(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-25
(54)【発明の名称】搬送装置の搬送台のための傾斜補正装置
(51)【国際特許分類】
B65G 17/10 20060101AFI20230418BHJP
【FI】
B65G17/10 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022555164
(86)(22)【出願日】2021-04-15
(85)【翻訳文提出日】2022-09-13
(86)【国際出願番号】 EP2021059773
(87)【国際公開番号】W WO2021213885
(87)【国際公開日】2021-10-28
(32)【優先日】2020-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】313015812
【氏名又は名称】ボイマー グループ ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー,クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ディルクマン,マルクス
(57)【要約】
本発明は、保持フレームと、移動方向に対して垂直に配置された旋回軸を介して保持フレームの中に保持された傾斜補正部とを備えた、搬送材料を水平輸送するための搬送装置の搬送台のための傾斜補正装置に関し、本傾斜補正装置は、旋回軸の周りで傾斜補正部を保持フレームに対して旋回させる旋回駆動部をさらに備え、さらにまた、傾斜補正装置に関する傾斜変化通知を受信する旋回駆動部制御ユニットをさらに備えており、旋回駆動部は、旋回駆動部制御ユニットからの傾斜変化通知に対応する傾斜変更命令を受信すると、傾斜補正部が常に水平に保持されるように制御され、駆動要素が旋回駆動部を介して駆動され、この駆動要素は傾斜補正部から離れて延在する旋回レバーの一端に固定され、前記一端が傾斜補正部に対向し、またこの駆動要素には、旋回軸に対して平行または垂直に配置された駆動軸が設けられ、駆動要素は、旋回軸に対して特に等距離で延在しかつ保持フレームに取付けられるか形成される少なくとも1つの案内部、の上で回転し、特に圧入または篏合しながら回転する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保持フレーム(4)と、移動方向(30)に対して垂直に配置された旋回軸(6)を介して前記保持フレーム(4)の中に保持された傾斜補正部(5)とを備えた、搬送材料を水平輸送するための搬送装置(3)の搬送台(2)のための傾斜補正装置(1)であって、
前記傾斜補正装置(1)が、前記旋回軸(6)の周りで前記傾斜補正部(5)を前記保持フレーム(4)に対して旋回させる旋回駆動部(7)をさらに備え、また前記傾斜補正装置(1)に関する傾斜変化通知を受信する旋回駆動部制御ユニット(9)をさらに備えており、
前記旋回駆動部(7)は、前記旋回駆動部制御ユニット(9)側からの傾斜変化通知に対応する傾斜変更命令を受信すると、前記傾斜補正部(5)が常に水平に保持されるようにして制御され、
前記傾斜補正部(5)に対向し前記傾斜補正部(5)から離れて延在する旋回レバー(10)の一端、に固定された駆動要素(11)が、前記旋回駆動部(7)を介して駆動され、前記旋回軸(6)に対して平行または垂直に配置された駆動軸(12)を有し、
前記駆動要素(11)は、前記旋回軸(6)から特に等距離で延在しかつ前記保持フレーム(4)に取付けられるか形成される少なくとも1つの案内部(13)、の上で回転し、特に圧入または篏合しながら回転する、ことを特徴とする傾斜補正装置(1)。
【請求項2】
前記保持フレーム(4)に2つの保持アーム(22)が設けられ、前記2つの保持アーム(22)の間に前記傾斜補正部(5)が保持され、前記保持アーム(22)の間に前記旋回レバー(10)が配置され、また前記保持アーム(22)の少なくとも1つに案内部(13)が取付けまたは形成されていること、を特徴とする請求項1に記載の傾斜補正装置(1)。
【請求項3】
前記駆動軸(12)により駆動され、2つの対向する案内部(13)の上で圧入もしくは篏合して回転する2つの駆動要素(11)が設けられ、前記2つの対向する案内部(13)が、特に何れも前記旋回軸(6)に対して等距離で延在し、対向する前記2つの保持アーム(22)に取付けられるか形成されることを特徴とする請求項2に記載の傾斜補正装置(1)。
【請求項4】
前記駆動要素(11)が、前記駆動軸(12)に取付けられた歯付きピニオン(14)であって、前記案内部(13)に、前記旋回軸(6)から等距離で延在している湾曲歯付きラック(15)が設けられ、前記湾曲歯付きラック(15)に前記歯付きピニオン(14)が篏合することを特徴とすることを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の傾斜補正装置(1)。
【請求項5】
前記案内部(13)が前記ラック(15)に隣接する案内溝(16)を備え、前記案内溝(16)の中において、前記ピニオン(14)の歯に隣接する平滑シャフト部(17)が案内されることを特徴とする請求項4に記載の傾斜補正装置(1)。
【請求項6】
前記旋回駆動部(7)が空気圧で操作されるか、またはリニア駆動部もしくはスピンドル駆動部を備えることを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載の傾斜補正装置(1)。
【請求項7】
前記旋回駆動部(7)に、前記傾斜補正部(5)に取付けられた電気モータ(18)とギア(19)が備えられ、前記電気モータ(18)と前記ギア(19)によって、前記駆動軸(12)が駆動されることを特徴とする請求項1~6の何れか一項に記載の傾斜補正装置(1)。
【請求項8】
前記旋回駆動部(7)が前記傾斜補正部(5)の内部あるいは表面に取付けられていることを特徴とする請求項1~7の何れか一項に記載の傾斜補正装置(1)。
【請求項9】
前記旋回駆動部制御ユニット(9)が傾斜変化通知ユニット(21)から傾斜変化通知を受信することを特徴とする請求項1~8の何れか一項に記載の傾斜補正装置(1)。
【請求項10】
前記傾斜変化通知ユニット(21)が、前記傾斜補正装置(1)に取付けられた傾斜センサであるか、または前記傾斜補正装置(1)が設けられた搬送台(2)に取付けられた傾斜センサ、であることを特徴とする請求項9に記載の傾斜補正装置(1)。
【請求項11】
前記傾斜変化通知ユニット(21)が通過により傾斜変更命令が発せられる光学的な障壁として設計されることを特徴とする請求項9に記載の傾斜補正装置(1)。
【請求項12】
前記傾斜変更命令が、前記旋回駆動部制御ユニット(9)に対して上位にある前記搬送装置(3)の中央制御によって得られることを特徴とする請求項1~8の何れか一項に記載の傾斜補正装置(1)。
【請求項13】
前記傾斜変化通知ユニット(21)による傾斜変化通知を受信すると、前記旋回駆動部制御ユニット(9)が対応する逆向きの傾斜変化の命令を前記旋回駆動部(7)に出力することで、前記少なくとも1つの駆動要素(11)が、前記傾斜変化通知に対応する距離だけ、前記少なくとも1つの案内部(13)の上で移動することを特徴とする請求項1~12の何れか一項に記載の傾斜補正装置(1)。
【請求項14】
前記保持アーム(22)には互いに整列する2つの軸受筒(23)が備えられ、前記2つの軸受筒(23)には、前記傾斜補正部(5)に配置された前記旋回軸(6)が、回転自在に取付けられていることを特徴とする請求項2~13の何れか一項に記載の傾斜補正装置(1)。
【請求項15】
前記保持アーム(22)が接続部(24)を介して互いに連結されることにより、前記傾斜補正部(5)が前記保持アーム(22)の間で回転自在となっていることを特徴とする請求項2~14の何れか一項に記載の傾斜補正装置(1)。
【請求項16】
前記保持フレーム(4)に複数の足部(25)が設けられ、前記複数の足部(25)により前記傾斜補正装置(1)が搬送台(2)に固定可能となっていることを特徴とする請求項1~15の何れか一項に記載の傾斜補正装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保持フレームと、移動方向に対して垂直に配置された旋回軸を介して保持フレームの中に保持された傾斜補正部とを備えた、搬送材料を水平輸送するための搬送装置の搬送台のための傾斜補正装置に関し、本傾斜補正装置は、旋回軸の周りで傾斜補正部を保持フレームに対して旋回させる旋回駆動部をさらに備え、また傾斜補正装置に関する傾斜変化通知を受信する旋回駆動部制御ユニットをさらに備えており、旋回駆動部は、旋回駆動部制御ユニット側からの傾斜変化通知に対応する傾斜変更命令を受信すると、傾斜補正部が常に水平に保持されるように制御され、傾斜補正部に対向して傾斜補正部から離れて延在する旋回レバーの一端に取付けられた駆動要素が旋回駆動部を介して駆動され、この駆動要素には、旋回軸に対して平行または垂直に配置された駆動軸が設けられ、駆動要素は、旋回軸に対して特に等距離で走りかつ保持フレームに取付けられるか形成される少なくとも1つの案内部、の上で回転し、特に圧入または篏合しながら回転する、ことを特徴とする。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2016/206967号には、傾斜補正を実行する搬送装置が記載されており、水平補正を実行するために、搬送台とは独立して、運搬経路に隣接する追加の水平補正レールが設けられており、傾斜に応じた水平補正のために搬送経路までの距離が変化する。
【0003】
従来技術として公知の傾斜補正装置には、水平補正レールの設置に複雑な構造が必要とされるために、輸送材料の取り扱いが複雑になる一方で、他方で多くのスペースを占めるというデメリットがある。
【発明の概要】
【0004】
したがって本発明の課題は、設計の手間がかからず幅広い範囲の搬送部と互換性があるようにして、搬送台のための傾斜補正装置をさらに発展させることである。
【0005】
この課題は請求項1に係る特徴を備える傾斜補正装置により解決される。従属請求項は何れも本発明の有利な実施態様に関するものである。
【0006】
したがって、搬送材料を水平輸送するための搬送装置の搬送台のための傾斜補正装置が提供され、傾斜補正装置には、保持フレームと、移動方向に対して垂直に配置された旋回軸を介して中に保持された傾斜補正部と、が備えられる。
【0007】
特許請求されている補正装置により、例えば、製品を輸送する際に、輸送される製品を水平に保ちながら分離装置が上り坂と下り坂の両方を移動することが可能となる。傾斜補正部を保持フレームの内で共通の旋回点に取り付けることにより、保持フレームに対する傾斜補正部の回転が可能となる。保持フレームは搬送台に固く接続されているため、搬送ラインが上下に傾くと保持フレームは対応する傾斜動作を受ける。回転が可能な傾斜補正部は一方で、旋回駆動部に対応する対抗措置を講ずることによって、傾斜を補正することができる。上向きまたは下向きの傾斜に応じて傾斜補正部の傾斜を適宜調節することを考えることができ、これにより傾斜補正部はあらゆる可能な中間位置で停止させるようにすることができる。さらに傾斜補正装置が傾斜補正を実行する速さを調節可能とすることができる。傾斜補正部の旋回点または旋回軸は中央に配置させることができるが、場合によっては中心からずれて配置させることもできる。
【0008】
傾斜補正部は、旋回軸より上に位置する面を有することができる。さらに傾斜補正部は、旋回軸から駆動軸まで少なくとも延在することができる。旋回レバーはしたがって、旋回軸と駆動軸の間の距離に対応する傾斜補正部の部分に特に対応している。
【0009】
特に保持フレームは2つの保持アームを有することができ、これら保持アームの間に傾斜補正部が保持され、旋回レバー を保持アームの間に配置させることができ、また保持アームの少なくとも1つに案内部を取付けもしくは形成することができる。特に旋回レバーは保持アームの間の中央に配置させることができる。
【0010】
例えば、駆動軸により駆動される2つの特に対向する駆動要素を設けることができ、これらは2つの対向する案内部に圧入或いは篏合して回転し、これら案内部は特に何れも旋回軸に対して等距離で走り、2つの対向する保持アームに形成または取り付けることができる。これら案内部は回転トラックおよび/または駆動トラックとして設計することができる。
【0011】
この場合、駆動要素 は駆動軸に取付けられた歯付きピニオンとすることができ、また案内部は、旋回軸に対して等距離で走り歯付きピニオンが篏合する湾曲歯付きラック、を有することができる。構造的に反対の意味合いで、傾斜補正部に歯付きラックを同様に設けることができ、これは保持フレームに取付けられた、とりわけ歯車もしくはピニオンたる駆動装置により、駆動することができる。場合によっては旋回駆動部は空気圧で操作することができる。また場合によっては、旋回駆動部にリニア駆動部またはスピンドル駆動部を設けることができる。
【0012】
さらに案内部には、ラックに隣接する案内溝を設けることができ、この中でピニオンの歯に隣接して平滑シャフト部が案内される。案内溝は、特にピニオンがラックから外れることが防止されるように機能し、これはカーブ箇所、上り坂箇所、または下り坂箇所における負荷変化および大きな荷重を輸送することにより生じた力学的な駆動状態において起こり得る。案内溝はさらに、ピニオンの横方向の移動経路を制限することにより、ラックの行き過ぎを防止する一方で、必要に応じてこのような制限がなくなるとピニオンがラックに係合しなくなる。
【0013】
旋回駆動部は特に電気モータとギアボックスとを有することができ、何れも傾斜補正部に取付けられ、これらを介して駆動軸が駆動する。ギアボックスは特に自動ロック式とすることができる。さらにギアボックスはウォームギア、特に自動ロック式のウォームギアとすることができる。このため、駆動手段、または特に一もしくは複数の歯付きピニオンを駆動させるためにモータとギアボックスとを使用することができ、歯付きピニオンは対応する一もしくは複数の案内部に接して、特に歯付きラックに接して走ることにより、傾斜補正部を旋回可能にさせている。
【0014】
傾斜補正部の表面または内部に旋回駆動部を取り付けることができる。特に傾斜補正部の内側に電気モータとギアボックスを配置させることができる。特に、傾斜検知ユニットは傾斜補正部に接して旋回軸に直接隣り合って取り付けることができる。特に好ましくは、傾斜検知ユニットは旋回軸の真下に配置される。
【0015】
旋回駆動部制御ユニットが傾斜変化通知ユニットから傾斜変化通知を受け取るようにすることができる。当該通知は旋回駆動部制御ユニットに格納されるか、または搬出装置の中央制御部から受信される。例えば、位置モデルに基づいて現在の傾斜を伝達するようにできる。位置モデルでは、搬出装置の全てのあらゆる位置からの上り下りの全ての傾斜を既知とすることができる。位置モデルは中央制御部または旋回駆動部制御ユニットに格納される。場合によっては、光学的な障壁を通過した際に傾斜補正装置が傾斜変化通知を受け取ることによって、対応する傾斜補正を引き起こすことを考えることができる。さらにはフレーム内における所定の穿孔グリッドまたは赤外線センサにより傾斜補正装置が傾斜変化通知を受け取るということを考えることができる。
【0016】
傾斜変化通知ユニットは、傾斜補正装置に取付けられるか或いは傾斜補正装置が設けられた搬送台に取付けられた傾斜センサとすることができる。場合によっては、旋回駆動部制御ユニットがメモリユニットを有し、ここに搬送部に関する所定の傾斜変化情報が格納されるようにすることができる。さらに場合によっては、旋回駆動部制御ユニットは搬送装置の制御ユニットに対して従属的なものとすることができ、ここから旋回駆動部制御ユニットが常に傾斜変化通知を受け取るようにすることができる。
【0017】
さらには、傾斜変化通知ユニットは通過すると傾斜変更命令が発せられる光学的な障壁として設計することができる。搬送装置は搬送部と少なくとも1つの搬送台とを有することができ、また傾斜補正装置が設けられ、これにより何れの場合も、傾斜変化のある場所の上流の運搬方向において少なくとも1つの光学的な障壁を配置することができる。
【0018】
旋回駆動部制御ユニットは、傾斜検知ユニットから傾斜変化情報を受信すると、対応する逆向きの傾斜変化の命令を旋回駆動部に出力することができ、これにより少なくとも1つの駆動要素が、傾斜変化情報に対応する距離だけ、少なくとも1つの案内部に接して移動する。搬送台が斜面を上り、これにより保持フレームが水平に対して反時計周りに回転したという証拠が傾斜変化情報に含まれている場合、傾斜変更命令によって旋回駆動部が動かされ、傾斜補正部 が常に水平位置に保たれるよう、傾斜補正部が逆向き(即ち時計回り)で同じ角度だけ回転するようになっている。
【0019】
さらに保持アームは、傾斜補正部に配置された旋回軸が回転自在に取付けられる2つの整列した軸受筒を有することができる。これら軸受筒は例えば滑り軸受を収容することができる。傾斜補正部は旋回軸を実現するための2つの軸受ジャーナルを備えており、これらは軸受筒の中に収容された滑り軸受に係合することができる。場合によっては、傾斜補正部に軸受筒を設け、保持アームに対応する軸受ジャーナルを設けるようにして、軸受けの配置を逆にすることができる。
【0020】
保持アームは接続部を介して互いに連結させることができ、傾斜補正部が保持アームの間で回転自在となるようにすることができる。接続部は保持アームと一体的に形成することができる。特に接続部は2つの対向する保持アームを、保持フレームの足領域において互いに連結させることができる。この場合、傾斜補正部が保持フレームに対して、特に接続部に対して干渉することなく回転自在となるように、保持アームは、保持アームの中に配置された旋回軸の位置と共に、一もしくは複数の接続部を超えて突出することができる。とりわけ保持アームは何れも鋳造物として形成することができ、これらの各々に対して部分的な接続部が成形される。その後、これら接続部を共に溶接することにより反対側のフレーム半分を接続することができる。
【0021】
保持フレームは複数の足部を有することができ、これらを用いることによって傾斜補正装置を台車に取り付けることができる。好ましくは、各保持アームの下に2つの足部を配置することができる。これら足部はそれぞれの保持アームと一体化させることができる。足部はまた、それぞれの保持アームに割り当てられた接続部と一体化させることもできる。
【0022】
傾斜補正部はその上側に少なくとも部分的に平坦面を有することができる。搬出装置の通常の移動操作の際はこの面を水平に位置合わせすることができる。
【0023】
さらに、傾斜補正部はその上側に接続部材を取り付けるための突出部を有することができる。特に2つの突出部を設けることができ、一方が移動方向の前側を向き、他方が後ろ側を向くようにすることができる。突出部は何れも傾斜補正部の上端に配置することができ、少なくとも部分的な平坦面の一部とすることができる。
【0024】
特に、旋回レバーは傾斜補正部と一体化させることができる。上領域に平坦な土台部を形成する傾斜補正部は、底部に向かって先細りさせることができる。傾斜補正部の内部に、電気モータとギアボックスを収容し、旋回駆動部の部品として互いに接続させることができる。とりわけ旋回駆動部を少なくとも旋回軸に取付け、また駆動軸に固定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の例示的な実施形態を以下に示す図面を参照して説明する。
【0026】
【
図1】実施形態に係る本傾斜補正装置の側面図である。
【
図2】実施形態に係る
図1に図示の本傾斜補正装置の前面図である。
【
図3】実施形態に係る
図1に図示の本傾斜補正装置の斜視図である。
【
図4】本発明に係る本傾斜補正装置を備える搬送装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1に図示の傾斜補正装置1には、保持フレーム4と、この保持フレーム4の中で旋回軸6を介し保持され、回転自在に取付けられる傾斜補正部5と、が設けられる。この目的のため、傾斜補正部5には軸受ジャーナルが設けられ、これは保持フレーム4の中に形成された対応する軸受筒に係合し、この中に滑り軸受などの軸受筒が収容されている。傾斜補正部5を旋回させるため、旋回駆動部7が傾斜補正部5の内部20に収容されており、これは旋回軸6に取り付けられている一方で、他方ではその下方に配置された駆動軸12に取付けられている。旋回駆動部7を介して駆動される駆動軸12には、その各末端部に歯付きピニオン14が設けられ、これらは駆動軸12および歯付きラック15上の各ロールにより、駆動される。歯付きラック15は、歯付きラックが旋回軸6に対して等距離で走るような曲線形状を有している。歯付きラック15は、両保持アーム22の中において、互いに対向しかつ互いに向き合って整列するように形成される。保持アーム22の外側面に向かって、各ラック15に隣接して案内溝16が形成され、これら各々の中において、平滑シャフト部17がピニオン14に隣接して案内される。案内溝は何れも、保持アームを通る開口部として形成される。駆動軸12を駆動させることにより、保持フレーム4に対する傾斜補正部5の角度位置を変化させることができ、ここにおいて歯付きピニオン14がラック15上で右に向かってまたは左に向かって動く。この作用により、傾斜補正部5を平行位置に保ったまま、本装置を上り坂または下り坂で移動させることができる。図示の実施形態では、傾斜補正部5には、通常の運転操作中に平行位置に保たれる平坦面27が設けられる。傾斜補正部5の上側26において、移動方向の前後における平坦面27の延長部分に突出部28が形成されている。これらは特に輸送装置等の接続部材の取り付けのために機能する。図示の4つの足部25を使用することにより保持フレーム4を搬送台の上に固く取り付けることができ、移動経路の角度変化を保持フレーム4に一対一で全て伝達することができる。それぞれの傾斜変化を検知するため、傾斜補正部5には傾斜検知ユニット21、特に傾斜センサ21が設けられ、これは旋回軸6の直下において傾斜補正部5に取付けられている。傾斜変化が検知されると、傾斜センサ21はこの情報を旋回駆動部制御ユニット9に送信し、旋回駆動部制御ユニット9は逆向きの傾斜変化の命令を電気モータ18に伝達し、電気モータ18は、傾斜補正部5が水平位置に一定に保たれるようにして、ギア19およびラック15上のピニオン14を駆動させることによって、この命令を実行する。旋回軸6と駆動軸12の間の距離は旋回レバー10として定めることができ、旋回駆動部7は両軸6,12の間で固定されており、また傾斜補正部5の内部20で固定される。
【0028】
図2に図示の傾斜補正装置1の前面図は特に、旋回軸6と駆動軸12の間に延在する旋回駆動部7を表している。旋回駆動部7が駆動軸12に対して垂直に配置されている様子が認められる。駆動力を、特にウォームギアとしてこの場合設計されたギアユニット19に転換するために、駆動トルクは、駆動シャフトから出力軸に垂直に転換され、この場合は駆動軸12に垂直に転換される。さらには、ウォームギアは好ましくは自動ロック式であって、傾斜補正部5の旋回軸6周りの動きは、搬送材料の重量によって影響を受けず、電気モータ18の駆動のみによって行われるようになっている。駆動軸12がギア19の両側から離れて両保持アーム22の方向に延長していることが認められる。ここにおいて、何れの場合も、歯付きピニオン14として形成された駆動手段11が、保持アーム22の内において、歯付きラック15として形成された案内部13に係合する。平滑シャフト部17は、何れも歯付きピニオン14と一体形成されているが、何れも対応する案内溝16の中において、歯付きピニオン14の外側に向かって案内されることによって、歯付きピニオン14の移動範囲を制限するようになっており、特に移動方向と、移動方向に対して垂直な方向で、歯付きピニオン14の移動範囲を制限するようになっている。保持フレーム4には2つの側保持アーム22が設けられ、これらの間に傾斜補正部5が回転自在に受け入れられ、またこれらの保持アーム22は、保持フレーム4の足領域における接続部を介して、互いに接続され、例えば互いに溶接されている、様子が認められる。保持フレーム4下の角部分に配置された4つの支持足25には何れも少なくとも1つの凹部が設けられ、これを用いて保持フレームを搬送台に固定することができる。
【0029】
図3における傾斜補正装置1の斜視図には、本装置の傾斜補正メカニズムが実行される様子が明確に表されている。外側に2つの保持アームが設けられ、この2つの保持アームの間に傾斜補正部5が回転自在に保持され、またこの2つの保持アームが、向かい合う接続部24を介して互いに連結されている保持フレーム4の中において、傾斜補正部5は、全てのラック部分が移動したときにも傾斜補正部5が保持フレーム4と衝突しないようにして、回転自在とすることができる。この目的のために保持アーム22は、接続部24を介して保持フレームの下部領域だけで互いに接続させることができ、
図3で視認されるように、接続部24の上端と傾斜補正部5の外側の間に距離が確保されるようになっている。加えて、傾斜補正部5は飼い葉桶状の外形を有しており、上側領域の上面が運搬材料または接続部品を受け入れるために広い面27を有しており、この下側に旋回駆動部7のための内部20が提供され底部に向かって先細になっており、傾斜検知ユニット8による対応する検知と旋回駆動部7による対応する動作の結果として、駆動軸12または歯付きピニオン14が、歯付きラック15における最大の境界位置にある急な上り斜面または下り斜面であっても、傾斜補正部5が接続部24に接触しないようになっている。
【0030】
図4は搬送装置3の側面図を表し、この上で搬送台2が一定間隔で案内されており、これら搬送台2には何れも本発明に係る傾斜補正装置1が設けられ、図示された幾つかの搬送台で搬送された物品が運搬される。搬送部29はしたがって移動方向30において、左側の水平部分から傾斜のある右側の部分に移行し、傾斜補正部5に連結した輸送装置31が搬送部29の各位置において水平の向きを有することが認められる。搬送部29の傾斜角度αに応じて、傾斜補正部5は何れも、保持フレーム4に対する傾斜角度αに対応する角度を有し、これにより傾斜補正部5が保持フレーム4に関して回転軸6の周りで旋回する。したがって上り坂の場合には、傾斜補正部5は、初期位置から傾斜補正部5の前側を下げ或いは後ろ側を上げることにより、適当な角度を有して斜面の方に傾く。同様にして下り坂では、傾斜補正部5は、初期位置から傾斜補正部5の後ろ側を下げ或いは前側を上げることにより、適当な角度で斜面に向かって傾く。同時に駆動軸12は、上り坂を上る際には移動方向30と反対に動き、下り坂を下る際には移動方向30に動く。
【0031】
上記の明細書、図面、および特許請求の範囲に開示された本発明の各特徴は、個別におよび任意の組み合わせで本発明を実施するために不可欠であり得る。
【国際調査報告】