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特表2023-517339複数の機能モジュールを電気的に接続するためのバックプレーン・モジュール及びモジュラー通信システム
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  • 特表-複数の機能モジュールを電気的に接続するためのバックプレーン・モジュール及びモジュラー通信システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-25
(54)【発明の名称】複数の機能モジュールを電気的に接続するためのバックプレーン・モジュール及びモジュラー通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/46 20060101AFI20230418BHJP
   H04L 12/28 20060101ALI20230418BHJP
【FI】
H04L12/46 V
H04L12/28 100F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022554821
(86)(22)【出願日】2021-03-18
(85)【翻訳文提出日】2022-09-12
(86)【国際出願番号】 EP2021057014
(87)【国際公開番号】W WO2021191055
(87)【国際公開日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】102020108610.5
(32)【優先日】2020-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】594070612
【氏名又は名称】フェニックス コンタクト ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Phoenix Contact GmbH & Co.KG
【住所又は居所原語表記】Flachsmarktstrasse 8, D-32825 Blomberg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー, マルティン
(72)【発明者】
【氏名】ヘルマン, クラス
【テーマコード(参考)】
5K033
【Fターム(参考)】
5K033AA09
5K033BA03
5K033DA05
5K033DB19
(57)【要約】
本発明は、複数の機能モジュール(160-190;200-230)を結合するためのバックプレーン・モジュール(20;90)であって、以下の特徴を有するものに関する:
基体(21;91)
前記基体(21;91)の内部に配置されたネットワーク結合素子(80;100)、
機能モジュール(180;200)を結合するために設計され、前記基体(21;91)に配置された少なくとも1つの第1の接続装置(50;110)であって、前記ネットワーク結合素子(80;100)のポート(85;103)に信号線(244;252)を介して接続された少なくとも1つの通信インターフェース(51;111)を有する、第1の接続装置(50;110)、
機能モジュール(160;220)を結合するために設計され、前記基体(21;91)に配置された少なくとも1つの第2の接続装置(30;130)であって、共に論理伝送チャネルを形成し得るそれぞれ1つの別個の信号線(240,241;254,255)を介して、前記ネットワーク結合素子(80;100)のポート(81,82;106,107)にそれぞれ接続された、少なくとも2つの通信インターフェース(31,32;131,132)を備える少なくとも1つの第2の接続装置(30;130)
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機能モジュール(160-190;200-230)を結合するためのバックプレーン・モジュール(20;90)であって、
基体(21;91)と、
前記基体(21;91)の内部に配置され、複数のポート(81-89;101-109)を有するネットワーク結合素子(80;100)と、
機能モジュール(180;200)を結合するために設計され、前記基体(21;91)に配置された少なくとも1つの第1の接続装置(50;110)であって、前記ネットワーク結合素子(80;100)のポート(85;103)に信号線(244;252)を介して接続された少なくとも1つの通信インターフェース(51;111)を有する、第1の接続装置(50;110)と、
機能モジュール(160;220)を結合するために設計され、前記基体(21;91)に配置された少なくとも1つの第2の接続装置(30;130)であって、共に論理伝送チャネルを形成し得るそれぞれ1つの別個の信号線(240,241;254,255)を介して、前記ネットワーク結合素子(80;100)のポート(81,82;106,107)にそれぞれ接続された、少なくとも2つの通信インターフェース(31,32;131,132)を備える少なくとも1つの第2の接続装置(30;130)と、を備え、
前記ネットワーク結合素子(80;100)は、前記少なくとも1つの第1の接続装置(50;110)及び前記少なくとも1つの第2の接続装置(30;130)との間のデータパケットの送受信のために設計されている、バックプレーン・モジュール。
【請求項2】
前記基体(21;91)には、前記バックプレーン・モジュール(20;90)を更なるバックプレーン・モジュールに結合するために設計された、少なくとも1つの通信インターフェース(71,72;271,272)を有する少なくとも1つの第3の接続装置(70;270)が配置されている、請求項1に記載のバックプレーン・モジュール。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第1の接続装置(50;110)及び前記少なくとも1つの第2の接続装置(30;130)が、仮想線に対して互いに隣り合い且つ互いに距離を置いて、前記基体(21;91)の底面(21a;91a)に配置されており、前記少なくとも1つの第3の接続装置(70;150)が、前記基体(21;91)の前記底面(21a;91a)に対して垂直に延びる面(21b;91b)に配置されている、ことを特徴とする請求項2に記載のバックプレーン・モジュール。
【請求項4】
前記ネットワーク結合素子(80;100)は、イーサネット(登録商標)・スイッチである、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のバックプレーン・モジュール。
【請求項5】
前記ネットワーク結合素子(80;100)は、VLAN対応ネットワーク結合素子である、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のバックプレーン・モジュール。
【請求項6】
前記基体(21;91)には、前記バックプレーン・モジュール(20;90)を取り付けレールに組み付けるための組み付け要素(22;92)が形成されている、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のバックプレーン・モジュール。
【請求項7】
特に工業プロセス制御のためのモジュラー通信システム(10)であって、
請求項1~6のいずれか1項に記載の第1のバックプレーン・モジュール(20)と、
少なくとも1つの通信インターフェース(181)を有する接続装置を備えると共に、前記少なくとも1つの第1の接続装置(50)を介して前記第1のバックプレーン・モジュール(20)に結合された、少なくとも1つの第1の機能モジュール(180)と、
少なくとも2つの通信インターフェース(161,162)を有する接続装置を備えると共に、前記第2の接続装置(30)を介して前記第1のバックプレーン・モジュール(20)に結合された、少なくとも1つの第2の機能モジュール(160)と、
を備えるモジュラー通信システム(10)。
【請求項8】
前記第1のバックプレーン・モジュール(20)に結合された、請求項1~6のいずれか1項に記載の第2のバックプレーン・モジュール(90)であって、
前記第1のバックプレーン・モジュール(20)の前記ネットワーク結合素子(80)と、前記第2のバックプレーン・モジュール(90)の前記ネットワーク結合素子(100)とは、少なくとも1つの電気接続(246,250;247,251)を介して、互いに接続されている第2のバックプレーン・モジュール(90)と、
少なくとも1つの通信インターフェース(201)を有する接続装置を備えると共に、前記少なくとも1つの第1の接続装置(110)を介して、前記第2のバックプレーン・モジュール(90)に結合された、少なくとも1つの第3の機能モジュール(200)と、
少なくとも2つの通信インターフェース(221,222)を有する接続装置を備えると共に、前記少なくとも1つの第2の接続装置(130)を介して、前記第2のバックプレーン・モジュール(90)に結合された、少なくとも1つの第4の機能モジュール(220)と、を備えることを特徴とする請求項7に記載のモジュラー通信システム。
【請求項9】
前記機能モジュール(160-230)のうちの少なくとも2つは、論理伝送チャネルを形成し得る少なくとも2つの接続を介して互いに接続されている、ことを特徴とする請求項8に記載のモジュラー通信システム。
【請求項10】
前記機能モジュール(160-230)のうちの少なくとも2つは、仮想接続を介して通信する、ことを特徴とする請求項8又は9に記載のモジュラー通信システム。
【請求項11】
前記機能モジュール(160-230)の各々は、I/Oモジュール、通信モジュール又はコントローラとして設計されている、ことを特徴とする請求項7~10のいずれか1項に記載のモジュラー通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の機能モジュールを結合するためのバックプレーン・モジュール、及び、そのようなバックプレーン・モジュールを少なくとも1つ備えるモジュラー通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
バックプレーン・システムは、バックパネル・システムとしても知られており、例えばモジュラーデバイスに見られる。バックプレーン・システムは、例えば、バックパネル・バスと、バックパネル・バスを介して電気的に接続された複数のスロットとを備えることができる。スロットには、様々な電子モジュールが差し込まれ得る。
【0003】
更に、互いに隣り合って並べられ得るデバイスモジュールを、バックプレーン又はバックパネルを介して電気的に互いに接続することが知られており、その場合、それぞれ2つの隣接するモジュール間には、ポイントツーポイント接続が存在する。この場合、各デバイスモジュールは、伝送方向において転送デバイスモジュールの背後に配置されたモジュールへのデータの転送を引き受ける。しかしながら、ここでは、モジュールのうちの1つが故障した場合、伝送方向において故障したモジュールの背後にある全てのモジュールが同様に通信から遮断される、という問題が存在する。作動中におけるモジュールの取り外し又は交換も、他のモジュールとの通信を失わずには不可能である。
【0004】
特許文献1から、バックパネルを介して電気的に接続された複数のスロットを備えるパケット通信バックパネル又はバックプレーンが知られている。
【0005】
公知のバックパネルは、ポイントツーポイント接続を介して、すなわち予め確定された態様で、スロットを互いに電気的に接続する、受動部品として特徴付けられている。イーサネット(登録商標)・スイッチを含むアグリゲーション・カードは、スロットのうちの1つに差し込まれ得る。
【0006】
特許文献2から、同様に、個々のポイントツーポイント接続を介して又はバスを介して、スイッチングノード及びネットワークノードを互いに接続することができる、パケット交換バックパネルが公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】英国特許第2404815号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/0078706号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の根底には、複数の機能モジュールを結合するためのバックプレーン・モジュールを創造することがあり、当該バックプレーン・モジュールは、その接続装置の柔軟な電気接続と、接続装置に接続された機能モジュール間の動的に変化し得る通信とを可能にする。更なる課題は、少なくとも1つのそのようなバックプレーン・モジュールを備える、特に工業プロセス制御のためのモジュラー通信システムを提供することに見ることができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のコアアイデアは、バックパネル・モジュールとしても知られているバックプレーン・モジュールに、それを介して必要に応じて柔軟かつ動的に変化可能な態様でスロットが互いに接続され得る、能動素子を装備することに見ることができる。能動素子は、ネットワーク結合素子であり、これは、ネットワーク・スイッチと呼ぶこともできる。
【0010】
上述した技術的な問題は、一方では、請求項1の特徴によって、また、特に工業プロセス制御のためのモジュラー通信システムに関する請求項7の特徴によって、解決される。
【0011】
有利な発展形態及び構成は、下位請求項の対象である。
【0012】
本発明が、以下において、添付の図1と関連する実施例に基づいて、詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】特に工業プロセス制御のための自動化設備において使用され得る、例示的なモジュラー通信システム10を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、特に工業プロセス制御のための自動化設備において使用され得る、例示的なモジュラー通信システム10を示す。例示的に図示されたモジュラー通信システム10は、複数の機能モジュール160-190の電気的、光学的、容量的又は誘導的な結合のための、好ましくはまた機械的結合のための、少なくとも1つのバックプレーン・モジュール20を有する。機能モジュール160-190は、好ましくは、それぞれ少なくとも1つの電子回路が実装されたモジュールである。機能モジュールは、例えば、I/Oモジュールとしても知られる入力/出力モジュールとして、コントローラとして、例えばプログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)として、実装することができ、これにより、例えば工業プロセスが制御され得る。入力/出力モジュールは、センサ及びアクチュエータであることができる。この場合、例示的なモジュラー通信システム10は、特に、バックプレーン・モジュール20を介して、また、存在する場合には、少なくとも1つの更なるバックプレーン・モジュール90を介して、プロセスデータを機能モジュール間で伝送するために用いられる。
【0015】
バックプレーン・モジュール20は、例えばハウジングとして設計され得る基体21を備える。基体21内には、複数のポート81-89を備えるネットワーク結合素子80が配置されている。ネットワーク結合素子80は、例えば、イーサネット・プロトコルに従って、そのポート81-89間でデータパケットを、狙いを定めて仲介し得る、イーサネット・スイッチであることができる。基体21には、機能モジュール、例えば機能モジュール180を、電気的に、好ましくは機械的にも結合するように設計された、少なくとも1つの接続装置50が配置されている。接続装置50は、イーサネット・プラグコネクタとして設計され得る。接続装置50は、信号線244を介して、ポート、例えばネットワーク素子80のポート85に接続された、少なくとも1つの通信インターフェース51を備える。機能モジュール180は、接続装置50に結合されることを可能とするために、例えば通信インターフェース181を備えた接続装置を備える。基体21には、好ましくは、機能モジュール、例えば機能モジュール160を、電気的に、好ましくは機械的にも結合するように設計された、第2の接続装置30が配置されている。第2の接続装置30は、論理伝送チャネルを形成し得る別個の信号線を介して、ネットワーク結合素子80のポートにそれぞれ接続された、少なくとも2つの通信インターフェース31及び32を備える。図示されているように、通信インターフェース31は、信号線240を介してネットワーク結合素子80のポート81に接続されており、通信インターフェース32は、信号線241を介してネットワーク結合素子80のポート82に接続されている。ここで既に、ネットワーク結合素子80の寄与により、いわゆるリンクアグリゲーション機能が、接続装置30に関して実行されることができ、この場合、例えば単一の通信インターフェースと比較してデータスループット及び信頼性を高めるために、複数の物理インターフェース、例えば通信インターフェース31及び32が、論理的に1つのチャネルにバンドルされ得ることが、言及されるべきである。このために、例えばリンクアグリゲーション制御プロトコル(LACP)が使用され得る。換言すれば:ネットワーク結合素子80は、例えば、2つの信号線240及び241をバンドルする論理伝送チャネルを介して、機能モジュール160との間でデータを送受信するために、LACPプロトコルを実行するよう設計され得る。
【0016】
接続装置30に、例えば電気的に接続されることを可能とするために、機能モジュール160は、2つの通信インターフェース161及び162を含む接続装置を備える。代替的に、接続装置30は、光学的に、容量的に又は誘導的に、通信インターフェース161及び162に結合され得る。機能モジュール160は、好ましくは、2つの別個の信号線240及び241を含む論理伝送チャネルを介して、データをネットワーク結合素子80に送信し、ネットワーク結合素子80から受信するように設計されている。
【0017】
基体21には、別個の信号線を介してネットワーク結合素子80のポートにそれぞれ接続された少なくとも2つの通信インターフェース41及び42を備えることができる、更なる接続装置40が配置され得る。図示されているように、通信インターフェース41は、信号線242を介してポート83に接続されており、通信インターフェース42は、信号線243を介してネットワーク結合素子80のポート84に接続されている。2つの信号線242及び243は、ここでも、構成に応じて1つの論理伝送チャネルを形成することができる。接続装置40に接続されることを可能とするために、機能モジュール170は、2つの通信インターフェース171及び172を含む接続装置を備える。このために、接続装置4は、光学的に、容量的に又は電気的に、通信インターフェース171及び172に結合され得る。機能モジュール170は、好ましくは、2つの別個の信号線242及び243を含む論理伝送チャネルを介して、データをネットワーク結合素子80に送信し、ネットワーク結合素子80から受信するように設計されている。
【0018】
図1は、信号線245を介してポート86に電気的に接続された少なくとも1つの通信インターフェース61を備えることができる、基体21に配置された第4の接続装置60を示す。機能モジュール190は、バックプレーン・モジュール20の接続装置60に電気的に、光学的に、誘導的に又は容量的に、好ましくは機械的にも結合可能な、通信インターフェース191を有する接続装置を備える。なお、図1に示されているように、バックプレーン・モジュール20は、4つの接続装置30-60より多くの接続装置を有し得ることに留意されたい。
【0019】
モジュラー通信システム10を柔軟に拡張することを可能とするために、基体21には、少なくとも1つの通信インターフェースを備える更なる接続装置70を設けることができる。図示された例では、接続装置70は、2つの通信インターフェース71及び72を備える。接続装置70は、バックプレーン・モジュール20を更なるバックプレーン・モジュール90に電気的に接続するために、特に機械的に結合するためにも、設計されている。
【0020】
図1に示されているように、接続装置30、40、50及び60は、図1に示された座標系のx軸に対して平行に延びる仮想線に対して、互いに隣り合い、互いに距離を置いて、xz平面内にある底面21aに配置されている。接続装置70は、底面21aに対して垂直に延びる基体21の端面21bに配置されており、端面21bは、図1に示された座標系のyz平面内にある。ここで、底面21aは、例えば、機能モジュール160-190の深さ又は長さに対応する、z方向の深さを有することができることに留意されたい。バックプレーン・モジュール20は、更に、取り付けレール上にラッチされることを可能とするために、ラッチ要素22を備えることができる。
【0021】
バックプレーン・モジュール20に電気的及び機械的に結合されることを可能とするために、バックプレーン・モジュール90は、基体91に配置され、好ましくは2つの通信インターフェース151及び152を有する接続装置150を備え、接続装置150は、バックプレーン・モジュール20の接続装置70に対して相補的に設計されている。接続装置150は、yz平面内にある基体91の端面91bに配置されている。図1から分かるように、接続装置70及び150は、組み立てられた状態で一直線に並んでいる。端面21b及び91bには、バックプレーン・モジュール20及び90を機械的に結合するための、相補的に設計されたラッチ要素が設けられ得る。
【0022】
バックプレーン・モジュール20と同様に、バックプレーン・モジュール90の基体91内には、複数のポート101-109を有するネットワーク結合素子100が配置されており、これも、好ましくはイーサネット・スイッチとして設計され得る。更に、バックプレーン・モジュール90は、例えば、通信インターフェース111を有する接続装置110、通信インターフェース121を有する更なる接続装置120、2つの通信インターフェース131及び132を有する更なる接続装置130、並びに、2つの通信インターフェース141及び142を有する更なる接続デバイス140を備える。バックプレーン・モジュール20と同様に、接続装置110~140は、xz平面内にある基体91の底面91a上に配置されている。各接続装置110~140には、それぞれ機能モジュールが接続され得る。しかしながら、バックプレーン・モジュール90は、4つの接続装置110~140より多くの接続装置を備えることもできる。図1に示されているように、通信インターフェース201を備える機能モジュール200は、電気的に、光学的に、容量的に又は誘導的に、好ましくは機械的にも、接続装置110に結合され得る。通信インターフェース211を備える機能モジュール210は、バックプレーン・モジュール90の接続装置120に電気的に、光学的に、容量的に又は誘導的に、好ましくは機械的にも、結合され得る。2つの通信インターフェース221及び222を備える更なる機能モジュール220は、電気的に、光学的に、容量的に又は誘導的に、好ましくは機械的にも、同様に2つの通信インターフェース131及び132を備える接続装置130に、電気的及び機械的に結合され得る。2つの通信インターフェース231及び232を有する更なる機能モジュール230は、接続装置140に電気的に、光学的に、容量的に又は誘導的に、好ましくは機械的にも、結合され得る。図1から分かるように、通信インターフェース111は、信号線252を介してネットワーク結合素子100のポート103に接続されている。通信インターフェース151は、信号線250を介してポート101に接続され、通信インターフェース152は、信号線251を介してポート102に接続され、通信インターフェース121は、ポート104に接続され、接続装置130の2つの通信インターフェース131及び132は、信号線254を介してポート106に又は信号線255を介してポート107に接続され、一方、接続装置140の2つの通信インターフェース141及び142は、信号線257を介してネットワーク通信素子100のポート109に接続され、信号線256を介してネットワーク通信素子100のポート108に接続されている。
【0023】
2つのネットワーク結合素子80及び100は、ネットワーク技術から公知のスタッキング方法に従って、それらが、したがって2つのバックプレーン・モジュール20及び90が、1つのIPアドレスのみを有するシステムユニットとして外部に現れるよう、互いに接続され得ることに留意されたい。このために、例えば、信号線247及び251又は信号線246及び250を含む接続、あるいは、別個の接続(図示せず)が、使用され得る。
【0024】
端面91bとは反対側の端面91cには、バックプレーン・モジュール90の基体91に、例えば2つの通信インターフェース271及び272を備える更なる接続装置270を設けることができ、2つの通信インターフェース271及び272は、信号線261を介してネットワーク結合素子100の例えばポート250に、信号線260を介してネットワーク結合素子100のポート105に、それぞれ接続されている。接続装置270には、更なるバックプレーン・モジュール(図示せず)の接続装置が接続され得る。バックプレーン・モジュール90の基体91も、取り付けレール上への取り付けのためのラッチ要素92を備えることができ、当該取り付けレールは、図示された実施例では、x軸に対して平行に延びるであろう。
【0025】
2つのネットワーク結合素子80及び100は、それぞれ、VLAN対応ネットワーク結合素子として設計され得る。このようにして、ネットワーク結合素子80若しくはネットワーク結合素子100の内部で、又は、2つのネットワーク結合素子80及び100に亘ってさえも、個々の接続装置間に、したがって機能モジュール160~230のうちのいくつかの間で、例えば機能モジュール160と230との間に、仮想接続又は論理サブネットを構築することが可能である。例えば、このようにして、接続装置30と接続装置140との間に、信号線240、246、250及び257を介して、仮想接続が構築され得る。このようにして、例えば、冗長機能モジュールの、例えば機能モジュール160及び230の同期のような機能は、専らこの機能のために設けられた別個の通信技術が実装される必要なしに、実現され得る。
【0026】
それぞれが能動的なネットワーク結合素子を備えるバックプレーン・モジュールの使用により、特に工業プロセス制御のために設計され得る複雑なモジュラー通信システム10が、単純かつ柔軟な方法で実装され得る。
【0027】
上で提示的に説明された態様の少なくともいくつかが、以下で再び要約される。
【0028】
複数の機能モジュールを結合するためのバックプレーン・モジュールが提供され、例示的に、図1に示されたバックプレーン・モジュール20又はバックプレーン・モジュール90が基礎を成す。バックプレーン・モジュール20には、例えば機能モジュール160~190が、バックプレーン・モジュール90には、例えば機能モジュール200~230が、それぞれ接続され得る。バックプレーン・モジュール20又は90は、以下の特徴を有することができる:
基体21;91、
基体21;91の内部に配置され、複数のポート81-89;101-109を有するネットワーク結合素子80;100、
機能モジュール180;200を結合するために設計された、基体21;91に配置された少なくとも1つの第1の接続装置50;110であって、ネットワーク結合素子80;100のポート85;103に信号線244;252を介して接続された少なくとも1つの通信インターフェース51;111を備える、第1の接続装置50;110、
機能モジュール160;220を結合するために設計された、基体21;91に配置された少なくとも1つの第2の接続装置30;130であって、共に論理伝送チャネルを形成し得るネットワーク結合素子80;100のポート81,82;106,107にそれぞれ1つの別個の信号線240,241;254,255を介して接続された、少なくとも2つの通信インターフェース31,32;131,132を備える第2の接続装置30;130、
ネットワーク結合素子80;100は、少なくとも1つの第1の接続装置50;110及び少なくとも1つの第2の接続装置30;130との間のデータパケットの送受信のために設計されている。
【0029】
好ましくは、基体21;91には、バックプレーン・モジュール20;90を結合するために更なるバックプレーン・モジュールを備えて設計された、少なくとも1つの通信インターフェース71,72;271,272を有する少なくとも1つの第3の接続装置70;270が配置されている。
【0030】
例えば、少なくとも1つの第1の接続装置50;110及び少なくとも1つの第2の接続装置30;130が、仮想線に対して互いに隣り合い且つ互いに距離を置いて、基体21;91の底面21a;91aに配置されており、少なくとも1つの第3の接続装置70;150が、基体21;91の底面21a;91aに対して垂直に延びる面21b;91bに配置されていることにより、コンパクトで省スペースな配置がもたらされる。
【0031】
便宜上、ネットワーク結合素子80;100は、イーサネット・スイッチとして設計され得る。
【0032】
バックプレーン・モジュール20;90の性能は、ネットワーク結合素子80;100が、任意に又は付加的に、VLAN対応ネットワーク結合素子として設計され得ることにより、高められ得る。
【0033】
バックプレーン・モジュール20;90を例えば制御キャビネット内に組み込むことを可能とするために、基体21;91には、バックプレーン・モジュール20;90を取り付けレールに組み付けるための組み付け要素22;92が形成され得る。
【0034】
更なる態様によれば、特に工業プロセス制御のために設計され得る、以下の特徴を有し得るモジュラー通信システム10が意図される:
前述したように、少なくとも1つの通信インターフェース181を有する接続装置を備えると共に、少なくとも1つの第1の接続装置50を介して第1のバックプレーン・モジュール20に、光学的に、容量的に、電気的に又は誘導的に、好ましくは機械的にも結合された、少なくとも1つの第1の機能モジュール180
少なくとも2つの通信インターフェース161,162を有する接続装置を備えると共に、第2の接続装置30を介して第1のバックプレーン・モジュール20に、光学的に、容量的に、電気的に又は誘導的に、好ましくは機械的にも結合された、少なくとも1つの第2の機能モジュール160
【0035】
有利な発展形態では、前述した第1のバックプレーン・モジュール20に結合された第2のバックプレーン・モジュール90が意図されており、第1のバックプレーン・モジュール20のネットワーク結合素子80と、第2のバックプレーン・モジュール90のネットワーク結合素子100とは、少なくとも1つの電気接続(246,250;247,251)を介して、互いに接続されている。電気接続は、信号線246及び250を備えることができる。代替的な又は付加的な電気接続は、信号線247及び251を備えることができる。少なくとも1つの通信インターフェース201を有する接続装置を備える少なくとも1つの第3の機能モジュール200が意図され、少なくとも1つの第3の機能モジュール200は、少なくとも1つの第1の接続装置110を介して、第2のバックプレーン・モジュール90に、光学的に、容量的に、電気的に又は誘導的に、好ましくは機械的にも、結合されている。更に、少なくとも1つの第4の機能モジュール220が意図され、当該第4の機能モジュール220は、少なくとも2つの通信インターフェース221,222を有する接続装置を備えると共に、少なくとも1つの第2の接続装置130を介して、第2のバックプレーン・モジュール90に、光学的に、容量的に、電気的に又は誘導的に、好ましくは機械的にも、結合されている。
【0036】
少なくとも2つの機能モジュール間の例えばデータスループットを高めることを可能とするために、機能モジュール、例えば機能モジュール160及び170は、ネットワーク結合素子80によって、論理伝送チャネルを形成し得る少なくとも2つの別個の電気接続を介して、互いに接続され得る。例示的なケースでは、一方の電気接続は例えば信号線240及び242を備え、他方の接続は信号線241及び243を含み得る。
【0037】
好ましくは、機能モジュールのうちの少なくとも2つ、例えば機能モジュール160及び230は、仮想接続を介して通信することができる。この場合、仮想接続は、通信インターフェース31、信号線240、ネットワーク結合素子80のポート81及び89、信号線246及び250、ネットワーク結合素子100のポート101及び109、信号線257、並びに、通信インターフェース232を介して、構築され得る。
【0038】
好ましくは、機能モジュール160-230の各々は、I/Oモジュール、通信モジュール又はコントローラとして設計され得る。
【0039】
また、通信インターフェースは、最も単純なケースでは、電気接続であり得ることに留意されたい。しかしながら、それらは、誘導的結合素子、光学的結合素子又は容量的結合素子としても設計され得る。
図1
【国際調査報告】