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特表2023-517263パンティライナーと月経パッドのシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-25
(54)【発明の名称】パンティライナーと月経パッドのシステム
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/511 20060101AFI20230418BHJP
   A61F 5/44 20060101ALI20230418BHJP
   A61F 13/472 20060101ALI20230418BHJP
   A61F 13/53 20060101ALI20230418BHJP
   A61F 13/534 20060101ALI20230418BHJP
【FI】
A61F13/511 300
A61F5/44 Z
A61F13/472 400
A61F13/511 400
A61F13/53 100
A61F13/534
A61F13/534 110
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022526040
(86)(22)【出願日】2020-11-04
(85)【翻訳文提出日】2022-07-01
(86)【国際出願番号】 IB2020000911
(87)【国際公開番号】W WO2021090060
(87)【国際公開日】2021-05-14
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522176403
【氏名又は名称】スモール ヘルシー エンバイロメント リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Small Healthy Environment Limited
【住所又は居所原語表記】Unit C, 8/f, Wing Hang Insurance Building, 11 Wing Kut Street, Sheung Wan, Hong Kong ,Hong Kong, Sar, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002295
【氏名又は名称】弁理士法人M&Partners
(72)【発明者】
【氏名】ロ カム ファイ
(72)【発明者】
【氏名】ロ パク イン
【テーマコード(参考)】
3B200
4C098
【Fターム(参考)】
3B200AA03
3B200AA15
4C098AA10
4C098DD01
4C098DD05
4C098DD10
4C098DD25
(57)【要約】
【課題】
月経困難症または他の生理学的状態に関連する望ましくない状態を緩和するために使用することができるパンティライナー及び月経パッドのシステムを提供する。
【解決手段】
本発明のパンティライナーは、複合材料のトップ層と、通気層と、通気性材料のベース層とを含む。本発明の月経パッドは、複合材料のトップ層と、エアレイド層と、エアレイド層の内側の高吸着性ポリマー層と、通気層と、通気性のあるベース層とを含んでいる。本発明のパンティライナー及び月経パッドのシステムは、月経周期中の痛み及び他の望ましくない症状の減少を提供するのに有用である。別の利点において、右配置ガイド及び左配置ガイドは、使用者の下着に対して本発明の月経パッドを正確に配置することを補助するために提供される。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合材料のトップ層と、通気層と、通気性材料のベース層とを備え、
前記複合材料のトップ層は、
少なくとも1層の液体透過性材料と、少なくとも1層の構造化粘着剤と、少なくとも1層のポリエチレン-ポリプロピレン鞘芯2成分スパンボンドファブリックと、を有し、
使用者の月経前段階の使用に適合、構成されているパンティライナー。
【請求項2】
前記少なくとも1層の液体透過性材料は、ポリエチレンから合成された不織布により構成され、
前記少なくとも1層のポリエチレン-ポリプロピレン鞘芯2成分スパンボンドファブリックは、繊維を含み、各繊維は、芯部と鞘部とを有し、
前記芯部は、主材料としてポリプロピレン、副材料としてナノサイズの金属化合物から構成され、
前記鞘部は、ポリエチレンを主材料とし、ナノサイズの金属化合物を副材料として構成されることを特徴とする請求項1記載のパンティライナー。
【請求項3】
前記ナノサイズの金属化合物は、
遠赤外線を放射し、細菌を排斥し、磁力線を放出可能であり、
酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化ニッケル、炭化ケイ素、二酸化ケイ素、二酸化錫、二酸化チタン、酸化亜鉛、炭化ジルコニウム、二酸化ジルコニウムおよびケイ酸ジルコニウムからなる群に属するものであり、
前記ナノサイズの金属化合物は、前記パンティライナーの使用者に、(a)熱損失を減らすことによる月経前症候群の緩和、および(b)主に負に帯電している細菌を排斥することによる感染リスクの低減を提供する
ことを特徴とする請求項2記載のパンティライナー。
【請求項4】
前記通気層はポリエチレン加工された不織布シートであり、十分な通気空間を有するスポンジ状の構造を有し、
前記通気層は幅5.0cm~8.0cm、長さ14.0cm~16.0cmの矩形状でり、
前記通気層は、通気性を維持し、前記パンティライナーの使用者に十分な通気性を提供することを特徴とする請求項1記載のパンティライナー。
【請求項5】
前記通気性材料のベース層は、ポリエチレン(PE)であり、厚さ0.02mm~0.05mmの非常に薄いフィルムに押し出され、空気の出入が可能で、水や体液の出入不能の通気孔を有する
ことを特徴とする請求項1記載のパンティライナー。
【請求項6】
前記複合材料のトップ層と前記通気性材料のベース層は、それぞれ、互いに本質的に同一の全体形状を有し、
全体形状がダンベル状の楕円形であり、最小横幅、前端における第1の最大横幅、後端における第2の最大横幅、および長手方向長さを有し、
前記最小横幅は5.0cm~6.0cm、前記第1の最大横幅は6.0cm~8.0cm、前記第2の最大横幅は6.0cm~8.0cm、前記長手方向長さは14.0cm~16.0cmである
ことを特徴とする請求項1記載のパンティライナー。
【請求項7】
皮膚接触面を有する複合材料のトップ層と、
エアレイドシートと、
前記エアレイドシートの内部の高吸水性ポリマー層と、
通気層と、
通気性材料のベース層とを備え、
前記複合材料のトップ層は、
少なくとも1層の液体透過性材料と、
少なくとも1層の構造化粘着剤と、
少なくとも1層のスパンボンドポリエチレン-ポリプロピレン鞘芯2成分繊維とを有し、
前記エアレイドシートは、ラップエンクロージャを形成する伸長可能なチューブ形状であり、
使用者の月経期の使用に適合、構成されている
月経パッド。
【請求項8】
前記少なくとも1層の液体透過性材料が、不織布から合成されたポリエチレンからなり、
前記少なくとも1層のポリエチレン-ポリプロピレン鞘芯2成分スパンボンドファブリックが、繊維からなり、前記繊維が芯部と鞘部とを有し、
前記芯部は、主材料としてポリプロピレン、副材料としてナノサイズの金属化合物から構成され、
前記鞘部は、ポリエチレンを主材料とし、ナノサイズの金属化合物を副材料として構成されている
ことを特徴とする請求項7記載の月経パッド。
【請求項9】
前記ナノサイズの金属化合物は、遠赤外線を放射し、細菌を排斥し、磁力線を放出可能であり、
酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化ニッケル、炭化ケイ素、二酸化ケイ素、二酸化錫、二酸化チタン、酸化亜鉛、炭化ジルコニウム、二酸化ジルコニウムおよびケイ酸ジルコニウムからなる群に属するものであり、
前記ナノサイズの金属化合物は、前記月経パッドの使用者に、(a)熱損失を減らすことによる月経痛の緩和、および(b)主に負に帯電する細菌を排斥することによる感染リスクの低減を提供することを特徴とする
請求項8記載の月経パッド。
【請求項10】
前記伸長可能なチューブは、第1の縁部と第2の縁部を有し、
前記第1の縁部と前記第2の縁部は、オーバーラップ領域を有し
前記ラップエンクロージャは、横方向の幅を有し
伸長可能な前記チューブの前記オーバーラップ領域は、少なくとも前記ラップエンクロージャの、横方向の幅の2分の1よりも長く、
前記エアレイドシートは、液透過性のあるポリプロピレン製スパンボンドファブリックで構成されていることを特徴とする
請求項7記載の月経パッド。
【請求項11】
前記高吸水性ポリマー層は、2つの薄い木材パルプの間に押し込まれた高吸水性ポリマーの顆粒を有し、
前記顆粒は、乾燥状態で0.03mm~0.05mm、湿潤または膨潤状態で1.1mm~1.8mmの直径を有することを特徴とする
請求項7記載の月経パッド。
【請求項12】
前記通気層は、ポリエチレン加工された不織布シートであり、十分な通気性を有するスポンジ状構造であり、
前記通気層は、通気性を維持することによって、前記月経パッドの使用者に十分な通気性を提供することを特徴とする
請求項7記載の月経パッド。
【請求項13】
前記通気性材料のベース層は、
ポリエチレンPEであり、厚さ0.02mm~0.05mmの非常に薄いフィルムに押し出され、空気の出入可能で、水や体液の出入不能の通気孔を有することを特徴とする請求項7記載の月経パッド。
【請求項14】
前記月経パッドの右側面に設けられた右配置マークと
前記月経パッドの左側面に設けられた左配置マークとを、さらに備え、
前記右の配置マークと前記左の配置マークは、それぞれ3mm~8mmの直径を有し、
前記右配置マークと前記左配置マークは、それぞれ前記皮膚接触面に印刷またはエンボス加工されていることを特徴とする請求項7記載の月経パッド。
【請求項15】
前記月経パッドの右側に右分割ウィングと、前記月経パッドの左側に左分割ウィングとを、さらに備え、
前記右分割ウィングは、右分割線に沿って右上分割ウィングと右下分割ウィングとに分割可能であり、
前記左分割ウィングは、左分割線に沿って左上分割ウィングと左下分割ウィングに分割可能であることを特徴とする請求項7記載の月経パッド。
【請求項16】
月経期の昼間に使用する月経パッドであって、
前記複合材料のトップ層と前記通気性材料のベース層とは、それぞれ、互いに本質的に同一の全体形状を有し、
前記全体形状がダンベル状の楕円形であり、
最小横幅、前端における第1の最大横幅、後端における第2の最大横幅、および長手方向の長さを有し、
前記最小横幅は6.5cm~7.5cm、
前記第1の最大横幅は9.0cm~11.0cm、
前記第2の最大横幅は9.0cm~11.0cm、
前記長手方向の長さは23.0cm~26.0cmであること
を特徴とする請求項7記載の月経パッド。
【請求項17】
前記ラップエンクロージャは、幅が5.0cm~6.0cm、長さが19.0cm~23.0cmの長方形状であり、
前記ラップエンクロージャ内の前記高吸水性ポリマー層は、幅4.5cm~5.5cm、長さ15.0cm~19.0cmの長方形状であることを特徴とする請求項16記載の月経パッド。
【請求項18】
前記通気層は、幅5.5cm~6.5cm、長さ20.0cm~24.0cmの矩形状であることを特徴とする請求項16記載の月経パッド。
【請求項19】
月経期の夜間に使用する月経パッドであって、
前記複合材料のトップ層および前記通気性材料のベース層は、それぞれ、互いに本質的に 同一である全体形状を有し、
前記全体形状は、瓢箪状の楕円形であり、
最小横幅、前端での第1の最大横幅、後端での第2の最大横幅、および長手方向の長さを有し、
前記最小横幅は7.5cm~9.5cm、
前記第1の最大横幅は9.5cm~11.5cm、
前記第2の最大横幅は14.0cm~16.0cm、
前記長手方向の長さは28.0cm~38.0cmであること
を特徴とする請求項7記載の月経パッド。
【請求項20】
前記ラップエンクロージャは、幅が6.5cm~7.5cm、長さが24.0cm~32.0cmの長方形状であり、
前記ラップエンクロージャ内の前記高吸水性ポリマー層は、幅5.5cm~7.0cm、長さ18.0cm~28.0cmの長方形状であり、前記高吸水性ポリマー層は、幅5.5cm~7.0cm、長さ18.0cm~28.0cmであること
を特徴とする請求項19記載の月経パッド。
【請求項21】
前記通気層は、幅7.0cm~8.5cm、長さ27.0cm~35.0cmの矩形状であることを特徴とする請求項19記載の月経パッド。
【請求項22】
(a)月経前期間において、請求項1に記載のパンティライナーを使用するステップと。
(b)月経期間の昼間に請求項16に記載の月経パッドを使用するステップと、
(c)月経期間の夜間に、請求項19に記載の月経パッドを使用するステップとを
含み、
月経前期間は5~6日であり、
月経期間は4~6日であることを特徴とするパンティライナーおよび月経パッドの使用方法。
【請求項23】
請求項9に記載の月経パッドの使用者において、以下のステップを含む原発性月経困難症の判定方法。
(a)前記月経パッドを使用せずに月経痛の日数を観察するステップと、
(b)前記月経パッドの使用による月経痛の日数を観察するステップと、
(c)前記月経パッドを使用しない場合の月経痛の日数から前記月経パッドを使用した場合の月経痛の日数を減算して、0、1、2、3、4、5、または6である、月経痛短縮日数を求めるステップと、
(d)前記月経パッドの月経痛を短縮する効果を、以下にランキングするステップと、
(1)前記月経痛短縮日数が0日の場合、効果なし、
(2)前記月経痛短縮日数が1の場合、中度の効果、
(3)前記月経痛短縮日数が2日以上の場合、高度の効果、
(e)月経開始時の痛みレベルを1から10までのスケールで数値化し、「1」を最も軽い痛みのレベル、「10」を最も重い痛みのレベルとするステップと、
(f)月経終了時の痛みレベルを、1から10までのスケールで、「1」を最も軽い痛みのレベル、「10」を最も重い痛みのレベルとして、数値化するステップと、
(g)前記月経開始時の痛みレベルから前記月経終了時の痛みレベルを引いて、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10の痛み減少レベルを求めるステップと、
(h)前記月経パッドの痛みを軽減する効果を以下にランキングするステップと、
(1)前記痛み減少レベルが0の場合、効果なし、
(2)前記痛み減少レベルが1、2、3の場合、中度の効果、
(3)前記痛み減少レベルが4以上の場合、高度の効果。
(i)前記月経パッドの使用者について、以下の場合、原発性月経困難症であると判定するステップ、
(1)前記月経パッドの月経痛の日数を短縮する効果が中度または高度である場合、
(2)前記月経パッドの痛みを軽減する効果が中度、または高度に有効である場合。
【請求項24】
パンティライナー及び月経パッドのパッケージであって、
複数のパンティライナーと、
複数の昼間に使用するための月経パッドと、
複数の夜間に使用するための月経パッドとを備え、
前記パンティライナーは、請求項1に記載のものであり、
前記昼間に使用するための月経パッドは、請求項16に記載のものであり、
前記夜間に使用するための月経パッドは、請求項19に記載のものであり、
前記パンティライナーの枚数は、10~12枚であり、
複数の前記昼間に使用するための月経パッドは15~18枚であり、および
複数の前記夜間に使用するための月経パッドが4~6枚である
ことを特徴とするパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照。
本特許協力条約(PCT)出願は、2019年11月08日に出願された米国非仮出願第16/600,744号の優先権の利益を主張するものである。
【0002】
本出願は、月経困難症に関連する望ましくない状態を緩和するために使用することができるパンティライナー及び月経パッドのシステムに関するものである。体熱損失低減材および細菌排斥材を含む複合材料のトップ層と通気層とを含むことにより、本発明のパンティライナーおよび月経パッドのシステムは、月経痛(生理痛)日数の減少、および月経期間中の痛みの軽減をもたらすことができる。
【背景技術】
【0003】
月経パッド、又は女性の生理用ナプキン、は、女性が月経期間中に経血を処理するために使用する一般的な消耗品である。月経血の吸収と保持という主要な機能を達成するために、ほとんどの月経パッドは、吸収体として適した素材を使用することに重点を置いている。
【0004】
中国の実用新案特許ZL 200820188997.8(’997 Patent)(中国公開公報CN201260741)には、月経期間中の痛みの感覚を修正し減少させる方法として、ナノ粒子を月経パッドの一部として使用し通常の体温を安定させることが記載されている。一方、中国の実用新案特許ZL201020229032.6(’032特許)(中国公開公報CN201755286)には、月経パッドの一部として水分や温風の通気を可能にすることができる材料を使用することが記載されている。しかし、これら2つの中国文献(’997特許、’032特許)による月経パッドは、(a)痛みの感覚を減少させる効果がない、(b)月経パッドを不適切に配置(取り付け)すると、しばしば漏れや脱落につながる、などの理由で女性消費者を満足させることができない。
【0005】
ヘルスゲートのパンティライナーと月経パッド(https://healthgate.me/anion-sanitary-napkins/)は、嫌気性菌の繁殖を抑制し、マイクロサーキュレーションを改善し、バイオ酵素の増殖を高め、膣内の酸性分泌物を調整し、女性の自己防衛力、疾病予防力を高めるとされている。また、アニオン・チップにはストロンチウム・フェライトが添加されており、生体磁気で人間の生体電流を活性化し、様々な病気や膣のかゆみを予防する。しかし、ヘルスゲートの記事には、これらの生物学的効果の科学的根拠は示されていない。また、ヘルスゲート製品は吸水性粒子を使用し、厳重に滅菌され、ほこりのない紙で完全に包まれている。しかし、アニオン層と吸水層の複合がどのように構成されているかについては、あまり詳しく開示されていない。また、万が一、液漏れが発生した場合の対処法も提案されていない。
【0006】
技術の進歩により、遠赤外線(FIR)を人体に照射する新しい技術が開発されている。純粋な遠赤外線を照射する特殊ランプやサウナは、安全で効果的であり、治療効果を生み出す源として広く利用されるようになった。
また、遠赤外線を放射するセラミックナノ粒子を含浸させた繊維や、物理蒸着法(PVD)でナノZn/ZnO粒子をコーティングした繊維は、筋肉痛や関節痛を緩和する効果があることが分かっている。
【0007】
遠赤外線は、Vatanseverらによって多くの生物学的効果を示すことが報告されている(Photonics Laser Med.2012, 4, 225-266)。Vatanseverの報告によると、C.H.Leeらによって、原発性月経困難症の治療に遠赤外線放射セリサイトベルトを用いた別の研究が行われた(Complementary Therapies in Medicine 2011, 19, 187-193)。その結果、セリサイトベルトを装着した患者群の痛みの程度は、プラセボを装着した患者群よりも有意に軽減されることがわかった。しかし、鎮痛剤を必要とする患者数については、大きな差は認められなかった。このC.H.Leeらの研究では、赤外線を発するセリサイトを用いたベルトを使用しているため、赤外線を発するベルトを使用するというアプローチはパンティライナーや月経パッドには適さない。
【0008】
また、B.Y.Liauらにより、原発性月経困難症に対する遠赤外線放射ベルトの抑制効果に関する研究が報告されている(International J. Photoenergy, 2012Article 238468)。局所表面温度と腹部血流を増加させ、痛みのレベルを減少させることが示されている。しかし、B.Y.Liauらの研究では、遠赤外線放射ベルトは50℃で30分間予熱する必要があり、パンティライナーや月経パッドには適さないことになる。
【0009】
そのため、月経時の痛感を緩和するパンティライナーや月経パッドの提供が求められている。
【0010】
月経は、次の排卵を起こすための準備である。月経周期は、思春期から閉経までの女性の生理に不可欠な要素である。各月経周期は約28日で、その中には以下のものが含まれる。
(a)約1~6日目の月経期(または月経期間)。
(b)約6~23日目の月経後の期間(または月経後期間)、および
(c)約23~28日目の月経前の期間(月経前期間)。
月経は通常3~6日間続き、1回の経血量は約2ml~10mlで、12~20回程度。月経の総量は80mlから100mlを超えるべきではない。受精が完了しなかったり、起こらなかったりした場合は、前回の月経の初日から約28日後に月経が再開される。
【0011】
月経前症候群(PMS)とは、月経周期の23~28日に起こる不快な感情の組み合わせのことである。PMSの症状には、以下のようなものがある。
(a)疲労、頭痛、脱力感、体重増加、腹部膨満感、にきび、倦怠感、肌荒れなどの身体的症状、および
(b)気分変動、抑うつ、不安、集中力低下、イライラ、社会的引きこもりなどの情緒的症状(https://my.clevelandclinic.org/health/articles/pms-and-pmdd)。
PMSの治療は、主に薬物療法、運動療法、健康的な食事療法などを用いて、症状を緩和させるものである。しかし、現在の医療サービスでは、PMSの治療法や予防法はない。
【0012】
原発性月経困難症と続発性月経困難症は、月経時に経験する痛みの種類が異なる。クリーブランド・クリニックによると、原発性月経困難症は、月経痛として知られており、病気によるものではない一般的で繰り返される痛みに関する。(https://my.clevelandclinic.org/health/articles/dysmenorrhea)。月経痛は通常、月経周期の1~3日目に起こる。原発性月経困難症の月経痛の治療には、イブプロフェン、アスピリン、アセトアミノフェンなどの鎮痛剤の服用が一般的であるが、頭痛や発熱などの他の痛みほどは効果がない。また、ヒートパッド(ヒートブースター)の使用、ヨガ(有酸素運動)、マッサージなどが、月経痛の痛みを和らげるための一般的な方法として挙げられる。
【0013】
さらに、原発性月経困難症、又は月経痛は、通常、骨盤内臓器から発生し、患部は下腹部、脊椎、背部、大腿部などである。月経痛は、筋肉を動かすためのアデノシン三リン酸(ATP)の回復が遅いために、子宮筋が緊張し、疲労することで発生する。筋肉が弛緩するためには、ミオシンフィラメントが、アクチンフィラメントから分離する必要があり、そのようなプロセスにはATPが必要である。月経痛は、体温が37℃以下の状態が長く続くと起こりやすいと言われている。中国医学の理論では、体が冷えたり、悪天候の影響を受けたりすると、原発性月経困難症が起こりやすくなるとされている。
【0014】
続発性月経困難症は、子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫、感染症など、女性の生殖器系の障害に関連する。続発性月経困難症で起こる筋肉のけいれんは、より持続的で強いことがある。
続発性月経困難症が疑われる場合、続発性月経困難症は体の健康に非常に深刻である可能性があるため、医療専門家との即時の相談と臨床検査および骨盤検査の実施が推奨される。
【0015】
Burnettらによる原発性月経困難症の有病率に関する研究(J.Obstet.Gynecol Can.2005,27,765-70)によると、
(a)約9%が仕事や学校に行けなくなるような激しい痛みに遭遇した。
(b)約51%が活動制限を伴う中程度の痛みを感じている。
(c)約40%が、まだ自由に動ける普通の痛みに遭遇する。
Burnettの研究はカナダで行われたが、その結果は米国をはじめ、世界の多くの地域に適用できるはずである。したがって、妊娠可能な年齢の女性の約60%が月経時の月経痛を経験していると考えるのが妥当である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
月経痛は、月経が進むにつれて治まってくるが、鎮痛剤やホルモン剤では、痛みを効果的に抑えることはできない。しかし、間違った不適切な薬を使用した場合、身体への害が大きくなる可能性がある。そこで、本発明は、薬を使用することなく、月経痛に伴う痛みを緩和するという目的を達成することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の一実施形態によれば、本発明のパンティライナーは以下を含む。(1)複合材料のトップ層(最上層);(2)通気層;及び(3)通気性材料のベース層(最下層)。
複合材料のトップ層は、以下を含む。(a)少なくとも1層の液体透過性及び通気性材料、(b)少なくとも1層の構造化粘着剤、及び(c)少なくとも1層のポリエチレン-ポリプロピレン鞘芯(シース/コア)2成分スパンボンドファブリックである。パンティライナーは、パンティライナーの使用者の月経前段階に使用するように適合され、構成されている。
【0018】
本発明のパンティライナーの一実施形態によれば、複合材料のトップ層に関して、少なくとも1層の液体透過性材料は、不織布から合成されたポリエチレンからなる。少なくとも1層のポリエチレン-ポリプロピレン鞘芯2成分スパンボンドファブリックは、芯(コア)部と鞘(シース)部とを有する繊維を含む。繊維の芯部は、主材料(第一の材料)としてポリプロピレン、副材料(第二の材料)としてナノサイズの金属化合物(コンパウンド)から構成されている。
繊維の鞘部分は、主材料(第一の材料)としてポリエチレン、副材料(第二の材料)としてナノサイズの金属化合物(コンパウンド)から構成されている。
【0019】
本発明のパンティライナーの一実施形態によれば、繊維中のナノサイズの金属化合物は遠赤外線放射金属化合物であり、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化ニッケル、炭化ケイ素、二酸化ケイ素、二酸化錫、二酸化チタン、酸化亜鉛、炭化ジルコニウム、二酸化ジルコニウム及びケイ酸ジルコニウムからなる群(グループ)に属し、ナノサイズの金属化合物はパンティライナーの使用者に以下のものを提供する。(a)体熱損失を低減することによる月経前症候群の緩和、および(b)大部分が負に帯電している細菌を排斥することによる感染症のリスクの低減。
【0020】
本発明のパンティライナーの一実施形態によれば、通気層は、ポリエチレンで処理された不織布シートであり、空気を通すための十分な空間を有するスポンジ状の構造であり、通気層は、幅5.0cm~8.0cm、長さ14.0cm~16.0cmの長方形の形状であり、通気層が通気性を保つことによりパンティライナーの使用者に十分な空気流が提供される。
【0021】
一実施形態によれば、本発明の月経パッドは以下を含む。(1)皮膚接触面を有する複合材料のトップ層;(2)エアレイドシート;(3)エアレイドシートの内側の高吸収性ポリマー層;(4)通気層;及び(5)通気性材料のベース層である。複合材料のトップ層は、(a)少なくとも1層の液体透過性材料、(b)少なくとも1層の構造化粘着剤、及び(c)少なくとも1層のポリエチレン-ポリプロピレン鞘芯2成分スパンボンドファブリックからなる。エアレイドシートは、ラップエンクロージャ(包み封)を形成する伸長可能なチューブの形状であり、月経パッドは、月経パッドの使用者の月経期中に使用するように適合及び構成されている。
【0022】
本発明の月経パッドの一実施形態によれば、トップ層の複合材料に関して、少なくとも1層の液体透過性及び通気性の材料は、不織布から合成されたポリエチレンからなる。少なくとも1層のポリエチレン-ポリプロピレン鞘芯2成分スパンボンドファブリックは、芯部と鞘部とを有する。繊維の芯部は、主材料としてポリプロピレン、副材料としてナノサイズの金属化合物から構成される。繊維の鞘部分は、主材料としてポリエチレン、副材料としてナノサイズの金属化合物から構成されている。
【0023】
本発明の月経パッドの一実施形態によれば、繊維中のナノサイズの金属化合物は遠赤外線放射金属化合物であり、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化ニッケル、炭化ケイ素、二酸化ケイ素、二酸化錫、二酸化チタン、酸化亜鉛、炭化ジルコニウム、二酸化ジルコニウム及びケイ酸ジルコニウムからなる群(グループ)に属し、ナノサイズの金属化合物は月経パッドの使用者に以下のものを提供する。(a)体熱損失を減らすことによる月経前症候群の緩和、(b)ほとんどが負に帯電している細菌を排斥することによる感染症のリスクの減少。
【0024】
本発明の月経パッドの一実施形態によれば、エアレイドシートに関して、伸長可能なチューブは、第1の縁部(エッジ)と第2の縁部(エッジ)を有し、第1の縁部と第2の縁部は、オーバーラップ領域(重なり合う領域)を有する。ラップエンクロージャは横幅を有し、伸長可能なチューブのオーバーラップ領域は、少なくともラップエンクロージャの横幅の2分の1より大きい長さを有している。エアレイドシートは、ポリプロピレン、液体透過性を有するスパンボンドファブリックを有する。
【0025】
本発明のパンティライナーの一実施形態によれば、通気層は、ポリエチレンで処理された不織布シートであり、空気を通すための十分な空間を有するスポンジ状の構造であり、通気層は、通気性を維持することによって月経パッドの使用者に十分な通気性を提供することができる。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、月経パッドは、さらに以下を含む。(6)月経パッドの右側に設けられた右配置マークと、月経パッドの左側に設けられた左配置マーク。右配置マーク及び左配置マークは、それぞれ、3mm~8mmの直径を有する。右配置マーク及び左配置マークは、それぞれ、皮膚接触面に印刷又はエンボス加工されている。
【0027】
本発明の一実施形態によれば、月経パッドは、さらに以下を含む。(7)月経パッドの右側に設けられた右分割ウィングと、月経パッドの左側に設けられた左分割ウィング。右分割ウィングは、右分割線に沿って右上分割ウィングと右下分割ウィングに分割することができる。左分割ウィングは、左分割線に沿って、左上分割ウィングと左下分割ウィングに分割することができる。
【0028】
月経期の昼に使用するための(昼用)月経パッドの一実施形態によれば、複合材料のトップ層及び通気性材料のベース層はそれぞれ、互いに本質的に同一である全体形状を有している。全体形状は、ダンベル状楕円形であり、最小横幅、前端における第1の最大横幅、後端における第2の最大横幅、及び長手方向の長さを有する。最小横幅は6.5cm~7.5cm、第1の最大横幅は9.0cm~11.0cm、第2の最大横幅は9.5cm~11.0cm、長手方向の長さは23.0cm~26.0cmである。
【0029】
月経期の夜に使用するための(夜用)月経パッドの一実施形態によれば、複合材料のトップ層及び通気性材料のベース層はそれぞれ、互いに本質的に同一である全体的な形状を有している。全体形状は、瓢箪型の楕円形であり、最小横幅、前端における第1の最大横幅、後端における第2の最大横幅、及び長手方向の長さを有する。最小横幅は7.5cm~9.5cm、第1の最大横幅は9.5cm~11.0cm、第2の最大横幅は14.0cm~16.0cm、長手方向長さは28.0cm~38.0cmである。
【0030】
本発明の一実施形態によれば、パンティライナー及び月経パッドを使用する方法であって、以下のステップを含む。
(a)月経前段階の間にパンティライナーを使用するステップ、
(b)月経段階の日中に、昼に使用するための月経パッドを使用するステップ、及び
(c)月経段階の夜間に、夜に使用するための月経パッドを使用するステップを含む。月経前段階は5~6日、月経段階は4~6日とすることができる。
【0031】
本発明の一実施形態によれば、月経パッドの使用者における原発性月経困難症を判定する方法は、以下のステップを含む。
(a)月経パットを使用しない場合の月経痛の日数を観察する。
(b)月経パットを使用する場合の月経痛の日数を観察する。
(c)月経パッドの使用を伴わない月経痛の日数から月経パッドの使用を伴う月経痛の日数を引いて短縮された月経痛の日数(月経痛短縮日数)を求める。ここで月経痛短縮日数は1、2、3、4、5または6である。
(d)月経痛の短縮に対する月経パッドの有効性をランキングする。:
(1)月経痛短縮日数が0の場合は効果なし、
(2)月経痛短縮日数が1の場合は中度の効果、
(3)月経痛短縮日数が2以上の場合は高度の効果、
(e)月経開始時の痛みのレベルを1から10までのスケールで数値化する。
「1」を最も軽い痛みのレベル、「10」を最も重い痛みのレベルとする。
(f)月経終期の痛みのレベルを1から10までのスケールで数値化する。
「1」を最も軽い痛みのレベル、「10」を最も重い痛みのレベルとする。
(g)月経開始時の痛みのレベルから月経終了時の痛みのレベルを引いて痛みの減少レベルを求める。ここで痛みの減少レベルは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。
(h)月経パッドが痛みを低減させる効果を次のようにランク付けする。
(1)痛みの減少レベルが0の場合、効果なし、
(2)痛みの減少レベルが1、2、3の場合、中度の効果、
(3)痛みの減少レベルが4以上の場合、高度の効果、及び
(i)以下の場合、月経パッドの使用者を原発性月経困難症であると判定する。
(1)月経痛の日数短縮効果が中度、または高度の場合、又は
(2)月経痛を低減する効果が中度、または高度の場合。
【0032】
本発明の一実施形態によれば、パンティライナー及び月経パッドのパッケージは、(1)複数のパンティライナーと、(2)複数の昼用月経パッドと、(3)複数の夜用月経パッドと、を含む。前記複数のパンティライナーは10~12枚であり、前記複数の昼用月経パッドは15~18枚であり、前記複数の夜用月経パッドは4~6枚であることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1A-F】図1Aは、本発明のパンティライナー(1)を示す上面図である。図1Bは、本発明の月経パッド(2)を示す上面図である。図1Cは、パンティライナー(1)の外面の表面糊(粘着剤)を剥離紙で覆った状態を示す底面図である。図1Dは、剥離紙を貼り付けずに外装面にグルーストリップ(粘着帯)を印刷したパンティライナー(1)の底面図である。図1Eは、パンティライナー(1)の外面から取り出した状態の単独(スタンドアローン)の剥離紙である。図1Fは、月経パッドの外装の表面糊(粘着剤)を剥離紙で覆った状態の月経パッド(2)の底面図である。
図1G-K】図1Gは、昼用月経パッド(2)の上面図であり、吸収体の位置と2つの配置マークとを説明する図である。図1Hは、昼用月経パッド(2)の上面図であり、通気層の位置を説明するための図である。図1Jは、夜用月経パッド(2)の上面図であり、吸収体の位置と2つの配置マークとを説明する図である。図1Kは、夜用月経パッド(2)の上面図であり、通気層の位置を説明するための図である。
図2図2Aは、本発明のパンティライナー(1)の断面図である。図2Bは、本発明の月経パッド(2)の断面図である。
図3図3Aは、トップシートの皮膚接触面を示す上面図である。図3Bは、トップシートの3Dでの側面図である。図3Cは、複合材料のトップシートの拡大断面図である。図3Dは、トップシートのナノサイズの金属化合物鞘芯2成分繊維が混合されたPE/PPと、繊維の内部構造の説明図である。図3Eは、PE/PP鞘芯2成分スパンボンドファブリックに使用される材料の透視図である。
図4図4Aは、月経パッド(2)のラップエンクロージャ形状のエアレイドシートを示す透視図である。図4Bは、月経パッド(2)のエアレイドシートを示す断面図である。
図5図5Aは、高吸水性ポリマー(SAP)顆粒を分散させた群(集合)の上面図である。図5Bは、SAP-シートの側面図である。図5Cは、エアレイドラップエンクロージャ(包み封)とサックイン(封入された)SAPシートとを有する吸収体を示す透視図である。図5Dは、拡張したラップエンクロージャ内の膨張したSAPを示す側面図である。
図6図6Aは、パンティライナー(1)およびパッド(2)のPPスパンボンドによる通気層の側面図である。図6Bは、パンティライナー(1)及びパッド(2)の通気層の繊維(ファブリック)の内部斜視図である。
図7図7Aは、月経パッド(2)のトップシートに設けられた配置マークを示す上面図である。図7Bは、月経パッド(2)をパンティに装着する機構を説明するための上面図である。図7Cは、パッド(2)のパンティへの正しい配置位置を示す上面図である。
図8図8Aは、月経パッド(2)の分割ウィング(翼)の上面図である。図8Bは、月経パッド(2)の右ウィングがパンティブリッジの外面に取り付けられて裏返った状態でパンティ上の右位置にある上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明は、熱損失減速材、細菌排斥材、磁力線材を有する複合材のトップ層と、通気層とを含むパンティライナー及び月経パッドのシステムを用いるものである。下記の実施例1及び表2に示すように、本発明によるパンティライナー及び月経パッドを使用することにより、ユーザーは月経痛の痛みのレベルが減少することを経験する:(a)一部のユーザーにとって、痛みのレベルが重度から中度に変わり、(b)一部のユーザーにとって、痛みのレベルが中度から軽度に変わり、(c)一部のユーザーにとっては、痛みのレベルが軽度から最小に変わる。
【0035】
本発明では、遠赤外線を放射するとともに、マイナスイオンを放出する材料を含む熱損失減速層と細菌排斥層を使用する。一般に、次のように考えられる。(a)熱エネルギーは、人体から遠赤外線放射物質に伝達され、(b)遠赤外線放射物質から人体表面に熱エネルギーが戻る。その結果、遠赤外線放射材料の存在下または近傍において、人体からの熱の損失が最小化または減速される。そのため、体を温めるためのATPの消費が抑えられ、ATPが豊富になる。ATPはミオシン繊維に結合し、アクチンフィラメントから離れることで筋肉の弛緩にも寄与するため、ATPが多いと有益である。また、暖かく湿った環境では99.5%以上の細菌がマイナス電荷を帯びるため、一般的にマイナスイオンは、細菌のいない環境を生じさせることができると考えられる。また、本発明は、周囲の熱や湿気を大幅に低減させる通気層を使用し、周囲を常温に近い新鮮でクリーンな空気にして、快適な使用感を実現する。
【0036】
本発明は、薬物、生薬、香料、化学物質などの添加物を一切使用せずに、月経前症候群(PMS)や原発性月経困難症の緩和に有効な解決策を提供するものである。続発性月経困難症の治療には使用できないが、必要に応じて婦人科ですぐに治療を受けるかどうかのテスターとして利用することができる。
【0037】
他方、本発明は、(a)子宮の温度を37℃で一定に維持し、(b)表面温度を周囲温度と同じに維持し、(c)換気および除菌された環境を提供および維持することに起因して、出産可能年齢の女性のための「小さな健康環境」の所有を可能にする。
【0038】
図1A(上面図)によれば、パンティライナー(1)は、皮膚接触面(11)と、パンティライナーの周囲に沿ったエンボス加工ストリップ(帯)(19)とを含む。
【0039】
図1B(上面図)によれば、昼用又は夜用月経パッド(2)が、皮膚接触面(11)と、月経パッドの周囲に沿ったエンボス加工ストリップ(19)と、一対の配置マーク(61a、61b)、一対の対称的なサイドシート又はウィング(50a、50b)、一対の開口カットポイント(54a、54b)、サイドシートを2つの小さなウィング(51a、52a、51b、52b)に分割する一対の分割線(53a、53b)を含む。
【0040】
図1C(パンティライナー(1)の底面図)によれば、パンティライナー(1)の外面(71)における複数のグルーストリップ(粘着帯)(81)の表面を剥離紙(82b)が覆っている。
【0041】
図1D(パンティライナー(1)の底面図)によれば、複数のグルーストリップ(粘着帯部)(81)は、パンティライナー(1)の外面(71)に印刷されている。
【0042】
図1E(上面図)は、パンティライナー(1)の裏面から剥離されている単体の剥離紙(82a)である。
【0043】
図1F(月経パッド(2)の底面図)によれば、月経パッド(2)の外面(71)の複数のグルーストリップの表面を剥離紙(82b)が覆い、2つの翼(50a、50b)の外面(71)の表面のグルー(粘着剤)(81)を他の2つの小さい剥離紙(82c)が覆い、破線(83)は、破いて裏返す前には一体になっているこれら2つの小さい剥離紙を示す。
【0044】
図1G(昼用月経パッド(3)の上面図)によれば、エアレイドシート(21)とSAPシート(33)の両方の相対寸法と位置が図示されている。
【0045】
図1H(昼用月経パッド(3)の底面図)によれば、バックシートまたはベース層(70)の上に設けられた通気層(40)の相対寸法および位置が図示されている。
【0046】
図1J(夜用月経パッド(4)の上面図)によれば、エアレイドシート(21)とSAPシート(33)の両方の相対寸法と位置が図示されている。
【0047】
図1K(夜用月経パッド(4)の底面図)によれば、バックシート又はベース層(70)の上に設けられた通気層(40)の相対寸法及び位置が図示されている。
【0048】
図2A(断面図)によれば、パンティライナー(1)は、複合材料のトップ層(又は複合トップシート)(10)、通気層(40)及び通気性材料のベース層(又は通気性バックシート)(70)を含む。複合トップシート(10)は、皮膚接触面又は外面(11)、及び裏面又は内面(15)を有する。裏面シート(70)は、外面(71)を有する。
【0049】
図2B(断面図)によれば、月経パッド(2)は、複合トップシート(10)と、SAPシート(33)を有するオープンエッジ(開口端)ラップエンクロージャ(21)形状のエアレイドシートと、通気層(40)と、通気性バックシート(70)とを含んでいる。複合トップシート(10)は、皮膚接触面(11)と、裏面又は内面(15)とを有する。裏面シート(70)は、外面(71)を有している。
【0050】
図3A(パンティライナー(1)と月経パッド(2)の両方の複合トップシートの上面図)によれば、皮膚接触面(11)としての穴あきテクスチャーシートが図示されている。
【0051】
図3B(側面図)によれば、パンティライナー(1)及び月経パッド(2)の両方のための複合トップシート(10)は、皮膚接触面(11)と、複合トップシートの周囲に沿ったエンボス加工ストリップ(帯部)(19)とを含む。
【0052】
図3C(断面図)によれば、複合トップシート(10)は、皮膚接触面(11)、液体透過性材層(12)、構造化粘着剤の薄い離散層(13)、液体の捕捉及び分配のためのPE/PP鞘芯2成分スパンボンドファブリック(14)、及び裏面(15)を有している。
【0053】
図3D(各繊維が鞘芯構造を構成するPE/PP鞘芯2成分スパンボンドファブリック(14)の説明図)によれば、各繊維は鞘芯構造を有している。
【0054】
図3E(PE/PP鞘芯2成分スパンボンドファブリック(14)における繊維に使用される材料の透視図)によれば、繊維は、繊維の芯部において主材料としてポリプロピレンPP(16)および副材料としてナノサイズの金属化合物(17)を含み、繊維の鞘部またはケーシング部において主材料としてポリエチレンPE(18)および副材料としてナノサイズの金属化合物(17)を含んでいる。
【0055】
図4A(透視図)によれば、月経パッド(2)のエアレイドシート(20)は、ポリプロピレン(PP)スパンボンドファブリック(25)の伸長可能なチューブ形状、またはラップエンクロージャ(21)と呼ばれる形状である。エアレイドシートが適切に機能するためには、ラップエンクロージャ(21)の2つの開放端(24)間の距離(L1)が、ラップエンクロージャの全幅(L2)の半分よりも長いことが必要である。これは、ラップエンクロージャが拡張するための十分な空間を確保するためである。
【0056】
図4B(断面図)によれば、エアレイドシート(22)は、液体透過性のPPスパンボンドファブリック(25)から構成されている。このエアレイドシートは、ファブリック(布)の密なスパンボンドのテクスチャ(構造)により、膨潤したSAP顆粒が決して逃げ出さないようなフィルターとして機能することに留意されたい。これにより、SAPシートを用いたラップエンクロージャの設計は、浸透や漏れの可能性を全く与えないことを保証する。
【0057】
図5A(上面図)によると、一群(集合)の分散した高吸水性ポリマー顆粒(31)は、乾燥時の直径が0.03-0.05mm、湿潤または膨潤時の直径が1.1-1.8mmである。
【0058】
図5B(透視図)によれば、SAP-シート(33)は、上蓋(トップカバー)および裏蓋(バックカバー)としての外面用の2つの薄い木材パルプ(32)と、2つの薄い木材パルプ(32)の間に積層されている密にプレスされたSAP顆粒(31)の層とから構成されている。
【0059】
図5C(透視図)によれば、吸収体(30)は、伸長可能なチューブ形状のエアレイドシートまたはラップエンクロージャ(21)と、ラップエンクロージャ(21)の内側のSAPシート(33)を有する。ラップエンクロージャの開放端は(24)と記されている。
【0060】
図5D(側面図)によれば、膨張吸収体(30)は、拡張したラップエンクロージャ(23)と、膨張したSAP顆粒の集合体(34)とから構成されている。
【0061】
図6A(側面図)によれば、パンティライナー(1)と月経パッド(2)の両方に用いられる通気性シート(40)は、ポリエチレンPEスパンボンド材からなる繊維シート(布)として例示されている。
【0062】
図6B(通気層(40)の内部構造の拡大図)によれば、空気を通すための十分な空間を有するハイロフト(かさ高)となるファブリック(布)構造(41)が示されている。
図7A(上面図)によれば、月経パッド(2)のトップシート上の配置ガイドシステム(60)は、一対の配置マークまたはガイド(61a、61b)が、左上ウィング(51b)および右上ウィング(51a)に隣接する二つの前方角部に印刷またはエンボス加工されている。右配置マーク(61a)および左配置マーク(61b)は、いずれも識別マークであり、例えば、直径3~7mmの任意の種類の記号(例えば
または企業ロゴである)ことが可能である。
【0063】
図7Bによれば、月経パッド(2)をパンティ(90)の上に効果的に配置するステップ(手順)が図示されている。左配置マーク(61b)が左パンティホール(開口部)(92b)の左端(93b)と交差する一方、右配置マーク(61a)が右パンティホール(開口部)(92a)の右端(93a)と交差するまで、パッド(2)をy軸に沿って上下に移動させる。
【0064】
図7Cによれば、月経パッド(2)のパンティ(90)に対する正しい位置が図示されている。右配置マーク(61a)は右の交点(62a)に配置され、左配置マーク(61b)は左の交点(62b)に配置される。パッド(2)を正しい位置に配置したら、右上折り返し分割ウィング(56a)及び右下折り返し分割ウィング(57a)をパンティに折り込むことにより、パッド(2)をパンティの内側のブリッジ上部(中央部分)に取り付けることができる。同様に、左上折り返し分割ウイング(56b)、左下折り返し分割ウイング(57b)をパンティに折り返す。
【0065】
図8A(上面図)によれば、月経パッド(2)の右分割ウィング(50a)及び左分割ウィング(50b)は、サイドシート(50a、50b)の中央縁部に一対のライン開口カット部(54a、54b)と、サイドシート(50a、50b)の中央部に一対の切り込み線(53a、53b)と、一対の上部サイドシート(51a、51b)と、一対の下部サイドシート(52a、52b)とを有する。
【0066】
図8B(月経パッド(2)の折り返し分割ウィングの上面図)には、折り返し右上サイドシート(56a)、折り返し右下サイドシート(57a)、パンティの右内側縁に沿った完全湾曲線(55a)、また折り返し右サイドシート(58a)のV字形状が示されている。
【0067】
パンティライナー
一実施形態によれば、本発明のパンティライナーは、以下を含む。(1)複合材料のトップ層;(2)通気層;及び(3)通気性材料のベース層。複合材料のトップ層は、以下を含む。(a)少なくとも1つの液体透過性材料の層、(b)少なくとも1つの構造化粘着剤の層、および(c)少なくとも1つのポリエチレン-ポリプロピレン鞘芯2成分スパンボンドファブリックの層である。パンティライナーは、パンティライナーの使用者の月経前段階に使用するように適合され、構成されている。
【0068】
図1A(上面図)、図1C(背面図)、図1D(背面図)および図2A(断面図)を参照すると、パンティライナー(1)は以下の主要構成要素を含む:複合材料のトップ層(10);通気層(40);および通気材料のベース層(裏面シート)(70)。
【0069】
本発明のパンティライナーの一実施形態によれば、複合材料のトップ層に関して、少なくとも1つの液体透過性材料の層は、不織布から合成されたポリエチレンからなる。少なくとも1つのポリエチレン-ポリプロピレン鞘芯2成分スパンボンドファブリックの層は、繊維を含み、各繊維は、芯部分と鞘部分とを有する。繊維の芯部は、主材料としてポリプロピレン、副材料としてナノサイズの金属化合物から構成されている。繊維の鞘部分は、主材料としてポリエチレン、副材料としてナノサイズの金属化合物から構成されている。
【0070】
複合材料のトップ層について、図2A(断面図)、図3A(上面図)、図3B(側面図)、図3C(断面図及び側面図)、図3D(側面図及び拡大図)、3E(透視図)に開示されている。:図より、皮膚接触面(11)と、第1層としての体液透過性材料(12)を有する複合材料のトップ層(10)は、ポリエチレンPEスパンボンドファブリック、薄く離散した構造化粘着剤層(13)、第2層としてのポリエチレン/ポリプロピレン(PE/PP)鞘芯2成分繊維(14)、およびトップシートのベース層(15)を有する。
【0071】
本発明のパンティライナーの一実施形態によれば、繊維のトップシートの第2層におけるナノサイズの金属化合物は遠赤外線放射性金属化合物であり、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化ニッケル、炭化ケイ素、二酸化ケイ素、二酸化錫、二酸化チタン、酸化亜鉛、炭化ジルコニウム、二酸化ジルコニウムおよびケイ酸ジルコニウムからなる群(グループ)に属する。
【0072】
その結果、ナノサイズの金属化合物は、パンティライナーの使用者に、(a)熱損失の低減による月経前症候群の緩和、(b)主にマイナスに帯電する細菌を排斥することによる感染リスクの低減を提供することができる。
【0073】
遠赤外線放射金属化合物のさらなる例は、J.Y.Dea(米国特許6,591,142)およびJ.H.Tsai(米国特許7,754,345)により報告されている。
【0074】
図3D(トップシートの第2層(14)のファブリックテクスチャの側面図と繊維の拡大図)の各部分、また、図3E(ファブリックテクスチャのさらなる拡大図)の各部分を参照すると、PE/PPポリエチレン-ポリプロピレン鞘芯2成分スパンボンドファブリックの鞘芯の周りに選択されたナノサイズの金属化合物(17)が均一に分布する。このように複合化された繊維は、遠赤外線(FIR)放射、マイナスイオンだけでなく、弱い磁力線も発生させることができる。
【0075】
図3Eを参照すると、ナノサイズの金属化合物は、ポリプロピレンPP(16)と混合して芯(コア)部分を形成し、ポリプロピレンPEと混合して鞘(シース又はケーシング)部分(18)を形成する。繊維材料(14)によって生成されるFIR放射の強度は、in vitroおよびin vivoの両方の研究において、細胞および組織を刺激することが観察されている波長帯域(3-12μm)であり、特定の病状に対する有望な治療モダリティと考えられている。
【0076】
ナノサイズの遠赤外線放射化合物を使用する1つの利点は、熱損失低減の効果である。本発明の実施形態は、放熱パッドを提供することではなく、FIR放射を発生させてFIR放射皮膚表面での体熱損失率を低減させるパンティライナーと月経パッドのシステムである。
【0077】
もう1つの利点は、シールドケーシング(18)に使用されているナノサイズの金属化合物は、毎秒、1cmあたり350~530個のマイナスイオン(アニオン)を静的に供給することが可能なことである。細菌の99.5%以上はマイナス電荷を帯びているため、繊維(14)が静電陰イオンを放出することにより、同じ電荷が反発し合うため、パンティライナー(1)と月経パッド(2)の周囲には細菌が存在しないことを保証することができる。
【0078】
磁力線の存在により、ハンディな磁気リーダーでFIRとマイナスイオンを放出する特性を持つ布が作られていることを簡単に識別することができる。FIR放射、マイナスイオン、磁力線のすべての物理的特性は、身体への安全要求の最高基準を満たすように作られている。
【0079】
本発明のパンティライナーの一実施形態によれば、通気層は、ポリエチレンで処理された不織布シートであり、空気を通すための十分な空間を有するスポンジ状の構造である。通気層は、幅が5.0cm~8.0cm、長さが14.0cm~16.0cmの長方形の形状である。その結果、通気層は、通気性を維持することにより、パンティライナーの使用者に十分な通気性を提供することができる。
【0080】
図6A(通気層の透視図)、及び図6B(布構造の内部図)を参照すると、通気層(40)は、空気を通気するための十分な空間を有するハイロフト(41)の構造を有するPEスパンボンドファブリック(布)から構成される。パンティライナーにおける通気層の寸法の概要として、表1を参照されたい。
【0081】
表1. パンティライナー、昼用月経パッド、夜用月経パッドの各構成要素の寸法
トップ/ベース層の最小横幅
【0082】
本発明のパンティライナーの一実施形態によれば、通気性材料のベース層は、ポリエチレンPEが、空気は出入りすることができるが水や体液に対しては不可能な通気孔を有する0.02mm~0.05mmの厚さの非常に薄いフィルムに押し出されたものである。
【0083】
図1D(パンティライナー(1)のバックシートまたはベース層(70)の背面図)、および図2A(パンティライナー(1)のバックシート(70)の断面図)を参照すると、ポリエチレンPEが、空気が出入りできるが水または体液は不可能な通気孔を有する0.02mm~0.05mmの厚さのフィルムに押し出されて構成されている。
【0084】
本発明のパンティライナーの一実施形態によれば、複合材料のトップ層及び通気性材料のベース層は、それぞれ、互いに本質的に同一である全体形状を有する。全体形状は、最小横幅、前端における第1の最大横幅、後端における第2の最大横幅、及び長手方向の長さを有する、ダンベル状楕円形である。
【0085】
最小横幅は5.0cm~6.0cm、第1の最大横幅は6.0cm~8.0cm、第2の最大横幅は6.0cm~8.0cm、長手方向の長さは14.0cm~16.0cmである。
【0086】
図1A(パンティライナー(1)の上面図)、図2A(パンティライナー(1)の断面図)、図1D(パンティライナー(1)の背面図)を参照して、トップ層(最上層)(10)およびベース層(70)はそれぞれ互いに本質的に同一の全体形状を有している。パンティライナーの全体寸法の概要として、表1を参照されたい。
【0087】
月経パッド全般
一実施形態によれば、本発明の月経パッドは以下を含む。(1)肌接触面を有する複合材料のトップ層、(2)ラップエンクロージャ形状のエアレイドシート、(3)エアレイドラップエンクロージャの内側の高吸収性ポリマー層、(4)通気層、及び(5)通気性材料のベース層を含んでいる。
【0088】
複合材料のトップ層は、(a)少なくとも1つの液体透過性材料の層、(b)少なくとも1つの構造化粘着剤の層、及び(c)少なくとも1つのポリエチレン-ポリプロピレン鞘芯2成分スパンボンドの層からなる。エアレイドシートは、ラップエンクロージャを形成する伸長可能なチューブ形状であり、月経パッドは、月経パッドの使用者の月経期中に使用するように適合及び構成されている。
【0089】
図1B(上面図)、図1F(背面図)及び図2B(断面図)を参照すると、月経パッド(2)は、以下の主要構成要素を含む:複合材料のトップ層(10)、吸収体(30)、通気層(40)及び通気性材料のベース層/背面シート(70)。
【0090】
本発明の月経パッドの一実施形態によれば、トップ層の複合材料に関して、少なくとも1つの液体透過性材料の層は、不織布から合成されたポリエチレンからなる。少なくとも1つのポリエチレン-ポリプロピレン鞘芯2成分スパンボンドの層は、繊維からなり;各繊維は、芯部と鞘部とを有する。芯部は、主材料としてポリプロピレン、副材料としてナノサイズの金属化合物から構成される。鞘部は、ポリエチレンを主材料とし、ナノサイズの金属化合物を副材料として構成されている。
【0091】
同様に、複合材料のトップ層の説明は、図2B(断面図)、図3A(上面図)、図3B(側面図)、図3C(断面図及び側面図)、図3D(側面図及び拡大図)、及び図3E(透視図)に開示されている。:複合材料(10)のトップ層は、皮膚接触面(11)、第1層としての体液透過性材料(12)、ポリエチレンPEスパンボンドファブリック、構造化粘着剤の薄く不連続な層(13)、第2層としてのポリエチレン/ポリプロピレン(PE/PP)鞘芯2成分繊維(14)、およびトップシートの底面(15)を有す。
【0092】
本発明の月経パッドの一実施形態によれば、遠赤外線、細菌を排斥するマイナスイオン、および磁力線を放出することができるナノサイズの金属化合物は、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化ニッケル、炭化ケイ素、二酸化ケイ素、二酸化錫、二酸化チタン、酸化亜鉛、炭化ジルコニウム、二酸化ジルコニウム、およびケイ酸ジルコニウムからなる群に属するものである。
【0093】
その結果、ナノサイズの金属化合物は、月経パッドの使用者に、(a)熱損失の低減による月経前症候群の緩和、(b)主にマイナスに帯電する細菌を排斥することによる感染リスクの低減を提供する。
【0094】
図3D(トップシートの第2層(14)のファブリックテクスチャの側面図と繊維の拡大図)の各部分と、図3E(ファブリックテクスチャのさらなる拡大図)の各部分を参照すると、PE/PPポリエチレン-ポリプロピレン鞘芯2成分スパンボンドファブリックの鞘芯の周りに均一に分布する選択されたナノサイズの金属化合物(17)を有している。このように複合化された繊維は、遠赤外線(FIR)放射、マイナスイオンだけでなく、弱い磁力線も発生させることができる。
【0095】
図3Eを参照すると、ナノサイズの金属化合物は、ポリプロピレンPP(16)と混合されて芯(コア)部を形成し、ポリプロピレンPEと混合されて鞘(ケーシング)部(18)を形成する。繊維材料(14)によって生成されるFIR放射の強度は、in vitroおよびin vivoの両方の研究で観察されている波長帯域(3-12μm)にあり、細胞および組織を刺激し、特定の病状に対する有望な治療モダリティと考えられている。
【0096】
ナノサイズの遠赤外線放射金属化合物を使用する1つの利点は、熱損失低減の効果である。本発明の実施形態は、放熱パッドを提供することではなく、FIR放射を発生させてFIR放射皮膚表面での体熱損失率を低減させるパンティライナーと月経パッドのシステムである。
【0097】
また、もう1つの利点は、シールドケーシング(18)に使用されているナノサイズの金属化合物は、毎秒、1cmあたり350~530個のマイナスイオン(陰イオン)を静的に供給することが可能なことである。細菌の99.5%以上はマイナス電荷を帯びており、繊維(14)が静電陰イオンを放出することで、同じ電荷が互いに反発し合い、パンティライナー(1)と月経パッド(2)の周りに細菌が存在しないことが保証される。
【0098】
磁力線の存在により、ハンディな磁気リーダーによって、布がFIR放射とマイナスイオン放出特性で作られていることを簡単に識別することができる。FIR放射、マイナスイオン、磁力線のすべての物理的特性は、身体への安全要求の最高基準を満たすように作られている。
【0099】
本発明の月経パッドの一実施形態によれば、伸長可能なチューブは、第1の縁部と第2の縁部を有し、第1の縁部と第2の縁部は、オーバーラップ領域(重なり合う領域)を有している。ラップエンクロージャは横幅を有し、伸長可能なチューブのオーバーラップ領域は、少なくともラップエンクロージャの横幅の2分の1より大きい長さを有している。エアレイドシートは、液体透過性を有するポリプロピレン製スパンボンドファブリックから構成される。
【0100】
図4A(ラップエンクロージャと同様の伸長可能なチューブ形状であるエアレイド(21)の透視図)、図5C(エアレイドラップエンクロージャ(21)の内部にSAP-シート(33)を有する吸収体(30)の透視図)、図5D(拡張した吸収体(34)の側面図)を参照し、拡張時に開口端の閉鎖室(収容部の閉鎖)を維持するためには、ラップエンクロージャ(24)の2つの開放端の間の長さ(L1)は、ラップエンクロージャの総幅(L2)の半分より大きいことが必要である。
【0101】
本発明の月経パッドの一実施形態によれば、高吸収性ポリマー層又はSAP-シートと呼ばれる層(33)は、2つの薄い木材パルプの間に押し込まれた高吸収性ポリマー顆粒を有する。顆粒は、乾燥時には0.03mm~0.05mmの直径を有し、湿潤又は膨潤時には1.1mm~1.8mmとなる。
【0102】
図4A(伸長可能なチューブ(21)形状のエアレイドシートの側面図)および図4B(エアレイドシート(20)の断面図)を参照すると、乾燥したSAPまたは膨潤したSAPの通過を止めるフィルターとして機能するポリプロピレンPPスパンボンド液体透過性材料が備えられている。注意すべきは、ラップエンクロージャ(24)の2つの開口端において、その間にオーバーラップ領域(重なり合う領域)が存在することである。本発明では、体液吸収時の膨張に十分な余裕を持たせる目的で、重なり合う長さ(L1)がラップエンクロージャの筒の幅(L2)の半分より大きいことが必要である。昼用パッドは80cc、夜用パッドは120ccの液体を吸収することができ、液漏れの心配がなく安心である。
【0103】
高吸収性ポリマ(SAP)顆粒(31)は、乾燥モードおよび湿潤膨潤モードでそれぞれ直径が0.03~0.05mmおよび1.1~1.8mmと計測される。実質的に超体液吸収性、水不溶性及び自然中和性を有する高分子吸収材料(31)は、150gsm~200gsm(グラム/平方メートル)の重さである。
【0104】
図5C(吸収体(30)の透視図)及び図5D(膨張吸収体(34)の側面図)を参照すると、完全に飽和したSAP(34)の群(集合)は、ラップエンクロージャ(21)の内部のチャンバー(収容空間)を膨張させて拡張ラップエンクロージャ(23)となっている。経血がトップシート(10)及びエアレイド(21)を透過すると、SAPシート(33)内部のSAP(31)が数秒で吸収し、元の大きさの80~100倍に膨張する(34)。膨張したSAP(34)は伸長可能なチューブ内のスペースをより多く占めると、そのときエアレイド(21)はフィルターとして機能し、ラップエンクロージャー(23)からSAP(34)が出てくるのを防ぐことができる。また、エアレイド(24)のオーバーラップ領域の間には接着剤がないので、エアレイドは自由に膨張することができ、より多くの膨張のための空間を与えることができる。
【0105】
本発明の月経パッドの一実施形態によれば、通気層は、ポリエチレンPEで処理された不織布シートであり、空気を通すための十分な空間を有するスポンジ状の構造である。その結果、通気層は、通気性を維持することによって、月経パッドの使用者に十分な通気性を提供する。
【0106】
図6A(通気層の透視図)、及び図6B(ファブリック(布)構造の内部図)を参照すると、通気層(40)は、空気を通気するための十分な空間を有するハイロフト(41)の構造を有するPEスパンボンドファブリック(布)を有する。
【0107】
本発明の月経パッドの一実施形態によれば、通気性材料のベース層は、ポリエチレンPEを空気は出入りするが水や体液に対しては不可能な通気孔を有する厚さ0.02mm~0.05mmの非常に薄いフィルムに押し出されてなるものである。
【0108】
図1F(月経パッド(2)のバックシートまたはベース層(70)の背面図)、図2B(月経パッド(2)のベース層(70)の断面図)を参照すると、ポリエチレンPEが、空気が出入りするが、水や体液は出入不能な通気孔を有する0.02mm~0.05mmの厚さのフィルムに押し出されてなるものである。
【0109】
本発明の一実施形態によれば、月経パッドは、月経パッドの右側に設けられた右配置マークと、月経パッドの左側に設けられた左配置マークとをさらに含む。右配置マーク及び左配置マークは、それぞれ、3mm~8mmの直径を有する。右配置マーク及び左配置マークは、それぞれ、肌接触面に印刷又はエンボス加工されている。
【0110】
図1B(月経パッド(2)の上面図)を参照すると、3~5mmのエンボスストリップ(エンボス帯)(19)が、外装面の外周に沿って存在し、トップ層(10)に一対のサイドシート(50a、50b)が取り付けられ、左ウィング(51b、52B)の上側角部には配置マーク(61b)が設けられ;右ウィング(51a、52A)の上側角部には配置マークまたはガイド(61a)が設けられている。左配置マークまたはガイド(61b)および右配置マークまたはガイド(61a)の各々は、識別標識であり、左ウィングおよび右ウィングに隣接する2つの前方角部に印刷またはエンボス加工されている直径3~8mmである任意の種類の記号(例えば
または企業ロゴなど)である。
【0111】
また、図7A(月経パッド(2)の上面図)を参照し、図7Bでは、女性用パンティ(90)の望ましい位置に配置しようとしている月経パッド(2)を図示し、図7Cでは、パンティの正しい位置に月経パッドが配置されたことを図示している。配置マーク(61a、61b)が左右のパンティ開口部(92A、92B)の両縁(93)と交差(62)するまで、パッド(2)をY軸に沿って上下に移動させる。パッド(2)が正しく位置したら、パッド(2)をパンティーの内側のブリッジ上部(中央部)に貼り付ける。
【0112】
本発明の一実施形態によれば、月経パッドは、月経パッドの右側に設けられた右分割ウィング(スプリットウィング)と、月経パッドの左側に設けられた左分割ウィング(スプリットウィング)とをさらに有する。右分割ウィングは、右分割線に沿って、上側右分割ウィングと下側右分割ウィングとに分割することができる。左分割ウィングは、左分割線に沿って、上側左分割ウィングと下側左分割ウィングに分割することができる。
【0113】
図8A(月経パッド(2)の上面図)を参照すると、一対のサイドシート(50a、50b)が設けられ、各サイドシートは、サイドシート(50a、50b)の中央の3.0~4.0cmの分割線(53a、53b)によって2つの小さなウィングまたは分割ウィングにカットされる。これにより、パンティ(55a、55b)の縁に沿った完璧な輪郭が得られ、また、パンティの縁の外側面に4つの小さなウィング(51a、51b、52a、52b)を裏返して取り付けると、強固なV字形(57a、57b)の粘着効果を得ることができる。これにより、パッドの移動や脱落の可能性を最小限に抑える。
【0114】
昼用月経パッド
月経期の日中(昼間)に使用するための月経パッドの一実施形態によれば、複合材料のトップ層及び通気性材料のベース層はそれぞれ、互いに本質的に同一である全体形状を有している。全体形状は、ダンベル状楕円形であり、最小横幅、前端における第1の最大横幅、後端における第2の最大横幅、及び長手方向の長さを有する。最小横幅は6.5cm~7.5cm、第一最大横幅は9.0cm~11.0cm、第二最大横幅は9.0cm~11.0cm、長手方向長さは23.0cm~26.0cmである。
【0115】
図1G(月経周期中の日中に使用するための月経パッド(2)の上面図)、および図1H(月経周期中の日中に使用するための月経パッド(2)の背面図)を参照すると、最上(トップ)層(10)および底(ボトム)層(70)はそれぞれ、互いに本質的に同一である全体形状を有している。昼用月経パッドの全体寸法の概要として表1を参照されたい。
【0116】
月経期の日中に使用するための月経パッドの一実施形態によれば、ラップエンクロージャは、5.0cm~6.0cmの幅、及び19.0cm~23.0cmの長さを有する矩形状である。ラップエンクロージャの内側の高吸着性ポリマー層は、幅が4.5cm~5.5cm、長さが15.0cm~19.0cmの長方形状である。
【0117】
図1G(昼用月経パッド(3)の外形上面図)、図2B(月経パッド(2)の断面図)を参照すると、昼用月経パッド(3)のトップシートに対するSAPシート(33)とともにエアレイド(21)の寸法と位置が説明される。エアレイド(21)の形状は、横幅が5.0cm~6.0cmの長方形であり、縦方向の長さが19.0cm~23.0cmのものである。SAP-シートの形状は、長方形で、横方向の幅が4.5cm~5.5cm、長手方向の長さが15.0cm~19.0cmである。昼月経パッドのSAPシートとエアレイドシートの寸法をまとめたものとして、表1を参照されたい。
【0118】
月経期の日中に使用する月経パッドの一実施形態によれば、通気層は、幅が5.5cm~6.5cm、長さが20.0cm~24.0cmの長方形の形状を有している。
図1H(昼用月経パッド(3)の外形の上面図)、及び図2B(月経パッド(2)の断面図)を参照し、昼用月経パッド(3)のバックシート(裏面シート)に対する通気層(40)の寸法と位置が示される。昼用月経パッドの通気層の寸法をまとめたものとして、表1を参照されたい。
【0119】
夜用月経パッド
月経期の夜間に使用するための月経パッドの一実施形態によれば、複合材料のトップ層及び通気性材料のベース層はそれぞれ、互いに本質的に同一である全体的な形状を有している。全体形状は、瓢箪型の楕円形であり、最小横幅、前端における第1の最大横幅、後端における第2の最大横幅、及び長手方向の長さを有する。最小横幅は7.5cm~9.5cm、第1の最大横幅は9.5cm~11.5cm、最大横幅は14.0cm~16.0cm、長手方向の長さは28.0cm~38.0cmである。
【0120】
図1J(月経周期中の夜間に使用するための月経パッド(2)の上面図)、および図1K(月経周期中の夜間に使用するための月経パッド(2)の背面図)を参照し、トップ層(最上層)(10)およびベース層(最下層)(70)はそれぞれ、互いに本質的に同一である全体形状を有している。夜用月経パッドの全体寸法の概要として表1を参照されたい。
【0121】
月経期の夜間に使用するための月経パッドの一実施形態によれば、ラップエンクロージャは長方形状であり、6.5cm~7.5cmの幅、及び24.0cm~32.0cmの長さを有している。ラップエンクロージャの内側の高吸着性ポリマー層は、長方形で、幅が5.5cm~7.0cm、長さが18.0cm~28.0cmである。
【0122】
図1J(夜用月経パッド(4)の外形上面図)、及び図2B(月経パッド(2)の断面図)を参照すると、夜用月経パッド(4)のトップシートに対するSAP-シート(33)とともにエアレイド(21)の寸法と位置が示される。エアレイド(21)の形状は、横幅が6.5cm~7.5cmの長方形であり、縦方向の長さが24.0cm~32.0cmである。SAP-シートの形状は、長方形で、横方向の幅が5.5cm~7.0cm、長手方向の長さが18.0cm~28.0cmである。夜用月経パッドのSAPシートとエアレイドシートの寸法をまとめたものとして、表1を参照されたい。
【0123】
月経期の夜間に使用する月経パッドの一実施形態によれば、通気層は、幅が7.0cm~8.5cm、長さが28.0cm~38.0cmの長方形の形状を有する。
【0124】
図1K(夜用月経パッド(4)の外形の上面図)、及び図2B(月経パッド(2)の断面図)を参照し、夜用月経パッド(4)のバックシート(裏面シート)に対する通気層(40)の寸法と位置が説明されている。通気層(40)の形状は、横幅が7.0cm~8.5cmの長方形であり、縦方向の長さが27.0cm~35.0cmである。夜用月経パッドの通気層の寸法をまとめたものとして、表1を参照されたい。
【0125】
パンティライナーや月経パッドの使用について
本発明の一実施形態によれば、パンティライナー及び月経パッドを使用する方法は、以下のステップを含む。(a)月経前段階の間に請求項1によるパンティライナーを使用し、(b)月経段階の昼間の間に請求項16による昼間で使用するための月経パッドを使用し、(c)月経段階の夜間の間に請求項19による夜間で使用するための月経パッドを使用する。月経前段階は5~6日であり、月経段階は4~6日であり得る。
【0126】
原発性月経困難症の判定について
月経パッドの使用者における原発性月経困難症を判定する方法は、以下のステップを含む。
(a)月経パッドを使用せずに月経痛の日数を観察する、
(b)月経パッドを使用して月経痛の日数を観察する、
(c)月経パッドを使用しない場合の月経痛の日数から月経パッドを使用した場合の月経痛の日数を減算して短縮した月経痛日数を求める。ここで、短縮した月経痛日数は0、1、2、3、4、5、又は6である。
(d)月経痛を短くする月経パッドの有効性を以下ランキングする;
(1)月経痛の短縮日数が0日である場合は、効果がない、
(2)月経痛の短縮日数が1であれば、中程度の効果である、
(3)生理痛の短縮日数が2日以上であれば、高度の有効である。
(e)月経開始時の痛みのレベルを1から10までのスケールで数値化し、「1」を最も軽い痛みのレベル、「10」を最も重い痛みのレベルとする。
(f)月経終了時の痛みのレベルを1から10までのスケールで数値化し、「1」を最も軽い痛みのレベル、「10」を最も重い痛みのレベルとする。
(g)月経開始時の痛みのレベルから月経終了時の痛みのレベルを引いて痛みの減少レベルを求める。ここで、痛みの減少レベルは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である;そして
(h)月経パッドの痛みを軽減する効果を以下ランキングする。
(1)痛みの減少レベルが0の場合、効果なし。
(2)痛みの減少レベルが1、2、3の場合、中度の有効。
(3)痛みの減少レベルが4以上であれば、高度の有効。
(i)月経パッドの使用者を原発性月経困難症であると判定するステップ。
(1)月経痛の日数を短縮する月経パッドの効果が中程度の効果である場合、または高度の有効である場合。
(2)月経パッドの痛みの程度を減少させる効果が中程度の効果である場合、または高度の効果である場合。
【0127】
つまり、原発性月経困難症の月経パッドの使用者にとって、月経パッドは、月経痛の日数を短縮することについて「中度の効果」、または「高度の効果」があることが少なくとも示される場合、月経痛の日数を短縮する効果があると見なされる。同様に、月経パッドは、少なくとも月経痛の軽減について「中度の効果」または「高度の効果」を示すことができれば、月経痛の軽減に効果があるとみなされる。
【0128】
一方、月経パッドの使用者が、(a)月経痛の日数を短縮する効果、(b)痛みの程度を軽減する効果を実感できない場合、続発性月経困難症である可能性が高いと考えられる。直ちに医師の診断と治療を受けることが推奨される。
【0129】
表2、3、および4を参照すると、本発明による月経パッドシステムの使用は、(a)月経痛の日数を短縮すること、および(b)痛みの程度を減少させることに有用である。原発性月経困難症の使用者は、(a)月経痛の日数を短縮すること、又は(b)痛みのレベルを低下させることのいずれかについて、中度の効果又は高度の効果を経験する。使用者は、本発明の月経パッドシステムを継続して使用することが推奨される。
【0130】
一方、続発性月経困難症の使用者は、(a)月経痛の日数を短縮する効果、(b)痛みの程度を軽減する効果のいずれも得られないと考えられる。このような方は、できるだけ早く医療機関を受診されることが推奨される。
【0131】
パンティライナーと月経パッドのパッケージ
本発明の一実施形態によれば、パンティライナー及び月経パッドのパッケージは、以下を含む。(1)複数のパンティライナー、(2)昼間に使用する複数の月経パッド、及び(3)夜間に使用する複数の月経パッドである。前記複数のパンティライナーは10~12枚であり、前記複数の昼間に使用する月経パッドは15~18枚であり、前記複数の夜間に使用する月経パッドは4~6枚であることを特徴とする。
【0132】
好ましくは、複数のパンティライナーは、昼用1枚と夜用1枚とで6日間分となる12枚であり、好ましくは、複数の昼間に使用する月経パッドは18枚であり、好ましくは、複数の夜間に使用する月経パッドは、6枚である。
【0133】
パンティライナーと月経パッドのメリット
要約すると、本発明はパンティライナーおよび月経パッドに多くの利点を提供する。
(A)熱損失の低減:複合材料のトップ層にあるナノサイズの金属化合物は、遠赤外線(FIR)を放出し、使用者の熱損失低減に貢献する。多くのユーザーが、月経痛の軽減を実感している。
(B)抗菌効果:複合材料のトップ層にあるナノサイズの金属化合物は、ほとんどの細菌がマイナス電荷を持っているため、細菌を排斥するのに役立つマイナスイオンを供給する。
(C)液体の捕捉と分配:液体透過性層、構造化粘着剤層、およびスパンボンドポリエチレン-ポリプロピレン鞘芯2成分繊維の層を有する複合材料のトップ層は、このトップ層が血液流体の捕捉と分配を管理可能にするため有益である。
(D)膨潤した高吸着性ポリマー顆粒の効率的な取り扱い:高吸着性ポリマー顆粒を拡張可能なチューブ形状のエアレイドシートの中に入れておくと、拡張可能なチューブがラップエンクロージャを形成し、膨潤した顆粒を効率よくエアレイドシートの中に保持できるので非常に有効である。
(E)配置マーク:一対の配置マークの使用は、使用者が月経パッドを正確に、効率的に、かつ容易にパンティーに配置できるため、漏れが効果的に回避される点で有利である。
(F)分割ウィング。月経パッドをパンティーに固定する方法として、上下に分割できる一対の分割ウィングを使用することが効果的である。その結果、月経パッドは下着の周りにしっかりと固定され、漏れをより防ぐことができる。
(G)新鮮な空気の出入り:下層の上に通気層を設けることで、周囲の温度や湿度で十分に換気することができる。
【0134】
実施例
以下の実施例は、当業者に対して、本発明の製造方法および使用方法の完全な開示および説明を提供するように記載されている。実施例は、本発明者らが本発明とみなす範囲を限定することを意図したものではなく、また、以下に説明する評価および試験がすべてまたは唯一の実施された評価および試験であることを表すことを意図したものでもない。
【0135】
例1.
月経開始前に月経パッドを使用する効果
平均年齢36歳、年齢幅24~55歳のユーザー29名に、体熱損失減速層を備えた月経パッドの使用効果を報告してもらった(表2)。各ユーザーは、月経が始まる前から月経パッドを一定日数使用した(第3列)。
【0136】
ユーザーは、月経パッドを使用しない場合の月経痛の日数(第4列)と、月経パッドを使用した場合の月経痛の日数(第5列)を報告した。このデータを分析し、以下のように分類した(第6列)。
(a)変化がない場合は「なし」と分類、
(b)月経痛の日数が1日短縮した場合は「中度」と分類、
(c)月経痛の日数が2日以上短縮した場合は「高度」と分類。
【0137】
月経痛の経験日数については、「変化なし」が11名、「中度」の変化が12名、「高度」の変化が6名であった。したがって、29人中18人のユーザーが、月経パッドの使用は月経痛の経験日数を減らすのに有効であることを示した。
【0138】
また、ユーザーから以下の報告もあった。:
(a)期間開始時の痛みのレベル(第7列)。「1」を最も軽い痛み、「10」を最も重い痛みのレベルとする。
(b)期間終了時の痛みのレベル(第8列)。1から10までのスケールに関して、「1」を最も軽い痛み、「10」を最も重い痛みのレベルとする。
データを以下のように分析し、分類した(第10列)。
(a)痛みのレベルに変化がない場合は「なし」と分類,
(b)痛みが-1,-2,-3と減少した場合は「中度」と分類,
(c)痛みが-4,-5,-6,-7と減少した場合は「高度」と分類。
【0139】
痛みの程度については、「変化なし」が3名、「中度」が10名、「高度」が16名であった。したがって、29名中26名のユーザーが、パッドの使用が痛みのレベルを下げるのに有効であることを示している。
【0140】
なお、月経パッドの使用者1及び使用者10は、(a)月経痛の日数の短縮、及び(b)月経開始から月経終了までの痛みの程度が減少するという点では、何ら改善を実感していないことがわかる。このことから、両者とも原発性月経困難症ではない可能性がある。その代わりに、子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫、感染症など、女性の生殖器系の障害に関連した続発性月経困難症である可能性がある。このようなユーザーは、できるだけ早く医療機関に相談する必要がある。
【0141】
表2.月経前の月経パッドの使用による効果
【0142】
表3.月経痛の日数短縮に基づく推奨
【0143】
表4.痛みの程度を軽減するための推奨事項
【符号の説明】
【0144】
以下のリストは、図面の各部に対応する符号を示す。
1 女性用パンティライナー
2 女性用月経パッド
3 昼用月経パッド
4 夜用月経パッド
10 複合材料(または複合トップシート)のトップ層
11 皮膚接触面(トップシートの外面)
12液体捕集のためのポリエチレンPE多孔質スパンボンドファブリック(布)製の液体透過性素材
13 構造化された接着剤(糊)
14 液体捕集・分配用のナノサイズの金属化合物と混合された鞘芯2成分PE/PP
15 トップシートの裏面
16 PPを主原料とした芯材
17 トップシートの第2層の鞘芯繊維に均一に分散した選択されたナノサイズの金属化合物
18副素材としてPEを使用したシース (ケーシング)材
19 パッド端に沿ったエンボスストリップ
20 エアレイドシート
21 伸長可能のチューブ/ラップエンクロージャ(包み封)形状のエアレイドシート
22 エアレイドシートの断面
23 拡大・膨張したラップエンクロージャ
24 ラップエンクロージャのオーバーラップ領域(重なり合う領域)の2つの開口縁部
25 エアレイドシート(液透過性スパンボンドPP)のファブリックテクスチャ
30 吸着体
31 高吸水性樹脂(SAP)顆粒
32 極薄木材パルプ
33 SAPシート(SAPを薄い木材パルプで挟んで積層したもの)
34 膨張したSAP
40 通気層
41 通気層のファブリック(通気性に十分なスペースを有する嵩高な構造)
50a 右分割ウィング(サイドシート)
50b 左分割ウィング(サイドシート)
51a 右上分割ウィング
51b 左上分割ウィング
52a 右下分割ウィング
52b 左下分割ウィング
53a スプリットカットライン(右)
53b スプリットカットライン(左)
54a 開口カットポイント(右)
54b 開口カットポイント(左)
55a 折り返し線(右)
55b 折り返し線(左)
56a 折り返し(右上)分割ウィング
56b 折り返し(左上)分割ウィング
57a 折り返し(右下)分割ウィング
57b 折り返し(左下)分割ウィング
58a 折り返しV字型分割ウィング(右)
58b 折り返しV字型分割ウィング(左)
60 設置ガイドシステム
61a 設置マーク(右)
61b 配置マーク(左)
62 交点に位置する配置マーク
70 通気性素材のベース層(またはパッドのバック(裏面)シート)
71 バックシートの外装面
80 粘着及び剥離紙
81 表面材用粘着剤(糊)
82a 剥離紙(単体)
82b パッドのバック(裏面)シート上の表面グルーストリップ(粘着帯部)に貼付された剥離紙
82c サイドウィング裏面上の表面グルーストリップ(粘着帯部)に貼付された剥離紙
83 2つのサイドウィングを覆う剥離紙の破断線
90 女性用パンティ
91 パンティ・ブリッジ(縁部)
92a 右のパンティホール
92b 左のパンティホール
93a 右パンティホール周辺エッジ
93b 左パンティホール周辺エッジ
図1A-F】
図1G-K】
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】