IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ クィントロン インストルメント カンパニー、インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特表-呼気検査装置 図1
  • 特表-呼気検査装置 図2
  • 特表-呼気検査装置 図3
  • 特表-呼気検査装置 図4
  • 特表-呼気検査装置 図5
  • 特表-呼気検査装置 図6
  • 特表-呼気検査装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-24
(54)【発明の名称】呼気検査装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/08 20060101AFI20230417BHJP
   A61B 5/097 20060101ALI20230417BHJP
【FI】
A61B5/08
A61B5/097
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022554793
(86)(22)【出願日】2020-10-15
(85)【翻訳文提出日】2022-11-04
(86)【国際出願番号】 US2020055702
(87)【国際公開番号】W WO2021183187
(87)【国際公開日】2021-09-16
(31)【優先権主張番号】16/818,267
(32)【優先日】2020-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522359350
【氏名又は名称】クィントロン インストルメント カンパニー、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハミルトン、エリック、ライル
(72)【発明者】
【氏名】ロス、キャサリン
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038ST04
4C038SU17
4C038SU19
4C038SX02
(57)【要約】
患者の呼気中の硫化水素および他のパラメータを検査するための呼気検査装置が提供される。大気空気を受け取るための大気投入部に加えて、患者から呼気を受容するための患者サンプル投入部が提供される。弁は、前述の患者サンプル投入部および前述の大気投入部に結合され、第1の経路および第2の経路は、前述の弁から硫化水素センサブロックおよび第2のセンサブロックに提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼気検査装置であって、
患者から呼気を受容するための患者サンプル投入部と、
大気空気を受け取るための大気投入部と、
前記患者サンプル投入部および前記大気投入部に結合された弁と、
硫化水素センサブロックと、
第2のセンサブロックと、
前記弁から前記硫化水素センサブロックへの第1の経路と、
前記弁から前記第2のセンサブロックへの第2の経路と
を含む、呼気検査装置。
【請求項2】
前記硫化水素センサブロックおよび前記第2のセンサブロックに結合されたコンピュータをさらに含む、請求項1に記載の呼気検査装置。
【請求項3】
前記患者サンプル投入部と前記弁との間の第1のポンプと、前記大気投入部と前記弁との間の第2のポンプとをさらに含む、請求項1に記載の呼気検査装置。
【請求項4】
前記第1のポンプと前記患者サンプル投入部との間の第1の乾燥器ユニットと、前記大気投入部と前記第2のポンプとの間の第2の乾燥器ユニットとをさらに含む、請求項3に記載の呼気検査装置。
【請求項5】
前記患者サンプル投入部と前記弁との間の第1の湿度センサと、前記大気投入部と前記弁との間の第2の湿度センサとをさらに含む、請求項1に記載の呼気検査装置。
【請求項6】
前記大気投入部と前記弁との間に可変空気流弁と流量センサとをさらに含む、請求項1に記載の呼気検査装置。
【請求項7】
前記患者サンプル投入部と前記弁との間に大気に通気する第1のリリーフ弁と、前記大気投入部と前記弁との間に大気に通気する第2のリリーフ弁とをさらに含む、請求項1に記載の呼気検査装置。
【請求項8】
前記第1の経路が、t弁と、硫化水素貯蔵コイルとを含む、請求項1に記載の呼気検査装置。
【請求項9】
前記第2の経路が、標準的な貯蔵コイルまたはモレキュラーシーブ分離カラムのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の呼気検査装置。
【請求項10】
前記第2のセンサブロックが、水素センサ、メタンセンサ、および二酸化炭素センサのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の呼気検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肺から空気をサンプリングする分野に関し、具体的には、人の肺の肺胞からの肺胞空気を含む、人の空気のサンプルを取得する分野に関する。
【背景技術】
【0002】
人の肺からの空気は、通常であれば人が侵襲的処置を受けることを必要とする多くの異なる種類の検査に使用することができる。例えば、肺胞空気は、限定されないが、潰瘍、酵素欠乏、ならびに代謝性疾患および/または代謝異常の高い発生率に関連する胃感染症の非侵襲的診断を含む多種多様な状態の非侵襲的診断について分析され得る。任意のそのような検査にとって重要なのは、特定の検査に必要な真の肺胞空気を表す十分な量の空気を含む正確なサンプルを得る能力である。
【0003】
水素およびメタンは、主に炭水化物(糖、デンプンまたは植物繊維)の細菌発酵によってのみ消化器系で生成されるので、これらのガスのいずれかが呼気中に現れ、これは通常、炭水化物または炭水化物断片が細菌に曝露され、そのような発酵が起こることを許したことを示す。Levitt,M.D.著「Production and excretion of hydrogen gas in man」、New Engl.J.Med 1968;281:122(参照により本明細書に組み込まれる)。H2および/またはCH4の生成は、それらの消化部位から血流中へのこれらのガスの一部の再吸収をもたらし、それらは呼気中に現れる。
【0004】
細菌は、通常、糖の消化および吸収が起こる小腸にはあまり多く存在しない。したがって、チャレンジ用量(例えば、乳糖)が摂取されると、糖が消化されず、したがって結腸に到達した場合のみ、肺胞空気中の水素のレベルが1~2時間以内(腸管通過時間による)に有意に上昇する。
【0005】
呼気H2検査は、患者およびスタッフによって容易に受け入れられる単純な非侵襲的処置であり(Metz,G.、Jenkins,D.L.、Peters,T.J,、Newman,A.、Blendis,L.M.ら著「Breath hydrogen as a diagnostic method for hypolactasia」Lancet.1975;1(7917):1155-7、参照により本明細書に組み込まれる)、血液検査より信頼性と受容性が高いことが、多くの文献で報告されている(DiPalma,J.A.、Narvaez,R.M.ら著「Prediction of lactose malabsorption in referral patients」Dig Dis Sci.1988;33:303、参照により本明細書に組み込まれる、およびDavidson,G.P.、Robb,T.A.ら著「Value of breath hydrogen analysis in management of diarrheal illness in childhood:Comparison with duodenal biopsy」J Ped Gastroenterol Nutr.1985;4:381-7、Fernandes,J.、Vos,C.E.、Douwes,A,C,、Slotema,E.、Degenhart,H.J.ら著「Respiratory hydrogen excretion as a parameter for lactose malabsorption in children」Amer J Clin Nutr.1978;31:597-602、Newcomer,A.D.、McGill,D.B.、Thomas,R.J.、Hofmann,A.F.ら著「Prospective comparison of indirect methods for detecting lactase deficiency」New Engl J Med.1975;293:1232-6、Douwes,A.C.、Fernandes,J.、Degenhart H.J.ら著「Improved accuracy of lactose tolerance test in children,using expired H2 measurement」Arch Dis Child.1978;53:939-42、Solomons,N.W.、Garcia-Ibanez,R.、Viteri,F.E.ら著「Hydrogen breath test of lactose absorption in adults:The application of physiological doses and whole cow’s milk sources」Amer J Clin Nutr.1980;33:545-54、それぞれ参照により組み込まれる)。
【0006】
低用量の乳糖は通常、血液検査に必要な高用量を投与された吸収不良者に頻繁に見られる不快感および爆発的下痢を引き起こさない。
【0007】
300人を超える患者を対象とした研究は、乳糖負荷後のG-I症状が排出されるH2の量と強く関連し、血糖値の変化と症状の重症度との間の関係はあまり明白ではないことを示した。Jones,D.V.、Latham,M.C.、Kosikowski,F.V.、Woodward,G.ら著「Symptom response to lactosereduced milk in lactose-intolerant adults」Amer J Clin Nutr.1976;29(6):633-8、参照により組み込まれる。
【0008】
偽陽性の呼気検査結果はまれであり、それらが生じるときは、通常、検査を不適切に行う、すなわち、検査11の直前または最中に被験者に喫煙、睡眠または食事をすることを可能にすることによって引き起こされる。細菌の過剰増殖(結腸から小腸への逆行性)もまた、偽陽性の呼気検査結果をもたらし得るが、それには通常、空腹時呼気H2レベルの上昇が先行し、応答は糖が摂取された直後(20~30分以内)に見られる。
【0009】
呼気検査での偽陰性結果の発生率は、血液検査で見られるものよりはるかに低い。偽陰性の結果は、乳糖吸収不良者全体の5~15%に由来するものと報告されている。Filali,A.、Ben Hassine,L.、Dhouib,H.、Matri,S.、Ben Ammar,A.、Garoui,H.ら著「Study of malabsorption of lactose by the hydrogen breath test in a population of 70 Tunisian adults」Gastroenterol Clin Biol.1987;11:554-7、Douwes,A.C.、Schaap,C.、van der Kleivan Moorsel,J.M.ら著「Hydrogen breath test in school children」Arch Dis Child.1985;60:333-7、Rogerro,P.、Offredi,M.L..、Mosca,F.、Perazzani,M.、Mangiaterra,V.、Ghislanzoni,P.、Marenghi,L.、Careddu,P.ら著「Lactose absorption and malabsorption in healthy Italian children:Do the quantity of malabsorbed sugar and the small bowel transit time play roles in symptom production?」J Pediatr Gastroenterol Nutr.1985(Feb);4(1):82-614、それぞれ参照により組み込まれる。これは様々な原因によるものである。一部のメタン生成細菌叢は結腸H2をCH4に変換するので、水素に加えてメタンを測定することによって偽陰性報告の多くを回避することができる。Cloarac,D.、Bornet,F.、Gouilloud,S.、Barry,J.Ll.、Salim,B.、Galmiche,J.P.ら著「Breath hydrogen response to lactulose in healthy subjects:relationship to methane producing status」Gut.1990(Mar);31:300-4、参照により組み込まれる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Levitt,M.D.著「Production and excretion of hydrogen gas in man」、New Engl.J.Med 1968;281:122
【非特許文献2】Metz,G.、Jenkins,D.L.、Peters,T.J,、Newman,A.、Blendis,L.M.ら著「Breath hydrogen as a diagnostic method for hypolactasia」Lancet.1975;1(7917):1155-7
【非特許文献3】DiPalma,J.A.、Narvaez,R.M.ら著「Prediction of lactose malabsorption in referral patients」Dig Dis Sci.1988;33:303
【非特許文献4】Davidson,G.P.、Robb,T.A.ら著「Value of breath hydrogen analysis in management of diarrheal illness in childhood:Comparison with duodenal biopsy」J Ped Gastroenterol Nutr.1985;4:381-7
【非特許文献5】Fernandes,J.、Vos,C.E.、Douwes,A,C,、Slotema,E.、Degenhart,H.J.ら著「Respiratory hydrogen excretion as a parameter for lactose malabsorption in children」Amer J Clin Nutr.1978;31:597-602
【非特許文献6】Newcomer,A.D.、McGill,D.B.、Thomas,R.J.、Hofmann,A.F.ら著「Prospective comparison of indirect methods for detecting lactase deficiency」New Engl J Med.1975;293:1232-6
【非特許文献7】Douwes,A.C.、Fernandes,J.、Degenhart H.J.ら著「Improved accuracy of lactose tolerance test in children, using expired H2 measurement」Arch Dis Child.1978; 53:939-42
【非特許文献8】Solomons,N.W.、Garcia-Ibanez,R.、Viteri,F.E.ら著「Hydrogen breath test of lactose absorption in adults:The application of physiological doses and whole cow’s milk sources」Amer J Clin Nutr.1980;33:545-54
【非特許文献9】Jones,D.V.、Latham,M.C.、Kosikowski,F.V.、Woodward,G.ら著「Symptom response to lactosereduced milk in lactose-intolerant adults」Amer J Clin Nutr.1976; 29(6):633-8
【非特許文献10】Filali,A.、Ben Hassine,L.、Dhouib,H.、Matri,S.、Ben Ammar,A.、Garoui, H.ら著「Study of malabsorption of lactose by the hydrogen breath test in a population of 70 Tunisian adults」Gastroenterol Clin Biol.1987;11:554-7
【非特許文献11】Douwes,A.C.、Schaap,C.、van der Kleivan Moorsel,J.M.ら著「Hydrogen breath test in school children」Arch Dis Child.1985;60:333-7
【非特許文献12】Rogerro,P.、Offredi,M.L..、Mosca,F.、Perazzani,M.、Mangiaterra,V.、Ghislanzoni,P.、Marenghi,L.、Careddu,P.ら著「Lactose absorption and malabsorption in healthy Italian children:Do the quantity of malabsorbed sugar and the small bowel transit time play roles in symptom production?」J Pediatr Gastroenterol Nutr.1985(Feb);4(1):82-614
【非特許文献13】Cloarac,D.、Bornet,F.、Gouilloud,S.、Barry,J.Ll.、Salim,B.、Galmiche,J.P.ら著「Breath hydrogen response to lactulose in healthy subjects:relationship to methane producing status」Gut.1990(Mar);31:300-4
【発明の概要】
【0011】
本発明によれば、検査装置が提供される。呼気採取装置は、患者の呼気サンプルを採取するために使用される。
【0012】
患者の呼気サンプルは、サンプルポンプによって患者乾燥器ユニットを通って湿度センサおよび流量センサに搬送される。第1の弁では、サンプルの一部が大気に排出され、サンプルの残りが患者サンプル投入部で第2の弁に搬送される。第2の弁では、大気投入部も導入される。大気投入部は、室内乾燥器ユニット、湿度センサ、可変空気流弁、流量センサ、および最後に大気空気弁を順に介して大気投入を送達するポンプによって大気から空気を受け取り、大気空気弁は、大気空気を第2の弁に供給するとともに、過剰分を大気中に排出して戻す。
【0013】
第2の弁から、患者サンプル/大気空気の組み合わせは、患者サンプル/大気空気の組み合わせを2つの経路に分割するt弁に進む。第1の経路は硫化水素ブロックにつながり、第2の経路は第2のセンサブロックにつながる。
【0014】
システムは、好ましくは例えばコンピュータ/ディスプレイユニットと、サンプルポンプ、湿度センサ、流量センサ、弁、硫化水素センサブロックおよび第2のセンサブロックとの間の接続を介して、選択された位置でコンピュータ/ディスプレイユニットに結合される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】真空排気された空気チャンバが排出シュートの先端に挿入された状態のサンプル採取装置の斜視図である。
図2】サンプル採取装置の分解斜視図である。
図3】呼気サンプルを採取する様子が示されている、サンプル採取装置の使用中の側断面図である。
図4】真空排気された空気チャンバが排出シュートの先端に挿入されている状態のサンプル採取装置の側断面図である。
図5】真空排気された空気チャンバが排出シュート内で排出針上に挿入されている状態のサンプル採取装置の側断面図である。
図6】採取された呼気終末呼気サンプルを示す図である。
図7】本発明の空気サンプルユニットの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書の開示は、当業者が本発明を実施することを可能にするために詳細かつ正確であるが、本明細書に開示される物理的実施形態は、他の特定の構造で具体化され得る本発明を例示するにすぎない。好ましい実施形態について説明しているが、本発明を逸脱しない範囲で、その詳細を変更してもよい。
【0017】
ここで図1を参照すると、本発明のサンプル採取装置10の斜視図が示されている。呼気が採取チャンバ14に通過することを可能にするために、呼気入口を備えるマウスピース12が示されている。呼気排出シュート16は、採取チャンバ14内からの呼気終末呼気サンプル(後述)を受容する真空排気された空気チャンバ100を受容する。
【0018】
ここで図2を参照すると、本発明のサンプル採取装置10の分解斜視図が示されている。マウスピース12は、一方向排出アセンブリ26と一体的に形成されるか、または結合される。マウスピース12を通る呼気からの陽圧は、可撓性リング24を屈曲させ、採取チャンバ14の上流端で採取チャンバ14内に空気を通過させる。可撓性リング24は、フラッタ弁であることが好ましいが、必ずしもそうである必要はない。やはり可撓性リング24(やはり、フラッタ弁であることが好ましいが、必ずしもそうである必要はない)に結合されたもう1つの一方向排出構造24が、採取チャンバ14の下流端に結合される。採取チャンバ14の内部には、排出シュート16を介して排出針22に結合される最終的に真空排気された空気チャンバ100と採取チャンバ14との間に呼気からの選択的通路を提供する排出針22が結合されている。
【0019】
ここで図3を参照すると、サンプル採取装置10の使用中の側断面図が示されている。患者はマウスピース12に口を押し付け、呼気を開始した。第1の呼気量42は、採取部14内から背景空気を排気し、第1の呼気量42は、肺胞空気サンプリングにとって最も望ましくないので、捕捉されることなく排出シュート16を通って吐き出される。呼気サンプルからの陽圧は、可撓性リング24を屈曲させ、空気が採取チャンバ14を通って排出シュート16に流れ続けることを可能にする。
【0020】
呼気が停止すると、呼吸からの陽圧も停止し、可撓性リング24がそれらの静止位置に戻り、採取チャンバ14の上流端および下流端で一方向排出構造26と同一平面になることを可能にする。可撓性リング24が採取チャンバ14を密封すると、呼気終末呼気サンプル40が採取チャンバ14内に捕捉される。呼気終末呼気サンプル40を回収してガスクロマトグラフィー装置による便利なサンプリングを行うために、呼気終末呼気サンプル40を真空排気された空気チャンバ100(試験管)に採取することが望ましい。真空排気された空気チャンバ100は、採取チャンバ14の容積V2より小さい容積であることが好ましい容積V1であり、その結果、真空排気された空気チャンバ100は、採取チャンバ14から呼気終末呼気サンプル40のみを採取し、採取チャンバ14を通って引き込まれた外気は採取しない。
【0021】
排出シュート16の先端には、図4に示すように、真空排気された空気チャンバ100が挿入され、図5に示すように、真空排気された空気チャンバ100が排出針22上に挿入され、空気チャンバ100の隔壁20(好ましくは自己封止)を貫通する。次いで、真空排気された空気チャンバ100は、呼気終末呼気サンプル40を採取チャンバ14から回収する。空気チャンバ100が採取チャンバ14から呼気終末呼気サンプル40を回収したら、空気チャンバ100は、排出シュート16内の排出針22から引き抜くことができる。図6に示されているように、呼気終末呼気サンプル40を収容する空気チャンバ100は、所望に応じて標的分析のために実験室で処理することができる。
【0022】
好ましい実施形態では、ここで図7を参照すると、本発明の空気サンプルユニット200の概略図が示されている。呼気終末呼気サンプル40を収容する空気チャンバ100は、位置210に接続されることができ、ここで、患者の呼気サンプル210は、患者乾燥器ユニット220を通り、サンプルポンプ230、湿度センサ240、および流量センサ250によって、搬送される。従来の乾燥器ユニット220の代わりに、Nafion(商標)チューブなどの代替乾燥を使用することができる。第1の弁260では、サンプル210の一部が大気に排出され、サンプルの残りが患者サンプル投入部C/Aで第2の弁270に搬送される。
【0023】
第2の弁270では、大気の投入も導入される。好ましい実施形態では、センサ320および360は、サンプル空気が検査されていない場合の検査と動作の安定性のために、それらに対して一定の除湿空気を受け取る。センサブロック360は、好ましくは、水素センサ、メタンセンサ、および二酸化炭素センサのうちの少なくとも1つを含む。この好ましい実施形態では、患者サンプルが投入部210に導入される場合、室内乾燥器ユニット420の空気が遮断され、患者サンプルが投入部210に導入される。270の大気投入部は、室内乾燥器ユニット420、湿度センサ410、ポンプ400、可変空気流弁390、流量センサ380、および最後に大気空気弁370を順に介して大気から空気を受け取り、大気空気弁は、大気空気を第2の弁270に供給するとともに、過剰分を大気中に排出して戻す。
【0024】
第2の弁270から、患者サンプル210/大気空気の組み合わせは、患者サンプル210/大気空気の組み合わせを2つの経路に分割するt弁280に進む。第1の経路は、弁280から第3の弁290を通って進み、さらに大気に放出され、硫化水素貯蔵コイル300にも放出される。弁290(任意選択)は、好ましくは、適切な量のサンプルをH2S貯蔵コイル300に提供するための圧力弁である。同様に、硫化水素コイル300(任意選択)に続いて、患者サンプル210/大気空気の組み合わせが、患者サンプル210/大気空気を分割して過剰分を大気に送る第4の弁310(H2S貯蔵コイル300に適切なサンプル量を提供するための任意選択の圧力弁)に進み、残りが水素センサブロック320に送られ硫化水素が検査される。
【0025】
また、弁280から、患者サンプル210/大気空気の組み合わせは、弁330を通って伝達され、さらに大気に放出され、貯蔵コイル340にも放出される。別の実施形態では、ユニット340は、モレキュラーシーブカラム(分離カラム)であり得る。貯蔵コイル340に続いて、患者サンプル210/大気空気が、患者サンプル210/大気空気の組み合わせを分割して過剰分を大気に送る第6の弁350に送られ、残りがセンサブロック360に送られ、大気に放出される。
【0026】
センサブロック320および360は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,140,685号明細書に開示されているものなどのコンピュータ/ディスプレイデバイスに信号を提供する。システムは、好ましくは例えばコンピュータ/ディスプレイユニットと、サンプルポンプ230、400、湿度センサ240/410、流量センサ250/380、弁260、270、310、330、370、硫化水素センサブロック320および第2のセンサブロック360との間の接続を介して、選択された位置でコンピュータ/ディスプレイユニットに結合され、監視と管理が行われる。
【0027】
上記は、本発明の原理の例示にすぎないと考慮される。さらに、多数の修正および変更が当業者には容易に思い浮かぶので、本発明を図示および記載された正確な構成および動作に限定することは望ましくない。以上、好ましい実施形態について説明したが、本発明を逸脱しない範囲で、その詳細を変更してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】