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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-24
(54)【発明の名称】ガス圧での炭素除去方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 8/24 20060101AFI20230417BHJP
   C01B 32/05 20170101ALI20230417BHJP
   C01B 3/26 20060101ALI20230417BHJP
【FI】
B01J8/24
C01B32/05
C01B3/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022555193
(86)(22)【出願日】2021-03-12
(85)【翻訳文提出日】2022-11-04
(86)【国際出願番号】 US2021022220
(87)【国際公開番号】W WO2021183959
(87)【国際公開日】2021-09-16
(31)【優先権主張番号】62/989,016
(32)【優先日】2020-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522214886
【氏名又は名称】シーゼロ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シェイナー,サミュエル
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ,ザカリー
(72)【発明者】
【氏名】コールドウェル,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】サーディ,ファドル
【テーマコード(参考)】
4G070
4G140
4G146
【Fターム(参考)】
4G070AA05
4G070AB06
4G070BB32
4G070CA26
4G070CB18
4G070CC02
4G140DA03
4G140DB05
4G146AA01
4G146AB01
4G146BA12
4G146BC03
4G146CA15
4G146DA02
4G146DA45
(57)【要約】
熱分解プロセスは、1つ又は複数の化学反応物質を高温に維持した液体を含有する反応器へ導入すること、この高温に基づいてこの液体中に化学生成物を製造すること、この固体生成物の粒径を成長させること、この固体生成物をこの液体中に蓄積すること、及びこの液体のかなりの部分をこの反応器内に保持しながらこの固体生成物をこの反応器から除去することを含む。この化学生成物は、この液体と混合した固体化学生成物を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又は複数の化学反応物質を高温に維持した液体を含有する反応器へ導入すること、
前記高温に基づいて前記液体中に、前記液体と混合した固体生成物を含む化学生成物を製造すること、
前記固体生成物の粒径を成長させること、
前記固体生成物を前記液体中に蓄積すること、及び
前記液体のかなりの部分を前記反応器内に保持しながら前記固体生成物を前記反応器から除去することを含む、
熱分解プロセス。
【請求項2】
前記1つ又は複数の化学反応物質は、炭素及び水素を含有する分子である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記反応器は、気泡塔である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記高温は、400℃~1500℃である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
前記液体は、溶融塩、溶融金属、又は溶融塩及び溶融金属の組み合わせである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
前記炭素及び水素を含有する反応物質は、分解されて固体炭素を形成し、前記固体炭素は、前記液体内で凝集し、成長して粒径1μmを超える粒子を形成する、請求項2に記載のプロセス。
【請求項7】
前記固体生成物を浮揚により前記液体の液面の上部に蓄積することをさらに含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項8】
前記固体を前記反応器からガス流を用いてガス圧で運搬することをさらに含む、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
前記固体生成物を前記液体から分離するためにフィルターを使用することをさらに含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項10】
前記固体生成物を前記反応器から運搬するために補助ガス流を前記反応器に導入することをさらに含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項11】
前記固体生成物をガス圧で運搬するガス流に取り込むこと、及び
前記取り込むことに基づいて、前記固体生成物を前記反応器から除去することをさらに含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項12】
前記固体生成物を前記ガス圧で運搬するガス流から分離することをさらに含む、
請求項11に記載のプロセス。
【請求項13】
炭化水素反応物質を、液体反応媒体を含む反応器へ導入すること、
前記炭化水素反応物質を前記液体反応媒体と接触させることに基づいて前記反応器内に固体炭素を形成すること、
前記固体炭素を前記液体反応媒体から前記反応器の上部接続中の格子上に分離すること、及び
前記固体炭素を前記反応器から取り除くために前記固体炭素を前記格子からガス圧で運
搬することを含む、方法。
【請求項14】
前記反応器は、主要反応部、側脚、前記主要反応部及び前記側脚との間の前記上部接続、並びに前記主要反応部及び前記側脚との間の下部接続を備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記液体反応媒体、及び前記固体炭素の少なくとも一部を前記上部接続を通して流すことをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ガス圧で運搬される固体炭素を前記反応器からガス圧で運搬するガス流を使用して除去することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記固体炭素を前記ガス圧で運搬するガス流から分離することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記炭化水素反応物質は、炭素及び水素を含有する分子を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記反応器は、気泡塔である、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記反応器中の温度は、前記固体炭素を形成する間400℃~1500℃である、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
前記液体反応媒体は、溶融塩、溶融金属、又は溶融塩及び溶融金属の組み合わせを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
炭化水素反応物質を、液体反応媒体を含む反応器へ導入すること、
前記炭化水素反応物質を前記液体反応媒体と接触させることに基づいて前記主要反応部内に固体炭素を形成すること、
前記液体反応媒体の少なくとも一部及び前記固体炭素の少なくとも一部を前記反応器中の上部接続を通過させること、
前記固体炭素をサイクロン中の前記液体反応媒体の一部から分離すること、並びに
前記固体炭素を前記サイクロンの出口を通して除去することを含む、
方法。
【請求項23】
前記サイクロンは、逆流サイクロンである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記反応器は、主要反応部、側脚、前記主要反応部及び前記側脚との間の前記上部接続、並びに前記主要反応部及び前記側脚との間の下部接続を備え、前記側脚は、サイクロンを備える、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
液体反応媒体を前記逆流サイクロンから前記反応器へ、前記下部接続を通して戻すことをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記炭化水素反応物質は、天然ガス、石油、バイオマス、ポリマー、又は天然ガス、石油、バイオマス、ポリマーの組み合わせを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
前記反応器は、気泡塔である、請求項22に記載の方法。
【請求項28】
前記反応器中の温度は、400℃~1500℃である、請求項22に記載の方法。
【請求項29】
前記液体反応媒体は、溶融塩、溶融金属、又は溶融塩及び溶融金属の組み合わせを含む、請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年3月13に出願され、「METHODS OF PNEUMATIC CARBON REMOVAL」と題する米国仮特許出願第62/989,016号明細書の優先権を主張し、その全体を本明細書に参照により援用される。
【0002】
合衆国政府の支援による研究又は開発に関する陳述
なし。
【背景技術】
【0003】
現在、工業用水素は、主に水蒸気メタン改質(SMR)プロセスを用いて製造され、反応器から流出する生成物は、望ましい水素生成物のみではなく、ガス酸化炭素(CO/CO)及び未変換のメタンを含む他のガス化学種も含有する。出荷若しくは貯蔵用の水素の分離及び改質装置へ戻して再循環するためのメタンの分離は、高価で、エネルギー集約型の分離である、圧力変動吸着(PSA)装置で実行される。概して、酸化炭素は、環境中に放出される。この分離プロセスは、反応後の独立した装置として存在する。全体として、プロセスはかなりの二酸化炭素を生じる。天然ガスも酸素との燃焼により電力を生み出すために広く用いられるが、さらに相当量の二酸化炭素を生じる。
【発明の概要】
【0004】
ある実施形態において、熱分解プロセスは、1つ又は複数の化学反応物質を高温に維持した液体を含有する反応器へと導入すること、この高温に基づいてこの液体中に化学生成物を製造すること、この固体生成物の粒径を成長させること、この固体生成物をこの液体中に蓄積すること、及びこの液体のかなりの部分をこの反応器内に保持しながらこの固体生成物をこの反応器から除去することを含む。この化学生成物は、この液体と混合した固体化学生成物を含む。
【0005】
ある実施形態において、方法は、炭化水素反応物質を反応器へと導入すること、この炭化水素反応物質をこの液体反応媒体と接触させることに基づいてこの反応器内に固体炭素を形成すること、この固体炭素をこの液体反応媒体からこの反応器の上部接続中の格子上に分離すること、及びこの固体炭素をこの反応器から除去するためにこの固体炭素をこの格子からガス圧で運搬することを含む。この反応器は、液体反応媒体を含む。
【0006】
ある実施形態において、方法は、炭化水素反応物質を反応器へと導入すること、この炭化水素反応物質をこの液体反応媒体と接触させることに基づいてこの主要反応部内に固体炭素を形成すること、この液体反応媒体の少なくとも一部及びこの固体炭素の少なくとも一部をこの反応器の上部接続を通過させること、この固体炭素をサイクロンのこの液体反応媒体の一部から分離すること、並びにこの固体炭素をこのサイクロンの出口から除去することを含む。この反応器は、液体反応媒体を含む。
【0007】
これら及び他の特徴は、添付の図面及び特許請求の範囲と合わせて以下の詳細な説明からより明確に理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示及び本開示の利点をより完全に理解するために、添付の図面及び詳細な説明と合わせて、以下の簡単な説明に対する参照がなされ、類似する参照番号は、類似する部分を表す。
図1A図1Aは、化学反応物質が液体を含有する反応器に導入され、固体生成物を生じることを示す概略図である。
図1B図1Bは、化学反応物質が液体を含有する反応器に導入され、固体生成物を生じることを示す概略図である。炭素生成物の一部はガス/固体分離装置へガス圧で運搬される。
図2図2は、ガスが液体及び固体生成物を含有する気泡塔型反応器へ導入されることを示す概略図である。ガス流速は、乱流混合を誘導することなく浮揚により固体生成物を液面へ輸送するのに充分低く維持される。固体生成物は、容器の上部に蓄積する。
図3図3は、液体が反応容器からフィルターを含有する開口部を通して排出されることを示す概略図である。固体生成物は、反応容器内に残っている。
図4図4は、ガスが固体をガス圧で運搬するのに充分な流速で反応容器の下部に導入されることを示す概略図である。固体は、反応容器から抜き取られ、続けてサイクロンでガス流から分離される。連なる2個の弁は、固体を高圧環境から除去するためのロックホッパーとして用いられる。
図5A図5Aは、化学反応物質が液体を含有する反応器へ導入され、固体生成物を生じることを示す概略図である。
図5B図5Bは、化学反応物質が液体を含有する反応器へ導入され、固体生成物を生じることを示す概略図である。ガス流は、容器の上部の開口部を通して固体炭素生成物の一部を含有する反応器を出る。ガス流は、取り込まれた炭素を除去するサイクロン分離器を通過し、ボルテックスファインダーから出る。別の入口開口部は、反応器の上部に位置する。滞留した液体で充填された側脚は、反応容器の液体高さを調節するために存在する。
図6図6は、ガスが液体及び固体生成物を含有する反応器へ導入されることを示す概略図である。ガス流速は、乱流混合を誘導することなく浮揚により液体中に残っている固体生成物を液体の面へ輸送するのに充分低く維持される。固体生成物は、容器の上部に蓄積する。ガス流は、容器の上部の開口部を通して反応器を出る。ガス流は、サイクロン分離器を通過し、ボルテックスファインダーから出る。別の入口開口部が反応器の上部に位置するが、このプロセスステップにおいてガスは流れていない。滞留した液体で充填された側脚は、反応容器の液体高さを調節するために存在する。
図7図7は、ガスが液体及び固体生成物を含有する反応器へ導入されることを示す概略図である。ガス流速は、乱流混合を誘導することなく浮揚により固体生成物を液体の面へ輸送するのに充分低く維持される。固体生成物は、容器の上部に蓄積する。反応容器の液体高さをガス出口開口部近くの高さまで上昇させるよう側脚中のガスの圧力を上昇させる。固体生成物をガス圧で運搬するために追加のガスを反応器の上部の開口部から導入する。固体は、反応容器から抜き取られ、続けてサイクロンでガス流から分離される。連なる2個の弁は、固体を高圧環境から除去するためのロックホッパーとして用いられる。
図8図8は、化学反応物質が液体を含有する反応器へ導入され、固体生成物を生じることを示す概略図である。液体及び固体生成物は、サイドループを通して流れ、固体は金属又はセラミックフィルターにより連続的に除去される。ガス生成物は、上部空間の開口部から導入された追加ガスと共に、フィルターを越えて流れ、固体生成物をガス圧で運搬する。ガス及び固体は、サイドループに位置する開口部を通して離れる。固体は反応容器から抜き取られ、続けてサイクロンでガス流から分離される。連なる2個の弁は、固体を高圧環境から除去するためのロックホッパーとして用いられる。
図9図9は、化学反応物質が液体を含有する反応器へ導入され、固体生成物を生じることを示す概略図である。ガス生成物は、反応容器の上部の開口部を通して離れる。固体生成物は、液体中に蓄積し、混合した流はサイドループに位置する開口部を通して離れる。固体は、サイクロンにより液体から分離される。
図10A図10Aは、溶融液体反応器の様々な反応器構成を示す。
図10B図10Bは、溶融液体反応器の様々な反応器構成を示す。
図10C図10Cは、溶融液体反応器の様々な反応器構成を示す。
図10D図10Dは、溶融液体反応器の様々な反応器構成を示す。
図10E図10Eは、溶融液体反応器の様々な反応器構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の新規な要素は、化学物質を気相及び凝縮相の化学生成物に変えるために高温及び高圧環境において使用する化学反応器システムに関する。種々の実施形態には、天然ガスなどの炭化水素ガスから炭素(例えば固体炭素など)及び気相生成物を製造し、反応環境から固体炭素及び気相化学副生成物として分離し、除去することができる連続及びセミバッチプロセスが含まれる。いくつかの実施形態において、メタンを高温溶融塩及び/又は溶融金属を充填した反応器に導入して化学生成物として炭素及び分子状水素を製造することができる。製造された炭素を溶融媒体に分散し、本明細書に記載されるいくつかのサブシステムの1つにより反応器から連続的又は周期的に除去することができる。これら及び他の特徴は、添付の図面及び特許請求の範囲と合わせて以下の詳細な説明からより明確に理解されるだろう。
【0010】
本明細書に開示されるシステム及び方法は、高温多成分液体環境において液相及び気相化学生成物を製造すること並びに固相、気相及び液相成分を分離するための連続的又はセミバッチプロセスに関する。このシステム及び方法はまた、メタン分解から製造された固体炭素を溶融塩及び/又は溶融金属懸濁液から濃縮し、分離する方法に関する。溶融媒体からのインサイチュ(in-situ)及びエクスサイチュ(ex-situ)炭素分離の両方の実施形態を記載する。
【0011】
固体を含む多相生成物を製造する化学反応は一般的である。高圧及び高温で実施され、固体生成物が製造されるこのような反応における特定の課題は、気相生成物及び固相生成物を反応器から別々に分離し、除去することである。本明細書に開示されるシステム及び方法は、これらの固体を反応環境から除去する方法に関する。
【0012】
水素及び炭素原子を含有する物質の非酸化的脱水素化及び分解(熱分解)は、固体触媒上で実行されてきた。残念ながら、固体触媒は炭素析出(コークス化)により急速に不活性化され、炭素の除去は難しい。約700~1000℃の温度の溶融塩及び/又は溶融金属を含有する反応環境においてこれらの物質を接触させると、触媒をコークス化させずに物質を分解して液相及び気相生成物に懸濁する固体炭素を形成することが可能となる。未解決の問題は、反応環境(例えば液相)からの固体炭素の除去である。
【0013】
問題を説明するために、図1Aを参照する。示されるように、反応物質1を高温及び高圧に維持され、液体反応媒体3を含有する反応容器2へ気泡5を形成するガス分配界面4を通じて導入することができ、これによりガスを液体反応媒体3と接触させることができる。反応器内で起こる化学反応は、液体中に懸濁する固体生成物6或いはガス出口8から離れることができる気相生成物を製造する。種々の特性の内、反応容器2へのガス導入速度並びに固体及び液体反応媒体3の相対密度に応じて、液体媒体3と混合する固体は、懸濁したままであってよく、又は液体反応媒体3及び固体6の間の密度の差に応じて、反応器の上部7又は下部に蓄積してもよい。気相生成物及び未反応の供給ガスは、反応器上部のガス出口8又は別の出口の開口部から出ることができる。反応器を出たガスは、サイクロン分離器11に入り、ガスはボルテックスファインダー12を通して出る。いくつかの実施形態において、圧力1~30バール(bar)及び温度700~1300℃に維持されていてもよく、溶融塩及び/又は溶融金属並びに固体炭素及び気体水素に変わる気相反応物質を含有する反応容器2に、主としてメタンを含有する天然ガスを導入してもよい。炭素は溶融媒体に懸濁されていてもよく、この2個の相を分離するために本明細書に詳述されるシステム及び方法を用いることができる。
【0014】
図1Bは、固体生成物を反応器から運搬するのを助けるために補助ガス流28を上部空間に導入することができる同様の実施形態を示す。図1Aに示されるように、反応物質1を高温及び高圧に維持され、液体反応媒体3を含有する反応容器2へと気泡5を形成するガス分配界面4を通して導入することができ、これによりガスを液体媒体3と接触させることができる。反応器内で起こる化学反応は、液体中に懸濁する固体生成物6或いはガス出口8から離れることができる気相生成物を製造する。種々の特性の内、反応器2へのガス導入速度並びに固体及び液体反応媒体3の相対密度に応じて、液体反応媒体3と混合する固体は、懸濁したままであってよく、又は液体媒体3及び固体6の間の密度の差に応じて、反応器の上部7又は下部に蓄積してもよい。固体生成物の一部を気相生成物で取り込んでもよい。気相生成物、未反応の供給ガス、及び取り込まれた固体生成物は、反応器上部のガス出口8又は別の出口の開口部を通して出ることができる。固体生成物を反応器から運搬するのを助けるために補助ガス流28を上部空間に導入してもよい。補助ガス流の流速を、気相生成物、未反応の供給ガス、及び補助ガス流の総流速が固体生成物の少なくとも一部を流動化し、取り込むのに充分であるように、選択することができる。反応器を出るガスは、固相生成物の少なくとも一部を分離することができるサイクロン分離器11に入ることができ、気体はボルテックスファインダー12を通して出ることができる。いくつかの実施形態において、圧力1~30バール(bar)及び温度700~1300℃に維持されていてもよく、溶融塩及び/又は溶融金属並びに固体炭素及び気体水素に変わる気相反応物質を含有する反応容器2に、主としてメタンを含有する天然ガスを導入してもよい。炭素は溶融媒体に懸濁されていてもよく、この2個の相を分離するために本明細書に詳述されるシステム及び方法を用いることができる。
【0015】
図1Aに示される実施形態を本明細書に記載されるセミバッチプロセスとともに用いてよい。いくつかの態様において、図1Bに示される実施形態を、反応容器2から出る望ましい気相流速を提供するために補助ガス流28に基づく連続プロセスで用いることができる。
【0016】
本明細書で開示される場合、高温、高圧、三相分離プロセスを用いることができ、気相成分を液体及び懸濁固体粒子の混合物から遊離させることができる。2つの凝縮相を、固体の浮揚、ろ過、及び/又はガス圧での運搬により分離することができる。分離プロセスは、反応容器内部(例えばインサイチュ)又は異なる容器(例えばエクスサイチュ)中のいずれかで起こることができる。
【0017】
液体を充填した反応環境に蓄積している固体生成物を除去することは、高温及び高圧では挑戦的かつ困難であり得る。主としてメタンである、低級アルカンを含有する天然ガスの化学的変換においては、気泡塔型反応器内で溶融金属及び/又は溶融塩を用いる方法で、ガスを熱分解して固体炭素及び分子水素、Hを形成することができる。プロセスは、約700℃より高い温度及び1バール(bar)より大きな圧力で行われる。固体炭素は、液体中に蓄積することができ、反応器の上部に濃縮することができる、又は高いガス流速下で(例えば高いホールドアップで)、液体中に均一に混合することができる。本明細書に開示されるシステム及び方法は、液体反応媒体からの固体炭素の濃縮及び分離に関連する。
【0018】
炭素及び水素を有する分子を含有する反応ガスは、高温溶融塩及び/又は溶融金属を通してバブリングされる場合、固体炭素及び分子水素に分解することができる。固体炭素生成物は液体媒体中に懸濁されていてもよい。図1A及び1Bに概略的に示される実施形態において、反応は気泡塔型反応容器2内で起き、高いガスホールドアップで固体炭素が液体中に懸濁する。この反応器は、ガス生成物及び未反応の反応物質がシステムから離れるガス出口8で、流出流を有していてもよい。一度液体中に蓄積された炭素を除去するため
のいくつかの実施形態が記載される。
【0019】
いくつかの態様において、プロセスを、固体をガス圧で運搬する単一の容器、セミバッチ浮揚プロセスを用いて実行することができる。図1A及び2~4を参照すると、システムは、固体炭素を液体反応媒体3から分離するプロセスの実施形態を示す。システムは、それぞれ図1A、2、3、及び4に概略的に表されるステップを含む、セミバッチプロセスとして動作することができる。ステップ1において(例えば図1Aに示されるように)、炭化水素ガス(例えばメタンを含有するガス、実質的に全てがメタン、炭化水素の混合物など)を入口ガス流1として液体反応媒体3で充填された反応器2へと導入することができる。液体反応媒体3は、溶融塩及び/又は溶融金属を含んでもよい。入口ガス流1中の炭化水素ガスは、ガス分配器4を通過して液体反応媒体3中に気泡5を形成することができる。気泡5中の炭化水素ガスの少なくとも一部を熱分解して固体炭素6及び水素ガスを形成することができる。
【0020】
反応容器2に入る炭化水素ガス流速を、約10%~約40%、又は約20%のホールドアップを達成するよう調整することができる。ホールドアップとは、液相内に存在するガスの量を指し、また反応容器2中の液相及び気相の間の混合領域を決定する。この反応段階中、固体生成物を液体反応媒体3内で混合することができる乱流領域を提供するようホールドアップを調整することができる。水素、気相に残っている未反応の炭化水素(例えばメタンなど)、及び固体生成物の一部は、液面7で遊離され、反応容器2の上部のガス出口8から流出ガス流として開口部を通して出ることができる。図1Bに示されるようないくつかの態様において、反応器から固体生成物を運搬するのを助けるために補助ガス流28を上部空間へ導入することができる。反応器から出るガス及び取り込まれた固体はサイクロン11に輸送され、ガスはボルテックスファインダー12を通して出る一方、炭素の少なくとも一部は分離されることができる。
【0021】
セミバッチプロセスにおいて液体反応媒体3中に残っている固体炭素を分離するために、気泡塔をチャーン乱流状態(~20%ホールドアップ)から図2に示される気泡流状態(~2~10%ホールドアップ、又は約5%ホールドアップ)に遷移するよう炭化水素ガス流速を低減することができる。乱流の減少に基づいて、固体炭素は液体反応媒体3の液面に浮揚により移動することができる。固体炭素は、ガス流の一部が反応器2中に依然として存在していても、合体して液体反応媒体3の面に分離層を形成することができる。
【0022】
ステップ3(例えば図3に示される)において、液体媒体を反応容器2の下部に位置する出口又は管から排出することができる。液体反応媒体3を、固体炭素層が反応容器2に残るよう排出することができる。いくつかの実施形態において、固体炭素を反応容器2内に保持するために反応容器2内及び/又は排水管10内にフィルター9又は他の装置を用いることができる。例えば、フィルター9は、液体反応媒体3が通過できる一方軽量な炭素層を保持するよう配置された多孔性セラミック構造を備えていてもよい。いくつかの実施形態において、炭素除去ステップに移る前に固体炭素を残して液体塩などの過剰な液体反応媒体を排出することができる。
【0023】
ステップ4(例えば図4に示される)において、炭素を乾燥させ、ガス圧で運搬するよう反応器中のガス流を増加することができる。ガス流は、ガス生成物リサイクル流、不活性ガス、及び/又は炭化水素ガスなどの任意の適したガス流を含むことができる。炭素を反応容器2の上部の開口部からガス出口8までガス圧で運搬するようガス流速を選択することができる。ガス及び取り込まれた炭素は、サイクロン分離器11に入り、ガスは中央のボルテックスファインダー12から離れる。炭素はサイクロンの下部から出て、炭素は弁13により進行を妨げられる。炭素は、第1の弁13から測量され、ロックホッパー分離チャンバ14に入ることができる。炭素は第2の弁15を通して出て、開口部16を通
してシステムから離れることができる。固体を、サイクロン分離器、フィルター、沈殿室、又は同種のものなどの任意の適したガス/固体分離器を用いて反応容器2の外部でガス流から除去することができると理解されるべきである。固体炭素の除去に続けて、溶融媒体を反応容器へ再導入することができ、ガス生成物及び固体炭素を製造し続けるためにサイクルを繰り返す(例えば図1A又は1Bに示される実施形態に戻る)。
【0024】
いくつかの態様において、プロセスを、圧力を上げ、固体をガス圧で運搬する単一の容器、セミバッチ浮揚プロセスを用いて実行することができる。ここでは図5A~7を参照する。この実施形態において、システムは、それぞれ図5A/5B、6、及び7に表されるいくつかのステップを含む、セミバッチプロセスとして動作することができる。ステップ1(例えば図5A及び/又は5Bに示される)において、炭化水素ガス1(例えばメタンなど)をガス分配器4により液体反応媒体3(例えば溶融塩、溶融金属、溶融塩及び/又は溶融金属)で充填された反応容器2へ導入して気泡5を形成することができる。炭化水素ガス中の炭化水素を熱分解して固体炭素6及び水素ガスを形成することができる。炭化水素ガスの流速を、反応プロセス中約10%~約40%、又は約20%のホールドアップを達成するよう調整することができる。水素、未反応の炭化水素、及び固体炭素生成物の一部は液体反応媒体の液面7で遊離し、反応容器2の上部のガス出口8を通して出ることができる。反応器から離れる、ガス及び運搬された固体を、炭素を分離することができるサイクロン10に輸送することができ、ガスはボルテックスファインダー9から出る。入口ガス接続13を反応容器上部空間に配置することができ、本明細書でさらに詳述するように、固体炭素の除去に役立つ目的で、補助ガス流13などの追加のガスを反応器へ流すために用いることができる。図5Aに示されるように、反応が活発に行われている最中には補助ガス流13を用いなくてよい。あるいは、図5Bに示されるように、反応中に反応器から固体炭素の少なくとも一部を運搬するために補助ガス流13を反応中に用いることができる。
【0025】
側脚14を反応容器2の下部に接続することができる。側脚14は、滞留した液体反応媒体3を含むことができる。側脚14中の液体反応媒体の液面15の圧力を、反応容器中の液体高さを調整するよう制御することができる。さらに、側脚14に含まれる液体反応媒体の量は、反応容器2内の液体高さが望ましい高さ範囲に制御されることを可能とするよう構成されることができる。
【0026】
ステップ2(例えば図6に示される)において、気泡塔を気泡流状態に遷移するよう(例えばホールドアップ率を低下させる)炭化水素ガス流速を低減することができる。乱流が少ない状態においては、固体炭素は液体反応媒体3の液面7に浮揚により移動することができる。
【0027】
ステップ3(図7に示される)において、反応器内部の液体高さを側脚14内部の圧力を用いて修正することができる。例えば、液体反応媒体3を側脚14から反応容器2へ移すために反応器のガス上部空間及び側脚の間の差圧を用いることができ、これにより浮揚した炭素を反応容器2からガス圧で運搬することができる位置へと動かす。
【0028】
一旦液体反応媒体高さが上昇すると、固体炭素を反応容器2からガス圧で運搬するのを助けるためにガスをガス接続13により反応容器2の上部に導入することができる。ガス速度を増加させ、固体炭素をガス圧で運搬するのをさらに助けるために出口開口部を反応器の断面積よりも小さく維持することができる。反応容器2を離れるガス流は、炭素をガス圧で運搬することができる。ガス及び取り込まれた炭素は、サイクロン分離器10に入り、ガスは中央のボルテックスファインダー9から離れる。炭素はサイクロンの下部から出て、炭素は弁11により進行を妨げられる。炭素は、第1の弁11から測量され、ロックホッパー分離チャンバ12に入ることができる。炭素は第2の弁16を通して出て、開
口部17を通してシステムから離れることができる。固体は、サイクロン、フィルター、沈殿室、又は同種のものなどの任意の適したガス/固体分離器を用いて反応容器2の外部でガス流から除去することができると理解されるべきである。固体炭素の除去に続けて、反応容器2中の液体反応媒体の高さを主要な反応が起こるのに必要な高さに戻すよう調節するよう側脚14の差圧を調整することができる。第3のステップ中流体高さはほとんど静止しているが、第1のステップにおいては主要な反応プロセス中流体高さは急速に振動すると留意すべきである。液体高さが静止していると、炭素がシステムを出る予定の管を水平又はゆるやかに傾斜させることを可能とするが、液体を開口部から離さないことを可能とする。ステップ1において炭素の除去を試みる場合、水平な角度の管は、管を通じた液体流を防ぐために増加する必要があるだろう。
【0029】
いくつかの態様において、プロセスを、連続的又はセミバッチガス圧運搬を備える循環ループ構成を用いて実行することができる。図8を参照する。この実施形態において、メタンなどの炭化水素ガス1を、溶融塩及び/又は溶融金属などの液体反応媒体3で充填することができる反応容器2にガス分配器4により導入して気泡5を形成することができる。反応器2内で、炭化水素ガス中の炭化水素を熱分解して固体炭素6及び水素ガスを形成することができる。炭化水素ガス流速を、例えば、約10%~約40%、又は約20%のホールドアップを達成することにより、乱流領域を形成するよう反応プロセス中に調整することができる。水素及び未反応のメタンを液体反応媒体3の液面7で遊離することができる。液体反応媒体3及び炭素は、反応容器の上部を離れてフィルター16を超えて流れることができる。炭素17は、フィルター上に蓄積することができる。追加ガスをフィルターの上方の上部空間に位置するガス入口13から導入することができる。追加ガスは、いくつかの実施形態においてリサイクルされた生成物ガス流であってよい。ガス流は、炭素及び生成物ガスが出口12からシステムから出るよう、出口ガスとともに炭素をガス圧で運搬することができる。任意の取り込まれた溶融液体媒体3について液体反応媒体(例えば、液体塩、液体金属など)廃液を反応器2に戻して炭素を運搬できるようフィルター及び出口管を斜めに配置することができる。
【0030】
いくつかの実施形態において、出口管は、ガス速度を増加させ、ひいては炭素をガス圧で運搬する能力を強化するよう物質の輸送方向に狭くすることができる。ガス及び取り込まれた炭素は、サイクロン分離器9に入り、ガスは中央のボルテックスファインダー8から離れる。炭素はサイクロンの下部から出て、弁10により進行を妨げられる。炭素は、第1の弁10から測量され、ロックホッパー分離チャンバ11に入ることができる。炭素は第2の弁14を通して出て、開口部15を通してシステムから離れることができる。固体は、サイクロン、フィルター、沈殿室、又は同種のものなどの任意の適したガス/固体分離器を用いて反応容器2の外部でガス流から除去することができると理解されるべきである。液体は下降管18を通じて容器に戻ることができる。フィルターからの炭素除去を、連続的又は周期的に実行することができる。炭素の周期的除去は、上部入口13によりガス流を調節又は制御することにより達成することができる。低いガス流下では、炭素はフィルター上に残ることができる。ガス流を増加させると、炭素をガス中にガス圧で運搬し、システムから出ることができる。
【0031】
いくつかの実施形態において、炭素を反応器から運搬するための周期的除去をしながら、ノズル、ジェット又は他の設計を用いることができる。上部入口13は単一の入口のみを示すが、固体炭素を取り込み、出口から運搬する目的でガス流を提供するために反応器内に一連の入口又はノズルを用いることもできる。
【0032】
いくつかの態様において、逆流サイクロン構成を用いることもできる。図9を参照する。この実施形態において、メタンなどの炭化水素ガス1を液体反応媒体3(例えば、溶融塩及び/又は溶融金属)で充填された反応容器2にガス分配器4を通して導入して気泡5
を形成することができる。炭化水素ガスを熱分解して固体炭素6及び水素ガスを形成することができる。炭化水素ガス流速を、反応器内で乱流混合を達成するよう調整することができる。いくつかの実施形態において、炭化水素ガス流速を約20%のホールドアップを達成するよう調整することができる。水素及び未反応の炭化水素を液体反応媒体の液面7で遊離し、反応容器2の上部の出口8を通して出ることができる。
【0033】
反応プロセス中、流体は反応器2の上方へ、減少部11を通じて、逆流サイクロン12の下方へ、そして逆流13により反応器に戻って流れることができる。逆流サイクロンは、密度の差により固体から液体を分離するのに役立つことができる。逆流サイクロンにおいて、比較的固体が多い流は、上部から離れることができ、比較的流体が多い流は、下部から離れる。減少部11内では、液体反応媒体及び炭素スラリーは、出口ガスが逆流サイクロン12に入らないよう封を形成することができる。逆流サイクロンを離れる固体炭素を、液体塩などの任意の残りの液体反応媒体を除去するようさらに処理することができる。
【0034】
いくつかの構成において、反応器内に形成された任意の固体を粉砕するのに役立つためにある装置を用いることができる。図10A~10Eを参照すると、反応器アセンブリ31は、2個の加熱チャンバ又は容器、反応チャンバ32及びリフトガスチャンバ33を含むことができる。いくつかの実施形態において、2個のチャンバ32、33を、この2個のチャンバ間に圧力壁を備える単一の容器内に配置することができる。反応及びリフトガスチャンバは、開口部34により通じることができ、これにより流体が2個のチャンバ間を流れ、各チャンバが同じ高さに達することができる。いくつかの実施形態において、この流体は、例えば、液体反応媒体の一部としての、溶融金属及び/又は溶融塩であってよい。
【0035】
炭化水素ガス又は供給原料を、開口部35から反応チャンバ32の下部へと導入することができ、ついで固体フラクション(例えば、固体炭素など)及びガス生成物(例えば、水素ガスなど)に分解することができる。気体フラクションは、固体生成物の一部とともに出口36から反応チャンバ32を出ることができるが、固体の一部は反応チャンバ32中の液体反応媒体内に分散したままである。操作のある期間の後、流体は固体生成物で飽和することができる。この時点で、炭化水素供給原料の導入を減少又は完全に停止することができる。これにより流体フラクションより密度が低い固体フラクションを液体反応媒体の上部へ浮揚させることが可能となり、固体フラクション内に含有する任意の流体を固体フラクションから排出できるよう固体フラクションをある期間放置する。このプロセスを援助するようこの期間中反応チャンバの温度を調整してよい(例えば、液体反応媒体を液相に維持するよう加熱するなど)。リフトガス入口37を介してリフトガスを導入することによりリフトチャンバ33を加圧することができ、リフトガスは、開口部34を通した流体の移動により反応チャンバ32内の流体高さを上昇させることができる。これにより固体フラクション38が液体反応媒体上に浮揚する固体フラクションを粉砕する1つ又は複数の鋭利な格子39、40の第1のものを強制的に通過する。1つより多い格子が存在する場合、追加の格子40は、他の格子と中心がずれる及び/又は微細な間隔を含有することができる。固体フラクションは上昇する流体により格子を通して上昇するので、これにより固体フラクションがさらに粉砕してよい。
【0036】
固体フラクションが出口36の高さまで到達すると、加圧ガスをガス入口42から導入することができ、加圧ガスはノズル41を介して反応チャンバに入る。固体物質は加圧ガスに取り込まれ、出口36から反応チャンバを離れることができる。一旦固体フラクションの少なくとも一部が除去されると、流体高さが両反応チャンバ32、33で同じになるまでリフトガス入口37を介してリフトチャンバを減圧することができる。固体物質の一部を除去しながら、プロセスを繰り返すことができる。
【0037】
いくつかの構成において、2個のチャンバの下部は傾いてよく、流体を両チャンバから排出させるために排水管43を最低地点近くに配置してよい。
【0038】
いくつかの構成において、リフトガス入口37は、第3のチャンバに直接接続してよく、第3のチャンバは、加熱した容器の温度を反応及びリフトガスチャンバの温度と独立して調整することができる加熱した容器内部に位置する。リフトガスチャンバ33内部の圧力をこの第3のチャンバの温度を変えることにより調整することができ、その結果反応チャンバ32の流体高さを制御するための弁が必要ない。
【0039】
いくつかの実施形態において、固体フラクションを粉砕し、ガスに固体フラクションを取り込ませることを助けるために追加の構造を反応チャンバ32内部の1つ又は複数の格子39、40の上方に配置することができる。図10Eは、反応チャンバ32内に回転して取り付けることができるスピナー又はレーキを示す。ガス入口及びノズル41を通過するガスを、スピナーに衝突してスピナーを反応チャンバ32内で回転させるよう構成することができる。回転運動は、固体フラクションを粉砕してガス流内により容易に取り込まれることができるより小さな部分を作製することができる。スピナーはまた、固体フラクションの破片を出口36へ移動するのに役立つことができる。チャンバ内に取り付けることができる断面を有するように示されるが、スピナーが水平に回転することができるようにスピナーを反応器の主軸に沿って取り付けることもできる。他の実施形態は、ガスがノズル41を通過するときに回転するよう反応チャンバ32内に横方向又は軸方向に取り付けることができるらせん構造、ブレード、及び同種のものを含むことができる。
【0040】
様々なシステム及び方法を記載してきたが、特定の態様としては、限定されないが、以下を挙げることができる。
【0041】
第1の態様において、プロセスは、化学反応物質を高温に維持した液体を含有する反応器へ導入すること、前記液体中に前記液体と混合した固体化学生成物を含む化学生成物を製造すること、前記固体生成物の粒径を成長させること、前記固体生成物を前記液体中に蓄積すること、及び前記固体生成物を前記反応器から除去することを含む。
【0042】
第2の態様は、前記化学反応物質は、限定されないが、天然ガス成分、石油成分、バイオマス、及びポリマーを含む、炭素及び水素を含有する分子である、第1の態様に記載のプロセスを含むことができる。
【0043】
第3の態様は、前記反応器は、気泡塔である、第1又は第2の態様に記載のプロセスを含むことができる。
【0044】
第4の態様は、温度は、400℃~1500℃であり、圧力1バール(bar)~40バール(bar)である、第1~第3の態様のいずれか1つに記載のプロセスを含むことができる。
【0045】
第5の態様は、前記液体は、溶融塩、溶融金属、又は溶融塩及び溶融金属の組み合わせである、第1~第4の態様のいずれか1つに記載のプロセスを含むことができる。
【0046】
第6の態様は、前記炭素及び水素を含有する反応物質は、分解されて固体炭素を形成し、前記固体炭素は、前記液体内で凝集し、成長して粒径1μmを超える粒子を形成する、第2~第5の態様のいずれか1つに記載のプロセスを含むことができる。
【0047】
第7の態様は、前記固体粒子はバブリングガスを用いた浮揚により前記液体の液面の上
部に蓄積する、第1~第6の態様のいずれか1つに記載のプロセスを含むことができる。
【0048】
第8の態様は、前記固体は前記液体の上部に蓄積し、前記固体をガス流のガス圧での運搬によりシステムから除去する、第1~第7の態様のいずれか1つに記載のプロセスを含むことができる。
【0049】
第9の態様は、前記反応器中の前記液体高さは、付着した側脚の圧力を変えることにより調整される、第1~第8の態様のいずれか1つに記載のプロセスを含むことができる。
【0050】
第10の態様は、固体生成物はフィルター上に蓄積し、ガス圧での運搬によりフィルターから除去される、第1~第9の態様のいずれか1つに記載のプロセスを含むことができる。
【0051】
第11の態様は、前記液体及び固体粒子は、固体分離用の別の容器に輸送される、第1~第10の態様のいずれか1つに記載のプロセスを含むことができる。
【0052】
第12の態様は、前記固体粒子を反応器から運搬するのを助けるために補助ガス流が導入される、第1~第11の態様のいずれか1つに記載のプロセスを含むことができる。
【0053】
第13の態様において、方法は、炭化水素反応物質を、液体反応媒体を含む反応器へ導入すること、前記炭化水素反応物質を前記液体反応媒体と接触させることに基づいて前記反応器内に固体炭素を形成すること、前記反応器への前記炭化水素反応物質の導入を停止すること、前記反応器への前記炭化水素反応物質の導入を停止した後に前記固体炭素を前記液体反応媒体から分離すること、前記液体反応媒体を前記反応器から排出すること、及び前記反応器内の前記固体炭素をガス圧で運搬することを含む。
【0054】
第14の態様は、取り込まれた前記固体炭素を、前記反応器からガス圧で運搬するガス流中に除去することをさらに含む、第13の態様に記載の方法を含むことができる。
【0055】
第15の態様は、前記固体炭素を前記ガス圧で運搬するガス流から分離することをさらに含む、第14の態様に記載の方法を含むことができる。
【0056】
第16の態様は、前記液体反応媒体を前記反応器から排出する時前記固体炭素をフィルター上に蓄積することをさらに含む、第13の態様に記載の方法を含むことができる。
【0057】
第17の態様は、前記炭化水素反応物質は、限定されないが、天然ガス成分、石油成分、バイオマス、及びポリマーを含む、炭素及び水素を含有する分子を含む、第13~第16の態様のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0058】
第18の態様は、前記反応器は、気泡塔である、第13~第17の態様のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0059】
第19の態様は、前記反応器内の温度は、400℃~1500℃であり、圧力は、1バール(bar)~40バール(bar)である、第13~第18の態様のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0060】
第20の態様は、前記液体反応媒体は、溶融塩、溶融金属、又は溶融塩及び溶融金属の組み合わせを含む、第13~第19の態様のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0061】
第21の態様は、前記固体炭素は、前記液体反応媒体内で凝集し、成長して粒径1μmを超える粒子を形成する、第13~第20の態様のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0062】
第22の態様は、前記固体炭素は、バブリングガスを用いた浮揚により前記液体反応媒体の上部に蓄積する、第13~第21の態様のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0063】
第23の態様は、前記反応器中の前記液体高さは、備え付けられた側脚の圧力を変えることにより調整される、第13~第22の態様のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0064】
第24の態様は、前記液体及び固体粒子は、固体分離用の別の容器に輸送される、第13~第23の態様のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0065】
第25の態様において、方法は、炭化水素反応物質を、液体反応媒体を含む反応器へ第1の速度で導入すること、前記炭化水素反応物質を前記液体反応媒体と接触させることに基づいて前記反応器内に固体炭素を形成すること、前記反応器への前記炭化水素反応物質導入を第2の速度へ減少させること、前記炭化水素反応物質導入を前記第2の速度へ減少させた後前記固体炭素を前記液体反応媒体から分離すること、前記反応器内の前記液体反応媒体の高さを上昇させること、及び前記反応器内の前記固体炭素をガス圧で運搬することを含む。
【0066】
第26の態様は、前記液体反応媒体の高さを上昇させることは、前記液体反応媒体の上部に分離された前記固体炭素を前記反応器の出口に又は近くに上昇させることを含む、第25の態様に記載の方法を含むことができる。
【0067】
第27の態様は、前記液体反応媒体の高さを上昇させることは、前記反応器と流体が連絡する側脚中の前記液体反応媒体の圧力を上昇させること、前記側脚中の前記液体反応媒体を前記反応器へと移動させること、及び前記側脚中の前記液体反応媒体を前記反応器へと移動させることに基づいて前記反応器内の前記液体反応媒体の高さを上昇させることを含む、第25又は第26の態様に記載の方法を含むことができる。
【0068】
第28の態様は、前記反応器内の前記固体炭素をガス圧で運搬することは、前記液体反応媒体の上方の前記反応器へガス圧で運搬する流体を注入すること、及び前記液体反応媒体上の前記固体炭素を前記ガス圧で運搬する流体によってガス圧で運搬することを含む、第25~第27の態様のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0069】
第29の態様は、前記ガス圧で運搬する流体は、前記反応器へノズルを通して注入される、第28の態様に記載の方法を含むことができる。
【0070】
第30の態様は、前記ノズルは、前記反応器の流体出口に隣接して配置される、第29の態様に記載の方法を含むことができる。
【0071】
第31の態様は、前記ガス圧で運搬された固体炭素を前記反応器からガス圧で運搬する流体流に除去することをさらに含む、第27~第30の態様のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0072】
第32の態様は、前記固体炭素を前記ガス圧で運搬するガス流から分離することをさらに含む、第31の態様に記載の方法を含むことができる。
【0073】
第33の態様は、スピナーがこの液体反応媒体の上方に配置され、前記方法は、前記スピナーの少なくとも一部を前記ガス圧で運搬する流体と接触させることに基づいて前記スピナーを回転すること、及び前記スピナーの回転に基づいて前記固体炭素を分解することをさらに含む、第27~第32の態様のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0074】
第34の態様は、前記反応器は、前記反応器内に配置される1つ又は複数の格子を備え、前記方法は、前記液体反応媒体の高さを上昇させる時前記固体炭素を前記1つ又は複数の格子を通して上昇させること、及び前記固体炭素を前記1つ又は複数の格子を通して上昇させることに基づいて前記固体炭素を分解することをさらに含む、第25~第33の態様のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0075】
第35の態様は、前記炭化水素反応物質は、限定されないが、天然ガス成分、石油成分、バイオマス、及びポリマーを含む、炭素及び水素を含有する分子を含む、第25~第34の態様のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0076】
第36の態様は、前記反応器は、気泡塔である、第25~第35の態様のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0077】
第37の態様は、前記反応器内の温度は、400℃~1500℃であり、圧力は、1バール(bar)~40バール(bar)である、第25~第36の態様のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0078】
第38の態様は、前記液体反応媒体は、溶融塩、溶融金属、又は溶融塩及び溶融金属の組み合わせを含む、第25~第37の態様のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0079】
第39の態様は、前記固体炭素は、前記液体反応媒体内で凝集し、成長して粒径1μmを超える粒子を形成する、第25~第38の態様のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0080】
第40の態様は、前記固体炭素は、バブリングガスを用いた浮揚により前記液体反応媒体の上部に蓄積する、第25~第39の態様のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0081】
第41の態様は、前記反応器中の前記液体高さは、備え付けらえた側脚の圧力を変えることにより調整される、第25~第40の態様のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0082】
第42の態様は、前記液体及び固体粒子は、固体分離用の別の容器に輸送される、第25~第41の態様のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0083】
第43の態様において、方法は、炭化水素反応物質を、液体反応媒体を含み、主要反応部、側脚、前記主要反応部及び前記側脚との間の上部接続、並びに前記主要反応部及び前記側脚との間の下部接続を備える反応器へ導入すること、前記炭化水素反応物質を前記液体反応媒体と接触させることに基づいて前記主要反応部内に固体炭素を形成すること、前記液体反応媒体、及び前記固体炭素の少なくとも一部を前記上部接続を通して流すこと、前記固体炭素を前記液体反応媒体から前記上部接続中の格子上に分離すること、及び前記固体炭素を前記反応器から除去するために前記格子上の前記固体炭素をガス圧で運搬することを含む。
【0084】
第44の態様は、前記ガス圧で運搬される固体炭素を前記反応器からガス圧で運搬するガス流を使用して除去することをさらに含む、第43の態様に記載の方法を含むことができる。
【0085】
第45の態様は、前記固体炭素を前記ガス圧で運搬するガス流から分離することをさらに含む、第44の態様に記載の方法を含むことができる。
【0086】
第46の態様は、前記炭化水素反応物質は、限定されないが、天然ガス成分、石油成分、バイオマス、及びポリマーを含む、炭素及び水素を含有する分子を含む、第43~第45の態様のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0087】
第47の態様は、前記反応器は、気泡塔である、第43~第46の態様のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0088】
第48の態様は、前記反応器内の温度は、400℃~1500℃であり、圧力は、1バール(bar)~40バール(bar)である、第43~第47の態様のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0089】
第49の態様は、前記液体反応媒体は、溶融塩、溶融金属、又は溶融塩及び溶融金属の組み合わせを含む、第43~第48の態様のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0090】
第50の態様は、前記固体炭素は、前記液体反応媒体内で凝集し、成長して粒径1μmを超える粒子を形成する、第43~第49の態様のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0091】
第51の態様は、前記固体炭素は、バブリングガスを用いた浮揚により前記液体反応媒体の上部に蓄積する、第43~第50の態様のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0092】
第52の態様は、前記反応器中の前記液体高さは、備え付けられた側脚の圧力を変えることにより調整される、第43~第51の態様のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0093】
第53の態様は、前記液体及び固体粒子は、固体分離用の別の容器に輸送される、第43~第52の態様のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0094】
第54の態様において、方法は、炭化水素反応物質を、液体反応媒体を含み、主要反応部、側脚、前記主要反応部及び前記側脚との間の上部接続、並びに前記主要反応部及び前記側脚との間の下部接続を備え、前記側脚は逆流サイクロンを備える反応器へ導入すること、前記炭化水素反応物質を前記液体反応媒体と接触させることに基づいて前記主要反応部内に固体炭素を形成すること、前記液体反応媒体、及び前記固体炭素の少なくとも一部を前記上部接続を通して流すこと、前記逆流サイクロン中で前記固体炭素を前記液体反応媒体から分離すること、及び前記固体炭素を前記反応器から前記逆流サイクロン中の出口を通して除去することを含む。
【0095】
第55の態様は、液体反応媒体を前記逆流サイクロンから前記反応器に前記下部接続を通して戻すことをさらに含む、第54の態様に記載の方法を含むことができる。
【0096】
第56の態様は、ガス流を前記反応器から前記反応器の上部のガス出口を通して除去することをさらに含む、第54又は第55の態様に記載の方法を含むことができる。
【0097】
第57の態様は、前記炭化水素反応物質は、限定されないが、天然ガス成分、石油成分、バイオマス、及びポリマーを含む、炭素及び水素を含有する分子を含む、第54~第56の態様のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0098】
第58の態様は、前記反応器は、気泡塔である、第54~第57の態様のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0099】
第59の態様は、前記反応器内の温度は、400℃~1500℃であり、圧力は、1バール(bar)~40バール(bar)である、第54~第58の態様のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0100】
第60の態様は、前記液体反応媒体は、溶融塩、溶融金属、又は溶融塩及び溶融金属の組み合わせを含む、第54~第59の態様のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0101】
第61の態様は、前記固体炭素は、前記液体反応媒体内で凝集し、成長して粒径1μmを超える粒子を形成する、第54~第60の態様のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0102】
第62の態様は、前記固体炭素は、バブリングガスを用いた浮揚により前記液体反応媒体の上部に蓄積する、第54~第61の態様のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0103】
第63の態様は、前記反応器中の前記液体高さは、備え付けられた側脚の圧力を変えることにより調整される、第54~第62の態様のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0104】
第64の態様は、前記液体及び固体粒子は、固体分離用の別の容器に輸送される、第54~第63の態様のいずれか1つに記載の方法を含むことができる。
【0105】
本明細書において実施形態は、図面を参照して論じられる。しかしながら、当業者は、本明細書において示されるこれらの図面に関する詳細な説明は説明を目的とするものであって、システム及び方法がこれらの限定的な実施形態に限られないことを容易に理解するだろう。例えば、当業者は、本発明の記載の教示を考慮すると、記載され、示される以下の実施形態における特定の実行選択肢を越えて、本明細書に記載される任意の細部の機能性を実行するために、特定の用途の必要性に応じて、さまざまな代わりの及び適した手法を認識するだろう。すなわち、多すぎて列挙できないが、全てが本発明の記載の範囲内に収まる非常に多くの修正および変形がある。また、適切な場合、単数形の単語は複数形と、複数形の単語は単数形と、男性名詞は女性名詞と、女性名詞は男性名詞と解されるべきであり、別の実施形態ではこの2つは相互排他的であるとは必ずしも意味しない。
【0106】
本明細書に記載される、方法論、化合物、材料、製造技術、用法、及び応用は、変わってよいので、本発明の記載は、本明細書に記載される、特定の方法論、化合物、材料、製造技術、用法、及び応用に限定されないとさらに理解されるべきである。また、本明細書において用いられる用語は、特定の実施形態を説明する目的でのみ用いられ、本発明のシステム及び方法の範囲を制限することを意図しないとも理解されるべきである。本明細書において用いられる場合及び添付の特許請求の範囲において(本出願、又は本出願に由来
する任意の出願において)、単数形「1つの(a)」「1つの(an)」及び「1つの(the)」は、文脈上特に明記されていない限り複数の参照を含むことに留意する必要がある。したがって、例えば「1つの要素」に対する参照は、1つ又は複数の要素に対する参照であり、当業者に公知の参照の等価物を含む。用いられる全ての接続詞は、可能な最も包括的な意味に理解されるべきである。したがって、単語「又は」は、文脈上特に必要としない限り論理的な「排他的な又は」の定義より論理的な「又は」の定義を有するとして理解されるべきである。本明細書に記載される構造はまた、このような構造の機能的等価物を指すとも理解されるべきである。近似を表すと解釈されてよい用語は、文脈上特に明記されていない限りそのように理解されるべきである。
【0107】
特に指定のない限り、本明細書において用いられる全ての技術的及び科学的用語は、この記載が属する技術分野の当業者によって通常理解されるのと同一の意味を有する。本明細書に記載されるものと類似する又は等価な任意の方法、技術、装置、又は材料を本発明のシステム及び方法の実施又は試験に用いてよいが、好ましい方法、技術、装置、及び材料が記載される。本明細書に記載される構造は、このような構造の機能的等価物を指すとも理解されるべきである。本発明のシステム及び方法は、添付の図面に示される本発明のシステム及び方法の実施形態を参照して詳述される。
【0108】
本開示を読むと、他の変形及び修正は当業者にとって明らかとなるだろう。このような変形及び修正は、当該技術分野において既知であり、本明細書において既に記載された特徴の代わりに又は加えて用いてよい等価物及び他の特徴を含んでよい。
【0109】
特許請求の範囲は、本出願又は本出願に由来する任意のさらなる出願における特徴の特定の組み合わせからなるが、本開示の範囲はまた、いずれかの請求項で請求されるものと同一のシステム又は方法と関係するか、並びに本発明のシステム及び方法と同一の技術的課題の全て又はいずれかを軽減するかに関わらず、本明細書に明示的または暗示的に開示された任意の新規な特徴又は特徴の任意の新規な組み合わせ、又はそれらの任意の一般化を含むと理解されるべきである。
【0110】
別々の実施形態の文脈において記載される特徴を、単一の実施形態に組み合わせて提供してもよい。逆に、簡潔のために、単一の実施形態の文脈において記載される様々な特徴を別々に又は任意の適したサブコンビネーションで提供してもよい。本明細書の出願人は、新しい請求項を本出願又は本出願から由来する任意のさらなる出願の手続きの実行中にこのような特徴及び/又はこのような特徴の組み合わせにまとめることを届け出てよい。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
【国際調査報告】