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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-25
(54)【発明の名称】ヒト免疫不全ウイルスの複製阻害剤
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20230418BHJP
   A61P 31/18 20060101ALI20230418BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230418BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20230418BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20230418BHJP
   A61K 31/4985 20060101ALI20230418BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20230418BHJP
   A61K 31/513 20060101ALI20230418BHJP
   A61K 31/537 20060101ALI20230418BHJP
   A61K 31/5365 20060101ALI20230418BHJP
【FI】
C07D471/04 118Z
C07D471/04 CSP
A61P31/18
A61P43/00 121
A61K31/519
A61K45/00
A61K31/4985
A61K31/496
A61K31/513
A61K31/537
A61K31/5365
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022553214
(86)(22)【出願日】2021-03-03
(85)【翻訳文提出日】2022-11-01
(86)【国際出願番号】 IB2021051765
(87)【国際公開番号】W WO2021176367
(87)【国際公開日】2021-09-10
(31)【優先権主張番号】62/985,946
(32)【優先日】2020-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520218040
【氏名又は名称】ビーブ、ヘルスケア、ユーケー、(ナンバー5)、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】VIIV HEALTHCARE UK (NO.5) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100172557
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 啓靖
(72)【発明者】
【氏名】エリック、ピー、ギリス
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアナ、イワグウ
【テーマコード(参考)】
4C065
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C065AA04
4C065BB11
4C065CC01
4C065DD03
4C065EE02
4C065HH01
4C065JJ03
4C065KK06
4C065KK10
4C065LL04
4C065PP03
4C065PP04
4C065PP18
4C084AA19
4C084NA05
4C084ZB331
4C084ZB332
4C084ZC551
4C084ZC552
4C084ZC751
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC42
4C086CB05
4C086CB09
4C086CB22
4C086GA05
4C086GA07
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA52
4C086MA66
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZB33
4C086ZC55
4C086ZC75
(57)【要約】
式Iの化合物(その薬学的に許容可能な塩を含む):
【化1】
並びにヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症を処置するための組成物及び方法が記載される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の化合物:
【化1】
及びそれらの薬学的に許容可能な塩からなる群から選択される化合物又は塩。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物又は塩を含む医薬組成物。
【請求項3】
薬学的に許容可能な賦形剤をさらに含む、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
経口投与、筋肉内注射又は皮下注射に適した、請求項2又は3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の化合物又は塩の投与を含む、ヒトにおけるHIV感染症を処置する方法。
【請求項6】
前記投与が経口投与である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記投与が筋肉内注射又は皮下注射である、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記方法が、ヒトにおけるAIDS又はHIV感染症の処置に使用される少なくとも1種のその他の薬剤の投与をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1種のその他の薬剤が、ドルテグラビル、ビクテグラビル、ラミブジン、ホステムサビル及びカボテグラビルからなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
療法に使用するための、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項11】
ヒトにおけるHIV感染症の処置に使用するための、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項12】
ヒトにおけるHIV感染症の処置のための医薬の製造に使用するための、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症の処置のための化合物、組成物、及び方法に関する。より具体的には、本発明は、新規のHIVの阻害剤、そのような化合物を含む医薬組成物、及びHIV感染症の処置においてこれらの化合物を使用する方法を提供する。本発明はまた、以下に記載される化合物を製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
後天性免疫不全症候群(AIDS)は、HIVによる感染の結果である。HIVは世界の主要な公衆衛生問題であり続けている。2015年には、推定3,670万人がHIVとともに生きており(180万人の子供を含む)、世界のHIV罹患率(global HIV prevalence)は0.8%である。この数の大部分は、低中所得国に住んでいる。同じ年に、110万人がエイズ関連疾患で死亡した。
【0003】
HIV感染者に対する現在の療法は、承認された抗レトロウイルス薬の組み合わせで構成されている。現在、単剤、固定用量の組み合わせ、又は単一錠剤のレジメン(後者の2種は、2~4種の承認された薬剤を含む)のいずれかとして、4ダース近くの薬物がHIV感染症に対して承認されている。これらの薬剤は、ウイルス酵素、又はウイルス複製サイクル中のウイルスタンパク質の機能のいずれかを標的とする、いくつかの異なるクラスに属している。したがって、薬剤は、核酸系逆転写酵素阻害剤(NRTI)、非核酸系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)、プロテアーゼ阻害剤(PI)、インテグラーゼ鎖転移阻害剤(INSTI)又は侵入阻害剤(そのうちの1種の薬剤はマラビロクであり、宿主CCR5タンパク質を標的とする一方、別の薬剤はエンフビルチドであり、ウイルスgp160タンパク質のgp41領域を標的とするペプチドである)のいずれかとして分類される。加えて、薬物動態エンハンサー(コビシスタット又はリトナビル)を、ブーストを必要とする抗レトロウイルス剤(ARV)と組み合わせて使用することができる。
【0004】
薬剤と薬物の組み合わせとの医療装備にもかかわらず、新しい抗レトロウイルス薬の医学的必要性が依然として存在する。高いウイルス不均質性、薬物関連毒性、忍容性問題及び付着性不良はすべて、処置失敗につながる可能性があり、クラス全体からの1種若しくは2種以上の抗レトロウイルス剤又はさらに複数の薬物に対する耐性を付与する変異を有するウイルスを選択する結果となり得る(Beyrer, C., Pozniak A. HIV drug resistance - an emerging threat to epidemic control. N. Engl. J. Med. 2017, 377, 1605-1607; Gupta, R. K., Gregson J., et al. HIV-1 drug resistance before initiation or re-initiation of first-line antiretroviral therapy in low-income and middle-income countries: a systematic review and meta-regression analysis. Lancet Infect. Dis. 2017, 18, 346-355; Zazzi, M., Hu, H., Prosperi, M. The global burden of HIV-1 drug resistance in the past 20 years. PeerJ. 2018, DOI 10.7717/peerj.4848)。結果として、より摂取しやすく、耐性の発現に対して高い遺伝的障壁を有し、現在の薬剤よりも安全性が向上した新しい薬物が必要とされている。この多数の選択肢において、好ましい抗レトロウイルス療法(ART)の一部として使用され得る新規の作用機序(MOA)は、現在の薬剤に耐性のウイルスに対して有効なはずであるので、なお果たすべき主要な役割を有し得る。長期間又は生涯にわたって薬物の服用を容易にする改善には、以下の改善:副作用の低減;薬物-薬物相互作用の低減;投与間期間の延長;又は別個の患者の好適性に一致する代替的な投与経路のうちのすべて又は一部が含まれ得る。安全性の向上の目標には、投薬の中止を引き起こす毒性に対して高い治療指数が確実に含まれ、副作用の低減又は薬物-薬物相互作用の低減も含まれ得る。併用レジメンにおいて使用する全体の薬物が少なくなる可能性もまた、コンプライアンス及び安全性の向上につながり得る。抗ウイルス標的に対する効力の増強は、特にヒト血漿及び血清アルブミンの存在下で維持される場合には、投与量の減少にもつながり、投与期間と副作用及び毒性に対する治療指数とに直接的且つ肯定的に影響を与え得る。要約すると、新しい作用機序を備え、長期的なコンプライアンス及び安全性を促進する上記のその他の利点も備えた抗HIV薬が見出されると、HIV感染患者にとって最大の利益が得られる。
【0005】
HIVウイルスキャプシドの正常な機能を妨害することによって作用すると考えられている、特定の治療可能性を有する化合物が、当技術分野において記載されている。現在承認されている薬物には、この機序によって作用する薬物はなく、したがって、この機序を通じて作用する化合物は、HIV感染症の処置のために利用可能な選択肢に対する有用な追加選択肢である。HIVキャプシドを標的とすると考えられる化合物は、これまでの最も重要な研究の多くを説明する最近の総説の対象となっている。これらの総説には以下の総説:“HIV-1 Capsid Inhibitors as Antiretroviral Agents” Thenin-Houssier, Suzie; Valente, Susana T. Current HIV Research, 2016, 14, 270; “Inhibitors of the HIV-1 capsid, a target of opportunity” Carnes, Stephanie K.; Sheehan, Jonathan H.; Aiken, Christopher, Current Opinion in HIV & AIDS 2018, 13, 359-365; “HIV Capsid Inhibitors Beyond PF74” McArthur, Carole, Diseases, 2019, 7, 22; and “Insights into HIV-1 capsid inhibitors in preclinical and early clinical development as antiretroviral agents” Cevik, Muge; Orkin, Chloe Expert Opin Inv. Drugs, 2019, 28, 1021が含まれる。関連する特許出願は、WO2012065062、WO2013006738、WO2013006792、WO2014110296、WO2014110297、WO2014110298、WO2014134566、WO2015061518、WO2015130964、WO2015130966、WO2016040084、WO2016033243、WO2016172424、WO2016172425、WO2018035359、WO2018203235、WO2019035904、WO2019035973、WO2019161017、WO2019161280及びWO2019198024である。
【0006】
当技術分野において現在必要とされている化合物は、新規であり且つHIVの処置において有用であるさらなる化合物である。加えて、これらの化合物は、例えば、それらの作用機序、結合性、阻害効力、標的選択性、溶解度、安全性プロファイル、バイオアベイラビリティ及び/又は投与頻度の低減のうちの1又は2以上に関して、医薬用途に関する利点を提供すべきである。これらの化合物を利用する新しい製剤及び処置方法もまた、必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
簡潔には、一態様において、本発明は、以下の化合物:
【0008】
【化1】

及びそれらの薬学的に許容可能な塩からなる群から選択される化合物又は塩を開示する。
【0009】
別の態様において、本発明は、本発明の化合物又は塩を含む医薬組成物を開示する。
【0010】
別の態様において、本発明は、本発明の化合物又は塩を投与することを含む、ヒトにおけるHIV感染症を処置する方法を開示する。
【0011】
別の態様において、本発明は、療法に使用するための、本発明の化合物又は塩を開示する。
【0012】
別の態様において、本発明は、ヒトにおけるHIV感染症の処置に使用するための、本発明の化合物又は塩を開示する。
【0013】
別の態様において、本発明は、ヒトにおけるHIV感染症の処置のための医薬の製造における、本発明の化合物又は塩の使用を開示する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の塩は薬学的に許容可能である。そのような塩は、酸付加塩又は塩基付加塩であり得る。適切な薬学的に許容可能な塩の概説については、例えば、Berge et al, J. Pharm, Sci., 66, 1-19, 1977を参照されたい。
【0015】
代表的な薬学的に許容可能な酸付加塩としては、限定するものではないが、4-アセトアミド安息香酸塩、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、安息香酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、酪酸塩、エデト酸カルシウム、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩(カンシル酸塩)、カプリン酸塩(デカン酸塩)、カプロン酸塩(ヘキサン酸塩)、カプリル酸塩(オクタン酸塩)、桂皮酸塩、クエン酸塩、シクラミン酸塩、ジグルコン酸塩、2,5-ジヒドロキシ安息香酸塩、ジコハク酸塩、ドデシル硫酸塩(エストール酸塩)、エデト酸塩(エチレンジアミン四酢酸塩)、エストール酸塩(ラウリル硫酸塩)、エタン-1,2-ジスルホン酸塩(エジシル酸塩)、エタンスルホン酸塩(エシル酸塩)、ギ酸塩、フマル酸塩、ガラクタル酸塩(ムチン酸塩)、ゲンチジン酸塩(2,5-ジヒドロキシ安息香酸塩)、グルコヘプトン酸塩(グルセプト酸塩)、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、グルタミン酸塩、グルタル酸塩、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、馬尿酸塩、ヒドラバミン(N,N’-ジ(デヒドロアビエチル)-エチレンジアミン)、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、イソ酪酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩(メシル酸塩)、メチル硫酸塩、ムチン酸塩、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸塩(ナパジシル酸塩)、ナフタレン-2-スルホン酸塩(ナプシル酸塩)、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、p-アミノベンゼンスルホン酸塩、p-アミノサリチル酸塩、パモ酸塩(エンボン酸塩)、パントテン酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルエチルバルビタール酸塩、リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩(トシル酸塩)、ピログルタミン酸塩、ピルビン酸塩、サリチル酸塩、セバシン酸塩、ステアリン酸塩、スバセチン酸塩、コハク酸塩、スルファミン酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩(8-クロロテオフィリナート)、チオシアン酸塩、トリエチオジド、ウンデカン酸塩、ウンデシレン酸塩及び吉草酸塩が挙げられる。
【0016】
代表的な薬学的に許容可能な塩基付加塩としては、限定するものではないが、アルミニウム、2-アミノ-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール(TRIS、トロメタミン)、アルギニン、ベネタミン(N-ベンジルフェネチルアミン)、ベンザチン(N,N’-ジベンジルエチレンジアミン)、ビス-(2-ヒドロキシエチル)アミン、ビスマス、カルシウム、クロロプロカイン、コリン、クレミゾール(1-p-クロロベンジル-2-ピロリルジン-1’-イルメチルベンズイミダゾール)、シクロヘキシルアミン、ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、ジエチルトリアミン、ジメチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ドーパミン、エタノールアミン、エチレンジアミン、L-ヒスチジン、鉄、イソキノリン、レピジン、リチウム、リシン、マグネシウム、メグルミン(N-メチルグルカミン)、ピペラジン、ピペリジン、カリウム、プロカイン、キニーネ、キノリン、ナトリウム、ストロンチウム、t-ブチルアミン、及び亜鉛が挙げられる。
【0017】
一実施形態において、本発明の組成物は、薬学的に許容可能な賦形剤をさらに含む。本発明の方法において、好ましい投与経路は、皮下又は筋肉内に送達するための経口及び注射による投与である。したがって、好ましい医薬組成物には、経口投与に適した組成物(例えば、錠剤)及び皮下又は筋肉内注射に適した組成物が含まれる。
【0018】
別の態様において、本発明は、ヒトにおけるHIV感染を予防するか又は感染のリスクを低減する方法であって、本発明の化合物又は塩を投与することを含む、方法を開示する。暴露前予防(又はPrEP:pre-exposure prophylaxis)は、HIV感染のリスクがある人々が、HIV感染の可能性を下げるために毎日薬を服用する場合である。PrEPは、感染のリスクを低減するのに効果的であることが示されている。
【0019】
本発明の化合物及び塩は、それらの生物学的標的としてHIVキャプシドを有すると考えられており、したがって、それらの作用機序は、HIVキャプシドの機能を1又は2以上の方法で変更することである。
【0020】
本発明の化合物及び塩は、単独で、又はその他の治療薬と組み合わせて使用することができる。したがって、本発明による併用療法は、本発明の少なくとも1種の化合物又は塩の投与、及びHIV感染症の処置に有用であり得るその他の少なくとも1種の薬剤の投与を含む。本発明の化合物又は塩、及びその他の薬剤は、単一の医薬組成物に一緒に調合され、投与されてもよいし、或いは、別個に調合され、投与され得る。別個に調合され、投与される場合には、同時に又は任意の順序で順次に投与され得る。適切なその他の薬剤には、例えば、アバカビル、アタザナビル、ビクテグラビル、カボテグラビル、ダルナビル、デラビルジン、ジダノシン、ジデオキシイノシン、ドルテグラビル、ドラビリン、エファビレンツ、エルビテグラビル、エムトリシタビン、エタビリン(etavirine)、フォサンプレナビル、ホステムサビル、インジナビル、スラトラビル(slatravir)、ラミブジン、ロピナビル、マラビロク、ネルフィナビル、ネビラピン、ラルテグラビル、リルピベリン(rilpiverine)、リトナビル、サキナビル、スタブジン、チプラナビル、テノホビル、テノホビルアラフェナミド、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、ザルシタビン及びジドブジンが含まれる。好ましい薬剤には、例えば、イスラトラビル、ラミブジン、ホステムサビル及びカボテグラビルが含まれる。特に好ましい薬剤には、例えば、ドルテグラビル、ビクテグラビル、ラミブジン、ホステムサビル及びカボテグラビルが含まれる。
【実施例
【0021】
ビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-オールの調製
【0022】
【化2】
【0023】
雰囲気下、0~5℃で、シクロペント-3-エノール(130g、1545mmol)のDCM撹拌溶液に、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(1.0M、3091mL、3091mmol)を3時間かけて滴下した。0℃で、溶液に、ジヨードメタン(249mL、3091mmol)のDCM(300mL)溶液を1時間かけて滴下した。反応混合物を27℃まで加温すると、白色沈殿物の形成が観察された。混合物を16時間撹拌した。反応の進行をTLC(SiO、20%EtOAc/pet、Rf=0.3、UVインアクティブ(UV-inactive)、PMAアクティブ(PMA-active))によりモニターした。反応混合物を飽和NHCl水溶液(1.5L)の慎重な添加によりクエンチした。混合物を、セライトパッドを通じて濾過した。水層をDCM(2×1L)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、次いで、減圧下で濃縮して、粗製のビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-オールを赤色の液体(180g)として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 4.41 - 4.35 (m, 1H), 2.18 - 2.05 (m, 2H), 1.73 (d, J = 13.9 Hz, 2H), 1.35 - 1.25 (m, 2H), 1.21 - 1.14 (m, 1H), 0.57 - 0.43 (m, 2H). GCMS: m/z = 98.1).
【0024】
ビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-オンの調製
【0025】
【化3】
【0026】
雰囲気下、0℃で、ビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-オール(210g、2054mmol)のDCM(5000mL)撹拌溶液に、デス-マーチンペルヨージナン(954g、225mmol)を少量ずつ加えた。混合物を27℃まで加温し、次いで、16時間撹拌した。反応の進行をTLC(SiO、20%アセトン/Hex、Rf=0.3、UVインアクティブ、PMAアクティブ)によりモニターした。反応混合物を、セライトパッドを通じて濾過し、濾液をNaOH水溶液(1N、8×1L)で洗浄した。合わせた水相をDCM(5×1L)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、次いで、減圧下(浴温度:20℃)で濃縮して、粗製のビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-オンを褐色の液体として得た。液体を70℃での下方蒸留によりさらに精製して、ビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-オンを淡黄色の粘性液体(125g、62%)として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 2.61 - 2.54 (m, 2H), 2.17 - 2.12 (m, 2H), 1.54 - 1.46 (m, 2H), 0.92 - 0.86 (m, 1H), -0.01 - -0.08 (m, 1H); GCMS: M/Z = 96.1.
【0027】
2-(2,2-ジフルオロアセチル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-オンの調製
【0028】
【化4】
【0029】
雰囲気下、-78℃で、ビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-オン(125g、1274mmol)のTHF(1500mL)撹拌溶液に、LDA(2.0MのTHF溶液、0.701L、1402mmol)を加えた。溶液を-78℃で1時間撹拌した。溶液に、-78℃の温度を維持しながらジフルオロ酢酸エチル(174g、1402mmol)のTHF(300mL)溶液を30分間かけてゆっくりと加えた。反応混合物を27℃まで加温し、次いで、1時間撹拌した。反応の進行をTLC(SiO、20%アセトン/ヘキサン、Rf=0.3、UVアクティブ)によりモニターした。反応混合物をHCl水溶液(1N、2000mL)の添加によりクエンチした。混合物を30分間撹拌し、次いで、EtOAc(3×1000mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1000mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、2-(2,2-ジフルオロアセチル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-オンを淡黄色の粘性液体(180g、71%)として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 6.18 (t, J = 54.8 Hz, 1H), 2.70 - 2.62 (m, 1H), 2.35 (d, J = 19.4 Hz, 1H), 2.14 (br s, 1H), 1.26 - 1.21 (m, 1H), 1.04-1.03 (m, 1H), 0.22-0.21 (m, 1H), LCMS: M/Z = 173.17).
【0030】
エチル2-(3-(ジフルオロメチル)-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)アセテートの調製
【0031】
【化5】
【0032】
雰囲気下、27℃で、2-(2,2-ジフルオロアセチル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-オン(180g、910mmol)のエタノール(2L)撹拌溶液に、エチル2-ヒドラジニルアセテート塩酸塩(422g、2729mmol)、次いで、硫酸(20mL、375mmol)を加えた。混合物を30分間撹拌し、次いで、100℃に加熱し、16時間撹拌した。反応の進行をTLC(SiO、20%アセトン/ヘキサン、Rf=0.3、UVアクティブ(UV-active))によりモニターした。反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物をEtOAc(2000mL)に溶解させ、水(2×1L)、ブライン(1.0L)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、次いで、減圧下で濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(pet.:アセトン 100:0→98:2)に供して、エチル2-(3-(ジフルオロメチル)-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)アセテートをオフホワイトの固体(110g、46%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 6.86 (t, J = 54.8 Hz, 1H), 4.93 (s, 2H), 4.14 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 2.88 - 2.79 (m, 1H), 2.76 - 2.68 (m, 1H), 2.14 - 2.04 (m, 2H), 1.19 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 1.10 - 1.03 (m, 1H), 0.14 (q, J = 4.3 Hz, 1H).
【0033】
エチル2-(3-(ジフルオロメチル)-5-オキソ-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)アセテートの調製
【0034】
【化6】
【0035】
0℃で、エチル2-(3-(ジフルオロメチル)-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)アセテート(110g、422mmol)及びセライト(395g)のシクロヘキサン(3.5L)撹拌溶液に、二クロム酸ピリジニウム(794g、2110mmol)を少量ずつ加えた。窒素雰囲気下、混合物に、tert-ブチルヒドロペルオキシド(355mL、2130mmol)を10分間かけて滴下した。反応混合物を27℃まで加温し、次いで、その温度で48時間撹拌した。反応の進行をTLC(SiO、30%アセトン/pet、Rf=0.4、UVアクティブ)によりモニターした。反応混合物を濾過し、濾過ケーキをEtOAc(1000mL)で抽出した。濾液を飽和Na水溶液(2×500mL)、飽和FeSO水溶液(300mL)、次いで、ブライン(500mL)で洗浄した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗製の表題化合物(150g)を得た。
【0036】
エチル2-(3-(ジフルオロメチル)-4,4a-ジヒドロスピロ[シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-5,2’-[1,3]ジチオラン]-1(3bH)-イル)アセテートの調製
【0037】
【化7】
【0038】
窒素雰囲気下、27℃で、エチル2-(3-(ジフルオロメチル)-5-オキソ-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)アセテート(75g、269mmol)のDCM(1500mL)撹拌溶液に、エタン-1,2-ジチオール(43.0mL、511mmol)を加え、次いで、三フッ化ホウ素酢酸(72.6mL、511mmol)を加えた。溶液を16時間撹拌した。反応の進行をTLC(SiO、20%アセトン/Pet、Rf=0.35、UVアクティブ)によりモニターした。完了後、反応混合物を0℃に冷却し、飽和NaHCO水溶液(500mL)の添加によりクエンチした。混合物をDCM(2×1000mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(1000mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、褐色の液体を得た。この物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Pet.:EtOAc 95:5→90:10)に供して、エチル2-(3-(ジフルオロメチル)-4,4a-ジヒドロスピロ[シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-5,2’-[1,3]ジチオラン]-1(3bH)-イル)アセテートをオフホワイトの固体(80g、74%)として得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 6.61 (t, J = 55.2 Hz, 1H), 5.00 - 4.85 (m, 2H), 4.29 - 4.19 (m, 2H), 3.55 - 3.46 (m, 4H), 2.63 - 2.53 (m, 1H), 2.49 - 2.38 (m, 1H), 1.30 - 1.24 (m, 4H), 0.65 - 0.60 (m, 1H). LCMS M+H = 346.9.
【0039】
エチル2-(3-(ジフルオロメチル)-5,5-ジフルオロ-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)アセテートの調製
【0040】
【化8】
【0041】
雰囲気下、-70℃で、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルイミダゾリジン-2,4-ジオン(26.3g、92mmol)のDCM(20mL)撹拌溶液に、HF-ピリジン(2.460g、24.83mmol)を加えた。溶液を30分間撹拌した。溶液に、エチル2-(3-(ジフルオロメチル)-4,4a-ジヒドロスピロ[シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-5,2’-1,3]ジチオラン]-1(3bH)-イル)アセテート(10g、25mmol)のDCM(20mL)溶液を加えた。反応混合物を-40℃まで加温し、次いで、その温度で1時間撹拌した。反応の進行をTLC(SiO、30% EtOAc/Pet、Rf=0.3、UVインアクティブ)によりモニターした。反応混合物を飽和NaHCO水溶液(200mL)の添加によりクエンチした。混合物を室温まで加温し、次いで、EtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(50mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、褐色の固体を得た。この物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Pet.:EtOAc 100:0→75-25)に供して、エチル2-(3-(ジフルオロメチル)-5,5-ジフルオロ-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)アセテートを淡黄色の固体(8.5g、91%)として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 6.62 (t, J = 55.2 Hz, 1H), 4.82 (s, 2H), 4.30 - 4.18 (m, 2H), 2.51 - 2.37 (m, 2H), 1.42 - 1.35 (m, 1H), 1.31 - 1.23 (m, 3H), 1.14 - 1.08 (m, 1H). LCMS M+H = 293.07.
【0042】
2-(3-(ジフルオロメチル)-5,5-ジフルオロ-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)酢酸の調製
【0043】
【化9】
【0044】
雰囲気下、0℃で、エチル2-(3-(ジフルオロメチル)-5,5-ジフルオロ-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)アセテート(15g、50mmol)のTHF(17mL)及びMeOH(66mL)の撹拌溶液に、LiOH(1.788g、74.7mmol)の水(66mL)溶液を加えた。反応混合物を27℃まで加温し、次いで、その温度で3時間撹拌した。反応の進行をTLC(SiO、5%MeOH/DCM、Rf=0.2、UVアクティブ)によりモニターした。完了後、反応混合物を減圧下で濃縮し、水(50mL)で希釈し、EtOAc(2×250mL)で洗浄して、不純物を除去した。水層を、HCl水溶液(1M)を使用してpH2~3に調整し、次いで、EtOAc(3×1000mL)で抽出した。合わせた有機物を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、2-(3-(ジフルオロメチル)-5,5-ジフルオロ-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)酢酸をオフホワイトの固体(14g、98%)として得た。
LCMS M+H = 265.15.
【0045】
得られた2-((3bS,4aR)-3-(ジフルオロメチル)-5,5-ジフルオロ-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)酢酸及び2-((3bR,4aS)-3-(ジフルオロメチル)-5,5-ジフルオロ-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)酢酸の分離
【0046】
【化10】
【0047】
2-(3-(ジフルオロメチル)-5,5-ジフルオロ-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)酢酸(5.5g)をイソプロパノール(20mL)に溶解させた。溶液を以下のとおり、SFCキラル分離に少量ずつ供した:機器=Thar 80;カラム=Chiralpak IC 30×250mm、5ミクロン;溶媒A=超臨界CO;溶媒B=0.5%イソプロピルアミン含有イソプロパノール(v/v);溶離液組成=70%A:30%B;流速=65g/分;背圧=100bar;温度=30℃;注入体積=2.5mL;検出=220nm。2-((3bS,4aR)-3-(ジフルオロメチル)-5,5-ジフルオロ-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)酢酸を、7.5分~14分で溶出するピークとして収集し、2-((3bR,4aS)-3-(ジフルオロメチル)-5,5-ジフルオロ-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)酢酸を、2.7分~5.8分で溶出するピークとして収集した。それぞれのエナンチオマーについて、得られた溶液を減圧下で濃縮し、得られた固体をEtOAcに溶解させ、次いで、クエン酸水溶液(1M)、続いて水、続いてブラインで2回洗浄した。有機溶液をNaSOで乾燥させ、濾過し、次いで、真空引きにより濃縮して、分離したエナンチオマーを回収率80~90%で得た。
【0048】
2-((3bS,4aR)-3-シクロプロピル-5,5-ジフルオロ-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)酢酸及び2-((3bR,4aS)-3-シクロプロピル-5,5-ジフルオロ-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)酢酸の調製
【0049】
【化11】
【0050】
2-((3bS,4aR)-3-(ジフルオロメチル)-5,5-ジフルオロ-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)酢酸及び2-((3bR,4aS)-3-(ジフルオロメチル)-5,5-ジフルオロ-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)酢酸を調製するために使用する経路及び手順に従って、ジフルオロ酢酸エチルの代わりにシクロプロパンカルボニルクロリドを使用して、表題化合物を調製した。経路は以下のスキームに示される。
【0051】
合成スキーム:
【0052】
【化12】
【0053】
N-(7-アミノ-4-クロロ-1-メチル-1H-インダゾール-3-イル)-N-(4-メトキシベンジル)メタンスルホンアミドの調製
【0054】
【化13】
【0055】
合成スキーム:
【0056】
【化14】
【0057】
工程1:2,6-ジクロロ-3-ニトロベンズアルデヒドの調製
【0058】
【化15】
【0059】
0~5℃の丸底フラスコ中の硫酸(HSO)(5.63L、4.5V)溶液に、2,6-ジクロロベンズアルデヒド(1.25kg、7.10mol、1.0当量)を15℃未満で少しずつ加えた。反応物を0~5℃で30分間撹拌した。新たに調製したニトロ化混合物の溶液[0℃で濃HSO(0.425L、0.34V)及び70% HNO(0.85kg、13.49mol、1.30当量)から調製]を、上記の反応混合物に10℃未満で加えた[注:わずかに発熱反応(3~6℃)であり、そのため、低温での添加が好ましい]。反応混合物を5~10℃で2~3時間撹拌した。反応の完了後(TLCでモニター)、25℃未満で、氷冷水(18.75L、15V)でクエンチした。次いで、反応物を室温まで加温し、2時間撹拌した。固体を濾過により単離し、次いで、水(2.5L、2.0V)で洗浄した。真空濾過を60~90分間維持することにより、固体からバルク残留水を除去した。粗湿固体を最初に空気雰囲気下で乾燥させた。次いで、50~55℃の熱風オーブンで10~12時間(含水率が5.0%以下になるまで)、乾燥させた表題生成物である2,6-ジクロロ-3-ニトロベンズアルデヒド(1.44kg、92%収率)を黄色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 10. 44 (s, 1H), 7.88 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.56 (d, J = 8.8 Hz, 1H).
【0060】
工程2:2,6-ジクロロ-3-ニトロベンゾニトリルの調製
【0061】
【化16】
【0062】
(工程-2a)
丸底フラスコ中のDMSO(5.9L、5.0V)溶液に、2,6-ジクロロ-3-ニトロベンズアルデヒド(1.17kg、5.31mol、1.0当量)を室温で加えた。室温で30分間撹拌した後、塩酸ヒドロキシルアミン(0.63kg、9.04mol、1.70当量)を加え、反応物を室温で3時間撹拌した。反応の完了後(TLCでモニター)、温度を30℃未満に維持するのに十分な速度で加える氷冷水(18.0L、15.0V)の添加により、反応物をクエンチした(観察:水添加時に形成された固体)。反応物を室温で60~90分間撹拌した。固体を濾過により単離し、水(2.5L、2.0V)で洗浄し、次いで、アセトン及びヘキサンの混合物(6.0L、1:1の比率)で洗浄した。真空濾過を60~90分間維持することにより、固体からバルク残留水を除去した。湿った固体を先ず風乾し、次いで、50~55℃の熱風オーブンで10~12時間(水分含有量が1.0%以下になるまで)最終乾燥させて、乾燥した標的生成物である2,6-ジクロロ-3-ニトロベンズアルデヒドオキシム(1.22kg、92%収率)をオフホワイトの固体として得た。粗生成物(2,6-ジクロロ-3-ニトロベンゾニトリルを10~20%含む)を、さらに精製することなく次の工程に直接使用した。
【0063】
(工程-2b)
0~5℃で、粗オキシム(上記の調製物、1.13kg、4.80mol、1.0当量)のDCM(9.04L、8.0V)撹拌溶液に、トリエチルアミン(「TEA」、1.02kg、10.09mol、2.1当量)を加えた。5分間撹拌した後、メタンスルホニルクロリド(0.60kg、5.29mol、1.1当量)を15℃でゆっくりと加えた(観察:添加中に発熱が認められた)。次いで、反応物を室温で30~45分間撹拌した。反応の完了後(反応の進行はTLCでモニターされた。移動相:20%酢酸エチルのヘキサン溶液)、反応物を水(6.78L、6.0V)で希釈し、有機層を分離し、水層をDCM(3.4L、3.0V)で抽出した。合わせた有機層をブライン(5.65L、5.0V)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた粗固体を、室温でヘキサン(4.50L、4.0V)によりトリチュレーションした。湿った物質を50~55℃の熱風オーブンで5~6時間乾燥させて、乾燥生成物である2,6-ジクロロ-3-ニトロベンゾニトリル(0.95kg、91%収率)を黄色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.07 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 8.8 Hz, 1H).
【0064】
工程3:4-クロロ-7-ニトロ-1H-インダゾール-3-アミンの調製
【0065】
【化17】
【0066】
15~20℃で、2,6-ジクロロ-3-ニトロベンゾニトリル(750.0g、3.45mol、1.0当量)のエタノール(7.5L、10.0V)撹拌溶液に、反応物を25℃未満に維持しながら、ヒドラジン水和物(519.0g、10.36mol、3.0当量)をゆっくりと加えた(観察:添加によりわずかに発熱し、添加すると固体形成が始まる)。反応混合物の温度をゆっくりと室温に上げ、次いで、混合物を3時間撹拌した(観察:この時間の間に固体量が増加する)。反応の完了後(TLCでモニター)、混合物を水(7.5L、10.0V)で希釈し、さらに室温で1時間撹拌した。固体を濾過により単離し、次いで、水(2.25L、3.0V)で洗浄した。湿った固体を、アセトン(1.875L、2.5V)及びヘキサン(1.875L、2.5V)の1:1の比率の混合物で洗浄した。真空濾過を60~90分間維持することにより、固体からバルク残留水を除去した。最後に、湿った固体を50℃の熱風オーブンで7~8時間(水分含有量が1.5%未満になるまで)乾燥させて、乾燥生成物である4-クロロ-7-ニトロ-1H-インダゾール-3-アミン(549.0g、75%収率)を赤レンガ色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 10.36 (bs, 1H), 8.20 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.07 (d, J = 8.40 Hz, 1H), 4.73 (bs, 2H).
【0067】
工程4:4-クロロ-1-メチル-7-ニトロ-1H-インダゾール-3-アミンの調製
【0068】
【化18】
【0069】
5~10℃で、4-クロロ-7-ニトロ-1H-インダゾール-3-アミン(500g、0.42mol、1.0当量)のDMF(5.0L、10.0V)撹拌溶液に、反応物を10℃未満に維持しながら、炭酸セシウム(CsCO)(1.91kg、5.88mol、2.5当量)をゆっくりと加えた。5~10分間撹拌した後、反応物を10℃未満に維持しながら硫酸ジメチル(326.3g、2.59mol、1.1当量)を加えた(注:より好ましい位置選択性を得るには、ゆっくりと加えることが好ましい)。次いで、反応温度をゆっくりと室温まで上げ、同じ温度でさらに2時間撹拌を続けた。反応の完了後(TLCでモニター)、氷冷水(15.0L、30.0V)の添加により反応物をクエンチし、得られた混合物を室温で6~8時間撹拌した。固体を濾過により単離し、次いで、水(1.5L、3.0V)で洗浄した。湿った固体をIPA(1.5L、3.0V)、次いで、ヘキサン(1.0L、2.0V)で洗浄した。真空濾過を60~90分間維持することにより、固体からバルク残留水を除去した。湿った固体を50℃の熱風オーブンで7~8時間(水分含有量が1.0%未満になるまで)乾燥させた。単離された物質、4-クロロ-1-メチル-7-ニトロ-1H-インダゾール-3-アミン(319.0g、60%収率)を、さらに精製することなく次の工程で使用した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.97 (d, J = 8.32 Hz, 1H), 6.97 (d, J = 8.24 Hz, 1H), 4.63 (bs, 2H), 3.96 (s, 3H).
【0070】
工程5:N-(4-クロロ-1-メチル-7-ニトロ-1H-インダゾール-3-イル)メタンスルホンアミドの調製
【0071】
【化19】
【0072】
(工程5a)
0~5℃で、4-クロロ-1-メチル-7-ニトロ-1H-インダゾール-3-アミン(625.0g、2.76mol、1.0当量)のDCM(6.25L、10.0V)溶液に、トリエチルアミン(TEA)(837.0g、8.27mol、3.0当量)を加え、次いで、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)(20.60g、0.165mol、0.06当量)を加えた。反応物を5~10分間撹拌し、次いで、反応物を10℃未満に維持しながら、メタンスルホニルクロリド(MsCl)(790.0g、6.89mol、2.5当量)をゆっくりと加えた。反応混合物を室温まで加温し、次いで、1.5~2.0時間撹拌した。反応の完了後(TLCでモニター)、混合物を水(6.25L、10.0V)で希釈し、次いで、室温で15分間撹拌した。有機層を分離し、水層をDCM(6.25L、10.0V)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1.25L、2.0V)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して粗固体を得た。固体を室温でヘキサン(1.25L、2.0V)によりトリチュレーションして、中間体であるN-(4-クロロ-1-メチル-7-ニトロ-1H-インダゾール-3-イル)-N-(メチルスルホニル)メタンスルホンアミドを得、次の工程で直接使用した。
【0073】
(ii)
室温で、N-(4-クロロ-1-メチル-7-ニトロ-1H-インダゾール-3-イル)-N-(メチルスルホニル)メタンスルホンアミド(上記で調製)のエタノール(10.5L、20.0V)撹拌溶液に、ゆっくりと5% NaOH水溶液(4.38L、7.0V)を加えた[注:滴下漏斗を介してゆっくりと添加することが好ましい]。反応物を同じ温度で3時間撹拌した。反応の完了後(TLCでモニター)[TLC分析用のサンプル調製:約1.0mLのサンプルを2.0N HCl水溶液でpH2~3になるまで酸性化し、酢酸エチルで抽出し、有機層をTLCで分析する]、反応物を0~5℃に冷却した。反応温度を10℃未満に維持しながら、2.0N HCl水溶液(3.13L、5.0V)の添加により、pHを2~3に調整した[注:沈殿はHClの添加時に生じ、撹拌により増加した]。反応混合物を室温まで加温し、次いで、1.5~2.0時間撹拌した。得られた固体を濾過により単離し、次いで、水(1.25L、2.0V)で洗浄し、次いで、ヘキサン(1.25L、2.0V)で洗浄した。真空濾過を60~90分間維持することにより、固体からバルク残留水を除去した。湿った物質を50℃の熱風オーブンで6~7時間(水分含有量が1.0%未満になるまで)乾燥させて、乾燥生成物N-(4-クロロ-1-メチル-7-ニトロ-1H-インダゾール-3-イル)メタンスルホンアミド(640.0g、76%)を黄色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.05 (d, J = 8.32 Hz, 1H), 7.32 (bs, 1H), 7.17 (d, J = 8.28 Hz, 1H), 4.15 (s, 3H), 3.45 (s, 3H).
【0074】
工程6:N-(4-クロロ-1-メチル-7-ニトロ-1H-インダゾール-3-イル)-N-(4-メトキシベンジル)メタンスルホンアミドの調製
【0075】
【化20】
【0076】
室温で、N-(4-クロロ-1-メチル-7-ニトロ-1H-インダゾール-3-イル)メタンスルホンアミド(635.0g、2.08mol、1.0当量)及び1-(クロロメチル)-4-メトキシベンゼン(359.0g、2.30mol、1.1当量)のDMF(6.35L、10.0V)溶液に、炭酸カリウム(374.7g、2.70mol、1.3当量)を加えた。反応混合物を80~90℃に加熱し、その温度で3時間維持した。反応の完了後(TLCでモニター)、混合物を氷冷水(19.05L、30.0V)に注いだ[注:生成物が沈殿する際の凝集を避けるために、激しく撹拌しながらゆっくりとクエンチすることが好ましい]。得られた固体を濾過により単離し、水(1.90L、3.0V)で洗浄し、次いで、固体をヘキサン(1.27L、2.0V)で洗浄した。真空濾過を60~90分間維持することにより、固体からバルク残留水を除去した。単離した固体を酢酸エチル(12.7L、20.0V)に溶解させ、炭(63.5g)を加えた。混合物を60~70℃に加熱し、次いで、その温度で30~45分間撹拌した。まだ熱いうちに(40~50℃)、セライトパッドを通じて混合物を濾過し、次いで、セライトパッドを酢酸エチル(3.17L、5.0V)で抽出した。合わせた濾液を減圧下、50℃未満で濃縮乾固に供した。酢酸エチル(0.635L、1.0V)を室温で固体に加えた。得られた固体懸濁液を30分間撹拌した。固体を濾過により単離し、次いで、ヘキサン(1.27L、2.0V)で洗浄した。真空濾過を45~60分間維持することにより、固体から残留水を除去して、生成物N-(4-クロロ-1-メチル-7-ニトロ-1H-インダゾール-3-イル)-N-(4-メトキシベンジル)メタンスルホンアミド(705.0g、80%収率)を黄色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.99 (d, J = 8.24 Hz, 1H), 7.27 (d, J = 8.68 Hz, 2H), 7.19 (d, J = 8.24 Hz, 1H), 6.80 (d, J = 8.44 Hz, 2H), 4.95-4.76 (m, 2H), 4.17 (s, 3H), 3.76 (s, 3H), 3.01 (s, 3H).
【0077】
工程7:N-(7-アミノ-4-クロロ-1-メチル-1H-インダゾール-3-イル)-N-(4-メトキシベンジル)メタンスルホンアミドの調製
【0078】
【化21】
【0079】
室温で、亜鉛粉末(540.0g、8.23mol、10.0当量)の、THF(3.50L、10.0V)及び水(7.0L、20.0V)混合液の撹拌懸濁液に、塩化アンモニウム(NHCl)(449.0g、8.23mol、10.0当量)を加えた。混合物に、N-(4-クロロ-1-メチル-7-ニトロ-1H-インダゾール-3-イル)-N-(4-メトキシベンジル)メタンスルホンアミド(350g、0.823mol、1.0当量)のTHF(7.0L、20.0V)溶液を加えた。反応混合物を室温で3~4時間撹拌した。反応の完了後(インプロセスTLC/HPLCでモニター)、混合物を酢酸エチル(3.5L、10.0V)及び水(1.12L、2.5V)で希釈した。混合物を15分間撹拌した。反応物を酢酸エチル(1.75L、5.0V)で洗浄するセライトベッドのパッドを通じて濾過した。二相性濾液を収集し、相を分離した。水層を酢酸エチル(3.50L、10.0V)で抽出した。合わせた有機層をブライン(3.50L、10V)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、次いで、真空引きにより濃縮して、粗固体を得た。粗生成物にMTBE(3.25L、10V)を加え、懸濁液を室温で30分間撹拌した。固体を濾過により単離した。真空濾過を30~45分間維持することにより、固体からバルク残留水を除去した。湿った生成物を熱風オーブン(50℃)で2時間乾燥させて、表題生成物N-(7-アミノ-4-クロロ-1-メチル-1H-インダゾール-3-イル)-N-(4-メトキシベンジル)メタンスルホンアミド(276.0g、85%収率)をオフホワイトの固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.29-7.26 (m, 2H), 6.86-6.79 (m, 2H), 6.42 (d, J = 7.80 Hz, 1H), 4.99-4.70 (m, 2H), 4.25 (s, 3H), 3.77 (s, 5H), 2.98 (s, 3H).
【0080】
3,3-ジフルオロブタン-1-オールの調製
【0081】
【化22】
【0082】
合成スキーム:
【0083】
【化23】
【0084】
工程1:3-オキソブチルベンゾエートの調製
【0085】
【化24】
【0086】
窒素雰囲気下、-70℃で、ベンゾイルクロリド(0.396L、3405mmol)のDCM(1L)撹拌溶液に、ピリジン(470mL)を1時間かけて滴下した。同じ温度で30分間撹拌した後、4-ヒドロキシブタン-2-オン(250.0g、2837mmol)のDCM(500mL)溶液を1時間かけて滴下した。反応混合物を26℃まで加温し、次いで、16時間撹拌した。反応の進行をTLC(SiO、30% EtOAc/Pet. Rf=0.4)でモニターした。完了したら、反応混合物を水(2×1000mL)、1N HCl(2×500mL)、次いで、飽和NaHCO溶液(2×500mL)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、3-オキソブチルベンゾエートを淡黄色の液体として得た(400g、収率=69%)。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ = 8.05 - 7.94 (m, 2H), 7.60 - 7.51 (m, 1H), 7.47 - 7.36 (m, 2H), 4.65 - 4.54 (t, 2H), 2.97 - 2.84 (t, 2H), 2.28 - 2.13 (s, 3H). HPLC purity = 94.1%.
【0087】
工程2:3,3-ジフルオロブチルベンゾエートの調製
【0088】
【化25】
【0089】
窒素雰囲気下、0℃で、3-オキソブチルベンゾエート(90g、427mmol)のジクロロメタン(700mL)撹拌溶液に、DAST(677mL、5125mmol)を1時間かけて滴下した。反応混合物を26℃まで加温し、16時間撹拌した。
反応の進行をTLC(SiO、20% EtOAc/Pet. Rf=0.6)でモニターした。完了したら、反応混合物をDCM(500mL)で希釈し、冷飽和NaHCO(1L)水溶液にゆっくりと注いだ。有機層を分離し、ブライン溶液(400mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗化合物(95g)を黄色の液体として得た。この物質をシリカゲル(100~200メッシュ)を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製し、0~5%EtOAcのpet.溶液で溶出した。生成物を含む画分を回収し、減圧下で濃縮して、3,3-ジフルオロブチルベンゾエート(60g、収率=59%)を褐色の液体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.06 - 8.01 (m, 2H), 7.60 - 7.54 (m, 1H), 7.48 - 7.40 (m, 2H), 4.54 - 4.48 (t, 2H), 2.43 - 2.29 (m, 2H), 1.77 - 1.64 (m, 3H). LCMS purity = 89.74%; m/z = 215.33.
【0090】
工程3:3,3-ジフルオロブタン-1-オールの調製
【0091】
【化26】
【0092】
窒素雰囲気下、0℃で、3,3-ジフルオロブチルベンゾエート(100g、467mmol)のTHF(800mL)撹拌溶液に、水酸化リチウム一水和物(137g、3268mmol)の水(800mL)溶液を加えた。反応混合物を26℃まで加温し、次いで、16時間撹拌した。反応の進行をTLC(SiO、20% EtOAc/Pet. Rf=0.6、KMnOアクティブ)でモニターした。完了したら、反応混合物をジエチルエーテル(400mL)で希釈した。有機層を分離し、水層をジエチルエーテル(300mL)で再抽出した。合わせた有機物をブライン(200mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して(揮発性生成物、浴温度=25℃)、粗化合物を黒色の液体として得た。この物質をジエチルエーテル(100mL)で希釈し、炭で処理した。混合物をセライトのパッドを通じて濾過した。セライトパッドをジエチルエーテル(200mL)で抽出した。合わせた濾液を減圧下で濃縮して(揮発性生成物、浴温度=25℃)、3,3-ジフルオロブタン-1-オール(40g、収率=71%)を淡黄色の液体として得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 3.87 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 2.22 - 2.07 (m, 2H), 1.73 - 1.57 (m, 3H). GCMS Purity = 91.3%; m/z = 110.0.
【0093】
2-アミノ-6-(3,3-ジフルオロブトキシ)ニコチン酸の調製
【0094】
【化27】
【0095】
合成スキーム:
【0096】
【化28】
【0097】
工程1:2-アミノ-6-(ベンジルオキシ)ニコチン酸の調製
【0098】
【化29】
【0099】
雰囲気下、26℃で、2-アミノ-6-クロロニコチン酸(200g、1159mmol)のベンジルアルコール(1400mL、13464mmol)撹拌溶液に、カリウムtert-ブトキシド(390g、3477mmol)を加えた。反応混合物を120℃まで加熱し、その温度で16時間撹拌した。反応の進行をTLC(SiO、10% MeOHのDCM溶液、Rf=0.5)でモニターした。完了したら、反応混合物を水(3L)で希釈し、ジエチルエーテル(2×1000mL)で抽出した。有機層を分離し、クエン酸水溶液(0.5M)を使用して水層をpH4に酸性化した。沈殿した固体を濾過により回収し、次いで、減圧下で乾燥させて、2-アミノ-6-(ベンジルオキシ)ニコチン酸(220g、収率=72%)をオフホワイトの固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 12.56 - 12.32 (m, 1H), 7.97 - 7.91 (m, 1H), 7.52 - 7.41 (m, 2H), 7.38 - 7.11 (m, 5H), 6.03 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 5.39 - 5.31 (m, 2H). LCMS Purity = 93%; m/z = 245.29 (M+H).
【0100】
工程2:2-アミノ-6-(ベンジルオキシ)ニコチン酸メチルの調製
【0101】
【化30】
【0102】
雰囲気下、26℃で、2-アミノ-6-(ベンジルオキシ)ニコチン酸(220g、901mmol)のDMF(2.5L)撹拌溶液に、炭酸カリウム(373g、2702mmol)及びヨードメタン(0.282L、4504mmol)をゆっくりと加えた。反応混合物を27℃で16時間撹拌した。反応の進行をTLC(SiO、40% EtOAc/Pet.、Rf=0.6)でモニターした。完了したら、反応混合物を水(5L)で希釈した。沈殿した固体を濾過によって単離し、次いで、真空引きにより乾燥させて、2-アミノ-6-(ベンジルオキシ)ニコチン酸メチル(220g、収率=92%)をオフホワイトの固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.00 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.42-7.40 (m, 2H), 7.39-7.35 (m, 2H), 7.34-7.31 (m, 1H), 6.01 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.33 (s, 2H), 3.84 (s, 3H). LCMS Purity = 97%, m/z = 259.30 (M+H).
【0103】
工程3:2-アミノ-6-ヒドロキシニコチン酸メチルの調製
【0104】
【化31】
【0105】
雰囲気下、26℃で、2-アミノ-6-(ベンジルオキシ)ニコチン酸メチル(50g、190mmol)のDCM(500mL)撹拌溶液に、TFA(800mL)及びトリフルオロメタンスルホン酸(25mL、282mmol)をゆっくりと加えた。反応混合物を26℃で16時間撹拌した。反応の進行をTLC(SiO、EtOAc、Rf=0.2)でモニターした。完了したら、揮発性物質を真空引きにより除去して、粗生成物を得た。この物質をジエチルエーテル(3×1000mL)でトリチュレーションし、次いで、沈殿した固体を濾過により単離した。固体に水(2L)を加え、次いで、混合物を5時間撹拌した。固体を濾過により回収し、水で洗浄した。固体を真空引きにより乾燥させて、2-アミノ-6-ヒドロキシニコチン酸メチル(25g、収率=78%)をオフホワイトの固体として得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ = 10.92-10.76 (m, 1H), 7.65 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 7.43-6.87 (m, 2H), 5.51 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 3.69 (s, 3H). LCMS Purity = 99.32%; m/z = 169.32 (M+H).
生成物中にTFA及びトリフルオロメタンスルホン酸が存在しないことを、19F-NMRによって確認した。生成物をさらに精製することなく次の工程で直接使用した。
【0106】
工程4:2-アミノ-6-(3,3-ジフルオロブトキシ)ニコチン酸メチルの調製
【0107】
【化32】
【0108】
雰囲気下、0℃で、2-アミノ-6-ヒドロキシニコチン酸メチル(25g、147mmol)のTHF(375mL)撹拌溶液に、トリフェニルホスフィン(77g、294mmol)を加え、次いで、DIAD(57.2mL、294mmol)を滴下した。反応混合物を0℃で15分間撹拌し、次いで、混合物に3,3-ジフルオロブタン-1-オール(25.3g、221mmol)のTHF(125mL)溶液を0℃で滴下した。反応混合物を27℃にし、次いで、5時間撹拌した。反応の進行をTLC(SiO、EtOAc、Rf=0.5)でモニターした。完了したら、反応混合物を減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。この物質をMTBE:pet.(1:1、1L)に撹拌した。混合物を濾過し、フィルターパッドをMTBE:pet.(1:1、4×200mL)で抽出した。合わせた濾液を減圧下で濃縮して、淡黄色のゴム状固体を得た。シリカゲル(100~200メッシュ)を使用するカラムクロマトグラフィーによりこの物質を精製し、10~20% EtOAcのpet.溶液で溶出した。生成物を含む画分を回収し、減圧下で濃縮して、2-アミノ-6-(3,3-ジフルオロブトキシ)ニコチン酸メチル(20g、収率=48%)を淡黄色の液体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.05 - 7.95 (m, 1H), 6.02 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.45 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.80 (s, 3H), 2.40 - 2.22 (m, 2H), 1.68 (t, J = 18.6 Hz, 3H). LCMS purity = 91.1%, m/z = 261.25 (M+H).
【0109】
工程5:2-アミノ-6-(3,3-ジフルオロブトキシ)ニコチン酸の調製
【0110】
【化33】
【0111】
26℃で、2-アミノ-6-(3,3-ジフルオロブトキシ)ニコチン酸メチル(5.7g、20.81mmol)のTHF(120mL)及びメタノール(30mL)の撹拌溶液に、LiOH(2.491g、104mmol)の水(30mL)溶液を加えた。反応混合物を70℃まで加熱し、その温度で16時間撹拌した。反応の進行をTLC(SiO、50% EtOAc/Pet Rf=0.2)でモニターした。完了したら、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残留物を水(60mL)に溶解させ、1N HClを使用してpH4に酸性化した。混合物を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(100mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、2-アミノ-6-(3,3-ジフルオロブトキシ)ニコチン酸(4.6g、収率=87%)を褐色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 11.66 - 10.84 (m, 1H), 8.12 - 7.97 (m, 1H), 6.07 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 4.52 - 4.36 (m, 2H), 2.41 - 2.28 (m, 2H), 1.68 (t, J = 18.6 Hz, 3H). LCMS Purity = 97.68%, m/z = 247.24 (M+H).
【0112】
tert-ブチル(S)-(1-(3-(4-クロロ-3-(N-(4-メトキシベンジル)メチルスルホンアミド)-1-メチル-1H-インダゾール-7-イル)-7-(3,3-ジフルオロブトキシ)-4-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)カルバメートの調製
【0113】
【化34】
【0114】
雰囲気下、-25℃で、(S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-(3,5-ジフルオロフェニル)プロパン酸(50g、166mmol)及び2-アミノ-6-(3,3-ジフルオロブトキシ)ニコチン酸(41.3g、166mmol)のアセトニトリル(1000mL)撹拌溶液に、ピリジン(47.0mL、581mmol)を加えた。得られた混合物に、2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリホスフィナン2,4,6-トリオキシド(「T3P」、50重量% EtOAc溶液、494mL、830mmol)を15分かけて滴下した。溶液を13℃まで加温し、次いで、5時間撹拌した。13℃の溶液に、N-(7-アミノ-4-クロロ-1-メチル-1H-インダゾール-3-イル)-N-(4-メトキシベンジル)メタンスルホンアミド(62.3g、158mmol)を加えた。次いで、反応塊を27℃までゆっくりと加温し、次いで、その温度で48時間撹拌した。反応の進行をTLC(SiO、50% EtOAc/Pet.、Rf=0.4)でモニターした。完了したら、反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物を飽和NaHCO水溶液(1000mL)に0℃で滴下した。白色の沈殿物が形成され、これを真空濾過によって回収した。単離された固体を水(2L)で洗浄した。ほとんどの残留水が固体から除去されるまで真空濾過を維持した。次いで、固体をDCM(2L)に溶解させた。溶液をNaSOで乾燥させ、濾過し、次いで、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。50-65% EtOAcのPet溶液で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによって、この物質を精製した。所望の生成物を含む画分をプールし、減圧下で濃縮して、tert-ブチル(S)-(1-(3-(4-クロロ-3-(N-(4-メトキシベンジル)メチルスルホンアミド)-1-メチル-1H-インダゾール-7-イル)-7-(3,3-ジフルオロブトキシ)-4-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)カルバメート(50g、収率=31%)を黄色の泡状固体として得た。上記手順を同じスケールでさらに7回繰り返して、合計592gの生成物を生成した。合わせた生成物(592g)をMeOH(1L)に溶解させた。溶液をn-ヘキサン(6L)で希釈した。オフホワイトの固体が沈殿し、次いで、懸濁液を20分間撹拌した。固体を真空濾過により回収しつつ、濾液を確保した。固体を真空引きにより乾燥させて、tert-ブチル(S)-(1-(3-(4-クロロ-3-(N-(4-メトキシベンジル)メチルスルホンアミド)-1-メチル-1H-インダゾール-7-イル)-7-(3,3-ジフルオロブトキシ)-4-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)カルバメート(300g、収率=48%)をオフホワイトの固体として得た。この生成物は、ホモキラルアトロプ異性体(ジアステレオマー)の混合物である。LCMS分析方法:カラム=X Bridge BEH C18(50mm×4.6mm、2.5μm粒子);移動相A=5mM 重炭酸アンモニウム;移動相B=アセトニトリル;勾配プロファイル(時間(分)/%B)=0/5、0.5/5、1.5/15、7/98、9/98、9.5/5、10/5;カラム温度=35℃;流速=1.3mL/分。LCMSの結果:保持時間=6.20分。観測されたイオン=888.09(M+H);LCMS純度=95%。注:確保した濾液を濃縮し、真空引きにより乾燥させて、生成物(120g、淡黄色の固体)を得て、これもまた上記の生成物とは別個で下流の化学で使用した。
【0115】
(S)-N-((6P)-7-(2-(1-アミノ-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)-7-(3,3-ジフルオロブトキシ)-4-オキソピリド[2,3-d]ピリミジン-3(4H)-イル)-4-クロロ-1-メチル-1H-インダゾール-3-イル)メタンスルホンアミドの調製
【0116】
【化35】
【0117】
tert-ブチル(S)-(1-(3-(4-クロロ-3-(N-(4-メトキシベンジル)メチルスルホンアミド)-1-メチル-1H-インダゾール-7-イル)-7-(3,3-ジフルオロブトキシ)-4-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)カルバメート(純度95%、300g、321mmol)のDCM(3000mL)撹拌溶液に、トリフルオロ酢酸(TFA)(900mL)、次いで、トリフルオロメタンスルホン酸(158mL、1782mmol)を0℃で加えた。溶液を27℃まで加温し、次いで、窒素雰囲気下で2時間撹拌した。反応の進行をTLC(SiO、80% EtOAc/Pet. Rf=0.3)でモニターした。完了したら、穏やかな窒素ガス流の下で揮発性物質を除去した。残留物を0℃で飽和NaHCO溶液(1000mL)に加えた。固体のNaHCOを加えることにより、溶液のpHを約8に調整した。混合物をEtOAc(5×1000mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、次いで、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。5~10% MeOHのDCM溶液で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによって、この物質を精製した。所望の生成物を含む画分をプールし、減圧下で濃縮して、(S)-N-(7-(2-(1-アミノ-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)-7-(3,3)-ジフルオロブトキシ)-4-オキソピリド[2,3-d]ピリミジン-3(4H)-イル)-4-クロロ-1-メチル-1H-インダゾール-3-イル)メタンスルホンアミド(211g、褐色の泡状固体)をホモキラルアトロプ異性体の混合物(ジアステレオマー、LCMSでメジャー:79%、マイナー:10%)として得た。この物質をメタノール:アセトニトリル(80:20、1800mL)に溶解させ、以下の方法を使用する分取SFC(カラム=(R,R)WHELK-01(30×250mm、5μm粒子)、溶離液=CO:MeOH(60:40);流速=90g/分;背圧=100bar;検出=214nm(UV);スタック時間=15.5分;インジェクションあたりの投入量=1.125グラム)によって精製した。純粋なメジャーピークを回収し、減圧下で濃縮して、(S)-N-((6P)-7-(2-(1-アミノ-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)-7-(3,3-ジフルオロブトキシ)-4-オキソピリド[2,3-d]ピリミジン-3(4H)-イル)-4-クロロ-1-メチル-1H-インダゾール-3-イル)メタンスルホンアミド(151g、収量=69%)を褐色の固体として得た。生成物は単一の立体異性体である。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 8.41 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.39 (dd, J = 22.4, 7.9 Hz, 2H), 7.05 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.03-6.98 (m, 1H), 6.72 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 4.66-4.63 (m, 2H), 3.67 (s, 3H), 3.54-3.50 (m, 1H), 3.28-3.23 (m, 1H), 3.21 (s, 3H), 2.88-2.82 (m, 1H), 2.56-2.52 (m, 1H), 2.47-2.44 (m, 1H), 1.73 (t, J = 19.0 Hz, 3H);
LCMSの方法:カラム=Acquity BEH C18(50mm×2.1mm、1.7μm粒子);移動相A=0.1% ギ酸水溶液;移動相B=0.1% ギ酸のMeCN溶液。勾配プロファイル(時間(分)/%B):0/3、0.4/3、3.2/98、3.8/98、4.2/3、4.5/3;カラム温度=35℃;流速:0.6mL/分。LCMSの結果:保持時間=1.93分;観測されたイオン=668.05(M+H);HPLC Purity = 98%; Chiral HPLC Purity = 96.9%.
【0118】
(S)-N-((6P)-7-(2-(1-アミノ-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)-4-オキソ-7-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-3(4H)-イル)-4-クロロ-1-メチル-1H-インダゾール-3-イル)メタンスルホンアミドの調製
【0119】
【化36】
【0120】
((S)-N-((6P)-7-(2-(1-アミノ-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)-7-(3,3-ジフルオロブトキシ)-4-オキソピリド[2,3-d]ピリミジン-3(4H)-イル)-4-クロロ-1-メチル-1H-インダゾール-3-イル)メタンスルホンアミドを調製するために使用する経路及び手順に従って、2-アミノ-6-(3,3-ジフルオロブトキシ)ニコチン酸の代わりに2-アミノ-6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ニコチン酸を使用して、表題化合物を調製した。2-アミノ-6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ニコチン酸は、2-アミノ-6-(3,3-ジフルオロブトキシ)ニコチン酸を調製するために使用する経路及び手順に従って、3,3-ジフルオロブタン-1-オールの代わりに3,3,3-トリフルオロプロパン-1-オールを使用して、調製された。
【0121】
HPLC精製:
以下に示される条件の1つを使用して、HPLC精製を実施し、任意選択で、以下に示される異なる条件を使用する第2のHPLC精製を続いて実施した。粗反応混合物で得られた分析的HPLCデータに基づいて、初期の溶媒A:溶媒B比、グラジエント時間、最終の溶媒A:溶媒B比、及び最終の溶媒A:溶媒B濃度での保持時間を変更することにより、各標的化合物に関する精製条件を最適化した。
【0122】
HPLC条件A:
カラム:Zorbax Eclipse Plus C18、21.2×100mm、5μm粒子;
溶媒A=0.1%ギ酸(100%水溶液);
溶媒B=アセトニトリル;
流速=40mL/分;
波長=215及び254nm;
ESI+範囲:150~1500ダルトン。
【0123】
HPLC条件B:
カラム:Sunfire prep C18 OBD、30×100mm、5μm粒子;
溶媒A:0.1%TFA(水:MeCN(95:5w/)溶液);
溶媒B:0.1%TFA(MeCN:水 95:5 w/);
流速=42mL/分。
波長=220及び254nm。
【0124】
HPLC条件C:
カラム:Waters Xterra C18、19×100mm、10μm粒子;
溶媒A=0.1% NHOH(100%水溶液);
溶媒B=アセトニトリル;
流速=40mL/分;
波長=215及び254nm;
ESI+範囲:150~1500ダルトン。
【0125】
LCMSの一般分析方法:
LCMS 方法A:
カラム=Acquity CSH C18、2.1×30mm、1.7μm粒子;
溶媒A=0.1%ギ酸(100%水溶液);
溶媒B=0.1%ギ酸(100%アセトニトリル溶液);
流速=0.8mL/分;
開始%B=5、最終%B=95;
グラジエント時間=1.7分、次いで、95%Bで0.2分保持;
波長=215及び254nm。
ESI+範囲:150~1500ダルトン。
システム:Agilent 1290 Infinity II
【0126】
実施例1:N-((S)-1-((3P)-3-(4-クロロ-1-メチル-3-(メチルスルホンアミド)-1H-インダゾール-7-イル)-7-(3,3-ジフルオロブトキシ)-4-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)-2-((3bS,4aR)-3-シクロプロピル-5,5-ジフルオロ-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)アセトアミドの調製
【0127】
【化37】
【0128】
(S)-N-((6P)-7-(2-(1-アミノ-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)-7-(3,3-ジフルオロブトキシ)-4-オキソピリド[2,3-d]ピリミジン-3(4H)-イル)-4-クロロ-1-メチル-1H-インダゾール-3-イル)メタンスルホンアミド(0.03g、0.045mmol)、2-(3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジン-3-イル)-1,1,3,3-テトラメチルイソウロニウムヘキサフルオロホスフェート(V)(「HATU」、0.018g、0.046mmol)及び2-((3bS,4aR)-3-シクロプロピル-5,5-ジフルオロ-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)酢酸(10.3mg、0.045mmol)のテトラヒドロフラン(THF)混合液に、N-エチル-N-イソプロピルプロパン-2-アミン(0.024mL、0.135mmol)を加えた。混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残留物をDMFに溶解させ、濾過した。濾液をHPLC精製に供して、N-((S)-1-((3P)-3-(4-クロロ-1-メチル-3-(メチルスルホンアミド)-1H-インダゾール-7-イル)-7-(3,3-ジフルオロブトキシ)-4-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)-2-((3bS,4aR)-3-シクロプロピル-5,5-ジフルオロ-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)アセトアミドを得た。LCMS方法Aを使用してサンプルを分析した:保持時間=1.5分;観測されたイオン=904.4(M+H)。
1H NMR (500 MHz, METHANOL-d4) δ ppm 8.34 - 8.40 (m, 1 H) 7.17 - 7.24 (m, 1 H) 7.06 - 7.13 (m, 1 H) 6.92 - 7.01 (m, 1 H) 6.62 - 6.73 (m, 1 H) 6.43 - 6.52 (m, 2 H) 4.61 - 4.76 (m, 3 H) 4.26 - 4.40 (m, 2 H) 3.48 - 3.53 (m, 3 H) 3.29 - 3.37 (m, 1 H) 3.15 - 3.16 (m, 3 H) 2.96 - 3.01 (m, 1 H) 2.37 - 2.47 (m, 2 H) 2.10 - 2.23 (m, 2 H) 1.68 - 1.75 (m, 1 H) 1.59 - 1.68 (m, 3 H) 1.16 - 1.20 (m, 1 H) 0.75 - 0.82 (m, 4 H) 0.64 - 0.68 (m, 2 H).
【0129】
実施例2:N-((S)-1-((3P)-3-(4-クロロ-1-メチル-3-(メチルスルホンアミド)-1H-インダゾール-7-イル)-7-(3,3-ジフルオロブトキシ)-4-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)-2-((3bR,4aS)-3-シクロプロピル-5,5-ジフルオロ-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)アセトアミドの調製
【0130】
【化38】
【0131】
(S)-N-((6P)-7-(2-(1-アミノ-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)-7-(3,3-ジフルオロブトキシ)-4-オキソピリド[2,3-d]ピリミジン-3(4H)-イル)-4-クロロ-1-メチル-1H-インダゾール-3-イル)メタンスルホンアミド(0.03g、0.045mmol)、2-(3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジン-3-イル)-1,1,3,3-テトラメチルイソウロニウムヘキサフルオロホスフェート(V)(「HATU」、0.018g、0.046mmol)及び2-((3bR,4aS)-3-シクロプロピル-5,5-ジフルオロ-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)酢酸(10.3mg、0.045mmol)のテトラヒドロフラン(THF)混合液に、N-エチル-N-イソプロピルプロパン-2-アミン(0.024mL、0.135mmol)を加えた。混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残留物をDMFに溶解させ、濾過した。濾液をHPLC精製に供して、N-((S)-1-((3P)-3-(4-クロロ-1-メチル-3-(メチルスルホンアミド)-1H-インダゾール-7-イル)-7-(3,3-ジフルオロブトキシ)-4-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)-2-((3bR,4aS)-3-シクロプロピル-5,5-ジフルオロ-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)アセトアミドを得た。LCMS方法Aを使用してサンプルを分析した:保持時間=1.51分;観測されたイオン=904.4(M+H)。
1H NMR (500 MHz, METHANOL-d4) δ ppm 8.34 - 8.42 (m, 1 H) 7.19 - 7.26 (m, 1 H) 7.11 - 7.18 (m, 1 H) 6.92 - 6.99 (m, 1 H) 6.62 - 6.72 (m, 1 H) 6.40 - 6.49 (m, 2 H) 4.70 - 4.74 (m, 1 H) 4.62 - 4.68 (m, 2 H) 4.29 - 4.38 (m, 2 H) 3.50 - 3.53 (m, 3 H) 3.29 - 3.34 (m, 1 H) 3.15 - 3.17 (m, 3 H) 2.94 - 3.00 (m, 1 H) 2.36 - 2.48 (m, 2 H) 2.10 - 2.22 (m, 2 H) 1.70 - 1.78 (m, 1 H) 1.58 - 1.68 (m, 3 H) 1.13 - 1.17 (m, 1 H) 0.76 - 0.86 (m, 4 H) 0.64 - 0.73 (m, 2 H).
【0132】
実施例3:N-((S)-1-((3P)-3-(4-クロロ-1-メチル-3-(メチルスルホンアミド)-1H-インダゾール-7-イル)-4-オキソ-7)-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)-2-((3bS,4aR)-3-シクロプロピル-5,5-ジフルオロ-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)アセトアミドの調製
【0133】
【化39】
【0134】
(S)-N-((6P)-7-(2-(1-アミノ-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)-4-オキソ-7-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-3(4H)-イル)-4-クロロ-1-メチル-1H-インダゾール-3-イル)メタンスルホンアミド(0.05g、0.074mmol)のテトラヒドロフラン(THF)(1mL)/N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(0.2mL)撹拌溶液に、2-((3bS,4aR)-3-シクロプロピル-5,5-ジフルオロ-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)酢酸(0.020g、0.078mmol)、2-(3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジン-3-イル)-1,1,3,3-テトラメチルイソウロニウムヘキサフルオロホスフェート(V)(「HATU」、0.034g、0.089mmol)及びDIPEA(0.019mL、0.112mmol)を加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応物に、アンモニアのメタノール溶液(2M、1mL)を加えた。混合物を2時間撹拌し、次いで、減圧下で濃縮した。得られた残留物をDMF(2mL)に溶解させ、濾過した。濾液をHPLC精製に供して、N-((S)-1-((3P)-3-(4-クロロ-1-メチル-3-(メチルスルホンアミド)-1H-インダゾール-7-イル)-4-オキソ-7)-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)-2-((3bS,4aR)-3-シクロプロピル-5,5-ジフルオロ-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)アセトアミドを得た。LCMS方法Aを使用してサンプルを分析した:保持時間=1.48分;観測されたイオン=908.4(M+H)。
1H NMR (500 MHz, METHANOL-d4) δ ppm 8.50 (d, J=8.64 Hz, 1 H) 7.31 (d, J=8.05 Hz, 1 H) 7.21 (d, J=8.05 Hz, 1 H) 7.07 (d, J=8.94 Hz, 1 H) 6.75 - 6.81 (m, 1 H) 6.58 (dd, J=8.20, 2.24 Hz, 2 H) 4.77 - 4.83 (m, 3 H) 4.38 - 4.48 (m, 2 H) 3.60 (s, 3 H) 3.43 (dd, J=14.16, 4.32 Hz, 1 H) 3.25 (s, 3 H) 3.08 (dd, J=14.01, 9.54 Hz, 1 H) 2.79 - 2.91 (m, 2 H) 2.19 - 2.33 (m, 2 H) 1.77 - 1.85 (m, 1 H) 1.22 - 1.30 (m, 1 H) 0.86 - 0.93 (m, 3 H) 0.76 (dt, J=5.22, 2.01 Hz, 2 H).
【0135】
実施例4:N-((S)-1-((3P)-3-(4-クロロ-1-メチル-3-(メチルスルホンアミド)-1H-インダゾール-7-イル)-4-オキソ-7)-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)-2-((3bR,4aS)-3-シクロプロピル-5,5-ジフルオロ-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)アセトアミドの調製
【0136】
【化40】
【0137】
(S)-N-((6P)-7-(2-(1-アミノ-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)-4-オキソ-7-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ピリド[2,3-d]ピリミジン-3(4H)-イル)-4-クロロ-1-メチル-1H-インダゾール-3-イル)メタンスルホンアミド(0.025g、0.037mmol)のテトラヒドロフラン(THF)溶液に、2-((3bR,4aS)-3-シクロプロピル-5,5-ジフルオロ-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)酢酸(9.46mg、0.037mmol)、DIPEA(0.019mL、0.112mmol)及び2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリホスフィナン2,4,6-トリオキシド(「T3P」、50重量% EtOAc溶液、0.044mL、0.074mmol)。反応混合物を室温で18時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。得られた残留物をDMF(2mL)に溶解させ、濾過した。濾液をHPLC精製に供して、N-((S)-1-((3P)-3-(4-クロロ-1-メチル-3-(メチルスルホンアミド)-1H-インダゾール-7-イル)-4-オキソ-7)-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)-3,4-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-2-(3,5-ジフルオロフェニル)エチル)-2-((3bR,4aS)-3-シクロプロピル-5,5-ジフルオロ-3b,4,4a,5-テトラヒドロ-1H-シクロプロパ[3,4]シクロペンタ[1,2-c]ピラゾール-1-イル)アセトアミドを得た。LCMS方法Aを使用してサンプルを分析した:保持時間=1.49分;観測されたイオン=908.4(M+H)。
1H NMR (500 MHz, METHANOL-d4) δ ppm 8.50 (d, J=8.64 Hz, 1 H) 7.32 (d, J=7.75 Hz, 1 H) 7.23 - 7.27 (m, 1 H) 7.07 (d, J=8.64 Hz, 1 H) 6.74 - 6.81 (m, 1 H) 6.52 - 6.59 (m, 2 H) 4.80 (br dd, J=6.26, 2.09 Hz, 4 H) 4.39 - 4.47 (m, 2 H) 3.61 (s, 3 H) 3.40 - 3.44 (m, 1 H) 3.26 (s, 3 H) 3.07 (dd, J=14.31, 9.54 Hz, 1 H) 2.80 - 2.90 (m, 2 H) 2.19 - 2.31 (m, 2 H) 1.83 (tt, J=8.49, 5.07 Hz, 1 H) 1.21 - 1.28 (m, 1 H) 0.88 - 0.94 (m, 3 H) 0.74 - 0.84 (m, 2 H).
【0138】
生物学的方法
HIV細胞培養アッセイ
MT-2細胞、293T細胞及びNL4-3ウイルスのプロウイルスDNAクローンを、NIHのAIDS研究及び標準試薬プログラム(NIH AIDS Research and Reference Reagent Program)から入手した。MT-2細胞を、10%の熱非働化ウシ胎児血清(FBS)、100mg/mLのペニシリンG及び最大100ユニット/mLのストレプトマイシンを補充したRPMI1640培地中で増殖させた。293T細胞を、10%の熱不活性化FBS、100mg/mLのペニシリンG及び最大100mg/mLのストレプトマイシンを補充したDMEM培地中で増殖させた。nef遺伝子の一部分をウミシイタケルシフェラーゼ遺伝子に置き換えた組換えNL4-3プロウイルスクローンを使用して、これらの研究において使用する参照ウイルスを作製した。Mirus Bio LLC(Madison、WI)製のTransit-293トランスフェクション試薬を使用する、293T細胞への組換えNL4-3プロウイルスクローンのトランスフェクションにより、組換えウイルスを調製した。2~3日後に上清を回収し、ルシフェラーゼ酵素活性をマーカーとして使用してルシフェラーゼ酵素活性を測定することにより、存在するウイルス量をMT-2細胞において力価測定した。ルシフェラーゼは、Promega(Madison、WI)製のEnduRen Live Cell Substrateを使用して定量した。段階希釈された化合物の存在下において組換えウイルスに4~5日間感染させたMT-2細胞でルシフェラーゼ活性を測定することによって、組換えウイルスに対する化合物の抗ウイルス活性を定量化した。
【0139】
(Fa)=1/[1+(ED50/薬物濃度)m]であるメジアン効果式(median effect equation)の指数形式を使用することにより、50%有効濃度(EC50)を算出した(Johnson VA, Byington RT. Infectivity Assay. In Techniques in HIV Research. ed. Aldovini A, Walker BD. 71-76. New York: Stockton Press.1990)。阻害パーセント=1/[1+(EC50/薬物濃度)m](式中、mは濃度応答曲線の傾きを反映するパラメータである)であるメジアン効果式の指数形式を使用することにより、50%阻害濃度(EC50)を算出した。
【0140】
化合物細胞毒性及び対応するCC50値は、非感染細胞を使用したこと以外は抗ウイルスアッセイに記載のプロトコールと同じプロトコールを使用して決定した。細胞毒性は、XTT(2,3-ビス[2-メトキシ-4-ニトロ-5-スルホフェニル]-2H-テトラゾリウム-5-カルボキシアニリド分子内塩)に基づく比色アッセイ(Sigma-Aldrich、St Louis、Mo)を使用することにより、非感染MT-2細胞において4日目に評価した。
【0141】
【表1】
【国際調査報告】