IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ナンテロ,インク.の特許一覧

特表2023-517578カーボンナノチューブが添着されたプリント回路基板
<>
  • 特表-カーボンナノチューブが添着されたプリント回路基板 図1
  • 特表-カーボンナノチューブが添着されたプリント回路基板 図2
  • 特表-カーボンナノチューブが添着されたプリント回路基板 図3
  • 特表-カーボンナノチューブが添着されたプリント回路基板 図4
  • 特表-カーボンナノチューブが添着されたプリント回路基板 図5
  • 特表-カーボンナノチューブが添着されたプリント回路基板 図6A
  • 特表-カーボンナノチューブが添着されたプリント回路基板 図6B
  • 特表-カーボンナノチューブが添着されたプリント回路基板 図7
  • 特表-カーボンナノチューブが添着されたプリント回路基板 図8
  • 特表-カーボンナノチューブが添着されたプリント回路基板 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-26
(54)【発明の名称】カーボンナノチューブが添着されたプリント回路基板
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/06 20060101AFI20230419BHJP
   C23C 14/30 20060101ALI20230419BHJP
【FI】
C23C14/06
C23C14/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022554311
(86)(22)【出願日】2021-03-06
(85)【翻訳文提出日】2022-11-07
(86)【国際出願番号】 US2021021270
(87)【国際公開番号】W WO2021183400
(87)【国際公開日】2021-09-16
(31)【優先権主張番号】62/986,715
(32)【優先日】2020-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504022618
【氏名又は名称】ナンテロ,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】ゴールドバーグ,トーマス・アール
【テーマコード(参考)】
4K029
【Fターム(参考)】
4K029AA24
4K029BA34
4K029BD01
4K029CA01
4K029DB20
(57)【要約】
本技術の実施形態は、機能的CNTを用いたRGBを形成するために、CNTトレースをRGBに添着するためのシステムおよび方法に関する。機能的なCNTを用いたRGBは、高い構造安定性および電気的特性および熱的特性の改善を呈する。固定された添着および高密度化手法に基づいて、PCB基板上におけるCNTトレースの完全またはほぼ完全な配列が達成される。例えば、本開示の技術を適用すると、結果として、PCB基板の端から端までの突合せ接合の構成において、PCB基板上で互いに平行に配列されたCNTのトレースが得られる。有益なことに、本開示の方法は、CNTトレースの誤配向または誤配列の発生を無くす。CNTトレースを使用したRGBを用いて構築されたセンサおよび電気/電子デバイスは、サイズ、重さ、電力消費の減少(SWaP)のための顕著な進歩を実現する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント回路基板(PCB)にカーボンナノチューブ(CNT)を添着するための方法であって、
規定の時間長にわたって真空条件を維持するために装備されたチャンバー内部の位置に複数のPCBブランクを配置するステップと、
前記チャンバー内部に複数のCNTを支持するプラテンを配置するステップと、
レーザービームで前記複数のCNTを励起して、前記PCBブランクへの注入のために前記プラテンからの前記CNTの放出を発生させるステップと、
前記複数のCNTのトレースを添着させた前記複数のPCBブランクを集めるステップと
を含み、前記複数CNTの前記トレースは、前記複数のPCBブランク上の端から端までの突合せ接合の構成にしたがって互いに平行に並べられる、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、真空条件を維持するために装備された前記チャンバーは、1×10-12気圧から1×10-14気圧の範囲の前記真空条件を維持するように構成された真空ポンプに接続された複数のポートを含み、真空条件を維持するために装備された前記チャンバーは、ステンレス鋼材料から形成される、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記複数のCNTの前記トレースが添着された前記複数のPCBブランクは、少なくとも部分的に、前記規定の時間長にわたって前記真空条件を維持し、前記レーザービームで前記複数のCNTを励起する前記ステップの結果として形成される、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記複数のCNTの前記トレースが添着された前記複数のPCBブランクは、電子デバイスで使用される不揮発性メモリの設計において使用される、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記複数のCNTの前記トレースが添着された前記複数のPCBブランクは、前記複数のPCBブランク上のパターンを有する経路への前記複数のCNTの前記トレースの堆積に対応する、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、真空条件を維持するために装備された前記チャンバーは、前記複数のPCBブランクが配置される前記チャンバー内の前記位置での放熱を可能とし、前記複数のPCBブランクの歪みと破損を防ぐ、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、前記複数のCNTの前記トレースが添着された前記複数のPCBブランクは、虚血性放射を無くすことに基づいて無線周波数(RF)干渉攻撃に対するセキュリティを提供し、前記複数のCNTの前記トレースが添着された前記複数のPCBブランクは、セキュリティ保護された計算デバイス、ストレージデバイス、センサデバイス、自律デバイス、または、通信デバイスにおける使用のために適用される、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、前記レーザービームは、前記プラテンの前端に設置されたCNTの列毎の放出のために、前記プラテンの後端に当てられる、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、前記複数のPCBブランクが配置される前記位置は第1の位置であり、前記プラテンは、前記第1の位置と第2の位置とが前記チャンバー内部で互いに対向するように前記第2の位置に配置される、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、
前記複数のCNTの前記トレースが添着された前記複数のPCBブランクの表面上にエッチングされたパターンを除去するステップと、
前記複数のCNTの前記トレースが添着された前記複数のPCBブランクの前記表面を、シーラントを用いて不動態化するステップと
をさらに含む方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、
前記複数のCNTの前記トレースが添着された前記複数のPCBブランクを、結果として前記真空条件を周囲圧力に戻す段階的な圧力の増加にさらすステップ
をさらに含む方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、前記段階的な圧力の増加は、前記真空条件を維持するために装備された前記チャンバーの外部に設置された1つまたは複数の再加圧チャンバーの内部で適用される、方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法であって、前記チャンバーの内部に前記複数のCNTを支持する前記プラテンを配置する前に、前記プラテンは、周囲圧力から始まり前記チャンバーと関連した前記真空条件で終了する段階的な圧力の減少にさらされる、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、前記段階的な圧力の減少は、前記真空条件を維持するために装備された前記チャンバーの外部に設置された1つまたは複数の減圧チャンバーの内部で適用される、方法。
【請求項15】
請求項1に記載の方法であって、前記規定の時間長は、前記複数のPCBブランクを配置した時刻から始まり、前記複数のCNTの前記トレースが添着された前記複数のPCBブランクを集める時刻で終了する、方法。
【請求項16】
請求項1に記載の方法であって、前記突合せ接合構成は、前記複数のCNTの前記トレースの誤配向または誤配列を無くす、方法。
【請求項17】
請求項1に記載の方法であって、前記複数のCNTの前記トレースが添着された前記PCBブランクは、
(i)PCBブランク上の部品間のほぼ光の速度の電子伝達と、
(ii)電離放射線への耐性を有する前記複数のCNTに基づく放射線耐力強化設計と、
(iii)励起源による攻撃および呼掛けに対するセキュリティと、
(iv)前記複数のCNTの前記トレースの低抵抗に基づくエネルギー消費の節約と、
(vi)マイクロ電子デバイスで使用するための軽量で柔軟な基板と、
(v)抵抗器、コンデンサ、ソリッドステートディスク、および、ハードドライブを無くすことに基づくコンパクト設計と
のうちの1つまたは複数を提供する、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、前記複数のCNTの前記トレースが添着された前記PCBブランクは、積層に関係するステップを省くシングルステップの適用と、PCBブランクおよび前記PCBブランクの中間層の許容誤差を最小限に抑えることによって生成される、方法。
【請求項19】
請求項1に記載の方法であって、前記複数のCNTの前記トレースが添着された前記PCBブランクは、金属の使用を排除し、さらに、前記複数のCNTは、半導体シングルウォールCNT(sSWNT)を含む、方法。
【請求項20】
請求項1に記載の方法であって、前記チャンバー内で生成される前記真空条件の下で、前記複数のCNTの前記トレースの配列および高密度化が実現され、結果として、屈曲および破壊に対する前記複数のCNTの前記トレースの弾力性が得られる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、全体として参照により本明細書に組み込まれる、2020年3月8日に出願された米国仮特許出願第62/986,715号に対して優先権を主張するものである。
【0002】
[0002]本開示は、電気回路および電子回路で使用される高性能プリント回路基板(PCB)に関する。詳しくは、開示される実施形態は、カーボンナノチューブ(CNT)のトレースが添着されたPCBに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]PCBは、現在、全てのコンピュータおよびマイクロ電子デバイスの重要要素であり、あらゆるコンピュータ、通信デバイスおよびセンサを可能にする中核技術である。PCBは、電子の伝達および計算プロセスのための電子デバイス上の複数の構成要素間での接続を容易にする。
【発明の概要】
【0004】
したがって、高性能PCBの設計に対する必要性が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】[0004]CNTを図示する二次元(2D)透視図である。
図2】[0005]CNTを図示する三次元(3D)透視図である。
図3】[0006]図3Aは金属導体における電子(電流)の流れを示す図である。 図3Bは、CNT導体における電子(電流)の流れを示す図である。
図4】[0007]CNTの配列を示す簡略化された全体図である。
図5】[0008]PCBの層および構造の例を示す図である。
図6A】[0009]CNTを対象物(PCB)に付着させる物理蒸着(PVD)法の簡略図である。
図6B】[0010]PCBにCNTを添着させるシステムの一部としての真空チャンバーを示す図である。
図7】[0011]CNTが添着されたPCBを生成するためのシステムを示す簡略図である。
図8】[0012]PCBにCNTを添着させるためのシステムによって生成されたCNT気相を示す概念図である。
図9】[0013]添着済みPCBの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
[0014]本技術の実施形態は、機能的CNTを用いたPCBを形成するために、CNTトレースをPCBに添着するためのシステムおよび方法に関する。機能的CNTを用いたPCBは、高い構造安定性ならびに電気的特性および熱的特性の改善を呈する。固定された添着および高密度化手法に基づいて、PCB基板上におけるCNTトレースの完全またはほぼ完全な配列が達成される。例えば、本開示の技術を適用すると、結果として、PCB基板の端から端までの突合せ接合の構成において、互いに平行に配列されたCNTのトレースがPCB基板上で得られる。有益なことに、本開示の方法は、CNTトレースの誤配向または誤配列の発生を無くす。CNTトレースを使用したPCBを用いて構築されたセンサおよび電気/電子デバイスは、サイズ、重さ、消費電力の減少(SWaP)のための顕著な進歩をもたらす。
【0007】
[0015]いくつかの実施形態では、PCBにCNTを添着させるためのシステムは、真空条件を扱うように設計されたチャンバー内部における物理蒸着(PVD)を含む。例えば、チャンバーにおける条件は、1×10-12気圧から1×10-14気圧の範囲の圧力に相当する一方、宇宙における真空条件は、1×10-6から<1×10-17Torr、すなわち、1×10-4から<3×10-15Paに相当する。チャンバー内部で維持される真空条件は、宇宙空間における真空と類似していると見なされ得ることが理解されるであろう。いくつかの実施形態では、チャンバーは、約22.86cm(9インチ)の壁厚を有する高強度ステンレス鋼から構築される。このチャンバーは、チャンバーを真空にするために真空ポンプに接続された複数のポートが装着される。チャンバー内部で真空条件が得られると、その真空条件が規定の時間長にわたって維持される。規定の時間長にわたってチャンバー内部の真空条件を維持することは、未添着のPCBブランクの歪みを防ぎ、チャンバー、シャトル、システム、および高感度電子制御機器の破損を防ぐ。PCB基板上にCNTトレースを形成する本開示のプロセスは、トレースと基板材料との間で可能な最大密着力(弾力性)を実現する。チャンバー内で生成される真空条件の下で、ファンデアワールス力がPCBブランク上でのCNTトレースのほぼ完全な配列および高密度化を効果的に可能とする。CNT密着力(例えば、CNTは接着性を示す最も粘着性の材料に含まれる)は、当てられると、離すためには特別な力が必要とされることを確実にする。CNTは、熱、化学、および放射線に対して不活性であるため、CNTトレースを曲げる/制動するために必要な力は、ほぼ全てのユースケースの可能性の範囲を超えている。さらに、PCB基板上でCNTトレースを形成する本開示のプロセスは、結果として、非常に薄く柔軟な基板が得られ、高度に柔軟な基板を有する極めて軽量のマイクロ電子デバイスを促進する。
【0008】
[0016]PCBにCNTトレースを添着させるための本開示のシステムは特定の物理蒸着方法論に依拠しないことが理解されるであろう。むしろ、本開示の技術は、適切な物理蒸着方法論との統合について広い適用性を有する。基板に対するコーティングとしてCNTを適用することのみに限定される従来の物理蒸着法と対照的に、本技術の実施形態は、ほぼ完全な配列を有するCNTを用いたPCBの創出、高い信頼性につながるトレース高密度化、ならびに電気的特性および熱的特性の改善を目的とする。さらに、PCBブランク上にCNTトレースを形成する本開示の方法は、リソグラフィまたは直接描画のいずれかのPCBとは対照的に、製造プロセス積層を省いて最高品質の製品を創出するシングルステップの適用である。従来のプリント回路基板(PCB)製造は、複数のプロセスまたはステップを含む。さらに、各ステップは、各層において、さらに層間(例えばビアtoパッドの位置合わせ)での許容誤差を最小限にするために厳密な制御を必要とする。例えば、PCB層への画像転写で使用されるマスクおよびレジストは、非常に厳しい制御を必要とする。熱を加えた圧積プロセスおよび層を整列する際の取り扱いと併せて、従来の技術は寸法上の歪みおよび欠陥につながる。マスクを使用しない直接描画のトレーシングが従来のリソグラフィプロセスと比較して顕著な改善を見せているが、積層は依然として課題である。本開示の技術は、従来のシステムおよびプロセスにおける少なくとも上述の問題を解決することを目的とする。
【0009】
[0017]本明細書で使用される場合、「PCB」、「ブランク」、「PCBブランク」、「PCB基板」という用語は全般的に同義である。
CNTの使用
[0018]図1および図2は、カーボンナノチューブ(CNT)を図示する2Dおよび3Dの透視図である。CNTは、六方格子の原子が円筒形状に配置された純粋な炭素から構成される分子である。CNTは、多様な電子的、光学的、および物理的用途に適した特定の特性を呈する。半導体シングルウォールCNT(sSWNT)は、絶縁され、パターンにしたがって配向されることができる。例えば、CNTは、CNTを用いた不揮発性メモリを設計するために使用可能である。CNTを用いた不揮発性メモリは、従来のダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)と比較して、エネルギー消費の劇的な減少、記憶密度の千倍の増加、より高い信頼性、瞬時のon/off機能、データの永続的記憶、および皆無のソフトエラーを実現する。
【0010】
[0019]CNTは、さらに、部品間の超低インピーダンス相互接続を実現するために、PCB上のトレース材料として(個々の高配向sSWNTとして、または高配向のsSWNT束としてのいずれかで)使用されることが可能である。本開示の技術は、結果として得られるPCBが(銅、銀、金、または他の金属材料の代わりに)PCBトレース材料としてCNTを含むように、PCBにCNTを添着させることを目的とする。従来の導体(例えば、銅、銀、および金などの金属)の代わりに半導体シングルウォールCNTトレースを使用することは、望ましくない電磁放射を防ぎ、エネルギーをほぼ全く必要とせず(例えば、ミリアンペアの範囲)、PCB上の素子/部品間の最速(ほぼ光の速さ)の電子流を促進する。ほぼ光の速さの電子流は、バッファを使用しないデータフロー率が可能となることを容易にする。さらに、CNTは、そのCNTを通過する電子に対して抵抗を全く示さないため、CNTは全く熱を発生せず、電力消費の需要を(例えば、60%程度)減少させる。また、CNTはヒートシンクとして動作し、結果として電気素子および部品からの熱を除去するPCB基板となる。
【0011】
[0020]CNTが添着されたPCBは、少なくとも以下の理由のために有益である。
[0021]セキュリティの向上-虚血性(ischemic)(例えば、電磁/RF)放射を無くすことは、素子の遠隔呼掛けと、配線、トレース、マイクロチップ、コンデンサ、レジストなどのマイクロ波励起またはレーザー励起による潜在的なデータ盗用とを防ぐ。CNTは電離放射線の影響を容易に受けず、そのような励起に対して不活性であるため、プリント回路基板を横切る電子の伝達は自然の攻撃と人工の攻撃の両方の影響を容易に受けない。その結果、素子の遮断または干渉の可能性が無くなる。それによって、CNTが添着されたPCBは、セキュリティ保護された自律素子および/またはセキュリティ保護された通信デバイスにおける使用に適する。さらに、CNTにおいて、電子は、表面上ではなくCNTの管を通過して移動する。その結果、CNTは、露出から保護される。さらに、PCB上でのCNTトレースの使用は、メモリと演算装置のロジックとの間に置かれたインターコネクトおよび修正素子/部品の除去を可能とすることによるPCB上の脅威表面の60%までの除去により、斬新で進歩的なPCB素子設計修正を可能とする。その結果、素子の遮断または干渉の可能性が無くなる。
【0012】
[0022]エネルギー削減-CNTを用いた素子は、電力需要の60%程度の削減を実現する。
[0023]性能の向上-CNTは、少なくとも3つの領域にわたって性能の改善(何桁もの)を提供する。(i)CNTが抵抗を全く示さず、結果としてPCB上の素子/部品間の「ほぼ光の速度」の伝達が実現する。(ii)CNTは、従来の材料(例えば、Au、Al、Siなど)と比較して、メモリとロジックとの内部の動作機能の向上を実現する超高速の電子運動を可能とする。より速い電子運動は、メモリとロジックコンポーネントとの間の連続接続(例えば、コントローラ、抵抗器などの削除)を可能とし、演算装置がその設計潜在能力を達成できるようにする。(iii)PCB基板上に堆積されたCNTトレースは、PCB上の素子/部品の60%の削減を可能とし、PCBの性能をさらに改善する。
【0013】
[0024]より高い信頼性-CNTは、CNTを使用して作製された素子またはCNTを含む素子/部品に対して顕著な信頼性向上をもたらす。CNTは、ダイヤモンドの次に硬い物質であり、顕著な動作特性を呈する。例えば、CNTは、温度に曝露されても膨張も収縮もしないため、CNTは熱安定性を呈する(すなわち、CNTは負の熱膨張率を有する)。また、CNTは、化学的に不活性であり、あらゆる強度の酸および塩基に対して耐性がある。さらに、CNTは、電離放射線に対して不活性であり、素子/部品が極端な太陽の気候条件に曝露される宇宙関連の用途に配備され得る。CNTを用いたマイクロ電子機器は、15年超にわたって高地球周回軌道(HEO)において故障なく動作しており、CNTを用いたメモリは、15年超にわたって「ソフトエラー」が皆無であった。CNTを用いた回路は、80°Cで1000年の耐用年数を有し、±300°Kで15年を超える運用年数を有する。
【0014】
[0025]図3Aおよび図3Bは、それぞれ、金属導体およびCNT導体における電子(電流)の流れを示す図である。不揮発性メモリで、特にPCB上で使用されるCNTは、低電気インピーダンスを実現し、発生する熱はほぼ無い。さらに、CNTは、高い熱伝導性と負の熱膨張率を実現し、その結果として高い構造安定性が得られる。CNTの熱伝導性によって、CNTは、電子デバイスおよび部品における温度管理(例えば、平面的な放熱)に対して適しており、能動的冷却の必要性を低減する。図3Aは、導体の表面で発生する、導体における電子の流れを図示する。一方、図3Bは、導体の表面に沿うのとは対照的に、PCBトレース内部に発生するCNTにおける電子の流れを図示する。その結果、CNTは、(アルミニウム、銅、金などの通常の金属導体とは異なり)「ウィーピング」効果の影響を受けにくく、それにより電磁遮蔽をもたらす。不揮発性RAMまたはナノRAMにおけるCNTの使用は、結果として、既存のDRAMより高い密度、容量および性能が得られる。そのデータ永続性と組み合わされると、CNTを用いたRAMは、既存のハードドライブおよびソリッドステートドライブならびに追加のハードウェアに取って代わることができ、コントローラをサポートできる。
【0015】
[0026]図4は、走査型顕微鏡を使用して観察したときのPCB上のCNTトレースの配列を示す簡略図である。例えば、図4は、PCB基板上に半導体シングルウォールCNTを添着した結果としてのCNTトレースの完全またはほぼ完全な配列を示す。図4は、CNTがPCB基板の端から端までの突合せ接合の構成において、互いに平行に配列されることを示す。例えば、CNTの誤配向または誤配列はない。PCB基板上におけるCNTの完全またはほぼ完全な配列を実現する方法が本明細書において詳細に開示される。
【0016】
[0027]図5は、CNTトレースが添着された例示的なPCBを示す。図5に示される例において、CNTトレースが添着されたPCBは、ブレードサーバで使用される。図5の参照番号1は、CNTに基づくPCBトレース材料を略図的に示す。図5に示されたブレードサーバは、2つの中央演算装置(参照番号2で示される)と、デュアルインラインのCNTを用いた不揮発性ランダムアクセスメモリモジュール(参照番号3で示される)とを含む。CNTを用いた不揮発性ランダムアクセスメモリモジュールは、ハードディスクおよびソリッドステートドライブに基づく従来のファイルシステムストレージを置き換えたものである。図5に示されるPCBは、金属導体の代わりに電気光学インターフェースを利用する。参照番号4aは、電気信号を光信号に変換するための電気光学インターフェースを示す。電気信号は、ビア(参照番号4bで示される)を使用して制御プレーン層へルーティングされてもよく、または規定されたトレース(参照番号7で示される)をたどって、基板を横切って単純に移動してもよい。参照番号5は、空気流および熱散逸の増加を可能とするPCB表面上の未実装領域を示す。それによって、有益なことに、PCBの設計におけるCNTの使用は、PCB上の電気部品および電子部品の凝縮されたレイアウトを可能とする。図5に示された例示的なPCBは、6層PCBであり、第1(上部)層(参照番号6aで示される)はCNTトレースを含み、第2層(参照番号6bで示される)は電力インターフェースを含み、第3層(任意)(参照番号6cで示される)はヒートシンクを含み、第4層(参照番号6dで示される)は制御インターフェースを含み、第5層(参照番号6eで示される)は無線周波数(RF)シールドを含み、第6層(6fで示される)は電磁シールドを含む。なお、図5における簡略表現は説明および例示を目的としているに過ぎないことが理解されるであろう。代替の実施形態では、素子は1~24個(またはそれ以上)のPCB層から構成され得る。
物理蒸着(PVD)によるPCBのためのCNTトレース
[0028]図6Aは、物理蒸着(PVD)を使用してPCBにCNTトレースを添着する物理蒸着法のプロセスの簡略図を示す。本明細書で開示されるPVD法は、CNTトレースをPCBパターンを有する基板または無地の基板に固着させる。本明細書で開示されるPVD法は、多段プロセスであり、プラテン(例えば、参照番号15で示される)上でのCNTの形成から始まり、その結果としてプラテン上に支持され垂直に配置された数十億のCNT(参照番号8によって示され、CNTフォレストとも呼ばれる)が得られる。CNTフォレストを支持するプラテン(例えば、研磨されたケイ素または金属の板)は、真空条件(例えば、1×10-12気圧と1×10-14気圧との間)を扱うチャンバー内部に置かれる。ターゲットであるPCBブランク(参照番号11)は、プラテンから約0.25m~1mの位置でチャンバー内部に配置される。
【0017】
[0029]垂直に配置されたCNTをプラテンからPCBブランクに転写するために、レーザー手法(例えば、レーザー誘起前方転写法またはLIFT)が使用され得る。レーザーメス(参照番号67で示される)は、プラテンの後端に焦点が合わせられる。レーザーによる励起の結果として、CNTはプラテンから分離する。詳しくは、プラテン材料が過熱され、プラテンの前縁に配置されたCNTを放つ。その結果、CNTはチャンバー内の空間(参照番号10で示される)を通って蒸気雲中をバリスティック速度で移動する。参照番号9によって、雲中を移動する際のCNTの軌道が示される。PCBブランク(参照番号11)に到達したCNTはトレースラインのパターンに合わせて配列される(参照番号12で示される)。PCBブランクにおける添着されたCNTの配列は、PCBブランクの端から端までの突合せ接合の構成において互いに平行である。本開示のシステムの少なくとも1つの利点は、PCB上での添着されたCNTの誤配向および/または誤配列が無くなることである。
【0018】
[0030]本開示のシステム(チャンバーにおける真空条件を含む)は、ファンデアワールス力が、PCB上のCNTの完全またはほぼ完全な配列を可能とすることが理解されるであろう。ファンデアワールス力は、一般に、原子、分子、および表面の間の引力および斥力などの大部分の種類の力、および/または他の分子間力を含む。いくつかの任意の実施形態では、PCBターゲットは、安定性のためにジンバル(参照番号13として示される)に取り付けられ、汚れ留め板(参照番号14で示される)は、未使用のCNTを集めるために使用される。図6Aの記載は、説明および例示を目的としていることが理解されるであろう。代替の実施形態では、当業者が容易に想到するように、この構成に対して適切な修正が加えられることが可能である。
【0019】
[0031]図6Bは、PCBにCNTを添着させるシステムの一部としての真空チャンバーを示す。本明細書で開示されるPVD法は、真空条件を扱うように構成されたチャンバー内で発生する。このチャンバーは、真空条件(例えば、1×10-12気圧と1×10-14気圧と間)を維持する真空ポンプに接続された複数のポート(ポート604、606など)が装着される。チャンバー内で真空条件が構築されると、真空条件は規定の時間長にわたって(少なくともチャンバー内で発生したプロセスが完了するまで)チャンバー内で維持される。このチャンバーは、さらに、例えば洗浄および日常的な保守のために、保守ポートが装着され得る。いくつかの実施形態では、チャンバーは、円周が1~3m、高さ2~15mであり得る。開示されるチャンバーは、PCBターゲットが置かれる位置における放熱のために十分な面積を確保すること、PCBターゲットに対する変形および破損を防ぐこと、PVD法が適用される各添着セッションにおいてパターンを有する複数のPCBを作製するのに十分な生産能力を確保すること、という複数の目的を果たす。さらに、本開示のチャンバーを使用することは、PCB基板上におけるCNTの固定添着、適切な配向(ファンデアワールス力に起因)、および高密度化という利点をもたらす。その結果、本明細書で開示される方法およびシステムを使用して生成されたPCBは、PCBが、長期間、適切かつ確実に機能することを可能にする。従来のPVD法とは対照的に、開示される実施形態は、プラテンからのCNTのバリスティック射出速度を達成する規定の時間長にわたって真空(またはほぼ真空条件)を維持するように装備されたチャンバーを利用し、その結果としてPCB上にCNTトレースの完全またはほぼ完全な配列が得られる。
【0020】
[0032]図7は、CNTが添着されたPCBを生成するためのシステムを示す簡略図である。本明細書で開示される技術は、特定の物理蒸着法に限定されておらず、適切なPVD方法論およびプロセスと親和性がある。いくつかの実施形態では、CNTが添着されたPCBの生成は、複数のステージにおいて実現され得る。例えば、図7は、CNTが添着されたPCBのほぼ連続的な生成を可能とする真空条件の適切な維持を確実とする13ステージのシステムを示す。また、図7は、システムが完全な真空またはほぼ完全な真空条件を維持するように装備された真空チャンバーを含むことを示す。この真空チャンバーは、13のステージのうちの1つで使用される。
【0021】
[0033]システムの個々のステージ(図7において番号が付された長方形で示される)は、それぞれのチャンバー内部で発生する。チャンバーは、隔壁によって互いに接続される。各チャンバー内において、連動しないコンベヤベルトがそれぞれのステージ内で全体的に含まれる。ステージの境界部で、連動扉が後続のステージにつながる。この扉は、圧力勾配が満たされるまで、および/またはそれぞれのステージにおけるプロセスが完了するまで開かない。各ステージで使用されるチャンバーは、約22.86cm(9インチ)の壁厚を有する高強度ステンレス鋼から形成される。
【0022】
[0034]システムのステージ1で、周囲圧力においてPCBブランクがポートを介してシステムに装填される。PCBブランクを装填すると、PCBブランクは、システムの6つのコンベヤベルトの最初のコンベヤベルト上に置かれる。いくつかの実施形態では、単一の装填において、30個のPCBブランクがシステムに導入され得る。PCBブランクは、ステージ1を出発して、ステージ間を移動する。ステージ2で、PCBブランクは、真空チャンバー内部で発生する後続のPVDプロセスを汚染する可能性のある何らかの粒状または化学的な物質を除去するために溶剤浴にさらされる。ステージ3で、PCBブランクは、ステージ2からの残留溶液を含む潜伏性の材料を除去するために、水浴および乾燥器にさらされる。ステージ4、5、および6は、それぞれのチャンバー内部で発生する減圧ステージである。例えば、ステージ4、5、および6は、-50kPaの真空条件を実現する初期減圧チャンバー、-150kPaの真空条件を実現する二次減圧チャンバー、および-300kPaの真空条件を実現する三次減圧チャンバーの内部でそれぞれ発生する。ブランクが真空チャンバー内部に装填される直前に発生するステージ7は、真空チャンバー内部の圧力測定結果とステージ7での圧力測定結果とが同一となるまでブランクが-300kPaにさらされる均等化圧力ステージと見なされ得る。真空チャンバー内部の圧力測定結果とステージ7での圧力測定結果との偏差は、結果として、PCBブランクの歪みおよび/または機器の破損を引き起こし得ることが理解されるであろう。ステージ4~7は、それぞれ、関連チャンバーを真空にするため、さらに真空チャンバーを真空にするために、真空ポンプに接続される。
【0023】
[0035]ステージ8は、真空チャンバー(もしくは「プロセス容器」と呼ばれる)内の位置にPCBブランクの往復を表す。いくつかの実施形態では、この真空チャンバーは、内径2.51メートル、外径2.74メートル、グラウンドレベルからの高さ9.14メートルフィートを有する。ステージ9は、真空チャンバー内部における物理蒸着プロセスを表す。ステージ10は、取り出しシュートへの添着済みPCBブランクの往復を表す。ステージ11~13は、段階的に圧力が増加し結果として真空条件が周囲圧力に戻る3つの再加圧ステージを表す。例えば、ステージ11で、圧力は、-300kPaから-200kPaへ増加される。ステージ12で、圧力は、-200kPaから-100kPaへ増加される。ステージ13で、圧力は、-100kPaから周囲圧力へ増加される。最終的に、CNTトレースが添着されたPCBは、ステージ13の出力において取り出される。
【0024】
[0036]さらに、ステージ14~16は、CNTをシステムに装填するために使用される。例えば、ステージ14~16において、垂直に配置されたCNTを支持するプラテンが真空チャンバーに装填される。真空チャンバー内部での使用前に、プラテン上に支持されたCNTは、周囲圧力から始まり(ステージ16)チャンバーと関連した真空条件で終了する(ステージ14)段階的な圧力減少にさらされる。最後に、CNTを支持するプラテンは、CNTが添着されたPCBを生成する他のセッションで使用される真空チャンバー内に配置される。
【0025】
[0037]上記システムは完全に自動化されていることが理解されるであろう。上記システムのステージは、演算装置(コンピュータサーバなど)によって遠隔で制御可能なセンサおよび高感度電子機器を使用して実施される。
【0026】
[0038]図8は、物理蒸着の結果として生成されたCNT気相を示す概念図を示す。例えば、図8は、真空条件を扱うように装備されたチャンバーの一方の側(例えば、右側)に配置されたPCBブランク11(すなわち未添着のブランク)を示す。各ブランクには、パターン(例えば、ポジパターンまたはネガパターン)が置かれている。ブランクが適切に配置された後、多数(およそ30億)のCNTを支持するプラテン17がチャンバーの他方の側(例えば、左側)に配置される。レーザービーム16(例えば、点線で示される)は、レーザー815から生成され、CNTを支持するプラテンの裏面に焦点が合わせられる。レーザービーム16による励起によって、CNTはプラテンの前面から列毎に放出され、過熱蒸気に変化する(例えば、図8で雲として示される)。それぞれの蒸気は、数100万のCNTを成す。CNTを含む過熱蒸気は、バリスティック速度で移動し(参照番号18で示される)、PCBブランク11上に堆積される。チャンバーは、PVDプロセス中は真空条件(およそ1×10-12気圧と1×10-14気圧との間)に維持される。プラテンから移動するCNTの速度とチャンバー内部の真空条件とによって、結果として、PCBブランク11の注入/添着が実現する。ファンデアワールス力(CNT間の引力および斥力を含む)は、各ブランク上のパターン(例えば、ポジパターンまたはネガパターン)に基づいて、突合せ接合の手法で互いに平行なCNTトレースの配列を確実にする。
【0027】
[0039]図9は、添着済みPCB900の一例を図示する。例えば、図9は、添着済みPCBの表面上に(例えばリソグラフィを使用して)エッチングされたパターン902を示す。添着済みブランクを取り出す時、そのパターンが取り除かれ、各PCBブランクの表面はシーラントで不動態化される。例えば、添着済みPCBは、保護コーティングを用いてスプレーコーティングされ、密閉容器に挿入される。いくつかの実施形態では、電力を添着済みPCBに供給するために、添着済みPCBの端部で追加のステップが実行され得る。添着済みPCBの断面は、2~3ミリメートルから数センチメートルの範囲の厚さを有し得る。PCBブランク上にCNTトレースを形成する本開示の方法は、PCBブランクの各層およびPCBブランクの中間層の許容誤差を最小限に抑える必要性を無くすシングルステップの適用である。
【0028】
[0040]本開示の方法およびシステムを使用して、10μm以下のレベルの線パターンがcmの範囲の領域にわたって実現され得る。このようにして、パターンを有するPCB上にトレースを生成するために多層転写が正常に使用可能となり、金属の必要性を無くし、追加の処理を必要としないほぼ光学的なトレースパターンを形成する。本開示のプロセスは、工場規模の用途(例えば数百マイクロメートルから数百ナノメートル)に適する。
【0029】
[0041]開示された技術のいくつかの実施形態が、以下で項を用いた形式で提示される。
[0042]1.プリント回路基板(PCB)にカーボンナノチューブ(CNT)を添着する方法であって、
[0043]規定の時間長にわたって真空条件を維持するために装備されたチャンバー内部の位置に複数のPCBブランクを配置するステップと、
[0044]前記チャンバー内部に複数のCNTを支持するプラテンを配置するステップと、
[0045]レーザービームで前記複数のCNTを励起して、前記PCBブランクへの注入のために前記プラテンからの前記CNTの放出を発生させるステップと、
[0046]前記複数のCNTのトレースを添着させた前記複数のPCBブランクを集めるステップとを含み、前記複数CNTの前記トレースが、前記複数のPCBブランク上の端から端までの突合せ接合の構成にしたがって互いに平行に並べられる、方法。
【0030】
[0047]2.項1に記載の方法であって、真空条件を維持するために装備された前記チャンバーは、1×10-12気圧から1×10-14気圧の範囲の前記真空条件を維持するように構成された真空ポンプに接続された複数のポートを含み、真空条件を維持するために装備された前記チャンバーは、ステンレス鋼材料から形成される、方法。
【0031】
[0048]3.項1に記載の方法であって、前記複数のCNTの前記トレースが添着された前記複数のPCBブランクは、少なくとも部分的に、前記規定の時間長にわたって前記真空条件を維持し、前記レーザービームで前記複数のCNTを励起する前記ステップの結果として形成される、方法。
【0032】
[0049]4.項1に記載の方法であって、前記複数のCNTの前記トレースが添着された前記複数のPCBブランクは、電子デバイスで使用される不揮発性メモリの設計において使用される、方法。
【0033】
[0050]5.項1に記載の方法であって、前記複数のCNTの前記トレースが添着された前記複数のPCBブランクは、前記複数のPCBブランク上のパターンを有する経路への前記複数のCNTの前記トレースの堆積に対応する、方法。
【0034】
[0051]6.項1に記載の方法であって、真空条件を維持するために装備された前記チャンバーは、前記複数のPCBブランクが配置される前記チャンバー内の前記位置での放熱を可能とし、前記複数のPCBブランクの歪みと破損を防ぐ、方法。
【0035】
[0052]7.項1に記載の方法であって、前記複数のCNTの前記トレースが添着された前記複数のPCBブランクは、虚血性放射を無くすことに基づいて無線周波数(RF)干渉攻撃に対するセキュリティを提供し、前記複数のCNTの前記トレースが添着された前記複数のPCBブランクは、セキュリティ保護された計算デバイス、格納デバイス、センサデバイス、自律デバイス、または通信デバイスにおける使用のために適用される、方法。
【0036】
[0053]8.項1に記載の方法であって、前記レーザービームは、前記プラテンの前端に設置されたCNTの列毎の放出のために、前記プラテンの後端に当てられる、方法。
[0054]9.項8に記載の方法であって、前記複数のPCBブランクが配置される前記位置は第1の位置であり、前記プラテンは、前記第1の位置と第2の位置とが前記チャンバー内部で互いに対向するように前記第2の位置に配置される、方法。
【0037】
[0055]10.項1に記載の方法であって、
[0056]前記複数のCNTの前記トレースが添着された前記複数のPCBブランクの表面上にエッチングされたパターンを除去するステップと、
[0057]前記複数のCNTの前記トレースが添着された前記複数のPCBブランクの前記表面をシーラントを用いて不動態化するステップとをさらに含む方法。
【0038】
[0058]11.項1に記載の方法であって、
[0059]前記複数のCNTの前記トレースが添着された前記複数のPCBブランクを、結果として前記真空条件を周囲圧力に戻す段階的な圧力の増加にさらすステップをさらに含む方法。
【0039】
[0060]12.項11に記載の方法であって、前記段階的な圧力の増加は、前記真空条件を維持するために装備された前記チャンバーの外部に設置された1つまたは複数の再加圧チャンバーの内部で加えられる、方法。
【0040】
[0061]13.項1に記載の方法であって、前記チャンバーの内部に前記複数のCNTを支持する前記プラテンを配置する前に、前記プラテンは、周囲圧力から始まり前記チャンバーと関連した前記真空条件で終了する段階的な圧力の減少にさらされる、方法。
【0041】
[0062]14.項13に記載の方法であって、前記段階的な圧力の減少は、前記真空条件を維持するために装備された前記チャンバーの外部に設置された1つまたは複数の減圧チャンバーの内部で加えられる、方法。
【0042】
[0063]15.項1に記載の方法であって、前記規定の時間長は、前記複数のPCBブランクを配置した時刻から始まり、前記複数のCNTの前記トレースが添着された前記複数のPCBブランクを集める時刻で終了する、方法。
【0043】
[0064]16.項1に記載の方法であって、前記突合せ接合構成は、前記複数のCNTの前記トレースの誤配向または誤配列を無くす、方法。
[0065]17.項1に記載の方法であって、前記複数のCNTの前記トレースが添着された前記PCBブランクは、
[0066](i)PCBブランク上の部品間のほぼ光の速度の電子伝達、
[0067](ii)電離放射線への耐性を有する前記複数のCNTに基づく放射線耐力強化設計、
[0068](iii)励起源による攻撃および呼掛けに対するセキュリティ、
[0069](iv)前記複数のCNTの前記トレースの低抵抗に基づくエネルギー消費の節約
[0070](vi)マイクロ電子デバイスで使用するための軽量で柔軟な基板、および
[0071](v)抵抗器、コンデンサ、ソリッドステートディスク、およびハードドライブを無くすことに基づくコンパクト設計
のうちの1つまたは複数を提供する、方法。
【0044】
[0072]18.項17に記載の方法であって、前記複数のCNTの前記トレースが添着された前記PCBブランクは、積層に関係するステップを省くシングルステップの適用と、PCBブランクおよび前記PCBブランクの中間層の許容誤差を最小限に抑えることによって生成される、方法。
【0045】
[0073]19.項1に記載の方法であって、前記複数のCNTの前記トレースが添着された前記PCBブランクは、金属の使用を排除し、さらに、前記複数のCNTは、半導体シングルウォールCNT(sSWNT)を含む、方法。
【0046】
[0074]20.項1に記載の方法であって、前記チャンバー内で生成される前記真空条件の下で、前記複数のCNTの前記トレースの配列および高密度化が実現され、結果として、屈曲および破壊に対する前記複数のCNTの前記トレースの弾力性が得られる、方法。
【0047】
[0075]本明細書に記載の実施形態のいくつかは、方法またはプロセスの一般的な文脈において説明され、コンピュータプログラム製品によって一実施形態で実施され、コンピュータ可読媒体において具体化され、プログラムコードなどのコンピュータ実行可能命令を含み、ネットワーク接続された環境においてコンピュータによって実行されることが可能である。コンピュータ可読媒体は、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)などを含むがそれに限定されない、取り外し可能なストレージデバイスおよび取り外し不可なストレージデバイスを含み得る。したがって、コンピュータ可読媒体は、非一時的ストレージ媒体を含み得る。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行する、または特定の抽象データ型を実施するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含み得る。データ構造およびプログラムモジュールと関連付けられたコンピュータまたはプロセッサが実行可能な命令は、本明細書に記載の方法のステップを実行するためのプログラムコードの例を表す。そのような実行可能命令または関連データ構造の特定のシーケンスは、上記のステップまたはプロセスに記載された機能を実施するための対応動作の例を表す。
【0048】
[0076]開示される実施形態のいくつかは、ハードウェア回路、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせを使用するデバイスまたはモジュールとして実施され得る。例えば、ハードウェア回路の実施例は、例えばプリント回路基板の一部として集積された分離のアナログおよび/またはデジタルコンポーネントを含み得る。代替的または追加的に、開示されるコンポーネントまたはモジュールは、任意の数のプロセス、メモリおよびインターコネクトコンポーネント(例えば特定用途向け集積回路(ASIC)、および/またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、光学または電気インターコネクト、揮発性または不揮発性メモリなど)を含み得る。いくつかの実施例は、追加的または代替的に、本願の開示の機能と関連したデジタル信号処理の動作上の必要性のために最適化されたアーキテクチャを有する特化型マイクロプロセッサであるデジタル信号プロセッサ(DSP)を含み得る。同様に、各モジュール内の様々なコンポーネントまたはサブコンポーネントは、ソフトウェア、ハードウェア、またはファームウェアにおいて実施され得る。モジュール間および/またはモジュール内のコンポーネント間の接続性は、インターネット、適切なプロトコルを使用した有線または無線ネットワークを介した通信を含むが、それに限定されない、本開示が属する分野で知られている接続方法および媒体の任意のものを使用して提供され得る。
【0049】
[0077]実施形態の上記の記載は、例示および説明を目的として提示されたものである。上記の記載は、網羅的であること、または本発明の実施形態を、開示される厳密な形態に限定することは意図されておらず、上記の教示を鑑みて、修正および変形が可能であり、または様々な実施形態の実践から取得され得る。本明細書で論じられた実施形態は、当業者が本発明を、様々な実施形態において、さらに企図された特定の使用に適するようになされた様々な修正とともに利用できるように、様々な実施形態の原理および特性ならびにそれらの実践的な用途を説明するために選択され記述されたものである。本明細書に記載の実施形態の特徴は、方法、装置、モジュール、システム、およびコンピュータプログラム製品の全ての可能な組み合わせにおいて結合され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
【国際調査報告】