(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-26
(54)【発明の名称】コンベヤベルトおよび関連スプライスを添え継ぎするための追加フレーム
(51)【国際特許分類】
F16G 3/08 20060101AFI20230419BHJP
B65G 15/30 20060101ALI20230419BHJP
【FI】
F16G3/08
B65G15/30 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022549082
(86)(22)【出願日】2021-03-19
(85)【翻訳文提出日】2022-08-24
(86)【国際出願番号】 EP2021057163
(87)【国際公開番号】W WO2021186075
(87)【国際公開日】2021-09-23
(32)【優先日】2020-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520298581
【氏名又は名称】エフピー ビジネス インベスト
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】タヴェルニエ,バーナード
(72)【発明者】
【氏名】ギュメ,フレデリック
【テーマコード(参考)】
3F024
【Fターム(参考)】
3F024AA04
3F024BA01
3F024CA01
(57)【要約】
発明は、ケーブル(4)を含む補強材(3)がその内部に収容されている、可撓性材料で作られた本体(2)を備えるタイプのコンベヤベルト(1)の少なくとも第1の端部部分(11)に取り付けられることが意図されたスプライス(10)フレーム(20)であって、フレーム(20)は、コンベヤベルト(1)に関して少なくとも部分的に横断方向に延在するように構成された少なくとも1つの本体を有する保持部材と、ケーブル(4)の少なくとも一部と係合して、保持部材の本体をコンベヤベルト(1)の第1の端部部分(11)に固定するように構成されたアンカ部材とを備え、保持部材は、添え継ぎデバイス(100)とコンベヤベルト(1)との間に張力が加えられるときに、コンベヤベルト(1)の第1の端部部分(11)を第2の端部部分(12)と添え継ぎするように意図された添え継ぎデバイス(100)の固定手段(110)を保持するための保持インターフェースを備えることを特徴とする、スプライス(10)フレーム(20)に関する。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブル(4)を含む補強材(3)がその内部に収容されている、可撓性材料で作られた本体(2)を備えるタイプのコンベヤベルト(1)の少なくとも第1の端部部分(11)に取り付けられることが意図されたスプライス(10)フレーム(20)であって、前記フレーム(20)は、前記コンベヤベルト(1)に関して少なくとも部分的に横断方向に延在するように構成された少なくとも1つの本体(31)を有する保持部材(30)と、前記第1の端部部分(11)の厚さを通して前記ケーブル(4)の少なくとも一部と係合して、前記保持部材の前記本体(31)を前記コンベヤベルト(1)の前記第1の端部部分(11)に固定するように構成されたアンカ部材(40)とを備え、前記保持部材(30)は、前記コンベヤベルト(1)の前記第1の端部部分(11)を第2の端部部分(12)と添え継ぎするように意図された添え継ぎデバイス(100)の固定手段(110)を保持するための保持インターフェース(32)であって、前記第1および第2の端部部分(11、12)が、前記固定手段(110)によって一緒に固定された前記添え継ぎデバイス(100)の2つの添え継ぎプレート(101、102)間に配置されたときに保持する、保持インターフェース(32)を備え、前記保持インターフェース(32)は、前記添え継ぎデバイス(100)と前記コンベヤベルト(1)との間に張力が加えられるときに、前記固定手段(110)を保持するように構成されていることを特徴とする、スプライス(10)フレーム(20)。
【請求項2】
前記アンカ部材(40)は各々、前記第1の端部部分(11)を通過するように構成されたシャフトを備えることを特徴とする、請求項1に記載のスプライス(10)フレーム(20)。
【請求項3】
前記保持部材(30)のうちの少なくともいくつかの前記保持インターフェース(32)は、前記保持部材(30)の前記本体(31)によって支持されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のスプライス(10)フレーム(20)。
【請求項4】
前記保持部材(30)うちの少なくとも複数が、前記コンベヤベルト(1)に関して横断方向に延在することが意図された軸(Y’)に沿って一緒に接続されていることを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載のスプライス(10)フレーム(20)。
【請求項5】
前記コンベヤベルト(1)の前記第1の端部部分(11)および前記第2の端部部分(12)の側面の少なくとも一部を覆うように構成された少なくとも1つの支持プレート(21、22)を備え、前記支持プレート(21、22)は、所定の、例えば千鳥格子のパターンで配置された複数の保持部材(30)のうちの少なくともいくつかを備えることを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載のスプライス(10)フレーム(20)。
【請求項6】
保持部材(30)の2つのアンカ部材(40)を分離する距離(d)が、前記コンベヤベルト(1)の前記第1の端部部分(11)の2本のケーブル(4)を分離する距離に対応するように構成されていることを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載のスプライス(10)フレーム(20)。
【請求項7】
前記保持部材(30)のうちの少なくともいくつかの前記アンカ部材(40)のうちの少なくともいくつかが、関連付けられた本体(31)の延長部に位置するアンカタブ(33)を有するスタッドを備え、各スタッドは、好ましくは、一体品に形成されていることを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載のスプライス(10)フレーム(20)。
【請求項8】
前記保持部材(30)の前記本体(31)は、前記アンカ部材(40)によって一緒に接続された上方部品(34、34’)および/または下方部品(35、35’)を備え、前記保持部材(30)の前記本体(31)の前記下方および/または上方の部品(34、35)は、その厚さ(e)に従い、前記コンベヤベルト(1)の前記第1の端部部分(11)の一方の側または他方の側から来ることが意図されていることを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載のスプライス(10)フレーム(20)。
【請求項9】
前記保持部材(30)の前記本体(31)の前記上方部品および前記下方部品(34、35)によって構成される前記2つの部品のうちの第1のものは、前記アンカ部材(40)のうちの1つのヘッド(41)を受容するのに好適な、さら穴などの、少なくとも1つの凹部(310)を備えることと、前記2つの部品(34、35)のうちの第2のものは、前記アンカ部材(40)のアンカ部分(42)が協働するのに好適である、ねじ孔などの、少なくとも1つのアンカインターフェース(311)を備えることと、を特徴とする、請求項8に記載のスプライス(10)フレーム(20)。
【請求項10】
少なくとも部分的に軸方向に延在するケーブル(4)を含む補強材(3)がその内部に収容されている、可撓性材料で作られた本体(2)を備える、長手方向軸(X)に沿って延在するコンベヤベルト(1)スプライス(10)であって、前記コンベヤベルト(1)は、少なくとも2つの添え継ぎプレート(101、102)を備える添え継ぎデバイス(100)によって一緒に接続された第1(11)および第2(12)の端部部分を備え、各添え継ぎプレート(101、102)は、前記コンベヤベルト(1)の前記第1および第2端部部分(11、12)の別個の側を覆い、したがって、前記コンベヤベルト(1)の前記第1および第2の端部部分(11、12)は、前記2つの添え継ぎプレート(101、102)間に配置され、前記添え継ぎプレート(101、102)は、固定手段(110)によって一緒に固定され、前記スプライス(10)は、前記第1の端部部分(11)および前記第2の端部部分(12)に取り付けられ、前記添え継ぎデバイス(100)と前記コンベヤベルト(1)との間に張力が加えられるときに、前記添え継ぎデバイス(100)の前記固定手段(110)を保持するように構成されている、先行請求項のいずれか一項に記載の少なくとも1つのスプライス(10)フレーム(20)を備えることを特徴とする、コンベヤベルト(1)スプライス(10)。
【請求項11】
請求項10に記載のコンベヤベルト(1)のスプライス(10)を製造する方法であって、
-前記コンベヤベルト(1)の前記第1の端部部分(11)および前記第2の端部部分(12)において、前記コンベヤベルトの前記本体(2)の上部および下部を剥離するステップと、
-前記コンベヤベルト(1)の前記第1の端部部分(11)および前記第2の端部部分(12)に取り付けられた少なくとも1つのスプライス(10)フレーム(20)を設置するステップと、
-前記添え継ぎデバイス(100)を設置して、前記コンベヤベルト(1)の前記第1および第2の端部部分(11、12)を接合するステップと、を少なくとも含むことを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明は、概して、少なくとも1つのコンベヤベルトの端部を接続することが意図されたコンベヤベルトスプライスの技術分野に関する。簡潔にするために、「コンベヤベルト」という用語は、本説明では、コンベヤベルトおよび駆動ベルトの両方の意味を有する。
【0002】
発明は、より具体的には、ケーブルを含む補強材がその内部に収容されている、可撓性材料で作られた本体を備えるタイプのコンベヤベルトスプライスのためのフレームに関する。
【0003】
先行技術
コンベヤベルトは、石炭、鉱石、または工業もしくは農業製品などの異なる材料または製品を運搬するために使用されることが知られている。これらのコンベヤベルトは、好適な長さおよび幅の強化エラストマーまたは強化合成材料で作られたベルトからなり、それらの端部は、組み立ての前または後に、偏向ローラおよびアイドルローラを備える支持および駆動デバイス上で、互いに接続されねばならない。多くの場合、これらのデバイスはまた、コンベヤベルトが適切に張られることを保証するための張力調整要素も備える。
【0004】
これらのコンベヤベルトは、特に鉱山、採石場、ならびに厳しい作業条件および高い内部ストレスを被る他の場所で使用される。その結果として、そのようなコンベヤベルトには、コンベヤベルトの長さ方向に配置され、その本体に埋め込まれた、例えば鋼製の、ワイヤまたはケーブルの形態の補強材が設けられ、補強材は、通常はエラストマーまたは合成材料で作られて、ベルトが意図された特定の用途に必要な抵抗を与える。
【0005】
コンベヤベルトの端部を接続するための多くの解決策が存在する。もともと、そして依然として現在でも、ベルトが、強化された加硫可能エラストマーで作られるとき、加硫が使用される。例えば、端部をくっつけるときに互いに適用される相補的な輪郭を各端部に作成することが意図された準備作業の後、周知されているように、熱および真空を適用して、加硫が行われる。加硫の一変形態様は、冷間ボンディングである。
【0006】
ケーブル補強コンベヤベルトの場合、当接による加硫または熱溶接の効果では、各端部のケーブル補強材の2つのより線を一緒に固定することはできない。これは、補強材の不連続性をもたらし、機械的引張強度の損失となる。例えば、その不連続部は、すべてが同じ横断方向軸に沿って整列されているとは限らないというような、接続部の長手方向範囲にわたるケーブルおよびその端部の巧妙な分布からなる解決策もまた知られているが、それは、スプライスにあたるコンベヤベルトを局所的かつ実質的に弱める。今日では非常に一般的であるそのような解決策は、比較的長い長さにわたって、作られるべきスプライスの両側のケーブルのうちのすべてのケーブルの端部部分を一体的に剥離することと、次いで、それらの端部をベルトの幅に沿って長手方向千鳥格子に配置しながら、一定の長さにわたってケーブル端部のこれらの部分の絡まりを作ることと、を必要とする。このようにして、2つの隣接するケーブル端部は、横断方向、すなわち幅方向で整列しない。いったんこの作業が実行されると、次いで、ケーブルは、ベルトの本体を構成する材料に埋め込まれる必要があり、加硫作業が実行されて、スプライスを仕上げる。
【0007】
そのような方法の実施は、特に制約的である。まず、作業の多様性は、1日を超える、さらには数日間にわたる、非常に長いメンテナンス時間を必要とする。加えて、コンベヤベルトを使用する非常に厳しい条件により、スプライスを作る際に慎重な作業が必要であり、それは、高い技能の専門家によってのみ行うことができる。メンテナンス期間を鑑みて、いくつかのチームの人々が交代で行わねばならず、各チームは、有資格であらねばならない。さらに、これらのスプライスは、非常に長い長さ、数メートルの長さ、通常は5~10メートルにわたって作業が行われることを必要とする。加硫作業は、スプライスの全長にわたって1つの工程で行わなければならないので、現場、通常はスプライスが修理される場所に、加硫プレスを有すること、および加硫プレスをスプライスの長さに適合させること、ができる必要である。したがって、実行時間および対応するコストは、非常に大きい。
【0008】
例えば、スプライスによって、ケーブルの端部を接続する他の解決策も知られている。しかしながら、ここでもやはり、そのような解決策は、熟練した人員を必要とし、一般に、一緒に接合されるべきコンベヤベルトの端部部分の近傍でのケーブル剥離作業を必要とし、それは、実施するのに非常に時間がかかる。
【0009】
別の周知の接続方法は、金属ストリップから切断されたほぼU字形のステープルを使用することであり、ステープルは、ヒンジによって接続された上方プレートおよび下方プレートを備え、これらのステープルは、接続されるべきコンベヤベルトの端部の各々にまたがる2つの系で固定され、ヒンジは、突出しており、一方の系のものは、他方の系のヒンジと連結することができ、次いで、接続およびヒンジ留めシャフトが、連結ヒンジの内部に通されて、2つの端部を接続し、それによって、一種のヒンジを形成する。クリップをコンベヤベルト端部に固定するために使用される周知の手段は、スタッド、リベット、および/またはねじなどのシャフト様固定手段からなる。これらのシャフトは、コンベヤベルトに埋め込まれたケーブルを通過し、したがって、一緒に接続されるべき端部部分内に至ることができるという利点がある。しかしながら、ケーブルは高度のほつれを被るので、引張強度の観点から、この解決策は常に満足するものとは限らないことが経験から示されている。このほつれの影響を最小限に抑えるために、ステープルは、一般に、より長い長さにわたってコンベヤベルトの端部部分を覆い、したがって、シャフト様固定手段をより長いケーブル長にわたって分散させることができるように使用されるが、そのような特徴は、偏向ローラを通過するときにスプライスの可撓性を損なうので、特に制約的である。
【0010】
スプライスの引張強度および可撓性をさらに改善しようとして、ならびにコンベヤベルトが静止したままでなければならない必要なメンテナンス時間を短縮しようとして、多くの他の解決策が開発されている。例えば、コンベヤベルト端部の一方の側および他方の側にそれぞれまたがるように配置され、接続されるべき端部に固定された、一般に強化エラストマーまたは合成材料で作られた、平坦な接続要素を使用する添え継ぎデバイスを提供する、より最近の解決策が提案されている。そのような添え継ぎデバイスの例は、特許EP0827575-B1およびEP-1163459-B1に与えられている。これらのデバイスは、任意選択的には中央部分によって接続された、上方プレートおよび下方プレートを備える。これらの下方および上方プレートは、コンベヤベルトの特定の端部と係合するのに好適な隙間を有する。言い換えると、これらの添え継ぎデバイスは、2対の対向する固定フランジを備え、コンベヤベルトの端部は、同じ対の2つのフランジ間に、それぞれ挿入される。
【0011】
コンベヤベルトの端部に添え継ぎプレートを形成する下方部品および上方部品は、一般に、リベット、ピン、スタッド、ねじナットシステムなどのシャフト様固定手段によって、またはフランジ間に係合されたコンベヤベルトの外側平坦面に対するフランジの冷間接着または平坦加硫によって、固定される。これらの添え継ぎデバイスは、可撓性の弾性材料、例えば、加硫ゴム、またはポリウレタンなどの合成材料でできており、それらは、一般に、組み込みフレームを備える。
【0012】
そのような解決策は、布補強コンベヤベルトに効果的に使用される。しかしながら、ケーブル補強の場合、ケーブルを通過するシャフト様固定手段の問題は常に存在し、ケーブルの局所的な劣化を最小限に抑えるためにシャフト様固定手段を増やすことは、偏向ローラを通過するために求められる可撓性に反する、スプライスの硬直化につながる。
【0013】
したがって、ケーブルを含む補強材がその内部に収容されている、可撓性材料で作られた本体を備えるタイプのコンベヤベルトの2つの端部を添え継ぎするための、先行技術によって提案されるものよりも効果的な解決策を達成することが、当業者にとって強く必要である。
【発明の開示】
【0014】
本発明の目的は、ケーブル補強コンベヤベルトのための既存のスプライスの進化であり、かつ上記問題のいくつかまたはすべてに対処する、解決策を提供することである。
【0015】
発明の1つの目的は、特に、偏向ローラの通過に必要な可撓性を提供しながら、特に石炭または鉱石などの様々な材料の輸送に使用するのに、高引張応力に耐えるために、そのようなコンベヤベルトのスプライスの改善された構造強度を保証する解決策を提案することである。
【0016】
また、製造、保管、流通コストが低く、実施するのが容易で、熟練労働者を必要とせず、かつメンテナンス時間を短縮し、それによって、コンベヤベルトのメンテナンスコストおよびダウンタイムを減らし、得られた製品の品質をまったく損なうことがない、すなわちスプライスの品質および強度を維持またはさらには改善する解決策を提案することによって、コストを減らすことも目的とする。
【0017】
この目的のために、発明は、ケーブル含む補強材がその内部に収容されている、可撓性材料で作られた本体を備えるタイプのコンベヤベルトの少なくとも第1の端部部分に取り付けられることが意図されたスプライスフレームであって、フレームは、コンベヤベルトに関して少なくとも部分的に横断方向に延在するように構成された少なくとも1つの本体を有する保持部材と、ケーブルの少なくとも一部と係合して、保持部材の本体をコンベヤベルトの第1の端部部分に固定するように構成されたアンカ部材とを備え、保持部材は、添え継ぎデバイスとコンベヤベルトとの間に張力が加えられるときに、コンベヤベルトの第1の端部部分を第2の端部部分と添え継ぎするように意図された添え継ぎデバイスの固定手段を保持するための保持インターフェースを備えることを特徴とする、スプライスフレームに関する。
【0018】
そのような特性の組み合わせを備えるフレームは、添え継ぎデバイスの固定手段を保持するための構造を形成し、スプライスを通過する張力を吸収することを可能にするという点で、特に有利である。さらに、添え継ぎデバイスの固定手段は、保持部材に力を加えることができ、保持部材自体は、好ましくは隣接して、横断方向に離間する2本のケーブルに係合する、少なくとも2つのアンカ部材と一体である。これらの条件下で、各アンカ手段が受ける引張応力は、添え継ぎデバイスの固定手段が受ける引張応力に関して、少なくとも2分割され、アンカ手段のこの引張応力は、少なくとも2本のケーブルによって吸収されることができる。したがって、フレームは、アンカ手段が受ける引張応力を分配する手段を形成し、先行技術と比較して、ケーブルのほつれの影響を低減することを可能にする。
【0019】
さらに、アンカ部材は、コンベヤベルトのスプライスの全厚を通過するのではなく、剥離作業後に得られる端部部分の厚さに対応する厚さのみを通過するので、スプライスの可撓性は、実質的に影響されない。
【0020】
最後に、そのようなフレームは、実質的に横断方向に整列された部分の各々に収容されたケーブルの端部に、直接、またはさらにはコンベヤベルトの2つの端部間に長手方向空間が形成されている場合には間接的に、当接することを可能にする。そのようなスプライスは、より実装しやすく、スプライスの長さを実質的に低減することを可能にする。
【0021】
保持部材の保持インターフェースは、第1および第2の端部部分が、固定手段によって一緒に固定された添え継ぎデバイスの2つの添え継ぎプレート間に配置されている添え継ぎ位置において、保持器の第1の部分をコンベヤベルトの第2の端部部分と添え継ぎするように意図された添え継ぎデバイスの固定手段の保持を可能にする。そのような構成では、コンベヤベルトの少なくとも第1の端部部分に取り付けられたフレームは、添え継ぎデバイスとは別個である。特に、アンカ部材は、添え継ぎデバイスを固定するのに使用される固定手段とは別個であり、添え継ぎデバイスは、コンベヤベルトの第1および第2の端部部分の別々の側を各々が覆う、少なくとも2つの添え継ぎプレートを備えるタイプであり、したがって、コンベヤベルトの第1および第2の端部部分は、2つの添え継ぎプレート間に配置され、スプライスプレートは、固定手段によって一緒に固定される。このようにして、保持インターフェースは、添え継ぎデバイスとコンベヤベルトとの間に張力が加えられるときに、添え継ぎデバイスの固定手段のための保持機能を保証する。したがって、取り付けられたフレームは、張力を被るときに添え継ぎデバイスを保持するために、コンベヤベルトの少なくとも第1の端部部分のための補強機能を保証する。
【0022】
好ましくは、アンカ部材は各々、第1の端部部分を通過するように構成されたシャフトを備える。これらのシャフトは、保持部材を形成するスタッドアンカタブ、または、例えば、保持部材を形成するねじのシャフトであり得る。
【0023】
好ましくは、フレームは、剛性構造を有する。そのような構造は、ケーブルなどの可撓性構造よりも良好な保持を可能にする。
【0024】
好ましくは、アンカ部材および/または保持部材の本体は、金属である。
【0025】
1つの実施形態によれば、保持部材のうちの少なくともいくつかの保持インターフェースは、保持部材の本体によって支持される。これは、フレームの構造を単純化する。1つの有利な構成では、保持インターフェースは、少なくとも1つの固定手段を支持するように、長手方向に配向または開放された圧痕を形成する凹面を有する。この支持体は、関連付けられたアンカ部材がその内で係合するケーブルによって吸収される力の均一な分布を可能にする、固定手段のための受容クレードルを形成する。
【0026】
1つの実施形態によれば、少なくとも複数の保持部材が、コンベヤベルトに関して横断方向に延在することが意図された軸に沿って一緒に接続される。そのような特徴は、オペレータによる保持部材の設置を容易にする。これは、複数の保持部材を同時に接続することを可能にする。加えて、コンベヤベルトの横断方向での一体的接続は、ベルトの可撓性を維持することを可能にする。
【0027】
1つの実施形態によれば、フレームは、コンベヤベルトの第1の端部部分および第2の端部部分の同じ側の少なくとも一部を覆うように構成された少なくとも1つの支持プレートを備え、支持プレートは、所定のパターン、例えば千鳥格子パターンで配置された複数の保持部材のうちの少なくともいくつかを備える。好ましくは、パターンは、ケーブルの端部部分の範囲にわたって張力の均一な分布を保証するように選択される。そのような支持プレートの目的は、可撓性を損なうことなく、コンベヤベルトの長手方向においても保持部材のうちの少なくともいくつかを一緒に固定または接続することである。このようにして、好ましくはコンベヤベルトの本体と同じ可撓性材料で作られた、そのような支持プレートを使用することによって、関連付けられた端部部分上の対応する場所に来るように、支持プレート上に事前配置されている複数の保持部材を、単一の作業で、接続することが可能である。
【0028】
1つの実施形態によれば、保持部材の2つのアンカ部材を分離する距離は、コンベヤベルトの第1の端部部分の2本のケーブルを分離する距離に対応する。このようにして、保持部材は、2つの別個の隣接するケーブルに接続される。より一般的には、保持部材の2つのアンカ部材を分離する距離は、選択され得、コンベヤベルトの第1の端部部分からの2本のケーブルを分離する距離の倍数に実質的に対応するように構成される。
【0029】
1つの実施形態では、保持部材のうちの少なくともいくつかのアンカ部材のうちの少なくともいくつかは、関連付けられた保持部材の本体の延長部に位置するアンカタブを有するスタッドを備え、各スタッドは、好ましくは、一体品に形成される。
【0030】
1つの実施形態では、保持部材の本体は、アンカ部材によって一緒に接続された上方部品および/または下方部品を備え、保持部材の本体の下方および/または上方の部品は、その厚さに応じて、コンベヤベルトの第1の端部部分の一方の側または他方の側から来ることが意図される。そのような構成は、さらに、コンベヤベルトの対応する端部部分が、圧力がより大きな表面にわたって分配されて、挟持されることを可能にする。そのような圧力は、アンカ部材を保持するケーブル、および保持部材の上方部品と下方部品との間に挟持された端部部分の材料の両方によって張力が吸収されるので、アンカ部材を通してのケーブル内への力の伝達を低減する。
【0031】
1つの実施形態によれば、保持部材の本体の上方部品および下方部品からなる2つの部品のうちの第1のものは、アンカ部材のうちの1つのアンカ部材のヘッドを受容するのに好適な、さら穴などの少なくとも1つの凹部を備え、2つの部品のうちの第2のものは、アンカ部材のアンカ部が協働するのに好適な、ねじ孔などの少なくとも1つのアンカインターフェースを備える。
【0032】
1つの実施形態によれば、上方部品または下方部品のうちの第1の部品は、スタッドなどの、アンカ部材の、少なくとも、ヘッドの一部または中央横断方向シャフトの一部を収容するのに好適な少なくとも1つのくぼみを備える。補完的または代替的な実施形態によれば、上方部品または下方部品のうちの第2の部品は、好ましくは部品下で湾曲された、アンカ部材の端部の少なくとも一部を収容するのに好適な少なくとも1つのくぼみを備える。
【0033】
第2の態様によれば、発明はまた、少なくとも部分的に軸方向に延在するケーブルを含む補強材がその内部に収容されている、可撓性材料で作られた本体を備える長手方向軸に沿って延在するコンベヤベルトであって、コンベヤベルトは、コンベヤベルトの第1および第2の端部部分の別個の側を各々が覆う、少なくとも2つのスプライスプレートを備えるスプライスデバイスによって一緒に接続された第1および第2の端部部分を備え、したがって、コンベヤベルトの第1および第2の端部部分は、2つの添え継ぎプレート間に配置され、添え継ぎプレートは、固定手段によって一緒に固定され、スプライスは、第1の端部部分および第2の端部部分に取り付けられ、添え継ぎデバイスとコンベヤベルトとの間に張力が加えられるときに、添え継ぎデバイスの固定手段を保持するように構成された、上述したような少なくとも1つのスプライスフレームを備えることを特徴とする、コンベヤベルトにも関する。
【0034】
別の態様によれば、発明は、上述したようなコンベヤベルトスプライスを製造する方法であって、
-コンベヤベルトの第1の端部部分および第2の端部部分の、コンベヤベルト本体の上部および下部を剥離するステップと、
-コンベヤベルトの第1の端部部分および第2の端部部分に取り付けられた少なくとも1つのスプライスフレームを設置するステップと、
-添え継ぎデバイスを設置して、コンベヤベルトの第1および第2の端部部分を接合するステップと、を含むことを特徴とする、方法にも関する。
【0035】
そのような方法は、特殊なスキルを必要とせずに、一人で実施し易いという点で、特に有利である。
【0036】
1つの実施形態によれば、コンベヤベルトの第1の端部部分および第2の端部部分の、コンベヤベルトの本体の上部および下部を剥離するステップは、対応する端部部分の可撓性材料本体の材料除去作業に対応し、材料は、ケーブルなどの、補強材がその内部に位置する中央層を取り囲む、関連付けられた端部部分の層、または外側および内側周辺層上に位置する。方法は、端部部分のケーブルの周りのすべての材料の除去を必要としないので、中央層は、このステップの間に剥離されず、かなりの量の時間が節約され、コンベヤベルトのメンテナンスコストおよびダウンタイムを減らす。
【図面の簡単な説明】
【0037】
発明のさらなる特徴および利点が、添付の図面を参照して、以下の説明から明らかになるであろう。
【
図1A】第1の実施形態によるコンベヤベルトスプライスの分解図である。
【
図1B】この本第1の実施形態による、組み立てられたスプライスの上面斜視図である。
【
図2】この第1の実施形態による、フレームが各々に設けられた、コンベヤベルトの第1の端部部分および第2の端部部分の図である。
【
図3】第2の実施形態による、組み立てられたスプライスの上面斜視図である。
【
図4B】第3の実施形態による、組み立てられたスプライスの詳細な部分上面斜視図である。
【
図5】この第3の実現方法による、組み立てられたスプライスの詳細な底面斜視図である。
【
図6A】第4の実施形態による保持部材に対する固定手段の支持体の局所断面図である。
【
図7】第5の実施形態による保持部材に対する固定手段の支持体の局所断面の上面斜視図である。
【
図8】第6の実施形態によるスプライス用フレームの図である。
【
図9】この第6の実施形態によるフレームを備えるスプライスの詳細である。
【
図10】この第6の実施形態による、組み立てられたスプライスの上面斜視図である。
【
図11】第7の実施形態による、組み立てられたスプライスの上面斜視図である。
【
図12】第8の実施形態によるスプライス用支持プレートの図である。
【
図13】この第8の実施形態によるコンベヤベルトのスプライスの図である。
【
図14】第9の実施形態によるスプライス用支持プレートの図である。
【0038】
明確にするために、同一または類似の要素は、すべての図において同一の参照符号で標識される。
【0039】
説明および特許請求の範囲において、説明および特許請求の範囲を明確にするために、長手方向、横断方向、および垂直方向という用語は、図に示されるX、Y、Z軸を基準にして、非限定的に採用される。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1A、
図1B、および
図2は、第1の実施形態によるコンベヤベルト1のスプライス10を示す。コンベヤベルト1は、コンベヤベルトに沿うその進行方向にほぼ対応する、長手方向軸Xに沿って延在する。コンベヤベルト1は、加硫可能エラストマーまたは合成材料などの可撓性材料で作られた本体2を備え、本体2に埋め込まれたケーブル4を含む補強材3で補強されている。コンベヤベルト1によって吸収される力は、主に、長手方向であり、したがって、ケーブル4は、軸方向に延在するコンベヤベルト1の本体2内に配置され、ケーブルは、コンベヤベルト1の使用中、牽引力で働く。
【0041】
コンベヤベルト1は、第1の端縁部11’および第2の端縁部12’を有し、そこから、第1の端部部分11および第2の端部部分12がコンベヤベルト1上に延在し、添え継ぎデバイス100によって一緒に添え継ぎされ、2つの端部部分11、12のスプライス10を保証する。実際には、採石場または他の使用場所での使用に応じて異なる材料または異なる製品を運搬するための距離を考慮に入れて、単一のコンベヤベルト1は、添え継ぎデバイス100によって一緒に添え継ぎされた複数の長手方向コンベヤベルト部分を添え継ぎすることによって形成され得ることに留意されたい。
【0042】
端部部分11、12は、添え継ぎ位置において、添え継ぎデバイス100におけるスプライス10が、コンベヤベルト1に等しい厚さであるように構成される。このようにして、添え継ぎデバイス100の使用は、その端部部分11、12に局所的な余分な厚さを生じさせず、厚さは一定である。そのような特徴は、コンベヤ上のスクレーパの通過に起因する早計の摩耗を回避するのに特に重要である。この制約を満たすために、第1の端部部分11および第2の端部部分12は、特に剥離作業によって剥離された後に、薄くされて、添え継ぎデバイス100の設置を保証する。この剥離は、好ましくは、厚さではケーブル4まで、すなわちケーブル4の厚さに対応する厚さに及ぶ。
【0043】
コンベヤベルト1は、その本体2内に補強ケーブル4を収容している。コンベヤベルト1は、その厚さeの方向に、補強材3のない本体2の2つの外側可撓性材料層、すなわちコンベヤベルト1の本体2の上部および下部の間に垂直に挿入された、ケーブル4を一体化する実質的に中央の層1Aを備えるように構造化されている。
【0044】
コンベヤベルト1のケーブル4の各々は、コンベヤベルト1の本体2内で長手方向に延在し続けて、対応する端部部分に至り、そこには、各ケーブル4のゆるんだ切断端部が位置する。端部部分11、12は、コンベヤベルトの長手方向延長部に、ケーブルを一体化する中央層1Aであって、中央層1Aの両側のスプライス10を超えるコンベヤベルトの残りの部分上で、外側層が剥離された、すなわち通常は位置する上方および下方の材料層が剥離された中央層1Aで形成されている。端部部分11、12の厚さは、剥離作業後に得られる中央ベルト1Aの厚さに対応し、好ましくは、ケーブル4の平均直径または最大ケーブル4の直径に等しい。したがって、ケーブル4を取り囲む本体2のすべての材料、特にケーブル4間の本体2の材料の完全な除去に対応する、各ケーブルの完全な剥離は、必要ではない。
【0045】
2つの端部部分11、12を添え継ぎするための添え継ぎデバイス100は、コンベヤベルト1の同じ側の第1の端部部分11および第2の12を、コンベヤベルト1の幅のすべてまたは一部にわたって、好ましくは全幅にわたって覆うように各々がサイズ決定されている、2つの添え継ぎプレート101、102を備える。添え継ぎプレート101、102は、第1および第2の端部部分11、12にまたがる下方添え継ぎプレート101と、第1および第2の端部部分11、12にまたがる下方添え継ぎプレート102とを、それらが重なるように備える。これらの添え継ぎプレート101、102は各々、第1の端部部分11および第2の端部部分12を薄くするための剥離ステップの間に生じた材料除去を共同で充填するように構成された、対応端部部分の厚さに相補的な厚さを有する。このようにして、添え継ぎ後、スプライス10は、コンベヤベルト1の下面1”および上面1’と同一平面にあり、すなわち、コンベヤベルト1の厚さeは、レリーフなしで、一定である。すでに上記で述べたように、そのような特徴は、運搬される材料の経路に位置し、コンベヤベルト1の上面1’をかき落とすように構成されたスクレーパ(図示せず)の使用に起因する早計な摩耗を回避することを可能にする。
【0046】
コンベヤベルト1の第1および第2の端部部分11、12は、第1および第2の端部11、12の間に材料ブリッジを各々が作り出す、2つの添え継ぎプレート101、102の垂直方向の間に、捕捉または挟持される。添え継ぎプレート101、102は、可撓性かつ弾性の材料、例えば加硫ゴム、またはポリウレタンなどの合成材料で作られ得、埋め込みフレーム、例えば織物フレームを備え得る。材料は、好ましくは、コンベヤベルト1の本体2を構成するものと同じ可撓性材料である。
【0047】
下方101および上方102の添え継ぎプレートは、リベット、ピン、スタッド、および/またはねじナットシステムなどのシャフト様固定手段110によって固定される。固定手段110は、厚さを通過し、2つの添え継ぎプレート101または102のうちの第1のもの、次いで2つの端部部分11または12のうちの一方、最後に2つの添え継ぎプレート101または102のうちの第2のものを連続して通過する。この第1の実施形態では、固定手段110は、ヘッド111と、ねじ山が設けられたアンカ部分112とを各々が備えるねじであり、添え継ぎプレート101、102は、固定手段110のヘッド111と協働するための第1のインターフェース113および/または固定手段110のアンカ部分112と協働するための第2のインターフェース114を備える。第1および第2のインターフェース113、114は、接続プレート101、102に埋め込まれている、または取り付けられている(例えば、ワッシャ115)、インサートによって担持される。好ましくは、第2のインターフェースを担持するインサート、ここではねじ切りインサートは、例えば同じ曲率に追従することによって、ケーブル4の一部分または一群のケーブル4と局所的に整合し、それを変形することなく大量の挟持を可能にする(
図5を参照)。
【0048】
第1のインターフェース113は、固定手段11のうちの1つのヘッド111を受容するのに好適な圧痕を各々が備える、垂直にドリル加工されたワッシャ115を備える。そのような構成では、第1のインターフェース113を形成するワッシャ115は、したがって、固定手段110を通過させるのに好適な、上方添え継ぎプレート101の孔の周りに関連付けられ、それに相補的なアタッチメントを形成する。スプライスプレートを貫通して係合するために、これらのワッシャ115は各々、その周囲に、それを支持するスプライスプレートに向けられたポイントを有する。代替的に、または組み合わせて、例えば異なる第1のインターフェース113が同じ添え継ぎプレートに一緒に一体化される場合、これらのワッシャ115は、添え継ぎプレート101に組み込むこと、すなわち、例えば関連付けられた添え継ぎプレートを形成する加硫ゴムなどの可撓性かつ弾性の材料に埋め込むことができる。
【0049】
第2のインターフェース114は、円筒形管状部分116を備え、円筒形管状部分116の内側円筒形表面は、アンカ部分112のねじ山に相補的なねじ孔によって、固定手段110のアンカ部分112と協働するのに好適である。
【0050】
発明によれば、スプライス10は、第1の端部部分11に取り付けられたスプライスフレーム20と、第2の端部部分12に取り付けられた別のフレーム20とを備える。これらのフレーム20は、添え継ぎデバイス100とコンベヤベルト1との間に張力が加えられるとき、添え継ぎデバイス100の固定手段110のすべてまたは一部を保持するように構成されている。
【0051】
特に、フレーム20は、厚さが薄くなっている第1および第2の端部部分11、12に取り付けられ、これは、
-コンベヤベルト1の第1の端部部分11および第2の端部部分12を剥離するステップであって、その結果、ケーブルを一体化している中央層1Aがむき出しにされ、端部部分11、12の厚さは、好ましくは、ケーブル4の厚さまで減らされる、ステップの後で、かつ、
-添え継ぎデバイス100を設置し、それによって、2つの添え継ぎプレート101、102を、フレーム20が設けられたコンベヤベルト1の第1および第2の端部部分11、12にまたがって重ね合わせる前、である。
【0052】
フレーム20は、複数のスタッド301を備える保持部材30を備える。各スタッド301は、コンベヤベルトに固定される前、ほぼ「U」字形状を有する。スタッド301は、一体品の、好ましくは金属の、シャフトから形成される。スタッド301の本体31は、保持インターフェース32を形成するシャフトの中央横断方向部分から形成され、本体31は、コンベヤベルト1に関して横断方向に延在するように構成されている。シャフトの中央部分は、アンカ部材40を形成する2つの側方シャフト部分の間に介在する。言い換えると、各スタッド301は、シャフトの中央部分の延長部から形成される、すなわち本体31の両側に、アンカタブ33を備える。
【0053】
これらのアンカ部材40、ここではアンカタブ33は、各々がシャフト様であり、関連付けられた端部部分11、12へそれらを挿入して、その厚さを垂直に通過するのを容易にするために、ポイントおよびそれらの端部を備える。各スタッド301のアンカタブ33の先端部は、挿入後、対応する端部部分11、12の下で屈曲または湾曲され、いったん設置されるとスタッド301を所定の位置にロックし、コンベヤベルト1の動作中に取り外すことができないことを保証する。
【0054】
保持部材30の保持インターフェース32は、添え継ぎデバイス100とコンベヤベルト1との間に張力が加えられるときに、固定手段110を保持するように構成されている。保持インターフェース32は、保持部材30の本体31によって支持されている。同じスタッド301のアンカタブ33は、同じ対応する端部部分11、12の2本の別個のケーブル4に固着され、ケーブル4は、コンベヤベルト1に関して軸方向に延在する。すると、各スタッド301の本体31が、2本の隣接するケーブル4間に少なくとも部分的には横断方向に配置されて、2本のケーブル4間に、したがって、コンベヤベルト1に関して軸Yに沿ってやはり横断方向に、接続ブリッジを形成する。同じスタッド301の2つのアンカタブ33は、対応する端部部分11、12の2本のケーブル4の中心軸を分離する距離に等しい距離dだけ離間されている(
図5を参照)。より一般的には、この距離dは、コンベヤベルト1の幅に沿ったケーブルの均一な分布を保証するために、2本のケーブル間の平均間隔の倍数となるように選択される。もちろん、2つを超えるアンカタブ33、例えば3本の隣接するケーブルのうちの1本に各々が固着する3つのアンカタブを有するスタッドなど、変形態様が可能であり得る。
【0055】
フレーム20の各々のスタッド301は、好適なパターンで、2つの端部部分11、12の各々に均一に分布される。2つの端部部分11、12の各々は、ベルトに張力が加えられるときに、添え継ぎデバイス100の固定手段110を保持する機能を保証するのに十分な保持部材30を備えねばならないが、保持部材30は、スプライス10におけるコンベヤベルト1の可撓性を著しく劣化させないように、多すぎてはならない。
【0056】
コンベヤベルト1が使用されているとき、コンベヤベルト1は、長手方向に動いて、様々な材料または製品を輸送する。この輸送には、牽引力で働くコンベヤベルト1の抵抗力が関与する。特に、スプライス10において、張力は、第1の端部部分11を第2の端部部分12から引き離す傾向があり、次いで、それらは、スプライスデバイス100によって互いに対して保持される。そのような張力を被るとき、2つの端部部分11、12のうちの一方は、それらを通過する固定デバイス100の固定手段110に引張り力を加え、固定手段110は、好ましくは2つの端縁部11’、12’間に位置するかまたはそれらを含む横断方向軸Yに平行な垂直添え継ぎ平面に関して対称的に、それら自体は2つの端部部分11、12のうちの他方によって保持されている、接続デバイス100の添え継ぎプレート101、102によって保持される。したがって、添え継ぎデバイス100の添え継ぎプレート101、102は、高い引張応力を被り、固定手段110は、端部部分11、12の互いの軸方向分離を維持することを可能にする。フレーム20は、牽引中、それらの経路に設置された保持部材30の保持インターフェース32に寄りかかるようになるねじ110の張力を吸収することによって、関連付けられた端部部分11、12の補強材を形成する。そのような支持体を、異なる変形態様による、
図6A、
図6B、
図6C、および
図7を参照して、詳細に示す。
【0057】
各保持部材30は、固定手段110のうちの少なくとも1つと、コンベヤベルト1の端縁部11’、12’、すなわち関連付けられた端部部分11、12のうちの一方との間に、長手方向に配置される。このようにして、固定手段110は、保持部材30によって保持されて、保持インターフェース32のうちの少なくとも1つに、直接または間接的に寄りかかる。さらに、これらの保持手段30は、この実施形態に示されるように、少なくとも2本の別々のケーブル4、好ましくは2本の隣接するケーブル4に固定される。このようにして、各保持部材30は、添え継ぎデバイス100に関して、関連付けられた端部部分11、12の張力の印加中、ねじ110の長手方向変位に対して障害物を形成する。そのような特徴は、2つの端部部分11、12間の接続を補強することに寄与し、それによってスプライス10を補強する。
【0058】
第1の端部部分11に固着されている保持部材30によって担持された保持インターフェース32は、添え継ぎデバイス100の固定手段110を第1の牽引方向T1に保持する(
図1Bを参照)。第2の端部部分12に固着されている保持部材30によって担持された保持インターフェース32は、今度は、添え継ぎデバイス100の固定手段110を、第1の牽引方向T1とは反対の第2の牽引方向T2に保持する。したがって、添え継ぎデバイス100とコンベヤベルト1の各端部との間に張力が加えられるとき、フレーム20は、端部部分11、12の相対的な長手方向間隔を維持することに寄与し、著しい引張応力に耐えるために、コンベヤベルト1の端部およびスプライス10の構造的強度が保証される。さらに、保持部材30は、薄くされた端部部分11、12にのみ位置するので、ベルトの可撓性に及ぼす保持部材30の影響が低減される。最後に、シャフト様固定手段110が補強ケーブル4を通過するにもかかわらず、単一の固定手段110の張力は、少なくとも2本のケーブルに分配され、ケーブル4ごとの張力の吸収を低減し、ほつれの影響を制限する。
【0059】
この実施形態では、保持部材30は、端部部分11、12ごとに複数の、特に3つの、別個の横断方向アライメントまたは列に配置されている。保持部材30は、端部部分11、12ごとに複数の長手方向アライメントにさらに配置されており、端部部分11、12の各長手方向アライメントは、他方の端部部分12、11の長手方向アライメントと整列されている。各保持部材30は、2本の別個の隣接するケーブル4に固定されている。ここでは、1本のケーブルが、保持手段30によって、単一の隣接するケーブルに接続され、したがって、ケーブルは、独立した対に接続されている。そのような構成では、端部部分11、12の端部部分が奇数のケーブルを含む場合、ケーブルのうちの側縁部にある1本は、それを通過する保持部材を有さない場合がある。一般に、そのような構成は、スプライス10の良好な可撓性を維持して、コンベヤベルト1のトラフティングを促進するという点で興味深い。もちろん、保持部材30のそのような分布は、異なり得る。例えば、スタッド301を備える保持部材30は、千鳥格子状に配置され得、その結果、したがって、例えば端部部分11、12ごとに3つの別個の横断方向アライメントまたは列に配置され、スタッド301は、2本のケーブル4の間の平均間隔に対応する段差だけ、列ごとにシフトされる。この分布はまた、添え継ぎデバイス100上の固定手段110によって形成されるパターンにも依存する。
【0060】
この第1の実施形態は、端部部分11、12のいずれかを横切ることはないが、コンベヤベルト1の2つの端縁部11’、12’の間の長手方向に区切られた空間を通過する、中央の列に沿って接続デバイス100の2つの接続プレート101、102を通過する固定手段110を提供することに留意されたい。代替実施形態では、2つの端部部分11、12は、スプライス内で当接し得ることに留意されたい。この場合、中央列の固定手段110が設けられていれば、この列の固定手段110は、他方の端部部分のものよりもわずかに大きい、好適な長さを有する端部部分のうちの一方を通過する。さらに別の変形態様では、2つの添え継ぎプレート101、102は、添え継ぎデバイス100の「H」輪郭を形成する材料スプライスによって、その中心で接合され、スプライスは、2つの接続プレート101、102のいずれかと一体品に形成されてもよいし、またはインサートを形成してもよい。
【0061】
2列の固定手段110が、スプライスデバイス100の長手方向端部と境界を接するように配置され、第1のインターフェース113、ここではワッシャ115からスプライス10の外側に向かって長手方向に突出する保護縁部をさらに備える。すると、上方添え継ぎプレート101を長手方向に区切る2つの縁部が補強され、レリーフを作り出す可能性のある摩耗のリスクを制限し、したがって、添え継ぎプレートがいかなるスクレーパの経路に入り得るであろうリスクも制限する。もちろん、そのような補強された縁部は、追加でまたは代替として、下方添え継ぎプレート102に適用され得る。
【0062】
図3、
図4A、
図4B、
図5、
図6、および
図7は、特に、各固定手段110が、牽引中、それらの経路に配置された別個の保持部材30に寄りかかるように、添え継ぎデバイス100が構成されている点で第1の実施形態とは異なる、他の実施形態を示す。したがって、2つの添え継ぎプレート101、102を接続し、端部部分11、12のうちの対応する一方を通過する固定手段110の配置によって形成されるパターンは、保持部材30に関連付けられ、それと同様である。したがって、固定手段110の分布は、保持部材30の分布に依存する。そのような構造は、改善された引張強度を提供する。これらの実施形態には、中央列の固定手段110はない。
【0063】
逆に、
図1Aおよび
図1Bに示された第1の実施形態では、スプライスデバイス100の固定手段110は、保持部材30の保持インターフェース32の各々について、2つずつ、長手方向に完全には整列していない。第1および第2の端部部分11、12上の保持部材30によって形成されるパターンは、添え継ぎデバイス100の固定手段110の必ずしもすべてではなく、大半が、少なくとも1つの保持インターフェース32に直接または間接的に寄りかかることによって、保持部材30によって保持され、かつ保持部材30と長手方向で整列されるように選択され得る。そのような実施形態は、フレーム20および添え継ぎデバイス100が困難な条件下で固定される、またはさらにはアセンブリの精度が完全ではない場合に、実用的である。これにより、フレーム20を設置するのに要する時間が短縮される。この場合、固定要素110のいくつかは、ケーブル4を通して、かつ/またはフレーム20の保持部材30からオフセットして、配置することができるが、保持効果は依然として保証される。そのような構成では、ベルト1のケーブルの段に関してランダムな、固定手段110、ここではねじの配置は、好ましくは、保持部材30に寄りかかること、ねじ110をベルト上に締め付けること、およびいくつかの固定手段110にケーブルを通過させることを組み合わせる。
【0064】
図3および
図4Aを参照すると、この第2の実施形態は、保持インターフェース32が、長手方向に配向または開放されたくぼみ320を有するという相違を有する、第1の実施形態と同等のスタッドタイプ301の保持部材30を示す。このくぼみ320は、固定手段110のうちの少なくとも1つ、ここでは1つのみが、直接または間接的に、支持のために受容されることを可能にする保持インターフェース32を形成する。この支持体は、シャフト様固定手段110、特にシャフト自体のための受容クレードルを形成し、関連付けられた端部部分と添え継ぎデバイス100との間の相対的な横断方向の動きを最小限に抑え、関連付けられたスタッド301がアンカ部材40、特にここではアンカタブ33のおかげで固定されている2本のケーブル上で吸収される力の均一な分布を可能にする。
【0065】
図4Bおよび
図5は、第1の実施形態と同様に、スタッドタイプ301の保持部材32の保持インターフェース32が真っ直ぐであるという点で、第2の実施形態とは実質的に異なる第3の実施形態の図を示す。
【0066】
図6A、
図6B、および
図6Cは、第1の実施形態と同様に、スタッドタイプ301の保持部材32の保持インターフェース32が真っ直ぐであるという点で、第2の実施形態とは実質的に異なる第4の実施形態の図を示す。さらに、各保持部材30は、同じ保持部材30の2つのアンカ部材40、特に2つのアンカタブ33を接続するように構成された下方部品35’を備える。各下方部品35’は、スタッド301のシャフトの本体31を受容する端部部分の側とは垂直方向で反対の側に位置する。下方部品35’は、ほぼ長方形の形状であり、少なくとも前側の壁に、長手方向に配向されたくぼみを有する。このくぼみ320は、スタッド301の本体31によって担持されるものと相補的な保持インターフェース32を形成し、直接または間接的に、固定手段110のうちの少なくとも1つを支持のために受容することを可能にする。そのようなくぼみ320は、関連付けられた保持部材が固着されているケーブル上の力のより良い分布を保証する。端部部分11、12の下で屈曲された、スタッド301の2つのアンカタブ33の各々の少なくとも一部を受容するために、各下方部品35’の一方の側に、好適な圧痕が設けられる。
【0067】
図7は、第5の実施形態による保持部材に対する固定手段の支持体の局所断面の上面斜視図を示す。この実施形態は、下方部品35’に加えて、スタッド301を受容する上方部品34’を備えるという点で、先の第4の実施形態とは異なる。各保持部材30は、アンカ部材40によって一緒に接続された上方部品34および下方部品35を備えるので、下方部品35’および上方部品34’の機能は、以下に記載される実施形態を参照して、本体31の下方および上方の部品34、35のものと同様である。各保持部材30の本体31の下方および上方の部品34、35は、コンベヤベルト1の関連付けられた第1の端部部分11、12のいずれかの側で、その厚さeの方向で、垂直下向きに寄りかかることが意図されたインサートを形成する。上方部品34’は、その一方の側に、真っ直ぐであるか、またはくぼみ320を有するかにかかわらず、スタッド301の本体31の少なくとも一部分を受容するのに好適な圧痕を備える。ここで、上方部品34’の存在は、保持インターフェース32をその側方縁部において変位させる。保持部材30の本体31は、保持インターフェース32を担持するインサートを形成する上方部品34’を備える。
【0068】
図8、
図9、および
図10は、第6の実施形態によるスプライス10用フレーム20の図を示す。この第6の実施形態は、各保持部材30の本体31が、アンカ部材40によって一緒に接続された上方部品34および下方部品35を備えるという点で、先の実施形態と実質的に異なる。各保持部材30の本体31の下方および上方の部品34、35は、コンベヤベルト1の関連付けられた第1の端部部分11、12の両側で、その厚さeの方向で、垂直下向きに寄りかかることが意図されたインサートを形成する。アンカ部材40は、ヘッド41と、アンカ部分42を少なくとも部分的に形成するねじ切りシャフトとが設けられたねじを備える。アンカ部材40は、関連付けられた端部部分11、12を、その厚さにおいて垂直に貫いて延在し、本体31の下方および上方の部品34、35を、関連付けられた端部部分11、12の垂直方向における各側に対して、接続および挟持する。
【0069】
上方部品34は、一体的金属プレートを形成し、アンカ部材40のうちの1つのヘッド41を受容するのに各々が好適である、さら穴などの、2つの凹部310を備える。関連付けられた端部部分に関して上方部品34とは垂直方向で反対側の下方部品35は、別の一体的金属プレートを形成し、2つのねじタイプアンカ部材40のアンカ部分42の各々が協働するのに好適である、ねじ孔などの、2つのアンカインターフェース311を備える。
【0070】
この実施形態の利点は、複数の保持部材30が、横断方向に延在することが意図されたY’軸に沿って一緒に接続されており、すなわちコンベヤベルト1の横断方向軸Yに平行であることである。そのような接続は、好ましくは、このアセンブリの長さがコンベヤベルト1の幅に対応するように構成される。このようにして、フレーム20は、複数の接続された保持部材30を配置することによって、直接、迅速に配置することができる。
【0071】
保持部材30の各々の保持インターフェース32は、保持部材30の本体31によって支持されている。保持部材30の上方34および下方35の部品は、ほぼ長方形の形状であり、少なくとも前側の壁に、長手方向に配向されたくぼみを有する。このくぼみ320は、直接または間接的に、固定手段110のうちの少なくとも1つを受容することを可能にする保持インターフェース32を形成する。この支持体は、シャフト様固定手段110、特にシャフト自体のための受容クレードルを形成し、関連付けられた端部部分と添え継ぎデバイス100との間の相対的な横断方向の動きを最小限に抑える。好ましくは、くぼみ320は、例えば1/3の角度で、それが保持するケーブルの形状と整合する。
【0072】
同じ保持部材30の上方34および下方35の部品は、端部部分11、12の本体2内に保持部材30を固着するのを助けるために、それを支持する端部部分11、12に向かって配向され、端部部分11、12を貫通するように構成された先端部を備え、これは、ケーブル4を通過するアンカ部材40に追加される。
【0073】
保持部材30は各々、2本の隣接する補強ケーブル4への固着を保証するのに十分な距離dだけ離間された2つのアンカ部材40を備える。この距離dは、2本のケーブル4の中心軸を、対応する端部部分11、12から分離する距離に等しい。複数の保持部材30の一体的列は、各保持部材30が別の保持部材30に可撓性接続部300によって接続されて、コンベヤベルトのトラフティング、すなわち横断方向可撓性を促進するように構成されている。そのような利点は、例えばアンカ部材40を固定するステップの後、より一般的にはフレーム20を設置するステップの後の、保持部材30を分離させる作業の間に、これらの接続部が、可撓性300であってもなくても、破壊または分離される場合に、さらに増進される。
【0074】
図11は、第6の実施形態に関して、一列の固定手段110が、第1の実施形態と同等の様態で、第1のインターフェース113から長手方向に突出する保護境界を有する添え継ぎデバイス100の各長手方向端部に横付けされるように配置されている、第7の実施形態による、組み立てられたスプライスの上面斜視図を示す。
【0075】
図12および
図13は、第8の実施形態による、スプライス10用支持プレート21、22の図を示す。
【0076】
この実施形態は、第6および第7の実施形態と同等の保持部材30を備える。しかしながら、この実施形態は、保持部材30が、コンベヤベルト1の幅にわたって横断方向に延在する連続した列に一緒に接続されておらず、但し、複数の保持部材30を備える支持プレート21、22を有する点で、これらの実施形態とは実質的に異なる。支持プレート21、22は、フレーム20が設置されるときに保持部材30の事前配置を可能にするように、保持部材30の一部分を組み込んだコンベヤベルトの少なくとも所定の横断方向部分、またはさらには全長にわたって、コンベヤベルト1の第1の端部部分11および第2の端部部分12の同じ側を覆うように、長手方向に延在するように構成される。特に、フレーム20は、
-ベルトの形態の上方支持プレート21であって、支持プレート上または支持プレート内に特定のパターンで分布された保持部材30の複数の上方部品34を各々が備える、上方支持プレート21と、
-ベルトの形態の下方支持プレート22であって、一緒にねじ止めするために、アンカインターフェース311との凹部310のアライメントを可能にするように垂直方向で重ね合わされた、上方支持プレート21の上方部品34と同じパターンで配置された保持部材30の下方部品35を備える、下方支持プレート22と、を備える。
【0077】
この所定のパターンは、対で、横断方向アライメントで、すなわち千鳥格子パターンなどの長手方向オフセットを有する列で、その他など、単独で、またはいくつかのグルーブで、長手方向および/または横断方向のアライメントに配置された保持部材30を得るように構成され得る。インサート34、35の代替構成は、スプライスのトラフティングを促進し、断線を起こすことなく、コンベヤの偏向ローラの周りの巻き付きも促進する。
【0078】
支持プレート21、22は、好ましくは、コンベヤベルト本体1と同じ材料から形成される。しかしながら、これは、変えられ得、プレートは、可撓性材料、より一般的にはエラストマーまたは合成材料で作られた本体を備え得る。この実施形態では、インサート34、35は、ゴム、ポリウレタン(PU)、または任意の他の材料から事前成形される。
【0079】
このようにして、フレームは、ベルト1の端部部分11、12に固定され易い支持プレート21、22の形態である。いったん支持プレートが設置されると、ねじ40などのアンカ部材でそれらを固定すれば十分である。支持プレート21、22は、第1の端部部分11および第2の端部部分12をそれらの全長に沿って覆う。しかしながら、それらは、コンベヤベルト1自体よりも狭い幅を有し、したがって、第1の端部部分11および第2の端部部分12の全幅を覆うためには、複数の支持プレート21、22が、横断方向に接続されねばならない。こうして、支持プレートは、より容易に製造することができる。それらは、連続ベルトに作ることもできるし、または大きな長手方向寸法に作って、次いで、所望の長さに切断することもできる。支持プレートの幅に応じて、やはりベルト1の幅に容易に適合させることが可能である。
【0080】
図14は、第9の実施形態によるスプライス用支持プレート21の図を示す。この支持プレートは、複数の保持部材30の長手方向接続の形態である。単一の上方支持プレート21が、複数のスタッド301を接続する。皮革または織物補強材のようなより可撓性の材料など、様々な材料を使用して支持プレートを形成できることに留意されたい。
【0081】
したがって、発明によるコンベヤベルト1のスプライス10の製造は、特に単純であり、概して、
-コンベヤベルト1の第1の端部部分11および第2の端部部分12において、コンベヤベルトの本体2の上部および下部を剥離して、ケーブルの端部に設けられたむき出しの中央層1Aを得るステップと、
-コンベヤベルト1の第1の端部部分11および第2の端部部分12に取り付けられた少なくとも1つのスプライスフレーム20を設置するステップと、
-添え継ぎデバイス100を設置して、コンベヤベルト1の第1および第2の端部部分11、12を接合するステップと、を含む。
【0082】
要約すると、そのようなスプライスは、端部部分の準備を、ベルトの上部および下部の被覆物を除去して、中央層に対応する薄くなった端部を結果的に得ることのみに限定することを可能にし、したがって実装を容易にする。
【0083】
発明によるそのようなフレームの使用は、アンカ部材40の助成によりケーブルを横切ることによって、接続部の可撓性のために、かつベルト強度に応じて、各ケーブル間に、または別の構成では、例えば1本おきのケーブル間に、保持インターフェース32によって横糸を作成または再作成することを可能にする。
【0084】
さらに、そのようなフレームは、先行技術で知られている添え継ぎデバイスの使用と互換性があり、ユーザへの供給を容易にし、コストを削減する。
【0085】
組み立ての間、ケーブルを備える端部部分にスプライスの固定手段110を挟持することは、フレームをコンベヤベルトの端部部分に固定するのに十分である。すると、コンベヤベルトに張力が加えられるときに、固定された接続部が保持インターフェースを伴って作成されたフレームに当接するので、滑りが制限される。
【0086】
添え継ぎデバイス100の固定手段110の挟持力と、フレーム上のねじの支持とを組み合わせることにより、所望の力に抵抗するのに十分な接続部が得られる。
【0087】
もちろん、発明は、例として前述に説明されている。当業者は、発明の範囲を超えることなく、発明の異なる実施形態を実施することができることが理解される。
【0088】
例えば、同じ機能を提供しながら、ねじ以外の固定手段またはアンカ手段が使用され得ることが理解される。さらに、保持部材および/または固定手段の垂直方向の配向は異なっていてもよく、その場合、それら方向は、図面に関して逆にされる。
【0089】
最後に、フレームまたは添え継ぎプレートの縁部と関連する「横断方向」という用語は、いったん添え継ぎデバイスがベルトの端部と組み立てられると、コンベヤベルトの一方の側から他方の側に延在し、その幅を横断するものとして理解される。これにより、発明は、コンベヤベルトに垂直な添え継ぎプレートの構成に限定されず、スプライスは、長手方向軸に関して90°とは異なる角度を完全に有することができる。
【0090】
特徴のすべては、本説明、図面、および添付の特許請求の範囲から当業者に明らかになるように、個別におよび任意の組み合わせの両方で、他の識別された特徴に関連して説明されただけであっても、本明細書に開示の他の特徴または特徴群と組み合わせられ得ることが強調されるが、但し、これが明示的に除外されていないこと、または、技術的状況により、そのような組み合わせが不可能または無意味であることを前提とする。
【国際調査報告】