(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-26
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
A01M 1/00 20060101AFI20230419BHJP
G06Q 50/02 20120101ALI20230419BHJP
【FI】
A01M1/00 Z
G06Q50/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022552679
(86)(22)【出願日】2021-03-12
(85)【翻訳文提出日】2022-09-01
(86)【国際出願番号】 JP2021010185
(87)【国際公開番号】W WO2021187387
(87)【国際公開日】2021-09-23
(31)【優先権主張番号】P 2020045097
(32)【優先日】2020-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(81)【指定国・地域】
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構、イノベーション創出強化研究推進事業『施設園芸の主要病害発生予測AIによる総合的病害予測・防除支援ソフトウェア開発』委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000232564
【氏名又は名称】バイエルクロップサイエンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【氏名又は名称】反町 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100124372
【氏名又は名称】山ノ井 傑
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 聖
(72)【発明者】
【氏名】盛 朝子
(72)【発明者】
【氏名】佐々 貴洋
【テーマコード(参考)】
2B121
5L049
【Fターム(参考)】
2B121AA11
2B121CC02
2B121CC21
2B121CC39
2B121CC40
2B121EA26
2B121FA14
5L049CC01
(57)【要約】
課題:農産物に対しての病虫害リスクを効果的に低減し得る情報処理装置を提供すること。解決手段:情報処理装置10は、農産物に対しての病虫害リスクを予測するものであって、情報処理装置は、病虫害リスクに影響を与える少なくとも1つの影響パラメータを変化させる複数の対策候補の各々に関して、病虫害リスク低減効果を予測する予測ユニットと、病虫害リスク低減効果に関して予測ユニットによって提供された予測結果に基づいて、病虫害リスク低減効果がより大きな対策を優先することにより、複数の対策候補の中から、対策を選択する選択ユニットとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
農産物に対しての病虫害リスクを予測する情報処理装置(10)であって、
前記病虫害リスクに影響を与える少なくとも1つの影響パラメータを変化させる複数の対策候補の各々に関して、前記病虫害リスクの低減効果を予測する予測ユニット(12a)と、
前記病虫害リスク低減効果に関して前記予測ユニット(12a)によって提供された予測結果に基づいて、前記病虫害リスク低減効果がより大きな対策を優先することにより、前記複数の対策候補の中から、対策を選択する選択ユニット(12b)と、
を含む情報処理装置(10)。
【請求項2】
前記選択ユニット(12b)は、前記病虫害リスク低減効果がより大きな対策を優先することと、さらに、より少ない労力で実装される対策を優先することとにより、選択を行う、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記選択ユニット(12b)は、前記病虫害リスク低減効果がより大きな対策を優先することと、さらに、より低コストで実装される対策を優先することとにより、選択を行う、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記選択ユニット(12b)によって選択された前記対策に関連した対策情報を出力する出力ユニット(11)を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記対策情報は、前記選択ユニット(12b)によって選択された前記対策による前記影響パラメータの変化を示す情報を含む、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記対策情報は、前記選択ユニット(12b)によって選択された前記対策による前記影響パラメータの変化を引き起こすためにユーザ(U1)が実施すべき行動を示す情報を含む、請求項4または5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記予測ユニット(12a)は、気象情報に基づいて前記複数の対策候補を決定する、請求項1~6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記影響パラメータは、前記農産物の栽培現場(C1)における環境に関連した環境パラメータを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記影響パラメータは、前記農産物の栽培現場(C1)における化学物質散布に関連した化学物質散布パラメータを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
病虫害(すなわち、病気によって引き起こされた農産物の被害である病害、または、虫によって引き起こされた農産物の被害である虫害)から農産物(produce)を保護するための農業技術が、提案されている。このような技術は、病虫害が発生するリスクである病虫害リスクを予測することを含む(例えば、特許文献1を参照されたい)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】日本国特許出願公開第2004-185222(A)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
予測された病虫害リスクは、ユーザ(すなわち、農業従事者)に対して通知され、農産物を病虫害から保護するために使用される。しかしながら、病虫害リスクの予測結果の通知に応答してユーザが実行し得る行動は、多岐にわたっている。そのため、ユーザは、病虫害リスクを効果的に低減するための行動を選択することが困難であり得る。その結果、農産物に対しての病虫害リスクを効果的に低減することが困難であり得る。
【0005】
この課題に鑑み、本発明の目的は、農産物に対しての病虫害リスクを効果的に低減し得る情報処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、情報処理装置は、農産物に対しての病虫害リスクを予測するものであって、情報処理装置は、病虫害リスクに影響を与える少なくとも1つの影響パラメータを変化させる複数の対策候補の各々に関して、病虫害リスク低減効果を予測する予測ユニットと、病虫害リスク低減効果に関して予測ユニットによって提供された予測結果に基づいて、病虫害リスク低減効果がより大きな対策を優先することにより、複数の対策候補の中から、対策を選択する選択ユニットとを含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、農産物に対しての病虫害リスクを効果的に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の一実施態様による情報処理システムに関する概要構成を示す概略図である。
【0009】
【
図2】
図2は、本発明の一実施態様による情報処理サーバに関する機能的構成の一例を示すブロック図である。
【0010】
【
図3】
図3は、本発明の一実施態様による情報処理サーバが行う病虫害リスク予測に関連した処理フローの一例を示すフローチャートである。
【0011】
【
図4】
図4は、病虫害リスク低減効果に関して本発明の一実施態様による予測ユニットによって提供された予測結果の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、本発明の好ましい実施態様について、添付図面を参照して詳細に説明する。この実施態様において示す、寸法、材質、および、他の具体的な数値、等は、本発明の理解を補助するための例示に過ぎず、特段に記載しない限り、本発明を限定するものではない。本明細書および図面では、実質的に同一の機能または構成を有した構成要素には、同一の参照符号が付されていること、また、それらの重複する説明が省略されていること、さらに、本発明に対して直接的に関係しない構成要素が、図面から省略されていること、に留意されたい。
【0013】
情報処理システムの構成
本発明の一実施態様による情報処理システム1の構成について、
図1を参照して説明する。
【0014】
図1は、情報処理システム1の概略構成を示す概略図である。
【0015】
図1に示すように、情報処理システム1は、情報処理サーバ10と、ユーザ端末20と、センサデバイス30と、気象情報サーバ40と、を含む。情報処理サーバ10と、ユーザ端末20と、センサデバイス30と、気象情報サーバ40とは、無線通信ネットワークを介して通信可能である。情報処理システム1は、農業従事者であるユーザU1による栽培現場C1での農産物の栽培を支援するためのシステムである。
図1は、栽培現場C1がビニールハウスである一例を示しているけれども、栽培現場C1が、同様に、ビニールハウス以外の栽培現場(例えば、屋根のない露地栽培現場、等)であってもよいことに、留意されたい。
【0016】
以下の説明は、情報処理サーバ10が本発明による情報処理装置の一例に対応する事例に関連したものであるけれども、本発明による情報処理装置が、同様に、情報処理サーバ10以外の別のデバイス(例えば、ユーザ端末20)であってもよいことに、留意されたい。さらに、本発明による情報処理装置の機能は、同様に、複数のデバイス(例えば、情報処理サーバ10およびユーザ端末20)によって実装されてもよい。同様に、本発明による情報処理装置の機能は、例えば、クラウドコンピューティングを使用して実装されてもよい。
【0017】
各デバイスから取得した情報を使用して、すなわち、ユーザ端末20とセンサデバイス30と気象情報サーバ40とから取得した情報を使用して、情報処理サーバ10は、ユーザ端末20に対して、栽培現場C1における農産物の栽培に関して価値のある情報を、送信する。情報処理サーバ10から送信された情報は、ユーザ端末20へと表示されることで、ユーザU1に対して通知される。
【0018】
具体的には、情報処理サーバ10は、各デバイスから取得した情報を使用することにより、農産物に対しての病虫害リスクを予測するとともに、病虫害リスクの予測結果を、ユーザ端末20に対して送信する。病虫害リスクとは、病虫害が発生するリスクのことである。さらに、情報処理サーバ10は、また、センサデバイス30から取得した情報(具体的には、センサデバイス30によって検出された栽培現場C1に関連した様々な種類の検出データ)を、ユーザ端末20に対して送信してもよい。情報処理サーバ10の詳細な構成については、後述することに、留意されたい。
【0019】
ユーザ端末20は、ユーザU1が使用している情報処理端末(具体的には、スマートフォン)である。
図1は、ユーザ端末20がスマートフォンである一例を示しているけれども、ユーザ端末20が、同様に、スマートフォン以外の情報処理端末(例えば、タブレット端末、または、据え置き型のパーソナルコンピュータ、等)であってもよいことに、留意されたい。
【0020】
ユーザ端末20は、ユーザU1によって実行された入力操作を受信する機能を有しているとともに、ユーザU1が入力した情報である入力情報を、情報処理サーバ10に対して、送信する。ユーザU1からの入力情報は、例えば、栽培現場C1の住所、栽培現場C1の広さ、農産物の種類、農産物の植付密度、栽培開始時期、収穫時期、または、化学物質(例えば、農薬)の散布履歴、等を示す情報を含む。さらに、ユーザ端末20は、情報を視覚的に表示する機能を有しており、情報処理サーバ10から受信した情報を表示する。
【0021】
センサデバイス30は、栽培現場C1内に設置されており、複数のセンサを含む。例えば、センサデバイス30は、栽培現場C1内の湿度を検出するための湿度センサ、栽培現場C1内の気温を検出するための温度センサ、栽培現場C1内の二酸化炭素濃度を検出するための二酸化炭素濃度センサ、または、栽培現場C1内の日射量を検出するための日射センサ、等を含む。
【0022】
センサデバイス30は、センサデバイス30内に設けられたセンサからの検出データを、情報処理サーバ10に対して送信する。例えば、センサは、予め設定された時間間隔で区切られた検出時刻に様々な物理量を検出し、センサデバイス30は、検出時刻に、センサからの検出データを、情報処理サーバ10に対して送信する。
【0023】
気象情報サーバ40は、外部デバイスに対して、気象情報を提供する。具体的には、気象情報サーバ40は、情報処理サーバ10からの要求に応じて、栽培現場C1を含む地域の気象情報を、情報処理サーバ10に対して送信する。気象情報は、天候に関連した情報であり、例えば、外気の温度(すなわち、外気温度)、外気の湿度、日射量、または、降雨量、等を示す情報を含む。
【0024】
情報処理サーバの構成
本発明の一実施態様による情報処理サーバ10の構成について、
図2を参照して説明する。
【0025】
情報処理サーバ10は、例えば、演算処理デバイスであるCPU(中央処理装置)、CPUによって使用されるプログラムおよび演算パラメータ等を格納するためのメモリ素子であるROM(リードオンリーメモリ)、および、CPU等による実装に際して適宜に変化するパラメータ等を一時的に格納するためのメモリ素子であるRAM(ランダムアクセスメモリ)、等を含む。
【0026】
図2は、情報処理サーバ10の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【0027】
図2に示すように、情報処理サーバ10は、例えば、通信ユニット11と、制御ユニット12と、メモリユニット13と、を含む。通信ユニット11が、本発明による出力ユニットの一例に対応していることに、留意されたい。
【0028】
通信ユニット11は、情報処理システム1内の各デバイスと通信する。具体的には、通信ユニット11は、それらデバイスから送信された情報を受信するとともに、すなわち、ユーザ端末20とセンサデバイス30と気象情報サーバ40とから送信された情報を受信するとともに、取得した情報を、制御ユニット12に対しておよびメモリユニット13に対して、出力する。さらに、通信ユニット11は、制御ユニット12によって生成された情報を、ユーザ端末20に対して送信する。
【0029】
制御ユニット12は、ユーザ端末20に対して送信する情報を生成するための様々な種類の処理を実行する。
図2に示すように、制御ユニット12は、例えば、プログラムと協働して機能する、予測ユニット12aおよび選択ユニット12bを含む。
【0030】
予測ユニット12aは、農産物に対しての病虫害リスクを予測する。具体的には、予測ユニット12aは、予め学習した予測モデルを使用することにより、農産物に対しての病虫害リスクを予測する。予測モデルは、各デバイスから送信された情報が入力された時には、すなわち、ユーザ端末20とセンサデバイス30と気象情報サーバ40とから送信された情報が入力された時には、農産物に対しての病虫害リスクを出力する。予測モデルは、サポートベクターマシンなどの既存アルゴリズムに従って構築されてもよく、あるいは、時系列モデルであってもよい。
【0031】
予測ユニット12aと協働して、選択ユニット12bは、病虫害リスクを効果的に低減するための行動をユーザに実施させるための処理を実行する。具体的には、病虫害リスクを効果的に低減するための行動をユーザに実施させるために予測ユニット12aが実行する処理は、病虫害リスクに影響を与える少なくとも1つの影響パラメータを変化させる複数の対策候補の各々に関して、病虫害リスク低減効果を予測することを含む。その後、選択ユニット12bは、病虫害リスク低減効果に関して予測ユニット12aによって提供された予測結果に基づいて、病虫害リスク低減効果がより大きな対策を優先することにより、複数の対策候補の中から、対策を選択する。これにより、病虫害リスクを効果的に低減するために影響パラメータに変化を引き起こすための行動(言い換えれば、病虫害リスクを効果的に低減する行動)を、ユーザU1に実施させることができる。したがって、農産物に対しての病虫害リスクを効果的に低減することができる。情報処理サーバ10によって実行されるこの病虫害リスク予測に関連した処理に関する詳細については、後述する。
【0032】
メモリユニット13は、制御ユニット12によって実行される処理において使用される情報を、格納する。具体的には、メモリユニット13は、各デバイスから送信された情報を、すなわち、ユーザ端末20とセンサデバイス30と気象情報サーバ40とから送信された情報を、格納する。
【0033】
情報処理サーバの動作
本発明の一実施態様による情報処理サーバ10の動作について、
図3および
図4を参照して説明する。
【0034】
図3は、情報処理サーバ10によって実行される病虫害リスク予測に関連した処理フローの一例を示すフローチャートである。
図3に示す処理フローは、例えば、情報処理サーバ10によって、予め設定された時間間隔で、開始される。
図3におけるステップS101およびステップS109は、それぞれ、
図3に示す処理フローの開始および終了に対応している。
【0035】
図3に示す処理フローが開始された時には、ステップS102において、まず、予測ユニット12aが、農産物に対しての病虫害リスクを予測する。
【0036】
ステップS102では、予測ユニット12aは、農産物に対しての病虫害リスク(例えば、1日後または2日後における、病虫害の発生の可能性を示す数値)を、ユーザ端末20から取得したユーザU1からの入力情報(例えば、栽培現場C1の住所、栽培現場C1の広さ、農産物の種類、農産物の植付密度、栽培開始時期、収穫時期、または、化学物質の散布履歴、等を示す情報)と、センサデバイス30から取得したセンサ情報(例えば、栽培現場C1内の湿度、栽培現場C1内の気温、栽培現場C1内の二酸化炭素濃度、または、栽培現場C1内の日射量、等を示す情報)と、気象情報サーバ40から取得した気象情報(例えば、外気温度、外気の湿度、日射量、または、降雨量、等を示す情報)と、を使用することにより、また、予測モデルを使用することにより、予測する。予測ユニット12aが、また、栽培現場C1内の環境に影響を与え得る各機器(例えば、加熱機器、等)が自動的に実行する制御を考慮しつつ、農産物に対しての病虫害リスクを予測してもよいことに、留意されたい。
【0037】
ステップS102に続くステップS103では、制御ユニット12は、病虫害リスクが基準よりも大きいかどうかを判断する。病虫害リスクが基準よりも大きいと考えられる場合には(ステップS103/はい)、処理フローは、ステップS104へと進み、病虫害リスクを効果的に低減するための行動をユーザU1に実施させるための処理を実行する(具体的には、ステップS104~ステップS107)。病虫害リスクが基準よりも小さいと考えられる場合には(ステップS103/いいえ)、処理フローは、ステップS108へと進み、通信ユニット11が、病虫害リスクに関する予測結果を、ユーザ端末20に対して送信して、
図3に示す処理フローを終了する。
【0038】
ステップS103における基準は、病虫害リスクから農産物を保護するための行動をユーザU1に実施させる必要があるかどうかを判断するために、使用される。つまり、病虫害リスクが基準よりも大きいと考えられる場合には、病虫害リスクから農産物を保護するための行動をユーザU1に実施させる必要があると、判断することができる。例えば、制御ユニット12は、予測した病虫害リスクの数値が基準値よりも大きい場合には、病虫害リスクが基準よりも大きいと判断する。
【0039】
ステップS103での判断が、はいの場合には、ステップS104において、予測ユニット12aが、病虫害リスクに影響を与える少なくとも1つの影響パラメータを変化させる複数の対策候補を決定する。
【0040】
本明細書における対策とは、どの影響パラメータを変化させるか、および、どのような態様で変化させるか、を支配するものである。その上、予測ユニット12aは、また、複数の影響パラメータを変化させる対策を、候補として、決定してもよい。
【0041】
影響パラメータは、例えば、農産物の栽培現場C1における環境に関連した環境パラメータを含んでもよい。栽培現場C1内の湿度、栽培現場C1内の気温、栽培現場C1内の二酸化炭素濃度、または、栽培現場C1内の日射量、等が、例えば、環境パラメータとして使用されてもよい。その上、環境パラメータは、センサデバイス30による検出対象であってもよく、あるいは、センサデバイス30による検出対象ではないパラメータ(例えば、栽培現場C1における土壌水分、等)であってもよい。
【0042】
湿度を5%上昇させるという対策、湿度を10%上昇させるという対策、湿度を5%低下させるという対策、湿度を10%低下させるという対策、等が、栽培現場C1内の湿度を変化させる対策の例である。
【0043】
気温を1℃上昇させるという対策、気温を2℃上昇させるという対策、気温を1℃低下させるという対策、気温を2℃低下させるという対策、等が、栽培現場C1内の気温を変化させる対策の例である。
【0044】
二酸化炭素濃度を5%上昇させるという対策、二酸化炭素濃度を10%上昇させるという対策、二酸化炭素濃度を5%低下させるという対策、二酸化炭素濃度を10%低下させるという対策、等が、栽培現場C1内の二酸化炭素濃度を変化させる対策の例である。
【0045】
日射量を1MJ/m2上昇させるという対策、日射量を2MJ/m2上昇させるという対策、日射量を1MJ/m2低下させるという対策、日射量を2MJ/m2低下させるという対策、等が、栽培現場C1内の日射量を変化させる対策の例である。
【0046】
さらに、影響パラメータは、また、例えば、農産物の栽培現場C1における化学物質散布に関連した化学物質散布パラメータを含んでもよい。栽培現場C1内の化学物質散布時期、栽培現場C1内の化学物質散布量、または、栽培現場C1内で散布される化学物質の種類、等を、例えば、化学物質散布パラメータとして使用してもよい。
【0047】
散布時期を早めるという対策、散布時期を遅らせるという対策、等が、栽培現場C1内の散布時期を変化させる対策の例である。
【0048】
散布量を1000m2あたりにつき100L増加させるという対策、散布量を1000m2あたりにつき100L減少させるという対策、等が、栽培現場C1内の化学物質散布量を変化させる対策の例である。
【0049】
現在使用している化学物質の効果とは異なる効果を有した化学物質へと、使用する化学物質を変更するという対策、等が、栽培現場C1内で散布される化学物質の種類を変化させる対策の例である。
【0050】
上述したように、予測ユニット12aは、また、複数の影響パラメータに対する変化を支配する対策を、候補として決定してもよい。栽培現場C1内の湿度を5%上昇させるとともに栽培現場C1内の二酸化炭素濃度を5%上昇させるという対策、または、栽培現場C1内の気温を1℃上昇させるとともに散布時期を早めるという対策、等が、そのような対策の例である。
【0051】
ここで、外気温度の変化または外気湿度の変化などの気象条件は、病虫害リスクに影響を与える要因である。そのため、予測ユニット12aは、好ましくは、病虫害リスクを効果的に低減するための対策を候補として適切に決定する観点から、気象情報(例えば、当日、1日後、および2日後、の気象情報)に基づいて、複数の対策候補を決定する。
【0052】
ステップS104に続くステップS105では、予測ユニット12aは、複数の対策候補の各々に関して、病虫害リスク低減効果を予測する。
【0053】
病虫害リスク低減効果とは、対策が実施された時の(すなわち、対策が支配する影響パラメータに変化があった時の)病虫害リスクが、対策が実施されていない時の病虫害リスク(すなわち、ステップS102で予測した病虫害リスク)に対して、どの程度低減するかを意味する。言い換えれば、病虫害リスク低減効果が大きいほど、対策が実施された結果として、病虫害リスクがより低減されることとなる。
【0054】
具体的には、予測ユニット12aは、対策が支配する影響パラメータに変化があったと仮定した条件下で、各候補に関して、ステップS102と同様にして、農産物に対しての病虫害リスクを予測する。例えば、栽培現場C1内の湿度を5%上昇させるという対策が候補として決定された時には、その候補に関して、栽培現場C1内の湿度が、現在の湿度に対して5%上昇したという条件下で、農産物に対しての病虫害リスクを予測する。
【0055】
ステップS105に続くステップS106では、選択ユニット12bが、病虫害リスク低減効果に関して予測ユニット12aによって提供された予測結果に基づいて、複数の対策候補の中から、対策を選択する。具体的には、選択ユニット12bは、病虫害リスク低減効果がより大きな対策を優先することにより、選択を行う。
【0056】
図4は、病虫害リスク低減効果に関して予測ユニット12aによって提供された予測結果の一例を示す概略図である。
図4における横軸A1は、対策候補の各々を分類するための軸であり、縦軸A2は、病虫害リスク低減効果を表している。
【0057】
図4に示す例は、5つの対策候補を示している、すなわち、候補M1と、候補M2と、候補M3と、候補M4と、候補M5と、を示している。各候補は、病虫害リスク低減効果が異なっており、候補M1、候補M4、候補M3、候補M5、候補M2の順で、効果が増大する。つまり、候補M2が、病虫害リスク低減効果が最も大きく、候補M1が、病虫害リスク低減効果が最も小さい。
【0058】
選択ユニット12bは、例えば、複数の対策候補の中から、病虫害リスク低減効果が最も大きな対策候補を選択する。
図4に示す例では、例えば、選択ユニット12bは、候補M1と候補M2と候補M3と候補M4と候補M5との中から、病虫害リスク低減効果が最も大きな候補M2に対応した対策を選択する。
【0059】
ここで、選択ユニット12bは、好ましくは、病虫害リスク低減効果がより大きな対策を優先することにより、さらに、より少ない労力で農産物に対しての病虫害リスクを低減するという観点から、より少ない労力で実装される対策を優先することにより、選択を行う。
図4に示す例では、例えば、選択ユニット12bは、病虫害リスク低減効果がしきい値THよりも大きな候補である候補M2と候補M3と候補M5との中から、最も少ない労力で実装される候補に対応した対策を選択してもよい。病虫害リスク低減効果が最も大きな候補M2以外の候補(すなわち、候補M3または候補M5)が、時には、結果として選択されることに、留意されたい。
【0060】
さらに、選択ユニット12bは、好ましくは、病虫害リスク低減効果がより大きな対策を優先することにより、さらに、より低コストで農産物に対しての病虫害リスクを低減するという観点から、より低コストで実装される対策を優先することにより、選択を行う。
図4に示す例では、例えば、選択ユニット12bは、病虫害リスク低減効果がしきい値THよりも大きな候補である候補M2と候補M3と候補M5との中から、最も低コストで実装される候補に対応した対策を選択してもよい。病虫害リスク低減効果が最も大きな候補である候補M2以外の候補(すなわち、候補M3または候補M5)が、時には、結果として選択されることに、留意されたい。
【0061】
その上、選択ユニット12bは、また、労力とコストとの両方を考慮しつつ、複数の対策候補の中から、対策を選択してもよい。例えば、選択ユニット12bは、労力が減少するほど増大する第1スコアと、コストが減少するほど増大する第2スコアと、を使用することにより、労力とコストとの両方を考慮した選択を行ってもよい。
図4に示す例では、例えば、選択ユニット12bは、病虫害リスク低減効果がしきい値THよりも大きな候補である候補M2と候補M3と候補M5との各々に関して、第1スコアおよび第2スコアを決定してもよく、その後、候補M2と候補M3と候補M5との中から、第1スコアおよび第2スコアの合計値が最も小さな候補を選択してもよい。別の例では、選択ユニット12bは、病虫害リスク低減効果がしきい値THよりも大きな候補である候補M2と候補M3と候補M5との各々に関して、第1スコアおよび第2スコアを決定してもよく、その後、候補M2と候補M3と候補M5との中から、第1スコアおよび第2スコアの合計値が最も大きな候補を選択してもよい。
【0062】
ステップS106に続くステップS107では、通信ユニット11が、選択ユニット12bによって選択された対策に関連した病虫害リスク予測結果および対策情報を、ユーザ端末20に対して送信して、
図3に示す処理フローを終了する。
【0063】
対策情報は、例えば、選択ユニット12bによって選択された対策による影響パラメータの変化を示す情報を含んでもよい。この場合、選択ユニット12bによって選択された対策による影響パラメータの変化を示す情報は、情報処理サーバ10からユーザ端末20に対して送信され、ユーザ端末20へと表示されることで、ユーザU1に対して通知される。例えば、選択ユニット12bによって、栽培現場C1内の湿度を5%上昇させるという対策が選択された場合には、栽培現場C1内の湿度を5%上昇させることを示す情報は、情報処理サーバ10からユーザ端末20に対して送信されることで、ユーザU1に対して通知される。
【0064】
複数の影響パラメータが互いに連動して変化し得ることに、留意されたい。例えば、栽培現場C1内の温度が上昇する時には、一般に、栽培現場C1内の湿度が低下する傾向がある。そのため、選択ユニット12bによって選択された対策が、互いに連動して変化する複数の影響パラメータ(例えば、栽培現場C1内の温度、および、栽培現場C1内の湿度)の変化を支配する時には、1つの影響パラメータを変化させることができ、これにより、その変化対象以外の影響パラメータも変化させることができる。したがって、この場合、通信ユニット11は、1つの影響パラメータの変化のみを示す情報を、対策情報として、ユーザ端末20に対して送信してもよい。その結果、ユーザU1に対して通知される情報量が過度に多くなることを抑制することができ、したがって、ユーザU1は、選択ユニット12bによって選択された対策による影響パラメータの変化が引き起こす作用を、容易に把握することとなる。
【0065】
さらに、対策情報は、選択ユニット12bによって選択された対策による影響パラメータの変化を引き起こすためにユーザU1が実施すべき行動を示す情報を含んでもよい。この場合、選択ユニット12bによって選択された対策による影響パラメータの変化を引き起こすためにユーザU1が実施すべき行動を示す情報は、情報処理サーバ10からユーザ端末20に対して送信され、ユーザ端末20へと表示されることで、ユーザU1に対して通知される。例えば、選択ユニット12bによって、栽培現場C1内の湿度を5%上昇させるという対策が選択された場合には、所定時間(例えば、10分間)にわたって栽培現場C1内に散水するという動作を示す情報が、情報処理サーバ10からユーザ端末20に対して送信されることで、ユーザU1に対して通知される。
【0066】
ここで、各対策と、その対策による影響パラメータの変化を引き起こすためにユーザU1が実施する行動と、の対応関係は、以下のように、様々な態様で設定されてもよい。情報処理サーバ10が、具体的には、複数のユーザに対して、病虫害リスクの予測に関連した処理を実行し得ること、および、この対応関係が、ユーザに応じて相違し得ることに、留意されたい。
【0067】
例えば、栽培現場C1内の湿度を変化させる(すなわち、上昇させる、または、低下させる)という対策は、栽培現場C1内の窓を、開放したりまたは閉塞したりするという動作に対応してもよい。
【0068】
さらに、栽培現場C1内の気温を変化させる(すなわち、上昇させる、または、低下させる)という対策は、例えば、栽培現場C1内の暖房機器を稼動させるという動作に対応してもよい、あるいは、栽培現場C1内の窓を開放したりまたは閉塞したりするという動作に対応してもよい。さらに、栽培現場C1内の気温を低下させるという対策は、栽培現場C1内の暖房運転時に散水するという動作に対応してもよい。
【0069】
さらに、栽培現場C1内の二酸化炭素濃度を変化させる(すなわち、上昇させる、または、低下させる)という対策は、例えば、栽培現場C1内の窓を開放したりまたは閉塞したりするという動作に対応してもよい。さらに、栽培現場C1内の二酸化炭素濃度を上昇させるという対策は、栽培現場C1内の二酸化炭素発生装置を稼動させるという動作に対応してもよい。
【0070】
さらに、栽培現場C1内の日射量を変化させる(すなわち、上昇させる、または、低下させる)という対策は、例えば、栽培現場C1の窓に設けられたカーテンを開放したりまたは閉塞したりするという動作に対応してもよい。さらに、栽培現場C1内の散布時期を変化させる(すなわち、早める、または、遅らせる)という対策は、例えば、変更した散布時期で化学物質を散布するという動作に対応してもよい。
【0071】
さらに、栽培現場C1内の化学物質の散布量を変化させる(すなわち、増加させる、または、減少させる)という対策は、例えば、変化させた化学物質散布量で化学物質を散布するという動作に対応してもよい。
【0072】
さらに、栽培現場C1内で散布される化学物質の種類を変化させるという対策は、種類を変更した化学物質を散布するという動作に対応してもよい。
【0073】
上記の説明では、
図3のフローチャートを参照して、ステップS104で決定された複数の対策候補のすべてに関して、病虫害リスク低減効果を予測する例について説明したけれども、予測ユニット12aが、同様に、既存の最適化アルゴリズムまたは同種のものを使用することにより、ステップS104で決定された複数の対策候補の一部に関しては病虫害リスク低減効果に関する予測を省略し得ることに、留意されたい。具体的には、予測ユニット12aは、複数の対策候補の、いくつかの対策候補に関しての、病虫害リスク低減効果に関する予測結果を使用することにより、病虫害リスク低減効果が比較的小さいと予想される対策候補に関しては、病虫害リスク低減効果に関する予測を省略してもよい。これにより、情報処理サーバ10の処理負荷(例えば、ステップS105における予測処理の負荷)を軽減することができる。
【0074】
さらに、上記の説明では、複数の対策候補の中からいずれかの対策を選択することを前提として、病虫害リスク予測に関連した処理フローについて説明したけれども、同様に、複数の対策候補の中から対策を選択しないことも、実行可能である。例えば、いずれの候補も、しきい値(例えば、
図4に示すしきい値TH)を満たす病虫害リスク低減効果を有していない時には、選択ユニット12bは、いずれの候補も、充分な病虫害リスク低減効果を有していないことを決定してもよく、複数の対策候補の中から対策を選択しなくてもよい。その場合、通信ユニット11は、ユーザ端末20に対して、例えば、いずれの候補も、充分な病虫害リスク低減効果を有していないことを示す表示を、または、病虫害リスクを効果的に低減するための対策が存在しないことを示す表示を、送信してもよい。これにより、ユーザU1に対して、病虫害リスクを効果的に低減するための他の計画案を検討するように、促すことができる。
【0075】
さらに、複数の対策候補の中から1つの対策を選択する例について上記で説明したけれども、選択ユニット12bは、同様に、複数の対策候補の中から、2つ以上の対策(具体的には、候補の数よりも少ない数の対策)を選択してもよい。
図4に示す例では、例えば、選択ユニット12bは、病虫害リスク低減効果がしきい値THよりも大きな候補である候補M2と候補M3と候補M5とに対応した3つの対策をそれぞれ選択してもよい。この場合にも、ユーザU1が実施する行動の選択肢を制限することができ、これにより、病虫害リスクを効果的に低減するための行動を、ユーザU1に実施させることができる。したがって、農産物に対しての病虫害リスクを効果的に低減することができる。選択される複数の対策が、同時に実装し得る複数の対策(例えば、栽培現場C1内の湿度を5%上昇させるという対策、および、日射量を1MJ/m
2上昇させるという対策)であってもよいことに、あるいは、同時に実装し得ない複数の対策(例えば、栽培現場C1内の湿度を5%上昇させるという対策、および、栽培現場C1内の湿度を10%上昇させるという対策)であってもよいことに、留意されたい。
【0076】
情報処理サーバの利点
本発明の一実施態様による情報処理サーバ10の利点について、説明する。
【0077】
この実施態様による情報処理サーバ10では、予測ユニット12aが、病虫害リスクに影響を与える少なくとも1つの影響パラメータを変化させる複数の対策候補の各々に関して、病虫害リスク低減効果を予測する。その後、選択ユニット12bが、病虫害リスク低減効果に関して予測ユニット12aによって提供された予測結果に基づいて、病虫害リスク低減効果がより大きな対策を優先することにより、複数の対策候補の中から、対策を選択する。これにより、病虫害リスクを効果的に低減するために影響パラメータに変化を引き起こす行動(言い換えれば、病虫害リスクを効果的に低減するための行動)を、ユーザU1に実施させることができる。したがって、農産物に対しての病虫害リスクを効果的に低減することができる。
【0078】
さらに、この実施態様による情報処理サーバ10では、選択ユニット12bは、好ましくは、病虫害リスク低減効果がより大きな対策を優先することにより、さらに、より少ない労力で実装される対策を優先することにより、選択を行う。これにより、より少ない労力で病虫害リスクを効果的に低減するために影響パラメータに変化を引き起こす行動(言い換えれば、より少ない労力で病虫害リスクを効果的に低減するための行動)を、ユーザU1に実施させることができる。したがって、より少ない労力で、農産物に対しての病虫害リスクを低減することができる。
【0079】
さらに、この実施態様による情報処理サーバ10では、選択ユニット12bは、好ましくは、病虫害リスク低減効果がより大きな対策を優先することにより、さらに、より低コストで実装される対策を優先することにより、選択を行う。これにより、より低コストで病虫害リスクを効果的に低減するために影響パラメータに変化を引き起こす行動(言い換えれば、より低コストで病虫害リスクを効果的に低減するための行動)を、ユーザU1に実施させることができる。したがって、より低コストで、農産物に対しての病虫害リスクを低減することができる。
【0080】
さらに、この実施態様による情報処理サーバ10では、出力ユニット(例えば、通信ユニット11)が、好ましくは、選択ユニット12bによって選択された対策に関連した対策情報を出力する。これにより、選択ユニット12bによって選択された対策に関連した対策情報を、ユーザU1に対して通知することができる。したがって、病虫害リスクを効果的に低減するための行動をユーザU1に実施させることを、適切に行うことができる。
【0081】
情報処理サーバ10の通信ユニット11が、出力ユニットとして機能する例について上記で説明したけれども、本発明による情報処理装置の機能がユーザ端末20によって実現されている時には、例えば、ユーザ端末20のディスプレイ制御ユニット(ディスプレイデバイスの動作を制御する機能ユニット)が、出力ユニットに対応してもよいことに、留意されたい。この場合、ユーザ端末20のディスプレイ制御ユニットは、例えば、表示デバイスに対策情報を表示させる。
【0082】
さらに、この実施態様による情報処理サーバ10では、対策情報は、好ましくは、選択ユニット12bによって選択された対策による影響パラメータの変化を示す情報を含む。これにより、選択ユニット12bによって選択された対策による影響パラメータの変化を示す情報を、ユーザU1に対して通知することができる。したがって、病虫害リスクを効果的に低減するための行動をユーザU1に実施させることを、より適切に行うことができる。
【0083】
さらに、この実施態様による情報処理サーバ10では、対策情報は、好ましくは、選択ユニット12bによって選択された対策による影響パラメータの変化を引き起こすためにユーザU1が実施すべき行動を示す情報を含む。これにより、選択ユニット12bによって選択された対策による影響パラメータの変化を引き起こすためにユーザU1が実施すべき行動を示す情報を、ユーザU1に対して通知することができる。したがって、ユーザU1は、病虫害リスクを効果的に低減するための行動を、より直感的に把握することができ、これにより、病虫害リスクを効果的に低減するための行動をユーザU1に実施させることを、より一層適切に行うことができる。
【0084】
さらに、この実施態様による情報処理サーバ10では、予測ユニット12aは、好ましくは、気象情報(例えば、当日、1日後、および2日後、の気象情報)に基づいて、複数の対策候補を決定する。これにより、病虫害リスクに影響を与える天候(例えば、外気温度の変化、または、外気湿度の変化、等)を考慮しつつ、対策候補を決定することができる。したがって、病虫害リスクを効果的に低減するための対策を、候補として適切に決定することができる。
【0085】
さらに、この実施態様による情報処理サーバ10では、影響パラメータは、好ましくは、農産物の栽培現場C1における環境に関連した環境パラメータを含む。これにより、環境パラメータに変化を引き起こすこととなる行動をユーザU1に実施させることにより、病虫害リスクを効果的に低減することができる。したがって、農産物に対しての病虫害リスクを効果的に低減することを、適切に行うことができる。さらに、この実施態様による情報処理サーバ10では、影響パラメータは、好ましくは、農産物の栽培現場C1における化学物質散布に関連した化学物質散布パラメータを含む。これにより、化学物質散布パラメータに変化を引き起こすこととなる行動をユーザU1に実施させることにより、病虫害リスクを効果的に低減することができる。したがって、農産物に対しての病虫害リスクを効果的に低減することを、適切に行うことができる。
【0086】
添付図面を参照して、本発明の好ましい態様について上述したけれども、本発明は、当然のことながら、上記の実施態様に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内の様々な変形例および改変例も、また、本発明の技術的範囲に属することは、言うまでもない。
【0087】
例えば、本明細書においてフローチャートを援用して説明した処理は、必ずしも、フローチャートに示した順序で実装される必要はない。複数の処理ステップを並行して実装してもよい。さらに、追加的な処理ステップを採用してもよい、あるいは、処理ステップの一部を省略してもよい。
【0088】
さらに、例えば、上述した情報処理サーバ10がもたらす一連の制御プロセスは、ソフトウェア、ハードウェア、または、ソフトウェアとハードウェアとの組合せ、のいずれかを使用して実装され得る。ソフトウェアを構成するプログラムは、情報処理装置の内部または外部に設けられた記録媒体内に、予め格納されている。
【符号の説明】
【0089】
1 情報処理システム
10 情報処理サーバ(情報処理装置)
11 通信ユニット(出力ユニット)
12 制御ユニット
12a 予測ユニット
12b 選択ユニット
13 メモリユニット
20 ユーザ端末
30 センサデバイス
40 気象情報サーバ
C1 栽培現場
U1 ユーザ
【国際調査報告】