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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-26
(54)【発明の名称】毛髪ケア組成物及びその調製方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/60 20060101AFI20230419BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20230419BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20230419BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20230419BHJP
   A61K 8/42 20060101ALI20230419BHJP
   A61K 8/39 20060101ALI20230419BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20230419BHJP
   A61K 8/67 20060101ALI20230419BHJP
   A61K 8/55 20060101ALI20230419BHJP
   A61K 8/365 20060101ALI20230419BHJP
   A61K 8/20 20060101ALI20230419BHJP
   A61K 8/362 20060101ALI20230419BHJP
【FI】
A61K8/60
A61Q5/00
A61K8/46
A61K8/44
A61K8/42
A61K8/39
A61K8/73
A61K8/67
A61K8/55
A61K8/365
A61K8/20
A61K8/362
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022529830
(86)(22)【出願日】2020-11-23
(85)【翻訳文提出日】2022-07-13
(86)【国際出願番号】 CN2020130814
(87)【国際公開番号】W WO2021098874
(87)【国際公開日】2021-05-27
(31)【優先権主張番号】201911146375.8
(32)【優先日】2019-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522201211
【氏名又は名称】バイオライト・ワールドワイド・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】プーン,ウィン ケウン
(72)【発明者】
【氏名】ロー,カム シュン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ジュン
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA082
4C083AA112
4C083AA122
4C083AB011
4C083AB032
4C083AB281
4C083AB282
4C083AC231
4C083AC291
4C083AC301
4C083AC581
4C083AC582
4C083AC641
4C083AC642
4C083AC662
4C083AC711
4C083AC781
4C083AC782
4C083AC791
4C083AC852
4C083AC901
4C083AD131
4C083AD201
4C083AD202
4C083AD241
4C083AD412
4C083AD532
4C083AD601
4C083AD602
4C083AD621
4C083AD641
4C083AD642
4C083AD651
4C083AD661
4C083AD662
4C083BB05
4C083BB06
4C083BB07
4C083BB44
4C083BB47
4C083CC03
4C083CC05
4C083CC14
4C083CC23
4C083CC31
4C083CC33
4C083CC38
4C083CC50
4C083DD08
4C083DD22
4C083DD23
4C083DD31
4C083DD41
4C083EE01
4C083EE06
4C083EE12
4C083EE22
4C083EE24
(57)【要約】
本発明は、毛髪ケア組成物及びその調製方法を提供する。毛髪ケア組成物はニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物、及びニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物を安定化させる基礎成分を含有する。本発明の毛髪ケア組成物の成分は、ニコチンアミドモノヌクレオチドの液状における安定性を上昇させるものであって、頭髪及び毛髪の老化及び成長に関する問題を解決するとともに、ニコチンアミドモノヌクレオチドの液状における安定性に斬新な方向性を示しており、ニコチンアミドモノヌクレオチドの適用方法の多様化に突破口を開くものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物、及びニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物を安定化させる基礎成分を含有する
ことを特徴とする毛髪ケア組成物。
【請求項2】
前記ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物は、固体状、液状又は霧状である
ことを特徴とする請求項1に記載の毛髪ケア組成物。
【請求項3】
ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物を安定化させる前記基礎成分が、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン界面活性剤、酸化防止剤、pH緩衝剤及び酸度調整剤のうちの1種又は複数種類を含む
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の毛髪ケア組成物。
【請求項4】
前記毛髪ケア組成物の形態は、シャンプー、コンディショナー、エッセンス、石鹸、スプレー、クリーム、ヘアワックス、ジェル及びペーストのうちのいずれかである
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の毛髪ケア組成物。
【請求項5】
前記毛髪ケア組成物を含有する製品は、眉毛ケア製品、まつ毛ケア製品及び髭ケア製品のいずれかである
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の毛髪ケア組成物。
【請求項6】
前記基礎成分は、ニコチンアミドモノヌクレオチドが液状又は霧状であるときに分解されるのを防止する成分として、シアル酸、テアニン、β-カロチン及びリン酸ナトリウムから選ばれる1種または複数種を含有する
ことを特徴とする請求項1に記載の毛髪ケア組成物。
【請求項7】
ニコチンアミドモノヌクレオチドで換算して、前記ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物は、前記毛髪ケア組成物の総重量の0.01重量%~25重量%を占め、好ましくは毛髪ケア組成物の総重量の0.1重量%~20重量%を占め、より好ましくは毛髪ケア組成物の総重量の0.1重量%~15重量%を占める
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の毛髪ケア組成物。
【請求項8】
水をさらに含有し、
任意に、水の含有量は、前記毛髪ケア組成物の総重量に基づき、50~95重量%であり、好ましくは60~92重量%であり、より好ましくは65~90重量%である
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の毛髪ケア組成物。
【請求項9】
前記毛髪ケア組成物の総重量に対し、
前記陰イオン界面活性剤の含有量は、15~65重量%であり、好ましくは25~45重量%であり、より好ましくは30~40重量%であり、
任意に、前記両性界面活性剤の含有量は、1~15重量%であり、好ましくは1.5~8重量%であり、より好ましくは2~7重量%であり、
任意に、前記陽イオン界面活性剤の含有量は、0.01~0.09重量%であり、好ましくは0.02~0.08重量%であり、より好ましくは0.03~0.08重量%であり、
任意に、前記酸化防止剤の含有量は、0.5~3重量%であり、好ましくは0.9~2.5重量%であり、より好ましくは1.5~2重量%であり、
任意に、前記酸度調整剤の含有量は、0.05~1重量%であり、好ましくは0.2~0.85重量%であり、より好ましくは0.3~0.7重量%であり、
任意に、前記pH緩衝剤の含有量は、1~3重量%であり、好ましくは1.5~2.5重量%であり、より好ましくは2~2.5重量%である
ことを特徴とする請求項3に記載の毛髪ケア組成物。
【請求項10】
前記陰イオン界面活性剤は、ラウレス硫酸エステルナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ココイルメチルタウリンナトリウム、ラウレス-5 カルボン酸、ラウリルグルコースカルボン酸ナトリウム及びその混合物から選ばれる少なくとも1つである
ことを特徴とする請求項3又は9に記載の毛髪ケア組成物。
【請求項11】
前記両性界面活性剤は、アルキル両性カルボン酸塩、アルキルアミノ酸塩、コカミドプロピルベタイン、コカミドモノエタノールアミン、ラウリルグルコシド、ココイルメチルデキストラン又はその混合物のうちの少なくとも1つである
ことを特徴とする請求項3又は9に記載の毛髪ケア組成物。
【請求項12】
前記陽イオン界面活性剤は、ポリクオタニウム-10、グアーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド又はその混合物から選ばれる少なくとも1つである
ことを特徴とする請求項3又は9に記載の毛髪ケア組成物。
【請求項13】
前記酸化防止剤は、L‐システイン、DL‐メチオニン、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、フィチン酸ナトリウム又はその混合物から選ばれる少なくとも1つである
ことを特徴とする請求項3又は9に記載の毛髪ケア組成物。
【請求項14】
前記酸度調整剤は、クエン酸、シュウ酸、乳酸、塩酸又はその混合物から選ばれる少なくとも1つである
ことを特徴とする請求項3又は9に記載の毛髪ケア組成物。
【請求項15】
前記眉毛ケア製品は、眉毛ケアローション、眉毛ケアスプレー及び眉毛ケアクリームであり、
前記まつ毛ケア製品は、まつ毛ケアローションキットであり、
前記髭ケア製品は、髭ケアローション、髭ケアスプレー及び髭ケアクリームである
ことを特徴とする請求項5に記載の毛髪ケア組成物。
【請求項16】
毛髪ケア組成物の外観、質感、香り及び使用者体験を優れたものにするための機能性添加剤をさらに含有する
ことを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の毛髪ケア組成物。
【請求項17】
前記機能性添加剤は、増感剤、増泡剤、香料、機能性補助剤又はその任意の組み合わせから選ばれる
ことを特徴とする請求項16に記載の毛髪ケア組成物。
【請求項18】
ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物を用意するステップと、
液状又は気体状におけるニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物を安定化させる基礎成分の水溶液を用意するステップと、
ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物を前記水溶液と混合してpH値を調節し、毛髪ケア組成物を得るステップとを含む
ことを特徴とする毛髪ケア組成物の調製方法。
【請求項19】
液状又は気体状におけるニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物を安定化させる前記基礎成分が、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン性界面活性剤、酸化防止剤、pH緩衝剤及び酸度調整剤のうちの1種又は複数種類を含む
ことを特徴とする請求項18に記載の毛髪ケア組成物の調製方法。
【請求項20】
(1)1種または複数種の陰イオン界面活性剤を混合し、第1類界面活性剤を得ることと、
(2)1種または複数種の両性界面活性剤を混合し、第2類界面活性剤を得ることと、
(3)任意で、1種または複数種の陽イオン界面活性剤を混合し、第3類界面活性剤を得ることと、
(4)第1類界面活性剤、第2類界面活性剤及び任意の第3類界面活性剤を混合し、複合界面活性剤を得ることと、
(5)ニコチンアミドモノヌクレオチドを複合界面活性剤に加えて、混合物を得ることと、
(6)pH緩衝剤を混合物に加え、酸度調整剤を用いて混合物のpH値を4.85~7.0として、毛髪ケア組成物を得ることと、
(7)混合物に酸化防止剤を加えて毛髪ケア組成物を得ることとを含む
ことを特徴とする請求項19に記載の毛髪ケア組成物の調製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルケアの分野に属し、具体的にニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物を含有する毛髪ケア組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の生物化学系の研究により、ヒトの体内における補酵素Iのレベルは年齢とともに徐々に減少することが分かっている。関連する研究でも、補酵素Iのレベルの減少は、身体の各新陳代謝が遅くなり機能が衰えたことによる糖尿病等の関連疾病や、細胞が自動修復機能を失ったことによる癌の発症等と密接な関係のあることが示されている。以上の状況に鑑みると、体内の補酵素Iのレベルを補充することが直接的で有効な解決策となっている。補酵素I増加のメカニズム、動物及び病理臨床に関し様々な科学研究が国内外で行われているが、補酵素Iを補充することで上記の健康問題が有効に改善されることが揃って確認されており、さらに動物実験では、この方法によって高齢のマウスの運動能力が高まるのに対し、対照群のマウスでは高齢時に運動能力が劣ることが実証されている。
【0003】
ニコチンアミドモノヌクレオチド(Nicotinamide mononucleotide,NMN)は、ヒトの体内において補酵素I(Nicotinamide adenine dinucleotide,NAD+)に変換される最も直接的な前駆体である。ニコチンアミドモノヌクレオチドは、人体の各器官及び細胞内の補酵素Iのレベルを最も直接的かつ迅速に上昇させることが研究によって証明されている。補酵素Iは、主にヒト体内の各細胞の生物反応中に水素イオン(H-)を運び、新陳代謝や遺伝子修復を制御し、又は生理時計を調節する生物反応等に不可欠な物質である。このように、細胞内の補酵素Iのレベルは健康と密接に関係している。
【0004】
毛髪の成長も補酵素Iと密接な関係があり、近年の毛髪成長のプロジェクト研究によって、乳酸の合成及びそのレベルが毛包細胞内で毛髪の成長サイクルを開始する重要な基本要素であること、それとともに、毛包細胞がその正常な働きを保持するために大量のATPを必要することが研究者によって見出されている。補酵素I及びその還元型補酵素Iは、毛包細胞で乳酸を合成する重要な原料である。細胞の補酵素Iのレベルが低下すると乳酸を合成できず、そのレベルが低下して毛髪の成長が一時的に止まる。
【0005】
補酵素Iは、細胞のミトコンドリアにおけるATPの合成に不可欠な基質でもあり、補酵素Iが低下すると、毛包細胞のミトコンドリアにおいて十分なATPを合成することもできなくなり、その細胞の日常的な働きを支えることが困難となる。毛包細胞において乳酸とATPが同時に欠乏すると、頭髪の成長が徐々に緩やかとなりひいては脱落するのを避けられず、毛包が枯れるに伴って色素細胞も減少し、髪の毛が白くなる。上記現象と身体機能の衰えはいずれも老化の結果であり、身体の補酵素Iの減少に起因する。身体の補酵素Iレベルは、運動やエネルギー吸収の制御等によって回復できるが、効果に個人差がある上、長期間これを行うことはできない。経口のニコチンアミドモノヌクレオチドサプリメントは、簡便で直接的な方式を提供するものであり、体内の補酵素Iの全体的レベルを効果的に上昇させることができる。経口のニコチンアミドモノヌクレオチドサプリメントは身体の各健康状態を顕著に改善し増進させることができるが、頭髪及び毛髪の問題に関しては、最短期間内に頭髪及び他の部位の毛髪の見た目を改善できない。上記問題を解決するため、ニコチンアミドモノヌクレオチドを主な活性機能成分とする毛髪ケア組成物を開発することが最良のアプローチとなっている。
【0006】
毛髪ケア組成物を使用するにあたっては、有効かつ平均的に皮膚に分布して、ケア組成物の主要活性機能成分であるニコチンアミドモノヌクレオチドが表皮及び毛包に接触し細胞に到達するようにしなければならない。この目的を達成するため、毛髪ケア組成物は主に異なる粘度の液状でなければならないが、ニコチンアミドモノヌクレオチドは液状である場合、安定性に劣り、水溶液の半減期は一般に14日になる。ニコチンアミドモノヌクレオチドが液状において不安定であることに起因して、ニコチンアミドモノヌクレオチドの応用には技術的な難題が存在している。これも関連製品を市場で生産し販売できない主な理由である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記問題の少なくとも1つを解決するため、本発明は、毛髪ケア組成物及びその調製方法を提供する。本発明の毛髪ケア組成物の成分は、ニコチンアミドモノヌクレオチドの液状における安定性を上昇させるための解決策を提供するものであって、頭髪及び毛髪の老化及び成長に関する問題を解決するとともに、ニコチンアミドモノヌクレオチドの液状における安定性に斬新な方向性を示しており、ニコチンアミドモノヌクレオチドの適用方法の多様化に突破口を開くものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
具体的に、本発明は以下を提供する。
ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物、及びニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物を安定化させる基礎成分を含有する毛髪ケア組成物。
ここで、ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物は、固体状、液状又は霧状である。
ここで、ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物を安定化させる基礎成分としては、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン界面活性剤、酸化防止剤、pH緩衝剤及び酸度調整剤のうちの1種又は複数種類が挙げられる。
【0009】
ここで、毛髪ケア組成物の形態は、シャンプー、コンディショナー、エッセンス、石鹸、スプレー、クリーム、ヘアワックス、ジェル及びペーストのうちのいずれかである。
ここで、毛髪ケア組成物を含有する製品は、眉毛ケア製品、まつ毛ケア製品及び髭ケア製品のいずれかである。
ここで、基礎成分は、ニコチンアミドモノヌクレオチドが液状又は霧状であるときに分解されるのを防止する成分として、シアル酸、テアニン、β-カロチン及びリン酸ナトリウムから選ばれる1種または複数種を含有する。
【0010】
ここで、ニコチンアミドモノヌクレオチドで換算して、前記ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物は、前記毛髪ケア組成物の総重量の0.01重量%~25重量%を占め、好ましくは毛髪ケア組成物の総重量の0.1重量%~20重量%を占め、より好ましくは毛髪ケア組成物の総重量の0.1重量%~15重量%を占める。
ここで、毛髪ケア組成物は、水をさらに含有し、
任意に、水の含有量は、前記毛髪ケア組成物の総重量に基づき、50~95重量%であり、好ましくは60~92重量%であり、より好ましくは65~90重量%である。
【0011】
ここで、毛髪ケア組成物の総重量に対し、
陰イオン界面活性剤の含有量は、15~65重量%であり、好ましくは25~45重量%であり、より好ましくは30~40重量%であり、
任意に、両性界面活性剤の含有量は、1~15重量%であり、好ましくは1.5~8重量%であり、より好ましくは2~7重量%であり、
任意に、陽イオン界面活性剤の含有量は、0.01~0.09重量%であり、好ましくは0.02~0.08重量%であり、より好ましくは0.03~0.08重量%であり、
任意に、酸化防止剤の含有量は、0.5~3重量%であり、好ましくは0.9~2.5重量%であり、より好ましくは1.5~2重量%であり、
任意に、酸度調整剤の含有量は、0.05~1重量%であり、好ましくは0.2~0.85重量%であり、より好ましくは0.3~0.7重量%であり、
任意に、pH緩衝剤の含有量は、1~3重量%であり、好ましくは1.5~2.5重量%であり、より好ましくは2~2.5重量%である。
【0012】
ここで、陰イオン界面活性剤は、ラウレス硫酸エステルナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ココイルメチルタウリンナトリウム、ラウレス-5 カルボン酸、ラウリルグルコースカルボン酸ナトリウム及びその混合物のうちから選ばれる少なくとも1つである。
ここで、両性界面活性剤は、アルキル両性カルボン酸塩、アルキルアミノ酸塩、コカミドプロピルベタイン、コカミドモノエタノールアミン、ラウリルグルコシド、ココイルメチルデキストラン又はその混合物のうちの少なくとも1つである。
ここで、陽イオン界面活性剤は、ポリクオタニウム-10、グアーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド又はその混合物のうちから選ばれる少なくとも1つである。
【0013】
ここで、酸化防止剤は、L‐システイン、DL‐メチオニン、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、フィチン酸ナトリウム又はその混合物のうちから選ばれる少なくとも1つである。
ここで、酸度調整剤は、クエン酸、シュウ酸、乳酸、塩酸又はその混合物のうちから選ばれる少なくとも1つである。
ここで、眉毛ケア製品は、眉毛ケアローション、眉毛ケアスプレー及び眉毛ケアクリームであり、前記まつ毛ケア製品は、まつ毛ケアローションキットであり、前記髭ケア製品は、髭ケアローション、髭ケアスプレー及び髭ケアクリームである。
【0014】
ここで、毛髪ケア組成物に、毛髪ケア組成物の外観、質感、香り及び使用者体験を優れたものにするための機能性添加剤をさらに含有する。
ここで、機能性添加剤は、増感剤、増泡剤、香料、機能性補助剤又はその任意の組み合わせから選ばれる。
ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物を用意するステップと、
液状又は気体状におけるニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物を安定化させる基礎成分の水溶液を用意するステップと、
ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物を前記水溶液と混合してpH値を調節し、毛髪ケア組成物を得るステップとを含む、毛髪ケア組成物の調製方法。
ここで、液状又は気体状におけるニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物を安定化させる基礎成分として、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン性界面活性剤、酸化防止剤、pH緩衝剤及び酸度調整剤のうちの1種又は複数種類が挙げられる。
【0015】
ここで、
(1)1種または複数種の陰イオン界面活性剤を混合し、第1類界面活性剤を得ることと、
(2)1種または複数種の両性界面活性剤を混合し、第2類界面活性剤を得ることと、
(3)任意で、1種または複数種の陽イオン界面活性剤を混合し、第3類界面活性剤を得ることと、
(4)第1類界面活性剤、第2類界面活性剤及び任意の第3類界面活性剤を混合し、複合界面活性剤を得ることと、
(5)ニコチンアミドモノヌクレオチドを複合界面活性剤に加えて、混合物を得ることと、
(6)pH緩衝剤を混合物に加え、酸度調整剤を用いて混合物のpH値を4.85~7.0として、毛髪ケア組成物を得ることと、
(7)混合物に酸化防止剤を加えて毛髪ケア組成物を得ることとを含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明には、以下の少なくとも1つの利点及び有益な効果がある。
1.本発明は毛髪ケア組成物を提供するものであって、この組成物は、ニコチンアミドモノヌクレオチドを主要な有効成分とするとともにニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物の活性を長期にわたり安定的に保持して、ニコチンアミドモノヌクレオチドを毛包幹細胞及び表皮細胞内のミトコンドリアへ供給することにより、毛包幹細胞及び表皮細胞の補酵素Iレベルを上げ、細胞の正常なエネルギー生産を促し、その活力を活性化することができる。
2.本発明におけるニコチンアミドモノヌクレオチドは、ニコチン酸、ニコチンアミド及び他の誘導体等と比べ、補酵素Iの最も直接的な前駆体であり、細胞に吸収されると補酵素Iに直接変換され、体内の多重酵素反応の制限を受けない。また、ニコチンアミドモノヌクレオチドは、迅速に人体に吸収されて表皮細胞に達することのできる小分子である。
3.本発明の毛髪ケア組成物は、毛包幹細胞及び表皮細胞の補酵素Iレベルを直接に上昇させることができる。本発明に従って、経口のニコチンアミドモノヌクレオチドサプリメントのみを服用する場合に比べ、より顕著に毛髪の問題を改善し、短期間でより顕著な効果が得られる。したがって、本発明は、脱毛、白髪の増加といった問題を抱える中高年や、毛髪の成長が遅く毛髪の少ない人々に適しているほか、頭髪の健康に関心のある一般の人々にも適している。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、一般状態における実施例1、実施例15、実施例16及び0.5%のニコチンアミドモノヌクレオチド水溶液の25日にわたる安定性比較結果を示したものである。
図2図2は、加速状態における実施例1、実施例15、実施例16及び0.5%のニコチンアミドモノヌクレオチド水溶液の25日にわたる安定性比較結果を示したものである。
図3図3(a)~(d)は、実施例4のニコチンアミドモノヌクレオチドを含有するヘアエッセンスを使用した女性被験者の0日、30日、60日及び120日における頭髪の成長状況をそれぞれ示した写真である。
図4図4は、実施例4のニコチンアミドモノヌクレオチドを含有するヘアエッセンスを使用した女性被験者の生え際の平均頭髪間隔の日数に伴う変化を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、具体的な実施態様により本発明をさらに説明するが、これは本発明を限定するものではなく、当業者は本発明の基本思想に基づき種々の変更又は改良を行うことができ、本発明の基本思想から離脱しない限りいずれも本発明の範囲内にある。
【0019】
頭髪の成長が遅くなり、徐々に白くなって脱落することは、老化の最も顕著な現れであり、毛包細胞へのATPの供給が欠乏していることがその理由である可能性がある。毛包細胞は、ミトコンドリアで糖分解等の生化学反応によってエネルギー分子であるATPを合成して、毛髪の成長や毛包の正常な働きを保持するのに十分なエネルギーを提供する。研究報告によれば、低ATPレベルにおいて毛包細胞は徐々に死亡し、これにより毛髪が成長を止め、色素細胞が減少して徐々に灰色となり、次いで、脱落して枯れる。毛包細胞におけるATP合成は他の細胞におけるATP合成と異なる。身体の一般的な細胞ではグルコースを用いてATP合成が行われることが多く、必要とされる補酵素Iは少ない。毛包細胞はこの方法でATP合成を行うことが少なく、代わりにグルタミンを基質とすることが多いが、この合成経路では利用する補酵素Iが倍増する。様々な原因から、年齢が増加するにつれて体内の補酵素Iレベルは年々低下し、毛包細胞内の補酵素Iレベルもこれに伴って低下するため、ATPの合成が一層困難となり、細胞が正常に働くことができなくなってしまう。毛包細胞は乳酸によっても活性化され、細胞内で乳酸を発現するラクテートデヒドロゲナーゼは触媒酵素であり、還元型補酵素I中で提供される水素イオンを利用してピルビン酸から乳酸が合成される。乳酸が欠乏すると、毛包細胞は新しい毛髪を成長させることができない。このように、2つの状況が同時に発生するのは、細胞内の補酵素Iレベルの低下と直接な関係がある。
【0020】
補酵素Iは、毛包の健康を保持し、毛髪の成長を促進するのに不可欠な生化学物質である。したがって、身体内の補酵素Iレベルを上げることが、頭髪の成長が遅くなり、白髪になり、抜け落ちるのを解決する根本的な対策となっている。経口のニコチンアミドモノヌクレオチドサプリメントを服用することによって体内の補酵素Iの全体的レベルは効果的に上がるが、頭髪及び毛包細胞が必要とする有効成分については限定的に補充することしかできない上、すぐには効果が現れず、それ故、その効果が徐々に現れるまで長期間服用する必要がある。
【0021】
上記問題を解決するため、本発明はニコチンアミドモノヌクレオチドを含有する毛髪ケア組成物を提供する。この組成物は、頭髪、頭皮、表皮及び毛包に直接用いることができ、ATP合成の増進及び乳酸の増殖という目的に達するまで、毛包及び表皮細胞内の補酵素Iのレベルを最も効果的に直接補充し上昇させるものであり、これによって毛包の健康が保持され毛包細胞が活性化されて毛髪の再成長が促進される。この毛髪ケア組成物は、中高年の頭髪及び毛髪の様々な問題を緩和、改善し、ひいては回復するのに用いることができ、毛髪の健康を保ち、毛髪の成長を助けるものである。
【0022】
本発明の毛髪ケア組成物は、安定化させるための特定の基礎成分(例えば、特定の界面活性剤、添加剤、酸化防止剤等及びその特定範囲の成分割合)にニコチンアミドモノヌクレオチドを加えて得られる。使用者は毛髪ケア製品の使用時に頭皮、頭髪及び皮膚に直接塗布するため、製品中の主な活性機能成分であるニコチンアミドモノヌクレオチドが毛包及び表皮細胞に吸収され、ミトコンドリア中でニコチンアミドモノヌクレオチド・アデニルトランスフェラーゼによってATPと一緒に、補酵素Iが合成される。この補酵素Iは、毛包及び表皮細胞内のATPと乳酸の生化学合成に関与する。また、補酵素Iは、乳酸合成時に還元型補酵素Iに再変換された後で、ピルビン酸から乳酸を合成する触媒プロセスで必要な補酵素となり、水素イオンを運搬する媒体として働く。本発明の毛髪ケア組成物は、毛包及び表皮細胞内の補酵素Iレベルを上げて、老化により毛髪がグレーに変わり、脱落する問題を解決するとともに、毛髪の健康を保持し毛髪の成長サイクルを加速させることができる。
【0023】
ニコチンアミドモノヌクレオチドは、毛髪ケア組成物において優れた液状安定性をさらに保持するため、本発明の毛髪ケア組成物は、一般的なニコチンアミドモノヌクレオチドの水溶液よりもその活性を保持することができる。本発明は、毛髪ケア組成物におけるニコチンアミドモノヌクレオチドの使用性及び工業的適応性を促すものであり、ニコチンアミドモノヌクレオチドの液状安定性に起因して工業化生産が困難となっているという長期にわたる難題を解決し、毛髪の問題において、生物化学的な科学研究を基礎とする根本的かつ新規的な解決案を使用者に提示するものである。
【0024】
本発明は、1つの側面において、ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物、及びニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物を安定化させる基礎成分を含有する毛髪ケア組成物を提供する。ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物を安定化させる基礎成分としては、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン界面活性剤、中性界面活性剤、酸化防止剤、pH緩衝剤及び酸度調整剤のうちの1種又は複数種類が挙げられる。本発明のケア組成物は、ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物の水性ケア組成物における安定性を長期間保持することができ、その結果、ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物を含有する毛髪ケア組成物は、その有効な品質を長時間保持することができるものとなっている。
【0025】
ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物
本発明の各実施態様において、毛髪ケア組成物は、ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物を含有する。ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物の物理的形態は、固体状、液状又は霧状であってもよい。ニコチンアミドモノヌクレオチドの化学構造は、酸型、塩型、結晶水型、水和物型又は他の付加形態であってよい。この物理的形態及び化学構造の純度は、5%~99.8%であってもよく、好ましくは80%~99.8%であり、より好ましくは97.5%~99.5%である。
本発明の具体的な実施態様において、前記ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物の含有量は、毛髪ケア組成物の総重量に基づき、0.01重量%~25重量%であり、好ましくは0.01重量%~20重量%であり、より好ましくは0.1重量%~15重量%である。
【0026】
基礎成分
本発明の1つの特徴は、毛髪ケア組成物が、ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物を安定化させる基礎成分を含有することである。ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物を安定化させる基礎成分としては、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン界面活性剤、中性界面活性剤、酸化防止剤、pH緩衝剤及び酸度調整剤のうちの1種又は複数種類が挙げられる。
【0027】
陰イオン界面活性剤
本発明の毛髪ケア組成物において、陰イオン界面活性剤も、ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物を安定化させることができる。陰イオン界面活性剤は、脂肪族アルコールポリエーテル硫酸塩であってもよいし、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸エステルナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ココイルメチルタウリンナトリウム、ラウレス-5カルボン酸及びラウリルグルコースカルボン酸ナトリウム等の単体若しくは混合物であってもよい。
本発明の具体的な実施態様において、陰イオン界面活性剤の含有量は、毛髪ケア組成物の総重量に基づき、15~65重量%であり、好ましくは25~45重量%であり、より好ましくは30~40重量%である。
【0028】
両性界面活性剤
このような界面活性剤は、陰イオンの特性も、陽イオンの特性も示すことができ、優れた生体適合性を有する。
本発明の毛髪ケア組成物において、両性界面活性剤は、汚れの除去に用いることができるだけでなく、ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物を安定化させることもできる。両性界面活性剤は、アルキルアミノ酸型両性界面活性剤又はアルキル両性カルボン酸塩であってもよい。両性界面活性剤としては、コカミドプロピルベタイン、コカミドモノエタノールアミン、ラウリルグルコシド及びココイルメチルデキストラン等の単体若しくは混合物が挙げられる。
本発明の具体的な実施態様において、両性界面活性剤の含有量は、毛髪ケア組成物の総重量に基づき、1~15重量%であり、好ましくは1.5~8重量%であり、より好ましくは2~7重量%である。
他の両性界面活性剤としては、例えば、アルキル両性ジプロピオン酸、アルキル両性ジ酢酸、アルキル両性グリシン酸及びアルキル両性プロピオン酸のアルカリ金属塩等のアルキル両性カルボン酸又はその塩が挙げられ、前記アルキル基は、炭素数6~20のアルキル基を表す。より好ましくは、前記アルキル基は、例えば、ココイル両性ジプロピオン酸塩等のヤシ油由来か又はラウリル基の化合物である。このようなココイル両性ジプロピオン酸塩界面活性剤は、同一のタイプの両性界面活性剤と同じものであって、Miranolシリーズの商標で市販されているものであってもよい。
【0029】
市販の有用な両性界面活性剤としては、以下が挙げられる。
×ココイル両性酢酸塩(MIRANOL ULTRA C-32及びMIRAPON FA商標により販売)、
×ココイル両性プロピオン酸塩(MIRANOL CMSF CONC.及びMIRAPON FAS商標により販売)、
×ココイル両性ジ酢酸塩(MIRANOL C2M CONC.及びMIRAPON FB商標により販売)、
×ラウロイル両性酢酸塩(MIRANOL HM CONC.及びMIRAPON LA商標により販売)、
×ラウロイル両性ジ酢酸塩(MIRANOL H2M CONC.及びMIRAPON LB商標により販売)、
×ラウロイル両性ジプロピオン酸塩(MIRANOL H2M-SF CONC.及びMIRAPON LBS商標により販売)、
×ラウリン酸とミリスチン酸の混合物から得られるラウロイル両性ジ酢酸塩(MIRANOL BM CONC.商標により販売)、
×ココイル両性プロピルスルホン酸塩(Miranol CS CONC.商標により販売)、
×ヘキサノイル両性ジ酢酸塩(MIRANOL S2M CONC.商標により販売)、
×ヘキサノイル両性酢酸塩(MIRANOL SM CONC.商標により販売)、
×ヘキサノイル両性ジプロピオン酸塩(MIRANOL S2M-SF CONC.商標により販売)及び
×ステアロイル両性酢酸塩(MIRANOL DM商標により販売)。
使用する他の両性界面活性剤として最も好ましいのは、ココイル両性酢酸塩である。
【0030】
他の両性界面活性剤は、毛髪ケア組成物の総重量に基づき、約0.1重量%~約7重量%を占め、好ましくは約0.2重量%~約4重量%、より好ましくは0.3重量%~3重量%を占める。
【0031】
陽イオン界面活性剤
陽イオン界面活性剤は陽イオンを提供可能であり、洗う際に毛髪に陽イオンが付着して、毛髪をまっすぐにし、毛髪が絡まるのを抑え、櫛通りがよくなるという機能性を毛髪ケア組成物にもたらす効果がある。これと同時に、陽イオンは、水溶液においてニコチンアミドモノヌクレオチドと互いに作用して液状におけるその安定性を向上させることができる。陽イオン界面活性剤としては、アミン塩複素環式四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤が挙げられる。陽イオン界面活性剤の具体的な例としては、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、トリセチルメチルアンモニウムクロライド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジ(部分的に水素添加された牛脂)ジメチルアンモニウムクロライド、ポリクオタニウム-10、グアーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等のうちの少なくとも1種類が挙げられ、好ましくはポリクオタニウム-10、グアーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド又はポリエチレングリコールである。
【0032】
本発明の具体的な実施態様において、陽イオン界面活性剤は、毛髪ケア組成物の総重量に基づき、0.01~0.09重量%であり、好ましくは0.02~0.08重量%であり、より好ましくは0.03~0.08重量%である。
本発明のいくつかの実施態様において、毛髪ケア組成物は、例えば、非イオン性界面活性剤及び他の両性界面活性剤等の他の界面活性剤をさらに含む。
非イオン性界面活性剤は、組成物中で乳化剤及び安定剤として機能することができる。本明細書において「非イオン性界面活性剤」には、非イオン性界面活性剤の混合物が含まれる。
【0033】
有用な非イオン性界面活性剤の例としては、エチレンオキシドと疎水性部分との縮合物がさらに挙げられ、前記疎水性部分の親水性親脂性バランス(HLB)は約8~約16の間であり、より好ましくは約10~約12.5の間である。これらの界面活性剤としては、炭素数約8~約24の直鎖状又は分岐鎖状に配置された脂肪族一級又は二級アルコールとエチレンオキシドとの縮合生成物が挙げられ、エチレンオキシドは、アルコール1モル当たり約2モル~約40モルであり、好ましくは約2モル~約9モルである。
【0034】
好ましい実施態様において、前記脂肪族アルコールは、炭素数が約9~約18であり、脂肪族アルコール1モル当たり約3モル~約12モルのエチレンオキシドでエトキシル化される。特に好ましくは、炭素数約12~約15の一級アルコールとアルコール1モル当たり約5モル~約9モルのエチレンオキシドをエトキシル化する。このような材料の1つは、Shell Chemical CompanyからNeodol 25-9の商品名で販売されている。他の市販の非イオン性界面活性剤としては、Shell Chemical Companyから販売されているNeodol 25-6.5及びNeodol 25-7が挙げられる。
【0035】
他の好適な非イオン性界面活性剤として、炭素数約6~約12のアルキルフェノールと、約3モル~約30モル、好ましくは約5モル~約14モルのエチレンオキシドの縮合生成物が挙げられる。このような界面活性剤の例として、Rhodia, Inc.からIGEPAL CO 530、IGEPAL CO 630、IGEPAL CO720及びIGEPAL CO 730の商品名で販売されている。非イオン性界面活性剤として最も好ましく使用されるのは、例えば、Rhodia, Inc.からRHODASURF L-790の商品名で販売されているLaureth-7等の混合直鎖アルコールのエトキシレートである。
【0036】
酸化防止剤
酸化防止剤によって酸化の発生を効果的に防止することができ、ラジカル基等の酸化生成物が酸化過程中に生成されその中の主要成分と後で予測できない化学反応を起こしてこの主要成分が経時的に変質及び分解することが防止される。ニコチンアミドモノヌクレオチドは、液状において酸化反応を起こしてニコチンアミド等の物質に分解されるため、酸化防止剤を使用することでニコチンアミドモノヌクレオチドの液状における安定性を効果的に保護することができる。酸化防止剤は、人工合成酸化防止剤と天然酸化防止剤の2つに大きく分類できる。この二種類の酸化防止剤は、液状のニコチンアミドモノヌクレオチドを保護する化学構造の表現が異なり、好ましくは、天然酸化防止剤を用いる。天然酸化防止剤は、アミノ酸系抗酸化剤、ビタミン系抗酸化剤にさらに細分化することができ、好ましくは、L‐システイン、DL‐メチオニン、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンP及びフィチン酸ナトリウム等のうちの単体若しくは混合物である。前記酸化防止剤は、その本質的な作用効果に加えて、防腐剤としての作用効果も一定程度発揮し、毛髪ケア組成物全体の安定性を相乗的に寄与する。
【0037】
本発明の具体的な実施態様において、酸化防止剤の含有量は、毛髪ケア組成物の総重量に基づき、0.5~3重量%であり、好ましくは0.9~2.5重量%であり、より好ましくは1.5~2重量%である。
【0038】
酸度調整剤
ニコチンアミドモノヌクレオチドは弱酸性の環境下で液状における安定性が向上するため、毛髪ケア組成物中に酸度調整剤を用いてpHを制御する必要がある。毛髪ケア組成物の酸度調整剤は、クエン酸、シュウ酸及び乳酸等のうちの単体若しくはそれらの混合物であってもよい。
【0039】
本発明の具体的な実施態様において、酸度調整剤の含有量は、毛髪ケア組成物の総重量に基づき、1~3重量%であり、好ましくは1.5~2.5重量%であり、より好ましくは2~2.5重量%である。
【0040】
安定剤
ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物は、通常、組成物中で非常に不安定で分解しやすい。そこで、本発明の毛髪ケア組成物は、ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物を安定化させるための活性添加剤をさらに含有する。
安定剤は、シアル酸、テアニン、β-カロチン及びリン酸ナトリウムから選ばれる1種または複数種であってもよい。
【0041】
他の成分
その成分又はその組み合わせがニコチンアミドモノヌクレオチドと何らかの化学反応を起こしてニコチンアミドモノヌクレオチドが品質保証期間中に著しく分解しない限り、毛髪ケア組成物には、その外観、質感、香り、特性機能及び使用者の体験効果を優れたものにするために、他の異なる成分を毛髪ケア組成物に添加してもよい。これと同時に、この成分は、ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物の液体における安定性を一定程度向上させるものであってもよい。
【0042】
外観及び質感の点では、毛髪ケア組成物中に調整剤(例えば、プロピレングリコール)を添加して、その外観を透明、不透明又は有色にし、その質感を水性から異なる程度の粘度状態にまでしてもよい。プロピレングリコールは、毛髪ケア組成物の液状粘度を上げるのに用いることができ、メーカーは、その製品の位置づけに応じて粘度を調整し、毛髪ケア組成物中のプロピレングリコールの含有量を増やしてその粘度を比例的に上げることができる。本発明の具体的な実施態様において、他の成分(例えば、プロピレングリコール)の含有量は、毛髪ケア組成物の総重量に基づき、0.01~1重量%であり、好ましくは0.1~0.8重量%であり、より好ましくは0.2~0.6重量%である。
【0043】
毛髪ケア組成物中の物理的な質感、特に毛髪ケア組成物中の液状感における透明性を調整するために、毛髪ケア組成物中にさらに共溶媒を加えてもよい。キシレンスルホン酸ナトリウムは、頭髪ケア製品のうちシャンプー、コンディショナー及びエッセンス等の液状製品の透明性を向上させることができる。キシレンスルホン酸ナトリウムは、成分に対する液体中の水分子の溶解能力を高め、毛髪ケア組成物中の各成分のより十分な結合を促すことができる。毛髪ケア組成物中のニコチンアミドモノヌクレオチドは、毛髪ケア組成物中で溶解度が一層高くなり、高濃度のニコチンアミドモノヌクレオチドエッセンス等の特定の製品を作製して使用者の様々なニーズや要望を満たすことができる。さらに、キシレンスルホン酸ナトリウムによってニコチンアミドモノヌクレオチドを他の成分と互いに融合させることで、毛髪ケア組成物中の生成物の一部が同時に複数の機能作用を果たすようにできるが、このことは、毛髪ケア組成物中にニコチンアミドモノヌクレオチド又はその誘導体を用いることで、頭部の各組織(例えば毛髪、頭皮、毛包及びその細胞)中の補酵素Iレベルが毛髪及び頭部の健康改善を促すレベルに達することに加えて、他の目的(例えば、クレンジング、スタイリング、匂いの改善等)も達成され、これも毛髪ケア組成物の機能の一部であるとみなすべきことが理解される。本発明の具体的な実施態様において、キシレンスルホン酸ナトリウムの含有量は、毛髪ケア組成物の総重量に基づき、0.01~10重量%であり、好ましくは0.1~5重量%であり、より好ましくは1~3重量%である。
【0044】
また、毛髪ケア組成物中に起泡剤を加え、組成物中のいくつかの単機能性又は多機能性生成物(例えば、シャンプー、コンディショナー等)のクレンジング及びリペア機能を向上させてもよい。泡は、大きい接触空間を作り出すことができ、毛髪ケア組成物中の主要成分及び他の成分を頭部に効果的に拡散させて、主要成分であるニコチンアミドモノヌクレオチド又はその誘導体を毛髪、頭皮、毛包等に吸収し、その中の補酵素Iレベル、特にこの細胞内のミトコンドリア内のレベルを上げて日常の新陳代謝及び生体触媒作用に対処するのに有利な条件を作り出すとともに、環境汚染や紫外線接触による損傷から保護し修復することもできる。
【0045】
泡によって、成分が頭部に留まる時間を長くすることもでき、泡の間の張力が互いにつなぎとめあって毛髪と頭皮との間に容易に留まることができ、その効果は頭の形の違いに影響されない。したがって、毛髪ケア組成物中に起泡剤を加えることも、補酵素Iのレベルを上げるのに一定の物理作用を果たす。毛髪ケア組成物中に使用可能な起泡剤としては、四級アンモニウムポリエチレングリコールアルキルアミノ酸糖類の界面活性剤であってもよく、ベタイン、コカミドプロピルベタイン、ココイルモノエタノールアミン、ココイルグリシンナトリウム、ラウリルグルコースカルボン酸ナトリウム、オリーブ油脂肪酸ポリエチレングリコールエステルモノ(カルボキシメチル)エーテルナトリウム塩等であってもよい。製品の機能に応じて毛髪ケア組成物の成分に上記起泡剤を加えてもよく、これらの起泡剤は、製品成分中で単独で使用してもよいし、様々な割合で混合して使用してもよく、製品の泡の状態が最適となって最も優れた使用効果及び使用者体験が得られるようにする。毛髪ケア組成物の成分として、起泡剤は、好ましくは、ベタイン、ココイルグリシンナトリウム及びラウリルグルコースカルボン酸ナトリウムであり、より好ましくは、ココイルグリシンナトリウムである。本発明の具体的な実施態様において、ココイルグリシンナトリウムの含有量は、毛髪ケア組成物の総重量に基づき、0.01~10重量%であり、好ましくは0.1~5重量%であり、より好ましくは0.5~1重量%である。様々な割合で混合して使用する場合、ココイルグリシンナトリウムとラウリルグルコースカルボン酸ナトリウムを配合する組み合わせが最も好ましい。ココイルグリシンナトリウムとラウリルグルコースカルボン酸ナトリウムの配合割合は、細かい泡であれば2:1、大きい泡であれば1:2の分量とし、泡の大きさは、混合物中のココイルグリシンナトリウムとラウリルグルコースカルボン酸ナトリウムの配合割合によって比例的に調節することができる。本発明の具体的な実施態様において、全部の混合物の含有量は、毛髪ケア組成物の総重量に基づき、0.01~10重量%であり、好ましくは0.1~5重量%であり、より好ましくは0.5~1重量%である。
【0046】
毛髪ケア組成物には、その外観、香り、使用感及び機能を優れたものにするために他の添加物をさらに加えてもよい。外観の点では、毛髪ケア組成物に一般的な食用顔料を加えてもよく、例えば、イエロー、ブラウン、ブルー及びブラック等の濃い色を選ぶことで顕著な遮光の効果が得られ、毛髪ケア組成物の主要成分及び他の成分の安定化にも一定の作用を果たす。本発明の具体的な実施態様において、食用顔料の含有量は、毛髪ケア組成物の総重量に基づき、0.01~1重量%であり、好ましくは0.05~0.1重量%であり、より好ましくは0.05~0.08重量%である。香りは、シャンプー、コンディショナー及びエッセンス等の毛髪ケア組成物を含有する製品において重要であり、製品に対する使用者の満足度を高めるとともに、毛髪が臭うのを解決することができる。毛髪ケア組成物中に、無害な香料又は精製された植物・鉱物系の香油、より好ましくは精製された植物・鉱物系香油を主要な香り源として加えてもよい。毛髪ケア組成物の配合成分には香りがないため、添加物によって提供される香りが毛髪ケア組成物に確実に反映されるが、添加後の組成物の香りと添加物独自の香りに何らの違いも生じない。香りに違いが生じた場合、添加物と毛髪ケア組成物に予知できない化学反応が生じたとみなされ、毛髪ケア組成物中のニコチンアミドモノヌクレオチドに化学構造上の影響が及んで毛髪ケア組成物の機能及びその安定性が変化する可能性がある。精製された植物・鉱物系香油の多くは不活性物質であり、毛髪ケア組成物に加えても、上記の特殊な状況が生じないことは言うまでもない。本発明の具体的な実施態様において、精製された植物・鉱物系香油の含有量は、毛髪ケア組成物の総重量に基づき、0.001~0.1重量%であり、好ましくは0.005~0.01重量%であり、より好ましくは0.08~0.01重量%である。
【0047】
毛髪ケア組成物に機能添加物を加えることで様々な使用者のニーズを満たすとともに、毛髪、頭皮及び毛包細胞の補酵素Iレベルを上げ、毛髪ケア組成物が短期間の使用で使用者の期待に合わせた顕著な効果が得られるよう促してもよい。頭部表皮細胞の補酵素Iレベルが低下すると、ATPを合成して高エネルギーに対する日常的なニーズに対処できなくなり、表皮細胞が枯れると頭皮が増加すると同時に、細胞の免疫力も低下して感染の機会が高まる。頭皮が溜まると外観に影響することに加えて、頭部表皮上の汗や頭皮の皮脂を取り除きにくく、表面積の増加により塵も頭部に一層付着しやすくなり、生理的健康の低下と頭部の衰えが同時に発生して、頭部表皮に炎症、即ち、本分野で認識されているところの激しい頭部の痒みも頻繁に発生する。頭部が痒くなると患者は手で触らずにいられず、頭の痒みが激しくなると、患者は頭皮を頻繁に掻くようになり、ひいては掻き毟って最短期間で不快感を取り除こうとする。患者は、その最中に頭部表皮に損傷を受け、特に毛包に対するダメージは深刻なものとなり、毛髪が脱落することに加えて、死んだ頭部毛包細胞もこれによって発毛能力を失い、このような物理的ダメージは一部恒久的なものであって、補酵素Iのレベルを上げても細胞の機能回復を促すことができない。機能添加物は、鎮痛剤や頭皮抑制剤であってもよく、ハッカ油及び亜鉛ピリチオンを毛髪ケア組成物の機能添加物とすることで目的を達成することができる。ハッカ油は、頭部表皮に接触するときに、使用者にすっきりした感覚を与えて、頭の痒みの不快感を和らげることができる。したがって、使用者は、頭の痒みのために頭部を手で掻き毟ってその最中にその組織及び細胞がダメージを受けるのを防ぐことができる。本発明の具体的な実施態様において、ハッカ油の含有量は、毛髪ケア組成物の総重量に基づき、0.05~0.1重量%であり、好ましくは0.05~0.09重量%であり、より好ましくは0.06~0.08重量%である。亜鉛ピリチオンは抗菌剤であって、グラム陰性菌、グラム陽性菌及びカビの成長を抑制することができ、フケ成分を除去するのに広く用いられ、優れた作用効果を有する。本発明の具体的な実施態様において、亜鉛ピリチオンの含有量は、毛髪ケア組成物の総重量に基づき、0.1~1.5重量%であり、好ましくは0.5~1重量%であり、より好ましくは0.8~1重量%である。
【0048】
本発明のいくつかの実施態様において、毛髪ケア組成物の毛髪ケア製品は、シャンプー、コンディショナー、エッセンス、石鹸、スプレー、クリーム、ヘアワックス、ジェル、ペースト又は何らかの液体若しくは固体から選ばれる少なくとも1つの形態である。したがって、本発明の毛髪ケア製品は、クレンジング、リペア、フケ防止及びヘアスタイルの固定といった他の機能も同時に有することができる。例えば、ニコチンアミドモノヌクレオチドを含有するシャンプーは、クレンジング、つまり、一般的に頭髪上の油脂や臭いを除去する作用効果だけでなく、発泡性も有し、毛髪や頭皮に浸透しやすい。
【0049】
本発明の具体的な実施態様において、シャンプーは、その機能、特性及び恒久性を保つために、水、ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物、界面活性剤、酸度調整剤、香料等を補助剤として含有してもよい。より具体的な実施態様において、水の含有量は、前記シャンプーの総重量に基づき、30重量%~90重量%である。
【0050】
毛髪ケア組成物を含有する製品には、頭髪製品に加えて、眉毛ケア製品、まつ毛ケア製品及び髭ケア製品も含まれる。眉毛ケア製品としては、主に、眉毛ケアローション及び眉毛ケアクリームが挙げられる。眉毛ケアローション及び眉毛ケアクリームは、0.01~3%(w/v)のニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物を主要成分として含有し、これにセージオイル、緑茶エキス、白ミツロウ等の補助剤を加えたものである。まつ毛ケア製品は、まつ毛ケアローションキットであり、まつ毛ブラシでまつ毛ローションをまつ毛部分に塗布し、上下まつ毛部分及びその毛包部分のいずれにも触れるようにする。まつ毛ローションの主要成分もニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物であるが、まつ毛の成長速度は頭髪のそれより遅いため、主要成分を多くしてその成長サイクルを刺激する必要があることから、まつ毛ローション中のニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物は1~10%(w/v)であり、補助剤は、ティーツリーエキス及びシステインである。まつ毛ローションは目の近くで使用することから、まつ毛ローションの成分として目に敏感な物質、揮発性物質及び眼疾患の治療に用いる材料を含有することはできない。まつ毛ケアローションキットの目的は、まつ毛の健康に関心のある使用者、特にまつ毛の成長が遅く、まつ毛が短い使用者にその状況を改善するオプションを与え、眼部の健康ケア、個人の身だしなみのいずれであれ使用者をサポートするものである。髭ケア製品は、髭ケアローション、髭ケアスプレー及び髭ケアクリームである。髭ケア製品は、0.1~2%のニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物を主要成分とし、これにハッカエキス、ゴボウパウダー又はその抽取物、ビタミンA、ビタミンE及びシステイン等を補助剤として配合して、水、0.01~0.05%の低濃度エタノール(v/v)又はミツロウを媒介として液状、スプレー及びペーストにしたものであり、使用者はその好みに応じて選択することができる。髭ケアローション、髭ケアスプレー及び髭ケアクリームの目的は、髭の成長を加速させ、本来の色ツヤ及び毛包の健康を保持又は回復することにあり、その原理は、上記毛髪ケア組成物のそれと一致し、したがって、個人のスタイリングにおいて科学的な健康製品が使用者に提供される。
【0051】
別の側面において、本発明は、ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物を用意するステップと、ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物を安定化させる基礎成分の水溶液を用意するステップと、ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物を前記水溶液と混合してpH値を調節し、毛髪ケア組成物を得るステップとを含む毛髪ケア組成物の調製方法をさらに提供する。ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物を安定化させる基礎成分としては、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン界面活性剤、酸化防止剤、pH緩衝剤及び酸度調整剤のうちの1種又は複数種類が挙げられる。
【0052】
好ましくは、この方法は以下を含む。
(1)1種または複数種の脂肪族アルコールポリエーテル硫酸塩陰イオン界面活性剤を混合し、第1類界面活性剤を得ることと、
(2)1種または複数種のアルキルアシルアミノ酸系両性界面活性剤を混合し、第2類界面活性剤を得ることと、
(3)1種または複数種の陽イオン界面活性剤を混合し、第3類界面活性剤を得ることと、
(4)第1類界面活性剤、第2類界面活性剤及び第3類界面活性剤を混合し、複合界面活性剤を得ることと、
(5)ニコチンアミドモノヌクレオチドを複合界面活性剤に加えて、混合物を得ることと、
(6)アミノ酸系抗酸化剤を混合物に加え、酸度調整剤を用いて混合物のpH値を4.85~7.0として、毛髪ケア組成物を得ることとを含む。
【0053】
より具体的な実施態様において、界面活性剤は、ラウレス硫酸アンモニウム、ココイルグルタミン酸TEA塩及びMIRANOLであってもよい。ここで、ラウレス硫酸アンモニウムの含有量は、前記シャンプーの総重量に基づき、0.2重量%~1.9重量%であり、ココイルグルタミン酸TEA塩の含有量は、前記シャンプーの総重量に基づき、0.1重量%~1.5重量%であり、MIRANOLの含有量は、前記シャンプーの総重量に基づき、0.3重量%~3重量%である。より具体的な実施態様において、酸度調整剤はリン酸二水素カリウムであり、シャンプーのpHは4.5~5.5である。より具体的な実施態様において、香料は有機アロマオイルであってもよく、市場のニーズに応じて異なる香りを選択することができ、有機アロマオイルの含有量は0.1重量%~0.5重量%である。別のより具体的な実施態様において、香料は異なる有機アロマオイルであってもよく、市場のニーズに応じて異なる香りを選択することができ、有機アロマオイルの含有量は0.1重量%~0.5重量%である。より具体的な実施態様において、シャンプーには、遮光剤及び防腐剤等をさらに含んでもよく、これらの成分の含有量はシャンプーの重量の0.05重量%を超えてはならない。
【0054】
本発明の具体的な実施態様において、エッセンスは、主に、毛包細胞内の補酵素I及び還元型補酵素Iのレベルを上げるとともに、頭皮の痒みや炎症状態を緩和するのに用いられて、毛包幹細胞の健康を促進し、その活性を活性化させてATPと乳酸を合成する。したがって、エッセンスの主要成分は、ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物であり、その含有量は、総成分重量の3重量%~25重量%であり、好ましくは5重量%~15重量%であり、より好ましくは8重量%~12重量%である。より具体的な実施態様において、エッセンスの成分は、緑茶エキス、ハッカ油、セージオイル、ゴボウパウダー、ミツロウ及び水等である。また、エッセンスにはアセチルグルタチオン及びグルタチオンをさらに加えてもよい。
【0055】
また、毛髪ケア組成物が外用の毛髪用品であって、製品にニコチンアミドモノヌクレオチドが加えられており、この製品によって毛包及び表皮細胞内の補酵素Iレベルが上昇して老化が防止、リペア、改善又は回復される可能性がある限り、本願の範囲内にあるものとみなされる。
【0056】
以下、シャンプー及びエッセンスを例に、本発明の毛髪ケア組成物の調製について説明する。
シャンプーの調製方法は、以下のとおりである。界面活性剤としてラウレス硫酸アンモニウム、ココイルグルタミン酸TEA塩及びMIRANOLを容器に入れ、これら3種類の界面活性剤の含有量は異なっても等しくてもよく、様々な髪質に適した量とすることができ、3種類の界面活性剤の含有量が等しければ中性髪質向けである。中性髪質を例として挙げると、3種類の界面活性剤の含有量は、シャンプーの総重量に基づき、合計0.1重量%~10重量%であり、好ましくは0.5重量%~10重量%であり、より好ましくは1重量%~10重量%である。界面活性剤及びビタミンを加えた後、まず総重量の80重量%まで純水を加え、さらに酸度調整剤を加える。酸度調整剤は、リン酸二水素カリウム又は他の緩衝剤であってもよく、溶液のpHは、好ましくは4.8~6であり、より好ましくは5~5.5である。pHを4.5~5.5に調節した後、ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物を加えてもよく、ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物の含有量は、シャンプーの総重量に基づき、0.01重量%~25重量%、好ましくは0.1重量%~5重量%であり、より好ましくは0.1重量%~1重量%である。そして、有機アロマオイル、遮光剤、防腐剤等を、これらの成分の総含有量がシャンプー総重量の5%を超えないように加えてもよい。均一に撹拌してから、総量になるまで純水を加えれば使用できる。
【0057】
使用者は、好みの分量のシャンプーを頭部に均一に塗布し、頭部を2~5分間マッサージすることが推奨され、その後きれいにすすぐ。目標とする効果が得られるように、シャンプーは、少なくとも毎日1回使用するとともに継続して使用しなければならない。
エッセンスの調製方法は、以下のとおりである。まず、ゴボウパウダー、緑茶エキス及びニコチンアミドモノヌクレオチドを容器に入れる。ゴボウパウダーの含有量は、エッセンスの総重量に基づき、1重量%~5重量%であり、好ましくは1重量%~4重量%であり、より好ましくは1重量%~2.5重量%である。緑茶エキスの含有量は、エッセンスの総重量に基づき、1重量%~5重量%であり、好ましくは2重量%~4重量%であり、より好ましくは2重量%~2.5重量%である。ニコチンアミドモノヌクレオチドの含有量は、エッセンスの総重量に基づき、3重量%~25重量%であり、好ましくは5重量%~15重量%であり、より好ましくは8重量%~12重量%であり、補助剤として、シアル酸、テアニン、グリチルリチン酸、グルタチオン及びS-アセチル-L-グルタチオンを加える。そして、総重量の80%まで純水を加えてから、pHが5~5.2になるまで酸度調整剤であるリン酸二水素カリウムを加え、均一に撹拌する。上記溶液中にハッカ油及びセージオイルをそれぞれ加える。ハッカ油の含有量は、エッセンスの総重量に基づき、0.1重量%~1.5重量%であり、好ましくは0.1重量%~1.2重量%であり、より好ましくは0.1重量%~1重量%である。セージオイルの含有量は、エッセンスの総重量に基づき、0.1重量%~1.5重量%であり、好ましくは0.1重量%~1.2重量%であり、より好ましくは0.1重量%~1重量%である。最後に、62~65℃に熱溶解された白ミツロウを総量の0.1%加え、所定の分量になるまで純水を加え、完全に溶解するまで撹拌する。
【0058】
使用者は、洗髪後に、エッセンス5~10mlを頭皮及び毛根の位置に直接塗布し、頭部を手で軽くマッサージしてエッセンスを頭皮に均一に分散させ、エッセンスが完全に吸収されるまで待てばよい。目標とする効果が得られるように、エッセンスは、少なくとも毎日1回使用するとともに継続して使用しなければならない。
【0059】
以下、実施例により本発明の内容をさらに説明するが、これらの実施例は本発明の保護範囲を限定するものと理解してはならない。
【0060】
実施例
以下の実施例において具体的な条件を明記しないものは、通常の条件又はメーカーが推奨する条件で行った。
以下、実施例で用いた材料及び装置について説明する。
ニコチンアミドモノヌクレオチド:GeneHarbor(Hong Kong) Biotechnologies Ltdより入手。
ラウレス硫酸アンモニウム:済寧百川化工有限公司より入手。
ココイルグルタミン酸TEA塩:北京霊宝科技有限公司より入手。
MIRANOL:蘇州源太潤化工有限公司より入手。
ゴボウパウダー:興化市宏升食品有限公司より入手。
緑茶エキス:陜西横嶺天然生物制品有限公司より入手。
ハッカ油:江西吉平天然植物油有限公司より入手。
セージオイル:深セン奥斯汀貿易有限公司より入手。
リン酸二水素カリウム:江蘇紫東食品有限公司より入手。
白ミツロウ:広州日油科技有限公司より入手。
S-アセチル-L-グルタチオン:GeneHarbor(Hong Kong) Biotechnologies Ltdより入手。
グルタチオン:GeneHarbor (Hong Kong)Biotechnologies Ltdより入手。
テアニン:Merck,USAより入手。
シアル酸:Merck,USAより入手。
グリチルリチン酸:Merck,USAより入手。
小型ミキサー(LIAEBO LSJB120):江蘇常州で入手。
pHメーター(雷磁PHB-4):上海で入手。
【0061】
例1:ニコチンアミドモノヌクレオチドを含有する中性髪質用シャンプー
ニコチンアミドモノヌクレオチドを含有する中性髪質用シャンプーを500ml作製した。水250ml、ラウレス硫酸アンモニウム25g、ココイルグルタミン酸TEA塩25g、MIRANOL1g、ビタミンC50gを加え、総量が400mlになるまで純水を加え、完全に均一になるまで小型ミキサーを用いて約100rpmの速度で15分間撹拌し、pHメーター(雷磁PHB-4、上海)を用いて溶液のpHを測定し、リン酸二水素カリウムを用いてpH5.5に調節した。そして、ニコチンアミドモノヌクレオチド5gを加え、総量が500mlになるまで純水を加え、完全に均一になるまで撹拌した。
【0062】
例2:ニコチンアミドモノヌクレオチドを含有する乾燥髪質用シャンプー
ニコチンアミドモノヌクレオチドを含有する乾燥髪質用シャンプーを500ml作製した。水250ml、ラウレス硫酸アンモニウム40g、ココイルグルタミン酸TEA塩10g、ビタミンC50gを加え、総量が400mlになるまで純水を加え、完全に均一になるまで小型ミキサーを用いて約100rpmの速度で15分間撹拌し、pHメーター(雷磁PHB-4、上海)を用いて溶液のpHを測定し、リン酸二水素カリウムを用いてpH5.5に調節した。そして、ニコチンアミドモノヌクレオチド5gを加え、総量が500mlになるまで純水を加え、完全に均一になるまで撹拌した。
【0063】
例3:ニコチンアミドモノヌクレオチドを含有する脂性髪質用シャンプー
ニコチンアミドモノヌクレオチドを含有する脂性髪質用シャンプーを500ml作製した。水250ml、ラウレス硫酸アンモニウム10g、ココイルグルタミン酸TEA塩40g、ビタミンC50gを加え、総量が400mlになるまで純水を加え、完全に均一になるまで小型ミキサーを用いて約100rpmの速度で15分間撹拌し、pHメーター(雷磁PHB-4、上海)を用いて溶液のpHを測定し、リン酸二水素カリウムを用いてpH5.5に調節した。そして、ニコチンアミドモノヌクレオチド5gを加え、総量が500mlになるまで純水を加え、完全に均一になるまで撹拌した。
【0064】
例4:ニコチンアミドモノヌクレオチドを含有するヘアエッセンス
ニコチンアミドモノヌクレオチドを含有するヘアエッセンスを50ml作製した。水25mlを加えるとともに、ゴボウパウダー0.5g、シアル酸0.4g、グルタチオン0.2g、S-アセチル-L-グルタチオン0.05g、テアニン0.1g、グリチルリチン酸0.2g、緑茶エキス0.5g、ビタミンC5g及びニコチンアミドモノヌクレオチド5gを順に加えた。続いて、総量が35mlになるまで純水を加え、完全に均一になるまで小型ミキサーを用いて約100rpmの速度で15分間撹拌し、ラウレス硫酸アンモニウム0.5gを加え、pHメーターを用いて溶液のpHを測定し、リン酸二水素カリウムを用いてpH5.5に調節した。そして、ハッカ油500ul、セージオイル500ulを加え、撹拌しながら、62~65℃に加熱した白ミツロウを5回に分け、総量を0.1gとして加えた。ミキサーを用いて250rpmの速度で15分間、完全に溶解するまで撹拌して完成とした。
【0065】
例5:ニコチンアミドモノヌクレオチドを含有する痒み止め機能性シャンプー
ニコチンアミドモノヌクレオチドを含有する痒み止め機能性シャンプーを500ml作製した。水250ml、ラウレス硫酸アンモニウム25g、ココイルグルタミン酸TEA塩25g、ビタミンC50gを加え、総量が400mlになるまで純水を加え、完全に均一になるまで小型ミキサーを用いて約100rpmの速度で15分間撹拌し、pHメーターで溶液のpHを測定し、リン酸二水素カリウムを用いてpH5.5に調節した。そして、ニコチンアミドモノヌクレオチド2.5g及びハッカ油2.5mlを加えて完全に均一になるまで約100rpmの速度で15分間撹拌し、総量が500mlになるまで純水を加え、完全に均一になるまで撹拌した。
【0066】
例6:ニコチンアミドモノヌクレオチドを含有するフケ除去機能性シャンプー
ニコチンアミドモノヌクレオチドを含有するフケ除去機能性シャンプーを500ml作製した。水250ml、ラウレス硫酸アンモニウム25g、ココイルグルタミン酸TEA塩25g、ビタミンC50g及び亜鉛ピリチオン5gを加え、総量が400mlになるまで純水を加え、完全に均一になるまで小型ミキサーを用いて約100rpmの速度で15分間撹拌し、pHメーターで溶液のpHを測定し、リン酸二水素カリウムを用いてpH5.5に調節した。そして、ニコチンアミドモノヌクレオチド2.5gを加え、総量が500mlになるまで純水を加え、完全に均一になるまで撹拌した。
【0067】
例7:ニコチンアミドモノヌクレオチドを含有する多機能性シャンプー
ニコチンアミドモノヌクレオチドを含有する多機能性シャンプーは、痒み止め及びフケ除去機能を併せ持つ製品である。ニコチンアミドモノヌクレオチドを含有する多機能性シャンプーを500ml作製した。水250ml、ラウレス硫酸アンモニウム25g、ココイルグルタミン酸TEA塩25g、ビタミンC50g及び亜鉛ピリチオン5gを加え、総量が400mlになるまで純水を加え、完全に均一になるまで小型ミキサーを用いて約100rpmの速度で15分間撹拌し、pHメーターで溶液のpHを測定し、リン酸二水素カリウムを用いてpH5.5に調節した。そして、ニコチンアミドモノヌクレオチド2.5g及びハッカ油2.5mlを加えて完全に均一になるまで約100rpmの速度で15分間撹拌し、総量が500mlになるまで純水を加え、完全に均一になるまで撹拌した。
【0068】
例8:ニコチンアミドモノヌクレオチドを含有する眉毛ケアローション
ニコチンアミドモノヌクレオチドを含有する眉毛ケアローション50mlを調製する方法として、まずニコチンアミドモノヌクレオチド0.5gを加えてから、緑茶エキス0.5gを加え、20mlの純水で完全に溶解するまで材料を撹拌した。配合材料として、1.システイン塩酸塩0.25g、2.ビタミンC0.25g、3.ビタミンE0.1g、4.セージオイル0.5ml、5.クエン酸ナトリウム0.05g、6.クエン酸0.1g、7.ココイルアミノ酸塩0.05gをこの順序及び分量で加え、撹拌を続けた。完全に溶解するまで撹拌してから50mlになるまで純水を加え、pHメーターでそのpH値を測定した。眉毛ケアローションのpH値は、4.75~5とする必要があり、眉毛ケアローションのpHを調節するのに、1Mクエン酸ナトリウム溶液又は1Mクエン酸溶液を用いてもよい。眉毛ケアローションの使用方法としては、朝晩に約1mlの液を指先に乗せてから眉毛及び目の周囲に軽く塗布し、完全に吸収されるまで眉毛ケアローションを前後になぞる。
【0069】
例9:ニコチンアミドモノヌクレオチドを含有する眉毛ケアクリーム
ニコチンアミドモノヌクレオチドを含有する眉毛ケアクリーム50gを調製する方法として、まずニコチンアミドモノヌクレオチド0.5gを加えてから、緑茶エキス0.5gを加え、20mlの純水で完全に溶解するまで材料を撹拌した。配合材料として、1.システイン塩酸塩0.25g、2.ビタミンC0.25g、3.ビタミンE0.1g、4.セージオイル0.5ml、5.クエン酸ナトリウム0.05g、6.クエン酸0.1g、7.ココイルアミノ酸塩0.05gをこの順序及び分量で加え、撹拌を続けた。完全に溶解するまで撹拌してから45mlになるまで純水を加え、pHメーターでそのpH値を測定した。溶液のpH値は、4.75~5とする必要があり、溶液のpHを調節するのに、1Mクエン酸ナトリウム溶液又は1Mクエン酸溶液を用いてもよい。そして、撹拌しながら、62~65℃に加熱した白ミツロウ合計2gを少量ずつ加えて、溶液を液状から徐々に固体状のペーストにした。眉毛ケアクリームの使用方法としては、朝晩に少量を指先に乗せてから眉毛及び目の周囲に軽く塗布し、完全に吸収されるまで眉毛ケアクリームを前後になぞる。
【0070】
例10:ニコチンアミドモノヌクレオチドを含有するまつ毛ケアローションキット
ニコチンアミドモノヌクレオチドを含有するまつ毛ケアローション50mlを調製する方法として、まずニコチンアミドモノヌクレオチド5g、ティーツリーエキス1g、緑茶エキス1g、L‐システイン塩酸塩0.5g、ビタミンC0.5g及びビタミンD0.1gを加え、純水40mlを加え撹拌して完全に溶解させてからpHメーターで測定し、0.5MのNaOHにより溶液をpH6.75~7に調整し、0.22uMの濾過膜で濾過し完成させた。使用に際して、使用者は、まつ毛ケアローション約1~2mlをブラシでまつ毛に塗り、まつ毛の部位によって完全に吸収されるまで瞼の位置に沿ってなぞり、朝晩使用することが推奨される。
【0071】
例11:ニコチンアミドモノヌクレオチドを含有する髭ケアローション
髭ケアローション50mlを調製する方法として、まずニコチンアミドモノヌクレオチド0.5g、ゴボウパウダー0.1g、ビタミンA0.08g、ビタミンE0.05g、L‐システイン塩酸塩0.1gを加え、純水40mlを加え撹拌して完全に溶解させてからpHメーターで測定し、1MのNaOHにより溶液のpH値を5.25~5.5に調整した。調節後、グリセレスココエート0.01g及び無水エタノール0.05mlを加え、完全に溶解するまで撹拌して完成させた。使用者は、朝晩使用し、髭が生えている箇所にケアローション1~2mlを塗って軽くマッサージし、ケアローションが皮膚に完全に吸収されればよい。
【0072】
例12:ニコチンアミドモノヌクレオチドを含有する髭ケアクリーム
髭ケアクリーム50gを調製する方法として、まずニコチンアミドモノヌクレオチド0.5g、ゴボウパウダー0.1g、ビタミンA0.08g、ビタミンE0.05g、L‐システイン塩酸塩0.1gを加え、純水40mlを加え撹拌して完全に溶解させてからpHメーターで測定し、1MのNaOHにより溶液のpH値を5.25~5.5に調整した。調節を終えてから、グリセレスココエート0.01gを加え、完全に溶解するまで撹拌してから、60~65℃で予熱した白ミツロウ1gを少量ずつ加えて撹拌を続け、時間とともに溶液を徐々に固体状にし、クリームになったところで完成とした。使用者は、朝晩使用し、髭が生えている箇所にケアクリームを少量塗り、皮膚に吸収されるまで繰り返しマッサージする。
【0073】
例13:シャンプーの原液(ニコチンアミドモノヌクレオチドを加えないもの)
シャンプーの原液を500ml作製した。水250ml、ラウレス硫酸アンモニウム25g、ココイルグルタミン酸TEA塩25g及びビタミンC50gを加え、総量が400mlになるまで純水を加え、完全に均一になるまで小型ミキサーを用いて約100rpmの速度で15分間撹拌し、pHメーターで溶液のpHを測定し、リン酸二水素カリウムを用いてpH5.5に調節し、総量が500mlになるまで純水を加え完全に均一になるまで撹拌した。
【0074】
例14:ヘアエッセンスの原液(ニコチンアミドモノヌクレオチドを加えないもの)
ヘアエッセンスの原液50mlを作製した。水25mlを加えるとともに、ゴボウパウダー0.5g、シアル酸0.4g、グルタチオン0.2g、S-アセチル-L-グルタチオン0.05g、テアニン0.1g、グリチルリチン酸0.2g、緑茶エキス0.5g及びビタミンC5gを順に加えた。続いて、総量が35mlになるまで純水を加え、完全に均一になるまで小型ミキサーを用いて約100rpmの速度で15分間撹拌し、ラウレス硫酸アンモニウム0.5gを加え、pHメーターを用いて溶液のpHを測定し、リン酸二水素カリウムを用いてpH5.5に調節した。そして、ハッカ油500ul、セージオイル500ulを加え、撹拌しながら、62~65℃に加熱した白ミツロウを5回に分け、総量0.1gとして加えた。ミキサーを用いて250rpmの速度で15分間、完全に溶解するまで撹拌を行った。
【0075】
例15:(比較例、酸化防止剤を加えたもの)
実施例5の溶解液を500ml作製した。水250ml及びビタミンC50gを加え、総量が400mlになるまで純水を加え、完全に均一になるまで小型ミキサーを用いて約100rpmの速度で15分間撹拌し、pHメーターで溶液のpHを測定し、リン酸二水素カリウム及びリン酸水素二カリウムを用いてpH5.5に調節した。そして、ニコチンアミドモノヌクレオチド5gを加え、総量が500mlになるまで純水を加え、完全に均一になるまで撹拌した。
【0076】
例16:(比較例、低ドーズの界面活性剤を加えたもの)
シャンプーの原液500mlを作製した。水250ml、ラウレス硫酸アンモニウム0.25g、ココイルグルタミン酸TEA塩0.25g及びビタミンC50gを加え、総量が400mlになるまで純水を加え、完全に均一になるまで小型ミキサーを用いて約100rpmの速度で15分間撹拌し、pHメーターで溶液のpHを測定し、リン酸二水素カリウムを用いてpH5.5に調節した。そして、ニコチンアミドモノヌクレオチド5gを加え、総量が500mlになるまで純水を加え、完全に均一になるまで撹拌した。
【0077】
試験1-ニコチンアミドモノヌクレオチドを含有するシャンプーと対照群シャンプーの効果の比較
年齢が50歳以上の男性被験者16名及び女性被験者16名を募った。研究者は、試験前に参加者の頭髪の色、成長速度、フケの状況及び頭髪の分布を評価して点数をつけ(表1~4、方法表11)、過去1年間に染毛、パーマ及びマイナスイオンヘアトリートメントをしていないことを確認した。また、参加者は、研究を実施する90日間に上記関連事項を行わないこと、ヘアカットやケアを行わなければならない場合、再評価を含め相応の手はずが必要となるため、プロジェクト担当者と連絡をとる必要があることを承諾した。
【0078】
2回に分けて性別毎に研究を行い、二重盲検試験によって、研究者が上記例1又は例13によって調製したシャンプーをランダムに配布した。研究において、参加者は少なくとも24時間に1回、指定されたシャンプーで洗髪することが求められた。洗髪にあたっては1回あたりシャンプー2~5mlを使い、シャンプーと泡を同時に頭部に少なくとも2分間留めた後、温水できれいにすすいだ。30日毎に被験者に対し評価を行い、全試験期間は90日とした。下表5~6に試験結果を示す。
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
【0081】
【表3】
【0082】
【表4】
【0083】
【表5】
【0084】
【表6】
【0085】
試験2-ニコチンアミドモノヌクレオチドを含有するヘアエッセンスと対照群ヘアエッセンスの効果の比較
それぞれ、例4に従ってニコチンアミドモノヌクレオチドを含有するヘアエッセンスを調製し、例14に従ってヘアエッセンスの原液を調製した。男性被験者8名及び女性被験者8名を参加者として募り、研究対象とした。参加者は、健康で年齢50歳以上であるものとした。研究者は、試験前に参加者の頭髪の色、成長速度、フケの状況及び頭髪の分布を評価して点数をつけ(表1~4を参照可能)、過去1年間に染毛、パーマ及びマイナスイオンヘアトリートメント、又は頭髪の成長に影響する何らかの事項(手術や治療等を含む)をしていないことを確認した。また、参加者は、研究を実施する90日間に上記関連事項を行わないこと、ヘアカットやケアを行わなければならない場合、再評価を含め相応の手はずが必要となるため、プロジェクト担当者と連絡をとる必要があることを承諾した。
【0086】
2回に分けて性別毎に研究を行い、二重盲検試験によって、研究者が上記例4に従って調整されたニコチンアミドモノヌクレオチドを含有するヘアエッセンス又は例14に従って調製されたヘアエッセンスの原液をランダムに配布した。研究者は、毎日2回使用することを求め、朝晩洗髪後に、ドライヤーを使わず乾いたタオルだけで毛髪を乾燥させてからヘアエッセンス5~10mlをすぐに頭皮に塗布してマッサージして均一に分散させ、ヘアエッセンスが頭皮に完全に吸収されるまで、この動作を少なくとも5分間行うよう指示した。被験者に対し、研究開始前、及び開始後30日毎に評価を行い、全研究期間は90日とした。下表7~9及び図3~4に試験結果を示す。
【0087】
【表7】
【0088】
【表8】
【0089】
さらに、女性被験者の頭髪の成長状況を写真にとり、頭髪の成長密度を計算した。結果は、図3(a)~(d)、図4及び表9を参照。図3(a)~(d)は、例4のニコチンアミドモノヌクレオチドを含有するヘアエッセンスを使用した女性被験者の各日数における頭髪の成長状況をそれぞれ示した写真である。具体的には、これらの写真は、女性被験者のヘアエッセンスを使用して90日以内の効果を実証するものとなった。赤線は頭髪の分け目であり、生え際の平均間隔は、Adobe Photoshop CSソフトウェアを使用して分け目線に6つの点をとって両側の頭髪を測った距離であり、距離が大きければ頭髪の分布が疎、距離が小さければ頭髪の分布が密であるとみなすことができる。
また、表9は、例4のニコチンアミドモノヌクレオチドを含有するヘアエッセンスを使用した女性被験者の各日数における生え際の平均間隔を示したものである。図4は、例4のニコチンアミドモノヌクレオチドを含有するヘアエッセンスを使用した女性被験者の生え際の平均頭髪間隔の日数に伴う変化を示したものである。
【0090】
【表9】
【0091】
試験3:ニコチンアミドモノヌクレオチドの安定性試験
ニコチンアミドモノヌクレオチド水溶液(純水500ml中にニコチンアミドモノヌクレオチド2.5gを溶解したもの)、例1、例15及び例16を用いて、ニコチンアミドモノヌクレオチドの安定性を比較する試験を行った。具体的には、それぞれに一般状態(温度22℃及び湿度65%)及び加速状態(温度37℃及び湿度85%)にサンプルを置いて行った。高速液体クロマトグラフィー法で試験期間を30日とする研究を毎日行って、各群におけるニコチンアミドモノヌクレオチドの安定性を観察した。安定性の結果は、図1及び図2を、試験方法及び機器については表10を参照可能である。
【0092】
【表10】
【0093】
対照例1:経口ニコチンアミドモノヌクレオチドサプリメントのみを使用した場合
被験者は、毎日朝食後に、経口ニコチンアミドモノヌクレオチドサプリメント(GeneHarbor(Hong Kong) Biotechnologies Ltdより入手:品名-NMN9000)を2カプセル計300mg服用し、3カ月後にアンケート調査を行って、その身体の健康状態、毛髪の成長速度、毛髪の色の変化及び新たに生えた毛髪の数量を評価した。被験者のフィードバックによれば、精神状態、体力、睡眠の質及び肌のいずれも顕著な改善を示した。具体的には、被験者は、その深睡眠時間がやや長くなり、運動能力が高くなり、回復速度が速まり、過去3カ月間に身体に軽い病気や症状が何もなかったとした。また、高齢者によく見られる口の渇き、のぼせ、断続的な心の不快感、悪寒発熱も大幅に軽減され、個人的な感じとして聴力、視力とも改善され、以前より敏感になったという。試験中、研究者は、被験者の後頭部の首の近くに黒い毛髪が一握り生えたことを発見し、3カ月前には同じ位置が白髪であったのとは大きな違いであった。毛髪の成長速度、毛髪の色の変化及び新たに生えた毛髪を比較すると、3カ月前より若干改良されたが、ニコチンアミドモノヌクレオチドを含有する中性髪質用シャンプー及びニコチンアミドモノヌクレオチドを含有するヘアエッセンスを使用した場合より効果が遅かった。被験者は、服用後、毛髪の脱落が減ったことが最も顕著な効果であり、頭皮の痒み及びフケも著しく減少したとした。
【0094】
対照例2:ニコチンアミドモノヌクレオチドサプリメントの服用と、ニコチンアミドモノヌクレオチドを含有するヘアエッセンスを併用した場合
被験者は、毎日朝食後に、経口ニコチンアミドモノヌクレオチドサプリメント(GeneHarbor(Hong Kong) Biotechnologies Ltdより入手:品名-NMN9000)を2カプセル計300mg服用したとともに、毎日洗髪後にヘアエッセンス5mlを使用し、3カ月後にアンケート調査を行って、その身体の健康状態、毛髪の成長速度、毛髪の色の変化及び新たに生えた毛髪の数量を評価した。被験者の報告によれば、身体の状態が以前より著しく改善され、即ち、以前より体力が増し、最も顕著だったのは、山登りや階段を上がる際に、息切れや疲れが出ず、肌にハリが出たことであった。睡眠時間は以前より短くなったが、目覚めた後もエネルギーに満ちており、なかなか起きられなかったり二度寝したりといった状況はなかった。不眠と頻尿の回数がやや減少し、生活の質が少なからず改善された。毛髪の成長速度、毛髪の色の変化及び新たに生えた毛髪を比較すると、3カ月前と比べて違いは顕著であり、特に使用前は1かたまりの白髪だった箇所に黒髪が目立って生えており、毛髪の20%前後を占めるようになった。研究者は、白髪と黒髪を10本ずつ取って電子顕微鏡で詳細に研究し、以下のようにまとめた。
【0095】
【表11】
【0096】
経口ニコチンアミドモノヌクレオチドサプリメントを服用しただけの場合と比べ、この被験者の毛髪の成長状況は一層顕著であった上、生えてきた毛髪は黒いものの方が多かった。
なお、本発明の適用範囲は上記実施例に限定されるものではない。当業者であれば、上記説明に基づいて改良又は置換を行うことができ、それらもすべて本発明に添付される特許請求の範囲の保護範囲にある。
【0097】
【表12】
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2022-09-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物、及びニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物を安定化させる基礎成分を含有する毛髪ケア組成物であり、
ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物を安定化させる前記基礎成分が、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤、酸化防止剤及び酸度調整剤を含み、かつ、
前記両性界面活性剤が、アルキルアミノ酸型両性界面活性剤又はアルキル両性カルボン酸塩を含む
ことを特徴とする毛髪ケア組成物。
【請求項2】
前記ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物は、固体状、液状又は霧状である
ことを特徴とする請求項1に記載の毛髪ケア組成物。
【請求項3】
前記毛髪ケア組成物の形態は、シャンプー、コンディショナー、エッセンス、石鹸、スプレー、クリーム、ヘアワックス、ジェル及びペーストのうちのいずれかである
ことを特徴とする請求項1に記載の毛髪ケア組成物。
【請求項4】
前記毛髪ケア組成物を含有する製品は、眉毛ケア製品、まつ毛ケア製品及び髭ケア製品のいずれかである
ことを特徴とする請求項1に記載の毛髪ケア組成物。
【請求項5】
前記基礎成分は、シアル酸、テアニン、β-カロチン及びリン酸ナトリウムから選ばれる1種または複数種を含有し、ニコチンアミドモノヌクレオチドが液状又は霧状であるときに分解されるのを防止する
ことを特徴とする請求項1に記載の毛髪ケア組成物。
【請求項6】
ニコチンアミドモノヌクレオチドで換算して、前記ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物は、前記毛髪ケア組成物の総重量の0.01重量%~25重量%を占め、好ましくは毛髪ケア組成物の総重量の0.1重量%~20重量%を占め、より好ましくは毛髪ケア組成物の総重量の0.1重量%~15重量%を占める
ことを特徴とする請求項1に記載の毛髪ケア組成物。
【請求項7】
水をさらに含有し、
任意に、水の含有量は、前記毛髪ケア組成物の総重量に基づき、50~95重量%であり、好ましくは60~92重量%であり、より好ましくは65~90重量%である
ことを特徴とする請求項1に記載の毛髪ケア組成物。
【請求項8】
前記毛髪ケア組成物の総重量に対し、
前記陰イオン界面活性剤の含有量は、15~65重量%であり、好ましくは25~45重量%であり、より好ましくは30~40重量%であり、
任意に、前記両性界面活性剤の含有量は、1~15重量%であり、好ましくは1.5~8重量%であり、より好ましくは2~7重量%であり、
任意に、前記陽イオン界面活性剤の含有量は、0.01~0.09重量%であり、好ましくは0.02~0.08重量%であり、より好ましくは0.03~0.08重量%であり、
任意に、前記酸化防止剤の含有量は、0.5~3重量%であり、好ましくは0.9~2.5重量%であり、より好ましくは1.5~2重量%であり、
任意に、前記酸度調整剤の含有量は、0.05~1重量%であり、好ましくは0.2~0.85重量%であり、より好ましくは0.3~0.7重量%であり、
任意に、前記pH緩衝剤の含有量は、1~3重量%であり、好ましくは1.5~2.5重量%であり、より好ましくは2~2.5重量%である
ことを特徴とする請求項に記載の毛髪ケア組成物。
【請求項9】
前記陰イオン界面活性剤は、ラウレス硫酸エステルナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ココイルメチルタウリンナトリウム、ラウレス-5 カルボン酸、ラウリルグルコースカルボン酸ナトリウム及びその混合物から選ばれる少なくとも1つをさらに含む
ことを特徴とする請求項又はに記載の毛髪ケア組成物。
【請求項10】
前記両性界面活性剤は、コカミドプロピルベタイン、コカミドモノエタノールアミン、ラウリルグルコシド、ココイルメチルデキストラン又はその混合物のうちの少なくとも1つをさらに含む
ことを特徴とする請求項又はに記載の毛髪ケア組成物。
【請求項11】
陽イオン界面活性剤、非イオン性界面活性剤、又はpH緩衝剤をさらに含み、
前記陽イオン界面活性剤は、ポリクオタニウム-10、グアーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド又はその混合物から選ばれる少なくとも1つであり、
又は、前記酸化防止剤は、L-システイン、DL-メチオニン、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、フィチン酸ナトリウム又はその混合物から選ばれる少なくとも1つであり、
又は、前記酸度調整剤は、クエン酸、シュウ酸、乳酸、塩酸又はその混合物から選ばれる少なくとも1つである
ことを特徴とする請求項又はに記載の毛髪ケア組成物。
【請求項12】
前記眉毛ケア製品は、眉毛ケアローション、眉毛ケアスプレー及び眉毛ケアクリームであり、
前記まつ毛ケア製品は、まつ毛ケアローションキットであり、
前記髭ケア製品は、髭ケアローション、髭ケアスプレー及び髭ケアクリームである
ことを特徴とする請求項に記載の毛髪ケア組成物。
【請求項13】
毛髪ケア組成物の外観、質感、香り及び使用者体験を優れたものにするための機能性添加剤をさらに含有し、
前記機能性添加剤は、増感剤、増泡剤、香料、機能性補助剤又はその任意の組み合わせから選ばれる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の毛髪ケア組成物。
【請求項14】
ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物を用意するステップと、
液状又は気体状におけるニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物を安定化させる基礎成分の水溶液を用意するステップと、
ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物を前記水溶液と混合してpH値を調節し、毛髪ケア組成物を得るステップとを含む毛髪ケア組成物の調製方法であり、
ニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物を安定化させる前記基礎成分が、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤、酸化防止剤及び酸度調整剤を含み、かつ、
前記両性界面活性剤が、アルキルアミノ酸型両性界面活性剤又はアルキル両性カルボン酸塩を含む
ことを特徴とする毛髪ケア組成物の調製方法。
【請求項15】
液状又は気体状におけるニコチンアミドモノヌクレオチド、その塩又はその水和物を安定化させる前記基礎成分が、陽イオン界面活性剤、非イオン性界面活性剤及びpH緩衝剤のうちの1種又は複数種類を含む
ことを特徴とする請求項14に記載の毛髪ケア組成物の調製方法。
【請求項16】
(1)1種または複数種の陰イオン界面活性剤を混合し、第1類界面活性剤を得ることと、
(2)1種または複数種の両性界面活性剤を混合し、第2類界面活性剤を得ることと、
(3)任意で、1種または複数種の陽イオン界面活性剤を混合し、第3類界面活性剤を得ることと、
(4)第1類界面活性剤、第2類界面活性剤及び任意の第3類界面活性剤を混合し、複合界面活性剤を得ることと、
(5)ニコチンアミドモノヌクレオチドを複合界面活性剤に加えて、混合物を得ることと、
(6)pH緩衝剤を混合物に加え、酸度調整剤を用いて混合物のpH値を4.85~7.0として、毛髪ケア組成物を得ることと、
(7)混合物に酸化防止剤を加えて毛髪ケア組成物を得ることとを含む
ことを特徴とする請求項15に記載の毛髪ケア組成物の調製方法。
【国際調査報告】