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特表2023-517237アンテナ付き自動車用小型スタートスイッチ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-24
(54)【発明の名称】アンテナ付き自動車用小型スタートスイッチ
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/02 20060101AFI20230417BHJP
   H01H 13/52 20060101ALI20230417BHJP
   H01H 13/06 20060101ALI20230417BHJP
   H01H 9/04 20060101ALI20230417BHJP
   H01H 9/16 20060101ALI20230417BHJP
【FI】
H01H13/02 A
H01H13/52 F
H01H13/06 A
H01H9/04 A
H01H9/16 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022554818
(86)(22)【出願日】2021-03-11
(85)【翻訳文提出日】2022-11-09
(86)【国際出願番号】 CN2021080161
(87)【国際公開番号】W WO2021180159
(87)【国際公開日】2021-09-16
(31)【優先権主張番号】202010165984.4
(32)【優先日】2020-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522359589
【氏名又は名称】ヴァレオ、コンフォート、ドライビング、アシスタンス、システムズ、(コアンチョウ)、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】VALEO COMFORT DRIVING ASSISTANCE SYSTEMS (GUANGZHOU) CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.101(self-made),1 Hi-tech Road,Motor Industry Base,Huadu District,Guangzhou,Guangdong,China
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100208188
【弁理士】
【氏名又は名称】榎並 薫
(72)【発明者】
【氏名】ホアン、チャングイ
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ホンリー
(72)【発明者】
【氏名】チェン、チュンコー
(72)【発明者】
【氏名】スー、イービン
(72)【発明者】
【氏名】高田 健
(72)【発明者】
【氏名】パク、サンチョル
【テーマコード(参考)】
5G052
5G206
【Fターム(参考)】
5G052AA07
5G052AA24
5G052BB01
5G052HA01
5G052JA02
5G052JA07
5G052JB05
5G206AS02N
5G206AS02Z
5G206AS10N
5G206AS10Z
5G206AS35H
5G206AS35Q
5G206AS38N
5G206AS38Z
5G206AS40N
5G206AS40Z
5G206CS04F
5G206CS04J
5G206CS04K
5G206FS32J
5G206FS32K
5G206FU03
5G206GS27
5G206HW14
5G206HW33
5G206KS15
5G206KS34
5G206KS37
5G206NS02
5G206NS05
5G206PS02
5G206QS02
5G206RS04
5G206RS24
(57)【要約】
本実施形態は、ボタンと、プッシュスイッチアセンブリと、アンテナアセンブリモジュールと、を含む小型のアンテナ付き自動車用スタートスイッチに係る。前記アンテナアセンブリモジュールには、前記プッシュスイッチアセンブリが配置される収容キャビティが設けられる。前記アンテナアセンブリモジュールは、アンテナモジュール本体と、アンテナコイルと、コネクタ端子と、を含む。前記アンテナモジュール本体には、前記アンテナコイルが配置される巻線エリアと、前記アンテナコネクタ端子が配置されるコネクタマッチング部とが設けられる。前記アンテナコネクタ端子は、接続セクションと、固定セクションと、端子溶接セクションと、を備え、前記アンテナコイルは、前記端子溶接セクションにワイヤにより直接的に接続する。本発明によれば、アンテナコイルは、アンテナモジュール本体の外側において、ワイヤを介してアンテナコネクタ端子に直接的に接続される。アンテナモジュールをPCBAの電気回路に接続する組付プロセスが省略される。アンテナを2ピンメスコネクタに接続するプロセスが省略される。アンテナブラケットと完成製品後方シェル構造体機能部とが、一体化される。部品点数が削減される。製品品質安定性はより良好である。そして、生産コストは安い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボタンと、プッシュスイッチアセンブリと、アンテナアセンブリモジュールと、を備えることを特徴とするアンテナ付き自動車用小型スタートスイッチであって、
前記アンテナアセンブリモジュールには、前記プッシュスイッチアセンブリが配置される収容キャビティが設けられ、
前記アンテナアセンブリモジュールは、アンテナモジュール本体と、アンテナコイルと、コネクタ端子と、を備え、
前記アンテナモジュール本体には、巻線エリアとコネクタマッチング部とが設けられ、
前記アンテナモジュール本体には、完成スイッチ製品後方シェル構造体機能部が設けられ、
前記アンテナコイルは、前記巻線エリアに配置され、前記アンテナコネクタ端子は、コネクタマッチング部に配置され、
前記アンテナコネクタ端子は、接続セクションと、固定セクションと、端子溶接セクションと、を備え、前記アンテナコイルは、前記端子溶接セクションにワイヤにより直接的に接続する、
アンテナ付き自動車用小型スタートスイッチ。
【請求項2】
前記ボタンは、前記プッシュスイッチアセンブリの上端部に当接し、
前記プッシュスイッチアセンブリは、弾性部とPCBA基板とを備え、前記ボタンは、メインパネルとガイド部材とを備え、
前記メインパネルは、前記ガイド部材の上端部に設けられ、前記弾性部には、スイッチ接触粒子が設けられた底面を有する弾性アーチ部が設けられ、前記PCBA基板には、スイッチ接触回路の2つのポールが前記スイッチ接触粒子に対応する箇所に設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ付き自動車用小型スタートスイッチ。
【請求項3】
前記弾性部は、スカートノッチを有するリング形状の上方スカートをさらに備え、
ハウジングが、前記アンテナアセンブリモジュールの周囲に設けられ、汚れ防止開口が、前記ハウジングの上部において、前記スカートノッチに対応する側に設けられる、
ことを特徴とする請求項2に記載のアンテナ付き自動車用小型スタートスイッチ。
【請求項4】
前記弾性部は、カバーと下方スカートとをさらに備える、
ことを特徴とする請求項2に記載のアンテナ付き自動車用小型スタートスイッチ。
【請求項5】
前記巻線エリアは、前記アンテナモジュール本体の側面から環状に外方に突出する上方バッフルおよび下方バッフルにより形成される、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のアンテナ付き自動車用小型スタートスイッチ。
【請求項6】
前記アンテナコネクタ端子は、その固定セクションを介して前記アンテナモジュール本体に固定的に接続し、前記アンテナコネクタ端子の前記接続セクションは、前記コネクタマッチング部に配置され、前記アンテナコネクタ端子の前記端子溶接セクションは、前記アンテナモジュール本体の前記側面から突出し、前記アンテナモジュールおよび前記アンテナコネクタ端子は、前記PCBA基板上の電気回路に全く接続せず、
前記PCBA基板は、スイッチ回路コネクタ端子に接続し、前記スイッチ回路コネクタ端子の接続セクションは、前記コネクタマッチング部に配置され、
前記コネクタマッチング部は、車両全体の対応する配線ハーネスに接続するように構成される、
ことを特徴とする請求項4に記載のアンテナ付き自動車用小型スタートスイッチ。
【請求項7】
前記下方バッフルには位置決め孔が設けられ、
前記ワイヤの一端部は、前記アンテナコイルに接続し、前記ワイヤの他端部は、前記アンテナモジュール本体の周囲から前記端子溶接セクションに前記位置決め孔を通じて延びて、前記端子溶接セクションに接続する、
ことを特徴とする請求項5に記載のアンテナ付き自動車用小型スタートスイッチ。
【請求項8】
前記アンテナモジュール本体には、前記側面に溝がさらに設けられ、前記端子溶接セクションは、前記溝に配置され、前記ワイヤは、前記溝において、前記端子溶接セクションに接続する、
ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ付き自動車用小型スタートスイッチ。
【請求項9】
前記アンテナモジュール本体は、インサート射出成形プロセスにより一体的に形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ付き自動車用小型スタートスイッチ。
【請求項10】
前記メインパネルには、レーザーキャラクターが設けられ、
前記PCBA基板には、発光時に前記レーザーキャラクターを照明可能なLEDが設けられる、
ことを特徴とする請求項2に記載のアンテナ付き自動車用小型スタートスイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用スタートスイッチ、特に、アンテナ付き自動車用小型スタートスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車技術の発展に伴い、消費電力が増すとともに、ますます多くの自動車にキーレスエントリー・スタートシステム(keyless entry and start system)が装備されるようになっている。コスト削減、レイアウトスペースの縮小、製品信頼性の向上、および開発サイクルの短縮を目的として、より多くの製造メーカー(original equipment manufacturers)が、キーレスエントリー・スタートシステムのバックアップアンテナをスタートスイッチに組み込んでいる。
【0003】
現在のところ、市販されているアンテナ付き自動車用スタートスイッチには、別個のアンテナコイルおよび別個のアンテナ支持体が設けられている。アンテナコイルは、PCB基板に接続され、次いで外部に接続される。製品構造が複雑で、サイズが大きく、生産コストが高い。
【発明の概要】
【0004】
本開示の実施形態により解決される技術的課題は、小型のアンテナ付き自動車用スタートスイッチを提供することである。小型の自動車用スタートスイッチにより、組立プロセスを簡略化し、部品点数を削減し、生産コストを低減すると同時に、製品の品質安定性を向上させることができる。
【0005】
上述の技術的課題を解決するために、本開示の実施形態は、ボタンと、プッシュスイッチアセンブリと、アンテナアセンブリモジュールと、を含むアンテナ付き自動車用小型スタートスイッチを提供する。前記アンテナアセンブリモジュールには、前記プッシュスイッチアセンブリが配置される収容キャビティが設けられる。前記アンテナアセンブリモジュールは、アンテナモジュール本体と、アンテナコイルと、コネクタ端子と、を含む。前記アンテナモジュール本体には、前記アンテナコイルが配置される巻線エリアと、前記アンテナコネクタ端子が配置されるコネクタマッチング部と、が設けられる。前記アンテナコネクタ端子は、接続セクションと、固定セクションと、端子溶接セクションと、を備え、前記アンテナコイルは、前記端子溶接セクションにワイヤにより直接的に接続する。
【0006】
アンテナモジュール本体は、射出成形プロセスにより、プラスチック材料PBT-GF30、PPA-GF30、PCT等の耐高温材料から製造され得る。巻線エリアおよびコネクタマッチング部は、インサート射出成形プロセスにより一体的に形成される。コネクタ端子を射出成形金型の専用孔に配置し、金型を閉じて射出成形製造を行うことにより、コネクタ端子は、コネクタマッチング部に固定される。前記アンテナモジュール本体には、完成スイッチ製品後方シェル構造機能が設けられる。
【0007】
上記解決策の改良点として、前記ボタンは、前記プッシュスイッチアセンブリの上端部に当接し、前記プッシュスイッチアセンブリは、弾性部とPCBA基板とを備え、前記ボタンは、メインパネルとガイド部材とを備え、前記メインパネルは、前記ガイド部材の上端部に設けられ、前記弾性部には弾性アーチ部が設けられ、前記弾性アーチ部の底面には
スイッチ接触粒子が設けられ、前記PCBA基板には、2つのスイッチ接触回路ポールが前記スイッチ接触粒子に対応する箇所に設けられる。
【0008】
上記解決策の改良点として、前記弾性部は、スカートノッチを有するリング形状の上方スカートをさらに備え、ハウジングが、前記アンテナアセンブリモジュールの周囲に設けられ、汚れ防止開口が、前記ハウジングの上部において、前記スカートノッチに対応する側に設けられる。
【0009】
上記解決策の改良点として、前記弾性部は、カバーと下方スカートとをさらに備える。
【0010】
上記解決策の改良点として、前記巻線エリアは、上方バッフルおよび下方バッフルにより形成され、前記上方バッフルおよび前記下方バッフルは、前記アンテナモジュール本体の側面から環状に外方に突出する。
【0011】
上記解決策の改良点として、前記アンテナコネクタ端子は、その固定セクションを介して前記アンテナモジュール本体に固定的に接続し、その前記接続セクションは、前記コネクタマッチング部に配置され、その前記端子溶接セクションは、前記アンテナモジュール本体の前記側面から突出し、前記PCBA基板は、スイッチ回路コネクタ端子に接続し、前記スイッチ回路コネクタ端子の接続セクションは、前記コネクタマッチング部に配置され、前記アンテナモジュールおよび前記アンテナコネクタ端子は、前記PCBA基板上の電気回路に全く接続せず、前記コネクタマッチング部は、車両全体の対応する配線ハーネスに接続するように構成される。
【0012】
上記解決策の改良点として、前記下方バッフルには位置決め孔が設けられ、前記ワイヤの一端部は、前記アンテナコイルに接続し、前記ワイヤの他端部は、前記アンテナモジュール本体の周囲から前記端子溶接セクションに前記位置決め孔を通じて延びて、前記端子溶接セクションに接続する。
【0013】
上記解決策の改良点として、前記アンテナモジュール本体には、前記側面に溝がさらに設けられ、前記端子溶接セクションは、前記溝に配置され、前記ワイヤは、前記溝において、前記端子溶接セクションに接続する。
【0014】
上記解決策の改良点として、前記アンテナモジュール本体は、インサート射出成形プロセスにより一体的に形成される。
【0015】
上記解決策の改良点として、前記メインパネルには、レーザーキャラクター(laser characters)が設けられ、前記PCBA基板には、発光時に前記レーザーキャラクターを照明可能なLEDが設けられる。
【0016】
本開示の実施形態を実施することにより、以下の有益な効果が得られる。
【0017】
本願において、巻線エリアは、アンテナモジュール本体に形成され、アンテナコイルは、巻線エリアにおいて直接的に巻回されている。コネクタマッチング部をアンテナモジュール本体の下端部に形成し、アンテナコネクタ端子の端子溶接セクションをアンテナモジュール本体の側面から突出させることにより、アンテナコイルは、アンテナモジュール本体の外側において、ワイヤを介してアンテナコネクタ端子に直接的に接続され得る。アンテナモジュールをPCBAの電気回路に接続する組付プロセスが省略される。アンテナを2ピンメスコネクタに接続するプロセスが省略される。アンテナブラケットと完成製品後方シェル構造体機能部とが、一体化される。部品点数が削減される。製品品質安定性はより良好である。そして、生産コストは安い。
【0018】
弾性部は、カバーを含む。上方スカートは、カバーの上縁部に沿って環状に配置され、スカートノッチが上方スカートに設けられる。弾性部は、下端部に環状に配置されてPCBA基板を包囲するスカートも含む。汚れ防止開口が、ハウジングの上部において、スカートノッチに対応する側に設けられる。スイッチに侵入した埃や水は、2つの経路を通って排出され得る。これにより、自動車用スタートスイッチの防塵・汚れ防止性能が全体として向上し得る。
【0019】
アンテナモジュール本体には、さらに側面に溝が設けられる。端子溶接セクションは、溝に配置される。溝により、ワイヤと端子溶接セクションとの接続点の周囲に、動作スペースが残される。ハウジングとの接触を回避しつつ摩擦等により生じ得る結合解除を低減するように、ワイヤと端子溶接セクションとの接続点が溝に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本開示によるアンテナ付き自動車用小型スタートスイッチの分解図である。
図2図2は、本開示によるアンテナ付き自動車用小型スタートスイッチの断面図である。
図3図3は、本開示によるアンテナ付き自動車用小型スタートスイッチのハウジングの概略構造図である。
図4図4は、本開示によるアンテナ付き自動車用小型スタートスイッチの弾性部の概略構造図である。
図5図5は、本開示によるアンテナ付き自動車用小型スタートスイッチの汚れ防止・排出構造の概略図である。
図6図6は、本開示によるアンテナ付き自動車用小型スタートスイッチのアンテナアセンブリモジュールの概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示の目的、技術的課題および利点をより明瞭にすることを目的として、本開示を添付図面を参照しつつ以下にさらに詳細に説明する。本開示のテキストに見られる、または以降に見られる用語「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」、「内」、および「外」は、本開示の図面に基づいているだけであり、これらは本開示を特に限定するものではないことを単に宣言する。
【0022】
図1および図2に示すように、本開示の実施形態は、ボタン1と、プッシュスイッチアセンブリ2と、アンテナアセンブリモジュール3と、を含む小型のアンテナ付き自動車用スタートスイッチを提供する。アンテナアセンブリモジュール3には、プッシュスイッチアセンブリ2が配置される収容キャビティ31が設けられている。アンテナアセンブリモジュール3は、アンテナモジュール本体32と、アンテナコイル33と、コネクタ端子34と、を含んでいる。アンテナモジュール本体32には、アンテナコイル33が配置される巻線エリア321と、アンテナコネクタ端子34が配置されるコネクタマッチング部322と、が設けられている。アンテナコネクタ端子34は、接続セクション341と、固定セクション342と、端子溶接セクション343と、を備えている。アンテナコイル33は、端子溶接セクション343にワイヤ35により直接的に接続している。ワイヤ35は、好適にはエナメル銅ワイヤである。アンテナモジュール本体32には、完成スイッチ製品後方シェル構造体機能部が設けられている。ハウジング4は、アンテナモジュール本体に、完成スイッチ製品後方シェル構造体を介して固定され得る。具体的には、完成スイッチ製品後方シェル構造体は、外方に突出するバックル327である。ハウジング4には、バックル327に適合する固定孔43が設けられている。ハウジング4は、アンテナモジュール本体32の上方から嵌められる(被せられる)。ハウジング4とアンテナモジュール本体32とは、バックル327が固定孔43に嵌合すると、互いに固定される。
【0023】
本解決策では、巻線エリア321は、アンテナモジュール本体32に形成され、アンテナコイル33は、巻線エリア321において直接的に巻回されている。コネクタマッチング部322をアンテナモジュール本体32の下端部に形成し、アンテナコネクタ端子34の端子溶接セクション343をアンテナモジュール本体32の側面から突出させることにより、アンテナコイル33は、アンテナモジュール本体32の外側において、ワイヤ35を介してアンテナコネクタ端子34に直接的に接続され得る。アンテナモジュールをPCBAの電気回路に接続する組付プロセスが省略される。アンテナを2ピンメスコネクタに接続するプロセスが省略される。アンテナブラケットと完成製品後方シェル構造体機能部とが、一体化される。部品点数が削減される。製品品質安定性はより良好である。そして、生産コストは安い。
【0024】
アンテナモジュール本体32の一体化された設計により、自動車用スタートスイッチの全体的な体積が縮小され得る。その直径を32mm未満とすることができるとともに、その長さを50mm未満とすることができる。
【0025】
自動車用スタートスイッチの具体的な構造について以下に説明する。
【0026】
アンテナモジュール本体32は、インサート射出成形プロセスにより一体的に形成される。ボタン1は、プッシュスイッチアセンブリ2の上端部に当接し、ハウジング4は、アンテナアセンブリモジュール3の周囲に設けられる。プッシュスイッチアセンブリ2は、弾性部21とPCBA基板22とを含んでいる。図3に示すように、ボタン1は、メインパネル11とガイド部材12とを含んでいる。メインパネル11はガイド部材12の上端部に設けられ、両者はスナップ接続により互いに固定される。ガイドリブ121がガイド部材12の外面に設けられるとともに、ガイド溝41がハウジング4の内面に設けられている。ガイドリブ121がガイド溝41と協働することで、ガイド部材12はハウジング4のガイド範囲内において上下に移動することができる一方で、ガイド部材12がハウジング4に対して回転することは防止されている。弾性部21は、弾性シリコーンから一体的に形成され得る。弾性部21には、弾性アーチ部211が設けられている。弾性アーチ部211に押圧力が及ぼされると、弾性アーチ部211は下方に押圧され得るとともに、解放後は自由に復帰し得る。これにより、ボタン1の押圧プロセス中に、ボタンの力および変位が感じられる。
【0027】
図4に示すように、弾性アーチ部211の底面には、スイッチ接触粒子212が設けられている。スイッチ接触粒子212は、カーボン粒子、ニッケル粒子、金粒子等の導電性粒子で構成され得る。PCBA基板22には、2つのスイッチ接触回路ポール221が、スイッチ接触粒子212に対応する箇所に設けられている。弾性アーチ部211がボタン1からの圧力により押圧されてPCBA基板22に接触すると、スイッチ接触粒子212がPCBA基板22上の2つのスイッチ接触回路ポール221に接触する。これにより、スイッチ回路がオンになる。そして、スイッチ回路は、電気信号をスイッチ回路コネクタ端子34に送る。ボタン1が解放されると、弾性アーチ部211が復帰し、スイッチ接触粒子212はスイッチ接触回路ポール221から離間し、スイッチ回路は切断されて、スイッチ回路コネクタ端子34上の電気信号が変化する。自動車のワンキー・スタート・ストップスイッチ(one-key start and stop)機能を実現するため。
【0028】
図5に示すように、図面中の矢印は、汚れ排出経路および方向を示す。ボタン1とハウジング4との円滑な相対移動をかなえるためには、ボタン1とハウジング4との間に所定の間隙が必要である。使用中に埃や水がこの間隙から侵入し、ボタン1の円滑な動作やPCBA基板22上の電子部品の寿命に影響が及ぼされ得る。したがって、本解決策では、特別な汚れ防止・排出構造を設計した。弾性部21は、カバー213と、カバー213の縁部に沿って環状に配置された上方スカート214および下方スカート216と、をさらに含んでいる。上方スカート214には、スカートノッチ215が設けられている。下方スカート216およびカバー213は、共同してPCBA基板22を包囲している。汚れ防止開口42が、ハウジング4の上部の側面に、スカートノッチ215に対応して設けられている。自動車用スタートスイッチは、車両において任意の角度で斜めに設置される。水や埃がボタン1とハウジング4との間の間隙に侵入すると、水や埃の一部は、ボタン1とハウジング4との間の間隙を通じて、弾性部21のカバー213の上面に、重力によって到達し得る。水や埃は、カバー213および上方スカート214により遮断され、PCBAの内部に侵入しないであろう。遮断された水や埃は、スカート間隙215を通じてスイッチの外部に排出される。その他の水や埃は、汚れ防止開口42を通じて直接的に外に排出される。上述の2つの機構の複合効果により、自動車用スタートスイッチの防塵・汚れ防止性能が全体として向上し得る。
【0029】
図6に示すように、部品点数の削減や組付プロセスの簡略化を目的として、巻線エリア321は、アンテナモジュール本体32の側面から環状に外方に突出する上方バッフル323および下方バッフル324により囲まれている。アンテナコイル33は、上方バッフル323と下方バッフル324との間で巻回されている。アンテナコネクタ端子34は、その固定セクション342を介してアンテナモジュール本体32に固定的に接続しており、その接続セクション341は、コネクタマッチング部322に配置されており、その端子接続セクション343は、アンテナモジュール本体32の側面から突出している。PCBA基板22は、スイッチ回路コネクタ端子23に接続している。スイッチ回路コネクタ端子23の接続部231が、コネクタマッチング部322に配置されている。コネクタマッチング部322は、車両全体の対応する配線ハーネスに接続するように構成されている。下方バッフル324には、位置決め孔325が設けられている。ワイヤ35の一端部は、アンテナコイル33に接続し、他端部は位置決め孔325を通過してアンテナモジュール本体32の周囲から端子溶接セクション343に延びて、端子溶接セクション343に接続している。本解決策は、先行技術における従来の設計を打破する。先行技術における従来の設計においては、特別なアンテナアセンブリが存在し、アンテナアセンブリをアンテナモジュール本体に組み付ける必要があり、かつアンテナアセンブリは、ワイヤハーネス、または別個のコネクタ、または別個のコネクタ、または溶接によって、アンテナモジュール本体の内側キャビティに配置されたPCBA基板に接続している。本解決策では、スイッチコネクタ端子36をPCBA基板22に予め溶接するだけでよい。PCBA基板22がアンテナモジュール本体32に設置されると、スイッチコネクタ端子36がアンテナモジュール本体32の底部の専用孔(図示せず)から突出し、アンテナモジュール本体32に一体的に形成されたアンテナコネクタ端子34と協働する。収容キャビティ31において接続作業を実施する必要はない。これにより、組付の難易度が大幅に低下するとともに、製品の信頼性が向上する。アンテナモジュールを、アンテナモジュール本体32の側面に配置された端子溶接セクション343に、ワイヤ35を介して接続させる。組付プロセスは、単純で確実である。
【0030】
図2に示すように、ワイヤ35と端子溶接セクション343との接続点を保護するとともに、溶接の難易度を低下させることを目的として、アンテナモジュール本体32には、側面に溝326も設けられている。端子溶接セクション343は溝326に配置され、ワイヤ35と端子溶接セクション343とは、溝326において接続している。溝326により、ワイヤ35と端子溶接セクション343との接続点の周囲に、動作スペースが残される。ハウジング4との接触を回避しつつ摩擦等により生じ得る結合解除を低減するように、ワイヤ35と端子溶接セクション343との接続点が溝326に配置される。
【0031】
スイッチの美観レベルを向上させるとともにユーザに視覚によるフィードバックを提供するように、メインパネル11にはレーザーキャラクター111が設けられ、PCBA基板22にはLED222が設けられている。スイッチが関連する誘発(刺激、きっかけ、要求)を生じさせる必要がある場合、LED222を点灯させる。LED222が発光すると、レーザーキャラクター111が照明され得る。
【0032】
以上が、本開示の好適な実施形態である。当業者には、本開示の銀理から逸脱せずにいくつかの改良および修正が可能であり、これらの改良および修正も本開示の保護範囲にあると考えられることを指摘しておく。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】