(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-25
(54)【発明の名称】圧電トルクセンサを調整するための方法
(51)【国際特許分類】
G01L 25/00 20060101AFI20230418BHJP
【FI】
G01L25/00 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022555146
(86)(22)【出願日】2021-03-16
(85)【翻訳文提出日】2022-11-14
(86)【国際出願番号】 AT2021060091
(87)【国際公開番号】W WO2021184054
(87)【国際公開日】2021-09-23
(32)【優先日】2020-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513131176
【氏名又は名称】アーファオエル・リスト・ゲーエムベーハー
(71)【出願人】
【識別番号】519223125
【氏名又は名称】ピエゾクリスト・アドバンスト・センソリクス・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ヘルムート・コカール
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー・シュリッカー
(72)【発明者】
【氏名】グレゴール・グリーセル
(57)【要約】
本発明は、好ましくは試験台の一部であり、力の流れに基づいて試験体に加えられるトルクを決定するための測定装置の圧電トルクセンサを調整するための方法に関するものであって、前記測定装置は、圧電トルクセンサと、別の測定原理に基づく、静トルクを連続的に検出するように構成された第2のトルクセンサと、を有しており、前記測定装置は、両方のトルクセンサが、力の流れの内でトルクを測定するように構成されており、前記圧電トルクセンサの目標測定信号は、前記第2のトルクセンサによるトルク測定に基づいて決定され、前記圧電トルクセンサの検出された測定信号は、決定された目標測定信号に基づいて調整され、出力される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
好ましくは試験台(1)の一部であり、特に請求項11から15のいずれか一項に記載の試験台(1)の一部であり、力の流れに基づいて試験体(5)に加えられるトルクを決定するための測定装置(2)の圧電トルクセンサ(3)を調整するための方法(100)であって、前記測定装置(2)は、圧電トルクセンサ(3)と、別の測定原理に基づく、静トルクを連続的に検出するように構成された第2のトルクセンサ(4)と、を有しており、前記測定装置(2)は、両方のトルクセンサが、力の流れの内でトルクを測定する(101a、101b)ように構成されており、前記圧電トルクセンサ(3)の目標測定信号は、前記第2のトルクセンサ(4)によるトルク測定に基づいて決定され(102)、前記圧電トルクセンサの検出された測定信号は、決定された目標測定信号に基づいて調整され(103)、出力される(104)、方法(100)。
【請求項2】
前記圧電トルクセンサ(3)の目標測定信号の決定が、前記測定装置におけるトルクの振動周波数の準定常周波数範囲で、特に50Hzより低い、好ましくは約5Hzから約50Hzの間の周波数範囲で行われる、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項3】
前記圧電トルクセンサ(3)の目標測定信号の決定が、トルクの振動周波数の、固有振動モード又は共振モードが測定周囲、特に前記試験台(1)上で生じない周波数範囲で、好ましくは約20Hzより低い、好ましくは約10Hzより低いトルクの振動周波数において行われる、請求項1又は2に記載の方法(100)。
【請求項4】
調整が、前記試験体(5)が動作している間に行われ、トルクが、所望の周波数範囲において、周波数フィルタ、特にフーリエ解析を用いて分離される、請求項2又は3に記載の方法(100)。
【請求項5】
前記圧電トルクセンサ(3)の目標測定信号が、さらに、前記試験体に関する回転数測定に基づいて決定される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法(100)。
【請求項6】
前記圧電トルクセンサ(3)の前記目標測定信号が、以下の方程式
【数1】
を用いて決定され、このとき、M
Piezo_calは、前記目標測定信号であり、M
Wは、前記第2のトルクセンサ(4)を用いて、回転しないように前記試験体(5)と接続されている、又は、前記試験体(5)の構成要素であるシャフト(10a、10b、10c)又はシャフトアセンブリで測定されたトルクであり、J
Wは、回転しないように前記試験体(5)と接続されている、又は、前記試験体(5)の構成要素である前記シャフト(10a、10b、10c)又は前記シャフトアセンブリの慣性モーメントであり、J
UUTは、前記試験体(5)の慣性モーメントであり、
【数2】
は、回転しないように前記試験体(5)と接続されている、又は、前記試験体(5)の構成要素である前記シャフト(10a、10b、10c)又は前記シャフトアセンブリの測定された回転数の時間導関数であり、M
Rは、特に軸受及び/又は歯車機構(8)によって引き起こされる摩擦トルクである、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法(100)。
【請求項7】
前記シャフトアセンブリが歯車機構(8)を有しており、前記第2のトルクセンサ(4)は、前記歯車機構(8)に対して、より低い回転数で回転する部分(II)に配置されており、前記圧電トルクセンサ(3)は、前記歯車機構(8)に対して、より高い回転数で回転する部分(I)に配置されている、請求項6に記載の方法(100)。
【請求項8】
前記圧電トルクセンサ(3)が、前記試験体(5)に加えられるトルクを決定するために、前記試験体(5)の少なくとも1つの支持点における反作用トルクを測定する、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法(100)。
【請求項9】
命令がコンピュータによって実行される場合に、コンピュータに、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法(100)のステップを実施させる命令を含むコンピュータプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のコンピュータプログラムが保存されているコンピュータ可読媒体。
【請求項11】
動トルクを測定するための、特に請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を実施するように構成された、機械、好ましくは電気機械に関する試験台(1)であって、試験台(1)は、圧電トルクセンサ(3)と、別の測定原理に基づく、トルクの静的成分を連続的に検出するように構成された第2のトルクセンサ(4)と、を有しており、両方のトルクセンサ(3、4)は、力の流れの内のトルクを試験台(1)で測定するように構成され、試験台(1)に配置されている試験台(1)。
【請求項12】
前記圧電トルクセンサ(3)が、力が、試験体(5)と前記試験体(5)を支持するための支持装置(6)との間における力の流れの内で測定可能であるように構成され、配置されている、請求項11に記載の試験台(1)。
【請求項13】
前記試験体(5)に負荷を加えるためのローディング装置(7)、特に動力計又はブレーキを有する、請求項11又は12に記載の試験台(1)。
【請求項14】
前記ローディング装置(7)と前記試験体(5)との間の力の流れの内に配置された歯車機構(8)、特にブースト歯車機構を有し、前記圧電トルクセンサ(3)は、前記歯車機構(8)に対する力の流れの、前記試験体(5)が配置可能である側(I)でトルクを検出するように配置されており、前記第2のトルクセンサ(4)は、前記歯車機構(8)に対する力の流れの、前記ローディング装置(7)が配置されている側(II)でトルクを検出するように配置されている、請求項13に記載の試験台(1)。
【請求項15】
前記第2のトルクセンサ(4)の測定原理が、ひずみゲージに基づいており、前記第2のトルクセンサ(4)は、好ましくは測定フランジである、請求項11から14のいずれか一項に記載の試験台(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試験体に加えられるトルクを決定するための測定装置、好ましくは試験台の圧電トルクセンサを調整するための方法に関するものであり、当該測定装置は、圧電トルクセンサを有している。
【背景技術】
【0002】
モータ、特に内燃機関又は電気機械の開発及び制御の際、モータのシャフトにおけるトルクを可能な限り正確に知ることが重要であり、特に試験台の動作中には重要である。
【0003】
このために、ひずみゲージ又は圧電センサを有する測定システムを用いることが、先行技術から知られている。
【0004】
ひずみゲージ及び類似の測定要素は、一般的に、静的力を測定するために用いられる。しかしながら一般的に、このような種類の測定要素を備えた測定システムは、その構造ゆえに、動的フォースカーブを測定するための反応時間が長すぎる。
【0005】
圧電トルクセンサは、圧電素子を有しており、当該圧電素子は、力が作用した場合に、圧電効果に基づいて電圧を生じさせる。
【0006】
これは、圧電素子が弾性的に変形した場合に、電圧が圧電素子に生じる、という原理に基づいている。圧電素子の変形によって、圧電素子の基本セル内部に、微視的双極子が形成される。圧電素子の全ての基本セル内の、微視的双極子と接続された電界の総和によって、変形又は力が作用した際の、微視的に測定可能である電圧がもたらされる。通常は、電荷移動は、電荷増幅器とも呼ばれる充電電圧変換器を用いて測定される。
【0007】
圧電測定素子又は圧電素子の測定原理を用いて、ある特定の周波数で生じる、瞬間的に生じる力を良好に測定することができる。しかしながら、比較的長い時間にわたる力、例えば定常力の測定のためには、圧電素子の測定原理は左程適していない。なぜなら、測定信号が、時間的なドリフトを受けるからである。従って、圧電素子は、動的な張力、圧縮力及びせん断力の測定に適している。圧電素子は、広いダイナミックレンジを有し、硬質であり、高い動的力を、同時に高分解能で測定することもできる。圧電センサは、その構造ゆえに、非常に高い固有振動数を有しており、従って測定されるべきシステムに殆ど影響を与えない。
【0008】
特許文献1からは、軸受装置、特にその出力軸及び/又は入力軸が、シャフト内のトルク伝達によって形成されている機械によって支持された、トルクを伝達するシャフトにおける力及び/又はトルクを決定するための測定装置が知られており、測定装置は、少なくとも2つの、好ましくは3つ又は4つの圧電素子及び固定装置を有しており、固定装置は、圧電素子を支持し、圧電素子を用いて、軸受装置と軸受装置を支持するための支持装置との間の力、特にせん断力が測定可能であるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、圧電トルクセンサを有する、トルクを測定するための測定装置の測定スペクトルを拡大することを課題とする。特に、本発明の課題は、トルク振動の低周波数範囲及び試験台に関して、測定装置の圧電トルクセンサを調整するための方法であって、このような調整を実施することを可能にする方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本課題は、独立請求項の教示によって解決される。有利な態様は、従属請求項に記載されている。
【0012】
本発明の第1の態様は、好ましくは試験台の一部である、力の流れに基づいて試験体に加えられるトルクを決定するための測定装置の圧電トルクセンサを調整するための方法に関するものであり、測定装置は、圧電トルクセンサと、別の測定原理に基づく、静トルクを連続的に検出するように構成された第2のトルクセンサと、を有しており、測定装置は、両方のトルクセンサが、力の流れの内でトルクを測定するように構成されており、圧電トルクセンサの目標測定信号は、第2のトルクセンサによるトルク測定に基づいて決定され、圧電トルクセンサの検出された測定信号は、決定された目標測定信号に基づいて調整され、出力される。
【0013】
本発明の第2の態様は、動トルクを測定するための機械、好ましくは電気機械のための試験台に関するものであり、試験台は、圧電トルクセンサと、別の測定原理に基づく、トルクの静的成分を連続的に検出するように構成された第2のトルクセンサと、を有しており、両方のトルクセンサは、力の流れの内のトルクを試験台で測定するように構成され、試験台に配置されている。
【0014】
本発明の第3の態様は、動トルクを測定する、機械、好ましくは電気機械のための測定装置に関するものであり、測定装置は、圧電トルクセンサと、別の測定原理に基づく、トルクの静的成分を連続的に検出するように構成された第2のトルクセンサと、を有しており、両方のトルクセンサは、唯一の力の流れの内でトルクを測定するように構成され、配置されている。
【0015】
好ましくは、測定装置及び/又は試験台は、約10000U/minより大きい、好ましくは約35000U/minより大きい、最も好ましくは約100000U/minより大きい高い回転数において、試験体を試験するように設計されている。
【0016】
本発明における測定スペクトルとは、好ましくは、測定装置を用いて有意義な測定を実施することが可能である周波数範囲である。
【0017】
本発明における試験体とは、好ましくは試験されるべき機械、又は、試験されるべき機械及びシャフト及び/若しくはシャフトアセンブリから成る全体である。好ましくは、試験体の各要素は、回転しないように互いに接続されている。
【0018】
本発明における調整とは、好ましくは測定装置によって示される測定値を、目標値を形成する基準計器の基準値からの逸脱が可能な限り小さくなるように設定又は補正することである。一般的に、測定装置は、較正の際に、測定装置の測定の表示値と基準計器の表示値との間の測定誤差が許容できない程度に大きい場合に調整される。本発明に係る調整の際、特に圧電トルクセンサの信号のドリフトが、静トルクを連続的に検出するように構成されたセンサの信号を用いて補正される。例えば調整の際に考慮される振動周波数の周波数範囲とは異なる振動周波数の周波数範囲における別の効果によって引き起こされるさらなる逸脱は、本発明に係る調整によっては、好ましくは検出されない。
【0019】
本発明における力の流れとは、機械系における、作用点、特に導入位置から、力及び/又はトルクが、反力及び/又は反作用トルクによって吸収される1つ又は複数の位置までの力及び/又はトルクの経路である。好ましくは、力の流れは、力、特にシャフトの回転方向に対する横方向力と、トルク、特に回転軸の周りのトルクと、から構成されている。
【0020】
本発明における出力の流れとは、機械系における、導入の位置から、当該出力が取り除かれる1つ又は複数の位置までの、出力の伝達経路である。
【0021】
本発明における準定常周波数範囲は、好ましくは測定が両方のトルクセンサによって、それぞれトルクセンサの均衡状態において実施され得る振動周波数を有している。特に、このような均衡状態では、各測定位置において、試験台での振動に基づく大きな測定差異は存在せず、第2のトルクセンサの反応時間は、トルクの変化速度に対して、比較的小さい。このような状態では、より高い周波数における測定とは異なり、圧電トルクセンサの測定のドリフトも生じる。
【0022】
本発明における手段は、ハードウェア技術及び/又はソフトウェア技術によって構成されていてよく、特に、好ましくはメモリ若しくはバスシステムとデータ若しくは信号によって接続された、特にデジタルの処理装置、特にマイクロプロセッサ(CPU)、及び/又は、1つ若しくは複数のプログラム若しくはプログラムモジュールを有し得る。CPUは、メモリシステムに格納されたプログラムとして実装された命令を処理し、データバスからの入力信号を検出し、及び/又は、データバスに出力信号を送るように構成されていてよい。メモリシステムは、1つ又は複数の、特に異なる記憶媒体、特に光媒体、磁気媒体、ソリッドステート媒体及び/又は他の不揮発性媒体を有し得る。プログラムは、本明細書に記載された方法を具体化又は実施することが可能であり、CPUが、当該方法のステップを実行するために供給されていてよい。
【0023】
本発明における測定フランジは、好ましくは2つのフランジを有するトルクセンサであり、当該フランジの間で、加えられるトルクが測定され得る。
【0024】
本発明は、試験台アセンブリの生じ得る固有振動モード又は共振モードに対して十分な距離を維持する際、圧電トルクセンサの調整を、圧電トルクセンサと同じ力の流れの内に配置された第2のトルクセンサを用いて行うことが可能であるという認識に基づいている。
【0025】
この際、第2のトルクセンサを用いて、圧電トルクセンサもトルクを測定する力の流れの内で、基準信号が測定される。当該基準信号に基づいて、圧電トルクセンサの目標測定信号が算出される。当該目標測定信号を用いて、圧電トルクセンサの測定信号の調整が行われ得る。調整によって補正された測定信号は、ユーザに、又は、データインターフェースを通じて、さらなるデータ処理のために出力され得る。
【0026】
圧電トルクセンサを用いて、トルクの動的成分を高い精度で測定することができる。これに対して、トルクの低周波成分の場合、圧電素子の比較的大きな信号ドリフトが作用するので、圧電トルクセンサは、当該成分を不正確にしか検出できない。これに対して、第2のトルクセンサは、低周波トルクにおいてトルクの静的成分を測定するが、高周波信号成分を描出することはできない。低周波の動作条件は、特に試験体が10Hzよりも小さい振動周波数を有する場合に与えられている。一般的に、試験台は、50Hzから80Hzの範囲の固有振動を有している。従って、固有振動の影響を排除可能にするために、調整は、振動周波数が10Hzを超えない場合に行った方がよい。
【0027】
本発明に係る測定装置を用いて、このような圧電トルクセンサに関する調整又は再調整を、定期的又は継続的に行うことが可能であり、これによって、1Hzよりも小さい周波数のトルクも、正確に測定することができる。従って、本発明によって、定常力又は定常トルクを測定することも可能である。
【0028】
したがって、本発明によって、圧電トルクセンサの測定スペクトルは、低周波振動範囲、特に静的範囲にまで拡大され得る。
【0029】
当該方法の有利な態様では、圧電トルクセンサの目標測定信号は、さらに、シャフトの回転数測定に基づいて決定される。シャフトの回転数を考慮することによって、パワートレイン又は試験体の様々な部分における異なる慣性モーメントが、調整の際に考慮され得る。
【0030】
当該方法のさらなる有利な態様において、圧電トルクセンサの目標測定信号は、以下の方程式を用いて決定される。
【0031】
【0032】
M
Piezo_calは、目標測定信号であり、M
Wは、第2のトルクセンサを用いて、回転しないように試験体と接続されている、又は、試験体の構成要素であるシャフト又はシャフトアセンブリで測定されたトルクであり、J
Wは、回転しないように試験体(5)と接続されている、又は、試験体(5)の構成要素であるシャフト又はシャフトアセンブリの慣性モーメントであり、J
UUTは、試験体の慣性モーメントであり、
【数2】
は、回転しないように試験体と接続されている、又は、試験体の構成要素であるシャフト(10a、10b、10c)又はシャフトアセンブリの測定された回転数の時間導関数であり、M
Rは、特に軸受及び/又は歯車機構によって引き起こされる摩擦トルクである。
【0033】
発明者は、この比較的単純な、特にモデルの基礎を形成する方程式を用いて、圧電トルクセンサの目標測定信号の信頼できる値であって、測定位置でのトルクの実際の値と大きく一致する値が決定可能であることを認識している。
【0034】
当該方法のさらなる有利な態様では、検出された測定信号及び同時に決定された目標測定信号に基づいて、測定信号/目標測定信号制御プロセスのモデルが作成され、検出された測定信号は、モデルの作成後、モデルを用いて調整される。モデルの作成によって、回転数に依存して、さらなる測定を行わずに調整することが可能になる。
【0035】
当該方法のさらなる有利な態様では、モデルは、伝達関数に基づいており、伝達関数のパラメータは、試験体の試験台における試験を通じて、圧電トルクセンサを用いて検出された測定信号を、第2のトルクセンサを用いたトルク測定に基づいて決定される目標測定信号と比較することによって決定される。これによって、容易な調整が得られる。
【0036】
当該方法のさらなる有利な態様では、圧電トルクセンサは、試験体の少なくとも1つの支持点における反作用トルクを測定し、これによって、対応して加えられるトルクが決定される。対応して、圧電トルクセンサは、試験台の有利な態様において、試験体と試験体を支持するための支持装置との間の力の流れが測定可能であるように構成され、配置されている。ここでも、最終的に、試験体を支持するために用いられる反作用トルクが決定される。反作用トルクに基づいて試験体上のトルクを平均することによって、トルクを決定するために試験体の回転している要素上で測定を行うことは不要になる。これによって、例えば測定フランジ等の回転している要素上に存在し得る測定装置によって、測定アセンブリの慣性モーメントが変更されること、又は、弾性も測定アセンブリに導入されることが防止され得る。
【0037】
本発明の第1の態様に関して上述した利点及び特徴は、本発明の第2の態様にも対応して適用され、逆もまた然りである。
【0038】
有利な態様において、試験台は、試験体に負荷を加えるためのローディング装置、特に動力計又はブレーキを有している。動力計を用いることによって、試験台において動的測定が実施され得る。
【0039】
さらなる有利な態様では、試験台は、ローディング装置と試験体との間の力の流れの内に配置された歯車機構、特にブースト歯車機構(Hochtreibgetriebe)を有しており、圧電トルクセンサは、歯車機構に対する力の流れの、試験体が配置可能である側において、トルクを検出するように配置されており、第2のトルクセンサは、歯車機構に対する力の流れの、ローディング装置が配置されている側において、トルクを検出するように配置されている。
【0040】
特に、歯車機構を有する試験台アセンブリにおいて、本発明は特に有利である。なぜなら、力の流れの、高い回転数で回転する側に、好ましくは圧電トルクセンサが配置されているからである。ここでは、歯車機構によって生じる高周波振動が、圧電トルクセンサを用いて決定され得る。これに対して、異なる構造、特にひずみゲージアセンブリに基づく第2のトルクセンサは、歯車機構のより低い回転数で回転する側においてトルクを測定する。これによって、トルクの低い振動周波数における測定、いわゆる準定常測定、又は、定常測定も実施され得る。特に、力の流れは、低い動的な力の流れから、高い動的な力の流れに変換される。トルク振動の低周波成分は、この変換によって変換される。特に、歯車機構のより高い回転数で回転する側に第2のトルクセンサを配置することは不利である。なぜなら、高い振動周波数を有するトルクは、このような圧電測定原理に基づかない第2のトルクセンサを用いては決定され得ないからである。しかしまた、特に、当該方程式は、さらに以上に示したように、第2のトルクセンサによって測定されたトルクと圧電トルクセンサの目標測定信号との関係に関しても有効である。
【0041】
当該方法のさらなる有利な態様では、シャフトアセンブリは歯車機構を有しており、第2のトルクセンサは、歯車機構に対して、より低い回転数で回転する部分に配置されており、圧電トルクセンサは、歯車機構に対して、より高い回転数で回転する部分に配置されている。本発明は、当該態様に関して特に有利である。なぜなら、シャフトアセンブリのより高い回転数を有する部分において、当該部分で非常に高い振動周波数を有して生じるトルク振動が、圧電トルクセンサによって良好に決定され得るからである。
【0042】
さらなる有利な態様において、試験台は、試験体に関する回転数を測定するために設けられ、配置された速度センサを有している。
【0043】
試験台のさらなる有利な態様において、少なくとも1つのシャフトを有する歯車機構は、シャフトアセンブリを形成しており、速度センサは、歯車機構に対する、シャフトアセンブリのローディング装置が配置された側における回転数を検出するように配置されている。
【0044】
試験台のさらなる有利な態様では、第2のトルクセンサの測定原理は、ひずみゲージに基づいており、第2のトルクセンサは、好ましくは測定フランジである。ひずみゲージに基づくトルクセンサは、トルク又はトルクの基礎となる力の定常測定及び準定常測定又は低周波測定に、特に優れて適している。
【0045】
さらなる有利な態様において、試験体及びローディング装置、及び、存在するのであれば歯車機構は、同じベースに支持されている。
【0046】
さらなる有利な態様において、試験台は、圧電トルクセンサを継続的に調整するための調整手段を有しており、圧電トルクセンサによって検出されたトルクは、調整手段によって、モデルを用いて調整され得る。
【0047】
さらなる特徴及び利点は、以下の図面を参照した実施例の説明から明らかになる。少なくとも部分的に概略的に、以下が示されている。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【
図1】圧電トルクセンサ及び第2のトルクセンサを有する試験台の実施例を示す図である。
【
図2】圧電トルクを調整するための方法を示すブロック図である。
【
図3】圧電トルクセンサの測定信号を調整するための制御プロセスの実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図1は、機械を試験するための試験台1の実施例を示している。
【0050】
以下において、電気機械5を試験するための試験台1を基に、本発明を説明する。しかしながら、記載された実施例が、別の種類の機械、特に電気機械エネルギー変換器又は化学機械エネルギー変換器にも適用可能であることは、当業者には明らかである。
【0051】
試験台1は、好ましくは動力計7を有しており、動力計7を用いて、試験されるべき電気機械に与えることが可能である負荷、特に駆動トルク又は制動トルクが供給され得る。
【0052】
図示された試験台1は、好ましくは通常運転において、10000rpmより高い、好ましくは35000rpmより高い、最も好ましくは100000rpmより高い、比較的高い回転数で動作する電気機械の試験のために用いられる。これは、例えばターボチャージャ等の圧縮機の電気駆動、又は、電気自動車のための電気駆動モータである。このような高い回転数は、動力計7によっては供給され得ないか、又は、受容され得ない。従って、試験台1は、好ましくは歯車機構8、特にいわゆるブースト歯車機構を有しており、当該歯車機構は、動力計7をブースト歯車8と回転しないように接続するシャフト部分10b、10cにおける回転数を、より高い回転数に変換する。このより高い、変換された回転数は、ブースト歯車機構8と試験されるべき電気機械5とを回転しないように接続するシャフト部分10aを通じて、試験されるべき電気機械5に伝達される。逆に、試験されるべき電気機械5によって供給される回転数は、ブースト歯車機構8を通じて、動力計7が動作可能である回転数範囲及びトルク範囲に変換される。
【0053】
歯車機構8は、様々なシャフト又はシャフトの部分10a、10b、10cと共に、シャフトアセンブリを形成する。試験体は、いずれのコンポーネントを試験すべきかに応じて、電気機械5のみによって、又は、電気機械5と少なくとも部分的にシャフトアセンブリとによって形成される。
【0054】
図1に示したように、動力計7、ブースト歯車8及び試験されるべき電気機械5は、同じベース11上に取り付けられている。この際、試験されるべき電気機械5は、支持装置6によって基板11に対して支持される。この際、支持装置6は、試験されるべき電気機械5のために反力を供給し、反力を用いて、試験されるべき電気機械5と動力計7との間の力の流れ及び出力の流れが支持される。
【0055】
この際、好ましくは、支持装置6は、
図1に示したように、試験されるべき電気機械5が、電気機械5のシャフトが配置されている、又は、シャフト部分10aが電気機械のシャフトと連結され得る側、特に端面に取り付けられ得るように構成されている。この配置は、
図1に示したように、トルクセンサ3が、支持装置6と試験されるべき電気機械5との間に、試験されるべき電気機械5に作用するトルクの大部分が、圧電トルクセンサ3に加えられるように配置され得るという利点を提供する。特に、この配置によって、圧電トルクセンサ3を通らない力の分流が最小化されるか、又は、除去され得る。好ましくは、圧電トルクセンサ3及び支持装置6による、試験されるべき電気機械5のこの種の支持のために、圧電トルクセンサ3も支持装置6も、試験されるべき電気機械5のシャフト又はシャフト若しくはシャフト部分10aのための通路を有している。この通路は、好ましくは開口部として形成されている。
【0056】
しかしまた、試験されるべき電気機械5は、異なった形で取り付けることが可能であり、例えばベース11に対向する側若しくはベースに背向する側で、吊り下げる形で、又は、試験されるべき電気機械5の別の側面に取り付けられ得る。
図1に示した試験されるべき電気機械5の支持、及び、支持のさらなる可能性、並びに、圧電トルクセンサ3を用いた反力の決定に関する詳細は、冒頭に挙げた特許文献1から得ることが可能である。
【0057】
ブースト歯車機構8によって、試験台1の試験台アセンブリは、2つの側I、IIに分割される。試験されるべき電気機械5が配置されている第1の側Iでは、シャフトアセンブリがより高い回転数で回転し、シャフトアセンブリには、より低いトルクが加えられている。従って、本明細書では、シャフトアセンブリの当該部分は、シャフトアセンブリの第1の部分Iと表される。
【0058】
第2の側IIと表される、ブースト歯車機構8の別の出力側では、シャフト部分10b、10cが、より低い回転数及びより高いトルクで回転している。典型的には、ブースト歯車機構8の歯車比は、約3:1から約10:1である。従って、本明細書では、シャフトアセンブリの当該部分は、シャフトアセンブリの第2の部分IIとも表される。
【0059】
好ましくは電気機械5、シャフト部分10a、10b、10c、ブースト歯車機構8及び動力計7から構成されるシャフトアセンブリ又はパワートレインは、振動可能なシステムである。共振又は振動の固有モードは、試験台1及び試験されるべき電気機械5の構造に応じて、典型的には50Hzよりも大きい。
【0060】
試験されるべき電気機械に、動力計7から、又は、動力計7への力の流れに基づいて作用するトルクを決定するために、試験台1は、圧電トルクセンサ3を有している。この際、トルクセンサ3は、好ましくはシャフト部分10aを通じて試験されるべき電気機械5に加えられるトルクを直接には決定せず、試験されるべき電気機械5が支持装置6で支持される際に用いられる反作用トルクを間接的に決定する。さらに、試験台1は、第2のトルクセンサ4を有しており、第2のトルクセンサ4は、圧電測定原理には基づいておらず、トルクを別の測定原理を用いて測定する。この際、好ましくは、先行技術から一般に知られているような、いわゆるひずみゲージが用いられる。好ましくは、第2のトルクセンサ4は、測定フランジとして構成され、両方のシャフト部分10b及び10cの間のトルクを測定する。
【0061】
図1に示された両方のトルクセンサの配置は、圧電トルクセンサ3の調整にとって特に有利である。なぜなら、より低い回転数で回転するシャフトアセンブリの第2の部分IIには、より少ない振動が生じ、従って、ひずみゲージを使用した第2のトルクセンサ4を用いる測定は、正確であるからである。つまり、ひずみゲージに基づくセンサは、動的測定にのみ限定的に適している。
【0062】
これに対して、圧電トルクセンサ3は、シャフトアセンブリの第1の部分Iに配置されており、加えられるトルクも決定されるべきである、試験されるべき電気機械5に直接配置されている。圧電トルクセンサを試験体に直接配置することによって、加えられるトルクの測定の高い精度が得られる。
【0063】
特にシャフトアセンブリの第2の部分IIの範囲におけるシャフトアセンブリの回転数の決定のために、回転数を決定することができる速度センサ9が配置されている。
図1では、速度センサ9は、動力計7のシャフトの回転数と、シャフト部分10b及び10cの回転数と、を決定する。従って、ブースト歯車機構8の選択された歯車比を通じて、シャフトアセンブリの第1の部分Iの回転数も推測することが可能である。
【0064】
第2のトルクセンサ4を用いて測定されたトルクMWと、速度センサ9を用いて測定された回転数ωWと、に基づいて、特に軸受及び/又はブースト歯車機構8によって引き起こされる摩擦トルクMR、シャフトアセンブリの慣性モーメントJW、並びに、試験されるべき電気機械5の慣性モーメントJUUTを考慮して、目標測定信号MPiezo_calが決定され得る。これは、以下においてさらに、圧電トルクセンサを調整するための本発明に係る方法100に関連して詳細に説明される。
【0065】
同時に、圧電トルクセンサ3を用いて、圧電トルクセンサ3に加えられているトルクの実際の測定信号MPiezoが測定され得る。
【0066】
圧電トルクセンサ3の実際の測定信号の較正を行うために、試験台1はさらに、好ましくは調整手段12を有している。調整手段12は、好ましくは試験台1のデータ処理システムの一部であり、しかしまた、外部のデータ処理システムの一部でもあり得る。実際のトルク信号MPiezoが較正された後で、圧電トルクセンサ3は、調整手段12によって調整され得る。この際、好ましくは、較正又は調整のために、調整手段12に保存されたモデルが用いられる。当該モデルも、さらに以下において、方法100に関連して詳細に説明される。
【0067】
図2は、測定装置2の圧電トルクセンサを調整するための方法100の実施例のブロック図である。好ましくは、このような測定装置2は、
図1に関連して上述したように、試験台1の一部である。
【0068】
圧電トルクセンサ3の調整は、動作中の試験台で行われる。このために、試験されるべき電気機械5を用いて、トルクがシャフトアセンブリを通じて動力計7にもたらされるか、又は、逆にトルクが、動力計7から試験されるべき電気機械5にもたらされる。
【0069】
好ましくは、調整の際、試験台1は、シャフトアセンブリの比較的低い回転数で動作し、シャフトアセンブリの第2の部分IIにおける回転数は、好ましくは50rpmよりも小さい。この大きさの範囲内での回転数の場合、試験台1及び試験体の構造に応じて、約10Hzより低い、好ましくは約5Hzより低い、より好ましくは約1Hzより低い、トルクの小さい振動周波数が予想される。
【0070】
この振動周波数の周波数範囲は、試験台1及び試験体から成るシステム全体の共振周波数又は固有モードに対して距離が存在するように選択されている。共振周波数又は固有モードは、一般的に約50Hzである。
【0071】
さらに好ましくは、この調整に適した振動周波数の周波数範囲は、周波数フィルタを用いて、特にフーリエ解析を用いて分離される。この場合、試験台動作中の回転数は、調整にとって重要ではない。
【0072】
動作中、圧電トルクセンサ3は、試験されるべき電気機械5に加えられるトルクを測定する101a。すでに
図1に関連して言及したように、この際、圧電トルクセンサ3によって、好ましくは試験されるべき電気機械5が支持装置6で支持される際に用いられる反力が検出される。これに対して、第2のトルクセンサ4は、試験されるべき電気機械5からは比較的離れて、シャフトアセンブリ内のトルクを検出する101b。
図1に示したような、歯車機構8を有する試験台1又は試験体の場合、第2のトルクセンサ4は、好ましくはより低い回転数が支配的であるシャフトアセンブリの領域IIに配置される。
【0073】
第2のトルクセンサ4によるトルクMW測定と、速度センサ9による回転数ωW測定と、に基づいて、目標測定信号MPiezo_calが算出される102。この際、好ましくは目標測定信号は、以下の方程式を用いて決定される。
【0074】
【0075】
しかしまた、基本的に、第2のトルクセンサ4を用いて測定されたトルクMWのみが近似的に、場合によっては摩擦トルクMRを考慮して、目標測定信号MPiezo_calを決定するために用いられ得る。
【0076】
決定された目標測定信号MPiezo_calに基づき、検出された測定信号MPiezoが補正される103。さらに好ましくは、補正された測定信号が出力される104。
【0077】
圧電トルクセンサ3によって検出される測定信号MPiezoの補正は、好ましくは測定信号/目標測定信号制御プロセスで行われる。
【0078】
このような制御プロセスの実施例は、
図3に示されている。
【0079】
好ましくは、目標測定信号MPiezo_calと比較されることによって、測定信号MPiezoは補正される。このように決定される、好ましくはトルク振動の比較的低い周波数において決定される補正値は、測定範囲全体、特にトルクの比較的高い振動周波数にも有効である。
【0080】
好ましい実施形態において、さらに、第2のトルクセンサ4の測定に基づいて、トルクの振動周波数の関数として、目標測定信号MPiezo_calを決定する際に用いることが可能であるモデルが作成され得る。
【0081】
実質的に、
図3に示された制御プロセスは、目標測定信号M
Piezo_calを算出するための上述の方程式を表している。
【0082】
シャフトの回転速度ωWは、経時的に導出され、シャフトアセンブリの慣性モーメント及び試験されるべき電気機械5の慣性モーメントの和と乗じられる。特に回転数n及び歯車比Tの関数として存在する摩擦トルクMRと、上述した積とは、第2のトルクセンサ4を用いて測定されたトルクMWから減じられる。算出された信号は、ローパスフィルタLPに通され、目標測定信号MPiezo_calが生じる。この目標測定信号MPiezo_calは、以前の調整に基づいて補正された、同様にローパスフィルタLPを通過した測定信号MPiezoから減じられる。好ましくは、この際、図示されたローパスフィルタLPは、同じ特性、特に同じダイナミクス、限界周波数、次数及び型を有している。ローパスフィルタを用いることによって、圧電トルクセンサの測定信号の調整に適した振動周波数が分離され得る。
【0083】
当該差分は、積分器1/sに供給される。シャフトの回転の算出された加速度が、限界値Limitよりも低い場合、先行する調整は、積分器1内の新しい値Sに置き換えられ、圧電トルクセンサ3によって測定された測定信号MPiezoの補正のために用いられる。
【0084】
回転の加速度に関する限界値Limitの考慮によって、調整の変更が、ある程度の振動周波数までのみで行われることが確実化される。
【0085】
上述した実施例は、例に過ぎず、保護範囲、応用及び構造を何ら制限すべきものではない。むしろ、当業者には、上述の説明によって、少なくとも1つの実施例を実現するための手引きが与えられており、特に記載された構成要素の機能及び配置に関して、これらの、同等の特徴の組み合わせの請求項から明らかである保護範囲を離れることなく、様々な変更を加えることが可能である。特に、個々の実施例を互いに組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0086】
1 試験台
2 測定装置
3 圧電トルクセンサ
4 第2のトルクセンサ
5 電気機械
6 支持装置
7 動力計
8 歯車機構
9 速度センサ
10a、10b、10c シャフト
11 ベース
12 調整手段
【手続補正書】
【提出日】2022-11-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
好ましくは試験台(1)の一部であり、特に請求項11から15のいずれか一項に記載の試験台(1)の一部であり、力の流れに基づいて試験体(5)に加えられるトルクを決定するための測定装置(2)の圧電トルクセンサ(3)を調整するための方法(100)であって、前記測定装置(2)は、圧電トルクセンサ(3)と、別の測定原理に基づく、静トルクを連続的に検出するように構成された第2のトルクセンサ(4)と、を有しており、前記測定装置(2)は、両方のトルクセンサが、力の流れの内でトルクを測定する(101a、101b)ように構成されており、前記圧電トルクセンサ(3)の目標測定信号は、前記第2のトルクセンサ(4)によるトルク測定に基づいて決定され(102)、前記圧電トルクセンサの検出された測定信号は、決定された目標測定信号に基づいて調整され(103)、出力される(104)、方法(100)。
【請求項2】
前記圧電トルクセンサ(3)の目標測定信号の決定が、前記測定装置におけるトルクの振動周波数の準定常周波数範囲で、特に50Hzより低い、好ましくは約5Hzから約50Hzの間の周波数範囲で行われる、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項3】
前記圧電トルクセンサ(3)の目標測定信号の決定が、トルクの振動周波数の、固有振動モード又は共振モードが測定周囲、特に前記試験台(1)上で生じない周波数範囲で、好ましくは約20Hzより低い、好ましくは約10Hzより低いトルクの振動周波数において行われる、請求項1又は2に記載の方法(100)。
【請求項4】
調整が、前記試験体(5)が動作している間に行われ、トルクが、所望の周波数範囲において、周波数フィルタ、特にフーリエ解析を用いて分離される、請求項2又は3に記載の方法(100)。
【請求項5】
前記圧電トルクセンサ(3)の目標測定信号が、さらに、前記試験体に関する回転数測定に基づいて決定される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法(100)。
【請求項6】
前記圧電トルクセンサ(3)の前記目標測定信号が、以下の方程式
【数1】
を用いて決定され、このとき、M
Piezo_calは、前記目標測定信号であり、M
Wは、前記第2のトルクセンサ(4)を用いて、回転しないように前記試験体(5)と接続されている、又は、前記試験体(5)の構成要素であるシャフト(10a、10b、10c)又はシャフトアセンブリで測定されたトルクであり、J
Wは、回転しないように前記試験体(5)と接続されている、又は、前記試験体(5)の構成要素である前記シャフト(10a、10b、10c)又は前記シャフトアセンブリの慣性モーメントであり、J
UUTは、前記試験体(5)の慣性モーメントであり、
【数2】
は、回転しないように前記試験体(5)と接続されている、又は、前記試験体(5)の構成要素である前記シャフト(10a、10b、10c)又は前記シャフトアセンブリの測定された回転数の時間導関数であり、M
Rは、特に軸受及び/又は歯車機構(8)によって引き起こされる摩擦トルクである、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法(100)。
【請求項7】
前記シャフトアセンブリが歯車機構(8)を有しており、前記第2のトルクセンサ(4)は、前記歯車機構(8)に対して、より低い回転数で回転する部分(II)に配置されており、前記圧電トルクセンサ(3)は、前記歯車機構(8)に対して、より高い回転数で回転する部分(I)に配置されている、請求項6に記載の方法(100)。
【請求項8】
前記圧電トルクセンサ(3)が、前記試験体(5)に加えられるトルクを決定するために、前記試験体(5)の少なくとも1つの支持点における反作用トルクを測定する、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法(100)。
【請求項9】
命令がコンピュータによって実行される場合に、コンピュータに、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法(100)のステップを実施させる命令を含むコンピュータプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のコンピュータプログラムが保存されているコンピュータ可読媒体。
【請求項11】
動トルクを測定するための、特に請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を実施するように構成された、機械、好ましくは電気機械に関する試験台(1)であって、試験台(1)は、圧電トルクセンサ(3)と、
前記圧電トルクセンサ(3)を調整するように構成された調整手段(12)と、別の測定原理に基づく、トルクの静的成分を連続的に検出するように構成された第2のトルクセンサ(4)と、を有しており、両方のトルクセンサ(3、4)は、力の流れの内のトルクを試験台(1)で測定するように構成され、試験台(1)に配置されている試験台(1)。
【請求項12】
前記圧電トルクセンサ(3)が、力が、試験体(5)と前記試験体(5)を支持するための支持装置(6)との間における力の流れの内で測定可能であるように構成され、配置されている、請求項11に記載の試験台(1)。
【請求項13】
前記試験体(5)に負荷を加えるためのローディング装置(7)、特に動力計又はブレーキを有する、請求項11又は12に記載の試験台(1)。
【請求項14】
前記ローディング装置(7)と前記試験体(5)との間の力の流れの内に配置された歯車機構(8)、特にブースト歯車機構を有し、前記圧電トルクセンサ(3)は、前記歯車機構(8)に対する力の流れの、前記試験体(5)が配置可能である側(I)でトルクを検出するように配置されており、前記第2のトルクセンサ(4)は、前記歯車機構(8)に対する力の流れの、前記ローディング装置(7)が配置されている側(II)でトルクを検出するように配置されている、請求項13に記載の試験台(1)。
【請求項15】
前記第2のトルクセンサ(4)の測定原理が、ひずみゲージに基づいており、前記第2のトルクセンサ(4)は、好ましくは測定フランジである、請求項11から14のいずれか一項に記載の試験台(1)。
【国際調査報告】