/ha、約10.0g/ha又は約12.5g/haから約15kg/ha、約20kg/ha、約40kg/ha又は約45kg/haまで、更なる実施形態において、0.1kg/ha~約1.25kg/ha、約1.0kg/ha~約4.0kg/ha、約3.0kg/ha~約9.0kg/ha、約9.0kg/ha~約17.0kg/ha、約15kg/ha~約25kg/ha、約16.0kg/ha~約35kg/ha、約20kg/ha~約40kg/ha、又は約20kg/ha~約45kg/haの濃度であり得る。
【0053】
なお更なる実施形態において、除草効果は、出芽前及び/又は出芽後の施用において1g/haから1kg/haまでに見られる。少量、例えば1ヘクタール当たり1グラムが有効であるが、抽出組成物が単独で使用され、他の追加の除草剤を有さない場合、少なくとも100倍多い量がより有効である。
【0054】
非ハッカ属除草剤と組み合わせた場合、抽出物は、約1.0g/ha、約2.5g/ha、約5.0g/ha、約7.5g/ha、約10.0g/ha又は約12.5g/haから約15kg/ha、約20kg/ha又は約35kg/haまで、更なる実施形態において、0.1kg/ha~約1.25kg/ha、約1.0kg/ha~約4.0kg/ha、約3.0kg/ha~約9.0kg/ha、約9.0kg/ha~約17.0kg/ha、約15kg/ha~約25kg/ha、又は約16.0kg/ha~約35kg/haの濃度で添加され得る。
【0055】
組成物はまた、追加の除草剤を含有してもよい。追加の除草剤が含まれる場合、抽出物及び除草剤は、追加の除草剤の有効性を増加するように共力的に作用する。一実施形態において、除草効果は、1種以上の非ハッカ属合成又は有機除草剤と組み合わせた場合に共力的に増加される。増加された除草効果は、非ハッカ属除草剤を単独で使用した場合の除草効果と比較すると、2×、3×、4×、5×、6×、7×、8×、9×、10×、20×、25×、30×、35×、40×、50×若しくはそれ以上、又はそれらの中間の量までであり得る。更なる実施形態において、除草剤は、ハッカ属組成物を用いることなく使用して同じ除草効果を達成する場合より、少ない量で使用され得る。量は、非ハッカ属除草剤の製造会社又は販売会社のラベル表示取扱説明書によるものよりも少なくてもよい。除草剤は約0.01%v/v~約50%v/vの量で含まれてもよく、ハッカ属除草用組成物が使用され、同じ程度の除草効果が達成される場合20%~約70%少ない。更なる実施形態において、低減量は約25%~約60%未満、又は約25%~約50%未満であり得る。
【0056】
なお更なる実施形態は、除草剤に対する植物の抵抗性/耐性を「壊す」ことを提供し、本明細書に更に記載される。ハッカ組成物と非ハッカ属除草剤の組合せは、そのような抵抗性/耐性植物に対して増加された除草効果を提供し、実施形態において、ハッカ属組成物及び除草剤の別個の効果より及びそのような効果が組み合わされた場合に予想されるより増加される。言い換えると、ハッカ属と非ハッカ属の除草剤の組合せは、そのような植物に対して相加的である効果を超えて除草効果を増加する。
【0057】
組成物は、有効になるのに十分な量の担体/可溶化剤、アジュバント、安定剤、乳化剤、乾燥剤、落葉剤、pH剤及び/又はこれらの組合せを更に含んでもよい。配合物から調製された施用形態における活性化合物の含有量は、広範囲に変わり得る。施用形態における追加の機能性成分は、除草用組成物の所望の使用及び機能に応じて、典型的には、約0.01wt.%~約95wt.%、0.01wt.%~50wt.%、0.01wt.%~約25wt.%、及び約0.01wt.%~15wt.%であり得る。
【0058】
上記に記載された組成物はまた、上記に報告された使用濃度に希釈される濃縮物として作製されてもよい。そのような濃縮物は、例えば、より実践的な貯蔵を可能にする濃度であり、都合の良いn×の希釈(例えば、水又は水性若しくは非水性担体中において)、例えば2×、5×、10×、20×、25×、30×、35×、40×、45×、50×等の濃度であり得る。
【0059】
一部の実施形態において、組成物は、食品等級材料又は生抽出材料から構成され、米国環境保護庁の規制を免除されている。他の実施形態において、組成物は、食品等級材料から構成され、米国連邦食品医薬品化粧品法による許容量を免除されている。
【0060】
抽出物
植物抽出物に見出される化合物は、出芽前及び後の雑草防除において、独自の作用部位及び作用様式を有する。例えば、カルボン、例えばハッカ属、好ましくはR-(-)-カルボンを含有する抽出物(例えば、M.ピカタ)は、植物においてメバロン酸経路の阻害剤として作用することができる。抽出物はまた、組成物に有用な他の化合物を含有してもよく、メントール、メントン、プレゴン、リモネン、1,8-シネオール、ミルセン及び/又はピネンが挙げられるが、これらに限定されない。これらの抽出物としては、ハッカ属の種、チョウジノキ、イノンド及びヒメウイキョウ抽出物が挙げられるが、これらに限定されない。メンタピペラタ及び他の抽出物は、植物膜機能、酸素レベル、並びにATP及び光合成材料を産生する植物細胞の能力を破壊する、メントール及びメントンが挙げられる一連の化合物も有する。好ましくは、抽出物はハッカ属の種のものである。より好ましくは、抽出物は、メンタスピカタ(スペアミント)、メンタアルベンシス(コーンミント)、メンタピペラタ(ペパーミント)、これらの雑種及び/又はこれらの組合せからである。
【0061】
特定の理論に束縛されるものではないが、抽出物中の化合物は、代謝経路、膜機能及び他の細胞活動との相互作用によって、他の除草剤の増強剤として作用すると考えられる。例えば、抽出物は膜機能に干渉するので、標的細胞内へ除草剤の輸送を容易にすることができる。この同じ作用が、標的細胞内での除草剤の区画化を防止することもできる。場合により、代謝経路に干渉することによって、標的光合成生物の細胞が除草剤を壊すことを防止し、低い投与量の除草剤をより効果的にすることができる。
【0062】
メンタスピカタは、植物におけるメバロン酸経路の阻害剤である(R-(-)-カルボン)を含有する。メンタスピカタは、植物に対して除草的影響を有する一連の他の化合物(下記の表を参照すること)も含有する。
【0063】
メンタピペラタは、使用される抽出物である。メンタピペラタは、植物膜機能、酸素レベル、並びにATP及び光合成材料を産生する植物細胞の能力を破壊する、メントール、メントン及び他(下記の表を参照すること)が挙げられる一連の化合物を有する。抽気による油抽出物は、メントール、メントン、カルボン、プレゴン及び他のテルペン天然生成物が挙げられる化合物の混合物を生じる。主要な構成成分は、メントール、メントン、プレゴン、リモネン及びR-(-)-カルボンである。メンタピペラタ抽出物には見出されない、雑草防除を増強する追加の化合物があるので、メンタピペラタ抽出物をメンタスピカタ抽出物と組み合わせることは有利である。この除草配合物は、植物の抽気により見出された抽出物の組合せによって活性である。抽出及び精製のために個別の化合物を選び出すことは、それ自体が良好な除草剤を与えることはない。
【0064】
当該技術に公知のあらゆる方法を使用して、抽出物を作り出すことができる。例えば、抽気、溶媒抽出、二酸化炭素抽出、温浸法、冷浸法、コールドプレス抽出及び/又は水抽出を使用して、上述の化合物を有する抽出物を作り出すことができる。好ましくは、抽出方法は抽気である。
【0065】
抽出物は、すべて又は限定数の除草用(雑草防除用とも称される)化合物を有することができる。抽出物を組み合わせて、所望及び/若しくは有効濃度の又は濃縮形態の雑草防除用組成物を提供することができる。抽出物は、液体又は固体の形態で使用することができる。固体形態は顆粒又はペレットに配合され得る。
【0066】
個別の化合物が抽出物から更に精製され得るか、又は抽出物それ自体が組成物に使用され得る。好ましくは、抽出物全体が使用される。
【0067】
担体/可溶化剤
一実施形態に使用される抽出物は、疎水性相を有し、担体及び/又は可溶化剤は、ある特定の送達システム、例えば水散布機(aqueous sprayer)中の抽出物のために使用することができる。有用な担体及び/又は可溶化剤としては、界面活性剤及び/又は塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0068】
界面活性剤
ノニオン性界面活性剤
特定の態様において、ノニオン性界面活性剤は、追加の消泡が必要な用途の施用に特に有用である。一態様では、組成物が低起泡性表面活性のためにノニオン性界面活性剤との配合を必要としないことが有益である。しかし、一部の態様において、ノニオン性界面活性剤は、本開示の組成物との組合せが望ましいことがある。
【0069】
ノニオン性界面活性剤は、一般に、有機疎水性基及び有機親水性基の存在によって特徴付けられ、典型的には、有機脂肪族、アルキル芳香族又はポリオキシアルキレン疎水性化合物と、一般的な実践ではエチレンオキシド又はその多水和生成物(polyhydration product)であるポリエチレングリコールである親水性アルカリ酸化物部分との縮合により生成される。実質的に、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ又はアミノ基と反応性水素原子を有する任意の疎水性化合物は、エチレンオキシド、又はその多水和生成物付加物、又はアルコキシレン、例えばプロピレンオキシドとのその混合物と縮合して、ノニオン性表面活性剤を形成することができる。任意の特定の疎水性化合物と縮合する親水性ポリオキシアルキレン部分の長さを容易に調整して、親水性と疎水性との間の特性の所望の平衡度を有する水分散性又は水溶性化合物を生じることができる。本開示によると、組成物に有用なノニオン性界面活性剤は、低起泡性ノニオン性界面活性剤である。本開示に有用なノニオン性界面活性剤の例としては、以下のものが挙げられる。
1. 開始反応性水素化合物としてのプロピレングリコール、エチレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン及びエチレンジアミンに基づいている、ブロックポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレンポリマー化合物。開始剤の順次プロポキシル化及びエトキシル化によって作製されたポリマー化合物の例は、BASF Corp.により製造された商品名Pluronic(登録商標)及びTetronicoで市販されている。Pluronic(登録商標)化合物は、エチレンオキシドと、プロピレンオキシドをプロピレングリコールの2個のヒドロキシル基に付加して形成された疎水性塩基との縮合によって形成された二官能性(2個の反応性水素)化合物である。この疎水性部分の分子量は、1,000~4,000である。次いで、エチレンオキシドを付加して、この疎水性物質(hydrophobe)を親水性基の間に挟み、長さで制御して、最終分子の約10重量%~約80重量%を構成する。Tetronic(登録商標)化合物は、プロピレンオキシド及びエチレンオキシドをエチレンジアミンに順次付加することにより誘導された四官能性ブロックコポリマーである。プロピレンオキシドヒドロタイプ(hydrotype)の分子量は、500~7,000の範囲であり、親水性のエチレンオキシドを付加して、分子の10重量%~80重量%を構成する。
2. 直鎖若しくは分岐鎖構成の又は単一若しくは二重アルキル構成要素のアルキル鎖が8~18個の炭素原子を含有する1モルのアルキルフェノールと、3~50モルのエチレンオキシドとの縮合物。アルキル基は、例えば、ジイソブチレン、ジアミル、重合プロピレン、イソオクチル、ノニル及びジノニルによって表すことができる。これらの界面活性剤は、アルキルフェノールのポリエチレン、ポリプロピレン及びポリブチレンオキシド縮合物であり得る。この化学を持つ市販されている化合物の例は、Rhone-Poulencにより製造されている商品名Igepal(登録商標)及びDowにより製造されているTriton(登録商標)によって市場で入手可能である。
3. 6~24個の炭素原子を有する1モルの飽和又は不飽和、直鎖又は分岐鎖のアルコールと、3~50モルのエチレンオキシドとの縮合物。アルコール部分は、上記に叙述された炭素範囲のアルコールの混合物からなり得るか、又はこの範囲内で特定数の炭素原子を有するアルコールからなり得る。同様の市販の界面活性剤の例は、Shell Chemical Co.により製造されている商品名Neodol(登録商標)及びVista Chemical Co.により製造されている商品名Alfonic(登録商標)で入手可能である。
4. 8~18個の炭素原子を有する1モルの飽和又は不飽和、直鎖又は分岐鎖のカルボン酸と、6~50モルのエチレンオキシドとの縮合物。酸部分は、上記に定義された炭素原子範囲の酸の混合物からなり得るか、又はこの範囲内で特定数の炭素原子を有する酸からなり得る。この化学を持つ市販の化合物の例は、Henkel Corporationにより製造されている商品名Nopalcol(登録商標)及びLipo Chemicals, Inc.により製造されている商品名Lipopeg(登録商標)によって市場で入手可能である。
5. プロピレンオキシド及びエチレンオキシドをエチレンジアミンに順次付加することにより生成されたアルコキシル化ジアミン。疎水性部分の分子量は250~6,700であり、中心的な親水性物質(hydrophile)が最終分子の0.1重量%~50重量%を占める。この化学を持つ市販の化合物の例は、商品名Tetronic(商標)SurfactantsでBASF Corporationにより入手可能である。
6. エチレンオキシド及びプロピレンオキシドをエチレンジアミンに順次付加することにより生成されたアルコキシル化ジアミン。疎水性部分の分子量は250~6,700であり、中心的な親水性物質が最終分子の0.1重量%~50重量%を占める。この化学を持つ市販の化合物の例は、商品名Tetronic R(商標)SurfactantsでBASF Corporationにより入手可能である。
【0070】
ポリエチレングリコールエステルと一般的に呼ばれるエトキシル化カルボン酸に加えて、グリセリド、グリセリン及び多価(糖類又はソルビタン/ソルビトール)アルコールとの反応により形成される他のアルカン酸エステルは、特別な実施形態において本開示の用途を有する。これらのエステル部分は、すべて1個以上の反応性水素部位をそれらの分子に有し、更なるアシル化又はエチレンオキシド(アルコキシド)付加を受けて、物質の親水性を制御することができる。
【0071】
ノニオン性低起泡性界面活性剤の例としては、下記が挙げられる。
エチレンオキシドをエチレングリコールに付加して、指定された分子量の親水性物質を提供し、次いでプロピレンオキシドを付加して、疎水性ブロックを分子の外側(末端)に得ることによって改変された、本質的には逆転された(1)の化合物。疎水性部分の分子量は約1,000~約3,100であり、中心的な親水性物質が最終分子の10重量%~約80重量%を占める。これらの逆性Pluronics(登録商標)は、BASF Corporationにより、商品名Pluronic(登録商標)R界面活性剤で製造されている。同様に、Tetronic(登録商標)R界面活性剤は、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドをエチレンジアミンに順次付加することによってBASF Corporationにより生産される。疎水性部分の分子量は約2,100~約6,700であり、中心的な親水性物質が最終分子の10重量%~80重量%を占める。
【0072】
(多官能性部分の)末端ヒドロキシ基(1つ又は複数)を「キャッピング」又は「末端ブロッキング」して、疎水性小分子、例えば、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、塩化ベンジル及び1~約5個の炭素原子を含有する短鎖脂肪酸、アルコール又はハロゲン化アルキル、並びにこれらの混合物との反応により起泡を低減することによって改変された、群(1)、(2)、(3)及び(4)の化合物。また含まれるものは、末端ヒドロキシ基を塩化物基に変換する反応物、例えば塩化チオニルである。末端ヒドロキシ基へのそのような改変は、全ブロック、ブロック-ヘテロ、ヘテロ-ブロック又は全ヘテロノニオン性物質(nonionics)をもたらし得る。
【0073】
有効な低起泡性ノニオン性物質の追加の例としては、以下が挙げられる。
1959年9月8日に発行されたBrownらの米国特許第2,903,486号のアルキルフェノキシポリエトキシアルカノールであり、式:
【0074】
【化1】
[式中、Rは8~9個の炭素原子のアルキル基であり、Aは3~4個の炭素原子のアルキレン鎖であり、nは7~16の整数であり、mは1~10の整数である]により表される。
【0075】
末端疎水性鎖の重量、中間疎水性単位の重量及び連結親水性単位の重量が、それぞれ縮合物の約1/3を表す、交互親水性オキシエチレン鎖及び疎水性オキシプロピレン鎖を有する、1962年8月7日に発行されたMartinらの米国特許第3,048,548号のポリアルキレングリコール縮合物である。
【0076】
一般式Z[(OR)nOH]z[式中、Zはアルコキシル化可能(alkoxylatable)材料であり、Rは、エチレン及びプロピレンであり得るアルカリ酸化物から誘導される基であり、nは、例えば10~2,000又はそれ以上の整数であり、zは、反応性オキシアルキル化可能(oxyalkylatable)基の数により決定される整数である]を有する、1968年5月7日に発行されたLissantらの米国特許第3,382,178号に開示されている消泡性ノニオン性界面活性剤である。
【0077】
式Y(C3H6O)n(C2H4O)mH[式中、Yは、約1~6個の炭素原子及び1個の反応性水素原子を有する有機化合物の残基であり、nは、ヒドロキシル数により決定される少なくとも約6.4の平均値を有し、mは、オキシエチレン部分が分子の約10重量%~約90重量%を構成するような値を有する]に対応した、1954年5月4日に発行されたJacksonらの米国特許第2,677,700号に開示されている共役ポリオキシアルキレン化合物である。
【0078】
式Y[(C3H6On(C2H4O)mH]x[式中、Yは、約2~6個の炭素原子を有し、且つ、xが少なくとも約2の値を有するx個の反応性水素原子を含有する有機化合物の残基であり、nは、ポリオキシプロピレン疎水性塩基の分子量が少なくとも約900であるような値を有し、mは、分子のオキシエチレン含有量が約10重量%~約90重量%であるような値を有する]を有する、1954年4月6日に発行されたLundstedらの米国特許第2,674,619号に記載されている共役ポリオキシアルキレン化合物である。Yの定義の範囲内に入る化合物としては、例えば、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、エチレンジアミン等が挙げられる。オキシプロピレン鎖は、場合により、しかし有利には少量のエチレンオキシドを含有し、オキシエチレン鎖も、場合により、しかし有利には少量のプロピレンオキシドを含有する。
【0079】
本開示の組成物に有利に使用される追加の共役ポリオキシアルキレン表面活性剤は、式:P[(C3H6On(C2H4O)mH]x[式中、Pは、約8~18個の炭素原子を有し、且つ、xが1又は2の値を有するx個の反応性水素原子を含有する有機化合物の残基であり、nは、ポリオキシエチレン部分の分子量が少なくとも約44であるような値を有し、mは、分子のオキシプロピレン含有量が約10重量%~約90重量%であるような値を有する]に対応する。いずれの場合においても、オキシプロピレン鎖は、場合により、しかし有利には、少量のエチレンオキシドを含有してもよく、オキシエチレン鎖も、場合により、しかし有利には少量のプロピレンオキシドを含有してもよい。
【0080】
本組成物における使用に好適なポリヒドロキシ脂肪酸アミド界面活性剤としては、構造式R2CONR1Z[式中、R1は、H、C1~C4ヒドロカルビル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、エトキシ、プロポキシ基又はこれらの混合物であり、R2は、直鎖であり得るC5~C31ヒドロカルビルであり、Zは、少なくとも3個のヒドロキシルが鎖に直接接続している直鎖状ヒドロカルビル鎖を有するポリヒドロキシヒドロカルビル又はそのアルコキシル化(好ましくは、エトキシル化又はプロポキシル化)誘導体である]を有するものが挙げられる。Zは、還元的アミノ化反応において還元糖から誘導され、例えば、グリシチル部分であり得る。
【0081】
脂肪族アルコールと約0~約25モルのエチレンオキシドとのアルキルエトキシレート縮合物が、本組成物における使用に適している。脂肪族アルコールのアルキル鎖は、直鎖又は分岐鎖、第一級又は第二級のいずれかであってもよく、一般に6~22個の炭素原子を含有する。
【0082】
エトキシル化C6~C18脂肪アルコール、並びにC6~C18混合型エトキシル化及びプロポキシル化脂肪アルコールは、本組成物における、特に水溶性であるものにおける使用に好適な界面活性剤である。適切なエトキシル化脂肪アルコールとしては、3~50のエトキシル化度を有するC6~C18エトキシル化脂肪アルコールが挙げられる。
【0083】
特に本組成物における使用に好適なノニオン性アルキル多糖界面活性剤としては、1986年1月21に発行されたLlenadoの米国特許第4,565,647号に開示されているものが挙げられる。これらの界面活性剤は、約6~約30個の炭素原子を含有する疎水性基、及び多糖類、例えば、約1.3~約10の糖類単位を含有する親水性基であるポリグリコシドを含む。5~6個の炭素原子を含有する任意の還元糖類を使用することができ、例えば、グルコース、ガラクトース及びガラクトシル部分は、グルコシル部分に置換され得る。(場合により、疎水性基は、2位、3位、4位等に結合され、よって、グルコシド又はガラクトシドではなくグルコース又はガラクトースを与える。)糖間結合(intersaccharide bond)は、例えば、追加の糖類単位の1つの位置と、先行する糖類単位の2位、3位、4位及び/又は6位との間にあり得る。
【0084】
本組成物における使用に好適な脂肪酸アミド界面活性剤としては、式:R6CON(R7)2[式中、R6は、7~21個の炭素原子を含有するアルキル基であり、各R7は、独立して水素、C1~C4アルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル又は--(C2H4O)XHであり、xは、1~3の範囲である]を有するものが挙げられる。
【0085】
有用な部類のノニオン性界面活性剤としては、アルコキシル化アミンとして、又は最も特定的にはアルコールアルコキシル化/アミノ化/アルコキシル化界面活性剤として定義される部類が挙げられる。これらのノニオン性界面活性剤は、一般式:R20--(PO)SN--(EO)tH、R20--(PO)SN--(EO)tH(EO)tH及びR20--N(EO)tH[式中、R20はアルキル、アルケニル若しくは他の脂肪族基、又は8~20個、好ましくは12~14個の炭素原子のアルキルアリール基であり、EOはオキシエチレンであり、POはオキシプロピレンであり、sは1~20、好ましくは2~5であり、tは1~10、好ましくは2~5であり、uは1~10、好ましくは2~5である]により、少なくとも部分的に表すことができる。これらの化合物の範囲の他の変形は、代替式:R20--(PO)V--N[(EO) wH][(EO)zH][式中、R20は上記に定義された通りであり、vは1~20(例えば、1、2、3又は4(好ましくは2))であり、w及びzは、独立して1~10、好ましくは2~5である]により表すことができる。これらの化合物は、ノニオン性界面活性剤としてHuntsman Chemicalsにより販売されている製品系列で商業的に表されている。この部類の好ましい化学製品としては、Surfonic(登録商標)PEA 25 Amine Alkoxylateが挙げられる。本開示の組成物に好ましいノニオン性界面活性剤としては、アルコールアルコキシレート、EO/POブロックコポリマー、アルキルフェノールアルコキシレート等が挙げられる。
【0086】
専門書Nonionic Surfactants、Schick, M. J.編、Surfactant Science Series第1巻、Marcel Dekker, Inc.、New York、1983は、本開示の実践に一般に用いられる多種多様なノニオン性化合物についての優れた参考文献である。これらの界面活性剤のノニオン性の部類及び種類の典型的な列挙は、1975年12月30日に発行されたLaughlin及びHeuringの米国特許第3,929,678号に提示されている。更なる例は、「Surface Active Agents and detergents」(Schwartz、Perry及びBerchによる第I及びII巻)に提示されている。
【0087】
半極性ノニオン性界面活性剤
半極性タイプのノニオン性表面活性剤は、本開示の組成物に有用な別の部類のノニオン性界面活性剤である。一般に、半極性ノニオン性物質は、高度な起泡剤及び起泡安定剤であり、CIPシステムにおけるそれらの適用が制限され得る。しかし、高度な起泡清浄方法用の本開示の組成物実施形態内において、半極性ノニオン性物質は直ちに有用性がある。半極性ノニオン性界面活性剤としては、アミンオキシド、ホスフィンオキシド、スルホキシド及びこれらのアルキル化誘導体が挙げられる。
【0088】
アミンオキシドは、一般式:
【0089】
【化2】
[式中、矢印は半極性結合の慣例的な表示であり、R
1、R
2及びR
3は、脂肪族、芳香族、複素環式、脂環式又はこれらの組合せであり得る]に対応する第三級アミンオキシドである。一般に、目的のアミンオキシドでは、R
1は、約8~約24個の炭素原子のアルキル基であり、R
2及びR
3は、1~3個の炭素原子のアルキル若しくはヒドロキシアルキル、又はこれらの混合物であり、R
2及びR
3は、例えば酸素又は窒素原子を介して互いに結合して、環構造を形成することができ、R
4は、アルカリ又は2~3個の炭素原子を含有するヒドロキシアルキレン基であり、nは0~約20の範囲である。
【0090】
有用な水溶性アミンオキシド界面活性剤は、ココナッツ又は牛脂アルキルジ-(低級アルキル)アミンオキシドから選択され、これらの特定の例は、ドデシルジメチルアミンオキシド、トリデシルジメチルアミンオキシド、テトラデシルジメチルアミンオキシド、ペンタデシルジメチルアミンオキシド、ヘキサデシルジメチルアミンオキシド、ヘプタデシルジメチルアミンオキシド、オクタデシルジメチルアミンオキシド、ドデシルジプロピルアミンオキシド、テトラデシルジプロピルアミンオキシド、ヘキサデシルジプロピルアミンオキシド、テトラデシルジブチルアミンオキシド、オクタデシルジブチルアミンオキシド、ビス(2-ヒドロキシエチル)ドデシルアミンオキシド、ビス(2-ヒドロキシエチル)-3-ドデコキシ-1-ヒドロキシプロピルアミンオキシド、ジメチル-(2-ヒドロキシドデシル)アミンオキシド、3,6,9-トリオクタデシルジメチルアミンオキシド及び3-ドデコキシ-2-ヒドロキシプロピルジ-(2-ヒドロキシエチル)アミンオキシドである。
【0091】
有用な半極性ノニオン性界面活性剤はまた、以下の構造:
【0092】
【化3】
[式中、矢印は半極性結合の慣例的な表示であり、R
1は、鎖長さが10~約24個の炭素原子の範囲であるアルキル、アルケニル又はヒドロキシアルキル部分であり、R
2及びR
3は、それぞれ、1~3個の炭素原子を含有するアルキル又はヒドロキシアルキル基から別個に選択されるアルキル部分である]を有する水溶性ホスフィンオキシドも含む。
【0093】
有用なホスフィンオキシドの例としては、ジメチルデシルホスフィンオキシド、ジメチルテトラデシルホスフィンオキシド、メチルエチルテトラデシルホスホンオキシド、ジメチルヘキサデシルホスフィンオキシド、ジエチル-2-ヒドロキシオクチルデシルホスフィンオキシド、ビス(2-ヒドロキシエチル)ドデシルホスフィンオキシド及びビス(ヒドロキシメチル)テトラデシルホスフィンオキシドが挙げられる。
【0094】
本明細書に有用な半極性ノニオン性界面活性剤はまた、構造:
【0095】
【化4】
[式中、矢印は半極性結合の慣例的な表示であり、R
1は、約8~約28個の炭素原子、0~約5個のエーテル連結及び0~約2個のヒドロキシル置換基を持つアルキル又はヒドロキシアルキル部分であり、R
2は、1~3個の炭素原子を有するアルキル及びヒドロキシアルキル基からなるアルキル部分である]を有する水溶性スルホキシド化合物も含む。
【0096】
これらのスルホキシドの有用な例としては、ドデシルメチルスルホキシド、3-ヒドロキシトリデシルメチルスルホキシド、3-メトキシトリデシルメチルスルホキシド及び3-ヒドロキシ-4-ドデコキシブチルメチルスルホキシドが挙げられる。
【0097】
本開示の組成物の半極性ノニオン性界面活性剤としては、ジメチルアミンオキシド、例えば、ラウリルジメチルアミンオキシド、ミリスチルジメチルアミンオキシド、セチルジメチルアミンオキシド及びこれらの組合せ等が挙げられる。有用な水溶性アミンオキシド界面活性剤は、オクチル、デシル、ドデシル、イソドデシル、ココナッツ又は牛脂アルキルジ-(低級アルキル)アミンオキシドから選択され、これらの特定の例は、オクチルジメチルアミンオキシド、ノニルジメチルアミンオキシド、デシルジメチルアミンオキシド、ウンデシルジメチルアミンオキシド、ドデシルジメチルアミンオキシド、イソドデシルジメチルアミンオキシド、トリデシルジメチルアミンオキシド、テトラデシルジメチルアミンオキシド、ペンタデシルジメチルアミンオキシド、ヘキサデシルジメチルアミンオキシド、ヘプタデシルジメチルアミンオキシド、オクタデシルジメチルアミンオキシド、ドデシルジプロピルアミンオキシド、テトラデシルジプロピルアミンオキシド、ヘキサデシルジプロピルアミンオキシド、テトラデシルジブチルアミンオキシド、オクタデシルジブチルアミンオキシド、ビス(2-ヒドロキシエチル)ドデシルアミンオキシド、ビス(2-ヒドロキシエチル)-3-ドデコキシ-1-ヒドロキシプロピルアミンオキシド、ジメチル-(2-ヒドロキシドデシル)アミンオキシド、3,6,9-トリオクタデシルジメチルアミンオキシド及び3-ドデコキシ-2-ヒドロキシプロピルジ-(2-ヒドロキシエチル)アミンオキシドである。
【0098】
本開示の組成物との使用に好適なノニオン性界面活性剤としては、アルコキシル化界面活性剤が挙げられる。好適なアルコキシル化界面活性剤としては、EO/POコポリマー、キャップEO/POコポリマー、アルコールアルコキシレート、キャップアルコールアルコキシレート、これらの混合物等が挙げられる。溶媒としての使用に好適なアルコキシル化界面活性剤には、EO/POブロックコポリマー、例えばPluronic(登録商標)及び逆性Pluronic(登録商標)界面活性剤、アルコールアルコキシレート、例えばDehypon(登録商標)LS-54(R-(EO)5(PO)4)及びDehypon(登録商標)LS-36(R-(EO)3(PO)6)、並びにキャップアルコールアルコキシレート、例えばPlurafac(登録商標)LF221及びTegoten(登録商標)EC11、これらの混合物等が挙げられる。
【0099】
アニオン性界面活性剤
また本発明に有用なものは、疎水性物質の電荷が陰性であるのでアニオン性物質(anionics)と分類される表面活性物質、又はpHが中性又はそれを上回って上昇されない限り分子の疎水性域(例えば、カルボン酸)が電荷を有さない界面活性剤である。カルボキシレート、スルホネート、スルフェート及びホスフェートは、アニオン性界面活性剤に見出される極性(親水性)可溶化基である。これらの極性基に会合するカチオン(対イオン)のうちでは、ナトリウム、リチウム及びカリウムが水溶性を付与し、アンモニウム及び置換アンモニウムイオンが、水溶性と油溶性の両方を提供し、カルシウム、バリウム及びマグネシウムが油溶性を促進する。当業者に理解されるように、アニオン性物質は、優れた洗浄界面活性剤であり、したがって、重質洗剤組成物への好ましい添加である。
【0100】
本組成物における使用に好適なアニオン性スルフェート界面活性剤としては、アルキルエーテルスルフェート、アルキルスルフェート、直鎖状及び分岐状第一級及び第二級アルキルスルフェート、アルキルエトキシスルフェート、脂肪オレイルグリセロールスルフェート、アルキルフェノールエチレンオキシドエーテルスルフェート、C5~C17アシル-N-(C1~C4アルキル)及び-N-(C1~C2ヒドロキシアルキル)グルカミンスルフェート、並びにアルキル多糖類のスルフェート、例えば、アルキルポリグリコシドのスルフェート等が挙げられる。また挙げられるものは、アルキルスルフェート、アルキルポリ(エチレンオキシ)エーテルスルフェート及び芳香族ポリ(エチレンオキシ)スルフェート、例えば、エチレンオキシドとノニルフェノールとのスルフェート又は縮合物(通常、分子1個当たり1~6個のオキシエチレン基を有する)である。
【0101】
また本組成物における使用に好適なアニオン性スルホネート界面活性剤としては、アルキルスルホネート、直鎖状及び分岐状第一級及び第二級アルキルスルホネート、並びに置換基を有する又は有さない芳香族スルホンが挙げられる。
【0102】
本組成物における使用に好適なアニオン性カルボキシレート界面活性剤としては、カルボン酸(及び塩)、例えば、アルカン酸(及びアルカノエート)、カルボン酸エステル(例えば、アルキルスクシネート)、カルボン酸エーテル、スルホン化脂肪酸、例えばスルホン化オレイン酸等が挙げられる。そのようなカルボキシレートには、アルキルエトキシカルボキシレート、アルキルアリールエトキシカルボキシレート、アルキルポリエトキシポリカルボキシレート界面活性剤及び石けん(例えば、アルキルカルボキシル)が挙げられる。本組成物に有用な第二級カルボキシレートとしては、第二級炭素に接続しているカルボキシル単位を含有するものが挙げられる。第二級炭素は、例えば、p-オクチル安息香酸又はアルキル置換シクロヘキシルカルボキシレート中のように、環構造中にあり得る。第二級カルボキシレート界面活性剤は、典型的には、エーテル連結、エステル連結及びヒドロキシル基を含有しない。更に、典型的には、頭部基(両親媒性部分)に窒素原子を欠いている。好適な第二級石けん界面活性剤は、典型的には、11~13個の全炭素原子を含有するが、より多くの炭素原子(例えば、16個まで)が存在することができる。また好適なカルボキシレートとしては、アシルアミノ酸(及び塩)、例えば、アシルグルタメート、アシルペプチド、サルコシネート(例えば、N-アシルサルコシネート)、タウレート(例えば、N-アシルタウレート、及びメチルタウレートの脂肪酸アミド)等が挙げられる。
【0103】
好適なアニオン性界面活性剤は、以下の式:
R-O-(CH2CH2O)n(CH2)m-CO2X (3)
[式中、Rは、C8~C22アルキル基、又は
【0104】
【化5】
(式中、R
1はC
4~C
16アルキル基である)であり、nは1~20の整数であり、mは1~3の整数であり、Xは対イオンであり、例えば、水素、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、又はアミン塩、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン若しくはトリエタノールアミンである]のアルキル又はアルキルアリールエトキシカルボキシレートを含む。一部の実施形態において、nは4~10の整数であり、mは1である。一部の実施形態において、RはC
8~C
16アルキル基である。一部の実施形態において、RはC
12~C
14アルキル基であり、nは4であり、mは1である。
【0105】
他の実施形態において、Rは、
【0106】
【化6】
であり、R
1は、C
6~C
12アルキル基である。なおさらに別の実施形態において、R
1はC
9アルキル基であり、nは10であり、mは1である。
【0107】
そのようなアルキル及びアルキルアリールエトキシカルボキシレートは市販されている。これらのエトキシカルボキシレートは、典型的には、アニオン性又は塩形態に容易に変換され得る酸形態で入手可能である。市販のカルボキシレートとしては、C12~13アルキルポリエトキシ(4)カルボン酸であるNeodox 23-4(Shell Chemical)及びC9アルキルアリールポリエトキシ(10)カルボン酸であるEmcol CNP-110(Witco Chemical)が挙げられる。カルボキシレートはまた、例えば、C13アルキルポリエトキシ(7)カルボン酸である製品Sandopan(登録商標)DTCでClariantにより入手可能である。
【0108】
両性(amphoteric)界面活性剤
両性又は両性電解質(ampholytic)界面活性剤は、塩基性と酸性の親水性基及び有機疎水性基の両方を含有する。これらのイオン性実態は、他のタイプの界面活性剤について本明細書に記載されているいずれかのアニオン性又はカチオン性基であり得る。塩基性窒素及び酸性カルボキシレート基は、塩基性及び酸性親水性基として用いられる典型的な官能基である。いくつかの界面活性剤において、スルホネート、スルフェート、ホスホネート又はホスフェートは陰性電荷を提供する。
【0109】
両性界面活性剤は、脂肪族第二級及び第三級アミンの誘導体として広範囲に記載することができ、脂肪族基は直鎖又は分岐鎖であってもよく、脂肪族置換基のうちの1つは約8~18個の炭素原子を含有し、1つはアニオン性水可溶化基、例えば、カルボキシ、スルホ、スルファト、ホスファト又はホスホノを含有する。両性界面活性剤は、当業者に公知の2つの主なクラスに細分化され、「Surfactant Encyclopedia」Cosmetics & Toiletries、104巻(2)69~71(1989)に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。第1のクラスとしては、アシル/ジアルキルエチレンジアミン誘導体(例えば、2-アルキルヒドロキシエチルイミダゾリン誘導体)及びこれらの塩が挙げられる。第2のクラスとしては、N-アルキルアミノ酸及びその塩が挙げられる。一部の両性界面活性剤は、両方のクラスに当てはまることが想定される。
【0110】
両性界面活性剤は、当業者に公知の方法によって合成され得る。例えば、2-アルキルヒドロキシエチルイミダゾリンは、長鎖カルボン酸(又は、誘導体)とジアルキルエチレンジアミンとの縮合及び閉環によって合成される。市販の両性界面活性剤は、続く加水分解及びアルキル化による、例えばクロロ酢酸又は酢酸エチルによるイミダゾリン環の開環によって誘導体化される。アルキル化の間に、1又は2個のカルボキシ-アルキル基が反応して、第三級アミンを形成し、異なるアルキル化剤とエーテル連結を形成して、異なる第三級アミンを生じる。
【0111】
本発明に用途を有する長鎖イミダゾール誘導体は、一般に一般式:
(モノ)アセテート (ジ)プロピオネート
【0112】
【0113】
【化8】
[式中、Rは、約8~18個の炭素原子を含有する非環式疎水性基であり、Mは、アニオン、一般にナトリウムの電荷を中和するカチオンである]を有する。本組成物に用いることができる市販の優れたイミダゾリン由来両性物質(amphoterics)としては、例えば、ココアンホプロピオネート、ココアンホカルボキシ-プロピオネート、ココアンホグリシネート、ココアンホカルボキシ-グリシネート、ココアンホプロピル-スルホネート及びココアンホカルボキシ-プロピオン酸が挙げられる。両性カルボン酸(amphocarboxylic acid)は脂肪イミダゾリンから生成することができ、両性カルボン酸のジカルボン酸官能基は二酢酸及び/又はジプロピオン酸である。
【0114】
本明細書上記に記載されたカルボキシメチル化化合物(グリシネート)は、頻繁にベタインと呼ばれる。ベタインは、本明細書下記に表題が双性イオン性界面活性剤のセクションに考察されている両性の特別なクラスである。
【0115】
長鎖N-アルキルアミノ酸は、RNH2[式中、R=C8~C18直鎖又は分岐鎖アルキル]、脂肪アミンとハロゲン化カルボン酸との反応よって容易に調製される。アミノ酸の第一級アミノ基のアルキル化は、第二級及び第三級アミンをもたらす。アルキル置換基は、1個を超える反応性窒素中心を提供する追加のアミノ基を有してもよい。大部分の市販のN-アルキルアミン酸は、ベータ-アラニン又はベータ-N(2-カルボキシエチル)アラニンのアルキル誘導体である。本発明における適用を有する市販のN-アルキルアミノ酸両性電解質の例としては、アルキルベータ-アミノジプロピオネート、RN(C2H4COOM)2及びRNHC2H4COOMが挙げられる。一実施形態において、Rは、約8~約18個の炭素原子を含有する非環式疎水性基であり、Mは、アニオンの電荷を中和するカチオンである。
【0116】
好適な両性界面活性剤としては、ココナッツ生成物、例えばココナッツ油又はココナッツ脂肪酸から誘導されるものが挙げられる。追加の好適なココナッツ由来界面活性剤は、その構造の一部として、エチレンジアミン部分、アルカノールアミド部分、アミノ酸部分、例えばグリシン又はこれらの組合せ、及び約8~18個(例えば、12個)の炭素原子の脂肪族置換基を含む。そのような界面活性剤には、アルキル両性ジカルボン酸も考慮され得る。これらの両性界面活性剤は、C12-アルキル-C(O)-NH-CH2-CH2-N+(CH2-CH2-CO2Na)2-CH2-CH2-OH又はC12-アルキル-C(O)-N(H)-CH2-CH2-N+(CH2-CO2Na)2-CH2-CH2-OHと表される化学構造を含むことができる。ココアンホジプロピオン酸2ナトリウムは、1つの好適な両性界面活性剤であり、Rhodia Inc., Cranbury, N.J.により商品名Miranol(商標)FBSで市販されている。化学名ココアンホジ酢酸2ナトリウムを有する別の好適なココナッツ由来両性界面活性剤は、同様にRhodia Inc., Cranbury, N.J.により商品名Mirataine(商標)JCHAで販売されている。
【0117】
これらの界面活性剤の両性の部類及び種類の典型的な列挙は、1975年12月30日に発行されたLaughlin及びHeuringの米国特許第3,929,678号に提示されている。更なる例は、「Surface Active Agents and Detergents」(Schwartz、Perry及びBerchによる第I及びII巻)に提示されている。これらの参考文献のそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0118】
双性イオン性界面活性剤
双性イオン性界面活性剤は、両性界面活性剤のサブセットと考えられ、アニオン性電荷を含むことができる。双性イオン性界面活性剤は、第二級及び第三級アミンの誘導体、複素環式第二級及び第三級アミンの誘導体又は第四級アンモニウム、第四級ホスホニウム若しくは第三級スルホニウム化合物の誘導体として広範囲に記載され得る。典型的には、双性イオン性界面活性剤は、陽性荷電第四級アンモニウム又は一部の場合においてスルホニウム又はホスホニウムイオン、陰性荷電カルボキシル基及びアルキル基を含む。双性イオン性物質(zwitterionics)は、一般に、分子の等電領域とほぼ同じ程度にイオン化し、且つ陽性陰性電荷中心の間に強力な「内塩」引力を発生することができるカチオン性及びアニオン性基を含有する。そのような双性イオン性合成界面活性剤の例としては、脂肪族第四級アンモニウム、ホスホニウム及びスルホニウム化合物の誘導体が挙げられ、脂肪族基は直鎖又は分岐鎖であってもよく、脂肪族置換基のうちの1つは8~18個の炭素原子を含有し、1つはアニオン性水可溶化基、例えば、カルボキシ、スルホネート、スルフェート、ホスフェート又はホスホネートを含有する。
【0119】
ベタイン及びスルタイン(sultaine)界面活性剤は、本明細書における使用のための例示的な双性イオン性界面活性剤である。これらの化合物の一般式は、
【0120】
【化9】
[式中、R
1は、8~18個の炭素原子を持ち、0~10個のエチレンオキシド部分及び0~1個のグリセリル部分を有するアルキル、アルケニル又はヒドロキシアルキル基であり、Yは、窒素、リン及び硫黄原子からなる群から選択され、R
2は、1~3個の炭素原子を含有するアルキル又はモノヒドロキシアルキル基であり、xは、Yが硫黄原子の場合に1であり、Yが窒素又はリン原子の場合に2であり、R
3は、アルキレン又はヒドロキシアルキレン又は1~4個の炭素原子のヒドロキシアルキレンであり、Zは、カルボキシレート、スルホネート、スルフェート、ホスホネート及びホスフェート基からなる群から選択される基である。]である。
【0121】
上記に列挙された構造を有する双性イオン性界面活性剤の例としては、4-[N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)-N-オクタデシルアンモニオ]-ブタン-1-カルボキシレート、5-[S-3-ヒドロキシプロピル-S-ヘキサデシルスルホニオ]-3-ヒドロキシペンタン-1-スルフェート、3-[P,P-ジエチル-P-3,6,9-トリオキサテトラコサンホスホニオ]-2-ヒドロキシプロパン-1-ホスフェート、3-[N,N-ジプロピル-N-3-ドデコキシ-2-ヒドロキシプロピル-アンモニオ]-プロパン-1-ホスホネート、3-(N,N-ジメチル-N-ヘキサデシルアンモニオ)-プロパン-1-スルホネート、3-(N,N-ジメチル-N-ヘキサデシルアンモニオ)-2-ヒドロキシ-プロパン-1-スルホネート、4-[N,N-ジ(2(2-ヒドロキシエチル)-N(2-ヒドロキシドデシル)アンモニオ]-ブタン-1-カルボキシレート、3-[S-エチル-S-(3-ドデコキシ-2-ヒドロキシプロピル)スルホニオ]-プロパン-1-ホスフェート、3-[P,P-ジメチル-P-ドデシルホスホニオ]-プロパン-1-ホスホネート及びS[N,N-ジ(3-ヒドロキシプロピル)-N-ヘキサデシルアンモニオ]-2-ヒドロキシ-ペンタン-1-スルフェートが挙げられる。前記洗剤界面活性剤に含有されるアルキル基は、直鎖又は分岐鎖及び飽和又は不飽和であり得る。
【0122】
本組成物における使用に好適な双性イオン性界面活性剤としては、一般構造のベタインが挙げられる。
【0123】
【0124】
これらの界面活性剤ベタインは、典型的には、極限pHで強力なカチオン性又はアニオン性の特徴を呈さず、これらの等電範囲で水溶解度の低減も示さない。「外部」の第四級アンモニウム塩と異なり、ベタインはアニオン性物質と適合性がある。好適なベタインの例としては、ココナッツアシルアミドプロピルジメチルベタイン、ヘキサデシルジメチルベタイン、C12~14アシルアミドプロピルベタイン、C8~14アシルアミドヘキシルジエチルベタイン、4-C14~16アシルメチルアミドジエチルアンモニオ-1-カルボキシブタン、C16~18アシルアミドジメチルベタイン、C12~16アシルアミドペンタンジエチルベタイン及びC12~16アシルメチルアミドジメチルベタインが挙げられる。
【0125】
本発明に有用なスルタインとしては、式(R(R1)2 N+R2SO3-[式中、Rは、C6~C18ヒドロカルビル基であり、各R1は、典型的には独立してC1~C3アルキル、例えばメチルであり、R2は、C1~C6ヒドロカルビル基、例えば、C1~C3アルキレン又はヒドロキシアルキレン基である]を有する化合物が挙げられる。
【0126】
これらの界面活性剤の双性イオン性の部類及び種類の典型的な列挙は、1975年12月30日に発行されたLaughlin及びHeuringの米国特許第3,929,678号に提示されている。更なる例は、「Surface Active Agents and Detergents」(Schwartz、Perry及びBerchによる第I及びII巻)に提示されている。これらの参考文献は、それぞれ、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0127】
界面活性剤はまた、アジュバントとして作用してもよく、それによって組成物は追加のアジュバントを実質的に含まなくてもよい。
【0128】
塩
任意の表面活性塩剤を使用して、抽出物を可溶化することもできる。これらの塩としては、スルホン酸及び塩又はスルホン化エステルが挙げられるが、これらに限定されない。界面活性剤の塩形態を担体及び/又は可溶化剤として使用することもできる。
【0129】
アジュバント
アジュバントを添加して、本発明の組成物の雑草防除活性又は施用の特徴を改善することができる。アジュバントは、特別目的アジュバント又は活性化アジュバントのいずれかに広範囲に定義される。所定の除草配合物が有用な条件範囲を一般に広げる特別目的アジュバントは、有用であり、散布溶液の物理的特徴を変更することができ、及び/又は適合剤、緩衝剤、消泡剤及び飛散制御剤(drift control agent)を含むことができる。活性化アジュバントは、出芽後除草性能を増強するために一般的に使用され、除草活性、植物組織内への除草剤吸収及び耐雨性(rainfastness)を増加することができ、除草剤の光分解を減少することができる、及び/又は組成物の物理的特徴を変更することができる。活性化アジュバントは、一般に、界面活性剤、作物油濃縮物、窒素肥料、展着剤(spreader-sticker)、湿潤剤及び浸透剤である。
【0130】
緩衝剤
緩衝剤は、通常、リン酸塩又はクエン酸を含有し、アルカリ性組成物に添加される場合、わずかに酸性のpHを維持する。これらを高pH組成物に添加して、感受性のある化合物のアルカリ加水分解を防止する。一部の緩衝剤はまた、硬水の問題を低減するために使用される「水軟化」剤である。特に、硬水に見出されるカルシウム塩及びマグネシウム塩は、ある特定の化合物の性能に干渉することがある。硫酸アンモニウム(AMS)は、硬水の問題を低減するために時々添加される。
【0131】
消泡剤
本開示の実施形態において、本明細書に開示されている組成物は、消泡剤を含んでもよい。一実施態様において、本明細書に開示されている組成物は消泡剤を含む。好ましい実施態様において、消泡剤はノニオン性界面活性剤である。好ましい実施態様において、消泡剤はノニオン性アルコキシル化界面活性剤である。別の好ましい実施形態において、消泡剤は、式RO-(PO)0-5(EO)1-30(PO)1-30又はRO-(PO)1-30(EO)1-30(PO)1-30[式中、RはC8~18直鎖状又は分岐状アルキル基であり、EO=エチレンオキシドであり、PO=プロピレンオキシドである]を有するノニオン性界面活性剤である。例示的で好適なアルコキシル化界面活性剤としては、エチレンオキシド/プロピレンブロックコポリマー(EO/POコポリマー)、例えば、名称Pluronic又はPlurafac(登録商標)で入手可能なもの、キャップEO/POコポリマー、部分キャップEO/POコポリマー、完全キャップEO/POコポリマー、アルコールアルコキシレート、キャップアルコールアルコキシレート、これらの混合物等が挙げられる。
【0132】
他の消泡剤としては、シリコーン化合物、例えば、ポリジメチルシロキサンに分散されたシリカ、ポリジメチルシロキサン及び官能化ポリジメチルシロキサン、例えば、名称Abil B9952で入手可能なもの、脂肪アミド、炭化水素ワックス、脂肪酸、脂肪エステル、脂肪アルコール、脂肪酸石けん、エトキシレート、鉱油、ポリエチレングリコールエステル、アルキルホスフェートエステル、例えば、モノステアリルホスフェート等を挙げることができる。消泡剤についての考察は、例えば、Martinらの米国特許第3,048,548号、Brunelleらの米国特許第3,334,147号及びRueらの米国特許第3,442,242号において見出すことができ、これらの開示は、すべての目的において参照により本明細書に組み込まれる。
【0133】
作物油濃縮物
作物油濃縮物は、石油ベース、例えばパラフィン又はナフタベースであり、植物誘導体ではなく、70~110秒の粘度を持つフィトブランド(phytobland)非芳香族油である。作物油は、95~98パーセントが油であり、1~2パーセントが界面活性剤及び/又は乳化剤を有する。作物油は、植物のワックス状クチクラを介して殺生物剤散布の浸透を促進すると考えられる。
【0134】
作物油濃縮物は、80~85パーセントのフィトブランド乳化作物油及び15~20パーセントのノニオン性界面活性剤を含有する。この混合物中の界面活性剤の目的は、油を散布溶液中に乳化し、全体的な散布溶液の表面張力を下げることである。作物油濃縮物は、油の浸透性を提供し、同時に界面活性剤の表面張力の低減品質を獲得することを試みる。作物油濃縮物は、抽出物及び/又は他の除草剤の可溶性を助けることもできる。
【0135】
植物油濃縮物は、非極性又は親油性を増加するように改変されている植物(plant)又は植物(vegetable)ベースの油である。最も一般的な方法は、一般的な種子油のエステル化を介したものであり、例えば、メチル化ヒマワリ、ダイズ、綿実及びアマニ油である。オルガノシリコーン(organosilicone)ベースメチル化植物油濃縮物も好適である。これらのアジュバントは、シリコーンの表面張力低減品質を持つが、メチル化植物油濃縮物の利点も有する。
【0136】
窒素肥料
窒素肥料をアジュバントとして添加して、除草活性を増加することができる。特定の理論に束縛されるものではないが、アンモニウム塩(NH+)は、これらの肥料溶液の活性構成成分であると思われ、一部の雑草に対する性能を改善し得る。窒素肥料は、界面活性剤又は作物油濃縮物を一部の接触型除草剤に交換する。したがって、一部の実施形態において、組成物は、界面活性剤及び作物油濃縮物を実質的に含まない。
【0137】
展着剤(spreader/sticker)
当該技術に公知の任意の展着剤を組成物に添加することができ、標的への組成物の保持を助けるために使用される。例示的な展着剤としては、米国特許第9,456,600B2号(参照により本明細書に組み込まれる)の化合物、石油蒸留物及び/又はアルキルフェノールエトキシレートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0138】
湿潤剤及び追加の薬剤
当該技術に公知の任意の湿潤剤を組成物に添加することができ、標的への組成物の拡展を増加するために使用される。湿潤アジュバントとしては、アニオン性とノニオン性の界面活性剤の混合物を挙げることができる。
【0139】
抽出物の揮発性を下げる薬剤を組成物に含めることもできる。例としては、限定することを意図しないが、化学物質を安定化する、並びに熱及び太陽光が原因の損失を下げる、微結晶性セルロース、カプセル封入及びアミノ酸が挙げられる(酸化亜鉛又はモンモリロナイト粘土のような光遮蔽構成成分が挙げられる)。アミノ酸は、アルカリ性であっても中性であってもよく、また酸性アミノ酸と組み合わせてもよい。
【0140】
除草剤
所望の結果をもたらす任意の除草剤を使用することができる。除草剤は、一般に広範囲の分類に分けられ、植え付け前除草剤、枯殺(burndown)除草剤及び出芽後除草剤が挙げられる。当業者は、そのような化合物の適切な使用を理解する。いくつか部類の出芽後除草剤が存在する。これらには、別の言い方ではシンプラスト転流(symplastically translocated)と称される、すなわち葉から成長点への下方移動(downwardly mobile)除草剤、例えば、オーキシン成長調節剤であり、フェノキシ誘導体、安息香酸誘導体、ピコリン酸誘導体が含まれ、アミノ酸阻害剤、例えば、グリホサート、スルホサート、スルホニル尿素、イミダゾリノン、スルホンアナリド、色素阻害剤、草分裂組織破壊剤、別の言い方では脂質生合成阻害剤であり、例えば、アリールオキシフェノキシプロピオネート及びシクロヘキサンジオン、非転流又は接触除草剤であり、細胞膜破壊剤、ビピリジリウム、ビフェニルエーテル又はニトロフェニルエーテルが含まれ、アポプラスト転流(apoplastically translocated)としても公知である上方移動のみの除草剤であり、光合成阻害剤が含まれ、例えば、トリアジン、ウラシル、フェニル尿素又はニトリルが挙げられる。
【0141】
酸アミドベース除草剤の例としては、Stam(3',4'-ジクロロプロピオンアニリド、DCPA)及びAlachlor(2-クロロ-2',6'-ジエチル- -N-(メトキシメチル)-アセトアニリド)が挙げられる。尿素ベース除草剤の例としては、DCMU(3-(3,4-ジクロロフェニル)-1,1-ジメチル尿素)及びリニュロン(3-(3,4-ジクロロフェニル)-1-メトキシ-1-メチル尿素)が挙げられる。スルホニル尿素ベース除草剤の例としては、ベンゼンスルホンアミド(商品名penoxsulamで販売されている)、チフェンスルフロンメチル (メチル-3-(4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジン-2-イルカルバモイルスルファモイル)-2-タノエート)及びフラザスルフロン (1-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)-3-(3-トリフルオロメチル-2-ピリジルスルホニル)尿素)が挙げられる。ジピリジルベース除草剤の例としては、パラコート(paraquat)二塩化物(1,1'-ジメチル-4,4'-ビピリジニウムジクロリド)及びジクワット(diquat)二臭化物(6,7-ジヒドロジピリド[1,2-a:2',1'c]-ピラジンジイウムジブロミド)が挙げられる。ジアジンベース除草剤の一例としては、ブロマシル(bromacil)(5-ブロモ-3-sec-ブチル-6-メチルウラシル)が挙げられる。S-トリアジンベース除草剤の例としては、ゲサトップ(gesatop)(2-クロロ-4,6-ビス(エチルアミノ)-1 ,3,5-トリアジン)及びシメトリン(simetryn)(2,4-ビス(エチルアミノ)-6-メチルチオ-1,3,5-トリアジン)が挙げられる。ニトリルベース除草剤の例としては、DBN(2,6-ジクロロベンゾニトリル)が挙げられる。ジニトロアニリンベース除草剤の例としては、トリフルラリン(trifluralin)(α,α,α-トリフルオロ-2,6-ジニトロ-N,N-ジプロピル-p-トルイジン)が挙げられる。カルバメートベース除草剤の例としては、チオベンカルブ(thiobencarb)(S-p-クロロベンジルジエチルチオカルバメート)及びMCC(メチル-3,4-ジクロロカルベニレート)が挙げられる。NIP(2,4-ジクロロフェニル-p-ニトロ-フェニルエーテル)は、ジフェニルエーテルベース除草剤の一例である。PCP(ナトリウムペンタクロロフェノキシド)は、フェノールベース除草剤の一例である。MDBA(3,6-ジクロロ-2-メトキシ安息香酸ジメチルアミン塩)は、安息香酸ベース除草剤の一例である。フェノキシベース除草剤の例としては、2,4-Dナトリウム塩(2,4-ジクロロフェノキシ酢酸ナトリウム)、2,4-Dエステル及びマピカ(mapica)(^-クロロ-o-トルヨオキシジュアセト-o-クロロアニリド)が挙げられる。有機リンベース除草剤の例としては、グリホサート(N-(ホスホノメチル)グリシネート、ビアラホス(bialaphos)(L-2-アミノ-4-[(ヒドロキシ(メチル)ホスフィノイル]-ブチリル-アラニル-N-アラニンのナトリウム塩)及びグルホシネート(アンモニウムDL-ホモアラニン-4-イル(メチル)ホスフィネート)が挙げられる。TCAナトリウム塩(ナトリウムトリクロロネート)は、脂肪族基ベース除草剤の一例である。過酸化水素は別の除草剤である。一実施形態において、本発明の組成物に殺有害生物剤として使用される除草剤は、ジピリジルベース除草剤又は有機リンベース除草剤である。更なる実施形態において、除草剤は、有機リンベース除草剤である。
【0142】
本明細書に記載される組成物及び方法と一緒に用いることができる一部の除草剤としては、4-CPA、4-CPB、4-CPP、2,4-D、2,4-Dコリン塩、2,4-Dエステル及びアミン、2,4-DB、3,4-DA、3,4-DB、2,4-DEB、2,4-DEP、3,4-DP、2,3,6-TBA、2,4,5-T、2,4,5-TB、アセトクロール(acetochlor)、アシフルオルフェン(acifluorfen)、アクロニフェン(aclonifen)、アクロレイン(acrolein)、アラクロール(alachlor)、アリドクロール(allidochlor)、アロキシジム(alloxydim)、アリルアルコール、アロラック(alorac)、アメトリジオン(ametridione)、アメトリン(ametryn)、アミブジン(amibuzin)、アミカルバゾン(amicarbazone)、アミドスルフロン(amidosulfuron)、アミノシクロピラクロール(aminocyclopyrachlor)、アミノピラリド(aminopyralid)、アミプロフォス-メチル(amiprofos-methyl)、アミトロール(amitrole)、スルファミン酸アンモニウム、アニロホス(anilofos)、アニスロン(anisuron)、アスラム(asulam)、アトラトン(atraton)、アトラジン(atrazine)、アザフェニジン(azafenidin)、アジムスルフロン(azimsulfuron)、アジプロトリン(aziprotryne)、バルバン(barban)、BCPC、ベフルブタミド(beflubutamid)、ベナゾリン(benazolin)、ベンカルバゾン(bencarbazone)、ベンフルラリン(benfluralin)、ベンフレセート(benfuresate)、ベンスルフロン-メチル(bensulfuron-methyl)、ベンスリド(bensulide)、ベンチオカルブ(benthiocarb)、ベンタゾン-ナトリウム(bentazon-sodium)、ベンザドクス(benzadox)、ベンズフェンジゾン(benzfendizone)、ベンジプラム(benzipram)、ベンゾビシクロン(benzobicyclon)、ベンゾフェナプ(benzofenap)、ベンゾフルオル(benzofluor)、ベンゾイルプップ(benzoylprop)、ベンズチアズロン(benzthiazuron)、ビシクロピロン(bicyclopyrone)、ビフェノックス(bifenox)、ビラナホス(bilanafos)、ビスピリバック-ナトリウム(bispyribac-sodium)、ボラックス(borax)、ブロマシル(bromacil)、ブロモボニル(bromobonil)、ブロモブチド(bromobutide)、ブロモフェノキシム(bromofenoxim)、ブロモキシニル(bromoxynil)、ブロンピラゾン(brompyrazon)、ブタクロール(butachlor)、ブタフェナシル(butafenacil)、ブタミホス(butamifos)、ブテナクロール(butenachlor)、ブチダゾール(buthidazole)、ブチウロン(buthiuron)、ブトラリン(butralin)、ブトロキシジム(butroxydim)、ブツロン(buturon)、ブチレート、カコジル酸、カフェンストロール(cafenstrole)、塩素酸カルシウム、カルシウムシアナミド、カンベンジクロール(cambendichlor)、カルバスラム(carbasulam)、カルベタミド(carbetamide)、カルボキサゾール(carboxazole)、クロルプロカルブ(chlorprocarb)、カルフェントラゾン-エチル(carfentrazone-ethyl)、CDEA、CEPC、クロメトキシフェン(chlomethoxyfen)、クロランベン(chloramben)、クロラノクリル(chloranocryl)、クロラジホップ(chlorazifop)、クロラジン(chlorazine)、クロルブロムロン(chlorbromuron)、クロルブファム(chlorbufam)、クロレツロン(chloreturon)、クロルフェナック(chlorfenac)、クロルフェンプロプ(chlorfenprop)、クロルフルラゾール(chlorflurazole)、クロルフルレノール(chlorflurenol)、クロリダゾン(chloridazon)、クロリムロン(chlorimuron)、クロルニトロフェン(chlornitrofen)、クロロポン(chloropon)、クロロトルロン(chlorotoluron)、クロロクスロン(chloroxuron)、クロロキシニル(chloroxynil)、クロルプロファム(chlorpropham)、クロルスルフロン(chlorsulfuron)、クロルタール(chlorthal)、クロルチアミド(chlorthiamid)、シニドン-エチル(cinidon-ethyl)、シンメチリン(cinmethylin)、シノスルフロン(cinosulfuron)、シスアニリド(cisanilide)、クレトジム(clethodim)、クリオジネート(cliodinate)、クロジナホップ-プロパルギル(clodinafop-propargyl)、クロホップ(clofop)、クロマゾン(clomazone)、クロメプロップ(clomeprop)、クロプロップ(cloprop)、クロプロキシジム(cloproxydim)、クロピラリド(clopyralid)、クロランスラム-メチル(cloransulam-methy)、CMA、硫酸銅、CPMF、CPPC、クレダジン(credazine)、クレゾール(cresol)、クミルウロン(cumyluron)、シアナトリン(cyanatryn)、シアナジン(cyanazine)、シクロエート(cycloate)、シクロスルファムロン(cyclosulfamuron)、シクロキシジム(cycloxydim)、シクルロン(cycluron)、シハロホップ-ブチル(cyhalofop-butyl)、シペルクアット(cyperquat)、シプラジン(cyprazine)、シプラゾール(cyprazole)、シプロミド(cypromid)、ダイムロン(daimuron)、ダラポン(dalapon)、ダゾメット(dazomet)、デラクロール(delachlor)、デスメジファム(desmedipham)、デスメトリン(desmetryn)、ジアレート(di-allate)、ジカンバ(dicamba)、ジクロベニル(dichlobenil)、ジクロラール尿素(dichloralurea)、ジクロルメート(dichlormate)、ジクロルプロップ(dichlorprop)、ジクロルプロップ-P、ジクロホップ-メチル(diclofop-methyl,)、ジクロスラム(diclosulam)、ジエタムクアット(diethamquat)、ジエタチル(diethatyl)、ジフェノペンテン(difenopenten)、ジフェノクスロン(difenoxuron)、ジフェンゾクアット(difenzoquat)、ジフルフェニカン(diflufenican)、ジフルフェンゾピル(diflufenzopyr)、ジメフロン(dimefuron)、ジメピペレート(dimepiperate)、ジメタクロール(dimethachlor)、ジメタメトリン(dimethametryn)、ジメテンアミド(dimethenamid)、ジメテンアミド-P、ジメキサノ(dimexano)、ジミダゾン(dimidazon)、ジニトロアミン(dinitramine)、ジノフェネート(dinofenate)、ジノプロップ(dinoprop)、ジノサム(dinosam)、ジノセブ(dinoseb)、ジノテルブ(dinoterb)、ジフェンアミド(diphenamid)、ジプロペトリン(dipropetryn)、ジクアット(diquat)、ジスル(disul)、ジチオピル(dithiopyr)、ジウロン(diuron)、DMPA、DNOC、DSMA、EBEP、エグリナジン(eglinazine)、エンドタール(endothal)、エプロナズ(epronaz)、EPTC、エルボン(erbon)、エスプロカルブ(esprocarb)、エタルフルラリン(ethalfluralin)、エスベンズアミド(ethbenzamide)、エタメトスルフロン(ethametsulfuron)、エチジムロン(ethidimuron)、エチオレート(ethiolate)、エトベンズアミド(ethobenzamid)、エトベンズアミド(etobenzamid)、エトフメセート(ethofumesate)、エトキシフェン(ethoxyfen)、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)、エチノフェン(etinofen)、エトニプロミド(etnipromid)、エトベンザニド(etobenzanid)、EXD、フェナスラム(fenasulam)、フェノプロップ(fenoprop)、フェノキサプロップ(fenoxaprop)、フェノキサプロップ-P-エチル、フェノキサプロップ-P-エチル+イソキサジフェン-エチル(isoxadifen-ethyl)、フェノキサスルホン(fenoxasulfone)、フェンテラコール(fenteracol)、フェンチアプロップ(fenthiaprop)、フェントラザミド(fentrazamide)、フェヌロン(fenuron)、硫酸第一鉄、フラムプロップ(flamprop)、フラムプロップ-M、フラザスルフロン(flazasulfuron)、フロラスラム(florasulam)、フルアジホップ(fluazifop)、フルアジホップ-P-ブチル、フルアゾレート(fluazolate)、フルカルバゾン(flucarbazone)、フルセトスルフロン(flucetosulfuron)、フルクロラリン(fluchloralin)、フルフェナセット(flufenacet)、フルフェニカン(flufenican)、フルフェンピル-エチル(flufenpyr-ethyl)、フルメツラム(flumetsulam)、フルメジン(flumezin)、フルミクロラック-ペンチル(flumiclorac-pentyl)、フルミオキサジン(flumioxazin)、フルミプロピン(flumipropyn)、フルオメツロン(fluometuron)、フルオロジフェン(fluorodifen)、フルオログリコフェン(fluoroglycofen)、フルオロミジン(fluoromidine)、フルオロニトロフェン(fluoronitrofen)、フルオチウロン(fluothiuron)、フルポキサム(flupoxam)、フルプロパシル(flupropacil)、フルプロパネート(flupropanate)、フルピルスルフロン(flupyrsulfuron)、フルリドン(fluridone)、フルロクロリドン(flurochloridone)、フルロキシピル(fluroxypyr)、フルルタモン(flurtamone)、フルチアセット(fluthiacet)、ホメサフェン(fomesafen)、ホラムスルフロン(foramsulfuron)、ホサミン(fosamine)、フミクロラック(fumiclorac)、フリルオキシフェン(furyloxyfen)、グルホシネート、グルホシネート-アンモニウム、グルホシネート-P-アンモニウム、グリホサート、ハロサフェン(halosafen)、ハロスルフロン-メチル(halosulfuron-methyl)、ハロキシジン(haloxydine)、ハロキシホップ-メチル(haloxyfop-methyl)、ハロキシホップ-P-メチル、ヘキサクロロアセトン(hexachloroacetone)、ヘキサフルレート(hexaflurate)、ヘキサジノン(hexazinone)、イマザメタベンズ(imazamethabenz)、イマザモックス(imazamox)、イマザピック(imazapic)、イマザピル(imazapyr)、イマザキン(imazaquin)、イマゾスルフロン(imazosulfuron)、イマゼタピル(imazethapyr)、インダノファン(indanofan)、インダジフラム(indaziflam)、ヨードボニル(iodobonil)、ヨードメタン、ヨードスルフロン(iodosulfuron)、ヨードスルフロン-エチル-ナトリウム、ヨーフェンスルフロン(iofensulfuron)、アイオキシニル(ioxynil)、イパジン(ipazine)、イペンカルバゾン(ipfencarbazone)、イプリミダム(iprymidam)、イソカルバミド(isocarbamid)、イソシル(isocil)、イソメチオジン(isomethiozin)、イソノルロン(isonoruron)、イソポリネート(isopolinate)、イソプロパリン(isopropalin)、イソプロツロン(isoproturon)、イソウロン(isouron)、イソキサベン(isoxaben)、イソキサクロルトール(isoxachlortole)、イソキサフルトール(isoxaflutole)、イソキサピリホップ(isoxapyrifop)、カルブチレート(karbutilate)、ケトスピラドックス(ketospiradox)、ラクトフェン(lactofen)、レナシル(lenacil)、リヌロン(linuron)、MAA、MAMA、MCPAエステル及びアミン、MCPA-チオエチル、MCPB、メコプロップ(mecoprop)、メコプロップ-P、メジノテルブ(medinoterb)、メフェナセット(mefenacet)、メフルイジド(mefluidide)、メソプラジン(mesoprazine)、メソスルフロン(mesosulfuron)、メソトリオン(mesotrione)、メタム(metam)、メタミホップ(metamifop)、メタミトロン(metamitron)、メタザクロール(metazachlor)、メタゾスルフロン(metazosulfuron)、メトフルラゾン(metflurazon)、メタベンズチアズロン(methabenzthiazuron)、メタルプロパリン(methalpropalin)、メタゾール(methazole)、メチオベンカルブ(methiobencarb)、メチオゾリン(methiozolin)、メチウロン(methiuron)、メトメトン(methometon)、メトプロトリン(methoprotryne)、臭化メチル、イソチオシアン酸メチル、メチルダイムロン(methyldymron)、メトベンズロン(metobenzuron)、メトブロムロン(metobromuron)、メトラクロール(metolachlor)、メトスラム(metosulam)、メトクスロン(metoxuron)、メトリブジン(metribuzin)、メトスルフロン(metsulfuron)、メトスルフロン-メチル、モリネート(molinate)、モナリド(monalide)、モニソウロン(monisouron)、モノクロロ酢酸、モノリヌロン(monolinuron)、モヌロン(monuron)、モルファムクアット(morfamquat)、MSMA、ナプロアニリド(naproanilide)、ナプロプアミド(napropamide)、ナプタラム(naptalam)、ネブロン(neburon)、ニコスルフロン(nicosulfuron)、ニピラクロフェン(nipyraclofen)、ニトラリン(nitralin)、ニトロフェン(nitrofen)、ニトロフルオルフェン(nitrofluorfen)、ノルフルラゾン(norflurazon)、ノルロン(noruron)、OCH、オルベンカルブ(orbencarb)、ori zo-ジクロロベンゼン、オルトスルファムロン(orthosulfamuron)、オリザリン(oryzalin)、オキサジアルギル(oxadiargyl)、オキサジアゾン(oxadiazon)、オキサピラゾン(oxapyrazon)、オキサスルフロン(oxasulfuron)、オキサジクロメホン(oxaziclomefone)、オキシフルオルフェン(oxyfluorfen)、パラフルフェン-エチル(paraflufen-ethyl)、パラフルロン(parafluron)、パラクアット、ペブレート(pebulate)、ペラルゴン酸、ペンジメタリン(pendimethalin)、ペノキススラム(penoxsulam)、ペンタク
ロロフェノール(pentachlorophenol)、ペンタノクロール(pentanochlor)、ペントキサゾン(pentoxazone)、ペルフルイドン(perfluidone)、ペトキサミド(pethoxamid)、フェニソファム(phenisopham)、フェンメジファム(phenmedipham)、フェンメジファム-エチル、フェノベンズロン(phenobenzuron)、酢酸フェニル水銀、ピクロラム(picloram)、ピコリナフェン(picolinafen)、ピノキサデン(pinoxaden)、ピペロホース(piperophos)、亜ヒ酸カリウム、アジ化カリウム、シアン酸カリウム、プレチラクロール(pretilachlor)、プリミスルフロン-メチル(primisulfuron-methl)、プロシアジン(procyazine)、プロジアミン(prodiamine)、プロフルアゾール(profluazol)、プロフルラリン(profluralin)、プロホキシジム(profoxydim)、プログリナジン(proglinazine)、プロヘキサジオン-カルシウム(prohexadione-calcium)、プロメトン(prometon)、プロメトリン(prometryn)、プロナミド(pronamide)、プロパクロール(propachlor)、プロパニル(propanil)、プロパキザホップ(propaquizafop)、プロパジン(propazine)、プロファム(propham)、プロピソクロール(propisochlor)、プロポキシカルバゾン(propoxycarbazone)、プロピリスルフロン(propyrisulfuron)、プロピズアミド(propyzamide)、プロスルファリン(prosulfalin)、プロスルホカルブ(prosulfocarb)、プロスルフロン(prosulfuron)、プロキサン(proxan)、プリナクロール(prynachlor)、ピダノン(pydanon)、ピラクロニル(pyraclonil)、ピラフルフェン-エチル(pyraflufen-ethyl)、ピラスルホトール(pyrasulfotole)、ピラゾギル(pyrazogyl)、ピラゾリネート(pyrazolynate)、ピラゾスルフロン-エチル(pyrazosulfuron-ethyl)、ピラゾキシフェン(pyrazoxyfen)、ピリベンゾキシム(pyribenzoxim)、ピリブチカルブ(pyributicarb)、ピリクロール(pyriclor)、ピリダホール(pyridafol)、ピリデート(pyridate)、ピリフタリド(pyriftalid)、ピリミノバック(pyriminobac)、ピリミスルファン(pyrimisulfan)、ピリチオバック-ナトリウム(pyrithiobac-sodium)、ピロキサスルホン(pyroxasulfone)、ピロキシスラム(pyroxsulam)、キンクロラック(quinclorac)、キンメラック(quinmerac)、キノクラミン(quinoclamine)、キノンアミド(quinonamid)、キザロホップ(quizalofop)、キザロホップ-P-エチル、ロデタニル(rhodethanil)、リムスルフロン(rimsulfuron)、サフルフェナシル(saflufenacil)、S-メトラクロール(S-metolachlor)、セブチルアジン(sebuthylazine)、セクブメトン(secbumeton)、セトキシジム(sethoxydim)、シズロン(siduron)、シマジン(simazine)、シメトン(simeton)、シメトリン(simetryn)、SMA、亜ヒ酸ナトリウム、アジ化ナトリウム、塩素酸ナトリウム、スルコトリオン(sulcotrione)、スルファレート(sulfallate)、スルフェントラゾン(sulfentrazone)、スルホメツロン(sulfometuron)、スルホサート、スルホスルフロン(sulfosulfuron)、硫酸、スルグリカピン(sulglycapin)、スウェプ(swep)、TCA、トブタム(tebutam)、トブチウロン(tebuthiuron)、テフリルトリオン(tefuryltrione)、テンボトリオン(tembotrione)、テプラロキシジム(tepraloxydim)、テルバシル(terbacil)、テルブカルブ(terbucarb)、テルブクロール(terbuchlor)、テルブメトン(terbumeton)、テルブチルアジン(terbuthylazine)、テルブトリン(terbutryn)、テトラフルロン(tetrafluron)、テニルクロール(thenylchlor)、チアザフルロン(thiazafluron)、チアゾピル(thiazopyr)、チジアジミン(thidiazimin)、チジアズロン(thidiazuron)、チエンカルバゾン-メチル(thiencarbazone-methy)、チフェンスルフロン(thifensulfuron)、チフェンスルフルン-メチル(thifensulfurn-methyl)、チオベンカルブ(thiobencarb)、チオカルバジル(tiocarbazil)、チオクロリム(tioclorim)、トプラメゾン(topramezone)、トラルコキシジム(tralkoxydim)、トリアファモン(triafamone)、トリアレート(tri-allate)、トリアスルフロン(triasulfuron)、トリアジフラム(triaziflam)、トリベヌロン(tribenuron)、トリベヌロン-メチル、トリカンバ(tricamba)、トリクロピル(triclopyr)コリン塩、トリクロピルエステル及び塩、トリジファン(tridiphane)、トリエタジン(trietazine)、トリフロキシスルフロン(trifloxysulfuron)、トリフルラリン(trifluralin)、トリフルスルフロン(triflusulfuron)、トリホップ(trifop)、トリホプシム(trifopsime)、トリヒドロキシトリアジン(trihydroxytriazine)、トリメツロン(trimeturon)、トリプロピンダン(tripropindan)、トリタック(tritac)、トリトスルフロン(tritosulfuron)、ベルノレート(vernolate)、キシラクロール(xylachlor)、並びにこれらの塩、エステル、光学活性異性体及び混合物が挙げられるが、これらに限定されない。なお更なる実施形態において、除草剤は、アトラジン、ベンタゾン、カルフェントラゾン、フルアジホップ、グルホシネート、グリホサート、ハロスルフロン、イマザモックス、メソトリオン、ペンジメタリン又はトプラメゾンである。
【0143】
除草効果又は除草作用を参照する場合、除草用組成物への曝露の結果としての植物の損害又は死を含むことが意図される。除草効果は、除草剤、施用率、植物の成長段階、曝露のタイプ及び作用様式に応じて変わる。現れ得る損害に視覚的なもの又は視覚的ではないものがあり、例えば、葉群、苗条、花、果実への影響であり、壊死、褐変、成長の低減、配偶子産生若しくは果実品質の不足若しくは皆無、全体的な及び網の目状(interveinal)の白化、斑紋状白化、黄色斑点、葉の紫化(purpling of the leaves)、壊死、茎の胴枯れ及び/又は植物の死を挙げることができる。植物組織、葉、根、苗条の落葉又は乾燥を挙げることができる。これは、収穫前処理の一実施形態において又は植物(例えば、綿花)の摘み取りで葉を除去するために有用である。
【0144】
乾燥剤
抽出物はまた、乾燥剤と共力的に働いて、乾燥剤の有効性を増加する。特定の理論に束縛されるものではないが、抽出物は、標的植物への乾燥剤の取込みを強化すると考えられる。化学乾燥剤としては、活性アルミナ、エアロゲル、ベンゾフェノン、ベントナイト粘土、塩化カルシウム、酸化カルシウム、硫酸カルシウム、塩化コバルト(II)、硫酸銅(II)、塩化リチウム、臭化リチウム、硫酸マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、五酸化リン、炭酸カリウム、水酸化カリウム、シリカゲル、ナトリウム、塩素酸ナトリウム、塩化ナトリウム、水酸化ナトリウム、硫酸ナトリウム、スクロース及び硫酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0145】
安定剤
安定剤、例えば、低温安定剤、防腐剤、酸化防止剤、光安定剤又は化学的及び/若しくは物理的安定性を改善する他の薬剤も存在してよい。
【0146】
更に、配合物及びそれから誘導される施用形態も、追加の補助剤、粘着剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、粉末、顆粒又はラテックス形態の天然及び合成ポリマー、例えば、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、また天然リン脂質、例えば、セファリン及びレシチン、並びに合成リン脂質を含んでもよい。更に可能な補助剤としては、鉱油及び植物油が挙げられる。
【0147】
抽出物は、揮発性有機化合物を含有してもよく、ある特定の温度で劇臭を発散してもよい。安定剤としては、化学物質を安定化し、熱及び太陽光が原因の損失を下げる、微結晶性セルロース、カプセル封入、アミノ酸が挙げられるが、これらに限定されない。例としては、酸化亜鉛又はモンモリロナイト粘土のような光遮蔽構成成分が挙げられる。
【0148】
他
本発明の実施形態では、追加の成分が雑草防除用組成物に含まれ得る。追加の成分は、組成物に所望の特性及び機能性を提供する。本出願の目的において、用語「機能性成分」は、特定の使用に有益な特性を提供する材料を含む。機能性材料の一部の特定の例は、下記により詳細に考察されているが、考察される特定の材料は、例としてのみ提示されており、広範囲の様々な他の機能性成分を使用することができる。例えば、下記に考察される多くの機能性材料は、除草剤施用、特定的には植物処理施用に使用される材料に関する。組成物は、様々な他の有用な構成成分のいずれかを含んでもよく、植物を死滅させる又は植物に損害を与えることができる他のシステムと共に使用され得ることが理解される。これらのタイプのシステムは、例として、遺伝子編集、例えば、RNAi(EPSPS酵素に向けられたRNAi分子が例である)、植物の成長を調節若しくは増加するために使用されるPGR(エテホンが例である)を使用することができ、雑草の成長を防除する機械的若しくは電気的(土壌にショックを与える電荷)機構の使用、又は染料若しくは薬剤、例えば、植物細胞の集光を阻害若しくは破壊するキサンテン染料の使用であり得る。
【0149】
pH剤
一部の実施形態において、本開示の組成物は、アルカリ度供給源及び/又は酸味料をpH剤として含む。好ましい実施形態において、本開示の組成物は酸味料を含む。酸味料は、濃縮組成物又は所望の酸性から中性のpHを有する使用溶液の形成に有効であり得る。酸味料は、約7、約6以下、約5以下のpHを有する使用組成物を形成するのに有効であり得る。
【0150】
一実施形態において、酸味料は無機酸を含む。好適な無機酸としては、硫酸、重硫酸ナトリウム、リン酸、硝酸、塩酸が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態において、酸味料は有機酸を含む。好適な有機酸としては、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ギ酸、酢酸、モノ、ジ又はトリカルボン酸(コハク酸、クエン酸)、ピコリン酸、ジピコリン酸及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。酸味料は、除草剤の取込み及び性能を増強することができる。
【0151】
一部の実施形態によると、組成物はアルカリ度供給源を含む。例示的なアルカリ度供給源としては、アルカリ金属炭酸塩及び/又はアルカリ金属水酸化物が挙げられる。様々な態様では、アルカリ金属炭酸塩及び/又はアルカリ金属水酸化物の両方の組合せがアルカリ度供給源として用いられる。アルカリ度供給源は、約7、約8以上、約9以上、約9、約10以上、約10、約11以上、約12以上、約13等のpHを有する使用組成物の形成に有効であり得る。
【0152】
組成物に有用なアルカリ金属炭酸塩は、例えば、灰ベース炭酸塩、例えば限定されないが炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムであり得る。別の実施形態において、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属水酸化物としては、重炭酸塩及びセスキ炭酸塩が挙げられることが更に理解される。本明細書に開示されている組成物によると、任意の「灰ベース」又は「アルカリ金属炭酸塩」としては、すべてのアルカリ金属炭酸塩、重炭酸塩及び/又はセスキ炭酸塩が挙げられることも理解される。
【0153】
アルカリ金属水酸化物も組成物に使用することができ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化リチウムが挙げられるが、これらに限定されない。例示的なアルカリ金属塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及びこれらの混合物が挙げられる。アルカリ金属水酸化物を、固体ビーズ、水溶液中の溶解又はこれらの組合せが挙げられる当該技術分野で公知の任意の形態で組成物に添加することができる。アルカリ金属水酸化物は、約12~100USメッシュの範囲の粒子サイズのミックスを有する小球状固体若しくはビーズの形態の固体として、又は水溶液として、例えば45重量%~50重量%の溶液として市販されている。
【0154】
最初のアルカリ度供給源に加えて、組成物は、第2のアルカリ度供給源を含むことができる。有用な第2のアルカリ源の例としては、アルカリ金属ケイ酸塩、例えば、ケイ酸又はメタケイ酸ナトリウム又はカリウム;アルカリ金属炭酸塩、例えば、炭酸、重炭酸、セスキ炭酸ナトリウム又はカリウム;アルカリ金属ホウ酸塩、例えば、ホウ酸ナトリウム又はカリウム;並びにエタノールアミン及びアミンが挙げられるが、これらに限定されない。そのようなアルカリ度剤は、水性又は粉末形態のいずれかで市販されており、いずれも本組成物の配合に有用である。
【0155】
有効量の1種以上の酸味料及び/又はアルカリ度供給源は、アジュバントとして提供され得る。有効量は、少なくとも約5、好ましくは少なくとも約7、少なくとも約9、最大で13のpHを有する使用組成物を提供する量として本明細書に参照される。使用溶液のpH範囲は、好ましくは約1~約13、約5~約13、より好ましくは約7~9である。加えて、限定されることなく、本明細書に開示されている組成物によると、列挙されるすべての範囲は、範囲を確定する数字を含み、確定範囲内の各整数を含む。
【0156】
光低減剤
本開示の一態様において、組成物は、抗UV化合物としても公知である光低減剤を含む。そのような化合物の添加は、活性成分の作用を緩徐し、植物及び/又は生物内の組成物のより良好な移動を促進し、故に、本開示の組成物の有効性を増加する。好適な化合物としては、例えば、p-アミノ安息香酸、パディメート(padimate)O、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、シノキセート、ジオキシベンゾン、オキシベンゾン、ホモサラート、アントラニル酸メンチル、オクトクリレン(octocrylene)、メトキシケイ皮酸オクチル、サリチル酸オクチル、スリソベンゾン(sulisobenzone)、トロラミンサリチル酸、アボベンゾン(avobenzone)、エカムスール(ecamsule)、二酸化チタン、酸化亜鉛、4-メチルベンジリデンカンファー、ビソクトリゾール(bisoctrizole)、アニソトリアジン、トリス-ビフェニルトリアジン、ビスイミダジレート(bisimidazylate)、ドロメトリゾールトリシロキサン(drometrizole trisiloxane)、ベンゾフェノン-9、オクチルトリアジン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルブタミドトリアゾン(diethylamino hydroxybenzoyl butamido triazone)、ジメチルコ-ジエチルベンザルマロネート(dimethico-diethylbenzalmalonate)、イソペンチル-4-メトキシシンナメート、これらの組合せ等が挙げられる。
【0157】
配合物
有用な配合物としては、液体及び固体の両方の組成物が挙げられる。液体組成物としては、溶液(乳剤(emulsifiable concentrates)が含まれる)、懸濁液、乳液(マイクロエマルション、水中油型エマルション、フロアブル剤(flowable concentrates)、及び/又はサスポエマルション(suspoemulsions))等が挙げられ、場合によりゲルに増粘され得る。一般的なタイプの水性液体組成物は、液剤(soluble concentrate)、懸濁剤(suspension concentrate)、カプセル懸濁剤(capsule suspension)、濃縮エマルション、マイクロエマルション、水中油型エマルション、フロアブル剤及びサスポエマルションである。一般的なタイプの非水性液体組成物は、乳剤、マイクロ乳剤(microemulsifiable concentrate)、分散剤(dispersible concentrate)及び油性懸濁性剤(oil dispersion)である。
【0158】
一般的なタイプの固体体組成物は、粉剤、粉末剤、粒剤、ペレット剤、丸剤、芳香剤、錠剤、充填フィルム剤(filled films)(種子コーティングを含む)等であり、水分散性(「水和性」)又は水溶性であり得る。フィルム形成溶液又はフロアブル剤により形成されたフィルム及びコーティングは、種子処理に特に有用である。有効成分は、(マイクロ)カプセル封入され、更に懸濁液又は固体配合物に形成され得る、或いは活性成分の配合物全体がカプセル封入(又は、「オーバーコーティング」)され得る。カプセル封入は、有効成分の放出を制御又は遅延することができる。乳化粒剤は、乳剤配合物と乾燥粒剤配合物の両方の利点を組み合わせる。
【0159】
使用方法
標的への当該技術に公知の任意の投与方法を使用して、標的植物、耕地又は水源を処理し、水生植物、光合成生物、広葉雑草を防除することができる。施用は、植え付け前取込み、出芽前、オーバーレイ処理(over-lay treatments)、タンク混合物、出芽後、選択的施用及び/又はこれらの組合せのいずれかであり得る。植え付け前取込みでは、この群の組成物を、良好な雑草防除を達成するために植え付け前に表土と混合しなければならない。通常、土壌に取り込まなければならない除草剤は、高い揮発性がある。取り込まないと、これらの除草剤は、ガスとして空気中に失われる。出芽前では、組成物は通常、植え付けの直後に施用される。オーバーレイ処理は、土壌への植え付け前取込みと出芽前処理との組合せである。タンク混合物は、一般に、標的区域に導入される水性組成物だある。例えば、耕地を標的にするため、タンク混合物中の組成物は区域に散布され得るか、又は水性環境を標的にするため、組成物は水源に導入され得る。出芽後は、雑草が土壌から出現した後の組成物の施用であり、処理は、水散布機を使用した散播(broadcast)又は直接的のいずれかである。選択的施用は、雑草と他の植物との高さの差を利用するロープウイック(rope wick)又は他のワイパー器具(wiper applicator)を用いることができる。他の方法には、コーティング、塗り付け(daubing)、塗布(painting)、噴霧(fogging)及び/又はこれらの組合せを挙げることができる。
【0160】
好ましい実施形態において、施用は、植え付け前取込み、出芽前処理、オーバーレイ又は出芽後処理である。より好ましい実施形態において、施用は、出芽前又は出芽後に水溶液を散布することによって行われる。
【0161】
本明細書に引用されているすべての参考文献及び特許文献は、当業者のレベルを反映しており、本開示と矛盾しない範囲でそれらの全体が参照により組み込まれる。本明細書に提供されている例は、例示する目的のためであり、特許請求される発明の範囲を制限することを意図しない。例示の組成物、植物及び方法における、当業者に思い浮かぶ任意の変更は、本発明の範囲内に入ることが意図される。単独での又は他の構成成分若しくは除草剤と組み合わせたハッカ属抽出組成物の微量施用を、ある特定の実施形態に利用することができる。空中からの、例えばドローン又はロボットによる施用は、ハッカ属抽出物の濃度が0.01%v/v~50%v/vであり得る場合に達成することができる。抽出物は、農作物保護化合物の施用のための担体溶液として機能することができ、1エーカー当たり2リットルから20リットルの除草剤施用が挙げられるが、これに限ったものではない。
【0162】
[実施例]
[実施例1]
抽出物
抽気を3つのハッカ属の種に実施し、雑草防除化合物の存在について分析した。例示的な抽出物の含有物を表1に要約する。抽出物中の化学物質の正確なレベルは、ミント植物又は雑種及び環境状態の変動に基づいて変わり得る。
【0163】
【0164】
表1から分かるように、異なるミント抽出物が様々な量の雑草防除化合物を含有する。
【0165】
[実施例2]
種子又は植物組織の処理による植物防除
植物の防除について試験するため、ハッカ属の種抽出物の単独又はハッカ属の種及び/若しくは他の精油との組合せを、種子又は植物組織(葉)に施用した。
【0166】
in vivo実験室及び制御環境アッセイ:
ペトリ皿。種子に対する影響。皿には濾紙を積層させ、濾過水を様々な広葉及び不要な草種と添加して、発芽を開始させた。75/60°Fの昼夜温度、50%の相対湿度で暗所にて実施した。種子に水を24時間吸収させる。水担体に対する抽出物の体積/体積パーセントを上記に要約する。量(mg/ml)を、水と混合した抽出物のパーセントに基づいて計算した。プレートには、各連続処理における抽出物の%v/vを2倍にする用量反応処理レジームを使用して、水担体溶液中の精油抽出物を添加した。種子に水を2日毎に添加した。種子を、処理後に14日間モニターする。プレートを、7日後に12/12時間昼夜サイクルに曝露する。発芽、幼根、苗条及び根の伸長についての目視評価を記録する。また市販の除草剤を、陽性対照として米国表示推奨処理率で使用する。処理なしプレート及び種子には水のみを使用した。
【0167】
植物組織。皿に濾紙を積層させ、濾過水を様々な広葉及び草種と添加して、発芽を開始させた。75/60Fの昼夜温度、50%の相対湿度で暗所にて実施した。種子に水を24時間吸収させる。実生を発芽開始の7日後に処理する。実生には、各連続処理における抽出物のmg/mlを2倍にする用量反応処理レジームを使用して、植物組織処理(0.10%v/v)担持溶液の界面活性剤として使用されるメチル化種子油(MSO)を有する水中の精油抽出物を添加した。種子に水を2日毎に添加した。種子を、処理後に14日間モニターする。プレートを、7~14日後に12/12時間昼夜サイクルに曝露する。組織損害-損傷、幼根、苗条、根の伸長、植物組織の色変化についての目視評価も記録する。また市販の除草剤を、陽性対照として米国表示推奨処理率で使用する。処理なしの対照、プレート及び種子は、水及びMSOのみを有する。
【0168】
マイクロウエルプレート。プレートには滅菌濾過水を様々な広葉及び草種と添加して、発芽を開始させた。75/60Fの昼夜温度、50%の相対湿度で暗所にて実施した。種子に水を24時間吸収させる。プレートには、各連続処理における抽出物のmg/mlを2倍にする用量反応処理レジーム、並びに抽出物のmg/mlを使用するLog用量反応を使用して、水担持溶液中の精油抽出物を添加した。種子、ウエルに水を2日毎に添加した。種子を、処理後に14日間モニターする。発芽、幼根、苗条及び根の伸長についての目視評価を記録する。また市販の除草剤を、陽性対照として米国表示推奨処理率で使用する。処理なしプレート及び種子には水のみを使用した。
【0169】
ポット土壌。市販のポット用ミックスを基礎として使用し、およそ2インチの5%有機物土壌が上部に使用されている。種子を1cm~2.5cmで土壌に播種し(それぞれの植物種まきに最良の実践であることが示されている)、濾過水を様々な広葉及び草種と添加して、発芽を開始させる。75/60Fの昼夜温度、50%の相対湿度で暗所にて実施した。種子に水を24時間吸収させる。プレートには、各連続処理における抽出物のmg/mlを2倍にする用量反応処理レジーム、並びに抽出物のmg/mlを使用するLog用量反応を使用して、水担持溶液中の精油抽出物を添加した。種子、ウエルに水を2日毎に添加した。種子を、処理後に14日間モニターする。発芽、幼根、苗条及び根の伸長についての目視評価を記録する。また市販の除草剤を、陽性対照として米国表示推奨処理率で使用する。処理なしプレート及び種子には水のみを使用した。
【0170】
定着植物
ハッカ属の種抽出物の単独又はハッカ属の種及び/若しくは1種以上の合成若しくは有機除草化合物との組合せを使用した、種子又は植物組織(葉)への施用による植物の防除。
【0171】
ペトリ皿。上記に記載された方法。処理溶液の施用を、出現した植物組織に行う。
【0172】
マイクロウエルプレート。上記に記載された方法。処理溶液の施用を、出現した植物組織に行う。
【0173】
ポット植物。これらのアッセイを、市販のポット用培養土を使用するポットにおいて、少なくとも1つの本葉を有する定着した広葉及び草植物に実行する。子葉は、このアッセイでは処理しない。
【0174】
結果
表2~5に示されているように、ライグラス(ryegrass)及びオオアワガエリ(Timothy)は、M.ピペラタ又はM.スピカタの抽出物の存在下で成長し、抽出物の濃度が増加すると発芽の用量反応の低減を有する。更に、表2~4と3~5とを比較する場合、異なる植物が抽出物依存性反応を有する。M.ピペラタは、M.スピカタと比較した場合、低レベルでのライグラスの発芽の制限において、より有効であった。逆に、M.スピカタの抽出物は、オオアワガエリの成長をM.ピペラタの抽出物より大きく阻害した。しかし、両方の抽出物は、発芽を0.1%まで著しく低減することができた。
【0175】
【0176】
【0177】
【0178】
【0179】
表6は、市販の除草剤トプラメゾンを単独で、M.スピカタの抽出物と組み合わせて、又は抽出物単独で出芽前処理に使用した場合の結果を要約する。示されているように、M.スピカタは、ライグラス及びオオアワガエリの両方の発芽をトプラメゾン単独よりもより良好に防除することができた。しかし、抽出物をトプラメゾンに加えた場合、トプラメゾンの除草有効性は大きく増加した。更に、この増加は、実生の漂白に増加によって示されているように、抽出物とトプラメゾンとの間の共力作用によるものであった。抽出物は6×投与量であっても漂白を起こさないので、抽出物とトプラメゾンとの組合せによる100%漂白への増加は、トプラメゾンの隔離又は崩壊を防止することにより共力剤として作用する抽出物によるものであり、除草剤それ自体によるものではない。
【0180】
【0181】
表7~9はまた、ハッカ属抽出物と市販の除草剤との間の共力的相互作用を示す。表7は、出芽前処理の2週間後、抽出物が1×又は2×濃度のペンジメタリンに添加された場合、抽出物の添加は、ライグラスの処理において2×又は4×濃度のそれぞれの単独のペンジメタリンと類似した性能を有する。
【0182】
表8はまた、抽出物と市販の除草剤との間の共力作用を示す。抽出物それ自体の有効性は、1×又は2×から4×濃度へ下落する。しかし、4×濃縮の抽出物が市販の除草剤に添加される場合、除草剤の有効性は、ライグラスにおいて除草剤の濃度が2倍になったかのように振る舞う。
【0183】
表9は、表8に見られる結果に類似して、抽出物の防除の有効性が、濃度がカミツレにおいて増加すると減少するが、市販の除草剤に添加される場合に除草剤の有効性は大きく増加することも示す。ヒユ及びカミツレでは、この増加は、わずか1×濃度の抽出物が添加される場合、1×濃度の有効性を2×濃度の有効性に上昇させる。更に、カミツレに見られる性能の下落と異なり、除草剤の濃度が維持される場合、組合せの有効性は抽出物の濃度が増加すると増加する。
【0184】
【0185】
【0186】
【0187】
表10~12はまた、出芽後処理における抽出物と市販の除草剤との間の共力効果を示す。表10は、除草剤と抽出物の組合せが、ライグラスとオオアワガエリ草両方の防除に超相加的効果を有することを示す。同様に、表11は、抽出物の添加がライグラスとオオアワガエリの両方において除草剤の処理をほぼ1週間速め、除草剤単独では通常14日で得られる結果を7日後に有することを示す。更に、組合せは、7日間での防除に超相加的効果を有する。同様に、表12は、異なる市販の除草剤を使用して同じ結果を示す。
【0188】
【0189】
【0190】
【0191】
まとめると、結果は、市販の除草剤がハッカ属抽出物と組み合わされる場合、2倍の量の除草剤が出芽前処理に存在するかのように機能し、出芽後処理において約2倍の速さで作用することを示す。
【0192】
特定の理論に束縛されるものではないが、これらの抽出物の独自の組合せは、個別の構成成分を超えている除草利益を送達すると考えられ、より速い防除、より広範囲な雑草防除であり、非ハッカ属除草剤と組み合わせた場合の効果を達成するのに必要な量より、それぞれの抽出物の量が少なくなる。除草利益はまた、現存の合成又は有機非ハッカ属除草剤がハッカ属抽出物と組み合わされた場合でも増強される。非ハッカ属除草剤と組み合わされた場合、組成物のハッカ属抽出物の量は、上記の量より少なくすることができ、それでも少なくとも同じ量の除草効果を得ることができる。これらの抽出物の低下量は、ハッカ属抽出物が単独で使用される場合の量と比較して10~90%少なくなり得る。ペパーミントは、雑草が合成除草剤を代謝する能力を抑制し、雑草の全体的な防除を増強し、同時に防除までの時間も低減する。非ハッカ属除草剤及び他のミント抽出物による植物代謝の低減は、除草剤に対する除草剤抵抗性を壊すことができる。
【0193】
[実施例3]
種子又は植物組織の処理による除草剤抵抗性植物/雑草の防除
ハッカ属の種抽出物の単独又はハッカ属の種及び/若しくは他の精油との組合せによる、種子又は植物組織(葉)への施用による除草剤抵抗性植物の防除。試験は、上記に列挙された方法と同じ方法を伴うが、除草剤に抵抗性である雑草/植物を用いる。植物の一例はトウモロコシであり、これはシトクロムP450酵素を使用して、ある特定の市販の除草剤(例えば、メソトリオン)を解毒する。トウモロコシはまた、グルタチオンS-トランスフェラーゼ解毒システムを他の市販の除草剤(例えば、アトラジン)に使用する。除草剤解毒のなお他の例としては、「第I相」反応が挙げられ、脱塩素、ヒドロキシル化、脱カルボキシル化、脱アルキル化、酸化/還元及び加水分解が発生する初期化学反応である。これらの反応は除草剤を解毒し、得られた代謝産物を接合しやすくする。「第II相」反応は、糖、アミノ酸又は天然植物構成要素との接合の別の例である(代謝産物は強力に結合する)。また「第III相」反応は、植物に独自であり、第2接合反応又は不溶性結合残基の形成からなる。世界中で栽培されている大部分の農作物は、解毒、混合機能オキシダーゼ酵素を利用して、除草剤及び他の生体異物から自分自身を保護する。雑草もこの酵素システム、及び他の生化学的作用を利用して、除草剤が雑草に損害を与える又は雑草を死滅させることから保護する。これは代謝除草剤抵抗性と呼ばれ、この能力を有する雑草/植物を、すべての市販の除草剤に対して耐性にする。除草剤に対する雑草/植物代謝抵抗性についての市販されている低毒性の又は採用可能な解決策はない。
【0194】
ペトリ皿。種子に対する影響。皿に濾紙を積層させ、濾過水を様々な広葉及び草種と添加して、発芽を開始させた。75/60°Fの昼夜温度、50%の相対湿度で暗所にて実施した。種子に水を24時間吸収させる。プレートには、各連続処理における抽出物のmg/mlを2倍にする用量反応処理レジームを使用して、水担体溶液中の精油抽出物を添加した。種子に水を2日毎に添加した。種子を、処理後に14日間モニターする。プレートを、7日後に12/12時間昼夜サイクルに曝露する。発芽、幼根、苗条及び根の伸長についての目視評価を記録する。また市販の除草剤を、陽性対照として米国表示推奨処理率で使用する。処理なしプレート及び種子には水のみを使用した。
【0195】
植物組織。この過程の破壊は、トウモロコシが除草剤を分解しないことをもたらし、損傷症状及び組織破壊を示す。皿に濾紙を積層させ、濾過水を様々な広葉及び草種と添加して、発芽を開始させた。75/60Fの昼夜温度、50%の相対湿度で暗所にて実施した。種子に水を24時間吸収させる。実生を発芽開始の7日後に処理する。実生には、各連続処理における抽出物のmg/mlを2倍にする用量反応処理レジームを使用して、植物組織処理(0.10%v/v)担持溶液の界面活性剤として使用されるメチル化種子油(MSO)を有する水中の精油抽出物を添加した。種子に水を2日毎に添加した。種子を、処理後に14日間モニターする。プレートを、7~14日後に12/12時間昼夜サイクルに曝露する。組織損害-損傷、幼根、苗条、根の伸長、植物組織の色変化についての目視評価も記録する。また市販の除草剤を、陽性対照として米国表示推奨処理率で使用する。処理なしプレート及び種子には水及びMSOのみを使用した。
【0196】
マイクロウエルプレート。これらには滅菌、濾過水を様々な広葉及び草種と添加して、発芽を開始させた。75/60Fの昼夜温度、50%の相対湿度で暗所にて実施した。種子に水を24時間吸収させる。プレートには、各連続処理における抽出物のmg/mlを2倍にする用量反応処理レジーム、並びに抽出物のmg/mlを使用するLog用量反応を使用して、水担持溶液中の精油抽出物を添加した。種子、ウエルに水を2日毎に添加した。種子を、処理後に14日間モニターする。発芽、幼根、苗条及び根の伸長についての目視評価を記録する。また市販の除草剤を、陽性対照として米国表示推奨処理率で使用する。処理なしプレート及び種子には水のみを使用した。
【0197】
ポット土壌。これらのアッセイを、市販のポット用培養土を使用するポットにおいて、少なくとも1つの本葉を有する定着した広葉及び草植物に実行する。子葉は、このアッセイでは処理しない。
【0198】
定着植物
ハッカ属の種抽出物の単独又はハッカ属の種及び/若しくは合成若しくは有機除草化合物との組合せを使用した、種子又は植物組織(葉)への施用による除草剤抵抗性植物の防除。
【0199】
ペトリ皿。上記に列挙された方法。
【0200】
マイクロウエルプレート。上記に列挙された方法。
【0201】
ポット土壌。上記に列挙された方法。
【0202】
定着植物。上記に列挙された方法。
【0203】
結果
表13は、抵抗性植物の防除における共力効果を示す。示されているように、市販の除草剤も低濃度の抽出物も、抵抗性トウモロコシを除草することができなかった。しかし、混合した場合、低濃度の抽出物は、非抵抗性オオアワガエリ草の結果と比較して示されているように、トウモロコシの抵抗性を除去することができた。
【0204】
【0205】
[実施例4]
植物生体異物解毒代謝機構の破壊
ハッカ属の種及び他の精油の単独、又はハッカ属の種及び/若しくは他の精油との組合せを使用する、植物代謝の破壊。方法及び植物材料についての記載は上記に列挙された。
【0206】
植物の葉。上記に列挙された方法。クロロフィル及びカルテノイドレベルの変化をモニターし、抽出物単独又は組合せの使用により代謝が緩徐した又は停止した場合に低減する。
【0207】
植物の種子/発芽。上記に列挙された方法。クロロフィル及びカルテノイドレベルの変化をモニターし、抽出物の単独又は組合せの使用により代謝が緩徐した又は停止した場合に低減する。発芽における破壊は、根及び苗条が小さいこと又は皆無であることをもたらす。
【0208】
定着植物。上記に列挙された方法。クロロフィル及びカルテノイドレベルの変化をモニターし、抽出物の単独又は組合せの使用により代謝が緩徐した又は停止した場合に低減する。植物のサイズ、質量、可視的な損傷及び光合成を、対照の非処理及び除草剤単独での処理と比べた変化についてモニターする。
【0209】
[実施例5]
精油単独及び独自の組合せによる処理の植物防除
植物の防除について試験するため、ハッカ属の種抽出物の単独又はハッカ属の種及び/若しくは他の精油との組合せを、耕地試験において植物組織(葉)に施用した。試験を以下のように実行した。広葉及び草植物を、混合物を1エーカー当たり20ガロン散布する均等扇型ノズル(even fan nozzle)を有するCO2加圧散布機を使用して処理した。耕作地(field site)は、在来植物及び播種植物を含んだ。
【0210】
表14~16に示されているように、精油の組合せは、防除及び壊死において油それ自体より有効である。油それ自体よりはるかに低いレベル(%v/v)で防除及び壊死が増強された。活性は、(メントール/メントン)を含有する油のいずれかをM.スピカタ(カルボン)と組み合わせる場合に増強される。
【0211】
【0212】
【0213】
【0214】
[実施例6]
精油の単独及び合成除草剤との独自の組合せにより処理されたダイズの乾燥、防除及び葉の壊死
植物の防除について試験するため、ハッカ属の種抽出物の単独又はハッカ属の種及び/若しくは1種以上の合成除草剤(カルフェントラゾン及び/又はグルホシネート)との組合せを、耕地試験においてダイズ(グリホサート耐性)の植物組織(葉)に施用した。
【0215】
図1は、精油の単独及び合成除草剤カルフェントラゾン(PPO-阻害剤)との独自の組合せによる処理の結果を示す。試験を以下のように実行した。R2成長段階のダイズ植物を、混合物を1エーカー当たり20ガロン散布する均等扇型ノズルを有するCO2加圧散布機を使用して処理した。
【0216】
結果は、M.ピペラタとM.スピカタの1:1比が、合成除草落葉カルフェントラゾンと比較して、有効な乾燥/壊死処理であることを示す。カルフェントラゾンと、低い割合のM.ピペラタ/M.スピカタ(これも低い割合)との組合せは、高度に増強された乾燥及び壊死を示した。精油は合成除草剤の使用と拮抗しない。精油と合成除草剤の使用は、合成除草剤の活性を増強する。
【0217】
図2は、精油の単独及び合成除草剤グルホシネートアンモニウム(グルタミンシンテターゼ阻害剤)との独自の組合せによる処理の結果を示す。試験を以下のように実行した。R2成長段階のダイズ(グリホサート耐性)植物を、混合物を1エーカー当たり20ガロン散布する均等扇型ノズルを有するCO2加圧散布機を使用して処理した。
【0218】
結果は、M.ピペラタとM.スピカタとの1:1比が、合成除草落葉グルホシネートと比較して、有効な乾燥及び壊死処理であることを示す。グルホシネートと、低い割合のM.ピペラタ/M.スピカタ(これも低い割合)との組合せは、高度に増強された乾燥及び壊死を示す。精油は合成除草剤の使用と拮抗しない。精油と合成除草剤の使用は、合成除草剤の活性を増強する。
【0219】
図3は、精油の単独及び合成除草剤グルホシネート-アンモニウム又は合成除草剤カルフェントラゾンとの独自の組合せによる処理の結果を示す。試験を以下のように実行した。R4成長段階のダイズ(グリホサート耐性)植物を、混合物を1エーカー当たり20ガロン散布する均等扇型ノズルを有するCO2加圧散布機を使用して処理した。
【0220】
これらの割合で使用し、M.ピペラタ及びM.スピカタのいずれかの添加を有さない個別の精油は、軽度に有効な乾燥及び壊死処理であり、合成除草落葉グルホシネート又はカルフェントラゾンに匹敵する。グルホシネート又はカルフェントラゾンと、低い割合のM.ピペラタ又はM.スピカタ(これも低い割合)との組合せは、高度に増強された乾燥及び壊死を示す。精油は合成除草剤の使用と拮抗しない。精油と合成除草剤の使用は、合成除草剤の活性を増強する。精油の化学含有物は、それぞれ、この試験に使用された除草剤の活性を増強する。
【0221】
[実施例7]
精油の単独及び合成除草剤との独自の組合せにより処理された植物の防除及び葉の壊死
植物の防除について試験するため、ハッカ属の種抽出物の単独又はハッカ属の種及び/若しくは1種以上の合成除草剤(グリホサート及び/若しくはグルホシネート)との組合せを、温室設定で上記に列挙されたポット植物プロトコールと同じプロトコールを使用して、サルビアファリナセア、コウオウソウ、ククミスサチブス及びソラヌムリコペルシクム植物の植物組織(葉)に施用した。定着した根系を有する4~6インチの高さの植物(2~3か月齢)を、混合物を1エーカー当たり20ガロン散布するミストノズル(misting nozzle)を有する加圧散布機を使用して処理した。
【0222】
図4A~Dは、精油の単独及び合成除草剤グリホサート(EPSPシンターゼ阻害剤)との独自の組合せによる処理の結果を示す。
図5A~Dは、精油の単独及び合成除草剤グルホシネート(グルタミンシンターゼ阻害剤)との独自の組合せによる処理の結果を示す。M.ピペラタ又はM.スピカタのいずれかの個別の精油は、防除及び壊死処理に有効である。油の組合せは、防除及び壊死においてより有効である。グリホサートとの精油の組合せは、グリホサートの防除速度を増加し、ある特定の植物における全体的な防除を増加する。組合せ又は個別の精油は、合成除草剤の使用と拮抗しない。精油と合成除草剤の使用は、合成除草剤の活性を増強する。
【0223】
[実施例8]
処理植物の解毒システムに対する精油の影響
試験した植物(M.ピペラタ、M.スピカタ、M.アルベンシス、ヒメウイキョウ(カルムカルビ)及びイノンド(アネツムグラベオレンス))のそれぞれの個別の精油は、温室設定で上記に列挙されたポット植物プロトコールと同じプロトコールを使用して、トウモロコシ及び/又は乾燥マメ(インゲンマメ種(Phaseolus sp))の解毒機構の阻害を実証する。植物は、4~6インチの長さであり、少なくとも1つの本葉又は三葉を有した。植物を、混合物を1エーカー当たり20ガロン散布するミストノズルを有する加圧散布機を使用して処理した。
【0224】
表17~20は、処理植物の解毒システムに対する精油の影響を示す。異なる用量の精油の使用は、混合機能オキシダーゼ、隔離(sequestration)、グルタチオンS-トランスフェラーゼ、及び処理植物をある特定の合成除草剤に耐性にする類似した酵素システムを有する生体異物代謝システムの破壊を実証する。
【0225】
トウモロコシ及び乾燥マメは、確立した酵素機能を使用して、生体異物、特に特定の除草剤を除去する。解毒は、処理植物が細胞損害及び毒性を回避するため除草剤による処理の直後に起こらなければならない。精油抽出物は、植物細胞から除草剤を除去するこれらの酵素の能力を破壊する。これに続いて、除草剤が処理植物の活性酵素部位に結合する。その後の処理植物の生理学的経路の破壊は、処理後の10~14日間に最大損害植物毒性を生じる。低用量の精油の使用は、これらの生化学的破壊を開始することがデータから明白である。高用量の精油(単独又は組合せ)は処理植物の酵素作用を破壊することも明白であるが、これが、抽出物自体の植物細胞膜破壊活性を介して細胞損害を引き起こす、抽出物の能力のためであると見極めることは困難である。
【0226】
この利益は独自のものであり、有益な個別の反応は、精油が防除において除草剤結合速度を増強している非選択的除草剤(グリホサート、グルホシネート等)に見られる。
【0227】
【0228】
【0229】
【0230】
【国際調査報告】