(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-26
(54)【発明の名称】統合された撮像システムを有する手術用顕微鏡の光学系を最適化するためのシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品
(51)【国際特許分類】
A61B 3/10 20060101AFI20230419BHJP
A61B 3/13 20060101ALI20230419BHJP
【FI】
A61B3/10 100
A61B3/13
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022554575
(86)(22)【出願日】2021-03-09
(85)【翻訳文提出日】2022-11-09
(86)【国際出願番号】 US2021021498
(87)【国際公開番号】W WO2021183508
(87)【国際公開日】2021-09-16
(32)【優先日】2020-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501226778
【氏名又は名称】ライカ マイクロシステムズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Leica Microsystems Inc.
【住所又は居所原語表記】1700 Leider Lane, Buffalo Grove, IL 60089, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】エリック リンチ
(72)【発明者】
【氏名】ハンスフォード ヘンダルゴ
(72)【発明者】
【氏名】ロバート エイチ. ハート
【テーマコード(参考)】
4C316
【Fターム(参考)】
4C316AA01
4C316AA03
4C316AA08
4C316AA09
4C316AB02
4C316AB11
4C316AB16
4C316FA06
4C316FA07
4C316FA08
4C316FA09
4C316FA14
4C316FA18
4C316FC12
4C316FY01
4C316FY05
4C316FZ01
(57)【要約】
光学系を最適化するためのシステムが提供される。このシステムは、初期の較正された位置を提供するために、対物レンズの作動距離にサンプルが配置されたときにサンプルの画像が可視となるように干渉撮像システムの参照アームの位置を較正するように構成されている。画像は、初期の較正された位置を使用して取得される。取得された画像の画像品質は、取得された画像が有効な画像であるか否かを決定するために評価される。参照アームのパス長は、取得された画像が有効な画像ではないことが決定された場合に調整される。参照アームの較正された位置と、参照アームの調整された位置との間の差分が計算される。システムの要素は、調整された位置において作動距離にサンプルが配置されたときにサンプルが可視となるように計算された差分に基づいて調整される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
統合された撮像システムを有する手術用顕微鏡の光学系を最適化するためのシステムであって、前記システムは、
1つまたは複数のプロセッサおよび1つまたは複数のストレージデバイスと、
前記手術用顕微鏡に関連付けられた第1の光学系と、
前記撮像システムに関連付けられた、前記第1の光学系とは異なる干渉ベースの第2の光学系と、
を含み、
前記システムは、
初期の較正された位置を提供するために、前記手術用顕微鏡の対物レンズの作動距離にサンプルが配置されたときに前記サンプルの画像が可視となるように第2の干渉撮像システムの参照アームの位置を較正し、
意図したサンプルターゲットの前記撮像システムの前記参照アームの前記初期の較正された位置を使用して画像を取得し、
前記取得された画像が有効な画像であるか否かを決定するために、前記取得された画像の画像品質を評価し、
前記取得された画像が前記意図したサンプルターゲットの有効な画像ではないことが決定された場合、前記参照アームの調整された位置を提供するために、前記取得された画像が有効な画像であることが決定されるまで前記撮像システムの前記参照アームのパス長を調整し、
前記参照アームの元の較正された位置と、前記参照アームの前記調整された位置と、の間の差分を計算し、
前記参照アームの前記調整された位置において前記手術用顕微鏡の前記対物レンズの前記作動距離に前記サンプルが配置されたときに前記サンプルが可視となるように前記計算された差分に基づいて前記システムの要素を調整するように構成されている、
システム。
【請求項2】
前記システムは、
前記システムの前記要素を調整する前に、前記参照アームの前記調整された位置で前記撮像システムの焦点が合っているか否かを決定し、
前記撮像システムの焦点が合っていないことが決定されたときに、前記撮像システムの焦点が合っていることが決定されるまで前記システムの前記要素を調整するようにさらに構成されている、
請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記システムは、前記撮像システムの前記参照アームの前記パス長を繰り返し調整し、現在の参照アームの位置と、前記元の較正された位置と、の間の差分を計算し、前記システムの焦点が合っていることが決定されるまで前記システムの前記要素を調整するようにさらに構成されている、
請求項1または2記載のシステム。
【請求項4】
前記システムは、前記取得された画像が、前記サンプルターゲットの有効な画像を含んでいるか否かを、信号品質および前記取得された画像からの特徴の有無のうちの1つに基づいて決定するようにさらに構成されている、
請求項1から3までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項5】
前記撮像システムの撮像面は、前記システムの焦点が合っているときに前記手術用顕微鏡の焦点面に一致する、
請求項1から4までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項6】
前記システムは、前記手術用顕微鏡に関連付けられた複数のアイピースおよび前記システムの他の光学部品のうちの少なくとも1つを調整することによって、前記システムの前記要素を調整するようにさらに構成されている、
請求項1から5までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項7】
前記システムは、前記手術用顕微鏡の前記対物レンズの前記作動距離に前記サンプルが配置されたときに前記サンプルが可視となるように前記撮像システムの前記参照アームおよびサンプルアームにおける光路長と前記作動距離との一致を提供するために、前記参照アームにおけるミラーを調整することによって前記参照アームの位置を調整するようにさらに構成されている、
請求項1から6までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項8】
前記手術用顕微鏡の前記対物レンズの前記作動距離は、前記手術用顕微鏡の前記対物レンズと前記サンプルの表面との間の距離である、
請求項1から7までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項9】
前記撮像システムは、光干渉トモグラフィ(OCT)撮像システム、第1の撮像システムおよび第2の干渉ベースの光学撮像システムとは異なる少なくとも1つの付加的な光学撮像システムのうちの1つを含む、
請求項1から8までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項10】
前記システムは、前記撮像システムの前記参照アームおよび/または前記システムの前記要素のパス長を手動で調整するように構成されている、
請求項1から9までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項11】
前記システムは、前記撮像システムの前記参照アームおよび/または前記システムの前記要素のパス長を自動で調整するように構成されている、
請求項1から9までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項12】
前記システムは、
前記対物レンズの焦点距離を低減するために、前記対物レンズと前記サンプルとの間の縮小レンズと、
前記サンプルの網膜撮像用に前記システムを適合させるために、前記サンプルの網膜に対物レンズ像面を中継すべく前記サンプルに隣接するリレーレンズと、
をさらに含む、
請求項1から11までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項13】
前記対物レンズは、多焦点対物レンズであり、前記システムは、前記サンプルの網膜撮像用に前記システムを適合させるために、前記サンプルの前記網膜に対物レンズ像面を中継すべく前記サンプルに隣接するリレーレンズをさらに含む、
請求項1から11までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項14】
統合された撮像システムを有する手術用顕微鏡の光学系を最適化するための方法であって、
前記撮像システムは、1つまたは複数のプロセッサおよび1つまたは複数のストレージデバイスと、前記手術用顕微鏡に関連付けられた第1の光学系と、前記撮像システムに関連付けられた、前記第1の光学系とは異なる干渉ベースの第2の光学系と、を含み、
前記方法は、
初期の較正された位置を提供するために、前記手術用顕微鏡の対物レンズの作動距離にサンプルが配置されたときにサンプルの画像が可視となるように前記撮像システムの参照アームの位置を較正するステップと、
前記撮像システムの前記参照アームの初期の較正された位置を使用して画像を取得するステップと、
前記取得された画像が有効な画像であるか否かを決定するために、前記取得された画像の画像品質を評価するステップと、
前記取得された画像が有効な画像ではないことが決定された場合、前記参照アームの調整された位置を提供するために、前記取得された画像が有効な画像であることが決定されるまで前記撮像システムの前記参照アームのパス長を調整するステップと、
前記参照アームの元の較正された位置と、前記参照アームの調整された位置と、の間の差分を計算するステップと、
前記参照アームの調整された位置において前記手術用顕微鏡の前記対物レンズの作動距離に前記サンプルが配置されたときに前記サンプルが可視となるように計算された差分に基づいて前記撮像システムの要素を調整するステップと、
を含む方法。
【請求項15】
前記方法は、
前記撮像システムの前記要素を調整する前に、前記参照アームの調整された位置で前記撮像システムの焦点が合っているか否かを決定するステップと、
前記撮像システムの焦点が合っていないことが決定されたときに、前記撮像システムの焦点が合っていることが決定されるまで前記撮像システムの前記要素を調整するステップと、
をさらに含む、
請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記方法は、
前記撮像システムの前記参照アームの前記パス長を繰り返し調整するステップと、
差分を計算するステップと、
前記撮像システムの焦点が合っていることが決定されるまで前記撮像システムの前記要素を調整するステップと、
をさらに含む、
請求項14または15記載の方法。
【請求項17】
前記方法は、前記取得された画像が、有効な画像であるか否かを、信号品質および前記取得された画像からの特徴の有無のうちの1つに基づいて決定するステップをさらに含む、
請求項14から16までのいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
前記撮像システムの撮像面は、前記撮像システムの焦点が合っているときに前記手術用顕微鏡の焦点面に一致する、
請求項14から17までのいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
前記撮像システムの前記要素を調整するステップは、前記手術用顕微鏡に関連付けられたアイピースおよび前記撮像システムの他の光学部品のうちの少なくとも1つを調整するステップを含む、
請求項14から18までのいずれか1項記載の方法。
【請求項20】
前記参照アームの位置を調整するステップは、前記手術用顕微鏡の前記対物レンズの作動距離に前記サンプルが配置されたときに前記サンプルが可視となるように前記撮像システムの前記参照アームおよびサンプルアームにおける光路長と前記作動距離との一致を提供するために、前記参照アームにおけるミラーを調整するステップを含む、
請求項14から19までのいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
前記手術用顕微鏡の前記対物レンズの作動距離は、前記手術用顕微鏡の前記対物レンズと前記サンプルの表面との間の距離である、
請求項14から20までのいずれか1項記載の方法。
【請求項22】
前記撮像システムは、光干渉トモグラフィ(OCT)撮像システム、第1および第2の撮像システムとは異なる付加的な撮像システムのうちの1つを含む、
請求項14から21までのいずれか1項記載の方法。
【請求項23】
前記調整するステップは、前記撮像システムの前記参照アームおよび/または前記撮像システムの前記要素のパス長を手動で調整するステップをさらに含む、
請求項14から22までのいずれか1項記載の方法。
【請求項24】
前記調整するステップは、前記撮像システムの前記参照アームおよび/または前記撮像システムの前記要素のパス長を自動で調整するステップをさらに含む、
請求項14から22までのいずれか1項記載の方法。
【請求項25】
前記方法は、
前記対物レンズの焦点距離を低減するステップと、
前記サンプルの網膜撮像用に前記撮像システムを適合させるために、前記サンプルの網膜に対物レンズ像面を中継するステップと、
をさらに含む、
請求項14から24までのいずれか1項記載の方法。
【請求項26】
コンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムがプロセッサ上で実行されるときに、請求項14から25までのいずれか1項記載の方法を実行するためのプログラムコードを有する、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
本出願は、2020年3月10日に「Methods, Systems and Devices for Guided Microscope Optimization」と題して出願された米国仮特許出願第62/987,481号明細書の優先権を主張し、その内容は、参照により、その全体が記載されているものとして本明細書に組み込まれる。
【0002】
分野
本発明概念は、一般に撮像に関し、より詳細には、統合されたOCTシステムを有する顕微鏡および関連するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
例えば眼科の手術中に光干渉トモグラフィ(OCT)を使用する場合、一般に、OCTシステムを手術用顕微鏡と統合する必要がある。手術用顕微鏡は、外科医に術野の拡大視野を提供する。眼科手術用顕微鏡は、通常、外科医用の双眼視野ポートを備えたステレオズーム顕微鏡であり、外科医に対して90度(左右)の位置に1つまたは2つの観察者用視野ポートを有することがたびたびある。顕微鏡の対物レンズと患者の眼球(サンプル)の表面との間には、外科医が十分な作業領域を確保できるように「作動距離」が設けられている。
【0004】
手術用顕微鏡とOCTとの統合により、顕微鏡内に少なくとも2つの異なる光学系(1つはOCTシステム用、もう1つは顕微鏡接眼レンズを通る標準白色光撮像パス用)を導入することができる。各様式全体にわたって理想的な画像品質を取得するために、顕微鏡は、一般に、同焦点であり、すなわち、各光学サブシステムは、例えば
図1に示されているように、対物レンズの焦点面に対応すべき一致した焦点を有している。したがって、
図1は、レンズの最後のガラス面から測定された場合の理想的な作動距離(WD)を備えた顕微鏡対物レンズの焦点面を表す。
【0005】
白色光路には複数の光学部品が存在するため、顕微鏡対物レンズを作業距離以外の位置にセットしても、接眼アイピースなどの他のシステム部品を用いた補償によって焦点が合っているように見える画像をまだ取得することが可能である。例えば、
図2は、視認接眼レンズの視度調整を使用した補償によって過度に短く設定された作動距離(WDshort)を示している。
図3は、視認接眼レンズの視度調整を使用した補償によって過度に長く設定された作動距離(WDlong)を示している。
図2および
図3に示されているシステムを使用することは、サンプルが顕微鏡対物レンズに関連して焦点が合っていない場合があるためにOCT画像の品質低下に結びつく可能性があり、これは、顕微鏡に追加される可能性のある付加的な撮像様式にも当てはまる。
【0006】
図4に示されているように、OCTシステムは、顕微鏡対物レンズの作動距離において最適な画像品質を有するように設計されている。
図4は、対物レンズの焦点面と一致するように設定された撮像面を有するOCTシステムを示す。OCTは、サンプルの3次元(3D)画像を取得するために、低コヒーレンス干渉計の原理を使用している。OCTシステムのサンプルアームを通る光路長は、一般に、典型的には並進可能なステージに取り付けられたミラーからなるOCTシステムの参照アームを通る光路と一致する。参照アーム内のこの参照ミラーの特定の位置は、一般に、顕微鏡対物レンズの作動距離に対応する。サンプルが、顕微鏡対物レンズの作動距離外の位置に配置されている場合、参照ミラーは、光路長が一致することを保証するために対応する距離だけ移動される。作動距離への参照アーム位置の初期の較正により、この位置からの偏差を検出することができる。システムの要素を調整するための従来の方法は、一般に試行錯誤であり、すなわち行われた調整についての具体的な座標は提供されない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明概念のいくつかの実施形態は、統合された撮像システムを有する手術用顕微鏡の光学系を最適化するためのシステムを提供する。このシステムは、1つまたは複数のプロセッサおよび1つまたは複数のストレージデバイスと、手術用顕微鏡に関連付けられた第1の光学系と、OCTなどの干渉撮像システムに関連付けられた、第1の光学系とは異なる第2の光学系と、を含む。システムは、初期の較正された位置を提供するために、手術用顕微鏡の対物レンズの作動距離にサンプルが配置されたときにサンプルの画像が可視となるように撮像システムの参照アームの位置を較正するように構成されている。システムは、撮像システムの参照アームの初期の較正された位置を使用して画像を取得するようにさらに構成されている。取得された画像の画像品質は、取得された画像が意図したサンプルターゲットの有効な画像であるか否かを決定するために評価される。撮像システムの参照アームのパス長は、取得された画像が有効なサンプルターゲット画像ではないことが決定された場合、参照アームの調整された位置を提供するために、取得された画像が有効な画像であることが決定されるまで調整される。参照アームの元の較正された位置と、参照アームの調整された位置と、の間の差分が計算される。システムの要素は、参照アームの調整された位置において手術用顕微鏡の対物レンズの作動距離にサンプルが配置されたときにサンプルが可視となるように計算された差分に基づいて調整される。
【0008】
いくつかの実施形態では、システムは、システムの要素を調整する前に、参照アームの調整された位置で撮像システムの焦点が合っているか否かを決定するようにさらに構成されてよい。システムの要素は、システムの焦点が合っていないことが決定されたときに、撮像システムの焦点が合っていることが決定されるまで調整されてよい。
【0009】
さらなる実施形態では、システムは、撮像システムの参照アームのパス長を繰り返し調整し、現在の参照アームの位置と、元の較正された位置と、の間の差分を計算し、システムの焦点が合っていることが決定されるまでシステムの要素を調整するようにさらに構成されてよい。
【0010】
さらに、さらなる実施形態では、システムは、取得された画像が、サンプルターゲットの有効な画像を含んでいるか否かを、信号品質および取得された画像からの特徴の有無のうちの1つに基づいて決定するようにさらに構成されてよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、撮像システムの撮像面は、システムの焦点が合っているとき、手術用顕微鏡の焦点面に一致することができる。
【0012】
さらなる実施形態では、システムは、手術用顕微鏡に関連付けられたアイピースおよびシステムの他の光学部品のうちの少なくとも1つを調整することによって、システムの要素を調整するようにさらに構成されてもよい。
【0013】
さらに、さらなる実施形態では、システムは、手術用顕微鏡の対物レンズの作動距離にサンプルが配置されたときにサンプルが可視となるように撮像システムの参照アームおよびサンプルアームにおける光路長と作動距離との一致を提供するために、参照アームにおけるミラーを調整することによって参照アームの位置を調整するようにさらに構成されてもよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、手術用顕微鏡の対物レンズの作動距離は、手術用顕微鏡の対物レンズとサンプルの表面との間の距離であってもよい。
【0015】
さらなる実施形態では、撮像システムは、光干渉トモグラフィ(OCT)撮像システムのうちの1つであってもよい。
【0016】
さらに、さらなる実施形態では、システムは、撮像システムの参照アームおよび/またはシステムの要素のパス長を手動で調整するように構成されてもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、システムは、撮像システムの参照アームおよび/またはシステムの要素のパス長を自動で調整するようにさらに構成されてもよい。
【0018】
さらなる実施形態では、システムは、対物レンズの焦点距離を低減するために、対物レンズとサンプルとの間に縮小レンズをさらに含むことができる。リレーレンズが、サンプルの網膜撮像用にシステムを適合させるために、サンプルの網膜に対物レンズ像面を中継すべくサンプルに隣接して設けられてもよい。
【0019】
さらに、さらなる実施形態では、対物レンズは、多焦点対物レンズであってよく、システムは、サンプルの網膜撮像用にシステムを適合させるために、サンプルの網膜に対物レンズ像面を中継すべくサンプルに隣接するリレーレンズをさらに含むことができる。
【0020】
本発明概念のいくつかの実施形態は、統合された撮像システムを有する手術用顕微鏡の光学系を最適化するための方法を提供し、システムは、1つまたは複数のプロセッサおよび1つまたは複数のストレージデバイスと、手術用顕微鏡に関連付けられた第1の光学系と、撮像システムに関連付けられた、第1の光学系とは異なる第2の光学系と、を含む。この方法は、初期の較正された位置を提供するために、手術用顕微鏡の対物レンズの作動距離にサンプルが配置されたときにサンプルの画像が可視となるように撮像システムの参照アームの位置を較正するステップと、撮像システムの参照アームの初期の較正された位置を使用して画像を取得するステップと、取得された画像が有効な画像であるか否かを決定するために、取得された画像の画像品質を評価するステップと、取得された画像が有効な画像ではないことが決定された場合、参照アームの調整された位置を提供するために、取得された画像が有効な画像であることが決定されるまで撮像システムの参照アームのパス長を調整するステップと、参照アームの元の較正された位置と、参照アームの調整された位置との間の差分を計算するステップと、参照アームの調整された位置において手術用顕微鏡の対物レンズの作動距離にサンプルが配置されたときにサンプルが可視となるように計算された差分に基づいてシステムの要素を調整するステップと、を含む。
【0021】
関連するコンピュータプログラム製品も提供される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】適正な「作動距離」を示す顕微鏡対物レンズの焦点面の図である。
【
図2】過度に短く設定された作動距離を示す顕微鏡対物レンズの焦点面の図である。
【
図3】過度に長く設定された作業距離を示す顕微鏡対物レンズの焦点面の図である。
【
図4】対物レンズの焦点面に一致するように設定されたOCT撮像面を有するシステムを示した図である。
【
図5A】例示的なOCT網膜(後部)撮像システムを示すブロック図である。
【
図5B】例示的なOCT角膜(前部)撮像システムを示すブロック図である。
【
図6】本発明概念のいくつかの実施形態による、手動調整を使用した最適化のための動作を示すフローチャートである。
【
図7】本発明概念のいくつかの実施形態による、自動調整を使用した最適化のための動作を示すフローチャートである。
【
図8】本発明概念のいくつかの実施形態による、自動化された顕微鏡移動およびOCT焦点調整のための動作を示すフローチャートである。
【
図9】本発明概念のいくつかの実施形態による、手動顕微鏡移動およびOCT焦点調整のための動作を示すフローチャートである。
【
図10】角膜を撮像するための顕微鏡対物レンズセットを説明するための図である。
【
図11】リレーレンズと組み合わせた縮小レンズを含む網膜視認レンズシステムを示した図である。
【
図12】広視野(FOV)撮像が、角膜に対して網膜リレーレンズの近接を必要とすることを示した図である。
【
図13】分割要素からなる顕微鏡対物レンズ設計の図である。
【
図14】多焦点能力の排除を含む分割レンズ設計の拡張を有するシステムを示した図である。
【
図15】完全な網膜FOV撮像を可能にするシステムの多焦点設計である。
【
図16】本発明概念の様々な実施形態による、プロセスを実施するために使用されてよいデータ処理システムのブロック図である。
【
図17】顕微鏡を含む本発明概念のいくつかの実施形態によるシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下では、本発明概念の実施形態が示されている添付の図面を参照しながら、本発明概念をより完全に説明する。本発明概念は多くの代替形態で具現化されてもよいが、本明細書に記載の実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。
【0024】
したがって、本発明概念は、様々な修正および代替形態に影響を受けやすいが、その特定の実施形態が例示のために図面に示され、本明細書で詳細に説明される。しかしながら、開示されたこれらの特定の形態に本発明概念を限定する意図はなく、むしろそれとは逆に、本発明概念は、特許請求の範囲によって定義される発明概念の精神および範囲内に入る全ての修正、等価物、および代替物を網羅するものであることを理解すべきである。図面全体にわたって同種の番号は同種の要素を指している。
【0025】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態の説明のみを目的としており、本発明概念の限定を意図するものではない。本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈による明らかな別段の指示がない限り、複数形も含むことが意図される。本明細書で使用される場合の用語「包含する」、「包含している」、「含む」および/または「含んでいる」は、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/またはコンポーネントの存在を特定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネント、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではないことがさらに理解されるであろう。その上さらに、ある要素が別の要素に「応じる」または「接続される」と言及される場合、それは他の要素に直接応じるまたは接続されることが可能であり、あるいは介在する要素が存在してもよい。対照的に、ある要素が別の要素に「直接応じる」または「直接接続される」と言及される場合、介在する要素は存在しない。本明細書で使用されるように、用語「および/または(かつ/または)」は、関連する記載項目のうちの1つまたは複数の項目のあらゆる全ての組み合わせを含んでおり、「/」として略記されることがある。
【0026】
別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本発明概念が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。さらに、本明細書で使用される用語は、本明細書および関連する技術分野の文脈におけるそれらの意味と一致する意味合いを有するものと解釈されるべきであり、本明細書で明示的にそう定義されない限り、理想化または過度に形式的な意味で解釈されないことが理解されよう。
【0027】
いくつかの態様を装置の文脈において説明してきたが、これらの態様が、対応する方法の説明も表していることが明らかであり、ここではブロックまたは装置がステップまたはステップの特徴に対応している。同様に、ステップの文脈において説明された態様は、対応する装置の対応するブロックまたは項目または特徴の説明も表している。
【0028】
本明細書では、様々な要素を説明するために第1、第2などの用語を使用する場合があるが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではないことが理解されるであろう。これらの用語は、1つの要素を別の要素から区別するためにのみ使用される。例えば、第1の要素は第2の要素と称されることが可能であり、また同様に、第2の要素は、本開示の教示から逸脱することなく第1の要素と称されることが可能である。図面のいくつかは、通信の主要な方向を示すために通信パス上に矢印を含むが、通信は、描写された矢印とは反対方向に発生する場合もあることを理解すべきである。
【0029】
本開示の態様は、本開示の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフローチャート例図および/またはブロック図を参照して、本明細書で説明される。フローチャート例図および/またはブロック図の各ブロック、ならびにフローチャート例図および/またはブロック図におけるブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実装可能であることが理解されよう。これらのコンピュータプログラム命令は、マシンを作り出するために、汎用コンピュータ、特殊目的コンピュータ、または他のプログラミング可能なデータ処理装置のプロセッサに提供されてもよく、それによって、コンピュータまたは他のプログラミング可能な命令実行装置のプロセッサを介して実行される命令は、フローチャートおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックにおいて指定された機能/動作を実施させるための機構を作成する。本明細書で使用されるように、「プロセッサ」は、1つ以上のプロセッサを指す場合がある。
【0030】
これらのコンピュータプログラム命令は、実行されるときに、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、または他の装置に特定の手法で機能するように指示できるコンピュータ可読媒体に格納されてもよく、それによって、これらの命令をコンピュータ可読媒体に格納するときに、実行時にコンピュータに、フローチャートおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックにおいて指定された機能/動作を実施させる命令を含んでいる製造物品が生成される。また、これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ、他のプログラミング可能な装置、または他のデバイス上で一連の動作ステップを実行させ、コンピュータまたは他のプログラミング可能な装置上で実行される命令が、フローチャートおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックにおいて指定された機能/動作を実施させるためのプロセスを提供するようなコンピュータ実装プロセスを生成するために、コンピュータ、他のプログラミング可能な命令実行装置、または他のデバイス上にロードされてもよい。
【0031】
本明細書で使用されるように、「被検体」とは、撮像される人もしくは物、または人もしくは物の一部を指す。本明細書では、被検体である眼に関連して本発明概念の実施形態が論じられているが、本発明概念の実施形態は、この構成に限定されないことが理解されるであろう。被検体は、本発明概念の範囲から逸脱することなく、例えば、獣医学的、屍体研究的、またはヒトの被検体を含む任意の被検体であり得る。
【0032】
本明細書で論じられる多くの例は、サンプル/被検体が眼、具体的には、眼の網膜、角膜、前区、および水晶体であることに言及しているが、本発明概念の実施形態は、このタイプのサンプルに限定されるものではない。本明細書で論じられる実施形態と組み合わせて使用されてもよい任意のタイプのサンプルが、本発明概念の範囲から逸脱することなく使用されてもよい。
【0033】
本発明概念の実施形態は、サンプルを走査するためのOCTの使用に焦点を当てているが、本発明概念の実施形態は、OCTの使用に限定されるものではない。サンプルを走査するために使用される任意の方法およびシステムが、本発明概念の範囲から逸脱することなく使用可能であることは理解されよう。
【0034】
さらに、本明細書で論じられるような撮像は、当業者に公知の任意の手法で実行することができる。例えば、いくつかの実施形態では、撮像システムは、顕微鏡または手術用顕微鏡に組み込まれてもよい。これらの実施形態の様々なものは、例えば、米国特許第8.77,412号明細書および米国特許出願公開第2015/0168250号明細書および米国特許出願公開第2015/0359426号明細書において論じられており、これらの開示は、参照により、その全体が記載されているものとして本明細書に組み込まれる。
【0035】
本明細書で使用されるように、「作動距離」は、対物レンズの最後のガラス表面からサンプルの表面までの距離を指す。作動距離は、本明細書を通じてWDと称される場合もある。
【0036】
本発明概念のいくつかの実施形態によるシステムは、手術用光学系(第1の光学系)および第2の干渉ベースの光学系(第2の光学系)の両方を含んでいる顕微鏡を含む。いくつかの実施形態では、干渉計ベースの光学系は、OCT撮像システムである。しかしながら、本発明概念の実施形態は、これに限定されない。例えば、本明細書で使用されるように、「干渉撮像システム」は、参照光路とサンプル光路との間の光の干渉から生成される光信号を利用する撮像システムを指す。いくつかの実施形態は、顕微鏡内で別個の光路を有するが、同じ対物レンズを共有する1つまたは複数の付加的な撮像システムをさらに含むことができる。例えば、これらの付加的な撮像システムは、本発明概念の範囲から逸脱することなく、眼底蛍光、走査型レーザ検眼鏡、広視野撮像システムなどであってもよい。
【0037】
図5Aおよび
図5Bに関連して、本発明概念のいくつかの実施形態に従って使用するための例示的な干渉撮像システムが論じられる。これらのシステムは、例示的な目的のためにのみ提供され、したがって、本発明概念の実施形態は、これに限定されるべきではないことが理解されよう。ここで、従来のフーリエドメインOCT(FDOCT)システムが、これらのシステムに関連するいくつかの背景を提供するために論じられる。最初に
図5Aを参照して、FDOCT網膜撮像システムのブロック図が論じられる。
図5Aに示されているように、このシステムは、ビームスプリッタ120によって相互に結合された広帯域ソース100、参照アーム110、およびサンプルアーム140を含む。ビームスプリッタ120は、例えば、光ファイバカプラまたはバルクまたはマイクロオプティックカプラであってよい。ビームスプリッタ120は、約50/50から約90/10の分割比を提供し得る。
図5Aにさらに示されているように、ビームスプリッタ120はまた、光ファイバによって提供されてもよい検出パス106を介して波長または周波数サンプリング検出モジュール130に結合されている。
【0038】
図5Aにさらに示されているように、ソース100は、ソースパス105によってビームスプリッタ120に結合されている。ソース100は、例えば、連続波広帯域スーパールミネッセントダイオード、パルス広帯域ソース、またはチューナブルソースであってもよい。参照アーム110は、参照アームパス107を介してビームスプリッタ120に結合されている。同様に、サンプルアーム140は、サンプルアームパス108を介してビームスプリッタ120に結合されている。ソースパス105、参照アームパス107、およびサンプルアームパス108は、全て光ファイバによって、あるいは光ファイバ、自由空間、およびバルクもしくはマイクロ光学素子の組み合わせによって提供されてもよい。
【0039】
図5Aに示されているように、FDOCT網膜撮像システムの参照アームは、コリメータアセンブリ180、中性密度フィルタもしくは可変アパーチャを含むことができる可変減衰器181、ミラーアセンブリ182、参照アーム可変パス長調整部183、パス長整合位置150、すなわち被検体関心領域に対する参照アームパス長とサンプルアームパス長との間の光路長整合部を含むことができる。さらに示されているように、サンプルアーム140は、二軸スキャナアセンブリ190と、可変焦点191を有する対物レンズと、を含むことができる。
【0040】
図5Aに示されているサンプルは、角膜195、虹彩/瞳孔194、眼球レンズ193および網膜196を含んでいる眼球である。FDOCT撮像ウィンドウ170の描写は、網膜196の近傍に示されている。この網膜撮像システムは、眼球の後部構造を撮像するために、被検体眼球の光学系、特に角膜195および眼球レンズ193に加えて対物レンズに依存している。さらに示されているように、被検体内の関心領域170は、被検体内のパス長整合位置197が所期の位置にあるように、焦点位置196および参照アームパス長調整部183の調整を通して選択される。
【0041】
図5Bを参照して、FDOCT角膜(前部)撮像システムを示しているブロック図が論じられる。そこに示されているように、
図5Bのシステムは、
図5Aのシステムと非常に類似している。しかしながら、対物レンズ可変焦点は含まれる必要はなく、
図5Bでは含まれていない。
図5Bの前部撮像システムは、前部構造に焦点を合わせるための被検体の光学系に依存することなく、前部構造を直接撮像する。
【0042】
上記の背景で論じたように、OCTシステムは、
図4に示されているように、顕微鏡対物レンズの作動距離WDで最適な画像品質を有するように設計されている。OCTシステムのサンプルアームを通る光路長は、一般に、並進可能なステージに取り付けられたミラーからなるOCTシステムの参照アームを通る光路と一致する。本明細書で使用されるように、「光路長(OPL)」は、所与のシステムを通る光がたどるパスの幾何学的長さに、光が通過する同時媒体についての光学的屈折率を乗じたものを指す。参照アーム内のこの参照ミラーの特定の位置は、一般に、顕微鏡の対物レンズの作動距離に対応している。サンプルが、顕微鏡対物レンズの作動距離外の位置に配置されている場合、参照ミラーは、光路長が一致することを保証するために対応する距離だけ移動される。作動距離への参照アーム位置の初期の較正により、この位置からの偏差を検出することができる。システムの要素を調整するための従来の方法は、一般に試行錯誤であり、行われた調整についての具体的な座標は提供されない。
【0043】
したがって、本発明概念のいくつかの実施形態は、サンプルターゲットの有効なOCT画像の存在を検出し、画像を検出するための位置にOCT参照アームを設定し、最良の画像を取得するために複数の光学サブシステムの光学系を最適化する方法およびシステムを提供するものである。換言すれば、試行錯誤的な従来の方法の代わりに、本発明概念の実施形態は、ターゲットがどこにあるかを測定するためにOCTを使用し、次いで、OCT測定値に基づいてどこに進むべきかをシステムオペレータに指示する。いくつかの実施形態では、これらの調整は、以下でさらに論じられるように、自動的に実行されてもよい。
【0044】
図6を参照して、サンプルターゲットの有効なOCT画像の存在を検出するステップと、画像を検出するための位置にOCT参照アームを設定するステップと、最良の画像品質を取得するために複数の光学サブシステムの光学系を最適化するステップと、の動作を示すフローチャートが論じられる。
図6に示されているように、顕微鏡の手動調整を使用した最適化のための動作は、ブロック600においてシステムの参照アームを較正するステップによって開始される。器具の工場較正またはサービス較正が実行されてもよい。OCT参照アームは、例えば
図4に示されているように、ターゲット(サンプル)が顕微鏡対物レンズの作動距離に配置されたときにサンプルターゲットのOCT画像が視認されるような距離に設定される。従来、ターゲットは、最初に、顕微鏡対物レンズの焦点面にターゲットが正確に配置されていることを保証するために、無限焦点と最大倍率とに設定された顕微鏡可視光路を通して観察される。これは、主観的な技術であり、したがって、不正確さにつながる可能性がある。したがって、本発明概念のいくつかの実施形態によれば、本明細書で論じられる方法は、ターゲットが対物レンズの正確な(実質的な)焦点面に配置される尤度を高めるために使用される。「正確な」位置とは、正確な位置を達成することが不可能な場合があるので、正確な位置に可及的に近い位置を指すことが理解されよう。本明細書で使用されるように、「焦点面」は、レンズ開口部上に集められた平行光が一緒に収束する対物レンズからの距離を指す。
【0045】
OCT画像を生成するために使用される信号は、サンプルアームおよび参照アームにおける光間の干渉(相互相関信号)、または単一アームにおける異なる光反射器間の干渉(自己相関信号)から生成することができる。相互相関信号を生成するためには、参照アームおよびサンプルアームにおける光路長を、システムの光検出器の検出帯域幅内に収まるように密接に一致させる必要がある。自己相関信号の視認のためには、単一のアームから十分な光信号強度を生成するために、光をサンプルに十分に集光させる必要がある。自己相関信号のフーリエ変換により、ゼロ周波数近辺の信号が結果として生じ、相互相関信号と同じ信号低下効果の影響を受ける。自己相関信号は、サンプルが顕微鏡対物レンズの焦点面にあるか否かを決定する手段を提供する。参照アームからの光を遮断するか、相互相関信号をシステムの検出帯域幅外に移動させるために参照アームを移動させてもよい。コリメートされた(平行な)OCTビームが対物レンズを通して入射され、サンプルが適正な位置にあるか否かを決定するために、ターゲットからの反射光によって生成されたOCT自己相関信号の最大信号強度評価が行われてよい。顕微鏡対物レンズの焦点は、この信号が増加するように調整されるか、場合によっては最大化するように調整される。これは、対物レンズの位置の移動や対物レンズの焦点面をシフトさせる光学素子の調整を伴う場合があり、手動かまたは自動化された手法で行うことができる。自己相関信号の評価は、ゼロ周波数近辺のフーリエ変換の大きさの信号対雑音比または強度の分析を含むことができる。自己相関が一度最大化されると、OCT相互相関信号が可視化され、OCT Bスキャン内のゼロ周波数位置の近辺に配置されるまで参照パスが調整される。
【0046】
較正が一度実行されると(ブロック600)、画像が検出され、画像の品質が評価される(ブロック610)。例えば、有効なOCT画像の存在は、信号品質を評価するか所与のOCT画像内の特定の特徴を検出するソフトウェアアルゴリズムを介して検出される。いくつかの実施形態では、これらの方法は、最大強度、強度分布、または画像全体の強度の分散、画像の信号対雑音比、または機械学習もしくは古典的な物体検出方法を通じた特定のサンプルターゲット特徴の検出を含むことができるが、これらに限定されない。有効なOCT画像が存在するか否かが決定される(ブロック630)。有効な画像が存在しない場合(ブロック610)、有効なOCT画像をもたらす位置が見つかるまで(ブロック630)、参照アームが一連の位置を通じて移動される(ブロック620)。ビーム焦点、偏光に影響を与えるシステム光学系、または画像品質に影響を与える可能性のある他の要因は、OCT信号強度を最適化するように調整され、逐次的にまたは参照アーム移動と同時に行ってもよい。有効な画像が存在することが決定された場合(ブロック630)、顕微鏡作動距離に関連して較正された参照アーム位置からの差分が計算される(ブロック640)。
【0047】
顕微鏡の焦点が合っているか否かが決定される(ブロック645)。顕微鏡の焦点が合っていないことが決定された場合(ブロック645)、顕微鏡の焦点が合っていることが決定されるまで(ブロック645)、手動調整が行われてよい(ブロック650)。一度焦点が合うと(ブロック645)、動作はブロック660に進み、ここでは、他のサブシステム光学系が調整されてよい。例えば、ユーザーは、顕微鏡と統合された各撮像様式にわたってパーフォーカリティ(同一平面上の焦点)を保証するために、画像品質に影響を与える可能性のある他の光学部品、すなわち顕微鏡アイピースを調整するように命令することができる。他の撮像様式、例えば、蛍光顕微鏡、走査型レーザ検眼鏡などが顕微鏡内に含まれるならば、この情報は、本発明概念の範囲から逸脱することなく、画像品質を改善するための関連光学系の焦点を最適化するためにも使用され得る。換言すれば、顕微鏡内に別個の光路を有するが、同じ対物レンズを共有する任意の他の付加的な撮像システムは、本発明概念の範囲から逸脱することなく使用できる。例えば、眼底蛍光、走査型レーザ検眼鏡、広視野撮像システムなどが挙げられる。
【0048】
図6に示されている本発明概念の実施形態は、顕微鏡の手動調整(ブロック650)を示しているが、本発明概念の実施形態は、この構成に限定されない。
図7は、
図6に関連して上記で論じた動作と同様の動作を示しており、したがって、ブロックの詳細については、簡潔さの観点から本明細書では繰り返さない。しかしながら、
図7に示されているように、手動顕微鏡移動の代わりに、
図7のブロック751は、顕微鏡の移動が自動化されてもよいことが示される。したがって、本明細書で論じた実施形態によるシステムは、本発明概念の範囲から逸脱することなく、自動的に調整するようにプログラミングされてもよい。例えば、顕微鏡作動距離は、
図7に示されているように自動的に調整することができ、あるいは
図6に示されているように顕微鏡を移動させる方向および距離に関する情報をユーザーに伝達することができる。
【0049】
図8および
図9のフローチャートを参照すると、これらのフローチャートは、
図6および
図7のフローチャートと非常に類似している。したがって、同様の要素に関する詳細は、簡潔化のために繰り返さない。
図7で論じた詳細に加えて、
図8は、画像が有効でないことの決定(ブロック630)に応じたOCT焦点調整(ブロック815)を含む。したがって、画像が有効でないことが決定されたときに(ブロック630)、参照アームパス長は調整され(ブロック620)、OCT焦点が調整される(ブロック815)。残りの動作は、自動化された顕微鏡調整(ブロック751)を有する
図7に関連して上上記で論じたように進行する。
図9のフローチャートでは、
図6に関連して上記で論じた手動顕微鏡調整(ブロック650)に、同じOCT調整(ブロック815)が追加される。
【0050】
図10および
図11を参照して、対物レンズセットに補助レンズ系を追加することが論じられる。
図10は、角膜の撮像のための標準的な顕微鏡対物レンズセットを示す。
図11は、付加的な縮小レンズとリレーレンズとを含む標準的な網膜視認レンズシステムを含んだシステムを示す。これらの補助網膜視認レンズシステムが顕微鏡に取り付けられた場合、付加的な複雑さが生じる可能性がある。これらのレンズシステムは、一般に、顕微鏡対物レンズの焦点面を角膜の位置から手術下の眼部の網膜に中継するために必要である。標準的な作業フローでは、これらの撮像システムは、顕微鏡位置を角膜撮像と網膜撮像との間で移動させる要求なしで動作することが要求されるので、リレーシステムは、一緒に作動する2つの光学素子からなる。
図11の第1の要素1170(縮小レンズ)は、
図11のリレーレンズ1175が角膜に近接する範囲内に機械的に配置され、顕微鏡対物レンズ画像面が手術下の眼部の網膜に中継できるように、顕微鏡対物レンズの焦点距離を効果的に低減させる。
【0051】
図12に示されているように、リレーレンズ1175の角膜への近接は、一般に、大きな視野(FOV)のために必要である。したがって、
図2および
図3に関連して上記で論じたように顕微鏡が不適切にセットアップされた場合、網膜視認システム(1170/1175)の追加は、最適な作動距離から顕微鏡撮像光学系のさらなる摂動を引き起こし、通常の撮像窓外でも効果的に動作するOCTなどの他の撮像様式が強制される。
【0052】
網膜視認レンズシステムの調整能力から生じるさらなる複雑さは、手術下の眼部の屈折誤差の適応のためのレンズに中継される。これらの誤差は、OCTなどの付加的な撮像様式に対して機能しない結果をもたらすように複合化され得る。本発明概念のいくつかの実施形態は、
図13から
図15に示されているように、固定焦点対物レンズやリレーレンズ1435とは対照的に、多焦点距離対物レンズを提供することによってこの状況に対処している。
【0053】
図13に示されているように、現在の顕微鏡レンズ設計は、画像の光学収差を低減する方法として分割要素を使用している。この概念を拡張し、要素間の空隙を増減できるようにすることで、レンズ全体の焦点距離を調整可能にすることができる。
図14は、要素間の空隙を増加させると焦点距離が短くなり、
図11の標準構成に示されているように二次縮小レンズを必要とすることなく、網膜視認リレーレンズ1435を網膜撮像のために使用することができるようになることを示している。
図15は、多焦点設計が完全な網膜視野撮像を可能にし得ることを示している。
【0054】
さらに、要素間の空隙を調整することで、手術下の眼部の屈折誤差に対応することができる。多焦点対物レンズ設計を使用する1つの利点は、全ての撮像様式の光路が対物レンズを通して一緒に位置合わせされるので、光路間の個別焦点調整力の要件が効果的に排除されることである。
【0055】
外部距離測距儀からの独立したフィードバックも、網膜リレーレンズからの患者眼部の衝撃のリスクをさらに低減するために、位置決め制御ループに組み込むことができる。
【0056】
上記の本発明概念の実施形態の説明から明らかなように、本明細書で論じられる方法の多くは、コンピューティングデバイスによって提供される処理を必要とする。ここでは
図16を参照して、本発明概念の実施形態に従って構成されたデータ処理システム1630の例示的な実施形態が
図16に関連して論じられる。理解されるように、このデータ処理システムは、例えば
図5Aおよび
図5Bのシステム、顕微鏡に含まれてもよいし、あるいは本発明概念の範囲から逸脱することなく
図5Aおよび
図5Bのシステムまたは顕微鏡と通信する別個のデバイスであってもよい。データ処理システム1630は、例えばキーボードもしくはキーパッドなどの入力デバイス、ディスプレイ、スピーカーおよび/またはマイクロフォン、ならびにプロセッサ1638と通信するメモリ1636を含んでいるユーザーインターフェース1644を含むことができる。データ処理システム1630は、プロセッサ1638とも通信するI/Oデータポート1646をさらに含むことができる。このI/Oデータポート1646は、例えばインターネットプロトコル(IP)接続を使用して、データ処理システム1630と別のコンピュータシステムもしくはネットワークとの間で情報を転送するために使用することができる。これらのコンポーネントは、多くの従来のデータ処理システムで使用されるような従来のコンポーネントであってよく、本明細書で説明するように動作するように構成されてもよい。
【0057】
図16にさらに示されるように、データ処理システム1630は、第1の光学系1637、第2の干渉光学系1647、および任意選択的な1つまたは複数の付加的システム1657(
図16での点線は任意付加的な要素を示す)を含む顕微鏡1610と通信する。第1の光学系1637は、顕微鏡に関連付けられてもよく、第2の干渉ベースの光学系1647は、上記で論じられたようにOCT撮像システムによって提供されてもよい。しかしながら、本発明概念の実施形態は、これに限定されるものではない。さらに示されているように、付加的な撮像様式は、第1および第2のシステムに関連付けられた任意選択的なシステムによって提供されてもよい。例えば、いくつかの実施形態は、顕微鏡内で別個の光路を有するが、同じ対物レンズを共有する1つまたは複数の付加的な撮像システム1657をさらに含むことができる。例えば、これらの付加的な撮像システムは、本発明概念の範囲から逸脱することなく、眼底蛍光、走査型レーザ検眼鏡、広視野撮像システムなどであってもよい。
【0058】
本発明概念のいくつかの実施形態は、
図1から
図16のうちの1つまたは複数の図に関連して説明されたようなシステムを含んでいる顕微鏡に関する。択一的に、顕微鏡は、
図1から
図16のうちの1つまたは複数の図に関連して説明されたようなシステムの一部であってもよい、または
図1から
図16のうちの1つまたは複数の図に関連して説明されたようなシステムに接続されていてもよい。
図17は本明細書に記載された方法を実施するように構成されたシステム1700の概略図を示している。システム1700は、顕微鏡1710とコンピュータシステム1720とを含んでいる。顕微鏡1710は、撮像するように構成されており、かつコンピュータシステム1720に接続されている。コンピュータシステム1720は、本明細書に記載された方法の少なくとも一部を実施するように構成されている。コンピュータシステム1720は、機械学習アルゴリズムを実行するように構成されていてもよい。コンピュータシステム1720と顕微鏡1710は別個の存在物であってもよいが、1つの共通のハウジング内に一体化されていてもよい。コンピュータシステム1720は、顕微鏡1710の中央処理システムの一部であってもよく、かつ/またはコンピュータシステム1720は、顕微鏡1710のセンサ、アクター、カメラまたは照明ユニット等の、顕微鏡1710の従属部品の一部であってもよい。
【0059】
コンピュータシステム1720は、1つまたは複数のプロセッサおよび1つまたは複数のストレージデバイスを備えるローカルコンピュータデバイス(例えば、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、タブレットコンピュータまたは携帯電話)であってもよく、または分散コンピュータシステム(例えば、ローカルクライアントおよび/または1つまたは複数のリモートサーバファームおよび/またはデータセンター等の様々な場所に分散されている1つまたは複数のプロセッサおよび1つまたは複数のストレージデバイスを備えるクラウドコンピューティングシステム)であってもよい。コンピュータシステム1720は、任意の回路または回路の組み合わせを含んでいてもよい。1つの実施形態では、コンピュータシステム1720は、任意の種類のものとすることができる、1つまたは複数のプロセッサを含んでいてもよい。本明細書で使用されるように、プロセッサは、例えば、顕微鏡または顕微鏡部品(例えばカメラ)のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、グラフィックプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マルチコアプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または任意の他の種類のプロセッサまたは処理回路等のあらゆる種類の計算回路を意図していてもよいが、これらに限定されない。コンピュータシステム1720に含まれ得る他の種類の回路は、カスタム回路、特定用途向け集積回路(ASIC)等であってもよく、例えばこれは、携帯電話、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、双方向無線機および類似の電子システム等の無線装置において使用される1つまたは複数の回路(通信回路等)等である。コンピュータシステム1020は、ランダムアクセスメモリ(RAM)の形態のメインメモリ等の特定の用途に適した1つまたは複数の記憶素子を含み得る1つまたは複数のストレージデバイス、1つまたは複数のハードドライブおよび/またはコンパクトディスク(CD)、フラッシュメモリカード、デジタルビデオディスク(DVD)等のリムーバブルメディアを扱う1つまたは複数のドライブ等を含んでいてもよい。コンピュータシステム1720はディスプレイ装置、1つまたは複数のスピーカーおよびキーボードおよび/またはマウス、トラックボール、タッチスクリーン、音声認識装置を含み得るコントローラ、またはシステムのユーザーがコンピュータシステム1720に情報を入力すること、およびコンピュータシステム1720から情報を受け取ることを可能にする任意の他の装置も含んでいてもよい。
【0060】
ステップの一部または全部は、例えば、プロセッサ、マイクロプロセッサ、プログラマブルコンピュータまたは電子回路等のハードウェア装置(またはハードウェア装置を使用すること)によって実行されてもよい。いくつかの実施形態では、極めて重要なステップのいずれか1つまたは複数が、そのような装置によって実行されてもよい。
【0061】
一定の実装要件に応じて、本発明概念の実施形態は、ハードウェアまたはソフトウェアで実装され得る。この実装は、非一過性の記録媒体によって実行可能であり、非一過性の記録媒体は、各方法を実施するために、プログラマブルコンピュータシステムと協働する(または協働することが可能である)、電子的に読取可能な制御信号が格納されている、デジタル記録媒体等であり、これは例えば、フロッピーディスク、DVD、ブルーレイ、CD、ROM、PROMおよびEPROM、EEPROMまたはFLASHメモリである。したがって、デジタル記録媒体は、コンピュータ読取可能であってもよい。
【0062】
本発明概念のいくつかの実施形態は、本明細書に記載のいずれかの方法が実施されるように、プログラマブルコンピュータシステムと協働することができる、電子的に読取可能な制御信号を有するデータ担体を含んでいる。
【0063】
一般的に、本発明概念の実施形態は、プログラムコードを備えるコンピュータプログラム製品として実装可能であり、このプログラムコードは、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されるときにいずれかの方法を実施するように作動する。このプログラムコードは、例えば、機械可読担体に格納されていてもよい。
【0064】
別の実施形態は、機械可読担体に格納されている、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するためのコンピュータプログラムを含んでいる。
【0065】
したがって、換言すれば、本発明概念の実施形態は、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに本明細書に記載のいずれかの方法を実施するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムである。
【0066】
したがって、本発明概念の別の実施形態は、プロセッサによって実行されるときに本明細書に記載のいずれかの方法を実施するために、格納されているコンピュータプログラムを含んでいる記録媒体(またはデータ担体またはコンピュータ読取可能な媒体)である。データ担体、デジタル記録媒体または被記録媒体は、典型的に、有形である、かつ/または非一過性である。本発明概念の別の実施形態は、プロセッサと記録媒体を含んでいる、本明細書に記載されたような装置である。
【0067】
したがって、本発明概念の別の実施形態は、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するためのコンピュータプログラムを表すデータストリームまたは信号シーケンスである。データストリームまたは信号シーケンスは例えば、データ通信接続、例えばインターネットを介して転送されるように構成されていてもよい。
【0068】
別の実施形態は、処理手段、例えば、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するように構成または適合されているコンピュータまたはプログラマブルロジックデバイスを含んでいる。
【0069】
別の実施形態は、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するために、インストールされたコンピュータプログラムを有しているコンピュータを含んでいる。
【0070】
本発明概念の別の実施形態は、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するためのコンピュータプログラムを(例えば、電子的にまたは光学的に)受信機に転送するように構成されている装置またはシステムを含んでいる。受信機は、例えば、コンピュータ、モバイル機器、記憶装置等であってもよい。装置またはシステムは、例えば、コンピュータプログラムを受信機に転送するために、ファイルサーバを含んでいてもよい。
【0071】
いくつかの実施形態では、プログラマブルロジックデバイス(例えばフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)が、本明細書に記載された方法の機能の一部または全部を実行するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイは、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するためにマイクロプロセッサと協働してもよい。一般的に、有利には、任意のハードウェア装置によって方法が実施される。
【0072】
図中のフローチャートおよびブロック図は、本開示の様々な態様によるシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能性、および動作を示すものである。この点に関して、フローチャートまたはブロック図の各ブロックは、指定された論理機能を実装するための1つまたは複数の実行可能な命令を含むコードのモジュール、セグメント、または部分を表すことができる。また、いくつかの代替的な実装では、ブロックに付記された機能は、図中に付記された順序から外れて発生する場合もあることにも留意すべきである。例えば、連続して示された2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行されてもよいし、あるいは複数のブロックは、関係する機能性に依存して、時折逆の順序で実行されてもよい。また、ブロック図および/またはフローチャート例示の各ブロック、ならびにブロック図および/またはフローチャート例示における複数のブロックの組み合わせは、指定された機能または行為を実行する特定目的のハードウェアベースのシステム、または特定目的のハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせによって実行可能であることにも留意されたい。
【0073】
本開示の説明は、例示および説明の目的で提示されたが、開示された形態での本開示の網羅または限定を意図するものではない。当業者にとっては、本開示の範囲および精神から逸脱することなく多くの修正および変形は明らかであろう。本明細書における開示の態様は、本開示の原理および実用的な用途を最良に説明するために選択および説明されたものであり、また、他の当業者が、企図された特定の使用に適した様々な修正を伴う開示を理解することができるように選択および説明されたものである。
【国際調査報告】