(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-26
(54)【発明の名称】NTC温度測定回路、人工呼吸器および人工呼吸器の電源投入時自己診断方法
(51)【国際特許分類】
G01K 15/00 20060101AFI20230419BHJP
A61M 16/00 20060101ALI20230419BHJP
G01K 7/22 20060101ALI20230419BHJP
【FI】
G01K15/00
A61M16/00 370Z
G01K7/22 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022549390
(86)(22)【出願日】2021-12-24
(85)【翻訳文提出日】2022-08-16
(86)【国際出願番号】 CN2021141039
(87)【国際公開番号】W WO2022174674
(87)【国際公開日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】202110196999.1
(32)【優先日】2021-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520376373
【氏名又は名称】ヴィンセント メディカル(ドングアン)マニュファクチャリング シーオー.,エルティーディー.
(71)【出願人】
【識別番号】521241111
【氏名又は名称】ヴィンセント メディカル(ドングアン)テクノロジー シーオー.,エルティーディー.
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】趙 軍
(72)【発明者】
【氏名】徐 結兵
(72)【発明者】
【氏名】于 海濱
【テーマコード(参考)】
2F056
【Fターム(参考)】
2F056XA07
(57)【要約】
本発明は、NTC温度測定回路、人工呼吸器および人工呼吸器の電源投入時自己診断方法を開示し、NTC温度測定回路は、温度測定モジュール、スイッチモジュール、制御モジュールおよび検出モジュールを含み、制御モジュールはそれぞれ前記温度測定モジュール、検出モジュール、スイッチモジュールに電気的に接続され、スイッチモジュールはそれぞれ温度測定モジュール、検出モジュールに電気的に接続され、温度測定モジュールは加熱ループの被測定部分の温度を監視して第1温度データを取得するように構成され、スイッチモジュールは制御モジュールから出力されたイネーブル信号に従って温度測定モジュール、検出モジュール間のオンオフを切り替えるように構成され、検出モジュールは温度測定回路の温度を確認して第2温度データを取得するように構成、制御モジュールは第1温度データを取得して第1温度データに従って加熱ループの被測定部分の温度を調整し、第2温度データを取得して第2温度データに従って温度測定精度を判断するように構成される。本発明は、電源投入時の自己診断を実現し、温度測定精度を確保し、検出コストを削減する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱ループに用いられるNTC温度測定回路であって、温度測定モジュール、スイッチモジュール、制御モジュールおよび検出モジュールを含み、
前記制御モジュールはそれぞれ前記温度測定モジュール、前記検出モジュール、前記スイッチモジュールに電気的に接続され、
前記スイッチモジュールはそれぞれ前記温度測定モジュール、前記検出モジュールに電気的に接続され、
前記温度測定モジュールは加熱ループの被測定部分の温度を監視して第1温度データを取得するように構成され、
前記スイッチモジュールは前記制御モジュールから出力されたイネーブル信号に従って前記温度測定モジュールと前記検出モジュール間のオンオフを切り替えるように構成され、
前記検出モジュールは、温度測定回路の温度を確認して第2温度データを取得するように構成され、
前記制御モジュールは、第1温度データを取得し第1温度データに従って加熱ループの被測定部分の温度を調整し、前記第2温度データを取得し前記第2温度データに従って温度測定精度を判断するように構成される、ことを特徴とするNTC温度測定回路。
【請求項2】
前記温度測定モジュールは、NTCサーミスタを含み、前記NTCサーミスタの一端は前記スイッチモジュールに電気的に接続され、前記NTCサーミスタの他端は前記制御モジュールに電気的に接続されて接地される、ことを特徴とする請求項1に記載のNTC温度測定回路。
【請求項3】
前記検出モジュールは、複数の検出抵抗を含み、前記検出抵抗の一端は前記スイッチモジュールに電気的に接続され、前記検出抵抗の他端は前記制御モジュールに電気的に接続される、ことを特徴とする請求項2に記載のNTC温度測定回路。
【請求項4】
前記検出抵抗は標準抵抗である、ことを特徴とする請求項1に記載のNTC温度測定回路。
【請求項5】
前記スイッチモジュールは、マルチウェイスイッチを含み、前記マルチウェイスイッチはそれぞれ前記制御モジュールと給電電源に接続され、前記マルチウェイスイッチは前記NTCサーミスタと前記検出抵抗にさらに接続される、ことを特徴とする請求項3に記載のNTC温度測定回路。
【請求項6】
前記制御モジュールは、シングルチップマイクロコンピュータを含み、前記シングルチップマイクロコンピュータの入力端は前記温度測定モジュール、検出モジュールに電気的に接続され、前記シングルチップマイクロコンピュータの出力端は前記スイッチモジュールに電気的に接続される、ことを特徴とする請求項5に記載のNTC温度測定回路。
【請求項7】
前記NTC温度測定回路はオペアンプをさらに含み、前記オペアンプの入力端は前記NTCサーミスタ、前記検出抵抗に電気的に接続され、前記オペアンプの出力端は前記シングルチップマイクロコンピュータに電気的に接続される、ことを特徴とする請求項6に記載のNTC温度測定回路。
【請求項8】
加熱ループ、
請求項1~7のいずれか1項に記載のNTC温度測定回路を含み、
前記温度測定モジュールと前記検出モジュールは前記加熱ループに設けられている、ことを特徴とする人工呼吸器。
【請求項9】
前記人工呼吸器は、
前記制御モジュールに電気的に接続されたディスプレイをさらに含む、ことを特徴とする請求項8に記載の人工呼吸器。
【請求項10】
請求項8または9に記載の人工呼吸器に適用される人工呼吸器の電源投入時自己診断方法であって、
検出モジュールによって人工呼吸器の温度測定回路の温度データを取得するステップと、
制御モジュールによって前記温度データと予設温度値を比較し、前記温度データが誤差範囲内である場合、人工呼吸器を制御して通常電源を投入するステップと、
温度測定モジュールによって加熱ループの被測定部分のガスの温度を監視し、前記制御モジュールによって加熱ループ中のガスの温度を調整するステップと、を含む、ことを特徴とする人工呼吸器の電源投入時自己診断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療装置の技術分野に関し、特にNTC温度測定回路、人工呼吸器および人工呼吸器の電源投入時自己診断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現代の臨床医学では、人工呼吸器は自然呼吸機能を人工的に代替する有効な手段として、様々な原因による呼吸不全、大手術時の麻酔呼吸管理、呼吸補助療法、応急蘇生などに広く応用されており、現代医学の分野で重要な役割を担っている。人工呼吸器は、呼吸不全の予防と治療、合併症の軽減、患者の救命と延命が可能な重要な医療機器である。
【0003】
人工呼吸器はNTC(Negative Temperature Coefficient)サーミスタ温度測定製品であり、人工呼吸器の温度測定回路の精度を確保するために、一定期間(通常3ヶ月または6ヶ月)人工呼吸器の検出を行う必要がある。従来の検出方法は、抵抗器などの回路検出器具を採用し、手動で回路の異常の有無を検出する方法であり、通常、検出や校正には、NTCの代わりに標準抵抗器を採用し、例えば:NTCが2.252Kの場合、標準抵抗2.2Kの時装置の表示温度が25.5℃であり、標準抵抗1Kの時装置の表示温度が44.5℃であり、検出誤差が+/‐0.5°の範囲であれば合格、そうでなければ不合格となる。現在の検出方法は以下の欠点がある。1、手動検出のため,標準検出抵抗が別途必要であり,コストアップになる。2、周期範囲内で検出するため、温度測定回路の精度を確保することができない。
【0004】
したがって、従来技術をさらに改善および開発する必要がある。
【発明の概要】
【0005】
上記従来技術の欠点を鑑み、本発明の目的は、従来人工呼吸器のNTC温度測定回路の検出コストが高く精度を確保できないという問題を解決するためのNTC温度測定回路、人工呼吸器および人工呼吸器の電源投入時自己診断方法を提供することである。
【0006】
本発明の技術的解決策は以下のとおりである。
NTC温度測定回路は、加熱ループに用いられ、前記NTC温度測定回路は、温度測定モジュール、スイッチモジュール、制御モジュールおよび検出モジュールを含み、
前記制御モジュールはそれぞれ前記温度測定モジュール、前記検出モジュール、前記スイッチモジュールに電気的に接続され、
前記スイッチモジュールはそれぞれ前記温度測定モジュール、前記検出モジュールに電気的に接続され、
前記温度測定モジュールは加熱ループの被測定部分の温度を監視して第1温度データを取得するように構成され、
前記スイッチモジュールは前記制御モジュールから出力されたイネーブル信号に従って前記温度測定モジュールと前記検出モジュール間のオンオフを切り替えるように構成され、
前記検出モジュールは、温度測定回路の温度を確認して第2温度データを取得するように構成され、
前記制御モジュールは、第1温度データを取得し第1温度データに従って加熱ループの被測定部分の温度を調整し、前記第2温度データを取得し前記第2温度データに従って温度測定精度を判断するように構成される。
【0007】
本発明のさらなる改善として、前記温度測定モジュールは、NTCサーミスタを含み、前記NTCサーミスタの一端は前記スイッチモジュールに電気的に接続され、前記NTCサーミスタの他端は前記制御モジュールに電気的に接続されて接地される。
【0008】
本発明のさらなる改善として、前記検出モジュールは、複数の検出抵抗を含み、前記検出抵抗の一端は前記スイッチモジュールに電気的に接続され、前記検出抵抗の他端は前記制御モジュールに電気的に接続される。
【0009】
本発明のさらなる改善として、前記検出抵抗は標準抵抗である。
【0010】
本発明のさらなる改善として、前記スイッチモジュールは、マルチウェイスイッチを含み、前記マルチウェイスイッチはそれぞれ前記制御モジュールと給電電源に接続され、前記マルチウェイスイッチは前記NTCサーミスタと前記検出抵抗にさらに接続される。
【0011】
本発明のさらなる改善として、前記制御モジュールは、シングルチップマイクロコンピュータを含み、前記シングルチップマイクロコンピュータの入力端は前記温度測定モジュール、検出モジュールに電気的に接続され、前記シングルチップマイクロコンピュータの出力端は前記スイッチモジュールに電気的に接続される。
【0012】
本発明のさらなる改善として、前記NTC温度測定回路はオペアンプをさらに含み、前記オペアンプの入力端は前記NTCサーミスタ、前記検出抵抗に電気的に接続され、前記オペアンプの出力端は前記シングルチップマイクロコンピュータに電気的に接続される。
同じ革新と創造に基づいて、本発明は人工呼吸器をさらに提供し、前記人工呼吸器は、
加熱ループ、
前記のNTC温度測定回路を含み、前記温度測定モジュールと前記検出モジュールは前記加熱ループに設けられている。
本発明のさらなる改善として、前記人工呼吸器は、
前記制御モジュールに電気的に接続されたディスプレイをさらに含む。
【0013】
同じ革新と創造に基づいて、本発明は、人工呼吸器の電源投入時自己診断方法をさらに提供し、上記の人工呼吸器に適用され、この方法は、
検出モジュールによって人工呼吸器の温度測定回路の温度データを取得するステップと、
制御モジュールによって前記温度データと予設温度値を比較し、前記温度データが誤差範囲内である場合、人工呼吸器を制御して通常電源を投入するステップと、
温度測定モジュールによって加熱ループの被測定部分のガスの温度を監視し、前記制御モジュールによって加熱ループ中のガスの温度を調整するステップと、を含む。
【0014】
本発明はNTC温度測定回路、人工呼吸器および人工呼吸器の電源投入時自己診断方法を提供し、前記NTC温度測定回路は加熱ループに用いられ、前記NTC温度測定回路は、温度測定モジュール、スイッチモジュール、制御モジュールおよび検出モジュールを含み、前記制御モジュールはそれぞれ前記温度測定モジュール、前記検出モジュール、前記スイッチモジュールに電気的に接続され、前記スイッチモジュールはそれぞれ前記温度測定モジュール、前記検出モジュールに電気的に接続され、前記温度測定モジュールは加熱ループの被測定部分の温度を監視して第1温度データを取得するように構成され、前記スイッチモジュールは前記制御モジュールから出力されたイネーブル信号に従って前記温度測定モジュールと前記検出モジュール間のオンオフを切り替えるように構成され、前記検出モジュールは、温度測定回路の温度を確認して第2温度データを取得するように構成され、前記制御モジュールは、第1温度データを取得し第1温度データに従って加熱ループの被測定部分の温度を調整し、前記第2温度データを取得し前記第2温度データに従って温度測定精度を判断するように構成される。本発明は、温度測定モジュールによって加熱パイプライン中のガスの温度を監視し、電源投入時検出モジュールによって温度測定精度を確認し、電源投入時の自己診断を実現し、問題を即時に発現し、温度測定精度を確保し、事故リスクを回避する同時に手動検査を避け、検出コストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明の実施例または従来技術中の技術的解決策をより明確に説明するために、以下、実施例または従来技術の説明において必要な図面を簡単に説明するが、明らかに、以下説明される図面は本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労働をすることなく、これらの図面に示された構造に基づいて他の図面を得ることができる。
【
図1】本発明のNTC温度測定回路の機能モジュールの構造図である。
【
図2】本発明のNTC温度測定回路の原理図である。
【
図3】本発明の人工呼吸器の電源投入時自己診断方法の概略フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、NTC温度測定回路、人工呼吸器および人工呼吸器の電源投入時自己診断方法を提供し、前記NTC温度測定回路は前記人工呼吸器、ヒーター加湿器などのNTC温度測定機能を有する製品に適用され、NTC温度測定回路に複数の標準抵抗を追加することで、人工呼吸器は電源投入のたびに自己診断を行い、検出が合格である場合通常に電源を投入し、そうでなければ故障信号を送信してユーザに点検を提示する。本発明の目的、技術的解決策および効果をより明らかかつ明確にするために、以下、図面を参照して実施例と併せて本発明をより詳細に説明する。なお、ここで説明される具体的な実施例は本発明を解釈するためのみに使用され、本発明を限定するものではない。
【0017】
実施形態と特許請求の範囲において、文脈上冠詞を特に明記しない限り、「一」、「一つ」、「前記」および「該」は複数形を含んでもよい。本発明の実施例では「第1」、「第2」などがある場合、「第1」、「第2」などの記述は目的を説明するためのみに使用され、相対的な重要性を指示または暗示するか、またはかかる技術的特徴の数を暗示するものではない。したがって、「第1」、「第2」で定義された特徴は明示的又は黙示的に少なくとも1つの特徴を含む。
【0018】
さらに、本発明の明細書で使用される用語「含む」とは、前記特徴、整数、ステップ、操作、素子および/または部品を含むが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、操作、素子、部品および/またはそれらの組合せが存在するかまたは追加され得る。なお、素子を別の素子に「接続」または「結合」する場合、他の素子に直接に接続または結合してもよく、中間素子を介して接続または結合してもよい。また、ここで使用される「接続」または「結合」は、無線接続または無線結合を含んでもよい。ここでの用語「および/または」は、1つ以上の関連するリスト項目の全て、又は任意のユニット、又は全ての組み合わせを含む。
【0019】
当業者は、特に定義されない限り、ここで使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、当業者の一般的な理解と同じ意味を有すると理解され得る。また、例えば、一般的な辞書に定義されている用語は、先行技術の本文中の意味と一致するものと理解され、本明細書で特に定義されない限り、そうでなければ、理想的または形式的な意味で説明できないものと理解される。
【0020】
また、当業者は実施できるように、各実施例間の技術的解決策を相互に組み合わせることができるが、技術的解決策の組合せが相互に矛盾または実施できない場合、このような技術的解決策の組合せが存在せず、本発明の保護範囲に該当しないと考えるべきである。
【0021】
本発明者は、人工呼吸器に対する既存検査は、主に作業者は定期的に(3ヶ月または6ヶ月)行い、抵抗または他の回路検出機器を使用して手動で回路の故障の有無を検出することを見だした。このように、多大な人手と資材を投入して製造コストを上昇させるだけでなく、定期的な検出は温度測定が不正確になる危険性があり、信頼性が低い。
【0022】
上記の技術的問題に対して、本発明はNTC温度測定回路および人工呼吸器を提供し、温度測定モジュールによって加熱パイプライン中のガスの温度を監視し、電源投入時検出モジュールによって温度測定精度を確認し、電源投入時の自己診断を実現し、問題を即時に発現し、温度測定精度を確保し、事故リスクを回避する同時に手動検査を避け、検出コストを削減することができる。
【0023】
図1と
図2を同時に参照すると、本発明はNTC温度測定回路の好ましい実施例を提供する。
【0024】
図1に示すように、本発明によって提供されるNTC温度測定回路は、加熱ループに用いられ、前記NTC温度測定回路は、温度測定モジュール100、スイッチモジュール200、制御モジュール300および検出モジュール400を含む。前記制御モジュール300はそれぞれ前記温度測定モジュール100、前記検出モジュール400、前記スイッチモジュール200に電気的に接続され、前記スイッチモジュール200はそれぞれ前記温度測定モジュール100、前記検出モジュール400に電気的に接続される。その中で、前記温度測定モジュール100は加熱ループの被測定部分の温度を監視して第1温度データを取得するように構成され、前記スイッチモジュール200は前記制御モジュール300から出力されたイネーブル信号に従って前記温度測定モジュール100、前記検出モジュール400間のオンオフを切り替えるように構成され、前記検出モジュール400は温度測定回路中の温度を確認して第2温度データを取得するように構成され、前記制御モジュール300は第1温度データを取得して第1温度データに従って加熱ループの被測定部分の温度を調整し、前記第2温度データを取得して前記第2温度データに従って温度測定精度を判断するように構成される。
【0025】
具体的に、前記温度測定モジュール100は加熱ループに設けられ、加熱ループの被測定部分の温度を監視して第1温度データを取得し、監視された温度を前記制御モジュール300にフィードバックし、前記制御モジュール300は第1温度データに従って加熱ループ中のガスの温度を調整することができる。温度測定精度を確保するために、本出願はNTC温度測定回路に検出モジュール400を追加して、電源投入時自己診断を行うことで、温度測定回路中の温度を確認して第2温度データを取得し、前記制御モジュール300は前記第2温度データに従って温度測定精度を判断することができる。このように、本出願によって提供されるNTC温度測定回路は、温度測定モジュール100によって加熱パイプラインの被測定部分の温度を監視し、電源投入時検出モジュール400によって温度測定精度を確認し、電源投入時の自己診断を実現し、問題を即時に発現し、温度測定精度を確保し、精度が高く、事故リスクを回避する同時に手動検査を避け、検出コストを削減することができる。
【0026】
図2を参照すると、一つの実施例のさらなる実施形態では、前記温度測定モジュール100は、NTCサーミスタを含み、前記NTCサーミスタRTHの一端は前記スイッチモジュール200に電気的に接続され、前記NTCサーミスタRTHの他端は前記制御モジュール300に電気的に接続されて接地される。
【0027】
具体的に、前記NTCサーミスタRTHは温度データ線に設けられ、その一部が取付穴などを介して被測定部に接続され、例えば加熱呼吸ループ(人工呼吸器に適用される場合)のガス温度を検出するように構成され、前記NTCサーミスタRTHは前記スイッチモジュール200を介して電源に接続され、電源からNTCサーミスタRTHに電力を供給し、前記NTCサーミスタRTHはさらに前記制御モジュール300に電気的に接続され、前記NTCサーミスタRTHと前記スイッチモジュール200は導通状態である場合、加熱ループ中の温度を前記制御モジュール300にフィードバックして、加熱ループ中のガスの温度を監視することができる。その中で、人工呼吸器では、加熱ループとは呼吸装置用のパイプラインを指し、その内部に発熱線が設けられ、加湿およびガス加熱の作用を果たす。
【0028】
図2を継続的に参照すると、一つの実施例のさらなる実施形態では、前記検出モジュール400は、複数の検出抵抗を含み、前記検出抵抗の一端は前記スイッチモジュール200に電気的に接続され、前記検出抵抗の他端は前記制御モジュール300に電気的に接続される。
【0029】
図2を継続的に参照すると、さらに、前記スイッチモジュール200はマルチウェイスイッチSWを含み、前記マルチウェイスイッチSWはそれぞれ前記制御モジュール300と給電電源(定電流源または定電圧源であってもよい)に接続され、前記マルチウェイスイッチSWは、さらに前記NTCサーミスタRTHと前記検出抵抗に接続される。
【0030】
具体的に、前記検出抵抗と前記NTCサーミスタRTHは前記マルチウェイスイッチSWを介して前記制御モジュール300に接続され、前記制御モジュール300によってマルチウェイスイッチを制御してNTCサーミスタRTHと前記検出抵抗を切り替え、電源投入時、まず前記検出抵抗を導通させ、電源投入時の自己診断を実現し、検出合格の場合前記NTCサーミスタRTHに切り替えることで、加熱ループの温度を監視し、もちろん、自己診断が不合格である場合、再び通常電源投入前に故障信号をユーザに送信して点検を提示する。
【0031】
いくつかの実施例では、前記検出抵抗は標準抵抗であり、該標準抵抗は固定の抵抗値を有し、検出時NTCサーミスタの代わりに、予想温度を得て検出を行い、例えば、NTCサーミスタRTHは2.252KΩである場合、標準抵抗2.2KΩの時装置表示温度は25.5℃であり、標準抵抗1KΩの時装置表示温度は44.5℃であり、表示温度の誤差が+/‐0.5°範囲内である場合に合格となり、通常に電源を投入し、そうでなければ温度測定回路が故障し、不合格となり、音または光信号ランプを通じて故障信号を送信して、ユーザに点検を提示する。
【0032】
図2を継続的に参照すると、いくつかの実施例では、第1検出抵抗R1と第2検出抵抗R2という2つの検出抵抗が設けられ、それぞれ前記マルチウェイスイッチSWの第1ピンおよび第2ピンに接続され、前記NTCサーミスタRTHは前記マルチウェイスイッチの第3ピンに接続される。電源投入時の自己診断場合、前記制御モジュール300によって異なる抵抗値の各検出抵抗を切り替え、すべての検出抵抗の表示温度が合格である場合、通常に電源を投入する。なお、検出抵抗の数が多いほど、検出精度が高くなり、実際の応用において、実際の状況に応じて検出抵抗の数を設定すればよい。
【0033】
図2を継続的に参照すると、一つの実施例のさらなる実施形態では、前記制御モジュール300はシングルチップマイクロコンピュータMCUを含み、前記シングルチップマイクロコンピュータMCUの入力端は、前記温度測定モジュール100、検出モジュール400に電気的に接続され、前記シングルチップマイクロコンピュータMCUの出力端は前記スイッチモジュール200に電気的に接続される。
【0034】
具体的に、本出願はシングルチップマイクロコンピュータMCUによって前記マルチウェイスイッチSWを切り替えることで、装置の自己診断を実現する。さらに、前記NTC温度測定回路は、オペアンプOPAをさらに含み、前記オペアンプOPAの入力端は前記NTCサーミスタRTH、前記検出抵抗に電気的に接続され、前記オペアンプOPAの出力端は前記シングルチップマイクロコンピュータMCUに電気的に接続され、その中で、前記オペアンプOPAの第1ピンは前記シングルチップマイクロコンピュータMCUに接続され、前記オペアンプOPAの第2ピンは前記マルチウェイスイッチSWの共通端COMに接続され、前記オペアンプOPAの第3ピンは前記NTCサーミスタRTH、前記第1検出抵抗R1および前記第2検出抵抗R2に接続され、前記オペアンプOPAによって前記NTCサーミスタRTH、前記第1検出抵抗R1および前記第2検出抵抗R2の電圧を集めて温度を測定する。いくつかの実施例では、前記シングルチップマイクロコンピュータのモデルはMSP430であり得る。
【0035】
いくつかの実施例では、本発明は、人工呼吸器をさらに提供し、前記人工呼吸器は、加熱ループおよび前記のNTC温度測定回路を含み、その中で、前記温度測定モジュールと前記検出モジュールは、前記加熱ループに設けられている。具体的な内容は上記の説明を参照すればよく、ここでは繰り返さない。
【0036】
図3を参照すると、いくつかの実施例では、前記人工呼吸器はディスプレイをさらに含み、前記ディスプレイは前記制御モジュールに電気的に接続され、温度測定回路の故障を検出する時、ディスプレイに表示して故障信号を送信する。なお、いくつかの実施例では、警報灯またはラウドスピーカなどを通じて故障信号を送信してもよい。
【0037】
図3を参照すると、いくつかの実施例では、本発明は、人工呼吸器の電源投入時自己診断方法をさらに提供し、上記の人工呼吸器に適用され、該方法は、
S100、検出モジュールによって人工呼吸器の温度測定回路の温度データを取得するステップと、
S200、制御モジュールによって前記温度データと予設温度値を比較し、前記温度データが誤差範囲内である場合、人工呼吸器を制御して通常電源を投入するステップと、
S300、温度測定モジュールによって加熱ループの被測定部分のガスの温度を監視し、前記制御モジュールによって加熱ループ中のガスの温度を調整するステップと、を含む。
【0038】
具体的に、人工呼吸器の電源投入時、まず検出モジュールによって温度測定精度を確認し、測定された温度が誤差範囲内である場合、人工呼吸器を通常に電源を投入すればよく、そうでなければユーザに点検を提示し、電源投入時の自己診断の目的を達成する。通常に電源を投入すると、温度測定モジュールによって加熱ループの被測定部分のガスの温度を即時に監視し、測定された温度データを制御モジュールにフィードバックし、制御モジュールは測定された温度データに従って加熱ループ中のガスの温度を調整することができる。
【0039】
以上のように、本発明は、NTC温度測定回路、人工呼吸器および人工呼吸器の電源投入時自己診断方法を提供し、その中で、前記NTC温度測定回路は加熱ループに用いられ、前記NTC温度測定回路は、温度測定モジュール、スイッチモジュール、制御モジュールおよび検出モジュールを含み、前記制御モジュールはそれぞれ前記温度測定モジュール、前記検出モジュール、前記スイッチモジュールに電気的に接続され、前記スイッチモジュールはそれぞれ前記温度測定モジュール、前記検出モジュールに電気的に接続され、前記温度測定モジュールは加熱ループの被測定部分の温度を監視して第1温度データを取得するように構成され、前記スイッチモジュールは前記制御モジュールから出力されたイネーブル信号に従って前記温度測定モジュールと前記検出モジュール間のオンオフを切り替えるように構成され、前記検出モジュールは、温度測定回路の温度を確認して第2温度データを取得するように構成され、前記制御モジュールは、第1温度データを取得し第1温度データに従って加熱ループの被測定部分の温度を調整し、前記第2温度データを取得し前記第2温度データに従って温度測定精度を判断するように構成される。本発明は、温度測定モジュールによって加熱パイプラインの被測定部分の温度を監視し、電源投入時検出モジュールによって温度測定精度を確認し、電源投入時の自己診断を実現し、問題を即時に発現し、温度測定精度を確保し、事故リスクを回避する同時に手動検査を避け、検出コストを削減することができる。
【0040】
なお、本発明の適用は上記の実施例に限定されず、当業者にとっては、上記の説明に基づいて改善または変更することができ、これらの改善や変更はすべて本発明の特許請求の範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0041】
100 温度測定モジュール
200 スイッチモジュール
300 制御モジュール
400 検出モジュール
500 ディスプレイ
【国際調査報告】