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特表2023-517724四肢痙縮の処置のための改変されたボツリヌス神経毒素
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-26
(54)【発明の名称】四肢痙縮の処置のための改変されたボツリヌス神経毒素
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/31 20060101AFI20230419BHJP
   A61K 38/16 20060101ALI20230419BHJP
   A61P 21/02 20060101ALI20230419BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20230419BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20230419BHJP
   A61K 39/39 20060101ALI20230419BHJP
   C07K 14/33 20060101ALI20230419BHJP
【FI】
C12N15/31 ZNA
A61K38/16
A61P21/02
A61P25/08
A61K47/02
A61K39/39
C07K14/33
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022555812
(86)(22)【出願日】2021-03-16
(85)【翻訳文提出日】2022-10-14
(86)【国際出願番号】 GB2021050647
(87)【国際公開番号】W WO2021186160
(87)【国際公開日】2021-09-23
(31)【優先権主張番号】2003803.0
(32)【優先日】2020-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2003867.5
(32)【優先日】2020-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517340507
【氏名又は名称】イプセン バイオファーム リミテッド
【氏名又は名称原語表記】IPSEN BIOPHARM LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110000774
【氏名又は名称】弁理士法人 もえぎ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グリゴール,ニコラエ
(72)【発明者】
【氏名】ラッフル,ケイティー
(72)【発明者】
【氏名】ピコー,フィリップ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA12
4C076BB15
4C076CC01
4C076DD23
4C076FF11
4C084AA02
4C084BA44
4C084CA04
4C084DA33
4C084MA17
4C084MA44
4C084MA66
4C084NA14
4C084ZA221
4C084ZA941
4C085AA38
4C085DD86
4C085EE06
4C085FF24
4C085GG03
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045CA11
4H045DA83
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、四肢痙縮または小児四肢痙縮の治療に使用するための改変されたボツリヌス神経毒A(BoNT/A)に関するものであり、改変されたBoNT/Aが、複数の患部筋肉で53単位から948単位または26.5単位から474単位の単位投与によって投与されるものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
四肢痙縮の処置に使用するための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)。
ここで、当該改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
当該改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの53単位から948単位の単位用量として当該複数の患部筋肉において投与され、かつ、 1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する当該改変BoNT/Aの量であり、
当該複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、長母趾屈筋、腓腹筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、母指対立筋、大内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋、内側ハムストリングス、外側ハムストリングス、大腿筋膜張筋、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋、大臀筋、前脛骨筋、短趾屈筋、長母趾伸筋、および短母趾屈筋を含み;かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、後脛骨筋、腕橈骨筋、大円筋、腸腰筋、および腓腹筋を含み;かつ、
単一の単位用量が患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、当該処置の間に投与される総用量は最高で14,220単位までであり、かつ、
当該改変BoNT/Aは、以下から選択される1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)に改変を含み: ASN886、ASN905、GLN915、ASN918、GLU920、ASN930、ASN954、SER955、GLN991、GLU992、GLN995、ASN1006、ASN1025、ASN1026、ASN1032、ASN1043、ASN1046、ASN1052、ASP1058、HIS1064、ASN1080、GLU1081、GLU1083、ASP1086、ASN1188、ASP1213、GLY1215、ASN1216、GLN1229、ASN1242、ASN1243、SER1274、およびTHR1277、ここで、当該改変は以下から選択される;
i. 酸性表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
ii. 酸性表面露出アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基による置換;
iii. 非荷電表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
iv. 塩基性アミノ酸残基の挿入; および
v. 酸性表面露出アミノ酸残基の欠失
【請求項2】
当該改変BoNT/Aの5~10pg(好ましくは8.4pg)が1単位に対応する、請求項1に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項3】
四肢痙縮の処置に使用するための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)。
ここで、当該改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
当該改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの53単位から948単位の単位用量として当該複数の患部筋肉において投与され、かつ、 1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する当該改変BoNT/Aの量であり、
当該複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、長母趾屈筋、腓腹筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、母指対立筋、大内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋、内側ハムストリングス、外側ハムストリングス、大腿筋膜張筋、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋、大臀筋、前脛骨筋、短趾屈筋、長母趾伸筋、および短母趾屈筋を含み;かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、後脛骨筋、腕橈骨筋、大円筋、腸腰筋、および腓腹筋を含み;かつ、
単一の単位用量が患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、当該処置の間に投与される総用量は最高で14,220単位までであり、かつ、
当該改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む
【請求項4】
当該改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B HCドメインを含み、かつ、当該改変BoNT/Aの20~30pg(好ましくは24.04pg)が1単位に対応する、請求項3に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項5】
当該改変BoNT/Aは7よりも大きな安全率を有し、当該安全率は以下として計算され: pg/マウスとして測定されるDAS ED50によって除算されたpg/マウスとして測定される-10%の体重変化に要求される毒素の用量、ED50=2のDASスコアを生ずるために要求される用量である、請求項1~4のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項6】
四肢痙縮が上肢痙縮である、請求項1~5のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項7】
単位用量が改変BoNT/Aの59単位から889単位である、請求項1~6のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項8】
投与される総用量は795単位から14,220単位である、請求項1~7のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項9】
投与される総用量は最高で13,335単位までである、請求項1~8のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項10】
投与される総用量は885単位から13,335単位である、請求項1~9のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項11】
投与される総用量は2,000単位から13,335単位である、請求項1~10のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項12】
単位用量が改変BoNT/Aの450pgから8,000pgである、請求項1~11のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項13】
単位用量が改変BoNT/Aの500pgから7,500pgである、請求項1~12のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項14】
投与される総用量が6,000pgから120,000pgである、請求項1~13のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項15】
投与される総用量が最高で112,500pgまでである、請求項1~14のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項16】
投与される総用量が7,500pgから112,500pgである、請求項1~15のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項17】
投与される総用量が40,000pgから112,500pgである、請求項1~16のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
ここで、複数の筋肉が以下から選択される:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、および母指対立筋を含み;かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、腕橈骨筋、および大円筋を含む
【請求項19】
請求項1、2、または5~18のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
ここで、前記改変は、以下から選択される1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)に改変を含み(好ましくは、からなり): ASN886、ASN930、ASN954、SER955、GLN991、ASN1025、ASN1026、ASN1052、ASN1188、ASP1213、GLY1215、ASN1216、GLN1229、ASN1242、ASN1243、SER1274、またはTHR1277、かつ、 当該改変BoNT/Aは、 配列番号3、5、7、および9から選択される核酸配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列によってコードされ、ならびに/または 配列番号4、6、8、および10から選択されるポリペプチド配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含み、好ましくは、 前記改変は、以下から選択される1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)に改変を含み(好ましくは、からなり): ASN886、ASN930、SER955、GLN991、ASN1026、ASN1052、およびGLN1229、かつ、 当該改変BoNT/Aは、 配列番号3に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列によってコードされ、および/または 配列番号4から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む
【請求項20】
当該改変が、置換、好ましくはリジンまたはアルギニンによる置換である、請求項1、2、または5~19のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項21】
当該改変BoNT/Aが、配列番号14に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む、請求項3~18のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項22】
改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)のユニット剤形。
ここで、当該ユニット剤形は以下を含み:
a. 53単位から948単位の改変BoNT/Aであって、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する当該改変BoNT/Aの量であり; または
b. 450pgから8,000pgの改変BoNT/A; ならびに
c. 随意により、薬学的に許容される担体、賦形剤、アジュバント、および/もしくは塩、
当該改変BoNT/Aが以下から選択される1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)に改変を含み: ASN886、ASN905、GLN915、ASN918、GLU920、ASN930、ASN954、SER955、GLN991、GLU992、GLN995、ASN1006、ASN1025、ASN1026、ASN1032、ASN1043、ASN1046、ASN1052、ASP1058、HIS1064、ASN1080、GLU1081、GLU1083、ASP1086、ASN1188、ASP1213、GLY1215、ASN1216、GLN1229、ASN1242、ASN1243、SER1274、およびTHR1277、 当該改変は以下から選択される:
i. 酸性表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
ii. 酸性表面露出アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基による置換;
iii. 非荷電表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
iv. 塩基性アミノ酸残基の挿入; および
v. 酸性表面露出アミノ酸残基の欠失
【請求項23】
改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)のユニット剤形。
当該ユニット剤形が以下を含み:
a. 53単位から948単位の改変BoNT/Aであって、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する当該改変BoNT/Aの量であり; または
b. 450pgから8,000pgの改変BoNT/A; ならびに
c. 随意により、薬学的に許容される担体、賦形剤、アジュバント、および/もしくは塩、
当該改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む
【請求項24】
以下を含む、請求項22または23に記載のユニット剤形:
a. 59単位から889単位の改変BoNT/A; または
b. 500pgから7,500pgの改変BoNT/A。
【請求項25】
以下を含む、キット:
a. 請求項22~24のいずれか1項に記載のユニット剤形; および
b. 四肢痙縮を処置することへのそれの使用の説明書;および
c. 随意により希釈剤。
【請求項26】
四肢痙縮の処置に使用するための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)。
ここで、当該改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
当該改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの31単位から707単位の単位用量として当該複数の患部筋肉において投与され、かつ、 1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する当該改変BoNT/Aの量であり、
当該複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、長母趾屈筋、腓腹筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、母指対立筋、大内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋、内側ハムストリングス、外側ハムストリングス、大腿筋膜張筋、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋、大臀筋、前脛骨筋、短趾屈筋、長母趾伸筋、および短母趾屈筋を含み;かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、後脛骨筋、腕橈骨筋、大円筋、腸腰筋、および腓腹筋を含み;かつ、
単一の単位用量が患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、 当該処置の間に投与される総用量は最高で10,605単位までであり、かつ、
当該改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む
【請求項27】
当該改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B HCドメインを含み、かつ、当該改変BoNT/Aの20~30pg(好ましくは24.04pg)が1単位に対応する、請求項26に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項28】
当該改変BoNT/Aは7よりも大きな安全率を有し、当該安全率は以下として計算され: pg/マウスとして測定されるDAS ED50によって除算されたpg/マウスとして測定される-10%の体重変化に要求される毒素の用量、かつ、ED50=2のDASスコアを生ずるために要求される用量である、請求項26または27に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項29】
四肢痙縮が上肢痙縮である、請求項26~28のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項30】
単位用量が改変BoNT/Aの42単位から666単位である、請求項26~29のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項31】
投与される総用量が465単位から10,605単位である、請求項26~30のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項32】
投与される総用量が最高で9,990単位までである、請求項26~31のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項33】
投与される総用量が630単位から9,990単位である、請求項26~32のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項34】
投与される総用量が1498単位から9,990単位である、請求項26~33のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項35】
単位用量が改変BoNT/Aの750pgから17,000pgである、請求項26~34のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項36】
単位用量が改変BoNT/Aの1000pgから16,000pgである、請求項26~35のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項37】
投与される総用量が12,750pgから255,000pgである、請求項26~36のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項38】
投与される総用量が最高で240,000pgまでである、請求項26~37のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項39】
投与される総用量が15,000pgから240,000pgである、請求項26~38のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項40】
投与される総用量が85,333pgから240,000pgである、請求項26~39のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項41】
請求項26~40のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
ここで、当該複数の筋肉が以下から選択される:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、および母指対立筋を含み;かつ
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、腕橈骨筋、および大円筋を含む
【請求項42】
当該改変BoNT/Aが、配列番号14に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む、請求項26~41のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項43】
改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)のユニット剤形。
当該ユニット剤形は以下を含み:
a. 31単位から707単位の改変BoNT/Aであって、ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する当該改変BoNT/Aの量であり; または
b. 750pgから17,000pgの改変BoNT/A; ならびに
c. 随意により、薬学的に許容される担体、賦形剤、アジュバント、および/もしくは塩、
当該改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む
【請求項44】
以下を含む請求項43に記載のユニット剤形:
a. 42単位から666単位の改変BoNT/A; または
b. 1000pgから16,000pgの改変BoNT/A。
【請求項45】
以下を含むキット:
a. 請求項43または44に記載のユニット剤形; および
b. 四肢痙縮を処置することへのそれの使用の説明書;および
c. 随意により希釈剤。
【請求項46】
小児の四肢痙縮の処置に使用するための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)。
ここで、当該改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
当該改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの26.5単位から474単位の単位用量として当該複数の患部筋肉において投与され、かつ、 1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する当該改変BoNT/Aの量であり、
当該複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、長母趾屈筋、腓腹筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、母指対立筋、大内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋、内側ハムストリングス、外側ハムストリングス、大腿筋膜張筋、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋、大臀筋、前脛骨筋、短趾屈筋、長母趾伸筋、および短母趾屈筋を含み;かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、後脛骨筋、腕橈骨筋、大円筋、腸腰筋、および腓腹筋を含み;かつ、
単一の単位用量が患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、 当該処置の間に投与される総用量は最高で7,110単位までであり、かつ、
当該改変BoNT/Aは以下から選択される1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)に改変を含み: ASN886、ASN905、GLN915、ASN918、GLU920、ASN930、ASN954、SER955、GLN991、GLU992、GLN995、ASN1006、ASN1025、ASN1026、ASN1032、ASN1043、ASN1046、ASN1052、ASP1058、HIS1064、ASN1080、GLU1081、GLU1083、ASP1086、ASN1188、ASP1213、GLY1215、ASN1216、GLN1229、ASN1242、ASN1243、SER1274、およびTHR1277、ここで、当該改変は以下から選択される:
i. 酸性表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
ii. 酸性表面露出アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基による置換;
iii. 非荷電表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
iv. 塩基性アミノ酸残基の挿入; および
v. 酸性表面露出アミノ酸残基の欠失
【請求項47】
当該改変BoNT/Aの5~10pg(好ましくは8.4pg)が1単位に対応する、請求項46に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項48】
小児の四肢痙縮の処置に使用するための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)。
ここで、当該改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
当該改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの26.5単位から474単位の単位用量として当該複数の患部筋肉において投与され、かつ、 1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する当該改変BoNT/Aの量であり、
当該複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、長母趾屈筋、腓腹筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、母指対立筋、大内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋、内側ハムストリングス、外側ハムストリングス、大腿筋膜張筋、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋、大臀筋、前脛骨筋、短趾屈筋、長母趾伸筋、および短母趾屈筋を含み;かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、後脛骨筋、腕橈骨筋、大円筋、腸腰筋、および腓腹筋を含み;かつ、
単一の単位用量が患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、 当該処置の間に投与される総用量は最高で7,110単位までであり、かつ、
当該改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む
【請求項49】
当該改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B HCドメインを含み、かつ、当該改変BoNT/Aの20~30pg(好ましくは24.04pg)が1単位に対応する、請求項48に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項50】
当該改変BoNT/Aは7よりも大きな安全率を有し、当該安全率は以下として計算され: pg/マウスとして測定されるDAS ED50によって除算されたpg/マウスとして測定される-10%の体重変化に要求される毒素の用量、かつ、ED50=2のDASスコアを生ずるために要求される用量である、請求項46~49のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項51】
単位用量が改変BoNT/Aの29.5単位から444.5単位である、請求項46~50のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項52】
投与される総用量は397.5単位から7,110単位である、請求項46~51のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項53】
投与される総用量は最高で6667.5単位までである、請求項46~52のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項54】
投与される総用量は442.5単位から6667.5単位である、請求項46~53のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項55】
投与される総用量は1,000単位から6667.5単位である、請求項46~54のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項56】
単位用量が改変BoNT/Aの225pgから4,000pgである、請求項46~55のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項57】
単位用量が改変BoNT/Aの250pgから3,750pgである、請求項46~56のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項58】
投与される総用量が3,000pgから60,000pgである、請求項46~57のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項59】
投与される総用量が最高で56,250pgまでである、請求項46~58のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項60】
投与される総用量が3,750pgから56,250pgである、請求項46~59のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項61】
投与される総用量が20,000pgから56,250pgである、請求項46~60のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項62】
投与される単位用量の総数が最高で10×当該単位用量までである、請求項46~61のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項63】
投与される総用量が265単位から4,740単位である、請求項46~62のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項64】
処置の間に投与される総用量は4,740単位である、請求項46~63のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項65】
請求項46~64のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
ここで、複数の筋肉は以下から選択される:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、および母指対立筋を含み;かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、腕橈骨筋、および大円筋を含む
【請求項66】
請求項46、47、または50~65のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
ここで、前記改変は、以下から選択される1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)に改変を含み(好ましくは、からなり): ASN886、ASN930、ASN954、SER955、GLN991、ASN1025、ASN1026、ASN1052、ASN1188、ASP1213、GLY1215、ASN1216、GLN1229、ASN1242、ASN1243、SER1274、またはTHR1277、かつ、 当該改変BoNT/Aは、配列番号3、5、7、および9から選択される核酸配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列によってコードされ、ならびに/または配列番号4、6、8、および10から選択されるポリペプチド配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含み、 好ましくは、前記改変は、以下から選択される1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)に改変を含み(好ましくは、からなり): ASN886、ASN930、SER955、GLN991、ASN1026、ASN1052、およびGLN1229、かつ、 当該改変BoNT/Aは、配列番号3に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列によってコードされ、および/または配列番号4から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む
【請求項67】
当該改変が、置換、好ましくはリジンまたはアルギニンによる置換である、請求項46、47、または50~66のいずれか1項に記載の(according any to)使用のための改変BoNT/A。
【請求項68】
当該改変BoNT/Aが、配列番号14に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む、請求項48~65のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項69】
改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)のユニット剤形。
当該ユニット剤形は以下を含み:
a. 26.5単位から474単位の改変BoNT/A、 ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する当該改変BoNT/Aの量であり; または
b. 225pgから4,000pgの改変BoNT/A; および
c. 随意により、薬学的に許容される担体、賦形剤、アジュバント、および/もしくは塩、
当該改変BoNT/Aは以下から選択される1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)に改変を含み: ASN886、ASN905、GLN915、ASN918、GLU920、ASN930、ASN954、SER955、GLN991、GLU992、GLN995、ASN1006、ASN1025、ASN1026、ASN1032、ASN1043、ASN1046、ASN1052、ASP1058、HIS1064、ASN1080、GLU1081、GLU1083、ASP1086、ASN1188、ASP1213、GLY1215、ASN1216、GLN1229、ASN1242、ASN1243、SER1274、およびTHR1277、ここで、当該改変は以下から選択される:
i. 酸性表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
ii. 酸性表面露出アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基による置換;
iii. 非荷電表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
iv. 塩基性アミノ酸残基の挿入; および
v. 酸性表面露出アミノ酸残基の欠失
【請求項70】
改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)のユニット剤形。
当該ユニット剤形が以下を含み:
a. 26.5単位から474単位の改変BoNT/A、 ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する当該改変BoNT/Aの量であり; または
b. 225pgから4,000pgの改変BoNT/A; および
c. 随意により、薬学的に許容される担体、賦形剤、アジュバント、および/もしくは塩、
当該改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む
【請求項71】
以下を含む請求項69または70に記載のユニット剤形:
a. 29.5単位から445.5単位の改変BoNT/A; または
b. 250pgから3750pgの改変BoNT/A。
【請求項72】
以下を含むキット:
a. 請求項69~71のいずれか1項に記載のユニット剤形; および
b. 四肢痙縮を処置することへのそれの使用の説明書;および
c. 随意により希釈剤。
【請求項73】
小児の四肢痙縮の処置に使用するための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)。
ここで、当該改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
当該改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの15.5単位から353.5単位の単位用量として当該複数の患部筋肉において投与され、かつ、 1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する当該改変BoNT/Aの量であり、
ここで、当該複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、長母趾屈筋、腓腹筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、母指対立筋、大内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋、内側ハムストリングス、外側ハムストリングス、大腿筋膜張筋、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋、大臀筋、前脛骨筋、短趾屈筋、長母趾伸筋、および短母趾屈筋を含み;かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、後脛骨筋、腕橈骨筋、大円筋、腸腰筋、および腓腹筋を含み;かつ、
単一の単位用量が患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、 当該処置の間に投与される総用量が最高で5302.5単位までであり、かつ、
当該改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む
【請求項74】
当該改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B HCドメインを含み、かつ、当該改変BoNT/Aの20~30pg(好ましくは24.04pg)が1単位に対応する、請求項73に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項75】
請求項73または74に記載の使用のための改変BoNT/A。
ここで、当該改変BoNT/Aは7よりも大きな安全率を有し、 当該安全率は以下として計算され: pg/マウスとして測定されるDAS ED50によって除算されたpg/マウスとして測定される-10%の体重変化に要求される毒素の用量、かつ、 ED50=2のDASスコアを生ずるために要求される用量である
【請求項76】
単位用量が改変BoNT/Aの21単位から333単位である、請求項73~75のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項77】
投与される総用量が232.5単位から5,302.5単位である、請求項73~76のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項78】
投与される総用量が最高で4,995単位までである、請求項73~77のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項79】
投与される総用量が315単位から4995単位である、請求項73~78のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項80】
投与される総用量が749単位から4995単位である、請求項73~79のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項81】
単位用量が改変BoNT/Aの375pgから8,500pgである、請求項73~80のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項82】
単位用量が改変BoNT/Aの500pgから8,000pgである、請求項73~81のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項83】
投与される総用量が6375pgから127,500pgである、請求項73~82のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項84】
投与される総用量は最高で120,000pgまでである、請求項73~83のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項85】
投与される総用量は7,500pgから120,000pgである、請求項73~84のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項86】
投与される総用量は42,666.5pgから120,000pgである、請求項73~85のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項87】
投与される単位用量の総数が最高で10×当該単位用量までである、請求項73~86のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項88】
投与される総用量は155単位から3,535単位である、請求項73~87のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項89】
処置の間に投与される総用量は3,535単位である、請求項73~88のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項90】
請求項73~89のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
ここで、複数の筋肉は以下から選択される:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、および母指対立筋を含み;かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、腕橈骨筋、および大円筋を含む
【請求項91】
当該改変BoNT/Aが、配列番号14に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む、請求項73~90のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項92】
改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)のユニット剤形。
当該ユニット剤形が以下を含み:
a. 15.5単位から353.5単位の改変BoNT/Aであって、ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する当該改変BoNT/Aの量であり; または
b. 375pgから8,500pgの改変BoNT/A; および
c. 随意により、薬学的に許容される担体、賦形剤、アジュバント、および/もしくは塩、
当該改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む
【請求項93】
以下を含む請求項92に記載のユニット剤形:
a. 21単位から333単位の改変BoNT/A; または
b. 500pgから8,000pgの改変BoNT/A。
【請求項94】
以下を含むキット:
a. 請求項92または93に記載のユニット剤形; および
b. 四肢痙縮を処置することへのそれの使用の説明書; および
c. 随意により希釈剤。
【請求項95】
四肢痙縮の処置に使用するための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)。
ここで、当該改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
当該改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの450pgから8000pgの単位用量として当該複数の患部筋肉において投与され、
当該複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、長母趾屈筋、腓腹筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、母指対立筋、大内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋、内側ハムストリングス、外側ハムストリングス、大腿筋膜張筋、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋、大臀筋、前脛骨筋、短趾屈筋、長母趾伸筋、および短母趾屈筋を含み;かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、後脛骨筋、腕橈骨筋、大円筋、腸腰筋、および腓腹筋を含み;かつ、
単一の単位用量が患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、 当該処置の間に投与される総用量は最高で120,000pgまでであり、かつ、
ここで、当該改変BoNT/Aは以下から選択される1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)に改変を含み: ASN886、ASN905、GLN915、ASN918、GLU920、ASN930、ASN954、SER955、GLN991、GLU992、GLN995、ASN1006、ASN1025、ASN1026、ASN1032、ASN1043、ASN1046、ASN1052、ASP1058、HIS1064、ASN1080、GLU1081、GLU1083、ASP1086、ASN1188、ASP1213、GLY1215、ASN1216、GLN1229、ASN1242、ASN1243、SER1274、およびTHR1277、ここで、当該改変は以下から選択される:
i. 酸性表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
ii. 酸性表面露出アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基による置換;
iii. 非荷電表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
iv. 塩基性アミノ酸残基の挿入; および
v. 酸性表面露出アミノ酸残基の欠失
【請求項96】
当該改変BoNT/Aの5~10pg(好ましくは8.4pg)が1単位に対応する、請求項95に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項97】
四肢痙縮の処置に使用するための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)。
ここで、当該改変BoNT/Aが筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
当該改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの450pgから8,000pgの単位用量として当該複数の患部筋肉において投与され、
ここで、当該複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、長母趾屈筋、腓腹筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、母指対立筋、大内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋、内側ハムストリングス、外側ハムストリングス、大腿筋膜張筋、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋、大臀筋、前脛骨筋、短趾屈筋、長母趾伸筋、および短母趾屈筋を含み;かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、後脛骨筋、腕橈骨筋、大円筋、腸腰筋、および腓腹筋を含み;かつ、
単一の単位用量が患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、 当該処置の間に投与される総用量は最高で120,000pgまでであり、かつ、
ここで、当該改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む、
【請求項98】
当該改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B HCドメインを含み、かつ、当該改変BoNT/Aの20~30pg(好ましくは24.04pg)が1単位に対応する、請求項97に記載の使用ための改変BoNT/A。
【請求項99】
請求項95~98のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
ここで、当該改変BoNT/Aは7よりも大きな安全率を有し、当該安全率は以下として計算され: pg/マウスとして測定されるDAS ED50によって除算されたpg/マウスとして測定される-10%の体重変化に要求される毒素の用量、かつ、ED50=2のDASスコアを生ずるために要求される用量である
【請求項100】
四肢痙縮が上肢痙縮である、請求項95~99のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項101】
単位用量が改変BoNT/Aの59単位から889単位である、請求項95~100のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項102】
投与される総用量が795単位から14,220単位である、請求項95~101のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項103】
投与される総用量が最高で13,335単位までである、請求項95~102のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項104】
投与される総用量が885単位から13,335単位である、請求項95~103のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項105】
投与される総用量が2,000単位から13,335単位である、請求項95~104のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項106】
単位用量が改変BoNT/Aの450pgから8,000pgである、請求項95~105のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項107】
単位用量が改変BoNT/Aの500pgから7,500pgである、請求項95~106のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項108】
投与される総用量が6,000pgから120,000pgである、請求項95~107のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項109】
投与される総用量が最高で112,500pgまでである、請求項95~108のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項110】
投与される総用量は7,500pgから112,500pgである、請求項95~109のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項111】
投与される総用量は40,000pgから112,500pgである、請求項95~110のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項112】
請求項95~111のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
ここで、複数の筋肉は以下から選択される:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、および母指対立筋を含み;かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、腕橈骨筋、および大円筋を含む
【請求項113】
請求項95、96、または99~112のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
ここで、前記改変は、以下から選択される1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)に改変を含み(好ましくは、からなり): ASN886、ASN930、ASN954、SER955、GLN991、ASN1025、ASN1026、ASN1052、ASN1188、ASP1213、GLY1215、ASN1216、GLN1229、ASN1242、ASN1243、SER1274、またはTHR1277、かつ、 当該改変BoNT/Aが、配列番号3、5、7、および9から選択される核酸配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列によってコードされ、ならびに/または配列番号4、6、8、および10から選択されるポリペプチド配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含み、 好ましくは、ここで、前記改変は、以下から選択される1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)に改変を含み(好ましくは、からなり): ASN886、ASN930、SER955、GLN991、ASN1026、ASN1052、およびGLN1229、かつ、 当該改変BoNT/Aは、配列番号3に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列によってコードされ、および/または配列番号4から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む
【請求項114】
当該改変は、置換、好ましくはリジンまたはアルギニンによる置換である、請求項95、96、または99~113のいずれか1項に記載の(according any to)使用のための改変BoNT/A。
【請求項115】
当該改変BoNT/Aが、配列番号14に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む、請求項99~112のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項116】
改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)のユニット剤形。
当該ユニット剤形は以下を含み:
a. 53単位から948単位の改変BoNT/Aであって、ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する当該改変BoNT/Aの量であり; または
b. 450pgから8,000pgの改変BoNT/A; および
c. 随意により、薬学的に許容される担体、賦形剤、アジュバント、および/もしくは塩、
当該改変BoNT/Aは以下から選択される1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)に改変を含み: ASN886、ASN905、GLN915、ASN918、GLU920、ASN930、ASN954、SER955、GLN991、GLU992、GLN995、ASN1006、ASN1025、ASN1026、ASN1032、ASN1043、ASN1046、ASN1052、ASP1058、HIS1064、ASN1080、GLU1081、GLU1083、ASP1086、ASN1188、ASP1213、GLY1215、ASN1216、GLN1229、ASN1242、ASN1243、SER1274、およびTHR1277、ここで、当該改変は以下から選択される:
i. 酸性表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
ii. 酸性表面露出アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基による置換;
iii. 非荷電表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
iv. 塩基性アミノ酸残基の挿入; および
v. 酸性表面露出アミノ酸残基の欠失
【請求項117】
改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)のユニット剤形。
当該ユニット剤形が以下を含み:
a. 53単位から948単位の改変BoNT/Aであって、ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する当該改変BoNT/Aの量であり; または
b. 450pgから8,000pgの改変BoNT/A; および
c. 随意により、薬学的に許容される担体、賦形剤、アジュバント、および/もしくは塩、
当該改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む
【請求項118】
以下を含む請求項116または117に記載のユニット剤形:
a. 59単位から889単位の改変BoNT/A; または
b. 500pgから7,500pgの改変BoNT/A。
【請求項119】
以下を含むキット:
a. 請求項116~118のいずれか1項に記載のユニット剤形; および
b. 四肢痙縮を処置することへのそれの使用の説明書; および
c. 随意により希釈剤。
【請求項120】
四肢痙縮の処置に使用するための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)。
ここで、当該改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
当該改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの750pgから17,000pgの単位用量として当該複数の患部筋肉において投与され、
当該複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、長母趾屈筋、腓腹筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、母指対立筋、大内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋、内側ハムストリングス、外側ハムストリングス、大腿筋膜張筋、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋、大臀筋、前脛骨筋、短趾屈筋、長母趾伸筋、および短母趾屈筋を含み;かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、後脛骨筋、腕橈骨筋、大円筋、腸腰筋、および腓腹筋を含み;かつ、
単一の単位用量が患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、 当該処置の間に投与される総用量は最高で255,000pgまでであり、かつ、
当該改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む
【請求項121】
当該改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B HCドメインを含み、かつ、当該改変BoNT/Aの20~30pg(好ましくは24.04pg)が1単位に対応する、請求項120に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項122】
請求項120または121に記載の使用のための改変BoNT/A。
ここで、当該改変BoNT/Aは7よりも大きな安全率を有し、当該安全率は以下として計算され: pg/マウスとして測定されるDAS ED50によって除算されたpg/マウスとして測定される-10%の体重変化に要求される毒素の用量、かつ、ED50=2のDASスコアを生ずるために要求される用量である
【請求項123】
四肢痙縮が上肢痙縮である、請求項120~122のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項124】
単位用量が改変BoNT/Aの42単位から666単位である、請求項120~123のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項125】
投与される総用量は465単位から10,605単位である、請求項120~124のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項126】
投与される総用量は最高で9,990単位までである、請求項120~125のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項127】
投与される総用量は630単位から9,990単位である、請求項120~126のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項128】
投与される総用量が1498単位から9,990単位である、請求項120~127のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項129】
単位用量が改変BoNT/Aの750pgから17,000pgである、請求項120~128のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項130】
単位用量が改変BoNT/Aの1000pgから16,000pgである、請求項120~129のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項131】
投与される総用量が12,750pgから255,000pgである、請求項120~130のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項132】
投与される総用量が最高で240,000pgまでである、請求項120~131のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項133】
投与される総用量は15,000pgから240,000pgである、請求項120~132のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項134】
投与される総用量は85,333pgから240,000pgである、請求項120~133のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項135】
請求項120~134のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
ここで、複数の筋肉は以下から選択される:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、および母指対立筋を含み;かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、腕橈骨筋、および大円筋を含む
【請求項136】
当該改変BoNT/Aが、配列番号14に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む、請求項120~135のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項137】
改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)のユニット剤形。
当該ユニット剤形が以下を含み:
a. 31単位から707単位の改変BoNT/A、 ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する当該改変BoNT/Aの量であり; または
b. 750pgから17,000pgの改変BoNT/A; および
c. 随意により、薬学的に許容される担体、賦形剤、アジュバント、および/もしくは塩、
当該改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む
【請求項138】
以下を含む請求項137に記載のユニット剤形:
a. 42単位から666単位の改変BoNT/A; または
b. 1000pgから16,000pgの改変BoNT/A。
【請求項139】
以下を含むキット:
a. 請求項137または138に記載のユニット剤形; および
b. 四肢痙縮を処置することへのそれの使用の説明書; および
c. 随意により希釈剤。
【請求項140】
小児の四肢痙縮の処置に使用するための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)。
ここで、当該改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
当該改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの225pgから4000pgの単位用量として当該複数の患部筋肉において投与され、
当該複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、長母趾屈筋、腓腹筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、母指対立筋、大内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋、内側ハムストリングス、外側ハムストリングス、大腿筋膜張筋、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋、大臀筋、前脛骨筋、短趾屈筋、長母趾伸筋、および短母趾屈筋を含み;かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、後脛骨筋、腕橈骨筋、大円筋、腸腰筋、および腓腹筋を含み;かつ、
単一の単位用量が患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、 当該処置の間に投与される総用量は最高で60,000pgまでであり、かつ、
当該改変BoNT/Aは以下から選択される1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)に改変を含み: ASN886、ASN905、GLN915、ASN918、GLU920、ASN930、ASN954、SER955、GLN991、GLU992、GLN995、ASN1006、ASN1025、ASN1026、ASN1032、ASN1043、ASN1046、ASN1052、ASP1058、HIS1064、ASN1080、GLU1081、GLU1083、ASP1086、ASN1188、ASP1213、GLY1215、ASN1216、GLN1229、ASN1242、ASN1243、SER1274、およびTHR1277、ここで、当該改変は以下から選択される:
i. 酸性表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
ii. 酸性表面露出アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基による置換;
iii. 非荷電表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
iv. 塩基性アミノ酸残基の挿入; および
v. 酸性表面露出アミノ酸残基の欠失
【請求項141】
当該改変BoNT/Aの5~10pg(好ましくは8.4pg)が1単位に対応する、請求項140に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項142】
小児の四肢痙縮の処置に使用するための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)。
ここで、当該改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
当該改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの225pgから4000pgの単位用量として当該複数の患部筋肉において投与され、
当該複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、長母趾屈筋、腓腹筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、母指対立筋、大内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋、内側ハムストリングス、外側ハムストリングス、大腿筋膜張筋、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋、大臀筋、前脛骨筋、短趾屈筋、長母趾伸筋、および短母趾屈筋を含み;かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、後脛骨筋、腕橈骨筋、大円筋、腸腰筋、および腓腹筋を含み;かつ、
単一の単位用量が患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、 当該処置の間に投与される総用量は最高で60,000pgまでであり、かつ、
当該改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む
【請求項143】
当該改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B HCドメインを含み、かつ、当該改変BoNT/Aの20~30pg(好ましくは24.04pg)が1単位に対応する、請求項142に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項144】
請求項140~143のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
ここで、当該改変BoNT/Aは7よりも大きな安全率を有し、当該安全率は以下として計算され: pg/マウスとして測定されるDAS ED50によって除算されたpg/マウスとして測定される-10%の体重変化に要求される毒素の用量、かつ、ED50=2のDASスコアを生ずるために要求される用量である
【請求項145】
単位用量は改変BoNT/Aの29.5単位から444.5単位である、請求項140~144のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項146】
投与される総用量は397.5単位から7,110単位である、請求項140~145のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項147】
投与される総用量は最高で6,667.5単位までである、請求項140~146のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項148】
投与される総用量が442.5単位から6,667.5単位である、請求項140~147のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項149】
投与される総用量が1,000単位から6,667.5単位である、請求項140~148のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項150】
単位用量は改変BoNT/Aの225pgから4,000pgである、請求項140~149のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項151】
単位用量は改変BoNT/Aの250pgから3,750pgである、請求項140~150のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項152】
投与される総用量が3,000pgから60,000pgである、請求項140~151のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項153】
投与される総用量が最高で56,250pgまでである、請求項140~152のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項154】
投与される総用量が3,750pgから56,250pgである、請求項140~153のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項155】
投与される総用量が20,000pgから56,250pgである、請求項140~154のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項156】
投与される単位用量の総数が最高で10×当該単位用量までである、請求項140~155のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項157】
投与される総用量が265単位から4,740単位である、請求項140~156のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項158】
処置の間に投与される総用量が4,740単位である、請求項140~157のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項159】
投与される総用量が2,250pgから40,000pgである、請求項140~158のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項160】
処置の間に投与される総用量は40,000pgである、請求項140~159のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項161】
請求項140~160のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
ここで、複数の筋肉は以下から選択される:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、および母指対立筋を含み;かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、腕橈骨筋、および大円筋を含む
【請求項162】
請求項140、141、または144~161のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
ここで、前記改変は、以下から選択される1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)に改変を含み(好ましくは、からなり): ASN886、ASN930、ASN954、SER955、GLN991、ASN1025、ASN1026、ASN1052、ASN1188、ASP1213、GLY1215、ASN1216、GLN1229、ASN1242、ASN1243、SER1274、またはTHR1277、かつ、 当該改変BoNT/Aは、配列番号3、5、7、および9から選択される核酸配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列によってコードされ、ならびに/または配列番号4、6、8、および10から選択されるポリペプチド配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含み、 好ましくは、ここで、前記改変は、以下から選択される1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)に改変を含み(好ましくは、からなり): ASN886、ASN930、SER955、GLN991、ASN1026、ASN1052、およびGLN1229、かつ、 当該改変BoNT/Aは、配列番号3に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列によってコードされ、および/または配列番号4から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む
【請求項163】
当該改変は、置換、好ましくはリジンまたはアルギニンによる置換である、請求項140、141、または144~162のいずれか1項に記載の(according any to)使用のための改変BoNT/A。
【請求項164】
当該改変BoNT/Aは、配列番号14に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む、請求項142~163のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項165】
改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)のユニット剤形。
当該ユニット剤形は以下を含み:
a. 26.5単位から474単位の改変BoNT/Aであって、ここで、1単位はマウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する当該改変BoNT/Aの量であり; または
b. 225pgから4,000pgの改変BoNT/A; および
c. 随意により、薬学的に許容される担体、賦形剤、アジュバント、および/もしくは塩、
当該改変BoNT/Aは、以下から選択される1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)に改変を含み: ASN886、ASN905、GLN915、ASN918、GLU920、ASN930、ASN954、SER955、GLN991、GLU992、GLN995、ASN1006、ASN1025、ASN1026、ASN1032、ASN1043、ASN1046、ASN1052、ASP1058、HIS1064、ASN1080、GLU1081、GLU1083、ASP1086、ASN1188、ASP1213、GLY1215、ASN1216、GLN1229、ASN1242、ASN1243、SER1274、およびTHR1277、ここで、当該改変は以下から選択される:
i. 酸性表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
ii. 酸性表面露出アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基による置換;
iii. 非荷電表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
iv. 塩基性アミノ酸残基の挿入; および
v. 酸性表面露出アミノ酸残基の欠失
【請求項166】
改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)のユニット剤形。
当該ユニット剤形が以下を含み:
a. 26.5単位から474単位の改変BoNT/Aであって、ここで、1単位はマウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する当該改変BoNT/Aの量であり; または
b. 225pgから4,000pgの改変BoNT/A; ならびに
c. 随意により、薬学的に許容される担体、賦形剤、アジュバント、および/もしくは塩、
当該改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む
【請求項167】
以下を含む請求項165または166に記載のユニット剤形:
a. 29.5単位から445.5単位の改変BoNT/A; または
b. 250pgから3750pgの改変BoNT/A。
【請求項168】
以下を含むキット:
a. 請求項165~167のいずれか1項に記載のユニット剤形; および
b. 四肢痙縮を処置することへのそれの使用の説明書; および
c. 随意により希釈剤。
【請求項169】
小児の四肢痙縮の処置に使用するための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)。
ここで、当該改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
当該改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの375pgから8,500pgの単位用量として当該複数の患部筋肉において投与され、
当該複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、長母趾屈筋、腓腹筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、母指対立筋、大内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋、内側ハムストリングス、外側ハムストリングス、大腿筋膜張筋、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋、大臀筋、前脛骨筋、短趾屈筋、長母趾伸筋、および短母趾屈筋を含み;かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、後脛骨筋、腕橈骨筋、大円筋、腸腰筋、および腓腹筋を含み;かつ、
単一の単位用量が患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、 当該処置の間に投与される総用量が最高で127,500pgまでであり、かつ、
当該改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む
【請求項170】
当該改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B HCドメインを含み、かつ、当該改変BoNT/Aの20~30pg(好ましくは24.04pg)が1単位に対応する、請求項169に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項171】
請求項169または170に記載の使用のための改変BoNT/A。
ここで、当該改変BoNT/Aは7よりも大きな安全率を有し、当該安全率は以下として計算され: pg/マウスとして測定されるDAS ED50によって除算されたpg/マウスとして測定される-10%の体重変化に要求される毒素の用量、かつ、ED50=2のDASスコアを生ずるために要求される用量である
【請求項172】
単位用量が改変BoNT/Aの21単位から333単位である、請求項169~171のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項173】
投与される総用量は232.5単位から5,302.5単位である、請求項169~172のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項174】
投与される総用量は最高で4,995単位までである、請求項169~173のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項175】
投与される総用量は315単位から4,995単位である、請求項169~174のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項176】
投与される総用量が749単位から4,995単位である、請求項169~175のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項177】
単位用量が改変BoNT/Aの375pgから8,500pgである、請求項169~176のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項178】
単位用量が改変BoNT/Aの500pgから8,000pgである、請求項169~177のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項179】
投与される総用量が6375pgから127,500pgである、請求項169~178のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項180】
投与される総用量は最高で120,000pgまでである、請求項169~179のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項181】
投与される総用量は7,500pgから120,000pgである、請求項169~180のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項182】
投与される総用量が42,666.5pgから120,000pgである、請求項169~181のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項183】
投与される単位用量の総数が最高で10×当該単位用量までである、請求項169~182のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項184】
投与される総用量が155単位から3,535単位である、請求項169~183のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項185】
処置の間に投与される総用量が3,535単位である、請求項169~184のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項186】
投与される総用量は3750pgから85,000pgである、請求項169~185のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項187】
処置の間に投与される総用量が85,000pgである、請求項169~186のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項188】
請求項169~187のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
ここで、複数の筋肉が以下から選択される:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、および母指対立筋を含み;かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、腕橈骨筋、および大円筋を含む
【請求項189】
当該改変BoNT/Aは、配列番号14に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む、請求項169~188のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項190】
改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)のユニット剤形。
当該ユニット剤形が以下を含み:
a. 15.5単位から353.5単位の改変BoNT/Aであって、ここで、1単位はマウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する当該改変BoNT/Aの量であり; または
b. 375pgから8,500pgの改変BoNT/A; ならびに
c. 随意により、薬学的に許容される担体、賦形剤、アジュバント、および/もしくは塩、
当該改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む
【請求項191】
以下を含む請求項190に記載のユニット剤形:
a. 21単位から333単位の改変BoNT/A; または
b. 500pgから8,000pgの改変BoNT/A。
【請求項192】
以下を含むキット:
a. 請求項190または191に記載のユニット剤形; および
b. 四肢痙縮を処置することへのそれの使用の説明書; および
c. 随意により希釈剤。
【請求項193】
請求項1~21、26~42、46~68、73~91、95~115、120~136、140~164、または169~189のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
ここで、当該改変BoNT/Aは複数の患部筋肉において注射部位あたり単位用量として投与され、 単一の単位用量が患部の第1の群の筋肉の選択された注射部位において投与され、および/または複数の単位用量が患部の第2の群の筋肉の選択された異なる注射部位において投与される
【請求項194】
当該改変BoNT/Aは注射部位あたり単位用量未満として投与される、請求項1~21、26~42、46~68、73~91、95~115、120~136、140~164、または169~189のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【請求項195】
単一の単位用量が患部の第1の群の筋肉の複数の注射部位において投与され、および/または複数の単位用量が患部の第2の群の筋肉の複数の注射部位において投与される、請求項1~21、26~42、46~68、73~91、95~115、120~136、140~164、169~189、または194のいずれか1項に記載の使用のための改変BoNT/A。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は改変されたボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)を用いる四肢痙縮の処置に関する。
【背景技術】
【0002】
痙縮は、運動ニューロン症候群の1つのコンポーネントとしての伸張反射の過剰興奮性からもたらされる過度の腱反射を有する速度依存的な伸張反射の増大を特徴とする運動症状である。痙縮は、種々の神経学的障害、例えば多発性硬化症、脳または脊髄損傷、外傷性脳損傷(TBI)、および脳血管系障害(卒中)に関連する。それは、運動低下(増大した筋緊張、異常な肢部の姿勢、拮抗筋の過剰収縮、および反射亢進)、機能障害、痛み、および不快感を特徴とする。
【0003】
成人上肢(AUL)痙縮は卒中後の普通の合併症である。それは多くの場合には有痛であり(痙縮性の筋肉収縮に関連する)、上肢の動きに干渉することと能動的な機能的タスクのための肢部の使用を限定することとによって有意な障害を引き起こし得る。重症のケースでは、それは「受動的機能」、例えば患部肢部の洗浄、着衣、およびケアをもまた妨害し、それによって介護者の負担を増大させ得る。二次合併症は、不良な自己評価およびボディイメージ、低下したクオリティ・オブ・ライフ(縮減された社会的および家族相互作用)、ならびに圧迫潰瘍を包含し得る。
【0004】
卒中後の上肢痙縮マネジメントは、患者像およびそれらのゴールの多様性を原因として難題である。これらの患者では、筋肉過緊張が、典型的には、患部筋肉によって決定されるいくつかの普通の臨床パターンで顕出し、これは翻って中枢神経系病変のサイズ、位置づけ、および年齢に関係する。これらのパターンは、31ヶ国の臨床医の国際的な横断的調査によって記載され、爾後に、AUL痙縮の5つの典型的なパターンの分類を開発するために用いられた。これらは肩、肘、前腕、および手首関節の位置について定義される。現行の臨床的なコンセンサスおよび既存のガイドラインは、患者のための処置を選択するときには、痙縮のまさにそのパターンが考えられるべきであり、ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)治療は注射のために選択される適当な筋肉について然るべく仕立てられるべきであるということを推奨している。しかしながら、いかなる2人の患者も同一ではなく、カスタム/個別化処置レジメンの必要がある。
【0005】
上肢痙縮(ULS)についての処置パラメータおよび臨床パターンのそれぞれについての標的化される筋肉のガイダンスを提供するために、専門家パネルはこれらのパターンをさらに検討した(図1を見よ)。有意には、パネルは、BoNTによる処置を標的化するための3つの集合的な姿勢の組み合わせを定義した。これらは以下であった:
(1)内転した肩、屈曲した肘、回内した前腕、屈曲した手首、握り拳;
(2)屈曲した肘、回内した前腕、屈曲した手首、握り拳;および
(3)屈曲した手首、握り拳。
【0006】
図1に示されている4つの上肢関節は対象の>90%に関わることが公知である(図1を見よ)。痙縮性上肢パターンの大部分(5つのうち4つ)は肩の内旋および内転ならびに肘関節の屈曲からもたらされ、姿勢の違いは前腕ならびに手首の姿勢からもたらされる。
【0007】
総体的には、ULS処置は、痙縮の徴候および症状を緩和すること-筋肉のスパスムおよび痛みを縮減すること、姿勢を改善すること、可動性および巧緻性(手を伸ばす、掴む、動かす、および離す随意運動機能)を容易化すること、拘縮および変形を最小化すること、ならびに患者のケアの容易さおよび衛生/セルフケアおよび/またはクオリティ・オブ・ライフを改善することを狙う。経口(ベンゾジアゼピン、バクロフェン、チザニジン、およびダントロレン)および髄腔内(バクロフェン)薬のような利用可能な薬理学的処置オプションは、大体は非選択的な筋力低下を引き起こし、運動失調、眠気、鎮静、およびさらには離脱症状を包含する副作用、例えば全身性筋力低下および中枢神経系に対する有害作用を有する。
【0008】
痙縮の処置のための最も有効なアプローチは理学療法およびBoNT/Aの筋肉内(i.m.)注射の組み合わせであり、これは近年においてはいくつかのガイドラインによって推奨されている。BoNT/Aは選ばれた処置として注目されるようになった。なぜなら、それは最小の全身副作用を有し、局所的に注射可能な処置であり、患部筋肉を選択的に標的化することによって個人の疾患像に適合され得るからである。
【0009】
Dysport(登録商標)は、クロストリジウム・ボツリナムA型株から単離および精製された原薬のBoNT/Aヘマグルチニン複合体(BTX-A-HAC)を含有する医療用製品である。クロストリジウム・ボツリナムによって天然に生ずるいくつかの他の医療用BoNT/A製品もまた市販されている(例えばBOTOX(登録商標)およびXEOMIN(登録商標))。
【0010】
BoNT/Aは神経のシナプス前終末からのアセチルコリンの放出を選択的に阻害し、それゆえに、神経筋接合部におけるコリン作動性伝達をブロックし、筋肉収縮および筋緊張の縮減を誘導し、注射された筋肉が弛緩することを引き起こす。この作用機序は、局所性ジストニア、局所性の筋肉痙縮、および審美的状態を包含するいくつかの神経学的臨床状態を処置するために二十年超に渡って治療学的に用いられている。
【0011】
しかしながら、現行で利用可能なBoNT/A製品の作用持続時間は約12から14週であり、これは、新たな神経端が発芽し、神経機能が正常に戻ることを許し、元々の症状が再出現するときである。最終的に、効果が維持されるためには、注射は周期的に繰り返されることを必要とする。
【0012】
それゆえに状態の慢性性および要求される処置の長期的性質を考えて、BoNT/A注射の頻度は痙縮の処置についての重要な考慮事項である。実際に、それは、患者および介護者にとっての関わる直接的および間接的な健康コスト、病院/診療所における注射のロジスティクス、ならびに最も重要なことには患者のクオリティ・オブ・ライフに対するインパクトを有する。
【0013】
Dysport(登録商標)は、1,500単位という処置セッションあたりの最大の総用量で上下肢痙縮の処置について承認されている(図2を見よ-上肢痙縮を処置するためには最大で1,000単位)。臨床医は、Dysport(登録商標)を肢部の複数の筋肉に最高で処置セッションあたり合計で1,500単位の上限閾値まで投与することを要求される。臨床医は患者の処置の間に困難な選択をすることを強いられる。換言すると、従来の処置レジメンでは、臨床医は、投与され得るBoNT/Aの比較的低い総量(BoNT/Aの高度に毒性の性質によって必然的に、上肢痙縮では1,500単位または1,000単位)と複数の異なる筋肉における有効量との間のバランスを見出さなければならない。ゆえに、ある種の筋肉は放置され、他は準最適量のBoNT/Aを受け、準最適な治療をもたらす。さらにその上、現行の処置レジメンは、その複数の筋肉において複数の単位用量を要求する肩の処置を除外している。
【0014】
その上、従来の処置レジメンは複雑であり、臨床医が患者に対する毒性を回避しようとする努力から過少投薬することをもたらす。それゆえに、便利な安全なかつ有効な単一用量単位と、もたらされる患者毒性なしに処置セッションにおいて肢部に投与され得る単位数の対応する目安(筋肉あたりの注射部位の数を包含する)との必要がある。
【0015】
結論として、標的化される臨床パターンに従って処置を仕立てるための患者中心の個別化アプローチを許し、肢部筋肉の異なる組み合わせが痙縮の分布、程度、および重症度に依存して注射されることを可能にしながら、毒性を回避し、より長く続く処置(より頻繁でない投与をもたらす)を提供するであろう四肢痙縮のための改善された処置の必要がある。肩のものなどの放置されていた筋肉の処置を許す改善された処置レジメンの必要もまたある。
【0016】
本発明は上で挙げられた問題の1つ以上を克服する。
【発明の概要】
【0017】
本発明者は、驚くべきことに、改変BoNT/Aが四肢痙縮を処置することに特別な有用性を見出すということを見出した。改変BoNT/Aは、増大した正味の正電荷をもたらす表面露出アミノ酸残基の1つ以上の改変を含み得る。増大した電荷はポリペプチドおよびアニオン性の細胞外コンポーネントの間の静電的相互作用を促進し、それによってポリペプチドおよび細胞表面の間の結合を促進する。翻って、これは、投与部位における保持を増大させ(からの拡散を縮減し)、増大した作用持続時間(例えば6~9ヶ月)をもたらす。代替的には、改変BoNT/Aは、BoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含み得る。これは、類似に、投与部位における増大した保持(からの縮減された拡散)および増大した作用持続時間(例えば6~9ヶ月)を見せる改変BoNT/Aをもたらす。有利には、改変BoNT/Aは、未改変のBoNT/A(例えばDysport(登録商標))と比較されるときに改善されている安全性プロファイルを有する。この改善された安全性プロファイルは、改変BoNT/Aについて本明細書に記載される高い安全率によって表現され得る。
【0018】
本明細書の前臨床データに基づくと(実施例6を見よ)、より高い総量の改変BoNT/Aが対象に投与されながら、かかる高い用量において、未改変のBoNT/A(例えばDysport(登録商標))に類似の安全性プロファイルを達成し得るということが示された。それゆえに、改変BoNT/Aは、最大の総用量に達する前に、四肢痙縮の処置においてより多大な数の筋肉/部位において注射され得る。これは有意なかつ有利な知見であり、より多大な範囲の処置オプションを臨床医に提供しながら、四肢痙縮の改善された処置をもたらす。初めて、それは、肩のものなどの追加の大きい筋肉を処置することができるというオプションをもまた提供しながら、最大用量以内において肘、前腕、および/または手首をもまた良く処置する。未改変のBoNT/A(例えばDysport(登録商標))による処置と比較されるときに、それがより長く続く処置(より頻繁でない投与をもたらす)を提供し、および/または対象のために仕立てられることができ、および/または対象の改善されたクオリティ・オブ・ライフをもたらすという点で、処置は改善され得る。本発明の処置は従来の処置レジメンと比較して改善されている。
【0019】
その上、本発明は、便利な安全なかつ有効な単一の単位用量と、単回処置において安全に投与され得る総(最大)用量とを提供する。本発明は、前記単位用量がもたらされる患者毒性なしに肢部に投与され得る回数の対応する目安(例えば、筋肉あたりの注射部位の数を包含する)をもまた提供する。本発明に従う処置は、それゆえに、臨床医にとってはあまり複雑ではなく、過少投薬および/または過量投薬を回避することを助ける。
【発明を実施するための形態】
【0020】
1つの態様において、本発明は、四肢痙縮の処置に使用するための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)を提供し、 ここで、改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの53単位から948単位の単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの53単位から948単位の単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、かつ、 ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、長母趾屈筋、腓腹筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、母指対立筋、大内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋、内側ハムストリングス、外側ハムストリングス、大腿筋膜張筋、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋、大臀筋、前脛骨筋、短趾屈筋、長母趾伸筋、および短母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、後脛骨筋、腕橈骨筋、大円筋、腸腰筋、および腓腹筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で14,220単位までであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、以下から選択される1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)に改変を含み: ASN886、ASN905、GLN915、ASN918、GLU920、ASN930、ASN954、SER955、GLN991、GLU992、GLN995、ASN1006、ASN1025、ASN1026、ASN1032、ASN1043、ASN1046、ASN1052、ASP1058、HIS1064、ASN1080、GLU1081、GLU1083、ASP1086、ASN1188、ASP1213、GLY1215、ASN1216、GLN1229、ASN1242、ASN1243、SER1274、およびTHR1277、 ここで、改変は以下から選択される:
i. 酸性表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
ii. 酸性表面露出アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基による置換;
iii. 非荷電表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
iv. 塩基性アミノ酸残基の挿入; および
v. 酸性表面露出アミノ酸残基の欠失。
【0021】
1つの態様において、本発明は、四肢痙縮の処置に使用するための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)を提供し、 ここで、改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの53単位から948単位の単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの53単位から948単位の単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、かつ、 ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、長母趾屈筋、腓腹筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、母指対立筋、大内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋、内側ハムストリングス、外側ハムストリングス、大腿筋膜張筋、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋、大臀筋、前脛骨筋、短趾屈筋、長母趾伸筋、および短母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、後脛骨筋、腕橈骨筋、大円筋、腸腰筋、および腓腹筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量が最高で14,220単位までであり、かつ、
ここで、改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む。
【0022】
関係する態様において、本発明は四肢痙縮を処置するための方法を提供し、方法は、改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)を筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与することを含み、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの53単位から948単位の単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの53単位から948単位の単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、かつ、ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、長母趾屈筋、腓腹筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、母指対立筋、大内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋、内側ハムストリングス、外側ハムストリングス、大腿筋膜張筋、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋、大臀筋、前脛骨筋、短趾屈筋、長母趾伸筋、および短母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、後脛骨筋、腕橈骨筋、大円筋、腸腰筋、および腓腹筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で14,220単位までであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、以下から選択される1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)に改変を含み: ASN886、ASN905、GLN915、ASN918、GLU920、ASN930、ASN954、SER955、GLN991、GLU992、GLN995、ASN1006、ASN1025、ASN1026、ASN1032、ASN1043、ASN1046、ASN1052、ASP1058、HIS1064、ASN1080、GLU1081、GLU1083、ASP1086、ASN1188、ASP1213、GLY1215、ASN1216、GLN1229、ASN1242、ASN1243、SER1274、およびTHR1277、ここで、改変は以下から選択される:
i. 酸性表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
ii. 酸性表面露出アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基による置換;
iii. 非荷電表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
iv. 塩基性アミノ酸残基の挿入; および
v. 酸性表面露出アミノ酸残基の欠失。
【0023】
関係する態様において、本発明は四肢痙縮を処置するための方法を提供し、方法は、改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)を筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与することを含み、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの53単位から948単位の単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの53単位から948単位の単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、かつ、ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、長母趾屈筋、腓腹筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、母指対立筋、大内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋、内側ハムストリングス、外側ハムストリングス、大腿筋膜張筋、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋、大臀筋、前脛骨筋、短趾屈筋、長母趾伸筋、および短母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、後脛骨筋、腕橈骨筋、大円筋、腸腰筋、および腓腹筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で14,220単位までであり、かつ、
ここで、改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む。
【0024】
別の関係する態様において、本発明は、四肢痙縮を処置するための医薬の製造への改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用を提供し、ここで、改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの53単位から948単位の単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの53単位から948単位の単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、かつ、ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、長母趾屈筋、腓腹筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、母指対立筋、大内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋、内側ハムストリングス、外側ハムストリングス、大腿筋膜張筋、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋、大臀筋、前脛骨筋、短趾屈筋、長母趾伸筋、および短母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、後脛骨筋、腕橈骨筋、大円筋、腸腰筋、および腓腹筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で14,220単位までであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは以下から選択される1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)に改変を含み: ASN886、ASN905、GLN915、ASN918、GLU920、ASN930、ASN954、SER955、GLN991、GLU992、GLN995、ASN1006、ASN1025、ASN1026、ASN1032、ASN1043、ASN1046、ASN1052、ASP1058、HIS1064、ASN1080、GLU1081、GLU1083、ASP1086、ASN1188、ASP1213、GLY1215、ASN1216、GLN1229、ASN1242、ASN1243、SER1274、およびTHR1277、ここで、改変は以下から選択される:
i. 酸性表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
ii. 酸性表面露出アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基による置換;
iii. 非荷電表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
iv. 塩基性アミノ酸残基の挿入; および
v. 酸性表面露出アミノ酸残基の欠失。
【0025】
別の関係する態様において、本発明は、四肢痙縮を処置するための医薬の製造への改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用を提供し、ここで、改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの53単位から948単位の単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの53単位から948単位の単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、かつ、ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、長母趾屈筋、腓腹筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、母指対立筋、大内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋、内側ハムストリングス、外側ハムストリングス、大腿筋膜張筋、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋、大臀筋、前脛骨筋、短趾屈筋、長母趾伸筋、および短母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、後脛骨筋、腕橈骨筋、大円筋、腸腰筋、および腓腹筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で14,220単位までであり、かつ、
ここで、改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む。
【0026】
1つの態様において、本発明は、四肢痙縮の処置に使用するための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)を提供し、ここで、改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの31単位から707単位の単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの31単位から707単位の単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、かつ、ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、長母趾屈筋、腓腹筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、母指対立筋、大内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋、内側ハムストリングス、外側ハムストリングス、大腿筋膜張筋、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋、大臀筋、前脛骨筋、短趾屈筋、長母趾伸筋、および短母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、後脛骨筋、腕橈骨筋、大円筋、腸腰筋、および腓腹筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で10,605単位までであり、かつ、
ここで、改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む。
【0027】
関係する態様において、本発明は、四肢痙縮を処置するための方法を提供し、方法は、改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)を筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与することを含み、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの31単位から707単位の単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの31単位から707単位の単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、かつ、ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、長母趾屈筋、腓腹筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、母指対立筋、大内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋、内側ハムストリングス、外側ハムストリングス、大腿筋膜張筋、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋、大臀筋、前脛骨筋、短趾屈筋、長母趾伸筋、および短母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、後脛骨筋、腕橈骨筋、大円筋、腸腰筋、および腓腹筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で10,605単位までであり、かつ、
ここで、改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む。
【0028】
別の関係する態様において、本発明は、四肢痙縮を処置するための医薬の製造への改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用を提供し、ここで、改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの31単位から707単位の単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの31単位から707単位の単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、かつ、ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、長母趾屈筋、腓腹筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、母指対立筋、大内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋、内側ハムストリングス、外側ハムストリングス、大腿筋膜張筋、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋、大臀筋、前脛骨筋、短趾屈筋、長母趾伸筋、および短母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、後脛骨筋、腕橈骨筋、大円筋、腸腰筋、および腓腹筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で10,605単位までであり、かつ、
ここで、改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む。
【0029】
1つの態様において、本発明は、小児の四肢痙縮の処置に使用するための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)を提供し、ここで、改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの26.5単位から474単位の単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの26.5単位から474単位の単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、かつ、ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、長母趾屈筋、腓腹筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、母指対立筋、大内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋、内側ハムストリングス、外側ハムストリングス、大腿筋膜張筋、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋、大臀筋、前脛骨筋、短趾屈筋、長母趾伸筋、および短母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、後脛骨筋、腕橈骨筋、大円筋、腸腰筋、および腓腹筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で7,110単位までであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、以下から選択される1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)に改変を含み: ASN886、ASN905、GLN915、ASN918、GLU920、ASN930、ASN954、SER955、GLN991、GLU992、GLN995、ASN1006、ASN1025、ASN1026、ASN1032、ASN1043、ASN1046、ASN1052、ASP1058、HIS1064、ASN1080、GLU1081、GLU1083、ASP1086、ASN1188、ASP1213、GLY1215、ASN1216、GLN1229、ASN1242、ASN1243、SER1274、およびTHR1277、ここで、改変は以下から選択される:
i. 酸性表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
ii. 酸性表面露出アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基による置換;
iii. 非荷電表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
iv. 塩基性アミノ酸残基の挿入; および
v. 酸性表面露出アミノ酸残基の欠失。
【0030】
1つの態様において、本発明は、小児の四肢痙縮の処置に使用するための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)を提供し、ここで、改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの26.5単位から474単位の単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの26.5単位から474単位の単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、かつ、ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、長母趾屈筋、腓腹筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、母指対立筋、大内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋、内側ハムストリングス、外側ハムストリングス、大腿筋膜張筋、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋、大臀筋、前脛骨筋、短趾屈筋、長母趾伸筋、および短母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、後脛骨筋、腕橈骨筋、大円筋、腸腰筋、および腓腹筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で7,110単位までであり、かつ、
ここで、改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む。
【0031】
関係する態様において、本発明は、小児の四肢痙縮を処置するための方法を提供し、方法は、改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)を筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与することを含み、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの26.5単位から474単位の単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの26.5単位から474単位の単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、かつ、ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、長母趾屈筋、腓腹筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、母指対立筋、大内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋、内側ハムストリングス、外側ハムストリングス、大腿筋膜張筋、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋、大臀筋、前脛骨筋、短趾屈筋、長母趾伸筋、および短母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、後脛骨筋、腕橈骨筋、大円筋、腸腰筋、および腓腹筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で7,110単位までであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは以下から選択される1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)に改変を含み: ASN886、ASN905、GLN915、ASN918、GLU920、ASN930、ASN954、SER955、GLN991、GLU992、GLN995、ASN1006、ASN1025、ASN1026、ASN1032、ASN1043、ASN1046、ASN1052、ASP1058、HIS1064、ASN1080、GLU1081、GLU1083、ASP1086、ASN1188、ASP1213、GLY1215、ASN1216、GLN1229、ASN1242、ASN1243、SER1274、およびTHR1277、ここで、改変は以下から選択される:
i. 酸性表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
ii. 酸性表面露出アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基による置換;
iii. 非荷電表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
iv. 塩基性アミノ酸残基の挿入; および
v. 酸性表面露出アミノ酸残基の欠失。
【0032】
関係する態様において、本発明は、小児の四肢痙縮を処置するための方法を提供し、方法は、改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)を筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与することを含み、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの26.5単位から474単位の単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの26.5単位から474単位の単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、かつ、ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、長母趾屈筋、腓腹筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、母指対立筋、大内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋、内側ハムストリングス、外側ハムストリングス、大腿筋膜張筋、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋、大臀筋、前脛骨筋、短趾屈筋、長母趾伸筋、および短母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、後脛骨筋、腕橈骨筋、大円筋、腸腰筋、および腓腹筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で7,110単位までであり、かつ、
ここで、改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む。
【0033】
別の関係する態様において、本発明は、小児の四肢痙縮を処置するための医薬の製造への改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用を提供し、ここで、改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの26.5単位から474単位の単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの26.5単位から474単位の単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、かつ、ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、長母趾屈筋、腓腹筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、母指対立筋、大内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋、内側ハムストリングス、外側ハムストリングス、大腿筋膜張筋、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋、大臀筋、前脛骨筋、短趾屈筋、長母趾伸筋、および短母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、後脛骨筋、腕橈骨筋、大円筋、腸腰筋、および腓腹筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で7,110単位までであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは以下から選択される1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)に改変を含み: ASN886、ASN905、GLN915、ASN918、GLU920、ASN930、ASN954、SER955、GLN991、GLU992、GLN995、ASN1006、ASN1025、ASN1026、ASN1032、ASN1043、ASN1046、ASN1052、ASP1058、HIS1064、ASN1080、GLU1081、GLU1083、ASP1086、ASN1188、ASP1213、GLY1215、ASN1216、GLN1229、ASN1242、ASN1243、SER1274、およびTHR1277、ここで、改変は以下から選択される:
i. 酸性表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
ii. 酸性表面露出アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基による置換;
iii. 非荷電表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
iv. 塩基性アミノ酸残基の挿入; および
v. 酸性表面露出アミノ酸残基の欠失。
【0034】
別の関係する態様において、本発明は、小児の四肢痙縮を処置するための医薬の製造への改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用を提供し、ここで、改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの26.5単位から474単位の単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの26.5単位から474単位の単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、かつ、ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、長母趾屈筋、腓腹筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、母指対立筋、大内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋、内側ハムストリングス、外側ハムストリングス、大腿筋膜張筋、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋、大臀筋、前脛骨筋、短趾屈筋、長母趾伸筋、および短母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、後脛骨筋、腕橈骨筋、大円筋、腸腰筋、および腓腹筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で7,110単位までであり、かつ、
ここで、改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む。
【0035】
1つの態様において、本発明は、小児の四肢痙縮の処置に使用するための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)を提供し、ここで、改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの15.5単位から353.5単位の単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの15.5単位から353.5単位の単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、かつ、ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、長母趾屈筋、腓腹筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、母指対立筋、大内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋、内側ハムストリングス、外側ハムストリングス、大腿筋膜張筋、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋、大臀筋、前脛骨筋、短趾屈筋、長母趾伸筋、および短母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、後脛骨筋、腕橈骨筋、大円筋、腸腰筋、および腓腹筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で5302.5単位までであり、かつ、
ここで、改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む。
【0036】
関係する態様において、本発明は、小児の四肢痙縮を処置するための方法を提供し、方法は、改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)を筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与することを含み、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの15.5単位から353.5単位の単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの15.5単位から353.5単位の単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、かつ、ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、長母趾屈筋、腓腹筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、母指対立筋、大内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋、内側ハムストリングス、外側ハムストリングス、大腿筋膜張筋、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋、大臀筋、前脛骨筋、短趾屈筋、長母趾伸筋、および短母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、後脛骨筋、腕橈骨筋、大円筋、腸腰筋、および腓腹筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で5302.5単位までであり、かつ、
ここで、改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む。
【0037】
別の関係する態様において、本発明は、小児の四肢痙縮を処置するための医薬の製造への改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用を提供し、ここで、改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの15.5単位から353.5単位の単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの15.5単位から353.5単位の単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、かつ、ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、長母趾屈筋、腓腹筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、母指対立筋、大内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋、内側ハムストリングス、外側ハムストリングス、大腿筋膜張筋、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋、大臀筋、前脛骨筋、短趾屈筋、長母趾伸筋、および短母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、後脛骨筋、腕橈骨筋、大円筋、腸腰筋、および腓腹筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で5302.5単位までであり、かつ、
ここで、改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む。
【0038】
1つの態様において、本発明は、四肢痙縮の処置に使用するための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)を提供し、ここで、改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの53単位から948単位の単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの53単位から948単位の単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、かつ、ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、および長母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、大胸筋、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、および後脛骨筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で14,220単位までであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは以下から選択される1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)に改変を含み: ASN886、ASN905、GLN915、ASN918、GLU920、ASN930、ASN954、SER955、GLN991、GLU992、GLN995、ASN1006、ASN1025、ASN1026、ASN1032、ASN1043、ASN1046、ASN1052、ASP1058、HIS1064、ASN1080、GLU1081、GLU1083、ASP1086、ASN1188、ASP1213、GLY1215、ASN1216、GLN1229、ASN1242、ASN1243、SER1274、およびTHR1277、ここで、改変は以下から選択される:
i. 酸性表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
ii. 酸性表面露出アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基による置換;
iii. 非荷電表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
iv. 塩基性アミノ酸残基の挿入; および
v. 酸性表面露出アミノ酸残基の欠失。
【0039】
1つの態様において、本発明は、四肢痙縮の処置に使用するための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)を提供し、ここで、改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの53単位から948単位の単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの53単位から948単位の単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、かつ、ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、および長母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、大胸筋、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、および後脛骨筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で14,220単位までであり、かつ、
ここで、改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む。
【0040】
関係する態様において、本発明は、四肢痙縮を処置するための方法を提供し、方法は、改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)を筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与することを含み、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの53単位から948単位の単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの53単位から948単位の単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、かつ、ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、および長母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、大胸筋、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、および後脛骨筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で14,220単位までであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは以下から選択される1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)に改変を含み: ASN886、ASN905、GLN915、ASN918、GLU920、ASN930、ASN954、SER955、GLN991、GLU992、GLN995、ASN1006、ASN1025、ASN1026、ASN1032、ASN1043、ASN1046、ASN1052、ASP1058、HIS1064、ASN1080、GLU1081、GLU1083、ASP1086、ASN1188、ASP1213、GLY1215、ASN1216、GLN1229、ASN1242、ASN1243、SER1274、およびTHR1277、ここで、改変は以下から選択される:
i. 酸性表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
ii. 酸性表面露出アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基による置換;
iii. 非荷電表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
iv. 塩基性アミノ酸残基の挿入; および
v. 酸性表面露出アミノ酸残基の欠失。
【0041】
関係する態様において、本発明は、四肢痙縮を処置するための方法を提供し、方法は、改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)を筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与することを含み、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの53単位から948単位の単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの53単位から948単位の単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、かつ、ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、および長母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、大胸筋、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、および後脛骨筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で14,220単位までであり、かつ、
ここで、改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む。
【0042】
別の関係する態様において、本発明は、四肢痙縮を処置するための医薬の製造への改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用を提供し、ここで、改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの53単位から948単位の単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの53単位から948単位の単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、かつ、ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、および長母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、大胸筋、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、および後脛骨筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で14,220単位までであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは以下から選択される1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)に改変を含み: ASN886、ASN905、GLN915、ASN918、GLU920、ASN930、ASN954、SER955、GLN991、GLU992、GLN995、ASN1006、ASN1025、ASN1026、ASN1032、ASN1043、ASN1046、ASN1052、ASP1058、HIS1064、ASN1080、GLU1081、GLU1083、ASP1086、ASN1188、ASP1213、GLY1215、ASN1216、GLN1229、ASN1242、ASN1243、SER1274、およびTHR1277、ここで、改変は以下から選択される:
i. 酸性表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
ii. 酸性表面露出アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基による置換;
iii. 非荷電表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
iv. 塩基性アミノ酸残基の挿入; および
v. 酸性表面露出アミノ酸残基の欠失。
【0043】
別の関係する態様において、本発明は、四肢痙縮を処置するための医薬の製造への改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用を提供し、ここで、改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの53単位から948単位の単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの53単位から948単位の単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、かつ、ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、および長母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、大胸筋、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、および後脛骨筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で14,220単位までであり、かつ、
ここで、改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む。
【0044】
1つの態様において、本発明は、四肢痙縮の処置に使用するための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)を提供し、ここで、改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの31単位から707単位の単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの31単位から707単位の単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、かつ、ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、および長母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、大胸筋、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、および後脛骨筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で10,605単位までであり、かつ、
ここで、改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む。
【0045】
関係する態様において、本発明は、四肢痙縮を処置するための方法を提供し、方法は、改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)を筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与することを含み、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの31単位から707単位の単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの31単位から707単位の単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、かつ、ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、および長母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、大胸筋、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、および後脛骨筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で10,605単位までであり、かつ、
ここで、改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む。
【0046】
別の関係する態様において、本発明は、四肢痙縮を処置するための医薬の製造への改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用を提供し、ここで、改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの31単位から707単位の単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの31単位から707単位の単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、かつ、ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、および長母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、大胸筋、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、および後脛骨筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で10,605単位までであり、かつ、
ここで、改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む。
【0047】
1つの態様において、本発明は、小児の四肢痙縮の処置に使用するための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)を提供し、ここで、改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの26.5単位から474単位の単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの26.5単位から474単位の単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、かつ、ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、および長母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、大胸筋、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、および後脛骨筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で7,110単位までであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは以下から選択される1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)に改変を含み: ASN886、ASN905、GLN915、ASN918、GLU920、ASN930、ASN954、SER955、GLN991、GLU992、GLN995、ASN1006、ASN1025、ASN1026、ASN1032、ASN1043、ASN1046、ASN1052、ASP1058、HIS1064、ASN1080、GLU1081、GLU1083、ASP1086、ASN1188、ASP1213、GLY1215、ASN1216、GLN1229、ASN1242、ASN1243、SER1274、およびTHR1277、ここで、改変は以下から選択される:
i. 酸性表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
ii. 酸性表面露出アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基による置換;
iii. 非荷電表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
iv. 塩基性アミノ酸残基の挿入: および
v. 酸性表面露出アミノ酸残基の欠失。
【0048】
1つの態様において、本発明は、小児の四肢痙縮の処置に使用するための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)を提供し、ここで、改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの26.5単位から474単位の単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの26.5単位から474単位の単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、かつ、ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、および長母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、大胸筋、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、および後脛骨筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で7,110単位までであり、かつ、
ここで、改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む。
【0049】
関係する態様において、本発明は、小児の四肢痙縮を処置するための方法を提供し、方法は、改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)を筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与することを含み、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの26.5単位から474単位の単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの26.5単位から474単位の単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、かつ、ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、および長母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、大胸筋、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、および後脛骨筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で7,110単位までであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは以下から選択される1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)に改変を含み: ASN886、ASN905、GLN915、ASN918、GLU920、ASN930、ASN954、SER955、GLN991、GLU992、GLN995、ASN1006、ASN1025、ASN1026、ASN1032、ASN1043、ASN1046、ASN1052、ASP1058、HIS1064、ASN1080、GLU1081、GLU1083、ASP1086、ASN1188、ASP1213、GLY1215、ASN1216、GLN1229、ASN1242、ASN1243、SER1274、およびTHR1277、ここで、改変は以下から選択される:
i. 酸性表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
ii. 酸性表面露出アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基による置換;
iii. 非荷電表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
iv. 塩基性アミノ酸残基の挿入; および
v. 酸性表面露出アミノ酸残基の欠失。
【0050】
関係する態様において、本発明は、小児の四肢痙縮を処置するための方法を提供し、方法は、改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)を筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与することを含み、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの26.5単位から474単位の単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの26.5単位から474単位の単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、かつ、ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、および長母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、大胸筋、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、および後脛骨筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で7,110単位までであり、かつ、
ここで、改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む。
【0051】
別の関係する態様において、本発明は、小児の四肢痙縮を処置するための医薬の製造への改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用を提供し、ここで、改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの26.5単位から474単位の単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの26.5単位から474単位の単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、かつ、ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、および長母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、大胸筋、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、および後脛骨筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で7,110単位までであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは以下から選択される1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)に改変を含み: ASN886、ASN905、GLN915、ASN918、GLU920、ASN930、ASN954、SER955、GLN991、GLU992、GLN995、ASN1006、ASN1025、ASN1026、ASN1032、ASN1043、ASN1046、ASN1052、ASP1058、HIS1064、ASN1080、GLU1081、GLU1083、ASP1086、ASN1188、ASP1213、GLY1215、ASN1216、GLN1229、ASN1242、ASN1243、SER1274、およびTHR1277、ここで、改変は以下から選択される:
i. 酸性表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
ii. 酸性表面露出アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基による置換;
iii. 非荷電表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
iv. 塩基性アミノ酸残基の挿入; および
v. 酸性表面露出アミノ酸残基の欠失。
【0052】
別の関係する態様において、本発明は、小児の四肢痙縮を処置するための医薬の製造への改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用を提供し、ここで、改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの26.5単位から474単位の単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの26.5単位から474単位の単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、かつ、ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、および長母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、大胸筋、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、および後脛骨筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で7,110単位までであり、かつ、
ここで、改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む。
【0053】
1つの態様において、本発明は、小児の四肢痙縮の処置に使用するための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)を提供し、ここで、改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの15.5単位から353.5単位の単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの15.5単位から353.5単位の単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、かつ、ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、および長母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、大胸筋、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、および後脛骨筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で5302.5単位までであり、かつ、
ここで、改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む。
【0054】
関係する態様において、本発明は、小児の四肢痙縮を処置するための方法を提供し、方法は、改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)を筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与することを含み、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの15.5単位から353.5単位の単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの15.5単位から353.5単位の単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、かつ、ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、および長母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、大胸筋、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、および後脛骨筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で5302.5単位までであり、かつ、
ここで、改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む。
【0055】
別の関係する態様において、本発明は、小児の四肢痙縮を処置するための医薬の製造への改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用を提供し、ここで、改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの15.5単位から353.5単位の単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの15.5単位から353.5単位の単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、かつ、ここで、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、および長母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、大胸筋、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、および後脛骨筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で5302.5単位までであり、かつ、
ここで、改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む。
【0056】
「患部筋肉」は、痙縮の症状を見せるかまたは患部肢部の痙縮に寄与する筋肉である。例えば、前記筋肉は増大した筋緊張またはスティフネスを見せ得る。
【0057】
複数の患部筋肉は、本明細書に記載される第1および第2の群から選択される。選択される複数の患部筋肉は、第1の群の少なくとも1つの筋肉および/または第2の群の少なくとも1つの筋肉であり得る。代替的には、複数の患部筋肉は同じ群からの2つ以上の筋肉であり得る(例えば2つ以上の第1の群の筋肉または2つ以上の第2の群の筋肉)。好ましくは、複数の患部筋肉は、少なくとも1つの第1の群の筋肉および少なくとも1つの第2の群の筋肉を包含する。
【0058】
複数の筋肉は、同じ肢部の筋肉または異なる肢部の筋肉であり得る。しかしながら、複数の筋肉は同じ肢部の筋肉であるということが好ましい。本発明は1つ以上の肢部の痙縮を同時に処置することを包摂する。例えば、改変BoNT/Aは、処置セッションあたり対象の1つもしくは両方の上肢、処置セッションあたり1つもしくは両方の下肢、または処置セッションあたり下および上肢の組み合わせに投与され得る。2つ以上の肢部が処置されるかどうかにかかわらず、少なくとも2つの筋肉が肢部あたり、例えば肢部あたり少なくとも3、4、または5つの筋肉が処置されるということが好ましい。
【0059】
本発明への使用のための改変BoNT/Aは、以下から選択される1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)に改変を含む改変BoNT/A: ASN886、ASN905、GLN915、ASN918、GLU920、ASN930、ASN954、SER955、GLN991、GLU992、GLN995、ASN1006、ASN1025、ASN1026、ASN1032、ASN1043、ASN1046、ASN1052、ASP1058、HIS1064、ASN1080、GLU1081、GLU1083、ASP1086、ASN1188、ASP1213、GLY1215、ASN1216、GLN1229、ASN1242、ASN1243、SER1274、およびTHR1277、ここで、改変は以下から選択され: 酸性表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換; 酸性表面露出アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基による置換; 非荷電表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換; 塩基性アミノ酸残基の挿入; および酸性表面露出アミノ酸残基の欠失; またはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む改変BoNT/Aどちらかであり得る。
【0060】
好ましくは、本発明への使用のための改変BoNT/Aは、以下から選択される1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)に改変を含む改変BoNT/Aであり: ASN886、ASN905、GLN915、ASN918、GLU920、ASN930、ASN954、SER955、GLN991、GLU992、GLN995、ASN1006、ASN1025、ASN1026、ASN1032、ASN1043、ASN1046、ASN1052、ASP1058、HIS1064、ASN1080、GLU1081、GLU1083、ASP1086、ASN1188、ASP1213、GLY1215、ASN1216、GLN1229、ASN1242、ASN1243、SER1274、およびTHR1277、ここで、改変は以下から選択される: 酸性表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換; 酸性表面露出アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基による置換; 非荷電表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換; 塩基性アミノ酸残基の挿入; および酸性表面露出アミノ酸残基の欠失。
【0061】
本発明に従う使用のための改変BoNT/Aの力価は、好ましくは標準的な技術に従うマウスLD50アッセイによって決定される。前記アッセイでは、1単位は、マウスにおける計算上の半致死量(LD50)、好ましくは、マウスにおける計算上の腹腔内半致死量に対応する改変BoNT/Aの量として定義される。前記アッセイにおける1単位に対応する改変BoNT/Aの量は、少なくとも1pg、2pg、3pg、4pg、5pg、6pg、7pg、8pg、または9pgであり得る。前記アッセイにおける1単位に対応する改変BoNT/Aの量は、≦45pg、≦40pg、≦30pg、≦25pg、≦20pg、≦19pg、≦18pg、≦17pg、≦16pg、≦15pg、≦14pg、≦13pg、≦12pg、≦11pg、≦10pg、≦9pg、≦8pg、≦7pg、または≦6pgであり得る。
【0062】
本発明への使用のための改変BoNT/Aが、以下から選択される1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)に改変を含む改変BoNT/Aであり: ASN886、ASN905、GLN915、ASN918、GLU920、ASN930、ASN954、SER955、GLN991、GLU992、GLN995、ASN1006、ASN1025、ASN1026、ASN1032、ASN1043、ASN1046、ASN1052、ASP1058、HIS1064、ASN1080、GLU1081、GLU1083、ASP1086、ASN1188、ASP1213、GLY1215、ASN1216、GLN1229、ASN1242、ASN1243、SER1274、およびTHR1277、ここで、改変が以下から選択されるところでは: 酸性表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換; 酸性表面露出アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基による置換; 非荷電表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換; 塩基性アミノ酸残基の挿入; および酸性表面露出アミノ酸残基の欠失、前記アッセイにおける1単位に対応する改変BoNT/Aの量は、1~15pg、例えば5~10pgであり得る。好ましくは、前記アッセイにおける1単位に対応する改変BoNT/Aの量は、8~9pg、より好ましくは8.4pgであり得る。
【0063】
本発明への使用のための改変BoNT/Aが、BoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む改変BoNT/Aであるところでは、前記アッセイにおける1単位に対応する改変BoNT/Aの量は、15~35pg、例えば20~30pgであり得る。好ましくは、前記アッセイにおける1単位に対応する改変BoNT/Aの量は、23~25pg、より好ましくは24.0pgであり得る。
【0064】
値を参照して用いられるときの用語「最高で~まで」(例えば、最高で14,220単位まで)は、最高で記載される値までおよびそれを包含することを意味する。それゆえに、例として、「最高で14,220単位まで」の改変BoNT/Aを投与すると言うことは、14,220単位の改変BoNT/Aの投与および14,220単位未満の改変BoNT/Aの投与を包摂する。
【0065】
好ましくは、改変BoNT/Aの用量は筋肉内注射によって患部筋肉において投与される。より好ましくは、単一の単位用量が注射部位あたり投与される。用語「単一の単位用量が投与される」は、単一の単位用量の実質的に全てが投与されるということを意味する。例えば、単位用量の残留量(例えば、最高で1%、0.1%、または0.01%まで)が、改変BoNT/Aが再構成されたバイアル中に留まり得る。しかしながら、好ましくは、単一の単位用量の全てが投与される(例えば1つ以上の注射部位において)。筋肉の性質に依存して、単一の単位用量が(すなわち、本明細書に記載される第1の群から選択される筋肉に)投与されるか、または複数の単位用量が(すなわち、本明細書に記載される第2の群から選択される筋肉に)投与されるかどちらかである。前記単一の単位用量または複数の単位用量は、(例えば筋肉あたり)1つ以上の注射部位において投与され得る。例えば、いくつかの実施形態においては、単一の単位用量未満が注射部位あたり投与され得る。好ましい実施形態においては、いくつかの筋肉は1つの部位のみにおいて注射され(すなわち、本明細書に記載される第1の群から選択される筋肉)、いくつかの筋肉は2つ以上の部位において注射される(すなわち、本明細書に記載される第2の群から選択される筋肉)。
【0066】
1つの実施形態においては、単一の単位用量が患部の第1の群の筋肉の複数の注射部位において投与され、および/または複数の単位用量が患部の第2の群の筋肉の複数の注射部位において投与される。
【0067】
単位用量は改変BoNT/Aの単位に換算して表現され得る。
【0068】
単位用量は改変BoNT/Aの53単位から948単位であり得る。単位用量範囲の上限は、改変BoNT/Aの925、900、850、800、750、700、650、600、550、500、450、400、350、300、250、200、150、または100単位であり得る。好ましくは、上限は889単位である。単位用量範囲の下限は、改変BoNT/Aの55、60、65、70、75、80、85、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、または900単位であり得る。好ましくは、下限は59単位である。好ましくは、改変BoNT/Aの単位用量は、改変BoNT/Aの59単位から889単位、例えば200単位から600単位である。
【0069】
最も好ましくは、改変BoNT/Aの単位用量は、237から355単位、例えば284から308単位である。
【0070】
単位用量は、改変BoNT/Aの31単位から707単位であり得る。単位用量範囲の上限は、改変BoNT/Aの700、650、600、550、500、450、400、350、300、250、200、150、または100単位であり得る。好ましくは、上限は666単位である。単位用量範囲の下限は、改変BoNT/Aの40、45、50、60、65、70、75、80、85、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、または700単位であり得る。好ましくは、下限は42単位である。好ましくは、改変BoNT/Aの単位用量は、改変BoNT/Aの42単位から666単位、例えば200単位から400単位である。これらの単位用量は、改変BoNT/AがBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含むところで特に該当し得る。
【0071】
代替的にまたは加えて、単位用量は、改変BoNT/Aの量に換算して表現され得る。それゆえに、1つの態様において、本発明は、四肢痙縮の処置に使用するための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)を提供し、ここで、改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの450pgから8,000pgの単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの450pgから8,000pgの単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、長母趾屈筋、腓腹筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、母指対立筋、大内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋、内側ハムストリングス、外側ハムストリングス、大腿筋膜張筋、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋、大臀筋、前脛骨筋、短趾屈筋、長母趾伸筋、および短母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、後脛骨筋、腕橈骨筋、大円筋、腸腰筋、および腓腹筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で120,000pgまでであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは以下から選択される1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)に改変を含み: ASN886、ASN905、GLN915、ASN918、GLU920、ASN930、ASN954、SER955、GLN991、GLU992、GLN995、ASN1006、ASN1025、ASN1026、ASN1032、ASN1043、ASN1046、ASN1052、ASP1058、HIS1064、ASN1080、GLU1081、GLU1083、ASP1086、ASN1188、ASP1213、GLY1215、ASN1216、GLN1229、ASN1242、ASN1243、SER1274、およびTHR1277、ここで、改変は以下から選択される:
i. 酸性表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
ii. 酸性表面露出アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基による置換;
iii. 非荷電表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
iv. 塩基性アミノ酸残基の挿入; および
v. 酸性表面露出アミノ酸残基の欠失。
【0072】
別の態様においては、本発明は、四肢痙縮の処置に使用するための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)を提供し、ここで、改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの450pgから8,000pgの単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの450pgから8,000pgの単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、長母趾屈筋、腓腹筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、母指対立筋、大内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋、内側ハムストリングス、外側ハムストリングス、大腿筋膜張筋、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋、大臀筋、前脛骨筋、短趾屈筋、長母趾伸筋、および短母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、後脛骨筋、腕橈骨筋、大円筋、腸腰筋、および腓腹筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で120,000pgまでであり、かつ、
ここで、改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む。
【0073】
別の態様においては、本発明は、四肢痙縮の処置に使用するための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)を提供し、ここで、改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの750pgから17,000pgの単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの750pgから17,000pgの単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、長母趾屈筋、腓腹筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、母指対立筋、大内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋、内側ハムストリングス、外側ハムストリングス、大腿筋膜張筋、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋、大臀筋、前脛骨筋、短趾屈筋、長母趾伸筋、および短母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、後脛骨筋、腕橈骨筋、大円筋、腸腰筋、および腓腹筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で255,000pgまでであり、かつ、
ここで、改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む。
【0074】
対応する使用(医薬の製造への)および処置の方法もまた提供される。
【0075】
1つの態様において、本発明は、四肢痙縮の処置に使用するための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)を提供し、ここで、改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの450pgから8,000pgの単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの450pgから8,000pgの単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、および長母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、大胸筋、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、および後脛骨筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で120,000pgまでであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは以下から選択される1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)に改変を含み: ASN886、ASN905、GLN915、ASN918、GLU920、ASN930、ASN954、SER955、GLN991、GLU992、GLN995、ASN1006、ASN1025、ASN1026、ASN1032、ASN1043、ASN1046、ASN1052、ASP1058、HIS1064、ASN1080、GLU1081、GLU1083、ASP1086、ASN1188、ASP1213、GLY1215、ASN1216、GLN1229、ASN1242、ASN1243、SER1274、およびTHR1277、ここで、改変は以下から選択される:
i. 酸性表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
ii. 酸性表面露出アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基による置換;
iii. 非荷電表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
iv. 塩基性アミノ酸残基の挿入; および
v. 酸性表面露出アミノ酸残基の欠失。
【0076】
別の態様においては、本発明は、四肢痙縮の処置に使用するための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)を提供し、ここで、改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの450pgから8,000pgの単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの450pgから8,000pgの単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、および長母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、大胸筋、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、および後脛骨筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で120,000pgまでであり、かつ、
ここで、改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む。
【0077】
別の態様においては、本発明は、四肢痙縮の処置に使用するための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)を提供し、ここで、改変BoNT/Aは筋肉内注射によって対象の複数の患部筋肉に投与され、
ここで、改変BoNT/Aは、改変BoNT/Aの750pgから17,000pgの単位用量として(好ましくは、注射部位あたり、改変BoNT/Aの750pgから17,000pgの単位用量として)複数の患部筋肉において投与され、
ここで、複数の患部筋肉は以下から選択され:
第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、上腕二頭筋、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、長趾屈筋、および長母趾屈筋を含み、かつ、
第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、大胸筋、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、ヒラメ筋、および後脛骨筋を含み、かつ、
ここで、単一の単位用量が(好ましくは、選択された注射部位において)患部の第1の群の筋肉において投与され、および/または複数の単位用量が(好ましくは、選択された異なる注射部位において)患部の第2の群の筋肉において投与され、かつ、ここで、処置の間に投与される総用量は最高で255,000pgまでであり、かつ、
ここで、改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む。
【0078】
対応する使用(医薬の製造への)および処置の方法もまた提供される。
【0079】
単位用量は改変BoNT/Aの450pgから8,000pgであり得る。単位用量範囲の上限は、改変BoNT/Aの7,750、7,500、7,000、6,000、5,000、4,000、3,000、2,000、または1,000pgであり得る。好ましくは上限は7,500pgである。単位用量範囲の下限は、改変BoNT/Aの475、500、600、700、800、900、1,000、1,500、2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、または7,000pgであり得る。好ましくは、下限は500pgである。好ましくは、改変BoNT/Aの単位用量は、改変BoNT/Aの500pgから7,500pg、例えば4,000pgから6,000pgである。
【0080】
最も好ましくは、改変BoNT/Aの単位用量は、2,000から3,000pg、例えば2,400から2,600pgである。
【0081】
単位用量は改変BoNT/Aの750pgから17,000pgであり得る。単位用量範囲の上限は、改変BoNT/Aの16,500、15,500、14,500、13,500、12,500、11,500、10,500、9,500、8,500、7,500、6,500、5,500、4,500、3,500、2,500、1,500、または500pgであり得る。好ましくは、上限は16,000pgである。単位用量範囲の下限は、改変BoNT/Aの750、850、950、1000、1500、2000、2,500、3,000、3,500、4,000、4,500、または5,000pgであり得る。好ましくは、下限は1000pgである。好ましくは、改変BoNT/Aの単位用量は、改変BoNT/Aの1000pgから16,000pg、例えば4,000pgから6,000pgである。これらの単位用量は、改変BoNT/AがBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含むところで特に該当し得る。
【0082】
改変BoNT/Aの単位用量は、同時に単位および量(pg)両方によってもまた表現され得る。
【0083】
改変BoNT/Aの単一の単位用量は、第1の群の筋肉が処置のために選択されるときに、本明細書に記載される第1の群から選択される筋肉に投与される。
【0084】
改変BoNT/Aの複数の単位用量が、第2の群から選択される筋肉に投与される。例えば、少なくとも2×、3×、または4×単位用量が投与され得る。いくつかの実施形態においては、2~4×単位用量が投与され得る。好ましくは、改変BoNT/Aの2×単位用量が、第2の群から選択される筋肉に投与される。
【0085】
いくつかの筋肉は第1の筋肉群および第2の筋肉群に存在し得る。それゆえに、臨床医は、前記筋肉に単一の単位用量または複数の単位用量を投与するかどうかを決め得る。
【0086】
四肢痙縮は上肢痙縮または下肢痙縮であり得る。
【0087】
下肢痙縮を処置するときに、改変BoNT/Aは、以下から選択される複数の筋肉に投与され得る: 第1の群が、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、腓腹筋、長趾屈筋、長母趾屈筋、大内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋、内側ハムストリングス、外側ハムストリングス、大腿筋膜張筋、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋、大臀筋、前脛骨筋、短趾屈筋、長母趾伸筋、および短母趾屈筋を含み(好ましくは、からなり)、かつ、第2の群が、ヒラメ筋、後脛骨筋、腸腰筋、および腓腹筋を含む(好ましくは、からなる)。
【0088】
長母趾屈筋への投与のときに、いくつかの場合には、単一の単位用量が投与され得るが、他の場合には2×単位用量が投与され得る。
【0089】
下肢筋肉による好適な用量が下に示されている。
【表A】
【0090】
改変BoNT/Aは、上の表に指示されている用量で、指示されている筋肉の1つ以上に投与され得る。
【0091】
改変BoNT/Aは、次の用量で次の通り次の筋肉の1つ以上に投与され得る。
【表B】
【0092】
好ましくは、四肢痙縮は上肢痙縮である。
【0093】
上肢痙縮を処置するときに、改変BoNT/Aは、以下から選択される複数の患部筋肉に投与され得る: 第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、三角筋、肩甲挙筋、方形回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋、長掌筋、虫様筋、および母指対立筋を含み(好ましくは、からなり)、かつ、第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、胸筋(例えば大胸筋)、広背筋、上腕二頭筋、上腕筋、腕橈骨筋、および大円筋を含む(好ましくは、からなる)。
【0094】
好ましくは、上肢痙縮を処置するときに、改変BoNT/Aは、以下から選択される複数の患部筋肉に投与され得る: 第1の群が、浅指屈筋、深指屈筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、腕橈骨筋、円回内筋、および上腕二頭筋を含み(好ましくは、からなり)、かつ、第2の群が、上腕三頭筋(長頭)、肩甲下筋、大胸筋、広背筋、上腕二頭筋、および上腕筋を含む(好ましくは、からなる)。
【0095】
より好ましくは、改変BoNT/Aは、内転した肩などの肩痙縮に関連する筋肉に投与され得る。改変BoNT/Aは、広背筋、肩甲下筋、大胸筋、および上腕三頭筋(長頭)の少なくとも1つに投与され得る。例えば、改変BoNT/Aは、広背筋、肩甲下筋、大胸筋、または上腕三頭筋(長頭)の少なくとも2つまたは3つ(好ましくは全て)に投与され得る。
【0096】
いくつかの場合には、上腕二頭筋に投与するときに、単一の単位用量が投与され得るが、他の場合には、2×単位用量が投与され得る。それゆえに、上腕二頭筋は筋肉の第1および第2の群両方に当てはまる。好ましくは、2×単位用量が上腕二頭筋に投与され、この筋肉は筋肉の第2の群に包含される。
【0097】
上肢筋肉による好適な用量が下に示されている。
【表C】
【0098】
改変BoNT/Aは、上の表に指示されている用量で、指示されている筋肉の1つ以上に投与され得る。
【0099】
改変BoNT/Aは、次の用量で次の通り次の筋肉の1つ以上に投与され得る。
【表D】
【0100】
所与の処置において投与される単位用量の総数は最高で15×単位用量までであり得る。換言すると、1つの実施形態においては、15×単一の単位用量が15×注射の部位において投与され得る。別の実施形態においては、15×単一の単位用量が15×超の注射の部位において投与され得る。単位用量の総数は、処置される筋肉に従って分割されるであろう。例えば、2×単位用量が広背筋に、2×が肩甲下筋に、2×が大胸筋に、1×が尺側手根屈筋に投与され、7×という投与される総計の複数の単位用量をもたらし得る。例えば、投与される単位用量の総数は、最高で14×、13×、12×、11×、10×、9×、8×、または7×までであり得る。投与される単位用量の総数は、少なくとも2×、3×、4×、5×、6×、7×単位用量、好ましくは少なくとも2×であり得る。投与される単位用量の総数は、2×から15×、7×から15×、または10×から14×であり得る。好ましくは、投与される単位用量の数は15×である。
【0101】
本発明の処置レジメンを実施するときに投与される総用量は最高で14,220単位までであり得る。換言すると、所与の処置セッションにおいて投与される改変BoNT/Aの総量は最高で14,220単位までであり得る。総用量は最高で14,000、13,000、12,000、11,000、10,000、9,000、8,000、7,000、6,000、5,000、4,000、3,000、2,000、または1,000単位までであり得る。好ましくは、総用量は改変BoNT/Aの最高で13,335単位までであり得る。総用量は少なくとも106、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1,000、1,500、2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、7,000、8,000、9,000、10,000、11,000、12,000、または13,000単位であり得る。好ましくは、総用量は、改変BoNT/Aの少なくとも106単位、より好ましくは、少なくとも118単位、例えば少なくとも795単位であり得る。総用量は118~13,335単位、好ましくは795~13,335単位であり得る。より好ましくは、投与される総用量は9,000~13,335単位である。
【0102】
本発明の処置レジメンを実施するときに投与される総用量は最高で120,000pgまでであり得る。換言すると、所与の処置セッションにおいて投与される改変BoNT/Aの総量は、最高で120,000pgまでであり得る。総用量は、最高で115,000、110,000、100,000、90,000、80,000、70,000、60,000、50,000、40,000、30,000、20,000、10,000、または5,000pgまでであり得る。好ましくは、総用量は、改変BoNT/Aの最高で112,500pgまでであり得る。総用量は、少なくとも900、1,000、2,000、3,000、4,000、5,000、7,500、10,000、12,500、15,000、20,000、30,000、40,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、または100,000pgであり得る。好ましくは、総用量は、改変BoNT/Aの少なくとも900pg、より好ましくは少なくとも1,000pg、例えば少なくとも6,000pgであり得る。総用量は、1,000~112,500pg、好ましくは60,000~112,500pgであり得る。より好ましくは、投与される総用量は7,500~112,500pgである。
【0103】
本発明の処置レジメンを実施するときに投与される総用量は最高で10,605単位までであり得る。換言すると、所与の処置セッションにおいて投与される改変BoNT/Aの総量は、最高で10,605単位までであり得る。総用量は、最高で10,000、9,000、8,000、7,000、6,000、5,000、4,000、3,000、2,000、または1,000単位までであり得る。好ましくは、総用量は、改変BoNT/Aの最高で9,990単位までであり得る。総用量は、少なくとも50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1,000、1,500、2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、7,000、8,000、または9,000であり得る。好ましくは、総用量は、改変BoNT/Aの少なくとも62単位、より好ましくは少なくとも84単位、例えば少なくとも465単位であり得る。総用量は、84~9,990単位、好ましくは465~9,990単位であり得る。より好ましくは、投与される総用量は630~9,990単位である。これらの総用量は、改変されたBoNTがBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含むところで特に該当し得る。
【0104】
本発明の処置レジメンを実施するときに投与される総用量は最高で255,000pgまでであり得る。換言すると、所与の処置セッションにおいて投与される改変BoNT/Aの総量は最高で255,000pgまでであり得る。総用量は、最高で240,000、220,000、200,000、180,000、160,000、140,000、110,000、100,000、90,000、80,000、70,000、60,000、50,000、40,000、30,000、20,000、10,000、または5,000pgまでであり得る。好ましくは、総用量は改変BoNT/Aの最高で240,000pgまでであり得る。総用量は、少なくとも900、1,000、2,000、3,000、4,000、5,000、7,500、10,000、12,500、15,000、20,000、30,000、40,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、120,000、150,000、175,000、200,000、または220,000pgであり得る。好ましくは、総用量は、改変BoNT/Aの少なくとも1500pg、より好ましくは、少なくとも2000pg、例えば少なくとも12,000pgであり得る。総用量は、2000~240,000pg、好ましくは128,000~240,000pgであり得る。より好ましくは、投与される総用量は15,000~240,000pgである。これらの総用量は、改変されたBoNTがBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含むところで特に該当し得る。
【0105】
当業者は、対象が、クロストリジウム神経毒素(例えばBoNT)による追加の処置を、例えば美容処置または異なる適応症のための処置の一部として、最近に有した(または爾後に有しようとしている)ときを考えに入れるであろう。当分野においては定型的な技術を用いて、当業者は本処置レジメンを然るべく適合させるであろう。
【0106】
本発明に従う処置のための四肢痙縮は成人の四肢痙縮であるということが好ましい。好ましくは、上で提供されている用量の詳細は成人の四肢痙縮を処置するためである。しかしながら、小児の四肢痙縮の処置もまた包摂される。小児の四肢痙縮を処置するときには、組み合わせられた総用量は、典型的には、成人の四肢痙縮を処置するときに用いられるものの50%以下である。いくつかの実施形態において、組み合わせられた総用量は、典型的には、成人の四肢痙縮を処置するときに用いられるものの70%以下(例えば67%以下)である。
【0107】
小児の四肢痙縮を処置するための好適な単位用量は26.5単位から474単位の改変BoNT/Aであり得る。そして、処置の間に投与される総用量は最高で7,110単位までである。小児の四肢痙縮を処置するための単位用量範囲の上限は、改変BoNT/Aの400、350、300、250、200、150、100、または50単位であり得る。好ましくは、上限は444.5単位である。小児の四肢痙縮を処置するための単位用量範囲の下限は、改変BoNT/Aの30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、100、150、200、250、300、350、または400単位であり得る。好ましくは、下限は29.5単位である。好ましくは、小児の四肢痙縮を処置するための改変BoNT/Aの単位用量は、改変BoNT/Aの29.5単位から474単位(より好ましくは、29.5単位から444.5単位)、例えば100単位から300単位である。
【0108】
小児の四肢痙縮を処置するための好適な単位用量は、改変BoNT/Aの37.1単位から663.6単位であり得る。そして、処置の間に投与される総用量は最高で9,954単位までである。小児の四肢痙縮を処置するための単位用量範囲の上限は、改変BoNT/Aの600、550、500、450、400、350、300、250、200、150、100、または50単位であり得る。好ましくは、上限は622.3単位である。小児の四肢痙縮を処置するための単位用量範囲の下限は、改変BoNT/Aの40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、または450単位であり得る。好ましくは、下限は41.3単位である。好ましくは、小児の四肢痙縮を処置するための改変BoNT/Aの単位用量は、改変BoNT/Aの41.3単位から622.3単位、例えば100単位から700単位である。
【0109】
小児の四肢痙縮を処置するための好適な単位用量は、改変BoNT/Aの35.1単位から635.16単位であり得る。そして、処置の間に投与される総用量は最高で9,527.4単位までである。小児の四肢痙縮を処置するための単位用量範囲の上限は、改変BoNT/Aの600、550、500、450、400、350、300、250、200、150、100、または50単位であり得る。好ましくは、上限は595.63単位である。小児の四肢痙縮を処置するための単位用量範囲の下限は、改変BoNT/Aの40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、または450単位であり得る。好ましくは、下限は39.5単位である。好ましくは、小児の四肢痙縮を処置するための改変BoNT/Aの単位用量は、改変BoNT/Aの39.5単位から635.2単位、例えば100単位から700単位である。
【0110】
小児の四肢痙縮を処置するための好適な単位用量は、改変BoNT/Aの225pgから4,000pgであり得る。そして、処置の間に投与される総用量は最高で60,000pgまでである。小児の四肢痙縮を処置するための単位用量範囲の上限は、改変BoNT/Aの3,500、3,000、2,000、1,000、または500pgであり得る。好ましくは、上限は3,750pgである。小児の四肢痙縮を処置するための単位用量範囲の下限は、改変BoNT/Aの250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1,000、1,500、2,000、3,000、または3,500pgであり得る。好ましくは、下限は250pgである。好ましくは、小児の四肢痙縮を処置するための改変BoNT/Aの単位用量は、改変BoNT/Aの250pgから3,750pg、例えば2,000pgから3,000pgである。
【0111】
小児の四肢痙縮を処置するための好適な単位用量は、改変BoNT/Aの315pgから5,600pgであり得る。そして、処置の間に投与される総用量は最高で84,000pgまでである。小児の四肢痙縮を処置するための単位用量範囲の上限は、改変BoNT/Aの5,000、4,000、3,000、2,000、1,000、または500pgであり得る。好ましくは、上限は5,250pgである。小児の四肢痙縮を処置するための単位用量範囲の下限は、改変BoNT/Aの350、400、450、500、600、700、800、900、1,000、1,500、2,000、3,000、または3,500pgであり得る。好ましくは、下限は350pgである。好ましくは、小児の四肢痙縮を処置するための改変BoNT/Aの単位用量は、改変BoNT/Aの350pgから5,250pg、例えば2,000pgから3,000pgである。
【0112】
小児の四肢痙縮を処置するための好適な単位用量は、改変BoNT/Aの301.5pgから5,360pgであり得る。そして、処置の間に投与される総用量は最高で80,400pgまでである。小児の四肢痙縮を処置するための単位用量範囲の上限は、改変BoNT/Aの5,000、4,000、3,000、2,000、1,000、または500pgであり得る。好ましくは、上限は5,025pgである。小児の四肢痙縮を処置するための単位用量範囲の下限は、改変BoNT/Aの300、350、400、450、500、600、700、800、900、1,000、1,500、2,000、3,000、または3,500pgであり得る。好ましくは、下限は335pgである。好ましくは、小児の四肢痙縮を処置するための改変BoNT/Aの単位用量は、改変BoNT/Aの335pgから5,025pg、例えば2,000pgから3,000pgである。
【0113】
小児の四肢痙縮を処置するための本発明の処置レジメンを実施するときに投与される総用量は、最高で7,110単位までであり得る。換言すると、小児の四肢痙縮を処置するための所与の処置セッションにおいて投与される改変BoNT/Aの総量は、最高で7,110単位までであり得る。小児の四肢痙縮を処置するための総用量は、最高で7,000、6,000、5,000、4,000、3,000、2,000、1,000、または500単位までであり得る。好ましくは、小児の四肢痙縮を処置するための総用量は、改変BoNT/Aの最高で6,667.5単位までであり得る。小児の四肢痙縮を処置するための総用量は、少なくとも53、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1,000、1,500、2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、または7,000単位であり得る。好ましくは、小児の四肢痙縮を処置するための総用量は、改変BoNT/Aの少なくとも53単位、より好ましくは少なくとも59単位、例えば少なくとも397.5単位であり得る。小児の四肢痙縮を処置するための総用量は、59~6,667.5単位、好ましくは397.5~6,667.5単位であり得る。より好ましくは、投与される総用量は4,500~6,667.5単位である。
【0114】
小児の四肢痙縮を処置するための本発明の処置レジメンを実施するときに投与される総用量は、最高で60,000pgまでであり得る。換言すると、小児の四肢痙縮を処置するための所与の処置セッションにおいて投与される改変BoNT/Aの総量は、最高で60,000pgまでであり得る。小児の四肢痙縮を処置するための総用量は、最高で55,000、50,000、40,000、30,000、20,000、10,000、5,000、3,000、または2,500pgまでであり得る。好ましくは、小児の四肢痙縮を処置するための総用量は、改変BoNT/Aの最高で56,250pgまでであり得る。小児の四肢痙縮を処置するための総用量は、少なくとも500、600、700、800、900、1,000、2,000、3,000、4,000、5,000、7,500、10,000、12,500、15,000、20,000、30,000、40,000、50,000、または55,000pgであり得る。好ましくは、小児の四肢痙縮を処置するための総用量は、改変BoNT/Aの少なくとも450pg、より好ましくは少なくとも500pg、例えば少なくとも3,000pgであり得る。小児の四肢痙縮を処置するための総用量は、500~56,250pg、好ましくは、30,000~56,250pgであり得る。より好ましくは、小児の四肢痙縮を処置するために投与される総用量は3,750~56,250pgである。
【0115】
小児の四肢痙縮を処置するための所与の処置において投与される単位用量の総数は、最高で10×単位用量までであり得る。換言すると、1つの実施形態においては、10×単一の単位用量が10×注射の部位において投与され得る。別の実施形態においては、10×単一の単位用量が10×超の注射の部位において投与され得る。単位用量の総数は、処置される筋肉に従って分割されるであろう。例えば、2×単位用量が広背筋に、2×が肩甲下筋に、2×が大胸筋に、1×が尺側手根屈筋に投与され、7×という投与される総計の複数の単位用量をもたらし得る。例えば、投与される単位用量の総数は最高で9×、8×、7×、6×、5×、4×、または3×までであり得る。投与される単位用量の総数は、少なくとも2×、3×、4×、5×、6×、7×単位用量、好ましくは、少なくとも2×であり得る。投与される単位用量の総数は、2×から10×、7×から10×、または4×から8×であり得る。好ましくは、投与される単位用量の数は10×である。
【0116】
小児の四肢痙縮を処置するための本発明の処置レジメンを実施するときに投与される総用量は、最高で4,740単位までであり得る。換言すると、小児の四肢痙縮を処置するための所与の処置セッションにおいて投与される改変BoNT/Aの総量は、最高で4,740単位までであり得る。小児の四肢痙縮を処置するための総用量は、最高で4,500、4,000、3,000、2,000、1,000、または500単位までであり得る。好ましくは、小児の四肢痙縮を処置するための総用量は、改変BoNT/Aの最高で4,445単位までであり得る。小児の四肢痙縮を処置するための総用量は、少なくとも50、100、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1500、2000、3000、または4000単位であり得る。好ましくは、小児の四肢痙縮を処置するための総用量は、改変BoNT/Aの少なくとも265単位、より好ましくは少なくとも295単位であり得る。小児の四肢痙縮を処置するための総用量は、265~4,740単位、好ましくは295~4,445単位であり得る。
【0117】
小児の四肢痙縮を処置するための好適な単位用量は、改変BoNT/Aの15.5単位から353.5単位であり得る。そして、処置の間に投与される総用量は最高で5302.5単位までである。小児の四肢痙縮を処置するための単位用量範囲の上限は、改変BoNT/Aの300、250、200、150、100、50、または25単位であり得る。好ましくは、上限は333単位である。小児の四肢痙縮を処置するための単位用量範囲の下限は、改変BoNT/Aの20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、100、150、200、250、300、または325単位であり得る。好ましくは、下限は21単位である。好ましくは、小児の四肢痙縮を処置するための改変BoNT/Aの単位用量は、改変BoNT/Aの21単位から333単位、例えば100単位から200単位である。これらのユニット用量および総用量は、改変BoNT/AがBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含むところで特に該当し得る。
【0118】
小児の四肢痙縮を処置するための好適な単位用量は、改変BoNT/Aの375pgから8,500pgであり得る。そして、処置の間に投与される総用量は最高で127,500pgまでである。小児の四肢痙縮を処置するための単位用量範囲の上限は、改変BoNT/Aの8,000、7,000、6,000、5,000、4,0000、3,000、2,000、または1,000pgであり得る。好ましくは、上限は8,000pgである。小児の四肢痙縮を処置するための単位用量範囲の下限は、改変BoNT/Aの400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、または1000pgであり得る。好ましくは、下限は500pgである。好ましくは、小児の四肢痙縮を処置するための改変BoNT/Aの単位用量は、改変BoNT/Aの500pgから8,000pg、例えば4,000pgから6,000pgである。これらのユニット用量および総用量は、改変BoNT/AがBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含むところで特に該当し得る。
【0119】
小児の四肢痙縮を処置するための本発明の処置レジメンを実施するときに投与される総用量は、最高で5,302.5単位までであり得る。換言すると、小児の四肢痙縮を処置するための所与の処置セッションにおいて投与される改変BoNT/Aの総量は、最高で5,302.5単位までであり得る。小児の四肢痙縮を処置するための総用量は、最高で5,000、4,000、3,000、2,000、1,000、または500単位までであり得る。好ましくは、小児の四肢痙縮を処置するための総用量は、改変BoNT/Aの最高で4,995単位までであり得る。小児の四肢痙縮を処置するための総用量は、少なくとも20、40、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1,000、1,500、2,000、3,000、4,000、または5,000単位であり得る。好ましくは、小児の四肢痙縮を処置するための総用量は、改変BoNT/Aの少なくとも31単位、より好ましくは、少なくとも42単位、例えば少なくとも232.5単位であり得る。小児の四肢痙縮を処置するための総用量は、42~4995単位、好ましくは232.5~4995単位であり得る。より好ましくは、投与される総用量は4725~4995単位である。これらの総用量は、改変BoNT/AがBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含むところで特に該当し得る。
【0120】
小児の四肢痙縮を処置するための本発明の処置レジメンを実施するときに投与される総用量は、最高で127,500pgまでであり得る。換言すると、小児の四肢痙縮を処置するための所与の処置セッションにおいて投与される改変BoNT/Aの総量は、最高で127,500pgまでであり得る。小児の四肢痙縮を処置するための総用量は、最高で127,000、125,000、120,000、110,000、100,000、80,000、60,000、40,000、30,000、20,000、または10,000pgまでであり得る。好ましくは、小児の四肢痙縮を処置するための総用量は、改変BoNT/Aの最高で120,000pgまでであり得る。小児の四肢痙縮を処置するための総用量は、少なくとも500、600、700、800、900、1,000、2,000、3,000、4,000、5,000、7,500、10,000、12,500、15,000、20,000、30,000、40,000、50,000、または120,000pgであり得る。好ましくは、小児の四肢痙縮を処置するための総用量は、改変BoNT/Aの少なくとも750pg、より好ましくは少なくとも1000pg、例えば少なくとも6000pgであり得る。小児の四肢痙縮を処置するための総用量は、1000~120,000pg、好ましくは64,000~120,000pgであり得る。より好ましくは、小児の四肢痙縮を処置するために投与される総用量は7500~120,000pgである。これらの総用量は、改変BoNT/AがBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含むところで特に該当し得る。
【0121】
小児の四肢痙縮を処置するための本発明の処置レジメンを実施するときに投与される総用量は、最高で3,535単位までであり得る。換言すると、小児の四肢痙縮を処置するための所与の処置セッションにおいて投与される改変BoNT/Aの総量は、最高で3,535単位までであり得る。小児の四肢痙縮を処置するための総用量は、最高で3,000、2,000、1,000、または500単位までであり得る。好ましくは、小児の四肢痙縮を処置するための総用量は、改変BoNT/Aの最高で3,330単位までであり得る。小児の四肢痙縮を処置するための総用量は、少なくとも25、50、100、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1500、2000、または3000単位であり得る。好ましくは、小児の四肢痙縮を処置するための総用量は、改変BoNT/Aの少なくとも150単位、より好ましくは少なくとも210単位であり得る。小児の四肢痙縮を処置するための総用量は、150~3,535単位、好ましくは、210~3330単位であり得る。これらの単位用量および総用量は、改変BoNT/AがBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含むところで特に該当し得る。
【0122】
本発明の改変BoNT/Aは、好ましくは、未改変のBoNT/A(例えばDysport(登録商標))と比較されるときにはより長い作用持続時間を有する。前記の作用持続時間は少なくとも1.25×、1.5×、1.75×、2.0×、または2.25×多大であり得る。改変BoNT/Aの作用持続時間は6および9ヶ月の間であり得る。例えば、作用持続時間は少なくとも4.5ヶ月(始まりから)、5.0ヶ月、5.5ヶ月、6ヶ月、6.5ヶ月、7.0ヶ月、7.5ヶ月、8.0ヶ月、8.5ヶ月、または9.0ヶ月であり得る。
【0123】
本発明に従う複数の筋肉への投与は好ましくは同じ処置セッションにおいて起こる。
【0124】
処置は改変BoNT/Aの投与後の適当な時期において繰り返され得る。作用持続時間は未改変のBoNT/A(例えばDysport(登録商標))のもののおよそ二倍であるということから、好適には、対象が未改変のBoNT/A(例えばDysport(登録商標))によって処置されるときよりも長い期間が爾後の投与間にある。対象は、先の投与の少なくとも18、20、25、または30週後に、本発明に従う改変BoNT/Aを再投与され得る。例えば、対象は、先の投与の少なくとも18~45週、好ましくは20~35週後に、本発明に従う改変BoNT/Aを再投与され得る。
【0125】
本明細書において用いられる「対象」は、哺乳動物、例えばヒトまたは他の哺乳動物であり得る。好ましくは「対象」はヒト対象を意味する。
【0126】
本明細書において用いられる用語「処置する」または「処置すること」は、予防的処置(例えば、障害の始まりを防止するための)および修正的処置(既に障害を患っている対象の処置)を包摂する。好ましくは、本明細書において用いられる「処置する」または「処置すること」は修正的処置を意味する。本明細書において用いられる用語「処置する」または「処置すること」は、障害および/またはその症状を言う。
【0127】
好適な改変BoNT/Aポリペプチド(および存在するところではそれをコードするヌクレオチド配列)はWO 2015/004461 A1およびWO 2017/191315に記載されている。これらの両方はそれらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0128】
BoNT/Aは、クロストリジア属の細菌によって生ずるクロストリジウム神経毒素の1つの例である。かかるクロストリジウム神経毒素の他の例は、C.テタニ(TeNT)およびC.ボツリナム(BoNT)血清型B-Gによって生ずるもの、ならびにC.バラチおよびC.ブチリカムによって生ずるものを包含する。前記神経毒素は高度に強力かつ特異的であり、それらが送達されるニューロンおよび他の細胞を毒し得る。クロストリジウム毒素の中には公知の最も強力な毒素のいくつかがある。例として、ボツリヌス神経毒素は、血清型に依存して0.5から5ng/kgの範囲であるマウスの半致死量(LD50)値を有する。テタヌスおよびボツリヌス毒素両方は、患部ニューロンの機能、具体的には神経伝達物質の放出を阻害することによって作用する。ボツリヌス毒素は神経筋接合部において作用し、末梢神経系におけるコリン作動性伝達を阻害するが、テタヌス毒素は中枢神経系において作用する。
【0129】
天然では、クロストリジウム神経毒素(BoNT/Aを包含する)は一本鎖ポリペプチドとして合成され、これが蛋白質分解的な切断事象によって翻訳後修飾されて、ジスルフィド結合によって一緒に繋がれた2つのポリペプチド鎖を形成する。切断は、多くの場合には活性化部位と言われる特異的な切断部位において起こり、これは、鎖間ジスルフィド結合を提供するシステイン残基間に位置づけられる。毒素の活性形態であるのはこの二本鎖形態である。2つの鎖は、およそ100kDaの分子質量を有する重鎖(H鎖)およびおよそ50kDaの分子質量を有する軽鎖(L鎖)と呼称される。H鎖はN末端の転位置コンポーネント(HNドメイン)およびC末端の標的化コンポーネント(HCドメイン)を含む。切断部位はL鎖と転位置ドメインコンポーネントとの間に位置づけられる。その標的ニューロンへのHCドメインの結合とエンドソームによる細胞内への結合した毒素の内在化との後に、HNドメインはL鎖をエンドソーム膜を通してサイトゾルへと転位置させ、L鎖はプロテアーゼ機能(非細胞毒性プロテアーゼとしてもまた公知)を提供する。
【0130】
非細胞毒性プロテアーゼは、SNARE蛋白質として公知の細胞内輸送蛋白質(例えばSNAP-25、VAMP、またはシンタキシン)を蛋白質分解的に切断することによって作用する-Gerald K (2002) "Cell and Molecular Biology” (4th edition) John Wiley & Sons, Inc.を見よ。アクロニムのSNAREは用語の可溶性NSF接着受容体に由来し、ここでは、NSFはN-エチルマレイミド感受性因子を意味する。SNARE蛋白質は、細胞内小胞融合にとって、それゆえに細胞からの小胞輸送による分子の分泌にとって不可欠である。プロテアーゼ機能は亜鉛依存的なエンドペプチダーゼ活性であり、SNARE蛋白質に対する高い基質特異性を見せる。従って、ひとたび所望の標的細胞に送達されると、非細胞毒性プロテアーゼは標的細胞からの細胞性の分泌を阻害することができる。クロストリジウム毒素のL鎖プロテアーゼは、SNARE蛋白質を切断する非細胞毒性プロテアーゼである。
【0131】
本明細書において用いられる用語「HCドメイン」は、標的細胞の表面に位置づけられた受容体に対する神経毒素の結合を可能化するおよそ50kDaの分子量を有する神経毒素重鎖の機能的に明確な領域を意味する。HCドメインは、2つの構造的に明確なサブドメインの「HCNサブドメイン」(HCドメインのN末端部)および「HCCサブドメイン」(HCドメインのC末端部)からなり、これらのそれぞれはおよそ25kDaの分子量を有する。
【0132】
本明細書において用いられる用語「LHNドメイン」は、HCドメインを欠き、かつエンドペプチダーゼドメイン(「L」または「軽鎖」)と細胞質へのエンドペプチダーゼの転位置を担うドメイン(重鎖のHNドメイン)とからなる神経毒素を意味する。
【0133】
上で論じられている通り、クロストリジウム毒素は、2つのポリペプチド鎖のおよそ100kDaの分子質量を有する重鎖(H鎖)とおよそ50kDaの分子質量を有する軽鎖(L鎖)とから形成される。H鎖はC末端の標的化コンポーネント(受容体結合ドメインまたはHCドメイン)およびN末端の転位置コンポーネント(HNドメイン)を含む。
【0134】
軽鎖参照配列の例は以下を包含する:
ボツリヌスA型神経毒素: アミノ酸残基1~448
ボツリヌスB型神経毒素: アミノ酸残基1~440
【0135】
軽度のバリエーションが亜血清型に従って起こり得るので、上で同定されている参照配列は目安と考えられるべきである。例として、US 2007/0166332(その全体が参照によってここに組み込まれる)は軽度に異なる以下のクロストリジウム配列を引用している:
ボツリヌスA型神経毒素: アミノ酸残基M1~K448
ボツリヌスB型神経毒素: アミノ酸残基M1~K441
【0136】
好ましい改変BoNT/Aは、以下から選択される1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)に改変を含むものである: ASN886、ASN905、GLN915、ASN918、GLU920、ASN930、ASN954、SER955、GLN991、GLU992、GLN995、ASN1006、ASN1025、ASN1026、ASN1032、ASN1043、ASN1046、ASN1052、ASP1058、HIS1064、ASN1080、GLU1081、GLU1083、ASP1086、ASN1188、ASP1213、GLY1215、ASN1216、GLN1229、ASN1242、ASN1243、SER1274、およびTHR1277。かかる改変BoNT/Aは、公知のBoNT/Aの使用と比較して副作用の縮減または不在を実証する。本発明の改変BoNT/Aの増大した組織保持の特性は、増大した力価および/または作用持続時間をもまた提供し、公知のクロストリジウム毒素治療薬と比較して縮減された用量(またはいずれかの追加の有害作用なしに増大した用量)が用いられることを許し、それゆえにさらなる利点を提供し得る。
【0137】
改変は、配列番号2として示されている未改変のBoNT/Aと比較されるときの改変であり得る。ここで、アミノ酸残基付番は配列番号2とのアラインメントによって決定される。配列番号2(および本明細書に記載される改変BoNT/Aポリペプチドに対応する配列番号)の位置1におけるメチオニン残基の存在は随意であるので、当業者はアミノ酸残基付番を決定するときにメチオニン残基の存在/不在を斟酌するであろう。例えば、配列番号2がメチオニンを包含するところでは、位置付番は上で定義されている通りであろう(例えばASN886は配列番号2のASN886であろう)。代替的には、メチオニンが配列番号2に不在であるところでは、アミノ酸残基付番は-1だけ改変されるべきである(例えばASN886は配列番号2のASN885であろう)。本明細書に記載される他のポリペプチド配列の位置1におけるメチオニンが存在する/不在であるときには、類似の考慮事項が適用され、当業者は当分野においては定型的な技術を用いて正しいアミノ酸残基付番を難なく決定するであろう。
【0138】
改変を指示されるアミノ酸残基(単数または複数)は表面露出アミノ酸残基(単数または複数)である。
【0139】
改変BoNT/Aは以下から選択される1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)に改変を含み得る: ASN886、ASN930、ASN954、SER955、GLN991、ASN1025、ASN1026、ASN1052、ASN1188、ASP1213、GLY1215、ASN1216、GLN1229、ASN1242、ASN1243、SER1274、およびTHR1277。改変BoNT/Aは、配列番号3、5、7、および9から選択される核酸配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列、例えば、配列番号3、5、7、および9から選択される核酸配列に対して少なくとも80%、90%、95%、または99.9%の配列同一性を有する核酸配列によってコードされ得る。好ましくは、本発明への使用のための改変BoNT/Aは、配列番号3、5、7、または9を含む(または、からなる)核酸によってコードされ得る。改変BoNT/Aは、配列番号4、6、8、および10から選択されるポリペプチド配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列、例えば、配列番号4、6、8、および10から選択されるポリペプチド配列に対して少なくとも80%、90%、95%、または99.9%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含み得る。好ましくは、本発明への使用のための改変BoNT/Aは、配列番号4、6、8、および10から選択されるポリペプチド配列を含み(より好ましくは、からなり)得る。
【0140】
用語「1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)」は、改変BoNT/Aの文脈において用いられるときに、好ましくは、指示されているアミノ酸残基(単数または複数)の少なくとも2、3、4、5、6、または7つを意味する。それゆえに、改変BoNT/Aは、少なくとも2、3、4、5、6、または7つの(好ましくは7つの)改変を指示されているアミノ酸残基(単数または複数)に含み得る。改変BoNT/Aは、1~30、3~20、または5~10個のアミノ酸改変を含み得る。より好ましくは、用語「1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)」は、改変BoNT/Aの文脈において用いられるときに、指示されているアミノ酸残基(単数または複数)の全てを意味する。
【0141】
好ましくは、指示されているアミノ酸残基(単数または複数)における1つ以上のアミノ酸改変(単数または複数)以外には、改変BoNT/Aは配列番号2と比較されるときにいずれかのさらなるアミノ酸改変を含有しない。
【0142】
最も好ましくは、改変BoNT/Aは、以下から選択される1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)に改変を含む(より好ましくは、からなる): ASN886、ASN930、SER955、GLN991、ASN1026、ASN1052、およびGLN1229。改変BoNT/Aは、配列番号3に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列、例えば、配列番号3に対して少なくとも80%、90%、95%、または99.9%の配列同一性を有する核酸配列によってコードされ得る。好ましくは、本発明への使用のための改変BoNT/Aは、配列番号3を含む(または、からなる)核酸によってコードされ得る。改変BoNT/Aは、配列番号4に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列、例えば、配列番号4に対して少なくとも80%、90%、95%、または99.9%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含み得る。好ましくは、本発明への使用のための改変BoNT/Aは、配列番号4を含み(より好ましくは、からなり)得る。
【0143】
改変は以下から選択され得る:
i. 酸性表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
ii. 酸性表面露出アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基による置換;
iii. 非荷電表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
iv. 塩基性アミノ酸残基の挿入; および
v. 酸性表面露出アミノ酸残基の欠失。
【0144】
上で指示されている改変は、対応する未改変のBoNT/Aと比較されるときに、増大した正の表面電荷および増大した等電点を有する改変BoNT/Aをもたらす。
【0145】
等電点(pI)は所与の蛋白質の特異的な特性である。当分野において周知である通り、蛋白質はアミノ酸(蛋白質上のときにはアミノ酸残基ともまた言われる)の特異的な配列から作られる。20の標準的なセットの各アミノ酸は異なる側鎖(またはR基)を有し、蛋白質上の各アミノ酸残基が異なる化学的特性、例えば電荷および疎水性を呈するということを意味する。これらの特性は温度およびpHなどの取り巻く化学的環境によって影響され得る。蛋白質の総体的な化学的特徴はこれらの種々の因子の総計に依存するであろう。
【0146】
ある種のアミノ酸残基(下で詳述される)は、取り巻くpHに依存して電荷を呈し得るイオン化可能な側鎖を所有する。かかる側鎖が所与のpHにおいて荷電するか否かは、該当するイオン化可能な部分のpKaに依存し、ここで、pKaは共役塩基からの所定のプロトンの酸解離定数(Ka)の負の対数である。
【0147】
例えば、アスパラギン酸およびグルタミン酸などの酸性残基は、およそ4.1のpKa値を有する側鎖カルボン酸基を有する(正確なpKa値は温度、イオン強度、およびイオン化可能な基の微小環境に依存し得る)。それゆえに、これらの側鎖は7.4のpH(多くの場合には「生理的pH」と言われる)において負電荷を見せる。低いpH値においては、これらの側鎖はプロトン化されるようになり、それらの電荷を失うであろう。
【0148】
反対に、リジンおよびアルギニンなどの塩基性の残基は、およそ10~12のpKa値を有する窒素含有側鎖基を有する。よって、これらの側鎖は7.4のpHにおいては正電荷を見せる。これらの側鎖は高いpH値においては脱プロトン化されるようになり、それらの電荷を失うであろう。
【0149】
よって、蛋白質分子の総体的な(正味の)電荷は、蛋白質上に存在する酸性および塩基性残基の数(およびそれらの表面暴露の度合い)ならびに取り巻くpHに依存する。取り巻くpHを変化させることは、蛋白質上の総体的な電荷を変化させる。従って、蛋白質毎に、正および負の電荷の数が等しく、蛋白質が総体的な正味電荷を呈さない所与のpHがある。この点は等電点(pI)として公知である。等電点は蛋白質生化学における標準的な概念であり、当業者はこれを熟知するであろう。
【0150】
よって、等電点(pI)は蛋白質がゼロの正味電荷を呈するpH値として定義される。pIの増大は、より高いpH値が、蛋白質がゼロの正味電荷を呈するために要求されるということを意味する。それゆえに、pIの増大は、所与のpHにおける蛋白質の正味の正電荷の増大を表す。反対に、pIの減少は、より低いpH値が、蛋白質がゼロの正味電荷を呈するために要求されるということを意味する。それゆえに、pIの減少は、所与のpHにおける蛋白質の正味の正電荷の減少を表す。
【0151】
蛋白質のpIを決定する方法は当分野においては公知であり、当業者はこれを熟知するであろう。例として、蛋白質のpIは蛋白質上に存在する各アミノ酸の平均pKa値から計算され得る(「計算上のpI」)。かかる計算は、当分野において公知のコンピュータプログラム、例えばExPASyからのCompute pI/MWツール(https://web.expasy.org/compute_pi/)を用いて行われ得る。これは本発明に従ってpIを計算するための好ましい方法である。異なる分子間のpI値の比較は、同じ計算技術/プログラムを用いてなされるべきである。
【0152】
適当なところでは、蛋白質の計算上のpIは、等電点電気泳動の技術を用いて実験的に確認され得る(「観察上のpI」)。この技術は電気泳動を用いて蛋白質をそれらのpIに従って分離する。等電点電気泳動は、典型的には、固定されたpH勾配を有するゲルを用いて行われる。電場が印加されるときに、蛋白質は、それがゼロの正味電荷を有するpHに達するまでpH勾配中を移動する。この点は蛋白質のpIである。等電点電気泳動によって提供される結果は典型的には性質が比較的低分解度であり、それゆえに、本発明者は、計算上のpI(上に記載されている通り)によって提供される結果は用いることがより適当であると思料する。
【0153】
本明細書においては、「pI」は別様に申し立てられない限り「計算上のpI」を意味する。
【0154】
蛋白質のpIは、その表面に呈される塩基性および/または酸性基の数を変えることによって増大または減少させられ得る。これは蛋白質の1つ以上のアミノ酸を改変することによって達成され得る。例えば、pIの増大は酸性残基の数を縮減することまたは塩基性残基の数を増大させることによって提供され得る。
【0155】
本発明の改変BoNT/Aは、未改変のBoNT/A(例えば配列番号2)のものよりも少なくとも0.2、0.4、0.5、または1pI単位高いpI値を有し得る。好ましくは、改変BoNT/Aは少なくとも6.6、例えば少なくとも6.8のpIを有し得る。
【0156】
20個の標準アミノ酸の特性は下の表に指示されている。
【表E】
【0157】
次のアミノ酸は荷電アミノ酸と考えられる: アスパラギン酸(負)、グルタミン酸(負)、アルギニン(正)、およびリジン(正)。
【0158】
7.4のpHでは、アスパラギン酸(pKa 3.1)およびグルタミン酸(pKa 4.1)の側鎖は負電荷を有し、アルギニン(pKa 12.5)およびリジン(pKa 10.8)の側鎖は正電荷を有する。アスパラギン酸およびグルタミン酸は酸性のアミノ酸残基と言われる。アルギニンおよびリジンは塩基性のアミノ酸残基と言われる。
【0159】
次のアミノ酸は非荷電の極性の(それらが水素結合に関与し得るということを意味する)アミノ酸と考えられる: アスパラギン、グルタミン、ヒスチジン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン、メチオニン、およびトリプトファン。
【0160】
次のアミノ酸は非荷電の疎水性アミノ酸と考えられる: アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、プロリン、およびグリシン。
【0161】
アミノ酸挿入では、追加のアミノ酸残基(正常では存在しないもの)がBoNT/Aポリペプチド配列上に組み込まれ、それゆえに前記配列上のアミノ酸残基の総数を増大させる。アミノ酸欠失では、アミノ酸残基がクロストリジウム毒素アミノ酸配列から除去され、それゆえに前記配列上のアミノ酸残基の総数を縮減する。
【0162】
好ましくは、改変は置換であり、これは有利には改変BoNT/A上に同じ数のアミノ酸残基を維持する。アミノ酸置換では、BoNT/Aポリペプチド配列の一部を形成するアミノ酸残基が、異なるアミノ酸残基によって置き換えられる。置き換えアミノ酸残基は、上に記載されている20個の標準アミノ酸の1つであり得る。代替的には、アミノ酸置換の置き換えアミノ酸は非標準アミノ酸(上に記載されている20の標準的なセットの一部ではないアミノ酸)であり得る。例として、置き換えアミノ酸は、塩基性の非標準アミノ酸、例えばL-オルニチン、L-2-アミノ-3-グアニジノプロピオン酸、またはリジン、アルギニン、およびオルニチンのD-異性体であり得る)。非標準アミノ酸を蛋白質上に導入するための方法は当分野において公知であり、E. coli栄養要求性発現ホストを用いる組み換え体蛋白質合成を包含する。
【0163】
1つの実施形態においては、置換は以下から選択される: 塩基性のアミノ酸残基による酸性アミノ酸残基の置換、非荷電アミノ酸残基による酸性アミノ酸残基の置換、および塩基性のアミノ酸残基による非荷電アミノ酸残基の置換。1つの実施形態においては、置換が非荷電アミノ酸残基による酸性アミノ酸残基の置換であるところでは、酸性アミノ酸残基はその対応する非荷電アミドアミノ酸残基によって置き換えられる(すなわち、アスパラギン酸がアスパラギンによって置き換えられ、グルタミン酸がグルタミンによって置き換えられる)。
【0164】
好ましくは、塩基性のアミノ酸残基はリジン残基またはアルギニン残基である。換言すると、置換はリジンまたはアルギニンによる置換である。最も好ましくは、改変はリジンによる置換である。
【0165】
本発明に従う改変後に、改変BoNT/Aは、未改変のBoNT/A(例えば配列番号2)が結合する標的細胞受容体に結合することができる。
【0166】
本発明への使用のための改変BoNT/Aは、BoNT/A軽鎖および転位置ドメイン(BoNT/A LHNドメイン)ならびにBoNT/B HCドメインを含み得る。BoNT/A LHNドメインはBoNT/B HCドメインに共有結合的に連結される。前記改変BoNT/Aは本明細書においては「BoNT/AB」または「BoNT/ABキメラ」ともまた言われる。
【0167】
LHNドメインのC末端アミノ酸残基は、BoNT/AのLHNおよびHCドメインを分離する310ヘリックスの第1のアミノ酸残基に対応し得る。そして、HCドメインのN末端アミノ酸残基は、BoNT/BのLHNおよびHCドメインを分離する310ヘリックスの第2のアミノ酸残基に対応し得る。
【0168】
BoNT/Bポリペプチド配列の例は配列番号16(UniProtアクセッション番号B1INP5)で提供される。
【0169】
本明細書において「BoNT/AのLHNおよびHCドメインを分離する310ヘリックスの第1のアミノ酸残基」と言うことは、LHNおよびHCドメインを分離する310ヘリックスのN末端残基を意味する。
【0170】
本明細書において「BoNT/BのLHNおよびHCドメインを分離する310ヘリックスの第2のアミノ酸残基」と言うことは、LHNおよびHCドメインを分離する310ヘリックスのN末端残基の後のアミノ酸残基を意味する。
【0171】
「310ヘリックス」は、αヘリックス、βシート、およびリバースターンと併せて蛋白質およびポリペプチド上に見出される二次構造のある型である。310ヘリックス上のアミノ酸は右巻きのらせん構造で配置され、ここでは、各全ターンは、3つの残基と、それらの間の分子間水素結合を分離する10個の原子とによって完了する。各アミノ酸は、ヘリックス上の120°のターン(すなわち、ヘリックスはターンあたり3つの残基を有する)とらせん軸に沿って2.0Å(=0.2nm)の並進とに対応し、水素結合を作ることによって形成される環上に10個の原子を有する。最も重要なことに、アミノ酸のN-H基は3残基前のアミノ酸のC=O基との水素結合を形成する。この繰り返されるi+3→i水素結合が310ヘリックスを定義する。310ヘリックスは構造生物学における標準的な概念であり、当業者はこれを熟知するであろう。
【0172】
この310ヘリックスは、実際のヘリックスを形成する4つの残基と、これらの4つの残基の各端に1つの2つのキャップ(または接続)残基とに対応する。本明細書において用いられる用語「LHNおよびHCドメインを分離する310ヘリックス」はそれらの6残基からなる。
【0173】
構造分析および配列アラインメントを実施することによって、LHNおよびHCドメインを分離する310ヘリックスが同定された。この310ヘリックスは、そのN末端においては(すなわちLHNドメインのC末端部においては)αヘリックスによって、そのC末端においては(すなわちHCドメインのN末端部においては)βストランドによって取り巻かれている。310ヘリックスの第1の(N末端)残基(キャップまたは接続残基)もまたこのαヘリックスのC末端残基に対応する。
【0174】
LHNおよびHCドメインを分離する310ヘリックスは、例えば、ボツリヌス神経毒素の公的に利用可能な結晶構造、例えば3BTA(http://www.rcsb.org/pdb/explore/explore.do?structureId=3BTA)および1EPW(http://www.rcsb.org/pdb/explore/explore.do?structureId=1EPW)からそれぞれボツリヌス神経毒素A1およびB1について決定され得る。
【0175】
公的に利用可能であるインシリコモデリングおよびアラインメントツールもまた、他の神経毒素においてLHNおよびHCドメインを分離する310ヘリックスの位置づけを決定するために用いられ得る。例えば、相同性モデリングサーバーLOOPP(Learning, Observing and Outputting Protein Patterns, http://loopp.org)、PHYRE(Protein Homology/analogY Recognition Engine, http://www.sbg.bio.ic.ac.uk/phyre2/)、およびRosetta(https://www.rosettacommons.org/)、蛋白質重ね合わせサーバーSuperPose(http://wishart.biology.ualberta.ca/superpose/)、アラインメントプログラムClustal Omega(http://www.clustal.org/omega/)、およびInternet Resources for Molecular and Cell Biologists(http://molbiol-tools.ca/)で列記されているいくつもの他のツール/サービスである。特に、「HN/HCN」接続部の周りの領域は構造的に高度に保存され、これは、それを異なる血清型を重ね合わせるための理想的な領域にする。
【0176】
例えば、次の方法論が、他の神経毒素においてこの310ヘリックスの配列を決定するために用いられた:
1.構造的相同性モデリングツールLOOP(http://loopp.org)は、BoNT/A1結晶構造(3BTA.pdb)に基づいて他のBoNT血清型の予測される構造を得るために用いられた。
2.それゆえに得られた構造(pdb)ファイルは、HCNドメインのN末端の端およびそれの前の約80残基(これらはHNドメインの一部である)のみを包含し、それによって構造的に高度に保存されている「HN/HCN」領域を保持するように編集された。
3.蛋白質重ね合わせサーバーSuperPose(http://wishart.biology.ualberta.ca/superpose/)が、各血清型を3BTA.pdb構造上に重ね合わせるために用いられた。
4.重ね合わせられたpdbファイルは、BoNT/A1のHCドメインの始まりの310ヘリックスを位置づけるために検分され、それから、他の血清型における対応する残基が同定された。
5.他のBoNT血清型配列は、対応する残基が正しいということをチェックするためにClustal Omegaによってアラインメントされた。
【0177】
この方法によって決定されたLHN、HC、および310ヘリックスドメインの例が下で提示されている。
【表F】
【0178】
構造分析および配列アラインメントを用いて、LHNおよびHCドメインを分離する310ヘリックスの後のβストランドは、全てのボツリヌスおよびテタヌス神経毒素において保存された構造であり、LHNおよびHCドメインを分離する310ヘリックスの第1の残基から始めるときには第8の残基において(例えば、BoNT/A1では残基879において)始まるということが見出された。
【0179】
BoNT/ABキメラは、BoNT/BからのHCドメインに共有結合的に連結されたBoNT/AからのLHNドメインを含み得る。
・ここで、LHNドメインのC末端アミノ酸残基は、BoNT/AのHCドメインの始め(N末)に位置づけられるβストランドのN末端の第8のアミノ酸残基に対応し、かつ、
・ここで、HCドメインのN末端アミノ酸残基は、BoNT/BのHCドメインの始め(N末)に位置づけられるβストランドのN末端の第7のアミノ酸残基に対応する。
【0180】
BoNT/ABキメラは、BoNT/BからのHCドメインに共有結合的に連結されたBoNT/AからのLHNドメインを含み得る。
・ここで、LHNドメインのC末端アミノ酸残基は、BoNT/AのLHNドメインの終わり(C末)に位置づけられるαヘリックスのC末端アミノ酸残基に対応し、かつ、
・ここで、HCドメインのN末端アミノ酸残基は、BoNT/BのLHNドメインの終わり(C末)に位置づけられるαヘリックスのC末端アミノ酸残基の直ちにC末端のアミノ酸残基に対応する。
【0181】
BoNT/ABキメラの設計プロセスの原理は、二次構造が損なわれなかったということを保証し、それによって三次構造および各ドメインの機能のいずれかの変化を最小化しようと努めることである。理論によって拘束されることを欲することなしに、BoNT/ABキメラの310ヘリックスの4つの中心的アミノ酸残基を破壊しないことによるものは、キメラ神経毒素にとって最適な立体配座を保証し、それによって、キメラ神経毒素がそれらの全キャパシティまでその機能を行使することを許すということが仮定される。
【0182】
事実、驚くべきことに、単にBoNT/Aの310ヘリックスの第1のアミノ酸残基とBoNT/Bの以降の310ヘリックスの第2のアミノ酸残基とを保持することは、可溶性のかつ機能的なBoNT/ABキメラの生産を許すのみならず、さらに、他のBoNT/ABキメラと比べて改善された特性、特に増大した力価、増大した安全率、および/またはより長い作用持続時間(ならびに未改変のBoNT/Aと比較されるときに増大した安全率および/または作用持続時間)に至る。
【0183】
BoNT/AからのLHNドメインは、配列番号2のアミノ酸残基1から872、またはそれに対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列に対応し得る。BoNT/AからのLHNドメインは、配列番号2のアミノ酸残基1から872、またはそれに対して少なくとも80%、90%、もしくは95%の配列同一性を有するポリペプチド配列に対応し得る。好ましくは、BoNT/AからのLHNドメインは配列番号2のアミノ酸残基1から872に対応する。
【0184】
BoNT/BからのHCドメインは、配列番号16のアミノ酸残基860から1291、またはそれに対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列に対応し得る。BoNT/BからのHCドメインは、配列番号16のアミノ酸残基860から1291、またはそれに対して少なくとも80%、90%、もしくは95%の配列同一性を有するポリペプチド配列に対応し得る。好ましくは、BoNT/BからのHCドメインは配列番号16のアミノ酸残基860から1291に対応する。
【0185】
好ましくは、BoNT/AB キメラはBoNT/A1 LHNドメインおよびBoNT/B1 HCドメインを含む。より好ましくは、LHNドメインはBoNT/A1(配列番号2)のアミノ酸残基1から872に対応し、HCドメインはBoNT/B1(配列番号16)のアミノ酸残基860から1291に対応する。
【0186】
好ましくは、BoNT/B HCドメインはさらに少なくとも1つのアミノ酸残基置換、追加、または欠失をHCCサブドメイン上に含み、これが、天然BoNT/B配列と比較してヒトSyt IIに対するBoNT/B神経毒素の結合親和性を増大させる効果を有する。BoNT/B HCCサブドメイン上の好適なアミノ酸残基置換、追加、または欠失はWO 2013/180799およびWO 2016/154534で開示されている(両方は参照によって本明細書に組み込まれる)。
【0187】
BoNT/B HCCサブドメイン上の好適なアミノ酸残基置換、追加、または欠失は、以下からなる群から選択される置換変異を包含する: V1118M、Y1183M、E1191M、E1191I、E1191Q、E1191T、S1199Y、S1199F、S1199L、S1201V、E1191C、E1191V、E1191L、E1191Y、S1199W、S1199E、S1199H、W1178Y、W1178Q、W1178A、W1178S、Y1183C、Y1183P、およびそれらの組み合わせ。
【0188】
BoNT/B HCCサブドメイン上の好適なアミノ酸残基置換、追加、または欠失は、さらに、以下からなる群から選択される2つの置換変異の組み合わせを包含する: E1191MおよびS1199L、E1191MおよびS1199Y、E1191MおよびS1199F、E1191QおよびS1199L、E1191QおよびS1199Y、E1191QおよびS1199F、E1191MおよびS1199W、E1191MおよびW1178Q、E1191CおよびS1199W、E1191CおよびS1199Y、E1191CおよびW1178Q、E1191QおよびS1199W、E1191VおよびS1199W、E1191VおよびS1199Y、またはE1191VおよびW1178Q。
【0189】
BoNT/B HCCサブドメイン上の好適なアミノ酸残基置換、追加、または欠失は、E1191M、S1199W、およびW1178Qである3つの置換変異の組み合わせをもまた包含する。
【0190】
好ましくは、BoNT/B HCCサブドメイン上の好適なアミノ酸残基置換、追加、または欠失は、E1191MおよびS1199Yである2つの置換変異の組み合わせを包含する。かかる改変はBoNT/ABキメラ配列番号13および配列番号14に存在する。
【0191】
改変は、配列番号16で示される未改変のBoNT/Bと比較されるときの改変であり得る。ここで、アミノ酸残基付番は配列番号16とのアラインメントによって決定される。配列番号16(および本明細書に記載される改変BoNT/Aポリペプチドに対応する配列番号)の位置1におけるメチオニン残基の存在は随意であるので、当業者はアミノ酸残基付番を決定するときにメチオニン残基の存在/不在を斟酌するであろう。例えば、配列番号16がメチオニンを包含するところでは、位置付番は上で定義されている通りであろう(例えばE1191は配列番号16のE1191であろう)。代替的には、メチオニンが配列番号16に不在であるところでは、アミノ酸残基付番は-1だけ改変されるべきである(例えばE1191は配列番号16のE1190であろう)。本明細書に記載される他のポリペプチド配列の位置1におけるメチオニンが存在する/不在であるときには、類似の考慮事項が適用され、当業者は当分野においては定型的な技術を用いて正しいアミノ酸残基付番を難なく決定するであろう。
【0192】
本発明への使用のための改変BoNT/Aは、配列番号11~15から選択されるポリペプチド配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列、例えば、配列番号11~15から選択されるポリペプチド配列に対して少なくとも80%、90%、95%、または99.9%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含み得る。好ましくは、本発明への使用のための改変BoNT/Aは、配列番号11~15から選択されるポリペプチド配列を含み(より好ましくは、からなり)得る。
【0193】
改変BoNT/AがBoNT/ABキメラであるときに、改変BoNT/Aは、配列番号14に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列、例えば、配列番号14に対して少なくとも80%、90%、95%、または99.9%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含むということが好ましい。好ましくは、本発明への使用のための改変BoNT/Aは配列番号14を含み(より好ましくは、からなり)得る。
【0194】
アミノ酸残基の置換、挿入、または欠失によって蛋白質を改変するための方法は当分野において公知である。例として、アミノ酸改変は、BoNT/Aをコードする(例えば未改変のBoNT/Aをコードする)DNA配列の改変によって導入され得る。これは標準的な分子クローニング技術を用いて達成され得る。例えば、所望のアミノ酸(単数または複数)をコードするDNA(オリゴヌクレオチド)の短いストランドが用いられてポリメラーゼ酵素を用いて元々のコード配列を置き換える部位特異的変異導入によるか、または種々の酵素(例えばリガーゼおよび制限エンドヌクレアーゼ)によって遺伝子の一部を挿入/欠失することによる。代替的には、改変された遺伝子配列が化学合成され得る。
【0195】
上で論じられている通り、本明細書に記載される改変BoNT/Aは、増大した力価および/または作用持続時間をもまた提供する増大した組織保持の特性を有し、いずれかの追加の負の効果なしに、増大した用量を許し得る。これらの有利な特性が定義され得る1つのやり方は、改変BoNT/Aの安全率に換算してである。この点で、クロストリジウム毒素の望まれない効果(投与部位からの毒素の拡散によって引き起こされる)が、該当する動物モデル(例えば、体重減少が投与の7日以内に検出されるマウス)におけるパーセンテージの体重減少を測定することによって実験的に評価され得る。反対に、クロストリジウム毒素の所望のオンターゲット効果は、筋肉麻痺の測定の指外転スコア(DAS)アッセイによって実験的に評価され得る。DASアッセイは、マウス腓腹筋/ヒラメ筋複合体へのゼラチンリン酸緩衝液中に製剤された20μlのクロストリジウム毒素の注射、次にAokiの方法を用いる指外転スコアの評価によって行われ得る(Aoki KR, Toxicon 39: 1815-1820;2001)。DASアッセイでは、マウスは特徴的な驚愕反応を誘発するために尾で手短にぶら下げられる。これにおいては、マウスはその後肢を伸展し、その後肢指を外転する。クロストリジウム毒素注射後に、指外転の様々な度合いが5点スケールでスコア付けされる(指外転および足伸展の0=正常から4=最大の縮減)。
【0196】
それから、本発明の改変BoNT/A(または比較のための未改変のBoNT/A)の安全率が、体重の10%降下(マウスにおいて、投薬後の最初の7日以内のピークの効果において測定される)に要求される毒素の量と2のDASスコアに要求される毒素の量との間の比率として表現され得る。よって、高い安全率スコアが望まれ、望まれないオフターゲット効果ほとんどなしに標的筋肉を有効に麻痺させることができる毒素を指示する。本発明の改変BoNT/Aは、同等の未改変の(ネイティブな)BoNT/Aの安全率よりも高い安全率を有する。
【0197】
それゆえに、1つの実施形態においては、本発明の改変BoNT/Aは7よりも多大(例えば、少なくとも8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、または50)である安全率を有し、ここで、安全率は以下として計算される: DAS ED50(pg/マウス)によって除算された-10%の体重変化に要求される毒素の用量(pg/マウス)[ED50=2のDASスコアを生ずるために要求される用量]。
【0198】
1つの実施形態においては、本発明の改変BoNT/Aは少なくとも10の安全率を有する。1つの実施形態においては、本発明の改変BoNT/Aは少なくとも15の安全率を有する。
【0199】
好ましくは、改変BoNT/Aが、以下から選択される1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)を含むものであるところでは: 本明細書に記載される通り、ASN886、ASN930、ASN954、SER955、GLN991、ASN1025、ASN1026、ASN1052、ASN1188、ASP1213、GLY1215、ASN1216、GLN1229、ASN1242、ASN1243、SER1274、およびTHR1277、前記改変BoNT/Aは少なくとも20、より好ましくは少なくとも22(例えば23~25)の安全率を有する。
【0200】
好ましくは、改変BoNT/Aが、BoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B HCドメインを含むものであるところでは、改変BoNT/Aは、少なくとも10、より好ましくは少なくとも12(例えば14~15)の安全率を有する。
【0201】
使用中に、本発明の改変BoNT/Aは二本鎖形態である。
【0202】
改変BoNT/Aは好ましくは複合体化していない形態である(すなわち、天然に存在するBoNT/Aに存在する複合体化蛋白質を不含)。かかる複合体化蛋白質の例は神経毒素関連蛋白質(NAP)および非毒非血球凝集素コンポーネント(NTNH)を包含する。改変BoNT/Aは組み換え体の改変BoNT/Aであるということが好ましい。
【0203】
改変BoNT/Aは、軽鎖および重鎖を有する一本鎖の改変BoNT/Aを生ずる方法によって生じ得る。方法は、核酸(前記核酸は上に記載されている通りである)を好適なホスト細胞で発現することと、ホスト細胞をリシスして、一本鎖の改変BoNT/Aを含有するホスト細胞ホモジネートを提供することと、一本鎖の改変BoNT/Aを単離することとを含む。それから、改変BoNT/Aは、上に記載されている一本鎖の改変BoNT/Aを生ずる方法によって得られ得る一本鎖の改変BoNT/A蛋白質を提供し、軽鎖および重鎖の間に位置づけられる認識部位(切断部位)においてポリペプチドを切断するプロテアーゼと改変BoNT/Aを接触させ、それによってポリペプチドを二本鎖の改変BoNT/Aに変換することを含む方法によって活性化され得る、ここで、軽鎖および重鎖はジスルフィド結合によって一緒に繋がれる。
【0204】
本発明の改変BoNT/Aは、対象への投与のためのいずれかの好適な様式で、例えば医薬組成物の一部として製剤され得る。それゆえに、1つの態様において、本発明は、本発明の改変BoNT/Aと薬学的に許容される担体、賦形剤、アジュバント、および/または塩とを含む医薬組成物を提供する。
【0205】
1つの態様において、本発明は、改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)のユニット剤形を提供し、ユニット剤形は以下を含み:
a. 53単位から948単位の改変BoNT/Aであって、ここで、1単位はマウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり; または
b. 450pgから8,000pgの改変BoNT/A; ならびに
c. 随意により、薬学的に許容される担体、賦形剤、アジュバント、および/もしくは塩、
ここで、改変BoNT/Aは以下から選択される1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)に改変を含み:886、905、915、918、920、930、954、955、991、992、995、1006、1025、1026、1032、1043、1046、1052、1058、1064、1080、1081、1083、1086、1188、1213、1215、1216、1229、1242、1243、1274、および1277、このときには、配列番号2で示される未改変のBoNT/Aと比較され、ここで、アミノ酸残基付番は配列番号2とのアラインメントによって決定され、かつ、ここで、改変は以下から選択される:
i. 酸性表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
ii. 酸性表面露出アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基による置換;
iii. 非荷電表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
iv. 塩基性アミノ酸残基の挿入; および
v. 酸性表面露出アミノ酸残基の欠失。
【0206】
1つの態様において、本発明は、改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)のユニット剤形を提供し、ユニット剤形は以下を含み:
a. 53単位から948単位の改変BoNT/Aであって、ここで、1単位はマウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり; または
b. 450pgから8,000pgの改変BoNT/A; ならびに
c. 随意により、薬学的に許容される担体、賦形剤、アジュバント、および/もしくは塩、
ここで、改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む。
【0207】
ユニット剤形は、53単位から948単位の改変BoNT/Aを含み得る。前記範囲上限は、改変BoNT/Aの925、900、850、800、750、700、650、600、550、500、450、400、350、300、250、200、150、または100単位であり得る。好ましくは、上限は889単位である。前記範囲の下限は、改変BoNT/Aの55、60、65、70、75、80、85、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、または900単位であり得る。好ましくは、下限は59単位である。好ましくは、ユニット剤形は、59単位から889単位の改変BoNT/A、例えば200単位から600単位を含む。
【0208】
ユニット剤形は、450pgから8,000pgの改変BoNT/Aを含み得る。前記範囲の上限は、改変BoNT/Aの7,750、7,500、7,000、6,000、5,000、4,000、3,000、2,000、または1,000,pgであり得る。好ましくは、上限は7,500pgである。前記範囲の下限は、改変BoNT/Aの475、500、600、700、800、900、1,000、1,500、2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、または7,000pgであり得る。好ましくは、下限は500pgである。好ましくは、ユニット剤形は、500pgから7,500pgの改変BoNT/A、例えば4,000pgから6,000pgを含む。
【0209】
別の態様においては、本発明は、改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)のユニット剤形を提供し、ユニット剤形は以下を含み:
a. 31単位から707単位の改変BoNT/Aであって、ここで、1単位はマウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり; または
b. 750pgから17,000pgの改変BoNT/A; ならびに
c. 随意により、薬学的に許容される担体、賦形剤、アジュバント、および/もしくは塩、
ここで、改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む。
【0210】
ユニット剤形は31単位から707単位の改変BoNT/Aを含み得る。前記範囲上限は、改変BoNT/Aの700、650、600、550、500、450、400、350、300、250、200、150、または100単位であり得る。好ましくは、上限は666単位である。前記範囲の下限は、改変BoNT/Aの40、45、50、60、65、70、75、80、85、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、または700単位であり得る。好ましくは、下限は42単位である。好ましくは、ユニット剤形は、42単位から666単位の改変BoNT/A、例えば200単位から400単位を含む。
【0211】
ユニット剤形は750pgから17,000pgの改変BoNT/Aを含み得る。前記範囲の上限は、改変BoNT/Aの16,500、15,500、14,500、13,500、12,500、11,500、10,500、9,500、8,500、7,500、6,500、5,500、4,500、3,500、2,500、1,500、または500pgであり得る。好ましくは、上限は16,000pgである。前記範囲の下限は、改変BoNT/Aの750、850、950、1000、1500、2000、2,500、3,000、3,500、4,000、4,500、または5,000pgであり得る。好ましくは、下限は1000pgである。好ましくは、ユニット剤形は1000pgから16,000pgの改変BoNT/A、例えば4,000pgから6,000pgを含む。
【0212】
前に論じられた通り、小児の適用のための単位用量は上で指示されているものの50%以下であり得る。いくつかの実施形態において、単位用量は、典型的には、成人の四肢痙縮を処置するときに用いられるものの70%以下(例えば67%以下)である。
【0213】
1つの態様において、本発明は改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)のユニット剤形を提供し、ユニット剤形は以下を含み:
a. 26.5単位から474単位の改変BoNT/Aであって、ここで、1単位はマウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり; または
b. 225pgから4,000pgの改変BoNT/A; ならびに
c. 随意により、薬学的に許容される担体、賦形剤、アジュバント、および/もしくは塩、
ここで、改変BoNT/Aは以下から選択される1つ以上のアミノ酸残基(単数または複数)に改変を含み: ASN886、ASN905、GLN915、ASN918、GLU920、ASN930、ASN954、SER955、GLN991、GLU992、GLN995、ASN1006、ASN1025、ASN1026、ASN1032、ASN1043、ASN1046、ASN1052、ASP1058、HIS1064、ASN1080、GLU1081、GLU1083、ASP1086、ASN1188、ASP1213、GLY1215、ASN1216、GLN1229、ASN1242、ASN1243、SER1274、およびTHR1277、ここで、改変は以下から選択される:
i. 酸性表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
ii. 酸性表面露出アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基による置換;
iii. 非荷電表面露出アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基による置換;
iv. 塩基性アミノ酸残基の挿入; および
v. 酸性表面露出アミノ酸残基の欠失。
【0214】
別の態様においては、本発明は改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)のユニット剤形を提供し、ユニット剤形は以下を含み:
a. 26.5単位から474単位の改変BoNT/Aであって、ここで、1単位はマウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり; または
b. 225pgから4,000pgの改変BoNT/A; ならびに
c. 随意により、薬学的に許容される担体、賦形剤、アジュバント、および/もしくは塩、
ここで、改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む。
【0215】
ユニット剤形は、26.5単位から474単位の改変BoNT/Aを含み得る。前記範囲上限は、改変BoNT/Aの425、400、350、300、250、200、150、100、または50単位であり得る。好ましくは、上限は444.5単位である。前記範囲の下限は、改変BoNT/Aの30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、または600単位であり得る。好ましくは、下限は29.5単位である。好ましくは、ユニット剤形は、29.5単位から444.5単位の改変BoNT/A、例えば100単位から300単位を含む。
【0216】
ユニット剤形は、225pgから4,000pgの改変BoNT/Aを含み得る。前記範囲の上限は、改変BoNT/Aの3,750、3,500、3,000、2,000、1,000、4,000、または500pgであり得る。好ましくは、上限は3,750pgである。前記範囲の下限は、改変BoNT/Aの225、250、300、400、500、600、800、1,000、1,500、2,000、2,500、3000、または3500pgであり得る。好ましくは、下限は250pgである。好ましくは、ユニット剤形は、250pgから3,750pgの改変BoNT/A、例えば2,000pgから3,000pgを含む。
【0217】
別の態様においては、本発明は改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)のユニット剤形を提供し、ユニット剤形は以下を含み:
a. 15.5単位から353.5単位の改変BoNT/Aであって、ここで、1単位はマウスにおける計算上の半致死量(LD50)に対応する改変BoNT/Aの量であり; または
b. 375pgから8,500pgの改変BoNT/A; ならびに
c. 随意により、薬学的に許容される担体、賦形剤、アジュバント、および/もしくは塩、
ここで、改変BoNT/AはBoNT/A軽鎖および転位置ドメインならびにBoNT/B受容体結合ドメイン(HCドメイン)を含む。
【0218】
ユニット剤形は15.5単位から353.5単位の改変BoNT/Aを含み得る。前記範囲上限は、改変BoNT/Aの350、300、250、200、150、100、または50単位であり得る。好ましくは、上限は333単位である。前記範囲の下限は、改変BoNT/Aの20、25、30、35、40、45、50、65、70、75、80、85、90、95、または100単位であり得る。好ましくは、下限は21単位である。好ましくは、ユニット剤形は、21単位から33単位の改変BoNT/A、例えば200単位から400単位を含む。
【0219】
ユニット剤形は375pgから8,500pgの改変BoNT/Aを含み得る。前記範囲の上限は、改変BoNT/Aの7,500、7,000、6,500、6,000、5,500、5,000、4,500、4,000、3,500、3,000、2,500、2,000、1,500、1,000、または500pgであり得る。好ましくは、上限は8,000pgである。前記範囲の下限は、改変BoNT/Aの450、550、650、750、850、950、1,000、1,500、2,000、2,500、または3,000pgであり得る。好ましくは、下限は500pgである。好ましくは、ユニット剤形は、500pgから8,000pgの改変BoNT/A、例えば2000pgから4,000pgを含む。
【0220】
別の態様においては、本発明は以下を含むキットを提供する:
a. 本発明に従うユニット剤形; および
b. 四肢痙縮を処置することへのそれの使用の説明書; および
c. 随意により希釈剤。
【0221】
本発明の種々の治療学的使用に関係する実施形態は、本発明の方法、組成物(例えばユニット剤形)、およびキットに適用され得る。逆もまた同様である。
【0222】
配列相同性
【0223】
種々の配列アラインメント法のいずれかが、パーセントの同一性を決定するために用いられ得る。限定なしに、グローバル法、ローカル法、およびハイブリッド法、例えば、例えばセグメントアプローチ法を包含する。パーセントの同一性を決定するためのプロトコールは当業者の範囲内の定型的な手続きである。グローバル法は、配列を分子の始めから終わりまでアラインメントし、個々の残基ペアのスコアを合計することおよびギャップペナルティを課すことによって最も良好なアラインメントを決定する。限定しない方法は例えば以下を包含する。CLUSTAL W、例えばJulie D. Thompson et al., CLUSTAL W: Improving the Sensitivity of Progressive Multiple Sequence Alignment Through Sequence Weighting, Position-Specific Gap Penalties and Weight Matrix Choice, 22(22) Nucleic Acids Research 4673-4680 (1994)を見よ;および反復改善法、例えばOsamu Gotoh, Significant Improvement in Accuracy of Multiple Proteins. Sequence Alignments by Iterative Refinement as Assessed by Reference to Structural Alignments, 264(4) J. MoI. Biol. 823-838 (1996)を見よ。ローカル法は、入力配列の全てによって共有される1つ以上の保存されたモチーフを同定することによって配列をアラインメントする。限定しない方法は例えば以下を包含する。Match-box、例えばEric Depiereux and Ernest Feytmans, Match-Box: A Fundamentally New Algorithm for the Simultaneous Alignment of Several Protein Sequences, 8(5) CABIOS 501-509 (1992)を見よ;Gibbsサンプリング、例えばC. E. Lawrence et al., Detecting Subtle Sequence Signals: A Gibbs Sampling Strategy for Multiple Alignment, 262(5131 ) Science 208-214 (1993)を見よ;Align-M、例えばIvo Van WaIIe et al., Align-M - A New Algorithm for Multiple Alignment of Highly Divergent Sequences, 20(9) Bioinformatics:1428-1435 (2004)を見よ。
【0224】
それゆえに、パーセントの配列同一性は従来の方法によって決定される。例えば、Altschul et al., Bull. Math. Bio. 48: 603-16, 1986およびHenikoff and Henikoff, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:10915-19, 1992を見よ。手短には、2つのアミノ酸配列が、下に示される通り、10のギャップオープンペナルティ、1のギャップ延長ペナルティ、およびHenikoff and Henikoff(同書)の「blosum 62」スコア付け行列を用いてアラインメントスコアを最適化するようにアラインメントされる(アミノ酸は標準的な1文字コードによって指示される)。
【0225】
2つ以上の核酸またはアミノ酸配列の間の「パーセントの配列同一性」は、配列によって共有される同一の位置の数の関数である。それゆえに、%同一性は、ヌクレオチド/アミノ酸の総数によって除算される100によって乗算された同一のヌクレオチド/アミノ酸の数として計算され得る。%配列同一性の計算は、2つ以上の配列のアラインメントを最適化するために導入されることを必要とするギャップの数および各ギャップの長さをもまた斟酌し得る。2つ以上の配列間の配列比較およびパーセントの同一性の決定は、具体的な数理アルゴリズム、例えばBLASTを用いて実施され得る。当業者はこれを熟知するであろう。
【0226】
配列同一性を決定するためのアラインメントスコア
【数1】
【0227】
それから、パーセントの同一性が以下として計算される:
[同一のマッチの総数 / (より長い配列の長さ + 2つの配列をアラインメントするためにより長い配列上に導入されるギャップの数)]×100
【0228】
実質的に相同なポリペプチドは、1つ以上のアミノ酸置換、欠失、または追加を有するとしてキャラクタリゼーションされる。これらの変化は、好ましくは、小規模な性質、つまり、ポリペプチドの折りたたみまたは活性に有意には影響しない保存的アミノ酸置換(下を見よ)および他の置換、典型的には1から約30アミノ酸の小さい欠失、ならびに小さいアミノもしくはカルボキシル末端延長、例えばアミノ末端メチオニン残基、最高で約20~25残基までの小さいリンカーペプチド、またはアフィニティータグである。
【0229】
保存的アミノ酸置換
塩基性:
アルギニン
リジン
ヒスチジン
酸性:
グルタミン酸
アスパラギン酸
極性:
グルタミン
アスパラギン
疎水性:
ロイシン
イソロイシン
バリン
芳香族:
フェニルアラニン
トリプトファン
チロシン
小さい:
グリシン
アラニン
セリン
トレオニン
メチオニン
【0230】
20個の標準アミノ酸に加えて、非標準アミノ酸(例えば、4-ヒドロキシプロリン、6-N-メチルリジン、2-アミノイソ酪酸、イソバリン、およびα-メチルセリン)が本発明のポリペプチドのアミノ酸残基と置換され得る。限定された数の非保存的なアミノ酸、遺伝暗号によってコードされないアミノ酸、および非天然アミノ酸が、ポリペプチドアミノ酸残基と置換され得る。本発明のポリペプチドは天然に存在しないアミノ酸残基をもまた含み得る。
【0231】
天然に存在しないアミノ酸は、限定なしに、トランス-3-メチルプロリン、2,4-メタノ-プロリン、シス-4-ヒドロキシプロリン、トランス-4-ヒドロキシ-プロリン、N-メチルグリシン、アロ-トレオニン、メチル-トレオニン、ヒドロキシ-エチルシステイン、ヒドロキシエチルホモ-システイン、ニトロ-グルタミン、ホモグルタミン、ピペコリン酸、tert-ロイシン、ノルバリン、2-アザフェニルアラニン、3-アザフェニル-アラニン、4-アザフェニル-アラニン、および4-フルオロフェニルアラニンを包含する。天然に存在しないアミノ酸残基を蛋白質上に組み込むためのいくつかの方法が当分野において公知である。例えば、化学的にアミノアシル化されたサプレッサーtRNAを用いてナンセンス変異が抑圧されるインビトロ系が採用され得る。アミノ酸およびアミノアシル化tRNAを合成するための方法は当分野において公知である。ナンセンス変異を含有するプラスミドの転写ならびに翻訳は、E. coli S30抽出物ならびに商業的に利用可能な酵素および他の試薬を含む無細胞系において実施される。蛋白質はクロマトグラフィーによって精製される。例えば、Robertson et al., J. Am. Chem. Soc. 113:2722, 1991、Ellman et al., Methods Enzymol. 202:301, 1991、Chung et al., Science 259:806-9, 1993、およびChung et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:10145-9, 1993を見よ)。第2の方法では、翻訳が、変異mRNAおよび化学的にアミノアシル化されたサプレッサーtRNAのマイクロインジェクションによってXenopus卵母細胞において実施される(Turcatti et al., J. Biol. Chem. 271:19991-8, 1996)。第3の方法においては、E. coli細胞が、置き換えられるべき天然アミノ酸(例えばフェニルアラニン)の不在下においてかつ所望の天然に存在しないアミノ酸(単数または複数)(例えば、2-アザフェニルアラニン、3-アザフェニルアラニン、4-アザフェニルアラニン、または4-フルオロフェニルアラニン)の存在下において培養される。天然に存在しないアミノ酸は、その天然のカウンターパートの代わりにポリペプチド上に組み込まれる。Koide et al., Biochem. 33: 7470-6, 1994を見よ。天然に存在するアミノ酸残基はインビトロ化学修飾によって天然に存在しない種に変換され得る。化学修飾は部位特異的変異導入と組み合わせられて置換の範囲をさらに拡張し得る(Wynn and Richards, Protein Sci. 2:395-403, 1993)。
【0232】
限定された数の非保存的なアミノ酸、遺伝暗号によってコードされないアミノ酸、天然に存在しないアミノ酸、および非天然アミノ酸が、本発明のポリペプチドのアミノ酸残基と置換され得る。
【0233】
本発明のポリペプチド上の必須アミノ酸は、当分野において公知の手続き、例えば部位特異的変異導入またはアラニンスキャン変異導入に従って同定され得る(Cunningham and Wells, Science 244: 1081-5, 1989)。生物学的相互作用部位もまた、推定上の接触部位アミノ酸の変異と共に、核磁気共鳴、結晶学、電子回折、または光親和性標識などの技術によって決定される構造の物理的分析によって決定され得る。例えば、de Vos et al., Science 255:306-12, 1992、Smith et al., J. Mol. Biol. 224:899-904, 1992、Wlodaver et al., FEBS Lett. 309:59-64, 1992を見よ。必須アミノ酸のアイデンティティは、本発明のポリペプチドの関係するコンポーネント(例えば、転位置またはプロテアーゼコンポーネント)との相同性の分析からもまた推量され得る。
【0234】
複数のアミノ酸置換が、変異導入およびスクリーニングの公知の方法、例えばReidhaar-Olson and Sauer(Science 241:53-7, 1988)またはBowie and Sauer(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:2152-6, 1989)によって開示されているものを用いてなされ、試験され得る。手短には、これらの著者は、同時に、ポリペプチド上の2つ以上の位置をランダム化し、機能的なポリペプチドをセレクションし、それから変異導入されたポリペプチドをシーケンシングして各位置における許され得る置換のスペクトルを決定するための方法を開示している。用いられ得る他の方法は、ファージディスプレイ(例えば、Lowman et al., Biochem. 30:10832-7, 1991、Ladner et al., U.S.特許No. 5,223,409、Huse, WIPO公開WO 92/06204)および領域特異的変異導入(Derbyshire et al., Gene 46:145, 1986、Ner et al., DNA 7:127, 1988)を包含する。
【0235】
別様に定義されない限り、本明細書において用いられる全ての技術および科学用語は、本開示が属する分野の業者によって普通に理解される同じ意味を有する。Singleton, et al., DICTIONARY OF MICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY, 20 ED., John Wiley and Sons, New York (1994)およびHale & Marham, THE HARPER COLLINS DICTIONARY OF BIOLOGY, Harper Perennial, NY (1991)は、本開示に用いられる用語の多くの総合辞書を当業者に提供する。
【0236】
本開示は本明細書において開示される例示的な方法および材料によって限定されず、本明細書に記載されるものと類似または同等のいずれかの方法および材料は、本開示の実施形態の実施または試験に用いられ得る。数的範囲は範囲を定義する数を包含する。別様に指示されない限り、それぞれ、いずれかの核酸配列は左から右に5'から3'の向きで書かれ、アミノ酸配列は左から右にアミノからカルボキシの向きで書かれる。
【0237】
本明細書において提供される見出しは本開示の種々の態様または実施形態の限定ではない。
【0238】
アミノ酸は、本明細書においてはアミノ酸の名称、3文字略称、または1文字略称を用いて言われ得る。本明細書において用いられる用語「蛋白質」は、蛋白質、ポリペプチド、およびペプチドを包含する。本明細書において用いられる用語「アミノ酸配列」は用語「ポリペプチド」および/または用語「蛋白質」と同意である。いくつかの場合には、用語「アミノ酸配列」は用語「ペプチド」と同意である。いくつかの場合には、用語「アミノ酸配列」は用語「酵素」と同意である。用語「蛋白質」および「ポリペプチド」は本明細書においては交換可能に用いられる。本開示および請求項においては、アミノ酸残基の従来の1文字および3文字コードが用いられ得る。アミノ酸の3文字コードはIUPACIUB Joint Commission on Biochemical Nomenclature(JCBN)に従って定義される通りである。ポリペプチドは遺伝暗号の縮重を原因として1つ超のヌクレオチド配列によってコードされ得るということもまた理解される。
【0239】
用語の他の定義が本明細書において現れ得る。例示的な実施形態がより詳細に記載される前に、本開示は記載される特定の実施形態に限定されず、そのため、様々であり得るということは理解されるべきである。本開示の範囲は添付される請求項のみによって定義されるので、本明細書において用いられる術語は特定の実施形態を記載する目的のためのみであり、限定しようということを意図されないということもまた理解されるべきである。
【0240】
値の範囲が提供されるところでは、その範囲の上および下限の間の各介在値もまた、文脈が明瞭に別様に述べない限り下限の単位の十分の一まで具体的に開示されるということが理解される。申し立てられる範囲内のいずれかの申し立てられる値または介在値とその申し立てられる範囲内のいずれかの他の申し立てられるまたは介在値との間のより小さい各範囲は本開示に包摂される。これらのより小さい範囲の上および下限は独立して範囲に包含または除外され得る。そして、申し立てられる範囲内のいずれかの具体的に除外される限度を条件として、どちらかもしくは両方の限度がより小さい範囲に包含されるかまたはどちらもされない各範囲もまた本開示に包摂される。申し立てられる範囲が限度の1つまたは両方を包含するところでは、それらの包含される限度のどちらかまたは両方を除外する範囲もまた本開示に包含される。
【0241】
本明細書および添付される請求項において用いられる単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明瞭に別様に述べない限り、複数のリファレントを包含するということは注記されなければならない。それゆえに、例えば、「ボツリヌス神経毒素A」と言うことは複数のかかる候補薬剤を包含し、「ボツリヌス神経毒素A」と言うことは、当業者に公知の1つ以上のクロストリジウム神経毒素およびそれらの同等物を言うことを包含するなどである。
【0242】
本明細書において論じられる公開は単に本願の出願日に先立つそれらの開示のために提供されている。本明細書におけるいかなることも、かかる公開がそれに添付される請求項に対して先行技術に当たるという自認として解釈されるべきではない。
【0243】
ここで、本発明の実施形態が次の図および例の参照によって例としてのみ記載される。
【図面の簡単な説明】
【0244】
図1図1は上腕関節が関わる5つの最も普通の上肢痙縮臨床パターンを示す。
図2図2は成人の痙縮を処置するためのDysport(登録商標)のFDA承認用量を示す。
図3図3はカチオン性コンストラクトの等電点電気泳動(IEF)ゲルを示す。
図4図4は、Cat5v2(K1064H/N954K)(A)、Cat5v2(K1064H/N886K)(B)、およびCat5v2(K1064H/N1025K)(C)についてのラット胚脊髄ニューロン(eSCN)におけるパーセンテージのSNAP-25切断、ならびにnBoNT/A1に対して相対的なpEC50の概要を示す。(A、B、C)ラット胚脊髄ニューロンが3週に渡って培養され、SNAP-25特異的抗体によるウエスタンブロッティングの前に24hに渡ってCat5v4によって処置された。データは3重の3つの独立した実験からの平均±SEMである。(D)ラットeSCN SNAP-25切断力価アッセイにおけるnBoNT/A1(List Biological Laboratories)に対するCat5v2(K1064H/N886K)、Cat5v2(K1064H/N954K)、およびCat5v2(K1064H/N1025K)の相対的力価。各点は個々のバッチに対応し、8点濃度反応曲線(CRC)に基づく3つの独立したpEC50決定の平均である。CRC上の各濃度は3重で評価された。力価比較はListバッチのプールされたデータn=24の平均に対してなされる。データはCat5v4あたりn=3バッチの平均±SEMである。
図5図5は、マウス横隔神経半横隔膜アッセイ(mPNHD)におけるnBoNT/A1およびCat5v4の力価(t50)を示す。マウス横隔神経半横隔膜組織が、指示されている通りCat5v4またはネイティブなBoNT/A1とインキュベーションされた。横隔膜収縮力が、収縮がもはや検出可能ではなくなるまでまたは140分後に記録された。各点は独立した決定に対応する。t50値は、マウス半横隔膜の収縮力を50%阻害するために要求される時間である。
図6図6は精製された組み換え体のBoNT/ABキメラ1、2、および3A(それぞれ配列番号11、12、および13)のSDS-PAGEを示す。レーンは「マーカー」(分子量マーカー)、「-DTT」(酸化されたBoNT/ABキメラサンプル)、および「+DTT」(還元されたBoNT/ABキメラサンプル)と標識されている。
図7図7は、組み換え体のBoNT/ABキメラ1、2、および3A(それぞれ配列番号11、12、および13)によるラット脊髄ニューロンにおけるSNAP-25の切断を示す。培養ラット初代脊髄ニューロン(SCN)が、種々の濃度の組み換え体のBoNT/ABキメラ1、2、または3Aに24時間に渡って37℃で10%CO2の加湿雰囲気において暴露された。それから、細胞はDTTおよびベンゾナーゼを補われた1×NuPAGE緩衝液によってリシスされた。サンプルは微量遠心管に移され、5minに渡って90℃においてヒートブロック上で加熱され、ウエスタンブロットによるSNAP-25切断の分析前に-20℃で保存された。SNAP-25は、SNAP-25の全長および切断形態両方を検出するポリクローナル抗体(Sigma #S9684)を用いて検出された。抗ウサギHRP(Sigma #A6154)が二次抗体として用いられた。
図8図8はマウス指外転スコア付けアッセイを示す。マウスは短い全身麻酔下において1つの後肢の腓腹筋-ヒラメ筋複合体筋肉に注射された。筋力低下が指外転スコア(DAS)を用いて0~4スケールで測定された。DAS最大値が各用量について決定され、用量に対してプロットされ、データは4パラメータロジスティック方程式に当てはめられ、ED50およびDAS 4値に至る用量(DAS 4用量)が決定された。
図9図9は、精製された組み換え体のBoNT/ABキメラ3Bおよび3C(それぞれ配列番号14および15)のSDS-PAGEを示す。レーンは「マーカー」(分子量マーカー)、「-DTT」(酸化されたBoNT/ABキメラサンプル)、および「+DTT」(還元されたBoNT/ABキメラサンプル)と標識されている。
図10図10は、ヒト人工多能性幹細胞に由来する末梢ニューロン(PERI.4U-Axiogenesis、ドイツ)における未改変のBoNT/AならびにBoNT/ABキメラ3Bおよび3C(それぞれ配列番号2、14、および15)によるSNAP-25の切断を示す。PERI.4U細胞は、種々の濃度の組み換え体のBoNT/AまたはBoNT/ABキメラ3Bもしくは3Cに24時間に渡って37℃で5%CO2を含有する加湿CO2雰囲気において暴露された。それから、細胞はDTTおよびベンゾナーゼを補われた1×NuPAGE緩衝液によってリシスされた。サンプルは微量遠心管に移され、5minに渡って90℃においてヒートブロック上で加熱され、ウエスタンブロットによるSNAP-25切断の分析前に-20℃で保存された。SNAP-25は、SNAP-25の全長および切断形態両方を検出するポリクローナル抗体(Sigma #S9684)を用いて検出された。抗ウサギHRP(Sigma #A6154)が二次抗体として用いられた。
図11図11は、マウス指外転スコア付けアッセイにおける経時的な筋力低下の持続時間を示す。マウスは短い全身麻酔下において1つの後肢の腓腹筋-ヒラメ筋複合体筋肉に注射された。筋力低下が指外転スコア(DAS)を用いて0~4スケールで測定された。注射の最初の4日間に4のDASを誘導する最も低い用量を注射された群の動物は、0のDAS(観察される筋力低下なし)への筋力低下の完全な回復までモニタリングされた。
【0245】
配列表
【0246】
最初のMetアミノ酸残基または対応する開始コドンが次の配列番号のいずれかにおいて指示されているところでは、前記残基/コドンは随意である。
【0247】
配列番号1(未改変のBoNT/Aのヌクレオチド配列)
ATGCCATTCGTCAACAAGCAATTCAACTACAAAGACCCAGTCAACGGCGTCGACATCGCATACATCAAGATTCCGAACGCCGGTCAAATGCAGCCGGTTAAGGCTTTTAAGATCCACAACAAGATTTGGGTTATCCCGGAGCGTGACACCTTCACGAACCCGGAAGAAGGCGATCTGAACCCGCCACCGGAAGCGAAGCAAGTCCCTGTCAGCTACTACGATTCGACGTACCTGAGCACGGATAACGAAAAAGATAACTACCTGAAAGGTGTGACCAAGCTGTTCGAACGTATCTACAGCACGGATCTGGGTCGCATGCTGCTGACTAGCATTGTTCGCGGTATCCCGTTCTGGGGTGGTAGCACGATTGACACCGAACTGAAGGTTATCGACACTAACTGCATTAACGTTATTCAACCGGATGGTAGCTATCGTAGCGAAGAGCTGAATCTGGTCATCATTGGCCCGAGCGCAGACATTATCCAATTCGAGTGCAAGAGCTTTGGTCACGAGGTTCTGAATCTGACCCGCAATGGCTATGGTAGCACCCAGTACATTCGTTTTTCGCCGGATTTTACCTTCGGCTTTGAAGAGAGCCTGGAGGTTGATACCAATCCGTTGCTGGGTGCGGGCAAATTCGCTACCGATCCGGCTGTCACGCTGGCCCATGAACTGATCCACGCAGGCCACCGCCTGTACGGCATTGCCATCAACCCAAACCGTGTGTTCAAGGTTAATACGAATGCATACTACGAGATGAGCGGCCTGGAAGTCAGCTTCGAAGAACTGCGCACCTTCGGTGGCCATGACGCTAAATTCATTGACAGCTTGCAAGAGAATGAGTTCCGTCTGTACTACTATAACAAATTCAAAGACATTGCAAGCACGTTGAACAAGGCCAAAAGCATCGTTGGTACTACCGCGTCGTTGCAGTATATGAAGAATGTGTTTAAAGAGAAGTACCTGCTGTCCGAGGATACCTCCGGCAAGTTTAGCGTTGATAAGCTGAAGTTTGACAAACTGTACAAGATGCTGACCGAGATTTACACCGAGGACAACTTTGTGAAATTCTTCAAAGTGTTGAATCGTAAAACCTATCTGAATTTTGACAAAGCGGTTTTCAAGATTAACATCGTGCCGAAGGTGAACTACACCATCTATGACGGTTTTAACCTGCGTAACACCAACCTGGCGGCGAACTTTAACGGTCAGAATACGGAAATCAACAACATGAATTTCACGAAGTTGAAGAACTTCACGGGTCTGTTCGAGTTCTATAAGCTGCTGTGCGTGCGCGGTATCATCACCAGCAAAACCAAAAGCCTGGACAAAGGCTACAACAAGGCGCTGAATGACCTGTGCATTAAGGTAAACAATTGGGATCTGTTCTTTTCGCCATCCGAAGATAATTTTACCAACGACCTGAACAAGGGTGAAGAAATCACCAGCGATACGAATATTGAAGCAGCGGAAGAGAATATCAGCCTGGATCTGATCCAGCAGTACTATCTGACCTTTAACTTCGACAATGAACCGGAGAACATTAGCATTGAGAATCTGAGCAGCGACATTATCGGTCAGCTGGAACTGATGCCGAATATCGAACGTTTCCCGAACGGCAAAAAGTACGAGCTGGACAAGTACACTATGTTCCATTACCTGCGTGCACAGGAGTTTGAACACGGTAAAAGCCGTATCGCGCTGACCAACAGCGTTAACGAGGCCCTGCTGAACCCGAGCCGTGTCTATACCTTCTTCAGCAGCGACTATGTTAAGAAAGTGAACAAAGCCACTGAGGCCGCGATGTTCCTGGGCTGGGTGGAACAGCTGGTATATGACTTCACGGACGAGACGAGCGAAGTGAGCACTACCGACAAAATTGCTGATATTACCATCATTATCCCGTATATTGGTCCGGCACTGAACATTGGCAACATGCTGTACAAAGACGATTTTGTGGGTGCCCTGATCTTCTCCGGTGCCGTGATTCTGCTGGAGTTCATTCCGGAGATTGCGATCCCGGTGTTGGGTACCTTCGCGCTGGTGTCCTACATCGCGAATAAGGTTCTGACGGTTCAGACCATCGATAACGCGCTGTCGAAACGTAATGAAAAATGGGACGAGGTTTACAAATACATTGTTACGAATTGGCTGGCGAAAGTCAATACCCAGATCGACCTGATCCGTAAGAAAATGAAAGAGGCGCTGGAGAATCAGGCGGAGGCCACCAAAGCAATTATCAACTACCAATACAACCAGTACACGGAAGAAGAGAAGAATAACATTAACTTCAATATCGATGATTTGAGCAGCAAGCTGAATGAATCTATCAACAAAGCGATGATCAATATCAACAAGTTTTTGAATCAGTGTAGCGTTTCGTACCTGATGAATAGCATGATTCCGTATGGCGTCAAACGTCTGGAGGACTTCGACGCCAGCCTGAAAGATGCGTTGCTGAAATACATTTACGACAATCGTGGTACGCTGATTGGCCAAGTTGACCGCTTGAAAGACAAAGTTAACAATACCCTGAGCACCGACATCCCATTTCAACTGAGCAAGTATGTTGATAATCAACGTCTGTTGAGCACTTTCACCGAGTATATCAAAAACATCATCAATACTAGCATTCTGAACCTGCGTTACGAGAGCAATCATCTGATTGATCTGAGCCGTTATGCAAGCAAGATCAACATCGGTAGCAAGGTCAATTTTGACCCGATCGATAAGAACCAGATCCAGCTGTTTAATCTGGAATCGAGCAAAATTGAGGTTATCCTGAAAAACGCCATTGTCTACAACTCCATGTACGAGAATTTCTCCACCAGCTTCTGGATTCGCATCCCGAAATACTTCAACAGCATTAGCCTGAACAACGAGTATACTATCATCAACTGTATGGAGAACAACAGCGGTTGGAAGGTGTCTCTGAACTATGGTGAGATCATTTGGACCTTGCAGGACACCCAAGAGATCAAGCAGCGCGTCGTGTTCAAGTACTCTCAAATGATCAACATTTCCGATTACATTAATCGTTGGATCTTCGTGACCATTACGAATAACCGTCTGAATAACAGCAAGATTTACATCAATGGTCGCTTGATCGATCAGAAACCGATTAGCAACCTGGGTAATATCCACGCAAGCAACAACATTATGTTCAAATTGGACGGTTGCCGCGATACCCATCGTTATATCTGGATCAAGTATTTCAACCTGTTTGATAAAGAACTGAATGAGAAGGAGATCAAAGATTTGTATGACAACCAATCTAACAGCGGCATTTTGAAGGACTTCTGGGGCGATTATCTGCAATACGATAAGCCGTACTATATGCTGAACCTGTATGATCCGAACAAATATGTGGATGTCAATAATGTGGGTATTCGTGGTTACATGTATTTGAAGGGTCCGCGTGGCAGCGTTATGACGACCAACATTTACCTGAACTCTAGCCTGTACCGTGGTACGAAATTCATCATTAAGAAATATGCCAGCGGCAACAAAGATAACATTGTGCGTAATAACGATCGTGTCTACATCAACGTGGTCGTGAAGAATAAAGAGTACCGTCTGGCGACCAACGCTTCGCAGGCGGGTGTTGAGAAAATTCTGAGCGCGTTGGAGATCCCTGATGTCGGTAATCTGAGCCAAGTCGTGGTTATGAAGAGCAAGAACGACCAGGGTATCACTAACAAGTGCAAGATGAACCTGCAAGACAACAATGGTAACGACATCGGCTTTATTGGTTTCCACCAGTTCAACAATATTGCTAAACTGGTAGCGAGCAATTGGTACAATCGTCAGATTGAGCGCAGCAGCCGTACTTTGGGCTGTAGCTGGGAGTTTATCCCGGTCGATGATGGTTGGGGCGAACGTCCGCTG
配列番号2(未改変のBoNT/Aのポリペプチド配列)
MPFVNKQFNYKDPVNGVDIAYIKIPNAGQMQPVKAFKIHNKIWVIPERDTFTNPEEGDLNPPPEAKQVPVSYYDSTYLSTDNEKDNYLKGVTKLFERIYSTDLGRMLLTSIVRGIPFWGGSTIDTELKVIDTNCINVIQPDGSYRSEELNLVIIGPSADIIQFECKSFGHEVLNLTRNGYGSTQYIRFSPDFTFGFEESLEVDTNPLLGAGKFATDPAVTLAHELIHAGHRLYGIAINPNRVFKVNTNAYYEMSGLEVSFEELRTFGGHDAKFIDSLQENEFRLYYYNKFKDIASTLNKAKSIVGTTASLQYMKNVFKEKYLLSEDTSGKFSVDKLKFDKLYKMLTEIYTEDNFVKFFKVLNRKTYLNFDKAVFKINIVPKVNYTIYDGFNLRNTNLAANFNGQNTEINNMNFTKLKNFTGLFEFYKLLCVRGIITSKTKSLDKGYNKALNDLCIKVNNWDLFFSPSEDNFTNDLNKGEEITSDTNIEAAEENISLDLIQQYYLTFNFDNEPENISIENLSSDIIGQLELMPNIERFPNGKKYELDKYTMFHYLRAQEFEHGKSRIALTNSVNEALLNPSRVYTFFSSDYVKKVNKATEAAMFLGWVEQLVYDFTDETSEVSTTDKIADITIIIPYIGPALNIGNMLYKDDFVGALIFSGAVILLEFIPEIAIPVLGTFALVSYIANKVLTVQTIDNALSKRNEKWDEVYKYIVTNWLAKVNTQIDLIRKKMKEALENQAEATKAIINYQYNQYTEEEKNNINFNIDDLSSKLNESINKAMININKFLNQCSVSYLMNSMIPYGVKRLEDFDASLKDALLKYIYDNRGTLIGQVDRLKDKVNNTLSTDIPFQLSKYVDNQRLLSTFTEYIKNIINTSILNLRYESNHLIDLSRYASKINIGSKVNFDPIDKNQIQLFNLESSKIEVILKNAIVYNSMYENFSTSFWIRIPKYFNSISLNNEYTIINCMENNSGWKVSLNYGEIIWTLQDTQEIKQRVVFKYSQMINISDYINRWIFVTITNNRLNNSKIYINGRLIDQKPISNLGNIHASNNIMFKLDGCRDTHRYIWIKYFNLFDKELNEKEIKDLYDNQSNSGILKDFWGDYLQYDKPYYMLNLYDPNKYVDVNNVGIRGYMYLKGPRGSVMTTNIYLNSSLYRGTKFIIKKYASGNKDNIVRNNDRVYINVVVKNKEYRLATNASQAGVEKILSALEIPDVGNLSQVVVMKSKNDQGITNKCKMNLQDNNGNDIGFIGFHQFNNIAKLVASNWYNRQIERSSRTLGCSWEFIPVDDGWGERPL
配列番号3(改変BoNT/A「Cat-A」のヌクレオチド配列)
ATGCCATTCGTCAACAAGCAATTCAACTACAAAGACCCAGTCAACGGCGTCGACATCGCATACATCAAGATTCCGAACGCCGGTCAAATGCAGCCGGTTAAGGCTTTTAAGATCCACAACAAGATTTGGGTTATCCCGGAGCGTGACACCTTCACGAACCCGGAAGAAGGCGATCTGAACCCGCCACCGGAAGCGAAGCAAGTCCCTGTCAGCTACTACGATTCGACGTACCTGAGCACGGATAACGAAAAAGATAACTACCTGAAAGGTGTGACCAAGCTGTTCGAACGTATCTACAGCACGGATCTGGGTCGCATGCTGCTGACTAGCATTGTTCGCGGTATCCCGTTCTGGGGTGGTAGCACGATTGACACCGAACTGAAGGTTATCGACACTAACTGCATTAACGTTATTCAACCGGATGGTAGCTATCGTAGCGAAGAGCTGAATCTGGTCATCATTGGCCCGAGCGCAGACATTATCCAATTCGAGTGCAAGAGCTTTGGTCACGAGGTTCTGAATCTGACCCGCAATGGCTATGGTAGCACCCAGTACATTCGTTTTTCGCCGGATTTTACCTTCGGCTTTGAAGAGAGCCTGGAGGTTGATACCAATCCGTTGCTGGGTGCGGGCAAATTCGCTACCGATCCGGCTGTCACGCTGGCCCATGAACTGATCCACGCAGGCCACCGCCTGTACGGCATTGCCATCAACCCAAACCGTGTGTTCAAGGTTAATACGAATGCATACTACGAGATGAGCGGCCTGGAAGTCAGCTTCGAAGAACTGCGCACCTTCGGTGGCCATGACGCTAAATTCATTGACAGCTTGCAAGAGAATGAGTTCCGTCTGTACTACTATAACAAATTCAAAGACATTGCAAGCACGTTGAACAAGGCCAAAAGCATCGTTGGTACTACCGCGTCGTTGCAGTATATGAAGAATGTGTTTAAAGAGAAGTACCTGCTGTCCGAGGATACCTCCGGCAAGTTTAGCGTTGATAAGCTGAAGTTTGACAAACTGTACAAGATGCTGACCGAGATTTACACCGAGGACAACTTTGTGAAATTCTTCAAAGTGTTGAATCGTAAAACCTATCTGAATTTTGACAAAGCGGTTTTCAAGATTAACATCGTGCCGAAGGTGAACTACACCATCTATGACGGTTTTAACCTGCGTAACACCAACCTGGCGGCGAACTTTAACGGTCAGAATACGGAAATCAACAACATGAATTTCACGAAGTTGAAGAACTTCACGGGTCTGTTCGAGTTCTATAAGCTGCTGTGCGTGCGCGGTATCATCACCAGCAAAACCAAAAGCCTGGACAAAGGCTACAACAAGGCGCTGAATGACCTGTGCATTAAGGTAAACAATTGGGATCTGTTCTTTTCGCCATCCGAAGATAATTTTACCAACGACCTGAACAAGGGTGAAGAAATCACCAGCGATACGAATATTGAAGCAGCGGAAGAGAATATCAGCCTGGATCTGATCCAGCAGTACTATCTGACCTTTAACTTCGACAATGAACCGGAGAACATTAGCATTGAGAATCTGAGCAGCGACATTATCGGTCAGCTGGAACTGATGCCGAATATCGAACGTTTCCCGAACGGCAAAAAGTACGAGCTGGACAAGTACACTATGTTCCATTACCTGCGTGCACAGGAGTTTGAACACGGTAAAAGCCGTATCGCGCTGACCAACAGCGTTAACGAGGCCCTGCTGAACCCGAGCCGTGTCTATACCTTCTTCAGCAGCGACTATGTTAAGAAAGTGAACAAAGCCACTGAGGCCGCGATGTTCCTGGGCTGGGTGGAACAGCTGGTATATGACTTCACGGACGAGACGAGCGAAGTGAGCACTACCGACAAAATTGCTGATATTACCATCATTATCCCGTATATTGGTCCGGCACTGAACATTGGCAACATGCTGTACAAAGACGATTTTGTGGGTGCCCTGATCTTCTCCGGTGCCGTGATTCTGCTGGAGTTCATTCCGGAGATTGCGATCCCGGTGTTGGGTACCTTCGCGCTGGTGTCCTACATCGCGAATAAGGTTCTGACGGTTCAGACCATCGATAACGCGCTGTCGAAACGTAATGAAAAATGGGACGAGGTTTACAAATACATTGTTACGAATTGGCTGGCGAAAGTCAATACCCAGATCGACCTGATCCGTAAGAAAATGAAAGAGGCGCTGGAGAATCAGGCGGAGGCCACCAAAGCAATTATCAACTACCAATACAACCAGTACACGGAAGAAGAGAAGAATAACATTAACTTCAATATCGATGATTTGAGCAGCAAGCTGAATGAATCTATCAACAAAGCGATGATCAATATCAACAAGTTTTTGAATCAGTGTAGCGTTTCGTACCTGATGAATAGCATGATTCCGTATGGCGTCAAACGTCTGGAGGACTTCGACGCCAGCCTGAAAGATGCGTTGCTGAAATACATTTACGACAATCGTGGTACGCTGATTGGCCAAGTTGACCGCTTGAAAGACAAAGTTAACAATACCCTGAGCACCGACATCCCATTTCAACTGAGCAAGTATGTTGATAATCAACGTCTGTTGAGCACTTTCACCGAGTATATCAAAAACATCATCAATACTAGCATTCTGAACCTGCGTTACGAGAGCAAGCATCTGATTGATCTGAGCCGTTATGCTAGCAAGATCAACATCGGTAGCAAGGTCAATTTTGACCCGATCGATAAGAACCAGATCCAGCTGTTTAATCTGGAATCGAGCAAAATTGAGGTTATCCTGAAAAAGGCCATTGTCTACAACTCCATGTACGAGAATTTCTCCACCAGCTTCTGGATTCGCATCCCGAAATACTTCAACAAGATTAGCCTGAACAACGAGTATACTATCATCAACTGTATGGAGAACAACAGCGGTTGGAAGGTGTCTCTGAACTATGGTGAGATCATTTGGACCTTGCAGGACACCAAAGAGATCAAGCAGCGCGTCGTGTTCAAGTACTCTCAAATGATCAACATTTCCGATTACATTAATCGTTGGATCTTCGTGACCATTACGAATAACCGTCTGAATAAGAGCAAGATTTACATCAATGGTCGCTTGATCGATCAGAAACCGATTAGCAACCTGGGTAATATCCACGCAAGCAACAAGATTATGTTCAAATTGGACGGTTGCCGCGATACCCATCGTTATATCTGGATCAAGTATTTCAACCTGTTTGATAAAGAACTGAATGAGAAGGAGATCAAAGATTTGTATGACAACCAATCTAACAGCGGCATTTTGAAGGACTTCTGGGGCGATTATCTGCAATACGATAAGCCGTACTATATGCTGAACCTGTATGATCCGAACAAATATGTGGATGTCAATAATGTGGGTATTCGTGGTTACATGTATTTGAAGGGTCCGCGTGGCAGCGTTATGACGACCAACATTTACCTGAACTCTAGCCTGTACCGTGGTACGAAATTCATCATTAAGAAATATGCCAGCGGCAACAAAGATAACATTGTGCGTAATAACGATCGTGTCTACATCAACGTGGTCGTGAAGAATAAAGAGTACCGTCTGGCGACCAACGCTTCGCAGGCGGGTGTTGAGAAAATTCTGAGCGCGTTGGAGATCCCTGATGTCGGTAATCTGAGCCAAGTCGTGGTTATGAAGAGCAAGAACGACAAGGGTATCACTAACAAGTGCAAGATGAACCTGCAAGACAACAATGGTAACGACATCGGCTTTATTGGTTTCCACCAGTTCAACAATATTGCTAAACTGGTAGCGAGCAATTGGTACAATCGTCAGATTGAGCGCAGCAGCcGTACTTTGGGCTGTAGCTGGGAGTTTATCCCGGTCGATGATGGTTGGGGCGAACGTCCGCTG
配列番号4(改変BoNT/A「Cat-A」のポリペプチド配列)
MPFVNKQFNYKDPVNGVDIAYIKIPNAGQMQPVKAFKIHNKIWVIPERDTFTNPEEGDLNPPPEAKQVPVSYYDSTYLSTDNEKDNYLKGVTKLFERIYSTDLGRMLLTSIVRGIPFWGGSTIDTELKVIDTNCINVIQPDGSYRSEELNLVIIGPSADIIQFECKSFGHEVLNLTRNGYGSTQYIRFSPDFTFGFEESLEVDTNPLLGAGKFATDPAVTLAHELIHAGHRLYGIAINPNRVFKVNTNAYYEMSGLEVSFEELRTFGGHDAKFIDSLQENEFRLYYYNKFKDIASTLNKAKSIVGTTASLQYMKNVFKEKYLLSEDTSGKFSVDKLKFDKLYKMLTEIYTEDNFVKFFKVLNRKTYLNFDKAVFKINIVPKVNYTIYDGFNLRNTNLAANFNGQNTEINNMNFTKLKNFTGLFEFYKLLCVRGIITSKTKSLDKGYNKALNDLCIKVNNWDLFFSPSEDNFTNDLNKGEEITSDTNIEAAEENISLDLIQQYYLTFNFDNEPENISIENLSSDIIGQLELMPNIERFPNGKKYELDKYTMFHYLRAQEFEHGKSRIALTNSVNEALLNPSRVYTFFSSDYVKKVNKATEAAMFLGWVEQLVYDFTDETSEVSTTDKIADITIIIPYIGPALNIGNMLYKDDFVGALIFSGAVILLEFIPEIAIPVLGTFALVSYIANKVLTVQTIDNALSKRNEKWDEVYKYIVTNWLAKVNTQIDLIRKKMKEALENQAEATKAIINYQYNQYTEEEKNNINFNIDDLSSKLNESINKAMININKFLNQCSVSYLMNSMIPYGVKRLEDFDASLKDALLKYIYDNRGTLIGQVDRLKDKVNNTLSTDIPFQLSKYVDNQRLLSTFTEYIKNIINTSILNLRYESKHLIDLSRYASKINIGSKVNFDPIDKNQIQLFNLESSKIEVILKKAIVYNSMYENFSTSFWIRIPKYFNKISLNNEYTIINCMENNSGWKVSLNYGEIIWTLQDTKEIKQRVVFKYSQMINISDYINRWIFVTITNNRLNKSKIYINGRLIDQKPISNLGNIHASNKIMFKLDGCRDTHRYIWIKYFNLFDKELNEKEIKDLYDNQSNSGILKDFWGDYLQYDKPYYMLNLYDPNKYVDVNNVGIRGYMYLKGPRGSVMTTNIYLNSSLYRGTKFIIKKYASGNKDNIVRNNDRVYINVVVKNKEYRLATNASQAGVEKILSALEIPDVGNLSQVVVMKSKNDKGITNKCKMNLQDNNGNDIGFIGFHQFNNIAKLVASNWYNRQIERSSRTLGCSWEFIPVDDGWGERPL
配列番号5(改変BoNT/A「Cat-B」のヌクレオチド配列)
ATGCCATTCGTCAACAAGCAATTCAACTACAAAGACCCAGTCAACGGCGTCGACATCGCATACATCAAGATTCCGAACGCCGGTCAAATGCAGCCGGTTAAGGCTTTTAAGATCCACAACAAGATTTGGGTTATCCCGGAGCGTGACACCTTCACGAACCCGGAAGAAGGCGATCTGAACCCGCCACCGGAAGCGAAGCAAGTCCCTGTCAGCTACTACGATTCGACGTACCTGAGCACGGATAACGAAAAAGATAACTACCTGAAAGGTGTGACCAAGCTGTTCGAACGTATCTACAGCACGGATCTGGGTCGCATGCTGCTGACTAGCATTGTTCGCGGTATCCCGTTCTGGGGTGGTAGCACGATTGACACCGAACTGAAGGTTATCGACACTAACTGCATTAACGTTATTCAACCGGATGGTAGCTATCGTAGCGAAGAGCTGAATCTGGTCATCATTGGCCCGAGCGCAGACATTATCCAATTCGAGTGCAAGAGCTTTGGTCACGAGGTTCTGAATCTGACCCGCAATGGCTATGGTAGCACCCAGTACATTCGTTTTTCGCCGGATTTTACCTTCGGCTTTGAAGAGAGCCTGGAGGTTGATACCAATCCGTTGCTGGGTGCGGGCAAATTCGCTACCGATCCGGCTGTCACGCTGGCCCATGAACTGATCCACGCAGGCCACCGCCTGTACGGCATTGCCATCAACCCAAACCGTGTGTTCAAGGTTAATACGAATGCATACTACGAGATGAGCGGCCTGGAAGTCAGCTTCGAAGAACTGCGCACCTTCGGTGGCCATGACGCTAAATTCATTGACAGCTTGCAAGAGAATGAGTTCCGTCTGTACTACTATAACAAATTCAAAGACATTGCAAGCACGTTGAACAAGGCCAAAAGCATCGTTGGTACTACCGCGTCGTTGCAGTATATGAAGAATGTGTTTAAAGAGAAGTACCTGCTGTCCGAGGATACCTCCGGCAAGTTTAGCGTTGATAAGCTGAAGTTTGACAAACTGTACaAGATGCTGACCGAGATTTACACCGAGGACAACTTTGTGAAATTCTTCAAAGTGTTGAATCGTAAAACCTATCTGAATTTTGACAAAGCGGTTTTCAAGATTAACATCGTGCCGAAGGTGAACTACACCATCTATGACGGTTTTAACCTGCGTAACACCAACCTGGCGGCGAACTTTAACGGTCAGAATACGGAAATCAACAACATGAATTTCACGAAGTTGAAGAACTTCACGGGTCTGTTCGAGTTCTATAAGCTGCTGTGCGTGCGCGGTATCATCACCAGCAAAACCAAAAGCCTGGACAAAGGCTACAACAAGGCGCTGAATGACCTGTGCATTAAGGTAAACAATTGGGATCTGTTCTTTTCGCCATCCGAAGATAATTTTACCAACGACCTGAACAAGGGTGAAGAAATCACCAGCGATACGAATATTGAAGCAGCGGAAGAGAATATCAGCCTGGATCTGATCCAGCAGTACTATCTGACCTTTAACTTCGACAATGAACCGGAGAACATTAGCATTGAGAATCTGAGCAGCGACATTATCGGTCAGCTGGAACTGATGCCGAATATCGAACGTTTCCCGAACGGCAAAAAGTACGAGCTGGACAAGTACACTATGTTCCATTACCTGCGTGCACAGGAGTTTGAACACGGTAAAAGCCGTATCGCGCTGACCAACAGCGTTAACGAGGCCCTGCTGAACCCGAGCCGTGTCTATACCTTCTTCAGCAGCGACTATGTTAAGAAAGTGAACAAAGCCACTGAGGCCGCGATGTTCCTGGGCTGGGTGGAACAGCTGGTATATGACTTCACGGACGAGACGAGCGAAGTGAGCACTACCGACAAAATTGCTGATATTACCATCATTATCCCGTATATTGGTCCGGCACTGAACATTGGCAACATGCTGTACAAAGACGATTTTGTGGGTGCCCTGATCTTCTCCGGTGCCGTGATTCTGCTGGAGTTCATTCCGGAGATTGCGATCCCGGTGTTGGGTACCTTCGCGCTGGTGTCCTACATCGCGAATAAGGTTCTGACGGTTCAGACCATCGATAACGCGCTGTCGAAACGTAATGAAAAATGGGACGAGGTTTACAAATACATTGTTACGAATTGGCTGGCGAAAGTCAATACCCAGATCGACCTGATCCGTAAGAAAATGAAAGAGGCGCTGGAGAATCAGGCGGAGGCCACCAAAGCAATTATCAACTACCAATACAACCAGTACACGGAAGAAGAGAAGAATAACATTAACTTCAATATCGATGATTTGAGCAGCAAGCTGAATGAATCTATCAACAAAGCGATGATCAATATCAACAAGTTTTTGAATCAGTGTAGCGTTTCGTACCTGATGAATAGCATGATTCCGTATGGCGTCAAACGTCTGGAGGACTTCGACGCCAGCCTGAAAGATGCGTTGCTGAAATACATTTACGACAaTCGTGGTACGCTGATTGGCCAAGTTGACCGCTTGAAAGACAAAGTTAACAATACCCTGAGCACCGACATCCCATTTCAACTGAGCAAGTATGTTGATAATCAACGTCTGTTGAGCACTTTCACCGAGTATATCAAAAACATCATCAATACTAGCATTCTGAACCTGCGTTACGAGAGCAATCATCTGATTGATCTGAGCCGTTATGCTAGCAAGATCAACATCGGTAGCAAGGTCAATTTTGACCCGATCGATAAGAACCAGATCCAGCTGTTTAATCTGGAATCGAGCAAAATTGAGGTTATCCTGAAAAAGGCCATTGTCTACAACTCCATGTACGAGAATTTCTCCACCAGCTTCTGGATTCGCATCCCGAAATACTTCAAGAAGATTAGCCTGAACAACGAGTATACTATCATCAACTGTATGGAGAACAACAGCGGTTGGAAGGTGTCTCTGAACTATGGTGAGATCATTTGGACCTTGCAGGACACCAAAGAGATCAAGCAGCGCGTCGTGTTCAAGTACTCTCAAATGATCAACATTTCCGATTACATTAATCGTTGGATCTTCGTGACCATTACGAATAACCGTCTGAATAAGAGCAAGATTTACATCAATGGTCGCTTGATCGATCAGAAACCGATTAGCAACCTGGGTAATATCCACGCAAGCAACAAGATTATGTTCAAATTGGACGGTTGCCGCGATACCCATCGTTATATCTGGATCAAGTATTTCAACCTGTTTGATAAAGAACTGAATGAGAAGGAGATCAAAGATTTGTATGACAACCAATCTAACAGCGGCATTTTGAAGGACTTCTGGGGCGATTATCTGCAATACGATAAGCCGTACTATATGCTGAACCTGTATGATCCGAACAAATATGTGGATGTCAATAATGTGGGTATTCGTGGTTACATGTATTTGAAGGGTCCGCGTGGCAGCGTTATGACGACCAACATTTACCTGAACTCTAGCCTGTACCGTGGTACGAAATTCATCATTAAGAAATATGCCAGCGGCAACAAAGATAACATTGTGCGTAATAACGATCGTGTCTACATCAACGTGGTCGTGAAGAATAAAGAGTACCGTCTGGCGACCAACGCTTCGCAGGCGGGTGTTGAGAAAATTCTGAGCGCGTTGGAGATCCCTGATGTCGGTAATCTGAGCCAAGTCGTGGTTATGAAGAGCAAGAACGACAAGGGTATCACTAACAAGTGCAAGATGAACCTGCAAGACAACAATGGTAACGACATCGGCTTTATTGGTTTCCACCAGTTCAACAATATTGCTAAACTGGTAGCGAGCAATTGGTACAATCGTCAGATTGAGCGCAGCAGCCGTACTTTGGGCTGTAGCTGGGAGTTTATCCCGGTCGATGATGGTTGGGGCGAACGTCCGCTG
配列番号6(改変BoNT/A「Cat-B」のポリペプチド配列)
MPFVNKQFNYKDPVNGVDIAYIKIPNAGQMQPVKAFKIHNKIWVIPERDTFTNPEEGDLNPPPEAKQVPVSYYDSTYLSTDNEKDNYLKGVTKLFERIYSTDLGRMLLTSIVRGIPFWGGSTIDTELKVIDTNCINVIQPDGSYRSEELNLVIIGPSADIIQFECKSFGHEVLNLTRNGYGSTQYIRFSPDFTFGFEESLEVDTNPLLGAGKFATDPAVTLAHELIHAGHRLYGIAINPNRVFKVNTNAYYEMSGLEVSFEELRTFGGHDAKFIDSLQENEFRLYYYNKFKDIASTLNKAKSIVGTTASLQYMKNVFKEKYLLSEDTSGKFSVDKLKFDKLYKMLTEIYTEDNFVKFFKVLNRKTYLNFDKAVFKINIVPKVNYTIYDGFNLRNTNLAANFNGQNTEINNMNFTKLKNFTGLFEFYKLLCVRGIITSKTKSLDKGYNKALNDLCIKVNNWDLFFSPSEDNFTNDLNKGEEITSDTNIEAAEENISLDLIQQYYLTFNFDNEPENISIENLSSDIIGQLELMPNIERFPNGKKYELDKYTMFHYLRAQEFEHGKSRIALTNSVNEALLNPSRVYTFFSSDYVKKVNKATEAAMFLGWVEQLVYDFTDETSEVSTTDKIADITIIIPYIGPALNIGNMLYKDDFVGALIFSGAVILLEFIPEIAIPVLGTFALVSYIANKVLTVQTIDNALSKRNEKWDEVYKYIVTNWLAKVNTQIDLIRKKMKEALENQAEATKAIINYQYNQYTEEEKNNINFNIDDLSSKLNESINKAMININKFLNQCSVSYLMNSMIPYGVKRLEDFDASLKDALLKYIYDNRGTLIGQVDRLKDKVNNTLSTDIPFQLSKYVDNQRLLSTFTEYIKNIINTSILNLRYESNHLIDLSRYASKINIGSKVNFDPIDKNQIQLFNLESSKIEVILKKAIVYNSMYENFSTSFWIRIPKYFKKISLNNEYTIINCMENNSGWKVSLNYGEIIWTLQDTKEIKQRVVFKYSQMINISDYINRWIFVTITNNRLNKSKIYINGRLIDQKPISNLGNIHASNKIMFKLDGCRDTHRYIWIKYFNLFDKELNEKEIKDLYDNQSNSGILKDFWGDYLQYDKPYYMLNLYDPNKYVDVNNVGIRGYMYLKGPRGSVMTTNIYLNSSLYRGTKFIIKKYASGNKDNIVRNNDRVYINVVVKNKEYRLATNASQAGVEKILSALEIPDVGNLSQVVVMKSKNDKGITNKCKMNLQDNNGNDIGFIGFHQFNNIAKLVASNWYNRQIERSSRTLGCSWEFIPVDDGWGERPL
配列番号7(改変BoNT/A「Cat-C」のヌクレオチド配列)
ATGCCATTCGTCAACAAGCAATTCAACTACAAAGACCCAGTCAACGGCGTCGACATCGCATACATCAAGATTCCGAACGCCGGTCAAATGCAGCCGGTTAAGGCTTTTAAGATCCACAACAAGATTTGGGTTATCCCGGAGCGTGACACCTTCACGAACCCGGAAGAAGGCGATCTGAACCCGCCACCGGAAGCGAAGCAAGTCCCTGTCAGCTACTACGATTCGACGTACCTGAGCACGGATAACGAAAAAGATAACTACCTGAAAGGTGTGACCAAGCTGTTCGAACGTATCTACAGCACGGATCTGGGTCGCATGCTGCTGACTAGCATTGTTCGCGGTATCCCGTTCTGGGGTGGTAGCACGATTGACACCGAACTGAAGGTTATCGACACTAACTGCATTAACGTTATTCAACCGGATGGTAGCTATCGTAGCGAAGAGCTGAATCTGGTCATCATTGGCCCGAGCGCAGACATTATCCAATTCGAGTGCAAGAGCTTTGGTCACGAGGTTCTGAATCTGACCCGCAATGGCTATGGTAGCACCCAGTACATTCGTTTTTCGCCGGATTTTACCTTCGGCTTTGAAGAGAGCCTGGAGGTTGATACCAATCCGTTGCTGGGTGCGGGCAAATTCGCTACCGATCCGGCTGTCACGCTGGCCCATGAACTGATCCACGCAGGCCACCGCCTGTACGGCATTGCCATCAACCCAAACCGTGTGTTCAAGGTTAATACGAATGCATACTACGAGATGAGCGGCCTGGAAGTCAGCTTCGAAGAACTGCGCACCTTCGGTGGCCATGACGCTAAATTCATTGACAGCTTGCAAGAGAATGAGTTCCGTCTGTACTACTATAACAAATTCAAAGACATTGCAAGCACGTTGAACAAGGCCAAAAGCATCGTTGGTACTACCGCGTCGTTGCAGTATATGAAGAATGTGTTTAAAGAGAAGTACCTGCTGTCCGAGGATACCTCCGGCAAGTTTAGCGTTGATAAGCTGAAGTTTGACAAACTGTACAAGATGCTGACCGAGATTTACACCGAGGACAACTTTGTGAAATTCTTCAAAGTGTTGAATCGTAAAACCTATCTGAATTTTGACAAAGCGGTTTTCAAGATTAACATCGTGCCGAAGGTGAACTACACCATCTATGACGGTTTTAACCTGCGTAACACCAACCTGGCGGCGAACTTTAACGGTCAGAATACGGAAATCAACAACATGAATTTCACGAAGTTGAAGAACTTCACGGGTCTGTTCGAGTTCTATAAGCTGCTGTGCGTGCGCGGTATCATCACCAGCAAAACCAAAAGCCTGGACAAAGGCTACAACAAGGCGCTGAATGACCTGTGCATTAAGGTAAACAATTGGGATCTGTTCTTTTCGCCATCCGAAGATAATTTTACCAACGACCTGAACAAGGGTGAAGAAATCACCAGCGATACGAATATTGAAGCAGCGGAAGAGAATATCAGCCTGGATCTGATCCAGCAGTACTATCTGACCTTTAACTTCGACAATGAACCGGAGAACATTAGCATTGAGAATCTGAGCAGCGACATTATCGGTCAGCTGGAACTGATGCCGAATATCGAACGTTTCCCGAACGGCAAAAAGTACGAGCTGGACAAGTACACTATGTTCCATTACCTGCGTGCACAGGAGTTTGAACACGGTAAAAGCCGTATCGCGCTGACCAACAGCGTTAACGAGGCCCTGCTGAACCCGAGCCGTGTCTATACCTTCTTCAGCAGCGACTATGTTAAGAAAGTGAACAAAGCCACTGAGGCCGCGATGTTCCTGGGCTGGGTGGAACAGCTGGTATATGACTTCACGGACGAGACGAGCGAAGTGAGCACTACCGACAAAATTGCTGATATTACCATCATTATCCCGTATATTGGTCCGGCACTGAACATTGGCAACATGCTGTACAAAGACGATTTTGTGGGTGCCCTGATCTTCTCCGGTGCCGTGATTCTGCTGGAGTTCATTCCGGAGATTGCGATCCCGGTGTTGGGTACCTTCGCGCTGGTGTCCTACATCGCGAATAAGGTTCTGACGGTTCAGACCATCGATAACGCGCTGTCGAAACGTAATGAAAAATGGGACGAGGTTTACAAATACATTGTTACGAATTGGCTGGCGAAAGTCAATACCCAGATCGACCTGATCCGTAAGAAAATGAAAGAGGCGCTGGAGAATCAGGCGGAGGCCACCAAAGCAATTATCAACTACCAATACAACCAGTACACGGAAGAAGAGAAGAATAACATTAACTTCAATATCGATGATTTGAGCAGCAAGCTGAATGAATCTATCAACAAAGCGATGATCAATATCAACAAGTTTTTGAATCAGTGTAGCGTTTCGTACCTGATGAATAGCATGATTCCGTATGGCGTCAAACGTCTGGAGGACTTCGACGCCAGCCTGAAAGATGCGTTGCTGAAATACATTTACGACAATCGTGGTACGCTGATTGGCCAAGTTGACCGCTTGAAAGACAAAGTTAACAATACCCTGAGCACCGACATCCCATTTCAACTGAGCAAGTATGTTGATAATCAACGTCTGTTGAGCACTTTCACCGAGTATATCAAAAACATCATCAATACTAGCATTCTGAACCTGCGTTACGAGAGCAATCATCTGATTGATCTGAGCCGTTATGCTAGCAAGATCAACATCGGTAGCAAGGTCAATTTTGACCCGATCGATAAGAACCAGATCCAGCTGTTTAATCTGGAATCGAGCAAAATTGAGGTTATCCTGAAAAAGGCCATTGTCTACAACTCCATGTACGAGAATTTCTCCACCAGCTTCTGGATTCGCATCCCGAAATACTTCAACAAGATTAGCCTGAACAACGAGTATACTATCATCAACTGTATGGAGAACAACAGCGGTTGGAAGGTGTCTCTGAACTATGGTGAGATCATTTGGACCTTGCAGGACACCAAAGAGATCAAGCAGCGCGTCGTGTTCAAGTACTCTCAAATGATCAACATTTCCGATTACATTAATCGTTGGATCTTCGTGACCATTACGAATAACCGTCTGAAGAAGAGCAAGATTTACATCAATGGTCGCTTGATCGATCAGAAACCGATTAGCAACCTGGGTAATATCCACGCAAGCAACAAGATTATGTTCAAATTGGACGGTTGCCGCGATACCCATCGTTATATCTGGATCAAGTATTTCAACCTGTTTGATAAAGAACTGAATGAGAAGGAGATCAAAGATTTGTATGACAACCAATCTAACAGCGGCATTTTGAAGGACTTCTGGGGCGATTATCTGCAATACGATAAGCCGTACTATATGCTGAACCTGTATGATCCGAACAAATATGTGGATGTCAATAATGTGGGTATTCGTGGTTACATGTATTTGAAGGGTCCGCGTGGCAGCGTTATGACGACCAACATTTACCTGAACTCTAGCCTGTACCGTGGTACGAAATTCATCATTAAGAAATATGCCAGCGGCAACAAAGATAACATTGTGCGTAATAACGATCGTGTCTACATCAACGTGGTCGTGAAGAATAAAGAGTACCGTCTGGCGACCAACGCTTCGCAGGCGGGTGTTGAGAAAATTCTGAGCGCGTTGGAGATCCCTGATGTCGGTAATCTGAGCCAAGTCGTGGTTATGAAGAGCAAGAACGACAAGGGTATCACTAACAAGTGCAAGATGAACCTGCAAGACAACAATGGTAACGACATCGGCTTTATTGGTTTCCACCAGTTCAACAATATTGCTAAACTGGTAGCGAGCAATTGGTACAATCGTCAGATTGAGCGCAGCAGCCGTACTTTGGGCTGTAGCTGGGAGTTTATCCCGGTCGATGATGGTTGGGGCGAACGTCCGCTG
配列番号8(改変BoNT/A「Cat-C」のポリペプチド配列)
MPFVNKQFNYKDPVNGVDIAYIKIPNAGQMQPVKAFKIHNKIWVIPERDTFTNPEEGDLNPPPEAKQVPVSYYDSTYLSTDNEKDNYLKGVTKLFERIYSTDLGRMLLTSIVRGIPFWGGSTIDTELKVIDTNCINVIQPDGSYRSEELNLVIIGPSADIIQFECKSFGHEVLNLTRNGYGSTQYIRFSPDFTFGFEESLEVDTNPLLGAGKFATDPAVTLAHELIHAGHRLYGIAINPNRVFKVNTNAYYEMSGLEVSFEELRTFGGHDAKFIDSLQENEFRLYYYNKFKDIASTLNKAKSIVGTTASLQYMKNVFKEKYLLSEDTSGKFSVDKLKFDKLYKMLTEIYTEDNFVKFFKVLNRKTYLNFDKAVFKINIVPKVNYTIYDGFNLRNTNLAANFNGQNTEINNMNFTKLKNFTGLFEFYKLLCVRGIITSKTKSLDKGYNKALNDLCIKVNNWDLFFSPSEDNFTNDLNKGEEITSDTNIEAAEENISLDLIQQYYLTFNFDNEPENISIENLSSDIIGQLELMPNIERFPNGKKYELDKYTMFHYLRAQEFEHGKSRIALTNSVNEALLNPSRVYTFFSSDYVKKVNKATEAAMFLGWVEQLVYDFTDETSEVSTTDKIADITIIIPYIGPALNIGNMLYKDDFVGALIFSGAVILLEFIPEIAIPVLGTFALVSYIANKVLTVQTIDNALSKRNEKWDEVYKYIVTNWLAKVNTQIDLIRKKMKEALENQAEATKAIINYQYNQYTEEEKNNINFNIDDLSSKLNESINKAMININKFLNQCSVSYLMNSMIPYGVKRLEDFDASLKDALLKYIYDNRGTLIGQVDRLKDKVNNTLSTDIPFQLSKYVDNQRLLSTFTEYIKNIINTSILNLRYESNHLIDLSRYASKINIGSKVNFDPIDKNQIQLFNLESSKIEVILKKAIVYNSMYENFSTSFWIRIPKYFNKISLNNEYTIINCMENNSGWKVSLNYGEIIWTLQDTKEIKQRVVFKYSQMINISDYINRWIFVTITNNRLKKSKIYINGRLIDQKPISNLGNIHASNKIMFKLDGCRDTHRYIWIKYFNLFDKELNEKEIKDLYDNQSNSGILKDFWGDYLQYDKPYYMLNLYDPNKYVDVNNVGIRGYMYLKGPRGSVMTTNIYLNSSLYRGTKFIIKKYASGNKDNIVRNNDRVYINVVVKNKEYRLATNASQAGVEKILSALEIPDVGNLSQVVVMKSKNDKGITNKCKMNLQDNNGNDIGFIGFHQFNNIAKLVASNWYNRQIERSSRTLGCSWEFIPVDDGWGERPL
配列番号9(改変BoNT/A「Cat-D」のヌクレオチド配列)
ATGCCATTCGTCAACAAGCAATTCAACTACAAAGACCCAGTCAACGGCGTCGACATCGCATACATCAAGATTCCGAACGCCGGTCAAATGCAGCCGGTTAAGGCTTTTAAGATCCACAACAAGATTTGGGTTATCCCGGAGCGTGACACCTTCACGAACCCGGAAGAAGGCGATCTGAACCCGCCACCGGAAGCGAAGCAAGTCCCTGTCAGCTACTACGATTCGACGTACCTGAGCACGGATAACGAAAAAGATAACTACCTGAAAGGTGTGACCAAGCTGTTCGAACGTATCTACAGCACGGATCTGGGTCGCATGCTGCTGACTAGCATTGTTCGCGGTATCCCGTTCTGGGGTGGTAGCACGATTGACACCGAACTGAAGGTTATCGACACTAACTGCATTAACGTTATTCAACCGGATGGTAGCTATCGTAGCGAAGAGCTGAATCTGGTCATCATTGGCCCGAGCGCAGACATTATCCAATTCGAGTGCAAGAGCTTTGGTCACGAGGTTCTGAATCTGACCCGCAATGGCTATGGTAGCACCCAGTACATTCGTTTTTCGCCGGATTTTACCTTCGGCTTTGAAGAGAGCCTGGAGGTTGATACCAATCCGTTGCTGGGTGCGGGCAAATTCGCTACCGATCCGGCTGTCACGCTGGCCCATGAACTGATCCACGCAGGCCACCGCCTGTACGGCATTGCCATCAACCCAAACCGTGTGTTCAAGGTTAATACGAATGCATACTACGAGATGAGCGGCCTgGAAGTCAGCTTCGAAGAACTGCGCACCTTCGGTGGCCATGACGCTAAATTCATTGACAGCTTGCAAGAGAATGAGTTCCGTCTGTACTACTATAACAAATTCAAAGACATTGCAAGCACGTTGAACAAGGCCAAAAGCATCGTTGGTACTACCGCGTCGTTGCAGTATATGAAGAATGTGTTTAAAGAGAAGTACCTGCTGTCCGAGGATACCTCCGGCAAGTTTAGCGTTGATAAGCTGAAGTTTGACAAACTGTACAAGATGCTGACCGAGATTTACACCGAGGACAACTTTGTGAAATTCTTCAAaGTGTTGAATCGTAAAACCTATCTGAATTTTGACAAAGCGGTTTTCaAGATTAACATCGTGCCGAAGGTGAACTACACCATCTATGACGGTTTTAACCTGCGTAACACCAACCTGGCGGCGAACTTTAACGGTCAGAATACGGAAATCAACAACATGAATTTCACGAAGTTGAAGAACTTCACGGGTCTGTTCGAGTTCTATAAGCTGCTGTGCGTGCGCGGTATCATCACCAGCAAAACCAAAAGCCTGGACAAAGGCTACAACAAGGCGCTGAATGACCTGTGCATTAAGGTAAACAATTGGGATCTGTTCTTTTCGCCATCCGAAGATAATTTTACCAACGACCTGAACAAGGGTGAAGAAATCACCAGCGATACGAATATTGAAGCAGCGGAAGAGAATATCAGCCTGGATCTGATCCAGCAGTACTATCTGACCTTTAACTTCGACAATGAACCGGAGAACATTAGCATTGAGAATCTGAGCAGCGACATTATCGGTCAGCTGGAACTGATGCCGAATATCGAACGTTTCCCGAACGGCAAAAAGTACGAGCTGGACAAGTACACTATGTTCCATTACCTGCGTGCACAGGAGTTTGAACACGGTAAAAGCCGTATCGCGCTGACCAACAGCGTTAACGAGGCCCTGCTGAACCCGAGCCGTGTCTATACCTTCTTCAGCAGCGACTATGTTAAGAAAGTGAACAAAGCCACTGAGGCCGCGATGTTCCTGGGCTGGGTGGAACAGCTGGTATATGACTTCACGGACGAGACGAGCGAAGTGAGCACTACCGACAAAaTTGCTGATaTTACCATCATTATCCCGTATATTGGTCCGGCACTGAACATTGGCAACATGCTGTACAAAGACGATTTTGTGGGTGCCCTGATCTTCTCCGGTGCCGTGATTCTGCTGGAGTTCATTCCGGAGATTGCGATCCCGGTGTTGGGTACCTTCGCGCTGGTGTCCTACATCGCGAATAAGGTTCTGACGGTTCAGACCATCGATAACGCGCTGTCGAAACGTAATGAAAAATGGGACGAGGTTTACAAATACATTGTTACGAATTGGCTGGCGAAAGTCaATACCCAGATCGACCTGATCCGTAAGAAAATGAAAGAGGCGCTGGAGAATCAGGCGGAGGCCACCAAAGCAATTATCAACTACCAATACAACCAGTACACGGAAGAAGAGAAGAATAACATTAACTTCAATATCGATGATTTGAGCAGCAAGCTGAATGAATCTATCAACAAAGCGATGATCAATATCAACAAGTTTTTGAATCAGTGTAGCGTTTCGTACCTGATGAATAGCATGATTCCGTATGGCGTCAAACGTCTGGAGGACTTCGACGCCAGCCTGAAAGATGCGTTGCTGAAATACATTTACGACAATCGTGGTACGCTGATTGGCCAAGTTGACCGCTTGAAAGACAAAGTTAACAATACCCTGAGCACCGACATCCCATTTCAACTGAGCAAGTATGTTGATAATCAACGTCTGTTGAGCACTTTCACCGAGTATATCAAAAACATCATCAATACTAGCATTCTGAACCTGCGTTACGAGAGCAATCATCTGATtGATCTGAGCCGTTATGCAAGCAAGATCAACATCGGTAGCAAGGTCAATTTTGACCCGATCGATAAGAACCAGATCCAGCTGTTTAATCTGGAATCGAGCAAAATTGAGGTTATCCTGAAAAACGCCATTGTCTACAACTCCATGTACGAGAATTTCTCCACCAGCTTCTGGATTCGCATCCCGAAATACTTCAACAGCATTAGCCTGAACAACGAGTATACTATCATCAACTGTATGGAGAACAACAGCGGTTGGAAGGTGTCTCTGAACTATGGTGAGATCATTTGGACCTTGCAGGACACCCAAGAGATCAAGCAGCGCGTCGTGTTCAAGTACTCTCAAATGATCAACATTTCCGATTACATTAATCGTTGGATCTTCGTGACCATTACGAATAACCGTCTGAATAACAGCAAGATTTACATCAATGGTCGCTTGATCGATCAGAAACCGATTAGCAACCTGGGTAATATCCACGCAAGCAACAACATTATGTTCAAATTGGACGGTTGCCGCGATACCCATCGTTATATCTGGATCAAGTATTTCAACCTGTTTGATAAAGAACTGAATGAGAAGGAGATCAAAGATTTGTATGACAACCAATCTAACAGCGGCATTTTGAAGGACTTCTGGGGCGATTATCTGCAATACGATAAGCCGTACTATATGCTGAACCTGTATGATCCGAACAAATATGTGGATGTCAATAATGTGGGTATTCGTGGTTACATGTATTTGAAGGGTCCGCGTGGCAGCGTTATGACGACCAACATTTACCTGAACTCTAGCCTGTACCGTGGTACGAAATTCATCATTAAGAAATATGCCAGCGGCAACAAAGATAACATTGTGCGTAATAACGATCGTGTCTACATCAACGTGGTCGTGAAGCGTAAAGAGTACCGTCTGGCGACCAACGCTTCGCAGGCGGGTGTTGAGAAAATTCTGAGCGCGTTGGAGATCCCTCGTGTCCGTCGTCTGAGCCAAGTCGTGGTTATGAAGAGCAAGAACGACCAGGGTATCACTAACAAGTGCAAGATGAACCTGCAAGACCGTCGTGGTAACGACATCGGCTTTATTGGTTTCCACCAGTTCAACAATATTGCTAAACTGGTAGCGAGCAATTGGTACAATCGTCAGATTGAGCGCCGTAGCCGTCGTTTGGGCTGTAGCTGGGAGTTTATCCCGGTCGATGATGGTTGGGGCGAACGTCCGCTG
配列番号10(改変BoNT/A「Cat-D」のポリペプチド配列)
MPFVNKQFNYKDPVNGVDIAYIKIPNAGQMQPVKAFKIHNKIWVIPERDTFTNPEEGDLNPPPEAKQVPVSYYDSTYLSTDNEKDNYLKGVTKLFERIYSTDLGRMLLTSIVRGIPFWGGSTIDTELKVIDTNCINVIQPDGSYRSEELNLVIIGPSADIIQFECKSFGHEVLNLTRNGYGSTQYIRFSPDFTFGFEESLEVDTNPLLGAGKFATDPAVTLAHELIHAGHRLYGIAINPNRVFKVNTNAYYEMSGLEVSFEELRTFGGHDAKFIDSLQENEFRLYYYNKFKDIASTLNKAKSIVGTTASLQYMKNVFKEKYLLSEDTSGKFSVDKLKFDKLYKMLTEIYTEDNFVKFFKVLNRKTYLNFDKAVFKINIVPKVNYTIYDGFNLRNTNLAANFNGQNTEINNMNFTKLKNFTGLFEFYKLLCVRGIITSKTKSLDKGYNKALNDLCIKVNNWDLFFSPSEDNFTNDLNKGEEITSDTNIEAAEENISLDLIQQYYLTFNFDNEPENISIENLSSDIIGQLELMPNIERFPNGKKYELDKYTMFHYLRAQEFEHGKSRIALTNSVNEALLNPSRVYTFFSSDYVKKVNKATEAAMFLGWVEQLVYDFTDETSEVSTTDKIADITIIIPYIGPALNIGNMLYKDDFVGALIFSGAVILLEFIPEIAIPVLGTFALVSYIANKVLTVQTIDNALSKRNEKWDEVYKYIVTNWLAKVNTQIDLIRKKMKEALENQAEATKAIINYQYNQYTEEEKNNINFNIDDLSSKLNESINKAMININKFLNQCSVSYLMNSMIPYGVKRLEDFDASLKDALLKYIYDNRGTLIGQVDRLKDKVNNTLSTDIPFQLSKYVDNQRLLSTFTEYIKNIINTSILNLRYESNHLIDLSRYASKINIGSKVNFDPIDKNQIQLFNLESSKIEVILKNAIVYNSMYENFSTSFWIRIPKYFNSISLNNEYTIINCMENNSGWKVSLNYGEIIWTLQDTQEIKQRVVFKYSQMINISDYINRWIFVTITNNRLNNSKIYINGRLIDQKPISNLGNIHASNNIMFKLDGCRDTHRYIWIKYFNLFDKELNEKEIKDLYDNQSNSGILKDFWGDYLQYDKPYYMLNLYDPNKYVDVNNVGIRGYMYLKGPRGSVMTTNIYLNSSLYRGTKFIIKKYASGNKDNIVRNNDRVYINVVVKRKEYRLATNASQAGVEKILSALEIPRVRRLSQVVVMKSKNDQGITNKCKMNLQDRRGNDIGFIGFHQFNNIAKLVASNWYNRQIERRSRRLGCSWEFIPVDDGWGERPL
配列番号11(改変BoNT/A「キメラ1」のポリペプチド配列)
MPFVNKQFNYKDPVNGVDIAYIKIPNAGQMQPVKAFKIHNKIWVIPERDTFTNPEEGDLN
PPPEAKQVPVSYYDSTYLSTDNEKDNYLKGVTKLFERIYSTDLGRMLLTSIVRGIPFWGG
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配列番号12(改変BoNT/A「キメラ2」のポリペプチド配列)
MPFVNKQFNYKDPVNGVDIAYIKIPNAGQMQPVKAFKIHNKIWVIPERDTFTNPEEGDLN
PPPEAKQVPVSYYDSTYLSTDNEKDNYLKGVTKLFERIYSTDLGRMLLTSIVRGIPFWGG
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VNTQIDLIRKKMKEALENQAEATKAIINYQYNQYTEEEKNNINFNIDDLSSKLNESINKA
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IGLIGIHRFYESGIVFEEYKDYFCISKWYLKEVKRKPYNLKLGCNWQFIPKDEGWTEHHH
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配列番号13(改変BoNT/A「キメラ3A」のポリペプチド配列)
MPFVNKQFNYKDPVNGVDIAYIKIPNAGQMQPVKAFKIHNKIWVIPERDTFTNPEEGDLN
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配列番号14(改変BoNT/A「キメラ3B」のポリペプチド配列)
MPFVNKQFNYKDPVNGVDIAYIKIPNAGQMQPVKAFKIHNKIWVIPERDTFTNPEEGDLNPPPEAKQVPVSYYDSTYLSTDNEKDNYLKGVTKLFERIYSTDLGRMLLTSIVRGIPFWGGSTIDTELKVIDTNCINVIQPDGSYRSEELNLVIIGPSADIIQFECKSFGHEVLNLTRNGYGSTQYIRFSPDFTFGFEESLEVDTNPLLGAGKFATDPAVTLAHELIHAGHRLYGIAINPNRVFKVNTNAYYEMSGLEVSFEELRTFGGHDAKFIDSLQENEFRLYYYNKFKDIASTLNKAKSIVGTTASLQYMKNVFKEKYLLSEDTSGKFSVDKLKFDKLYKMLTEIYTEDNFVKFFKVLNRKTYLNFDKAVFKINIVPKVNYTIYDGFNLRNTNLAANFNGQNTEINNMNFTKLKNFTGLFEFYKLLCVRGIITSKTKSLDKGYNKALNDLCIKVNNWDLFFSPSEDNFTNDLNKGEEITSDTNIEAAEENISLDLIQQYYLTFNFDNEPENISIENLSSDIIGQLELMPNIERFPNGKKYELDKYTMFHYLRAQEFEHGKSRIALTNSVNEALLNPSRVYTFFSSDYVKKVNKATEAAMFLGWVEQLVYDFTDETSEVSTTDKIADITIIIPYIGPALNIGNMLYKDDFVGALIFSGAVILLEFIPEIAIPVLGTFALVSYIANKVLTVQTIDNALSKRNEKWDEVYKYIVTNWLAKVNTQIDLIRKKMKEALENQAEATKAIINYQYNQYTEEEKNNINFNIDDLSSKLNESINKAMININKFLNQCSVSYLMNSMIPYGVKRLEDFDASLKDALLKYIYDNRGTLIGQVDRLKDKVNNTLSTDIPFQLSKYVDNQRLLSTFTEYIKNILNNIILNLRYKDNNLIDLSGYGAKVEVYDGVELNDKNQFKLTSSANSKIRVTQNQNIIFNSVFLDFSVSFWIRIPKYKNDGIQNYIHNEYTIINCMKNNSGWKISIRGNRIIWTLIDINGKTKSVFFEYNIREDISEYINRWFFVTITNNLNNAKIYINGKLESNTDIKDIREVIANGEIIFKLDGDIDRTQFIWMKYFSIFNTELSQSNIEERYKIQSYSEYLKDFWGNPLMYNKEYYMFNAGNKNSYIKLKKDSPVGEILTRSKYNQNSKYINYRDLYIGEKFIIRRKSNSQSINDDIVRKEDYIYLDFFNLNQEWRVYTYKYFKKEEMKLFLAPIYDSDEFYNTIQIKEYDEQPTYSCQLLFKKDEESTDEIGLIGIHRFYESGIVFEEYKDYFCISKWYLKEVKRKPYNLKLGCNWQFIPKDEGWTE
配列番号15(改変BoNT/A「キメラ3C」のポリペプチド配列)
MPFVNKQFNYKDPVNGVDIAYIKIPNAGQMQPVKAFKIHNKIWVIPERDTFTNPEEGDLN
PPPEAKQVPVSYYDSTYLSTDNEKDNYLKGVTKLFERIYSTDLGRMLLTSIVRGIPFWGG
STIDTELKVIDTNCINVIQPDGSYRSEELNLVIIGPSADIIQFECKSFGHEVLNLTRNGY
GSTQYIRFSPDFTFGFEESLEVDTNPLLGAGKFATDPAVTLAHELIHAGHRLYGIAINPN
RVFKVNTNAYYEMSGLEVSFEELRTFGGHDAKFIDSLQENEFRLYYYNKFKDIASTLNKA
KSIVGTTASLQYMKNVFKEKYLLSEDTSGKFSVDKLKFDKLYKMLTEIYTEDNFVKFFKV
LNRKTYLNFDKAVFKINIVPKVNYTIYDGFNLRNTNLAANFNGQNTEINNMNFTKLKNFT
GLFEFYKLLCVRGIITSKTKSLDKGYNKALNDLCIKVNNWDLFFSPSEDNFTNDLNKGEE
ITSDTNIEAAEENISLDLIQQYYLTFNFDNEPENISIENLSSDIIGQLELMPNIERFPNG
KKYELDKYTMFHYLRAQEFEHGKSRIALTNSVNEALLNPSRVYTFFSSDYVKKVNKATEA
AMFLGWVEQLVYDFTDETSEVSTTDKIADITIIIPYIGPALNIGNMLYKDDFVGALIFSG
AVILLEFIPEIAIPVLGTFALVSYIANKVLTVQTIDNALSKRNEKWDEVYKYIVTNWLAK
VNTQIDLIRKKMKEALENQAEATKAIINYQYNQYTEEEKNNINFNIDDLSSKLNESINKA
MININKFLNQCSVSYLMNSMIPYGVKRLEDFDASLKDALLKYIYDNRGTLIGQVDRLKDK
VNNTLSTDIPFQLSKYVDNQRLLSTFTEYIKNILNNIILNLRYKDNNLIDLSGYGAKVEV
YDGVELNDKNQFKLTSSANSKIRVTQNQNIIFNSVFLDFSVSFWIRIPKYKNDGIQNYIH
NEYTIINCMKNNSGWKISIRGNRIIWTLIDINGKTKSVFFEYNIREDISEYINRWFFVTI
TNNLNNAKIYINGKLESNTDIKDIREVIANGEIIFKLDGDIDRTQFIWMKYFSIFNTELS
QSNIEERYKIQSYSEYLKDFWGNPLMYNKEYYMFNAGNKNSYIKLKKDSPVGEILTRSKY
NQNSKYINYRDLYIGEKFIIRRKSNSQSINDDIVRKEDYIYLDFFNLNQEWRVYTYKYFK
KEEEKLFLAPISDSDEFYNTIQIKEYDEQPTYSCQLLFKKDEESTDEIGLIGIHRFYESG
IVFEEYKDYFCISKWYLKEVKRKPYNLKLGCNWQFIPKDEGWTE
配列番号16(BoNT/Bのポリペプチド配列)
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GIKVDDLPIVPNEKKFFMQSTDAIQAEELYTFGGQDPSIITPSTDKSIYDKVLQNFRGIV
DRLNKVLVCISDPNININIYKNKFKDKYKFVEDSEGKYSIDVESFDKLYKSLMFGFTETN
IAENYKIKTRASYFSDSLPPVKIKNLLDNEIYTIEEGFNISDKDMEKEYRGQNKAINKQA
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PVVGAFLLESYIDNKNKIIKTIDNALTKRNEKWSDMYGLIVAQWLSTVNTQFYTIKEGMY
KALNYQAQALEEIIKYRYNIYSEKEKSNINIDFNDINSKLNEGINQAIDNINNFINGCSV
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SIYTNDTILIEMFNKYNSEILNNIILNLRYKDNNLIDLSGYGAKVEVYDGVELNDKNQFK
LTSSANSKIRVTQNQNIIFNSVFLDFSVSFWIRIPKYKNDGIQNYIHNEYTIINCMKNNS
GWKISIRGNRIIWTLIDINGKTKSVFFEYNIREDISEYINRWFFVTITNNLNNAKIYING
KLESNTDIKDIREVIANGEIIFKLDGDIDRTQFIWMKYFSIFNTELSQSNIEERYKIQSY
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SDEFYNTIQIKEYDEQPTYSCQLLFKKDEESTDEIGLIGIHRFYESGIVFEEYKDYFCIS
KWYLKEVKRKPYNLKLGCNWQFIPKDEGWTE
【実施例
【0248】
実施例1
【0249】
クローニング、発現、および精製
【0250】
野生型BoNT/A(配列番号2)をコードするヌクレオチド配列配列番号1を変異させて次の置換を導入して、下の表1に示される4つのコンストラクトを形成した。
【表1】
【0251】
上の改変BoNT/A分子をコードするDNAコンストラクトを合成し、pJ401発現ベクターにクローニングし、それからBL21(DE3) E. coliに形質転換した。これはBL21(DE3) E. coliにおける組み換え体のCat-A、Cat-B、Cat-C、およびCat-D蛋白質の可溶性の過剰発現を許した。
【0252】
組み換え体の改変されたBoNTを古典的なクロマトグラフィー技術を用いてE. coliライセートから精製した。カチオン交換樹脂を用いる最初の精製ステップ、次に疎水性相互作用樹脂を用いる中間精製ステップを採用した。それから、組み換え体の改変されたBoNT一本鎖を蛋白質分解によって切断し、活性化された二本鎖の改変されたBoNTをもたらした。それから、残りのコンタミナントを除去するための最後の精製ステップを採用した。好適な技術はWO2015/166242、WO2017055274A1、EP2524963B1、EP2677029B1、およびUS10087432B2で教示されている。
【0253】
実施例2
【0254】
精製された改変BoNT/Aのキャラクタリゼーション
【0255】
上の実施例1に記載されている改変されたBoNTを次の通り実験的にキャラクタリゼーションした。
【0256】
pIの測定は、改変されたBoNTが未改変の(ネイティブな)BoNT/A1のものよりも多大な等電点を有するということを示した。下の図3および表2を見よ。
【表2】
【0257】
ニューロンに入りSNAP-25(BoNT/A1の標的)を切断する改変されたBoNTの能力を、ラット胚脊髄ニューロン(eSCN)を用いて評価した。図4は、改変されたBoNTがニューロンに入りSNAP-25を切断するネイティブなBoNT/A1と同じ能力を保持したということを示す。
【0258】
改変されたBoNTの力価を、マウス横隔神経半横隔膜アッセイ(mPNHD)を用いてさらに評価した。図5は、改変されたBoNTがマウス半横隔膜の収縮能力を阻害するネイティブなBoNT/A1と同じ能力を保持したということを示す。
【0259】
インビボマウス指外転(DAS)アッセイを用いて、ネイティブなBoNT/A1に対して相対的な力価および安全性を評価した。両方の分子(Cat-A[配列番号4]およびCat-B[配列番号6])は、ネイティブなBoNT/A1に対して、相対的に高い安全率を呈し、軽度に強力であった。これらのデータは下の表3で提示されている。
【表3】
【0260】
安全率は力価(半値指外転スコア(DAS))に対してのBoNT処置の負の効果(体重減少)の尺度である。それは-10%体重(BW)およびDAS ED50の間の比率として計算され、ここでは、-10%BWは体重の10%減少に要求されるBoNTの量(pg/動物)を言い、ED50は2のDASを生ずるであろうBoNTの量(pg/動物)を言う。
【0261】
DASアッセイは、マウス腓腹筋/ヒラメ筋複合体へのゼラチンリン酸緩衝液中に製剤された20μlの改変BoNT/Aの注射、次に、Aoki(Aoki KR, Toxicon 39: 1815-1820;2001)によって先に報告された通り指外転の評価によって行われる。
【0262】
実施例3
【0263】
BoNT/ABキメラのクローニング、発現、および精製
【0264】
BoNT/ABキメラコンストラクト1、2、3A、3B、および3C(それぞれ配列番号11から15)を、標準的な分子生物学技術を用いて、親の血清型の分子をコードするDNAおよび適当なオリゴヌクレオチドから構築した。それから、これらをC末端His10タグありまたはなしのpJ401発現ベクターにクローニングし、過剰発現のためのBLR(DE3) E. coli細胞に形質転換した。これらの細胞を、37℃かつ225RPM振盪において適当な抗生物質を補った1L改変テリフィックブロス(mTB)を含有する2Lバッフル付き三角フラスコ中で育てた。ひとたびA600が>0.5に達すると、インキュベータ温度を16℃まで減少させ、それから、1時間後に1mM IPTGによって20hに渡って225RPM振盪で誘導して、組み換え体のBoNT/ABコンストラクトを発現した。
【0265】
収穫された細胞を超音波処理によってリシスし、4500RPMの遠心によって1hに渡って4℃で清澄化した。それから、組み換え体のBoNT/ABキメラ分子を硫酸アンモニウムによって抽出し、標準的な高速蛋白質液体クロマトグラフィー(FPLC)技術によって精製した。これには、捕捉のための疎水性相互作用樹脂および中間精製ステップのためのアニオン交換樹脂を用いることが関わった。それから、部分精製された分子をエンドプロテイナーゼLys-Cによって蛋白質分解的に切断して、活性な二本鎖をもたらした。これを第2の疎水性相互作用樹脂によってさらに精製して、最後のBoNT/ABキメラを得た。
【0266】
デカヒスタジンタグ(H10)を有するBoNT/ABキメラ分子では(キメラ1、2、3A)、捕捉ステップは疎水性相互作用樹脂の代わりに固定されたニッケル樹脂の使用を採用した。
【0267】
各キメラの配列は表4で提示されている。
【表4】
【0268】
実施例4
【0269】
BoNT/ABキメラ1、2、および3Aの比較
【0270】
C末端His10タグおよびE1191M/S1199Y二重変異を有するBoNT/ABキメラ1、2、および3Aを、実施例3(図6)に記載されている通り精製し、機能活性について試験した。
【0271】
ラット脊髄ニューロンSNAP-25切断アッセイ
【0272】
ラット脊髄ニューロン(SCN)の初代培養を調製し、3週に渡って96ウェル組織培養プレート上で育てた(Masuyer et al., 2011, J. Struct. Biol. Structure and activity of a functional derivative of Clostridium botulinum neurotoxin B、およびChaddock et al., 2002, Protein Expr. Purif. Expression and purification of catalytically active, non-toxic endopeptidase derivatives of Clostridium botulinum toxin type Aに記載されている通り)。BoNT/ABの段階希釈をSCNフィード培地によって調製した。処置されるべきウェルからの成長培地を収集し、濾過した(0.2μmフィルター)。125μLの濾過された培地を各試験ウェルに再度追加した。それから、125μLの希釈された毒素をプレートに追加した(3重のウェル)。処置された細胞を37℃、10%CO2で24±1hに渡ってインキュベーションした)。
【0273】
SNAP-25切断アッセイを用いるBoNT活性の分析
【0274】
処置後に、BoNTを除去し、細胞をPBS(Gibco、UK)で1回洗浄した。細胞を、0.1Mジチオトレイトール(DTT)および250単位/mLベンゾナーゼ(Sigma)を補った1×NuPAGEリシス緩衝液(Life Technologies)によってリシスした。ライセート蛋白質をSDS-PAGEによって分離し、ニトロセルロース膜にトランスファーした。膜を、未切断のSNAP-25およびBoNT/Aエンドペプチダーゼによって切断されたSNAP-25を認識するSNAP-25に特異的な一次抗体(Sigma #S9684)によって探索した。用いられた二次抗体はHRPコンジュゲート化抗ウサギIgG(Sigma #A6154)であった。バンドを増強化学発光によって検出し、pXi6 Access(Synoptics、UK)を用いてイメージングした。バンドの強度をGeneToolsソフトウェア(Syngene、ケンブリッジ、UK)を用いて決定し、BoNTの各濃度で切断されたSNAP-25のパーセンテージを計算した。データを4パラメータロジスティック方程式に当てはめ、pEC50をGraphPad Prismバージョン6(GraphPad)を用いて計算した。
【0275】
下の表5は、ラットSCN SNAP-25切断アッセイにおいてキメラ1、2、および3Aについて決定されたpEC50値を提供する。これらの結果は、3つのBoNT/ABキメラがラット脊髄ニューロンに入りそれらの標的基質を切断する能力を保持したということを示す。しかしながら、キメラ3Aはこのアッセイではキメラ1および2よりも強力であった(図7をもまた見よ)。
【表5】
【0276】
指外転スコア付け(DAS)アッセイ
【0277】
DASアッセイにおいてBoNT/ABキメラ1、2、および3Aの活性を測定するための方法は、尾で手短にぶら下げられたときのマウスの驚愕反応足趾広げ反射に基づく。この反射は指外転スコア(DAS)としてスコア付けされ、後肢の足の腓腹筋-ヒラメ筋の筋肉へのBoNTの投与後に阻害される。マウスは特徴的な驚愕反応を誘発するために尾で手短にぶら下げられる。これにおいては、動物はその後肢を伸展し、その後肢指を外転する(Aoki et al. 1999, Eur. J. Neurol.;6 (suppl. 4) S3-S10)。
【0278】
注射の日に、マウスを酸素中のイソフルラン3%を受ける導入チャンバー内で麻酔した。各マウスはBoNT/ABキメラまたは基剤(0.2%ゼラチンを含有するリン酸緩衝液)の筋肉内注射を右後肢の足の腓腹筋-ヒラメ筋の筋肉に受けた。
【0279】
神経毒素注射後に、様々な度合いの指外転を、指外転および足伸展の0=正常および4=最大の縮減であるゼロから4のスケールでスコア付けした。ED50を、各用量における最大の効果の平均を用いて非線形調整分析によって決定した。用いられた数理モデルは4パラメータロジスティックモデルであった。
【0280】
DASを投薬後の第1日に2時間毎に行った。その後、それを4日に渡って1日3回行った。
【0281】
図8はキメラ1、2、および3A(それぞれ配列番号11、12、および13)の当てはめ曲線を示す。キメラ3A曲線は左にシフトし、より低い用量のキメラ3Aがキメラ1および2と比較して類似のDAS反応を達成したということを意味し、よって、キメラ3AがマウスDASアッセイにおいて他よりも強力であるということを示している。下の表(表6)をもまた見よ。これは、計算上のED50およびDAS 4(最も高いスコア)に至る用量の値を各キメラについて提供する。
【0282】
下の表6は、未改変の組み換え体のBoNT/A1(rBoNT/A1-配列番号2)ならびにキメラ1、2、および3AについてマウスDASアッセイにおいて決定されたED50およびDAS 4用量を提供する。これらの結果は、3つのキメラのうち、キメラ3Aが筋力低下を誘導することにおいて最も高いインビボ力価を有するということを示す。図8および表6に示されている研究はチャールズ・リバー・ラボラトリーズから得られたマウスで行った。
【表6】
【0283】
実施例5
【0284】
BoNT/ABキメラ3B、3C、および未改変のBoNT/A1の比較
【0285】
それぞれE1191M/S1199Y二重変異の存在ありまたはなしのタグなしBoNT/ABキメラ3Bおよび3C(配列番号14および15)を、実施例3(図9)に記載されている通り精製し、機能活性について試験した。未改変のBoNT/A(配列番号2)を参照として用いた。
【0286】
ヒト多能性幹細胞SNAP-25切断アッセイ
【0287】
凍結保存されたPERI.4U細胞をAxiogenesis(ケルン、ドイツ)から購入した。細胞の融解およびプレーティングを製造者によって推奨される通り行った。手短には、細胞を含有するクライオバイアルを2分の37℃の水浴によって融解した。穏やかな再懸濁後に、細胞を50mLチューブに移した。クライオバイアルを製造者によって供給された1mLのPeri.4U(登録商標)融解培地によって洗浄し、さらなる2mLのPeri.4U(登録商標)融解培地を50mLチューブに滴下することに先立って、培地を細胞懸濁液に50mLチューブに滴加した。それから、細胞をヘモサイトメーターを用いてカウントした。これの後に、さらなる6mLのPeri.4U(登録商標)融解培地を細胞懸濁液に追加した。細胞ペレットを室温での6分の260×g(例えば1,100RPM)の遠心によって得た。それから、細胞を製造者によって供給された完全Peri.4U(登録商標)培養培地に再懸濁した。細胞を、cm2あたり50,000から150,000細胞の密度で、ポリL-オルニチンおよびラミニンによってコーティングされた細胞培養プレートにプレーティングした。細胞を37℃で加湿CO2雰囲気において培養し、培地を培養の間に2~3日毎に完全に交換した。
【0288】
毒素処置のために、BoNTの段階希釈をPeri.4U(登録商標)培養培地によって調製した。処置されるべきウェルからの培地を収集し、濾過した(0.2μmフィルター)。125μLの濾過された培地を各試験ウェルに再度追加した。それから、125μLの希釈された毒素をプレートに追加した(3重のウェル)。処置された細胞を37℃、10%CO2で48±1hに渡ってインキュベーションした)。
【0289】
SNAP-25切断アッセイを用いるBoNT活性の分析
【0290】
処置後に、BoNTを除去し、細胞をPBS(Gibco、UK)で1回洗浄した。細胞を、0.1Mジチオトレイトール(DTT)および250単位/mLベンゾナーゼ(Sigma)を補った1×NuPAGEリシス緩衝液(Life Technologies)によってリシスした。ライセート蛋白質をSDS-PAGEによって分離し、ニトロセルロース膜にトランスファーした。膜を、未切断のSNAP-25およびBoNT/Aエンドペプチダーゼによって切断されたSNAP-25を認識するSNAP-25に特異的な一次抗体(Sigma #S9684)によって探索した。用いられた二次抗体はHRPコンジュゲート化抗ウサギIgG(Sigma #A6154)であった。バンドを増強化学発光によって検出し、pXi6 Access(Synoptics、UK)を用いてイメージングした。バンドの強度をGeneToolsソフトウェア(Syngene、ケンブリッジ、UK)を用いて決定し、BoNTの各濃度で切断されたSNAP-25のパーセンテージを計算した。データを4パラメータロジスティック方程式に当てはめ、pEC50をGraphPad Prismバージョン6(GraphPad)を用いて計算した。
【0291】
図10は、キメラ3Bおよび3Cがヒト人工多能性幹細胞においてSNAP-25を切断することにおいてrBoNT/A1よりも多大な力価を呈したが、前者は有意によりそうであったということを示す。これは、これらの細胞に存在するヒトシナプトタグミンII蛋白質受容体に対するキメラ3Bの親和性を増大させる二重変異によって説明され得る(図10、表7)。
【表7】
【0292】
指外転スコア付け(DAS)アッセイ-安全率
【0293】
DASアッセイにおいてBoNTの活性を測定するための方法は、尾で手短にぶら下げられたときのマウスの驚愕反応足趾広げ反射に基づく。この反射は指外転スコア(DAS)としてスコア付けされ、後肢の足の腓腹筋-ヒラメ筋の筋肉へのBoNTの投与後に阻害される。マウスは特徴的な驚愕反応を誘発するために尾で手短にぶら下げられる。これにおいては、動物はその後肢を伸展し、その後肢指を外転する(Aoki et al. 1999, Eur. J. Neurol.;6 (suppl. 4) S3-S10)。
【0294】
注射の日に、マウスを酸素中のイソフルラン3%を受ける導入チャンバー内で麻酔した。各マウスはBoNTまたは基剤(0.2%ゼラチンを含有するリン酸緩衝液)の筋肉内注射を右後肢の足の腓腹筋-ヒラメ筋に受けた。
【0295】
神経毒素注射後に、様々な度合いの指外転を、指外転および足伸展の0=正常および4=最大の縮減であるゼロから4のスケールでスコア付けした。ED50を、各用量における最大の効果の平均を用いて非線形調整分析によって決定した。用いられた数理モデルは4パラメータロジスティックモデルであった。
【0296】
DASを投薬後の第1日に2時間毎に行った。その後、それを全ての用量について4日に渡って1日3回行った。注射の最初の4日間に4のDASを誘導する最も低い用量および基剤を注射された群の動物は、その後、0のDAS(観察される筋力低下なし)への筋力低下の完全な回復までモニタリングされた。
【0297】
安全率の計算のために、全ての動物を毒素注射の前の日(D0)に、およびその後は研究の持続時間に渡って毎日1回秤量した。平均の体重、その標準偏差、および標準誤差の平均を各用量群について毎日計算した。BoNTの安全率(-10%ΔBW/ED50)を得るために、研究の間のいずれかの時間において、ある用量群の平均体重がその同じ用量群のD0における平均体重の10%よりも低い用量を、研究されたBoNTのED50によって除算した。致死量はその用量群の動物の1匹以上が死んだ用量として定義された。
【0298】
図11は、マウス指外転スコア付けアッセイにおける経時的な筋力低下の持続時間を未改変のBoNT/A、キメラ3B、およびキメラ3C(配列番号2、14、および15)について示し、キメラがより長い作用持続時間を有するということを示している。
【0299】
下の表8は、マウスDASアッセイにおいてrBoNT/A1ならびにキメラ3Bおよび3Cについて決定されたED50およびDAS 4用量を提供する。表は、0のDAS(観察される筋力低下なし)への筋力低下の完全な回復までのDAS 4用量の総計の作用持続時間をもまた提供する。加えて、表は、上の本文で定義される通り、マウス致死量および安全率(-10%ΔBW/ED50)を示す。rBoNT/A1と比較して、キメラ3Bおよび3Cは長い作用持続時間、良好な安全率、および高い致死量を有する。図11および表8に示されている研究はJanvier laboratoriesから得られたマウスで行われた。
【表8】
【0300】
実施例6
【0301】
改変BoNT/A(配列番号4)の前臨床試験
【0302】
改変BoNT/A「Cat-A」(配列番号4)を追加の前臨床試験に付した。
【0303】
材料および方法
【0304】
ラット指外転スコア(DAS)アッセイ
【0305】
インビボの筋肉活動に対する改変BoNT/A(配列番号4)の効果を評価するために、ラットDASアッセイを用いる用量反応研究を実施した。ラットDASアッセイは、動物が手短に掴まれたときの特徴的な驚愕反応の足趾広げ反射に基づく。左の腓骨筋複合体への単回神経毒素注射後に、筋力低下は指外転の縮減をもたらす。指外転の様々な度合いは以下の5点スケールでスコア付けされる: 指外転および足伸展の0=正常から4=最大の縮減(Broide RS, Rubino J, Nicholson GS, et al. The rat Digit Abduction Score (DAS) assay: A physiological model for assessing botulinum neurotoxin-induced skeletal muscle paralysis. Toxicon 2013;71:18-24)。DAS値を、毒素注射後の最初の連続5日に渡ってかつこれの後は2から3日のインターバルで、より低い用量では足趾広げ反射に対する改変BoNT/A(配列番号4)の効果の完全な消失まで、DAS4をもたらす用量ではDAS2への回復まで測定した。体重増加に対する一過的なBoNTによって誘導される用量依存的効果は、全身性の毒素効果の証拠と考えられる(Torii Y, Goto Y, Nakahira S, et al. Comparison of Systemic Toxicity between Botulinum Toxin Subtypes A1 and A2 in Mice and Rats. Basic Clin. Pharmacol. Toxicol. 2015;116:524-528.)。各評価時点において、ラットは最終的に秤量され、副作用が注記された。BoNTの投薬溶液は注射前にかつ研究の終わりまでマスキングされた(ランダムな文字を割り当てられた)。力価は効果の50%を誘導するために要求される用量として決定された(ED50:2のDAS値に至る用量)。ED50および95%信頼区間(CI)を決定するために、2.5および750pg/kgの間の範囲である用量を試験した。1、1.5、2、2.4、3、4、および5ng/kgというより高い用量をもまた投与して、可能な副作用を評価した。
【0306】
改変BoNT/A(配列番号4)の作用持続時間を評価し、それを未改変のBoNT/A(配列番号2)の作用持続時間と比較するために、2のDAS2読み取りまで戻るために必要なメジアン時間を、両方の毒素の最大耐用量(無処置のラットと比較して体重の発達に対するインパクトなし)について2つの独立した直接的なヘッド・トゥ・ヘッド研究において評価した。
【0307】
ラット単一用量研究
【0308】
ラットは、右腓腹筋に投与された0、0.1、1、および3ng/kgの用量において、改変BoNT/A(配列番号4)の単回筋肉内(i.m.)注射を受けた。対照動物は配列番号4希釈剤を右腓腹筋に受けた。動物は処置の7日後に(群あたり10匹の雄および10匹の雌)または13もしくは26週の観察期間後に(用量あたり5匹の雄および5匹の雌)安楽死させた。中枢神経系機能の評価のためのIrwin試験観察を試験前(第-1日)、第8日、ならびに第13および27週に行った。評価された他の臨床的(有害)徴候は、跛行、小さい毒素注射された筋肉サイズ、および軟かい膨満した腹部であった。
【0309】
サル研究
【0310】
サルは、右腓腹筋に投与された改変BoNT/A(配列番号4)の0、0.1、0.25、および0.75ng/kgの単回i.m.用量を受けた。動物は処置の7日後に(群あたり3匹の雄および3匹の雌)または13もしくは26週の観察期間後に(用量あたり2匹の雄および2匹の雌)安楽死させた。血行力学、心電図、および呼吸器パラメータを包含する心血管検査を、体外テレメトリーによって試験前、第8および15日に行った。
【0311】
妊娠ラットにおける予備的な拡充型EFD
【0312】
研究の目的は、器官形成の期間に渡ってi.m.経路によって投与されるときに、ラットの胚および胎児発生に対する改変BoNT/A(配列番号4)の効果についての最初の情報を提供することであった。改変BoNT/A(配列番号4)を、毎日のi.m.注射(腓腹筋)によって、0.02、0.05、および0.1ng/kg/日の用量レベルで、9匹の交配した雌スプラーグドーリーラットの群に、それらを含めて妊娠の第6(G6)から17(G17)日まで投与した。臨床的状態、体重、および食物消費は研究の間モニタリングされた。雌をG21に帝王切開検査に付し、胎仔パラメータを記録した。剖検時に、雌を肉眼検査し、妊娠子宮を秤量し、小さい注射された腓腹筋を提示したものでは、この筋肉および反対側の筋肉を秤量した。全ての胎児は秤量された。それから、胎児を外観および内臓異常について検査し、性別判定した。胎児のおよそ半分の頭部を連続切片化による内科的検査のために固定した。全ての胎児の内臓摘出された死骸を骨格検査のために処理した。
【0313】
妊娠ウサギにおける予備的な拡充型(extended)EFD
【0314】
研究の目的は、i.m.経路によって器官形成の期間に渡って投与されるときに、ウサギの胚および胎児発生に対する改変BoNT/A(配列番号4)の効果についての最初の情報を提供することであった。改変BoNT/A(配列番号4)を、毎日のi.m.注射(腓腹筋)によって、0.002、0.005、および0.01ng/kg/日の用量レベルで、9匹の交配した雌ニュージーランドホワイトウサギの群に、それらを含めて妊娠の第6(G6)から19(G19)日まで投与した。臨床的状態、体重、および食物消費は研究の間モニタリングされた。雌をG29に帝王切開検査に付し、胎仔パラメータを記録した。剖検時に、雌を肉眼検査し、妊娠子宮を秤量し、小さい注射された腓腹筋を提示したものでは、この筋肉および反対側の筋肉を秤量した。全ての胎児は秤量された。それから、胎児を外観および内臓異常について検査し、性別判定した。胎児のおよそ半分の頭部を連続切片化による内科的検査のために固定した。
【0315】
結果
【0316】
上で指示されている研究を実施することによって、次の薬理学的データ(下の表9に指示されている)が、改変BoNT/Aを投与されたいくつもの異なる種について得られた。
【表9】
【0317】
加えて、改変BoNT/A(配列番号4)をラットDASアッセイにおいて試験して、Dysport(登録商標)と比較されたときの作用持続時間を決定した。結果は下の表10で提示されている。
【表10】
【0318】
これらのデータは、改変BoNT/AがDysport(登録商標)のものの二倍よりも多い作用持続時間を有するということを示す。
【0319】
実施例7
【0320】
四肢痙縮を処置するための改変BoNT/A(配列番号4)の単位用量の計算
【0321】
上の実施例6で得られた前臨床薬理学データから判断して、ヒトにおける改変BoNT/Aの投与のための好適な単位用量範囲(UD)が計算された。研究は、改変BoNT/Aが未改変のBoNT/Aよりも長い作用持続時間を提供しながら、同時に改善された安全性プロファイルを見せるということを示している。この改善された安全性プロファイルは、改変BoNT/Aについて本明細書に記載される高い安全率によって表現され得る。
【0322】
改変BoNT/AはDysport(登録商標)と同じ作用機序を共有するので(その改変された特性を原因とする増大した安全率にもかかわらず)、痙縮を有する対象を処置するための改変BoNT/Aの最も低い用量は、その同じ筋肉群におけるDysport(登録商標)の添付文書の用量に対して相対的な文脈で(for context)位置付けられた。
【0323】
・指外転スコアラットモデルにおいて、改変BoNT/AのED50は13pg/kgであり、同じ動物種における1500pg/kgという推定無毒性量(NOAEL)よりも100倍超低い。同じラットモデルにおいて、Dysport(登録商標)のED50は0.5U/kgである。これらの動物データに基づくと、改変BoNT/Aの2.6ngの用量は、100U Dysport(登録商標)の用量と推定されるであろう。これは、上肢痙縮を有する成人対象において単一の痙縮性指屈曲筋を処置するための添付文書の範囲の最下限である。
【0324】
・腹腔内マウスLD50は8.44pgで確定された。これらの条件下では、改変BoNT/Aの0.84ngの用量は100U Dysport(登録商標)の用量に対応する。
【0325】
計算上の最も低い用量はそれゆえに500pg(0.5ng)である。いくらかの文脈を提供するために、上の腹腔内マウスLD50データを用いると、0.5ngの改変BoNT/Aはおよそ60U Dysport(登録商標)に等しく、それゆえに、四肢痙縮の処置のために筋肉内投与されるときに活性であろう。
【0326】
ラットにおける改変BoNT/Aの1.5ng/kgの推定NOAELは、60kgの体重のヒトでは90ng用量に対応する。試験された2つの非臨床種のより感受性の方のサルでは、改変BoNT/Aの0.125ng/kgの推定NOAELは、60kg体重のヒトでは7.5ng用量に対応する。
【0327】
それゆえに、単位用量の上限は7,500pg(7.5ng)であると計算される。なぜなら、これはヒト用量に翻訳されたラットNOAELよりも下に留まるからである。
【0328】
それゆえに、改変BoNT/Aを用いる四肢痙縮の処置のための好適な単位用量は500~7500pgと計算された。得られた前臨床データに基づくと、これは、マウス腹腔内致死量アッセイを用いて決定されるマウスにおける計算上の腹腔内半致死量(LD50)に基づく改変BoNT/Aの59~889単位である(かつDysport(登録商標)の59~889単位にもまた対応する)。
【0329】
実施例6の前臨床データによって決定されるDysport(登録商標)と比較されたときの改善された安全性プロファイルから判断して、四肢痙縮を処置することにおいて投与される総用量(単位による)は、Dysport(登録商標)のものよりもほぼ10×多大であることが予想される。成人の上下肢痙縮の処置のためのDysport(登録商標)の最大の総用量は1500単位である(図2を見よ)。
【0330】
有利には、改変BoNT/Aは、四肢痙縮の処置において、最大用量に達する前に、より多大な数の筋肉に注射され得る。これは、より多大な範囲の処置オプションを臨床医に提供しながら四肢痙縮の改善された処置に至る有意なかつ有利な知見である。初めて、それは、肩のものなどの追加の大きい筋肉を処置しながら、肘、前腕、および/または手首をもまた最大用量以内で良く処置することができるというオプションをもまた提供する。
【0331】
実施例8
【0332】
成人の上肢痙縮を処置するための用量レジメン
【0333】
改変BoNT/A(例えば配列番号4)は、バイアルあたり15ngの改変BoNT/Aを含有する2mL透明ガラスバイアル中の凍結乾燥粉末として提供される。凍結乾燥粉末は、無菌塩化ナトリウム0.9%v/w保存料不含溶液および希釈剤(改変BoNT/Aの賦形剤のみを含有する製剤緩衝液)の混合物によって再構成される。再構成後に、溶液は必要に応じてさらに希釈される。
【0334】
単位用量(UD)は500~7,500pg(59~889単位)である。
【0335】
成人の上肢痙縮は次の用量レジメン(表11)に従って筋肉内注射によって処置される。
【表11】
【0336】
投与される最大の総用量は15×UDである。これは112,500pg/13,335単位に対応する。これは、毒性限度に近づくこと(従来の処置レジメンの懸念)なしに、成人の上肢痙縮の処置において投与され得るDysport(登録商標)の最大の総用量よりも10×超多大である。それゆえに、15×UDが毒性のいずれかの懸念なしに投与され、それによって肩を包含する対象の追加の筋肉の処置を許し得るおよび/または各筋肉が薬学的に有効な用量を受けることを保証し得るという知識によって、臨床医は処置を患者に合わせて仕立てることができる。
【0337】
実施例9
【0338】
成人の下肢痙縮を処置するための用量レジメン
【0339】
改変BoNT/A(例えば配列番号4)が、バイアルあたり15ngの改変BoNT/Aを含有する2mL透明ガラスバイアル中の凍結乾燥粉末として提供される。凍結乾燥粉末は、無菌塩化ナトリウム0.9%v/w保存料不含溶液および希釈剤(改変BoNT/Aの賦形剤のみを含有する製剤緩衝液)の混合物によって再構成される。再構成後に、溶液は必要に応じてさらに希釈される。
【0340】
単位用量(UD)は500~7,500pg(59~889単位)である。
【0341】
成人の下肢痙縮は次の用量レジメン(表12)に従って筋肉内注射によって処置される。
【表12】
【0342】
投与される最大の総用量は15×UDである。これは112,500pg/13,335単位に対応する。これは、毒性限度に近づくこと(従来の処置レジメンの懸念)なしに、成人の上肢痙縮の処置において投与され得るDysport(登録商標)の最大の総用量よりもほぼ10×多大である。それゆえに、15×UDが毒性のいずれかの懸念なしに投与され、それによって、対象の追加の筋肉の処置を許し得るおよび/または各筋肉が薬学的に有効な用量を受けることを保証し得るという知識によって、臨床医は処置を患者に合わせて仕立てることができる。
【0343】
実施例10
【0344】
BoNT/ABキメラ(配列番号14)のさらなるキャラクタリゼーション
【0345】
BoNT/ABキメラ配列番号14をマウスLD50アッセイにおいて試験し、1.202ng/kgの結果をもたらした。よって、配列番号14の1単位はこのアッセイでは24.04pgに対応する。
【0346】
加えて、前記BoNT/ABキメラをラットDASアッセイにおいて試験して、Dysport(登録商標)と比較されるときの作用持続時間を決定した(実施例6に従う)。結果は下の表13で提示されている。
【表13】
【0347】
結論として、BoNT/ABの作用持続時間はDysport(登録商標)よりもかなり高く、配列番号4のものに類似であった。それゆえに、配列番号4の単位用量および用量レジメンは、類似にBoNT/ABに適用されて四肢痙縮の改善された処置を提供し得るということが予想される。
【0348】
実施例11
【0349】
四肢痙縮を処置するための改変BoNT/A(配列番号14)の単位用量の計算
【0350】
前臨床薬理学データから判断して、ヒトにおける改変BoNT/Aの投与のための好適な単位用量範囲(UD)が計算された。
【0351】
13pg/kgというDAS ED50が配列番号14について計算された。ED50は最小の薬理活性な用量と考えられ、これは同じ動物種における4ng/kgという無毒性量(NOAEL)よりもおよそ300倍低い。ラットにおける配列番号14の13pg/kgというED50は、60kgの体重のヒトでは0.8ng用量に対応する。
【0352】
それゆえに、1000pgという単位用量の下限が選択された。16,000pgという単位用量の上限が選択された。これは、60kgの体重のヒトの用量に変換された両方の非臨床安全性種(ラットおよびサル)からの4ng/kgのNOAELよりも低い。
【0353】
改善された安全性プロファイルから判断して、四肢痙縮の処置のための最大の総用量は240,000pgに設定された。これは、60kgの体重のヒトの用量に変換された両方の非臨床安全性種(ラットおよびサル)からの4ng/kgのNOAELに由来する。
【0354】
有利には、改変BoNT/A(配列番号14)は、四肢痙縮の処置において、最大用量に達する前に、より多大な数の筋肉に注射され得る。これは、より多大な範囲の処置オプションを臨床医に提供しながら四肢痙縮の改善された処置に至る有意なかつ有利な知見である。初めて、それは、肩のものなどの追加の大きい筋肉を処置しながら、肘、前腕、および/または手首をもまた最大用量以内で良く処置することができるというオプションをもまた提供する。
【0355】
実施例12
【0356】
改変BoNT/A(配列番号14)を用いて成人の上肢痙縮を処置するための用量レジメン
【0357】
改変BoNT/Aが、バイアルあたり36ngの改変BoNT/Aを含有するバイアル中の凍結乾燥粉末として提供される。凍結乾燥粉末は再構成される。
【0358】
単位用量(UD)は1000~16,000pg(42~666単位[マウスLD50によって測定])である。
【0359】
成人の上肢痙縮は次の用量レジメン(表14)に従って筋肉内注射によって処置される。
【表14】
【0360】
投与される最大の総用量は15×UDである。これは240,000pg/9,990単位に対応する。それゆえに、15×UDが毒性のいずれかの懸念なしに投与され、それによって、肩を包含する対象の追加の筋肉の処置を許し得るおよび/または各筋肉が薬学的に有効な用量を受けることを保証し得るという知識によって、臨床医は処置を患者に合わせて仕立てることができる。
【0361】
実施例13
【0362】
改変BoNT/A(配列番号14)を用いて成人の下肢痙縮を処置するための用量レジメン
【0363】
改変BoNT/Aが、バイアルあたり36ngの改変BoNT/Aを含有するバイアル中の凍結乾燥粉末として提供される。凍結乾燥粉末は再構成される。
【0364】
単位用量(UD)は1000~16,000pg(42~666単位)である。
【0365】
成人の下肢痙縮は次の用量レジメン(表15)に従って筋肉内注射によって処置される。
【表15】
【0366】
投与される最大の総用量は15×UDである。これは240,000pg/9,990単位に対応する。それゆえに、15×UDが毒性のいずれかの懸念なしに投与されて、それによって、対象の追加の筋肉の処置を許し得るおよび/または各筋肉が薬学的に有効な用量を受けることを保証し得るという知識によって、臨床医は処置を患者に合わせて仕立てることができる。
【0367】
上の明細書において挙げられている全ての公開は参照によって本明細書に組み込まれる。本発明の記載される方法および系の種々の改変およびバリエーションは、本発明の範囲および趣旨から外れることなしに当業者には明らかであろう。本発明は具体的な好ましい実施形態とのつながりで記載されたが、請求される本発明はかかる具体的な実施形態に不当に限定されるべきではないということは理解されるべきである。実際に、生化学およびバイオテクノロジーまたは関係する分野の業者には自明である本発明を実施するための記載されたモードの種々の改変は、次の請求項の範囲内であることが意図される。
【符号の説明】
【0368】
[図1]
Upper limb spasticity patterns. Note: All five upper limb patterns could be combined with any spastic hand and finger position (e.g. claw, spastic flexed, intrinsic lumbrical): 上肢痙縮パターン。注: 全ての5つの上肢パターンは任意の痙縮の手および指の位置(例えば、かぎ爪、痙縮の、屈曲した内在筋、虫様筋)と組み合わせられ得る。
Shoulder: 肩
Elbow: 肘
Forearm: 前腕
Wrist: 手首
Internal rotation/adduction: 内旋/内転
Flexion: 屈曲
Supination: 回外
Extension: 伸展
Neutral: 中間
Pronation: 回内
retroversion: 後捻
[図2]
Indication: 適応症
Recommended Concentration: 推奨濃度
Recommended DYSPORT Dose: 推奨DYSPORT用量
Spasticity: 痙縮
Adults: 成人
Units: 単位
Upper Limb: 上肢
500 Units to 1000 Units: 500単位から1000単位
Lower Limb: 下肢
1000 Units to 1500 Units: 1000単位から1500単位
Maximum total dose per treatment session: 処置セッションあたりの最大の総用量
[図3]
Marker: マーカー
[図4A,B,C]
SNAP-25 cleavage: SNAP-25切断
Basal: 基底
[図4D]
mean: 平均
units: 単位
less potent: 強力でない
[図5]
min: 分
Batch: バッチ
mean: 平均
sem: 平均値の標準誤差
[図6]
Marker: マーカー
SEQ ID NO: 配列番号
[図7]
SNAP-25 cleavage: SNAP-25切断
in rat spinal cord neurones: ラット脊髄ニューロンにおいて
SEQ ID NO: 配列番号
[図8]
Mean: 平均
Dose: 用量
mouse: マウス
SEQ ID NO: 配列番号
[図9]
Marker: マーカー
SEQ ID NO: 配列番号
[図10]
SNAP-25 cleavage: SNAP-25切断
in human pluripotent stem cells: ヒト多能性幹細胞において
SEQ ID NO: 配列番号
[図11]
SEQ ID NO: 配列番号
Time: 時間
day: 日
図1
図2
図3
図4AB
図4CD
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【配列表】
2023517724000001.app
【国際調査報告】